導波管レーザは、必要な長さについて、許容できるレーザ性能を得るのに充分な精度で妥当な費用により導波管を組み立てることが困難である、という不利を免れない。概ね30〜40cmの長さで1.5〜3.0mmのくり穴である典型的な導波管構造体を費用に対して効果的に組み立てることはきわめて困難である。くり穴断面が不正確であると、レーザの横モード特性は許容できないものになり、また、出力が減少する。寸法によって、導波管を製造するために使用される現在のセラミック厚板は、注入成形によって構成されるかあるいは押し出される。注入成形あるいは押出成形の公差は大きいため、所望の精度を獲得するためには、部品が形成された後に費用のかかる機械加工(研削)が必要である。
さらに、導波管レーザは、固有の内部RF回路におけるその損失と熱除去効率とのバランスがとられる。理想的には、RF損失を最小限にするためには、天部電極と底部電極と(RF+電極とRF-電極あるいは接地電極と)の間のキャパシタンスは高いものでなければならないが、これは言い換えると、天部電極と底部電極との間にできるだけセラミックを使用しないことである。Al2O3については、熱効率要件により大きいセラミック区域の使用が要求されるが、これによって、より高い損失のRF回路および/または高い製造コストが生じる。理想的には、BeOおよびAlNのような良好な熱特性の備わった材料は、使用するのに好ましいセラミックであるが、従来技術の導波管設計とともに法外に値段の高いものである。
さらに、導波管レーザの共振器空洞は、格納鏡の不整合と格納の低い反射率特性とによってエネルギー損失を免れない。例えば、共振器空洞のいずれか一方の端部で平面鏡を使用すると、完全に整合していないときには、限られた数の反射だけが可能である。
従来技術では、くり穴断面は研削あるいは超音波穿孔の結果であるので、たいていのくり穴は長方形かあるいは円形かのいずれかである。これによって、装置の光学的性質のためよりも製造方法のために最適化されたくり穴がもたらされる。例えば、湾曲状の格納鏡を使用すると、共振器空洞を貫通する可変ビーム半径がもたらされ、従って、従来技術の導波管通路では、共振器通路における可変ビーム半径に関して導波管の最適化をすることができない。
従来技術では、電極の位置決め、従って共振電界発生は、部分的に電極間隔の関数であり、また、導波管構造体の寸法(すなわち、電極どうしの距離)によってしばしば決定される。電極どうしのさまざまな間隔によって出力レベルが変化するため、電極間隔と光学素子とを充分に最適化することができず、その代わりに、従来方法は製造の容易さに焦点が置かれる。
従来のガスレーザには、例えばレーザの始動に付加的な問題が存在している。伝統的なCO2レーザは、70〜80トールで与圧されるが、RFシステムのいくつかの手動操作によることなく始動するのが困難である。
従来技術のシステムは、ラークマン(Laakman)特許(米国特許第4,169,251号)に記載されている。ラークマン特許は、他の従来システムと同じような多くの問題(例えば、注入成形によって形成しなければならない高価で長いセラミック部材、従来の始動特性……)を免れない。
この発明の代表的実施形態によれば、ガスレーザ構成方法が提供される。
この発明の代表的実施形態によれば、レーザ導波管の形成においてセラミック部分を使用する方法および装置が提供される。
この発明の代表的実施形態によれば、レーザ導波管の形成において突出部(例えば電極の隅の丸み部)を使用する方法および装置が提供される。
この発明の代表的実施形態によれば、レーザ導波管構造体の形成において突出部とセラミック部の使用とを組み合わせる方法および装置が提供される。
この発明の代表的実施形態によれば、電極間隔を最適化することで、レーザの出力および/または効率が増大する。
この発明のある代表的実施形態によれば、密封容器の中に収容された導波管の両端において第1および第2の反射手段によって画定されたレーザ共振器空洞の中に配置された導波管を有している導波管レーザが提供される。導波管構造体は、互いに接合されたときに導波管壁を形成する複数の部材から作り上げられている。これらの導波管壁は、これらの壁をいっそう正確に整合させることのできる個々の部材から作り上げることができる。個々の部材は、互いに突き合わせることができ、または、レーザの出力あるいはモードの悪化がほとんどない隙間によって隔てることができる。
この発明における実施形態の用途のさらに別の範囲は、これ以降に提供される詳細な説明から明らかになる。詳細な説明および特定の例は、この発明の代表的実施形態を表わすものであるが、例示だけの目的を意図しており、発明の範囲を制限することを意図してない、ということを理解すべきである。
この発明の実施形態は、図面とともに与えられた次の詳細な説明から明らかになる。
代表的実施形態の次の説明は、本質的には単に例示的なものであって、この発明、その用途あるいは使用法を制限することを決して意図していない。
図1には、この発明の代表的実施形態に係る厚板導波管レーザ1であって、天部あるいは上部の電極2と底部あるいは下部の電極4とが備わっている厚板導波管レーザ1が示されている。上部電極2および下部電極4はそれぞれ、変形可能な形状(例えば、平坦なもの、厚さ可変のもの、湾曲したもの……)を備えていてもよい。側壁3a,3b,3c,3dが、上部電極2と下部電極4との間に挟まれ、かつ、小さい隙間5によって離されている。側壁の幅および厚さは陰影を付けて示されている。側壁の長さには陰影を付けていない。
側壁3a,3b,3c,3d、上部電極2および下部電極4は導波管6を形成することができる。側壁3a,3b,3c,3dどうしの間には、隙間があってもよく、隙間がなくてもよい。この発明の代表的実施形態では、任意の数の隙間があってよい。この発明の追加の代表的実施形態では、側壁は所定圧力で導波管6を密閉することができる。導波管6は、レーザ発振媒体あるいは所望の操作条件に左右されるさまざまな圧力で密閉することができる。例えば、導波管は、電極2と隙間のない側壁3a,3b,3c,3dとを備えていてもよい。この代表的実施形態では、側壁3a,3b,3c,3dは、延出して電極2,4を取り囲み、レーザ自体のハウジングを形成している。同じように、電極2,4はレーザのハウジングを形成することができる(例えば図6C)。
側壁3a,3b,3c,3d(など)は、たとえ側壁の部分どうしの間にあるいは側壁の部分と電極2,4との間に隙間があるとしても、感知できるほどのビーム劣化あるいは出力損失がほとんどないかあるいはまったくない限度までビームを導くように作用する。隙間5はビームに影響を及ぼさない可変寸法(例えば1〜3mmあるいはそれ以上、……)のものであってもよい。図2は、図1の導波管レーザ1の横断面における端面図を示している。上部電極2および下部電極4は、丸隅部(突出部)のある導波管6を形成するように具体化されて示されている。電極2,4の形状は、ビームが容易に当たるようにかつビームのモード制御が良好になるように、簡単に変更される。導波管型レーザおよび他の型のレーザでは、ビーム強度への典型的なガウス形状を作り出す円対称部分がビームの中に存在することが好ましい。電極は、導波管の中に真円対称部が存在するように、すなわち導波管の断面が真円であるように(例えば、図6Aの導波管6に示されたように)、ここで示されたものよりもさらに丸みを帯びていてもよい。この発明の代表的実施形態によれば、電極の断面の可変形状は従来の方法によって(例えば、CNCフライス削り、……によって)形づくることができる。
図3はこの発明の代表的実施形態に係る、図4におけるIV−IV断面の縦断面図を示している。レーザ1は、ハウジング11の内部に配置することができ、2つの端部1a,1bの間に構成された空洞を備えている。端部1aには反射面が備わっており、端部1bには出力カプラーを形成する部分反射面が備わっている。RFフィードスルー12は絶縁用セラミックケーシング13の中に取り囲まれている。セラミックケーシング13はさまざまな材料(例えば、BeO、AlN、Al2O3、他の適切な絶縁用および/または誘電用の材料)から構成されていてもよい。この明細書における考察はさまざまな構成要素についてなされたが、そのような構成要素およびそのような構成要素の存在はこの発明の範囲について制限的なものであると解釈すべきでない。例えば、この発明の代表的な実施形態によれば、反射要素を含んでいる密閉型の導波管構造体では、分離されたハウジングは必要ではなく、側壁あるいは電極がハウジングをさらに形成する。
レーザ1は、電極用の天部あるいは上部の板2と底部あるいは下部の板4とを備えてハウジング11の中に収容されていてもよい。天部あるいは上部の電極2は、ここでは連続状のものとして示されているが、電極の天側と底側との温度差による反りの軽減を支援するために、1つ以上の部分を備えたものでもよい。導波管6は全反射体14と部分反射面15との間のものでもよい。全反射体14と部分反射面15とは導波管6の端部に配置することができる。部分反射面15はビームのための出力カプラーを形成することができる。ビームは、出力カプラーで存在する前に、導波管6を通る1つ以上の通路を作ることができる。この発明の代表的実施形態は、全反射体14と部分反射面15との間に配置された導波管の数に関して制限されるものであると解釈すべきでない。この発明の代表的実施形態は複数の導波管を有するものであってもよく、これらの導波管は接続されていてもよく、分離されていてもよい。
図3の代表的実施形態には、セラミックの側壁3a,3b,3c,3d,3eが隙間を残すことなく互いに突き合わされている事例が図示されている。この発明のこの実施形態では、4つのセラミック円筒16a,16b,16c,16dが使用されて、レーザハウジングと電極アセンブリーとの間にレーザを互いに保持する型締力がもたらされている。円筒16a,16b,16c,16dはさまざまな材料(例えば、BeO、AlN、Al2O3、他の適切なセラミック、……)から作ることができる。それらはここでは、レーザの長さに沿った電位差が最小化されることを保証するインダクター17a,17b,17c,17dがそれぞれに設けられて示されている。代表的な実施形態では、少なくとも1つの電源をコネクター12により接続することができる。
ねじ式調節器18a,18bは光学素子を調節するために使用することができる。他の調節器は他の平面における光学素子を調節するために使用することができる。この発明の実施形態は光学的調節器の型によって制限されるものではなく、当業者に広く知られた他の方法を使用することができる。この発明は光学的調節器を有しているものに制限されるものでもない。
図4は、この発明の代表的実施形態に係るレーザの端面図を示している。くり穴6に対して平行にされているビームの光軸に対してともに垂直である2つの平面における光学素子の調節を促進するために、2つの光学的調節手段18を互いに直交状に配置することができる。図示されていない他の調節手段を、ビームに対して平行な方向における光学素子の調節のために使用することができる。
図5は、この発明の代表的実施形態に係る図2の電極および導波管の拡大図を示しており、電極2および導波管4をいっそうはっきりと示している。電極2および導波管4は、ある形状の導波管6を提供するように輪郭が作られている。電極2および導波管4は、出力およびビームの特性を最適化するために、任意の所望形状で形成することができる。電極の輪郭部分は、この明細書の中において突出部としても言及されている。
図6A〜6Eは、この発明の代表的実施形態に係る導波管6のさまざまな断面部分を示している。図6A〜6Dでは、導波管6は電極2,4および側壁片9A,9Bによって取り囲まれている。電極2,4および側壁は、隙間を開けてかつ互いに接触しないように構成されていてもよい。図6Cは、この発明の代表的実施形態に係るレーザ導波管のハウジングの大部分を形成するために、電極2を使用することを示している。電極2は、セラミック側壁9A,9Bの突出部であってよい絶縁性スペーサ10によって電極4から隔てられている。この発明のさらに別の代表的実施形態では、側壁がハウジングを形成することができる。
図6Eに示されたこの発明の代表的実施形態では、複数の導波管(6A,6B,6C)が示されている。図6A〜6Eに示されたように、この発明の代表的実施形態には、複数形状の導波管6、複数の形状および個数の電極2,4(例えば、2A,2B,2C,4A,4B,4C)、複数個数の導波管(例えば、6A,6B,6C)、および複数個数の側壁(例えば、9A,9B,9C,9D)が備わっていてもよい。さらに、導波管はそれらの長さに沿った位置で接続することができる。同じように、この発明の代表的実施形態には、電極を互いに絶縁するために絶縁体10,10A,10B,10C,10Dが備わっていてもよい。この発明のある代表的実施形態では、図6Eに示された複数の導波管の1つには、活性化された電極は備わっておらず、また、チャンバーはレーザ発振ガスのための冷却チャンバーとして作用する。冷却チャンバーがある場合には、導波管の1つは、導波管の長さに沿ったどこかで第2導波管に接続されている。第2導波管が活性電極を有している場合には、レーザ発振が生じる。
図7には、この発明の代表的実施形態に係るレーザ導波管の二次元縦断面図が示されている。導波管6には、縦方向に、光学的効率を最大限にするために具体的に設計された可変断面部がある。可変断面部は、導波管6における光学モードに左右される種々の形状のものであってよい。図7には、縦方向における対称的な可変形状断面部が図示されているが、その形状は非対称のものであってもよい。
さらに、導波管6を形成する側壁どうしは、2つの別個の側面がある1つの側壁を基本的に形成している細長片によって接続することができる。1つの側壁が形成されているときには、2つの別個の側面を結合している細長片は、導波管6の長さに沿った位置で1つの電極の表面を覆うことができる。図8には、2つの主要部分3A,3Bがある1つの側壁を有している、この発明の代表的実施形態に係るレーザ導波管6の分解図が図示されている。主要部分3A,3Bは、単一の側壁を形成している細長片17によって接続することができる。細長片17は、電極2,4を配置するためにもまた使用することができ、また、そのような細長片は、さまざまな形状および寸法の多くのものであってもよい。導波管6は、主要部分3A,3Bの2つの表面と2つの電極2,4の表面とで形成されている。この明細書における考察は、この発明の範囲を細長片接続部のある側壁にあるいは1つの側壁に制限するように解釈すべきではない。この発明の代表的実施形態には接続された複数の側壁が備わっていてもよい。
突出部はレーザの始動特性を促進する。図9A〜9Cは、この発明のいくつかの代表的実施形態を示しており、ここで電極2,4には突出部21が含まれている。電極2,4の突出部21は、局在化領域における電界を増大させることによってレーザの始動特性を促進する。例えば、この発明の代表的実施形態に係るCO2導波管レーザは、突出部を備えており、70トールとは対照的に200トールの圧力で始動することができる。例示として与えられた始動圧力は、この発明の制限的なものであると解釈すべきではない。この発明の代表的実施形態に係るレーザはさまざまな圧力で始動することができる。
先に説明したこの発明の代表的実施形態では、側壁(例えば、3a,3b,3c,3d,9A,9B)は、要望された絶縁性に左右されるさまざまな材料から構成することができる。例えば、側壁は、従来技術の導波管レーザにしばしば使用される酸化アルミニウム(Al2O3)に対して熱的特性および他の特性がきわめて優れているセラミック材料(例えば、酸化ベリリウム(BeO)、窒化アルミニウム(AlN)、……)から構成することができる。BeOおよびAlNは、Al2O3よりも熱効率が著しく高く、かつ、反射性が著しく高い。例えば、BeOは熱効率がおよそ10倍である。この発明の代表的実施形態では、上記材料を使用することができるような側壁の効果的使用が可能である。この発明の代表的実施形態ではAl2O3を使用することもできる。
この発明の代表的実施形態では、上部電極(例えばRF正極)は、RFエネルギーの分布を促進するために連続状のものでもよく、あるいは分割状のものでもよい。側壁および下部電極(例えば接地電極)は連続状のものでもよく、かつ/または、個々の部分に製造されて組み立てられるものでもよい。個々の部分によれば、高品質の導波管構造体を作るために2つ作製されて一線配置される低コストの標準的反復台を設けることによって全体コストを削減することが促進される。分割状構造体によれば、現在使用されている導波管構造体に比べてコストが削減される結果になるであろう。この明細書における考察は、この発明を特定寸法の分割片に制限するように解釈すべきではない。この発明の代表的実施形態によれば、分割片の長さについては、3インチに加えて(例えば、80.0mm以上の、80.0mm未満の)さまざまな寸法を使用することができる。例えば18インチのレーザでは、3つの分割片はおよそ6インチの長さがあってよく、6インチのレーザでは、(3つの分割片があれば)それぞれの分割片は2インチの長さがあってよい。この明細書における考察は、分割片の寸法を制限するように解釈すべきではない。この発明の代表的実施形態にはさまざまな分割片がさらに含まれており、これらの分割片は等しい長さおよび/または幅および/または厚さではない。
この発明の代表的実施形態におけるレーザ導波管は、従来技術の導波管よりも短い側壁が備わっていてもよい。その側壁が3インチよりも短いような分割片から形成されているときには、好適な熱特性の備わったセラミック(例えば、BeO、AlN、……)を効率的にかつ低コストで使用することができる。好適な熱反射特性の備わったセラミックによれば、RF回路損失を最小限にするとともに高い熱伝導率を維持することができる。
分割片は、プレス加工、焼結あるいは注入成形によって形成することができる。プレス加工によれば、必要な公差を得るための機械加工を少なくする(少ない機械加工)ことができ、従って機械加工のコストがほとんどなくなる。セラミックの機械加工はしばしば研削と称される。焼結および注入成形は比較的安価である。例えば、BeOは、Al2O3の価格のおよそ2倍であるが、Al2O3よりもおよそ10倍、熱的な伝導率が大きい。AlNはおよそ5倍、熱的な伝導率が大きい。伝導率が大きいので、材料が少なくてすみ、その結果、コストが削減される。コスト節減に加えて、これらの材料から得ることのできる優れた反射率によって、いっそう高い効率がもたらされる。
この発明の代表的実施形態では、CO2あるいはその混合体(CO2、He、N2、……)のようなガスレーザ発振材料が使用されている。CO2導波管は、いくつかの関連事項の点で光ファイバー導波管とは異なっている。CO2導波管は、「漏洩モード」導波管と称されており、導波管に隙間があるものであり、光学的性質に対する有害な変化をほとんどあるいはまったく引き起こさない。従って、セラミックあるいは他の適切な材料(例えば、BeO、AlN、……)からなる複数の部材は注意深く接合する必要がなく、また、隙間は1つの部材と次の部材との間に残されることがある。隙間は寸法が変化してもよい(例えば1〜3mmかあるいはそれ以上)。さらにまた、天部電極あるいは底部電極は、より良好なビームモード輪郭をもたらす輪郭を形成するために、そのセラミックからかつ互いに独立するように形づくることができる。例えば、導波管における4つの隅部のうちのいくつかあるいはすべては、より高次のモード形成を抑制するために丸みが付けられていてもよく、また、天部電極と底部電極との距離は、同一の全体隙間寸法を維持し、従ってほぼ同一の放電容積(すなわち利得容積)を有しながら、より容易なガス放電開始を可能にするために、セラミックの側壁に沿って減少させることができる。
この発明の代表的実施形態では、さまざまな形状の電極によって、従来技術の装置に比べてより高い最大出力が可能になる。図9A〜9Cは、この発明の代表的実施形態に係るさまざまなレーザ導波管の電極突出部を示している。これらの突出部(挟み部とも称される)は、制限された局部的区域においてより強い磁界になり、それによって、レーザの始動が促進される。このような突出部によって、従来のレーザよりも高い圧力での始動が可能になる。増大したレーザ圧力によって利得容積の増大がもたらされ、従ってパルス出力性能は増大するが、レーザから放出された平均出力は減少する。この発明の代表的実施形態では、総パルス出力を維持するために一時的パルス長は増大する。従って、従来技術と比べたときに、総放出出力を維持しながら、より速い始動時間および停止時間を、増大した効率とともに達成することができる。
図10は、この発明の代表的実施形態に係る少なくとも1つの電源の接続部を示している。電源30は、電源からハウジング11を介して電力を供給するコネクター12に接続されている。この発明の代表的実施形態では、電源は高周波(RF)電源である。任意のガスレーザのRF電源は、1つ以上のRFパワートランジスタと、このトランジスタおよびRF電源とレーザとの間におけるインターフェイスの両方のための制御回路とから構成されている。トランジスタが発生するRF周波数は、すべてのレーザにとって唯一のものであるが、典型的には、40.68MHz、81.36MHzあるいは100MHzである。RFパワートランジスタのための制御回路は、RF発振とRF電力入切切換とを調整する。従来のRF出力システムでは、40〜100MHzでのRF出力トランジスタの発振によってマイクロプロセッサの回路が破壊されるため、トランジスタ駆動回路に比較的旧い設計手法が使用されている。従って、RFパワートランジスタ回路は現在、パワートランジスタの発振に対して事実上、無感受性である個別の構成要素を組み込むように設計されている。
この発明の代表的実施形態では、RF電源は、マイクロプロセッサ32によって制御されるものであってもよい。この実施形態では、マイクロプロセッサ32は、RFパワートランジスタの40〜100MHzレベルよりも高い周波数で作動する。例えば、10倍でのプロセッサでは、RF出力レベルは100MHz×10=1.0GHzであろう。GHzプロセッサによって「拾い上げられた」任意の信号は、プロセッサの作動が損なわれないように、そのノイズ閾値よりも著しく下にあってもよい。従って、マイクロプロセッサ32は、RFパワートランジスタを制御する個別の現存構成要素と置き換えることができる。例えば、個別のTTL論理回路のさまざまな部品は、マイクロプロセッサ32によって置き換えることができ、例えば、RFパワートランジスタのVSWR保護回路の部品であるワンショットの個別ICを省略することができる。加えて、さまざまなオアゲート、オペアンプおよびコンパレータを省略することができる。出力システムの他の部分をマイクロプロセッサ32によって置き換えることができ、また、この明細書における考察は置き換えられた部分を制限するように解釈すべきでない。
マイクロプロセッサ32の使用によって、RF電源ボードをより低いコストで製造することができ、かつ、電源を著しく小さくすることができる。多数の個別構成要素を出力することによって、現在使用されている設計に比べてマイクロプロセッサに基づく電源の信頼性が大きく増大する。この明細書における考察は、RF電源とともに/において使用することのできるマイクロプロセッサの数および型を制限することを意図していない。
この発明の説明は、事実上、単に例示的なものであり、従って、この発明の要旨から逸脱することのない変形が、この発明の実施形態の範囲内で意図されている。そのような変形はこの発明の精神および範囲からの逸脱とみなすべきではない(例えば、CO2あるいはCO2混合体に加えて他のガスを使用することができ、セラミック側壁が金属側壁で置き換えられるときには突出部を全金属システムとともに使用することができ、付加的な導波管を冷却液チャンバーとして使用することができる、……)。