JP2007001599A - コンテナおよびこれを用いた生産システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 製品の張り込み、払い出しを外部に曝露しない状態で行うことができ、また、内部を人手を介さずに洗浄することができるコンテナを提供する。
【解決手段】コンテナ100の内部に昇降自在な可動板30が配置されている。可動板30の側面周囲には円筒胴1との間で気密性を確保するシール部32,24がある。コンテナ上部の天板2にノズル11が突設され、密閉構造の箱体12により包囲されている。箱体12のノズル11との対向位置には開口14が形成され、シャッター16で開閉可能である。箱体12には内弁付き接続継手18が設けられている。コンテナの下部4は、可動板30との間に隙間を形成するために、円筒胴1よりも大径とされている。コンテナの下部4には内弁付き接続継手6が設けられている。コンテナ下部の底板3に、可動板30を円筒胴1内に押し上げる軸部8が備えられている。軸部8はロック機構10を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、食品、医薬部外品、ファインケミカルなどにおいて、粘度の高い製品を扱うプラントに適したコンテナ、およびこれを用いた生産システムに関する。
従来、粘度の高い製品を扱うプラントにおいて、製品を移送する時に使用されるコンテナ(以下、単に「容器」とも称する。)には様々なものがある。
一例として、コンテナ内部に可動式の板が、例えば空気により昇降可能となるようにはめ込まれており、これにより、コンテナ内に張り込まれた製品をコンテナの上部または払出し口へ押し出す仕組みとなっている。
この場合、コンテナの上部または払出し口には、コンテナ搬送の際の蓋が設けられている。このため、張り込み工程や押出し工程の前には、蓋を取って、コンテナ内部を外気に露出させる必要がある。
また、コンテナ内部および可動板の洗浄に際しては、蓋を取り外した後に、さらに可動板をコンテナ内から取り外す必要があった。この場合、人手で作業しなければならず、しかも粘性体が付着している可動板を取り扱うので、作業が面倒である。さらに、洗浄後の蓋を再度取り付ける際に人が扱うので衛生管理上の問題がある。
また、特許文献1に開示されている容器および供給システムでは、容器の下部に供給及び払い出し口が設けられ、さらに、その先端部には、バルブおよび管継手が付属されている。製品の張り込みや払い出し工程では、ある設備の配管から別の設備の配管へとその都度、容器を繋ぐ必要があるが、この場合、容器下部の供給及び払い出し口は開放された状態で設備の配管と管継手で繋いでいた。さらに、この例では、可動板は内部に収納されているため、これを洗浄する場合には、容器上端のフランジを開けて、人手で取り出す必要があった。
さらに、特許文献2では、液状原料またはペースト状原料の移送方法について提案されているが、通常のいわゆるパイプレス方式であり、開放された状態での液の張り込みを提案しているのみである。
特開平7−149400号公報 特開2001−55297号公報
昨今の食品、医薬部外品等の製造業界では、製品の品質と安全への関心が高い。このため、周囲の環境から異物などが混入したり、環境により汚染されたりしないように、工夫を必要としている。
しかし、上述した従来の、粘性体の生産工程では、容器への張込み時、および払い出し時に製造エリアの外気に曝露する可能性があり、必然的に異物混入の可能性が生じる。
そこで、外部に開放された状態で製品の張り込みや払い出しを行うのではなく、外部に曝露しない状況での張り込み、払い出しが必要とされる。つまり、外部からの異物の侵入の懸念がなくなるよう、閉じた状態で製品の張り込みや払い出しを行えるコンテナシステムが望まれている。
また、コンテナ内部を人手で洗浄する場合は、洗浄結果にばらつきが生じやすい。また洗浄水の使用量の増大も招く。さらには、人手不足の背景もあるので、自動化して定置洗浄とすることが望まれる。
また、医薬部外品やファインケミカルなどは、付加価値が高くて、移送容器や移送配管の内部に残存することが損失として懸念される。このような製品のプラントに使用されるコンテナは払い出し時に製品の残りが生じないものが求められている。
本発明の主な目的は、上述した従来技術の問題点に鑑み、設備の周囲環境の影響を受けないよう、閉じた状態で製品の張り込みや払い出しを行えるコンテナ、およびこれを用いた生産システムを提供することにある。また、本発明の更なる目的は、人手を介さずに内部を洗浄でき、払い出し時には製品残りを少なくすることができるコンテナを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明のコンテナは、容器の内部に昇降自在な可動板を有してなるコンテナにおいて、可動板の側面周囲に設けられ、容器の胴部との間で気密性を確保するシール部と、容器の上部の天板に突設されたノズルと、該ノズルを包囲する密閉構造の箱体と、該箱体のノズルとの対向位置に形成された開口と、該開口を開閉するシャッター機構と、箱体に設けられた第1の内弁付き接続継手と、容器の下部において容器の胴部よりも大径とされ、可動板と容器の下部との間に隙間を形成する大径部と、容器の下部に設けられた第2の内弁付き接続継手と、容器の下部の底板に設けられ、可動板を容器の胴部にはめ込むために押し上げる軸部と、軸部を所定の位置に保持するためのロック機構と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、上記のコンテナに製品を張り込むための張り込みステーションであって、コンテナを収納する収容部の上方で昇降自在に設けられ、コンテナ側の箱体と密着接続可能なステーション側の箱体と、該ステーション側の箱体の下面に形成され、コンテナ側の箱体の上面の開口と繋げることが可能な開口と、該開口を開閉するシャッター機構と、ステーション側の箱体内に先端が密閉状態で包囲された昇降自在な張り込み配管と、コンテナ底板の軸部を押し上げて可動板を容器の胴部にはめ込むための駆動装置と、コンテナ側の箱体に設けられた第1の内弁付き接続継手と接続するガス抜き用接続継手と、を備えた張り込みステーションをも提供する。
このような張り込みステーションでは、駆動装置により、コンテナ底板の軸部が押し上げられて可動板が容器の胴部にはめ込まれる。コンテナ側の箱体に設けられた第1の内弁付き接続継手には、ガス抜き用接続継手が接続される。また、コンテナ側の箱体にステーション側の箱体が密着させられ、両箱体の開口が開けられる。そして、張り込み配管が両開口を通ってコンテナ上部のノズルよりコンテナ内部に下降させられ、製品が張り込まれる。このように閉じた状態にしてコンテナ内部に製品が張り込まれるため、製品は設備の周囲環境の影響を受けない。
また、本発明は、上記のコンテナから製品を払い出すための払い出しステーションであって、コンテナを収納する収容部の上方で昇降自在に設けられ、コンテナ側の箱体と密着接続可能なステーション側の箱体と、該ステーション側の箱体の下面に形成され、コンテナ側の箱体の上面の開口と繋げることが可能な開口と、該開口を開閉するシャッター機構と、ステーション側の箱体内に先端が密閉状態で包囲された昇降自在な払い出し配管と、該払い出し配管の先端周囲に設けられ、コンテナ上部のノズルの内面との間で気密性を確保するシール部と、コンテナの下部に設けられた第2の内弁付き接続継手と接続する空気供給用接続継手と、を備えた払い出しステーションをも提供する。
このような払い出しステーションでは、コンテナの下部に設けられた第2の内弁付き接続継手に、空気供給用接続継手が接続される。また、コンテナ側の箱体にステーション側の箱体が密着させられ、両箱体の開口が開けられる。そして、払い出し配管が両開口を通ってコンテナ上部のノズル内に下降させられる。このとき、払い出し配管の先端周囲とコンテナ上部のノズル内面とはシールされている。この状態で、空気供給用接続継手より空気が供給されて可動板が上方に押し上げられることにより、コンテナ内の製品が払い出し配管を経由して外部に払い出される。このように閉じた状態にしてコンテナ内部の製品が払い出されるため、製品は設備の周囲環境の影響を受けない。
また、本発明は、上記のコンテナを洗浄するための洗浄ステーションであって、コンテナを収納する収容部の上方で昇降自在に設けられ、コンテナ側の箱体と密着接続可能なステーション側の箱体と、該ステーション側の箱体の下面に形成され、コンテナ側の箱体の上面の開口と繋げることが可能な開口と、該開口を開閉するシャッター機構と、ステーション側の箱体内に先端が密閉状態で包囲された昇降自在な洗浄配管と、コンテナ側の箱体に設けられた第1の内弁付き接続継手と接続するガス抜き用接続継手と、コンテナの下部に設けられた第2の内弁付き接続継手と接続する排水抜き用接続継手と、を備えた洗浄ステーションをも提供する。
このような洗浄ステーションでは、コンテナ側の箱体に設けられた第1の内弁付き接続継手に、ガス抜き用接続継手が接続され、コンテナの下部に設けられた第2の内弁付き接続継手に、排水抜き用接続継手が接続される。また、コンテナ側の箱体にステーション側の箱体が密着させられ、両箱体の開口が開けられる。そして、洗浄配管の先端部が両開口を通ってコンテナ上部のノズルよりコンテナ内部に下降させられ、コンテナ内部が洗浄される。このように、可動板をコンテナ内部に取り付けたままで、コンテナの内部および可動板を洗浄できるので、取り外しの手間がないだけでなく、衛生管理上も好ましい。
また、本発明は、上記のコンテナを搬送するスタッカークレーンと、該スタッカークレーンの周囲に設けられた棚段と、該棚段に設置された、上記構成の張り込みステーション、上記構成の払い出しステーションおよび上記構成の洗浄ステーションと、を備えた生産システムをも提供する。
本発明のコンテナ及びこれを用いた生産システムによれば、閉じた状態で製品の張り込みや払い出しを行えるので、周囲の環境から異物などが製品に混入したり、環境により製品が汚染されたりすることがなくなる。また、人手を介さずに、可動板およびコンテナ内部を洗浄することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
まず、本実施形態のコンテナの構造について説明する。
<コンテナの構造>
図1は、本発明の実施形態によるコンテナの側断面を示す模式図であり、コンテナ内の下部に可動板が収納された状態で、待機状態にあるときの様子を示した図である。
図1に示されるコンテナ100は円筒胴1を有している。円筒胴1の上部開口は天板2で閉じられ、下部開口は底板3で閉じられている。
天板2の中央部には、ノズル11が設けられている。ノズル11は天板2の中央部に限定するものではないが、液の排出などを考慮すると中央部が望ましい。また、ノズル11の径は、内容物の張り込み、払い出し、洗浄などの作業において、後述する張り込み配管、払い出し配管、洗浄配管を差し込むのに十分な径とする。特に、洗浄の際には多くの場合シャワーボールが用いられるが、このボールが通過できるノズル径であることが必要である。
ノズル11には、ノズル11を包囲する密閉構造の箱体12が取り付けられている。箱体12の上部にあって、ノズル11の開口と向かい合う位置に、開口14が形成されている。この開口14は、後述する払出しステーション、張込みステーション、洗浄ステーションで外部と連結するノズルが通過するための開口であり、所望の大きさとすることができる。箱体12の内側には、開口14を塞ぐためのシャッター16が設けられている。このシャッター16は、図示しない駆動機構部で、横方向に移動して、開口14を開けることができる。シャッター16の、開口14を塞ぐ部位には、図示しないシール部材が設けられていて、開口14にシャッター16を不図示の機構で押付けることで、箱体12の内外を連通させる開口14を遮断して密閉状態を確保することができる。
箱体12の側面には、払い出し、張り込み時に用いられる接続継手18が設けられている。接続継手18の中には弁体19が設けられ、この弁体19はばね等で付勢されていて接続継手18の出入口を塞いでいる。このため、接続継手18に外部の接続継手を連結すると、弁体19が接続継手18の出入口を開放し、箱体12内部が外部と連通可能となり、接続継手18から外部の接続継手を切り離すと、弁体19によって箱体12内部と外部との連通を遮断することが可能となる。
コンテナ100の内部には、円筒胴1内を昇降自在な可動板30が収納されている。この可動板30は上昇して、コンテナ内部に張り込まれた内容物を払い出すためのものである。
可動板30の外周側面の上下には、シール部32,34が設けられている。このシール部32,34は、可動板30の下部に空気圧が作用された際に、円筒胴1の内壁との間で密封状態を作って可動板30を押し上げるためのものであり、さらに、円筒胴1の内壁に付着した内容物を掻き出すものである。シール部32,34は、可動板30に着脱可能に取り付けられている。また、シール部32,34の最外周は、円筒胴1の内径より大きく、円筒胴1の内壁との間で十分なシール機能を実現するように設計される。2つのシール部32,34は可動板30の厚み方向に出来る限り、距離を離して設けられている。これは、可動板30の倒れを防ぐために有効である。シール部32,34の材質は、円筒胴1との密着性を良くするために、柔軟性が必要であり、また、シール部32,34は円筒胴1との間で摺動するので耐久性が同時に必要である。また、洗浄の際には、高温の洗浄水が流れることになるので、耐熱性も要求される。このような柔軟性と耐久性と耐熱性があるシール材料としては、例えば、シリコンゴムなどがある。
可動板30は、内容物の押し上げに際して、底面に押し上げ駆動の圧力を受ける。この際の曲げに対して十分な剛性を備えるように可動板30が設計されている。要するに、可動板30は適切な厚みを持っている。
可動板30の上面は、ほぼ水平な円滑面であり、可動板が押し上げられてコンテナ上部の天板2に到達した時に、内容物を出来る限り払い出せるようにするために、平滑な面であることが好ましい。可動板30の下面は、可動板30が後述する押し上げ板7に支えられて円筒胴1にセットされるので、ほぼ平滑な水平面となっている。
円筒胴1の下部4は、下に向けて拡がっていて、上述した可動板30が収納される空間を形成している。下部4が下に向かってテーパコーン状に拡がっているのは、可動板30を円筒胴1に押し上げる時にガイドの機能を果たすためである。
円筒胴1の下部4の側面には、ノズル5が設けられており、ノズル5の先端には内弁付きのコネクター接続継手6が設けられている。この接続継手6は、内容物の払い出しの際に可動板30を押し上げるための空気を供給する空気導入口であり、さらに洗浄の際に洗浄排水を外部へ導出するための排水出口である。接続継手6には、外部の接続継手が切り離されると自動的に閉となるように、ばねで付勢された弁体が内蔵されている。このため、払い出しや洗浄が終わって接続継手6に対して外部の接続継手が外されても、外部環境との遮断が可能である。
コンテナ100の内部であって、底板3の中央には、上述した可動板30の下面に接触して可動板30を押し上げるための押上げ板7が配置されている。また、コンテナ100の外部には、コンテナ100の内部の押上げ板7と連結している軸部8が設けられている。軸部8は底板3の略中心を貫通するように備えられている。底板3の、コンテナ100の外側部位には、軸部8をガイドし上下方向に円滑に摺動させるための筒部9が設けられている。さらに、底板3の、コンテナ100の外側部位には、図示しないステーション側の駆動シリンダーにより軸部8が押し上げられた時、その位置を保持するための機械式のロック機構10が備えられている。
コンテナ内部の可動板30を押し上げに際しては、ステーション側に設置される図示しない駆動装置(例えば空気シリンダー)により、軸部8が持ち上げられて、その軸部8の上部先端に取り付けられている押上げ板7が可動板30の下面に当接し、可動板30が上昇する。この上昇は、図示しない駆動装置のストロークエンドで停止される。このコンテナ100を張り込みステーションに移送する際など、軸部8に対する駆動装置の例えば空気の供給が解除された後も、可動板30を円筒胴1にはめ込んでその位置を保持する必要がある。このために機械的に可動板30の位置を保持させるロック機構10が必要である。このような機械的なロック機構に代えて、接続継手6経由で圧縮空気を加え、密封状態を維持することで可動板30の位置を保持することもできる。
図1に示されるようにロック機構10は、回転軸の周りに回転自在に取り付けられた腕木を備えており、可動板30がコンテナ100の円筒胴1内にセットされた際に、腕木の端が軸部8の下端の位置よりも下の位置に配置されることにより、軸部8が降下することを防止する構成である(図2)。腕木は回転軸周りに付勢するばねを有しており、腕木の固定を開放すると腕木がばね力で回転し、腕木の端が軸部8の下端よりも下に配置されるようになっている。腕木の端部を軸部8の下端の下に位置させるためには、図1に示すように腕木の端部は段付きとされ、また、軸部8の下端部は他の部分よりも大径となっている。可動板30を下降させる時は、ステーション側に設けられる別の駆動装置で、腕木が回転させられて、腕木の端部が軸部8の下端より外れることにより、軸部8及び押上げ板7が下降し、可動板30の下降が可能となる。
また、コンテナ100の底板3の下面に、スカート部20が底板3の外周から下側に延びている。このスカート部20の内部に、上記の軸部8、筒部9、ロック機構10が収納されており、スカート部20は、コンテナ100を輸送するときに、これらを保護するために設けられている。スカート部20は、円筒胴1の形状に合わせて、多くの場合には、円筒形状とされるが、これに限定されるものではなく、角形状でもよく、また、パイプ材などから構成されるフレーム構造であってもよい。
次に、コンテナ100の作用について説明する。
<待機状態>
図1は待機状態のコンテナ100を示している。すなわち、可動板30はコンテナ100の下部4において底板3上に載置されている状態であり、円筒胴1に差し込まれた状態ではない。このような状態の例としては、コンテナ内の洗浄を終了した後である。
図1に示される状態で、コンテナ100は例えば倉庫内に保管される。このときには、コンテナ100の上部と下部に設けられる接続継手18,6は閉じられているので、コンテナ100の内部は外気と遮断されており、外部環境の影響は受けない。また、コンテナ100の上部の箱体12の開口14もシャッター16で塞がれており、外気とは縁が遮断されている。コンテナ底部のロック機構10は軸部8をロックしていない状態である。
<張り込みの準備>
図1に示した状態から例えば、自動倉庫に格納されていたコンテナ100が出庫させられ、原料や製造過程物などの内容物を張り込むステーションへ移送される。移送のためには通常の自動化技術を用いることができ、例えば、コンベアーや、AGV(無人搬送車)を用いることができる。
内容物の張り込みに際して、可動板30をコンテナ100の円筒胴1内にはめ込む必要がある。この様子を示したのが図2である。コンテナ100が所定のステーション(例えば張り込みステーション)にセットされた後、ステーション側に設けられた図示しないシリンダーで、コンテナ100の底部に設けた軸部8が押し上げられる。可動板30の厚みは事前に判明しているので、図示しないシリンダーは、ストロークエンドまで稼動させられて、可動板30を押し上げる。
次に、前記シリンダーが可動板30を押切った状態にあるとき、ロック機構10の腕木が開放され、付勢されるばねにて、腕木の端部が軸部8の下端の下に配置される。これにより、可動板30は円筒胴1内部に押し込まれた状態のままとなり、下がってくることが防止される。この状態で、内容物をコンテナ内部に張り込むことが可能になる。なお、ロック機構10の腕木、軸部8の設計の際には、内容物の張り込み量、張り込む内容物の比重など軸部8にかかる荷重を配慮して設計される。
<張り込み工程>
図3は、張り込みステーションでの内容物のコンテナ100への張り込み状況を示している。この図に示される張り込みステーション200の概略構成を説明する。張り込みステーション200は、コンテナ100を収容する収容部を有する。この収容部の上部天井には、収容部に収容されたコンテナ100の上部の箱体12と接続可能な箱体220が配置され、昇降装置230により昇降自在となっている。箱体220の下面には、接続される箱体12の上面の開口14と繋げることが可能な開口222が形成されており、この開口222は、箱体220内部に設けられたシャッター224で開閉自在となっている。箱体220は、昇降装置240により昇降自在な張り込み配管210の先端部を囲っており、コンテナ上部の箱体12と接続されたとき、昇降装置240は張り込み配管210を開口222,14及びコンテナ100上部のノズル11からコンテナ100内部に下降させられるようになっている。張り込み配管210は、配管260(例えば可撓性ホース)により、図示しない撹拌釜と連結されている。
このような張り込みステーション200にコンテナ100が到着し収容されると、張り込み配管210の先端部の箱体220が昇降装置230により下降させられ、コンテナ上部の箱体12と密着状態で接続される。このためには、箱体220の、箱体12との接続面にシール部材(不図示)が設けられる。
次いで、両箱体220,12のシャッター224,16が開口222,14から離されて、横にスライドすることで、両箱体220,12の開口222,14が開状態とされる。同時に、箱体12の側面の接続継手18とステーション側のガス抜き用接続継手250が接続されて、ガス抜きラインの連通がなされる。
以上の工程により、コンテナ100の内部と箱体12,220の内部とガス抜きラインが連通した状態となり、内容物をコンテナ内部に張り込むことが可能となる。
その後、張り込み配管210が昇降装置240により下降してきて、箱体220,12の開口222,14及びコンテナ100上部のノズル11を通り、コンテナ100の内部に挿入されて、先端部から内容物が吐出される。このとき、図示しない例えば撹拌釜からコンテナ200の内部に内容物が張り込まれる。この場合、多くは粘性の高い製品であることから、例えば、ロータリーポンプやモーノポンプのような特殊なポンプで送られるのが通常である。ポンプから張り込みステーションへは配管260で繋がれている。内容物は図示しない撹拌釜、移送ポンプ、張り込み配管210を経由してコンテナ上部から張り込まれ、例えば図示しない重量センサーで張り込み量を検出して、移送ポンプにフィードバックし、該移送ポンプを停止するなどして、所定の量をコンテナ100の内部に張り込む。
また、張り込み配管210の下端が、コンテナ内に張り込まれた内容物の中に浸ることが無いように、内容物の上面が上昇するのと同調して、張り込み配管210の下端が上部に移動するように制御される。このように内容物の上面を検知しながら配管を移動させることは、プラントではよく行われている。例えば、内容物の上面に超音波を当ててその反射波を検知することにより配管位置を制御する方法や、張り込みステーションにロードセルを設けて、その重量を検知することにより、配管位置を制御する方法などがある。このような制御を可能とするため、張り込み配管210の昇降のための昇降装置240の駆動源には例えばサーボモータが用いられる。また、張り込み配管210を直線的に移動させるためには、市販の直線ガイドレールなどが用いられる。以上のように張り込み配管210の下端位置を制御することにより、張り込み配管210の下端部外周を内容物で汚すことがなくなる。
所定の量の内容物の張り込みが終了したら、張り込み配管210が上がり、ステーション側の箱体220に収納される。張り込み配管210の収納が確認されてから、ステーション側の箱体220の開口222がシャッター224で塞がれ、次いで、コンテナ側の箱体12の開口14がシャッター16で塞がれ、ガス抜きラインの接続継手250が切り離される。
このようにして、内容物がコンテナ100に密閉状態のままで張り込まれる。内容物が張り込まれたコンテナ100は次の工程へ運ばれるか、一旦、例えば自動倉庫などに搬送されて保管される。
<払い出し工程>
内容物を張り込まれたコンテナ100は、次工程の払い出しステーションに向かうか、一旦保管のために倉庫に運ばれ、払い出しステーション側の要求により、倉庫から出庫されて、払い出しステーションに向かう。
図4は、払い出しステーションでの内容物のコンテナ100からの払い出し状況を示している。この図に示される払い出しステーション300の概略構成を説明する。払い出しステーション300は、コンテナ100を収容する収容部を有する。この収容部の上部天井には、収容部に収容されたコンテナ100の上部の箱体12と接続可能な箱体320が配置され、昇降装置330により昇降自在となっている。箱体320の下面には、接続される箱体12の上面の開口14と繋げることが可能な開口322が形成されており、この開口322は、箱体320内部に設けられたシャッター324で開閉自在となっている。箱体320は、昇降装置340により昇降自在な払い出し配管310の先端部を囲っており、コンテナ上部の箱体12と接続されたとき、昇降装置340は払い出し配管310を開口322,14からコンテナ100上部のノズル11内に下降させられるようになっている。払い出し配管310の先端部(最下端)がコンテナ側のノズル11の天板2との結合部とほぼ同一な位置に停止するように、昇降装置340のストロークが決められている(図4中の詳細図参照)。払い出し配管310の先端部の外周には、ノズル11の内壁と密着するシール312が設けられている。払い出し配管310の上部には移送用ポンプ350が設置され、該ポンプの吐出ラインにホース360が設けられている。
このような払い出しステーション300にコンテナ100が到着し収容されると、可動板の押し上げ用空気供給ラインの接続継手370が、コンテナ下部に設けられている接続継手6と接続される。次いで、昇降装置330によりステーション側の箱体320が下ろされて、コンテナ側の箱体12と密着状態で接続される。このためには、箱体320の、箱体12との接続面にシール部材(不図示)が設けられる。
両箱体320,12のシャッター324,16が横にスライドして、両箱体320,12の開口322,14が開状態とされ、昇降装置340により払い出し配管310が降ろされる。このとき、払い出し配管310はコンテナ上部のノズル11の下端とほぼ同じ位置になるように位置調整される。そして、ノズル11の内面と、払い出し配管310の先端外周のシール312とが密着することで、コンテナ内の内容物が漏れ出ない状態となる。
次に、コンテナ下部の接続継手6と接続継手370によって繋がった空気供給ラインからコンテナ100内部に空気が供給され、可動板30の下面が空気圧を受ける。これにより、可動板30は徐々に上方向に上がり、内容物が押し出されることになる。
コンテナ内部に張り込まれた内容物の上部空間には、内容物のベーパーが存在している。可動板30の下部に空気が張り込まれて可動板30が上昇すると、最初に、内容物のベーパーが払い出し配管310およびホース360を経て、図示しない充填設備側へ送られることとなる。そして、空気抜きは充填設備側で、例えば充填機付属のホッパーなどを利用して行われる。
さらに、可動板30が上がっていくと、張り込まれた内容物の上面がコンテナ100の天板2の下面に到達し、これにより、コンテナ内の内容物のベーパーは押し出される。可動板30による押し出しを継続すると、内容物が払い出し配管310を通ってホース360に入り込んでいく。ホース360内の内容物の先には内容物のベーパーがあり、充填機側ではこの内容物のベーパーが最初に到達することになり、適宜ベーパーが抜かれる。その後に、内容物が続いて移送される。もし、ベーパー抜きが十分でないと、例えばチューブなどの容器に内容物が充填されたときに、ベーパーを同時に送り込まれ、最終的には入れ目不足になる。
以上のように空気がコンテナ内に継続的に供給されることにより、可動板30による押し出しが継続的に行われ、最終的に可動板30がコンテナ100の天板2の下面に到達する。到達するとこれ以上は内容物の押し出し作業は出来ないので、作業は終了となる。
この作業終了は、例えば、払い出しステーションに設けたロードセルなどで、コンテナの重量を観察していくことで、検出できる。あるいは、充填設備側のホッパーの重量変化がない状態によって検出することも可能である。
以上により、可動板30による内容物の払い出しは完了したが、払い出し配管310などには内容物が残っている。この残り分を払い出すために、ステーション上部の移送用ポンプ350(例えば、粘性体用のモーノポンプなど)を駆動して、払い出し配管310の内部に残っている内容物を払い出すのが望ましい。
移送用ポンプ350を所定時間駆動して、払い出し配管310に残存している内容物を充填設備側へ送り込み、払い出し配管310内に内容物が無い状態にしてから昇降装置340により払い出し配管310を上げる。
払い出し配管310の先端が箱体320内に収容されたら、箱体320の開口322がシャッター324で閉じられる。さらに、コンテナ側の箱体12の開口14もシャッター16で閉じられる。
そして、コンテナ下部の接続継手6から押し上げ用空気供給ラインの空気供給接続継手370が外され、ステーション側の箱体320が昇降装置330により上昇させられて、払い出し工程が終了する。
内容物が払い出されたコンテナ100は、後述するように可動板をコンテナ底板上に押し戻した後、再度張り込みステーションに行くか、洗浄ステーションに向かう。
<可動板の押し下げ>
図5は、可動板を押し下げるための専用ステーションの例を示している。この図に示される押し下げステーション400は、コンテナ上部の箱体12の側面に設けられた接続継手18に繋げる空気供給接続継手420と、コンテナ下部の側面に設けられた接続継手6に繋げる空気抜き接続継手440とを備えている。
内容物の払い出しが終了したコンテナ100の内部には、可動板30がコンテナ上部に挿入されて保持されたままになっている。次の工程のためには、可動板を再度コンテナ底面に位置させて初期状態にする必要がある。
払い出し後のコンテナ100が押し下げステーション400に運ばれると、コンテナ上部の接続継手18に空気供給接続継手420が接続され、コンテナ下部の接続継手6に空気抜き接続継手440が接続される。その後、空気供給接続継手420を経由して空気が供給されると同時に、空気抜き接続継手440から空気が抜かれることにより、コンテナ内の可動板30は徐々に下降させられる。最終的には、可動板30はコンテナ下部に収納される。
可動板30がコンテナ下部に収納されたことの確認方法としては、例えば、可動板に磁石を埋め込んでおき、その磁界を検出するセンサーをコンテナ底板の下に配置することで、コンテナ下部への可動板30の収納を検知することができる。または、下がりきった軸部8の下端を近接センサーなどで検出することもできる。
また、可動板30がコンテナ下部に収納される前には、ロック機構10を解除して、可動板押し上げ用の軸部8をフリーな状態にする必要がある。このため、押し下げステーション400では、図示しない駆動装置(例えば空気シリンダー)でロック機構10の腕木を押して、腕木を軸部8の下端から離す。その状態で、可動板30がコンテナ内を下がってくると、可動板30が押上げ板7と当接し、さらに押し下げられる。軸部8が完全に下がりきった状態で、腕木を押しているシリンダーの駆動を停止すると、腕木を回転軸周りに付勢しているばねで腕木が元の状態に戻る。この際に、腕木の端部は、軸部8と接触しないように寸法を決められているので、軸部とは干渉しない。
<洗浄工程>
コンテナ100の外部を洗浄するには、例えば、シャワーノズルをリング状にして、コンテナ上部に設置し、コンテナをリング状シャワーノズルの下に設置し、洗浄水を当該ノズルから噴射することで、コンテナ外部は容易に洗浄される。
一方、コンテナ100の内部を自動で洗浄するためには、多くの場合、洗浄用シャワーボールをコンテナ内部に挿入して、シャワーボールから洗浄水を噴射して、内面にくまなく吹き付けることで、コンテナ内側を洗浄することがよく行われている。
ここでは、このような内部洗浄方式を想定した例を説明する。
図6は、コンテナ内部および可動板を洗浄するための洗浄ステーションを示している。この図に示される洗浄ステーション500は、コンテナ100を収容する収容部を有する。この収容部の上部天井には、収容部に収容されたコンテナ100の上部の箱体12と接続可能な箱体520が配置され、昇降装置530により昇降自在となっている。箱体520の下面には、接続される箱体12の上面の開口14と繋げることが可能な開口522が形成されており、この開口522は、箱体520内部に設けられたシャッター524で開閉自在となっている。箱体520は、昇降装置540により昇降自在な洗浄配管510の先端部を囲っており、コンテナ上部の箱体12と接続されたとき、昇降装置540は洗浄配管510を開口522,14及びコンテナ100上部のノズル11からコンテナ100内部に下降させられるようになっている。洗浄配管510は、ホース550により、図示しない洗浄水供給装置と連結されている。また、洗浄ステーション500は、コンテナ上部の箱体12の側面に設けられた接続継手18に繋げる空気抜き用接続継手560と、コンテナ下部の側面に設けられた接続継手6に繋げる排水抜き用接続継手570とを備えている。
このような洗浄ステーション500にコンテナ100が搬送され、コンテナ内部と可動板30の洗浄を行う。この洗浄は、可動板30をコンテナ100から取り出すことなく、内部に保有したままの状態で洗浄を行い、いわゆるCIP(Cleaning in Place)にあたる。可動板30を取り出して、別の場所で洗浄することも出来るが、この場合、可動板30の取り出し、取り付けの作業が生じるだけでなく、可動板30をコンテナ外部に出すので、サニタリの管理上は好ましくない。また、こうした作業は多くの場合人手によるので、作業が大変である。
さて、洗浄ステーション500にコンテナ100が収納されると、同ステーション上部に待機している箱体520が昇降装置530により下ろされて、コンテナ側の箱体12と密着状態で接続される。このためには、箱体520の、箱体12との接続面にシール部材(不図示)が設けられる。
両箱体520,12のシャッター524,16が横にスライドして、両箱体520,12の開口522,14が開状態とされ、昇降装置540により、シャワーボール512が先端に付属されている洗浄配管510が降下される。
次いで、洗浄排水をコンテナ外部へ排出するための排水抜き用接続継手570がコンテナ下部の接続継手6に接続される。また、コンテナ上部では、洗浄の際のガス抜きのために空気抜き用接続継手560が、コンテナ上部の箱体12に設けられた接続継手18と接続される。
シャワーボール512はコンテナ内の所定の位置まで下げられて、ホース550を経由して洗浄水が供給されて、コンテナ内部の表面があまねく洗浄される。このためには、例えば、回転式のシャワーボールを用いる場合もある。
洗浄に用いられる洗浄水は、コンテナ100の下部4に流れて、可動板30全体を洗浄し、最終的にコンテナ下部の接続継手570から排出される。コンテナ下部の形状、寸法は、この状態の際に可動板30との間で適当な隙間を形成して、十分な洗浄効果が得られるように設計される。
可動板30の天部は特に内容物が接触する所であるために、残存している量が大きいので、シャワーボールを更に降下させて、可動板30の天部に対する洗浄効果を高めさせることもできる。
また、洗浄効果を高めるためには洗浄水の温度を高めに設定しておくことが一般的である。本例では洗浄水を用いているが、洗浄のための液体は、洗浄する内容物の性状に応じて適宜選択される。
可動板30の側面にはシールリングが上下に配置されているが、この表面部にも内容物が付着しているので、十分に洗浄できるように、洗浄水の流量、温度、洗剤の種類などが総合的に設定される。
コンテナ下部の接続継手570から出た排水は、洗浄ステーションに付属される排水ラインを経由してステーション外部に導出される。
また、洗浄の際の、例えば、洗浄温水による蒸気などは、コンテナ上部の箱体12に付属している接続継手560からステーション外部へ導出される。
<効果>
次に、本実施形態のコンテナの効果を説明する。
本実施形態のコンテナ100は、上述したように、コンテナ内部には昇降できる可動板30を有し、コンテナ上部には密閉状態で製品の張り込み、払い出しを行える箱体12を有し、さらに、コンテナ下部4には可動板30を収納できる大径部を有している。このため、次のような効果を奏する。
1)コンテナ上部に設けられた箱体12により、密閉された状態での粘性製品の張り込み、および払い出しが可能となる。
2)上記1)により、張り込みステーション、払い出しステーションを、サニタリ管理を必要としない任意の場所に設置することができる。
3)粘性のある製品をコンテナから押し出す際に、コンテナ内壁に付着した製品を可動板30で掻き取りながら行うことできるので、コンテナ内の製品残りが無くなる。
4)可動板30をコンテナ内部に取り付けたままで、コンテナの内部および可動板を洗浄できるので、可動板を取り出す手間がないだけでなく、衛生管理上も好ましい。
5)製品の張り込み、払い出し及び洗浄の際に、コンテナ上部の余分なガスの取り扱いを容易にすることができる。
ここでは、粘性のある製品を製造し、コンテナに張り込み、これを一時保管して、次に要望により、別のところへ搬送し、内部の製品をコンテナから払い出して、チューブ等の充填容器へ充填し、さらに、コンテナの内部を洗浄する際の工程例を、図1〜7に示したコンテナ及びステーション構造に基づいて説明する。
上記の工程を実現する生産システムとして、例えば、図7に示されるような工場1000が考えられる。本例の工場1000では、張り込み、払い出し、洗浄の各工程へコンテナを搬送する設備として、スタッカークレーン1100を用いている。スタッカークレーン1100の周囲には、張り込みステーション200、払い出しステーション300、洗浄ステーション500、コンテナを保管しておく保管ステーション1120などを構成する棚段1110が設けられている。スタッカークレーン1100の周囲に棚段1110を設けることにより自動倉庫を構成している。
粘性のある製品の多くは、撹拌乳化により製造されるので、撹拌機を保有する乳化機1200が使われる。この乳化機1200は、比較的に大型であり、また、釜上部を開閉するための設備が必要であるので、スタッカークレーン1100周囲に隣接配置することができない。このために、乳化機1200は、張り込みステーション200の、スタッカークレーン1100とは反対側の外壁に出来るだけ接近して配置されるのが好ましい。これは、乳化機1200からの出口ラインを短くして、配管260内の残存量を少なくするためである。
同様に、払い出しステーション300の、スタッカークレーン1100とは反対側の外壁に出来るだけ近い位置に、充填設備1300が配置される。これは、払い出しステーション300から充填設備1300までの配管部分360を出来るだけ短くするためである。
洗浄ステーション500は、水を扱うこともあり、出来るだけ、低い位置にあるのが好ましいが、全体のレイアウトから決められるべきであり、図7に示すように排水の際のヘッド(水頭差)を有効利用するためには、設備の上部にあってもよい。なお、スタッカークレーン1100は、その特性上、走行面の上下の位置にコンテナを搬送できるので、上記のステーションの配置は自由に行える。
<撹拌工程>
撹拌乳化は、多くの場合、撹拌機付きの乳化釜で行われる。この設備では、釜上部の蓋を昇降させる設備(多くは油圧駆動装置)が付属されているので、装置は大型化し、蓋を昇降させる分だけの空間を要することとなる。乳化機1200の底部には、製品払い出しのためのポンプが設置され、そこから張り込みステーション200までの配管260が設けられて、製品が移送される。
<張り込み工程>
乳化機1200から配管260で送られてくる製品は、張り込みステーション200でコンテナ内部に張り込まれる。このとき、コンテナ上部に外気との遮断を行える箱体12が設けられているため、コンテナへの製品張り込みは、外部の影響を受けずに、閉じた環境のもとで行われる。
張り込み時には、コンテナ内部の空気を外部へ掃気する必要があるが、このために、ステーション側に設けられたガス抜き用接続継手250が用いられる。この接続継手250がコンテナ側の接続継手18と接続されて連通される。このための接続手段としては、ステーション側に駆動装置が設けられる。例えば、空気シリンダーなどが代表的な例である。
張り込み時のコンテナ内部の空気は、張り込み配管210とコンテナ100上部のノズル11との間の空隙を通って、コンテナ外部へ導き出される。
張り込みが終了した後に、張り込み配管210は引き上げられて、ステーション側の箱体220内に収納され、同箱体のシャッター224が閉じられる。次いで、張り込み配管210を収納する箱体220がコンテナ上部から引き離される。
所要により、箱体220を引き離す前に、コンテナ内部に不活性ガスを供給して、封入することができる。このような不活性ガスは、張り込んだ製品の上面の酸化を防止するために有効である。なお、このような不活性ガスの供給口は、ステーション側の箱体220に設けてもよいし、ガス抜き用接続継手250側に設けてもよい。
また、張り込み配管210内部に残存する製品が待機中に出て垂れるような場合には、張り込み配管210の先端に内弁を設けて対処することができる。内弁には軸部が設けられ、この軸部は配管210の外部へ突出して取り付けられる。外部に出た軸部を別に設けた駆動装置で昇降させて、内弁を開閉することができる。
<保管工程>
粘性体の製品を充填する前に、養生のためにコンテナが保管されることがある。これは、撹拌後に製品の熟成期間を要することがあるからである。このために、張り込みが終了したコンテナは、スタッカークレーン1100により、保管ステーション1120に搬送される。この際は、前述したように、コンテナ内部の空間に不活性ガスが充填された状態でコンテナを保管することもある。また、保管に際して、温度調整(例えば低温での保管)を必要とする場合もある。このために、温度調整を目的とした保管ステーション1120を別途設けることも考えられる。
<払い出し工程>
保管されているコンテナは、充填設備側の要求により、払い出しステーション300へ搬送される。払い出しステーション300での工程は、概ね、張り込みステーション200と逆な工程となる。
コンテナ内部の可動板30を押し上げるために空気供給接続継手370を介して空気がコンテナ下部より供給されると、可動板30は徐々に上がっていき、コンテナ内の上方空間にあるガス(イナート及び内容物のベーパー)が払い出し配管310、ホース360を経由してステーション外部に導出される。さらに、可動板30が押し上げられると、製品が同経路を通って、充填設備1300へ送られる。
コンテナからの払い出しの際には、コンテナ内の上方空間にあるガスをその都度に抜き出す必要がある。このようなガス抜きのためには、例えば、多くの場合充填設備1300上部に配置されるホッパーを利用することができる。すなわち、ホッパーの上部に開放空間を設け、配管経由で送られてくるコンテナ上部のガス分を、この空間に放出する。
可動板30がコンテナ天板2まで上がると、これ以上は製品を押し出すことができない。この状態で、払い出し配管310の上部に取り付けられた移送用ポンプ350(例えばモーノポンプなど)で、払い出し配管310内部の製品を汲み上げることができる。この汲み上げにより、製品をホース360内に送り出すと、払い出し配管310内部には製品がなくなり、待機させるために払い出し配管310を上げた場合にこの配管から残存物が垂れることが無くなる。このような待機中に払い出し配管310から残存製品が出ないようにする別の方法としては、上記の張り込み工程で説明したように、払い出し配管310の先端部に内弁を設けて、内弁には軸部を設け、この軸部を払い出し配管310から外部に突出させて、外部の駆動装置と連結することで、内弁の開閉動作を行わせる方法もある。この方法であれば、払い出し配管310の内部に製品を保持したままにすることができる。
払い出しが終了したら、払い出し配管310が上部の箱体320内に収納され、箱体320がコンテナ側の箱体12と切り離されて、上方に上がる。
<可動板の押し下げ>
払い出しが終了したコンテナは、次に、可動板30を押し下げるためのステーション(図5参照)へ搬送される。可動板30は、払い出しが終了した時点では、コンテナ上部にあるために、例えば、次の張り込みのためには、可動板30をコンテナ下部にまで下げておく必要がある。また、洗浄ステーション500に向かう場合であっても、可動板30をコンテナ下部にまで下げておく必要がある。
押し下げステーション400に搬送されたコンテナは、上部で空気供給用の接続継手420と接続され、下部では空気抜き用の接続継手440と接続される。
さらに、押上げ板7の降下をロックしているロック機構10を解除するために、図示しない駆動装置でロック機構10の腕木を押して、押上げ板7の下部に設けられた軸部8のロックを開放して、押上げ板7を自由に動けるようにする。
このような状態で、コンテナ上部の空気供給接続継手420から空気を供給して、可動板30の上部に空気圧をかけつつ、コンテナ下部の空気抜き接続継手440から空気を抜けるようにしておくと、可動板30は徐々に下方に下がり、最終的には可動板30がコンテナ底板3に達し、コンテナ下部4の大径部に収納された状態になる。
この後、コンテナは再度張り込みステーション200に向かうか、洗浄ステーション500に搬送される。
<洗浄工程>
コンテナを用いた、製品の移送が終了すると、コンテナの内部を洗浄する必要がある。このためにコンテナは洗浄ステーション500へ搬送される。
コンテナ内部に挿入されたシャワーボール512からは洗浄水が供給されて、コンテナの内部を洗浄する。この場合、コンテナ内面に万遍なく洗浄水が当たるように回転式ノズルを用いてもよい。シャワーボール512からの洗浄水は、可動板30の天部および側部を洗って、コンテナ下部4の側面に設けられた排水抜き用接続継手570から排水される。
本発明の実施形態によるコンテナの基本的形状を示す図である。 図1のコンテナの内部の可動板がセットされた状態を示す図である。 張り込みステーションで、本発明のコンテナ内部に製品が張り込まれている状態を示す図である。 払い出しステーションで、本発明のコンテナ内部の製品が払い出されている状態を示す図である。 可動板押し下げステーションで、本発明のコンテナ内部の上部に位置している可動板を押し下げて、コンテナ下部に戻す様子を示す図である。 コンテナ内部および可動板を洗浄するための洗浄ステーションを示す図である。 本発明のコンテナを用いた工場全体を示す図である。
符号の説明
1 円筒胴
2 天板
3 底板
4 コンテナ下部
5、11 ノズル
6、18 接続継手
7 押上げ板
8 軸部
9 筒部
10 ロック機構
12 箱体
14 開口
16 シャッター
19 弁体
30 可動板
32、34 シール部
100 コンテナ
200 張り込みステーション
220 箱体
222 開口
224 シャッター
230、240 昇降装置
250 ガス抜き用接続継手
300 払い出しステーション
310 払い出し配管
312 シール
320 箱体
322 開口
324 シャッター
330、340 昇降装置
350 移送用ポンプ
360 ホース
370 空気供給接続継手
400 押し下げステーション
420 空気供給接続継手
440 空気抜き接続継手
500 洗浄ステーション
510 洗浄配管
512 シャワーボール
520 箱体
522 開口
524 シャッター
530、540 昇降装置
550 ホース
560 空気抜き用接続継手
570 排水抜き用接続継手
1000 工場
1100 スタッカークレーン
1110 棚段
1120 保管ステーション
1200 乳化機
1300 充填設備

Claims (5)

  1. 容器の内部に昇降自在な可動板を有してなるコンテナにおいて、
    前記可動板の側面周囲に設けられ、前記容器の胴部との間で気密性を確保するシール部と、
    前記容器の上部の天板に突設されたノズルと、
    前記ノズルを包囲する密閉構造の箱体と、
    前記箱体の前記ノズルとの対向位置に形成された開口と、
    前記開口を開閉するシャッター機構と、
    前記箱体に設けられた第1の内弁付き接続継手と、
    前記容器の下部において前記容器の胴部よりも大径とされ、前記可動板と前記容器の下部との間に隙間を形成する大径部と、
    前記容器の下部に設けられた第2の内弁付き接続継手と、
    前記容器の下部の底板に設けられ、前記可動板を前記容器の胴部にはめ込むために押し上げる軸部と、
    前記軸部を所定の位置に保持するためのロック機構と、を備えることを特徴とするコンテナ。
  2. 請求項1に記載のコンテナに製品を張り込むための張り込みステーションであって、
    前記コンテナを収納する収容部の上方で昇降自在に設けられ、前記コンテナ側の箱体と密着接続可能なステーション側の箱体と、
    前記ステーション側の箱体の下面に形成され、前記コンテナ側の箱体の上面の開口と繋げることが可能な開口と、
    該開口を開閉するシャッター機構と、
    前記ステーション側の箱体内に先端が密閉状態で包囲された昇降自在な張り込み配管と、
    前記コンテナ底板の軸部を押し上げて前記可動板を前記容器の胴部にはめ込むための駆動装置と、
    前記コンテナ側の箱体に設けられた第1の内弁付き接続継手と接続するガス抜き用接続継手と、
    を備えた張り込みステーション。
  3. 請求項1に記載のコンテナから製品を払い出すための払い出しステーションであって、
    前記コンテナを収納する収容部の上方で昇降自在に設けられ、前記コンテナ側の箱体と密着接続可能なステーション側の箱体と、
    前記ステーション側の箱体の下面に形成され、前記コンテナ側の箱体の上面の開口と繋げることが可能な開口と、
    該開口を開閉するシャッター機構と、
    前記ステーション側の箱体内に先端が密閉状態で包囲された昇降自在な払い出し配管と、
    該払い出し配管の先端周囲に設けられ、コンテナ上部のノズルの内面との間で気密性を確保するシール部と、
    前記コンテナの下部に設けられた第2の内弁付き接続継手と接続する空気供給用接続継手と、
    を備えた払い出しステーション。
  4. 請求項1に記載のコンテナを洗浄するための洗浄ステーションであって、
    前記コンテナを収納する収容部の上方で昇降自在に設けられ、前記コンテナ側の箱体と密着接続可能なステーション側の箱体と、
    前記ステーション側の箱体の下面に形成され、前記コンテナ側の箱体の上面の開口と繋げることが可能な開口と、
    該開口を開閉するシャッター機構と、
    前記ステーション側の箱体内に先端が密閉状態で包囲された昇降自在な洗浄配管と、
    前記コンテナ側の箱体に設けられた第1の内弁付き接続継手と接続するガス抜き用接続継手と、
    前記コンテナの下部に設けられた第2の内弁付き接続継手と接続する排水抜き用接続継手と、
    を備えた洗浄ステーション。
  5. 請求項1に記載のコンテナを搬送するスタッカークレーンと、
    前記スタッカークレーンの周囲に設けられた棚段と、
    前記棚段に設置された、請求項2に記載の張り込みステーション、請求項3に記載の払い出しステーションおよび請求項4に記載の洗浄ステーションと、を備えた生産システム。
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