JP2007002526A - フィルター装置およびその洗浄方法 - Google Patents

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貴彦 寺田
Hiroshi Onishi
宏 大西
Yuka Okada
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Katsumi Tomita
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Abstract

【課題】 排水中のつまりの原因となる汚れ物質を除去し、除去した汚れ物質を廃棄したり、清掃したりする手間を省くとともに、ヌメリやカビなどの発生を防止することのできるフィルター装置およびその洗浄方法を提供する。
【解決手段】 (1)酸化性物質を含む酸化水が流入する排水口を有し、流入した前記酸化水の少なくとも一部を貯蔵するトラップ、(2)前記トラップ内に収容された、有機物の少なくとも一部を捕捉するためのストレーナー、(3)前記トラップ内の前記酸化水を加熱する加熱手段、(4)前記トラップの排水口を閉じるトラップ蓋、(5)前記トラップと外部下水配管とを繋ぐ排水管、および(6)前記トラップ内に前記酸化水を供給する酸化水供給手段を備えるフィルター装置。このフィルター装置においてはストレーナーに捕捉された有機物が酸化水とともに加熱され除去される。
【選択図】図2

Description

本発明は、洗面所、浴室や台所の流し台等の排水口に設置して、毛髪や石鹸カス等のごみの流出を防止すると共に、これらごみを分解可溶化により除去して再生を行うことができる排水口用フィルター装置およびそのフィルター装置の洗浄方法に関する。
通常、浴室、洗面、台所流し台などで生じる排水は、排水トラップ及び排水管を通して、そのまま下水道等へ排出されている。しかし、毛髪、埃などの水に不溶性で大きさが数十ミクロン以上のごみは、排水トラップや排水管に詰りやすい。このようなごみが排水トラップや排水管に詰まることにより、排水能力が低下して水が溢れたり、漏水したりする。さらには、カビやヌメリが発生し、不衛生になり、悪臭の原因ともなる。そのような汚れやごみを取り除くために、従来から、例えば、浴室の排水口などに、図1に示されるような、目皿やストレーナーを含むフィルター装置が設置されている。
図1のフィルター装置は、浴室床面2に設けられた化粧ふた1、その下方に設けられたストレーナー3およびトラップ5を備える。トラップ5は、封水筒4を備える。また、トラップ5には、排水管6が接続されている。
しかし、目皿やストレーナーにしても、髪の毛、石鹸クズ、唾等のゴミや汚物がたまったら、定期的にそれを掃除する必要がある。しかしながら、毛髪や唾液などは、ストレーナーにからみついてしまって掃除がしにくいことがある。また、ヌメリなどは簡単に除去できないことがある。
さらには、排水口のごみは非常に汚く感じるもので、それが掃除しにくいものであれば、余計に嫌悪感を感じるものである。自分の家庭内ならともかく、不特定多数の人が使用するホテル、会社、学校などでは、掃除を行うことに非常に抵抗があるという問題がある。
その対策の1つとして、排水中のごみを、そのごみを捕捉したフィルターとともに家庭用ゴミや可燃物ゴミとして廃棄する方法がある。例えば、使い捨て可能で安価で、可燃性であり、かつ濾過及びフィルタリングの機能に優れている、排水口用の簡易フィルターが提案されている(特許文献1参照)。
別の対策としては、トラップ内を浄化する方法がある。例えば、微生物浄化によりトラップ内の汚廃物を分解処理することのできる水垢処理機が提案されている(特許文献2参照)。
なお、配管の構造を詰まりにくい構造にして、ストレーナーなどを設置することなく、排水を下水道等にそのまま流すことも考えられる。
特開平7−300889号公報 特開平8−229585号公報
しかしながら、特許文献1に記載される技術においては、簡易フィルターにより、汚れなどが簡易に取れるにしても、定期的に清掃、交換することが必要であること、ぬめりなどが発生するためにその交換時において不衛生であること、特に簡易フィルター以外のストレーナーなどの構成部材は交換されないため、ヌメリ、カビなどが発生し、定期的に清掃する必要があるという欠点がある。
特許文献2に記載される技術においては、水垢などは処理できるが、髪の毛など固形物は処理することができないため、定期的にそれらを取り除く必要がある。また、処理できない髪の毛などの固形物に石鹸カスなどが集まり、それらが微生物の栄養源となって、ヌメリ、カビ、悪臭などが発生する場合がある。
また、排水をそのまま流すことは、汚水処理の末端にある浄化設備に多大の負担をかける結果となっている。特に毛髪の場合は、バッキ処理等をしても消滅せず、浄化設備の回動部分に付着して、設備の故障につながるケースが多い。
そこで、本発明は、排水中のつまりの原因となる汚れ物質を除去し、除去した汚れ物質を廃棄したり、清掃したりする手間を省くとともに、ヌメリやカビなどの発生を防止することのできるフィルター装置を提供することを目的とする。
本発明は、
(1)酸化性物質を含む酸化水が流入する排水口を有し、流入した酸化水の少なくとも一部を貯蔵する(容器状の)トラップ、
(2)トラップ内に収容された、有機物の少なくとも一部を捕捉するためのストレーナー、
(3)トラップ内の酸化水を加熱する加熱手段、
(4)トラップの排水口を閉じるトラップ蓋、
(5)トラップと外部下水配管とを繋ぐ排水管、および
(6)トラップ内に酸化水を供給する酸化水供給手段を備えるフィルター装置に関する。
ここで、有機物とは、生ごみ、皮膚、石鹸カス、糸くず、紙くず、毛髪、およびカビやヌメリなどの微生物由来成分からなる汚れなどを含む。
上記フィルター装置において、トラップにその貯蔵量以上に酸化水が流入した場合に、酸化水を排水管へと流す排水機構をさらに備えることが好ましい。
上記フィルター装置において、酸化水供給手段が、酸化性物質を含む電解水を供給する電解水供給手段であることが好ましい。
上記フィルター装置において、電解水供給手段が、陽極室、陰極室、および陽極室と陰極室との間に配置される隔膜を含む電解槽と、陽極室に配置される陽極と、陰極室に配置される陰極と、陽極と陰極との間に通電する通電手段と、陽極室で生成した陽極水と陰極室で生成した陰極水とを混合して、電解水を調製する混合手段と、混合手段で調製された電解水のpHを調節する電解水用pH調整手段と、トラップ内からの逆流を防止しながら、電解水を送液する送液手段とを備えることが好ましい。
上記フィルター装置は、トラップ内の酸化水を中和するための中和手段をさらに備えることが好ましい。
また、本発明は、
(a)内部にストレーナーを備えるトラップに、トラップの排水口から酸化性物質を含む酸化水を流入して、ストレーナーと酸化水とを接触させる工程、
(b)トラップの排水口をトラップ蓋で閉じる工程、
(c)トラップ内の酸化水を加熱手段で加熱する工程、および
(d)加熱後の酸化水の温度が低下した後に、排水口からトラップ蓋を除き、トラップから酸化水を排出する工程を含むフィルター装置の洗浄方法に関する。
上記洗浄方法において、工程(c)における所定温度が150℃以下であることが好ましい。
上記洗浄方法において、酸化水は、少なくともハロゲン塩を含んだ水を電気分解して生成した電解水であることが好ましい。
上記洗浄方法の工程(a)において、酸化水のpHが5.8以上であることが好ましい。
本発明のフィルター装置によれば、ストレーナーに捕捉された排水管のつまりの原因となる有機物(汚れ物質)を可溶化して、外部に排水することができる。このため、ストレーナーに捕捉された有機物を廃棄したり、ストレーナー等を清掃したりする手間を省き、また、ストレーナーやトラップにヌメリやカビなどの発生を防止することができる。
本発明のフィルター装置は、(1)酸化性物質を含む酸化水が流入する排水口を有し、流入した酸化水の少なくとも一部を貯蔵する(容器状の)トラップ、(2)トラップに収容された、有機物の少なくとも一部を捕捉するためのストレーナー、(3)トラップ内の酸化水を加熱する加熱手段、(4)トラップの排水口を閉じるトラップ蓋、(5)トラップと外部下水配管とを繋ぐ排水管、および(6)トラップ内に酸化水を供給する酸化水供給手段を備える。
以下、本発明のフィルター装置の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
実施の形態1
図2に、本発明の一実施形態に係るフィルター装置を示す。
図2のフィルター装置は、浴室床面より下方に取り付けられており、排水口を備えるトラップ13、トラップ13内に収容されたストレーナー12、トラップ13と外部下水配管とを繋ぐ排水管15、トラップ内の酸化水を加熱する加熱手段14、トラップの排水口を閉じるトラップ蓋11、およびトラップ内に酸化水を供給する酸化水供給手段(図示せず)を備えている。
ストレーナー12としては、トラップに流入した排水に含まれる有機物の少なくとも一部を捕捉することができるものが用いられる。このようなストレーナーとしては、種々のものを用いることができる。例えば、プラスチックや金属からなる網目状のものであってもよい。また、砂ろ過、一般ろ過、精密ろ過に使用されるろ材や膜を用いることもできる。形状も粉状、粒状、平状、管状、中空糸状などが使用できる。なお、そのストレーナーにより、ストレーナーのメッシュのサイズにもよるが、数mmから数ミクロンまでのサイズのごみや汚れがフィルトレーションされる。
本発明においては、少なくとも、有機物が付着したストレーナーが洗浄される。ストレーナーの浄化は、例えば、
(a)内部にストレーナーを備えるトラップに、トラップの排水口から酸化性物質を含む酸化水を流入して、ストレーナーと酸化水とを接触させる工程、
(b)トラップの排水口を、トラップ蓋で閉じる工程、
(c)トラップ内の酸化水を、加熱手段で加熱する工程、
(d)加熱後の酸化水の温度が低下した後に、排水口からトラップ蓋を除き、トラップから加熱後の酸化水を排出する工程を含む方法により行うことができる。
まず、排水口からトラップへの排水の流入が途切れた段階で、水に酸化性物質を混合した酸化水をトラップ13内に流入し、酸化水とストレーナーとを接触させる。このとき、ストレーナー全体が酸化水に浸り、そのストレーナーに捕捉された有機物と酸化水とが接している状態にあることが好ましい。
酸化水は、酸化水供給手段により、例えば、トラップの排水口から流し込んで、トラップ内へ供給することができる。また、酸化水供給手段とトラップとをつなぐ配管を設け、酸化水を酸化水供給手段からトラップ内に直接供給できるようにしてもよい。
本発明において、酸化水とは、酸化性物質を含む水のことである。酸化性物質としては、OHラジカル、オゾン、ペルオキシ二硫酸イオン、過酸化水素、過マンガン酸イオン、塩素、二クロン酸イオン、酸素、二酸化塩素、亜ハロゲン酸、次亜ハロゲン酸、次亜ハロゲン酸イオンなどが挙げられる。また、亜ハロゲン酸、次亜ハロゲン酸、次亜ハロゲン酸イオンのうちでも、亜塩素酸、亜臭素酸、亜ヨウ素酸、次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、次亜塩素酸イオン、次亜臭素酸イオン、次亜ヨウ素酸イオンが好ましく、酸化力の強さから、塩素または臭素を含むものが好ましい。これらは、単独で用いてもよいし、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。特に、酸化性物質は、次亜塩素酸および次亜塩素酸イオンのうちの少なくとも一方を含むことが好ましい。これらは、試薬としても簡易に入手することができ、また食塩水の電気分解によっても簡易に作製することができるからである。
酸化水は、酸化性物質を水に溶解することにより調製することができる。例えば、別に貯留していた過酸化水素(保存の容易さから希釈したもの)や液体塩素等を水に加えることにより、酸化水を作製することができる。また、亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム(高度さらし粉を含む)、過マンガン酸カリウム、ニクロン酸カリウムを水に加えて、イオン化させることにより、前述のイオン種を生成させることができる。さらには、亜塩素酸ナトリウムに塩酸を加えて二酸化塩素を発生させ、その二酸化塩素を水と混合することにより、酸化水を作製することもできる。また、酸化性物質を高濃度で含んだものを水に希釈することにより、酸化水を調製することもできる。
酸化水は、酸化水生成手段により作製してもよい。酸化水生成手段としては、酸化性物質を含んだ水を生成できるものであれば、どのようなものを用いてもよい。例えば、オゾン発生器を備えるものが挙げられる。このような装置では、オゾン発生器により発生させたオゾンが水と混合されて、酸化水が作製される。
酸化水をトラップに供給するために酸化水供給手段は、例えば、酸化水を保持するタンクと弁などから構成することができる。例えば、酸化水をその供給手段から排水口へ向けて注入し、トラップ内を酸化水で満たすことができる。
また、酸化水を保持するタンクから専用の配管を設けて流し入れてもよいし、酸化水をタンクからポンプにてトラップ内に送液してもよい。この場合、酸化水の供給量を制御することもできる。
また、酸化水供給手段は上記酸化水生成手段を備えていてもよい。
次に、トラップの排水口をトラップ蓋で閉じ、トラップ内の酸化水を加熱手段により加熱する。
ストレーナーに付着した有機物(汚れ成分)と酸化水とを接触させ、酸化水を加熱することにより、その有機物が酸化性物質により酸化され、その有機物の水への親和性が向上する。その水への親和性が増加した有機物は、加熱された水によって、容易に加水分解されるようになる。さらに、加水分解により有機物が低分子化されて、水に有機物が溶けたり、自ら液状となることで液化が進行する。
このような酸化(変性)および分解反応によって、有機物はストレーナーよりも水側へ展開されやすくなり、水の排出と共に除去され易くなる。また、有機物の少なくとも一部が液化することで、有機物の排水がより容易となる。
ここで、液化とは、有機物が変性および加水分解することによる、有機物のスラリー化、可溶化、液滴化をさす。
なお、有機物の液化の量が少なくても、有機物の少なくとも一部が低分子化されることにより、塊が粒状に、繊維状のものが短繊維となって、酸化水に分散して、その酸化水と共に排出される。
また、有機物が高分子量物であっても、酸化性物質による酸化により水への親和性が向上し、加熱された水によって容易に加水分解されるようになる。
また、上記のように、流入口をトラップ蓋で閉じることにより、加熱時におけるトラップ内の蒸気が浴室など使用者側へ気散または放散することを防止することが可能となる。排水管は密閉されないため、トラップ内は閉鎖系ではないために、トラップ蓋は高耐圧性である必要はない。しかしながら、発生したガス成分の蒸気が使用者側に流出がないように、トラップ蓋としては、パッキンなどを含んだかしめ式のフタであることが好ましい。さらには、トラップ蓋のかしめによって加熱が可能となる安全ロック機構を備えていることがさらに好ましい。
なお、排水がたまった排水管が凝縮機としての役割を果たすため、加熱によって生じる水蒸気などのガス成分は、トラップ内において還流状態となる。このため、トラップ内の水分が少なくなることを防止することができ、また発生したガス成分が多量に下水配管に流れ込むことを防止することができる。
次いで、有機物が溶解または分散した加熱後の酸化水が、その温度が低下した後に、トラップから排出される。加熱後の酸化水の排出は、例えば、トラップにその貯蔵量以上に酸化水を流入させた場合に、酸化水を排水管へと流す排水機構により行うことができる。例えば、図2に示すように、排水管としてU字状のものを用い、U字の湾曲部が上方となるように、トラップに接続する。このとき、その湾曲部の内側の空間の下部の位置が位置基準線16と同じになるようにトラップを配置する。トラップの位置基準線16まで酸化水を満たして加熱した後に、トラップ蓋を解放して、排水などの水を流入させる。サイホンの原理により、トラップ内の有機物が溶解等した酸化水を、排水管を通じて下水配管へと排水することができる。また、専用の配管を設けておき、その配管に加熱後の酸化水等を流入させて排水することができる。このとき、トラップ蓋を開けずに排水できるようにすることが可能である。
上記のように、加熱後の酸化水は、その温度が低下したのちに、トラップから排出される。このとき、例えば、下水道に排水する場合、酸化水の温度が、流入水の基準である45℃未満になってから排出することが好ましい。
本発明において、トラップ内に供給される酸化水のpHは5.6以上であることが好ましい。例えば、酸化水のpHの調節は、pH調節手段を用いて行うことができる。pH調節手段は、例えば、pH調節剤を含むタンクおよび弁などから構成することができる。
pHが5.6未満であれば酸化反応性が高すぎて、酸化開裂、分解などの副反応が起こりやすくなり、不溶性の不純物が発生して除去性が低下することがある。一方、pHが5.6以上であれば、有機物の酸化反応性が向上する。さらには、酸化によって生成する酸の溶解性が上がり、酸化反応が進みやすくなると共に、反応生成物の水和性がより高くなる。
また、酸化水のpHを5.6以上に調節する場合、分解しようとする有機物に接触した酸化水のpHを実測しながら、そのpHを調節することが好ましい。ただし、対象とする有機物の種類と量をあらかじめ限定しておくことで、接触時のpHを測定しなくとも添加する酸化水のpHを調整するのみで、酸化水のPHを5.6以上にすることも可能である。例えば、添加する酸化水のpH値と添加量を前もって調節しておき、有機物と接触した後に、酸化水が所定のpHとなるようにすることができる。
酸化水の有効塩素濃度は、100〜2000ppmであることが好ましい。有効塩素濃度が100ppm未満では、酸化力が不十分であり酸化する割合が低すぎて、蛋白質などの有機物同士の分子間力が水和力よりも大きく、有機物と水の反応性が向上しない場合がある。有効塩素濃度が2000ppmを超えると、酸化力は十分であるが副反応が盛んになる。このため、不溶性の不純物が発生して逆にこびりつきが大きくなることもあるし、トラップ等が大きく腐食されてしまうことがある。
酸化水の加熱温度は、40℃以上120℃以下であることが好ましく、40℃より高く120℃以下であることがさらに好ましい。加熱温度が40℃未満では、酸化性物質による有機物の酸化が十分でなく、よって有機物の水に対する親和性や加水分解性が向上しない、つまり、有機物の低分子化に必要な加水分解反応が不十分であり、有機物の液化が進行しないことがある。加熱温度が120℃を超えると、酸化による分解が起こりやすくなるとともに、分解された有機物の副反応が激しくなり、タールなどが生成し、ストレーナーやトラップからの汚れ除去性が低下することがある。また、前記のように、タールなどが発生するために、そのタール等による汚染も問題となる場合がある。さらに、高温耐圧施設が必要となり、安全性からも好ましくない。
加熱手段としては、トラップ内の酸化水を加熱できるものであれば特に限定されない。例えば、ジュール熱を用いた電気加熱装置、ガスや石油などの燃焼熱を用いた燃焼加熱装置、ヒートポンプ、誘導加熱装置などが考えられる。電気加熱などの接触加熱を採用する場合は、トラップの内壁に設置したり、投げ込みヒータのように配管をコイル状にしてトラップ内部の水に直接接触させたりして、加熱効率を高めることが好ましい。
さらに、加熱時のエネルギーロスを低下させるために、例えば、加熱手段として、ガラスウールなどの断熱材で外部を覆って断熱性をあげたものが特に推奨される。
また、上記フィルター装置に温度測定手段をさらに設け、その温度測定手段により加熱手段の加熱温度を制御してもよい。温度測定手段は、加熱時の耐圧性と化学的な耐性のあるものであればよく、例えば、表面がステンレスで覆われた熱電対を用いることができる。また、熱電対として、例えば、クロメル−アルメル合金、白金合金を用いることができる。
加熱後のトラップ内の酸化水は、酸性になっていることが多い。このため、フィルター装置は、加熱後の酸化水に中和剤を添加し、その酸化水のpHを中性付近に中和するための中和手段を備えていることが好ましい。中和剤としては、中和できるものであれば特に限定されるものではない。例えば、チオ硫酸ナトリウム、苛性ソーダ、消石灰等、またはそれらの水溶液、あるいはアンモニア水などが挙げられる。上記中和手段は、例えば、中和剤を収容するタンクと弁などから構成することができる。
加熱後の酸化水の中和は、酸化水のpHを実測し、中性に変化することを確認しながら行うことが好ましい。例えば、加熱後の酸化水を下水道へ流入することができるように、そのpHを下水道への流入基準であるpH5.6〜8.6に調整することが好ましい。
なお、加熱後にトラップの内容物を排出したあとで、雑菌が繁殖しないように、上記加熱手段を用いてトラップの内部を乾燥させてもよい。
以上のように、本発明により、ストレーナーに捕捉されたごみや毛髪等、ストレーナー等に生じたカビやヌメリなどの微生物由来成分などからなる汚れ等を、分解可溶化して除去することができる。
また、トラップ13、トラップ13に接続された排水管などは、有機物と酸化性物質の加熱状態で酸やアルカリなどに対して十分な耐久性を有する材料で構成されることが好ましい。この構成材料としては、加熱時または有機物の液化後による腐食をできるだけ避ける材料が用いられる。例えば、トラップ、配管材の少なくとも液化した液が接触する面は、SUS304やSUS316などのステンレス鋼、ハステロイやインコネルなどの耐熱性合金、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー(PFA)などのフッ素樹脂、あるいは硬質の塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、シンジオタクチックポリスチレンなどから構成されることが好ましい。
なお、上記のように、ストレーナーとしては、種々のものを用いることができる。例えば、ストレーナーは、上記のような材料からなる網目状のものであってもよい。
また、加熱後の酸化水を45℃未満になってから排出する場合には、排水管等に、風呂周りで活用している硬質塩ビ、塩ビライニング鋼管などを使用でき、フィルター装置を安価に構成できる。
実施の形態2
本発明において、酸化水は、ハロゲン化物塩のような電解質を含む水を電気分解して得られる電解水であってもよい。ここで、電解水とは、電解質を含む水溶液を電解することにより得られる酸化性物質を含む水のことをいう。この電解水は、例えば、電解水供給手段を用いて作製することができる。この電解水供給手段を備えるフィルター装置を、図3を参照しながら説明する。
図3に、本発明の別の実施形態に係るフィルター装置を示す。図3において、図2と同じ構成要素には、同じ番号を付している。
図3のフィルター装置においては、図2のフィルター装置に、電解水供給装置が酸化水供給装置の代わりに加えられている。
電解水供給手段は、電解水生成手段17とトラップ内からの逆流を防止しながら、電解水を送液する送液手段18とからなる。電解水生成手段は、酸化性物質を含んだ電解水を作製することができるものを限定することなく用いることができる。例えば、電解水生成手段としては、陽極室、陰極室、陽極室と陰極室との間に配置される隔膜を含む電解槽と、陽極室に配置される陽極と、陰極室に配置される陰極と、陽極と陰極との間に通電する通電手段と、陽極室で生成した陽極水と陰極室で生成した陰極水とを混合して、電解水を調製する混合手段と、混合手段で調製された電解水のpHを調節する電解水用pH調整手段とを備えるものが挙げられる。
液送手段18としては、逆止弁、あるいは逆止弁とポンプとの組み合わせ等を用いることができる。
また、電解水には、電気分解により陽極近傍に生成する陽極水、陰極近傍に生成する陰極水、陽極水と陰極水を合わせた両極水がある。隔壁や電解液の種類を変更したり、上記混合手段や電解水用pH調節手段を用いることにより、酸性水、微酸性水、電解次亜水、アルカリ水などの電解水を調製できる。例えば、水道水を電気分解することによって、薬剤などを添加することなく、酸化性物質、例えば、次亜塩素酸、過酸化水素を含有する水を作製できる。この場合、pHが、薬剤を添加することなく調整可能であるため、取り扱いが容易となり、特に推奨される。
電解水を調製する場合には、上記のように残留塩素のある水道水のみを電解してもよいが、酸化性物質量を増加させるために、水または水道水等にハロゲン塩を投入し、それを電解することが好ましい。ハロゲン塩としては、塩化物、臭化物、フッ化物であればいいが、特に、NaCl、KClは、イオンへの解離も高く、取り扱いも容易であり、特に推奨される。
水または水道水等へのハロゲン塩の投入は、例えば、塩供給手段を用いて行うことができる。塩供給手段は、例えば、塩供給タンクと塩供給ポンプとから構成することができる。塩供給タンクに塩化ナトリウム水溶液を蓄えておき、塩供給ポンプによって、その塩化ナトリウム水溶液を、水または水道水等を含む電解槽に必要量加えることによって、塩を供給することができる。
塩供給ポンプの塩化ナトリウム濃度は高い方が好ましい。その方がポンプによる少量の添加で、水または水道水等における電解質濃度を上げることができる。また、塩供給タンクにおいては、水に溶解しきれない過剰量の塩化ナトリウムと、水とを供給しておき、その上澄みを、電解槽にポンプで供給してもよい。
電解槽への水の供給は、例えば、水供給手段により行うことができる。水供給手段は、電解時に必要な水の量を電解水生成手段に供給できれるものであればよい。水供給手段の例としては、例えば、一度に使用する以上の水の量を一時的に保持するタンクと弁などからなるもの、上水を接続され必要に応じて水を供給する電磁弁からなるもの等が挙げられる。
上記電解槽としては、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの樹脂で構成したものを用いることができる。配管には、硬質塩ビ管などを用いることができる。
隔膜としては、セラミック、樹脂、ガラス繊維などからなるものを用いることができる。例えば、隔膜として、ポリエステル、ガラス繊維の不織布に0.2〜200μmの孔径の樹脂皮膜をつけて親水性としたものを使用できる。
電極の材料としては、電気分解反応の用途で通常用いられる材料、例えば、表面に、ルテニウム、イリジウム、白金、パラジウム、ロジウム、錫またはこれらの酸化物あるいはフェライトを有する材料を用いることが好ましい。例えば、電極そのものがこれらの物質で構成されていてもよい。または、電極の基材の表面が、上記材料で被覆されていてもよい。ルテニウム、イリジウム、白金、パラジウム、ロジウム、錫は、単体であってもよいし、酸化物であってもよい。これらの金属の合金も好適に用いられる。合金としては、例えば、白金−イリジウム合金、ルテニウム−錫合金、ルテニウム−チタン合金などが挙げられる。上記材料等は、耐食性に優れており、陽極として用いる場合に優れた不溶性を示す。
塩素発生用の電極としては、更に不溶解性、電解水質の安全性、逆電圧洗浄時の耐久性が要求される。このため、特に、パラジウム、ルテニウム、白金とイリジウムとの合金を主成分とする材料からなる電極が好ましい。
なお、陰極としては、特に厳しい不溶性が要求されないため、例えば、ステンレス、炭素鋼、チタン又はチタン合金、ハステロイ、インコネル等のニッケル合金などの材料からなるものを用いることができる。
電気分解は、例えば、電圧は5〜50V、電流は電極表面積あたり0.5〜600A/m2の条件で実施することが好ましい。なお、電流密度が600A/m2より高い場合には、陽極の表面が剥離したり、溶出し易くなる場合がある。電流密度が0.5A/m2より低い場合には、陽極の面積を大きくする必要があり、小型化が困難となる場合がある。
上記のように、酸化水としては、電極の間に隔膜で仕切って、陽極水と陰極水を別個に取り出して陽極水だけを用いた強酸性電解水または若干の陰極水を追加して酸性電解水に調整したものなど、混合のバランスを変化させた電解水を用いることができる。また、電解槽の隔膜をなくして、電気分解を行うことにより生成される弱酸性電解水を酸化水として用いることもできる。
なお、塩素を含む塩を溶解した水を電解した場合、少なくとも陽極側の電解水には、次亜塩素酸が多く含まれる。
電解水の場合にも、その有効塩素濃度は、100〜2000ppmであることが好ましい。これは、上記と同様の理由による。
上記実施の形態1と同様に、本実施形態においても、トラップ内に供給された酸化水のpHを5.6以上にできるように、pH調節手段を備えていてもよい。なお、本実施形態の場合、陽極水と陰極水の混合比を調節することにより、電解水のpHをあらかじめ設定することができる。
また、本実施形態において、トラップからの電解水の排出は、電解水供給手段からトラップへ電解水を注入する配管から水を流入させ、トラップ内の電解水を外部へ排出させることもできる。
また、上記実施の形態1と同様に、フィルター装置に、加熱後の電解水を中和するための中和手段を設けてもよい。本実施形態においては、中和剤として、電解水生成手段の陰極側で生成されたアルカリ性の水を用いることができる。なお、作製したアルカリ性の水が残っていた場合は、そのアルカリ性の水を一時的に保存し、それを中和剤として使用することもできる。
以下、本発明のフィルター装置について、実施例に基づいて説明する。なお、以下の実施例は、本発明の一実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
図2に示すフィルター装置を用いて実験を行った。
トラップ13およびトラップ蓋11としては、ステンレス製のものを用いた。トラップの内容積は120mlであった。ストレーナー12としては、SUS製メッシュを用いた。ストレーナーの開孔の大きさは500ミクロンであった。トラップの側面をバンドヒータ14で覆い、トラップ内を外部から加熱できるようにした。また、トラップに接続される排水管15としては、硬質の塩化ビニル製でU字型のものを用いた。排水管15は、U字の湾曲部が上方となるように、トラップに接続した。このとき、その湾曲部の内側の空間の下部の位置が位置基準線16と同じになるようにした。
実験において、50mmから100mmの長さの毛髪1.0gを水1Lに分散させたものを排水として用いた。
トラップ蓋11を外して、トラップを開放した状態で、この排水を、排水口からトラップ内に注入した。その結果、毛髪はストレーナーに捕捉され、トラップから排出され排水管に流入した排水には毛髪は認められなかった。
次に、有効塩素濃度が2000ppm、pH10の次亜塩素酸ナトリウム水溶液150mlを酸化水として、酸化水供給手段により排水口からトラップに注ぎ入れた。この後、排水口をトラップ蓋11で閉じた。
トラップ内に注ぎ入れられた酸化水は、トラップ13内にもともと存在する水で希釈され、酸化水の有効塩素濃度は1000ppmとなり、pHは9.5となっていた。
次に、トラップ内の酸化水を、バンドヒーターで80℃まで加熱した。なお、トラップ内には熱電対(図示せず)が設置されており、その熱電対によりバンドヒーターを制御した。
加熱の開始から1時間後に加熱を止め、加熱後の酸化水の温度を40℃以下に低下させた。この後、排水口からトラップ蓋を取り除き、水1Lを注ぎ入れ、トラップ内の水を排出した。ストレーナー上には、わずかな固形物がわずかに残っているのみであった。この固形分を回収し、水分をふき取り、その重量を計測したところ、0.15gであった。殆どの毛髪が分解され、排水されたことがわかった。
実施例1と同様にして、毛髪をストレーナー上に捕捉させた。毛髪がストレーナーに捕捉された状態で、1週間放置したところ、ストレーナーには、黒カビおよびヌメリが発生していた。
次に、実施例1と同様にして、酸化水を注ぎ入れ、加熱して処理したところ、ストレーナー上には、わずかな固形物を残すだけで、黒かびやヌメリは消失していた。この固形分を回収し、水分をふき取って、その重量を計測したところ、0.14gであった。殆どの毛髪が分解して排水されたことがわかった。
実施例1と同様の手順で実験を行った。本実施例では、毛髪を含有する排水の代わりに浴槽水を用いた。浴槽水には、トリグリセリドなどの皮脂成分と、洗剤成分により生成した脂肪酸エステル塩とが主成分として含まれている。そのほか、浴槽水の濁りの原因となる微生物が存在している。また、アミノ酸やNaClなどの成分も浴槽水に溶解している。
このような浴槽水を、トラップ内に通水した。その結果、トラップからは、濁りや沈降物のない処理水が排出された。
次に、pH7、有効塩素濃度1,500ppmの酸化水150mlを、酸化水供給手段により排水口からトラップ内に通水した。その後、トラップ蓋11を閉じて、トラップの内容物を、バンドヒーターで100℃で2時間加熱した。加熱後の酸化水の温度を40℃以下に低下させた後に、排水口からトラップ蓋11を除去し、排水口を開放して、水1Lを注ぎ入れて、加熱後の酸化水をトラップから排出した。ストレーナー上には、固形物がわずかに残るだけであった。トラップから排出された排水からは、有機酸などが検出され、トラップ内部の有機物が、上記処理によって分解され、トラップから排出されたことがわかった。
以上のように、ストレーナーは洗浄されており、再度有機物を含む排水を、トラップに通水しても、初期と同様の処理水を得ることができた。また、浴槽水に含まれる汚れは、上記処理により分解され可溶化されているために、従来の浄化施設や下水施設による生物酸化処理における処理性も向上している。よって、排水への負荷も低減することができる。
実施例1と同様に、図2に示すフィルター装置を用いて実験を行った。
本実施例においても、50mmから100mmの長さの毛髪1.0gを水1Lに分散させたものを排水として用いた。
トラップ蓋11を外して、トラップを開放した状態で、この排水を、排水口からトラップ内に注入した。その結果、毛髪はストレーナーに捕捉され、トラップから排出され排水管に流入した排水には毛髪は認められなかった。
トラップ内のストレーナーに毛髪が捕捉された状態を基準状態とし、pHおよび有効塩素濃度が異なる酸化水をトラップに注ぎ、所定の温度で、所定の時間の間、加熱した。このとき、pH、有効塩素濃度、温度および時間の4つを制御因子として、それぞれ3水準ずつ変動させた。L9(34)の直交によって、各因子を9種類に交互作用させた9実験を行った。それぞれの実験手順は、次の通りである。
先の基準状態のトラップに、pHと有効塩素濃度とが異なる次亜塩素酸ナトリウム水溶液200mlを酸化水として、酸化水供給手段により注ぎ入れて、トラップ蓋11を閉じた。注ぎ入れられた酸化水は、トラップ内にもともと存在する水で希釈された。その結果、トラップ内の酸化水の有効塩素濃度およびpHが変化した。
次に、トラップ内の酸化水を、ヒータを用いて加熱した。トラップ内には、熱電対(図示せず)が設置されており、その熱電対により、バンドヒーターの制御を行った。
所定の時間の後、加熱を止め、トラップの内容物を40℃以下に冷却した。その後、排水口からトラップ蓋11を除去して、排水口を開放し、その排水口から水1Lを注ぎ入れて、トラップ内の内容物をトラップから排出した。ストレーナー上には、固形物がわずかに残るのみであった。この固形物を回収し、水分をふき取って、その重量を計測した。基準状態における固形分の重量に対する処理後の固形物の重量の割合を百分率で表した値を可溶化率として算出した。
表1に、各実験における制御因子の水準および可溶化率を示す。また、表1から各制御因子の誤差分散とSN比を算出し、各制御因子の可溶化率に対する要因効果を調べた。得られた結果を表2に示す。
Figure 2007002526
Figure 2007002526
誤差分散から計算されるSN比が大きいほど、可溶化率を向上させるのには好ましいことが知られている。表2の結果から、pHと温度が、毛髪のような有機物の可溶化に最も寄与する因子であることがわかる。
表2に示されるように、酸化水のpHは5.8以上であること、つまり中性から塩基性であることが好ましい。
また、酸化水の温度を変化させた場合、その加熱温度が150℃の場合、最も可溶化率が高くなった。この結果は、150℃を超える高温では、有機物が加水分解して生成したアミノ酸などの低分子化合物が更に副反応を起こして不溶物を形成することを示している。よって、加熱温度は150℃以下であることが好ましい。
さらに、表2の結果から、有効塩素濃度が大きいほど可溶化率が向上していることがわかる。このことは、次亜塩素酸や次亜塩素酸イオンによる酸化反応によって有機物の水への親和性が向上し、有機物が加水分解されやすくなり、その可溶化率が高くなることを示している。また、加熱時間は、短時間ほど好ましい。これは、可溶化率を低下させる副反応が存在することを示している。よって、加熱時間は30分以内であることが好ましい。
図3に示すフィルター装置を用いて実験を行った。
トラップ13およびトラップ蓋11としては、ステンレス製のものを用いた。トラップの内容積は120mlであった。ストレーナー12としては、SUS製メッシュを用いた。ストレーナーの開孔の大きさは500ミクロンであった。
トラップの側面をバンドヒータ14で覆い、トラップ内部を外部から加熱できるようにした。
トラップに接続される排水管15としては、硬質の塩化ビニル製でU字型のものを用いた。排水管15は、U字の湾曲部が上方となるように、トラップに接続した。このとき、その湾曲部の内側の空間の下部の位置が位置基準線16と同じになるようにした。
実験においては、50mmから100mmの毛髪1.0gを水1Lに分散させたものを排水として用いた。
トラップ蓋11を外して、トラップを開放した状態で、この排水を、排水口からトラップ内に注入した。その結果、毛髪はストレーナー上に捕捉され、トラップから排出され排水管に流入した排水には毛髪は認められなかった。
次に、電解水生成手段17に0.1重量%の食塩水を入れ、電解槽に設置された陽極および陰極間に直流電流を通電して、その食塩水を電気分解した。その結果、pH7.0、有効塩素濃度1000ppmの酸化水が生成した。150mlの酸化水を電解水生成手段からトラップ内に送液した。次に、トラップ内部を120℃で30分加熱した。その後、加熱を止め、40℃以下になるまで放置した。トラップ内部のストレーナーを通過した酸化水は少し茶褐色を帯びていた。
トラップ蓋11を開放して、水1Lを注ぎいれたところ、ストレーナー上には、わずかな固形物を残すだけであった。この固形分を回収し、水分をふき取って重量を計測したところ、0.25gであった。殆どの毛髪が分解して排水されたことがわかった。
本発明のフィルター装置は、有機物の浄化を低コストで行うことができ、また、その寿命を長くすることができる。また、エアコン、空気清浄機、クリーンルーム等のフィルターなどの浄化にも適応できる。
従来のフィルター装置の概略図である。 本発明の一実施形態に係るフィルター装置の概略図である。 本発明の別の実施形態に係るフィルター装置の概略図である。
符号の説明
1 化粧フタ
2 浴室床面
3 ストレーナー
4 封水筒
5 トラップ
6 排水管
11 トラップ蓋
12 ストレーナー
13 トラップ
14 ヒータ
15 排水管
16 位置基準線
17 電解水生成手段
18 液送手段



Claims (9)

  1. (1)酸化性物質を含む酸化水が流入する排水口を有し、流入した前記酸化水の少なくとも一部を貯蔵するトラップ、
    (2)前記トラップ内に収容された、有機物の少なくとも一部を捕捉するためのストレーナー、
    (3)前記トラップ内の前記酸化水を加熱する加熱手段、
    (4)前記トラップの排水口を閉じるトラップ蓋、
    (5)前記トラップと外部下水配管とを繋ぐ排水管、および
    (6)前記トラップ内に、前記酸化水を供給する酸化水供給手段
    を備えるフィルター装置。
  2. 前記トラップにその貯蔵量以上に前記酸化水が流入した場合に、前記酸化水を前記排水管へと流す排水機構をさらに備える請求項1に記載のフィルター装置。
  3. 前記酸化水供給手段が、電解水を供給する電解水供給手段である請求項1記載のフィルター装置。
  4. 前記電解水供給手段が、
    陽極室、陰極室、前記陽極室と前記陰極室との間に配置される隔膜を含む電解槽、
    前記陽極室に配置される陽極、
    前記陰極室に配置される陰極、
    前記陽極と前記陰極との間に通電する通電手段、
    前記陽極室で生成した陽極水と前記陰極室で生成した陰極水とを混合して、電解水を調製する混合手段、
    前記混合手段で調製された電解水のpHを調節する電解水用pH調整手段、
    前記トラップ内からの逆流を防止しながら、前記電解水を送液する送液手段
    を備える請求項4記載のフィルター装置。
  5. 前記トラップ内の前記酸化水を中和するための中和手段をさらに備える請求項1、3または4のいずれかに記載のフィルター装置。
  6. (a)内部にストレーナーを備えるトラップに前記トラップの排水口から酸化性物質を含む酸化水を流入して、前記ストレーナーと前記酸化水とを接触させる工程、
    (b)前記トラップの排水口を、トラップ蓋で閉じる工程、
    (c)前記トラップ内の酸化水を、加熱手段で加熱する工程、および
    (d)加熱後の前記酸化水の温度が低下した後に、前記排水口から前記トラップ蓋を除き、前記トラップから前記酸化水を排出する工程
    を含むフィルター装置の洗浄方法。
  7. 前記工程(c)における所定温度が150℃以下である請求項6に記載の方法。
  8. 前記酸化水が、少なくともハロゲン塩を含んだ水を電気分解して生成した電解水である請求項6に記載の方法。
  9. 前記工程(a)において、前記酸化水のpHが5.8以上である請求項6に記載の方法。
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