JP2007072257A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】広視野角で高開口率、高精細化が可能な垂直配向方式の液晶表示装置を提供する。
【解決手段】垂直配向方式の液晶表示装置において、液晶に印加する電圧の極性を周期的に反転させる反転駆動方式としてドット反転駆動を行うことにより、隣の画素電位の影響を抑制し、画素電極間の距離を小さくして、広視野角で高開口率、高精細化が可能な垂直配向方式の液晶表示装置を提供することができる。
【選択図】図10
【解決手段】垂直配向方式の液晶表示装置において、液晶に印加する電圧の極性を周期的に反転させる反転駆動方式としてドット反転駆動を行うことにより、隣の画素電位の影響を抑制し、画素電極間の距離を小さくして、広視野角で高開口率、高精細化が可能な垂直配向方式の液晶表示装置を提供することができる。
【選択図】図10
Description
本発明は、液晶表示装置、特に垂直配向(VA)方式の液晶表示装置に関する。
液晶表示装置(以下LCDと呼ぶこともある)は、薄型で低消費電力であるという特徴を備え、現在コンピュータのモニタや、テレビ、携帯電話等の携帯情報機器のモニタとして広く用いられている。このようなLCDは、一対の基板間に液晶が封入され、それぞれの基板に形成された電極間に電圧信号を印加し、配向状態によって光学特性が変化する液晶の配向を制御して光源からの光の透過率を制御することで表示を行う。
この液晶表示装置に利用される液晶には、TN(ツイスト・ネマティック)タイプ、STN(スーパー・ツイスト・ネマティック)タイプ、VA(垂直配向)タイプ等各種のものがある。
このうち垂直配向(Vatically Aligned)型液晶(以下VA液晶)では、例えば負の誘電率異方性を持ち、垂直配向膜を採用して電圧非印加での液晶分子の長軸が垂直方向(基板平面の法線方向)を向く。このVA液晶を用いたLCDにおいて、一対の基板にはそれぞれ互いに90°偏光軸の異なる偏光板が設けられている。電圧非印加状態において、光源側に配置される基板側の偏光板から液晶層に入射される直線偏光は、液晶が垂直配向しているため、液晶層で複屈折が起こらず、そのままの偏光状態で観察側の基板の偏光板に到達するため、この観察側の偏光板を透過することができず、「黒」が表示される。電極間に電圧を印加すると、VA液晶は、基板平面方向に分子の長軸が向くように倒れる。ここで、VA液晶は負の光学異方性(屈折率異方性)を備えており、液晶分子の短軸が基板平面の法線方向を向くこととなり、光源側から液晶層に入射した直線偏光は、この液晶層で複屈折を受け、直線偏光が、液晶層を進むにつれ楕円偏光となり、さらに円偏光、そして楕円偏光又は直線偏光(いずれの偏光も、入射直線偏光とは90°異なる偏光軸を持つ)へと変化する。このため、入射された直線偏光の全てが液晶層による複屈折によって90°逆の直線偏光になれば、これが観察側の基板の偏光板を透過し、表示は「白(最大輝度)」となる。複屈折量は、液晶分子の倒れ方によって決まる。よって、複屈折量によって、入射直線偏光が同じ偏光軸の楕円偏光、円偏光、或いは90°異なる偏光軸の楕円偏光となり、射出側偏光板の透過率がその偏光状態によって決定され、中間調の表示が得られることとなる。
VA液晶は、図15(b)に示すように、初期配向が基板100の法線方向を向いており、観察方向が図の右上からの場合と、左上からの場合のいずれでも、その方向に対する液晶分子の傾きの角度の差は小さい。従って、図15(a)に示すTN液晶に比較すると、原理的に視覚依存性が低い。つまり、視野角が広いという特徴がある。
さらに、VA液晶を用いた表示装置では、1画素内を突起やスリットによって複数の領域(ドメイン)に分割するマルチドメイン方式のものがある。このマルチドメイン方式によれば、各ドメイン毎に液晶の倒れる方向を異なる方向にでき、視野角依存性をさらに改善することができる。
ここで、基板の対向面側に形成されている電極間に直流電圧を印加し続けると、液晶分子の配向状態が固定される、つまり、いわゆる焼き付きの問題が発生することが知られており、従来より、液晶を駆動する電圧信号としては、基準電圧に対する極性が周期的に反転する交流電圧信号が採用されている。
この液晶駆動電圧信号の極性反転のタイミングは、マトリクス状に複数の画素が配列されている液晶表示装置において、1フレーム毎の反転、1垂直走査(1V)期間(または1フィールド期間)毎の反転、1水平走査(1H)期間毎の反転、1画素(1ドット)期間毎の反転等が知られている。
本来的に表示品質、特に他の方式に比較して動画の表示品質の高いアクティブマトリクス型LCDは、その表示領域内にマトリクス状に複数の画素が配列されており、各画素は、それぞれ薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)のようなスイッチング素子、補助容量、画素電極と液晶層を挟んで対向する対向電極により構成される液晶容量を備えている。そして、対向電極(共通電極)側に印加する電圧信号(共通電圧信号)Vcomに対して、TFTに接続され画素毎に個別の画素電極に印加される画素電圧VPを、周期的に極性反転している。対向電極及び補助容量の両方の矯正を周期的に変化させることにより、液晶の劣化を防止すると同時に、各データラインにデータ信号を出力するHドライバの電圧振幅を小さくし、Hドライバの低消費電力を実現していた。
上記のようなVA液晶を用いたLCDでは、液晶に印加する電圧の極性を周期的に反転させる反転駆動方式として一般にライン反転駆動を採用している(例えば、特許文献1参照)。ライン反転駆動は縦または横方向1ラインごとに極性を反転するもので、データ信号と共にVcomを反転(データ電圧の印加電圧が大きくなるような電圧に変更)させる。
しかし、VA液晶を用いたLCDで、反転駆動方式としてライン反転駆動を行うと、隣の画素電位の影響を受けて液晶の配向が乱れるという問題があった。また、隣の画素電位の影響を避けるためには、画素電極間の距離を大きくする必要があり、開口率が小さくなり、近年求められている画素の高精細化を達成することが困難である。
本発明は、広視野角で高開口率、高精細化が可能な垂直配向方式の液晶表示装置である。
本発明は、第1基板と第2基板との間に液晶層が封入されて構成されるとともに、この液晶層を利用した液晶素子を含む画素がマトリクス配置される液晶表示装置であって、画素の各行に対応して設けられ、ゲート電圧が印加される複数のゲートラインと、画素の各列に対応して設けられ、データ信号が印加される複数のデータラインと、画素毎に配置され、前記ゲートラインのゲート信号によってオンオフされ、前記データラインからのデータ信号を取り入れるスイッチング素子と、画素毎に配置され、前記スイッチング素子に接続され、液晶素子にデータ電圧に応じた電圧を印加する画素電極と、を含み、各データラインに供給するデータ信号の極性を順次反転して、隣接する画素の液晶素子に印加する電圧を交互に反転するとともに、前記液晶層の初期配向は、基板の平面方向に対して垂直な方向である。
また、前記液晶表示装置において、画素毎に設けられ、一端が前記画素電極に接続されて前記画素電極に印加する電圧を保持する補助容量と、前記画素の各行に対応して行方向に延在し、各画素の補助容量が交互に接続される第1および第2の補助容量ラインと、を有し、前記データラインに印加されるデータ信号の極性に対応して第1および第2補助容量ラインに印加される電圧が決定されていることが好ましい。
また、前記液晶表示装置において、隣接する前記画素電極の間隔は1μm以上4μm未満であることが好ましい。
本発明は、垂直配向方式の液晶表示装置において、液晶に印加する電圧の極性を周期的に反転させる反転駆動方式としてドット反転駆動を行うことにより、隣の画素電位の影響を抑制し、画素電極間の距離を小さくして、広視野角で高開口率、高精細化が可能な垂直配向方式の液晶表示装置を提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。
[液晶表示装置の構成]
まず、最初に構成の概要および補助容量ライン(以下、SCラインという)の配置について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るLCDである半透過型LCD10の構成の概略を示す図であり、図2は、LCD10の等価回路図である。なお、以下では半透過型LCDを例に説明するが、本実施形態に係る液晶表示装置は透過型LCDであっても、反射型LCDであってもよい。
まず、最初に構成の概要および補助容量ライン(以下、SCラインという)の配置について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るLCDである半透過型LCD10の構成の概略を示す図であり、図2は、LCD10の等価回路図である。なお、以下では半透過型LCDを例に説明するが、本実施形態に係る液晶表示装置は透過型LCDであっても、反射型LCDであってもよい。
図1に示すように、本実施形態に係るLCD10は、ドライバ内蔵のアクティブマトリクス型LCDであり、このLCD10は、同一基板上にHドライバ12と、Vドライバ14と、補助容量ドライバ(SCドライバ)16と、表示を行う表示領域20とを有する。Hドライバ12は、表示領域20の各画素に垂直方向に複数延びたデータライン(DL)を介してデータ信号を順次出力する。Vドライバ14は、表示領域20の各画素に水平方向に複数延びたゲートライン(GL)を介して表示領域20の行方向の画素18を順次選択するための選択信号を順次出力する。SCドライバ16は、表示領域20の各画素に水平方向に複数延びた補助容量ラインSC1及び第2の補助容量ラインSC2を介して補助容量に電圧を印加する。
表示領域20には、複数の画素18がマトリクス配置される。各画素18には、Hドライバ12からの配線パターンであるデータライン(DL)と、Vドライバ14からの配線パターンであるゲートライン(GL)と、SCドライバ16からの配線パターンである第1の補助容量ラインSC1及び第2の補助容量ラインSC2と、が配線される。GLとSC1およびSC2とは並設される。
図2に示すように、画素18は、スイッチング素子としてGLにゲート電極が接続され、ドレイン(または、ソース)がDLに接続されたダブルゲート構成のTFT30と、2枚の電極とこの電極間の液晶層とにより構成される液晶容量CLCを備え、CLCの一方の電極にはTFT30を介してDLが接続される。CLCの他方の電極は、通常前画素共通の対向電極であり、この対向電極は共通電圧信号(Vcom)が供給されるVcomに接続される。また、CLCの一方の電極である画素毎に配置された画素電極には、補助容量CSCの一方の極が接続され、CSCの他方の極はSC1もしくはSC2のいずれかに隣接する画素において交互に接続されている。
図3は、本実施形態に係る半透過型LCD10の第1基板側の概略平面図であり、図4、図5、および図6は、それぞれ図3のA−A線、B−B線、およびC−C線に沿った位置におけるLCD10の概略断面図である。
図3に示すように、ゲートラインGL24が水平(行)方向に配置され、データラインDL22が垂直(列)方向に配置されている。GL24とDL22との交差点付近にスイッチング素子であるTFT30が配置され、TFT30に接続されたITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極からなる画素電極(第1電極)28が接続される。第1の補助容量ライン26aと第2の補助容量ライン26bとは、GL24を挟むように並設されている。各画素の行方向の境界および第1の補助容量ライン26aと第2の補助容量ライン26bとの外側の領域のGL24に重畳して遮光パターン34が設けられる。遮光パターン34は、画素電極28の境界領域で、液晶層に所望の電圧が印加できない領域を遮光する。
図4に示すように、TFT30は、第1及び第2基板の一方、例えば第1基板40側に画素ごとに形成され、このTFT30に個別パターンに形成された画素電極(第1電極)28が接続される。
第1及び第2基板40,70には、ガラスなどの透明基板が用いられ、第1基板40と対向する第2基板70側には、カラー表示液晶装置の場合にはカラーフィルタ68が画素電極28に対応して形成され、このカラーフィルタ68上に透明導電材料からなる第2電極である対向電極66が形成される。対向電極66の透明導電材料としては、IZO(Indium Zinc Oxide)やITOなどが採用される。なお、アクティブマトリクス型では、この対向電極66は各画素に対する共通電極として形成されている。また、このような対向電極66の上には、ポリイミドなどからなる第2配向膜64が形成されている。
また、図6に示すように、第1基板40上のゲート絶縁膜44の直上に、ゲートラインGL24およびSCライン26となる第1金属層46を形成し、その上にこれらを覆うようにSiNx等からなる層間絶縁膜48、Al、Mo等からなりデータラインDL22となる第2金属層50を形成し、さらにその上に平坦化絶縁膜54を形成している。ソース電極52は、データラインDL22と共通の第2金属層50をエッチング工程によりパターニングして形成している。平坦化絶縁膜54の上に反射型LCDとするための、第2基板側からの入射光を反射する反射層56が形成されている。反射層56は、Al、Ag、これらの合金、例えばAl−Nd合金から構成され、この反射層56の上に画素電極28、第1配向膜60が順に形成されている。この第1基板側と、第2基板側との間に液晶層62が挟まれる。
図7は、本実施形態に係るLCD10における反射層56の配置を示す平面図である。画素18のSC1とSC2とに挟まれる領域に反射層56が配置され、反射層56が配置される反射領域が反射型LCDとして機能し、反射層56が配置されない透過領域が透過型LCDとして機能する。
このような構成をとることにより、反射層56を備える反射型LCDの領域では、第2基板70側から入射した光が液晶層62を通過し、反射層56で反射されて第2基板70側に戻る光路中にSCラインは無いため、画素領域の開口がSCラインにより妨げられることが無い。また、反射層56が設けられていない透過型LCDの領域においても、第1基板40側から第2基板70側に抜ける光の径路にSCラインが無いため、画素領域の開口がSCラインにより妨げられることが無い。したがって、画素一行当たりSCラインを2本必要とするドット反転駆動を行うLCDにおいて、開口率を高くすることができる。
以下、本実施形態に係る半透過型LCD10のその他の構成について説明する。図3および図4に示すように、TFT30としては、トップゲート型を採用しており、また、能動層42としてアモルファスシリコン(a−Si)をレーザアニールで多結晶化して得た多結晶シリコン(p−Si)を用いている。もちろん、TFT30は、トップゲート型p−Siに限定されるものではなく、ボトムゲート型でもよいし、能動層42にa−Siが採用されていてもよい。図4に示す、TFT30の能動層42のソース・ドレイン領域42s、42dにドープされる不純物は、n導電型、p導電型のいずれでもよいが、本実施形態ではリンなどのn導電型不純物をドープし、n−ch型のTFT30を採用している。そして不純物がドープされないチャネル領域42cが形成される。TFT30の能動層42のソース領域42sは、コンタクトを介してソース電極52に接続され、さらにソース電極52は、コンタクトを介してTFT30の能動層42と共通の多結晶シリコン薄膜43よりなる補助容量電極32xに接続されている。
図3および図6に示すように、第1の補助容量32aは、ゲート絶縁膜44を挟んで対向する補助容量電極32xと第1の補助容量ライン26aから延びて形成された補助容量電極32yとで形成されている。第2の補助容量32bは、ゲート絶縁膜44を挟んで対向する上記の補助容量電極32xと、第2の補助容量ライン26bから延びて形成された補助容量電極32zとで形成されている。補助容量電極32xは、能動層42と共通の多結晶シリコン薄膜43をエッチング工程により、第1の補助容量ライン26aおよび第2の補助容量ライン26bに重畳する領域にパターン化して形成される。
図6に示すように、ゲート絶縁膜44は、能動層42を覆うように、例えばSiNx及びSiO2の積層構造又はいずれか一方より形成され、その上にCr、Ta、Mo等の第1金属層46をパターニングしてゲートラインGL24が形成されている。また、遮光パターン34は、第1金属層46と共通の層により形成される。
また、図4に示すように、DL22となる第2金属層50およびソース電極52は、層間絶縁膜48に設けられたコンタクトホールにおいて上記能動層42に形成されたソース領域30s、ドレイン領域30dに接続されている。
このような構成のTFT30及び層間絶縁膜48を覆うように平坦化のための平坦化絶縁膜54が1μm程度或いはそれ以上の厚さに形成されている。平坦化絶縁膜54は、例えばSOG(Spin On Grass)、BPSG(Boro−Phospho−Silicate Glass)、アクリル樹脂等が用いられている。反射層56が設けられる反射型領域において、平坦化絶縁膜54上に反射層56が設けられ、反射層56および反射層56が設けられていない透過型領域の平坦化絶縁膜54上にITO等の透明導電膜を用いた液晶駆動用の画素電極28が画素領域上を覆うように形成される。この画素電極28は、接続用金属層55により平坦化絶縁膜54に設けられたコンタクトホールを介してTFT30のソース電極52に接続されている。
画素電極28とTFT30のソース電極52とを接続する接続用金属層55に求められる条件は、
(i)IZOやITOなどからなる画素電極28との電気的接続がとれること、
(ii)TFT30のAlなどのソース電極52と電気的にコンタクトでき、ソース電極52が省略される場合には、半導体(ここでは多結晶シリコン)能動層と電気的接続できること、
(iii)画素ごとの個別形状に反射層56をパターニングする際に、この反射層56のエッチング液によって除去されないこと、
などである。このような接続用金属層55としては、Mo、Ti、Crなどの高融点金属材料を用いることが好適である。
(i)IZOやITOなどからなる画素電極28との電気的接続がとれること、
(ii)TFT30のAlなどのソース電極52と電気的にコンタクトでき、ソース電極52が省略される場合には、半導体(ここでは多結晶シリコン)能動層と電気的接続できること、
(iii)画素ごとの個別形状に反射層56をパターニングする際に、この反射層56のエッチング液によって除去されないこと、
などである。このような接続用金属層55としては、Mo、Ti、Crなどの高融点金属材料を用いることが好適である。
なお、図5の構成では、平坦化絶縁膜54の各画素領域内に所望の角度の傾斜面が形成されており、この平坦化絶縁膜54を覆って反射層56を積層することで、反射層56の表面に同様な傾斜が形成されている。このような傾斜面を最適な角度、位置で形成すれば、各画素毎に外光を集光して射出することができ、例えば液晶表示装置の正面位置での表示輝度の向上を図ることが可能である。もちろん、このような傾斜面は必ずしも存在しなくてもよい。
上述のように反射層56はAl−Nd合金などの導電性材料によって構成されるが、この反射層56上に積層される画素電極28と、反射層56とは電気的に絶縁される。絶縁される理由は、Alなどからなる反射層56の表面が、画素電極28の材料としてIZOや、ITO等をスパッタリングによって成膜される際に、スパッタリング雰囲気に晒されることで、その表面で酸化反応が起き、自然酸化膜で覆われるためである。そこで、本実施形態では、反射層56の上に形成した透明導電層を画素電極28として用いて液晶層62に表示内容に応じた電圧を印加する。
また、図4から図6に示すように、画素電極28を覆うように第1基板40のほぼ全面には、液晶分子を垂直方向に配向させるための配向膜として、例えばポリイミド等を用いた第1垂直配向膜60が形成されている。
以上のような各素子が形成された第1基板側と液晶層62を挟んで対向配置される第2基板側は、第1基板と同様にガラス等から構成されており、図4から図6に示すように、第1基板40との対向側表面には、液晶分子を垂直方向に配向させるための配向膜として、例えばポリイミド等を用いた第2垂直配向膜64が形成されている。
第2垂直配向膜64の第2基板70側には、図4から図6に示すように、対向する画素電極28とで液晶を駆動するためのITOなどからなる第2電極である対向電極66が形成されている。また、対向電極66の第2基板70側には画素電極28と対応するようにRGBのカラーフィルタ68が所定の配列で形成されている。カラーフィルタ68の画素18間には隣接画素との光の干渉を避けるためブラックマトリクス72が設けられる。
次に、上述した構成の機能について説明する。Hドライバ12は、互いに逆の極性を持つ第1のデータ信号電圧VDa及び第2のデータ信号電圧VDbが入力され、DL22を順次選択して第1のデータ信号電圧VDaもしくは第2のデータ信号電圧VDbのいずれかを印加してゆく。Vドライバ14は、GL24を順次選択して、ゲート信号GVを印加する。
なお、第1の補助容量ライン26aには、第1の補助容量電圧が供給され、第2の補助容量ライン26bには、第1の補助容量電圧とは逆の極性をもつ第2の補助容量電圧が供給される。TFT30は、GL24に電圧が印加されたときにだけ、ソース領域30sからドレイン領域30dへの方向もしくはドレイン領域30dからソース領域30sへの方向のいずれかに、GL24の直下にある能動層42のチャネル領域42c中を電流が流れるスイッチング素子である。
第1の補助容量32a及び第2の補助容量32bは、DL22からTFT30を介して供給されたデータ信号電圧VDによる電荷を1フレーム期間保持し、CLCの電荷の損失を補う。
対向電極66には、一定の電圧が印加され、画素電極28に印加されたデータ信号電圧VDに応じて画素電極28と共に液晶を駆動する。CLCは、液晶が保持している、DLからTFT30を介して供給されたデータ信号電圧VDによる電荷である。CLCが保持する電荷は、第1の補助容量32aや第2の補助容量32bの保持する電荷に比べて非常に少なく、TFT30のオフ動作時のリークや液晶中の不純物からのリークによって流出しやすいため、第1の補助容量32a及び第2の補助容量32bの保持する電荷によって電荷を保っている。
なお、本実施形態では、できるだけ画像のムラやフリッカを小さくするために第1及び第2の補助容量ラインが、1つの画素電極を単位として、行方向において交互に補助容量電極となる構成としていたが、本発明はこれに限定されることはなく、連続する画素電極の複数列を単位として、交互に補助容量電極を有する構成としても構わない。例えば、RGBの原色を表示する3つの画素電極を一つの単位として、この単位ごとに第1もしくは第2の補助容量ラインのいずれかに補助容量電極を有する構成としても構わない。
また、本実施形態において、ダブルゲート型のTFTを例示したが、本発明はこれに限定されず、ゲート電極は1つでもそれ以上でも構わない。また、補助容量ラインをゲートラインと同じ層に形成していたが、補助容量ラインをゲートラインと別の層に形成しても、本発明を実施することができる。
また、本実施形態において、表示領域20の画素はストライプ配列するものとしたが、画素の配列はストライプ配列に限定されない。例えば、画素は図8に示すようにデルタ配列としても構わない。図8に示す液晶表示装置において、多結晶シリコン薄膜43で構成される補助容量電極32xは、対応する液晶容量CLCが属する画素に隣接する両隣の画素領域まで延びている。この構成によれば、補助容量電極32xの幅が画素の幅に制限されることがない。補助容量CSCは、能動層42と重畳する補助容量電極32xの面積に比例するため、画素ピッチの極小化、SCライン幅の細化等により、当該画素内において補助容量電極32xの面積が所望の補助容量CSCを確保することができない場合においても、隣接画素領域にまで補助容量電極32xが延びることにより、所望の補助容量CSCを確保することができる。本構成が実現できるのは、行方向に隣接する画素間において、補助容量が、それぞれ異なる補助容量ライン26aおよび26bと交互に構成されていることによる。したがって、補助容量電極32xの境界は、2つ隣の同じ補助容量ラインにより補助容量を構成する画素に属する補助容量電極32xと絶縁がとれる幅、すなわち、隣接する画素の中央から絶縁が確保できる幅だけ狭い領域まで最大でとることができる。なお、図8に液晶表示装置において、スイッチング素子であるTFTは、シングルゲート構造となっており、多結晶シリコン薄膜は、TFTの能動層から補助容量の電極まで一体に形成されている。
本実施形態に係る液晶表示装置10は、垂直配向型(Vatically Aligned;VA)であり、液晶層62に使用される液晶は垂直配向型液晶(VA液晶)である。また、VA型の場合、LCDの一層の視野角の拡大と表示品質の向上のため、電極不在部(窓)もしくは突起などを画素内に設けて液晶の配向を1画素内で分割することが好ましい。例えば図9に示すように、対向電極66にX字状の電極不在部を各画素電極28と対向する領域に配向制御窓80として形成する。電極不在部による配向制御窓80は、各画素の反射領域に1つ、2つの透過領域にそれぞれ1つずつ設けられ、各領域内において液晶の配向を分割している。
この電極不在部による配向分割は、画素電極28と対向電極66との間に電圧を印加し始めたときの弱電界の傾きを利用している。この弱電界下では、電極不在部からの電気力線は、電極不在部による配向制御窓80の端部、つまり、電極の端から電極不在部の中央に向かって広がるように斜めに傾く。そして、負の誘電率異方性を有する液晶の短軸が、この斜めの電気力線に沿うように配向していくので、液晶への印加電圧の上昇に追随して液晶分子が初期の垂直配向状態から倒れていく方角が斜め電界によって規定される。
また、対向電極66の上又は電極の下に突起部を形成した場合、これらを覆って形成される配向膜64には、突起に応じた傾斜が形成される。液晶は配向膜64の面に垂直に配向されるため、したがってここでは対向電極66側に設けられた突起を境に液晶の配向を分割できる。なお、以上では、電極不在構造を対向電極に設けるものとしたが、画素電極側に設けても良い。
本実施形態に係る液晶表示装置10において、VA液晶を使用して、ドット反転駆動を行った場合の液晶の配向状態の模式図を図10に示す。ドット反転駆動を行うことにより図11のように上下左右隣り合う画素全てに逆の極性が印加されるため、隣接する画素電位の影響がなくなり、液晶の配向乱れがほとんどなくなる。このため、隣接する画素電極間の間隔dを4μm未満とすることができ、好ましくは1μm以上4μm未満、より好ましくは1μm以上3μm以下とすることができる。
これに対して、VA液晶を使用して、ライン反転駆動を行った場合の液晶の配向状態の模式図を図12に示す。ライン反転駆動を行うと、隣接する画素電極間の間隔dを4μm未満とすると、隣接する画素電位の影響を受け、液晶の配向乱れが生じる。
[液晶表示装置の動作]
図13は、本実施形態に係る液晶表示装置10における各制御信号の関連を示すタイミングチャートである。これは、垂直スタート信号STV及びゲート信号GV、水平スタート信号STH及び水平クロック信号CKHと、第1の補助容量ラインSC1の電位SCa及び第2の補助容量ラインSC2の電位SCbにおける電圧変化のタイミングを示している。
図13は、本実施形態に係る液晶表示装置10における各制御信号の関連を示すタイミングチャートである。これは、垂直スタート信号STV及びゲート信号GV、水平スタート信号STH及び水平クロック信号CKHと、第1の補助容量ラインSC1の電位SCa及び第2の補助容量ラインSC2の電位SCbにおける電圧変化のタイミングを示している。
まず、垂直スタート信号STVのパルスの立ち下がりに応じてゲート信号GV1のパルスが立ち上がり、1行目のGL1にゲート信号GV1が供給されてこれに接続されたTFT30がオンになる。それから、水平スタート信号STHのパルスが立ち上がり、このパルスの立ち下がりに同期して、1行目のGL1が選択される期間で最初の水平クロック信号CKHのパルスが立ち上がる。
1行目のゲートラインGL1にゲート信号GV1が供給されている期間中に、水平クロック信号CKHのパルスが順次立ち上がり、これらのパルスの立ち上がりに同期して、DLが順次選択され、順次データ信号電圧VDが、TFT30を介して、画素電極28と、第1の補助容量32a及び第2の補助容量32bに印加されてゆく。第1のデータ信号電圧VDaは、画素電極28及び第1の補助容量32aに、第2のデータ信号電圧VDbは、画素電極28及び第2の補助容量32bに印加される。
全てのDLにデータ信号電圧VDが印加されると、1行目のゲートラインGL1のゲート信号GV1はLowレベルとなり、これに接続されるTFT30はオフとなる。そして、順次ゲート信号GV2、ゲート信号GV3のパルスが立ち上がり、2行目のゲートラインGL2にはゲート信号GV2、3行目のゲートラインGL3にはゲート信号GV3がそれぞれ印加され、上記の動作を繰り返す。
そして、GL1に接続されたTFT30がオフ状態、即ち、ゲートラインGL1にゲート信号GVが供給されていない期間中に、第1の補助容量ライン32aの電位SCaと、第2の補助容量ライン32bの電位SCbの極性が反転する。そして、全てのゲートラインGLにゲート信号GVが供給されると、再び垂直スタート信号STVのパルスが立ち上がり、それに同期して1行目のゲートラインGL1にゲート信号GVが供給され、同様の動作を繰り返す。
図14は、本実施形態に係る液晶表示装置10の駆動方法を示す信号波形図であり、ゲートライン方向に隣り合う画素領域における1フレーム間の信号波形を示している。図14(a)は、第1の補助容量32aの信号波形を示し、図14(b)は、第2の補助容量32bの信号波形を示すこととする。
図14(a)および図14(b)には、ゲート電圧VG、画素電圧VP、ソース電圧VS、データ信号電圧VD、補助容量電圧VSC、対向電極電圧Vcomが示されている。ゲート電圧VGは、1フレーム間に一度、ON期間がある。ゲートのON期間において、GLに印加されるゲート電圧VGが高(以下、「High」という。)レベルになる。この期間中、TFT30がオンしてドレイン・ソース間が導通し、ソース電圧VSが、VLに印加されているデータ信号電圧VDに追従して同じレベルになり、液晶容量CLC及び補助容量CSCの一方に印加される。ゲートのOFF期間になるとゲート電圧VGが低(以下、「Low」と称する。)レベルとなってTFT30がオフし、ソース電圧VSが決まるとともに、ゲート電圧VGの立ち下がりに伴ってΔVSだけレベルが降下し、VPLとなる。対向電極電圧Vcomは一定の電圧で、予めソース電圧VSの降下分ΔVSだけ、データ信号電圧VDのセンターレベルVCよりも低下したレベルにある。
各補助容量ラインには、対応するゲートラインGLに印加されるゲート電圧VGの立ち下がり後に反転する補助容量電圧VSCが印加される。補助容量電圧VSCはVSCH及びVSCLという高低2つのレベル間で反転し、例えば、ソース電圧VSが対向電極電圧Vcomよりも高い正極性期間では、ゲート電圧VGの立ち下がり後に、低いレベルVSCLから高いレベルVSCHに立ち上がる。したがって、ゲート電圧VGが立ち下がってソース電圧VSがいったん決まり得られた画素電圧VPは、補助容量CSCを介して補助容量電圧VSCの立ち上がりの影響を受けてΔVPだけ上昇する。このときの画素電圧VPが、ゲートのOFF期間中、即ち1フレーム間、保持される。
補助容量電圧VSCの立ち上がりによって、液晶容量CLCと補助容量CSC間で電荷の再配分が生じ、画素電圧VPは、ΔVP=VPH−VPLだけ上昇する。ソース電圧VSが対向電極電圧Vcomよりも低い負極期間では、逆に、補助容量電圧VSCは正側から負側へ立ち下がるので、画素電圧VPは、ΔVPだけ降下する。この結果、画素電圧VPの振幅が大きくなり、液晶容量CLCに印加される電圧を大きくすることができる。つまり、補助容量電圧VSCを2つのレベルに反転させることによって、対向電極電圧Vcomを一定電圧としても、データ信号電圧VDの振幅を小さくすることができ、ドット反転駆動を低消費電力で行うことができる。
10 液晶表示装置、12,14,16 ドライバ、18 画素、20 表示領域、22 データライン、24 ゲートライン、26 補助容量ライン、28 画素電極、30 TFT、32 補助容量、34 遮光パターン、40 第1基板、42 能動層、43 シリコン薄膜、44 ゲート絶縁膜、46 第1金属層、48 層間絶縁膜、50 第2金属層、52 ソース電極、52g 短絡処理領域、54 平坦化絶縁膜、55 接続用金属層、56 反射層、60,64 配向膜、 62 液晶層、66 対向電極、68 カラーフィルタ、70 第2基板、72 ブラックマトリクス、74 配向突起、76 液晶、80 配向制御窓、100 基板。
Claims (3)
- 第1基板と第2基板との間に液晶層が封入されて構成されるとともに、この液晶層を利用した液晶素子を含む画素がマトリクス配置される液晶表示装置であって、
画素の各行に対応して設けられ、ゲート電圧が印加される複数のゲートラインと、
画素の各列に対応して設けられ、データ信号が印加される複数のデータラインと、
画素毎に配置され、前記ゲートラインのゲート信号によってオンオフされ、前記データラインからのデータ信号を取り入れるスイッチング素子と、
画素毎に配置され、前記スイッチング素子に接続され、液晶素子にデータ電圧に応じた電圧を印加する画素電極と、
を含み、
各データラインに供給するデータ信号の極性を順次反転して、隣接する画素の液晶素子に印加する電圧を交互に反転するとともに、
前記液晶層の初期配向は、基板の平面方向に対して垂直な方向であることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1に記載の液晶表示装置において、
画素毎に設けられ、一端が前記画素電極に接続されて前記画素電極に印加する電圧を保持する補助容量と、
前記画素の各行に対応して行方向に延在し、各画素の補助容量が交互に接続される第1および第2の補助容量ラインと、
を有し、
前記データラインに印加されるデータ信号の極性に対応して第1および第2補助容量ラインに印加される電圧が決定されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1または2に記載の液晶表示装置において、
隣接する前記画素電極の間隔は1μm以上4μm未満であることを特徴とする液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005260420A JP2007072257A (ja) | 2005-09-08 | 2005-09-08 | 液晶表示装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010160378A (ja) * | 2009-01-09 | 2010-07-22 | Sony Corp | 表示装置および電子機器 |
JP5192046B2 (ja) * | 2008-08-04 | 2013-05-08 | シャープ株式会社 | 液晶表示装置 |
-
2005
- 2005-09-08 JP JP2005260420A patent/JP2007072257A/ja active Pending
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US8681298B2 (en) | 2008-08-04 | 2014-03-25 | Sharp Kabushiki Kaisha | Liquid crystal display device |
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