JP2006512928A - 炭疽菌(Bacillusanthracis)核酸を検出するためのアッセイおよび組成物 - Google Patents

炭疽菌(Bacillusanthracis)核酸を検出するためのアッセイおよび組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、核酸ハイブリダイゼーション反応において、pXO1プラスミドおよびpXO2プラスミドに含有される遺伝物質に特異的なオリゴヌクレオチドプローブを用いる、炭疽菌(Bacillus anthracis)を検出する組成物および方法を含む。該方法の態様は、試料に存在する他の細菌種から炭疽菌を区別するか、またはバチルス属(Bacillus)配列がまったく検出されなかった際でも、アッセイが適切に行われたことの指標を提供する、他の遺伝子配列に特異的なさらなるプローブを含むことも可能である。

Description

発明の分野
本発明は、炭疽の原因病原体である炭疽菌(Bacillus anthracis)の検出に関し、そしてより具体的には、他のバチルス属(Bacillus)種から、炭疽菌を区別する、プラスミドが所持する核酸配列を検出するための組成物および方法に関する。
発明の背景
炭疽菌は、炭疽の原因病原体である芽胞形成細菌であり、炭疽はしばしば肺または結合組織を攻撃する疾患である。皮膚炭疽がこの疾患の最も一般的な型であり、炭疽菌芽胞が損傷を受けた皮膚または膜に感染し、そして発芽し栄養細胞になって炭疽毒を産生した後、皮膚炭疽が皮膚発赤、炎症性の腫れ物または潰瘍を引き起こす。菌血症が発展すると、高熱および死につながりうる。吸入型は、芽胞を吸い込んだ後に生じ、これが肺マクロファージに感染し、そしてリンパ節において発芽して、浮腫、出血、リンパ節壊死および胸水を引き起こす。吸入炭疽は、通常、感染1週間以内で致死であり、敗血症および髄膜炎を導きうる。口腔咽頭炭疽および胃腸炭疽は、疾患の最も一般的でない型であり、通常、十分に調理されていない汚染肉を摂取した結果生じる。一般的でなく、そして非特異的な症状(のどの痛み、発熱、吐き気、嘔吐)で始まるが、これらの炭疽の型は、約50%の死亡率を有する。炭疽は、通常、草食動物を攻撃するが、汚染した動物の体毛、羊毛、皮膚、肉、または廃棄物に接触したヒトは、該疾患に接触しうる。炭疽菌芽胞の意図的な放出によって引き起こされるヒト感染は、皮膚炭疽および/または吸入炭疽を生じ、生物戦争またはバイオテロリズムの1つの型である。感染したヒトは、抗生物質、例えばペニシリンを用いることによって、炭疽に関して治療することも可能である。この疾患の致死率が高く、そして感染した個人または汚染物質に曝露されうる他者にリスクが生じるため、炭疽菌の存在を正確に検出し、そして感染を診断することは重要である。
炭疽菌は、バチルス属の他の種に関連し、バチルス属種はすべて、グラム陽性桿菌である、内生胞子形成細菌である。炭疽菌は、一般的に存在する非炭疽種、例えばセレウス菌(B.cereus)、セレウス菌変種ミコイデス(B.cereus var mycoides)、B.チューリンゲンシス(B.thuringiensis)、巨大菌(B.megaterium)および枯草菌(B.subtilis)に緊密に関連する。セレウス菌、セレウス菌変種ミコイデス、炭疽菌、およびB.チューリンゲンシスに緊密な遺伝的関係があるため、これらの種はしばしば、セレウス菌複合体のメンバーとして分類されるか、または1つの種と見なされることさえある(Kanekoら,1978,Microbiol Immunol.22:639−41; Helgasonら,2000,Appl.Environ.Microbiol.66:2627−30)。例えば、この関係は、16S rRNAをコードする遺伝子配列(1,554nt)に示され、ここで、炭疽菌、セレウス菌、およびB.チューリンゲンシス株の遺伝子間には1〜4ntの相違があるが、炭疽菌配列は、試験した86株で非常に保存されており、そしてB.チューリンゲンシス配列は、試験した11株で非常に保存されていた(Sacchiら,2002,Emerging Infect.Dis.8(10):1117−23)。
炭疽菌の毒性株は、2つのプラスミド、pXO1およびpXO2上に毒性遺伝子を所持する(それぞれ、GenBank寄託番号AF065404およびAF188935)。プラスミドpXO1上の遺伝子は、炭疽菌感染の毒性に寄与するタンパク質:防御抗原(PA)、浮腫因子(EF)、および致死因子(LF)をコードする。PAは、EFまたはLFいずれかと組み合わせた際、毒性に必要な膜結合タンパク質である。遺伝子pagはPAをコードし、遺伝子cyaはEFをコードし、そして遺伝子lefはLFをコードする(Priceら,1999,J.Bacteriol.181(8):2358−2362)。プラスミドpXO2上の遺伝子は、capB、capC、およびcapAと称され、炭疽菌の抗食作用カプセルの要素をコードする。炭疽菌の既知の株は、これらのプラスミドの両方、または一方をコードするか、またはどちらもコードしない。一般的に、これらのプラスミドの一方または両方を失った株は、無毒性と見なされる。毒性株は、エイムズ(pXO1+/pXO2+)株のように、両方のプラスミドを含有する。pXO2プラスミドを失った無毒性株は、Δスターン(pXO1+/pXO2−)株であり、この芽胞は、世界中で動物に対する生ワクチンとして用いられている(Hambletoneら, 1984, Vaccine 2:125−32)。pXO1プラスミドを失った無毒性株は、Δエイムズ(pXO1−/pXO2+)株である。どちらのプラスミドも失った株、例えばVNR1−Δ1株が知られる。
炭疽菌の臨床的同定は、標本または培養細菌から作製されるグラム染色スメアの顕微鏡検査、血液寒天上での非溶血または弱い溶血増殖の検出、寒天培地上で36時間より長く増殖させたコロニーの顆粒状またはすりガラス風の外見の観察、あるいは毒性莢膜型と関連するムコイドコロニーの観察などの方法に頼る(Loganら:Manual of Clinical Microbiology,第7版,Murrayら監修,1999, American Society for Microbiology(ワシントンD.C.)中,pp.357−69)。顕微鏡検査下で、炭疽菌細胞は、大きな桿体であり、通常、鎖状であり、そして莢膜に覆われており、一般的に、セレウス菌およびB.チューリンゲンシスの運動性株と比較して非運動性である。炭疽菌桿体は、楕円の中心または端付近に芽胞を含有する可能性もまたしない可能性もあり、この芽胞は、該細菌が、大気に見られるような低COレベルに曝露された際に形成される。炭疽菌の臨床試験には、試料から作成される実験室培養物を調製し、そして調べること、例えばブロスおよび血液培養物に接種し、そして5%ヒツジ血液寒天、MacConkey寒天、およびフェニルエチルアルコール寒天などの実験室培地上にストリークすることが含まれる。培養を少なくとも3日間インキュベーションし、そして早ければ接種8時間後から毎日観察して、細菌またはコロニーの増殖特性を決定する。溶血中、グラム染色形態、または運動性結果を用いて、炭疽菌の存在を除外することも可能であり、試験試料に存在する生物として炭疽菌を除外するには、2つの試験結果の組み合わせが推奨される。セレウス菌複合群の他のメンバーは、外見および特性において、炭疽菌を模倣する可能性もあるため、試験結果の解釈は難しく、そして培養物からの炭疽菌の明確な同定は困難である。炭疽菌同定のためのさらなるアッセイは、抗体を用い、そしてα−グルコシダーゼ活性を検出することによって、莢膜に覆われた生物を検出することに頼ってきた。実験室でのコロニーの増殖期間は比較的長いため、これらの試験は、通常、炭疽菌の存在を除外するか、またはバチルス属種を陽性に同定するのに、少なくとも3日間を必要とする。さらに、これらの試験を実行する臨床実験室は、バイオセイフティレベル2(BSL−2)以上で手技が行われるのが許可される設備を必要とする。臨床実験室が炭疽菌の存在を除外するか、またはバチルス属種を明確に同定することが不能であれば、さらなる試験のため、試料は別の実験室に送られる。
これらの臨床試験に加えて、他の方法を用いて、炭疽菌を含むバチルス属種を検出し、そして同定することも可能である(Harrellら,1995,J.Clin.Microbiol.33:1847−1850; Keimら,1999,J.Appl.Microbiol.87(2):215−7; Jacksonら,1997,Appl. Environ.Microbiol.63(4):1400−5; Sirardら,2000,Int.J.Med.Microbiol.,290(4−5):313−6); Mockら,2001,Ann.Rev.Microbiol 55:647−71)。例えば、炭疽菌は、炭疽菌を同定する細菌核酸配列を増幅する、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づく試験を用いることによって、検出されてきている(Makinoら,1993,J.Clin.Microbiol.31(3):547−51; Ramisseら, 1996,FEMS Microbiol.Lett.145(1):9−16; Makinoら,2001,Lett.App.Microbiol.33(3):237−40; Keimら,1997,J.Bacteriol.179(3):818−24; Patraら,1998,J.Clin.Microbiol.36(11):3412−14; Daffonchioら,1999,Appl.Environ.Microbiol.65(3):1298−303; Leeら,1999,J.Appl.Microbiol.87(2):218−23; Fasanellaら,2001,Vaccine 19(30):4214−18; Enserink,2001,Science 294(5545):1266−7)。炭疽菌を検出する別の方法は、染色体DNAから単離された炭疽菌特異的多型サイン配列に頼る(Rastogiら、米国特許第6,448,016B1号)。1つのアッセイは、gyrB遺伝子の種特異的断片を増幅し、そして検出して、セレウス菌、B.チューリンゲンシス、および炭疽菌間を区別することに頼る(Yamadaら、米国特許第6,087,104号)。
炭疽感染が臨床的に重要であり、そして炭疽菌を伴いうるバイオテロリズム脅威または事象にはさらに精神的および経済的衝撃があるため、環境試料および臨床試料に存在しうる炭疽菌を検出し、そして同定する有効な方法に対する必要性が存在し続けている(LaneおよびFauci,2001,JAMA 286:2596−7; Enserink,2001,Science 294(5545):1266−7)。無毒性炭疽菌または他の類似のバチルス属種から炭疽菌の毒性型を同定しそして区別する必要性が特にある。米国における試料の最初の試験は、バチルス属種を同定するために装備されず、またはトレーニングされていない(米国疾病対策予防センター(「CDC」)、米国ジョージア州アトランタに分類される、バイオテロリズム実験室応答ネットワーク(「LRN」)の)レベルA臨床実験室で行われる可能性もあり、そして次いで、炭疽菌を含有すると疑われる試料が、さらなる試験のため、他の実験室(例えばLRNレベルBまたはC)に照会される。バチルス属種の同定が遅れるか、または同定のため、より高いレベルの実験室に不必要に照会することを避けるため、レベルA実験室が、試験試料から炭疽菌の存在を少なくとも除外し、そしてより好ましくは、試料中の炭疽菌の存在を同定することを迅速に可能にする必要性が存在し続けている。
発明の概要
本発明の1つの側面は、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号34、標的配列いずれか1つの相補配列、またはRNA均等物の炭疽菌標的配列に含有される配列に特異的にハイブリダイズする、約20〜40ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドである。こうしたオリゴヌクレオチドの態様には、配列番号21、配列番号22、配列番号23、または配列番号24、pagA標的配列のいずれか1つの相補配列、またはRNA均等物の配列に含有されるpagA標的配列に特異的にハイブリダイズする、オリゴヌクレオチドが含まれる。これらのpagA標的配列に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの例には、配列番号21に特異的にハイブリダイズする、配列番号1または配列番号2のオリゴヌクレオチド、配列番号22に特異的にハイブリダイズする、配列番号3または配列番号4のオリゴヌクレオチド、配列番号23に特異的にハイブリダイズする、配列番号5または配列番号6のオリゴヌクレオチド、および配列番号24に特異的にハイブリダイズする、配列番号7または配列番号8のオリゴヌクレオチドが含まれる。本発明の他の態様には、配列番号25または配列番号26、capB標的配列のいずれか1つの相補配列、またはRNA均等物の配列に含有されるcapB標的配列に特異的にハイブリダイズする、オリゴヌクレオチドが含まれる。配列番号25に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの例は、配列番号9、配列番号10、配列番号11または配列番号12のオリゴヌクレオチドである。配列番号26に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの例は、配列番号13または配列番号14のオリゴヌクレオチドである。本発明のさらなる態様は、配列番号31、その相補配列、またはRNA均等物の標的配列に含有されるバチルス属種の16S rRNAまたは16S rRNA配列をコードするDNAに特異的にハイブリダイズする、約18〜40塩基のオリゴヌクレオチドである。こうしたオリゴヌクレオチドの例には、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号37、配列番号38、または配列番号39のものが含まれる。本発明の別の態様は、配列番号32、その相補配列、またはRNA均等物の標的配列に含有されるバチルス属種の23S rRNAまたは23S rRNA配列をコードするDNAに特異的にハイブリダイズする、約20〜50塩基のオリゴヌクレオチドである。こうしたオリゴヌクレオチドの例には、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号35、または配列番号36のものが含まれる。これらのオリゴヌクレオチドのいずれも、DNA主鎖もしくはRNA主鎖、または混合DNAおよびRNA主鎖を有するか、あるいは塩基を連結する少なくとも1つの2’−メトキシRNA基を含有することも可能である。これらのオリゴヌクレオチドのいずれも、オリゴヌクレオチドに直接または間接的に連結されたシグナル産生標識を含むことも可能である。好ましい標識は、化学発光化合物である。
本発明の別の側面は、試料中の炭疽菌核酸を検出する方法であって、炭疽菌核酸を含有する試料を提供し、pXO1プラスミドに含有されるpagA標的配列に特異的にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、およびpXO2プラスミドに含有されるcapB標的配列に特異的にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブを提供し、少なくとも1つのプローブをpagA標的配列に、または少なくとも1つのプローブをcapB標的配列に、あるいは少なくとも1つのプローブをpagA標的配列にそして少なくとも1つのプローブをcapB標的配列に、特異的にハイブリダイズさせ、そしてpagA標的配列またはcapB標的配列にハイブリダイズした少なくとも1つのプローブの存在を検出して、試料中の炭疽菌の存在を示す工程を含む、前記方法である。該方法の態様において、pagA標的配列は、配列番号33、またはその相補配列、またはRNA均等物の配列に含有され、そしてcapB標的配列は、配列番号34、またはその相補配列、またはRNA均等物の配列に含有される。該方法のいくつかの態様において、pagA標的配列は、配列番号21、配列番号22、配列番号23、または配列番号24、これらの配列のいずれか1つの相補配列、またはRNA均等物の配列に含有され、そしてcapB標的配列が、配列番号25または配列番号26、これらの配列のいずれか1つの相補配列、またはRNA均等物の配列に含有される。いくつかの態様において、ハイブリダイズ工程は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、または配列番号8のオリゴヌクレオチドである、pagA標的配列に特異的な少なくとも1つのプローブ、あるいは配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、または配列番号14のオリゴヌクレオチドである、capB標的配列に特異的な少なくとも1つのプローブを含む。該方法のいくつかの態様は、セレウス菌複合種のなかで保存されている16Sまたは23S rRNA配列あるいは16Sまたは23S rRNA配列をコードするDNAに特異的にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブを提供し、少なくとも1つのプローブを、セレウス菌複合種のなかで保存されている16Sまたは23S rRNA配列あるいは16Sまたは23S rRNA配列をコードするDNAにハイブリダイズさせ、そしてセレウス菌複合種のなかで保存されている16Sまたは23S rRNA配列あるいは16Sまたは23S rRNA配列をコードするDNAにハイブリダイズした少なくとも1つのプローブの存在を検出し、それによって、試料中のセレウス菌複合生物の存在を示す工程をさらに含む。好ましい態様において、16S rRNAまたは16S rRNA配列をコードするDNAに特異的にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブは、配列番号31、その相補配列、またはRNA均等物に含有される配列に特異的にハイブリダイズする、18〜40塩基のオリゴヌクレオチドである。こうしたオリゴヌクレオチドには、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号37、配列番号38、または配列番号39の配列を有するものが含まれる。該方法の別の態様は、配列番号32、その相補配列、またはRNA均等物の配列に含有される配列に特異的にハイブリダイズする、20〜50塩基のオリゴヌクレオチドである、23S rRNAまたは23S rRNA配列をコードするDNAに特異的にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブを用いる。こうしたオリゴヌクレオチドには、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号35、または配列番号36のものが含まれる。該方法の別の態様において、提供工程は、真性細菌種に存在する遺伝子配列に特異的にハイブリダイズするプローブを含み、ハイブリダイズ工程は、プローブを、真性細菌種に存在する遺伝子配列に特異的にハイブリダイズさせることを含み、そして検出工程は、真性細菌種に存在する遺伝子配列にハイブリダイズしたプローブを検出し、それによって、バチルス属配列がアッセイ中でまったく検出されなかった際も、方法工程が適切に行われたことを示すことを含む。好ましい態様において、プローブは配列番号40の配列を有し、そしてrRNAまたはrRNAをコードするDNAにハイブリダイズしたこのプローブが検出されることは、試料中に真性細菌が存在することを示す。本発明のさらなる態様は、該方法を実施するためのキットであって、配列番号21、配列番号22、配列番号23、または配列番号24、これらの配列のいずれか1つの相補配列、またはRNA均等物のpagA標的配列に含有される配列にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、および配列番号25または配列番号26、これらの配列のいずれか1つの相補配列、またはRNA均等物のcapB標的配列に含有される配列に特異的にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブを含む、前記キットを含む。キットは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、または配列番号8のオリゴヌクレオチドである、pagA標的配列に特異的な少なくとも1つのプローブ、および配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、または配列番号14のオリゴヌクレオチドである、capB標的配列に特異的な少なくとも1つのプローブを含むことも可能である。
以下の詳細な説明は、本発明の多様な態様を例示し、こうした例示は、本発明の原理を説明するよう働く。
詳細な説明
本発明は、炭疽菌核酸を含有する試料を提供し、炭疽菌のpXO1プラスミドおよびpXO2プラスミドに含有される遺伝子配列に特異的にそして独立に結合する少なくとも2つの検出プローブにハイブリダイズさせ、そしてpXO1遺伝物質に結合したプローブおよび/またはpXO2遺伝物質に結合したプローブの存在を検出して、試料中の炭疽菌の存在を示すことによって、試料中の炭疽菌核酸を検出する方法を提供する。該方法は、in vitroで、生物学的試料中の生物を増殖させ、そして試料中の生物を溶解して炭疽菌核酸を放出させることを含むことも可能である。該方法はまた、バチルス属16Sまたは23S rRNAに特異的なrRNA配列に、少なくとも1つの標識プローブを結合させる工程を含むことも可能であり、ここで、プローブに結合される配列は、セレウス菌複合種(すなわち炭疽菌、B.チューリンゲンシス、およびセレウス菌)のなかで保存されており、そしてrRNAまたはrRNA配列をコードするDNAに結合したプローブの存在を検出して、試料中のセレウス菌複合生物の存在を示す工程を含むこともまた可能である。例えば、該方法は、炭疽菌、B.チューリンゲンシスおよびセレウス菌の間で完全に保存されているが、炭疽菌およびB.ミコイデス間では完全には保存されていないバチルス属16S rRNA配列に特異的な、少なくとも1つの標識プローブを結合させる工程を含むことも可能であり、すなわち結合配列は、炭疽菌およびB.ミコイデス間の少なくとも1つのヌクレオチド相違を含有する。16S rRNA配列に結合したプローブの存在が検出されることは、試料中に炭疽菌またはセレウス菌複合種の別の種が存在することを示す。また、例えば、該方法は、少なくとも1つの検出プローブ、および場合によって検出プローブとともに1以上のヘルパーオリゴマーを用いて、23S rRNA配列にハイブリダイズさせ、そして該配列の存在を検出して、炭疽菌および/または緊密に関連するバチルス属種の存在を示すことも可能である。該方法の別の態様は、真性細菌rRNAまたはrRNA配列をコードするDNAに特異的に結合するプローブをハイブリダイズさせて、アッセイにおいて、別のプローブを用いて、バチルス属または炭疽菌の配列が検出されなかった場合であっても、アッセイ工程が適切に行われたことを示すシグナルを産生する。こうした工程は、アッセイの内部対照として働いた。
本発明は、プラスミドpXO1およびpXO2に含有される炭疽菌遺伝子配列に、すなわち配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、または配列番号26の配列内に含有される標的配列に、特異的に結合するオリゴヌクレオチドの核酸配列を含む。標的配列に結合するオリゴヌクレオチドは、20〜40ヌクレオチドの範囲の長さ、好ましくは25〜35ヌクレオチドの範囲の長さであることも可能である。こうしたオリゴヌクレオチドの態様は、配列番号1〜配列番号14の配列を有するものを含む。本発明の方法を実施するのに有用な他のオリゴヌクレオチドには、配列番号15〜配列番号20のオリゴヌクレオチドを含む、配列番号31の標的配列に特異的にハイブリダイズするバチルス属種の16S rRNA配列に特異的なもの、および配列番号27〜配列番号30のオリゴマーを含む、配列番号32の標的配列に特異的にハイブリダイズするバチルス属種の23S rRNA配列に特異的なものが含まれる。バチルス属rRNAをコードするDNA配列に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドのさらなる態様が、配列番号36および配列番号37に例示される。本発明のオリゴヌクレオチドには、DNA主鎖もしくはRNA主鎖、または混合DNAおよびRNA配列を有するか、あるいは塩基を連結する少なくとも1つの2’−メトキシRNA基を含有するものが含まれる。これらのオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドに直接または間接的に連結されたシグナル産生標識を含むことも可能である。
本発明は、炭疽菌のpXO1プラスミドおよびpXO2プラスミドの選択された配列に特異的にハイブリダイズする核酸配列を含有するオリゴヌクレオチドを含む。本発明は、pXO1プラスミドおよびpXO2プラスミドの配列に特異的にハイブリダイズする核酸プローブを検出することによって、試料中の炭疽菌の存在を検出する方法を含む。態様は、プラスミドpXO1(GenBank寄託番号M22589)のpagA遺伝子およびプラスミドpXO2(GenBank寄託番号AF188935)のcapB遺伝子に含有される配列を特異的に検出する。いくつかの態様は、配列番号21〜配列番号24の配列に含有されるpXO1プラスミドの配列に特異的に結合するオリゴマーであり、一方、他の態様は、配列番号25および配列番号26の配列に含有されるpXO2プラスミドの配列に特異的に結合するオリゴマーである。
本発明の説明を理解するのを補助するため、本明細書に用いる用語のいくつかの定義を提供する。別に定義しない限り、本明細書に用いるすべての科学的用語および技術的用語は、相当する技術分野の当業者に一般的に理解されるのと同一の意味、例えば、Dictionary of Microbiology and Molecular Biology,第2版(Singletonら,1994,John Wiley & Sons,ニューヨーク州ニューヨーク)、The Harper Collins Dictionary of Biology(Hale & Marham,1991,Harper Perennial,ニューヨーク州ニューヨーク)、およびDorland’s Illustrated Medical Dictionary,第27版(W.A. Dorland,1988,W.B.Saunders Co.,ペンシルバニア州フィラデルフィア)に提供される意味を有する。
「相補」核酸(または「相補性」)は、官能基の配向のため、一般的には水素結合を介して、相対する鎖の別の核酸配列にハイブリダイズするであろう、核酸の一方の鎖の核酸配列を指す。DNA中の標準的塩基対形成は、一方の鎖のアデニン(A)が相対する鎖のチミン(T)に結合し、そしてシトシン(C)が相対する鎖のグアニン(G)に結合することを意味する。RNAでは、ウラシル(U)がTと交換されて、相対する鎖のAに結合することを除いて、同じ結合関係が生じる。「実質的な相補性」または「実質的に相補的な」は、一方の鎖の核酸配列が、相対する鎖の核酸配列に100%の相補性ではないが、相補塩基間に十分な水素結合が形成されて、適切な条件(例えば塩溶液濃度および温度)で、2つの鎖が安定な複合体を形成するのを許すことを意味する。「十分な相補性」または「十分に相補的」は、用いるハイブリダイゼーション条件下で、相補塩基間の水素結合によって、連続する核酸配列が、別の連続する核酸配列にハイブリダイズすることを意味する。相補配列は、標準的塩基対形成(例えばG:C、A:TまたはA:U対形成)を用いることによって、配列の各位で相補的であることも可能であるし、または標準的水素結合を用いて相補的ではない(イノシン、または無塩基性残基を含む別の類似体への結合によるなど)1以上の残基を有することも可能であるが、相補配列全体は、適切なハイブリダイゼーション条件において、別の配列と特異的にハイブリダイズ可能である。適切なハイブリダイゼーション条件が周知であり、そして該条件は、配列組成に基づいて容易に予測することも可能であり、または日常的な試験を用いることによって、実験的に決定することも可能である(例えば、Sambrookら,Molecular Cloning,A Laboratory Manual(第2版),Vol.1−3,1989(Cold Spring Harbor Laboratory,ニューヨーク州コールドスプリングハーバー),pp.1.90−1.91、7.37−7.57、11.12−11.13および11.47−11.57を参照されたい)。核酸オリゴマーは、相補性を破壊することなく、さらなる部分(例えば、核酸に直接付着するか、またはリンカー部分を介して間接的に付着する標識)を含有することも可能である。
「ハイブリダイゼーション条件」は、1つの一本鎖核酸が、第二の一本鎖核酸中の相補配列または実質的な相補配列に結合して、安定なハイブリダイゼーション複合体(または単に「複合体」)を産生する反応に用いる、累積環境を指す。こうした環境には、例えば、一本鎖核酸を含有する水性溶液または有機性溶液(例えば塩、キレート剤、非競合阻害剤核酸、pH)の構成要素の化合物および濃度が含まれ、そしてこうした環境は、他の要因、例えばハイブリダイゼーションが起こることを許された時間の長さ、反応チャンバーの形状、および混合または攪拌の使用によって影響を受ける可能性もある(例えばSambrookら、pp.1.90−1.91、9.47−9.51、11.47−11.57を参照されたい)。
「標識」は検出可能であるか、または例えば、検出可能産物を産生する反応に関与することによって、検出可能なシグナルを導くことも可能な分子部分を指す。標識は、例えば、発光(蛍光、生物発光、または化学発光など)部分、放射性同位体、ビオチン、アビジン、酵素または酵素基質、反応性基、または発色団(色素または検出可能な色を与える粒子など)であることも可能である。
「標識プローブ」は、検出可能部分、例えば蛍光または発光部分、放射性同位体、ビオチン、アビジン、酵素または触媒基、酵素基質、発色団または反応性基と直接または間接的に会合した、核酸配列、好ましくはDNAまたはRNAオリゴマーである。こうした標識プローブの産生および/または使用の例が、周知である(Sambrookら,第10章;Nelsonら、米国特許第5,658,737号;Woodheadら、米国特許第5,656,207号;Hoganら、米国特許第5,547,842号;Arnoldら、米国特許第5,283,174号;Kourilskyら、米国特許第4,581,333号;およびBeckerら、欧州特許出願第0 747 706号)。
「ヘルパーオリゴマー」または「ヘルパープローブ」は、標識プローブが結合するのと異なる領域で、標的核酸に結合する核酸オリゴマーであって、標的配列への標識プローブオリゴマーのハイブリダイゼーション効率を増加させるのに用いる前記核酸オリゴマーを指す(Hoganら、米国特許第5,030,557号)。ヘルパーオリゴマーは、一般的に、予測される二次構造または三次構造を含有する標的核酸内の配列に結合するように設計され、そして標的配列へのオリゴヌクレオチドプローブの結合速度を加速する目的で、プローブオリゴマーの標的配列の近くに位置する。ヘルパーオリゴヌクレオチドは、標識プローブと組み合わせて用いる場合、標識されていないが、標識プローブの結合を促進し、そしてしたがって、ハイブリダイゼーションから生じる検出可能シグナルを間接的に増進する。1以上のヘルパーオリゴマーをハイブリダイゼーション反応に含んで、標的配列への標識プローブの結合効率を増加させることも可能であるが、ヘルパーオリゴマーは、アッセイの、場合による構成要素である。
「核酸」は、長さ少なくとも2、そして好ましくは10ヌクレオチド(nt)以上のポリデオキシリボヌクレオチド(DNAまたはその類似体)またはポリリボヌクレオチド(RNAまたはその類似体)を指す。用語「核酸」には、一本鎖(ss)、二本鎖(ds)、または三本鎖いずれでもよいポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチドまたはオリゴマー、並びにポリマーDNAおよびRNA分子が含まれる。本明細書に開示する核酸配列は、DNAまたはRNAいずれであることも可能であり、そして塩基配列は、二者択一の主鎖(すなわちRNAまたはDNA)を含む対応する配列、または2’−メトキシ基または他の核酸類似体、たとえばペプチド連結を含む主鎖を含む。
「オリゴヌクレオチド」または「オリゴマー」は、ホスホジエステル連結の主鎖(DNAまたはRNA中)、修飾連結、または相補的標的配列へのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを妨げない非ヌクレオチド部分を介して連結される、少なくとも2つのヌクレオチドで構成される、核酸配列を指す。修飾連結には、標準的ホスホジエステル連結が、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、またはポリアミド連結などの異なる連結と交換されるもの(例えばペプチド核酸または「PNA」中)が含まれる。窒素塩基類似体がオリゴヌクレオチドの構成要素であることも可能であり、そしてヌクレオチド・サブユニットの糖基は、リボース、デオキシリボース、またはOMeなどのその修飾誘導体であることも可能である。オリゴマーは、一般的に、通常、長さ約100ヌクレオチドまでの、8以上の連結ヌクレオチドを有する。オリゴヌクレオチドおよび類似体配列を合成する方法が当該技術分野に周知である(例えば、Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach,Gait監修(IRL Press,Oxford,1984),Kuijpers,Nucl.Acid Res.18(17):5197(1994),Ducholm,J.Org.Chem.59:5767(1994)、米国特許第5,143,854号(Pirrungら)、および米国特許第6,156,501号(McGallら)を参照されたい)。オリゴマープローブは、場合によって、核酸に直接または間接的にコンジュゲート化される検出可能標識を有することも可能である。当業者が標識を核酸プローブに取り込むことを可能にする、日常的なプロトコルが利用可能である。ハイブリダイゼーション中で使用するため、一般的にプローブは、標的配列と、効率的な相補的塩基対形成を可能にするように、一本鎖にされる(例えば、Sambrookら, pp.11.1−11.61)。
「標的」または「標的配列」は、相補的塩基対形成を用いることによってプローブ配列が結合する核酸配列を指す。1以上のプローブ配列の標的配列は、より大きい標的配列、例えば完全遺伝子配列のサブセットであることも可能である。例えば、「プローブA」は、相補的な「標的配列A」を有し、そして「プローブB」は、相補的な「標的配列B」を有し、そして「標的配列A」および「標的配列B」両方を含んでなる、より大きい「標的配列C」は、さらなる標的配列を含んでなることも可能である。別の例において、「プローブA」および「プローブB」は、「遺伝子X標的配列」の異なるサブセットに相補的な配列を有する。別の例において、多数のプローブが、異なるが重複する配列を有し、そしてこれらの多数のプローブは、多数の重複するプローブ配列の累積する連続配列に相補的な標的配列に結合する。
「T」は、2つの核酸鎖間に形成されるハイブリダイゼーション複合体の集団が、50%変性する融解温度を指す。2つの核酸鎖のT未満の温度では、安定なハイブリダイゼーション複合体の形成が支持され、一方、Tより高い温度では、複合体形成が支持されない。Tは、日常的な方法を用いることによって実験的に決定するか、または既知の数学式を用いることによって概算することも可能である。例えば、水性1M NaCl溶液中、既知のG+C含量を有する核酸のTの単純な概算値を、等式T=81.5+0.41(%G+C)を用いることによって計算するが、核酸の構造的特性を考慮に入れた他の計算もまた、当該技術分野に周知である(例えば、T=0.401(長さnt)+0.576(%G+C)+24.852)。
特異的ハイブリダイゼーションによって、意図される標的配列を検出するオリゴヌクレオチドプローブの選択は、いくつかの考慮事項に頼り、これらには、プローブの長さおよびヌクレオチド塩基組成、並びにプローブ−標的ハイブリダイゼーション複合体の熱安定性(T)が含まれる(Sambrookら、pp.11.45−11.57を参照されたい)。より長いプローブは、一般的に、より高い安定性を有するが、より短いプローブの場合は、ミスマッチ識別が増加するため、すなわち短いプローブおよびその標的間に塩基ミスマッチが発生すると、より長いプローブを用いた場合のミスマッチよりも、二重鎖に対する不安定化効果がより大きいため、より短いプローブは、しばしば、より高い特異性を有する。一般的に、プローブオリゴマーは、約18〜50ヌクレオチドのサイズ範囲、好ましくは25〜35ヌクレオチドの範囲である。プローブ−標的二重鎖のTに加えて、プローブオリゴマーまたはその標的の内部構造もまた、ハイブリダイゼーション効率に影響を及ぼしうる。例えば、自己相補配列は、分子内ヘアピンターンまたは分子間マルチハイブリッド複合体などの、プローブおよび標的間のハイブリダイゼーションに干渉しうる、より高次の構造を形成する可能性もある。したがって、プローブおよび標的配列を選択する際は、潜在的な自己相補配列を回避する。プローブまたは標的は、直接または間接的に、フィルター、膜、ビーズ、スライドまたはチップなどの固体支持体に付着させることも可能であるが、溶液相ハイブリダイゼーションは、固相ハイブリダイゼーションに比較して、より効率的な動力学を提供する。
「から本質的になる」によって、本発明の基本的でそして新規の特性を実質的に変化させないさらなる構成要素(単数または複数)、組成物(単数または複数)、または方法工程(単数または複数)が含まれていることも可能であることを意味する。こうした特性には、プラスミドpXO1およびpXO2上の遺伝子配列に特異的にハイブリダイズする少なくとも2つの核酸プローブ、例えば、プラスミドpXO1のpagA配列に特異的な少なくとも1つのプローブおよびプラスミドpXO2のcapB配列に特異的な少なくとも1つのプローブを用いることによる、プラスミドpXO1およびpXO2両方を所持する炭疽菌株の検出が含まれる。プラスミドpXO1のpagA遺伝子およびプラスミドpXO2のcapB遺伝子に特異的に結合し、そしてこれら遺伝子を検出する、開示されるオリゴヌクレオチドプローブに比較して、プローブ配列長を増加させるかまたは減少させることも可能な、特異的プローブ配列への変化が、変化したプローブ配列が特異的プローブ配列の意図する標的配列にハイブリダイズすることを可能にし、そして本明細書記載の条件を用いて、無毒性炭疽菌株から毒性炭疽菌株を区別することを可能にするならば、変化は実質的とは見なされない。プラスミドpXO1のpagA遺伝子およびプラスミドpXO2のcapB遺伝子に特異的にハイブリダイズする、少なくとも2つの核酸プローブを用いることによって、炭疽菌株を検出するための開示する方法に比較して、試薬(例えば核酸または他の構成要素)を添加するかまたは置換するか、あるいはアッセイに工程を付加することを含むことも可能な、方法に対する変化が、本明細書に開示する条件下の、それぞれの標的配列との少なくとも2つのプローブの特異的ハイブリダイゼーションまたはそれぞれの標的配列に結合したプローブの検出に干渉しないならば、変化は実質的とは見なされない。本発明の基本的でそして新規の特性に実質的な影響を有するいかなる構成要素(単数または複数)、組成物(単数または複数)、または方法工程(単数または複数)も、この用語には属さないであろう。
別に言及しない限り、本明細書で使用するかまたは意図する技術は、一般の当業者に周知の標準的方法論である(例えば、Sambrookら,Molecular Cloning,A Laboratory Manual(第2版),Vol.1−3,1989(Cold Spring Harbor Laboratory,ニューヨーク州コールドスプリングハーバー)を参照されたい)。
炭疽菌遺伝子配列を検出するための核酸配列
本発明は、プラスミドpXO1およびpXO2に、そして場合によって16Sおよび/または23S rRNAまたはrRNAをコードする遺伝子に含有される炭疽菌遺伝物質に特異的に結合するオリゴヌクレオチドの核酸配列を含む。一般的に、オリゴヌクレオチドは、59℃〜75℃の範囲のT、20〜50ヌクレオチドの範囲の長さ、そして40〜64%の範囲のG+Cパーセンテージを持つ、最小限の自己アニーリング二次構造を示す配列を選択するように設計された。
プラスミドpXO1およびpXO2中の標的配列は、pXO1のpagA配列およびpXO2のcapB配列内に含有される。より具体的には、標的配列は、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24のpagA配列、並びに配列番号25および配列番号26のcapB配列に含有される。これらの標的配列に結合するオリゴヌクレオチドの態様は、長さ約20〜40ヌクレオチドの範囲、好ましくは約25〜35ヌクレオチドの範囲にあることも可能である。こうしたオリゴヌクレオチドの態様には、pagA標的配列に関しては、配列番号1〜配列番号8、そしてcapB標的配列に関しては、配列番号9〜配列番号14の配列を有するものが含まれる。オリゴヌクレオチドの態様には、DNA主鎖もしくはRNA主鎖、混合DNAおよびRNA配列、または少なくとも1つの2’−メトキシRNA連結基を有するものが含まれる。オリゴヌクレオチドのいくつかの態様には、オリゴヌクレオチドに直接または間接的に連結されることも可能なシグナル産生標識が含まれる。
他のバチルスまたは非バチルス属生物から区別可能な、セレウス菌複合群の生物を検出するこれらの方法では、炭疽菌のpXO1およびpXO2プラスミドの遺伝子配列を検出する核酸配列および方法に加えて、セレウス菌複合体のバチルス属種の16Sまたは23S rRNAまたはrRNAをコードする遺伝子の配列を検出するプローブが有用である。pXO1および/またはpXO2プラスミドの遺伝物質の検出を、セレウス菌複合群の16Sまたは23S rRNAあるいはrRNAをコードする遺伝子の検出と組み合わせた際、組み合わせた情報は、毒性炭疽菌株を無毒性株またはセレウス菌複合体の他の種から区別するのに有用である。例えば、試料が、セレウス菌複合体のrRNA配列またはrRNAをコードする遺伝子に関して陽性検出シグナルを提供するが、pXO1およびpXO2標的配列両方に関して陰性シグナルを提供する場合、試料は病原性炭疽菌を含有しないが、セレウス菌複合体の別の種または非病原性炭疽菌株(すなわち両方のプラスミドを欠くもの、pXO1−/pXO2−)を含有すると合理的に結論付け可能である。試料が、セレウス菌複合体のrRNA配列またはrRNAをコードする遺伝子に関して陽性検出シグナルを提供し、そしてpXO1およびpXO2プラスミド標的配列の1つに関して陽性シグナルを提供する場合、試料は1つのプラスミドを欠く炭疽菌(pXO1−/pXO2+またはpXO1+/pXO2−、どちらの陽性シグナルが検出されるかに応じる)を含有すると合理的に結論付け可能である。同様に、試料がセレウス菌複合体のrRNA配列またはrRNAをコードする遺伝子に関して陽性検出シグナルを提供し、そしてpXO1およびpXO2プラスミド標的配列両方に関して陽性シグナルを提供する場合、試料は、野生型炭疽菌株におけるように、両方のプラスミドを含有する炭疽菌株(pXO1+/pXO2+)を含有すると合理的に結論付け可能である。大部分の場合、試料中の炭疽菌の存在を検出するのに有用な情報は、1つまたは両方のプラスミドに対するプローブからの陽性シグナルの検出(すなわちpXO1−/pXO2+またはpXO1+/pXO2−またはpXO1+/pXO2+株)であろうし、そしてセレウス菌複合体の16Sまたは23S rRNAあるいはrRNAをコードする遺伝子の検出に関する陽性結果は、試料中の炭疽菌の存在に関する確認情報を提供するであろう。
炭疽菌のrRNAまたはrRNAをコードする遺伝子に特異的なオリゴヌクレオチドを設計するため、炭疽菌を含む多様なバチルス属種由来の、16Sおよび23S rRNA両方をコードする遺伝子およびrRNAをコードする既知の遺伝子配列を比較して、そしてB.チューリンゲンシスおよびセレウス菌のものを除いて、炭疽菌配列が、緊密に関連するバチルス属種の同じ領域の配列から有意な相違を示す領域に相補的なオリゴヌクレオチドを選択した。例えば、炭疽菌の23S rRNA配列のオリゴヌクレオチドプローブ配列の選択には、炭疽菌の既知の23S rRNA配列(Genbank寄託番号AF267734)を、B.チューリンゲンシス、セレウス菌、B.ミコイデス、巨大菌、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)、B.ステアロサーモフィルス(B.stearothermophilus)、およびB.グロビスポラス(B.globisporus)の並列させた既知の23S rRNA配列に比較した。他の種と比較して、炭疽菌(およびB.チューリンゲンシスおよびセレウス菌)との間で最高量の相違を示した領域を、潜在的な標的として選択した。その後、上述の基準を用いて、特異的プローブオリゴマーを設計した(例えば予測される二次構造の限定、適切なGC含量およびT)。炭疽菌配列(Genbank寄託番号AF176321)を、B.チューリンゲンシス、セレウス菌、B.ミコイデス、巨大菌、B.リケニフォルミス、B.グロビスポラス、およびB.ステアロサーモフィルスの並列させた既知の配列に比較することによって、炭疽菌16S rRNAまたはrRNAをコードする遺伝子に特異的なプローブを設計するため、同様の工程を行った。ヘルパーオリゴヌクレオチドとして働くことも可能なオリゴマーを設計し、そして設計したプローブの標的配列の近くに位置する領域を標的とし、特に、高次構造を含有すると予測される領域に向けた(先にHoganら、米国特許第5,030,557号に記載されるとおり)。以下の実施例で用いるように、ヘルパーオリゴヌクレオチドは、標識プローブおよびその標的配列間のハイブリダイゼーションの動力学を増進し、そして/または標識プローブおよびその標的配列間のハイブリダイゼーションの度合いを増加させるように設計したが、とはいえ、こうして設計したヘルパーオリゴマーは、実施例に例示される態様に関して記載される特定の条件下で、最適に機能しなかった可能性もある。
バチルス属種の16S rRNA配列の検出に有用なオリゴヌクレオチドには、配列番号31またはその相補鎖配列またはRNA均等物の標的配列に特異的にハイブリダイズするものが含まれる。こうしたオリゴヌクレオチドの態様には、配列番号15〜配列番号20のもの、およびその相補的またはDNAまたはRNA配列が含まれる。いくつかの態様において、これらのオリゴヌクレオチドの2以上の組み合わせは、1以上のオリゴマーが標識プローブであり、そして1以上のオリゴヌクレオチドが非標識であり、そして標識プローブとその標的配列のハイブリダイゼーションの効率を増加させるヘルパーオリゴヌクレオチドとして働く場合、16S rRNA標的配列の検出を促進する。ヘルパーオリゴマーの態様には、配列番号17および配列番号18のものまたはその相補配列またはRNA配列が含まれる。
バチルス属種の23S rRNA配列の検出に有用なオリゴヌクレオチドには、配列番号32またはその相補鎖配列またはRNA均等物の標的配列に特異的にハイブリダイズするものが含まれる。態様には、配列番号27〜配列番号30、配列番号35および配列番号36のオリゴマーおよびその相補配列またはRNA配列が含まれる。いくつかの態様において、これらのオリゴヌクレオチドの2以上の組み合わせは、1以上のオリゴマーが非標識ヘルパーオリゴマーである場合、23S rRNA標的配列の検出を促進する。こうしたヘルパーオリゴマーの態様には、配列番号27および配列番号29のものまたはその相補配列またはRNA配列が含まれる。適切なハイブリダイゼーション条件が達成されたことを独立に確認するアッセイには、さらなるオリゴマーが含まれることも可能である。こうしたさらなるオリゴマーには、先に記載されるような、真性細菌配列にハイブリダイズするものが含まれる(Hoganら、米国特許第5,679,520号)。真性細菌プローブおよびヘルパーオリゴマーの態様は、配列番号40〜43のものである。
炭疽菌核酸を検出する方法
本発明の検出法で使用するため、炭疽菌生物(生存可能芽胞、生存細菌、またはその混合物を含む)を含有しうる試料を提供する。試料は、生物学的標本または環境試料を含むいかなる供給源由来であることも可能であるし、そして炭疽菌生物に加えて、他の生物学的(生存または生存不能)物質または不活性物質を含有することも可能である。例えば、生物学的試料または生物学的標本には、炭疽菌生物を含有しうる、生存または死亡生物由来のいかなる組織も含まれる。こうした試料には、例えば、ヒトまたは動物起源の出血液、末梢血、骨髄、血漿、皮膚損傷由来のものを含む生検試料、リンパ節、口腔咽頭組織、呼吸組織または滲出物または洗浄液、胃腸組織、神経系組織(例えば脳組織、髄膜、脳脊髄液)、尿、糞便、精液、または他の体液または組織が含まれる。表面および/または作業員が生きた細胞または芽胞で汚染されないように、炭疽菌を含有しうる試料の扱いには注意を払わなければならない。一般的に、試料を適切な微生物培地内にまたは培地上に接種し、そして周知の微生物学的技術を用いてインキュベーションして、バチルス属生物を増殖させる(例えば血液寒天プレート上にストリークして、そして18〜24時間増殖させる)。培養物を用いて、試料中に存在する生物に関する表現型情報を提供することも可能である(例えばコロニー形態、溶血活性)。次いで、炭疽菌核酸、特にpXO1およびpXO2プラスミドに所持される配列の存在に関して試験するため、培養した試料を用いて、生物の溶解物を作成して核酸を放出させる。
典型的には、培養した試料(例えば寒天プレートからの1以上のコロニーまたは約2〜4μlの液体培養物)から生物学的物質を採取し、そして多様な周知の方法のいずれかを用いて、溶解して核酸を放出させる(例えばSambrookら pp.1.22−1.39,Graves L.M.ら,“Universal Bacterial DNA Isolation Procedure”,Diagnostic Molecular Microbiology,Principles and Applications(Persingら監修),1993,American Society for Microbiology(ワシントンDC)中,pp.617−622,Murphyら、米国特許第5,374,522号、およびKacianら、米国特許第5,386,024号を参照されたい)。培養した試料は、感染性生物を含有しうるため、好ましくは試料を処理して生存生物を殺し、そして芽胞を不活性化して、そして溶解させる。1つの方法は、約2〜4ループ分の細菌(約2〜4μl)を寒天プレートから採取し、界面活性剤を含有する溶解緩衝液(例えば約0.35〜0.7mlの0.1%ラウリル硫酸リチウム(LLS)、20mMコハク酸リチウム、pH5.5、1mM EDTA)と混合し、混合物を90〜105℃に15分間加熱し、そして混合物を15分間、超音波処理した(例えば水槽超音波処理装置中)。溶解物を冷却して(例えば氷上)、標的配列の一本鎖DNA型(ssDNA)維持を補助することも可能である。溶解後、標準法を用いた重力または遠心分離によって(例えば微量遠心分離機中で1分間)、細胞破片を液体から分離することも可能である。さらなる試料調製工程には、例えば溶解物中のRNAの加水分解(例えばDNA標的を検出するのに特異的なプローブとともに使用するため)が含まれることも可能である。RNAの加水分解は、塩基溶液を溶解物に添加し(例えば最終濃度0.8M LiOH)、混合物を加熱し(例えば60℃で15分間)、そして次いで塩基を中和する(例えば酸および緩衝液で)ことによって、達成可能である。
少なくとも2つの核酸オリゴマープローブであって、pXO1プラスミドに通常所持される遺伝子に特異的な少なくとも1つ、およびpXO2プラスミドに通常所持される遺伝子に特異的な少なくとも1つである、前記核酸オリゴマープローブを用いるハイブリダイゼーション反応中で、溶解物のアリコットを用いる。プローブオリゴマーは、プローブが相補的標的配列に特異的に結合して、安定なハイブリダイゼーション複合体を形成する条件下で、相補的塩基対形成によって、溶解物中の核酸配列にハイブリダイズする。こうしたハイブリダイゼーション条件は、当該技術分野に周知であり、そして日常的な試験を行うことによって、いかなる配列および長さの核酸プローブに関しても、容易に決定することが可能である(例えば、Sambrookら、pp.1.90−1.91、9.47−9.53、および11.55−11.57)。プローブおよびその意図される標的間の安定なハイブリダイゼーション複合体の形成は、プローブのすべての塩基が標的配列に完全に相補的であるか、またはプローブ中の塩基が、意図される標的配列に実質的に相補的である、ハイブリダイゼーションから生じうる。本発明の検出プローブは、その意図される標的に少なくとも80%相補的であり、そしてより好ましくは標的配列に90〜100%の範囲で相補的である。オリゴマープローブが結合する標的配列は、安定なハイブリダイゼーション複合体の形成を可能にするいかなる型であることも可能である。例えば、標的核酸は、完全遺伝子またはプラスミドにクローニングされた遺伝子(スーパーコイル型または弛緩環状型、または直鎖型)のように、完全でそして損なわれていないことも可能であるし、あるいはプローブが結合し、そして安定なハイブリダイゼーション複合体を形成するのを可能にするのに十分であれば、標的核酸は、標的遺伝子の一部を含有する連続配列のように、断片であることも可能である。
ハイブリダイゼーション条件および方法は周知であり、そして別の箇所に詳細に記載されている(例えば、Sambrookら、1.101−1.102、9.47−9.62、11.7−11.8、11.12−11.13、11.17−11.19、11.45−11.61、付録B、C、およびE)。関連する動力学が好ましいため、溶液相ハイブリダイゼーションが好ましい(Kohne、米国特許第4,851,330号)。例えば、上述のような細菌溶解物のアリコットを、緩衝塩溶液などのハイブリダイゼーション緩衝液と、そして少なくとも、pXO1およびpXO2プラスミド上の配列に独立に、そして特異的にハイブリダイズする核酸プローブと混合する。アッセイの内部対照または較正として働く、既知の配列にハイブリダイズするプローブなど、さらなるプローブまたは核酸が混合物に含まれていることも可能である。混合物を、それぞれの標的配列に対するプローブのTより低い温度で、数分から数時間インキュベーションして、標的へのプローブのハイブリダイゼーションを可能にする。プローブのTは、オリゴマーの長さおよびGC含量に基づき標準対数(standard logarithm)を用いることによって計算可能であるし(例えばT=0.401(長さnt)+0.576(%G+C)+24.852)、またはプローブのTは、標準法(Sambrookら、11.55−57)を用いることによって、実験的に決定可能である。ハイブリダイゼーション後、多様な既知の方法のいずれかを用いることによって、例えばプローブに会合したシグナル、または標的にプローブが結合することから生じるシグナル、または酵素もしくは酵素基質などの、シグナルを生じる別の物質とプローブが相互作用することから生じるシグナルを検出することによって、安定な複合体を検出する。1つの態様において、例えば、50μl〜100μlの溶解物を、等体積のハイブリダイゼーション緩衝液(例えば0.9Mリン酸緩衝液、pH5、0.16%SDS)、並びにpagAおよびcapB標的配列に対する標識核酸プローブ(各0.2pmol)と混合する。オリゴマープローブおよびそれぞれの標的の計算されたTより低い温度で、混合物をインキュベーションして(例えば55〜60℃で20分間〜1時間)、プローブおよび標的配列が特異的にハイブリダイズするのを可能にする。安定なハイブリダイゼーション複合体に存在するプローブを検出するのに適した方法いずれかを用いることによって、安定なハイブリダイゼーション複合体を検出する。
未結合オリゴマーを除去し、そして残ったプローブ(すなわち複合体中で結合しているもの)を検出した後、複合体中で検出されるか、または続いて複合体から分離されるかいずれかで、プローブ−標的の安定なハイブリダイゼーション複合体の検出を達成することも可能である。結合したプローブが未結合プローブと区別される均質系を用いることによって、安定なハイブリダイゼーション複合体の検出を達成することも可能である。好ましい態様において、均質検出工程を用いて、直ちに、それぞれの標的核酸に結合する標識プローブを検出する(例えばその詳細が本明細書に援用される、Arnoldら,Clin.Chem.35:1588−1594(1989)、Nelsonら、米国特許第5,658,737号、並びにLizardiら、米国特許第5,118,801号および第5,312,728号)。「均質検出可能標識」を、プローブオリゴマーに直接または間接的に付着させることも可能であり、そして標識は、プローブが標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズしたかどうかに基づいて検出される。結合した均質検出可能標識は、未結合プローブ上の標識とは区別可能であるため、ハイブリダイズしていない標識プローブからハイブリダイズした標識プローブを物理的に分離することなく、標識を検出可能である。こうした均質検出可能標識が知られ、こうした標識を核酸オリゴマーに付着させてそしてこれらを検出する方法もまた知られる(Arnoldら、米国特許第5,283,174号、Woodheadら、米国特許第5,656,207号、およびNelsonら、米国特許第5,658,737号)。本発明の方法のため、標識からのシグナルを検出可能ないかなる検出装置も使用可能である。以下に例示する態様において、照度計(例えばGEN−PROBE(登録商標)LEADER(登録商標)、Gen−Probe Incorporated、カリフォルニア州サンディエゴ)を用いることによって、均質検出反応において、化学発光シグナル(「相対光単位」またはRLU)を検出した。
均質アッセイで使用するのに好ましい標識は、化学発光化合物(例えば、米国特許第5,656,207号、第5,658,737号および第5,639,604号)である。こうした化学発光標識にはアクリジニウムエステル(「AE」)化合物、例えば標準的AEまたはその誘導体、例えば、ナフチル−AE、オルト−AE、1−または3−メチル−AE、2,7−ジメチル−AE、4,5−ジメチル−AE、オルト−ジブロモ−AE、オルト−ジメチル−AE、メタ−ジメチル−AE、オルト−メトキシ−AE、オルト−メトキシ(シンナミル)−AE、オルト−メチル−AE、オルト−フルオロ−AE、1−または3−メチル−オルト−フルオロ−AE、1−または3−メチル−メタ−ジフルオロ−AE、および2−メチル−AEが含まれる。好ましい標識は、実質的に先に記載されるようなリンカーを介して、プローブ配列に付着した化学発光AE化合物である(Arnoldら、米国特許第5,585,481号;Arnoldら、米国特許第5,639,604号、特に第10欄第6行から第11欄第3行および実施例8、これらの技術的詳細が本明細書に援用される)。例えば、本明細書に記載するオリゴヌクレオチドプローブでは、配列番号1、配列番号8、配列番号14、配列番号28および配列番号30のnt14および15の間、配列番号3、配列番号9、配列番号10、配列番号11、および配列番号12のnt12および13の間、配列番号13のnt10および11の間、配列番号15および配列番号16のnt11および12の間、配列番号4、配列番号6および配列番号7のnt9および10の間、配列番号5および配列番号7のnt13および14の間、並びに配列番号2のnt19および20の間に、AE標識を付着させた。オリゴヌクレオチドプローブのさらなる態様には、配列番号1のnt8および9、またはnt11および12の間;配列番号4のnt11および12の間、またはnt14および15の間、またはnt20および21の間;並びに配列番号7のnt15および16の間、またはnt18および19の間に、AE標識を付着させたものが含まれる。
pXO1およびpXO2核酸配列を検出するためのキット
本発明はまた、pagA遺伝子配列に含有される標的配列に特異的にハイブリダイズする少なくとも1つの核酸オリゴマー、およびcapB遺伝子配列に含有される標的配列に特異的にハイブリダイズする少なくとも1つの核酸オリゴマーを用いることによって、炭疽菌の存在を検出するアッセイを行うためのキットも含む。こうしたキットの態様は、標的配列への特異的ハイブリダイゼーションを可能にする、配列番号21、配列番号22、配列番号23または配列番号24のいずれか1つに含有される標的配列に十分に相補的な少なくとも1つの核酸オリゴマー、および標的配列への特異的ハイブリダイゼーションを可能にする、配列番号25または配列番号26に含有される標的配列に十分に相補的な少なくとも1つの核酸オリゴマーを含有する。特定の好ましいキットは、セレウス菌複合群の16Sまたは23S rRNA配列あるいはrRNAをコードする遺伝子に特異的にハイブリダイズする、少なくとも1つの核酸オリゴマーをさらに含有する。こうしたキットの態様は、配列番号31に含有される16S rRNAまたはそのコード配列に特異的な標的配列への特異的なハイブリダイゼーションを可能にするのに十分に相補的である核酸オリゴマー、その相補配列、またはRNA均等物、および/または配列番号32に含有される23S rRNAまたはそのコード配列の標的配列への特異的なハイブリダイゼーションを可能にするのに十分に相補的である核酸オリゴマー、その相補配列、またはRNA均等物を含有する。キットの他の態様には、バチルス属種が存在しなくても、真性細菌標的配列にハイブリダイズし、そして該配列を検出するため、内部対照として働く、少なくとも1つの核酸プローブが含まれる。真性細菌プローブの好ましい態様は、rRNAまたはrRNA配列をコードするDNAに特異的にハイブリダイズする。
典型的なキットには、pagA標的配列に特異的に結合する少なくとも1つの核酸オリゴマーであって、配列番号1〜配列番号8のいずれか1つの配列からなる、前記オリゴマー、およびcapB標的配列に特異的に結合する少なくとも1つの核酸オリゴマーであって、配列番号9〜配列番号14のいずれか1つの配列からなる、前記オリゴマーが含まれる。キットの他の態様にはまた、少なくとも1つのpagA特異的オリゴマーおよび少なくとも1つのcapB特異的オリゴマーに加えて、配列番号15〜配列番号20および配列番号27〜配列番号30のいずれか1つからなるオリゴマーなどのセレウス菌複合群のrRNAまたはrRNAをコードするDNAの標的配列に特異的に結合するオリゴマーが含まれることも可能である。セレウス菌複合群のrRNAまたはrRNAをコードするDNAの標的配列に特異的に結合するオリゴマーを含むキットには、少なくとも1つの標識プローブオリゴマー、および少なくとも1つの非標識ヘルパーオリゴマーであって、どちらも各rRNAまたはrRNA標的をコードするDNAに特異的な前記オリゴマーが含まれることも可能である。こうしたキットの態様には、16S rRNAまたはrRNAをコードするDNAの標的配列に特異的なオリゴマーを含有するものが含まれ、ここで、標識オリゴマーは、配列番号15、配列番号16、配列番号19および配列番号20のいずれか1つからなる配列を有し、そして非標識ヘルパーオリゴマーは、配列番号17および配列番号18のいずれか1つからなる配列を有する。こうしたキットの他の態様には、23S rRNAまたはrRNAをコードするDNAの標的配列に特異的なオリゴマーを含有するものが含まれ、ここで、標識オリゴマーは、配列番号28または配列番号30からなる配列を有し、そして非標識ヘルパーオリゴマーは、配列番号27および配列番号29からなる配列を有する。他の態様には、オリゴマーが含まれ、ここで配列番号40が標識プローブであり、そして場合によって、配列番号41、配列番号42、および配列番号43の1以上のヘルパーオリゴマーが含まれる。本発明のキットは、少なくとも1つのpagA特異的オリゴマーおよび少なくとも1つのcapB特異的オリゴマーがあるという条件で、こうした核酸オリゴマーのいかなる組み合わせを含むことも可能である。
キットはまた、in vitroのハイブリダイゼーション反応で検出しようとする炭疽菌核酸を部分的に精製するのに使用可能な、オリゴヌクレオチドを含む試薬を含有することも可能である。例えば、キットは、試料からpXO1および/またはpXO2標的核酸を精製するための捕捉オリゴマーとして働く1以上のオリゴマーを含有することも可能である。捕捉オリゴマーの例は、pXO1および/またはpXO2プラスミド核酸の部分に相補的な少なくとも15ヌクレオチドの配列を有する。こうした捕捉オリゴマーは、試料から特定の遺伝子でなく、これらの遺伝子配列を含有するプラスミドを部分的に精製し、そして濃縮するように働くため、pagAまたはcapB遺伝子配列いずれかの中の配列に特異的にハイブリダイズする必要はない。こうした捕捉工程は、ハイブリダイゼーション反応に加えて、プラスミドの存在を検出するためのものである。捕捉オリゴマーの態様は、pXO1および/またはpXO2核酸中の配列に相補的な配列を有する。捕捉オリゴマーは、先に詳細に記載されるように、プラスミド核酸に相補的でないが、相補配列にハイブリダイズして標的核酸を捕捉する、共有結合した3’配列または5’配列を有することも可能である(Weisburgら、米国特許第6,110,678号)。
本発明の方法を実施するのに有用なキットには、互いに組み合わせてパッケージングされる、本明細書に開示する核酸オリゴヌクレオチドいずれかを含むものが含まれることも可能である。キットにはまた、試料から、pagA遺伝子およびcapB遺伝子の中の標的配列を所持するpXO1プラスミドおよびpXO2プラスミドを精製するための捕捉オリゴマーが含まれることも可能であり、捕捉オリゴマーは、プローブと組み合わせてパッケージングされることも可能である。したがって、当業者には、本発明が多くの異なるキット形態を含むことが明らかであろう。
本発明は、比較的少ない試薬および方法工程を用いることによって、試料中の炭疽菌の存在を検出するのに有用である。該方法は、大規模な生化学反応または複雑な装置を必要としないため、試料を受け取り、そして微生物学工程を行って、生物を増殖させ、そして試料中の炭疽菌に関して生物の表現型を調べる実験室に特に有用である。本発明の比較的単純な方法は、細胞溶解物中の核酸に核酸オリゴヌクレオチド(検出プローブ)をハイブリダイズさせ、そしてハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドに関連する標識を検出して、試料中の病原性に関連する炭疽菌遺伝物質の存在を示す工程を含む。この比較的単純な試験は、洗練された微生物学および/または分子生物学の技術が利用可能でないか、または日常的に実施されない実験室またはフィールド条件において用いるのに役立つ。さらに、該アッセイは、比較的短いインキュベーション期間の数工程しか必要としないため、多くの臨床アッセイに比較して、比較的短い期間で、試料中の炭疽菌を検出し、そして同定する。該アッセイは、炭疽菌の毒性と関連する少なくとも2つのマーカーの検出に頼り、そしてこうして、無毒性炭疽菌株(すなわちpXO1および/またはpXO2を欠くもの)または他のバチルス属種に比較して、毒性株を検出する利点を提供する。rRNAまたはrRNAをコードする遺伝子の検出に特異的なプローブもまた含む態様はまた、セレウス菌複合群のありうるメンバーの同定を制限する利点も有し、これは炭疽菌に関して陰性と評価される試料に関してさらなる情報を提供する。内部対照を含む態様は、バチルス属種がまったく検出されなかったとしても、アッセイが適切に行われたことを示す、さらなる情報を提供する。
本明細書に開示する方法は、実行が技術的に容易であり、そしてLRNレベルA実験室(ネットワーク実験室は、CDCによってレベルA〜Dに指定され、これは安全性、封じ込めおよび技術的熟練の前進的に厳しくなるレベルである)を含む多くの実験室で使用可能である。該アッセイには、in vitro増幅法は必要でないため、試料交差汚染および実験室汚染の可能性が最小限となり、したがって、偽陽性結果を得る可能性が最小限になる。開示する方法は、1つの小さい細菌コロニーと均等な約10CFUから出発する、炭疽菌の高感度でそして特異的な検出を提供し、試料を実験室培養して、8〜12時間以内で試験が行われることを可能にし、そしてアッセイを開始して約1時間以内に試験結果を提供する。開示する方法は、臨床試料または環境試料由来の培養標本中の炭疽菌を検出するための、信頼性が高く、そして迅速なアッセイを提供する。該方法は、非炭疽菌試料を排除する(すなわち炭疽菌を含有すると疑われる試料を排除する)方式で、バチルス属培養物を正確に同定するため、該アッセイは、B.チューリンゲンシスを含有するものなどのさらなる試験を必要としない試料を迅速に同定する。該アッセイはまた、LRNレベルB(またはより高次の)実験室に、あるいは炭疽菌株同定照会実験室に送るべきものなど、さらなる試験を必要とする試料も同定する。
本発明の一般的な原理は、いくつかの態様を代表する、以下の実施例を参照することによって、より完全に認識可能である。
(実施例1)
pagAおよびcapB標的配列の調製
pagAおよびcapB遺伝子配列由来の2つの合成遺伝子標的配列を合成して、毒性炭疽菌の取り扱いを必要とすることなく、プラスミドpXO1およびpXO2に所持される遺伝子を検出する、オリゴヌクレオチド試験の既知の標準を提供した。
pagA標的配列(配列番号33)は、標準的分子生物学技術を用いることによって、pXO1プラスミドからクローニングした、pagA遺伝子配列(GenBank寄託番号M22589)のサブ配列からなる。簡潔には、標準的微生物学法を用いて、pXO1プラスミドを含有する細胞を実験室培地上で増殖させ、細胞を収集して、10mM Tris、pH7.5の存在下で、混合物を95℃で20分間インキュベーションして、そして60℃で10〜15分間超音波処理することによって、溶解した。溶解物のアリコット(0.5〜3μl)を、ポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」、Mullisら、米国特許第4,683,195号)において、プライマーとともに、テンプレートとして用いて、GenBank寄託番号M22589のnt2393〜3500を含有する1.108kbの断片を増幅した。日常的なクロマトグラフィー法を用いて、増幅された合成断片を精製し、そして精製された断片を配列決定して、配列番号33を含有することを確認した。精製断片をプラスミドベクターにクローニングし、そして挿入された断片を含有するクローンを同定した。クローン由来のプラスミドDNAを精製し、そして挿入物を配列決定して、配列番号33であることを確認した。標準的分光光度法を用いることによって、配列番号33を含有する、精製されたプラスミドDNAを定量化し、そして適切に希釈して、以下の実施例のいくつかに記載するように、試験中、既知の数のpagA標的配列を提供した。
capB標的配列は、プラスミドpXO2配列(GenBank寄託番号AF188935)に含有される560bp配列(配列番号34)である。capB遺伝子中の重複配列を含有する、一連の合成一本鎖DNA(ssDNA)オリゴヌクレオチド、すなわち1または2の他のssDNAオリゴマーの末端と、5’端および/または3’端で約20nt重複した各ssDNAオリゴマーをともにハイブリダイズさせることによって、このcapB標的配列をin vitroで合成し、そして重複端を相補端配列とハイブリダイズさせて、連続配列を含有する部分的二本鎖DNA(dsDNA)を産生した。次いで、T4 DNAポリメラーゼを用い、そして部分的dsDNA中のハイブリダイズしたオリゴマー配列をテンプレートとして用いることにより、部分的dsDNA中のssDNAの3’端を伸長させることによって、in vitroで相補鎖を合成して、主鎖にギャップを持つ完全dsDNAを形成した。T4 DNAリガーゼを用いることによって、合成鎖の末端をともに連結して、共有結合した完全dsDNAを産生して、これをPCR反応で増幅した。日常的なクロマトグラフィー法を用いることによって、増幅されたDNAを精製し、そして精製されたDNA断片をプラスミドベクターにクローニングし、そして標準法を用いることによって、大腸菌宿主細胞に形質転換した。日常的なクロマトグラフィー法を用いることによって、capB標的断片の予測されるサイズを持つプラスミドを含有するクローンを同定し、そして2つのこうしたクローン由来の挿入断片を配列決定して、これらが配列番号34(GenBank寄託番号M24150のnt471〜1030に対応する)を含有することを示した。クローニングされた、capB標的配列を含有するプラスミドDNAを精製し、そして標準法を用いて定量化して、以下の実施例のいくつかに記載される試験において、既知の数のcapB標的配列を提供した。
(実施例2)
プラスミドpXO1およびプラスミドpXO2に対するプローブ
二次構造が最小限であり、そしてTが約59〜75℃の範囲である、pagA(配列番号33)配列およびcapB(配列番号34)配列内の領域を選択することによって、プローブを設計した。本実施例は、各標的配列に対する2つのプローブを用いて得た結果を示す。
ハイブリダイゼーションおよび検出反応において、プラスミドpXO1のpagA遺伝子配列に特異的な配列番号4および配列番号7、並びにプラスミドpXO2のcapB遺伝子配列に特異的な配列番号9および配列番号11のAE標識プローブ(反応あたり各0.2pmol)を用いて、該プローブがそれぞれの標的に特異的にハイブリダイズすることを示した。反応混合物は、加熱および超音波法を用いて、実質的に上述のとおりに作成したバチルス属(非炭疽菌種)の溶解物であった。溶解混合物を、定義される量の標的配列(実施例1に記載)と混合して、各個々の反応混合物が、pagA遺伝子配列(配列番号4および配列番号7両方に相補的)を10または1010コピー、あるいはcapB遺伝子配列(配列番号9および配列番号11両方に相補的)を10または1010コピー含有するようにした。pagA検出のための配列番号4と配列番号7のプローブ、およびcapB検出のための配列番号9と配列番号11のプローブを含有する別個のハイブリダイゼーション反応において、反応あたり各プローブ0.2pmolと、反応混合物を、溶液中、60℃で20〜30分間ハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション後、実質的に先に記載されるように(Arnoldら、米国特許第5,639,604号)、未結合プローブ上の標識を加水分解して、そして結合したプローブ由来の発光を相対光単位(「RLU」)として照度計で検出した。同一標的およびプローブを用いるが、ヘルパーオリゴマーとして作用する非標識オリゴヌクレオチド(反応あたり各2pmol)もまた含む、第二のセットの実験を以下のように行った:配列番号3および配列番号8の非標識オリゴマーを、配列番号4および配列番号7の標識プローブ(各0.2pmol)を含有するハイブリダイゼーション反応に添加し、そして配列番号10および配列番号12の非標識オリゴマーを、配列番号9および配列番号11の標識プローブ(各0.2pmol)を含有するハイブリダイゼーション反応に添加した。(非標識オリゴヌクレオチドは、あらかじめ、リンカーアームを介してAE標識されていたが、オリゴヌクレオチドをこれらの反応に添加する前にAEを加水分解した)。各組み合わせに関して、反応を4回行い、そしてこれらの反応に関して、検出されたRLUの平均を表1に示す。
表1.pagAおよびcapBハイブリダイゼーション結果
Figure 2006512928
結果は、ハイブリダイゼーション反応において、開示した標識オリゴヌクレオチドを用いることによる、炭疽菌のプラスミドpXO1およびpXO2に特異的な配列の検出を示す。1010標的を含有する反応中の非標識オリゴマーの存在は、こうした非標識オリゴマーが存在しない類似の反応に比較して、これらの試料に関して、幾分高いシグナルを提供した。
(実施例3)
細菌溶解物の試験
実施例2に実質的に記載するようにプローブ混合物を用いて、一晩コロニーから調製した細菌細胞の溶解物を同様にアッセイした。これらの試験のため、血液寒天プレートに細菌を接種して、一晩(18〜24時間)増殖させた。接種したプレートからコロニーを選択し、そして2つの1μlループ分の細菌を0.3mlの溶解試薬(0.1%LLS、20mMコハク酸リチウム、1mM EDTA、pH5.5)に添加し、そして混合物を100〜105℃で15分間加熱し、そして次いで水槽超音波処理装置中で15分間超音波処理した。ハイブリダイゼーション反応のため、配列番号4(塩基9および10の間でリンカーを用いて標識)、配列番号7(塩基13および14の間でリンカーを用いて標識)、配列番号9(塩基12および13の間でリンカーを用いて標識)、および配列番号11(塩基12および13の間でリンカーを用いて標識)のAE標識プローブを含有する、50μlの2Xハイブリダイゼーション試薬(20mM EGTA、20mM EDTA、2%LLS、100mMコハク酸、1.2M塩化リチウム、230mM水酸化リチウム、pH4.7)に、50μlの超音波処理した溶解物を添加して、理論的にはプローブあたり最大4x10RLUを達成し、そして混合物を60℃で20〜30分間インキュベーションして、ハイブリダイゼーションを可能にした。加水分解(pH8.5で塩基試薬を添加した後、60℃で10分間)によって、未結合プローブ上の標識を不活性化し、そして照度計を用いることによって、結合プローブについて検出されたRLUを測定した。40,000より高いRLUが検出されたらアッセイを「陽性」とスコア付けし、20,000より低いRLUが検出されたらアッセイを「陰性」とスコア付けし、そして20,001〜39,999の間のRLUが検出されたら「疑わしい」とスコア付けした。大部分の場合、元来の溶解物の1以上のさらなるアリコットに対して試験を反復することによって、疑わしいアッセイを陰性または陽性いずれかに決定した。試験は「盲検」様式で行われ、すなわち1人の人が試料を調製し、そして含有される試料が何であるかを知らず、そして結果が得られた後に試料の内容物を知る、第二の人によって、アッセイを行った。各試料溶解物に関して、二つ組以上のアッセイを行った。陰性対照は、セレウス菌の溶解物であり、1つの陽性対照は、pXO1およびpXO2両方を含有する炭疽菌(pXO1+/pXO2+、パスツール株)の溶解物であり、そして別の陽性対照は、pXO1プラスミドのみを含有する炭疽菌(pXO1+/pXO2−、スターン株)であった。セレウス菌溶解物は、常に陰性結果を提供し、炭疽菌pXO1+/pXO2+溶解物は、常に陽性結果を提供し、そして炭疽菌pXO1+/pXO2−溶解物は、陽性または疑わしい結果を提供した。セレウス菌および炭疽菌pXO1+/pXO2+の2:1混合物から作成した溶解物は、疑わしい結果を提供した(平均31,925RLU)。実験試料(すなわち対照試料を含まない)に対して行った試験の累積結果を表2に示す。
表2.細菌の異なる種および株を用いて得た結果
Figure 2006512928
Figure 2006512928
これらの試験は、炭疽菌(pXO1+/pXO2+)株を含有することが知られる24の試料に対して行う61の別個のアッセイ、および16の他のバチルス属種および28の非炭疽菌種(エルシニア属(Yersinia)、ブルセラ属(Brucella)、バークホルデリア属(Burkholderia)、ビブリオ属(Vibrio)、ブレビバチルス属(Brevibacillus)、およびパエニバチルス属(Paenibacillus)を含む)、および少なくとも39の異なる株を含む試料に対して行った130のアッセイを含んだ。炭疽菌含有試料に関しては、結果は62,400RLUの平均値、64,900RLUの中央値を有し、そしてアッセイ感度は98.4%であった。炭疽菌を含有しない試料に関しては、結果は、4,520RLUの平均値、4,000RLUの中央値を有し、そしてアッセイ特異性は98.5%であった。これらの結果は、該アッセイが、生物学的試料から作成された溶解物中に存在する炭疽菌を有効に検出することを示す。
(実施例4)
セレウス菌複合群種における23S rRNA配列の検出
本実施例は、23S rRNA配列およびrRNAをコードするDNAが、配列番号32の標的配列に特異的な配列番号35のオリゴヌクレオチドプローブを用いることによって、セレウス菌複合群のメンバーを検出可能であることを示す。本実施例はまた、20分間インキュベーションした後のプローブおよび標的配列のハイブリダイゼーションが、ハイブリダイゼーション複合体の検出を可能にするのに十分であったことを示す。これらの試験のため、オリゴヌクレオチドに対してリンカーを用いて、配列番号35のプローブオリゴヌクレオチドを、残基10および11間で、AEで標識した。
セレウス菌複合群に対する標識プローブの特異性を示すため、生物、セレウス菌および巨大菌細胞を血液寒天プレート上で一晩増殖させ、そして各試験試料について、各生物に関し、3つの1μlループ分の細胞を収集した。0.15mlの溶解試薬(0.1%LLS、20mMコハク酸リチウム、pH5.5、1mM EDTA)に細胞を懸濁し、10秒間ボルテックス混合し、そして混合物を100℃で15分間加熱して、細胞を溶解させ、そして溶解物を5秒間ボルテックスした。対照1セットに、各溶解物5μlを1mlの溶液(0.4M LiOH、0.4M HCl、50mMコハク酸リチウム)に希釈し、そこから0.1mlを取って、rRNAおよびrRNAをコードするDNAの真性細菌配列(Hoganら、米国特許第5,679,520号)、すなわちセレウス菌および巨大菌両方にある配列に結合する非標識ヘルパーオリゴマー(配列番号41、配列番号42および配列番号43)とともに、陽性対照標識プローブ(配列番号40)を用いて、ハイブリダイゼーション試験した。0.1mlの2M LiOH(最終濃度、0.8M LiOH)と混合して、そして60℃で15分間加熱し、そして次いで0.25mlの中和試薬(0.8M HCl、100mMコハク酸Li)を添加して、5〜5.5の間のpHを生じることによって、溶解物の残った部分を塩基性条件下でプロセシングした(「塩基プロセシングされた」と称する)。溶解物は、DNAおよびRNA両方を含有し、一方、塩基プロセシングされた溶解物は、DNAを含有するが、RNAをほとんどまたはまったく含有しないと予測される。
ハイブリダイゼーション反応のため(各試料に関して二つ組で行う)、0.1mlの溶解物(1:300に希釈)または塩基プロセシングされた溶解物を、試験したAE標識オリゴヌクレオチドプローブ(約0.2pmol)各々と独立に混合して、反応あたり約2x10RLUを提供した。各混合物を、60℃で45分間インキュベーションして、ハイブリダイゼーションを可能にし、そして次いで、0.3mlの選択試薬(182mM NaOH、600mMホウ酸、1%v/v TRITON(登録商標)X−100)を添加し、そして混合物を60℃で10分間インキュベーションして、均質反応混合物における未結合標識プローブ上の標識を加水分解した。次いで、結合したプローブからの発光シグナル(RLU)を、照度計(LEADER(登録商標)450、Gen−Probe Incorporated、カリフォルニア州サンディエゴ)中で2秒間検出した。陰性対照を同一に、しかしプローブのみを含有し、そして細菌標的核酸を含有せずに処理した(「なし」)。
これらの試験の結果を表3に示し、この表は、各試料に関して検出される二つ組ハイブリダイゼーション反応の平均RLUを示す。塩基プロセシングされなかった溶解物(第5列)に関しては、配列番号40の標識プローブ(ヘルパーオリゴマーを伴う)を用いることによって検出されるハイブリダイゼーションシグナルは、試料調製中、RNAが加水分解されないため、rRNAおよびrRNAをコードするDNA(rDNA)両方に対するハイブリダイゼーションを検出する。塩基プロセシングされた試料の結果(第3列および第4列)は、これらの試料のRNAが加水分解されているため、rDNAに対するハイブリダイゼーションを検出する。
表3:巨大菌と比較したセレウス菌におけるrRNAおよびrDNAの検出
Figure 2006512928
これらの結果は、配列番号35プローブ(第3列)がセレウス菌試料に対して陽性シグナルを提供し、そしてセレウス菌複合群にないバチルス属種である、巨大菌を含有する試料に関しては、有意に減少したシグナル、すなわち陰性結果を提供したことを示す。したがって、配列番号35は、他のバチルス属種からセレウス菌複合種を区別して認識するプローブである。真性細菌標的配列に対する、標識した配列番号40のプローブ(第4列および第5列)は、すべての試料に対して陽性シグナル(10,000RLUより高いシグナル)を提供し、そしてアッセイの内部陽性対照として働いて、試料プロセシング工程およびハイブリダイゼーション工程が適切に行われたこと、並びに試料が、陽性シグナルを産生するのに十分な数の標的核酸を含有したことを示す。
類似の実験において、配列番号35の標識プローブおよびセレウス菌を含有する試料を用いるアッセイで、ハイブリダイゼーションインキュベーション時間を短くした。上述の方法を用いて、セレウス菌試料(血液寒天上で一晩増殖させたもの由来の2つの1μlループ分)を収集し、そして溶解し、塩基プロセシングし、そして20〜45分間の間で標識プローブとハイブリダイズさせた。表4に示すように、試料1および2に関して、溶解は10分間であり、塩基プロセシングは10分間であり、そしてハイブリダイゼーションは40分間であり;そして3〜8の試料に関して、溶解は15分間であり、塩基プロセシングは15分間であり、そしてハイブリダイゼーションは20〜40分間であった。次いで、すべての試料に関して、ハイブリダイゼーション混合物を選択試薬で処理し、そして上述のようにシグナル(RLU)を検出した。陽性対照は、実験試料と同じ最終濃度の溶解試薬およびハイブリダイゼーション試薬の混合物であるが、溶解物の代わりに合成DNAオリゴマー(配列番号32)を添加した。陰性対照は、標識プローブオリゴマーのみを添加した、試薬の類似の混合物である(すなわち標的核酸なし)。これらのアッセイの結果(二つ組試験の平均RLU)を表4に示す。
表4:多様なハイブリダイゼーション時間後の、配列番号35を用いた23S rRNAの検出
Figure 2006512928
これらの結果は、多様な条件およびわずか20分間のハイブリダイゼーションを用いて、配列番号35のプローブが、試料中のセレウス菌複合群rRNAの存在を検出することを示す。
(実施例5)
capB標的配列の検出
これらの実験において、標的核酸としてプラスミドにクローニングされたcapB配列(配列番号34)を用いて、capB標的配列に特異的なプローブを試験した。標準法を用いることによって、配列番号34を含有するプラスミドDNAをトランスフェクション大腸菌から単離し、標準的分光光度法を用いることによって定量化し、そして損なわれていない環状プラスミドまたは直鎖プラスミドDNA(すなわち制限エンドヌクレアーゼで切断することによって直鎖にしたもの)いずれかとしてハイブリダイゼーション試験に用いた。標的DNAをハイブリダイゼーション反応あたり、2x10〜2x10コピーでアッセイした(環状DNAでは2x10および2x10、そして直鎖DNAでは2x10および2x10)。標識プローブは配列番号9または配列番号11のオリゴマーであり、これらオリゴマーを、さらなる非標識オリゴヌクレオチド(配列番号10、配列番号11、配列番号12)を伴い、または伴わず、ハイブリダイゼーション反応に用いた。非標識オリゴヌクレオチドは、あらかじめリンカーアームを介してAE標識されていたが、オリゴヌクレオチドをこれらの反応に用いる前に、AE標識を加水分解した。
実施例4に記載するのと、実質的に同一の方法を用いて、偽の溶解物として反応物を調製した。簡潔には、最終体積150μl中、非標識オリゴヌクレオチド(表5に示すように、各10pmolの配列番号10および配列番号11または配列番号10および配列番号12)を含む、または含まない溶解試薬と、プラスミドDNA(約10、10または1010コピーを含有する10μl)を混合し、そして100℃で15分間加熱して溶解条件を模倣した。次いで、100μlの2M LiOHを添加して、そして混合し、そして混合物を60℃で15分間加熱した。次いで、250μlの中和試薬(0.8M HCl、100mMコハク酸Li)を添加して、pH5〜5.5を生じた。ハイブリダイゼーション前に、標的含有混合物を100℃で5分間加熱し、そして次いで氷上で迅速に冷却する(ハイブリダイゼーション前100℃)か、または室温で維持することを許した(ハイブリダイゼーション前RT)。プローブを添加して、そして混合物を60℃で45分間インキュベーションすることによって、各混合物100μlの二つ組アリコットを、反応あたり約2x10RLU(すなわち約0.2pmol)に均等の配列番号9または配列番号11のAE標識プローブとのハイブリダイゼーションに関して試験した。次いで、未結合プローブ上の標識を不活性化するため、300μlの選択試薬を各反応混合物に添加して、その後、60℃で10分間インキュベーションし、そして前述のように、照度計を用いることによって、発光(RLU)を検出した。これらの試験のため、標識プローブの陰性対照は、標識プローブオリゴマーを含有するが、標的DNAまたは非標識オリゴマーを含有しない、類似の組成混合物であり、そして非標識オリゴマーの陰性対照は、非標識オリゴマーおよび標的DNA(2x10〜2x10コピー/反応)を含有するが、標識プローブオリゴマーを含有しない類似の組成混合物であった。すべての対照を実験試験試料と同様に処理した。これらのアッセイの結果(検出された平均RLU)を表5に示す。
表5:capB標的配列の検出
Figure 2006512928
Figure 2006512928
結果は、配列番号9および配列番号11のどちらのプローブも、試験したすべてのコピー数(反応あたり2x10〜2x10コピー)でcapB標的配列に有効にハイブリダイズし、そしてcapB標的配列を検出したことを例示する。どちらのプローブも環状DNAまたは直鎖DNAいずれのcapB標的配列も検出した。室温(RT)で処理した試料に比較して、ハイブリダイゼーション前に標的を含有する試料を100℃に加熱しても、capB標的の検出には有意に影響を及ぼさず、そして多くの場合で、対応する加熱試料に比較して、RT試料で、より高いRLUが検出された。非標識オリゴヌクレオチドを使用しなくても、すべての実験試料に関して、バックグラウンド(標識プローブの対照のRLU)より高い検出可能シグナルが得られた。これらの結果は、配列番号9および配列番号11のプローブとのハイブリダイゼーションによって、多様な試料条件を用いて、capB標的配列を有効に検出可能であることを示す。
アッセイの類似のセットにおいて、配列番号10および配列番号12の非標識オリゴマーを伴う、または伴わないアッセイ中、配列番号9および配列番号11のプローブの組み合わせを用いた。ハイブリダイゼーション反応あたり2x10および2x10コピーを用いて、上述のように、環状プラスミドDNAとして、実験試料中に標的capB配列(配列番号34)を含んだ。各々反応あたり約2x10RLUに均等で、そして約0.2pmolである、両方の標識プローブ、配列番号9および配列番号11を同じハイブリダイゼーション反応混合物に添加したことを除いて、本質的に、上記と同じ方法を行った。これらの試験の結果を表6に示す(二つ組試料の平均RLU)。
表6:組み合わせプローブを用いた、capB標的配列の検出
Figure 2006512928
結果は、異なるcapB標的配列に特異的に結合する多数の標識プローブを用いることによって、ハイブリダイゼーションが、より高い検出シグナルを提供し、該シグナルは、各プローブを独立に用いて得られるシグナルをほぼ加算したものであることを例示する(すなわち表6の結果を、同じ数の環状標的に対して各プローブを独立にハイブリダイズさせた表5のものと比較されたい)。これらの結果はまた、非標識オリゴマーが反応混合物に含まれる、いくつかの場合、増加した陽性シグナルが得られるが、非標識オリゴマーは、陽性シグナルを得るのに必要ではないことも示す。
次の実施例に記載するように、類似の方法を用いて、capBおよびpagA標的両方の個々の検出、および同一アッセイにおける検出を示した。
(実施例6)
ハイブリダイゼーションによる、capBおよびpagA配列の検出
本実施例は、配列番号9および配列番号11の標識capB特異的プローブ、並びに配列番号4および配列番号7の標識pagA特異的プローブを、ヘルパーとして働きうる非標識オリゴマーを伴いまたは伴わずに用いることによって、実施例5に記載するのと類似の方法を用いて、調製した試料中のプラスミドが所持するcapBおよびPagA配列を検出した。capB特異的非標識オリゴマーは、配列番号10および配列番号12のものであり、そしてpagA特異的非標識オリゴマーは、配列番号3および配列番号8のものであった。capBおよびpagA標的配列(実施例1に記載するように、それぞれ配列番号34および配列番号33)を含有する環状プラスミドDNAを、ハイブリダイゼーション反応あたり、2x10および2x10コピー用いた。
簡潔には、最終体積150μl中、非標識オリゴヌクレオチド(各10pmol)を伴いまたは伴わず、プラスミドDNA(約10または1010コピーを含有する10μl)を溶解試薬と混合し、そして100℃で15分間加熱した。次いで、100μlの2M LiOHを添加し、混合し、そして混合物を60℃で15分間加熱した。次いで、250μlの中和試薬(0.8M HCl、100mMコハク酸Li)を添加して、室温でpH5〜5.5の混合物を生じた。各混合物100μlアリコットを4つ分、反応あたり各プローブ約2x10RLUに均等の約0.2pmolを用いて、表7に示すようなAE標識プローブの組み合わせとハイブリダイズさせ、そして混合物を60℃で45分間インキュベーションした。次いで、300μlの選択試薬を各混合物に添加し、これを60℃で10分間インキュベーションして、非結合プローブ上の標識を不活性化し、そして結合した標識プローブに関して、発光(RLU)を検出した。陰性対照には、類似の組成混合物中のプローブのみ、および類似の組成混合物中の標的DNAを伴う非標識オリゴマーが含まれ、これらをすべて試験試料と同様に処理した。これらのアッセイの結果(4つの試験試料、または対照では二つ組に関して検出される平均RLU)を表7に示す。
表7:プラスミドDNA中のcapBおよびpagA標的配列の検出
Figure 2006512928
結果は、該アッセイが、個々に、そして同一試料中でともに、プラスミドDNAに存在するpagAおよびcapB標的遺伝子両方を検出することを例示する。これらのアッセイにおいて、pagAおよびcapB標的遺伝子各々に1つある、2つの標的配列に特異的な標識プローブは、反応混合物中に非標識オリゴマーが存在してもまたしなくても、効率的にハイブリダイズした。
次の実施例は、pagAおよびcapB遺伝子に特異的なプローブの組み合わせを、真性細菌対照プローブとともに、同様に用いて、炭疽菌中の標的配列を検出した。
(実施例7)
炭疽菌における、ハイブリダイゼーションによるcapBおよびpagA配列の検出
これらの試験において、実施例4に実質的に記載するように、試料をプロセシングした。用いた細胞は、炭疽菌(スターン株)またはセレウス菌であった。簡潔には、血液寒天プレート上で細胞を一晩増殖させ、そして1μlループ分の細胞を各試験試料に関して収集し、0.15mlの溶解試薬に懸濁し、混合し、そして100℃で15分間加熱して、細胞を溶解させた。真性細菌配列を検出するのに、配列番号40の標識プローブ(配列番号41、42および43の非標識ヘルパーオリゴマーを伴う)を用いて試験するため、5μlの溶解物を実施例4に記載するように、1ml溶液に希釈し、ここから0.1mlを取って、セレウス菌および炭疽菌両方に存在するrRNAおよび/またはrRNA配列をコードするDNAに対するハイブリダイゼーション試験に用いた。各生物に対して、塩基プロセシングを伴わずにハイブリダイゼーションに溶解物を用いるか、または実施例4に記載するように、塩基プロセシングされた溶解物を作成するために、処理した。二つ組試料を調製し、そして炭疽菌溶解物に関して試験した。0.1mlの希釈溶解物または塩基プロセシングした溶解物をAE標識プローブ(各々約0.08〜0.1pmol)と混合して用い、反応あたりプローブあたり約1x10RLUを提供して、実施例4に実質的に記載するように、ハイブリダイゼーション反応を行った。標識プローブは、実施例6に記載するようにpagAおよびcapB配列を検出する配列番号4、配列番号7、配列番号9、および配列番号11の混合物、あるいは真性細菌種に一般的なrRNAまたはrRNA配列をコードするDNA(Hoganら、米国特許第5,679,520号)を検出する配列番号40(配列番号41、42および43の非標識ヘルパーオリゴマーを伴う)の混合物いずれかであった。ハイブリダイゼーション反応を60℃で45分間インキュベーションし、そして次いで0.3mlの選択試薬を添加し、そして混合物を60℃で10分間インキュベーションして、その後、照度計(LEADER(登録商標)450)で発光シグナル(RLU)を検出した。陰性対照は、標的核酸を含有しないが、実験試料に存在する実質的に同一の試薬で構成された。陽性対照は、それぞれのプローブに特異的にハイブリダイズする標的核酸、すなわち相補的pagAおよびcapB配列を含有する合成ssDNA、または真性細菌プローブに相補的な配列を含有する大腸菌rRNAを含有した。表8に示す結果は、配列番号4、7、9および11のプローブを用いて行うアッセイの試料あたり4回の試験の平均RLU、並びに陰性対照の試料あたり2回の試験の平均RLU、並びに配列番号40のプローブ(配列番号41、42および43の非標識オリゴマーを伴う)を用いて行う試験である。
表8:炭疽菌およびセレウス菌の標的配列のプローブ検出
Figure 2006512928
これらの結果に示されるように、pagAおよびcapB標的配列に特異的なプローブの組み合わせ(配列番号4、7、9、11)を用いることによって、そして真性細菌rRNAに特異的なプローブ(配列番号40、ヘルパーオリゴマーを伴う)を用いることによって、炭疽菌を検出した。対照的に、セレウス菌は、pagAおよびcapB標的配列に特異的なプローブを用いたハイブリダイゼーション反応では陰性であったが、真性細菌rRNA配列に対するプローブを用いたハイブリダイゼーション反応では陽性であった。したがって、pagAおよびcapB標的配列に特異的なアッセイは、セレウス菌複合群の別の種から、炭疽菌を区別し、そして真性細菌標的配列に対する内部対照プローブ(配列番号40)は、ハイブリダイゼーション反応が適切に行われ、そしてすべての試料に、検出されるのに十分な標的配列が存在したことを示す。
本発明は、請求項によって定義され、この請求項は、上に記載し、そして例示した態様を含む。

Claims (33)

  1. 配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号34、標的配列いずれか1つの相補配列、またはRNA均等物からなる炭疽菌(B.anthracis)標的配列に含有される配列に特異的にハイブリダイズする、約20〜約40ヌクレオチドのオリゴヌクレオチド。
  2. 配列番号21、配列番号22、配列番号23、または配列番号24、pagA標的配列のいずれか1つの相補配列、またはRNA均等物からなる配列に含有されるpagA標的配列に特異的にハイブリダイズする、請求項1のオリゴヌクレオチド。
  3. 配列番号1または配列番号2からなる配列を有し、配列番号21に含有されるpagA標的配列に特異的にハイブリダイズする、請求項2のオリゴヌクレオチド。
  4. 配列番号3または配列番号4からなる配列を有し、配列番号22に含有されるpagA標的配列に特異的にハイブリダイズする、請求項2のオリゴヌクレオチド。
  5. 配列番号5または配列番号6からなる配列を有し、配列番号23に含有されるpagA標的配列に特異的にハイブリダイズする、請求項2のオリゴヌクレオチド。
  6. 配列番号7または配列番号8からなる配列を有し、配列番号24に含有されるpagA標的配列に特異的にハイブリダイズする、請求項2のオリゴヌクレオチド。
  7. 配列番号25または配列番号26、capB標的配列のいずれか1つの相補配列、またはRNA均等物からなる配列に含有されるcapB標的配列に特異的にハイブリダイズする、請求項1のオリゴヌクレオチド。
  8. 配列番号9、配列番号10、配列番号11、または配列番号12からなる配列を有し、配列番号25に含有されるcapB標的配列に特異的にハイブリダイズする、請求項7のオリゴヌクレオチド。
  9. 配列番号13または配列番号14からなる配列を有し、配列番号26に含有されるcapB標的配列に特異的にハイブリダイズする、請求項7のオリゴヌクレオチド。
  10. 配列番号31、その相補配列、またはRNA均等物からなる標的配列に含有されるバチルス属(Bacillus)種の16S rRNAまたは16S rRNA配列をコードするDNAに特異的にハイブリダイズする、約18〜40塩基のオリゴヌクレオチド。
  11. 配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号37、配列番号38、または配列番号39からなる配列を有する、請求項10のオリゴヌクレオチド。
  12. 配列番号32、その相補配列、またはRNA均等物からなる標的配列に含有されるバチルス属種の23S rRNAまたは23S rRNA配列をコードするDNAに特異的にハイブリダイズする、約20〜50塩基のオリゴヌクレオチド。
  13. 配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号35、または配列番号36からなる配列を有する、請求項12のオリゴヌクレオチド。
  14. DNA主鎖もしくはRNA主鎖、または混合DNAおよびRNA主鎖を有するか、あるいは塩基を連結する少なくとも1つの2’−メトキシRNA基を含有する、請求項1のオリゴヌクレオチド。
  15. DNA主鎖もしくはRNA主鎖、または混合DNAおよびRNA主鎖を有するか、あるいは塩基を連結する少なくとも1つの2’−メトキシRNA基を含有する、請求項10のオリゴヌクレオチド。
  16. DNA主鎖もしくはRNA主鎖、または混合DNAおよびRNA主鎖を有するか、あるいは塩基を連結する少なくとも1つの2’−メトキシRNA基を含有する、請求項12のオリゴヌクレオチド。
  17. オリゴヌクレオチドに直接または間接的に連結されたシグナル産生標識を有する、請求項1のオリゴヌクレオチド。
  18. オリゴヌクレオチドに直接または間接的に連結されたシグナル産生標識を有する、請求項10のオリゴヌクレオチド。
  19. オリゴヌクレオチドに直接または間接的に連結されたシグナル産生標識を有する、請求項12のオリゴヌクレオチド。
  20. 試料中の炭疽菌核酸を検出する方法であって:
    炭疽菌核酸を含有する試料を提供し;
    pXO1プラスミドに含有されるpagA標的配列に特異的にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、およびpXO2プラスミドに含有されるcapB標的配列に特異的にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブを提供し;
    少なくとも1つのプローブをpagA標的配列に、または少なくとも1つのプローブをcapB標的配列に、あるいは少なくとも1つのプローブをpagA標的配列にそして少なくとも1つのプローブをcapB標的配列に、特異的にハイブリダイズさせ;そして
    pagA標的配列またはcapB標的配列にハイブリダイズした少なくとも1つのプローブの存在を検出して、試料中の炭疽菌の存在を示す
    工程を含んでなる、前記方法。
  21. pagA標的配列が、配列番号33、またはその相補配列、またはRNA均等物の配列に含有され、そしてcapB標的配列が、配列番号34、またはその相補配列、またはRNA均等物の配列に含有される、請求項20の方法。
  22. pagA標的配列が、配列番号21、配列番号22、配列番号23、または配列番号24、これらの配列のいずれか1つの相補配列、またはRNA均等物からなる配列に含有され、そしてcapB標的配列が、配列番号25または配列番号26、これらの配列のいずれか1つの相補配列、またはRNA均等物からなる配列に含有される、請求項20の方法。
  23. ハイブリダイズ工程が、pagA標的配列に特異的な少なくとも1つのプローブであって、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、または配列番号8の配列を有するオリゴヌクレオチドである、前記プローブを含む、請求項20の方法。
  24. ハイブリダイズ工程が、capB標的配列に特異的な少なくとも1つのプローブであって、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、または配列番号14からなる配列を有するオリゴヌクレオチドである、前記プローブを含む、請求項20の方法。
  25. セレウス菌(B.cereus)複合種のなかで保存されている16Sまたは23S rRNA配列あるいは16Sまたは23S rRNA配列をコードするDNAに特異的にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブを提供し、少なくとも1つのプローブを、セレウス菌複合種のなかで保存されている16Sまたは23S rRNA配列あるいは16Sまたは23S rRNA配列をコードするDNAにハイブリダイズさせ、そしてセレウス菌複合種のなかで保存されている16Sまたは23S rRNA配列あるいは16Sまたは23S rRNA配列をコードするDNAにハイブリダイズした少なくとも1つのプローブの存在を検出し、それによって、試料中のセレウス菌複合生物の存在を示す工程をさらに含んでなる、請求項20の方法。
  26. 16S rRNAまたは16S rRNA配列をコードするDNAに特異的にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブが、配列番号31、その相補配列、またはRNA均等物からなる配列に含有される配列に特異的にハイブリダイズする、18〜40塩基のオリゴヌクレオチドである、請求項25の方法。
  27. オリゴヌクレオチドが、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号37、配列番号38、または配列番号39からなる配列を有する、請求項26の方法。
  28. 23S rRNAまたは23S rRNA配列をコードするDNAに特異的にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブが、配列番号32、その相補配列、またはRNA均等物からなる配列に含有される配列に特異的にハイブリダイズする、20〜50塩基のオリゴヌクレオチドである、請求項25の方法。
  29. オリゴヌクレオチドが、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号35、または配列番号36からなる配列を有する、請求項28の方法。
  30. 提供工程が、真性細菌種に存在する遺伝子配列に特異的にハイブリダイズするプローブを提供することをさらに含み、ハイブリダイズ工程が、プローブを、真性細菌種に存在する遺伝子配列に特異的にハイブリダイズさせることをさらに含み、そして検出工程が、真性細菌種に存在する遺伝子配列にハイブリダイズしたプローブを検出し、それによって、バチルス属配列がアッセイ中でまったく検出されなかった際も、方法工程が適切に行われたことを示す工程をさらに含む、請求項25の方法。
  31. プローブが配列番号40からなる配列を有し、そして配列番号40のプローブが検出されることが、試料中に真性細菌が存在することを示す、請求項30の方法。
  32. 配列番号21、配列番号22、配列番号23、または配列番号24、これらの配列のいずれか1つの相補配列、またはRNA均等物からなるpagA標的配列に含有される配列にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、および配列番号25または配列番号26、これらの配列のいずれか1つの相補配列、またはRNA均等物からなるcapB標的配列に含有される配列に特異的にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブを含んでなる、請求項20の方法を実施するためのキット。
  33. 配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、または配列番号8の配列を有するオリゴヌクレオチドである、pagA標的配列に特異的な少なくとも1つのプローブ、および配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、または配列番号14からなる配列を有するオリゴヌクレオチドである、capB標的配列に特異的な少なくとも1つのプローブを含んでなる、請求項32のキット。
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