JP2006519623A - タンパクチロシンキナーゼインヒビターで被覆されたまたは含浸された血管ステントまたは血管グラフト、およびその使用方法 - Google Patents
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Abstract
心血管ステント、自家静脈/動脈グラフト、補綴静脈/動脈グラフト、血管カテーテルまたは血管シャントのような、血管を拡張するためのデバイスが開示されている。該デバイスは、一定量のタンパクチロシンキナーゼインヒビターを、その上に被覆させるか、その中に含浸させるか、それに吸着させるか、あるいは共有結合的にまたはイオン的に結合させた。タンパクチロシンキナーゼインヒビターは、該デバイスの直ぐ隣のおよび/または近傍の血管内の領域にある血管平滑筋細胞の増殖を抑制するが、同時に、血管の内膜細胞の増殖は抑制しない。対応する、血管を拡張するデバイスを使用する方法もまた、開示されている。
Description
関連出願
本願は2001年10月25日に出願された仮出願明細書シリアルナンバー第60/343,732号の優先権を主張するものであり、その仮出願明細書を、引用により本明細書の一部とする。
本願は2001年10月25日に出願された仮出願明細書シリアルナンバー第60/343,732号の優先権を主張するものであり、その仮出願明細書を、引用により本明細書の一部とする。
発明の分野
本発明は、内皮細胞の増殖を抑制することなく、血管損傷または経皮的血管再生のような外科的治療に続く、血管平滑筋細胞(VSMC)の増殖を選択的に抑制する方法に向けられている。特に、本発明は、内皮細胞の増殖に悪影響を与えることなく、VSMCの増殖を選択的に防ぐために、血管ステント、自家(native)グラフトまたは補綴血管グラフト(prosthetic vascular graft)の上に被覆されたタンパクチロシンキナーゼインヒビター、望ましくはBcr−Ablチロシンキナーゼを抑制するインヒビター、および最も望ましくは4−{(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル}−N−{4−メチル−3−{4−(3−ピリミジニル}アミノ}−フェニル}ベンズアミドメタンスルホン酸エステルの使用に向けられている。
本発明は、内皮細胞の増殖を抑制することなく、血管損傷または経皮的血管再生のような外科的治療に続く、血管平滑筋細胞(VSMC)の増殖を選択的に抑制する方法に向けられている。特に、本発明は、内皮細胞の増殖に悪影響を与えることなく、VSMCの増殖を選択的に防ぐために、血管ステント、自家(native)グラフトまたは補綴血管グラフト(prosthetic vascular graft)の上に被覆されたタンパクチロシンキナーゼインヒビター、望ましくはBcr−Ablチロシンキナーゼを抑制するインヒビター、および最も望ましくは4−{(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル}−N−{4−メチル−3−{4−(3−ピリミジニル}アミノ}−フェニル}ベンズアミドメタンスルホン酸エステルの使用に向けられている。
背景
動脈硬化は、血管の動脈壁の肥厚および硬化によって特徴づけられる病気の一部類である。全ての血管はこの重大な変性症状にかかりやすいが、心臓のために働いている大動脈および冠状動脈が最も多く冒される。動脈硬化は、それが心臓麻痺、心筋梗塞、発作および動脈瘤の危険性を増加させる可能性があるので、臨床に非常に重要である。
動脈硬化は、血管の動脈壁の肥厚および硬化によって特徴づけられる病気の一部類である。全ての血管はこの重大な変性症状にかかりやすいが、心臓のために働いている大動脈および冠状動脈が最も多く冒される。動脈硬化は、それが心臓麻痺、心筋梗塞、発作および動脈瘤の危険性を増加させる可能性があるので、臨床に非常に重要である。
動脈硬化症の血管の伝統的な処置には、一般に、比較的重篤でない閉塞に対しては、血管の再疎通処置、そして重大な閉塞に対しては冠状血管バイパス手術が挙げられる。可能な場合には、はるかに非侵襲的であるという理由から、血管の再疎通よりも冠状動脈バイパス処置がはるかに好ましい。血管の再疎通処置は、たとえば経皮的経血管的冠動脈バルーン血管形成術(PTCA)(バルーン血管形成術としても知られている)を含む、血管を通して閉塞部位に装着される血管内デバイスを使用することを含む。バルーン血管形成術は、その先端に緊密に折りたたまれたバルーンの付いたカテーテルを使用する。該カテーテルが閉塞部にたどり着くと、バルーンはふくらまされ、アテローム硬化型プラークは血管壁に対して圧縮される。しかしながら、このおよび他の血管内処置の重大な欠点は、治療を受けたかなりの数の人において、治療された血管のいくつかまたは全てが再狭窄する(すなわち、血管が再び狭くなる)ということである。これは、一般的に比較的短期間(およそ処置後6ヵ月未満)のうちに起こる。再狭窄は、一部は、バルーンカテーテルまたは他の血管内デバイスによって起こされた血管の内壁への機械的外傷によると考えられる。
大部分の血管の内壁は、中央の管状開口部、すなわち血管内腔を囲む3つの異なった層または膜を含む。血管内腔を内張する最内層は、内膜と呼ばれる。中間層、すなわち中膜は、大部分は円形に配置された平滑筋細胞および結合組織線維を含む。無傷の血管では、平滑筋細胞は一般的に活動区分を示さない。血管壁の最外層、すなわち外膜は、主に内部の層を保護し、血管に構造上の保全性を与えるコラーゲン繊維を含む。内膜への損傷を結果する機械的外傷は、血小板由来増殖因子(PDGF)のような化学物質の放出を含む、イベントのカスケード(a cascade of events)を開始する。このカスケードは、外傷の部位での血管平滑筋細胞(VSMC)の移動および増殖を促す。外傷部位でのVSMCの蓄積は、血管内腔の直径を狭くし、それによって再び患者を心臓麻痺、脳卒中などを起こす危険にさらす。
血管内デバイスの使用に続く平滑筋細胞の増殖を抑制するいくつかの方法が特許文献に報告されている。これらは、細胞周期インヒビターのような抗増殖剤および抗血液凝固剤(局所的または全身的送達システムのいずれかによる)を投与することを含む。しかし、これらの薬剤の全身的送達は、受け入れがたい副作用を引き起こすか、または法外に高価になるような投与量を必要として来た。米国特許第4,824,436号に記載されている薬剤、たとえばヘパリンの局所的送達は、一部は外傷の部位での活性薬剤の不適当な滞流時間によって、再狭窄を抑制するのに効果がないと判明した。タキソールのような細胞周期インヒビターは、共有結合的に反応しない、したがって効果を出すために長い滞流時間を必要とするので、類似した問題をきたす。さらに、そのような処置の効果を増すために滞流時間を長くすることもまた、毒性を増大させる危険性をもたらしかねない。
VSMC増殖を抑制すると報告された他の方法は、徐放性製剤に含まれる活性薬剤の局所的送達を含む。たとえば、米国特許第5,171,217号は、生理学的に適合する生分解性ポリマーの微小粒子内に包含された薬剤を記載している。この剤形は、薬剤が72時間以上の間、動脈壁から放出されるように、外傷の部位に局所的に投与される。対照的に、米国特許第6,281,225号は、VSMC増殖を抑制するDNAアルキル化剤の、局所的であるが、非徐放性の投与を記載している。
平滑筋細胞増殖を抑制する別の方法は、局所的送達システムによって光化学的に活性化された薬剤を投与することを含む。たとえば、米国特許第5,354,774号は、外傷の部位に局所的に8−メトキシソラレンを投与し、ついで可視光源を使用して光力学反応を起こさせることを記載している。
VSMCの増殖を抑制するさらにもう一つのアプローチは、放射線を出すカテーテルまたはガイドワイヤーの使用である。これらの放射性デバイスは、核酸に損傷を引き起こして、複製を抑制し、それによって平滑筋細胞増殖を阻止する。
上記の方法の全ては、ある種の欠点を持っている。たとえば、徐放性製剤は、付加レベルの複雑度、すなわち、徐放性製剤またはその中に薬剤を導入することを必要とする。光力学的治療は、光活性剤の局所的送達および複雑な血管内光源の使用を必要とする。放射線量の送達は、放射線科医の存在を必要とし、付添い人への曝露障害、ならびに物質貯蔵、取扱いおよび廃棄の問題をもたらす。
現在市場にある、または臨床試験に用いられている処理された冠動脈ステントは、また、それらが内皮細胞の増殖を抑制するという明白な欠点を有する。これは、配置されたステントの近傍での血栓症の原因となる。タキソールまたはラパマイシンのいずれかで被覆されたステントを使用した場合、ヒトの臨床試験で血栓症が確認された。そのような血栓症を防ぐために、臨床患者は、2、3ヵ月の継続的な抗凝血処置を受けなければならなかった。
したがって、内皮細胞の増殖を抑制することなく、血管の再疎通処置または他の血管損傷に続く、外傷の部位でのVSMC増殖を抑制するための安全で、簡単で、直接的な方法に対する必要性が存在する。理想的な解決策は、非放射性であって、医療行為者が実行するのにほとんどまたは全く再教育を必要としないものであるべきである。
細胞のシグナリングは、過去20年以上にわたって生物学と医学における主要な研究テーマになっていた。シグナル伝達における複雑な経路およびタンパク質成分は、ゆっくりではあるが、明瞭さを増しつつ、分かり始めている。過去15年にわたって、タンパクチロシンキナーゼは、細胞制御において主要な役割を果たすことが確認されてきた。それらは、免疫、内分泌、および神経システムの生理学と病理学に関与し、多くの癌、最も顕著には慢性骨髄性白血病の発病に重要であると考えられている。このように、それらは、多くの異なる病気に対する薬品標的として役立つ。多数のタンパクチロシンキナーゼが業界において知られている。添付した配列表は、数多くのそのようなキナーゼのアミノ酸配列の非排他的なサンプリング(non-exclusive sampling)を含む。
本明細書で使用される場合、タンパクチロシンキナーゼ(PTK)なる用語は、制限されることなく、酵素分類EC 2.1.7.112の範囲内の任意かつすべての酵素を意味する。PTKの種々の例に関しては、本明細書添付の配列表を参照のこと。これらの酵素は、ATPからタンパク基質のチロシンヒドロキシル部分への、γ−ホスホリル基の転移を触媒する。このグループのキナーゼは、セリン/トレオニンキナーゼ群とアミノ酸配列相同性を共有する。発見されるチロシンキナーゼの数は、指数関数的に大きくなっているが、それらの基質認識に関する分子詳細、触媒機構、および、分子内および分子間調節は、なお解明の途上である。
以下に詳しく記載するが、本発明者らは、PTKの作用を抑制することがVSMCの増殖を選択的に抑制することを発見した。
発明の詳細な記載
略号および定義:
以下の略号および定義を、明細書と請求項の全体を通して使用する。本明細書において特に定義されていない用語は、心血管の医学および生理学の分野内においてそれらの通常、かつ認められた意味を有する。
略号および定義:
以下の略号および定義を、明細書と請求項の全体を通して使用する。本明細書において特に定義されていない用語は、心血管の医学および生理学の分野内においてそれらの通常、かつ認められた意味を有する。
「BrdU」=5−ブロモ−2'−デオキシウリジン三リン酸。
「DME」=ダルベッコ修飾イーグル培地。
「FB」=ウシ胎児血清。
「JAK−2」=ヤヌス活性化チロシンキナーゼ。
「MAPK」=マイトジェン活性化プロテインキナーゼ。
「PDGF」=血小板由来増殖因子。
「薬学的に好適な塩」=遊離塩基または遊離酸のPTKインヒビターに固有の有益な抑制効果が対イオンに起因する副作用によって損なわれないように、その対イオンが塩の薬学的投与において患者に無毒である、酸または塩基付加塩。多数の薬学的に好適な塩が医薬の分野で周知である。塩基である有効成分に関しては、特定の塩自体が、たとえば、塩が精製および同定の目的のためだけに形成される場合、またはそれがイオン交換処理によって薬学的に好適な塩を調製する際の中間物として使用される場合のような中間産物としてだけに望まれるとしても、全ての酸付加塩は遊離塩基体の供給源として有用である。薬学的に好適な酸付加塩は、限定はされないが、鉱酸および有機酸から誘導された塩を含み、明確にハロゲン化水素酸塩を含み、たとえば、塩化水素酸塩および臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、スルファミン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、サリチル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、メチレン−ビス−b−ヒドロキシナフト酸塩、ゲンチシン酸塩、イセチオン酸塩、ジ−p−トルオイル酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、キナ酸塩等である。同様に、酸である活性成分に対しては、薬学的に好適な塩基付加塩が使用される。塩基付加塩は、限定されないが、アルカリまたはアルカリ土類金属塩基から誘導された塩、またはたとえばトリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、N−メチルモルホリン等のような通常の有機酸塩を含む。
「DME」=ダルベッコ修飾イーグル培地。
「FB」=ウシ胎児血清。
「JAK−2」=ヤヌス活性化チロシンキナーゼ。
「MAPK」=マイトジェン活性化プロテインキナーゼ。
「PDGF」=血小板由来増殖因子。
「薬学的に好適な塩」=遊離塩基または遊離酸のPTKインヒビターに固有の有益な抑制効果が対イオンに起因する副作用によって損なわれないように、その対イオンが塩の薬学的投与において患者に無毒である、酸または塩基付加塩。多数の薬学的に好適な塩が医薬の分野で周知である。塩基である有効成分に関しては、特定の塩自体が、たとえば、塩が精製および同定の目的のためだけに形成される場合、またはそれがイオン交換処理によって薬学的に好適な塩を調製する際の中間物として使用される場合のような中間産物としてだけに望まれるとしても、全ての酸付加塩は遊離塩基体の供給源として有用である。薬学的に好適な酸付加塩は、限定はされないが、鉱酸および有機酸から誘導された塩を含み、明確にハロゲン化水素酸塩を含み、たとえば、塩化水素酸塩および臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、スルファミン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、サリチル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、メチレン−ビス−b−ヒドロキシナフト酸塩、ゲンチシン酸塩、イセチオン酸塩、ジ−p−トルオイル酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、キナ酸塩等である。同様に、酸である活性成分に対しては、薬学的に好適な塩基付加塩が使用される。塩基付加塩は、限定されないが、アルカリまたはアルカリ土類金属塩基から誘導された塩、またはたとえばトリエチルアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、N−メチルモルホリン等のような通常の有機酸塩を含む。
「PTCA」=経皮的経血管的冠動脈バルーン血管形成術。
「PTK」=タンパクチロシンキナーゼ、限定されないが、酵素分類EC 2.1.7.112の範囲内の任意かつすべての酵素として本明細書において明示的に定義される。
「PTK」=タンパクチロシンキナーゼ、限定されないが、酵素分類EC 2.1.7.112の範囲内の任意かつすべての酵素として本明細書において明示的に定義される。
「PTKインヒビター」=1個以上のタンパクチロシンキナーゼインヒビターの触媒活性を選択的に抑制する化合物または組成物。
「STI−571」=4−{(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル}−N−{4−メチル−3−{{4−(3−ピリミジニル)アミノ}−フェニル}ベンズアミド、およびその薬学的に好適な塩。メタンスルホン酸塩が好ましい。この化合物は、「イマチニブ(imatinib)」という通称が与えられてきた。本明細書において使用されるように、「STI−571」は、遊離塩基またはその薬学的に好適な塩としてのイマチニブを指し、メシラート塩が好ましい。アメリカ合衆国では、それは、登録商標「Glivec」(米国登録商標登録番号第2,478,196号)の下で、Novartis AG(スイス国バーゼル)によって市販されている、それは、また、商標「Glivec」の下で世界中の他の場所でも販売されている。
「VEGF」=血管内皮増殖因子。
「VSMC」=血管平滑筋細胞。
「VSMC」=血管平滑筋細胞。
概要:
たとえば、切除処置、バルーンカテーテルまたは血管ステントを含む、血管内デバイスによって動脈硬化を治療することは、血管内デバイスに関連した技術が進歩し続けているために、ますます普及しつつある。全世界において年間ベースで約百万件のバルーン血管形成術処置が単独で実行されている。しかし、これらの処置は重大な欠点を持っている。かなりの数の事例において、処置された血管は、6ヶ月の後処置によって再閉塞するか、または再狭窄し、それは患者がさらなる処置を受けることを必要とする。「再狭窄」は、血管内腔が、血管再疎通処置の直後の血管内腔の直径と比較して、直径において約50%以上減少する段階を意味する。
たとえば、切除処置、バルーンカテーテルまたは血管ステントを含む、血管内デバイスによって動脈硬化を治療することは、血管内デバイスに関連した技術が進歩し続けているために、ますます普及しつつある。全世界において年間ベースで約百万件のバルーン血管形成術処置が単独で実行されている。しかし、これらの処置は重大な欠点を持っている。かなりの数の事例において、処置された血管は、6ヶ月の後処置によって再閉塞するか、または再狭窄し、それは患者がさらなる処置を受けることを必要とする。「再狭窄」は、血管内腔が、血管再疎通処置の直後の血管内腔の直径と比較して、直径において約50%以上減少する段階を意味する。
再狭窄の病因はよくは分かっていない。それは、一つには、治療された血管の内壁の反跳によると思われている。さらに、動脈硬化のような病気を治療するために使用される血管再疎通処置が再疎通の部位で機械的外傷を引き起こすことがあると仮定される。いかなる特定の作用機構にも限定されることなく、一旦内膜破裂が血管で起こるならば、多くの事象が起こり始めると仮定され、その事象は、単核細胞の内膜の内皮下層への移動およびたとえば血小板由来増殖因子(PDGF)、マクロファージ由来の増殖因子(MDGF)および血管内皮細胞から派生した増殖因子(EDGF)を含む、マイトジェン性増殖因子の放出を含む。これらの化学物質、特にPDGFは、VSMC増殖を誘発することにおいて明らかに役割を果たしている。これは、順に、血管内腔内に蓄積する相当量の細胞間基質を生じ、それによってその直径を狭くする。
本発明の第一の実施態様は、したがって、血管損傷の部位のすぐ隣のまたは近傍の場所におけるVSMCの増殖を選択的に抑制する1種以上の化合物を塗布した、血管ステント、自家静脈/動脈グラフト、補綴静脈/動脈グラフト、血管カテーテルまたは血管シャント(本明細書において、まとめて「血管デバイス」と呼ぶ)に向けられている。具体的には、本発明は、ある量のタンパクチロシンキナーゼ(PTK)インヒビターを、その上に被覆させるか、その中に吸収させるか、その中に含浸させるか、またはそれに共有結合的もしくはイオン的に結合させた、血管デバイスを含む。その化合物は、特に、Bcr−Ablチロシンキナーゼ、すなわち慢性骨髄性白血病で発見されたフィラデルフィア染色体異常によって作られた構成性異常チロシンキナーゼを抑制することが好ましい。本発明に用いられる好ましいPTKインヒビターは、また、血小板由来増殖因子と幹細胞因子(SCF)から成る群から選択される一種以上のPTKおよびc−Kitの活性を特異的にまたは非特異的に抑制するものである。血管デバイスと関連して使用されるPTKの量は、血管デバイスの直ぐ隣のおよび/または近傍の血管内の領域における血管平滑筋細胞の増殖を妨げるかまたは抑制するのに十分な量である。好ましい実施態様では、血管デバイスは、4−{(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル}−N−{4−メチル−3−{{4−(3−ピリミジニル)アミノ}−フェニル}ベンズアミドおよび/またはその薬学的に好適な塩(望ましくはメタンスルホン酸塩)で被覆される。
発明の第二の実施態様は、VSMCの増殖を特異的に妨げるか抑制するための対応する方法に向けられている。ここで、該方法は、血管デバイスに、ある量のPTKインヒビターを、被覆させること、吸収させること、含浸させること、または共有結合的にまたはイオン的に結合させることを含む。その量は、該デバイスが血管の内腔内に配置される時、血管デバイスの直ぐ隣のおよび/または近傍の血管内の領域におけるVSMCの増殖を妨げるか抑制するのに十分な量である。好ましいPTKインヒビターは、4−{(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル}−N−{4−メチル−3−{{4−(3−ピリミジニル)アミノ}−フェニル}ベンズアミドおよびその薬学的に好適な塩である。
発明の第三の実施態様は、血管内インターベンション(vascular intervention)に続く血管の再狭窄を妨げるまたは抑制する全身的方法に向けられる。該方法は、かなりの量のPTKインヒビターを全身的に(望ましくは経口で)投与することを含み、その量は、血管内インターベンションが行われた領域の直ぐ隣のまたは/および近傍の血管の中の部位におけるPTKインヒビターの増殖を妨げるか抑制するのに十分である。また、本発明のこの実施態様に用いられる好ましいPTKインヒビターは、4−{(4−メチル−1−ピペリジニル)メチル}−N−{4−メチル−3−{{4−(3−ピリミジニル)アミノ}−フェニル}ベンズアミドおよび/またはそれの薬学的に好適な塩である。
本発明において使用される化合物
PTKの作用を抑制する化合物で、現在知られている、または将来発見されるすべての化合物は、本発明において使用することができる。抗PTK活性が文書に記録されていて、したがって本発明に使用することができる特定の化合物は、下記を含む(限定はされない):ピリドピリミジン類、フタルイミド類、キノリン類、キナゾリン類、フラボノイド類、およびベンゾチアゾール類。
PTKの作用を抑制する化合物で、現在知られている、または将来発見されるすべての化合物は、本発明において使用することができる。抗PTK活性が文書に記録されていて、したがって本発明に使用することができる特定の化合物は、下記を含む(限定はされない):ピリドピリミジン類、フタルイミド類、キノリン類、キナゾリン類、フラボノイド類、およびベンゾチアゾール類。
最も広範囲に研究されたPTKインヒビターの中には、チロホスチン類およびキナゾリン誘導体がある。これらの化合物は、可能性のある抗癌剤として現在研究されている。たとえば、チロホスチン類およびキナゾリンは、(それぞれ)インビボで扁平上皮癌の成長を抑制するため、および発現するHER2−ErbB2の上でのヒト癌細胞の成長を阻止するために、EGFRに対する、およびシスプラチンのような確立された抗癌剤に対する抗体と相乗作用をすることが示された。チロホスチン類は、ベンジリデンマロニトリル構造に基づいている。この構造のわずかな置換は、EGFR、ErB−2およびv−Ablを選択的にターゲットとする一組の強力なインヒビターを提供した。こうして、チロホスチン類は、血管の内腔へのVSMC増殖を抑制するために、単独かまたは他のPTKインヒビターとの組み合わせにおいて使用することができる。
キナゾリン群の化合物は、記載された他のどのようなチロシンキナーゼインヒビター(29pMのIC50をもつ)よりも3倍以上強力であると判明した初期のEGFRインヒビターである、臭素化キナゾリン誘導体を含む。さらに、それは、マイクロモル濃度においてでさえ、PDGFR、FGFR、インシュリン受容体、CSFレセプターおよびSrcに対してあまり親和性を持たない。この並外れた阻害力と特異性のため、キナゾリン誘導体は、抗癌剤としてキナーゼインヒビターを開発することを目的とする研究の主な焦点である。したがって、これらの化合物もまた、本発明において、単独でまたは他のPTKインヒビターと組み合わせて使用することができる。
PTK抑制性化合物のもう一つのグループ、ジアニリノフタルイミド類は、天然物のPTKインヒビター、スタウロスポリンアグリコン(補足C参照)から合理的に設計された。これらの化合物は、ATPの競合阻害剤であることが示され、現在までに、250種以上のジアニリノフタルイミド誘導体が合成され、それらの生物学的活性度に関して評価されてきた。誘導体CGP5211は、EGFR(IC50=3mM)に対してかなり大きな特異性を示したが、PKCに対する若干の阻害力をも示す。この知見がCGP53353誘導体のデザインへと導いた。それはPKCアイソザイムに対して比較的低い特異性を示した。したがって、ジアニリノフタルイミド類もまた、本発明においてPTKインヒビターとして使用することができる。
多数の他の化合物がPTKインヒビターであると知られている。これらの化合物は、その全てが本発明で使用されうるのであるが、ブリオスタチン類、デフェンシン類、ゲニステイン、H8、ハービマイシンA、チロホスチン類、K−252a、ラベンダスチンA、ホルボールエステル類、スタウロスポリン類およびスラミンを含む。
本発明に用いられる好ましいPTKインヒビターは、4−{(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル}−N−{4−メチル−3−{{4−(3−ピリミジニル)アミノ}−フェニル}ベンズアミドおよびその薬学的に好適な塩(望ましくはメシル塩)である:
この化合物は、最初STI−571と呼ばれたが、アメリカ合衆国では商標「Glivec」の下でNovartisによって市販されている。それは、慢性骨髄性白血病の治療用にアメリカ食品医薬品局によって承認されている。英国特許第0564409A号および国際特許WO第99/03854号を参照のこと。
投与様式
本発明の1つの実施態様は、1つまたは複数のPTKインヒビターを全身的に投与することによって、血管損傷または血管干渉に続く血管の再狭窄を防ぐ方法である。好ましい経路は、経口である。PTKインヒビターはまた、静脈内、動脈内、筋内、経皮的、腸管外、または直腸に投与することができる。
本発明の1つの実施態様は、1つまたは複数のPTKインヒビターを全身的に投与することによって、血管損傷または血管干渉に続く血管の再狭窄を防ぐ方法である。好ましい経路は、経口である。PTKインヒビターはまた、静脈内、動脈内、筋内、経皮的、腸管外、または直腸に投与することができる。
具体的には、全身的または局所的投与は、許容される担体と組み合わせた、かつ、任意に他の治療上活性な成分または不活性の補助的成分と組み合わせた、活性化合物、すなわちPTKインヒビターまたはそれの薬学的に許容される塩からなる薬剤組成物により達成される。該担体は、製剤の他の成分と適合することおよびレシピエントに有害でないことという意味において薬学的に許容できるものでなければならない。適当な薬剤組成物は、経口的、局所的(すなわち管腔内的)、経直腸的または腸管外(皮下、筋肉内および静脈内を含む)投与に適した組成物を含む。
該製剤は、単位投薬剤形で便利に提供することができ、製剤技術において周知の方法によって調製することができる。「単位投薬量(unit dosageまたはunit dose)」という用語は、示された機能または状態を治療するために有効であるのに十分な有効成分の所定量を意味する表現である。薬剤組成物の各タイプを作成することは、活性化合物を担体および1つ以上の任意の補助成分との集合へともたらす段階を含む。一般に、該製剤は、活性化合物を一様かつ緊密な状態で液体担体または固体担体との集合へもたらすこと、ついで、必要ならば、その薬物を望ましい単位投薬剤形に形成することによって調製される。
本発明の内服に好適な製剤は、カプセル、カシェ剤、錠剤、ボラス剤またはトローチ剤のような個別の単位として提供され、各単位は、粉末または顆粒として、または、たとえば水溶液、懸濁液、シロップ、エリキシル、エマルション、分散液等々のような液体状態での所定量の活性化合物を含む。
錠剤は、所望により1またはそれ以上の補助成分とともに、圧縮または成形によって作成される。圧縮錠剤は、自由に流れる形態(free-flowing form)、たとえば粉末または顆粒を、所望により補助成分(たとえば結合剤、潤滑剤、不活性の希釈剤、界面活性剤または分散剤)を混ぜ合わせて、好適な装置で圧縮することによって調製される。成形錠は、粉末状の活性化合物となんらかの適当な担体との混合物を適当な装置で成形することによって作成される。
非経口投与に適した製剤は、簡便には活性化合物の、望ましくは、レシピエントの血液と等張にある、たとえば注射用水、塩類溶液、ポリエチレングリコール溶液などに溶かした滅菌製剤を含む。
有用な製剤はまた、PTK抑制化合物(これは適当な溶媒での希釈で、非経口投与に適した溶液を与える)を含む濃縮溶液または固体を含む。
局所的または局部的適用のための製剤は、エアロゾル噴霧剤、ローション、ゲル、軟膏、坐薬など、および水、食塩水、低脂肪族アルコール類、グリセリンなどのポリグリセリン類、ポリエチレングリセリン、脂肪酸エステル、油脂、シリコーンおよび、他の通常の局所的担体を含む。局所的製剤においては、PTKインヒビターは、望ましくは、約0.1〜5.0重量%の濃度で使用される。
直腸内投与に適した組成物は、望ましくは弾丸形で、有効成分、およびそのための薬学的に許容される賦形剤、たとえば固い脂肪、水素化ココ−グリセリド、ポリエチレングリコールなどを含む坐薬を含む。坐薬製剤においては、PTKインヒビターは、望ましくは、約0.1〜10重量%の濃度で使用される。
直腸内投与に適した組成物はまた、有効成分およびそのための薬学上許容できる賦形剤、たとえば、直腸または大腸に生理的に適合する50%エタノール水または食塩水を含むこともできる。直腸浣腸ユニットは、望ましくは、ポリエチレンから成り、白色ワセリンのような潤滑剤で滑らかにされ、そして望ましくは、製剤化された製剤のもどりを防ぐために一方向のバルブによって保護されている、かつ肛門を通して結腸に装入されるのに十分な長さ、望ましくは2インチの、不活性のカバーで保護されているアプリケータチップを含む。直腸用製剤では、PTKインヒビターは、望ましくは約5.0〜10重量%の濃度で使用される。
有用な製剤はまた、有効成分を含む濃縮溶液または固体から成り、それは適当な溶媒、望ましくは食塩水による希釈で、直腸への投与に適した溶液を与える。直腸用組成物は、通常のアジュバント、たとえば緩衝液、静菌剤、糖、増粘剤などを含むことが可能な水性製剤および非水製剤を含む。組成物は、直腸用一回量容器または多重投与量容器、たとえば直腸浣腸ユニットで提供される。
血管の処置をその内腔の中でするための局所的または局部的外科適用のための調製物は、そのような目的に適したスワブまたはカテーテルを含む。局所的または局部的両方の外科適用においては、PTKインヒビターの滅菌製剤は、医療材料に塗布して、望ましくは約0.1〜5.0重量%の濃度で使用される。
吸入による投与に適した組成物は、有効成分が約5ミクロンまたはそれ以下ないし約500ミクロンの範囲にある粒子径をもつ超微粉化粉末に混合した固体または液体である製剤、または適当な希釈剤中の液体製剤を含む。これらの製剤は、吸入器、計量吸入器、噴霧器などのような通常の送達システムから口腔経路を通っての急速吸入用に設計されている。適当な液状鼻腔用組成物は、有効成分(複数)の水溶液の、通常の鼻内噴霧剤、点鼻剤等々を含む。
前記の成分に加えて、本発明の製剤は、さらに薬剤製剤の技術で利用される1個以上の補助成分、すなわち希釈液、緩衝液、香料、着色剤、結合剤、表面活性剤、増粘剤、潤滑剤、沈澱防止剤、防腐剤(抗酸化剤を含む)等々を含むことができる。
VSMC増殖を抑制するのに有効であるために要求されるPTKインヒビターの量は、もちろん、治療される個々の哺乳動物で異なるし、最終的には医師または獣医師の判断にまかされる。考慮すべき因子は、治療される病状、投与の経路、製剤の性質、哺乳類の体重、表面積、年齢および全身状態、ならびに投与される特定のPTKインヒビターを含む。一般に、適当な有効量は、選択されたPTKインヒビターの、約0.01〜約500mg/体重kg/日の範囲にある。全1日量は、1回投与量として、多重投与として(たとえば1日当り2〜6回)、または選択された持続期間の静脈内注入として、与えることができる。上述の範囲の上かまたは下の投与量は、本発明の範囲内にあり、望まれてかつ必要ならば、個々の患者に投与される。
PTKインヒビターは、予防的に(好ましい実施態様では、手術直後に)、慢性的に、または、急性的に投与することができる。
具体的に好ましい実施態様に取り組んで、Novartisは、STI−571の遊離塩基体100mgの相当物を提供するカプセルでSTI−571を販売している。経口(好ましい経路)により投与される場合、本発明に用いられるSTI−571の好ましい量は、毎日100〜800mgの範囲であり、1〜4回の同一投与量で服用される。1,200mg/m2/日までのかなり大量の投与量もまた、与えられることがある。1,200mg/m2/日以上の投与量は、勧められない。
本発明の方法は、PTK活性を抑制する能力を持つ化合物の外傷部位への局所的送達による投与を含む。本発明に用いられる局所的送達システムの非制限的実施例は、血管内用薬物送達カテーテル、針金、薬理学的ステントおよび管腔内ペービング(endoluminal paving)を含む。
局所的送達を使用する好ましい実施態様において、本発明に用いられる化合物は、血管内のカテーテルを使用する直接的血管内付着によって、再疎通の部位に投与される。本発明に用いられるカテーテルシステムは、たとえば、圧送カテーテル、拡散カテーテルおよび機械的カテーテルを含む。本発明で使用することができる圧送カテーテルシステムは、多孔性カテーテル、微孔性カテーテル(たとえば、Cordis Corporationによって作られたもの)、マクロポーラスカテーテル、輸送カテーテル(たとえば、Cardiovascular Dynamics/Boston Scientificによって作られたもの)、溝のあるバルーンカテーテル(たとえばBoston Scientificによって作られたもの)、および注入スリーブカテーテル(たとえばLocalMedによって作られたもの)を含む。たとえば、米国特許第5,279,565号明細書参照。
PTKインヒビターはまた、たとえば、二重バルーン、急送、ヒドロゲル、被覆ステントカテーテルを含む、拡散に基づいたカテーテルシステムを通して局所的に投与することができる。本発明の方法はまた、イオン泳動バルーンカテーテルのような、機械的装置に基づいたカテーテルシステムによる、本発明の方法で使用される化合物の局所的投与を含む。
本発明に用いられる化合物は、再疎通処置に近い時点で、または、再疎通処置後の一時点で局所的送達によって投与されることがある。本発明に用いられる化合物は、単一用量で送達されるか、または反複用量で送達される。
本発明に用いられる化合物は、再疎通処置に近い時点で、または、再疎通処置後の一時点で局所的送達によって投与されることがある。本発明に用いられる化合物は、単一用量で送達されるか、または反複用量で送達される。
本発明で使用されるPTK抑制性化合物を送達する能力は、実施例に記載するブタ冠状血管モデルを含む既知の動物モデルを用いて生体内で評価することができる。したがって、たとえば、本発明の方法で使用されるPTKインヒビターは、ブタへの局所的送達によって血管損傷の部位に投与される。該ブタは屠殺され、ついで、たとえば蛍光顕微鏡法を含む既知の細胞学的、組織学的および他の方法によって調べられる。
本発明の方法に用いられるPTK抑制性化合物の送達のための最適条件は、使用する異なる局所的送達システム、ならびに使用する化合物の性質と濃度によって異なる可能性がある。再狭窄による顕著な動脈の閉塞を、たとえば、VSMCの増殖の能力によってまたは血管抵抗性または内腔直径の変化によって測る場合、それが起こらないように、外傷の部位でのVSMC増殖の抑制に対して状態を最適化することができる。最適化することのできる状態は、たとえば、化合物、送達量、送達速度、血管壁の浸透の深さ、近辺のインフレーション圧力、穿孔の量および大きさならびに薬物送達カテーテルバルーンの適合を含む。
投与の特に好ましい経路においては、血管ステント、補綴静脈/動脈グラフトまたは自家血管グラフトの上にPTK抑制性化合物を被覆させるか、または吸着させることができる。または、PTKインヒビターを、それらの中に含浸させる、または共有結合的にまたはイオン的にそれらに結合させることもできる。
ステント、グラフトまたは人工器官へのPTKインヒビターの好ましい適用は、当業者に公知の通常の方法による。これらの方法は、目的物をPTKインヒビターで浸すこと、浸み込ますこと、および塗布することを含むが、これに限定されるものではない。被着体の割れ目に被覆物を押し込むために圧力を使用する更なる被覆および含浸技術も考慮される。生物活性被膜の多重層が目的物に適用されることもある。何日、何週または何ヶ月にわたってのPTKインヒビターの徐放を提供するために、ステント、グラフトまたは人工器官をまずポリマー被膜で被覆することが可能である。望ましくは、約1〜約10層のPTK抑制性薬剤がステント、グラフトまたは補綴具の表面に適用される。
本発明によるデバイスおよび自家グラフト
前の段落に記載したように、PTK抑制化合物を投与する1つの好ましい経路は、それをステント、自家グラフトまたは人工血管の上に付着させることである。本発明では、カテーテル、ステント、シート、管、バルーン等々を含む、あらゆるそのような血管の医療デバイスを使用することができる。ここで使用する「医療デバイス」という用語は、それが人工の、半人工の、または自家組織のグラフトまたは材料であれ、あらゆるそのような血管の医療デバイスを総称的に指す。
前の段落に記載したように、PTK抑制化合物を投与する1つの好ましい経路は、それをステント、自家グラフトまたは人工血管の上に付着させることである。本発明では、カテーテル、ステント、シート、管、バルーン等々を含む、あらゆるそのような血管の医療デバイスを使用することができる。ここで使用する「医療デバイス」という用語は、それが人工の、半人工の、または自家組織のグラフトまたは材料であれ、あらゆるそのような血管の医療デバイスを総称的に指す。
望ましくは、本発明の医療デバイスは、PTK活性を抑制する化合物を少なくとも表面に被覆するために、処理され、被覆され、または別法で処理された血管グラフト、体内補綴物またはステントのような移植可能なデバイスである。本発明の目的に関しては、「血管グラフト」という用語は、カテーテルを通して一般に導入される全ての体内補綴物を含むことが意図されている。好ましい実施態様では、該医療デバイスはSTI−571で被覆されている。最小限に侵襲性であるカテーテルのような、他の医療デバイスもまた、被覆されることがある。血管グラフトは、内外の疎水性界面をもつ窪んだ管状体を含むことができ、その外面または両面は、PTK抑制性化合物で被覆されている。
最も望ましくは、本発明のデバイスは、金属またはポリ(テトラフルオロエチレン)のようなポリマー物質から作られた小口径の血管ステントまたはグラフトである。これは、ポリマー物質から作られ、米国特許第6,306,165号明細書に記載されている四フッ化エチレン樹脂ステントのような別の物質で被覆されているステントを含む。
本件発明の好ましい医療デバイスである血管ステントは、血管形成処置の後、閉塞部分を開いたままに保持するために動脈に移植されるミニチュアメッシュ管である。処置された動脈の支持体として機能していて、ステントは、可撓性であるが極めて強く、カテーテルを通して(熟練した医師にとっては)一般に送達しやすく、かつフルオロスコープで容易に見ることができる。ステントは、該ステントを治療場所に送達し、ついで、閉塞が解かれたのち、該ステントを所定場所に膨張させるために使用されるバルーンカテーテルに予め備え付けられる。
現在知られているか、将来開発されるあらゆるステントは、本発明にしたがってPTKインヒビターで被覆することができる。血管ステントの最大手の商業的供給会社は、おそらくMedtronic(710 メドトロニック・パークウェイ、ミネアポリス、ミネソタ州)である。Medtronicはまた、スイスのトロケナズ、カナダのオンタリオ、香港のコースウエイ・ベイ、およびオーストラリアのNSW、グレィズヴィルに設備を持っている。Medtronicのステント、カテーテル、バルーン、ガイドカテーテル、ガイドワイヤー等々の全ては、本発明で使用することができる。現在、Medtronicは「Discrete Technology」、「S7」、「S670」、「S660」および「BeStent」という商標の下で非常に広い範囲のステントおよび他の血管用医療デバイスを市場に出している。
血管ステントは、米国に基盤を置いていないメーカーからも同様に入手可能である。たとえば、英国ファーナムのBiocompatibles Cardiovascularは、「BiodivYsio」という商標の下で一連の心血管ステントを製造し、販売している。
PTKインヒビターを医療デバイス上に固着または被覆させることができるし、または、それを医療デバイスに共有結合的にまたはイオン的に結合させることができる。PTKインヒビターは、医療デバイスに直接結合させるか、またはスペーサー基またはリンカーを通して結合させることができる。共有結合的結合に関しては、ポリマーの医療デバイスまたはポリマー被覆の医療デバイスを使用すること、およびPTKインヒビターは、1〜250個の原子の鎖長を持つスペーサー基またはリンカーを通して医療デバイスに共有結合的に結合させることが好ましい。たとえば、スペーサー基は、アルキル類、アルキルアミン類、酸素添加ポリオレフィン、脂肪族ポリエステル類、ポリアミノ酸、ポリアミン、親水性ポリシロキサン、親水性ポリシラザン、親水性アクリル酸塩、親水性メタクリル酸塩、線状および少し枝分かれした多糖類などを含むことができる。
本発明のさらにもう1つの実施態様では、血管の内層に触れると、その処置された表面が長期間にわたって抗VSMC増殖活性を示す、表面修飾された移植可能シート物質が提供される。この移植可能なシート物質は、それにPTK活性を抑制する化合物(好ましい化合物はSTI−571である)を付着したまたは結合した疎水性基質物質を含む。該シートを、血管の欠損および外傷を修復するための外科用メッシュのパッチまたは管にすることができる。
以下の実施例は、本明細書において特許請求する発明の、さらに詳細な開示を提供するためにのみ記載される。実施例は、いかなる形においても本発明を制限するものではない。
実施例1 血管の平滑筋細胞増殖
ブタ冠状血管VSMCを、3〜5日間37℃で10%FBSを含むDME培地の96ウェルプレート中で近集密状態まで増殖させた。無血清DME培地での48時間の同期化の後、STI−571(0.01〜10M)の存在下で、細胞を24時間PDGF(20ng/mL)で刺激した。その刺激期間の最後の5時間、ウェルにBrdUを添加した。その後、細胞を60℃で24時間乾燥させ、固定させ、変性させ、そしてRoche Molecular Biochemicalsから市販されている比色アッセイ(ELISA)(カタログ番号No.1,647,229)を用いてメーカーのプロトコルにしたがって、BrdU取込みを定量した。Roche Molecular Biochemicalsから入手可能な「細胞増殖ELISA、BrdU(比色測定)取扱い説明書」第3版(2000年9月)参照。簡単に言えば、BrdU ELISAは、細胞増殖の定量のための比色イムノアッセイである。それはDNA合成の間のBrdU取込みの測定に基づく。比色測定アプローチは、相当する3H−チミジン取込みアッセイに対する非放射性代替法である。実施例4も参照のこと。
ブタ冠状血管VSMCを、3〜5日間37℃で10%FBSを含むDME培地の96ウェルプレート中で近集密状態まで増殖させた。無血清DME培地での48時間の同期化の後、STI−571(0.01〜10M)の存在下で、細胞を24時間PDGF(20ng/mL)で刺激した。その刺激期間の最後の5時間、ウェルにBrdUを添加した。その後、細胞を60℃で24時間乾燥させ、固定させ、変性させ、そしてRoche Molecular Biochemicalsから市販されている比色アッセイ(ELISA)(カタログ番号No.1,647,229)を用いてメーカーのプロトコルにしたがって、BrdU取込みを定量した。Roche Molecular Biochemicalsから入手可能な「細胞増殖ELISA、BrdU(比色測定)取扱い説明書」第3版(2000年9月)参照。簡単に言えば、BrdU ELISAは、細胞増殖の定量のための比色イムノアッセイである。それはDNA合成の間のBrdU取込みの測定に基づく。比色測定アプローチは、相当する3H−チミジン取込みアッセイに対する非放射性代替法である。実施例4も参照のこと。
この実施例の結果を図1に図示する。STI−571の存在または不在(陽性対照)において、48時間の血小板由来増殖因子(PDGF−ββ、20ng/ml)による細胞の刺激の後に(実施例4に記載するのと同じやり方で)BrdUの取込みによって、DNA合成を測定した。各データ点は、5〜7個のウェルを代表し、平均値+/−標準偏差として表す。
図から分かるように、STI−571の投与は、VSMCの増殖を用量依存的に抑制した。この実施例は、VSMCの増殖を抑制する本発明の効用を示す。
実施例2 血管内皮細胞増殖
ブタ大動脈血管内皮細胞を、37℃で3〜5日間10%FBSを含むDME培地の96ウェルプレート中で近集密状態まで増殖させた。無血清DME培地における48時間の同期化の後、STI−571(0.01〜10M)の存在下で、細胞をVEGF(20ng/ml)で24時間刺激した。刺激期間の最後の5時間、BrdUをウェルに添加した。その後、細胞を60℃で24時間乾燥し、固定し、変性した。そしてBrdU取込みを、実施例1に記載したRocheのEL1SAを使用して測定した。
ブタ大動脈血管内皮細胞を、37℃で3〜5日間10%FBSを含むDME培地の96ウェルプレート中で近集密状態まで増殖させた。無血清DME培地における48時間の同期化の後、STI−571(0.01〜10M)の存在下で、細胞をVEGF(20ng/ml)で24時間刺激した。刺激期間の最後の5時間、BrdUをウェルに添加した。その後、細胞を60℃で24時間乾燥し、固定し、変性した。そしてBrdU取込みを、実施例1に記載したRocheのEL1SAを使用して測定した。
本実施例の結果を図2に図示する。この図から分かるように、STI−571は、大動脈の血管内皮細胞の増殖に極めてわずかな抑制効果を示した。
実施例1の結果と結びつけると、この実施例は、大動脈の血管内皮細胞の増殖には感知可能な抑制効果を持っていないのに、VSMCの増殖を選択的に抑制する本発明の効用を示す。
実施例3 STI−571の濃度増加によるヒト冠状動脈の血管平滑筋細胞の増殖の抑制
本実施例は、冠状動脈の血管平滑筋細胞が用量依存的にSTI−571によって抑制されることを示す。
本実施例は、冠状動脈の血管平滑筋細胞が用量依存的にSTI−571によって抑制されることを示す。
凍結保存したヒト冠状動脈の血管平滑筋細胞(CC−2583)は、Clonetics(現在はCambrex Bio Science Walkersvile, Inc(メリーランド州、ウォーカースヴィル)の完全所有子会社)から商業的に購入した。
1cm2当り2500個の細胞という初期播種密度で、細胞を、傾斜ネック・濾過キャップの25cm2培養フラスコで増殖させた。
湿らせた、37℃、CO25%のインキュベーターの中で、10%PBSを追加した「SmGM−2」ブランドの平滑筋細胞増殖培地(Cambrex、メーカーから配達されたままで使用)で細胞を増殖させた。培地は、最初24時間後に替え、ついでその後は48時間ごとに替えた。細胞は、約80%の集密度で通過させた(約4〜6日)。増殖アッセイは、24ウェル培養プレートで行った。
培養5日目に、成長培地を試験培地(成長培地+STI−571)、成長培地(陽性対照、培地+FBS)および無血清培地(陰性対照、添加PBSの全くない「SmGM−2」ブランド培地)と交換した。
各状態(3個のウェル)を1本のミクロ遠心管に集めて、7日目に細胞をトリプシン化しながら、手動で細胞を数えた。該細胞を1.5gで10分間遠心し、ついで60μlトリプシン中和溶液中に再懸濁させた。ついで、血球計算板上で4回繰り返して該細胞を計数した。
結果を図3に示す。図では、細胞は、10%FBSで48時間刺激した後に計数した。各実験に対するデータは、PBSを含み、STI−571を含まない陽性対照に対し正規化した。各点は、8個の別個の実験からの18〜21ウェルを代表する。各データ点の中心は、STI−571の各濃度での平均値であり、エラーバー(error bar)は、各濃度レベルでの標準偏差である。
このグラフの意義は、STI−571が、用量依存的に、ヒト冠状動脈血管平滑筋細胞の増殖を抑制することをグラフが明確に示していることである。これらの細胞が再狭窄の原因となっているので、このグラフは、そのような再狭窄を抑制するための本発明の効果を示している。
実施例4 STI−571によるヒト冠状動脈における血管平滑筋細胞のDNA合成の抑制
本実施例は、STI−571がヒト冠状動脈の血管平滑筋細胞におけるDNA合成を抑制することを証明する。
本実施例は、STI−571がヒト冠状動脈の血管平滑筋細胞におけるDNA合成を抑制することを証明する。
実施例3に記載したのと同じ細胞を使用した。STI−571の、種々の試験濃度への暴露および培養条件もまた、実施例3と同じであった。
DNA取込みは、市販のBrdUアッセイ(Roche Molecular Biochemicals、カタログ番号No.1,647,229)を使用して測定した。BrDu標識溶液を6日目に添加し、ついで、さらに24時間(7日目の間中)細胞が増殖するままにした。ついで、標識溶液を除去し、細胞を60℃で1時間乾燥させた。ついで、細胞を室温で1時間「FixDenat」固定液を使用して固定させた。ついで、固定液を除去し、抗BrdU抗体溶液を細胞に添加した。ついで、細胞を37℃で2時間培養した。
ついで、抗体溶液を除去し、ウェルに基質を添加した。十分な発色現像が起こるまでプレートを室温で培養した。ウェルに1M−H2SO4を添加することによって反応を停止させた。ついで、450nm(対照、690nm)の吸光度を測定した。
結果を図4に示す。各データ点は、2つの独立した実験からの14〜28個のウェルを代表し、平均値+/−標準偏差として表わす。この実施例の意味は、STI−571がヒト冠状動脈血管平滑筋細胞におけるDNA合成を抑制することを実施例が示しているということである。前の実施例におけるように、このことは注目に値する。なぜなら、これらのタイプの細胞はステントを入れた血管の再狭窄を引き起こすからである。そのような細胞の成長を抑制することによって、再狭窄が抑制されている。
実施例5 STI−571によるヒト冠状動脈における血管平滑筋細胞の移動の抑制
本実施例は、STI−571がヒト冠動脈の血管平滑筋細胞の移動に何らかの影響を及ぼすかどうかを決定するために行った。
本実施例は、STI−571がヒト冠動脈の血管平滑筋細胞の移動に何らかの影響を及ぼすかどうかを決定するために行った。
実施例3に記載した細胞を使用した。初期の播種密度は、BSA1%およびPDGF−ββ20ng/mlの入った試験培地中でフィルタ(0.3cm2)当り4000個の細胞であった。ついで、細胞を37℃、CO25%の湿った環境で24時間培養した。ついで、フィルタの上面の細胞をかき取った。ついで、フィルタの底面の細胞を氷冷したメタノールで10分間固定した。フィルタをPBSですすぎ、ついでハリスのヘマトキシリン染色液で5分間着色し、再度PBSですすいだ。
ついで、高倍率(400×)で手動により4回繰り返して細胞を計数した。
結果を図5に示す。データ棒は6個のメンブレンを代表し、データは対照メンブレン(STI−571なし)に対し正規化した平均値+/−標準偏差として表す。
本実施例の意義は、STI−571がヒト冠動脈の血管平滑筋細胞の移動を用量依存的に抑制することをこれが示していることである。これらの細胞の移動がステントの配置後の再狭窄の主な要因であるので、この実施例は、本発明がこの移動を抑制する、したがって、再狭窄を抑制するために使用することができることを証明する。
実施例6 ヒト冠状動脈の内皮細胞の増殖に対するSTI−571の抑制効果の欠如
本実施例は、ヒト冠状動脈の内皮細胞の増殖がSTI−571によってはいかなる方式においても抑制されないことを証明する。
本実施例は、ヒト冠状動脈の内皮細胞の増殖がSTI−571によってはいかなる方式においても抑制されないことを証明する。
市販の凍結保存したヒト冠状動脈内皮細胞をClonetics(現在は、Cambrex Bio Science Walkersvile, Inc.(メリーランド州ウォーカーズヴィル)の完全所有子会社)から購入した。
1cm2当り2500個の細胞という初期播種密度で、傾斜ネック、フィルターキャップの25cm2培養びん中で該細胞を増殖させた。湿らせた、37℃、CO25%のインキュベーター中で、10%PBSを追加した「EGW−MV」ブランドの平滑筋細胞増殖培地(Cambrex、メーカーから配達されたままで使用)中で該細胞を増殖させた。培地は、最初24時間後に替え、その後は48時間ごとに替えた。該細胞は、約80%の集密度で通過させた(約4〜6日)。増殖アッセイは、24ウェル培養プレートで行った。
5日目に、成長培地を試験培地(成長培地+STI−571)、成長培地(陽性対照、培地+FBS)および無血清培地(陰性対照、添加PBSの全くない「EGW−MV」ブランド培地)と交換した。
各状態(3個のウェル)を1本のミクロ遠心管に集め、7日目に細胞をトリプシン化しながら、手動で細胞を数えた。該細胞を1.5gで10分間遠心し、ついで60μlトリプシン中和溶液中に再懸濁させた。ついで、該細胞を血球計算板上で4回繰り返して計数した。
結果を図6に示す。図から分かるように、STI−571は、試験を行ったいかなるSTI−571の濃度でも、ヒト冠状動脈の内皮細胞の増殖に対して顕著な影響を示さなかった。この実施例は、実施例3〜5とともに、重要である。なぜなら、これらの実施例は、STI−571がヒト血管平滑筋細胞に対し強い抑制効果を持っている(増殖、DNA合成および細胞移動を抑制する)が、内皮細胞の増殖を抑制しないことを示しているからである。これは、ステントが確実に血管壁に移植されるようになるために、挿入した血管ステントの周りの内皮細胞の増殖が望ましいので、これは注目に値する。
Claims (22)
- 血管を拡張するためのデバイスであって、前記デバイスは、ある量のタンパクチロシンキナーゼインヒビターをその上に被覆させるか、その中に含浸させるか、それに吸着させるか、あるいはそれに共有結合的にまたはイオン的に結合させた心血管ステント、自家静脈/動脈グラフト、補綴静脈/動脈グラフト、血管カテーテル、または血管シャントを含み、前記量が心血管ステント、自家静脈/動脈グラフト、補綴静脈/動脈グラフト、血管カテーテルまたは血管シャントの直ぐ隣のおよび/または近傍の血管内の領域にある血管平滑筋細胞の増殖を妨げるまたは抑制するのに十分であって、同時に、血管内膜細胞の増殖を抑制しないことを特徴とする、デバイス。
- 心血管ステントを含む請求項1のデバイス。
- 自家静脈/動脈グラフトを含む請求項1のデバイス。
- 補綴静脈/動脈グラフトを含む請求項1のデバイス。
- 血管カテーテルを含む請求項1のデバイス。
- 血管シャントを含む請求項1のデバイス。
- タンパクチロシンキナーゼインヒビターが血小板由来の増殖因子インヒビターである請求項1のデバイス。
- タンパクチロシンキナーゼインヒビターがBcr−Ablチロシンキナーゼインヒビターでもある請求項7のデバイス。
- タンパクチロシンキナーゼインヒビターがSTI−571である請求項1のデバイス。
- タンパクチロシンキナーゼインヒビターが4−{(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル}−N−{4−メチル−3−{{4−(3−ピリミジニル)アミノ}−フェニル}ベンズアミドおよび/またはその薬学的に好適な塩であり、その量が、心血管ステント、自家静脈/動脈グラフト、補綴静脈/動脈グラフト、血管カテーテルまたは血管シャントの直ぐ隣のおよび/または近傍の血管内の領域にある血管平滑筋細胞の増殖を妨げるまたは抑制するのに十分な量である、請求項1のデバイス。
- 血管を拡張するデバイスであって、前記デバイスが4−{(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル}−N−{4−メチル−3−{{4−(3−ピリミジニル)アミノ}−フェニル}ベンズアミドおよび/またはその薬学的に好適な好適塩を、その上に被覆させるか、その中に含浸させるか、それに吸着させるか、またはそれに共有結合的にもしくはイオン的に結合させた心血管ステント、自家静脈/動脈グラフト、補綴静脈/動脈グラフト、血管カテーテル、または血管シャントを含み、その量が、心血管ステント、自家静脈/動脈グラフト、補綴静脈/動脈グラフト、血管カテーテルまたは血管シャントの直ぐ隣のおよび/または近傍の血管内の領域にある血管平滑筋細胞の増殖を妨げるまたは抑制するのに十分な量である、デバイス。
- 心血管ステントを含む請求項11のデバイス。
- 自家静脈/動脈グラフトを含む請求項11のデバイス。
- 補綴静脈/動脈グラフトを含む請求項11のデバイス。
- 血管のカテーテルを含む請求項11のデバイス。
- 血管シャントを含む請求項11のデバイス。
- 血管内インターベンションに続く再狭窄を防ぐ方法であって、前記方法が、血管内インターベンションに使用される心血管ステント、自家静脈/動脈グラフト、補綴静脈/動脈グラフト、血管カテーテル、または血管シャントに一定量のタンパクチロシンキナーゼインヒビターを被覆させること、吸着させること、または共有結合的にまたはイオン結合的に結合させることを含み、その量が、心血管ステント、自家静脈/動脈グラフト、補綴静脈/動脈グラフト、血管カテーテルまたは血管シャントの直ぐ隣のおよび/または近傍の血管内の領域にある血管平滑筋細胞の増殖を妨げるまたは抑制するのに十分であって、同時に、血管内膜細胞の増殖を抑制しない量である、方法。
- 心血管ステント、自家静脈/動脈グラフト、補綴静脈/動脈グラフト、血管カテーテルまたは血管シャントが血小板由来増殖因子インヒビターで被覆されている、請求項17の方法。
- 心血管ステント、自家静脈/動脈グラフト、補綴静脈/動脈グラフト、血管カテーテルまたは血管シャントがBcr−Ablチロシンキナーゼインヒビターで被覆されている請求項17の方法。
- 心血管ステント、自家静脈/動脈グラフト、補綴静脈/動脈グラフト、血管カテーテルまたは血管シャントがSTI−571で被覆されている請求項17のデバイス。
- 心血管ステント、自家静脈/動脈グラフト、補綴静脈/動脈グラフト、血管カテーテルまたは血管シャントが4−{(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル}−N−{4−メチル−3−{{4−(3−ピリミジニル)アミノ}−フェニル}ベンズアミドおよび/またはその薬学的に好適な塩で被覆されている請求項17のデバイス。
- 血管内インターベンションに続く再狭窄を防ぐ方法であって、該方法が、血管内インターベンションに使用される心血管ステント、自家静脈/動脈グラフト、補綴静脈/動脈グラフト、血管カテーテル、または血管シャントに4−{(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル}−N−{4−メチル−3−{{4−(3−ピリミジニル)アミノ}−フェニル}ベンズアミドおよび/またはその薬学的に好適な塩を被覆させること、吸着させること、または共有結合的にまたはイオン的に結合させることを含み、前記量が、心血管ステント、自家静脈/動脈グラフト、補綴静脈/動脈グラフト、血管カテーテルまたは血管シャントの直ぐ隣のおよび/または近傍の血管内の領域にある血管平滑筋細胞の増殖を妨げるまたは抑制するのに十分であって、同時に、血管内膜細胞の増殖を抑制しない量である、方法。
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