JP2006515418A - 規定された数のリガンドを有するナノ粒子の製造 - Google Patents

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Abstract

1つ程度の数のリガンドが付着したナノ粒子を分離するための迅速な方法を開発した。この方法では、サイズ分布が均一で狭いナノ粒子の集団−リガンド複合体のサイズ排除分離を利用している。リガンドは一般に、幾何学的ナノ構造体を構成する目的で他のナノ粒子に結合するように官能化されたバイオポリマーである。

Description

本件出願は、2002年8月27日に出願された米国仮特許出願第60/406,211号の利益を主張するものであり、その開示内容は引用することによってその全体が本願明細書に編入される。
本発明は、規定された数のリガンドが付着された金属ナノ粒子を作製することに関する。
ナノ粒子とは、ナノスケール材料の分野における幅広い研究対象であるナノメートルサイズの金属性・半導体性粒子である。ナノ粒子には、ナノスケールの電子デバイス、多機能触媒、化学センサならびに、バイオセンサや生物学的アッセイなどの多くの生物学的用途をはじめとする多種多様な分野に応用できる可能性が秘められている。これらの用途の多くを業務規模で開発するために必要な要件のひとつは、ナノ粒子の自己組織化された空間配置をとることにある。
1以上のリガンドに共有結合されたナノ粒子の作製についての具体的な説明が多種多様なリガンドを用いて多くのグループからなされている。構造要素または診断装置として機能させるためには、ナノ粒子1つあたりのリガンド数を正確に把握する必要がある。化学反応には統計的な側面があるため、規定された数のリガンドを含む粒子を直接的な化学変換で得るのは極めて困難である。したがって、ナノ粒子に付着されたリガンド数を基準にナノ粒子を単離するための分離法に対するニーズがある。
ナノ粒子−リガンド複合体の分離方法は周知である。たとえば、金ナノ粒子を合成して凝集した肉眼で見えるクラスターを得る目的でオリゴヌクレオチドを使用することが、非特許文献1によって教示されている。非特許文献2は、反応混合物から二量体の単離にゲル電気泳動を用い、各粒子に結合したssDNAの相補鎖を利用してホスフィン安定化金ナノ粒子の二量体を調製した。非特許文献3は、結合ssDNA鎖数を基準に金ナノ粒子を電気泳動的に分離することについて示しているが、この著者らは長さが50塩基未満のリガンドを含む粒子を分離するには至らなかった。非特許文献4は、ビオチニル化DNAとストレプトアビジンとを利用してナノスケールのネットワークならびに凝集体を作製したが、個々の構造体を単離することはしなかった。
マーキン(Mirkin)ら、Nature、第382巻、第607ページ、1996 ローウェス(Loweth)ら、Angew.Chem.,Int.Ed.Engl.1999、第38巻、1808〜1812 ザンチェット(Zanchet)ら、Nano Lett.2001、1、32〜35 ニーマイヤー(Niemeyer)ら、Chembiochem、2001、2、260〜264
上述したナノ粒子−リガンド複合体の分離および単離方法は有用ではあるが、単一種のリガンドを含んでなるナノ粒子を高速かつ手軽な方法で再現可能に単離できないという欠点がある。
サイズによる分離被検体について浸透性支持体を用いる液体クロマトグラフの手法のひとつにゲル浸透クロマトグラフィとしても知られるサイズ排除クロマトグラフィ(SEC)がある。この分離手法の利点として、高速で簡単に実施でき、大規模な作業に容易に役立てられることがあげられる。
SECは金ナノ粒子のキャラクタリゼーションならびに分離に利用されてきた。たとえば、ウェイ(Wei)ら(J.Chromatogr.A 836、253〜260(1999))は、SECを細孔径が100nmのポリマーベースのカラムで用いて5から38nmの大きさの金ナノ粒子を分離することについて述べた。SECを用いる金ナノ粒子の形状分離については、(ウェイ(Wei)ら、Anal Chem.71:2085〜2091(1999))にも説明されている。
SECの手法には長い歴史があるが、単一のリガンド種が付着されたサイズ分布の狭いナノ粒子の分離目的でこれを使用したという報告は、今日までのところなされていない。本願出願人らは、異なるリガンド種を有するナノ粒子−リガンド複合体の分離および単離を可能にするSEC手法を開発することによって、上記の課題を解決した。
発明の概要
本発明は、
a)サイズ分布が均一で狭いナノ粒子の集団であって、この集団の部分集合が、ナノ粒子−リガンド複合体を形成するようにナノ粒子に安定に付着された少なくとも1つのリガンドを有し、かつ、前記複合体の最小有効サイズが単離されたナノ粒子の有効サイズの少なくとも2倍である、集団を提供するステップと、
b)(a)のナノ粒子の集団に、有効サイズカットオフがナノ粒子−リガンド複合体よりも大きいサイズ排除クロマトグラフ媒体を適用するステップと、
c)規定された数のリガンドを有するナノ粒子−リガンド複合体を回収するステップと、を含んでなる、規定された数のリガンドを含んでなるナノ粒子の生成方法を提供するものである。
もう一つの態様では、本発明は、少なくとも3つのナノ粒子−リガンド複合体を含んでなる幾何学的ナノ構造体であって、前記複合体が各々、
a)ナノ粒子、ならびに
b)第1の近位部と第2の遠位部とを有するリガンド、を含んでなり、かつ、
リガンドが第1の近位部でナノ粒子の表面に付着され、そして
ナノ粒子−リガンド複合体が各々、リガンドの第2の遠位部を介して相互に付着されている、幾何学的ナノ構造体を提供するものである。
好ましい態様において、本発明は、少なくとも2つのナノ粒子−リガンド複合体を含んでなる幾何学的ナノ構造体であって、前記複合体が各々、
a)少なくとも1つのナノ粒子、ならびに
b)第1の近位部と第2の遠位部とを有する少なくとも1つのリガンド、を含んでなり、かつ、
リガンドが第1の近位部でナノ粒子の表面に付着されており、
ナノ粒子−リガンド複合体が各々、リガンドの第2の遠位部を介して相互に付着されており、そして、二量体、三量体、四量体およびこれらの混合物の形態を取る、幾何学的ナノ構造体を提供するものである。
以下の配列は米国特許施行規則第1.821〜1.825(「ヌクレオチド配列および/またはアミノ酸配列の開示を含む特許出願の要件−配列規則」)に準拠し、世界知的所有権機関(WIPO)標準ST.25(1998)、EPOおよびPCTの配列表要件(施行規則5.2および49.5(a−bis)ならびに実施細則第208号および附属書C)に従ったものである。ヌクレオチドおよびアミノ酸配列データに用いる記号および形式は米国特許施行規則第1.822に記載の規則に準拠している。
配列番号:1〜3は、本発明のナノ粒子への付着に適した核酸リガンドである。
発明の詳細な記述
本発明は、規定された数のリガンドが付着したナノ粒子またはナナオ粒子(nanaoparticle)を得るための方法に関する。ナノ粒子上のリガンド数を化学量論的に制御する機能によって、導電性幾何学的ナノ構造体電界放射ディスプレイおよび導電性コーティングをはじめとするナノメートル規模のさまざまな電子デバイスの合成に必要なステップを定量的に制御できるようになる。
特許請求の範囲および明細書を解釈するにあたり、本願明細書では以下の定義および略号を使用する。
「CNBP」はカーボンナノチューブ結合ペプチドを意味し、
「MWNT」は多層ナノチューブを意味し、
「SWNT」は単層ナノチューブを意味し、
「TEM」は透過電子顕微鏡を意味し、
「CNT」はカーボンナノチューブを意味し、
「GSH」は化合物グルタチオンを示す。
「TP」はチオプロニンの略号である。
本願明細書において「ナノ粒子」とは、平均粒径が1〜100nmの間にある金属質粒子であると定義する。好ましくは、粒子の平均粒径が約1〜40nmの間である。
本願明細書において使用する場合、「粒度」と「粒径」は同じ意味である。
「ナノ構造体」という用語は、少なくとも1つの特徴寸法(characteristic dimension)が約100ミクロン未満である、チューブ、ロッド、シリンダ、束状構造体、ウエハ、ディスク、シート、プレート、平面、錐体、細長い小片、顆粒、楕円体、楔体、ポリマー繊維、天然繊維、このような他の物体を意味する。
「ナノロッド」という用語は、中空であっても中実であってもよく、断面形状が円形であっても円形でなくても構わない、さまざまなナノ構造体を意味する。本発明のナノロッドには、ナノチューブ、ナノファイバ、ポリマーナノファイバ、束状構造体、多層構造体を含み得る。
「ナノチューブ」という用語は、狭い方の寸法(直径)が約1〜200nmであり、長い方の寸法(長さ)については、短い方の寸法に対する長い方の寸法の比すなわちアスペクト比が少なくとも5である、中空の物品を示す。通常、アスペクト比は10〜2000の間である。
「ナノ平面」とは、1つの特徴寸法が500ナノメートル未満である、単層または二層のグラファイトシートまたはグラフェンシートなどの表面を意味する。
「ナノファイバ」とは、寸法が1000ナノメートル未満と小さい天然のフィラメントまたはポリマーフィラメントを意味する。
本願明細書において使用する場合、「サイズ分布が均一で狭い」という用語は、ナノ粒子の集団について用いる限り、ナノ粒子1個の大きさのばらつきが集団全体の平均的な大きさの約10%以内であるナノ粒子の集団を意味する。
「単層膜」とは、単一分子の厚さである、ナノ粒子にコーティングされる材料の層を示す。
「混合単層膜」とは、少なくとも2種類の分子成分を有する単層膜を示す。
「捕獲コーティング成分」とは、本願明細書において使用する場合、何らかのリガンドまたは捕獲部分との親和性を持つ、ナノ粒子に単層膜を形成できる材料を示す。「捕獲」成分は、混合単層膜の少ない方の部分をなし、単層膜の50%未満を占めるものであればよい。
「遮蔽用コーティング成分」とは、捕獲部分ではない物質の非特異的結合を防止する機能を持つ、ナノ粒子に単層膜を形成できる材料を示す。遮蔽用コーティング成分はさまざまな材料で構成されるもので構わないが、エチレングリコールが特に適している。
「ナノ粒子−リガンド複合体」という用語は、少なくとも1つのリガンドが安定に付着されたナノ粒子を示す。
「安定に付着された」という表現は、ナノ粒子または他のナノ構造体へのリガンドの付着について用いる限り、共有結合または他の化学的な手段によってナノ粒子の表面にリガンドが付着することを示す。
「幾何学的ナノ構造体」という用語は、整然とした幾何学的パターンでナノ粒子が空間的に配置された少なくとも2つのナノ粒子−リガンド複合体を含んでなるナノメートル規模の構造体を示す。
「リガンド」という用語は、ナノ粒子同士を連結してナノメートル規模の幾何学的構造体を形成すべくナノ粒子またはナノ構造体の表面に結合できるあらゆる材料を意味する。リガンドは、その「近位部」でナノ粒子および他のナノ構造体に安定に付着されるのに対し、リガンドの「遠位部」は他の部分に自由に結合できる。
「結合対」という用語は、化学ポリマーまたはバイオポリマーをベースにした、互いに特異的に結合するカップルを示す。結合対の一般的な例に、抗原/抗体またはハプテン/抗ハプテン系などの免疫型の結合対がある。
「有効サイズ」という用語は、サイズ排除クロマトグラフィに現れる材料の大きさを意味する。材料の「有効サイズ」は、材料の化学特性や物性、サイズ排除クロマトグラフ媒体との相互作用の仕方次第では、材料が実際の大きさよりも大きく見えたり小さく見えたりすることがあるという点で、材料の「実サイズ」と区別される。材料の有効サイズは、サイズ排除クロマトグラフィにおいて大きさがすでに分かっている材料との対比で同一条件下にて求められる。
「サイズ排除クロマトグラフ媒体」という用語は、均一な細孔径を生成する目的で構成でき、かつ、大きさを基準にナノメートル規模の材料の分離に利用できる材料を示す。
本願明細書において使用する場合、「核酸分子」とは、一本鎖または二本鎖であり、任意に、合成、非天然、あるいは改変したヌクレオチド塩基を含有するRNAまたはDNAのポリマーであると定義される。DNAのポリマーの形での核酸分子については、cDNA、ゲノムDNAまたは合成DNAの1以上のセグメントで構成されるものであっても構わない。
「ペプチド」という用語は、ペプチド結合または修飾ペプチド結合によって互いに結合された2以上のアミノ酸を示す。ペプチドには、プロセシングや翻訳後修飾などの何らかの自然なプロセスで修飾されたものだけでなく、化学修飾の手法で修飾されたものも含まれる。この修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖、アミノ末端またはカルボキシル末端をはじめとして、ペプチド内のどこにでも起こり得るものである。修飾の一例として、アミド化、アシル化、アセチル化、架橋、環化、グリコシル化、水酸化、リン酸化、ラセミ化ならびに、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体、脂質または脂質誘導体などのさまざまな部分の共有付着(たとえば、Proteins− Structure and Molecular Properties、第2版 クライトン(Creighton)、W.H.フリーマン・アンド・カンパニー(Freeman and Company)、ニューヨーク(1993)およびPost−translation covalent Modification of Proteins、B.C.ジョンソン(Johnson)編、アカデミック・プレス(Academic Press)、ニューヨーク(1983)を参照のこと)があげられるが、これに限定されるものではない。
本願明細書において使用する場合、「ペプチド」という用語と「ポリペプチド」という用語は同義に用いられる。
「ペプチド核酸」という用語は、ペプチドリンカーによって連結された核酸ポリマーの連続配列を有する材料を示す。
本発明は、大きさが均一なナノ粒子−リガンド複合体の集団を迅速かつ大規模に分離してナノ粒子1個あたりの正確なリガンド数を知ることのできる画分を得るための方法に関する。このナノ粒子については、任意に単層膜でコーティングして粒子を安定させ、水溶性を持たせたものであってもよい。分離後は、これらのナノ粒子をアセンブルし、電子ナノデバイスの製造に役立つナノメートル規模の幾何学的構造体を得ることができる。
ナノ粒子−リガンド複合体
ナノ構造体およびナノ粒子
本発明は、リガンドとナノ粒子またはナノ構造体とを連結することで形成される複合体を提供するものである。本願明細書ではナノ粒子を例にあげているが、さまざまな他のナノ構造体が適する場合もあることは当業者であれば理解できよう。たとえば、本発明において好適なナノ構造体は、チューブ、ロッド、シリンダ、束状構造体、ウエハ、ディスク、シート、プレート、平面、錐体、細長い小片、顆粒、楕円体、楔体、ポリマー繊維、天然繊維をはじめとする多様性または形状をとり得るものであり、制限になるのは少なくとも1つの特徴寸法が約100ミクロン未満でなければならないという点のみである。
たとえば、ナノ平面を官能化してリガンドを受け入れるようにすることが可能であり、ダンベル(dumbell)、矩形、円形、楕円形または多角形などの形状をとることができよう。一般的なナノ平面は、炭素グラフェン、金属酸化物、ケイ酸塩、金属硫化物、層状鉱物を剥離して得られる他の材料などの多種多様な材料で構成し得るものである。
一実施形態では、ナノロッドを容易に本発明で用いることができるだろうと思われる。ナノロッドには、カーボンナノチューブならびに、ポリマーナノファイバ、束状構造体および多層構造体をはじめとするナノチューブやナノファイバを含み得るが、これに限定されるものではない。
本発明において特に好適なナノロッドはナノチューブであり、炭素ベースのナノチューブが最も好ましい。本発明のナノチューブは通常長さ約1〜200nmであり、短い方の寸法に対する長さ寸法の比すなわちアスペクト比が少なくとも5である。一般に、アスペクト比は10から2000の間である。カーボンナノチューブは一部が炭素原子で構成されるが、金属などの他の元素でドープされたものであっても構わない。本発明の炭素ベースのナノチューブについては、多層ナノチューブ(MWNT)であっても単層ナノチューブ(SWNT)であっても構わない。MWNTは、たとえば、各々直径の異なる同心のナノチューブをいくつか含むものである。すなわち、直径の最も小さいチューブがこれより直径の大きなチューブの中に入り、これがさらに直径の大きな別のナノチューブの中に入っている。一方、SWNTはナノチューブ1本で構成される。
ナノ構造体−リガンド複合体を形成するにあたって本発明において好ましいのはナノ粒子である。好適なナノ粒子は平均粒径が1から100nmの間にある金属質粒子または半導体粒子である。好ましくは、粒子の平均粒径は約1から40nmの間である。金属質ナノ粒子としては、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、鉄、銅、コバルトならびに、これらの金属で構成される合金の粒子があげられるが、これに限定されるものではない。「半導体ナノ粒子」としては、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、硫化銀、硫化カドミウム、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、硫化鉛、ヒ化ガリウム、シリコン、酸化スズ、酸化鉄、リン化インジウムの粒子があげられるが、これに限定されるものではない。
本発明のナノ粒子は単層膜でコーティングされている。単層膜は、好適なリガンドに対する付着部(attachment)として機能すると同時に、ナノ粒子に水溶性を持たせる役割も果たす。コーティングによって水溶性となったナノ粒子を本願明細書では「安定化されている」と呼ぶ。安定化された水溶性の金属ナノ粒子および半導体ナノ粒子を作製する方法は従来技術において周知である。これらの粒子は、有機コーティングの性質に応じて荷電していることもあれば中性のこともある。たとえば、本願明細書に援用する、テンプルトン(Templeton)ら(Langmuir 15:66〜76(1999))には、チオプロニンまたはコエンザイムA単層膜で保護された、安定化された荷電水溶性金ナノ粒子を作製するための方法が記載されている。チオプロニン保護金ナノ粒子を作製するにあたって、四塩化金酸とN−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン(チオプロニン)とをメタノールと酢酸との混合物に同時溶解させた。素早く攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムを添加した。これらの粒子の平均粒度については、反応時のチオプロニンと四塩化金酸とのモル比を変えることで制御できる。コエンザイムA保護金ナノ粒子についても、反応におけるチオプロニンをコエンザイムAに変えて同様にして作製した。
金属金、銀、白金、パラジウム、コバルトおよびニッケルの安定化された水溶性ナノ粒子を作製する同様の方法が、ヒース(Heath)らによって本願明細書に援用する米国特許第6,103,868号に説明されている。この方法では、1以上の金属塩の溶液または分散液を、チオール、ホスフィン、ジスルフィド、アミン、オキシドまたはアミドなどの官能基を有する有機表面パッシバントの溶液と混合した。続いて還元剤を添加し、金属塩を還元して遊離金属を得た。
安定化させた水溶性白金ナノ粒子を作製するための方法が、本願明細書に援用する、チェン(Chen)ら(Colloids and Surfaces A 169:107〜116(2000))によって説明されている。これらのナノ粒子は、ポリ(N−ビニルイソブチルアミド)の存在下にてクロロ白金酸をエタノールで還元し、エタノール−水混合物中で作製された。
ハーゲマイヤー(Hagemeyer)らは、本願明細書に援用する米国特許第6,074,979号において、酢酸パラジウムなどのパラジウム塩と水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤とをポリベタインの存在下にて反応させることでポリベタイン安定化パラジウムナノ粒子を作製する方法について説明した。
安定化された中性の水溶性金属ナノ粒子については、非イオン性安定化用有機コーティングまたは単層膜を用いて上述した方法で作製する。たとえば、本願明細書に援用する、ウェルフィング(Wuelfing)ら(J.Am.Chem.Soc.120:12696〜12697(1998))は、チオール化ポリ(エチレングリコール)の単層膜で保護した中性の水溶性金ナノ粒子の作製について説明した。
また、安定化された荷電水溶性半導体ナノ粒子をさまざまな周知の方法で作製することも可能である。たとえば、本願明細書に援用する、チャン(Chan)ら(Science 281:2016〜2018(1998))は、ナノ粒子とメルカプト酢酸とをクロロホルム中にて反応させることで硫化亜鉛キャップトヒ化カドミウムナノ粒子を作製するための方法について説明した。安定化された荷電水溶性半導体ナノ粒子を作製するためのもうひとつの方法が、本願明細書に援用するミッチェル(Mitchell)ら(J.Am.Chem.Soc.121:8122〜8123(1999))によって説明されている。この方法では、セレン化カドミウム/硫化亜鉛ナノ粒子をトリオクチルホスフィンオキシドとトリオクチルホスフィンとの混合物でコーティングした。これらのナノ粒子をジメチルホルムアミド中にて過剰な3−メルカプトプロピオン酸と反応させ、プロピオン酸官能化ナノ粒子を形成した。
また、ナパー(Napper)(J.Colloid.Interface.Sci 58:390〜407(1977))によって説明されているように、ポリ(エチレンオキシド)またはポリ(ビニルアルコール)などの非イオン性安定化用有機化合物で粒子をコーティングして安定化された中性の水溶性半導体ナノ粒子を作製することも可能である。
安定化された水溶性半導体ナノ粒子および金属ナノ粒子のいずれに関しても、たとえば、ポリ(エチレングリコール)およびグルタチオンまたはポリ(エチレングリコール)ならびにチオプロニンなどのさまざまな安定化用コーティングまたは単層の混合物を用いることが可能である。
あるいは、単層膜の一成分がリガンドに対する付着点となり、混合単層膜の他の成分が望ましくないタンパク質または捕獲部分の非特異的結合に対するシールドとして機能する混合単層膜をコーティングしたナノ粒子を提供すると有用な場合もある。この実施形態では、一般に、捕獲成分と遮蔽成分とを有する混合単層膜が同じ単層膜の一部である。一般に、捕獲成分は混合単層膜の約50%未満をなし、約20%〜40%が好ましい。逆に、遮蔽成分は単層膜の主成分を形成し、単層膜の少なくとも約50%をなし、60%から約90%が好ましい。
このような混合単層膜の捕獲成分は、本発明の二官能性ペプチドと結合できるものでなければならない。捕獲成分は、リガンドへの結合を可能にするさまざまな化学基で官能化し得るものである。このような化学反応基の非限定的な例としては、−NH基、−COOH基、−CHO−基、−OH基、−X(Cl、Br、I)基、スクシンイミド基、およびエポキシ基よりなる群から選択されるものがあげられる。好適な捕獲成分の好ましい例にチオプロニンおよびGSHがある。チオプロニン(TPと略記)はN−2−メルカプトプロピオニル−グリシンであり、核酸やペプチドなどのバイオポリマーリガンド(lignad)に合った都合のよい結合部位として機能する露出したカルボキシ基が存在することから、特に捕獲成分として好適である。
混合単層膜の遮蔽成分は、被覆ナノ粒子に対する非リガンド材料の結合をブロックする機能を果たし、特定のバイオポリマーリガンドなどを結合、単離または固定化する目的でナノ粒子を利用できるようにするものである。好適な遮蔽成分としては、短鎖エチレングリコールオリゴマー、エチレングリコールメタクリレート、糖類、クラウンエーテル、アクリルアミドがあげられるが、これに限定されるものではなく、短鎖エチレングリコールオリゴマーが好ましい。
リガンド
ナノ粒子−リガンド複合体には、複数の複合体を幾何学的コンホメーションで連結できるようにナノ粒子の表面に付着されたリガンドが含まれることになる。
本発明において好適なリガンドには、タンパク質、核酸、ペプチド核酸、合成ポリマーおよびオリゴマーが含まれることになるが、これに限定されるものではない。本発明において好ましいのは、DNA、RNAおよびペプチド核酸などの核酸含有リガンドである。核酸リガンドは一本鎖であっても二本鎖であってもよく、通常は約10塩基から約100塩基の範囲となり、約20塩基から約50塩基の長さが好ましい。
遠位端に官能基を含むようにするにあたって、本発明のリガンドを誘導体化してもよい。これらの官能基は、リガンドを他の被覆ナノ粒子に結合させたり、あるいはタンパク質などの他の捕獲部分に結合させたりする上で役立つことがある。したがって、たとえば官能基は、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ/グルタチオン、6XヒスチジンTag/Ni−NTA、ストレプトアビジン/ビオチン、S−タンパク質/S−ペプチド、クチナーゼ/ホスホネートインヒビター、抗原/抗体、ハプテン/抗ハプテン、葉酸/葉酸結合タンパク質、プロテインAまたはG/免疫グロブリンなどの結合対のメンバーであり得る。
核酸リガンドの場合、核酸分子の5’末端または3’末端のいずれかを多種多様な官能基およびスペーサで誘導体化し、結合を実施することができる。たとえば、官能基の非限定的な一覧には、SC12、1から12個の炭素スペーサを有するアミン基(−NH2)、1から12個の炭素スペーサを有するチオール基(SH)、1から12個の炭素スペーサまたはトリエチレングリコールスペーサを有するビオチン基、1から12個の炭素スペーサを有するアクリルアミド基が含まれる。
リガンド−ナノ粒子複合体の合成
単層をコーティングしたナノ粒子などの作製ナノ構造体の表面にリガンドを安定に付着するには、従来技術において周知の多種多様な方法を用いることができる。たとえばリガンドがペプチドである場合、連結の化学的な性質から大きくわけて共有結合と非共有結合の2つのカテゴリに分類される多種多様な方法で、ペプチドを被覆ナノ粒子に付着することが可能である。共有結合による連結方法では、被覆ナノ粒子の官能基およびリガンド上の官能基と反応させるのに小さなクロスリンカー分子を利用する。この方法の基本原理ならびに、これに合った多くのクロスリンカー分子については文献に十分な説明がある(Bioconjugate Techniques、グレッグ(Greg)T.ヘルマンソン(Hermanson)。アカデミック・プレス(Academic Press)、カリフォルニア州サン・ディエゴ(San Diego)、1996)。この方法の一例では、分子EDC[1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩]を利用して被覆ナノ粒子(Au−Tpなど))のカルボキシル基とリガンドのアミン基とを架橋させる。
Figure 2006515418
非共有結合による方法では、被覆ナノ粒子(Au−GSHなど)にあらかじめ付着されたリガンドとこれに対応するリガンドのリガンド−結合ドメイン(Au−GSHの場合はGST)との共有結合の相互作用を利用することはない。上記にて説明したとおり、この目的で多種多様なリガンド/リガンド結合ドメイン対を利用することができる。
Figure 2006515418
リガンドが核酸分子である場合、単層膜またはナノ粒子表面への直接的な結合を可能にする多種多様な官能基でその5’末端または3’末端を修飾することができる。もちろん、官能基のタイプは単層膜およびナノ粒子自体の性質に左右される。たとえば、単層膜がチオプロニンまたは他の−SH含有分子のマトリクスで構成される場合、そのリガンドの5’末端または3’末端に化学官能基を付加することができる。リガンド置換反応によってナノ粒子に修飾リガンドを付着する形でも構わない。
規定された数のリガンドを有するリガンド−ナノ粒子複合体の単離
本発明の方法は、ナノ粒子に規定された数のリガンドが付着されたナノ粒子−リガンド複合体の集団を単離できるようにするものである。好ましい実施形態では、サイズ分布が均一で狭いナノ粒子−リガンド複合体の集団をサイズ排除クロマトグラフィ処理してこれを達成する。最初の集団に含まれるナノ粒子の大きさは、そのばらつきが集団の平均的な大きさに対して約20%を超えないものとし、10%以内であるのが好ましい。サイズ分布が均一で狭い集団については、ゲル電気泳動(シャーフ(Schaaff)ら(J.Phys Chem.102:10643〜10646を参照のこと)や二相抽出法(たとえば、ウェッテン(Whetten)ら(Adv.Mater.8:428〜433(1996)、スブラマニアム(Subramaniam)らの米国特許第6,113,795号を参照のこと)を含む多種多様な方法で作製できる。本発明において好ましいのは、水性溶媒と水混和性有機溶媒との組み合わせを必要とする二相分離スキームを用いる方法である。一般に、サイズ分布の広い安定化された荷電水溶性ナノ粒子を、電解質の存在下にて実質的に水混和性の有機溶媒を加えることでナノ粒子の大きさ基準で分画する。本願明細書において使用する場合、ナノ粒子の集団についての「サイズ分布の広い」とは、大きさが約1nmから約100nmの範囲にあるナノ粒子を示し、大多数のナノ粒子が大きな粒度範囲にわたって散在している。
本願明細書では、実質的に水混和性の有機溶媒を、少なくとも80容量%の濃度まで水に完全に溶解する有機溶媒であると定義する。好適な有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、アセトンがあげられるが、これに限定されるものではない。また、好適な有機溶媒には、互いに完全に混和性であって、かつ実質的に水混和性の有機溶媒の混合物が得られる有機溶媒の混合物も含まれる。混合溶媒の例としては、酢酸エチルとメタノール、酢酸エチルとエタノール、酢酸エチルとイソプロパノール、酢酸エチルとアセトン、酢酸エチルとジメチルホルムアミドとジメチルスルホキシド、酢酸エチルとテトラヒドロフランとジオキサンがあげられるが、これに限定されるものではない。好ましい有機溶媒はメタノールまたはエタノールである。使用可能な電解質としては、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウム、硫化アンモニウムがあげられるが、これに限定されるものではない。二価金属イオン塩は、ポリ(エチレングリコール)とグルタチオンなどの混合コーティングで安定化されたナノ粒子での方が、一成分のコーティングで安定化されたナノ粒子の場合よりもうまく機能するように見える。好ましい電解質は塩化ナトリウムである。
安定化された荷電水溶性ナノ粒子を分画するには、まず電解質濃度が約10から500mMの電解質水溶液に粒子を溶解させる。次に、実質的に水混和性の有機溶媒を加える。実質的に水混和性の有機溶媒の添加量は所望の平均粒度によって決まる。適量については常法による実験で判断することが可能である。一般には、濃度が約5容量%から10容量%になるようにして実質的に水混和性の有機溶媒を加え、最も大きな粒子を沈殿させる。ナノ粒子を遠心分離または濾過によって回収する。遠心分離は一般に、ケンドロ・ラボラトリー・プロダクツ(Kendro Laboratory Products)(コネチカット州ニュータウン(Newtown))から入手可能なソーバル(Sorvall)(登録商標)RT7 PLUS遠心装置などの遠心装置を用いて、約4,000rpmで約1分かけて行われる。濾過の場合、該当するナノ粒子の大きさを回収できる程度に細孔径の小さな多孔膜を使用することができる。
任意に、実質的に水混和性の有機溶媒をナノ粒子溶液に連続添加し、溶液の溶媒含有量を増し、大きさが小さめのナノ粒子を沈殿させる。添加回数と添加容量はナノ粒子の所望のサイズ分布によって決まるものであり、常法による実験で判断することができる。一般に、実質的に水混和性の有機溶媒を添加し、1回の添加ごとにナノ粒子溶液の溶媒含有量を約5〜15容量%ずつ増やし、最も小さな粒子を沈殿させられるだけの溶媒濃度約70容量%まで加えていく。上述したように添加の都度ナノ粒子を回収し、続いて実質的に水混和性の有機溶媒を上清に加える。回収されたナノ粒子を水に再度溶解させれば、テンプルトン(Templeton)ら(Langmuir 15:66〜76(1999))によって説明されているようにして透過電子顕微鏡(TEM)で画分の粒度分布を判断することができる。画分の平均粒度については後述するゲル電気泳動法で求めることが可能である。
本発明の別の実施形態では、安定化された中性の水溶性ナノ粒子を、電解質の非存在下または存在下にて実質的に水混和性の有機溶媒を添加することで、ナノ粒子の大きさ基準で分画する。安定化された中性の水溶性ナノ粒子を分画するには電解質の存在は必須ではないが、電解質が存在しても悪影響はおよばない。安定化された中性の水溶性ナノ粒子を分画するための方法は、ナノ粒子を最初に電解質の非存在下または存在下で水に溶解させる点を除いて安定化された荷電水溶性ナノ粒子の分画について上述した方法と同じである。好ましい方法は、電解質の非存在下で安定化された中性の水溶性ナノ粒子を水に溶解させる方法である。
サイズ分布が均一で狭いナノ粒子の集団が得られたら、上述した方法でこれを好適なリガンドと複合体化することができる。次に、ナノ粒子−リガンド複合体の集団をサイズ排除クロマトグラフィ(SEC)処理して分画を行う。このようにして、規定された数のリガンドを有する複合体を得ることができる。この目的でのサイズ排除分離媒体には何を用いてもよいが、炭水化物を主成分とするサイズ排除媒体が好ましい。サイズ排除分離法では、規定された数のリガンドを有するナナオ粒子を単離するための迅速かつ大規模なシステムが得られる。ナノ粒子−リガンド複合体の有効サイズがリガンドのないナノ粒子の有効サイズの少なくとも2倍でなければならない点は、どの分離プロセスでも同じである。複合体の有効サイズがかなり小さいと、リガンドが1つしか付着していない複合体を単離する上記の機能に限りが出る。さらに、SEC媒体に合った細孔径の選択肢は複合体の大きさに左右されるが、いずれにしても複合体の有効サイズよりも大きくなければならない。約2nmから約10nmの範囲の複合体では、分子量カットオフが約1000kDAのSEC媒体が適しており、カットオフ約200kDAが好ましい。本発明で使用するのに好ましい媒体のひとつにスーパーデックス(Superdex)TM 200ゲル濾過媒体がある。
幾何学的ナノ構造体の生成
本発明のナノ粒子−リガンド複合体を単離した後は、これを利用してナノ回路などのベースをなす幾何学的ナノ構造体を作り出すことができる。二量体、三量体、四量体およびこれらの組み合わせをはじめとする多種多様なコンホメーションでナノ粒子を互いに連結してもよい。一般的なコンホメーションの例を図1のA〜Dの部分に示す。
図1(A)では、最も単純な組み合わせが示されている。ここでは、ナノ粒子(30)に対する親和性を持つ官能基(20)によってリガンド(10)を近位端と遠位端の両方で官能化することができる。一般に、リガンドは核酸またはペプチドであり、官能基はナノ粒子のコーティングに結合することになる。
この系を図1(B)に示すような三量体の構築に利用できることは、当業者であれば理解できよう。
あるいは、リガンドが一本鎖核酸またはペプチド核酸の場合、図1(C)に示すようにハイブリダイゼーションを介してリガンドの遠位部でナノ粒子同士を付着させることができる。あるいは、核酸リガンドのハイブリダイゼーションを利用して、図1(D)に示すような三量体や一本鎖DNA3本以上のクロスハイブリダイゼーションによって得られる他のDNAアーキテクチャを得ることもできる。
さらに別の実施形態では、構造体の幾何学的形状を決める結合対のメンバーとの結合によって、リガンドの遠位部を介して複合体を構成できるものと思われる。このスキームの一例を図1(E)に示す。図1(E)を参照すると、ナノ粒子(30)に対する親和性を持つ官能基(20)によってリガンド(10)を近位部で官能化させることができる。その後、リガンドの遠位部をビオチン(40)などの結合対の第1のメンバーで官能化させることができる。さらに、ナナオ粒子−リガンド複合体を、ストレプトアビジンなど(50)の結合対の第2のメンバーと接触させる。結合対の第2のメンバーが特定の幾何学的コンホメーションに達した場合、本願明細書ではテトラメトリック(tetrameteric)ヘテロ接合と定義する、幾何学的ナノ構造体の同じコンホメーションが伝達されることになる。
ナノ粒子が金属質または半導体の場合、上述したようにしてこれをアセンブルしてヘテロ接合および相互接続部をナノスケールで形成することができる。金属質の場合、構成したナノ粒子は、ナノメートル規模の電子デバイス同士を連結させ、高密度電子回路の製造を可能にし得るものと思われる。隣接するナノ粒子間の距離を両者間の電位差によって制御可能な形で金属質ナノ粒子を並べてアレイ化した後、このマトリクスをリーバー(Leiber)ならびにその共同研究者ら(ルーキーズ(Rueckes)T.ら(2000)、Science 289、94〜97)がカーボンナノチューブで提案しているものに近い不揮発性メモリデバイスとして利用できるものと思われる。
半導体性ナノ粒子は、スイッチ、増幅器あるいはロジックゲートとしてそのまま利用可能な3端子ゲートデバイスでの用途が見込まれるものである。金属粒子を有機半導体と連結することで、たとえば、負性微分抵抗を呈する2端子スイッチングデバイス(ファン(Fan)ら(2002)JACS 124、5550〜5560など)を開発することが可能になる。他の考え得る用途として、電界放出ディスプレイデバイスの放出点源ならびに、導電性コーティング中の導電性成分としての用途があげられる。
以下の実施例において本発明をさらに具体的に説明する。これらの実施例は本発明の好ましい実施形態を示すものではあるが、例示目的であげたものにすぎない点を理解されたい。当業者であれば、上記の説明および以下の実施例から本発明に不可欠な特徴を把握することができ、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本発明にさまざまな変更および改変をほどこしてこれをさまざまな用途および条件に合わせることができる。
基本方法
特に明記しない限り、試薬はいずれもアルドリッチ・ケミカルズ(Aldrich Chemicals)(ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee))から購入し、それ以上精製することなく使用した。
略号の意味は以下のとおりである。「h」は時間(単数または複数)を意味し、「min」は分(単数または複数)を意味し、「sec」は秒(単数または複数)を意味し、「d」は日(単数または複数)を意味し、「mL」はミリリットルを意味し、「L」はリットルを意味する。
実施例1
チオプロニン単層膜保護金ナノ粒子の粒度分画
この実施例の目的は、大きさが均一なチオプロニン単層膜保護金ナノ粒子を作製することであった。この方法は、電解質の存在下で実質的に水混和性の有機溶媒を加えることによる安定化された荷電水溶性ナノ粒子の分画沈殿を含んでなる。
チオプロニン単層膜保護金ナノ粒子の作製
特に明記しない限り、試薬はいずれもアルドリッチ(Aldrich)(ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee))から購入し、それ以上精製することなく使用した。一般的な反応では、メタノール(HPLCグレード)60mLと酢酸(HPLCグレード)10mLとを、エルレンマイヤーフラスコ内で2〜5分間攪拌することによって混合した。四塩化金酸(HAuCl×HO、99.99%)(0.37g)とN−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン(チオプロニン)(最低99%、ミズーリ州セント・ルイス(St.Louis)のシグマ(Sigma)から入手)16.32mgとを上記の混合溶媒に加え、5分間攪拌することによって溶解させたところ、透明な黄色の溶液が得られた。NaBH(99%)0.6gをナノピュア(Nanopure)(登録商標)水30gに溶解させることによって、水素化ホウ素ナトリウム溶液を調製した。このNaBH溶液を上記の溶液に素早く攪拌しながら滴下して加えた。NaBH溶液の最初の1滴を加えると、HAuCl溶液は瞬時に黄色から暗褐色に変化した。この反応は発熱を伴うものであり、溶液をおよそ15分間温めた。反応時、溶液のpHが1.2から約5.0まで変化した。この反応溶液を2時間素早く攪拌した。このチオプロニン単層膜保護金ナノ粒子は水に可溶であり、希釈すると溶液は透明な紫色になった。
ナノ粒子の分画
チオプロニン単層膜保護金ナノ粒子(0.3g)を100mM塩化ナトリウム溶液50mLに溶解させた。このナノ粒子溶液に最終含有量10容量%までメタノールを加えてナノ粒子の第1の画分を沈殿させた。ナノ粒子をソーバル(Sorvall)(登録商標)RT7 PLUS遠心装置(ケンドロ・ラボラトリー・プロダクツ(Kendro Laboratory Products)、コネチカット州ニュータウン(Newtown))での4000rpmにて1分間の遠心分離によって回収した。次に、上清に最終含有量20容量%までメタノールをさらに加え、沈殿したナノ粒子を上述したようにして第2の画分として回収し、これを後の実験に用いた。
実施例2
一本鎖DNAでの金ナノ粒子の標識
この実施例および他の実施例では、5’C6 SH修飾した一本鎖DNA(ssDNA)オリゴヌクレオチドをインテグレイテッド・ディエヌエー・テクノロジーズ・インコーポレイテッド(Integrated DNA Technologies,INC)(アイオワ州コーラルビル(Coralville))から購入した。材料については別途処理することなく受領時のまま使用した。この実施例では、
986−ZF:AAA AAA GCG TGG GCG TGG GCG TGG GCG TGG GCG[配列番号1]
という配列を有するssDNAを使用した。この実施例および他の実施例では、金粒子として実施例1で作製したAu−Tp粒子をHO中での濃度60μMで使用した。標識反応でのAu−TpとssDNAとの最適な比を判断するために、適量のAu−Tp、ssDNA、NaCl、H2Oを以下の表に示すようにして混合し、滴定実験の準備を整えた。
Figure 2006515418
各反応を1.5mL容の試験管で実施した。反応混合物を60℃で15分間インキュベートし、30分で徐々に室温まで冷却した。この生成物を、4%アガロース/Tris−ホウ酸塩−EDTA(TBE)ゲル(バイオホイッタカー(BioWhittaker)、メイン州ロックランド(Rockland))を用いるゲル電気泳動によって分析した。ゲルを1×TBE泳動緩衝液(89mM Tris、89mMホウ酸、2mM EDTA、pH=8.3)に浸し、ホライズン(Horizon) 58 ゲルボックス(ライフ・テクノロジーズ(Life Technologies)、メリーランド州ロックビル(Rockville))にて90Vの定電圧で80分間電気泳動を実施した。HP ScanJet 6300C スキャナ(アジレント・テクノロジーズ(Agilent Technologies)、デラウェア州ウィルミントン(Wilmington))を用いてゲル画像(図2)を記録した。レーン1から6はそれぞれ反応1から6に対応している。
この実験の結果から、標識されたssDNA数の異なるAu粒子を4%アガロースゲルで明確に区別でき、ssDNA対Au−Tpの比が大きくなればなるほど、粒子で見出されるssDNA数が多くなることが分かる。よって、ssDNAおよびAu−Tpの化学量論を利用してAu粒子表面のssDNAの平均数を制御することが可能である。
実施例3
一本鎖DNA数の異なる金ナノ粒子の分離
この実施例は、サイズ排除クロマトグラフィを利用して正確な数のssDNAが付着したAu粒子を得られることを示すものである。この実験では、以下のようにして標識反応を実施した。Au−Tp(60μM)100ulに、400μM ssDNA(986−ZF)8μLと1M NaCl12μLとを加えた。この反応混合物を60℃で15分間インキュベートし、30分で徐々に室温まで冷却した。
次に、BioCAD/SPRINT HPLCシステム(パーセプティブ・バイオシステムズ(PerSeptive Biosystems)、マサチューセッツ州フラミンガム(Framingham))に装着したスーパーデックス(Superdex) 200ゲル濾過カラム(アマシャム・バイオサイエンシーズ(Amersham Biosciences)、ニュージャージー州ピスカタウェイ(Piscataway))に上述した反応混合物を注入し、0.05NaCl/0.15M NaHPO4緩衝液(pH7)を用いて流量0.5mL/分で溶出した。溶出プロファイルを図3Aに示す。ピーク1、2、3は、2、1、0のssDNAで標識したナノ粒子に対応する。図3Bには、Au−Tp(レーン1)、Au−Tp/ssDNA反応混合物(レーン2)、図3Aのピーク2に対応するカラム画分(レーン3)を対比したゲル画像を示す。ピーク2の画分のゲル移動度は、この材料が1粒子/1ssDNA種である点と一致している。このような割当(assignment)を裏付けるさらに他の証拠を次の実施例にあげておく。
実施例4
1粒子/1ssDNA種から開始する二量体金ナノ粒子構造体の合成
実施例3で説明した手順に従って、ssDNAで金粒子を順次標識した。結果を図4aおよび図4bに示す。図4aは、実施例2の金ナノ粒子を配列986−ZF:AAA AAA GCG TGG GCG TGG GCG TGG GCG TGG GCG[配列番号1]で標識したものを示す。
図4bは、上述したようにして作製した金ナノ粒子を相補的ssDNA配列:987−ZR:AAA AAA CGC CCA CGC CCA CGC CCA CGC CCA CGC[配列番号2]で標識したものを示す。
最後の27ヌクレオチドが986−ZFで最後の27ヌクレオチドと相補的になるように987−ZRを設計し、1と2とを混合したときに図4cに示すDNA塩基対相互作用で二量体粒子クラスターが形成されるようにした。
4aおよび4bをいずれも0.05NaCl/0.15M NaHPO4緩衝液(pH7)に濃度20(Mで懸濁させた。4aを50(Lと4bを50(Lとを混合してハイブリダイゼーション反応を実施した後、60℃で15分のインキュベーションを行った。次に、反応混合物を2時間で室温まで冷却した。BioCAD/SPRINT HPLCシステム(パーセプティブ・バイオシステムズ(PerSeptive Biosystems)、マサチューセッツ州フラミンガム(Framingham))に装着したスーパーデックス(Superdex) 200ゲル濾過カラム(アマシャム・バイオサイエンシーズ(Amersham Biosciences)、ニュージャージー州ピスカタウェイ(Piscataway))にハイブリダイゼーション混合物を注入し、0.05NaCl/0.15M NaHPO4緩衝液(pH7)を用いて流量0.5mL/分で溶出した。溶出プロファイルを図5Aに示す。ピーク2で溶出された主要な生成物に加えて、ピーク1および3で表される副生物が顕著であった。これらは、0、2およびこれを超える数のssDNAが付着した粒子の小さな画分を含有する開始材料4aおよび4bに含まれる不純物から生じるものである(4aおよび4bの調製時、収率と純度との間に二律背反がある)。図5Bには、Au−Tp/ssDNA(986−ZR)反応混合物(レーン1)、4aおよび4bのハイブリダイゼーション反応混合物(レーン2)、図5Aのピーク2に対応するカラム画分(レーン3)を対比したゲル画像を示す。ピーク2の画分のゲル移動度は、二量体種である点と一致している。
透過電子顕微鏡(TEM)でも材料を分析した。この分析については、JEOL−2011透過電子顕微鏡を使用して電子電圧(electron voltage)200kV、倍率500Kで実施した。図6Aは、TEMで得られる大きめの視野図である。量的に、精製種の90%を上回るものが二量体金粒子である。図6Bは、いくつかの二量体構造物の拡大図である。
実施例5
単一のビオチン分子での金ナノ粒子の標識
この例は、DNAリガンドを付着させる目的でビオチンをナノ粒子に固定することについて示すものである。
この特定の例では、5’−SHおよび3’−ビオチン(IDT)修飾を含むssDNAを以下のようにして使用した。
995−BR:5’SH−AAA AAA CGC CCA CGC CCG GAT CCA CGC CCA CGC 3’−ビオチン[配列番号3]
標識反応およびゲル濾過カラム分離を、ssDNA995−BRを用いたこと以外は実施例3および4で説明したようにして実施した。図7Aおよび図7Bに示すように、ピーク2の画分のゲル移動度は、この材料が1粒子/1ssDNA/ビオチン種である点と一致している。
幾何学的ナノ構造体の生成を示す。 ssDNA鎖の数を変えて標識した金ナノ粒子のゲル電気泳動である。 ssDNAで標識した金ナノ粒子のゲル濾過とその後のゲル電気泳動の結果を示す。 ssDNAおよび相補的ssDNAで標識した金ナノ粒子を示す。 図4aおよび図4bから調製した二量体の形態を示す。 ssDNAで標識した金ナノ粒子二量体のゲル濾過およびゲル電気泳動を示す。 図5aおよび図5bにおける二量体のTEMでの視野図である。 図6Aにおけるいくつかの二量体構造体の拡大図である。 ビオチニル化ssDNAで標識した金ナノ粒子二量体のゲル濾過およびゲル電気泳動である。
【配列表】
Figure 2006515418

Claims (31)

  1. a)サイズ分布が均一で狭いナノ粒子の集団であって、この集団の部分集合が、ナノ粒子−リガンド複合体を形成するようにナノ粒子に安定に付着された少なくとも1つのリガンドを有し、かつ、前記複合体の最小有効サイズが単離されたナノ粒子の有効サイズの少なくとも2倍である、集団を提供するステップと、
    b)(a)のナノ粒子の集団に、有効サイズカットオフがナノ粒子−リガンド複合体よりも大きいサイズ排除クロマトグラフ媒体を適用するステップと、
    c)規定された数のリガンドを有するナノ粒子−リガンド複合体を回収するステップと、を含んでなる、規定された数のリガンドを含んでなるナノ粒子を分離および単離するための方法。
  2. ナノ粒子の集団が、直径約2nmから約10nmの範囲のナノ粒子を含む、請求項1に記載の方法。
  3. ナノ粒子が金属質である、請求項1に記載の方法。
  4. ナノ粒子を含んでなる金属が、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、鉄、銅、コバルト、およびこれらの合金よりなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
  5. ナノ粒子が半導体である、請求項1に記載の方法。
  6. ナノ粒子を含んでなる半導体が、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、硫化銀、硫化カドミウム、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、硫化鉛、ヒ化ガリウム、シリコン、酸化スズ、酸化鉄、およびリン化インジウムよりなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
  7. ナノ粒子が単層膜でコーティングされたものである、請求項1に記載の方法。
  8. 前記単層膜が、
    a)−NH基、−COOH基、−CHO−基、−OH基、−X(Cl、Br、I)基、スクシンイミド基、およびエポキシ基よりなる群から選択される反応基を有する分子、ならびに
    b)ペプチド、チオプロニン、およびGSHよりなる群から選択される生体分子、
    よりなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記単層膜が遮蔽成分をさらに含んでなる、請求項7に記載の方法。
  10. 遮蔽成分が、短鎖エチレングリコールオリゴマー、エチレングリコールメタクリレート、糖類、クラウンエーテル、およびアクリルアミドよりなる群から選択される請求項9に記載の方法。
  11. リガンドが、タンパク質、核酸、ペプチド核酸、合成ポリマーおよびオリゴマーよりなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  12. リガンドが核酸分子である、請求項11に記載の方法。
  13. 核酸分子が約10から約100塩基である、請求項12に記載の方法。
  14. 核酸分子が約20から約50塩基である、請求項12に記載の方法。
  15. 核酸分子が、官能基を含むように5’末端または3’末端で誘導体化されている、請求項12に記載の方法。
  16. 前記官能基が、SC6H12、1から12個の炭素スペーサを有するアミン基(−NH2)、1から12個の炭素スペーサを有するチオール基(SH)、1から12個の炭素スペーサ、トリエチレングリコールスペーサを有するビオチン基、1から12個の炭素スペーサを有するアクリルアミド基よりなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記官能基が結合対のメンバーである、請求項15に記載の方法。
  18. 結合対の前記メンバーが、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ/グルタチオン、6XヒスチジンTag/Ni−NTA、ストレプトアビジン/ビオチン、S−タンパク質/S−ペプチド、クチナーゼ/ホスホネートインヒビター、抗原/抗体、ハプテン/抗ハプテン、葉酸/葉酸結合タンパク質、およびプロテインAまたはG/免疫グロブリンよりなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
  19. サイズ排除クロマトグラフィ媒体が炭水化物を主成分とするものである、請求項1に記載の方法。
  20. 少なくとも3つのナノ粒子−リガンド複合体を含んでなる幾何学的ナノ構造体であって、前記複合体が各々、
    a)ナノ粒子、ならびに
    b)第1の近位部と第2の遠位部とを有するリガンド、を含んでなり、かつ、
    リガンドが第1の近位部でナノ粒子の表面に付着され、そして
    ナノ粒子−リガンド複合体が各々、リガンドの第2の遠位部を介して相互に付着されている、幾何学的ナノ構造体。
  21. ナノ粒子の直径が約2nmから約10nmである、請求項20に記載の幾何学的ナノ構造体。
  22. ナノ粒子が、金属および半導体よりなる群から選択される材料で構成されている、請求項20に記載の幾何学的ナノ構造体。
  23. リガンドが、タンパク質、核酸、ペプチド核酸、合成ポリマーおよびオリゴマーよりなる群から選択される、請求項20に記載の幾何学的ナノ構造体。
  24. リガンドが、核酸およびペプチド核酸よりなる群から選択される核酸含有分子である、請求項23に記載の幾何学的ナノ構造体。
  25. リガンドが、遠位部に官能基を含むように誘導体化されたものである、請求項24に記載の幾何学的ナノ構造体。
  26. 官能基が、SC6H12、1から12個の炭素スペーサを有するアミン基(−NH2)、1から12個の炭素スペーサを有するチオール基(SH)、1から12個の炭素スペーサ、トリエチレングリコールスペーサを有するビオチン基、1から12個の炭素スペーサを有するアクリルアミド基よりなる群から選択される、請求項25に記載の幾何学的ナノ構造体。
  27. リガンドが核酸分子であり、ナノ粒子−リガンド複合体がリガンドの遠位部のハイブリダイゼーションを介して相互に付着されている、請求項20に記載の幾何学的ナノ構造体。
  28. 官能基が結合対の第1のメンバーであり、ナノ粒子−リガンド複合体が各々結合対の第2のメンバーに付着されている、請求項20に記載の幾何学的ナノ構造体。
  29. 結合対の第1のメンバーがビオチンであり、結合対の第2のメンバーがアビジンおよびストレプトアビジンよりなる群から選択される、請求項28に記載の幾何学的ナノ構造体。
  30. 少なくとも2つのナノ粒子−リガンド複合体を含む幾何学的ナノ構造体であって、前記複合体が各々、
    a)少なくとも1つのナノ粒子、ならびに
    b)第1の近位部と第2の遠位部とを有する少なくとも1つのリガンド、を含んでなり、かつ、
    リガンドが第1の近位部でナノ粒子の表面に付着されており、
    ナノ粒子−リガンド複合体が各々、リガンドの第2の遠位部を介して相互に付着されており、そして、二量体、三量体、四量体およびこれらの混合物の形態を取る、幾何学的ナノ構造体。
  31. ナノ粒子の直径が約2nmから約10nmである、請求項30に記載の幾何学的ナノ構造体。
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