JP2007001780A - Ni−Cu−Zn系フェライト材料 - Google Patents

Ni−Cu−Zn系フェライト材料 Download PDF

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Abstract


【課題】 初透磁率μi等の磁気特性を損なうことなく抗応力特性を向上したNi−Cu−Zn系フェライト材料を提供する。
【解決手段】 本発明のNi−Cu−Zn系フェライト材料は、主成分の組成が、Fe:47〜48.5mol%、ZnO:22〜28mol%、CuO:4〜10mol%、NiO:残部である焼結体からなり、焼結体に含まれるP及びAlが、P≦40ppm、Al≦300ppmとする。P、Alは、P≦35ppm、Al≦250ppmであることが好ましい。
【選択図】図13

Description

本発明は、Ni−Cu−Zn系フェライト材料に関し、特に外部応力に対するインダクタンスLの変化の小さい抗応力特性に優れたNi−Cu−Zn系フェライト材料に関する。
Ni−Cu−Zn系フェライト材料は、インダクタ・トランス・ノイズ除去のコアとして使用され、携帯電話やノート型パソコン等の携帯機器に広く使用されている。しかしながら、フェライト材料は、圧縮応力等の応力が加わると、インダクタンスL又は透磁率μが変化して、磁気特性が悪化する傾向がある。そのため、フェライト材料を用いた製品に応力が加わると、磁気特性に変化が生じ、製品の特性が変動するという問題点を抱えている。従って、外部応力が負荷されても、インダクタンスL(又は透磁率μ)の変化が少ないNi−Cu−Zn系フェライト材料を得る必要がある。このように外部応力に対して特性が安定であることを、抗応力特性という。
この問題点に関し、特許文献1(特開2003−272912公報)は、Ni−Cu−Zn系フェライト材料の主成分組成を、Fe:45〜50mol%、ZnO:1〜32mol%、CuO:5〜15mol%、NiO:残部、とし、且つ主成分組成の組成比総和に対し、SnOを0.2〜3wt%添加することにより、40MPaの圧縮応力が負荷された場合でも初透磁率μiの変化率を±10%以内に抑制し、且つ良好な直流重畳特性が得られることを開示している。
また、特許文献2(特許第3147496号公報)は、Fe:46.5〜49.5mol%、CuO:5〜12mol%、ZnO:2〜30mol%、NiO:残部の割合で含有するNi−Zn−Cu系フェライト材料に対して、Co:0.05〜0.6重量%、Bi:0.5〜2重量%、SiOとSnOの合計量:0.1〜2重量%(但し、SiO、SnOのどちらか一方が0重量%である場合を除く)となるような割合で配合したNi−Cu−Zn系フェライト材料は、樹脂モールド処理時の収縮等の応力によるインダクタンスLの変化を小さくできることを開示している。
さらに、特許文献3(特開2002−124408号公報)は、所定のモル比のNi−Cu−Zn系フェライトに、SnOを0.4〜3.0wt%単独か、それに併せてLiCOを0.3〜0.5wt%添加することにより、外部応力に対して特性の変動の少ない積層インダクタ等が得られることを開示している。
特開2003−272912公報 特許第3147496号公報 特開2002−124408号公報
以上の特許文献1〜3は、抗応力特性の向上を図っているものの、Ni−Cu−Zn系フェライト材料として要求される初透磁率μiあるいは飽和磁束密度Bsが低いことが本発明者等の検討により明らかとなった。そこで本発明は、初透磁率μi等の磁気特性を損なうことなく抗応力特性を向上したNi−Cu−Zn系フェライト材料を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明者等は、Ni−Cu−Zn系フェライト材料の主成分であるFe、ZnO、CuO及びNiOの含有量を調整することにより、初透磁率μi等の磁気特性を損なうことなく抗応力特性を向上できること、さらにNi−Cu−Zn系フェライト材料に不純物として含まれるP及びAlが抗応力特性に影響を与えることを新たに見出した。すなわち本発明のNi−Cu−Zn系フェライト材料は、主成分の組成が、Fe:47〜48.5mol%、ZnO:22〜28mol%、CuO:4〜10mol%、NiO:残部である焼結体からなり、焼結体に含まれるP及びAlが、P≦40ppm、Al≦300ppmとすることにより、上記目的を達成せんとするものである。
本発明のNi−Cu−Zn系フェライト材料において、主成分の組成は、Fe:47.5〜48.3mol%、ZnO:23〜27mol%、CuO:5〜9mol%、NiO:17〜22.5mol%であることが好ましい。また本発明のNi−Cu−Zn系フェライト材料において、P≦35ppm、Al≦250ppmであることが好ましい。
本発明のNi−Cu−Zn系フェライト材料は、初透磁率μiが300以上、飽和磁束密度Bsが400mT以上、下記で定義されるインダクタンス変化率(抗応力特性)ΔLの絶対値が5%以下という特性を得ることができる。
ΔL=(L−L)/L×100(%)
:一軸圧縮応力(1t/cm)印加時のインダクタンス値
:一軸圧縮応力(1t/cm)印加なしのインダクタンス値
本発明によれば、磁気特性を損なうことなく、抗応力特性を向上したNi−Cu−Zn系フェライト材料を提供することができる。具体的には、300以上の初透磁率μi、400mT以上の飽和磁束密度Bsを備え、かつ上記したインダクタンス変化率ΔLの絶対値が5%以下の抗応力特性を得ることができる。
本発明によるNi−Cu−Zn系フェライト材料の組成限定理由について説明する。
本発明のNi−Cu−Zn系フェライト材料の主成分を構成するFe2の含有量が47mol%未満だと、初透磁率μi及び飽和磁束密度Bsが低くなる。一方、Fe2の含有量が48.5mol%を超えると抗応力特性が劣化する。したがって、本発明ではFe2の含有量を47〜48.5mol%とする。好ましいFeの含有量は47.5〜48.3mol%、さらに好ましいFe2の含有量は47.8〜48.2mol%である。
本発明のNi−Cu−Zn系フェライト材料の主成分を構成するZnOの含有量は、22〜28mol%である。ZnOの含有量が22mol%未満だと、抗応力特性ΔLの絶対値が高くなってしまうとともに、初透磁率μiが低くなる。一方、ZnOの含有量が28mol%を超えると、飽和磁束密度Bsが低くなる。したがって、本発明ではZnOの含有量を22〜28mol%とする。好ましいZnOの含有量は23〜27mol%、さらに好ましいZnOの含有量は24〜25mol%である。
本発明のNi−Cu−Zn系フェライト材料は、主成分を構成するCuOの含有量を4〜10mol%とする。CuOの含有量は、抗応力特性に大きな影響を及ぼす。CuOの含有量が4mol%未満又は10mol%を超えると抗応力特性ΔLの絶対値が5%を超えてしまう。好ましいCuOの含有量は5〜9mol%、さらに好ましいCuOの含有量は5.5〜8.5mol%である。
本発明のNi−Cu−Zn系フェライト材料の主成分の残部が実質的にNiOであるが、NiOの含有量は17〜22.5mol%であることが好ましい。NiOの含有量が17mol%未満だと、飽和磁束密度Bsが低くなる。一方、NiOの含有量が22.5mol%を超えると、初透磁率μiが低くなり、加えて抗応力特性が劣化する。したがって、本発明ではNiOの含有量を17〜22.5mol%とする。さらに好ましいNiOの含有量は18.5〜21.5mol%、より好ましいNiOの含有量は19.5〜20.5mol%である。
本発明のNi−Cu−Zn系フェライト材料は、原料に由来して不純物としてP及びAlを含むが、前述したように、この二つの化合物の含有量が抗応力特性に影響することを見出した。一般的に不純物は、所定量含まれることが抗応力特性にとって有効とみなされてきたが、本発明者等の検討により、P及びAlはその存在量を低減することが抗応力特性にとって有効であることが見出された。後述する実施例に示すように、Pを40ppm以下に規制し、かつAlを300ppm以下に規制することにより、抗応力特性を向上することができる。Pは、好ましくは35ppm以下、さらに好ましくは30ppm以下に規制する。また、Alは、好ましくは250ppm以下、さらには200ppm以下に規制する。
本発明のNi−Cu−Zn系フェライト材料において、原料由来の不純物及び製造工程上不可避的に混入する不純物であるSiO、MgO、MnO、CaO、Cr、Y、ZrO等の酸化物が通常の範囲で含有されていても、磁気特性、抗応力特性に影響は見られない。
本発明のNi−Cu−Zn系フェライト材料は抗応力特性の絶対値を5%以下にすることができる。ここで、抗応力特性とは、圧縮応力に対するNi−Cu−Zn系フェライト材料のインダクタンス値Lの変化の程度を言う。樹脂モールドタイプのインダクタンス素子ではNi−Cu−Zn系フェライト材料を樹脂モールドするが、樹脂硬化時にNi−Cu−Zn系フェライト材料に圧縮応力が加わる。Ni−Cu−Zn系フェライト材料は圧縮応力の大きさに応じてインダクタンス値Lが変化するため、樹脂モールドタイプのインダクタンス素子では圧縮応力に対してインダクタンス値Lの変化が少ない、抗応力特性に優れたNi−Cu−Zn系フェライト材料であることが望まれる。絶対値で5%以下の抗応力特性を有している本発明のNi−Cu−Zn系フェライト材料は、この要請に応え樹脂モールドタイプのインダクタンス素子用Ni−Cu−Zn系フェライト材料として用いることができる。本発明のNi−Cu−Zn系フェライト材料は、抗応力特性の絶対値を4%以下とすることができる。
本発明において抗応力特性は、具体的には以下のように求める。
後述する角柱の試料にワイヤを20回巻線した後、これに一定速度で一軸圧縮応力を印加し、このときのインダクタンス値Lを連続的に測定し、得られた測定値からインダクタンス変化率ΔLを算出する。このときの一軸圧縮応力は1t/cmとし、インダクタンス変化率ΔLは以下の式により求める。
ΔL=(L−L)/L×100(%)
:一軸圧縮応力印加時のインダクタンス値
:一軸圧縮応力印加なしのインダクタンス値
次に、本発明によるNi−Cu−Zn系フェライト材料の好適な製造方法を工程順に説明する。
主成分をなす原料粉末として、例えば、Fe粉末、CuO粉末、ZnO粉末およびNiO粉末を用意する。
用意する各原料粉末の粒径は0.1〜10μmの範囲で適宜選択すればよい。また、用意された原料粉末は例えばボールミルを用いて湿式混合する。混合は、ボールミルの運転条件にも左右されるが、20時間程度行なえば均一な混合状態を得ることができる。
なお、本発明では、上述の主成分の原料に限らず、2種以上の金属を含む複合酸化物の粉末を主成分の原料としてもよい。例えば、塩化鉄、塩化Niを含有する水溶液を酸化培焼することによりFe、Niを含む複合酸化物の粉末が得られる。この粉末とZnO粉末を混合して主成分原料としてもよい。
原料粉末を混合した後、仮焼きを行なう。仮焼きは、保持温度を700〜950℃の範囲とし、また、雰囲気を大気とすればよい。仮焼き後に、仮焼き粉は例えば平均粒径0.5〜2.0μm程度まで粉砕される。
仮焼き粉を粉砕して得られた粉砕粉末は、後の成形工程を円滑に実行するために顆粒に造粒することが好ましい。粉砕粉末に適当な結合材、例えばポリビニルアルコール(PVA)を少量添加し、これをスプレードライヤで噴霧、乾燥することにより顆粒を得ることができる。得られる顆粒の粒径は60〜200μm程度とすることが好ましい。
得られた顆粒は、例えば所定形状の金型を有するプレスを用いて所望の形状に成形され、この成形体は焼成工程に供される。
焼成は、1010〜1240℃の範囲とすることが好ましい。1010℃未満では十分な焼結密度を得ることが困難であり、1240℃を超えると異常粒成長が起こり、初透磁率μiが低下する。好ましい焼成温度は1020〜1210℃、さらに好ましい焼成温度は1040〜1190℃である。
主成分をなす原料粉末として、Fe粉末、ZnO粉末、NiO粉末およびCuO粉末を最終的に表1に示す組成(mol%)になるように秤量した。
次に、これらの原料を鋼鉄製のボールミルを用いて湿式混合し、得られた混合粉末を900℃で2時間仮焼きした。この仮焼き粉を鋼鉄製のボールミルにて粉砕した。得られた粉砕粉末は、平均粒径が0.5μmであった。
次いで、得られた各粉砕粉に、バインダとしてポリビニルアルコール水溶液を添加して造粒した。こうして得られた平均粒径70μmの顆粒をプレス成形して、電磁気特性評価に用いるトロイダル形状試料(外径20mm、内径10mm、高さ5mm)用の成形体を得た。また、抗応力特性評価に用いる角柱試料(幅5mm、厚さ5mm、長さ30mm)用の成形体を得た。なお、いずれも成形密度が3.20Mg/mとなるように成形した。これら成形体を大気中、1100℃で2時間焼成し、Ni−Cu−Zn系フェライト材料からなるトロイダル形状試料及び角柱試料を得た。
得られたトロイダル形状試料及び角柱試料を用いて、初透磁率μi、飽和磁束密度Bs及び抗応力特性ΔLを測定した。測定条件は以下に示す通りである。また、このフェライト材料について、P及びAl含有量を測定した。以上の結果を表1に示すとともに、Fe含有量と初透磁率μi、飽和磁束密度Bs及び抗応力特性ΔLの関係を図1〜図3に示す。
初透磁率μi:上記トロイダル形状試料にワイヤを20回巻線した後、LCRメータ(ヒューレットパッカード社製 HP4192)にて100kHzにおける初透磁率μiを測定した。
飽和磁束密度Bs:上記トロイダル形状試料にワイヤを40回巻線した後に印加磁界4000A/mに設定し、飽和磁束密度Bsを直流磁化特性試験装置(メトロン技研製 SY110)で測定した。
抗応力特性ΔL:上記角柱試料にワイヤを30回巻線した後、LCRメータ(ヒューレットパッカード社製 HP4192)にて100kHzでのインダクタンス値Lを測定した。角柱試料の長軸方向に圧縮応力(1t/cm)を印加し、圧縮応力印加時のインダクタンス値Lを測定し、インダクタンスの変化率ΔL(%)(ΔL=(L−L)/L×100)を算出した。
Figure 2007001780
表1及び図1に示すように、Fe含有量が本発明の範囲にあると、300、さらには400を超える初透磁率μiを得ることができる。
表1及び図2に示すように、Fe含有量が多くなるにつれて飽和磁束密度Bsが高くなる傾向にあり、400mT以上の飽和磁束密度Bsを得るためにはFe含有量を47mol%以上とする。
表1及び図3に示すように、Fe含有量が多くなるにつれて抗応力特性ΔLが劣化する傾向にあり、抗応力特性ΔLの絶対値を5%以下にするには、Fe含有量を48.5mol%以下とすべきである。
以上の通りであり、初透磁率μi、飽和磁束密度Bsを確保しつつ抗応力特性ΔLを向上するためには、本発明ではFe含有量を47〜48.5mol%とし、好ましくはFe含有量を47.5〜48.3mol%、さらに好ましくはFe含有量を47.8〜48.2mol%とする。
主成分をなす原料粉末として、Fe粉末、ZnO粉末、NiO粉末およびCuO粉末を最終的に表2に示す組成(mol%)になるように秤量した後に、実施例1と同様にしてNi−Cu−Zn系フェライト材料からなるトロイダル形状試料及び角柱試料を得た。得られた試料を用いて、実施例1と同様に初透磁率μi、飽和磁束密度Bs及び抗応力特性ΔLを測定した。以上の結果を表2に示すとともに、ZnO含有量と初透磁率μi、飽和磁束密度Bs及び抗応力特性ΔLの関係を図4〜図6に、NiO含有量と初透磁率μi、飽和磁束密度Bs及び抗応力特性ΔLの関係を図7〜図9に示す。
Figure 2007001780
表2及び図4に示すように、ZnO含有量が多くなるにつれて初透磁率μiが向上する傾向にあり、ZnO含有量が22mol%以上になると300以上の初透磁率μiを得ることができる。
表2及び図5に示すように、ZnO含有量が多くなるにつれて飽和磁束密度Bsが低下する傾向にあり、400mT以上の飽和磁束密度Bsを得るためにはZnO含有量を28mol%以下とする。
表2及び図6に示すように、ZnO含有量が多くなるにつれて抗応力特性ΔLが向上する傾向にあり、抗応力特性ΔLの絶対値を5%以下にするには、ZnO含有量を22mol%以上とする。
以上の通りであり、初透磁率μi、飽和磁束密度Bsを確保しつつ抗応力特性ΔLを向上するためには、本発明ではZnO含有量を22〜28mol%とし、好ましくはZnO含有量を23〜27mol%、さらに好ましくはZnO含有量を24〜25mol%とする。
表2及び図7に示すように、NiO含有量が多くなるにつれて初透磁率μiが低下する傾向にあり、NiO含有量を22.5mol%以下にすると300以上の初透磁率μiを得ることができる。
表2及び図8に示すように、NiO含有量が多くなるにつれて飽和磁束密度Bsが向上する傾向にあり、400mT以上の飽和磁束密度Bsを得るためにはNiO含有量を17mol%以上とする。
表2及び図9に示すように、NiO含有量が多くなるにつれて抗応力特性ΔLが劣化する傾向にあり、抗応力特性ΔLの絶対値を5%以下にするには、NiO含有量を22.5mol%以下とする。
以上の通りであり、初透磁率μi、飽和磁束密度Bsを確保しつつ抗応力特性ΔLを向上するためには、本発明ではNiO含有量を17〜22.5mol%とし、好ましくはNiO含有量を18.5〜21.5mol%、さらに好ましくはNiO含有量を19.5〜20.5mol%とする。
主成分をなす原料粉末として、Fe粉末、ZnO粉末、NiO粉末およびCuO粉末を最終的に表3に示す組成(mol%)になるように秤量した後に、実施例1と同様にしてNi−Cu−Zn系フェライト材料からなるトロイダル形状試料及び角柱試料を得た。得られた試料を用いて、実施例1と同様に初透磁率μi、飽和磁束密度Bs及び抗応力特性ΔLを測定した。また、このフェライト材料のP含有量及びAl含有量を測定した。以上の結果を表3に示すとともに、CuO含有量と初透磁率μi、飽和磁束密度Bs及び抗応力特性ΔLの関係を図10〜図12に示す。
Figure 2007001780
表3及び図10に示すように、CuO含有量が多くなるにつれて初透磁率μiが低下する傾向にあるものの、CuO含有量が本発明の範囲にあると300を超える初透磁率μiを得ることができる。
表3及び図11に示すように、CuO含有量が本発明の範囲において、飽和磁束密度Bsの変動はほとんどなく、400mT以上の高い値を得ることができる。
表3及び図12に示すように、抗応力特性ΔLはCuO含有量によってピークが存在し、絶対値で5%以下の抗応力特性ΔLを得るために、本発明はCuO含有量を4〜10mol%とする。好ましいCuO含有量は5〜9mol%、さらに好ましくはCuO含有量を5.5〜8.5mol%とする。最も好ましいCuO含有量は7〜8mol%である。
主成分として実施例1の試料No.4の組成を採用し、かつ異なる純度の原料粉末を用いる以外は、実施例1と同様にしてNi−Cu−Zn系フェライト材料からなるトロイダル形状試料及び角柱試料を得た。得られた試料を用いて、実施例1と同様に初透磁率μi、飽和磁束密度Bs及び抗応力特性ΔLを測定した。また、このフェライト材料のP含有量及びAl含有量を測定した。以上の結果を表4に示すとともに、P含有量と抗応力特性ΔLの関係を図13に、Al含有量と抗応力特性ΔLの関係を図14に示す。
Figure 2007001780
表4及び図13に示すように、P含有量によって抗応力特性ΔLは大きく変動し、P含有量が40ppmを超えると抗応力特性ΔLは著しく劣化する。そこで本発明ではP含有量を40ppm以下に規制する。好ましいP含有量は35ppm以下、さらに好ましいP含有量は30ppm以下である。
また、表4及び図14に示すように、Al含有量によっても抗応力特性ΔLは大きく変動し、Al含有量が300ppmを超えると抗応力特性ΔLは著しく劣化する。そこで本発明ではAl含有量を300ppm以下に規制する。好ましいAl含有量は250ppm以下、さらに好ましいAl含有量は200ppm以下である。
Fe含有量と初透磁率μiの関係を示すグラフである。 Fe含有量と飽和磁束密度Bsの関係を示すグラフである。 Fe含有量と抗応力特性ΔLの関係を示すグラフである。 ZnO含有量と初透磁率μiの関係を示すグラフである。 ZnO含有量と飽和磁束密度Bsの関係を示すグラフである。 ZnO含有量と抗応力特性ΔLの関係を示すグラフである。 NiO含有量と初透磁率μiの関係を示すグラフである。 NiO含有量と飽和磁束密度Bsの関係を示すグラフである。 NiO含有量と抗応力特性ΔLの関係を示すグラフである。 CuO含有量と初透磁率μiの関係を示すグラフである。 CuO含有量と飽和磁束密度Bsの関係を示すグラフである。 CuO含有量と抗応力特性ΔLの関係を示すグラフである。 含有量と抗応力特性ΔLの関係を示すグラフである。 Al含有量と抗応力特性ΔLの関係を示すグラフである。

Claims (7)

  1. 主成分の組成が、Fe:47〜48.5mol%、ZnO:22〜28mol%、CuO:4〜10mol%、NiO:残部である焼結体からなり、
    前記焼結体に含まれるP及びAlが、P≦40ppm、Al≦300ppmであることを特徴とするNi−Cu−Zn系フェライト材料。
  2. 前記主成分の組成が、Fe:47.5〜48.3mol%であることを特徴とする請求項1に記載のNi−Cu−Zn系フェライト材料。
  3. 前記主成分の組成が、ZnO:23〜27mol%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のNi−Cu−Zn系フェライト材料。
  4. 前記主成分の組成が、CuO:5〜9mol%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のNi−Cu−Zn系フェライト材料。
  5. 前記主成分の組成が、NiO:17〜22.5mol%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のNi−Cu−Zn系フェライト材料。
  6. ≦35ppm、Al≦250ppmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のNi−Cu−Zn系フェライト材料。
  7. 初透磁率μiが300以上、飽和磁束密度Bsが400mT以上、下記で定義されるインダクタンス変化率ΔLの絶対値が5%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のNi−Cu−Zn系フェライト材料。
    ΔL=(L−L)/L×100(%)
    :一軸圧縮応力(1t/cm)印加時のインダクタンス値
    :一軸圧縮応力(1t/cm)印加なしのインダクタンス値
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