JP2006528997A - Cpdを形成する種のレベルを低めた、ゲル化に対する安定性を改善するための樹脂の処理 - Google Patents
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Abstract
Description
特に指定がない限り、全てのパーセンテージ、部、比率等は、重量に基づく。
理論に制限されることは望まないが、活性固体含量が増加するにつれて、架橋速度も増加し、それに従って粘度の上昇速度も増加すると考えられる。反応条件の賢明な選択によって、粘度を増加させる架橋反応の速度と、粘度を減少させるポリマー主鎖の加水分解反応の速度との釣り合いを取り、それにより予想通りに望ましい粘度を得ることができる。粘度は、樹脂の特性の尺度であるである。高すぎる粘性を有する樹脂は、ゲル化に対する安定性が低いと予想される。低すぎる粘度を有する樹脂は、湿潤強度の効率がより低い有する樹脂になると予想される。
通常、塩基処理の反応条件を変化させることによって、反応時間が変化するものと予想される。pHおよび/または温度を低くすることができ、および/または、添加の塩基性物質を添加することができる。温度を高めると、反応に必要な時間が短くなると予想される。一般的に、固体含量がより高いと、塩基処理時間がより短くなる。CPDを形成する種の望ましい減少を実現するには、一般的に、より高い固体の樹脂により多くの塩基性物質が用いられる。
塩基処理に続いて、穏酸処理が用いられる。穏酸処理は、室温より高くした温度で樹脂を処理することを含む。酸処理の温度は、少なくとも約35℃、より好ましくは約40℃〜75℃、さらにより好ましくは約45℃〜70℃、さらにより好ましくは約50℃〜70℃、さらにより好ましくは約50℃〜65℃が可能である。酸処理の反応時間は、約20分〜5時間、より好ましくは約30分〜4時間、より好ましくは約40分〜3時間、より好ましくは約50分〜2.5時間が可能である。好ましい処理温度と時間は、反比例する。処理温度が減少するに従って、処理時間は、好ましくは増加する。理論に制限されることは望まないが、塩基処理プロセス中に形成されたエポキシド官能基のほとんどが、酸処理プロセス中にクロロヒドリン官能基に変換されていることが好ましい。酸処理のpHは、1.0〜4.0、好ましくは1.5〜3.5、好ましくは1.8〜3.5、好ましくは1.8〜3.2、好ましくは2.0〜3.0、さらにより好ましくは約2.2〜2.8の範囲で様々である。好ましいpH値は、25℃で測定される。好ましい酸処理のpHは、樹脂の望ましい粘度などの数種の要因に依存する。酸処理のpHが好ましい範囲内で増加するに従って、粘度は、増加する傾向がある。理論に制限されることは望まないが、この酸処理プロセス中のpHと粘度の関係は、架橋反応と、ポリマー粘度が落ちる反応との釣り合いによるものである。pH値が、酸処理中に、酸性物質を周期的または連続的に添加することによって、開始時の酸性pHに維持されるか、またはそれに近いpHに維持されることが好ましい。本発明では、ここで有機および無機酸の両方を用いることができる。酸は、あらゆるプロトンドナーと定義される。適切な酸としては、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、硝酸、ギ酸、リン酸および酢酸が挙げられる。硫酸のようなハロゲンを含まない酸が好ましい。
本発明に係る塩基処理で、続いて穏酸処理で処理することができる樹脂としては、あらゆるポリアミン−エピハロヒドリン樹脂が挙げられる。また、本発明は、エピハロヒドリン(例えばエピクロロヒドリン)を、ポリアミノアミドプレポリマーのようなプレポリマー(本発明においては、ポリマーもまた同義的に用いられる)と反応させることによって製造された、ポリアミン−エピハロヒドリン樹脂(例えばポリアミノポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂)の製造、使用および処理も目的とする。ポリアミノポリアミド−エピハロヒドリン樹脂の場合、特筆すべきことは、ポリアミノアミドプレポリマーはまた、ポリアミドアミン、ポリアミノポリアミド、ポリアミドポリアミン、ポリアミドポリアミン、ポリアミド、塩基性ポリアミド、カチオン性ポリアミド、アミノポリアミド、アミドポリアミンまたはポリアミンアミドとも称されることである。
本発明で用いられる好ましい樹脂は、アミンに対するエピハロヒドリンの比率がより低い樹脂である。エピハロヒドリンはまた、「epi」とも称される。エピハロヒドリンの量が減少し、アミンが増加する場合、アミンに対するエピハロヒドリンの比率は、1.2:1.0から、1.15:1.0に、1.1:1.0に、1.09:1.0に、1.08:1.0に、1.05:1.0に、1.0:1.0に、0.97:1.0に、0.8:1.0に、0.5:1.0等に、変化し、使用に適した安定な樹脂を達成するために樹脂を処理すべき条件は、驚くほど狭い。条件の釣り合いをとることは、安定な樹脂を得るのに不可欠となる。
本発明を利用して製造された樹脂組成物は、この樹脂を含む水性組成物として保存された場合に、pH1で、50℃で24時間で保存し、24時間目で測定した場合、約250ppm未満(乾燥基準)のCPDを生じ、さらにより好ましくは約150ppm未満(乾燥基準)のCPDを生じ、さらにより好ましくは約100ppm未満(乾燥基準)のCPDを生じ、さらにより好ましくは約75ppm未満(乾燥基準)のCPDを生じ、さらにより好ましくは約50ppm未満(乾燥基準)のCPDを生じ、さらにより好ましくは約25ppm未満(乾燥基準)のCPDを生じ、さらにより好ましくは約15ppm未満(乾燥基準)のCPDを生じ、さらにより好ましくは約5ppm未満(乾燥基準)のCPDを生じる。
その上、湿潤増強剤に高い有効性を持たせるためには、アゼチジニウムのレベルを最大化することが好ましい。従って、本発明の湿潤増強剤のアゼチジニウムのレベルは、約35モル%より大きく、好ましくは約40モル%より大きく、好ましくは約45モル%より大きく、好ましくは約50モル%より大きいことが好ましく、ここで好ましい範囲は、約40〜70モル%、および、約40〜65モル%、および、約45〜65モル%、および、約50〜65モル%である。アゼチジニウムのモル%と、その他の種のモル%は、NMRによって測定することができる。
上述したように、樹脂合成プロセスでさらなる処理を行わないで製造された樹脂は、少なくともCPDの形成量が減少した樹脂となり得る。その上、樹脂は、CPDを形成する種を減少させる、および/または除去する前に、様々な方法によって処理することができる。樹脂はさらに、CPDのレベルが低い樹脂を製造するために、1,3−ジクロロプロパノール(DCP)残留物、および、遊離のCPD残留物を除去するように処理できる。さらにその上、CPDを形成する種を減少させる、および/または、除去する処理の後に、樹脂は、様々な方法によって処理することができる。さらにその上、樹脂は、CPDを形成する種の減少および/または除去の前と、さらにCPDを形成する種を減少させる、および/または、除去する処理の後の両方で、様々な方法によって処理することができる。例えば、樹脂は、低分子量のエピハロヒドリンおよびエピハロヒドリン副産物、例えばエピクロロヒドリンおよびエピクロロヒドリン副産物、例えば樹脂溶液中のCPDを除去する方法のような様々な方法によって処理することができる。利用可能な処理または樹脂に制限することなく、特筆すべきことは、樹脂は、CPDを形成する種の減少または除去の前に、および/または、その後に、塩基性イオン交換カラム;炭素吸着;膜分離、例えば限外ろ過;抽出、例えば、酢酸エチル;または生物学的な脱ハロゲン化で処理することができることである。その上、CPDを形成する種の減少または除去と、CPDを形成する種の減少および/または除去のための塩基処理とのあらゆる組み合わせが利用できる。
本発明によって処理された樹脂組成物を利用した紙を製造する方法は:(a)水性パルプ懸濁液を提供すること;(b)水性パルプ懸濁液に樹脂を添加すること、および、(c)(b)で製造された水性パルプ懸濁液を圧延および乾燥し、紙を得ること、含む。
CPDを形成する種の測定
CPDを形成する種の量は、以下の試験(「酸試験」)を用いて決定することができる。試験される樹脂の一部を、撹拌器を含む容器に入れる。pHは、96重量%硫酸で1.0に調節する。容器を密封し、50℃のウォーターバスに置き、撹拌しながら50℃に維持する。24時間で、容器からアリコートを抜き出し、以下で説明する様式でガスクロマトグラフィー(GC)解析で処理し、CPDを形成する種の指標を提供することができる。
13C NMRスペクトルは、10mmの広帯域プローブを備えたブルカー(Bruker)AMXスペクトロメーターを用いて得られる。13C NMRの動作周波数の100MHz(AMX400)、または、125MHz(AMX500)は、データ回収に十分である。いずれの場合においても、スペクトルは、連続的な1Hデカップリングによって得られる。適切なシグナルを電子的に統合することによって、以下のアルキル化成分;ACH、EPX、GLYおよびAZEのモル濃度を提供する。ここで、以下の通り:
ACH=高分子アミノクロロヒドリン
EPX=高分子エポキシド
GLY=高分子グリコール
AZE=アゼチジニウムイオン。
−68〜69ppmでのACHシグナルは、1個の炭素を示す;
ACHの積分値÷PCD=モル分数としてのACH
−69〜70ppmでのGLYシグナルは、1個の炭素を示す;
GLYの積分値÷PCD=モル分数としてのGLY
−51〜52ppmでのEPXの炭素は、1個の炭素を示す;
EPXの積分値÷PCD=モル分数としてのEPX
−73〜74ppmでのAZEシグナルは、2個の炭素を示すため、除法の因数2が必要とされる;
AZEの積分値/2÷PCD=モル分数としてのAZE。
温度 25℃
共鳴周波数 100MHz
#データポイント 64K
滞留時間 20マイクロ秒
捕捉時間 1.3秒間
スイープ幅 25000Hz
スキャン数 1K
緩和の遅延 3秒間
パルス先端角 70度
パルスプログラム zgdc
処理されるスペクトルのサイズ 64K
アポダイゼイション関数 指数型
幅広化 3Hz。
紙製品中のCPDを測定するために、10月1993年付けのヨーロッパ規格EN647で説明されている方法に従って、紙製品を水で抽出する。次に、5.80グラムの塩化ナトリウムを、20mLの水抽出物に溶解させる。塩を加えた水性抽出物を、20グラム容量のエクストレルートカラムに移し、カラムを15分間飽和させる。酢酸エチル3mLで3回洗浄し、カラムを飽和させた後に、エクストレルートカラムを、300mLの溶出液が回収されるまで約1時間溶出させる。300mLの酢酸エチル抽出物を、500mlのクデマ−デニッシュ(Kudema−Danish)濃縮装置を用いて約5mLに濃縮する(必要に応じて、マイクロクデマ−デニッシュ装置を用いることによってさらに濃縮する)。濃縮した抽出物を、上記で説明したような手順および機器を用いたGCによって解析する。一般的に、電解質電導度検出器(ELCD)またはハロゲンに特異的な検出器(XSD)が用いられる。その他の高感度検出器を用いることができ、例えば、電子捕獲型検出器である。
1リットルの丸底フラスコに、オーバヘッド撹拌器、コンデンサー、pHおよび温度プローブ、シリンジポンプおよび温度制御されたウォーターバスを備え付けた。このフラスコに、13.4%Kymene(R)625LX湿潤強力樹脂(ハーキュレス社(Hercules Incorporated),ウィルミントン,デラウェア州より入手可能;25.4%総固体量、192cps、および、47モル%アゼチジニウム、13.4%に希釈)864.0gを入れた。この樹脂を、40.0℃に加熱し、次に、25%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液48.25gを、シリンジポンプを用いて、5分かけて添加した。NaOH添加の最後のpHは、11.10であった(40℃で測定)。初めのうち、粘度は減少した。粘度は、NaOHを添加し始めてから13分後に増加し始めた。NaOHを添加し始めてから31分後に、粘度が望ましい程度に増加し、反応を、96%硫酸11.53gを用いて、pH10.06〜2.5(40℃で測定)でクエンチした。樹脂のpHは、2.5であり(25℃で測定)、ブルックフィールド粘度は、32cps(25℃で)であり、総固体量は14.5%であり、および、アゼチジニウムは47モル%であった。樹脂の一部に、0.1重量%ギ酸(樹脂の湿潤重量に対するギ酸の乾燥重量)、200ppmのソルビン酸カリウムを添加した。25℃でのエージング研究を行った(表1を参照)。エージングのデータによれば、酸処理なしで製造された樹脂は、樹脂のpHがpH2.5に低められたの場合でも、または、0.1重量%ギ酸を添加したの場合でも、ゲル化に対してそれほど安定ではないことが示された。
1リットルの丸底フラスコに、オーバヘッド撹拌器、コンデンサー、pHおよび温度プローブ、シリンジポンプおよび温度制御されたウォーターバスを備え付けた。このフラスコに、13.4%Kymene(R)625LX湿潤強力樹脂(ハーキュレス社,ウィルミントン,デラウェア州より入手可能;25.4%総固体量、192cps、および、47モル%アゼチジニウム、13.4%に希釈)864.0gを入れた。樹脂を40.0℃に加熱し、次に、25%水酸化ナトリウム水溶液55.68g(NaOH)を、シリンジポンプを用いて、5分かけて添加した。NaOH添加の最後のpHは、11.43であった(40℃で測定)。初めのうち、粘度は減少した。粘度は、NaOHを添加し始めてから17分後に増加し始めた。NaOHを添加し始めてから53分後に、粘度が望ましい程度に増加し、反応を、96%硫酸13.35gを用いて、pH10.83〜2.5(40℃で測定)でクエンチした。樹脂のpHは、2.6であり(25℃で測定)、ブルックフィールド粘度は、27cpsであり(25℃で)、および、14.6%総固体量。樹脂の一部に、0.1重量%ギ酸(樹脂の湿潤重量に対するギ酸の乾燥重量)、200ppmのソルビン酸カリウムを添加した。樹脂その他のポーションを2つ用いて、pHを、96%硫酸で2.3、および、2.1に低め、200ppmのソルビン酸カリウムを添加した。25℃でのエージング研究を行った(表2を参照)。
1リットルの丸底フラスコに、オーバヘッド撹拌器、コンデンサー、pHおよび温度プローブ、シリンジポンプおよび温度制御されたウォーターバスを備え付けた。このフラスコに、13.4%Kymene(R)625LX湿潤強力樹脂(ハーキュレス社,ウィルミントン,デラウェア州より入手可能;25.4%総固体量、192cps、および、47モル%アゼチジニウム、13.4%に希釈)864.0gを入れた。この樹脂を、40.0℃に加熱し、次に、25%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液55.68gを、シリンジポンプを用いて、5分かけて添加した。NaOH添加の最後のpHは、11.22であった(40℃で測定)。初めのうち、粘度は減少した。粘度は、NaOHを添加し始めてから21分後に増加し始めた。NaOHを添加し始めてから57分後に、粘度が望ましい程度に増加し、反応を、96%硫酸13.53gを用いて、pH10.57〜2.4(40℃で測定)でクエンチした。10.3gのアリコートを解析のために取り出し、反応混合物を、30分かけて60℃に加熱した(pHは、60℃で2.65で読み取った)。60℃で30分後に、pHを、96%硫酸0.73gで2.90〜2.60に低めた(pHは、60℃で読み取った)。60℃で60分後に、pHを、0.45gの96%硫酸で2.76〜2.60に低めた(pHは、60℃で読み取った)。60℃で90分後に、pHを、96%硫酸0.22gで2.69〜2.60に低めた(pHは、60℃で読み取った)。60℃で120分後に、この反応混合物を、7分間以内で40℃、24分間以内で25℃に冷却した。pHを、0.21gの96%硫酸で2.50〜2.38に低めた。樹脂のブルックフィールド粘度は、37cps(25℃で)であり、総固体量は14.8%であり、アゼチジニウムは43モル%であった。樹脂の一部に、0.1重量%ギ酸(樹脂の湿潤重量に対するギ酸の乾燥重量)、200ppmのソルビン酸カリウムを添加した。25℃および32℃でのエージング研究(7日間後に、25℃で)を行った(表3を参照)。
1リットルの丸底フラスコに、オーバヘッド撹拌器、コンデンサー、pHおよび温度プローブ、シリンジポンプおよび温度制御されたウォーターバスを備え付けた。このフラスコに、20.0%Kymene(R)624湿潤強力樹脂(ハーキュレス社,ウィルミントン,デラウェア州;ヴォレペ,フランスプラントより入手可能、21.0%総固体量、112cps、pH3.03、および、59モル%アゼチジニウム、20.0%に希釈)650.0gを入れた。この樹脂を、40.0℃に加熱し、次に、25%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液58.24gを、シリンジポンプを用いて、5分かけて添加した。NaOH添加の最後のpHは、11.37であった(40.0℃で測定)。初めのうち、粘度は減少した。粘度は、NaOHを添加し始めてから15分後に増加し始めた。NaOHを添加し始めてから20分後に、粘度が望ましい程度に増加し、反応を、16.49gの96%硫酸で、pH11.2〜2.2(40℃で測定)でクエンチした。11.3gのアリコートを解析のために取り出し、反応混合物を、30分かけて60℃に加熱した(pHは、60℃で2.48で読み取った)。60℃で30分後に、pHを、96%硫酸0.58gで2.72〜2.49に低めた(pHは、60℃で読み取った)。60℃で60分後に、pHを、96%硫酸0.37gで2.63〜2.49に低めた(pHは、60℃で読み取った)。60℃で90分後に、pHを、0.25gの96%硫酸で、2.57〜2.47に低めた(pHは、60℃で読み取った)。60℃で120分後に、この反応混合物を、5分間以内で40℃、24分間以内で25℃に冷却した。樹脂のpHは、2.31であり、ブルックフィールド粘度は、71cps(25℃で)であり、総固体量は21.5%であり、アゼチジニウムは52モル%であった。樹脂の一部に、0.2重量%ギ酸(樹脂の湿潤重量に対するギ酸の乾燥重量)、および、200ppmのソルビン酸カリウムを添加した。樹脂のもう一部に、0.1重量%ギ酸、および、200ppmのソルビン酸カリウムを添加した。樹脂のもう一部を、14.5%総固体量に希釈し[ブルックフィールド粘度は31cps(25℃で)、200ppmのソルビン酸カリウムを添加した。32℃でのエージング研究を行った(表4を参照)。
1リットルの丸底フラスコに、オーバヘッド撹拌器、コンデンサー、pHおよび温度プローブ、シリンジポンプおよび温度制御されたウォーターバスを備え付けた。このフラスコに、20.0%Kymene(R)624湿潤強力樹脂(ハーキュレス社,ウィルミントン,デラウェア州;ヴォレペ,フランスプラントより入手可能、21.0%総固体量、112cps、pH3.03、および、59モル%アゼチジニウム、20.0%に希釈)650.0gを入れた。この樹脂を、40.0℃に加熱し、次に、25%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液66.5gを、シリンジポンプを用いて、5分かけて添加した。NaOH添加の最後のpHは、11.64であった(40.0℃で測定)。初めのうち、粘度は減少した。粘度は、NaOHを添加し始めてから13分後に増加し始めた。NaOHを添加し始めてから23分後に、粘度が望ましい程度に増加し、反応を、18.07gの96%硫酸で、pH11.59〜2.5でクエンチした(40℃で測定)。12.3gのアリコートを解析のために取り出し、反応混合物を、30分かけて60℃に加熱した(pHの読み取りは、60℃で2.82であり、pHの読み取りは、25℃で2.93であった)。60℃で30分後に、pHを、96%硫酸1.15gで、3.11〜2.53に低めた(pHは、60℃で読み取った)。60℃で60分後に、pHを、96%硫酸0.49gで、2.69〜2.50に低めた(pHは、60℃で読み取った)。60℃で90分後に、pHを、96%硫酸0.17gで、2.58〜2.50に低めた(pHは、60℃で読み取った)。60℃で120分後に、この反応混合物を、5分間以内で40℃、20分間以内で25℃に冷却した。樹脂のpHは、2.4であり、ブルックフィールド粘度は、78cps(25℃で)であり、総固体量は21.6%であり、アゼチジニウムは51モル%であった。樹脂の一部に、0.2重量%ギ酸(樹脂の湿潤重量に対するギ酸の乾燥重量)、および、200ppmのソルビン酸カリウムを添加した。樹脂のもう一部に、0.1重量%ギ酸、および、200ppmのソルビン酸カリウムを添加した。樹脂のもう一部を、14.5%総固体量に希釈し[ブルックフィールド粘度は32cps(25℃で)、200ppmのソルビン酸カリウムを添加した。32℃でのエージング研究を行った(表5を参照)。
1リットルの丸底フラスコに、オーバヘッド撹拌器、コンデンサー、pHおよび温度プローブ、シリンジポンプおよび温度制御されたウォーターバスを備え付けた。このフラスコに、20.0%Kymene(R)624湿潤強力樹脂(ハーキュレス社,ウィルミントン,デラウェア州;ヴォレペ,フランスプラントより入手可能、21.0%総固体量、112cps、pH3.03、および、59モル%アゼチジニウム、20.0%に希釈)650.0gを入れた。この樹脂を、40.0℃に加熱し、次に、25%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液49.92gを、シリンジポンプを用いて、5分かけて添加した。NaOH添加の最後のpHは、11.06であった(40.0℃で測定)。初めのうち、粘度は減少した。粘度は、NaOHを添加し始めてから9分後に増加し始めた。NaOHを添加し始めてから14分後に、粘度が望ましい程度に増加し、反応を、14.11gの96%硫酸で、pH10.67〜2.3でクエンチした(40℃で測定)。12.4gのアリコートを解析のために取り出し、反応混合物を、30分かけて60℃に加熱した(pHは、60℃で2.71で読み取った)。pHを、0.65gの96%硫酸で、2.71〜2.44に低めた(pHは、60℃で読み取り、60℃でのpH2.44は、25℃でのpH2.28であった)。60℃で30分後に、pHを、0.55gの96%硫酸で、2.73〜2.52に低めた(pHは、60℃で読み取り、60℃でのpH2.52は、25℃でのpH2.35であった)。60℃で60分後に、pHを、0.37gの96%硫酸で、2.67〜2.52に低めた(pHは、60℃で読み取り、60℃でのpH2.52は、25℃でのpH2.34であった)。60℃で90分後に、pHを、96%硫酸0.26gで、2.63〜2.52に低めた(pHは、60℃で読み取り、60℃でのpH2.52は、25℃でのpH2.33であった)。60℃で120分後に、この反応混合物を、10分間以内で40℃、20分間以内で25℃に冷却した。樹脂のpHは、2.5であり、ブルックフィールド粘度は、88cps(25℃で)であり、総固体量は21.4%であった。樹脂の一部に、0.1重量%ギ酸(樹脂の湿潤重量に対するギ酸の乾燥重量)、200ppmのソルビン酸カリウムを添加した。樹脂のもう一部を、15.0%総固体量に希釈し[ブルックフィールド粘度は40cps(25℃で)、200ppmのソルビン酸カリウムを添加した。希釈した樹脂の一部に、0.1重量%ギ酸を添加した。32℃でのエージング研究を行った(表6を参照)。
2リットルの丸底フラスコに、オーバヘッド撹拌器、コンデンサー、pHおよび温度プローブ、シリンジポンプおよび温度制御されたウォーターバスを備え付けた。このフラスコに、20.0%Kymene(R)624LX湿潤強力樹脂(ハーキュレス社,ウィルミントン,デラウェア州より入手可能;21.1%総固体量、205cps、pH3.36、および、59モル%アゼチジニウム、20.0%に希釈)1300.0gを入れた。この樹脂を、40.0℃に加熱し、次に、25%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液116.48gを、シリンジポンプを用いて、5分かけて添加した。NaOH添加の最後のpHは、11.39であった(40.0℃で測定)。初めのうち、粘度は減少した。粘度は、NaOHを添加し始めてから17分後に増加し始めた。NaOHを添加し始めてから25分後に、粘度が望ましい程度に増加し、反応を、96%硫酸31.16gを用いて、pH11.2〜2.2(40℃で測定)でクエンチした。12.37gのアリコートを解析のために取り出し、反応混合物を、60℃に加熱した(pHは、60℃で2.78で読み取った)。反応混合物が60℃に達したら、pHを、96%硫酸1.75gで、2.78〜2.43に低めた(pHは、60℃で読み取り、60℃でのpH2.43は、25℃でのpH2.27であった)。60℃で30分後に、pHを、1.03gの96%硫酸で、2.68〜2.49に低めた(pHは、60℃で読み取り、60℃でのpH2.49は、25℃でのpH2.28であった)。60℃で60分後に、pHを、0.48gの96%硫酸で、2.61〜2.53に低めた(pHは、60℃で読み取り、60℃でのpH2.53は、25℃でのpH2.36であった)。60℃で90分後に、pHを、0.51gの96%硫酸で、2.61〜2.53に低めた(pHは、60℃で読み取り、60℃でのpH2.53は、25℃でのpH2.37であった)。60℃で120分後に、この反応混合物を、10分間以内で40℃、23分間以内で25℃に冷却した。樹脂のpHは、2.45(25℃で)であり、ブルックフィールド粘度は、116cps(25℃で)であり、総固体量は21.4%であった。樹脂の一部に、0.1重量%ギ酸(樹脂の湿潤重量に対するギ酸の乾燥重量)、200ppmのソルビン酸カリウムを添加した。樹脂のもう一部を、15.0%総固体量に希釈し[ブルックフィールド粘度は49cps(25℃で)、200ppmのソルビン酸カリウムを添加した。樹脂のもう一部を、15.0%総固体量に希釈し、0.1重量%ギ酸、および、200ppmのソルビン酸カリウムを添加した。32℃でのエージング研究を行った(表7を参照)。
2リットルの丸底フラスコに、オーバヘッド撹拌器、コンデンサー、pHおよび温度プローブ、シリンジポンプおよび温度制御されたウォーターバスを備え付けた。このフラスコに、20.0%Kymene(R)624湿潤強力樹脂(ハーキュレス社,ウィルミントン,デラウェア州より入手可能;21.1%総固体量、205cps、pH3.36、および、59モル%アゼチジニウム、20.0%に希釈)1300.0gを入れた。この樹脂を、40.0℃に加熱し、次に、25%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液116.48gを、シリンジポンプを用いて、5分かけて添加した。NaOH添加の最後のpHは、11.35であった(40.0℃で測定)。初めのうち、粘度は減少した。粘度は、NaOHを添加し始めてから15分後に増加し始めた。NaOHを添加し始めてから24分後に、粘度が望ましい程度に増加し、反応を、96%硫酸29.82gを用いて、pH11.2〜2.7(40℃で測定)でクエンチした。12.68gのアリコートを解析のために取り出し、反応混合物を、60℃に加熱した(pHは、60℃で3.11で読み取った)。反応混合物が60℃に達したら、pHを、1.55gの96%硫酸で、3.11〜2.70に低めた(pHは、60℃で読み取り、60℃でのpH2.70は、25℃でのpH2.74であった)。60℃で30分後に、pHを、1.19gの96%硫酸で、3.00〜2.69に低めた(pHは、60℃で読み取り、60℃でのpH2.69は、25℃でのpH2.67であった)。60℃で60分後に、pHを、96%硫酸0.88gで、2.88〜2.67に低めた(pHは、60℃で読み取り、60℃でのpH2.67は、25℃でのpH2.65であった)。60℃で90分後に、pHを、0.48gの96%硫酸で、2.77〜2.66に低めた(pHは、60℃で読み取り、60℃でのpH2.66は、25℃でのpH2.63であった)。60℃で120分後に、この反応混合物を、5分間以内で40℃、30分間以内で25℃に冷却した。樹脂のpHは、2.75(25℃で)であり、ブルックフィールド粘度は、111cps(25℃で)であり、総固体量は21.4%であった。樹脂の一部に、0.1重量%ギ酸(樹脂の湿潤重量に対するギ酸の乾燥重量)、および、200ppmのソルビン酸カリウムを添加した。樹脂のもう一部を、15.0%総固体量に希釈し[ブルックフィールド粘度は48cps(25℃で)、200ppmのソルビン酸カリウムを添加した。樹脂のもう一部を、15.0%総固体量に希釈し、0.1重量%ギ酸、および、200ppmのソルビン酸カリウムを添加した。32℃でのエージング研究を行った(表8を参照)。
1リットルの丸底フラスコに、オーバヘッド撹拌器、コンデンサー、pHおよび温度プローブ、および、温度制御されたウォーターバスを備え付けた。このフラスコに、15.0%Kymene(R)624LX湿潤強力樹脂(ハーキュレス社,ウィルミントン,デラウェア州より入手可能;21.1%総固体量、205cps、pH3.36、および、59モル%アゼチジニウム、15.0%に希釈)700.0gを入れた。この樹脂を、45℃に加熱し、次に、45%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液28.74gを添加し、pH11.05になった(pHは、47℃で測定した)。NaOH添加により、温度が目標とする47℃に高まった。粘度をモニターした。20分後に、樹脂がゲル化し、廃棄された。
1リットルの丸底フラスコに、オーバヘッド撹拌器、コンデンサー、pHおよび温度プローブ、および、温度制御されたウォーターバスを備え付けた。このフラスコに、15.0%Kymene(R)624LX湿潤強力樹脂(ハーキュレス社,ウィルミントン,デラウェア州より入手可能;21.1%総固体量、205cps、pH3.36、および、59モル%アゼチジニウム、15.0%に希釈)700.0gを入れた。この樹脂を、50℃に加熱し、次に、45%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液15.71gを添加した。NaOHを一定して添加することによって、pHを、8.9〜9.2に維持した(pHは、50℃で測定した)。4分後に、樹脂がゲル化した。
1リットルの丸底フラスコに、オーバヘッド撹拌器、コンデンサー、pHおよび温度プローブ、および、温度制御されたウォーターバスを備え付けた。このフラスコに、15.0%Kymene(R)624LX湿潤強力樹脂(ハーキュレス社,ウィルミントン,デラウェア州より入手可能;21.1%総固体量、205cps、pH3.36、および、59モル%アゼチジニウム、15.0%に希釈)700.0gを入れた。この樹脂を、40℃に加熱し、次に、45%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液16.01gを添加した。NaOHを一定して添加することによって、pHを、8.9〜9.2に維持した(pHは、40℃で測定した)。5分後に、樹脂がゲル化した。
1リットルの丸底フラスコに、オーバヘッド撹拌器、コンデンサー、pHおよび温度プローブ、および、温度制御されたウォーターバスを備え付けた。このフラスコに、15.0%粘度が低おKymene(R)624LX湿潤強力樹脂(ハーキュレス社,ウィルミントン,デラウェア州より入手可能;23.43%総固体量、56cps、pH3.65、および、54モル%アゼチジニウム、15.0%に希釈)700.0gを入れた。この樹脂を、50℃に加熱し、次に、45%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液17.02gを添加した。NaOHを一定して添加することによって、pHを8.9〜9.1に維持した(pHは、50℃で測定した)。粘度をモニターした。20分後に、樹脂がゲル化した。
1リットルの丸底フラスコに、オーバヘッド撹拌器、コンデンサー、pHおよび温度プローブ、および、温度制御されたウォーターバスを備え付けた。このフラスコに、粘度が15.0%低いKymene(R)624LX湿潤強力樹脂(ハーキュレス社,ウィルミントン,デラウェア州より入手可能;23.43%総固体量、56cps、pH3.65、および、54モル%アゼチジニウム、15.0%に希釈)700.0gを入れた。この樹脂を、50℃に加熱し、次に、45%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液30.39gを添加して、pH11.1を達成した。NaOHを一定して添加することによって、pHを、11.0〜11.1に維持した(pHは、50℃で測定した)。粘度をモニターした。20分後に、樹脂がゲル化した。
1リットルの丸底フラスコに、オーバヘッド撹拌器、コンデンサー、pHおよび温度プローブ、および、温度制御されたウォーターバスを備え付けた。このフラスコに、粘度が15.0%低いKymene(R)624LX湿潤強力樹脂(ハーキュレス社,ウィルミントン,デラウェア州より入手可能;23.43%総固体量、56cps、pH3.65、および、54モル%アゼチジニウム、15.0%に希釈)700.0gを入れた。この樹脂を、50℃に加熱し、次に、45%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液37.35gを添加して、pH11.6を達成した。pHを、20分以内で11.5に低めた(pHは、50℃で測定した)。粘度をモニターした。20分後に、樹脂がゲル化し、廃棄された。
Claims (21)
- 低濃度のCPD形成種、及び優れた耐ゲル化安定性を有するポリアミン−エピハロヒドリン樹脂を含む組成物を製造する方法であって:
(A)エピハロヒドリン:アミンの比率が、約1.1:1.0未満の樹脂を製造する工程;
(B)CPD形成種を減少させるか、除去するかのうちの少なくとも1つの条件下で、CPD形成種を含有するポリアミン−エピハロヒドリン樹脂を含む組成物を、少なくとも1種の塩基性剤で処理する工程;
(C)塩基処理に続いて、ゲル化に対する貯蔵安定性を有する組成物が得られる条件下で、ポリアミン−エピハロヒドリン樹脂を含む組成物を、少なくとも1種の酸性剤で処理する工程;
を含み、
得られた、CPD形成が減じられた、ゲル化に対する貯蔵安定性を有する樹脂組成物は、pH1で、50℃で24時間で保存し24時間目で測定した場合に、約250ppm未満(乾燥基準)のCPDを生じる
前記の方法。 - エピハロヒドリン:アミンの比率は、約1.05:1.0未満である、請求項1に記載の方法。
- エピハロヒドリン:アミンの比率は、約1.0:1.0未満である、請求項1に記載の方法。
- ポリアミン−エピハロヒドリン樹脂は、ポリアミノポリアミド−エピハロヒドリン樹脂である、請求項1に記載の方法。
- エピハロヒドリンは、エピクロロヒドリンである、請求項1に記載の方法。
- 前記樹脂のアゼチジニウム含量は、40モル%より大きい、請求項1に記載の方法。
- 前記樹脂組成物は、13%より大きい活性固体含量を有する、請求項1に記載の方法。
- 前記樹脂組成物は、15%より大きい活性固体含量を有する、請求項1に記載の方法。
- 工程(B)の温度は、約35℃〜約55℃である、請求項1に記載の方法。
- 工程(B)のpHは、10.5〜約12.5の範囲である、請求項1に記載の方法。
- 工程(B)の時間は、約10分〜約2時間である、請求項1に記載の方法。
- 前記塩基性物質は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および、それらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。
- 工程(C)の温度は、少なくとも約35℃である、請求項1に記載の方法。
- 工程(C)のpHは、1.0〜4.0の範囲である、請求項1に記載の方法。
- 工程(C)のpHは、1.8〜3.5の範囲である、請求項14に記載の方法。
- 工程(C)のpH値は、酸処理中に、酸性物質を周期的または連続的に添加することによって、開始時の酸性pHに維持されるか、またはそれに近いpHに維持される、請求項1に記載の方法。
- 前記酸性物質は、ハロゲンを含まない酸である、請求項1に記載の方法。
- 前記酸性物質は、硫酸である、請求項1に記載の方法。
- 工程(B)および(C)の前、または、その後のいずれかに、前記樹脂を処理することをさらに含み、ここで前記処理は、イオン交換、膜分離、生物学的な脱ハロゲン化、または、炭素吸着による、請求項1に記載の方法。
- 得られた樹脂は、等しい活性を基準にして、未処理の樹脂におけるAOX含量の初期値の75%未満のAOX含量を有する、請求項1に記載の方法。
- 請求項1に記載の樹脂を含ませて製造された紙製品。
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