JP4944425B2 - 生ごみ処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、家庭、飲食店、病院、学校、食品工場などから廃棄される生ごみを処理するための生ごみ処理装置に関する。
家庭や飲食店から出される、いわゆる生ごみには、各種食材の調理屑や食べ残し等に由来するデンプン、蛋白質、油脂類、繊維類(例えば、セルロース)などの有機物が含まれている。可燃ゴミとして分別される廃棄物のうち、特に生ごみは水分が多い。このため、生ごみを焼却するのに必要なエネルギー量が多くなる。
また、生ごみの水分は、燃焼温度を低下させ、ダイオキシンの発生を誘発する。このため、ごみ焼却施設から発生するダイオキシンによる環境汚染が問題となっている。さらには、焼却ごみの最終埋め立て処分場の不足、埋め立て地からのダイオキシンの流出等も問題となっている。
そこで、生ごみを、焼却処分せずに、乾燥減量化したり、微生物を利用して分解したり、破砕したりする技術への関心が高まっている。
例えば、生ごみを粉砕し、そこに水を加えて、粉砕後の生ごみをスラリー状の流動物として排水管に排出するディスポーザーが、各個人が処理後の生ごみを取り出す必要が殆どないため、特に注目されている。一般に、ディスポーザーには、ディスポーザーを作動させてから、厨芥を連続的に投入し、粉砕する連続式のものと、予めディスポーザー内部に厨芥を貯めておき、一度の操作で厨芥を粉砕するバッチ式のものとがある。
前記いずれの方式のディスポーザーにおいても、スラリー状の流動体による排水管の詰まり等を防止するために、ディスポーザーの作動中あるいはその作動前後に、そのディスポーザーに水を流す必要がある。
この水の流量は、ディスポーザーの大きさや作動方式によっても異なるが、ディスポーザーを適切に作動させるためには、約6〜10リットル/分の流量が必要となる。そこで、粉砕後の生ごみが十分な流動性を有するのに十分な量の水を、自動的に供給して、粉砕後の生ごみの配管詰まりを防止することが提案されている(特許文献1参照)。また、配管に洗浄媒体を供給して、粉砕した生ごみの配管詰まりを防止することも提案されている(特許文献2参照)。
一方、オゾンや次亜塩素酸等の酸化剤の作用により、生ごみの分解を行う技術も提案されている。例えば、オゾンガスにより固液分離した生ごみの固形分を消臭するとともに、分離液中に含まれる有機物の一部を分解する方法が提案されている(特許文献3参照)。また、生ごみ等の還元性物質を、水ならびにハロゲン化物との共存下、100℃以下にて電気分解した後、100℃以上に加熱して、さらに電気分解を実施する方法も提案されている(特許文献4参照)。
特開平8−224494号公報 特開2001−79519号公報 特開平5−208186号公報 特開2000−229294号公報
しかしながら、特許文献1および2に記載される技術においては、生ごみの破砕そのものが困難である場合に、以下のような問題が生じる。
例えば、(1)生魚の皮、鳥の皮、イカの皮、メロンやスイカの皮、とうもろこしやたけのこなどの皮、枝豆のさや、とうもろこしやキャベツの芯、生のカボチャや大根などのような繊維質のもの、野菜などの大きな塊や芯は、粉砕処理しづらい。このため、これらは、数回に分けて投入したり、大きな塊を小さな塊に分割して投入したりする等の必要がある。よって、これらの処理には、手間がかかる。
(2)また、たくわん、鶏がら、魚の骨、ナスやピーマンなどのヘタ、スルメ、生のもち、ぶどうの枝、玉ねぎの皮等の処理には、時間を要する。
特許文献3に記載される技術において、酸化剤であるオゾンは、固形分を分解するためではなく、揮発性の臭気物質および分離液中に含まれる有機物の一部を分解するために用いられている。従って、固形分は別途排出する必要がある。特許文献3において、固形分は大きいままであるため、その固形分をそのまま流すと、配管詰まりのような問題が生じることとなる。
特許文献4に記載される技術は、電気分解の作用により、生ごみ中の有機物を二酸化炭素等へ完全に分解することを目的としている。有機物の完全分解には、膨大なエネルギーが必要となる。さらに、特許文献4では、有機物の存在下、高温で電気分解を実施することから電極の劣化が進行し、ランニングコストが増大する。一方で、下水道や生物処理槽が後段に配置されている場合には、有機物を完全に分解することは必要とされない。
そこで、本発明は、簡単な操作で、かつ効率的に生ごみを微細化して、しかも輸送配管などで生ごみのつまりが生じにくい生ごみ処理装置を提供することを目的とする。
本発明は、
(1)生ごみを投入する投入口を有し、生ごみおよび酸化剤を収容する処理槽と、
(2)処理槽に酸化剤を供給する酸化剤供給手段と、
(3)処理槽の投入口を閉じる蓋と、
(4)処理槽の内部を加熱する加熱手段と、
(5)処理槽内の収容物を破砕する破砕手段とを少なくとも備え、
酸化剤のpHを測定するpH測定手段と、酸化剤のpHを調節するpH制御手段をさらに備える生ごみ処理装置に関する。
なお、本発明において、生ごみとは、一般家庭やレストラン、食堂などで発生する食べ残し、調理くず等のことをいう。例えば、生ごみは、野菜、果物、肉、魚、穀物、飲料などを含む。このような生ごみは、デンプン、セルロースなどの多糖類、アルブミン、ケラチンなどの蛋白質、脂質、アミノ酸、糖類、有機酸、脂肪酸塩を栄養成分として含有する。また、そのような生ごみにおいて、一般に、有機物が約97%を占め、塩などの無機物が残りの3%を占める。
また、本発明において、収容物とは、上記生ごみおよび酸化剤を含む混合物をいう。
上記生ごみ処理装置において、処理槽は、破砕前および破砕後の収容物を排出する排出口を備えることが好ましい。
上記生ごみ処理装置が、(6)処理槽から排出された収容物を収容する破砕槽をさらに備え、破砕手段が破砕槽の内部に設けられていることが好ましい。
上記生ごみ処理装置において、破砕槽は、破砕後の収容物を排出する排出口を備えることが好ましい。
上記生ごみ処理装置は、処理槽の収容物の温度を測定する温度測定手段と、温度測定手段により得られる情報を用いて加熱手段を制御する加熱制御手段とをさらに備えることが好ましい。
上記生ごみ処理装置は、酸化剤供給手段が電解質を含む水を電解して電解水を生成する電解水生成部を有し、電解水生成部は、電解質を含む水を収容する電解槽、電解槽に配置された陽極および陰極、ならびに陽極と陰極との間に通電するための通電装置を具備することが好ましい。
上記生ごみ処理装置において、電解質は、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カルシウム、および臭化カリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
記pH制御手段は、電解水生成部の陰極近傍で生成した陰極水で前記酸化剤のpHを調整する手段であることが好ましい。
上記生ごみ処理装置は、処理槽の重量を検知する重量測定手段をさらに備えることが好ましい。
上記生ごみ処理装置は、蓋の開閉状態を検知する開閉検知手段をさらに備え、開閉検知手段からの情報を用いて、加熱制御手段が加熱手段を制御することが好ましい。
本発明の生ごみ処理装置により、酸化剤とともに加熱されて生ごみが軟化され、その加熱後の生ごみが破砕される。これにより、生ごみの粒子径がより小さくなると共に、水への親和性が向上する。また、生ごみが高分子量物であっても、酸化剤の酸化作用により水への親和性が向上することにより、加熱された水によって容易に加水分解されるようになる。このため、生ごみの水への溶解、あるいは水への分散が容易となる。また、処理後の生ごみは、水への分散性が高いため、生ごみを水と共に排出した場合でも、生ごみの沈降堆積やそれに伴う配管の閉塞が起こりにくくなる。
さらに、本発明の生ごみ処理装置を用いることにより、従来では破砕困難だった生ごみをも容易に破砕することができる。このため、生ごみを数回に分けて投入したり、大きな塊を小さな塊に分割して投入したりする手間を省くことができる。
そして、本発明の生ごみ処理装置は、酸化剤のpHを測定するpH測定手段と、酸化剤のpHを調節するpH制御手段をさらに備えることにより、酸化剤による酸化効果が大きくなるように制御できる。
まず、本発明の生ごみ処理装置について説明する。本発明の生ごみ処理装置は、生ごみの投入口を有し、生ごみおよび酸化剤を収容する処理槽、処理槽に酸化剤を供給する酸化剤供給手段、処理槽に設けられた生ごみの投入口を閉じる蓋、処理槽の収容物を加熱する加熱手段、および生ごみを粉砕する破砕手段とを少なくとも備える。
処理槽は、生ごみおよび酸化剤を収容する。処理槽において、生ごみが酸化剤とともに加熱されて、生ごみが軟化される。
処理槽において、生ごみが酸化剤とともに加熱される。従って、処理槽は、加熱状態で、酸化剤により腐食されにくく、圧力上昇に対して十分な耐久性を有する材料で構成されることが好ましい。このような材料としては、例えば、ステンレス鋼(例えば、SUS304やSUS316)、ハステロイやインコネル等の耐熱性合金、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やパーフルオロアルコキシアルカン(PFA)等のフッ素樹脂が挙げられる。
なお、処理槽全体が上記のような材料で構成されてもよい。また、少なくとも、処理槽の生ごみおよび酸化剤が接触する内面が、上記のような材料で構成またはコーティングされていてもよい。
生ごみと酸化剤を加熱する際、加熱により発生する水蒸気やガス等が外部に逃げないように、処理槽は、その内部を密閉空間とすることができることが好ましい。例えば、処理槽に設けられた投入口を閉じることができる蓋を生ごみ処理装置に設けることにより、処理槽を密閉できる。このとき、処理槽内の生ごみおよび酸化剤を、特に100℃以上で加熱する場合には、処理槽内の圧力が上昇する。このため、設けられる蓋は、高圧状態でも、処理槽を密閉できる耐圧性を有することが好ましい。
処理槽に設けられる投入口は、塊状の生ごみを投入できるように、できるだけ大きいことが好ましい。このため、投入口を閉じる蓋は、圧力鍋の蓋のような耐圧性の部材から構成されていることが好ましい。例えば、耐圧性の部材としては、処理槽と同様の材料により構成された蓋本体と、ステンレス合金やフッ素樹脂等の耐熱性の金属や樹脂からなるパッキンまたはOリングとからなるものが挙げられる。
さらに、処理槽は、内部の蒸気を逃がすための圧力調整弁を有することが好ましい。これにより、異常なガス発生で、処理槽の内圧が上がりすぎた場合でも、その圧力を逃がし、処理槽の破裂等を防ぐことが可能となる。つまり、圧力調整弁を設けることにより、安全性を向上させることが可能となる。なお、この圧力調整弁の耐圧は、処理槽の強度が保障されるよりも小さい値、例えば数MPa以下に設定することが好ましい。
酸化剤供給手段は、処理槽に酸化剤を供給する。酸化剤供給手段としては、例えば、酸化剤を収容するタンクと、酸化剤を排出する弁とからなるものが挙げられる。
酸化剤は、酸化性物質を含む。酸化性物質としては、例えば、オゾン、過酸化水素、亜ハロゲン酸、次亜ハロゲン酸、過マンガン酸イオン、塩素、重クロム酸イオン、酸素、二酸化塩素、次亜塩素酸イオンが挙げられる。亜ハロゲン酸としては、例えば、亜塩素酸、亜臭素酸、および亜ヨウ素酸が挙げられる。また、次亜ハロゲン酸としては、例えば、次亜塩素酸、次亜臭素酸、および次亜ヨウ素酸が挙げられる。また、酸化剤が、酸化性物質として、亜ハロゲン酸および次亜ハロゲン酸の少なくとも1種を含む場合、酸化力の強さから、亜ハロゲン酸としては、亜塩素酸または亜臭素酸が好ましく、次亜ハロゲン酸としては、次亜塩素酸または次亜臭素酸が好ましい。なお、酸化剤は、上記のような酸化性物質のうちの1種をのみを含んでいてもよいし、2種以上の酸化性物質を含んでいてもよい。
本発明において、上記のような酸化性物質を酸化剤としてそのまま使用してもよいし、上記酸化性物質を含む水を酸化剤として使用してもよい。
酸化性物質を含む水を酸化剤として用いる場合、その酸化剤は、例えば、酸化性物質を水に溶解するか、または酸化性物質を高濃度で含んだものを水に希釈することにより作製することができる。例えば、オゾン発生器により空気中に発生させたオゾンを水に投入したり、過酸化水素(保存の容易さから希釈したもの)や液体塩素を水に加えたり、亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム(高度さらし粉を含む)、過マンガン酸カリウム、または重クロム酸カリウムを水に加えることにより、酸化剤を含む水を作製することができる。また、亜塩素酸ナトリウムに塩酸を加えて二酸化塩素を生成させ、その二酸化塩素を水に溶解して得られた水溶液を、酸化剤として用いることもできる。
なお、上記のような酸化性物質には、第一類の危険物であるものが含まれる。このような酸化性物質は、危険物取扱者の免許を持った者が取り扱う必要があり、使用には注意を要する。
酸化剤は、処理槽に設けられた投入口から、酸化剤供給手段により処理槽内に供給してもよい。また、酸化剤供給手段と処理槽とを配管により接続し、その配管を通して、酸化剤を処理槽に供給してもよい。なお、酸化剤供給手段と処理槽とが配管により接続されている場合、酸化剤と生ごみの加熱時に処理槽内の圧力が外部に漏れないように、酸化剤供給手段は、例えば、酸化剤供給手段と配管との間に、処理槽を閉空間にすることができる開閉機構を備えることが好ましい。このような開閉機構としては、例えば、給湯器や化学プラントに使用される耐圧性の手動弁や電動弁を用いることができる。なお、その開閉機構は、酸化剤供給手段と処理槽とを繋ぐ配管の途中に設けられていてもよい。
さらに、酸化剤として、上記のような酸化性物質を含む電解水を用いることもできる。酸化性物質を含む電解水は、例えば、電気分解により酸化性物質を生成する電解質を溶解した水を電気分解することにより作製することができる。このような電解水は、上記酸化性物質を添加しなくとも、酸化性物質、例えば、次亜塩素酸、過酸化水素等を含有しているため、取り扱いが容易となる。このため、このような電解水は、本発明の生ごみ処理装置において使用する酸化剤として特に好ましい。
酸化性物質を含む電解水は、残留塩素を含む水道水のみを電気分解して作製することができる。電気分解される水にさらに電解質を溶解させることにより、電気分解をスムーズに行うことができる。電解質としては、例えば、ハロゲン塩、乳酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウムを使用することができる。これらのなかでも、電解水中の酸性物質の量を増加させることができるため、ハロゲン塩を電解質として用いることが特に好ましい。
ハロゲン塩を溶解させた水を電気分解すると、以下の式:
2X- → X2 + 2e- (1)
2 + H2O → HXO + HX (2)
に示されるように、陽極近傍にて、酸化性物質である塩素ならびに次亜ハロゲン酸が生成する。なお、上記式(1)および(2)において、Xは、F、ClまたはBrである。
ハロゲン塩としては、塩化物、臭化物、またはフッ化物が挙げられる。これらのなかでも、イオンへの解離度が高く、取り扱いも容易であるため、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、臭化ナトリウム、臭化カリウムおよび臭化カルシウムが特に好ましい。
本発明の生ごみ処理装置において、酸化剤として電解水を使用する場合は、電解水を別途作製し、その電解水を酸化剤供給手段に供給してもよい。あるいは、酸化剤供給手段が、少なくとも電解水を生成する電解水生成部を備えていてもよい。
電解水生成部は、例えば、上記電解質および塩素を含む水を収容する電解槽と、その収容された水に少なくとも一部が接触するように電解槽に配置された陽極および陰極と、陽極と陰極との間に通電するための通電装置とから構成することができる。なお、陽極と陰極との間には、隔膜が設けられていてもよいし、設けられなくてもよい。
陽極と陰極との間に隔膜が設けられた電解槽を備える電解水生成部を用いる場合、例えば、電解質を含む水に接触させた2つの極板間に、直流電圧を通電装置により印加することにより、電解水を得ることができる。このとき、陽極の近傍にて得られる強酸性の陽極水、陰極側にて生成した強塩基性の陰極水、または陽極水に陰極水を適宜混合したものを酸化剤として用いることができる。
なお、例えば、塩化ナトリウムを溶解した水を電気分解すると、少なくとも陽極水には次亜塩素酸が含まれる。
また、陽極と陰極との間に隔膜を有さない電解槽を備える電解水生成部を用いる場合、陽極近傍と陰極近傍の電解水が混合されるので、弱酸性の電解水を得ることができる。なお、電解質を含む水に予め酸などを加えておくことにより、電解槽が隔膜を有さない電解水生成部を用いても、強酸性の電解水を得ることが可能となる。
以上のように、隔膜の有無、また電解質を含む水に含まれる電解質の種類等を変化させることにより、例えば、酸性電解水、弱酸性電解水、電解次亜水、アルカリ水を生成することができる。
電解水生成部を構成する電解槽は、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エボナイト等の樹脂、陶磁器等の材料から構成することができる。また、例えば、ゴム、合成樹脂等で高絶縁ライニングした鉄槽を電解槽として用いてもよい。
電極の材料としては、電気分解反応の用途で通常用いられる材料、例えば、表面に、ルテニウム、イリジウム、白金、パラジウム、ロジウム、錫若しくはこれらの酸化物又はフェライトを有する材料を用いることが好ましい。電極そのものが、上記のような材料で構成されていてもよいし、電極の基材の表面が、上記のような材料で被覆されていてもよい。また、電極の材料としては、上記金属元素を含む合金も好適に用いられる。このような合金としては、例えば、白金−イリジウム合金、ルテニウム−錫合金、ルテニウム−チタン合金が挙げられる。上記金属および合金は、耐食性に優れており、陽極として用いる場合には、優れた不溶性を示す。
また、塩素発生用の電極としては、電解水への不溶解性、逆電圧洗浄時の耐久性等が要求される。このような電極としては、特に、パラジウム、ルテニウム、または白金とイリジウムとの合金からなるものが好ましい。
なお、陰極は厳しい不溶性が要求されない。このため、陰極としては、例えば、ステンレス鋼、炭素鋼、チタン又はチタン合金、あるいはハステロイ、インコネル等のニッケル合金からなるものを用いることができる。
隔膜としては、例えば、素焼き板(多孔性焼結体)、陶磁器、金網、有孔金属板、ガラス繊維不織布、親水性高分子膜(ポリエステル不織布)、イオン交換膜、ポリプロピレン不織布、塩化ポリエチレン膜、ポリテトラフルオロエチレン膜、フッ化ビニリデン膜、ポリオレフィン系樹脂膜、フレミオン膜、代用としてゴム、プラスチック材からなるものを用いることができる。例えば、隔膜としては、ポリエステルまたはガラス繊維からなる不織布を、0.2〜200μmの孔径を有する親水性の樹脂皮膜で被覆したものを用いることができる。
通電装置としては、電気分解で一般的に用いられる装置を特に限定されることなく用いることができる。
電解水を処理槽等へ流すための配管は、例えば、硬質塩化ビニル樹脂からなる管等で構成することができる。
電気分解は、5〜50Vの電圧、電極表面積あたり0.5〜600A/m2の電流で行うことが好ましい。なお、電流密度が600A/m2より大きい場合には、陽極の表面が剥離したり、陽極を構成する材料が溶出し易くなる。電流密度が0.5A/m2より小さい場合には、陽極の面積を大きくする必要があるため、電解水生成部の小型化が困難となる。
また、酸化水供給手段が電解水生成部を備える場合、本発明の生ごみ処理装置は、上記電解水生成部に水を供給するための水供給手段を備えることが好ましい。この水供給手段は、電気分解時に必要な量の水を、電解水生成部に供給できるものであればよい。このような水供給手段としては、例えば、電解水生成部において一度に使用する量以上の量の水を一時的に保持するタンクおよび弁から構成することができる。
または、電解水供給手段を、電磁弁を介して上水道に接続し、その電磁弁を開くことにより、電解水供給手段に水を供給してもよい。
酸化剤が、例えば、次亜塩素酸、次亜塩素酸イオンおよび/または塩素を酸化性物質として含む場合、酸化剤の有効塩素濃度は、50〜3000ppmであることが好ましい。その中でも、生ごみの酸化がより効率的に進行するため、有効塩素濃度は500〜3000ppmであることがさらに好ましい。有効塩素濃度が、50ppm未満では酸化力が不十分となる。有効塩素濃度が3000ppmを超えると酸化力は十分となるが、この酸化剤を収容する部分等の腐食が大きくなる。
なお、これらのことは、酸化剤が電解水である場合にも同様である。
生ごみを軟化する場合、酸化剤による酸化効果ができるだけ大きくなることが好ましい。例えば、酸化剤が酸化性物質として次亜塩素酸を含む場合、酸化剤のpHが3以上6.5以下になることが好ましい。これにより、次亜塩素酸イオン(プロトンが解離した形態)と比較して酸化力の強い次亜塩素酸(プロトンが解離していない形態)の存在が9割以上となるからである。
上記のような範囲に酸化剤のpHを調節するために、本発明の生ごみ処理装置は、酸化剤のpHを測定するpH測定手段および酸化剤のpHを調整することができるpH制御手段をさらに備えることが好ましい。なお、酸化剤のpHの調節は、酸化剤供給手段において行ってもよいし、処理槽において酸化剤が生ごみに接触した状態で行ってもよい。
上記pH測定手段としては、例えば、半導体式pHセンサ(新電元工業(株)製)が挙げられる。また、pH制御手段は、酸化剤供給手段内または処理槽内の酸化剤のpHを3以上6.5以下に調整できるものであれば特に限定されない。pH制御手段としては、例えば、pH調整剤を収容するタンクおよびpH調整剤を排出する弁からなるものが挙げられる。
ここで、pH調整剤としては、例えば、塩酸、硫酸等の鉱酸、酢酸、クエン酸等の有機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ、およびそれらの水溶液が挙げられる。
投入される生ごみの量とそのpHが予めわかっている場合には、添加する酸化剤のpHを調整するのみで、生ごみと混合した後の酸化剤のpHを調整することができる。この場合、酸化水供給手段がpH測定手段およびpH制御手段を備えることが好ましい。このとき、生ごみと混合した後の酸化剤が所定のpHとなるように、pH測定手段でpHを測定しながら、pH制御手段により、酸化剤供給手段内の酸化剤のpHが調節される。
また、酸化剤のpHの調整が、処理槽において、生ごみに接触した状態で行われる場合、生ごみに接触した状態で酸化剤のpHを実測することができるように、pH測定手段は、処理槽に設けられることが好ましい。これにより、生ごみと混合している酸化剤のpHが3以上6.5以下の範囲に入ることを確認しながら、上記pH制御手段により、酸化剤のpHを調整することが可能となる。
なお、酸化剤供給手段が電解水生成部を備えており、酸性の陽極水を酸化剤として使用する場合、塩基性の陰極水をpH調整剤として使用することができる。このように陰極水をpH調整剤として用いることは、pH調整剤を収容するタンク等を設ける必要がないため特に好ましい。
また、陽極水と陰極水とを所定の割合で混合することにより、酸化剤のpHを上記範囲に予め設定することも可能である。この場合、電解水生成部がpH制御手段を兼ねるため、pH制御手段を改めて設ける必要はない。
処理槽内の生ごみは、酸化剤とともに加熱手段により加熱される。加熱手段としては、処理槽に収容された生ごみと酸化剤を加熱できる手段を、特に限定されることなく用いることができる。加熱手段としては、例えば、ジュール熱を用いた電気加熱装置、ガスや石油等の燃焼熱を用いた燃焼装置、ヒートポンプ、誘導加熱装置等が挙げられる。
なお、電気加熱装置のような接触加熱装置を加熱手段として用いる場合、加熱効率を高めるために、加熱手段を処理槽の内壁に設置したり、投げ込みヒータのようなコイル状の加熱手段を処理槽内部の収容物に直接接触させたりすることが好ましい。
また、処理後の生ごみを排出した後で、処理槽内に雑菌が繁殖しないように、酸化剤と加熱手段を用いて、処理槽内部を滅菌あるいは乾燥することもできる。
酸化剤と生ごみを含む収容物の加熱温度は、生ごみを構成する有機物が十分に軟化される温度、あるいは低分子化されて液化される温度に設定される。本発明において、その加熱温度は、150℃以下であることが好ましい。
加熱温度が150℃を超えると、生ごみを構成する有機物が低分子化されるとともに、その低分子化された成分の重合も起こり始め、タール等の高分子物が生じ易くなる。このため、生ごみの軟化あるいは低分子化が大きく進まなくなる。タールが生じると、タールが処理槽の内壁に付着し、メンテナンス性が悪くなる。また、高温ならびに高圧に対応した設備が必要となるため、安全性の面からも好ましくない。さらに、処理槽が法規制(労働安全衛生法ボイラー及び圧力容器安全規則)の対象となった場合、個別検査が義務付けられ、装置の量産化が事実上不可能となる。
よって、加熱温度を制御するために、本発明の生ごみ処理装置は、処理槽内部の収容物の温度を測定する温度測定手段と、温度測定手段より得られる情報を用いて、加熱手段を制御する加熱制御手段を備えることが好ましい。このとき、加熱手段による加熱温度は、150℃以下に制御されることが好ましい。
温度測定手段は、処理槽の収容物の温度を測定することができ、かつ加熱時の耐圧性と化学的な耐久性を有することが好ましい。温度測定手段としては、例えば、表面がステンレス鋼で覆われた熱電対、クロメル−アルメル合金からなる熱電対、および白金合金からなる熱電対を用いることができる。また、断熱性を向上させて、加熱時のエネルギーロスを低減するために、熱電対の表面が、ガラスウールのような断熱材で覆われていることが好ましい。
加熱制御手段としては、例えば、サーモスタット、マイクロコンピュータ等を備えるデジタル温度コントローラ、または温度センサとリレーとを組み合わせた装置を使用することができる。
また、処理槽に設けられた投入口を塞ぐ蓋が閉じられた状態にないと、加熱手段を作動できないように制御するために、投入口の蓋の開閉状態を検知する開閉検知手段を備えることが好ましい。この開閉検知手段は、加熱制御手段に接続されている。開閉検知手段としては、例えば、蓋の荷重により作動するスイッチ、荷重センサ、圧力センサ、赤外線センサ、光センサが挙げられる。
このような開閉検知手段を設け、加熱手段の作動を制御することにより、加熱された生ごみおよび酸化剤、ならびに加熱により発生する水蒸気およびガスに、人が接触する機会が少なくなり、安全性を向上させることが可能となる。また、生ごみおよび酸化剤を、特に100℃以上で加熱する場合、水や酸化剤が蒸発して、処理槽が空焚き状態になることを防ぐことができる。さらに、蓋が閉じられるとともに加熱手段が作動するように制御することにより、手動で加熱手段を作動させる手間を省くことができる。
低温、特に100℃未満の温度において、生ごみの軟化または低分子化を効果的に進行させるためには、酸化剤を生ごみに十分に作用させて、疎水性の有機物の水への親和性を高める必要がある。したがって、加熱温度を50℃以上100℃未満の加熱温度で生ごみを加熱する場合には、有効塩素濃度が500ppm以上かつpH3以上6.5以下に調整された酸化剤を用いることが好ましい。また、このとき、酸化剤と生ごみの合計重量のうちの生ごみの割合(以下、生ごみの重量比率ともいう)が60%以下となるように、酸化剤を添加することが好ましい。
上記条件にて、生ごみを加熱することにより、例えば、酸化剤が次亜塩素酸を酸化性物質として含む場合、生ごみ中の有機物に対し、十分な量の次亜塩素酸が特に酸化力の強い形態(プロトンが解離していない形態)にて作用する。このため、生ごみが、例えば、疎水性の強いセルロースのような高分子有機物を含んでいたとしても、水への親和性が向上し、生ごみは加水分解を受けやすい状態に変性される。この結果、従来、生ごみの加水分解速度が遅かった50℃以上100℃未満の温度領域においても、生ごみが加水分解され、数時間以内に、生ごみを軟化させることが可能となる。
また、加熱温度を100℃未満に設定することにより、処理槽の耐熱性ならびに耐圧性の要求仕様が大きく緩和される。このため、生ごみ処理装置を安価に構成することが可能となる。
上記のように、生ごみの重量比率が60%以下となるように、酸化剤を処理槽へ投入するためには、生ごみ自体の投入重量と、酸化剤の投入重量を測定する必要がある。そのため、本発明の生ごみ処理装置は、処理槽の重量を測定する重量測定手段を備えることが好ましい。重量測定手段としては、例えば、ロードセルが挙げられる。
生ごみの重量比率が60%以下となるように、酸化剤を処理槽に投入する場合、重量測定手段は以下のようにして用いることができる。
例えば、まず、ユーザが重量測定手段を用いて、投入した生ごみの重量(生ごみを投入後の処理槽の重量と、空の状態における処理槽の重量の差)を測定する。その後、酸化剤供給手段により酸化剤を処理槽に投入する。生ごみの重量比率が、例えば、60%となったときに、酸化剤の投入が停止される。
なお、上記開閉検知手段により処理槽の投入口の蓋が閉められたことを検知したのちに、生ごみの重量を重量測定手段により測定してもよい。
加熱後の収容物に含まれる軟化した生ごみは、破砕手段によって、破砕される。これにより、生ごみの粒径がさらに小さくされる。
破砕手段としては、例えば、カッターミル、チェーンミル等のミルや、ヘンシェルミキサー等の回転刃または回転翼を有するミキサー類、ならびに金属粒子、樹脂粒子またはガラス粒子のようなメディアと混合し、振動や回転を与えて、生ごみを粉砕するボールミルやシェーカー類が挙げられる。なお、回転刃や回転翼の形状や大きさ、その回転数、および回転時間は、生ごみの種類、量などにより、適宜変更される。
本発明の生ごみ処理装置において、破砕手段は、例えば、処理槽の内部に設置することができる。
生ごみを加熱手段により加熱する前に、この破砕手段を作動させ、生ごみの粗破砕を実施することができる。この粗破砕の工程により、生ごみの軟化をより短時間に行うことが可能となる。
また、本発明の生ごみ処理装置は、処理槽とは別に破砕槽を備え、その破砕槽に破砕手段が配置されることが好ましい。この場合、処理槽において、生ごみが加熱され、破砕槽において、軟化された生ごみが破砕される。
処理槽とは別に破砕槽を設けることにより、破砕手段が加熱を受けないようにすることができる。このため、破砕手段を構成する材料について、耐熱性と化学的な耐久性の両立を図る必要がなく、イニシャルコストを低減できる。さらには、破砕手段のヒートショックによる劣化を抑制することができる。
破砕槽を構成する材料としては、処理槽を構成するのと同様の材料の他に、例えば、処理槽を構成する上記材料より耐熱性は劣るが、優れた化学的耐久性を有するポリエチレン、ポリプロピレン、硬質塩化ビニル樹脂のような樹脂を使用することができる。
処理槽から破砕槽への収容物の排出は、例えば、処理槽と破砕槽の間に設置された排出弁を用いて行うことができる。生ごみが処理槽において加熱されているときには、排出弁を閉じておく。処理槽での加熱が終了した後に、排出弁を開放することにより、軟化した生ごみを含む収容物を破砕槽に排出することができる。なお、排出弁の開閉は手動で行ってもよいし、処理槽における加熱の終了後に自動的に行われるようにしてもよい。
また、本発明の生ごみ処理装置において、処理槽に、または破砕槽が設けられている場合にはその破砕槽に、排出口を設けることが好ましい。この排出口により、破砕後の収容物を、生ごみ処理装置をひっくり返すことなく、外部に排出することが可能となる。ここで、処理槽または破砕槽に設けられる排出口は、加熱時の処理槽の内圧に耐えることができ、開閉可能であることが好ましい。排出口の開閉は、生ごみの破砕の終了後に、手動で行ってもよいし、自動で行われるようにしてもよい。
また、この排出口は、下水配管等を含む外部排水管へ直結させてもよい。
なお、破砕後の収容物は、生ごみ処理装置をひっくり返して、処理槽に設けられた生ごみの投入口から取り出してもよい。
例えば、破砕後の収容物を排出口から外部排水管に排出する場合、破砕後の収容物が排出されやすいように、処理槽の内部と外部とを連通するための、耐圧性の手動弁または電動弁を処理槽に設けることが好ましい。なお、大量の液体が処理槽の内部に導入された場合でも、外部との連通を確保するために、耐圧性の手動弁または電動弁は、処理槽の上部に配置することが好ましい。
また、生ごみ処理装置が破砕槽をさらに備える場合には、その手動弁または電動弁は、処理槽または破砕槽のいずれかに設ければよい。なお、手動弁または電動弁が処理槽に設けられた場合、処理槽と破砕槽との間に設けられた外部排出弁を開く必要がある。
また、上記投入口を開くことにより処理槽の内部と外部とを連通させたのち、破砕後の収容物を排出口から排出してもよい。
さらに、処理槽および破砕槽の内部の底部が、排出口に向かって低くなるように傾斜していることが好ましい。これにより、処理槽または破砕槽に設けられた排出口に、破砕後の収容物が流れ込みやすくすることができる。
また、処理槽または破砕槽の排水口に外部排水管が接続されている場合、例えば、排水口と外部排水管との間に、分級手段を配置することが好ましい。この分級手段としては、所定の粒径以下の生ごみを通過させることのできるものを、特に限定することなく用いることができる。
このような分級手段を配置することにより、粉砕が不十分な生ごみが外部排水管に詰まり、その外部排水管を塞がないようにすることができる。また、分級手段は、処理槽または破砕槽の下部に設けてもよい。
なお、分級手段を通過できなかった生ごみは、次回の生ごみが投入されたときに、再度処理されて、徐々に細かくされる。
分級手段としては、例えば、フィルタや網等のメッシュ状部材や、貫通孔を有する板状部材を使用することができる。分級手段を構成する材料としては、処理槽と同様の材料を使用することができる。
分級手段が破砕槽の排出口と外部排水管との間に配置される場合、破砕槽は加熱されることがない。このため、分級手段を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンのような、耐熱性は高くないが化学的耐久性が高い樹脂を使用することができる。
破砕後の収容物は、例えば、外部排水管に、処理槽内に一定量の水を貯蔵し、かつ前記一定量を超えた水を排出する機構(トラップ)を設けることにより、処理槽または破砕槽から排出することができる。
また、分級手段と外部排水管の間に外部排出弁を設け、破砕手段による破砕の終了を検知した後に、この外部排出弁を開放することによって、処理槽または破砕槽の収容物を排出してもよい。なお、この外部排出弁の開放は、手動で行ってもよいし、破砕の終了を検知する検知手段を用いて自動で行われるようにしてもよい。
破砕の終了を検知する検知手段としては、破砕手段が例えばモータによる回転式のものであれば、回転速度または回転数を検出するセンサを用いることができる。あるいは、破砕の開始から所定時間をカウントした後、自動的に破砕手段を停止させ、外部排出弁を開放するようにしてもよい。
上記のように、生ごみを酸性の酸化剤を用いて処理することが好ましい。この場合、加熱後の収容物は、強酸性になっていることが多い。従って、破砕後の収容物を処理槽から外部に排出する前に、あるいは加熱後の収容物を処理槽から破砕槽に排出する前に中和することが好ましい。よって、本発明の生ごみ処理装置は、処理槽の収容物を中性付近に中和することができる中和手段を備えることが好ましい。
生ごみ処理装置が処理槽および破砕槽の両方を備える場合、収容物の中和を、破砕槽内にて実施することも考えられる。しかしながら、破砕槽および破砕手段の劣化を抑制するために、加熱後の収容物を処理槽において予め中和し、中和された収容物を破砕槽に排出することが好ましい。
なお、破砕後の収容物を、別のところにため、そこで中和してもよい。
中和手段としては、破砕後または加熱後の収容物を中性付近に中和できるものを、特に限定されることなく用いることができる。例えば、中和手段としては、例えば、中和剤を収容するタンクとその中和剤の供給を制御する弁からなる装置が挙げられる。ここで、中和剤としては、例えば、チオ硫酸ナトリウム、苛性ソーダ、アンモニア水、消石灰を用いることができる。
また、本発明の生ごみ処理装置が陽極水と陰極水を分離して取り出せる電解水生成部を備える場合には、酸性の陽極水と塩基性の陰極水の両方を生成することができるため、それらの電解水を、酸化剤のpHの調整、ならびに処理槽または破砕槽の収容物を中和するための中和剤として使用することができる。なお、電解水を作製したときに、陰極水が残った場合は、これを一時的に保持して、収容物の中和に使用することもできる。
また、収容物の上記中和手段による中和は、処理槽に配置されたpH測定手段を用いて、その収容物のpHを実測しながら行うことが好ましい。pH測定手段は、pHを測定できるものであれば、特に限定されることなく用いることができる。このようなpH測定手段として、例えば、pHセンサが挙げられる。
例えば、破砕後の収容物を下水道へ流入する場合は、中和手段とpH測定手段を用いて、その収容物のpHを、下水道への流入基準であるpH5.6〜8.6に調整することが好ましい。
また、破砕後の収容物は、その温度が所定の温度以下に下がった後に、排出口を介して処理槽または破砕槽から外部に排出することが好ましい。よって、例えば、温度測定手段を用いて、その収容物の温度を測定し、その温度が所定の温度以下に下がったことを確認することが好ましい。なお、この場合、温度測定手段は、処理槽に、または破砕槽が設けられている場合には破砕槽に配置されることが好ましい。なお、温度測定手段は、上記と同様なものを用いることができる。
下水道への流入水の温度基準は45℃未満である。このため、破砕後の収容物の温度が45℃未満になったことを、温度測定手段により確認した後、その収容物を下水道に排出することが好ましい。
上記のように、下水道への排出時に、収容物の温度は45℃未満であるため、排出口から下水道への配管として、例えば、風呂周りで活用している硬質塩化ビニル樹脂からなる管または塩化ビニル樹脂ライニング鋼管を使用できる。これにより、本発明の生ごみ処理装置を安価に構成することができる。
なお、破砕後の収容物の温度は、所定時間の間、自然放冷を行うことにより、低下させてもよい。あるいは、例えば、冷却ファン、ヒートポンプ、ペルチェ素子のような冷却手段を利用して、破砕後の収容物を強制的に冷却してもよい。
また、本発明の生ごみ処理装置が、隔膜を用いた電解水生成部を備える場合には、収容物を排出した後の処理槽または破砕槽に陰極水を供給し、処理槽または破砕槽を洗浄してもよい。この槽洗浄工程を実施することにより、残存する収容物に起因する臭気、ぬめり等の発生を抑制することが可能となる。
破砕後の収容物を、さらに生物処理に供してもよい。このとき、その収容物は、pHおよび温度を調整して、例えば、生物処理槽に移送されることが好ましい。このように、破砕後の収容物のpHおよび温度を調節することにより、例えば、生物処理槽の微生物が、死滅することを防止することできる。なお、この場合にも、中和手段ならびに冷却手段としては、上記のものを使用することができる。
破砕後の収容物は、液肥に利用することもできる。この場合にも、生物処理を行う場合と同様、破砕後の収容物は、pHおよび温度を調節することが好ましい。
なお、破砕後の収容物を生物処理に供する場合、あるいは破砕後の収容物を液肥として利用する場合は、破砕後の収容物を活性炭のような還元剤と接触させて、残存する未反応の酸化剤を除去することが特に好ましい。
次に、本発明の生ごみ処理装置を用いた生ごみの処理方法について説明する。
まず、生ごみは、処理槽において、加熱手段により酸化剤とともに加熱されて、軟化される。次いで、その加熱後の生ごみが、破砕手段により破砕される。ここで、軟化とは、生ごみの硬度、あるいは引っ張り強度、曲げ強度等が低下するともに、生ごみを構成する不溶性の有機物の分子量が低下し、水に膨潤した状態となることをいう。
生ごみを酸化剤とともに加熱することにより、生ごみを構成する有機物に、例えば、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基のような親水性官能基が導入され、この結果、生ごみの水への親和性が向上する。ここで、高分子量の疎水性有機物を含む生ごみであっても、酸化剤の酸化作用によって水への親和性が向上した状態で加熱することにより、その生ごみは、容易に加水分解されるようになる。このような加水分解反応により生ごみは低分子化され、一部の成分が水に溶けたり、ゲル状になったりして粒径が小さくなる。
生ごみの水への親和性の向上および粒径の低下により、生ごみと水の混合物の固液分離性が低下し、生ごみが水に分散した状態が安定化する。すなわち、加熱後の生ごみは、加熱前の生ごみと比較して、沈降したり、装置の底部に堆積したりしにくい状態となる。しかしながら、粒径の大きい生ごみは、沈降する傾向にあるので、そのような粒径の大きな生ごみを破砕手段により破砕する。
このように、生ごみを酸化剤とともに加熱して軟化させたのちに、加熱後の生ごみを破砕することにより、破砕工程が容易になるとともに、破砕により生ごみの粒径をより小さくすることができる。
以上のように、本発明の生ごみ処理装置においては、生ごみと酸化剤を加熱して軟化し、その後、加熱後の生ごみを破砕することに特徴がある。これにより、例えば、野菜の大きな塊や芯、あるいは繊維質の野菜のような、従来のディスポーザーでは破砕が困難であるものでも、投入回数を複数に分けたり、投入前に分割したりせずに、処理することが可能となる。
また、生ごみを粗破砕したのちに、その粗破砕後の生ごみを、上記加熱工程および破砕工程に供してもよい。この方法では、最初に、生ごみを粗破砕して、小さくするので、上記酸化剤とともに加熱したときの酸化が容易となる。したがって、短時間のうちに、生ごみを軟化(液化または低分子化)することができる。
また、生ごみを酸化剤とともに加熱する工程と破砕工程とを同時に行ってもよい。
なお、加熱温度は、上記のように、50℃以上150℃以下とすることが好ましい。
また、酸化剤のpHは3以上6.5以下であることが好ましく、酸化剤の有効塩素濃度は、50〜3000ppmであることが好ましい。
特に、生ごみを低温(特に、50℃以上100℃未満)で加熱する場合、有効塩素濃度が500ppm以上で、かつpHが3以上6.5以下である酸化剤を用いることが好ましい。また、この場合、生ごみの重量比率は60%以下であることが好ましい。
なお、加熱時間は、酸化剤に含まれる酸化性物質の種類、酸化剤の有効塩素濃度等に依存して、適宜変更される。
以上のように、本発明の生ごみ処理装置を用いることにより、生ごみの水への親和性が高くなり、生ごみの水への溶解性が高くなるとともに、生ごみの水への分散安定性が高くなる。このため、水を媒体として生ごみを排出する場合でも、配管内での生ごみの沈降堆積やこれに伴う配管の閉塞が起こりにくくすることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明について具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1に、本発明の一実施形態にかかる生ごみ処理装置を示す。
図1の生ごみ処理装置1は、生ごみ(図示せず)と酸化剤2とを収容する処理槽3、処理槽3に酸化剤2を供給するための酸化剤供給手段4、処理槽3内の生ごみを酸化剤2と共に加熱するための加熱手段5、および処理槽3内部に収容された生ごみを破砕するための破砕手段である回転刃6を具備する。
処理槽3の上部には、投入口7が設けられている。投入口7は、蓋(図示せず)によって、閉じることができる。投入口7を閉じるための蓋は、圧力鍋の蓋のような耐圧構造になっており、加熱時に発生するガスが処理槽3の外部に漏れないように、処理槽3を密閉している。
処理槽3の底部には、排出口が設けられている。本実施形態においては、排出口と外部排水管8は外部排出弁9により接続されている。外部排出弁9は耐圧性であり、生ごみおよび酸化剤の加熱時に発生するガスが、処理槽3の外部に漏れないように密閉する役割を有している。
なお、処理槽3の排出口の構成としては、図1に示されるような構成以外にも、外部排水管8に、処理槽3内に一定量の水を貯蔵しかつ前記一定量を超えた水を排出する機構を持たせる構成としてもよい。この点については以下の実施形態についても同様である。
また、図1の生ごみ処理装置1において、処理槽3の投入口7は、例えば、シンク面10のシンク排水口に位置するよう取り付けられる。
次に、生ごみ処理装置1の作動方法について、以下に順を追って説明する。
まず、外部排出弁9を閉じ、投入口7から処理槽3内に、生ごみを投入する。その後、酸化剤供給手段4より酸化剤2を処理槽3の内部に投入し、生ごみと酸化剤2とを接触させる。なお、酸化剤供給手段4は弁11を備えており、弁11を開閉することにより、酸化剤2が処理槽3に供給される。
酸化剤供給手段4は、例えば、生ごみの処理ごとに、酸化剤2を自動的に供給するように設定することができる。これにより、ユーザが処理ごとに酸化剤2を処理槽3に供給する手間を省くことができる。
また、酸化剤供給手段4の容量を大きくすることにより、ユーザが、酸化剤2を調製する頻度を低減させることも可能となる。なお、酸化剤2は、生ごみよりも前に投入してもよい。また、投入される酸化剤の量は、生ごみの量に応じて適宜変更される。これらのことは、以下の実施形態においても、同様である。
続いて、投入口7を蓋で閉じる。次いで、加熱手段5により、処理槽内の収容物を加熱する。このとき、処理槽3に収容された生ごみの温度が、処理槽3に設けられた温度測定手段13により測定される。電装部12に内蔵された加熱制御手段(図示せず)により加熱手段5が制御されて、加熱温度が所定の温度に保持される。
なお、蓋が閉じられたことを開閉検知手段(図示せず)を備える場合には、開閉検知手段が、蓋が閉じられたことを検知した後、開閉検知手段からの情報により、電装部12に内蔵された加熱制御手段(図示せず)が加熱手段5を制御するようにしてもよい。
所定の時間、加熱した後、加熱手段5を停止して、加熱を終了する。次いで、処理槽3の内部に設置された回転刃6をモータ14によって回転させて、軟化された生ごみが破砕される。本実施形態において、モータ14も電装部12により制御されている。この点については、以下の実施形態についても同様である。
所定の時間が経過した後、あるいは回転刃6の回転速度または回転数が所定の値に到達した後、回転刃6を停止して、生ごみの破砕を終了する。破砕後の生ごみは、その温度が十分に低下した後、外部排出弁9を開放することにより、酸化剤2とともに外部排水管8を通して、例えば、下水道のような外部に排出される。このとき、処理槽の収容物が排出されやすいように、投入口7を閉じる蓋を開けて、外部と処理槽3の内部を連通させることが好ましい。
なお、本実施形態においては、回転刃6による生ごみの破砕は、加熱による軟化の終了後に行っている。生ごみを粗破砕したのち、その粗破砕した生ごみを加熱工程および破砕工程に供してもよい。また、生ごみを加熱しながら、同時に回転刃6を回転させて、生ごみを破砕してもよい。
(実施の形態2)
図2に、本発明の別の実施形態にかかる生ごみ処理装置を示す。図2において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。このことは、以下の実施の形態においても同様である。
図2の生ごみ処理装置20は、処理槽3に接続された破砕槽21、および処理槽3と破砕槽21との間に配置された排出弁22をさらに備える。本実施形態において、破砕手段である回転刃6は、破砕槽21内に設置されている。
本実施形態において、生ごみの処理は、基本的には、上記実施の形態1と同様に行うことができる。
まず、排出弁22を閉じ、投入口7から処理槽3内に、生ごみを投入する。その後、酸化剤供給手段4より酸化剤2を処理槽3の内部に投入し、生ごみと酸化剤2とを接触させる。
続いて、投入口7を蓋で閉じる。開閉検知手段(図示せず)を備える場合、その開閉を検知した後、開閉検知手段からの情報に基づいて、電装部12に内蔵された加熱制御手段(図示せず)が加熱手段5を作動させる。
処理槽3に投入された生ごみは、酸化剤2とともに、加熱手段5により所定の温度で加熱され、軟化される。処理槽3の収容物の温度は温度測定手段13により測定され、電装部12に内蔵された加熱制御手段(図示せず)により所定の温度に保持される。
所定の時間、生ごみを加熱した後、加熱手段5を停止する。次いで、排出弁22を開放して、加熱後の収容物を処理槽3から破砕槽21へ排出する。このとき、加熱後の収容物が排出されやすいように、投入口7を閉じる蓋を開けて、外部と処理槽3の内部を連通させることが好ましい。
なお、排出弁22の開放は、手動で行ってもよい。または、加熱制御手段(図示せず)と排出弁22とを連動させて、生ごみの加熱が終了したのちに、排出弁22が自動的に開放されるようにしてもよい。
その後、破砕槽21の内部の回転刃6を、モータ14によって回転させることにより、軟化された生ごみを破砕する。破砕後の生ごみは、その温度が十分に低下した後、外部排出弁9を開放することにより、酸化剤2と共に外部排水管8を通して、例えば、下水道のような外部に排出される。
なお、破砕槽21内に排出されずに残った生ごみは、水道水をシンクに流して破砕槽21内に導き、その水道水とともに、排出してもよいし、取り出して固形物として廃棄してもよい。あるいは、残った生ごみは、そのまま残しておき、他の生ごみと一緒に処理してもよい。
残った生ごみを他の生ごみとさらに処理する場合、その生ごみがある程度に減量しなくなれば、それを取り出して別に廃棄処分することが好ましい。
なお、これらのことは、実施の形態1および実施の形態3でも同様である。
また、十分に破砕されなかった生ごみが、排出口の方へ移動し、排出口や排水管を詰まらせないように、処理槽3内または破砕槽21内に分級手段を設けることが好ましい。図2の生ごみ処理装置において、処理槽3の下部に分級手段23が設けられている。
このように、分級手段23を設けることにより、破砕されていない生ごみが排出口の方へ移動することを防止することが可能となる。
(実施の形態3)
図3に、本発明のさらに別の実施形態にかかる生ごみ処理装置を示す。図3において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図3の生ごみ処理装置30においては、酸化剤供給手段4が、酸化性物質を含む電解水を生成する電解水生成部31を備えている。
電解水生成部31は、電解槽32、電解槽32に配置された陽極33および陰極34、陽極33と陰極34との間に通電するための通電装置35、ならびに陽極33と陰極34との間に配置された隔膜36を具備する。
本実施形態では、電解水生成部31にて生成される、酸化性物質を含む電解水を酸化剤2として用いている。
また、図3の生ごみ処理装置30は、電解水生成部31にて生成した電解水を貯蔵するタンク37を備えている。
なお、図1の生ごみ処理装置1および図2の生ごみ処理装置20においても、図3に示すような電解水生成部31を備えた酸化剤供給手段4を設置してもよい。
図3の生ごみ処理装置30においても、図1と同様に、破砕手段である回転刃6が処理槽3内部に設置される構成としている。図3の生ごみ処理装置において、図2に示されるように、処理槽とは別に破砕槽を設置し、その破砕槽の内部に回転刃を設置してもよい。
本実施形態においても、生ごみの処理は、基本的には、上記実施の形態1と同様にして行うことができる。
まず、外部排出弁9を閉じ、投入口7から処理槽3内に生ごみを投入する。その後、電解水生成部31にて生成した酸化性物質を含む電解水を、酸化剤2として酸化剤供給手段4より弁11を介して、処理槽3内に供給し、酸化剤と生ごみとを接触させる。
生ごみに対する電解水の供給量を決定するため、図3の生ごみ処理装置30は、処理槽3の重量を測定する重量測定手段38をさらに備えている。重量測定手段38を酸化剤供給手段4の弁11と連動させることにより、生ごみを軟化するのに必要な量の電解水を供給することが可能となる。これにより、生ごみ処理装置30を効率的に作動させることが可能となる。なお、電解水以外の酸化剤の供給量を決定するために、重量測定手段38を使用しても差し支えない。
続いて、投入口7を蓋で閉じる。開閉検知手段(図示せず)を備える場合、その開閉を検知した後、開閉検知手段からの情報に基づいて、電装部12に内蔵された加熱制御手段(図示せず)が加熱手段5を作動させる。
処理槽3に投入された生ごみは、電解水とともに、加熱手段5により所定の温度で加熱され、軟化される。このとき、処理槽3の収容物の温度は、温度測定手段13により測定される。また、その収容物の温度は、電装部12に内蔵された加熱制御手段(図示せず)により所定の温度に保持される。
所定の時間、加熱を実施した後、加熱手段5を停止し、処理槽3の内部の回転刃6をモータ14によって回転させることにより、軟化された生ごみを破砕する。
所定の時間が経過した後、あるいは回転刃6の回転速度または回転数が所定の値に到達した後、回転刃6を停止して、生ごみの破砕を終了する。
破砕後の生ごみは、それが十分に冷えた後で、外部排出弁9を開放することにより、酸化水と共に、外部排水管8を通して、例えば、下水道のような外部に排出される。このとき、処理槽の収容物が排出されやすいように、投入口7を閉じる蓋を開けて、外部と処理槽3の内部を連通させることが好ましい。
本実施形態では、電解水生成部31より酸化性物質を含む電解水を生成し、その電解水を酸化剤として使用する。ハロゲン塩等の電解質を溶解した水を電気分解するのみで酸化性物質を含む電解水を生成できるため、酸化剤供給手段の管理が容易となる。したがって、産業用途のみならず、一般家庭やレストランのような、化学物質の管理が困難な場所にも、本発明の生ごみ処理装置を設置することが可能となる。
電解水としては、上記電解水生成部31において生成された酸性の陽極水を用いることが好ましい。また、塩基性である陰極水をタンク37に留めておき、破砕後に、その陰極水をタンク37から処理槽3の収容物に供給することにより、破砕後の収容物を処理槽3内で中和することが可能となる。この場合、陰極水を収容するタンク37および弁11がpH制御手段として機能する。また、その陰極水を用いて、収容物を排出した後の処理槽3内を洗浄してもよい。
生成した陽極水と陰極水とを所定のpHになるように混合し、その混合物を酸化剤として用いてもよい。
さらに、別のpH制御手段を設け、電解水生成部において、電気分解される水のpHを調節してもよい。このとき、電気分解される水をpHセンサのようなpH測定手段で測定しながら、その水を電気分解してもよい。
また、上記実施の形態1〜3において、破砕後の収容物は、pHや温度を調整した後、下水に放出してもよい。あるいは、pHや温度を調節した破砕後の収容物を、生物分解槽で処理し、その後、下水に放出してもよい。
本発明を、以下の実施例に基づいて説明する。なお、以下の実施例は、本発明を限定するものではない。
《実施例1》
図3に示す生ごみ処理装置を用いて、生ごみを処理した。
処理槽3および投入口7を閉じる蓋は、SUS304で構成した。処理槽3の内容積は300mlとした。加熱手段5としてはバンドヒータを用いた。このとき、収容物と接触するように熱電対を処理槽3に投入し、その収容物の温度を、熱電対を用いて測定して、収容物の温度を加熱制御手段により制御した。
電解水生成部31を有する酸化剤供給手段4としては、イオン洗浄水メーカ(松下電器産業(株)製のMS-W1)を用いた。食塩を添加した水道水を、イオン洗浄水メーカを用いて電気分解し、その陽極側の電解水(pH2.5、有効塩素濃度:1500ppm)を、酸化剤として用いた。
モータ14および破砕手段である回転刃6としては、ナショナルファイバーミキサーMX−X62のクッキングミルAVA14−1215のモータおよびカッター刃を用いた。
室温において、処理槽3に、以下のような標準生ごみ50g(含水率:約80%)を投入した後、上記酸化剤を75ml投入して、投入口7を蓋により閉めた。
標準生ごみの内訳は、キャベツ12.5g、ジャガイモ2.5g、タマネギ2.5g、ダイコン2.5g、リンゴ7.5g、オレンジ7.5g、生肉1.5g、生魚4.0g、鶏卵殻1g、御飯5.5g、および茶殻3.0gであり、合計で50gであった。この組成は、(社)日本電気工業会で、標準生ごみとされている組成である。
その標準生ごみを、150℃で1時間加熱し、軟化した。このとき、生ごみの重量比率は40%とした。ここで、生ごみの重量比率とは、酸化剤と生ごみの合計重量のうちの生ごみの割合をいう。なお、生ごみの重量比率は、電解水の比重を1として計算することができる。
そののち、室温まで冷却し、カッター刃を1分間回転させ、生ごみを破砕した。破砕の後、外部排水弁を開けて、破砕後の生ごみを酸化剤とともに排出した。
次に、この排出液の粒度分布を測定した。粒度分布の測定には、4750、2000、1000、850、425、250、106、および75ミクロンの標準篩およびミクロ形電磁振動ふるい器(筒井理化学器機(株)のM−2形)を用いた。電磁振動ふるい器の振動調製ダイヤル6で10分間振動した後、各粒度成分の重量を計測した。なお、20分振動後の粒度分布もほぼ同様であることから、以下の実施例においても、その振動時間は10分間とした。
《比較例1》
酸化剤の供給および加熱は行わず(つまり、生ごみの軟化は行わず)、生ごみに水道水75mlを加え、カッター刃を1分間回転させて、生ごみを破砕したこと以外、実施例1と同様にして、生ごみを処理した。投入する生ごみも、実施例1と同じ組成のものを同じ重量だけ用いた。
排出液の粒度分布を、実施例1と同様にして測定した。
実施例1と比較例1の排出液に含まれる生ごみの粒度分布を図4に、累積粒度分布を図5に示す。
その結果、実施例1の方が、比較例1よりも、生ごみが小粒子化されていることがわかる。
また、実施例1と比較例1で排出された排出液5mlを3倍に希釈し、20mlの試験管に入れて静置し、固形分の沈降量を所定の時間ごとに観察した。図6に、初期高さに対する沈降した固形分の高さの比を百分率値で表した値を縦軸に、時間を横軸にとったグラフを示す。ここで、初期高さとは、排出液を3倍に希釈して攪拌した後に試験管に入れて静置を開始した時間を初期として、その時の試験管底面から固液界面までの高さ(固形分高さ)のことをいう。
その結果、破砕処理のみ行った生ごみ(比較例1)は、約50分で半分の高さまでに沈降した。一方、軟化後に破砕処理を行った生ごみ(実施例1)は、200分経っても、殆ど固形分は沈降しなかった。その後5日経過しても、処理後の生ごみの沈降高さは、初期高さの96%を保持しており、処理後の生ごみは、4%程度しか沈降しなかった。
以上のように、従来の破砕のみを行うディスポーザーでは、生ごみの粒径が大きく、処理後1時間程度で生ごみが沈降する。このため、処理後の生ごみが、処理槽、配管、管渠内等で沈降堆積し、その流動性が低下する。さらには処理後の生ごみにより、配管が閉塞されるおそれがある。
一方、本発明のように、酸化剤とともに加熱された後に破砕された生ごみは、約5日後にも殆ど沈降しなかった。よって、本発明の生ごみ処理装置によって処理された生ごみは、液体を媒体とする排出、移送等に非常に好都合である。
《実施例2》
本実施例では、標準生ごみの代わりに、トウモロコシの芯を用いたこと以外、実施例1と同様の装置を用い、トウモロコシの芯を、実施例1と同様にして処理した。具体的には、処理槽3に、直径30mm×高さ20mmの円柱状のトウモロコシの芯(25g)を入れた後に、実施例1で用いたのと同じ酸化剤を75ml投入した。ここで、生ごみ(トウモロコシの芯)の重量比率は25%であった。
このトウモロコシの芯を酸化剤とともに、150℃に1時間加熱したのち、カッター刃を1分間回転させて破砕処理した。処理後のトウモロコシの芯を含む収容物を、排水バルブを開けて排出した。排出液の粒度分布を、実施例1と同様にして測定した。
《比較例2》
軟化は行わず、トウモロコシの芯に水道水75mlを加え、破砕したこと以外、実施例2と同様にして、トウモロコシの芯を処理した。なお、トウモロコシの芯も、実施例2と同様なものを用いた。
排出液の粒度分布を、実施例1と同様にして測定した。なお、処理後、処理槽3内には、直径20mmの球状のものが2つ残存していた。
図7に、実施例2および比較例2の排出液に含まれる粒子の累積粒度分布を示す。図7に示されるように、比較例2よりも、実施例2において、トウモロコシの芯が小粒子化されていることがわかる。
また、比較例2において、トウモロコシの芯を破砕だけでは塊状のものが残存していた。一方、実施例2では、大きな塊は認められず、小粒子化されたトウモロコシの芯が水によく分散していた。
さらに、トウモロコシの芯の硬度を、軟化処理の前後で、ゴム硬度計を用いて測定した。その結果、軟化処理前においては、トウモロコシの芯の硬度は20〜38であり、硬いところで82であった。一方、軟化処理後においては、トウモロコシの芯の硬度は、計測不能の0となっていた。このように、生ごみが軟化されることによって、その後の破砕が容易となり、破砕だけの処理に比べて、生ごみがより小さい粒子になる。このため、処理後の生ごみが水中によく分散し、その状態が安定化している。従って、本発明の生ごみ処理装置を用いることにより、従来、破砕処理が困難であったトウモロコシの芯のように硬いものでも、容易に処理することが可能となる。
《実施例3》
標準生ごみの代わりに、35gの玉ねぎの皮を用いたこと以外、実施例1と同様の装置および同様の方法で、処理を行った。ここで、生ごみ(玉ねぎの皮)の重量比率は32%であった。排出液に含まれる粒子の粒度分布を、実施例1と同様にして測定した。
《比較例3》
35gの玉ねぎの皮に水道水75mlを加えて、破砕処理のみを行ったこと以外、実施例1と同様の装置および同様の方法で、処理を行った。排出液に含まれる粒子の粒度分布を、実施例1と同様にして測定した。
図8に、実施例3および比較例3の排出液に含まれる粒子の累積粒度分布を示す。図8に示されるように、比較例3よりも、実施例3において、玉ねぎの皮が小粒子化されていることがわかる。玉ねぎの皮は、破砕だけでは小粒子化が困難であることが知られているが、その粒径は標準生ごみほどに小粒子化されることがわかる。よって、本発明の生ごみ処理装置を用いることにより、排出液に玉ねぎの皮を分散させることが可能となる。
《実施例4》
標準生ごみの代わりに、スイカの皮を用いたこと以外、実施例1と同様の装置および方法を用いて、処理した。ここで、スイカの皮の形状は、およそ20mm×100mm×高さ30mmであり、その重量は32gであった。ここで、生ごみ(スイカの皮)の重量比率は30%であった。
排出液に含まれる粒子の粒度分布を、実施例1と同様にして測定した。
《比較例4》
実施例1と同様の装置を用い、スイカの皮に水道水75mlを加えて、破砕処理のみを行ったこと以外、実施例1と同様にして、処理を行った。ここで、スイカの皮の重量は実施例4と同じ32gとしたが、そのスイカの皮の大きさでは、破砕が困難であったので、そのスイカの皮を20mm×20mm×30mmの大きさに裁断した。
破砕処理後、排出液に含まれる粒子の粒度分布を、実施例1と同様にして測定した。
なお、破砕処理後、処理槽3内には、直径20mmの球状のものが2つ残存していた。
図9に、実施例4および比較例4の排出液に含まれる粒子の累積粒度分布を示す。図9に示されるように、比較例4よりも、実施例4において、スイカの皮が小粒子化されていることがわかる。また、比較例4では、破砕処理だけでは塊状のものが残存していた。一方、実施例4では、大きな塊は認められず、小粒子化されたスイカの皮が排出液によく分散していた。
また、スイカの皮の硬度を、ゴム硬度計を用いて、軟化処理の前後で測定した。軟化処理前において、スイカの皮の硬度は約15であり、外側の皮の硬いところで、その硬度は58であった。軟化処理後においては、スイカの皮の硬度は、計測不能の0となっていた。このように、軟化されることによって、その後の破砕処理が容易となり、破砕だけの処理に比べて、生ごみがより小さい粒子になる。このため、処理後の生ごみが水中において簡単に沈降せずによく分散し、その状態が安定化している。従って、本発明の生ごみ処理装置を用いることにより、従来、破砕処理が困難であったスイカの皮のように硬いものでも、容易に処理することが可能となる。
《実施例5〜8》
軟化処理の温度および時間を、以下のように変更したこと以外、実施例4と同様にして、スイカの皮を処理した。スイカの皮は、実施例4と同様なものを用いた。
実施例5では、100℃で1時間処理した。実施例6では、80℃で1時間処理した。実施例7では、50℃で1時間処理した。実施例8では、26℃で15時間処理した。
実施例5〜8における排出液に含まれる粒子の粒度分布を、実施例1と同様にして測定した。
実施例4〜実施例8の排出液に含まれる粒子の粒度分布のうち、実施例4と実施例6と実施例8とにおける累積粒度分布、および比較として比較例4における累積粒度分布を、図10に示す。図10に示されるように、実施例4、6および8においては、比較例4よりも、スイカの皮が小粒子化されている。
また、軟化処理の温度が低くなるにつれて(実施例4:150℃、実施例6:80℃、実施例8:26℃)、その処理時間を長くしたとしても、スイカの皮を小粒子化する効果は小さくなっていた。
次に、実施例4〜8の排出液と比較例4の排出液の各5mlを3倍に希釈し、20mlの試験管に入れ、静置し、固形分の沈降量を所定の時間ごとに観察した。初期高さに対する静置してから100時間後の固形分の高さの比を百分率値として表した値を、表1に示す。
Figure 0004944425
表1に示されるように、加熱温度が150℃以下である場合、その加熱温度が高いほど、初期高さに対する100時間後の沈降高さは大きくなり、処理後の生ごみの分散安定性は向上した。
《実施例9〜13》
実施例1と同様の生ごみ処理装置を用いて、生ごみを処理した。
酸化水としては、陽極側の電解水と陰極側の陰極水を混合して電解水(pH5.0、有効塩素濃度:1500ppm)を用いた。
室温において、処理槽に、以下のような標準生ごみ50g(含水率:約80%)を投入した後、上記酸化水を75ml投入して、投入口を閉めた。
標準生ごみの内訳は、にんじん9g、キャベツ9g、バナナの5g、リンゴ5g、グレープフルーツの皮5g、鳥のモモの骨(湯通し)5g、卵殻1g、米飯5g、茶殻2gであり、合計で50gであった。この組成は、「ディスポーザ排水処理システム性能基準(案)」((社)日本下水道協会)で、標準生ごみとされている組成である。
上記標準生ごみを、50℃で3時間加熱し、軟化した。このとき、生ごみの重量比率は40%とした。
そののち、室温まで冷却し、破砕手段であるカッター刃を1分間回転させ、生ごみを破砕した。この破砕の後、排水バルブを開けて、破砕後の生ごみを酸化剤とともに排出した。
また、この排出された排出液5mlを3倍に希釈し、20mlの試験管に入れて静置し、100時間後の固形分の沈降高さを記録した。初期高さに対する沈降した固形分の高さの比を百分率値で表した値を求め、処理液の分散安定性を評価した。
酸化剤のpHを、以下のように変更したこと以外、実施例9と同様にして、生ごみを処理した。
実施例10では、pH2.5の電解水を用いて処理した。実施例11では、pH3の電解水を用いて処理した。実施例12では、pH6.5の電解水を用いて処理した。実施例13では、pH7の電解水を用いて処理した。
また、実施例10〜13の排出液における、静置してから100時間後の初期高さに対する沈降した固形分の高さの比(固形分の沈降高さ/初期高さ)を、実施例9と同様にして測定した。結果を表2に示す。
Figure 0004944425
その結果、表2に示されるように、酸化剤のpHが2.5である実施例10およびそのpHが7である実施例13では、処理後の生ごみは、100時間後に半分近くまで沈降した。一方で、酸化剤のpHが5である実施例9、そのpHが3である実施例11およびそのpHが6.5である実施例12では、処理後の生ごみの沈降高さは、初期高さの7割以上を保持しており、処理後の生ごみは3割程度しか沈降していなかった。よって、pH3以上6.5以下に調整された酸化剤を用いることにより、処理後の生ごみの分散安定性を高くすることができる。
《実施例14〜17》
加熱の温度を、以下のように変更したこと以外、実施例9と同様にして、生ごみを処理した。生ごみは、実施例9と同様なものを用いた。
実施例14では100℃で加熱した。実施例15では90℃で加熱した。実施例16では40℃で加熱した。実施例17では25℃で加熱した。
また、実施例14〜17の排出液における、静置してから100時間後の初期高さに対する沈降した固形分の高さの比(固形分の沈降高さ/初期高さ)を、実施例9と同様にして測定した。結果を表3に示す。表3には、実施例9の結果も同時に示す。
Figure 0004944425
100℃で加熱した実施例14および25℃で加熱した実施例17では、処理後の生ごみは、100時間後に半分近くまで沈降した。一方、90℃で加熱した実施例15および50℃で加熱した実施例9では、処理後の生ごみの沈降高さは、初期高さの8割程度を保持しており、生ごみは2割程度しか沈降していなかった。よって、有効塩素濃度が1500ppmであり、pHが5である酸化剤を用い、生ごみをその酸化剤とともに50℃以上100℃未満に加熱することにより、処理後の生ごみの分散安定性を高くすることができる。
《実施例18〜19》
生ごみの重量比率を、以下のように変更したこと以外、実施例9と同様にして、生ごみを処理した。生ごみは、実施例9と同様なものを用いた。
実施例18では、生ごみの重量比率を60%とした。実施例19では、生ごみの重量比率を80%とした。
実施例18〜19の排出液における、静置してから100時間後の初期高さに対する沈降した固形分の高さの比(固形分の沈降高さ/初期高さ)を、実施例9と同様にして測定した。結果を表4に示す。なお、表4には、実施例9の結果をも同時に示す。
Figure 0004944425
表4に示されるように、生ごみの重量比率が80%である実施例19では、処理後の生ごみは、100時間後に半分近くまで沈降した。一方、生ごみの重量比率が60%である実施例18および生ごみの重量比率が40%である実施例9では、処理後の生ごみの沈降高さは、初期高さの7割以上を保持しており、処理後の生ごみは3割程度しか沈降していなかった。よって、生ごみを酸化剤と共に加熱する場合、生ごみの重量比率が60%以下となるように、酸化水の量を調整することが好ましい。
《実施例20〜21》
酸化剤の有効塩素濃度を、以下のように変更したこと以外、実施例9と同様にして、生ごみを処理した。生ごみは、実施例9と同様なものを用いた。
実施例20では、酸化剤の有効塩素濃度を400ppmとした。実施例21では、酸化剤の有効塩素濃度を500ppmとした。
また、実施例20〜21の排出液における、静置してから100時間後の初期高さに対する沈降した固形分の高さの比(固形分の沈降高さ/初期高さ)を、実施例9と同様にして測定した。結果を表5に示す。表5には、実施例9の結果も同時に示す。
Figure 0004944425
表5に示すように、酸化剤の有効塩素濃度が400ppmである実施例20では、処理後の生ごみは、100時間後に半分近くまで沈降した。一方で、酸化剤の有効塩素濃度が500ppmである実施例21およびその有効塩素濃度が1500ppmである実施例9では、処理後の生ごみの沈降高さは、初期高さの7割以上を保持しており、処理後の生ごみは3割程度しか沈降していなかった。よって、pH5の酸化剤を用いて50℃で加熱する場合、酸化剤の有効塩素濃度が500ppm以上であることが好ましい。
以上のように、破砕処理だけを行う従来のディスポーザーでは、処理後の生ごみの粒径が大きく沈降が速い。このため、例えば、処理槽、配管、または管渠内で沈降堆積し、その流動性が低下する。さらには、配管等が閉塞される可能性がある。一方、本発明の生ごみ処理装置を用いて処理することにより、処理後100時間経過後も、処理後の生ごみは、殆ど沈降しない。このため、処理後の生ごみを、水を媒体として、排出または移送する場合に、非常に好都合となる。
本発明の生ごみ処理装置は、生ごみを破砕して排出する装置として有用であると共に、例えば、水を分散媒として、固形有機物を移送する装置としても有用である。よって、本発明の生ごみ処理装置は、工場等で発生する有機性の固形廃棄物を、水系の分散媒に分散させることによる、廃棄物の処分に用いることができる。これにより、例えば、廃棄物の処理を一本化することが可能になる。
本発明の一実施形態にかかる生ごみ処理装置10の概略図である。 本発明の別の実施形態にかかる生ごみ処理装置20の概略図である。 本発明のなお別の実施形態にかかる生ごみ処理装置30の概略図である。 実施例1と比較例1における処理後の生ごみの粒度分布を示すグラフである。 実施例1と比較例1における処理後の生ごみの累積粒度分布を示すグラフである。 実施例1と比較例1における処理後の生ごみの沈降量を所定の時間ごとに観察したグラフである。 実施例2と比較例2における処理後の生ごみの累積粒度分布を示すグラフである。 実施例3と比較例3における処理後の生ごみの累積粒度分布を示すグラフである。 実施例4と比較例4における処理後の生ごみの累積粒度分布を示すグラフである。 実施例4、6および8と比較例4における処理後の生ごみの累積粒度分布を示すグラフである。
符号の説明
1、20、30 生ごみ処理装置
2 酸化剤
3 処理槽
4 酸化剤供給手段
5 加熱手段
6 回転刃
7 投入口
8 外部排水管
9 外部排水弁
10 シンク面
11 弁
12 電装部
13 温度測定手段
14 モータ
21 破砕槽
22 排出弁
23 分級手段
31 電解水生成部
32 電解槽
33 陽極
34 陰極
35 通電装置
36 隔膜
37 タンク
38 重量測定手段

Claims (10)

  1. (1)生ごみを投入する投入口を有し、前記生ごみおよび酸化剤を収容する処理槽と、
    (2)前記処理槽に酸化剤を供給する酸化剤供給手段と、
    (3)前記処理槽の投入口を閉じる蓋と、
    (4)前記処理槽の内部を加熱する加熱手段と、
    (5)前記処理槽の収容物を破砕する破砕手段と、を少なくとも備え、
    前記酸化剤のpHを測定するpH測定手段と、前記酸化剤のpHを調節するpH制御手段をさらに備える生ごみ処理装置。
  2. 前記処理槽が、破砕前または破砕後の前記収容物を排出する排出口を備える請求項1記載の生ごみ処理装置。
  3. (6)前記処理槽から排出された前記収容物を収容する破砕槽をさらに備え、
    前記破砕手段が、前記破砕槽の内部に設けられている請求項1記載の生ごみ処理装置。
  4. 前記破砕槽が、破砕後の前記収容物を排出する排出口を備える請求項3記載の生ごみ処理装置。
  5. 前記処理槽内の前記収容物の温度を測定する温度測定手段と、前記温度測定手段により得られる情報を用いて前記加熱手段を制御する加熱制御手段とをさらに備える請求項1記載の生ごみ処理装置。
  6. 前記酸化剤供給手段が、電解質を含む水を電解して電解水を生成する電解水生成部を有し、前記電解水生成部は、前記電解質を含む水を収容する電解槽、前記電解槽に配置された陽極および陰極、ならびに前記陽極と前記陰極との間に通電するための通電装置を具備する請求項1記載の生ごみ処理装置。
  7. 前記電解質が、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カルシウム、および臭化カリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項6に記載の生ごみ処理装置。
  8. 記pH制御手段が、前記電解水生成部の陰極近傍で生成した陰極水で前記酸化剤のpHを調整する手段である請求項6記載の生ごみ処理装置。
  9. 前記処理槽の重量を検知する重量測定手段をさらに備える請求項1記載の生ごみ処理装置。
  10. 前記蓋の開閉状態を検知する開閉検知手段をさらに備え、前記開閉検知手段からの情報に従って前記加熱制御手段が前記加熱手段を制御する請求項5記載の生ごみ処理装置。
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