JP2006521330A - アルキルアリールケトンの水素化方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、アルキルアリールケトンを水素化する方法に関し、この方法は、不均一水素化触媒の存在下で、アルキルアリールケトンと0.5から30重量%のフェノール系化合物とを含む供給材料を水素と接触させる工程を含む。本発明は、改善された活性を有する水素化触媒の調製方法、および水素化触媒を活性化するためのフェノール系化合物の使用にも関する。

Description

本発明は、アルキルアリールケトンの水素化方法、この目的のために好適な触媒、およびこれらの調製方法に関する。
アルキルアリールケトンをアルキルアリールアルコールに水素化する方法は当技術分野において周知となっている。従来、このような方法は、CRC化学物理学ハンドブック第72版(CRC Handbook of Chemistry and Physics,72nd Edition),1991の1から11ページで定義されている周期系のIA族、IIB族、VI族、およびVIII族から選択される1種類以上の金属を含有する不均一触媒の存在下で、高圧および高温において、アルキルアリールケトンを水素と接触させることによって、アルキルアリールケトンを対応するアルキルアリールアルコールに水素化することを含む。
たとえば、欧州特許出願公開第0714877号明細書には、少なくとも1種類のアルカリ土類金属炭酸塩および/または少なくとも1種類のアルカリ土類金属化合物を含有する銅系触媒を使用するアセトフェノンの水素化によって、α−フェニルエチルアルコールを生成する方法が記載されており、この触媒は使用前に水素によって触媒が還元される。一般に、水素化に使用される条件下では、形成される所望のアルキルアリールアルコールの一部は脱水されてアリールアルケンとなり、これが直接水素とさらに反応して対応するアルキル化アリール化合物となる。この脱水は、温度が上昇するとより顕著になる。逆に、通常使用される触媒は、高温で活性がより高くなる。より高温で作業すると、アルキルアリールケトンの転化率はより高くなるが、所望のアリールアルコールの収率は低下し、したがって反応の選択性が低下する。より低温においては、アルキルアリールケトンの転化に関して触媒活性が制限され、おそらく収率も制限される。したがってより低い温度でアルキルアリールケトンのアリールアルコールへの水素化方法を実施でき、同時に所望の生成物を高収率で得られることが非常に望ましい。より低温でさえも改善された活性を有する触媒が提供されることも同様に望ましく、これによって、所望の生成物に対する選択性が低下するより高温での作業を回避することができる。
驚くべきことに、より低温で所望のアリールアルコールを改善された収率で得られる方法および触媒を発見した。したがって、本発明は、アルキルアリールケトンの水素化方法に関し、この方法は、不均一水素化触媒の存在下で、アルキルアリールケトンと0.5から30重量%のフェノール系化合物とを含む供給材料を水素と接触させる工程を含む。
本発明の状況の範囲内の水素化は、たとえばウルマン工業化学百科事典第5版A13巻(Ullmanns’ Encyclopedia of Industrial Chemistry,5th edition,Volume A13)407から410ページに記載されるような好適な触媒の存在下で、アルキルアリールケトンと分子水素との化学反応として理解されたい。この反応において、アルキルアリールケトンの炭素−酸素二重結合に水素が付加され、これによって対応するアルキルアリールアルコールに転化する。アルキルアリールアルコールという用語は、α−および/またはβ−アリールアルカノール、およびこれらの混合物のことである。
本発明の状況の範囲内のフェノール系化合物は、少なくとも1つのヒドロキシル基が直接結合した芳香核を含有する芳香族化合物である。
好ましいフェノール系化合物としては、フェノール、ならびにフェノールの同族体および置換生成物が上げられる。芳香核に直接結合した水素原子を置換する基としてはアルキルが上げられる。このアルキルは、直鎖でも分岐があってもよく、好ましくは鎖中に1から20個の炭素原子を有することができる。好ましいアルキル基は鎖中に1から12個の炭素原子を有する。分岐とは、メチル、エチル、またはプロピルなどの1つ以上の低級アルキル基が、線状アルキル基に結合していることを意味する。フェノール系化合物の混合物も、同様に適宜使用することができる。好ましくは、フェノール系化合物は、フェノールおよび/またはエチルフェノールである。最も好ましくは、フェノール系化合物はフェノールである。フェノール系化合物は、本発明の方法のいずれかの工程中に形成することもできるし、または、たとえば後述する工程(i)から(iv)から得られる供給材料の一部であってもよい。
好ましくは、本発明の方法は、少なくとも0.6重量%のフェノール系化合物を使用し、より好ましくは少なくとも0.7重量%、さらにより好ましくは少なくとも0.8重量%、より好ましくは少なくとも0.9重量%、より好ましくは少なくとも1.0重量%、より好ましくは少なくとも1.3重量%、より好ましくは少なくとも1.4重量%、より好ましくは少なくとも1.5重量%、最も好ましくは少なくとも2.0重量%のフェノール系化合物を使用する。本発明の方法は好ましくは、最高で30重量%のフェノール系化合物を使用し、より好ましくは最高で28重量%、より好ましくは最高で27重量%、より好ましくは最高で25重量%、より好ましくは最高で24重量%、より好ましくは最高で23重量%、より好ましくは最高で22重量%、より好ましくは最高で21重量%、より好ましくは最高で20重量%、より好ましくは最高で15重量%、より好ましくは最高で10重量%、最も好ましくは最高で5重量%のフェノール系化合物を使用する。
本発明による好適な水素化触媒は、金属または金属化合物として、周期系IA族、IIB族、VI族、およびVIII族からなる群より選択される少なくとも1種類の金属を含むことができる。好適な触媒は、クロム、銅、亜鉛、ニッケル、パラジウム、および白金などのVI族、VIII族、およびIB族から選択される少なくとも1種類の金属または金属化合物を含む。好ましくは、水素化触媒は、金属または金属化合物として銅および/またはパラジウムを含み、この理由は、これらの触媒は通常、本発明の方法で典型的に使用される条件下で芳香環構造を水素化しないからである。したがって、本発明は、好ましくは、水素化触媒が金属または金属化合物として銅を含む方法に関する。最も好ましい水素化触媒は、金属または金属化合物として銅を含み、この理由は、触媒が長期間高い触媒活性および選択性を有し、銅は入手が容易であり低コストであるからである。
アルキルアリールケトンを含む供給材料が生成される周知の方法の1つは、オキシラン化合物の調製であり、たとえば一体型スチレンモノマー/プロピレンオキシド法である。好ましくは、この方法は、
(i)アルキルアリール化合物を含む供給材料を酸素と接触させて、アルキルアリールヒドロペルオキシドとアルキルアリールケトンとを含む供給材料を得る工程と、
(ii)触媒の存在下で工程(i)で得られた供給材料をアルケンと接触させて、アルキレンオキシドと、アルキルアリールアルコールと、アルキルアリールケトンとを含む反応混合物を得る工程と、
(iii)工程(ii)で得られた反応混合物からアルキレンオキシドおよびアルキルアリールアルコールの少なくとも一部を除去して、アルキルアリールケトンを含む供給材料を得る工程とを含む。
工程(ii)で使用されるアルケンは、1から約10個の炭素原子の直鎖または分岐の炭化水素鎖を有する。好ましいアルケンは1から8個の炭素原子を含む。より好ましいアルケンとしては、エチレン、プロピレン、n−ブチレン、イソプレン、および1−オクテンが上げられ、より好ましいアルケンはエチレンおよびプロピレンであり、最も好ましいものはプロピレンである。
上記方法の工程(i)から(iii)の条件下で、形成されるアルキルアリールヒドロペルオキシドの一部は転位して、対応するアルキルアリールアルコールおよび対応するアルキルアリールケトンとなる。したがって、工程(iii)から得られる供給材料は、アルキルアリール化合物として、アルキルアリールアルコールおよびケトンを含む。アルキルアリールアルコールおよびケトンを含む工程(iii)で得られた供給材料は、アリールアルケンを調製するためのさらなるプロセス工程(iv)に送ることができる。工程(iv)では、供給材料中に存在するアルキルアリールアルコールが脱水されてアリールアルケンになる。しかしアルキルアリールケトンは、脱水条件化では反応してアリールアルケンとなることはない。したがって、工程(iv)は、好ましくは、高温でアルキルアリールアルコールおよびケトンを含む供給材料を脱水剤と接触させる工程と、アルキルアリールケトンを含む供給材料から形成されたアリールアルケンの少なくとも一部を取り出す工程とを含む。
アリールアルケンが所望の生成物である場合、アルキルアリールケトンのアリールアルキルアルコールへの転化が特に関心が持たれ、これをさらにアリールアルケンに転化させることができる。これによって所望のアリールアルケンの収率を増加させることができる。この転化は、アルキルアリールケトンを水素化してアルキルアリールアルコールを得ることによって実現することができる。
フェノール系化合物は、本発明の方法のあらゆる好適な段階またはこの前に、好適な濃度でアルキルアリールケトンを含む供給材料に加えることができる。したがって、本発明は、好ましくは、フェノール系化合物の少なくとも一部が、アルキルアリールケトンを含む供給材料に加えられる方法に関する。従来、水素化触媒の金属成分の浸出を抑制するために、これらのフェノール系化合物は水素化処理の前に除去する必要があると考えられていた。フェノール系化合物を除去することによって、さらなる廃棄物流が生じ、全体の工程効率も低下する。さらに、長期間にわたる触媒からの金属の浸出によって触媒安定性および活性が低下すると考えられていた。驚くべきことに、本発明による触媒は、本発明の方法の条件下で浸出があまり起こらないことが分かった。フェノール系化合物は、必要に応じて、本発明の方法のあらゆる段階で供給材料に加えることができるし、または本発明の方法の前の供給材料に加えることもできる。しかし、供給材料流中の不純物としてすでに存在するフェノール系化合物、および/または本発明の方法のいずれか1つの工程で得られた生成混合物の少なくとも一部を再循環させることによってプロセスの副生成物として生成するフェノール系化合物の好適な濃度を増加させることが好都合であることが分かった。したがって、好ましい側面においては、本発明は、
(a)不均一水素化触媒の存在下で、アルキルアリールケトンと0.5から30重量%のフェノール系化合物とを含む供給材料を水素と接触させる工程と、(b)工程(a)で形成されたアルキルアリールアルコールの少なくとも一部を、フェノール系化合物を含む生成混合物から除去する工程と、(c)場合により、工程(a)または工程(b)で得られた生成混合物のすべてまたは一部を工程(a)に再循環させる工程とを含む方法に関する。工程(b)の生成混合物の再循環によって、フェノール系化合物を別個に加えなくても、フェノール系化合物の好適な濃度の増加および維持が可能となる。工程(a)で得られた生成混合物の一部のみが再循環される場合は、当業者に周知のあらゆる好適な方法で所望の分画を分離することができる。工程(b)において、アルキルアリールアルコールの少なくとも一部は、好ましくは工程(a)で得られた供給材料から除去される。この除去は、当業者により好適であることが知られているあらゆる分離手段によって行うことができる。このような除去は、たとえば、蒸留またはあらゆる他の物理的分離方法によって、またはアルキルアリールアルコールの少なくとも一部を反応させてたとえばアリールアルカンにすることによって、および形成された生成物の少なくとも一部を除去することによって行うことができる。したがって、この除去は、好ましくは、工程(b)で得られたアルキルアリールアルコールを、前述のようなアリールアルケンの調製のための工程(iv)の条件にかける工程、または工程(b)で得られた流れを工程(iii)で得られた供給材料に加えることによって、この混合された流れを工程(iv)に送る工程を含む。これは、高温においてアルキルアリールアルコールを含む供給材料を脱水剤と接触させる工程と、形成されたアリールアルケンの少なくとも一部をアルキルアリールケトンを含む供給材料から除去する工程とを含む。
工程(i)から(iv)の方法に好適な基質はアルキルアリール化合物である。本出願の状況の範囲内において、使用されるアルキルアリール化合物は、アルキル置換基が2から10個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルキル置換基であるアルキル化ベンゼン、ならびに対応するケトンおよびアルコールである。より好ましいアルキルアリール化合物は、1または2個のアルキル置換基を含有する。数個の置換基を含有するアルキルアリール化合物は、数個のヒドロペルオキシド基を含有することができるという利点を有する。しかし、副反応の可能性の点から、3個以下の置換基が好ましく、2個以下の置換基がより好ましい。異なるアルキルアリール化合物の混合物を使用することもできるが、特定の化合物に工程条件を最適化できるようにするためには1種類の化合物が好ましい。好ましくは、アルキルアリール化合物は、エチルベンゼンまたはクメンであり、エチルベンゼンが最も好ましい。エチルベンゼンが工程(i)から(iii)にかけられる場合、アルキルアリールケトンとしてのアセトフェノンと、アルキルアリールアルコールとしての1−フェニルエタノールとを含む生成物の混合物が形成される。したがって、本発明は、好ましくは、アルキルアリールケトンがアセトフェノンである方法に関する。アセトフェノンは水素化されて1−フェニルエタノールとなるが、これを脱水によってスチレンに転化させることができる。したがって、本発明の方法は、好ましくは一体型スチレンモノマー/プロピレンオキシド製造方法の一部を形成する。また、本発明の方法は、好ましくは、クメン再循環下でプロピレンオキシドを生成するための一体型方法に関する。この一体型方法は、発熱プロセス工程で発生した熱を、エネルギー入力を必要とするプロセス工程に再利用できるという利点を有する。さらに、多量の廃棄物流を回避することができ、共通の反応経路におけるプロセスの各部分の副生成物に対応することによって廃棄物流が回避されるので、限定された数の材料のみが必要となる。驚くべきことに、フェノール系化合物の供給材料への添加、または供給材料中での蓄積によって、改善された活性および選択性を有する触媒が得られる。しかし、フェノール系化合物を実質的に含まない供給材料を触媒に加えるなどによって、作業中に供給材料中のフェノール系化合物の濃度が低下しても、触媒の活性および選択性は、元の活性より高い状態を長期間維持した後、元の活性にゆっくりと低下していく。したがって、好ましい実施形態においては、本発明は、改善された活性および選択性を有する水素化触媒の調製方法にも関し、この方法は、
(a1)反応媒体中に実質的に不溶性である水素化触媒を調製する工程と、
(a2)工程(a1)で得られた水素化触媒を、0.5から100重量%のフェノール系化合物を含む供給材料と接触させる工程とを含む。本発明の状況の範囲内において反応媒体とは、水素化触媒が調製される媒体、および水素化反応中に使用される媒体を意味する。実質的に不溶性とは、水素化の不均一触媒作用を促進できるように、水素化触媒の溶解または解離が困難であることを意味する。工程(a1)は、沈殿、共沈、混合、含浸、乾燥、焼成、および/または熱水処理の1つ以上の工程を含むことができる。好適な水素化触媒は、触媒の全重量を基準にし、金属酸化物として計算して、約5重量%から約95重量%の金属を含む。本発明は、好ましくは、水素化触媒が、金属または金属化合物として銅および/またはパラジウムを含む方法に関する。最も好ましくは、水素化触媒は銅を含む。水素化触媒、反応媒体中に実質的に不溶性である担体の上に適宜担持させることができる。この担体は、この目的に好適であることが分かっているあらゆる担体材料からなることができる。好適な担体材料としては、シリケート、アルミナ、クロメート、ケイ酸酸化亜鉛、およびこれらの混合物が挙げられる。
通常、水素化触媒は、触媒を水素と接触sさせることなどの還元によって活性化される。これは工程(a2)の最中または前に行うことができる。好ましくは、上記方法の工程(a2)の前に水素化触媒を水素と接触させる。これは、好ましくは加圧下で工程(a1)で得られた水素化触媒を水素にさらすことによって行うことができる。このような処理によって、水素化反応の開始段階中に高い触媒活性が得られる。本発明は、好ましくは、前述の調製方法によって得ることができる触媒にも関する。
使用可能である好適な水素化処理は、50から250℃、より好ましくは60から220℃、さらにより好ましくは70から180℃、最も好ましくは80から150℃の温度、および0.1から100×10N/m(bar)、より好ましくは1から50×10N/m、最も好ましくは10から30×10N/mの圧力において、アルキルアリールケトンを含む供給材料を水素と接触させることを含む。プロセス工程(a)は、スラリー、移動床、または流動床の形態で触媒を使用して実施することができる。しかし、大規模な工業用途の場合は固定床が好ましい。この方法は、バッチ方式、半連続、または連続で実施することができ、連続が好ましい作業方式である。反応物質を含有する液体供給材料は、反応ゾーンからの流出物が触媒を実質的に含まないように触媒床に通すことができる。好ましくは、本発明による水素化は、気−液並流ダウンフローを、少なくとも1つの充填床反応器(細流床反応器と呼ばれることが多い)に通すことで行われる。本発明の方法は、アルキルアリールケトンの水素化のためにすでに使用されている銅含有触媒に適宜適用することができる。供給材料の添加、または好適な濃度のフェノール系化合物を再循環させることによる供給材料の濃縮によって、このような触媒の性能を改善することができ、特により低い温度での触媒活性を改善することができる。本発明は、好ましくは、水素化触媒の活性を改善する方法にも関し、この方法は、0.5から100重量%のフェノール系化合物を含む供給材料と触媒を接触させる工程を含む。本発明の方法の工程(a)において、触媒は、好ましくは50から250℃の温度、より好ましくは60から220℃の温度、さらにより好ましくは70から180℃の温度、最も好ましくは80から150℃の温度で使用される。この方法において、フェノール系化合物は、水素化触媒の活性化のために使用される。
以下の実施例を参照しながら本発明による方法をさらに説明するが、これらの実施例は説明の目的で提供されており、本発明を限定するものではない。
(実験部分)
以下の実験は、加熱/冷却システム、高圧供給ポンプ、生成物を供給材料に再循環させるための高圧ポンプ、および2つの容器(供給材料流の流入および流出用)、ならびに水素および窒素の供給源に接続されたガス流入口と接続された反応器を備えるベンチスケールユニットにおいて細流で実施した。70重量%の酸化銅と5重量%の酸化カルシウムとを含む三つ葉の形状の二酸化ケイ素押出物126g(約130ml)を、260mlの0.2mm炭化ケイ素粒子と十分に混合した。この押出物は、平均粒径約1.6mm、BET比表面積14m/g、および孔隙体積0.36ml/gであった。この混合物を反応器に充填して、触媒床を得た。触媒床の上の残留空間には、流体を十分に分散させるための3mmガラス球を充填した。最初に反応器に2.3×10N/mの圧力で窒素をパージし、続いて反応器温度を130℃まで上昇させた。1体積%の濃度で水素を導入し、次に、反応器温度が170℃を超えないような速度で、水素濃度を100体積%まで徐々に増加させた。次に温度を175℃まで上昇させ、この温度を4時間維持した。以下の実施例では転化率は、指定の時間における、転化したアセトフェノンのモル流量を、供給材料で供給されるアセトフェノンのモル流量で割り、100%を掛けることによって表している。
(比較例1)
反応器温度を80℃まで低下させ、水素圧力を25×10N/mまで増加させた。フェノール系化合物を実質的に含まず、57%w/wのアセトフェノン、4%w/wの1−フェニルエタノール、20%w/wの2−フェニルエタノール、および19%w/wの他の芳香族化合物で構成される液体供給材料を、75ml/hの供給速度で反応器に加えた。反応器全体の液体生成物の再循環を、再循環/供給比4:1で行い、液体の1時間当たりの空間速度は約3l/l触媒/時となった。約1900時間システムを安定化させた後、サンプルを採取して、アセトフェノンの転化率を求めた。アセトフェノンの転化率が約76%であることが分かった。
比較例1に記載される1900時間の操作後、液体供給材料を、57%w/wのアセトフェノン、4%w/wの1−フェニルエタノール、20%w/wの2−フェニルエタノール、およびさらに2%w/wのフェノール、および残分として他の芳香族化合物を含む供給材料に切り換えたことを除けば、比較例1を繰り返した。約20時間の操作後、アセトフェノンの転化率を求めると約87%となり、約250時間後に転化率を測定すると約90%であった。フェノール系化合物を実質的に含有しない比較例1で使用した液体供給材料に戻すと、転化率は、約200時間で比較例1の値まで非常にゆっくりと減少した。
実施例1の触媒と比較例1の触媒とを比較すれば、活性が増大した触媒が形成されたことがはっきりと分かる。このようにインサイチュで形成された触媒の高い安定性は、フェノール系化合物を使用しないと、従来の値までゆっくりと減少することによってさらに実証された。

Claims (10)

  1. 不均一水素化触媒の存在下で、アルキルアリールケトンと0.5から30重量%のフェノール系化合物とを含む供給材料を水素と接触させることを含む、アルキルアリールケトンを水素化する方法。
  2. 前記水素化触媒が、金属または金属化合物として銅を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記アルキルアリールケトンを含む前記供給材料が、
    (i)アルキルアリール化合物を含む供給材料を酸素と接触させて、アルキルアリールヒドロペルオキシドとアルキルアリールケトンとを含む供給材料を得る工程と、
    (ii)触媒の存在下で工程(i)で得られた前記供給材料をアルケンと接触させて、アルキレンオキシドと、アルキルアリールアルコールと、アルキルアリールケトンとを含む反応混合物を得る工程と、
    (iii)工程(ii)で得られた前記反応混合物から前記アルキレンオキシドおよびアルキルアリールアルコールの少なくとも一部を除去して、アルキルアリールケトンを含む前記供給材料を得る工程と
    を含む方法によって得ることができる、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記フェノール系化合物の少なくとも一部が、前記アルキルアリールケトンを含む前記供給材料に加えられる、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. (a)不均一水素化触媒の存在下で、前記アルキルアリールケトンと0.5から30重量%のフェノール系化合物とを含む供給材料を水素と接触させる工程と、
    (b)工程(a)で形成されたアルキルアリールアルコールの少なくとも一部を、前記フェノール系化合物を含む流れから除去する工程とを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記アルキルアリールケトンがアセトフェノンである、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. (a1)反応媒体中に実質的に不溶性である水素化触媒を調製する工程と、
    (a2)工程(a1)で得られた前記水素化触媒を、0.5から100重量%のフェノール系化合物を含む供給材料と接触させる工程とを含む、改善された活性を有する不均一水素化触媒の調製方法。
  8. 前記水素化触媒が、金属または金属化合物として銅を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 請求項7または8に記載の方法によって得ることができる触媒。
  10. 不均一水素化触媒を活性化するためのフェノール系化合物の使用。
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