JP2007002058A - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 優れた外観や断熱性を有し、発泡シュリンクラベル用途に特に適するする発泡シュリンクフィルムを与えることのできるポリプロピレン系樹脂組成物およびこの組成物から得られるフィルムを提供する。
【解決手段】 所定の特性を有する軟質ポリプロピレン系樹脂とおよび所定の特性を有する高溶融張力ポリプロピレン樹脂とを含むポリプロピレン系樹脂組成物およびこの組成物を成形して得られるフィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂組成物に関する。本発明は、特に、発泡シュリンクラベル用フィルムの製造に適するポリプロピレン系樹脂組成物に関する。
飲料缶、ペットボトルの意匠用として、近年延伸ポリスチレンフィルム(O‐PS)や延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(O‐PET)等のシュリンクラベルが多用されている。なかでも店頭や自動販売機等で加温して販売される飲料缶には、加温された缶を素手で持っても熱くないように、低密度ポリエチレン(LDPE)の水発泡フィルムや、O‐PETフィルムの下に不織布を巻いて断熱効果を持たせたタイプがある。これらのシュリンクラベル用のフィルムには、飲料缶としての意匠性が必要となるため、表面平滑性が求められる。また、シュリンク性、シール性および低コスト性も重要となる。
これまでのLDPE水発泡フィルムは、断熱効果は高いものの、表面平滑性が極めて悪く、印刷に適さなかった。また、PSを発泡させたフィルムは、耐熱性に問題があり、レトルト処理には適していない。さらに、O‐PETフィルムの下に不織布を巻いたタイプのものは、断熱性、意匠性には問題はないが、加工に手間がかかり、コスト的に高くなるという問題があった。
また、特許文献1にはプロピレン−エチレンランダム共重合体ポリプロピレン樹脂と結晶性プロピレン−エチレン共重合体ポリプロピレン樹脂をブレンドし、発泡および延伸を行なって得られるシュリンクラベルフィルムについて記載されているが、このフィルムでは、溶融張力が低いため、発泡倍率があまり大きくならず、またインフレーション成形ができないため、特殊な加工法が必要とされるという問題があった。
特公平4−23898号公報
本発明は、前述した如き従来技術の問題点を解決し、優れた外観や断熱性を有し、発泡シュリンクラベル用途に特に適するする発泡シュリンクフィルムを与えることのできるポリプロピレン系樹脂組成物およびこの組成物から得られるフィルムを提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するため、特定の軟質ポリプロピレン系樹脂と特定の高溶融張力ポリプロピレン樹脂とを含むポリプロピレン系樹脂組成物並びにこの樹脂組成物からなるフィルムを提供する。
すなわち、本発明は、例えば、次の(1)〜(5)の事項からなる。
(1)下記条件1を満たす軟質ポリプロピレン系樹脂とおよび下記条件2を満たす高溶融張力ポリプロピレン樹脂とを含むポリプロピレン系樹脂組成物。
条件1 JIS K7171に従う曲げ弾性率が400MPa以下であり、25℃のキシレンに可溶性の成分を25〜80質量%の量で含む
条件2 JIS K7210に従う230℃でのメルトフローレート(MFR)と、以下の測定方法により測定される230℃での溶融張力(MT)とが下記式(1)の関係を満たす
11.32×MFR−0.7854≦MT (1)
(2) 軟質ポリプロピレン系樹脂の量が90〜50質量%であり、高溶融張力ポリプロピレン樹脂の量が10〜50質量%である、上記(1)に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
(3) 上記(1)または(2)に記載したポリプロピレン系樹脂組成物をインフレーション成形またはTダイ成形することにより成形されたフィルム。
(4) 下記式(2)に従う発泡倍率として1.1〜3.0倍の発泡倍率で発泡されている、上記(3)に記載のフィルム。
発泡倍率=0.9÷密度 (2)
但し、密度はJIS K7112による。
(5) 加熱ロールまたはテンター延伸機により縦または横のいずれかの方向に1.1〜8倍に延伸されている、上記(4)に記載のフィルム。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物から得られる発泡シュリンクフィルムは、優れた外観および断熱性を有するとともに、実用上十分な緩衝性、保温性、表面平滑性、熱収縮性および印刷適性を有するため、シュリンクラベル用として、特に加温下で販売されるスチール、アルミ等からなる飲料缶のシュリンクラベル用として、好適に用いることができる。また、このフィルムによれば、単一フィルムの形態で用いることができるため加工が容易であり、リサイクルに際しても表皮フィルムと断熱材で構成されているラベルのように分別する必要が無いため省力化が可能である。
以下に本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明するが、これは単に本発明を例示するものであって、本発明がこれらの形態のみに限定されることを意味するものではなく、本発明の精神および思想の範囲内において多くの変形が可能であることを理解されたい。
本発明において、溶融張力の測定は、次の方法により行った。すなわち、JIS K7210に示されるMFR測定用の装置を用い、約15gの樹脂をシリンダー内で230℃5分間で予熱した後、ピストンにより、穴径2.095mmφのキャピラリーから、押出速度15mm/分で吐出させたストランドを6.6m/分の定速度で引き取り、途中滑車を介してストレスゲージにて荷重を読み取り、記録する。測定開始から30〜90秒間の読みの平均値を溶融張力とする。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物とそれからなるフィルムは、軟質ポリプロピレン系樹脂および高溶融張力ポリプロピレン樹脂を含む。
この軟質ポリプロピレン系樹脂としては、JIS K7171に従う曲げ弾性率が400MPa以下であり、25℃のキシレンに可溶性の成分(キシレン可溶分)が25〜80質量%の量で含むものが用いられる。
このような軟質ポリプロピレン系樹脂を製造する方法としては、特に制限されるものではないが、一例として特開平6−25367号公報に記載されているような多段重合法を挙げることができる。この多段重合法は、第一段階のプロピレンの単独重合またはプロピレンと少量のエチレンとのランダム共重合の段階と、次のエチレンと1種以上の炭素数3以上のα−オレフィンとの共重合の段階を含む重合工程からなる。この重合法により得られた樹脂は、各段階で生成する樹脂成分が重合時のリアクター中であたかもブレンドされたようになるため、一般に行われている重合後にブレンドする方法により得られる樹脂とは異なり、非晶成分が非常に微細に分散しており、薄肉成形可能な、柔軟性、発泡性、延伸性に優れたフィルムを得ることが可能となる。
キシレン可溶分の測定は、以下のようにして行われる。すなわち、樹脂2.5gを攪拌しながら135℃のキシレン250mlに溶解する。20分後に溶液を攪拌しながら25℃まで冷却し、次いで30分間沈降させる。沈殿をろ過し、ろ液を窒素気流下で蒸発させ、残さを恒量に達するまで80℃において真空下で乾燥する。残さを秤量し、キシレン可溶分の質量%を計算によって求める。
軟質ポリプロピレン系樹脂のJIS K7171による曲げ弾性率は、400MPa以下であり、好ましくは300Mpa以下、さらに好ましくは200MPa以下である。400MPaを超えるとフィルムが固くなり、ラベルにした時のハンドリング性の悪化およびフィルムの表面平滑性の低下をもたらす。
また、25℃のキシレンに可溶性の成分(キシレン可溶成分)の量は25〜80質量%であり、好ましくは40〜70質量%である。25質量%未満では柔軟性が得られず、ラベルにした時のハンドリング性の悪化およびフィルムの表面平滑性の低下をもたらす。また、80%を超えると場合は質ポリプロピレン系樹脂の製造自体が困難となる。
なお、本発明において用いられる軟質ポリプロピレン系樹脂の、JIS K7210に従う230℃におけるMFRは、好ましくは0.01〜30g/10分、さらに好ましくは0.1〜20g/10分、特に好ましくは0.4〜10g/10分である。
高溶融張力ポリプロピレン樹脂は、枝分かれ指数が1未満、好ましくは、0.4未満(下限は例えば0.2)であり、歪み硬化伸び粘度を有するゲルを含まない、例えば、主としてアイソタクチックの半結晶性ポリプロピレンであるのが好ましい。このような高溶融張力ポリプロピレン樹脂は、例えば、特開昭62−121704号公報に記載された方法によって製造することができる。
ここで、枝分かれ指数は、長鎖枝分かれの程度を定量化するものであり、[η]sr/[η]Linで定義される。ここで、[η]srは枝分かれポリプロピレンの固有粘度であり、[η]Linは重量平均分子量が実質的に同じである直鎖状ポリプロピレンの固有粘度である。
伸び粘度は、流体または半流体物質の伸びに対する抵抗である。歪み硬化伸び粘度は、伸び量が増加するに伴い、伸び粘度が高くなる現象を示す特性である。すなわち、長鎖分岐を導入するに伴い、伸び粘度が高くなる現象を示す特性である。長鎖分岐を導入することにより歪み硬化伸び粘度を示すようになる。この伸び粘度は、一定速度で引張歪みを受けたときの溶融状態にある試料の応力と歪みを測定する装置により測定できる。
本発明で用いられる高溶融張力ポリプロピレン樹脂の配合量は、軟質ポリプロピレン系樹脂90〜50質量%に対して、10〜50質量%であり、好ましくは20〜40質量%である。高溶融張力ポリプロピレン樹脂の量が10質量%未満では、十分な溶融張力が得られないことがあり、所定の発泡倍率を得ることが難しくなる傾向にある。一方、高溶融張力ポリプロピレンの量が50質量%を超えると、加熱収縮性が劣ることがある。さらに、高溶融張力ポリプロピレン樹脂の量が60質量%を超えると、得られるフィルムも剛性が極端に高くなり、柔軟性に乏しく、扱いにくくなることがある。
本発明のフィルムは、例えば、上記本発明のポリプロピレン系樹脂組成物をインフレーション成形またはTダイ成形のうちのいずれか公知の方法により成形することにより得ることができる。これらの方法のうちでは、設備面および成形操作の簡便さから、インフレーション成形法が好ましい。
本発明のフィルムは、化学発泡、炭酸ガス発泡、水発泡等のいずれか公知の方法により発泡させることができ、発泡倍率は好ましくは1.1〜3.0倍であり、さらに好ましくは1.3〜2.5倍、特に好ましくは1.5〜2.0倍である。このとき、発泡倍率が1.1倍未満であると断熱性に十分な効果が得られないことがあり、3.0倍を超えるとフィルム表面が荒れた状態になり、印刷適性が低下することがある。
このようして得られたフィルムを、例えば、加熱ロールを具備した短区間延伸機やテンターで縦、横いずれか1軸方向への延伸を行うのがよく、延伸倍率は好ましくは1.1〜8倍であるのがよく、さらに好ましくは1.2〜5倍、特に好ましくは1.5〜4倍である。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
なお、これらの実施例および比較例における特性の評価は、以下の方法により行った。
発泡倍率
延伸前のフィルムについて浮力式密度計を用いて浮力を測定し、得られた数値から下記式により発泡倍率を算出する。サンプル数n=5とし、下記の式で計算を行なった結果の平均値を発泡倍率として用いた。
発泡倍率=0.9÷密度
表面破泡検査
延伸後のフィルムを縦5cm、横5cmに切り、エタノール90質量%で赤インク10質量%を希釈した溶液を準備し、これをフィルムの表面に筆で塗布した後、水洗して余分な溶液を除去する。破泡が見られる場合は溶液により気泡穴が赤く着色する。検査したものを肉眼で観察し、次の基準で評価する。
○:着色は見られない。△:表面積の約30%までの部分に着色が見られる。×:表面積の30%を超える部分に着色が見られる。
熱収縮率試験
フィルムを流れ方向100mm、流れ方向と直角の方向100mmの正方形に切り出し、各辺の中心の標線を引く。140℃の熱風オーブン中で5分間アニ―ルした後取り出し、23℃の恒温室中で12時間以上状態調節した後の寸法を標線の個所で測定する。サンプル数n=3とし、下記の式で計算を行なった結果の平均値を、熱収縮率として用いた。
熱収縮率=[(100−試験後の実測値)/100]×100
断熱性官能試験
市販の300mlスチール缶に各フィルムサンプルを熱収縮により密着させた後、70℃の熱風オーブン中で1時間状態調節した後取り出し、素手で触る。パネラー10名で試験を行い、次に掲げる基準で評価した。
3点:30秒またはそれ以上の時間素手で持っていられる。2点:10〜30秒の間であれば素手で持っていられる。1点:10秒以上素手で持っていられない。
こうして得られた点数を平均して用いた。
実施例1
軟質ポリプロピレン系樹脂としてサンアロマー(株)より販売されている「Q100F」(MFR=0.6g/10分、密度=0.900g/cm)を用い、高溶融張力ポリプロピレン系樹脂としてサンアロマー(株)より販売されている「PF−814」(プロピレン単独重合体、MFR=3g/10分、密度=0.900g/cm、溶融張力(MT)=20g(230℃))および発泡剤マスターバッチとして日本ベーリンガー社製「J001」を用い、Q100FとPF−814をそれぞれ80:20の質量比で、またJ001をQ100FとPF−814の合計100質量部に対して2質量部の量で用いて、ペレットブレンダーでドライブレンドを行い、プラコー社製φ55mmインフレーション成形機を用いてフィルム厚み450μm、幅314mm(ブロー比2.0)のフィルムを得た。
こうして得たフィルムを岩本製作所社製2軸延伸機を用い、125℃の雰囲気下に、フィルムの流れ方向へ3倍の延伸加工を行い、厚さ約150μmの延伸フィルムを得た。
実施例2
Q100FとPF−814をそれぞれ70:30の質量比で用いた以外は実施例1と同じ操作を繰り返して、厚さ約150μmの延伸フィルムを得た。
実施例3
Q100FとPF−814をそれぞれ60:40の質量比で用いた以外は実施例1と同じ操作を繰り返して、厚さ約150μmの延伸フィルムを得た。
実施例4
プラコー社製φ55mmインフレーション成形機に代えて吉井鉄工社製φ25mmTダイ成形機を用いた以外は実施例2と同じ操作を繰り返して、厚さ約150μmの延伸フィルムを得た。
実施例5
2層フィルムの外層にサンアロマー(株)より販売されているポリプロピレン系樹脂「PF433M」(MFR=2.0g/10分、密度=0.900g/cm)を用い、その内層に軟質ポリプロピレン系樹脂としてサンアロマー(株)より販売されている「Q100F」(MFR=0.6g/10分、密度=0.900g/cm)を用い、高溶融張力ポリプロピレン系樹脂としてサンアロマー(株)より販売されている「PF−814」(プロピレン単独重合体、MFR=3g/10分、密度=0.900g/cm、溶融張力(MT)=20g(230℃))および発泡剤マスターバッチとして日本ベーリンガー社製「J001」を用い、Q100FとPF−814をそれぞれ70:30の質量比で、またJ001をQ100FとPF−814の合計100質量部に対して2質量部の量で用いて、ペレットブレンダーでドライブレンドを行い、トミー社製φ40mm3層インフレーション成形機を用いて外層と内層の厚みをそれぞれ200μm/250μmに調整し、フィルム厚み450μm、幅314mm(ブロー比2.0)のフィルムを得た。
こうして得たフィルムを岩本製作所社製2軸延伸機を用い、125℃の雰囲気下に、フィルムの流れ方向へ3倍の延伸加工を行い、厚さ約150μの延伸フィルムを得た。
実施例6
Q100FとPF−814をそれぞれ60:40の質量比で用いた以外は実施例5と同じ操作を繰り返して、厚さ約150μmの延伸フィルムを得た。
比較例1
軟質ポリプロピレン系樹脂としてサンアロマー(株)より販売されている「Q100F」(MFR=0.6g/10分、密度=0.900g/cm)および発泡剤マスターバッチとして日本ベーリンガー社製「J001」を用い、Q100Fを100質量部およびJ001を2質量部としてペレットブレンダーでドライブレンドを行い、プラコー社製φ55mmインフレーション成形機を用いて成形を試みたが、バブルが不安定で成形を行うことができず、フィルムが得られなかった。
比較例2
軟質ポリプロピレン系樹脂としてサンアロマー(株)より販売されている「Q100F」(MFR=0.6g/10分、密度=0.900g/cm)および発泡剤マスターバッチとして日本ベーリンガー社製「J001」を用い、Q100Fを100質量部とJ001を2質量部としてペレットブレンダーでドライブレンドを行い、吉井鉄工社製φ25mmTダイ成形機を用いてフィルム厚み450μm、幅200mmのフィルムを得た。
こうして得たフィルムを岩本製作所社製2軸延伸機を用い、125℃の雰囲気下に、フィルムの流れ方向へ3倍の延伸加工を行い、厚さ約150μmの延伸フィルムを得た。
比較例3
結晶性プロピレン−エチレン共重合体ポリプロピレン樹脂としてサンアロマー(株)より販売されている「PB270A」(MFR=0.8g/10分、密度=0.900g/cm、曲げ弾性率=1100MPa)を用い、高溶融張力ポリプロピレン系樹脂としてサンアロマー(株)社より販売されている「PF−814」(プロピレン単独重合体、MFR=3g/10分、密度=0.900g/cm、溶融張力(MT)=20g(230℃))および発泡剤マスターバッチとして日本ベーリンガー社製「J001」を用い、PB270AとPF−814をそれぞれ70:30の質量比で、またJ001をPB270AとPF−814の合計100質量部に対して2質量部の量で用いて、ペレットブレンダーでドライブレンドを行い、プラコー社製φ55mmインフレーション成形機を用いてフィルム厚み450μm、幅314mm(ブロー比2.0)のフィルムを得た。
こうして得たフィルムを岩本製作所社製2軸延伸機を用い、125℃の雰囲気下に、フィルムの流れ方向へ3倍の延伸加工を行い、厚さ約150μmの延伸フィルムを得た。
比較例4
PB270AとPF−814をそれぞれ60:40の質量比で用いた以外は比較例3と同じ操作を繰り返して、厚さ約150μmの延伸フィルムを得た。
上記で得られた延伸フィルムについて各種の特性を測定した結果を下記の表1〜表4に示す。
Figure 2007002058
Figure 2007002058
Figure 2007002058
Figure 2007002058
表1〜表3から明らかなように、実施例1〜4で得られたフィルムは、熱収縮性、断熱性に優れるほか、表面の破泡が無いため、印刷適性に優れることがわかる。また、実施例5および6のフィルムは、多層フィルムであるが、外層が未発泡のため発泡倍率は低めであるけれども、表面の破泡は無く、光沢に優れている。そのためこのフィルムは特に意匠性が必要とされる用途に適している。
本発明で規定する如き高溶融張力ポリプロピレン樹脂を含まない比較例1のフィルムは、溶融樹脂の溶融張力が低いため、バブルが安定せず、インフレーション成形が不可能であった。比較例2のフィルムは、高溶融張力ポリプロピレンを含まないにもかかわらず成形可能であるが、表面の破泡が多く、発泡倍率が上がらないため、断熱性に劣ることが分かる。
表4の比較例3および4は本発明で使用する軟質ポリプロピレン系の代わりにブロック共重合ポリプロピレン樹脂を使用した例であるが、これらのフィルムはいずれも延伸性に劣り、フィルムの表面が荒れ気味のため表面破泡が多発した。また、フィルムの剛性が高すぎるため、フィルムがごわついて取り扱いがしにくかった。
本発明は、シュリンクラベル用として好適なフィルムを提供することができるので、産業上有用である。

Claims (5)

  1. 下記条件1を満たす軟質ポリプロピレン系樹脂とおよび下記条件2を満たす高溶融張力ポリプロピレン樹脂とを含むポリプロピレン系樹脂組成物。
    条件1 JIS K7171に従う曲げ弾性率が400MPa以下であり、25℃のキシレンに可溶性の成分を25〜80質量%の量で含む
    条件2 JIS K7210に従う230℃でのメルトフローレート(MFR)と、以下の測定方法により測定される230℃での溶融張力(MT)とが下記式(1)の関係を満たす
    11.32×MFR−0.7854≦MT (1)
  2. 軟質ポリプロピレン系樹脂の量が90〜50質量%であり、高溶融張力ポリプロピレン樹脂の量が10〜50質量%である、請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載したポリプロピレン系樹脂組成物をインフレーション成形またはTダイ成形することにより成形されたフィルム。
  4. 下記式(2)に従う発泡倍率として1.1〜3.0倍の発泡倍率で発泡されている、請求項3に記載のフィルム。
    発泡倍率=0.9÷密度 (2)
    但し、密度はJIS K7112による。
  5. 加熱ロールまたはテンター延伸機により縦または横のいずれかの方向に1.1〜8倍に延伸されている、請求項4に記載のフィルム。
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