JP2006515823A - 押圧ロッドと一体となった減圧ピストンを備える倍力ブレーキ - Google Patents
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Abstract
本発明は、フィーラ42、反力ディスク28及び押圧ロッド52によってマスターシリンダ14の第1ピストン54を作動させることができる倍力器を備えた倍力ブレーキを提供するものであり、ロッドの内部にはバネ70によって弾性的に戻る減圧ピストン62が収容され、減圧ピストンは入力の強さに応じて異なる2つの倍力比を提供するために少なくとも2つの枝部64を備えている。
Description
本発明は、自動車のための倍力ブレーキに関する。
本発明は、より詳細には、自動車のための倍力ブレーキに係り、この形式の倍力ブレーキは、マスターシリンダを作動させる空圧ブレーキ倍力器を備えており、この形式の倍力器は剛性ケーシングを備え、その内部では第1の圧力がかかる前方チャンバと第2の圧力がかかる後方チャンバとを密封状態で画成する横断仕切壁が移動でき、前記第2の圧力は前記第1の圧力とこの第1の圧力よりも高い圧力Paの間で変化でき、この形式の倍力器は、前記移動仕切壁に固定された移動ピストンを備え、この移動ピストンは反力ディスクによってマスターシリンダの第1ピストンに作用できる前面を備え、前記反力ディスクは移動ピストンと第1ピストンの間に介挿されたケージに収容されており、この形式の倍力器は、戻しバネによって制御ロッドにかかる戻し力に抗して前方に向かってかかる軸方向入力の関数として選択的に前記ピストン内で移動する制御ロッド32を備え、この形式の倍力器は、前記ピストン内で前記制御ロッドの前方に配置されるプランジャを備え、プランジャはその後端に三方弁の少なくとも1つの環状後方座を備え、この三方弁は、制御ロッドが非作動中で前方チャンバと後方チャンバとが連通する位置と、制御ロッドが作動して後方チャンバに広がる第2圧力が増大する位置との間で連続的に移動でき、前記三方弁は前記後方チャンバを前記第1の圧力よりも高い圧力に連通状態に置き、この形式の倍力器は、前記プランジャの前方端に配置され前記ピストンから延びる内孔を貫通し、前記制御ロッドが非作動位置にある場合に、前記反力ディスクから所定のジャンプ距離の位置に配置され、前記制御ロッドが第1の所定強度よりも大きな強度の入力で作動した場合に、前記マスターシリンダの反力を前記プランジャ及び制御ロッドへ伝達するように前記反力ディスクと接触することができ、前記フィーラが前記反力ディスクに接触する面積に対する前記反力ディスクが前記ケージに接触する面積の割合が第1の所定倍力比を画定し、この形式のケージは、少なくとも1つの移動減圧壁46を備え、前記制御ロッドが第1の所定強度入力よりも大きな強度の第2の所定強度入力よりも大きな強度の入力で作動した場合に、前記ケージ内に追加容積を生成できるように移動でき、その追加容積内では前記反力ディスクの前方部が前記反力ディスクの後面によって前記フィーラへ伝達される反力を低減するために拡がることができ、前記フィーラが前記反力ディスクに接触する面積に対する前記反力ディスクが前記ケージに接触する面積の割合が第2の所定倍力比を画定し、これは前記第1の所定倍力比よりも大きい。
この形式の倍力ブレーキの多くの例が知られている。
そのような倍力ブレーキにおいて、移動減圧壁は一般的にケージに取り付けられる装置の一部を形成し、反力ディスクとマスターシリンダの第1ピストンとの間に介挿される。
そのような倍力ブレーキにおいて、移動減圧壁は一般的にケージに取り付けられる装置の一部を形成し、反力ディスクとマスターシリンダの第1ピストンとの間に介挿される。
この装置は一般的に、反力ディスクに取り付けられた一面を有するハウジングからなり、この面の一部は円筒状減圧ピストンの通路を提供するために穿孔され、減圧ピストンは実質的にフィーラの軸線内で反力ディスクと接触して配置されている。減圧ピストンは螺旋バネによって反力ディスクに向かって弾性的に戻され、螺旋バネはハウジング内に収納され、減圧ピストンと略同直径を有している。入力の強度が第2の所定強度を超えた場合、減圧ピストンはハウジングに押し戻され、螺旋バネを圧縮し、こうして反力ディスクが減圧されるように自由容積を作り出す。
この設計は、空間の要件の観点から不利な点を有している。
具体的に、この設計は減圧ピストンと実質的に同じ直径を有する螺旋バネの使用が必要となる。従って、減圧ピストンの直径を低減すること無く螺旋バネの直径を低減することができない。その結果、反力ディスクの適切な減圧を達成するのに十分な減圧容積をケージ内に作り出すための適当な表面積は最早有していない。
具体的に、この設計は減圧ピストンと実質的に同じ直径を有する螺旋バネの使用が必要となる。従って、減圧ピストンの直径を低減すること無く螺旋バネの直径を低減することができない。その結果、反力ディスクの適切な減圧を達成するのに十分な減圧容積をケージ内に作り出すための適当な表面積は最早有していない。
一方、適切な寸法の減圧ピストンの使用では、例えば、ケージとマスターシリンダの第1ピストンとの間に介挿された押圧ロッドに収容されるべきハウジングのための十分小さな直径の螺旋バネを使用することは不可能である。
この欠点を解消するために、本発明は反力ディスクのための適当な減圧容積を作り出すことができる大きな表面積の減圧ピストンを備えるにも拘わらす、小さな寸法の螺旋バネを使用できる倍力ブレーキを提供する。
このために、本発明は上記形式の倍力ブレーキを提供し、倍力ブレーキは、前記反力ディスクと前記マスターシリンダの第1ピストンとの間に介挿された独立の押圧ロッドを備え、押圧ロッドは、前記反力ディスクと接触配置された後面を有する後部を備え、この後部には後面に向いて対応する減圧ピストンを収容する所定の横断寸法の開口を有し、前記減圧ピストンは少なくとも2つの半径方向枝部と後面とを備え、その後面が移動減圧壁を形成し、更に管状前方部66を備え、その内孔は開口の前方端に向かい、前記所定横断寸法よりも小さな直径を有し、前記減圧ピストンの戻しロッドを収容している螺旋バネを収容し、最大横断寸法の減圧ピストンと最小直径の押圧ロッドを提供することを特徴とする倍力ブレーキである。
本発明の他の特徴によれば、前記前方部と後方部との接合部において、
前記前記後方部は前記減圧ピストンの戻しバネのための軸方向ストッパを形成する少なくとも1つの面を備え、その面は前記減圧ピストンの1つの連なる枝部の間に角度を持って配置され、前記内孔の内部に横断的に突き出て、
前記前方部は前記減圧ピストンのための軸方向ストッパを形成する少なくとも1つの面を備え、その面は前記減圧ピストンの2つの枝部の内の少なくとも1つの軸方向連続部に配置され、前記開口の内部に突き出し、
前記減圧ピストンの前記各枝部の前方端は、前記螺旋バネのための少なくとも1つの支承面を備え、その支承面は前記管状前方部の直径に従って構成され、
前記減圧ピストンの前記各枝部の前方端は、前記前方部の軸方向ストッパ面と相互作用する少なくとも1つの軸方向ストッパ面を備え、
前記減圧ピストンの戻しロッドは、前記螺旋バネの内径に実質的に対応した直径を有し、
前記押圧ロッドは、前記螺旋バネと前記減圧ピストンの支承面との間に取り付けられ、前記前方部の内孔の外径に対応する外径を有し、前記減圧ピストンの戻しロッドの内径に対応する内径を有する支承ワッシャを備え、
前記押圧ロッドは、前記前方部の一部分を構成する管状前方部と、前記前方部の他の部分と後方部とを構成する後方部分とを備え、
前記前方部は、前記後方部の前方端内孔にきつく固定され、
前記前方部は、前記螺旋バネの予荷重が調整されるように可変の軸方向位置において、前記後方部の円筒状前方端支承面に把持され、
前記管状前方部は、その前方端に前記押圧ロッドを前記マスターシリンダの第1ピストンに押し付けるのを可能にする軸方向フィンガ部材を備え、
前記減圧ピストンは、均等に角度配置された3つの枝部を備え、
前記減圧ピストンは、前記後方部の後面の周囲まで半径方向に延びる2つの対向する枝部を備えている。
前記前記後方部は前記減圧ピストンの戻しバネのための軸方向ストッパを形成する少なくとも1つの面を備え、その面は前記減圧ピストンの1つの連なる枝部の間に角度を持って配置され、前記内孔の内部に横断的に突き出て、
前記前方部は前記減圧ピストンのための軸方向ストッパを形成する少なくとも1つの面を備え、その面は前記減圧ピストンの2つの枝部の内の少なくとも1つの軸方向連続部に配置され、前記開口の内部に突き出し、
前記減圧ピストンの前記各枝部の前方端は、前記螺旋バネのための少なくとも1つの支承面を備え、その支承面は前記管状前方部の直径に従って構成され、
前記減圧ピストンの前記各枝部の前方端は、前記前方部の軸方向ストッパ面と相互作用する少なくとも1つの軸方向ストッパ面を備え、
前記減圧ピストンの戻しロッドは、前記螺旋バネの内径に実質的に対応した直径を有し、
前記押圧ロッドは、前記螺旋バネと前記減圧ピストンの支承面との間に取り付けられ、前記前方部の内孔の外径に対応する外径を有し、前記減圧ピストンの戻しロッドの内径に対応する内径を有する支承ワッシャを備え、
前記押圧ロッドは、前記前方部の一部分を構成する管状前方部と、前記前方部の他の部分と後方部とを構成する後方部分とを備え、
前記前方部は、前記後方部の前方端内孔にきつく固定され、
前記前方部は、前記螺旋バネの予荷重が調整されるように可変の軸方向位置において、前記後方部の円筒状前方端支承面に把持され、
前記管状前方部は、その前方端に前記押圧ロッドを前記マスターシリンダの第1ピストンに押し付けるのを可能にする軸方向フィンガ部材を備え、
前記減圧ピストンは、均等に角度配置された3つの枝部を備え、
前記減圧ピストンは、前記後方部の後面の周囲まで半径方向に延びる2つの対向する枝部を備えている。
本発明のその他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明を読めば明らかになるであろうし、添付図面を参照することによって理解されるであろう。
詳細な説明において、以下同じ参照符号は同じか或いは同様の機能を有する構成要素を示す。
取り決めによって、語句「前方」、「後方」、「上方」及び「下方」はそれぞれ図の左方、右方、上方及び下方に向かう要素又は位置をそれぞれ示している。
取り決めによって、語句「前方」、「後方」、「上方」及び「下方」はそれぞれ図の左方、右方、上方及び下方に向かう要素又は位置をそれぞれ示している。
図1は、自動車のための完全な倍力ブレーキ(boosted brake)10を示している。
知られた態様で、倍力ブレーキ10は、マスターシリンダ14を作動させるための空圧ブレーキ倍力器(pneumatic brake booster)12を備えている。倍力器12は剛性ケーシング16を備えている。剛性ケーシング16の内部では、第1圧力P1がかかる前方チャンバ20と第2圧力P2がかかる後方チャンバ22とを密封状態で画成する横断仕切壁18が移動できる。第1圧力P2は、第1の圧力P1と第1の圧力P1よりも高い圧力Paとの間で変化する。
知られた態様で、倍力ブレーキ10は、マスターシリンダ14を作動させるための空圧ブレーキ倍力器(pneumatic brake booster)12を備えている。倍力器12は剛性ケーシング16を備えている。剛性ケーシング16の内部では、第1圧力P1がかかる前方チャンバ20と第2圧力P2がかかる後方チャンバ22とを密封状態で画成する横断仕切壁18が移動できる。第1圧力P2は、第1の圧力P1と第1の圧力P1よりも高い圧力Paとの間で変化する。
知られた態様で、倍力器12は可動仕切壁18に固定された移動ピストン24を備えている。移動ピストン24は反力ディスク28によってマスターシリンダ14の第1ピストンに作用できる前面26を備えている。反力ディスク28はケージ30内に収容されており、ケージ30は移動ピストン24と第1ピストン(図示略)の間に介挿されている。
倍力器12は、ピストン24内で、選択的に戻しバネ34によってロッド32にかかる戻し力に抗して前方へ向かってかかる軸方向入力の関数として移動する制御ロッド32も備えている。
倍力器12はピストン24内の制御ロッド32の前方に配置されているプランジャ36を備えている。プランジャ36はその後端38に三方弁40の少なくとも1つの環状後方座面を備えている。三方弁40は、制御ロッド32が非作動中に前方チャンバ20と後方チャンバ22とが連通している位置と、制御ロッド32が作動して後方チャンバ22内に第2圧力P2がかかる位置との間で連続的に移動でき、弁40は後方チャンバ22を第1圧力より高い圧力Paに連通させる。
倍力器12は、プランジャ36の前方端に配置されピストン24から延びる内孔44を通過するフィーラ(feeler)42を備えている。フィーラ42は、制御ロッド32が非作動位置にある場合には反力ディスク28から所定のジャンプ距離の位置に配置され、制御ロッド32が第1の所定強度よりも大きな強度の入力で作動した場合にはジャンプ距離を超えて反力ディスク28に接触し、マスターシリンダ14の反力をプランジャ36と制御ロッド32に伝えるようになる。
このような構成で、フィーラ42が反力ディスク28に接触する面積に対する反力ディスク28がケージ30に接触する面積の割合は、知られた態様で第1所定倍力比を画定する。
この知られた設計の不利な点は、制御ロッドに第1の所定強度よりも大きな強度の入力が急激に作用した場合、前方チャンバ20と後方チャンバ22の間の圧力バランスの遅れにより、移動ピストン24によって運転者のブレーキ力を十分に増圧できず、また、反力ディスク28によりカスターシリンダ14が制御ロッド32に加える反力を解消しなければならない。
この不利な点を解消するために、上記した形式の倍力ブレーキ10(図示略)が提供され、それは少なくとも1つの移動減圧壁を備えたケージ30が設けられている。移動減圧壁は、制御ロッド32が第1所定強度よりも大きな第2所定強度よりも大きな強度の入力が作用した場合に、ケージ30内に追加容積を形成するように動くことができ、その内部で反力ディスク28の前方部がフィーラ42に対して拡がることができるようになっている。
このような態様において、反力ディスク28の後方部は、フィーラ42のレベルで局所的に減圧でき、反力ディスクの後面によってフィーラ42へ伝達される反力を低減することが可能となる。
また、このような構成において、反力ディスクに接触しているフィーラ42の面積は小さいので、所定の倍力比が増大する。従って、この第2の倍力比は第1の倍力比よりも大きい。
そのような倍力ブレーキにおいて、移動減圧壁は一般的に減圧装置の一部を形成し、減圧装置はケージに取り付けられ、反力ディスクとマスターシリンダの第1ピストンの間に介挿される。
この倍力ブレーキ(図示略)は一般的に、マスターシリンダの第1ピストンに固定されたハウジングを備えており、そのハウジングの一面は反力ディスクに取り付けられ、また円筒状減圧ピストンの通路とするために部分的に穿孔されている。円筒状減圧ピストンも反力ディスクに接触配置されている。減圧ピストンはハウジング内に収容され減圧ピストンと実質的に同じ直径を有する螺旋バネによって反力ディスクに向かって弾性的に戻される。入力の強度が第2所定値を超えた場合、減圧ピストンはハウジング内に押し戻され、螺旋バネを圧縮し、そして反力ディスクが減圧されるための自由空間を作り出す。
この設計は空間の要件の点で多くの不利な点がある。
具体的には、この設計は減圧ピストンと実質的に同じ直径の螺旋バネの使用を必要とする。従って、減圧ピストンの直径を低減すること無しに螺旋バネの直径を低減することはできない。その結果、反力ディスクの適切な減圧を成し遂げるための十分な減圧容積をケージ内に作り出すための適当な表面積を持つことができない。
具体的には、この設計は減圧ピストンと実質的に同じ直径の螺旋バネの使用を必要とする。従って、減圧ピストンの直径を低減すること無しに螺旋バネの直径を低減することはできない。その結果、反力ディスクの適切な減圧を成し遂げるための十分な減圧容積をケージ内に作り出すための適当な表面積を持つことができない。
一方、適当な寸法の減圧ピストンの使用は、例えばケージとマスターシリンダの第1ピストンの間に介挿される押圧ロッドと一体形成できるハウジングに対して十分小さな直径の螺旋バネを使用することを不可能にする。
この欠点を解消するために、図2及び後続の図に示すように、本発明は小型の減圧装置を備えた上記形式の倍力装置10を提供する。
知られた態様において、倍力ブレーキ10はピストン24内に形成されるケージ30を備え、ケージの少なくとも1つの移動減圧壁46は、制御ロッド32が第1所定強度よりも大きい第2所定強度よりも大きい強度の入力で作動した場合に、ケージ30内に追加容積を作り出すように移動することができる。追加容積内では、反力ディスク28の前方部48が、反力ディスク28の後面50によってフィーラ42へ伝達される反力を低減するために拡がることができる。
知られた態様において、倍力ブレーキ10はピストン24内に形成されるケージ30を備え、ケージの少なくとも1つの移動減圧壁46は、制御ロッド32が第1所定強度よりも大きい第2所定強度よりも大きい強度の入力で作動した場合に、ケージ30内に追加容積を作り出すように移動することができる。追加容積内では、反力ディスク28の前方部48が、反力ディスク28の後面50によってフィーラ42へ伝達される反力を低減するために拡がることができる。
より詳細には、図2及び後続の図に示す本発明によれば、倍力器12は独立の押圧ロッド52を備えており、それは反力ディスク28とマスターシリンダ14の第1ピストン54の間に介挿され、押圧ロッド52は反力ディスク28と接触して配置されている後面58を有する後方部56を備えており、押圧ロッド52内には対応する横断寸法Eで定義される減圧ピストン62を収容する後面58に延びる開口60が形成され、減圧ピストン62は少なくとも2つの半径方向枝部64及び移動減圧壁46を形成する後面とを有している。
図7A及び図7Bは、角度的に均等に配分された3つの半径方向枝部64を備えたピストン62の第1の実施形態を示している。図9A及び図9Bは、後方部56の後面58の周囲部まで半径方向に延びる2つの半径方向枝部を備えた本発明の第2の実施形態を示している。
これらの構成は本発明を限定するものではなく、ピストン62はより多数の枝部64、例えば、4つ、5つ或いは6つの半径方向枝部64を備えてもよいことは理解するべきである。
独立の押圧ロッド52は、管状前方部66も備えており、その内孔68は開口60の前方端まで延び、所定の横断寸法Eより小さな直径Dを有しており、減圧ピストン62の戻しロッド72を収容する螺旋バネ70を収容している。望ましくは、減圧ピストンの戻しロッド72は、螺旋バネ70の内径に実質的に対応した直径を有している。
このように、倍力ブレーキ10は最大横断直径Eの減圧ピストン62と、その内孔68の直径Dに実質的に近接した最小直径の押圧ロッド52とを提供する。
前方部66及び後方部56は、それぞれ内孔68と開口60と協働し、それらは独立である必要ないことは理解されるであろう。従って、本発明の望ましい実施形態では、押圧ロッド52は前方部66の一部分を構成する管状前方部67と内部に前方部66の他の部分を備える後方部57とを備え、従って、内孔68の他の部分及び後方部56を備える。
前方部66及び後方部56は、それぞれ内孔68と開口60と協働し、それらは独立である必要ないことは理解されるであろう。従って、本発明の望ましい実施形態では、押圧ロッド52は前方部66の一部分を構成する管状前方部67と内部に前方部66の他の部分を備える後方部57とを備え、従って、内孔68の他の部分及び後方部56を備える。
より詳しくは、図7Aと図9Aに示すように、前方部66と後方部56の接合部において、後方部56は減圧ピストン62の戻しバネ70のための軸方向ストッパを形成する少なくとも1つの面74を備えている。
開口60の端部に配置された面74は、減圧ピストン62の連続する2つの枝部64の間に角度をもって配置され、内孔68の内部に横断的に突き出ている。こうして、図3〜図7Bに示されるように、3つの枝部64を有するピストン62と協働する後方部57は、ピストン62の3つの枝部64に対応する開口60の3つの枝部の間に置かれる3つの面74を備え、それと共に、図8〜図9Bに示すように、2つの枝部64を有するピストン62と協働する後方部57はピストン62の2つの枝部64に対応する開口60の2つの枝部の間に置かれる2つの面を備えている。
また、図3〜図6、図7B、図8及び図9Bに示すように、前方部66は後方部57に少なくとも1つの面76を備え、その面76は減圧ピストン62のための軸方向ストッパを形成する。面76は減圧ピストン762つの枝部64の少なくとも1つの軸方向連続部に配置され、開口60の内部に突き出る。従って、各後方部57は、ピストン62が備える枝部64と同じ数のストッパ面76を備える。図7A及び図9Aに示すように、単純な形状で軸方向に小型のピストン62を維持すると共にピストン62を戻すことができるように、減圧ピストン62の各枝部64の前端部は螺旋バネ70のための少なくとも1つの支承面78を備え、その支承面78は管状前方部66の直径に応じて構成されている。
本発明の第1及び第2実施形態を引用して説明した構成において、面78はピストン62の枝部64の全体にわたって配置されている。従って、図7Aのピストン62は3つの面78を備え、図9Aのピストン62は管状肩面の形態に成形された面78を備えている。
バネ70は面78に直接当接しているが、押圧ロッド52は螺旋バネ70と減圧ピストン62の支承面78との間に取り付けられる支承ワッシャ79を備えることが望ましい。このワッシャ79は、前方部の内孔68のそれに対応する外径を有し、減圧ピストン62の戻しロッド72のそれに対応する内径を有している。
従って、ピストン62が図3,4,6,8に示すようにその後方位置を占めている場合、バネ70はピストンの面78及び後方部56の面74の同じ平面と当接し、これは後方部57を軸方向に特に小型にできる利益を得ることができる。
このようにして、移動壁46は図3〜図5に示すように移動できる。
図3に示す初期位置において、入力が零或いは強度が第1所定強度よりも小さい力が制御ロッド32にかかる。この構成において、フィーラ42は反力ディスク28に対して作用せず、反力ディスク28からジャンプ距離dの位置に配置されている。
図3に示す初期位置において、入力が零或いは強度が第1所定強度よりも小さい力が制御ロッド32にかかる。この構成において、フィーラ42は反力ディスク28に対して作用せず、反力ディスク28からジャンプ距離dの位置に配置されている。
図4に示す中間位置において、第1所定強度よりも大きく第2所定強度よりも小さな入力が制御ロッド32にかかる。この状態において、反力ディスク28は変形し、第1の所定倍力比によって第1ピストン54へ入力を伝達するために、フィーラ42から離れたジャンプ距離dを実質的に無くす。この状態で、入力はバネ70の予荷重よりも小さいので、減圧ピストン62は部分56の後方面58に作用せずともに整列している。反力ディスク28は、マスターシリンダ14の反力の全てをフィーラ42に伝達する。
図5に示す減圧位置において、制御ロッド32へ入力として、第2の所定強度よりも大きい強度の入力が加えられる。この状態で、フィーラ42は反力ディスク28に作用し、バネ70の抗力に打ち勝ち、減圧ピストン62は開口60内に押し込み、フィーラ42と接触している反力ディスク28を局所的に減圧する。入力は第2の所定倍力比で第1ピストン54へ伝達され、その倍力比は第1の倍力比よりも大きい。反力ディスク28は最早マスターシリンダ14の反力を僅かもフィーラ42に伝えることはない。
有利な点としては、減圧ピストンの各枝部64の前方端は、前方部66の軸方向ストッパ面76と相互作用する少なくとも1つの軸方向ストッパ面80も備えている。
図3〜図5及び図8に示す第1及び第2の実施形態において、前方部67は、螺旋バネ70の予荷重の調整を可能とするように、後方部57の円筒状前方端支承面82の可変の軸方向位置に把持される。例えば、キー84が部分67と57との間に介挿される。
図3〜図5及び図8に示す第1及び第2の実施形態において、前方部67は、螺旋バネ70の予荷重の調整を可能とするように、後方部57の円筒状前方端支承面82の可変の軸方向位置に把持される。例えば、キー84が部分67と57との間に介挿される。
代替案として、図6に示すように、前方部は後方部57の前方端内孔88にきつく取り付けられる。その場合、バネ70の予荷重は、嵌め込み深さによって画定され、内孔88の底部に収納されたキー86によって制限される。
最後に、管状設計の前方部の利点を有することは指摘されるべきである。図3〜図6及び図8に示すように、管状前方部67はその前方端に軸方向フィンガ部材(finger)90を収容し、それは例えば、前方部67の前方端における凹み状支承面92に合致して把持され、それは第1ピストン54の内孔91へ押圧ロッド52を押し込めることができるようになっている。有利な点は、凹み状支承面92は前方部にバネ70を支承できる凹み94を画定することである。
Claims (12)
- 自動車のための倍力ブレーキ10であって、この形式のブレーキはマスターシリンダ14を作動させる空圧ブレーキ倍力器12を備えており、
この形式の倍力器12は剛性ケーシング16を備え、その内部では第1の圧力P1がかかる前方チャンバ20と第2の圧力P2がかかる後方チャンバ22とを密封状態で画成する横断仕切壁18が移動でき、前記第2の圧力P2は前記第1の圧力P1とこの第1の圧力P1よりも高い圧力Paの間で変化でき、
この形式の倍力器12は、前記移動仕切壁18に固定された移動ピストン24を備え、この移動ピストン24は反力ディスク28によってマスターシリンダ14の第1ピストン54に作用できる前面26を備え、前記反力ディスク28は移動ピストン24と第1ピストン54の間に介挿されたケージ30に収容されており、
この形式の倍力器12は、戻しバネ34によって制御ロッド32にかかる戻し力に抗して前方に向かってかかる軸方向入力の関数として選択的に前記ピストン24内で移動する制御ロッド32を備え、
この形式の倍力器12は、前記ピストン24内で前記制御ロッド32の前方に配置されるプランジャ36を備え、プランジャ36はその後端38に三方弁40の少なくとも1つの環状後方座を備え、この三方弁40は、制御ロッド32が非作動中で前方チャンバ20と後方チャンバ22とが連通する位置と、制御ロッド32が作動して後方チャンバ22に広がる第2圧力P2が増大する位置との間で連続的に移動でき、前記三方弁40は前記後方チャンバを前記第1の圧力P1よりも高い圧力Paに連通状態に置き、
この形式の倍力器12は、前記プランジャ36の前方端に配置され前記ピストン24から延びる内孔44を貫通し、前記制御ロッド32が非作動位置にある場合に、前記反力ディスク28から所定のジャンプ距離の位置に配置され、前記制御ロッド32が第1の所定強度よりも大きな強度の入力で作動した場合に、前記マスターシリンダ14の反力を前記プランジャ36及び制御ロッド32へ伝達するように前記反力ディスク28と接触することができ、前記フィーラ42が前記反力ディスク28に接触する面積に対する前記反力ディスク28が前記ケージ30に接触する面積の割合が第1の所定倍力比を画定し、
この形式のケージ30は、少なくとも1つの移動減圧壁46を備え、前記制御ロッド32が第1の所定強度入力よりも大きな強度の第2の所定強度入力よりも大きな強度の入力で作動した場合に、前記ケージ30内に追加容積を生成できるように移動でき、その追加容積内では前記反力ディスク28の前方部48が前記反力ディスク28の後面50によって前記フィーラ42へ伝達される反力を低減するために拡がることができ、前記フィーラ42が前記反力ディスク28に接触する面積に対する前記反力ディスク28が前記ケージ30に接触する面積の割合が第2の所定倍力比を画定し、これは前記第1の所定倍力比よりも大きく、
倍力ブレーキ10は、前記反力ディスク28と前記マスターシリンダの第1ピストン54との間に介挿された独立の押圧ロッド52を備え、
前記押圧ロッド52は、前記反力ディスク28と接触配置された後面58を有する後部56を備え、この後部には後面58に向いて対応する減圧ピストン62を収容する所定の横断寸法Eの開口60を有し、前記減圧ピストン62は少なくとも2つの半径方向枝部64と後面とを備え、その後面が移動減圧壁を形成し、
前記マスターシリンダ14の第1ピストン54の外径の管状前方部66を備え、その内孔68は開口60の前方端に向かい、前記所定横断寸法Eよりも小さな直径Dを有し、前記減圧ピストン62の戻しロッド72を収容している螺旋バネ70を収容し、最大横断寸法Eの減圧ピストン62と最小直径の押圧ロッド52を提供することを特徴とする倍力ブレーキ。 - 前記前方部66と後方部56との接合部において、
前記後方部56は前記減圧ピストン62の戻しバネ70のための軸方向ストッパを形成する少なくとも1つの面74を備え、その面74は前記減圧ピストン62の1つの連なる枝部64の間に角度を持って配置され、前記内孔68の内部に横断的に突き出て、
前記前方部66は前記減圧ピストン62のための軸方向ストッパを形成する少なくとも1つの面76を備え、その面は前記減圧ピストン62の2つの枝部64の内の少なくとも1つの軸方向連続部に配置され、前記開口60の内部に突き出していることを特徴とする、請求項1に記載の倍力ブレーキ10。 - 前記減圧ピストン62の前記各枝部64の前方端は、前記螺旋バネ70のための少なくとも1つの支承面78を備え、その支承面は前記管状前方部66の直径Dに従って構成されていることを特徴とする請求項2に記載の倍力ブレーキ10。
- 前記減圧ピストン62の前記各枝部64の前方端は、前記前方部66の軸方向ストッパ面76と相互作用する少なくとも1つの軸方向ストッパ面80を備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載の倍力ブレーキ10。
- 前記減圧ピストン62の戻しロッド72は、前記螺旋バネ70の内径に対応した直径を有することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の倍力ブレーキ10。
- 前記押圧ロッド52は、前記螺旋バネ70と前記減圧ピストン62の支承面78との間に取り付けられ、前記前方部66の内孔68の外径に対応する外径を有し、前記減圧ピストン62の戻しロッド72の内径に対応する内径を有する支承ワッシャ79を備えていることを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載の倍力ブレーキ10。
- 前記押圧ロッド52は、前記前方部66の一部分を構成する管状前方部67と、前記前方部66の他の部分と後方部56とを構成する後方部分57とを備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の倍力ブレーキ10。
- 前記前方部67は、前記後方部57の前方端内孔88にきつく固定されていることを特徴とする請求項7に記載の倍力ブレーキ10。
- 前記前方部67は、前記螺旋バネ70の予荷重が調整されるように可変の軸方向位置において、前記後方部57の円筒状前方端支承面82に把持されることを特徴とする請求項7に記載の倍力ブレーキ。
- 前記管状前方部67はその前方端において、前記押圧ロッド52を前記マスターシリンダ14の第1ピストン54に押し付けるのを可能にする軸方向フィンガ部材90を備えていることを特徴とする請求項7〜9の何れか一項に記載の倍力ブレーキ。
- 前記減圧ピストン62は、均等に角度配置された3つの枝部64を備えていることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の倍力ブレーキ。
- 前記減圧ピストン62は、前記後方部56の後面の周囲まで半径方向に延びる2つの対向する枝部64を備えていることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の倍力ブレーキ。
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