JP2005528391A - イソフラブ−3−エン及びイソフラバン構造を含む治療方法及び組成物 - Google Patents

イソフラブ−3−エン及びイソフラバン構造を含む治療方法及び組成物 Download PDF

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Abstract

異所性細胞生存、異所性細胞増殖、異常細胞移動、異常血管形成、異常エストロゲン/アンドロゲンバランス、機能障害性又は異常ステロイド発生、血管壁内の変性変化を含む変性、炎症あるいは免疫学的不均衡に関連した疾患の、一般式(II)のイソフラブ−3−エン及びイソフラバン化合物を利用する、治療のための方法を記載する。イソフラブ−3−エン及びイソフラバン化合物を含む組成物及び用途もまた記載する。

Description

本発明は、イソフラブ−3−エン又はイソフラバン構造に基づいた化合物及びそれらの誘導体による細胞メカニズムの調節に関する。特に本発明は、イソフラブ−3−エン又はイソフラバン構造に基づいた化合物を含む、哺乳類細胞におけるシグナル伝達プロセスに密接に関与する一連の分子標的の調節方法、細胞メカニズムの調節のための薬剤の製造におけるこれらの化合物の使用、及びこれらの化合物を含む細胞メカニズム調節組成物に関する。
デヒドロエクオールは、化合物4’,7−ジヒドロキシイソフラブ−3−エン(3−(4−ヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシ2H−1−ベンゾピラン及びハギニン(Haginin)Eとしても既知である)、天然イソフラブ−3−エン及びイソフラボン代謝産物に対する一般名である。その化学構造は、下記の式Iで示される:
デヒドロエクオールは、イソフラボンの細菌発酵の推定産物(putative product)であるダイゼインとして、Joannouらにより1995年に初めて記載された(非特許文献1参照)。デヒドロエクオールの存在は、全く推論的で、その存在は確証されておらず、その化合物は単離されていないし、化学的に特性化もされていなかった。
その後、デヒドロエクオールは植物ツクシハギ(Lespedeza homoloba)中に天然に存在すると記載され、「ハギニンE」と呼ばれた(非特許文献2参照)。
デヒドロエクオールは、イソフラボンを含む治療方法及び組成物(Therapeutic methods and compositions involving isoflavones)と表題した特許文献1で、1997年にヒトを含む動物において健康に良い点を有するとして最初に認識された。該特許明細書は、デヒドロエクオールが第1級イソフラボノイド環構造に基づく化合物の一ファミリーに属し、そのいくつかのメンバーは、動物においてエストロゲン様、抗癌性、心臓血管性及び抗炎症性の健康利点を種々表示する、と教示している。このファミリーの多数のメンバーはまた、動物における未知の生物活性を示し、あるいは悪性、毒性の生物学的特性を示すため、イソフラボノイド環構造は、動物に固有の生物活性構造であるとは見られていなかった。
デヒドロエクオール、さらに言えば、特許文献1に引用された化学的ファミリーの他のメンバーの生物学的活性の生化学的基礎は、依然として未解決である。生化学的活性の十分な理解がなければ、その他の植物性エストロゲン及びそれらの代謝産物又は誘導体の提示された活性又は既知の活性にもかかわらず、デヒドロエクオールの潜在的な健康に良い点の範囲は必然的に未知のままである。
国際公開第98/08503号パンフレット Joannou, GE, Kelly, GE, Reeder, AY, Waring, M, Nelson, C. A Urinary profile Study of Dietary Phytoestrogens. The Identification and Mode of Metabolism of New Isoflavonoids. Journal of Steroid Biochemistry and Molecular Biology, 1995, 54, 176-184. Miyase, T, Sano, M. Antioxidant from Lespedeza holoba. Phytochemistry 1999, 52(2), 303-310.
本発明は、デヒドロエクオール等の生化学的活性に着目し、デヒドロエクオール等の潜在的に健康に良い点の範囲を解明し、本化合物及びそれらの誘導体による細胞メカニズムの調節方法を提供することを課題とする。
この出願は、イソフラブ−3−エン及びイソフラバン成分、特にデヒドロエクオールに関する新規の治療的指示を記載し、こうしてイソフラブ−3−エン、イソフラバン及びそれらの誘導体の既知の生物学的作用及び健康に良い点を拡張する。本発明は、デヒドロエクオール及びその誘導体が、哺乳類細胞において一連の分子標的を調節することを、そしてこれらの分子標的が細胞増殖、分化、移動及び死といった重要な細胞プロセスに基礎を成すシグナル伝達プロセスに密接に関与することを本出願人らが意外にも見出した全体的に予想外の生物学的活性に基づいている。したがってこれらの意外な生化学的作用は、ヒトを含む動物の健康に関する広範なそして重要な示唆を有することが分かる。本発明のこれらの及びその他の好ましい対象をここに記載する。
本特許は、デヒドロエクオール及びその誘導体の生物学的作用及び健康に良い点を拡張する。
本発明は、特にイソフラブ−3−エン及びイソフラバン化合物に関し、とりわけ4’,7−ジヒドロキシイソフラブ−3−エンに関する。これらの化合物は意外にも、動物細胞内の広範な種々のシグナル伝達プロセスを調節し、そしてこれらのシグナル伝達プロセスは、全動物細胞の生存及び機能に極めて重要である広範な一連の機能に関与し、したがって、これらの化合物はヒトを含む動物において広範囲かつ重要な健康に良い点を有することが見出されている。
本発明の特定の利点は、(a)該化合物により標的化される広範囲のシグナル伝達プロセス、(b)これらの種々のプロセスの調節が、いくつかのプロセスの上向き調節と他のプロセスの下向き調節の両方を包含する事実、及び(c)シグナル伝達プロセスに及ぼすこのような広範かつ種々の作用が、代謝及びステロイド産生の基礎を成す一連の重要な酵素に及ぼす個々の作用も伴うということにある。
本発明の化合物、特にデヒドロエクオールが、動物の健康に関するこのような可能性、特に重要なかつ一般的なヒトの疾患、障害及び機能を予防し、かつ治療する可能性を有するこのような広範囲の生化学的作用を有する、ということは極めて意外である。
本発明の種々の態様に従った化合物は、一般式IIのイソフラブ−3−エン及びイソフラバン化合物であり、その薬学的に許容可能な塩及び誘導体を含む:
式中、R、R、R及びRは独立して、水素、ヒドロキシ、OR、OC(O)R10、OS(O)R10、CHO、C(O)R10、COOH、CO10、CONR1112、アルキル、ハロアルキル、アリールアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルコキシアリール、チオ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ又はハロであり、あるいは
及びRは先に定義したとおりであり、そして
及びRは、それらが結合される炭素原子と一緒になって、以下から選択される5員環を形成し:
及びRは先に定義したとおりであり、そしてR及びRは、それらが結合される炭素原子と一緒になって、以下から選択される5員環を形成し:
及びRは先に定義したとおりであり、そしてR及びRは、それらが結合される炭素原子と一緒になって以下から選択される5員環を形成し:
そして、ここで、R、R及びRは、独立して、水素、ヒドロキシ、OR、OC(O)R10、OS(O)R10、CHO、C(O)R10、COOH、CO10、CONR1112、アルキル、ハロアルキル、アリールアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、チオ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ又はハロであり、
は、水素、ヒドロキシ、アルキル、アリール、アミノ、チオ、NR1112、CONR1112、C(O)R13(ここで、R13は水素、アルキル、アリール、アリールアルキル又はアミノ酸である)、又はCO14(ここで、R14は水素、アルキル、ハロアルキル、アリール又はアリールアルキルである)であり、
は、アルキル、ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、C(O)R13(ここでR13は先に定義したとおりである)又はSi(R15(ここで、R15は各々独立して、水素、アルキル又はアリールである)であり、
10は、水素、アルキル、ハロアルキル、アミノ、アリール、アリールアルキル、アミノ酸、アルキルアミノ又はジアルキルアミノであり、
11は、水素、アルキル、アリールアルキル、アルケニル、アリール、アミノ酸、C(O)R13(ここで、R13は先に定義したとおりである)又はCO14(ここで、R14は先に定義したとおりである)であり、
12は、水素、アルキル又はアリールであり、又は
11及びR12は、それらが結合される窒素と一緒になって、ピロリジニル又はピペリジニルを構成し、
描画「---」は、単結合又は二重結合、好ましくは二重結合を表し、
Tは独立して水素、アルキル又はアリールであり、そして
Xは、O、NR12又はS、好ましくはOである。
本発明の一態様に従って、式IIの1つ以上の化合物を、所望により担体及び/又は賦形剤とともに対象に投与することを含む、異所性細胞生存、異所性細胞増殖、異常細胞移動、異常血管形成、異常エストロゲン/アンドロゲンバランス、機能障害性又は異常ステロイド発生、血管壁内の変性変化を含む変性、炎症、及び免疫学的不均衡に関連した疾患の治療、予防又は改善のための方法が提供される。
本発明の別の態様に従って、異所性細胞生存、異所性細胞増殖、異常細胞移動、異常血管形成、異常エストロゲン/アンドロゲンバランス、機能障害性又は異常ステロイド発生、血管壁内の変性変化を含む変性、炎症、及び免疫学的不均衡に関連した疾患の治療、予防又は改善のための薬剤の製造における式IIの化合物の使用が提供される。
本発明の別の態様に従って、異常生存表現型(abnormal prosurvival phenotype)を発現する細胞を、所望により担体又は賦形剤とともに1つ以上の式IIの化合物と接触させることを含む、前記細胞においてアポトーシスを誘導する方法が提供される。
本発明の別の態様に従って、異常細胞移動表現型(abnormal cellular migration phenotype)を有する細胞を、所望により担体又は賦形剤とともに式IIの化合物と接触させることを含む、前記細胞の移動を抑制する方法が提供される。
本発明の別の態様に従って、異所性血管形成表現型を発現する組織を、所望により担体又は賦形剤とともに式IIの化合物と接触させることを含む前記組織において血管形成を抑制する方法が提供される。
本発明の別の態様に従って、治療的有効量の式IIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩又は誘導体を、所望により担体又は賦形剤とともに、哺乳類に投与する段階を含む、哺乳類においてトポイソメラーゼIIを抑制する方法が提供される。
本発明の別の態様に従って、腫瘍に罹患している哺乳類の癌性組織において新生物発達(neoplastic development)が遅延されるか又は停止されるよう、式IIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩あるいは誘導体を前記癌性組織と接触させる段階を含む、哺乳類における癌の治療、予防又は改善のための方法が提供される。
好ましい実施態様では、新生物の発達がDNAトポイソメラーゼIIの切断複合体を安定化する式IIの化合物により遅延又は停止される。
本発明の別の態様に従って、腫瘍に罹患している哺乳類の癌性組織において新生物発達が遅延されるか又は停止されるよう、式IIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩あるいは誘導体を前記癌性組織と接触させ、式IIの化合物は前記癌性組織に関連したtNOXを抑制する段階を含む、哺乳類における癌の治療、予防又は改善のための方法が提供される。好ましくは、デヒドロエクオールなどの式IIの化合物は、tNOXの抑制を通してアポトーシスを誘導する。
別の好ましい実施態様では、式IIの化合物は、既知のトポII毒とシナジー的に同時投与される。代替的な実施態様では、式IIの化合物は、別のトポII毒、あるいはその他の化学療法的活性作用物質に対して耐容性又は抵抗性を発症した対象に投与される。
本発明の別の態様に従って、DNAトポイソメラーゼIIを発現する細胞を、所望により担体又は賦形剤とともに1つ以上の式IIの化合物と接触させることによりなる、前記細胞においてアポトーシスを誘導する方法が提供される。
本発明の別の態様に従って、DNAトポイソメラーゼ切断複合体を式IIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩あるいは誘導体と接触させ、切断できる複合体を安定化することによって、DNAトポイソメラーゼIIの抑制方法が提供される。
本発明の別の態様に従って、哺乳類における癌の治療のための薬剤の製造において式IIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩あるいは誘導体の使用が提供される。
本発明の別の態様に従って、DNAトポイソメラーゼII毒として、式IIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩あるいは誘導体の使用が提供される。
本発明の別の態様に従って、tNOX阻害剤として、式IIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩あるいは誘導体の使用が提供される。式IIの化合物は、腫瘍細胞に関連したtNOXの抑制のための薬剤の製造に用いられ得る。
本発明の別の態様に従って、式IIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩あるいは誘導体を、薬学的に許容可能な担体及び/又は希釈剤とともに含む癌の治療のための薬学的組成物が提供される。
本発明の別の態様に従って、式IIの化合物を、別の化学療法的活性作用物質、好ましくは別のトポII毒との混和物中に含むシナジー的薬学的組成物が提供される。一実施態様では、式IIの化合物は、別のトポII毒とともにキット内に存在する。
本発明の別の態様に従って、式(II)の化合物を、1つ以上の他の薬学的に活性な作用物質とともに含む薬学的組成物が提供される。
本明細書及び特許請求の範囲を通して、文脈が他の意味を要求しない限り、「含む(comprise)」という用語及び「含む(comprises)」又は「含んでいる(comprising)」という変形語は、記述された完全体又は段階、あるいは完全体又は段階のグループを示唆するが、しかし如何なるその他の完全体又は段階あるいは完全体又は段階のグループの排除を示唆するものではないと理解される。
本発明は、イソフラブ−3−エン又はイソフラバン構造に基づいた化合物を含む細胞メカニズム調節組成物等を提供することができ、異所性細胞生存、異所性細胞増殖、異常細胞移動、異常血管形成、異常エストロゲン/アンドロゲンバランス、機能障害性又は異常ステロイド発生、血管壁内の変性変化を含む変性、炎症あるいは免疫学的不均衡に関連した疾患の治療、予防又は改善に貢献することができる。
[発明の詳細な説明]
全細胞機能は、遠位細胞(内分泌シグナル)、隣接細胞(傍分泌シグナル)、あるいは同一細胞(自己分泌シグナル)に由来するおびただしい数のシグナルの制御下にある。これらの異なるシグナルは、適切な細胞応答が開始される細胞のゲノム(DNA)を刺激することにより、大いに働く。シグナルがゲノムに伝達されるプロセスは、シグナル伝達として知られている。これにより、異なるタンパク質を主に包含する経路を本発明者らは意味するが、この場合、一タンパク質の活性化は別のタンパク質の応答を触媒し、最後に特定の遺伝子又は特定の一組の遺伝子の転写で終わる。良好な健康をもたらす細胞、組織及び器官の統合機能化を意味する恒常性は、継続的に身体の細胞に入る数百の、おそらくは数千の異なるシグナルの最終産物である。
このシグナル伝達環境から、シグナルを任意に「特殊化された機能」に関連するものと、存在し、機能する細胞の基本的能力に関連するものに分けることができる。「特殊化された機能」の例は、神経細胞による疼痛知覚、免疫細胞による抗体の産生、肝細胞による解毒反応、あるいは腎細胞による尿の生成である。「基本的機能」の例は、細胞生存又は細胞死、細胞増殖、細胞移動及び血管形成である。細胞が「特殊化された機能」を実施し得るか否かを調節する鍵は、細胞の「基本的機能」の調節である、ということが分かる。
意外なかつ偉大な発見において、本出願人らは、式IIの化合物、特にデヒドロエクオールは、細胞の多数の「基本的機能」を調節することを見出した。この発見は、(a)今日まで、単一化合物が、細胞における基本的調節メカニズムに関与するそのように多数の標的に対してこのような包括的作用を有し得るとは考えられておらず、そして(b)デヒドロエクオールがこれらの分子標的を調節する作用様式が、全く新規であり、それらが機能不全である場合にのみこれらの標的の作用を修正するために、意外である。さらに、それは大きな発見であり、このような生物学的作用を有する化合物は、それらの全範囲の活性にわたり機能する細胞の能力に対する明瞭かつ重要な意味を有し、同様にこれは動物の一般的健康に対する実質的意味を有する。
以下の説明では、デヒドロエクオールに特に言及する。しかしながらこの説明は、式IIのその他の化合物にも当てはまると理解されるべきである。
以下は、本発明者らが意外にも見出した、デヒドロエクオール及び式IIのその他の化合物により調節される「基本的機能」のいくつかの例である。
1.細胞生存/死
特化された機能に対して応答する能力を含めて機能し続けるために、細胞は前生存シグナル伝達メカニズムを継続的に活性化する必要がある。前生存メカニズムは、2つの主要なレベルで、すなわち生存を活発に促進するレベルと、細胞死(アポトーシス)を活発に抑制するレベルで作用する。
前生存メカニズムは、その最終産物が細胞生存を促進するある種の遺伝子の転写を最終的に引き起こす多数の異なるシグナル伝達プロセスを包含する。これらの異なるプロセスとしては、MEK、ERK及びNFκBのような分子標的が挙げられるが、これらに限定されない。デヒドロエクオールは、一連のこれらのプロセスを通して機能することが判明した。特に、1つ例としては、酵素スフィンゴシンキナーゼである。スフィンゴシンキナーゼは基質スフィンゴシンをスフィンゴシン−1−ホスフェートにリン酸化する。スフィンゴシン−1−ホスフェートは前生存メカニズムの重要な刺激物質であり、細胞の寿命増大により特性化される一連の疾患状態において過剰発現される。デヒドロエクオールは、スフィンゴシンキナーゼ活性を下向き調節する。
アポトーシスは、以下のような多数のメカニズムにより達成され得る。
(a)このような一メカニズムは、「死受容体」として既知の受容体を含む。これらの例としては、Fas/Mort、TGF及びTNRFなどの受容体が挙げられる。受容体の活性化は普通、C−フリップなどの遮断タンパク質の産生により抑制される。デヒドロエクオールは、C−フリップの産生を遮断し、そのようにすることで、細胞の死を促進することが見出された。
(b)別のメカニズムは、カスパーゼとして既知のタンパク質分解酵素の活性化を包含する。一旦活性化されると、これらの酵素は細胞を自己融解する。デヒドロエクオールは、カスパーゼの活性を上向き調節することが判明した。
(c)別のメカニズムは、種々の前死因子の産生をもたらすミトコンドリアの崩壊を包含する。デヒドロエクオールは、ミトコンドリアに及ぼす直接的かつ新規の作用を通してこのような崩壊を促すことが判明した。
デヒドロエクオールは、多数の異なる経路を介して包括的方法で細胞死を誘導し得ることが上記の説明から分かる。このような広範なかつ相補的な作用を有する単一化合物の能力は新規である。しかし、かなり意外なことは、デヒドロエクオールが異常細胞のみにこのような前死作用を発揮するという知見である。
すなわち、正常健常細胞では、デヒドロエクオールは、これらの調節プロセスに及ぼす識別可能な作用を有さない。これらの調節プロセスの異常活性を示す細胞としては、癌、心臓血管性疾患、自己免疫疾患及び免疫学的、炎症性又は過増殖性構成成分を有する疾患のような疾患状態に関与する細胞が挙げられるが、これらに限定されない。
2.細胞増殖
増殖シグナルに応答して分裂する能力は、正常で健常な細胞に必要な別の基本的機能である。スフィンゴシン−1−ホスフェートは、細胞の分裂する能力を促すのに重要な役割を果たすと思われる。細胞分裂の行為は、以下のような多数の異なる酵素を包含する:
(a)有糸分裂前にDNAを体系化することがその仕事であるトポイソメラーゼ(I及びII)の活性化;
(b)有糸分裂の異なる段階を通してゲノムを動かすのがその仕事であるサイクリン依存性キナーゼ(CDK)の活性化;
(c)CDKの抑制を通して有糸分裂を抑制することがその仕事であるサイクリン依存性キナーゼ阻害剤(CDKI)の不活化。
デヒドロエクオールは意外にも、3つの上記の成分、すなわちトポイソメラーゼII、CKD及びCDKIの全てを抑制する。これらの構成成分の各々を別個に抑制する種々の薬剤が記載されているが、単一薬剤が3つの異なる酵素系全てを抑制し得るという概念は新規でありかつ意外である。
新規性及び意外性に寄与するのは、デヒドロエクオールが、異常に行動している細胞、特に、異常前生存表現型又は異所性細胞増殖を発現する細胞中のこれらの酵素系を抑制するに過ぎない、という事実である。
3.細胞移動
移動し、そしてその隣接細胞と相互作用する細胞の能力が、健康及び疾患に対する基本である、ということは十分に理解されている。スフィンゴシンキナーゼ及びマトリックス−メタロプロテイナーゼは、この重要な細胞機能の重要な調節物質である。デヒドロエクオールはこれらの酵素系の両方を独特に下向き調節し、したがって移動する疾患状態の細胞の能力を縮小する。
4.血管形成
新規の血管を形成する能力は、過形成に関連した多数の疾患状態に内在する重要な事象である、ということは知られている。スフィンゴシンキナーゼは、この事象の重要な促進物質である。デヒドロエクオールは、この酵素を下向き調節することにより、それが健常組織中でなく、疾患に関連して起こる場合、血管形成を選択的に減じる。
シグナル伝達メカニズムに及ぼすデヒドロエクオールのこれらの広範囲の作用は、広範な酵素に及ぼす抑制作用により意外にも補足され、このような酵素は普通はシグナル伝達プロセスの一部とみなされないが、しかしより一般的には、身体の生理学の一部とみなされる。これら作用には、以下のものも含まれる:
5.ステロイド産生
デヒドロエクオールは、ステロイド産生に関与する多数の酵素を抑制する。これらの例としては、ステロイドデヒドロゲナーゼ、5−α−レダクターゼ及びアロマターゼが挙げられるが、これらに限定されない。このような作用は、アンドロゲン、エストロゲン及びコルチコステロイドなどのステロイドホルモンの産生に大きな影響を及ぼす、と当業者は認識する。このような作用は、乳房、卵巣、子宮、子宮内膜、子宮頸部、膣、前立腺及び陰茎など男性及び女性の生殖組織の正常機能に影響を及ぼすと、当業者によりみなされる。
要するに、デヒドロエクオールが、全身代謝(general metabolism)及び生理学的機能の両方に、及び細胞生存、細胞増殖、細胞分化並びに炎症及び免疫モデュレータに対する細胞応答において極めて重要な役割を果たすシグナル伝達経路に関与する酵素の独特の収集を調節する、ということを本発明者等は意外にも見出した。この群の酵素の調節により、本発明の化合物は、(a)その疾患の原因又は病原に関係なく多数の形態の疾患を予防するか又は治療する、そして(b)身体の組織の全範囲の生物学的活性に、及び疾患、年齢、環境が影響を及ぼす、及びその他の薬剤がそれらの活性に影響を及ぼす方法に影響する能力を有する。
さらに、ヒト乳癌細胞にアポトーシス及び死をもたらすことができる化合物が、また、高血圧を相殺し、炎症性腸疾患の根底にある免疫学的及び炎症性不均衡を矯正し、1型糖尿病を改善し、男性型禿頭症を改善するような多様な効能を有し得ることを見出したことは非常に意外でありかつ新規である。何らかの又は全てのこれらの障害間に既知の原因的又は病原的連関は認められず、デヒドロエクオールがこのような健康に良い点を示すに違いないことを全く予測できない。
身体における広範囲な生物学的活性全体におけるデヒドロエクオールの大きな重要性に偏見を持たずに、この化合物は、以下のような種々の疾患状態及び障害の予防及び治療に特別な関連性を有することが容易に分かる。
A.増殖シグナルに対する異常応答、異常細胞増殖、機能不全性アポトーシス及び異常移動パターン(転移)に関連した疾患及び障害
これらの例としては以下のものが挙げられる:
1.身体の全組織における癌の全形態(前癌、良性及び悪性)。この点で、化合物は唯一の形態の抗癌療法として、又は他の形態の抗癌療法、例えば放射線療法及び化学療法(これらに限定されない)と組合せて用いられ得る;
2.丘疹膿疱性皮膚病変(papulonodular skin lesions)、例えばサルコイドーシス、血管肉腫、カポジ肉腫、ファブリー病(これらに限定されない);
3.丘疹鱗屑性皮膚病変(papulosquamous skin lesions)、例えば乾癬、ボーエン病及びライター病(これらに限定されない);
4.骨髄の増殖性障害、例えば巨赤芽球性疾患、脊髄形成異常性症候群、真性赤血球増加症、血小板増加症及び骨髄線維症(これらに限定されない);
5.生殖路の過形成性疾患、例えば良性前立腺肥大症、子宮内膜症、子宮類線維腫及び多嚢胞性卵巣疾患(これらに限定されない)。
B.異常血管形成に関連した疾患及び障害
これらの例としては、以下のものが挙げられる:
1.身体内のどんな組織にも影響を及ぼす異常血管形成に関連した疾患及び障害、例えば転移性癌、乾癬、血管腫及び毛細血管拡張症(これらに限定されない)。
C.異常炎症性/免疫学的応答に関連した疾患及び障害
これらの例としては、以下のものが挙げられる:
1.身体組織のいずれかにおける異常又は遅延性の炎症反応に関連した疾患及び障害、例えば関節リウマチ、腱炎、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、硬化性胆管炎(これらに限定されない);
2.血管の壁内の変性変化に関連した疾患及び障害、例えば通常心臓血管性疾患として既知の症候群(アテローム性動脈硬化症、アテローム、冠動脈疾患、卒中、心筋梗塞、血管形成術後再狭窄(post-angioplasty restenosis)、高血圧性血管疾患、悪性高血圧、閉塞性血栓性血管炎、線維筋性過形成症
を包含する)、これらに限定されない;
3.異常免疫学的応答に関連した疾患及び障害、例えば皮膚筋炎及び強皮症(これらに限定されない)。
4.免疫学的不均衡、例えばH.I.V.又はその他のウイルス感染作因又は細菌感染作因に関連した免疫不全、及び未成熟又は加齢に関連した免疫不全。
D.細胞機能低減、例えば増殖シグナルに対する応答低減及び細胞死の比率増大に関連した疾患及び障害
これらの例としては、以下のものが挙げられる:
1.皮膚における変性変化により特性化される光線性損傷、例えば日光性角化症、光過敏性疾患及び皺(これらに限定されない);
2.異常免疫学的応答により特性化される自己免疫疾患、例えば多発性硬化症、1型糖尿病、全身性紅斑性狼瘡及び胆汁性肝硬変(これらに限定されない);
3.神経系の構造において変性変化により特性化される神経変性疾患及び障害、例えばパーキンソン病、アルツハイマー病、筋ジストロフィー、ルー−ゲーリック病、運動ニューロン病(これらに限定されない);
4.眼内の変性変化に関連した疾患及び障害、例えば白内障、黄斑変性症、網膜萎縮症(これらに限定されない)。
E.機能障害性又は異常ステロイド産生及び性ホルモンの機能に関連した疾患及び障害
これらの例としては、以下のものが挙げられる:
1.異常なエストロゲン/アンドロゲンバランスに関連した女性における症状、例えば周期性乳腺痛、座瘡、月経困難症、子宮類線維症、子宮内膜症、卵巣嚢胞、月経前症候群、急性閉経期症候群、骨粗鬆症、老人性痴呆症、不妊症(これらに限定されない);
2.異常エストロゲン/アンドロゲンバランスに関連した男性における症状、例えば良性前立腺肥大、不妊、女性化乳房、遺伝性脱毛症及び種々のその他の形態の禿頭症(これらに限定されない)。
試験の重要な分野において、本発明者等は、細胞増殖、及び有糸分裂により分裂する細胞の能力に影響を及ぼす因子を調べた。有糸分裂に関与する重要なクラスの酵素の1つは、トポイソメラーゼで、その仕事は、有糸分裂前にDNAを体系化することである。
特にDNAトポイソメラーゼは、DNA複製転写及び組換え中のトポロジーの問題を解決する保存必須酵素の一ファミリーを構成する。哺乳類I型酵素(又はトポI)は、主に転写中に機能するATP非依存性DNA一本鎖エンドヌクレアーゼ及びリガーゼである。哺乳類II型酵素(又はトポII)は、ATP依存性DNA二本鎖エンドヌクレアーゼ及びリガーゼである2つのアイソフォーム(α及びβ)により代表される。トポIIαは、複製中の二本鎖DNAを脱鎖化する染色体マトリックスの主要構成成分である。トポIIαの発現は、細胞周期調節性及び増殖依存性であり、一方、トポI及びトポIIβの発現は、細胞周期を通して相対的に一定であり、増殖に依存しない(参考文献3参照)。
トポIIの抑制は、一般に、(a)トポII酵素とDNAとの間の一過性反応中間産物(切断複合体と呼ばれる)を安定化するか、あるいは(b)その形成を妨げることにより起こり得る(参考文献4参照)。切断複合体を安定化するトポII阻害剤は、トポII毒と呼ばれ、抗腫瘍薬、例えばVP−16(エトポシド)及びドキソルビシンにより代表される。切断複合体を安定化しないトポII阻害剤は、触媒性阻害剤と呼ばれ、癌治療薬としての用途を見出し得るか、又は見出し得ないこともあるアクラルビシン及びメルバロンのような作用物質により代表される。
トポII毒は、修復プロセスを免れ得る二本鎖切断の生成のために、細胞毒である。高レベルのトポIIを含有する腫瘍細胞は、一般に非常に低いトポIIレベルを含有する正常非分裂性細胞よりトポII毒の細胞毒作用に対してより感受性である[5〜8]
従来、ダイズイソフラボンゲニステインは、それがトポIIの触媒的活性を抑制し、切断複合体を安定化するので、トポII毒として同定されてきた(参考文献4、9〜13参照)。この点で、ゲニステインは、高濃度で導入された場合、抗腫瘍薬として作用し得る(参考文献14参照)が、しかし多数のその他の抗腫瘍薬と同様に、それはヒト白血病の促進に関与すると考えられる(参考文献15参照)。
したがって、哺乳類、特にヒトの健康及び福利に重要な生理学的特性を示す新規の又は改良された化合物及び組成物を見出すこと、及び疾患の治療、改善及び予防のためにこれらの特性を利用する新規の方法を見出すことが、引き続き必要である。
本発明は、デヒドロエクオールが、トポイソメラーゼ/DNA切断複合体上の新規の部位に結合する強力なトポII毒である、という意外な発見をなした。これは、癌の化学療法における、及び既知のトポII毒の抗腫瘍作用を強化するに際しての新規な応用において、デヒドロエクオール及びその誘導体の使用を提供する。
本発明のイソフラブ−3−エン及びイソフラバン化合物、特にデヒドロエクオールは、関連する哺乳類の疾患、障害及び機能の予防及び治療におけるそれらの可能性を強調するために、切断複合体との新規な結合配置を介してこのような特異性及び有用性を有するDNAトポイソメラーゼIIを抑制する、ということは極めて予測不可能である。
デヒドロエクオールはトポII特異毒である、ということを出願人らはここに始めて示した。デヒドロエクオールは、トポI触媒活性を抑制しないことが見出されたし、トポI−切断複合体を遮断しないことも見出された。トポIIに対するデヒドロエクオールの特異性は、トポIIを標的化する最も広範に処方される抗新生物薬と同一の範疇にそれを入れる(参考文献16参照)。トポIレベルは、正常細胞と腫瘍細胞との間で相対的に類似している。それとは反対に、トポIIレベルは、腫瘍細胞の急速な分裂中においては非常に高い。その結果、トポII毒として作用する作用物質は、主に腫瘍細胞に対してそれらの細胞傷害性作用を向けるが、一方、トポI及びII毒の両方として作用するものは、正常細胞に対しても細胞傷害性であり得る。この観察は、本出願人らにより発見された正常健常組織中でのデヒドロエクオールの観察された低毒性と一致する。
切断複合体を安定化することによりin vitroでのトポII媒介性DNA切断を促すデヒドロエクオールの能力は、癌化学療法に一般に用いられるその他のトポII毒の能力に匹敵する。このような一薬剤は、小細胞肺癌の治療に用いられるVP−16であり、これは70%の患者において寛解をもたらし、「純」トポII毒であると考えられる(参考文献17参照)。
デヒドロエクオールは、検出可能なトポII媒介性線状プラスミドDNAを20μg/mlの濃度で生成する、ということを本出願人らは意外にも見出した。これは、匹敵するDNA切断を生じたゲニステインの濃度(30μg/ml)より低い。デヒドロエクオールの作用はVP−16の作用と同様であった。
トポII毒、例えばVM−26、VP−16、ドキソルビシン、アムサクリン及びいくつかの食物バイオフラボノイドは、正常酵素(トポII)を細胞毒に転化するトポII阻害剤の一クラスを代表する。トポII、DNA及び薬剤間に形成される三元複合体は、DNAリライゲーション又はDNA修復により当初は可逆性である[4]。累積三元複合体(accumulating ternary complexes)の細胞プロセシングは、300〜600kbのサイズのタンパク質会合DNA断片をもたらす不可逆的段階を活性化する(参考文献18参照)。この不可逆的段階後、カスパーゼ3は活性化されるようになり、これがアポトーシスの特徴であるヌクレオ鎖切断性DNA切断を生じる。したがってDNA複製又は転写後、これらのトポII毒は、切断複合体を致死性病変に転化する(参考文献17,19参照)。トポII阻害剤に対する腫瘍細胞の感受性は、核内トポIIレベルと強く関連する[5、7、8]。急速に分裂中の肺癌、乳癌、卵巣癌及び悪性リンパ腫細胞は、一般に正常非分裂中の細胞よりはるかに高いレベルのトポIIを発現するため、前者はトポII毒の有害作用に対してより敏感である。さらにトポII活性低減は、細胞分化に関連している[4、9]。トポII活性に及ぼすデヒドロエクオールの作用に基づいて、この作用物質は腫瘍細胞分化を誘導し、アポトーシス経路を活性化すると予測される。デヒドロエクオールのこれらの生物学的作用は、トポIIを抑制し、二本鎖DNA切断を生じるその能力と一致する。
トポIIの触媒周期は、6つの異なる段階に分けられ得る。これらは次のとおりである:1)DNAとのトポIIの結合、2)二本鎖DNA切断、3)切断による二本鎖継代、4)切断DNAの再結繋(リライゲーション)、5)ATP加水分解、及び6)酵素代謝回転(enzyme turnover)(参考文献20参照)。
トポII毒の臨床的適用は、抑制される触媒周期の的確な段階に依存している。デヒドロエクオールは切断複合体を捕捉するが、しかしながらこれが切断段階を強化することにより遂げられるか、再結繋段階を抑制することにより遂げられるか、又は両方の段階の何らかの組合せによるかは明らかでない、ということが本特許において本出願人らにより確立された。すなわち、デヒドロエクオールがトポIIに結合するか、DNAに結合するか、又はトポII/DNA複合体に結合するかは未だ明らかでない。
トポII毒、例えばダウノルビシン、ドキソルビシン、アムサクリン、エリプチシン及びミトキサントロンは、DNAインターカレーターである(参考文献21参照)。その他のトポII毒、例えばVP−16、VM−26、クレロシジン及びサルビシンは、DNAに挿入されない(参考文献21,22参照)。デヒドロエクオール及びその誘導体の臨床的適用としては、その他の化学療法薬とのシナジー的組成物、及び現在投与される化学療法薬に対する耐性が現れた患者の治療におけるその使用が挙げられる。すなわち、デヒドロエクオールが既知のトポII毒、例えばVP−16以外の異なるトポII部位と結合する場合、それは既知のトポII毒とは結合しないトポIIの突然変異体形態を発現し、したがってその細胞傷害性作用を免れる癌の治療に用途を見出す。
NAD(P)Hオキシダーゼ(NOX)タンパク質は、例えばMorre et al (2002) Biochemistry, Vol.41 No.40, pages 11941-11945に記載されている(参考文献24参照)。動物細胞の外表面でのこのようなNADHオキシダーゼは、24分間のクロック関連同調性及び温度補償期間で振動の安定かつ循環パターンを示す。これらのタンパク質は、交互に起こる2つの異なる生化学的活性、すなわちヒドロキノン(NAD(P)H)酸化及びタンパク質ジスルフィド−チオール交換を有するという、生化学文献中で先例となっていない特性により特性化される(Morre et al、上記)。このようなタンパク質は、それらの細胞表面位置のために、ECTO−NOXタンパク質と呼ばれる(Morre, D.J. (1995) Biochim. Biophys. Acta. 1240, 201-208(参考文献25参照))。構成性ECTO−NOX(CNOXと呼ばれる)は、キノン部位阻害剤に応答性及び不応性のホルモンである。腫瘍細胞に関連するNOX(tNOX)は、非調節性であり、ホルモン及び増殖因子に不応性で、そして阻害剤に応答する(Morre, D.J. (1998) in Plasma Membrane Redox Systems and Their Role in Biological Stress and Disease (Asard et al editors), pp 121-156, Kluwer Academic Publishers, Dordrecht, the Netherlands(参考文献26参照))。CNOXタンパク質は広範に分布し、24分の期間長で活性振動を示す。他方でtNOXは癌細胞特異的であり、約22分の期間長で振動を示し、すなわちCNOXの場合より2分短い(Wang et al (2001) Biochim. Biophys. Acta. 1539, 192-204(参考文献27参照))。
NOXタンパク質のジスルフィド−チオール交換活性は、細胞拡張を駆動し、これは、抑制されると、アポトーシスを生じる。式IIの化合物、例えばデヒドロエクオールは、tNOXを遮断することにより、tNOXのジスルフィド−チオール交換の、したがって細胞拡張の強力な阻害剤である、ということを本発明者等は示した。その結果生じた分裂することができない小細胞は、G細胞周期停止を受け、これがアポトーシスを引き起こす。式(II)の化合物、例えばデヒドロエクオールは、tNOXを選択的に抑制するが、一方、tNOXはそのように抑制されない。この選択性は、固形腫瘍及び転移を含む癌の治療において特別な治療的意味を有すると考えられる。
式(II)の化合物、例えばデヒドロエクオールは、マトリックス分解酵素、例えばメタロプロテアーゼ、特にマトリックス−メタロプロテアーゼを抑制することが本出願人らにより見出された。腫瘍増殖及び炎症などの疾患状態に伴う血管形成は、マトリックス−メタロプロテアーゼの合成及び分泌に依存する。したがって本発明の化合物を用いて、血管形成及び炎症を伴う疾患の治療においてマトリックス−メタロプロテアーゼを抑制し得る。
本発明のイソフラブ−3−エン及びイソフラバン化合物は、上記の一般式IIで示される。本発明の好ましい化合物は、以下の一般式IIIの化合物であり、その薬学的に許容可能な塩及び誘導体を含む:
式中、
、R、R、R、R、R、R及びRは上記定義したとおりであり、
さらに好ましくは
、R、R、R、R、R及びRは、独立して、水素、ヒドロキシ、OR、OC(O)R10、C(O)R10、COOH、CO10、アルキル、ハロアルキル、アリールアルキル、アリール、チオ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ又はハロであり、
は、水素、ヒドロキシ、アルキル、アリール、COR13(ここで、R13は先に定義したとおりである)、又はCO14(ここで、R14は先に定義したとおりである)であり、
は、アルキル、ハロアルキル、アリールアルキル又はC(O)R13(ここでR13は先に定義したとおりである)であり、そして
10は、水素、アルキル、アミノ、アリール、アミノ酸、アルキルアミノ又はジアルキルアミノであり、
さらに好ましくは、
は、ヒドロキシ、OR、OC(O)R10又はハロであり、
、R、R、R、R及びRは、独立して、水素、ヒドロキシ、OR、OC(O)R10、C(O)R10、COOH、CO10、アルキル、ハロアルキル又はハロであり、
は水素であり、
は、アルキル、アリールアルキル又はC(O)R13(ここで、R13は先に定義したとおりである)であり、そして
10は、水素又はアルキルであり、
そしてさらに好ましくは、
は、ヒドロキシ、メトキシ、ベンジルオキシ、アセチルオキシ又はクロロであり、
、R、R、R、R及びRは、独立して、水素、ヒドロキシ、メトキシ、ベンジルオキシ、アセチルオキシ、メチル、トリフルオロメチル又はクロロであり、そして
は水素である。
本発明のさらに特に好ましい化合物は、以下のイソフラブ−3−エン化合物1〜40から選択される:
本発明のもっとも好ましい実施態様で、その化合物は化合物1のデヒドロエクオールである。
本発明のさらに好ましい化合物は、以下の一般式IVである:
式中、
、R、R、R、R、R、R及びRは上記に定義したとおりである。
さらに特に好ましい実施態様では、本発明の化合物は、それらのイソフラブ−3−エンの上記対応物に直接対応する一般式IVのイソフラバン化合物である。これらの化合物41〜80では、化合物1〜40の3−エンピラン環二重結合はそれぞれ、ここでは単結合である。
本発明の好ましい化合物は、イソフラベン、イソフラバン又はそれが結合される誘導体分子からin vivoで切断され得る生理学的に切断可能な脱離基を有する全ての誘導体及びプロドラッグも包含する。脱離基としては、アシル、ホスフェート、スルフェート、スルホネートが挙げられ、そして好ましくはモノ−、ジ−及びペル−アシルオキシ置換化合物であって、この場合、1つ以上のペンダントヒドロキシ基はアシル基、好ましくはアセチル基により保護される。典型的には、アシルオキシ置換イソフラベン及びその誘導体は、対応するヒドロキシ置換化合物に容易に切断可能である。さらに、本発明のイソフラベン化合物及び誘導体上の官能基の保護は、当該技術分野で十分に確立された方法、例えば、T. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, New York, 1981に記載されているような方法により実行され得る。
本発明の化合物に言及することは、1つ以上の化合物への言及を包含する。本発明の化合物の使用に言及することは、賦形剤及び/又は希釈剤と関連して、及び/又は1つ以上のさらなる活性作用物質と関連して、その化合物それ自体の使用に言及することを包含する。
「アルキル」という用語は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、シクロペンチル等の炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6の直鎖、分枝鎖及び環状(炭素数5以上の場合)飽和アルキル基を包含すると理解される。アルキル基は、より好ましくはメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである。アルキル基は、1つ以上のフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、C〜C−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C〜C−アルキル)−アミノ−カルボニル、ヒドロキシル、C〜C−アルコキシ、ホルミルオキシ、C〜C−アルキル−カルボニルオキシ、C〜C−アルキルチオ、C〜C−シクロアルキル又はフェニルにより所望により置換され得る。
「アルケニル」という用語は、
エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、2−メチル−1−ペオペニル、2−メチル−2−プロペニル等の少なくとも1つの二重結合を有する炭素数2〜10、好ましくは2〜6の直鎖、分枝鎖及び環状(炭素数5以上の場合)炭化水素を包含すると理解される。アルケニル基は、より好ましくはエテニル、1−プロペニル又は2−プロペニルである。アルケニル基は、1つ以上のフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、C〜C−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C〜C−アルキル)−アミノ−カルボニル、ヒドロキシル、C〜C−アルコキシ、ホルミルオキシ、C〜C−アルキル−カルボニルオキシ、C〜C−アルキルチオ、C〜C−シクロアルキル又はフェニルにより所望により置換され得る。
「アルケニル」という用語は、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル等の少なくとも1つの三重結合を有する炭素数2〜10、好ましくは2〜6の直鎖及び分枝鎖炭化水素を包含すると理解される。アルキニル基は、より好ましくはエチニル、1−プロピニル又は2−プロピニルである。アルキニル基は、1つ以上のフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、C〜C−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C〜C−アルキル)−アミノ−カルボニル、ヒドロキシル、C〜C−アルコキシ、ホルミルオキシ、C〜C−アルキル−カルボニルオキシ、C〜C−アルキルチオ、C〜C−シクロアルキル又はフェニルにより所望により置換され得る。
「アリール」という用語は、フェニル、ビフェニル及びナフチルを包含すると理解され、そして1つ以上のC〜C−アルキル、ヒドロキシ、C〜C−アルコキシ、カルボニル、C〜C−アルコキシカルボニル、C〜C−アルキルカルボニルオキシ又はハロによって所望により置換できる。
「ヘテロアリール」という用語は、環中に少なくとも1つの酸素、イオウ又は窒素を含む5員及び6員環を包含すると理解され、この環は、フリル、ピリジル、ピリミジル、チエニル、イミダゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリル、イソキノリル、プリニル、モルホリニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピロリル、キサンチニル、プリン、チミン、シトシン、ウラシル及びイソキサゾリルを含む他のアリール又はヘテロアリール環と所望により縮合され得るが、これらに限定されない。ヘテロ芳香族基は、1つ以上のフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、カルボキシル、C〜C−アルコキシカルボニル、C〜C−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C〜C−アルキル)−アミノ−カルボニル、ヒドロキシル、C〜C−アルコキシ、ホルミルオキシ、C〜C−アルキル−カルボニルオキシ、C〜C−アルキルチオ、C〜C−シクロアルキル又はフェニルにより所望により置換され得る。ヘテロ芳香族は、所望により一部又は全部、水素化され得る。
「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨード、好ましくはフルオロ及びクロロ、さらに好ましくはフルオロを包含すると理解される。例えば「ハロアルキル」に言及することは、モノ−ハロゲン化アルキル基、ジ−ハロゲン化アルキル基及びペルハロゲン化アルキル基までを包含する。好ましいハロアルキル基は、トリフルオロメチル及びペンタフルオロエチルである。
本明細書中で用いられる「薬学的に許容可能な塩」という用語は、電荷を運び、薬学的作用物質とともに、例えば塩中のカウンターカチオン又はカウンターアニオンとして投与され得る有機又は無機部分を指す。薬学的に許容可能な陽イオンは当業者に既知であり、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛及び第四級アミンが挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容可能な陰イオンは当業者に既知であり、塩化物、酢酸塩、クエン酸塩、重炭酸塩及び炭酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
「薬学的に許容可能な誘導体」又は「プロドラッグ」という用語は、患者への投与時に、直接又は間接的に提供し得る活性化合物の誘導体、親化合物又は代謝産物を、あるいはそれ自体活性を示す活性化合物の誘導体を指す。
本明細書中で用いる場合、「治療」、「予防(prophylaxis)」又は「防止(prevention)」、「改善(amelioration)」等の用語は、それらのもっとも広い文脈で考えられるべきものである。特に「治療」という用語は、動物が全体的回復まで治療されることを必ずしも意味しない。したがって「治療」は、特定の症状の症候又は重症度の改善、あるいは特定の症状を発症する危険を防止するかそうでなければ低減することを包含する。
本発明に従った療法的処置に必要とされる式IIの1つ以上の化合物の量は、多数の因子に依存し、例えば、特定の用途、用いられる特定の化合物の性質、処置されている症状、投与方式及び患者の症状が挙げられる。式IIの化合物は、慣用的に実行されるような方式及び量で投与され得る。例えば、Goodman and Gilman, et al. (1995) The Pharmacological Basis of Therapeutics 8thEdition参照。用いられる特定投薬量は、処置される症状、対象の状態、投与経路及び上記のようなその他の既知の因子に依っている。一般的に、患者1人あたりの1日の用量は、0.1mg〜5g、典型的には0.5mg〜1g、好ましくは50mg〜200mgの範囲であり得る。投与の長さは、治療されるか又は軽減される症状の重症度によって、毎日又は隔日投与される単一投与から、1週間〜数ヶ月から、必要ならば数年までのコースに亘って投与される1日2回又は3回用量までの範囲であり得る。さらに、任意の特定の対象に関しては、個体の必要性及び組成物を投与するか又は組成物の投与を指示する人の専門的判断に従って長時間に亘って特定の投与量レジメンが調整される必要がある、と理解される。
活性化合物による相対的に短期間の治療を用いて、血管形成術又は外科手術により治療され得ない冠動脈疾患病変の安定化又は縮化を生じ得る。より長期の治療は、高リスク患者における進行病変の発達を防止するために用いられ得る。
ここに記載された療法的適応症の治療のための薬学的組成物の製造は、典型的には、本発明の化合物(便宜上、以後「活性化合物」と呼ぶ)を当該技術分野で既知であるような1つ以上の薬学的又は獣医学的に許容可能な担体及び/又は賦形剤と混和することにより調製される。
担体は、もちろん、処方物中の任意のその他の成分とコンパチブルであるという意味で許容可能でなければならず、そして対象に対して有害であってはならない。担体又は賦形剤は、固体又は液体あるいはその両方であってもよく、100重量%までの活性化合物、好ましくは0.5〜59重量%の活性化合物を含有し得る好ましくは単位用量の例えば錠剤として化合物とともに処方される。所望により1つ以上の補助成分を含む構成成分を混和することから本質的になる調剤の既知の技法のいずれかにより調製され得る1つ以上の活性化合物が本発明の処方物中に組み込まれ得る。薬剤組成物中で活性化合物の好ましい濃度は、薬剤の吸収、分散、不活化及び排出率、及び当業者に既知のその他の因子に依存している。
本発明の処方物は、経口、直腸、眼、頬(例えば舌下)、非経口的(例えば皮下、筋内、皮内又は静脈内)及び経皮投与に適したものを含むが、如何なる所与のケースにおいても最も適切な経路は、治療されている症状の性質及び重症度に、そして使用されている特定の活性化合物の性質に依っている。
経口投与に適した処方物は、離散単位(discrete units)で、例えばカプセル、サッシェ、ロゼンジ又は錠剤で提供され、各々が所定量の活性化合物を、粉末又は顆粒として、水溶液又は非水溶液中の溶液又は懸濁液として、あるいは水中油又は油中水エマルションとして含有する。このような処方物は、活性化合物及び適切な担体(上記のような1つ以上の補助成分を含有し得る)を会合させる段階を含む調剤の任意の適切な方法により調製され得る。概して本発明の処方物は、活性化合物を液体又は微粉砕固体担体又はその両方と均一にかつしっかり混合し、次いで必要ならば、得られた混合物を例えば単位服用量剤形を形成するように成形することにより調製される。例えば、錠剤は、活性化合物を、所望により1つ以上の補助成分とともに含有する粉末又は顆粒を圧縮するか又はモールディングすることにより調製され得る。圧縮錠剤は、所望により結合剤、滑剤、不活性希釈剤及び/又は界面活性剤/分散剤(単数複数)と混合された粉末又は顆粒などの易流動性の化合物を、適切な機械で圧縮することにより調製され得る。鋳型成形錠剤は、不活性液体結合剤で湿潤化された粉末化化合物を適切な機械でモールディングすることにより製造され得る。
バッカル(舌下)投与に適した処方物としては、風味剤処理基剤、通常はスクロース及びアカシア又はトラガカント中に活性化合物を含むロゼンジ、及びゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアラビアゴムなどの不活性基剤中に該化合物を含むトローチ(pastilles)が挙げられる。
非経口投与に適した本発明の組成物は、便宜上活性化合物の滅菌水溶液製剤を含むが、この製剤は好ましくは対象とするレシピエントの血液と等張である。これらの製剤は好ましくは静脈内に投与されるが、投与は、皮下、筋内又は皮内の注射によっても効果的である。このような製剤は、化合物を水又はグリセリン緩衝液と混和し、そして得られた溶液を滅菌し、血液と等張にすることによって簡便に調製できる。本発明に従った注射用処方物は、一般に、0.1〜60%w/vの活性化合物を含有し、0.1ml/分/kgの比率で投与される。
直腸投与に適した処方物は、好ましくは単位用量の座薬として提供される。これらは、活性化合物を1つ以上の常套的な固体担体、例えばカカオバターと混和し、次に得られた混合物を成形することにより調製され得る。
皮膚への局所投与に適した処方物又は組成物は、好ましくは軟膏、クリーム、ローション、ペースト、ゲル、スプレー、エーロゾル又はオイルの形態をとる。用いられ得る担体としては、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール類、アルコール類及びそれらの2つ以上の組合せが挙げられる。活性化合物は、一般に、0.1〜5%w/wの濃度、特に0.5〜2%w/wの濃度で提供される。このような組成物の例としては、化粧用スキンクリームが挙げられる。
経皮投与に適した処方物は、長時間に亘ってレシピエントの表皮との密接な接触を保つよう適合された個別的なパッチとして提供される。このようなパッチは適切には、上記活性化合物に関して例えば0.1〜0.2Mの濃度の所望により緩衝された水溶液として活性化合物を含有する。
経皮投与に適した処方物は、イオン導入法(iontophoresis)(例えば、Panchagnula R, et al., 2000 Transdermal iontophoresis revisited Current Opinion Chemical Biology Vol 4, Issue 4, pp 468-473参照)によっても供給され、典型的には活性化合物の所望により緩衝化された水溶液の形態をとる。適切な処方物は、クエン酸塩又はBis/トリス緩衝液(pH6)又はエタノール/水を含み、そして0.1〜0.2Mの活性成分を含有する。
吸入に適した処方物は、溶液、懸濁液又はエマルションの形態のスプレー組成物として供給され得る。吸入噴霧組成物はさらに、薬学的に許容可能な噴射剤、例えば二酸化炭素又は亜酸化窒素を含み得る。
活性化合物は、食品の形態で、例えば添加され、混ぜ込まれ、被覆され、結合され、又は別の方法で食品に添加されて提供され得る。食品という用語は、その考えられる最も広い意味で用いられ、乳製品及びその他の食品を含む飲料や、健康バー、デザート等の液体処方物が挙げられる。本発明の化合物を含有する食品処方物は、標準的な技法に従って容易に調製され得る。
治療方法、用途及び組成物は、ヒト又は動物、例えば哺乳類、例えばコンパニオンアニマル及び家庭動物(例えば、イヌ及びネコ)及び家畜動物(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ及びヤギ)、鳥類(例えばニワトリ、シチメンチョウ、アヒル)等への投与のためのものである。
活性化合物又はその薬学的に許容可能な誘導体プロドラッグ又は塩は、所望の作用を減損しないその他の薬学的活性物質と、あるいは所望の作用を補足する物質、例えば抗生物質、抗真菌薬、抗炎症薬又は抗ウイルス化合物とも同時投与され得る。活性作用物質は、2つ以上のイソフラボン又はその誘導体を、組合せ又はシナジー的混合物中に含み得る。活性化合物は、プロブコール及びニコチン酸などの脂質低下剤;アスピリンなどの血小板凝集阻害剤;クマジンなどの抗血栓薬;ベラパミル、ジルチアゼム及びニフェジピンなどのカルシウムチャンネル遮断薬;カプトプリル及びエナラプリルなどのアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、及びプロパノロール、テルブタロール及びラベタロールなどのβ−遮断薬とともにも投与され得る。前記化合物は、非ステロイド系抗炎症薬、例えばイブプロフェン、インドメタシン、アスピリン、フェノプロフェン、メフェナミン酸、フルフェナミン酸及びスリンダクと組み合わせても投与され得る。化合物はまた、コルチコステロイドとともに投与され得る。
本発明の重要な一態様では、式IIの化合物は、別の細胞毒素又は化学療法薬、特に切断複合体を安定化するか又はその形成を妨げる作用物質と調合される。好ましい作用物質は、VP−16(エトポシド)及びドキソルビシンであるが、本発明のこの態様は、これら2つの既知の作用物質に必ずしも限定されない。
これらの化合物は、癌性細胞及び腫瘍に対してシナジー的活性を示す、と考えられる。理論に限定されることを望まないが、シナジー作用は、新規のトポII部位に結合する本発明の化合物の能力に基づいていると思われる。したがって式IIの化合物は、既存のトポII毒に対して耐性を示す、細胞が突然変異形態のトポIIを発現する癌療法に用途を見出す。
同時投与は、同時的でも又は逐次的でもよい。同時的投与は、同一時間又は類似時間に投与される同一単位用量中に又は個別のかつ分離した単位用量中に化合物が存在することにより実行され得る。逐次投与は、必要に応じて如何なる順序であってもよく、第2の又はその後の活性作用物質が投与される場合、特に累積的又はシナジー的作用が所望される場合、現行で用いられている第1の又は最初の活性作用物質の進行中の生理学的作用を要する。
合成
式IIの化合物の合成は、多数の経路で達成され得る。国際公開第00/49009号パンフレット及びそこに引用された参考文献(それはそっくりそのまま、参照により本明細書に援用される)に特に言及される。該国際出願は、単純な容易に入手可能な出発物質からのイソフラベンの改良型製造方法を記載する。便利な出発物質は、確立された経路により容易に入手されるダイゼインである。
一般的合成では、ダイゼインはその二酢酸塩として保護され、次にほぼ定量的収率でテトラヒドロダイゼイン二酢酸塩に脱水素化される。この一般合成方法は、対応するイソフラボンの水素化によって、その他のイソフラバン−4−オール化合物の純粋なかつほぼ定量的収率に近づくことを可能にする。
強酸又はP等の標準試薬でイソフラバン−4−オールを脱水して、本発明の不飽和イソフラブ−3−エンを得る。脱水反応は、直接水素化産物に、又はその脱保護化された誘導体に実行することができる。
デヒドロエクオール(I)の合成は、穏やかな条件下での保護アセトキシ基の除去により達成された。その他のイソフラブ−3−エン誘導体は、同様の方法により調製され得る。
本発明に用いるためのイソフラバンは、イソフラブ−3−エン又はイソフラボンの水素化により、あるいは当該技術分野で既知のその他の手法により容易に調製され得る。
本発明に用いるためのイソフラブ−3−エンは、当業者に容易に同定可能な任意数の供給源由来のイソフラボンからも合成され得る。好ましくは、それらは植物供給源からの濃縮物又は抽出物の形態で得られる。さらにまた、当業者は適切な植物種を容易に同定可能であるが、しかしながら例えば本発明において特に用いられる植物としては、マメ科植物が挙げられる。さらに好ましくはイソフラボン抽出物は、ヒヨコマメ、レンズマメ、エンドウ、レッド・クローバー又はサブタレニアン・クローバ種等から得られる。
以下の実施例を参照しながらここで本発明を説明するが、本発明はそれらに限定されない。
材料及び方法
トポI阻害剤を同定し得る弛緩及びニッキング検定、及びトポII阻害剤を同定し得る結び目解消及びDNA切断検定を用いて、トポイソメラーゼの潜在的阻害剤として、デヒドロエクオールを評価した。デヒドロエクオールは、用量依存的方法でトポIIの触媒活性を抑制し、そしてそれはトポII媒介性切断複合体を安定化し、このことは、この作用物質がトポII毒であることを実証した。デヒドロエクオールのトポII抑制作用を、他の抗腫瘍薬、例えばVP−16の作用に匹敵し、ゲニステインの作用より強かった。デヒドロエクオールはトポI触媒活性を抑制しないし、トポI媒介性切断複合体も安定化しなかった。これらの結果は、デヒドロエクオールがトポII特異的毒であり、癌化学療法におけるその適用を支持する、ということを実証する。
デヒドロエクオールによる、トポIではなく、トポIIの触媒活性の抑制
DNAノットの段階的除去(結び目解消:unknotting)は、一過性二本鎖切断を要し、その後の鎖継代及び再結繋する。トポIIトポイソメラーゼはこの反応を独特に触媒する。トポII触媒活性に及ぼすデヒドロエクオールの作用を、図1に示す。突然変異体バクテリオファージ(P4 Vir1 del1O)からの結び目解消DNAを、スメアとして移動する反応基質として用いる(可変数のノットのために)。トポIIの存在下で、位相幾何学的DNAノットを除去し、反応産物(結び目解消DNA)が単一バンドとして移動する。図1に示すように、デヒドロエクオールは用量依存的方法でこの反応を抑制した。完全抑制は100μg/mlデヒドロエクオールで明白であった。50%抑制(IC50)が約20μg/mlデヒドロエクオールで認められた結び目解消バンドの濃度測定から、それを確定した。デヒドロエクオールの作用は、陽性対照として用いたVP−16の作用に匹敵した。
デヒドロエクオールがトポIIの選択的阻害剤であるかを確定するために、その作用をATPの非存在下でプラスミドDNAのトポI媒介性弛緩において評価した。トポIIは、スーパーコイル化プラスミドDNAも弛緩し得るが、しかしそれはATPを要する。図2は、精製ヒトトポIがスーパーコイル化プラスミドDNAを弛緩することを示す(レーン2)。既知のトポI阻害剤であるカンプトテシンは、pUC8 DNA弛緩を防止する(レーン3)。しかし100μg/mlまでの濃度のデヒドロエクオールはこのトポI触媒性反応を抑制しなかった(レーン4〜8)。これらの結果は、デヒドロエクオールがトポIを抑制せず、したがってトポII特異的阻害剤であることを示す。
デヒドロエクオールによる、トポI媒介性DNA一本鎖切断の誘導でなく、トポII媒介性二本鎖DNA切断の誘導
線状化検定を用いて、デヒドロエクオールがトポII毒であるか否かを確定した。二本鎖切断は、線状DNAの出現を生じる。トポIIの存在下でのデヒドロエクオールは、その後のプロテイナーゼK/SDSによる処理をうけ、線状型のプラスミドDNAを効果的に生成し(図3、レーン2〜4)、このことは、それが切断複合体を安定化することを示す。10μg/mlで明白になったこの作用は、30μg/mlでピークになった。トポII(レーン1)又はプロテイナーゼK/SDS(図示せず)の非存在下では、デヒドロエクオールは線状DNAを生じなかった。トポII媒介性DNA鎖切断に及ぼすデヒドロエクオールの作用は、予期せぬことにゲニステイン(レーン5)よりはるかに大きく、そして陽性対照として用いたVP−16(レーン6)に匹敵する。酵素変性及び消化はDNA切断を解除するために必要であるため、これらのデータはデヒドロエクオール誘導されたDNA切断がトポIIにより媒介されることを実証する。
トポI毒は、酵素−DNA反応中間体を遮断し、酵素の消化後に、一本鎖DNA切断(ニック)を生成した。図4に示した実験に用いた電気泳動条件下で、共有的閉環(スーパーコイル化又は弛緩化された)プラスミドDNAは、ゲルの底で移動する。切断複合体を安定化するトポI毒の存在下では、そしてプロテイナーゼK/SDSによる酵素の変性及び分解後、得られたニックDNAはゲルの上部を移動する。20μg/ml及び100μg/mlのデヒドロエクオールは、ニックDNAを生成できなかった(レーン3及び4)。既知のトポI毒であるカンプトテシンは、予測どおり、ニック化型のDNA(nicked form of DNA)の増大により示される一本鎖DNA切断を生じた(レーン5及び6)。これらの結果は、デヒドロエクオールがトポI抑制作用を欠き、したがってトポII特異的毒であることを実証する。
材料
前に記載したように、バクテリオファージP4 Vir1 del1Oを単離した[23]。アルカリ溶解法により、pUC8 DNAを大腸菌から単離した。試薬、検定緩衝液、ヒトトポI、ヒトトポII及びpRYG DNAをTopoGEN(Columbus, OH)から購入した。デヒドロエクオールはNovogen (North Ryde, NSW)により提供された。ゲニステインはIndofine Chemical Co. (Somerville, NJ)から購入した。他の試薬、化学物質及び薬剤は全て、Sigma Chem. Co. (St. Louis, MO) から購入した。ストック溶液をDMSO中に20mg/mlで調製し、−20℃で保存して、検定の直前に蒸留水で希釈した。
トポI媒介性プラスミド弛緩検定
トポイソメラーゼ(トポ)I触媒活性の確定のために、pUC8 DNAを、以下のものを含有する20μlの反応容積中の基質として用いた:10mMのトリス−HCl、pH7.9、1mMのEDTA、150mMのNaCl、0.1%BSA、0.1mMのスペルミジン、5%グリセロール及び2単位の精製ヒトトポI。阻害剤を、適用可能である場合、指示どおりに添加し、そして酵素の添加により反応を開始した。反応を37℃で30分間実行した。トリス−ホウ酸塩−EDTA緩衝液中で4V/cmで5時間、ゲル電気泳動を実施した。トポI活性の定量のために、写真ネガを走査した。ゲルの底で単一バンドとして移動するスーパーコイル化DNAを表す区域を確定した。スーパーコイル化DNAの50%を弛緩化DNAに転化されることから防止した阻害剤の濃度(IC50値)を、少なくとも3つの実験からのデータを平均することにより確定した。
トポI媒介性プラスミドニッキング検定
トポI毒は、酵素の供給元(TopoGEN, Inc.)により提供される反応条件下でトポI媒介性pUC8 DNA切断を増強する。要するに、20μlの反応混合物は、10mMのトリス−HCl、pH7.5、1mMのEDTA、100mMのNaCl、1μlの試験用作用物質(又は溶媒)、0.5μgのpUC8及び10単位のヒトトポI(最後に添加)を含有した。37℃で30分間のインキュベーション後、SDS−プロテイナーゼKを添加し、そして37℃で30分間インキュベーション後、試料をCHCl−イソプロパノールで抽出し、0.5μg/mlの臭化エチジウムを含有する1%アガロースゲル上で電気泳動処理した。ゲルを写真撮影し、写真ネガを走査した。
トポII媒介性P4結び目解消検定(unknotting assay
トポイソメラーゼ(トポ)II触媒活性を確定するために、バクテリオファージP4 Vir1 del1Oの無尾カプシドから単離された結び目DNA(knotted DNA)を、基質として用いた。反応混合物は、50mMのトリス−HCl、pH8.0、120mMのKCl、10mMのMgCl、0.5mMのATP及び0.5mMのジチオスレイトールを含有した。トポII阻害剤を添加した後、2単位のヒトトポIIを添加した。0.6μgの結び目DNAを添加することにより反応(最終容積20μl)を開始し、37℃で30分間実行した。5%SDS、50mMのEDTA、25%フィコール及び0.05mg/mlのブロモフェノールブルーを含有する停止溶液5mlの添加により、反応を終結させた。試料を0.8%アガロースゲル上に載せて、トリス−ホウ酸塩−EDTA緩衝液中で4V/cmで5時間、電気泳動を実施した。ゲルを臭化エチジウムで染色し、脱染して、UV光源上で写真撮影した。トポII活性の定量のために、写真ネガを濃度測定的に(densitometrically)走査した。ゲルの上部で単一バンドとして移動する結び目解消DNAをこの方法で測定した。基質(結び目DNA)の50%を反応産物(結び目解消DNA)に転化されることから防止した阻害剤の濃度を、標準曲線から確定した。3、4のこのような実験を平均することにより、IC50値を確定した。
トポII媒介性プラスミド線状化検定
トポII毒は、トポII媒介性DNA切断を増強し、酵素の供給元(TopoGEN, Inc.)により提供される反応条件下で線状化検定を用いて同定され得る。要するに、20μlの反応混合物は、30mMのトリス−HCl、pH7.6、3mMのATP、15mMのβ−メルカプトエタノール、8mMのMgCl、60mMのNaCl、1μlの試験用作用物質(又は溶媒)、0.3μgのpRYG、及び10単位のヒトトポII(最後に添加)を含有した。37℃で15分間インキュベーション後、SDS−プロテイナーゼKを添加し、そして37℃で15分間インキュベーション後、試料をCHCl−イソプロパノールで抽出し、臭化エチジウムを含有する1%アガロースゲル上で電気泳動処理した。ゲルを写真撮影し、写真ネガを走査した。
tNOX抑制、腫瘍細胞周期停止及びアポトーシス
ジチオジピリジン基質中にヒト子宮頸癌(HeLa)を含有する96ウエルプレート検定を用いた。10μmの濃度で存在するデヒドロエクオールは、HeLa細胞アポトーシスを引き起こすtNOX活性を抑制することが示された。
その後の臨床試験を示し、式I及びIIの化合物の治療利点及び活性を実証する。
フェノキシジオール(デヒドロエクオール)の強力な抗腫瘍及び抗血管形成特性
本実施例は、式IIの代表的化合物として、デヒドロエクオールの強力な抗腫瘍/抗癌、抗血管形成活性、及び抗炎症活性を説明する。
方法
細胞:ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を用意し、先に記したとおりに増殖させた30。全ての実験に関して、継代2〜6の細胞を用いた。ヒト前立腺腺癌細胞株LNCaPをAmerican Tissue Type Collectionから入手し、供給元の使用説明書に従って保存した。
検定:
増殖検定:HUVECを3×10細胞/ゼラチン被覆マイクロタイターウエルで播種し、完全培地中で3日間増殖させた。プレート化の3時間後に、デヒドロエクオール(De)を添加した。MTT検定(Promega, WI, USA)を用いて増殖を測定し、各群に関して四重反復試験確定の3日間に亘る増殖率±SEMとして示す。LNCaP細胞の増殖をMTT検定を用いて確定した。細胞を、2.5×10細胞/マイクロタイターウエルで播種した。プレート化の4日後にDeを添加し、さらに5日間の増殖後、検定した。細胞の生死を対照非処理細胞のパーセンテージとして表す。
移動検定:5×10細胞/ゼラチン被覆6ウエルディッシュでHUVECをプレート化し、48時間かけて集密に増殖させた。単一層中に創傷を作り、細胞を3回洗浄して、De(最終濃度10μg/ml)を含有するか又は含有しない新鮮な完全培地を添加した。その後18〜72時間に亘って、移動を観察した。
in vitro管検定:コラーゲンゲル中での毛細管形成を本質的にギャンブル(Gamble)等30、31の記載と同様に実施した。腫瘍プロモーターフォーボルミリステート酢酸塩(PMA)及び抗βインテグリン抗体RMACIIの存在下で、管を形成した。ゲル上に細胞をプレート化した時点で、De(最終濃度10μg/ml)を添加した。
無胸腺マウス異種移植検定:LNCaPヒト前立腺細胞を無胸腺Balb/cマウスに皮下移殖し、De(2mg uid)を、細胞接種の時点から週5日間、経口投与した。移植後58日目に動物を屠殺し、NCIで用いられているように、式(幅×長さ)/2から腫瘍質量(mg)を算定した。
スフィンゴシンキナーゼ活性検定:上記に記載した(参考文献42参照)ように、細胞質ゾル分画を10μMのスフィンゴシン−BSA複合体及び[γ32P]ATP(1mM、0.5mCi/ml)とともに37℃で15分間インキュベートすることにより、in vitroでSK活性を測定した。刺激は、TNFα(1ng/ml)(rhTNF−α; R & D Systems, Minneapolis MN USA)、PMA(100ng/ml)及びIL−1β(100単位/ml)(hrIL−1β;Immunex, Seattle WA USA)を10分間用いた。細胞を、刺激前に、De又は対照としてのDMSOビヒクルで18時間処理した。
病巣形成検定:低継代NIH 3T3細胞にヒトras遺伝子(Ras)又は空ベクター(Vect)対照をトランスフェクトさせた(参考文献19参照)。2日後、トランスフェクト化細胞を6ウエルプレート中に植え付けた。集密(confluence)に達した後、細胞をビヒクルDMSO又はDe(最終濃度10μg/ml)中で3週間、培地を3〜4日ごとに変えながら(±De)培養した。0.5%クリスタルバイオレットで染色後、病巣をスコアした。実施した2つのうちの一実験を示す。
ノーザンブロット分析:HUVECを1×10細胞/25cmフラスコでプレート化し、48時間増殖させた。DMSOビヒクル又はDe(最終濃度10μg/ml)で18時間処理後、総RNAを収穫し、TRIZOL試薬(Invitrogen-Life Technologies, Groningen, Netherlands)を用いてメーカーのプロトコールに従って精製した。ハイボンド(Hybond)−N膜(Amersham Biosciences, Buckinghamshire, England)上に移した8μgの総RNAを用いてノーザンブロット分析を実施し、Strip−EZ PCR strip Able PCRプローブ合成及び除去キット(Ambion, TX, USA)を用いて、ヒトMMP−2及びGAPDH cDNAでプローブした。
Eセレクチン及びVCAM−1検定:HUVECを5×10細胞/6ウエル皿でプレート化した。DMSOビヒクル又はDe(最終10μg/ml)で18時間細胞を処理した後、TNFα(1ng/ml)を添加した。4又は18時間後、PBSで細胞を洗浄し、Eセレクチン(Mab49−1B11)又はVCAM−1(Mab51−10C9)に対する抗体とともに30分間インキュベートした。ヤギF(ab’)2断片マウス−IgG(H+L)−FITC抗体(Immunotech, Marseille, France)を次に30分間付加した。次に細胞をトリプシン処理し、クールターエピクス(登録商標)XL−MCL(Beckman Coulter)上でFACS分析した。結果をFITC蛍光の平均強度に関する独断的な単位(arbitrary units)として表す。
IL−8検定:「クアンチカイン(Quantikine)ヒトIL−8イムノアッセイ」(R & D Systems, Minneapolis, MN USA)を用いて、IL−8検定を実施した。
結果
デヒドロエクオール(「De」)は、白血病細胞株K562及びHL60(それぞれ3.0及び1.5μg/mlのIC50)、乳癌株MCF7(1.5μg/mlのIC50)、大腸癌株HT29及びCaCo−2(それぞれ15.0及び1.0μg/mlのIC50)、及び前立腺癌株DU145、PC3及びLNCaP(それぞれ3.0、2.0及び1.5μg/mlのIC50)に及ぼす抗増殖作用を示した。Deは、細胞傷害性作用物質として、これらの細胞株に関してゲニステインの5〜20倍強力である。LNCaPに関するDe及びゲニステインの比較データを、図1aに示す。LnCaPに対するDeのin vitro細胞傷害性査定は、4.4のIC50(μM)を示した(n=3、別個の実験)。前立腺癌株LNCaPの増殖を測定する異種移殖検定は、Deが腫瘍増殖を抑制するのに有効であることを実証した(49%腫瘍増殖抑制、p<0.0003;De処理対対照群)(図5b)。
Ras癌遺伝子は、正常遺伝子における過剰発現又は突然変異により、多数のヒト癌の発生に関連づけられてきた(参考文献28,29参照)。Ras形質転換化NIH 3T3細胞のDe処置は、コロニーの発達を完全に抑制したが、しかし正常NIH 3T3細胞の生育可能性を依然として保持した(図5c)。これは、Deが高増殖性Ras形質転換化細胞を特異的に標的化し、正常細胞に対してはほとんど又は全く影響を与えないことを示唆する。
固形腫瘍増殖は、細胞生存及び増殖を制御する正常メカニズムを回避する形質転換化細胞の能力に依存するだけでなく、血管形成を通して血管区画の拡張を刺激する細胞の能力にも依っている。Deが抗腫瘍形成活性のほかに抗血管形成活性を有するかを確定するために、内皮細胞(EC)増殖、移動及び毛管形成検定、血管形成のin vitro特質において、Deを試験した。その結果は、DeがEC機能のこれらの態様を全て抑制する、ということを実証する(図6a、図6b及び図6c)。示した結果は、単一実験のものであるが、Deは、実施した多数の実験全体でその抑制作用と一致した。例えば10μg/mlのDeは、実施した5つの実験において91%±3%の増殖の抑制を示した。結果は、移動検定において、創傷の周辺にないECは72時間のDeの存在下でさえ依然として生育可能であったため、Deが正常ECに対して細胞傷害性でない、ということも実証する。さらに増殖検定において、Deは細胞の増殖能力を抑制したが、細胞死を引き起こさなかった。
コラーゲンゲル検定では、ビヒクル対照で処理した細胞は、本発明者らが以前報告した(参考文献30,31参照)ものと同様のゲルの全体にわたって異なる平面で生成する典型的な大型毛細管を示した。しかしながらDeで処理した細胞の形態学的査定は、何時間後でも細胞は依然として円形であり、そしてゲルの上部で観察されたため、Deがゲル中への細胞の侵入を抑制し得る、ということを示唆した。ゲル中へのECの侵入及びin vivoでの新血管形成は、メタロプロテアーゼなどのマトリックス分解酵素の合成及び分泌に依存している(参考文献32、33参照)。マトリックスメタロプロテイナーゼMMP−2は、「血管形成スイッチ」に不可欠であり、その活性の抑制は血管形成を防止する(参考文献34参照)。したがってMMP−2を検査のために標的化した。10μg/mlのDeで18時間処理した内皮細胞のノーザンブロット分析は、MMP−2に関するRNAのレベルの抑制を示した(図6d)。実施した2つの実験において、MMP−2に関するmRNAのレベルで68.3%及び46.7%低減が認められた。
血管形成は、普通は炎症に関連し、現在、ともに同格に調節されるようである(参考文献35,36参照)。炎症は、内皮上の接着分子の発現、及び循環からの炎症細胞の退出に関与する走化性サイトカインの分泌により例示される。好中球、リンパ球及び単球などの炎症細胞は、血管内皮細胞増殖因子などの多数の強力な血管形成因子の供給源である35。Deは、内皮上のTNF及びIL−1の両方への接着分子Eセレクチン及びVCAM−1の誘導を抑制し、IL−8の分泌も抑制する(図7a及び図7b)。しかしながら、De処理後フローサイトメトリー分析(データを示さず)により確定した場合、PECAM−1又はVEGF受容体2の発現のレベルに変化は認められなかったため、DeはECに及ぼす一般的抑制作用を表示しなかった。したがってDeは、血管形成プロセスそれ自体を、そして血管形成状態を増幅する炎症性構成成分も抑制する。
高度保存脂質キナーゼであり、スフィンゴシンをリン酸化して、スフィンゴシン−1−ホスフェートを生じるスフィンゴシンキナーゼ(SK)は、細胞の生存、増殖及び形質転換の促進に(参考文献37−40参照)、そしてRasのような癌遺伝子の機能に(参考文献41参照)関係していると見なされていた。SKは、EC活性化及び増殖の調節における重要な媒介物質でもある(参考文献42−44参照)。スフィンゴシン−1−ホスフェートも血管形成プロセスに関与し(参考文献45−47参照)、そしてVEGFシグナル伝達経路に関与することが近年示された(参考文献48参照)。DeがSK経路の抑制を通して少なくとも潜在的にその作用を発揮できるかを調べるために、Deの存在下又は非存在下で生成されるSK活性を査定した。結果は、用量依存的方式で、Deが、TNF(a)、腫瘍プロモーター、フォルボールミリステート酢酸塩(PMA)(b)及びIL−1(c)を用いたECの刺激により生成されたSKを抑制する、ということを示す(図4)。Deは、その抑制において、SKの阻害剤であるN,N−ジメチルスフィンゴシン(DMS)と等しい効力を有する。DeはSK活性の基礎レベルに影響を及ぼさないが、これは、酵素の活性化相に及ぼす特異的作用を示唆する。DeはTNF刺激性スフィンゴミエリナーゼ活性に影響を及ぼさず(データを示さず)、これは、Deがスフィンゴミエリン代謝経路に影響を及ぼさないことを示唆する。
本実施例は、デヒドロエクオール(De)の強力な抗腫瘍作用及び抗血管形成作用を説明する。最も顕著な観察は、血管形成との関連性を有する内皮機能を測定する一連の検定におけるデヒドロエクオールの効能である。これらの例としては、マトリックス分解に必要な酵素の内皮移動及び発現、増殖、接着分子の発現、及びin vitro管形成が挙げられる。等しく顕著であるのは、休止内皮細胞に関する及び非形質転換化3T3細胞に関するデヒドロエクオールの、用いた用量での、毒性の欠如であった。薬剤のこれらの特性は、強力な、しかし限定された全身毒性を有する抗腫瘍作用を予測し得るし、実際、これらはこれらの試験において観察されている。
この薬剤の多様な作用の基礎をなすメカニズムは、十分に解明されていない。しかしながら、それは、少なくとも3つの関連酵素系の強力な(直接又は間接的)阻害剤である(参考文献49参照)。これらのうちの最初の2つ、すなわちタンパク質チロシンキナーゼ及びトポイソメラーゼは、長い間、細胞活性化及び増殖に関係していると見なされていた(参考文献13,15,49参照)。近年、内皮活性化及び血管形成並びに発癌に関連づけられている第三の酵素系である脂質キナーゼスフィンゴシンキナーゼの抑制を、本発明者らはここに報告する。Deの主な作用は、TNF及びIL−1のような作用物質によるSK活性化の抑制に関するものであり、一方、SKの基本的活性に及ぼす作用をほとんど示さない、ということに本発明者らは留意している。この結果は、形質転換化腫瘍細胞に、及び血管形成のプロセスに関与するECに関する劇的抑制を示す一方で、NIH 3T3細胞又はECのような正常細胞の生育可能性にほとんど又は全く影響を及ぼさない作用物質の選択性を説明し得る。したがって、Deは、Ras誘導性形質転換中に又は血管形成に必要なECの活性化において起こるものなどのSKの活性化相を特異的に標的化し得る。これらの結果は、Deが有効かつ安全な抗癌薬でなり得るという予測を強調する。
癌のための抗血管形成療法は、多くの刺激を伴うけれども、多数の試験の結果は、失望させられるものであり、このことは抗血管形成療法が他の抗癌療法と組み合わされるべきであることを示唆する。そういうわけで、Deがin vitro及びin vivoでのいくつかの型の癌細胞の増殖に及ぼす直接的抑制作用を有し、したがって一薬剤において、抗血管形成及び抗癌特性が組み合わされることを示す、ということに注目することは非常に興味深いことである。
読者が不当な実験をすることなしに本発明を実行できるように、確かな好ましい実施態様を参照しながら、ここに本発明を説明してきた。しかしながら、多くの構成成分及びパラメーターは、本発明の範囲を逸脱することなくある程度まで変更又は修正され得るということを、当業者は容易に理解する。さらに表題、見出し等は、本文書についての読者の理解を深めるために提示したものであり、本発明の範囲を限定するものとして読むべきではない。
ここに引用された全ての特許出願、特許及び出版物の開示内容は全て、参照によりここに組み込まれる。
ここにに記載された本発明は、特定的に記載されたもの以外、変更及び修正可能である、と当業者は理解する。本発明は、このような変更及び修正の全てを包含すると理解されるべきである。本発明は、本明細書中に個別に又は集合的に言及され、又は示された全ての段階、特徴、組成物及び組成物、並びに前記の段階又は特徴の任意の2つ以上のあらゆる及び全ての組合せも包含する。
本明細書中の如何なる先行技術に対する言及は、その先行技術が努力の領域における共通の一般的知識の一部を形成するという認識又はいかなる形態の示唆でもないし、そしてそのように解釈されるべきでない。
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トポII触媒活性に及ぼすデヒドロエクオールの作用を確定するための結び目解消検定を示す。基質P4 DNAは、デヒドロエクオールの非存在下(レーン1)又は100、80、60、40、20及び10μg/mlのデヒドロエクオールの存在下(レーン3〜8)で、2単位の精製トポIIとともにインキュベートした。レーン2:10μg/mlのVP−16(陽性対照)。ノット化P4 DNA(K)を非ノット化(U)形態に転化することにより、トポII活性を確定した。 トポI触媒活性に及ぼすデヒドロエクオールの作用を確定するための弛緩検定を示す。基質スーパーコイル化pUC8 DNAを2単位の精製トポI(レーン2〜8)+カンプトテシン(レーン3)又は種々の濃度のデヒドロエクオール(レーン4〜8)とともにインキュベートした;レーン1:スーパーコイル化pUC8 DNA、対照(無トポI);レーン2:弛緩pUC8 DNA;レーン3:10μg/mlカンプトテシン(陽性対照);レーン4:100μg/mlデヒドロエクオール;レーン5:80μg/mlデヒドロエクオール;レーン6:60μg/mlデヒドロエクオール;レーン7:40μg/mlデヒドロエクオール;レーン8:20μg/mlデヒドロエクオール。スーパーコイル化pUC8 DNA(SC)をその弛緩形態(REL)に転化することにより、トポI活性を確定した。 二本鎖DNA切断に及ぼすデヒドロエクオールの作用を確定するための検定を示す。pRYG DNAを、10単位のヒトトポII(レーン2〜6)とともに、デヒドロエクオールの非存在下(レーン1)、又は10、30又は100μg/mlのデヒドロエクオールの存在下(レーン2〜4)、又は30μg/mlのゲニステイン(レーン5)又は10μg/mlのVP−16(レーン6)の存在下で、インキュベートした。レーン7:線状pUC8DNAマーカー。二本鎖DNA切断を、弛緩化(REL)又はスーパーコイル化(SC)pRYG DNAを線状(LIN)形態に転化することにより、確定した。 一本鎖DNA切断に及ぼすデヒドロエクオールの作用を確定するための検定を示す。pUCS DNAを、下記の項の方法に記述された条件下で、ヒトトポIを用いずに(レーン1)又は10単位のヒトトポIを用いて(レーン2〜6)、インキュベートした。レーン2:無阻害剤;レーン3:10μg/mlのデヒドロエクオール;レーン4:100μg/mlのデヒドロエクオール;レーン5:10μg/mlのカンプトテシン;レーン6:100μg/mlのカンプトテシン。一本鎖DNA切断を、弛緩化(REL)又はスーパーコイル化(SC)pUC8 DNAをニック形態(NIC)に転化することにより、確定した。 デヒドロエクオール(□)及びゲニステイン(■)はLNCaP細胞の増殖能力を抑制する。 デヒドロエクオール(De)はマウスにおけるヒト異種移植片の増殖を抑制する。LNCaP細胞の接種時点から週5日間、De(■)又はビヒクル(□)を経口投与し、腫瘍質量を58日間にわたって査定した。 デヒドロエクオールは、in vitroで対照ウエル(C)と比較して、Ras形質転換化NIH3T3細胞の病巣形成を抑制する。 図6aから図6dは、内皮細胞増殖、移動及びin vitro血管形成のデヒドロエクオール抑制を示し、図6aは、種々の濃度のデヒドロエクオール(■)又はDMSOビヒクル(▲)の存在下でのEC増殖を示す。一実験の結果を示すが、この場合、各群は四重反復実験で実施され、そして4つのこのような実験を代表する。平均±SEMを示す。 DMSO(C)又はデヒドロエクオール(De)の存在下での18時間にわたる創傷前面(白色バー)からのEC移動を示す。実施された2つを代表する一実験からの各群で実施された二重反復実験ウエル(duplicate wells)の一ウエルについての結果を示す。 DMSO(C)又はデヒドロエクオール(De)の存在下でのin vitro血管形成を示す。実施された3つを代表する一実験に関する各群において実施された二重反復実験ウエルの一ウエルについての結果を示す。 デヒドロエクオール(De)又はDMSO対照(C)で18時間処置したECにおけるマトリックスメタロプロテイナーゼ−2(MMP−2)のmRNAに関するノーザンブロットを示す。上方パネルはMMP−2であり、下方パネルはGAPDHである。 内皮細胞におけるEセレクチンの発現を示す。群1:非刺激;2:4時間TNF刺激;3:TNF刺激前に18時間DMSO処置;4:TNF刺激前に18時間De処置。 内皮細胞におけるVCAM−1発現を示す。群1:非刺激;2:4時間又は18時間TNF刺激;3:TNF刺激前に18時間DMSO処置;4:TNF刺激前18時間De処置細胞。 それぞれの一実験を示し、それぞれ実施した3〜6の実験を代表する。 ビヒクルDMSO又はデヒドロエクオール(De)の存在下での非刺激(NIL)又はTNF刺激された内皮細胞からのIL−8分泌。実施された3つのうちの1つにおける三重反復実験確定(triplicate determinations)の平均±SEM。p<0.01。 デヒドロエクオール(De)は、対照(C)処置ウエルと比較して、TNF(a、b)、PMA(b)又はIL−1(c)による刺激後の内皮細胞のスフィンゴシンキナーゼ(SK)活性を抑制する。SK活性を独断的な単位で示す。各群を二重反復実験で実施した1〜3の実験の結果を示す(平均±SEM)。p<0.01。

Claims (21)

  1. 式IIの化合物(本明細書中に記載されている)又はその薬学的に許容可能な塩あるいは誘導体を対象に投与することを含む、異所性細胞生存、異所性細胞増殖、異常細胞移動、異常血管形成、異常エストロゲン/アンドロゲンバランス、機能障害性又は異常ステロイド発生、血管壁内の変性変化を含む変性、炎症あるいは免疫学的不均衡に関連した疾患の治療、予防又は改善のための方法。
  2. 異所性細胞生存、異所性細胞増殖、異常細胞移動、異常血管形成、異常エストロゲン/アンドロゲンバランス、機能障害性又は異常ステロイド発生、血管壁内の変性変化を含む変性、炎症あるいは免疫学的不均衡に関連した疾患の治療、予防又は改善のための薬剤の製造における、その薬学的に許容可能な塩及び誘導体を含む式IIの化合物の使用。
  3. 異常細胞生存表現型を発現する細胞を、薬学的に許容可能な塩を含む式IIの化合物と、所望により担体又は賦形剤とともに、接触させることを含む、前記細胞においてアポトーシスを誘導する方法。
  4. 異常細胞移動表現型を有する細胞を、薬学的に許容可能な塩を含む式IIの化合物と、所望により担体又は賦形剤とともに、接触させることを含む、前記細胞の移動を抑制する方法。
  5. 異所性血管形成表現型を発現する組織を、薬学的に許容可能な塩を含む式IIの化合物と、所望により担体又は賦形剤とともに、接触させることを含む、前記組織において血管形成を抑制する方法。
  6. 治療的有効量の式IIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩又は誘導体を哺乳類に投与する段階を含む、哺乳類におけるトポイソメラーゼIIを抑制する方法。
  7. 癌性組織において新生物の発達が遅延されるか又は停止されるように、式IIの化合物あるいは又はその薬学的に許容可能な塩あるいは誘導体を腫瘍に罹患している哺乳類において癌性組織と接触する段階を含む、哺乳類の癌の治療、予防又は改善のための方法。
  8. 新生物の発達が、DNAトポイソメラーゼIIの切断複合体を安定化する式IIの化合物により遅延又は停止される請求項7に記載の方法。
  9. DNAトポイソメラーゼIIを発現する細胞を、式IIの1種以上の化合物と、所望により担体又は賦形剤とともに、接触することを含む、前記細胞においてアポトーシスを誘導する方法。
  10. DNAトポイソメラーゼ切断複合体を式IIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩あるいは誘導体と接触させて、前記切断複合体を安定化することによるDNAトポイソメラーゼIIを抑制する方法。
  11. 哺乳類における癌の治療のための薬剤の製造における、式IIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩あるいは誘導体の使用。
  12. DNAトポイソメラーゼII毒としての式IIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩あるいは誘導体の使用。
  13. 式IIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩あるいは誘導体を薬学的に許容可能な担体及び/又は希釈剤とともに含む癌の治療のための薬学的組成物。
  14. 別の化学療法的活性作用物質、好ましくは別のトポII毒との混和物中に式IIの化合物を含む相乗的(synergistic)薬学的組成物。
  15. 式IIの化合物及び別の化学療法的活性作用物質、好ましくは別のトポII毒を含むキット。
  16. 式IIの化合物がデヒドロエクオールである請求項1及び3〜10のいずれか一項に記載の方法、又は請求項2、11及び12のいずれか一項に記載の使用。
  17. 式IIの化合物がデヒドロエクオールである請求項13又は14に記載の薬学的組成物、あるいは請求項15に記載のキット。
  18. 式IIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩あるいは誘導体を、腫瘍に罹患している哺乳類の癌性組織と接触させる段階を含む、哺乳類における癌の治療、予防又は改善のための方法であって、
    式IIの化合物は、前記癌性組織における新生物発達が遅延されるか又は停止されるように前記癌性組織に関連したtNOXを抑制するものである、
    哺乳類における癌の治療、予防又は改善のための方法。
  19. tNOX阻害剤としての式IIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩あるいは誘導体の使用。
  20. 腫瘍細胞と関連したtNOXの抑制のための薬剤製造における式IIの化合物の使用。
  21. 式IIの化合物を1つ以上の他の薬学的に活性な作用物質と一緒に含む薬学的組成物。
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