JP2007003510A - 元素分析方法および装置、並びに分析試料作成方法 - Google Patents

元素分析方法および装置、並びに分析試料作成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザ誘起ブレイクダウン分光分析において、再現性よく高精度な元素分析が可能な元素分析方法および装置を提供する。
【解決手段】元素分析すべき分析対象物質と既知濃度の特定元素を含有する基準物質とを所定の割合で混合した試料を保持する分析セル1と、パルスレーザ光を発生するレーザ発振器2と、パルスレーザ光15を試料1a表面に集光照射するための光学系と、試料1aがパルスレーザ光15を受けて生成するプラズマ23から放出される蛍光24を検出する分光器3および蛍光検出器4と、上記蛍光のうち上記特定元素から放出される特定の発光ラインを検出する基準検出器5と、上記蛍光の光路の光学系と、を有し、特定の発光ラインの強度に基づき上記蛍光の強度を補正し、分析対象物質を構成する元素およびその含有量を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、試料にレーザ光を照射し、その際に発生するプラズマから放射される蛍光を測定して、試料中に含まれる元素を検出し定量する元素分析方法および装置、並びに分析試料作成方法に関する。
一般に、試料中に含まれる各種の元素を検出し定量する技術は、多くの分野で適用されている。例えば、土壌中や排水中に含まれる元素を分析し定量することは、環境汚染防止のうえで大切である。この環境汚染の防止にあっては、土壌中の有害重金属の管理だけでなく、近年では、家畜の糞尿、堆肥等の管理および処理における窒素、リンなどの管理も重要視されるようになってきている。
環境汚染対策として重要になってきたこの堆肥の成分分析において、窒素および炭素の分析には全炭素・全窒素分析装置、その他の元素にはICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析装置が主に使用されている。ここで、全炭素・全窒素分析装置は、固体ないしは液体サンプルを完全燃焼させ発生した気体(CO、NO)を分離してその濃度を測定するものである。ICP発光分析装置は、試料を酸溶解後、その水溶液をアルゴン(Ar)プラズマ中に噴霧してプラズマ化し、そのプラズマからの原子やイオンの発光を分光して試料中に含まれる元素の種類と量を定量するものである。
しかし、上記装置の取り扱いには専門性が必要とされる。また、分析試料の作成に硝酸、過塩素酸等の有害薬品を用いた前処理が必要であり、更には、分析の際には有毒ガスの発生が生じるためドラフト排気装置といった付帯設備も必要になる。
そこで、上記元素分析技術に代わるものとして、レーザ光を用いた新しい技術であるレーザ誘起ブレイクダウン分光法(Laser Induced Breakdown Spectroscopy:LIBS)が注目されている。この方法は、パルスレーザ光を分析試料に直接照射してプラズマ化し、そのプラズマから放射される元素固有の蛍光を解析することにより試料中の元素種およびその量を測定する技術である。この元素分析技術は、従来の分析法で必要であった上記試料の前処理等が不要となり、迅速・簡便な元素分析が可能である(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特開2000−121558号公報 特開2004−205266号公報
上記レーザ誘起ブレイクダウン分光法による分析手法においては、上述したように元素から発せられる蛍光を測定対象としている。この方法は簡便ではあるが、固形試料の形態あるいは(外形)性状によりレーザ誘起ブレイクダウンの発生強度が大きく変動する。例えば、試料の色、粒径、密度あるいは比熱等の物理的・化学的な特性の違いに起因して、レーザ誘起ブレイクダウンで生成するプラズマの特性あるいは強度、特にプラズマ温度、プラズマ密度が変動する。このため、これにより生成されるプラズマの蛍光強度のバラツキが大きく、測定精度およびその再現性に問題があった。そして、試料が土壌のような粉体形態あるいは粘土形態の分析対象物質に対しては、上記分析手法において直接的な測定が困難であった。
ここで、LIBSにおける蛍光生成プロセスを説明し、上記蛍光強度のバラツキ/変動の要因について少し具体的に示しておく。パルスレーザ光の照射よって試料表面が蒸発・プラズマ化し、このプラズマから蛍光が発生する場合の蛍光強度Iqpは、対象とする系が局所的熱平衡状態にあると仮定した場合に下記式で記述される。
qp=hνqpqp×n ・・・(1)
=n×Q ・・・(2)

=(2J+1)exp(−E/kT)/Σ(2J+1)exp(−E/kT)
・・・(3)
(ここで、Σは、原子(あるいはイオン)のi=1から全状態の準位にわたる積算を示している。)
n=N×C ・・・(4)
と表すことができる。上式において、Iqpは準位q→pへの状態遷移の発光強度(J/s)、hはプランク定数(J/s)、kはボルツマン定数(J/K)、Tはプラズマ温度(K)、νqpは準位q→pへの遷移の振動数(s−1)、Aqpは準位q→pへの遷移のA係数(s−1)である。そして、nは蒸発した試料中の対象元素のうち準位qにある原子数、nは蒸発した試料中の対象元素の全原子数、E、Eは準位qあるいはiのエネルギー(J)、J、Jは準位qあるいはiの原子の全角運動量である。また、Nは蒸発した試料中の全元素の全原子数、Cは蒸発した試料中の対象元素の濃度を表す。
このため、固形試料の異なる形態あるいは外形性状の試料の発光強度から、含有する特定元素の濃度Cを高精度に定量化するためには、上記全原子数Nおよびプラズマ温度Tが試料によって差異の無いことが求められる。しかしながら、試料にレーザ光を照射してプラズマを生成する場合には、固体試料の形態あるいは外形性状、具体的には試料の色がレーザ光の吸収量に影響し、粒径、密度、比熱等が全原子数Nおよびプラズマ温度Tに影響を及ぼす。これらが本手法により試料中の元素濃度Cを定量化する際の精度を決定する大きな要因となる。そこで、固体試料の形態あるいは外形性状によらず上記プラズマの発生をいかに安定させプラズマの蛍光強度のバラツキを低減するか、また、いかにして上記バラツキを補正するかが、固体試料の形態あるいは外形性状の影響を無くする上で大きな課題になっている。
本発明は、上述したような課題に対処してなされたものであって、LIBS手法において、固形の分析対象物質の形態あるいは外形性状に影響を受けることなく、再現性よく高精度な元素分析をすることができる元素分析方法および装置、並びに分析試料作成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明にかかる元素分析方法は、元素分析すべき分析対象物質と既知濃度の特定元素を含有する基準物質とを所定の割合で混合した試料にパルスレーザ光を照射し、前記照射によって発生するプラズマから放出される蛍光の強度を測定し、前記蛍光のうち前記特定元素から放出される特定の発光ラインの強度に基づき前記蛍光の強度を補正することによって、前記分析対象物質を構成する元素およびその含有量を求める構成になっている。
あるいは、本発明にかかる元素分析方法は、元素分析すべき分析対象物質にパルスレーザ光を照射し、前記照射によって発生するプラズマから放出される蛍光の波長と強度を測定することによって、前記分析対象物質を構成する元素およびその含有量を求める元素分析方法において、前記元素分析すべき分析対象物質に前記プラズマの発生を安定させるプラズマ安定化物質が混合した試料を用い、前記試料にパルスレーザ光を照射して発生するプラズマから放出される蛍光の強度を測定し、前記分析対象物質を構成する元素およびその含有量を求める構成になっている。
そして、本発明にかかる元素分析装置は、元素分析すべき分析対象物質と、既知濃度の特定元素を含有する、基準物質あるいはプラズマの発生を安定させるプラズマ安定化物質と、を所定の割合で混合した試料を保持する分析セルと、パルスレーザ光を発生するレーザ発振器と、前記パルスレーザ光を前記試料に集光照射する光学系と、前記試料が前記パルスレーザ光を受けて生成するプラズマから放出される蛍光を検出する第1の蛍光検出手段と、前記プラズマ中の前記特定元素から放出される蛍光を検出する第2の蛍光検出手段と、前記第1の蛍光検出手段により測定した蛍光の強度を、前記第2の蛍光検出手段により測定した蛍光の強度に基づき補正し、前記分析対象物質を構成する元素およびその含有量を求める演算処理手段と、を有する構成になっている。
あるいは、本発明にかかる元素分析装置は、元素分析すべき分析対象物質と、既知濃度の特定元素を含有する基準物質、あるいはプラズマの発生を安定させるプラズマ安定化物質と、を混合した試料を保持する分析セルと、パルスレーザ光を発生するレーザ発振器と、
前記パルスレーザ光を前記試料に集光照射する光学系と、前記試料が前記パルスレーザ光を受けて生成するプラズマから放出される蛍光を検出する第1の蛍光検出手段と、前記第1の蛍光検出手段により測定した前記基準物質から放出される異なる複数の発光ラインの強度、あるいは前記プラズマ安定化物質から放出される異なる複数の発光ラインの強度に基づき前記プラズマの温度を算出し、前記プラズマ温度に基づき前記分析対象物質から放出される蛍光強度を補正して、前記分析対象物質を構成する元素およびその含有量を求める演算処理手段と、を有する構成になっている。
そして、本発明にかかる試料作成方法は、元素分析すべき試料にパルスレーザ光を照射し、前記照射によって発生するプラズマから放出される蛍光の波長と強度を測定することによって、前記試料を構成する元素およびその含有量を求めるレーザ誘起ブレイクダウン分光測定の分析試料作成方法であって、元素分析する分析対象物質と、既知濃度の特定元素を含有する基準物質あるいは前記プラズマの発生を安定させるプラズマ安定化物質と、を調合しプレス加工により圧縮固化して前記試料を作成する構成になっている。
本発明によれば、LIBS手法において再現性よく高精度な元素分析をすることが可能な元素分析方法および装置、並びに分析試料作成方法を提供することができる。
以下に、本発明の好適な実施形態のいくつかについて図面を参照して説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付している。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本実施形態の元素分析装置の一例を示す構成図である。図1に示すように、本実施形態の元素分析装置は、主要な構成機器として、分析セル1、レーザ発振器2、分光器3、蛍光検出器4、基準蛍光検出器5、タイミングコントローラ6および処理制御装置7を備えている。
分析セル1は、レーザ光導入窓8と内部観察窓9を有し、真空ポンプ10および圧力計11が接続され、セル移動機構12上に載置されている。そして、分析セル1の中には試料用ステージ13が設けられ、その上に試料1aが載置される。
レーザ発振器2は、レーザ電源14より供給される電力により、パルスレーザ光15を出射する。ここで、レーザ発振器2としては、波長1064nmのYAGレーザ発振器が好適である。その他のレーザとしては、波長が10.6μmの炭酸ガスレーザ、あるいは半導体レーザ、エキシマレーザ等を用いることができる。ここで、レーザ光の基本波長は、その空気中における伝播を考慮すると可視光以上になる例えば1μm以上になるものが好ましい。
タイミングコントローラ6からは、上記レーザ発振器2からレーザ誘導ブレイクダウン用のパルスレーザ光15を発振するタイミングを規定するレーザ制御信号6aが出力される。また、これに一定の遅れをもって蛍光検出器4に対して蛍光測定用のゲートを規定する検出制御信号6bが出力され、所定の時間帯で生成される蛍光のみが測定される。
試料1aは、密封可能な分析セル1内において試料用ステージ13上に載置される。分析セル1内は真空ポンプ10で真空排気される。この分析セル1の全体はセル移動機構12の上に設けられている。そして、試料1a上のレーザ照射位置が常にレーザ照射を受けていない場所へ移動でき、試料1上の異なる位置にレーザ照射しその位置の含有元素を分析できるようになっている。セル移動機構12としては、通常のXYステージが適用可能で、この場合は複数試料を並列に並べて、同時に複数試料の測定が可能である。もちろん、XYステージ以外にも例えば回転ステージなどを適用してもよい。
光学系としては、ベントミラー16、孔付きのスクレーパミラー17、集光レンズ18a、18b、分離ミラー19、第1の光学フィルタ20、第2の光学フィルタ21が設置されている。ここで、第1の光学フィルタ20はフィルタ交換機構22により随時に交換できるようになっている。そして、レーザ誘導ブレイクダウン用のパルスレーザ光15は、スクレーパミラー17の孔を通過後、集光レンズ18aを透過し分析セル1内の試料1aに照射される。
このレーザ照射によりレーザ誘起ブレイクダウンが生じる。このブレイクダウンで生成するプラズマ23から発生した蛍光24は、集光レンズ18aにて平行ビームにされた後、スクレーパミラー17で反射され集光レンズ18bで集光される。そして、分離ミラー19および第1の光学フィルタ20を透過し分光器3に導かれる。分光器3で分光された蛍光はさらに蛍光検出器4に導かれて電気信号に変換される。そして、その電気信号は、パルスレーザ光15の所定数に亘り例えばボックスカー積分器(不図示)で積分されて処理制御装置7に収録される。
ここで、第1の光学フィルタ20は、分析元素により蛍光の波長帯域が異なることから、フィルタ交換機構22により随時に交換される。また、この第1の光学フィルタ20は、基準蛍光25およびパルスレーザ光15をカットする機能を有することが好ましい。
そして、上記プラズマ23から同時に発生する基準蛍光25は、集光レンズ18a、スクレーパミラー17、集光レンズ18bを経て、分離ミラー19で光路が曲げられ、第2の光学フィルタ21を透過して基準蛍光検出器5に導かれる。そして、基準蛍光25はここで電気信号に変換され、その電気信号は同様にボックスカー積分器(不図示)で積分されて処理制御装置7に収録される。上記プラズマ23からの基準蛍光25は、後述するように試料1aに添加した基準物質により発生するものであり、この基準物質からプラズマ発光した所定の波長の蛍光である。
ここで、第2の光学フィルタ21は、基準蛍光25のみを透過する光学フィルタであり、例えば干渉フィルタが好適である。また、上記分離ミラー19は、その表面が屈折率の異なる膜でコーティングされており、蛍光24を透過し基準蛍光25を反射するようになっている。あるいは、ここに基準蛍光25を完全に反射し、蛍光24と分離する波長スプリッタが設けられていてもよい。
上記蛍光24の計測には分光器3が好ましい。しかし、特定元素から発する蛍光の特定波長のみの計測でよければ、干渉フィルタを設置した検出器、例えば光電子増倍管による計測が可能である。上記分光器3を用いた蛍光計測の場合にあっては、グレーティングによる2次以上の反射光の影響が無視できない場合がある。そこで、短波長光のカットフィルタないしは干渉フィルタを設置可能とし、所定元素の測定波長に応じてフィルタの切り替えが行えるようにするとよい。また、試料1a中の元素の含有量が多い場合にあっては、蛍光検出器4において蛍光強度が強すぎる場合がある。このような場合には、減光フィルタへの切り替えにより、分光器3へ導入される蛍光を適切な強度に調整することができる。
そして、上記分析セル1内のレーザ誘起ブレイクダウンの発生状況は、内部観察窓9を通して内部観察カメラ26によってモニターされる。
また、上述したように分析セル1は真空ポンプ10が接続され、真空排気が可能になっている。更に、Heガスのような希ガスに置換できるようになっている。すなわち、希ガスは、ガスボンベ27から圧力調整弁28により圧力調整され、ガス導入弁29を介して分析セル1に導入される。そして、分析セル1内は電磁弁30を介し真空ポンプ10により排気される。分析セル1中のガス圧力の制御は、圧力計11による圧力信号に基づき真空ポンプ10に接続する電磁弁30の開閉により行われる。例えば、予め設定された回数のHeガス置換を行い、所定の圧力に達した時点でHeガス導入又は真空排気が停止され、一定のガス圧力に自動的調整される。このようにして、分析セル1内をHeガスの雰囲気にするガス置換手段が構成される。
このように、分析セル1内を真空ポンプ10によって真空排気することにより、レーザ光15の照射によるプラズマ23の生成を安定化させることができる。この真空度はロータリーポンプで排気可能な1Pa程度の低真空度で十分である。また、真空排気および希ガスへの置換により、窒素分の定量が必要な試料については、大気中での測定では空気中窒素の影響により測定できないものも測定可能となる。更に、分析セル1内を減圧にすることで、プラズマ23の温度を下げることができ、プラズマ23による背景光強度の低下により低バックグラウンドの計測が可能となる。
上記元素分析装置においては、例えば1パルスのエネルギーが10mJ程度でパルス幅5nsのYAGレーザ光の場合、その出力はパルス的に2MWの出力となる。試料1aにこのようなパルスレーザ光15を集光照射すると、いわゆるレーザ誘起ブレイクダウンが発生し、照射領域の試料1aが電離されてプラズマ23が生成する。
このレーザ光照射を起因とするプラズマ23は、パルスレーザ光15の照射終了とともに再結合が始まり、数μ秒〜数十μ秒の間は照射試料1aの構成元素が励起状態の原子となる。そして、この励起状態の原子が下準位に遷移するとき、原子数に比例した蛍光24を放出する。また、試料1aに添加した基準物質の既知の元素が同時に励起状態の原子となり、同様にその下準位に遷移するとき、基準物質中の特定元素の原子数に比例した基準蛍光25を放出する。
そして、上述したように蛍光検出器4により蛍光24を光電変換した電気信号は、基準蛍光検出器5により基準蛍光25を光電変換した電気信号により、所定の方法により校正される。例えば、蛍光24の電気信号量は、基準蛍光25の電気信号量に基づき、演算処理手段である処理制御装置7において除算等の演算処理による規格化の補正がなされる。あるいは、基準蛍光25の電気信号は、元素分析方法のところで後述するが、既知濃度の元素を含有する標準試料との比較補正に用いられる。
このようにして、土壌のような粉体状あるいは粘土状の分析対象物質であってもその形状に影響を受けることなく、LIBS手法により高い分析精度が得られる。また、その再現性および安定性が非常に高くなる。
上記元素分析装置において、試料1aにパルスレーザ光15の照射を受けるとその表面に存在する元素が瞬間的に気化し、その一部がプラズマ化する。このレーザ誘起ブレイクダウン現象を継続するとわずかであるが試料表面が削られる。これによって表面の凹凸状態が変化すると生成されるプラズマ23の生成状況も変動してくる。そこで、試料1aを保持する分析セル1を外部駆動するセル移動機構12を用いて、試料1aを構成する元素を平均的に測定するためにはレーザ光照射点を逐次変更する必要がある。
試料中に検出目的の元素が不均一に存在する場合には、本実施形態のように試料を移動し、連続的に測定を行った方が平均化して検出することができる。なお、レーザ光の集光点の大きさは数μm〜数10μmであるが、試料によってはレーザ照射により100μmオーダの凹部が形成される。したがって、試料の移動速度は100μm/パルス以上とする。
次に、本発明の元素分析方法の実施形態について、図1ないし図4を参照して説明する。図2は本実施形態の元素分析における試料1aを拡大した模式的な断面図であり、図3は本実施形態の元素分析方法を従来の場合と比較して示すためのレーザ照射した試料領域の断面図である。そして、図4は本実施形態における効果を説明するための元素分析結果のグラフである。
図2に模式的に示すように、(分析)試料1aは、その作成方法等の詳細は後述するが、分析対象物質31に対して所定の割合で均一に基準物質32を添加して作成する。図2では、ほぼ一定の粒径に粉砕された分析対象物質31が固化助剤であるバインダ33により互いに強固に固着されている。本実施形態の元素分析方法は、上記試料1a中にプラズマ発光量の評価基準となる基準物質32を予め添加しておき、分析対象物質の元素の蛍光強度に対して、この基準物質32中の特定元素からの蛍光強度で補正することを主な特徴とする。
外形性状の異なる試料に対してパルスレーザ光15を照射した際に発生する各元素の蛍光強度は、試料1a中の元素含有量が同じであっても生成されるプラズマ光の強度により変動を受ける。このプラズマ光強度の変動は上述したレーザ誘起ブレイクダウン量の変動に関係する。そして、このブレイクダウン量は、試料1aの形態あるいは外形性状、例えば、その表面の粗さやその色により大きく変動する。これは、レーザエネルギーの吸収量が物質の表面状態により異なるからである。
そこで、本実施形態における元素分析方法では、上記レーザ誘起ブレイクダウン量の変動による影響を補正するために、図2に示したように、分析対象物質31に対して基準物質32を定量して添加した試料1aを使用する。そして、このような試料1aをレーザ誘起ブレイクダウンにより、上記分析対象物質31と基準物質32とをプラズマ化しプラズマ23を生成する。そして、分析対象物質31の含有元素からの蛍光を計測すると同時に、上記基準物質32の元素固有の波長の蛍光をモニターする。
例えば、図3(a)に示すように、試料1aにパルスレーザ光15を照射すると、ブレイクダウン領域34においてレーザ誘起ブレイクダウンが生じプラズマ23が生成する。ここで、試料1aに図2で示した定量の基準物質32を均一に添加していると、上記分析対象物質31と基準物質32のレーザ誘起ブレイクダウンの割合は所定の値で一定になる。そして、上記ブレイクダウンとレーザ光エネルギーにより生成したプラズマ23中には、分析対象物質31の元素と基準物質32の元素とが一定の割合で含まれるようになる。この割合は上述したレーザ誘起ブレイクダウン量によらない。
そこで、上述したように基準物質32の元素固有の波長の基準蛍光25をモニターし、上記基準蛍光25の強度に基づいて、分析対象物質31からの蛍光24の強度を規格化補正する。
上記補正をすることにより、LIBS手法における分析対象物質31の元素分析は、高い再現性および高い安定性が得られるようになる。また、高精度な元素分析が可能になる。基準物質32の添加および基準蛍光25による上記規格化補正の手法は、レーザ誘起ブレイクダウン量によらないことから、試料1aの形態あるいは外形性状に影響されなくなる。そして、土壌のような粉体状の試料の元素分析において非常に効果的になる。
これに対し従来のLIBS手法では、図3(b)に示すように、試料111aにパルスレーザ光115を照射すると、生成したプラズマ123からは分析対象物質の含有元素固有の蛍光124しか発光しない。ここで、試料111aは分析対象物質のみから構成されており、その外形性状は試料のサンプリングにより変わってくる。また、ブレイクダウン領域134の範囲もパルスレーザ光照射におけるパルス毎により変動する。このために、生成するプラズマ123中におけるプラズマ強度が大きく変動し、上記蛍光124強度のバラツキが大きくなる。そして、元素分析の測定精度およびその再現性が非常に悪くなる。このように、分析対象物質が土壌のような粉体形態あるいは粘土形態にあっては、上記LIBS手法による直接的な測定は難しくなる。
次に、上記実施形態における元素分析方法について、更に具体的に説明する。
(基準物質について)
上記基準物質は、リチウム(Li)あるいはナトリウム(Na)を特定元素に含む物質が好適である。このような物質としては、LiあるいはNaの単体物質であってもよいし、その化合物質であってもよい。ここで、Li化合物としては例えば炭酸リチウム(LiCO)が安全性や価格の面で好ましく、Na化合物としては同様に例えば食塩(NaCl)が好ましい。このようなLiあるいはNaは、LIBSによる蛍光スペクトル構造が簡単であり蛍光スペクトルライン数が少ない。また、特定の波長の発光強度が強いため全元素中でLIBS手法による検出感度が他の元素に比べて極めて大きい。このために、その添加量は、分析対象物質に対して微量でよく、例えば0.1質量%程度あれば充分である。
このように微量にすることができると、LIBS手法において、基準物質の添加の影響は無視できるようになる。そして、LiあるいはNaの元素固有の波長の蛍光をモニターすることにより、パルスレーザ照射によってプラズマ化した試料のレーザ誘起ブレイクダウン量が評価できる。また、そのプラズマ強度を試料毎に計測すれば、試料毎の性状の違いに起因するプラズマ化した試料のブレイクダウン量の変動を補正することが可能になる。
(基準蛍光について)
分析対象物質に上記基準物質を添加しレーザ誘起ブレイクダウンで生成したプラズマにおいて、基準物質により生じる蛍光は、基準物質の元素固有の蛍光スペクトルを有している。本実施形態における元素分析方法では、上記蛍光スペクトルの中で所定の波長の蛍光(特定の発光ライン)を基準蛍光として用いることが好ましい。ここで、空気中の伝播においてその吸収が小さい蛍光波長が好適である。
基準物質がLiの単体物あるいは化合物の場合には、上記補正に使用する蛍光波長は、670.776nmあるいは670.791nmが好適である。Li原子からの発光スペクトル中の波長で、LIBS手法を用いた場合に最も蛍光強度が大きい波長は670.776nmあるいは670.791nmである。そして、上記波長を使用する場合には、例えば、図1で説明した元素分析装置の基準蛍光検出器5の前面に設置する第2の光学フィルタ21として、671nm程度の中心透過波長と2〜10nm程度の透過幅を有する干渉フィルタを用いるとよい。
基準物質がNaの単体物あるいは化合物の場合には、上記補正に使用する蛍光波長は、588.995nmあるいは589.592nmが好適である。これ等の蛍光波長が、Li原子からの発光スペクトル中の波長で、LIBS手法を用いた場合に最も蛍光強度が大きい波長である。そして、上記第2の光学フィルタ21として、589nm程度の中心透過波長と2〜10nm程度の透過幅を有する干渉フィルタを用いるとよい。
(窒素分析について)
次に、試料1a中の窒素分析方法について説明する。空気雰囲気において試料1aをLIBS手法で元素分析すると、試料中の窒素の定量が難しい。そこで、この窒素の元素分析では、空気中の窒素の影響を回避するために試料1aの雰囲気をヘリウム(He)ガスで置換する。
通常、パルスレーザ光の照射によって生じるプラズマは雰囲気条件(ガス種、圧力)により、プラズマ密度、プラズマ温度、プラズマ減衰等のプラズマ特性が大きく変化する。そこで、この変化が小さい置換ガスとしては、Arガスや炭酸ガス(CO)などのガスも考えられる。しかし、このようなガスであると、それ等のガス成分からの発光が分析対象物質の窒素からの蛍光に干渉し、窒素の測定が難しくなる。これに対して、Heガスは、上記プラズマ特性の変化が小さく、しかもHeからの発光が窒素の発光ラインに干渉しない。このために、LIBS手法による窒素分析においては、雰囲気ガスとしてHeガスが特に好適である。
上記Heガスの置換において、試料1aの雰囲気のHeガス圧力は、1Torr〜大気圧とする。上述したように、パルスレーザ光の照射によって生じるプラズマはガス圧力により、上記プラズマ特性が変化する。ここで、雰囲気がHeガスの場合に、その圧力を1Torr(約133Pa)〜大気圧とすることで試料1a中の窒素成分の検出が可能となる。雰囲気のHeガス量が低くなりHeガス圧力が1Torr未満になると、上記プラズマ特性が不安定になる。また、Heガス圧力が大気圧を超えると、分析セル1のように試料1aを載置する容器の減圧および加圧に対する耐性が悪く実用的でなくなる。
上記実施形態のLIBS手法による上記試料1a中の窒素分析では、プラズマからの蛍光波長は、746.86nmの発光ラインを用いると好適である。試料1a中の窒素成分の検出は、従来の技術において、(1)窒素の可視領域波長での発光が弱い、(2)空気中の窒素の影響を回避する必要がある、(3)試料1a中の元素の発光波長が近傍にないこと、等の条件のために難しかった。本実施形態の窒素分析方法では、上記条件を満たすことができ試料1a中の窒素の分析が極めて容易になる。
(分析結果について)
次に、上記実施形態における元素分析方法を用いた土壌の分析結果の一例について図4を参照して説明する。ここで、元素分析装置としては図1に示した構成のものを使用し、元素分析方法は上述したようにして行った。また、この元素分析では、元素の含有量が既知の標準試料を作成して分析試料の元素の定量に用いた。この標準試料にも基準物質(炭酸リチウム)を定量して添加し、LIBS手法による定量化において標準試料の含有元素からの蛍光スペクトル強度を比較基準にした。
そして、同様に、土壌に基準物質(炭酸リチウム)を添加した分析試料の含有元素からの蛍光スペクトル強度を計測した。上記分析試料の含有元素の含有量は、上記標準試料の含有元素からの蛍光スペクトル強度に基づいて算定し定量化した。ここで、標準試料と分析試料とはその表面状態が異なることから、上記基準物質の添加の割合が標準試料と分析試料において同じであっても、それ等から発光する基準蛍強度は異なってくる。そこで、標準試料の基準物質からの基準蛍強度により、分析試料からの基準蛍光強度を規格化し、分析試料の含有元素の含有量を比較補正した。
図4は、上記分析試料中の炭素(C)、窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ナトリウム(Na)の元素濃度を示す。ここで、斜線にした棒グラフが上記実施形態で説明した基準物質による規格化補正を施した結果である。そして、白印の棒グラフが上記補正を施さない結果である。
図4から明らかなように、上記補正により土壌中の元素濃度は、補正なしの場合に比較して20%〜30%増加し分析精度が向上する。ここで、基準物質の添加量は0.1質量%であり、各元素の測定への誤差は無視できる。また、上記分析結果の再現性は極めて高くなることも確認された。
次に、本実施形態の分析試料作成方法について、図5ないし図6を参照して説明する。図5は本実施形態の分析試料作成の手順を示すフローチャートであり、図6は試料の作成手順の具体例を示す処理工程図である。
この分析試料作成方法は、例えば分析対象物質が粉体形態の場合に、これを固化した分析試料にするもので、固化の手法として試料の固化を補助する固化助剤(バインダ)を混ぜる。ここで、固化した分析試料の外形はその表面が平滑な直方体にするとよい。この作成方法は、分析対象物質が土壌のように粒径が一定でない粉体の場合に特に効果的である。
図5に示すように、分析試料作成の手順は、初めに分析対象物質、基準物質、バインダを準備する。そして、ステップS1において分析対象物質を篩にかけ所定の寸法以下の粒径の粉体に選別する。また、ステップS2において基準物質を計量し、ステップS3においてバインダを計量する。そして、ステップS4においてこれ等の所定量を混ぜて調合する。
次に、ステップS5において、上記調合したものを例えば粉砕ミル等で粉砕し一様に混合する。このようにして、ほぼ均一化した粉体が生成される。そして、ステップS6において、この均一化した粉体をプレス加工し、上述した表面が平滑な例えば直方体の分析試料を作成する。
図6の分析試料の作成手順の一例を示す処理工程図を参照して具体的に説明する。例えば分析にかける土壌をサンプリングする(工程(1))。そして、土壌に混在する砂利あるいは植物の根等を分別するために、所定の網目を有する篩を用い、サンプリングした土壌を篩い分けする(工程(2))。ここで、土壌は一定の粒径以下の粉体に選別される。
次に、バインダ、基準物質と上記篩い分けした土壌の試料を調合する(工程(3))。このバインダの材料としては、(1)分析対象物質に含有する元素を含まないか、あるいは、含んでいても分析に大きく影響しない元素で構成される、(2)バインダの元素からの発光ラインの干渉が無いことあるいは低い、という条件を満たす材料が好適である。例えば、バインダとしては、メチルセルロース系、ポリビニルブチラール系、ポリビニルアルコール系、等の材料から選択される。なお、分析対象物質の元素がバインダ内に含まれる場合にも分析結果における補正を行うことにより適用可能である。
そして、分析対象物質によっては天然素材系のデキストリン、澱粉、アラビアガム、カゼイン・アルギン酸塩、ポリアクリル酸塩、カルボン酸塩、合成樹脂系のフェノール樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂、ウレタン樹脂、ポリプロピレン等の粉末がバインダとして使用できる。
次に、上記調合した混合物を粉砕ミルで10μm〜100μm程度の粒径以下とし均一化した粉体にする(工程(4))。粘土状の物質については粒径が上記程度であればそのままで問題ないが、100μm以上の粒径の粒子が存在する場合には、やはりミル等で粉砕処理を行う必要がある。
そして、上記均一化した粉体の混合試料を計量し(工程(5))、予めその底部にスペーサ底板を挿入したプレス枠を用意し(工程(6))、そのプレス枠に一定量の混合試料を装荷する(工程(7))。更に、装荷した混合試料上にスペーサ上板を被せその上にプレス駒を載せる(工程(8))。そして、プレス駒上から例えば10MPa〜100MPaの圧力によりプレスする(工程(9))。このようにした後に、プレス枠から底面および上面にスペーサ板が付着したままの分析試料を取り出し(工程(10))、上記スペーサ板を取り外して(工程(11))、分析試料が出来上がる(工程(12))。
上記スペーサ底板およびスペーサ上板は薄い銅板が好ましい。そして、銅板の厚さは、0.1mm〜0.2mmの範囲が極めて好適である。このようなスペーサ板でその表面を被覆することにより、出来上がった分析試料が、LIBS手法におけるパルスレーザ光の照射において望ましい外形性状を有するようになる。すなわち、分析試料の表面が平坦化し更に平滑化する。
また、プレス成形において、上記スペーサ板を使用することにより、プレス後に分析試料をプレス枠から取り外す際の試料の欠けが防止できる。そして、プレス後において、プレス枠の洗浄が極めて簡単になる。ここで、銅板の厚さが0.1mm未満になると、上記プレス成形において装荷した混合試料によりプレス板が破損したり、混合試料に対して均一な加重ができず出来上がりの分析試料の平坦性が不充分になる。そして、銅板の厚さが0.2mmを超えてくると、出来上がりの分析試料をプレス枠から取り外す際に分析試料の欠けが生じてくる。
以上のようにして、分析対象物質と基準物質が共に一体化し強固に固化された分析試料が作成される。そして、分析試料の表面が平坦/平滑になることから、パルスレーザ光の照射によって生成されるプラズマ強度は、その再現性が向上し安定になる。また、パルス毎および分析試料表面の場所毎におけるLIBS手法によるプラズマ強度が安定化するようになる。
上記第1の実施形態では、上述したように、分析試料のレーザ誘起ブレイクダウン分光分析において、試料の固形の形態あるいは外形性状によらず、その元素の分析精度、元素分析の再現性および安定性が大きく向上する。
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態の特徴は、分析試料の中から対象元素を定量する際、分析試料から出る蛍光を安定に発生させて分析精度の向上を図るものである。すなわち、本実施形態は、レーザ光を照射して蒸発・プラズマ化する分析試料にあらかじめ一定量のプラズマ安定化物質を混入させてプレス固化することにより、固形の分析対象物質の形態あるいは性状の異なる試料でも同様な性質のプラズマを生成させることができる。
本実施形態で用いる試料は最終的にはプレート状にプレス固化して用いるが、分析対象の試料とともに、試料毎の生成プラズマを同様のものとするためにプラズマ安定化物質を加え、これらをプレス固化するためのバインダを加える。これらの調合割合については、分析対象とする試料の性状の違いの大きさにも依存するが、試料、プラズマ安定化物質およびバインダを適切な割合で混合することにより、安定なプラズマが生成可能な試料を形成することができる。特に、試料とプラズマ安定化物質の混合割合については、性状の差の大きさに応じて増減させることにより、性状の違いが起因するプラズマ特性の差を低減することができる。
このプラズマ安定化物質の適用条件としては、(1)分析対象とする試料中に含まれない元素で構成されること、(2)分析対象とする試料中に含まれない元素の測定に妨害となる波長を発しない元素で構成されること、が挙げられる。また、ここでは分析対象を粉末化した後・プレス固化して測定するため、プレス固化の際に有利となる微粉末化が可能であることも条件となる。このプラズマ安定化物質を加えてプレス固化した試料を用いることにより、第1の実施形態で説明した図1に示したような元素分析装置により、含有元素の定量分析を高精度に行うことができる。
第2の実施形態における元素分析装置およびその動作は、基本的に第1の実施形態において図1で示したものと同じになるのでその詳細な説明は省略する。但し、後述の元素分析方法で説明するが、第1の実施形態において説明した、図1の基準蛍光検出器5、第2の光学フィルタ21を具備しない元素分析装置の構成であってもよい。
次に、本実施形態における元素分析方法について、図1、図7又は8を参照して説明する。ここで、図7および図8は本実施形態における試料1aについて示す図である。
測定の対象となる試料1aへのプラズマ安定化物質として硼素(B)粉末を用いると好適である。硼素の物理・化学特性としては、黒色で化学的に安定で微粉末化が可能であり、特に色の異なる試料に混合することにより試料が黒色化し、レーザ光の吸収量の差異が小さくなる。また、融点が2100℃、沸点が2600℃と非常に高融点であり、レーザ照射されても硼素自身の蒸発量は少ない。さらに、モース硬度が9.3で非常に硬いため、特に分析対象が粉体形態である場合には、これを微粉末化してプレス固化する際にあらかじめ試料に混合することにより、微粉砕のアシスト材ともなる。そして、最大の特徴として硼素原子の原子構造が単純なため発光スペクトル線が非常に少ないという利点を有している。このため、硼素を分析対象としない試料に対する混合物質として極めて好適である。
上記プラズマ安定化物質の調合割合は、図7(b)に示すように、分析対象とする試料の性状の違いの大きさに依存する。いずれにしても、図7(a)に示すように、分析対象物質を5〜95%、プラズマ安定化物質を0〜75%、バインダを10〜30%の範囲で混合することが好ましい。このようにプラズマ安定化物質を混合させることにより、安定なプラズマが生成可能な試料を形成することができる。特に、プラズマ安定化物質の調合割合については、性状の差の大きさに応じて増減させることにより、性状の違いに起因するプラズマ特性の差を低減することができる。
プラズマ安定化物質の試料への調合割合が多いほど、レーザ生成プラズマの特性は混合物質に支配されるため、分析対象物質の性状の影響が少なくなり、蒸発・プラズマ化量およびプラズマ温度が一定となり、分析精度が向上する。一方、プラズマ安定化物質の試料1aへの混合割合が多いほどプレス固化した試料1a中に含有される分析対象物質の量が少なくなるため、レーザ光照射を受ける分析対象物質が少なくなり、試料1a中の分析対象物質の偏在の影響が大きくなる。また、実質的な濃度の低下により検出感度が低下する。このため、上記混合割合については分析対象とする試料の特性に応じて最適化する必要があるが、上記割合の範囲で最適化するとすることでその効果は得られる。
上記分析対象物質、プラズマ安定化物質およびバインダを混合させた試料1aを用い、第1の実施形態で説明したのと同様にしてレーザ誘起ブレイクダウンさせる。そして、図1の分光器3および蛍光検出器4により、分析対象物質の元素からの蛍光の強度を計測する。また、標準試料からの蛍光強度と比較することにより、分析対象物質の元素の定量を行う。ここで、上記標準試料にもプラズマ安定化物質を混合させておくと好適である。
また、上記プラズマ安定化物質の混合量は、第1の実施形態の基準物質の添加量が例えば0.1質量%程度になるのに対して、分析対象物質と同量の程度になる。このために、レーザ照射の際のプラズマ温度が一定であれば、プラズマ安定化物質からの蛍光強度が試料1aの蒸発量に比例する。このようなことから、試料1aの物理的な性状の大きな違いに起因して、蒸発・プラズマ化量が試料毎に異なってくることがあっても、第1の実施形態の場合と同様な基準物質として用い、プラズマ安定化物質に固有の特定波長の蛍光をモニターし規格化補正することができる。この場合、プラズマ安定化物質の特定の元素である例えば硼素からの蛍光の強度を上記分光器3および蛍光検出器4により計測し、これを基準蛍光とする。そして、図4に示したのと同様な効果が得られる。なお、この場合のプラズマ安定化物質からの特定波長は、基準蛍光検出器5を通して計測してもよい。
ここで、プラズマ安定化物質として硼素を用いる場合の発光強度を補正するための特定波長としては、遠紫外光である206.6nm、209.0nmないしは249.7nmの発光強度を用いる。硼素原子からの発光スペクトル中の波長で、LIBS手法を用いた場合に最も蛍光強度が強い波長は206.6nm、209.0nmないしは249.7nmである。なお、この波長を適用の際には、例えば基準蛍光検出器5の前面に設置する第2の光学フィルタ21として、中心透過波長を上記特定波長とし、2〜10nm程度の透過幅を有するものを用いる。
このように分析対象物質にプラズマ安定化物質の混合をすることにより、生成されるプラズマの蛍光強度のバラツキが低減し、測定精度およびその再現性が大きく向上した。更に、上記プラズマ安定化物質を基準物質として使用し、第1の実施形態で説明したように分析対象物質からの蛍光の規格化補正に用いることで、分析対象物質における元素分析の定量が更に高精度になる。
更に、本実施形態では、プラズマ安定化物質からの複数の状態遷移による蛍光強度を測定し、それ等の強度比からプラズマ温度を導出し、これを蛍光強度の補正に用いる。本手法においては、先ずプラズマ温度を蛍光の相対強度法を用いて算出する。ここで、相対強度法とは,波長の異なる複数の蛍光強度の比を用いてプラズマ温度を求める方法であり、プラズマ温度Tは次式により算出することができる。
T =
(E−E)/k{ln(Amlν/Akjν)+ln(I/I)}
・・・(5)
ここで、EおよびEは遷移の際の励起エネルギー準位、Iはエネルギー準位mから準位iへの遷移に伴って放出される振動数νの蛍光スペクトルの強度、Iはエネルギー準位kから準位jへの遷移に伴って放出される振動数νの蛍光スペクトルの強度、Amlは準位m→iへの遷移のA係数、Akjは準位k→jへの遷移のA係数、gおよびgはエネルギー準位mおよびkのg係数とする。蛍光強度I、Iを除くすべてのパラメータは原子固有の物理量で既知であり,蛍光強度比I/Iを測定することにより、試料1a毎の生成されるプラズマ温度Tを評価することができる。
このようにして評価された分析試料(i)毎の温度Tを平均した温度Tに対しての補正係数Riは、蛍光の遷移元のエネルギー準位をEとして、式(6)により表される。そして、計測した蛍光強度Iは、式(7)によりIに補正される。
Ri=exp(−E/kT)/exp(−E/kT) ・・・(6)
=I×Ri ・・・(7)
具体的には、プラズマ安定化物質として硼素を用いる場合には2つの蛍光波長として、原子からの発光線である209.0nmおよび249.7nmの発光強度を用いることができる。
更に、本実施形態では、第1の実施形態で説明した基準物質を微量に添加し、上述したのと同様にして、この基準物質からの複数の蛍光をプラズマ温度Tの評価に用いるようにしてもよい。上記添加量としては、プラズマ安定化物質の発光強度に応じて増減させるが、発光強度の強いLi、Naのようなアルカリ金属の場合には0.1質量%程度添加で十分な強度の蛍光を発光させることができる。なお、プラズマ温度の評価手法および各元素の蛍光強度への補正方法についてはプラズマ温度を一定にする目的でプラズマ安定化物質を混合させる場合と全く同様である。
この場合の分析対象物質、プラズマ安定化物質、基準物質およびバインダの調合割合は、図8に示すように、分析対象とする試料の性状の違いの大きさに依存している。いずれにしても、分析対象物質が5〜95質量%、プラズマ安定化物質が0〜75質量%、基準物質が〜0.1質量%、バインダが10〜30質量%の範囲になるように混合することが好ましい。
上記基準物質の場合では、遷移する準位のエネルギーが低く、プラズマ温度の影響の感度が高い物質として、例えばLiを用い、プラズマ温度を評価する波長として、610.4nmと670.8nmの発光強度を用いる。ここで、プラズマ温度の評価手法および各元素の蛍光強度への補正方法についてはプラズマ温度を一定にする例えば硼素を混合させる場合と全く同様である。
次に、本実施形態における分析試料作成方法について説明する。第2の実施形態における試料1aは、基本的には、図5で説明した分析試料作成方法の処理工程に従って作成される。ここで、図5に示したステップS4において、サンプリングされた土壌である分析対象物質と共に、図7(a)で示したように、プラズマ安定化物質およびバインダを調合する。ここで、その調合割合は、例えば図7(b)に示したように、分析対象とする上記サンプリングした試料(土壌)の性状の違いの大きさに依存して決められる。
あるいは、図5に示したステップS4において、サンプリングされた土壌である分析対象物質と共に、図8(a)で示したように、プラズマ安定化物質、基準物質およびバインダを調合する。ここで、その調合割合は、例えば図8(b)に示したように、分析対象とする上記サンプリングした試料(土壌)の性状の違いの大きさに依存して決められる。
本実施形態の分析試料作成方法において、試料1aをプレス固化する際には、プラズマ安定化物質の粒径を100μm以下にすると好適である。上記元素分析装置では、レーザ光を試料に集光照射する際のビーム径は数100μm(典型値として300μm)としている。ここで、ビーム径を大きくすると、レーザ光照射を受ける試料の領域が増大するため、試料中の元素の偏在の影響を小さくすることができる。一方、プラズマ化のためのレーザ光の強度を大きくする必要が生じ、また、一度レーザ照射を受けた試料面は凹みができるため再照射するとレーザ光吸収にバラツキが生じる。そして、プラズマ化の安定度が低下する。そこで、レーザ照射領域が重ならないように試料の表面積を大きくする必要が生じる。
このために、測定する試料に対してはレーザ照射面積中の試料に偏在の影響をできるだけ低減する必要があり、試料作成の際の粉砕プロセスではできるだけ粒径を細かくすることが望ましい。このような試料の粒径の影響については、粒径が100μm以下になることでほぼ無視できるようになる。
上記第2の実施形態は、レーザ光を照射して蒸発・プラズマ化する分析試料にあらかじめ一定量のプラズマ安定化物質を混入させてプレス固化することにより、プラズマの発生を安定させる。そして、固形の分析対象物質の形態あるいは性状の異なる試料でも同様な性質のプラズマを生成させることができる。また、プラズマ温度の補正あるいはプラズマ化量の規格化補正を通してプラズマからの蛍光強度を補正することにより、分析元素の定量精度が向上する。このようにして、分析試料のレーザ誘起ブレイクダウン分光分析において、試料の固形の形態あるいは外形性状によらず、その元素の分析精度、元素分析の再現性および安定性が大きく向上する。
[第3の実施形態]
以下、本発明の第3の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態の特徴は、第1の実施形態および第2の実施形態の一部で説明した標準試料を効果的に利用するところにある。この場合の元素分析装置は、図1を参照して説明した上記実施形態の場合と同じになるのでその説明を省略する。
本実施形態における元素分析方法では、図9に示すように試料中の定量を目的とする元素を定量化した標準試料を少なくとも2種類用意し、これと未知濃度の分析対象試料(未知試料)からの蛍光を交互に同時に測定し、上記複数の標準試料および未知試料からの特定元素の蛍光強度を比較することにより、試料中の未知の元素濃度を定量するものである。ここで、各元素ピーク波長の蛍光強度(図9の縦軸)と試料濃度(図9の横軸)が直線関係にあることを仮定するが、この直線が原点を通る(比例関係にある)ことは仮定しない。
第1の実施形態で説明したように、元素分析装置のセル移動機構12は、通常のXYステージが適用可能になっている。そこで、このセル移動機構12によりXY方向に移動する試料用ステージ13に載置した試料固定皿35上に、図10に示すように、複数試料を並列に並べる。そして、図中の矢印の方向に沿って、例えば試料1、試料2および試料3の複数試料の同時測定を行う。
ここで、試料2を未知試料とし、試料1および試料3を標準試料とする。試料1に含有する分析対象の元素の既知濃度をC1、試料3に含有する分析対象の元素の既知濃度をC3、但し、C1≠C3、とする。そして、上記元素分析装置による測定において、試料1のレーザ光照射による上記元素からの特定波長の蛍光強度をP1、試料3のレーザ光照射による上記元素からの特定波長の蛍光強度をP3とする。また、未知試料である試料2のレーザ光照射による上記元素からの特定波長の蛍光強度をP2とする。このようにすると、試料2に含まれる上記元素の未知濃度Cxは、式(8)により求められる。図9は、上記蛍光強度と元素濃度の関係を示している。
Cx={(C3−C1)/(P3−P1)}×(P2−P1)+C1 ・・・(8)
上記標準試料である試料1および試料3、そして未知濃度の分析対象試料である試料2には、第1の実施形態あるいは第2の実施形態で説明した基準物質あるいはプラズマ安定化物質を含有させる。このようにすると、上記実施形態で説明したのと同様の効果が生じ極めて好適である。以上のようにして、未知試料中の分析元素の高精度の定量化が容易になる。
以上、図9および式(8)の説明では、各元素ピーク波長の蛍光強度と試料濃度が直線関係にあることを仮定して、二つの標準試料のデータを用いた。この直線が原点を通る(比例関係にある)ことをさらに仮定すると、一つの標準試料のデータだけでこの直線を決定でき、未知試料の濃度を求めることができる。
また、標準試料の数を増やして、統計処理することによって信頼性を高めることも可能である。
次に、別の一変形例について説明する。上述したように、分析対象試料の未知濃度の元素を定量するには、一般には標準試料からの蛍光強度により、蛍光強度と元素濃度との相関関係を示す検量線を作成し、これと未知濃度の分析対象試料からの蛍光強度から試料中の元素濃度を定量する。しかしながら、分析対象試料の材質が不明の場合や標準試料の材質と異なる場合には、レーザ光照射による試料の蒸発量やプラズマ温度が大きく異なる場合が生じる。そして、第1の実施形態あるいは第2の実施形態で説明したような種々の蛍光強度の補正を行っても誤差が大きな場合もある。
このような場合には、図11に示すように、未知試料とは別に、この未知試料中に定量を目的とする元素を一定量(濃度ε)添加した試料を用意する。そして、それぞれの試料からの特定元素の蛍光強度を比較することにより、試料中の未知の元素濃度を定量化する。この手法により、材質が未知の試料に対しても、あるいは、標準試料の材質と異なる場合でも、未知試料の特定元素の濃度を精度よく定量することができる。ただし、この場合は、各元素ピーク波長の蛍光強度(図11の縦軸)と試料濃度(図11の横軸)が比例関係にあることを前提とする。
ここで、試料1は未知試料とし、試料2は、試料1に分析対象の元素を一定量(濃度ε)添加した試料とする。そして、上記元素分析装置による測定において、試料2のレーザ光照射による上記元素からの特定波長の蛍光強度をP2とする。また、未知濃度の分析対象試料である試料1のレーザ光照射による上記元素からの特定波長の蛍光強度をP1とする。
そして、試料1に含まれる上記元素の未知濃度Cxとすると、試料2の分析対象の元素濃度はCx+εとなる。このようにすると、試料1に含まれる上記元素の未知濃度Cxは式(9)により求められる。図11は、上記蛍光強度と元素濃度の関係を示している。
Cx=ε×P1/(P2−P1) ・・・(9)
上記試料1および試料2には、第1の実施形態あるいは第2の実施形態で説明した基準物質あるいはプラズマ安定化物質を含有させる。このようにすると、上記実施形態で説明したのと同様の効果が生じ極めて好適である。
上記変形例では、未知試料中に定量を目的とする元素を一定量(濃度ε)添加した試料を1種類用意している。この場合も、当該元素の添加量を変えることなどによって試料の数を増やし、統計処理することによって信頼性を高めることも可能である。
上記第3の実施形態では、上述したように、分析試料のレーザ誘起ブレイクダウン分光分析において、試料の固形の形態あるいは外形性状によらず、その分析元素の定量を極めて高精度にすることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの変形を採ることができる。例えば、上記第1の実施形態の元素分析装置の構成図において、分離ミラー19を配置しないで、第1の蛍光検出手段が第2の蛍光検出手段の機能を兼ね備えるような構成にしてもよい。この場合、分光器3により基準蛍光の特定の発光ラインが分光され、その分光された発光ラインが蛍光検出器4で光電変換され基準蛍光の電気信号量となる。
また、第2の実施形態において、蛍光24および基準蛍光25の光路となる領域が減圧できる構造になっていてもよい。あるいは、上記光路は、光ファイバにより伝送する構造になっていてもよい。このような構造であると、空気中の伝播において蛍光の吸収が小さくなり、上記LIBS手法による分光分析において、短波長帯域の蛍光を容易に使用することができるようになる。
また、上記分析対象物質としては、土壌に限らずどのような形態の固形物質であっても使用することができる。
本発明の実施形態の元素分析装置の一例を示す構成図。 本発明の第1の実施形態の元素分析方法を示すための分析試料の断面図。 本発明の第1の実施形態の元素分析方法を示すレーザ照射した試料領域の断面図。 本発明の第1の実施形態における効果を説明するための元素分析結果のグラフ。 本発明の第1の実施形態における試料作成の手順を示すフローチャート。 本発明の第1の実施形態における試料の作成手順の一例を示す処理工程図。 本発明の第2の実施形態の元素分析方法に用いる試料の説明図であって、(a)は調合物質の斜視図、(b)はそれらの調合割合を示す表。 本発明の第2の実施形態の元素分析方法に用いる別の試料の説明図であって、(a)は調合物質の斜視図、(b)はそれらの調合割合を示す表。 本発明の第3の実施形態の元素分析方法を示すための蛍光強度と元素濃度の関係のグラフ。 複数試料の同時測定において並列に配置される複数試料を示す平面図。 本発明の第3の実施形態の一変形例の元素分析方法を示すための蛍光強度と元素濃度の関係のグラフ。
符号の説明
1…分析セル、1a…(分析)試料、2…レーザ発振器、3…分光器、4…蛍光検出器、5…基準蛍光検出器、6…タイミングコントローラ、6a…レーザ制御信号、6b…検出制御信号、7…処理制御装置、8…レーザ光導入窓、9…内部観察窓、10…真空ポンプ、11…圧力計、12…セル移動機構、13…試料用ステージ、14…レーザ電源、15…パルスレーザ光、16…ベントミラー、17…スクレーパミラー、18a、18b…集光レンズ、19…分離ミラー、20…第1の光学フィルタ、21…第2の光学フィルタ、22…フィルタ交換機構、23…プラズマ、24…蛍光、25…基準蛍光、26…内部観察カメラ、27…ガスボンベ、28…圧力調整弁、29…ガス導入弁、30…電磁弁、31…分析対象物質、32…基準物質、33…バインダ、34…ブレイクダウン領域、35…試料固定皿

Claims (18)

  1. 元素分析すべき分析対象物質と既知濃度の特定元素を含有する基準物質とを所定の割合で混合した試料にパルスレーザ光を照射し、前記照射によって発生するプラズマから放出される蛍光の強度を測定し、前記蛍光のうち前記特定元素から放出される特定の発光ラインの強度に基づき前記蛍光の強度を補正することによって、前記分析対象物質を構成する元素およびその含有量を求めることを特徴とする元素分析方法。
  2. 前記基準物質に含まれる特定元素は、リチウムあるいはナトリウムであることを特徴とする請求項1に記載の元素分析方法。
  3. 元素分析すべき分析対象物質にパルスレーザ光を照射し、前記照射によって発生するプラズマから放出される蛍光の波長と強度を測定することによって、前記分析対象物質を構成する元素およびその含有量を求める元素分析方法において、
    前記元素分析すべき分析対象物質に前記プラズマの発生を安定させるプラズマ安定化物質が混合した試料を用い、前記試料にパルスレーザ光を照射して発生するプラズマから放出される蛍光の強度を測定し、前記分析対象物質を構成する元素およびその含有量を求めることを特徴とする元素分析方法。
  4. 前記プラズマ安定化物質は、ホウ素であることを特徴とする請求項3に記載の元素分析方法。
  5. 前記試料は、粉体状の前記分析対象物質と前記基準物質とがバインダにより固化されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の元素分析方法。
  6. 前記プラズマ安定化物質は、その粒径が100μmを超えないことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか一項に記載の元素分析方法。
  7. 前記試料をヘリウム雰囲気におき、前記パルスレーザ光の照射をすることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の元素分析方法。
  8. 前記プラズマ安定化物質を前記分析対象物質と所定の割合で混合し、前記試料にパルスレーザ光を照射して発生するプラズマから放出される蛍光のうち、前記プラズマ安定化物質中の特定元素から放出される特定の発光ラインの強度に基づき前記蛍光の強度を補正することによって、前記分析対象物質を構成する元素およびその含有量を求めることを特徴とする請求項3ないし7のいずれか一項に記載の元素分析方法。
  9. 前記試料にパルスレーザ光を照射して発生するプラズマから放出される蛍光のうち、前記プラズマ安定化物質から放出される異なる2波長の発光ラインの強度に基づき前記プラズマ温度を算出し、前記プラズマ温度に基づき前記分析対象物質から放出される蛍光強度を補正することによって、前記分析対象物質を構成する元素およびその含有量を求めることを特徴とする請求項3ないし7のいずれか一項に記載の元素分析方法。
  10. 既知濃度の特定元素を含有する基準物質を前記試料に添加し、前記基準物質の添加された試料にパルスレーザ光を照射して発生するプラズマから放出される蛍光のうち、前記基準物質から放出される異なる複数の発光ラインの強度に基づき前記プラズマ温度を算出し、前記プラズマ温度に基づき前記分析対象物質から放出される蛍光強度を補正することによって、前記分析対象物質を構成する元素およびその含有量を求めることを特徴とする請求項3ないし7のいずれか一項に記載の元素分析方法。
  11. 前記分析対象物質の分析対象とする元素が一定量に含有されている標準試料に前記パルスレーザ光を照射し、前記照射によって発生するプラズマから放出される蛍光強度と比較することにより、前記試料中の前記分析対象物質の含有量を定量することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載の元素分析方法。
  12. 前記分析対象物質の分析対象とする元素を前記試料に一定量に添加し、前記添加した試料に前記パルスレーザ光を照射し、前記照射によって発生するプラズマから放出される蛍光強度と比較することにより、前記添加がされていない試料中の前記分析対象物質の含有量を定量することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載の元素分析方法。
  13. 元素分析すべき分析対象物質と、既知濃度の特定元素を含有する、基準物質あるいはプラズマの発生を安定させるプラズマ安定化物質と、を所定の割合で混合した試料を保持する分析セルと、
    パルスレーザ光を発生するレーザ発振器と、
    前記パルスレーザ光を前記試料に集光照射する光学系と、
    前記試料が前記パルスレーザ光を受けて生成するプラズマから放出される蛍光を検出する第1の蛍光検出手段と、
    前記プラズマ中の前記特定元素から放出される蛍光を検出する第2の蛍光検出手段と、
    前記第1の蛍光検出手段により測定した蛍光の強度を、前記第2の蛍光検出手段により測定した蛍光の強度に基づき補正し、前記分析対象物質を構成する元素およびその含有量を求める演算処理手段と、
    を有することを特徴とする元素分析装置。
  14. 元素分析すべき分析対象物質と、既知濃度の特定元素を含有する基準物質、あるいはプラズマの発生を安定させるプラズマ安定化物質と、を混合した試料を保持する分析セルと、
    パルスレーザ光を発生するレーザ発振器と、
    前記パルスレーザ光を前記試料に集光照射する光学系と、
    前記試料が前記パルスレーザ光を受けて生成するプラズマから放出される蛍光を検出する第1の蛍光検出手段と、
    前記第1の蛍光検出手段により測定した前記基準物質から放出される異なる複数の発光ラインの強度、あるいは前記プラズマ安定化物質から放出される異なる複数の発光ラインの強度に基づき前記プラズマの温度を算出し、前記プラズマ温度に基づき前記分析対象物質から放出される蛍光強度を補正して、前記分析対象物質を構成する元素およびその含有量を求める演算処理手段と、
    を有することを特徴とする元素分析装置。
  15. 前記分析セル内をヘリウムガスの雰囲気にするガス置換手段を備えていることを特徴とする請求項13又は14に記載の元素分析装置。
  16. 元素分析すべき試料にパルスレーザ光を照射し、前記照射によって発生するプラズマから放出される蛍光の波長と強度を測定することによって、前記試料を構成する元素およびその含有量を求めるレーザ誘起ブレイクダウン分光測定の分析試料作成方法であって、
    元素分析する分析対象物質と、既知濃度の特定元素を含有する基準物質あるいは前記プラズマの発生を安定させるプラズマ安定化物質とを調合しプレス加工により圧縮固化して前記試料を作成することを特徴とする分析試料作成方法。
  17. 前記分析対象物質と、前記基準物質あるいは前記プラズマ安定化物質と、バインダとを粉末状に粉砕し混合し、プレス加工により圧縮固化して前記試料を作成することを特徴とする請求項16に記載の分析試料作成方法。
  18. 前記プレス加工において、前記分析対象物質、前記基準物質あるいは前記プラズマ安定化物質、前記バインダを混合したものを、0.1mm〜0.2mm厚の銅板で挟んで圧縮固化することを特徴とする請求項16又は17に記載の分析試料作成方法。
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