JP2006526390A - 正常細胞およびがん細胞における遺伝子発現を検出する方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、正常細胞またはがん細胞における遺伝子発現を検出する方法を提供する。特に、細胞試料中の種々の腫瘍マーカーの存在または同マーカーの遺伝子発現の変化を検出し、同定し、または定量するための、蛍光画像化技法と組合せた分子ビーコン(MB)技法を利用する方法が提供される。
Description
本発明は、包括的には、分子ビーコン技法を用いた正常細胞および/またはがん細胞における腫瘍マーカー遺伝子および突然変異がん遺伝子の発現レベルの検査によりヒトのがん細胞を検出する方法に関する。
本出願は、米国を除いた全ての国の指定についての出願人である米国国立大学であるエモリー大学、ならびにリリー・ヤング、ガング・ボー、チャールス・スタンレーおよびシンシア・コーエンの名義で、PCT国際特許出願として2004年1月13日に出願されている。
[発明の背景]
乳がんは、最も一般的な種類のがんであり、女性の死亡の主因である。生存を延ばすための決定的要因は、乳がんを早期に診断することである。マンモグラフィーによる早期スクリーニングは疾患の死亡率を低減したが、しかし乳がん患者の約20%は依然としてマンモグラフィーでは見逃される。さらに異常マンモグラムを示す全患者のうち、生検により乳がんであると確証されたのはわずか10〜20%であった(非特許文献1)。今のところ、乳がんの診断のための信頼できる血清腫瘍マーカーはない。したがって乳がんの早期診断のための新規なアプローチの開発が、患者の治療の成功ならびに患者の生存を延ばすための決定的な重要性を有する。
乳がんは、最も一般的な種類のがんであり、女性の死亡の主因である。生存を延ばすための決定的要因は、乳がんを早期に診断することである。マンモグラフィーによる早期スクリーニングは疾患の死亡率を低減したが、しかし乳がん患者の約20%は依然としてマンモグラフィーでは見逃される。さらに異常マンモグラムを示す全患者のうち、生検により乳がんであると確証されたのはわずか10〜20%であった(非特許文献1)。今のところ、乳がんの診断のための信頼できる血清腫瘍マーカーはない。したがって乳がんの早期診断のための新規なアプローチの開発が、患者の治療の成功ならびに患者の生存を延ばすための決定的な重要性を有する。
目下、乳管洗浄液は、細胞病理学的分析のために乳管上皮細胞を収集するための、侵襲性を最小限とした手法として用いられている(非特許文献2)。この手法は、乳頭開口部に微小カテーテルを挿入し、カニューレが挿入された乳管を通常の生理食塩水で洗浄し、洗浄流出液を収集することを包含する。正常、非定型または悪性の乳管細胞の存在を分析するために、約13,500個/乳管の細胞が収集され得る。しかしながら、異なる細胞の種類を同定するための現行の方法は形態学的分類によるものであり、これはしばしば不正確である。
膵臓がんは、その予後が非常に悪いために、米国におけるがん死の四番目の死因である(非特許文献3)。米国では毎年、約29,000の新規の症例が診断され、28,000例が死亡している(非特許文献4)。診断後3ヶ月より長く生存する膵臓がん患者は50%未満であり、2年生き延びるのは彼等のうちの8%である(非特許文献5)。予後が悪いことに関する主な理由は、早期に見つかる膵臓がん患者が極少数であるという点である。伝統的な放射線写真撮影および超音波検査法を用いた膵臓がんの早期診断は、非常に難しい(非特許文献6)。最近数十年間の広範な生物医学的研究努力にもかかわらず、膵臓がん患者の90%以上がすでに診断時までに局所転移および/または遠隔転移を経験しており、しばしばその治癒を遅らせる。したがって、おそらくは腫瘍のサイズというよりむしろ分子マーカーに基づいて、膵臓がんの早期検出をすることが非常に重要である。
(膵臓がんおよび乳がんの分子マーカー)
一般的にK−rasがん遺伝子は、早期膵臓がんの検出のための最も興味をそそる分子マーカーの1つである、ということが十分に確立されている(非特許文献7〜12)。Gタンパク質ファミリーの一員であるK−rasは、細胞表面からの増殖促進エフェクターのシグナル伝達に関与する。K−rasの点突然変異は膵臓癌腫の80〜100%に見出され、このことは、K−rasががん検出のための感度の良いマーカーであることを示唆している(非特許文献7)。さらに、これらの突然変異のほとんどがコドン12に集中し
ており、ビーコン設計の容易さという点でK−rasをさらに興味をそそるものにする。K−ras突然変異は膵臓がんの発症の極早期に起こるため、K−ras突然変異を標的とする試験は膵臓癌腫の早期検出をもたらし得る。
一般的にK−rasがん遺伝子は、早期膵臓がんの検出のための最も興味をそそる分子マーカーの1つである、ということが十分に確立されている(非特許文献7〜12)。Gタンパク質ファミリーの一員であるK−rasは、細胞表面からの増殖促進エフェクターのシグナル伝達に関与する。K−rasの点突然変異は膵臓癌腫の80〜100%に見出され、このことは、K−rasががん検出のための感度の良いマーカーであることを示唆している(非特許文献7)。さらに、これらの突然変異のほとんどがコドン12に集中し
ており、ビーコン設計の容易さという点でK−rasをさらに興味をそそるものにする。K−ras突然変異は膵臓がんの発症の極早期に起こるため、K−ras突然変異を標的とする試験は膵臓癌腫の早期検出をもたらし得る。
近年、アポトーシスタンパク質の阻害剤(IAP)の一ファミリーの遺伝子が発見された(非特許文献13)。IAPは、カスパーゼ活性の抑制によりアポトーシス経路のカスケードを抑制する(非特許文献14)。漸増する証拠から、IAPタンパク質の1つであるサバイビンもいくつかの種類のがんに対する有望な腫瘍マーカーである、ということが示されている(非特許文献15〜18)。サバイビンは、普通は胎児発生中に発現されるが、ほとんどの正常成人組織中では発現されない(非特許文献15)。19種類のヒトの正常組織および疾患組織からの350万の転写物の分析結果も、サバイビンが、試験された全てのがん組織中において一様に高レベルで発現されるが正常組織中では高レベルで発現されない上位4つの遺伝子のうちの1つである、ということを示している(非特許文献19)。近年の研究から、免疫組織化学法、免疫ブロット法およびRT−PCR法により、膵管細胞の腺癌の77%、および膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMT)の56%においてサバイビンの存在が実証されている(非特許文献20)。サバイビンの発現は、膵管細胞癌腫の全ての進行度(ステージI〜IV)において、例えば膵臓がん細胞中での新生物移行の早期ステージにおいても検出され得る。しかしながら、サバイビンの発現は、正常膵臓組織、腫瘍細胞周囲の炎症細胞、ならびに慢性膵炎患者からの膵臓組織中には検出されなかった。正常な膵臓およびその他の正常組織中にサバイビンの発現がないということは、サバイビンを膵臓がん細胞の検出のための理想的分子マーカーとするものである。
正常乳房上皮から浸潤性乳管癌への移行は、多段階過程であり、過形成、非定型的過形成から非浸潤性乳管癌(DCIS)への、ならびに浸潤性乳管癌への乳房組織における一連の組織学的変化を包含する。いくつかの腫瘍マーカーは、DCIS病変および浸潤性乳がんにおいて存在することが判明した。細胞周期の重要な調節物質であるサイクリンD1はDCISの80%において過剰発現され、一方、正常乳房組織においては、サイクリンD1は低いかまたは存在しない(非特許文献21〜22)。Her−2/neu遺伝子の増幅および過剰発現も、浸潤性乳がんの30%およびDCIS組織の60〜80%で実証されている(非特許文献23〜25)。しかしながらHer−2/neuの過剰発現は、正常乳管細胞中および単純過形成においては見出されない(非特許文献24〜25)。これは、これらの遺伝子の調節が良性状態から癌腫への移行を規定する可能性があり、そしてサイクリンD1およびHer−2/neuの無秩序な過剰発現が乳癌における一般的早期事象であり得る、ということを示唆している。さらに高レベルのサバイビンも、浸潤性および転移性乳がんの患者から採取された乳がん組織の71%において検出されるが、一方、周囲の正常乳房組織は陰性である。サバイビンのレベルの増大は、乳房腫瘍細胞のアポトーシスの閾値および生存能力をより高めるのに寄与する(非特許文献16)。高レベルのサバイビンが乳がん患者のDCIS組織の80%超において検出されるため、サバイビン遺伝子の発現は、乳がんの発症における早期腫瘍マーカーであると思われる(ヤン、エル.他(Yang L. et al.)、未発表)。したがって、サイクリンD1、Her−2/neuおよびサバイビンは、浸潤性前段階の乳がん細胞の早期検出のための感度の良い腫瘍マーカーである。
サバイビンは、多数の一般的な種類の腫瘍、例えば前立腺、肺、結腸、胃、肝臓、脳、腎臓の腫瘍、黒色腫およびリンパ腫においても検出される(非特許文献18)。例えば、ヒト結腸直腸がんの64%が高レベルのサバイビンを発現する。サバイビン陽性の第II期患者の5年生存率は、サバイビン陰性の患者の場合より甚だ低い(非特許文献26)。がん患者のサバイビン発現と予後との相関は、いくつかの他の種類の腫瘍でも実証されている(非特許文献27〜28)。いくつかの報告は、腫瘍細胞におけるサバイビン遺伝子の発現が化学療法または放射線療法に対する腫瘍細胞の耐性に寄与する、ということを示
した(非特許文献29〜31)。したがってサバイビン遺伝子発現のレベルを用いて、化学療法剤に対するヒト腫瘍細胞の感受性を測定し得る。
した(非特許文献29〜31)。したがってサバイビン遺伝子発現のレベルを用いて、化学療法剤に対するヒト腫瘍細胞の感受性を測定し得る。
(分子ビーコン技法によるヒトがん細胞の検出)
目下、臨床試料における遺伝子突然変異の検出のために一般的に用いられる方法は、ゲノムDNAのDNA精製またはRNA単離とその後の突然変異体を濃縮する(mutant-enriched )PCRまたはRT−PCRである。次に一本鎖高次構造多型(SSCP)、制限酵素断片長多型(RELP)または対立遺伝子特異的オリゴデオキシヌクレオチドハイブリダイゼーション(ASOH)により、突然変異体PCR産物の存在が測定される(非特許文献8〜11、非特許文献32〜33)。PCRによるK−ras突然変異の同定はかなり感受性の高い分子レベルのアプローチであるが、しかしPCRに関する手法およびその後のアッセイは非常に時間を要し、臨床的手法とするのは困難である。今までのところ、蛍光標識した一般的な直線状オリゴヌクレオチドプローブを用いたin situハイブリダイゼーション法は蛍光バックグラウンドレベルが高く、単一塩基対の突然変異を有するmRNAの検出では感度が低いため、無傷の細胞における突然変異がん遺伝子の発現を直接検出することは非常に難しかった。突然変異体タンパク質に対する抗体を用いた免疫染色は、通常は特異性を欠き、「擬陽性」データを生じる。非特異的な標識および内在性のペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼの存在により、多数の「擬陽性」が観察された。したがって、突然変異がん遺伝子を発現する腫瘍細胞の検出のための、より特異性の高いアッセイを開発することが重要である。
ハリス他(Harris et al. )、「デティータ・ブイ・ティ(Detita VT )の著書」、リッピンコット・ラーベン社(Lippincott-Raven)、p.1557-1616 (1997) オショネシー他(O'Shaughnessy et al.)、Cancer, 94(2): 292-298 (2002) パーカー他(Parker et al. ), CA. Cancer J. Clin. 46: 5-27 (1996) ゴールド・イー・アイ(Gold E.I), Surg. Clin. North Am. 75: 819-839 (1995) 米国国立衛生研究所(National Institute of Health):NIH Publication 93-2789 (1993) バーキン他(Barkin et al. ), Gastroenterology Clinics of North America 28: 709-722 (1999) ミナモト他(Minamoto et al. ), Cancer Detection & Prevention 24: 1-12 (2000) フタカワ他(Futakawa et al. ), Journal of Hepato-Biliary-Pancreatic Surgery 7: 63-71 (2000) ピュイグ他(Puig et al. ), International Journal of Cancer 85(1): 73-77 (2000) ワタナベ他(Watanabe et al. ), Pancreas 17: 341-7 (1998) シバタ他(Shibata et al.), International Journal of Oncology 12: 1333-1338 (1998) アーゲル他(Urgell et al. ), European Journal of Cancer 36: 2069-2075, 2000 ラカス他(LaCasse et al.), Oncogene 17: 3247-3259 (1998) デヴロー他(Deveraux et al. ), EMBO Journal 17(8): 2215-2223 (1998) アルティエリ他(Altieri et al.), Lab. Invest. 79: 1327-1333 (1999) タナカ他(Tanaka et al. ), Clin. Cancer Res. 6: 127-134 (2000) ムーア他(Moore et al.), J. of Insurance Med. 33: 202-203 (2001) アルティエリ他(Altieri et al.), Trends in Mol. Med. 7: 542-547 (2001) ヴェルクルスク他(Velculescu et al. ), Nature Genetics 23: 387-388 (1999) サトン他(Saton et al.), Cancer 92: 271-278 (2001) ウェインスタット−サスロー他(Weinstat-Saslow et al.), Nat Med 1(12): 1257-1260 (1995) フォス他(Vos et al.), J. of Path. 187(3): 279-84 (1999) ヤノチコ他(Janocko et al.), Cytometry 46(3): 136-49 (2001) ポラー他(Poller et al. ), Breast Cancer Res & Treat. 20(1): 3-10 (1991) ラマチャンドラ他(Ramachandra et al.), J. of Path. 161(1): 7-14 (1990) サレーラ他(Sarela et al. ), Gut 46(5): 645-650 (2000) カプラー他(Kappler et al.), International Journal of Cancer. 95: 360-363 (2001) スワナ他(Swana et al.), New England Journal of Medicine. 341: 452-453 (1999) カトウ他(Kato et al. ), International Journal of Cancer 95: 92-5 (2001) アズハタ他(Azuhata et al.), Journal of Pediatric Surgery 36: 1785-1791 (2001) アサヌマ他(Asanuma et al.), Japanese Journal of Cancer Research 91: 1204-9 (2000) フィッシャー他(Fischer et al.), Laboratory Investigation 81: 827-831 (2001) クレイトン他(Clayton et al.), Clinical Chemistry 46: 1929-1938 (2000)
目下、臨床試料における遺伝子突然変異の検出のために一般的に用いられる方法は、ゲノムDNAのDNA精製またはRNA単離とその後の突然変異体を濃縮する(mutant-enriched )PCRまたはRT−PCRである。次に一本鎖高次構造多型(SSCP)、制限酵素断片長多型(RELP)または対立遺伝子特異的オリゴデオキシヌクレオチドハイブリダイゼーション(ASOH)により、突然変異体PCR産物の存在が測定される(非特許文献8〜11、非特許文献32〜33)。PCRによるK−ras突然変異の同定はかなり感受性の高い分子レベルのアプローチであるが、しかしPCRに関する手法およびその後のアッセイは非常に時間を要し、臨床的手法とするのは困難である。今までのところ、蛍光標識した一般的な直線状オリゴヌクレオチドプローブを用いたin situハイブリダイゼーション法は蛍光バックグラウンドレベルが高く、単一塩基対の突然変異を有するmRNAの検出では感度が低いため、無傷の細胞における突然変異がん遺伝子の発現を直接検出することは非常に難しかった。突然変異体タンパク質に対する抗体を用いた免疫染色は、通常は特異性を欠き、「擬陽性」データを生じる。非特異的な標識および内在性のペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼの存在により、多数の「擬陽性」が観察された。したがって、突然変異がん遺伝子を発現する腫瘍細胞の検出のための、より特異性の高いアッセイを開発することが重要である。
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がん遺伝子および腫瘍抑制遺伝子の遺伝的変化、ならびに細胞の増殖を促進し細胞に転移能を提供する遺伝子発現異常によってがん細胞が発生する、ということが十分に確立されている。本明細書において用いられるがんの早期検出を達成する方法は、がん細胞中で発現されるが正常細胞中では発現が低いかまたは全く発現されないmRNA転写物の検出によりがん細胞を同定することであろう。したがって今まで取り組まれなかった必要性が、上記の欠陥および不適切性に取り組むために当該技術分野に存在する。
[発明の概要]
本発明の種々の態様は、固定された、または生きている正常細胞およびがん細胞中での遺伝子発現のレベルを検出する方法を提供する。具体的には、細胞試料中の種々の腫瘍マーカーの存在またはその遺伝子発現の変化を検出し、同定し、または定量するための、蛍光画像化技法と組合せた分子ビーコン(MB)技術を利用する方法が提供される。
本発明の種々の態様は、固定された、または生きている正常細胞およびがん細胞中での遺伝子発現のレベルを検出する方法を提供する。具体的には、細胞試料中の種々の腫瘍マーカーの存在またはその遺伝子発現の変化を検出し、同定し、または定量するための、蛍光画像化技法と組合せた分子ビーコン(MB)技術を利用する方法が提供される。
MBは、一端に蛍光体、他端に消光剤を有する一本鎖オリゴヌクレオチドである。MB
は、その標的のmRNAが存在しない場合、蛍光体の蛍光が消光されるように、ステム−ループ構造を形成するよう設計されている。ループ部分は、標的mRNA分子と相補的なプローブ配列を有する。ループの各末端近くのアーム配列は互いに相補的であり、アニーリングしてMBのステムを形成する。MBが標的mRNA分子に遭遇すると、ループ、そしておそらくはステムの一部が標的mRNAとハイブリダイズして、自発的に高次構造の変化を引き起こし、この変化がステムを離れさせる。消光剤が蛍光体から離れることにより、蛍光が回復する。ステム−ループ型プローブの主な利点は、直線状プローブより高い特異性でその標的を認識し得る、という点である。適正に設計されたMBは、単一ヌクレオチドというわずかな違いを有する標的を区別し得る。MBの設計により、その標的ヌクレオチド配列とのMBとの特異的結合が可能となり、かつ、遊離MBは蛍光を発しないのでMB−標的複合体から非結合プローブを分離することなく、蛍光シグナルの発生によりハイブリダイゼーションが報告される。したがってMBは、無傷細胞中ならびに溶液中で、特定のヌクレオチド配列、例えばmRNAおよびDNAを高いノイズ対シグナル比で検出するための優れたツールをわれわれに提供するはずである。
は、その標的のmRNAが存在しない場合、蛍光体の蛍光が消光されるように、ステム−ループ構造を形成するよう設計されている。ループ部分は、標的mRNA分子と相補的なプローブ配列を有する。ループの各末端近くのアーム配列は互いに相補的であり、アニーリングしてMBのステムを形成する。MBが標的mRNA分子に遭遇すると、ループ、そしておそらくはステムの一部が標的mRNAとハイブリダイズして、自発的に高次構造の変化を引き起こし、この変化がステムを離れさせる。消光剤が蛍光体から離れることにより、蛍光が回復する。ステム−ループ型プローブの主な利点は、直線状プローブより高い特異性でその標的を認識し得る、という点である。適正に設計されたMBは、単一ヌクレオチドというわずかな違いを有する標的を区別し得る。MBの設計により、その標的ヌクレオチド配列とのMBとの特異的結合が可能となり、かつ、遊離MBは蛍光を発しないのでMB−標的複合体から非結合プローブを分離することなく、蛍光シグナルの発生によりハイブリダイゼーションが報告される。したがってMBは、無傷細胞中ならびに溶液中で、特定のヌクレオチド配列、例えばmRNAおよびDNAを高いノイズ対シグナル比で検出するための優れたツールをわれわれに提供するはずである。
したがって一態様では、本発明は、試料中の少なくとも1つの腫瘍マーカーmRNAの存在を検出する方法に関する。当該方法は、分析のための細胞試料を提供すること、そして次に腫瘍マーカーmRNAを標的とする環状オリゴヌクレオチド(MB)で試料を処理することを包含する。次に、試料中に存在する標的配列の有無または量が検出可能な蛍光シグナルの変化と相関するように、適切なハイブリダイゼーション条件下で標的配列のハイブリダイゼーションが検出、同定、または定量される。次に、測定される標的配列との前記オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションの有無または量に基づいて、腫瘍マーカーの存在が、検出、同定、または定量され得る。MBは、直接インキュベーションすることによりアセトン固定された細胞に送達されてもよいし、あるいはトランスフェクションにより生細胞中に送達されてもよい。固定された、または生きている腫瘍細胞中へのMB送達後の腫瘍マーカーmRNAの存在およびそのレベルの定量は、蛍光顕微鏡を用いて蛍光強度を測定することにより、個々の細胞集団のFACS‐スキャン分析を用いて、あるいは蛍光マイクロプレートリーダーを用いて96ウエルプレート中でリアルタイムに相対的蛍光単位の変化をモニタリングすることにより成し遂げられる。
検出されるべき任意の腫瘍マーカーであり、そして本発明の特定のいくつかの態様で検出される腫瘍マーカーは、サバイビン、サイクリンD1、Her2/neu、突然変異型K−ras、キモトリプシノーゲン、XIAP、塩基性繊維芽細胞増殖因子、EGF受容体、癌胎児性抗原、前立腺特異抗原、α−フェトプロテイン、β−2−ミクログロブリン、膀胱腫瘍抗原、クロモグラニンA、ニューロン特異的エノラーゼ、S−100、TA−90、組織ポリペプチド抗原およびヒト絨毛性ゴナドトロピンのうち1つまたは複数を含み得る。
本発明の任意の態様では、試料は任意数の供給源のうちの1つまたは複数の供給源から採取可能であり、供給源の例としては血液、尿、膵液、腹水、乳管洗浄液、乳頭吸引物、穿刺生検物または組織が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の特定のいくつかの態様では、組織は膵臓または乳房からの生検物である。本発明の他の態様では、組織は顕微鏡用凍結切片の形態であり得る。
本発明の別の態様は、腫瘍細胞中の突然変異遺伝子の存在を検出する方法であって、分析のための腫瘍細胞の試料を提供することと、次に突然変異遺伝子を標的とするオリゴヌクレオチドで試料を処理することとを包含する方法に関する。本発明の特定のいくつかの態様では、突然変異遺伝子は突然変異型K−ras遺伝子である。
本発明のさらに別の態様は、生細胞中の遺伝子発現のレベルをモニタリングする方法に
関する。
本発明のさらに別の態様は、被験者における乳がんの存在または進行を検出またはモニタリングする方法であって、乳がんマーカーの存在をモニタリングまたは検出することを包含する方法に関する。本発明の種々の態様において、乳がんマーカーは、サバイビン、サイクリンD1、Her2/neu、塩基性繊維芽細胞増殖因子および癌胎児性抗原のうちの1つまたは複数であり得る。本発明の特定のいくつかの態様では、試料は、血液、尿、乳管洗浄液、乳頭吸引物、腹水、穿刺生検物または組織のうちの1つまたは複数から採取されるが、これらに限定されない。
関する。
本発明のさらに別の態様は、被験者における乳がんの存在または進行を検出またはモニタリングする方法であって、乳がんマーカーの存在をモニタリングまたは検出することを包含する方法に関する。本発明の種々の態様において、乳がんマーカーは、サバイビン、サイクリンD1、Her2/neu、塩基性繊維芽細胞増殖因子および癌胎児性抗原のうちの1つまたは複数であり得る。本発明の特定のいくつかの態様では、試料は、血液、尿、乳管洗浄液、乳頭吸引物、腹水、穿刺生検物または組織のうちの1つまたは複数から採取されるが、これらに限定されない。
本発明のさらに別の態様は、被験者における膵臓がんの存在または進行を検出またはモニタリングする方法であって、膵臓がんマーカーの存在に関して検出またはモニタリングすることを包含する方法に関する。本発明の種々の態様では、膵臓がんマーカーは、サバイビン、突然変異型K−ras遺伝子および癌胎児性抗原のうちの1つまたは複数であり得るが、これらに限定されない。本発明の種々の態様では、試料は、少なくとも1つの供給源、例えば血液、尿、膵液、穿刺生検物または組織(これらに限定されない)から採取され得る。
本発明の別の態様は、試料中のがん細胞を検出する方法であって、がん特異的マーカー遺伝子配列を標的とするオリゴヌクレオチドで細胞試料を処理することを包含する方法に関する。本発明の種々の態様では、がん細胞は、乳がん、膵臓がん、卵巣がん、前立腺がん、結腸直腸がん、肝細胞がん、多発性骨髄腫、リンパ腫、膀胱がん、甲状腺髄様がん、神経内分泌腫瘍、類癌腫、精巣がん、妊娠栄養膜腫瘍形成、肺がん、黒色腫および胃がんのうちの1つまたは複数に由来するものでよいが、これらに限定されない。
本発明のその他の態様は、1)がん細胞の進行を検出するかまたはモニタリングし;そして、2)生細胞中の遺伝子発現のレベルをリアルタイムに検出するための診断キットを提供する。
[好ましい実施形態の詳細な説明]
本発明の種々の実施形態を、ここで詳細に説明する。本明細書中の記載ならびにその後の特許請求の範囲において用いる場合、「一つの(a )」、「一つの(an)」および「その(the )」の意味は、文脈から明らかに違う場合を除き、複数形を包含する。さらにまた本明細書中の記載ならびにその後の特許請求の範囲において用いる場合、「〜中に(in)」の意味は、文脈から明らかに違う場合を除き、「〜中に(in)」および「〜の上に(on)」を包含する。
本発明の種々の実施形態を、ここで詳細に説明する。本明細書中の記載ならびにその後の特許請求の範囲において用いる場合、「一つの(a )」、「一つの(an)」および「その(the )」の意味は、文脈から明らかに違う場合を除き、複数形を包含する。さらにまた本明細書中の記載ならびにその後の特許請求の範囲において用いる場合、「〜中に(in)」の意味は、文脈から明らかに違う場合を除き、「〜中に(in)」および「〜の上に(on)」を包含する。
本明細書中で用いられる用語は一般に、本発明の情況の範囲内で、かつそれぞれの用語が用いられる特定の情況において、当該技術分野におけるその用語の通常の意味を有する。本発明を説明するために用いられる特定のいくつかの用語について以下に、あるいは本明細書中の別の箇所において考察して、本発明の組成物および方法ならびにそれらの製造方法および使用方法を説明するに際して、実践者に付加的な案内を提供する。便宜のために、特定のいくつかの用語は、例えばイタリック体および/または引用符を用いて強調されることもある。強調しても用語の範囲および意味に影響を及ぼさない。用語の範囲および意味は、それが強調されてもされなくても、同一の情況においては同一である。当然ながら、同一の事柄は複数の方法で述べられ得る。従って、本明細書中で考察される任意の1つまたは複数の用語に関して代替的専門用語および同義語が用いられることがあり、ある用語が本明細書中で推敲されるにしてもまたは考察されるにしても、何らかの特定の意味を負わされることはない。特定のいくつかの用語に対して同義語が提示される。1つまたは複数の同義語を挙げることによって、他の同義語の使用が排除されることはない。例
の使用は、本明細書中で説明される任意の用語の例を含めて、この明細書中のどこでも、例示的であるに過ぎず、本発明の範囲および意味あるいは任意の例示用語の範囲および意味をいかなる点においても限定するものではない。同様に、本発明は、この明細書中に示された種々の実施形態に限定されない。
の使用は、本明細書中で説明される任意の用語の例を含めて、この明細書中のどこでも、例示的であるに過ぎず、本発明の範囲および意味あるいは任意の例示用語の範囲および意味をいかなる点においても限定するものではない。同様に、本発明は、この明細書中に示された種々の実施形態に限定されない。
本明細書中で用いる場合、「約(about )」または「およそ(approximately )」とは概して、所与の値または範囲の20%以内、好ましくは10%以内、さらに好ましくは5%以内を意味するものとする。本明細書中に示された数量はおよその数量であり、「約」または「およそ」という用語が明白に記述されない場合には「約」または「およそ」である、ということを意味する。
(定義)
「ハイブリダイゼーション」および「相補的」とは、本明細書中で用いる場合、2つのヌクレオチド間で正確に対合することができることをさす。例えばオリゴヌクレオチドのある部位のヌクレオチドがDNAまたはRNA分子の同一部位のヌクレオチドと水素結合し得る場合には、そのオリゴヌクレオチドおよびDNAまたはRNAは、その部位について互いに相補的である、またはハイブリダイズ可能であるとみなされる。オリゴヌクレオチドおよびDNAまたはRNAは、各分子内の十分な数の対応する部位が互いに水素結合し得るヌクレオチドにより占められている場合にハイブリダイズする。当該技術分野では当然のことであるが、アンチセンスオリゴヌクレオチドの配列はその標的核酸の配列とハイブリダイズするために同標的核酸の配列と100%相補的である必要はない。アンチセンスオリゴヌクレオチド化合物と標的DNAまたはRNA分子との結合の場合、オリゴヌクレオチドは特異的にハイブリダイズ可能であり、そして特異的結合が望ましい条件下では、例えばin vivoアッセイまたは治療的処置の場合の生理学的条件下、あるいはin vitroアッセイの場合にアッセイが実施される条件下では、アンチセンスオリゴヌクレオチドと非標的配列との非特異的結合を回避するのに十分な程度の相補性が存在する。
「ハイブリダイゼーション」および「相補的」とは、本明細書中で用いる場合、2つのヌクレオチド間で正確に対合することができることをさす。例えばオリゴヌクレオチドのある部位のヌクレオチドがDNAまたはRNA分子の同一部位のヌクレオチドと水素結合し得る場合には、そのオリゴヌクレオチドおよびDNAまたはRNAは、その部位について互いに相補的である、またはハイブリダイズ可能であるとみなされる。オリゴヌクレオチドおよびDNAまたはRNAは、各分子内の十分な数の対応する部位が互いに水素結合し得るヌクレオチドにより占められている場合にハイブリダイズする。当該技術分野では当然のことであるが、アンチセンスオリゴヌクレオチドの配列はその標的核酸の配列とハイブリダイズするために同標的核酸の配列と100%相補的である必要はない。アンチセンスオリゴヌクレオチド化合物と標的DNAまたはRNA分子との結合の場合、オリゴヌクレオチドは特異的にハイブリダイズ可能であり、そして特異的結合が望ましい条件下では、例えばin vivoアッセイまたは治療的処置の場合の生理学的条件下、あるいはin vitroアッセイの場合にアッセイが実施される条件下では、アンチセンスオリゴヌクレオチドと非標的配列との非特異的結合を回避するのに十分な程度の相補性が存在する。
本発明の情況では、「オリゴヌクレオチド」という用語は、リボ核酸(RNA)またはデオキシリボ核酸(DNA)あるいはそれらの模倣物のオリゴマーまたはポリマーを指す。この用語は、天然および/または合成の核酸塩基、糖およびヌクレオシド間(主鎖)共有結合からなるオリゴヌクレオチドを包含するが、これに限定されない。このような修飾または置換されたオリゴヌクレオチドが天然の形態よりも好ましいことが多いのは、望ましい特性、例えば細胞による取り込みの増強、核酸標的に対する親和性増強、および/またはヌクレアーゼの存在下での安定性増大のためである。
本発明は、正常細胞およびがん細胞中での遺伝子発現を検出する方法を提供する。特に、細胞の試料中の種々の腫瘍マーカーの遺伝子発現の存在または変化を検出し、同定し、または定量するための方法が提供される。
生きている腫瘍細胞ならびに固定された腫瘍細胞における遺伝子発現を検出するための分子ビーコン(MB)技術を、発明者等は開発した。MBは、一端に蛍光体、他端に消光剤を有する二重標識されたステム−ループヘアピン構造を有するオリゴヌクレオチドである。細胞内へMBを送達すると、MBが標的mRNAとハイブリダイズする場合に蛍光シグナルを生じる。したがって、標的mRNAががんの分子マーカーに相当する場合、がん細胞(明色)は正常細胞(暗色)から区別され得る。以下の方法、すなわち細胞の試料中の少なくとも1つの腫瘍マーカーmRNAの存在を検出する方法;腫瘍細胞中の突然変異遺伝子の存在を検出する方法;生細胞中の遺伝子発現の変化をモニタリングする方法;乳がんマーカーの存在をモニタリングまたは検出することを含む、被験者における乳がんの存在または進行を検出またはモニタリングする方法;膵臓がんマーカーの存在を検出また
はモニタリングすることを含む、被験者における膵臓がんの存在または進行を検出またはモニタリングする方法;およびがん特異的マーカー遺伝子配列を標的とするオリゴヌクレオチドで細胞の試料を処理することを含む、試料中のがん細胞を検出する方法が提供される。また、1)がん細胞の進行を検出またはモニタリングし;そして2)生細胞中の遺伝子発現の変化をリアルタイムに検出する診断キットも提供される。
はモニタリングすることを含む、被験者における膵臓がんの存在または進行を検出またはモニタリングする方法;およびがん特異的マーカー遺伝子配列を標的とするオリゴヌクレオチドで細胞の試料を処理することを含む、試料中のがん細胞を検出する方法が提供される。また、1)がん細胞の進行を検出またはモニタリングし;そして2)生細胞中の遺伝子発現の変化をリアルタイムに検出する診断キットも提供される。
(分子ビーコン)
図1に略記したように、MBは、一端に蛍光体、他端に消光剤を有する一本鎖オリゴヌクレオチドである。決して限定されるものではないが、典型的には蛍光体は5’末端に結合され、消光剤は3’末端に結合される。MBは、その標的mRNAが存在しない場合は蛍光体の蛍光が消光されるように、ステム−ループ構造を形成するよう設計される。ループ部分は、標的mRNA分子と相補的なプローブ配列を有する。用いられるよう意図される典型的蛍光体としては、Cy3(商標)蛍光体(Cy3アミダイト、米国ニュージャージー州ピスカタウェイ所在のアマシャム・ファルマシア・バイオテク(Amersham Pharmacia Biotech))、Alexa Fluor(登録商標)488(モレキュラー・プローブス(Molecular Probes));Alexa Fluor(登録商標)350(青色)、CMAC(7−アミノ−4−クロロメチルクマリン)、6−FAM(商標)およびFITCが挙げられるが、これらに限定されない。典型的消光剤としては、ダブシル(4−(4’−ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸)(Dabcyl−CPG、米国バージニア州スターリング所在のグレン・リサーチ(Glen Research ))が挙げられるが、これに限定されない。
図1に略記したように、MBは、一端に蛍光体、他端に消光剤を有する一本鎖オリゴヌクレオチドである。決して限定されるものではないが、典型的には蛍光体は5’末端に結合され、消光剤は3’末端に結合される。MBは、その標的mRNAが存在しない場合は蛍光体の蛍光が消光されるように、ステム−ループ構造を形成するよう設計される。ループ部分は、標的mRNA分子と相補的なプローブ配列を有する。用いられるよう意図される典型的蛍光体としては、Cy3(商標)蛍光体(Cy3アミダイト、米国ニュージャージー州ピスカタウェイ所在のアマシャム・ファルマシア・バイオテク(Amersham Pharmacia Biotech))、Alexa Fluor(登録商標)488(モレキュラー・プローブス(Molecular Probes));Alexa Fluor(登録商標)350(青色)、CMAC(7−アミノ−4−クロロメチルクマリン)、6−FAM(商標)およびFITCが挙げられるが、これらに限定されない。典型的消光剤としては、ダブシル(4−(4’−ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸)(Dabcyl−CPG、米国バージニア州スターリング所在のグレン・リサーチ(Glen Research ))が挙げられるが、これに限定されない。
MBが標的mRNA分子に遭遇すると、ループとステムの一部とが標的mRNAとハイブリダイズして、ステムを分離させる自発的な構造変化を引き起こす。消光剤は蛍光体から離れて、蛍光の回復をもたらす(ティアギ他(Tyagi et al.), Nature Biotechnol 14: 303-308 (1996); デュベルトレット他(Dubertret et al.), Nat Biotechnol 19: 365-370 (2001) )。ステム−ループ型プローブの主な利点の1つは、該プローブが直線状オリゴヌクレオチドプローブより高い特異性で標的を認識し得るという点である。適正に設計されたMBは、単一ヌクレオチドというわずかな違いを有する標的を区別し得る(ティアギ他(Tyagi et al.), Nat Biotechnol 16: 49-53 (1998) )。MBは、種々の用途、例えばDNA突然変異検出、タンパク質−DNA相互作用、PCRのリアルタイムモニタリング、遺伝子タイピング、および生細胞中のmRNA検出に利用されてきた(デュベルトレット他(Duertret et al. ), Nat Biotechnol 19: 365-370 (2001); ダークス他(Dirks et al.), Histochem. & Cell Biol. 115(1): 3-11 (2001); ティアギ他(Tyagi
et al.), Nat Biotechnol 16: 49-53 (1998); ソコル他(Sokol et al.), Proc Natl
Acad Sci USA 95: 11538-11543 (1998) )。
et al.), Nat Biotechnol 16: 49-53 (1998); ソコル他(Sokol et al.), Proc Natl
Acad Sci USA 95: 11538-11543 (1998) )。
本発明の種々の実施形態は、以下の方法、すなわち、細胞の試料中の少なくとも1つの腫瘍マーカーmRNAの存在を検出する方法、腫瘍細胞中の突然変異遺伝子の存在を検出する方法、生細胞中の遺伝子発現の変化をモニタリングする方法、乳がんマーカーの存在をモニタリングまたは検出することを含む、被験者における乳がんの存在または進行を検出またはモニタリングする方法、膵臓がんマーカーの存在を検出またはモニタリングすることを含む、被験者における膵臓がんの存在または進行を検出またはモニタリングする方法、およびがん特異的マーカー遺伝子配列を標的とするオリゴヌクレオチドで細胞の試料を処理することを含む、試料中のがん細胞を検出する方法を提供するが、このような方法は、
i)分析のために細胞の試料を提供する工程と、
ii)所望のマーカーまたは遺伝子を標的とするオリゴヌクレオチドで試料を処理する工程と、
iii)適切なハイブリダイゼーション条件下で標的配列のハイブリダイゼーション
を検出し、同定し、または定量する工程であって、試料中に存在する標的配列の有無または量がオリゴヌクレオチドの少なくとも1つの供与体部分または受容体部分と関連した検出可能なシグナルの変化と相関することを特徴とする工程と、
iv)オリゴヌクレオチドと測定される標的配列とのハイブリダイゼーションの有無または量に基づいてマーカーまたは遺伝子の存在を検出し、同定し、または定量する工程とを包含する。
i)分析のために細胞の試料を提供する工程と、
ii)所望のマーカーまたは遺伝子を標的とするオリゴヌクレオチドで試料を処理する工程と、
iii)適切なハイブリダイゼーション条件下で標的配列のハイブリダイゼーション
を検出し、同定し、または定量する工程であって、試料中に存在する標的配列の有無または量がオリゴヌクレオチドの少なくとも1つの供与体部分または受容体部分と関連した検出可能なシグナルの変化と相関することを特徴とする工程と、
iv)オリゴヌクレオチドと測定される標的配列とのハイブリダイゼーションの有無または量に基づいてマーカーまたは遺伝子の存在を検出し、同定し、または定量する工程とを包含する。
本発明者が意図しているのは、上記のような分子ビーコンとして使用するために構築された任意のオリゴヌクレオチドを本発明の方法に用い得るということである。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドとしては、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12および13のうちの1つまたは複数が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、オリゴヌクレオチドは腫瘍マーカーであるサバイビンを標的とする。好ましい一実施形態では、サバイビンを標的とするオリゴヌクレオチドとしては、配列番号1、2および9のうちの1つまたは複数が挙げられるが、これらに限定されない。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、腫瘍マーカーであるサイクリンD1を標的とする。好ましい一実施形態では、サイクリンD1を標的とするオリゴヌクレオチドとしては、配列番号3および4のうちの1つまたは複数が挙げられるが、これらに限定されない。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、腫瘍マーカーであるHer2/neuを標的とする。好ましい一実施形態では、Her2/neuを標的とするオリゴヌクレオチドとして配列番号5および6のうちの1つまたは複数が挙げられるが、これらに限定されない。さらに別の実施形態では、オリゴヌクレオチドはK−ras突然変異遺伝子腫瘍マーカーを標的とする。好ましい一実施形態では、K−ras突然変異遺伝子を標的とするオリゴヌクレオチドとして配列番号7、8、11、12および13のうちの1つまたは複数が挙げられるが、これらに限定されない。
(腫瘍マーカーの検出)
種々の実施形態において、本発明は、本明細書中に記載された分子ビーコン技術を用いて試料中の少なくとも1つの腫瘍マーカーmRNAの存在を検出する方法を提供する。当業者が容易に理解するように、本発明の方法は、試料中に存在する任意の腫瘍マーカーmRNAの存在を検出するために利用され得る。このようなマーカーとしては、サバイビン、サイクリンD1、Her2/neu、突然変異型K−ras、塩基性繊維芽細胞増殖因子、EGF受容体、XIAP、癌胎児性抗原、前立腺特異抗原、α−フェトプロテイン、β−2−ミクログロブリン、膀胱腫瘍抗原、クロモグラニンA、ニューロン特異的エノラーゼ、S−100、TA−90、組織ポリペプチド抗原およびヒト絨毛性ゴナドトロピンが挙げられるが、これらに限定されない。
種々の実施形態において、本発明は、本明細書中に記載された分子ビーコン技術を用いて試料中の少なくとも1つの腫瘍マーカーmRNAの存在を検出する方法を提供する。当業者が容易に理解するように、本発明の方法は、試料中に存在する任意の腫瘍マーカーmRNAの存在を検出するために利用され得る。このようなマーカーとしては、サバイビン、サイクリンD1、Her2/neu、突然変異型K−ras、塩基性繊維芽細胞増殖因子、EGF受容体、XIAP、癌胎児性抗原、前立腺特異抗原、α−フェトプロテイン、β−2−ミクログロブリン、膀胱腫瘍抗原、クロモグラニンA、ニューロン特異的エノラーゼ、S−100、TA−90、組織ポリペプチド抗原およびヒト絨毛性ゴナドトロピンが挙げられるが、これらに限定されない。
(試料の収集):試験されるべき細胞の試料は、日常的な診断手法により得ることができる。このような試料としては、血液、尿、細針穿刺吸引物、乳管洗浄液、膵液、腹水、乳頭吸引試料、あるいは任意のその他の組織、例えば患者の任意の場所(例えば乳房、膵臓またはリンパ節であるがこれらに限定されない)からの生検物(これらに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない。組織試料は、病理学的に調製された日常的な任意の種類の試料、例えば顕微鏡スライド、プレートまたはウエルに付着させた任意の種類の組織であり得る。好ましい一実施形態では、組織試料は組織の凍結切片である。別の好ましい実施形態では、試料は乳管洗浄液から採取される。さらに別の好ましい実施形態では、試料は膵液から採取される。
(乳がん腫瘍細胞マーカーの検出)
本発明の特定のいくつかの実施形態は、本明細書中に記載された分子ビーコン技術を用いて被験者における乳がんの存在または進行を検出またはモニタリングする方法を提供する。本発明は、乳がんの腫瘍形成の早期に発現されることが示された遺伝子のmRNAを
標的とするMBの組合せを用いて、乳管洗浄液および細針穿刺吸引物(FNA)から乳がん細胞を検出するための方法を提供する。本発明者らは、非浸潤性乳管癌の診断における各遺伝子の検出の予測値または2つもしくは3つの遺伝子の同時発現のモニタリングについて示した。本発明の特定のいくつかの実施形態では、乳管上皮細胞中のサバイビン、サイクリンD1およびHer−2/neu遺伝子の過剰発現を同時に検出する方法が提供される。本発明の方法は、特に腫瘍の単一細胞が複数のマーカー遺伝子を発現する場合に、これらの腫瘍マーカーの存在を検出するのに有用である。好ましい一実施形態では、乳管洗浄液中のサバイビン、サイクリンD1および/またはHer−2/neu発現細胞の検出のための方法が提供される。
本発明の特定のいくつかの実施形態は、本明細書中に記載された分子ビーコン技術を用いて被験者における乳がんの存在または進行を検出またはモニタリングする方法を提供する。本発明は、乳がんの腫瘍形成の早期に発現されることが示された遺伝子のmRNAを
標的とするMBの組合せを用いて、乳管洗浄液および細針穿刺吸引物(FNA)から乳がん細胞を検出するための方法を提供する。本発明者らは、非浸潤性乳管癌の診断における各遺伝子の検出の予測値または2つもしくは3つの遺伝子の同時発現のモニタリングについて示した。本発明の特定のいくつかの実施形態では、乳管上皮細胞中のサバイビン、サイクリンD1およびHer−2/neu遺伝子の過剰発現を同時に検出する方法が提供される。本発明の方法は、特に腫瘍の単一細胞が複数のマーカー遺伝子を発現する場合に、これらの腫瘍マーカーの存在を検出するのに有用である。好ましい一実施形態では、乳管洗浄液中のサバイビン、サイクリンD1および/またはHer−2/neu発現細胞の検出のための方法が提供される。
種々の実施形態において、本発明の方法は、サバイビン、サイクリンD1またはHer−2/neuのmRNAと特異的にハイブリダイズするよう設計されたMBを利用する。出願人等は、ヒト乳がん細胞株、正常乳房上皮細胞株および正常繊維芽細胞株におけるMBの特異性および感度、ならびに正常細胞存在下の単離腫瘍細胞を様々ながん細胞‐正常細胞比で同定する場合のMBの特異性および感度を実証した。提示された方法は、早期乳がんまたは様々なステージの非浸潤性乳管癌(DCIS)の患者および正常対照被験者から得られる乳管洗浄液および細針穿刺吸引物の細胞分画中のこれらの腫瘍マーカーの発現を検出するために利用され得る。
(試料の収集):試験されるべき細胞の試料は、日常的な診断手法により得られる。このような試料としては、血液、尿、細針穿刺吸引物、乳管洗浄液、腹水、乳頭吸引試料、あるいは任意のその他の組織(例えば乳房またはリンパ節上の任意の場所からの生検物であるが、これらに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない。組織試料は、病理学的に調製された日常的な任意の種類の試料、例えば顕微鏡スライド、プレートまたはウエルに付着させた任意の種類の組織であり得る。好ましい一実施形態では、組織試料は組織の凍結切片である。
試料は、乳がん患者または乳がんを発症する危険性が高い女性に関して任意の日常的な診断手法により得られる、と考えられる。非限定的な例として、がん患者が乳がんを除去するための手術を受けているとき、あるいは診療所に日常的に訪れているときに、患者からの乳管洗浄液が収集される。麻酔下で、マイクロカテーテルが管内に挿入され、生理食塩水が注入される。流出液が収集され、遠心分離により細胞画分が濃縮される。乳管洗浄液または吸引物由来の濃縮細胞分画は次に、スライドガラス上に置かれる。典型的には、cytorpin(登録商標)で作製した約10〜15枚のスライドが、乳管1つあたり平均13,500個の上皮細胞を含む1つの乳管洗浄液から得られる。氷冷アセトン中で細胞が固定された後、スライドは、最適化されたインキュベーション条件で、1つまたは複数のMBとともに逐次または同時にインキュベートされ、次に蛍光顕微鏡下で検査される。各遺伝子に関するMBは異なる蛍光染料で標識されるため、試料中の標的腫瘍マーカーに関する任意のまたは全ての遺伝子を過剰発現する細胞の数が測定される。
(分析):本発明者らが意図しているのは、腫瘍マーカーの同定、モニタリングまたは検出を手助けするために、あるいはがんの診断または進行のモニタリングを手助けするために、ある種の収集試料から得られる結果を別の収集試料から得られた結果と比較し得ることである。その後、同じスライドが染色され、良性、非定型または悪性の細胞の存在に関して、細胞病理学者により分析され得る。このような染色は、日常的な細胞学的染色、例えばH&Eまたは特異的抗体による免疫染色を包含し得る。
(定量):MBと、無傷細胞(固定された細胞または生きている細胞)中のその標的配列とのハイブリダイゼーションの検出は、蛍光顕微鏡法、FACS分析および蛍光マイクロプレートリーダーにより行われ得る。非限定的な例として、乳がん細胞をサバイビン
およびGAPDHのMBで同時トランスフェクトし、次にEGFで処理した。EGF処理後のサバイビン遺伝子発現の変化を、マイクロプレートリーダーで3時間、リアルタイムでモニタリングした。結果は、EGFが処理後30分以内にサバイビン遺伝子発現の増大を誘導する、ということを示した。
およびGAPDHのMBで同時トランスフェクトし、次にEGFで処理した。EGF処理後のサバイビン遺伝子発現の変化を、マイクロプレートリーダーで3時間、リアルタイムでモニタリングした。結果は、EGFが処理後30分以内にサバイビン遺伝子発現の増大を誘導する、ということを示した。
(膵臓がん腫瘍マーカーの検出)
本発明の特定のいくつかの実施形態は、本明細書中に記載した分子ビーコン技術を用いて、被験者における膵臓がんの存在または進行を検出またはモニタリングする方法を提供する。
本発明の特定のいくつかの実施形態は、本明細書中に記載した分子ビーコン技術を用いて、被験者における膵臓がんの存在または進行を検出またはモニタリングする方法を提供する。
膵臓がんの早期検出に関する重大な問題の1つは、多数の正常細胞集団の中の数個の腫瘍細胞を同定することができるアッセイを開発することである。目下、RT−PCRは、腫瘍細胞中で高度に発現される遺伝子の検出のための、あるいは突然変異型K−ras遺伝子のような突然変異遺伝子の産物、または癌胎児性抗原に関する、最も高感度のアッセイである。RT−PCRは104〜105個の細胞中の1つの腫瘍細胞を検出し得るが、しかしこのようなアッセイは「擬陽性」を生じることがある。さらに、一般的な分子マーカーを用いた場合、末梢血および膵液中の遺伝子発現または突然変異遺伝子のRT−PCRによる検出では、がんを膵臓に限局することができない。なぜなら、多種類のがんならびにその他の非悪性疾患もそれらの分子マーカーを発現し得るからである。さらにRT−PCRアッセイは非常に時間を要し、典型的には1度に検出するのは1遺伝子であるため、がんの診断のための効率的臨床手法とはなりにくい。
本発明者らは、本明細書中に開示されたような、末梢血および膵液試料中の少数の膵臓がん細胞を同定し得る高感度でより効率的な方法を開発した。本明細書中に開示されたMBを使用する方法は、単一種類のMBまたはいくつかのMBの組合せを用いて、混合細胞集団から膵臓がんまたは腫瘍細胞を検出するために用いられ得る。提供された方法を用いて、K−rasエキソン1のRT−PCR増幅後にK−ras突然変異を検出し得る。さらに種々の細胞学的または免疫染色手法が、開示された方法と一緒に用いられ得る。
ハイリスク患者集団または膵臓がんを有する疑いのある患者における膵臓がんの早期検出のためには、非侵襲的または侵襲性を最小限とした手法により入手可能な患者試料からの臨床的アッセイを開発することが重要である。膵臓がん患者の血液、骨髄および腹腔中の播種性腫瘍細胞の存在を明示する証拠が次々と得られている(ラカス他(LaCasse et al.), Oncogene 17: 3247-3259 (1998); リー他(Li et al. ), Nature 396: 580-584 (1998); タム他(Tamm et al. ), Cancer Research 58: 5315-5320 (1998); アンブロジーニ他(Ambrosini et al.), Nature Medicine 3: 917-921 (1997) )。例えばいくつかのサイトケラチンおよび腫瘍マーカーを検出する抗体を用いた免疫組織化学的染色により、膵臓がん患者から得られた血液試料の28%でがん細胞が見出された。血液試料中のがん細胞の発見率は、腫瘍のステージに伴って増大した。しかしながら、第1期の膵臓がん患者の血液試料中には、がん細胞は見出されなかった(グラーゲン他(Z'graggen et al.), Surgery 129: 537-545 (2001) )。本発明は、全ステージの肝臓がん患者からの種々の試料を、本明細書中に開示されたMB技法を用いて検査して、膵臓腫瘍マーカー、例えば突然変異K−ras遺伝子およびサバイビン遺伝子(これらに限定されない)を発現する細胞を同定し得る高感度な方法を提供する。
(試料の収集):試験されるべき細胞の試料は、日常的な診断手法により得られる。このような試料としては、血液、尿、細針穿刺吸引物、膵液、あるいは任意のその他の組織(例えば膵臓または周囲組織からの生検物であるが、これらに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない。組織試料は、病理学的に調製された日常的な任意の種類の試料、例えば顕微鏡スライド、プレートまたはウエルに付着させた任意の種類の組織で
あり得る。好ましい一実施形態では、組織試料は組織の凍結切片である。膵液は、診断的ERCP法を受けている患者から得られ得る。膵液は、十二指腸鏡を用いた膵液の分泌刺激およびサンプリングにより、自覚症状のない個体またはハイリスク集団において、非侵襲的に収集され得る。膵臓がん患者または膵臓腫瘍組織からの細針穿刺生検試料は、切除可能な腫瘍である場合、術後に収集され得る。
あり得る。好ましい一実施形態では、組織試料は組織の凍結切片である。膵液は、診断的ERCP法を受けている患者から得られ得る。膵液は、十二指腸鏡を用いた膵液の分泌刺激およびサンプリングにより、自覚症状のない個体またはハイリスク集団において、非侵襲的に収集され得る。膵臓がん患者または膵臓腫瘍組織からの細針穿刺生検試料は、切除可能な腫瘍である場合、術後に収集され得る。
(分析):本発明者らが意図しているのは、腫瘍マーカーの同定、モニタリングまたは検出を手助けするために、あるいはがんの診断または進行のモニタリングを手助けするために、ある種の収集試料から得られた結果を別の収集試料から得られた結果と比較し得ることである。その後、同じスライドが染色され、良性、非定型または悪性細胞の存在に関して、細胞病理学者により分析され得る。このような染色は、日常的な細胞学的染色、例えばH&Eまたは特異的抗体による免疫染色を包含し得る。
血液および膵液を用いたMBを使用する検出の感度は、膵臓がんの外科的切除の後に、画像診断技術(例えばらせんCT、MRIもしくは内視鏡超音波)または病理学的診断により診断される膵臓がん病変のサイズおよびステージを比較することにより評価される。
(突然変異遺伝子の存在のモニタリング)
本発明は、本明細書中に開示された分子ビーコン技術を用いて腫瘍細胞中の突然変異遺伝子の存在を検出する方法も提供する。このような突然変異遺伝子、例えばK−ras遺伝子の存在に関するモニタリングは、様々な種類のがん、例えば膵臓がん(これに限定されない)の診断および治療を手助けする、ということが意図される。
本発明は、本明細書中に開示された分子ビーコン技術を用いて腫瘍細胞中の突然変異遺伝子の存在を検出する方法も提供する。このような突然変異遺伝子、例えばK−ras遺伝子の存在に関するモニタリングは、様々な種類のがん、例えば膵臓がん(これに限定されない)の診断および治療を手助けする、ということが意図される。
(遺伝子発現における変化のモニタリング)
本明細書中に開示された分子ビーコン技術を用いて生細胞中の遺伝子発現の変化をリアルタイムでモニタリングする方法。このような方法は、標的遺伝子、例えば腫瘍マーカー、突然変異遺伝子等(これらに限定されない)の発現のモニタリングを可能にする。したがって、例えばある種のがんに遺伝的に罹患し易いとされている個体におけるがんの発症を、臨床医が検出し、モニタリングすることができる。このようにして、適切な治療が疾患の発症過程の早期に実施され、このことが実際に腫瘍またはがんの増殖の開始を防止するかまたは減少させ得る。生細胞における遺伝子発現レベルの検出により、種々の治療後の同一細胞集団においてリアルタイムで遺伝子発現の変化を測定することが可能になる、ということは重要である。この手法は、生物学的試薬による腫瘍細胞中の遺伝子発現の変化の検査のために、ならびに治療薬を用いたがん細胞の処置後の分子標的遺伝子の発現の評価のために用いられ得る。
本明細書中に開示された分子ビーコン技術を用いて生細胞中の遺伝子発現の変化をリアルタイムでモニタリングする方法。このような方法は、標的遺伝子、例えば腫瘍マーカー、突然変異遺伝子等(これらに限定されない)の発現のモニタリングを可能にする。したがって、例えばある種のがんに遺伝的に罹患し易いとされている個体におけるがんの発症を、臨床医が検出し、モニタリングすることができる。このようにして、適切な治療が疾患の発症過程の早期に実施され、このことが実際に腫瘍またはがんの増殖の開始を防止するかまたは減少させ得る。生細胞における遺伝子発現レベルの検出により、種々の治療後の同一細胞集団においてリアルタイムで遺伝子発現の変化を測定することが可能になる、ということは重要である。この手法は、生物学的試薬による腫瘍細胞中の遺伝子発現の変化の検査のために、ならびに治療薬を用いたがん細胞の処置後の分子標的遺伝子の発現の評価のために用いられ得る。
開示された方法を実行するのに適した任意の材料または試薬を包含する、リアルタイムで生細胞中の遺伝子発現の変化を検出するための診断キットも意図される。
(がん細胞の検出)
本発明は、本明細書中で開示された分子ビーコン技術を用いて試料中のがん細胞を検出する方法を提供する。1つまたは複数のがん、例えば乳がん、膵臓がん、卵巣がん、前立腺がん、結腸直腸がん、肝細胞がん、多発性骨髄腫、リンパ腫、膀胱がん、甲状腺髄様がん、神経内分泌腫瘍、類癌腫、精巣がん、妊娠栄養膜腫瘍形成、肺がん、黒色腫および胃がん(これらに限定されない)から生じるがん細胞が検出され得る、ということが意図される。開示された方法を実行するのに適した任意の材料または試薬を包含する、がん細胞を検出するための診断キットも意図される。
(がん細胞の検出)
本発明は、本明細書中で開示された分子ビーコン技術を用いて試料中のがん細胞を検出する方法を提供する。1つまたは複数のがん、例えば乳がん、膵臓がん、卵巣がん、前立腺がん、結腸直腸がん、肝細胞がん、多発性骨髄腫、リンパ腫、膀胱がん、甲状腺髄様がん、神経内分泌腫瘍、類癌腫、精巣がん、妊娠栄養膜腫瘍形成、肺がん、黒色腫および胃がん(これらに限定されない)から生じるがん細胞が検出され得る、ということが意図される。開示された方法を実行するのに適した任意の材料または試薬を包含する、がん細胞を検出するための診断キットも意図される。
本発明の範囲を限定することなく、本発明の実施形態に従った例示的方法およびそれに関連する結果を以下に示す。表題または副題が読み手の便宜のために実施例に用いられることもあるが、これらは本発明の範囲を少しも限定すべきものではない、ということに留
意されたい。さらに、ある種の理論が本明細書中に提示および開示されるが、それらの理論が正しくても、正しくなくても、あらゆる特定の理論または作用スキームに関係なく本発明に従ってデータの処理、サンプリング、変換等が行われる限り、本発明の範囲は少しも限定されるべきではない。
意されたい。さらに、ある種の理論が本明細書中に提示および開示されるが、それらの理論が正しくても、正しくなくても、あらゆる特定の理論または作用スキームに関係なく本発明に従ってデータの処理、サンプリング、変換等が行われる限り、本発明の範囲は少しも限定されるべきではない。
[実施例]
(サバイビンMBを用いた乳がん細胞株中のサバイビン遺伝子発現の予備的検出)
ヒトサバイビン遺伝子の27nt〜43ntのcDNA配列と相補的なプローブ配列を用いて、同遺伝子に特異的なMBを設計し、合成した(5’−Alexa‐fluo488−CTGAGAAAGGGCTGCCAGTCTCAG−ダブシル−3’;配列番号1)。下線を付したサバイビンMBのステム配列は、最良の熱力学作用を達成するよう特別に設計されている。最初に、サバイビンMBの特異的ハイブリダイゼーションについて、合成サバイビンオリゴヌクレオチド標的を用いてin vitroで試験した。
ヒトサバイビン遺伝子の27nt〜43ntのcDNA配列と相補的なプローブ配列を用いて、同遺伝子に特異的なMBを設計し、合成した(5’−Alexa‐fluo488−CTGAGAAAGGGCTGCCAGTCTCAG−ダブシル−3’;配列番号1)。下線を付したサバイビンMBのステム配列は、最良の熱力学作用を達成するよう特別に設計されている。最初に、サバイビンMBの特異的ハイブリダイゼーションについて、合成サバイビンオリゴヌクレオチド標的を用いてin vitroで試験した。
結果は、サバイビンMBがサバイビン標的に特異的に結合する、ということを示した(図2C)。サバイビン遺伝子を種々のレベルで発現する乳がん細胞株MDA−MB−231、MDA−MB−435およびMCF−7、ならびに正常ヒト乳房上皮細胞株(MCF−10A)において、サバイビンmRNA検出用のサバイビンMBの特異性をさらに検査した。固定した細胞とともにサバイビンMBを37℃で1時間インキュベートした後、細胞をPBSで洗浄し、ニコンの蛍光顕微鏡下で観察した。細胞をチェンバースライド上で増殖させ、アセトンで固定した。サバイビンMBはAlexa‐fluo488で標識した(緑色、図4A)。ウエスタンブロットによる乳がん細胞株および正常細胞株におけるサバイビン発現の検出を、図4Bに示す。図4Aに示したように、腫瘍細胞は中〜強の赤色蛍光を示すのに対し、MCF−10Aでは、弱い蛍光が観察されるだけであった。さらに、蛍光の強度はウエスタンブロットにより検出されるサバイビンのレベルと良好に相関する(図4B)。
(乳がん細胞中のサバイビンおよびサイクリンD1の発現の同時検出)
数種類の腫瘍マーカーMBによるがん細胞の検出の特異性を調べるために、さらなる試験を実行した。サイクリンD1およびHer2/neu遺伝子用のMBを設計し、合成した(表1)。次に、合成オリゴヌクレオチド標的を用いてin vitroでのMBの特異性を検査した。各MBの配列を表1に示す。下線を付した配列は遺伝子の一部ではなく、ステムを形成するよう設計されている。種々の蛍光染料(6−FAM、Cy3、Alexa‐fluo488)を備えた同一配列を有するいくつかのサバイビンMBも合成した。サバイビンMB−FITCは、表2に示すように、異なる標的配列を有する。MBはMWGバイオテク(MWG Biotech 、米国ノールカロライナ州ハイポイント所在)およびインテグレーテッドDNAテクノロジー・インコーポレイテッド(Integrated DNA Technologies, Inc. (IDT )、米国アイオワ州コーラルビル所在)により合成された。
数種類の腫瘍マーカーMBによるがん細胞の検出の特異性を調べるために、さらなる試験を実行した。サイクリンD1およびHer2/neu遺伝子用のMBを設計し、合成した(表1)。次に、合成オリゴヌクレオチド標的を用いてin vitroでのMBの特異性を検査した。各MBの配列を表1に示す。下線を付した配列は遺伝子の一部ではなく、ステムを形成するよう設計されている。種々の蛍光染料(6−FAM、Cy3、Alexa‐fluo488)を備えた同一配列を有するいくつかのサバイビンMBも合成した。サバイビンMB−FITCは、表2に示すように、異なる標的配列を有する。MBはMWGバイオテク(MWG Biotech 、米国ノールカロライナ州ハイポイント所在)およびインテグレーテッドDNAテクノロジー・インコーポレイテッド(Integrated DNA Technologies, Inc. (IDT )、米国アイオワ州コーラルビル所在)により合成された。
MBとその標的との特異的ハイブリダイゼーションを測定するために、MBをそのオリゴヌクレオチド標的と混合することによりハイブリダイゼーション試験を実行し、次に蛍光マイクロプレートリーダーにより蛍光強度を測定した。この試験の対照群は、異なる遺伝子由来のオリゴヌクレオチド標的と混合されたMBとした(図2Cおよび図2D)。MBとその標的との特異的結合を実証した後、ヒト乳房腫瘍細胞株および正常細胞株中でのサイクリンD1の検出におけるMBの特異性をさらに検査した(図4)。
サイクリンD1およびサバイビンのMBを用いた乳がん細胞の検出のために、100nMのサイクリンD1およびサバイビンのMBの混合物を、アセトンで固定したMDA−MB−231細胞、SKBr3細胞、MDA−MB−435細胞、MCF−7細胞またはMCF−10A細胞とともに1時間インキュベートした。蛍光顕微鏡下で、蛍光強度を検査した(図4A)。ウエスタンブロット分析により検査したサバイビンおよびサイクリンD1のタンパク質のレベルを示す(図4B)が、図4Bでは、MBにより検出されたサバイビンおよびサイクリンD1mRNAのレベルをタンパク質レベルで補正して示してある(図4B)。図7は、EGFでヒト乳がん細胞株のMCF−7細胞を処理した後に、分子ビーコンを用いて生細胞における遺伝子発現をリアルタイムで検出したものを示す。図8は、ドセタキセル処理が乳がん細胞株におけるサバイビン遺伝子発現のレベルを増大させることを示した。
(初期乳がん組織中のサバイビン発現細胞の同定)
乳がんマーカーとしてサバイビンを用いることの実現可能性を調べるために、ウエスタ
ンブロット分析により、正常組織および乳がん組織の対、ならびに対になっていない正常組織および乳がん組織におけるサバイビンタンパク質の発現を検査した。サバイビンは73%をこえる乳がん組織で発現されるが、正常乳房組織のいずれにおいても発現されない、ということが判明した(図10)。サバイビン抗体を用いた凍結組織切片の免疫蛍光染色も、サバイビンが浸潤性乳管癌細胞中で高度に発現されるが、正常乳管細胞中では発現されない、ということを明示した(図5A)。興味深いことに、DCISの病変も中レベルのサバイビンを示した(図5A)。サバイビンMBを用いた凍結組織切片に関するサバイビン遺伝子発現の検査はさらに、DCIS病変、浸潤性乳管癌、および乳がん患者の流入部のリンパ節における転移においてサバイビンを発現するがん細胞を明示した。しかしながら、正常乳房組織中にサバイビン陽性細胞は見出されなかった(図5Aおよび図5B)。
乳がんマーカーとしてサバイビンを用いることの実現可能性を調べるために、ウエスタ
ンブロット分析により、正常組織および乳がん組織の対、ならびに対になっていない正常組織および乳がん組織におけるサバイビンタンパク質の発現を検査した。サバイビンは73%をこえる乳がん組織で発現されるが、正常乳房組織のいずれにおいても発現されない、ということが判明した(図10)。サバイビン抗体を用いた凍結組織切片の免疫蛍光染色も、サバイビンが浸潤性乳管癌細胞中で高度に発現されるが、正常乳管細胞中では発現されない、ということを明示した(図5A)。興味深いことに、DCISの病変も中レベルのサバイビンを示した(図5A)。サバイビンMBを用いた凍結組織切片に関するサバイビン遺伝子発現の検査はさらに、DCIS病変、浸潤性乳管癌、および乳がん患者の流入部のリンパ節における転移においてサバイビンを発現するがん細胞を明示した。しかしながら、正常乳房組織中にサバイビン陽性細胞は見出されなかった(図5Aおよび図5B)。
(膵臓がんの細胞および組織中の突然変異型K−rasおよびサバイビンmRNAの検出のためのMBの設計)
ビーコンの構造のパラメータおよびハイブリダイゼーション条件を決定して、K−ras突然変異遺伝子の発現を検出するためのMBを設計し、合成した。これらを、表4に示す。80%を超えるK−ras突然変異がK−rasのコドン12の中に見出されるため(フォス他(Vos et al.), J. of Path. 187 (3): 279-84 (1999))、GGTからGATへの(GlyからAspへの)トランジションを検出するK−rasMB1、ならびにGGTからGTTへの突然変異を標的とするK−rasMB2を合成した(表2)。GGTからGATへの変異は、膵臓がんにおける最も一般的なK−ras点突然変異のうちの1つである(表3)。
ビーコンの構造のパラメータおよびハイブリダイゼーション条件を決定して、K−ras突然変異遺伝子の発現を検出するためのMBを設計し、合成した。これらを、表4に示す。80%を超えるK−ras突然変異がK−rasのコドン12の中に見出されるため(フォス他(Vos et al.), J. of Path. 187 (3): 279-84 (1999))、GGTからGATへの(GlyからAspへの)トランジションを検出するK−rasMB1、ならびにGGTからGTTへの突然変異を標的とするK−rasMB2を合成した(表2)。GGTからGATへの変異は、膵臓がんにおける最も一般的なK−ras点突然変異のうちの1つである(表3)。
K−rasMB1またはMB2は、そのDNA標的とin vitroで選択的に結合し、他の非特異的DNA標的と比較して強い蛍光シグナルを生じる(図2)。膵臓がん細胞株中でのK−rasMBの特異性の検査も、K−rasMBが特定のk−ras突然変異を有する膵臓がん細胞を検出し得る、ということを実証した。図3に示したように、Panc−1細胞株はK−rasのGGTからGATへの突然変異を有し、K−rasMB1とともにインキュベートした後で強い蛍光強度を示したが、K−rasMB2で染色した細胞では弱い蛍光を示した。Capan−2細胞株はK−rasのGGTからGTTへの突然変異を含有し、K−rasMB2で染色した細胞においてより明るい蛍光を検出した。いずれの細胞株も、サバイビンMBにより検出すると、高レベルのサバイビンを発現していた(図3A)。一方、K−rasMBは、K−rasのGGTからTGTへの突然変異を有するMIA PaCa−2細胞株、あるいはK−ras野生型のBXPC−3細胞中では強い蛍光シグナルを生じなかった。しかしながらそれらの細胞は、サバイビンMB染色に関しては陽性であった。K−rasおよびサバイビンのMBのインキュベーションは、正常な皮膚繊維芽細胞から作製される正常細胞株(HDF)中で検出可能な蛍光シグナルを生じなかった、ということは重要である(図3B)。
K−rasMBは、凍結組織切片上でK−ras突然変異を有する膵臓がん細胞を検出することもできた。K−rasMB1またはK−rasMB2とともに1時間インキュベートし、Hoechst33342(商品名)で対比染色(青色)した後、デジタル画像化システムを用いて蛍光顕微鏡下でスライドを観察した。K−rasMB1は、K−rasコドン12のGGTからGATへの突然変異を含有する患者#1および#2からの膵臓がん組織の凍結切片においてGGTからGATへの突然変異型K−ras遺伝子を発現するがん細胞を検出した。しかしながら、K−rasのGGTからGTTへの突然変異を有する患者#5からの膵臓がん組織の凍結切片においては、K−rasMB2を用いたインキュベーション後に明赤色の蛍光細胞が見出されたが、K−rasMB1を用いたインキュベーション後には見出されなかった(図6A)。
膵臓がん組織中のサバイビン発現のサバイビンMBによる検出の実行可能性も検査した。最初に、膵臓がん組織中のサバイビンの発現を、抗サバイビンモノクローナル抗体を用いた免疫蛍光染色により実証した。サバイビンタンパク質は膵臓がん組織中で高度に発現されるが、正常膵臓中では検出不可能である、ということを発明者らは示した(図6B)。
上記の詳細な説明、実施例およびデータは、本発明の製造および使用についての完全な説明を提供する。別記しない限り、引用した特許文献および非特許文献は全て、背景となる情報のみに関して、参照により本明細書中で援用される。本発明の精神および範囲を逸脱せずに本発明について多数の実施形態が成され得るため、本発明は本明細書に添付の特許請求の範囲に存在する。
Claims (49)
- 試料中の少なくとも1つの腫瘍マーカーmRNAの存在を検出する方法であって、
i)分析のための細胞の試料を提供することと、
ii)腫瘍マーカーmRNAを標的とするオリゴヌクレオチドで前記試料を処理することと、オリゴヌクレオチドは少なくとも1つの結合エネルギー供与体部分および少なくとも1つの結合エネルギー受容体部分を含み、前記オリゴヌクレオチドはステム‐ループヘアピンを形成し、かつ前記供与体部分および受容体部分は標的の核酸塩基配列の少なくとも一部分により分離されることと、
iii)適切なハイブリダイゼーション条件下で標的配列のハイブリダイゼーションを検出し、同定し、または定量することと、前記試料中の標的配列の有無または量はオリゴヌクレオチドの少なくとも1つの供与体部分または受容体部分と関連した検出可能なシグナルの変化と相関することと、
iv)オリゴヌクレオチドと測定される標的配列とのハイブリダイゼーションの有無または量に基づいて、腫瘍マーカーの存在を検出し、同定し、または定量することと
を包含する方法。 - 前記腫瘍マーカーが、サバイビン、サイクリンD1、Her2/neu、突然変異型K−ras、キモトリプシノーゲン、塩基性繊維芽細胞増殖因子、癌胎児性抗原、前立腺特異抗原、α−フェトプロテイン、β−2−ミクログロブリン、膀胱腫瘍抗原、クロモグラニンA、ニューロン特異的エノラーゼ、S−100、TA−90、組織ポリペプチド抗原およびヒト絨毛性ゴナドトロピンからなる群から選択される1つまたは複数のマーカーである請求項1記載の方法。
- 前記試料が血液、尿、膵液、腹水、乳管洗浄液、乳頭吸引物、穿刺生検物または組織からなる群から選択される少なくとも1つの供給源から採取される請求項1記載の方法。
- 前記組織が膵臓または乳房からの生検物である請求項3記載の方法。
- 前記組織が凍結切片である請求項3記載の方法。
- 前記試料が乳管洗浄液から採取される請求項1記載の方法。
- 前記試料が膵液から採取される請求項1記載の方法。
- 前記腫瘍マーカーの存在の定量がFACSスキャン分析により成し遂げられる請求項1記載の方法。
- 前記オリゴヌクレオチドが配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12および13からなる群から選択される1つまたは複数のオリゴヌクレオチドである請求項1記載の方法。
- 前記オリゴヌクレオチドが腫瘍マーカーであるサバイビンを標的とする請求項1記載の方法。
- 前記オリゴヌクレオチドが配列番号1、2および9からなる群から選択される1つまたは複数のオリゴヌクレオチドである請求項10記載の方法。
- 前記オリゴヌクレオチドが腫瘍マーカーであるサイクリンD1を標的とする請求項1記載の方法。
- 前記オリゴヌクレオチドが配列番号3および4からなる群から選択される1つまたは複数のオリゴヌクレオチドである請求項12記載の方法。
- 前記オリゴヌクレオチドが腫瘍マーカーであるHer2/neuを標的とする請求項1記載の方法。
- 前記オリゴヌクレオチドが配列番号5および6からなる群から選択される1つまたは複数のオリゴヌクレオチドである請求項14記載の方法。
- 前記オリゴヌクレオチドが腫瘍マーカーであるK‐ras突然変異遺伝子を標的とする請求項1記載の方法。
- 前記オリゴヌクレオチドが配列番号7、8、11、12および13からなる群から選択される1つまたは複数のオリゴヌクレオチドである請求項16記載の方法。
- 腫瘍細胞中の突然変異遺伝子の存在を検出する方法であって、
i)分析のための腫瘍細胞の試料を提供することと、
ii)前記突然変異遺伝子を標的とするオリゴヌクレオチドで試料を処理することと、オリゴヌクレオチドは少なくとも1つの結合エネルギー供与体部分および少なくとも1つの結合エネルギー受容体部分を含み、前記オリゴヌクレオチドはステム‐ループヘアピンを形成し、かつ前記供与体部分および受容体部分は標的の核酸塩基配列の少なくとも一部分により分離されることと、
iii)適切なハイブリダイゼーション条件下で前記突然変異遺伝子の標的配列とのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを検出し、同定し、または定量することと、試料中の突然変異遺伝子の標的配列の有無または量はオリゴヌクレオチドの少なくとも1つの供与体部分または受容体部分と関連した検出可能なシグナルの変化と相関することと、
iv)オリゴヌクレオチドと測定される突然変異遺伝子の標的配列とのハイブリダイゼーションの有無または量に基づいて、突然変異遺伝子の存在を検出し、同定し、または定量することと
を包含する方法。 - 突然変異遺伝子が突然変異型K−ras遺伝子である請求項18記載の方法。
- 突然変異遺伝子の存在の定量がFACSスキャン分析により成し遂げられる請求項19記載の方法。
- オリゴヌクレオチドが配列番号7、8、11、12および13からなる群から選択される1つまたは複数のオリゴヌクレオチドである請求項19記載の方法。
- 生細胞における遺伝子発現の変化をモニタリングする方法であって、
i)分析のための生細胞の試料を提供することと、
ii)特定の遺伝子配列を標的とするオリゴヌクレオチドで前記試料を処理することと、オリゴヌクレオチドは少なくとも1つの結合エネルギー供与体部分および少なくとも1つの結合エネルギー受容体部分を含み、前記オリゴヌクレオチドはステム‐ループヘアピンを形成し、かつ前記供与体および受容体部分は標的の核酸塩基配列の少なくとも一部分により分離されることと、
iii)適切なハイブリダイゼーション条件下で標的配列のハイブリダイゼーションを検出し、同定し、または定量することと、前記試料中の標的配列の有無または量はオリゴ
ヌクレオチドの少なくとも1つの供与体部分または受容体部分と関連した検出可能なシグナルの変化と相関することと、
iv)オリゴヌクレオチドと測定される標的配列とのハイブリダイゼーションの有無または量に基づいて、前記特定の遺伝子の発現の変化を検出し、同定し、または定量することと
を包含する方法。 - 遺伝子発現における変化の定量がFACScan分析により、ならびに蛍光マイクロプレートリーダーにより成し遂げられる請求項22記載の方法。
- 被験者における乳がんの存在または進行を検出またはモニタリングする方法であって、
i)分析のための前記被験者からの細胞の試料を提供することと、
ii)乳がんマーカー遺伝子配列を標的とするオリゴヌクレオチドで前記試料を処理することと、オリゴヌクレオチドは少なくとも1つの結合エネルギー供与体部分および少なくとも1つの結合エネルギー受容体部分を含み、前記オリゴヌクレオチドはステム‐ループヘアピンを形成し、かつ前記供与体部分および受容体部分は標的の核酸塩基配列の少なくとも一部分により分離されることと、
iii)適切なハイブリダイゼーション条件下で乳がんマーカー遺伝子配列との標的オリゴヌクレオチド配列のハイブリダイゼーションを検出し、同定し、または定量することと、前記試料中の標的オリゴヌクレオチド配列の有無または量はオリゴヌクレオチドの少なくとも1つの供与体部分または受容体部分と関連した検出可能なシグナルの変化と相関することと、
iv)オリゴヌクレオチドと測定される乳がん標的配列とのハイブリダイゼーションの有無または量に基づいて、乳がんの存在または進行を検出し、同定し、または定量することと
を包含する方法。 - 前記乳がんマーカーが、サバイビン、サイクリンD1、Her2/neu、塩基性繊維芽細胞増殖因子、EGF受容体および癌胎児性抗原からなる群から選択される1つまたは複数のマーカーである請求項24記載の方法。
- 前記試料が血液、尿、乳管洗浄液、腹水、乳頭吸引物、穿刺生検物または組織からなる群から選択される少なくとも1つの供給源から採取される請求項24記載の方法。
- 前記組織が乳房またはリンパ節からの生検物である請求項26記載の方法。
- 前記組織が凍結切片である請求項26記載の方法。
- 前記乳がんの存在または進行の定量がFACSスキャン分析により成し遂げられる請求項24記載の方法。
- 前記オリゴヌクレオチドが乳がんマーカーであるサバイビンを標的とする請求項24記載の方法。
- 前記オリゴヌクレオチドが配列番号1、2および9からなる群から選択される1つまたは複数のオリゴヌクレオチドである請求項30記載の方法。
- 前記オリゴヌクレオチドが乳がんマーカーであるサイクリンD1を標的とする請求項24記載の方法。
- 前記オリゴヌクレオチドが配列番号3および4からなる群から選択される1つまたは複数のオリゴヌクレオチドである請求項32記載の方法。
- 前記オリゴヌクレオチドが乳がんマーカーであるHer2/neuを標的とする請求項24記載の方法。
- 前記オリゴヌクレオチドが配列番号5および6からなる群から選択される1つまたは複数のオリゴヌクレオチドである請求項34記載の方法。
- 被験者における膵臓がんの存在または進行を検出またはモニタリングする方法であって、
i)分析のための前記被験者からの細胞の試料を提供することと、
ii)膵臓がんマーカー遺伝子配列を標的とするオリゴヌクレオチドで前記試料を処理することと、オリゴヌクレオチドは少なくとも1つの結合エネルギー供与体部分および少なくとも1つの結合エネルギー受容体部分を含み、前記オリゴヌクレオチドはステム‐ループヘアピンを形成し、かつ前記供与体部分および受容体部分は標的の核酸塩基配列の少なくとも一部分により分離されることと、
iii)適切なハイブリダイゼーション条件下で膵臓がんマーカー遺伝子配列との標的オリゴヌクレオチド配列のハイブリダイゼーションを検出し、同定し、または定量することと、前記試料中の標的オリゴヌクレオチド配列の有無または量はオリゴヌクレオチドの少なくとも1つの供与体部分または受容体部分と関連した検出可能なシグナルの変化と相関することと、
iv)オリゴヌクレオチドと測定される乳がん標的配列とのハイブリダイゼーションの有無または量に基づいて、膵臓がんの存在または進行を検出し、同定し、または定量することと
を包含する方法。 - 前記膵臓がんマーカーがサバイビン、突然変異型K−ras遺伝子および癌胎児性抗原からなる群から選択される1つまたは複数のマーカーである請求項36記載の方法。
- 前記試料が血液、尿、膵液、腹水、穿刺生検物または組織からなる群から選択される少なくとも1つの供給源から採取される請求項36記載の方法。
- 前記組織が凍結切片である請求項38記載の方法。
- 前記膵臓がんの存在または進行の定量がFACSスキャン分析により成し遂げられる請求項36記載の方法。
- 前記オリゴヌクレオチドが膵臓がんマーカーであるサバイビンを標的とする請求項36記載の方法。
- 前記オリゴヌクレオチドが配列番号1、2および9からなる群から選択される1つまたは複数のオリゴヌクレオチドである請求項41記載の方法。
- 前記オリゴヌクレオチドが突然変異型K−ras膵臓がんマーカーを標的とする請求項36記載の方法。
- 前記オリゴヌクレオチドが配列番号7、8、11、12および13からなる群から選択される1つまたは複数のオリゴヌクレオチドである請求項43記載の方法。
- 試料中のがん細胞の存在を検出する方法であって、
i)分析のための細胞の試料を提供することと、
ii)がん特異的マーカー遺伝子配列を標的とするオリゴヌクレオチドで前記試料を処理することと、オリゴヌクレオチドは少なくとも1つの結合エネルギー供与体部分および少なくとも1つの結合エネルギー受容体部分を含み、前記オリゴヌクレオチドはステム‐ループヘアピンを形成し、かつ前記供与体部分および受容体部分は標的の核酸塩基配列の少なくとも一部分により分離されることと、
iii)適切なハイブリダイゼーション条件下で膵臓がんマーカー遺伝子配列との標的オリゴヌクレオチド配列のハイブリダイゼーションを検出し、同定し、または定量することと、前記試料中に存在する標的オリゴヌクレオチド配列の有無または量はオリゴヌクレオチドの少なくとも1つの供与体部分または受容体部分と関連した検出可能なシグナルの変化と相関することと、
iv)オリゴヌクレオチドと測定されるがん特異的標的配列とのハイブリダイゼーションの有無または量に基づいて、がん細胞の存在を検出し、同定し、または定量することとを包含する方法。 - がん細胞の存在の定量がFACSスキャン分析により成し遂げられる請求項45記載の方法。
- がん細胞が、乳がん、膵臓がん、卵巣がん、前立腺がん、結腸直腸がん、肝細胞がん、多発性骨髄腫、リンパ腫、膀胱がん、甲状腺髄様がん、神経内分泌腫瘍、類癌腫、精巣がん、妊娠栄養膜腫瘍形成、肺がん、黒色腫および胃がんからなる群から選択される1つまたは複数のがんから生じる請求項45記載の方法。
- 請求項36記載の方法を実行するのに適した材料を含む、がん細胞の進行を検出またはモニタリングするための診断キット。
- 請求項22記載の方法を実行するのに適した材料を含む、リアルタイムに生細胞における遺伝子発現の変化を検出するための診断キット。
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