JP2007007514A - 循環水水質制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水質汚染の懸念が無く、長期間に渡り循環水系の微生物繁殖及び微生物皮膜(バイオフィルムまたはヌメリ)形成を抑制すると共に、その制御時電気化学的に電極表面から発生する酸素、水素ガス等を抑制し、pH等の水質変化を制御する循環水水質制御方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1枚以上の導電性基材から成る2つの導電性基材群間に通電し、一方の導電性基材群A5を構成する導電性基材表面において直接/間接接触により該導電性基材表面近傍に存在する水生生物の制菌を行うとともに、他方の導電性基材群B6を構成する導電性基材表面において有機・無機物質を吸着/分解/変性させることにより水質制御を行う方法であって、前記導電性基材群A5を構成する導電性基材の面積に対する前記導電性基材群B6を構成する導電性基材の面積の比率が少なくとも通電時には常に3以上となる様に、各導電性基材を振り分ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、2つの導電性基材群間に通電することにより、循環する水中の生物を制菌したり、異物、ごみ等の有機・無機物質を吸着/分解/変性し、水質を制御し、且つ電気分解による電極からの酸素、水素ガス等の発生を抑制した循環水水質制御方法に関する。
循環水とは、水道水やその再処理された水、海水であれば設備内に誘導される冷却水など、産業上使用される水である。特に、閉鎖型循環水とは風呂水、水槽水など、一定期間にわたり本発明で提供する方法により同一の水が循環し制御される様な水である。
また、これらの循環水が流れる流路全体を循環水系という。
循環水系には多くの微生物が含まれ、水生生物の排泄物を栄養とし繁殖している。微生物の繁殖により循環水の濁り、悪臭が生じるため、フィルター等の物理的手段や塩素系の薬物投与等の化学的手段による循環水の浄化が必要とされていた。さらに循環水に接している壁面には生物が付着するので循環水を交換する際に同時に壁面の洗浄を行い、大変な労力を費やしていた。
特に、循環水を用いた飼育用水槽の場合、飼育している生物によって水質を安定に維持する必要があるため、水質のチェックを行っていた。この作業においても薬剤投与、循環水の交換等、微生物由来による汚れ除去と同様に大変な経費、労力を費やしていた。
上記問題を解決して循環水系の水質を維持するために、従来、特開2003−52275に示されるように、飼育している生物にとって有害な窒素化合物を分解するとともに、殺菌性を有する塩素化学物質を発生させて水槽中の微生物の繁殖を抑制したり、特開2003−97に示されるようにpHの監視を行いながら循環水の電解で発生した殺菌性の塩素化合物による微生物の繁殖の抑制を行ったりしていた。しかし、これらの方法は有害物質の発生による水槽中の有益な生物への影響等の懸念がある。また、特許1488357に示されるように電源に接続した電極にガスを発生させ短時間に強制的に炭酸カルシウム等を析出させ水質改善させる制御をおこなっていた。しかし、この方法においては発生したガスが過剰にもしくは一定の箇所に集まった場合、危険である。また、大量のガス発生のよりpH等の水質変化が生じ、さらにガスが水溶液に溶解して、飼育している生物に悪影響を及ぼす可能性が懸念される。
特開2003−52275号公報 特開2003−97号公報 特許1488357
本発明は、水質汚染の懸念が無く、長期間に渡り循環水系の微生物繁殖及び微生物皮膜(バイオフィルムまたはヌメリ)形成を抑制すると共に、水槽中の水質の濁り、悪臭を防止し、水槽のこれらの洗浄作業の低減や、水質としての無機塩濃度や有機物を吸着、分解、変性することにより複合的に循環水の水質を制御でき、且つ、その制御時電気化学的に電極表面から発生する酸素、水素ガス等を抑制し、pH等の水質変化を制御する循環水水質制御方法を課題とする。
少なくとも1枚以上の導電性基材から成る2つの導電性基材群間に通電し、一方の導電性基材群Aを構成する導電性基材表面において直接/間接接触により該導電性基材表面近傍に存在する水生生物の制菌を行うとともに、他方の導電性基材群Bを構成する導電性基材表面において有機・無機物質を吸着/分解/変性させることにより水質制御を行う方法おいて、前記導電性基材群Aを構成する導電性基材の面積に対する前記導電性基材群Bを構成する導電性基材の面積の比率が少なくとも通電時には常に3以上となる様に、各導電性基材を前記導電性基材群Aと前記導電性基材群Bとに振り分けることを特徴とする循環水水質制御方法を第1の要旨とし、前記導電性基材群Bを構成する導電性基材の表面電位を、水素ガス発生電位未満に制御することを特徴とする請求項1に記載の循環水水質制御方法を第2の要旨とする。
本発明に係る循環水水質制御方法は、循環水系の循環水経路中の少なくともその一部に互いに短絡しない様に2つの導電性基材群を設け、これらの導電性基材群を構成する各導電性基材を電極となるよう配置すると共に、電源により導電性基材群間に通電することによって、導電性基材表面における微生物の制菌や水分解反応を伴って導電性基材群を構成する各導電性基材近傍に存在する微生物の制菌および水質の調整(有機・無機物質の吸着/分解/変性)を行い、微生物の繁殖が抑制され、長期的に微生物皮膜(バイオフィルムまたはヌメリ)形成抑制効果が得られる。また、負極として通電された導電性基材群Bを構成する各導電性基材では、循環水中に存在する無機塩類が吸着除去されるため、水道水などの真水では、軟水化できるなどの水質制御効果も期待できる。また、電気分解による電極からの酸素、水素ガス等の発生を抑制することで、発生したガスが過剰にもしくは一定の箇所に集まったり、水溶液に溶解したりして、飼育している生物に及ぼす悪影響を無くすことができる。
さらに、循環水系の循環水経路内に存在する有機物を、正極として通電された導電性基材群Aを構成する各導電性基材で酸化分解し、負極でアルカリ変性することにより、既存設備での除去機能精度を向上し、水の濁り、悪臭を防止し、循環水系の循環水経路での洗浄作業を低減できる。
循環水系の循環経路内であれば、導電性基材の設置場所は特に限定されない。循環水系の循環経路内においては、水質に影響を及ぼす異物やごみ、排泄物が多く存在し、これらをろ過するフィルターが設置されている。このフィルターの少なくとも一部を導電性基材としたり、又はフィルターの一部に導電性基材を設置しても良いし、水路内の一部に循環水と接触するように設置されればよい。さらに、本願発明の方法が電気化学的反応とその構成を効率よく使用するものであるから、循環水の流速がある程度安定的な場所に設置することが反応速度の均一性を向上し希望する微生物制御、無機物質の吸着、再放出による水質調節、有機物の分解変性などの量的要求を総合的に制御できるので好ましい。
導電性基材には、用途に適した種々の形状のものが存在する。板状や柱型から、空孔を有するハニカム型、メッシュ型、更には板状に穿孔を施したもの(例えば、パンチングメタル、エキスパンドメタルもしくはラス板等)等様々なものが存在する。場合によっては複合形状のものも存在する。導電性基材の空孔形状としては、網目、格子等特に制限されない。網目、格子又は穿孔の大きさは縦寸法1mm〜10mm、横寸法1mm〜10mmが好しい。
本発明で用いる導電性基材は、金属やその酸化物、樹脂、無機材料からなり、電極としての構造を維持する機能を有するものであれば特に限定されない。その場合、金属やその酸化物などの導電性材料を用いても良いし、樹脂などの非導電性材料を基盤として、その表面にメッキ、溶射などで防汚用の皮膜を形成して導電性を付与して用いても良い。また、全体が導電性材料から形成されていてもよいが、少なくとも防汚面たる導電性基材表面の一部及び/又は全部の水中に浸漬している部分の表面が導電性であり、通電可能であることが必要である。
導電性基材の材料中、金属やその酸化物の例としては、鉄、アルミニウム、銅、チタンおよびそれらの合金、ステンレス、貴金属及びその酸化物などが挙げられる。特に、耐食性に優れたチタン、タンタル、ニオブ等のバルブ金属が好ましい。樹脂材料の例としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ナイロン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネイト、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、繊維強化プラスチック(FRP)等が挙げられる。無機材料の例としては、ガラス、アルミナ、ジルコニア、セメント等が挙げられる。
導電性基材として金属を用いる場合、海水電解用電極や酸素発生電極などを製造する際に、一般的に用いられる定法に従って導電性物質の微粒子で被覆したり、積層して用いることができる。被覆及び積層する際には、導電性基材の母材との密着性を高める等の考慮が必要である。
また、導電性基材の基盤として樹脂、無機材料などの非導電性材料を用いる場合、導電性物質の微粒子を材料に充填することにより導電性を付与し用いればよい。
導電性物質の微粒子の例としては、グラファイト、カーボンブラック、カーボン繊維からなる短繊維などの炭素微粒子、金、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、それらの合金または酸化物、チタン、ニオブ、タンタル等のバルブ金属またはその酸化物及び酸化マンガン、酸化コバルト、酸化スズ、酸化アンチモンなどの酸化物の微粒子、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化バナジウム、窒化タンタル、窒化ニオブ、窒化クロム等の金属窒化物、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化バナジウム、炭化ニオブ、炭化タンタル、炭化クロム、炭化モリブデン、炭化タングステン等の金属炭化物、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム、ホウ化ハーフニウム、ホウ化バナジウム、ホウ化ニオブ、ホウ化タンタル、ホウ化クロム、ホウ化モリブデン、ホウ化タングステン等の金属ホウ化物、ケイ化チタン、ケイ化ジルコニウム、ケイ化ニオブ、ケイ化タンタル、ケイ化バナジウム、ケイ化タングステン等の金属ケイ化物などの微粒子が挙げられる。
さらに、長期間の防汚を目的とした本発明においては、被防汚面となる導電性基材表面に各種電位印加を行っても排除できない殺菌された微生物、有機物及びスケールが付着することがあり、これらを導電性基材の交換などのコストを掛けずに、再活性化させて長期間の防汚効果を再現させるために、必要最小限の塩素化合物及びラジカル発生機能を有する物質として、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、それらの合金または酸化物、チタン、ニオブ、タンタル等のバルブ金属酸化物及び酸化マンガン、酸化コバルト、酸化スズ、酸化アンチモンなどの酸化物を単一金属酸化物、複合金属酸化物や複合金属酸化物として導電性基材表面に存在させることが好ましい。また、これらの素材をそのまま、もしくは成形して使用することも可能である。
また、上記金属酸化物の微粒子をバインダー樹脂に充填、分散させた導電性組成物を、前記非導電性材料製基盤表面に被覆して導電性を付与してもよい。バインダー樹脂の例としては、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル−ウレタン樹脂、ポリエステル−ウレタン樹脂、シリコン−ウレタン樹脂、シリコン−アクリル樹脂、エポキシ樹脂や、熱硬化型のメラミン−アルキッド樹脂、メラミン−アクリル樹脂、メラミン−ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂などの樹脂、または天然ゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、ニトリルブチレンゴム、ポリエチレンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリプロピレンエラストマー等のゴム弾性材料が挙げられる。導電性組成物は、導電性シートを形成して非導電性基盤上に接着剤を介して積層したり、塗膜層として形成してもよい。
上記の導電性物質の微粒子の他に、生物の細胞と電極との電子移動反応を促進する作用を有する特定の化合物を添加してもよい。すなわち、微生物と電極との電子移動を媒介する電子メディエータを導電性材料と共に使用することによって、より効率的に水生生物の殺菌を行うことができる。電子メディエータの例としては、フェロセン、フェロセンモノカルボン酸、フェロセンジカルボン酸または、〔(トリメチルアミン)メチル〕フェロセン等のフェロセンおよびその誘導体、HFe(CN)、KFe(CN)、NaFe(CN)等のフェロシアン類、2,6−ジクロロフェノールインドール、フェナンジンメトサルフェート、ベンゾキノン、フタロシアニン、ブリリアントクレジルブルー、カロシアニン、レゾルシン、チオニン、N,N−ジメチル−ジスルフォネイティド・チオニン、ニューメチレンブルー、トブシンブルーO、サフラニン−O、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール、ベンジルビオロゲン、アリザリンブリリアントブルー、フェノシアジノン、フェナジンエトサルフェート等が挙げられる。
この様な電子メディエータを担持した導電性基材としてはフェロセン修飾電極を挙げることができる。ちなみに、フェロセン修飾カーボン電極を用いて、海洋付着細菌ビブリオ・アルギノリチクスからの酸化ピーク電流を確認すると、0.3VvsSCEにてピーク電流が確認され、0.4VvsSCEで殺菌することができる。
また、抗菌性を有する材料を添加してもよい。抗菌性を有する物質は、無機物に属するものと有機物に属するものとがある。
無機物としては、銀、銅、ニッケル、亜鉛、鉛、ゲルマニウム等の金属およびこれらの酸化物、酸素酸塩、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、有機キレート化合物などが挙げられる。
有機物としては、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、4,5,6,7−テトラクロル−2−トリフルオロメチルベンズイミダゾール、10,10’−オキシスフェノキシアルシン、トリメトキシシリル−プロピルオクタデシルアンモニウムクロライド、2−N−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛などが挙げられる。
さらに、導電性基材の一部又は全部が、少なくともチタン、チタン合金及びそれらの酸化物や白金及び/又は金属酸化物から選ばれた単一金属酸化物又は混合金属酸化物又は複合金属酸化物からなるものを使用してもよい。このような導電性基材に電位を印加することにより、水や海水から酸素や塩素の発生の無い正電位を印加することにより、導電性基材表面に直接または間接的に接触する水生生物を殺菌し、増殖を抑制すると共に、導電性基材表面に直接または間接的に接触する水生生物の殺菌及びスケールなどの有機物の脱離洗浄、また導電性基材を再活性化させることができる。
電解液が海水の場合には、塩素過電圧が酸素過電圧より低い正電位となるように、少なくともチタン、チタン合金及びそれらの酸化物や白金及び/又は金属酸化物から選ばれた単一金属酸化物又は混合金属酸化物又は複合金属酸化物を構成することが好ましい。また、電解液が塩素化合物を含まない水の場合には、酸素過電圧が、微生物との直接電子移動反応が起こる電位との間に電位差が認められる正電位となるように、白金及び/又は金属酸化物から選ばれた単一金属酸化物又は混合金属酸化物又は複合金属酸化物を構成することが好ましい。導電性基材の基盤上に上記の物質を導電性膜となしたものも好ましく用いられる。
この導電性膜は、金属又はその化合物から構成でき、具体的には、白金族金属、バルブ金属及びそれらの酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属ホウ化物、金属ケイ化物の何れかから構成することができる。特に、金属酸化物が、酸化チタン、酸化ロジウム、酸化パラジウム、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化スズおよび酸化アンチモン、酸化ニオブ、酸化タンタル及び酸化ジルコニウムから選ばれた少なくとも1種又は2種以上から構成されることが好ましい。
導電性膜を形成するに当たっては、溶射やスパッタリング、イオンプレーティングなどの方法を採用することができる。
金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属ホウ化物、金属ケイ化物については既に記載してあるが、記載した材料はその一部であり、形成方法によっては2種類以上の金属が含まれたり、酸化物の一部が含まれたり、さらにはこれらの化合物が2種以上混合されたり、導電性基材の素材自身が空気酸化や陽極酸化されることから、特に限定はされない。これらの金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属ホウ化物、金属ケイ化物は0.01μm以上の厚さの膜が好ましい。最大の厚さは特に限定しないが、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属ホウ化物、金属ケイ化物の形成方法や使用目的により適宜設定すればよい。
導電性基材が電気化学的に溶解や腐食する材料、例えば、鉄やアルミニウム、銅、亜鉛、マグネシウムおよびそれらの合金、ステンレス等の金属材料からなる場合では、該金属材料と接水面に形成された導電層との間に、絶縁性樹脂塗膜層や絶縁性樹脂フィルム層、アルミナ、チタニア酸化ケイ素などの絶縁無機物層、またはチタン、ニオブ、タンタル等のバルブ金属などを設けておくことで耐食性が向上し好ましい。これらの材料からなる層は、1種又は2種以上の多層として形成されてあってもよい。
特に、導電性基材が、バルブ金属であるチタンの様に高温や常温で空気酸化されたものや、電解反応により陽極酸化されたものは、耐食性導電性材料として使用できる。また、耐食性導電性基材と、該耐食性導電性基材の表面の一部又は全部に多孔質白金からなる、又は、前記多孔質白金と該多孔質白金に3次元的に担持された金属酸化物とからなる被覆層とよりなるもの、及び、導電性基材が、耐食性導電性基材と、該耐食性導電性基材の表面が部分的に露出する程度に分散被覆された白金と、少なくとも耐食性導電性基材表面の露出部分を被覆する少なくとも1種以上の金属酸化物及び/又はバルブ金属酸化物の少なくとも1種以上からなる混合金属酸化物とからなる中間層と、貴金属酸化物とバルブ金属酸化物から選ばれた少なくとも1種以上の金属酸化物からなる混合金属酸化物層から構成された外層とよりなるものも好ましい。
導電性基材の形状は特に限定されるものではなく、水生生物を効率よく吸着して直接または間接的に接触し、定電流通電時には定電流を任意に設定し通電できるもの、または電位を付与でき、電気化学的に水が分解されない負電位もしくは正電位を印加する工程が実施できるものであればよい。
上記導電性基材は、リード線により電源と出力制御装置に接続されている。この電源と出力制御装置は、導電性基材と対となる電極との間に直流を通電する装置であって、極性が変換できる機能を有しているものである。
ポテンショスタット又はガルバノスタットを用いて導電性基材に定電位の印加や定電流を流すこともできる。使用できるポテンショスタット、ガルバノスタットとしては、導電性基材に、予め定められた電位を印加できるものや、定電流を流すことのできるものであれば特に限定されない。特に、直流電源装置に電圧の制御または電流の制御およびそのタイミングの制御手段を付加したもので実施することが好ましい。
上記構成以外、必要に応じて参照極を用いることもできる。
参照極は、電気化学反応が進む導電性部材の電位を測るときに基準とするものであって、参照極と導電性基材の電位差を計測し、電源によって導電性基材の電位を適正に補正するものである。
従って、予め通電状態において参照極と導電性基材の電位差を計測しておけば、水質を調整するための通電条件を知ることができるので、循環水系内に参照極を常設しなくてもよい。
参照極は、参照電極表面で電極反応が可逆で電解液中のある化学種とNernstの平衡電位式に従って応答し、その電位は時間に対して安定で、微少電流が流れてもすぐ最初の電位に戻り、温度変化も一定の温度になれば一定の電位を出すもの、といったものを用いる。例えば水素電極(NHE、RHE、白金黒電極)、カロメル電極(SCE)、銀・塩化銀電極(Ag/AgCl)、硫酸第一水銀電極、酸化水銀電極などが挙げられる。
上記循環水水質制御装置において、電源及び出力制御装置を一体化することもできる。一体化することにより、電源及び出力制御装置を循環水系と別体で設置する場合の、電源及び出力制御装置の設置場所、及びそれらと循環水系とを電気的に接続するリード線の取り扱いといった問題点を克服できる。また、電源を電池とすることで、電源の確保といった問題も克服できる。
循環水水質制御装置に電源及び出力制御装置を一体化するには、電源として電池を使用し、出力制御装置を実装した出力制御基板を含めて循環水水質制御装置に組み込む。そのためには、出力制御基板及び電池を納める部分を防水構造にする必要がある。電池は交換できる方が好ましいので、少なくとも電池を出し入れできる防水構造の蓋付きの開口部を設置する方がよい。それには、例えばゴムパッキングとネジ込みを併用してもよい。出力制御基板は同様の空間に納めてもよいし、シーリング材などを使用して封入してもよく、電池と同様蓋を開けてアクセスすることができるようにしてもよいし、取り替えたり触れたりできないようになっていてもよい。電池と出力制御基板、及び出力制御基板と導電性基材との間はリード線などで電気的に接続する必要がある。
上記、電池電源として循環水水質制御装置に組み込んで使用する出力制御装置は、循環水水質制御装置と別体として設置してAC電源を使用する場合と、構成上、AC電源を整流する必要があったり、電源電圧が多少異なったりするなどの差異がある。それ以外の出力制御の部分に関しては、すべての要素を納めるべき容積の制限に違いがある可能性はあるが、構成的には基本的に同一である。出力制御を実行するに当たって、すべてをアナログ回路によって構成し、一定電圧もしくは一定電流を印加するようにすることが可能であるし、プロセッサとアンプを組み合わせて、同様に一定電圧もしくは一定電流を印加するようにすることが可能である。プロセッサに搭載するプログラムによって、電圧もしくは電流を一定時間のみ印加したり、印加する電圧もしくは電流を変化させたりといった複雑な出力制御を実行することが可能となる。また、参照極を用いる構成の場合、導電性基材の電位を計測し、それに基づいたフィードバック制御を行うことも容易である。
本発明により利用できる循環水は、特に限定されない。例えば、海水、河川の水、湖沼の水、水道水、飲料水、水生生物水槽水、または各種緩衝液などが挙げられる。また、対象となる生物も、それらの水中に存在する生物であれば特に限定されるものではない。さらに、微生物の死骸から放出される有機物や水中に混在する無機塩など、水中に存在するものであれば、特段の限定の必要はない。
次に制御条件について説明する。2つの導電性基材群間に通電する制御形態としては、定電圧制御や定電流制御を行うことができる。
定電流の制御条件は以下の通りである。
定電流により水質を調整するためには、50mA以上の電流値が有効で、水質により適宜電流値を調節することが好ましい。また、導電性基材の材質や形状及び導電性基材の維持状態の目的により適宜電流値の設定を変更することができる。一般的には、1A以下でよい。好ましくは、水分解反応を伴うことを利用して、制菌効果の発現を期待する場合には、100mA以上1A以下が好ましい。また、それぞれの通電時間は、目的によってそれぞれ適宜選択して制御することができる。負電流の電流値についても、導電性基材材料により水質制御効果と導電材料の還元化とにより適宜選択し使用することが好ましい。
また、定電圧の制御条件は以下の通りである。
定電圧により水質を調整するためには、導電性基材に正電位を印加すると、導電性基材表面に付着した微生物は電気化学的に殺菌される。印加する正電位は、被防汚導電性基材により適宜選択すれば良く、好ましい電位は、+0Vvs.SCE以上、より好ましくは+0.8Vvs.SCE以上である。印加する電位が+0Vvs.SCE未満では微生物を殺菌することができない。また、+1.5Vvs.SCEを越えた電位を長時間印加すると、導電性基材の劣化が起きたり、導電性基材の組成物によっては水が電気化学的に分解され、水素や酸素が生成することがあるので導電性基材の種類により適宜選択することが必要である。さらに、上記正電位を印加してなる殺菌工程の後、印加した正電位を、負電位に変更すると導電性基材に付着した生物、その他の細胞、殺菌された生物の細胞および/またはその破壊物や有機物を脱離することができる。印加する負電位は、適宜選択すればよい。上記正電位を印加してなる殺菌工程と、負電位を印加してなる脱離工程とは周期的に変化させるが、周期、即ち、正電位及び負電位の維持時間は、本装置を取り付ける環境に応じて適宜設定すれば良い。
また、本発明において、導電性基材表面より電気化学反応で酸素、水素ガス等が発生しない様に抑制するために以下の条件が必要である。
導電性基材の面積比率は、少なくとも通電時において常に、水生生物の制菌を行う導電性基材群Aを構成する導電性基材の面積が1に対して、有機・無機物質を吸着/分解/変性させる導電性基材群Bを構成する導電性基材の面積は3以上必要である。
さらに、導電性基材にカーボン等の電極抵抗値が高い材料を用いた場合、有機・無機物質を吸着/分解/変性させる導電性基材群Bを構成する導電性基材が、表面電位が水素ガス発生電位未満であり、該導電性基材の電流密度が2.86A/m以下であることが好ましい。
また、本発明の制御条件下でのpHの変動値は±0.1であるが、この変動値は、制御期間1ヶ月以内で変動がない。また、少なくとも3時間の間に変動がない。
各電極での反応は、正極では微生物を酸化反応により吸着・殺菌したり、有機物の分子的電荷量が負である物質の吸着と分解、無機物質でれば負に荷電した塩素イオンなどが吸着酸化され次亜塩素イオンや塩素に酸化されたりする。また、負極では、水素生成や、電極表面pHのアルカリ化に伴う有機物質の変性分解やカルシウムやマグネシウムイオンなどの無機物質の吸着・付着による軟水化などの反応が起こる。
また、上記反応により制御した水質要素物質を電極の極性を相互に変化することで、循環水中に再放出して、水質制御することができる。その制御には極性の変換時間や反応量として電流量の調整比率を適宜選択することが好ましい。
(実施例1)
図1に構成を示す循環水水質制御装置の一例における、本発明の一実施例である循環水水質制御方法を以下に述べる。図1に示される循環水系水槽1は、水生生物を収容した懸濁液水槽を示す。この、循環水系水槽1には、ポンプ2を介装した配管3が接続されている。この循環水系水槽1には、チタン製エキスパンドメタル(厚さ1mm、網目縦寸法(SW)3mm、網目横寸法(LW)6mm)で作成した導電性基材群Aを構成する導電性基材5(寸法20×200mm:表面積約66cm)と、市販されている線径1.7mmの鉄製針金(亜鉛メッキ被覆)、内径40mmの螺旋形状にした導電性基材群Bを構成する導電性基材6が設置されている。
この導電性基材5は6の螺旋形状内部に接触しないように隔膜(図示せず)を介して設置した。
また、導電性基材5には以下のような処理を施した。
チタン基材をアルコールで洗浄後、20℃の8重量%弗化水素水溶液中で2分間処理した後、水洗し乾燥した。
次いで市販のチタン粉末とパラジウム粉末をそれぞれ65:35(重量比)となるように計量した粉体250gをV型混合機で1時間混合した。直径10mmの穴を10ヶ有するカーボン型ダイスに混合粉末を24gづつ各々の穴に充填し、両端をカーボン製パンチにて固定し、住友石炭鉱業(株)製放電プラズマ焼結機(DR.SINTER)内の所定の位置に設置し、約350kgf/cm、パルス印加電圧4V、パルス印加電流3500A、焼結温度800℃、焼結時間5分の条件にて焼結した。その後表面研磨を行い約φ10mmで長さ50mmの65重量%チタン−パラジウム(以下、Ti−Pdと記載する)放電被覆用電極を得た。
次いで、酸化皮膜を除去したチタン基板を陰極とし、65重量%Ti−Pd電極を使用してアルゴン置換したグローブボックス中で放電被覆加工を10分間行った。その後、放電加工を行ったチタン基材をファインカッターにてt1×10×10mmに切断した。放電加工を行ったチタン基材の表面を蛍光X線分析計により、放電電極との比較成分分析を行ったところ、放電電極成分であるチタンとパラジウムの合金が被覆されていることが確認された。また、エレクトロプローブマイクロアナライザー(以下、EPMAと記載する)にて、断面の元素分析を行ったところ、このチタンとパラジウム合金層の厚さは30〜50ミクロンであった。
塩化イリジウム酸のブタノール溶液と塩化タンタルのエタノール溶液を混合し、イリジウム(Ir)4.6g/リットル及びタンタル(Ta)50.0g/リットル(モル混合比:8Ir−92Ta)を含有する塗布液を調製し、マイクロピペットで1cm2当たり3.0マイクロリットル秤量し、それを上記の様にして作製したチタンとパラジウム合金層を形成したチタン基板の合金層上に塗布した後、室温で30分間真空乾燥させ、更に500℃の大気中で10分間焼成した。この工程を3回繰り返した。
次に外層を得るため、塩化イリジウム酸のブタノール溶液と塩化タンタルのエタノール溶液を混合し、イリジウム(Ir)50.0g/リットル及びタンタル(Ta)20.2g/リットル(モル混合比:70Ir−30Ta)を含有する塗布液を調製した後、この塗布液を用いて前記と同様の工程を8回繰り返して導電性基材とした。
このように作製した導電性基材5、6を、循環水系水槽1中に設置した。図1において導電性基材5、6及び参照極7を配置し、出力制御装置8及び電源(図示せず)に接続した。循環水系水槽1に循環水2lを循環水量200ml/minで循環させ導電性基材5、6に以下に示す制御条件で3時間通電し、本実施例の効果を確認した。
制御条件1:50mA常時通電
制御条件2:100mA常時通電
制御条件3:150mA常時通電
制御条件4:200mA常時通電
但し、導電性基材6は表面積が以下に示す値になる様に切断し、それぞれの表面積にて、上記それぞれの制御条件にて実施した。
表面積条件1:210cm
表面積条件2:351cm
表面積条件3:190cm
本試験において、正極としての導電性基材群Aを構成する導電性基材5及び負極としての導電性基材群Bを構成する導電性基材6からガスの発生の有無を目視で確認した結果を、表1に示す。導電性基材5に対する導電性基材6の面積比が3以上である表面積条件1及び2においてはガスの発生は認められなかった、若しくは認められても極僅かであった。また、循環水のpHの変動も±0.1以内であった。しかし、面積比が3以下の表面積条件3においてはガスの発生を抑制することは出来なかった。さらに、pHの変動も±0.1以上であった。
Figure 2007007514
(有機・無機物質を吸着/分解/変性し水質を調整する効果の確認)
また、制菌効果を発現する正極上での反応とともに制御する陰極での有機・無機物質を吸着/変性し水質を調整する効果を確認するため、負極表面に吸着回収された無機物質の種類を確認した。負極側に析出させた物質は、白色であり、X線元素分析(日本電子(株)製JED−2100のEDS使用)により元素分析を行ったところ、マグネシウム、カルシウムが主たる成分として検出された。
これより本実験において循環水系の水の硬度の指標となる無機物質が除去されたことにより循環水の硬度は低下し、軟水化することが確認できた。
表1の結果より、本発明の循環水水質制御方法は、直接/間接接触により近傍に存在する水生生物の制菌を行う導電性基材群Aを構成する導電性基材の面積に対する有機・無機物質を吸着/分解/変性させる導電性基材群Bを構成する導電性基材の面積比率を3以上にすることにより、制御時電気化学的に電極表面から発生する酸素、水素ガス等を抑制し、循環水の軟水化効果を有することが確認された。
(実施例2)
図2に構成を示す循環水水質制御装置の一例における、本発明の一実施例である循環水水質制御方法を以下に述べる。図2に示される循環水系水槽1は、水生生物を収容した懸濁液水槽を示す。この、循環水系水槽1には、ポンプ2を介装した配管3が接続されている。この循環水系水槽1には、実施例1と同様に処理したチタン製エキスパンドメタル(厚さ1mm、網目縦寸法(SW)3mm、網目横寸法(LW)6mm)で作成した導電性基材群A及びBを構成する10枚の導電性基材9a〜j(1枚の寸法20×200mm:表面積約66cm)が設置されている。
この導電性基材9a〜jを、循環水系水槽1中に設置した。図2において導電性基材9a〜j及び参照極7を配置し、出力制御装置8及び電源(図示せず)に接続した。循環水系水槽1に循環水2lを循環水量200ml/minで循環させ、導電性基材9a〜jに以下に示す制御条件で3時間通電し、本実施例の効果を確認した。
制御条件5:50mA、60分間を1サイクルとして通電
制御条件6:100mA、60分間を1サイクルとして通電
制御条件7:150mA、60分間を1サイクルとして通電
制御条件8:200mA、60分間を1サイクルとして通電
但し、導電性基材9a〜jは、正極としての導電性基材群Aを構成する導電性基材と負極としての導電性基材群Bを構成する導電性基材とに、表面積比率が以下に示す値になる様に振り分け、それぞれの表面積比率にて、上記それぞれの制御条件にて実施した。制御条件のサイクル毎に、表面積比率は変えずに、各導電性基材を順次、導電性基材群Aを構成する導電性基材と導電性基材群Bを構成する導電性基材とに振り分け直して試験を実施した。
表面積比率条件1 導電性基材群A:導電性基材群B=1:9
表面積比率条件2 導電性基材群A:導電性基材群B=2:8
表面積比率条件3 導電性基材群A:導電性基材群B=3:7
本試験において、正極としての導電性基材群Aを構成する導電性基材及び負極としての導電性基材群Bを構成する導電性基材からガスの発生の有無を目視で確認した結果を、表2に示す。導電性基材群Aを構成する導電性基材の面積に対する導電性基材群Bを構成する導電性基材の面積の比率が3以上である表面積比率条件1及び2においてはガスの発生は認められなかった、若しくは認められても極僅かであった。また、循環水のpHの変動も±0.1以内であった。しかし、面積比率が3以下の表面積比率条件3においてはガスの発生を抑制することは出来ず、pHの変動も±0.1以上であった。
Figure 2007007514
表2の結果より、導電性基材の面積比率は陽極対陰極が1対3以上にすることにより、制御時電気化学的に電極表面から発生する酸素、水素ガス等を抑制し、軟水化効果を有することが確認された。
(実施例3)
導電性基材5にカーボン電極を用いた以外は、実施例1と全く同様にして本実施例の効果を確認した。
本試験において、正極としての導電性基材群Aを構成する導電性基材5及び負極としての導電性基材群Bを構成する導電性基材6からガスの発生の有無を目視で確認した結果を、表3に示す。導電性基材5に対する導電性基材6の面積比が3以上である表面積条件1及び2においてはガスの発生は認められなかった、若しくは認められても極僅かであった。また、循環水のpHの変動も±0.1以内であった。しかし、面積比が3以下の表面積条件3においてはガスの発生を抑制することは出来ず、pHの変動も±0.1以上であった。
Figure 2007007514
表3の結果より、本発明の循環水水質制御方法は、直接/間接接触により近傍に存在する水生生物の制菌を行う導電性基材群Aを構成する導電性基材の面積に対する有機・無機物質を吸着/分解/変性させる導電性基材群Bを構成する導電性基材の面積比率を3以上にすることにより、制御時電気化学的に電極表面から発生する酸素、水素ガス等を抑制し、循環水の軟水化効果を有することが確認された。また、本実施例においては、導電性基材群Bを構成する導電性基材の電位は−1.4Vvs.Ag/AgCl以下であり、さらに、電流値は、2.86A/m以下であったため水素ガス発生を抑制できた。また、pHの変動も±0.1以内であった。
(実施例4)
本発明の実施例を実施するために用いた、循環水水質制御装置の構成を図3に示す。
図3に示される循環水系水槽1は、水生生物を収容した淡水を充填した水槽(容量55l)を示す。この、循環水系水槽1にはポンプ2を介装した配管3を介して制菌槽4が接続されている。この制菌槽4には、実施例1と同様に処理したチタン製エキスパンドメタル(厚さ1mm、網目縦寸法(SW)3mm、網目横寸法(LW)6mm)で作成した導電性基材群Aを構成する導電性基材5(寸法40×200mm:表面積約132cm)と、市販されている線径1.7mmの鉄製針金(亜鉛メッキ被覆)で表面積条件1(420cm)に成る様に切断し、内径50mmの螺旋形状にした導電性基材群Bを構成する導電性基材6が設置されている。この導電性基材5は6の螺旋形状内部に接触しないように隔膜を介して設置した。
図3において導電性基材5、6及び参照極7を配置し、出力制御装置8及び電源(図示せず)に接続した。
上記閉鎖型循環水制御装置の循環水系水槽1に循環水を循環水量10l/minで循環させ導電性基材5、6を以下に示す制御条件で通電しながら1ヶ月間試験を実施し、本実施例の効果を確認した。
制御条件2:100mA常時通電
(比較例1)
実施例3に用いたと同型の循環水系水槽1に、循環水を循環水量10l/minで循環させ導電性基材5、6に通電を行わず1ヶ月間試験を実施した。
上記実施例4及び比較例1の試験結果の確認は、水槽内の緑色微生物の減衰を目視判定して行った。さらに通電を行った循環水系の循環水を観測時に採取しpH測定を行った。さらに、テトラジャパン(株)社製テトラテストKHを用いて水質の硬度を測定した。
その結果、通電を行った本発明の循環水水質制御方法は、制菌効果を有し、pHの変動がなく、且つ陰極には、アルカリ性白色析出物(マグネシウム、カルシウムを主成分とする)の吸着回収が目視により確認できた。さらに硬度が初期より低下したことより水槽内の水質が軟水化されていることが確認された。
本発明の実施例に用いた循環水水質制御装置の構成図 本発明の実施例に用いた循環水水質制御装置の構成図 本発明の実施例に用いた循環水水質制御装置の構成図
符号の説明
1 循環水系水槽
2 ポンプ
3 配管
4 制菌槽
5 導電性基材
6 導電性基材
7 参照極
8 出力制御装置
9a〜j 導電性基材

Claims (2)

  1. 少なくとも1枚以上の導電性基材から成る2つの導電性基材群間に通電し、一方の導電性基材群Aを構成する導電性基材表面において直接/間接接触により該導電性基材表面近傍に存在する水生生物の制菌を行うとともに、他方の導電性基材群Bを構成する導電性基材表面において有機・無機物質を吸着/分解/変性させることにより水質制御を行う方法おいて、前記導電性基材群Aを構成する導電性基材の面積に対する前記導電性基材群Bを構成する導電性基材の面積の比率が少なくとも通電時には常に3以上となる様に、各導電性基材を前記導電性基材群Aと前記導電性基材群Bとに振り分けることを特徴とする循環水水質制御方法。
  2. 前記導電性基材群Bを構成する導電性基材の表面電位を、水素ガス発生電位未満に制御することを特徴とする請求項1に記載の循環水水質制御方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014127466A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Kazuhiro Hayashi 電解液中の電極間の物質移動過程は電圧印加で促進
JP2022037235A (ja) * 2020-12-22 2022-03-08 株式会社キーエンス 超音波流量スイッチ
JP2022092023A (ja) * 2020-12-22 2022-06-21 株式会社キーエンス 超音波流量スイッチ

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