JP2007001405A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 衝突予知の誤判定に起因した不必要な制御の実行を防止して衝突予知制御を適正に実行できるようにする。
【解決手段】 予知制御手段2は、他車両検出手段9の検出範囲内から検出範囲外に他車両が移動したことが検出された場合に他車両の横移動ベクトルが予め設定された基準値以下の緩移動状態にあるか否かを判別する移動状態判別手段23と、他車両が上記検出範囲内から検出範囲外に移動する前の検出データに基づいて現時点における他車両と自車両との相対位置および相対速度を推定する位置推定手段24とを有し、上記移動状態判別手段23において他車両が緩移動状態にあると判別された場合にのみ、上記位置推定手段により推定された他車両と自車両との相対位置および相対速度に基づいて他車両と自車両とが衝突する状態にあるか否かを判別するように構成された。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の衝突が予知されたときに車両を適正に制御する車両の制御装置に関するものである。
従来、下記特許文献1に示されるように、予知制御手段により自車両が障害物に衝突する状態にあることが予知された場合に、プリテンショナー装置を作動させてシートベルトを巻き取るように駆動するとともに、このシートベルトの巻取張力を上記予知制御手段による衝突の予知レベルに応じて変更するように構成したシートベルト装置が知られている。
また、下記特許文献2に示されるように、車両に加わる加速度を二次元的に検出するGセンサの検出信号に応じて自車両が衝突状態になったことが検出された場合に、エアバッグを展開させるとともに、自動的にブレーキ装置を作動させて制動力を付与することにより、車両の二次衝突が発生するのを防止することが行われている。
特開2003−182519号公報 特開平6−234342号公報
上記特許文献1に開示されているように、予知制御手段により自車両が障害物に衝突する状態にあることが予知された場合に、プリテンショナー装置を作動させてシートベルトを巻き取るように構成するとともに、このシートベルトの巻取張力を弱めの値に設定することにより、運転者の衝突回避動作を可能としつつ、乗員を適度に拘束して衝突時の衝撃から乗員を保護することが可能である。
また、上記特許文献2に開示された発明では、衝突事故発生時に自車両のブレーキ装置を自動的に作動させるように構成されているため、追突事故の発生時に作用する衝撃荷重により自車両が前方に押されることに起因した二次衝突の発生を効果的に防止することができる。特に、車両の衝突発生が予知された時点で、特許文献1に開示されているようにシートベルトを巻き取るとともに、ブレーキ装置を作動させるように構成すれば、車両の衝突時に乗員を効果的に保護することが可能である。
そして、上記予知制御手段による衝突予知制御は、通常、レーダー波等からなる検出波を自車両の前方側に向けて扇形に拡がるように照射するとともに、その反射波に応じて自車両の前方側に位置する他車両と自車両との相対距離および相対速度を検出し、この検出データに基づいて他車両と自車両とが衝突する状態にあると予知された場合に、上記シートベルトを巻き取るとともにブレーキ装置を作動させる等により実行される。しかし、上記検出波を照射することにより自車両の前方側に位置する他車両等の検出範囲は、上記検出波の照射範囲に応じて限定され、自車両の前方に位置する対向車両または先行車両の他車両が、上記検出範囲内から検出範囲外の死角領域に移動すると、上記他車両の現在位置を適正に検出することができないために、衝突予知の誤判定に起因した不必要な制御が実行され易いという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、衝突予知の誤判定に起因した不必要な制御の実行を防止して衝突予知制御を適正に実行することができる車両の制御装置を提供することを目的としている。
請求項1に係る発明は、自車両の前方側または後方側に向けて扇形に拡がるように検出波を照射して検出範囲内に存在する他車両と自車両との相対距離および相対速度を検出する他車両検出手段と、この他車両検出手段の検出結果に基づいて上記他車両と自車両とが衝突する状態にあるか否かを判別するとともに衝突の発生時点を予知する予知制御手段と、この予知制御手段により他車両と自車両とが衝突する状態にあると判別された場合に衝突状態となると予知された時点よりも前に乗員の保護装置を作動させる保護装置制御手段とを有し、上記予知制御手段は、他車両検出手段の検出範囲内から検出範囲外に他車両が移動したことが検出された場合に他車両の横移動ベクトルが予め設定された基準値以下の緩移動状態にあるか否かを判別する移動状態判別手段と、他車両が上記検出範囲内から検出範囲外に移動する前の検出データに基づいて現時点における他車両と自車両との相対位置および相対速度を推定する位置推定手段とを有し、上記移動状態判別手段において他車両が緩移動状態にあると判別された場合にのみ、上記位置推定手段により推定された他車両と自車両との相対位置および相対速度に基づいて他車両と自車両とが衝突する状態にあるか否かを判別するように構成されたものである。
請求項2に係る発明は、上記請求項1記載の車両の制御装置において、他車両検出手段が車体前部または車体後部の車幅方向中心位置から左右何れかの方向にオフセットした位置に配設されるとともに、この他車両検出手段の検出範囲内からそのオフセット方向と反対側に位置する検出範囲外に移動した他車両が緩移動状態にあるか否かを判別するための基準値が、他車両検出手段の検出範囲内からそのオフセット側に位置する検出範囲外に移動した他車両が緩移動状態にあるか否かを判別するための基準値よりも小さな値に設定されるように構成されたものである。
請求項3に係る発明は、上記請求項1または2に記載の車両の制御装置において、ステアリングホイールの操舵角度を検出する操舵角検出手段を備えるとともに、この操舵角検出手段によって検出されたステアリングホイールの操舵角度が大きい場合には、他車両検出手段の検出範囲内から検出範囲外に移動した他車両が緩移動状態にあるか否かを判別する基準値が、上記操舵角度の検出値が小さい場合に比べて小さな値に設定されるように構成されたものである。
請求項1に係る発明によれば、他車両検出手段の検出範囲内から検出範囲外に他車両が移動したことが検出された場合に、その時点の検出データに基づいて他車両の横移動ベクトルが予め設定された基準値以下の緩移動状態にあるか否かを移動状態判別手段において判別し、この緩移動状態にあると判別された場合にのみ、位置推定手段により推定された他車両と自車両との相対位置および相対速度に基づいて他車両と自車両とが衝突する状態にあるか否かを衝突予知手段により判別して上記乗員の保護装置を作動させる衝突予知制御を実行し、他車両が緩移動状態にないこと、つまり他車両の横移動ベクトルが大きい急移動状態にあって衝突予知の誤判定が生じ易く、衝突が回避される可能性が高い状態にあることが確認された場合には、上記相対位置および相対速度の推定値に基づく衝突予知制御の実行が禁止されることにより、上記衝突予知の誤判定が発生した場合に乗員の保護装置が不必要に作動状態となることを抑制し、乗員が違和感を受けるのを効果的に防止できるという利点がある。
請求項2に係る発明によれば、死角領域が広いことに起因して位置推定手段により推定された他車両と自車両との相対位置および相対速度に基づいて衝突予知状態を正確に判別することが困難である方向に他車両が移動した場合には、この他車両が緩移動状態にあるか否かを判別するための基準値が小さな値に設定されて緩移動状態にあると判別される機会が低減されることにより、上記相対位置および相対速度の推測値に基づいて衝突予知の誤判定が行われるのを防止し、乗員が違和感を受けるという事態の発生を効果的に抑制することができる。また、死角領域が狭いことに起因して位置推定手段により推定された他車両と自車両との相対位置および相対速度に基づいて衝突予知状態を正確に判別することが可能な方向に他車両が移動した場合には、この他車両が緩移動状態にあるか否かを判別するための基準値が大きな値に設定されて緩移動状態にあると判別される機会が増大されることにより、上記相対位置および相対速度の推測値に基づいた衝突予知制御を適正に実行することができる。
請求項3に係る発明によれば、操舵角検出手段により検出された操舵角度が予め設定された基準角度よりも大きい走行状態で、他車両検出手段の検出範囲内から検出範囲外に他車両が移動したことが検出された場合には、この他車両が緩移動状態にあるか否かを判別するための基準値が小さな値に設定されて緩移動状態にあると判別される機会が低減されることにより、自車両の走行状態が大きく変化して予知制御手段の誤作動が生じ易い傾向がある走行状態において、上記相対位置および相対速度の推測値に基づいた不要な衝突予知制御が実行されるのを防止し、乗員が違和感を受けるという事態の発生を効果的に抑制できるという利点がある。
図1は、本発明に係る車両の制御装置の実施形態を示している。この車両の制御装置には、自車両の走行速度を自動的に調節して先行車両に追従する等の制御を実行する自動速度制御手段1と、自車両の前方に位置する他車両と自車両とが衝突する状態にあるか否かを判別するとともに衝突の発生時点を予知する予知制御手段2と、この予知制御手段2により他車両と自車両とが衝突する状態にあると判別された場合に、ブレーキ装置5等からなる乗員の保護装置を作動させる保護装置制御手段3とを有する運転制御ユニット4が設けられている。
上記運転制御ユニット4には、自車両の走行速度を検出する車速センサ6と、ステアリングホイールの操舵角度を検出する操舵角センサ7と、車体に作用するヨーレートを検出するヨーレートセンサ8と、自車両の前方に存在する他車両と自車両との距離および相対速度を検出する他車両検出手段9と、自動速度制御用のメインスイッチ(ACCメインSW)10、セット/コーストスイッチ11、キャンセルスイッチ12、リジューム/アクセルスイッチ13および目標車間距離設定スイッチ14と、上記他車両と自動車とが衝突したことを検出するGセンサ等からなる衝突センサ15とがそれぞれ接続されている。
上記他車両検出手段9は、検出用のレーダー波(検出波)として例えばミリ波やレーザー波あるいは超音波等を車体の前方側に向けて送信する送信機と、自車両の前方に位置する先行車両または対向車両等の他車両に当たって反射した反射波を受信する受信機とを有し、上記検出波の送信時点から反射波の受信時点までの時間を順次計測することにより、上記他車両と自車両との相対距離および相対速度を演算して検出し、この検出信号を運転制御ユニット4の自動速度制御手段1および予知制御手段2に出力するように構成されている。
自車両Mの車体前部には、その車幅方向の中心位置にGセンサ等からなる衝突センサ15が配設されるとともに、上記中心位置から左右何れかの方向(図例では車体の左側に)にオフセットした位置に、他車両検出手段9の送信機および受信機が配設されている。そして、この送信機から自車両Mの前方側に向けて扇形に拡がるように検出波が照射されることにより、他車両検出手段9による他車両Nの検出範囲αが先広がりの扇形に設定されている。この他車両Nの検出範囲αが広すぎると、進行路βの側方に位置する不必要な前方物体が検出されて予知制御手段2が誤作動し易いという問題がある。一方、上記他車両Nの検出範囲αが狭すぎると、他車両Nの検出が不可能となる死角領域γが大きくなり過ぎる傾向がある。このため、自車両Mの進行路βの幅寸法に応じて他車両検出手段9による他車両Nの検出範囲αが適正値となるように、上記検出波の照射範囲が設定されている。
上記自動速度制御手段1は、自動速度制御用のメインスイッチ10が運転者によってON操作された場合に、上記車速センサ6、操舵角センサ7およびヨーレートセンサ8の出力信号に応じ、自車両の進行路を予測するとともに、この進行路内に適当な先行車両が存在しているか否かを他車両検出手段9の検出結果に基づいて判別し、自車両の進行路内に適当な先行車両が存在していることが確認され場合に、エンジンのスロットル弁駆動装置19にエンジン回転数を調節するための制御信号を出力するとともに、車両のブレーキ装置5に制動力を調節するための制御信号を出力することにより、自車両の走行速度を調節して上記目標車間距離設定スイッチ14により設定された目標車間距離に、先行車両との相対距離を一致させる制御を実行するように構成されている。
上記自動速度制御用のセット/コーストスイッチ11は、自動速度制御手段1の記憶手段に目標車速を記憶させるものであり、運転者による目標車速の設定が行われていない車両の走行状態で、運転者が上記セット/コーストスイッチ11の操作を行うと、この操作時点の走行速度が目標車速として設定されるように構成されている。また、運転者による目標車速の設定が既に行われた状態で、運転者によってセット/コーストスイッチ11が操作されると、目標車速が一定の割合で低減されるようになっている。
上記キャンセルスイッチ12は、自動速度制御装置1による速度制御を停止させる制御機能を有するものであり、このキャンセルスイッチ12が運転者により操作されると、通常の速度制御状態に移行することになる。上記リジューム/アクセルスイッチ13は、キャンセルスイッチ12により停止された自動速度制御を復帰させる制御機能と、目標車速を増大させる制御機能とを備えたものであり、自動速度制御の実行状態で上記リジューム/アクセルスイッチ13が運転者により操作されると、目標車速が一定の割合で増大されるように構成されている。
そして、上記他車両検出手段9等の出力信号に応じて自車両の進行路内に適当な先行車両が存在していないことが確認された場合には、上記セット/コーストスイッチ11等により設定された目標車速に自車両の走行速度を一致させるための制御信号がスロットル弁駆動装置19およびブレーキ装置5に出力されることにより、上記目標車速に対応した速度制御が上記自動速度制御手段1において実行されるようになっている。
また、上記自動速度制御手段1において、他車両検出手段9により検出された先行車両と自車両との車間距離が、予め設定された所定の自動制動用閾値以下であることが確認された場合には、スロットル弁駆動装置19を作動させてスロットル弁を閉止状態とするとともに、ブレーキ装置5を作動させて自車両に所定の制動力を付与し、かつインストルメントパネルに設けられた表示ランプまたは車室内に設けられたアラーム等からなる警報装置20を作動させて自動制動状態にあることを乗員に報知する制御が実行されるように構成されている。
さらに、上記自動速度制御手段1において、他車両検出手段9により検出された先行車両と自車両との車間距離が、上記自動制動用閾値以上である走行状態において、この自動制動用閾値よりも大きい値に予め設定された警報用閾値以下であることが確認された場合には、上記警報装置20を作動させて車間距離が小さいことを乗員に報知する制御だけが実行されるようになっている。
上記予知制御手段2は、他車両検出手段9により検出された他車両と自車両との相対距離および相対速度に基づいて、他車両と自車両とが衝突する状態にあること、つまり現時点から自車両のブレーキ操作およびハンドル操作を行っても衝突の発生が避けられない状態にあるか否かを判別するとともに、この衝突が発生する時点を予知する衝突予知手段22と、他車両検出手段9の検出範囲α内から検出範囲外の死角領域γに他車両が移動したことが検出された場合に他車両の横移動ベクトルが予め設定された基準値以下の緩移動状態にあるか否かを判別する移動状態判別手段23と、他車両が上記検出範囲α内から検出範囲外に移動する前の検出データに基づいて他車両の現在位置を推定する位置推定手段24とを有している。
上記移動状態判別手段23は、図2に示すように、他車両検出手段9の検出範囲α内に位置する他車両Nがこの検出範囲α外である死角領域γに移動した時点で、他車両検出手段9により検出された他車両Nと自車両Mとの相対距離および相対速度の変化状態に基づき、他車両Nの横移動ベクトルa1,b1、つまり他車両Nの進行方向における移動ベクトルa,bの横方向成分(自車両Mの進行方向と直交する方向の移動速度)を算出する。そして、上記横移動ベクトルa1,b1を基準値と比較することにより、他車両Nが急激に横移動しているか否かを判別し、急激に横移動していないことが確認された場合に、他車両Nが緩移動状態にあることを示す判別信号を上記位置推定手段24に出力するように構成されている。
この位置推定手段24は、上記他車両Nが他車両検出手段9の検出範囲α内から死角領域γに移動したことが他車両検出手段9の検出信号に応じて検出された場合に、上記検出範囲α内から死角領域γに移動する前に検出されたデータ、つまり他車両Nと自車両Mとの相対距離および相対速度のデータから、上記検出範囲α内から死角領域γに移動した時点における他車両Nの移動方向および移動速度が維持されていると仮定してこの他車両Nの現在位置を推定し、この推定データを衝突予知手段22に出力するように構成されている。
上記衝突予知手段22は、他車両検出手段9の検出範囲α内から死角領域γに移動した他車両Nの横移動ベクトルが基準値よりも小さい緩移動状態にあると移動状態判別手段23において判別された場合に、上記位置推定手段24において推定された他車両Nの推定位置に基づいて他車両Nと自車両Mとが衝突する状態にあるか否かを判別し、上記移動状態判別手段23において他車両Nが緩移動状態にないことが確認された場合には、他車両Nの推定位置に基づいた上記の判別を禁止するように構成されている。
また、上記保護装置制御手段3は、予知制御手段2の衝突予知手段22により他車両と自車両とが衝突する状態にあると判別された場合に、乗員に対する警告を行うとともに、必要に応じて衝突時に作用する衝撃荷重から乗員を保護する制御を実行することにより乗員の安全を確保する制御機能を有している。具体的には、自車両と先行車両との相対距離および相対速度に基づいて自車両が先行車両に追突することが避けられない状態にあることが上記衝突予知手段22において確認された場合に、その後に衝突が発生すると予測された衝突予測時点よりも前に上記警報装置20を作動させて衝突予知状態にあることを乗員に報知するとともに、シートベルトテンショナー21を作動させてシートベルトを予め設定された第1張力で巻き取る制御と、ブレーキ装置5のホイールシリンダ等からなる駆動手段に作動油圧を供給することにより車両に所定の制動力を断続的に付与する制御とが上記保護装置制御手段3において実行されるようになっている。
上記車両用制御ユニット4に設けられた各制御手段1〜3による制御動作を、図3および図4に示すフローチャートに基づいて説明する。上記自動速度制御用のメインスイッチ10がON操作される等により制御動作がスタートすると、各センサおよびスイッチ等からの信号が入力された後(ステップS1)、上記車速センサ6、操舵角センサ7およびヨーレートセンサ8の出力信号に応じて自車両の進行路を予測する制御が実行されるとともに(ステップS2)、上記他車両検出手段9の出力信号に応じて自車両の前方に位置する先行車両等からなる他車両と自車両との相対距離および相対速度の演算が行われる(ステップS3)。
次いで、上記ステップS2で予測された自車両の進行路と、ステップS3で演算された先行車両等と自車両との相対距離および相対速度とに基づき、自車両の進行路内に先行車両が存在するか否か、または自車両の進行路に向かう対向車両が存在するか否かを判定する等により、自車両に接近した状態にある他車両が存在しているか否かを判定し(ステップS4)、NOと判定された場合には、セット/コーストスイッチ11の操作があったか否かを判定する(ステップS5)。このステップS5でYESと判定されてセット/コーストスイッチ11が操作されたことが確認された場合には、その時点における自車両の走行速度(現車速)を目標車速VTとして設定した後(ステップS6)、下記ステップS7に移行する。
上記ステップS5でNOと判定された場合には、ステップS6等において設定された目標車速VTと、車速センサ6により検出された実車速Vとの偏差(VT−V)が、予め設定された加速用基準値αよりも大きいか否かを判定し(ステップS7)、YESと判定されて実車速Vが目標車速VTよりも、ある程度低い状態にあることが確認された場合には、上記偏差(VT−V)に対応した加速度目標値を設定する(ステップS8)。
上記ステップS7でNOと判定されて目標車速VTに比べて実車速Vがそれ程低い状態にないことが確認された場合には、実車速Vと目標車速VTとの偏差(V−VT)が予め設定された減速用基準値βよりも大きいか否かを判定し(ステップS9)、YESと判定されて実車速Vが目標車速VTよりも、ある程度高い状態にあることが確認された場合には、上記偏差(V−VT)に対応した減速度目標値を設定する(ステップS10)。
次いで、上記ステップS8またはステップS10で設定された加速度目標値もしくは減速度目標値に応じて自車両の走行速度を上昇させ、あるいは低下させるための制御信号を上記スロットル弁駆動装置19またはブレーキ装置5に出力することにより、自車両の走行速度(実車速V)を目標車速VTに一致させる速度制御を実行する(ステップS11)。なお、上記ステップS9でNOと判定されて実車速Vと目標車速VTとが略等しいことが確認された場合には、上記速度制御を実行することなく下記ステップS21に移行することにより現在の走行速度を維持する。
一方、ステップS4でYESと判定されて自車両の進行路内に先行車両等からなる他車両が存在していることが確認された場合には、他車両検出手段9により検出された先行車両等と自車両との車間距離が、予め設定された所定の自動制動用閾値K1よりも小さいか否かを判定し(ステップS12)、YESと判定されて先行車両等と自車両とがかなり接近した状態にあることが確認された場合には、スロットル弁駆動装置19を作動させてスロットル弁を閉止状態とするとともに、ブレーキ装置5を作動させて予め0.4G程度の減速度に対応した値に設定された制動力を自動的に付与し、かつ警報装置20を作動させて自動制動状態にあることを報知する制御を実行する(ステップS13)。
上記ステップS12でNOと判定された場合には、他車両検出手段9により検出された先行車両等と自車両との車間距離が、上記自動制動用閾値K1以上である状態において、この自動制動用閾値K1よりも大きい値に予め設定された警報用閾値K2よりも小さいか否かを判定し(ステップS14)、YESと判定されて先行車両と自車両とがやや接近した状態にあることが確認された場合には、警報装置20を作動させて車間距離が小さいことを報知する制御を実行する(ステップS15)。
上記ステップS14でNOと判定されて先行車両等と自車両との車間距離が上記警報用閾値K2以上であることが確認された場合には、上記目標車間距離設定スイッチ14により設定された目標車間距離LTと、上記他車両検出手段9により検出された実車間距離Lとの偏差(LT−L)が予め設定された減速用基準値γよりも大きいか否かを判定し(ステップS16)、YESと判定されて実車間距離Lが目標車間距離LTよりも、ある程度小さい状態にあることが確認された場合には、上記偏差(LT−L)に対応した減速度目標値を設定する(ステップS17)。
上記ステップS15でNOと判定されて目標車間距離LTに比べて実車間距離Lが、それ程小さい状態にないことが確認された場合には、上記実車間距離Lと目標車間距離LTとの偏差(L−LT)が予め設定された加速用基準値δよりも大きいか否かを判定し(ステップS18)、YESと判定されて実車間距離Lが目標車間距離LTよりも、ある程度大きい状態にあることが確認された場合には、上記偏差(L−LT)に対応した加速度目標値を設定する(ステップS19)。
その後、上記ステップS17またはステップS19で設定された減速度目標値もしくは加速度目標値に応じて自車両の走行速度を低下させ、あるいは上昇させるための制御信号を上記スロットル弁駆動装置19またはブレーキ装置5に出力することにより、先行車両と自車両との車間距離を目標車間距離に一致させるための速度制御を実行する(ステップS20)。なお、上記ステップS18でNOと判定されて先行車両と自車両との車間距離が目標車間距離に略等しいことが確認された場合には、上記速度制御を実行することなく下記ステップS21に移行することにより現在の車間距離を維持する。
次いで、上記他車両検出手段9の検出信号に応じて自車両の前方に位置する他車両が他車両検出手段9の検出範囲α内から検出範囲α外、つまり他車両検出手段9の死角領域γに移動したことが検出されたか否かを判定し(ステップS21)、NOと判定された場合には、上記他車両検出手段9による他車両と自車両との相対距離および相対速度の検出動作を継続する(ステップS22)。
上記ステップS21でYESと判定されて他車両が上記検出範囲α内から死角領域γに移動したことが検出された場合には、その時点の検出データに基づいて他車両の横移動ベクトルが予め設定された基準値以下の緩移動状態にあるか否かを移動状態判別手段23において判別する(ステップS23)。このステップS23でNOと判定されて他車両が急移動状態にあることが確認された場合には、下記ステップS31に移行する。
一方、上記ステップS23でYESと判定されて自車両が緩移動状態にあることが確認された場合には、他車両が上記検出範囲α内から死角領域γに移動する前の検出データに基づいて現時点の他車両と自車両との相対距離および相対速度を上記位置推定手段24において推定する(ステップS24)。次いで、このステップS24で推定され、あるいは上記ステップS22で検出された他車両と自車両との相対位置および相対速度に基づいて他車両と自車両とが衝突する状態にあるか否かを判定し(ステップS25)、NOと判定された場合には、ステップS31に移行する。
上記ステップS25でYESと判定されて他車両と自車両とが衝突する状態にあると予知された場合には、先行車両または対向車両からなる他車両と自車両との相対距離を、両者の相対速度で割った値からなる車頭時間Tが予め設定された第1閾値よりも小さいか否かを判定することにより(ステップS26)、このままの状態では衝突状態となると予測された衝突予測時点よりも上記第1閾値に対応した時間だけ前の時点となったか否かを判別する。すなわち、ステップS26において上記車頭時間と第1閾値とを比較することにより、現時点の相対速度が維持された場合に、自車両が先行車両に追突し、あるいは対向車両と自車両とが衝突する予測される衝突予測時点を基準として、それよりも前の時期に設定された警報装置20の作動タイミングとなったか否かを判定し、YESと判定された時点で、上記警報装置20を作動させてインストルメントパネルに設けられた表示ランプを点灯し、または車室内に設けられたアラームから警告音を出力する等により、衝突予知状態にあることを乗員に対して報知する(ステップS27)。
上記ステップS26でNOと判定され、未だ警報装置20の作動タイミングとなっていないことが確認された場合には、ステップS25に戻り上記の制御動作を繰り返す。この過程においてステップS25でNOと判定され、衝突回避操作が行われる等により他車両と自車両との衝突予知状態が解消されたことが確認された場合には、後述のステップS31に移行することにより、上記衝突予知制御を終了する。
次いで、他車両と自車両との車頭時間Tが、上記第1閾値よりも小さい値に予め設定された第2閾値よりも小さいか否かを判定することにより(ステップS28)、このままの状態では衝突状態となると予測された衝突予測時点よりも上記第2閾値に対応した時間だけ前の時期に設定されたシートベルトテンショナー21およびブレーキ装置5の作動タイミングとなったか否かを判定し、NOと判定された場合には、ステップS25に戻って上記の制御動作を繰り返す。
そして、上記ステップS28でYESと判定された時点でシートベルトテンショナー21を作動させてシートベルトを予め設定された第1張力、例えば乗員を過度に拘束することなくシートベルトの弛みを解消する程度に設定された張力でシートベルトを巻き取る制御を実行するとともに(ステップS29)、ブレーキ装置5を作動させることにより、予め0.45Gに設定された第1減速度に対応した制動力を断続的に付与する制御を実行する(ステップS30)。
次いで、衝突センサ15の検出信号に応じて衝突の発生が検知されたか否かを判定し(ステップS31)、YESと判定された時点で、シートベルトテンショナー21を作動させてシートベルトを予め設定された第2張力、例えば乗員をかなりの拘束力で乗員用シートに保持させる程度に設定された張力でシートベルトを巻き取る制御を実行するとともに(ステップS32)、ブレーキ装置5を作動させて車両に付与される制動力を増大させる制御信号を上記予知制御手段2からブレーキ装置5に出力することにより、予め0.6G程度に設定された第2減速度に対応した制動力を連続的に付与する(ステップS33)。
上記のように他車両検出手段9の検出結果に基づいて自車両の前方に存在する他車両と自車両とが衝突する状態にあるか否かを判別するとともに衝突の発生時点を予知する予知制御手段2と、この予知制御手段2により他車両と自車両とが衝突する状態にあると判別された場合に衝突状態となると予知された時点よりも前に、警報装置20を作動させるとともに、ブレーキ装置5およびシートベルトテンショナー21等からなる乗員の保護装置を作動させる保護装置制御手段3とを有し、上記予知制御手段2に、他車両検出手段9の検出範囲内から検出範囲外に他車両が移動したことが検出された場合に、その時点の検出データに基づいて他車両の横移動ベクトルが予め設定された基準値以下の緩移動状態にあるか否かを判別する移動状態判別手段23と、他車両が上記検出範囲内から検出範囲外に移動する前の検出データに基づいて現時点における他車両と自車両との相対位置および相対速度を推定する位置推定手段24とを設け、上記移動状態判別手段23において他車両が緩移動状態にあると判別された場合にのみ、上記位置推定手段24により推定された他車両と自車両との相対位置および相対速度に基づいて他車両と自車両とが衝突する状態にあるか否かを予知制御手段2において判別するように構成したため、この予知制御手段2の誤判定に起因した過剰な衝突予知制御の実行を防止しつつ、必要時に乗員を効果的に保護できるという利点がある。
すなわち、上記他車両検出手段9の検出結果に基づいて先行車両等に自車両が衝突する状態にあることが予知された場合には、この衝突が発生すると予測された衝突予測時点よりも所定時間だけ前、例えば予め設定された第1閾値に対応した時間だけ前の時点で警報装置20を作動させるとともに、上記衝突予測時点よりも第2閾値に対応した時間だけ前の時点でシートベルトテンショナー21を作動させてシートベルトの弛みを解消する程度に設定された第1張力でシートベルトを巻き取る制御と、ブレーキ装置5を作動させて第1減速度に対応した制動力を断続的に付与する制御とを実行することにより、乗員に危険を察知させて身構えさせることができる。
そして、他車両検出手段9の検出範囲内から検出範囲外に他車両が移動したことが検出された場合に、その時点の検出データに基づいて他車両の横移動ベクトルが予め設定された基準値以下の緩移動状態にあるか否かを上記移動状態判別手段23において判別し、この緩移動状態にあると判別された場合にのみ、上記位置推定手段24により推定された他車両と自車両との相対位置および相対速度に基づいて他車両と自車両とが衝突する状態にあるか否かの判別を衝突予知手段22において行うことにより、この判別結果に応じて上記シートベルトテンショナー21およびブレーキ装置5の作動制御を適正に実行することができる。
これに対して上記他車両が緩移動状態にないこと、つまり他車両の横移動ベクトルが大きい急移動状態にあって衝突予知の誤判定が生じ易く、衝突が回避される可能性が高い状態にあることが確認された場合には、上記相対位置および相対速度の推定値に基づく衝突予知制御の実行が禁止される。このため、上記急移動状態において不正確な衝突予知が行われることによる悪影響の発生、例えば衝突が回避される状態にあるにも拘わらず、ブレーキ装置5等からなる乗員の保護装置が作動状態となって所定の制動力が車両に付与されることにより車両の挙動が大きく悪化し、あるいはシートベルトテンショナー21が作動状態なって乗員が違和感を受けるという事態の発生を効果的に防止することができる。
また、上記実施形態では、他車両が自車両に衝突する状態にあることが予知された場合に、警報装置20の作動タイミングを設定するための第1閾値を、シートベルトテンショナー21およびブレーキ装置5の作動タイミングを設定するための第2閾値よりも大きな値に設定することにより、上記警報装置20を作動させた後に所定時間が経過した時点で、シートベルトテンショナー21およびブレーキ装置5からなる乗員の保護装置を作動させるように構成したため、上記報知装置20を作動させることにより乗員に危険を察知させて身構えさせた状態で、シートベルトテンショナー21およびブレーキ装置5を作動させることによりシートベルトで乗員を拘束するとともに、衝突速度を効果的に低減することができる。
図2に示すように、他車両検出手段9が車体前部の車幅方向中心位置から左右何れかの方向にオフセットした位置に配設されるとともに、この他車両検出手段9の設置位置から自車両Mの前方側に向けて扇形に拡がるように他車両Nの検出範囲αが設定された車両において、上記検出範囲α内から検出範囲α外の死角領域γに他車両Nが移動したことが確認された場合に、この他車両Nの移動方向が上記他車両検出手段9のオフセット側であるか、反オフセット側であるか否かを検出し、この検出結果に応じて上記他車両Nが緩移動状態にあるか否かを判別するための基準値を変化させるように構成してもよい。
例えば、図5のステップS21において他車両検出手段9の検出範囲α内から死角領域γに他車両が移動したことが確認された時点で、この他車両が死角領域γに移動する前の検出データに基づき、図6に示すように、他車両N1が他車両検出手段9のオフセット方向と反対側(自車両Mの右側)の死角領域γ1内に移動した状態にあるか、図7に示すように、他車両N2が上記他車両検出手段9のオフセット側(自車両Mの左側)の死角領域γ2内に移動した状態にあるかを検出する。そして、他車両検出手段9の検出範囲α内からそのオフセット方向と反対側に位置する死角領域γ1内に他車両N1が移動したことが検出された場合には、この他車両N1が緩移動状態にあるか否かを判別するために使用する判別基準値として予め所定値に設定された第1基準値を選択して設定する。一方、上記他車両検出手段9の検出範囲α内からそのオフセット側に位置する死角領域γ2内に他車両N2が移動したことが検出された場合には、この他車両N2が緩移動状態にあるか否かを判別するために使用する判別基準値として上記第1基準値よりも大きな値に予め設定された第2基準値を選択して設定し(ステップS34)、このステップS34で設定された判別基準値に基づき、ステップS23において上記他車両N1,N2が緩移動状態にあるか否かを判別するようにしてもよい。
上記の構成によれば、図6に示すように、自車両Mの前方に位置する他車両N1が、他車両検出手段9の検出範囲α内からその反オフセット側に位置する検出範囲α外、つまり自車両Mの右側に位置する比較的広い死角領域γ1内に移動したことが検出された場合には、上記他車両N1が緩移動状態にあるか否かを判別するための基準値が比較的小さな値に設定されることになる。したがって、上記死角領域γ1が広いために、位置推定手段24により推定された他車両N1と自車両Mとの相対位置および相対速度に基づいて他車両N1と自車両Mとが衝突する状態にあるか否かを正確に判別することが困難である方向に他車両N1が移動した場合には、この他車両N1が緩移動状態にあると判別される機会が低減され、上記相対位置および相対速度の推測値に基づいて衝突予知の誤判定が生じることによる弊害、つまり衝突が回避される可能性が高いにも拘わらず上記シートベルトテンショナー21およびブレーキ装置5が作動状態となって乗員が違和感を受けるという事態の発生を効果的に防止できるという利点がある。
これに対して図7に示すように、自車両Mの前方に位置する他車両N2が他車両検出手段9の検出範囲α内からそのオフセット側に位置する検出範囲α外、つまり自車両の左側に位置する比較的狭い死角領域γ2内に移動したことが検出された場合には、上記他車両N2が緩移動状態にあるか否かを判別するための基準値が比較的大きな値に設定されることになる。したがって、上記死角領域γ2が狭いために、位置推定手段24により推定された他車両N2と自車両Mとの相対位置および相対速度に基づいて他車両N2と自車両Mとが衝突する状態にあるか否かを正確に判別することが可能な方向に他車両N2が移動した場合には、この他車両N2が緩移動状態にあると判別される機会が増大され、上記相対位置および相対速度の推測値に基づいて正確に行われた衝突予知結果に応じ、上記シートベルトテンショナー21およびブレーキ装置5を適正に作動させて乗員を効果的に保護することができる。
また、図5に示すように、ステップS21でYESと判定されて他車両検出手段9の検出範囲α内から検出範囲外(死角領域γ)に他車両が移動したことが検出された場合に、ステップS34で他車両の移動方向に応じて緩移動状態にあるか否かを判別するために使用する判別基準値を変化させるようにした構成に代え、あるいはこの構成に加えて操舵角センサ7からなる操舵角検出手段により検出されたステアリングホイールの操舵角度に応じ、自車両Mの前方に位置する他車両Nが緩移動状態にあるか否かを判別するための判別基準値を変化させ、上記ステアリングホイールの操舵角度が大きい場合には、この操舵角度の検出値が小さい場合に比べて上記判別基準値を小さな値に設定するように構成してもよい。
例えば、上記操舵センサ7により検出された操舵角度が基準角度以上であることが確認された場合には、他車両が緩移動状態にあるか否かを判別する基準値を大きな値に設定することにより、他車両が緩移動状態にあると判定される機会を低減するとともに、操舵角度が基準角度未満であることが確認された場合には、他車両が緩移動状態にあるか否かを判別する基準値を小さな値に設定することにより、緩移動状態にあると判定される機会を増大させるように構成してもよい。
上記のように他車両検出手段9の検出範囲内から検出範囲外に他車両が移動したことが検出された場合に、操舵角度の検出値が予め設定された基準角度よりも大きい場合に、他車両が緩移動状態にあると判定される機会を低減するように構成すれば、自車両の走行状態が大きく変化して予知制御手段2による衝突予知の誤判定が生じ易く、この走行状態で衝突が回避される可能性が高いにも拘わらず、上記シートベルトテンショナー21およびブレーキ装置5が作動状態となることによる弊害、つまりシートベルトにより乗員が不必要に拘束されて違和感を受けたり、車両の挙動が大きく悪化したりするという弊害の発生を効果的に防止できるという利点がある。
なお、他車両検出手段9の検出範囲内から検出範囲外に移動した他車両の横移動ベクトルが予め設定された基準値以下の緩移動状態にあると移動状態判別手段23において判定された場合、つまり衝突予知の誤判定が生じ易い状態にある場合には、移動状態判別手段23において他車両が緩移動状態にあると判別されたか否かに拘わらず、警報装置20を作動させて乗員に対する警告を行うように構成してもよい。
また、上記実施形態では、自車両の前方側に向けて扇形に拡がるように検出波を照射して検出範囲内に存在する他車両と自車両との相対距離および相対速度を検出する他車両検出手段9を設けた例について説明したが、自車両の後方側に向けて扇形に拡がるように検出波を照射して検出範囲内に存在する追従車両と自車両との相対距離および相対速度を検出する他車両検出手段と、この他車両検出手段の検出結果に基づいて上記追従車両と自車両とが衝突する状態にあるか否かを判別するとともに衝突の発生時点を予知する予知制御手段2と、この予知制御手段2により追従車両と自車両とが衝突する状態にあると判別された場合に衝突状態となると予知された時点よりも前に乗員の保護装置を作動させる保護装置制御手段3とを設けた構造としてもよい。
そして、上記他車両検出手段の検出範囲内から検出範囲外に追従車両が移動したことが検出された場合にその横移動ベクトルが予め設定された基準値以下の緩移動状態にあるか否かを判別するとともに、追従車両が上記検出範囲内から検出範囲外に移動する前の検出データに基づいて現時点における追従車両と自車両との相対位置および相対速度を推定し、上記予知制御手段2の移動状態判別手段23において追従車両が緩移動状態にあると判別された場合にのみ、上記予知制御手段2の位置推定手段24により推定された他車両と自車両との相対位置および相対速度に基づいて他車両と自車両とが衝突する状態にあるか否かを上記予知制御手段2の衝突予知手段22において判別するように構成することにより、追従車両の横移動ベクトルの大きい急移動状態にあって衝突が回避される可能性が高い状態で、ブレーキ装置5または加速手段等からなる乗員の保護装置が作動状態となって所定の制動力あるいは加速力が車両に付与されることによる悪影響、つまり車両の挙動が大きく悪化するという事態の発生を効果的に防止することができる。
本発明に係る車両の制御装置の実施形態を示すブロック図である。 他車両検出手段の検出範囲を示す説明図である。 上記制御装置による制御動作の前半部を示すフローチャートである。 上記制御装置による制御動作の後半部を示すフローチャートである。 上記制御装置による制御動作の後半部の別の例を示すフローチャートである。 他車両が自車両の右側に位置する状態を示す説明図である。 他車両が自車両左側に位置する状態を示す説明図である。
符号の説明
2 予知制御手段
3 保護装置制御手段
5 ブレーキ装置(乗員の保護装置)
9 他車両検出手段
7 操舵角センサ(操舵角検出手段)
20 警報装置(乗員の保護装置)
21 シートベルトテンショナー(乗員の保護装置)
22 衝突予知手段
23 移動状態判別手段
24 位置推定手段

Claims (3)

  1. 自車両の前方側または後方側に向けて扇形に拡がるように検出波を照射して検出範囲内に存在する他車両と自車両との相対距離および相対速度を検出する他車両検出手段と、この他車両検出手段の検出結果に基づいて上記他車両と自車両とが衝突する状態にあるか否かを判別するとともに衝突の発生時点を予知する予知制御手段と、この予知制御手段により他車両と自車両とが衝突する状態にあると判別された場合に衝突状態となると予知された時点よりも前に乗員の保護装置を作動させる保護装置制御手段とを有し、上記予知制御手段は、他車両検出手段の検出範囲内から検出範囲外に他車両が移動したことが検出された場合に他車両の横移動ベクトルが予め設定された基準値以下の緩移動状態にあるか否かを判別する移動状態判別手段と、他車両が上記検出範囲内から検出範囲外に移動する前の検出データに基づいて現時点における他車両と自車両との相対位置および相対速度を推定する位置推定手段とを有し、上記移動状態判別手段において他車両が緩移動状態にあると判別された場合にのみ、上記位置推定手段により推定された他車両と自車両との相対位置および相対速度に基づいて他車両と自車両とが衝突する状態にあるか否かを判別するように構成されたことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 他車両検出手段が車体前部または車体後部の車幅方向中心位置から左右何れかの方向にオフセットした位置に配設されるとともに、この他車両検出手段の検出範囲内からそのオフセット方向と反対側に位置する検出範囲外に移動した他車両が緩移動状態にあるか否かを判別するための基準値が、他車両検出手段の検出範囲内からそのオフセット側に位置する検出範囲外に移動した他車両が緩移動状態にあるか否かを判別するための基準値よりも小さな値に設定されるように構成されたことを特徴とする請求項1記載の車両の制御装置。
  3. ステアリングホイールの操舵角度を検出する操舵角検出手段を備えるとともに、この操舵角検出手段によって検出されたステアリングホイールの操舵角度が大きい場合には、他車両検出手段の検出範囲内から検出範囲外に移動した他車両が緩移動状態にあるか否かを判別する基準値が、上記操舵角度の検出値が小さい場合に比べて小さな値に設定されるように構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の制御装置。
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