JP2006513997A - アミノ化イソフラボノイド誘導体およびその使用 - Google Patents
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Abstract
Description
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、個別に、水素、ヒドロキシ、OR9、OC(O)H、OC(O)R9、OS(O)R9、OSi(R10)3、C(O)R11、CO2R12、アルキル、ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、チオ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロまたはハロであり、あるいは、
置換基R2 R3およびR4のいずれかの2個は、それらが結合している炭素原子とともに、環式アルキル、環式ヘテロアルキル、アリールまたはヘテロアリール構造を形成し、
R9は、アルキル、ハロアルキル、アリール、アリールアルキルまたはアルキルアリールであり、
R10は、個別に、水素、アルキルまたはアリールであり、
R11は、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、アリールアルキルまたはアミノ酸であり、
R12は、水素、アルキル、ハロアルキル、アリール、アリールアルキルまたはアルキルアリールであり、
Xは、O、NR12またはSであり、
Zは、R13、NR14R15、NR3CONR14R15、N=CR16R17またはOR13であり、
R13、R14およびR15は、個別に、水素、アミノ、チオ、ニトロ、シアノ、または、任意に置換されたアルキル、ハロアルキル、アシル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはアルキルアリールであり、あるいは、
置換基R14およびR15は、それらが結合している窒素原子とともに、任意に置換された環式ヘテロアルキルまたは複素環式芳香族構造を形成し、
R16およびR17は、個別に、水素、アミノ、チオ、ニトロ、シアノ、または、任意に置換されたアルキル、ハロアルキル、アシル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはアルキルアリールであり、あるいは、
置換基R16およびR17は、それらが結合している炭素原子と共に、任意に置換されたイソフラボノイド環構造を形成し、
あるいは、XがNR12であるとき、置換基R12は、R8とXがそれらが結合している炭素原子とともに下記の構造の一つを形成する、結合手であることができ、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびZは、上に定義されている通りであり、
記号「−−−」は単結合または二重結合を示し、
該化合物は、その薬学上許容される塩および誘導体を含む。
R1、R2、R3,R4、R5、R6、R7、R8およびXは、上で定義した通りであり、
記号「−−−」は、アミノ化剤との単結合または二重結合を示す。
1.信号伝達阻害、細胞周期制御およびアポトーシス誘発による直接的抗癌作用。
2.COX阻害による癌の発症および増殖の防止。
3.特定5’アルファレダクターゼ阻害による癌の発症および増殖の防止。
4.抗炎症性効果。
アルキニル基は、より好ましくは、エチニル、1−プロピニルまたは2−プロピニルである。アルキニル基は、任意に、1個以上の、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、カルボキシル、C1〜C4−アルコキシカルボニル、C1〜C4−アルキルアミノ−カルボニル、ジ(C1〜C4−アルキル)−アミノカルボニル、ヒドロキシル、C1〜C4−アルコキシ、ホルミルオキシ、C1〜C4−アルキル−カルボニルオキシ、C1〜C4−アルキルチオ、C3〜C6−シクロアルキル、またはフェニルによって置換されうる。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、個別に、水素、ヒドロキシ、OR9、OC(O)R9、OS(O)R9、アルキル、アリール、アリールアルキル、チオ、アルキルチオ、ブロモ、クロロまたはフルオロであり、
R9は、アルキル、フルオロアルキルまたはアリールアルキルであり、
R13、R14およびR15は、個別に、水素、アミノ、シアノ、チオ、ニトロ、または、任意に置換されたアルキル、ハロアルキル、アシル、アリール、アリールアルキルまたはアルキルアリールであり、あるいは、
置換基R14およびR15は、それらが結合している窒素原子とともに、任意に置換された環式ヘテロアルキルまたは複素環式芳香族構造を形成し、
R16およびR17は、個別に、水素、アミノ、シアノ、チオ、ニトロ、または、任意に置換されたアルキル、ハロアルキル、アシル、アリール、アリールアルキルまたはアルキルアリールであり、あるいは、
置換基R16およびR17は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、任意に置換されたイソフラボノイド環構造を形成し、
記号「−−−」は、単結合または二重結合を示す。
R1は、水素であり、
R2、R3、R5、R6およびR8は、個別に、水素、ヒドロキシ、OR9、OC(O)R9、アルキル、アリールまたはアリールアルキルであり、
R4およびR7は、個別に、ヒドロキシ、OR9またはOC(O)R9であり、
R9は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはトリフルオロメチルであり、
R13、R14およびR15は、個別に、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、トリフルオロメチル、または任意に置換されたフェニル、ナフチルまたはベンジルであり、あるいは、置換基R14およびR15は、それらが結合している窒素原子とともに、任意に置換された環式ヘテロアルキルまたは複素環式芳香族構造を形成し、
R16およびR17は、個別に、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、トリフルオロメチルまたは任意に置換されたフェニル、ナフチルまたはベンジルであり、あるいは、置換基R16およびR17は、それらが結合している炭素原子と共に、任意に置換されたイソフラボノイド環構造を形成し、
記号「−−−」は、単結合または二重結合を示す。
R1は水素であり、
R2、R3、R5、R6およびR8は、個別に、水素、ヒドロキシ、OR9、OC(O)R9またはメチルであり、
R4およびR7は、個別に、ヒドロキシ、OR9またはOC(O)R9であり、
R9は、メチルであり、
R13は、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、フェニル、クロロフェニル、ニトロフェニル、トルイル、ナフチル、ベンジル、クロロベンジル、ニトロベンジルまたはメチルベンジルであり、
R14は水素であり、そして、
R15は、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、フェニル、クロロフェニル、ニトロフェニル、トルイル、ナフチル、ベンジル、クロロベンジル、ニトロベンジルまたはメチルベンジルであり、あるいは、置換基R14とR15は、それらが結合している窒素原子とともに、任意に置換された環式ヘテロアルキルまたは複素環式芳香族構造を形成し、
R16およびR17は、個別に、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、フェニル、クロロフェニル、ニトロフェニル、トルイル、ナフチル、ベンジル、クロロベンジル、ニトロベンジルまたはメチルベンジルであり、あるいは、置換基R16とR17は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、任意に置換されたイソフラボノイド環構造を形成し、記号「−−−」は単結合を示す。
全ての細胞機能は、無数の、遠方の細胞から由来する信号(エンドクリン信号)、隣接の細胞からのそれ(パラクリン信号)または同じ細胞内から由来するそれ(オートクリン信号)の制御の下にある。これらの異なる信号は、主に、適切な細胞反応が始まる場所から細胞のゲノム(DNA)を刺激することによって作用する。信号がゲノムに送られるプロセスは、信号伝達として知られている。我々は、これによって、大部分は異なるタンパク質を含む経路を意味する、そこでは、1種のタンパク質の活性化は、他のタンパク質の応答を触媒して、最終的に特定の遺伝子または遺伝子の組合せの書換えをもたらす。ホメオスターシス(これによって、我々は、健康をもたらす細胞、組織および器官の総合的な機能化を意味する)は、連続方式で体細胞に入る、数百の、おそらく数千の、異なる信号の最終成果である。
分化した機能に反応する能力を含めて、機能し続けるために、細胞は、向生存性信号伝達メカニズムを連続的に活動させる必要がある。向生存性メカニズムは、2種の主要なレベル−−積極的に生き残りを進めるレベル、および積極的に細胞死(アポトーシス)を抑えるレベル−−で作用する。
(a) そのようなメカニズムの一つは、『死受容因子』として知られているレセプターを含む。これらは、Fas/Mort、TGFおよびTNRFのようなレセプターを含む。レセプターの活性化は、通常、C−フリップのような遮断タンパク質の産生を通して抑制される。アミノ化イソフラボノイド誘導体は、C−フリップの産生を妨げることが判明し、そうする際に、細胞の死を促進する。
(b) 別のメカニズムは、カスパーゼとして知られている蛋白質分解酵素の活性化を含む。一旦活性化されると、これらの酵素は、細胞を自家融解する。アミノ化イソフラボノイド誘導体は、カスパーゼの活動を上方制御することが判明した。
(c) 別のメカニズムは、いろいろな死を志向する因子の産生に導くミトコンドリアの破壊を含む。アミノ化イソフラボノイド誘導体は、ミトコンドリアに対する直接的で新規な影響を通してそのような破壊を促進することが分かった。
増殖信号に応じて分裂する能力は、通常の、健康な細胞によって必要とされる、他の基本的な機能である。スフィンゴシン−l−リン酸塩は、細胞の分裂する能力を促進することにおいて重要な役割を演ずるようである。細胞分裂の行為は、以下のようにいくつかの異なる酵素を含む:
(a) 有糸核分裂の前にDNAを組織化することがその仕事である、トポイソメラーゼ(IおよびII)の活性化、
(b) 有糸核分裂の異なるステージを通してゲノムを移動させることがその仕事である、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)の活性化、
(c) CDKの抑制を通して有糸核分裂を妨げることがその仕事である、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(CDKI)の不活性化。
移動し、その近隣細胞と相互作用する細胞の能力が健康および病気にとって基本的であることはよく理解されている。スフィンゴシンキナーゼおよびマトリックス−メタロプロテアーゼは、この重要な細胞機能の重要な調整剤である。アミノ化イソフラボノイド誘導体は、ユニークに、これらの酵素系の両方を下方制御し、こうして病的状態の細胞の移動する能力を減少させる。
新しい血管を形成する能力は、過形成症と関連した多くの疾病状態に横たわる鍵となる事象であるとよく知られている。スフィンゴシンキナーゼは、この事象の重要な促進剤である。アミノ化イソフラボノイド誘導体は、この酵素を下方制御することによって、脈管形成が病気に関連して起こり、健康な組織においては起こらないとき、それを選択的に弱める。
アミノ化イソフラボノイド誘導体は、ステロイド生成に含まれるいくつかの酵素を妨げる。これらは、ステロイドデヒドロゲナーゼ、5−α−レダクターゼおよびアロマターゼを含むが、それらに限定されない。当業者は、そのような影響がアンドロゲン、エストロゲンおよびコルチコステロイドを含むステロイドホルモンの産生に顕著なインパクトを及ぼすことを認めるだろう。そのような影響は、胸、卵巣、子宮、子宮内膜、頸部、膣、前立腺およびペニスを含む男性および女性の生殖組織の通常の機能に影響を及ぼすこととして、当業者によって認められるであろう。
これらは以下を含む:
1.身体の全組織における、全ての型の癌(悪性化前、良性および悪性)。この点において、該化合物は、抗癌治療の唯一の形として、または、放射線療法および化学療法を含む(しかしこれらに限定されない)抗癌治療の他の形と組み合わせて使用することができる、
2.サルコイドーシス、血管肉腫、カポジ肉腫、ファブリ病を含む(しかしこれらに限定されない)丘疹結節性皮膚障害、
3.乾癬、ボーエン病およびライター症候群を含む(しかしこれらに限定されない)丘疹落屑性皮膚障害、
4.巨赤芽球性疾患、骨髄異形成症候群、真性多血症、血小板増加症および骨髄線維症を含む(しかしこれらに限定されない)骨髄の増殖性障害、
5.前立腺肥大症、子宮内膜症、子宮フィブロイドおよび多嚢胞卵巣疾患を含む(しかしこれらに限定されない)生殖器官の過形成性疾患。
これらは以下を含む:
1.転移癌、乾癬、血管腫および末梢血管拡張症を含む(しかしこれらに限定されない)体内のあらゆる組織にも影響を及ぼす異常な脈管形成と関連する疾患および障害。
これらは以下を含む:
1.慢性関節リューマチ、腱炎、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、硬化性胆管炎を含む(しかしこれらに限定されない)身体組織のいずれかにある異常な、または、長びいた性状の炎症性反応と関連する疾患および障害、
2.心臓血管疾患(疾患アテローム性動脈硬化症、アテローム、冠状動脈疾患、脳卒中、心筋梗塞、血管形成術後再狭窄、高血圧性血管疾患、悪性高血圧症、閉塞性血栓性血管炎、線維筋性形成異常を包含する)として一般に知られている症候群を含む(しかしこれらに限定されない)血管壁の中の退行性変化と関連する疾患および障害
3.皮膚筋炎および強皮症を含む(しかしこれらに限定されない)異常な免疫学的応答と関連する疾患および障害。
4.H.I.V.または他のウイルス感染性作用因子または細菌感染性作用因子に関連する免疫欠乏、および未成熟または老化に関連する免疫欠乏を含む免疫学的な平衡異常。
これらは以下を含む:
1.日光性角化症、光感受性疾患、および皺が寄ることを含む(しかしこれらに限定されない)皮膚の退行性変化によって特徴づけられる光化学作用性傷害、
2.多発性硬化症、I型糖尿病、全身性エリテマートーデスおよび胆汁性肝硬変症を含むが(しかしこれらに限定されない)異常な免疫学的応答によって特徴づけられる自己免疫疾患、
3.パーキンソン病、アルツハイマー病、筋ジストロフィー、ルー・ゲーリック病、運動ニューロン疾患を含む(しかしこれらに限定されない)神経病学的システムの構造の退行性変化によって特徴づけられる神経変性疾患および障害、
4.白内障、黄斑部変性、網膜萎縮を含む(しかしこれらに限定されない)目の内部の退行性変化と関連する疾患および障害。
これらは以下を含む:
1.周期的な乳房痛、にきび、月経困難症、子宮フィブロイド、子宮内膜症、卵巣嚢胞、月経前症候群、急性閉経症、骨粗鬆症、老人性痴呆、不妊症を含む(しかしこれらに限定されない)異常なエストロゲン/アンドロゲン平衡と関連する女性の症状、
2.前立腺肥大症、不妊症、女性化乳房症、遺伝性脱毛症および種々の他の型の脱毛症を含む(しかしこれらに限定されない)異常なエストロゲン/アンドロゲン平衡と関連する男性の症状。
西洋の多くの国々において、前立腺癌は、肺癌についで、男性における最も一般的に診断された悪性腫瘍であり、最も一般的な死因である[ランディス(Landis)ら(1999年);シン(Hsing)ら(2000年)]。手術(徹底的な前立腺切除術)および放射線療法を含む、局所化前立腺癌のための確立された治療オプションは、患者の52〜78%だけが治癒的であって、患者の残りの割合は、残存疾患による再発を蒙っている[モリス(Morris)およびシェア(Scher)(2000年); パパトソリス(Papatsoris)およびパパヴァッシリュー(Papavassiliou)(2001年)]。アンドロゲンは、通常の前立腺の成長をコントロールすることにおいて重要な役割を持っているが、それは、また、リガンド結合アンドロゲンレセプター(AR)により促進される細胞増殖遺伝子を転写促進することによって、良性の前立腺肥大症(BPH)の発症および前立腺癌進行を促進する[アマナツッラー(Amanatullah)ら(2000年)]。それゆえに、初期の病気において、主要な治療オプションの頼みの綱は、外科的および/または薬物療法的方法を利用するアンドロゲン除去治療である[パパトソリスおよびパパヴァッシリュー(2001年)]。
PGE2およびPGI2のようなプロスタグランジンならびにTXA2のようなトロンボキサン(TX)は、エイコサノイドとして知られている脂肪酸誘導体である[ペングリス(Penglis)ら(2000年)]。それらは、通常の生理的反応および炎症性反応の両方に関係がある。膜リン脂質から遊離したAAは、このようにエイコサノイドを生じるCOX酵素に対する主要な基質である。COXアイソタイプ(COX1およびCOX2)に関係なく、プロスタグランジン(PGH2)はこの反応の主な中間体であり、それは下流のプロスタノイド産生(PGE2、PGI2およびTXA2)のための通常の前駆体である。一つのテスト剤が抗炎症性活性を示す可能性は、スクリーニング評価においてPGおよびTX合成を阻害する該化合物の能力を測ることによって評定することができる。本発明のアミノ化イソフラボンに関して、続く実施例において示される予備データおよびトロンボキサンシンターゼおよびCOXの両方を抑制する能力は、この種類の分子がNSAIDとしての医療適用性を持っていることを支持する。
1.イミン合成
ジヒドロダイゼイン(1mmol)を、3モル等量のフェニルヒドラジン塩酸塩および3モル等量の酢酸ナトリウム(246mmol)と6時間、4mlのメタノール中で還流した。
H−NMR:(d6−アセトン)8.046(s)、8.018(s)、7.787(s)、7.194(t)、7.088(d)、6.762(m)、6.542(d of d)、6.292(d)、4.400(d of d)、4.3165(d of d)、4.198(s)
CI−MS(+):256。
H−NMR:(d3−アセトニトリル)8.685(s)、8.638(s)、8.239(d)、8.079(d)、7.247(t)、7.046(m)、6.817(d of d)、6.60(d)、6.646(d)、6.583(d of d)、4.546(d)、4.392(d)、4.309(s)
CI−MS(+):298。
H−NMR:(d3−アセトニトリル)8.028(s)、7.999(s)、7.689(s)、7.085(d)、7.000(d)、6.45(d)、6.529(d of d)、6.285(d)、4.388(d of d)、4.321(d of d)、4.180(s)、2.220(s)
CI−MS(+):361、344、256。
アレイ(Alley)らの方法(1988年)に従った。手短に述べれば、細胞毒性スクリーニングの前に、スクリーニングされる予定の各腫瘍系列に対する成長曲線を作成して、増殖動力学、5日間にわたっての対数関数的増殖を与える最適播種密度、ならびに対応する遅延時間を確定した。低流動性の粘着性単層培養物(T−75)から使い終った培地を吸引し、細胞をトリプシン処理して、最小量の培地に再懸濁した。細胞を数えた後に、96ウェルプレートに、最適成長パラメータを与えるために適当な濃度(100μl)で播種し、ついで、該プレートを、CO25%の下、37℃でインキュベーションした。所定の遅延時間の後、該プレートを、溶媒(ネガティブコントロール)または培地中に調製されたテスト化合物の系列希釈液で処理し、ついで更なる5日間インキュベーションした。PBS中で調製されたMTT(0.5mg/ml)を全ウェルに添加し、37℃で3時間以内でインキュベーションした。ついで、使い終った媒体を慎重に吸引し、そして、細胞を溶解するためにDMSO(150μl)を添加し、そして還元ホルマザン(formazan)を加えた。ついで、スペクトラマックス(SpectraMax)プレートリーダーで570nmの吸光度を読み、処理したプレート中の生細胞を、コントロールプレート中の細胞のパーセンテージとして表した。
ネグリ−チェシ(Negri−Cesi)およびモッタ(Motta)(1994年)、ならびにネグリ−チェシ(Negri−Cesi)ら(1999年)の方法に従った。手短に述べると、LNCaP細胞を、CO25%の下、37℃で、ウシ胎仔血清10%および2mMのL−グルタミンを補充したRPMI中で培養した。試験第0日に、低流動性のLNCaP培養フラスコ(80%)を、トリプシン処理によって収集し、洗浄し、木炭で不純物抜きした胎児牛血清(RPMIi)で仕上げたRPMI培地に再懸濁し、そして、ウェル1個につき30,000個の細胞(15,000個細胞/mL)で、12ウェルのプレートに播種した。該プレートを、CO25%、37℃で48時間培養した。第2日に、全てのプレートから使い終った媒地を慎重に吸引し、ついで、ポジティブコントロールとしてテストステロン(0.5pM)、阻害剤コントロールとしてテストステロン+フィナステリド(1μM)および増殖コントロールとして溶媒(DMSOの当量濃度)のいずれかを含むRPMIi2mlを補充した。試験プレートを先に述べたように処理した、RPMIi中で調製したテスト化合物の系列希釈液だけを使用した。テスト化合物の濃度は、上の細胞毒性分析法のセクションで確定された、それらの細胞毒性プロフィールに基づいて選んだ、すなわち、LNCaP増殖検定試験において使用される最高の濃度は、細胞が最初に細胞毒性カーブに沿って100%に近い生存になるような濃度として決定した。この濃度は、テスト剤によってもたらされた増殖のあらゆる阻害が5’ARの阻害によっており、細胞の直接の死滅によっていなかったことを確証するために選んだ。処置薬の添加の間に細胞単層を乱さないことが重要である。第5日および第8日に、第2日に行なったプロセスを全てのプレートに対して繰り返した。第11日に使い終った培地を全ウェルから吸引し、細胞をPBS(500μl)で穏やかに洗浄し、トリプシン処理し、そして、血球計算器を使用して各ウェル内の細胞を計数した。平均細胞数および標準偏差を計算し、結果を、溶媒コントロールとの比較において、テストステロン誘発性増殖の阻害%として表示した。
ヒトのバフィーコートは、赤十字血液銀行から得た。バフィーコート(50ml)を、無菌のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1:2に希釈し、Lymphoprep密度勾配媒地の上へオーバーレイし、800Gで20分間遠心分離した。単核細胞(MNC)層を除去してPBSで洗浄し、そしてMNCから単球豊化細胞を向流遠心溶出法によって調製した。ついで、単球を、細胞1.5×106個/mlの、10%牛胎仔血清入りRPMI組織培地の中に再懸濁した。テスト類似物をDMSO中に調製し、10または100μMのいずれかで、37℃で30分間単球とともにインキュベーションした。30分のプレインキュベーションの後、細菌のリポ多糖体(LPS)を添加し(200ng/ml)、そして、細胞を、CO25%の中、37℃でさらに18時間インキュベーションした。遠心分離後、細胞のない上清を除去し、ラジオイムノアッセイで測定して、プロスタグランジンまたはトロンボキサン産生に対して分析した。TXA2は水性培地中で不安定であるので、TXB2(TXA2の安定な加水分解物)を測定した。各用量(0、10、100μM)に対し、三つ組でインキュベーションを行なった。結果を平均値±SD(n=3)として表示する。ニューマン・クールズ(Newman−Keuls)多重比較テストに従うANOVA(分散分析)を用いて、用量とコントロール値の差を調べた。
化合物1および化合物3は、穏やかな抗癌作用を示し、化合物1は前立腺癌株LNCaPおよびDU−145に対して活性を示した(図1Aおよび1B;表1)。アンドロゲン応答性であるLNCAP(16.25μM)と比較したとき、アンドロゲンに無関係の前立腺癌ラインDU−145(13.81μM)に対してわずかに良いIC50が観測された。適度の活性(>20μM)が、テストされた他の細胞株に対しても観測された。
化合物1の様に、化合物3もLNCaP(16.26μM)に対して穏やかな活動を示した(図1C;表1)。しかしながら、DU−145(19.2μM)に対してある有効性を示すが、化合物3は、大細胞肺癌ラインNCI−H460(13.3μM)に対して活性を有する(図1Dおよび表1)。化合物3は、試験した全ての細胞株に対して最高の全体的な細胞を死滅させる活性を持っていた。化合物3と対照的に、フェニル環の4位にメチル基の代わりにニトロ基を持つ化合物2は、試験した全細胞株に対して最も低い活性を持っていた(表1)。
LNCaP細胞のテストステロン誘発性増殖を検討する2つの研究において、 2〜4倍の誘発が、テストステロンへの応答における、これらの細胞の成長率で観測された(図2AおよびB)。このテストステロン誘発性増殖は、フィナステリド(1μM)によって強力に阻止された(図2AおよびB)。これらのデータは、一緒に取り上げると、スクリーニングモデルが機能していることを証明する。テストした3種の類似物の中で、化合物1は、テストステロン誘発性増殖の最も強力でない(2.25μM)阻害剤であり、化合物3は、化合物1よりも3倍良い結果(IC50 0.68μM)を示した(図2、3および表2)。化合物2は、37nMではIC50を測定することができず、テストステロン誘発性増殖を阻止する点で最も効果的類似物であり、化合物1にくらべ、約60倍効果的である(図2、3および表2)。4位に電子吸引基(−NO2)を持つ化合物2は、電子供与性基(−CH3)(化合物3)と比較すると、この特定の分析における分子の阻害活性を高めることが注目される。
10μMで分析されるとき、化合物1および化合物3はCOX活性の100%阻害を示したが、一方化合物2はこの活性を77%阻害した(図4)。同様に、l0μM化合物1、化合物2および化合物3は、トロンボキサンシンターゼを、それぞれ33、27および60%阻害したが、それらの阻害効果は、COXのそれらの阻害と比較すると、強さが小さくなった。これらのデータは、アミノ化イソフラボン類似体がトロンボキサンシンターゼおよびCOXの阻害剤であるという発見を支持し、そして、そのようなものとして、この骨格をもつ分子は抗炎症剤としての可能性を示す。そのうえ、COX活性のNSAID阻害としての医療適用は、フェニルヒドラゾン類似体も抗癌作用を示すことを支持する。
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Claims (14)
- 一般式(I)の化合物:
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、個別に、水素、ヒドロキシ、OR9、OC(O)H、OC(O)R9、OS(O)R9、OSi(R10)3、C(O)R11、CO2R12、アルキル、ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、チオ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロまたはハロであり、あるいは、置換基R2、R3およびR4のいずれか2個は、それらが結合している炭素原子とともに、環式アルキル、環式ヘテロアルキル、アリールまたはヘテロアリール構造を形成し、
R9は、アルキル、ハロアルキル、アリール、アリールアルキルまたはアルキルアリールであり、
R10は、個別に水素、アルキルまたはアリールであり、
R11は、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、アリールアルキルまたはアミノ酸であり、
R12は、水素、アルキル、ハロアルキル、アリール、アリールアルキルまたはアルキルアリールであり、
Xは、O、NR12またはSであり、
Zは、R13、NR14R15、NR13CONR14R15、N=CR16R17またはOR13であり、
R13、R14およびR15は、個別に、水素、アミノ、チオ、ニトロ、シアノまたは、任意に置換されたアルキル、ハロアルキル、アシル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはアルキルアリールであり、あるいは置換基R14およびR15は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、任意に置換された環式のヘテロアルキルまたは複素環式芳香族構造を形成し、
R16およびR17は、個別に、水素、アミノ、チオ、ニトロ、シアノまたは、任意に置換されたアルキル、ハロアルキル、アシル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはアルキルアリール、あるいは置換基R16およびR17は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、任意に置換されたイソフラボノイド環構造を形成し、または、
XがNR12であるとき、置換基R12は、R8とXが、それらが結合している炭素原子と一緒になって以下の構造の1つを形成するような結合手でありうる:
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびZは上で定義された通りであり、記号「−−−」は、単結合または二重結合のいずれかを示し、該化合物は薬学上許容される塩およびその誘導体を含む。) - 疾患または障害の治療、予防または改善の方法であって、対象者に、1種以上の式(I)の化合物、またはその薬学上許容される塩または誘導体の治療的に効果のある量を投与する段階を含む方法。
- 異常な細胞生存、異常な細胞増殖、異常な細胞移動、異常な脈管形成、異常なエストロゲン/アンドロゲン平衡、機能障害性のまたは異常なステロイド生成、血管壁内の退行性変化を含む変性、炎症および免疫学的アンバランスと関連する疾患の治療、予防または改善のための方法であって、任意に担体及び/又は添加物と組み合わせて、対象者に、1種以上の式(I)の化合物、またはその薬学上許容される塩または誘導体を投与することを含む方法。
- 異常な向生存性(prosurvival)表現型を表現する細胞においてアポトーシスを誘発する方法であって、前記細胞を、任意に担体または添加物と組み合わせて1種以上の式(I)の化合物、またはその薬学上許容される塩または誘導体と接触させることを含む方法。
- 異常な細胞移動表現型を持つ細胞の移動を阻害する方法であって、前記細胞を、任意に担体や添加物と組み合わせて式(I)の化合物、またはその薬学上許容される塩または誘導体と接触させることを含む方法。
- 異常な脈管形成表現型を表現する組織において脈管形成を阻害する方法であって、前記組織を、任意に担体や添加物と組み合わせて式(I)の化合物、またはその薬学上許容される塩または誘導体と接触させることを含む方法。
- 哺乳動物の癌の治療、予防または改善のための方法であって、腫瘍に罹っている哺乳動物の癌性組織中に、該癌性組織中の新生物形成の進展が遅らされるか、または阻止されるように、式(I)の化合物、またはその薬学上許容される塩または誘導体を接触に至らせる段階を含む方法。
- 疾患または障害の治療のための薬物の製造における、式(I)の一種以上の化合物、またはその薬学上許容される塩または誘導体の使用。
- 式(I)の化合物、またはその薬学上許容される塩または誘導体の抗炎症剤としての使用。
- 疾患または障害の治療、予防または改善のための薬剤であって、1種以上の式(I)の化合物、またはその薬学上許容される塩または誘導体を含む薬剤。
- 1種以上の製薬上の担体、添加物、補助剤および/または希釈剤と組み合わせた、1種以上の式(I)の化合物、またはその薬学上許容される塩または誘導体を含む薬剤組成物。
- 1種以上の式(I)の化合物、またはその薬学上許容される塩または誘導体を含む、飲料または食品。
- 実施例および/または添付図面への参照とともに本明細書中に記載された、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩。
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