JP2007003981A - 電気光学装置及びその駆動方法並びに電子機器 - Google Patents

電気光学装置及びその駆動方法並びに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 液晶装置等の電気光学装置において、ラビング処理等を必要とせず、且つ、画素内に発生するディスクリネーションを低減する。
【解決手段】 電気光学装置は、一対の第1及び第2基板間に誘電率異方性が負の液晶分子を含む液晶層が挟持されたホメオトロピック配向モードであり、第1基板に、(i)画素アレイ領域に配列された複数の画素電極と、(ii)相交差する複数のデータ線及び複数の走査線とを備え、相互に隣接する2n(nは自然数)本の走査線を一組として、該一組に対応する画素電極毎に供給される画像信号の電位の極性が基準電位に対して反転するように駆動される。
【選択図】 図11

Description

本発明は、例えば液晶表示装置等の電気光学装置及びその駆動方法並びに電子機器の技術分野に関する。
この種の液晶表示装置では、例えばTN(Twisted Nematic)液晶、STN(Super Twisted Nematic)液晶等が用いられ、配向膜近傍の液晶分子にプレチルト或いは初期配向を与える必要がある。このようなプレチルトは、一般的にはラビング処理によって与えられるが、配向膜をラビングする際にラビング筋等の欠陥が生じやすく、表示画像の劣化を招くことになる。このため、MVA(multi-domainverical alignment)、ASV(Advanced Super View)、PVA(Patterned Vertical Alignment)等のラビング処理を用いない方式が提案されている。これらの方式は、リブと呼ばれる突起物を基板に設けることによってプレチルトを与えたり、液晶に電界を斜めに印加したりすることによって液晶分子にプレチルトを与えるものである。例えば特許文献1では、対向電極に開口部を設け、開口部が形成された領域周辺の液晶に対する対向電極の影響を小さくすることで液晶分子にプレチルトを与えている。
特開平6−301036号公報
しかしながら、これらの方式では、同一画素内で、液晶分子が異なる方向に配向する現象(以下「ディスクリネーション」という。)が生じてしまうおそれがある。このようなディスクリネーションが生じると画素における透過率が低下し、十分なコントラストが得られないという技術的な問題点がある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、ラビング処理等を必要とせず、且つ、画素内に発生するディスクリネーションを低減できる電気光学装置及びその駆動方法、並びにそのような電気光学装置を具備してなる各種電子機器を提供することを課題とする。
本発明の電気光学装置は、上記課題を解決するために、一対の第1及び第2基板間に誘電率異方性が負の液晶分子を含む液晶層が挟持されたホメオトロピック配向モードの電気光学装置であって、前記第1基板に、(i)画素アレイ領域に配列された複数の画素電極と、(ii)相交差する複数のデータ線及び複数の走査線とを備え、相互に隣接する2n(nは自然数)本の前記走査線を一組として、該一組に対応する画素電極毎に供給される前記画像信号の電位の極性が基準電位に対して反転するように駆動される。
本発明の電気光学装置によれば、その駆動時には、ビデオデッキやパーソナルコンピュータ等からソース信号が供給される。そして、次のように駆動が行われる。
例えば駆動部は、例えば、1フィールド期間で、画素アレイ領域を垂直走査するように、画像信号を生成する。尚、「フィールド期間」とは、例えば1/30秒(即ち、画像信号のフィールド周波数が30ヘルツの場合)、1/60秒(即ち、画像信号のフィールド周波数が60ヘルツの場合)など、画像信号の種類毎に定められている。また、駆動部は、画像信号の電位を、基準電位に対して正極性及び負極性の電圧のいずれかに夫々調整しつつ生成する。具体的には、2n本(nは自然数)本の走査線を走査する期間、即ち2nライン期間毎に、これらの極性を基準電位に対して反転させる。言い換えれば、例えば2n本の走査線に接続されたスイッチング素子に対応する複数の画素電極からなると共に走査線に沿って延びる第1の画素電極群の各々に対しては、いずれの時刻においても、相互に同極性の電圧を有する画像信号が供給される。逆に、第1の画素電極群に挟まれる形で走査線に沿って延びる、第2の画素電極群の各々に対しては、いずれの時刻においても、相互に同極性の電圧の画像信号が供給されるが、第1の画素電極群とは相補の極性の電圧を有する画像信号が供給される。駆動部は、2nライン期間に、水平同期信号に基づくタイミングで走査信号を生成し、画素アレイ領域に、線順次に走査信号を出力する。尚、この際における線順次の順番は、端から順に(例えば、上端から下端へ向かって順に又はその逆に下端から上端に向かって順に)であることが、典型的であるが、それ以外の任意の順番でもかまわない。
例えば、駆動部から供給された画像信号が、画素アレイ領域において走査信号が供給されている走査線に対応するスイッチング素子にデータ線を介して供給される。これらのスイッチング素子に電気的に接続された画素電極には、例えば、走査線より走査信号が供給されて薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;以下適宜、”TFT”と称する)等のスイッチング素子がオン状態とされることにより、スイッチング素子を介して対応するデータ線より画像信号が供給される。このため、誘電率異方性が負の液晶分子を含む液晶層の電気光学物質を狭持する画素電極と対向電極との間に画像信号に基づいて電圧が印加され、画素電極と対向電極との間に縦電界、即ち、基板面に垂直である縦方向の電界が発生する。この縦電界によって、画素毎に液晶層が駆動され(即ち、液晶分子が駆動され)、画像表示が行われる。ここで、本発明に係る液晶分子の誘電率異方性は負であり、上述した駆動時には縦電界に交わるように、言い換えれば、等電位線に沿うように配向する性質を有する。本発明に係る電気光学装置は、ホメオトロピック配向モードであり、駆動していないとき、即ち基板間に電圧が印加されていないときには、基板面に対して液晶分子がほぼ垂直に配向する。このとき液晶分子は光を透過しない、即ちノーマリーブラックモードである。
ここで特に、例えば少なくとも画素アレイ領域の一部である部分領域について、液晶層を、相互に隣接する2n本の走査線を一組として、該一組に対応する画素電極毎に供給される画像信号の電位の極性が、基準信号に対して反転するように駆動される。このように駆動されるので、仮にこのように2n本の走査線を一組にしなかった場合、即ち、1ライン反転駆動方式の場合に生ずる、走査線毎に極性が異なるために生ずる比較的高密度の横電界に起因して画素部の中心付近の液晶分子が異なる方向を向いてしまう現象、即ちディスクリネーション或いはリバースチルトを低減できる。より具体的には、本発明の電気光学装置によれば、2n本の走査線を一組として駆動しているので、一組毎に極性が異なるために生ずる横電界に起因して組毎の中心付近にディスクリネーションが発生しうるが、組毎の中心付近は、画素電極間の間隙に対応する領域であり、画像表示に殆ど影響を与えない領域である。よって、画素内にディスクリネーションが発生することを防止し、画素内の液晶分子の配向を揃えることができる。尚、画素電極間に生じるディスクリネーションについては、通常ブラックマトリックスと呼ばれる遮光膜によって遮光されるので、画像表示に影響を与えることはない。
更に、本発明の電気光学装置によれば、上述のように駆動されるため、プレチルトが不要、即ちラビング処理等が不要である。よって、歩留まりの改善、工程の簡略化が可能となる。
以上説明したように、本発明の電気光学装置によれば、ラビング処理等を行う必要がなく、且つ、画素内で発生するディスクリネーションを低減できる。
本発明の電気光学装置の一態様では、前記画像信号の電位の極性が1フィールド期間毎に前記基準電位に対して反転して駆動するように、前記データ線に前記画像信号を供給する駆動部を備える。
この態様によれば、液晶層は、走査線の一組毎に供給される画像信号の極性を1フィールド期間毎に基準電位に対して反転して駆動される。よって、画像信号を取り除いても画像が残ってしまう現象、即ち焼き付きが生じることを防止できる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、(k+1)番目(kは、自然数)のフィールド期間に、k番目のフィールド期間の前記一組の前記走査線のうち、少なくとも1本の前記走査線分だけシフトした2n本の前記走査線を新たな組として、前記一組の前記走査線に対応する前記画素電極に供給された前記画像信号の電位の極性とは基準信号に対して反転して駆動するように、前記走査線に走査信号を供給しつつ前記データ線に前記画像信号を供給する。
この態様によれば、2n本の走査線の一組は固定されていないので、例えば、これらの組間の境界に沿って画像表示に筋が見えてしまうなど、2n本の走査線の組の特徴を反映した画像表示への影響を低減或いは無くすことができる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記駆動部は、前記液晶層を、(k+1)番目(kは、自然数)のフィールド期間に、k番目のフィールド期間の前記一組とされた2n本の前記走査線のうち、n本の前記走査線分だけシフトした2n本の前記走査線を新たな組として、前記一組に前記走査線に供給された前記画像信号の極性とは基準信号に対して反転して駆動するように、前記走査線に前記走査信号を供給しつつ前記データ線に前記画像信号を供給する。
この態様によれば、2n本の走査線の一組は固定されていないので、例えば、これらの組間の境界に沿って画像表示に筋が見えてしまうなど、2n本の走査線の組の特徴を反映した画像表示への影響を低減或いは無くすことができる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第2基板に、(i)前記複数の画素電極に対向すると共に、前記走査線の方向に延在する帯状の複数の対向電極と、(ii)前記複数の対向電極同士の間に位置すると共に、前記一組の前記走査線のうち中央に位置する2本の前記走査線に対応する前記複数の画素電極間に対向する領域に位置する第1補助電極とを備え、前記第1補助電極に対し、前記間隙に隣接する前記画素電極に供給された前記画像信号と前記基準信号に対して同極性の第1電位信号を供給し、該第1電位信号の電位の前記基準電位に対する振幅は、前記画素電極の電位の前記基準電位に対する振幅よりも大きい。
この態様によれば、ディスクリネーションが発生するとしても、その発生する位置を確実に画素電極間とすることができる。言い換えれば、画素内にディスクリネーションが発生することを確実に防止することができる。
上述した第1補助電極を備える態様では、1フィールド期間毎に、前記一組の前記走査線のうち前記間隙によって2つに分割される一方のn本の前記走査線の組、前記第1補助電極、及び、前記分割される他方のn本の前記走査線の組の順に極性が反転するように駆動してもよい。
このように駆動すれば、1フィールド期間毎の反転駆動時における、例えば、第1補助電極に供給された第1電位信号の極性が、対応する画素電極に供給された画像信号の極性と異なることに起因するディスクリネーションの発生を防止することができる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第2基板に、n本の前記走査線毎に、前記画素電極間の前記走査線方向の間隙に対応して設けられた複数の第2補助電極を更に備え、前記第2補助電極に対し、対応する前記間隙の両側の前記複数の画素電極に供給された前記画像信号の極性が同じ場合には、前記画像信号と同じ極性を有する第2電位信号を供給し、異なる場合には、中間電位信号を供給し、該第2電位信号の電位の前記基準電位に対する振幅は、前記画素電極の電位の前記基準電位に対する振幅よりも大きい。
この態様によれば、2n本の走査線の組を1フィールド期間毎にn本分だけシフトした2n本の走査線を新たな組として、反転した極性を有する画像信号を供給するようにすることができる。よって、2n本の走査線の一組は固定されていないので、例えば、これらの組間の境界に沿って画像表示に筋が見えてしまうなど、2n本の走査線の組の特徴を反映した画像表示への影響を低減或いは無くすことができる。尚、中間電位信号は、基準信号と殆ど或いは完全に同じ電位を有する電位信号を意味する。
上述した第2補助電極を更に備える態様では、1フィールド期間毎に、前記一組の前記走査線のうち前記間隙によって2つに分割される一方のn本の前記走査線の組、前記2つに分割する前記間隙に対応する前記第2補助電極、前記分割される他方のn本の前記走査線の組、及び、前記一組に隣接する間隙に対応する前記第2補助電極の順に極性が反転するように駆動してもよい。
このように駆動すれば、1フィールド期間毎の反転駆動時における、例えば、第2補助電極に供給された第2電位信号の極性が、対応する画素電極に供給された画像信号の極性と異なることに起因するディスクリネーションの発生を防止することができる。
本発明の電子機器は、上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を具備する。
本発明の電子機器は、上述した本発明の電気光学装置を具備してなるので、高品質な画像表示を行うことが可能な、投射型表示装置、テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。
本発明の電子機器は、上述した電気光学装置を備えるので、画素内で発生するディスクリネーションを低減できる。従って、高品位な画像表示が可能となる。
本発明の電気光学装置の駆動方法は、上記課題を解決するために、一対の第1及び第2基板間に誘電率異方性が負の液晶分子を含む液晶層が挟持されたホメオトロピック配向モードの電気光学装置であって、前記第1基板に、(i)画素アレイ領域に配列された複数の画素電極と、(ii)相交差する複数のデータ線及び複数の走査線とを備える電気光学装置を駆動する電気光学装置の駆動方法であって、相互に隣接する2n(nは自然数)本の前記走査線を一組として、該一組毎に対応する画素電極毎に供給される前記画像信号の電位の極性を反転させる。
本発明の電気光学装置の駆動方法によれば、上述した本発明の電気光学装置の場合と同様に、相互に隣接する2n(nは自然数)本の走査線を一組として、該一組毎に対応する画素電極毎に供給される画像信号の電位の極性を反転するように駆動するので、ラビング処理等を行う必要がなく、且つ、画素内で発生するディスクリネーションを低減できる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされよう。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。以下の実施形態では、本発明の電気光学装置を、電気光学装置の一例である駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。
(第1実施形態)
第1実施形態の液晶装置について、図1から図13を参照して説明する。
先ず、図1及び図2を参照して、本実施形態の液晶装置の液晶パネルの全体構成について、説明する。ここに図1は、本実施形態の液晶装置の液晶パネルの構成を示す平面図であり、図2は、図1のH−H’線での断面図である。
図1及び図2において、本実施形態の液晶装置おける液晶パネル100では、本発明に係る「第1基板」の一例としてのTFTアレイ基板10と本発明に係る「第2基板」の一例としての対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、本発明に係る「画素アレイ領域」の一例としての画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
図1において、シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。この一辺に沿ったシール領域よりも内側に、サンプリング回路101bが額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。また、走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿ったシール領域の内側に、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。また、TFTアレイ基板10上には、対向基板20の4つのコーナー部に対向する領域に、両基板間を上下導通材107で接続するための上下導通端子106が配置されている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
TFTアレイ基板10上には、外部回接続端子102と、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104、上下導通端子106等とを電気的に接続するための引回配線90が形成されている。
図2において、TFTアレイ基板10上には、駆動素子である画素スイッチング用のTFT(Thin Film Transistor)や走査線、データ線等の配線が作り込まれた積層構造が形成される。画像表示領域10aには、画素スイッチング用TFTや走査線、データ線等の配線の上層に画素電極9aが設けられている。他方、対向基板20におけるTFTアレイ基板10との対向面上に、遮光膜23が形成されている。そして、遮光膜23上に、ITO等の透明材料からなる対向電極21が複数の画素電極9aと対向して形成される。
尚、ここでは図示しないが、TFTアレイ基板10上には、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104の他に、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路、検査用パターン等が形成されていてもよい。
次に、図3を参照して、液晶装置の電気的な全体構成について説明する。ここに図3は、液晶装置の全体構成を示すブロック図である。
図3に示すように、液晶装置は、主要部として、液晶パネル100、画像信号供給回路503、タイミング制御回路504、フレームメモリ61、表示データ生成回路502、並びに電源回路700を備える。
表示データ生成回路502は、例えばビデオデッキやパーソナルコンピュータ等から供給されるソース信号DATAに基づいて、水平同期信号Hs及び垂直同期信号Vs、ドットクロックDCLK、並びに表示データD0を生成する。
タイミング制御回路504は、各部で使用される各種タイミング信号を出力するように構成されている。タイミング制御回路504は、表示データ生成回路502から供給される水平同期信号Hs、垂直同期信号Vs及びドットクロックDCLKに基づいて、Yクロック信号CLY、反転Yクロック信号CLYinv、Xクロック信号CLX、反転Xクロック信号XCLinv、YスタートパルスDY及びXスタートパルスDXが生成される。更に、タイミング制御回路504において、走査信号の出力タイミングを決定するイネーブル信号ENBが生成される。
画像信号供給回路503には、表示データ生成回路502から水平同期信号Hs、垂直同期信号Vs、ドットクロックDCLK、及び表示データD0が供給される。画像信号供給回路503は、表示データD0に基づいて、フィールドデータを生成し、後述するように一の走査線に対して走査信号が供給される周期で、生成したフィールドデータをフレームメモリ61に一時期的に蓄えると共に、他方からは蓄積したフィールドデータを読み出す。尚、フィールドデータには、一画面を表示するための表示データが含まれている。
そして、画像信号供給回路503は、読み出したフィールドデータに対して所定の処理を行う。この所定の処理の一例として、画像信号供給回路503では、例えばフィールドデータをシリアル−パラレル変換して、即ち相展開して、N相、例えば6相(N=6)の画像信号VID1〜VID6を生成することがある。更に、画像信号供給回路503は、生成した画像信号VIDk(但し、k=1、2、・・・、6)の電圧を、所定の基準電位v0に対して正極性及び負極性に反転した後、画像信号VIDkを出力する。
また、電源回路700は、所定の共通電位LCCの共通電源を、図2に示す対向電極21に供給する。対向電極21は、図2に示す対向基板20の下側に、複数の画素電極9aと対向するように形成されている。
次に、図2及び図4を参照して、液晶パネル100における電気的な構成について説明する。ここに図4は、液晶パネルの電気的な構成を示すブロック図である。
図2に示すように、液晶パネル100には、そのTFTアレイ基板10の周辺領域に、走査線駆動回路104及びデータ線駆動回路101を含む内部駆動回路が設けられている。
図4において、走査線駆動回路104は、Yクロック信号CLY、反転Yクロック信号CLYinv、及びYスタートパルスDYが供給されることによって、基本的な線順次の水平走査が可能となっている。更に、走査線駆動回路104は、供給されたイネーブル信号ENBに基づくタイミングで、走査信号G1、G2、・・・、Gyを出力する。
データ線駆動回路101の主要部には、サンプリング信号供給回路101a、及びサンプリング回路101bが含まれる。サンプリング信号供給回路101aには、Xクロック信号CLX、反転Xクロック信号CLXinv、及びXスタートパルスDXが供給される。サンプリング信号供給回路101aは、XスタートパルスDXが入力されると、Xクロック信号CLX及び反転Xクロック信号XCLXinvに基づくタイミングで、サンプリング信号S1、・・・、Sxを順次生成して出力する。
サンプリング回路101bは、Pチャネル型又はNチャネル型の片チャネル型TFT若しくは相補型のTFTから構成されたサンプリングスイッチ202を複数備える。
液晶パネル100は更に、そのTFTアレイ基板の中央を占める画像表示領域10aに、縦横に配線されたデータ線6a及び走査線11aを備え、それらの交点に対応する各画素部77に、マトリクス状に配列された液晶素子118の画素電極9a及び画素電極9aをスイッチング制御するための、本発明に係る「スイッチング素子」の一例としてのTFT30を備える。
尚、本実施形態では特に、走査線11aの総本数をy本(但し、yは2以上の自然数)とし、データ線6aの総本数をx本(但し、xは2以上の自然数)として説明する。
前述したように、例えば、6相にシリアル−パラレル展開された画像信号VID1〜VID6は夫々、画像信号線171を介して液晶パネル100に供給される。
サンプリング回路101bにおいて、6個のサンプリングスイッチ202を1群とし、1群に属するサンプリングスイッチ202には夫々、サンプリング信号Si(i=1、2、・・・、x)が入力される。1群に属するサンプリングスイッチ202は、6本のデータ線6aを1群とし、1群に属するデータ線6aに対し、サンプリング信号Siに応じて、画像信号VIDkをサンプリングして供給する。即ち、1群に属するサンプリングスイッチ202を介して、1群に属するデータ線6aと画像信号線171が電気的に接続される。従って、x本のデータ線6aを1群に属するデータ線6a毎に駆動するため、駆動周波数が抑えられる。
図4中、一つの画素部77の構成に着目すれば、TFT30のソース電極には、画像信号VIDkが供給されるデータ線6aが電気的に接続されている一方、TFT30のゲート電極には、走査信号Gj(但し、j=1、2、3、・・・、y)が供給される走査線11aが電気的に接続されるとともに、TFT30のドレイン電極には、液晶素子118の画素電極9aが接続されている。ここで、各画素部77において、液晶素子118は、画素電極9aと対向電極21との間に液晶を挟持してなる。従って、各画素部77は、走査線11aとデータ線6aとの各交点に対応して、マトリクス状に配列されることになる。
液晶素子118の画素電極9aには、TFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aより画像信号VIDkが所定のタイミングで供給される。これにより、液晶素子118には、画素電極9a及び対向電極21の各々の電位によって規定される印加電圧が印加される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。本実施形態では特に、液晶分子の誘電率異方性は負であり、電圧が印加された際、電界に交わるように、言い換えれば、等電位線に沿うように配向する。また、本実施形態の電気光学装置は、ホメオトロピック配向モードであり、電圧が印加されていないときには、基板面に対して液晶分子がほぼ垂直に配向する。このとき液晶分子は光を透過しない、即ちノーマリーブラックモードである。従って、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として液晶パネル100からは画像信号VIDkに応じたコントラストをもつ光が出射する。
ここで、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、蓄積容量70が、液晶素子118と並列に付加されている。例えば、画素電極118の電圧は、ソース電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ蓄積容量70により保持されるので、保持特性が改善される結果、高コントラスト比が実現されることとなる。
次に、図5から図7を参照して、画素部における具体的な構成について説明する。ここに図5及び図6は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。図5及び図6は、それぞれ、後述する積層構造のうち下層部分(図5)と上層部分(図6)とを分かって図示している。図7は、図5及び図6を重ね合わせた場合のA−A’断面図である。尚、図7においては、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
先ず、図6において、画素電極9aは、TFTアレイ基板10上に、マトリクス状に複数設けられており(点線部により輪郭が示されている)、また、図5及び図6に示すように、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a及び走査線11aが設けられている。データ線6aは、後述するようにアルミニウム膜等を含む積層構造からなり、走査線11aは、例えば導電性のポリシリコン膜等からなる。また、走査線11aは、半導体層1aのうち図5中右上がりの斜線領域で示したチャネル領域1a’に対向するゲート電極3aにコンタクトホール12cvを介して電気的に接続されており、該ゲート電極3aは該走査線11aに含まれる形となっている。すなわち、ゲート電極3aとデータ線6aとの交差する箇所にはそれぞれ、チャネル領域1a’に、走査線11aに含まれるゲート電極3aが対向配置された画素スイッチング用のTFT30が設けられている。これによりTFT30(ゲート電極を除く。)は、ゲート電極3aと走査線11aとの間に存在するような形態となっている。
次に、電気光学装置は、図5及び図6のA−A’線断面図たる図7に示すように、例えば、石英基板、ガラス基板、シリコン基板からなるTFTアレイ基板10と、これに対向配置される、例えばガラス基板や石英基板からなる対向基板20とを備えている。
TFTアレイ基板10の側には、図7に示すように、前記の画素電極9aが設けられており、その上側には、配向膜16が設けられている。画素電極9aは、例えばITO膜等の透明導電性膜からなる。他方、対向基板20の側には、その全面に渡って対向電極21が設けられており、その下側には、配向膜22が設けられている。対向電極21は、上述の画素電極9aと同様に、例えばITO膜等の透明導電性膜からなる。
このように対向配置されたTFTアレイ基板10及び対向基板20間には、前述のシール材52(図1及び図2参照)により囲まれた空間に液晶等の電気光学物質が封入され、液晶層50が形成される。液晶層50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態でTFTアレイ基板10及び対向基板20の基板面に対してほぼ垂直の配向状態をとる。
一方、TFTアレイ基板10上には、前記の画素電極9a及び配向膜16の他、これらを含む各種の構成が積層構造をなして備えられている。この積層構造は、図7に示すように、下から順に、走査線11aを含む第1層、ゲート電極3aを含むTFT30等を含む第2層、蓄積容量70を含む第3層、データ線6a等を含む第4層、容量配線400等を含む第5層、前記の画素電極9a及び配向膜16等を含む第6層(最上層)からなる。また、第1層及び第2層間には下地絶縁膜12が、第2層及び第3層間には第1層間絶縁膜41が、第3層及び第4層間には第2層間絶縁膜42が、第4層及び第5層間には第3層間絶縁膜43が、第5層及び第6層間には第4層間絶縁膜44が、それぞれ設けられており、前述の各要素間が短絡することを防止している。また、これら各種の絶縁膜12、41、42、43及び44には、例えば、TFT30の半導体層1a中の高濃度ソース領域1dとデータ線6aとを電気的に接続するコンタクトホール等もまた設けられている。以下では、これらの各要素について、下から順に説明を行う。尚、前述のうち第1層から第3層までが、下層部分として図5に図示されており、第4層から第6層までが上層部分として図6に図示されている。
(積層構造・第1層の構成―走査線等―)
まず、第1層には、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの、或いは導電性ポリシリコン等からなる走査線11aが設けられている。この走査線11aは、平面的にみて、図5のX方向に沿うように、ストライプ状にパターニングされている。より詳しく見ると、ストライプ状の走査線11aは、図5のX方向に沿うように延びる本線部と、データ線6a或いは容量配線400が延在する図5のY方向に延びる突出部とを備えている。なお、隣接する走査線11aから延びる突出部は相互に接続されることはなく、したがって、該走査線11aは1本1本分断された形となっている。
(積層構造・第2層の構成―TFT等―)
次に、第2層として、ゲート電極3aを含むTFT30が設けられている。TFT30は、図7に示すように、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、その構成要素としては、上述したゲート電極3a、例えばポリシリコン膜からなりゲート電極3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a’、ゲート電極3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁膜2、半導体層1aにおける低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c並びに高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを備えている。
また、上述のゲート電極3aと同一膜として中継電極719が形成されている。この中継電極719は、平面的に見て、図5に示すように、各画素電極9aのX方向に延びる一辺の略中央に位置するように、島状に形成されている。中継電極719とゲート電極3aとは同一膜として形成されているから、後者が例えば導電性ポリシリコン膜等からなる場合においては、前者もまた、導電性ポリシリコン膜等からなる。
尚、上述のTFT30は、好ましくは図7に示したようにLDD構造をもつが、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cに不純物の打ち込みを行わないオフセット構造をもってよいし、ゲート電極3aをマスクとして高濃度で不純物を打ち込み、自己整合的に高濃度ソース領域及び高濃度ドレイン領域を形成するセルフアライン型のTFTであってもよい。
(積層構造・第1層及び第2層間の構成―下地絶縁膜―)
以上説明した走査線11aの上、かつ、TFT30の下には、例えばシリコン酸化膜等からなる下地絶縁膜12が設けられている。下地絶縁膜12は、走査線11aからTFT30を層間絶縁する機能のほか、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、TFTアレイ基板10の表面研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用のTFT30の特性変化を防止する機能を有する。
この下地絶縁膜12には、平面的にみて半導体層1aの両脇に、後述するデータ線6aに沿って延びる半導体層1aのチャネル長の方向に沿った溝状のコンタクトホール12cvが掘られており、このコンタクトホール12cvに対応して、その上方に積層されるゲート電極3aは下側に凹状に形成された部分を含んでいる。また、このコンタクトホール12cv全体を埋めるようにして、ゲート電極3aが形成されていることにより、該ゲート電極3aには、これと一体的に形成された側壁部3bが延設されるようになっている。これにより、TFT30の半導体層1aは、図5によく示されているように、平面的にみて側方から覆われるようになっており、少なくともこの部分からの光の入射が抑制されるようになっている。
また、この側壁部3bは、前記のコンタクトホール12cvを埋めるように形成されているとともに、その下端が前記の走査線11aと接するようにされている。ここで走査線11aは、上述のようにストライプ状に形成されていることから、ある行に存在するゲート電極3a及び走査線11aは、当該行に着目する限り、常に同電位となる。
(積層構造・第3層の構成―蓄積容量等―)
さて、上述の第2層に続けて第3層には、蓄積容量70が設けられている。蓄積容量70は、TFT30の高濃度ドレイン領域1e及び画素電極9aに接続された画素電位側容量電極としての下部電極71と、固定電位側容量電極としての容量電極300とが、誘電体膜75を介して対向配置されることにより形成されている。この蓄積容量70によれば、画素電極9aにおける電位保持特性を顕著に高めることが可能となる。
より詳細には、下部電極71は、例えば導電性のポリシリコン膜からなり画素電位側容量電極として機能する。但し、下部電極71は、金属又は合金を含む単一層膜又は多層膜から構成してもよい。また、この下部電極71は、画素電位側容量電極としての機能のほか、画素電極9aとTFT30の高濃度ドレイン領域1eとを中継接続する機能をもつ。ちなみに、ここにいう中継接続は、前記の中継電極719を介して行われている。
容量電極300は、後述する容量配線400と電気的に接続され、蓄積容量70の固定電位側容量電極として機能する。また、容量電極300は、Ti、Cr、W、Ta、Mo等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの、或いは好ましくはタングステンシリサイドからなる。これにより、容量電極300は、TFT30に上側から入射しようとする光を遮る機能を有している。
誘電体膜75は、図7に示すように、例えば膜厚5〜200nm程度の比較的薄いHTO(High Temperature Oxide)膜、LTO(Low Temperature Oxide)膜等の酸化シリコン膜、あるいは窒化シリコン膜等から構成される。誘電体膜75は、図7に示すように、下層に酸化シリコン膜75a、上層に窒化シリコン膜75bというように二層構造を有するものとなっている。上層の窒化シリコン膜75bは画素電位側容量電極の下部電極71より少し大きなサイズにパターニングされ、遮光領域(非開口領域)内で収まるように形成されている。
尚、本実施形態では、誘電体膜75は、二層構造を有するものとなっているが、場合によっては、例えば酸化シリコン膜、窒化シリコン膜及び酸化シリコン膜等というような三層構造や、あるいはそれ以上の積層構造を有するように構成してもよい。むろん単層構造としてもよい。
(積層構造、第2層及び第3層間の構成―第1層間絶縁膜―)
以上説明したTFT30ないしゲート電極3a及び中継電極719の上、かつ、蓄積容量70の下には、例えば、NSG(ノンシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等、あるいは好ましくはNSGからなる第1層間絶縁膜41が形成されている。
そして、この第1層間絶縁膜41には、TFT30の高濃度ソース領域1dと後述するデータ線6aとを電気的に接続するコンタクトホール81が、後記第2層間絶縁膜42を貫通しつつ開孔されている。また、第1層間絶縁膜41には、TFT30の高濃度ドレイン領域1eと蓄積容量70を構成する下部電極71とを電気的に接続するコンタクトホール83が開孔されている。さらに、この第1層間絶縁膜41には、蓄積容量70を構成する画素電位側容量電極としての下部電極71と中継電極719とを電気的に接続するためのコンタクトホール881が開孔されている。更に加えて、第1層間絶縁膜41には、中継電極719と後述する第2中継電極6a2とを電気的に接続するためのコンタクトホール882が、後記第2層間絶縁膜42を貫通しつつ開孔されている。
(積層構造・第4層の構成―データ線等―)
さて、前述の第3層に続けて第4層には、データ線6aが設けられている。このデータ線6aは、図7に示すように、下層より順に、アルミニウムからなる層(図7における符号41A参照)、窒化チタンからなる層(図7における符号41TN参照)、窒化シリコン膜からなる層(図7における符号401参照)の三層構造を有する膜として形成されている。窒化シリコン膜は、その下層のアルミニウム層と窒化チタン層を覆うように少し大きなサイズにパターニングされている。
また、この第4層には、データ線6aと同一膜として、容量配線用中継層6a1及び第2中継電極6a2が形成されている。これらは、図6に示すように、平面的に見ると、データ線6aと連続した平面形状を有するように形成されているのではなく、各者間はパターニング上分断されるように形成されている。
ちなみに、これら容量配線用中継層6a1及び第2中継電極6a2は、データ線6aと同一膜として形成されていることから、下層より順に、アルミニウムからなる層、窒化チタンからなる層、プラズマ窒化膜からなる層の三層構造を有する。
(積層構造・第3層及び第4層間の構成―第2層間絶縁膜―)
以上説明した蓄積容量70の上、かつ、データ線6aの下には、例えばNSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等、或いは好ましくはTEOSガスを用いたプラズマCVD法によって形成された第2層間絶縁膜42が形成されている。この第2層間絶縁膜42には、TFT30の高濃度ソース領域1dとデータ線6aとを電気的に接続する、前記のコンタクトホール81が開孔されているとともに、前記容量配線用中継層6a1と蓄積容量70の上部電極たる容量電極300とを電気的に接続するコンタクトホール801が開孔されている。更に、第2層間絶縁膜42には、第2中継電極6a2と中継電極719とを電気的に接続するための、前記のコンタクトホール882が形成されている。
(積層構造・第5層の構成―容量配線等―)
さて、前述の第4層に続けて第5層には、容量配線400が形成されている。この容量配線400は、平面的にみると、図6に示すように、図中X方向及びY方向それぞれに延在するように、格子状に形成されている。該容量配線400のうち図中Y方向に延在する部分については特に、データ線6aを覆うように、且つ、該データ線6aよりも幅広に形成されている。また、図中X方向に延在する部分については、後述の第3中継電極402を形成する領域を確保するために、各画素電極9aの一辺の中央付近に切り欠き部を有している。この容量配線400は、画素電極9aが配置された画像表示領域10aからその周囲に延設され、交流電源部710と電気的に接続されることで、後述するように電位が変化する。
また、第4層には、このような容量配線400と同一膜として、第3中継電極402が形成されている。この第3中継電極402は、後述のコンタクトホール804及び89を介して、第2中継電極6a2及び画素電極9a間の電気的接続を中継する機能を有する。尚、これら容量配線400及び第3中継電極402間は、平面形状的に連続して形成されているのではなく、両者間はパターニング上分断されるように形成されている。
他方、上述の容量配線400及び第3中継電極402は、下層にアルミニウムからなる層、上層に窒化チタンからなる層の二層構造を有している。
(積層構造・第4層及び第5層間の構成―第3層間絶縁膜―)
以上説明した前述のデータ線6aの上、かつ、容量配線400の下には、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等、或いは好ましくはTEOSガスを用いたプラズマCVD法によって形成された第3層間絶縁膜43が形成されている。この第3層間絶縁膜43には、前記の容量配線400と容量配線用中継層6a1とを電気的に接続するためのコンタクトホール803、及び、第3中継電極402と第2中継電極6a2とを電気的に接続するためのコンタクトホール804がそれぞれ開孔されている。
(積層構造・第6層並びに第5層及び第6層間の構成―画素電極等―)
最後に、第6層には、上述したように画素電極9aがマトリクス状に形成され、該画素電極9a上に配向膜16が形成されている。そして、この画素電極9a下には、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等、あるいは好ましくはNSGからなる第4層間絶縁膜44が形成されている。この第4層間絶縁膜44には、画素電極9a及び前記の第3中継電極402間を電気的に接続するためのコンタクトホール89が開孔されている。画素電極9aとTFT30との間は、このコンタクトホール89及び第3中継層402並びに前述したコンタクトホール804、第2中継層6a2、コンタクトホール882、中継電極719、コンタクトホール881、下部電極71及びコンタクトホール83を介して、電気的に接続されることとなる。
次に、図3、図4及び図8を参照して、液晶装置の駆動方法について説明する。ここに図8は、画像信号供給回路における画像信号の生成について説明するための説明図である。
この液晶装置によれば、その駆動時には、図3を参照して上述したようにビデオデッキやパーソナルコンピュータ等からソース信号DATAが供給される。そして、水平同期信号Hs及び垂直同期信号Vs並びに表示データD0に基づいて、液晶装置の画像表示領域10aにおいて、次のような方式の極性反転駆動が行われる。
図3及び図4において、本発明に係る「駆動部」の一例としての画像信号供給回路503は、1フィールド期間で、画像表示領域10aを垂直走査するように、画像信号VIDkを生成する。また、画像信号供給回路503は、画像信号VIDkを、基準電位v0に対して正極性及び負極性の電圧のいずれかに夫々調整しつつ生成する。例えば、2ライン期間(即ち2本の走査線を走査する期間)毎及び1フィールド期間(即ち全ての走査線を走査し終える期間)毎に、これらの極性を基準電位v0に対して反転させる。このため、直流電圧成分を液晶層50に印加することによる液晶層50の劣化を防止でき、画像信号を取り除いても画像が残ってしまう現象、即ち焼き付きが生じることを防止できる。また、例えば伝統的なフィールド反転駆動の際に見られるようなフィールド周波数の二分の一の周波数で発生するフリッカを低減することも可能である。画像信号供給回路503は、1フィールド期間に、水平同期信号Hsに基づくタイミングで走査信号Gjを生成し、画像表示領域10aに、線順次に走査信号を出力する。尚、この際における線順次の順番は、端から順に(例えば、上端から下端へ向かって順に又はその逆に下端から上端に向かって順に)であることが、典型的であるが、それ以外の任意の順番でもかまわない。
画像信号供給回路503から供給された画像信号VIDkが、画像表示領域10aにおいて走査信号Gjが供給されている走査線11aに対応するTFT30にデータ線6aを介して供給される。これらのTFT30に電気的に接続された画素電極9aには、走査線11aより走査信号Gjが供給されてTFT30がオン状態とされることにより、TFT30を介して対応するデータ線6aより画像信号VIDkが供給される。このため、液晶層50を狭持する画素電極9aと対向電極21との間に画像信号VIDkに基づいて電圧が印加され、画素電極9aと対向電極21との間に縦電界、即ち、基板面に垂直である縦方向の電界が発生する。この縦電界によって、画素毎に液晶層50が駆動され、画像表示が行われる。
以上のような駆動方式では、例えば、図8に示すように、2ライン期間毎及び1フィールド期間毎に、画像信号VIDkの極性が基準電位v0に対して反転され、複数の画素電極9aは、正フィールド或いは負フィールドに駆動される。即ち、2ライン1フィールド反転駆動方式の駆動が行われる。ここに図8には、正極性の画像信号VIDkを画像信号Aとし、負極性の画像信号VIDkを画像信号Bとして示してある。
次に、図9を参照して、複数の画素電極の画像表示領域内における極性の分布について説明する。ここに図9は、複数の画素電極の画像表示領域内における極性の分布を示す分布図である。
図9に示すように、上述のような2ライン1フィールド反転駆動方式の駆動が行われると、任意の時刻において、2本の走査線毎に画素電極9aの極性が異なることになる。即ち、2本の走査線に接続された画素スイッチング用のTFT30(図4参照)に対応する複数の画素電極9aからなると共に走査線11a(図4参照)に沿って延びる第1の画素電極群Gr1の各々に対しては、いずれの時刻においても、相互に同極性(即ち、図9においては「+」で示す正極性)の電圧を有する画像信号VIDkが供給される。逆に、第1の画素電極群Gr1に挟まれる形で走査線11aに沿って延びる、第2の画素電極群Gr2の各々に対しては、いずれの時刻においても、相互に同極性の電圧の画像信号が供給されるが、第1の画素電極群とは相補の極性(即ち、図9においては「+」で示す正極性)の電圧を有する画像信号が供給される。ここに図9には、画素電極9aに正極性の画像信号VIDkが供給されていることを「+」で示し、負極性の画像信号VIDkが供給されていることを「−」で示してある。
次に、図10及び図11を参照して、液晶分子の配向状態について説明する。ここに図10は、初期状態における液晶分子の配向状態を示す説明図であり、図1のB−B’断面図に相当するものである。図11は、電圧印加時における液晶分子の配向状態を示す説明図であり、図1のB−B’断面図に相当するものである。尚、図10及び図11において、図5から図7に示した構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。また、第4層間絶縁膜44より下層の構成については図示を省略してある。
図10において、液晶層50中の複数の”白棒”は夫々、液晶分子の配向方向DR1を示している。本実施形態の液晶装置は、ホメオトロピック配向モードであり、駆動していないとき、即ち画素電極9a及び対向電極21間に電圧が印加されていないときには、基板面に対して液晶分子がほぼ垂直に配向する。液晶層50は、ノーマリーブラックモードであり、電圧が印加されていない状態で、入射光に対する透過率は最小となり、液晶パネル100はブラック(黒色)を示す。
図11において、液晶層中の複数の”白棒”は夫々、液晶分子の配向方向DR2を示している。本実施形態では特に、上述したように2本の走査線11aを一組として駆動しているので、一組毎に極性が異なる。即ち、ある時刻においては、第1の画素電極群Gr1の画素電極9aは正極性であり、第2の画素電極群Gr2の画素電極9aは負極性である。このように駆動されるので、仮にこのように2本の走査線を一組にしなかった場合、即ち、例えば1ライン反転駆動方式の場合に生ずる、走査線毎に極性が異なるために生ずる比較的高密度の横電界に起因して画素部77の中心付近の液晶分子が異なる方向を向いてしまう現象、即ちディスクリネーション或いはリバースチルトの発生を防止することができる。より具体的には、本実施形態の液晶装置では、その駆動時に、第1の画素電極群Gr1及び第2の画素電極群Gr2間には比較的高密度の横電界(図11中、左右方向の電界)が生じる。ここで、図11において、等電位線L1を点線で示してある。このような横電界を反映した等電位線L1に沿うように、液晶分子は配向方向DR2に夫々配向する。横電界の方向は、画素電極群を構成する2本の走査線毎に対して異なるので、2本の走査線の組毎の中心付近(即ち、図11中、円C1参照)にディスクリネーションが発生し得る。しかし、組毎の中心付近は、画素電極9a間の間隙に対応する領域であり、画像表示に殆ど影響を与えない領域である。よって、画素内にディスクリネーションが発生することを防止し、画素内の液晶分子の配向を揃えることができる。尚、画素電極9a間に生じるディスクリネーションについては、本実施形態では、遮光膜23によって遮光されるので、画像表示に殆ど好ましくは全く影響を与えることはない。
次に、図12及び図13を参照して、本実施形態の液晶装置の駆動方法について更に説明する。ここに図12は、本実施形態に係る画素電極の極性の変化を示す説明図である。図13は、変形例における図12と同趣旨の説明図である。
図12は、本実施形態における、各ライン(即ち各走査線11a毎の画素電極9a)の、1フィールド期間毎(即ち、フィールド期間f1、f2、f3、f4、・・・毎)の極性の変化を示している。上述したように本実施形態では、2本の走査線11aの組毎に極性が反転される。即ち、図12に示すように、例えば1ライン目及び2ライン目の2本の走査線が一組となって、1フィールド期間毎に極性が反転している(図12中、「+」で示す正極性及び「−」で示す負極性の画像信号が交互に供給されている。)。
図13に変形例として示すように、画像信号供給回路503は、液晶層50を、例えば、f2フィールド期間に、f1フィールド期間の一組の走査線のうち、1本の走査線分だけシフトした2本の走査線を新たな組として、一組の走査線に供給された前記画像信号の極性とは基準信号に対して反転して駆動するように、走査線に前記走査信号を供給しつつデータ線に画像信号を供給してもよい。このようにすれば、2本の走査線の一組は固定されていないので、例えば、これらの組間の境界に沿って画像表示に筋が見えてしまうなど、2本の走査線の組の特徴を反映した画像表示への影響を低減或いは無くすことができる。尚、2n本(nは自然数)の走査線を一組とする場合には、シフトする走査線の本数は1本に限られず、2本以上であってもよい。
尚、画像信号VIDkの電位が基準電位v0に対して正極性及び負極性の電位となるように駆動する際に、対向電極の電位は一定である必要はない。即ち、対向電極の電位を所定の周期で変動させることで、上述の極性反転が行われるようにしてもよい。
(第2実施形態)
次に、図14から図16を参照して、第2実施形態の液晶装置について説明する。
先ず、図14及び図15を参照して、第2実施形態の液晶装置の構成及びその駆動方法について説明する。ここに図14は、複数の画素電極、第1補助電極及び対向電極の画像表示領域内における配置及び極性の分布を示す説明図である。図15は、第2実施形態における図11と同趣旨の説明図である。尚、図14及び図15において、図1から図13に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
図14及び図15において、第2実施形態の液晶装置は、上述した第1実施形態の液晶装置の構成に加えて、対向基板20に第1補助電極62を備えている。図14に示すように、第1補助電極62は、同極性となる2本の走査線に夫々電気的に接続された複数の画素電極9a間の、走査線11aに沿った間隙に対応する領域に形成されている。
第2実施形態の液晶装置の駆動時には、第1補助電極62に対し、該第1補助電極62に隣接する画素電極9aに供給された画像信号と基準信号に対して同極性の第1電位信号が、図3に示した画像信号供給回路503によって供給される。即ち、図14中「+」で示された正極性の画像信号が供給された画素電極9a間に位置することとなる第1補助電極62aには正極性の第1電位信号が供給され、図14中「−」で示された負極性の画像信号が供給された画素電極9a間に位置することとなる第1補助電極62aには負極性の第1電位信号が供給される。ここで、本実施形態では、基準信号の電位は5V、正極性の画像信号の電位は5〜10V、負極性の画像信号の電位は0V〜5V、正極性の第1電位信号の電位は10V、及び、負極性の第1電位信号の電位は0Vとしている。
図15に示すように、第1補助電極62に対し、上述したように正極性又は負極性の第1電位信号が供給されるので、等電位線L2は、第1補助電極62が設けられた間隙付近において、対向基板20に対して交わる方向に生じることになる。液晶分子は、等電位線L2に沿って配向方向DR3に夫々配向するので、ディスクリネーションの発生する位置を確実に画素電極9a間とすることができる。言い換えれば、画素内にディスクリネーションが発生することを確実に防止することができる。特に、隣接する逆極性の画素電極の電位の影響を受けて、画素電極の端付近でディスクリネーションが発生してしまうことを防止することができる。
次に、図16を参照して、本実施形態の液晶装置の駆動方法について更に説明する。ここに図16は、第2実施形態に係る画素電極及び第1補助電極についての図12と同趣旨の説明図である。尚、図16において、図12に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
図16は、本実施形態における、各ライン(即ち各走査線11a毎の画素電極9a)及び第1補助電極の、1フィールド期間毎(即ち、フィールド期間f1、f2、f3、f4、・・・毎)の極性の変化を示している。本実施形態では、1フィールド期間毎に、2本の走査線11aの組毎に対応する画素電極の電位の基準電位に対する極性が反転されると共にその2本の組に対応した第1補助電極62に供給される第1電位信号の極性も反転される。このとき、第1電位信号の電位の基準電位v0に対する振幅は、画素電極の電位の基準電位v0に対する振幅よりも大きくなっている。即ち、上述したように、本実施形態では、基準電位v0(即ち、共通電位LCC)は5V、正極性の画像信号の電位は5〜10V、負極性の画像信号の電位は0V〜5V、正極性の第1電位信号の電位は10V、及び、負極性の第1電位信号の電位は0Vとしている。このような振幅の電位を有する第1電位信号を第1補助電極62に供給することにより、ディスクリネーションの発生する画素内に発生することを一層確実に防止することができる。尚、本実施形態では、正極性の第1電位信号の電位を10Vよりも高く、及び、負極性の第1電位信号の電位を0Vよりも低くしても、もちろんよい。
更に、本実施形態では特に、第1補助電極62及び対応する2本の走査線11aの組については、その組の1本目の走査線11a、第1補助電極62及び2本目の走査線11aの順に極性が反転するように駆動されている。即ち、例えば、図16において、1ライン目、第1補助電極、2ライン目、3ライン目、・・・の順に極性が反転するように駆動されている。このように駆動されているので、1フィールド期間毎の反転駆動時における、例えば、第1補助電極62に供給された第1電位信号の極性が、対応する画素電極9aに供給された画像信号の極性と異なることに起因するディスクリネーションの発生を防止することができる。
尚、第1補助電極62に供給される第1電位信号の極性が反転されるタイミングは、対応する組の走査線11aのうち1本目の極性が反転されてから2本目の極性が反転されるまでの間であればよい。また、2本の走査線11aの組の極性を同時に反転できるマルチライン駆動の場合には、対応する第1補助電極62の極性も同時に反転すればよい。
以上説明したように、第2実施形態の液晶装置によれば、第1補助電極62を更に備えるので、ディスクリネーションが画素内に発生することを一層確実に防止することができる。
尚、画像信号VIDkの電位が基準電位に対して正極性及び負極性の電位となるように駆動する際に、対向電極の電位は一定である必要はない。即ち、対向電極の電位を所定の周期で変動させることで、上述の極性反転が行われるようにしてもよい。
(第3実施形態)
次に、図17から図20を参照して、第3実施形態の液晶装置について説明する。
先ず、図17及び図18を参照して、第3実施形態の液晶装置の構成及びその駆動方法について説明する。ここに図17は、複数の画素電極、第2補助電極及び対向電極の画像表示領域内における配置及び極性の分布を示す説明図である。図18は、第3実施形態における図11と同趣旨の説明図である。尚、図17及び図18において、図1から図13に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
図17及び図18において、第3実施形態の液晶装置は、上述した第1実施形態の液晶装置の構成に加えて、対向基板20に第2補助電極63を備えている。図17に示すように、第2補助電極63は、1本の走査線11a毎に、画素電極9a間の走査線11aに沿った間隙に対応して設けられている。
第3実施形態の液晶装置の駆動時には、第2補助電極63に対し、対応する間隙の両側の複数の画素電極9aに供給された画像信号の極性が同じ場合には、画像信号と同じ極性を有する第2電位信号が、図3に示した画像信号供給回路503によって供給される。一方、これらの極性が異なる場合には、中間電位信号が供給される。即ち、図17中「+」で示された正極性の画像信号が供給された画素電極9a間に位置することとなる第2補助電極63aには正極性の第2電位信号が供給され、図17中「−」で示された負極性の画像信号が供給された画素電極9a間に位置することとなる第2補助電極63bには負極性の第2電位信号が供給される。そして、図17中、「+」で示された正極性の画像信号が供給された画素電極9a及び「−」で示された負極性の画像信号が供給された画素電極9a間に位置することとなる第2補助電極63cには、中間電位信号が供給される。ここで、本実施形態では、基準信号の電位(即ち、共通電位LCC)は5V、正極性の画像信号の電位は5〜10V、負極性の画像信号の電位は0V〜5V、正極性の第2電位信号の電位は10V、負極性の第2電位信号の電位は0V、及び中間電位信号の電位は5Vとしている。
図18に示すように、第2補助電極63に対し、上述したように正極性又は負極性の第2電位信号或いは中間電位信号が供給されるので、等電位線L3は、第2補助電極63のうち、第2電位信号が供給される第2補助電極63a又は63bが設けられた間隙付近において、対向基板20に対して交わる方向に生じることになる。よって、液晶分子は、等電位線L3に沿って配向方向DR4に夫々配向するので、ディスクリネーションの発生する位置を確実に画素電極9a間とすることができる。言い換えれば、画素内にディスクリネーションが発生することを確実に防止することができる。特に、隣接する逆極性の画素電極の電位の影響を受けて、画素電極の端付近でディスクリネーションが発生してしまうことを防止することができる。
次に、図19及び図20を参照して、本実施形態の液晶装置の駆動方法について更に説明する。ここに図19は、第3実施形態に係る画素電極及び第2補助電極についての図12と同趣旨の説明図である。図20は、図19に対応して、画素電極及び第2補助電極の極性の反転の様子を平面的に示した説明図である。尚、図19及び図20において、図1から図13に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
図19は、本実施形態における、各ライン(即ち各走査線11a毎の画素電極9a)及び第2補助電極の、1フィールド期間毎(即ち、フィールド期間f1、f2、f3、f4、・・・毎)の極性の変化を示している。図20(a)、(b)、(c)及び(d)は、フィールド期間f1、f2、f3及びf4における画素電極9a及び第2補助電極の極性の平面的な分布を夫々示している。本実施形態では特に、2本の走査線の組を1フィールド期間毎に1本分だけシフトした2本の走査線11aを新たな組として、反転した極性を有する画像信号が供給されている。そして、その新たな組に対応して第2補助電極63に対して第2電位信号が供給されている。例えば、図19及び図20に示すように、フィールド期間f1においては、1ライン目及び2ライン目の走査線が正極性を有する組をなしており、フィールド期間f2においては、2ライン目及び3ライン目の走査線が正極性を有する組をなしている。尚、図19及び図20中、画素電極9aに供給される画像信号の電位が正極性であることを「+」で示し、負極性であることを「−」で示している。図19中、第2補助電極63に供給される第2電位信号の電位が正極性であることを「+」で示し、負極性であることを「−」で示している。更に第2補助電極63に中間電位信号が供給されていることを「M」で示している。
上述のように、本実施形態では特に、2本の走査線11aの組を1フィールド期間毎に1本分だけシフトした2本の走査線11aを新たな組として、反転した極性を有する画像信号が供給されている。よって、2本の走査線11aの一組は固定されていないので、例えば、これらの組間の境界に沿って画像表示に筋が見えてしまうなど、2本の走査線11aの組の特徴を反映した画像表示への影響を低減或いは無くすことができる。
更に本実施形態では特に、1フィールド期間毎に、2本の走査線11aの組毎に極性が反転されると共にその2本の組に対応した第2補助電極63に供給される第2電位信号の極性も反転される。このとき、第2電位信号の電位の基準電位v0に対する振幅は、画素電極の電位の基準電位v0に対する振幅よりも大きくなっている。即ち、上述したように、本実施形態では、基準信号の電位(即ち、共通電位LCC)は5V、正極性の画像信号の電位は5〜10V、負極性の画像信号の電位は0V〜5V、正極性の第2電位信号の電位は10V、負極性の第2電位信号の電位は0V、及び中間電位信号の電位は5Vとしている。このような振幅の電位を有する第2電位信号を第2補助電極63に供給することにより、ディスクリネーションの発生する画素内に発生することを一層確実に防止することができる。尚、本実施形態では、正極性の第1電位信号の電位を10Vよりも高く、及び、負極性の第1電位信号の電位を0Vよりも低くしても、もちろんよい。
加えて、本実施形態では特に、第2補助電極63及び対応する2本の走査線11aの組については、1フィールド期間毎に、一組の2本の走査線11aのうち一方の走査線11a、この組に対応する第2補助電極63、他方の走査線11a、及び、この他方の走査線11aに隣接する第2補助電極63の順に極性が反転するように駆動されている。即ち、例えば、図19において、1ライン目、第2補助電極、2ライン目、第2補助電極、3ライン目、・・・の順に極性が反転するように駆動されている。このように駆動されているので、1フィールド期間毎の反転駆動時における、例えば、第2補助電極63に供給された第2電位信号の極性が、対応する画素電極9aに供給された画像信号の極性と異なることに起因するディスクリネーションの発生を防止することができる。
尚、第2補助電極63に正極性又は負極性の第2電位信号及び中間電位信号が供給されるタイミングは、隣接する走査線11aのうち1本目の極性が反転されてから2本目の極性が反転されるまでの間であればよい。また、2本の走査線11aの組の極性を同時に反転できるマルチライン駆動の場合には、対応する第2補助電極63に対しても同時に正極性又は負極性の第2電位信号を供給するようにしてもよい。
尚、画像信号VIDkの電位が基準電位に対して正極性及び負極性の電位となるように駆動する際に、対向電極の電位は一定である必要はない。即ち、対向電極の電位を所定の周期で変動させることで、上述の極性反転が行われるようにしてもよい。
以上説明したように、第3実施形態の液晶装置によれば、第2補助電極63を更に備えるので、ディスクリネーションが画素内に発生することを一層確実に防止することができると共に、2本の走査線11aの組が固定されることにより生じ得る、例えば、これらの組間の境界に沿って画像表示に筋が見えてしまうなど、2本の走査線の組の特徴を反映した画像表示への影響を低減或いは無くすことができる。
(電子機器)
次に、上述した電気光学装置である液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。
まず、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。図21は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。この図21に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。
液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gの構成は、上述した液晶装置と同等であり、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、RおよびBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
ここで、各液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
なお、液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
次に、液晶装置を、モバイル型のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図22は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。図22において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、液晶表示ユニット1206とから構成されている。この液晶表示ユニット1206は、先に述べた液晶装置1005の背面にバックライトを付加することにより構成されている。
さらに、液晶装置を、携帯電話に適用した例について説明する。図23は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。図23において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、反射型の液晶装置1005を備えるものである。この反射型の液晶装置1005にあっては、必要に応じてその前面にフロントライトが設けられる。
尚、図21から図23を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置、電気光学装置の駆動方法及び該電気光学装置を備えてなる電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
第1実施形態に係る液晶装置の全体構成を示す平面図である。 図1のH−H'の断面図である。 液晶装置の全体構成を示すブロック図である。 液晶パネルの電気的な構成を示すブロック図である。 データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図であって、下層部分(図7における符号70(蓄積容量)までの下層の部分)に係る構成のみを示すものである。 データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図であって、上層部分(図7における符号70(蓄積容量)を超えて上層の部分)に係る構成のみを示すものである。 図5及び図6を重ね合わせた場合のA−A'断面図である。 画像信号供給回路における画像信号の生成について説明するための説明図である。 複数の画素電極の画像表示領域内における極性の分布を示す分布図である。 初期状態における液晶分子の配向状態を示す説明図である。 電圧印加時における液晶分子の配向状態を示す説明図である。 第1実施形態に係る画素電極の極性の変化を示す説明図である。 変形例における図12と同趣旨の説明図である。 第2実施形態に係る複数の画素電極、第1補助電極及び対向電極の画像表示領域内における配置及び極性の分布を示す説明図である。 第2実施形態における図11と同趣旨の説明図である。 第2実施形態に係る画素電極及び第1補助電極についての図12と同趣旨の説明図である。 第3実施形態に係る複数の画素電極、第2補助電極及び対向電極の画像表示領域内における配置及び極性の分布を示す説明図である。 第3実施形態における図11と同趣旨の説明図である。 第3実施形態に係る画素電極及び第2補助電極についての図12と同趣旨の説明図である。 図19に対応して、画素電極及び第2補助電極の極性の反転の様子を平面的に示した説明図である。 電気光学装置を適用した電子機器の一例たるプロジェクタの構成を示す平面図である。 電気光学装置を適用した電子機器の一例たるパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 電気光学装置を適用した電子機器の一例たる携帯電話の構成を示す斜視図である。
符号の説明
6a…データ線、9a…画素電極、10…TFTアレイ基板、10a…画像表示領域、11a…走査線、20…対向基板、21…対向電極、23…遮光膜、30…TFT、50…液晶層、101…データ線駆動回路、104…走査線駆動回路、503…画像信号供給回路、v0…基準電位

Claims (10)

  1. 一対の第1及び第2基板間に誘電率異方性が負の液晶分子を含む液晶層が挟持されたホメオトロピック配向モードの電気光学装置であって、
    前記第1基板に、(i)画素アレイ領域に配列された複数の画素電極と、(ii)相交差する複数のデータ線及び複数の走査線とを備え、
    相互に隣接する2n(nは自然数)本の前記走査線を一組として、該一組に対応する画素電極毎に供給される前記画像信号の電位の極性が基準電位に対して反転するように駆動される
    ことを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記画像信号の電位の極性が1フィールド期間毎に前記基準電位に対して反転して駆動するように、前記データ線に前記画像信号を供給する駆動部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. (k+1)番目(kは、自然数)のフィールド期間に、k番目のフィールド期間の前記一組の前記走査線のうち、少なくとも1本の前記走査線分だけシフトした2n本の前記走査線を新たな組として、前記一組の前記走査線に対応する前記画素電極に供給された前記画像信号の電位の極性とは基準信号に対して反転して駆動するように、前記走査線に走査信号を供給しつつ前記データ線に前記画像信号を供給することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  4. (k+1)番目(kは、自然数)のフィールド期間に、k番目のフィールド期間の前記一組とされた2n本の前記走査線のうち、n本の前記走査線分だけシフトした2n本の前記走査線を新たな組として、前記一組に前記走査線に対応する前記画素電極に供給された前記画像信号の電位の極性とは基準信号に対して反転して駆動するように、前記走査線に走査信号を供給しつつ前記データ線に前記画像信号を供給することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  5. 前記第2基板に、(i)前記複数の画素電極に対向すると共に、前記走査線の方向に延在する帯状の複数の対向電極と、(ii)前記複数の対向電極同士の間に位置すると共に、前記一組の前記走査線のうち中央に位置する2本の前記走査線に対応する前記複数の画素電極間に対向する領域に位置する第1補助電極とを備え、
    前記第1補助電極に対し、前記間隙に隣接する前記画素電極に供給された前記画像信号と前記基準信号に対して同極性の第1電位信号を供給し、
    該第1電位信号の電位の前記基準電位に対する振幅は、前記画素電極の電位の前記基準電位に対する振幅よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  6. 1フィールド期間毎に、前記一組の前記走査線のうち前記間隙によって2つに分割される一方のn本の前記走査線の組、前記第1補助電極、及び、前記分割される他方のn本の前記走査線の組の順に極性が反転するように駆動することを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置。
  7. 前記第2基板に、n本の前記走査線毎に、前記画素電極間の前記走査線方向の間隙に対応して設けられた複数の第2補助電極を更に備え、
    前記第2補助電極に対し、対応する前記間隙の両側の前記複数の画素電極に供給された前記画像信号の極性が同じ場合には、前記画像信号と同じ極性を有する第2電位信号を供給し、異なる場合には、中間電位信号を供給し、
    該第2電位信号の電位の前記基準電位に対する振幅は、前記画素電極の電位の前記基準電位に対する振幅よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  8. 1フィールド期間毎に、前記一組の前記走査線のうち前記間隙によって2つに分割される一方のn本の前記走査線の組、前記2つに分割する前記間隙に対応する前記第2補助電極、前記分割される他方のn本の前記走査線の組、及び、前記一組に隣接する間隙に対応する前記第2補助電極の順に極性が反転するように駆動することを特徴とする請求項7に記載の電気光学装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の電子機器。
  10. 一対の第1及び第2基板間に誘電率異方性が負の液晶分子を含む液晶層が挟持されたホメオトロピック配向モードの電気光学装置であって、前記第1基板に、(i)画素アレイ領域に配列された複数の画素電極と、(ii)相交差する複数のデータ線及び複数の走査線とを備える電気光学装置を駆動する電気光学装置の駆動方法であって、
    相互に隣接する2n(nは自然数)本の前記走査線を一組として、該一組毎に対応する画素電極毎に供給される前記画像信号の電位の極性を反転させる
    ことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
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