JP2006320832A - 固形有機物処理装置および固形有機物処理方法 - Google Patents

固形有機物処理装置および固形有機物処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡単な構成で、固形有機物を液化かつ分解して減容化すると共に、排水負荷を低減しながら放流する装置を提供する。
【解決手段】 固形有機物処理装置を、固形有機物を投入するための投入口、および固形有機物の少なくとも一部を液体に分解して得られる分解液を排出するための排出口を具備する収容部と、排出口から排出された分解液に接触させる触媒を具備する浄化手段と、浄化手段における触媒近傍に酸化性物質を含む酸化水を供給する酸化水供給手段と、浄化手段において得られる処理液を排出するための排出配管と、で構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、工場や一般家庭から排出される生ゴミなどを、悪臭を発生させることなく短時間で分解して液化し、その廃棄物の量を大きく減量して下水に放流することのできる固形有機物処理装置および固形有機物処理方法に関する。
従来から、工場の食堂、各種レストランおよび一般家庭などから大量に放出される生ゴミ(厨芥類)は、他の家庭ごみとともに回収され、埋立て処分または焼却処分に供されている。ところが、この生ゴミは水分含有量が極めて高いという特徴を有しているので、その処理には種々の問題がある。
例えば、家庭、集合住宅およびビルなどにおいて生ゴミを保管する際に環境汚染問題を引き起こしたり、生ゴミの搬出が煩雑であったり、埋立て地で生ゴミが腐敗して悪臭源となったり、生ゴミが蝿などの衛生害虫の発生源となったり、さらには、生ゴミの焼却が困難であったりといった問題がある。また、生ゴミの水分含有量が高いため、焼却により回収されるエネルギーの増大を阻む一因ともなっている。
したがって、生ゴミを効果的に処理することは、保管、収集、輸送および焼却などの多くの観点から、生ゴミ処理技術上の重要課題の一つとなっている。
このような問題を解決するために、例えば特許文献1においては、微生物を用いて生ゴミを液化して、生ゴミを減容化する方法が提案されている。この方法に用いられる装置を、図2を参照しながら説明する。
図2は、従来の生ゴミ処理装置である液肥製造装置の構成を示す概略断面図である。図2に示される従来の液肥製造装置は、有底の外器61、および外器61内に収容された内器62からなる。内器62の底部には、所定の形状の透孔64が形成されている。また、内器62の底部には、4本の脚部63が設けられており、外器61の底部65と内器62の底部との間に所定の間隔が保たれている。
内器62の底部の高さに対応する外器61の外壁の位置からみて、より高い位置に液肥取り出しバルブ66が配置されている。外器61および内器62の上部には、それぞれ蓋体68および蓋体67が設けられており、蓋体68により外器61が密閉され、蓋体67により内器62が密閉される。なお、内器62の蓋体67には、開閉可能な投入口が設けられている。
内器62の蓋体67の上面には、加熱ヒータ69および送風ファン70が配置されている。加熱ヒータ69で暖められた空気が、送風ファン70により、送風パイプ71を通して、内器62に送り込まれるようになっている。内器62内の空気は、通気パイプ72を通して、外器61に排出される。また、内器62は、生ゴミを破砕・攪拌するための、先端に破砕刃を配設したシャフト73備えている。シャフト73は、蓋体67に設置されたベアリング74により、回転可能に支持されている。
上記装置では、外器61および内器62の所定の位置まで、微生物を含む水が満たされている。そして、外器61の蓋体68および内器62の蓋体67を開けて生ゴミを投入し、その生ゴミに微生物を含む水と接触させる。これにより、内器62の内部の微生物により液化した生ゴミが透孔64を介して固液分離(濾過)される。液化した生ゴミが外器61内で熟成するとともに、産生された微生物や酵素は透孔64を介して内器61と外器62とを自由に移動し、生ゴミの加水分解や消化発酵に再利用される。
特許2563013号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載される技術には、以下のような問題が残る。すなわち、生ゴミは液化されるものの、多くの液化した生ゴミが下水道へ混入して排水処理の負荷が増大してしまう。更には、液化した生ゴミが、下水処理場などの排水処理施設にて完全に浄化されずに放流され、河川や近海などの環境を汚染する可能性が生じる。
そこで、本発明は、簡単な構成を有し、効率的に生ゴミなどの固形有機物を液化するとともに少なくともその一部をガス化して完全分解させることにより、排水処理施設や環境への負荷を小さくすることができ、さらに固形有機物を大きく減容化することのできる固形有機物処理装置および固形有機物処理方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決すべく、本発明は、
固形有機物を投入するための投入口、および前記固形有機物の少なくとも一部を液体に分解して得られる分解液を排出するための排出口を具備する収容部と、前記排出口から排出された前記分解液に接触させる触媒を具備する浄化手段と、前記浄化手段における前記触媒近傍に酸化性物質を含む酸化水を供給する酸化水供給手段と、前記浄化手段において得られる処理液を排出するための排出配管と、を備える固形有機物処理装置を提供する。
本発明において、固形有機物とは、生ゴミ、野菜くず、魚のあら、動物の糞、剪定枝や葉などを含むものである。また、生ゴミとは、食品加工工場などの残渣、一般家庭やレストランでは主に肉・野菜の屑や食べ残しなどであり、デンプン、セルロースなどの多糖類、単糖類、アルブミン、ケラチンなどの蛋白質、脂質、アミノ酸、有機酸などを含むものである。
したがって、本発明の固形有機物処理装置は生ゴミ処理装置として好適に用いることができ、後述する本発明の固形有機物処理方法は生ゴミ処理方法として好適に用いることができる。なお、排出配管は下水管などを介して排水処理施設へ接続するのが好ましい。
本発明の固形有機物処理装置においては、前記浄化手段が、前記分解液に接触している前記触媒を加熱するための触媒加熱手段を備えるのが好ましい。
また、前記酸化水供給手段が、塩素およびハロゲン塩の少なくとも一方を含む水を電解して電解水を生成し、前記電解水を前記酸化水として供給するのが好ましい。
また、本発明の固形有機物処理装置においては、前記酸化水供給手段が、前記収容部にも前記酸化水を供給し、前記収容部が、前記酸化水に接触させながら前記固形有機物を加熱する固形有機物加熱手段を備えるのが好ましい。
前記触媒は、ルテニウム、パラジウムおよび白金よりなる群から選択される少なくとも1種を含むのが好ましく、また、前記触媒は、チタン化合物または炭化物からなる担持体を含むのが好ましい。
また、本発明の固形有機物処理装置は、前記触媒近傍の温度を室温より高くかつ100℃未満に制御するとともに前記温度を測定するための加温制御手段を備えるのが好ましい。
さらに、前記固形有機物加熱手段は、前記分解液の温度を測定して前記排出口から排出される前記分解液の温度を制御するための排出口水温度制御手段を備え、前記排出口水温度制御手段により加熱された前記分解液を室温までに冷却させずに前記浄化手段に供給するのが好ましい。
さらに本発明は、上記固形有機物処理装置を用いた固形有機物処理方法をも提供する。当該固形有機物処理方法は、固形有機物の少なくとも一部を液体に分解して分解液を得る工程(1)と、前記分解液を触媒に接触させる工程(2)と、前記触媒に接触させた前記分解液に酸化性物質を含む酸化水を供給する工程(3)と、を備える。
前記工程(2)および前記工程(3)のうちの少なくとも一方において、前記分解液に接触している前記触媒を加熱するのが好ましい。
また、前記工程(3)において、塩素およびハロゲン塩の少なくとも一方を含む水を電解して電解水を生成し、前記電解水を前記酸化水として供給するのが好ましい。
さらに、前記工程(1)において、前記固形有機物に酸化水を供給して前記固形有機物の少なくとも一部を液体に分解し、かつ、前記固形有機物を前記酸化水を接触させながら加熱するのが好ましい。
また、前記工程(2)および前記工程(3)のうちの少なくとも一方において、前記工程前記触媒近傍の温度を室温より高くかつ100℃未満に制御するとともに前記温度を測定するのが好ましく、前記工程(1)の後、前記分解液を室温までに冷却させずに前記工程(2)に供するのが好ましい。
なお、触媒については、上記固形有機物処理装置について説明したものを本方法においても用いるのが好ましい。
ここで、本発明の固形有機物処理装置および固形有機物処理方法において生ゴミなどの固形有機物を液化する方法としては、微生物によるもの、化学分解によるもの、加熱によるもののいずれを選択することもできる。
微生物を用いると微生物による発酵活動により生ゴミなどの少なくともその一部が加水分解されて低分子化し、水に溶解または分散して液化が進む。
また、化学分解によるものは、過酸化水素やオゾンなどの酸化剤を水に分散させたもの、または次亜塩素酸を含む電解水などを酸化力のある酸性水として生ゴミなどに加えて酸化分解させることで低分子化して液化する。
さらに、生ゴミなどを加熱した場合は、生ゴミなどの加熱により水分を蒸発させた後、この蒸発させた水分を冷却凝集して放流するが、このとき生ゴミなどに含まれていた低分子な有機成分または一部がこの凝集した水に溶解または分散して、生ゴミなどからの液化物が生成される。
したがって、上記液化の方法としては、外気温度に左右されずに生ゴミなどの減容化が大きい化学分解によるものが特に好ましい。
本発明においては、上記のように液化した生ゴミなどの固形有機物を触媒に接触させながら一緒に加熱することにより、液化した低分子状の固形有機物の少なくとも一部が触媒表面で展開して反応し易い状態となる。
このとき、酸化性物質を含む酸化水を近くに供給して酸化性物質が触媒表面に達すると、触媒表面で活性な酸素が発生する。この活性な酸素が触媒表面で既に展開されている固形有機物と反応して酸化が進み、最終的に炭酸ガスや水が生成されて水中の固形有機物を分解減少させることができる。
本発明においては、上記のように、液化した生ゴミなどを含む固形有機物と酸化性物質を含む酸化水とを触媒に接触させながら加熱することにより、液化した固形有機物を完全分解できるため、排水処理の負荷を大きく増大させない。よって、処理後の液は下水に流すことができ、排出される廃棄物の量も大きく減らすことができる。これにより、排水負荷を増やさずに固形有機物などの収集負担を大きく減らすことができる。
すなわち、本発明によれば、簡単な構成を有し、効率的に生ゴミを液化するとともに少なくともその一部をガス化して完全分解させることにより、排水処理施設や環境への負荷を小さくすることができ、さらに固形有機物を大きく減容化することのできる固形有機物処理装置および固形有機物処理方法を提供することができる。
以下、本発明の固形有機物処理装置および固形有機物処理方法の好適な実施の形態を、生ゴミ処理装置およびその生ゴミ処理方法に代表させて、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に制限されるものではない。
図1は、本発明の一実施の形態の生ゴミ処理装置の構成を示す概略断面図である。図1に示すように、本発明の生ゴミ処理装置10は、生ゴミ17と酸化性物質を含む酸化水18とを収容するための収容部11、収容部11に設けられた投入口12を閉鎖するための蓋部13、酸化性物質を含む酸化水18を供給するための酸化水供給手段15、収容部11内の生ゴミ17および酸化水18を加熱するための生ゴミ加熱手段(固形有機物加熱手段)16、排出口14から排出した生ゴミ17と酸化水18の混合液を触媒20に接触させるとともに加熱する触媒加熱手段21を備えた浄化手段19、この触媒20と接触後に下水処理施設などの排水処理施設につながる配水管23に放流する排水配管22を備える。
なお、本実施の形態において、酸化水供給手段15は水タンクや上水からの水を供給する水供給配管30、水に食塩などの電解質を加えて電解して酸化性の電解水を生成する電解水生成槽31、この酸化性の電解水を酸化水18として収容部11または浄化手段19へ供給する酸化水供給配管32、酸化水18を収容部11または浄化手段19への供給を切替える酸化水注入切替えバルブ33からなる。
さらに、生ゴミ処理装置10は、加熱時に浄化手段19内で発生したガスが放出しやすいように上部の一部が開放している。本実施の形態では、収容部11内の酸化水の加熱温度を制御するために温度計24が、排出口14を詰まらせないように生ゴミ17の固形物を支えるメッシュ25が、液化した生ゴミ17が排出されやすいように収容部11の底は傾斜付きの底26が配置されている。
更に、収容部11には、生ゴミ17と酸化水18を生ゴミ加熱手段16で加熱するときに酸化水18が排出されないように閉じ、所定時間の加熱後に開放することで浄化手段19へ酸化水を排出する排出電動弁27を配置している。浄化手段19には、触媒20にて排出口14からの液体を所定時間に加熱接触した後に排水配管22へ排出する放流電動弁28を配置している。
また、収容部11の機密性が高いために圧力が所定の値より高くなった場合に、その圧力を外部に開放するための圧力開放弁(図示せず)を配置することもできる。
本発明における生ゴミの分解と液化は、生ゴミ処理装置10を用いて、以下のようにして行うことができる。
まず、工程(1)において、固形有機物である生ゴミの少なくとも一部を液体に分解して分解液を得る。具体的には、まず、排出電動弁27が閉じた(排出口14から液体が出ない)状態で、蓋部13を矢印の方向に旋回させ、生ゴミ17を、投入口12から、収容部11内に投入する。ついで、酸化水供給手段15により、酸化性物質を含む酸化水18を収容部11の所定の位置まで満たし、生ゴミ17と酸化性物質を含む酸化水18とを接触させる(工程(1−1))。なお、酸化水18は、生ゴミ17よりも前に投入しても、もちろんよい。
このあと、収容部11内の生ゴミ17および酸化性物質を含む酸化水18を、収容部11の下部に設けられた生ゴミ加熱手段16により所定の温度まで加熱し、生ゴミの有機物の少なくとも一部を液化して減容化し、液化した生ゴミを含む分解液を得る(工程(1−2))。
このとき、蓋部13を閉じ、投入口12をしっかり閉じて、収容部11を密閉して、加熱時の蒸気などが外部に漏れないようにしている。なお、加熱時の収容部内の圧力が高くなり過ぎた場合には、圧力開放弁(図示せず)により、その圧力が外部に開放される。
ついで、工程(2)において、液化した生ゴミを含む分解液を触媒に接触させ、工程(3)において触媒に接触した上記分解液に酸化水18を供給する。触媒および酸化水のうちの少なくとも一方との接触によっても上記分解液はある程度ガス化させることが期待されるが、確実のためにはここでは加熱を行うことが好ましい。
具体的には、上記工程(1)の加熱により液化した生ゴミを含む分解液は、放流電動弁28が閉じたままで排出電動弁27が開き、浄化手段19に排出されて触媒に接触する(工程(2))。そして、酸化供給手段15により生成した酸化水18が酸化水注入切替えバルブの操作で浄化手段19に供給され上記分解液と混合される(工程(3))。さらに当該工程(3)において得られた混合液を、触媒加熱手段21により所定の温度まで加熱して、液化していた生ゴミの少なくとも一部をガス化して、有機成分を除去する。
酸化性物質を含む酸化水と生ゴミを接触させて、これらを加熱すると、酸化性物質により生ゴミが酸化されるため、生ゴミの水への親和性が向上する。また、生ゴミが高分子量なものであっても、酸化性物質による酸化により水への親和性が向上して、加熱された水によって容易に加水分解されるようになる。このような分解反応により、生ゴミの有機物、特にデンプン、蛋白質の殆どが低分子化されて、自ら液状となったり、酸化水に溶解したりして、生ゴミが液化される。
特にデンプンはグルコース類へ、蛋白質はアミノ酸類に分解が進む。また生ゴミの少なくとも一部が低分子化することにより、塊が粒状になり、繊維状のものが短繊維となって、水に溶解または分散して、収容部内の内容物と共に、排出口14を通って浄化手段19へ排出される。このため、生ゴミの減容化を大きく進めることが可能となる。
浄化手段19では、液化した生ゴミ、特にグルコース類とアミノ酸類は触媒20に接触することで表面に一時吸着して反応し易い状態となる。このときに酸化性の酸化水18も触媒20に接触することで活性酸素が生成され、前述の一時的に吸着していた液化した生ゴミが酸化分解し、有機酸や、最終的に炭酸ガスや水になる。
この結果、水中の有機物が低減されて排水処理施設の負担を大きく増加させることなく、生ゴミを排水処理できるようになる。
また、上記工程(1)と(2)において、生ゴミと、酸化性物質を含む酸化水とを加熱するときの温度は、生ゴミが酸化水により、十分に低分子化されて液化される温度に設定することが好ましい。
本発明においては、この加熱温度は、50℃以上180℃以下であることが好ましい。加熱温度が180℃を超えると、生ゴミが低分子化するが、その低分子化された生ゴミが重合してタールなどの高分子を生成し、生ゴミの液化が大きく進まなくなるからである。さらには、液化後に、収容部の内壁にタール状の付着物が多く付着し、メンテナンス性が悪くなる。また、180℃より高い温度で加熱する場合、高温設備が必要となり、安全性からも好ましくない。
また、加熱時間は、生ゴミの分解時に印加する温度と、酸化性物質濃度により最適な時間を調節する。例えば、各種の生ゴミ100gに対して、酸化性物質濃度が500〜2000ppmの範囲の水を100〜5000g加えて100〜180℃の範囲で加熱した場合は、酸化反応と共に加水分解反応もおきるので低分子が有効に進み、どのような組み合わせ条件でも0.5〜5時間で液化できる。この時間より短ければ、残留する固形分が増える。また時間を延ばした場合は、特に高濃度な酸化性物質を用いた場合は、対象とする生ゴミが少ないと酸性化物質が多く残留するために収容部の腐食が進むので好ましくない。
加熱温度が100℃未満である場合は、高圧蒸気も発生しないので安全性が高く、より好ましい。しかし生ゴミの低分子化に必要な加水分解反応が十分に起こりにくので、酸化水の酸化性を更に高めて、生ゴミの液化を進ませる。このときの加熱時間は、生ゴミの分解時に印加する温度と、酸化性物質濃度により最適な時間を調節する。
例えば、各種の生ゴミ100gに対して、酸化性物質濃度が1000〜3000ppmの範囲の水を500〜5000g加えて50〜100℃未満の範囲で加熱した場合は、特に生ごみの主成分であるデンプンを0.5〜10時間で液化でき、生ごみを大きく減容化できる。この時間より短ければ、残留する固形分が増える。また時間を延ばした場合は、特に高濃度な酸化性物質を用いた場合は、対象とする生ゴミが少ないと酸性化物質が多く残留するために収容部の腐食が進むので好ましくない。
なお50℃未満では酸化分解も十分に起こらなかった。また、一般家庭などで夜間に処理を完了したい場合は、少なくとも5時間程度で処理できるように、酸化性物質濃度と加える量、及び温度を調節する。
加熱後は、収容部11内の内容物(これは、液化した生ゴミを含む液状物と、生ゴミの固形状の残渣とからなる)が十分に冷えた後で、蓋部13を開けて、投入口12から、その残渣を取り出す。
本実施の形態では、電解水生成槽31によって生成された電解水が、酸化性物質を含む酸化水18として用いられる。
この電解水は、塩素およびハロゲン塩のうちの少なくとも1種を含む水を電気分解(以下、「電解」ともいう)することにより生成される。このとき、ハロゲン塩としては、塩化物、臭化物、フッ化物が用いられる。これらの中でも、イオンに解離しやすく、取り扱いも容易であるため、NaCl、KClなどをハロゲン塩として用いることが好ましい。
この電解水は、酸化性物質、例えば、次亜塩素酸、過酸化水素などをすでに含有している。このため、酸化性物質を薬剤として添加しなくともよいため、取り扱いが容易となる。なお、電解水は、残留塩素のある水道水を電解することによっても得られるが、酸化性物質の量を増加させるために、上記のようなハロゲン塩を含む水を電解して、電解水を生成することが好ましい。
また、この電解水のpHは8未満であることが好ましい。これは、上記と同様に、酸化性物質として酸を含む場合、その酸がプロトンを有している状態(電荷的に中性の状態)である方が、酸化力が強いからである。
電解水生成槽31は、上記酸化性物質を含んだ電解水を生成できるものであればよい。例えば、電解水生成槽31としては、電解槽と、その電解槽に隔膜を介さずに配置された陽極と陰極とからなる電解装置が挙げられる。このような装置を用いて、電解水は、以下のようにして生成される。
まず、塩素およびハロゲン塩の少なくとも1種を含む水を、陽極および陰極を備える電解槽に入れ、この2つの電極間に直流電圧を印加する。陽極の近傍には、例えば、次亜塩素酸を含む酸性の電解水が生成されるため、この電解水を、酸化性物質を含む酸化水として用いることができる。
また、陰極近傍には、塩基性の電解水が生成されるため、陽極近傍で生成される電解水に、陰極近傍に生成される電解水を適宜混合したものを、酸化性物質を含む酸化水として用いることもできる。
上記装置では、隔膜を有さないため、陽極近傍に生成した電解水と、陰極近傍に生成した電解水とが自然に混合される。その混合により得られた弱酸性の電解水を、酸化水として用いることもできる。
上記電解に用いられる電極としては、電気分解反応の用途で通常用いられる材料、例えば、その表面が、ルテニウム、イリジウム、白金、パラジウム、ロジウム、錫若しくはこれらの酸化物又はフェライトを有する材料からなるものが挙げられる。また、電極自体が、ルテニウム、イリジウム、白金、パラジウム、ロジウム、錫若しくはこれらの酸化物又はフェライトなどから構成されていてもよい。あるいは、電極の基材の表面が、ルテニウム、イリジウム、白金、パラジウム、ロジウム、錫若しくはこれらの酸化物又はフェライトなどで被覆されていてもよい。ルテニウム、イリジウム、白金、パラジウム、ロジウム、または錫は、金属単体であってもよいし、酸化物であってもよい。
また、これらの金属の合金も好適に用いられる。合金としては、例えば、白金−イリジウム合金、ルテニウム−錫合金、ルテニウム−チタン合金などが挙げられる。上記のような金属などは、耐食性に優れており、陽極として用いるのに好適である。
特に、塩素発生用の電極としては、更に不溶解性、電解水質の安全性、逆電圧洗浄時の耐久性が要求される。このような電極としては、パラジウム、ルテニウム、白金とイリジウムとの合金などを主成分とするものが好ましい。なお、陰極には、特に厳しい不溶性が要求されないため、例えばステンレス、炭素鋼、チタン又はチタン合金、ハステロイ、インコネルなどのニッケル合金からなる陰極を用いることができる。
また、電気分解は、例えば、電圧は5〜50V、電流は電極表面積あたり0.5〜600A/m2の条件で実施することが好ましい。電流密度が600A/m2より高い場合には、陽極の表面が剥離したり、陽極自体が溶出し易くなったりする。電流密度が0.5A/m2より小さい場合には、陽極の面積を大きくする必要があり、電解水生成手段の小型化が困難となる。
また、電解水生成槽31としては、電解槽と、電解槽に隔膜を介して配置された陽極と陰極からなる電解装置を用いることができる。陽極と陰極との間を隔膜で仕切っているために、陽極水と陰極水とが混合することなく、それぞれを別個に取り出すことが可能となる。例えば、陽極水である強酸性電解水、またはアルカリ性である陰極水を陽極水に追加して、酸性電解水としたものを、酸化性物質を含む酸化水として用いることができる。
隔膜には、セラミック、樹脂、ガラス繊維などを使用できる。例えば、隔膜としては、ポリエステル、ガラス繊維などの不織布に、0.2〜200μmの孔径の細孔を有する樹脂皮膜をつけて親水性としたものが挙げられる。
電解槽としては、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの樹脂からなるものを用いることができる。また、電解水を供給するための配管には硬質塩ビ管などからなるものを用いることができる。
酸化水18として用いる電解水としては、上記のように、電気分解により陽極で生成された酸性の陽極水、電気分解により陰極で生成されたアルカリ性陰極水、陽極で生成された陽極水と陰極で生成された陰極水を合わせた弱酸性の電解水がある。上記装置に用いられる隔膜や、電解される液の種類を変更することによって、酸性水、微酸性水、電解次亜水、アルカリ水などを形成できる。
塩素や塩化物の塩を含む水を電気分解した場合には、その電解水には、次亜塩素酸や次亜塩素酸イオン、塩素などが含まれる。このとき、電解水に含まれる次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンと塩素を含む、有効塩素濃度は、50〜3000ppmに調整されることが好ましい。
この有効塩素濃度に比例した次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンが酸化力として作用するので電解水が酸化水18として使用できる。電解水の有効塩素濃度が50ppm未満では、酸化力が不十分となる。有効塩素濃度が3000ppmを超えると、酸化力は十分であるが、収容部など、電解水と接触している部分が腐食されるようになる。
上記のように、電解水生成槽31は、電解槽と一対の電極などから構成され、また、ハロゲン塩などの電解質を含む水を電気分解するのみなので、その電解水生成槽31の管理が簡単となる。
したがって、本実施形態の生ゴミ処理装置は、化学物質の管理体制が実現できる産業用途のみならず、一般家庭、レストランなどの化学物質の管理が困難である場所でも用いることが可能となる。
酸化水供給手段15は、本実施の形態では電解水の生成により発生する次亜塩素酸の酸化性を活用したが、酸化性物質を含んだ酸化水18を供給できるものであれば他の手段を用いてもよい。
また、酸化水18の供給は、収容部11内または浄化手段19内の酸化水の量に依存して自動で行ってもよいし、または手動で行ってもよい。
本発明において用いられる酸化性物質としては、オゾン、過酸化水素、亜ハロゲン酸、次亜ハロゲン酸、過マンガン酸イオン、塩素、二クロム酸イオン、酸素、二酸化塩素、次亜塩素酸イオンなどを用いることができる。亜ハロゲン酸としては、亜塩素酸、亜臭素酸、亜ヨウ素酸が挙げられ、次亜ハロゲン酸としては、次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸が挙げられる。なお、酸化力の強さから、亜塩素酸、亜臭素酸、次亜塩素酸、次亜臭素酸が好ましい。また、上記酸化性物質は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
また、酸化水に含まれる酸化性物質の濃度は、50〜3000ppmが好ましい。50ppm未満では酸化力が不十分であり、3000ppmを超えると酸化力は十分であるが、保持手段などへの腐食も大きくなり好ましくないからである。さらに、本発明においては酸化性物質が生ゴミを酸化する効果ができるだけ大きくなることが好ましい。
本実施形態のように、酸化性物質として用いた次亜塩素酸、または亜塩素酸を用いる場合は、pHが高くなると、プロトンが解離してイオンとなる。例えば、次亜塩素酸(HClO)の場合、pHが高くなると、ClO-が増加してしまい、酸化水の酸化力が低下する。
したがって、次亜塩素酸や亜塩素酸を酸化性物質として用いる場合、それらが、イオンでなく、酸型(電荷的に中性)の状態で存在するように、酸化水のpHは、8未満であることが好ましい。特に次亜塩素酸の場合、その酸型の存在が9割以上となるため、酸化水のpHを6.5以下にすることが特に好ましい。
酸化性物質を含んだ酸化水18は、上記したような電解水の生成によるもの以外に、例えば、オゾン発生器により発生させたオゾンを水に溶解したり、別に貯留していた過酸化水素(保存の容易さから希釈したもの)や液体塩素を水に加えたりすることにより、酸化性物質を含んだ酸化水を生成することができる。また、亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム(高度さらし粉を含む)、過マンガン酸カリウム、二クロン酸カリウムなどを水に加えてイオン化し、そのイオン種を酸化性物質として含む酸化水を生成してもよい。さらには、亜塩素酸ナトリウムに塩酸を加えて二酸化塩素を生成させ、この二酸化塩素を水と混合して、酸化水を作製することもできる。
なお、酸化水18の投入を手動で行うのであれば、酸化水供給手段15としては、酸化性物質を含んだ酸化水、ポリ容器などからなるものを用いることができる。このため、とても安価に構成できる。
また、上記工程(3)において、液化した生ゴミと、酸化性物質を含む酸化水18とを触媒19に接触させながら加熱するときの温度と時間は、液化した生ゴミが酸化水により、十分にガス化されて水中から有機物が除去されるように設定することが好ましい。
なお、本発明においては、触媒20近傍の温度を測定して制御する加温制御手段(図示せず)を更に有し、この温度を測定しながら液化した生ゴミと酸化水18を加熱して触媒20の温度を制御することが更に好ましい。加温制御手段は、例えば液温を測定する測定部と、その温度に応じて触媒加熱手段21による加熱を制御する制御部で構成される。
この加温制御手段による加熱温度は、150℃以下であることが好ましい。加熱温度が150℃を超えると、低分子化した生ゴミが重合してタールなどの高分子になり、水中から有機物の除去率が低減すると共に、触媒表面の活性をなくしてしまうからである。
特に100℃未満とすることで、重合もなく、沸騰させないので圧力容器構造をとることもなく、より好ましい。
また、生ゴミ加熱手段16が前記酸化水の温度を測定して前記排出口から出る液温を制御する排出口水温度制御手段(図示せず)を更に有し、この排出口水温度制御手段により加熱後の酸化水18を室温までに冷却せずに浄化手段19に供給することもできる。
排出口水温度制御手段は、例えば液温を測定する測定部と、その温度に応じて生ゴミ加熱手段16による加熱を制御する制御部で構成される。本例では、温度計24により前述の工程1と2で加熱後の温度を測定し、100℃未満となったところで排出電動弁27を開放して酸化水18と液化した生ゴミを浄化手段19に導くことで、温かい液温による残存熱も活用でき、触媒加熱手段21にて大きく加熱することもなく省エネとなり、好ましい。
触媒20の有効成分としては、貴金属および卑金属の少なくとも一種が使用される。貴金属系触媒活性成分としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、金などが例示される。卑金属系触媒活性成分としては、鉄、銅、コバルト、マンガン、ニッケル、マグネシウム、タングステンなどが挙げられる。
特にグルコース類とアミノ酸類の分解では、ルテニウム、パラジウム、白金による効果が高く、これらの少なくも1種を含むことが好ましい。また、必要に応じて、これらの触媒活性成分には、テルル、ランタン、セリウム、セレンなどの助触媒成分を併用することにより、触媒活性成分の活性増大、触媒体の耐熱性、耐久性、機械的強度の向上などを図ることができる。
触媒有効成分および助触媒成分は、常法に従って、アルミナ、シリカ、シリカ―アルミナ、チタニアなどのチタン化合物、ジルコニア、活性炭などの炭化物などの粒状担体、或いはニッケル、ニッケル―クロム、ニッケル―クロム―鉄などの金属多孔粒状担体などに担持させた状態で使用する。
生ゴミ処理装置10では生ゴミの液化と共に多くの有機酸が生成されて酸性に、また本実施の形態で示すように電解水を用いた場合は、酸化力を大きくするために加熱以前からpH8未満に選択される。そのために強酸性になっても化学的に安定なチタン化合物または炭化物の担持体を用いることが特に好ましい。触媒活性成分の担持量は、通常担体重量の0.05〜25%程度、好ましくは0.5〜3%程度である。触媒量が25%をこえると触媒が増えすぎるために有効に活用されていない触媒が増えると共に、高価な触媒を使うことにより経済性が劣る。また0.05%未満では活性が少なく、十分な触媒効果を得ることができないからである。また、助触媒成分の使用量は、触媒活性成分に対し、0.01〜30%程度である。
触媒は、球状、ペレット状、円柱状、破砕片状、粉末状などの種々の形態の粒状担体に担持した状態で使用する。浄化手段19の容積は、液の空間速度が0.5〜10リットル/hr(空塔基準)、より好ましくは1〜5リットル/hr(空塔器準)となるようにするのが良い。
触媒の大きさは、保持し易いように約1〜50mmである。浄化手段19での触媒20の充填量は、前述の液の空間速度を保持できると共に、液に全てが浸かるように充填する。
収容部11および浄化手段19は、pH8以下の条件において、酸化性物質を含む酸化水を加熱した状態での酸による腐食や圧力上昇などに対して十分な耐久性を有する材料で構成されることが好ましい。このような構成材料としては、加熱時の腐食または液化した生ゴミによる腐食をできるだけ回避することのできる素材を用いることが好ましい。
例えば、液化した生ゴミを含む液状物が接触する内面は、SUS304やSUS316などのステンレス鋼、ハステロイやインコネルなどの耐熱性合金、PTFEやPFAなどのフッ素樹脂などで被覆されていることが好ましい。
生ゴミ加熱手段16および触媒加熱手段21としては、収容部内の生ゴミまたは浄化手段内の触媒を加熱できればよく、特に限定されることなく用いることができる。例えば、このような加熱手段としては、ジュール熱を用いた電気加熱手段、ガスや石油などの燃焼熱を用いた燃焼手段、ヒートポンプ、誘導加熱手段などが挙げられる。
電気加熱などにより加熱する接触加熱手段を生ゴミ加熱手段16または触媒加熱手段21として用いる場合、このような加熱手段は、収容部の内壁に設置したり、投げ込みヒータのように配管をコイル状にして収容部内部の水に直接接触させて配置したりすることが好ましい。このような形態とすることにより、加熱効率を高めることが可能となる。
また、雑菌が繁殖しないように、内部の残留物のうち、少なくとも液状物を排出したあとで、前述の加熱手段を用いて、収容部11および浄化手段19の内部を乾燥させてもよい。
収容部を密閉するための圧力保持は、収容部内の生ゴミと酸化性物質を加熱している間に、加熱による水蒸気やガスなどが大気に逃げないように、収容部を閉空間とすることができればよい。本実施形態では、圧力保持は、酸化性物質を含んだ酸化水や生ゴミなどを投入する投入口を密閉するための蓋部13と排出電動弁27からなり、加熱時にはこれらを閉じることにより、収容部を密閉することが可能となる。この場合、収容部内の生ゴミおよび酸化性物質を含む酸化水を加熱すると、収容部内部の圧力が上昇するため、その圧力状態でも収容部が閉鎖を保てるような耐圧性を持つことが好ましい。
なお、異常なガス発生で収容部の内圧が上がりすぎた場合に、収容部11内部の蒸気などを逃がす機能をも有する圧力開放弁を設置することもできる。もちろん、この圧力開放弁の作動する圧力は、収容部の強度を保障するよりも小さい値(例えば、数MPa以下の値)に設定することができる。
排出電動弁27は、収容部11内の液状物を外部に排出するとともに、加熱時の圧力に耐え、また、その開閉が制御できるものであればよい。このような手段としては、例えば、給湯器や化学プラントにおいて使用される耐圧性の手動弁や電動弁のような開閉機構を備えているものが好ましい。
液化せずに残った生ゴミの残渣は、取り出して廃棄することもできる。または、そのまま他の生ゴミと一緒に、酸化水182に浸し、加熱を繰り返すことにより、液化することもできる。但し、加熱を繰り返す場合は、その容量が減少しなくなった時点で収容部11から取り出し、廃棄するのがよい。
また、液を排出するときに攪拌手段(図示せず)にて骨などの固形物を破砕して酸化水に分散させて排出することもできる。この場合は別に排出する手間もなくなり、特に望まれる。
液化した生ゴミの分解が終了した後、液温を測定しながら、浄化手段19内の液体の温度が45℃未満に冷えたことを確認する。これは、下水への流入水の温度が、45℃未満であることが好ましいからである。液状物の温度を45℃未満にすることにより、排出配管22として、風呂周りで活用している硬質塩ビ、塩ビライニング鋼管などを使用でき、安価に構成できる。
また、上記のように、排出配管22は排水管23に直接接続されているので、液化した生ゴミを含む液状物は、排出配管22を通して、そのまま下水管の排出することができる。従って、本実施形態の生ゴミ処理装置は、下水が敷設されている一般家庭、学校、レストランなどに容易に設置することができる。
温度計24や浄化手段19での温度測定(図示せず)としては、温度を測定することができ、加熱時の耐圧性と化学的な耐性とを備えるものが好ましい。このような温度測定手段としては、例えば、表面がステンレス鋼で覆われた熱電対などが挙げられる。また、熱電対としては、熱電対としては、例えば、クロメル―アルメル合金、白金合金を用いることができる。
更に、加熱時に熱電対を通して熱が逃げないように、例えば、ガラスウールなどの断熱材で熱電対の外部を覆って、断熱性をあげたものが特に好ましい。
生ゴミ処理装置10は、排出口から出される液体の酸性度を小さくするためのpH調整手段を更に具備してもよい。この調整手段により中性またはアルカリ性に調整することで、触媒20の担持体をより安価なもの、例えばアルミナなどを採用することができる。調整にはNaOHやKOHなどのアルカリ剤、または電解水生成槽31から製造されるアルカリ水を用いることができる。
収容部11内部の液状物を排出した後に生ゴミ加熱手段16により、収容部11の内部を再度加熱し、固形物である残渣を乾燥し、その残渣の取り扱いを容易にすることが好ましい。
本実施の形態では、生ゴミの液化について化学物質による方法を詳しく述べたが、前述したように微生物によるもの、または加熱によるみのを用いることももちろんできる。
以下においては、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。なお、以下の実施例は、本発明を限定するものではない。
《実施例1》
図1に示す構造を有する本発明の生ゴミ処理装置を用いて、生ゴミの液化と分解を行った。収容部11、および投入口12を閉じる蓋部13は、SUS304で構成され、収容部11としては、その内容積が300mlであるものを用いた。
電解水生成槽31としては、イオン洗浄水メーカ(松下電器産業(株)製のMS−W1)を用いた。このイオン洗浄水メーカを用いて、食塩を添加した水道水を電解し、その酸性側の電解水(pH2.5、有効塩素濃度:1000ppm)を、酸化性物質を含む酸化水として用いた。また、生ゴミ加熱手段16としてはバンドヒータを用い、電解水に熱電対を投入し、電解水の温度を制御した。
まず、室温において、収容部11に、ジャガイモを10g(含水率:約80%)入れ、電解水を100ml注入した。その後、収容部11を密閉した。
収容部11内のジャガイモと電解水を、100℃で2時間加熱し、室温まで冷却した。この後、排出部14より液状の分解物(分解液)を排出し、収容部11の内部を、再度、バンドヒータで100℃に10分加熱し、乾燥した後で、残渣を取り出した。残渣の重量は、0.1gであり、元の重量の1/100にまで大きく減容化できた。なお、この分解液からは、ジャガイモを構成するデンプンの加水分解物であるグルコース類が95wt%検出された。
この分解液(約110g)に、チタン酸(TiO)に3wt%のルテニウムを担持したものを触媒として用いて接触させ、再度、前述のイオン洗浄水メーカを用いて、食塩を添加した水道水を電解し、その酸性側の電解水(pH2.5、有効塩素濃度:1500ppm)を、酸化性物質を含む酸化水として500g加えて80℃に加温し、1時間放置した。
その結果、グルコース類が溶けている水中のTOC(全炭素量)が半減し、グルコース類が大きく削減できた。このとき、ガスとして二酸化炭素の発生も確認した。
なお、比較として、電解水を加えずに、10gのジャガイモを加熱し、乾燥したところ、残渣は5gであり、若干乾燥した程度であった。従って、本発明により、生ゴミを大きく減容化し、排水処理の負担も半減して放流できることがわかった。
また、触媒として、アルミナおよび活性炭に3wt%のルテニウムを担持したものを用いても、同様の条件で測定したところ、水中のTOC(全炭素量)は65%、45%を削減しており、前述と同など程度以上の効果を確認した。しかし、ジャガイモを液化した後のpHが2.0であったために、アルミナを用いた場合はアルミが溶出しており、チタン酸または活性炭のほうが安定して使用できることも確認できた。
《実施例2》
実施例1と同様の装置を用い、ジャガイモの代わりに、魚、牛肉、りんご、たまねぎ、大根などを加えて食べ残しを想定したものを処理する実験を行った。
収容部11に、魚(骨なし)、牛肉(骨なし)、りんご、たまねぎ、大根などからなる生ゴミを10g(含水率:約80%)入れた後に、実施例1と同じ電解水を200ml注入した。その後、収容部11を密閉した。
収容部11内の生ゴミおよび電解水を、ハンドヒータで、150℃で3時間加熱し、そののち、室温まで冷却した。排出部14より、収容部11内の分解液を排出し、収容部11内を、再度バンドヒータで100℃に10分加熱し、乾燥した。収容部11内の残渣を取り出し、その重量を測定したところ、その重量は0.3gであり、生ゴミを、元の重量の3/100にまで、大きく減容化することができた。この分解液からはグルコース類とアミノ酸類が80wt%検出された。
この分解液(約210g)に、チタン酸(TiO)に3wt%のルテニウムを担持したものを触媒として用いて接触させ、再度、前述のイオン洗浄水メーカを用いて、食塩を添加した水道水を電解し、その酸性側の電解水(pH6.5、有効塩素濃度:1300ppm)を、酸化性物質を含む酸化水として500g加えて90℃に加温し、1時間放置した。
その結果、グルコース類とアミノ酸類を含む水のTOC(全炭素量)が40%削減した。
なお、比較として、生ゴミに電解水を加えずに加熱し、乾燥のみを実施した。収容部内の残渣重量は4gであり、生ゴミが若干乾燥した程度であった。従って、本発明を用いることにより、排水負荷を抑えながら生ゴミを大きく減容化できた。
また、触媒として、活性炭にパラジウム、白金またはロジウムを各3wt%担持したものを用いると、水中のTOC(全炭素量)が20%、30%、5%削減した。ロジウムの削減効果は小さいが、パラジウムと白金は、ルテニウムと同様に排水負荷を抑えながら生ゴミを大きく減容化できた。
なお、上記実施例では、食べ残しや、部屋ゴミなどの液化処理を想定したものであり、特に、実施例2で示したように、複数の食べ物が混ざった混合生ゴミにも有用である。よって、本発明の生ゴミ処理装置は、野菜くず、剪定枝、葉、魚のあらなどの農林水産廃棄物、さらに家畜の糞などの他の有機系廃棄物にも使用できることがわかる。
本発明の固形有機物処理装置および固形有機物処理方法は、生ゴミや糞などの固形有機物の処理に好適である。
本発明の一実施の形態である生ゴミ処理装置の構成を示す概略断面図である。 従来の生ゴミ処理装置の構成を示す概略断面図である。
符号の説明
10 生ゴミ処理装置
12 投入口
13 蓋部
14 排出口
15 酸化水供給手段
16 生ゴミ加熱手段
17 生ゴミ
18 酸化水
19 浄化手段
20 触媒
21 触媒加熱手段
22 排出配管
23 配水管
24 温度計
25 メッシュ
26 傾斜付きの底
27 排出電動弁
28 放流電動弁
30 水供給管
31 電解水生成槽
32 酸化水供給配管
33 酸化水注入切替バルブ
61 外器
62 内器
63 脚部
64 透孔
65 外器の底部
66 液肥取り出しバルブ
67 内器用の蓋体
68 外器用の蓋体
69 加熱ヒータ
70 送風ファン
71 送風パイプ
72 通気パイプ
73 シャフト
74 ベアリング

Claims (16)

  1. 固形有機物を投入するための投入口、および前記固形有機物の少なくとも一部を液体に分解して得られる分解液を排出するための排出口を具備する収容部と、
    前記排出口から排出された前記分解液に接触させる触媒を具備する浄化手段と、
    前記浄化手段における前記触媒近傍に酸化性物質を含む酸化水を供給する酸化水供給手段と、
    前記浄化手段において得られる処理液を排出するための排出配管と、
    を備える固形有機物処理装置。
  2. 前記浄化手段が、前記分解液に接触している前記触媒を加熱するための触媒加熱手段を備える請求項1記載の固形有機物処理装置。
  3. 前記酸化水供給手段が、塩素およびハロゲン塩の少なくとも一方を含む水を電解して電解水を生成し、前記電解水を前記酸化水として供給する請求項1または2記載の固形有機物処理装置。
  4. 前記酸化水供給手段が、前記収容部にも前記酸化水を供給し、
    前記収容部が、前記酸化水に接触させながら前記固形有機物を加熱する固形有機物加熱手段を備える請求項1〜3のいずれかに記載の固形有機物処理装置。
  5. 前記触媒が、ルテニウム、パラジウムおよび白金よりなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1〜4のいずれかに記載の固形有機物処理装置。
  6. 前記触媒が、チタン化合物または炭化物からなる担持体を含む請求項1〜5のいずれかに記載の固形有機物処理装置。
  7. 前記触媒近傍の温度を室温より高くかつ100℃未満に制御するとともに前記温度を測定するための加温制御手段を備える請求項1〜6のいずれかに記載の固形有機物処理装置。
  8. 前記固形有機物加熱手段が、前記分解液の温度を測定して前記排出口から排出される前記分解液の温度を制御するための排出口水温度制御手段を備え、前記排出口水温度制御手段により加熱された前記分解液を室温までに冷却させずに前記浄化手段に供給する請求項4〜7のいずれかに記載の固形有機物処理装置。
  9. 固形有機物の少なくとも一部を液体に分解して分解液を得る工程(1)と、
    前記分解液を触媒に接触させる工程(2)と、
    前記触媒に接触させた前記分解液に酸化性物質を含む酸化水を供給する工程(3)と、
    を備える固形有機物処理方法。
  10. 前記工程(2)および前記工程(3)のうちの少なくとも一方において、前記分解液に接触している前記触媒を加熱する請求項9記載の固形有機物処理方法。
  11. 前記工程(3)において、塩素およびハロゲン塩の少なくとも一方を含む水を電解して電解水を生成し、前記電解水を前記酸化水として供給する請求項9または10記載の固形有機物処理方法。
  12. 前記工程(1)において、前記固形有機物に酸化水を供給して前記固形有機物の少なくとも一部を液体に分解し、かつ、前記酸化水に接触させながら前記固形有機物を加熱する請求項9〜11のいずれかに記載の固形有機物処理方法。
  13. 前記触媒が、ルテニウム、パラジウムおよび白金よりなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項9〜12のいずれかに記載の固形有機物処理方法。
  14. 前記触媒が、チタン化合物または炭化物からなる担持体を含む請求項9〜13のいずれかに記載の固形有機物処理方法。
  15. 前記工程(2)および前記工程(3)のうちの少なくとも一方において、前記工程前記触媒近傍の温度を室温より高くかつ100℃未満に制御するとともに前記温度を測定する請求項9〜14のいずれかに記載の固形有機物処理方法。
  16. 前記工程(1)の後、前記分解液を室温までに冷却させずに前記工程(2)に供する請求項9〜15のいずれかに記載の固形有機物処理方法。



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