JP4147025B2 - 反射型表示装置及びそれを備えた電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクティブマトリクス型の表示素子を包含する反射型表示装置の低消費電力化に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ワードプロセッサ、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、ポケットテレビなどへの液晶表示装置の応用が急速に進展している。特に、液晶表示装置の中でも外部から入射した光を反射させて表示を行う反射型液晶表示装置は、バックライトが不要であるため消費電力が少なく薄型であって、軽量化が可能であることから注目されている。
【0003】
従来の反射型液晶表示装置は、単純マルチプレックス駆動方式と、TFT (Thin Film Transistor)などのアクティブ素子を使用したアクティブ駆動方式とに大別される。単純マルチプレックス駆動方式では、2型程度の大きさで消費電力が10mW〜15mW程度と十分に小さいものの、明るさ及びコントラストが低く、応答速度が小さいなど表示品位に問題がある。一方、TFTなどを使用したアクティブ駆動方式では、明るさ及びコントラストが高く、応答速度も大きく表示品位は十分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アクティブ駆動方式の液晶表示装置は、消費電力は2型程度の大きさでも100mW〜150mW程度であり、十分に満足できるほど小さいものではなかった。
【0005】
具体的には、アクティブ素子を用いたアクティブマトリクス型の液晶表示素子を有する液晶表示装置では、良好な動画表示を得るために、画素のそれぞれに電荷を書き込む周期を決定する書き換え周波数、すなわち1画面を書き換える周波数を一般に60Hzとしている。アクティブ駆動方式の液晶表示装置において60Hzのような高周波数で画面の書き換えを行っているのは、一般に、CRTが一瞬だけ発光する蛍光体を用いながら人間の目の残像効果を利用して1画面を表示するインパルス型表示を行うのに、静止画を表示する場合でも高速に画面を書き換える必要があることから、この高速の書き換えに従ったものである。
【0006】
また、アクティブ駆動方式の液晶表示装置においては、上記高速の書き換えに加えて、表示のチラツキを低減するために1走査信号線ごとにデータ信号の電圧極性を反転する交流駆動を行っている。従って、走査信号ドライバの消費電力及びデータ信号ドライバの消費電力が増大していた。
【0007】
また、このような液晶表示装置の消費電力を削減するために、本件発明者らが、いわゆるCsオンゲート構造の液晶表示装置に対して書き換え周波数を30Hz以下の低周波数として駆動した結果、表示にチラツキが発生した。このように、低消費電力化を達成するために、Csオンゲート構造で単に書き換え周波数を低下させただけでは表示品位が低下してしまうことが分かった。
【0008】
これに対して、これまでも十分な低消費電力化と良好な表示品位とのための研究開発が精力的に行われており、例えばTFT液晶ドライバの消費電力を低減する手法としてマルチフィールド駆動法が提案されている。これは、一画面の走査を走査信号線の1本おきもしくは複数本おきとして複数回に分割して行い、1回の走査中はデータ信号線の電圧の極性反転を行わないことにより、データ信号線ドライバの消費電力の低減を行うものである。また、各ラインで発生する明るさの変化、すなわちチラツキを、隣接する反対極性のラインのチラツキで相殺することにより全体としてチラツキのない表示を実現することも目的としている。
【0009】
しかしながら、上述したマルチフィールド駆動を行ってもラインごとにチラツキは発生しており、隣接するラインで相殺しても実際にはチラツキが知覚され、視認性が著しく低下する。また、低消費電力化も十分とは言えない。さらに、マルチフィールド駆動方式では一画面を複数枚のサブフィールドに分割し、走査を走査信号線の1本おきもしくは複数本おきに行うために、一旦画像をフレームメモリに蓄積した後、駆動する走査信号線に対応する信号を読み出す必要があり、回路構成が複雑化することは避けられない。従って、周辺回路が大型化してコストアップにつながるという欠点を有している。
【0010】
低消費電力化に限って言えば、例えば特開平6−342148号公報に開示されている方式のように、液晶パネルに強誘電性液晶を用いてメモリ性を持たせ、駆動周波数(リフレッシュレート)を小さくして消費電力を削減することができる。しかし、この方法では、強誘電性液晶が基本的に2値(白黒)表示であるために階調表示ができず、自然画の表示ができない。さらに、強誘電性液晶をパネル化するには高度なパネル作成技術が要求されるため、今日に至るまで実用化に至っていない。
【0011】
このように、従来の液晶表示装置では低消費電力化と高表示品位とを両立させることができなかった。それゆえ、低消費電力化と高表示品位とを両立させることのできるアクティブマトリクス型の表示装置が望まれている。
【0012】
また、反射型液晶表示装置では、一般に、アクティブ素子側基板に例えばAl等の反射電極が設けられている一方、対向基板に例えばITO(酸化インジウムと酸化スズとを主成分とする柱状結晶質の酸化物)等の透明電極が設けられている。そして、このように両基板にそれぞれ相互に異なる電極材料が用いられているために、両基板間に直流電圧がかかった状態と同じになるように電位差が発生する。交流駆動の場合、かかる電位差が生じると表示にフリッカー(チラツキ)が発生する。但し、この場合、交流電圧の中心電圧をオフセットして上記電位差を相殺することによりこのフリッカーの問題を解消することができる。
【0013】
一方、両基板間への液晶材料の注入工程時やシール樹脂材料からの流出等により液晶層に不純物が混入する場合があり、上記のように両基板間に電位差が発生すると静電引力によりそれらの不純物がいずれかの基板に吸着されることとなる。そして、表示領域に不純物が吸着していない部分と吸着した部分とが生じ、前者では液晶層に所定の電圧が印加されるのに対し、後者では液晶層に所定の電圧が印加されないこととなる。この場合、各部分ごとの電圧補正が必要となるため、交流駆動の中心電圧を一括にオフセットする方法によってはフリッカーを解消することができない。また、かかるフリッカーは、シール樹脂材料からの不純物の流出による影響が大きいために表示領域の周縁部において、さらに、低周波数での駆動において特に顕著に観察される。
【0014】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、透明基板と反射基板との間の電位差を解消し、良好な表示品位を保ったまま低消費電力化を達成することのできる反射型表示装置、及びそれを備えた電子機器を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の反射型表示装置は、上記の課題を解決するために、相互に並行して延びるように設けられ、走査信号が供給される複数の走査信号線と、該走査信号線の延びる方向と角度をなして相互に並行して延びるように設けられ、データ信号が交流駆動で供給される複数のデータ信号線と、該複数の走査信号線及び複数のデータ信号線の交差部に配設されてマトリクスを形成する複数の画素電極と、該複数の画素電極に対向して設けられた対向電極と、を備え、該複数の画素電極は、各々、該対向電極との間に表示用の電気容量を形成する表示用主電極と、該表示用主電極に導通し補助容量を形成する補助容量用電極と、を有しており、該走査信号線に走査信号が供給されて該画素電極が選択状態となった際に該データ信号線にデータ信号が供給されることにより、該画素電極に表示状態を決定する電荷が周期的に書き込まれるように構成されていると共に、該表示用主電極が反射電極で且つ該対向電極が透明電極に構成されたアクティブマトリクス型の表示素子を包含し、そして、該画素電極に電荷を書き込む周期を決定する書き換え周波数を30Hz以下に設定することが可能な周波数設定手段をさらに備え、該補助容量用電極は、該走査信号線との間で容量結合を略生じない位置に設けられていると共に、該反射電極である表示用主電極は、該透明電極である対向電極側が該対向電極と略等しい仕事関数を有すると共に該表示用主電極と同時エッチング可能な透明電極材料で形成された被覆層で覆われ、該被覆層をエッチングにより形成する際に同時にエッチングにより形成された外周部を有することを特徴としている。
【0016】
上記の発明によれば、補助容量用電極が走査信号線との間に容量結合を略生じない位置となるように設けられているので、この状態で周波数設定手段により上記表示用の電気容量の電荷、すなわち表示素子の画面を30Hz以下の書き換え周波数で書き換える設定を行えば、従来のようにCsオンゲート構造で補助容量を形成していた場合と異なり、1ライン上の走査信号線など走査信号線の電位変動による表示用主電極の電位変動は生じなくなる。
【0017】
30Hz以下の低周波数駆動とすることによって、走査信号の周波数が減少して走査信号ドライバの消費電力が十分に削減されるとともに、データ信号の極性反転周波数が減少し、データ信号ドライバの消費電力が十分に削減される。また、表示状態を決定する電荷が書き込まれる表示用主電極の電位変動が生じなくなることによって、チラツキのない安定した表示品位が得られる。
【0018】
反射電極である表示用主電極の透明電極である対向電極側がその対向電極と略等しい仕事関数を有する透明電極材料で覆われているので、両電極間の電位差が解消され、不純物の吸着に起因するフリッカーの発生が抑止される。ここで、仕事関数が略等しいとは、概ね、その差が0.3eV以内であることをいう。
【0019】
この結果、透明基板と反射基板との間の電位差を解消し、良好な表示品位を保ったまま低消費電力化を達成することのできる反射型表示装置を提供することができる。
【0020】
本発明の反射型表示装置は、上記の課題を解決するために、相互に並行して延びるように設けられ、走査信号が供給される複数の走査信号線と、該走査信号線の延びる方向と角度をなして相互に並行して延びるように設けられ、データ信号が交流駆動で供給される複数のデータ信号線と、該複数の走査信号線及び複数のデータ信号線の交差部に配設されてマトリクスを形成する複数の画素電極と、該複数の画素電極に対向して設けられた対向電極と、を備え、該複数の画素電極は、各々、該対向電極との間に表示用の電気容量を形成する表示用主電極を有しており、該走査信号線に走査信号が供給されて該画素電極が選択状態となった際に該データ信号線にデータ信号が供給されることにより、該画素電極に表示状態を決定する電荷が周期的に書き込まれるように構成されていると共に、該表示用主電極が反射電極で且つ該対向電極が透明電極に構成されたアクティブマトリクス型の表示素子を包含し、そして、該画素電極に電荷を書き込む周期を決定する書き換え周波数を30Hz以下に設定することが可能な周波数設定手段をさらに備え、該表示素子は、該走査信号線への走査信号の供給に伴って該画素電極と該対向電極との間に形成される表示用の電気容量の電圧に加わるノイズによるその電圧の変動が表示状態にチラツキが知覚されない値以下に抑制されるように構成されていると共に、該反射電極である表示用主電極は、該透明電極である対向電極側が該対向電極と略等しい仕事関数を有すると共に該表示用主電極と同時エッチング可能な透明電極材料で形成された被覆層で覆われ、該被覆層をエッチングにより形成する際に同時にエッチングにより形成された外周部を有することを特徴としている。
【0021】
上記の発明によれば、表示状態を決定する電荷が書き込まれる表示用主電極と対向電極との間に形成される表示用の電気容量の電圧に走査信号線からノイズが加わっても、このノイズによる表示用の電気容量の電圧の変動を、表示状態にチラツキが知覚されない値以下に抑制するように構成されているので、この状態で周波数設定手段により表示用の電気容量の電荷、すなわち表示素子の画面を30Hz以下の書き換え周波数で書き換える設定を行えば、画素の表示状態は安定し、チラツキのない安定した表示品位が得られる。また、30Hz以下の低周波数駆動とすることによって、走査信号の周波数が減少して走査信号ドライバの消費電力が十分に削減されるとともに、データ信号の極性反転周波数が減少し、データ信号ドライバの消費電力が十分に削減される。
【0022】
反射電極である表示用主電極の透明電極である対向電極側がその対向電極と略等しい仕事関数を有する透明電極材料で覆われているので、両電極間の電位差が解消され、不純物の吸着に起因するフリッカーの発生が抑止される。ここで、仕事関数が略等しいとは、概ね、その差が0.3eV以内であることをいう。
【0023】
この結果、透明基板と反射基板との間の電位差を解消し、良好な表示品位を保ったまま低消費電力化を達成することのできるアクティブマトリクス方式の反射型表示装置を提供することができる。
【0024】
本発明の反射型表示装置は、反射電極である表示用主電極が、透明電極である対向電極側が対向電極と略等しい仕事関数を有すると共に表示用主電極と同時エッチング可能な透明電極材料で形成された被覆層で覆われ、その被覆層をエッチングにより形成する際に同時にエッチングにより形成された外周部を有する。
【0025】
上記の発明によれば、表示用主電極の対向電極側を覆う透明電極材料を同時にエッチングすることで被覆層を形成させることができ、製造工程の効率化を図ることができる。
【0026】
また、本発明の電子機器は、上記の課題を解決するために、前記いずれかに記載の反射型表示装置が搭載されていることを特徴としている。
【0027】
上記の発明によれば、良好な表示品位を保ったままの低消費電力化が図れる反射型表示装置を搭載しているので、バッテリーによる長時間駆動が容易になる。
【0028】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
射型表示装置を具現する一実施の形態について図1ないし図14に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0029】
まず、Csオンゲート構造の液晶表示装置に対して書き換え周波数を30Hz以下の低周波数として駆動すると、表示にチラツキが発生する理由を、本件発明者らが調べたところ、次のことが分かった。
【0030】
アクティブ素子を有した液晶表示素子における画素の補助容量電極が、その画素の1ライン上の走査信号線上で形成された、いわゆるCsオンゲート構造である場合、該1ライン上の走査信号線への走査信号印加時に上記画素の画素電極電位が大きく変動する。一般に書き換え周波数が30Hz以上であると画素電極電位の変動による液晶分子の応答は平均化されて知覚されないが、書き換え周波数を30Hz以下にすると液晶分子の応答が知覚されてチラツキが発生し、表示品位が著しく損なわれることとなる。また、従来はアクティブ素子の抵抗値、液晶材料の抵抗値・誘電率、画素ごとの補助容量が30Hz以下の書き換え周波数に対して最適設計がなされておらず、30Hz以下の駆動におけるチラツキには、電荷保持不良に起因する画素電極電位の変動分も含まれていた。従って、低消費電力化を達成するために、Csオンゲート構造で単に書き換え周波数を低下させただけでは表示品位が低下してしまうことが分かった。
【0031】
射型表示装置は、上記のチラツキの発生理由に基づいて提供されるものである。
【0032】
図3に、本実施の形態に係る反射型表示装置としての反射型液晶表示装置1のシステムブロック図を示す。反射型液晶表示装置1は、液晶パネル2、ゲートドライバ3、ソースドライバ4、コントロールIC5、画像メモリ6、及び同期クロック発生回路7を備えている。表示素子、さらには液晶表示素子としての液晶パネル2の構成の詳細については後で詳述する。走査信号ドライバとしてのゲートドライバ3は液晶パネル2の各走査信号線に、選択期間と非選択期間とのそれぞれに応じた電圧の走査信号を出力する。データ信号ドライバとしてのソースドライバ4は液晶パネル2の各データ信号線に、選択されている走査信号線上にある画素のそれぞれに供給する画像データをデータ信号として交流駆動で出力する。コントロールIC5は、コンピュータなどの内部にある画像メモリ6に蓄えられている画像データを受け取り、ゲートドライバ3にゲートスタートパルス信号GSP及びゲートクロック信号GCKを配信し、ソースドライバ4にRGBの階調データ、ソーススタートパルス信号SP、及びソースクロック信号SCKを配信する。
【0033】
周波数設定手段としての同期クロック発生回路7は、コントロールIC5が画像メモリ6から画像データを読み出すための同期クロックや、出力するゲートスタートパルス信号GSP、ゲートクロック信号GCK、ソーススタートパルス信号SP、及びソースクロック信号SCKを生成するための同期クロックを発生する。本実施の形態では、上記各信号を液晶パネル2の画面の書き換え周波数に合わせるための、同期クロックの周波数設定をここで行うようにしている。ゲートスタートパルス信号GSPの周波数は上記書き換え周波数に相当し、同期クロック発生回路7では少なくとも1つの書き換え周波数を30Hz以下に設定することができ、また、30Hz以上をも含めて任意の複数通りの書き換え周波数を設定することができるようになっている。
【0034】
同図では、同期クロック発生回路7が外部から入力される周波数設定信号M1・M2に応じて書き換え周波数の設定を変えるようになっている。周波数設定信号の数は任意でよいが、例えばこのように2種類の周波数設定信号M1・M2があるとすると、表1に示すように書き換え周波数を4通りに設定することができる。
【0035】
【表1】
Figure 0004147025
【0036】
なお、書き換え周波数の設定はこの例のように同期クロック発生回路7に複数の周波数設定信号が入力されるようになっていてもよいし、同期クロック発生回路7に書き換え周波数調整用のボリュームや選択用のスイッチなどが備えられていてもよい。もちろん使用者が設定しやすいように反射型液晶表示装置1の筐体外周面に書き換え周波数調整用のボリュームや選択用のスイッチなどが備えられていてもよい。同期クロック発生回路7は少なくとも外部からの指示に応じて書き換え周波数の設定が変えられる構成であればよい。あるいは、表示する画像に合わせて自動で書き換え周波数が切り換わるように設定することも可能である。
【0037】
ゲートドライバ3は、コントロールIC5から受け取ったゲートスタートパルス信号GSPを合図に液晶パネル2の走査を開始し、ゲートクロック信号GCKに従って各走査信号線に順次選択電圧を印加していく。ソースドライバ4は、コントロールIC5から受け取ったソーススタートパルス信号SPを基に、送られてきた各画素の階調データをソースクロック信号SCKに従ってレジスタに蓄え、次のソーススタートパルス信号SPに従って液晶パネル2の各データ信号線に階調データを書き込む。
【0038】
次に、図2に液晶パネル2の断面構成を示す。同図は後述する図1のA−A断面図に相当する。液晶パネル2はアクティブマトリクス型で反射型の液晶パネルであり、2枚のガラス基板11・12にネマチック液晶などの液晶層13が挟持され、ガラス基板12上にアクティブ素子としてのTFT14…が形成された基本構成を有している。なお、本実施の形態ではアクティブ素子としてTFTを用いるが、MIM(Metal Insulator Metal) などの2端子素子や、3端子素子としてTFT以外のFETなどを用いることもできる。TFT14やその他のFETは、走査信号によって選択期間にゲートに選択電圧が印加されることによってソース・ドレイン間が導通して選択状態となる。2端子素子は後述するような構成において、一方の端子に走査信号による電圧が印加され、他方の端子に液晶を介してデータ信号に応じた電圧が印加され、選択期間に走査信号による印加電圧とデータ信号による印加電圧とによって両端子が導通して選択状態となる。
【0039】
ガラス基板11の上面には、入射光の状態を制御するための位相差板15、偏光板16、及び反射防止膜17がこの順で設けられている。ガラス基板11の下面には、RGBのカラーフィルタ18、及び対向電極としての透明共通電極19(例えばITO)がこの順で設けられている。カラーフィルタ18によりカラー表示が可能となっている。
【0040】
各TFT14においては、ガラス基板12上に設けられた走査信号線の一部をゲート電極20とし、その上にゲート絶縁膜21が形成されている。ゲート絶縁膜21を挟んでゲート電極20と対向する位置にi型アモルファスシリコン層22が設けられ、i型アモルファスシリコン層22のチャネル領域を挟むようにn+ 型アモルファスシリコン層23・23が形成されている。一方のn+ 型アモルファスシリコン層23の上面にはデータ信号線の一部をなすデータ電極24が形成され、他方のn+ 型アモルファスシリコン層23の上面からゲート絶縁膜21の平坦部上面にわたってドレイン電極25が引き出されて形成されている。ドレイン電極25の引き出し開始箇所と反対側の一端は、後述する図1に示すように補助容量配線33と対向する矩形の補助容量用電極パッド(補助容量用電極)27aと接続されている。TFT14…の上面には層間絶縁膜26が形成されており、層間絶縁膜26の上面には反射電極(表示用主電極)27b…(例えばAlやAg)が設けられている。反射電極27b…は周囲光を用いて反射型表示を行うための反射部材である。反射電極27b…による反射光の方向を制御するために、層間絶縁膜26の表面には微細な凹凸が形成されている。反射電極27bの透明共通電極19側となる上面には、その透明共通電極19と仕事関数が略等しい透明電極材料で形成された被覆層29(例えば透明共通電極19がITOの場合、透明電極材料であるIZO(酸化インジウムと酸化亜鉛とを主成分とする非晶質酸化物))が反射電極27b表面を被覆するように設けられている。なお、表示用主電極を透明電極とし、対向電極を反射電極としてその表面を被覆層で覆う構成であってもよい。
【0041】
さらに、各反射電極27bは、層間絶縁膜26に設けたコンタクトホール28を通じてドレイン電極25と導通している。すなわち、データ電極24から印加されてTFT14により制御される電圧は、ドレイン電極25からコンタクトホール28を介して反射電極27bに印加され、反射電極27bと透明共通電極19との間の電圧によって液晶層13が駆動される。すなわち、補助容量用電極パッド27aと反射電極27bとは互いに導通し、また反射電極27bと透明共通電極19との間に液晶が介在している。このように、補助容量用電極パッド27aと反射電極27bとは画素電極27を構成しており、表示状態を決定する電荷が選択状態にあるTFT14を介して書き込まれる表示用の電気容量(後述する液晶容量CLC)が、画素電極27と透明共通電極19との間に液晶が介在して形成されている。また、図2の液晶パネルは透明共通電極19が画素電極27とは異なるガラス基板12上に設けられたものであるが、本実施の形態ではこれに限らず、共通電極が画素電極と同一基板上に設けられるいわゆるIPS(In Plane Switching) モードの構造の液晶パネルであってもよい。
【0042】
さらに液晶パネル2のTFT14が設けられている側のガラス基板12上には、図2のうち液晶層13より下方の部分を上方から見た図1に示すように、走査信号線31…が相互に並行して延びるように設けられており、その各々にゲートドライバ3から走査信号が供給され、また、データ信号線32…が走査信号線31の延びる方向と直交する方向に相互に並行して延びるように設けられ、その各々にソースドライバ4からデータ信号が供給される。また、画素電極27は、両信号線31,32の各交差部に配設されてマトリクスを形成すると共に、TFT14のゲート電極20を介して走査信号線31に及びデータ電極24を介してデータ信号線32にそれぞれ接続されている。そして、補助容量用電極パッド27a…のそれぞれに対向して補助容量配線33…が設けられている。一対の補助容量用電極パッド27aと補助容量配線33とは、後述する画素において前記電気容量(液晶容量CLC)に対する補助容量(後述する補助容量CCS)を形成する電極である。補助容量配線33…は走査信号線31…以外の位置で、すなわち走査信号線31…の位置を避けて、一部がゲート絶縁膜21を挟んで補助容量用電極パッド27a…と対をなすようにガラス基板12上に走査信号線31…と平行に設けられており、補助容量用電極パッド27a…とともに、走査信号線31…との間に容量結合が略生じないようになっている。この場合に限らず、補助容量用電極パッド27a…及び補助容量配線33…は走査信号線31…との間に容量結合を略生じない位置となるように設けられていればよい。反射電極27b…と走査信号線31…との間の容量結合は、当然、無視することができるほど小さい。なお、図1では、被覆層29を省略している。
【0043】
液晶パネル2を上方から見て、隣接する走査信号線31・31及び隣接するデータ信号線32・32でおよそ囲まれる区画の、ガラス基板11・12、液晶層13、TFT14、位相差板15、偏光板16、反射防止膜17、カラーフィルタ18、透明共通電極19、層間絶縁膜26、画素電極27、及び補助容量配線33は1つの画素を構成する要素である。各画素は、走査信号線31…の内の1つ及びデータ信号線32…のうちの1つに接続されており、走査信号及びデータ信号に基づいて、TFT14が周期的に選択状態となって表示状態を決定する電荷がTFT14を介して所定の電気容量(後述する液晶容量CLC)に書き込まれる。なお、同図では補助容量用電極パッド27a…と補助容量配線33…との位置関係が明確になるように反射電極27b…の図示を一部省略してある。また、図2における層間絶縁膜26の表面の凹凸は図1では図示していない。
【0044】
なお、アクティブ素子にMIMなどの2端子素子を用いる場合には、図1の各TFT14の位置に2端子素子を設けてデータ信号線32に相当するデータ信号線と画素電極27に相当する画素電極との間に直列に接続する。そして、走査信号線31に相当する各走査信号線を2端子素子とは接続せずに、液晶層13に相当する液晶層を介して補助容量電極パッド27aに相当する補助容量電極パッドと対向するように画素ごとに設けられた対向電極(透明電極)に接続する。この場合の1つの画素は、隣接する走査信号線及び隣接するデータ信号線でおよそ囲まれる区画の、TFT14…を用いる場合の前記液晶パネル2と対応する要素により構成されている。また、3端子素子としてTFT以外のFETを用いる場合の構成については電気的接続はTFT14…を用いる場合と同様であるので、説明を省略する。
【0045】
アクティブ素子に3端子素子を用いる上記の構成の液晶パネル2における、1画素についての等価回路を図4(a)・(b)に示す。同図(a)は、透明共通電極19と反射電極27bとで液晶層13を挟持することにより形成した液晶容量CLCと、補助容量用電極パッド27aと補助容量配線33とでゲート絶縁膜21を挟持することにより形成した補助容量CCSとをTFT14に接続し、透明共通電極19及び補助容量配線33を一定の直流電位とした等価回路である。同図(b)は、上記液晶容量CLCの透明共通電極19にバッファを介して交流電圧Vaを印加し、上記補助容量CCSの補助容量配線33にバッファを介して交流電圧Vbを印加するようにした等価回路である。交流電圧Vaと交流電圧Vbとは電圧振幅が等しく、位相が揃っている。従って、この場合は透明共通電極19の電位と補助容量配線33の電位とは互いに同位相で振動する。また、同図(a)のように液晶容量CLCと補助容量CCSとが並列に接続されている構成で、一定の直流電位に代えてバッファを介した共通の交流電圧を印加する場合もある。
【0046】
これらの等価回路において、走査信号線31に選択電圧を印加してTFT14をON状態とし、データ信号線32から液晶容量CLCと補助容量CCSとにデータ信号を印加する。次に、走査信号線31に非選択電圧を印加してTFT14をOFF状態とすることにより、画素は液晶容量CLCと補助容量CCSとに書き込まれた電荷を保持する。ここで、前述したように画素の補助容量CCSを形成する補助容量配線33を走査信号線31との間に容量結合を略生じない位置となるように設けているので、上記容量結合を無視して等価回路を図示している。この状態で同期クロック発生回路7により液晶容量CLCの電荷、すなわち液晶パネル2の画面を30Hz以下の書き換え周波数で書き換える設定を行えば、従来のようにCsオンゲート構造で補助容量を形成していた場合と異なり、図1における1ライン上の走査信号線31など走査信号線の電位変動による液晶容量CLCの電極である画素電極27の電位変動は抑制される。アクティブ素子が2端子素子である場合も同様である。
【0047】
30Hz以下の低周波数駆動とすることによって、走査信号の周波数が減少して走査信号ドライバの消費電力が十分に削減されるとともに、データ信号の極性反転周波数が減少し、データ信号ドライバ、図1の構成の場合はソースドライバ4の消費電力が十分に削減される。また、画素電極27の電位変動が抑制されることによって、チラツキのない安定した表示品位が得られる。
【0048】
次に、サイズを対角0.1m、走査信号線31を240本、データ信号線32を320×3本とした液晶パネル2の特性を解析した結果について説明する。
【0049】
図5(a)・(b)は、前記液晶層13に用いた液晶(メルク社製ZLI-4792)について、書き込み時間を一定(例えば100μsec)に固定したときの液晶電圧保持率Hrの駆動周波数(書き換え周波数)依存性を測定した結果である。同図(b)は同図(a)のうち駆動周波数が0Hz〜5Hzの領域を拡大した図である。また、図6は、TFT14のOFF抵抗値と、TFT14のゲート電極20の電位、すなわち走査信号線31の電位との関係を測定した結果である。液晶電圧保持率Hr及びTFT14のOFF抵抗値が十分でないと、液晶容量CLCと補助容量CCSとに書き込まれた電荷がTFT14の非選択期間に漏れてしまい、図7に示すように画素電極27の電位が変動して、反射電極27bからの反射光強度が変動する。
【0050】
画素電極27の電位、及び反射電極27bからの反射光強度が関係する画素電圧保持率Pは、
P=V1 ・exp[−T/{(CLC+CCS)・R}]/V (1)
で表される。ただし、
V1 =V−{V・(1−Hr(T))×CLC/(CLC+CCS)}
T :TFT14の非選択期間
Hr(T):図5において、ある駆動周波数における時間T後の液晶電圧 保持率
V :書き込み直後の画素電極27と透明共通電極19との電位差
R :図6におけるTFT14のOFF抵抗値
である。V1 ・exp[−T/{(CLC+CCS)・R}]は、書き込んでから時間T後の画素電極27と透明共通電極19との電位差である。
【0051】
例えばT=180msecとしたときの液晶電圧保持率Hr(T)、TFT14の非選択時の抵抗値すなわちOFF抵抗値R、液晶容量CLC、及び補助容量CCSを表2のように設定して画素電圧保持率Pを式(1)から計算すると、99.7%となる。
【0052】
【表2】
Figure 0004147025
【0053】
そこで、画素電圧保持率Pとチラツキの知覚限界について詳細な検討を行った。図8(a)に示すように、内側に透明電極43を形成したガラス基板42を2枚向かい合わせ、さらに透明電極43・43の間に液晶層44を挟持したチラツキ評価用セル41を作製した。そして、このチラツキ評価用セル41の2つの透明電極43・43間に、信号発生装置45から電圧を印加した。信号発生装置45から出力される電圧波形を同図(b)に示す。同図においてVsを2V、非選択期間Tを32msec(約30Hz)〜167msec(約6Hz)の間で変化させてVeを変化させる。チラツキ評価用セル41は初めVsの電圧に充電されるが、徐々に電圧が低下してVeとなる。次に、−Vsの電圧を印加するとチラツキ評価用セル41の明るさが変化するが、このときの明るさの変化、すなわちチラツキを目視で確認する。
【0054】
ここで、Ve/Vsが実際の反射型液晶表示装置1における画素電圧保持率Pに相当する。画素電圧保持率Pとチラツキの発生状況について詳細に観察したところ、表3に示すような結果が得られた。
【0055】
【表3】
Figure 0004147025
【0056】
なお、○:チラツキが知覚されない、
△:チラツキがやや知覚される、
×:チラツキが知覚される、
である。
【0057】
これにより、画面の書き換え周波数を30Hz以下としても特にチラツキのない安定した表示品位の液晶パネル2を得るためには、画素電圧保持率P≧0.9として画素電極27…の電位変動がほとんど生じないようにすればよいことが分かった。
【0058】
以上の構成の反射型液晶表示装置1で低周波数駆動を行った場合の走査信号波形、データ信号波形、画素電極27の電位、及び反射電極27bからの反射光強度を図9(a)ないし(e)に示す。画面の書き換え周波数は60Hzの10分の1である6Hzとした。詳しくは、6Hzに相当する書き換え周期167msecのうち、走査信号線31…の1本当たりの選択期間を0.7msec、非選択期間を166.3msecとした。データ信号線32…に供給するデータ信号を1走査信号ごとに極性を反転させ、かつ、1つの画素には書き換えごとに極性反転したデータ信号が入力されるように駆動を行った。
【0059】
同図(a)は、注目している画素の走査信号線31よりも1ライン上の走査信号線31に出力される走査信号波形を、同図(b)は注目している画素(自段)の走査信号線31に出力される走査信号波形を、同図(c)は注目している画素のデータ信号線32に出力されるデータ信号波形を、同図(d)は注目している画素の画素電極27の電位を示す。同図(a)及び(d)から分かるように、1ライン上の走査信号線31に選択電圧が印加されているときに、画素電極27の電位は安定している。このとき反射電極27bからの反射光強度を測定したところ、同図(e)に示すように反射光強度の変化はほとんど確認されなかった。また、目視による評価の結果でも、チラツキがなく均一で良好な表示品位が得られることが確認された。
【0060】
これに対し、図10に示すように1ライン上の走査信号線31’…に補助容量用電極パッド27a’…を対向させて補助容量を形成する従来のCsオンゲート構造では、図11(a)ないし(e)の結果が得られた。同図(a)及び(d)から分かるように、1ライン上の走査信号線31’に選択電圧が印加されているときに、画素電極27’の電位が大きく変動している。この結果、同図(e)に示すように反射電極27b’からの反射光強度も変動してしまい、目視による評価の結果でもチラツキが知覚された。
【0061】
そこで、走査信号による画素電極の電位変動とチラツキの知覚限界について詳細な検討を行った。図8(a)に示すチラツキ評価用セル41に図12に示す波形の電圧を印加した。図12において電圧V1は所定の階調を表示するために液晶層44(透明電極43・43間)に印加される電圧であり、実際の反射型液晶表示装置におけるドレイン−コモン間電圧(画素電極の電位)、すなわち表示状態を決定する電荷が書き込まれる所定の電気容量の電圧に相当する。また、電圧V1に重畳されているパルス電圧Vpが走査信号線の走査により発生して電圧V1に加わるノイズであり、パルス電圧Vpの重畳分が電圧V1の変動分である。
【0062】
ここでパルス電圧Vpのパルス幅を50μsec、電圧V1の変化周期Tc(所定の電気容量の電荷を書き換える周期に相当)を33.3msec〜167msecの範囲でスイープし、電圧Vpの値を変化させてチラツキの状況を確認したところ表4に示すような結果となった。
【0063】
【表4】
Figure 0004147025
【0064】
なお、○:チラツキが知覚されない、
△:チラツキがやや知覚される、
×:チラツキが知覚される、
である。
【0065】
同表より、画面の書き換え周波数を30Hz以下としても(変化周期Tを33.3msec以上としても)、チラツキのない液晶パネルを得るには、走査に伴う画素電極の電位変動(所定の電気容量の電圧の変動)を3V以下とするのが好ましいことが分かる。なお、通常の液晶パネルでは、画素電極と自身の画素に接続される走査信号線との間の容量結合は小さく、自身の画素の選択期間における走査に伴う画素電極の電位変動は2V以下、より詳しくは1V程度である。従って、自身の画素に接続される走査信号線からの電圧V1の変動分によって、通常、チラツキが知覚されることはなく、画素電極の電位変動を3V以下に抑えることは、特に非選択期間Tにおいて重要となる。
【0066】
前述した液晶パネル2には、補助容量用電極パッド27a…及び補助容量配線33…が走査信号線31…との間に容量結合が略生じない位置となるように設けられているので、選択期間はもちろん、非選択期間Tにおいても、走査信号の供給に伴って走査信号線31…から加わるノイズによって液晶容量CLCの電圧はほとんど変動しない。このように、液晶パネル2は、上記走査信号の供給に伴って走査信号線31…から液晶容量CLCの電圧に加わるノイズによる上記電圧の変動を、表示状態にチラツキが知覚されない値以下(ここでは3V以下)に抑制するように構成されている。
【0067】
また、図10のように走査信号線31’に補助容量用電極パッド27a’を対向させて液晶容量CLCの補助容量CCSを形成するCsオンゲート構造の液晶パネルでは、補助容量CCSを介して画素電極27’の電位が変動し、その変動分ΔVpは、 ΔVp=ΔVg×CCS/(CCS+CLC+CGD+CSD) (2)
ただし、ΔVg:走査信号線電位変動値
GD :トランジスター部の走査信号線31’と画素電極27’とで形 成される容量
SD :画素とデータ信号線とで形成される容量
で決定される。一般にCLC≫CGD、CLC≫CSDであり、例えばΔVg=25Vの場合、CLCがCCSの10倍以上であれば、略ΔVp<3Vとなる。従って、Csオンゲート構造の液晶パネルを有する反射型液晶表示装置でも、走査信号線31’…に供給される走査信号に対応して、上記走査信号の供給に伴って走査信号線31’…から液晶容量CLCの電圧に加わるノイズによる上記電圧の変動を3V以下、すなわち表示状態にチラツキが知覚されない値以下に抑制するように構成されていれば、表示のチラツキをなくすことができる。
【0068】
本実施の形態の液晶パネル2のような、Csオンコモン相当の構造の、TFT駆動の液晶パネルで、低周波駆動を行うことは、理想的には上記チラツキ評価用セル41(標準セル)に低周波の矩形波を印加することと同等である。ところが、従来の反射型液晶表示装置では、一般に、アクティブ素子側基板に例えばAl等の反射電極が設けられている一方、対向基板に例えばITO等の透明電極が設けられている。そして、このように両基板にそれぞれ相互に異なる電極材料が用いられているために、両基板間に直流電圧がかかった状態と同じになるように電位差が発生する。交流駆動の場合、かかる電位差が生じると表示にフリッカー(チラツキ)が発生する。一方、液晶材料の注入工程時やシール樹脂材料からの流出等により液晶層に不純物が混入する場合があり、上記のように両基板間に電位差が発生すると静電引力によりそれらの不純物がいずれかの電極に吸着されることとなる。そして、表示領域に不純物が吸着していない部分と吸着した部分とが生じ、液晶層に所定の電圧が均一に印加されないためにフリッカーが発生することとなる。また、かかるフリッカーは、シール樹脂材料からの不純物の流出による影響が大きいために表示領域の周縁部において、さらに、低周波数での駆動において特に顕著に観察される。本件発明者らがそのような不純物を含む液晶をチラツキ評価用セル41の液晶層44に用いて低周波の矩形波を印加すると印加電圧の極性反転時に液晶が応答し、フリッカーが確認された。また、このフリッカーは、Csオンゲート構造の方が、走査信号が一定条件の下に補助容量を介して画素電極電位に大きな変動を与えるため、Csオンコモン構造よりも大きく認められる。従って、従来では、かかるフリッカーを不可視化するためにも極性反転周波数を30Hz以上にすることが必然であったことが分かった。
【0069】
これに対して、本実施の形態の液晶パネル2では、反射電極27bの透明共通電極19側の表面にその透明共通電極19と仕事関数の略等しい透明電極材料で形成された被覆層29が設けられているので、両電極間に発生する電位差が解消され、不純物の吸着に起因するフリッカーの発生を抑止することができる。例えば、本実施の形態の液晶パネル2の構成において、反射電極27bがAlで形成されている一方、透明共通電極19がITOで形成されているような場合、表5より、被覆層29が設けられていなければ、両電極間に0.6eVの仕事関数差に相当する電位差が生じ、フリッカーの発生を抑えるために必要となる印加電圧が200mV以上であるのに対し、IZOで形成された被覆層29が設けられていれば、両電極間に0.1eVの仕事関数差に相当する電位差しか生じず、フリッカーの発生を抑えるために必要となる印加電圧が50mV以下である。また、被覆層29をITOで形成すれば、両電極間に仕事関数差が生じないものの、その場合、製造プロセス上の支障があるのに対し、被覆層29をIZOで形成すれば、単一のフォトマスクを用いてパターニングを施し、弱酸のエッチング液によりAl製の反射電極27bと同時にエッチング加工することができ、それによって製造工程の効率化を図ることができる。同様の効果は、反射電極27bがAgの場合でも得ることができる。
【0070】
【表5】
Figure 0004147025
【0071】
【表6】
Figure 0004147025
【0072】
反射電極27bの表面に被覆層29を設けることにより、透明共通電極19と反射電極27bとの間の電位差に起因するフリッカーの発生を抑止することができるが、被覆層29の層厚さが厚くなりすぎると表示品位の劣化を招くこととなる。本実施の形態の液晶パネル2において、反射電極27bをAlで形成し、IZO製の被覆層29の層厚さを0Å、50Å、100Å、150Å、200Å及び300Åとしたものをそれぞれ準備し、観察される表示を目視で観察した結果を表7に示す。また、それぞれについて、波長と反射率との関係について調べた結果を図13に示す。
【0073】
【表7】
Figure 0004147025
【0074】
表7によれば、被覆層29の層厚さが200Å以下までは表示性能に支障が生じていないのに対し、層厚さが300Åでは表示が被覆層29の色味に着色されて観察された。また、図13によれば、被覆層29の層厚さが厚くなるに従って、短波長の光の反射率が低くなるということが分かる。IZOの電極材料としての特性を考慮すれば、被覆層29の層厚さが最低10Åあれば、反射電極27bと透明共通電極19との間の電位差を解消する効果を得ることができると考えられるが、スパッタリングにより可能な層厚さのコントロール精度を考慮すれば、層厚さが50Å以上であることが好ましい。一方、被覆層29の層厚さが300Åでは表示が着色されてしまうので、層厚さが最高でも300Åより小さいことが必要であり、200Å以下とすることが好ましい。
【0075】
以上に説明してきたように、30Hz以下でもチラツキを生じることなく駆動することができるということが、本件発明者らによって初めて確認された。また、液晶表示装置はCRTとは異なって常に表示状態を保つ「ホールド型表示」を行うものであって、静止画を表示する場合は高速の電荷書き換えを行う必要がないにも関わらず、従来では前述したようにCRTの高速書き換えに従って、60Hzのような高周波数で書き換えることしか行っていなかった。このように、従来では低周波駆動を行うという思想すらなく、本実施の形態の反射型液晶表示装置1における液晶パネル2ようなCsオンコモン相当の構造や、その他の構造で、画素電極の電位変動を小さくした上で30Hz以下の低周波駆動を行うという発想には至るすべもなかった。
【0076】
次に、さらに反射型液晶表示装置1の消費電力を測定したところ、画面の書き換え周期を16.7msec(書き換え周波数60Hz)として駆動したときに160mWであったのに対し、画面の書き換え周期を167msec(書き換え周波数6Hz)として駆動したときには40mWとなり、大きく低減することが確認された。
【0077】
書き換え周波数を30Hz以下に設定する例として、図9では6Hzを挙げたが、書き換え周波数の好ましい範囲は0.5Hz以上30Hz以下である。図5(b)から分かるように、液晶電圧保持率Hrは約97%となる1Hzあたりから低下し、約92%となる0.5Hzより低くなると急激に低下する。液晶電圧保持率Hrがあまり小さくなると、液晶層13やTFT14の漏れ電流に起因して画素電極27の電位が変動して明るさが変化し、チラツキが生じることになる。また、ここで議論している書き込みから1sec〜2sec後といった時間領域ではTFT14のOFF抵抗値は大きく変動することはない。従って、表示のチラツキは液晶電圧保持率Hrに大きく依存する。
【0078】
このことから、書き換え周波数を30Hz以下としながら、下限を0.5Hzとして画素電極27の電位変動を十分に抑制する。これにより、十分な低消費電力化と確実な画素のチラツキ防止とを達成することができる。さらに好ましくは、書き換え周波数を15Hz以下として消費電力を極めて大きく低減しながら、下限を1Hzとして画素電極27の電位変動を極めて小さくなるように抑制する。これにより、極めて大きな低消費電力化とより確実な画素のチラツキ防止とを達成することができる。
【0079】
また、前述したように、同期クロック発生回路7は書き換え周波数を複数通りに設定可能である。従って、例えば静止画や動きの少ない画像を表示する場合には書き換え周波数を30Hz以下に設定して低消費電力化を図り、動画を表示する場合には書き換え周波数を30Hz以上に設定してスムーズな表示を確保するなど、表示する画像の状態に適した書き換え周波数の設定を行うことができる。このような複数の書き換え周波数のそれぞれを、15Hz、30Hz、60Hzといったように最も低い書き換え周波数の整数倍の関係に設定すれば、全ての書き換え周波数に共通の基準同期信号を使用することができるのに加えて、書き換え周波数を切り換えた場合に供給するデータ信号の間引きあるいは追加を簡単に行うことができる。さらに、この例のように15Hzの2倍の30Hz、また15Hzの4倍の60Hzといったように書き換え周波数のそれぞれを、最も低い書き換え周波数の2の整数乗倍の関係に設定すれば、最も低い周波数の論理信号を2の整数乗分の1で分周することにより周波数変換を行う通常の簡単な分周回路を用いて、書き換え周波数のそれぞれを生成することができる。
【0080】
また、反射型液晶表示装置1では、液晶パネル2の表示内容を異なる画像に更新する周期、すなわち各画素に異なる画像のデータを供給して表示状態の更新を行わせるためのデータ信号を供給する周期を決めるリフレッシュ周波数が設定される。書き換え周波数とリフレッシュ周波数との関係を以下のように特定することにより、液晶パネル2の特性を向上させることができる。
【0081】
例えば、複数種類の書き換え周波数のうち少なくとも最も低いものをリフレッシュ周波数の2以上の整数倍に設定すれば、そのように設定した書き換え周波数では前の更新から次の更新までの同一の表示内容に対して、書き換え周波数に基づいた各画素の選択回数が2以上の整数回となる。リフレッシュ周波数を3Hzとすれば、図9の例において6Hzの書き換え周波数はリフレッシュ周波数の2倍となるので、前の更新から次の更新までに同じ画素に正極性のデータ信号と負極性のデータ信号とを1回ずつ供給することができる。従って、同一の表示内容に対して、交流駆動によって画素電極27の電位の極性を反転させて表示することができ、液晶パネル2に用いられる液晶の信頼性が向上する。
【0082】
また、同期クロック発生回路7を、リフレッシュ周波数の変更に合わせて、少なくとも最も低い書き換え周波数を、変更後のリフレッシュ周波数の2以上の整数倍に変更することができるようにすれば、リフレッシュ周波数を変更しても、そのように設定を変更した書き換え周波数では液晶パネル2での同一の表示内容に対して、交流駆動によって画素電極27の電位の極性を反転させて表示することができる。従って、液晶パネル2に用いられる液晶の信頼性を容易に維持することができる。例えば、リフレッシュ周波数を3Hzから4Hzに変更した場合、6Hz、15Hz、30Hzといった書き換え周波数を、8Hz、20Hz、40Hzといった書き換え周波数に変更することができるようになっている。さらに、上記条件を満たした状態で最も低い書き換え周波数を6Hzのように2以上の整数に設定すれば、リフレッシュ周波数が1Hz以上となって画面の表示内容を1秒間に1回以上更新することができるので、液晶パネル2の画面に時計を表示する場合に、秒表示を正確に1秒間隔で行うことができる。
【0083】
以上に述べたように、本実施の形態の反射型液晶表示装置1によれば、アクティブ素子を有する構成において、良好な表示品位を保ったまま低消費電力化を達成することができる。また、反射型液晶表示装置1が反射電極27b…を備え、バックライトを必要としない液晶表示装置であることから、30Hz以下の駆動による低消費電力化の割合が大きい液晶表示装置となる。
【0084】
さらに、上記反射型液晶表示装置1は、携帯電話、ポケットゲーム機、PDA(Personal Digital Assistants) 、携帯TV、リモートコントロール、ノート型パーソナルコンピュータ、その他の携帯端末など、携帯機器を初めとする各種の電子機器に搭載可能である。バッテリー駆動される電子機器に搭載すれば、良好な表示品位を保ったままの低消費電力化が図れる反射型液晶表示装置1を搭載していることにより、長時間駆動が容易になる。
【0085】
なお、以上では走査信号線と容量結合が略生じないように設けられた補助容量用電極パッドと補助容量配線とにより所定の電気容量に対する補助容量が形成された表示素子の例について述べたが、表示素子はこの例の構成に限定されるものではなく、補助容量CCS=0 として式(1)を満たせば補助容量配線を配置しない構成の表示素子(液晶表示素子)であってもよい。例えば、補助容量CCS=0 の場合の表示素子として、図1の液晶パネル2から、ドレイン電極25…、補助容量用電極パッド27a…、及び補助容量配線33…を取り除き、TFT14…の各ドレインを反射電極27bに接続した構成が挙げられる。
【0086】
また、このような構成における1画素分の等価回路を図14に示す。同図の等価回路は、図4(a)の等価回路から補助容量用電極パッド27aと補助容量配線33とで形成される補助容量CCSを取り除いたものに相当する。本実施の形態において補助容量CCS=0 の場合でも式(1)で表される画素電圧保持率Pは99.5%となり、書き換え周波数を30Hz以下としもチラツキのない表示が得られる。従って、このような構成を備えた反射型液晶表示装置においても、良好な表示品位を保ったまま低消費電力化を達成することができる。
【0087】
また、画素電極と走査信号線との間に容量結合が無視できない程度に生じている場合にも、以下に示す条件を満たしていれば、液晶パネルが、走査信号の供給に伴って走査信号線から液晶容量CLCの電圧に加わるノイズの変動を、表示状態にチラツキが知覚されない値以下に抑制するように構成されていることになる。前述の式(2)は補助容量用電極パッド27a’と走査信号線31’との間の容量(補助容量CCS)を介して画素電極27’にもたらされる電位の変動を記述したものである。また、画素電極27’と走査信号線31’との間の容量は、電極間距離、電極間に存在する物質の誘電率、及び電極が相対する面積によって変化する。従って、画素電極27’と走査信号線31’との間の結合容量をCGPとすると、結合容量CGPを考慮に入れた場合の画素電極27’にもたらされる電位の変動をも式(2)と同様の考え方で導出することができる。
【0088】
例えばCsオンゲート構造の場合には、結合容量CGPが補助容量CCSに含まれないとして式(2)の容量比の分子をCCS+CGPとし、分母をCCS+CGP+CLC+CGD+CSDとした場合のΔVpが画素電極27’の電位変動分となる。また例えばCsオンコモン構造の場合には、式(2)の容量比の分子をCGPとし、分母をCCS+CGP+CLC+CGD+CSDとした場合のΔVpが画素電極の電位変動分となる。また例えば補助容量CCSが設けられない構造の場合には、(2)の容量比の分子をCGPとし、分母をCGP+CLC+CGD+CSDとした場合のΔVpが画素電極の電位変動分となる。従って、上記のΔVpが一定値以下(前述の例では3V以下に相当)であれば、表示状態にチラツキが生じない。
【0089】
前述したように液晶パネル2の補助容量用電極パッド27a…及び補助容量配線33…が走査信号線31…との間に容量結合が生じない位置となるように設けられている、ということは、上述の結合容量CGPの一部となるような容量が補助容量用電極パッド27a…及び補助容量配線33…と走査信号線31…との間に生じず、走査に伴うΔVpが一定値以下となることを意味する。また、前述したように液晶パネル2の反射電極27b…と走査信号線31…との間の容量結合が無視できるほど小さい、ということは、上述の結合容量CGPの一部となるような容量が反射電極27b…と走査信号線31…との間に生じず、走査に伴うΔVpが一定値以下となることを意味する。これにより、液晶パネル2の表示にチラツキが生じないことになる。
【0090】
〔実施の形態2〕
射型表示装置を具現する他の実施の形態について図15ないし図123を用いて説明すれば以下の通りである。なお、前記実施の形態1で用いた構成要素と同一の機能を有する構成要素については同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0091】
本実施の形態に係る反射型表示装置は、実施の形態1で図3を用いて説明した反射型液晶表示装置1における液晶パネル2を、図15及び図16に示す、表示素子、さらには液晶表示素子としての液晶パネル51に置き換えた反射型液晶表示装置である。図16に液晶パネル51の断面構成を示す。同図は後述する図15のB−B断面図に相当する。液晶パネル51はアクティブマトリクス型で反射型の液晶パネルであり、基本構成は液晶パネル2と同じである。最上層には液晶パネル2の反射防止膜17に代わって前方散乱板52が設けられている。また、液晶パネル2の微細な凹凸のある層間絶縁膜26に代わって、上面が平坦な層間絶縁膜53が設けられている。さらに、液晶パネル2の反射電極27b…に代わって平坦な反射電極(表示用主電極)54b…が設けられており、また、反射電極54bの透明共通電極19側となる上面には、その透明共通電極19と仕事関数が略等しい透明電極材料で形成された被覆層58が平坦な反射電極27bの表面を被覆するように設けられている。補助容量用電極パッド27a…に代わる補助容量用電極パッド(補助容量用電極)54a…と反射電極54b…とは、液晶パネル2のコンタクトホール28…とは異なる位置に設けられたコンタクトホール55…を介してつながり、導通している。ここでは、補助容量用電極パッド54a…と反射電極54b…とを合わせて画素電極54としている。
【0092】
図16の液晶パネル51のうち液晶層13より下方の部分を上方から見た状態を図15に示す。同図に示すように、各画素の反射電極54bは、走査方向を液晶パネル51の上下方向とした場合の1ライン上の画素を駆動する走査信号線31、及び1ライン上の画素を駆動するTFT14の上方を覆うように配置されている。また、コンタクトホール55は補助容量用電極パッド54aのうち、補助容量配線33と補助容量CCSを形成している箇所の上方に設けられている。さらに、液晶パネル51には、矢印Jの方向に配向処理が施されている。なお、図16では、被覆層58を省略している。
【0093】
走査信号線31…のそれぞれにはほとんどの時間、非選択電圧が印加されている。この非選択電圧は、アモルファスシリコンを使用したアクティブマトリクス液晶表示装置の場合、通常−10V程度である。また、液晶材料の信頼性向上のため、一般に画素電極には通常1フィールドごとに極性が反転したデータ信号を印加する、すなわち同一の画素に対して交流駆動することが好ましい。このような条件で30Hz以下の書き換え周波数で駆動を行うと、各画素の反射電極と1ライン上の画素を駆動する走査信号線とが対向しないように配置されている場合には、画素電極面と平行な方向の成分を有する電界が発生する。しかも、データ信号が正極性のときと負極性のときとで電界強度に差が生じる。この結果、画素電極のエッジにリバースチルトドメインに起因するディスクリネーションが発生し、チラツキが知覚されて表示品位を損なう場合がある。
【0094】
そこで本実施の形態では、このような場合を考慮して、各画素の反射電極54bを、1ライン上の画素を駆動する走査信号線31と対向する箇所が存在するように配置している。従って、反射電極54bのデータ信号を書き換えるたびにデータ信号の極性反転を行う場合においても、該反射電極54bと1ライン上の画素の走査信号線31(該画素に接続される走査信号線31)との間に、反射電極面と平行な方向の成分を有する電界が発生しない。従って、反射電極54bのエッジにリバースチルトドメインに起因するディスクリネーションが発生するのを抑制することができる。また、上記例では反射電極54bが1ライン上の画素を駆動する走査信号線31と対向するようにしたが、1ライン下の画素を駆動する走査信号線31と対向していてもよい。すなわち、反射電極54bは、1ライン上の画素や1ライン下の画素など、自身が属する画素のラインと走査方向に沿った一定の向きに隣接するラインの画素を駆動する走査信号線31と対向していればよい。換言すれば、反射電極54bは、少なくとも、自身が属する画素と走査方向に沿った一定の向きに隣接する画素に接続される走査信号線31と対向する箇所が存在するように配置されていればよい。
【0095】
さらに各画素の反射電極54bを、1ライン上の画素を駆動するTFT14と対向する箇所が存在するように配置している。このような配置により、図15に示すように走査信号線31の一部であるゲート電極20が走査信号線31の本体から分岐してTFT14まで延びているような場合でも、反射電極54bをゲート電極20と対向させることができる。従って、反射電極54bとゲート電極20との間に反射電極面と平行な方向の成分を有する電界が発生せず、それだけ反射電極54bのエッジにリバースチルトドメインに起因するディスクリネーションが発生するのを抑制することができる。また、上記例では反射電極54bが1ライン上の画素を駆動するTFT14と対向するようにしたが、1ライン下の画素を駆動するTFT14と対向していてもよい。すなわち、反射電極54bは、自身が属する画素のラインと一定の向きに隣接するラインの画素を駆動するTFT14と対向していればよい。換言すると、反射電極54bは、少なくとも、自身が属する画素と上記一定の向きに隣接する画素のTFT14と対向する箇所が存在するように配置されていればよい。
【0096】
また、このような配置により、TFT14のチャネル領域を反射電極54bという同一基板内のレイヤーで遮光することができるため、チャネル領域への光の回り込みが減少する。チャネル領域を遮光することによって、チャネル領域におけるキャリアの光励起が抑制され、非選択期間におけるTFT14の抵抗値の低下が防止される。これにより、画素を30Hz以下の書き換え周波数で駆動しても、電荷保持不良による明るさの変動が緩和され、よりチラツキのない表示を得ることができる。なお、本実施の形態では、反射電極54bをTFT14に対向させたが、この配置の反射電極54bをそのまま非光透過型の他の画素電極に置き換えても同様の効果が得られる。
【0097】
また、本実施の形態では、図17に示すように、液晶パネル51の表示に有効なラインのうちの、走査方向に沿った一定の向きの起点側端部のラインとしての最下段のラインのさらに下にダミーラインが設けられている。ダミーラインには、走査信号線31…及び補助容量配線33…と同じ方向に延びるダミー走査信号線56、ダミー補助容量配線57が設けられている。さらにダミー走査信号線56とデータ信号線32…との交点にはそれぞれTFT58が設けられ、その各TFT58にドレイン電極25を介して接続される補助容量用電極パッド61aと、補助容量用電極パッド61aにコンタクトホール60を介して接続されるアクティブ素子遮光層としての反射電極61bとがさらに設けられている。最下段のラインの走査信号線31及びTFT14…は、ダミー走査信号線56によって選択される反射電極61b…と対向している。なお、ダミーラインの反射電極61bもその表面が被覆層により被覆されているが、図17では、正規のラインの反射電極54b上の被覆層58と共にそれを省略している。このように、液晶パネル51には、走査方向に沿った上記一定の向きの起点側端部のラインからさらに外側に、アクティブ素子遮光層である反射電極61bを画素電極に用いる、表示に有効なラインの画素の構成を備えた画素のラインが設けられている。換言すれば、液晶パネル51には、上記一定の向きの起点側端部の画素と上記一定の向きとは逆向きに隣接して、アクティブ素子遮光層である反射電極61bを画素電極に用いる、表示に有効な画素の構成を備えた画素が設けられている。
【0098】
反射電極61b…によって最下段のラインのTFT14…を遮光することができるので、非選択期間における該TFT14…の抵抗値の低下が防止される。従って、画素を30Hz以下の書き換え周波数で駆動しても、電荷保持不良による明るさの変動が緩和され、よりチラツキのない表示を得ることができる。また、反射電極61b…は非光透過型の電極であって、反射電極54b…と同様にデータ信号線32…によってデータ信号が供給されるので、交流駆動が可能である。反射電極54b…の交流駆動を行うことにより、例えば反射電極54b…に電気的に接続されたTFT58…がOFF状態であって反射電極54b…が電気的に浮いているときなどに、反射電極54b…にコントロールされない電荷が蓄積されて液晶に直流電圧が印加されることが避けられる。従って、反射電極54b…周辺の液晶の劣化が防止されて液晶材料の信頼性が向上し、ひいては表示画素部の信頼性が向上する。なお、上記例では、反射電極61b…が最下段のラインのTFT14…を遮光するようになっているが、図17において液晶パネル51を上下反転させた場合は、前述した隣接の向きを規定する”一定の向き”を上下反転させることになるので、最上段のラインのTFT14…を遮光することになる。このように、反射電極61b…は上記一定の向きの起点側端部のラインのTFT14…を遮光する、すなわち、表示に有効な画素のうち上記一定の向きの起点側端部の画素のTFT14…を遮光するものである。
【0099】
さらに、TFT58…はダミー走査信号線56から走査信号が供給されて選択状態となったときに、データ信号線32…から反射電極61b…にデータ信号を伝達する構成であるので、最下段のラインの画素も、それよりも上段のラインの画素と同様の構成となり、液晶パネル51の走査方向の構造の繰り返し連続性が保たれる。従って、最下段のラインの画素とそれよりも上段のラインの画素との電圧印加状態が等しくなり、液晶材料の信頼性が向上する。なお、上記例では液晶パネル51の表示に有効なラインのうちの最下段のラインのさらに下段にダミー走査信号線56が設けられているが、図17において液晶パネル51を上下反転させた場合は、表示に有効なラインのうちの最上段のラインのさらに上段にダミー走査信号線56が設けられることになる。このように、ダミー走査信号線56は、前述した一定の向きの起点側端部のラインからさらに外側に配置されるものである。
【0100】
また、ダミーラインのTFT58…のそれぞれの上方には、TFT58を遮光する反射膜62が設けられている。反射膜62は反射電極54b・61bと同材料かつ同工程で製造される。ここでは1つのTFT58に対して1つのアイランド状の反射膜62を配したが、TFT58…の全てを遮光することができるよう、反射膜62をダミー走査信号線56の方向につながった帯状のパターンとしてもよい。また、電気的に絶縁されている必要もない。
【0101】
次に、図16のカラーフィルタ18には、図18(a)・(b)に示すような遮光層65…が備えられていてもよい。同図(a)は平面透視図であり、カラーフィルタ18は複数の赤のカラーフィルタ18(R)のライン、緑のカラーフィルタ18(G)のライン、及び青のカラーフィルタ18(B)のラインからなる。遮光層65…のそれぞれは走査信号線31…と同一方向に配置されている。同図(b)は同図(a)のC−C断面図であり、遮光層65…はガラス基板11上に設けられている。さらにこの遮光層65…と反射電極54b…との位置関係を図19に示す。同図に示すように遮光層65…のそれぞれは反射電極54b…の配向処理起点に近い側のエッジと対向する位置(図15の矢印Jを参照)に設けられている。同図の例では各遮光層65は同一ライン上に並んだ反射電極54b…の上記エッジ付近を5μm覆っている。なお、各遮光層65は上記エッジの少なくとも一部と対向していればよい。
【0102】
このような遮光層65…を設けることにより、データ信号線32…に供給するデータ信号を1走査期間ごとに極性反転させた場合に、反射電極54b…のエッジに発生するリバースチルトドメインによるディスクリネーションラインを隠すことができ、均一な表示を行うことができる。この理由を以下に説明する。1走査期間ごとにデータ信号の極性を反転する駆動を行うと、図20に示すように走査方向に隣接する反射電極54b・54b間に走査方向成分を有する横方向電界が発生し、反射電極54b…の配向処理起点に近い側のエッジにリバースチルトドメインによるディスクリネーションラインが発生する場合がある。発生した場合、液晶パネル51を30Hz以上で駆動すると、このディスクリネーションラインは発生したまま移動しないので表示に大きな影響を与えないが、30Hz以下で駆動すると、反射電極54b…のエッジと共通透明電極19との間で液晶パネル51面の法線方向から傾斜して発生する斜め電界と、上記横方向電界とに、反射電極54b…の電圧極性によって非対称性が生じ、ディスクリネーションラインが移動する。従って、移動するディスクリネーションラインを隠すことができるように、遮光層65…を設けた。
【0103】
また、遮光層65…の中には、前述した図17の反射電極61b…の全面と対向するものも配置されている。これにより、表示と関係のない反射電極61b…からの反射光が液晶パネル51の表示面に戻ることによって表示が影響を受けるのを防止することができる。このように、図17の反射電極61b…に対応する遮光層65は反射光防止遮光層として機能する。
【0104】
次に、図16において、層間絶縁膜53の膜厚は3μmに設定されており、これにより下地のTFT14…及び各配線の段差を吸収して、層間絶縁膜53の表面を平坦に、すなわち反射電極54b…を平坦にしている。このように層間絶縁膜53の表面及び反射電極54b…を平坦にすることで、電界の歪みが発生しなくなる。反射電極54b…に表面段差が存在する場合、反射電極54b…上に配向膜を塗布すると表面段差に対応して配向膜に膜厚むらが生じることとなる。このとき、配向膜は厚さ方向に分極するが、低周波数で駆動する場合には配向膜の分極方向が固定される。従って、液晶に印加される電圧に上記分極の分のオフセットが生じ、膜厚むらがあると分極量が変化してオフセット量も変化する。すなわち、画素内の各箇所で最適対向電圧が異なり、液晶分子が極性反転に対応して応答するときに明状態と暗状態とが部分的にスイッチングを行うことになる。これが、明るさの変化、すなわちチラツキとして知覚される場合がある。
【0105】
そこで、電極の表面段差の大きさとチラツキの発生状況との関係について詳細な検討を行った。図21(a)に、検討に用いたチラツキ評価用セル71の断面構成を示す。チラツキ評価用セル71は、対向配置された2枚のガラス基板72・72の一方の上面にフォトレジストパターン73が形成され、その上に透明電極74、さらにその上に配向膜75が形成されるとともに、他方のガラス基板72の下面に平坦な透明電極74及び配向膜75が形成され、配向膜75・75の間に液晶層76が充填された構成である。フォトレジストパターン73は、一方のガラス基板72にポジ型フォトレジスト(東京応化製OFPR-800)をスピンコート法にて塗布した後、フォトリソグラフィーによって段差を有するように形成した。ここでスピンコート時の回転数を500rpm〜3000rpmで変化させて1.0μm〜0.1μmの範囲内の各種段差を得た。配向膜75はPVAをスピンコート法(800rpm)によって塗布した。
【0106】
上記の構成のチラツキ評価用セル71において、信号発生装置77から透明電極74・74間に電圧を印加した。同図(b)にこのときの電圧波形を示す。段差のない平坦なセルの場合には配向膜に膜厚のばらつきはないが、段差がある場合には配向膜に膜厚むらが生じる。これによって分極むらが生じるため電界分布にむらが生じ、明るさが変化する、すなわちチラツキが知覚される。信号発生装置77から電圧が印加されている状態で、段差とチラツキの発生状況とについて観察したところ、表8に示す結果が得られた。
【0107】
【表8】
Figure 0004147025
【0108】
なお、○:チラツキが知覚されない、
△:チラツキがやや知覚される、
×:チラツキが知覚される、
である。
【0109】
同表に示すように、表面段差が0.7μmでチラツキが目立たなくなり、0.6μm以下で完全に知覚されなくなることが確認された。従って、図16の反射電極54b…のそれぞれについて、TFT14との電気的コンタクト部分を除いた箇所、すなわちコンタクトホール55上に設けられた部分を除いた箇所の表面段差が0.6μm以下であるのが好ましいことが分かった。この範囲であれば画素内で配向乱れがなく、よりチラツキのない均一な表示が得られる。実際に図16の反射電極54b…のそれぞれについて段差を相シフト干渉顕微鏡で測定したところ、最大段差は0.2μmであった。
【0110】
また液晶パネル51において、図22に示すように反射電極54b…のそれぞれの配向処理起点に近い側のエッジ付近を、透明電極81で形成することもできる。これにより、図20で説明したリバースチルトドメインによるディスクリネーションラインが透明電極81…上で発生するため、反射光に対するディスクリネーションラインの影響がなくなり、均一な表示を行うことができる。なお、図22では、被覆層58を省略している。
【0111】
さらに液晶パネル51において、図23に示すように、TFT14…が配置されているガラス基板12側の配向処理方向を走査信号線31…と略平行(矢印Kの方向)にしてもよい。これにより、ガラス基板12側の液晶分子の配向方向が、図20で説明した横方向電界に対して垂直な面内に存在するようになり、液晶パネル51を30Hz以下の書き換え周波数で交流駆動した場合に、液晶分子に対する電界の歪みが対称となる。従って、リバースチルトドメインによるディスクリネーションラインの発生が緩和され、均一な表示を得ることができる。なお、図23では、被覆層58を省略している。
【0112】
以上のように、本実施の形態の反射型液晶表示装置によれば、実施の形態1と同様に30Hz以下の書き込み周波数で駆動を行って低消費電力化を図ることができると同時に、配向状態の制御、ディスクリネーションの影響低減などにより、さらにチラツキのない、均一な表示を得ることができる。
【0113】
〔その他の実施の形態〕
なお、上記の実施の形態1及び2では、反射型表示装置を反射型液晶表示装置としたが、反射型有機EL表示装置、或いは、反射型無機EL表示装置であっても同様の効果が期待できる。
【0114】
【発明の効果】
本発明の反射型表示装置は、以上のように、画素電極に電荷を書き込む周期を決定する書き換え周波数を30Hz以下に設定することが可能な周波数設定手段を備え、補助容量用電極は、走査信号線との間で容量結合を略生じない位置に設けられていると共に、表示用主電極及び対向電極のうち反射電極に構成された方は、透明電極側が該透明電極と略等しい仕事関数を有する透明電極材料で覆われている構成である。
【0115】
それゆえ、補助容量用電極が走査信号線との間に容量結合を略生じないので、この状態で周波数設定手段により表示素子の画面を30Hz以下の書き換え周波数で書き換える設定を行えば、従来のような1ライン上の走査信号線など走査信号線の電位変動による上記電気容量の電極の電位変動は生じなくなる。また、透明電極と反射電極との間の電位差が解消されるので、不純物の吸着に起因するフリッカーの発生が抑止される。この結果、透明基板と反射基板との間の電位差を解消し、良好な表示品位を保ったまま低消費電力化を達成することのできる反射型表示装置を提供することができるという効果を奏する。
【0116】
さらに本発明の反射型表示装置は、以上のように、画素電極に電荷を書き込む周期を決定する書き換え周波数を30Hz以下に設定することが可能な周波数設定手段を備え、走査信号線への走査信号の供給に伴って画素電極と対向電極との間の電圧に加わるノイズによるその電圧の変動が表示状態にチラツキが知覚されない所定値以下に抑制されるように構成されていると共に、表示用主電極及び対向電極のうち反射電極に構成された方は、透明電極側が該透明電極と略等しい仕事関数を有する透明電極材料で覆われている構成である。
【0117】
それゆえ、表示状態を決定する電荷が書き込まれる表示用の電気容量の電圧に走査信号線からノイズが加わっても、この状態で周波数設定手段により表示用の電気容量の電荷、すなわち表示素子の画面を30Hz以下の書き換え周波数で書き換える設定を行えば、画素の表示状態は安定し、チラツキのない安定した表示品位が得られる。また、30Hz以下の低周波数駆動とすることによって、走査信号の周波数が減少して走査信号ドライバの消費電力が十分に削減されるとともに、データ信号の極性反転周波数が減少し、データ信号ドライバの消費電力が十分に削減される。さらに、透明電極と反射電極との間の電位差が解消されるので、不純物の吸着に起因するフリッカーの発生が抑止される。この結果、透明基板と反射基板との間の電位差を解消し、良好な表示品位を保ったまま低消費電力化を達成することのできる反射型表示装置を提供することができるという効果を奏する。
【0118】
さらに本発明の反射型表示装置は、以上のように、表示用主電極が反射電極に構成され且つ対向電極側を覆う透明電極材料と共にエッチングすることができる電極材料で形成されている構成である。
【0119】
それゆえ、表示用主電極及び対向電極側を覆う透明電極材料を同時にエッチングすることで形成させることができ、製造工程の効率化を図ることができるという効果を奏する。
【0120】
さらに本発明の電子機器は、以上のように、上記いずれかに記載の表示装置が搭載されている構成である。
【0121】
それゆえ、良好な表示品位を保ったままの低消費電力化が図れる反射型表示装置を搭載しているので、バッテリーによる長時間駆動が容易になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態における反射型液晶表示装置の液晶パネルの構成を示す平面透視図である。
【図2】 図1の液晶パネルのA−A断面に相当する断面図である。
【図3】 実施の形態における反射型液晶表示装置の構成を示すシステムブロック図である。
【図4】 (a)及び(b)は、図1の液晶パネルの1画素分の等価回路を示す回路図である。
【図5】 (a)及び(b)は、液晶の特性を示すグラフである。
【図6】 TFTのOFF抵抗の特性を示すグラフである。
【図7】 電荷を十分に保持することができない場合の画素電極電位の変化と反射光強度の変化とを説明する説明図である。
【図8】 (a)及び(b)は、液晶パネルの特性を評価する方法を説明する説明図である。
【図9】 (a)ないし(e)は、液晶パネルの信号及び特性を示すタイミングチャートである。
【図10】 図1の液晶パネルの比較例としての液晶パネルの構成を示す平面透視図である。
【図11】 (a)ないし(e)は、図10の液晶パネルの信号及び特性を示すタイミングチャートである。
【図12】 実施の形態における反射型液晶表示装置の液晶パネルの特性を評価する際に用いる信号の波形を示す波形図である。
【図13】 被覆層の層厚さ毎における光の波長と反射率との関係を示すグラフである。
【図14】 実施の形態における反射型液晶表示装置の変形例に係る液晶パネルの1画素分の等価回路を示す回路図である。
【図15】 の実施の形態における反射型液晶表示装置の液晶パネルの構成を示す平面透視図である。
【図16】 図15の液晶パネルのB−B断面に相当する断面図である。
【図17】 図15の液晶パネルの構成を示す平面透視図である。
【図18】 (a)及び(b)は、それぞれ図15の液晶パネルの一部の構成を示す平面図、側面図である。
【図19】 図18の液晶パネルの一部の位置関係を説明する説明図である。
【図20】 液晶パネル内に発生する電界の状態を説明する説明図である。
【図21】 (a)及び(b)は、液晶パネルの特性を評価する方法を説明する説明図である。
【図22】 図15の液晶パネルの変形例の構成を示す平面透視図である。
【図23】 図15の液晶パネルの他の変形例の構成を示す平面透視図である。
【符号の説明】
1 反射型液晶表示装置(反射型表示装置)
2 液晶パネル(表示素子、液晶表示素子)
3 ゲートドライバ(走査信号ドライバ)
4 ソースドライバ(データ信号ドライバ)
7 同期クロック発生回路(周波数設定手段)
13 液晶層(液晶)
14 TFT(アクティブ素子)
19 透明共通電極(対向電極)
27 画素電極
27a 補助容量用電極パッド(補助容量用電極)
27b 反射電極(表示用主電極)
28 コンタクトホール(電気的コンタクト部分)
29 被覆層
31 走査信号線
32 データ信号線
33 補助容量配線(電極)
51 液晶パネル(表示素子、液晶表示素子)
54 画素電極
54a 補助容量用電極パッド(補助容量用電極)
54b 反射電極(表示用主電極)
55 コンタクトホール(電気的コンタクト部分)
56 ダミー走査信号線(走査信号線)
57 ダミー補助容量配線(電極)
58 被覆層
61a 補助容量用電極パッド(補助容量用電極)
61b 反射電極・アクティブ素子遮光層(表示用主電極)
65 遮光層(反射光防止遮光層)
CL 液晶容量(電気容量)
CS 補助容量
配向処理方向
配向処理方向

Claims (3)

  1. 相互に並行して延びるように設けられ、走査信号が供給される複数の走査信号線と、
    上記走査信号線の延びる方向と角度をなして相互に並行して延びるように設けられ、データ信号が交流駆動で供給される複数のデータ信号線と、
    上記複数の走査信号線及び複数のデータ信号線の交差部に配設されてマトリクスを形成する複数の画素電極と、
    上記複数の画素電極に対向して設けられた対向電極と、を備え、
    上記複数の画素電極は、各々、上記対向電極との間に表示用の電気容量を形成する表示用主電極と、該表示用主電極に導通し補助容量を形成する補助容量用電極と、を有しており、
    上記走査信号線に走査信号が供給されて上記画素電極が選択状態となった際に上記データ信号線にデータ信号が供給されることにより、該画素電極に表示状態を決定する電荷が周期的に書き込まれるように構成されていると共に、上記表示用主電極が反射電極で且つ上記対向電極が透明電極に構成されたアクティブマトリクス型の表示素子を包含する反射型表示装置であって、
    上記画素電極に電荷を書き込む周期を決定する書き換え周波数を30Hz以下に設定することが可能な周波数設定手段をさらに備え、
    上記補助容量用電極は、上記走査信号線との間で容量結合を略生じない位置に設けられていると共に、
    上記反射電極である表示用主電極は、上記透明電極である対向電極側が該対向電極と略等しい仕事関数を有すると共に該表示用主電極と同時エッチング可能な透明電極材料で形成された被覆層で覆われ、該被覆層をエッチングにより形成する際に同時にエッチングにより形成された外周部を有することを特徴とする反射型表示装置。
  2. 相互に並行して延びるように設けられ、走査信号が供給される複数の走査信号線と、
    上記走査信号線の延びる方向と角度をなして相互に並行して延びるように設けられ、データ信号が交流駆動で供給される複数のデータ信号線と、
    上記複数の走査信号線及び複数のデータ信号線の交差部に配設されてマトリクスを形成する複数の画素電極と、
    上記複数の画素電極に対向して設けられた対向電極と、を備え、
    上記複数の画素電極は、各々、上記対向電極との間に表示用の電気容量を形成する表示用主電極を有しており、
    上記走査信号線に走査信号が供給されて上記画素電極が選択状態となった際に上記データ信号線にデータ信号が供給されることにより、該画素電極に表示状態を決定する電荷が周期的に書き込まれるように構成されていると共に、上記表示用主電極が反射電極で且つ上記対向電極が透明電極に構成されたアクティブマトリクス型の表示素子を包含する反射型表示装置であって、
    上記画素電極に電荷を書き込む周期を決定する書き換え周波数を30Hz以下に設定することが可能な周波数設定手段をさらに備え、
    上記表示素子は、上記走査信号線への走査信号の供給に伴って上記画素電極と上記対向電極との間に形成される表示用の電気容量の電圧に加わるノイズによるその電圧の変動が表示状態にチラツキが知覚されない値以下に抑制されるように構成されていると共に、
    上記反射電極である表示用主電極は、上記透明電極である対向電極側が該対向電極と略等しい仕事関数を有すると共に該表示用主電極と同時エッチング可能な透明電極材料で形成された被覆層で覆われ、該被覆層をエッチングにより形成する際に同時にエッチングにより形成された外周部を有することを特徴とする反射型表示装置。
  3. 請求項1又は2に記載の反射型表示装置が搭載されていることを特徴とする電子機器。
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