JP2006523465A5 - - Google Patents

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Description

ランダムにプライミングされる複合プライマーを用いる大規模増幅
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法119(e)条により、2003年4月14日出願の米国仮出願番号60/462,962および、2003年4月14日出願の60/462,965に対する優先権を主張する。なお、これらのそれぞれは、その全体が本明細書中に参考として援用する。
(技術分野)
本発明は、ポリヌクレオチド増幅の分野に関する。さらに詳細には、本発明は、ランダムプライマー型RNA/DNA複合プライマーによる、多数の異なるポリヌクレオチドテンプレート配列を増幅する(すなわち、多数コピーを製作する)ための方法、組成物、およびキットを提供する。
(背景技術)
核酸(例えば、ゲノムDNA)サンプルの品質および量が重要となる研究は数多くある。高処理ゲノム分析には試験のために大量のテンプレートが必要であるが、通常個々の患者サンプルから得られる核酸の収量は限られる。法医学的および先史考古学的研究も、核酸サンプルのサイズによって厳しく制限される。開始材料の制限は、例えば、複雑な病気の研究で複数の座位について遺伝子タイピングを行う際に必要で、複数のパラメータについての大規模な分析を行う場合、その分析能力に影響を及ぼす。さらに、ガンなどの様々な病的状態におけるゲノムの不安定性を分子分析によって定量する場合、極めて限定された細胞集団、例えば、レーザーキャプチャーマイクロディセクションまたは細胞ソーティングによって得られた細胞集団を用いて行うと、非常に厳密に実施することができることはよく認識されるところである。例えば、1個、または数個の細胞から得られるごく少数のポリヌクレオチドサンプルの大規模な増幅を実現する核酸増幅技術は、分析用として通常利用が可能な開始材料が限定される場合において解決法となる可能性がある。
同様に、リボ核酸(RNA)を増幅する能力は、生物過程を解明しようとする場合重要な局面を為す。細胞の全mRNAが、ある定義された時点における遺伝子発現活性を表す。遺伝子発現は、細胞サイクルの進行、発達調節、内的および外的刺激に対する反応等によって影響される。いずれのタイプのものであれ、生物の、ある細胞タイプの発現遺伝子のプロフィールは、正常または病的状態、各種刺激に対する反応、発達段階、細胞分化等を反映する。非コードRNAも、各種細胞機能の調節およびある種の病気の原因として極めて重要であることが判明している。多くの場合、このようなRNAもごく低レベルながら存在する。従って、ポリアデニル化されていないRNAを含む低量のRNAを増幅することが可能な増幅法は極めて重要である。
従来から、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づく方法を含め、DNA標的分子の大規模増幅(例えば、全ゲノム増幅)については様々な方法が記載されている。例えば、米国特許第5,731,171、6,365,375号;Daigo et al.,(2001)Am.J.Pathol.158(5):1623−1631;Wang et
al.,(2001),Cancer Res.61:4169−4174;Zheng et al.,(2001)Cancer Epidemiol.10:697−700;Dietmaier et al.,(1999)Am.J.Pathol.154(1)8−95;Stoecklein et al(2002)Am.J.Pathol.161(1):43−51;米国特許第6,124,120、6,280,949号;Dean et al(2002)PNAS99(8):5261−5266を参照されたい。しかしながら、例えば全ゲノム増幅(WGA)のような、PCRによる大規模増幅法では、非特異的増幅人工産物(アーチファクト)が生じたり、全座位の均等な増幅ができなかったり、DNAの長さが十分でなく多くの用途に使用できない等の可能性がある。PCR反応は増幅されやすい産物を好んで形成する傾向があるために、PCRによる方法には、増幅反応産物に表されるゲノム配列に偏倚を生じるという欠点がある。
さらに、近年、遺伝子発現の分析のためにいくつかの方法が開発されている。例えば、米国特許第6,251,639、6,692,918、6,686,156、5,744,308、6,143,495、5,824,517、5,829,547、5,888,779、5,545,522、5,716,785、5,409,818号、欧州特許第0971039A2、0878553A2号、米国特許出願公開第2002/0115088、2003/0186234、2003/0087251、および2004/0023271号を参照されたい。これらは、特定のmRNAの定量、多数のmRNAの同時定量、および、既知および未知遺伝子の発現パターンの検出および定量を含む。もっとも一般的には、RNA増幅は、逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)およびその変法を用いて実行される。これらの方法は、RNAを逆転写酵素で複製し、そのRNAに対して相補的な1本鎖DNA(cDNA)を形成し、次にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅を行って2本鎖DNAの多数コピーを生成することに基づく。これらの方法はもっとも一般的に行われるものであるけれども、いくつかの重大な欠点を有する。a)反応は熱サイクルを必要とする、b)産物は2本鎖であり、従って、プローブに結合しにくくなっている、および、c)反応は、前段増幅産物によって汚染され易く、そのため反応混合物の厳密な封じ込めが必要である。その他最近のRNA増幅法は、mRNAの複製を、その3’末端のポリA尾部から開始させる。しかしながら、必ずしも全てのRNA転写物がmRNA尾部を持つわけではない(例えば、核細胞RNAおよび非コードRNA)。さらに、サンプル調製工程によっては、RNA転写物の構造的完全性が危機に曝される。従って、ある状況では、定義されたポリA尾部での複製開始を必要としないRNA増幅法を使用することが望ましい場合がある。増幅されないRNAの分析も実行可能ではあるが、相当量の開始RNAが必要とされる。一方、利用が可能なサンプルRNAの全量は、それが得られた生物サンプルの量によって限定されることが多い。多くの場合生物サンプルの量は限定され、貴重である。さらに、各種RNA分子種の量は均等ではない。一方の分子種は他方の分子種よりも多量であり、恐らく分析もやり易いことがある。RNA配列を増幅可能とすることができれば、比較的量の少ない稀なRNA分子種でも、その分析を実行することができる。核酸増幅法によって小型サンプルの分析を可能とする能力は、エフェクター分子ライブラリーの大規模スクリーニングのパラメータを設計する際にも有利である。なぜなら、極めて大規模スクリーニングまたは高処理スクリーニングを実行する能力においても、また、ライブラリー成分の量が限定されるという見地からも、サンプル容量の減少は大きな関心事だからである。
従って、増幅改良法、特に、DNAまたはRNAポリヌクレオチド標的の大規模増幅を可能とする方法が求められている。本明細書に記載される発明はこの需要を満たすものである。
本明細書に引用されるすべての文献(特許出願および公報を含む)は、その全体が参考として援用される。
(発明の開示)
本発明は、ランダムにハイブリダイズしたRNA/DNAによる等温性大規模増幅のための方法、組成物、およびキットを始め、その増幅法の応用を提供する。
従って、1つの局面では、本発明は、テンプレートポリヌクレオチドの増幅法であって、(a)反応混合物をインキュベートする工程で、前記反応混合物は(i)テンプレートポリヌクレオチド、(ii)テンプレートポリヌクレオチドの複数部位にハイブリダイズすることが可能で、RNA部分と3’DNA部分を含む複合プライマーである第1プライマー、(iii)DNA依存性DNAポリメラーゼ、および、(iv)RNA依存性DNAポリメラーゼ(別の酵素として存在してもよいし、あるいは、DNA依存性DNAポリメラーゼとRNA依存性DNAポリメラーゼの両ポリメラーゼ活性を含む酵素として存在してもよい)を含み、インキュベーションは、複合プライマーのランダムハイブリダイゼーション、プライマー伸長、および、ある実施形態では、プライマー伸長産物のテンプレートポリヌクレオチドからの置換を可能とする条件下で行われ、それによってRNA/DNAの部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体が生成される工程;および、(b)反応混合物をインキュベートする工程で、前記反応混合物は(i)工程(a)によって生成された反応産物(またはその一定部分)、(ii)RNA部分と3’DNA部分を含む複合プライマー(第1プライマーと同じであっても、別のプライマーであってもよい)、(iii)DNA依存性DNAポリメラーゼ、および、(iv)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する因子(例えば、酵素)を含み、インキュベーションは、RNA/DNAヘテロ二重鎖からのRNAの切断、プライマーハイブリダイゼーション、プライマー伸長を可能とし、かつ、(a)の複合体において、そのRNAが切断され、別の複合プライマーがテンプレートに結合して伸長される時、プライマー伸長産物の(a)の複合体からの置換を可能とする条件下で行われ、それによってポリヌクレオチド(一般的には、DNA)増幅産物の多数コピーが生成される工程を含む方法を提供する。テンプレートポリヌクレオチドがRNAである実施形態では、工程(a)の反応混合物はさらに、(v)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する因子(例えば、酵素)を含み、それによって、テンプレートRNAおよび第1プライマー伸長産物を含む複合体からテンプレートRNAが切断される。ある実施形態では、工程(b)の反応混合物は、工程(a)による反応混合物(またはその一定部分)を含む。別の実施形態では、部分的RNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断する因子(例えば、RNアーゼH)、および、要すれば随意にDNA依存性DNAポリメラーゼを、工程(a)の反応混合物に添加することによって工程(b)を起動する。ある実施形態では、工程(a)および/または工程(b)の反応混合物はさらに、補助プライマーを含む。ある実施形態では(一般に、テンプレートポリヌクレオチドがDNAである実施形態)、RNA依存性DNAポリメラーゼは反応混合物(a)において省略される。
別の局面において、本発明は、反応混合物をインキュベートすることによってテンプレートポリヌクレオチドを増幅する方法であって、前記反応混合物は(a)RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体であって、前記複合体は、第1反応混合物をインキュベートすることによって生成され、前記第1反応混合物は、(i)ポリヌクレオチドテンプレート、(ii)複合プライマーである第1プライマーで、前記複合プライマーはRNA部分と3’DNA部分とを含み、テンプレートポリヌクレオチドの複数部位にハイブリダイズすることが可能である第1プライマー、(iii)DNA依存性DNAポリメラーゼ、および、(iv)RNA依存性DNAポリメラーゼを含み、インキュベーション工程は、複合体プライマーのランダムハイブリダイゼーション、プライマー伸長、および、プライマー伸長産物のテンプレートポリヌクレオチドからの置換を可能とする条件下で行われ、それによって、RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体が生成され、(b)RNA部分と3’DNA部分を含む複合プライマー、(c)DNA依存性DNAポリメラーゼ、および、(d)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を含み、インキュベーション工程は、プライマーハイブリダイゼーション、プライマー伸長、および、RNAのRNA/DNAヘテロ二重鎖からの切断を可能とし、および、工程(a)の複合体において、そのRNAが切断され、別の複合プライマーが結合して伸長される時、複合プライマーの、工程(a)の複合体からの置換を可能とする条件下で行われ、それによってポリヌクレオチド増幅産物の多数コピーが生成される方法を提供する。ある実施形態では、反応混合物および/または第1反応混合物はさらに、補助プライマーを含む。テンプレートポリヌクレオチドがRNAである実施形態では、工程(a)のテンプレートRNAは切断を促進する条件または因子を通じてプライマー伸長後に切断される。ある実施形態では、第1反応混合物はさらに、(v)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する因子(例えば、酵素)を含み、それによって、テンプレートRNAおよび複合プライマー伸長産物を含む複合体からテンプレートRNAが切断される。ある実施形態(一般に、テンプレートポリヌクレオチドがDNAであるもの)では、部分的RNA/DNAヘテロ二重鎖を含む複合体が、RNA依存性DNAポリメラーゼを用いることなく生成されることがある。
別の局面において、本発明は、反応混合物をインキュベートすることによってテンプレートポリヌクレオチドを増幅する方法であって、前記反応混合物は(a)第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物からなる複合体であって、第1プライマー伸長産物は、標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズしたランダムプライム型第1プライマーの、DNAポリメラーゼによる伸長によって生成され、第1プライマーはRNA部分と3’DNA部分を含む複合プライマーであり、テンプレートポリヌクレオチドの複数部位にハイブリダイズすることが可能であり、第2プライマー伸長産物は、第1プライマー伸長産物にハイブリダイズした第2プライマーの伸長によって生成され、(b)第2プライマー伸長産物にハイブリダイズすることが可能な、RNA部分と3’DNA部分を含む複合プライマー、(c)DNA依存性DNAポリメラーゼ、および(d)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を含み、インキュベーションは、プライマーハイブリダイゼーション、プライマー伸長、RNA/DNAヘテロ2重鎖からのRNA切断を可能とし、かつ、工程(a)の複合体において、そのRNAが切断され、別の複合プライマーが結合して伸長される時、複合プライマーの、工程(a)の複合体からの置換を可能とする条件下で行われ、それによってポリヌクレオチド増幅産物の多数コピーが生成される方法を提供する。テンプレートポリヌクレオチドがRNAである実施形態では、第1プライマー伸長産物は、標的RNAにハイブリダイズしたランダムプライム型プライマーの、RNA依存性DNAポリメラーゼによる伸長によって生成される。ある実施形態では、第1プライマー伸長産物および/または第2プライマー伸長産物は、補助プライマーの存在下に生成される。
別の局面において、本発明は、ポリヌクレオチドテンプレートを増幅する方法であって、(a)テンプレートのポリヌクレオチド鎖に対して複合プライマーをランダムにプライミングさせる工程であって、複合プライマーはRNA部分と3’DNA部分を含み、テンプレートの複数のポリヌクレオチド部位にハイブリダイズすることが可能であり、(b)DNA依存性DNAポリメラーゼ、RNA依存性DNAポリメラーゼ、およびRNA/DNAからRNAを切断する因子の存在下にテンプレート鎖をインキュベートする工程であって、ポリヌクレオチド増幅産物の多数コピーが、プライマー伸長および鎖置換を通じて生成される工程を含む方法を提供する。ある実施形態では、ランダムなプライミングはDNAポリメラーゼの存在下に行われる。ある実施形態では、工程(a)および/または工程(b)において補助プライマーが含まれる。ある実施形態(一般に、テンプレートポリヌクレオチドがDNAであるもの)では、RNA依存性DNAポリメラーゼは、インキュベーション工程から省略される。
別の局面において、下記のような過程を持つテンプレートRNAポリヌクレオチドを増幅する方法を提供する。複数のテンプレートポリヌクレオチド配列が反応混合物をインキュベートすることによって増幅される。その反応混合物は(a)第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物からなる複合体であって、第1プライマー伸長産物は、標的RNA鎖にハイブリダイズした第1プライマーの、RNA依存性DNAポリメラーゼによる伸長によって生成され、第1プライマーはRNA部分と3’DNA部分を含む複合プライマーであり、第1プライマーは、テンプレートRNAの複数部位にハイブリダイズすることが可能であり、第2プライマー伸長産物は、第1プライマー伸長産物にハイブリダイズした第2プライマーの伸長によって生成され、RNAは第1および第2プライマー伸長産物からなる複合体から切断され(例えば、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を、切断を可能とする条件、例えば、加熱および/またはアルカリ性条件下で使用する)、(b)第2プライマー伸長産物にハイブリダイズすることが可能な、RNA部分と3’DNA部分を含む複合プライマー、(c)DNA依存性DNAポリメラーゼ、および、(d)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を含み、インキュベーションは、プライマーハイブリダイゼーション、プライマー伸長、RNA/DNAヘテロ2重鎖からのRNA切断を可能とし、かつ、工程(a)の複合体において、そのRNAが切断され、別の複合プライマーが第2プライマー伸長産物に結合して伸長される時、複合プライマーの、工程(a)の複合体からの置換を可能とする条件下で行われ、それによってポリヌクレオチド増幅産物の多数コピーが生成される。ある実施形態では、工程(a)の複合体は補助プライマーの存在下に生成される。ある実施形態では、第2プライマーは、切断RNAテンプレートの断片(単数または複数)を含む。
別の局面では、本発明は、ポリヌクレオチドテンプレートを増幅する方法であって、(a)テンプレートポリヌクレオチドに対して第1プライマーをランダムにプライミングさせる工程であって、前記第1プライマーは、RNA部分と3’DNA部分を含み、テンプレートの複数のポリヌクレオチド部位にハイブリダイズすることが可能な複合プライマーであり、(b)第1プライマーをDNAポリメラーゼによって伸長させる工程、(c)RNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断する因子によって第1プライマーからRNAを切断する工程、(d)RNA部分と3’DNA部分を含む複合プライマーである増幅プライマーをテンプレートポリヌクレオチドにハイブリダイズする工程、(e)ハイブリダイズした増幅プライマーを鎖置換DNA合成によって伸長させる工程、および、(f)RNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断する因子によって増幅プライマーからRNAを切断し、別の増幅プライマーがハイブリダイズし伸長できるようにし、それによってポリヌクレオチド増幅産物の多数コピーが生成されるようにする工程による方法を提供する。
別の局面で、本発明は、反応混合物をインキュベートすることによってテンプレートポリヌクレオチドを増幅する方法であって、前記反応混合物は(a)ポリヌクレオチドテンプレート、(b)複合プライマーである第1プライマーで、前記複合プライマーはRNA部分と3’DNA部分とを含み、テンプレートポリヌクレオチドの複数部位にハイブリダイズすることが可能である第1プライマー、(c)DNA依存性DNAポリメラーゼ、(d)RNA依存性DNAポリメラーゼ、および、(e)RNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断する因子を含み、ポリヌクレオチド増幅産物の多数コピーがプライマー伸長と鎖置換によって生成される方法を提供する。ある実施形態(一般に、テンプレートポリヌクレオチドがDNAである実施形態)では、RNA依存性DNAポリメラーゼは反応混合物から省略される。
当業者には明白なように、ポリヌクレオチド(例えば、DNAまたはRNA)テンプレートの複数コピー、または、ポリヌクレオチドテンプレートに対して相補的なポリヌクレオチド配列の複数コピーの生産への言及は、そのような配列を含む、そのような配列を含有する、あるいは、そのような配列からなる産物を指す。当業者には明白なように、得られた混合物を合わせてインキュベートすることに言及する局面は、各種混合物(様々な組み合わせによる、および/または、部分的組み合わせによる)をインキュベートして所望の産物を形成させることを含む方法態様も含む。
本発明の方法で使用される複合プライマーの各種実施形態は本明細書に記載される。例えば、ある実施形態では、複合プライマーのRNA部分は、3’DNA部分に対して5’である。また別の実施形態では、5’RNA部分は、3’DNA部分に隣接する。別の実施形態では、複合プライマーのRNA部分は7から約20個のヌクレオチドから成り、複合プライマーのDNA部分は、約5から約20個のヌクレオチドからなる。また別の実施形態では、複合プライマーのRNA部分は、約10から約20個のヌクレオチドから成り、複合プライマーのDNA部分は、約7から約20個のヌクレオチドからなる。ある実施形態では、複合プライマーは、下記:
Figure 2006523465
の複合プライマーから選択され、イタリック体はリボヌクレオチドを表し、「d」はデオキシリボヌクレオチドを表す。
ある実施形態では、複合プライマーは、ランダム配列、または部分的にランダム化された配列を含むが、一方ある実施形態では(例えば、テンプレートポリヌクレオチドがRNAである実施形態)、ランダムまたは部分的にランダムな配列を含むプライマーの使用は排除される。ランダムまたは部分的にランダムな配列を持つ複合プライマーを利用する実施形態では、複合プライマーは、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも10種、少なくとも15種、少なくとも20種、少なくとも30種、少なくとも40種、少なくとも50種、または少なくとも100種の異なる配列を含む異なるプライマーの集団またはプールであってもよい。別の実施形態では、複合プライマーは、異なる複数のヌクレオチド塩基にハイブリダイズすることが可能な「縮重」ヌクレオチド(例えば、イノシンは、四つの全ての標準的塩基にハイブリダイズすることが可能である)を1つ以上含む。
ある実施形態では、標的ポリヌクレオチド(例えば、mRNAまたはゲノムDNA)にハイブリダイズする複合プライマーと、単一プライマー等温増幅(すなわち、前記方法の相(b))に使用される複合プライマーは同じである。ある実施形態では、標的ポリヌクレオチド(例えば、mRNAまたはゲノムDNA)にハイブリダイズする複合プライマーと、単一プライマー等温増幅に使用される複合プライマーは異なる。ある実施形態では、標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズする、2種(またはそれを超えて)の異なる複合プライマーが本発明の方法で使用される。
本法は、例えば、DNA(例えば、ヒトおよび他の哺乳類ゲノムDNAを含むゲノムDNA)および、RNA(例えば、全体RNA、mRNA、非コードRNAおよびリボソームRNA)を含む任意の標的ポリヌクレオチドを増幅するのに運用することが可能である。1つ以上の工程は、組み合わせてもよいし、および/または、継時的に(多くの場合、要求産物の形成が可能である限り、任意の順序で)実行してもよく、また明らかなように、本発明は、本明細書に記載される工程の各種組み合わせを含む。また、本発明は、開始工程、すなわち第1工程が、ここに記載される工程の内から任意工程である方法をも含むことは明白であり、また記載されてもいる。例えば、本発明の方法は、第1工程が複合プライマーのランダムハイブリダイゼーションであることを要求していない。本発明の方法は、後続の、「下流」工程が開始工程となる実施形態をも含む。
本法および組成物において使用が可能な酵素は、本明細書に記載される。例えば、RNAを切断する因子(例えば、酵素)はRNアーゼHであってもよく、RNA依存性DNAポリメラーゼは逆転写酵素であってもよい。RNA依存性DNAポリメラーゼは、RNアーゼH酵素活性を含んでもよく、あるいは、別々の酵素を用いてもよい。同様に、DNAポリメラーゼは、RNA依存性DNAポリメラーゼとDNA依存性DNAポリメラーゼ両方の酵素活性を含んでもよく、あるいは、別々の酵素を用いてもよい。DNA依存性DNAポリメラーゼ、RNA依存性DNAポリメラーゼ、およびRNAを切断する酵素も同じ酵素であってもよいし、あるいは、上記活性のそれぞれを含む別々の酵素を用いてもよい。
ある実施形態では、本発明の方法は、標識ポリヌクレオチド産物(一般にDNA産物)を生成するのに使用される。標識DNA産物を生成する方法の、ある実施形態では、使用される少なくとも1つのタイプのdNTPは、標識dNTPである。標識DNA産物を生成する方法の別の実施形態では、標識された複合プライマーが使用される。
本発明はまた、本発明の増幅法の産物を用いる(通常、分析する)方法、例えば、配列変化の検出(例えば、遺伝子タイピング、核酸変異の検出、スプライシング変異分析等);目的の配列の有無の決定;目的の配列の定量;遺伝子発現プロファイリング;サブトラクティブ・ハイブリダイゼーション;サブトラクティブハイブリダイゼーション・プローブの調製;差動増幅;ライブラリー(ゲノム、cDNA、および差動発現ライブラリーを含む)の調製;不動化核酸の調製(マイクロアレイ上に不動化した核酸であってもよい);目的の配列の検出および定量−この中には例えば、配列決定、配列変動の検出、および遺伝子タイピングが含まれる−のためのアレイ分析(高密度アレイを含む)用標識プローブの調製;比較ゲノムハイブリダイゼーション;新規RNAの検出および/または特定;および、本発明の方法によって生成される増幅核酸産物による核酸の特性解明を提供する。
本発明のこれらの方法から任意に選択されるものを用いて、サンプル中の対象ポリヌクレオチド配列の特性解明に好適なポリヌクレオチド産物を生成することが可能である。1つの実施形態では、本発明は、対象ポリヌクレオチド配列の特性を解明する(例えば、配列の有無を検出する、および/または、定量する)方法であって、(a)本明細書に記載される方法の内から任意に選択される方法を用いて標的ポリヌクレオチドを増幅すること、(b)その増幅産物を分析することを含む方法を提供する。増幅産物を分析する工程(b)は、従来技術で既知の方法、あるいは、本明細書で記載される方法の内から任意に選択される方法を用いて、例えば、プローブにハイブリダイズする増幅産物を検出および/または定量することによって実行することが可能である。これらの増幅産物は標識されてもよいし、標識されなくともよい。本発明の方法のいずれも、方法の適当な工程において標識ヌクレオチドおよび/または標識複合プライマーを取り込むことによって標識されるポリヌクレオチド(例えば、DNA)産物を生成するように用いることが可能である。これらの標識産物は、cDNAマイクロアレイおよびオリゴヌクレオチドアレイのようなアレイの使用を含む従来技術で既知の方法による定量および/または特定には特に好適である。1つの局面において、本発明は、対象ポリヌクレオチド配列の特性を解明する方法であって、(a)本明細書に記載される方法を用いて標的ポリヌクレオチドを増幅して標識ポリヌクレオチド産物を生成すること、および、(b)該標識ポリヌクレオチド産物を分析することを含む方法を提供する。ある実施形態では、ポリヌクレオチド産物の分析工程は、前記産物の量を定めることを含み、これによってサンプル中に存在する対象ポリヌクレオチド配列の量が定量される。
増幅産物はまた、例えば、オリゴヌクレオチド連結を基礎とするアッセイ、Invader、Cleavase、またはプライマー制限伸長による分析法、および従来技術で既知のその他の方法を用いて、新たな分析、例えば、配列分析、多型検出(多重SNP検出を含む)のためのテンプレートとして使用することも可能である。全体として大容量の投入材料を必要とする方法では、本発明の方法は、ポリヌクレオチドプールを「前段」増幅し、その後の分析に十分な投入材料を生成するために使用することが可能である。
別の実施形態では、ポリヌクレオチド産物は、例えば、それらを少なくとも1本のプローブと接触させることによって分析することが可能である。ある実施形態では、前記少なくとも1本のプローブはマイクロアレイとして提供される。マイクロアレイは、紙、ガラス、セラミックス、プラスチック、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、シリコン、その他の金属、および、光ファイバーからなるから選択される材料から製造される、固形または半固形基板の上に不動化された少なくとも1本のプローブを含むことが可能である。プローブは、二次元構造、または、ピン、ロッド、ファイバー、テープ、スレッド、ビーズ、粒子、マイクロタイターウェル、毛細管、および、シリンダーを含む三次元構造を取る固形または半固形基板の上に不動化することが可能である。
別の局面で、本発明は、サンプルにおける遺伝子発現プロフィールを確定する方法であって、(a)本明細書に記載される方法の内から任意に選択される方法を用いてサンプル中のRNAテンプレートを増幅すること、および、(b)サンプル中の各対象RNA配列の増幅産物を定量しそれによってサンプルの遺伝子発現プロフィールを確定することを含む方法を提供する。本発明はさらに、サンプル中の各対象RNA配列の増幅産物を定量することによって遺伝子発現プロフィールを確定する方法であって、サンプルは、本明細書に記載される方法の内から任意に選択される方法を用いて増幅されたRNAテンプレートの多数コピーを含み、それらを通じてサンプルの遺伝子発現プロフィールが確定される方法を提供する。
さらに、本発明はまた、ポリヌクレオチドテンプレートを活性化する方法を提供する。本発明の増幅方法は、テンプレートポリヌクレオチド配列の代表的増幅を実現するので、本法によって生成される増幅産物は、元のテンプレートポリヌクレオチドの公文書供給源として使用することが可能である。従って、本発明は、本発明の方法によって生成される増幅産物を保存することによってポリヌクレオチドテンプレートを公文書化する方法を提供する。公文書化された増幅産物は、本明細書に記載されるやり方で分析してもよいし、あるいは、本発明の方法に従ってさらに増幅してもよい。
別の局面で、本発明は、本明細書に記載される方法によって生産される産物(例えば、テンプレートポリヌクレオチドの多数コピー)を提供する。
本発明はまた、本明細書に記載される増幅法に使用されるキット、複合体、反応混合物、および各種成分(および、それらの成分の各種組み合わせ)を含むシステムを提供する。
別の局面で、本発明は、本明細書に記載される複合体(一般に、最終増幅産物に対して中間体と考えられるもの)の内から任意に選択される複合体を含む組成物を提供する。
別の局面で、本発明は、本発明の方法の内から任意に選択される局面によって生産される、任意の1つ以上の産物(中間体を含む)、および、その産物(中間体を含む)を含む組成物を含む。
別の局面で、本発明は、本明細書に記載される成分の様々の組み合わせを含む反応混合物(または、反応混合物を含む組成物)を提供する。
別の局面で、本発明は、本明細書に記載される方法を実行するためのキットを提供する。これらのキットは、適当に包装され、一般に(必ずしもそうとは限らないが)適当な指示を含む状態で、増幅法に使用される1種以上の成分を含む。
別の局面で、本発明は、本明細書に記載される増幅法を実行するためのシステムを提供する。
(発明の概観とその利点)
本発明は、大規模増幅のための新規の方法、組成物およびキットを開示する。本法は、テンプレートポリヌクレオチド(例えば、mRNAまたはゲノムDNA)内部の複数部位に結合が可能な複合プライマーを用いる増幅法であって、莫大な数のテンプレートポリヌクレオチド配列(例えば、事実上全てのゲノムDNA)の増幅を実現する方法を提供する。本法は、DNAテンプレート、またはRNAテンプレートのいずれかに好適に使用される。本法は、各種の用途、例えば、比較ゲノムハイブリダイゼーション、発現プロファイリング、および、例えば、マクロアレイ法による多重分析に基づく複数遺伝子タイプの決定に直ぐに役立つポリヌクレオチド(一般に、DNA)産物を生成する。本法は自動化し易く、加熱サイクルを必要としない。従って、本発明の方法の主要利点の1つは、配列の全プール(または、所望の増幅程度に応じてそのサブセット)の増幅を可能とする能力であって、これは、比較ゲノムハイブリダイゼーション、cDNAライブラリーの作製、サブトラクティブハイブリダイゼーション・プローブの作製、および、複数遺伝子タイプ決定を含むアレイ使用アッセイのような応用にとって必須である。
本発明の増幅法は、複合プライマー・ランダムハイブリダイゼーション、プライマー伸長、および、鎖置換による複合プライマー伸長産物の置換を含み、RNA−DNAヘテロ二重鎖を含む複合体が生成され、次いで、その後の増幅用基質として該複合体を用いて複合プライマー依存性等温性増幅を行う。これは、高速増幅を可能とし、かつ、本発明を、他の鎖置換増幅法、例えばMDAと区別する局面である。
1つの局面において、本発明の方法は2つの相を含む。すなわち、(a)テンプレートポリヌクレオチドに対する複合プライマーのランダムハイブリダイゼーション、プライマー伸長、および、鎖置換DNA合成による複合プライマー伸長産物の置換であり、これによってRNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体が生成される相、および、(b)RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体をその後の増幅用の基質として用いる複合プライマー依存性単一プライマー等温増幅相である。
本法は一般に、テンプレートポリヌクレオチド(例えば、ゲノムDNAテンプレート、mRNA、または非コードRNA)にランダムにプライミングするように、特別設計のプライマー、一般にはRNA/DNA複合プライマーを使用することを含む。本明細書で用いられる「ランダムにプライミングする」、または「ランダムハイブリダイゼーション」という用語は、複合プライマーが、テンプレートポリヌクレオチド内部の複数部位にハイブリダイズすることを意味する。ある実施形態では、本発明の局面は、プライマー伸長時、テンプレートの下流位置にハイブリダイズしたプライマーについて鎖置換DNA合成によって(例えば、鎖置換活性を持つDNAポリメラーゼによってプライマー伸長することによって)、テンプレートポリヌクレオチドからプライマー伸長産物を置換することである。
従って、本発明は、反応混合物をインキュベートする方法であって、前記反応混合物は、(a)ポリヌクレオチドテンプレート、(b)RNA部分と3’DNA部分とを含む複合プライマーであって、テンプレートポリヌクレオチドの複数部位にハイブリダイズすることが可能な複合プライマー、(c)鎖置換活性を持つDNA依存性DNAポリメラーゼ、および、(d)RNA依存性DNAポリメラーゼを含み、インキュベーションは、複合プライマーのランダムハイブリダイゼーション、プライマー伸長、および、プライマー伸長反応産物の、テンプレートポリヌクレオチドからの置換を可能とする条件下で行われ、そのために、一般に(a)テンプレートポリヌクレオチドのコピー、および/または、複合プライマー配列に付属する(伸長を通じて)ポリヌクレオチド配列の相補体のコピー、および、(b)テンプレートポリヌクレオチドのコピー、および、複合プライマー配列の相補体に付属する(伸長を通じて)テンプレートポリヌクレオチドの相補体のコピーを含む中間複合体集団が生成される方法を提供する。中間複合体は、2本鎖であってもよいし、あるいは、部分的に2本鎖であってもよい。中間複合体中に複合プライマー配列が存在するために、この複合体は、NA/DNAヘテロ二重鎖部分的ヘテロ二重鎖を含む。RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖のRNA部分は、一般に、複合プライマーのRNA部分によって導入され、ヘテロ二重鎖のDNA部分は、複合プライマーのRNA部分の相補体からなる。簡単のために、中間複合体のこの集団を「RNA/DNA部分ヘテロ二重鎖を含む複合体」と名づける。
一般に、複合プライマーは、テンプレートポリヌクレオチドにランダムにプライミングすることが可能な3’DNA部分を少なくとも含む。従って、この説明が明らかにしていくように、ある配列にハイブリダイズするプライマーへの参照は、プライマーの少なくとも一部がハイブリダイズする実施形態、プライマーの2つ(またはそれを超える部分)(プライマーのハイブリダイズしていない(ループアウト)部分によって隔てられている)がハイブリダイズする実施形態、および、全プライマーがハイブリダイズする実施形態を含む。
RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体は、下記のようにさらに新たな増幅の基質となる。RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素(例えば、RNアーゼH)は、該ハイブリッドからRNA配列を切断し、3’1本鎖DNA配列を残し、後者は、複合プライマー(これは、第1複合プライマーと同じであっても、同じでなくともよい)の結合にとって利用可能となる。DNA依存性DNAポリメラーゼによる結合複合プライマーの伸長はプライマー伸長産物を生成し、これは、先に結合切断された第1プライマー伸長産物を置換するので、ポリヌクレオチド(一般に、DNA)産物が蓄積する。一般に、ある任意のテンプレートポリヌクレオチドについて、増幅産物は、そのセンスおよびアンチセンスコピーの混合物であることが理解される。例えば、テンプレートポリヌクレオチドが2本鎖DNAである場合、増幅産物は各鎖に一致する。テンプレートポリヌクレオチドが1本鎖である場合、一般には、テンプレートポリヌクレオチドのコピー(センスコピー)、およびテンプレートポリヌクレオチドの相補体(アンチセンスコピー)である増幅産物が生産される。
本明細書に開示される方法は、DNA(例えばゲノムDNA)およびRNA(例えばmRNAおよびリボソームRNA)の両標的を含めた任意の標的ポリヌクレオチドの増幅に適用することが可能である。本説明から明らかなように、また実施例で示されるように、本発明の方法は複合プライマー依存的である。すなわち、増幅は、複合プライマーの不在下には観察されない。
本発明の別の局面では、テンプレートポリヌクレオチド、複合プライマー、DNA依存性DNAポリメラーゼ、およびRNA依存性DNAポリメラーゼを含む反応混合には補助プライマーが存在する。本明細書で用いる場合、「補助プライマー」とは、ランダムな、および/または、部分的にランダム化されたプライマー集団を指す。増幅時にランダムプライマー集団を含めることは、増幅産物の生産効率、および/または、増幅産物の大規模再現性(テンプレートがDNAであるかRNAであるかを問わず、テンプレート全体的な、例えば、テンプレートの代表的な増幅を実現する)を強化すると考えられる。
ある局面では、本明細書において、ゲノムDNAの大規模増幅が示される。しかしながら、本発明の増幅法は、ポリヌクレオチドのどのようなプールまたはサブセット(または、所望の増幅程度に応じて、プールまたはサブセットの相当部分を現す複数ポリヌクレオチド)の増幅にも好適である。
従って、1つの局面では、本発明は、テンプレートポリヌクレオチドの増幅法であって、(a)反応混合物をインキュベートする工程で、前記反応混合物は(i)テンプレートポリヌクレオチド、(ii)テンプレートポリヌクレオチドの複数部位にハイブリダイズすることが可能で、RNA部分と3’DNA部分を含む複合プライマーである第1プライマー、(iii)DNA依存性DNAポリメラーゼ、および、(iv)RNA依存性DNAポリメラーゼ(別の酵素として存在してもよいし、あるいは、DNA依存性DNAポリメラーゼとRNA依存性DNAポリメラーゼの両ポリメラーゼ活性を含む酵素として存在してもよい)を含み、インキュベーションは、複合プライマーのランダムハイブリダイゼーション、プライマー伸長、および、プライマー伸長産物のテンプレートポリヌクレオチドからの置換を可能とする条件下で行われ、それによってRNA/DNAの部分的ヘテロ二重鎖が生成される工程;および、(b)反応混合物をインキュベートする工程で、前記反応混合物は(i)工程(a)によって生成された反応産物(またはその一定部分)、(ii)RNA部分と3’DNA部分を含む複合プライマー(第1プライマーと同じであっても、別のプライマーであってもよい)、(iii)DNA依存性DNAポリメラーゼ、および、(iv)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する因子(例えば、酵素)を含み、インキュベーションは、プライマーハイブリダイゼーション、プライマー伸長、RNA/DNAヘテロ二重鎖からのRNAの切断を可能とし、かつ、(a)の複合体において、そのRNAが切断され、別の複合プライマーがテンプレートに結合して伸長される時、(a)の複合体からのプライマー伸長産物の置換(すなわち、鎖置換DNA合成)を可能とする条件下で行われ、それによってポリヌクレオチド(一般的には、DNA)増幅産物の多数コピーが生成される工程を含む方法を提供する。テンプレートポリヌクレオチドがRNAである実施形態では、工程(a)の反応混合物はさらに、(v)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する因子(例えば、酵素)を含み、それによって、テンプレートRNAおよび第1プライマー伸長産物を含む複合体からテンプレートRNAが切断される。ある実施形態では、工程(b)の反応混合物は、工程(a)による反応混合物(またはその一定部分)を含む。別の実施形態では、RNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断する因子(例えば、RNアーゼH)、および、要すれば随意にDNA依存性DNAポリメラーゼを、工程(a)の反応混合物に添加することによって工程(b)を起動する。ある実施形態では、工程(a)および/または工程(b)の反応混合物はさらに、補助プライマーを含む。
別の局面において、本発明は、反応混合物をインキュベートすることによってテンプレートポリヌクレオチドを増幅する方法であって、前記反応混合物は(a)第1プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物からなる複合体であって、第1プライマー伸長産物は、標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズしたランダムプライム型第1プライマーの、DNAポリメラーゼによる伸長によって生成され、第1プライマーはRNA部分と3’DNA部分を含む複合プライマーであり、第1プライマーは、テンプレートポリヌクレオチドの複数部位にハイブリダイズすることが可能であり、第2プライマー伸長産物は、第1プライマー伸長産物にハイブリダイズした第2プライマーの伸長によって生成され、(b)第2プライマー伸長産物にハイブリダイズすることが可能な、RNA部分と3’DNA部分を含む複合プライマー、(c)DNA依存性DNAポリメラーゼ、および(d)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を含み、インキュベーションは、プライマーハイブリダイゼーション、プライマー伸長、RNA/DNAヘテロ2重鎖からのRNA切断を可能とし、かつ、工程(a)の複合体において、そのRNAが切断され、別の複合プライマーが結合して伸長される時、複合プライマーの、工程(a)の複合体からの置換を可能とする条件下で行われ、それによってポリヌクレオチド増幅産物の多数コピーが生成される方法を提供する。ある実施形態では、第1プライマー伸長産物および/または第2プライマー伸長産物は、補助プライマーの存在下に生成される。
テンプレートポリヌクレオチドがRNAである本発明の別の局面では、テンプレートRNAは、複合プライマーのランダムハイブリダイゼーションおよびプライマー伸長の後で切断される。テンプレートRNAは、従来技術でよく知られた方法、例えば、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する因子(例えば、RNアーゼHのような酵素)による切断、熱処理による切断、および化学的処理(例えば、アルカリ性条件下における処理)による切断を含む方法によって切断することが可能である。ある実施形態では、本発明は、反応混合物をインキュベートする方法であって、前記反応混合物は(a)RNAテンプレート、(b)複合プライマーであって、RNA部分と3’DNA部分とを含み、テンプレートRNAの複数部位にハイブリダイズすることが可能な複合プライマー、(c)DNA依存性DNAポリメラーゼ、(d)RNA依存性DNAポリメラーゼ、および、(e)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断することができる酵素を含み、インキュベーションは、複合プライマーのランダムハイブリダイゼーション、プライマー伸長、RNA/DNAヘテロ2重鎖からのテンプレートRNAの切断を可能とし、それによってRNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体が生成される方法を提供する。RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体は、前述のようにその後の増幅(すなわち、単一プライマー等温増幅)用の基質となる。ある実施形態では、反応混合物に補助プライマーが含まれる。
テンプレートポリヌクレオチドはまた、cDNA合成によってRNAテンプレートから調製されてもよい。cDNA合成は、標準法、例えば、適当な反応条件(例えば、温度、pH、およびイオン条件)において、dNTPの存在下、ランダムプライマー(例えば、ランダムヘキサマー・デオキシオリゴヌクレオチド)によるプライミングおよびRNA依存性DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)によるプライマー伸長方法を用いて実現してもよい。実施が必要なのは、第1鎖cDNA合成のみである。なぜなら、本発明の方法に従って増幅が可能なDNAポリヌクレオチドを生産するのは第1鎖cDNA合成だからである。
本発明の方法は、増幅産物を使用する方法(所謂「応用」)を含む。本発明はさらに、本発明の増幅法の産物を使用する(通常、分析する)方法、例えば、核酸変異検出法(遺伝子タイピング法を含む)、目的の配列の有無の決定、目的の配列の定量、不動化核酸の調製、比較ゲノムハイブリダイゼーション、新規核酸配列の発見、および、本発明の方法によって生成された増幅核酸配列による核酸の特性解明のような方法を提供する。
本発明の方法の内から任意に選択される方法を用いて、サンプルにおける対象ポリヌクレオチド配列の特性解明に好適なポリヌクレオチド産物を生成することが可能である。1つの実施形態において、本発明は、対象ポリヌクレオチド配列の特性を解明する(例えば、(有無を)検出する、および/または、定量する)ための方法であって、(a)本明細書に記載される方法の内から任意に選択される方法を用いて標的ポリヌクレオチドを増幅すること、および、(b)増幅産物を分析することを含む方法を提供する。増幅産物を分析する工程(b)は、従来技術で既知の方法または本明細書に記載される方法の内から任意に選択される方法、例えば、プローブにハイブリダイズする増幅産物を検出および/または定量することによって実行することが可能である。これらの増幅産物は標識されてもよいし、されていなくてもよい。本発明の方法の内から任意に選択される方法を用いて、方法の適当な工程において標識ヌクレオチドおよび/または標識複合プライマーを取り込ませることによってポリヌクレオチド(例えば、DNA)産物を生成することが可能である。これらの標識産物は、cDNAマイクロアレイおよびオリゴヌクレオチドアレイのようなアレイの使用を含む、従来技術で既知の方法による定量および/または検出には特に好適である。
本発明は、本発明の増幅法を用いてポリヌクレオチド産物を生成し、その産物を、検出/定量法、例えば、アレイ技術、または溶液相技術に基づく検出/定量法を用いて分析することによって対象のポリヌクレオチド配列の特性を解明する(例えば、有無を検出する、および/または、定量する)方法を提供する。これらの増幅産物は標識されてもよいし、されていなくてもよい。
本発明の方法を用いて、ポリヌクレオチドのプール(または、所望の増幅程度に応じて、プールの相当部分を代表するポリヌクレオチド)を増幅して、後続分析のために十分な投入材料を生成してもよい。従って、本明細書に記載されるように、増幅産物はまた、例えば、配列決定、多型検出、例えば、オリゴヌクレオチド連結を基礎としたアッセイによる多型検出(多重SNP検出を含む)、Invader、Cleavase、またはプライマー制限伸長による分析等の、後続分析のためのテンプレートとして使用することも可能である。増幅産物はまた、本発明の方法、または、従来技術で既知の、他の増幅法にる後続増幅用テンプレートとして使用してもよい。
さらに別の実施形態では、本発明は、本発明の増幅法による増幅産物を用いた、核酸のマイクロアレイを生成する方法を含めた、核酸を不動化する方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、cDNAライブラリーの生成法、サブトラクティブハイブリダイゼーション・プローブの生成法、および、サブトラクティブハイブリダイゼーション・ライブラリーの生成法を提供する。
(発明の利点)
核酸の大規模増幅についてはこれまでにも様々な方法が開発されている。PCRによる方法、例えば、PEPは、非特異的増幅アーチファクトを生成したり、取り扱う座位の範囲が不完全であったり、多くの用途に使用できないほど不十分な長さのDNA産物しか生成しなかったりすることがある。さらに、PCRによる方法は、増幅され易い産物を生成するというPCR反応に特徴的な性向の問題を抱えており、そのために、増幅反応産物においてゲノム配列は偏って表示される。さらに、PCRによる方法は、厄介な熱サイクル工程を必要とする。
さらに、近年、遺伝子発現レベルを検出・定量するための方法がいくつか開発されている。例えば、定義されたcDNAまたはオリゴヌクレオチドのいずれかが、例えば、固体または半固体基板上の、または規定された粒子上の不連続部位に不動化されたマイクロアレイによって、ある任意の標本における多数遺伝子の発現を検出および/または定量することが可能である。これらの既知の方法を用いてサンプル中の多数のRNA分子種の有無を検出し、および/または、定量し、次に遺伝子発現プロファイリングの尺度として使用するためには、一般にcDNAを直接標識することが必要であり、そのためにはまた大量の全体投入RNAが必要とされる。従って、mRNAを分析するために、ある任意の細胞または組織サンプルの全体RNA調製物を用いる場合、アレイのような方法によるサンプルの遺伝子発現の分析には、一般に、50から200μg範囲の相当量の投入RNAを必要とする。同様に、アレイ技術によって遺伝子発現プロファイリングの単一分析のためには、一般に、全体RNA調製物から精製された2から5μgのmRNAが必要とされる。これは、必要な細胞数、または組織標本のサイズが極めて大きいので、アレイ技術に基づく方法にとっては明らかな制限となるが、しかも、これほどの細胞または組織標本を試験に利用することは、多くの場合ほとんど不可能か、または高価すぎる。この制限は、試験対象となる細胞が数少なく、および/または、インビトロで培養するのが困難な臨床標本の試験においては、また、エフェクター分子のライブラリー対する高処理スクリーニングにおいては殊に厳しい。さらに、従来の、転写によるmRNA増幅法(例えば、Lockhart et al,Nature Biotechnology(1996),14,1675−1680;van Gelder et al.,米国特許第5,716,785号に記載される)は、DNA依存性RNAポリメラーゼの増幅効率に限定され、これらの方法のいくつかは多段工程を必要とする。さらに、ポリメラーゼプロモーター配列が組み込まれる過程は非特異的増幅を生じ易い。
本発明の方法は、テンプレートポリヌクレオチド(RNAとDNAの両方を含む)を効率的に増幅する能力を提供する。従って、本発明の増幅産物を用いることが可能な検出/定量法、例えば、アレイ技術に基づくもの、リアルタイムPCR、定量的TaqMan、分子ビーコンによる定量的PCR等の有用性は大きく強調される筈である。
本発明の方法は熱サイクル工程を必要とせず、工程は全て等温的に実施が可能である。ただし、各種工程は異なる温度で実施してもよい。この特質によって、数多くの利点、例えば、自動化の促進および高処理過程への適応を含む利点が得られる。等温反応は、一般に、熱サイクル工程によって得られるものよりも高速であり、本発明の方法を小型装置で実行するには好適である。
開始サンプルにおける核酸配列の表示を全体として変えない条件の下でテンプレートポリヌクレオチド配列(例えば、ゲノムDNA)のプールを効率的に増幅することを可能とすることは、強力なアレイ技術に基づく方法による検出法・定量法の有用性を大きく向上させる。
本発明の方法によってランダムな複製起動によるRNAの効率的増幅を可能とすることは、サンプル中の配列プールの全配列(または、所望の増幅度に応じてプールの相当部分を代表する配列)、例えば、サンプルのmRNA分子種の全長を表示する配列表示する手段を提供する。本発明の方法は、増幅を起動するのにオリゴdTプライマー(mRNAのポリA尾部に結合するための)に依存しない。従って、本方法は、非ポリA尾部RNA、例えば、非コードRNAおよび非真核細胞種のRNAを増幅するのにも使用が可能である。本発明の方法は、サンプルの配列に関して事前の知識を必要としないから、新規転写物の発見に、仮それらが低量でしか存在せず、および/または、非コード転写物を表すものであったとしても、好適である。一般的に調製物中の核酸配列の表示を変えない条件下でRNAを効率的に増幅が可能となることによって、強力なアレイ技術による検出法/定量法の有用性が大きく増強される。
(一般的技術)
別様に断らない限り、本発明の実施は、従来技術の錬度の範囲内にある、分子生物学(組み換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学、および免疫学の通例技術を用いる。このような技術は、文献において、例えば、“Molecular Cloning:A Laboratory Manual,”第2版(Sambrook et al.,1989);“Oligonuleotide Synthesis”(M.J.Gait編、1984);“Animal Cell Culture”(R.I.Freshney編、1987);“Methods in Enzymology”(Academic Press,Inc.);“Current Protocols in Molecular Biology”(F.M.Ausubel et al.編、1987、および、定期的な改版);“PCR:The Polymerase Chain Reaction,”(Mullis et al.,1994)に十分に説明されている。
本発明に使用されるプライマー、オリゴヌクレオチド、およびポリヌクレオチドは、従来技術で既知の標準技術を用いて生成することが可能である。
(定義)
本明細書で用いられる「テンプレート」、「テンプレート鎖」、「テンプレートポリヌクレオチド」、「テンプレートDNA」、「標的配列」、「標的核酸」または「標的DNA」、「標的ポリヌクレオチド」、「テンプレートRNA」または「標的RNA」は、増幅したいと思うポリヌクレオチドである。テンプレートポリヌクレオチドは、DNAまたはRNAを含むことが可能である。テンプレート配列は、実際の配列に関して既知であっても、未知であってもよい。一般に、「標的」、「テンプレート」、およびそれらの類義語は、相互交換的に使用される。
本明細書で用いられる「増幅」または「増幅する」とは、一般に、所望の配列の複数コピーを生産する過程を指す。「複数コピー」とは、少なくとも2個のコピーを意味する。「コピー」とは、そのテンプレート配列に対し、完全な配列相補、または同一であることを必ずしも意味しない。例えば、コピーは、デオキシイノシンのようなヌクレオチド類縁体、意図的な配列変更(例えば、テンプレートに対してハイブリダイズ可能ではあるが、相補的ではない配列を含むプライマーによって導入された配列変更、または、プライマーを介して導入された非標的配列)、および/または、増幅時に起こる配列エラーを含むことが可能である。配列を「増幅する」ということは、一般には、前述のように、コピー製作はテンプレート配列に対して完全な配列相補性あるいは同一性を必ずしも意味しないという理解の下に、配列またはその相補体のコピーを製造することを指す。
本明細書において相互交換的に使用される「ポリヌクレオチド」または「核酸」とは、任意の長さのヌクレオチドポリマーを指し、DNAとRNAを含む。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾されたヌクレオチドまたは塩基、および/または、その類縁体、あるいは、DNAまたはRNAポリメラーゼによってポリマー中に組み込みが可能な任意の基質であってもよい。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチドおよびその類縁体のような修飾されたヌクレオチドを含んでもよい。含める場合には、ヌクレオチド構造に対する修飾は、ポリマーの集結の前または後に付与されてよい。ヌクレオチド配列は、非ヌクレオチド成分によって中断されてもよい。ポリヌクレオチドは、重合の後で、標識成分との合等によってさらに修飾されてもよい。その他の修飾タイプとしては、例えば、「キャップ」、1個以上の天然ヌクレオチドの、類縁体による置換、ヌクレオチド間修飾、例えば、無電荷結合を伴う修飾(例えば、メチルフォスフォネート、フォスフォトリエステル、フォスフォアミデート、カルバメート等)、荷電結合(例えば、ホスホチオエート、ホスホジチオエート等)を伴う修飾、懸垂基、例えばタンパク(例えば、ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリLシン等)を含む修飾、介在因子による修飾(例えば、アクリジン、ソラレン等)、キレート剤を含む修飾(例えば、金属、放射性金属、ホウ素、酸化的金属等)、アルキル化剤を含む修飾、修飾型結合を伴う修飾(例えば、アルファアノマー核酸等)を始め、ポリヌクレオチドの未修飾形が挙げられる。さらに、通常糖類に存在するヒドロキシル基の内から選択される任意の基が、例えば、フォスフォン酸基、またはリン酸基によって置換されてもよいし、標準的保護基によって保護されてもよいし、あるいは活性化されて、さらに別のヌクレオチドに対する追加の基を形成してもよいし、あるいは固相支持体に接合されてもよい。5’および3’末端OHは、フォスフォリル化されてもよいし、あるいは、アミン、または1から20個の炭素原子を持つ有機キャップ基成分によって置換されてもよい。他のヒドロキシル基は、誘導体として標準的保護基を形成してもよい。ポリヌクレオチドはまた、従来技術で一般的に知られるリボースまたはデオキシリボース糖の類似形態、例えば、2’−O−メチル−、2’−O−アリル、2’−フルオロ−、または2’−アジド−リボース、炭素環式糖類縁体、α−アノマー糖、エピマー糖、例えばアラビノース、キシロース、またはリキソース、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース、非環状類縁体、および、塩基性ヌクレオシド類縁体、例えばメチルリボシドを含むことも可能である。1つ以上のフォスフォジエステル結合が別の結合基によって置換されてもよい。これら別の結合基としては、リン酸基が、P(O)S(「チオエート」)、P(S)S(「ジチオエート」)、(O)NR(「アミデート」)、P(O)R、P(O)OR’、CO、またはCH(「フォルムアセタール」)によって置換される実施形態が挙げられるが、ただしそれらには限定されない。なお、上式において、RまたはR’の各々は、独立に、H、または要すれば随意にエーテル(−O−)結合を含む置換または未置換アルキル(1−20C)、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、またはアラルジルである。ポリヌクレオチド中の結合の必ずしも全てが同じである必要はない。前述の記述は、RNAおよびDNAを含め、本明細書に記述される全てのポリヌクレオチドに適用される。
本明細書で用いられる「標識dNTP」または「標識rNTP」は、それぞれ、直接または間接的にラベルと付着したdNTPまたはrNTP,またはその類似体を指す。例えば、「標識」dNTPまたはrNTPは、例えば、色素および/または検出可能な成分、例えば、特異的結合ペア(例えば、ビオチン−アビジン)のメンバーによって直接標識されてもよい。「標識」dNTPまたはrNTPはまた、ラベルが付着する/することができる、例えば、成分に付着されることによって間接的に標識されてもよい。dNTPまたはrNTPは、該dNTPまたはrTPが伸長産物に取り込まれた後で、ラベルが付着し得る成分(例えば、アミノ基)を含んでもよい。本発明において有用なラベルとしては、蛍光色素(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、テキサスレッド、ローダミン、緑色蛍光タンパク質等)、放射性同位元素(例えば、H、35S、32P、33P、125I、または14C)、酵素(例えば、LacZ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ)、ジゴキシゲニン、および、比色計ラベル、例えば、コロイド状金、または、有色ガラスまたはプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックス等)のビーズが挙げられる。各種抗リガンド、およびリガンドも使用が可能である(ラベル自体として、または、ラベルを付着させる手段として)。天然の抗リガンドを持つリガンド、例えば、ビオチン、サイロキシン、およびコルチゾールの場合、リガンドは、標識抗リガンドと組み合わせて使用することが可能である。
本明細書で用いるdNTPまたはrNTPの「タイプ」とは、ヌクレオチドの特定の塩基、すなわち、アデニン、シトシン、チミン、ウリジン、またはグアニンを指す。
本明細書で用いる「オリゴヌクレオチド」は、短い、一般に1本鎖の、一般に長さが約200ヌクレオチド未満(しかし必ずしもそうでなくともよい)の、一般に合成ポリヌクレオチドを一般に指す。本発明のオリゴヌクレオチドは、複合プライマーと補助プライマーを含む。「オリゴヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」という用語同士は相互排除的ではない。ポリヌクレオチドに関する上の記述は、オリゴヌクレオチドにも等しく、十分に適用される。
本明細書で用いる「プライマー」は、テンプレート配列(例えば、標的ポリヌクレオチド、標的DNA、または、プライマー伸長産物)にハイブリダイズする遊離3’−OH基を含み、テンプレートに対して相補的なポリヌクレオチドの重合を促進することが可能である。「プライマー」は、例えば、オリゴヌクレオチドであることが可能である。
本明細書で用いる「補助プライマー」とは、ランダム化および/または部分的ランダム化配列を含むプライマーの集団である。補助プライマーは本明細書に記載されるポリヌクレオチドである。ただし、一般的には補助プライマーはDNAから構成される。ランダムプライマーは従来技術で既知であり、市販されている。補助プライマーの例としては、実施例1に示されるランダム化ヘキサマープライマーの集団がある。
「抑制する」というのは、参照と比較した場合に、活性、機能、および/または量を減少または低下させることである。
本明細書で用いる「ランダムにプライミングする」または「ランダムハイブリダイゼーション」とは、複合プライマーが、テンプレートポリヌクレオチド内の複数部位にハイブリダイズすることを意味する。
本明細書で用いる「RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体」とは、(a)テンプレートポリヌクレオチドのコピー、および/または、複合プライマー配列に付属するテンプレートポリヌクレオチド配列の相補体のコピー、および、(b)テンプレートポリヌクレオチドのコピー、および/または、複合プライマー配列の相補体に付属するテンプレートポリヌクレオチドの相補体のコピーを一般的に含む、中間体複合体の集団を一般的に指す。中間体複合体の中に複合プライマー配列が存在することによって、その複合体は少なくともRNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含むことになる。この部分的ヘテロ二重鎖のRNA部分は、一般に、複合プライマーのRNA部分によって(伸長を通じて)導入され、この部分的ヘテロ二重鎖のDNA部分は、複合プライマーのRNA部分の相補体を含む。本明細書において先に論じたように、RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体は、後段増幅において、本法の単一プライマー等温性増幅相の際に基質として機能する。一般に、RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖のRNAは切断されて、複合プライマーのRNAに対して相補的な配列を持つ(従って、複合プライマーに対する結合部位を形成する)3’単一鎖部分を生成する。従って、「3’単一鎖部分を含む複合体」への言及は、一般に、RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖であって、そのRNAが切断されたヘテロ二重鎖を含む複合体を指す。
「複合体」とは、複数の成分の集合体である。複合体は、安定であってもなくてもよく、直接または間接に検出されてもよい。例えば、先に述べたように、反応のいくつかの成分、および、反応の産物のタイプを考慮すれば、複合体の存在は推測が可能である。本発明の目的にとっては、複合体は、一般的に、最終増幅産物に対して中間体である。複合体の例としては、上述したように、複合プライマー伸長産物と第2複合プライマー伸長産物からなる複合体がある。
ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの「部分」または「領域」は、本明細書では相互交換的に使用されるが、2個以上の塩基からなる一連の配列である。別の実施形態では、領域または部分は、少なくとも、3、5、10、15、20、25、またはそれを超える連接ヌクレオチドの内から任意に選択されるヌクレオチドである。
別の配列に「隣接する」領域、部分、または配列は、その領域、部分、または配列に直接接触する。例えば、複合プライマーの5’DNA部分に隣接するRNA部分はその領域に直接接触する。
「反応混合物」は、適当な条件下で反応して、複合体(中間体であるかも知れない)および/または産物を形成する、複数成分の集合体である。
“A,”“an,”および“the”などは、別様に指示しない限り、複数形を含む。“A”断片は1個以上の断片を意味する
ある事象、例えば、ハイブリダイゼーション、鎖伸長等が起こることを「可能とする」条件、または、ある事象が起こるのに「適当な」条件、または、「適当な」条件とは、そのような事象が起こるのを妨げない条件である。従って、これらの条件は、その事象を可能とする、強化する、促進する、および/または、その事象に導く。従来技術で既知であり、本明細書にも記述されるこのような条件は、例えば、ヌクレオチド配列の性質、温度、およびバッファー条件に依存する。これらの条件はまた、所望の事象、例えば、ハイブリダイゼーション、切断、および/または、鎖伸長にも依存する。
本明細書で用いる配列「変異」とは、参照配列と比べた場合の、目的の配列における配列変化を指す。参照配列は、野生型配列か、または、それと目的の配列とを比べて見たいと思う配列であってもよい。配列変異としては、置換、トランスバージョン、欠失、または挿入のような機構によって起こる単一ヌクレオチド変化、または、配列における1をえるヌクレオチドの変化が挙げられる。一塩基多型(SNP)も本明細書で用いられる配列変異である。
「マイクロアレイ」および「アレイ」は本明細書では相互交換的に使用されるが、しばしば未確定の特性を持つ生化学サンプル(標的)に対して、結合が予想される部位(例えば、ハイブリダイゼーションによって)を持つアレイ、好ましくは定序アレイを備える表面を含む。好ましい実施形態では、マイクロアレイは、基板の定義された場所に不動化された、個々別々のポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドプローブの集合体を指す。アレイは、材料、例えば、紙、ガラス、プラスチック(例えば、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン)、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、シリコン、光ファイバー、またはその他適当な任意の固形または半固形支持体のような材料から製造され、平面形状(例えば、ガラスプレート、シリコンチップ)、または三次元(例えば、ピン、ファイバー、ビーズ、粒子、マイクロタイターウェル、毛細管)形状に構成された基板上に形成される。アレイを形成するプローブは、例えば、下記の複数のやり方から選択される任意の数の方法を選んで基板の上に付着されてもよい。すなわち、(i)フォトリソグラフィー技術によるインサイチュ合成(例えば、高密度オリゴヌクレオチドアレイ)(Fodor et al.,Science(1991),251:767−773;Pease et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.(1994),91:5022−5026;Lockhart et al.,Nature Biotechnology(1996),14:1675;米国特許第5,578,832、5,556,752、および5,510,270号を参照のこと)、(ii)ガラス、ナイロン、またはニトロセルロース上に中等から低密度での(例えば、cDNAプローブを)スポット滴下/印刷(Schena et al.,Science(1995),270:467−470;DeRisi et al.,Nature Genetics(1996),14:457−460;Shalon et al.,Genome Res.(1996),6:639−645;およびSchena et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.(1995),93:10539−11286)、(iii)マスキングによるもの(Maskos and Southern,Nuc.Acids.Res.(1992),20:1679−1684)、および、(iv)ナイロンまたはニトロセルロースハイブリダイゼーション膜に対するドットブロッティングによるもの(例えば、Sambrook et al.編,1989,“Molecular Cloning:A Laboratory Manual,”第2版、1−3巻、Cold Spring Harbor Laboratory(Cold
Spring Harbor、ニューヨーク州)を参照)。プローブは、アンカーに対するハイブリダイゼーションによって、磁ビーズによって、または、マイクロタイターウェルまたは毛細管における液相として、基板に対して非共有結合で不動化されてもよい。プローブ分子は、一般には、核酸、例えば、DNA、RNA、PNA、およびcDNAのような核酸であるが、タンパク、ポリペプチド、オリゴ糖、細胞、組織、および、標的分子に特異的に結合することが可能な、それらの任意の置換を含んでもよい。
「3’」という用語は、一般に、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドにおいて、同じポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの別の領域または位置よりも、3’側の(下流の)領域または位置を指す。
「5’」という用語は、一般に、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドにおいて、同じポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの別の領域または位置よりも、5’側の(上流の)領域または位置を指す。
「3’−DNA部分」、「3’−DNA領域」、「3’−RNA部分」、および「3’−RNA領域」という用語は、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドにおいて、該ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの3’末端側に位置する部分または領域を指し、その同じポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドのもっとも3’側のヌクレオチド、または、もっとも3’側のヌクレオチドに付着する成分を含んでもよいし、含まなくともよい。もっとも3’側のヌクレオチドは、好ましくは、約1から約50個の、より好ましくは約10から約40個の、さらにより好ましくは約20から約30個のヌクレオチドであり得る。
「5’−DNA部分」、「5’−DNA領域」、「5’−RNA部分」、および「5’−RNA領域」という用語は、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドにおいて、該ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの5’末端側に位置する部分または領域を指し、その同じポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドのもっとも5’側のヌクレオチド、または、もっとも5’側のヌクレオチドに付着する成分を含んでもよいし、含まなくともよい。もっとも5’側のヌクレオチドは、好ましくは、約1から約50個の、より好ましくは約10から約40個の、さらにより好ましくは約20から約30個のヌクレオチドであり得る。
本明細書で用いる、産物が「欠如する」または、産物の「欠如」、および「産物検出不能」とは、一般的には産物の目立った蓄積が無いことによる、微々たるレベル、または最小レベルを含む。
特許法における既に確立した原則に従って、“comprising”とは“including”を意味する。
(本発明の増幅法)
下記は本発明の増幅法の例である。既に一般的な記述が与えられたのであるから、その他にも各種の実施形態が実施可能であることが理解される。例えば、複合プライマー使用への言及は、本明細書に記載される複合プライマーの内から任意に選択される複合プライマーの使用が可能であることを意味する。
(複数のテンプレートポリヌクレオチド部位にハイブリダイズする複合プライマーを用いる増幅)
本発明は、DNAおよびRNAテンプレートポリヌクレオチドを含むテンプレートポリヌクレオチド内部の複数部位に結合することが可能な複合プライマーによる大規模増幅法を提供する。
一般に、本発明の方法は2つの相を含む、すなわち、(a)複合プライマーのランダムハイブリダイゼーション、プライマー伸長、および、鎖置換による複合プライマー伸長産物の置換であって、RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体が生成される相、および、(b)複合プライマー依存性単一プライマー等温性増幅相である。
従って、本発明の方法は下記のように動作する。(a)反応混合物をインキュベートする工程であって、前記反応混合物は(i)テンプレートポリヌクレオチド、(ii)複合プライマーである第1プライマーで、前記複合プライマーはRNA部分と3’DNA部分とを含み、テンプレートポリヌクレオチドの複数部位にハイブリダイズすることが可能である第1プライマー、(iii)DNA依存性DNAポリメラーゼ、および、(iv)RNA依存性DNAポリメラーゼ(別の酵素として存在してもよいし、あるいは、DNA依存性DNAポリメラーゼとRNA依存性DNAポリメラーゼの両ポリメラーゼ活性を含む酵素として存在してもよい)を含み、インキュベーション工程は、複合体プライマーのランダムハイブリダイゼーション、プライマー伸長、および、ある実施形態では、プライマー伸長産物のテンプレートポリヌクレオチドからの置換を可能とする条件下で行われ、それによって、RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体が生成される工程、および、(b)反応混合物をインキュベートする工程で、前記反応混合物は(i)工程(a)によって生成された反応産物(またはその一定部分)、(ii)複合プライマー(第1プライマーと同じであってもよいし、第1プライマーとは異なるプライマーであってもよい)、(iii)DNA依存性DNAポリメラーゼ、および、(iv)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する因子(例えば、酵素)を含み、インキュベーションは、プライマーハイブリダイゼーション、プライマー伸長、RNA/DNAヘテロ二重鎖からのRNAの切断を可能とし、かつ、プライマー伸長産物において、そのRNAが切断され、別の複合プライマーがテンプレートに結合して伸長される時、プライマー伸長産物の置換を可能とする条件下で行われ、それによってポリヌクレオチド(一般的には、DNA)増幅産物の多数コピーが生成される工程である。ある実施形態では、工程(b)の反応混合物は、工程(a)による反応混合物(または、その一定部分)を含む。別の実施形態では、工程(b)は、工程(a)の反応混合物に、RNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断する因子(例えば、RNアーゼH)を添加することによって起動される。テンプレートポリヌクレオチドがRNAである実施形態では、工程(a)の反応混合物はさらに、RNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断する因子(例えば、酵素)を含む。
((a)複合プライマーのランダムハイブリダイゼーション、プライマー伸長、および、鎖置換による複合プライマー伸長産物の置換)
法は、一般に、特異的に設計されたプライマー、一般的にRNA/DNA複合プライマーを使用することを含む。本増幅法の第1相では、複合プライマーを用いて、テンプレートポリヌクレオチド(例えば、ゲノムDNA)にランダムにプライミングさせる。本明細書で用いる「ランダムにプライミングする」または「ランダムハイブリダイゼーション」とは、複合プライマーが、テンプレートポリヌクレオチド内部の複数部位にハイブリダイズすることを意味する。我々は、ある種の複合プライマーは、テンプレートポリヌクレオチドの内部の複数部位に結合する(一般に、ランダムプライマーハイブリダイゼーションを促進する条件下で)こと、従って、本発明の方法に使用するのに特に好適であることを発見した。一般に、好適な複合プライマーは、テンプレート核酸の複数配列に対し、特に、複合プライマーの3’配列において、部分的相同性を示す、従って、複合プライマーは、少なくとも、テンプレートポリヌクレオチドにランダムにプライミングすることが可能な(特に、ランダムプライマーハイブリダイゼーションを可能とする条件下で)3’DNA部分を含む。複合プライマーの選択と設計を下記にさらに記載する。
本発明の方法に使用される複合プライマーの各種実施形態をここに記載する。例えば、図1は、本発明の方法に有用な複合プライマーの1つの実施形態を示す。図に示されるように、複合プライマーは、その3’末端にDNA部分を、その5’末端にRNA部分を含む。本明細書で論じるように、3’DNA部分が、5’方向において、RNA部分につながり、それがさらにDNA部分につながる、そのような複合プライマーを用いることも可能である。これら分節のそれぞれの長さは、一般に、増幅効率が最大になるように決定される。ある実施形態では、標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズする複合プライマーと、単一プライマー等温性増幅の際に用いられる複合プライマーとは同じである。ある実施形態では、標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズする複合プライマーと、単一プライマー等温性増幅の際に用いられる複合プライマーとは異なる。
ある配列(またはテンプレート)に結合する(ハイブリダイズする)プライマーに対する言及は、そのプライマーの少なくとも一部がハイブリダイズされた実施形態ばかりでなく、プライマー全体がハイブリダイズされた実施形態をも含む。従って、これから説明が明らかにするように、ある配列にハイブリダイズするプライマーに対する言及は、そのプライマーの少なくとも一部がハイブリダイズされた実施形態ばかりでなく、プライマーの2つ(またはそれを超える部分)が、プライマーのハイブリダイズされない(ループアウト)部分によって隔てられてハイブリダイズされる実施形態をも含む。例えば、図2は、テンプレートポリヌクレオチドの複数位置にハイブリダイズする単一複合プライマーを示す。図では、複合プライマーの様々の部分が、そのハイブリダイズされる部位(配列)に応じて、テンプレートポリヌクレオチドにハイブリダイズされる。従って、本発明の方法によれば、DNAポリメラーゼによるプライマー伸長を起動するためには、複合プライマーの3’−末端の一部だけでもハイブリダイズしなければならない。ある実施形態では、プライマー伸長が起動されるためには、例えば、プライマーの3’末端の僅かに2、3、4、5、6、7、8個、またはそれを超えるヌクレオチドがハイブリダイズする必要がある。複合プライマーの3’最末端部のハイブリダイゼーションは、プライマーの別部分のさらなるハイブリダイゼーション(介在プライマー部分がループアウトであると、ないとを問わず)によって様々の程度に安定化される。プライマー伸長の開始によって複合プライマーのハイブリダイゼーションを強化し(例えば、安定化し)、従ってプライマーハイブリダイゼーションを安定化するために、プライマーハイブリダイゼーションの際にDNAポリメラーゼを含めることも可能である。
複合プライマーのテンプレートポリヌクレオチドに対するランダムハイブリダイゼーションは、一般に、ランダム(非特異的)プライマーハイブリダイゼーションを可能とする条件下で起こる。このような条件は、従来技術でよく知られるが、下記が挙げられる、すなわち、プライマーハイブリダイゼーションおよび/またはプライマー伸長の際に厳格度の低下(温度低下および/または厳格度を下げるバッファー条件を含む)、複合プライマーの選択および/または設計(本明細書で後述)、および、複合プライマーとテンプレートの濃度である。ハイブリダイゼーションの厳格度、複合プライマーの選択および/またはプライマー濃度を用いて複合プライマーハイブリダイゼーションの頻度を制御すること、従って、増幅産物におけるテンプレート配列のカバー範囲および/または表示を制御することが可能であることが理解される。上述のように、本発明のある局面は、テンプレートの下流位置にハイブリダイズした複合プライマーのプライマー伸長の際に、介在プライマー伸長産物を置換し、プライマー伸長産物をテンプレートポリヌクレオチドから置換させることである。鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼを用いるのが好ましい。
複合プライマーのランダムハイブリダイゼーション、プライマー伸長、および、鎖置換によるプライマー伸長産物の置換は、RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む多数の複合体をもたらす。この複合体は、(a)テンプレートポリヌクレオチドのコピー、および/または、複合プライマー配列に付属する(伸長を通じて)ポリヌクレオチド配列の相補体のコピー、および、(b)テンプレートポリヌクレオチドのコピー、および、複合プライマー配列の相補体に付属する(伸長を通じて)テンプレートポリヌクレオチドの相補体のコピーを含む。一般に、複合体のRNA部分は、複合プライマーによって導入される。
ある実施形態では、RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体の生成は下記の工程を含む、すなわち、(i)複合プライマーの伸長産物の形成、および(ii)第1プライマー伸長産物に沿う、プライマー伸長による第2プライマー伸長産物の形成である。例えば、ある実施形態では、RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体は下記のように生成される、すなわち、テンプレートポリヌクレオチド鎖の複数部位に対する、複合プライマーのランダムハイブリダイゼーションの後に、DNAポリメラーゼが、テンプレート鎖に沿って複合プライマーを伸長し、ポリヌクレオチドテンプレート鎖に対して相補的な、複合プライマー伸長産物を生成する。プライマー伸長は、テンプレートの上流部位にハイブリダイズしたプライマーから伸長した鎖に向かって延び、その鎖を置換する。従って、上記のように、本発明のある局面は、テンプレートの下流部位にハイブリダイズした複合プライマーのプライマー伸長時における介在プライマー伸長産物置換であり、それによって、複合プライマー伸長産物が、テンプレートポリヌクレオチドから置換させられることである。図3は、テンプレート鎖の複数部位にハイブリダイズした複合プライマーからのプライマー伸長を示し、その際、複合プライマー伸長産物は、テンプレート鎖の下流部位にハイブリダイズしたある複合プライマーからのプライマー伸長によって置換させられている。
置換させられる複合プライマー産物は、5’RNA部分を含む、5’末端の複合プライマー配列を含む。都合のために、言及は「ある」複合プライマー伸長産物としかされていないが、複数の複合プライマー伸長産物が、複合プライマー配列に付属する(伸長を通じて)複数のテンプレートポリヌクレオチド配列の相補体として生成されることが理解される。図4は、複数の標的ポリヌクレオチド入れの相補体を含む配列に連結した(伸長によって)複合プライマー1を含む複合プライマー伸長産物の集合を示す。
置換複合プライマー伸長産物をテンプレートとして用いて、第1プライマー伸長産物に対して相補的な第2プライマー伸長産物が、複合プライマー伸長産物のDNA部分に沿って、DNA依存性DNAポリメラーゼによって生成され、複合プライマー伸長産物の5’RNA部分に沿って、RNA依存性DNAポリメラーゼによる伸長によって、末端にRNA/DNA複合体を含む2本鎖複合体が生成される。第2プライマー伸長産物の生成は、図5に描かれるように、複合プライマーによってランダムにプライミングされてもよい。あるいは別に、第2プライマー伸長産物は、別の複合プライマー伸長産物の3’末端によってプライミングされてもよい。第2鎖生産が、外来の(添加された)プライマー、および/または、テンプレートRNA(内在性プライマー)の断片によってプライミングされる、さらに別の実施形態が後述される。
((b)RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体をテンプレートとして用いて行う単一プライマー等温性増幅)
単一プライマー等温性増幅と命名される本発明の第2相では、RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体が、下記のように、後段増幅の基質となる。すなわち、RNA/DNAハイブリッドからRNA配列を切断する酵素(例えば、RNアーゼH)は、部分的ヘテロ二重鎖からRNAを切断し、3’単一鎖DNA配列を含む、部分的2本鎖ポリヌクレオチド複合体を残す。この3’単一鎖配列(RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体においてRNAを切断することによって形成される)は、一般に、複合プライマーのRNAの相補体であり、従って、複合プライマー(第1複合プライマーと同じであっても、同じでなくともよい)に対する特異的結合部位を形成する。DNA依存性DNAポリメラーゼによる、結合複合プライマーの伸長は、プライマー伸長産物を生産し、これは、以前に結合した切断されるプライマー伸長産物を置換し、そのためにポリヌクレオチド(一般に、DNA)産物が蓄積される。例えば、米国特許第6,251,639および6,692,918号を参照されたい。図6は、複合プライマー、および、RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体を、後段増幅のためのテンプレートとして用いた場合の、DNA産物の増幅を示す。
RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体を、後段増幅(単一プライマー等温性増幅とも呼ばれる)のテンプレートとして用いる増幅は、一般に、複合プライマーハイブリダイゼーション、プライマー伸長、RNA/DNAハイブリッドからのRNAの切断、および、鎖置換を可能とする条件下で行われる。複合プライマーが、一般に複合プライマー配列の少なくとも一部の相補体を含む(RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体のRNAを切断することによって形成される、部分的に2本鎖のポリヌクレオチドの)3’単一鎖部分にハイブリダイズする限り、複合プライマーハイブリダイゼーションは、特異的ハイブリダイゼーションを可能とする条件下にあると言ってよい。従って、ある実施形態では、反応条件は、厳格なハイブリダイゼーション(すなわち、全体的に互いに相補的である配列同士のハイブリダイゼーション)を可能とする。本明細書の説明から明らかなように、別の実施形態では、反応条件はそれほど厳しくない(すなわち、完全に相補的よりも低い相補性を持つ配列同士のハイブリダイゼーションを可能とする)。
一般に、本発明の方法は、多数の、相当多数の、極めて多数のテンプレートポリヌクレオチド配列の増幅をもたらす。ある実施形態では、最初のサンプル中に存在する事実上全てのテンプレートポリヌクレオチド(例えば、mRNAの全て、またはゲノムDNAの全て)が増幅される。別の実施形態では、例えば、従来技術で既知の方法を用いて分析対象のテンプレートサンプルに存在することが知られるマーカー配列を分析することによって評価した場合に、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300個、またはそれを超える別々の配列(例えば、ポリヌクレオチドの遺伝子またはその他のサブセグメント、マーカー(例えば、SNPまたはその他の多型))が増幅される。増幅されるテンプレートポリヌクレオチド配列は、同じポリヌクレオチド(例えば、ゲノムDNAテンプレートの1つの染色体または1つの染色体の1つの部分、または、RNAテンプレートの同じRNA)上に存在してもよいし、異なるテンプレートポリヌクレオチド(例えば、DNAテンプレートの異なる染色体または染色体の異なる部分、または、RNAテンプレートの異なるRNA)上に存在してもよい。本明細書ではゲノムDNAの増幅を例示するが、当業者であれば、本発明の大規模増幅法は、任意のポリヌクレオチドプール、またはそのサブセットの増幅に好適であることが理解されよう。
説明の都合のため、ポリヌクレオチド(一般に、DNA)産物について言及することにする。増幅産物は、一般に、所定のテンプレートポリヌクレオチドのセンスコピーとアンチセンスコピーの混合物であることが理解される。例えば、テンプレートポリヌクレオチドが2本鎖DNAである場合、増幅産物は各鎖に一致する。テンプレートポリヌクレオチドが1本鎖である場合(例えば、RNAまたは1本鎖DNA)、一般に、テンプレートポリヌクレオチド(センスコピー)およびテンプレートポリヌクレオチドの相補体(アンチセンスコピー)のコピーである増幅産物が生産される。異なるセンスの増幅産物は、アニールして2本鎖(または、部分的2本鎖)複合体を形成することが可能であるし、あるいは、アニールを阻止して(または、その後に変性させて)、1本鎖増幅産物の混合物を生産することも可能である。増幅産物は別々の長さを持っていてもよい。
説明から明らかなように、また実施例に示されるように、本発明の方法は、複合プライマー依存性である。すなわち、複合プライマーが欠如する場合には増幅は観察されない。
上記実施形態で具体的に示されたように、全ての工程は等温性である(熱サイクル工程が要求されないという意味で)。ただし、各工程の温度は同じであっても、同じでなくともよい。全体的説明が上に与えられたわけであるから、他にも様々な実施形態の実行が可能であることが理解される。例えば、本明細書に記載され、例示されるように、ある工程は、温度を変えながら(例えば、上げながら、または下げながら)実行してもよい。
説明を簡単にするために、本発明の方法を、上に、2つの別々の工程または相として記載する。ある実施形態では、この2つの相は同時に実行してもよいことが理解される(例えば、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素が第1反応混合物に含まれる場合)。別の実施形態では、工程(b)は、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素(例えば、リボヌクレアーゼ、例えば、RNアーゼH)、および、要すれば随意に、実施例1に示すように、DNA依存性DNAポリメラーゼを加えることによって起動してもよい。この実施形態では、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を添加することによって、RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体をテンプレートとして用いる後段増幅(すなわち、上の工程(b))が可能となる。しかしながら、テンプレートポリヌクレオチド鎖に沿って起こる、ランダムにプライミングした複合プライマーからのプライマー伸長(および鎖置換)は、単一プライマー等温性増幅の間継続し得ることが理解される。
上には全体としてただ1つの複合プライマーが記述されたが、本増幅法は、テンプレートポリヌクレオチドにランダムにプライミングする、2本以上の別々の複合プライマーの存在下に実行してもよいことがさらに理解される。さらに、テンプレートポリヌクレオチドにランダムにプライミングする、2本以上の別々の複合プライマーを用いて実行される2種以上の別々の増幅反応の増幅ポリヌクレオチド産物を混合することも可能である。さらに、工程(a)(すなわち、テンプレートポリヌクレオチドに対するランダムなプライミング)と工程(b)(すなわち、単一プライマー等温性増幅)において別々の複合プライマーを使用することが可能であることが理解される。この場合、別々の複合プライマーは、部分的2本鎖複合体の3’1本鎖DNA部分(RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体からRNAを切断することによって生成される)にハイブリダイズすることが可能な配列を含む。一般に、第2複合プライマーは、第1複合プライマーと重複する配列を含む。
(テンプレートポリヌクレオチドの複数部位にハイブリダイズする複合プライマーおよび補助プライマーによる増幅)
本発明の別の局面では、テンプレートポリヌクレオチド、複合プライマー、DNA依存性DNAポリメラーゼ、およびRNA依存性DNAポリメラーゼを含む反応混合物中に補助プライマーが存在する。本明細書で用いる「補助プライマー」とは、ランダムに、または、部分的ランダムにプライミングするプライマーの集団を指す。補助プライマーの例は、実施例1に使用されるランダムヘキサマープライマーである。増幅の際に補助プライマー(すなわち、様々のランダムプライマーの集団)を含めることは、増幅産物の生産効率および/または標的カバー範囲を向上させると考えられる。
ある実施形態では、本発明の方法は下記のように動作する。すなわち、(a)反応混合物をインキュベートする工程で、前記反応混合物は、本明細書に記載する複合プライマー、補助プライマー、テンプレートポリヌクレオチド、DNA依存性DNAポリメラーゼ、および、RNA依存性DNAポリメラーゼ(これらは、両方の活性を含む単一の酵素として存在してもよい)を含み、インキュベーションは、複合プライマーのランダムハイブリダイゼーション、補助プライマーのハイブリダイゼーション、プライマー伸長、および、鎖置換に適した条件下で行われ、それによってRNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体が生成される工程;および、(b)反応混合物をインキュベートする工程で、前記反応混合物は、工程(a)によって生成された反応産物(またはその一定部分)、複合プライマー(工程(a)の複合プライマーと同じであっても、別の複合プライマーであってもよい)、DNA依存性DNAポリメラーゼ、要すれば随意に補助プライマー、および、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を含み、インキュベーションは、プライマーハイブリダイゼーション、プライマー伸長、RNA/DNAヘテロ二重鎖からのRNAの切断を可能とし、かつ、前記複合体において、そのRNAが切断され、別の複合プライマーがテンプレートに結合して伸長される時、プライマー伸長産物の複合体からの置換を可能とする条件下で行われ、それによってポリヌクレオチドテンプレート配列の多数コピーが生成される工程である。
増幅時に補助プライマー(すなわち、様々のランダムプライマー集団)を含めることは、テンプレートポリヌクレオチドの生産効率および/またはカバー範囲を向上させると考えられる。理論に縛られる心算はないが、補助プライマーのプライマー伸長は、テンプレートポリヌクレオチドからの複合プライマー伸長産物の置換を増し、および/または、第2プライマー伸長産物生成を開始することが考えられる。図7は、テンプレート鎖の複数部位にハイブリダイズする複合プライマーと補助プライマーのプライマー伸長を示す。図8は、複合プライマー伸長産物にハイブリダイズした補助プライマーによって起動される第2プライマー伸長産物の生成を示す。
説明の簡単のために、補助プライマーの使用は第1相の複合プライマーのランダムハイブリダイゼーション(すなわち、工程(a))においてのみ記述されたが、補助プライマーは、方法の第2相、単一プライマー等温性増幅(すなわち、工程(b))の反応混合物中に存在してもよいことは明らかである。
説明から明らかなように、また実施例に示されるように、本発明の方法は、複合プライマー依存性である。すなわち、複合プライマーが欠如する場合には増幅は観察されない。
(テンプレートRNAの複数部位にハイブリダイズする複合プライマーおよび補助プライマーによる増幅)
本発明の別の局面では、補助プライマーは、テンプレートRNA、複合プライマー、DNA依存性DNAポリメラーゼ、およびRNA依存性DNAポリメラーゼを含む反応混合物に存在する。本明細書で用いる「補助プライマー」とは、ランダムに、または、部分的ランダムにプライミングするプライマーの集団を指す。増幅の際に補助プライマー(すなわち、様々のランダムプライマーの集団)を含めることは、増幅産物の生産効率および/または標的カバー範囲を向上させると考えられる。
ある実施形態では、本発明の方法は下記のように動作する。すなわち、(a)反応混合物をインキュベートする工程で、前記反応混合物は、本明細書に記載する複合プライマー、補助プライマー、テンプレートRNA、DNA依存性DNAポリメラーゼ、および、RNA依存性DNAポリメラーゼ(これらは、両方の活性を含む単一の酵素として存在してもよい)を含み、インキュベーションは、複合プライマーのランダムハイブリダイゼーション、補助プライマーのハイブリダイゼーション、プライマー伸長、および、鎖置換に適した条件下で行われ、それによってRNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体が生成される工程;および、(b)反応混合物をインキュベートする工程で、前記反応混合物は、工程(a)によって生成された反応産物(またはその一定部分)、複合プライマー(工程(a)の複合プライマーと同じであっても、別の複合プライマーであってもよい)、DNA依存性DNAポリメラーゼ、場合により補助プライマー、および、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を含み、インキュベーションは、プライマーハイブリダイゼーション、プライマー伸長、RNA/DNAヘテロ二重鎖からのRNAの切断を可能とし、かつ、前記複合体において、そのRNAが切断され、別の複合プライマーがテンプレートに結合して伸長される時、プライマー伸長産物の複合体からの置換を可能とする条件下で行われ、それによってポリヌクレオチドテンプレート配列の多数コピーが生成される工程である。
増幅時に補助プライマー(すなわち、様々のランダムプライマー集団)を含めることは、テンプレートRNAの生産効率および/またはカバー範囲を向上させると考えられる。理論に縛られる心算はないが、補助プライマーのプライマー伸長は、テンプレートRNAからの複合プライマー伸長産物の置換を増し、および/または、第2プライマー伸長産物生成を開始することが考えられる。図7は、テンプレート鎖の複数部位にハイブリダイズする複合プライマーと補助プライマーのプライマー伸長を示す。図8は、複合プライマー伸長産物にハイブリダイズした補助プライマーによって起動される第2プライマー伸長産物の生成を示す。
説明の簡単のために、補助プライマーの使用は第1相の複合プライマーのランダムハイブリダイゼーション(すなわち、工程(a))においてのみ記述されたが、補助プライマーは、方法の第2相、単一プライマー等温性増幅(すなわち、工程(b))の反応混合物中に存在してもよいことは明らかである。
説明から明らかなように、また実施例に示されるように、本発明の方法は、複合プライマー依存性である。すなわち、複合プライマーが欠如する場合には増幅は観察されない。
(本発明の方法に使用される成分および反応条件)
(テンプレート核酸)
増幅の標的とされる核酸(NA)は、精製された、あるいは未精製の形態の任意の供給源から得られる核酸、それは、DNA(dsDNAおよびssDNA)、またはtRNA、mRNA、rRNAを含むRNA、ミトコンドリアDNAおよびRNA、クロロプラストDNAおよびRNA、DNA−RNAハイブリッド、またはそれらの混合物、遺伝子、染色体、プラスミド、生物材料、例えば、微生物、例えば、細菌、酵母、ウィルス、ウイロイド、カビ、真菌、植物、動物、ヒトのような生物材料のゲノム、および、それらの断片であってもよい核酸を含む。好ましい標的ポリヌクレオチドとしては、DNA(例えば、ゲノムDNA、例えば、ヒトゲノムDNAおよび哺乳類ゲノムDNA(例えば、マウス、ラット)を含むゲノムDNA)、および、RNA(例えば、mRNA、リボソームRNA、および全体RNA)が挙げられる。テンプレートRNAは、コードRNAおよび非コードRNAを含むことを理解しなければならない。配列は、天然に発生したものであっても、あるいは、組み換え核酸標的、例えば、対象の核酸断片クローンであってもよい。
標的核酸は、生物サンプルのような複雑な混合物の中のほんの小部分であってもよく、従来技術で良く知られた手法を用いて各種生物材料から入手してもよい。核酸は、ごく少量の核酸を含む供給源、例えば、単一細胞、少数の細胞、患者サンプル、法医学サンプル、および、考古学サンプルを含む供給源からも入手が可能である。核酸の入手・精製は、従来技術における標準的な技術、例えば、1個の、または、ごく少数の細胞を単離するように設計された方法、例えば、細胞ソーティングまたはレーザー捕捉マイクロディセクションのような技術を用いる。本発明の方法は、ゲノムDNA(例えば、ヒトおよびその他の哺乳類ゲノムDNA)を始め、RNA(例えば、全体RNAまたはmRNAサンプル)について使用するのに特に好適である。RNA標的の増幅は、従来技術で既知のように、先ずcDNAを合成し、その後でcDNAテンプレートから増幅することによって実現される。
標的ポリヌクレオチドは、既知または未知であってよく、対象として、それぞれが同じであっても異なっていてもよい、1つをえる所望の特定の核酸配列を含んでいてもよい。標的ポリヌクレオチドが2本鎖(例えば、2本鎖DNA、または、第1鎖cDNA合成によって生産されるものなどの、2本鎖のDNA/RNAハイブリッド)である場合、その標的は、まず、1本鎖となるように(例えば、変性によって、または、DNA/RNAハイブリッドのRNA部分の切断によって)処理され得る。変性はまた、1本鎖標的分子(例えば、RNA)に存在する二次構造を除去するように行ってもよい。ある場合には、2本鎖DNA標的ポリヌクレオチドを、先ず、1種以上の制限エンドヌクレアーゼ酵素によって切断してもよい。
標的ポリヌクレオチドがDNAである場合、標的核酸配列増幅の開始工程は、その標的を1本鎖とすることである。標的核酸が2本鎖(ds)DNAである場合、開始工程は標的の変性であってもよい。変性工程は、熱的変性、または、従来技術で既知の、他の任意の方法、例えば、アルカリ処理であってもよい。標的核酸が、DNA−RNAハイブリッドの中に存在するのであれば、開始工程は、ハイブリッドを変性してDNAを得るか、あるいは、従来技術で既知のその他の方法、例えば、熱処理、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素(例えば、RNアーゼH)による消化、または、アルカリ処理によってRNA鎖を除去して、1本鎖DNAを生成することができる。標的がRNAである場合は、開始工程は、1本鎖cDNAの合成であってもよい。RNAからcDNAを合成するための技術は従来技術で既知であり、特定標的、例えば、真核細胞mRNAのポリA尾部、またはその他の特定のあるいは共通配列に結合するプライマー使用による、RNA鎖の逆転写を含む。さらに、逆転写は、縮重、または部分的に縮重されたプライマー集団によって開始することができる。第1鎖cDNAは、本明細書に記述するやり方でRNAおよび第1鎖cDNAの複合体から分離することが可能である。
RNAは、精製された、あるいは未精製の形態の任意の供給源から得られてよく、それは、全体RNA、tRNA、mRNA、rRNA、ミトコンドリアRNA、クロロプラストRNA、DNA−RNAハイブリッド、またはそれらの混合物のようなRNAで、任意の供給源および/または種、例えば、ヒト、動物、植物、および、微生物、例えば、細菌、酵母、ウィルス、ウイロイド、カビ、真菌、植物、および、それらの断片から得られるRNAであってもよい。RNAはコードRNAまたは非コードRNA(非翻訳小RNAなど)であってよいことが理解される。RNAは、標準技術を用いて入手し、精製することが可能である。DNA標的(ゲノムDNA標的を含む)の使用は、初めにそのDNA標的のRNA形への転写を必要とするかも知れない。これは、Kurn、米国特許第6,251,639B1号に開示される方法、および、従来技術で既知の他の技術(例えば、発現システム)を用いて実現することが可能である。従って、Kurn、米国特許第6,251,639号を含めた従来技術で既知の方法を用いて、DNA源(例えば、ゲノムDNA)から、RNAテンプレートそのものを生成することが可能である。一般に、ゲノムDNAのRNAコピーは、一般にmRNAに見られない非転写配列、例えば、イントロン、制御および調節要素等を含むことが予想される。RNA標的は、ゲノムDNA配列クローンから生成されてもよい。これはインビトロ転写することが可能である。DNA−RNAハイブリッドの使用は、ハイブリッドを変性して1本鎖RNAを得る、変性の後にDNA鎖を転写してRNAを得る、または、従来技術で既知の他の方法、例えば、RNアーゼHによる消化によって1本鎖DNAを生成することを必要とするかも知れない。
(複合プライマー)
本発明の方法は、RNA部分とDNA部分から構成される複合プライマーを用いる。我々は、標準的核酸比較アルゴリスムを用いて分析している際に、適切な複合プライマーは、多数のゲノムDNA配列に対して、特に複合プライマーの3’配列において、部分的核酸配列相同性を示すことを観察した。例えば、複合プライマー配列は、ヒトゲノムDNAデータベース(または、その他の適当なデータベース、例えば、哺乳類ゲノムDNAデータベース)を探索する際に、Blastにおける探求配列として使用が可能である。一般に、探索は、部分的、または「低厳格度」配列を特定するために好適な探索パラメータ、一般にはプログラムによって与えられるもっとも厳格度の低い条件を用いて行われる。このようなパラメータは従来技術で既知であり、単語サイズ=7の「短く、ほぼ正確なマッチ」(プライマー配列の任意位置における、僅か7個の連続ヌクレオチドの完全マッチを可能とする条件)を探索するためのNCBI Blastプログラムの使用を含む。例えば、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/blast/Blast.cgi?ALIGNMENTS=50&ALIGNMENT_VIEW=Pairwise&AUTO_FORMAT=Semiauto&CLIENT=web&DATABASE=nr&DESCRIPTIONS=100&ENTREZ_QUERY=>(none)&EXPECT=1000&FORMAT_BLOCK_ON_RESPAGE=None&FORMAT_ENTREZ_QUERY=(none)&FORMAT_OBJECT=Alignment&FORMAT_TYPE=HTML&LAYOUT=TwoWindows&NCBI_GI=on&PAGE=Nucleotides&PROGRAM=blastn&SERVICE=plain&SET_DEFAULTS.x=16&SET_DEFAULTS.y=8&SHOW_OVERVIEW=on&WORD_SIZE=7&END_OF_HTTPGET=Yes.を参照されたい。本発明の方法に有用な複合プライマー(すなわち、テンプレートポリヌクレオチドにランダムにハイブリダイズするプライマー)は、一般に、ゲノムDNA配列に対して高い部分的相同率を呈する、例えば、約100個のゲノムDNA配列に対して連続7個のヌクレオチドの相同が、複合プライマーの3’末端において約70%のヒットを伴うものである。極めて独特の配列を持つ(すなわち、標的ゲノムDNA配列との相同性が低レベルである)複合プライマーは、ゲノムDNAテンプレートに対して使用する場合、本発明の方法においては効率的に機能しない。
上記の考察から明らかなように、ある配列(または、テンプレート)に結合する(ハイブリダイズする)プライマーに対する言及は、プライマーの少なくとも一部はハイブリダイズする実施形態、プライマーの2つ(またはそれを超えるの部分)(プライマーのハイブリダイズしていない(ループアウト)部分によって隔てられる)がハイブリダイズする実施形態、および、全プライマーがハイブリダイズする実施形態を含む。ある実施形態では、複合プライマーの5’部分、通常5’最末端部分は、特定の5’部分がテンプレートポリヌクレオチドに対してランダムにハイブリダイズしないように設計される(この構成の複合プライマーは、ハイブリダイズしないプライマーの「尾部」に基づいて「尾部付着」プライマーと呼ばれる)。ある実施形態では、複合プライマーの尾部は、複合プライマーの5’RNA全体部分である。従って、本発明の方法によれば、DNAポリメラーゼによるプライマー伸長が開始するためには、複合プライマーの3’末端のほんの一部がハイブリダイズするだけでよい。ある実施形態では、プライマー伸長反応が起動するためには、例えば、プライマーの3’末端の、僅かに2、3、4、5、6、7個、またはそれを超えるヌクレオチドがハイブリダイズするだけでよい。複合プライマーの3’最末端部分のハイブリダイゼーションは、プライマーの別部分による後続ハイブリダイゼーション(介在プライマー部分にループアウトがあってもなくてもよい)によって様々な程度に安定化されてよいことが理解される。プライマー伸長を開始して複合プライマーのハイブリダイゼーションを強化し(例えば、安定化し)、プライマーハイブリダイゼーションを安定化するために、プライマーハイブリダイゼーション時にDNAポリメラーゼを含めることも可能である。
我々はまた、本発明の方法に用いて好適な複合プライマーは、ゲノムDNAテンプレートを用いる高い厳格度条件の下に複合プライマーを用いて、Kurnの米国特許第6,251,639号に記載される単一プライマー等温性増幅を実行し、例えば、ゲル上において視像化される反応産物の塗抹の存在を観察することによって特定が可能であることを見出した。ゲノムDNAは、複合プライマーに対して相補的な配列を含まないことが好ましい。反応産物の「塗抹」の生産、すなわち、様々な分子量の産物の複合混合物の生成は、塗抹として目視が可能であり、これは、複合プライマーが、ゲノムDNAのランダムプライマー増幅を実現することを示す。
別の実施例では、特定の合成標的オリゴヌクレオチド(例えば、複合プライマーハイブリダイゼーションのための特定の標的を含む標的オリゴヌクレオチド)の単一プライマー等温性増幅を、ゲノムDNAテンプレート(例えば、1−100ngのヒトゲノムDNA)の存在下において、あるいは、不在下において高い厳格度の下に実行する。本発明の方法に好適な複合プライマーは、特定の合成標的の増幅効率に対するゲノムDNAの強力な作用を示し、ゲノムDNA不在下に見られる増幅効率と比べて約100倍以上の増幅効率の低下をもたらす。
複合プライマーのランダムハイブリダイゼーションおよび/または複合プライマー伸長産物の生成は、ランダム(非特異的)プライマーハイブリダイゼーションを可能とするように設計された条件を用いることによって促進される。このような条件は、従来技術においてよく知られており、下記にもさらに考察するが、プライマーハイブリダイゼーションおよび/または第1鎖合成時における厳格度の低下(温度低下および/または、低厳格度のバッファー条件、例えば、イオン強度の低下)、複合体プライマーの選択および/または設計(本明細書でさらに考察)、複合プライマーおよびテンプレート濃度、3’ハイブリダイズプライマーを安定化する因子(例えば、DNAポリメラーゼ)の有無、および、安定ハイブリダイゼーションのための温度要求を下げるDMSOのような因子の有無が挙げられる。反応条件を適当に選択して、複合プライマーハイブリダイゼーションの頻度を調節すること、従って、増幅産物におけるテンプレートポリヌクレオチド配列のカバー範囲および/または表示を調節することが可能であることが理解される。
一般に、複合プライマーは、当業者に通例として利用されるソフトウェア、例えば、Molecular Biology InsightからOligo Primer Analysis Software、および、その中に引用される資料を用いて判断した場合、プライマーダイマー形成能が見られないように設計される。当業者であれば、他の因子も核酸ハイブリダイゼーション親和性に影響を及ぼすことが理解されよう。例えば、プライマー−標的重複体およびプライマー−プライマー重複体におけるグアノシン−シトシン含量がどのようなものであれその全て、副溝結合体、ヌクレオチドのO−メチル化またはその他の修飾、温度、および、塩は、結合エネルギーに必要差異を持つプライマーを構築する際には重要と考えられる因子である。プライマーを設計・構築する場合のもう1つの因子は、所定の一組のハイブリダイゼーション条件下における所定の配列のハイブリダイゼーションの自由エネルギーパラメータである。所定のハイブリッド形成のための自由エネルギーパラメータは、従来技術で既知の方法によって計算することが可能であり(例えば、Tinoco et al.Nature(1973)246:40−41、および、Freier et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1986)83:9373−9377、コンピュータプログラム、例えば、Molecular Biology InsightからOligo Primer Analysis Software、およびそこに引用される参考文献を参照されたい)、所定のオリゴヌクレオチドテンプレートについて、各種複合体を形成するのに必要な自由エネルギー変化を満たすプライマー配列を予測することが可能である。
プライマーは、DNAポリメラーゼによって伸長可能でなければならない。重合による伸長に好適なプライマーの生成は、国際公開第99/42618号(および、同書に引用される参考文献)に記載されるように従来技術でよく知られている。一般に、プライマーは、特定のプライマー標的結合部位(例えば、プライマーに対して相補的な配列)を含む合成標的の増幅について高い効率を可能としなければならず、例えば、Kurnの米国特許第6,251,639号に記載される方法を用いて約10から10の増幅を可能としなければならない。複合プライマーは、その後において、新たな(追加の)複合プライマーの結合によるプライマー伸長産物の置換、および、ポリメラーゼによる新規プライマーの伸長が実現可能となるように設計される。さらに、プライマー伸長産物におけるRNA部分の切断は、複合プライマーによる増幅の基質とはならない増幅産物の生成をもたらす。本発明の方法に使用される複合プライマーの局面を全体的に記載する次の節では、記述される特性は、ハイブリダイゼーションおよびポリヌクレオチド増幅の起動(複合伸長産物の生産)のために、および/または、本明細書に記載される単一プライマー等温性増幅のために使用される場合、それらのプライマーに適用することが可能であることが理解される。
ある実施形態では、第1複合プライマーは、単一プライマー等温性増幅(すなわち、相(b))を含む工程を含む本発明の方法に使用される。別の実施形態では、本発明の方法において第1と第2、様々の、複合プライマーが使用される。第2複合プライマーは、単一プライマー等温性増幅工程に使用され、第1複合プライマー配列のある部分、または全てを含んでもよく、第1複合プライマーは、第2複合プライマーの配列のある部分または全てを含んでもよい。ある実施形態では、第2複合プライマーは、第1複合プライマーとは異なる配列を含む。
単一プライマー等温性増幅および/または複合プライマー伸長産物形成に使用するためには、複合プライマーは、少なくとも1つのRNA部分であって、(a)複合体の(RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体中のRNAの切断によって形成される)(ある実施形態では、第2プライマー伸長産物における)単一鎖部分の配列に、同じ単一鎖部分の配列に対するDNA部分のハイブリダイゼーションとは独立に、結合する(ハイブリダイズする)ことが可能である、および、(b)単一鎖部分にハイブリダイズした場合、リボヌクレアーゼのような因子によって切断が可能であるRNA部分を含む。複合プライマーは単一鎖部分に結合し、DNAポリメラーゼによって伸長され、RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を形成する。このヘテロ二重鎖においては、RNA/DNAハイブリッドのRNAを切断する因子、例えば酵素、例えばリボヌクレアーゼ(例えば、RNアーゼH)のような因子と接触すると、プライマーの内のRNA部分だけが切断され、一方、複合プライマー伸長産物は無傷なままであり、従って、別の複合プライマーのアニーリングが可能となる。
本明細書に記載される単一プライマー等温性増幅のために使用される場合、複合プライマーはさらに、複合体の3’単一鎖部分の配列にハイブリダイズすることが可能な3’DNA部分を、その3’1本鎖部分に対するハイブリダイゼーションの方が、DNAポリメラーゼによって複合体から置換される核酸鎖のハイブリダイゼーションよりも優勢となるような形で含む。このようなプライマーは、核酸結合親和度に影響を及ぼすよく知られた因子、例えば、配列長および/または配列個性を始めとしてハイブリダイゼーション条件に基づいて理論的に設計することが可能である。好ましい実施形態では、複合プライマーの3’DNA部分の、複合体の(例えば、第2伸長産物の)相補配列に対するハイブリダイゼーションは、複合プライマー伸長産物に対する、置換鎖の5’末端相同配列のハイブリダイゼーションよりも優勢であった
複合プライマーは、RNAとDNAの組み合わせを含み(上述の定義を参照)、3’末端のヌクレオチドが核酸伸長に好適なヌクレオチドを有する。3’末端ヌクレオチドは、プライマー中に存在する場合DNAポリメラーゼによって伸長可能であれば、いずれのヌクレオチドあるいは類縁体であってもよい。一般に、3’末端のヌクレオチドは、3’−OHを持つ。適切なプライマーは、少なくともRNAの一部分と少なくともDNAの一部分を含むものを含む。例えば、複合プライマーは5’−RNA部分と3’−DNA部分(RNA部分は、3’−DNA部分に隣接する)、または、介在RNA部分を有する5’−および3’−DNA部分を含むことが可能である。従って、1つの実施形態では、複合プライマーは5’RNA部分と3’−NA部分とを含み、好ましくは、RNA部分は3’−DNA部分に隣接する。別の実施形態では、複合プライマーは、5’−および3’−DNA部分を含み、少なくとも1つのRNA部分が介在する(すなわち、2つのNA部分の間に1つのRNA部分がある)。さらに別の実施形態では、本発明の複合プライマーは、3’−DNA部分と、少なくとも1つの介在RNA部分(すなわち、DNA部分の間にRNA部分がある)を含む。
3’−DNA部分とRNA部分を含む複合プライマーにおけるRNA部分の長さは、好ましくは約1から約50、より好ましくは約3から約20、さらにより好ましくは約4から約15、もっとも好ましくは約5から約10ヌクレオチドであってもよい。3’−DNA部分およびRNA部分を含む複合プライマーのある実施形態では、RNA部分は、少なくとも、1、3、4、5ヌクレオチドの中から任意に選択されるもので、その上限は、10、14、15、20、25、3、50ヌクレオチドから任意に選択されるものであってもよい。ある実施形態では、複合プライマーは、約14または約20ヌクレオチドからなるRNA部分を持つ。
5’−RNA部分および3’−DNA部分を含む複合プライマーにおける5’−RNA部分の長さは、好ましくは約3から50ヌクレオチド、より好ましくは約5から約20ヌクレオチド、さらにより好ましくは約7から約18ヌクレオチド、好ましくは約8から約17ヌクレオチド、もっとも好ましくは約10から約15ヌクレオチドであってよい。5’−RNA部分および3’−DNA部分を含む複合プライマーの別の実施形態では、5’−RNA部分は、少なくとも約3、5、7、8、10ヌクレオチドの中から任意に選択されるもので、その上限は、14、15、17、18、20、50ヌクレオチドから任意に選択されるものであってもよい。ある実施形態では、複合プライマーは、約14または約20ヌクレオチドからなるRNA部分を持つ。
5’−RNA部分および3’−DNA部分を含み、さらに非5’−RNA部分を含む複合プライマーの実施形態では、非5’−RNA部分は、好ましくは約1から7ヌクレオチド、より好ましくは約2から約6ヌクレオチド、もっとも好ましくは約3から約5ヌクレオチドであってもよい。5’−RNA部分および3’−DNA部分を含み、さらに非5’−RNA部分を含む複合プライマーのある実施形態では、非5’−RNA部分は、少なくとも約1、2、3、5の中から任意に選択されるもので、その上限は、5、6、7、10ヌクレオチドから任意に選択されるものであってもよい。
5’−RNA部分および3’−DNA部分を含み、5’−RNA部分が3’−DNA部分に隣接する複合プライマーの実施形態では、5’−RNA部分の長さは、好ましくは約3から約50ヌクレオチド、より好ましくは約5から約20ヌクレオチド、さらにより好ましくは約7から約18ヌクレオチド、好ましくは約8から約17ヌクレオチド、もっとも好ましくは約10から約15ヌクレオチドであってもよい。5’−RNA部分および3’−DNA部分を含み、5’−RNA部分が3’−DNA部分に隣接する複合プライマーのある実施形態では、5’−RNA部分は、少なくとも約3、5、7、8、10ヌクレオチドの中から任意に選択されるもので、その上限は、14、15、17、18、20、50ヌクレオチドから任意に選択されるものであってもよい。ある実施形態では、複合プライマーは、約14または約20ヌクレオチドからなるRNA部分を持つ。
5’−および3’−DNA部分を含み、少なくとも1つの介在RNA部分を持つ複合プライマーにおける介在RNA部分の長さは、好ましくは約1から7ヌクレオチド、より好ましくは約2から約6ヌクレオチド、もっとも好ましくは約3から約5ヌクレオチドであってよい。5’−および3’−DNA部分を含み、少なくとも1つの介在RNA部分を持つ複合プライマーのある実施形態では、介在RNA部分は、少なくとも約1、2、3、5ヌクレオチドの中から任意に選択されるもので、その上限は、5、6、7、10ヌクレオチドから任意に選択されるものであってもよい。3’−DNA部分と少なくとも1つの介在RNA部分を含む複合プライマーの介在RNA部分の長さは、好ましくは約1から約7ヌクレオチド、より好ましくは約2から約6ヌクレオチド、もっとも好ましくは約3から約5ヌクレオチドであってもよい。3’−DNA部分と少なくとも1つの介在RNA部分を含む複合プライマーのある実施形態では、介在RNA部分は、少なくとも約1、2、3、5ヌクレオチドの中から任意に選択されるもので、その上限は、5、6、7、10ヌクレオチドから任意に選択されるものであってもよい。3’−DNA部分および少なくとも1つの介在RNA部分を含み、さらに5’−RNA部分を含む複合プライマーにおいては、5’−RNA部分は、好ましくは約3から約25ヌクレオチド、より好ましくは約5から約20ヌクレオチド、さらにより好ましくは約7から約18ヌクレオチド、好ましくは約8から約17ヌクレオチド、もっとも好ましくは約10から約15ヌクレオチドであってもよい。3’−DNA部分および少なくとも1つの介在NA部分を含み、さらに5’−RNA部分を含む複合プライマーのある実施形態では、5’−RNA部分は、少なくとも約3、5、7、8、10ヌクレオチドの中から任意に選択されるもので、その上限は、15、17、18、20ヌクレオチドから任意に選択されるものであってもよい。
3’−DNA部分およびRNA部分を含む複合プライマーにおける3’−DNA部分の長さは、好ましくは約1から20ヌクレオチド、より好ましくは約3から約18ヌクレオチド、さらにより好ましくは約5から約15ヌクレオチド、もっとも好ましくは約7から約12ヌクレオチドである。3’−DNA部分およびRNA部分を含む複合プライマーのある実施形態では、3’−DNA部分は、少なくとも約1、3、5、7、10ヌクレオチドの中から任意に選択されるもので、その上限は、10、12、15、18、20、22ヌクレオチドから任意に選択されるものであってもよい。1つの実施形態では、複合プライマーは、約7ヌクレオチドからなる3’−DNA部分を持つ。
5’−RNA部分および3’−DNA部分を含む複合プライマーにおける3’−DNA部分の長さは、好ましくは約1から20ヌクレオチド、より好ましくは約3から約18ヌクレオチド、さらにより好ましくは約5から約15ヌクレオチド、もっとも好ましくは約7から約12ヌクレオチドであってよい。5’−RNA部分および3’−DNA部分を含む複合プライマーのある実施形態では、3’−DNA部分は、少なくとも約1、3、5、7、10ヌクレオチドの中から任意に選択されるもので、その上限は、10、12、15、18、20、22ヌクレオチドから任意に選択されるものであってもよい。1つの実施形態では、複合プライマーは、約7ヌクレオチドからなる3’−DNA部分を持つ。
5’−RNA部分および3’−DNA部分を含み、さらに非3’−DNA部分を含む複合プライマーの実施形態では、非3’−DNA部分は、好ましくは約1から10ヌクレオチド、より好ましくは約2から約8ヌクレオチド、もっとも好ましくは約3から約6ヌクレオチドであってもよい。5’−RNA部分および3’−DNA部分を含み、さらに非3’−DNA部分を含む複合プライマーのある実施形態では、非3’−DNA部分は、少なくとも約1、2、3、5ヌクレオチドの中から任意に選択されるもので、その上限は、6、8、10、12ヌクレオチドから任意に選択されるものであってもよい。
5’−RNA部分および3’−DNA部分を含み、5’−RNA部分が3’−DNA部分に隣接する複合プライマーの実施形態では、3’−DNA部分の長さは、好ましくは約1から約20ヌクレオチド、より好ましくは約3から約18ヌクレオチド、さらにより好ましくは約5から約15ヌクレオチド、もっとも好ましくは約7から約12ヌクレオチドであってもよい。5’−RNA部分および3’−DNA部分を含み、5’−RNA部分が3’−DNA部分に隣接する複合プライマーのある実施形態では、3’−DNA部分は、少なくとも約1、3、5、7、10ヌクレオチドの中から任意に選択されるもので、その上限は、10、12、15、18、20、22ヌクレオチドから任意に選択されるものであってもよい。1つの実施形態では、複合プライマーは、約7ヌクレオチドからなる3’−DNA部分を持つ。
5’−および3’−DNA部分を含み、少なくとも1つの介在RNA部分を持つ複合プライマーにおける非3’−DNA部分の長さは、好ましくは約1から10ヌクレオチド、より好ましくは約2から約8ヌクレオチド、もっとも好ましくは約3から約6ヌクレオチドであってよい。5’−および3’−DNA部分を含み、少なくとも1つの介在RNA部分を持つプライマーのある実施形態では、非3’−DNA部分は、少なくとも約1、2、3、5ヌクレオチドの中から任意に選択されるもので、その上限は、6、8、10、12ヌクレオチドから任意に選択されるものであってもよい。
5’−および3’−DNA部分を含み、少なくとも1つの介在RNA部分を持つ複合プライマーにおける3’−DNA部分の長さは、好ましくは約1から20ヌクレオチド、より好ましくは約3から約18ヌクレオチド、さらにより好ましくは約5から約15ヌクレオチド、もっとも好ましくは約7から約12ヌクレオチドであってよい。5’−および3’−DNA部分を含み、少なくとも1つの介在RNA部分を持つ複合プライマーのある実施形態では、3’−DNA部分は、少なくとも約1、3、5、7、10ヌクレオチドの中から任意に選択されるもので、その上限は、10、12、15、18、20、22ヌクレオチドから任意に選択されるものであってもよい。1つの実施形態では、複合プライマーは、約7ヌクレオチドからなる3’−DNA部分を持つ。
3’−DNA部分および、少なくとも1つの介在RNA部分を含む複合プライマーにおける非3’−DNA部分(すなわち、3’−DNA部分以外の任意のDNA部分)の長さは、好ましくは約1から10ヌクレオチド、より好ましくは約2から約8ヌクレオチド、もっとも好ましくは約3から約6ヌクレオチドであってよい。3’−DNA部分および少なくとも1つの介在RNA部分を含む複合プライマーのある実施形態では、非3’−DNA部分は、少なくとも約1、3、5、7、10ヌクレオチドの中から任意に選択されるもので、その上限は、6、8、10、12ヌクレオチドから任意に選択されるものであってもよい。3’−DNA部分と少なくとも1つの介在RNA部分を含む複合プライマーの3’−DNA部分の長さは、好ましくは約1から約20ヌクレオチド、より好ましくは約3から約18ヌクレオチド、さらにより好ましくは5から15ヌクレオチド、もっとも好ましくは約7から約12ヌクレオチドであってもよい。3’−DNA部分と少なくとも1つの介在RNA部分を含む複合プライマーのある実施形態では、3’−DNA部分は、少なくとも約1、3、5、7、10ヌクレオチドの中から任意に選択されるもので、その上限は、10、12、15、18、20、22ヌクレオチドから任意に選択されるものであってもよい。1つの実施形態では、複合プライマーは、約7ヌクレオチドからなる3’−DNA部分を持つ。各種部分の長さは、本発明の方法の反応条件の下で適当により多く、またはより少なくすることが可能であることが理解される。
ある実施形態では、複合プライマーの5’−DNA部分は、プライマーの5’−最末端ヌクレオチドを含む。ある実施形態では、複合プライマーの5’−RNA部分は、プライマーの5’−最末端ヌクレオチドを含む。別の実施形態では、複合プライマーの3’−DNA部分は、プライマーの3’−最末端ヌクレオチドを含む。別の実施形態では、3’−DNA部分は、5’−RNA部分に隣接し、プライマーの3’−最末端ヌクレオチドを含む(かつ、5’−RNA部分は、プライマーの5’−最末端ヌクレオチドを含む)。
複合プライマーの全長は、好ましくは約10から約50ヌクレオチド、より好ましくは約15から約30ヌクレオチド、もっとも好ましくは約20から約25ヌクレオチドであってもよい。ある実施形態では、その長さは、少なくとも約10、15、20、25ヌクレオチドの中から任意に選択されるもので、その上限は、25、30、50、60ヌクレオチドから任意に選択されるものであってもよい。ある実施形態では、複合プライマーは、約21または約27ヌクレオチド長である。この長さは、本発明の方法の反応条件の下で適当により多く、またはより少なくすることが可能であることが理解される。
本明細書で記述する通り、増幅反応には1種以上の異なる複合プライマーを用いてもよい。
(補助プライマー)
本明細書で用いる「補助プライマー」とは、ランダム化された、および/または、部分的にランダム化された配列を含むプライマー集団である。補助プライマーは、前述のように、ポリヌクレオチドであるが、一般に、DNAから構成される。このようなランダムプライマーは従来技術で既知である。補助プライマーの例としては、実施例1に示すランダム化ヘキサマープライマー集団がある。ある実施形態では、ランダムプライマーが結合できる配列の数を増やすために、非特異的ハイブリダイゼーションを可能とする天然の、または非天然ヌクレオチドを含んでもよい。同様に、ランダムプライマー集団の中に、プライマーとテンプレートの間のミスマッチを安定化することによって非特異的ハイブリダイゼーションを可能とする塩基部位をランダムに導入することも可能である。プライマーは、DNAポリメラーゼによって伸長可能でなければならない。重合による伸長に好適なプライマーの生成は、国際公開第99/42618号(および、その中に引用される参考文献)に記載されるように、従来技術でよく知られている。
ある実施形態では、補助プライマーは、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも15、少なくとも18、少なくとも20個、またはそれを超えるヌクレオチド長を持っていてもよい。ある実施形態では、様々の長さを持つプライマーの集団が用いられる。
(DNAポリメラーゼ、およびRNA−DNAハイブリッドの切断が可能な因子)
本発明の増幅法は下記の酵素を用いる、すなわち、RNA依存性DNAポリメラーゼ、DNA依存性DNAポリメラーゼ、および、RNA−DNAハイブリッドのRNA鎖を切断することが可能な因子(例えば、RNアーゼHのようなリボヌクレアーゼ)である。上記活性の内の1種以上が、単一の酵素に認められ、使用されることがある。例えば、RNアーゼH活性は、RNA依存性DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)によって供給することが可能であるし、または、別の酵素によって供給されてもよい。本法において有用な逆転写酵素は、RNアーゼ活性を持っていてもよいし、持っていなくともよい。多くの逆転写酵素、例えば、トリ骨髄芽球症ウィルス(AMV−RT)およびモロニーマウス白血病ウィルス(MMLV−RT)由来のものは、1種をえる活性(例えば、ポリメラーゼ活性およびリボヌクレアーゼ活性)を含み、2本鎖cDNA分子の形成のために機能することが可能である。一方、ある実施形態では、RNアーゼH活性を持たない逆転写酵素を用いるのが好ましい。RNアーゼ活性を欠如する逆転写酵素は、野生型逆転写酵素の、RNアーゼH活性を取り除かれた突然変異形を含むものを含め、従来技術で既知である。この場合、他の供給源、例えば、大腸菌から分離したRNアーゼHの添加を、2本鎖cDNAの形成のために使用することも可能である。RNA依存性DNAポリメラーゼ活性およびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性は、同じ酵素(例えば、Bstポリメラーゼ)によって供給されてもよく、あるいは、これらの活性は別々の酵素によって供給されてもよい。
本発明の1つの局面は、RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体の形成である。この過程は、一般に、RNA依存性DNAポリメラーゼおよびDNA依存性DNAポリメラーゼの酵素活性を利用する。一般に、RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖のRNAは、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断することが可能な因子(例えば、リボヌクレアーゼのような酵素)によって切断され、複合プライマーのRNAに対して相補的な配列を持つ(従って、複合プライマーの結合部位を形成する)3’単一鎖部分を生成する。
本法および本発明の組成物について使用されるRNA依存性DNAポリメラーゼ、本発明の方法に従ってプライマーの伸長を実行することが可能である。従って、好ましいRNA依存性DNAポリメラーゼは、少なくとも主にリボヌクレオチドからなる核酸テンプレートに沿って核酸プライマーを伸長することが可能なものである。本法および本発明の組成物に用いて好適なRNA依存性DNAポリメラーゼは、逆転写酵素で、例えば、DNA−依存性およびRNA−依存性DNAポリメラーゼの両活性を持つDNAポリメラーゼ、例えば、Bst DNAポリメラーゼを含む。
本法および本発明の組成物に対して使用されるDNA依存性DNAポリメラーゼは、本発明の方法に従ってプライマーの伸長を実行することが可能である。従って、好ましいポリメラーゼは、少なくとも主にデオキシヌクレオチドからなる核酸テンプレートに沿って核酸プライマーを伸長することが可能なものである。RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体の形成は、RNA依存性DNAポリメラーゼおよびDNA依存性DNAポリメラーゼの両活性を持つDNAポリメラーゼ(例えば、Bst DNAポリメラーゼ、または逆転写酵素)によって実行することが可能である。本発明の方法によるRNA配列の増幅は、置換した核酸鎖の結合するポリヌクレオチドからその核酸鎖を置換させることが可能なDNAポリメラーゼの使用を含み、一般に、そのポリメラーゼの鎖置換能力が高ければ高いほど(すなわち、それほどの鎖置換能力を持たない他のポリメラーゼと比べて)好ましい。DNAポリメラーゼは、核酸鎖にハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドの3’−末端への結合について高い親和性を持つことが好ましい。DNAポリメラーゼは、実質的にニック形成活性を持たないことが好ましい。一般に、DNAポリメラーゼは、プライマー、またはプライマー伸長ポリヌクレオチドの品質悪化を最小とするために、5’−>3’エキソヌクレアーゼ活性を殆んどまたは全く持たないのが好ましい。一般に、このエキソヌクレアーゼ活性は、因子、例えば、pH、塩濃度、テンプレートが1本鎖か2本鎖か等、当業者には全て馴染みの因子に依存する。5’−>3’エキソヌクレアーゼ活性を欠失させた突然変異DNAポリメラーゼは従来技術で既知であり、本明細書に記載される増幅法に好適である。5’から3’ヌクレアーゼ、および、3’から5’ヌクレアーゼ活性の両方を欠如する突然変異DNAポリメラーゼも記載されており、例えば、エキソ−/−クレノウDNAポリメラーゼがそれである。DNAポリメラーゼは、そのポリメラーゼと、プライマー伸長産物の5’末端の間の接触発生頻度の、少なくとも約25%、より好ましくは少なくとも約50%、さらにより好ましくは少なくとも約75%、もっとも好ましくは少なくとも約90%において、テンプレート核酸からプライマー伸長産物を置換させることが好ましい。ある実施形態では、鎖置換活性を持つ熱安定DNAポリメラーゼの使用が好まれる。このようなポリメラーゼは、米国特許第5744312号(および、そこに引用される参考文献)に記載されるように、従来技術で既知である。DNAポリメラーゼは、殆んどまたは全くプルーフリーディング活性を持たないのが好ましい。
本法および本発明の組成物に使用するのに好適なDNAポリメラーゼは、米国特許第5648211および5744312号に開示されるものを含み、exoVent(New England Biolabs)、exoDeep Vent(New England Biolabs)、Bst(BioRad)、exoPfu(Stratagene),Bca(Panvera)、配列決定級Taq(Promega)、exo−/−クレノウDNAポリメラーゼ、および、thermoanaerobacter thermohydrosulfuricus由来の熱安定DNAポリメラーゼを含む。
本法および本発明の組成物に使用するリボヌクレアーゼは、RNA/DNAハイブリッド中のリボヌクレオチドを切断することが可能である。リボヌクレアーゼは、切断されるリボヌクレオチドに隣接するヌクレオチドの性質・タイプに左右されることなく、RNA/DNAハイブリッドのリボヌクレオチドを切断することが好ましい。リボヌクレアーゼは、配列の性質と独立に切断することが好ましい。本法および本発明の組成物に好適なリボヌクレアーゼの例は、従来技術でよく知られるが、例えば、リボヌクレアーゼH(RNアーゼH),例えば、ハイブリダーゼを含む。
従来技術でよく知られるように、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性、RNA−依存性DNAポリメラーゼ活性、および、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する能力は、別々の酵素に存在してもよいし、あるいは、2つ以上の活性が同じ酵素に存在してもよい。従って、ある実施形態では、同じ酵素がRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を含み、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する。ある実施形態では、同じ酵素がDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を含み、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する。ある実施形態では、同じ酵素がDNA依存性DNAポリメラーゼ活性、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を含み、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する。ある実施形態では、別々の酵素が、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性とDNA依存性DNAポリメラーゼ活性とを含む。ある実施形態では、別々の酵素がRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を含み、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する。ある実施形態では、別々の酵素が、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を含み、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する。
一般に、本法および本発明の組成物に使用される酵素は、前記方法および組成物の核酸成分の実質的品質悪化をもたらしてはならない。
(反応条件と検出)
本発明の方法を実行するのに適切な反応媒体および条件は、本発明の方法による核酸増幅を可能とするものである。そのような媒体および条件は当業者には既知であり、各種出版物、例えば、米国特許第5,554,516、5,716,785、5,130,238、5,194,370、6,090,591、5,409,818、5,554,517、5,169,766、5,480,784、5,399,491、5,679,512号、および、国際公開99/42618に記載される。例えば、バッファーはTrisバッファーでよいが、ただし他のバッファーでも、バッファー成分が本発明の方法の酵素成分に対して阻害的でない限り、使用することが可能である。pHは、好ましくは約5から約11、より好ましくは約6から約10、さらにより好ましくは約7から約9、もっとも好ましくは約7.5から約8.5である。反応媒体はまた、二価の金属イオン、例えば、Mg2+またはMn2+を、遊離イオンの最終濃度が、約0.01から約15mM、もっとも好ましくは約1から10mMの範囲になるように含むことが可能である。反応媒体はまた、媒体の全体イオン強度に寄与する他の塩、例えば、KClまたはNaClを含むことが可能である。例えば、KClのような塩の範囲は、好ましくは約0から約125mM、より好ましくは約0から約100mM、もっとも好ましくは約0から約75mMである。反応媒体はさらに、増幅反応の機能性に作用する可能性はあるが、本法の酵素成分の活性には介入しない添加物を含むことも可能である。このような添加物としては、BSA、またはアセチル化BSA、1本鎖結合タンパク(例えば、T4遺伝子32タンパク)のようなタンパク、および、非イオン性界面活性剤、例えば、NP40またはTritonが挙げられる。酵素活性を維持することが可能な試薬、例えば、DTTも含めることが可能である。このような試薬は従来技術で既知である。適当であれば、本法で使用されるRNアーゼ活性を阻害しないRNアーゼ阻害剤(例えば、Rnasin)も含めることが可能である。本発明の方法の内から任意に選択される局面でも、同じ温度で、または、温度を変えて実行することが可能である。増幅反応(特に、複合および第2プライマー伸長産物合成工程以外のプライマー伸長、および鎖置換)は等温的に実行することが好ましく、これによって、厄介な熱サイクル過程が回避される。増幅反応は、本発明のオリゴヌクレオチド(プライマー)の、テンプレートポリヌクレオチドおよびプライマー伸長産物に対するハイブリダイゼーションを可能とするが、用いる酵素の活性を実質的に阻害しない温度において実行される。温度は、0℃から約85℃、約25℃から約85℃、約30℃から約80℃、約37℃から約75℃であってよい
ランダムなプライミングおよび/またはプライマー伸長および/または等温性増幅は、厳格度の低い(すなわち、完全には相補的ではない配列同士のハイブリダイゼーションも可能とする)条件の下に行なうことができる。所定の一組の反応条件においては、2つのヌクレオチド配列が互いにハイブリダイズする能力は、その2つのヌクレオチド配列の相補性の程度に基づき、相補性の程度は、マッチした相補的ヌクレオチドペアの割合に基づく。ある所定の配列において、別の配列に対して相補的なヌクレオチドの数が多ければ多いほど、ハイブリダイゼーションについて、より厳格な条件が可能となり、その2つの配列の結合はより特異的となる。逆に言うと、ハイブリダイゼーションについて、条件の厳格度が低くなればなるほど、ハイブリダイズする、および/または、部分的にハイブリダイズする複合プライマーとテンプレートポリヌクレオチドの間の結合に要求される相補性は低くなる。厳格度の低下は、下記の内から任意に選択される1つ以上を用いることによって実現される。すなわち、温度を下げる、共溶媒の比率を下げる、塩濃度を下げる等である。ハイブリダイゼーション反応の厳格度を上昇または低下させる条件は、従来技術で広く知られており、公表されている。例えば、上述のSambrook(1989)およびAusubel(1987)を参照されたい。有用なハイブリダイゼーション条件は、また、例えば、Tijessen,1993,Hybridization With Nucleic Acid Probes,Elesevier Science Publishers B.V.and
Kricka,1992,Nonisotopic DNA Probe Techniques,Academic Press,San Diego,Calif.において提供される。選択されるハイブリダイゼーション条件は、従来技術で既知の様々の要因、例えば、プライマーの長さおよび種類(例えば、RNA、DNA、PNA)、および、オリゴヌクレオチドテンプレートに対するプライマーの結合領域を始め、プライマーおよびテンプレートポリヌクレオチドの濃度に依存する。
DNAポリメラーゼ活性および/またはリボヌクレアーゼ活性と適合するバッファー条件の使用に不都合とならない限り、複合プライマーのハイブリダイゼーションの厳格度は反応温度を変えることによって調節することが可能である。関連条件の例としては(厳格度の上昇順に)、約15℃、20℃、25℃、30℃、37℃、40℃、45℃、50℃、60℃、あるいはそれを超えるインキュベーション温度があげられる。従って、ある実施状態では、複合プライマーのランダムハイブリダイゼーションは、低温で、例えば、25℃−3℃で行われ、次いで、方法の等温性増幅相に好適な高温(例えば、約50℃でインキュベーションが行われる。ある実施形態では、温度は、5℃刻みで上昇される。別の実施形態では、温度は低温から高温にシフトされる。
本発明の方法においてプライマー伸長産物の合成に使用が可能なヌクレオチド、および/またはヌクレオチド類縁体、例えば、デオキシリボヌクレオシド三リン酸は、好ましくは約50から約2500μM、より好ましくは約100から約2000μM、さらにより好ましくは約200から約1700μM、もっとも好ましくは約250から約1500μMの量として供給される。ある実施形態では、プライマー伸長鎖においてそれがあると鎖置換が強化されるヌクレオチドまたはヌクレオチド類縁体(例えば、通常のAT、CG塩基ペアよりも弱い塩基ペアを生じることによる)が含まれる。このようなヌクレオチドまたはヌクレオチド類縁体としては、デオキシイノシンおよび他の修飾塩基が挙げられるが、これらは皆従来技術で既知である。
本発明の増幅反応のオリゴヌクレオチド成分は、一般に、増幅の対象となる標的核酸配列の数を上回る。オリゴヌクレオチド成分は、標的核酸量の10、1010101010101012倍で供給されかまたは、少なくとも約10、少なくとも約10 、少なくとも約10 、少なくとも約10 、少なくとも約10 、少なくとも約10 10 、少なくとも約10 12 倍で供給されてよい。複合プライマーは、それぞれ、約50nM、100nM、500nM、1μM、2.5μM、5μM、10μMの濃度供給されるかまたは少なくとも約50nM、少なくとも約100nM、少なくとも約500nM、少なくとも約1μM、少なくとも約2.5μM、少なくとも約5μM、少なくとも約10μMの濃度で供給されてよい。複合プライマーの濃度はまた、複合プライマーハイブリダイゼーションの頻度および/または位置に影響を及ぼす。一般に、プライマー濃度の増大は、プライマーハイブリダイゼーションの頻度を増す。補助プライマーは、下記の濃度:約25nM、約50nM、約100nM、約500nM、約1μM、約2.5μM、約5μM、約10μM、またはそれを超える濃度、のうちの任意濃度に約がついた濃度として、または、上記濃度のうちの任意の濃度に少なくとも約がついた濃度として供給されてもよい
1つの実施形態では、前記成分は、増幅過程の開始時に同時に添加される。別の実施形態では、成分は、増幅反応によって要求される、および/または、許容される通りに、増幅過程において適当な時点の前にまたは後に、任意の順序で添加される。このような時点は、その内のいくつかは後述されるが、当業者には簡単に特定が可能である。本発明の方法に従って核酸増幅のために使用される酵素は、その熱安定性および/または、当業者には既知の他の注意点に基づいて判断し、標的核酸変性工程前に、変性工程後に、または、プライマーの標的ポリヌクレオチドに対するハイブリダイゼーション後のいずれかにおいて、反応混合物に添加することが可能である。上記実施形態において、反応条件および組成物は、異なる反応の間では変えてもよい。
増幅過程は、各種時点で停止させ、その後の時点で再開してもよい。前記時点は、当業者には簡単に特定することが可能である。1つの時点は、複合プライマーのランダムハイブリダイゼーションの終了時である。もう1つの時点は、複合プライマーのランダムハイブリダイゼーションと複合プライマー伸長産物合成の終了時である。さらに別の時点(ある実施形態では)は、テンプレートRNAの切断後である。さらに別の時点は、単一プライマー等温性増幅(ある実施形態では、これは、RNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断する酵素(例えば、RNアーゼH)、および必要に応じて随意にDNAポリメラーゼの添加によって起動される)の直前である。さらに別の時点は、第2プライマー伸長産物合成の終了時である。反応を停止させる方法は、従来技術で既知であり、例えば、反応混合物を酵素活性が抑制される温度まで冷却する、または、反応混合物を酵素が破壊する温度まで加熱することを含む。反応を再開する方法も従来技術で既知であり、例えば、反応混合物の温度を、酵素活性を可能とする温度まで上昇させること、破壊された(枯渇した)酵素を補充すること、または、工程の起動に必要な試薬を添加すること(例えば、本法の単一プライマー等温性増幅相を起動するためのRNアーゼHおよび/またはDNAポリメラーゼの添加)を含む。ある実施形態では、1種以上の反応成分が、反応の再開の前に、再開のときに、または後に補充される。例えば、単一プライマー等温性増幅反応を始める前に、同じ複合プライマーが使用される場合は、その複合プライマーを補充することが必要となるかも知れない。あるいは別に、反応を中断することなく(すなわち、開始から完了まで)進行させてもよい
応は、例えば、プライマー除去のために中間複合体を精製することなく進行させることが可能である。産物は、各種時点で精製することが可能であり、かつ、そのような時点は当業者によって簡単に特定することが可能である。1つの時点は、RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体の形成終了時である。別の時点は、複合プライマーのランダムハイブリダイゼーションの終了時である。
増幅産物の検出は標的配列の存在を示す。定量分析も実行可能である。直接的および間接的検出法(定量法を含む)は従来技術でよく知られる。例えば、標的配列を含む未知量のポリヌクレオチドを含む試験サンプルの増幅産物の量を、標的配列を含むポリヌクレオチドの既知量を有する参照サンプルの増幅産物と比較することによって、試験サンプル中の標的配列の量を決定することが可能である。
(本発明の組成物とキット)
本発明はまた、本明細書に記載される方法で使用される組成物とキットを提供する。組成物は、本明細書に記載するものの内から任意に選択される成分、反応混合物、および/または中間体を始め、それらの任意の組み合わせであってもよい。
1つの実施形態では、本発明は、本明細書に記載される複合プライマーを含む組成物を提供する。ある実施形態では、複合プライマーは、DNA部分に隣接するRNA部分を含む。別の実施形態では、複合プライマーは、5’−および3’−DNA部分と、少なくとも1つの介在RNA部分を含む。別の実施形態では、複合プライマーのRNA部分は、7から約20個のヌクレオチドから成り、複合プライマーのDNA部分は、約5から約20個のヌクレオチドからなる。また別の実施形態では、複合プライマーのRNA部分は、約10から約20個のヌクレオチドから成り、複合プライマーのDNA部分は、約7から約20個のヌクレオチドからなる。ある実施形態では、複合プライマーは、下記:
Figure 2006523465
の複合プライマーから選択され、イタリック体はリボヌクレオチドを表し、「d」はデオキシリボヌクレオチドを表す。
別の実施形態では、本発明は、本明細書に記載する複合プライマー、および補助プライマー(例えば、ランダム化ヘキサマープライマー)を含む組成物を提供する。ある実施形態では、複合プライマーは、下記:
Figure 2006523465
の複合プライマーから選択され、イタリック体はリボヌクレオチドを表し、「d」はデオキシリボヌクレオチドを表す。
別の実施例では、本発明は、基を付着することによって誘導体形成された複合プライマーを含む組成物を提供する。この基は、核酸マイクロアレイを調製する際に用いられる固相基板に対する、複合プライマー含有ポリヌクレオチドの付着を可能とする。ある実施形態では、複合プライマーには、アミンのような正電荷帯電基が付着される。別の実施形態では、複合プライマーは、例えば、複合プライマーを検出可能基、例えばラベル、または、ラベルに共有結合または非共有結合が可能な基を用いて誘導体することによって標識される。
別の実施例では、本発明は、複合プライマーと、下記の内から選択される1つ以上を含む組成物を提供する。選択の対象となるものは、DNAポリメラーゼ、RNA/DNA2鎖からRNAを切断する酵素、および、補助プライマー(例えば、ランダムヘキサマープライマーの集団)である。ある実施形態では、組成物はさらに標識dNTPを含む。さらに別の実施形態では、組成物は、非標準的ヌクレオチド(例えば、dUTP)、および、米国特許出願公開第2004/0005614号、および、Kurn等の同時係属中米国特許出願第60/533,381号に記載されるように、無塩基部位を標識する、および/または、断片化するのに好適な試薬を含む。
組成物は、一般に、凍結乾燥形態または水性形態として、好ましくは、適当なバッファー中に存在する。
本発明はまた、本明細書に記載される増幅産物を含む組成物を提供する。従って、本発明は、本明細書に記載される方法の内から任意に選択された方法によって生産され、標的配列のコピーまたは相補体であるDNA集団(または、産物を含む組成物)を提供する。本発明はまた、均一(同じ配列)であっても、または、不均一(異なる配列)であってもよいこれらの集団からなる組成物および各種形態物(例えば、アレイ)を含む。これらの集団は、本明細書に記載される方法から得られた配列の任意の集合体であってよい。
組成物は、凍結乾燥形態であることも可能であるが、一般的には、適当な媒体中存在する。適当な媒体としては、水性媒体(例えば、純水またはバッファー)が挙げられるが、ただしそれに限定されない。
本発明は、本発明の方法を実行するためのキットを提供する。従って、適当な包装を施された様々なキットが提供される。キットは、本明細書に記載される用法の内から任意に選択される1つ以上の用法のために使用されてよく、従って、下記の用法の中から任意に選択される1つ以上に関する指示を含んでいてもよい。その用法とは、増幅法、遺伝子タイピング、核酸突然変異検出(遺伝子タイピング法を含む)、目的の配列の有無の決定、目的の配列の定量、不動化核酸の調製(マイクロアレイ上に不動化される核酸であってもよい)、比較ゲノムハイブリダイゼーション、および、本発明の方法によって生成される核酸増幅産物による核酸の特性解明、発現プロファイリング法、サブトラクティブハイブリダイゼーション、および、サブトラクティブハイブリダイゼーション用プローブの調製、および、ライブラリー(cDNAおよび/または差動ハイブリダイゼーションライブラリーであってもよい)調製法である。
本発明のキットは、本明細書に記載される成分から任意に選択された組み合わせを含む1つ以上の容器を含むが、下記は、そのようなキットの例である。キットは、本明細書に記載される複合プライマーの内から任意に選択されるものを含んでいてよい。ある実施形態では、キットは、下記:
Figure 2006523465
の複合プライマーから選択される1個以上の複合プライマーを含み、イタリック体はリボヌクレオチドを表し、「d」はデオキシリボヌクレオチドを表す。ある実施形態では、キットはさらに、複数の補助プライマーを含むが、それらは、別々に包装されてもよいし、されなくともよい。複合プライマーは、標識されてもよいし、されなくともよい。キットはまた、要すれば随意に、本明細書に記載される酵素(例えば、DNA依存性DNAポリメラーゼ、RNA依存性DNAポリメラーゼ、DNA−依存性およびRNA依存性DNAポリメラーゼの両活性を与えるDNAポリメラーゼ、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断することができる酵素、例えば、RNアーゼH)の内から任意に選択される1つ以上を始めとして、デオキシリボヌクレオシド三リン酸(標識、または未標識、または誘導体形成)も含んでよい。キットはまた、1種以上の適切なバッファー(例えば、本明細書に記載されるもの)を含んでもよい。キットはまた、Kurn等の同時係属中米国特許出願第60/381,457号に記載されるように、標識dNTP、および/または、非標準的ヌクレオチド(例えば、dUTP)を含んでもよい。
キットの中の1つ以上の試薬は、乾燥粉末として供給されてよいが、通常は、賦形剤を含めて凍結乾燥される。このものは、溶解すると、本明細書に記載される方法から任意に選択される方法を実行するのに好適な濃度を有する試薬液を与える。各成分は、別々の容器に包装されてもよいし、あるいは、交差反応性や有効期限が折り合う場合には、いくつかの成分を合わせて1つの容器に入れてもよい。
本発明のキットは、意図する核酸増幅のために本発明の方法の成分を使用することに関する、および/または、適当に、種々の目的、例えば、配列変異の検出のために増幅産物を使用するための、要すれば随意に、一式の指示、一般的には、指示書を含んでもよい。ただし、指示を含む電子保存媒体(例えば、磁性ディスケット、または光ディスク)も受け入れ可能である。キットに含まれる指示は、一般に、本発明の方法を実行するのに必要な試薬(キットに含まれると否とを問わず)に関する情報、キットの使用法および/または適当な反応条件に関する説明を含む。
別の実施例では、本発明のキットは、複合プライマー伸長産物および第2プライマー伸長産物からなる複合体を含む。さらに別の実施例では、上記キットの内から任意に選択されるキットはさらに、1種以上のコントロール(例えば、テンプレートポリヌクレオチド(例えば、ゲノムDNAのようなDNAテンプレート、あるいは、全体RNAまたはmRNAのようなRNAテンプレート)であってもよい)、複合プライマー、および/または補助プライマーを含む。
キットの成分は、便利で、適切であれば、任意に選択される包装形式で包装されてよい。成分は別々に包装されてもよく、あるいは、1つの、または複数の組み合わせで包装されてもよい。
キット中の各種成分の相対量は、本明細書に記載される方法を実行するのに必要な反応を実質的に最適化し、および/または、さらにアッセイの感度を最適化するのに必要な試薬の濃度を実現するために大きく変動させてもよい。
本発明はまた、本明細書に記載される方法を実行するシステムを提供する。これらのシステムは、上に論じた成分の各種組み合わせを含む。
どのシステム実施形態も、本明細書で記載するテンプレート(標的)配列を含んでよい。システムは一般に、本発明の増幅法を実行するための1つ以上の装置を含む。そのような装置としては、例えば、加熱装置(例えば、加熱ブロックまたは水浴)および、本明細書に記載される方法の1つ以上の工程を自動的に実行する装置が挙げられる。本発明の方法は、加熱サイクル工程がどの工程にも必要とされないので、小型装置に用いるのに特に好適である。好適な装置の非限定的例としては、BioAnalyzer(Agilant and Caliper)およびeSensorが挙げられる。
本発明はまた、本明細書に記載する成分の各種組み合わせを含む反応混合物(または、反応混合物を含む組成物)を提供する。反応混合物の例は上述した。ある実施形態では、本発明は、(a)標的ポリヌクレオチド、(b)3’DNA部分およびRNA部分を含む複合プライマー、(c)補助プライマー、および(d)DNAポリメラーゼを含む反応混合物を提供する。本明細書で記述する場合、複合プライマーは全て、3’DNA部分に隣接して5’RNA部分を含む複合プライマーを含めて、反応混合物(または、複数の複合プライマー)の中に存在してよい。反応混合物はまた、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素、例えば、RNアーゼHをさらに含んでもよい。ある実施形態では、複合プライマーは、下記:
Figure 2006523465
の複合プライマーから選択され、イタリック体はリボヌクレオチドを表し、「d」はデオキシリボヌクレオチドを表す。
その他の反応混合物も本明細書に記載され、本発明に含まれる。
本発明はまた、本明細書に記載される複合体(本明細書に記載される方法における中間体である)の内から任意に選択される複合体を含む組成物を含む。そのような複合体の例が、図1−8に模式的に描かれる。例として、本発明の1つの複合体は、(a)標的ポリヌクレオチド鎖、および、(b)3’DNA部分とRNA部分を含む複合プライマーを含む複合体である。この複合プライマーは、5’にあって、3’DNA部分に隣接するRNA部分を持ってもよい。別の例として、本発明の複合体は、(a)複合プライマー伸長産物、および、(b)標的ポリヌクレオチドを含む複合体である。
さらに別の例では、本発明の複合体は、本明細書に記載される方法の内から任意に選択される方法によって調製された、RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体である。ある実施形態では、この複合体はさらに、第2の末端に第2のRNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む。さらに別の例では、本発明の複合体は、本明細書に記載される方法の内から任意に選択される方法によって産生された3’単一鎖DNA部分を含む複合体である。ある実施形態では、複合体はさらに、第2の3’単一鎖領域を含む。別の例では、本発明の複合体は、(a)3’単一鎖DNA部分を含む複合体、および、(b)その3’単一鎖部分にハイブリダイズした複合プライマーである。
(本発明の増幅法および組成物を用いる方法)
本発明の方法および組成物は、様々の目的のために使用することが可能である。例示のために述べると、核酸突然変異検出法(遺伝子タイピング法を含む)、目的の配列の有無の決定、目的の配列の定量、不動化核酸の調製(マイクロアレイ上に不動化される核酸であってもよい)、比較ゲノムハイブリダイゼーション、および、本発明の方法によって生成された核酸増幅産物による核酸の特性解明、新規核酸配列(例えば、新規コードまたは非コード転写物)の検出および/または特定、および、スプライシング変異配列の特性解明が挙げられる。発現プロファイリング法、サブトラクティブハイブリダイゼーション法、および、サブトラクティブハイブリダイゼーション用プローブの調製、および、ライブラリー(cDNAおよび/または差動ハイブリダイゼーションライブラリーであってもよい)調製法がさらに挙げられる。
(核酸マイクロアレイを含む、基板に不動化される核酸の調製法)
本発明のいくつかの増幅法の産物は、表面に不動化するのに適する。本発明の方法の増幅産物が一般に、テンプレートポリヌクレオチドのセンスおよびアンチセンスコピーに対応する配列の混合物を含む限り、ある定義された供給源(例えば、定義された細胞集団または単一細胞から得られたDNAまたはRNA、生物特異的テンプレート(例えば、特定のウィルスまたはその他の病原体のDNAまたはRNAであって、その生物体を特定するのに十分なDNAまたはRNA)、または、疾病特異的テンプレート)から得られるテンプレートポリヌクレオチドの増幅によって生成される配列集団を不動化することは有用である。次に、不動化された増幅産物は、各種プローブによって探査され、ハイブダイゼーション信号が比較される。例えば、既知の病原体または非病原体(例えば、ウィルス、またはウィルスグループ)から得られたゲノムポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)の不動化アレイを、遺伝材料サンプル中の病原体の存在または同一性評価のために用いてもよい。このようなアレイは、疾病監視、および疾病発生の際には病原体の特定に有用であろう。疑惑のサンプルからポリヌクレオチドを分離し、従来技術で既知の任意の方法で標識し、このようなアレイにハイブリダイズさせてもよい。アレイに対するハイビリダイゼーションによって生じた信号を検出することによって、サンプルポリヌクレオチドに存在する病原体の存在または同一性に関する情報が得られる。
増幅産物は、固体または半固体の支持体または表面に付着させることが可能である。支持体または表面は、例えば、ガラス、プラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ナイロン)、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、またはその他の材料で製造されてもよい。
核酸を、例えば、ガラススライドのような固相基板に付着させるため従来いくつかのよく知られた技術がある。1つの方法は、固相基板に付着することができる基、例えば、アミン基、アミン基の誘導体、または正電荷を有する別の基を含む修飾された塩基または類縁体を、増幅核酸中に組み込むことである。次に、この増幅産物を、増幅産物上の反応基と共有結合を形成するアルデヒド、または他の反応基でコートした、固相基板、例えば、ガラススライドに接触させて、増幅産物をガラススライドに共有結合させる。増幅産物を含むマイクロアレイは、Biodot(Bioot,Inc.,アービン、カリフォルニア州)の点滴下装置、およびアルデヒド塗布ガラススライド(CEL Associates、ヒューストン、テキサス州)を用いて製造することが可能である。増幅産物は、アルデヒド塗布スライドに滴下し、公表された手順(Schena et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.(1995)93:10614−10619)に従って処理することが可能である。アレイはまた、ロボット工学を用いて、ガラス、ナイロン(Ramsay,G.,Nature Biotechnol.(1998),16:40−44)、ポリプロピレン(Matson,et al.,Anal Biochem.(1995)、224(1):110−6)、および、シリコンスライド(Marshall,A.and Hodgson,J.,Nature Biotechnol.(1998)16:27−31)の上に印刷することが可能である。アレイ構築のための他の方法としては、電場におけるファインマイクロペッティング(Marshall and Hodgson、上述)、および、正電荷塗布プレートに対するポリヌクレオチドの直接滴下が挙げられる。アミノプロピルシリコン表面化学を利用する方法も、http://www.cmt.corning.comおよびhttp://cmgm.stanford.edu/pbrown/に開示されているように、従来技術で既知である。
マイクロアレイを製造する1つの方法は、高密度ポリヌクレオチドアレイの製造である。ポリヌクレオチドの高速沈着技術は既知である(Blanchard et al.,Biosensors & Bioelectronics,11:687−690)。その他の方法、例えば、マスキングによるマイクロアレイの製造法も用いてよい(Maskos and Southern,Nuc.Acids Res.(1992),20:1679−1684)原則として、前述したように、任意のタイプのアレイ、例えば、ナイロンハイブリダイゼーション膜に対するドットブロットも使用が可能である。しかしながら、当業者には理解されるように、多くの場合極小アレイが好まれる。なぜならハイブリダイゼーション容量がより小さくなるからである。
増幅ポリヌクレオチドは、基板、例えば、紙、ガラス、プラスチック、ポリスチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、シリコン、光ファイバー、または、その他の任意の好適な固形または半固形表面体(例えば、薄層のポリアクリルアミドゲル(Khrapko,et al.,DNA Sequence(1991),1:375−388)を含む基板の上にマトリックス状に滴下してもよい。
アレイは、平坦な基板の上に二次元マトリックスとして配置してもよいし、または、ピン、ロッド、ファイバー、テープ、スレッド、ビーズ、粒子、マイクロタイターウェル、毛細管、シリンダー、および、標的分子のハイブリダイゼーション・検出に好適な任意の他の配置を取ってもよい。1つの実施形態では、増幅産物が付着される基板は、磁性ビーズまたは粒子である。別の実施形態では、固相基板は光ファイバーを含む。さらに別の実施形態では、増幅産物は、毛細管中の液相に分散され、次に、固体相に対して不動化される。
アレイはまた、粒子、例えば、ビーズから構成されてもよい。ビーズは、増幅産物のみによって標識されてもよいし、あるいは、増幅産物と付加したラベル、例えば、定義された色素または他のラベルとの両方によって標識されてもよい。
(核酸の特定)
本発明の方法によって得られる増幅産物についてさらに詳細な特性解明を実行することが可能である。本発明の方法の産物については、特に定量的分析を行うことが可能である。なぜなら、開始材料の各種ポリヌクレオチドの表示を一般に正確に反映する十分な量のDNAが生産されるからである。
増幅されたポリヌクレオチド産物(すなわち、本明細書に記載される増幅方法の内から任意に選択される方法によって得られた産物)は、例えば、従来技術で既知のプローブハイブリダイゼーション技術、例えば、サザンおよびノーザンブロッティング、およびプローブアレイに対するハイブリダイゼーションを用いて分析することが可能である。産物はまた、電気泳動法、例えば、従来技術で既知の、差動ディスプレイおよびサイズ特徴解明を用いて分析することも可能である。さらに、このポリヌクレオチド産物は、従来技術で既知の他の分析法および/または定量法、例えば、リアルタイムPCR、定量的TaqMan、分子ビーコンによる定量的PCR、米国特許第6,251,639、6,686,156、および、6,692,918号、米国特許公第2002/0115088A1、2003/0186234A1、2003/0087251A1、2002/0164628、および2003/0215926号、および、国際出願公開第03/08343号に記載される方法の開始材料として使用することも可能である。従って、本発明は、本明細書に記載される方法の産物の内から任意に選択される産物に対して適用される、これらのさらに詳細な分析的および/または定量的方法をも含む。
1つの実施形態では、本発明の増幅法は、ポリヌクレオチド産物の多数コピーを生成するのに利用され、産物はプローブに接触させることによって分析される。
ある実施形態では、本発明の増幅方法は、標識された(切断されない部分において)複合プライマーを用いて標識した1本鎖ポリヌクレオチド(一般に、DNA)産物の多数コピーを生成するのに利用される。例えば、プライマーは、アミノアリル標識ヌクレオチドによって標識することが可能である。別の実施形態では、本発明の増幅方法は、DNAの間に標識ヌクレオチドの取り込みによって標識されるポリヌクレオチド(一般に、DNA)産物の多数のコピーを生成するのに利用される。例えば、本発明の方法による増幅は、適当に標識されたdNTPを用いて実行することが可能である。これらの標識ヌクレオチドは、直接ラベルに付着させてもよいし、あるいは、ラベルに付着させることが可能な基を含んでもよい。ラベルは、増幅産物に対して共有結合または非共有結合てもよい。適当なラベルは従来技術で既知であるが、例えば、特定の結合ペアのメンバーであって、結合ペアの検出可能な第2メンバーを用いて検出/定量が可能なリガンドが挙げられる。従って、例えば、Cy3−dUTPまたはCy5−dUTPの存在下に本発明の方法に従ってテンプレートポリヌクレオチドを増幅することによって、これらのヌクレオチドは増幅産物の中に取り込まれる。さらに、アミノアリル誘導体ヌクレオチド、例えば、アミノアリルdUTPの存在下で増幅することも可能である。アミノアリルdUTPを含む増幅産物は、Cy3またはCy5のようなラベルに結合することが可能である。
別の実施形態では、増幅方法は、非標準的ヌクレオチド、例えば、dUTPの存在下に実行されるが、非標準的ヌクレオチドを含む増幅は、米国特許出願公開第2004/0005614号に開示される方法に従って標識および/または断片化される。簡単に言うと、非標準的ヌクレオチドは(増幅産物に取り込まれた場合)切断されて、無塩基部位を成する。次に、この無塩基部位は、無塩基部位を標識することが可能な試薬と接触させることによって標識する。さらに、無塩基部位を含むポリヌクレオチドは、その無塩基部位において切断することが可能であり、さらに詳細な分析、例えば、アレイに対するハイブリダイゼーションに好適な断片を成する。この断片はまた、前述のようにして標識することが可能である。
標識増幅産物は、それらを、例えば、cDNAのような適当なプローブおよび/またはオリゴヌクレオチドプローブを含む、マイクロアレイ(ガラス、チップ、プラスチックを含む、任意の適当な表面を持つ)、ビーズ、または粒子に接触させて分析(例えば、検出および/または定量)するには特に好適である。従って、本発明は、本発明の増幅法を用いて標識ポリヌクレオチド(一般に、DNA)産物を生成し、標識産物を分析することによって、対象とする標的ポリヌクレオチドの特性を解明する(例えば、検出および/または定量する)方法を提供する。標識産物の分析は、例えば、その標識増幅産物を、例えば、固形または半固形の基板の特定部位に不動化されたプローブ、定義された粒子に不動化されたプローブ、または、ブロット(例えば、膜)に不動化されたプローブ、例えば、前述されたアレイ、ハイブリダイズすることによって実行することが可能である。標識産物を分析するその他の方法は従来技術で既知であり、例えば、標識産物を、プローブを含む溶液に接触させ、その後、溶液から、標識増幅産物とプローブを含む複合体を抽出するやり方がある。プローブの本質から、増幅産物の配列の本質が解明され、従って、外挿により、サンプル中に存在する標的ポリヌクレオチドの本質も解明される。標識産物のハイブリダイゼーションは検出可能であり、検出される特定のラベルの量は、対象とする特定の標的ポリヌクレオチドの標識増幅産物の量に比例する。
アレイの定義された部位においてハイブリダイズした標識産物の量(例えば、ラベルと関連する検出可能な信号によって示される)は、サンプル中の対応する標的ポリヌクレオチドの検出および/または定量を指示する可能性がある。
特性解明法としては、ハイブリダイゼーションによる配列決定(例えば、Dramanac、米国特許第6,270,961号参照)、および、大規模ゲノムハイブリダイゼーション(比較ゲノムハイブリダイゼーションとも呼ばれる)(例えば、Pinkel,米国特許第6,159,685号、Daigo et al(2001)Am.J.Pathol.158(5):1623−1631を参照)が挙げられる。簡単に言うと、比較ゲノムハイブリダイゼーションは、本明細書に記載される任意の方法に従って標識ポリヌクレオチド(ポリヌクレオチド断片であってもよい)の第1集団を調製することを含み、その場合、第1集団が合成される元となったテンプレートは全ゲノムDNAである。(第1集団をそれと比較したいと思う)標識ポリヌクレオチドの第2集団が、第2ゲノムDNAテンプレートから調製される。第1集団と第2集団は異なるラベルで標識される。ハイブリダイズした第1および第2集団を混合し、アレイまたは展開した染色体にハイブリダイズさせる。異なるラベルが検出され、比較される。
別の局面では、本発明は、標識および/または断片化核酸の定量法であって、定義された配列(例えば、マイクロアレイ上に不動化されてもよい)を持つオリゴヌクレオチド(プローブ)の使用を含む方法を提供する。
本発明の方法によって生成された増幅産物はまた、標的核酸配列に見られる変化を、その配列変化を除いてはその標的核酸配列に対して同じである参照核酸配列と比べることによって検出する分析にも好適である。標的ポリヌクレオチドがゲノムDNAまたはRNAである場合、その配列変化は、ゲノム配列に存在する配列変化であるかも知れないし、あるいは、ゲノム配列には反映されない配列変化、例えば、転写後変化、および/または、スプライシング変異を含むmRNAのプロセシングによる変化であるかも知れない。配列変化(相互交換的に「突然変異」と呼ばれる)としては、1個以上のヌクレオチドの欠失、置換、挿入、および/またはトランスバージョンが挙げられる。
参照核酸配列と比べることによって標的核酸配列に見られる変化を検出する、その他の、従来技術認知の分析方法も、本発明の増幅法の核酸産物に用いるのに好適である。そのような方法は従来技術でよく知られているが、特定の定義された配列を検出するための各種方法、例えば、対立遺伝子特異的プライマー伸長、対立遺伝子特異的プローブ連結、差異プローブハイブリダイゼーション、および、限定プライマー伸長に基づく方法が挙げられる。例えば、Kurn等、米国特許第6,251,639B1、米国特許第5,888,819、6,004,744、5,882,867、5,854,033、5,710,028、6,027,889、6,004,745、5,763,178、5,011,769、5,185,243、4,876,187、5,882,867、5,731,146、国際公開第 US88/02746号、WO99/55912、WO92/15712、WO00/09745、WO97/32040、WO00/56925、および5,660,988を参照されたい。従って、本発明はまた、突然変異(一塩基多型であってもよい)を含む標的ポリヌクレオチドにおける突然変異の検出法であって、(a)本明細書に記載される任意の方法を用いて標的ポリヌクレオチドを増幅すること、および、(b)参照ポリヌクレオチドと比較することによって変化(突然変異)の存在について増幅産物を分析することを含む方法を提供する。
増幅産物はまた、さらに詳細な分析、例えば、配列決定、例えばオリゴヌクレオチド連結アッセイによる多型検出(多重SNP検出を含む)、Invader,Cleavase,または限定プライマー伸長による分析等のテンプレートとして使用することも可能である。全体として大容量の投入材料を必要とする方法では、本発明の方法は、ポリヌクレオチドプールを「前段」増幅し、その後の分析に十分な投入材料を生成するために使用することが可能である。
(遺伝子発現プロフィールの決定)
本発明の増幅法は、サンプル中の1種以上の遺伝子の発現レベルの定量に使用するのに特に好適である。なぜなら本明細書に記載される方法は、同じサンプル中の標的RNAを多数、莫大な数増幅することが可能だからである。前述のように、増幅産物は、本明細書に記載する、および/または、従来技術で既知の様々な方法を用いて検出し、定量することが可能である。RNAは遺伝子発現の産物であるから、サンプル中の各種RNA分子、例えばmRNAのレベルは、各種遺伝子の相対的発現レベル(遺伝子発現プロフィール)を示す。従って、配列の増幅産物を定量することによって決定される、サンプル中に存在する対象RNA配列量の決定は、同じサンプル供給源の遺伝子発現プロフィールを決める。
従って、本発明は、サンプル中の遺伝子発現プロフィールを定める方法であって、本明細書に記載される任意の方法を用いて、サンプルのテンプレートRNAから1本鎖産物を増幅すること、および、各RNAの増幅産物量を定量することを含み、前記各量は、サンプルにおける各RNAの量を示すものであり、それにより、サンプルの発現プロフィールが確定される方法を提供する。一般に、標識産物が形成される。ある実施形態では、標的RNAはmRNAである。増幅産物の量は、定量法および/または定性法によって定められてもよいことが理解される。増幅産物の量を定めることは、増幅産物の有無を決めることを含む。従って、発現プロフィールは、1種以上の対象RNA配列の有無に関する情報を含むことが可能である。本明細書で用いる、産物が「欠如する」または、産物の「欠如」、および「産物検出不能」とは、微々たるレベル、または最小レベルを含む。
発現プロファイリング法は、多種多様な分子診断において、特に、事実上任意の哺乳類細胞(単一細胞を含む)、または細胞集団における遺伝子発現の研究において有用である。細胞、または細胞集団(例えば組織)は、例えば、血液、脳、脾臓、骨、心臓、血管、肺、腎臓、下垂体、内分泌腺、胚細胞、腫瘍等に由来してよい。発現プロファイリングはまた、対照(正常)サンプルを、発達、治療などの前、後、および/または最中を含めた様々な時点で採取された試験サンプルを含む試験サンプルと比較するのに有用である。
(ライブラリーの調製法)
本発明の方法のDNA産物は、cDNAライブラリーおよびサブトラクティブハイブリダイゼーションライブラリーを含めたライブラリーを調製するのに有用である。本発明の方法を用いると、ライブラリーを、限られた量の開始材料から、例えば、限られた量の組織、または単一細胞から抽出されたmRNAから調製することが可能である。従って、1つの局面で、本発明の方法は、本発明のDNA産物からライブラリーを調製する工程を提供する。さらに別の局面では、本発明は、ライブラリーの製造法であって、本明細書に記載される任意の方法を用いてサブトラクティブハイブリダイゼーションプローブを調製することを含む方法を提供する。
サブトラクティブハイブリダイゼーション法)
本発明の方法は、(少なくとも)第1および第2標的ポリヌクレオチド集団が比較されるサブトラクティブハイブリダイゼーション法に使用するためには特に好適である。なぜなら、本明細書に記載される方法は、同じサンプルの多数の標的ポリヌクレオチドを増幅することが可能であり、かつ、本発明の方法は、サブトラクティブハイブリダイゼーションにおいて「駆動因子」として用いるのに好適な1本鎖アンチセンス核酸を大量に生産するのに適しているからである。例えば、一方はセンス、もう一方はアンチセンスである2つの核酸集団を、一方の集団がモ過剰で存在するように(「駆動因子」)互いに混合させることができる。両集団に存在する配列はハイブリッドを形成するが、一方、片方の集団にしか存在しない配列は1本鎖のままである。その後、各種知の方法を用いて、識別的に発現した配列を表す、ハイブリダイズしない分子を分離する。例えば、Hamson等、米国特許第5,589,339号、Van Gelder、米国特許第6,291,170を参照されたい。本明細書に提供されるサブトラクティブハイブリダイゼーション法は、増幅標的RNAを用いるサブトラクティブハイブリダイゼーションには特に好適である。
従って、本発明は、サブトラクティブハイブリダイゼーションを実行する方法であって、(a)本明細書に記載される任意の増幅法を用いて、第1ポリヌクレオチド集団から標的ポリヌクレオチドの相補体の複数DNAコピーを調製すること、および、(b)その複数のコピーを第2ポリヌクレオチド集団にハイブリダイズさせることを含み、それによって第2ポリヌクレオチド集団のサブ集団に、第1ポリヌクレオチド集団のDNAコピーと複合体を形成させる方法を提供する。本発明はまた、サブトラクティブハイブリダイゼーション法であって、本明細書に記載される任意の増幅方法を用いて、第1ポリヌクレオチド集団由来の少なくとも1つのポリヌクレオチドの相補体の複数コピーを、第2ポリヌクレオチド集団にハイブリダイズさせることを含み、第2ポリヌクレオチド集団のサブ集団に、第1ポリヌクレオチド集団の複数コピーの内のあるコピーと複合体を形成させる方法を提供する。好ましい実施形態では、サブトラクティブハイブリダイゼーションで利用されるポリヌクレオチド集団はRNA集団である。ある実施形態では、本発明の方法の、「駆動因子」1本鎖アンチセンスDNA産物が、試験因子(センス)RNA分子と結合される。ある実施形態では、「駆動因子」1本鎖アンチセンス核酸(一般に、DNA)産物は、本明細書に記載される本発明の方法を用いて生産される。
別の局面では、本発明は、差動増幅法であって、試験RNA配列とハイブリダイズする1本鎖駆動(アンチセンス)DNA配列を、DNA/RNAハイブリッド中に存在するRNAを切断する因子、例えば、RNアーゼHによる切断に供する方法を提供する。RNAが切断されると、試験RNA鎖から1本鎖DNA産物を生成することができなくなる。逆に、切断されない試験因子(すなわち、駆動DNA分子にハイブリダイズしない試験因子RNA)は、その後の増幅において基質となり得る。識別的に発現した増幅産物は、多様な用途、例えば、差動発現ライブラリー生産のための差動発現プローブとして含む用途を有する。従って、本発明は、1種以上のRNAテンプレート配列の差動増幅法であって、(a)本明細書に記載される任意の増幅法を用いて、第1RNA集団からRNAの相補体の複数のポリヌクレオチド(一般に、DNA)コピーを調製すること、(b)この複数コピーを第2RNA集団にハイブリダイズさせて、第2RNA集団のサブ集団に、DNAコピーとの複合体を形成させること、(c)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて工程(b)の複合体のRNAを切断すること、および、(d)第2RNA集団のハイブリダイズしないサブ集団を増幅することを含み、第2RNA集団のハイブリダイズしないサブ集団に対して相補的な1本鎖DNAの多数コピーを生成する方法を提供する。ある実施形態では、工程(d)は、本明細書に記載される任意の増幅法を用いて実行される。ある実施形態では、方法は、本明細書に記載される任意の増幅法を用いて、第1RNA集団由来の対象とする少なくとも1つのRNA配列の相補体の複数ポリヌクレオチド(一般に、DNA)コピーを、第2RNA集団にハイブリダイズさせ、第2RNA集団のサブ集団に、DNAコピーとの複合体を形成させること、(b)RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する酵素を用いて工程(a)の複合体のRNAを切断すること、および、(c)第2RNA集団のハイブリダイズしないサブ集団を増幅それにより第2RNA集団のハイブリダイズしないサブ集団に対して相補的な1本鎖DNAの多数コピーを生成すること含む
下記の実施例は、本発明を具体的に説明するために示されるものであって、本発明を限定するためのものではない。
(実施例1:複合プライマーおよびランダムヘキサマープライマーによるヒトゲノムDNAの大規模増幅)
大規模増幅反応は、複合プライマーIA20と、ヒトゲノムDNAをテンプレートとして用いて実行した。複合プライマーIA20の配列は下記の通り。IA20:
Figure 2006523465
であり、イタリック体はリボヌクレオチドを表し、「d」はデオキシリボヌクレオチドを表す。
ヒトゲノムDNA(Clontech.,カタログ番号6550−1)をTEバッファーで希釈し、99℃に加熱することによって変性した。いくつかのサンプルでは、DNAとプライマーは、増幅バッファー中で混合し、96℃で2−4分加熱した。
下記の反応混合物を用いた。
あらかじめ変性させたヒトゲノムDNA(約600コピー)2ng;
ランダムヘキサマーN6(最終濃度2.5μM)(Qiagen−Operon、項目番号:PolyN(6−mer))2μl;
複合プライマーIA20(最終濃度2.5μM)0.5μl(100μM);
Bst DNAポリメラーゼ(0.04U/μl)(New England BioLabs,カタログ番号M0275)0.1μl;
バッファー(最終濃度:20mM Tris−HCl、pH8.5;5mM MgCl;RNasin、0.3U/μl;DTT,0.5mM;アセチル化BSA、0.1μg/μl;T4gp32タンパク、0.15μg/μl)10μl;
RNアーゼを含まない水、最終容量15μlまで
この混合物を30℃で5分、次いで40℃で5分、50℃で2分インキュベートした。
酵素混合物5μl(RNアーゼH、最終濃度0.025U/μl;およびBst DNAポリメラーゼ(大断片)、最終濃度0.2U/μl)を添加し、反応系を50℃で30−40分インキュベートした。反応を、80℃で5分インキュベートして酵素を失活させて停止した。
コントロール反応を準備した。この場合、複合プライマー、N6ランダムプライマー、または、RNアーゼHのいずれかを省略した。コントロール反応では、(除外された試薬の)対応する容量は水で置換された。
増幅反応産物は下記のように分析された。0.5μlの反応混合液を4−20%の勾配アクリルアミドゲルに負荷し、200−220Vの定電圧で30分電気泳動した。ゲルを、0.005mg/mlの臭化エチジウムで2分間染色し、1分間水洗した。次にゲルを視像化し、AlphaImager2200システムにて撮影した。結果を図9に示す。レーンは、下記の成分を含む反応混合物に対応する。
レーン番号1−2:完全な反応混合物
レーン番号3−4:N6ランダムプライマーを欠く反応
レーン番号5−6:複合プライマーを欠く反応
レーン番号7−8:RNアーゼHを欠く反応。
図9は、完全反応混合物を含む反応(後述)、および、N6ランダムプライマーを欠く反応では、様々の分子量を持つ増幅産物が生産されことを示す。しかしながら、複合プライマーまたはRNアーゼHが省略された反応は、検出可能な反応産物を示さなかった。
増幅産物は、下記の手順を用いて定量した。反応は、前述のように準備し、処理した。反応混合物は100倍に希釈し、その希釈サンプル2μlをリアルタイムPCR定量に用いた。この定量には、染色体7の単一コピー配列を増幅する下記のプライマーペアを用いた。すなわち、
221PF2(5’−AGTATCTGGCACATCTT−3’(配列番号3))および、
221PR2(5’−GGGAGATATTATTTGGC−3’(配列番号4))。
プライマー221PF2と221PR2による増幅は、62塩基対のPCR産物を生産することが予測された。PCR反応混合物は下記を含んでいた。すなわち、10μMの各プライマー1μl;水6μl;2xSYBR Green PCR Master Mix(Applied Biosystems)10μl;および、希釈反応混合液2μl(前述のように希釈)。コントロール反応系は、テンプレートとして、増幅反応産物の代わりに、ヒトゲノムDNA2μlを用いて行った。
用いた熱サイクルプログラムは下記の通り。94℃10分1サイクル、次いで94℃30秒、55℃30秒、72℃30秒45サイクルである。リアルタイムPCR定量データは、Ct値(閾値サイクル)として示した。増幅産物の定量について得られた値は、2μlのヒトゲノムDNAについて得られた値(表1において「非増幅ゲノムDNA」と表示されている)と比較した。希釈された大規模増幅産物と、増幅反応に投入される元のヒトゲノムDNAの間の希釈係数は1000倍である。データを表1にまとめた。
(表1:SYBR Green使用リアルタイムPCRによる増幅産物および標的ヒトゲノムDNAの定量。ヒトゲノムDNAの染色体7上の単一コピー配列(221)を用いて増幅効率を定量した。増幅効率は、ゲノムDNAの開始サンプルにおけるこの単一コピー配列、および、大規模増幅後の同じコピー配列の相対的量として表。)
Figure 2006523465
第2の実験において、事実上前述した通りの複合プライマーIA20を用いてヒトゲノムDNAを増幅した。増幅後、前述の通りに、リアルタイムPCRを用いていくつかの標的配列を定量した。標的配列の染色体位置およびPCRプライマーペアは表2に示す通りである。表2は、大規模増幅後の標的配列の相対量と、増幅効率とを示す。リアルタイムPCR定量のデータはCt値(閾値サイクル)として示した
(表2)
Figure 2006523465
第3の実験では、事実上前述した通りの複合プライマーBSCA−128Fを用いてヒトゲノムDNAを増幅した。複合プライマーBSCA−128Fの配列は、
Figure 2006523465
であり、イタリック体はリボヌクレオチドを表し、「d」はデオキシリボヌクレオチドを表す。
増幅反応産物は上述の通りに分析した。様々な分子量の増幅産物が生成された。これは、複合プライマーが、多数のテンプレート配列の増幅を可能とすることを示す。
上に本発明をはっきりと理解されるよう図や実施例に基づいてやや詳細に説明したけれども、当業者には明らかなように、いくつかの変更および修正は実行可能である。従って、この説明および実施例は、本発明の範囲を限定するものと考えてはならない。
図1は、本発明の方法に有用な複合プライマーの1つの実施形態を示す。図に描かれるように、複合プライマーは、3’末端にDNA部分、5’末端にRNA部分を含む。本明細書に論じるように、3’DNA部分、次に5’方向に向かってRNA部分、次にDNA部分となる複合プライマーを用いることも可能である。 図2は、テンプレートポリヌクレオチドの複数部位にハイブリダイズする複合プライマーであって、複合プライマーの様々な部分が、ハイブリダイズする部位に応じてテンプレートポリヌクレオチドにハイブリダイズする複合プライマーを示す。 図3は、テンプレート鎖の複数部位にハイブリダイズした複合プライマーのプライマー伸長であって、ある複合プライマー伸長産物が、テンプレート鎖の下流部位にハイブリダイズした複合プライマーのプライマー伸長によって置換されるプライマー伸長を示す。 図4は、複合プライマー1を含む、複数の複合プライマー伸長産物の集合体であって、多数の標的ポリヌクレオチド配列に対応する配列に連結する(伸長を通じて)複合プライマー伸長産物の集合体を示す。 図5は、複合プライマーによってランダムにプライミングした第2プライマー伸長産物の生成を示す。 図6は、後段の複合プライマー依存性増幅のためのテンプレートとしてRNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体を用いる、単一プライマー等温性増幅を示す。 図7は、テンプレート鎖の複数部位にハイブリダイズする複合プライマーおよび補助プライマーから起こるプライマー伸長を示す。 図8は、複合プライマー伸長産物にハイブリダイズする補助プライマーによってもたらされる第2プライマー伸長産物の形成を示す。 図9は、ヒトゲノムDNAの多数のテンプレートポリヌクレオチド配列を増幅するために単一ランダムプライム型複合プライマーを用いた場合に生成される増幅反応産物を示すゲルの写真を示す。

Claims (80)

  1. DNAテンプレートポリヌクレオチドの増幅法であって、該方法は、以下:
    (a)反応混合物をインキュベートする工程であって、該反応混合物は、
    (i)DNAテンプレートポリヌクレオチド;
    (ii)第1プライマーであって、該第1プライマーは、該DNAテンプレートポリヌクレオチドの複数の部位にハイブリダイズし得える複合プライマーであって、該複合プライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む、第1プライマー;
    (iii)DNA依存性DNAポリメラーゼ;および
    (iv)RNA依存性DNAポリメラーゼ
    を含み、ここで、該インキュベーションは、該DNAテンプレートポリヌクレオチドの複数の部位に対する第1プライマーのランダムなハイブリダイゼーションおよびプライマー伸長を可能にする条件下であり、それによって、RNA/DNAヘテロ二重鎖を含む複合体が生成される、工程;ならびに
    (b)反応混合物をインキュベートする工程であって、該反応混合物は、以下:
    (i)工程(a)に従って生成された反応産物の少なくとも一部;
    (ii)RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーである増幅プライマー
    iii)DNA依存性DNAポリメラーゼ;および
    iv)RNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断する因子
    を含み、ここで、該インキュベーションは、RNAの切断、プライマーハイブリダイゼーション、プライマー伸長を可能にし、かつ該プライマー伸長産物のRNAが切断され、別の増幅プライマーが該テンプレートに結合し、鎖置換によって伸長される場合に、該プライマー伸長産物の置換を可能にする条件下であり、それによって、ポリヌクレオチド増幅産物の複数のコピーが生成される、工程
    を包含する、方法。
  2. 工程(a)の前記DNA依存性DNAポリメラーゼと、前記RNA依存性DNAポリメラーゼとは、同じ酵素である、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(a)の前記DNA依存性DNAポリメラーゼと、前記RNA依存性DNAポリメラーゼとは、異なる酵素である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1プライマーと前記増幅プライマーとは、同じプライマーである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記第1プライマーと前記増幅プライマーとは、異なるプライマーである、請求項1に記載の方法。
  6. 工程(b)は、RNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断する因子を工程(a)の反応混合物に添加することによって開始される、請求項1に記載の方法。
  7. RNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断する前記因子は、RNアーゼHである、請求項6に記載の方法。
  8. 工程(a)および/または工程(b)の前記反応混合物は、補助プライマーをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記第1プライマーは、ランダム配列を含む、請求項に記載の方法。
  10. 前記第1プライマーは、少なくとも2つの異なるプライマーである、請求項に記載の方法。
  11. 前記第1プライマーは、複数の異なるプライマーである、請求項10に記載の方法。
  12. 前記第1プライマーの前記RNA部分は、前記3’−DNA部分に対して5’側にある、請求項1に記載の方法。
  13. 前記増幅プライマーの前記RNA部分は、前記3’−DNA部分に対して5’側にある、請求項12に記載の方法。
  14. 前記増幅プライマーの前記5’RNA部分は、前記3’−DNA部分に隣接する、請求項13に記載の方法。
  15. 前記第1プライマーの前記5’RNA部分は、前記3’−DNA部分に隣接する、請求項12に記載の方法。
  16. 前記増幅プライマーの前記RNA部分は、前記3’−DNA部分に対して5’側にある、請求項15に記載の方法。
  17. 前記増幅プライマーの前記5’RNA部分は、前記3’DNA部分に隣接する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記第1プライマーの前記RNA部分は、7〜約20個のヌクレオチドからなる、請求項1に記載の方法。
  19. 前記第1プライマーの前記DNA部分は、約5〜約20個のヌクレオチドからなる、請求項18に記載の方法。
  20. 前記第1プライマーの前記RNA部分は、約10〜約20個のヌクレオチドからなる、請求項19に記載の方法。
  21. 前記第1プライマーの前記DNA部分は、約7〜約20個のヌクレオチドからなる、請求項20に記載の方法。
  22. 前記増幅プライマーの前記RNA部分は、7〜約20個のヌクレオチドからなる、請求項1に記載の方法。
  23. 前記増幅プライマーの前記DNA部分は、約5〜約20個のヌクレオチドからなる、請求項22に記載の方法。
  24. 前記増幅プライマーの前記RNA部分は、約10〜約20個のヌクレオチドからなる、請求項23に記載の方法。
  25. 前記増幅プライマーの前記DNA部分は、約7〜約20個のヌクレオチドからなる、請求項24に記載の方法。
  26. 前記第1プライマーは、
    Figure 2006523465
    からなる群より選択され、配列中、イタリック体はリボヌクレオチドを表し、「d」はデオキシリボヌクレオチドを表す、請求項1に記載の方法。
  27. 前記増幅プライマーは、
    Figure 2006523465
    からなる群より選択され、配列中、イタリック体はリボヌクレオチドを表し、「d」はデオキシリボヌクレオチドを表す、請求項26に記載の方法。
  28. 前記増幅プライマーは、
    Figure 2006523465
    からなる群より選択され、配列中、イタリック体はリボヌクレオチドを表し、「d」はデオキシリボヌクレオチドを表す、請求項1に記載の方法。
  29. 工程(b)の前記反応混合物は、非標準的ヌクレオチドをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  30. 前記非標準的ヌクレオチドは、dUTPである、請求項29に記載の方法。
  31. 工程(b)の前記反応混合物は、標識ヌクレオチドをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  32. DNAテンプレートポリヌクレオチドの増幅法であって、該方法は、反応混合物をインキュベートする工程を包含し、該反応混合物は、以下:
    (a)RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体であって、該複合体は、第1反応混合物をインキュベートすることによって生成され、該第1反応混合物は、以下:
    (i)DNAポリヌクレオチドテンプレート;
    (ii)複合プライマーである第1プライマーであって、該複合プライマーはRNA部分および3’DNA部分を含み、該複合プライマーは、該DNAテンプレートポリヌクレオチドの複数の部位にハイブリダイズし得る、第1プライマー;
    (iii)DNA依存性DNAポリメラーゼ;および
    (iv)RNA依存性DNAポリメラーゼ
    を含み、該インキュベーションは、該DNAテンプレートポリヌクレオチドの複数の部位に対する第1プライマーのランダムなハイブリダイゼーション、およびプライマー伸長を可能にする条件下であり、それによって、RNA/DNA部分的ヘテロ二重鎖を含む複合体が生成される、複合体;
    (b)RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーである増幅プライマー
    )DNA依存性DNAポリメラーゼ;および
    )RNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断する因子
    を含み、該インキュベーションは、RNA切断、プライマーハイブリダイゼーション、プライマー伸長を可能にし、かつ、プライマー伸長産物のRNAが切断され、別の増幅プライマー結合して伸長される場合に、該プライマー伸長産物の置換を可能にする条件下であり、それによって、ポリヌクレオチド増幅産物の複数のコピーが生成される、方法。
  33. RNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断する前記因子は、酵素である、請求項32に記載の方法。
  34. RNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断する前記酵素は、RNアーゼHである、請求項33に記載の方法。
  35. 前記DNA依存性DNAポリメラーゼと、RNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断する前記酵素とは、同じ酵素である、請求項33に記載の方法。
  36. 前記DNA依存性DNAポリメラーゼと、RNA/DNAハイブリッドからRNAを切断する前記酵素とは、異なる酵素である、請求項33に記載の方法。
  37. 前記増幅プライマーの前記RNA部分は、前記3’−DNA部分に対して5’側にある、請求項32に記載の方法。
  38. 前記増幅プライマーの前記5’RNA部分は、前記3’−DNA部分に隣接する、請求項37に記載の方法。
  39. 前記増幅プライマーの前記RNA部分は、7〜約20個のヌクレオチドからなる、請求項32に記載の方法。
  40. 前記増幅プライマーの前記DNA部分は、約5〜約20個のヌクレオチドからなる、請求項39に記載の方法。
  41. 前記増幅プライマーの前記RNA部分は、約10〜約20個のヌクレオチドからなる、請求項40に記載の方法。
  42. 前記増幅プライマーの前記DNA部分は、約7〜約20個のヌクレオチドからなる、請求項41に記載の方法。
  43. 前記増幅プライマーは、
    Figure 2006523465
    からなる群より選択され、配列中、イタリック体はリボヌクレオチドを表し、「d」はデオキシリボヌクレオチドを表す、請求項32に記載の方法。
  44. 前記反応混合物は、非標準的ヌクレオチドをさらに含む、請求項32に記載の方法。
  45. 前記非標準的ヌクレオチドは、dUTPである、請求項44に記載の方法。
  46. 前記反応混合物は、標識ヌクレオチドをさらに含む、請求項32に記載の方法。
  47. DNAテンプレートポリヌクレオチドの増幅法であって、該方法は、反応混合物をインキュベートする工程を包含し、前記反応混合物は、以下:
    (a)第1プライマー伸長産物と第2プライマー伸長産物との複合体であって、該第1プライマー伸長産物は、標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズされてランダムにプライミングされる第1プライマーをDNAポリメラーゼで伸長することによって生成され、該第1プライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーであり、該第1プライマーは、該DNAテンプレートポリヌクレオチドの複数の部位にハイブリダイズし得、該第2プライマー伸長産物は、該第1プライマー伸長産物にハイブリダイズされる第2プライマーの伸長によって生成される、複合体;
    (b)増幅プライマーであって、該増幅プライマーは、RNA部分および3’DNA部分を含む複合プライマーであり、該第2プライマー伸長産物にハイブリダイズし得る、増幅プライマー
    )DNA依存性DNAポリメラーゼ;および
    )RNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断する因子
    を含み、該インキュベーションは、RNA切断、プライマーハイブリダイゼーション、プライマー伸長を可能にし、かつ、複合プライマーRNA部分が切断され、別の複合プライマーが結合して伸長される場合に、該複合プライマー伸長産物の第2プライマー伸長産物による置換を可能にする条件下であり、それによって、ポリヌクレオチド増幅産物の複数のコピーが生成される、方法。
  48. RNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断する前記因子は、酵素である、請求項47に記載の方法。
  49. RNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断する前記酵素は、RNアーゼHである、請求項48に記載の方法。
  50. 前記DNA依存性DNAポリメラーゼと、RNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断する酵素とは、同じ酵素である、請求項48に記載の方法。
  51. 前記DNA依存性DNAポリメラーゼと、RNA/DNAヘテロ二重鎖からRNAを切断する酵素とは、異なる酵素である、請求項48に記載の方法。
  52. 前記反応混合物は、補助プライマーをさらに含む、請求項47に記載の方法。
  53. 前記増幅プライマーの前記RNA部分は、前記3’−DNA部分に対して5’側にある、請求項47に記載の方法。
  54. 前記増幅プライマーの前記5’RNA部分は、前記3’−DNA部分に隣接する、請求項53に記載の方法。
  55. 前記増幅プライマーの前記RNA部分は、7〜約20個のヌクレオチドからなる、請求項47に記載の方法。
  56. 前記増幅プライマーの前記DNA部分は、約5〜約20個のヌクレオチドからなる、請求項55に記載の方法。
  57. 前記増幅プライマーの前記RNA部分は、約10〜約20個のヌクレオチドからなる、請求項56に記載の方法。
  58. 前記増幅プライマーのDNA部分は、約7〜約20個のヌクレオチドからなる、請求項57に記載の方法。
  59. 前記増幅プライマーは、
    Figure 2006523465
    からなる群より選択され、配列中、イタリック体はリボヌクレオチドを表し、「d」はデオキシリボヌクレオチドを表す、請求項47に記載の方法。
  60. 前記反応混合物は、非標準的ヌクレオチドをさらに含む、請求項47に記載の方法。
  61. 前記非標準的ヌクレオチドは、dUTPである、請求項60に記載の方法。
  62. 前記反応混合物は、標識ヌクレオチドをさらに含む、請求項47に記載の方法。
  63. ポリヌクレオチドアレイの作製法であって、該方法は、基板上にポリヌクレオチド増幅産物を固定する工程を包含し、該増幅産物は、請求項1、32または47いずれか1項に記載の方法にって産生される、方法。
  64. 前記ポリヌクレオチド増幅産物は、規定された供給源に由来するテンプレートポリヌクレオチドの増幅によって生成される、請求項63に記載の方法。
  65. 前記規定された供給源は、規定された細胞集団である、請求項64に記載の方法。
  66. 前記基板は、紙、ガラス、プラスチック、ニトロセルロース、シリコン、および光ファイバーからなる群より選択される、請求項63に記載の方法。
  67. 前記基板は粒子である、請求項63に記載の方法。
  68. 前記粒子はビーズである、請求項67に記載の方法。
  69. 前記ビーズは色素で標識されている、請求項68に記載の方法。
  70. 核酸を特徴付けする方法であって、該方法は、ポリヌクレオチド増幅産物を分析する工程を包含し、該増幅産物は、請求項1、32または47いずれか1項に記載の方法によって産生される、方法。
  71. 前記分析する工程は、前記増幅産物をプローブと接触させることによって実行される、請求項70に記載の方法。
  72. 前記分析する工程は、前記増幅産物中の目的の配列を定量することによって実行される、請求項70に記載の方法。
  73. 前記分析する工程は、前記増幅産物を配列決定することによって実行される、請求項70に記載の方法。
  74. 前記分析する工程は、参照核酸配列と比較した場合の、前記増幅産物中の標的核酸配列における任意の変化を検出することによって実行される、請求項70に記載の方法。
  75. 標的核酸配列中の変化の検出は、対立遺伝子特異的プライマー伸長、対立遺伝子特異的プローブ連結、差異プローブハイブリダイゼーション、および制限プライマー伸長からなる群より選択される方法によって実行される、請求項74に記載の方法。
  76. ライブラリーの調製法であって、該方法は、ポリヌクレオチド増幅産物のライブラリーを調製する工程を包含し、該増幅産物は、請求項1、32または47いずれかに記載の方法によって産生される、方法。
  77. サブトラクティブハイブリダイゼーションを実行する方法であって、該方法は、標的ポリヌクレオチドの複数のコピーを含むポリヌクレオチド増幅産物を、ポリヌクレオチド集団にハイブリダイズさせる工程を包含し、それによって、ポリヌクレオチド集団のサブ集団に、ポリヌクレオチド増幅産物との複合体を形成させ、該ポリヌクレオチド増幅産物は、請求項1、32または47いずれか1項に記載の方法によって生産される、方法。
  78. ポリヌクレオチドテンプレートを保管する方法であって、該方法は、ポリヌクレオチド増幅産物を保存する工程を包含し、該増幅産物は、請求項1、32または47いずれか1項に記載の方法によって産生される、方法。
  79. テンプレートポリヌクレオチドを増幅するためのキットであって、以下;
    DNAテンプレートポリヌクレオチド内の複数の部位に結合し得る第1複合プライマー;
    増幅プライマー;および、
    請求項1、32または47いずれかに記載の方法を実行するための指示書
    を含む、キット。
  80. 補助プライマーをさらに含む、請求項79に記載のキット。
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