JP2006515762A - 家族性高コレステロール血症に関連する低密度リポタンパク質受容体(LDL−r)の単離された遺伝子配列における突然変異の検出のための方法及びデバイス - Google Patents

家族性高コレステロール血症に関連する低密度リポタンパク質受容体(LDL−r)の単離された遺伝子配列における突然変異の検出のための方法及びデバイス Download PDF

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Abstract

本発明は、家族性高コレステロール血症を引き起こす突然変異の存在の有無を分析する体外法に関する。本発明の方法は、個体からのDNA試料を用いて前記突然変異を検出できる方法を記載し、以下、即ち低密度リポタンパク質受容体遺伝子と相補性のプライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応、配列決定による増幅産物の分析、制限分析、一本鎖高次構造多型法、ヘテロ二本鎖分析、及びオリゴヌクレオチドプローブが配列するバイオチップガラス支持体上面にあるデバイスの分析を含み、本方法はDNAにおける前記突然変異を検出するために使用できる。

Description

本発明は、家族性高コレステロール血症という名の疾患に対する個体の疾病素質を判定するための体外「in vitro」生体試料の専門診断の領域に属する。
WHOの定義によると、アテローム性動脈硬化症は、線維組織の形成、石灰化を伴い、同様に中膜における変化に関連した脂質及び複合化合物の限局性蓄積に起因する動脈内膜における変化の組合せである。
アテローム性動脈硬化症は、動脈壁への脂質の病原的に重大な沈着を伴う特別な形の動脈硬化症とみなされる場合もある。大部分の形の動脈硬化症は血管壁の脂肪変性を伴い、「動脈硬化症」及び「アテローム性動脈硬化症」という用語を同義語的に使用できる(Assmann G.「脂質代謝とアテローム性動脈硬化症(Lipid Metabolism and Atherosclerosis)」、Schattauer Verlag GMbH、シュトゥットガルト、1982:1頁)。
脂質は水溶液に不溶である。リポタンパク質は血中への脂質の輸送を可能にする粒子である。リポタンパク質は超遠心によりどのように分離できるかに応じて、その密度により様々な種類に分類される(Havel RJら、J Clin Invest 1955、34:1345頁)。低密度リポタンパク質(LDL)(d=1.019〜1.063g/mL)は血中でコレステロールの積み荷を輸送する。LDLは脂質(主にコレステロール、コレステリルエステル及びリン脂質)約75%から構成され、血中コレステロールの総量の約70%がLDL粒子により輸送される。
抗コレステロール血症は特定の集団に対して正常とみなされるレベルよりも高い血漿中コレステロールの増加を表すために使用され、アテローム性動脈硬化症の発症及び進行における決定的な要因の1つである。西欧社会における死亡の半分超がアテローム性動脈硬化性心血管疾患に関係している(Murray CJL及びLopez AD.Lancet 1997;349:1269〜1276頁)。
家族性高コレステロール血症(FH)はLDL受容体遺伝子(LDL−r)に作られる常染色体優性遺伝性疾患である。この遺伝子はLDLの細胞内取り込み及び分解を可能にするタンパク質をコードする(Goldstein JL、Brown MS Ann Rev Cell Biol 1985;1:1〜39頁)。
FHの浸透度はほぼ100%であり、これは冒された親の子孫の半数が誕生以後血漿中コレステロールレベルの激しい上昇を有し、男性及び女性が等しく冒されることを意味する(Goldstein JL、Brown MS.「遺伝性疾患の代謝的基礎(The metabolic basis of inherited disease)」Scriver CR、Beaudet AL、Sly WS、Valle D編、McGraw Hill、ニューヨーク、第6版、1989;1215〜1250頁)。
FHに冒された個体は、角膜輪、腱黄色腫、及び若年性症候性冠性心疾患を表す(Scientific Steering Committee on behalf of the Simon Broome register Group.Atherosclerosis 1999;142:105〜115頁)。FHはヘテロ接合の患者の頻度及びホモ接合体の頻度がそれぞれ1/500及び1/1000000と推定されている最もよくみられる遺伝性障害の1つである。
少数の突然変異のようなある集団が創立者効果により優勢であると、ヘテロ接合性FHの頻度は高くなる。これらの集団にはフランス系カナダ人(Leitersdorf Eら、J Clin Invest 1990;85:1014〜1023頁)、キリスト教レバノン人(Lehrman MAら、J Biol Chem 1987;262:401〜410頁)、ドルーズ派(Landsberger Dら、Am J Hum Genet 1992;50:427〜433頁)、フィンランドの原住民(Koivisto UMら、J Clin Invest 1992;90:219〜228頁)、南アフリカアフリカ人(Kotze MJら、Ann Hum Genet 1991;55:115〜121頁)があり、リトアニア系アシュケナジユダヤ人(Meiner Vら、Am J Hum Genet 1991;49:443〜449頁)はFHの原因である突然変異をわずか2、3しか有さないという特色を持つ。これらは創立者効果の結果であるため、これらの集団におけるヘテロ接合性FHの頻度は他の集団に対する推定値よりも高い。
FHヘテロ接合性患者は、一般に95パーセンタイル値を超える非常に高い血漿中コレステロール濃度を示す。FHを有する患者では年齢標準化死亡率及び性別標準化死亡率は一般集団に比べ4〜5倍高い(Scientific Steering Committee on behalf of the Simon Broome Register Group.Atherosclerosis 1999;142:105〜115頁)。LDL−r遺伝子座に2つの突然変異が遺伝した患者は「FHホモ接合体」又は「FH複合ヘテロ接合体」と称し、この場合LDL受容体は実際的に機能的受容体ではなく、血漿中LDL−cレベルを正常値に比べ6〜8倍に上昇させる。これらの患者の大多数では20歳前の年齢で冠性心疾患が概して起こる(Goldstein JLら、N Engl J Med 1983;309:288〜296頁)。ヘテロ接合性又はホモ接合性FHを有する個体が症候性疾患を発症する前に診断できるのであれば、予防的にそれらの個体を治療して心筋梗塞のリスクを実質的に減らすことができるであろう。
LDL−rは、エンドサイトーシスにより細胞へのLDLの輸送を仲介する、アミノ酸839個の汎存膜貫通糖タンパク質である(Goldstein J及びBrown M J Biol Chem 1974;249:5153〜5162頁)(図1)。
LDL−r遺伝子は、染色体19p13.1〜13.3の短腕に位置し(Yamamoto Tら、Cell 1984;39:27〜38頁)、45000塩基対(bp)に及ぶ。この遺伝子は、成熟タンパク質の6つの機能的ドメインであるシグナルペプチドドメイン、リガンド結合ドメイン、上皮増殖因子(EGF)前駆体様ドメイン、O結合型糖ドメイン、膜貫通ドメイン及び細胞質ドメインをコードする18個のエキソン及び17個のイントロンを含む(Sundhof Tら、Science 1985;228:893〜895頁)(図2)。
LDL−r合成は、細胞内ステロール濃度の変動及び細胞のコレステロール要求性に応答してLDL−r遺伝子の転写を制御する高度フィードバックメカニズムにより調節されている(Sudhof TCら、J Biol Chem 1987;262:10773〜10779頁)。LDL−r遺伝子の転写調節に必要なDNAモチーフは隣接プロモーターから177bp以内に位置する(Sudhof TCら、J Biol Chem 1987;262:10773〜10779頁)。この領域は基礎発現及びステロールの調節を行うためのすべてのシス作用領域を含有し、それぞれ16bpの不完全ダイレクトリピート3つを含んでいる。リピート1及び3は、転写因子Sp1に対する結合部位を含み、遺伝子の基礎発現を作り出すために必須であるが、完全な発現にはリピート2の寄与を必要とする(Dawson PAら、J Biol Chem 1988;263;3372〜3379頁)。リピート2は10bpの調節エレメントであるSRE−1を含み(Smith JRら、J Biol Chem 1990;265:2306〜2310頁)、細胞内ステロール濃度が減少した場合にSRE−1はSREBP−1と称する転写因子の結合を可能にする。今日までに、いくつかの自然突然変異がLDL遺伝子受容体の転写調節エレメントに位置付けされた(Hobbs HHら、Hum Mutat 1992;1:445〜466頁;Koivisto UMら、ProcNatl Acad Sci USA、1994;91:10526〜10530頁)、Mozas Pら、J Lipid Res 2002;43:13〜18頁、http.//www.ucl.ac.uk/fh;http.//www.umd.necker.fr)。
エキソン1はアミノ酸21個の配列であるシグナルペプチドをコードし、シグナルペプチドは小胞体に移行する際にタンパク質から開裂する。数個のフレームシフト突然変異、ミスセンス突然変異及びナンセンス突然変異はこのエキソンで起こることが記載されている(http.//www.ucl.ac.uk/fh;http.//www.umd.necker.fr)。
エキソン2〜6はリガンド結合ドメインをコードし、リガンド結合ドメインはそれぞれアミノ酸40個のタンデムリピート7個からなる。リガンド結合ドメインの構造は部分的に解明された(Jeon Hら、Nature Struc Biol 2001;8:499〜5049頁)。各リピートには負に荷電したアミノ酸のクラスターAsp−X−Ser−Asp−Glu及び3つのジスルフィド結合を形成する6つのシステイン残基がある。
ヒトLDL−rの第2ドメインは、エキソン7〜14がコードするアミノ酸400個の配列からなる。この配列は、上皮増殖因子前駆体(EGFP)と33%の相同性を示す。リガンド結合ドメインのように、この領域もシステインリッチ配列を有するアミノ酸40個のリピート3個を含む。A及びBと称する初めの2つのリピートは連続し、YWTD(Tyr−Trp−Thr−Asp)配列の5つのコピーを含む280個のアミノ酸領域により第3リピートとは離れている。EGFP様ドメインは、受容体のリサイクリングの際にエンドソームで起こる、LDL−r及びクラスリン被覆ピットからのLDL粒子の酸依存性解離の基本となる。今までに記載されたすべての突然変異のうち、約55%はEGFPホモロジー領域に位置し、35%はYWTDリピートに位置する(http.//www.ucl.ac.uk/fh)。
エキソン15がコードするLDL−rの第3ドメインは、トレオニン及びセリン残基に富む領域である。このドメインの機能は未知であるが、この領域では糖鎖がアンカーを形成することが分かっている。この領域は、分析された6種の間で最低の配列保存性を示し、このドメインは受容体の安定化に役割を果たすと考えられている(Goldsteinら、「遺伝性疾患の代謝及び分子的基礎(The Metabolic and Molecular Basis of Inherited Disease)」Sciver CR、Beaudet AL、Sly WS、Valle D.、第7版、McGraw Hill、1995:1981〜2030頁)。
膜貫通ドメインは、エキソン16及びエキソン17の5’末端がコードする22個の疎水性アミノ酸を含む。このドメインは細胞膜にLDL−rがアンカー形成するために必須である。
LDL−rの細胞質ドメインは、50個のアミノ酸残基の配列により形成され、エキソン17の3’領域及びエキソン18の5’末端によりコードされる。このドメインはタンパク質を細胞表面にターゲッティングするための、及び被覆ピットに受容体を局在化するための2つの配列シグナルを含む(Yokode Mら、J Cell Biol 1992;117:39〜46頁)。このドメインは分析された6種の間で86%のアミノ酸が保存されている、最も保存性の高いドメインの1つである。
FH患者でみられるLDL−r突然変異は、5つのクラスであるヌル対立遺伝子、輸送欠損対立遺伝子、結合欠損対立遺伝子、インターナリゼーション欠損対立遺伝子及びリサイクリング欠損対立遺伝子に分類されている。一般則としてそれぞれの分類区分は、タンパク質の特定の一ドメインをコードする遺伝子領域に局在する突然変異に関連している(Hobbs,HHら、Hum Mutat 1992;1:445〜466頁)。
血漿中LDL−cレベル及び冠性心疾患に関するFH患者の不均一性は、突然変異の性質における相違が一部の原因となっている(Sun XMら、Arterioscler Thromb Vas Biol 1993;13:1680〜1688頁、Kotze MJら、Arterioscler Thromb Vas Biol 1993;13:1460〜1468頁;Gudnason Vら、Arterioscler Thromb Vas Biol 1997;17:3092〜3101頁)。他方で、FHヘテロ接合性患者においてヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA(HMGCoA)還元酵素阻害剤による治療後のLDL−c低下応答は、LDL−r遺伝子における突然変異の性質に部分的に依存する(Leisterdorf Eら、Circulation 1993;87:35〜44頁;Jeenah M etら、Atherosclerosis 1993;98:51〜58頁;Sijbrands EJGら、Atherosclerosis 1998;136:247〜254頁)。
この受容体に対する主要リガンドはLDLであり、LDLはアポリポタンパク質B−100(ApoB−100)と呼ばれるタンパク質の単一コピーを含んでいる(Goldstein J及びBrown M J Biol Chem 1974;249:5153〜5162頁)。このアポリポタンパク質は、塩基性アミノ酸に富み受容体との結合部位である区域を有する(Boren Jら、J Clin Inves 1998;101:1084〜1093頁)。アポリポタンパク質B遺伝子に位置する数個の突然変異はタンパク質の機能的活性を改変し、受容体がLDL粒子を引き抜く能力を低下させ、血漿中にLDLコレステロールを蓄積させることが見出された。今までにアポB−100遺伝子から4つの突然変異が同定され、それらの突然変異は家族性アポリポタンパク質欠損(BDF)と名付けられた高コレステロール血症を引き起こし、それら突然変異のすべてはアポB−100タンパク質のLDL−r結合ドメイン(残基3130〜3630)のR3480W、R3500Q、R3500W及びR3531Cに局在する(Soria Lら、Proc Natl Acad Sci USA 1989;86:587〜591頁;Pullinger CRら、J Clin Invest 1995;95:1225〜1234頁;Gaffney Dら、Arterioscler Thromb Vasc Biol 1995;15:1025〜1029頁;Boren Jら、J Biol Chem 2001;276;9214〜9218頁)。アルギニンからグルタミンへの置換を生ずるアミノ酸3500に対するコドンのCGGからCAGへの突然変異(R3500Q)は家族性アポリポタンパク質B−100欠損(FDB)を引き起こす最も頻度の高い改変である。アポB−3500突然変異にヘテロ接合性の患者は、通常は高コレステロール血症であるが、血清中コレステロール濃度はFHでみられる濃度からわずかに軽度の上昇に至るまで変動しうる(Tybjaerg−Hansen Aら、Atherosclerosis 1990;80:235〜242頁;Hansen PSら、Arterioscl Throm Vasc Biol 1997;17:741〜747頁)。これらの患者における臨床的及び生化学的性質は非常に似ていることから、FDB又はFHを有する患者の間の鑑別診断は遺伝子分子診断によってのみ可能である。
FHの臨床診断は、血漿中の脂質及びリポタンパク質の分析データ、臨床症候学(黄色腫)、並びに冠状疾患の家族歴及び本人歴に基づく。WHOはMedPedプログラムを通じてFHの臨床診断を実施するために一連の基準に従うように推奨している。これらの基準は、高コレステロール血症の本人歴及び家族歴に頼った、患者の臨床的性質及び分析的性質の採点システムに基づく。患者が到達する得点が8点以上である場合はFH診断の臨床基準は「確実」、5点と8点の間の場合は「疑い大」、3点と5点の間ならば「可能性あり」と分類される(「家族性高コレステロール血症。WHO第2回協議報告。(Familial Hypercholesterolemia.Report of a second WHO consultation)」The International MedPed FH Organization、ジュネーブ1998)。しかし、家族歴が不完全若しくは未知であることから、又は分析の時点で患者が中程度の濃度の血漿中コレステロールしか示さず、腱黄色腫、角膜輪、又は黄色板症のようなコレステロールの組織沈着の徴候を示さなかったことから、一部の患者はFHの基準を満たさない。
r−LDL遺伝子の突然変異が既知である家族において、診断の最良の「カットオフ」点はc−LDL濃度の90パーセンタイル値の使用であることが実証されている(Umans−Eckenhausen MAWら、Lancet 2001;357:165〜168頁。しかし、突然変異を保持するFH患者の18%はこのパーセンタイル値未満の総コレステロール濃度を有し、さらに偽陽性の比率は18%であった。したがって、血漿中コレステロールの数字のみが利用されるならば、誤った診断が高率となるであろう。50%を超える患者がFHを有する患者として正しく診断されなかった結果として、脂質低下療法及び食事カウンセリングを受けていないことが発表されている(Williams RRら、Am J Cardiol.1993;72:18D〜24D頁)。
FHの分子的基礎の解明は、大多数の症例にDNAレベルの診断を実施できるようにした。LDL−r遺伝子に欠損が潜在することを実証することにより、診断は実際にはっきりと確定される(「家族性高コレステロール血症。WHO第2回協議報告。(Familial hypercholesterolemia.Report of a second WHO consultation)」The International MedPed FH Organization、ジュネーブ1998)。FHの正確な診断は分子法により可能であるが、異種集団における分子法の使用はLDL−r遺伝子の突然変異が不均一性なことにより今のところ限られている。
PCT出願WO88/03175(Biotechnology Research Partners,Ltd.)において、アポリポタンパク質AO−CIII−AIVの遺伝子領域、又は遺伝子apoB、apoCI、apoAII、及びLDL受容体遺伝子における様々な多型の存在の有無の検出に基づいたアテローム性動脈硬化症の診断のための方法が請求されている。この遺伝子のために詳細には多型Cfr131及びBstEIIの利用が提示されている。
興味深い別の文書は、日本国特許出願特開平10−099099であり、家族性高コレステロール血症が詳細に指摘されているわけではないが、これはLDL受容体遺伝子における異常の診断のためにアミノ酸109のトリプレットコードにおける突然変異、詳細にはCの挿入の使用について言及している。
最後にどちらもテキサス大学の米国特許第4,745,060号及び同第4,966,837号はLDL受容体遺伝子における突然変異を基本とした家族性高コレステロール血症の診断のための方法を提示している。しかし、最初の特許で請求されたものは「正常」遺伝子に対応する配列であり、その特許はXba Iによる制限地図の変化により定義される突然変異の特定例を提示している。それに関係して2番目の特許では、LDL−r遺伝子における突然変異を決定するための方法に様々な制限酵素(Eco RI、Asp718、Taq I、Bam HI、Xba I、Inf.I、Bgl II、Cla I、Eco RV、Kpn I、Pvu II、Sph I、Sst I、Sst II、Stu I、Xho I、Nde I及びNsi I)を使用することが請求されており、これは正常遺伝子に対応するモデルと比較してこれらの酵素を用いた制限モデルの改変を観察することに基づいている。
本発明に最も近い特許文書はWO02/06467であり、これにはLDL−r遺伝子の一連の突然変異及び多型に基づいた、脂質代謝におけるエラーの検出のための方法が記載されている。しかし、前記特許に記載された突然変異又は多型のいずれも本出願で請求する突然変異又は多型と一致しない。
突然変異及び多型の命名は、
− Antoranakis S.E.及び命名作業グループ、「ヒト遺伝子突然変異に対する命名系についての勧告(Recommendations for Nomenclature Systems for Human Gene Mutations)」Human Mutation 11:1〜3頁;1998
− Dunnen JT、Antoranakis S.E.「複合突然変異を記載するための突然変異命名の拡張と提案:一論考(Mutation Nomenclature Extensions and Suggestions to describe Complex Mutations:A Discussion)」Human Mutation 15:7〜12頁、2000
に定義されている。
同様に、多型の概念は、
− Harris H.「ヒト生化学遺伝学の原理(The Principles of Human Biochemical Genetics)」、第3版、アムステルダム、ノールトホラント1980
− Beauder AL、Scriver CL、Sly WS、Valle D.「多様なヒト表現型の遺伝学、生化学及び分子的基礎(Genetics,Biochemistry and Molecular Basis of Variant Human Phenotypes)」、The Metabolic and Molecular Bases of Inherited Disease、Beaudet AL、Scriver CR、Sly WS、Valle D編、第7版、53頁、MacGraw Hill、ニューヨーク1995
に定義されている。
以下に詳述する一連の新しい突然変異の全体が検出、単離、及び特性決定された。同様に、すでに記載された一連の突然変異及び多型の全体を新しい突然変異と組み合わせて個体が家族性高コレステロール血症を発症する見込みを分析した。本発明において家族性高コレステロール血症の発症に関係づけられた突然変異及び多型のすべては、低密度リポタンパク質受容体遺伝子(LDL−r)に対応する遺伝子配列番号1に生じている。いわば、突然変異のすべてが同一遺伝子において生み出され、同一の手法を用いて、同一の検査デバイスにおいて使用され、同一の体外及びin vitro法を用いて同一の疾患を発症する見込みが決定される。このことが本発明の統一性を支えている。
科学的に承認され、上記の出版物に詳述された命名にしたがって検出された新しい突然変異のすべてを表Iに詳述する。同じく、突然変異に英数字コードを付ける。
すでに記載され公知である突然変異を表IIに詳述する。家族性高コレステロール血症の診断のためのin vitro検査デバイスにおいて、表Iの突然変異と組み合わせてこれらの突然変異を使用することは、本発明の実施形態の新規で発明力を要する好ましい形態の1つである。同様に、公知の突然変異を指摘したのと類似した方法で、多型を表IIIに詳述する
アミノ酸突然変異を一文字のコードで表し、表IVにそのコードに相当するアミノ酸を示す。
Figure 2006515762

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本発明において開発された診断アッセイ「バイオチップ」は、配列リストに示される多量のプローブを表面に有するスライドである。これらのオリゴヌクレオチドプローブは表I〜IIIに収載されている突然変異配列にハイブリダイズ可能である。各突然変異に必要な方法論を以下に示す。
スライドグラスの印刷
・ 印刷用緩衝液としてDMSOを用いてアミノシラン化スライドグラスに突然変異を検出可能なオリゴヌクレオチドを印刷する。
・ 温度及び湿度が制御される「スポッター」又はオリゴヌクレオチドプリンターを用いて印刷を行う。
スライドグラスの加工
・ スライドグラスに印刷した後にUV照射処理を行う。
標的DNAの調製
・ ろ過法を用いることにより約300μlの血液試料から患者のゲノムDNAを抽出する。
・ 多重PCR反応を行い、各患者についてプロモーター及びLDL受容体遺伝子の18個のエキソンすべてを増幅させる。
・ ビオチン化ヌクレオチドをPCRプロセスの間に組み入れる。間接標識法として、蛍光体ストレプトアビジン発色剤を用いた染色の最終ステップがハイブリダイゼーション後に必要となる。
・ PCR産物を電気泳動し、アガロースゲルで可視化する。
・ 標的DNAを断片化する。
・ ハイブリダイゼーション緩衝液を断片化したPCR産物に加える。
・ 変性ステップを95℃で15分間行う。
ハイブリダイゼーション
・ 本目的のためにAmersham Biosciencesが設計したステーションでハイブリダイゼーションを自動実施する。
・ スライドグラスを予備ハイブリダイゼーションする。
・ Hamiltonピペットでハイブリダイゼーション溶液を注入する。
・ ハイブリダイゼーション時間を1時間とする。
・ スライドグラスを3回洗浄し乾燥させる。
・ ステーションはスライドグラスを□。
スライドグラスのスキャン
・ スライドグラスをスキャナに挿入する。
・ レーザーで刺激した際に標準マーカーから発光するシグナルをスキャンする。
画像の定量
・ スキャナソフトウェアは得られた画像においてハイブリダイゼーションが起こった点のシグナルを定量することを可能にする。
・ オリゴヌクレオチドにおいて得られた、正常対立遺伝子及び突然変異対立遺伝子を検出するシグナルから、患者における突然変異の存在の有無を立証する。
各突然変異は検出のための4つのオリゴヌクレオチドが10回繰り返したものをスライドグラスに有する。それらの2つは正常な対立遺伝子を検出し、残りの2つは突然変異対立遺伝子を検出する。問い合わせされた塩基をオリゴヌクレオチド全体の中央の位置に見出すことができる。
正常な患者の場合(図3A)、その患者は突然変異対立遺伝子を提示しない。したがって、スライドグラスから得られた画像において突然変異対立遺伝子を検出するオリゴヌクレオチドはハイブリダイゼーションシグナルを示さないか、又は正常対立遺伝子を検出するオリゴヌクレオチドよりも弱いシグナルを示す。
逆に、突然変異についてヘテロ接合性の個体(図3B)は、正常対立遺伝子及び突然変異対立遺伝子を有する。よって、正常対立遺伝子を検出するオリゴヌクレオチド及び突然変異対立遺伝子を検出するオリゴヌクレオチドは等しいハイブリダイゼーションシグナルを有する。
分析される個体のDNAから生じたマーク付きPCRとDNAチップとのハイブリダイゼーションの結果は、図3Aに示された個体がLDL−r遺伝子にE256Kアミノ酸変化の誘因となる特定の突然変異を有さず、図3Bの個体はこの突然変異についてヘテロ接合性であることを実証している。
このように、ヘテロ接合性個体は家族性高コレステロール血症と遺伝的に診断される。
分析実施例により、一部の突然変異について次に詳述し、本発明のアッセイデバイスを用いてその突然変異を検出する。
(実施例1)
LDLr遺伝子エキソン1に位置する変異の同定
LDLr遺伝子エキソン1の215bp断片を、プライマーEx1F(配列番号2)とEx1R(配列番号3)を用いて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1.5mM MgCl、200μMの各dNTP、0.2μMの各プライマー、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社、カールスバド、カルフォルニア、米国)を含む反応混合液50μL中でDNA(500ng)を増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、アニーリング59℃1分間、伸長74℃2分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。
PCR産物は一本鎖DNA高次構造多型解析(Single Strand Confrmation Polymorphisms;SSCP)で解析を行った。異常なSSCPパターンを示す断片について、自動CEQ2000XL DNA Analysis System(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、米国)で配列決定した。同定された変異はさらに制限酵素分析により、及び、記載のデバイス「バイオチップ」を用いて、その存在を判定した。
(−23)A>C変異解析
この変異は新たなAvaII認識部位を生じる。メーカー(NEB、べバリー、マサチューセッツ、米国)のプロトコールに従い、エキソン1増幅材料5μLを15単位のAvaIIにより総量30μL中で加水分解した。得られた断片は、正常アリルでは148bpと67bp長、変異アリルでは93bp、67bp、55bpであった。これらの断片を8%ポリアクリルアミドゲルでの電気泳動により分離し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。他の方法としては、この変異は、記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド中の配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39のオリゴヌクレオチドを用いて解析可能であった。
(−23)A>C変異は、家族性高コレステロール血症と診断され、MedPed(家族性高コレステロール血症。WHO第2回協議報告。国際MedPed FH協会、ジュネーブ、1998)により診断スコア8とされた角膜環と黄色腫の60歳の女性から検出された。この女性の家族の中で彼女の近親者には、若年性心血管系疾患の徴候はみられなかった。薬剤療法の前の、血漿脂質濃度は、総コレステロール(TC)352mg/dL、LDL−c271mg/dLで、トリグリセリド(TG)と高比重リポ蛋白コレステロール(HDL−c)で、正常範囲であった。シンバスタチン(20mg/日)による脂質低下治療によりTCとLDL−cのレベルはそれぞれ251mg/dLと171mg/dLまで低下した。
L(−6)P変異解析
この変異(47T>C、CTC>CCC、Leu(−6)Pro)は、FHと臨床診断されたLDL−r遺伝子エキソン1の215bp断片の解析において、これを自動配列決定することによって特性決定した。配列決定反応は、PE Gene Amp System9700サーモサイクラーで、CET2000Dye Terminator Cycle SequencingキットをBeckman Quick Start(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、USA)と共に用い、プライマーはEx1F(配列番号2)とEx1R(配列番号3)を使用して実施した。配列決定反応で生成された断片を自動シーケンサーCEQ2000XL NDA Beckman Analysis Systemで解析した。見出されたT>Cの変換を、同じサンプルの2回目のPCR産物を用いて自動配列決定により確認した。他の方法としては、この変異は、記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド中の配列番号240、配列番号241、配列番号242、配列番号243のオリゴヌクレオチドを用いて解析できる。
L(−6)P変異は、角膜環の47歳の女性から検出されたもので、この女性の父親はTC350mg/dLの高コレステロール血症で、父方の高コレステロール血症の2人の叔父はそれぞれ24歳と33歳のときに心筋梗塞で死亡した。家族性高コレステロール血症としての臨床診断は、MedPedの基準で9ポイントのスコアであった。薬剤療法前の血漿脂質濃度は、TC420mg/dL、LDL−c320mg/dLで、TG155mg/dL、HDL−cは49mg/dLであった。アトルバスタチン(15mg/日)による治療でTCとLDL−cのレベルはそれぞれ289mg/dLと233mg/dLに低下した。
G(−2)R変異解析
この変異(58G>A、GGG>AGG、Gly(−2)Arg)は、FHと臨床診断された患者のLDL−r遺伝子エキソン1の215bp断片の解析において、これを自動配列決定することによって特性決定した。DNAサンプルから得られた精製PCR産物を、メーカーのプロトコールに従い、増幅用プライマーのEx1F(配列番号2)とEx1R(配列番号3)、及びキットCEQ2000Dye Terminator Cycle SequencingとQuick Start(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、USA)を使って、両方向から直接配列決定した。塩基配列をCEQ8000 Genetic Analysis System(ベックマンコールター社、フラートン)により検出し、CEQ8000のソフトウェアで解析した。58G>A変換は2回目のPCR産物を用いて配列決定により確認した。他の方法としては、この変異は、マイクロアレイ(「バイオチップ」)で、スライド中の配列番号220、配列番号221、配列番号222、配列番号223のオリゴヌクレオチドを用いて解析可能であった。
G(−2)R変異は34歳の女性から同定され、この女性は角膜環で、母親はTC400mg/dLの高コレステロール血症であった。この女性のMedPed基準によるFH臨床診断スコアは10ポイントであった。血漿脂質レベルは治療前でTC354mg/dL、LDL−c264mg/dLで、TGは正常、HDL−cは64mg/dLであった。
(実施例2)
LDLr遺伝子エキソン2に位置する変異の同定
エキソン2の183bp断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で、Ex2F(配列番号4)とEx2R(配列番号5)のデオキシヌクレオチドを用いて増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1.5mM MgCl、200μMの各dNTP、各0.2μMのデオキシオリゴヌクレオチド、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社、カールスバド、カルフォルニア、米国)を最終50μL反応混合液中で500mgのDNAを増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、ハイブリダイゼーション59℃1分間、伸長72℃2分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。
PCR産物は一本鎖DNA高次構造多型解析(SSCP)で解析を行った。異常なSSCPパターンを示す断片については、自動CEQ2000XL DNA Analysis System(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、米国)で配列決定した。配列決定により同定された変異はさらに制限酵素分析により、及び、既出の「バイオチップ」装置を用いて、その存在を判定した。
108delC変異解析
この変異は新たなMnlI切断部位を生じる。メーカー(Fermentas社、ハノーバー、メリーランド、米国)のプロトコールに従い、エキソン1増幅材料15μLを15単位のMnlIで、総量30μL中で加水分解した。得られた断片は、正常アリルでは150bpと33bp長、変異アリルでは118bp、33bp、32bpであった。これらの断片を8%ポリアクリルアミドゲルでの電気泳動により分離し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。他の方法としては、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド中の配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43のオリゴヌクレオチドを用いて解析可能であった。
108delCの変異は、高コレステロール血症ではあるが、それによる臨床的な皮膚症状のない50歳の女性から検出された。この女性は臨床的にFHMedPedスコア9ポイントであると診断された。一親等の1人に若年性心疾患が見出されている。脂質低下薬治療をしていないときの空腹時の血漿脂質レベルは、TC(381mg/dL)、TG(142mg/dL)、LDLc(321mg/dL)、HDLc(32mg/dL)であった。
T41M変異解析
この変異(185C>T、ACG>ATG、Thr41Met)は酵素TaiIの切断制限部位を破壊する。メーカー(NEB、べバリー、マサチューセッツ、米国)のプロトコールに従い、エキソン1増幅材料15μLを15単位のTaiIで、総量30μL中で加水分解した。得られた断片は正常アリルでは154bpと29bp長、変異アリルでは183bpであった。これらの断片を8%ポリアクリルアミドゲルでの電気泳動により分離し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。他の方法としては、この変異は、記載のデバイス(「バイオチップ」)を、スライドと共に使用して、配列番号140、配列番号141、配列番号142、配列番号143のオリゴヌクレオチドを用いて解析可能であった。
T41M変異は、69歳の男性で、55歳のときに心筋梗塞を起こし、MedPed基準で診断スコア6ポイントの家族性高コレステロール血症と診断された患者から検出された。親戚には若年性心血管系疾患の徴候がみられた。脂質低下剤を使用していないときのこの男性の空腹時血清を分析すると、TC(274mg/dL)、LDL−c(217mg/dL)で、TGとHDLcは正常であった。
C42Y変異解析
この変異C42Y(188G>A、TGC>TAG、Cys42Tyr)は、FHと臨床的に診断された対象からLDL−r遺伝子変異をスクリーニングする間に、エキソン2に該当する183bpの断片を配列決定して同定した。メーカーのプロトコールに従い、DNAサンプルから得られた精製PCR産物を、増幅用プライマーのEx2F(配列番号4)とEx2R(配列番号5)、及びキットCEQ2000Dye Terminator Cycle SequencingとQuick Start(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、USA)を使って、両方向から直接配列決定した。塩基配列をCEQ8000 Genetic Analysis System(ベックマンコールター社、フラートン)により検出し、CEQ8000のソフトウェアで解析した。G>A変換は別に行った2回目のPCR産物を用いて配列決定により確認した。他の方法としては、この変異は、マイクロアレイ(「バイオチップ」)で、スライド中の配列番号248、配列番号249、配列番号250、配列番号251のオリゴヌクレオチドを用いて解析可能であった。
C42Y変異は、17歳の男性から検出され、この男性は角膜リポイド環を持ち、MedPedによる診断スコア10ポイントの家族性高コレステロール血症と診断された。この男性の母親は重度の高コレステロール血症であった。脂質低下剤を使用していないときのこの男性の空腹時血清を分析すると、TC(350mg/dL)で、TGとHDLcは正常であった。シンバスタチン(20mg/日)による脂質低下治療で、この男性のTCとLDL−cはそれぞれ274mg/dLと214mg/dLのレベルまで低下した。
C74Y変異解析
このC74Y(284G>A、TGC>TAC、Cys74Tyr)は、臨床的にFHと診断された対象からLDL−r遺伝子変異をスクリーニングする間に、エキソン3の196bpの断片を配列決定して同定した。DNAサンプルから得られた精製PCR産物を、増幅用プライマーのEx3F(配列番号6)とEx3R(配列番号7)、及びキットCEQ2000Dye Terminator Cycle SequencingとQuick Start(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、USA)を使って、メーカーのプロトコールに従い、両方向から直接配列決定した。塩基配列をCEQ8000 Genetic Analysis System(ベックマンコールター社、フラートン)により検出し、CEQ8000のソフトウェアで解析した。G>A変換は別に行った2回目のPCR産物を用いて配列決定により確認した。他の方法としては、この変異は、マイクロアレイ(「バイオチップ」)を用いて、スライド上に配列番号212、配列番号213、配列番号214、配列番号215のオリゴヌクレオチドをスポットして解析することが可能であった。
C74Y変異は、52歳の男性から検出され、この男性は角膜環、腱黄色腫、及び高コレステロール血症の家族歴を持っていた。この男性はMedPed基準で診断スコア17ポイントの家族性高コレステロール血症と診断された。脂質低下剤使用前のこの男性の空腹時血清を分析すると、TC(420mg/dL)、TG(96mg/dL)、HDL−c(69mg/dL)であった。HMGCoAリダクターゼ阻害剤の投与(10mg/日)により、この男性のLDL−cレベルは22%低下した。
(実施例3)
LDLr遺伝子エキソン3に位置する変異の同定
LDLr遺伝子エキソン3の196bp断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で、プライマーEx3F(配列番号6)とEx3R(配列番号7)を用いて増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1.5mM MgCl、200μMの各dNTP、0.2μMの各プライマー、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社、カールスバド、カルフォルニア、米国)を含む50μL反応混合液中でDNA(500ng)を増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、アニーリング59℃で1分間、伸長72℃で1分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。
PCR産物を一本鎖DNA高次構造多型解析(SSCP)で解析し、異常なSSCPパターンを示す断片については、自動CEQ2000XL DNA Analysis System(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、米国)で配列決定した。同定された変異はさらに制限酵素分析により、及び、既出のデバイス「バイオチップ」によって、その存在を判定した。
191−2delAinsCT変異解析
この変異は制限酵素地図を変えないため、我々は正常アリルではBfaI認識部位が導入され、変異アリルでは導入されない、1組の変異導入プライマーをデザインした。
LDLr遺伝子エキソン3の184bp断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で、Ex3R(配列番号7)とMut191−2F(配列番号8)を用いて増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1.5mM MgCl、200μMの各dNTP、0.2μMの各プライマー、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社、カールスバド、カルフォルニア、米国)を含む50μL反応混合液中でDNA(500ng)を増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、アニーリング59℃1分間、伸長72℃2分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。
メーカー(NEB、べバリー、マサチューセッツ、米国)のプロトコールに従い、PCRサンプル15μLを15単位のBfaIで、総量30μL中で加水分解した。得られた断片は、正常アリルでは23bpと161bp長、変異アリルでは185bpであった。これらの断片を8%ポリアクリルアミドゲルでの気泳動により分離し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。
他の方法としては、この変異はマイクロアレイ(「バイオチップ」)で、スライド中の配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47のオリゴヌクレオチドを用いて解析可能であった。
191−2delAinsCT変異は、常染色体優性高コレステロール血症の、関連のない2つの家族から検出された。これらうちの一家族の初発症例は、58歳の女性で、腱黄色腫、黄色腫、狭心症があり、冠状動脈性心臓病及び高コレステロール血症の家族歴を持っていた。この女性はMedPed診断スコアが15ポイントの家族性高コレステロール血症と診断された。この女性の血漿の脂質レベルは、TC(559mg/dL)、LDLc(467mg/dL)、TG(175mg/dL)、HDLc(57mg/dL)であった。シンバスタチンによる治療(40mg/日)により、この女性のTCとLDL−cのレベルはそれぞれ302mg/dLと228mg/dLに低下した。
N59K変異解析
この変異(240C>A、AAC>AAA、Asn59Lys)は酵素HincIIによるエンドヌクレアーゼ切断部位を破壊する。メーカー(アマシャムファルマシアバイオテク社、ピスカタウェイ、ニュージャージー、米国)のプロトコールに従い、PCRサンプル15μLを総量30μL中の15単位HincIIで切断した。得られた断片は、111bpと85bp長(正常アリル)、196bp(変異アリル)であった。これらの断片を8%ポリアクリルアミド(PAA)ゲルでの電気泳動により分離し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。
他の方法として、この変異はマイクロアレイ(「バイオチップ」)で、スライド中の配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51のオリゴヌクレオチドを用いて解析可能であった。
N59K変異は、MedPed診断スコア12ポイントのFH高コレステロール血症と臨床的に診断された43歳の男性から検出された。脂質低下治療前のこの男性の血漿脂質レベルは、TC(465mg/dL)、LDLc(397mg/dL)、TG(100mg/dL)、HDLc(48mg/dL)であった。シンバスタチンによる脂質低下治療(40mg/日)によってこの男性のTCとLDL−cレベルはそれぞれ350mg/dLと282mg/dLに低下した。一方この男性の母親は58歳で狭心症を起こし、またこの男性の8歳の息子はTC(325mg/dL)、LDLc(241mg/dL)の高コレステロール血症である。
231delC変異の解析
この変異はエンドヌクレアーゼHaeIII切断部位を破壊する。メーカー(Gibco BRL、カールスバド、カルフォルニア、米国)のプロトコールに従い、PCRサンプル15μLを15単位のHaeIIIで、総量30μL中で分解した。得られた断片は、正常アリルでは76bp、51bp、42bp、25bp長で、変異アリルでは117bp、51bp、27bpであった。これらの断片を8%ポリアクリルアミド(PAA)ゲルでの電気泳動により分離し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。
他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55のオリゴヌクレオチドを用いて解析可能であった。
この変異は角膜環の37歳の女性から検出された。この女性は臨床的にFHであると診断され、WHOのMedPed基準によるスコアは16ポイントであった。脂質低下治療なしの場合の血漿脂質レベルは、TC(543mg/dL)、LDLc(456mg/dL)、TG(178mg/dL)、HDL−c(51mg/dL)であった。アトルバスタチン(40mg/日)とコレスチポール(20g/日)による脂質低下治療で、この女性のTCとLDL−cレベルはそれぞれ260mg/dLと190mg/dLに低下した。この女性の兄は38歳で心筋梗塞となり、この女性の12歳の息子はTC濃度305mg/dLの高コレステロール血症である。
313+1insT変異解析
この変異はTrulI制限エンドヌクレアーゼの新たな切断部位を生じる。メーカー(Fermentas社、ハノーバー、メリーランド、米国)のプロトコールに従い、エキソン3の増幅材料15μLをTrulI15単位とで、総量30μL中で加水分解した。得られた断片は、正常アリルでは196bp長で、変異アリルでは162bpと34bpであった。これらの断片を3%NuSieveアガロースゲルでの電気泳動により分離し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。
他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド中の配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59のオリゴヌクレオチドを用いて解析可能であった。
313+1insT変異は、黄色腫と角膜環の53歳の女性から検出された。この女性の現存の家族メンバーでは若年性の心血管系疾患はみられなかった。この女性は臨床的にFHであると診断され、MedPedスコアは19ポイントであった。脂質低下薬剤の使用していないときのこの女性の空腹時血清の脂質レベルは、TC(574mg/dL)、LDLc(505mg/dL)で、TGとHDLcレベルは正常であった。シンバスタチン(80mg/日)とコレスチポール(20g/日)による脂質低下治療で、TCとLDL−cレベルはそれぞれ282mg/dLと225mg/dLに低下した。
(実施例4)
LDLr遺伝子のエキソン4に位置する変異の同定
LDLr遺伝子エキソン4の5’側(エキソン4A)の242bp断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で、プライマーEx4AF(配列番号9)とEx4AR(配列番号10)を用いて増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1.5mM MgCl、200μMの各dNTP、0.2μMの各プライマー、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社、カールスバド、カルフォルニア、米国)を含む50μL反応混合液中でDNA(500ng)を増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、アニーリング63℃1分間、伸長72℃2分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。
PCR産物を一本鎖DNA高次構造多型解析(SSCP)で解析し、異常なSSCPパターンを示す断片については、自動CEQ2000XL DNA Analysis System(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、米国)で配列決定した。同定された変異はさらに制限酵素分析により、及び、既出のデバイス「バイオチップ」によって、その存在を判定した。
338del16変異解析
この変異はVan91I制限エンドヌクレアーゼの新たな切断部位を生じる。メーカー(アマシャムファルマシアバイオテク社、ピスカタウェイ、ニュージャージー、米国)のプロトコールに従い、エキソン4の増幅材料15μLを15単位Van91Iで、総量30μL中で加水分解した。得られた断片は、正常アリルでは242bp、変異アリルでは174bpと52bpであった。これらの断片を2%アガロースゲル電気泳動で分離し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。
他の方法として、この変異は記載されているデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号144、配列番号145、配列番号146、配列番号147のオリゴヌクレオチドを用いて解析可能であった。
338del16変異は、常染色体優性高コレステロール血症である、関連のない3つの家族から検出された。これらの家族の初発症例は、黄色腫と角膜環の40歳の男性で、TC542mg/dL、LDLc441mg/dLで、TGとHDLcレベルは正常であった。この男性はMedPedスコア19ポイントのFHと診断された。この男性の現存の家族メンバーでは心血管系疾患は検出されなかった。アトルバスタチンによる脂質低下治療(10mg/日)により、この男性のTCとLDL−cレベルはそれぞれ293mg/dLと218mg/dLまで低下した。
5090insC変異解析
この変異は制限酵素地図を変えないため、我々は変異アリルでは制限酵素MnlI認識部位が導入され、正常アリルでは導入されない、1組の変異導入プライマーをデザインした。
エキソン4Aの244bp断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で、Ex4AF(配列番号9)とMut509insCR(配列番号11)を用いて増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1.5mM MgCl、200μMの各dNTP、0.2μMの各プライマー、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社、カールスバド、カルフォルニア、米国)を含む50μL反応混合液中でDNA(500ng)を増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、アニーリング65℃1分間、伸長72℃1分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。
メーカー(Fermentas社、ハノーバー、メリーランド、米国)のプロトコールに従い、PCRサンプル15μLを15単位のMnlIで、総量30μL中で分解した。得られた断片は、正常アリルでは141bp、99bp、4bpで、変異アリルでは141bp、88bp、12bp、4bpであった。これらの断片を8%ポリアクリルアミドゲルでの電気泳動により分離し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。
他の方法としては、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド中の配列番号60、配列番号61、配列番号62、配列番号63のオリゴヌクレオチドを用いて解析可能であった。
509insC変異は44歳の女性から検出されており、この女性はTC(477mg/dL)及びLDLc(394mg/dL)の高コレステロール血症であるが、本人及び家族に若年性冠状動脈性心臓病の病歴はない。MedPed基準による診断スコアは9であった。この女性には2人の兄弟があり、どちらもc−LDL濃度が95を超えた高コレステロール血症である。
451del3変異解析
この変異(451del3)は、臨床的にFHと診断された対象からLDL−r遺伝子変異をスクリーニングする間に、エキソン4(4A)の242bpの断片をDNA配列決定して同定した。DNAサンプルから得られた精製PCR産物を、増幅用プライマーのEx4AF(配列番号9)とEx4AR(配列番号10)、及びキットCEQ2000Dye Terminator Cycle SequencingとQuick Start(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、USA)を使って、メーカーのプロトコールに従い、両方向から直接配列決定した。塩基配列をCEQ8000 Genetic Analysis System(ベックマンコールター社、Fullerton)により検出し、CEQ8000のソフトウェアで解析した。3塩基対の欠損は2回目のPCR産物を配列決定して確認した。他の方法としては、この変異は、マイクロアレイ(「バイオチップ」)を用いて、スライド内の配列番号172、配列番号173、配列番号174、配列番号175のオリゴヌクレオチドを用いて解析可能であった。
451del3変異は、かつて34歳で心筋梗塞の発作のあった、角膜環の36歳の男性から検出された。この男性には2歳と8歳の2人の子供がおり、彼らのTCはそれぞれ320mg/dLと275mg/dLである。この男性は臨床的にFHと診断され、スコアは17ポイントであった。脂質低下薬剤の使用していないときのこの男性の空腹時血清の脂質分析は、TC449mg/dL、LDL−c367mg/dL、TG218mg/dL、c−HDL38mg/dLであった。シンバスタチンによる治療(40mg/日)によりこの男性のLDL−cレベルは270mg/dLに低下した。
(実施例5)
LDLr遺伝子のエキソン4Bに位置する変異の同定
LDLr遺伝子エキソン4の3’側(エキソン4B)の237bp断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で、プライマーEx4BF(配列番号12)とEx4BR(配列番号13)を用いて増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1.5mM MgCl、200μMの各dNTP、0.2μMの各プライマー、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社、カールスバド、カルフォルニア、米国)を含む50μL反応混合液中でDNA(500ng)を増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、アニーリングと伸長72℃2分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。
PCR産物を一本鎖DNA高次構造多型解析(SSCP)で解析し、異常なSSCPパターンを示す断片については、自動CEQ2000XL DNA Analysis System(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、米国)で配列決定した。同定された変異はさらに制限酵素分析及びマイクロアレイ(「バイオチップ」)によって、その存在を判定した。
D157G変異解析
この変異(533A>G、GAT>GGT、Asp195Gly)はHphIエンドヌクレアーゼの新たな切断部位を生じる。メーカー(NEB、べバリー、マサチューセッツ、米国)のプロトコールに従い、エキソン4Bの増幅された材料15μLを15単位HphIで、総量30μL中で加水分解した。得られた断片は、正常アリルでは237bp、変異アリルでは175bpと62bpであった。これらの断片を3%NuSieveアガロースゲル電気泳動で分離し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド中の配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67のオリゴヌクレオチドを用いて解析可能であった。
D157G変異は高コレステロール血症の32歳の女性から検出された。この女性の家族に心血管系疾患は検出されていなかった。この女性は臨床的にFHの可能性が診断されており、MedPedスコアは6ポイントであった。脂質低下治療前のこの女性の空腹時血清の脂質を分析すると、TC(358mg/dL)、LDLc(296mg/dL)で、TGとHDLcレベルは正常であった。アトルバスタチンによる治療(10mg/日)で、この女性のTCとLDL−cレベルはそれぞれ212mg/dLと140mg/dLまで低下した。この女性の父親も血漿コレステロールレベルがTC364mg/dLに上昇しており、祖母も341mg/dLであった。
C195R変異解析
この変異(646T>C、TGT>CGT、Cys195Arg)はBshNI切断部位を生じる。メーカー(Fermentas社、ハノーバー、メリーランド、米国)のプロトコールに従い、エキソン4Bの増幅された材料15μLを15単位BshNIで、総量30μL中で加水分解した。得られた断片は、正常アリルでは切断していない増幅材料に相当する237bpで、変異アリルでは159bpと78bpであった。これらの断片を8%ポリアクリルアミド(PAA)ゲル電気泳動で分離し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド中の配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71のオリゴヌクレオチドを用いて解析可能であった。
C195Rは高コレステロール血症で角膜環の64歳の女性から検出された。この女性の母親に若年性の心臓血管疾患が見出された。この女性は臨床的にFHと診断されており、MedPedスコアは11ポイントであった。この女性の脂質低下治療前の血漿脂質レベルは、TC(560mg/dL)、LDLc(468mg/dL)で、TGとHDLcレベルは正常であった。
675del15変異解析
この変異はヘテロデュープレックス解析で検出された。エキソン4Bの増幅されたPCR材料を8%ポリアクリルアミド(PAA)ゲル電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色して可視化すると、該当する正常及び変異のホモデュープレックスではなく、ヘテロデュープレックスバンドが現れた。得られた断片は、正常アリルでは237bpであり、変異アリルでは222bpであった。このヘテロデュープレックスのバンドは、ミスマッチの配列の間に間隙が生じるため、ホモデュープレックスより遅く移動する。他の方法として、この変異はマイクロアレイ(「バイオチップ」)を用いて、スライド上に配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
675del15変異は臨床的にFHと診断された、MedPedスコア8ポイントの63歳の女性から検出された。この女性の家族に心血管系疾患は見出されなかった。この女性の治療前の脂質検査によると、TC(450mg/dL)、LDLc(379mg/dL)で、TGとHDLcレベルは正常であった。他の家族で遺伝子検査をすることはできなかった。
684dup12変異解析
この変異はエキソン4Bの増幅された材料をMnIIエンドヌクレアーゼ制限部位で分解して解析した。8%ポリアクリルアミド(PAA)ゲル電気泳動及びエチジウムブロマイドでのゲルの染色により、変異によって作られた12bpの追加によってエキソン4B中のこの変異の存在が判別できる。さらに、メーカー(Fermentas社、ハノーバー、メリーランド、米国)のプロトコールに従い、エキソン4Bの増幅された材料15μLを15単位MnlIで、総量30μL中で加水分解した。得られた断片は、正常アリルでは192bpと45bp、変異アリルでは204bpと45bpであった。これらの断片を8%ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号76、配列番号77、配列番号78、配列番号79のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
684dup12変異は、常染色体優性高コレステロール血症である、関連のない2つの家族から検出された。これらのうちの1家族の初発症例は、黄色腫で角膜環の63歳の男性であった。この男性は55歳で心筋梗塞に襲われ、MedPed診断スコア17ポイントのFHと診断された。この男性の家族に心血管系疾患はみられなかった。脂質低下治療をしていないときの血漿の脂質レベルは、TC(469mg/dL)、LDLc(408mg/dL)、TG(100mg/dL)、HDLc(41mg/dL)であった。
D200V変異解析
この変異(D200V(662A>T、GAC>GTC、Asp200Val))は、臨床的にFHと診断された対象からLDL−r遺伝子変異をスクリーニングする間に、エキソン4(4B)の237bpの断片をDNA配列決定して同定した。DNAサンプルから得た精製PCR産物を、増幅用プライマーのEx4BF(配列番号12)とEx4BR(配列番号13)、及びキットCEQ2000Dye Terminator Cycle SequencingとQuick Start(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、USA)を使って、メーカーのプロトコールに従い、両方向から直接配列決定した。塩基配列をCEQ8000 Genetic Analysis System(ベックマンコールター社、Fullerton)により検出し、CEQ8000のソフトウェアで解析した。662A>Tは2回目のPCR産物を配列決定して確認した。他の方法としては、この変異は、記載のデバイス(「バイオチップ」)を用いて、スライド内の配列番号232、配列番号233、配列番号234、配列番号235のオリゴヌクレオチドを使って解析可能であった。
D200V変異は常染色体優性高コレステロール血症の家族から検出された。対象は43歳の女性で、幼年期から高コレステロール血症であり、母親と兄がLDL−c95パーセンタイル超のレベルであるとの家族歴を持っていた。この女性は臨床的に家族性高コレステロール血症と診断されており、MedPed基準ではスコア8ポイントであった。脂質低下剤プラバスタチンの使用により(40mg/日)、この女性の空腹時血清脂質は、TC329mg/dL、LDL−c273mg/dL、TG73mg/dL、HDL−c41mg/dLであった。
S205C変異解析
このS205C変異(677C>G、TCT>TGT、Ser205Cys)は、臨床的にFHと診断された対象からLDL−r遺伝子変異をスクリーニングする間に、エキソン4(4B)の237bpの断片をDNA配列決定して同定した。DNAサンプルから得た精製PCR産物を、増幅用プライマーのEx4BF(配列番号12)とEx4BR(配列番号13)、及びキットCEQ2000Dye Terminator Cycle SequencingとQuick Start(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、米国)を使って、両方向から直接配列決定した。配列決定反応で得られた断片を自動シーケンサーCEQ2000XL DNA Analysis Systemで解析した。見出されたC>G変換は同じサンプルの2回目のPCR産物を自動配列決定して確認した。他の方法としては、この変異は、記載のデバイス(「バイオチップ」)を用いて、スライド上に配列番号228、配列番号229、配列番号230、配列番号231のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
S205Cの変異は39歳の女性から検出されており、この女性は高コレステロール血症(母親と兄のTCはそれぞれ450mg/dL、500mg/dL)の家族歴を持ち、子供2人はTCが95パーセンタイル超である。この女性は20歳のときに家族性高コレステロール血症と臨床的に診断されており、MedPedスコア8ポイントであった。薬剤療法前のこの女性の血漿脂質濃度は、TC390mg/dL、LDL−c325mg/dL、HDL−c35mg/dLであった。シンバスチン(10mg/日)による治療で、この女性の血漿LDL−cレベルは270mg/dLに低下した。
(実施例6)
LDLr遺伝子のエキソン6に位置する変異の同定
LDLr遺伝子エキソン6の179bp断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で、プライマーEx6F(配列番号14)とEx6R(配列番号15)を用いて増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1.5mM MgCl、200□Mの各dNTP、0.2□Mの各プライマー、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社、カールスバド、カルフォルニア、米国)を含む50□L反応混合液中でDNA(500ng)を増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、アニーリング56℃1分間、伸長72℃1分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。PCR産物を一本鎖DNA高次構造多型解析(SSCP)で解析した。異常なSSCPパターンを示す断片については、自動CEQ2000XL DNA Analysis System(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、米国)で配列決定した。同定された変異はさらに制限酵素分析により、及び、既出のデバイス「バイオチップ」によって、その存在を判定した。
C255G変異解析
このC255G変異(826T>G、TGC>GGC、Cys255Gly)は制限地図を変えないため、変異アリルの存在下ではBstUI認識部位が導入され、正常アリルの存在下では現れないようなデオキシオリゴヌクレオチドをデザインし、非隣接の塩基を入れて合成した。LDLr遺伝子エキソン6の163bpをポリマラーゼ連鎖反応(PCR)でEx6R(配列番号15)とMutC255GF(配列番号16)のプライマーを用いて増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1.5mM MgCl、200□Mの各dNTP、0.2□Mの各プライマー、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社、カールスバド、カルフォルニア、米国)を含む50□L反応混合液中でDNA(500ng)を増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、アニーリング63℃1分間、伸長72℃2分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。
メーカー(NEB社、べバリー、マサチューセッツ、米国)のプロトコールに従い、PCRサンプル15μLを15単位のBstUIで、総量30μL中で分解した。得られた断片は、正常アリルでは163bpで、変異アリルでは141bpと22bpであった。これらの断片を8%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
C255Gの変異は高コレステロール血症の家族歴を持つ63歳の女性から検出された。治療時のこの女性の脂質は、TC(439mg/dL)、LDLc(355mg/dL)で、TGとHDLcレベルは正常であった。この女性は家族性高コレステロール血症と臨床的に診断されており、MedPedスコア8ポイントであった。
E291X変異解析
このE291X変異(934G>T、GAG>TAG、Asp291Stop)は制限地図を変えないため、変異アリルの存在下ではSspI認識部位が導入され、正常アリルの存在下では現れないようなデオキシオリゴヌクレオチドをデザインし、非隣接の塩基を入れて合成した。
LDLr遺伝子エキソン6の164bpをポリマラーゼ連鎖反応(PCR)でEx6F(配列番号13)とMutE291XR(配列番号17)のプライマーを用いて増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1.5mM MgCl、200□Mの各dNTP、0.2□Mの各プライマー、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社、カールスバド、カルフォルニア、米国)を含む50□L反応混合液中でDNA(500ng)を増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、アニーリング59℃1分間、伸長72℃1分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。
メーカー(アマシャムファルマシアバイオテク社、ピスカタウェイ、ニュージャージー、米国)のプロトコールに従い、PCRサンプル15μLを15単位のSspIで、総量30μL中で分解した。得られた断片は、正常アリルでは164bp(非分解断片)で、変異アリルでは144bpと20bpであった。これらの断片を3%NuSieveアガロースゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。
他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号84、配列番号85、配列番号86、配列番号87のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
E291X変異は、常染色体優性高コレステロール血症の家族から検出された。対象は44歳の角膜環の男性で、この男性は、TC(381mg/dL)、HDLc(45mg/dL)、TG(111mg/dL)、LDLc(314mg/dL)であった。この男性の家族性高コレステロール血症の臨床診断は、MedPed基準によると、スコア12ポイントに達していた。シンバスタチン(40mg/日)とコレスチラミン(12mg/日)の脂質低下治療を組み合わせたところ、この男性の血漿TCとLDL−cのレベルは253mg/dLと188mg/dLまで低下した。
818del8変異解析
この変異はヘテロデュープレックス解析で検出された。エキソン6の増幅産物を8%ポリアクリルアミド(PAA)ゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色して可視化すると、179bpと171bpの、該当する正常及び変異のホモデュープレックスではなく、ヘテロデュープレックスのバンドがエチジウムブロマイドでの染色後ゲル内で簡単に見分けられ、その存在が示された。このヘテロデュープレックスの2つのバンドは、ミスマッチの配列の間に間隙が生じるため、ホモデュープレックスより遅く移動する。
さらに、エキソン6のPCR増幅と、818del8変異によって生成された新たなMaeIIIエンドヌクレアーゼ制限部位を利用した制限酵素分析によって、変異を確認した。メーカー(ロシュダイアグノスティックス社、マンハイム、ドイツ)のプロトコールに従い、PCRサンプル15μLを15単位のMaeIIIで、総量30μL中で分解した。得られた断片は、正常アリルでは118、34、27bpで、変異アリルでは118bpと53bpであった。これらの断片を8%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号160、配列番号161、配列番号162、配列番号163のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
818del8変異は、FHであると臨床的に診断され、MedPedスコア10ポイントであった、69歳の女性から検出された。この女性の2人の息子は高コレステロール血症で、血漿TCのレベルはそれぞれ382と304mg/dLであった。家族性高コレステロール血症であるとの臨床診断は、MedPed基準ではスコア10ポイントに達した。薬剤治療前の血漿脂質濃度は、TC(530mg/dL)、LDLc(439mg/dL)、TG(170mg/dL)、HDLc(57mg/dL)であった。セリバスタチンによる脂質低下治療により(0.4mg/日)、この女性のLDL−cは363mg/dLに低下した。
R279G変異解析
このR279G変異(898A>G、AGA>GGA、Arg279Gly)は、臨床的にFHと診断された対象からLDL−r遺伝子変異をスクリーニングする間に、エキソン6の179bpの断片を自動配列決定して同定した。DNAサンプルから得た精製PCR産物を、増幅用プライマーのEx6F(配列番号14)とEx6R(配列番号15)、及びキットCEQ2000Dye Terminator Cycle SequencingとQuick Start(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、米国)を使って、両方向から直接配列決定した。配列決定反応で得られた断片を自動シーケンサーCEQ2000XL DNA Beckmane Analysis Systemで解析した。見出されたA>G変換は同じサンプルの2回目のPCR産物を配列決定して確認した。
他の方法としては、この変異は、記載のデバイス(「バイオチップ」)を用いて、スライド上に配列番号200、配列番号201、配列番号202、配列番号203のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
R279Gの変異は、父親と2人の兄弟が高コレステロール血症である家族歴を持つ、黄色腫の59歳の女性から検出された。FHの臨床診断のスコアは10ポイントで、治療前の血漿脂質レベルは、TC384mg/dL、LDL−c314mg/dLで、TGとHDL−cレベルは正常であった。シンバスタチンによる脂質低下治療(80mg/日)は、この女性のLDL−cを167mg/dLまで低下させた。
(実施例7)
LDLr遺伝子エキソン7に位置する変異の同定
LDLr遺伝子のエキソン7の234bp断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で、プライマーEx7F(配列番号18)とEx7R(配列番号19)を用いて増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1.5mM MgCl、200□Mの各dNTP、0.2□Mの各プライマー、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社、カールスバド、カルフォルニア、米国)を含む50□L反応混合液中でDNA(500ng)を増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、アニーリング57℃1分間、伸長72℃1分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。
PCR産物を一本鎖DNA高次構造多型解析(SSCP)で解析した。異常なSSCPパターンを示す断片については、自動CEQ2000XL DNA Analysis System(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、米国)で配列決定した。配列決定によって同定された変異はさらに制限酵素分析により、及び、既出のデバイス「バイオチップ」によって、その存在を判定した。
941−39C>T変異解析
この変異はApaI切断部位を破壊する。メーカー(Fermentas社、ハノーバー、メリーランド、米国)のプロトコールに従い、エキソン7のPCRサンプル15μLを15単位ApaIで、総量30μL中で分解した。得られた断片は、正常アリルでは186、26、22bpであったが、変異アリルでは208bpと26bpであった。これらの断片を8%ポリアクリルアミド(PAA)ゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号88、配列番号89、配列番号90、配列番号91のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
941−39C>T変異は、共通して常染色体優性高コレステロール血症である関連のない4家族から検出された。これらのうちの1家族の初発症例は、心筋梗塞の発作に襲われたことがあり、若年性心臓血管疾患の家族歴のある、高コレステロール血症の61歳の女性であった。この女性は臨床的にFHと診断されており、MedPedスコアは7ポイントであった。この女性の治療前の血漿脂質レベルは、TC(340mg/dL)、LDLc(248mg/dL)で、TGは136mg/dL、HDL−cは65mg/dLであった。アトルバスタチン(20mg/日)による脂質低下治療後のTCとLDL−cレベルはそれぞれ233mg/dLと144mg/dLで、TGとHDL−cレベルに著しい変化はみられなかった。
C319Y変異解析
このC319Y変異(1019G>A、TGC>TAC、Cys319Tyr)は新たなRsaIエンドヌクレアーゼ切断部位を生じる。メーカー(Gibco BRL社、カールスバド、カルフォルニア、米国)のプロトコールに従い、PCRサンプル15μLを15単位のRsaIで、総量30μL中で分解した。得られた断片は、正常アリルでは234bp(切断していない断片)、変異アリルでは136bpと98bpであった。これらの断片を8%ポリアクリルアミド(PAA)ゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号92、配列番号93、配列番号94、配列番号95のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
C319Y変異は常染色体優性高コレステロール血症の家族から検出された。対象は43歳の角膜環、アキレス腱と手の甲の黄色腫、角膜アークの男性で、この男性の17歳の息子は血漿総コレステロールが384mg/dLであった。この男性の父親は45歳で突然死している。この男性は臨床的にFHと診断されており、MedPedスコアは22ポイントであった。治療前の血漿脂質レベルは、TC(428mg/dL)、LDLc(372mg/dL)で、TGは正常であった。
1054del11変異解析
この変異はHphI酵素のエンドヌクレアーゼ切断部位を破壊する。メーカー(Gibco BRRL社、カールスバド、カルフォルニア、米国)のプロトコールに従い、エキソン7の増幅された材料15μLを15単位のHphIで、総量30μL中で分解した。得られた断片は、正常アリルでは189bpと45bpで、変異アリルでは223bpであった。これらの断片を8%ポリアクリルアミド(PAA)ゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号96、配列番号97、配列番号98、配列番号99のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
1054del11変異は常染色体優性高コレステロール血症の家族から検出された。対象は43歳の男性で、アキレス腱の黄色腫と心臓血管疾患があり、1親等の親族に若年性心筋梗塞が起こっていた。この男性は臨床的にFHと診断されており、MedPedスコアは16ポイントであった。治療前の血漿脂質レベルは、TC(480mg/dL)、LDLc(416mg/dL)、TG(95mg/dL)、HDLc(36mg/dL)であった。
(実施例8)
LDLr遺伝子エキソン8に位置する変異の同定
LDLr遺伝子のエキソン8の220bp断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で、プライマーEx8F(配列番号148)とEx8R(配列番号149)を用いて増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1.5mM MgCl、200μMの各dNTP、0.2μMの各プライマー、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社、カールスバド、カルフォルニア、米国)を含む50μL反応混合液中でDNA(500ng)を増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、アニーリング64℃1分間、伸長72℃2分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。
PCR産物を一本鎖DNA高次構造多型解析(SSCP)で解析した。異常なSSCPパターンを示す断片については、自動CEQ2000XL DNA Analysis System(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、米国)で配列決定した。配列決定によって同定された変異はさらに制限酵素分析により、また、既出のデバイス「バイオチップ」によって、その存在を判定した。
1186+5G>A変異解析
この変異(1186+5G>A)は、臨床的にFHと診断された対象からLDL−r遺伝子変異をスクリーニングする間に、エキソン8の220bpの断片を自動配列決定して同定した。配列決定反応は、PE Gene Amp System 9700サーモサイクラーで、CEQ2000Dye Terminator Cycle SequencingキットをBeckman Quick Start(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、USA)と共に用いて行い、プライマーはEx8BF(配列番号148)とEx8BR(配列番号149)を使用した。
配列決定反応で生成された断片を自動シーケンサーCEQ2000XL DNA Beckman Analysis Systemで解析した。G>Aの変換を、同じサンプルの2回目のPCR産物を用いて自動配列決定により確認した。他の方法としては、この変異は、記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号188、配列番号189、配列番号190、配列番号191のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
この変異は、常染色体優性高コレステロール血症である、関連のない2家族から検出された。これらのうちの1家族の初発症例は34歳の女性で、黄色腫、角膜環、腱黄色腫、及び高コレステロール血症の家族歴がある。この女性は臨床的にFHと診断されており、MedPedスコアは21ポイントであった。この女性の治療前の血漿脂質レベルは、TC411mg/dL、LDL−c346mg/dLで、TGとHDL−cのレベルは正常であった。セリバスタチン(0.2mg/日)による脂質低下治療でこの女性のLDL−cレベルは222mg/dLまで低下した。
(実施例9)
LDLr遺伝子エキソン9に位置する変異の同定
LDLr遺伝子のエキソン9の224bp断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で、プライマーEx9F(配列番号20)とEx9R(配列番号21)を用いて増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1.5mM MgCl、200μMの各dNTP、0.2μMの各プライマー、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社、カールスバド、カルフォルニア、米国)を含む50μL反応混合液中でDNA(500ng)を増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、アニーリング63℃1分間、伸長72℃2分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。
PCR産物を一本鎖DNA高次構造多型解析(SSCP)で解析した。異常なSSCPパターンを示す断片については、自動CEQ2000XL DNA Analysis System(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、米国)で配列決定した。同定された変異はさらに制限酵素分析により、及び、既出のデバイス「バイオチップ」によって、その存在を判定した。
1197del9変異解析
この変異はヘテロデュープレックス解析で検出された。PCR産物を8%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色して可視化すると、該当する正常及び変異のホモデュープレックスではなく、ヘテロデュープレックスが現れた。得られた断片は、正常アリルでは224bpで、変異アリルでは215bpであった。ヘテロデュープレックスのバンドは、ミスマッチの配列の間に間隙が生じるため、ホモデュープレックスより遅く移動した。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)を用いて、スライド上に配列番号100、配列番号101、配列番号102、配列番号103のオリゴヌクレオチドをスポットして解析することができた。
1197del9変異は、共通して常染色体優性高コレステロール血症である関連のない8家族から検出された。これらのうちの1家族の初発症例は、黄色腫の45歳の女性で、41歳のときに狭心症に襲われている。この女性の父親は36歳で心筋梗塞を起こした。この女性は臨床的にFHと診断されており、MedPedスコアは18ポイントであった。この女性の治療前の血漿脂質レベルは、TC(525mg/dL)、LDLc(443mg/dL)、TG(163mg/dL)、HDLc(49mg/dL)であった。アトルバスタチン(20mg/日)による脂質低下治療でこの女性のLDL−cレベルは323mg/dLに減少した。
Y379X変異解析
このY379X変異(1200C>A、TAC>TAA、Tyr379Stop)は酵素エンドヌクレアーゼMnlIの切断部位を破壊する。メーカー(Gibco BRL社、カールスバド、カルフォルニア、米国)のプロトコールに従い、PCRサンプル15μLに15単位MnlIを加え、総量30μL中で切断した。得られた断片は、正常アリルでは87、56、34、22、18、4、3bpで、変異アリルでは87、56、38、22、18、3bpであった。これらの断片を16%ポリアクリルアミド(PAA)ゲルで電気泳動することにより、34bpと38bpのバンドの区別が可能となり、エチジウムブロマイド染色での可視化により両アリルを判別した。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)を、スライド上に配列番号104、配列番号105、配列番号106、配列番号107のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
Y379X変異は常染色体優性高コレステロール血症の家族から検出された。対象はこの家族の69歳の男性であった。この男性の父親は50歳で心筋梗塞を起こしており、2人の子供は血漿総コレステロールが95パーセンタイル超であった。この男性は臨床的にFHと診断されており、MedPedスコアは7ポイントであった。この男性の治療していないときの脂質値は、TC(381mg/dL)、LDLc(306mg/dL)で、TGとHDLcレベルは正常という結果であった。アトルバスタチン(20mg/日)による治療で、この男性のLDLcのレベルは259mg/dLに減少した。
1207delT変異解析
この変異は制限酵素MboIIの切断部位を破壊する。メーカー(アマシャムファルマシアバイオテク社、ピスカタウェイ、ニュージャージー、米国)のプロトコールに従い、エキソン9の増幅された材料15μLを15単位のMboIIで、総量30μL中で分解した。得られた断片は、正常アリルでは140、46、35、3bpで、変異アリルでは140、48、35bpであった。これらの断片を16%ポリアクリルアミド(PAA)ゲルで電気泳動して、エチジウムブロマイドで染色して可視化すると、両アリルを判別する46bpと48bpのバンドが区別できた。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
1207delT変異は常染色体優性高コレステロール血症の家族から検出された。対象は35歳の女性であった。FH臨床診断のMedPedスコアは9ポイントであった。この女性の脂質低下治療をしていないときの血漿脂質レベルは、TC(429mg/dL)、LDLc(345mg/dL)、TG(188mg/dL)、HDLc(46mg/dL)であった。シンバスタチン(40mg/日)とコレスチポール(5g/日)の脂質低下治療を組み合わせたところ、この女性のTCとLDL−cのレベルは220mg/dLと137mg/dLに減少したが、TGとHDL−cレベルには著しい変化はなかった。
Y421X変異解析
このY421X変異(1326C>G、TAC>TAG、Tyr421Stop)はエンドヌクレアーゼBfaIの新たな切断部位を生じる。メーカー(NEB社、べバリー、マサチューセッツ、米国)のプロトコールに従い、PCRサンプル15μLを15単位BfaIで、総量30μL中で分解した。得られた断片は、正常アリルでは224bp(非分解断片)、変異アリルでは164bpと60bpであった。これらの断片を8%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。他の方法として、この変異は記載されているデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
Y421X変異は、共通して常染色体優性高コレステロール血症である、関連のない3家族から検出された。これらのうちの1家族の初発症例は、角膜環、腱黄色腫、黄色腫の71歳の女性であった。この女性の父親は51歳で心筋梗塞の発作に襲われており、息子は著しい高コレステロール血症(TC367mg/dL)であった。この女性は臨床的にFHと診断されており、MedPedスコアは16ポイントであった。脂質低下薬剤を使用していないときのこの女性の血漿脂質濃度は、TC(615mg/dL)、LDLc(550mg/dL)で、TGとHDLcレベルは正常であった。
1204insT変異解析
この変異はエンドヌクレアーゼMboIIによる切断部位を破壊する。メーカー(アマシャムファルマシアバイオテク社、ピスカタウェイ、ニュージャージー、米国)のプロトコールに従い、エキソン9のPCRサンプル15μLをMboII15単位で、総量30μL中で分解した。得られた断片は、正常アリルでは141、45、35、3bpで、変異アリルでは141、45、39bpであった。これらの断片を8%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)を、スライド上に配列番号168、配列番号169、配列番号170、配列番号171のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
この変異は12歳の少女から検出された。この少女の父親と7歳の弟は高コレステロール血症でTCレベルがそれぞれ412mg/dLと321mg/dLであった。臨床診断FHとしてのMedPedスコアは9ポイントであった。脂質低下薬剤を使用していないときのこの少女の空腹時血清脂質レベルの分析では、TC332mg/dL、LDL−c267mg/dLで、TGとHDL−cレベルは正常であった。レジン(15g/日)による脂質低下治療でLDL−cレベルは248mg/dLまで低下した。
(実施例10)
LDLr遺伝子エキソン10に位置する変異の同定
LDLr遺伝子のエキソン10の278bp断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で、プライマーEx10F(配列番号22)とEx10R(配列番号23)を用いて増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1.5mM MgCl、200μMの各dNTP、0.2μMの各プライマー、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社、カールスバド、カルフォルニア、米国)を含む50μL反応混合液中でDNA(500ng)を増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、アニーリング58℃1分間、伸長74℃2分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。
PCR産物を一本鎖DNA高次構造多型解析(SSCP)で解析した。異常なSSCPパターンを示す断片については、自動CEQ2000XL DNA Analysis System(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、米国)で配列決定した。同定された変異はさらに制限酵素分析により、また、既出のデバイス「バイオチップ」によって、その存在を判定した。
1432delG変異解析
この変異は制限地図を変えないため、変異アリルの存在下ではNaeI制限酵素部位が導入され、正常アリルの存在下では現れないような、ミスマッチのデオキシオリゴヌクレオチドをデザインし、合成した。
LDLr遺伝子エキソン10の200bpをポリマラーゼ連鎖反応(PCR)でEx10R(配列番号23)とMutl432delGF(配列番号24)のプライマーを用いて増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1.5mM MgCl、200μMの各dNTP、0.2μMの各プライマー、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社、カールスバド、カルフォルニア、米国)を含む50μL反応混合液中でDNA(500ng)を増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、アニーリング58℃1分間、伸長72℃2分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。
メーカー(アマシャムファルマシアバイオテク社、ピスカタウェイ、ニュージャージー、米国)のプロトコールに従い、PCRサンプル15μLを15単位のNaeIで、総量30μL中で分解した。得られた断片は、正常アリルでは200bp(非分解断片)で、変異アリルでは179bpと20bpであった。これらの断片を8%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
1432delG変異は、常染色体優性高コレステロール血症の家族から検出された。対象は腱黄色腫の53歳の女性で、この女性は心筋梗塞を起こしており、さらに若年性心臓血管疾患の家族歴も持つ。この女性は臨床的にFHと診断され、MedPedスコアは15ポイントであった。脂質低下治療をしていないときのこの女性の脂質分析では、TC(548mg/dL)、LDLc(470mg/dL)、TGとHDLcレベルは正常という結果であった。
T433N変異解析
このT433N変異(1361C>A、ACC>AAC、Tyr433Asn)は、臨床的にFHと診断された対象のLDL−r遺伝子エキソン10の278bp断片の分析において、これを自動配列決定することにより同定された。配列決定反応はサーモサイクラーPE Gene Amp System9700で行い、CEQ2000Dye Terminator Cycle SequencingキットをBeckman Quick Start(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、USA)と共に用いて行い、プライマーはEx10F(配列番号22)とEx10R(配列番号23)を使用した。配列決定反応で生成された断片を自動シーケンサーCEQ2000XL DNA Beckman Analysis Systemで解析した。C>Aの変換を、同じサンプルの2回目のPCR産物を用いて配列決定により確認した。他の方法としては、この変異は、記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号156、配列番号157、配列番号158、配列番号159のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
T433N変異は、50歳の男性から検出され、この男性は角膜環及び常染色体優性高コレステロール血症の家族歴を持ち、21歳の娘はTCレベルが310mg/dLであった。臨床診断FHとしてのMedPedスコアは6ポイントであった。薬剤治療開始前の血漿脂質濃度の分析では、TC318mg/dL、LDL−c249mg/dLで、TGとHDL−cレベルは正常であった。ロバスタチン(20mg/日)による脂質低下治療でこの男性のLDL−cは199mg/dLに低下した。
変異T446Iの解析
このT446I変異(1400C>T、ACC>ATC、Tyr446Ile)は、臨床的にFHと診断された対象のLDL−r遺伝子エキソン10の278bp断片を自動配列決定して同定した。配列決定反応はサーモサイクラーPE Gene Amp System9700で行い、CEQ2000Dye Terminator Cycle SequencingキットをQuick Start(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、USA)と共に用い、プライマーはEx10F(配列番号22)とEx10R(配列番号23)を使用した。配列決定反応で生成された断片を自動シーケンサーCEQ2000XL DNA Beckman Analysis Systemで解析した。C>Tの変換を、同じサンプルの2回目のPCR産物を用いて配列決定により確認した。他の方法としては、この変異は、記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号204、配列番号205、配列番号206、配列番号207のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
T446I変異は、若年性心臓血管疾患(62歳のときに痛み)の背景を持つ64歳の女性から検出され、この女性の2人の兄弟は高コレステロール血症で、それぞれ40歳と46歳のときに心筋梗塞に襲われた。この女性は臨床的にFHと診断され、MedPedスコアは9ポイントであった。薬剤治療時の脂質の血漿濃度は、TC(352mg/dL)、LDLc(281mg/dL)で、TGとHDLcレベルは正常であった。シンバスタチン20mg/日による脂質低下治療後のLDL−cレベルは150mg/dLに低下した。
変異1423delGC/insA解析
この1423delGC/insA変異はエンドヌクレアーゼMvaIの切断部位を破壊する。メーカー(Fermentas社、ハノーバー、メリーランド、米国)のプロトコールに従い、エキソン10のPCRサンプル15μLを15単位MvaIで、総量30μL中で分解した。得られた断片は、正常アリルでは150bpと128bpで、変異アリルでは128、87、63bpであった。これらの断片を8%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動して、エチジウムブロマイド染色で可視化した。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号164、配列番号165、配列番号166、配列番号167のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
この変異は、親が高コレステロール血症である34歳の男性から検出された。FHとの臨床的診断でのMedPedスコアは9ポイントであった。脂質低下剤を使用していないときの空腹時の血清脂質レベルを分析すると、総TC554mg/dL、LDL−c422mg/dLで、TGとHDL−cレベルは正常であった。アトルバスタチン(10g/日)による脂質低下治療で、LDL−cレベルは406mg/dLに低下した。
(実施例11)
LDLr遺伝子エキソン11に位置する変異の同定
LDLr遺伝子のエキソン11の194bp断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で、プライマーEx11F(配列番号25)とEx11R(配列番号26)を用いて増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1.5mM MgCl、200μMの各dNTP、0.2μMの各プライマー、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社、カールスバド、カルフォルニア、米国)を含む50μL反応混合液中でDNA(500ng)を増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、アニーリング65℃1分間、伸長72℃2分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。
PCR産物を一本鎖DNA高次構造多型解析(SSCP)で解析した。異常なSSCPパターンを示す断片については、自動CEQ2000XL DNA Analysis System(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、米国)で配列決定した。配列決定によって同定された変異はさらに制限酵素分析により、及び、既出のデバイス「バイオチップ」によって、その存在を判定した。
W515X変異解析
このW515X変異(1607G>A、TGG>TAG、Trp515Stop)は新たなBfaI切断部位を生じる。メーカー(NEB社、べバリー、マサチューセッツ、米国)のプロトコールに従い、PCRサンプル15μLをBfaI15単位で、総量30μL中で分解した。得られた断片は、正常アリルでは164bpと30bpで、変異アリルでは97、67、30bpであった。これらの断片を3%NuSieveアガロースゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号120、配列番号121、配列番号122、配列番号123のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
W515Xの変異は、角膜環の39歳の男性から検出され、この男性の父親は50歳のときに心筋梗塞に襲われた。この男性は家族性高コレステロール血症と診断され、MedPed診断スコアは13ポイントであった。薬剤治療していないときの血漿脂質濃度は、TC(364mg/dL)、LDLc(308mg/dL)で、TGとHDLcレベルは正常であった。この対象者の父親、2人の兄弟、及び息子のコレステロールレベルは95パーセンタイルであった。
[1587−5del5;1587del31]変異解析
この変異[1587−5del5;1587del31]は、臨床的にFHと診断された対象のLDL−r遺伝子エキソン11の194bp断片の解析において、これを自動配列決定して同定した。配列決定反応はサーモサイクラーPE Gene Amp System9700で行い、CEQ2000Dye Terminator Cycle SequencingキットをQuick Start(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、USA)と共に用い、プライマーは(配列番号25)とEx11R(配列番号26)を使用した。
配列決定反応で生成された断片を自動シーケンサーCEQ2000XL DNA Beckman Analysis Systemで解析した。この欠失は、2%アガロースゲル電気泳動で、正常アリルと変異アリルに対応してそれぞれ194bpと258bpのバンドとして観察されるのを確認した。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号256、配列番号257、配列番号258、配列番号259のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
[1587−5del5;1587del31]変異は、角膜環の43歳の男性から検出され、この男性は常染色体優性高コレステロール血症の家族歴を持ち(父親と息子は高コレステロール血症)、家族には心臓血管系疾患の徴候がみられた(父親は50歳のときに心筋梗塞に襲われた)。この男性は臨床的にFHと診断され、MedPed診断スコアは9ポイントであった。薬剤治療前の血漿脂質濃度は、TC(345mg/dL)、TG(160mg/dL)、HDLc(34mg/dL)であった。シンバスタチン40mg/日とコレスチポール10g/日を組み合わせた脂質低下治療によりLDL−cレベルは208mg/dLに低下した。
G516X変異解析
この変異(1609G>T、GGA>TGA、Gly516Stop)は新たなHphI切断部位を生じる。メーカー(NEB社、べバリー、マサチューセッツ、米国)のプロトコールに従い、エキソン11の増幅材料15LをHphI15単位で、総量30μL中で分解した。得られた断片は、正常アリルでは139、43、12bpで、変異アリルでは81、58、43、12bpであった。これらの断片を8%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号176、配列番号177、配列番号178、配列番号179のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
G516Xの変異は、腱黄色腫と高コレステロール血症家族歴(母親と2人の思春期の兄弟はLDL−cレベル95パーセンタイル超)を持つ20歳の女性から検出された。この女性は家族性高コレステロール血症と診断され、MedPed診断スコアは17ポイントであった。薬剤治療前の血漿脂質濃度は、TC476mg/dL、LDL−c403mg/dLで、TGとHDL−cレベルは正常であった。HMGCoAリダクターゼ阻害剤による脂質低下治療後のLDL−cレベルは202mg/dLに低下した。
H562Q変異解析
この変異(1749C>A、CAC>CAA、His562Gln)は、臨床的にFHと診断された患者のLDL−r遺伝子エキソン11の194bp断片の解析において、これを自動配列決定して同定した。配列決定反応はサーモサイクラーPE Gene Amp System9700で行い、CEQ2000Dye Terminator Cycle SequencingキットをQuick Start(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、USA)と共に用い、プライマーは(配列番号25)とEx11R(配列番号26)を使用した。配列決定反応で生成された断片を自動シーケンサーCEQ2000XL DNA Beckman Analysis Systemで解析した。見出されたC>Aの変換を、同じサンプルの2回目のPCR産物を用いて自動配列決定により確認した。他の方法としては、この変異は、記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号208、配列番号209、配列番号210、配列番号211のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
H562Qの変異は、常染色体優性高コレステロール血症の家族歴(父親は高コレステロール血症で48歳のときに心筋梗塞を起こし、13歳の息子のTCレベルは500mg/dL)を持つ37歳の女性から検出された。この女性は臨床的にFHと診断され、MedPed診断スコアは9ポイントであった。薬剤治療前の血漿脂質濃度は、TC(350mg/dL)で、TGとHDLcレベルは正常であった。アトルバスタチン20mg/日による脂質低下治療で、TCレベルは333mg/dLに低下した。
(実施例12)
LDLr遺伝子エキソン12に位置する変異の同定
エキソン12の236bp断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で、プライマーEx12F(配列番号150)とEx12R(配列番号151)を用いて増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1.5mM MgCl、200μMの各dNTP、0.2μMの各プライマー、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社、カールスバド、カルフォルニア、米国)を含む50μL反応混合液中でDNA(500ng)を増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、アニーリング58℃1分間、伸長72℃2分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。
PCR産物を一本鎖DNA高次構造多型解析(SSCP)で解析した。異常なSSCPパターンを示す断片については、自動CEQ2000XL DNA Analysis System(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、米国)で配列決定した。同定された変異はさらに制限酵素分析により、及び、既出のデバイス(「バイオチップ」)によって、その存在を判定した。
E579D変異解析
このE579D変異(1800G>C、GAG>GAC、Glu579Asp)は、臨床的にFHと診断された患者のLDL−r遺伝子エキソン12の236bp断片の解析において、これを自動配列決定して同定した。配列決定反応はサーモサイクラーPE Gene Amp System9700で行い、CEQ2000Dye Terminator Cycle SequencingキットをQuick Start(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、USA)と共に用い、プライマーはEx12F(配列番号150)とEx12R(配列番号151)を使用した。配列決定反応で生成された断片を自動シーケンサーCEQ2000XL DNA Beckman Analysis Systemで解析した。見出されたG>Cの変換を、同じサンプルの2回目のPCR産物を用いて自動配列決定により確認した。他の方法としては、この変異は、記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号224、配列番号225、配列番号226、配列番号227のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
E579Dの変異は、常染色体優性高コレステロール血症の家族歴(父親はTC450mg/dLで、兄と思春期の子供2人はLDL−cレベルが95パーセンタイル)を持つ49歳の男性から検出された。この男性は臨床的にFHと診断され、MedPed診断スコアは8ポイントであった。薬剤治療前の血漿脂質濃度は、TC(320mg/dL)、LDL−c(250mg/dL)で、TGとHDL−cレベルは正常であった。アトルバスタチン(10mg/日)による脂質低下治療で、LDL−cレベルは187mg/dLに低下した。
1815del11変異
この変異はヘテロデュープレックス解析で同定することができた。エキソン12のPCR増幅材料を8%ポリアクリルアミド(PAA)ゲル電気泳動すると、変異がある場合は、236bpと225bpの2本のホモデュープレックスバンドより見かけ上大きな分子量を示すヘテロデュープレックスのバンドの存在が示され、それらはエチジウムブロマイドで染色してゲル中で容易に見分けられた。形成するヘテロデュープレックスの2本のバンドは、ミスマッチの配列の間に間隙が生じる結果、ホモデュープレックスより遅く移動する。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)を用いて、スライド上に配列番号184、配列番号185、配列番号186、配列番号187のオリゴヌクレオチドをスポットして解析することができた。
1815del11変異は、常染色体優性高コレステロール血症である、関連のない4家族から検出された。これらのうちの1家族の初発症例は、角膜環と、若年性冠動脈疾患の徴候(56歳のときに痛み)がある69歳の女性で、家族数人(2人の兄弟はTCがそれぞれ700mg/dLと435mg/dL)に高コレステロール血症歴があった。この女性は臨床的にFHと診断され、MedPedスコアは13ポイントであった。この女性のシンバスタチン(40mg/dL)による脂質低下治療時の血漿脂質レベルは、TC444mg/dL、LDL−c368mg/dLで、TGとHDL−cは正常レベルであった。アトルバスタチン(30mg/日)による脂質低下治療で、LDL−cレベルは225mg/dLに低下した。
(実施例13)
LDLr遺伝子エキソン13に位置する変異の同定
LDLr遺伝子のエキソン13の215bp断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で、プライマーEx13F(配列番号27)とEx13R(配列番号28)を用いて増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1mM MgCl、200μMの各dNTP、0.2μMの各プライマー、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社、カールスバド、カルフォルニア、米国)を含む50μL反応混合液中でDNA(500ng)を増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、アニーリング59℃1分間、伸長74℃3分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。
PCR産物を一本鎖DNA高次構造多型解析(SSCP)で解析した。異常なSSCPパターンを示す断片については、自動CEQ2000XL DNA Analysis System(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、米国)で配列決定した。同定された変異はさらに制限酵素分析により、及び、既出のデバイス「バイオチップ」によって、その存在を判定した。
D630N変異解析
このD630N変異(1951G>A、GAT>AAT、Asp630Asn)はMnlI切断部位を破壊する。メーカー(Fermentas社、ハノーバー、メリーランド、米国)のプロトコールに従い、PCRサンプル15μLを15単位MnlIで、総量30μL中で分解した。得られた断片は、正常アリルでは89、48、39、14+14、12、11bpであったが、変異アリルでは89、59、39、14+14、12bpであった。これらの断片を8%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)を用いて、スライド上に配列番号124、配列番号125、配列番号126、配列番号127のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
D630N変異は、常染色体優性遺伝のある、関連のない2家族から検出された。これらのうちの1家族の初発症例は36歳の女性で、両親は62歳と64歳で心筋梗塞で死亡した。FH臨床診断のMedPedスコアは7ポイントであった。薬剤治療をしていないときの血漿脂質濃度は、TC(322mg/dL)、LDLc(268mg/dL)、TG(81mg/dL)、HDLc(48mg/dL)であった。
H635N変異解析
このH635N変異(1966C>A、CAC>AAC、His635Asn)は制限地図を変えないため、正常アリルの存在下ではCaiI制限部位が導入され、変異アリルの存在下では現れないような、ミスマッチ2つを含むデオキシオリゴヌクレオチドをデザインし、合成した。
エキソン13の169bp断片を、デオキシオリゴヌクレオチドEx13F(配列番号27)と2つのミスマッチのあるデオキシオリゴヌクレオチドMutH635NR(配列番号29)を用いてPCRで増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1.5mM MgCl、200μMの各dNTP、0.2μMの各プライマー、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社、カールスバド、カルフォルニア、米国)を含む50μL反応混合液中でDNA(500ng)を増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、アニーリング56℃1分間、伸長72℃1分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。
メーカー(Fermentas社、ハノーバー、メリーランド、米国)のプロトコールに従い、PCRサンプル15μLを15単位のCaiIで、総量30μL中で分解した。得られた断片は、正常アリルでは151bpと18bpで、変異アリルでは169bpであった。これらの断片を8%PAAゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号128、配列番号129、配列番号130、配列番号131のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
H635N変異は、常染色体優性高コレステロール血症の家族のメンバーから検出された。対象は角膜環のある43歳の男性で、若年性心臓血管疾患の家族歴はなかった。この男性の母親と3人の兄弟姉妹たちはコレステロール濃度が95パーセンタイル超であった。この男性は臨床的にFHと診断され、MedPedスコアは13ポイントであった。この男性の薬剤治療をしていないときの血漿脂質濃度は、TC(448mg/dL)、LDLc(384mg/dL)で、TGとHDLcレベルは正常であった。
(実施例14)
LDLr遺伝子エキソン14に位置する変異の同定
LDLr遺伝子のエキソン14の288bp断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で、デオキシオリゴヌクレオチドEx14F(配列番号30)とEx14R(配列番号31)を用いて増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1.5mM MgCl、20μMの各dNTP、0.2μMの各プライマー、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社製、カールスバド、カルフォルニア、米国)を含む50μL反応混合液中でDNA(250ng)を増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、アニーリング59℃1分間、伸長72℃2分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。
PCR産物を一本鎖DNA高次構造多型解析(SSCP)で解析した。異常なSSCPパターンを示す断片については、自動CEQ2000XL DNA Analysis System(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、米国)で配列決定した。同定された変異はさらに制限酵素分析により、及び、既出のデバイス「バイオチップ」によって、その存在を判定した。
D686Y変異解析
このD686Y変異(2119G>T、GAC>TAC、Asp686Tyr)は、臨床的にFHと診断された対象者のLDL−r遺伝子エキソン14の288bp断片の解析において、これを自動配列決定して同定した。配列決定反応はサーモサイクラーPE Gene Amp System9700で行い、CEQ2000Dye Terminator Cycle SequencingキットをQuick Start(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、USA)と共に用い、プライマーはEx14F(配列番号30)とEx14R(配列番号31)を使用した。
配列決定反応で生成された断片を自動シーケンサーCEQ2000XL DNA Beckman Analysis Systemで解析した。見出されたG>Tの変換を、同じサンプルの2回目のPCR産物を用いて自動配列決定により確認した。他の方法としては、この変異は、記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号216、配列番号217、配列番号218、配列番号219のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
D686Yの変異は、黄色腫と角膜環の31歳の男性から検出され、この男性は若年性冠動脈疾患(痛み)の徴候と高コレステロール血症の家族歴を持っていた。この男性は臨床的にFHと診断され、MedPedスコアは21ポイントであった。この男性の薬剤治療前の血漿脂質濃度は、TC(430mg/dL)で、TGとHDLcレベルは正常であった。アトルバスタチン40mg/日とコレスチポール(5g/日)の組合せによる脂質低下治療で、TCレベルは205mg/dLに低下した。
(実施例15)
LDLr遺伝子エキソン15に位置する変異の同定
LDLr遺伝子のエキソン15の243bp断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で、デオキシオリゴヌクレオチドEx15F(配列番号32)とEx15R(配列番号33)を用いて増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1.5mM MgCl、20μMの各dNTP、0.2μMの各プライマー、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社製、カールスバド、カルフォルニア、米国)を含む50μL反応混合液中でDNA(500ng)を増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、アニーリング55℃30秒間、伸長72℃1.5分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。
PCR産物を一本鎖DNA高次構造多型解析(SSCP)で解析した。異常なSSCPパターンを示す断片については、自動CEQ2000XL DNA Analysis System(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、米国)で配列決定した。同定された変異はさらに制限酵素分析により、また、既出のデバイス「バイオチップ」によって、その存在を判定した。
2184delG変異解析
この変異は新たなAluI制限酵素切断部位を生じる。メーカー(Gibco BRL社製、カールスバド、カルフォルニア、米国)のプロトコールに従い、PCRサンプル15μLをAluI15単位で、総量30μL中で分解した。得られた断片は、正常アリルでは166bpと78bpで、変異アリルでは166、67、11bpであった。これらの断片を8%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号132、配列番号133、配列番号134、配列番号135のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
2184delCの変異は、常染色体優性高コレステロール血症の家族から検出された。対象は32歳の女性で、若年性心臓血管疾患の家族歴を持つ。FH臨床診断のMedPed診断スコアは6ポイントであった。薬剤治療していないときの血漿脂質濃度は、TC(330mg/dL)、LDLc(270mg/dL)で、TGとHDL−cレベルは正常であった。
T740M変異解析
このT740M変異(2282C>T、ACG>ATG、Tyr740Met)は新たなNlaIII分解部位を生じる。メーカー(NEB社、べバリー、マサチューセッツ、米国)のプロトコールに従い、PCRサンプル15μLをNlaIII15単位で、総量30μL中で分解した。得られた断片は、正常アリルでは247bpで、変異アリルでは274、194、53bpであった。これらの断片を8%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号192、配列番号193、配列番号194、配列番号195のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
T740Mの変異は60歳の女性から検出され、この女性は角膜環と高コレステロール血症の家族歴と若年性心臓血管疾患の家族歴を持つ。父親は34歳で、脳血管障害で死亡した。この女性は、MedPed診断スコア10ポイントで家族性高コレステロール血症と診断された。薬剤治療前の血漿脂質濃度は、TC492mg/dLで、TGとHDL−cレベルは正常であった。アトルバスタチンによる脂質低下治療で、TCレベルは251mg/dLに低下した。
(実施例16)
LDLr遺伝子エキソン16に位置する変異の同定
エキソン16の273bp断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で、プライマーEx16F(配列番号152)とEx16R(配列番号153)を用いて増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1.5mM MgCl、20μMの各dNTP、0.2μMの各プライマー、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社製、カールスバド、カルフォルニア、米国)を含む50μL反応混合液中でDNA(500ng)を増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、アニーリング63℃1分間、伸長72℃2分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。
PCR産物を一本鎖DNA高次構造多型解析(SSCP)で解析した。異常なSSCPパターンを示す断片については、自動CEQ2000XL DNA Analysis System(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、米国)で配列決定した。同定された変異はさらに制限酵素分析により、及び、既出のデバイス「バイオチップ」によって、その存在を判定した。
V766E変異解析
このV766E変異(2360T>A、GTG>GAG、Val766Glu)は、臨床的にFHと診断された患者のLDL−r遺伝子エキソン16の273bp断片の解析において、これを自動配列決定して同定した。配列決定反応はサーモサイクラーPE Gene Amp System9700で行い、CEQ2000Dye Terminator Cycle SequencingキットをBeckman Quick Start(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、USA)と共に用い、プライマーはEx16F(配列番号152)とEx16R(配列番号153)を使用した。配列決定反応で生成された断片を自動シーケンサーCEQ2000XL DNA Beckman Analysis Systemで解析した。見出されたT>Aの変換を、2回目のPCR産物を配列決定して確認した。他の方法としては、この変異は、記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号236、配列番号237、配列番号238、配列番号239のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
D686Yの変異は、58歳の女性から検出され、この女性はひじの腱黄色腫、角膜環、黄色腫、及び高コレステロール血症の家族歴があった。この女性は臨床的にFHと診断され、MedPedスコアは12ポイントであった。薬剤治療前の血漿脂質濃度は、TC(420mg/dL)、LDL−c(324mg/dL)で、TGとHDLcレベルは正常であった。
I771T変異解析
このI771T変異(2375T>C、ATT>CACT、Ile771Thr)は制限地図を変えないため、変異アリルの存在下ではHincII制限部位が導入され、正常アリルの存在下では現れないような、ミスマッチのデオキシオリゴヌクレオチドをデザインし、合成した。
LDLr遺伝子のエキソン16の142bpを、デオキシオリゴヌクレオチドEx16R(配列番号153)とミスマッチのあるデオキシオリゴヌクレオチドMutI771TF(配列番号154)を用いてPCR技法で増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1.5mM MgCl、200μMの各dNTP、0.2μMの各プライマー、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社製、カールスバド、カルフォルニア、米国)を含む50μL反応混合液中でDNA(500ng)を増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、アニーリング61℃1分間、伸長72℃2分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。
メーカー(アマシャムファルマシアバイオテク社、ピスカタウェイ、ニュージャージー、米国)のプロトコールに従い、PCRサンプル15μLを15単位のHincIIで、総量30μL中で分解した。得られた断片は、正常アリルでは142bpで、変異アリルでは121bpと21bpであった。これらの断片を8%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号196、配列番号197、配列番号198、配列番号199のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
I771Tの変異は、60歳の女性から検出され、この女性には若年性の冠状動脈性心臓病の家族的徴候と、高コレステロール血症の家族歴があった。この女性は家族性高コレステロール血症と診断され、MedPed診断スコアは21ポイントであった。この女性の血漿脂質濃度は、TC(422mg/dL)、LDL−c(368mg/dL)で、TGとHDLcレベルは正常であった。
2389+3A>C変異解析
この2389+3C>T変異、臨床的にFHと診断された患者のLDL−r遺伝子エキソン16の273bp断片の解析において、これを自動配列決定して同定した。配列決定反応はサーモサイクラーPE Gene Amp System9700で行い、CEQ2000Dye Terminator Cycle SequencingキットをQuick Start(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、米国)と共に用い、プライマーはEx16F(配列番号152)とEx16R(配列番号153)を使用した。配列決定反応で生成された断片を自動シーケンサーCEQ2000XL DNA Beckman Analysis Systemで解析した。見出されたC>Tの変換を、同じサンプルの2回目のPCR産物を自動配列決定で確認した。
他の方法としては、この変異は、記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号252、配列番号253、配列番号254、配列番号255のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
2389+3C>Tの変異は、36歳の男性から検出され、この男性にはアキレス腱黄色腫とそれの手への拡大、及び家族の高コレステロール血症歴(母親、兄、息子1人はLDL−cレベルが95パーセンタイル超)がみられた。この男性は臨床的にFHと診断され、MedPedスコアは18ポイントであった。薬剤療法前の血漿脂質濃度は、TC(450mg/dL)で、TGとHDLcレベルは正常であった。アトルバスタチン(20mg/日)による脂質低下治療で、LDL−cは259mg/dLに低下した。
2389+4A>G変異解析
この変異(2389+4A>G)は制限地図を変えないため、変異アリルの存在下ではBshNI制限部位が導入され、正常アリルの存在下では導入されないような、ミスマッチのデオキシオリゴヌクレオチドをデザインし、合成した。
エキソン16の194bpを、デオキシオリゴヌクレオチドEx16F(配列番号152)とミスマッチのあるデオキシオリゴヌクレオチドMut2389+4A>GR(配列番号155)を用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1.5mM MgCl、200μMの各dNTP、0.2μMの各プライマー、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社製、カールスバド、カルフォルニア、米国)を含む50μL反応混合液中でDNA(500ng)を増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、アニーリング61℃1分間、伸長72℃2分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。
メーカー(Fermentas社、ハノーバー、メリーランド、米国)のプロトコールに従い、PCRサンプル15μLを15単位のBshNIで、総量30μL中で分解した。得られた断片は、正常アリルでは194bpで、変異アリルでは175bpと19bpであった。これらの断片を8%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号180、配列番号181、配列番号182、配列番号183のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
2389+4A>Gの変異は、関連のない11組の高コレステロール血症の家族から検出された。これらのうちの1家族の初発症例は22歳の女性で、この女性は腱黄色腫と若年性心臓血管疾患(父親は高コレステロール血症で29歳のときに心筋梗塞)の家族歴を持つ。この女性は家族性高コレステロール血症と診断され、MedPed診断スコアは17ポイントであった。脂質低下治療をしていないときのこの女性の血漿脂質レベルは、TC(356mg/dL)、LDLc(293mg/dL)で、TGとHDLcレベルは正常であった。アトルバスタチン(40mg/日)とコレスチポール(5g/日)の組合せによる脂質低下治療で、HDL−cレベルは227mg/dLに低下した。
(実施例17)
LDLr遺伝子エキソン17に位置する変異の同定
エキソン17の242bp断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で、プライマーEx17F(配列番号34)とEx17R(配列番号35)を用いて増幅した。
20mMトリス−塩酸pH8.4、50mM KCl、1.5mM MgCl、200μMの各dNTP、0.2μMの各プライマー、1.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Gibco BRL社製、カールスバド、カルフォルニア、米国)を含む50μL反応混合液中でDNA(300ng)を増幅した。増幅のサイクルは、96℃で10分間変性後、変性94℃1分間、アニーリング58℃1分間、伸長72℃1分間を35サイクル、最終伸長を72℃で10分間とした。
PCR産物を一本鎖DNA高次構造多型解析(SSCP)で解析した。異常なSSCPパターンを示す断片については、自動CEQ2000XL DNA Analysis System(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、米国)で配列決定した。同定された変異はさらに制限酵素分析により、及び、既出のデバイス「バイオチップ」によって、その存在を判定した。
2399del5ins4変異解析
この変異は、2399位置で配列TCTTCを削除し配列GGGTを導入して、新たなAvaI分解部位を生じる。メーカー(アマシャムファルマシアバイオテク社、ピスカタウェイ、ニュージャージー、米国)のプロトコールに従い、PCRサンプル15μLを15単位のAvaIで、総量30μL中で分解した。得られた断片は、正常アリルでは230bpと12bpで、変異アリルでは183、46、12bpであった。これらの断片を8%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色して可視化した。他の方法として、この変異は記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号136、配列番号137、配列番号138、配列番号139のオリゴヌクレオチドをスポットして解析可能であった。
2399del5ins4変異は、常染色体優性高コレステロール血症である、関連のない3つの家族から検出された。これらのうちの1家族の初発症例は腱黄色腫の49歳の女性で、この女性の父親は心筋梗塞で51歳で死亡した。FH臨床診断のMedPedスコアは16ポイントであった。脂質低下治療前のこの女性の血漿脂質レベルは、TC(510mg/dL)、LDLc(424mg/dL)、HDLc(58mg/dL)、TG(140mg/dL)であった。シンバスタチン20mg/日とコレスチポール20g/日の組合せによる治療で、TCは280mg/dLに低下した。さらに、この女性の22歳と20歳の2人の子供は、それぞれコレステロールレベルが330と386mg/dLであった。
2544insC変異解析
この変異は、臨床的にFHと診断された対象のLDL−r遺伝子エキソン17の242bp断片の解析において、これを自動配列決定して同定した。配列決定反応はサーモサイクラーPE Gene Amp System9700で行い、CEQ2000Dye Terminator Cycle SequencingキットをQuick Start(ベックマンコールター社、パロアルト、カルフォルニア、米国)と共に用い、プライマーはEx17F(配列番号34)とEx17R(配列番号35)を使用して、その後に自動シーケンサーCEQ2000XL DNA Beckman Analysis Systemで電気泳動した。この欠失を、同じサンプルの2回目のPCR産物を自動配列決定して確認した。
他の方法としては、この変異は、記載のデバイス(「バイオチップ」)で、スライド上に配列番号244、配列番号245、配列番号246、配列番号247のオリゴヌクレオチドをスポットして解析できる。
2544insC変異は、心筋梗塞に襲われた37歳の男性から検出され、この男性は腱黄色腫と角膜環、及び高コレステロール血症の家族歴(この男性の父親は若年性の心筋梗塞で死亡)を持っていた。この男性はFHと臨床診断され、MedPedスコアは21ポイントであった。薬剤療法前のこの男性の血漿脂質レベルは、TC(444mg/dL)、LDL−c(379mg/dL)で、TGとHDLcレベルは正常であった。アトルバスタチン(40mg/日)による資質低下治療でこの男性のLDL−cは282mg/dLに低下した。
ヒト細胞におけるLDL−rの順路の概略表示を示す図である。LDL−rはみかけの分子量120Kdの前駆体として小胞体で合成され、ゴルジ装置に輸送される。細胞表面にいったん輸送されると、この受容体はLDLのアポリポタンパク質B−100成分を認識する。結合は受容体介在性エンドサイトーシスによる細胞へのLDLの取り込み及びLDLのリソソームでの分解をもたらす。この取り込み過程は、細胞のコレステロール要求性を満たし、このようにして内因性コレステロール合成の抑制を維持する。 ヒトLDL受容体タンパク質の構造における5つのドメイン及び遺伝子エキソンとのそれらドメインの対応の概略表示を示す図である。 突然変異E256Kについて10個のカップで繰り返す4つのプライマー(正常2つ及び突然変異2つ)を用いた画像の定量のためのスライドグラスを示す図である。(A)正常な個体、(B)家族性高コレステロール血症を有する個体。各突然変異について2対のオリゴヌクレオチドをスポットした。各プローブ対は野生型対立遺伝子に特異的な一プローブ及び突然変異対立遺伝子に特異的な第2プローブからなる。

Claims (16)

  1. 家族性高コレステロール血症のための体外及びin vitro診断法における適用の、以下の突然変異、即ち
    Figure 2006515762

    の少なくとも1つを含む、配列番号1に対応する遺伝子配列。
  2. 家族性高コレステロール血症の体外及びin vitro診断法における適用の、以下の突然変異、即ち
    Figure 2006515762

    のいずれかをさらに含む、請求項1に記載の遺伝子配列。
  3. 家族性高コレステロール血症の体外及びin vitro診断法における適用の、以下の多型、即ち
    Figure 2006515762

    のいずれかをさらに含む、請求項1又は2のいずれかに記載の遺伝子配列。
  4. 以下の突然変異、即ち
    Figure 2006515762

    のいずれかにハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドの設計及び調製における請求項1に記載の遺伝子配列の使用。
  5. 請求項1の遺伝子配列に含まれる突然変異のいずれかにハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドプローブ。
  6. 配列番号8、配列番号11、配列番号16、配列番号17、配列番号24、配列番号29の少なくとも1つ、又は配列番号37から配列番号147まで若しくは配列番号154から配列番号259までからの少なくとも1つから選択される、請求項5に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
  7. 家族性高コレステロール血症の診断のための、LDL−r遺伝子突然変異のin vitro検出の体外法における請求項5に記載のオリゴヌクレオチドプローブの使用。
  8. 家族性高コレステロール血症の診断のための、LDL−r遺伝子突然変異のin vitro検出の体外法における請求項6に記載のプローブの使用。
  9. 請求項5に記載のオリゴヌクレオチドプローブのいずれかが結合している支持体を備える、家族性高コレステロール血症の診断における適用のアッセイキット。
  10. 請求項6に記載のオリゴヌクレオチドプローブのいずれかが結合している支持体を備える、家族性高コレステロール血症の診断における適用のアッセイキット。
  11. 家族性高コレステロール血症の診断のためのLDL−r遺伝子突然変異のin vitro検出の体外法における、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号148、配列番号149、配列番号150、配列番号151、配列番号153から選択されるオリゴヌクレオチドプローブのいずれかの使用。
  12. 配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号148、配列番号149、配列番号150、配列番号151、配列番号152、配列番号153から選択されるオリゴヌクレオチドプローブのいずれかがさらに結合している支持体を備える、家族性高コレステロール血症の診断における適用の、請求項9又は10のいずれかに記載のアッセイキット。
  13. 個体の生体試料において請求項1に記載の配列番号1の突然変異のいくつかが検出されることを特徴とする、家族性高コレステロール血症のin vitro診断の体外法。
  14. 個体の生体試料において請求項2に記載の配列番号1の突然変異のいくつかと組み合わせて、請求項1に記載の前記配列番号1の突然変異のいくつかが検出されることを特徴とする、家族性高コレステロール血症のin vitro診断の体外法。
  15. 個体の生体試料において請求項3に記載の配列番号1の多型のいくつかと組み合わせて、請求項1に記載の前記配列番号1の突然変異のいくつかが検出されることを特徴とする、家族性高コレステロール血症のin vitro診断の体外法。
  16. 請求項1に記載の突然変異を単独で又は請求項2に記載の突然変異及び/若しくは請求項3に記載の多型と組み合わせて含むDNA断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法により増幅させること、そのために配列番号2から配列番号259までから選択されるオリゴヌクレオチドのいずれか又はその組合せを利用すること、前記PCRの産物を単連鎖高次構造多型法(SSCP)による分析にかけること、制限分析又は請求項9、10、若しくは12に記載のアッセイキットによりその後同定されるであろう突然変異を検出するために、SSCPにより異常パターンを有する前記断片を配列決定することを含む、請求項13から15までに記載の診断法。
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