JP2007005775A - 半導体装置およびその作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶表示装置やEL発光装置などの半導体装置において、今後のさらなる高精細化(画素数の増大)、小型化に伴う各表示画素ピッチの微細化、及び画素部を駆動する駆動回路の集積化を進められるように、複数の素子を限られた面積に形成し、素子が占める面積を縮小して集積することを課題とする。
【解決手段】回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスクまたはレチクルをゲート電極形成用のフォトリソグラフィ工程に適用して複雑なゲート電極を形成する。また、マスクを変更するだけで、工程数を増やすことなく、同一基板上に上記マルチゲート構造であるトップゲート型TFTとシングルゲート構造であるトップゲート型TFTを形成することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は薄膜トランジスタ(以下、TFTという)で構成された回路を有する半導体装置およびその作製方法に関する。例えば、液晶表示パネルに代表される電気光学装置や有機発光素子を有する発光表示装置を部品として搭載した電子機器に関する。
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
近年、絶縁表面を有する基板上に形成された半導体薄膜(厚さ数〜数百nm程度)を用いて薄膜トランジスタ(TFT)を構成する技術が注目されている。薄膜トランジスタはICや電気光学装置のような電子デバイスに広く応用され、特に画像表示装置のスイッチング素子として開発が急がれている。
特に、マトリクス状に配置された表示画素毎にTFTからなるスイッチング素子を設けたアクティブマトリクス型の表示装置(液晶表示装置や発光表示装置)が盛んに開発されている。
アクティブマトリクス型の表示装置においては、画素部において有効画面領域を広げる開発が進められている。有効画面領域の面積を大きくするには画素部に配置されるTFT(画素TFT)の占める面積をできるだけ小さくする必要に迫られている。また、製造コストの低減を図るために駆動回路を画素部と同一基板上に作り込む開発も進められている。中でも、ポリシリコン膜を用いたTFTは、アモルファスシリコン膜を用いたTFTよりも電界効果移動度が高いので高速動作が可能である。
表示装置に搭載されるモジュールには、機能ブロックごとに画像表示を行う画素部や、CMOS回路を基本としたシフトレジスタ回路、レベルシフタ回路、バッファ回路、サンプリング回路などの画素部を制御するための駆動回路が一枚の基板上に形成される。
同一基板上に駆動回路と画素部を形成した場合、駆動回路をTAB方式で実装したものと比べて、額縁部と呼ばれる画素領域以外の領域が占める面積が大きくなる傾向がある。額縁部の面積を小さくするために、駆動回路を構成する回路規模を小さくする必要にも迫られている。
特に、有機発光素子(EL素子)をマトリクス状に配置した発光表示装置においては、1つの画素に役割の異なる複数のTFTが必要とされている。また、液晶表示装置においても、1つの画素にスイッチング用のTFTとSRAMなどの記憶素子とを形成する試みがなされている。また、同一基板上に画素部と駆動回路とを形成する場合においても、できるだけ小型化することが望まれている。
特許文献1には、EL表示装置において、マルチゲート構造(直列に接続された2つ以上のチャネル形成領域を有する半導体層を活性層とする構造)のTFTを用いることが記載されている。
また、特許文献2には、回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスク或いはレチクルをゲート電極形成用フォトリソグラフィ工程に適用したTFT作製工程が記載されている。
また、特許文献3には、異なる導電材料からなる2層構造を有するゲート電極であって、ゲート電極の下層である第1層は、ゲート電極の第2層よりも電極幅が広く、第1層の一部を通過させて半導体層にドーピングを行うTFT作製工程が記載されている。
特開2001−51622 特開2002−151523 特開2002−203862
本発明は、動作性能および信頼性の高い回路を備えた半導体装置を提供することを課題とする。そして、半導体装置の信頼性を向上させることにより、それを備える電子機器の信頼性を向上させることを課題とする。また、半導体装置の作製工程の単純化を図り、製造コストの低減も課題とする。
また、本発明は、液晶表示装置に代表される電気光学装置、EL素子を有する発光装置、ならびに半導体装置において、今後のさらなる高精細化(画素数の増大)、小型化に伴う各表示画素ピッチの微細化、及び画素部を駆動する駆動回路の集積化を進められるように、複数の素子を限られた面積に形成し、素子が占める面積を縮小して集積することを課題とする。そして、電気光学装置や発光装置の画質を向上させる、或いは様々な回路を集積化して小型化を図ることにより、それを備える電子機器の品質を向上させることを課題とする。
本発明は、オフ電流値が低く、且つ、ホットキャリア注入による劣化を抑制する新規なマルチゲート構造のTFTを提供する。なお、オフ電流値とは、トランジスタをスイッチング素子とした場合、非選択時(オフ状態時)に電荷がもれてしまいトランジスタを通じて流れる電流の値のことである。
具体的には、二つのチャネル形成領域を有するダブルゲート型のトランジスタの場合、トランジスタのチャネル長を含み、且つ、基板主平面と垂直な面で切断した断面構造において、ゲート電極の中央部及び両端部に位置する電極厚さを薄くした構造とする。さらにゲート絶縁膜を介してゲート電極の薄い部分と重なる半導体層には、n型またはp型を付与する不純物元素を添加して、不純物領域を設けることで互いに離間配置された3つの不純物領域を形成する。なお、3つの各不純物領域の間にはチャネル形成領域が配置される。ゲート電極の厚い部分が、中央部を挟んで2箇所設けられており、一方のゲート電極の厚い部分とゲート絶縁膜を介して重なっている第1のチャネル形成領域(チャネル長L1)と、もう一方のゲート電極の厚い部分とゲート絶縁膜を介して重なっている第2のチャネル形成領域(チャネル長L2)とが設けられている。
また、ゲート電極の外側に位置する半導体層にソース領域とドレイン領域とを設けている。また、ゲート電極およびゲート絶縁膜上方には層間絶縁膜が設けられる。また、層間絶縁膜上にソース配線が設けられ、ソース領域に達するコンタクトホールを介してソース領域とソース配線が電気的に接続する。また、同様に層間絶縁膜上にドレイン配線が設けられ、ドレイン領域に達するコンタクトホールを介してドレイン領域とドレイン配線が電気的に接続する。
また、本発明は、二つのチャネル形成領域を有するダブルゲート型のトランジスタに限定されず、同一基板上にチャネル形成領域の数の異なる複数種類のマルチゲート構造のTFTを作製することができる。また、工程数を増加することなく、同一基板上にダブルゲート型のトランジスタやシングルゲート型のトランジスタを設けることができる。従って、最適な構造のトランジスタを割り当てて様々な回路を構成することができる。
本発明は、画素部にマルチゲート構造のトランジスタを配置する場合に有効であり、画素部においてマルチゲート構造のトランジスタが占める面積を縮小して集積することができる。また、有効画像表示面積を十分に確保することができ、高精細化が可能となる。
また、同一基板上に駆動回路と画素部を形成した場合、駆動回路をTAB方式で実装したものと比べて、額縁部と呼ばれる画素領域以外の領域が占める面積が大きくなる傾向がある。
本発明は、画素部を駆動する駆動回路の一部にマルチゲート構造のトランジスタを配置する場合にも有効であり、駆動回路が占める面積を縮小して集積することができる。本発明により、額縁部の縮小化(狭額縁化)が可能となる。
本明細書で開示する発明の構成は、絶縁表面を有する基板上方に、直列に接続された二つ以上のチャネル形成領域を有する半導体層と、前記半導体層上方にゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に導電層の積層からなるゲート電極とを有し、前記半導体層は、ソース領域と、ドレイン領域と、ソース領域とドレイン領域との間に第1のチャネル形成領域及び第2のチャネル形成領域と、第1のチャネル形成領域と第2のチャネル形成領域の間に中間不純物領域とを有し、ゲート電極の積層の一つを構成する第1の導電層は、第1のチャネル形成領域、中間不純物領域、及び第2のチャネル形成領域と少なくとも重なり、ゲート電極の積層の一つを構成する第2の導電層は、第1の導電層上に接し、且つ、前記第1のチャネル形成領域と重なり、ゲート電極の積層の一つを構成する第3の導電層は、第1の導電層上に接し、且つ、前記第2の導電層とは離間配置されて前記第2のチャネル形成領域と重なることを特徴とする半導体装置である。
また、上記構成において、前記第2の導電層と前記第3の導電層は、同じ材料であることを特徴の一つとしている。
また、上記各構成において、前記第1の導電層と前記第2の導電層は、異なる材料であることを特徴の一つとしている。
また、上記各構成において、前記第1の導電層は、第1のチャネル形成領域の幅と、第2のチャネル形成領域の幅と、中間不純物領域の幅とを合計した値よりも大きい幅を有することを特徴の一つとしている。
また、上記各構成において、前記第2の導電層の幅は、第1のチャネル形成領域の幅と同一であることを特徴の一つとしている。
また、上記各構成において、前記第3の導電層の幅は、第2のチャネル形成領域の幅と同一であることを特徴の一つとしている。
また、上記各構成において、前記第1の導電層の膜厚は、前記第2の導電層及び前記第3の導電層よりも薄いことを特徴の一つとしている。
また、上記各構成において、前記ソース領域、および前記ドレイン領域は、第1の導電層の外側に位置することを特徴の一つとしている。
また、他の発明の構成は、絶縁表面を有する基板上方に、直列に接続された二つ以上のチャネル形成領域を有する半導体層と、前記半導体層上方にゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に導電層の積層からなるゲート電極とを有し、前記半導体層は、一対の高濃度不純物領域と、一対の高濃度不純物領域の間に第1のチャネル形成領域及び第2のチャネル形成領域と、一方の高濃度不純物領域と第1のチャネル形成領域との間に第1の低濃度不純物領域と、もう一方の高濃度不純物領域と第2のチャネル形成領域との間に第2の低濃度不純物領域と、第1のチャネル形成領域と第2のチャネル形成領域の間に中間不純物領域とを有し、ゲート電極の積層の一つを構成する第1の導電層は、第1の低濃度不純物領域、第1のチャネル形成領域、中間不純物領域、第2の低濃度不純物領域、及び第2のチャネル形成領域と少なくとも重なり、ゲート電極の積層の一つを構成する第2の導電層は、第1の導電層上に接し、且つ、前記第1のチャネル形成領域と重なり、ゲート電極の積層の一つを構成する第3の導電層は、第1の導電層上に接し、且つ、前記第2の導電層とは離間配置されて前記第2のチャネル形成領域と重なることを特徴とする半導体装置である。
また、上記構成において、第1の低濃度不純物領域と第2の低濃度不純物領域は、同じ濃度でn型またはp型の不純物元素を含むことを特徴の一つとしている。
また、上記構成において、前記中間不純物領域は、第1の低濃度不純物領域または第2の低濃度不純物領域と同じ濃度でn型またはp型の不純物元素を含むことを特徴の一つとしている。
また、上記構成において、第1の低濃度不純物領域の幅と、第2の低濃度不純物領域の幅は同じであることを特徴の一つとしている。
また、上記構成において、前記第2の導電層と前記第3の導電層は、同じ材料であることを特徴の一つとしている。
また、上記構成において、前記第1の導電層と前記第2の導電層は、異なる材料であることを特徴の一つとしている。
また、上記構成において、前記第1の導電層は、第1のチャネル形成領域の幅と、第2のチャネル形成領域の幅と、中間不純物領域の幅と第1の低濃度不純物領域の幅と、第2の低濃度不純物領域の幅と、を合計した幅を有することを特徴の一つとしている。
また、上記構成において、前記第2の導電層の幅は、第1のチャネル形成領域の幅と同一であることを特徴の一つとしている。
また、上記構成において、前記第3の導電層の幅は、第2のチャネル形成領域の幅と同一であることを特徴の一つとしている。
また、上記構成において、前記第1の導電層の膜厚は、前記第2の導電層及び前記第3の導電層よりも薄いことを特徴の一つとしている。
また、上記構成において、前記一対の高濃度不純物領域は、第1の導電層の外側に位置することを特徴の一つとしている。
また、上記構造を実現するため、回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスクまたはレチクルをゲート電極形成用のフォトリソグラフィ工程に適用して複雑なゲート電極を形成する作製工程も本発明の一つである。また、フォトマスクまたはレチクルに解像度限界以下のスリットを設けて複雑な形状を有するゲート電極を形成してもよい。回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスクまたはレチクルを用いることで工程を増やすことなく複雑なゲート電極を形成することができる。本発明により、半導体装置の作製工程の単純化を図り、製造コストの低減も可能となる。
本発明の作製工程に関する構成は、半導体層上に絶縁膜を形成し、該絶縁膜上に第1の導電膜を形成し、該第1の導電膜上に第2の導電膜を形成し、前記半導体層上方の第2の導電膜上に両端部および中央部に膜厚の薄いレジストパターンを形成し、エッチングを行って半導体層上方に第1の幅を有する第1の導電層と、第1の導電層上に互いに離間配置された第2の導電層及び第3の導電層と、を形成し、前記第1の導電層をマスクとして前記半導体層に不純物元素を添加して第1の導電層の外側に位置する半導体層に一対の高濃度不純物領域を形成し、前記第2の導電層及び前記第3の導電層をマスクとして前記半導体層に不純物元素を添加して第1の導電層と重なる半導体層に低濃度不純物領域を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法である。
また、上記構成において、第1の導電層は、第1の導電膜をエッチングすることで形成され、第2の導電層及び第3の導電層は、第2の導電膜をエッチングすることで形成されることを特徴の一つとしている。
また、上記構成において、第1の導電層の幅は、第2の導電層の幅と第3の導電層の幅の和よりも広いことを特徴の一つとしている。
また、上記構成において、前記レジストパターンは、回折格子パターン、或いは半透膜を有するフォトマスク又はレチクルを使用して形成することを特徴の一つとしている。
また、上記構成において、前記第1の導電層、前記第2の導電層、及び前記第3の導電層は、ゲート電極であることを特徴の一つとしている。
また、本発明はゲート電極の形成に限定されず、半導体集積回路に用いられる様々な配線や電極に適用することができる。例えば、回折格子パターン、或いは半透膜を有するフォトマスク又はレチクルを使用し、工程を増やすことなく、薄膜トランジスタのソース電極やドレイン配線や接続電極などの形状を複雑な形状とすることができる。勿論、複数の工程で回折格子パターン、或いは半透膜を有するフォトマスク又はレチクルを使用することができ、半導体集積回路に用いられる様々な配線や電極を形成することができる。
また、透明導電膜(画素電極や発光素子の陽極或いは陰極)と薄膜トランジスタとの接続電極に回折格子パターン、或いは半透膜を有するフォトマスク又はレチクルを使用することも本発明の一つであり、本発明の作製工程に関する他の構成は、半導体層を覆う絶縁膜を形成し、該絶縁膜上に第1の導電膜、第2の導電膜、及び第3の導電膜を積層形成し、第3の導電膜上に部分的に膜厚の異なるレジストパターンを形成し、エッチングを行って、第1の導電膜、第2の導電膜、及び第3の導電膜が積層された部分と、第1の導電膜の単層の部分とを有する電極を形成し、前記絶縁膜上に、第1の導電層の単層の部分上面と接して重なる透明導電膜を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法である。
また、上記構成において、前記レジストパターンは、回折格子パターン、或いは半透膜を有するフォトマスク又はレチクルを使用して形成することを特徴の一つとしている。例えば、回折格子パターン、或いは半透膜を有するフォトマスク又はレチクルを使用し、工程を増やすことなく複雑な電極を形成することができる。上記電極は、接続電極を3層とし、最下層の第1の導電層の単層の部分上面のみと接して重なる透明導電膜を形成することができる。
また、上記構成において、前記部分的に膜厚の異なるレジストパターンは、第1の膜厚を有する部位と、第1の膜厚より薄い第2の膜厚を有する部位とを有し、第2の膜厚を有する部位は、レジストパターンの先端部であることを特徴の一つとしている。
また、上記構成において、前記第1の導電膜は、前記絶縁膜に形成されたコンタクトホールを通じて半導体層の一部と接していることを特徴の一つとしている。
また、上記構成において、前記第1の導電膜は、高融点金属単体または高融点金属化合物であることを特徴の一つとしている。透明導電膜は、接する金属材料の種類によっては、接触抵抗が高くなることがある。例えばアルミニウムとITOは電触を生じて接触抵抗が高くなる。接続電極の1層目を高融点金属とし、2層をアルミニウムとした場合、ITOをアルミニウムに接触させることなく、最下層の高融点金属と接続することができる。
また、上記構成において、前記第2の導電膜は、アルミニウム単体またはアルミニウム合金であることを特徴の一つとしている。
また、上記構成において、前記第3の導電膜は、高融点金属単体または高融点金属化合物であることを特徴の一つとしている。
また、トランジスタの活性層となる半導体層は、結晶構造を含む半導体膜で形成される。即ち、単結晶半導体膜でもよいし、多結晶半導体膜や微結晶半導体膜でもよい。
また、トランジスタの活性層となる半導体層として半導体基板を用いることもできる。半導体基板は、単結晶シリコン基板または化合物半導体基板であり、代表的には、N型またはP型の単結晶シリコン基板、GaAs基板、InP基板、GaN基板、SiC基板、サファイヤ基板、又はZnSe基板である。半導体基板を用いる場合、基板の主面(素子形成面または回路形成面)の第1の素子形成領域にn型ウェルを、第2の素子形成領域にp型ウェルをそれぞれ選択的に形成する。そして、複数の素子形成領域を区画するための素子分離領域となるフィールド酸化膜を形成する。フィールド酸化膜は厚い熱酸化膜であり、公知のLOCOS法を用いて形成すればよい。なお、素子分離法は、LOCOS法に限定されず、例えば素子分離領域はトレンチ分離法を用いてトレンチ構造を有していてもよいし、LOCOS構造とトレンチ構造の組み合わせであってもよい。次いで、シリコン基板の表面を、例えば熱酸化させることによってゲート絶縁膜を形成する。ゲート絶縁膜は、CVD法を用いて形成してもよく、酸化窒化珪素膜や酸化珪素膜や窒化珪素膜やそれらの積層膜を用いることができる。
ところで、表示装置などに用いられるエレクトロルミネセンスを利用する発光素子は、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって区別され、一般的に、前者は有機EL素子、後者は無機EL素子と呼ばれている。本発明の半導体装置では、有機EL素子または無機EL素子のどちらを用いても発光表示装置を作製することができる。
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分類される。前者は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた電界発光層を有し、後者は、発光材料の薄膜からなる電界発光層を有している点に違いはあるが、高電界で加速された電子を必要とする点では共通である。なお、得られる発光のメカニズムとしては、ドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−アクセプター再結合型発光と、金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光とがある。一般的に、分散型無機ELではドナー−アクセプター再結合型発光、薄膜型無機EL素子では局在型発光である場合が多い。
なお、本明細書では、有機EL素子の陽極と陰極の間に形成された全ての層を有機発光層と定義する。有機発光層には具体的に、発光層、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層、電子輸送層等が含まれる。基本的に有機EL素子は、陽極、発光層、陰極が順に積層された構造を有しており、この構造に加えて、陽極、正孔注入層、発光層、陰極の順に積層した構造や、陽極、正孔注入層、発光層、電子輸送層、陰極の順に積層した構造を有していることもある。
有機EL素子は、電場を加えることで発生するルミネッセンス(Electroluminescence)が得られる有機化合物(有機発光材料)を含む層(以下、有機発光層と記す)と、陽極と、陰極とを有している。有機化合物におけるルミネッセンスには、一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光)とがあるが、発光表示装置を作製する場合は、上述した発光のうちの、いずれか一方の発光を用いていても良いし、または両方の発光を用いていても良い。
発光装置においては、1つの画素に役割の異なる複数のTFTが必要とされているため、画素部においてマルチゲート構造のTFTを配置する場合、本発明により、マルチゲート構造のTFTが占める面積を縮小して集積することができ、高精細な発光装置を実現することができる。
また、液晶表示装置においても、本発明により、一つの画素にスイッチング用TFTとインバータ回路からなるメモリ素子(SRAM、DRAMなど)とを小さい面積で形成し、有効画面領域の面積を大きくすることができ、さらに一つの画素サイズを小さくすることができるため、高精細な液晶表示装置を実現することができる。
また、本発明により、マルチゲート構造のTFTの耐圧を向上させることができ、そのマルチゲート構造のTFTを備える半導体装置の信頼性を向上させることができる。加えて、半導体装置の信頼性を向上させることにより、半導体装置を備える電子機器の信頼性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は以下に示す実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容するものである。
(実施の形態1)
本実施の形態は、ダブルゲート構造のTFTのゲート電極をイオンドーピング時のマスクとして用い、不純物領域を自己整合的に形成し、且つ、1つのTFTにおける2つのチャネル形成領域の間隔を2μm未満とするための工程について示す。
まず、絶縁表面を有する基板101上に第1絶縁膜(下地絶縁膜)102を形成する。絶縁表面を有する基板101としては、透光性を有する基板、例えばガラス基板、結晶化ガラス基板、もしくはプラスチック基板を用いることができる。後に形成される薄膜トランジスタをトップエミッション型(上方射出型)の発光表示装置に適用する場合、或いは反射型の液晶表示装置に適用する場合にはセラミックス基板、半導体基板、金属基板等も用いることができる。
第1絶縁膜102としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜(SiO)等の絶縁膜を用いる。次いで、第1絶縁膜102上に半導体層103を形成する。
半導体層103は、公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等)により非晶質構造を有する半導体膜を形成し、加熱処理により結晶化された結晶性半導体膜を形成し、結晶性半導体膜上にレジスト膜を形成した後、露光および現像を行って得られた第1のレジストマスクを用いて所望の形状にパターニングして形成する。
この半導体層103の厚さは25〜80nm(好ましくは30〜70nm)の厚さで形成する。結晶質半導体膜の材料に限定はないが、好ましくはシリコンまたはシリコンゲルマニウム(SiGe)合金などで形成すると良い。
上記加熱処理とは、加熱炉、レーザ照射、若しくはレーザ光の代わりにランプから発する光の照射(以下、ランプアニールと表記する)、又はそれらを組み合わせて用いることができる。
また、ニッケルなどの触媒を添加した後に上記加熱処理を行う熱結晶化法により結晶性半導体膜を形成してもよい。なお、ニッケルなどの触媒を用いた熱結晶化法を用いて結晶化を行って結晶質半導体膜を得た場合は、結晶化後にニッケルなどの触媒を除去するゲッタリング処理を行うことが好ましい。
また、レーザー結晶化法で結晶質半導体膜を作製する場合には、連続発振型のレーザビーム(CWレーザビーム)やパルス発振型のレーザビーム(パルスレーザビーム)を用いることができる。ここで用いることができるレーザビームは、Arレーザ、Krレーザ、エキシマレーザなどの気体レーザ、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザのうち一種または複数種から発振されるものを用いることができる。このようなレーザビームの基本波、及びこれらの基本波の第2高調波から第4高調波のレーザビームを照射することで、大粒径の結晶を得ることができる。例えば、Nd:YVOレーザ(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を用いることができる。このときレーザのエネルギー密度は0.01〜100MW/cm程度(好ましくは0.1〜10MW/cm)が必要である。そして、走査速度を10〜2000cm/sec程度として照射する。
なお、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種または複数種添加されているものを媒質とするレーザ、Arイオンレーザ、またはTi:サファイアレーザは、連続発振をさせることが可能であり、Qスイッチ動作やモード同期などを行うことによって10MHz以上の発振周波数でパルス発振をさせることも可能である。10MHz以上の発振周波数でレーザビームを発振させると、半導体膜がレーザによって溶融してから固化するまでの間に、次のパルスが半導体膜に照射される。従って、発振周波数が低いパルスレーザを用いる場合と異なり、半導体膜中において固液界面を連続的に移動させることができるため、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒を得ることができる。
媒質としてセラミック(多結晶)を用いると、短時間かつ低コストで自由な形状に媒質を形成することが可能である。単結晶を用いる場合、通常、直径数mm、長さ数十mmの円柱状の媒質が用いられているが、セラミックを用いる場合はさらに大きいものを作ることが可能である。
発光に直接寄与する媒質中のNd、Ybなどのドーパントの濃度は、単結晶中でも多結晶中でも大きくは変えられないため、濃度を増加させることによるレーザの出力向上にはある程度限界がある。しかしながら、セラミックの場合、単結晶と比較して媒質の大きさを著しく大きくすることができるため大幅な出力向上が期待できる。
さらに、セラミックの場合では、平行六面体形状や直方体形状の媒質を容易に形成することが可能である。このような形状の媒質を用いて、発振光を媒質の内部でジグザグに進行させると、発振光路を長くとることができる。そのため、増幅が大きくなり、大出力で発振させることが可能になる。また、このような形状の媒質から射出されるレーザビームは射出時の断面形状が四角形状であるため、丸状のビームと比較すると、線状ビームに整形するのに有利である。このように射出されたレーザビームを、光学系を用いて整形することによって、短辺の長さ1mm以下、長辺の長さ数mm〜数mの線状ビームを容易に得ることが可能となる。また、励起光を媒質に均一に照射することにより、線状ビームは長辺方向にエネルギー分布の均一なものとなる。
この線状ビームを半導体膜に照射することによって、半導体膜の全面をより均一にアニールすることが可能になる。線状ビームの両端まで均一なアニールが必要な場合は、その両端にスリットを配置し、エネルギーの減衰部を遮光するなどの工夫が必要となる。
このようにして得られた強度が均一な線状ビームを用いて半導体膜をアニールし、この半導体膜を用いて電子機器を作製すると、その電子機器の特性は、良好かつ均一である。
次いで、必要があればTFTのしきい値を制御するために微量な不純物元素(ボロンまたはリン)のドーピングを半導体層に対して行う。ここでは、ジボラン(B)を質量分離しないでプラズマ励起したイオンドープ法を用いる。
次いで、第1のレジストマスクを除去した後、フッ酸を含むエッチャントで酸化膜を除去すると同時に半導体層の表面を洗浄する。そして、半導体層を覆う第2絶縁膜(ゲート絶縁膜)104を形成する。第2絶縁膜104はプラズマCVD法またはスパッタ法または熱酸化法を用い、厚さを1〜200nm、好ましくは20nm〜120nmとする。第2絶縁膜104としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜から成る膜を形成する。ここでは、プラズマCVD法により115nmの厚さで酸化窒化シリコン膜(組成比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)で形成する。
次いで、第1導電層105aと第2導電層106aの積層を形成し、第2のレジストマスクとなるマスクパターン107aを形成する。以上の工程で、図1(A)の状態を得ることができる。
図1(A)において基板101上に第1絶縁膜(下地絶縁膜)102、半導体層103、第2絶縁膜(ゲート絶縁膜)104が形成され、その上に第1導電層105a、第2導電層106aが形成されている。マスクパターン107aは光露光工程によりフォトレジストを用いて形成する。
なお、マスクパターン107aは、回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスクまたはレチクルを用いて、図1(A)に示す形状、即ち、TFTのチャネル長を含み、且つ、基板主平面と垂直な面で切断した断面において中央部及び両端部の膜厚が薄い形状とする。また、フォトマスクまたはレチクルに解像度限界以下のスリットを設けて上記複雑な形状を有するレジストを形成してもよい。また、現像後に約200℃のベークを行ってマスクパターン107aを変形させてもよい。
第1導電層はタングステン(W)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)またはモリブデン(Mo)などの高融点金属、又は高融点金属を主成分とする合金もしくは化合物を10〜50nmの厚さで形成する。また、第2導電層はタングステン(W)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)またはモリブデン(Mo)などの高融点金属、又は高融点金属を主成分とする合金もしくは化合物で100〜600nmの厚さに形成する。
ここでは、第1導電層と第2導電層をそれぞれ異なる導電材料を用い、後に行うエッチング工程でエッチングレートの差が生じるようにする。第1導電層としてはTaNを用い、第2導電層としてはタングステン膜を用いる。
次に、図1(B)に示すように、ドライエッチングにより第2導電層106aのエッチングを行う。エッチングガスには、CF、SF、Cl、Oを用いる。エッチング速度の向上にはECR(Electron Cyclotron Resonance)やICP(Inductively Coupled Plazma)などの高密度プラズマ源を用いたドライエッチング装置を用いる。また、マスクパターン107aに基づく加工形状において、端部もしくは側壁部をテーパー形状に加工するためには、基板側に負のバイアス電圧を印加する。
レジストで形成したマスクパターン107aは電界で加速されたイオンによりスパッタされ、離間配置されたマスクパターン107bとなる。
次に、図1(C)に示すようにエッチングガスをCF、Clに切り替えて第1導電層である窒化タンタルのエッチングを行う。
こうして図1(C)で示すように、第2絶縁膜104上に第1導電層105b、第2導電層106bからなる第1の導電積層パターンが形成される。端部におけるテーパー形状の基板101の表面と成す角度は10〜30度にする。この角度は主に第2導電層の膜厚との関係で決まるが、このテーパー部の占める長さが概略0.2〜1.5μm、好ましくは0.5〜1μmとなるようにする。
そして、エッチングガスに、BCl、Cl、及びOを用いて、第2導電層106bをマスクパターン107bに基づいて選択的にエッチングする。レジストで形成したマスクパターン107bは電界で加速されたイオンによりスパッタされ、さらにサイズが縮小されたマスクパターン107cとなる。ここでのエッチングにおいて、基板側に印加するバイアス電圧は低くして第1導電層105bは残存せしめるようにする。第2導電層と第3導電層106cの端部は第1導電層105bよりも内側に後退し、後述するようにその後退量でLov(ゲート電極と重なる低濃度不純物領域)の長さが決まる。こうして第1導電層105b、第2導電層と第3導電層106cから成る第2の導電積層パターンが形成され、これが半導体層103と交差する部位においてゲート電極となる。(図1(D))
次いで、半導体層103への一導電型不純物の添加を行う。第2の導電積層パターンを用いて自己整合的にLDDやソース領域やドレイン領域を形成することができる。
図2(A)はゲート電極とオーバーラップするLDD領域を形成するためのドーピング処理であり、第2導電層又は第3導電層と積層していない領域の第1導電層105bを透過させて、一導電型不純物のイオンを第1導電層105bの下方に位置する半導体層103に添加して第1濃度の一導電型不純物領域108a、108b、109を形成する。ここでは、一導電型不純物のイオンとしてリン(またはAs)を用い、nチャネル型TFTを作製する。
第2絶縁層や第1導電層の膜厚にもよるが、この場合には50kV以上の加速電圧を要する。第1濃度の一導電型不純物領域108a、108b、109の不純物領域の不純物濃度は、LDD領域を前提とすると1×1016〜5×1018/cm(SIMS測定でのピーク値)とする。
なお、上記ドーピング処理の際、第2導電層又は第3導電層106cと重なる位置の半導体層は、一導電型不純物のイオンは添加されない領域となり、後に形成されるTFTのチャネル形成領域として機能する部分となる。一導電型不純物のイオンが添加されない領域は半導体層に複数、ここでは2つ形成される。本明細書では、この複数の領域(チャネル形成領域)、ここでは2つの領域に挟まれる一導電型不純物領域109を中間不純物領域と呼ぶ。
図2(B)はゲート電極の外側に位置するソース領域及びドレイン領域を形成するためのドーピング処理であり、第2の導電積層パターンをマスクとして一導電型不純物のイオンを半導体層103に添加して第2濃度の一導電型不純物領域110、111を形成する。ソース領域及びドレイン領域を形成するためのドーピング処理は、加速電圧を30kV以下として行なう。第2濃度の一導電型不純物領域110、111の不純物濃度は1×1019〜5×1021/cm(SIMS測定でのピーク値)とする。
なお、ドーピングの順序は上記順序に特に限定されず、先にソース領域及びドレイン領域を形成するためのドーピング処理を先に行った後、LDD領域を形成するためのドーピング処理を行ってもよい。また、ここではドーピング処理を2回に分けて異なる濃度の不純物領域の形成を行っているが、処理条件を調節して1回のドーピング処理で異なる濃度の不純物領域の形成を行ってもよい。
その後、窒化珪素を用いる第3絶縁膜112を形成する。そして、半導体層に添加された不純物元素の活性化および水素化を行う。
次いで、透光性を有する無機材料(酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコンなど)または、低誘電率の有機化合物材料(感光性又は非感光性の有機樹脂材料)を用いて第4絶縁膜113を形成する。また、シロキサンを含む材料を用いて第4絶縁膜を形成してもよい。なお、シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される材料である。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。
次いで、第3のフォトマスクを用いてレジストからなるマスクを形成し、層間絶縁膜として機能する第3絶縁膜112、及び第4絶縁膜113、及びゲート絶縁膜として機能する第2絶縁膜104を選択的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。そして、レジストからなるマスクを除去する。
次いで、第4絶縁膜113上にスパッタ法で金属積層膜を成膜した後、第4のフォトマスクを用いてレジストからなるマスクを形成し、選択的に金属積層膜をエッチングして、半導体層に接するソース電極114またはドレイン電極115を形成する。
なお、TFTのソース電極114またはドレイン電極115と同時に接続電極(複数のTFT間を電気的に接続する電極)や端子電極(外部電源と接続するための電極)も第4絶縁膜113上に形成することができる。そして、レジストからなるマスクを除去する。なお、金属積層膜は、膜厚100nmのTi膜と、膜厚350nmのSiを微量に含むAl膜と、膜厚100nmのTi膜との3層積層とする。金属積層膜は、同じメタルスパッタ装置内で連続して形成することが好ましい。
以上の工程で、図2(C)に示したマルチゲート構造であるトップゲート型TFTが完成する。
以上のように、本実施形態は、回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスクを用いて露光することによって、複雑な形状を有するマスクパターン107aを形成し、マスクパターン107aを用いたエッチングにより第2の導電積層パターンを得てゲート電極としている。本発明により、半導体層と重なる2つの第2導電層の間隔を狭めることができ、結果的に2つのチャネル形成領域の間隔を狭めることができる。また、中間不純物領域の幅(チャネル長方向の幅)を短くすることができる。従って、マルチゲート構造であるトップゲート型TFTの占有面積を縮小することができる。
図2(C)に示したダブル構造のTFTにおいて、例えば、チャネル長Lを2μm、LDD領域の幅を0.7μm、第2導電層と第3導電層の間隔、即ち2つのチャネル形成領域の間隔を0.7μmとすることができる。従って、ダブル構造のTFTのゲート電極幅、即ち第2の導電積層パターンの幅(チャネル長方向の幅)を6.1μm(0.7μm+2μm+0.7μm+2μm+0.7μm)とすることができる。
回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを用いずに通常の露光を用いた場合、ダブルゲート構造のTFTを作製する場合は、露光限界により2つのチャネル形成領域の間隔を2μm未満とすることは困難であった。
加えて、ホットキャリア劣化に対する寿命時間を延長するため、TFTのゲート電極とオーバーラップするLDD領域を形成することができる。
また、第2の導電積層パターンをマスクとすることでLDD領域を自己整合的に形成することができる。
また、マスクを変更するだけで、工程数を増やすことなく、同一基板上に上記マルチゲート構造であるトップゲート型TFTとシングルゲート構造であるトップゲート型TFTを形成することができる。従って、最適な構造のトランジスタを割り当てて様々な回路を構成することができる。
本実施の形態では、nチャネル型TFTを用いて説明したが、n型不純物元素に代えてp型不純物元素を用いることによってpチャネル型TFTを形成することができることは言うまでもない。
また、同一基板上にnチャネル型TFTとpチャネル型TFTとを形成することができ、これらのTFTを相補的に組み合わせることによってCMOS回路を構成することもできる。CMOS回路とは、少なくとも一つのnチャネル型TFTと一つのpチャネル型TFTとを有する回路(インバータ回路、NAND回路、AND回路、NOR回路、OR回路、シフトレジスタ回路、サンプリング回路、D/Aコンバータ回路、A/Dコンバータ回路、ラッチ回路、バッファ回路など)を指している。加えて、これらのCMOS回路を組み合わせることによってSRAMやDRAMなどのメモリ素子やその他の素子を基板上に構成することができる。また、さまざまな素子や回路を集積してCPUを基板上に構成することも可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1のパターニング方法を用いて、同一基板上に異なる構造のTFTを作製した例を図3を用いて説明する。
図3は、基板201及び第1絶縁膜(下地絶縁膜)202上に、シングルゲート構造nチャネル型TFT及びダブルゲート構造のnチャネル型TFTが形成された例を示している。図3において、シングルゲート構造のnチャネル型TFTは、第1導電層210及び第2導電層211を、ゲート電極をとして有しており、半導体層は不純物領域220、不純物領域222、チャネル形成領域221を有している。不純物領域220及び不純物領域222はn型を付与する不純物元素を添加されており、ソース電極212、またはドレイン電極213が接続されている。シングルゲート構造nチャネル型TFTのゲート電極はシングルゲートであり、ダブルゲート構造のnチャネル型TFTより第1導電層210及び第2導電層211の幅が広くチャネル長も長くなっている。
また、図3において、ダブルゲート構造のnチャネル型TFTは、第1導電層250、第2導電層251、及び第3導電層252を、ゲート電極として有しており、半導体層は不純物領域260、中間不純物領域262、不純物領域264、チャネル形成領域261、及びチャネル形成領域263を有している。不純物領域260、中間不純物領域262、及び不純物領域264はn型を付与する不純物元素を添加されており、不純物領域260、及び不純物領域264にはソース電極253、またはドレイン電極254が接続されている。ダブルゲート構造のnチャネル型TFTにおけるゲート電極は、第1導電層250上に第2導電層251、及び第2導電層252が隣接して設けられる構造である。また、図3において、半導体層を覆うように第2絶縁膜(ゲート絶縁膜)206が設けられ、ゲート電極層を覆うように第3絶縁膜204、及び第4絶縁膜205が設けられている。なお、不純物領域220のうち、第1導電層210と重なる領域は低濃度不純物領域となり、LDD領域として機能する。また、同様に、不純物領域222のうち第1導電層210と重なる領域は低濃度不純物領域となる。また不純物領域260,264のうち、第1導電層250と重なる領域は低濃度不純物領域となる。また、中間不純物領域262も低濃度不純物領域となる。
本実施の形態は実施の形態1と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1のパターニング方法を用いて、同一基板上に異なる構造のTFTを作製した例を図4を用いて説明する。
図4は、基板301及び第1絶縁膜(下地絶縁膜)302上に、2種類のダブルゲート構造のnチャネル型TFTが形成された例を示している。図4において、第1のダブルゲート構造のnチャネル型TFTは、第1導電層310、第1の導電層311、第2導電層312、及び第3の導電層313を、ゲート電極をとして有しており、半導体層は不純物領域320、異なる濃度の不純物領域を有する中間不純物領域322、不純物領域324、チャネル形成領域321、チャネル形成領域323を有している。不純物領域320、中間不純物領域322、及び不純物領域324はn型を付与する不純物元素を添加されており、不純物領域320、及び不純物領域324にはソース電極314、またはドレイン電極315が接続されている。第1のダブルゲート構造のpチャネル型TFTにおけるゲート電極は、第1導電層310上に第2導電層312、第1導電層311上に第3導電層313がそれぞれ積層して設けられる構造である。
また、図4において、第2のダブルゲート構造のnチャネル型TFTは、第1導電層350、第2導電層351、及び第3導電層352を、ゲート電極として有しており、半導体層は不純物領域360、中間不純物領域362、不純物領域364、チャネル形成領域361、及びチャネル形成領域363を有している。不純物領域360、中間不純物領域362、及び不純物領域364はn型を付与する不純物元素を添加されており、不純物領域360、及び不純物領域364にはソース電極353、またはドレイン電極354が接続されている。第2のダブルゲート構造のnチャネル型TFTにおけるゲート電極は、第1導電層350上に第2導電層351、及び第3導電層352が隣接して設けられる構造である。また、図4において、半導体層を覆うように第2絶縁膜(ゲート絶縁膜)306が設けられ、ゲート電極層を覆うように第3絶縁膜304、及び第4絶縁膜305が設けられている。また、チャネル形成領域321と不純物領域320の間には第1導電層310と重なる低濃度不純物領域が形成され、LDD領域として機能する。また、中間不純物領域322の両側にも第1導電層310と重なる低濃度不純物領域が形成される。また、チャネル形成領域323と不純物領域324の間にも第1導電層311と重なる低濃度不純物領域が形成される。また、チャネル形成領域361と不純物領域360の間にも第1導電層350と重なる低濃度不純物領域が形成される。また、チャネル形成領域363と不純物領域364の間にも第1導電層350と重なる低濃度不純物領域が形成される。また、中間不純物領域362も低濃度不純物領域となる。2つのTFTは、ゲート電極形成のためのマスクパターン形状を異ならせることにより作り分けることができる。
本実施の形態は実施の形態1または実施の形態2と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置した露光マスクについて図5を用いて説明する。
図5(A)は、露光マスクの一部を拡大した上面図である。また、図5(A)に対応する露光マスクの一部の断面図を図5(B)に示す。図5(B)には露光マスクと、レジストが全面に塗布形成された基板とを対応させて図示している。
図5(B)で図1(A)と同じ箇所は同一の符号を用いて説明する。
図5(A)において、露光マスクは、Crなどの金属膜からなる遮光部401a、401bと、補助パターンとして、半透膜が設けられた部分402とが設置されている。遮光部401aの幅は、t1と示し、遮光部401bの幅は、t2と示し、半透膜のみが設けられた部分402の幅はS1と示している。遮光部401bと遮光部401bとの間隔がS1とも言える。
図5(B)上図において、露光マスクは、透光性の基体400にMoSiNからなる半透膜402を設け、半透膜402と積層するようにCrなどの金属膜からなる遮光部401a、401bを設けている。
図5(A)及び図5(B)上図に示す露光マスクを用いてレジスト膜の露光を行うと、レジスト膜中に非露光領域403aと露光領域403bが形成される。露光時には光が、回り込みや半透膜を通過すること等によって図5(B)下図に示す露光領域403bが形成される。
そして、現像を行うと、露光領域403bが除去されて、 非露光領域403aが残存する。必要であれば、加熱処理を行って、図1(A)に示すレジストパターン107aを形成してもよい。
また、他の露光マスクの例として、複数のスリットを有する回折格子パターン412を遮光部401bと遮光部401bとの間に設けた露光マスクの上面図を図5(C)に示す。図5(C)に示す露光マスクを用いても同様に非露光領域403aを残存させることができる。また、加熱を行えば図1(A)に示すレジストパターン107aが得られる。
また、他の露光マスクの例として、遮光部401bと遮光部401bとの間に露光限界以下の間隔を設けた露光マスクの上面図を図5(D)に示す。例えば、t1を6μm、t2を6μm、S1を1μmとした露光マスクを用いて最適な露光条件で露光した後、実施の形態1の作製工程に従えば、2つのチャネル形成領域の間隔が2μm未満であるダブルゲート構造のTFTを作製することができる。図5(D)に示す露光マスクを用いても同様に非露光領域403aを残存させることができる。また、加熱を行えば図1(A)に示すレジストパターン107aが得られる。
また、本実施の形態は実施の形態1、実施の形態2、または実施の形態3と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では3つのチャネル形成領域を有するマルチゲート構造のTFTを作製する例を図6、図7を用いて説明する。
実施の形態4に示した露光マスクを応用して、膜厚が他の箇所と比べて厚い箇所を3箇所有するレジストパターンを形成し、その断面写真図を図6(A)に示した。また、なだらかな表面とするため、200℃の加熱を行った。この加熱後の断面写真図を図6(B)に示す。
図6(A)または(B)に示すレジストパターンを用いて、実施の形態1に示す第1導電層と第2導電層の積層をパターニングして3つのチャネル形成領域を有するマルチゲート構造のTFTのゲート電極を作製すればよい。
図7(A)に図6(A)に相当する工程断面図を示す。なお、図7(A)において、図6(A)と同一の箇所には同じ符号を用いて説明する。
図7(A)において基板101上に第1絶縁膜(下地絶縁膜)102、半導体層103、第2絶縁膜(ゲート絶縁膜)104が形成され、その上に第1導電層105a、第2導電層106aが形成されている。マスクパターン501は光露光工程によりフォトレジストを用いて形成する。マスクパターン501は、膜厚が他の箇所と比べて厚い箇所を3箇所有し、真ん中の箇所の長さが他の箇所より長くなっている。従って、このマスクパターンでエッチングされる第2導電層は、幅が異なり、結果的にチャネル長が異なる3つのチャネル形成領域を有するマルチゲート構造のTFTとなる。
なお、マスクパターン501は、回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスクまたはレチクルを用いて、マスクパターンを図7(A)に示す形状とすることができる。必要があれば、加熱を行い、図6(B)に示したなだらかな表面を有するマスクパターンとすることもできる。
以降の工程は、実施の形態1と同様にすれば、図7(B)に示した3つのチャネル形成領域を有するマルチゲート構造のTFTが完成する。
図7(B)において、マルチゲート構造のTFTは、第1導電層502、及び第2導電層503、第3導電層504、第4導電層505をゲート電極として有している。また、半導体層は、中間不純物領域509を2箇所有しており、第1濃度の一導電型不純物領域508a、508b、第2濃度の一導電型不純物領域510、511を有している。また、図7(B)において、半導体層を覆うように第3絶縁膜512、及び第4絶縁膜513が設けられている。また、マルチゲート構造のTFTは、ソース電極514またはドレイン電極515を有している。
また、露光マスクを変更するだけで、同一基板上に図7(B)の構造を有するTFTと図2(C)等の構造を有するTFTとを工程数を増やすことなく形成することができる。
また、本実施の形態は実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、または実施の形態4と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、アクティブマトリクス型の発光装置の構造について、図8、図9、図10、図11、及び図12を用いて作製方法とともに、以下に説明する。
まず、基板610上に下地絶縁膜を形成する。基板610側を表示面として発光を取り出す場合、基板610としては、光透過性を有するガラス基板や石英基板を用いればよい。また、処理温度に耐えうる耐熱性を有する光透過性のプラスチック基板を用いてもよい。また、基板610側とは逆の面を表示面として発光を取り出す場合、前述の基板の他にシリコン基板、金属基板またはステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。ここでは基板610としてガラス基板を用いる。なお、ガラス基板の屈折率は1.55前後である。
下地絶縁膜611としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜から成る下地膜を形成する。ここでは下地膜として単層構造を用いた例を示すが、前記絶縁膜を2層以上積層させた構造を用いても良い。なお、基板の凹凸や、基板からの不純物拡散が問題にならないのであれば、特に下地絶縁膜を形成しなくてもよい。
次いで、下地絶縁膜611上に半導体層を形成する。半導体層は、非晶質構造を有する半導体膜を公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等)により成膜した後、公知の結晶化処理(レーザー結晶化法、熱結晶化法、またはニッケルなどの触媒を用いた熱結晶化法等)を行って得られた結晶質半導体膜を第1のフォトマスクを用いて所望の形状にパターニングして、半導体層を形成する。なお、プラズマCVD法を用いれば、下地絶縁膜と、非晶質構造を有する半導体膜とを大気に触れることなく連続的に積層することができる。この半導体膜の厚さは25〜80nm(好ましくは30〜70nm)の厚さで形成する。結晶質半導体膜の材料に限定はないが、好ましくはシリコンまたはシリコンゲルマニウム(SiGe)合金などで形成すると良い。
次いで、レジストマスクを除去する。次いで、必要があればTFTのしきい値を制御するために、微量な不純物元素(ボロンまたはリン)のドーピングを半導体層に対して行う。ここでは、ジボラン(B)を質量分離しないでプラズマ励起したイオンドープ法を用いる。
次いで、フッ酸を含むエッチャントで半導体層表面の酸化膜を除去すると同時に半導体層の表面を洗浄する。
そして、半導体層を覆う絶縁膜を形成する。絶縁膜はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを1〜200nmとする。好ましくは10nm〜50nmと薄くしてシリコンを含む絶縁膜の単層または積層構造で形成した後にマイクロ波によるプラズマを用いた表面窒化処理を行う。絶縁膜は、後に形成されるTFTのゲート絶縁膜として機能する。
次いで、絶縁膜上に膜厚20〜100nmの第1の導電膜と、膜厚100〜400nmの第2の導電膜とを積層形成する。本実施の形態では、絶縁膜613上に膜厚50nmの窒化タンタル膜、膜厚370nmのタングステン膜を順次積層し、実施の形態1に示したパターニングを行って各ゲート電極及び各配線を形成する。本実施の形態では、回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスクまたはレチクルを用いて、各ゲート電極及び各配線を形成する。
なお、ここでは導電膜をTaN膜とW膜との積層としたが、特に限定されず、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料の積層で形成してもよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜を用いてもよい。また、2層構造に限定されず、例えば、膜厚50nmのタングステン膜、膜厚500nmのアルミニウムとシリコンの合金(Al−Si)膜、膜厚30nmの窒化チタン膜を順次積層した3層構造としてもよい。
上記第1の導電膜及び第2の導電膜のエッチング(第1のエッチング処理および第2のエッチング処理)にはICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用いると良い。ICPエッチング法を用い、エッチング条件(コイル型の電極に印加される電力量、基板側の電極に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節することによって所望のテーパー形状に膜をエッチングすることができる。
次いで、n型を付与する不純物元素を半導体層に添加するため、ゲート電極をマスクとして全面にドーピングする第1のドーピング処理を行う。第1のドーピング処理はイオンドープ法、もしくはイオン注入法で行えば良い。イオンドープ法の条件はドーズ量を1.5×1013atoms/cmとし、加速電圧を50〜100kVとして行う。n型を付与する不純物元素として、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いる。
次いで、レジストからなるマスクを形成した後、半導体にn型を付与する不純物元素を高濃度にドープするための第2のドーピング工程を行う。マスクは、画素部のpチャネル型TFTを形成する半導体層のチャネル形成領域及びその周辺の領域と、駆動回路部のpチャネル型TFTを形成する半導体層のチャネル形成領域及びその周辺の領域等に不純物をドープしないために設ける。
第2のドーピング工程におけるイオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜5×1015/cmとし、加速電圧を60〜100kVとして行う。
次いで、マスクを除去した後、新たにレジストからなるマスクを形成し、半導体にp型を付与する不純物元素(代表的にはボロン)を高濃度にドープするための第3のドーピング工程を行う。マスクは、画素部のnチャネル型TFTを形成する半導体層のチャネル形成領域及びその周辺の領域と、駆動回路部のnチャネル型TFTを形成する半導体層のチャネル形成領域及びその周辺の領域等に不純物をドープしないために設ける。
この後、レジストマスクを除去する。以上までの工程でそれぞれの半導体層にn型またはp型の導電型を有する不純物領域が形成される。
次いで、スパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等を用いて、水素を含む絶縁膜を成膜した後、半導体層に添加された不純物元素の活性化および水素化を行う。水素を含む絶縁膜は、PCVD法により得られる窒化酸化珪素膜(SiNO膜)を用いる。ここでは、水素を含む絶縁膜の膜厚は、50nm〜200nmとする。加えて、結晶化を助長する金属元素、代表的にはニッケルを用いて半導体膜を結晶化させている場合、活性化と同時にチャネル形成領域における金属触媒の低減を行うゲッタリングをも行うことができる。なお、水素を含む絶縁膜は、層間絶縁膜の1層目であり、酸化珪素を含んでいる。
次いで、スパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等を用いて層間絶縁膜の2層目となる無機絶縁膜を形成する。無機絶縁膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜の単層または積層を用いる。ここでは無機絶縁膜の膜厚は600nm〜800nmとする。
次いで、フォトマスクを用いてレジストからなるマスクを形成し、絶縁膜を選択的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。そして、レジストからなるマスクを除去する。
次いで、スパッタ法により金属膜を積層した後、フォトマスクを用いてレジストからなるマスクを形成し、選択的に金属積層膜をエッチングして、TFTのソース電極またはドレイン電極として機能する電極を形成する。なお、金属積層膜は、同じメタルスパッタ装置内で連続して形成する。そして、レジストからなるマスクを除去する。
以上の工程で、同一基板上にポリシリコン膜を活性層とするトップゲート型のTFT636、637、638、639が作製できる。
なお、画素部に配置されるTFT638は、一つのTFTに複数のチャネル形成領域を有するnチャネル型TFTである。TFT638は、ダブルゲート型のTFTである。また、画素部には、後に形成される発光素子と電気的に接続するTFT639が設けられる。ここでは、オフ電流低減のため、TFT639として、ダブルゲート型のpチャネル型TFTを示したが、特に限定されず、シングルゲート型のTFTとしてもよい。
また、駆動回路部に配置されるTFT636はゲート電極と重なる低濃度不純物領域(LDD領域とも呼ぶ)を備えたnチャネル型TFTであり、TFT637はpチャネル型TFTである。いずれもシングルゲート構造のTFTである。駆動回路部においては、TFT636とTFT637を相補的に接続することでCMOS回路を構成し、様々な種類の回路を実現することができる。また、必要であれば、マルチゲート構造のTFTとすることができる。
次いで、第1の電極623、即ち、有機発光素子の陽極(或いは陰極)を形成する。第1の電極623として、仕事関数の大きい材料、例えば、Ni、W、Cr、Pt、Zn、Sn、InまたはMoから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料、例えばTiN、TiSi、WSi、WN、WSi、NbNを用いて、単層膜またはそれらの積層膜を総膜厚100nm〜800nmの範囲で用いればよい。
具体的には第1の電極623として、透光性を有する導電性材料からなる透明導電膜を用いればよく、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物などを用いることができる。勿論、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物(ITSO)なども用いることができる。
また、各透光性を有する導電性材料の、組成比例を述べる。酸化タングステンを含むインジウム酸化物の組成比は、酸化タングステン1.0wt%、インジウム酸化物99.0wt%とすればよい。酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物の組成比は、酸化タングステン1.0wt%、酸化亜鉛0.5wt%、インジウム酸化物98.5wt%とすればよい。酸化チタンを含むインジウム酸化物の組成比は、酸化チタン1.0wt%〜5.0wt%、インジウム酸化物99.0wt%〜95.0wt%とすればよい。インジウム錫酸化物(ITO)の組成比は、酸化錫10.0wt%、インジウム酸化物90.0wt%とすればよい。インジウム亜鉛酸化物(IZO)の組成比は、酸化亜鉛10.7wt%、インジウム酸化物89.3wt%とすればよい。酸化チタンを含むインジウム錫酸化物の組成比は、酸化チタン5.0wt%、酸化錫10.0wt%、インジウム酸化物85.0wt%とすればよい。上記組成比は例であり、適宜その組成比の割合は設定すればよい。
次いで、塗布法により得られる絶縁膜(例えば、有機樹脂膜)をパターニングして、第1の電極623の端部を覆う絶縁物629(バンク、隔壁、障壁、土手などと呼ばれる)を形成する。
次いで、有機化合物を含む層624を、蒸着法または塗布法を用いて形成する。
有機化合物を含む層624は、積層であり、有機化合物を含む層624の一層としてバッファ層を用いてもよい。バッファ層は、有機化合物と無機化合物とを含む複合材料であり、前記無機化合物は、前記有機化合物に対して電子受容性を示す。バッファ層は、有機化合物と無機化合物とを含む複合材料層であり、前記無機化合物は、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、および酸化レニウムからなる群より選ばれるいずれか一または複数である。バッファ層は、ホール輸送性を有する有機化合物と、無機化合物とを含む複合材料層である。
例えば、第1の電極623と第2の電極の間には有機化合物を含む積層(バッファ層と有機化合物層の積層)を設けることが好ましい。バッファ層は、金属酸化物(酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化レニウムなど)と有機化合物(ホール輸送性を有する材料(例えば4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:α−NPD)、4,4’−ビス{N−[4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル]−N−フェニルアミノ}ビフェニル(略称:DNTPD)など))とを含む複合層である。また、発光層は、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)や、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)や、α−NPDなどを用いることができる。また、発光層は、ドーパント材料を含ませてもよく、例えば、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)や、クマリン6や、ルブレンなどを用いることができる。第1の電極と第2の電極の間に設けられる有機化合物を含む積層は、抵抗加熱法などの蒸着法によって形成すればよい。
バッファ層の膜厚を調節することによって、第1の電極と有機化合物層との距離を制御し、発光効率を高めることができる。バッファ層の膜厚を調節することによって、各発光素子からの発光色がきれいに表示された優れた映像を表示でき、低消費電力化された発光装置を実現することができる。
次いで、第2の電極625、即ち、有機発光素子の陰極(或いは陽極)を形成する。第2の電極625としては、MgAg、MgIn、AlLiなどの合金、または透明導電膜(ITOなど)を用いる。
次いで、蒸着法またはスパッタ法により保護層626を形成する。保護層626は、第2の電極625を保護する。保護層626を通過させて発光素子の発光を取り出す場合、透明な材料とすることが好ましい。なお、必要でなければ保護層626は設けなくともよい。
次いで、封止基板633をシール材628で貼り合わせて発光素子を封止する。即ち、発光表示装置は、表示領域の外周をシール材で囲み、一対の基板で封止される。TFTの層間絶縁膜は、基板全面に設けられているため、シール材のパターンが層間絶縁膜の外周縁よりも内側に描画された場合、シール材のパターンの外側に位置する層間絶縁膜の一部から水分や不純物が浸入する恐れがある。従って、TFTの層間絶縁膜として用いる絶縁膜の外周は、シール材のパターンの内側、好ましくは、シール材パターンと重なるようにして絶縁膜の端部をシール材が覆うようにする。なお、シール材628で囲まれた領域には充填材627を充填する。或いは、シール材628で囲まれた領域には乾燥した不活性ガスを充填する。
最後にFPC632を異方性導電膜631により公知の方法で端子電極と貼りつける。なお、端子電極は、第1の電極623と同じ工程で得られる透明導電膜を最上層に用いることが好ましく、ゲート配線と同時に形成された導電積層上に形成した構造の電極である。
また、図9は駆動回路の上面図であり、図9中の鎖線X−Yで切断した断面が、図8の駆動回路部に対応している。
また、図11は、画素部の上面図を示しており、図11中の鎖線E−Fで切断した断面が、図8における画素部のpチャネル型TFT639の断面構造に対応している。また、図11中の鎖線M−Lで切断した断面が、図8における画素部のnチャネル型TFT638の断面構造に対応している。なお、図11中の680で示した実線は、絶縁物629の周縁を示している。ただし、図11においては、第2導電層のみを図示しており、第1導電層は図示していない。
また、図11中の鎖線V−Wで切断した断面を図12(B)に示す。図12(B)において、図8と同一の部分には同じ符号を用いる。鎖線V−Wで切断した周辺は容量部である。図12(B)に示すように第1容量801、第2容量802、第3容量803が形成される。第1容量801は、ゲート絶縁膜を誘電体として、リンが添加された半導体層681、683、685と、第1導電層686とで形成される容量である。また、第2容量802は、ゲート絶縁膜を誘電体として、半導体層(TFTのチャネル形成領域と同じ不純物濃度を有する半導体層682、684)と、第1導電層686とで形成される容量である。また、また、第3容量803は、層間絶縁膜を誘電体として、第2導電層と、電源線699で形成される容量である。
容量部においては、図12(A)に示すようなレジストパターン690を形成するため、回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスクまたはレチクルを用いる。第1導電層を通過させてリンを半導体層に添加することによって、第1容量801の増大を図っている。
ただし、図12(B)においては、絶縁物629の形成直後の断面構造を示している。
以上の工程によって、画素部と駆動回路と端子部とを同一基板上に形成することができる。
本実施の形態において、オフ電流低減のために画素部のTFTをダブルゲート構造とし、本実施の形態1または実施の形態4を用いて2つのチャネル形成領域の間隔を狭め、TFTの占有面積を縮小している。
また、発光装置において、発光装置の発光表示面は、一面または両面であってもよい。第1の電極623と第2の電極625とを透明導電膜で形成した場合、発光素子の光は、基板610及び封止基板633を通過して両側に取り出される。この場合、封止基板633や充填材627は透明な材料を用いることが好ましい。
また、第2の電極625を金属膜で形成し、第1の電極623を透明導電膜で形成した場合、発光素子の光は、基板610を通過して一方のみに取り出される構造、即ちボトムエミッション型となる。この場合、封止基板633や充填材627は透明な材料を用いなくともよい。
また、第1の電極623を金属膜で形成し、第2の電極625を透明導電膜で形成した場合、発光素子の光は、封止基板633を通過して一方のみに取り出される構造、即ちトップエミッション型となる。この場合、基板610は透明な材料を用いなくともよい。
また、第1の電極623及び第2の電極625は仕事関数を考慮して材料を選択する必要がある。但し第1の電極及び第2の電極は、画素構成によりいずれも陽極、又は陰極となりうる。駆動用TFTの極性がpチャネル型である場合、第1の電極を陽極、第2の電極を陰極とするとよい。また、駆動用TFTの極性がNチャネル型である場合、第1の電極を陰極、第2の電極を陽極とすると好ましい。
また、フルカラー表示する場合、本実施の形態の画素部における等価回路図を図10に示す。図8中の638が図10のスイッチングTFT638に対応しており、TFT639が電流制御用TFT639に対応している。赤色を表示する画素は、電流制御用TFT639のドレイン領域に赤色を発光するOLED703Rが接続され、ソース領域にはアノード側電源線(R)706Rが設けられている。また、OLED703Rには、カソード側電源線700が設けられている。また、緑色を表示する画素は、電流制御用TFTのドレイン領域に緑色を発光するOLED703Gが接続され、ソース領域にはアノード側電源線(G)706Gが設けられている。また、青色を表示する画素は、電流制御用TFTのドレイン領域に青色を発光するOLED703Bが接続され、ソース領域にはアノード側電源線(B)706Bが設けられている。それぞれ色の異なる画素にはEL材料に応じて異なる電圧をそれぞれ印加する。
また、発光装置において、画面表示の駆動方法は特に限定されず、例えば、点順次駆動方法や線順次駆動方法や面順次駆動方法などを用いればよい。代表的には、線順次駆動方法とし、時分割階調駆動方法や面積階調駆動方法を適宜用いればよい。また、発光装置のソース線に入力する映像信号は、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよく、適宜、映像信号に合わせて駆動回路などを設計すればよい。
さらに、ビデオ信号がデジタルの発光装置において、画素に入力されるビデオ信号が定電圧(CV)のものと、定電流(CC)のものとがある。ビデオ信号が定電圧のもの(CV)には、発光素子に印加される信号の電圧が一定のもの(CVCV)と、発光素子に印加される信号の電流が一定のもの(CVCC)とがある。また、ビデオ信号が定電流のもの(CC)には、発光素子に印加される信号の電圧が一定のもの(CCCV)と、発光素子に印加される信号の電流が一定のもの(CCCC)とがある。
また、発光装置において、静電破壊防止のための保護回路(保護ダイオードなど)を設けてもよい。
また、本実施の形態は実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、または実施の形態5と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態は、実施の形態6とは画素のレイアウトが一部異なる発光装置の一例を図13、図14、及び図15を用いて以下に説明する。
図13(A)は、絶縁表面を有する基板上に、半導体層と、半導体層を覆う絶縁膜(ゲート絶縁膜)と、第1導電層及び第2導電層からなる導電積層パターンとを形成した直後の画素部の上面図である。
図13(A)中鎖線O−Pで切断した断面構造に相当する断面図が図13(B)である。
本実施の形態では、回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスクまたはレチクルを用いて、第2導電層1702と重ならない第1導電層1701を部分的に形成している。例えば、図13(B)に示したように、半導体層と重ならないゲート絶縁膜1703上の配線においては、第1導電層1704と第2導電層1705との端面を一致させる。
また、画素部に配置するnチャネル型TFT部においては、第1導電層1704と重なるLDD領域を形成するために半導体層と重なる部分において、第1導電層1704が第2導電層1705より幅が広く、第2導電層1705と重ならない第1導電層1704を有している。
また、容量部においては、一方の側における第1導電層1701と第2導電層1702との端面は一致しているが、もう一方の側には第2導電層と重ならない第1導電層を有している。容量部において第2導電層と重ならない第1導電層の幅は、nチャネル型TFT部における第2導電層と重ならない第1導電層の幅よりも広い。なお、エッチング条件によっては容量部分の一方の側の1701と1702の端面が一致しない場合もあるが、そのずれはnチャネル型TFTの第2導電層1705と重ならない第1導電層1704の2つの部分のうち、一方の幅未満とすることが好ましい。
容量部においては、第1導電層1701を通過させて第1導電層と重なる半導体層にn型を付与する不純物元素が添加されており、容量の一方の電極として機能している。
また、画素部に配置されるpチャネル型TFTにおいては、半導体層とゲート絶縁膜を介して重なる第1導電層と第2導電層との端面を一致させる。
このように同一基板上において、第1導電層と第2導電層の断面形状が様々な配線や電極を設計することができる。
以降の工程を実施の形態6に従って、層間絶縁膜に対して半導体層に達するコンタクトホールを形成する工程まで行う。
そして、層間絶縁膜上に第3導電層、第4導電層、及び第5導電層を積層形成する。なお、第3導電層、第4導電層、及び第5導電層は、同じメタルスパッタ装置内で連続して形成する。
本実施の形態では、回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスクまたはレチクルを用いて、層間絶縁膜上に形成する配線をパターニングすることも特徴としている。
回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスクによって、後に形成する電極1623と重なる部分の膜厚が他より薄いレジストパターンを形成する。
このレジストパターンをマスクとして、エッチングを行い、第3導電層1640が単層で存在する部分と第3導電層1640、第4導電層、及び第5導電層1641とが積層して存在する部分とを有する接続電極を形成する。第3導電層1640及び第5導電層1641としては、高融点金属単体または高融点金属化合物を用いればよく、例えばチタンやモリブデンを用いる。また、第4導電層としては、アルミニウム単体またはアルミニウム合金を用いる。この接続電極は、pチャネル型TFT1639の半導体層と電気的に接続されている。また、接続電極と同様にして、TFTのソース電極またはドレイン電極として機能する電極も形成する。
以上の工程で、同一基板上にポリシリコン膜を活性層とするトップゲート型のTFT1636、1637、1638、1639が作製できる。
なお、画素部に配置されるTFT1638は、一つのTFTに複数のチャネル形成領域を有するnチャネル型TFTである。TFT1638は、ダブルゲート型のTFTである。また、画素部には、後に形成される発光素子と電気的に接続するTFT1639が設けられる。TFT1639においては、半導体層とゲート絶縁膜を介して重なる第1導電層と第2導電層との端面を一致させている。また、ここでは、オフ電流低減のため、TFT1639として、ダブルゲート型のpチャネル型TFTを示したが、特に限定されず、シングルゲート型のTFTとしてもよい。
また、駆動回路部に配置されるTFT1636はゲート電極と重なる低濃度不純物領域(LDD領域とも呼ぶ)を備えたnチャネル型TFTであり、TFT1637はpチャネル型TFTである。いずれもシングルゲート構造のTFTである。駆動回路部においては、TFT1636とTFT1637を相補的に接続することでCMOS回路を構成し、様々な種類の回路を実現することができる。また、必要であれば、マルチゲート構造のTFTとすることができる。TFT1637においては、半導体層とゲート絶縁膜を介して重なる第1導電層と第2導電層との端面を一致させておらず、第1導電層が第2導電層より幅が広く、第2導電層と重ならない部分のある第1導電層を有している。
そして、透明導電膜を成膜した後、パターニングして発光素子の一方となる電極1623を形成する。電極1623として、透光性を有する導電性材料からなる透明導電膜を用いればよく、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物などを用いることができる。勿論、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物(ITSO)なども用いることができる。電極1623は、接続電極の第3導電層1640と接して電気的に接続している。なお、電極1623は、第4導電層、及び第5導電層1641とは接しない。
次いで、隣合う電極1623を区切るための絶縁物1629を形成する。絶縁物1629を形成した段階の上面図が図14(A)である。また、図14(A)において、鎖線Q−Rで切断した断面図が図14(B)である。
以降の工程は、実施の形態6に従って、有機化合物層1624や、発光素子のもう一方となる電極1625を形成する。
次いで、実施の形態6と同様にして、蒸着法またはスパッタ法により保護層1626を形成する。
次いで、実施の形態6と同様に封止基板1633をシール材1628で貼り合わせて発光素子を封止する。なお、シール材1628で囲まれた領域には充填材1627を充填する。或いは、シール材1628で囲まれた領域には乾燥した不活性ガスを充填する。
最後にFPC1632を異方性導電膜1631により公知の方法で端子電極と貼りつける。(図15)
また、図14(A)において、鎖線S−Tで切断した断面図が図15の画素部のnチャネルTFTに相当する。
また、本実施の形態は実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、または実施の形態6と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態8)
ここでは、図16を用いて、発光表示パネルにFPCや、駆動用の駆動ICを実装する例について説明する。
図16(A)に示す図は、FPC1209を4カ所の端子部1208に貼り付けた発光装置の上面図の一例を示している。基板1210上には発光素子及びTFTを含む画素部1202と、TFTを含むゲート側駆動回路1203と、TFTを含むソース側駆動回路1201とが形成されている。TFTの活性層が結晶構造を有する半導体膜で構成されており、同一基板上にこれらの回路を形成している。従って、システムオンパネル化を実現したEL表示パネルを作製することができる。
なお、基板1210はコンタクト部以外において保護膜で覆われており、保護膜上に光触媒機能を有する物質を含む下地層が設けられている。
また、画素部を挟むように2カ所に設けられた接続領域1207は、発光素子の第2の電極を下層の配線とコンタクトさせるために設けている。なお、発光素子の第1の電極は画素部に設けられたTFTと電気的に接続している。
また、封止基板1204は、画素部および駆動回路を囲むシール材1205、およびシール材に囲まれた充填材料によって基板1210と固定されている。また、透明な乾燥剤を含む充填材料を充填する構成としてもよい。また、画素部と重ならない領域に乾燥剤を配置してもよい。
また、図16(A)に示した構造は、XGAクラスの比較的大きなサイズ(例えば対角4.3インチ)の発光装置で好適な例を示したが、図16(B)は、狭額縁化させた小型サイズ(例えば対角1.5インチ)で好適なCOG方式を採用した例である。
図16(B)において、基板1310上に駆動IC1301が実装され、駆動ICの先に配置された端子部1308にFPC1309を実装している。実装される駆動IC1301は、生産性を向上させる観点から、一辺が300mmから1000mm以上の矩形状の基板上に複数個作り込むとよい。つまり、基板上に駆動回路部と入出力端子を一つのユニットとする回路パターンを複数個形成し、最後に分割して駆動ICを個別に取り出せばよい。駆動ICの長辺の長さは、画素部の一辺の長さや画素ピッチを考慮して、長辺が15〜80mm、短辺が1〜6mmの矩形状に形成してもよいし、画素領域の一辺、又は画素部の一辺と各駆動回路の一辺とを足した長さに形成してもよい。
駆動ICのICチップに対する外形寸法の優位性は長辺の長さにあり、長辺が15〜80mmで形成された駆動ICを用いると、画素部に対応して実装するのに必要な数がICチップを用いる場合よりも少なくて済み、製造上の歩留まりを向上させることができる。また、ガラス基板上に駆動ICを形成すると、母体として用いる基板の形状に限定されないので生産性を損なうことがない。これは、円形のシリコンウエハからICチップを取り出す場合と比較すると、大きな優位点である。
また、TAB方式を採用してもよく、その場合は、複数のテープを貼り付けて、該テープに駆動ICを実装すればよい。COG方式の場合と同様に、単数のテープに単数の駆動ICを実装してもよく、この場合には、強度の問題から、駆動ICを固定するための金属片等を一緒に貼り付けるとよい。
また、画素部1302と駆動IC1301の間に設けられた接続領域1307は、発光素子の第2の電極を下層の配線とコンタクトさせるために設けている。なお、発光素子の第1の電極は画素部に設けられたTFTと電気的に接続している。
また、封止基板1304は、画素部1302を囲むシール材1305、およびシール材に囲まれた充填材料によって基板1310と固定されている。
また、画素部のTFTの活性層として非晶質半導体膜を用いる場合には、駆動回路を同一基板上に形成することは困難であるため、大きなサイズであっても図16(B)の構成となる。
また、ここでは表示装置としてアクティブマトリクス型の発光装置の例を示したが、アクティブマトリクス型の液晶表示装置にも適用できることはいうまでもない。アクティブマトリクス型の液晶表示装置においては、マトリクス状に配置された画素電極を駆動することによって、画面上に表示パターンが形成される。詳しくは選択された画素電極と該画素電極に対応する対向電極との間に電圧が印加されることによって、素子基板に設けられた画素電極と対向基板に設けられた対向電極との間に配置された液晶層の光学変調が行われ、この光学変調が表示パターンとして観察者に認識される。対向基板と素子基板は、等間隔で配置され、液晶材料が充填されている。液晶材料は、シール材を閉パターンとして気泡が入らないように減圧下で液晶の滴下を行い、両方の基板を貼り合わせる方法を用いてもよいし、開口部を有するシールパターンを設け、TFT基板を貼りあわせた後に毛細管現象を用いて液晶を注入するディップ式(汲み上げ式)を用いてもよい。
また、カラーフィルタを用いずに、光シャッタを行い、RGBの3色のバックライト光源を高速で点滅させるフィールドシーケンシャル方式の駆動方法を用いた液晶表示装置にも本発明は、適用できる。
以上の様に、本発明を実施する、即ち実施の形態1乃至7のいずれか一の作製方法または構成を用いたパネルにFPCや、駆動用の駆動ICを実装した後、様々な電子機器を完成させることができる。
(実施の形態9)
本実施の形態は、液晶表示装置の構成について図面を参照して説明する。
図17において、基板1010上に下地絶縁膜1011を形成する。基板1010としては、光透過性を有するガラス基板や石英基板を用いればよい。また、処理温度に耐えうる耐熱性を有する光透過性のプラスチック基板を用いてもよい。また、反射型の液晶表示装置の場合には、前述の基板の他にシリコン基板、金属基板またはステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。ここでは基板1010としてガラス基板を用いる。
下地絶縁膜1011としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜から成る下地膜を形成する。ここでは下地膜として単層構造を用いた例を示すが、前記絶縁膜を2層以上積層させた構造を用いても良い。なお、基板の凹凸や、基板からの不純物拡散が問題にならないのであれば、特に下地絶縁膜を形成しなくてもよい。
また、マイクロ波で励起され、電子温度が2eV以下、イオンエネルギーが5eV以下、電子密度が1011〜1013/cm程度である高密度プラズマで、ガラス基板の表面を直接処理しても良い。プラズマの生成はラジアルスロットアンテナを用いたマイクロ波励起のプラズマ処理装置を用いることができる。このとき、窒素(N)、またはアンモニア(NH)、亜酸化窒素(NO)などの窒化物気体を導入すると、ガラス基板の表面を窒化することができる。このガラス基板の表面に形成された窒化物層は、窒化珪素を主成分とするので、ガラス基板側から拡散してくる不純物のブロッキング層として利用することができる。この窒化物層の上に酸化珪素膜または酸窒化珪素膜をプラズマCVD法で形成して下地層1011としても良い。
次いで、下地絶縁膜上に半導体層を形成する。半導体層は、非晶質構造を有する半導体膜をスパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法などにより成膜した後、結晶化処理として、レーザー結晶化法、熱結晶化法、またはニッケルなどの触媒を用いた熱結晶化法などを行って得られた結晶質半導体膜を第1のフォトマスクを用いて所望の形状にパターニングして、半導体層を形成する。なお、プラズマCVD法を用いれば、下地絶縁膜と、非晶質構造を有する半導体膜とを大気に触れることなく連続的に積層することができる。この半導体膜の厚さは25〜80nm(好ましくは30〜70nm)の厚さで形成する。結晶質半導体膜の材料に限定はないが、好ましくはシリコンまたはシリコンゲルマニウム(SiGe)合金などで形成すると良い。
半導体層に対して、必要があればTFTのしきい値を制御するために、微量な不純物元素(ボロンまたはリン)のドーピングを半導体層に対して行う。例えば、ジボラン(B)を質量分離しないでプラズマ励起したイオンドープ法を用いることができる。
次いで、フッ酸を含むエッチャントで半導体層表面の酸化膜を除去すると同時に半導体層の表面を洗浄する。そして、半導体層を覆うゲート絶縁層を形成する。このゲート絶縁層は、後に形成されるTFTのゲート絶縁膜として機能する。ゲート絶縁層はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを1〜200nmとする。好ましくは10nm〜50nmと薄くしてシリコンを含む絶縁膜の単層または積層構造で形成した後にマイクロ波によるプラズマを用いた表面窒化処理を行う。この場合において、当該絶縁膜の表面を、前述と同様に、マイクロ波で励起され、電子温度が2eV以下、イオンエネルギーが5eV以下、電子密度が1011〜1013/cm程度である高密度プラズマ処理によって酸化又は窒化処理して緻密化しても良い。この処理はゲート絶縁層の成膜の前に行っても良い。すなわち、半導体層の表面に対してプラズマ処理を行う。このとき、基板温度を300〜450℃とし、酸化雰囲気(O、NOなど)又は窒化雰囲気(N、NHなど)で処理することにより、その上に堆積するゲート絶縁層と良好な界面を形成することができる。
次いで、絶縁膜上に膜厚20〜100nmの第1の導電膜と、膜厚100〜400nmの第2の導電膜とを積層形成する。本実施の形態では、ゲート絶縁層613上に膜厚30nmの窒化タンタル膜、膜厚370nmのタングステン膜を順次積層し、実施の形態1に示したパターニングを行って各ゲート電極及び各配線を形成する。本実施の形態では、回折格子パターン或いは半透膜からなる光強度低減機能を有する補助パターンを設置したフォトマスクまたはレチクルを用いて、各ゲート電極及び各配線を形成する。この態様は実施の形態1で説明したものと同様である。
なお、ここでは導電膜を窒化タンタル(TaN)膜とタングステン(W)膜との積層としたが、特に限定されず、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料の積層で形成してもよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜を用いてもよい。また、2層構造に限定されず、例えば、膜厚50nmのタングステン膜、膜厚500nmのアルミニウムとシリコンの合金(Al−Si)膜、膜厚30nmの窒化チタン膜を順次積層した3層構造としてもよい。
上記第1の導電膜及び第2の導電膜のエッチング(第1のエッチング処理および第2のエッチング処理)にはICPエッチング法を用いると良い。ICPエッチング法を用い、エッチング条件(コイル型の電極に印加される電力量、基板側の電極に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節することによって所望のテーパー形状に膜をエッチングすることができる。
次いで、n型を付与する不純物元素を半導体層に添加するため、ゲート電極をマスクとして全面にドーピングする第1のドーピング処理を行う。第1のドーピング処理はイオンドープ法、もしくはイオン注入法で行えば良い。イオンドープ法の条件はドーズ量を1.5×1013atoms/cmとし、加速電圧を50〜100kVとして行う。n型を付与する不純物元素として、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いる。
次いで、レジストからなるマスクを形成した後、半導体にn型を付与する不純物元素を高濃度にドープするための第2のドーピング工程を行う。マスクは、画素部のpチャネル型TFTを形成する半導体層のチャネル形成領域及びその周辺の領域と、画素部のnチャネル型TFTの一部と、駆動回路部のpチャネル型TFTを形成する半導体層のチャネル形成領域及びその周辺の領域に不純物をドープしないために設ける。第2のドーピング工程におけるイオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜5×1015/cmとし、加速電圧を60〜100kVとして行う。
次いで、半導体にp型を付与する不純物元素(代表的にはボロン)を高濃度にドープするための第3のドーピング工程を行う。マスクは、画素部のnチャネル型TFTを形成する半導体層のチャネル形成領域及びその周辺の領域と、駆動回路部のnチャネル型TFTを形成する半導体層のチャネル形成領域及びその周辺の領域に不純物をドープしないように保護するために設ける。
以上までの工程でそれぞれの半導体層にn型またはp型の導電型を有する不純物領域が形成される。
次いで、スパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等を用いて、水素を含む絶縁膜を成膜する。この絶縁膜は、窒化シリコンまたは酸窒化シリコンで形成する。この絶縁膜は、半導体層の汚染を防ぐ保護膜としての機能を含んでいる。この絶縁膜を堆積した後に、水素ガスを導入して前述のようにマイクロ波で励起された高密度プラズマ処理をすることで、絶縁膜に水素を導入しても良い。または、アンモニアガスを導入して、絶縁膜の窒化と絶縁膜への水素導入の両方を行っても良い。または、酸素、NOガスなどと水素ガスを導入して、絶縁膜の酸化窒化処理と水素導入の両方を行っても良い。この方法により、窒化処理、酸化処置若しくは酸化窒化処理を行うことにより絶縁膜の表面を緻密化することができる。それにより保護膜としての機能を強化することができる。この絶縁膜に導入された水素は、その後400〜450℃の熱処理をすることにより、絶縁膜を形成する窒化シリコンから水素を放出させて、半導体層1060の水素化をすることができる。
次いで、スパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等を用いて第1層間絶縁膜を形成する。第1層間絶縁膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜の単層または積層を用いる。第1層間絶縁膜の膜厚は600nm〜800nmとする。次いで、フォトマスクを用いてレジストからなるマスクを形成し、第1層間絶縁膜を選択的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。そして、レジストからなるマスクを除去する。
次いで、スパッタ法により金属膜を積層した後、フォトマスクを用いてレジストからなるマスクを形成し、選択的に金属積層膜をエッチングして、TFTのソース電極またはドレイン電極として機能する電極を形成する。なお、金属積層膜は、同じメタルスパッタ装置内で連続して形成する。そして、レジストからなるマスクを除去する。
以上の工程で、同一基板上にポリシリコン膜を活性層とするトップゲート型のTFT1036、1037、1038が作製できる。
なお、画素部に配置されるTFT1038は、一つのTFTに複数のチャネル形成領域を有するnチャネル型TFTである。TFT1038は、マルチゲート型のTFTである。
また、駆動回路部に配置されるTFT1036はゲート電極と重なる低濃度不純物領域を備えたnチャネル型TFTであり、TFT1037はpチャネル型TFTである。いずれもシングルゲート構造のTFTである。駆動回路部においては、TFT1036とTFT1037を相補的に接続することでCMOS回路を構成し、様々な種類の回路を実現することができる。また、必要であれば、マルチゲート構造のTFTとすることができる。
次いで、第2層間絶縁膜1023を形成する。第2層間絶縁膜1023は、ポリイミド、アクリル樹脂などの有機樹脂絶縁材料を用い、スピン塗布法で形成する。この第2層間絶縁膜1023は、下地表面の凹凸の影響を表面に反映させないようにする、平坦化膜としての機能を有している。
次いで、第2層間絶縁膜1023に、下層に位置するnチャネル型TFT1038に接続する配線1051を露出させるコンタクトホールを形成し、画素電極1024を形成する。画素電極1024としては、透光性を有する導電性材料からなる透明導電膜を用いればよく、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物などを用いることができる。勿論、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物(ITSO)なども用いることができる。
ここで、透光性を有する導電性材料の組成比例を述べる。酸化タングステンを含むインジウム酸化物の組成比は、酸化タングステン1.0wt%、インジウム酸化物99.0wt%とすればよい。酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物の組成比は、酸化タングステン1.0wt%、酸化亜鉛0.5wt%、インジウム酸化物98.5wt%とすればよい。酸化チタンを含むインジウム酸化物の組成比は、酸化チタン1.0wt%〜5.0wt%、インジウム酸化物99.0wt%〜95.0wt%とすればよい。インジウム錫酸化物(ITO)の組成比は、酸化錫10.0wt%、インジウム酸化物90.0wt%とすればよい。インジウム亜鉛酸化物(IZO)の組成比は、酸化亜鉛10.7wt%、インジウム酸化物89.3wt%とすればよい。酸化チタンを含むインジウム錫酸化物の組成比は、酸化チタン5.0wt%、酸化錫10.0wt%、インジウム酸化物85.0wt%とすればよい。上記組成比は一例であり、適宜その組成比の割合は設定すればよい。
画素電極1024の上には、配向膜1025を形成する。また、対向基板1033にも同様に、透光性を有する導電性材料からなる透明導電膜で対向電極1029、配向膜1030を形成する。
次いで、基板1010と対向基板1033とを間隔をもってシール材1028で固定する。この両基板の間隔は、スペーサ1026によって保持する。基板1010と対向基板1033との間には、液晶層1027を形成する。液晶層1027は、滴下方式によって、対向基板1033を固定する前に形成しても良い。
最後にFPC1032を異方性導電膜1031により公知の方法で端子電極と貼りつける(図17参照。)。なお、端子電極は、画素電極1024と同じ工程で得られる透明導電膜を最上層に用いることが好ましく、ゲート配線と同時に形成された導電積層上に形成した構造の電極である。
図18は、図17に対応する画素部の上面図を示している。画素は、ソース信号線1050とゲート配線1061の交差部に設けられ、nチャネル型トランジスタ1038と容量素子1039とを有する。なお、図18では液晶素子の液晶を駆動する一対の電極のうちの一方の電極(画素電極1024)のみを示す。
nチャネル型トランジスタ1038は、半導体層1060と、第1の絶縁層と、第1の絶縁層を介して半導体層1060と重なるゲート配線1061の一部によって構成される。半導体層1060がnチャネル型トランジスタ1038のチャネル部を形成する。nチャネル型トランジスタ1038のソース及びドレインの一方は、コンタクトホールによってソース信号線1050と接続され、他方はコンタクトホールによって配線1051と接続されている。配線1051はコンタクトホールによって画素電極1024と接続されている。配線1051はソース信号線1050と同じ導電層を用い、同時にパターニングして形成することができる。
容量素子1039は、半導体層と、第1の絶縁層と第1の絶縁層を介して半導体層と重なる容量配線1052とを一対の電極とし、第1の絶縁層を誘電層とした構成の容量素子(第1の容量素子と呼ぶ)とすることができる。
また、図18で示す半導体層1060を形成するためのフォトマスクは、図19に示すマスクパターン1020を備えている。このマスクパターン1020は、フォトリソグラフィ工程で用いるレジストがポジ型かネガ型かで異なる。ポジ型レジストを用いる場合には、図19で示すマスクパターン1020は、多角形の頂部Aを削除した形状となっている。また、屈曲部Bにおいては、その角部が直角とならないように複数段に渡って屈曲する形状となっている。このフォトマスクのパターンは、例えば、パターンの角部であって(直角三角形)の一辺が10μm以下の大きさに角部を削除している。
図19で示すマスクパターン1020は、その形状が、図18で示す半導体層1060に反映される。その場合、マスクパターン1020と相似の形状が転写されても良いが、マスクパターン1020の角部がさらに丸みを帯びるように転写されていても良い。すなわち、マスクパターン1020よりもさらにパターン形状をなめらかにした、丸め部を設けても良い。
また、このゲート配線を形成するためのフォトマスクは、図20に示すマスクパターン1021を備えている。このマスクパターン1021は、角部であって、(直角三角形)の一辺が10μm以下、または、配線の線幅の1/2以下で、線幅の1/5以上の大きさに角部を削除している。また、半導体層と重なる部位においては、Crなどの金属膜からなる遮光部と、補助パターンとして、半透膜が設けられた部分1022とを有している。この構成は図5で説明したものと同様の構成を備えている。
図20で示すマスクパターン1021は、その形状が、図18で示すゲート配線1061に反映される。その場合、マスクパターン1021と相似の形状が転写されても良いが、マスクパターン1021の角部がさらに丸みを帯びるように転写されていても良い。すなわち、マスクパターン1021よりもさらにパターン形状をなめらかにした、丸め部を設けても良い。すなわち、ゲート配線1061の角部は、線幅の1/2以下であって1/5以上にコーナー部に丸みをおびさせる。凸部はプラズマによるドライエッチの際、異常放電による微粉の発生を抑え、凹部では、洗浄のときに、たとえできた微粉であっても、それが角に集まりやすいのを洗い流す結果として歩留まり向上が甚だしく期待できるという効果を有する。
ソース信号線1050及び配線1051を形成するためのフォトマスクのパターンも同様であり、その角部を一辺が10μm以下、または配線の線幅の1/2以下であって1/5以上の長さに面取りした形状のものを用いる。このフォトマスクのパターンを用いてマスクパターンを作製し当該マスクパターンを用いたエッチング加工によってソース信号線1050及び接続配線1051をパターニング形成する。ソース信号線1050及び接続配線1051のパターンの角部に丸みを帯びるようにしても良い。すなわち、露光条件やエッチング条件を適切に定めることによって、フォトマスクのパターンよりも更にソース信号線1050及び配線1051のパターン形状をなめらかにしても良い。こうして、角部が丸くなったソース信号線1050及び配線1051が形成される。
このように、配線や電極において、屈曲部や配線幅が変化する部位の角部をなめらかにして、丸みを付けることにより以下の効果がある。凸部を面取りすることによって、プラズマを用いたドライエッチングを行う際、異常放電による微粉の発生を抑えることができる。また、凹部を面取りすることによって、たとえできた微粉であっても、洗浄のときに当該微粉が角に集まるのを防止し、当該微粉を洗い流すことができる。こうして、製造工程における塵や微粉の問題を解消し、歩留まりを向上させることができる。
以上の工程によって、画素部と駆動回路と端子部とを同一基板上に形成することができる。本実施の形態において、オフ電流低減のために画素部のnチャネル型TFTをダブルゲート構造とし、2つのチャネル形成領域の間隔を狭め、TFTの占有面積を縮小している。
本実施の形態は実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4等と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態10)
図21を参照して、実施の形態9で得られる液晶表示パネルにFPCや、駆動用の駆動ICを実装する例について説明する。
図21(A)に示す図は、FPC1409を2カ所の端子部1408に貼り付けた表示装置の上面図の一例を示している。基板1410上には液晶層及びTFTを含む画素部1402と、TFTを含むゲート側駆動回路1403と、TFTを含むソース側駆動回路1401とが形成されている。TFTの活性層が結晶構造を有する半導体膜で構成されており、同一基板上にこれらの回路を形成している。従って、システムオンパネル化を実現した液晶表示パネルを作製することができる。
対向基板1404は、画素部および駆動回路を囲むシール材1405によって基板1410と固定されている。図21(A)に示した構造は、XGAクラスの比較的大きなサイズ(例えば対角4.3インチ)の表示装置で好適な例を示すが、図21(B)は、狭額縁化させた小型サイズ(例えば対角1.5インチ)で好適なCOG方式を採用した例である。
図21(B)において、基板1510上に駆動IC1501が実装され、駆動ICの先に配置された端子部1508にFPC1509を実装している。実装される駆動IC1501は、生産性を向上させる観点から、一辺が300mmから1000mm以上の矩形状の基板上に複数個作り込むとよい。つまり、基板上に駆動回路部と入出力端子を一つのユニットとする回路パターンを複数個形成し、最後に分割して駆動ICを個別に取り出せばよい。駆動ICの長辺の長さは、画素部の一辺の長さや画素ピッチを考慮して、長辺が15〜80mm、短辺が1〜6mmの矩形状に形成してもよいし、画素領域の一辺、又は画素部の一辺と各駆動回路の一辺とを足した長さに形成してもよい。
駆動ICのICチップに対する外形寸法の優位性は長辺の長さにあり、長辺が15〜80mmで形成された駆動ICを用いると、画素部に対応して実装するのに必要な数がICチップを用いる場合よりも少なくて済み、製造上の歩留まりを向上させることができる。また、ガラス基板上に駆動ICを形成すると、母体として用いる基板の形状に限定されないので生産性を損なうことがない。これは、円形のシリコンウエハからICチップを取り出す場合と比較すると、大きな優位点である。
また、TAB方式を採用してもよく、その場合は、複数のテープを貼り付けて、該テープに駆動ICを実装すればよい。COG方式の場合と同様に、単数のテープに単数の駆動ICを実装してもよく、この場合には、強度の問題から、駆動ICを固定するための金属片等を一緒に貼り付けるとよい。
また、対向基板1504は、画素部1502を囲むシール材1505によって基板1510と固定されている。
以上の様に、本発明を実施する、即ち実施の形態1乃至5等のいずれか一の作製方法または構成を用いたパネルにFPCや、駆動用の駆動ICを実装した後、様々な電子機器を完成させることができる。
(実施の形態11)
本発明の半導体装置、及び電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機又は電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。それら電子機器の具体例を図22および図23に示す。
図22(A)はデジタルカメラであり、本体2101、表示部2102、撮像部、操作キー2104、シャッター2106等を含む。なお、図22(A)は表示部2102側からの図であり、撮像部は示していない。本発明により、高精細な表示部を有し、且つ、信頼性の高いデジタルカメラが実現できる。
図22(B)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体2201、筐体2202、表示部2203、キーボード2204、外部接続ポート2205、ポインティングマウス2206等を含む。本発明により、高精細な表示部を有し、且つ、信頼性の高いノート型パーソナルコンピュータを実現することができる。
図22(C)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2401、筐体2402、表示部A2403、表示部B2404、記録媒体(DVD等)読込部2405、操作キー2406、スピーカー部2407等を含む。表示部A2403は主として画像情報を表示し、表示部B2404は主として文字情報を表示する。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。本発明により、高精細な表示部を有し、且つ、信頼性の高い画像再生装置を実現することができる。
また、図22(D)は表示装置であり、筐体1901、支持台1902、表示部1903、スピーカ1904、ビデオ入力端子1905などを含む。この表示装置は、上述した実施の形態で示した作製方法により形成した薄膜トランジスタをその表示部1903および駆動回路に用いることにより作製される。なお、表示装置には液晶表示装置、発光装置などがあり、具体的にはコンピュータ用、テレビ受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。本発明により、高精細な表示部を有し、且つ、信頼性の高い表示装置、特に22インチ〜50インチの大画面を有する大型の表示装置を実現することができる。
図23で示す携帯電話機は、操作スイッチ類904、マイクロフォン905などが備えられた本体(A)901と、表示パネル(A)908、表示パネル(B)909、スピーカ906などが備えられた本体(B)902とが、蝶番910で開閉可能に連結されている。表示パネル(A)908と表示パネル(B)909は、回路基板907と共に本体(B)902の筐体903の中に収納される。表示パネル(A)908及び表示パネル(B)909の画素部は筐体903に形成された開口窓から視認できるように配置される。
表示パネル(A)908と表示パネル(B)909は、その携帯電話機の機能に応じて画素数などの仕様を適宜設定することができる。例えば、表示パネル(A)908を主画面とし、表示パネル(B)909を副画面として組み合わせることができる。
本発明により、高精細な表示部を有し、且つ、信頼性の高い携帯情報端末を実現することができる。
本実施の形態に係る携帯電話機は、その機能や用途に応じてさまざまな態様に変容し得る。例えば、蝶番910の部位に撮像素子を組み込んで、カメラ付きの携帯電話機としても良い。また、操作スイッチ類904、表示パネル(A)908、表示パネル(B)909を一つの筐体内に納めた構成としても、上記した作用効果を奏することができる。また、表示部を複数個そなえた情報表示端末に本実施の形態の構成を適用しても、同様な効果を得ることができる。
以上の様に、本発明を実施する、即ち実施の形態1乃至10のいずれか一の作製方法または構成を用いて、様々な電子機器を完成させることができる。
本発明の半導体装置を示す工程断面図。(実施の形態1) 本発明の半導体装置を示す工程断面図。(実施の形態1) 本発明の半導体装置を示す断面図。(実施の形態2) 本発明の半導体装置を示す断面図。(実施の形態3) 露光マスクの上面図および断面図を示す図。(実施の形態4) ガラス基板上に形成したレジストパターンの断面写真図。(実施の形態5) 半導体装置の作製工程を示す断面図。(実施の形態5) アクティブマトリクス型EL表示装置の構成を示す断面図。(実施の形態6) アクティブマトリクス型EL表示装置の駆動回路の一部を示す上面図。(実施の形態6) アクティブマトリクス型EL表示装置の画素部の構成を示す図。(実施の形態6) アクティブマトリクス型EL表示装置の画素部の等価回路を示す図。(実施の形態6) アクティブマトリクス型EL表示装置の画素部の一部(容量部)を示す断面図。(実施の形態6) アクティブマトリクス型EL表示装置の作製途中の上面図および断面図。(実施の形態7) アクティブマトリクス型EL表示装置の構成を示す断面図。(実施の形態7) アクティブマトリクス型EL表示装置の構成を示す断面図。(実施の形態7) ELモジュールの一例を示す図。 液晶表示装置の構成について説明する図。 液晶表示装置に係る画素の構成について説明する図。 露光マスクパターンについて説明する図。 補助パターンを設置した露光マスクパターンについて説明する図。 液晶モジュールの一例を示す図。 電子機器の一例を示す図。 電子機器の一例を示す図。
符号の説明
101 基板
102 第1絶縁膜(下地絶縁膜)
103 半導体層
104 第2絶縁膜(ゲート絶縁膜)
105a 第1導電層
105b 第1導電層
106a 第2導電層
106b 第2導電層
106c 第2導電層
107a マスクパターン
107b マスクパターン
107c マスクパターン
108a 一導電型不純物領域
108b 一導電型不純物領域
109 一導電型不純物領域
110 一導電型不純物領域
111 一導電型不純物領域
112 第3絶縁膜
113 第4絶縁膜
114 ソース電極
115 ドレイン電極

Claims (31)

  1. 絶縁表面を有する基板上方に、直列に接続された二つ以上のチャネル形成領域を有する半導体層と、
    前記半導体層上方にゲート絶縁層と、
    前記ゲート絶縁層上に導電層の積層からなるゲート電極とを有し、
    前記半導体層は、ソース領域と、ドレイン領域と、ソース領域とドレイン領域との間に第1のチャネル形成領域及び第2のチャネル形成領域と、第1のチャネル形成領域と第2のチャネル形成領域の間に中間不純物領域とを有し、
    ゲート電極の積層の一つを構成する第1の導電層は、第1のチャネル形成領域、中間不純物領域、及び第2のチャネル形成領域と少なくとも重なり、
    ゲート電極の積層の一つを構成する第2の導電層は、第1の導電層上に接し、且つ、前記第1のチャネル形成領域と重なり、
    ゲート電極の積層の一つを構成する第3の導電層は、第1の導電層上に接し、且つ、前記第2の導電層とは離間配置されて前記第2のチャネル形成領域と重なることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1において、前記第2の導電層と前記第3の導電層は、同じ材料であることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1または請求項2において、前記第1の導電層と前記第2の導電層は、異なる材料であることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一において、前記第1の導電層は、前記第1のチャネル形成領域の幅と、前記第2のチャネル形成領域の幅と、前記中間不純物領域の幅とを合計した値よりも大きい幅を有することを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一において、前記第2の導電層の幅は、前記第1のチャネル形成領域の幅と同一であることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一において、前記第3の導電層の幅は、前記第2のチャネル形成領域の幅と同一であることを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一において、前記第1の導電層の膜厚は、前記第2の導電層及び前記第3の導電層よりも薄いことを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一において、前記ソース領域、および前記ドレイン領域は、前記第1の導電層の外側に位置することを特徴とする半導体装置。
  9. 絶縁表面を有する基板上方に、直列に接続された二つ以上のチャネル形成領域を有する半導体層と、
    前記半導体層上方にゲート絶縁層と、
    前記ゲート絶縁層上に導電層の積層からなるゲート電極とを有し、
    前記半導体層は、一対の高濃度不純物領域と、一対の高濃度不純物領域の間に第1のチャネル形成領域及び第2のチャネル形成領域と、一方の高濃度不純物領域と第1のチャネル形成領域との間に第1の低濃度不純物領域と、もう一方の高濃度不純物領域と第2のチャネル形成領域との間に第2の低濃度不純物領域と、第1のチャネル形成領域と第2のチャネル形成領域の間に中間不純物領域とを有し、
    ゲート電極の積層の一つを構成する第1の導電層は、第1の低濃度不純物領域、第1のチャネル形成領域、中間不純物領域、第2の低濃度不純物領域、及び第2のチャネル形成領域と少なくとも重なり、
    ゲート電極の積層の一つを構成する第2の導電層は、第1の導電層上に接し、且つ、前記第1のチャネル形成領域と重なり、
    ゲート電極の積層の一つを構成する第3の導電層は、第1の導電層上に接し、且つ、前記第2の導電層とは離間配置されて前記第2のチャネル形成領域と重なることを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項9において、前記第1の低濃度不純物領域と前記第2の低濃度不純物領域は、同じ濃度でn型またはp型の不純物元素を含むことを特徴とする半導体装置。
  11. 請求項9または請求項10において、前記中間不純物領域は、前記第1の低濃度不純物領域または前記第2の低濃度不純物領域と同じ濃度でn型またはp型の不純物元素を含むことを特徴とする半導体装置。
  12. 請求項9乃至11のいずれか一において、前記第1の低濃度不純物領域の幅と、前記第2の低濃度不純物領域の幅は同じであることを特徴とする半導体装置。
  13. 請求項9乃至12のいずれか一において、前記第2の導電層と前記第3の導電層は、同じ材料であることを特徴とする半導体装置。
  14. 請求項9乃至13のいずれか一において、前記第1の導電層と前記第2の導電層は、異なる材料であることを特徴とする半導体装置。
  15. 請求項9乃至14のいずれか一において、前記第1の導電層は、前記第1のチャネル形成領域の幅と、前記第2のチャネル形成領域の幅と、前記中間不純物領域の幅と第1の低濃度不純物領域の幅と、前記第2の低濃度不純物領域の幅と、を合計した幅を有することを特徴とする半導体装置。
  16. 請求項9乃至15のいずれか一において、前記第2の導電層の幅は、前記第1のチャネル形成領域の幅と同一であることを特徴とする半導体装置。
  17. 請求項9乃至16のいずれか一において、前記第3の導電層の幅は、前記第2のチャネル形成領域の幅と同一であることを特徴とする半導体装置。
  18. 請求項9乃至17のいずれか一において、前記第1の導電層の膜厚は、前記第2の導電層及び前記第3の導電層よりも薄いことを特徴とする半導体装置。
  19. 請求項9乃至18のいずれか一において、前記一対の高濃度不純物領域は、前記第1の導電層の外側に位置することを特徴とする半導体装置。
  20. 半導体層上に絶縁膜を形成し、
    該絶縁膜上に第1の導電膜を形成し、
    該第1の導電膜上に第2の導電膜を形成し、
    前記半導体層上方の第2の導電膜上に両端部および中央部に膜厚の薄いレジストパターンを形成し、
    エッチングを行って半導体層上方に第1の幅を有する第1の導電層と、
    第1の導電層上に互いに離間配置された第2の導電層及び第3の導電層と、を形成し、
    前記第1の導電層、前記第2の導電層及び前記第3の導電層をマスクとして前記半導体層に不純物元素を添加して第1の導電層の外側に位置する半導体層に一対の高濃度不純物領域を形成し、
    前記第2の導電層及び前記第3の導電層をマスクとして前記半導体層に不純物元素を添加して第1の導電層と重なる半導体層に低濃度不純物領域を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  21. 請求項20において、前記第1の導電層は、第1の導電膜をエッチングすることで形成され、前記第2の導電層及び前記第3の導電層は、第2の導電膜をエッチングすることで形成されることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  22. 請求項20または請求項21において、前記第1の導電層の幅は、前記第2の導電層の幅と前記第3の導電層の幅の和よりも広いことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  23. 請求項20乃至22のいずれか一において、前記レジストパターンは、回折格子パターン、或いは半透膜を有するフォトマスク又はレチクルを使用して形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  24. 請求項20乃至23のいずれか一において、前記第1の導電層、前記第2の導電層、及び前記第3の導電層は、ゲート電極であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  25. 半導体層を覆う絶縁膜を形成し、
    該絶縁膜上に第1の導電膜、第2の導電膜、及び第3の導電膜を積層形成し、
    第3の導電膜上に部分的に膜厚の異なるレジストパターンを形成し、
    エッチングを行って、第1の導電膜、第2の導電膜、及び第3の導電膜が積層された部分と、第1の導電膜の単層の部分とを有する電極を形成し、
    前記絶縁膜上に、第1の導電層の単層の部分上面と接して重なる透明導電膜を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  26. 請求項25において、前記レジストパターンは、回折格子パターン、或いは半透膜を有するフォトマスク又はレチクルを使用して形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  27. 請求項25または請求項26において、前記部分的に膜厚の異なるレジストパターンは、第1の膜厚を有する部位と、前記第1の膜厚より薄い第2の膜厚を有する部位とを有し、
    前記第2の膜厚を有する部位は、レジストパターンの先端部であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  28. 請求項25乃至27のいずれか一において、前記第1の導電膜は、前記絶縁膜に形成されたコンタクトホールを通じて半導体層の一部と接していることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  29. 請求項25乃至28のいずれか一において、前記第1の導電膜は、高融点金属単体または高融点金属化合物であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  30. 請求項25乃至29のいずれか一において、前記第2の導電膜は、アルミニウム単体またはアルミニウム合金であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  31. 請求項25乃至30のいずれか一において、前記第3の導電膜は、高融点金属単体または高融点金属化合物であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
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