本発明の特性上、具体的な例をあげて説明することが必須なため、詳細な内容は実施例を通じて説明する。
(実施例)
まず、各言語別に先出願の内容を補完すると次の通りである。以下、ある1つの言語で言及する内容のうち他言語に適用できる内容は、他言語で特別に言及しなくてもこれを他言語に適用できることは自明である。
1.共通補完事項
1.1 先出願及び本発明でのキーパッドの活用範囲
先出願及び本発明で提示したキーパッドは移動端末機、標準キーボードの数字キーパッド、スクリーン上にソフトウェア的に構成されるキーパッド又はドアロックなど電話機文字板形態のすべての分野に応用できることは自明である。また、標準キーボードに具備された数字キーパッドは先出願及び本発明で提示したキーパッドと数字ボタンの配置が異なるが、先出願及び本発明でのキーパッドボタン上の配置をキーボードに具備されたキーパッドにも適用できることは自明である。例えば、先出願及び本発明で[1]ボタンに配置された字母をキーボードに具備された数字キーパッドの[1]ボタンに配置し、以下、同一の方法で配置して字母入力、シンプルコードの活用及び各種コードの暗記用として活用できる。
1.2 連打遅延時間及び離打遅延時間の設定
韓国語、ヒンズー語などのように子音と母音が交互に登場する言語において、代表子音と代表母音の対を各ボタンに割り当て、子音は1打、母音は2打で選択する方法を適用することにおいて、一定遅延時間(例えば、0.1秒)間隔以内で入力された同一ボタン2打を1次的に母音と認識するようにアルゴリズムを具現すると、ユーザにおける拒否感を減らしながら効率的に具現可能である。この遅延時間は同一ボタンを連続的に押す場合、普遍的に一定時間押される時間間隔を考慮して決定されるべきことである。このような遅延時間を便宜上、“連打遅延時間”と称する。さらに、一定遅延時間(例えば、1秒)間隔以上で入力された同一ボタン2打を1次的に2個の子音と認識するように具現できる。このような遅延時間を便宜上、“離打遅延時間”と称する。これは同一ボタンを3打以上押す場合にも適用できる。
例えば、図4−1又は図4−2において、[1]+[1]が仮に0.08秒の遅延時間を伴って入力された場合には、これを母音
として1次的に認識し、仮に1.1秒の遅延時間を伴って入力された場合には1次的に2個の子音
と認識するものである。もし、0.5秒の時間遅延を伴って入力された場合には、該当言語の子音と母音の出現構造を通じて1つの母音が入力されたのか、又は二つの子音が入力されたのかを判断できる。また、0.08秒又は1.1秒の遅延時間を伴って入力された場合にも、該当言語の子音と母音の出現構造を通じて1つの母音が入力されたのか、又は二つの子音が入力されたのかを最終的に判断することができる。
従来は、一定の時間間隔(例えば、1秒)の一種類のみを設定して、該当時間以内に同一ボタンが連続して入力されると連続2打と認識し、該当時間以上遅延して同一ボタン2打が入力されるとそれぞれ1打ずつと認識するようになっていた。差異は、連続2打と判断する基準時間遅延値(例えば、0.1秒)とそれぞれ1打ずつと判断する時間遅延値(例えば、1秒)を異にしたことである。
普通の場合、先出願の部分全体選択方法と反復選択方法のうち、入力の便利度の面で反復選択方法が優れていると言える。したがって、これは反復選択方法のメリット(入力規則の単純性及び便利性)を活用するとともに、子音と母音が交互に出現する特定言語の構造を利用して曖昧さを大幅回避できることを意味し、連打遅延時間と離打遅延時間を各々相異ならせて設定し、ユーザが指定できるようにすることによって、アルゴリズムの具現を単純化できるメリットがある。
2.多次元クロスコントロール処理方法
図2−2は、50音図“あ”段の字母を代表字母として各ボタンに辞書順に割り当てた事例である。先出願の事例では、2番目、3番目コントロールが割り当てられたコントロールボタンに4番目、5番目コントロールが追加的に割り当てられることもあったが、ここでは、入力打数を最小化し、コントロールボタンを最大限活用するために2番目、3番目コントロールのみを割り当てた事例を示す。
図2−2における後続字母の入力方法は先出願で提示したとおりである。例えば、コントロールの後入力を適用すると、「い=あ+[*]」になる。次に、各字母の変形字母である長音、濁音、反濁音の入力方法を示す。図2−2では、コントロールボタンとして使用可能なボタン([*]ボタン、[#]ボタン)がすべて後続コントロールボタンとして使用されていて、よって変形字母のためのコントロールボタンはない。しかし、ターゲット字母の基本字母が後続字母である場合、その後続字母の入力後、後続コントロールボタンとして使用されない後続コントロールボタンを変形字母コントロールボタン(これを便宜上“反対側コントロールボタン”と称する)として活用して入力することができる。
例えば、「い=い+“反対側コントロールボタン”=あ+[*]+[#]」、「ご=こ+“反対側コントロールボタン”=か+[#]+[#]+[*]」になる。これは、“い”を基本字母“い”の変形字母とみなしてコントロール処理方法を適用するにおいて、“い”を入力するために、後続コントロールボタンとして使用されない反対側コントロールボタンを変形字母コントロールボタンとして活用した例である。上記例で、ここでも先出願の飛ばしコントロール処理方法を適用することができる。これをチェーン型コントロール処理方法の観点から見ると、反対側コントロールボタンを1回押すことにより、既に入力された字母(例えば、“こ”)の変形母(例で、“ご”)を入力するための“次コントロール”を選択することになることがわかる。
は行の字母には変形字母として濁音と反濁音の2種類があり、濁音の場合は反対側コントロールボタンを1回押し、半濁音の場合は反対側コントロールを二回押すようにする。すなわち、「ぶ=ふ+“反対側コントロールボタン”=は+[*]+[*]+[#]」、「ぷ=ふ+“反対側コントロールボタン二回押す”=は+[*]+[*]+[#]+[#]」になる。
次いで、ターゲット字母の基本字母が代表字母である場合は、上記の方法をそのまま適用することはできない。この場合、後続コントロールボタンのうち任意のボタンに追加的に代表字母の変形字母を後続字母と設定し、ターゲット字母の入力を可能にする。
例えば、[*]ボタンを使用して代表字母の変形字母(長音、濁音、半濁音)を入力する場合、「あ=あ+[*]+[*]+[*]」になる。すなわち、代表字母の変形字母(長音、濁音、半濁音)を、[*]ボタンを利用して入力できる4番目後続字母と見なすのである。以上の内容をまとめると次の表のようになる。
このように反対側コントロールボタンを活用してコントロールボタンの用途を拡張し、さらに多くの字母又は他の入力に活用することを、便宜上“クロスコントロール方法”又は“ジグザグコントロール処理方法”又は“多次元クロスコントロール方法”と称する。これは3つ以上のボタンをコントロールボタンとして使用する場合にも適用することができる。
上記の表における第1コラムの欄を除いた残りのコラムの欄も、他の字母又は各種記号の入力のために活用することができる。上記の例は反対側コントロールボタンを1回適用したものである。すなわち、“ぷ”の入力時に「ぷ=ふ+“反対側コントロールボタン2回押す”=は+[*]+[*]+[#]+[#]」のように反対側コントロールボタンを繰り返して使用し、後続コントロールボタンとして使用された[*]ボタンに対して反対側コントロールボタン([#]ボタン)を1回のみ適用したものである。これを便宜上“2次元のクロスコントロール処理”又は“2段階クロスコントロール処理”と言う。
すなわち、1つの字母を入力するために、1つのコントロールボタンのみを使用する場合、これを“1次元コントロール処理”と言い、これはコントロールボタンを“1次元的”に使用すると考えられる。一方、2次元(クロス)コントロール処理方法では、1つの字母の入力のために他のコントロールボタンが2個使用される。すなわち、“ご”の入力時に“ご”を“こ”の変形字母とみなし、「ご=こ+“反対側コントロールボタン”=か+[#]+[#]+[*]」で入力したが、ここで反対側コントロールボタンは、既に代表字母“か”の1番目、2番目後続字母である“き”、“く”を入力するためのコントロールボタンと定義されているにも関わらず、まるで反対側コントロールボタン([*]ボタン)を“こ”の変形字母である“ご”を入力するための変形字母コントロールボタンのように活用することができる。これは、1つの字母入力のために1つのコントロールボタンを1次元的に使用するのに対して、2個のコントロールボタンを“2次元的”に使用するのである。
「ぷ=ふ+“反対側コントロールボタンを1回押す”+“先のコントロールボタンに対して反対側コントロールボタンを1回押す”=は+[*]+[*]+[#]+[*]」のように入力することができる。
すなわち、“ぶ”の入力時に、最終的に用いられたコントロールボタン(例えば、[#]ボタン)を反復的に使用して変形字母を入力することができない場合、同じ方法で反対側コントロールボタンに対する反対側コントロールボタンを再び利用して他の変形字母又は後続字母を入力することができる。これを便宜上“3次元クロスコントロール処理”又は“3段階クロスコントロール処理”と称する。これは、クロスコントロール処理方法を利用し、キーパット内での入力可能な字母又は他の字母入力と関連したものの可能な入力個数を無限に拡張可能であることを意味する。さらに、先に入力された字母と関連性を持つ後続字母又は変形字母をコントロール処理方法により自然に入力できるということに大きな意味がある。
図2−3は、以上の内容を2種類の変形字母(濁音、反濁音)が存在する“は行”の例をグラフで示した。図2−3で○内に薄い色で“…”が表示されているが、これは、上記表の空欄に他の字母又は記号を入力することができるのと同時に、必要時に追加に入力するもの(字母又は記号)を多次元コントロール処理方法により入力することができるということを意味する。図2−3において[*]ボタンと[#]ボタンは各々直角方向に使用されている。
先出願における、[*]ボタンに50音図の字母のうち代表字母でない2番目、3番目、4番目、5番目のコントロールを割り当て、[#]ボタンを長音、濁音、反濁音などの変形字母を入力するためのコントロールボタンとして活用する方法と比較すると、先出願の方法でも2次元コントロール処理が適用されていることがわかる。すなわち、「い=い+{変形}=い+[*]+[#]」の入力に2つのコントロールボタンが使用されるからである。先出願では、コントロールボタンの用途が後続コントロール(2番目、3番目、4番目、5番目)ボタンとしてのみ使用され、また変形字母(長音、濁音、半濁音)コントロールボタンとしてのみ使用されるのに対して、本発明の2次元コントロール処理では、後続字母入力後、後続コントロールボタンがさらに変形字母コントロールボタンとして使用されることに、その相違点がある。このように主用途のコントロールボタン(例えば、後続コントロールボタン)をさらに変形字母コントロールボタンとして活用することを、先出願の2次元コントロール処理方法と区別するために、便宜上“2次元再利用コントロール処理方法”又は“2次元多用途コントロール処理方法”と称する。
先出願の方法は入力方法が簡単で、かつ一貫しているというメリットはあるが、相対的に入力打数が少し多くなるという短所がある。図2−4は、先出願でコントロールボタンをそれぞれ後続コントロール(2番目、3番目、4番目、5番目)ボタンとしてのみ、また変形字母(長音、濁音、反濁音)コントロールボタンとしてのみ使用した場合をグラフで示した。該図2−4から本発明との相違点を把握することができる。図2−3、図2−4においても、薄い色で表示された部分を拡張して適用することができる。
上記ではクロスコントロール処理方法の適用においてコントロール後入力の例を示したが、先出願でコントロール処理方法の適用においてコントロール先入力又は後入力を適用したように、ここでもコントロール先入力による入力が可能である。例えば、「い=“反対側コントロールボタン”+い=[#]+[*]+あ」になる。しかし、クロスコントロール処理方法の適用においてはコントロール後入力のほうが便利である。
この点は、日本語の場合だけではなく他のすべての言語に対しても同一に適用できる。例えば、アラビア語に代表字母除外コントロール処理方法を適用し、後続字母の入力に[*]と[#]を使用する場合、添字形態の母音を入力するために多次元クロスコントロール処理方法を使用することができる。なお、タイ語において[*]ボタンと[#]ボタンを各々後続子音と後続母音を入力するためのコントロールボタンとして活用する場合も、声調符号の入力に多次元クロスコントロール処理方法を使用することができる。
3.韓国語において母音要素を活用する方法
図4−1〜図4−3では、韓国語の基本子音と基本母音とを対にして各ボタンに割り当て、キーパット上に表示された基本子音と基本母音とを反復選択方法により入力する方法を示す。図4−1では、激音、硬音及び拡張母音をコントロール処理方法により入力し、図4−2では、激音及び硬音のみをコントロール処理方法により入力し、図4−3では、激音、硬音、基本母音、そして拡張母音をコントロール処理方法により入力した事例である。
図4−4は単に具現のためのフローチャートの一例であるだけであり、より効率的なプログラミングが可能である。例えば、図4−4で末尾の子音部分の場合、二重終声子音をなすことができる子音であるかどうかを先にチェックすることによって、もう少し効率的な具現が可能である。
先出願で提示した韓国語の例は、類似した特徴(子音と母音が交互に出現する構造)を有する他の言語においても応用することができる。他の言語の場合には他の言語の子母音出現特性を反映すればよい。
例えば、基本子音と基本母音との対を利用してヒンズー語の入力システムを構成しようとする場合は、ヒンズー語の特徴を反映して韓国語の場合と同様に具現することができるし、ヒンズー語の場合は、韓国語の場合よりも子音と母音の出現規則が簡単であるので、より容易に具現することができる。
図4−5〜図4−8は、韓国語で母音要素を利用し、母音ボタンをコントロールボタンとして活用した事例を示す図である。本発明と関連し、先出願の内容を参考されたい。
4.シンプルコード活用方法及び短縮入力方法/並行入力方法
4.1 字母連関シンプルコード生成方法
情報通信端末機を使用して情報システムに接近する場合には字母の入力が必須である。又は入力する字母を数字コード化して入力することができる。小型化された情報通信端末機では普通キーパッド形態のインターフェースを採用している場合が多い。ここで言うコードとはすべての種類のコードを言うものであって、代表的な例をあげると、電話番号、証券種目(上場会社)コード、都市コード、部署コード、電鉄駅コード、銀行コードなど非常に多い。各種名称をコード化して入力するメリットは入力を単純化することができるということである。
情報通信端末機とはPC、移動通信機器、スマートフォン、PDA、両方向文字送受信機器、ATM機(自動入出金機)などすべての形態の情報通信端末機を含むだけでなく、電子手帳のように通信機能のない端末機まで網羅する。情報システムとはGUIを通じて視覚的に接近できるシステムだけでなく、ARSのように声のみで接することができるシステムなどすべての形態のシステムを含む。また、システムは狭い意味ではサーバ側システムを意味し、広い意味ではサーバシステムと呼応する端末機のクライアントソフトウェアも含む。
キーパッド上に配置された字母を利用して各種コードの暗記用として有用に使用できる。コードの暗記用として使用することにおいて、シンプルネーミング、イニシャルネーミング、フルネーミングによる方法が有り得る。その内容を簡単に要約すると次の通りである。
シンプルネーミングとはコード化しようとする単語又は句節(単語又は句節を通称して以下では簡単に“語句”という)と連関した数字をコードに指定することである。例えば、韓国語の場合、企業名コードの場合、図4−2を基準に
のコードを
と連関した“1799”をシンプルコードとすることである。この場合、
でシンプルコード“1799”と連関した
を強調して表示することによって特定単語のシンプルコードをさらに容易に分かるようにでき、さらに、そのような語句からシンプルコードを抽出することもできる。シンプルネーミングの場合、コード化しようとする単語に属するいずれかの字母と連関した数字をコードに決めることであるので、例としてあげた
のコードを必ずしも“1799”とする必要はない。例えば、
のシンプルコードは
と連関した値をシンプルコードとできるように、
の場合の他の例をあげると、
と連関した“1729”とすることもでき、
と連関した“1749”とすることもでき、
を構成する全体字母と連関した“13294293”とすることもできる。語句を構成する全体字母と連関したコードをシンプルコードとすることを便宜上“全体連関シンプルネーミング”といい、特定語句の一部字母と連関してシンプルコードを指定することを便宜上“一部連関シンプルネーミング”と呼ぶ。いずれの場合でもシンプルネーミング(すなわち、シンプルコード)は語句単位でその語句を構成する字母に連関してコードを指定することと言える。これは韓国語以外の言語にも同様に適用できる。例えば、“captain”で子音“CPTN”と連関する“2786”をシンプルコードにできるが、これは一部連関シンプルコードであり、これを特に便宜上“子音連関シンプルコード”と呼ぶことにする。
“escape”のように母音から始まる単語に対して子音連関シンプルコードを生成すると、“SCP”に該当する“727”になるが、これは“scape”の子音連関シンプルコードと同一になる。したがって、縮約されたシンプルコードを使用するが、定義されるシンプルコード及びシンプルコード対応語句の重複を最小化し、使用上の便利を高めるために初母音と子音を連関したシンプルコードが考えられる。これを便宜上“初母音+子音基準シンプルコード”と称する。このような初母音+子音連関シンプルコードも、他のシンプルコードと同様に、特定単語に対してシンプルコードを機械的に生成することができるというメリットがある。
単語だけでなく句節もシンプルネーミングによってコード化することができる。先出願で例としてあげた
という語句で意味を最もよく含蓄している字(音節)を活用して
にマッピングされる“8314”をシンプルコードにできる。英語の場合、先出願で例としてあげた“date tonight”で音価を有しているd、t、t、nに関連する“3886”をシンプルコードにできる。
イニシャルネーミングは一部連関シンプルネーミングの特別の場合である。韓国語の場合、イニシャルネーミングは音節(字)を基準に初声(初めの子音)にマッピングされる数字をコードに指定する方法が有り得る。これを便宜上“音節(字)基準イニシャルネーミング”という。
の場合、音節基準イニシャルネーミングによるイニシャルコードは各音節(字)の子音初声に関連する“1799”となる。音節基準イニシャルネーミングの場合も韓国語以外の言語に対しても適用できる。例えば、英語の場合、“entertainment”という単語の音節基準イニシャルネーミングによるイニシャルコードをe、t、t、mに関連する“3886”にできる。音節基準イニシャルネーミングは1つの音節が1つの字を構成する韓国語の場合により有用に使用され得る。韓国語だけではなく、韓国語と同様に1つの音節が1つの字になる中国語、日本語などの他の言語に対しても有用に使用することができる。中国語の場合、北京(Beijing:最初の‘e’には4声調符号が、最後の‘i’には2声調符号が付記される)の音節基準イニシャルコードは、図1−1を基準としてはb、jに関連する“25”となり、図10−1〜10−4を基準としては“14”となる。
同様に、句節に対してもイニシャルネーミングが可能であるが、先出願で例としてあげた“
”という句節で各単語の初の字母である
と関連した“81”をイニシャルコードにできる。英語の場合、先出願で例として“dance with the wolf”という語句に対する単語基準イニシャルネーミングのイニシャルコードはd、w、t、wと関連した“3979”がイニシャルコードとなる。単語基準イニシャルネーミングは句節全体に対してコードを付与する場合にすべての言語で有用に使用され得る。
シンプルコード(全体連関シンプルコード、部分連関シンプルコード)とイニシャルコード(音節基準イニシャルコード、単語基準イニシャルコード)を総称して便宜上“シンプルコード(すなわち、広い意味のシンプルコード)”又は“短縮コード”と呼ぶことにする。全体連関シンプルコード、子音連関シンプルコード、音節基準イニシャルコード、単語基準イニシャルコードは特にそのコード生成において規則性があるので、これを凡庸に用いることができ、他人がそのような規則でシンプルコードを生成させた場合にも容易に用いることができる。
フルネーミングは特定文字入力方法によってコード化しようとする語句の入力値である。したがって、これは適用される文字入力方法によって変わることができ、字母単位である語句に該当する数字値をコードとすることと言える。先出願で例としてあげた
の場合、図4−2を基準に部分全体選択方法(先出願で言及)によるフルコードは“7745888944”となる。基準反復選択方法(先出願で言及)によるフルコードは“7448884”となる。もし、図4−2と異なるキーパッドを適用したり、他の字母入力方法を適用したりする場合には、それに従うフルコード値が存在する。
4.2 既存の中国語漢字入力方法
中国語の入力方法は、ハングルでの漢字入力方法のように、中国語発音に該当する英文を入力し、“漢字変換キー”を用いて変換可能な漢字が表示されると、該当する漢字を選択して入力するのが一般的な形態である。すなわち、ローマ字で漢語ピン音を入力すると、システムがこれに対応する漢字を検索してユーザに提供する方式であった。図5−1を参考する。中国語においてフルコードは中国語の英語発音を基準にして定めることができる。
4.3 ユニーク化シンプルコード
シンプルコードの解読がクライアント側で行われることができる場合(つまり、クライアント側で特定語句とその特定語句に該当するシンプルコード値を有している場合)は、入力されたシンプルコードに対応する語句をサーバ側に伝達できる。クライアント側でシンプルコードを解読できる場合にもアプリケーションの性格によってサーバ側でシンプルコードを要する場合はシンプルコード自体(すなわち、数字羅列)をサーバ側に転送し、サーバ側でこのシンプルコードを解釈すればよい。これが、シンプルコードの解読がクライアント側で又はサーバ側で行われることができるということである。
多数の語句に対してシンプルコードを定義して使用する場合、同一なシンプルコードに対応する語句が多数存在できる。このようにシンプルコード間に発生し得る曖昧さを便宜上“2次曖昧さ”という。この場合、システム内部では同一な値を有するシンプルコードに一連番号を付加して唯一のコード値を形成させて記憶できるが、ユーザは主に特定語句と関連したシンプルコードを使用するので2次曖昧さが発生する。このような場合、そのような語句を使用優先順位によってシステムがユーザに推薦しなければならないことは当然である。異なる語句でありながら同一のシンプルコードを有する場合、システム内部でシンプルコードに語句の使用頻度による優先順位に従って一連番号を付加することによって、一連番号をユーザに推薦する優先順位として活用できる。勿論、必ずしも一連番号を付けなければならないのではなく、優先順位情報をシステムが別途に有していてもかまわなく、ただそのようにできる例を見せたのである。
例えば、
のシンプルコードが音節基準イニシャルコードである“9196”であり、
のシンプルコードが音節基準イニシャルコードである“9196”であって、同一である場合、各単語の常用頻度によって一連番号を付け、その一連番号をユーザに推薦する優先順位として用いることができる。
の使用頻度が多いとそれに優先順位を付与して
=“91961”とし、
=“91962”にできる。同様に先生(xiansheng:母音aが第1声調)と学生(xuesheng:最初のeが第2声調)の音節基準イニシャルコードが同じ“97”であるなら、各単語の使用頻度により一連番号を付け、その一連番号を優先順位として活用することができる。先生(xiansheng)の使用頻度が学生(xuesheng)の使用頻度よりも高くなると、先生(xiansheng)=971とし、学生(xuesheng)=972とすることができる。このように一連番号を付加して生成されたシンプルコードを便宜上“ユニーク化シンプルコード”ということとし、一連番号を付けず重複性があるシンプルコードを単純に“シンプルコード”とし、両者をすべて包括して“シンプルコード”という。
先生(xiansheng)と学生(xuesheng)の例において、ユーザが“97”のみを入力すると、システムが先生(xiansheng)と学生(xuesheng)をユーザに提供し、ユーザが両者のいずれかを選択することができる。また、ユーザが最初からそれをを認知して“971”を入力したならば、システムではそれを“先生(xiansheng)”と認識することができる。
ここで、音節基準イニシャルコードの基礎として使用された“x、s”を強調して表示することにより、ユーザにより良好な視覚的な効果を与えることができる。強調して表示する方法の1つは、先生(XianSheng)のように大文字で表示することである。システムは、このように大文字で表示された単語からシンプルコード“97”を解析することもできる。
4.4 シンプルコードの活用事例
都市名前に対してシンプルコード(音節基準イニシャルコード)を付与した事例をあげると次の通りである。これは鉄道情報システム等で有用に使用されることができる。
ここで
の音節基準イニシャルコードが同一であるので、システム内ではこれを回避するために連番を付けて
のようにシンプルコードをユニーク化できる。ユーザがシステムに“78”のみを送出すると、システムでは適切にフィードバックを提供して(例えば、
のリストを提供又は音声で知らせる)、ユーザが
のうちの1つを選択するようにする。ユーザが最初からこれを認知して“781”を入力した場合には、システムではこれを
と認識できる。
もし、サーバ側システムでシンプルコード“78”を必要とするのではなく、
という単語自体を必要とする場合には、クライアント側でシンプルコード“78”を解釈して
をサーバ側に転送すればよい。又は、クライアント側でシンプルコードを解釈できる場合でも、アプリケーションの性格によってサーバ側でシンプルコード自体を必要とする場合には、入力されたシンプルコード自体をサーバ側に送出すればよい。
都市名に対してシンプルコード(全体連関シンプルコード、音節基準イニシャルコード、子音連関シンプルコード、初母音+子音連関シンプルコード)を付与する他の例を挙げると、図1−1を基準にして北京(Beijing)の音節基準イニシャルコードはb、jに関連した“25”となり、全体連関シンプルコードは“2345464”となり、子音連関シンプルコードはb、j、n、gに関連した“2564”となる。
再び、証券種目(上場会社)の例をあげると次の通りである。これは各種証券情報システムで有用に使用できる。
ここで、例えば
の場合、音節基準イニシャルコードの基礎として用いられた
を強調して表示することによって、ユーザに視覚的に一層良い効果を与えることができる。
銀行コードの例をあげると次の通りである。これはATM機及び各種金融情報システムで有用に使用できる。
ここで、このように既に定義されたシンプルコードをユーザが入力する時、クライアント(端末機)側で解釈してユーザに提供することによって語句入力に活用できることは自明である。これを“短縮入力方法”といい、次に“並行入力方法”とともに詳細に説明する。
4.5 選択頻度による優先順位自動再指定
さらに、最初に
の優先順位が各々1、2位に指定されていたが、特定ユーザが
を選択する回数が顕著に多い場合には、
の優先順位を
の優先順位より高いものに調整できる。前述のように多様な方法があるが、一連番号を変えてこれを実現できる。優先順位情報を別途にシステムで有している場合はその優先順位情報を変更することによって可能である。
を選択する回数が顕著に多いか否かの判断基準はシステムが決定することもでき、ユーザが(再)指定することもできる。このような判断基準の例をあげると、10回のうちの8回以上既に指定された優先順位と相違に選択すると、既存の優先順位を自動的に訂正するようにできる。オプションに応じてユーザに訂正の如何を聞いて確認を受けることもできる。
これは他の言語に対しても同一に適用することができるし、上記事例で
をそれぞれ“先生(xiansheng)”と“学生(xuesheng)”に変更した場合にも同一に適用することができる。
4.6 シンプルコード自動指定及びシンプルコード連関字母の強調表示
特に全体連関シンプルコード以外に子音連関シンプルコード、音節基準イニシャルコード、単語基準イニシャルコードは前述のようにシンプルコード生成において規則性があるので、ユーザが特定語句に対するシンプルコードを指定する時、シンプルコード生成規則を指定した状態で特定語句を入力するとそれに対応するシンプルコードを自動的に抽出してシステムに記憶できる。また、シンプルコードと連関する字母を強調して表示することによって、使用の便利性を向上させることができる。英語の場合、シンプルコードと関連する字母を強調して表示するが、大文字を用いて強調して表示できる。
また、先出願で“短縮入力方法”及び“短縮/フル並行入力方法”を提示したことがある。短縮入力のためのシンプルコードはシステムで定義することもでき、ユーザがこれを変更することもでき、またユーザは新たな語句に対するシンプルコードを指定することもできる。
新たな語句に対するシンプルコードを定めることにおいて、先出願で紹介した全体連関シンプルコード、部分連関シンプルコード、子音連関シンプルコード、音節基準イニシャルコード、単語基準イニシャルコードなどのシンプルコード生成規則を活用できる。例えば、ユーザが“dance with the wolf”に対するシンプルコードを生成することにおいて、単語基準イニシャルコードをシンプルコードとして使用しようとする場合、シンプルコード生成モードで“dance with the wolf”を入力し、それに対する単語基準イニシャルコードである“3983”を入力しなければならない。同様に、
に対するシンプルコードを生成することにおいて、音節基準イニシャルコードをシンプルコードとして使用しようととする場合、シンプルコード生成モードで
を入力し、“9196”を入力しなければならない。
しかし、もしユーザが特定語句に対してシンプルコードを指定することにおいて、ユーザが所望のシンプルコードの類型をシステムに記憶させシンプルコードを生成しようとする語句を入力することによって、敢えて特定語句に対するコードを入力しなくてもシンプルコードが自動的に指定されるようにすることができる。上記の例で音節基準イニシャルコードを使用するということをシステムで設定し、
のみを入力することによって
に対するシンプルコードが自動的に“9196”に指定されるようにすることができる。同様に、音節基準イニシャルコードを使用することをシステムに設定し、先生(xiansheng)を入力することにより、先生(xiansheng)に対するシンプルコードが自動的に“97”に指定されるようになる。
英語の場合はシンプルコードとして使用しようとする字母を強調して表示することにおいて、大文字を使用できるとした。したがって、シンプルコード指定方式を、大文字をシンプルコードとして使用するものと予め指定し、“DaTe ToNight”入力時に自動的に大文字“DTTN”に対応する“3886”がシンプルコードとして指定されるようにでき、又は、“ToNight ShoW”入力時に自動的に大文字“TNSW”に対応する“8679”がシンプルコードとして指定されるようにできる。
4.7 シンプルコードを活用した語句の短縮入力方法及び並行入力方法
シンプルコード(イニシャルコードはシンプルコードの特別の場合であるので特別に別に言及しない限りシンプルコードに含まれることとする)を入力する時、システム(クライアント側システム又はサーバ側システム)でそのシンプルコードに対応する語句として認識して処理することが可能である。したがって、特定シンプルコードに対応する語句を認識してユーザに再び提供するとこれを単語の入力にも活用できることは当然である。
実際に外国の字母入力方法では単語別に“全体連関シンプルコード”を付与した索引を端末機(クライアント側システム)に記憶していて、ユーザがコードを入力する時にそれに対応する単語を単語別優先順位によって表示してターゲット単語を確定できるようにすることによって文字入力システムを実現している。これについてはhttp://www.tegic.comとhttp://www.zicorp.comの二つのインターネットサイトを参考にすることができる。このような方法を便宜上本発明では“全体連関短縮入力方法”又は“外国の方法”ということにする。又は、このような接近方法を使用する代表的な入力システムがTegic社の“T9”であって、“T9類似入力方法(T9LIM:T9Like Input Method)”と称する 。図5−2はTegic社のT9システムにおける入力事例を示す。図5−2に示すように、ユーザがmeetを入力するために“622…”を入力すると、最初はシステムがユーザに“off”を提供するが、“6228”が入力されると、“meet”が表示される。
Tegic社とZi社の方法を出願人が提示したキーパッドでの字母入力方法と比較すると、出願人の字母入力方法は字母単位でユニークなコードを付与し、フルコードによってターゲット字母又はターゲット語句を入力することができるようにしたものであり、上記に言及した外国の方法は単語単位で全体連関シンプルコードを付与し、そのシンプルコードによってターゲット単語を入力できるようにしたものである。
外国の方法の短所は単語単位でコードを付与することによって予め定義された単語のみを入力できる点、異なる単語でありながら同一コードを有する場合に頻繁に使用されない単語の入力のためにトグルボタン又は移動ボタンを用いてターゲット単語を選択し確定することによって入力が容易でないという点、入力時にターゲット単語ではない単語が一時的に出現できる点、システムの記憶容量を多く占め具現に多くの費用がかかるという点などがある。
ここで、常用語句(常用単語又は常用句節をすべて含む概念)に対してシンプルコード(一部連関又は全体連関)を付与し、シンプルコードを用いてターゲット語句を入力できることを指摘する。常用語句に対するシンプルコードはシステムで既に定義されてユーザに提供することもでき、ユーザが任意に指定できることは勿論である。又は、システムで既に定義したシンプルコードをユーザが任意に修正できる。ユーザが任意に指定できるものは特定常用語句に対するシンプルコード値をユーザが容易に知覚できるメリットがある。
本発明でシンプルコード(部分連関シンプルコード、全体連関シンプルコード、イニシャルコードをすべて包含)を用いてターゲット語句を入力する方法を便宜上“短縮入力方法”といい、フルコードによってターゲット字母を入力する方法を便宜上、短縮入力方法に対応して“フル入力方法”という。また、後述のように短縮入力方法とフル入力方法を並行して適用することができ、このように短縮入力方法とフル入力方法を並行して適用する方法を便宜上“短縮/フル並行入力方法”又は簡単に“並行入力方法”と呼ぶことにする。
字母単位でユニークなコードを付与しそのコードを入力してターゲット字母を入力することができるようにするフル入力方法中、特に反復選択方法を使用することによって発生する曖昧さを便宜上“1次曖昧さ”又は“字母曖昧さ”と呼ぶことにする。反面、外国の方法のようにすべての単語に対してコードを付与し、このコードを用いてターゲット単語を入力できるようにする方式において、同一コードに対して互いに異なる多数の単語が存在する曖昧さがあり、これを便宜上“2次曖昧さ”又は“語句曖昧さ”と呼ぶことにする。本発明で単純に曖昧さという場合には1次曖昧さを意味する。
特定入力値に対して1次的にシンプルコードとより解釈し(すなわち、1次的に短縮入力方法を適用、又は基本入力モードとして短縮入力モードを適用)、入力値に対応するシンプルコードがない場合には2次的にフルコードにより認識(すなわち、2次的にフル入力方法を適用)する等のシナリオ構成が可能であり、反対に、入力値に対して1次的にフルコードを構成しているか検査し(すなわち、1次的にフル入力方法を適用、又は基本入力モードとしてフル入力モードを適用)、フルコードを形成できない場合にはシンプルコードにより認識(すなわち、2次的に短縮入力方法を適用)する等のシナリオが可能である。入力値に対して1次的にシンプルコードにより解釈することは基本入力モードとして“短縮入力モード”を適用することと見ることができ、反対に、1次的にフルコードにより解釈することは基本入力モードとして“フル入力モード”を適用することと見ることができる。文字入力において、常用語句を主に使用するユーザは1次的に短縮入力方法が適用(すなわち、基本入力モードとして短縮入力モードを使用)されるようにするのが好ましく、そうでないユーザは1次的にフル入力方法が適用(すなわち、基本入力モードとしてフル入力モードを使用)されるようにするのが好ましい。
ここで、基本入力モードをフル入力モードに設定した場合、入力値に対して1次的にフルコードとみなして解釈するので、シンプルコードが入力された場合にもその入力値がフルコードを形成することができ、ユーザの所望のターゲット単語ではない他の単語が入力される可能性がある。例えば、図4−2でフル入力方法として基準反復選択方法を適用する場合、
という単語のシンプルコードを“877”とし(音節基準イニシャルコードを使用)、これを入力する時に1次的にフルコードと見なすのでこれを
として認識することができる。これは
などのように2、3番目の字の初声が同一ボタンに対応する場合に生じる。反対に、基本入力モードとして短縮入力モードに設定した場合、入力値に対して1次的にシンプルコードとみなして解釈するので、フルコードが入力された場合にもターゲット単語ではない他の単語として認識されることがある。つまり、これはシンプルコードとフルコードの間の曖昧さであり、これを便宜上“3次曖昧さ”と呼ぶ。
このような3次曖昧さの場合も、既存の方法と同様にトグル方法又はリストで選択する方法で克服することができる。又は、他の方法が有り得るが、このような曖昧さが発生し得る入力値を入力する前に単語単位でフル入力モードから短縮入力モードに、又は短縮入力モードからフル入力モードに転換することができるようにすることである。これは出願人の先出願で提示したように、“あ/ア”コントロールを設けて単語単位のひらがな/カタカナ切換コントロールを設けこれを選択することによって、ひらがなモードでカタカナの1つの単語を入力したり、又はカタカナモードでひらがなの1つの単語を入力したりすることができるようにすることと類似したことである。例えば、基本入力モードがフル入力モードである場合、“短縮/フル”コントロールを設けこれを選択した後に入力される入力値に対して、システムはこれを最初からシンプルコードとして認識し索引を参照して入力値に該当するターゲット単語をユーザに提供することができる。短縮入力モードを基本入力モードとして用いる場合にも同様に“短縮/フル”コントロール選択後に入力される入力値を最初からフルコードとして認識して処理することができる。“短縮/フル”コントロールは同様にターゲット単語に対して先入力することもでき後入力することもできるが、この場合は先入力するようにするのが便利である。
並行入力方法適用時の入力値がフルコードであるかシンプルコードであるかの判断は前記で1次曖昧さを除去するために索引を参照することと同様に単語単位で行われることもでき、次のように入力中間に入力値がフルコードであるかシンプルコードであるか判断されることもできる。
フル入力方法を基本モードとして並行入力方法を適用する時、1つ1つのコード入力時毎に、入力値がフルコードを形成するかどうか調査し、フルコードを形成しないと判断される時点で入力値をシンプルコードに判断してシンプルコード索引を参照してそれに対応する語句をユーザに提供することによって並行入力方法の効率を倍加させることができる。短縮入力方法を基本モードとして並行入力方法を適用する場合も同様に1つ1つのコード入力時毎に入力値と索引を比較して索引にある入力値と一致する単語がないことを確認する瞬間にこれを既に設定されたフル入力方法のフルコードと判断して処理できる。これは入力中間に発生する3次曖昧さをそれぞれのフル入力方法での規則を適用して入力初期に除去できることを意味する。これはフル入力方法として先出願で提示しなかった字母入力方法を使用する場合も同様に適用できる。先出願で提示したフル入力方法(基準反復選択方法、部分全体選択方法)を基準にして例をあげると次の通りである。
韓国語の場合、例えば、フル入力方法で図4−2を基準に基準反復選択方法を適用した場合、フルコードによるすべての音節の2番目入力値と3番目入力値は常に同一値を有しなければならないので、このような条件に背反される場合には入力値をシンプルコードとして判断して処理できる。双子音を基本子音の組み合わせとして処理することを許容する場合にはそれに伴う判断基準を適用することができる。これは基準反復方法を適用するすべての場合に適用可能である。
また、すべての言語において、フル入力方法として部分全体選択方法を適用する時、1つの字母に2個の入力値が対応し、その2個の入力値のうちの1番目入力値に対して2番目入力値は制限されている。例えば、英語の場合、図1−1のように左右直線組み合わせのみを使用する場合、数字を部分全体選択方法で選択しないようにすると、第1行のボタン([1]、[2]、[3])が1つの字母に対応する1番目入力値として使用された場合に2番目入力値としてくることができる値も第1行のボタン([1]、[2]、[3])である。同様に、[2]+[1]が入力されてから再び第2行のボタン([4]、[5]、[6])が入力されると、フルコードを形成するために次にくることができる値もまた第2行のボタン([4]、[5]、[6])のうちの1つである。入力値がこれに背反する瞬間、システムでは入力値をシンプルコードと見なし、そのシンプルコードに対応する単語をユーザに優先順位によって推薦できる。例えば、図5−3に示すように、フル入力方法として部分全体選択方法を適用し、基本入力モードとしてフル入力方法を適用した並行入力方法において、ユーザが“help”のシンプルコード4357を入力する時、2番目入力値3が入力される瞬間、入力値がフルコードにならないことを、システムが認識し、入力値をシンプルコードとみなして処理することができる。
もし、図4−2に対して部分全体選択方法を適用すると、フルコードを形成するために最初の[1]ボタンの入力に対してくることができる次のボタンは[1]または[2]ボタンしかない。これに背反した場合、入力値がフルコードではないシンプルコードであると判断し索引を参照して入力値に対応するターゲット単語を優先順位によってユーザに推薦することができる。図1−3のようにP、Q、R、Sの四つの字母が[7]ボタンに割り当てられる場合、先出願で指摘したように、四つの字母のうちの1つの字母を、上下隣接組み合わせをなす格子に配置でき、この場合にも1つの字母のためのフルコードを構成するために[7]ボタンが入力されると、次にくることができるボタンは3番目行のボタン([7]、[8]、[9])又は上下隣接組み合わせのボタン([4]ボタン)のみであるので、これに背反する場合に入力値をシンプルコードに処理できる。これは先出願で提示した部分全体選択方法を適用する場合にすべての言語に対して適用可能である。
例えば、図1−1を基準とするシンプルコードの索引に、北京(Beijing)のシンプルコードが音節基準イニシャルコードとして“25”が記憶されている状態で、フル入力方法として部分全体選択方法を使用し、基本入力モードとしてフル入力モードを適用し、ユーザが“25”を入力した場合、システムは、最初に(単語開始時点から)[2]の入力後、[5]が入力される瞬間、入力値“25”がフルコードにならないこと([2]の次に来る左右直線組合のボタンは[1]、[2]、[3]のいずれか1つであるので)を認識し、シンプルコードの索引を参照して、入力値“25”に対応する“北京”をユーザに提供することができる。中国語の場合、特に例示したシンプルコード“25”に対応する語句として漢字(すなわち、北京)をユーザに提供することができる(漢字“北京”がターゲット単語であるから)。中国語でない表音文字を使用する言語に対しては、シンプルコード“25”に対応する“Beijing”を、システムがユーザに提供するようになる。シンプルコード“25”に対応する語句が数個ある場合は、リストの形態で提供されるか、特定ボタンを反復的に押すことで(トグル(Toggle)方式で)、ユーザが所望の語句を選択することができる。図5−4を参照する。
結局、図5−4のように並行入力方法を適用するのは、“北京(Beijing)”のようによく使用する単語のシンプルコードを索引に登録しておき、一般的なフル入力方法と短縮入力方法をモード転換なしに併用し、シンプルコードとして登録された単語の入力時に少ない打数で入力できるようにするためである。
図4−5の場合はボタン当り基本子音が1つずつ割り当てられているので、韓国語で凡庸に使用することができる音節基準イニシャルコードをシンプルコードとして用いる場合、短縮入力方法とフル入力方法を並行して適用する時にも3次曖昧さ無しに入力が可能であるという良い特性がある。つまり、並行入力方法適用時にユーザが音節基準イニシャルコードを入力すると、2番目の入力(硬音、激音をコントロール処理方法によって入力する場合)から入力値がフルコードを構成できないので、シンプルコードの索引を検索して優先順位による適切な単語をユーザに推薦できる。フルコード入力の場合も同一である。
前記に例をあげたように、並行入力方法適用時、入力中間に入力値がシンプルコードであるかフルコードであるか判断することができることが本発明の“核心”の1つである。これは出願人が提示したフル入力方法を使用する場合だけでなく他のフル入力方法を使用する場合にも適用される。一例を挙げると、各字母が割り当てられた第1ボタンと、第1ボタンにおける字母の順番に該当する第2ボタンとを組み合わせて字母を入力する方法があった。すなわち、図1−1のように、「P=[7]+[1]」で入力することである。この場合、第2ボタンは、図1−1で[1]、[2]、[3]ボタンのいずれか1つになるので、入力値がこの規則を違背する瞬間、システムは入力値をシンプルコードとみなして処理することができる。特に、出願人が提示したフル入力方法は上記の例示のように並行入力方法適用時に入力値がフルコードを構成しているかどうかが入力中間にも容易に分かるという良い特性がある。
また、出願人が先出願で言及したように、シンプルコード又はフルコードを解釈することはクライアント側で起こることもあり、サーバ側で起こることもある。そして、先出願で1次曖昧さ(字母曖昧さ)を克服するための索引をルックアップすることにおいて、1次的にクライアント側の索引を参照し2次的にサーバ側索引を参照するシナリオをシンプルコード又はフルコードを解釈することにおいて適用できる。反対に、1次的にサーバ側索引を参照し、2次的にクライアント側索引を参照することも可能である。さらに、入力値をまずシンプルコードに解釈し、1次的にクライアント側の索引を参照し、2次的にサーバ側索引を参照して、入力値に対するシンプルコードが検索されない場合、再びフルコードに解釈し、1次的にクライアント側で解釈し、クライアント側にこのような解釈機能がない場合、2次的にサーバ側で解釈することが可能である。他の例として、入力値を1次的にシンプルコードに解釈し、クライアント側の索引とサーバ側の索引をすべて参照してユーザに提供し、ターゲット単語をユーザが選択するようにすることも可能である。このように解釈方法(シンプルコード、フルコード)と解釈場所(クライアント側、サーバー側)を適用することにおいてこれと類似した変形が可能である。つまり、整理すると、解釈方法(シンプルコード、フルコード)と解釈場所(クライアント側、サーバー側)の適用において多様な組み合わせが可能である。言い換えると、図5−5に示すように、入力値に対して、「(A)−(B)−(C)−(D)」の順に、又は「(A)−(C)−(B)−(D)」の順に、のみならず(A)、(B)、(C)、(D)のすべての多様な組み合わせによる順序に適用することができるということである。
このように短縮入力方法とフル入力方法を並行して適用することのメリットは次の通りである。まず、フル入力方法を用いることができるので、ユーザは既に定義された単語以外の辞典に存在しない単語でもすべての単語を入力でき、常用語句に対して短縮入力方法の使用のためのシンプルコードを便宜に従って(部分連関/全体連関)指定でき、部分連関シンプルコードを指定することによって入力打数を大幅減らすことができる。そして、単語に対してだけでなく句節に対しても単語基準イニシャルコードを付与できるメリットがある。しかし、外国の方法ではすべての単語の入力に単語単位の索引を利用した方法を使用するので、互いに異なる単語に対して同一コードが与えられることを最少化するために全体連関シンプルコードを使用せざるを得なかった。
また、システムが特定常用語句とその常用語句に対するコード値を有している“索引”を有していなければならないが、すべての単語に対する“索引”を有している外国の方法よりさらに少ない容量の記憶場所を必要とする。そして、この“索引”は曖昧さを除去するために曖昧さが発生し得る単語に対して正しい単語に関する“索引”又は間違う単語に関する“索引”をシステムに有していなければならないが、この曖昧さを除去するために用意する索引と共同で使用できる。
すべての言語において特定単語の音価を有しているものは子音であるので、子音を抽出して略語を形成する技法は既に広く用いられていた。英語の場合、例えば、軍隊用語のうちの“captain”において音価を有している子音“CPT”を抽出して略語として使用し、“private”からの“PVT”を略語として使用し、“sergent”からの“SGT”を略語として使用し、“staff sergent”からの“SSG”を略語として使用し、“sergent first class”からの“SFC”を略語として使用する等である。勿論、例としてあげた“captain”と“private”は各々2音節からなるが、ここで略語として抽出された子音は各音節を代表する子音と見なすことができる。したがって、“captain”の場合は“CPT”と関連した“278”をシンプルコードとして指定することができる。
このように音節を基準にして任意に常用語句に対して部分連関シンプルコードを指定し短縮入力方法を適用できることは入力努力を減少させること以外にも大きな意味がある。音声学的に音節は“心理的実体”であると規定している。また、音節において音価を有しているものは子音である。例としてあげた“captain”において母音“AAI”のみを抽出した場合、“captain”を類推することは殆ど不可能である。しかし、子音“CPTN”又は“CPT”を抽出すると容易に“captain”を類推できる。英語のある文章において各単語別に母音を除去し子音のみを羅列しても、普通の場合は元来の文章を類推できるという。つまり、音節をなす主体である各子音と関連して部分連関シンプルコードを使用することはユーザが自然に短縮入力方法に適応できることを意味し、ユーザに便利さを与えることができることを意味する。
特に、英語圏では略語を使用することが一般化されており、上場会社名のような場合は一定個数からなる略語が指定されているので、この略語に基づいてシンプルコードを活用することができる。
特定語句に対してユーザが便利なようにシンプルコード(部分連関、全体連関)を指定できるようにすることは、常用語句に対するコード値を容易に記憶するようにするメリットがある。さらに、もしあるユーザが極めて一部の常用語句のみを必要とするユーザであれば(例えば、10個以下の常用語句のみを使用)、常用語句の字母に関連したコードを敢えて付与せずに、単に各常用語句に1、2、3、…などのようにシンプルコードを付与できる。
4.8 シンプルコード/対応語句のグルーピング及び検索範囲指定
多数の語句に対してシンプルコードを指定すると、多くの重複性が発生する可能性があるが、シンプルコードに対応する語句をグルーピングして、特定語句グループに対してのみシンプルコードを検索するようにしてシンプルコード間の曖昧さ(2次曖昧さ)を減少させることができる。1つの語句が必ずしも1つのグループにのみ属していなければならないのではなく、いろいろなグループに属することもできる。
例えば、シンプルネーミングした語句を上場会社名、都市名、常用語句、…などのグループにグルーピングし、再び常用語句グループを社会分野、政治分野、…などの細部グループとしてツリー形態にグルーピングできる。本例では2段階のツリー形態のグルーピングを提示したが、3段階、4段階又はそれ以上の段階のツリー形態のグルーピングも可能である。図5−6を参照する。ユーザが(又はシステムが)シンプルコードの検索範囲を上場会社名グループに限定すると、特定シンプルコード入力時にシステムは上場会社名グループの範疇でのみ入力されたシンプルコードに対応するネーミングされた語句を検索するので2次曖昧さを減少させることができる。同様に、検索範囲を常用語句にすると、常用語句グループ以下のすべての細部グループを含んで検索範囲になるようにできる。もし、常用語句グループのうちの社会分野グループを検索範囲に指定すると、社会分野を含むその以下、(ツリー形態のグループ構造で)のグループのみが検索範囲になる。
図5−6のツリー形態のグループは、Windows(登録商標)の探索機のフォルダのようなものである。検索範囲はシステムにより自動的に再指定することができる。例えば、都市名のサブグループとして行政区域の階層構造が記憶されている場合、ユーザが特定都市を選択すると、次の入力値に対する検索範囲は、特定都市の下位行政区域単位の名称になるわけである。例えば、ユーザが都市のうち
を選択すると、次の選択範囲は
にある“区”となり、さらにユーザが
を選択すると、次の選択範囲は
内にある“洞”となる。
4.9 中継サーバの活用
シンプルコードの解釈はクライアント側で行うこともでき、サーバ側で行うこともできるので、このようなシンプルコード(場合によってはフルコード包含)の解読を専担してシンプルコードに対応する語句をクライアント側又は他のサーバ側に提供する中継サーバを設けることができる。図6−1を参考にすることができる。また、図6−1で、クライアント側で1次的にシンプルコードを解読して入力されたシンプルコードに対応する語句を解釈できないと、2次的に中継サーバで入力されたシンプルコードに対応する語句を解釈し、解釈失敗時には再び3次的にそれぞれのサーバで入力されたシンプルコードに対応する語句を解釈することが可能である。3次シンプルコード解読サーバー(便宜上“3次サーバー”という)は入力されたシンプルコード又はシンプルコードに対応する語句を使用するアプリケーションを搭載したサーバとなる。
中継サーバを設けると、3次サーバ側ではシンプルコードではない語句を必要とする場合にも、ユーザがシンプルコードを入力し、3次サーバ側でシンプルコードとシンプルコードに対応する語句を記憶していなくても、中継サーバがユーザから入力されたシンプルコードを中継サーバが解釈してシンプルコードに対応する語句を3次サーバ側に伝達することが可能である。
シンプルコードのコード値の1つ1つが入力される時ごとに、シンプルコードに対応する語句が記憶された索引を検索してクライアント側又は各サーバ側にフィードバックを与えることもでき、単語単位でフィードバックを与えることもできる。
4.10 単語単位の区分
本発明において単語単位とは単語開始から単語終了までを意味する。これは単語と単語の区分を付与できるすべての要素(単語開始、空白、モード切換、エンター、…)の組み合わせを通じて識別できる。例えば、空白〜空白、空白〜モード切換等は単語開始〜単語終了などを通じて単語が入力されたことを識別できる。単語単位でフィードバックを与えることは現在、ネットワーク環境を支援する言語を通じて十分に実現できる。
4.11 シンプルコード/対応語句のダウンロード
さらに、サーバ側に存在するシンプルコードとシンプルコードに対応する語句をユーザが直接入力して記憶させなくても、クライアント側にダウンロードするようにできる。
ダウンロードする単位は1つ1つの語句単位でダウンロードすることもでき、上記に例をあげた語句のグループ単位(ツリー構造のグループ)でダウンロードすることもできる。上位のグループを選択する時に下位のグループまでダウンロードできる。サーバ側の語句グループのツリー構造をそのままに維持しながらダウンロードすることもでき、該当グループと下位グループに属する語句をクライアント側にユーザが指定する1つのグループとしてダウンロードすることもできる。シンプルコードの解読を主機能とする中継サーバがある場合には、中継サーバがこのような機能を担当することもできる。
5.削除ボタン活用方法
削除ボタンを活用することにおいて、これを先出願で紹介した“最終入力取消”に活用できる。例えば、図4−2で
を入力しようとしたが、[1]+[*]を入力して
を入力した場合、削除ボタンを押して最終入力([*])を取消すことによって
に還元させることができる。これはコントロールボタンを反復的に押して後続字母を入力する場合に有用に用いることができる。取消ボタンを連続して押す場合は通常の方法通りに既に入力された字母が削除されるようにすればよい。例えば、
を入力した状態で取消ボタンを1回押すと
になり、1回さらに押すと
になり、もう一度さらに押すと、
になる。ローマ字の場合、“aba..”を入力した状態(最後の“a..”は“..+a”からなる変形字母)で削除ボタンを一度押すと“aba”になり、一度さらに押すと“ab”になり、もう一度さらに押すと“a”になる。つまり、既に形成された字母については字母単位で削除される。
6.言語制限入力方法
言語制限入力方法は、特定な言語の単語生成において、子音と母音の結合規則を利用し、文字入力においての曖昧さを減らすことであり、以下、詳細に説明する。
以下、ある1つの言語で言及した内容のうち他の言語にも適用可能な内容は、特に言及しなくても他の言語に適用できるのは明らかである。さらにローマ字を使用しない言語に対しても類似した概念を適用することができる。
6.1 ローマ字を用いる言語において子母音分離キーパッドでの中国語制限反復選択方法
6.1.1 中国語の声母と韻母の構成
中国語には21個の声母と16個の韻母(この中、
(^e)は殆ど使用されない)がある。声母は子音に該当し、韻母は母音に該当する。中国大陸では中国語音を表記する方法として漢語ピン音方案を用い、台湾では注音符号を用いて中国語音を入力する。漢語ピン音は、ラテン子母、すなわちローマ字を用いて中国語音を表記することである。 注音符号とそれに対応する漢語ピン音(ローマ字)を括弧の中に表示すると次のようである。
次に、中国語の結合韻母を説明する。結合韻母は3個の母音i,u,‥uが前に位置し、その後ろに他の韻母が結びついたものである。次の表は結合韻母の一覧表であり、結合可能な場合を示す。
上記表に示すように、iaの結合は可能であるが、iuの結合は不可能であることがわかる。
6.1.2 ローマ字を用いた中国語の漢語ピン音の入力
結局、上記表からわかるように、ローマ字を用いると、中国語の21個の声母をすべて、18個のローマ字の組み合わせで入力することができ、16個の韻母をすべて、7個の単韻母の組み合わせで又はローマ字の母音とローマ字の子音との組み合わせで入力することができる。
また、単韻母のうち^eと‥uはそれぞれeとuの変形字母とみなしてコントロール処理方法により入力することができる。次に、5個の基本母音に4個の声調符号を付けることも、コントロール処理方法により入力することができる。結局、ローマ字を用いる中国語の場合、5個のローマ字の基本母音を利用して中国語の韻母をすべて入力することができる。これは、英語字母(すなわち、ローマ字)に存在しない変形字母をコントロール処理方法により入力するもので、フランス語、ドイツ語などの入力で既に説明した内容である。中国語の韻母をコントロール処理方法により入力する場合の基本字母(基本母音)と後続字母(後続母音)との付属関係を設定する例を挙げると、次のとおりである。
上記例は1声調〜4声調の声調符号が付いている字母が後続字母となり、^eはほぼ使用されないもので、付属順位を最下位にする。付属順位は使用頻度などに応じて変更できる。例えば、‥uを6番目でなく2番目の後続字母にし、残りの後続字母の付属順位を一順位ずつ繰り下げることもできる。
入力例として、コントロールボタンとして[*]ボタンを使用し、コントロール後入力を適用する時、−e=e+[*],/e=e+[*]+[*],ve=e+[*]+[*]+[*],`e=e+[*]+[*]+[*]+[*],^e=e+[*]+[*]+[*]+[*]+[*]のようになる。図1−1のキーパッド上に表示された“e”に部分全体選択方法を適用すると、e=[3]+[2]になり、これにより−e=[3]+[2]+[*]となる。図1−1のキーパッド上に表示された字母を部分全体選択方法で選択すると、人(r/en:第2声)のフルコードは“7832**65”になる。ここでキーパッド上に表示された“e”の入力において、部分全体選択方法のほかに、他の入力方法(例えば、単純反復選択方法)を使用することもできることはもとよりである。
結局コントロールボタンとしてただ1つだけを使用するので、入力方法を単純化することができる。これは、ローマ字を使用せずに注音符号を使用する場合にも同一に適用できる(例えば、図1−1の英語字母に対応する注音符号を表示したキーパッドに同一の入力方式適用)。
6.1.3 子母音分離キーパッドでの中国語制限反復選択方法
中国語声母をすべて、18個のローマ字で入力することができるが、そのうちzh,ch,shの場合にのみローマ字の子音が連続して登場する。中国語で声母なしに韻母のみからなる音節を漢語ピン音で表記すると、形式的にy,wなどを付けて表示する。例えば、“衣=yi(1声)”、“五=wu(3声)”のようになる。
また、先出願で言及したように、漢字の一文字が一音節を表す中国語の場合は、シンプルコードとして音節基準イニシャルコードを使用するほうが便利である。したがって、できるだけ18個のローマ字の子音が各数字ボタンに割り当てられることが好ましい。本発明では、18個のローマ字の子音を2個ずつグルーピングし、[1]〜[9]数字ボタンに割り当てる事例を提示する。
bp/dt/gk/zj/cq/sx/mn/lr/hf
上記の例は、発音の類似性に基づいてグルーピングした事例であって、シンプルコードを活用する時、同一のシンプルコード(音節基準イニシャルコード)に対応する語句(単語又は句節)が多数である場合、発音が類似した語句が同じ音節基準イニシャルコードを持つようにした事例である。上記の例は、ただ1つの例示に過ぎないもので、様々な変形が可能である。発音の類似性に基づいてグルーピングすることもできるし、英語字母の辞書順序、英語字母に対応する注音符号の辞書順序など多様な基準に基づいてグルーピングすることもできる。このように類似した発音を同じグループでグループして同じボタンに割り当てることの他のメリットは、ローマ字を用いるすべての言語において、類似した発音の子音が連続して出現する場合が少ないので、その分曖昧さの発生する可能性が少なくなるということである。また、シンプルコード(特に音節基準イニシャルコード)の活用においても、同一のシンプルに対応する語句が多数あったとしてもこれら語句が類似した発音(音価)を持つ語句であることから、ユーザの混乱を最小化し、シンプルコード活用をスムーズに行うことが可能となる。
また、zh,ch,shが中国語の声母として存在するが、zとh、cとh、またはsとhが、同じグループにグルーピングすることを防止する(中国語の音節は だいたい“声母+韻母”でできており、本実施例で同じグループにグルーピングしても別に問題はない。ただし、図10−1に示されていないw,y,vなどを入力する時、s,h,wなどを共に割り当て、割り当てされたボタン3打で入力するようにする)。
上記で例示した9個のグループを、図10−1に示すように、[1]〜[9]の9個のボタンに任意に割り当て、各字母の入力に反復選択方法を適用することができる。中国語の特性上、声母を入力する時、zh、ch、shを除いてはローマ字の子音が連続することはない。よって、反復選択方法により字母を入力する場合も曖昧さなしに入力することができる。例えば、図10−1でb=[1]、p=[1]+[1]になるように入力することができる。各ボタンに割り当てされた字母のうちいずれの字母を1打にするかは、字母の使用頻度に応じて決める。使用頻度が多い字母を1打で選択できるようにすることはもとよりである。
中国語でほぼ使用されないローマ字“v”を9個のグループのうち任意のグループに配置することができる。例えば、発音が類似した“f”の属するグループに“v”をさらに配置し(又は、明示的に割り当てず)、該当ボタン3打で“v”を入力することができる。また、“衣=yi(1声)”、“五=wu(3声)”などに使用されるwとyをそれぞれ適切な子音グループに配置し(又は、明示的に割り当てず)、それを反復選択方法により入力(例えば、wとyをそれぞれ配置されたボタン3打で入力)するようにできる。例えば、yを/l、r/の属するグループに配置した場合、該当ボタン(図10−1の[8]ボタン)1打で“1”を入力し、2打で“r”を入力し、3打で“y”を入力するようになり、wを/m、n/の属するグループに配置した場合、該当ボタン(図10−1の[7]ボタン)1打で“m”を入力し、2打で“n”を入力し、3打で“w”を入力するようになる。
反復選択方法を適用し、漢語ピン音入力する時、ローマ字の子音と母音が交互に出現する性質を利用して曖昧さを大幅に減らすことを、便宜上“中国語制限反復選択方法”と称する。このような性質を特に中国語だけでなくすべての言語に一般的に適用する時には便宜上“言語制限反復選択方法(LRRSM:Language Restricted Repeat Selection Method)”といい、特に中国語に適用した場合は“中国語制限反復選択方法(Chiese Restricted RSM)”という。言語制限反復選択方法は、韓国語もしくはヒンディー語などにおいて、基本子音と基本母音の対をボタンに割り当て、反復選択方法を適用する時、子音と母音が交互に出現する性質を利用して少ない曖昧さで入力できるようにしたのと同じ脈絡で理解すればよい。また同様に、韓国語の母音要素を活用した方法として、母音
が連続しない性質を利用し、激音コントロールを反復選択方法により選択できるようにしたものがあり、これは“韓国語制限反復選択方法”と言える。
特に、図10−1〜10−4に示すように、子音が割り当てられたボタン(便宜上“子音ボタン”と称する)と、母音が割り当てられたボタン(便宜上“母音ボタン”と称する)とを分離し(すなわち、子音及び母音を同じボタンに割り当てず)、反復選択方法を適用する時、子音と母音が組み合わせられる各言語の特性を利用して曖昧さを大幅に減らすことができる。このように図10−1〜10−4と同様に子音ボタンと母音ボタンとをそれぞれ分離し、各ボタンに所定数(例えば、1〜3)の子音又は母音を割り当てて構成したキーパッドを便宜上“子音分離キーパッド(CVSK(Consonant Vowal Separated Keypad))”と称する。
図10−1から、キーパッド上に表示されたローマ字の子音と母音を、反復選択方法により中国語漢語ピン音の入力時にも曖昧さなしに入力できるということが容易にわかる。声母の入力のために子音ボタン(図10−1の[1]〜[9]ボタン)のうち同一のボタンが連続して押された時、キーパッド上に表示された2番目の子音が入力されたことを、システムが容易にわかる。なぜなら、中国語の声母の入力時に、同じローマ字が連続しで出現することがないからである。ここで2回押されたボタンはw,y,vなどが割り当てられたボタンであり、同じボタンがもう1回押された(すなわち、3回押された時)というのは、既に説明したようにw,y,vなどを入力するための動作であることを、システムが容易にわかる。なぜなら、[7]ボタン3打で“w=777”を入力する場合、これは“mmm”、“mn”又は“nm”と解釈される可能性があるが、中国語の声母はこのように構成されることがないからである。
図10−1に示すように、a,e,i,o,u,‥uの6個の母音を2個ずつ3つのグループに分け、4*3キーパッドの3個のボタン(例えば、[*]、[0]、[#]ボタン)に配置し、それぞれの母音を反復選択方法により曖昧さなしに入力することができる。それは、中国語には同一のローマ字の母音が2回連続することがないからである。例えば、ある漢字を漢語ピン音で表記するとき、“…aa…”のようになることはない。
ただし、ここから、複韻母ai,eiと結合韻母ia,ieにおいて、aとi、そしてeとiを同じグループにグループングしない必要があることがわかる。それは、万一aとiが同じグループにグループングされ、同じボタンに割り当てられると(例えば、[*]ボタン)、該当ボタン3打(すなわち、‘***’)の入力が‘ai’の入力か、それとも‘ia’の入力かを区別できない曖昧さが発生するからである。図10−1はこのような内容を考慮してグルーピングした事例を示す。図10−1の母音グループ及び配置は絶対的なものではなく、上記の制約事項を満足する限度内で変形が可能なのは明らかである。図10−1で各母音を反復選択方法により入力することができる。例えば、i=[0]、o=[0]+[0]、iao=[0]+[*]+[0]+[0]のように入力できる。
aとi、eとi、そしてoとuが同じグループにグルーピングされない限りは、“a,e,o”を1つのグループにしてもよく(図10−2、図10−4参照)、残り“i,u,‥u”を1つのグループにしてもよい。やはり様々な変形が可能であろう。この2つの母音グループをそれぞれ3*4キーパッド内で任意のボタン(例えば、それぞれ[*]、[#]ボタン)に割り当て、子音“w,y,v”を別途のグループとして残りのボタン(例えば、[0]ボタン)に割り当てることができる。1つのグループに3つの字母がグルーピングされるとき(例えば、“a,e,o”)、母音の組み合わせ(例えば、“ae”,“ea”,“aaa”)を示す該当ボタン3打に相当する中国語韻母が存在しないので、該当ボタン3打で“o”が曖昧さなしに認識され得る。例えば、“ao”入力の際に、該当ボタン4打となるが、“oa”が漢語ピン音として存在しないので、やはり曖昧さなく認識できる。10−6を参照することができる。図10−6において、“v”は中国語の入力に使用されないので、表示しなくもよい。“w,y”などを1つのグループにグルーピングして同じボタンに割り当てることは、半子音(すなわち、半母音)を同じボタンに割り当てるという効果がある。
図10−2、図10−4、図10−6において、“a、e、o”が同じグループにグルーピングされたが、“ao”の組み合わせのみが可能である。もし1つのボタンに“a,o”のみが割り当てられると、該当ボタン3打は“ao”と曖昧さなく認識できる。ところが、3つの字母が割り当てられ、ボタンのプッシュ回数によって“a−o−e”の順で選択されると、該当ボタンの3回プッシュが“ao”なのか“e”なのか分からない曖昧さが発生するおそれがある。したがって、このような場合(3つ以上の母音が同じボタンに割り当てられ、3母音のうち2母音の1つの組み合わせが可能な場合)に組み合わせの可能な2母音を該当ボタンそれぞれ1打、2打で選択されるようにせず、それぞれ1打、3打(又は2打、3打も可能であり、該当ボタン5打を“ao”と認識することができる。)で選択されるようにすることにより、言語制限を利用して曖昧さを除去することができる。すわち、3つの字母グループにおいてボタンプッシュ回数による選択順序を定める際に、連続して登場しうる字母をそれぞれ該当ボタン1打、2打で選択されないように選択順序を定める。
図10−1〜図10−4においてローマ字で声母を入力するとき、同じボタンが最大2〜3回押されうる。システムは、ボタンの反復押し回数を認識し、その反復押し回数によってターゲット字母を識別することができる。ローマ字で韻母を入力するとき、やはり図10−1、図10−3で同じボタンが連続して3回押され得る場合は、結合韻母“iou”の“io”を入力するために[0]ボタンが連続して3回押される場合だけである。ユーザの入力に対して、システムは“0=i”と一時的に認識し、[0]ボタン以外のボタンが押されると確定する。[0]ボタンがもう1回押されると、システムは“00=o”と一時的に認識し、同様に[0]ボタン以外のボタンがもう1回押されると確定される。ここで、[0]ボタンがもう1回さらに押されると、システムは“000=io”と確定することができる。なぜなら、漢語ピン音の入力において、“oi”が出る場合はないという“中国語制限”を利用するためである。[*]ボタンの場合は、最大2回押され得るので、システムは“*=a”と一時的に認識し、“**=e”と確定することができる。これは漢語ピン音入力の際、同一のローマ字母音が連続して来ず、同じボタンに割り当てられた母音が連続して来る場合がないためである。
子母音分離キーパッドで曖昧さなく(又は中国語以外の場合において著しく少ない曖昧さで)入力システムの構成が可能な理由は、同じ子音ボタン(例えば、図10−1で[1]ボタン)が1回又は連続して押される間、システムは同じボタン内の子音中の1つを入力するものと認識した後、次いで他の子音ボタン(例えば、図10−1で[9]ボタン)が押されると、システムは連続した子音が入力されるものと認識するためである。もう1つの理由は、各ボタン当たり約3つの字母を割り当てず、約2つの字母が割り当てられるためである。子音と母音を対としてグルーピングする場合の先出願で言及したところ、ボタン当たり3つの字母が割り当てられたときに比べて2つの字母が割り当てられたとき、曖昧さの発生可能性は著しく減少することが容易に分かる。また、ボタン当たり2つの字母が割り当てられたときは、出願人の提示した連打遅延時間と離打遅延時間をさらに効果的に適用することができる。
図10−7は(R)部分を除けば、子母音分離キーパッドにおける一般的な反復選択方法の手続きを示したものである。図10−7において、便宜上、入力値は子音ボタン又は母音ボタンであると仮定する。すなわち、特別な用途又は機能(例えば、後続字母の入力のための後続コントロールボタン)はないものと仮定する。図10−7は、絶対的なものではなく、単に参考とすることができる。図10−7において、特定のボタンが1回押されることに対し、特定ボタンの1回プッシュに対応する字母をターゲット字母と一時的に認識されるなどの細部的な手続きは表示していない。ただし、このような過程は、図10−7において(R0)過程で行われる。(R)過程で言語制限を判断することができ、(R)過程は流れ図上の任意の部分で介入できる。すなわち、一番目の入力値が子音ボタンのいずれか1つであり、連続して押されたボタンに子音が2つのみ割り当てられたボタンであり、同じボタンに割り当てられた字母が連続して来る場合がなければ(例えば、図10−1において[1]ボタン)、(R1)で同じボタンが2回押された瞬間、入力値を1つの子音(例えば、図10−1において「P」)と確定することができる。これは、まるで図4−4において言語制限を利用して曖昧さを制御すること(反復選択方法の適用の際に曖昧さなく又は少ない曖昧さをもってターゲット字母を確定する)と類似である。図10−7の手続きは、図4−4の手続きよりは一層単純であることが分かる。
同一又は同一でない子音ボタンが連続して押された後、母音ボタンが押されると、システムは既に入力された子音ボタンの入力値からターゲット字母を確定し、母音処理過程を行う。母音処理過程における最初入力値は、子音処理過程で最後に入力された母音ボタンになる。母音処理過程から子音処理過程に変わる場合にも同様である。
図10−7において、言語制限(R)によって判断する方法は、結合可能な子音および母音のリスト(例えば、“ch”,“sh”,“zh”,“iao”,“iou”,“ia”,“ie”,“uai”,“uei”,“ua”,“uo”,“ue”,“ai”,“ao”,“ua”,“uo”,“..ue”,“ou”,…)又は(特定キーパッドで曖昧さが発生するおそれがある場合の)結合不可能な子音および母音のリスト(例えば、“bb”,“aa”,“ee”,“oa”,…)をシステムが持っておりながら、入力値が曖昧さを生じさせるおそれがある場合、結合不可能な場合を除いては結合可能な場合をシステムでターゲット字母と認識されるようにする方法が一般的に可能である。例えば、図10−2(中国語制限)において“ao=0000”を入力する際、システムは“ao”を母音結合可能リストにもっておりながら、システムは入力値“0000”に対して“ao”をターゲット字母と認識することができる。もう1つの方法は、図10−2、図10−4の子母音分離キーパッドでユーザの誤入力がないとき、[0]ボタンのみが最大4回押されることが可能であるが、このように曖昧さが発生しうる特別な場合のみを考慮し、この場合“0000=ao”と認識されるようにすることができる。残りの過程は図10−7の処理過程に従えばよい。
図10−7において省略した部分の手続きは、既に表示された手続きと類似であることが分かる。図10−7をさらに一般化し、省略された部分なく表現すると、図10−8のとおりである。図10−8は、図10−7と同様の意味である。図10−8において、(1)部分はボタン入力が行われることを仮想的に意味し、(1)部分に入る矢印に表示された“n<−(n+1)”はボタンプッシュの回数がもう1回増加することを意味する。
中国語音節をピン音で表記するにおいて、“en”,“eng”,“an”,“ang”,“er”などの韻母が使用される場合、音節の終わりが英語子音(英語字母の子音)で終わる(例えば、ren:人)。すなわち、単語又は区節の中間においてある音節の終わりに来ることが可能な英語字母の子音は“n”,“g”,“r”などである。このようにピン音のある音節の終わりに来ることが可能な子音を、便宜上、“ピン音音節終声可能子音(CCESP:Consonants which Can be at the End of a Syllable of Pinyin)”と呼ぶ。
このようなピン音音節終わり可能子音が使用される音節(すなわち、“en”,“eng”,“an”,“ang”,“er”などの韻母が使用される音節)の場合、代表的に、次の音節の英語子音が前の音節の英語子音の場合に曖昧さが発生するおそれがある。例えば、Zhongguo(中国)の場合、“〜gg〜”が“〜k〜”と認識できる。このように非常に特別な場合に曖昧さが発生する可能性があるが、これはピン音音節終わり可能子音(例えば、“n”,“g”,“r”…)をこれらの属したそれぞれのグループで、該当ボタン2打で選択されるようにすると、曖昧さを除去することができる(図10−6のように、“n”,“g”,“r”などの属したグループに2つの字母のみが割り当てられているとき)。
図10−6において、ピン音音節終わり可能子音中の1つである“n”が該当ボタン([7]ボタン)2打で選択されるので、“rennai(忍耐)”の場合、“88**7777*#”と曖昧さなく入力され得るのと同じである。“nn”を入力するために、“7777”を入力するが、これは曖昧さなく“nn”と認識できる(ピン音において単語又は区節の中間に“mmmm”、“nmm”、“mnm”、“mmn”などの組み合わせが不可能なので)。すなわち、図10−6において“g”と“k”の選択順序を“k−g”とすれば、ピン音を曖昧さなく入力することができるのである。
このようにピン音音節終わり子音を該当グループから2打で選択されるようにすることで、曖昧さを除去することができるためには、該当グループに2つの字母がグルーピングされていなければならない。もし図10−4のように3つの英語字母“m,n,w”がグルーピングされており、ボタンのプッシュ回数によって“m−n−w”の順で選択されるとすれば、“n”が該当ボタン2打で選択されるとしても、“renmin(人民)”の入力の際に“rewin”と曖昧さを引き起こす(ここで、“rewin”が実際中国語のピン音に存在しないので、システムが入力値を“renmin(人民)”と認識することもできるが、“rewin”が可能なピン音組み合わせなので)。
したがって、図10−4のように、英語子音が3つずつグルーピングされることが可能な場合、ピン音音節終り可能子音(“n”,“g”,“r”など)は、2つの英語子音がグルーピングされるグループにグルーピングする必要があることが分かる。そして、子音が2つずつグルーピングされる場合にも、ピン音音節終わり子音のうち“n”と“r”、そして“g”と“r”が同じグループにグルーピングされる場合、やはり曖昧さが発生する可能性があることが分かる。例えば、“n”と“r”の2つの英語子音が同じグループにグルーピングされていると、“〜nr〜”入力の際に“〜rn〜”と曖昧さを引き起こすことになるであろう。“g”と“r”が同じグループにグルーピングされる場合も同様である。
図10において、“n”と“g”は、それぞれ異なるボタンに割り当てられているので、曖昧さなく入力できる。勿論、“n”と“g”が同じグループにグルーピングされていても、“n”と“g”のみがグルーピングされると、曖昧さなく入力できる。例えば、“n”と“g”が同じグループにグルーピングされて[5]ボタンに割り当てられていると、“母音+ng”を入力するために、[5]ボタンが3回押されると(すなわち、“555”が入力されると)、これを“母音+gn”ではなく“母音+ng”と認識することができる。これは、ピン音において単語の中間に“母音+gn”が来られない言語制限を利用することができるためである。このように“n”,“g”が同じグループにグルーピングされている場合、ボタンプッシュ回数による選択順序を“g−n”とすれば、該当ボタンを2回押したとき、“g”が表示され、もう1回押せば、“ng”が表示されるようにすることができるので、自然にWISWYG(What You See is What You Get、さらに正確にはWhat You Press is What You See)を実現することができる。図10−2、図10−4、図10−6において、母音“a”,“e”,“o”が1つのグループにグルーピングされて[*]ボタン(図10−6の例)に割り当てられているので、該当ボタンのプッシュ回数による選択順序を“o−e−a”とすれば、やはり[*]ボタンが3回押されたとき、システムは“a”と認識して表示することができ、さらに[*]ボタンがもう1回押されると、自然に“ao”を表示することにより、ユーザにさらに親和感を与えることができる。
“n”と“g”のみが同じグループにグルーピングされていずれかのボタン(例えば[5]ボタン)に割り当てられているとき、母音ボタンが押されてから“5555”が入力されると、“母音+ngg”と認識され、“55555”が入力されると、“母音+ngn”と認識される。中国語のピン音において“母音+ng”が比較的多く使用されるならば、このように“n”と“g”を同じグループにグルーピングすることにより、入力の便利度を高めることができる。ところが、シンプルコードの活用のために、類似の発音を有する子音を同じグループにグルーピングすることが自然なので、良い接近方法ではないと言える。
“n”と“g”以外の英語子音(例えば、‘m’)が共にグルーピングされる場合、ピン音を曖昧さなく入力するために、“m−n−g”又は“m−g−n”の順で選択されるようにすると(すなわち、‘n’,‘g’以外の子音を該当ボタン1打で選択されるようにすると)、やはり曖昧さなく認識できる。例えば、ボタンのプッシュ回数によって“m−g−n”の順で選択されるとき、母音ボタンが押されてから、該当ボタンを5回押すことは“(母音)+ng”と認識され、6回押すことは“(母音)+ngm”と認識され、7回押すことは“(母音)+ngg”と認識され、8回押すことは“(母音)+ngn”と曖昧さなく認識できる。ところが、“ng”入力時の反復押し回数が過多に多くなるので、好ましくない。
図10−7、図10−8、図10−9において、単語の最初ではなく単語の中間における子音処理過程で“nX”,“ngX”,“rX”(大文字“X”は声母を英語子音で表示したことを意味する。)のように子音が連続して来る場合も、ピン音で可能な子音組み合わせで入力値を処理すればよい。これは、単語の最初には“nX”,“ngX”,“rX”のように英語子音が連続して来る場合はないためである。結局、ピン音の入力において、単語又は区節の中間に来られる英語子音は、理論的に“〜ngch〜”,“〜ngsh〜”,“〜ngzh〜”のように最大4つであり、図10−7、図10−8、図10−9において、単語の中間における子音処理過程でこのような言語制限を利用すればよい。
音節の終わりに英語子音が来ることにより、曖昧さが発生する可能性のある場合にも曖昧さなく入力することが可能な方法を提示した。各ボタンに割り当てられた字母グループにおいて、ボタンのプッシュ回数による選択順序は任意に定められるものなので、これは先出願で提示した内容を細部的に説明したものと見られる。ピン音音節終わり子音は音節の始まりまたは終わりにすべて使用できる子音なので、比較的よく使用される子音と言える。このように曖昧さが発生する可能性があるということは、良く発生する場合ではないと見られ、曖昧さが発生する可能性がある場合にもピン音/漢字の索引を参照し、存在しないピン音(例えば“rewin”)を除外させることができるので、入力の便利度などを考慮し、ピン音音節終わり子音の属した各グループでピン音音節終わり可能子音が選択される順序を定めることができる。
以上の内容を含む図10−1で、ローマ字1字当たり平均1.5打で入力することができるが、実際中国語での使用頻度を考慮し、頻度が高い字母を1打で選択できるようにすると、少ない入力打数で入力することもできる。
6.1.4 コントロールボタンとして使用される機能ボタンの本来機能入力
図10−1において、ローマ字の母音に添字が付ける変形字母を入力する時、3*4キーパッドのほかに、任意の“別途のボタン”をコントロールボタンとして活用して入力するこたができる。例えば、中国語入力モードでの左側移動ボタン([<])をコントロールボタンとして活用する場合、−e=e+[<]、/e=e+[<]+[<]、ve=e+[<]+[<]+[<]、`e=e+[<]+[<]+[<]+[<]、^e=e+[<]+[<]+[<]+[<]+[<]のように入力することができ、左側移動ボタンを5回連続して押すと、“e”と結合するコントロールをそれ以上選択できなくなるので、移動機能が活性化される(“e”は入力した状態)。一方、削除ボタン(便宜上、“[X]”で表示)変形字母の入力のためのコントロールボタンとして活用する場合は、−e=e+[X]、/e=e+[X]+[X]、ve=e+[X]+[X]+[X]、`e=e+[X]+[X]+[X]+[X]、^e=e+[X]+[X]+[X]+[X]+[X]のように入力することができ、削除ボタンを5回連続押すと、既に入力した“e”が削除される。このように他の機能を持つボタンをコントロールボタンとして活用するが、コントロールボタンのプッシュ回数によりコントロールが選択され、それ以上選択されるコントロールがない場合に、本来の機能(例えば、移動機能)を選択できるようにする。
上記の例で左側移動機能が活性化されると単語開始状態になるので、この際は左側移動ボタン[<]を1回のみ押せば左側移動機能が入力される。すなわち、“e”を入力した後、コントロールボタンである[<]ボタンを5回押せば、“e”のみが入力された状態でカーソルが左側に1つ移動し、もう1回押せば、もう1つ移動するようになる。これはすべての言語に適用可能である。
6.1.5 子母音分離キーパッドでの中国語制限反復選択方法(3*4キーパッドでの変形字母の入力)
ここでは、3*4キーパッドでローマ字の母音の上に添字がつく変形字母(声調符号がつく場合を含む)の入力もできるようにする。
結合韻母の一覧表に示すように、“i”の後に“i”,“u”は来ない(言い換えれば、“a”又は“e”または“o”が来る)。また“u”の次は“u”と“i”が来ない(言い換えれば、“a”又は“e”または“o”が来る)。よって、図10−2に示す母音配置となる。図10−2において、左側の母音“i,a,e”に声調記号を付ける時は、右側の“u”が割り当てされた[#]ボタンをコントロールボタンのように使用する。同様に、右側の母音“o,u”に声調符号を付ける時は、左側の[*]ボタンを声調記号コントロールボタンのように使用する。例えば、/o(第2声)=o+[*]+[*]=[0]+[0]+[0]+[*]+[*]で、/a(第2声)=a+[#]+[#]=[0]+[#]+[#]で、^e=e+[#]+[#]+[#]+[#]+[#]=[0]+[0]+[#]+[#]+[#]+[#]+[#]で、それぞれ入力することができる。複韻母ao=a+o=[0]+[0]+[0]+[0]で入力することができるし、母音aの後に母音a,eなどが来ないし、oaのような場合もないので、曖昧さなしにシステムが識別できる。母音‥uは母音uと模様が類似しているので、uが割り当てされたボタン2打(隠匿形反復選択方法)で入力することができる。
これは、中国語の母音“a,e,o”のうちaとeの後に母音uが来ない性質、また、母音oの後に母音iが来ない性質を利用したものである。前述した制約条件、すなわち、aとiを同じグループに配置せず、eとiを同じグループに配置せず、そしてoとuを同じグループに配置せず、3つのボタンに母音を2個ずつ割り当てると共に、中国語のローマ字の母音結合規則を利用して図10−2のように母音が割り当てされたボタンをコントロールボタンのように使用することは、不可能であることがわかる。図10−2において、iとuをそれぞれ[*]ボタンと[#]ボタンに配置したのは、このボタンをコトロールボタンのように使用することを、容易に認識できるようにするためであり、さらに配置の均衡性などを考慮したからである。図10−2における母音の平均入力打数は、図10−1と同様に約1.5打である。
図10−2の変形事例として、[0]ボタンに割り当てされた3つの字母の一部を3*4のキーパッドのほかに、“別のボタン”に配置することもできる。例えば、上/下/左ボタンのいずれか1つのボタンに3つの字母の一部を割り当てることができる。
図10−1〜図10−4で反復選択方法を適用しながらも曖昧さなしに漢語ピン音を入力できるのは、子音ボタン([1]〜[9]ボタン)と母音ボタン([*]、[0]、[#]ボタン)とを分離し、また、中国語を漢語ピン音で表記する時のローマ字の子音と母音の出現規則を利用したからである。
6.2 子母音分離キーパッドでの英語制限選択方法
英語などの場合においても中国語の場合と同様に図10−1〜10−4と類似した子母音分離キーパッド(CVSK)で反復選択方法を適用し、ほぼ曖昧さなしに入力することができる。なぜなら、ローマ字を用いるすべての言語は、単語構造が子音と母音が交互に組み合わせる構造になっているからである。
英語の場合、“単語開始”から子音群が最大反復の場合は、“strengths”のように“CCCVCCCC”となる場合である(Cは子音、Vは母音)。 単語開始時、最大3つの子音が連続することでき、それは“st〜”又は、“sp〜”から始まることだけである(例えば、spree、spleen、strengthなど)。
図10−1と同様に子音が約2〜3個ずつ割り当てされたキーパッドで(便宜上、図10−1で“‥u”のみが割り当てられていないと仮定する)、ユーザが英語単語“student”を入力するために“622〜”を入力すると、システムは、“単語開始”後に入力された“622”を“sdd”の入力でなく“st”の入力として処理することができる(英語の特定単語で3つの子音が連続する場合は“st〜”又は“sp〜”から始まることだけであり、システムはこのような英語単語生成規則又は字母結合規則を覚えている)。“stu〜”の“u”を入力する時は、母音が割り当てされたボタンが押されることから、子音群(例えは、“st”)が終わり、母音(例えは、“u”)が来ることがわかる。“stu”入力後に“d”を入力するために“2”が入力されると、再び子音が始まることをシステムがわかる。同様に“student”の“〜ent”を入力するために“〜**7722”をユーザが入力すると、“**”が入力された時、先出願で説明したように英語の場合には“a”が連続しないので、“aa”でなく“e”が入力されたことを、システムが容易に認識でき、また、“7722”を“mmt”,“ndd”,“nt”,“mmdd”などに解釈できるが、先出願に言及したように、“連打遅延時間”そして“離打遅延時間”をそれぞれ異なって設定することにより、反復選択方法から発生する曖昧さを大幅に減らすことができる。
子音と母音が混在状態で各ボタンに割り当てされた現在の標準英語キーパッド(図1−1)でも、このように特定言語の単語生成規則(字母結合規則)を反映して反復選択方法の適用時に発生する曖昧さを減らすことができる。しかし、このように子音と母音が1つのボタンに混在して割り当てられた場合は、言語制限入力方法(特にフル入力方法として反復選択方法を適用する)を適用するのが非常に難しくなる。例えば、図1−1で“student”を反復選択方法により入力する時、“stu〜”は“777888〜”であるが、“777”をシステムが“s”と認識したとしても、次の“888”が、“ut(すなわち、sut)”か、“tu(すなわち、stu)”か、“v(すなわち、sv)”かがわからなくなる(勿論、英語制限入力方法適用時“s”の後に“ttt”が来ないので、システムは入力値“888”を“ttt”でないと見なすことはできる)。同様に“〜de〜”を入力するために“333”を入力する時も、“de”か“ed”かがわからないが、尚、“〜de〜”の前に入力した“888777”が“sut”、“stu”、“sv”と解析されるので、3つの場合のそれぞれに対して“〜de〜”、“〜ed〜”の両方ともできる。
このように言語制限入力方法を適用するとしても、フル入力方法として反復選択方法を適用する場合、多くの曖昧さが発生する。なぜなら、言語制限入力方法において子音と母音との出現規則(すなわち、単語生成規則、字母結合規則)を用いるが、この際、入力値が子音を入力するためのものか、若しくは母音を入力するためのものかを明確に区別するのができないからである。図10−1、図10−4に示すように、子音と母音がそれぞれ分離して割り当てられた場合は、反復選択方法の適用の際、母音割当のボタンが押されると母音の入力であると、子音割当のボタンが押されると子音の入力であると、システムがそれぞれ認識するので、曖昧さを大幅に減らすことができる。
ローマ字を使用する英語(English)の場合、母音が2つ以上連続する場合が多くある(例えば、captainの‘ai’)。なお、実際単語で同一の母音(基本母音であるa,e,i,o,u)が連続する場合は、food,teenのようにoo,eeの場合があり、またvacuumのようにuuの場合がある。この際、前者は割に頻繁にあり、後者はあまり多くない。出願人は英語辞典上で…aa…,…ii…になっている単語をまだ見たことがない。したがって、英語の5つの基本母音を[*]、[0]、[#]ボタンに割り当てるにおいて、‘a’を1打で選択し、e,o,uのいずれか1つを2打で選択するようにすると、実際多くの場合に曖昧さが除去される。例えば、[*]ボタンに母音‘a,o’を割り当てて反復選択方法を適用すると、[*]ボタンが2打入力されたとき、2つの母音aaの入力ではなく、母音oの入力であると、システムが認識することになる。同様に[0]ボタンに‘i,u’を割り当て、反復選択方法を適用すると、[0]ボタンが2打入力されたとき、2つの母音iiの入力ではなく、母音uの入力であると、システムが認識することになる。単語内で、aa,iiのように連続することがまったくないとは言えないが、先出願で言及した“連打遅延時間”及び“離打遅延時間”を異なって設定することで曖昧さをほぼなくすことができる。残りの母音‘e’は残りの[#]ボタンに割り当て、1打で入力することができる。
仮に、[*]、[0]、[#]のボタンのいずれか1つのボタンを特殊な用途のボタンとして使用したい場合は、母音‘e’を母音が割り当てられた任意のボタンに割り当てる。例えば、‘i,e,u’を[0]ボタンに配置することができる。母音uは[0]ボタン3打で入力する。なぜなら、母音uが英語の母音のうち最も使用頻度が低い母音であるからである。結局、‘i,e,u’を[0]ボタンに割り当てした状態で、英語のiが連続して(すなわち、…ii…)登場する場合がなければ、iとeは曖昧さなしに入力されることができ(それぞれ1打、2打)、uを[0]ボタン3打で入力するとき、uか、ieか、eiかわからないという曖昧さが発生することになる。uの使用頻度が低いことは、このような場合が多くないということを意味する。
結局、子母音分離キーパッドを用いて曖昧さを大幅に減らすことができ、さらに多数の母音を1つのボタンに割り当てるにおいて、辞書にある英語の単語のうち、同一の母音が連続して登場しない母音を1打で選択するようにし、複数個の母音が割り当てられたボタンで反復選択方法により母音を入力するに際しては、ほぼ曖昧さなしに入力することができるようになる。
このように連続して登場しない母音を1打で選択し、また最も使用頻度がない母音を3打で選択することは、ボタン当たり約2〜3個の子音が割り当てられた場合にも同じく適用することができる。
以上、ローマ字を用いる英語の場合を例として説明したが、ローマ字を用いる他の言語の場合にもそれを同じく適用することができる。
6.3 子母音分離キーパッドにおけるインドネシア語制限反復選択方法
インドネシア語の場合もローマ字(英語字母)で単語を表記する。インドネシアの音節は次のように構成される(Cは子音で、Vは母音である)。
V:be−a 関税
VC:am−bil つかむ
CV:go−sok こする
CVC:pon−dol 小屋
CCV:tra−di−si 伝統
CCVC:con−trak 契約
CVCC:teks−tur 織物
CCCV:kon−struk−si 建設
CCCVC:strip−tis 裸体ダンス
子音が3個以上登場する場合はよくわかるように英語などからの外来語である。以上の説明から、インドネシア語の場合においても“st〜”又は“sp〜”で始まらない限り、単語の語頭に子音が3個以上連続しないことが予想される。したがって、このような単語生成規則(字母の結合規則)を用いてインドネシア語制限反復選択方法を適用することができる。
q,xは物理学、数学などの自然科学記号に使用されているという。すなわち、文字入力にはほぼ使用されていないと考えられる。したがって、q,xは特定グループに明示的に配置しないこともでき、入力においても3打で入力することができる。また、中国語の場合と同様に、2個以上のローマ字母を組み合わせて1つのインドネシア語音を表記することがあり、ny,sy,kh,ngなど4つの表記がある。
これ以外に分綴されない子音群としては、bl,br,dr,dw,dy,fl,fr,gl,kr,ks,kw,pl,ps,rps,rs,sk,skr,sl,sp,spr,sr,str,swなどがある。特に、“skr〜”、“spr〜”、“str〜”などは、単語の始まりに来られるので、後述する言語制限並行入力方法で入力値がフルコードなのかシンプルコードなのかを判別する手段として活用することができる(出願人として、“rps”が単語の始まりに来る場合があるか知らないが、存在すればこれも同様に活用することができる。)
英語字母の子音21個のうち、q,xを除外した19個の子音を9個のグループにグルーピングする方法はいずれの方法も可能であるが、インドネシア語の特性を反映してグルーピングすると良い。例えば、BP/DT/GK/CJ/MN/LR/SZ/FV/HWYのようにグルーピングすることができる。
qとxは適正なグループにグルーピングすることができる。例えば、qを“GK”グループにグルーピングし、xを“SZ”グループにグルーピングすることができる。
インドネシア語の母音を表記するにはa,i,u,e,oの5個の母音が使用される。また、ai,au,oiの3個の二重母音があり、oiはまれに使用されない。また、したがって、5個の母音を2個又は3個のグループにグルーピングするに際して、なるべくa及びi、そしてa及びuを同じグループにグルーピングしないほうが好ましい。例えば、ae/uo/iにグルーピングする。また、英語の場合のように、同じ母音が連続して出現しない(連続して出現してもその出現頻度が少ない)母音を、各グループでその母音の属するボタン1打で選択することが好ましい。
6.4 子母音分離キーパッドにおける日本語制限反復選択方法
日本語の入力に際しては、ローマ字で日本語発音を入力し、それをさらに日本語に変換する方法が幅広く採用されている。図10−1〜図10−4と類似した子母音分離キーパッドを用いてローマ字で日本語音を入力し、それを日本語に変換することは、可能である。“あ”、“い”、“う”、“え”、“お”はそれぞれ“a”,“i”,“u”,“e”,“o”で表記し、“な”、“に”、“ぬ”、“ね”、“の”はそれぞれ“na”,“ni”,“nu”,“ne”,“no”で表記し、残りの字母をも、ローマ字の子音と母音との組み合わせで表記することができる。
日本語でローマ字の子音が連続して2回登場する場合は、促音又は拗音(小さな字で表記される)が使われる場合である。また、ローマ字の母音が連続して登場する場合は、単語のうち“あ”、“い”、“う”、“え”、“お”の組み合わせが連続して登場しないという仮定の上に、せいぜい2回程度であり、3回以上連続して登場する場合は極めてまれであることがわかる。したがって、ローマ字母の5個の母音(a,i,u,e)を図10−1〜図10−4と同様に3個のグループに分け、3個のボタンに割り当て、反復選択方法により母音を入力しても曖昧さが別に発生しないことがわかる。特に、日本語の場合、“a”の入力に対応する日本語が“あ”になり、“na”の入力に対応する日本語が“な”になることが容易にわかる(残りの日本語字母に対しても同一である)。したがって、ユーザが“na”を入力し、入力値が“na”であることをシステムが確認する瞬間、システムがユーザに“な”を提供することができる。
50音図表の日本語表記に使用されるローマ字の子音としては、k,s,t,n,h,m,y,r,w,g,z,d,b,pの14個がある。拗音の表記に際しては、ローマ字の子音2個を組み合わせて表現するか(例えば、cha,sha)、“y”を組み合わせて表現するか(例えば、kya)、又は“j”を用いて表現する。ローマ字の子音が連続して2回以上登場する場合は、ch,sh,ky,ny,hy,my,ry,gy,pyなどがあり、また促音が入る場合がある。促音が入ると、k,s,t,pのうち同じ字母が連続して登場する場合がある(例えば、ippai)。したがって、16個(14個+c,j)のローマ字の子音は日本語の入力に必須的であることがわかる。このように日本語入力に必須の子音を容易に入力すべく、子母音分離キーパッドを構成することができる。残余5個のローマ字の子音(f,l,q,v,x)も、英語などの入力に必要なものであるが、一旦16個字母を中心にグルーピングする。例えば、次のようである。
BP/DT/GK/CJ/H/MN/R/SZ/YW/=>9個のグループにグルーピングする。
BP/DT/GK/CJ/H/MN/Y/SZ/RW/=>9個のグループにグルーピングする。
BP/DT/GK/CJ/HR/MN/SZ/YW/=>8個のグループにグルーピングする。
英語の入力に必要な5個のローマ字の子音は、中国語の場合と同様に各グループに適正に追加することができる。8個のグループにグルーピングした事例では、3*4キーパッドで残りの4個のボタンを母音ボタンとして活用することもできる。また、母音ボタンとして3個のみを使用すると、残りの1個のボタンを英語入力に必要な子音用に活用することもできる。
6.5 意図的な言語制限解除
言語制限反復選択方法は、辞書(dictionary)にあるか否かに関わらず、すべての単語が入力できる“フル入力方法”のメリットを犠牲するものであるから、ユーザが、このような言語制限を適用するか否かを予め設定することが好ましい。しかし、言語制限入力方法を可能とする“言語制限入力モード”においても、ユーザが、辞書にない、単語生成規則(字母結合規則)に合わない単語を入力しようとする場合は、字母の入力後、特定機能(例えば、空白と左側進行又は単語終了など)を入力し、ターゲット字母を意図的に確定させた後、次の字母を入力することにより、すべての字母の組み合わせを入力することができる。例えば、図10−1の“英語制限入力モード”でユーザが“622〜”を入力すると、システムは“sdd〜”でない“st〜”と認識するとしたが、万一ユーザが“sdd〜”を入力しようとする場合は、“62”を入力した後、空白と左移動機能を入力し、“2”を入力するか、又は“62”を入力した後、“単語終了機能(又は、単語終了の効果を与えるコントロール)”を活性化させる他の手段を入力し、次いで“2”を入力する。“62”を入力した後、単語終了機能が活性化されると、システムは、次に入力される“2”が“単語開始”後に初めて登場するので、それを“d”と認識することができる。このように意図的に単語終了機能を入力して特定言語制限入力モードで言語制限を克服することを、便宜上“意図的言語制限解除”と称する。“sdd〜”の例は“意図的英語制限解除”であるわけである。
同様に、図10−2における“中国語制限入力モード(中国語制限反復選択方法適用)”において、ユーザが、漢語併語には存在しないが、英語には存在する母音の組み合わせである“ui”を入力しようとする場合は、“u”を入力した後、単語を終了させる手段(上記の例で言及)をさらに入力し、次いで“i”を入力する。一方、図10−2を基準として“中国語制限入力モード(中国語制限反復選択方法適用)”において、“u”を入力した後、“i”が割り当てられたボタンを押すと、先出願で言及したように、“u”の変形字母(例えば、“u”に声調符号が付く字母、又は“u”上に“‥”が付く字母“‥u”を、“u”の変形字母とみなして入力する場合)が入力される(中国語制限反復選択方法の適用時、“i”が割り当てられたボタンを、母音“u”,“o”の後に押す場合、コントロールボタンのように使用するとしたので)。結局、ユーザは中国語制限モードにおいても漢語併語に存在しない組み合わせの単語(例えば、英語単語などすべての字母の組み合わせ)を入力することができる。言い換えれば、中国語を主に使用するユーザは、中国語制限入力モード(中国語制限反復選択方法の適用モード)に設定した状態で、その設定を変更しなくても中国語に存在しないすべての字母の組み合わせを入力することができる。これは“意図的中国語制限解除”であるわけである。
図4−5の韓国語の3個母音要素を利用した方法で、一文字として子音又は母音を入力する際にも同じく適用できる。例えば、図4−5において、一文字としての子音
と母音
を入力しようとする場合は、“単語開始”状態で[1]を入力し、次いで単語終了機能を与える手段を入力し、再び単語開始状態で[*]を入力する。[1]ボタンと[*]ボタンを連続的に入力すると、
となるからである。標準キーボード(英語及び韓国語の標準キーボード)では、右側矢印ボタンを押すと、“単語終了”空白が入力せずに単語終了機能が活性化されるようになっており、本発明においても右側矢印ボタンがさらに備えられる場合、それは同一に適用することができる。
6.6 言語制限解除の遅延時間
“連打遅延時間”と“離打遅延時間”を、1つのボタンに3個以上の字母が割り当てられた場合にも適用できると前述した。例えば、図1−1の標準英語キーパッドで連打遅延時間を0.1秒と設定し、[2]ボタンが0.1秒内に2回押されると、Bを入力したとシステムが認識することができる。
同様に、[2]ボタンが連続して3回押された時(すなわち、[2]+[2]+[2])、1番目の入力値と2番目の入力値(すなわち、1番目の[2]ボタンと2番目の[2]ボタン)との間の遅延時間の間隔が、連打遅延時間と設定された時間(例えば、0.1秒)以内であり、2番目の入力値と3番目の入力値との間の遅延時間間隔が、連打遅延時間と設定された時間(例えば、0.1秒)以内であれば(すなわち、[2]+0.1秒以内+[2]+0.1秒以内+[2])、Cの入力としてシステムが認識することができる。又は、[2]ボタンが連続して3回押された時(すなわち、[2]+[2]+[2])、全体入力時間が連打遅延時間の2倍(例えば、0.2秒)以内であれば、Cの入力としてシステムが認識することもできる。
また、英語の場合、例えば、図10−1において“‥u”がない状態を仮定し、英語の母音“a”が連続して登場しない性質、“i”が連続して登場しない性質を厳格に適用すると、“NII”のような略字を入力するとき、必ず単語終了機能の入力による“意図的英語制限解除”を通じて英語制限反復選択モードで“NII”を入力することができる。しかし、“NI”を入力した後、一定時間が経過すると、単語終了機能をあえて入力しなくてもNIを確定することができる。この一定時間は、先出願で言及した“離打遅延時間”と同一に設定することもできるが、“離打遅延時間”よりも長く設定することが好ましい。例えば、“NI”を入力した後2秒が経過すると、単語終了機能を入力しなくてもNIが確定され、システムは再び“単語開始”状態に戻る。これを便宜上“一時的言語制限解除遅延時間”と称し、これもユーザにより設定できるようにすることが好ましい。これがすべての言語で同一に適用できることは自明である。
各種の遅延時間をまとめると次のようである。
連打遅延時間 ≦ 離打遅延時間 ≦ 一時的言語制限解除遅延時間
3つの遅延時間をすべて同一に設定することができるが、連打遅延時間よりも離打遅延時間を長く設定し、また離打遅延時間よりも一時的言語制限解除遅延時間を長く設定することが好ましい。
6.7 子母音分離キーパッドでのポルトガル語制限反復選択方法
ポルトガル語において、k,w,yは、略字又は外来語にのみ使われるが、やはり文字入力のためには必要である。ポルトガル語において、重子音は次のとおりである。
bl,cl,dl,fl,gl,pl,tl
br,cr,dr,fr,gr,pr,tr,vr
これ以外にも、gn,mn,pn,ps,pt,tm,ch,lh,nh,rr,ssのように重子音がある。したがって、ポルトガル語制限入力方法のための子母音分離キーパッドを構成するにおいて、連続して来る前記字母が同じグループにグルーピングされないようにする必要がある。例えば、図10を参考することができる。ただし、“mn”が同じグループにグルーピングされているが、これは適切に変形して他のグループに配置することもできる。図10のキーパッドが他の言語にも類似に適用できる理由は、発音の類似性に基づいてグルーピングし(例えば、類似の音価を有する有声音と無声音を同じグループ、/bp/,/dt/,/gk/…にグルーピング)、類似の発音を有する字母が連続して来る場合は少ないからである。
ポルトガル語の基本母音は、a,e,i,o,uの5つの母音があり、中でもa,e,oは強母音、i,uは弱母音である。互いに異なる2つの母音が連続して来る場合は、“強母音+弱母音”の6つ(ai,au,ei,eu,oi,ou)、そして“弱母音+弱母音”の1つ(ui)とする。すなわち、強母音と弱母音をそれぞれ別途のグループにグルーピングすることができる(例えば、図10−6において、“…+u”がない状態)。このようなグルーピング以外にも弱母音と強母音を同じグループにならないようにして、任意の数のグループにグルーピングすることも可能である。例えば、/a/eo/ui/のようにグルーピングすることもできる。
6.8 子母音分離キーパッドでのスペイン語制限反復選択方法
スペイン語には、英語にない字母として“〜+n(n上に〜が付いている字母)”がある。kとwは外来語の表記にのみ使われるが、文字入力のためにやはり必要である。スペイン語において、重子音は次のとおりである。
bl,cl,dl,fl,gl,pl
br,cr,dr,fr,gr,pr,tr
すなわち、スペイン語制限入力方法のための子母音分離キーパッドを構成するにおいて、lとrが共に割り当てられないことが必要であり、前記二重子音を構成することが可能な字母が同じグループにグルーピングされて同じボタンに割り当てられなければならない。
図10−1〜図10−4及び図10−6の子音グルーピングを参考することができる。
スペイン語の基本母音は、a,e,i,o,uの5つの母音があり、中でもa,e,oは強母音、i,uは弱母音である。互いに異なる2つの母音が連続して来る場合は、“強母音+弱母音”の6つ、“弱母音+強母音”の6つ、そして“弱母音+弱母音”の2つ(iu,ui)とする。3重母音の場合も、“弱母音+強母音+弱母音”のように組み合わせられる。すなわち、強母音+弱母音をそれぞれ別途のグループにグルーピングすると(例えば、図10−6において、“…+u”がない状態)、“弱母音+弱母音”の場合にのみ曖昧さがある。この場合、iu,uiがすべて可能なので、連打遅延時間/離打遅延時間を適用し、又は意図的言語制限解除など出願人の提示方法を用いて曖昧さを克服することができる。同一の母音が連続して登場する場合、同一の子音が連続して登場する場合、およびそれ以外の曖昧さが発生する可能性がある場合も同様である。
6.9 子母音分離キーパッドでのイタリア語制限反復選択方法
イタリア語において、j,k,w,x,yは古語又は外来語の表記にのみ使われる。英語などの入力のためには必要である。子音のグルーピングにおいて、この5つの子音を除いた残りの子音を中心としてグルーピングし、残り5つの子音を適切にグルーピングすることができる。
イタリア語において、二重母音には、ia,io,ie、iu,ai,ei,oi,ui,uo,ou,euなどがある。iu,uiを除けば、強母音(a,e,o)と弱母音(u,i)の組み合わせである。三重母音の場合も“弱母音+強母音+弱母音”の構造である。したがって、/aeo/,/ui/のように強母音と弱母音のグルーピングを利用することができ、ui,iuの場合は曖昧さがある可能性がある。
6.10 子母音分離キーパッドでのドイツ制限反復選択方法
ドイツの複子音は、ch,chs,ck,ds,dt,ng,nk,pf,ph,sch,sp,st,th,ts,tz,tschなどがある。同様に、連続して来る子音が同じグループにグルーピングされないようにグルーピングする際、図10−*の子音グルーピングを参考することができる。また、ドイツ語において“sch〜”の場合は、語頭に子音が3つ以上来られる場合なので、後述する言語制限並行入力方法でこれを活用することができる。Tschの場合も語頭に来られるが、ごく稀に使われる。
ドイツ語には5つの単母音があり、a,o,u上に“‥”が付く変母音がある。二重母音としては、au,ei,ai,eu,“‥au”,ieなどがある。単母音(基本母音)のみを用いて母音を入力するとき、ie,eiの場合があるので、iとeをそれぞれ異なるグループにグルーピングすることが必要である。例えば、/a e o/、/i u/のようにグルーピングすることができ、多くの変形が可能である。
同一の子音又は母音が連続して来る場合は、出願人の提示した色々な方法によって曖昧さを回避することができる。
6.11 ベトナム語制限入力方法
6.11.1 子母音分離キーパッドでのベトナム語制限入力方法
ベトナムの音節は、主に“母音”、“子音+母音”、“母音+子音”、および“子音+母音+子音”の形で出来ている。特に、ベトナム語は単音節語が基本をなしている。複音節語が増加しているが、単音節語が多いというのは、子母音分離キーパッドにおいて入力システムを構成することが容易であることを意味する。
ベトナム語にはa,e,i(y),o,uの5つの基本母音と“v+a(aの上にvが付いている母音、以下、‘x+母音’は母音の上に‘x’が付いている母音)”、“^+a”、“^+o”、“,+o”、“,+u”などの6つの変母音がある。“y”は“i”を長く発音する。5つの基本母音のみで子母音分離キーパッドを構成し、残りの変母音をコントロール処理方法によって入力することができる。基本母音と変母音の一部のみで子母音分離キーパッドを構成することもでき、11つの母音全体で子母音分離キーパッドを構成することもできる。
ベトナム語二重母音および三重母音は、その結合形態が様々であって5つの基本母音を図10と類似に2〜3つのグループにグルーピングしながら反復選択方法の適用の際に曖昧さがないようにグルーピングすることが容易ではない。また、ベトナム語には6種類の声調があり、5種類の声調符号が母音の上または下に表示される。ベトナム語において、同一の母音が連続して来る場合はないが、これはベトナム語の母音を入力するにおいて有用な性質である。したがって、5つの基本母音を5つのグループに配置し、隠匿型反復選択方法によって変母音を入力し、またコントロール処理方法によって基本母音および変母音に声調符号を付けることが考えられる。ここで、yはiの変母音と見なすことができる。すなわち、母音は/‘a’,‘v+a’,‘^+a’/‘o’,‘^+o’,‘,+o’/‘u’,‘,+u’/‘i’,‘y’/‘e’,‘^+e’/の5つのグループに分けられる。これを変形し、変母音の数が少ないグループを合わせて4つのグループに作ることも可能である。例えば、/‘a’,‘v+a’,‘^+a’/‘o’,‘^+o’,‘,+o’/‘u’,‘,+u’/‘i’,‘y’,‘e’,‘^+e’/の4つのグループに分けられる。ただし、5つのグループに配置すると、反復選択方法を適用して母音を曖昧さなく入力することができる。各グループにおいて任意の字母を代表字母としてキーパッド上に表示し、残りの字母は表示しなくてもよい。主に単母音が代表字母になることが自然であり、4つのグループに分ける事例において、i、eがすべて表示されることも可能である。ボタンプッシュ回数による選択順序は、使用頻度などを考慮して定められる。
ベトナム語の子音としては、英語にない“−+d(‘d’の中央‘−’)”があり、英語のf,zなどが使われない。‘−+d’は‘d’の変形字母と見なし、(隠匿型)反復選択方法又はコントロール処理方法などを適用することができる。教科書によっては、ベトナム語においてf,w,zが使用されないとなっているものもあれば、半子音としてw,jが使用されるとなっているものもある。少なくともf,zは使用されず、wは稀に使用されるものと認められる。本発明では、wは使用されないものと見なすが、必要に応じて、適切なグループに含ませばよい。
また、複子音としてch,gh,gi,kh,ng,ngh,nh,ph,qu,th,trなどがある。そこ中でも、gi,quは、形態上、子音と母音の結合なので、ここでは考慮に入れない。ベトナム語が主に単音節語からなっているというのは、他言語とは異なり、“子+母+子”からなる音節が連続してくる場合が殆どないことを意味し、前記複子音の場合を除いては子音と子音が連続してくる場合が殆どないことを意味する。結果として、子音を幾つかのグループに分けて反復選択方法を適用するにおいて、前記複子音を構成する子音が同じグループにグルーピングされないようにグルーピングすると、中国語の事例と同様に、子音を曖昧さなく入力することができることになる。
例えば、bp/dt/gk/cq/sx/mn/lr/hvjのように8つのグループにグルーピングすることができる。また、bpv/dt/gkq/scx/mnj/hlr/のように6つのグループに分けることもできる。任意のグループにグルーピングすることも可能である。f,zなどの使用されない子音は適切なグループにさらに含ませることができる。
子音を8つのグループに分け、母音を4つのグループに分けると、3*4キーパッド内で子音と母音をすべて収容することができる。子音を6つのグループに分け、母音を5つのグループに分けると、11個のボタンで子音と母音を収めることができ、残りの1つのボタンを、母音に声調符号を付けるためのコントロールボタンとして使用することができる。子音を6つのグループに分け、母音を4つのグループに分けると、10個の数字ボタンで子音ボタンと母音ボタンをすべて収めることができる。これはシンプルコードの活用においてシンプルコードが数字のみからなるようにする効果がある。残り2つのボタンは声調符号を入力するためのコントロールボタン及び曖昧さを除去するための後続コントロールボタンとして活用することができる。
6.11.2 子音と母音の対を利用するベトナム語制限入力方法
ベトナム語の母音と子音を対としてグルーピングし、反復選択方法を適用することができる。韓国語の場合を参考することができる。子音と母音の対を10対にすると、残りの子音と母音はコントロール処理方法によって入力すればよい。
6.12 子母音分離キーパッドでのロシア語制限入力方法
ロシア語のための子母音分離キーパッドを構成するために、出願人の先出願PCT/KR02/00247を参考することができる。
ロシア語には33個の字母が存在する。すなわち、10個の母音、20個の子音、1つの半母音(又は半子音)、および2つの記号字母(硬子音符号、軟子音符号)から構成されている。
次に、33個の字母を字母の順序によって大文字と小文字の形で並べた。
АБВГДЕЁЖЗИЙКЛМНОПРСТУФХЦЧШЩЪЫЬЭЮЯ
абвгдеёжзийклмнопрстуфхцчшщъыьэюя
20個の子音は次のように有声子音と無声子音に分けられる。括弧内は発音を意味する。
母音は、硬母音と軟母音に分けられる。
ロシア語の子音を適切にグルーピングするにおいて、類似の音価を有する有声音と無声音は同じグループにグルーピングすることができる。例えば、/б(b) п(p)/д(d) т(t)/…のように分類する。発音上、対を成さない子音は、先出願で提示したように適切にグルーピングすることができる。幾つか例を挙げると、次のとおりであり、対を成す無声音と有声音を共にグルーピングしながら様々な変形が可能である。
10個のグルーピング
事例1:БП/ДТ/ГК/ВФ/ЗС/ЖШ/ЛР/МН/ХЦ/ЧЩ
事例2:БВ/ГК/ДТ/ЖЗ/ЛР/МН/ПФ/СХ/ЦЧ/ШЩ
9つのグルーピング事例:(b) п(p)/д(d) т(t)/г(g) к(k)/в(v) ф(f) х(x)/з(z) с(s)/ж(zh) ш(sh)/ц(ts) ч(tsh) щ(shsh)/л(l) р(r) /м(m) н(n)
8つのグルーピング事例:(b) п(p)/д(d) т(t)/г(g) к(k)/в(v) ф(f) х(x)/з(z) с(s) ж(zh)/ш(sh) ц(ts) ч(tsh) щ(shsh)/л(l) р(r) /м(m) н(n)
7つのグルーピング事例:
…
前記の例において、半子音Йおよび硬子音符号Ъと軟子音符号Ьを適切なグループに含ませてもよい。また、このようなグループを各ボタンに割り当てる際、キーパッドを簡潔に保つために一部の字母(例えばЙ,Ъ,Ь及び以外の字母)を省略し表示しなくてもよい。
母音も硬母音と軟母音の対を用いて10個の母音を5つのグループにグルーピングすることができる。ロシア語の母音字母は10個があり、発音としては11個の母音の音があるが、母音の基本音素は(a),(e),(i),(o),(u)の5つがある。この中でも、(e),(o)は強勢の下でのみ現われる。すなわち、母音音素(a),(o)を強母音と見なすことができる。強勢のない位置における母音音素は残り3つである。したがって、ロシア語の10個の母音字母のうち5つの基本字母をおき、この中でも強母音に該当する母音を1つのグループに、残り3つの基本母音をもう1つ又は1つ以上のグループに分けることができる。同じ種類の母音が連続して(例えば、強母音の次に連続して強母音)来ることが難しいことを予想することができるためである。例えば、а(a) о(o)/у(u) э(e) и(i)/のように2つのグループに、又はа(a) о(o)/у(u) э(e)/и(i)/のように3つのグループにすることができる。基本母音と対応する対を成す母音は、基本母音の属したグループに共に配置して反復選択方法を適用し、又は基本母音の変形字母とみなしてコントロール処理方法を適用することができる。
子音と母音のグループを適切に用いて3*4のキーパッド内で子母音分離キーパッドを構成することができる(例えば、母音5グループと子音7グループ、母音3グループと子音9グループ)。ロシア語において、英語と同様に多数の子音が連続する場合があるが(例えば、CCCVC…)、典型的な音節構造は子音と母音の反復構造(CV,CVCV,CVCVCV,…)とする。これは子母音分離キーパッドで反復選択方法を適用するとき、大部分の場合、曖昧さなく(すなわち、非常に少ない曖昧さに)ロシア語の単語を入力することができることを意味する。
6.13 子母音分離キーパッドでのヒンズー語制限入力方法
出願人の先出願PCT/KR00/00601では、ヒンズー語子音を発音の類似性に基づいて9つのグループにグルーピングする事例を示し、本発明では、10個のグループにグルーピングする事例を示した。ヒンズー語の場合も、発音の類似性を強く持ったグループ子音を同じグループにグルーピングすることができることを示した。例えば、前記で提示した絵において、(k),(kh),(g),(gh)の発音を持ったグループ子音を1つのグループにグルーピングする。残りの類似発音グループに対しても同様である。前記で提示したヒンズー語の35つの子音のうち下点のある_(ud),_(udh)を除いた33つの子音を、9つのグループ又は8つのグループに任意にグルーピングすることができる。_(ud),_(udh)は、それぞれ__(d),__(dh)の変形字母とみなして、基本字母の属したグループに配置することができる。
次は、先出願で記述したヒンズー語の母音である。
以下、便宜上、ヒンズー語の母音を下線の隣の括弧内に英語発音で(下線には該当発音のヒンズー語字母があると見なす)又は単純に括弧内に英語字母で表記する。便宜上、_(aa)は(a−),_(ee)は(i−),_(oo)は(o−)、_(ae)は(e),_(aaa)は(ai)で表記する。
母音_(ri)は子音に分類することもある。母音_(ri)を除いた10個の母音を前記のように2つずつ対をなして5つのグループにグルーピングすることもできる。
ヒンズー語の母音は(a),(i),(u)の単母音と_(a−),_(i−),_(u−)の長母音に大別され、残り4つの母音は複合母音であって、単母音の組み合わせで表示できる。すなわち、_(e)=(a)+(i)or(a)+(i−),_(ai)=(a)+(e),_(o)=(a)+(u)or(a)+(u−),_(au)=(a)+(o)のようになる。したがって、基本母音(a),(i),(u)をそれぞれ3つのグループにして3つのボタンに割り当て、各ボタン1打で基本母音を入力し、基本母音に対応する長母音は基本母音の割り当てられたボタン2打で入力し、残り4つの複合母音は基本母音の組み合わせで入力することができる。複合母音をこのように入力することは、韓国語において
で入力したのと類似である。
例えば、
がそれぞれ[*],[0],[#]ボタンに割り当てられている場合、__(a−)=**で、e=*0又は*00で入力する。もし**0が押されると、“**”まで押されたとき、システムは_(a−)と認識するが、次に“0”が押される瞬間、**0を(a)+(e)=_(ai)と認識することができる。同様に**#が押されると、“**”まで押されたとき、システムは、一時的に_(a−)と認識するが、次に“#”が押される瞬間、**#を(a)+(o)=_(au)と認識することができる。
これは、ヒンズー語の10つの母音が1つの単語において連続して来なければ可能である。ヒンズー語の母音が連続して来る場合があれば、曖昧さが発生する可能性がある。すなわち、ユーザが**0を入力する際、システムは_(a−)と_(i)なのか、それとも_(ai)なのか分からなくなる。ところが、10つの基本母音が連続してくる場合があるとしても、その頻度が非常に少なければ、**0のように複合母音_(ai)を意味することが可能な場合に基本的にシステムが入力値を複合母音と認識するヒンズー語制限を適用することができる。このようなヒンズー語制限を具現することは、3つの基本母音の組み合わせで複合母音が構成される場合をシステムで持っておりながら、連続した母音ボタンが押されることを感知して母音を認識するが、不可能なものと見なす組み合わせ(例えば_(a−)+_(i))が認知される場合、これを約束された複合母音と認識すればよい。
この場合、ユーザが長母音と_(a−)と単母音_(i)の組み合わせを入力するためには、“意図的言語制限解除”又は“言語制限解除遅延時間”を利用しなければならない。すなわち、前記の例において**を入力し、一定の時間だけ又は意図的に単語終了機能を活性させてから0を入力する。同様に_(a−)が存在するので、単語中に_(a)0が連続して来ないことを予想することができる。たとえごく稀に_(a)が連続して来る場合があっても、基本的に“**=_(a−)とシステムが認識されるインド語制限入力方法を適用し、_(a)を相次いで入力するときには意図的言語制限解除又は言語制限解除遅延時間を活用すればよい。すなわち、*を入力した後、遅延時間などによって単語終了を活性化させてからさらに*を入力する。
インド語の10つの母音が(又は母音_(ri)を含んで11つの母音が)連続して来る場合がないか又は殆どないという前提の下に、母音の任意のグループにグルーピングし、各ボタンに割り当てて子母音分離キーパッドで反復選択方法を適用することができる。
例えば、3つの単母音に対応する3つの長母音が存在するので、少なくとも3つの単母音は、単語において連続してくる場合がないか在っても殆どないものと期待することができる。したがって、母音を3つのグループに分けて各ボタンに割り当てるが、3つの単母音が1つずつ各グループに割り当てられ、3つの長母音も1つずつ各グループに割り当てられ、残り4つの母音(母音_(ri)を含むとき、5つの母音)は、適切に3つのグループに分けて各グループに割り当てられる。 ここで、各グループにグルーピングされた単母音、長母音および複合母音は、所定の順序で反復選択方法によって各字母が選択されるようにすることができる。ボタンプッシュ回数によって“単母音−長母音−複合母音”の順序で選択されるとすれば、単母音と長母音の入力は前述と同一であり、複合母音の入力のみが少し異なる。単母音と長母音は発音の類似性を強く持っているので、それぞれ1打2打で入力することが自然である。複合母音の入力の際に同一のボタンを反復して押すことにより入力する。
母音グループの数および母音をグルーピングすることは任意に定められ、同じグループに属した母音が選択される順序も任意に定められる。各グループの母音を任意のボタンに割り当てるが、一部の母音のみをキーパッド上に表示することもできる。この場合もヒンズー語の母音が連続して来る場合が稀にあれば、意図的言語制限解除又は言語制限解除遅延時間などによって入力できる。
ヒンズー語も、主な音節構造が子音と母音が交互に来る形であるが、子音が連続して来る場合もある。垂直線で終わる子音の次にさらに子音が来る場合、垂直線がなくなりながら、次の子音と結合して結合子音をなす。垂直線のない子音は、字母の下に“\”と類似の記号が付きながら、次の子音と結合する。この他にも、幾つかの規則があり、不規則的な場合もある。このように子音が連続して入力されたものと認識(一時的に認識又は確定的に認識)される場合、その結合に該当する結合子音で表示するオートマタを具現することは容易であって、既存のインド語ワードプロセッサにおいても具現されている。
英語を母国語として使用しない国でも、キーパッド上、英語字母を併記して英語の入力に活用している。インドでは、ヒンズー語と英語を共用語として使用するので、類似発音を持ったヒンズー語の子音と英語の子音を同じボタンに割り当てることにより、シンプルコードの活用および文字入力に自然さを加えることができる。例えば、次のとおりであり、様々な変形が可能である。
前記の例において、g,kなどの場合は、比較的容易にその発音に対応するヒンズー語の字母と同じボタンに割り当てて英語用子母音分離キーパッドを構成することができる。前記において、z,wなどの英語子音は、中国語の場合と同様に適切なグループにさらに又は別途に配置することができる。また、キーパッド上の配置を簡潔にするために、各グループで一部の字母のみをキーパッド上に表示することもできる(隠匿型反復選択方法の適用)。例えば、前記で例示したグルーピングにおいて、一番目のグループを任意のボタンに割り当てるとき、
のみを表示することができ、又は1つの字母のみを表示することができる。各グループにおいて、ボタンプッシュ回数に応じて選択される順序は、任意に定めればよい。母音_(ri)を、RLが割り当てられるボタンに割り当てることもできる。
キーパッド上の配置を簡潔にするために、英語母音(英語字母の母音)のみを表記することができる。前記の例から分かるように、ヒンズー語の母音の場合は、英語の母音と発音上類似性を強く有するので、英語の母音のみを表記することが非常に自然である。ひいては、子音の場合も前記ヒンズー語の子音と英語の母音との対比表に示したように、発音の類似性を強く持った、/G K/,/M N/,/D T/,/B P/,/R L/…のグループと対応するヒンズー語の子音を省略して表示せず、英語子音のみを表示することにより、キーパッドをさらに簡潔にすることができる。勿論、このようにヒンズー語の字母が省略された場合にも、中国語の例において中国語制限入力モードでピン音を曖昧さなく入力することができたのと同様に、ヒンズー語制限入力モードではヒンズー語の制限によって曖昧さなくヒンズー語を入力する。
6.14 半子音分離子母音分離キーパッドでの言語制限入力方法
各言語別に半子音(すなわち、半母音)は少しずつ異なる。英語では、一般に、w,y,jなどを半子音として取り扱っており、ある言語ではjを除き、ある言語ではvなどを含むこともある。一般に、w,yはほぼすべての言語で共通的に半子音として取り扱っているものと判断される。
ここで、半子音は、母音と類似の性質および音価を有するので、半子音を別途のグループに配置することは発音の類似性に基づいて子音をグルーピングすることの延長線上にある。
また、言語別に英語字母のうち特定の言語で使用しない字母(例えば、スペイン語において外来語などにのみ使用されるkとw)があったり、英語字母以外の字母(出願人は、便宜上、変形字母又は追加字母とした)が使われたりする。英語字母のうち使用されない字母も普遍的に使われる英語の入力のために必要である。したがって、特定の言語で使用されないローマ字の数が多くなければ、半子音と共にグルーピングし、同じボタンに割り当てることができる。中国語における図10−6を参考することができる。
また、特定の言語で使用されない字母を、ともにグルーピングして同じボタンに割り当てることもできる。
6.15 不完全子母音分離キーパッドでの言語制限入力方法
本発明において、各言語に最適化された子母音分離キーパッドを構成し、反復選択方法を適用することにより、曖昧さを除去又は最小化することができる。また、このように子母音分離キーパッドを構成することにより、入力システムのアルゴリズムを単純化することができる。これを根幹として様々な変形が可能であることは自明である。したがって、これを若干変形して一部のボタンに子母音を共に割り当てる場合も、本発明で提示した子母音分離キーパッドにおける言語制限入力方法の変形した範疇である。これを便宜上“不完全子母音分離キーパッド”と呼び、子母音が共に割り当てられたボタンを便宜上“子母音混合ボタン”と呼ぶ。
例えば、子母音分離キーパッドにおいて母音“i”と(半)子音“y”を共にグルーピングし、特定のボタンに割り当て、ボタンプッシュ回数に応じて所定の順序で子音(ここでは半子音)と母音が選択されるようにすることもできる(残りのボタンは子音ボタンと母音ボタンに分離)。“iy”又は“yi”のように連続して来る場合がなければ、中国語制限入力方法を適用してやはり曖昧さなく漢語ピン音入力が可能である。この場合、子母音が混合されて割り当てられた特定のボタンのプッシュ回数によって“y”(1回プッシュ)、“i”(2回プッシュ)の順で選択されると仮定し、子音ボタンが押されてから、この子母音混合ボタンが1回押される瞬間、以前の子音ボタンの入力が子音を入力したものと確定されるので、システムは子母音混合ボタンが1回押されたことに対して一時的に“y”が入力されたものと見なせず、母音“i”が入力されたと確定することができる。これは、中国語において、特定の子音の次に子音“y”が来られない言語制限を利用することができるためである。
別の例を挙げて母音“i”と子音“j”を、又は母音“i”と子音“k”を同じグループにグルーピングし、(言語制限)反復選択方法を適用することができる。漢語ピン音の入力の際に“…ik…”又は“…ki…”のように連続して来る場合があれば、曖昧さが発生するおそれがある。特別な理由なしにこのように一部のボタンに子音と母音を共に割り当てることは、入力アルゴリズムを複雑に作り、入力システム構成の効率性を低下させ、完全な子母音分離キーパッドにおける言語制限入力方法を適用することより良くない。ただし、各言語の特性上、10つの数字ボタンにすべて子音を割り当てるための特別な目的などのために一部のボタンに子母音混合ボタンを置くこともできる(韓国語の事例参照)。
これは図10−7の流れ図を変形して適用することができる。図10−9を参照する。子母音混合ボタンが少なくとも1つある場合も同一であり、1つの子母音混合ボタンに少なくとも2つの子母音が割り当てられた場合も同一である。不完全子母音分離キーパッドでの言語制限を適用することは、より少し複雑であり(前記の“i”と“y”の事例を参照)、各言語別子音と母音の結合規則を適用しなければならないので、各言語別言語制限を細部的に適用した流れ図は図10−9よりさらに複雑になる可能性がある。図10−9は図10−7を一部変形し、一般的な内容のみを非常に簡略に表現したものと考えればよい。
例えば、図5−1の標準英語キーパッドで中国語のピン音を入力する際、5つの母音がそれぞれ異なるボタンに割り当てられているので、母音は曖昧さなく認識できる。子音の場合、“〜母音+n”の次に子音が来る場合は、曖昧さなく認識できる。“〜n+X”(‘X’は声母を英語子音で表示したもの)において“〜母音+n+m”が入力される場合、母音が[6]ボタンに共に割り当てられた母音“o”が結合できる母音(例えば、母音‘a’)が来ると、一時的に“〜ao”と認識できる。ところが、正常的な中国語のピン音音節が“m”で終わらないので、次の入力値によって認識される母音を見てその以前の入力値を“〜anm+母音”と認識することができる。もし“a”が結合できない母音(例えば、‘e’)の次に“n+m=666”が入力された場合、“eo”の結合が不可能な言語制限を用いて“〜eo”ではなく“〜enm”に処理することができる(中国語のピン音において‘〜emn〜’は不可能なので)。
“〜母音+ng”で終わる音節の次に子音が来るとき、曖昧さが発生するおそれがある。例えば、“〜ngg〜”が“〜nh〜”と認識できる。中国語の場合、システムは“〜ngg〜”および“〜nh〜”と一致する漢字をすべて索引から検索してユーザに提供することができる。“〜ngh+母音〜”の場合は“〜ni+母音”と認識できる。もし相次いで認識される母音が“i”の次に結合できない母音(例えば‘u’)であれば、入力値を“〜nghu”と認識することができるが、そうでなければ、同様に“〜ngh+母音〜”および“〜ni+母音〜”のすべてに対応する漢字を検索して処理することができる。この他にも、一部の曖昧さが発生する場合に、できる限り解釈結果と一致する単語をすべて検索してユーザに提供することができる。
図1−1の標準英語キーパッドにおいて中国語制限反復選択方法を適用して中国語のピン音を入力する際、“〜ngh+母音〜”の場合は“〜ni+母音”と認識できる場合があるとした。この場合は、2つともに対して一致する語句をピン音索引から検索して処理することができる。ピン音索引にフルコード(図1−1を基準とした反復選択方法におけるフルコード)をすべて記憶している場合、中国語制限反復選択方法を適用するのと同様に入力値が生成することが可能なすべての場合(例えば、“〜ngh+母音”及び“〜ni+母音”)に対して索引を検索して一致する語句をシステムが認識することができる。
例えば、図1−1、図5−1において反復選択方法の適用の際、“222”は“aaa”,“ab”,“ba”,“c”と認識できる。したがって、図1−1、図5−1において、“beijing=22334445444664”であり、ここで、連続した数字グループは、多数の字母の組み合わせと認識できる。連続した数字グループである“22〜”は“aa”又は“b”と解釈できる。“〜33〜”は“dd”又は“e”と解釈できる。したがって、“2233〜”は“aadd〜”,“aae〜”,“bdd〜”または“be〜”の4つに解釈できる。入力値が増加すると、可能な組み合わせの種類は、幾何級数的に増加する。このように入力値に対して解釈可能な字母の組み合わせを便宜上“可能な字母組み合わせ”又は“候補の字母組み合わせ”と呼ぶ。
ところが、“22〜”が押されたとき、“aa〜”又は“b〜”と解釈できるが、索引を参照して“aa〜”で始まる単語がそれ以上索引に存在しないことをシステムが確認すると、システムは、“aa〜”で始まる組み合わせを除いて入力値“22〜”を“b〜”に処理することができる。これは、中国語のピン音が“aa〜”で始まらない中国語の制限を利用して入力値“22〜”を“b〜”と解釈することができるのと類似である。したがって、“2233〜”が押されたとき、“bdd〜”、“be〜”の2つの組み合わせに対してのみ索引を検索し、ここでさらに“bdd〜”で始まる語句が索引にそれ以上存在しないことをシステムが確認すると、“bdd〜”で始まる組み合わせはそれ以上考慮せず、“be〜”のみを対象として次の入力値に応じて処理すればよい。やはり中国語のピン音において、“bdd〜”が不可能な中国語制限を利用して入力値“2233〜”を“be〜”に処理するのと類似であると判断される。入力値“22334〜”に対して“beg〜”と解釈できる。また、入力値“223344〜”に対して“begg〜”又は“beh〜”と解釈することができるが、ピン音索引を検索して“begg〜”で始まる単語がそれ以上存在しないことを確認する瞬間、システムは入力値“223344〜”を“beh〜”に処理する。これは中国語制限入力方法(例えば、中国語ピン音生成規則に基づいて“begg〜”が有効な音節ではなく“beh〜”のみが有効なピン音音節をなす中国語制限を利用した入力方法)を利用するのと類似に判断される。“4”がさらに1回押されて入力値が“2233444〜”になると、“behg〜”又は“bei〜”と解釈できるが、やはり索引を検索して“behg〜”で始まる単語がそれ以上存在しないことをシステムが確認する瞬間、入力値を“bei〜”に処理することができ、これは中国語制限入力方法で“behg〜”が不可能なピン音組み合わせなので、入力値“2233444〜”を“bei〜”と解釈して処理するのと類似に判断される。
入力しようとするすべての単語とフルコードを記憶しているシステムにおいて、単純に“beijing=22334445444664”において候補字母組み合わせの個数は2*2*4*1*4*2*1=128個である。勿論、この128個の候補字母組み合わせをすべて索引と比較して一致する単語についても処理するのも本発明の範疇に含まれる。ところが、システムが入力初期から入力値を認識することが可能なシステムでは、入力値の増加に伴って索引に存在しない字母組み合わせ(前記例において、‘aa〜’、‘bdd〜’、‘behg〜’など)を入力初期に除いていく方法が有用である。
このように反復選択方法における同一の入力値が連続して増加するにつれて発生する多数の候補字母組み合わせのうち、索引に存在する一部の候補字母組み合わせのみを対象としてシステムが検索することができる。入力値による候補字母組み合わせがすべて索引に存在しないことが確認されると、システムは入力値を約束された類型のシンプルコードとみなして処理することができる。
6.16 非隠匿型コントロール処理方法の適用
以上の子母音分離キーパッドにおいて任意のボタン(3*4キーパッド内のボタン又は外部の別途のボタン)をコントロールボタンと定め、代表字母のみを該当ボタン1打で選択されるようにし、残り字母をコントロール処理方法によって入力することができる。例えば、図10−6のキーパッドにおいて、[0]ボタンに割り当てられた“w,y,v”を任意の子音ボタンに割り当て、[0]ボタンをコントロールボタンとして活用し、“p=b+0=10”で入力することができる(コントロールの後入力適用時)。これは既に先出願で言及した内容である。
7.入力値の長さで判断する並行入力方法
索引に記憶された短縮コードの長さは場合によって特定個数以下となる可能性がある。また、特定な場合、ユーザによりまたはシステムにより入力される短縮コードの類型(例えば、類型1(都市名)、類型2(銀行名)、…、先出願で類型1、類型2はツリー形態にグルーピングできるとした)が指定される。仮に、類型1(都市名)で入力される短縮コードの類型が指定され、都市名の短縮コードの長さを3以下と仮定すると、短縮入力方法を基本モードとする並行入力方法の適用時、入力値の長さが3を超過する瞬間、システムの入力値をフルコードとみなして処理することができる。逆にフル優先並行入力方法の適用の際、3個の入力値が入力され、単語終了機能(例えば、空白)が入力されると、システムの入力値をシンプルコードとみなして処理することができる。
これは、韓国語、中国語の如く特定な類型(都市名−北京、会社名−四通集団、…)の短縮コードの長さが一定長さ以下となる場合に特に有用である(韓国語、中国語などにおける特定類型の名詞は、多くの場合に一定数以下の音節で形成されていて、音節基準イニシャルコード短縮コードとして用いるのが自然である。例えば、韓国語での銀行名の大部分は2音節で形成されているので、銀行名の音節基準のイニシャルコードの長さは2となる)。
これは、入力値が、短縮コードかフルコードかを入力初期に判断してユーザに提供する必要がない場合、すなわち入力値の長さが特定長さ以上であるか、それとも以下であるかわかるだけで、入力値がシンプルコードかそれともフルコードかを判断できる場合に、有用である。すなわち、毎回入力値が入力される度に短縮コード索引を検索することなく、入力値の長さが特定長さ以上であるか否かのみをチェックするだけですむので、具現を単純化し、システムの性能を向上させることができる。
8.言語制限並行入力方法
言語制限並行入力方法は、フル優先並行入力方法の適用時、入力値が特定言語の“単語生成規則”を違背する瞬間(すなわち、言語制限を違背する瞬間)、システムが入力値をシンプルコードとみなして処理する方法である。万一、入力値が一致する値がシンプルコード索引にもう存在しないと確認されると、再び入力値をフルコードとみなして処理することができる。
8.1 フル入力方法として言語制限反復選択方法を適用した言語制限並行入力方法
8.1.1 中国語
特に図10−1〜図10−4を基準とした中国語の音節基準イニシャルは、子音ボタンである[1]〜[9]の数字値のみを有する(母音a,o,eが単独で使用される場合があるが、それは感嘆詞程度であり、実際はほぼない。母音1,u,‥uが単独で使用される場合は、前にy,w,yをそれぞれ付ける)。反復選択方法を適用したフルコードは、図10−1〜図10−4の例において、大部分の場合、2番目又は3番目の入力値としては、母音入力のために[*]、[0]又は[#]ボタンのいずれか1つのボタンが入力される必要がある。このような性質は、先出願の韓国語の例(母音要素を活用した方法)で言及したように、“並行入力方法”を適用する際に、入力初期に入力値がフルコードを形成するか否かを把握できる良い特性を提供する。
例えば、フル入力方法として、図10−1〜図10−4を基準とした反復選択方法を使用し、基本入力モードとしてフル入力モードを適用した並行入力方法(フル優先並行入力方法)において、入力値“693…=shk…”が入力されると、3番目の値[3]が入力される瞬間、入力値がフルコードを形成できないこと(‘sh’まではできるが、その後の子音‘k’ができないので)を、システムが認識できるので、システムが入力値をシンプルコードとみなして処理することができる。同様に、“112…=pd…”が入力されると、3番目の入力値[2]が入力される瞬間、入力値がフルコードを形成できないこと(中国語入力で“11”は‘bb’にならなく、‘p’に解釈せざるを得ない。さらに、‘p’の後にローマ字の子音‘d’又は‘t’が来ると中国語音節を形成できないので)を、システムが認識し、システムが入力値をシンプルコードとみなして処理することができる。同様に、“7771…=wb…”が入力されると、4番目の入力値[1]が入力される瞬間、システムが入力値をシンプルコードとみなして処理することができる。結局、大部分の場合、2番目又は3番目の入力値が入力されると、入力値がフルコードか否かをシステムが認識することができる。
“14…=bj…”が入力されると、2番目入力値[4]が入力される瞬間、入力値が有効な中国語音節を形成できないこと(中国語声母のうちbjのようにローマ字母子音が結合される場合がないので)を、システムが認識し、入力値をシンプルコードとみなして処理することができる。すなわち、図10−5でシステムはシンプルコード“14”の対応語句である“Bejing”又は“北京”をユーザに提供することができる。万一、シンプルコードの索引に“14”又は“14”で始まるシンプルコードがなければ、システムは入力値を再びフルコードと見なし、“bj”をユーザに提供するようになる。
これは、まるで母音要素を活用した韓国語の場合(図4−5)と同一である。既に説明した図4−5におけるフル入力方法は、韓国語制限反復選択方法と考えられ、フル優先並行入力方法の適用時、“12”が入力されると、入力値が有効な韓国語音節を形成できないので、システムは入力値をシンプルコードとみなし、シンプルコード索引を参照して、シンプルコードに対応する語句をユーザに提供する。しかし、シンプルコード索引に“12”と一致するシンプルコードがもう存在しないことが確認されると、システムは入力値を再びフルコードとみなし、
をユーザに提供する。
理解をサポートするために、図5−4と図10−5のシンプルコードの索引におけるシンプルコードは整列状態になっているが、実はシステム内部にいずれの形態に記憶しても構わない。ただし、シンプルコード索引検索の際に、システムは必要ならシンプルコードを整列し、入力値がシンプルコード索引にまだ存在するか否かを検査することがある。
また、基本入力モードとして、短縮入力コード(検索対象となるシンプルコード索引に、図10−1を基準として[1]〜[9]からなる音節基準イニシャルコードのみが記憶されていると仮定する)を適用する並行入力方法(短縮優先並行入力方法)において、入力値“1*…”の2番目の値[*]が入力される瞬間、システムは、シンプルコード索引を検索しなくても、入力値をフルコードと認識して処理することができる。これも図4−5における韓国語の場合と同一である。
図5−4、図10−5においてピン音/漢字索引とシンプルコード索引を1つの索引として説明した。ところが、図5−1と同様に、ピン音/漢字索引(簡単に“ピン音索引”という。“ピン音+ピン音対応漢字”を記憶した索引−入力されたピン音から対応する漢字検索用)が存在し、またシンプルコード/ピン音索引(簡単に“シンプルコード索引”と呼ぶ。“シンプルコード+シンプルコード対応ピン音+ピン音対応漢字”又は“シンプルコード+シンプルコード対応ピン音”を記憶した索引)が別途に存在することもできるのは自明である。
図5−4、図10−4でのように、シンプルコードの索引に必ずしも音節基準イニシャルコードのみが記憶されている必要はなく、子音基準イニシャルコードのように他の類型のシンプルコードが共に記憶されていることも可能である。同様に、シンプルコードの種類によって音節基準イニシャルコード索引、子音基準イニシャルコード索引、全体連関シンプルコード索引などのようにそれぞれの索引を置いて具現されることもできる。
図10−10でのように、“北京”に対して音節基準イニシャルコード“14”、子音基準シンプルコード“1473”、そして全体連関シンプルコード“1*#4#73”があると仮定する。図10−10のキーパッドにおいて、中国語制限フル優先並行入力方法を適用するとき、音節基準イニシャルコード“14”、そして子音基準シンプルコード“1473”の場合は、2番目の入力値“7”が押される瞬間、システムが入力意をシンプルコードと見なし、索引を検索して処理することができる。ところで、“beijing”の全体連関シンプルコード“1*#4#73”の場合は、入力値“1*#4…”をフルコードと解釈すると“baiz…”となり、“1*#4”まではピン音の生成規則を違反しない。ところが、“baiz…”(および“baij…”−次の入力値に応じて“baij…”となれるので)は、図10−11のピン音索引に存在するピン音ではない。したがって、システムは、入力値1つ1つの入力に基づいて、入力値をフルコードと解釈して、入力値が“b…→ba…→bai…→baiz…”とそれぞれ認識するたびに、ピン音索引を参照して一致する語句を検索する。図10−10に示すように、“bai〜”までは一致するピン音を探すことができるが、入力値が“baiz〜”(および潜在的“baij〜”)と認識される瞬間、システムはピン音索引にそれ以上一致する語句がないことを確認することができる(図10−10の(1)参照)。したがって、“baiz〜”までの入力値“1*#4…”をシンプルコードとみなし、シンプルコード索引を参照して一致する語句を検索することができる(図10−11の(2)−(A)、(2)−(B)参照)。したがって、“baiz〜”までの入力値“1*#4…”をシンプルコートと見なし、シンプルコード索引を参照して一致する語句を検索することができる(図10−11の(2)−(A)、(2)−(B)参照)。ここで、シンプルコード索引においても、入力値“1*#4#…”と一致する語句を探すことができなければ、システムはさらに入力値をフルコードとみなして“bai…”に処理することができる。
表意文字である中国語の特性上、すべてのピン音と漢字の索引(ピン音/漢字索引)をシステムに記憶しなければならないので、入力値が有効なピン音音節を成してもピン音/漢字索引に存在しないことが確認される瞬間、システムは入力値をシンプルコードとみなして処理することを意味する。これは、入力値がフルコードを成さないことをシステムが認識する瞬間、入力値をシンプルコードとみなして処理するのと同じ脈絡から見ることができる。
同じ単語に対して他の形のシンプルコードが存在する場合、図10−10又は図10−11のように、1つのピン音に対してシンプルコードをマルチプルカタログのいずれの形で持っていることがすべて可能である。入力値をシンプルコードとみなして処理(すなわち、入力値を短縮入力とみなして処理)するにおいて、図10−11での(2)−(A)又は(2)−(B)の処理が選択的に可能である。図10−11の(2)−(B)の処理過程を利用すると、索引にシンプルコードを持たなくてもよい。(2)−(B)の過程は、入力値1つ1つの入力時ごとに入力値がなしうるピン音の組み合わせと索引のピン音とを比較して、一致するピン音を検索する。入力値が成しうるピン音の組み合わせは、[1]ボタンに2つの字母が割り当てられており、[*]ボタンに3つの字母が割り当てられているので、“1*”まで押されたとき、各ボタンに割り当てられた字母の組み合わせ6個(=2×3)が可能であることを容易に分かることができる。これを、便宜上、“シンプルコード可能字母組み合わせ”又は“可能字母組み合わせ”と呼ぶ。図10−11において、[#]ボタンに2つの字母が割り当てられているので、“1*#”まで押されると、12個の組み合わせが、“1*#4”まで押されると、24個の組み合わせが可能である。ところで、システムで具現するとき、実際、中国語ピン音辞書で“poi…”で始まるピン音が存在しないので、“poi…”以下の組み合わせは考慮対象から除外することができる。すなわち、入力値“1*#4”に対して“poi…”以下の組み合わせである“poiz…”および“poij…”も除外できる。同様に、“poi…”だけでなく、可能字母組み合わせのうちピン音索引に存在しない組み合わせを除外しながら入力値と一致するピン音を検索することができる。
図10−11の(2)−(A)の処理過程を利用することは、索引にシンプルコードを持たなければならないが、不規則に定義されたシンプルコードが使用された場合も処理することができる。(2)−(B)の処理過程を利用することは、シンプルコードを索引に記憶しなくてもよいが、一定の規則を持ったシンプルコード(例えば、全体連関シンプルコード)が入力されるという前提が必要であり、システムではその約束されたシンプルコード類型(例えば、全体連関シンプルコード)を予め知っていることが必要である。
入力を希望するすべてのピン音/漢字の索引を持っていなければならない中国語の特性上、図10−12、図10−13のようにフルコードと解釈した値が索引に存在しないとき、入力値をシンプルコード(すなわち、短縮入力値)とみなして処理することが可能である。フル優先並行入力方法の適用の際、図10−12は中国語の入力において一般に適用することが可能な手続きを示している。これは音節基準イニシャルコード、又は子音基準シンプルコードを使用するフル優先並行入力方法にも同一に適用できる。例えば、音節基準イニシャルコードが入力されると、システムは、これをフルコートと解釈してピン音索引を検索するが、これは、大部分の場合、2〜3番目の入力値が入力される瞬間、入力値がピン音索引にそれ以上存在しないことをシステムが認識することができるためである。図10−13は、中国語の言語的特性を用いてピン音索引を検索する前に、入力値が有効なピン音音節を構成するかをチェックする手続きが加えられたことを示す。
中国語だけでなく、他の言語の入力システムにおいても、入力しようとするすべての単語の索引をシステムが記憶しているとき、同様に図10−12、図10−13における手続きのように、1つ1つの入力値が入力されるたびに、入力値をフルコードと解釈して索引の単語を検索して一致するかを確認し、一致する単語がそれ以上存在しなければ、入力値を短縮コードとみなして処理することが可能である。
8.1.2 英語など
“st〜”又は“sp〜”から始まって、最初の単語開始から4番目の子音の入力が認識されると、そして“st〜”又は“sp〜”から始まらず、最初の単語開始から3番目の子音の入力が認識される瞬間、システムは入力値をシンプルコードとみなして処理することができる。
例えば、図1−1のキーパッドで単純反復選択方法を適用すると、“467…=gms…”を入力するとき、3番目の入力値[7]が入力される瞬間、入力値が英語の単語生成規則を違背するので、システムが入力値をシンプルコードとみなして処理することができる。万一、シンプルコード索引にinstallの全体連関シンプルコード“4678255=install”が記憶されていると、シンプルコード対応語句であるinstallを、システムがユーザに提供することができる。検索範囲のシンプルコード索引に“467…”と一致するシンプルコードが存在しないと、入力値を再びフルコードとみなして処理することができる。
そして、前述したように、子母音分離キーパッドでフル入力方法として英語制限反復選択方法を使用すると、入力値が英語の入力規則(例えば、単語が“st〜”又は“sp〜”から始まらない限り、3個の子音は登場できない)を違背するか否か容易にわかるようになるので、より効率よく並行入力方法を適用することができる。
8.2 フル入力方法として代表字母除外コントロール処理方法を適用する言語制限並行入力方法
図1−1において、各ボタンの1番目の字母を代表字母として該当ボタン1打で入力し、残りの字母をコントロール処理方法により入力する場合(すなわち、代表字母除外コントロール処理方法適用)、英語の場合に説明した単語生成規則を活用し、単語生成規則の違背時に入力値をシンプルコードとみなして処理する言語制限並行入力方法を適用することができる。
例えば、図1−1において、1番目の字母を代表字母とし、残りの字母をコントロール処理方法により入力する場合、例えば“467…=gms…”を入力するとき、3番目の入力値[7]が入力される瞬間、入力値が英語の単語生成規則を違背するので、システムが入力値をシンプルコードとみなして処理することができる。
同様に、英語以外の言語においても同様に適用することができ、残余の事項はフル入力方法として反復選択方法を適用する言語制限並行入力方法に類似している。
8.3 言語制限並行入力方法における3次曖昧さ極服
“scope”の全体連関シンプルコード“72673”を入力する場合は、システムがそれを1次的にフルコードと認識すると、“72673=pampd”となって、入力値が英語の単語生成規則を違反しないので、システムは入力値を1次的にフルコードと認識するようになり、2次的に入力値をシンプルコードと解釈し、シンプルコードに対応するscopeと認識することもできる“3次曖昧さ”が発生する。これは、フル入力方法として図1−1を基準とした単純反復選択方法を適用した場合である。
この場合、システムは、1次的にユーザにpampdを提供する。ところが、ユーザがscopeの入力を所望すると、特定のボタン(例えば、↓[v]ボタン)を押してscopeを選択できるようにすることができる。または“72673”が入力された後、単語入力が終了すると(例えば、空白などが入力されると)、入力値を1次的にフルコートと解釈した“pampd”と、シンプルコードと解釈した“scope”とをユーザにリストで提供し、ユーザが選択できるようにする。
この場合、システムは1次的にユーザにpampdを提供する。しかし、ユーザがscopeの入力を所望すると、特定ボタンを押してscopeを選択できるようにする。または“72673”の入力後、単語入力が終了すると(例えば、空白などが入力されると)、入力値を1次的にフルコードと解釈した“pampd”と、シンプルコードと解釈した“scope”とをユーザにリストで提供し、ユーザが選択できるようにする。
上記の場合は、フル入力方法として代表字母除外コントロール処理方法を使用する並行入力方法にも同様に適用することができる。また、フル優先並行入力方法でない短縮優先並行入力方法においても、入力値を入力した後、単語入力が終了する時点で、入力値がシンプルコード索引に存在しているとしても、入力値をフルコードと見なしたとき、言語制限を違反しないならば(3次曖昧さが発生すれば)、ユーザが選択できるようにする(特定ボタンを繰り返して押すか、又はリストから選択する)。
英語以外の言語(特に、代表字母除外コントロール処理方法を適用する日本語の場合など)に対しても、同様に適用することができる。
多数の候補の中から1つを選択するために、移動ボタンのうち、よく使用されない任意のボタンを用いて、システムが出力した候補語句中のターゲット語句を選択するようにすることができる。これは3次曖昧さが発生する場合だけでなく、曖昧さが発生するすべての場合に適用することができるのは既に説明した。
9.言語制限を違背した文字例を用いる並行入力方法
入力値(フルコード又はシンプルコード)はクライアント側も解釈でき、サーバ側も解釈できると説明した。図11−1、図11−2はそれぞれクライアント側及びサーバ側で解釈されることを示す先出願の図面である。すなわち、ここで“システム”というのは、クライアント側システム又はサーバ側システムの両方を含む概念ある。入力値がシンプルコードである場合、それをクライアント側が解釈し、シンプルコードの対応語句を文字列(text)でサーバ側に転送すると、サーバ側はそれを活用して各種のサービスを提供できるようになる。同様に、入力値を数字でサーバ側に転送すると、サーバ側がそのシンプルコードを解釈し、各種のサービスに活用できるようになる。クライアント側がDTMFトーンを送出し、サーバ側がその入力値を受けて活用することも、数値をクライアント側からサーバ側に転送する事例の1つであるわけである。
言語制限並行入力方法において、入力値が言語制限を違背すると(すなわち、入力値が特定言語の有効な音節を形成できなければ)、システムは入力値をシンプルコードとみなして処理するが、この際、シンプルコードの索引には入力値と一致するシンプルコードが存在しないこともある。この場合、再び入力値をフルコードとみなして処理する。例えば、ユーザが図4−5を基準として
を念頭において“7799”を入力するとき、クライアント側システム内のシンプルコード索引に“7799”と“7799”に対応する
が記憶されていなければ、システムは単に
をユーザの入力とみなすことになる。万一、証券情報システムの場合、クライアント側が入力値“7799”をサーバ側に転送するか、又は入力値“7799”に対応する
をサーバ側に転送すると、証券情報サーバが“7799”を解釈することができるので、別に問題はないであろう(証券情報サーバはシンプルコード“7799”とシンプルコード対応語句である
を有していると仮定する)。しかし、クライアント側の文字入力モードでユーザが“7799”を入力した後、クライアント側が前記入力値をシンプルコードとみなして処理するが、この際、クライアント側のシンプルコード索引に“7779”が存在しなければ、それを再びフルコードと見なし、文字列
をサーバ側に転送する場合、証券情報サーバではそれを活用することが困難になる。
よって、証券情報サーバでは、転送された文字列
が意味なしの値であれば、
の入力に使用された“7799”を抽出し、シンプルコード“7799”の対応語句である
を追跡して、それをシステムで活用できるようにする。または、韓国語でシンプルコードとして音節基準イニシャルコードを使用する場合にのみ適用できる他の方法があり、すなわち、システムは、シンプルコードの対応語句のうち
と音節の初子音が一致する
を追跡し、それを活用してサービスを提供することができる。
これは、キーパッドでないキーボードを使用するパソコン環境に対しても同一に適用することができる。すなわち、既存のパソコンなどをクライアントとして使用する証券情報システムでは、ユーザが
の株価を照会するために
を入力しなければならなかったのに対して、ここでは、
のみを入力してサーバ側に転送しても、証券情報サーバシステムが、
が一文字の羅列であって、上場会社名に存在していないと認識し、前述した2つの方法(“7799”を抽出した後、
を追跡するか、又は“
と音節の初子音が一致する
を追跡する)によってサービスを提供することができる。
他の方法は、サーバ側の索引に“7799(シンプルコード)、
(シンプルコードの対応語句)”のみならず
を登録しておき、クライアント側から転送された値
が有効な韓国語音節を形成できないことを確認し、記憶されたシンプルコード対応文字と比較することで、ユーザが所望するのが
であることを把握することができる。
以上の内容を図にまとめると図11−3のようになり、(A),(B),(C)が選択的に可能である。
さらに、既存のパソコンなどのクライアントでキーボードなどの装置を利用した文字を入力する場合(例えば、パソコンのワードプロセッサなどを利用して文字を入力する場合)においても、音節基準イニシャルコードを用いて音節の初子音のみを入力し、システム(クライアント又はサーバ)でそれをターゲット語句に変換することにより、高速の文字入力を可能とし、又は各種情報システムでの活用を可能とする。例えば、
を入力しようとする場合、ユーザが
を入力すると、システムは索引を検索し、音節の初子音が
である
をユーザに提供することができる。前述した他の方法(約束された特定キーパッドを基準とした入力値がシンプルコード抽出及び索引検索、シンプルコード対応文字を索引に記憶)も、適用することができる。図11−5を参考することができる。(A),(B),(C)が選択的に可能である。
同様に、図10−2を基準として“四通集団(satongjipdan:出願人は中国語発音がわからないので、便宜上、韓国語発音を漢語ピン音とみなして使用するが、中国語発音にも同様に適用すると良い)”の音節基準イニシャルコードは、s,t,j,dに対応する“6242”となる。ユーザが“6242”を入力したとき、クライアント側システムのシンプルコード索引に6242と四通集団(satongjipdan)が登録されていなければ、クライアント側システムでは、ユーザにただ“sdzd”のみを提供するようになる。ユーザが“sdzd”をサーバ側に転送すると、それを受けるサーバ側では、“sdzd”が有効な中国語音節にならないと認識し、“sdjd”からユーザの入力値である“6242”を抽出し、シンプルコード(ここでは音節基準イニシャルコード)“6242”に対応する“四通集団”を検索することができる(サーバ側システムはシンプルコードと対応語句を記憶していると仮定する)。
韓国語の事例で、
と各音節の初子音とが一致する語句を検索することができるように、図10−2を基準として“sdjd”及びその他の変形可能な子音の組み合わせ(例えば、“xdjd”、“stjt”,“sdjt”,…16個の場合が存在)と各音節の初子音とが一致する単語をユーザに提供することができる。
また、サーバ側にシンプルコードの対応文字“sdzd”を一緒に記憶しておいた場合、クライアント側から転送された値“sdzd”が有効な中国語音節にならないと認識し、転送値と索引のシンプルコードの対応文字とを比較すると、ユーザが所望するのが“四通集団”であることを、システムが把握することができる。
以上の内容を図にまとめると図11−4のようになり、(A),(B),(C)が選択的に可能である。
図11−3、図11−4における処理過程は、サーバ側で行われることもでき、クライアント側で行われることもできる。
パソコンなどの情報通信機器も、ユーザが“stjd”を入力するとき、漢語ピン音の音節の初子音と一致する単語(“四通集団”)を検索してユーザに提供することができる。または、システム(すなわち、パスコン)で短縮コード(シンプルコードの対応文字)として各音節の初子音“stjd”を登録しておいた場合、ユーザが“stjd”を入力するとき、2番目の子音が入力される瞬間、中国語言語制限を違背(sh,ch,zhなどでない2つのローマ字の子音が登場する場合)することになるので、入力値を短縮コードとみなして(ユーザが短縮入力を行ったと見なす)処理することができる。入力値“stjd”からサンプルコードを抽出することは、予め約束されたキーパッド(例えば、10−2)によりシンプルコード(例えば、6242)を抽出することができる。図11−6参考することができ、(A),(B),(C)が選択的に可能である。
キーパッドを備えた装置だけでなく、PCなどの情報通信機器においても、ユーザが“stjd”を入力するとき、漢語ピン音の音節の初子音と一致する単語(“四通集団”)を検索してユーザに提供することができる。または、システム(すなわち、パスコン)で短縮コード(シンプルコードの対応文字)として各音節の初子音“stjd”を登録しておいた場合、ユーザが“stjd”を入力するとき、2番目の子音が入力される瞬間、中国語言語制限を違背(sh,ch,zhなどでない2つのローマ字の子音が登場する場合)することになるので、入力値を短縮入力値とみなして(ユーザが短縮入力を行ったと見なす)処理することができる。入力値“stjd”からサンプルコードを抽出することは、予め約束されたキーパッド(例えば、10−2)によりシンプルコード(例えば、6242)を抽出することができる。図11−6参考することができ、(A),(B),(C)が選択的に可能である。
図11−6の(B)は、入力値が生成し、かつ有効なピン音音節を生成しない単語(例えば“音節基準イニシャル値”として“stjd”)と索引に記憶された語句の各音節の初字母(“sa−tong−jip−dan→stjd”と比較して一致する語句を検索する。これは、短縮入力値として音節基準イニシャル値を使用するものと判断することができる。図10のキーパッドでは、“stjd”に対応する音節基準イニシャル値は“622442”になる。図11−6の(B)は、図から容易に分かるように、シンプルコート索引を備えず、単に漢字の入力のためのピン音の索引を備えるだけでも可能である。同様に、入力値が“子音基準入力値”が使用される場合にも、システムでは入力値が生成する単語(文字列)と索引に記憶された語句の子音が一致する語句を検索することができる。
まとめると、規則的に認識できる、短縮入力する入力値の種類は、シンプルコードの種類と類似に“音節基準イニシャル値”(例えば、“beijing”の音節基準イニシャル値は“144=bj”になる)、“子音基準入力値”(“beijing”の子音基準入値は“144773=bjng”になる)、“初母音+音節基準イニシャル値”、“単語基準イニシャル値”などがありうる。システムは、入力値が言語制限を違背する瞬間、入力値を短縮入力値としてみなして処理する。
これまで提示した“短縮入力値”の種類をまとめると、図11−11の表のとおりである。図11−11において、短縮入力値(A)は(B)〜(L)までを包括し、これはこれまで提示した、システムが一定の規則に基づいて認識することが可能な短縮入力値の種類を示す。任意の一部字母と関連して定められた一部連関シンプルコード、そして任意の一部字母からなる短縮入力値も含まれる。“全体入力値”(Z)はフル入力方法のフルコートになることが分かる。
既に提示したとおり、ある条件(例えば、入力値がフルコードの生成規則を違反する、または特定の言語の有効な音節を成さない場合など)に該当すると、入力値を短縮入力値とみなして処理すること(すなわち、入力値が約束されたフル入力方法のフルコードではないとみなして処理)が、並行入力方法の核心内容なので、本発明で提示していない短縮入力値が使用される場合も本発明の並行入力方法の範疇に含まれるのは自明である。図11−11において、(H)〜(L)の短縮入力値は、図11−5、図11−6に示すように、キーパッドを備えた装置はもとより、パソコンの如き装置でも利用できる。図11−6の(B)は短縮入力値として“音節基準イニシャル値”を使用した事例を示す。短縮入力値を通称する用語としてシンプルコード又は短縮コードという用語が使用されたが、この(H)〜(L)の短縮入力値も包括的な意味のシンプルコードと言える。すなわち、図11−11における(I)“音節基準イニシャル値”は“音節基準イニシャル値シンプルコード”と言え、(H)〜(L)の短縮入力値も同様に言える。
図10において音節基準イニシャル値として“14=bz”が入力されると、システムは“bz”と各音節の子音が一致する語句を索引から検索することになる。ここで、再び“4”が入力されると、“144=bj”であるので、“bj”と各音節の初声子音が一致する語句(例えば、“beijing”)を索引から検索することになる。
さらに、本発明では、前示した短縮入力値のうち任意の短縮入力値が入力されたとき、それを幾つかの種類の短縮入力値として解析できることを示す。例えば、ある短縮入力値に対して、1次的に所定の短縮入力値(例えば、音節基準イニシャル値)とみなして処理し、2次的に他の短縮入力値(例えば、子音基準入力値)とみなして処理し、3次的にまた他の短縮入力値とみなして処理し、さらに以下1つの短縮入力値に対して幾つかの種類の短縮入力値として解析できることを提示する。図10−*を基準として短縮入力値“144=bj”が入力されると、システムは1次的に“bj”と各音節の初めの字母が一致する語句(例えば、“beijing”)を索引から検索し、1次検索結果があるか否かに関わらず、2次的に索引の語句のうち子音が一致する語句を検索することができる。
これは、ユーザが図11−11に提示したいかなる短縮入力値を入力しても、システムはそれを解析できることを示すのである。これを適用すると、1つの短縮入力値に対して多数の検索結果が得られる。このとき、出力される優先順位は適用する短縮入力値の類型による。たとえば、まず、音節基準イニシャル値として解析して検索された各語句を出力し、その次、子音基準入力値と解析されて検索された各語句を出力する。もし、あるユーザが短縮入力値として音節基準イニシャル値を主に使用するならば、音節基準イニシャル値によぅて解析された各語句を1次的に出力できるように設定することが好ましい。よって、短縮入力値の類型による優先順位をユーザが指定できるようにすることが好ましい。また、あるユーザが子音基準イニシャル値の使用のみを所望するなら、短縮入力値を子音基準イニシャル値としてのみ解析するように設定したほうが良い。同じ類型の短縮入力値と解析して得られた各語句の出力順位は、前述したように使用頻度などの要素によって決定されても良く、出力される優先順位は、短縮入力値の解析に適用された短縮入力の類型に関係なく検索済みの各語句のそれぞれの使用頻度によって決定されても良い。
の場合、これらはそれぞれ音節基準イニシャル値の“jz”,“zj”を有し、該音節基準イニシャル値はいずれも“444”である。この場合は、フル優先並行入力方法を適用するに当たり、システムは3番目の入力値“4”が入力される瞬間、入力値がピン音音節を形成できないことを認識することになる。図10を基準として音節基準イニシャル値が同じボタンに割り当てられたそれぞれ別々の字母である場合は、できる限りすべての場合を検索する。すなわち、短縮入力値“444”に対して、“jz”と“zj”と一致する各音節を有する語句をすべて検索する。
同様に短縮優先並行入力方法の適用時にも、入力値を図11−11の(B)〜(L)の短縮入力値とみなして処理することができる。また、入力値を1次的に音節基準イニシャル値とみなして処理し、2次的に音節基準イニシャルコードとみなして処理し、3次的に子音基準イニシャル値とみなして処理し、さらに以下、同様に他の短縮入力値とみなして処理することができる。入力値を短縮入力値として処理してそれ以上一致する単語が索引に存在しないものと確認される瞬間、システムは入力値をフルコードとみなして処理する。好ましくは、ユーザが主に使用する短縮入力値の種類を予め指定できるようにする。
の場合は、音節基準イニシャル値を使用するときの問題を解決するために、捲舌音(そり舌音)の音節基準イニシャル値シンプルコードおよび音節基準イニシャルコードを次のように設定することができる。中国語における捲舌音“ch”,“sh”,“zh”は、実際に単一声母であって、注音符号では1つの記号で表記できるが、英語字母では2つの字母の組み合わせで表記できる。図10−6によるzhuijianの音節基準イニシャル値シンプルコードも“h”を含み、“zh+j”に対応する“4944”とする。音節基準イニシャルコードは“zh+j”に対応する“494”となる。図10のキーパッドにおいて、捲舌音“ch”,“sh”,zh”を形成する初めの字母“c”,“s”,“z”が、2番目の字母“h”が割り当てられたボタンと異なるボタンに割り当てられているため、
の音節基準イニシャル値シンプルコードをどちらも“444”とした場合に発生した曖昧さがなくなる。
音節基準イニシャル値シンプルコードを短縮入力値として用いるフル優先並行入力方法において、入力値“4〜”は“z〜”と認識され、入力値“49〜”が入力されると、“zh〜”と認識されて処理される。しかし、“zh〜”から始まる単語は多くあるので、システムが入力値“49〜”を“zh〜”と処理して対応語句をユーザに出力するとしても、大した意味はない。したがって、システムは、入力値“49”に対して音節基準イニシャル値シンプルコードと解析し、音節の構成が“z_h_”である語句を出力して提供することができる(下線の部分は母音の位置を意味する)。もし“49”を“zh”とのみ解析すると、音節基準イニシャル値が“z_h_”である単語を短縮入力しにくくなる。中国語の場合、単語のほとんどが1つの音節(文字)又は2つの音節(文字)よりなるので、2音節単語の短縮入力のために、捲舌音入力に対して短縮入力と処理する必要がある。図10−17を参照する。図10−17において液晶上に
の次に薄い色で表示された[. . .]は、“z_h_”である単語が多くある場合、後順位の他の単語が出力されることを意味する。後順位が“zh_”である単語が出力できることはもとより、ユーザの好みによって“zh_”である単語が先に出力できるように設定することもできるが、通常“z_h_”形態の単語が先に出力できるようにすることが便利である。
“49”の次に母音入力が認識されると(例えば、母音ボタンが押されると)、システムは入力値を“zh_”として処理(すなわち、入力値をフルコードとして処理)する。“49”の次に子音入力が認識されると(たとえば、子音ボタンが押されると)、システムは入力値を“zh_X_”として処理することになる(大文字‘X’は任意の声母を表わす英語子音)。すなわち、フル優先並行入力方法においても、システムは、捲舌音の“ch”,“sh”,“zh”などの入力に対して、一次的にシンプルコード(音節基準イニシャル値シンプルコード又は音節基準イニシャルコード)と解析し、次の入力値が母音か子音かによってフルコード又はシンプルコードと解析する。
上記の内容は子音基準イニシャル値のシンプルコードを短縮入力値とみなし、短縮優先並行入力方法を適用したものと類似した結果である。ただし、短縮入力値として音節基準イニシャル値のシンプルコードを適用し、フル優先並行入力方法を適用するが、ただし、単語開始状態(確認ボタンが押されるか、又は入力システムで約束された形態の単語終了後)において捲舌音が入力された場合は、入力値を短縮入力値とみなして処理(例えば、単語の初声が“z_h_”(‘ch’,‘sh’などの他の捲舌音の場合はそれによる)と一致する単語を検索)するのである。
以上、図10を基にして説明したが、他のキーパッドにおいても上記の概念を適用することは言うまでもない。
さらにパソコンのキーボード、そしてキーパッドばかりでなく、これらと類似したすべての変形キーボード(スクリーン上で具現されるキーボードの形態は極めて多様である)に対しても同一に適用することができる。
10.シンプルコード可能字母の組み合せを利用する並行入力方法
前述した方法のうちシンプルコードとして音節基準のイニシャルコードを使用する場合、各音節の初子音と比較することは、クライアント側がシンプルコードの索引(例えば、6242/satongjipdan/四通集団)を有せず、ただ特定の語句の索引のみ(例えば、satongjipdan/四通集団)を有した場合にも有用に適用することができる。例えば、“62…”の2番目の[2]が入力される瞬間、システムは、入力値が中国語言語制限を違背すると認識し、入力値“62…=sd…,st…,xd…,xt…(便宜上‘可能字母の組み合わせ’と称する)”と、索引単語のうち各音節の初子音とが一致する語句を検索してユーザに提供することができる。ボタンプッシュ回数が多くなるほど、可能字母の組み合わせの数も多くなり、この可能字母の組み合わせを利用して索引の語句と比較/検索する。図11−7を参考することができる。図11−7の索引において“四通集團”行(record)は、多重(multriple)的に“stjp”
“sd…”, “xd…”,“xt…”のリスト(2**4=16種類が可能である)を有するとともに、入力値“sd…”に対して各レコードのこの多重値と比較してユーザに対して四通集團を提供することもできる。これも同じ概念であるが、具現が難しく、かつメリットがないので、薦めるものではない。図11−9を参照する。両方法はどちらも入力値によって表現できる可能字母の組み合わせ(available character combination)と索引の語句(図11−9ではピン音)との比較を含む。
同様に、クライアント側がシンプルコード索引
を有せずただ特定の語句の索引
のみを有した場合、ユーザが
を念頭において“77…”を入力するとき、システムは、2番目の[7]が入力される瞬間、入力値が韓国語言語制限を違背すると認識し、入力値
(便宜上‘可能字母の組み合わせ’と称する)”と、索引単語のうち各音節の初子音とが一致する語句を検索してユーザに提供することができる。図11−8を参考することができる。
万一、入力値と一致する語句が索引にはもう存在しないと確認されると、入力値をフルコードとみなしてユーザに提供することができる。これは、ユーザが音節基準イニシャルコードの値だけを入力するという前提下に、索引にシンプルコードを入れず、ただ単語の索引だけを備えた状態で並行入力方法と類似した効果を奏することができるということである。ただし、この方法は、フル優先並行入力方法で入力値がフルコード生成規則を違背する瞬間、またはフル優先言語制限並行入力方法で入力値が言語制限を違背する瞬間を、システムが感知するところまでは同一であり、入力値に対応する語句を検索することに相違点があるだけである。すなわち、フルコード生成規則を違背する瞬間、または言語制限を違背する瞬間、システムが入力値をフルコードでないと見なすが、この際、その代わりにシンプルコードを利用することなく、入力値が音節基準イニシャルコードであることを利用し、入力値に対応する語句を解釈(又は検索)してユーザに提供する。
並行入力方法の核心内容は、フルコード生成規則を違反する瞬間、または言語制限を違反する瞬間を、システムが自動的に感知し、入力値をシンプルコードと見なす(すなわち、ユーザがフル入力でなく短縮入力を行ったとみなす)ことである。これは結局、既に提示した並行入力方法で入力値が対応する語句を検索するところのみを、特別な場合(音節基準イニシャルコード利用)に限定して変形したのである。
音節基準イニシャルコードの場合と同様に、全体連関シンプルコード、子音関連シンプルコード、初母音+子音関連シンプルコードなどのように規則性をもっていて、自動的にシンプルコードを抽出できる場合は、入力値の“可能字母の組み合せ”と索引の語句とを比較することにより、索引からターゲット語句を検索することができる。図10−11において、システムは、入力値が1つ1つの入力される度に入力値をフルコードと解析し、フルコードと解析されたピン音がピン音索引に存在しないことを確認する瞬間、入力値を短縮入力値とみなして入力値に対する“可能字母の組み合せ”とピン音とを比較することにより、ターゲット語句を検索することができる。これは図11−10に示しており、図11−10は図10−11の一部((2)−(B)部分)を表わしたもので、全体連関シンプルコードが使用された場合の例である。
11.フルコードを記憶している入力システムでのフル入力方法及び並行入力方法
特定のキーパッドでの特定の言語制限フル入力方法によって、入力値に対する正しい単語を識別するのがやや複雑になる場合があるということは上述した通りである(例えば、標準英語キーパッドにおける反復選択方法による英語入力及び中国語のピン音入力)。中国語について上述したように、中国語だけではなく、他の言語でも入力しようとするすべての単語の索引をシステムが持っている場合、入力値を1次的にフルコードと解釈し、索引に存在しない場合、これを2次的に約束された類型のシンプルコードと解釈することが可能である。
以下、便宜上中国語の場合を例にとって説明する。図10〜図14に示すように、中国語ピン音(他の言語の場合に可能な単語)をいずれも記憶しているシステムでフルコードをいずれも記憶していれば、システムは単に入力値と一致する語句を検索してターゲット字母を認識することができる。もし、フル優先並行入力方法を適用するならば、一致するフルコード値が索引にそれ以上存在しないということを確認する瞬間、システムは入力値を約束された類型のシンプルコードとしてみなして処理することになる。図10−14において“北京”を入力する過程は、入力値をフルコードと解釈して処理する過程としてみなすことができる。但し、フルコードを索引に記憶しているため、索引の検索を通じてフルコードを解釈するのである。
言語制限入力方法によって曖昧さ無しに単語が識別できるフル入力方法を適用する場合、索引にフルコードを記憶していることが必ず有効であるとは限らない。しかしながら、反復選択方法のように曖昧なフル入力方法を適用し、入力しようとする語句のすべての索引を記憶している場合には有効になることがある。“不完全な字母分離キーパッドでの言語の制限的な入力方法”の欄で上述したように、曖昧さが生じうるフル入力方法を適用時、入力しようとするすべての単語が索引に記憶されていれば(中国語だけではなく、他の言語の場合にも適用可能である)、このフルコード索引を用いて入力値を処理することができる。
以上、中国語の場合を例にとって説明したが、本発明は中国語以外の場合にも適用可能であることは言うまでもない。また、図1−1のキーパッドだけではなく、図10のキーパッド及び他のキーパッドでも同様に採用可能である。
12.入力値を同時に多数の類型のコード(入力値)として処理する並行入力方法
入力値に対して所定の幾つかの類型のコード(入力値)としてみなして処理する並行入力方法が適用可能である。例えば、図10−14において、入力値に対して同時にフルコード(A)と全体連関シンプルコード(B)としてみなして処理すれば、システムは入力値“1*#”に対して、フルコードと解釈したときの“bai”と全体連関シンプルコードと解釈したときの“bei”を認識することができる。この場合、システムは、同時に“bai”と“bei”をユーザに与えることができる。
フル優先並行入力方法の場合、フルコードと解釈したときの“bei”だけを出力する点、そして短縮優先並行入力方法の場合、約束された短縮コードと解釈した結果である“bai”だけを出力する点で違いがある。このような並行入力方法においても、入力値が特定の類型のコードにそれ以上存在しないということが確認される瞬間、入力値を他の類型のコードとしてのみみなして処理することが可能であり、結局、これは、上述した並行入力方法の範ちゅうに含まれると言える。システムの索引に必ずしも図10−14でのようにフルコードと全体連関シンプルコードを記憶していなければならないとは限らず、入力値に対して同時に幾つかの類型のコードとして解釈する場合に同様に適用可能である。
13.曖昧さが生じる単語の優先順位
特定のある入力方法(例えば、特定のフル入力方法、又は、特定の類型の短縮入力方法)において、同じ入力値に対して曖昧さが生じる場合には、図10−14及びその他の図でのように、特定の入力方法を適用時に曖昧さが生じる場合の優先順位に基づいてその順序に従いターゲット語句を出力することができる。例えば、図10−14においてフル入力方法を適用時に曖昧さが生じる場合、フルコード(A)間の優先順位である“(A)優先順位”に基づいてターゲット語句を出力してユーザに勧めることができる。
以下、入力値が所定の幾つかの類型のコードと解釈される場合について説明する。上述したように、図10−14において、入力値“1*#”に対してフルコードとして解釈すれば、“bai”となり、全体連関シンプルコードとして解釈すれば、“bei”となる。このように相異なるコードと解釈して曖昧さが生じる場合、システムはフルコード(図10−14における(A))と全体連関シンプルコード(図10−14における(B))として同時に解釈するときの優先順位に基づいてターゲット語句をユーザに与えることができる。
例えば、入力値を1次的にフルコードとみなして処理するが、フルコードの生成ルールを守っていなかったり、特定の言語の音節生成ルールを守っていなかったり、又は、フルコードがそれ以上存在しないことが確認される瞬間、直ちに入力値を音節基準イニシャルコード及び音節基準イニシャル値シンプルコードとみなして処理する並行入力方法において、入力値を短縮コードとみなして処理する場合、“音節基準イニシャルコード”と“音節基準イニシャル値シンプルコード”との間に曖昧さが生じるときの優先順位に基づいて処理を行うことができる(すなわち、音節基準イニシャルコードが(C)であり、音節基準イニシャル値シンプルコードが(D)であれば、“(C)+(D)優先順位”に基づいてターゲット語句を出力すること)。
以上では中国語を例にとって説明したが、漢字を入力するのではなく、ピン音をターゲット語句にするとき、本発明を他の言語の場合にも同様に適用可能であることは言うまでもない。
14.コントロール処理方法をフル入力方法とする並行入力方法
図2−1及び図2−2に示すように、コントロールボタンを[*]及び[#]ボタンとして、代表字母を除くコントロール処理方法を適用する場合、並行入力方法を適用するが、索引に代表字母のみよりなる単語をいずれも記憶して短縮優先並行入力方法を適用すれば、入力値として“*”又は“#”が押される瞬間、システムは入力値をフルコードとみなして処理できるということは既に指摘された通りである。
図2−1及び図2−2に示す日本語の場合、短縮コードはいずれも数字値のみよりなっているとする。この場合、代表字母のみよりなるすべての単語を記憶している索引(短縮コード索引に含まれていてもよく、短縮コード索引とは別途になっていても良い)を用意しておき、並行入力方法を適用するが、入力値として数字ボタンだけが押され続く間には入力値をフルコードと解釈した結果と代表字母のみよりなる単語の索引(又は、これを含んでいるシンプルコード索引)を参照して短縮コードと解釈した結果をいずれも所定の優先順位に基づいてターゲット語句としてユーザに与えることができる。
例えば、入力値、すなわち、図2−1及び図2−2における入力値“111”に対してフルコードと処理すれば(すなわち、フル優先並行入力方法を適用すれば)、“あああ”として解釈されるが、もし、代表字母のみよりなるすべての単語の索引を参照して“ああ〜”で始まる単語が存在せず、“あい”又は“あい〜”で始まる単語のみ存在するならば、“あい”または“あい〜”を“ああ〜”よりも優先してユーザに与えることができるのである。
図10−15、図10−16を参照する。図10−15において、入力値“11”に対してフルコードと解釈するが、これが代表字母のみよりなる単語であるため、さらに“代表字母のみよりなるすべての単語の索引”を検索して有効な単語であるかどうかを確かめる。ここで、“11”をフルコードと解釈した“ああ”が索引に存在すれば、入力値に対してこれを有効な単語として認識すれば良い。代表字母のみよりなるすべての単語の索引に対応する語句がそれ以上存在しないことが確認される瞬間、システムは入力値をさらにシンプルコードと解釈し、これに対応する“あい”をシステムが認識することになる。図10−15において、システムは、入力値“11”に対して最優先的に“あい”として認識する。“11”の次の入力値によって“あい…”(“…”は、“あい”の次に他の字母がついている場合)になることもあるため、システムがこれを“あい”の次の順位として出力することができる。同様に、索引に存在しないとしても、ターゲット語句が“ああ”となる可能性もあるため、これもまた“あい”の次の順位として出力することができる。図10−15において、“あい…”と“ああ”が薄色で、そして2番目と3番目の推奨順序として示されているのは、システムがこのように出力することもでき、単に“あい”のみを出力することもできるということを表わす。
図10−15において、(1),(2),(3)は順次に行われても良く、“入力値を同時に多数の類型のコードとして認識する並行入力方法”の欄で説明したように、同時に行われても良い。同様に、索引にフルコード及びシンプルコードを示しているのは、単なる理解性を高めるためのものに過ぎず、フルコード及びシンプルコードが記憶されていなくても、同じ手続きが行えるということは明らかである(シンプルコードが音節基準イニシャルコード又は全体連関シンプルコードのように規則的に解釈されうるシンプルコードである場合)。図10−16でのように、代表字母のみよりなるすべての単語の索引とシンプルコード索引が単一の索引として存在する場合にも同様に適用可能である。資料の構造は、具現上の都合を考慮して各種の形態にて具現可能である。
システムの作動結果は、上述した並行入力方法とほとんど同様であるが、短縮優先並行入力方法を適用するのではなく、フル優先並行入力方法又は一般的な並行入力方法を適用する点で違いがある。
これは、代表字母を除くコントロール処理方法をフル入力方法とする並行入力方法のみならず、コントロール処理方法をフル入力方法とするあらゆる並行入力方法に同様に適用可能である。
15.漢字変換
韓国語、中国語の漢語ピン音と漢字は1:多の対応関係である。例えば、“礼儀”に対応する漢字は礼意、礼儀、鋭意…など多数ある。
中国語の場合も“beijing”に対応する漢字として北京、背景などがある(声調符号を付けない場合)。したがって、漢字変換ボタンを反復的に押して後続漢字(例えば、北京(2nd)、背景(3rd)を選択できるようにする。例えば、“beijing”と入力した後、漢字変換機能を1回押すと北京となり、もう1回押すと背景となる。または、リストから選択できるようにする。
中国語の場合、漢字を入力するために、入力しようとするすべての漢字(便宜上“ターゲット漢字”と称する)を索引に予め記憶しているので、漢語ピン音を入力する途中でもターゲット漢字が確定されると、それをユーザに提供することができる。例えば、“beij…”から始まる単語が“北京”しかない場合は、“beij”までだけ入力すれば、北京”をユーザに提供することができる。もしピン音索引に“beijing(北京)”がたった1つのみ存在するなら、入力途中でユーザがターゲット漢字を確定しないとしても、“beijing”のすべてが確定的に認識される瞬間、システムは“beijing”を“北京”に変換して出力することができる。
また、日本語の場合は、ひらがなとカタガナとは1:1の対応関係であり、ひらがな又はカタガナと漢字とは1:多の関係である。したがって、ひらがな入力後、カタガナ変換コントロール(例えば、図2−1で“あ/ア”コントロール)を入力してカタガナに変換させることを前述した。図2−1において、変形字母をクロスコントロール処理方法により入力し、“あ/ア”コントロールを[0]ボタン2打で選択することができる。ここで、再び特定のひらがな又はカタガナに対応する各漢字は、[0]ボタンの反復押しで選択することができる。例えば、“あ/ア”コントロールを後入力と指定したならば、ひらがな単語(又は字母)を入力した後に[0]+[0]を押すと、入力したひらがなに対応するカタガナに変換し、再び[0]ボタンを押すと、1番目の漢字に変換し、再び[0]ボタンを押すと、次の漢字に変換する。逆にカタガナの入力モードでは、カタガナ入力後、[0]+[0]を押すと、対応するひらがなに変換し、再び[0]ボタンを一度押すと、漢字に変換することができる。
16.シンプルコード索引の構築
出願人が提示したシンプルコードのうち全体連関シンプルコード、音節基準イニシャルコード、子音関連シンプルコード、初めの母音+子音関連シンプルコード、単語基準イニシャルコードなどは機械的に(すなわち、自動的に)特定の語句(単語又は句節)からシンプルコードを抽出し得る良い性質を有する。したがって、ユーザがフル入力方法により1回入力した単語に対してシンプルコード索引(シンプルコード及びシンプルコード対応語句からなる索引)を自動的に構築し、それを並行入力方法に活用することができる。シンプルコードは、図5−5と類似した環境下において、クライアント側またはサーバ側に記憶されも良く、クライアントとサーバ側の両者に記憶されても良い。
同じ語句に対して相異なる種類のシンプルコード(例えば、全体連関シンプルコード及び音節基準イニシャルコード)を生成することもできる。しかし、一般的に特定の類型のシンプルコードを使用することが便利であり、ユーザは自動的に生成されるシンプルコードの種類を認識しているなら結構であり、それを並行入力方法適用時に使用することができる。それを適用すると、ユーザの文字入力が多くなるほどシンプルコード索引が豊富になるという効果がある。
特定の言語の特定の語句から音節基準イニシャルコードを抽出するためには、特定の単語から音節を分離する必要がある。特定の言語の特定の単語から音節を分離することは、特定の言語の分離(音節分離)規則によれば可能である。言語ごとに分離規則を有しているので、それを利用して特定の単語から音節を自動的に分離することは容易であり、よって、ここでは詳細な説明は省略する。
例えば、中国語ピン音における“Zhongguo”は、母音“o”と“uo”とを中心に“Zhong”と“guo”とに音節分離でき、これは本発明におけるピン音を認識過程よりも一層容易に行われる。単語の前部からフォワードスキャン(forward scanning)によって音節を分離するに当たり、例えば、システムは、“zho”の次にある子音“n”が、次の音節の子音であるか否かわからないが、次の子音“g”を見ると初めの音節(first syllable)に属する子音であることがわかる。同様に、システムは、“g”は次の音節の子音となることもできるが、その次の“g”を見ると最初の“g”は初めの音節に属する子音であり、2番目の“g”は次の音節に属する子音であることがわかる(ピン音においてある一音節が“〜ng”と終わることができる)。“zhongg”までスキャンして初めの音節“zhong”を分離することができる。次に、システムは、“u”が当然2番目の音節に属する母音であり、連続的に表示された母音“o”も2番目の音節に属する母音であることを認識することができる(ピン音で英語母音“uo”が連続的に表示できる)。“o”の次に表示される字母がそれ以上存在しないので、システムは“zhongguo”の音節を“zhong”と“guo”とに分離でき、よって、音節のイニシャル値が“zg”であることを認識でき、“zhongguo”の音節基準イニシャルコードが“43”(図10−6基準)であることを識別できる。他の言語の場合にも、システムが該当言語の音節分離規則に基づいて特定の単語又は句節から自動的に音節を分離できることは言うまでもない。
17.特殊符号(添字)が付いてない語句からのターゲット語句解析
beijingの場合、母音に声調符号を付けないと、“北京”及び“背景”の両者に同時に対応する。この場合は、特定のボタンを繰り返して押してターゲット語句を選択するか、リストからいずれか1つを選択することができる。
同様に中国語の以外の言語においても、声調符号を付かないか、添字付きの母音を入力しなければならないが基本母音だけを入力した場合、特定のボタンを繰り返して押し、索引を検索してターゲット語句をユーザに提供するか、索引を検索して添字が付いている母音を有する対応語句のリストをユーザに提供することにより、ユーザに選択を行わせる。
これは、ベトナム語のように多くの変形字母を有し、声調符号などが複雑に構成された言語に役に立つ。ただし、システムは、基本字母に添字が付いてなる語句の索引を備える必要がある。同様にこのうような索引の構築は、ユーザが既に入力した単語から構築することができる。たとえば、文字入力を行い、ユーザが“^+abc”という単語(‘a’上に添字‘^’が付いている場合)を入力すると、システムは“^+abc”をシステムに記憶しておき(システムにおいて“abc”と‘abc’に対応する“^+abc”の両者を記憶していても構わない)、再びユーザが“abc”入力後、特定のボタンを押すと、“^+abc”をユーザに提供するか、ユーザの“abc”入力時に“^+abc”のように“abc”に対応する語句のリストをユーザに提供することができる。もし“abc”がターゲット語句ならば、ユーザは特定のボタンを押さないか、システムによって関連語句のリストが提供されるときに‘abc’を選択することになる。リストは、単語の入力が終了する時点、または入力途中の任意時点で提供される。
18.語句(単語又は句節)の一部をフル入力方法により入力し、一部を短縮入力方法により入力する並行入力方法
単語の入力(フルコード入力)によって入力される内容と一致する単語を索引から出力し、ユーザに選択を行わせる方法は汎用されている。例えば、ウィンドウの“自動完成機能”と類似している。フル入力(フルコードによる入力)時にも索引(例えば、並行入力のための索引)を参照して索引に記憶された語句(単語又は句節)のうち一致する語句を出力し、ユーザに選択/確定を行わせられることは言うまでもない。
次に、これを図4−5〜図4−8の入力システムを基準として説明する。例えば、索引に
と
などの単語が記憶されていると想定する。
まで入力されると、システムは
と一致する単語(すなわち、
から始まる単語として、
…)を適切な形態に出力することができる。携帯電話と類似した環境では入力値によって生成される内容は入力ライン(図13−1において液晶の上端)に示され、索引を参照して出力する候補語句(単語又は句節)は下端にリスト又はリストと類似した形態に出力することができる。ユーザは移動ボタン(ネビゲーションボタン)などを利用して所望の単語を選択したし上確定して入力することができる。携帯電話液晶を例にとって図13−1を参考する。図13−1は、フル入力によって形成される音節と一致する単語を液晶の下端に出力する事例を示す。
ここで、
を入力するに当たり、
まで入力した後、残りの音節を短縮入力(例示において音節基準イニシャル値シンプルコードを利用した短縮入力)によって入力することができる。すなわち、
を入力する。ここで、最初の音節が
であり、残りの音節はイニシャル値が
に対応する単語(すなわち、
)をユーザに提供することができる。
ただし、韓国語の音節のうち約半分は終性(終声)がある音節であり、残りの半分は終声がない音節である。
の場合に“1*05723”を連続的に入力すると、
となる。この場合、システムは
までは正常なフル入力と認識するが、“2”が入力される瞬間、入力値の一部が正常な韓国語音節を形成しないと認識し、このため、音節を形成しなかった残りの部分(例えば、
)を短縮入力と認識することができる。これも先出願で述べられた“並行入力方法(フル(入力)優先並行入力方法)”の範ちゅうに属するものであり、フル入力によって認識された音節
は当然フルコードと認識し、残りの入力値(例えば、
)はシンプルコードと認識する。
ここで、フル入力によって既に形成された音節を含む対応単語(例えば、索引に
が記憶されている場合)を、索引から検索してユーザに提供でき、シンプルコードと認識される入力値に対応する単語(例えば、索引に
が記憶されている場合)をユーザに提供でき、両者を一緒に出力することもできる。両者を出力する場合は、所定の約束(rule;例えば、フルコードと認識された部分を含む単語を優先的に、又は逆に、又は単語の優先順位に基づいて、又は特定のグループに属する単語を優先にして)により、特定の単語を液晶(LCD)の上端(top)に出力することができる。様々な手段が可能であるので、好ましくは、ユーザにこのような出力順序を設定させる。
両者を出力する場合、
に対応する
が液晶の下端(bottom)に出力されたとき、ユーザが
を選択すると、
全体が
に取り替えられ、
を選択すると、これに対応する
が
に取り替えられ、さらに
となる。
ここで、索引に
だけが記憶されていると、入力値“1*05723”の連続入力に対応する
を出力することができない。したがって、システムは追加的に“1*05723”を
に同時に解析し、索引を参照して一致する単語を出力(ユーザに提供)することができる。
に解析することは、短縮入力の開始として認識された
の前の音節が終声子音に終わった場合、その音節を前の子音から除き(すなわち、
)、終声子音を一子音(unit consonant)として
との間に位置させる。これは少し複雑であるが、ハングル構造の基本的な知識を有するものであれば、容易に理解できる。終声が二重子音である場合も上記のことを同様に適用することができる。図13−2は出力の優先順位として、“優先出力として指定された特定グループの単語−フルコードと解析された部分を含む単語−フルコードと解析された部分を含まない単語−…”の順序を適用して候補単語を出力した例を示す。ここで、
は優先出力として指定されたグループに属するもので、最上端(uppermost top)に出力されている。
もしユーザがただ
だけと解析しようとするなら、
まで入力した後、音節確定のための約束の操作(例えば、約束された所定の時間中には無入力、又は右矢印[>]ボタンを1回押すなど)後、“5723”を押すことにより、
だけと解析され、それに対応する単語だけを検索することができる。この場合も既に認識された音節である
を含む
に対応する単語
を出力することもでき、
を除いた
に対応する単語(例えば、
が索引に記憶されている場合)を出力することもでき、両者を一緒に出力することもできる。図13−3を参照する。
ここで、意図的な音節確定のための操作ボタンとして右矢印ボタン(以下、“[>]ボタン”に表記)を1回押すことにより、音節が確定できる。さらに、[>]ボタンは空白ボタン(space button)として活用できる。音節確定時に、空白の入力にそのボタンが適用される。すなわち、もしユーザが
を入力した後に[>]ボタンを1回押すと、音節
が確定され、[>]ボタンをもう1回押すと、
となる。すなわち、“10*>5723”が入力されると、システムはそれを
と認識し、それに対応する単語である
をユーザに提供する。もちろん、システムが図13−3に示した索引を参照する場合、
、までのみ入力されてもシステムは
を出力することは言うまでもない。
このような並行入力方法において、フル入力によって形成された音節を含んで処理する場合は、フル入力中に一致する候補単語が提供されるとき、候補単語のリストからターゲット単語を確定する場合に役に立つ。また、既に形成された音節を除いて短縮入力によって処理される入力値(
、シンプルコードと解釈する入力値)にのみ対応する候補単語を出力する方法は、頻繁に使用される接尾語又は助詞などを短縮入力で迅速に入力するのに役に立つ。例えば、
まで入力後、(所定の手段によって入力内容を確定する)、“
(索引に記憶されているという仮定下で)”を出力するために
を入力する。前述の如く、
のように頻繁に使用される接尾語は、索引において別途のグループ(例えば、接尾語グループ)に記憶し、並行入力における候補単語の出力時、該当グループの単語を優先的に出力することができる。もし
の入力時、索引に
と
の両者が記憶されているなら、
と
が候補単語リストとして出力できる。
もう1つ例を挙げると、
の入力時、
まではフル入力として処理し、適切な音節を形成できない“38”は短縮入力値として処理することができる。同様に索引に
のみがあれば、
が出力される。逆に索引に
のみがあれば、
のみが出力される。もし
の両者があれば、両者が一緒に出力できる。しかしながら、約束(regulations)によって1つ(フル入力として処理した部分を含む/含まない)のみを出力させることが好ましい。また、
の場合、もし
までフル入力として入力した後、
を連続的に入力すると、
となる。したがって、
までフル入力として入力し、
のみを短縮入力で入力するときは、
を入力し、入力された音節
を確定(例えば、音節の終了のために右矢印[>]ボタンを1回押す)した後、
を入力する。ここで、
に対応する索引の他の単語
よりも低い優先順位を有するとしても、索引に
が記憶されているならば、システムは、入力値“5*025*0>38”に対して他の候補単語
よりも優先して
を出力することができる。
さらに、一部の音節を
の如く短縮入力として入力し、一部の音節をフル入力として入力する場合には、システムはそれを
と処理することができる。
まで入力されると、システムはシンプルコード(例えば、音節基準イニシャル値シンプルコード又は音節基準イニシャルコード)“157”を解析し、各音節が
に対応する単語を検索する。さらに“*6”が入力されると、
となり、システムは
という音節の形成を認識することができる。すなわち、システムが既入力の“15”が短縮入力値であることを認識し、さらに“23”が入力されると、適切な音節が形成されないため、システムはそれを短縮入力値として処理できる。また、この事例においてもシステムは、
を一部音節ではフルコードと解析し、一部音節では短縮コードと解析して、それに対応する
をユーザに提供することができる。
前述の如く中国語の一音節は“声母+韻母”からなる。漢語ピン音の表示時に、声母”はローマ字母の子音であり、“韻母”はローマ字母の母音、又は“母音+n”、又は“母音+ng”である。すなわち、ピン音によって表記される中国語漢字の一文字(一音節)はローマ字母の“子音+母音”、又は“子音+母音+n”、又は“子音+母音+ng”からなることがわかる。まれに、母音“a”,“e”、または“o”から始まる音節がありえる。ここで、前述した如く、ピン音の一音節の終わりに位置できるローマ字母の子音はただ“n”又は“ng”だけある。これは韓国語の終声として見なされる。すなわち、終声(一音節の最後の子音)としては“n”又は“ng”だけが可能である。
例えば、ピン音索引に“
(zhonghua)”、“
(minguo)”、“
(zhonghuaminguo)”、…などの単語が記憶されていると仮定すると、“
(zhonghua=49***7739##*、図10−6基準)”まではフル入力によってピン音を入力し、“
(minguo)”のみは短縮入力(例示において短縮入力値として音節基準イニシャル値シンプルコードを利用した短縮入力)によって“mg=73(図10−6基準)”を入力する。“
”の入力に当たり、該当ピン音(“zhonghua=49***7739##*”)の入力後、リストに載っている候補漢字のうちいずれか1つを選択して確定し、その後“mg=73”を入力して良く、ピン音“zhonghua=49***7739##*”入力後、連続的に“mg=73”を入力しても良い。前者の場合は、“73=mg”に対応する“
(minguo)”、
(minge)、…などの単語のみを候補単語として出力することが当然である。また、後者の場合は、入力値“49***7739##*”を“
”と解析し、短縮入力値として認識された“73”に対応する“
”と“
”を出力することが当然である。入力値“49***7739##*73=zhonghua+mg”に対して“49***7739##*7”まで入力されるとき、システムは最後の“7”を正常なフル入力として入力されたピン音声母と認識するが、最後の“3”が入力される瞬間、システムは最後に入力された2つの入力値“73”を短縮入力値と認識する。これは、前述した韓国語の場合と同一である。したがって、システムは入力値“49***7739##*73”に対して、フル入力値“49***7739##*”に対応する“
”と短縮入力値“73”に対応する“
”とからなる単語である“
”を出力することができる。図13−4を参照する。
これに対し、“
”に対して短縮入力として“zh=49”を入力した後、候補単語のうち“
”を選択して入力せずに、連続的に“
”に対してフル入力として“7#773##***”を入力するとき(すなわち、“497#773##***=zhminguo”)でも、“z_h_minguo”に対応する“
”を出力することができる。同様に“
(minguo)”を入力するために“73##***”を入力するとき、“73##***=mguo=m_guo”と解析して“
”を出力することができる。“73”まで入力する瞬間、システムはそれを短縮入力と見なし、“m_g_”に対応する単語を検索して処理するが、次に来る“##***=uo”を2番目の音節を形成する母音として処理する。“mg”の次の“uo”の入力は、“m_g_”に対応する各候補単語を“
”に限定させる役割をする。
その他の手段(短縮入力、フル入力、画を利用した入力などのすべての漢字入力手段の1つ)で漢字“
”を入力し、次いで“
”に対して短縮入力として“73”を入力するとき、システムが単に入力値“73”をシンプルコードと解釈して“m__g__”に対応する単語をユーザに提供するならば、多数の候補単語(例えば、“
(minguo)”、
(minge)、…)のリストの形態に出力する。しかし、“
”が索引に記憶されていれば、“
”が索引に記憶されていることは別にして、“
+mg=
+73”を“
”と解析することが可能である。。この場合、“
”は既に漢字で入力されているので、システムは入力値“mg=73”に対応する“
”を他の候補単語(例えば、“
(minge)”、…)よりも優先的に出力することができる。
ここで、“zhong…”が入力されたとき、システムはそれを“zho”+“n_g_”又は“zhon”+”g_”と解釈することができる。しかし、実際に中国語ピン音に“zho”又は“zhon”からなる音節は存在しないため(すなわち、当然ピン音索引にも含まれていない)、システムは“zhong…”に対して索引を参照して、それを“中”と解析する。もし索引に含まれているなら、“zhong”まで入力されたとき、システムは所定の出力順序により候補単語を出力することができる。図10−6によれば、システムは“zhongg…=49***7733”の入力を“zhonk…”=“zho”+“n_k_”又は“zhon”+“k_”と解析することもできる。これは、前述のように、入力値をフルコードと短縮入力値(シンプルコード)とに同時に解析するための並行入力方法と類似している。
以上、短縮入力値(すなわち、シンプルコード)として、便宜上“音節基準イニシャル値シンプルコード”を使用した事例を提示したが、短縮入力値として“音節基準イニシャルコード”が適用されると、シンプルコード解析のために、図11−3〜図11−10に示された内容を応用することができる。
19.長押しを用いた文字入力方法及び長押しを用いたコントロール処理方法
一般に、1つのボタンを1回押すだけで、1つの対象(例えば、字母、数字、英語を母国語としない言語において英語字母、記号(特殊文字)、機能、各種の用途のコントロールなどを包括して“字母(alphabet)など”と称する。)を表すことができる。ここで、特定のボタンを1回押すが、“長く押す”ことにより、単に1回押すことにより表される対象とは異なる対象を表すことができる。以下、特定のボタンを長く押すことを“長押し”又は“長打ち”と称する。以下では、“長押し”と表されていないものは普通のボタン押下を意味し、特に長押しと対比して説明するときには“短打ち”と称する。以下で、英語の事例での通常の内容を説明し、各言語別に応用事例を例にとって説明するが、ある言語での説明内容が他の言語にも同様に適用可能であるということは言うまでもない。
19.1 英語(及び共通)
19.1.1 長押しを用いた字母の入力
現在、特定の数字ボタンを長く押すことにより、該当数字を入力する方法が用いられている。しかし、必ずしも数字のみが入力可能であるとは限らず、例えば、図1−1において各数字ボタンを1回押すことが、該当ボタンに割り当てられた字母のうち1番目の字母を入力(例えば、[2]番ボタンを1回押すことにより“A”を入力)することであると想定したとき、長押しによって2番目の字母(例えば、“B”)を入力することができる。但し、長押しは入力の自然な流れには邪魔となる要因であるため、頻繁に入力する字母の入力に応用することは好ましくない。このため、長押し(長打ち)による入力は使用頻度が高くない対象を入力するのに適用することが好ましい。また、各ユーザの熟練度によって、できる限り長押しとして認識される時間をユーザが設定するようにすることが好ましい。
本発明においては、長押しを適切に用いるが、これを通じて特定の入力方法の入力ルールを単純化させ、表現範囲を広げると共に、さらには、曖昧さを除去することができることを裏付ける。ここで、便宜上[2]ボタンの長押しを“2”の次に“〜”を付けて“2〜”と表記する。上述したように、既存の反復選択方法の適用時、図1−1において[2]ボタンが3回押されると、“222”が“C”であるか、“AAA”であるか、“AB”であるか、それとも“BA”であるかがまったく分からなくなる曖昧さが生じる。
図1−1において、“A”は[2]ボタンの長押しまたは該当ボタンの1回押し、“B”は“A”入力後に該当ボタンの1回押し、“C”は、“B”入力後に該当ボタンの1回押し(又は、“A”入力後に2回押しも同様である)のように定義する例を取る。同じボタンにある字母が連続して入力される場合には、2番目以降の字母の入力において、長押しで始まるとまた曖昧さ無しに入力することが可能になる。例えば、“DACB”の入力時に、“322〜222〜2”として曖昧さ無しに入力することができ、同じボタンにある“ACB”が連続して出るが、“C”、“B”の入力時に長押しが挟まれることにより、曖昧さ無しに識別可能になるのである。この事例は、既存の反復選択方法とほとんど同様な感じで入力することができ、同じボタンに割り当てられた字母が連続して入力される場合に限って、長押しを用いて曖昧さを除去することが可能であるという効果がある。もちろん、“DACB=322〜222〜2”の事例において、“A”の入力に[2]ボタンの長押し(すなわち、“2〜”)を用いることも可能である。
以上の事例は、特定のボタンに割り当てられた(明示的な割り当て及び黙示的な割り当ての両方を含む)字母のうち任意の字母(例えば、“A”)を代表字母とし、残りの字母を後続する字母(例えば、“B”、“C”)として、後続する字母は代表字母と後続する字母が割り当てられたボタンを所定の回数だけ押すことによって入力することである。すなわち、“A(代表字母)−B(2番目に後続する字母)−C(3番目に後続する字母)”という関係を設定し、“A=2〜”とし、“B=A+2=“2〜2”とし、“C=B+2=A+2+2=2〜22”とする。また、“A”を長押しではなく、普通の押し(すなわち、短打ち)によっても入力できるのは、同じボタンに割り当てられた字母が連続して入力される場合ではなければ、代表字母の入力に当たり、既存の反復選択方法でのように普通の1回押し(すなわち、短打ち)で入力することも可能になるからである。以下、これを便宜上“代表字母の長押しによる反復選択方法”と呼ぶ。
もし、1つのボタンを用いて2つの字母のみを入力するならば、一方の字母を普通の1回押し(すなわち、短打ち)として定義し、他方の字母を長押し(すなわち、長打ち)として定義して入力することができる(例えば、図10−1における“B=1”、“P=1〜”)。しかし、図1−1のように1ボタン当たり3つの字母が割り当てられ(明示的な割り当て又は黙示的な割り当て)ている場合(例えば、[2]ボタン)、第1の字母を1回押しとして定義し(例えば、“A=2”)、第2の字母を長押しとして定義し(例えば、“B=2〜”)、第3の字母を2回押し(例えば、“C=22”)又は長押しと1回押し(例えば、“C=2〜2”)として定義すれば、第3の字母の入力時にも曖昧さが存在することになる。これは、“C=22”として定義した場合に“AA”としても解釈でき、“C=2〜2”として定義した場合に“BA”としても解釈できるからである。この事例において、第1、第2及び第3の字母は任意に定められる。この場合にも、普通の単なる反復選択方法よりも曖昧さが生じうる回数は大幅に減る。
長押しを用いた反復選択方法のメリットは、曖昧さ無しに入力できるという点である。加えて、各ボタンに割り当てられた字母のみならず、数字及び各ボタンに係わる記号まで入力する場合に一層有効である。例えば、任意の“ボタンx”に特定の字母“A1,A2,A3,…”が関連(明示的な割り当て又は黙示的な割り当て)しており、特定の数字“N1”が関連しており、特定の記号“S1,S2,S3,…”が関連しているとする。ここで、“ボタンx”に係わる任意の字母を長押しによって入力すると定義することができる。例えば、字母“A1”を代表字母として定義し、“ボタンx”を長押しによって入力すると定義する。“ボタンx”に係わる“A1,A2,A3,N1,S1,S2,S3”を入力することをグラフで表せば、図14−3の通りである。図14−3から、“A1S1=xx〜xxxx”として、又は、“A1S1=x〜x〜xxxx”として入力されることが分かる。ここで、もし英語を母国語としない言語においては、英語字母“E1,E2,E3,…”をさらに関連付けて入力するようにしても良い。
さらには、“ボタンx”に係わる対象(例えば、“A1,A2,A3,N1,S1,S2,S3”)を入力するに当たり、代表字母の長押しによる反復選択方法ではなく、普通の反復選択方法を適用して関連する数字及び各種の記号(特殊文字)を入力することも可能である。ただし、同じボタンに係わる対象を連続して入力する場合には曖昧さが生じるため、1つの対象を入力した後、“所定時間の遅延”又は区分子(例えば、“並行入力方法における補完事項”の欄で説明した[>]ボタンの1回押し)の入力によって曖昧さの発生を抑える必要がある。例えば、“ボタンx”に“A1,A2,A3,N1,S1,S2,S3”が関連しており、“S1A1”を反復選択方法によって入力する場合、“S1A1=xxxxx>x”により入力されることができる。これは、反復選択方法を適用するに当たり、曖昧さを克服するために用いられる技法であるが、特定のボタンに特定の数字及び記号群まで関連付けて入力可能にしたところに違いがある。
今まで開発されたのは、普通、“ボタンx”に係わる(割り当てられた)自国語字母“A1,A2,A3”がある場合、“x=A”,“xx=B”,“xxx=C”となるか、又は、所定の最大の反復押し回数を超えて(例えば、“ボタンx”が4回押される)押された場合、“xxxx=A”、“xxxxx=B”のように循環トッグルされる程度であった。循環トッグルにしたのは、反復選択方法の適用時の入力エラーの発生時、押していたボタンを反復して押すことにより、さらにターゲット字母を入力可能にする配慮として見られる。しかし、出願人の提案によれば、ボタンの入力を生成中の字母全体の削除ではなく、“最近の入力値”の削除として作用させれば、あえて循環トッグルされる方式を採用しなくても良い。“xx=B”のみ押さなければならないが、誤って“xxx=C”を入力した場合、“xx”をさらに押して“B”を入力することなく、削除ボタンを1回押すことにより、“B”を入力することができるからである。
図14−4は、特定のボタンの短押し後に長押しによって字母を入力する過程を示している。図14−4において、A1,A2,A3,…行は、既存の反復選択方法による入力過程である。B2は、あるボタン(例えば、ボタン“x”)の短く押すことにより、A1が入力されてから、同じボタンの長押しが結合されて入力されるということが分かる。すなわち、“A1=x”、“B2=xx〜”である。ここで、ボタンxの長押しだけでいかなる字母の入力も定義されていなければ、そして、ボタンxを用いて字母A1,B2のみ入力するとすれば、曖昧さ無しに認識できる。ボタンxの長押しがいかなる字母(例えば、字母E1)として定義されているとしても、“A1”と“E1”が同時に出でくる場合がなければ、このような言語制限(A1とE2が同時に出ない言語制限)を用いて曖昧さ無しに、A1,B2,E1を入力することができる。
同様に、図14−4において、“ボタンx”の長押しがいかなる字母の入力としても定義されていない場合、A1,B2,C3は曖昧さ無しに認識できる。さらに、A1,A2,D3の場合には、“A1=x”、“A2=xx=A1A1”であって曖昧さがありうるが、もし、ある言語においてA1が連続して出でこないのであれば、このような言語制限(A1が連続して出ない言語制限)を用いてA1,A2,D3を曖昧さなしに入力することが可能になる。図14−4における方法を、便宜上“短押し後の長押しによる反復選択方法”と呼ぶ。例えば、図10−6において、“i=#”、“u=#〜”として入力すると定め、“##〜”により任意の母音(例えば、“..u”−“u”に上付き“..”がついた字母)を曖昧さ無しに入力することができる(中国語のピン音において、“i”と“u”は連続して出でくることがない)。もちろん、“i”が連続して出てこないため、“##”により他のある対象を入力するようにしても良い。これは、他の言語においても同様に採用可能である。図14−4において、A1,A2,A3行の後順位字母(例えば、S1,S2,S3,…)を入力するのに用いることができる。
19.1.2 長押しを用いたコントロール処理方法
次に、コントロールの選択への応用例を示す。以下の応用例において、コントロールは後で入力されることを想定して説明する。以上の例において、[2]ボタンの短打ち、長打ちの両方が“A”を表すようにしたのは、単に既存の反復選択方法とほとんど同様な感じで入力できる事例を挙げるためである。しかし、特定のボタンの1回押しによって特定の対象を表すこともでき、また、同じボタンの長押しによって他の対象を表すこともできる。例えば、特定のボタン(例えば、[1]ボタン)の1回押しが特定の対象(例えば、任意の“字母x”−ここで、“x”は実際の“x”ではなく、任意の字母を意味する)を表すことができ、長押しが他の特定の対象(例えば、任意の“字母y”)を表すことができる。すなわち、“字母x=1”、“字母y=1〜”のようになる。ここで、例として挙げたある“字母x”と“字母y”は概念的なものであるため、上述した“代表字母の長押しによる反復選択方法”において“A=2〜”又は“A=2”として定義されているとしても、普通の押し(すなわち、短打ち)による“A”は字母xに相当し、長押しによる“A”は“字母y”に相当する。
これは、コントロールの選択時にも同様に適用可能である。例えば、任意のボタン(例えば、コントロールボタンとしての[*]ボタン)の1回押しが特定の対象(例えば、任意の“コントロールa1”)を表すことができ、同じボタンの長押しが他の特定の対象(例えば、任意の“コントロールb1”)を表すことができる。コントロールボタンの反復押しにより“a2コントロール”,“a3コントロール”,…などを選択できる。ここで重要なのは、コントロールボタンの長押しによって“b1コントロール”を選択した後、長押しではなく、反復押しにより“b2コントロール”,“b3コントロール”,“b4コントロール”,…などを選択することができることである。同様に、曖昧さは生じない。これは、上述した例示において、代表字母“A”のみを長押しにより入力し、残りの後続する字母の選択に当たり、短打ちを組み合わせるようにした事例を参照することができる。
便宜上、特定のボタン(例えば、[1]ボタン)と“b1コントロール”の組み合わせによって入力される対象を“B1”のように表せば、下記のようになる。
“A1=x+{a1コントロール}=1*”,“A2=x+{a2コントロール}=1**”,“A3=x+{a3コントロール}=1***”,…
“B1=x+{b1コントロール}=1*〜”,“B2=x+{b2コントロール}=1*〜*”,“B3=x+{b3コントロール}=1*〜**”,…
もちろん、b1,b2,b3コントロールの選択にそれぞれ長打ち1回、長打ち2回、長打ち3回を適用することも可能である。しかし、当然のことながら、長押しを頻繁に用いることは好ましくない。B1,B2,B3,…の事例のように、コントロールボタンの1回の長押し後に普通の押しによって入力することを便宜上“長押し後の反復押し”とし、このようなコントロール処理方法を“長押し後の反復押しによるコントロール処理方法”とする。A1,A2,…系は、既に提示されたコントロール処理方法を意味し、B1,B2,…系は、“長押し後の反復押しによるコントロール処理方法”を意味する。以上の内容をグラフで示せば、図14−1の通りである。以上の内容は代表字母の長押しによる反復選択方法でのように、最初のコントロール選択にのみ1回の長押しを適用して拡張した事例である。加えて、図14−2でのように、長押しを挟みこむことで、各種のさらなる拡張(例えば、C系、D系)が可能である。
ここで、コントロールボタンではなく、ボタン(例示における[1]ボタン)の長押しを適用(例えば、“字母y”)すれば、他の対象が表せるということは言うまでもない。さらには、長押しを用いた反復選択方法(例えば、“A=2〜”,“B=2〜2”,“C=2〜22”)によりキーパッドの各ボタンに表示された字母(図1−1における3字母)を曖昧さ無しに識別できるとしたため、数字ボタンの操作によって選択可能な3通りの字母の選択後にコントロールボタンの反復押し、又は、長押し後の反復押しによって相異なるグループの変形字母を入力することができる。すなわち、図1−1において、“A”入力後のコントロールボタンの反復押しによって特定のグループ(例えば、グループ1)の字母(記号、数字、母国語、英語字母などを包括する意味)を入力するようにしてもよく、“長押し後の反復押し”によって他の特定のグループ(例えば、グループ2)の字母を入力するようにしても良い。同様に、“B”入力とコントロールボタンの反復押しの組み合わせによってグループ3の字母を入力することができ、長押し後の反復押しによって他のグループであるグループ4の字母を入力することができる。図1−1のキーパッドのボタン上に示された3通りの字母に対してだけではなく、任意のルール(例えば、“2〜222”)を定め、これに対してコントロールボタンの反復押しと長押し後の反復押しなどによって任意のグループの字母を入力するようにしても良い。
長押し後の反復押しによるコントロール処理方法は、韓国語の事例(図4−5〜図4−8)及び日本語の事例(図2−1、図2−2)などに示すように、コントロールボタンが基本的な母国語の入力に必要となる場合、文章中に間欠的に使われる数字の入力及び英語字母(英語を母国語としない言語において)の入力などに極めて役立つ。以下、各言語別の応用例を簡単に説明するが、ここで言及されていない言語に対しても本発明は適用可能である。
19.2韓国語
図4−5〜図4−8の事例において、変形字母(例えば、激子音/硬子音及び脱落子音)を基本子音が属するボタンの反復押しによって入力(例えば、
または
)する場合にも同様に適用可能である。すなわち、同じボタンに属する字母が連続して出てくる場合、2番目以降に出てくる字母の入力に際し、長押しによって入力するのである。例えば、図4及び図5において、[1]ボタンの連続押しを
として定義すれば、
が連続して出てくる場合、
ではなく、
として認識されることがあるが、このときにも、2番目の
の入力時に長押しにより入力すれば、
として認識できる。すなわち、
において2番目の音節の
の入力時に長押しを用いるのである。
の入力時にも2番目の音節の
の入力に長押しを用いて
として入力するのである。これは、変形字母をコントロール処理方法によって入力することと選択的に(2通りのうち1つのみ、又は、両方とも)適用可能である。
代表字母ではなく、一部の字母を長押しにより入力する事例として、激子音又は硬子音のうち一方を長押しによって入力することができる。例えば、激子音を長押しによって入力することと定義すれば、硬子音(双子音)は基本子音の組み合わせにより入力可能である。もちろん、先出願に開示されているように、
の場合、
となる曖昧さがある。
同様に、母音と共に割り当てられた子音(例えば、図4−5、図4−6における[0]ボタンに割り当てられた
)の入力に長押しを応用することができる。すなわち、
のようになる。出願人の私見によって、先出願に既に提案されているように、図4−5を基準として
、
又は
として入力することが、長押しを用いた方よりも入力効率面で良好であると思われる。既に提案されている脱落子音(例えば、
)の入力方法及び長押しによる入力方法が選択的に適用可能である。
次に、“長押し後の反復押しによるコントロール処理方法”の応用例を示す。出願人による代表的な韓国語の入力システムは、ホームページhttp://www.simplecode.netにシミュレータと共に紹介(古語、記号の入力及び並行入力技術まで紹介)されており、併せて、数字及び英語字母の入力もモードの切り換えなしに行えるということが開示されている。
当業界における関係者からモードの切り換え無しに数字及び英語の入力技術まで提供してほしいという要求があり、やむを得ず本出願に想到したということを明らかにしておく(参考までに、大変残念ながらも、このような要請をした会社は、出願人の韓国語の入力技術を採択しないことになった)。
入力における通常の使用頻度は、“自国語字母−各種の記号(特殊文字)−数字−英語字母”の順番である。図4−5などに示すように、数字及び英語を入力するために用いられるコントロールボタンがない状態である。ここで、数字ボタンと[*]ボタンの長押し(すなわち、“*〜=数字コントロール”)を組み合わせて数字を入力することが可能である。すなわち、“数字1=1*〜”とするのである。[*]ボタンは一次的に母音ボタンであると同時に、コントロールボタンとしても用いられる。[*]ボタンの1回押しは母音
を表すが、[*]ボタンの1回の長押しは任意の対象(例示においては、“数字コントロール”)を表すことができるからである。
英語字母の入力は、各種の方法により行うことができる。例えば、“A=2#〜”,“B=2#〜#”,“C=2#〜##”として定義することができる。“2#〜#”の入力に対して“A”と母音
として認識されず、“B”として認識されるのは、韓国語において母音
で始まる音節がない性質(一種の韓国語制限)を用いるからである。もし、[#]ボタンの長押しおよび反復押しを他の用途として用いるならば、英語字母を数字の後続する字母としてみなして“A=2*〜*”又は“A=2*〜#(クロスコントロール処理方法)”として、“B=2*〜**”又は“B=2*〜##”などのように各種に定義できる。
長押しによるコントロール処理方法の事例をさらに提案する。図4−5〜図4−8において、母音
が割り当てられたボタンの反復押しによって
を入力する
と定義すれば、字母の入力に最大3打ち(すなわち、最大可能な反復回数)の[*]ボタンの連続押しが必要となる。この場合、激音コントロールは“最大可能な反復回数+1”回押し(すなわち、[*]ボタン4回)によって選択できる。“すなわち、
である。この場合、連続して4回押す負担を軽減するために、“激音コントロール=*〜”として
として定義することができる。これは、硬子音および変形字母として見なす脱落子音に対しても同様に適用可能である。また、コントロール処理方法において、激音コントロールを反復選択方法によって選択するあらゆる場合にも適用することができ、長押しによる変形字母の入力及び既存の反復押しによる変形字母の入力が選択的(両者のうち一方のみ、又は両方とも)に行えることは言うまでもない。この場合、数字の入力は他のボタン(例えば、[#]ボタン)を用いれば良い。
19.3日本語
図2−1、図2−2に示す日本語の事例のように、後続する字母が多数であるが、反復選択方法によって後続する字母を入力時に有効である。すなわち、“あ=1”または“あ=1〜”として、“い=1〜1”,“う=1〜11”,“え=1〜111”,“お=1〜1111”として定義するのである。上述したように、同じボタンに割り当てられた字母が連続して出てくる場合、同じボタンに割り当てられた字母のうち2番目に出てくる字母のみ長押し(すなわち、“1〜”)を用いて入力し、そうでない場合には、単に1回押しによって入力しても曖昧さが生じない。しかし、図2−1、図2−2に示す日本語の事例において、後続するコントロール処理方法を適用することにより、少ない入力打数で曖昧さ無しに入力することができる。この方法は、代表字母の長押しによる反復選択方法と一緒に適用可能である。
代表字母の長押しによる反復選択方法を適用せず、コントロール処理方法により後続する字母を入力する事例において、長押しを用いて変形字母を入力することである。図2−2において、コントロール処理方法によって後続する字母の入力時、図2−3でのように代表字母(例えば、“は”)の変形字母(例えば、“ば”、“ぱ”)の入力時、入力打数がやや多くて不自然になることが分かる。この場合、該当ボタン(図2−2における[6]ボタン)の長押しを代表字母の変形字母(例えば、“ば”)として定義することができる。残りの変形字母は、“ぱ=ば+所定のコントロールボタン(例えば、[*]ボタン)=6〜*”として定義することができる。
ここで、字母が割り当てられたボタンの長押しを用いて変形字母を入力しなければ、代表字母の長押しによる反復選択方法とコントロール処理方法による後続する字母の入力を同時に適用することができる。変形字母(例えば、“ば”、“ぱ”)の入力は任意のコントロールボタン(例えば、[*]ボタン)の長押しと代表字母“は”の組み合わせにより“ぱ”を入力するように設定できる。すなわち、“ば(任意の変形字母)=は+*〜=6*〜”として、“ぱ(任意の他の変形字母)=は+*〜*=6*〜*”として定義することができる。もし、“は”の変形字母が多数である場合にも、“6*〜**”,“6*〜***”,…のように長押し後の反復押しを用いて曖昧さ無しに入力するように設定できることはいうまでもない。“*”と“*〜”が相異なる対象を表すように、“**”と“*〜*”が相異なる対象(ここでは、任意のコントロール)を表すことができるからである。
ここで重要なのは、長押しによって任意のコントロールを選択できるだけではなく、1回の長押し後に長押しに用いられたボタン(例えば、コントロールボタン)の反復押しによって曖昧さ無しに他の対象(例えば、任意のコントロール)を表すことができるという点である。
同様に、数字及び英語字母の入力に当たり、韓国語の欄で説明したことを応用することができる。例えば、“数字2=2#〜”として定義することができ、“A=2#〜#”,“B=2#〜##”,…のように定義することができる。
19.4中国語
図10−1〜図10−6などのキーパッドにおいて、曖昧さ無しに(又はほとんど曖昧さ無しに)中国語のピン音を入力できることを述べた。しかし、“b_b_”よりなる単語(下線は母音よりなるピン音音節)を短縮入力するために、“bb=11”を入力時、中国語のピン音において“bb”が連続して出てこない言語制限が適用されれば、“11=p”として認識できる。この場合、上述したように、“b=1”を入力後に所定の時間遅延又は特定の操作(例えば、[>]ボタン押し)によって意図的に入力値“1”を“b”として確定した後、“b=1”を入力しなければならない。同様に、同じボタンに割り当てられた字母を連続して入力する場合に生じる曖昧さの問題としてみることができる。この場合にも、代表字母の長押しによるコントロール処理方法を適用して([1]ボタンの代表字母“b”を“b=1〜”に)解決することができる。例えば、“bb=1〜1〜”又は同じボタンに割り当てられた字母が連続して出てくるとき、2番目以降にある字母の入力に長押しを適用して“bb=11〜”にできるのである。
次に、数字と記号を入力することを図10−6に基づいて説明する。中国語における英語の入力は、英語字母の入力後にこれを漢字に変換しなければ良いため、あえて言及の必要はないと思われる。図10−6に基づいて“数字1=1*〜”のように定義することができる。図10−6において、[*]ボタンの1回押しは“a”として認識するが、長押し(“*〜”)は別の対象(例示において、“数字コントロール”)を表すことができるからである。図10−6において、各種の記号の入力には[#]ボタンの長押しおよび反復押しを用いたコントロール処理方法を適用することが好ましい。例えば、[2]ボタンに点(.)、コンマ(,)、コロン(:)、セミコロン(;)などを結び付け、“点(.)=2#〜”、“コンマ(,)=2#〜#”、“コロン(:)=2#〜##”、“セミコロン(;)=2#〜###”のように定義することができる。“2#〜#”が“点(.)+i”として認識されず、“コンマ(,)”として認識できるのは、中国語のピン音が“i”で始まらない中国語の制限を用いるからである(韓国語における事例を参照)。同様に、“2#〜##”も“点(.)+i+i”又は“コンマ(,)+i”として認識されず、“コロン(:)”として認識できる。もし、“点(.)+i”を入力したいならば、上述したように、“2#〜”まで入力後所定の時間経過後に“点(.)”の確定後、又は特定の操作(例えば、[>]ボタン押し)によって“点(.)”の確定後に“#=i”を入力すれば良い。
図10−6において、特定のグループの記号の入力に[*]ボタンを用いないのは、稀ではあるが、“a”,“e”,“o”などで始まるピン音があるため、“長押し後の反復押し”を用いるとき、曖昧さが生じる可能性があるからである。数字の場合には1つずつ存在するため、[*]ボタンの長押しを1回だけ組み合わせれば良い。図10−1〜図10−5の場合、[*]ボタンと[#]ボタンに割り当てられた“i”と“u”で始まるピン音がないため、[*]ボタンと[#]ボタンを用いて長く押した後、反復押しを用いたコントロール処理方法により数字、記号などを入力することが常に可能である。
以上の内容は、図10−1〜図10−6のキーパッドのみならず、他のキーパッドにも同様に適用可能であることは言うまでもない。
19.5ローマ字を用いる言語
ローマ字を用いるヨーロッパ言語において、基本字母に上付き(又は下付き)がついた変形字母が多数存在する。上述したように、各種の長押しを変形字母の入力及び特殊文字の入力などに適用することができる。