JP2006515166A - C1代謝細菌における遺伝子発現のための天然のプロモーター - Google Patents

C1代謝細菌における遺伝子発現のための天然のプロモーター Download PDF

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Abstract

メチロモナス(Methylomonas)ゲノムにおいて多様な代謝および増殖条件に応答する遺伝子を同定した。これらの遺伝子の同定された応答性は、C1代謝細菌の調節された遺伝子発現におけるそれらのプロモーターの使用を可能にする。特に、生来の状態で3−ヘキスロース−6−リン酸シンターゼ(HPS)を駆動するhpsプロモーターが、絶対メタノトロフメチロモナス(Methylomonas)sp.16aにおける異種コーディング領域(例えば、crtZ)の発現を指令するのに有用であることを見出した。

Description

本発明は細菌の遺伝子発現および代謝工学の分野にある。より具体的には、本発明はC1代謝細菌における遺伝子発現のためのメチロモナス(Methylomonas)sp.から単離されるプロモーター領域の使用に関する。
メタノトロフィック細菌は、周囲条件下でそれらの唯一の炭素およびエネルギー源としてメタンを使用するそれらの能力によって規定される。この能力は、大量のメタンとの共同で、メタンの生体変換を潜在的に独特かつ価値のあるプロセスにする。それ故に、いくらかのアプローチが、商業的応用のためのこれらの生物体の独特な天然の能力を利用する試みにおいて使用されている。
歴史的に、メタンの生体変換の商業的応用は、大きく分けて次の3つの範疇に当てはまる。
1)単一の細胞タンパク質の産生(非特許文献1)(非特許文献2;非特許文献3);
2)化学物質産生のためのアルケン類のエポキシ化(特許文献1);および
3)塩素処理された汚染物質の生物分解(非特許文献4;特許文献2;非特許文献5;非特許文献6)。
産生収量が低く、製品に毒性があり、製品を作製するのに大量の細胞塊が必要であるため、アルケンのエポキシ化が極わずかに商業的に成功している。
単一細胞タンパク質またはSCPと称されるメタンからの大規模タンパク質産生は技術的に可能であり、市販されている(非特許文献2)。単一細胞タンパク質は比較的低価格の製品である。それ故に、経済的な産生は過重なバイオプロセッシングコストを認容することができない。SCPを産生するために使用されるメタノトロフィック株の収率は、プロセスの全体的な経済的実現性に極めて重要であり得る。メタノトロフィック細菌によって産生される微生物バイオマスは、典型的にタンパク質含有量(約70〜80重量%)が極めて高く、このタンパク質の所定のタイプの動物飼料への直接的使用を制限することができる。
SCPの合成に加えて、メタノトロフィック細胞は、さらに、メタンの酸化型生成物(即ち、メタノールおよびホルムアルデヒド)から炭水化物および脂質などの複雑な分子を構成することができる。例えば、所定の条件下で、メタノトロフは細胞外多糖を産生することが公知である(特許文献3;特許文献4;非特許文献7;非特許文献8)。同様に、メタノトロフは、多様な炭素長のイソプレノイド化合物およびカロテノイド色素の両方を蓄積することが公知である(特許文献5;特許文献4;非特許文献9)。
最も最近、メタノトロフィック生物体の天然の能力は、遺伝子操作の進歩によって拡張されている。オドム(Odom)らは、炭水化物、色素、テルペノイド化合物および芳香族化合物を含む単一細胞タンパク質以外の様々な材料の産生に好適な微生物プラットフォームとして、メチロモナス(Methyolomonas)sp.16a.を調べている(特許文献4;特許文献6)。この特定のメタノトロフィック細菌株は、メタノールまたはメタンのいずれかを炭素基質として効率的に使用することが可能であり、該株がホルムアルデヒドから3炭素単位への炭素の組み入れのための複数の経路を含有し、大腸菌(Escherichia coli)などの供与種を使用する細菌接合を介する遺伝子工学に従う点で代謝的に適応性に富む。従って、メチロモナス(Methyolomonas)sp.16aは、メタンから天然に産生される産物以外の新規のクラスの産物を産生するように操作することができる。しかし、メチロモナス(Methyolomonas)sp.16aなどのメタノトロフの代謝工学のさらなる進歩は、この宿主の外来および生来の遺伝子の発現を駆動するのに有用なプロモーターの詳細な理解が不足しているため、現在のところ制限されている。さらに、様々な天然の増殖および誘導条件下で個々に調節可能である一組のプロモーターをプロセスするのに有用であり得る。
一般に、原核生物のプロモーターは、特に、細胞の代謝を改変して、大量の天然の生産者(prductor)の新規産物を産生するのためにキメラ遺伝子の発現を駆動するためのバイオテクノロジーにおいて重要な役割を果たすことができる。高レベルの特定のタンパク質を産生することもまた、産物として所望され得る。大腸菌(E.coli)での遺伝子発現のために一般に使用されるプロモーターは、特に、強力または誘導性プロモーターが要求される場合、メチロモナス(Methylomonas)においてキメラ遺伝子発現を駆動するのに適切ではないかもしれない。大腸菌(E.coli)において強力なプロモーターは、一般に、メチロモナス(Methylomonas)においてかなり低い発現を有する。大腸菌(E.coli)の誘導性プロモーターと共に使用される誘導計は、一般に、メチロモナス(Methylomonas)では良好に機能しない。
従って、解決すべき問題は、メチロモナス(Methylomonas)において所望される条件下でキメラ遺伝子の発現に有用であるプロモーターを提供することがである。メタンおよびメタノール上で増殖中に高い発現を伴うプロモーターは、メチロモナス(Methylomonas)が産生宿主として使用される場合、価値がある。同様に、硝酸塩上での増殖ならびに温度およびpH条件の変化によって誘導されるプロモーターは、産業施設において極めて適用可能であり、これらの条件のそれぞれは容易に調整することができる。本出願人らは、標示された代謝および増殖条件によって調節されるメチロモナス(Methylomonas)sp.16aゲノム内の遺伝子を同定し、これらの遺伝子からプロモーターを単離することによって、上記の問題を解決した。遺伝子の核酸配列はメチロモナス(Methylomonas)sp.およびC1代謝細菌培養物におけるバイオリアクターモニタリングのために使用することができる。具体的には、本出願らは、1)メタンおよびメタノール上での増殖、2)硝酸塩の存在下での誘導、3)増殖温度の変化による誘導、ならびに4)培地のpHの改変による誘導に応答する遺伝子を同定するためにマイクロアレイ技術を使用した。これらの遺伝子の相同物は、様々なC1代謝細菌における同様の目的に有用であるべきである。
米国特許第4,348,476号明細書 国際公開第9633821号パンフレット 国際公開第02/20797号パンフレット 国際公開第02/20728号パンフレット 国際公開第02/20733号パンフレット 国際公開第02/18617号パンフレット シャープ D.H.(Sharpe D.H.)、BioProtein Manufacture 1989、Ellis Horwood series in applied science and industrial technology、ニューヨーク(New York):ハルステッド・プレス(Halstead Press.) ビランドセン・ジョン(Villadsen,John)、Recent Trends Chem.React.Eng.、[Proc.Int.Chem.React.Eng.Conf.]、第2回(1987)、第2巻、320〜33頁。編者:クルカルニ B.D.(Kulkarni,B.D.);マシェルカー R.A.(Mashelkar,R.A.);シャルマ M.M.(Sharma,M.M.)、出版社:ウィリー・イースト(Wiley East.)、インド・ニュー・デリー(New Delhi,India) ;ナギブ M.(Naguib,M.)、Proc.OAPEC Symp.Petroprotein、[Pap.](1980)、開催年1979年、253〜77頁、出版社:オーガン・アラブ・エクスポーティング・カントリーズ(Organ.Arab Pet.Exporting Countries)、クエート、クエート(Kuwait,Kuwait) ジーエン(Tsien)ら、Gas,Oil,Coal,Environ.Biotechnol.2、[Pap.Int.IGT Symp.Gas,Oil,Coal,Environ.Biotechnol.]、第2回(1990)、83〜104、編者:アキン・キャビット(Akin,Cavit);スミス・ジャレッド(Smith,Jared)、出版社:Inst.Gas Technol.、イリノイ州シカゴ(Chicago,IL) マークレイ(Merkley)ら、Biorem.Recalcitrant Org.、[Pap.Int.In Situ On−Site Bioreclam.Symp.]、第3回(1995)、165〜74、編者:ヒンチー・ロバート E(Hinchee,Robert E);アンダーソン・ダニエル B.(Anderson, Daniel B.);ホッペル・ロナルド E.(Hoeppel, Ronald E.)、出版社:バトル・プレス(Battelle Press)、オハイオ州コロンブス(Columbus,OH) マイヤー(Meyer)ら、Microb.Releases,2(1)、11〜22(1993) イバノバ(Ivanova)ら、Mikrobiologiya 57(4):600−5(1988) キルバン・ジョン J.(Kilbane, John J.)、II Gas,Oil,Coal,Environ.Biotechnol.3、[Pap.IGT’s Int.Symp.]、第3回(1991)、開催年1990年、207〜26頁、編者:アキン・キャビット(Akin,Cavit);スミス・ジャレッド(Smith,Jared)、出版社:IGT、イリノイ州、シカゴ(Chicago,IL) ウラカミ(Urakami)ら、J.Gen.Appl.Microbiol.32(4):317−41(1986)
本発明は、本明細書においてメチロモナス(Methylomonas)sp.16aと称されるメチロモナス(Methylomonas)の種から単離される誘導性遺伝子から単離される新規のプロモーター領域に関する。プロモーター領域は、窒素輸送遺伝子(nrtA)および窒素調節タンパク質(glnB)(両方とも硝酸塩によって誘導可能である);熱ショックタンパク質をコードする遺伝子(htpB)(温度の上昇によって誘導可能である);メタノールデヒドロゲナーゼ(dehydrogenaase)遺伝子(moxF)およびヘキスロース−6−リン酸シンターゼ(hps)(両方ともメタノールまたはメタンの存在下で高度に発現される)から誘導される。これらのプロモーター領域は、C1代謝細菌における様々なコーディング領域の発現を駆動するのに有効であることを見出した。
従って、本発明は、
a)1)nrtA遺伝子およびglnB遺伝子よりなる群から選択される遺伝子のプロモーター領域、および
2)C1代謝細菌において発現可能な目的のコーディング領域
を含んでなるキメラ遺伝子を有する形質転換されたC1代謝細菌細胞を提供し、ここで、プロモーター領域は目的のコーディング領域に操作可能に連結され、そして
b)硝酸塩の存在下で工程(a)の形質転換されたC1代謝細菌細胞を増殖させ、ここで、キメラ遺伝子が発現される、
ことを含んでなるC1代謝細菌における目的のコーディング領域の発現のための方法を提供する。
同様に、本発明は、
a)1)glyoxII遺伝子のプロモーター領域、および
2)C1代謝細菌において発現可能な目的のコーディング領域
を含んでなるキメラ遺伝子を有する形質転換されたC1代謝細菌細胞を提供し、ここで、プロモーター領域は目的のコーディング領域に操作可能に連結され、そして
b)約pH5.5で工程(a)の形質転換されたC1代謝細菌細胞を増殖させ、ここで、キメラ遺伝子が発現される、
ことを含んでなるC1代謝細菌における目的のコーディング領域の発現のための方法を提供する。
代替的実施態様では、本発明は、
a)1)htpG遺伝子のプロモーター領域、および
2)C1代謝細菌において発現可能な目的のコーディング領域、
を含んでなるキメラ遺伝子を有する形質転換されたC1代謝細菌細胞を提供し、ここで、プロモーター領域は目的のコーディング領域に操作可能に連結され、そして
b)プロモーター領域の誘導に適切な温度で工程(a)の形質転換されたC1代謝細菌細胞を増殖させ、ここで、キメラ遺伝子が発現される、
ことを含んでなるC1代謝細菌における目的のコーディング領域の発現のための方法を提供する。
別の実施態様では、本発明は、
a)1)moxF遺伝子およびhps遺伝子よりなる群から選択される遺伝子のプロモーター領域、および
2)C1代謝細菌において発現可能な目的のコーディング領域、
を含んでなるキメラ遺伝子を有する形質転換されたC1代謝細菌細胞を提供し、ここで、プロモーター領域は目的のコーディング領域に操作可能に連結され、そして
b)メタンおよびメタノールよりなる群から選択されるC1炭素源の存在下で工程(a)の形質転換されたC1代謝細菌細胞を増殖させ、ここで、工程(a)のキメラ遺伝子が発現される、
ことを含んでなるC1代謝細菌における目的のコーディング領域の発現のための方法を提供する。
本発明のプロモーター領域の発現に好適な宿主は、メタノトロフおよびメチロトロフである。
本発明のプロモーターの制御下での発現に適切なコーディング領域は、カロテノイドの生合成に関与するコーディング領域である。
本発明は、
(a)配列番号2および配列番号5よりなる群から選択されるアミノ酸配列をコードする単離された核酸分子、
(b)ストリンジェントな条件下で(a)とハイブリダイズし、0.1×SSC、0.1%SDS、65℃で洗浄される単離された核酸分子、または
(a)、もしくは(b)に相補的である単離された核酸分子、
よりなる群から選択される硝酸誘導性遺伝子をコードする単離された核酸分子をさらに提供する。
同様に、本発明は、
(a)配列番号8に記載のアミノ酸配列をコードする単離された核酸分子、
(b)ストリンジェントな条件下で(a)とハイブリダイズし、0.1×SSC、0.1%SDS、65℃で洗浄される単離された核酸分子、または
(a)、もしくは(b)に相補的である単離された核酸分子、
よりなる群から選択されるpH誘導性遺伝子をコードする単離された核酸分子を提供する。
別の実施態様では、本発明は、
(a)配列番号11に記載のアミノ酸配列をコードする単離された核酸分子、
(b)ストリンジェントな条件下で(a)とハイブリダイズし、0.1×SSC、0.1%SDS、65℃で洗浄される単離された核酸分子、または
(a)、もしくは(b)に相補的である単離された核酸分子、
よりなる群から選択される温度誘導性遺伝子をコードする単離された核酸分子を提供する。
同様に、本発明は、
(a)配列番号14、および17よりなる群から選択されるアミノ酸配列をコードする単離された核酸分子、
(b)ストリンジェントな条件下で(a)とハイブリダイズし、0.1×SSC、0.1%SDS、65℃で洗浄される単離された核酸分子、または
(a)、もしくは(b)に相補的である単離された核酸分子、
よりなる群から選択されるメタンあるいはメタノール誘導性遺伝子をコードする単離された核酸分子を提供する。
特定の実施態様では、本発明は、配列番号3および配列番号6、配列番号9、配列番号12、配列番号15、ならびに配列番号18に記載の核酸配列を有する主体遺伝子から単離されるプロモーター領域を提供する。
本発明の核酸に加えて、本発明は、それらによってコードされるポリペプチド、本発明の核酸を含んでなるキメラ遺伝子、およびそれらによって形質転換された宿主細胞を提供する。
配列の説明、および生物学的寄託
本発明は、本出願の一部を形成する下記の詳細な説明および添付の配列の説明からさらに完全に理解することができる。
以下の配列は、米国特許法施行規則(37C.F.R.)第1.821〜1.825条(「ヌクレオチド配列および/またはアミノ酸配列の開示を含む特許出願の要件−配列規則(Requirements for Patent Application Containing Nucleotide Sequences and/or Amino Acid Sequence Disclosures−the Sequence Rules)」)に従い、そして世界知的所有権機関(WIPO)標準ST.25(1998)およびEPOおよびPCTの配列表の要件(規則5.2および49.5(a−bis)、ならびに実施細則第208号および付属書C)に一致する。ヌクレオチドおよびアミノ酸配列データに使用した記号および形式は、米国特許法施行規則(37C.F.R.)第1.822に記載の規則に従う。
配列番号1〜18は、完全長コーディング領域(オープンリーディングフレーム、すなわちORF)、タンパク質、またはプロモーターフラグメントであり、表1において同定される。
Figure 2006515166
配列番号19および20はmoxFプロモーターの増幅に使用されるプライマーである。
配列番号21および22はhpsプロモーターの増幅に使用されるプライマーである。
配列番号23〜26はcrtXコーディング領域の欠失に使用されるプライマーである。
本出願人らは、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約に基づき、以下の生物学的寄託を行った。
Figure 2006515166
本発明は、メタノトロフィック細菌株、高増殖メチロモナス(Methylomonas)sp.16aからの誘導性遺伝子およびそれらのプロモーターの単離ならびに特徴付けについて記載している。メタンおよびメタノール上での増殖ならびに硝酸塩の存在、増殖温度の変化、または培地pHの改変による誘導に応答するこれらのプロモーターは、メチロモナス(Methylomonas)sp.16aおよび他のC1代謝細菌のタンパク質、炭水化物および色素を含むバイオマスの産生を調節するのに有用である。従って、本発明は、
(i)硝酸誘導によるC1代謝細菌における目的のコーディング領域の発現のための方法;
(ii)低pH(約5.5)誘導によるC1代謝細菌における目的のコーディング領域の発現のための方法;
(iii)誘導条件として増殖温度を上昇させることによって、C1代謝細菌における目的のコーディング領域の発現のための方法;および
(iv)メタンまたはメタノールにおける増殖によるC1代謝細菌における目的のコーディング領域の発現のための方法、
を提供することによって、当該分野を進歩させる。
さらに、本コーディング領域、または本発明のORF、およびプロモーターフラグメントに相同な核酸配列は、他のC1代謝細菌の関連アプリケーションに同様の様式で機能することが予想される。
定義
本開示では、多数の用語および略語が使用される。以下の定義が提供される。
「オープンリーディングフレーム」はORFと略称される。
「ポリメラーゼ連鎖反応」はPCRと省略される。
用語「ゲノムDNA」は、生物体由来の全DNAを指す。
用語「全RNA」は、生物体由来の非画分化されたRNAを指す。
「RNA転写物」は、DNA配列のRNAポリメラーゼに触媒される転写から生じる産物を指す。RNA転写物がDNA配列の完全な相補的コピーである場合、それは一次転写物と称される。またはそれは一次転写物の転写後プロセシング由来のRNA配列であることができ、そして成熟RNAと称される。「メッセンジャーRNA」または「mRNA」は、イントロンを含まずかつ細胞によりタンパク質に翻訳される得るRNAを指す。「cDNA」はmRNAに相補的でありかつこれに由来する二本鎖DNAを指す。「センス」RNAは、mRNAを含み、そして、従って細胞によりタンパク質に翻訳され得るRNA転写物を指す。「アンチセンスRNA」は、標的の一次転写物もしくはmRNAの全部または一部に相補的でありかつ標的遺伝子の発現を阻止するRNA転写物を指す(米国特許第5,107,065号明細書;国際公開第9928508号パンフレット)。アンチセンスRNAの相補性は、すなわち5’非コーディング配列、3’非コーディング配列、またはコーディング配列における特異的な遺伝子転写物のいずれかの部分に関し得る。「機能的RNA」は、アンチセンスRNA、リボザイムRNAまたは翻訳されていないがしかし細胞の過程に対する影響をなお有する他のRNAを指す。
本明細書において使用される用語「発現」は、コーディング領域に由来するセンス(mRNA)またはアンチセンスRNAの転写および安定な蓄積を指す。発現はまた、mRNAのポリペプチドへの翻訳を指すことができる。
遺伝子発現に適用される用語「アップレギュレーションされる」とは、試験条件にある特定の遺伝子または領域のmRNA転写レベルが、コントロール条件と比較して上昇していることを意味する。対照的に、遺伝子発現に適用される用語「ダウンレギュレーションされる」とは、試験条件にある特定の遺伝子または領域のmRNA転写レベルが、コントロール条件と比較して減少していることを意味する。
細胞に適用される用語「増殖周期」は、細胞が培養条件において移行する代謝周期を指す。該周期は、指数期、指数期の終了、および定常期として知られる多様な段階に分割することができる。
用語「指数増殖」、「指数期増殖」、「対数期」または「対数増殖期」は、微生物が増殖し、そして分裂する速度を指す。対数期において増殖する場合、それらの遺伝子能力、培地の性質、および微生物が増殖する条件が最大限与えられると、微生物は最大速度で増殖する。指数期中の微生物の増殖速度は一定であり、微生物は規則的な間隔で分裂し、そして倍加する。「活動的に増殖する」細胞は対数期で増殖している細胞である。「指数増殖」の定義とは対照的に、用語「定常期」は、培養中の細胞増殖が遅くなるかまたは停止する増殖周期の期を指す。用語「増殖を変更する環境」は、細胞の増殖を阻害するかまたは細胞を死滅させる能力を有するエネルギー、化学物質、または生体物を指す。阻害剤としては、変異剤、抗生物質、UV光、γ線、X線、極端な温度、ファージ、マクロファージ、有機化学物質および無機化学物質を挙げることができるが、これらに限定されない。
「細胞の状態」は、異なる条件下で増殖する場合の生物体の代謝状態を指す。
用語「発現プロファイル」は、所定の組の条件下における遺伝子群の発現を指す。
用語「遺伝子発現プロファイル」は、個々の遺伝子および個々の遺伝子の組の発現を指す。
用語「DNAマイクロアレイ」または「DNAチップ」とは、高密度フォーマットまたはアレイの固相表面上のゲノム内の1群の遺伝子またはすべての遺伝子のPCR産物の組立体を意味する。アレイの構築および使用のための一般的方法は、利用することが可能である(スキーナ M.(Schena M.)ら、サイエンス(Science)、270(5235):467−70(1995))。DNAマイクロアレイは、遺伝子またはこれらの遺伝子のPCR産物を含んでなるDNAマイクロアレイと分析しようとするサンプルから調製されるcDNAプローブとをハイブリダイズさせることによって、同時に実施しようとする多くの遺伝子の遺伝子発現パターンまたはプロファイルの分析を可能にする。DNAマイクロアレイまたは「チップ」技術は、ゲノム規模に対する遺伝子発現の調査を可能にし、多くの遺伝子の転写レベルを同時に測定することが可能である。簡単に説明すると、該技術は、規定された位置で固相表面上の目的の遺伝子またはオープンリーディングフレームに相補的な顕微鏡的量のDNAを整列することを含んでなる。この固相表面は、一般にガラススライド、または膜(例えば、ナイロン)である。DNA配列は、スポットするかまたはフォトリソグラフィによって整列してもよい。比較しようとする2つのサンプルから調製される2つの個別の蛍光標識プローブ混合物はマイクロアレイにハイブリダイズされる。走査型共焦点顕微鏡を使用して、レーザー励起後の蛍光によって結合プローブの存在および量を検出し、そしてレーザースキャナおよび適切なアレイ分析ソフトウェアパッケージを使用して定量する。Cy3(緑色)およびCy5(赤色)蛍光標識が日常的に当該分野において使用されるが、しかし、他の類似の蛍光標識を用いてもよい。2つの比較されたサンプル間の遺伝子発現プロファイルまたはパターンを入手し、そして定量するために、2つのチャンネル(赤:緑)におけるシグナル間の比を、Cy5/Cy3プローブの相対的強度により算出し、これは、各サンプルにおける特異的mRNAの相対存在量の信頼し得る測定値とみなされる。DNAマイクロアレイの構築のための材料は市販されている。アフィメトリックス(Affymetrix)(カリフォルニア州サンタクララ(Santa Clara,CA));シグマケミカルカンパニー(Sigma Chemical Company)(ミズーリ州セントルイス(St. Louis, MO));ゲノシス(Genosys)(テキサス州ウッドランド(The Woodlands,TX));クローンテック(Clontech)(カリフォルニア州パロアルト(Palo Alto CA));およびコーニング(Corning)(ニューヨーク州コーニング(Corning NY))。さらに、アフィメトリックス(Affymetrix)、クローンテック(Clontech)、およびコーニング(Corning)などの業者により特注のDNAマイクロアレイを調製することができる。
用語「C1炭素基質」は、炭素−炭素結合を欠く任意の炭素含有分子を指す。例には、メタン、メタノール、ホルムアルデヒド、ギ酸、ギ酸塩、メチル化アミン(例えば、モノ−、ジ−、およびトリ−メチルアミン)、メチル化チオール、ならびに二酸化炭素がある。
用語「C1代謝体」は、唯一のエネルギー源およびバイオマスとして単一炭素基質を使用する能力を有する微生物を指す。C1代謝体は、典型的にメチロトロフおよび/またはメタノトロフである。
用語「C1代謝細菌」は、唯一のエネルギー源およびバイオマスとして単一炭素基質を使用する能力を有する細菌を指す。C1代謝細菌、C1代謝体のサブセットは、典型的にメチロトロフおよび/またはメタノトロフである。
用語「メチロトロフ」は、炭素−炭素結合を含有しない有機化合物を酸化することが可能な生物体を意味する。メチロトロフがCHを酸化することができる場合、メチロトロフもまたメタノトロフである。
用語「メタノトロフ」または「メタノトロフィック細菌」は、炭素およびエネルギーの1次供給源としてメタンを利用することが可能な原核生物を意味する。メタンの二酸化炭素への完全な酸化は、好気的分解経路によって生じる。本発明において有用なメタノトロフの典型的な例として、メチロモナス(Methylomonas)属、メチロバクター(Methylobacter)属、メチロコッカス(Methylococcus)属、およびメチロサイナス(Methylosinus)属が挙げられるが、これらに限定されない。
用語「高増殖メタノトロフィック細菌株」は、唯一の炭素およびエネルギー源としてメタンまたはメタノールによる増殖が可能な細菌を指し、該細菌は、高い増殖速度および代謝されたC1基質の1グラムあたり細胞塊の高収量を生じる機能的エムデン−マイヤーホフ炭素フラックス経路を有する(国際公開第02/20728号パンフレットを参照のこと)。本明細書に記載の特定の「高増殖メタノトロフィック細菌株」を「メチロモナス(Methylomonas)16a」、「16a」または「メチロモナス(Methylomonas)sp.16a」と呼び、これらの用語は交換可能に使用され、本発明において使用されるメチロモナス(Methylomonas)株を指す。
「核酸」は、ヌクレオチドと呼ばれる共有結合したサブユニットからなる高分子化合物である。核酸は、ポリリボ核酸(RNA)およびポリデオキシリボ核酸(DNA)(両方とも一本鎖であってもまたは二本鎖であってもよい)を含む。DNAには、cDNA、ゲノムDNA、合成DNA、および半合成DNAが含まれる。
本明細書において使用される「単離された核酸フラグメント」は、一本鎖もしくは二本鎖であるRNAまたはDNAのポリマーであり、場合により、合成、非天然または改変されたヌクレオチド塩基を含有する。DNAのポリマーの形態の単離された核酸フラグメントは、cDNA、ゲノムDNAまたは合成DNAの1つもしくはそれ以上のセグメントからなり得る。
核酸フラグメントは、温度および溶液イオン強度の適切な条件下で一本鎖形態の核酸フラグメントが他の核酸フラグメントにアニールすることができる場合、cDNA、ゲノムDNA、またはRNAなどのもう1つの核酸フラグメントに「ハイブリダイズ可能」である。ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件は周知であり、サンブルックJ.(Sambrook,J.)、フリッシュE.F.(Fritsch,E.F.)およびマニアティスT.(Maniatis,T.)、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press)、コールド・スプリング・ハーバー(Cold Spring Harbor)(1989)、特に、第11章および該第11章に掲載の表11.1(全体が参考として本明細書に援用される)において例示されている。温度およびイオン強度の条件はハイブリダイゼーションの「ストリンジェンシー」を決定する。ストリンジェンシー条件を調整して、中等度に類似のフラグメント(遠い関係の生物体由来の相同配列など)から、高度に類似のフラグメント(近い関係の生物体由来の機能的酵素を複製する遺伝子など)をスクリーニングすることができる。ハイブリダイゼーション後の洗浄はストリンジェンシー条件を決定する。1組の好適な条件は、6×SSC、0.5%SDS、室温、15分間で開始し、次いで、2×SSC、0.5%SDS、45℃、30分間で反復し、次いで、0.2×SSC、0.5%SDS、50℃、30分間を2回反復する一連の洗浄を使用する。より好適な組のストリンジェントな条件は、より高い温度を使用し、ここで洗浄は、0.2×SSC、0.5%SDSによる最後の2回の30分間の洗浄の温度を60℃にまで上昇させたことを除いて、上記の洗浄と同一である。もう1つの好適な組の高度にストリンジェントな条件は、0.1×SSC、0.1%SDS、65℃で最後の2回の洗浄を行う。さらなる組のストリンジェントな条件は、0.1×SSC、0.1%SDS、65℃でのハイブリダイゼーションを含み、例えば、2×SSC、0.1%SDS、続いて0.1×SSC、0.1%SDSで洗浄される。
ハイブリダイゼーションは、2つの核酸が相補的な配列を含有することを必要とするが、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに依存して、塩基間にミスマッチの可能性が存在する。核酸にハイブリダイズするのに適切なストリンジェンシーは、核酸の長さおよび相補性の程度(当業者に周知の変数)に依存する。2つのヌクレオチド配列間の類似性または相同性の程度が大きいほど、これらの配列を有する核酸のハイブリダイズに対するTmの値は大きい。核酸ハイブリダイゼーションの相対的安定性(より高いTmに対応する)は、次の順で減少する。RNA:RNA、DNA:RNA、DNA:DNA。長さが100ヌクレオチドを超えるハイブリダイズについては、Tmを算出するための式が導入されている(サンブルック(Sambrook)ら、上掲、9.50−9.51を参照のこと)。より短い核酸、即ちオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションについては、ミスマッチの位置がより重要となり、オリゴヌクレオチドの長さがその特異性を決定する(サンブルック(Sambrook)ら、上掲、11.7−11.8を参照のこと)。1つの実施態様において、ハイブリダイズ可能な核酸の長さは少なくとも約10ヌクレオチドである。好ましくは、ハイブリダイズ可能な核酸の最小の長さは少なくとも約15ヌクレオチド、より好ましくは、少なくとも約20ヌクレオチドであり、および最も好ましくは、長さは少なくとも30ヌクレオチドである。さらに、当業者は、必要であれば、プローブの長さなどの因子に従って、温度および洗浄溶液の塩濃度を調整することができることを認識するであろう。
用語「オリゴヌクレオチド」は、ゲノムDNA分子、cDNA分子、またはmRNA分子にハイブリダイズ可能な一般に少なくとも18ヌクレオチドの核酸を指す。オリゴヌクレオチドは、例えば、32Pヌクレオチドまたはビオチンなどの標識が共有結合しているヌクレオチドで標識することができる。1つの実施態様では、標識されたオリゴヌクレオチドを「プローブ」として使用し、本発明の核酸の存在を検出することができる。用語「プローブ」は、相補的な一本鎖標的核酸と塩基対を形成し、二本鎖分子を形成することができる一本鎖核酸分子を指す。用語「標識」は、mRNAまたはDNAに容易に付着することができ、そして検出可能なシグナルを生成することができる任意の従来の分子を指し、該シグナルの強度は、DNAフラグメントに対する標識されたプローブのハイブリダイゼーションの相対量を示す。好適な標識は蛍光分子または放射性分子である。様々な周知の標識を使用することができる。
アミノ酸またはヌクレオチド配列の「実質的な部分」は、当業者による配列の人的評価によるかまたはBLAST(基本的局所整列検索ツール(Basic Local Alignment Search Tool);アルトシュールS.F.(Altschul,S.F.)ら、J.Mol.Biol.、215:403−410(1993))のようなアルゴリズムを使用するコンピュータにより自動化された配列の比較および同定のいずれかによって、ポリペプチドもしくは遺伝子を推定的に同定するのに十分であるポリペプチドのアミノ酸配列、または遺伝子のヌクレオチド配列を含んでなる部分である。一般に、あるポリペプチドまたは核酸配列を、既知のタンパク質または遺伝子に対して、相同として推定で同定するためには、10もしくはそれ以上の連続するアミノ酸または30もしくはそれ以上のヌクレオチドの配列が必要である。さらに、ヌクレオチド配列に関しては、遺伝子の同定(例えばサザンハイブリダイゼーション)および単離(例えば、細菌コロニーもしくはバクテリオファージのプラークのインサイチュハイブリダイゼーション)の配列に依存する方法では、20〜30の連続するヌクレオチドを含んでなる遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブを使用することができる。加えて、プライマーを含んでなる特定の核酸フラグメントを得るために、12〜15塩基の短いオリゴヌクレオチドをPCRでの増幅プライマーとして、使用することができる。従って、ヌクレオチド配列の「実質的な部分」は、該配列を含んでなる核酸フラグメントを特異的に同定し、および/または単離するのに十分な配列を含んでなる。本明細書は、1種またはそれ以上の特定の微生物タンパク質をコードする部分的、もしくは完全なアミノ酸およびヌクレオチド配列を教示する。本明細書に報告されるような配列の恩恵を有する当業者は、今や、当業者に既知の目的上、開示される配列の全部もしくは実質的な部分を使用してよい。従って本発明は、付随する配列表で報告されるような完全な配列、ならびに上で規定されたようなそれらの配列の実質的部分を含んでなる。
用語「相補的」は、相互にハイブリダイズすることが可能なヌクレオチド塩基間の関係を記述するために使用される。例えば、DNAについて、アデノシンはチミンに相補的であり、そしてシトシンはグアニンに相補的である。従って、本発明はまた、付随する配列表で報告されるような完全な配列、ならびにそれらの実質的に類似の核酸配列に相補的である単離された核酸フラグメントを含む。
当該分野において公知である用語「パーセント同一性」は、2つ以上のポリペプチド配列または2つ以上のポリヌクレオチド配列間の関係であり、配列を比較することによって決定される。当該分野において、場合により「同一性」は、ペプチドまたはポリペプチド配列間の配列関係の程度をも意味し、そのような配列のストリング間の一致によって決定される。「同一異性」および「類似性」は、以下に記載される方法を含むがこれらに限定されない公知の方法によって容易に算出することができる。Computational Molecular Biology(レスクA.M.(Lesk,A.M.)編、オックスフォード・ユニバーシティ・プレス(Oxford University Press)、ニューヨーク(NY)、(1988);Biocomputing:Informatics and Genome Projects(スミスD.W.(Smith,D.W.)編)、Academic Press、ニューヨーク(NY)(1993);Computer Analysis of Sequence Data,Part I(グリフィンA.M.(Griffin,A.M.)およびグリフィンH.G.(Griffin,H.G.)編)、ヒューマナ・プレス(Humana Press)、ニュージャージー(NJ)(1994);Sequence Analysis in Molecular Biology(フォン・ヘインジG(von Heinje,G.)編)、アカデミックプレス(Academic Press)(1987);ならびにSequence Analysis Primer(グリブスコフM.(Gribskov,M.)およびデベルウクスJ(Devereux,J.)編)、ストックトンプレス(Stockton Press)、ニューヨーク(NY)(1991)。同一性を決定するための好適な方法は、試験される配列間の最良の一致を与えるように設計される。同一性および類似性を決定する方法は、公的に利用可能なコンピュータプログラムにおいてコード化される。配列のアライメントおよびパーセント同一性の計算は、レーザージーン(LASERGENE)生物情報科学コンピュータ計算ソフトウェアパッケージ(DNAスター社(DNASTAR Inc.)、ウィスコンシン州マディソン(Madison, WI))のメガライン(Megalign)プログラムを使用して実施してもよい。配列のマルチプルアライメントは、デフォルトのパラメータ(ギャップペナルティ=10、ギャップ長ペナルティ=10)を用い、クラスタル(Clustal)法(ヒギンス(Higgins)およびシャープ(Sharp)(1989)CABIOS.5:151−153)のアライメントを使用して実施した。クラスタル(Clustal)法を使用するペアワイズアライメントのためのデフォルトのパラメータは、Kタプル(TUPLE)1、ギャップペナルティ=3、ウィンドウ=5およびダイアゴナルズ・セイブド=5であった。
適切な核酸フラグメント(本発明の単離されたポリヌクレオチド)は本明細書において報告するアミノ酸配列に少なくとも約70%同一、好ましくは、少なくとも約80%同一であるポリペプチドをコードする。好適な核酸フラグメントは、本明細書において報告するアミノ酸配列に約85%同一であるアミノ酸配列をコードする。より好適な核酸フラグメントは、本明細書において報告するアミノ酸配列に少なくとも約90%同一であるアミノ酸配列をコードする。最も好適な核酸フラグメントは、本明細書において報告するアミノ酸配列に少なくとも約95%同一であるアミノ酸配列をコードする。適切な核酸フラグメントは、上記の相同性を有するだけでなく、少なくとも50アミノ酸、好ましくは少なくとも100アミノ酸、より好ましくは少なくとも150アミノ酸、さらにより好ましくは少なくとも200アミノ酸、最も好ましくは少なくとも250アミノ酸を有するポリペプチドを典型的にコードする。
「コドンの縮重」は、コードされるポリペプチドのアミノ酸配列に影響を与えることなくヌクレオチド配列の変動を可能にする遺伝コード中の性質を指す。従って、本発明は、配列番号2、5、8、11、14、17、および20に記載の本微生物ポリペプチドをコードするアミノ酸配列の全部または実質的な部分をコードするいかなる核酸フラグメントにも関する。当業者は、ある所定のアミノ酸を特定するヌクレオチドコドンの使用における特定の宿主細胞により表される「コドンの偏り」を十分認識している。従って、ある宿主細胞中での改良された発現のための遺伝子を合成する場合、コドンの使用頻度が該宿主細胞の好ましいコドン使用頻度に近づくような遺伝子を設計することが望ましい。
「遺伝子」は、コーディング配列の前(5’非コーディング配列)および後(3’非コーディング配列)に調節配列を含む特定のタンパク質を発現する核酸フラグメントを指す。「生来の遺伝子」は、それ自体の調節配列と共に天然に見出されるような遺伝子を指す。「キメラ遺伝子」は、天然には一緒に見出されない調節およびコーディング配列を含んでなる、生来の遺伝子ではないあらゆる遺伝子を指す。従って、キメラ遺伝子は、異なる起源に由来する調節配列およびコーディング配列、または同じ起源から由来するが、しかし天然に見出されるものとは異なる様式で配列される調節配列およびコーディング配列を含んでなることができる。本発明のキメラ遺伝子は、典型的に目的のコーディング領域に操作可能に連結された誘導性プロモーターを含んでなる。「内因性遺伝子」は、生物体のゲノム内の天然の位置にある生来の遺伝子を指す。「外来」遺伝子は、宿主生物体内に通常は見出されない遺伝子を指すが、しかしこれは遺伝子導入により宿主生物体内に導入される。外来遺伝子は、非生来の生物体内に挿入された生来の遺伝子、またはキメラ遺伝子を含んでなることができる。「導入遺伝子」は、形質転換手順によりゲノム中に導入されている遺伝子である。
用語「誘導性遺伝子」とは、特定のストレス、刺激または増殖条件に応答して高発現を伴う任意の遺伝子を意味する。本発明の誘導性遺伝子として、メチロモナス(Methlomonas)sp.16a.のnrtA、glnB、glyoxII、htpg、moxF、およびhpsとして同定される遺伝子が挙げられる。
「合成遺伝子」は、当業者に既知の手順を使用して化学的に合成されるオリゴヌクレオチド構成単位から集成することが可能である。これらの基礎単位は連結およびアニーリングされて、その後に遺伝子全体を構築するように酵素的に集成される遺伝子セグメントを形成する。DNAの配列に関するところの「化学的に合成される」は、成分ヌクレオチドがインビトロで集成されたことを意味する。DNAの人的な化学合成は、十分に確立された手順を使用して達成することができるか、または、多数の商業的に入手可能な機械の1つを使用して自動化学合成を実施することが可能である。従って、該遺伝子は、宿主細胞のコドンの偏りに反映するヌクレオチド配列の最適化に基づいた最適な遺伝子発現を適応させることが可能である。当業者は、コドンの使用を宿主に好まれるコドンに偏らせる場合に、成功裏の遺伝子発現の見込みを認識する。好ましいコドンの決定は、配列情報が入手可能である宿主細胞由来の遺伝子の調査に基づくことが可能である。
遺伝子に適用される用語「相同物」とは、同じ機能を有する同じまたは異なる微生物に由来する任意の遺伝子を意味する。相同遺伝子は、有意な配列類似性を有することができる。
「コーディング配列」または「目的のコーディング領域」は特定のアミノ配列をコードするDNA配列を指す。
「適切な調節配列」は、コーディング配列の上流(5’非コーディング配列)、内、または下流(3’非コーディング配列)に位置し、転写、RNAプロセシングもしくは安定性、または関連するコーディング配列の翻訳に影響するヌクレオチド配列を指す。調節配列は、プロモーター、翻訳リーダー配列、イントロン、ポリアデニル化認識配列、RNAプロセシング部位、エフェクター結合部位およびステム−ループ構造を含んでもよい。
「転写および翻訳制御配列」は、宿主細胞におけるコーディング配列の発現を提供するプロモーター、エンハンサー、ターミネーターなどのDNA調節配列である。真核細胞では、ポリアデニル化シグナルは制御配列である。
「プロモーター」は、コーディング配列または機能的RNAの発現を制御することが可能なDNA配列を指す。一般に、コーディング配列は、プロモーター配列の3’側に位置する。プロモーターは、それらの全体が生来の遺伝子から誘導することができるか、または天然に見いだされる多様なプロモーターから誘導される多様なエレメントから成るか、または合成DNAセグメントを含み得る。当業者であれば、多様なプロモーターは多様な組織もしくは細胞タイプ、または多様な発生段階において、あるいは多様な環境または生理学的条件に応答して遺伝子の発現を指令することができることを理解している。ほとんどの時期におけるほとんどの細胞タイプにおいて遺伝子を発現させるプロモーターを、通常、「構成的プロモーター」と呼ぶ。ほとんどの場合、調節配列の正確な境界は完全には規定されていないため、多様な長さのDNAフラグメントが同一のプロモーター活性を有することができることがさらに認識される。「誘導性プロモーター」とは、特定の刺激に応答する任意のプロモーターを意味する。本発明の誘導性プロモーターは、典型的に、「誘導性遺伝子」に由来し、そしてさまざまな代謝条件(増殖基質、栄養組成、またはpHおよび温度変化などの環境ストレス)に応答する。
用語「機能的に等価なサブフラグメント」および「機能的等価サブフラグメント」は、本明細書において交換可能に使用される。これらの用語は、遺伝子発現を付与または所定の表現型を産生する能力を保持する単離された核酸フラグメントの部分または部分列を指す。例えば、フラグメントまたはサブフラグメントは、形質転換された宿主において所望する表現型を産生させるためのキメラ遺伝子の発現のために使用することができる。サブフラグメントは、本来の完全核酸プロモーターフラグメントのプロモーター活性を保持する。
「3’非コーディング配列」は、コーディング配列の下流に配置されるDNA配列を指し、かつ、ポリアデニル化認識配列、およびmRNAのプロセシングまたは遺伝子発現に影響を及ぼすことが可能な調節シグナルをコードする他の配列を含む。ポリアデニル化シグナルは通常、mRNA前駆体の3’端へのポリアデニル酸領域(tract)の付加に影響を及ぼすことを特徴とする。
用語「操作可能に連結している」は、一方の機能が他方により影響を受ける単一核酸フラグメント上の核酸配列の対合(association)を指す。例えば、プロモーターがコーディング配列の発現を影響することができる(すなわちコーディング配列がプロモーターの転写制御下にある)場合、プロモーターはコーディング配列に操作可能に連結されている。コーディング配列はセンスまたはアンチセンスの配向で調節配列に操作可能に連結されることができる。
「成熟」タンパク質は、転写後にプロセシングされたポリペプチド(即ち、一次翻訳産物中に存在するいかなるプレ−もしくはプロペプチドが除去されている)を指す。「前駆体」タンパク質は、mRNAの翻訳の一次産物(即ち、プレ−およびプロペプチドがなお存在する)を指す。プレ−およびプロペプチドは、限定されるものでないが細胞内局在化シグナルであってもよい。
用語「シグナルペプチド」は、分泌される成熟タンパク質に先行するアミノ末端ポリペプチドを指す。シグナルペプチドは、成熟タンパク質から切断され、従って成熟タンパク質内には存在しない。シグナルペプチドは、細胞膜を横切って分泌されるタンパク質を指令し、輸送する機能を有する。シグナルペプチドはまた、シグナルタンパク質とも称される。
「形質転換」は、遺伝的に安定に遺伝する、核酸フラグメントの宿主生物体のゲノムへの伝達を指す。形質転換された核酸フラグメントを含有する宿主生物体は「トランスジェニック」または「組換え」または「形質転換された」生物体と称される。
用語「プラスミド」および「ベクター」は、しばしば細胞の中心的代謝の部分ではない遺伝子を担持する染色体外エレメントを指し、通常は、環状二本鎖DNA分子フラグメントの形態である。そのようなエレメントは、任意の起源から誘導される一本鎖または二本鎖DNAあるいはRNAの自律的反復配列、ゲノム組込み配列、ファージもしくはヌクレオチド配列で、線状あるいは環状であってもよく、ここで、プロモーターフラグメントおよび適切な3’非翻訳配列を伴う選択された遺伝子産物に対するDNA配列を細胞に導入することが可能である独特な構築物に、多くのヌクレオチド配列が接続または組換えられている。「形質転換ベクター」は、外来遺伝子を含有し、該外来遺伝子に加えて、特定の宿主細胞の形質転換を容易にするエレメントを有する特定のプラスミドを指す。「発現カセット」は、コーディング領域を含有し、該コーディング領域に加えて特定の宿主における該コーディング領域の発現を可能にするエレメントを有するDNAフラグメントを指す。
用語「改変された生物活性」は、微生物のヌクレオチド配列によりコードされるタンパク質に伴う活性を指し、該活性はアッセイ方法によって測定することができ、ここで、該方法は生来の微生物の配列に伴う活性よりも大きいかまたは小さい。「増強された生物活性」は、生来の配列に伴う活性よりも大きい改変された活性を指す。「低減された生物活性」は、生来の配列に伴う活性よりも小さい改変された活性である。
用語「配列解析ソフトウェア」は、ヌクレオチドもしくはアミノ酸配列の解析に有用なあらゆるコンピュータアルゴリズム、またはソフトウェアプログラムを指す。「配列解析ソフトウェア」は、市販されていてもよく、また独立して開発してもよい。典型的な配列解析ソフトウェアとして、GCGプログラムソフトウェアパッケージ(ウィスコンシン・パッケージ・バージョン9.0(Wisconsin Package Version9.0)、ジェネティクス・コンピュータ・グループ(Genetics Computer Group)(GCG)、ウィスコンシン州、マディソン(Madison,WI))、ブラストP(BLASTP)、ブラストN(BLASTN)、ブラストX(BLASTX)(アルトシュール(Altschul)ら、J.Mol.Biol.215:403−410(1990))、およびDNAスター(DNASTAR)(DNAスター社(DNASTAR,Inc.)ウィスコンシン州マディソン(Madison,WI)、およびスミス−ウォーターマンアルゴリズムを組み入れたファスタ(FASTA)プログラム(W.R.ピアソン(W.R.Pearson)、Comput.Methods Genome Res.,[Proc.Int.Symp.](1994)、開催年1992、111−20.編者:スハイ・サンドル(Suhai,Sandor)、出版社:プレヌム(Plenum)、ニューヨーク州ニューヨーク(New York,NY))が挙げられるが、これらに限定されない。本出願に従い、配列解析ソフトウェアが解析のために使用される場合、解析結果は、他に特定しない限り参照したプログラムの「デフォルト値」に基づくことが理解される。本明細書において使用される「デフォルト値」は、最初に初期化した場合に本来ソフトウェアにロードされる任意の組の値、またはパラメータを意味する。
ここで使用した標準的な組換えDNAおよび分子クローニング技術は当該分野において周知であり、サンブルックJ.(Sambrook,J.)、フリッシュE.F.(Fritsch,E.F.)およびマニアティスT.(Maniatis,T.)、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリープレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press)、ニューヨーク州コールド・スプリング・ハーバー(Cold Spring Harbor,NY)(1989)(以後、「マニアティス(Maniatis)」)ならびにシルハビーT.J.(Silhavy,T.J.)、ベンナンM.L.(Bennan,M.L.)、およびエンクイストL.W.(Enquist,L.W.)、Experiments with Gene Fusions、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor LaboratoryLaboratory Press)、ニューヨーク州コールド・スプリング・ハーバー(Cold Spring Harbor,NY)(1984);ならびにグリーン・パブリッシング・アソシエーション・アンド・ウィレイ−インターサイエンス(Greene Publishing Assoc.and Wiley−Interscience)から出版されたたアウスベルF.M.(Ausubel,F.M.)ら、Current Protocols in Molecular Biology(1987)により記載されている。
本発明は、多様な代謝条件に応答するメチロモナス(Methylomonas)のゲノム内に含有される多くの誘導性遺伝子を同定する。これらの遺伝子は、硝酸塩、pH、温度、またはメタンもしくはメタノールにおける増殖に応答して調節される。より具体的には、nrtA、glnB、glyoxII、htpg、moxF、およびhpsを調節するプロモーター領域は、C1代謝細菌における目的の任意の適切なコーディング領域の発現を駆動するのに有用であることが同定されている。
マイクロアレイの適用
メチロモナス(Methylomonas)または他の任意の細菌におけるプロモーター活性の調査は、しばしば、ノーザン(Northern)ブロット、酵素アッセイ、およびレポーター遺伝子を用いる。これらの方法は、限られた数の遺伝子の発現レベルを比較することにより、遺伝子発現に対する環境の変化の影響のモニタリングを可能にする。それらは、しばしば、生理学的条件の1つもしくはサブセットの調査を可能にするが、これらの方法は、典型的に、信頼できかつ有用な様式で生物体のゲノムにおける大半の個々の遺伝子の包括的応答をモニターすることができない。
ゲノム研究の進歩によるプロモーターを同定するための新規の強力な方法はDNAマイクロアレイの使用である。DNAマイクロアレイ技術は、ゲノムの広範な規模で遺伝子発現プロファイルを探求するために使用される(デリシJ.L.(DeRisi,J.L.)ら、サイエンス(Science)、278:680−686(1997))。それは、異なる増殖条件または環境条件で発現される遺伝子の同定を可能にする。次いで、同定された遺伝子から単離されるプロモーターを使用して、増殖段階またはプロモーターに特徴的である環境条件下で他のコーディング領域を発現させることができる。遺伝子配列自体は、産業環境に価値のある遺伝子発現活性を追跡するためのプローブとして使用してもよく、ここで、プロモーター誘導のための条件は、簡便、経済的に有効かつ特定のバイオ製造プロセスに匹敵するものでなければならない。従って、同定された遺伝子配列を使用して、バイオリアクターにおける増殖条件に対するバイオマスおよび細胞応答の状態を分析してもよい。
マイクロアレイの作製
本発明は、これまで理解されていなかった多様な条件に応答する多くのメチロモナス(Methylomonas)sp.16a遺伝子を同定する。DNAマイクロアレイ技術をメチロモナス(Methylomonas)sp.16aのゲノムに適用することによって、これらの新規の誘導条件によって調節されるこれらの遺伝子が同定された。任意のC1代謝細菌種を使用してもよいが、しかし、メチロモナス(Methylomonas)sp.16a株が好ましい。
DNAマイクロアレイの作製は一般的であり、当該分野において周知である(例えば、ブラウン(Brown)ら、米国特許第6,110,426号明細書)。典型的に、マイクロアレイの作製は、目的の生物体のゲノムを提示する核酸サンプルを提供することから始まる。典型的に、この核酸サンプルのORF、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(米国特許第4,683,202号明細書(1987、ムリス(Mullis)ら)および米国特許第4,683,195号明細書(1986、ムリス(Mullis)ら));ならびにリガーゼ連鎖反応(LCR)(タボル(Tabor)ら、Proc.Acad.Sci.U.S.A.、82、1074−1078(1985));ならびに/あるいは鎖置換増幅(ウォーカー(Walker)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、89、392(1992))などのプライマー指向性増幅の方法によって増幅され、同じ配列のDNAフラグメントを産生する。次いで、変性、増幅されたORF DNAフラグメントは、マイクロアレイを形成するための当該分野において周知の方法により、ガラスまたは他のいくつかの固体基盤からなるスライド上にスポットされる。最小数の合成工程で高密度のオリゴヌクレオチドのアレイを形成する方法については、公知である(例えば、ブラウン(Brown)ら、米国特許第6,110,426号明細書を参照のこと)。光指向性化学カップリング、および機械的指向性カップリングを含むが、これらに限定されない様々な方法によって、固体基盤上にオリゴヌクレオチド類似体アレイを合成することができる。例えば、光指向性合成技術を使用して、ペプチド、オリゴヌクレオチドおよび他の分子の巨大アレイを形成する方法を開示しているピルング(Pirrung)ら、米国特許第5,143,854号明細書(またPCT出願国際公開第90/15070号パンフレット)およびフォーダー(Fodor)ら、PCT出願国際公開第92/10092号パンフレットおよび国際公開第93/09668号パンフレットを参照のこと。また、フォーダー(Fodor)ら、サイエンス(Science)、251、767−77(1991)も参照のこと。
ORF DNAフラグメントは、少なくとも1つの顕微鏡ガラススライド上に高密度で整列される。一旦、ゲノム由来のORFのすべての遺伝子が増幅され、増幅されたDNAフラグメントが単離され、そして整列されると、シグナル発生標識を有する1組のプローブが合成される。典型的に、プローブは、目的の生物体の遺伝子のmRNA転写物、またはmRNA転写物由来の核酸から作製される。本明細書において使用するmRNA転写物由来の核酸は、特定のmRNA転写物またはそのサブ配列から産生される核酸を指す(即ち、mRNA転写物は誘導しようとする核酸のテンプレートしての役割を果たす)。従って、mRNAから逆転写されるcDNA、そのcDNAから転写されるmRNA、cDNAから増幅されるDNA、増幅されたDNAから転写されるRNAなどは、すべてmRNA転写物から誘導され、そのように誘導された産物を使用する検出によりサンプル内の本来の転写物の存在および/または存在量が示される。従って、適切なサンプルとしては、遺伝子のmRNA転写物、mRNAから逆転写されるcDNA、cDNAから転写されるcRNA、遺伝子から増幅されるDNA、増幅されたDNAから転写されるRNAなどが挙げられるが、これらに限定されない。プローブは無作為に作製しても、または特定のオープンリーディングフレームの配列に基づいて合成してもよい。プローブは、典型的に、検出しようとする核酸配列に相補的な一本鎖核酸配列である。プローブは、アレイのORF DNAフラグメントに「ハイブリダイズ可能」である。プローブの長さは5塩基〜数万塩基に変動することができ、実施しようとする特定の試験に依存する。典型的に、約15塩基〜約30塩基のプローブの長さが適切である。プローブ分子のただ一部のみが検出しようとする核酸配列に相補的である必要がある。さらに、プローブと標的配列との間の相補性は完全である必要はない。ハイブリダイゼーションは不完全な相補的分子の間でも生じ、その結果、ハイブリダイズされた領域内の塩基の特定の画分は、適切な相補的塩基と対を形成しない。
プローブに組み入れることができるシグナル発生標識は当該分野において周知である。標識としては、例えば、蛍光部分、化学発光部分、粒子、酵素、放射性タグ、または発光部分もしくは分子が挙げられる(しかし、これらに限定されない)。蛍光部分が好適である。核酸に付着し、そして蛍光シグナルを放射することが可能な蛍光色素が最も好適である。フルオレセイン、テキサスレッド、およびローダミンなどの様々な色素が当該分野において公知である。1反応性色素Cy3およびCy5は、両方とも市販されている(即ち、アマシャムファルマシアバイオテック(Amersham Pharmacia Biotech)イリノイ州アーリントン・ハイツ(Arlington Heights,IL))。適切な色素については、米国特許第5,814,454号明細書(本明細書において参考として援用される)において考察されている。
標識は、当業者に周知の多くの手段のいずれかに組み入れることができる。しかし、好適な実施態様では、標識は、プローブ核酸の調製の増幅工程中に同時に組み入れられる。従って、例えば、標識されたプライマーまたは標識されたヌクレオチドによるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、標識された増幅産物を提供する。好適な実施態様では、標識されたヌクレオチド(例えば、色素標識UTPおよび/またはCTP)を使用する逆転写または複製により、転写された核酸に標識が組み入れられる。
あるいは、本来の核酸サンプル(例えば、mRNA、ポリAmRNA、cDNAなど)に直接かまたは合成完了後の増幅産物に標識を添加してもよい。核酸に標識を付着させる手段は当業者に周知であり、例えば、核酸のキナーゼ処理、それに続くサンプル核酸に接続している核酸リンカーの標識(例えば、蛍光団)への付着(連結反応)によるニックトランスレーションまたは(例えば、標識されたRNAでの)末端標識化が挙げられる。
標識をプローブに組み入れた後、次いで、プローブは、標準的な条件を使用して、マイクロアレイにハイブリダイズされ、ここで、ハイブリダイゼーションの結果、二本鎖になった核酸が生じるが、一方の鎖はアレイ上にスポットされた核酸であり、そして一方の鎖はプローブであって、アレイ上のプローブのハイブリダイゼーション部位において標識から検出可能なシグナルを発生する。典型的に、プローブおよびアレイは、核酸ハイブリダイゼーションを可能にする条件下で相互に混合されなければならない。これには、適切な濃度および温度条件下、無機または有機塩の存在下でプローブとアレイとを接触させることを要する。プローブおよびアレイ核酸は、プローブとサンプル核酸との間に可能な任意のハイブリダイゼーションが生じ得るのに十分に長い時間だけ接触させなければならない。混合物中のプローブまたはアレイの濃度は、ハイブリダイゼーションが生じるのに必要な時間を決定する。プローブまたはアレイ濃度が高いほど、ハイブリダイゼーションのインキュベーションに必要な時間は短い。必要に応じて、カオトロピック剤を添加してもよい。カオトロピック剤は、ヌクレアーゼ活性を阻害することによって核酸を安定化する。さらに、カオトロピック剤は、室温で短いオリゴヌクレオチドプローブの高感度かつストリンジェントなハイブリダイゼーションを可能にする。[バン・ネス(Van Ness)およびチェン(Chen)(1991)Nucl.Acids Res.19:5143−5151]。適切なカオトロピック剤としては、特に、塩化グアニジニウム、チオシアン酸グアニジニウム、チオシアン酸ナトリウム、テトラクロロ酢酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、テトラ酢酸ルビジウム、ヨウ化カリウム、およびトリフルオロ酢酸セシウムが挙げられる。典型的に、カオトロピック剤は、約3Mの最終濃度で存在する。所望であれば、ハイブリダイゼーション混合物に典型的に30〜50%(v/v)でホルムアミドを添加することができる。
多様なハイブリダイゼーション溶液を用いることができる。典型的に、これらは、約20〜60%容量、好ましくは30%の極性有機溶媒を含む。一般的なハイブリダイゼーション溶液は、約30〜50%v/vホルムアルデヒド、約0.15〜1M塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、Tris−HCl、PIPESまたはHEPES(約6〜9のpH範囲)などの約0.05〜0.1M緩衝液、ドデシル硫酸ナトリウムなどの約0.05〜0.2%界面活性剤、または0.5〜20mM EDTA、フィコール(FICOLL)(ファルマシア(Pharmacia Inc.))(約300〜500キロダルトン)、ポリビリルピロリドン(約250〜500kdal)、血清アルブミンを用いる。また、典型的なハイブリダイゼーション溶液には、約0.1〜5mg/mLの非標識キャリア核酸(フラグメント化した核酸DNA、例えば、ウシ胸腺もしくはサケ精子DNA、または酵母RNA)、および場合により約0.5〜2%wt/volグリシンが含まれる。また、ポリエチレングリコールなどの様々な極性水溶性または膨潤剤、ポリアクリレートまたはポリメタクリレートなどのアニオン性ポリマー、および硫酸デキストランなどのアニオン性多糖性ポリマーを含む排除体積剤などの他の添加物を含んでもよい。ハイブリダイゼーション条件を最適化する方法は当業者に周知である(例えば、Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology、第24巻:核酸プローブによるハイブリダイゼーション(Hybridization With Nucleic Acid Probes)、P.ティッセン(P. Tijssen)編、ニューヨーク州エルセビア(Elsevier,N.Y.)、(1993);およびマニアティス(Maniatis)、上掲を参照のこと)。
誘導性遺伝子の同定
マイクロアレイ技術を介する遺伝子発現プロファイリングの基礎は、遺伝子発現パターンの改変をもたらす様々な条件下で生物体に存在するmRNAを比較することに頼る。本発明の情況内で、細胞の個別の集団を、遺伝子発現パターンの改変をもたらす異なるストレスに曝露した。分析したストレスまたは誘導条件は、1)硝酸塩;2)低pH(約5.5);3)温度の上昇(約41〜42℃)−−);および4)メタンまたはメタノールにおける増殖を含んだ。ストレスをかけていない細胞を「対照」アレイデータの生成に使用し、かつ、ストレスをかけられた細胞を「実験」、「ストレスをかけられた」もしくは「誘導された」アレイデータを生成させるのに使用した。
上記のDNAマイクロアレイ技術の方法を使用し、様々な異なる誘導条件を使用して、メチロモナス(Methylomonas)sp.16aの誘導対非誘導における遺伝子発現パターンを比較し、
(a)遺伝子nrtAおよびglnBが硝酸塩の存在下での増殖によって誘導されること;
(b)glyoxII遺伝子が低pH(約5.5)の存在下での増殖によって誘導されること;
(c)htpG遺伝子が高温(例えば、中温性メチロモナス(Methylomonas)sp.16aにおいて42℃)での増殖によって誘導されること;ならびに
(d)遺伝子hpsおよびmoxFがメタノールおよび/またはメタンの存在下で増殖させる場合に構成的に発現されること、
が決定された。
スミス−ウォーターマンアライメントアルゴリズム(W.R.ピアソン(W.R.Pearson)、Comput.Methods Genome Res.、[Proc.Int.Symp.](1994)、開催年1992、111−20.編者:スハイ・サンドル(Suhai,Sandor)、出版社:プレヌム(Plenum)、ニューヨーク州ニューヨーク(New York,NY))を使用して、メチロモナス(Methylomonas)sp.16a窒素輸送体nrtAコーディング領域配列によってコードされるアミノ酸配列を公的データベースと比較すると、最も類似する既知の配列は、本明細書において報告する464アミノ酸長のnrtAアミノ酸配列に対し34%同一であることが示される。本発明の好適なアミノ酸フラグメントは本明細書に記載のアミノ酸配列に少なくとも約60%〜70%同一であるポリペプチドをコードし、ここで、約70%〜90%同一がより好適である。本明細書において報告するアミノ酸フラグメントに少なくとも95%同一であるポリペプチドをコードする核酸フラグメントが最も好適である。同様に、本ORFに対応する核酸配列をコードする好適なnrtAは、機能的なタンパク質をコードする配列であり、本明細書において報告するnrtAの核酸配列に少なくとも80%同一である。より好適なnrtA核酸フラグメントは、本明細書に記載の配列に少なくとも90%同一である。本明細書において報告する核酸に少なくとも95%同一であるnrtA核酸フラグメントが最も好適である。
スミス−ウォーターマンアライメントアルゴリズム(W.R.ピアソン(W.R.Pearson)、上掲)を使用して、メチロモナス(Methylomonas)sp.16a窒素調節タンパク質glnBコーディング領域配列によってコードされるアミノ酸配列を公的データベースと比較すると、最も類似する既知の配列は、本明細書において報告する112アミノ酸長のglnBのアミノ酸配列に対し76%同一であることが示される。本発明の好適な核酸フラグメントは本明細書に記載の配列に少なくとも約78%〜90%同一なポリペプチドをコードし、ここで、約80%〜90%がより好適である。本明細書において報告するアミノ酸配列に少なくとも95%同一であるポリペプチドをコードする核酸フラグメントが最も好適である。同様に、本ORFに対応する核酸配列をコードする好適なglnBは、機能的なタンパク質をコードする配列であり、本明細書において報告するglnBの核酸配列に少なくとも80%同一である。より好適なglnB核酸フラグメントは、本明細書に記載の配列に少なくとも90%同一である。本明細書において報告する核酸配列に少なくとも95%同一であるglnB核酸フラグメントが最も好適である。
スミス−ウォーターマンアライメントアルゴリズム(W.R.ピアソン(W.R.Pearson)、上掲)を使用して、メチロモナス(Methylomonas)sp.16a推定グリオキサラーゼII glyoxIIコーディング領域配列によってコードされるアミノ酸配列を公的データベースと比較すると、最も類似する既知の配列は、本明細書において報告する231アミノ酸長のglyoxIIのアミノ酸配列に対し51%同一であることが示される。本発明の好適な核酸フラグメントは本明細書に記載の配列に少なくとも約70%〜80%同一なポリペプチドをコードし、ここで、約80%〜90%がより好適である。本明細書において報告するアミノ酸配列に少なくとも95%同一であるポリペプチドをコードする核酸フラグメントが最も好適である。同様に、本ORFに対応する核酸配列をコードする好適なglyoxIIは、機能的なタンパク質をコードする配列であり、本明細書において報告するglyoxIIの核酸配列に少なくとも80%同一である。より好適なglyoxII核酸フラグメントは、本明細書に記載の配列に少なくとも90%同一である。本明細書において報告する核酸配列に少なくとも95%同一であるglyoxII核酸フラグメントが最も好適である。
スミス−ウォーターマンアライメントアルゴリズム(W.R.ピアソン(W.R.Pearson)、上掲)を使用して、メチロモナス(Methylomonas)sp.16a熱ショックタンパク質htpGコーディング領域配列によってコードされるアミノ酸配列を公的データベースと比較すると、最も類似する既知の配列は、本明細書において報告する644アミノ酸長のhtpGのアミノ酸配列に対し57%同一であることが示される。本発明の好適な核酸フラグメントは本明細書に記載の配列に少なくとも約70%〜80%同一なポリペプチドをコードし、ここで、約80%〜90%がより好適である。本明細書において報告するアミノ酸配列に少なくとも95%同一であるポリペプチドをコードする核酸フラグメントが最も好適である。同様に、本ORFに対応する核酸配列をコードする好適なhtpGは、機能的なタンパク質をコードする配列であり、本明細書において報告するhtpGの核酸配列に少なくとも80%同一である。より好適なhtpG核酸フラグメントは、本明細書に記載の配列に少なくとも90%同一である。本明細書において報告する核酸配列に少なくとも95%同一であるhtpG核酸フラグメントが最も好適である。
スミス−ウォーターマンアライメントアルゴリズム(W.R.ピアソン(W.R.Pearson)、上掲)を使用して、メチロモナス(Methylomonas)sp.16aメタノールデヒドロゲナーゼサブユニットmoxFコーディング領域配列によってコードされるアミノ酸配列を公的データベースと比較すると、最も類似する既知の配列は、本明細書において報告する89アミノ酸長のmoxFのアミノ酸配列に対し60%同一であることが示される。本発明の好適な核酸フラグメントは本明細書に記載の配列に少なくとも約70%〜80%同一なポリペプチドをコードし、ここで、約80%〜90%がより好適である。本明細書において報告するアミノ酸配列に少なくとも95%同一であるポリペプチドをコードする核酸フラグメントが最も好適である。同様に、本ORFに対応する核酸配列をコードする好適なmoxFは、機能的なタンパク質をコードする配列であり、本明細書において報告するmoxFの核酸配列に少なくとも80%同一である。より好適なmoxF核酸フラグメントは、本明細書に記載の配列に少なくとも90%同一である。本明細書において報告する核酸配列に少なくとも95%同一であるmoxF核酸フラグメントが最も好適である。
スミス−ウォーターマンアライメントアルゴリズム(W.R.ピアソン(W.R.Pearson)、上掲)を使用して、メチロモナス(Methylomonas)sp.16aヘキスロース−6−リン酸シンターゼ(hps)コーディング領域配列によってコードされるアミノ酸配列を公的データベースと比較すると、最も類似する既知の配列は、本明細書において報告する215アミノ酸長のhpsのアミノ酸配列に対し55%同一であることが示される。本発明の好適な核酸フラグメントは本明細書に記載の配列に少なくとも約70%〜80%同一なポリペプチドをコードし、ここで、約80%〜90%がより好適である。本明細書において報告するアミノ酸配列に少なくとも95%同一であるポリペプチドをコードする核酸フラグメントが最も好適である。同様に、本ORFに対応する核酸配列をコードする好適なhpsは、機能的なタンパク質をコードする配列であり、本明細書において報告するhpsの核酸配列に少なくとも80%同一である。より好適なhps核酸フラグメントは、本明細書に記載の配列に少なくとも90%同一である。本明細書において報告する核酸配列に少なくとも95%同一であるhps核酸フラグメントが最も好適である。
相同誘導性遺伝子の単離
当業者であれば、本発明の遺伝子が様々なC1代謝細菌種の相同物を有し、そして異種遺伝子発現のための遺伝子プロモーターならびにバイオリアクターの健全状態および生産のモニタリングのための遺伝子またはORF核酸配列の使用は、メチロモナス(Methylomonas)sp.16aから誘導される遺伝子には限定されず、あらゆるC1代謝細菌種の相同物にまで及ぶことを理解するであろう。例えば、本発明は、メチロモナス(Methylomonas)、メチロバクター(Methylobacter)、メチロコッカス(Methylococcus)、メチロサイナス(Methylosinus)、メチロシスチス(Methylocyctis)、メチロマイクロビウム(Methylomicrobium)、メタノモナス(Methanomonas)、メチロフィラス(Methylophilus)、メチロバチルス(Methylobacillus)、メチロバクテリウム(Methylobacterium)、ハイフォマイクロビウム(Hyphomicrobium)、キサントバクター(Xanthobacter)、バチルス(Bacillus)、パラコッカス(Paracoccus)、ノカルジア(Nocardia)、アルスロバクター(Arthrobacter)、ロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)、およびシュードモナス(Pseudomonas)を含むが、それらに限定されない種から誘導される相同物を包含する。
当該分野において周知であるように、配列依存性プロトコルを使用する相同遺伝子の単離は、多様な技術を使用して容易に実現可能である。配列依存性プロトコルの例として、1)核酸ハイブリダイゼーション法、および2)DNAおよびRNA増幅の方法(先に記載)が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、本発明において使用されるタンパク質またはポリペプチドに類似のタンパク質またはポリペプチドをコードする遺伝子は、本核酸フラグメントの全部または一部を、DNAハイブリダイゼーションプローブとして使用し、当業者に周知の方法論を使用して任意の所望される細菌由来のライブラリーをスクリーニングすることによって、直接単離し得る。本核酸配列に基づく特定のオリゴヌクレオチドプローブは、当該分野において既知の方法(マニアティス(Maniatis)、上掲)により設計および合成することができる。さらに、本発明の核酸配列は、ランダムプライマーDNA標識、ニックトランスレーション、もしくは末端標識技術のような当業者に既知の方法によりDNAプローブを、または利用可能なインビトロ転写系を使用してRNAプローブを合成するのに直接使用することができる。加えて、本配列の一部または完全長を増幅するための特異的プライマーを、設計かつ使用することができる。生じる増幅産物は増幅反応の間に直接標識することができるか、または増幅反応後に標識することができ、そして適切なストリンジェンシーの条件下で、完全長のDNAフラグメントを単離するためのプローブとして使用することができる。
典型的に、PCR型増幅技術において、プライマーは、異なる配列を有し、相互に相補的ではない。所望される試験条件に依存して、プライマーの配列は、標的核酸の効率的かつ正確な複製を提供するために設計するべきである。PCRプライマーの設計方法は一般的であり、当該分野において周知である。(テイン(Thein)およびウォレス(Wallace)、「“The use of oligonucleotide as specific hybridization probes in the Diagnosis of Genetic Disorders”, in Human Genetic Diseases: A Practical Approach」、K.E.デイビス(K.E.Davis)編、(1986)33〜50頁、IRLプレス(IRL Press)、バージニア州ヘルンドン(Herndon, VA);ホワイト,B.A.(White,B.A.)(編)、Methods in Molecular BiologyのリキリックW.(Rychlik,W.)(1993)、第15巻、31〜39頁、PCR Protocols:Current Methods and Applications、ヒューマニアプレス社(Humania Press,Inc.)、ニュージャージー州トトワ(Totowa,NJ))。
一般に、本配列の2個の短いセグメントをポリメラーゼ連鎖反応プロトコルで使用し、DNAまたはRNAからの相同遺伝子をコードするより長い核酸フラグメントを増幅することができる。ポリメラーゼ連鎖反応はまた、クローニングされた核酸フラグメントのライブラリー上で実施してもよく、ここで、一方のプライマーの配列は本核酸フラグメントから誘導され、そして他方のプライマーの配列は、微生物の遺伝子をコードするmRNA前駆体の3’末端へのポリアデニル酸領域の存在を利用する。
あるいは、第2のプライマー配列はクローニングベクター由来の配列に基づくことができる。例えば、当業者は、PCRを使用して転写物の単一点と3’または5’末端との間の領域のコピーを増幅することにより、cDNAを生じさせるRACEプロトコル(フローマン(Frohman)ら、PNAS USA85:8998(1988))に従うことが可能である。本配列から3’および5’方向に配向されたプライマーを設計することが可能である。商業的に入手可能な3’RACEまたは5’RACE系(ギブコBRL(GibcoBRL))を使用して、特異的な3’または5’cDNAフラグメントを単離することができる(オオハラ(Ohara)ら、PNAS USA86:5673(1989);ロー(Loh)ら、サイエンス(Science)、243:217(1989))。
場合により、本配列を、相同物の同定のためのハイブリダイゼーション試薬として用いてもよい。核酸ハイブリダイゼーション試験の塩基成分は、プローブ、目的の遺伝子または遺伝子フラグメントを含有することが疑われるサンプル、および特定のハイブリダイゼーション方法を含む。技術は、マイクロアレイハイブリダイゼーションに用いられる技術に類似する。
マイクロアレイデータに基づくプロモーター領域の同定
プロモーター領域は、一般に、遺伝子のコーディング領域の5’側に位置する。細菌ゲノムのプロモーター領域は、複数のORFからなるオペロンの最も5’側のORFであるコーディング領域に対して存在する。従って、コーディング領域のゲノムの位置を分析して、プロモーター領域が該特定のコーディング領域に対して5’側にあるかどうかを決定する。具体的には、コーディング領域の周囲(5’および3’側の両方)のDNA配列を、さらなるORFの存在について調べる。一般に、目的のORFの5’側および近接にORFが認められず、または次の5’ORFが対向配向である場合、目的のORFはその5’側および近接にプロモーターを有する。同じ配向および目的のORFの3’近接にさらなるORFが存在する場合、目的のORFはオペロンの最も5’側である。目的のそのようなORFに対する上流領域は、プロモーター領域として使用することができる。典型的に、オペロン内の最も5’のコーディング領域のATG翻訳開始部位から約100bp下流および400〜500bp上流を含有するDNA領域を使用して、十分なプロモーター活性を確実にする。ATG翻訳開始部位の5’または3’のいずれか一方ほど遠位に延在しないより小さなフラグメントも十分機能的なプロモーター活性を有することができる。従って、プロモーター活性を保持する機能的に等価なサブフラグメントである本発明のプロモーター配列のサブフラグメントもまた、メチロモナス(Methylomonas)におけるキメラ遺伝子を発現させるのに有用であり、ここで本発明の1つの態様である。
C1代謝細菌におけるキメラ遺伝子発現
本明細書において同定される誘導性遺伝子由来のプロモーター領域(配列番号3、6、9、12、15、および18)は、生来の宿主細胞および異種宿主細胞、特にC1代謝細菌宿主の細胞において発現させようとするキメラ遺伝子の構築に利用してもよい。本明細書に記載のキメラ遺伝子は、本発明のプロモーターの1つから選択されるプロモーター、および好適なコーディング領域を含んでなる。組換えC1代謝細菌におけるキメラ遺伝子の発現は、細菌細胞の組成を変更するのに有用であり得る。キメラ遺伝子は、細菌の形質転換系および当業者に周知であるベクターを使用して、組換え細菌宿主を作製するのに使用される。大腸菌(E.coli)では複製することができるが、メチロモナス(Methylomonas)では複製することができず、メチロモナス(Methylomonas)に伝達することができるプラスミドは、組込みのためのベクターとして使用することができる。組込みベクターを使用すると、キメラ遺伝子の発現は、それを細菌ゲノムへに組込んだ後に生じる。あるいは、本発明のプロモーターを好適なコーディング領域に操作可能に連結し、C1代謝細菌においてそれ自体を複製することが可能であるプラスミドにクローニングしてもよい。様々な細菌において複製することが可能である広範な宿主範囲のプラスミドもメチロモナス(Methylomonas)において使用することができる。プラスミドは、ヘルパー細菌株を使用する接合によって、C1代謝細菌に伝達される。
一旦、組換えC1代謝細菌が樹立されたら、使用するプロモーターに適切な誘導条件を適用すること(例えば、メタンまたはメタノール上での増殖、硝酸塩の添加、および/または温度もしくはpHの改変)によって、キメラ遺伝子の発現を達成することができる。当業者であれば、適切な誘導条件を決定することが容易にできるであろう。例えば、htpGプロモーター(例えば、配列番号12)は、中温性C1代謝細菌(最適増殖温度が約20〜45℃として一般に許容された範囲内にある細菌)において、約41〜42℃の温度範囲の間で誘導させるようである。対照的に、好熱性細菌(約45℃を超える最適増殖温度を有する)は、約47〜50℃の誘導温度を必要とするようである。同様に、nrtAおよびglnB遺伝子(例えば、配列番号3または配列番号6)から誘導されるプロモーターを含んでなるキメラ遺伝子で形質転換されたC1代謝体は、硝酸塩の存在下でこの遺伝子を発現させることが可能である。典型的に、約5mM〜約15mMのレベルが適切であり、ここで、約10mMのレベルが好適である。本発明の別の局面では、glyoxII遺伝子(例えば、配列番号9)から誘導されるプロモーター領域を含んでなるキメラ遺伝子を有するC1代謝体は、酸性pH、例えば、約5.5のレベルでこの遺伝子を発現させることが予想される。あるいは、hpsおよびmoxF遺伝子から誘導されるプロモーター領域を含んでなるキメラ遺伝子を有するC1代謝体宿主細胞は、細胞を適切なレベルのメタノールおよび/もしくはメタン上で増殖させるか、または適切なレベルのメタノールおよび/もしくはメタンに暴露させる場合、これらの遺伝子を発現させることが予想される。
適切なC1代謝細菌宿主細胞の形質転換に有用なベクターは、当該分野において周知である。典型的にベクターは、選択マーカー、および自己複製もしくは染色体組込みを可能にする配列を含有する。宿主細胞に導入しようとするキメラ遺伝子は、形質転換ベクターにクローニングしてもよい。キメラ遺伝子は、転写開始の制御を有するコーディング領域の5’側領域および転写の終了を制御するコーディング領域の3’側領域を含んでなる。両方の制御領域が形質転換された宿主細胞に相同な遺伝子に由来する場合が最も好ましいが、そのような制御領域は、産生宿主として選択される特定種に生来である遺伝子に由来する必要はない。
所望の宿主細胞において、目的のコーディング領域の発現を駆動するのに有用であるプロモーターは、配列番号3、6、9、12、15、および18のような本発明に記載のnrtA、glnB、glyoxII、htpg、moxF、およびhps遺伝子(配列番号1、4、7、10、13、および16)の上流部分から誘導されるプロモーターから選択される。特定のプロモーターの選択は、所望される調節の方法(硝酸塩、温度、pH条件における誘導;またはメタンもしくはメタノール上での増殖)に依存する。プロモーター領域は、誘導性遺伝子およびそれらの相同物(表5、7、9、および11を参照のこと)の配列から同定し、一般的方法(マニアティス(Maniatis)、上掲)に従って単離することができる。一旦、プロモーター領域を同定および単離したら、適切な形質転換ベクターでそれぞれを目的のコーディング領域に操作可能に連結してもよい。
終了制御領域もまた、好適な宿主に生来の様々な遺伝子由来であり得る。場合により、終了部位は必要ではないが、しかし、含まれている場合が最も好ましい。
好適なC1代謝細菌宿主
本遺伝子の発現およびプロモーターフラグメントに好適な異種宿主細胞は、唯一のエネルギー源として単一炭素基質を使用することが可能であるC1代謝細菌である。様々な単一炭素基質を使用することが可能である多くのC1代謝微生物は、当該分野において公知である。本発明に有用な単一炭素基質としては、メタン、メタノール、ホルムアルデヒド、ギ酸、メチル化アミン(例えば、モノ−、ジ−、およびトリ−メチルアミン)、メチル化チオール、ならびに二酸化炭素が挙げられるが、これらに限定されない。
すべてのC1代謝微生物は、一般にメチロトロフに分類される。メチロトロフは、炭素−炭素結合を含有しない有機化合物を酸化することが可能な任意の生物体として規定することができる。条件的メチロトロフは、炭素−炭素結合を含有しない有機化合物を酸化する能力を有するが、エネルギーならびにバイオマスのために糖および複雑な炭水化物などの他の炭素基質を使用してもよい。絶対メチロトロフは、エネルギーの生成のために使用される有機化合物が炭素−炭素結合を含有しない有機化合物に限定されたメチロトロフである。最終的に、絶対メタノトロフ(メチロトロフのサブセット)は、メタンを酸化する特殊な能力を有する絶対メチロトロフ生物体である。
条件的メチロトロフィック細菌は多くの環境で見出されるが、土壌、ごみ埋立地およびごみ処理施設から最も一般的に単離される。多くの条件的メチロトロフは、プロテオバクテリア(Proteobacteria)のβ、およびγ亜群のメンバーである(ハンソン(Hanson)ら、Microb.Growth C1 Compounds.、[Int.Symp.]、第7回(1993)、285−302、編者:マレルJ.コリン(Murrell,J.Collin);ケリー・ドン P.(Kelly,Don P.)、出版社:インターセプト、英国アンドーバー(Intercept,Andover,UK);マジガン(Madigan)ら、Brock Biology of Microorganisms、第8版、プレンティス・ホール(Prentice Hall)、ニュージャージー州アッパーサドル(UpperSaddle River,NJ)(1997))。本発明に適切な条件的メチロトロフィック細菌としては、メチロフィラス(Methylophilus)、メチロバチルス(Methylobacillus)、メチロバクテリウム(Methylobacterium)、ハイフォマイクロビウム(Hyphomicrobium)、キサントバクター(Xanthobacter)、バチルス(Bacillus)、パラコッカス(Paracoccus)、ノカルジア(Nocardia)、アルスロバクター(Arthrobacter)、ロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)、およびシュードモナス(Pseudomonas)が挙げられるが、これらに限定されない。
メタンを利用するさらなる能力を有するメチロトロフをメタノトロフと呼ぶ。メタン利用体であるが、炭素−炭素結合を有さない有機化合物を使用することが要求されている絶対メタノトロフが本発明において興味深い。C1化合物を利用する絶対メタノトロフのこの分類に含まれるこれらの生物体の例として、メチロモナス(Methylomonas)属、メチロバクター(Methylobacter)属、メチロコッカス(Mehtylococcus)属、メチロサイナス(Methylosinus)属、メチロサイティス(Methylocyctis)属、メチロマイクロビウム(Methylomicrobium)属、およびメタノモナス(Methanomonas)属が挙げられるが、これらに限定されない。
エネルギー的に好ましい炭素フラックス経路を有する高増殖絶対メタノトロフは、本発明において特に興味深い。例えば、本出願人らは、炭素フラックス操作に特に有用となるいくつかの経路特徴を有するメタノトロフの特定の株を発見した(国際公開第02/20728号パンフレット)。エネルギー的に好ましい炭素フラックス経路を有するこの特定の株は、配列番号1〜18を単離し、メチロモナス(Methylomonas)16aとして公知である(ATCC PTA 2402)宿主生物体としての役割を果たした。
産業的産生
目的の適切なコーディング領域の発現が、産物の商業的産生のために(配列番号3、6、9、12、15、および18)本発明の誘導性プロモーターの使用が望ましい場合、様々な培養方法論を適用することができる。例えば、組換え微生物宿主におけるキメラ遺伝子発現により可能にされた特定の産物の大規模産生は、バッチおよび連続培養方法論の両方によって達成することができる。
古典的なバッチ培養方法は閉鎖系であり、ここで、培地の組成は培養の開始時に設定され、培養プロセス中に人工的に変更されることはない。従って、培養プロセスの開始時に、培地に所望の生物体または複数の生物体を接種し、増殖または代謝活動を可能にして、系には何も添加しない。しかし、典型的に、「バッチ」培養は、炭素源の添加についてのバッチ処理であり、しばしばpHおよび酸素濃度などの因子を制御することが試みられる。バッチ系では、系の代謝物およびバイオマス組成は、培養が終了する時点まで一定に変化する。バッチ培養細胞は静的対数期を穏やかに通過して高対数増殖期に達し、最終的に、増殖速度が減少または停止する定常期に達する。処理を行わなければ、定常期の細胞は最終的に死滅する。対数期の細胞は、しばしば、最終産物産生の大部分を担うかまたはいくつかの系において中間的である。定常または指数後期産生は他の系で得ることができる。
標準的なバッチ系の1つのバリエーションは流加培養系である。流加培養プロセスも本発明に適切であり、培養の進行に伴って基質を徐々に増量しながら添加することを除いて、典型的なバッチ系を含んでなる。異化代謝産物抑制が細胞の代謝を阻害し易い場合、および培地中の基質量を制限することを所望する場合、流加培養系は有用である。流加培養系における実際の基質濃度の測定は困難であるため、pH、溶存酸素およびCOなどの排気体分圧などの測定可能な因子の変化に基づいて見積もられる。バッチおよび流加培養方法は当該分野において一般的かつ周知であり、その例はトーマスD.ブロック(Thomas D.Brock)、Biotechnology:A Textbook of Industrial Microbiology、第2版(1989)シナウエル・アソシエート社(Sinauer Associates, Inc.)、マサチューセッツ州サンダーランド(Sunderland,MA)またはデスパンデ・ムクンドV.(Deshpande,Mukund V.)、Appl.Biochem.Biotechnol.、36、227(1992)(本明細書において参考として援用される)に見出すことができる。
本発明の方法論およびプロモーターを使用するC1代謝細菌における目的の産物の商業的産生は、連続培養によっても達成することができる。連続培養は開放系であり、規定された培養培地を連続的にバイオリアクターに添加し、同時に等量の順化培地を処理のために取り出す。一般に、連続培養は細胞を一定の高液体相密度で維持し、ここで、細胞は主に対数増殖期にある。あるいは、連続培養を固定化された細胞によって実施してもよく、ここで、炭素および栄養物が連続的に添加され、価値のある産物、副産物および不要産物が細胞塊から連続的に取り出される。細胞の固定化は、天然および/または合成材料からなる広範な固相支持体を使用して実施することができる。
連続または半連続培養によって、細胞増殖または最終産物の濃度に影響を及ぼす1つの因子またはいくつかの因子を変調することが可能である。例えば、1つの方法は、炭素源などの制限されている栄養物または窒素レベルを一定速度で維持し、他のすべてのパラメータを中位にすることが可能である。他の系では、培地の濁度によって測定される細胞濃度を一定に保ちながら、増殖に影響を及ぼす多くの因子を連続的に変更することができる。連続系は定常状態の増殖条件を維持しようとし、従って、培地を取り出すことによって失われる細胞は培養物中の細胞増殖速度に対して均衡を保たなければならない。連続培養プロセスの栄養および増殖因子を変調するための方法ならびに生成物の形成速度を最大にするための技術は、産業微生物学の分野において周知であり、様々な方法がブロック(Brock)、上掲によって詳述されている。
目的の適切なコーディング領域の調節された発現
特定の誘導条件下で、本発明のプロモーターを使用し、多様なC1代謝細菌におけるキメラ遺伝子の調節された発現を生じさせることができる。有用なキメラ遺伝子は、C1代謝細菌宿主において発現させようとする目的の適切なコーディング領域に操作可能に連結された本明細書で規定された誘導性遺伝子(配列番号1、4、7、10、13および16)のいずれか1つのプロモーター領域を含む。これらのプロモーター領域は、配列番号3、6、9、12、15、および18として規定される。メチロモナス(Methylomonas)、メチロバクター(Methylobacter)、メチロコッカス(Mehtylococcus)、メチロサイナス(Methylosinus)、メチロサイティス(Methylocyctis)、メチロマイクロビウム(Methylomicrobium)、およびメタノモナス(Methanomonas)、メチロフィラス(Methylophilus)、メチロバチルス(Methylobacillus)、メチロバクテリウム(Methylobacterium)、ハイフォマイクロビウム(Hyphomicrobium)、キサントバクター(Xanthobacter)、バチルス(Bacillus)、パラコッカス(Paracoccus)、ノカルジア(Nocardia)、アルスロバクター(Arthrobacter)、ロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)、およびシュードモナス(Pseudomonas)を含むが、これらに限定されないプロモーター領域に適合することが可能である任意の宿主が適切である。
組換えC1代謝細菌宿主においてキメラ遺伝子として発現させようとする目的のコーディング領域は、宿主に対して内因性であってもまたは異種であってもよいが、宿主生物体に適合可能でなければならない。商業的価値のあるタンパク質をコードする配列は、発現に特に適切である。例えば、目的の適切なコーディング領域としては、ウイルス、細菌、菌・カビ、植物、昆虫または哺乳動物ポリペプチドを含む目的の脊椎動物のタンパク質をコードするコーディング領域を含むがそれらに限定されない。さらに、目的のこれらのコーディング領域は、例えば、構造タンパク質、酵素、またはペプチドであってもよい。特に好適であるが限定されないリストには、
1)トランスアルドラーゼ、フルクトース二リン酸アルドラーゼ、ケトデオキシホスホグルコン酸アルドラーゼ、ホスホグルコムターゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、6−ホスホグルコン酸デヒドラターゼ、6−ホスホグルコン酸−6−リン酸−1デヒドロゲナーゼなどの中心炭素経路に関与する酵素のコーディング領域;
2)1−デオキシキシルロース−5−リン酸シンターゼ(dxs)、1−デオキシキシルロース−5−リン酸レダクトイソメラーゼ(dxr)、ゲラニルトランスフェラーゼまたはファルネシル二リン酸シンターゼ(ispA)、2C−メチル−D−エリスリトールシチジルトランスフェラーゼ(ispD)、4−ジホスホシチジル−2−C−メチルエリスリトールキナーゼ(ispE)、2C−メチル−d−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸シンターゼ(ispF)、およびゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼ(crtE)などのイソプレノイド分子の産生に関与する酵素のコーディング領域;
3)アンテラキサンチン、アスタキサンチン、カンタキサンチン、α−カロテン、β−カロテン、ε−カロテン、γ−カロテン、ζ−カロテン、α−クリプトキサンチン、ディアトキサンチン、7,8−ジデヒドロアスタキサンチン、フコキサンチン、フコキサンチノール、ラクツカキサンチン(lactucaxanthin)、ルテイン、リコペン、ネオキサンチン、ニューロスポレン、ペリジニン、フィトエン、ロドピン、ロドピングルコシド、シホナキサンチン、スフェロイデン、スフェロイデノン、スピリロキサンチン、ウリオリド(uriolide)、酢酸ウリオリド(uriolide acetate)、ビオラキサンチン、およびゼアキサンチンなどのカロテノイドの産生を可能にするゼアキサンチングルコシルトランスフェラーゼ(crtX)、リコペンシクラーゼ(crtY)、フィトエンデヒドロゲナーゼ(crtI)、フィトエンシンターゼ(crtB)、β−カロテンヒドロキシラーゼ(crtZ)、フィトエンデサチュラーゼ(crtD)、β−カロテンケトラーゼ(crtO、crtW)などのカロテノイド経路酵素のコーディング領域;
4)テロペノイドの産生のための環状テルペノイドシンターゼ(例えば、リモネンシンターゼ)などのコーディング領域;
5)UDP−グルコースピロホスホリラーゼ(ugp)、グリコシルトランスフェラーゼ(gumD)、多糖輸送タンパク質(wza、espB)、多糖生合成(espM)、グリコシルトランスフェラーゼ(waaE)、糖トランスフェラーゼ(espV)、ガラクトシルトランスフェラーゼ(gumH)、およびグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子などの細胞外多糖の産生に関与する酵素のコーディング領域;
6)3−デオキシ−D−アラビノヘプツロソン酸−7−リン酸シンターゼ(aroG)、3−デヒドロキナ酸シンターゼ(aroB)、3−デヒドロキナーゼ(3−dehydroquinase)または3デヒドロキナ酸デヒドラターゼ(aroQ)、5−シキミ酸デヒドロゲナーゼ(aroE)、シキミ酸キナーゼ(aroK)、5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンターゼ、コリスミ酸シンターゼ(aroC)、アントラニル酸シンターゼ(trpE)、アントラニル酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ(trpD)、インドール3−グリセロールリン酸シンターゼ(trpC)、トリプトファンシンターゼ(trpB)、コリスミ酸ムターゼまたはプレフェン酸デヒドラターゼ(pheA)、およびプレフェン酸デヒドロゲナーゼ(tyrAc)などの芳香族アミノ酸の産生に関与する酵素のコーディング領域;ならびに
7)pds、phaC、phaE、efe、pdc、およびadh遺伝子ならびにピネンシンターゼ、ボルニルシンターゼ、フェランドレンシンターゼ、シネオールシンターゼ、サビネンシンターゼ、およびタキサジエンシンターゼをコードする遺伝子のコーディング領域、
が含まれる。
本発明を以下の実施例でさらに規定する。これらの実施例は、本発明の好ましい態様を示している一方で、具体的説明のみとして示されることを理解すべきである。当業者であれば、上記の考察およびこれらの実施例から本発明に不可欠の特徴を確かめることが可能であり、また、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、それを多様な用途および条件に適合させるように本発明の多様な変更および改変をなすことが可能である。
一般的方法
実施例において使用した標準的な組換えDNAおよび分子クローニング技術は当該分野において周知であり、サンブルックJ.(Sambrook,J.)、フリッシュE.F.(Fritsch,E.F.)およびマニアティスT.(Maniatis,T.)、Molecular Cloning:A Laboratory Manual;コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratory)、ニューヨーク州スプリング・ハーバー(Cold Spring Harbor,NY)(1989)(マニアティス(Maniatis))ならびにT.J.シルハビー(T.J.Silhavy)、M.L.ベンナン(M.L.Bennan)、およびL.W.エンクイスト(L.W.Enquist)、Experiments with Gene Fusions、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratory)、ニューヨーク州コールド・スプリング・ハーバー(Cold Spring Harbor,NY)(1984)ならびにグリーン・パブリッシング・アソシエーション・アンド・ウィレイ−インターサイエンス(Greene Publishing Assoc.and Wiley−Interscience)から出版されたアウスベルF.M.(Ausubel,F.M.)ら、Current Protocols in Molecular Biology(1987)により記載されている。
略語の意味は次のようである。「hr」は時間を意味し、「min」は分を意味し、「sec」は秒を意味し、「d」は日を意味し、「mL」はミリリットルを意味し、「μL」はマイクロリットルを意味し、「nL」はナノリットルを意味し、「μg」はマイクログラムを意味し、「ng」はナノグラムを意味し、「mM」はミリモル(millimole)を意味し、「μM」はマイクロモル(micromole)を意味し、「OD」は光学密度を意味する。
分子生物学技術:
アガロースゲル電気泳動技術は、マニアティス(Maniatis)(上掲)に記載の通りに実施した。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術は、ホワイトB.(White,B.)、PCR Protocols:Current Methods and Applications、第15巻(1993)、ヒューマナ・プレス・社(Humana Press Inc.)、ニュージャージー州トトワ(Totowa,NJ)において見出された。
培地および培養条件:
細菌培養の維持および増殖に適切な一般的な材料ならびに方法は、Experiments in Molecular Genetics(ジェフェリーH.ミラー(Jeffrey H. Miller))、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold spring Harbor Laboratory Press)(1972);Manual of Methods for General Bacteriology(フィリップ・ゲルハルト(Phillip Gerhardt、R.G.E.マーレイ(R.G.E.Murray)、ラルフN.コスティロー(Ralph N. Costilow)、ユージーンW.ネスター(Eugene W. Nester)、ウィリスA.ウッド(Willis A. Wood)、ノエルR.クリーク(Noel R. Krieg)およびG.ブリックス・フィリップス(G. Briggs Phillips)編)、210−213頁、American Society for Microbiology、ワシントンDC(Washington,DC.)またはトーマスD.ブロック(Thomas D. Brock) in Biotechnology: A Textbook of Industrial Microbiology、第2版(1989)シノイヤー・アソシエーツ社(Sinauer Associates, Inc.)、マサチューセッツ州サンダーランド(Sunderland,MA)において見出された。細菌細胞の増殖および維持に使用したすべての試薬および材料は、特に断りがない限り、アルドリッヒケミカルズ(Aldrich Chemicals)(ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee, WI))、ディフコラボラトリーズ(DIFCO Laboraoties)(ミシガン州デトロイト(Detroit, MI))、ギブコ/BRLライフ・テクノロジーズ(Gibco/BRL Life Technologies)(メリーランド州ゲイサーズバーク(Gaithersburg, MD))、またはシグマケミカル社(Sigma Chemical Company)(ミズーリ州セントルイス(St.Louis, MO))より入手した。
カロテノイド含有物のHPLC分析
1分間ボルテックス撹拌し、次の30分間、間欠的にボルテックス撹拌することによって、1mlアセトンで細胞ペレットを抽出した。14,000×gで10分間、遠心分離によって細胞破砕物を取り出し、上清を回収し、0.45μMフィルターを介して通過させた。メリーランド州コロンビアベックマン・ゴールド・ヌーボー・ソフトウェア(Beckman Gold Nouveau Software(colombia,MD))と共にベックマン・システム・ゴールド(Beckman System Gold)(登録商標)HPLCを研究のために使用した。粗抽出液(0.1mL)を、対応する保護カラムを有する125×4mm RP8(5μm粒子)カラム(ヒューレット・パッカード(Hewlett−Packard)カリフォルニア州サンフェルナンド(San Fernando,CA))に充填した。流速は1mL/minである一方、使用した溶媒プログラムは0〜11.5min40%水/60%メタノール;11.5〜20min100%メタノール;20〜30min40%水/60%メタノールであった。ベックマン(Beckman)フォトダイオードアレイ検出器(モデル168)によりスペクトルデータを回収した。
実施例1
メチロモナス(Methylomonas)16aの増殖
実施例1では、国際公開第02/20728号パンフレットに記載のように、メチロモナス(Methylomonas)sp.16a(ATCC# PTA−2402)の増殖に使用した標準的条件の概要を説明する。
メチロモナス(Methylomonas)株および培養培地
他で条件を具体的に述べない限り、メチロモナス(Methylomonas)16aの処置のための実験的実施例を通して、以下に記載の増殖条件を使用した。
少なくとも8:1の気体/液体比(即ち、160mLの全容積中20mLの硝酸液体「BTZ−3」培地)を使用して、メチロモナス(Methylomonas)16aを血清ストッパ付ウィートン(Wheaton)ボトル(ウィートン・サイエンティフィック(Wheaton Scientific)、イリノイ州ウィートン(Wheaton,IL))中で培養した。培養のための標準気相は空気中25%メタンを含有したが、メタン濃度は培養頭隙の容積によって約5〜50%の範囲で変動し得た。これらの条件は増殖条件を含んでなり、細胞を増殖細胞と称する。あらゆる場合において、培養物は、他に示さない限り、ラブ・ライン(Lab−Line)回転振盪機中一定の振盪により30℃で増殖させた。
メチロモナス(Methylomonas)16aのための硝酸培地
鉱物塩のみからなる規定培地中でメチロモナス(Methylomonas)16aを増殖させた;酵母抽出物またはビタミンなどの有機添加物は増殖を達成するのに必要ではなかった。本明細書において「硝酸液体培地」、または「BTZ−3」培地と称されるこの規定培地は、以下(表2および表3)に示す溶液1と混合された多様な塩からなるか、または特定する場合、硝酸塩を15mM塩化アンモニウムで置き換えた。溶液1は微量の鉱物の100倍濃縮ストック溶液の組成を提供する。
Figure 2006515166
Figure 2006515166
微生物増殖の評価および細胞を回収するための条件
最大光学密度まで増殖させた細胞は約1.0のOD660を有した。サーバル(Sorval)RC−5B遠心分離機中で、6000rpmで20分間SS−34ローターを使用して、遠心分離により細胞を回収した。細胞ペレットを50mM HEPES緩衝液、pH7中に再懸濁した。これらの細胞懸濁液を洗浄した休止細胞と呼ぶ。
微生物の増殖は、1cm光路キュベットを使用し、ウルトロスペック(Ultrospec)2000 UV/Vis分光光度計(ファルマシア・バイオテック(Pharmacia Biotech)、英国ケンブリッジ(Cambridge,England))中660nmで光学密度を測定することによって、評価した。あるいは、上記のように遠心分離により培養培地から細胞を回収し、蒸留水中に細胞を再懸濁し、2回目の遠心分離で培地の塩を除去することによって、微生物の増殖を評価した。次いで、洗浄した細胞を、乾燥重量決定のために乾燥オーブン中、105℃で1晩乾燥した。
実施例2
メチロモナス(Methylomonas)ゲノムのDNAマイクロアレイの構築
実施例2では、メチロモナス(Methylomonas)ゲノムのDNAマイクロアレイを作製するのに必要な複数工程手順を説明する。このアレイは、3750ORFを含んでなり、生物体の全ゲノムの約93%を提示した。また、プローブを調製し、プローブをマイクロアレイにハイブリダイズさせ、生じたデータを回収する手順についても説明する。
DNAマイクロアレイの構築のためのDNA領域の増幅
PCR反応では、特異的プライマー対を使用して、メチロモナス(Methylomonas)sp.16aのORFをコードする各タンパク質のDNAを増幅した。プライマーは、当業者に周知の方法により各ORFの5’および3’配列に基づいて指名した。ゲノムDNA(10〜30ng)をテンプレートとして使用した。ファストDNAキット(Fast DNA Kit)(バイオ(Bio)10、カリフォルニア州カールズバッド(Carlsbad,CA))を使用して、ゲノムDNAを調製した。PCR反応は、ホットスタート・タック(HotStart Taq)TMDNAポリメラーゼ(キアゲン(Qiagen)、カリフォルニア州バレンシア(Valencia,CA))およびdNTP(ギブコ(Gibco)/BRL)の存在下で実施した。95℃で30秒間の変性、55℃で30秒間のアニーリングおよび72℃で2分間のポリマー化の35サイクルを行った。1%アガロースゲル上での電気泳動後、PCR産物を可視化した。PCR増幅DNAサンプルを、キアゲン(Qiagen)(カリフォルニア州バレンシア(Valencia,CA))製高スループットPCR精製キットによって精製した。
増幅されたORFの整列
整列の前に、等容量のDMSO(10μL)およびDNA(10μL;約50ng/μL)の各サンプルを384ウェルマイクロタイタープレート内で混合した。ジェネレーションII DNAスポッター(モレキュラー・ダイナミクス(Molecular Dynamics)、カリフォルニア州サニーベール(Sunnyvale,CA))を使用して、コートされたガラススライド(テレケム(Telechem)、カリフォルニア州サニーベール(Sunnyvale,CA))上でサンプルを整列した。それぞれのPCR産物を2回繰り返してそれぞれのスライドに整列した。UV光による架橋後、使用するまでスライドを減圧下、デシケーター中、室温で貯蔵した。
RNAの単離:
メチロモナス(Methylomonas)16aを、窒素源としてアンモニウムまたは硝酸塩(10mM)を有する窒素液体培地中、実施例1に記載のように空気中25%メタン下で培養した。OD660が0.3(指数期)に達するとき培養物のサンプル(典型的に20mL)を回収した。細胞培養物を迅速に回収し、ビーズ−ビーター(バイオ(Bio)101、カリフォルニア州ビスタ(Vista,CA))を伴うRLT緩衝液(キアゲン(Qiagen)RNeasyミニ・キット(Mini Kit)、カリフォルニア州バレンシア(Valencia,CA))中で破砕した。破砕物を、3分間、14,000×g、4℃での遠心分離によりペレット化した。RNAの単離は、このキットより供給されているプロトコルを使用して完了した。カラム上でのDNAアーゼ処理後、50〜100μLのRNAアーゼ−フリー蒸留水でRNA産物を溶出させた。RNA調製物を−20℃または−80℃のいずれかで貯蔵した。
全RNA由来の蛍光cDNAの合成
RNAサンプル(7〜15μg)およびランダムヘキサマープライマー(6μg;ギブコ(Gibco)/BRL)を混合してRNAアーゼを含まない水で、容積を25μLとした。サンプルを70℃で10分間変性し、次いで、氷上で30秒間冷却した。14μLの標識混合物を添加した後、室温で10分間のインキュベーションによって、アニーリングを達成した。標識混合物は、8μLの5×酵素緩衝液、4μL DTT(0.1M)、および2μLの20×色素混合物を含有した。色素混合物は、2mMの各dATP、dGTP、およびdTTP、1mM dCTP、ならびに1mMのCy3−dCTPまたはCy5−dCTPからなる。1〜1.5μLのスーパースクリプト(SuperScript)II逆転写酵素(200単位/mL、ライフ・テクノロジーズ社(Life Technologies Inc.)、メリーランド州ゲイサーズバーグ(Gaithersburg,MD))を添加後、cDNAの合成を42℃で2時間進行させた。2μLのNaOH(2.5N)を反応物に添加することによりRNAを除去した。37℃で10分間のインキュベーション後、10μLのHEPES(2M)でpHを調整した。次いで、標識したcDNAをPCR精製キット(キアゲン(Qiagen)、カリフォルニア州バレンシア(Valencia,CA))で精製した。Cy3取り込みに対するA550またはCy5に対するA650のいずれかを使用して、標識効率をモニターした。
ゲノムDNAの蛍光標識
先に記載されたように調製されたメチロモナス(Methylomonas)sp.16aゲノムDNAをネブライザー処理して約2kb対のフラグメントにした。フラグメント化したゲノムDNA(0.5〜1μg)を15μLの水中で6μgのランダムヘキサマー(ギブコ(Gibco)/BRL)のプライマーと混合した。混合物を沸騰水に5分間置くことによって変性させた。次いで、室温に移す前に氷上で30秒間アニーリングする。続いて、2μLの5×緩衝液2(ギブコ(Gibco)/BRL)および2μlの色素混合物を添加した。色素混合物の成分および標識手順は、DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメント(5μg/μL、ギブコ(Gibco)/BRL)を酵素として使用したことを除いて、RNA標識について先に記載されている通りである。37℃で2時間のインキュベーション後、標識したDNAプローブをPCR精製キット(キアゲン(Qiagen)、カリフォルニア州バレンシア(Valencia,CA))で精製した。
ハイブリダイゼーションおよび洗浄
最初に、スライドを、3.5×SSC(ギブコ(Gibco)/BRL)、0.1%SDS、1%ウシ血清アルブミン(BSA、画分(Fraction)V、シグマ(Sigma))を含有するプレハイブリダイゼーション溶液と共に、30分間、37℃でインキュベートした。プレハイブリダイゼーション後、以下の実施例に記載の標識したプローブを組み入れた100ピコモルの色素(Cy3またはCy5)を含有するハイブリダイゼーション溶液(モレキュラー・ダイナミクス(Molecular Dynamics)、カリフォルニア州サニーベール(Sunnyvale,CA))をスライドに添加し、カバースリップを被せた。スライドは、42℃インキュベーター中の加湿チャンバ内に置いた。1晩のインキュベーション後、最初にスライドを、0.1×SSC、0.1%SDSを含有する溶液により5分間、室温で洗浄した。次いで、同溶液で、65℃で10分間、3回洗浄した。洗浄後、スライドを蒸留水で迅速に濯ぎ、窒素気体のスチームで乾燥した。
データの回収および分析
レーザースキャナ(モレキュラー・ダイナミクス(Molecular Dynamics)、カリフォルニア州サニーベール(Sunnyvale,CA))により、各スライドから発生したシグナルを定量した。画像は、アレイビジョン(ArrayVision)4.0ソフトウェア(イメージング・リサーチ社(Imaging Research, Inc.)、カナダ、オンタリオ(Ontario,Canada))により分析した。各スポットの生蛍光強度は、バックグランドを差し引くことによって調整した。これらの読み取り値はさらなる分析のためにスプレッドシートにエキスポートした。
実施例3
メチロモナス(Methylomonas)における硝酸誘導性DNA領域の同定
実施例2に記載の方法に従って調製したメチロモナス(Methylomonas)DNAマイクロアレイを使用して、本出願人らは、2つの硝酸誘導性遺伝子を同定した。これらの遺伝子のプロモーターは、硝酸塩に応答して、メチロモナス(Methylomonas)および他のC1代謝細菌におけるキメラ遺伝子発現を指令するために用いることができる。本実施例では、これらの硝酸誘導性遺伝子およびそれらの推定プロモーター領域の同定について説明する。
具体的には、メチロモナス(Methylomonas)sp.16aを、30℃で、窒素源として10mM塩化アンモニウムまたは10mM硝酸ナトリウムのいずれか一方を伴うBTZ−3培地中で増殖させた。指数期(OD660=0.3)の培養物(典型的に20ml)をRNA単離のために回収した。全RNAを単離し、蛍光色素で標識し、実施例2に記載のようにマイクロアレイ上でプローブとして使用した。硝酸塩の存在下で特異的に誘導される遺伝子を同定するために、これら2つの増殖条件由来のRNAサンプルから作製したプローブを使用するマイクロアレイハイブリダイゼーション実験を比較した。硝酸塩およびアンモニアサンプル間の各遺伝子に対するスポット強度の比を使用して、硝酸塩の存在下で誘導された2つの遺伝子を同定した(表4)。
Figure 2006515166
表5は、メチロモナス(Methylomonas)16aから発見された硝酸誘導性遺伝子の説明である。より具体的には、表5は、これらの遺伝子によってコードされるアミノ酸配列と当該分野において既知の配列との関係を例示する。BLAST「nr」データベース(全部の非冗長ジェンバンク(GenBank)CDS翻訳、三次元構造ブルックヘイブンタンパク質データバンク(Brookhaven Protein Data Bank)由来の配列、スイスプロット(SWISS−PROT)タンパク質配列データベース、EMBLおよびDDBJデータベースを含んでなる)中に含有される配列に対する類似性についてBLAST(基本的局所アライメント整列検索ツール(Basic Local Alignment Search Tool);アルトシュールS.F.(Altschul S.F.)ら、J.Mol.Biol.215:403−410(1993)検索を行うことによって、すべての配列を比較した。硝酸誘導性遺伝子DNA配列を全部のリーディングフレームで翻訳し、そして、NCBIにより提供されるBLASTXアルゴリズム(ギシュW.(Gish,W.)およびステイツD.J.(States,D.J.)、Nature Genetics、3:266−272(1993))を使用して、「nr」データベース中に含有される公的に利用可能な全部のタンパク質配列に対する類似性について比較した。BLASTX比較の結果を以下の表5に示し、これは、誘導性遺伝子によってコードされるアミノ酸配列が最も高い同一性および類似性を有する既知のタンパク質配列を表す。予想値は、このサイズのデータベースの検索において偶然に予想される一致数を所定のスコアで特定し、一致の統計的有意性を推定する。
Figure 2006515166
これらの硝酸誘導性遺伝子の同定後、各遺伝子のコーディング領域ATG開始部位周辺のゲノムDNA配列をPSI−BLAST(アルトシュールS.F.(Altschul S.F.)ら、Nucleic Acids Res.、25:3389−340(1997))により分析し、近接の他のORFを同定した。いずれか一方のコーディング領域の上流に位置する同じ配向のORFは認められないことが決定され、各コーディング領域はオペロンの内側(iternal)には存在せず、従って、各遺伝子はプロモーター領域を含むことが示された。nrtA遺伝子については、ATG開始部位(ヌクレオチドのATG=配列番号1の1)の408塩基上流からATG開始部位の143塩基下流に渡るヌクレオチド領域を、プロモーター領域を含有するのに十分であるとして選択した。DNAのこの領域を配列番号3として提供する。
窒素調節PII−タンパク質(glnB)遺伝子については、ATG開始部位(ヌクレオチドのATG=配列番号4の1)の444塩基上流からATG開始部位の107塩基下流に渡るヌクレオチド領域を、プロモーター領域を含有するのに十分であるとして選択した。DNAのこの領域を配列番号6として提供する。
実施例4
メチロモナス(Methylomonas)におけるpH誘導性DNA領域の同定
実施例2に記載の方法に従って調製したメチロモナス(Methylomonas)DNAマイクロアレイを使用して、本出願人らは、1つのpH誘導性遺伝子を同定した。この遺伝子のプロモーターは、低pHに応答して、メチロモナス(Methylomonas)および他のC1代謝細菌におけるキメラ遺伝子発現を指令するために用いることができる。本実施例では、グリオキサラーゼIIをコードする遺伝子およびその推定プロモーター領域の同定について説明する。
具体的には、メチロモナス(Methylomonas)sp.16aを、30℃で、硝酸塩を伴わず、5mM塩化アンモニウムを伴うBTZ−3培地中で増殖させた。細胞密度が指数期(OD660=0.3)に達したら、HClで培養物のpHを5.5に調整した。45分間の処置後、培養物を回収し、全RNAを単離し、蛍光色素で標識し、実施例2に記載のようにマイクロアレイ上でプローブとして使用した。pHを低下させることによって誘導される遺伝子を同定するために、処置(pH5.5)および非処置(pH7.0)の培養物から調製したRNAサンプルから作製したプローブを使用するマイクロアレイハイブリダイゼーション実験を比較した。処置および非処置サンプル間の各遺伝子に対するスポット強度の比を使用して、pHの変化に応答して誘導された遺伝子を同定した(表6)。
Figure 2006515166
表7は、メチロモナス(Methylomonas)16aから発見されたpH誘導性遺伝子の説明である。より具体的には、表7は、この遺伝子によってコードされるアミノ酸配列と当該分野において既知の配列との関係を例示する。実施例3に記載のように、BLAST検索を行うことによって、配列を分析した。
Figure 2006515166
このpH誘導性遺伝子の同定後、コーディング領域ATG開始部位周辺のゲノムDNA配列をPSI−BLAST(アルトシュールS.F.(Altschul S.F.)ら、Nucleic Acids Res.25:3389−340(1997))により分析し、近接の他のORFを同定した。このコーディング領域の上流に位置する同じ配向のORFは認められないことが決定され、プロモーター領域がこのORFの上流に位置することが示された。従って、ATG開始部位(ヌクレオチドのATG=配列番号7の1)の−423塩基上流からATG開始部位の156塩基下流に渡るヌクレオチド領域を、プロモーター領域を含有するのに十分であるとして選択した。DNAのこの領域を配列番号9として提供する。
実施例5
メチロモナス(Methylomonas)における温度誘導性DNA領域の同定
実施例2に記載の方法に従って調製したメチロモナス(Methylomonas)DNAマイクロアレイを使用して、本出願人らは、1つの温度誘導性遺伝子を同定した。この遺伝子のプロモーターは、誘導条件として温度が改変される場合、メチロモナス(Methylomonas)および他のC1代謝細菌におけるキメラ遺伝子発現を指令するために用いることができる。本実施例では、htpgおよびその推定プロモーター領域の同定について説明する。
具体的には、メチロモナス(Methylomonas)sp.16aを、30℃で、5mM塩化アンモニウムを伴うBTZ−3培地中で増殖させた。細胞密度が指数期(OD660=0.3)に達したら、培養物の温度を42℃に移行させた。45分間の処置後、培養物を回収し、全RNAを単離し、蛍光色素で標識し、実施例2に記載のようにマイクロアレイ上でプローブとして使用した。温度を上昇させることによって誘導される遺伝子を同定するために、処置および非処置の培養物由来のRNAサンプルから作製したプローブを使用するマイクロアレイハイブリダイゼーション実験を比較した。処置および非処置サンプル間の各遺伝子に対するスポット強度の比を使用して、より高い温度で誘導された遺伝子を同定した(表8)。
Figure 2006515166
表9は、メチロモナス(Methylomonas)16aから発見された温度誘導性遺伝子の説明である。より具体的には、表9は、この遺伝子によってコードされるアミノ酸配列と当該分野において既知の配列との関係を例示する。実施例3に記載のように、BLASTX検索を行うことによって、配列を分析した。
Figure 2006515166
この温度誘導性遺伝子の同定後、コーディング領域ATG開始部位周辺のゲノムDNA配列をPSI−BLAST(アルトシュールS.F.(Altschul S.F.)ら、Nucleic Acids Res.、25:3389−340(1997))により分析し、近接の他のORFを同定した。コーディング領域の上流に位置する同じ配向のORFは認められないことが決定され、コーディング領域はオペロンの内側には存在せず、従って、遺伝子はプロモーター領域を含むことが示された。ATG開始部位(ヌクレオチドのATG=配列番号10の1)の540塩基上流からATG開始部位の110塩基下流に渡るヌクレオチド領域を、プロモーター領域を含有するのに十分であるとして選択した。DNAのこの領域を配列番号12として提供する。
実施例6
メタンおよびメタノールをメチロモナス(Methylomonas)における炭素源として使用した場合に構成的に発現された遺伝子の同定
実施例2に記載の方法に従って調製したメチロモナス(Methylomonas)DNAマイクロアレイを使用して、本出願人らは、メタンおよびメタノール誘導性遺伝子を同定した。これらの遺伝子のプロモーターは、培養物がメタンおよび/またはメタノールの存在下で増殖される場合、メチロモナス(Methylomonas)および他のC1代謝細菌におけるキメラ遺伝子発現を指令するために用いることができる。本実施例では、メタンおよびメタノール上で増殖される場合に高度に発現される遺伝子ならびにその推定プロモーター領域の同定について説明する。
これらの遺伝子の同定では、遺伝子発現レベルを推定するDNAマイクロアレイ実験の能力を利用する。メチロモナス(Methylomonas)sp.16aを、空気中25%メタンまたは80mMメタノールを伴うBTZ−3培地中で増殖させた。指数期の培養物を回収し、RNAを単離し、各サンプルをCy5蛍光色素で標識した。メチロモナス(Methylomonas)sp.16aゲノムDNAを、実施例2に記載のようにCy3色素で標識した。ゲノムDNAプローブを、各RNA由来のプローブと個別に組み合わせた。2つの混合したプローブサンプルを個別のスライドにハイブリダイズさせた。定量後、RNA(Cy5)とDNAプローブ(Cy3)との間の比を、2つのマイクロアレイ上の各スポットについて算出した。ウェイ Y.(Wei Y.)ら、(J Bacteriol.183(2):545−56(2001))に記載のように、すべての比の合計で割った個々の遺伝子の比に基づいて、各遺伝子に対するmRNA存在量を推定した。続いて、各遺伝子の発現レベルを、そのmRNA存在量に従って格付けした。メタンまたはメタノール上で増殖させた場合に高レベルの発現を伴う2つの遺伝子を同定した(表10)。メタノール代謝に関与するmoxF遺伝子は、メタン上で増殖した場合3番に格付けし、メタノール上で増殖した場合22番に格付けした。hps遺伝子は、メタン上で増殖した場合14番に格付けし、メタノール上で増殖した場合57番に格付けした。
Figure 2006515166
表11は、メチロモナス(Methylomonas)16aから発見されたこれらの2つの遺伝子のより詳細な説明である。より具体的には、表11は、これらの遺伝子によってコードされるアミノ酸配列と当該分野において既知のタンパク質配列との関係を例示する。実施例3に記載のように、BLASTX検索を行って、すべての配列を分析した。
Figure 2006515166
これらの遺伝子の同定後、各遺伝子のコーディング領域ATG開始部位周辺のゲノムDNA配列をPSI−BLAST(アルトシュールS.F.(Altschul S.F.)ら、Nucleic Acids Res.、25:3389−340(1997))により分析し、近接の他のORFを同定した。各コーディング領域の上流に位置する同じ配向のORFは認められないことが決定され、それらはオペロンの内側には存在せず、従って、遺伝子はプロモーター領域を含むことが示された。moxF遺伝子については、ATG開始部位(ヌクレオチドのATG=配列番号13の1)の500塩基上流からATG開始部位の196塩基下流に渡るヌクレオチド領域を、プロモーター領域を含有するのに十分であるとして選択した。DNAのこの領域を配列番号15として提供する。
hps遺伝子については、ATG開始部位(ヌクレオチドのATG=配列番号16の1)の520塩基上流からATG開始部位に渡るヌクレオチド領域を、プロモーター領域を含有するのに十分であるとして選択した。DNAのこの領域を配列番号18として提供する。
実施例7
メチロモナス(Methylomonas)においてマーカー遺伝子を発現することによるmoxFプロモーターの活性の証明
moxF遺伝子に対して選択されたプロモーター配列のプロモーター活性を示すために、プロモーターを使用して、β−ガラクトシダーゼ(lacZ)レポーター遺伝子を発現させた。標準的なPCR手順により、プライマー対:
[配列番号19]5’−CAGGATCCGCGCCGTATGCTTTCGAATCCGCC−3’
[配列番号20]5’−CAGGATCCTGGAGAGCTGTTCCAGCTCCTTGTTC−3’
を使用して、メチロモナス(Methylomonas)sp.16aゲノムDNAからプロモーターフラグメントを増幅した。
増幅したプロモーターフラグメントをBamHIで消化し、BamHI消化pTJS75LacZKamに連結させた。プラスミドpTJS75LacZKamは、β−ガラクトシダーゼ(lacZ)コーディング領域を付加しているpTJS75ベクター(シュミットハウザー(Schmidhauser)およびヘリンスキー(Helinski)、第164巻、No.1、46〜455頁(1985))である(図1)。プラスミドpTJS75は、IncP群に属する広範な宿主範囲のプラスミドである。得られるプラスミドをメチロモナス(Methylomonas)sp.16aに伝達し、プラスミドを含有するコロニーをx−gal(5−ブロモ−3−インドイル−β−d−ガラクトピラノシド)を含有するLBプレート上で増幅させた。コロニーの目視観察により、いくつかは青色を呈することが認められ、x−gal基質がβ−ガラクトシダーゼ酵素によってインジゴ誘導体に変換されたことを示した。これらのコロニー由来のプラスミドDNAを制限酵素消化により分析したところ、moxFプロモーターフラグメントは、lacZコーディング領域の方へ配向していることが示された。従って、β−ガラクトシダーゼ酵素が発現され、moxFプロモーター領域のフラグメントはメチロモナス(Methylomonas)sp.16aにおいてプロモーター活性を有することが示された。
実施例8
メチロモナス(Methylomonas)sp.16aおよび大腸菌(Escherichia coli)において外来遺伝子発現を駆動するためのhpsプロモーターの使用
実施例8では、hpsプロモーターがメチロモナス(Methylomonas)sp.16aおよび大腸菌(E.coli)において外来遺伝子発現を駆動するのに有用であることを実証する。このことを、ゲノムDNAからhmpsプロモーターフラグメントを増幅させ、crtZ遺伝子の発現がhpsプロモーターによって駆動されるように、カロテノイド遺伝子クラスターcrtEXYIBZを含有するプラスミドにプロモーターをクローニングし、このプラスミドを大腸菌(E. coli)に形質転換し、次いで、ゼアキサンチングルコシドの存在を検出することによって、試験した。細菌接合を介するプラスミドのメチロモナス(Methylomonas)16aへの形質転換によっても、ゼアキサンチングルコシドが検出された。β−カロテンヒドロキシラーゼをコードするcrtZ遺伝子はβ−カロテンからゼアキサンチンへのヒドロキシル化を触媒するため、ゼアキサンチングルコシドの検出によりcrtZのキメラ遺伝子発現を駆動するhpsプロモーターの能力が確認された。
hpsプロモーターの増幅
PCRにおいて以下のプライマー:
[配列番号21]5’−CCCATGGGTTCGGAATCCCTGA−3’
[配列番号22]5’−GGAATTCCTCCTCTCCGAAAGTTTTTAATTATTAG−3’
を使用し、メチロモナス(Methylomonas)16aゲノムDNAから、hpsプロモーターを含有する500bpのDNAフラグメント(配列番号18)を増幅した。
熱サイクル条件は、94℃で30秒間、61℃で30秒間および72℃で2分間の30サイクル、続いて、72℃で5分間の最終伸張とした。キアゲン(Qiagen)PCR精製キットを使用して、500bp PCR産物を精製し、NcoIおよびEcoRIで1時間、37℃で消化し、次いで、1%(W/V)アガロース中ゲル電気泳動後に精製した。NcoI/EcoRI消化PCR産物をNcoI/EcoRI消化pBHR1(モビテック(MoBiTec)LLC、フロリダ州マルコ・アイランド(Marco Island,FL))に連結し、連結したDNAを使用して、大腸菌(E. coli)DH5αを形質転換した。形質転換体を、カナマイシン(50μg/ml)を含有するLB寒天上で選択した。制限酵素消化およびゲル電気泳動による1つの形質転換体由来のプラスミドDNAの分析により、pHPSと命名されるプラスミドの存在を確認した(図2)。
パントエア・ストウェルティ(Pantoea stweartii)由来のcrtEXYIBZ遺伝子クラスターを、pCRT1由来の6255bpEcoRIフラグメント上で得た(国際公開第02/18617号パンフレット)。この遺伝子クラスターでは、crtZコーディング領域は、クラスター内の他のコーディング領域に対して対抗する配向にあり、個別のプロモーターから転写されなければならない。crtEXYIBZコーディング領域を含有する6255bpEcoRIフラグメントを、EcoRIで消化し、仔ウシ小腸由来アルカリホスファターゼで脱リン酸化したpHPSに連結した(ギブコ(Gibco)/BRL)。連結したDNAを使用して、大腸菌(E.coli)DH5αを形質転換した。形質転換体を、カナマイシン(50μg/ml)を含有するLB寒天上で選択した。黄色のコロニー色を実証した1つの形質転換体由来の制限酵素消化したプラスミドDNAの分析により、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子プロモーター(CATプロモーター)が、pCRT18と命名されたcrtEXYIBコーディング領域に隣接するように、配向したEcoRIフラグメントを伴うプラスミドの存在を確認した(図2B)。黄色は、カロテノイドが産生されていたことを示した。pCRT18では、β−カロテンヒドロキシラーゼをコードするcrtZ遺伝子の発現は、メチロモナス(Methylomonas)16a hpsプロモーターから指令される(図2B)。crtZ遺伝子が発現される場合、ゼアキサンチングルコシドはcrtZによってコードされるβ−カロテンヒドロキシラーゼ活性によってβ−カロテンから誘導されるため、ゼアキサンチングルコシドを合成するためのpCRT18を含有する接合伝達体(transconjugant)が予想される。
一般的方法において記載のように、このコロニーの細胞を増殖させ、HPLCにより分析した。HPLC分析は、ゼアキサンチンのモノ−およびジグルコシドについて予想されるプロファイル(約13.5分の保持時間を有するゼアキサンチンよりも早く溶出する)と一致する10.767〜11.300で溶出したピークを示した。従って、pCRT18を含有する大腸菌(E.coli)においてゼアキサンチングルコシドが観察され、メチロモナス(Methylomonas)16a hpsプロモーターが、メチロモナス(Methylomonas)以外の細菌宿主において異種遺伝子発現を指令したことを示した。
プラスミドpCRT18を、三親接合交配によってメチロモナス(Methylomonas)16aに伝達した。pRK2013を含有する大腸菌(E.coli)ヘルパー株およびpCRT18を含有する大腸菌(E.coli)DH5αドナー株を、それぞれカナマイシン(50μg/ml)を有するLB培地中で1晩増殖させ、LB中で3回洗浄し、本来の培養容量の約60倍濃度を示す1容量のLBに再懸濁した。メチロモナス(Methylomonas)16aレシピエントを、25%(v/v)メタンを含有する大気中硝酸液体「BTZ−3」培地中で48時間増殖させ、BTZ−3中で3回洗浄し、本来の培養容量の150倍を示す1容量のBTZ−3に再懸濁した。ドナー、ヘルパー、およびレシピエント細胞ペーストを、それぞれ1:1:2の割合で0.5%(w/v)酵母抽出物を含有するBTZ−3寒天プレートの表面上に組み合わせた。プレートを、30℃で、16〜72時間、25%メタンに維持し、接合を生じさせた。細胞ペーストを回収し、BTZ−3に再懸濁した。希釈物を、カナマイシン(50μg/ml)を含むBTZ−3寒天上にプレート化し、30℃で、25%メタン中、1週間までインキュベートした。接合伝達体を、単離のためにカナマイシン(50μg/ml)を含むBTZ−3寒天上に画線した。制限酵素消化によりこれらの接合伝達体から単離されたプラスミドDNAの分析により、pCRT18の存在を確認した。
カロテノイド組成の分析のために、接合伝達体を、カナマイシン(50μg/ml)を含む25mlのBTZ−3中で培養し、唯一の炭素源として1週間まで25%メタン中30℃でインキュベートした。細胞を遠心分離により回収し、−20℃で凍結した。解凍後、ペレットを抽出し、上記の一般的方法の方法論に従ってHPLCによりカロテノイド含有物を分析した。pCRT18を含有するメチロモナス(Methylomonas)16a由来の抽出物のHPLC分析により、ゼアキサンチングルコシドの合成が確認された(図2C)。具体的には、ピークは、ゼアキサンチンのモノ−およびジグルコシドについて予想されるプロファイル(約13.5分の保持時間を有するゼアキサンチンよりも早く溶出する)と一致する10.767〜11.300で溶出した。
pCRT18と同じであるが、メチロモナス(Methylomonas)16a hpsプロモーターを欠くcrtEXYIBZ遺伝子クラスターを含有するプラスミドpCRT1は、単に、β−カロテンを産生する能力をメチロモナス(Methylomonas)16aに付与しただけであるため(国際公開第02/18617号パンフレット)、pCRT18を含有するメチロモナス(Methylomonas)16aにおけるゼアキサンチングルコシドの出現により、hpsプロモーターからcrtZが発現されたことをが確認された。
ゼアキサンチングルコシドの形成を除去するために、ゼアキサンチングルコシル−トランスフェラーゼをコードするcrtX遺伝子をpCRT18から欠失させた。pCRT18の5149bpのEcoRV(1107位)/EcoRI(6256位)フラグメントを、crtX遺伝子を欠失させた3870bpのEcoRV(1107位)/EcoRI(4977位)フラグメントで置き換えた。PCR−媒介重複伸張を使用して、3段階のPCR工程でcrtEXYIBZ遺伝子クラスターからcrtX遺伝子を欠失した。最初の2つの反応のテンプレートDNAは、プロモーターを伴わない完全crtEXYIBZ遺伝子クラスターを含有するpCRT2と命名されたプラスミドであった。第1に、プライマーTRCcrtEFおよびCrtYER(配列番号23、24)でcrtEコーディング領域を増幅させ、逆方向プライマーに対し23塩基のcrtY相同物を組み入れた。
5’−CGGAATTCCCGCCCTGCCACTCATCGC−3’[配列番号23]
5’CCAGAATGAGATCATAGTGCGGTTGCATGCAGCATCCTTAACTGACGGCAG−3’[配列番号24]
1373bpのPCR産物をゲル精製し、第3のポリメラーゼ連鎖反応のテンプレートとして使用した。
第2に、crtYIBコーディング領域をプライマーCrtEYFおよびCrtBR(配列番号25、26)と共に増幅させ、順方向プライマーに対し26塩基のcrtE相同物を組み入れた。
5’CTGCCGTCAGTTAAGGATGCTGCATGCAACCGCACTATGATCTCATTCTGG[配列番号25]
5’−GCGAATTCGCTAGCGGCTAGATCGGGCGCTGCC−3’[配列番号26]
3604bpのPCR産物をゲル精製し、第3のポリメラーゼ連鎖反応のテンプレートとして使用した。
第3のPCR工程では、最初の2つの反応の産物を組み合わせ、それらの23塩基の完全相同物を介して相互にプライムさせ、2つの最も外側のプライマーで増幅した。TRCcrtEFおよびCrtBR(配列番号23、26)で増幅させた。得られた4952bpの産物は遺伝子クラスターcrtEYIBを含有し、全体としてcrtX遺伝子は含まなかった。crtE、crtY、crtIおよびcrtBの部分を含む3870bpのEcoR1/EcoRV消化フラグメントをEcoRVおよびEcoRI消化pCRT18に連結し、5149bpのEcoRV/EcoR1フラグメントを置き換えた。得られたプラスミドpCRT24(図3A)を、三親接合交配によってメチロモナス(Methylomonas)16aに伝達し、一般的方法に記載のように、HPLCによって接合伝達体をそれらのカロテノイド組成について分析した。
pCRT24を含有するメチロモナス(Methylomonas)16aにおいて、ゼアキサンチン(保持時間13.500分)およびクリプトキサンチン(保持時間14.767分)が産生され(図3B)、crtZ遺伝子産物によるβ−カロテンの変換(保持時間16.233分)が実証され、従って、hpsプロモーターからcrtZコーディング領域の発現が確認された。
掲載のmoxFプロモーターの挿入を伴うpTJS75LacZKamプラスミドマップである。 pHPSのプラスミドマップの略図を表す。 pCRT18のプラスミドマップである。 pCRT18で形質転換したメチロモナス(Methylomonas)細胞におけるゼアキサンチングルコシドの存在を実証するHPLCの結果を示す。 pCRT24のプラスミドマップである。 pCRT24で形質転換したメチロモナス(Methylomonas)細胞におけるゼアキサンチンの存在を確認するHPLCの結果を示す。
【配列表】
Figure 2006515166
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Claims (40)

  1. a)1)nrtA遺伝子およびglnB遺伝子よりなる群から選択される遺伝子のプロモーター領域、および
    2)C1代謝細菌において発現可能な目的のコーディング領域
    を含んでなるキメラ遺伝子を有する形質転換されたC1代謝細菌細胞を提供し、ここで、プロモーター領域は目的のコーディング領域に操作可能に連結され、そして
    b)硝酸塩の存在下で工程(a)の形質転換されたC1代謝細菌細胞を増殖させ、ここで、キメラ遺伝子が発現される
    ことを含んでなるC1代謝細菌における目的のコーディング領域の発現のための方法。
  2. a)1)glyoxII遺伝子のプロモーター領域、および
    2)C1代謝細菌において発現可能な目的のコーディング領域
    を含んでなるキメラ遺伝子を有する形質転換されたC1代謝細菌細胞を提供し、ここで、プロモーター領域は目的のコーディング領域に操作可能に連結され、そして
    b)約pH5.5で工程(a)の形質転換されたC1代謝細菌細胞を増殖させ、ここで、キメラ遺伝子が発現される
    ことを含んでなるC1代謝細菌における目的のコーディング領域の発現のための方法。
  3. a)1)htpG遺伝子のプロモーター領域、および
    2)C1代謝細菌において発現可能な目的のコーディング領域
    を含んでなるキメラ遺伝子を有する形質転換されたC1代謝細菌細胞を提供し、ここで、プロモーター領域は目的のコーディング領域に操作可能に連結され、そして
    b)プロモーター領域の誘導に適切な温度で工程(a)の形質転換されたC1代謝細菌細胞を増殖させ、ここで、キメラ遺伝子が発現される
    ことを含んでなるC1代謝細菌における目的のコーディング領域の発現のための方法。
  4. a)1)moxF遺伝子およびhps遺伝子よりなる群から選択される遺伝子のプロモーター領域、および
    2)C1代謝細菌において発現可能な目的のコーディング領域
    を含んでなるキメラ遺伝子を有する形質転換されたC1代謝細菌細胞を提供し、ここで、プロモーター領域は目的のコーディング領域に操作可能に連結され、そして
    b)メタンおよびメタノールよりなる群から選択されるC1炭素源の存在下で工程(a)の形質転換されたC1代謝細菌細胞を増殖させ、ここで、工程(a)のキメラ遺伝子が発現される
    ことを含んでなるC1代謝細菌における目的のコーディング領域の発現のための方法。
  5. C1代謝細菌宿主細胞は、メタノトロフおよびメチロトロフよりなる群から選択される請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. C1代謝細菌宿主細胞は、メチロモナス(Methylomonas)、メチロバクター(Methylobacter)、メチロコッカス(Methylococcus)、メチロサイナス(Methylosinus)、メチロシスチス(Methylocyctis)、メチロマイクロビウム(Methylomicrobium)、メタノモナス(Methanomonas)、メチロフィラス(Methylophilus)、メチロバチルス(Methylobacillus)、メチロバクテリウム(Methylobacterium)、ハイフォマイクロビウム(Hyphomicrobium)、キサントバクター(Xanthobacter)、バチルス(Bacillus)、パラコッカス(Paracoccus)、ノカルジア(Nocardia)、アルスロバクター(Arthrobacter)、ロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)、およびシュードモナス(Pseudomonas)よりなる群から選択されるメチロトロフである請求項5に記載の方法。
  7. プロモーター領域は、配列番号3および配列番号6よりなる群から選択される核酸配列を有する請求項1に記載の方法。
  8. プロモーター領域は、配列番号9に記載の核酸配列を有する請求項2に記載の方法。
  9. プロモーター領域は、配列番号12に記載の核酸配列を有する請求項3に記載の方法。
  10. プロモーター領域の誘導に適切な温度が、
    a)41〜42℃であって、ここで、C1代謝細菌が中温性である、および
    b)47〜50℃であって、ここで、C1代謝細菌が好熱性である、
    よりなる群から選択される請求項3に記載の方法。
  11. プロモーター領域を含んでなる核酸フラグメントは、配列番号15、および配列番号18よりなる群から選択される核酸配列を有する請求項4に記載の方法。
  12. 硝酸塩の濃度は約5mM〜約15mMである請求項1に記載の方法。
  13. 目的のコーディング領域は、トランスアルドラーゼ、フルクトース二リン酸アルドラーゼ、ケトデオキシホスホグルコン酸アルドラーゼ、ホスホグルコムターゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、6−ホスホグルコン酸デヒドラターゼ、6−ホスホグルコン酸−6−リン酸−1デヒドロゲナーゼ、dxs、dxr、ispA、ispD、ispE、ispF、crtE、crtX、crtY、crtI、crtB、crtZ、crtD、crtO、crtWをコードする遺伝子、リモネンシンターゼ、ugp、gumD、wza、espB、espM、waaE、espV、gumHをコードする遺伝子、グリコシルトランスフェラーゼ遺伝子、aroG、aroB、aroQ、aroE、aroK、5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンターゼ、aroC、trpE、trpD、trpC、trpB、pheA、tyrAc、pds、phaC、phaE、efe、pdc、adh、ピネンシンターゼ、ボルニルシンターゼ、フェランドレンシンターゼ、シネオールシンターゼ、サビネンシンターゼ、およびタキサジエンシンターゼをコードする遺伝子よりなる群から選択される請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  14. a)1)適切なレベルのβ−カロテン、および
    2)β−カロテンヒドロキシラーゼをコードするコーディング領域に操作可能に連結されたhps遺伝子のプロモーター領域を含んでなるキメラ遺伝子
    を含んでなる形質転換さんれたC1代謝宿主細胞を提供し、そして
    b)適切な増殖条件下の工程(a)の宿主細胞と有効量のC1炭素基質とを接触させ、それにより、ゼアキサンチンが産生される、
    ことを含んでなるゼアキサンチンの産生のための方法。
  15. (a)配列番号2および配列番号5よりなる群から選択されるアミノ酸配列をコードする単離された核酸分子、
    (b)ストリンジェントな条件下で(a)とハイブリダイズし、0.1×SSC、0.1%SDS、65℃で洗浄される単離された核酸分子、または
    (a)、もしくは(b)に相補的である単離された核酸分子、
    よりなる群から選択される硝酸誘導性遺伝子をコードする単離された核酸分子。
  16. 配列番号1および配列番号4よりなる群から選択される請求項15に記載の単離された核酸分子。
  17. 請求項15に記載の単離された核酸分子によってコードされるポリペプチド。
  18. 配列番号2および配列番号5よりなる群から選択される請求項17に記載のポリペプチド。
  19. 配列番号2に記載の配列を有するポリペプチドと比較した場合、スミス−ウォーターマン法のアライメントに基づいて、少なくとも70%の同一性を有する少なくとも464アミノ酸のnrtA酵素をコードする第1のヌクレオチド配列、
    または第1のヌクレオチド配列の相補体を含んでなる第2のヌクレオチド配列、
    を含んでなる単離された核酸分子。
  20. 配列番号5に記載の配列を有するポリペプチドと比較した場合、スミス−ウォーターマン法のアライメントに基づいて、少なくとも76%の同一性を有する少なくとも112アミノ酸のglnB酵素をコードする第1のヌクレオチド配列、
    または第1のヌクレオチド配列の相補体を含んでなる第2のヌクレオチド配列、
    を含んでなる単離された核酸分子。
  21. (a)配列番号8に記載のアミノ酸配列をコードする単離された核酸分子、
    (b)ストリンジェントな条件下で(a)とハイブリダイズし、0.1×SSC、0.1%SDS、65℃で洗浄される単離された核酸分子、または
    (a)、もしくは(b)に相補的である単離された核酸分子、
    よりなる群から選択されるpH誘導性遺伝子をコードする単離された核酸分子。
  22. 配列番号7に記載されている請求項21に記載の単離された核酸分子。
  23. 請求項21に記載の単離された核酸分子によってコードされるポリペプチド。
  24. 配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する請求項23に記載のポリペプチド。
  25. 配列番号8に記載の配列を有するポリペプチドと比較した場合、スミス−ウォーターマン法のアライメントに基づいて、少なくとも70%の同一性を有する少なくとも231アミノ酸のglyoxII酵素をコードする第1のヌクレオチド配列、
    または第1のヌクレオチド配列の相補体を含んでなる第2のヌクレオチド配列、
    を含んでなる単離された核酸分子。
  26. (a)配列番号11に記載のアミノ酸配列をコードする単離された核酸分子、
    (b)ストリンジェントな条件下で(a)とハイブリダイズし、0.1×SSC、0.1%SDS、65℃で洗浄される単離された核酸分子、または
    (a)、もしくは(b)に相補的である単離された核酸分子、
    よりなる群から選択される温度誘導性遺伝子をコードする単離された核酸分子。
  27. 配列番号10に記載されている請求項26に記載の単離された核酸分子。
  28. 請求項26に記載の単離された核酸分子によってコードされるポリペプチド。
  29. 配列番号11に記載のアミノ酸配列を有する請求項28に記載のポリペプチド。
  30. 配列番号11に記載の配列を有するポリペプチドと比較した場合、スミス−ウォーターマン法のアライメントに基づいて、少なくとも70%の同一性を有する少なくとも644アミノ酸のhtpG酵素をコードする第1のヌクレオチド配列、
    または第1のヌクレオチド配列の相補体を含んでなる第2のヌクレオチド配列、
    を含んでなる単離された核酸分子。
  31. (a)配列番号14、および17よりなる群から選択されるアミノ酸配列をコードする単離された核酸分子、
    (b)ストリンジェントな条件下で(a)とハイブリダイズし、0.1×SSC、0.1%SDS、65℃で洗浄される単離された核酸分子、または
    (a)、もしくは(b)に相補的である単離された核酸分子、
    よりなる群から選択されるメタンあるいはメタノール誘導性遺伝子をコードする単離された核酸分子。
  32. 配列番号13、および16よりなる群から選択される請求項31に記載の単離された核酸分子。
  33. 請求項31に記載の単離された核酸分子によってコードされるポリペプチド。
  34. 配列番号14、および17よりなる群から選択される請求項33に記載のポリペプチド。
  35. 配列番号14に記載の配列を有するポリペプチドと比較した場合、スミス−ウォーターマン法のアライメントに基づいて、少なくとも70%の同一性を有する少なくとも89アミノ酸のmoxF酵素をコードする第1のヌクレオチド配列、
    または第1のヌクレオチド配列の相補体を含んでなる第2のヌクレオチド配列、
    を含んでなる単離された核酸分子。
  36. 配列番号17に記載の配列を有するポリペプチドと比較した場合、スミス−ウォーターマン法のアライメントに基づいて、少なくとも70%の同一性を有する少なくとも215アミノ酸のhps酵素をコードする第1のヌクレオチド配列、
    または第1のヌクレオチド配列の相補体を含んでなる第2のヌクレオチド配列、
    を含んでなる単離された核酸分子。
  37. 配列番号3および配列番号6よりなる群から選択される核酸配列を有する硝酸塩の存在に応答するプロモーター領域。
  38. 配列番号9に記載の核酸配列を有する酸性pHに応答するプロモーター領域。
  39. 配列番号12に記載の核酸配列を有する高い温度に応答するプロモーター領域。
  40. 配列番号15、および配列番号18よりなる群から選択される核酸配列を有するメタンまたはメタノールの存在下で高度に発現されるプロモーター領域。
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