サンプル・レート・コンバータは、例えばコンパクト・ディスク・プレーヤ、デジタル・オーディオ・テープのプレーヤおよび/またはレコーダ、テレビジョン・レシーバ、デジタル多用途ディスクのプレーヤおよび/またはレコーダなどのようなオーディオおよび/またはビデオ用のプレーヤ、レコーダおよび/またはレシーバのような装置中、ならびに/または例えばモニタ、ディスプレイ、スクリーンなどのようなビデオ再生装置のような装置中で使用される。
先行技術のサンプル・レート・コンバータは、米国特許第6,208,671B1号から既知であり、この米国特許は、アップサンプリング・ファクタUを用いてアップサンプリングするための補間フィルタと、再サンプリングの目的のためのリサンプラ[resampler]と、ダウンサンプリング・ファクタDを用いてダウンサンプリングするためのデシメータ[decimator]とを含むサンプル・レート・コンバータを開示している。米国特許第6,208,671B1号のうちの第9欄に説明されているように、このアップサンプリング・ファクタUおよび/またはダウンサンプリング・ファクタDを変化させることに関与する可変の補間を使用して、このファクタDとこの出力サンプル・レートとの積が、このファクタUとこの入力サンプル・レートとの積に等しくないか、またはほぼ等しいことを保証している。
この既知のサンプル・レート・コンバータは、とりわけ複雑であることにより、不利である。すなわち、米国特許第6,208,671B1号のうちの第8欄に説明されているように、このファクタUに依存してこのデータをゼロ次ホールドするために、このファクタDに依存してこのデータを時刻変更するために、またこのファクタUとこの入力サンプル・レートとの積と、このリサンプラによって計算されるこの積の推定値との間の差について補償するために、このリサンプラは、このファクタUとこの入力サンプル・レートとの積の推定値を計算し、この補間フィルタ中のファーストイン・ファーストアウト・メモリにこの情報をフィードバックする必要がある。
本発明の1つの目的は、特にアップサンプリング・モードからダウンサンプリング・モードへと、また逆もまた同様に切り換えることができるあまり複雑でないサンプル・レート・コンバータを提供することである。
本発明のさらなる目的は、特にアップサンプリング・モードからダウンサンプリング・モードへと、また逆もまた同様に切り換えることができる、あまり複雑でない方法、およびあまり複雑でないコンピュータ・プログラム、ならびにサンプル・レート・コンバータを含むあまり複雑でない装置を提供することである。
信号の入力サンプル・レートを出力サンプル・レートに変換するための、本発明によるサンプル・レート・コンバータは、第1の値を有する制御信号に応じて、この出力サンプル・レートがこの入力サンプル・レートよりも大きくなるように中間サンプル・レートを適応させ、第2の値を有する制御信号に応じて、この出力サンプル・レートがこの入力サンプル・レートよりも小さくなるように中間サンプル・レートを適応させるためのサンプル・レート・アダプタを備えている。
この入力サンプル・レートとこの出力サンプル・レートの間に、このサンプル・レート・コンバータ中に、見出すことができる(配置される、または位置する)中間サンプル・レートを適応させるためのサンプル・レート・アダプタをこのサンプル・レート・コンバータに設けることにより、この第1の値を有する制御信号に応じて、このサンプル・レート・コンバータは、このアップサンプリング・モード(この出力サンプル・レートは、この入力サンプル・レートよりも大きい)に切り換えられ、またこの第2の値を有する制御信号に応じて、このサンプル・レート・コンバータは、このダウンサンプリング・モード(この出力サンプル・レートは、この入力サンプル・レートよりも小さい)に切り換えられる。このようなサンプル・レート・アダプタは、従来技術のリサンプラに比べてずっと複雑ではないものになっており、先行技術のフィードバック・ループは、もはや必要ではない。
本発明によるサンプル・レート・コンバータの第1の実施形態においては、このサンプル・レート・アダプタは、この中間サンプル・レートを可変に減少させるための可変サンプル・レート減少部[decreaser]を備える。これと共に、このサンプル・レート・コンバータは、以下でさらに説明しているように、このサンプル・レート・コンバータがDC問題を解決していることにより、DC−出力がDC−入力に等しいことを必要とするビデオ用途で使用することができる。
本発明によるサンプル・レート・コンバータの第2の実施形態において、このサンプル・レート・コンバータは、この入力サンプル・レートを固定して増大させ、この可変サンプル・レート減少部に向けられることになる中間サンプル・レートをもつ信号を生成するための固定サンプル・レート増大部[increaser]を備える。これと共に、この固定サンプル・レート増大部と、可変サンプル・レート減少部との間に配置されるフィルタは、ただこの固定サンプル・レート増大部だけに依存して設計することができ、この可変サンプル・レート減少部とは独立している(この適応可能中間サンプル・レートとは独立している)。可変ファクタU(の一部分)を用いてこの入力サンプル・レートを可変にアップサンプリングするためのユニットに続くフィルタが、この可変ファクタU(のこの一部分)に依存して適応させられる必要がある、米国特許第6,208,671B1号に比較すると、本発明による、この固定サンプル・レート増大部とこの可変サンプル・レート減少部との間のサンプル・レート・コンバータ中のフィルタは、固定することができ、可変減少ファクタに依存して適応させられる必要はない。これは、有利である。
本発明によるサンプル・レート・コンバータの第3の実施形態においては、この固定サンプル・レート増大部は、固定増大ファクタKを用いてこの入力サンプル・レートを増大させ、この可変サンプル・レート減少部は、L≦Kとなる可変減少ファクタLを用いてこの中間サンプル・レートを可変に減少させる。これと共に、この可変サンプル・レート減少部の後に配置されるフィルタは、可変減少ファクタLとは独立しており、この可変減少ファクタLに依存して適応させられる必要はない。これは、有利である。
本発明によるサンプル・レート・コンバータの第4の実施形態において、このサンプル・レート・コンバータは、固定ファクタMを用いて可変に減少させられる中間サンプル・レートを固定して減少させ、この出力サンプル・レートをもつ信号を生成するための固定サンプル・レート減少部を備える。これと共に、この可変サンプル・レート減少部とこの固定サンプル・レート減少部との間に配置されるフィルタは、ただこの固定サンプル・レート減少部だけに依存して設計することができ、この可変サンプル・レート減少部とは独立している。可変ファクタD(の一部分)を用いてこの出力サンプル・レートを可変にダウンサンプリングするためのユニットの直前のフィルタが、この可変ファクタD(のこの一部分)に依存して適応させられる必要がある、米国特許第6,208,671B1号に比べると、本発明による、この可変サンプル・レート減少部とこの固定サンプル・レート減少部との間のサンプル・レート・コンバータ中のフィルタは、固定することができ、可変減少ファクタに依存して適応させられる必要はない。これは、有利である。
本発明によるサンプル・レート・コンバータの第5の実施形態において、このサンプル・レート・アダプタは、この中間サンプル・レートを可変に増大させるための可変サンプル・レート増大部を備えている。これと共に、このサンプル・レート・コンバータは、このサンプル・レート・コンバータがこのDC問題を解決しないことにより、DC−出力がDC−入力に等しいことを必要としないオーディオ用途で使用することができる。この可変増大ファクタLは、可変量のスペクトル・イメージを導入し、DC入力信号は、可変量のLイメージを導入し、実際にはこれらの全てをフィルタによって抑制することはできない。したがって、このDC入力信号に対応する出力信号は撹乱成分を含むことになり、この問題は、より多くの歪みを導入する手段を介してしか解決することができない。
本発明によるサンプル・レート・コンバータの第6の実施形態において、このサンプル・レート・コンバータは、この入力サンプル・レートを固定して増大させ、この可変サンプル・レート増大部に向けられることになる中間サンプル・レートをもつ信号を生成するための固定サンプル・レート増大部を備える。これと共に、この固定サンプル・レート増大部とこの可変サンプル・レート増大部との間に配置されるフィルタは、ただこの固定サンプル・レート増大部だけに依存して設計することができ、この可変サンプル・レート増大部とは独立していることが有利である。
本発明によるサンプル・レート・コンバータの第7の実施形態において、このサンプル・レート・コンバータは、可変に増大させられた中間サンプル・レートを固定して減少させ、この出力サンプル・レートをもつ信号を生成するための固定サンプル・レート減少部を備える。これと共に、この可変サンプル・レート増大部とこの固定サンプル・レート減少部との間に配置されるフィルタは、ただこの固定サンプル・レート減少部だけに依存して設計することができ、この可変サンプル・レート増大部とは独立していることが有利である。
本発明による方法、本発明によるコンピュータ・プログラム、および本発明による装置の実施形態は、本発明によるサンプル・レート・コンバータの実施形態に対応している。
本発明は、特に、従来技術のサンプル・レート・コンバータは、アップサンプリングおよびダウンサンプリングを行なうための、ブックキーピング[bookkeeping―原意は簿記のこと―]を必要とし、切換え問題を導入する二重の(並列の)構造を有し、または適応可能フィルタをもつ複雑な構造を有するという洞察に基づいており、また特に、非二重の(非並列の)構造または単一の(直列の)構造を有するサンプル・レート・コンバータにおいて、入力サンプル・レートでも、出力サンプル・レートでもない中間サンプル・レートが、全体的なアップサンプリング、ならびに全体的なダウンサンプリングが可能であるように、適応させられることになるという基本的なアイデアに基づいている。
本発明は、特にアップサンプリング・モードからダウンサンプリング・モードに、またその逆もまた同様に切り換えることができるあまり複雑でないサンプル・レート・コンバータを提供すると言う問題を解決しており、特にこのサンプル・レート・コンバータは、複雑でなく、どのようなブックキーピングも必要とせず、どのような切換え問題も導入しないという点で有利である。
本発明のこれらおよび他の態様については、以降で説明する1つ(または複数)の実施形態から明らかになり、またこの実施形態に関して明らかにされる。
図1に示す、本発明によるサンプル・レート・コンバータ12は、入力信号の入力サンプル・レートFs1を固定して増大させ、第1のフィルタ2を介して可変サンプル・レート減少部3に供給すべき、増大させられた入力サンプル・レート、または中間サンプル・レートFs2を有する/における信号を生成するための固定サンプル・レート増大部1を備える。この可変サンプル・レート減少部3から発生される可変に減少させられた中間サンプル・レートFs3は、第2のフィルタ4を介して出力サンプル・レートFs4を有する/における出力信号を生成するための固定サンプル・レート減少部5に供給される。
第1の値を有する制御信号CTRLに応じてサンプル・レート・コンバータ12がアップサンプリングを実施するようにフィルタ2を介して到達するこの信号の中間サンプル・レートFs2を適応させ、また第2の値を有する制御信号CTRLに応じてサンプル・レート・コンバータ12がダウンサンプリングを実施するようにこの中間サンプル・レートFs2を適応させるサンプル・レート・アダプタ3により、サンプル・レート・コンバータ12は、可変の方法でこの入力信号の入力サンプル・レートFs1をこの出力信号の出力サンプル・レートFs4に変換する。
固定サンプル・レート増大部1は、固定増大ファクタKを用いてこの入力サンプル・レートFs1を増大させ、可変サンプル・レート減少部3は、可変減少ファクタLを用いて中間サンプル・レートFs2を可変に減少させ、固定サンプル・レート減少部5は、固定ファクタMを用いて可変に減少させられた中間サンプル・レートFs3を減少させる。R=Fs4/Fs1の場合には、R=K/(M*L)となる。アップサンプリングについてはR>1であり、L<K/Mである。この場合には、この1つまたは複数の第1の値は、L<K/Mのようになる。ダウンサンプリングについては、R<1であり、L>K/Mである。この場合には、この1つまたは複数の第2の値は、L>K/Mのようになる。R1<R<R2とR1<1およびR2>1とを用いて、サンプル・レート・コンバータ12は、2つの非整数値R1とR2との間で切り替わり、したがってこのファクタLを変化させることによりダウンサンプリングとアップサンプリングとの間で切り替わることができる。この相対的な変化ΔL/Lはできるだけ小さいことが好ましい。例えば20%よりも小さいときには、これらの相対的なエラーはより小さくなり、例えば約50%または約100%であるときには、これらの相対的なエラーは、より大きくなる。
Kが固定されている場合には、フィルタ特性G0(z)を有する第1のフィルタ2は、ファクタLとは独立に設計することができ、L≦Kの場合には、可変サンプル・レート減少部3の出力信号にはエイリアシングがないことになる。この第1のフィルタ2は、サンプル・レート増大部1が生成する信号中のK−1イメージを抑制するためのローパス・フィルタを備えている。フィルタ2の帯域幅は、例えばπ/Kであり、πをサンプル・レート増大部1の出力におけるサンプリング周波数の半分に相当する。
図2は、K=5、M=2、ならびにL=1、2、3、4および5について図1に示すサンプル・レート・コンバータ12についての一部のスペクトルを示している。この入力信号(input)は、そのスペクトル中の各周波数においてエネルギーを含むことができる任意の信号である。固定サンプル・レート増大部1(K=5)の出力信号は、この入力信号と4つのイメージを含んでおり、これらの4つのイメージは、第1のフィルタ2(G0(z))によってフィルタされる。可変サンプル・レート減少部3(L=1、L=2、L=3、L=4、L=5)の出力信号は、例えばπ/Mの帯域幅を有するローパス・フィルタを含む第2のフィルタ2(G1(z))によってフィルタされる。L=1およびL=2では、第2のフィルタ2は、回避することができる。L=3、L=4およびL=5では、第2のフィルタは、エイリアシングを引き起こす周波数成分をまさしく減衰させる。
DC入力信号では、固定サンプル・レート増大部1は、この入力サンプリング周波数の倍数における望ましくない成分を生成する。これらの周波数においてゼロを有するように設計される第1のフィルタ1を用いて、これらのイメージは、よく抑制される。その結果このDC問題は、このサンプル・レート・コンバータ12によって解決され、したがってこのサンプル・レート・コンバータは、ビデオ用途で使用するのに適している。
ビデオシーケンスをスケーリングするために図1に示すサンプル・レート・コンバータ12についての実際の設計においては、K=64、M=2、および1≦L≦64である。この入力信号のサンプリング周波数はFs1であり、第1のフィルタ2におけるサンプリング周波数は、Fs2=64Fs1であり、またG0(z)は、0から0.35Fs1までの通過帯域および±0.5dBの間の転送を有し、0.65Fs1から32Fs1=Fs2/2までの停止帯域および−46dBの停止帯域減衰量を有し、Fs1の倍数におけるゼロのスペクトルを有してこのDC問題に対処するように設計されている。
第2のフィルタ4におけるサンプリング周波数は、Fs3であり、G1(z)は、0から0.35Fs3までの通過帯域および±0.7dBの間の転送を有し、0.65Fs3からFs3までの停止帯域および−50dBの停止帯域減衰量を有し、Fs3におけるゼロのスペクトルを有してこのDC問題に対処するように設計されている。
図3に示す本発明によるサンプル・レート・コンバータ12は、この同じ固定サンプル・レート増大部1と、この同じサンプル・レート減少部5と、異なる可変サンプル・レート増大部6とを含み、このサンプル・レート・コンバータがこのDC問題を解決しないことにより、DC−出力がDC−入力に等しいことを必要としないオーディオ用途で使用することができる。この可変増大ファクタLは、可変量のスペクトル・イメージを導入し、またDC入力信号は、可変量のLイメージを導入し、このイメージは、実際にすべてをフィルタによって抑制することはできない。したがって、このDC入力信号に対応するこのサンプル・レート・コンバータ12の出力信号は、かく乱成分を含むことになり、この問題は、より多くの歪みを導入する手段を介して解決することしかできない。しかし、オーディオ用途(Kは、例えば215に等しいこともある)においては、このDC問題は、たいして重要ではない。
図1および3に示す各固定/可変サンプル・レート増大部/減少部は、1つまたは複数の(カスケード接続の)増大部/減少部を含んでいてもよい(複数の場合には、その後、場合により、1つまたは複数のフィルタによって分離される)。SRI[Sample Rate Increaser―サンプル・レート増大部―]1(または6)は、例えばSRI1(または6)の出力において、T1/K(またはT1/L)に等しいサンプリング間隔T2を有しており、T1は、この入力におけるサンプリング間隔である。SRI1(または6)は、あらゆる2つの入力サンプルの間に(K−1)個のゼロ(または(L−1)個のゼロ)を挿入する。nがK(またはL)の倍数であり、y[nT2]が他のすべてのnについて0に等しい場合、この出力信号y[nT2]はx[nT1/K](またはx[nT1/L])に等しい。SRD[Sample Rate Decreaser―サンプル・レート減少部―]3(または5)は、SRD3(または5)の出力においてLT1(またはMT1)に等しいサンプリング間隔T2を有しており、T1は、この入力におけるサンプル間隔である。この時刻(time instant)nが、整数Lの倍数(したがって、n=iLの場合)(または整数Mの倍数(したがってn=iMの場合))となる対象のSRD3(または5)のサンプルx[nT1]は、この出力へと伝送される。他のすべてのサンプルは、抑制される。信号y[nT2]は、以下のように記述することができる。すなわち、y[nT2]=x[nLT1](または、y[nT2]=x[nMT1])である。先行技術のSRIおよびSRDは、A.W.M. van den Enden、「Efficiency in multirate and complex digital signal processing」、ISBN 90 6674 650 5、Waalre 2001、およびP.P. Vaidyanathan、「Multirate systems and filter banks」、Prentice-Hall、Englewood Cliffs、New Jersey、1993年、ISBN 0-13-605718-7のような参考文献に説明されている。
図4に示す本発明による装置10は、入力情報を受け取るための少なくとも1つの入力ユニット11と、出力情報を生成するための少なくとも1つの出力ユニット12との間に配置された、本発明によるサンプル・レート・コンバータ12を備える。装置10がテレビジョン・レシーバである場合に、入力ユニット11は、例えばチューナ、および/または1つまたは複数の増幅器、および/または1つまたは複数のフィルタ、および/または1つまたは複数のコンバータに相当し、出力ユニット12は、1つまたは複数のドライバを含むディスプレイおよび/またはスクリーンに相当する。装置10がコンパクト・ディスク・プレーヤである場合には、入力ユニット11は、例えば1つまたは複数の光から電気へのコンバータ、および/または1つまたは複数の増幅器、および/または1つまたは複数のフィルタに相当し、出力ユニット12は、1つまたは複数の増幅器、および/または1つまたは複数のフィルタ、および/または1つまたは複数のコンバータに相当する。装置10がモニタである場合には、入力ユニット11は、例えば1つまたは複数のコンバータ、および/または1つまたは複数の増幅器、および/または1つまたは複数のフィルタに相当し、出力ユニット12は、1つまたは複数のドライバを含むディスプレイおよび/またはスクリーンに相当する。装置10がデジタル・プリンタである場合には、入力ユニット11は、例えば1つまたは複数のコンバータ、および/または1つまたは複数の増幅器、および/または1つまたは複数のフィルタに相当し、出力ユニット12は、1つまたは複数のドライバを含む1つまたは複数のプリンティング・モジュールに相当する。一般に、装置10は、データ処理装置となる。
「Aについて[for A]」や「Bについて[for B]」における「について[for]」という表現は、「Cについて(for C)」などの他の機能が、同時または非同時に同様に実施されることを除外してはいない。「Yに結合されたX[X coupled to Y]」、「XとYの間の結合[a coupling between X and Y]」、および「XとYとを結合すること/結合する[coupling/couples X and Y]」などの表現は、構成要素ZがXとYの間にあることを除外していない。「Pは、Qを備える[P comprises Q]」および「Qを備えるP[P comprising Q]」などの表現は、構成要素Rが、同様に備えられる/含まれることを除外してはいない。
前記実施形態は、本発明を限定するのではなくて例証していること、また当業者なら、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく多数の代替実施形態を設計することができるであろうことに留意されたい。この特許請求の範囲において、括弧の間に配置されるいかなる参照符号も、特許請求の範囲を限定するものとして解釈すべきではない。動詞「備える[comprise]」およびその活用形は、請求項中で述べられる構成要素またはステップ以外の構成要素またはステップの存在を除外してはいない。構成要素に先行する冠詞「a」または「an」は、複数のかかるエレメントの存在を除外してはいない。本発明は、いくつかの異なるエレメントを備えるハードウェアを用いて、また適切にプログラムされたコンピュータを用いて実装することができる。いくつかの手段を列挙した装置の請求項においては、これらの手段のうちのいくつかは、ハードウェアの単一および同一のアイテムによって実施することができる。ある種の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組合せを有利に使用することができないということを示してはいない。