JP2006512472A - ポリマー成分を有するナノフィルム組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、種々の大環状モジュール成分と種々のポリマー成分および両親媒性成分から調製されるナノフィルムである薄層組成物に関する。本発明はまた、有機化学およびナノテクノロジーの分野に関し、特に、濾過に有用なナノフィルム組成物に関する。濾過に有用なナノフィルムは、両親媒性種および1以上のポリマー成分から調製される。その両親媒性種または成分は、界面または表面に配向され得る。ナノフィルムは、その成分の1以上をカップリングすることによって調製され得る。そのナノフィルムはまた、基材に被覆され得るかまたは結合され得る。

Description

(関連出願の引用)
本出願は、米国仮特許出願第60/411,588号(2002年9月17日出願であり、本明細書中にその全体が参考として援用される)に対する優先権を主張する。
(技術分野)
本発明は、種々の大環状モジュール成分と種々のポリマー成分および両親媒性成分から調製されるナノフィルムである薄層組成物に関する。本発明はまた、有機化学およびナノテクノロジーの分野に関し、特に、濾過に有用なナノフィルム組成物に関する。
(発明の背景)
ナノテクノロジーは、原子レベルまたは分子レベルにおいて新規な構造を操作する能力を包含する。ナノテクノロジーの一分野は、化学的構築ブロックを開発することであり、この化学的構築ブロックから、推定される特性の階層型分子(hierarchical molecule)が組み立てられ得る。化学的構築ブロックまたはナノ構造体を作製するアプローチは、高度に調節された特性を有する出発物質を設計および合成することによって、原子レベルまたは分子レベルで始まる。原子レベルでの正確な制御は、合理的に調節された合成−構造−特性の関係の開発のための基礎であり、このことは、特有の構造および推定可能な特性の物質を提供し得る。ナノテクノロジーに対するこのアプローチは、自然から着想される。例えば、生物学的組織化は、オルガネラ、細胞、および最終的に生物にされる生物学的分子に形成される、構造レベル:原子の階層に基づく。これらの構築ブロックの性能は、従来の材料および方法(例えば、統計学的混合物または反応物質の閉じこめを生成して、特定の反応経路を増強する重合)によって並ぶものがない。例えば、天然タンパク質において見いだされる20個の通常のアミノ酸から、105を超える安定かつ特有のタンパク質が生成される。
ナノテクノロジーから利益を得る1つの分野は、膜を使用する濾過である。種々の分離プロセスにおいて使用される従来の膜は、種々の分子種に対して選択的に透過性にされ得る。従来の膜のその透過性特性は、一般に、その膜構造を通る分子種の輸送経路に依存する。例えば、従来の選択的に透過性の材料における拡散経路は、透過性を制御するために曲げられ(tortuous)得、多孔性は、従来の方法によって十分には規定も制御もされない。膜の規則的なまたは特有の孔構造を製作する能力は、分離技術の長期にわたる目標である。
膜を通る種の流れに対する抵抗性はまた、流路長によって支配され得る。抵抗性は、膜材料の減少した機械的強度を犠牲にして、非常に薄いフィルムを膜として使用することによって非常に低下され得る。従来の膜は、少なくとも100〜200nmの障壁厚み、しばしば、mmまでの厚みを有し得る。一般に、膜障壁材料の薄いフィルムは、より大きな厚みの多孔性基材上に被覆されて、材料強度を回復し得る。
膜分離プロセスは、流体から成分を分離するために使用され、この流体中で、特定の「カットオフ」サイズよりも小さなサイズを有する原子成分または分子成分がより大きなサイズの成分から分離され得る。通常、カットオフサイズより小さな種は、膜によって通過される。そのカットオフサイズは、そのカットオフサイズより小さな成分の輸送速度が、より大きな成分の輸送速度より速いにすぎないという現象を反映する近似的な経験値であり得る。従来の圧力駆動膜分離プロセスにおいて、成分の分離に影響を与えるその主な要因は、膜構造における成分のサイズ、電荷、および拡散性である。透析において、分離のためのその駆動力は、濃度勾配である一方で、電気透析において、起電力は、イオン選択膜に適用される。
これあの方法の全てにおいて、必要であるもの、分離される流体の成分に対する選択的に透過性の膜障壁である。
(発明の要旨)
一局面において、本発明は、ナノフィルム組成物を提供する。いくつかの実施形態において、そのナノフィルム組成物は、大環状モジュールと少なくとも1つのポリマー成分との反応生成物を含む。いくつかの実施形態において、そのナノフィルム組成物は、ポリマー成分と両親媒性物質との反応生成物を含む。他の実施形態において、そのナノフィルム組成物は、ポリマー成分の反応生成物を含み、ここでそのポリマー成分は、リンカー分子によって連結される。なお他の実施形態において、そのナノフィルム組成物は、少なくとも2つのポリマー成分の反応混合物を含み、ここで第1のポリマー成分が、重合性両親媒性物質であり、第2のポリマー成分が重合性モノマーである。
いくつかの実施形態において、その大環状モジュールは、ヘキサマー1a、ヘキサマー1dh、ヘキサマー3j−アミン、ヘキサマー1jh、ヘキサマー1jh−AC、ヘキサマー2j−アミン/エステル、ヘキサマー1dh−アクリル、オクタマー5jh−アスパラギン酸、オクタマー4jh−アクリル、およびこれらの混合物からなる群より選択される。いくつかの好ましい実施形態において、その大環状モジュールは、ヘキサマー1dhである。
いくつかの実施形態において、そのポリマー成分は、重合性モノマーを含む。いくつかの実施形態において、その重合性モノマーは、CH=CHC(O)OCHCHOHを含む。他の実施形態において、そのポリマー成分は、重合性両親媒性物質を含む。いくつかの実施形態において、その重合性両親媒性物質は、両親媒性アクリレート、両親媒性アクリルアミド、両親媒性ビニルエステル、両親媒性アニリン、両親媒性ジイン、両親媒性ジエン、両親媒性アクリル酸、両親媒性エン、両親媒性桂皮酸、両親媒性アミノ−エステル、両親媒性オキシラン、両親媒性アミン、両親媒性ジエステル、両親媒性二酸、両親媒性ジオール、両親媒性ポリオール、および両親媒性ジエポキシドからなる群より選択される。いくつかの実施形態において、そのポリマー成分は、ポリマーである。いくつかの実施形態において、そのポリマー成分は両親媒性物質である。
いくつかの実施形態において、そのポリマー成分は、ポリ(マレイン酸無水物)、ポリ(エチレン−コ−マレイン酸無水物)、ポリ(マレイン酸無水物−コ−αオレフィン)、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、少なくとも1つのオキサシクロプロパン基を含むポリマー、ポリエチレンイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ(ビニルアセテート)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリイソプレン、ポリネオプロペン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスルホンアミド、ポリスルホキシド、ポリグリコール酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリエステルイオノマー、ポリカーボネート、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンクロリド、ポリビニリデンフルオリド、ポリビニルピロリドン、ポリ乳酸、ポリペプチド、ポリソルベート、ポリリジン、ヒドロゲル、炭水化物、ポリサッカリド、アガロース、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、デキストラン、セルロース、セルロースアセテート、キチン、キトサン、ペプチドグリカン、グリコサミノグリカン、ポリヌクレオチド、ポリ(T)、ポリ(A)、核酸、プロテオグリカン、糖タンパク質、糖脂質、およびこれらの混合物からなる群より選択される。いくつかの好ましい実施形態において、そのポリマー成分は、ポリ(マレイン酸無水物−コ−αオレフィン)である。
いくつかの実施形態において、その両親媒性物質は、重合性両親媒性物質である。いくつかの実施形態において、その重合性両親媒性物質は、両親媒性アクリレート、両親媒性アクリルアミド、両親媒性ビニルエステル、両親媒性アニリン、両親媒性ジイン、両親媒性ジエン、両親媒性アクリル酸、両親媒性エン、両親媒性桂皮酸、両親媒性アミノ−エステル、両親媒性オキシラン、両親媒性アミン、両親媒性ジエステル、両親媒性二酸、両親媒性ジオール、両親媒性ポリオール、および両親媒性ジエポキシドからなる群より選択される。いくつかの実施形態において、その両親媒性物質は、非重合可能両親媒性物質である。いくつかの実施形態において、その非重合可能両親媒性物質は、デシルアミンおよびステアリン酸からなる群より選択される。
いくつかの実施形態において、そのナノフィルム組成物は、非重合可能両親媒性物質をさらに含む。いくつかの実施形態において、非重合性両親媒性物質は、デシルアミンおよびステアリン酸からなる群より選択される。いくつかの実施形態において、そのポリマー成分はポリマーであり、その非重合性両親媒性物質は、そのポリマーにカップリングされる。
いくつかの実施形態において、前記大環状モジュールは、互いにカップリングされている。いくつかの実施形態において、その大環状モジュールは、少なくとも1つのポリマー成分にカップリングされている。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのポリマー成分は、両親媒性物質にカップリングされている。いくつかの実施形態において、そのカップリングは、リンカー分子を介する。いくつかの実施形態において、そのリンカー分子は、以下:
およびこれらの混合物からなる群より選択され;ここでmは1〜10であり、nは1〜6であり、Rは−Hまたは−CHであり、R’は、−(CH)”−またはフェニルであり、R”は−(CH−、ポリエチレングリコール(PEG)、またはポリプロピレングリコール(PPG)であり、XはBr、Cl、I、または他の脱離基である。
いくつかの実施形態において、そのナノフィルム組成物は、空気−水界面において少なくとも1つのポリマー成分を重合する工程を包含するプロセスによって調製される。いくつかの実施形態において、そのナノフィルム組成物は、空気−水界面において重合性両親媒性物質を重合する工程を包含するプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態において、そのポリマー成分の領域割合(area fraction)は、0.5〜98%である。他の実施形態において、そのポリマー成分の領域割合は、約20%未満である。なお他の実施形態において、そのポリマー成分の領域割合は、約5%未満である。
いくつかの実施形態において、そのナノフィルム組成物の厚みは、約30nm未満である。他の実施形態において、そのナノフィルム組成物の厚みは、約6nm未満である。なお他の実施形態において、そのナノフィルム組成物の厚みは、約2nm未満である。
いくつかの実施形態において、そのナノフィルム組成物は、少なくとも2層のナノフィルムを含む。いくつかの実施形態において、そのナノフィルム組成物は、そのナノフィルム層のいずれか2層の間に少なくとも1つの間隔配置層(spacing layer)をさらに含む。いくつかの実施形態において、その間隔層は、ポリマー、ゲル、または無機粒子の層を含む。
いくつかの実施形態において、そのナノフィルム組成物は、基材に被覆(deposit)される。いくつかの実施形態において、そのナノフィルムは、そのポリマー成分を介して基材にカップリングされている。いくつかの実施形態において、その基材は多孔性である。他の実施形態において、その基材は非多孔性である。他の実施形態において、そのナノフィルムは、ビオチン−ストレプトアビジン媒介性相互作用を介してその基材にカップリングされる。
いくつかの実施形態において、5〜30mN/mの表面圧におけるナノフィルム組成物の表面損失率は、そのポリマー成分なしで作製された同じナノフィルム組成物の表面損失率の約50%未満である。他の実施形態において、5〜30mN/mの表面圧におけるナノフィルム組成物の表面損失率は、そのポリマー成分なしで作製された同じナノフィルム組成物の表面損失率の約30%未満である。なお他の実施形態において、5〜30mN/mの表面圧におけるナノフィルム組成物の表面損失率は、そのポリマー成分なしで作製された同じナノフィルム組成物の表面損失率の約20%未満である。
そのナノフィルム組成物は、そのナノフィルム組成物を介して通過する種を記載するために使用され得る濾過機能を有し得る。ナノフィルム組成物は、特定の種(特定の流体中のアニオン、カチオン、および中性溶質を含む)およびその特定の種より小さな種についてのみ透過性であり得る。特定のナノフィルム組成物は、特定の溶媒における特定の種について高透過性を有し得る。ナノフィルム組成物は、特定の溶媒中における特定の種について低透過性を有し得る。ナノフィルム組成物は、特定の溶媒中の特定の種について高透過性を、および他の種について低透過性を有し得る。一実施形態において、ナノフィルム組成物は、以下の濾過機能を有し得る:
別の実施形態において、ナノフィルム組成物は、以下の濾過機能を有し得る:
別の実施形態において、そのナノフィルムは、ウイルス種およびより大きな種に対して非透過性である。他の実施形態において、そのナノフィルムは、免疫グロブリンGおよびより大きな種に対して非透過性である。他の実施形態において、そのナノフィルムは、アルブミンおよびより大きな種に対して非透過性である。他の実施形態において、そのナノフィルムは、β−ミクログロブリンおよびより大きな種に対して非透過性である。他の実施形態において、そのナノフィルムは、水およびより小さな種に対してのみ透過性である。別の実施形態において、そのナノフィルム組成物は、水分子ならびに水中のNa、K、およびCsについて高透過性を有する。別の実施形態において、そのナノフィルム組成物は、グルコースおよび尿素について低透過性を有する。別の実施形態において、そのナノフィルム組成物は、水分子および水中のClについて高透過性を有する。別の実施形態において、そのナノフィルム組成物は、水分子および水中のKについて高透過性、ならびに水中のNaについて低透過性を有する。別の実施形態において、そのナノフィルム組成物は、水分子および水中のNaについて高透過性、ならびに水中のKについて低透過性を有する。別の実施形態において、そのナノフィルム組成物は、水中の尿素、クレアチニン、Li、Ca2+、およびMg2+について低透過性を有する。別の実施形態において、そのナノフィルム組成物は、水中のNa、K、リン酸水素、およびリン酸二水素について高透過性を有する。別の実施形態において、そのナノフィルム組成物は、水中のNa、K、およびグルコースについて高透過性を有する。別の実施形態において、そのナノフィルム組成物は、水中のミオグロビン、オボアルブミン、およびアルブミンについて低透過性を有する。別の実施形態において、そのナノフィルム組成物は、有機化合物について高透過性および水について低透過性を有する。別の実施形態において、そのナノフィルム組成物は、有機化合物について低透過性および水について高透過性を有する。別の実施形態において、そのナノフィルム組成物は、水分子について低透過性ならびにヘリウムガスおよび水素ガスについて高透過性を有する。
ナノフィルム組成物は、分子量カットオフ値を有し得る。一実施形態において、そのナノフィルム組成物は、約13kDaの分子量カットオフを有する。別の実施形態において、そのナノフィルム組成物は、約190Daの分子量カットオフを有する。なお別の実施形態において、そのナノフィルム組成物は、約100Daの分子量カットオフを有する。別の実施形態において、そのナノフィルム組成物は、約45Daの分子量カットオフを有する。別の実施形態において、そのナノフィルム組成物は、約20Daの分子量カットオフを有する。
別の局面において、本発明は、有機溶媒中の大環状モジュールと少なくとも1つのポリマー成分との混合物を含む組成物を提供する。
別の局面において、本発明は、大環状モジュールと少なくとも1つのポリマー成分との反応生成物の薄いフィルムを含む組成物を提供し、ここでその組成物は、その大環状モジュールとその少なくとも1つのポリマー成分とを、空気−液体界面または液体−液体界面において、接触させる工程を包含するプロセスによって調製される。
別の局面において、本発明は、ナノフィルム組成物を作製するための方法を提供する。一実施形態において、大環状モジュールと少なくとも1つのポリマー成分との反応生成物を含むナノフィルム組成物を作製するための方法は、(a)大環状モジュールと少なくとも1つのポリマー成分との混合物を提供する工程;および(b)その混合物を、空気−液体界面または液体−液体界面において、薄いフィルムに形成する工程を包含する。いくつかの実施形態において、そのポリマー成分は、重合可能であり、そのポリマー成分を、その空気−液体界面または液体−液体界面において、重合する工程をさらに包含する。別の実施形態において、大環状モジュールと少なくとも1つのポリマー成分との反応生成物を含むナノフィルム組成物を作製するための方法は、(a)その少なくとも1つのポリマー成分を含む下位相(subphase)を提供する工程;および(b)大環状モジュールと、その下位相の表面とを接触させる工程を包含する。いくつかの実施形態において、その方法はさらに、(c)リンカー分子を、その下位相の表面と接触させる工程を包含する。別の実施形態において、大環状モジュールと少なくとも1つのポリマー成分との反応生成物を含むナノフィルム組成物を作製するための方法は、(a)その大環状モジュールを含む第1の液体相を提供する工程;(b)その少なくとも1つのポリマー成分を含む第2の液体相を提供する工程;および(c)その第1の液体相およびその第2の液体相から液体−液体界面を形成する工程を包含する。
いくつかの実施形態において、そのナノフィルム組成物は、スピンコーティング、噴霧コーティング、浸漬被覆、グラフティング、キャスティング、相反転、電気めっき、またはナイフエッジコーティングによって調製され得る。
本発明の別の局面において、本明細書中に記載のナノフィルム組成物を使用する濾過のための方法が提供される。一実施形態において、この方法は、そのナノフィルム組成物を使用して、流体から1つ以上の成分を分離する工程を包含する。別の実施形態において、この方法は、そのナノフィルム組成物を使用して、少なくとも2つのガスの混合物から1つ以上の成分を分離する工程を包含する。
(発明の詳細な説明)
(定義)
本明細書中で使用される場合、用語「反応生成物」とは、その示される成分から形成される生成物をいう。カップリングは、反応生成物を形成することにおける成分間で生じてもよいし、生じなくてもよい。ポリマー成分は、反応生成物を形成することにおいて、重合されてもよいし、重合されなくてもよい。非限定的例において、大環状モジュールとポリマー成分との反応生成物を含むナノフィルムは、そのモジュール間のカップリング、および/またはそのモジュールとポリマー成分との間のカップリング、および/またはそのポリマー成分間のカップリングを有してもよいし、全くカップリングを有さなくてもよい。いくつかの場合において、そのポリマー成分は、重合される。そのポリマー成分は、完全にまたは部分的に重合され得る。あるいは、そのポリマー成分は、重合されなくてもよい。
本明細書中で使用される場合、用語「シントン」とは、大環状モジュールが作製され得るモノマー分子ユニットをいう;大環状モジュールは、カップリングされたシントンの閉鎖した環である。シントンおよび大環状モジュールの構造および合成は、本明細書中で以下により詳細に記載される。
本明細書中で使用される場合、用語「ポリマー」および「ポリマー分子」とは、ポリマー、または優先的にポリマーであるが、結合される非ポリマー原子もしくは種を有し得る分子をいう。用語ポリマーは、コポリマー、ターポリマー、および異なるモノマーの任意の数を含むポリマーを包含する。
本明細書中で使用される場合、用語「ポリマー成分」とは、ポリマーであるか、または重合によってポリマーを形成し得るかのいずれかである分子または種をいう。重合性モノマーおよび重合性分子は、ポリマー成分であり得る。いくつかの例において、そのポリマー成分は、両親媒性物質であり得る。
本明細書中で使用される場合、「重合性」とは、そのナノフィルムが調製される反応条件下で重合し得る分子種を示す。「非重合性」とは、そのナノフィルムが調製される反応条件下で重合しない分子種を示すために、本明細書中で使用される。1セットの反応条件下で「非重合性」種は、別のセットの反応条件下で「重合可能」であり得る。
本明細書中で使用される場合、用語「両親媒性物質」または「両親媒性」とは、親水性特性および親油性特性の療法を示す分子または種をいう。一般に、両親媒性物質は、親油性部分および親水性部分を含む。用語「親油性」および「疎水性」は、本明細書中で使用される場合、交換可能である。両親媒性物質は、ラングミュアフィルムであり得る。両親媒性物質は、重合可能であり得る。あるいは、その両親媒性物質は、重合可能でなくてもよい。
疎水性基または疎水性部分の非限定的例としては、低級アルキル基、7個、8個、9個、10個、11個、12個、もしくはそれ以上の炭素原子を有するアルキル基(14〜30個、もしくは30個以上の炭素原子、または30個以上の炭素原子を有するアルキル基を含む)、置換型アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換型アリール基、飽和もしくは不飽和の環式炭化水素<ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、複素環式、および対応する置換型の基が挙げられる。疎水性基は、その基の疎水性特性が重すぎない範囲において、いくらかの親水性基または置換基を含み得る。さらなる変形例において、疎水性基は、置換されたケイ素原子を含み得、フッ素原子を含み得る。その親油性部分は、直鎖状であってもよいし、分枝状であってもよいし、環式であってもよい。
親油性基としてのシントンもしくは大環状モジュールにカップリングされ得る基の非限定的例としては、アルキル、−CH=CH−R、−C≡C−R、−OC(O)−R、−C(O)O−R、−NHC(O)−R、−C(O)NH−R、および−O−R(ここでRは、4〜18Cアルキルである)が挙げられる。
親水性基もしくは親水性部分の非限定的例としては、ヒドロキシル、メトキシ、フェノール、カルボン酸およびこれらの塩、メチル、エチル、およびカルボン酸のビニルエステル、アミド、アミノ、シアノ、イソシアノ、ニトリル、アンモニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、一アルキル置換アミノ基および二アルキル置換アミノ基、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エポキシ基、アクリレート、スルホンアミド、ニトロ、−OP(O)(OCHCHRR’R”)O−、グアニジニウム、アミネート、アクリルアミド、ピリジニウム、ピペリジン、およびこれらの組み合わせが挙げられ、ここでR、R’およびR”は、各々独立して、Hまたはアルキルから選択される。親水性基は、その基の親水性特性が重すぎない範囲において、いくらかの疎水性基または置換基を含み得る。さらなる例としては、アルコール、カルボキシレート、アクリレート、メタクリレート、または
基で置換されたポリメチレン鎖が挙げられ、ここでyは、1〜6である。親水性部分としてはまた、内部アミノ基または置換型アミノ基(例えば、内部−NH−、−NC(O)R−、もしくは−NC(O)CH=CH−基)を有するアルキル鎖が挙げられ得る。親水性部分はまた、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトンジオール、ポリ(酢酸)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(2−ビニルピリジン)、セルロースエステル、セルロースヒドロキシエーテル、ポリ(L−リジンヒドロブロミド)、ポリ(イタコン酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ(アニリン)、またはポリ(ビニルホスホン酸)が挙げられ得る。
本明細書中で使用される場合、分子部分もしくは分子種、ポリマー成分、シントン、および大環状モジュールに関する用語「カップリング(する)」および「カップリングされる」とは、他の分子部分もしくは分子種、分子、シントン、または大環状モジュールとのそれらの結合または会合をいう。その結合または会合は、特異的であっても非特異的であってもよく、可逆的であっても非可逆的であってもよく、化学反応の結果であっても錯体化の結果であってもよい。カップリング反応によって形成される結合は、しばしば、共有結合、または極性共有結合、または混合イオン性共有結合であり、ときおり、クーロン力、イオン力もしくは静電力、または相互作用であり得る。いくつかの好ましい実施形態において、カップリング反応によって形成される結合は、共有結合である。
本明細書中で使用される場合、化学式における用語「R」、「R’」、「R”」、および「R’”」とは、水素または官能基をいい、別段示されない限り、各々独立して選択される。いくつかの好ましい実施形態において、その官能基は、有機基であり得る。
本明細書中で使用される場合、用語「官能基」としては、化学基、有機基、無機基、有機金属基、アリール基、ヘテロアリール基、環式炭化水素基、アミノ基(−NH)、ヒドロキシル基(−OH)、シアノ基(−C≡N)、ニトロ基(−NO)、カルボキシル基(−COOH)、ホルミル基(−CHO)、ケト基(−CHC(O)CH−)、アルケニル基(−C=C−)、アルキニル基(−C≡C−)およびハロ基(F、Cl、BrおよびI)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、その官能基は、有機基である。
本明細書中で使用される場合、用語「アルキル」とは、分枝鎖または非分枝鎖の一価の炭化水素ラジカルをいう。「n〜mCアルキル」または「(nC〜mC)アルキル」とは、n〜m個の炭素原子を含む全てのアルキル基をいう。例えば、1〜4Cアルキルとは、メチル基、エチル基、プロピル基、またはブチル基をいう。示されるアルキル基のあり得る異性体全てがまた含まれる。従って、プロピルはイソプロピルを含み、ブチルは、n−ブチル、イソブチルおよびt−ブチルを含むなどである。1〜6個の炭素原子を有するアルキル基は、「低級アルキル」といわれる。用語アルキルは、置換型アルキルを含む。本明細書中で使用される場合、用語「置換型アルキル」とは、そのアルキル基の任意の炭素にさらなる基が結合したアルキル基をいう。置換型アルキルに結合したさらなる基としては、アルキル、低級アルキル、アリール、アシル、ハロゲン、アルキルハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アシルオキシ、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、メルカプト、飽和および不飽和両方の環式炭化水素、複素環などのような1以上の官能基が挙げられ得る。
本明細書中で使用される場合、用語「アルケニル」とは、不飽和C=Cを有する任意の構造または部分をいう。本明細書中で使用される場合、用語「アルキニル」とは、不飽和C≡Cを有する任意の構造または部分をいう。
本明細書中で使用される場合、用語「アリール」とは、一緒に縮合されるか、共有結合的に連結されるか、または共通の基(例えば、メチレン、エチレン、またはカルボニル)に連結される、単一の芳香族環または複数の芳香族環であり得る芳香族基をいい、多環状環構造を含む。芳香族環は、とりわけ、置換型または非置換型のフェニル、ナフチル、ビフェニル、ジフェニルメチル、およびベンゾフェノン基を含み得る。用語「アリール」とは、置換型アリールを含む。
本明細書中で使用される場合、用語「置換型アリール」とは、そのアリール基の任意の炭素にさらなる基が結合したアリール基をいう。さらなる基としては、芳香族環に縮合されるか、共有結合されるかもしくは共通の基(例えば、メチレン基もしくはエチレン基)もしくはカルボニル連結基(例えば、シクロヘキシルフェニルケトン中の)に連結される、1以上の官能基(例えば、低級アルキル、アリール、アシル、ハロゲン、アルキルハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルコキシ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アシルオキシ、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、チオエーテル、複素環、飽和および不飽和両方の環式炭化水素などが挙げられ得る。
本明細書中で使用される場合、用語「ヘテロアリール」とは、芳香族環の1以上の炭素原子が、ヘテロ原子(例えば、窒素、酸素または硫黄)によって置換されている芳香族環をいう。ヘテロアリールとは、単一の芳香族環、複数の芳香族環、または1以上の非芳香族環に連結された1以上の芳香族環を含み得る構造をいう。これは、縮合もしくは非縮合の、共有結合されているか、または共通の基(例えば、メチレン基もしくはエチレン基)に連結されているか、またはフェニルピリジルケトン中のカルボニルに連結されている、複数の環を有する構造を含む。本明細書中で使用される場合、用語「ヘテロアリール」は、チオフェン、ピリジン、イソキサゾール、フタルイミド、ピラゾール、インドール、フラン、またはこれらの環のベンゾ縮合アナログのような環を含む。
本明細書中で使用される場合、用語「アシル」とは、カルボニル置換基、Rはアルキルもしくは置換型アルキル、アリールもしくは置換型アリールである−C(O)R(これは、Rがアルキルである場合、アルカノイルといわれ得る)をいう。
本明細書中で使用される場合、用語「アミノ」とはRおよびR’が独立して、水素、低級アルキル、置換型低級アルキル、アリール、置換型アリールまたはアシルであり得る、基−NRR’をいう。
本明細書中で使用される場合、用語「アルコキシ」とは、Rがアルキル、置換型低級アルキル、アリール、置換型アリールである−OR基をいう。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、フェノキシ、置換型フェノキシ、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ、t−ブトキシなどが挙げられる。
本明細書中で使用される場合、用語「チオエーテル」とは、RおよびR’が同じであるかもしくは異なる、アルキル、アリールもしくは複素環式基であり得る一般構造R−S−R’をいう。基−SHはまた、「スルフヒドリル」または「チオール」または「メルカプト」といわれ得る。
本明細書中で使用される場合、用語「飽和環式炭化水素」とは、置換基を含む、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルなどのような環構造をいう。飽和環式炭化水素に対する置換基は、ヘテロ原子(例えば、窒素、酸素または硫黄)でその環の1以上の炭素原子を置換することを含む。飽和環式炭化水素は、二環式構造(例えば、ビシクロヘプタンおよびビシクロオクタン)および多環式構造を含む。
本明細書中で使用される場合、用語「不飽和環式炭化水素」とは、置換基を含む、少なくとも1つの二重結合を有する非芳香族環式基(例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなど)をいう。不飽和環式炭化水素に対する置換基は、その環の1以上の炭素原子をヘテロ原子(例えば、窒素、酸素もしくは硫黄)で置換することを含む。不飽和環式炭化水素は、二環式構造(例えば、ビシクロヘプテンおよびビシクロオクテン)および多環式構造を含む。
本明細書中で使用される場合、用語「環式炭化水素」は、置換型および非置換型の、飽和および不飽和の環式炭化水素を含み、単環式および多環式の構造を含む。
本明細書中で使用される場合、用語「ヘテロアリールアルキル」とは、ヘテロアリール基がアルキル基に結合されているアルキル基をいう。
本明細書中で使用される場合、用語「複素環式」とは、その環内に、1〜12個の炭素原子および窒素、リン、硫黄、または酸素から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、単一の環または複数の縮合環を有する飽和または不飽和の非芳香族基をいう。複素環の例としては、テトラヒドロフラン、モルホリン、ピペリジン、ピロリジンなどが挙げられる。
本明細書中で使用される場合、上記の各化学用語は、明示的にその対応する置換型の基を含む。例えば、「複素環式」は、置換型の複素環式基を含む。
本明細書中で使用される場合、用語「活性化酸」とは、−C(O)X部分をいい、ここでXは、脱離基であり、そのX基は、求核剤によって容易に置換されて、その−C(O)−とその求核剤との間に共有結合を形成する。活性化酸の例としては、酸クロリド、酸フルオリド、p−にチョロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、およびN−ヒドロキシスクシンイミドエステルが挙げられる。
本明細書中で使用される場合、用語「アミノ酸残基」とは、少なくとも1つのアミノ(−NH2)および少なくとも1つのカルボキシ(−C(O)O−)基を含む種が、そのアミノ基またはカルボキシル基のいずれかを介してシントンの原子もしくは官能基とカップリングする場合に形成される生成物をいう。カップリングに関与しないアミノ基またはカルボキシル基のどちらでも、必要に応じて、除去可能な保護基でブロックされ得る。
(ナノフィルム成分)
一局面において、本発明は、個々に、原子サイズから分子サイズの孔を有する多孔性構造体および材料の調製におけるナノ技術に関する。ナノフィルム組成物のような材料は、大環状モジュールから形成され得る。ナノフィルム組成物はまた、1以上のポリマー成分組み合わせて、大環状モジュールから形成され得る。ナノフィルム組成物はまた、ポリマーおよび両親媒性物質から形成され得、ここでその両親媒性物質は、重合可能であっても非重合可能であってもよい。ナノフィルム組成物はまた、リンカーを介してカップリングされたポリマー成分から形成され得る。いくつかの実施形態において、孔は、ナノフィルムの構造を介して供給され得る。いくつかの実施形態において、孔は、その大環状モジュールの構造を介して供給される。
いくつかの変形例において、そのナノフィルムは、カップリングされた大環状モジュールから調製され、そのモジュールはまた、1以上のポリマー成分とカップリングされ得る。他の変形例において、そのナノフィルムは、両親媒性分子を含み、必要に応じて、その分子は、他の成分のいずれかとカップリングされ得る。これらの両親媒性分子は、重合性であっても非重合性であってもよい。「非重合性」両親媒性物質は、そのナノフィルムが調製される反応条件下で比重合成であることが理解されるべきである。
ナノフィルムは、種々の分子の混合物、すなわち、大環状モジュール、両親媒性分子、および/またはポリマー成分の混合物を用いて調製され得る。これらの変形例において、そのポリマー成分は、本明細書中に記載されるように、混合され得るか、まとめられ得るか、または大環状モジュールおよび両親媒性分子から相分離され得る。種々の分子および/または両親媒性分子の混合物で作製された1以上のポリマー成分を有するナノフィルムはまた、種々のサイズの孔の点在したアレイを有し得る。
これらの材料は、特有の構造が存在する領域を有し得る。その特有の構造は、規則的な間隔で反復されて、実質的に均一な寸法を有する孔の格子を提供し得る。その特有の構造は、種々の形状およびサイズを有し得、それによって、種々の形状およびサイズの孔を提供し得る。特有の構造は、単層の分子厚みにおいて形成され得、その特有の構造によって規定される孔は、分子サイズの間隙、開口部、またはチャンバ様構造を含み得る。一般に、それらの特有の構造によって規定される原子サイズから分子サイズの孔は、選択的透過性または分子ふるい機能のために使用され得る。ナノ技術のいくつかの局面は、Nanostructured Materials,J.Ying編,Academic Press,San Diego,2001において与えられる。
そのナノフィルムは、1つ以上のポリマー成分を有し得る。これらのナノフィルムは、主に、1以上のポリマー成分から構成された領域を有し得る。いくつかの場合において、そのポリマー成分は、可塑剤として作用する。いくつかの場合において、主に、1以上のポリマー成分から構成された領域は、流体、低分子、生体分子、溶媒分子、またはイオンの透過に対する障壁を形成し得る。他の場合において、そのナノフィルムの間隙率は、ポリマー成分の架橋の型および程度によって制御される。
広範な種々の構造的特徴および特性(例えば、非晶質構造、ガラス状構造、半晶質構造または結晶構造、およびエラストマー性、柔軟性、熱可塑性、または変形性)が、そのナノフィルムによって示され得る。
種々の成分(例えば、モジュールおよびポリマー成分)は、ナノフィルムを形成するために表面に被覆され得る。その大環状モジュールは、官能基をそのモジュールに提供し、そのモジュールに両親媒性特性を付与することによって、表面に配向され得る。例えば、そのモジュールは、親水性表面に被覆され、そのモジュールに結合される疎水性置換基または疎水性テイルは、その疎水性置換基が表面から離れて配向して、その表面に向かって配向されたモジュールのより親水性ファセットを残すように、その、モジュールをその表面に再配向させる。他の成分はまた、その成分において両親媒性基を提供することによって、必要に応じて、同様に表面に配向され得る。
表面にある分子の立体構造は、その分子が表面に存在する相または層の充填量、密度または状態に依存し得る。モジュールもしくは他の分子を配向するために使用され得る表面は、界面(例えば、気体−液体界面、空気−水界面、非混和性の液体−液体界面、液体−固体界面、または気体−固体界面)を含む。配向される層の厚みは、いくつかの場合において、実質的に、単分子層の厚みであり得る。
そのナノフィルムの組成物は、固体、ゲル、または液体であり得る。そのナノフィルムのモジュールは、発泡状態(expanded state)、液体状態、または液体発泡状態(liquid−expanded state)にあり得る。そのナノフィルムのモジュールの状態は、凝縮されていても、液体凝縮されていても、縮められていてもよく、固体状態であっても、密に充填された状態であってもよい。そのナノフィルムのモジュールおよび/または他の成分は、弱い誘引力によって互いに相互作用し得る。あるいは、それらは、例えば、共有結合を介してカップリングされ得る。例えば、表面配向された大環状モジュールから調製されるナノフィルムのそのモジュールは、任意の強い相互作用またはカップリングによって連結されなくてもよい。あるいは、例えば、そのナノフィルムのモジュールは、例えば、共有結合を介して連結され得る。
本発明はさらに、より大きな種へとさらに組み立てるために「構築ブロック」として組み立てられ得る分子または大環状モジュールの合理的設計を包含する。標準化された分子サブユニットまたはモジュールが使用され得、これらの分子サブユニットまたはモジュールから、推定される特性の階層的分子が組み立てられ得る。カップリング反応は、指向性の合成においてモジュールを組み合わせ得るかまたは結合し得る。
シントンのセットで始まる大環状モジュールの調製は、is described in 米国特許出願第10/071,377号および同第10/226,400号、ならびにPCT出願(標題「macrocyclic module compositions」、2003年2月7日出願(それらの全体が本明細書中に参考として援用される))に記載される。大環状モジュールを作製するために組み立てられるシントンのセットで始まり、続いて、ナノフィルムを形成するために合わせられる、分子構築ブロックの組み立ては、米国仮特許出願第60/383,236号(2002年5月22日出願)および米国特許出願(標題「Nanofilm and Membrane Compositions」(2003年2月7日出願)に記載され、これらは、それらの全体が本明細書中に参考として援用される。シントン、大環状モジュールおよび両親媒性大環状モジュールの例および合成は、本明細書中、以下でさらに記載される。
分子構築ブロックとして有用なモジュールの例は、表1に示される。
(表1:大環状モジュールの例)
(ナノフィルムポリマー成分)
一局面において、本発明は、個々に、ポリマー成分を有するナノフィルム組成物に関する。ポリマー成分は、大環状モジュールを含むナノフィルム組成物に導入され得る。ナノフィルム組成物はまた、リンカー分子によってカップリングされるポリマー成分から作製され得る。ナノフィルム組成物はまた、ポリマー成分および両親媒性分子から作製され得、ここでその両親媒性分子は、必要に応じて、重合性であり得る。
ポリマー成分は、重合性の種、またはモノマーから作製される任意の分子量のポリマーもしくは高分子である。重合性の種は、ポリマー中で反復され得る分子であるモノマー、およびポリマーを含む。ここでそのモノマー、またはポリマーは、重合性の基または架橋可能な基を有する。任意のポリマー成分、重合性の種、ポリマー、またはモノマーはまた、両親媒性であり得る。ポリマー成分の例としては、有機ポリマー、熱可塑性樹脂、合成エラストマーおよび天然エラストマー、導電性ポリマー、合成生体分子および天然生体分子、ならびに無機ポリマーが挙げられる。本発明のポリマー成分の例としては、H、C、N、O、S、F、およびClから選択される原子を含む有機ポリマーが挙げられる。
そのポリマー成分は、ホモポリマー、または混合コポリマー、ブロックコポリマー、またはグラフトコポリマーであり得る。混合ポリマー、ブロックポリマー、およびコポリマーは、2個、3個またそれ以上の異なるモノマーを有する高分子を含む。そのポリマー成分は、本明細書中に記載される例のいずれかで作製され得るモノマーもしくはポリマーの任意の組み合わせを有し得るか、またはポリマーのブレンドであり得る。ポリマー成分の混合物は、本発明の変形例において使用され得る。ポリマーの例としては、直鎖状もしくは分枝状、側鎖が分枝状、または分枝状コーム型ポリマーが挙げられる。ポリマーは、星(star)形の形態もしくは樹枝状形態、または種々の組成のマイクロチューブ、円筒、もしくはナノチューブを含む形態であり得る。ポリマー分枝は、長い側鎖の分枝であってもよいし、短い側鎖の分枝であってもよい。そのポリマーは、合成方法により作製されてもよいし、天然に存在する供給源から得られてもよい。
ポリマー成分は、ナノフィルムを形成するために使用される混合物に導入される場合、ポリマーの形態であり得る。いくつかの変形例において、ナノフィルムを形成するために使用される混合物に導入される場合に既にポリマーの形態にあるポリマー成分は、両親媒性特徴を有し得る。両親媒性特徴を有するポリマーは、有機溶媒より水中でより可溶性であり得、またその逆も同様である。いくつかの変形例において、ポリマー成分は、極性基および両親媒性特徴を有する水溶性ポリマーであり得る。
さらなる変形例において、そのポリマー成分は、ナノフィルムを形成するために使用される混合物に導入される場合に、重合性の分子の形態であり得る。ナノフィルムを調製するために使用される重合性の分子は、モノマーを含む。いくつかの変形例において、ナノフィルムを調製するために使用される重合性の分子は、両親媒性特徴を有し得る。ナノフィルムのポリマー成分は、大環状モジュールおよび/または他の成分から、そのナノフィルムの調製の間にインサイチュで形成され得る。ナノフィルムのポリマー成分のインサイチュでの形成は、多成分混合物中でモノマーもしくは重合性の両親媒性物質を重合することによって行われ得る。
ポリマー成分の例としては、ポリ(マレイン酸無水物)、マレイン酸無水物のコポリマー、ポリ(エチレン−コ−マレイン酸無水物)、ポリ(マレイン酸無水物−コ−αオレフィン)、ポリアクリレート、アクリレート側鎖基を有するポリマーもしくはコポリマー、オキサシクロプロパン側鎖基を有するポリマーもしくはコポリマー、ポリエチレンイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリスチレン、ポリ(ビニルアセテート)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリイソプレン、ネオプロペン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンクロリド、ポリビニリデンフルオリド、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホンアミド、ポリスルホキシド、ポリグリコール酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリエステルイオノマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリソルベート、ポリリジン、ポリペプチド、ポリ(アミノ酸)、ポリビニルピロリドン、ポリ乳酸、ゲル、ヒドロゲル、炭水化物、ポリサッカリド、アガロース、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、デキストラン、セルロース、セルロースアセテート、キチン、キトサン、ペプチドグルカン、およびグリコサミノグリカンが挙げられる。ポリマー成分の例としてはまた、上記の例示のポリマーのアミノ分枝誘導体、アミノ置換誘導体、およびアミノ末端誘導体が挙げられる。ポリマー成分の多の例としては、ポリヌクレオチド、合成もしくは天然に存在するポリヌクレオチド、例えば、ポリ(T)核酸およびポリ(A)核酸、ならびにプロテオグリカン、糖タンパク質および糖脂質が挙げられる。
重合性モノマーであるポリマー成分の例としては、ビニルハライド化合物(例えば、塩化ビニル);ビニリデンモノマー(例えば、塩化ビニリデン);不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、およびそれらの塩;アクリレート(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、オクチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、フェニルアクリレートおよびシクロヘキシルアクリレート);メタクリレート(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、およびシクロヘキシルメタクリレート);不飽和ケトン(例えば、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メチルイソブチルケトンおよびメチルイソプロペニルケトン);ビニルエステル(例えば、ビニルホルメート、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルベンゾエート、ビニルモノクロロアセテート、ビニルジクロロアセテート、ビニルトリクロロアセテート、ビニルモノフルオロアセテート、ビニルジフルオロアセテートおよびビニルトリフルオロアセテート);ビニルエーテル(例えば、メチルビニルエーテルおよびエチルビニルエーテル);アクリルアミドおよびそのアルキル置換型化合物;ビニル基を含む酸化合物およびそれらの塩、無水物およびその誘導体(例えば、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸(methallylsulfonic acid)、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホプロピルメタクリレート、ビニルステアリン酸およびビニルスルフィン酸);スチレンまたはそのアルキル置換型化合物もしくはハロゲン置換型化合物(例えば、スチレン、メチルスチレンおよびクロロスチレン);アリルアルコールまたはそのエステルもしくはエーテル);ビニルイミド(例えば、N−ビニルフタルイミドおよびN−ビニルスクシノイミド);塩基性ビニル化合物(例えば、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾールおよびビニルピリジン);不飽和アルデヒド(例えば、アクロレインおよびメタクロレイン);および架橋ビニル化合物(例えば、グリシジルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートおよびメチレンビスアクリルアミドが挙げられる。
重合性両親媒性物質であるポリマー成分の例としては、ビニルハライドの長鎖アルキル誘導体、ビニリデンハライド、不飽和カルボン酸およびその塩、アクリレート、メタクリレート、不飽和ケトン、ビニルエステル、ビニルエーテル、アクリルアミド、ビニル基を含む酸化合物、無水物、スチレン、アリルアルコールまたはそのエステルもしくはエーテル、ビニルイミド、ビニル化合物不飽和アルデヒド、およびビニル化合物が挙げられる。重合性両親媒性物質であるポリマー成分の例としては、一般に、両親媒性アクリレート、両親媒性アクリルアミド、両親媒性ビニルエステル、両親媒性アニリン、両親媒性ジイン、両親媒性ジエン、両親媒性アクリル酸、両親媒性エン、両親媒性桂皮酸、両親媒性アミノエステル、および両親媒性オキシランが挙げられる。重合性両親媒性物質であるポリマー成分のさらなる例としては、両親媒性アミン、両親媒性ジエステル、両親媒性二酸、両親媒性ジオール、両親媒性ポリオール、および両親媒性ジエポキシドが挙げられ、これらのいずれかが、リンカー分子とカップリングされ得る。
好ましいポリマー成分としては、ポリ(マレイン酸無水物−コ−αオレフィン)、PMAOD、 PMMA、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(PHEMA)、PGM、ポリエチレンイミン(PEI)およびCH=CHC(O)OCHCHOHが挙げられる。本発明のナノフィルムにおいて使用され得るさらに好ましいポリマー成分としては、本明細書中以下の表5〜9に記載されるものが挙げられる。いくつかの実施形態において、そのポリマー成分は、ポリ(マレイン酸無水物−コ−αオレフィン)である。いくつかの実施形態において、そのポリマー成分は、PMAODである。いくつかの実施形態において、そのポリマー成分は、PMMAである。いくつかの実施形態において、そのポリマー成分は、PHEMAである。いくつかの実施形態において、そのポリマー成分は、PGMである。いくつかの実施形態において、そのポリマー成分は、PEIである。いくつかの実施形態において、そのポリマー成分は、CH2=CHC(O)OCHCHOHである。
ポリマー成分は、ナノフィルムの他の種または成分にカップリングされる原子または原子基を有し得る。ナノフィルムにおける他の種に対するそのポリマー成分のカップリングは、完全であっても不完全であってもよい。そのポリマー成分は、大環状モジュールもしくはリンカー分子に、または他のポリマー成分に、または他の種(例えば、両親媒性物質もしくはモノマー)にカップリングされ得る。大環状モジュール、リンカー分子、または他の種のカップリングは、そのポリマー成分のドメインに対してであり得、そのドメインの界面もしくは表面にて起こる。
(両親媒性分子のナノフィルム)
両親媒性分子は、ラングミュアトラフにおける空気−水界面のような表面で配向され得、ラングミュア薄フィルムを形成するために圧縮され得る。そのラングミュア薄フィルムの両親媒性分子は、互いにまたは他の成分にカップリングされ得、実質的に単分子層薄フィルム材料を形成し得る。
その両親媒性分子の極性基の非限定的例としては、include アミド、アミノ、エステル、−SH、アクリレート、アクリルアミド、エポキシ、−OH、−OCH、−NH、−CN、−NO、−N+RR’R”、−SO 、−OPO 2−、−OC(O)CH=CH、−SONH、−SONRR’、−OP(O)(OCHCHRR’R”)O、−C(O)OH、−C(O)O、グアニジウム、アミネート、ピリジニウム、
、−O(CHC(O)NH(ここでxは1〜6である)、−O(CHC(O)NHR(ここでyは1〜6である)、および−O(CHCHO)R(ここでzは1〜6である)、および親水性基が挙げられる。その極性基は、カップリング反応によってともにカップリングされて、薄いフィルム材料が形成され得る。その両親媒性分子の極性基は、互いに直接連結され得る。例えば、スルフヒドリル基は、ジスルフィド連結を形成するようにカップリングされ得るか、またはエステルを有する極性基もしくはアミノ基は、その両親媒性分子を、アミド連結を通じて結合するようにカップリングし得る。そのカップリングは、例えば、伸長されたアミド連結によって2つを超える両親媒性分子を結合し得る。その両親媒性分子の極性基はまた、互いにリンカー分子と連結され得る。例えば、アミノは、ホルムアミドとのMannich反応によってカップリングされ得る。そのナノフィルムの両親媒性分子の一部はカップリングされ得る一方で、その残りはカップリングされない。ナノフィルムのその両親媒性分子(それらの両方がカップリングされ、それらはカップリングされない)はまた、弱い非結合相互作用または結合相互作用(例えば、水素委結合および他の相互作用)を介して相互作用し得る。
その両親媒性分子の疎水性テイルは、任意の長さであり得、ときおり、約1〜28個の炭素原子である。その両親媒性分子の疎水性テイルの例は、大環状モジュールに結合して、そのモジュールに両親媒性特徴を付与し得る疎水性基を含む。
好ましい重合性両親媒性物質としては、両親媒性アクリレート、両親媒性アクリルアミド、両親媒性ビニルエステル、両親媒性アニリン、両親媒性ジイン、両親媒性ジエン、両親媒性アクリル酸、両親媒性エン、両親媒性桂皮酸、両親媒性アミノ−エステル、両親媒性オキシラン、両親媒性アミン、両親媒性ジエステル、両親媒性二酸、両親媒性ジオール、両親媒性ポリオール、および両親媒性ジエポキシドが挙げられる。
好ましい非重合性両親媒性物質としては、デシルアミンおよびステアリン酸が挙げられる。これらは、そのナノフィルムが調製される条件下で非重合性である場合に、「非重合性両親媒性物質」であることが理解されるべきである。これらは、他のナノフィルムにおいて含まれる場合に、重合性両親媒性物質であると考えられ得る。ここでそれらのナノフィルムの調製の条件は、両親媒性物質を重合させ得る。
いくつかの実施形態において、その両親媒性物質は、オクタデシルアミン(ODA)であり得る。いくつかの実施形態において、その両親媒性物質は、メチルヘプタデカノエート(MHD)であり得る。いくつかの実施形態において、その両親媒性物質は、N−オクタデシルアクリルアミド(ODAA)であり得る。いくつかの実施形態において、その両親媒性物質は、デシルアミンであり得る。いくつかの実施形態において、その両親媒性物質は、ステアリン酸であり得る。いくつかの実施形態において、その両親媒性物質は、ステアリン酸のメチルエステルであり得る。いくつかの実施形態において、その両親媒性物質は、イコサノール、または他の長鎖アルカノールであり得る。好ましい両親媒性物質のさらなる例としては、実施例において、および表5〜9において見いだされ得る。
孔および障壁の特性は、両親媒性分子をカップリングすることによって作製されるナノフィルムの構造において見いだされる。その孔および障壁の特性は、その両親媒性分子のカップリングまたは相互作用の程度または範囲によって、例えば、そのリンカー分子の長さによって、改変され得る。
(大環状モジュールおよび他の成分のカップリング)
表面上に配向される大環状モジュールおよび/または他の成分は、薄いフィルム組成物またはナノフィルムにカップリングされ得る。例えば、表面配向モジュールは、二次元アレイでカップリングされて、実質的に単層分子層のナノフィルムを形成し得る。その二次元アレイは、薄層組成物全体を通じて一般に、1分子厚であり、物理的力および化学的力に起因して、局所的に変化し得る。モジュールおよび/または他の成分のカップリングは、そのモジュールおよび/または他の成分を、カップリングのプロセスの前またはそのプロセスの間に表面上に配向することによって、実質的に二次元の薄いフィルムを形成するために行われ得る。一般に、両親媒性成分は、界面上に配向され得る。一般に、水溶性成分は、ナノフィルムの形成のために下位相に添加され得る。成分はまた、界面上に配向する前に混合され得る。
大環状モジュールは、そのモジュールのカップリングを可能にする官能基を有するように調製され得る。モジュールをカップリングすることによって形成される生成物の性質は、一変形例において、モジュール構造に関して官能基の相対的配向に依存し、他の変形例において、互いに共有結合、非共有結合または他の結合を形成し得る異なるモジュール上の補完的な官能基の配置に依存する。
いくつかの変形例において、大環状モジュールは、他の大環状モジュールの補完的な官能基に直接カップリングして、大環状モジュールの間に連結を形成する官能基を含む。その官能基は、いくつかの場合において、カップリングする前または後の両親媒性特徴に寄与し得、そのモジュールに共有結合または非共有結合し得る。いくつかの実施形態において、その官能基は、そのモジュールに共有結合される。その官能基は、表面に対してそのモジュールを配向する前、その間またはその後にそのモジュールに結合され得る。
他の変形例において、大環状モジュールは、ポリマー成分および/または他の成分にカップリングする官能基を含む。大環状モジュールは、ポリマー成分および/または他の成分の補完的な官能基にカップリングして、連結を形成する官能基とともに形成され得る。大環状モジュールとこれらの他の成分との間のカップリングは、直接的であってもよいし、リンカー分子を通じて起こってもよい。
他の変形例において、成分(例えば、ポリマー成分および両親媒性物質)はまた、それら自体または他の成分に対するカップリング(例えば、ポリマー成分を別のポリマー成分にカップリングすることまたはポリマー成分を両親媒性成分にカップリングすること)のための官能基を含み得る。その官能基は、表面または下位相上にその成分を配向する前、その間またはその後に、その成分に結合され得る。いくつかの場合において、その官能基は、カップリングの前または後のいずれかに、その成分に両親媒性特徴を付与する。
大環状モジュールおよび/または他の成分からナノフィルムを作製するに当たって、1つ以上のカップリング連結は、大環状モジュールの間に形成され得、カップリングは、大環状モジュールと他の成分との間に起こり得る。いくつかの変形例において、カップリングはまた、他の成分の間(例えば、両親媒性基とポリマー成分との間)に起こり得る。例えば、大環状モジュールの間、または大環状モジュールと別の成分との間に形成される連結は、各分子からの1つの官能基のカップリングの生成物であり得る。例えば、第1の大環状モジュールのヒドロキシル基は、第2の大環状モジュールの酸基または酸ハライド基とカップリングして、その2つの大環状モジュールの間のエステル連結を形成する。別の例は、イミン連結(−CH=N−)であり、1つの大環状モジュール上のアルデヒド(−CH=O)と別の大環状モジュール上のアミン(−NH)との反応から生じる。大環状モジュール間または大環状モジュールと他の成分との間の連結の例は、表2に示される。
(表2:官能基および形成される連結の例)
表2において、RおよびR’は、水素またはアルキル基を表し、Xは、ハロゲンまたは他の良好な脱離基である。It is to be understood that 表2に含まれる官能基がまた、別の成分(例えば、ポリマー成分)とモジュールを連蹴るするために使用され得、非モジュール成分(例えば、ポリマー成分)を別のポリマー成分に、またはポリマー成分を両親媒性成分に、ともに連結するために使用され得る。
別の変形例において、大環状モジュールは、他の大環状モジュールにカップリングするための官能基を有し得る。ここでその官能基は、そのモジュールの閉鎖環の最初の調製の後に、その大環状モジュールに連結される。例えば、大環状モジュールのシントン間のアミン連結は、種々の官能基のうちの1つで置換されて、置換された連結が生成され得る。他の大環状モジュールをカップリングするための官能基を有する大環状モジュールのシントン間のこのような連結の例は、表3に示される。
(表3:大環状モジュール結合の例)
表3において、Xはハロゲンであり、Qは、大環状モジュールにおけるシントンを表す。
表3を参照すると、大環状モジュールのその置換された連結は、別のモジュールの置換された連結にカップリングされ得る。いくつかの変形例において、これらの連結のカップリングは、2+2環付加を開始することによって行われる。例えば、アクリルアミド連結は、2+2環付加によって
を生成するために連結し得る。他の変形例において、これらの反応性の置換された連結のカップリングは、他の化学的方法、熱的方法、光化学的方法、電気化学的方法、および放射線的方法によって開始されて、種々のカップリングされた構造が提供され得る。表3に含まれる官能基および形成される置換された連結がまた、別の成分(例えば、ポリマー成分)とモジュールを連結するために使用され得、非モジュール成分(例えば、ポリマー成分)を両親媒性成分にともに連結するために使用され得る。ことが理解されるべきである。
大環状モジュールおよび/または他の成分の間の連結を形成するために使用されるその官能基は、スペーサーによってそのモジュールまたは成分から分離され得る。スペーサーは、その官能基をその大環状モジュールまたは他の成分にカップリングする任意の原子または原子基であり得、連結形成反応を妨害しない。スペーサーは、官能基の一部であり、大環状モジュールおよび/または他の成分の間の連結の一部になる。スペーサーの例は、ポリメチレン基(−(CH2)−(ここでnは1〜6である))である。そのスペーサーは、大環状モジュールおよび/または他の成分の間の連結を伸長するといわれる。スペーサー基の他の例は、アルキレン、アリール、アシル、アルコキシ、置換型または非置換型の鑑識炭化水素、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、複素環式置換基、および対応する置換された基である。スペーサー基のさらなる例は、ポリマー、コポリマー、またはオリゴマー鎖、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリサッカリド、ポリリジン、ポリペプチド、ポリ(アミノ酸)、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリアミン、ポリイミン、ポリスチレン、ポリ(ビニルアセテート)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイソプレン、ネオプロペン、ポリカーボネート、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンフルオリド、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホンアミド、ポリスルホキシド、およびこれらのコポリマーである。ポリマー鎖スペーサー構造の例としては、直鎖状ポリマー、分枝状ポリマー、コーム状ポリマーおよび樹枝状ポリマー、ランダムコポリマーおよびブロックコポリマー、ホモポリマーおよびヘテロポリマー、可撓性の鎖および剛性の鎖が挙げられる。そのスペーサーは、その連結の形成を妨害しない任意の基であり得る。スペーサー基は、スペーサー基が結合される官能基より実質的に長くてもよいし、短くてもよい。
大環状モジュールおよび/または他の成分を互いに連結することは、その環状モジュールおよび/または他の成分の官能基をリンカー分子に連結することを通じて、生じ得る。その関与する官能基は、例えば、表2に例示されるものであり得る。例えば、モジュールは、少なくとも1つの他のモジュールにリンカー分子を介してカップリングし得る。リンカー分子は、少なくとも2つのモジュールをカップリングするために使用される別個の分子種である。各モジュールは、リンカー分子にカップリングし得る1〜30個以上の官能基を有し得る。リンカー分子は、例えば、モジュールに連結し得る1〜20個以上の官能基を有し得る。
一変形例において、リンカー分子は、少なくとも2つの官能基を有し、その各々は、モジュールおよび/または他の成分にカップリングし得る。これらの変形例において、リンカー分子は、モジュールおよび/または他の成分をカップリングするために種々の官能基を含み得る。モジュールおよびリンカー分子の官能基の非限定的例は、表4に示される。
(表4:モジュールおよびリンカー分子の官能基の例)
表4において、nは1〜6であり、mは1〜10であり、Rは−CHまたは−Hであり、R’は、−(CH−またはフェニルであり、R”は、−(CH)−、ポリエチレン、ポリエチレングリコール(PEG)、またはポリプロピレングリコール(PPG)であり、XはBr、Cl、I、またえは他の良好な脱離基であり、この脱離基は、炭素、酸素、窒素、ハロゲン、ケイ素、リン、硫黄、および水素からなる群より選択される原子を含む有機基である。モジュールは、表4に例示される種々の官能基の組み合わせを有し得る。
ことが理解されるべきである。表4に含まれる官能基およびリンカーはまた、別の成分(例えば、ポリマー成分)とモジュールを連結するために使用され得、非モジュール成分(例えば、ポリマー成分)を両親媒性成分にともに連結するために使用され得る。好ましいリンカーとしては、DEMおよびエチレンジアミンが挙げられる。適切なリンカーのさらなる例としては、実施例において、および表5〜9において見いだされる。
リンカー分子に対するモジュールおよび/または成分のカップリングを開始する方法としては、化学的方法、熱的方法、光化学的方法、電気化学的方法、および放射線的方法が挙げられる。
カップリングされたモジュールおよび/または他の成分を含むナノフィルムは、モジュールおよび/または他の成分の集まりの1以上のメンバーを、おそらく他のかさ高い成分もしくは可撓性成分とともにカップリングして、薄層のナノフィルム材料もしくはナノフィルム組成物を形成し得る。モジュールおよび/または他の成分のカップリングは、完全であっても不完全であってもよく、ナノフィルム部材として有用な種々の構造的バリエーションを提供する。
一般に、ナノフィルムを形成するための大環状モジュールに対するポリマー成分のカップリングは、補完的な官能基の無数の組み合わせにより行われ得る。例えば、本明細書中に示されるように、他の大環状モジュールにリンカー分子を介してカップリングし得る大環状モジュールはまた、ポリマー成分および補完的官能基を有する他の成分に連結し得る。本明細書中以下の表5に例示されるリンカー分子を用いたナノフィルムの調製のための種々のスキームにおいて、アミノ官能基を有するポリマー成分は、例えば、リンカー分子にカップリングし得、他の大環状モジュールに対するカップリングについて大環状モジュールと競合し得る。別の例において、アミノ官能基を有する大環状モジュールは、ポリ(エチレン−コ−マレイン酸無水物)にカップリングして、そのポリマーにおいてマレイミド基を形成し得る。カップリングの種々の型および程度は、ポリマー成分のその官能基の同一性に依存する。
重合性種の混合物は、ナノフィルムを調製するために使用される場合、その種は、共重合し得る。共重合は、大環状モジュールの官能基に対するカップリングを含み得る。
ナノフィルムにおけるモジュールのカップリングは、連結によって2以上の成分を結合し得る。そのカップリングは、2つを超えるモジュールを、例えば、2つのモジュール間で各々形成される連結のアレイによって、結合し得る。各モジュールは、別のモジュールに対して1つを超える連結を形成し得、各モジュールは、いくつかの型の連結(表2〜4に例示される連結を含む)を形成し得る。モジュールは、直接連結、リンカー分子を介する連結、およびスペーサーを含む連結を任意の組み合わせで有し得る。連結は、モジュールの任意の部分を、別のモジュールの任意の部分に接続し得る。連結のアレイおよびモジュールのアレイが、Bravais格子の理論および対称性の理論の点で記載され得る。
ナノフィルムの成分の各々の一部がカップリングされ得るが、各々の残りは、カップリングされない。ナノフィルムの成分は、例えば、水素結合、ファンデルワールス相互作用および他の相互作用を介して相互作用し得る。ナノフィルムにおいて形成される連結の配置は、ある型の対称によって表されてもよいし、実質的に秩序立てられていなくてもよい。
(大環状モジュールおよびポリマー成分のナノフィルム)
ナノフィルムは、大環状モジュールおよび他の成分の混合物から調製され得る。その成分とその相の間のカップリングの型およびその混合物のドメイン挙動(domain behavior)は、本明細書中に記載されるように、製品ナノフィルムの組成物および特性に影響を及ぼし得る。これらの型の多成分混合物は、ときおり、相分離または集合した組成物を生じ得る。大環状モジュールは、1つを超える型のカップリングに関与し得、その製品ナノフィルムは、広範な種々の組成を有し得る。
一局面において、本発明は、大環状モジュールを含むナノフィルムへのポリマー成分の導入に関する。カップリングの種々の型は、大環状モジュールおよびポリマー成分でナノフィルムを調製するために使用され得る。カップリングの1つの型において、大環状モジュールは、リンカー分子にカップリングし得る官能基を有し得る。次いで、この官能基は、別の大環状モジュールまたは他の種にカップリングするが、ポリマー成分に効率的にカップリングしなくてもよい。この型のカップリングにおいて、その大環状モジュールは、ポリマー成分以外の別の大環状モジュールに対して遙かに容易にカップリングし得、大環状モジュールとそのポリマー成分との間のカップリングの程度が制限されるナノフィルムを形成し得る。例えば、アミノ官能基を有する大環状モジュールは、リンカー分子(例えば、ClC(O)CHC(O)Cl)と容易に連結し得るが、いくつかのポリマー成分と容易に連結しない。
カップリングの別の方法において、大環状モジュールは、他の成分に容易にカップリングする官能基を有さなくてもよい。この型の例は、イミン連結およびアルキル置換基のみを有する大環状モジュールであり、他の大環状モジュール、ポリマー成分、または他の種に容易にカップリングしなくてもよい。他の種に容易にカップリングしない大環状モジュールは、大環状モジュールとポリマー成分との間の実質的なカップリングなく、ポリマー成分とともにナノフィルムを形成し得る。
一局面において、本発明は、大環状モジュールとポリマー成分の多成分混合物を使用する、ナノフィルムの形成を包含する。ここでその大環状モジュールは、そのナノフィルムの形成において、他の大環状モジュールにまたはポリマー成分に直接カップリングしなくてもよく、その大環状モジュールは、リンカー分子を介してカップリングされ得る。
ナノフィルムのリンカー分子との調製のための種々のスキームは、表5に例示される。
(表5:リンカー分子およびポリマー成分と大環状モジュールからナノフィルムを調製するスキーム)
表5において、Rはアルキルであり、nは約3〜1,000,000である。表5を参照すると、いくつかのスキームにおいて、大環状モジュールの多成分混合物は、ポリマー、または両親媒性ポリマー、またはこれらの混合物を含み得る。1つのスキームにおいて、例えば、アミノ官能基を有する大環状モジュールは、水と非混和性であるポリメチルメタクリレート(PMMA)と混合される。その大環状モジュールは、次いで、リンカー分子ClC(O)CHC(O)Clとカップリングされる。このような混合物を伴うスキームにおいて、その大環状モジュールは、相の間の界面におけるものを除いて、ポリマー成分に直接カップリングされなくてもよい。その大環状モジュールおよびポリマー成分が単一の連続する相を形成する場合すら、その大環状モジュールは、他の大環状モジュールに優先的にカップリングされ得る。大環状モジュールおよびポリマー成分が相分離されるナノフィルムにおいて、表面カップリングおよび種々のドメインの他の接着が、起こり得る。
表5に例示される他のスキームにおいて、ナノフィルムを調製するために使用される大環状モジュールの多成分混合物は、ポリマーおよび/または両親媒性ポリマーを含み得、重合性であってもそうでなくてもよい両親媒性分子、または重合性のモノマー、またはこれらの混合物をさらに含み得る。
表5に例示される他のスキームにおいて、ナノフィルムを調製するために使用される大環状モジュールの多成分混合物は、重合性両親媒性物質または重合性モノマー種、またはこれらの混合物を含み得る。これらのナノフィルムは、may 必要に応じて、非重合性両親媒性種を含む。
表5に例示されるスキームにおいて、ナノフィルムを調製するために使用される大環状モジュールの多成分混合物は、必要に応じて、大環状モジュールにまたはポリマー成分に連結され得る官能基を有し得る両親媒性分子を含み得る。
別の局面において、本発明は、大環状モジュールおよびポリマー成分の多成分混合物を使用する、ナノフィルムの形成を包含する。ここでその大環状モジュールは、ポリマー成分にまたは他の大環状モジュールに容易に連結しなくてもよい。このようなナノフィルムの調製のための種々のスキームは、表6に例示される。
(表6:容易にカップリングしなくてもよい大環状モジュールからナノフィルムを調製するスキーム)
表6において、nは約3〜約1,000,000である。表6を参照すると、いくつかのスキームにおいて、大環状モジュールのその多成分混合物は、ポリマー、両親媒性ポリマーまたはこれらの混合物を含み得る。これらのスキームにおいて、その大環状モジュールは、ポリマー成分にまたは他の大環状モジュールに容易に連結しなくてもよいが、ポリマー成分または他のモジュールのいずれかに対するある程度のカップリングを受け得る。表6に例示されるスキームにおいて、ナノフィルムを調製するために使用される大環状モジュールの多成分混合物は、ポリマーおよび/または両親媒性ポリマーを含み得、両親媒性であり、かつ重合性であり得る分子、または重合性であるモノマー、またはこれらの混合物さらに含み得る。
表6に例示される他のスキームにおいて、ナノフィルムを調製するために使用される大環状モジュールの多成分混合物は、重合性両親媒性物質または重合性モノマー種、またはこれらの混合物を含み得る。これらのナノフィルムは、必要に応じて、非重合性両親媒性種を含む。
表6に例示されるスキームにおいて、ナノフィルムを調製するために使用される大環状モジュールの多成分混合物は、大環状モジュールにまたはポリマー成分に連結し得る官能基を有し得る. 両親媒性分子をさらに含み得る。
別の局面において、本発明は、大環状モジュールおよびポリマー成分の多成分混合物を使用する、ナノフィルムの形成に関し、ここでその大環状モジュールは、そのポリマー成分に、または他の大環状モジュールに直接カップリングされ得る。このようなナノフィルムの調製のための種々のスキームは、表7に例示される。
(表7:直接カップリングを受け得る大環状モジュールを用いてナノフィルムを調製するスキーム)
表7において、Rはアルキルであり、nは約3〜約1,000,000である。表7を参照すると、いくつかのスキームにおいて、大環状モジュールの多成分混合物は、ポリマー、または両親媒性ポリマーまたはこれらの混合物を含み得る。これらのスキームにおいて、その大環状モジュールは、いくつかの場合において、ポリマー成分に直接カップリングしてもよく、単一の相を形成してもよい。
表7に例示される他のスキームにおいて、ナノフィルムを調製するために使用される大環状モジュールの多成分混合物は、ポリマーおよび/または両親媒性ポリマーを含み得、重合性であっても重合性でなくてもよい両親媒性分子、または重合性であるモノマー、またはこれらの混合物をさらに含み得る。
表7に例示される他のスキームにおいて、ナノフィルムを調製するために使用される大環状モジュールの多成分混合物は、重合性両親媒性物質または重合性モノマー種、またはこれらの混合物を含み得る。これらのナノフィルムは、必要に応じて、非重合性両親媒性種を含み得る。
表7に例示されるスキームにおいて、ナノフィルムを調製するために使用される大環状モジュールの多成分混合物はまた、大環状モジュールにまたはポリマー成分にカップリングし得る官能基を有し得る両親媒性分子を含み得る。
大環状モジュールがナノフィルムを形成するように関与するカップリングの型は、そのナノフィルムの他の成分の存在に依存し得る。例えば、アクリレート官能基を有する大環状モジュールは、反応性の低い基を有するポリマー成分よりもこの環状モジュールに遙かにより容易にカップリングし得る。
大環状モジュールは、1つを超えるカップリングの型に関与し得る。例えば、別の大環状モジュールに直接カップリングし得る大環状モジュールはまた、リンカー分子を介して別の大環状モジュールにカップリングし得る。カップリングの両方の型は、ナノフィルムを調製するために使用される同じ多成分混合物において起こり得る。
カップリングの1つの型において、大環状モジュールは、別の大環状モジュールの補完的官能基に直接カップリングする官能基を有し得る。この形成の例は、アクリルアミド官能基を有する大環状モジュールである。カップリングのこの型において、その大環状モジュールは、任意のポリマー成分よりも別の大環状モジュールにはるかにより容易にカップリングし得、大環状モジュールとそのポリマー成分との間のカップリングの程度が制限されるナノフィルムを形成し得る。
いくつかの変形例において、そのポリマー成分は、大環状モジュールのカップリング基について効率的に競合する補完的官能基を有し得る。これらの変形例において、その大環状モジュールは、そのポリマー成分にカップリングするのと同程度に、別の大環状モジュールに迅速にカップリングし得、その大環状モジュール自体のカップリングの程度が、その大環状モジュールとそのポリマー成分との間のカップリングの程度に匹敵するナノフィルムを形成し得る。他の変形例において、その大環状モジュールとそのポリマー成分との間のカップリングの程度は、大環状モジュール自体の間のカップリングの程度を超え得る。
ナノフィルムは、その大環状モジュールがポリマー成分に直接カップリングする種々の方法によって調製され得る。例えば、表7に示されるように、その大環状モジュールおよびポリマー成分は、ナノフィルムの調製の前に有機溶媒中で溶解され得、ともにカップリングされ得る。このスキームは、ナノフィルム内の実質的に単一の連続相を生じ得る。表7に示される別の変形例において、その大環状モジュールは、そのナノフィルム層の調製の間または後にそのポリマー成分にカップリングされ得る。
別の局面において、本発明のナノフィルムは、ポリマー成分の補完的官能基に直接カップリングし得る官能基を有する大環状モジュールから形成され得る。これらの変形例において、その大環状モジュールは、他の大環状モジュールに容易にカップリングしなくてもよい。このようなナノフィルムの調製のためのスキームは、表8に例示される。
(表8:ポリマー成分にカップリングする大環状モジュールからナノフィルムを調製するスキーム)
表8を参照すると、いくつかのスキームにおいて、大環状モジュールの多成分混合物は、ポリマー、または両親媒性ポリマー、またはこれらの混合物を含み得る。これらのスキームにおいて、その大環状モジュールは、ポリマー成分に直接カップリングするが、他のモジュールに容易にカップリングしなくてもよい。
一般に、ポリマー成分に直接カップリングする大環状モジュールから調製されるナノフィルムについて、ポリマー成分に対する大環状モジュールのカップリングから、別個の生成物が形成される。その別個のモジュール−ポリマー生成物は、側鎖分枝状ポリマー、またはグラフトコポリマーに対する分子構成に類似し得る。その別個の生成物は、主に、単一の連続する層を有し得る。
表8における一例において、大環状モジュールのシントンの間の第2のアミン連結は、コポリマーのカルボン酸側鎖基(例えば、ポリ(エチレン−コ−マレイン酸無水物)の二酸形態)にカップリングする。これらのスキームにおいて、大環状モジュールは、ポリマー成分にカップリングし、その両方は、水中で混和性であり得る。その大環状モジュールとそのポリマー成分との間のカップリングはまた、間接的であってもよく、リンカー分子を含み得る。
表8に例示されるスキームにおいて、ナノフィルムを調製するために使用される大環状モジュールの多成分混合物はまた、大環状モジュールにまたはポリマー成分にカップリングし得る官能基を有し得る両親媒性分子を含み得る。
(両親媒性物質およびポリマー成分のナノフィルム)
一局面において、本発明は、両親媒性物質を含むナノフィルムへのポリマー成分の導入に関する。カップリングの種々の型は、両親媒性物質およびポリマー成分を含むナノフィルムを調製するために使用され得る。
いくつかの変形例において、両親媒性物質は、重合性官能基(例えば、アクリレート基)を含み得る。これらの変形例において、ナノフィルムのポリマー成分は、重合性両親媒性物質を含み、かつ必要に応じて、重合性モノマーもまた含み得る多成分混合物を使用することによって、そのナノフィルムでインサイチュで形成され得る。
他の変形例において、重合性官能基を有さない両親媒性分子は、使用され得る。これらの変形例において、両親媒性物質は、ポリマー、両親媒性ポリマー、重合性モノマー、重合両親媒性物質、またはこれらの混合物と混合されて、ポリマー成分を有するナノフィルムを形成し得る。
両親媒性物質の多成分混合物からナノフィルムを形成するにあたって、その相および混合物のドメイン挙動は、そのナノフィルムの組成および特性に影響を及ぼし得る。ポリマー成分および両親媒性物質を用いたナノフィルムの調製のための種々のスキームは、表9に例示される。
(表9:両親媒性物質でナノフィルムを調製するスキーム)
表9を参照すると、いくつかのスキームにおいて、ナノフィルムは、重合性両親媒性物質を用いて調製される。重合性両親媒性物質からナノフィルムを形成するにあたって、ポリマー成分は、その重合性両親媒性物質からインサイチュで形成され得る。そのようなナノフィルムを形成するために使用される混合物は、ポリマー、または両親媒性ポリマー、重合性モノマー、両親媒性物質、またはこれらの混合物をさらに含み得る。
表9に例示されるいくつかのスキームにおいて、ナノフィルムは、ポリマー、両親媒性ポリマー、または重合性モノマーから調製され得る。そのナノフィルムは、必要に応じて、両親媒性物質を含み得る。
(ポリマー成分のナノフィルム)
一局面において、本発明は、個々に、ポリマー成分から調製されるナノフィルムに関する。そのポリマー成分は、互いに直接連結されてもよいし、リンカー分子を介して連結されてもよい。
非限定的例において、PGMのLBフィルムは、エチレンジアミンで架橋されて、ナノフィルムを形成し得る。別の例において、ポリエチレンイミン(PEI)のLBフィルムは、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル;
で架橋して、ナノフィルムを形成し得る。適切なリンカーとの、本明細書中に含まれるポリマー成分の他のあり得る組み合わせは、当業者に明らかである。
(ナノフィルム組成物および特徴)
1以上のポリマー成分を有するナノフィルムの特徴は、大環状モジュール単独から調製されるナノフィルムの特徴とは実質的に異なり得る。ポリマー成分を有するナノフィルムは、モジュール単独から調製されるナノフィルムに比較して、有利には可撓性かつ柔軟であり得、濾過および他の分離プロセスのための部材のような物品を作製することが容易になる。ポリマー成分を有するナノフィルムの種々のドメインは、応力に応じて、可塑的変形を受け得る一方で、他の領域は、エラストマー的であり得る。ポリマー成分を有するナノフィルムは、基材に被覆されて、連続性の、実質的に壊れていない支持されたナノフィルムまたは膜を形成し得る。
Because 1以上のポリマー成分を有するナノフィルムの物理的特性、化学的特性および物理化学的特性は、大環状モジュールまたは他の成分に対するポリマー成分の割合に一部依存し得るので、これらの特性は、そのナノフィルムにおけるポリマー成分の割合を変化させることによって変化され得る。
一般に、重合性の成分は、ナノフィルムの形成の間にインサイチュでそのナノフィルムのポリマー成分を調整するために使用され得る。ナノフィルムポリマー成分のインサイチュ形成は、多成分混合物の相およびドメイン挙動が改変され得る代替的スキームを提供する。多成分混合物において重合性の種を含むスキームは、他の組成物の中でも、ポリマーまたは両親媒性ポリマー成分単独で調製されるナノフィルムと比較される場合、相分離されるポリマー成分のより小さいドメインを有するナノフィルムを調製するために使用され得る。重合性両親媒性物質を含む多成分混合物は、マイクロメーター寸法のより少ない開口部を有するナノフィルムを調製するために使用され得る。その開口部を通って、ポリマーまたは両親媒性ポリマー成分単独で調製されるナノフィルムと比較して、種の輸送が起こり得る。
1以上のポリマー成分を有するナノフィルムのさらなる変形例において、そのポリマー分子は、そのナノフィルムの他の成分にカップリングされなくてもよい。ポリマー成分がナノフィルムを可撓性または柔軟にする能力は、大環状モジュールまたは他の成分へのカップリングを要しなくてもよい。
ナノフィルムの成分の領域割合は、個々の成分が代表する総ナノフィルム領域の割合である。成分のそのナノフィルム領域割合は、そのナノフィルムを形成するために使用される成分の最初の混合物における成分のモル割合(Mf)、および純粋成分の圧力領域ラングミュア等温線の高表面圧領域をゼロ表面圧へ外挿することによって得られる成分の平均分子領域(MMA)から計算される。そのナノフィルムにおける成分の領域割合は、その成分についての積(Mf)(MMA)÷全ての成分:領域割合についての積(Mf)(MMA)の合計=(Mf1)(MMA1)/[(Mf)1(MMA)1+(Mf)2(MMA)2+...(Mf)n(MMA)n](ここでnは、成分の数である)である。
一般に、領域割合は、全てのナノフィルム成分は、水に混和性であるか、または両親媒性であり、全てのナノフィルム成分は、成分の最初の混合物において見いだされる場合に、測定され得る。領域割合の測定値における不明確性は、約20%までであり得、これは、ラングミュア等温線の外挿に起因する不明確性、成分の最初の混合物におけるポリマーであるポリマー成分については、そのポリマーの分量多分散性に起因する不明確性を含む。
いくつかの変形例において、ある成分のそのナノフィルム領域割合は、常に、上記の式によって測定されなくてもよい。例えば、ナノフィルムを形成するために使用される成分の最初の混合物中に存在しないが、後にそのナノフィルムに入れられる成分の領域割合は、上記の式によって測定されない。ある成分の領域割合はまた、その成分が、MMAが測定され得る安定なラングミュアフィルムを形成しない場合に、上記の式によって測定されなくてもよく、そのポリマーから異なるMMAを有し得る重合性成分が最初の混合物に使用される場合、MMAがかけられる。
ナノフィルムは、ポリマー成分の任意の領域割合を有し得る。いくつかの変形例において、ナノフィルムは、約0.005(0.5%)〜約0.98(98%)のポリマー成分の面積割合を有し得る。他の変化例において、ナノフィルムは、約0.005〜約0.7、しばしば、約0.005〜約0.5、ときおり、約0.005〜約0.3、ときおり、約0.005〜約0.2、ときおり、約0.005〜約0.1、ときおり、約0.005〜約0.05、ときおり、約0.005〜約0.02、ときおり、約0.50〜約0.98のポリマー成分の領域割合を有し得る。
ナノフィルムは、そのポリマー成分が、ほとんど機械的破損を有さないか、またはナノフィルムの表面係数を減少する均一フィルムとして基材上に被覆され得るように、ポリマー成分を可撓性かつ柔軟にするに十分な、ポリマー成分の表面割合または重量%を有し得る。ポリマー成分を有するナノフィルムの可撓性は、種々の基材上にナノフィルムを被覆して、連続性の実質的に破壊されないフィルムを基材上に形成するか、またはそのナノフィルムの表面係数を減少させることによって実証され得る。
ナノフィルムは、他の成分に対して測定されるように、任意のモル比のポリマー成分を有し得る。いくつかの変形例において、ポリマー成分のモル比は、例えば、他の成分に対して測定されるように、約0.005〜約0.995、例えば、約0.010〜約0.990、例えば、約0.01〜約0.50、例えば、約0.01〜約0.20、例えば、約0.20〜約0.50、例えば、約0.50〜約0.99、例えば、約0.1〜約0.9であり得る。特定の実施形態において、ポリマー成分のモル比:係数は、約0.1:0.9、約0.2:0.8、約0.5:0.5、約0.25:0.75、約0.90:0.10である。
本明細書中に記載されるナノフィルムの厚みは、カップリングされた成分またはカップリングされていない成分を通じてか否かに関わらず、例外的に小さく、しばしば、約30nm未満、ときおり、約20nm未満、ときおり、約1〜15nmである。ナノフィルムの厚みは、そのモジュールに両親媒性特徴を付与するモジュールまたは他の種上の基の構造および性質に一部依存し、そのポリマーまたは他の成分の性質に一部依存する。その厚みは、温度、およびその表面上のまたはそのナノフィルム内に位置する溶媒の存在に依存し得る。その厚みは、両親媒性特徴をその成分に付与するそのモジュールもしくは他の成分上のその基(特に親油性部分)が、その成分がカップリングされた後に、すなわち、ナノフィルムの調製のプロセスの間または後に他の点で、除去または改変されている場合に、改変され得る。ナノフィルムの厚みはまた、その成分上の表面結合基の構造および性質に依存し得る。ナノフィルムの厚みは、約300Å、250Å、200Å、150Å、100Å、90Å、80Å、70Å、60Å、50Å、40Å、30Å、20Å、10Åまたは5Å未満であり得る。
そのナノフィルム組成物は、モジュールおよび/または他の成分がカップリングされる特有の構造領域を含み得る。モジュールおよび/または他の成分のカップリングは、特有の構造が形成され得るナノフィルムを提供する。ナノフィルム構造は、原子、分子、または特定のサイズまでのみの粒子および組成物が通過し得る孔を規定する。ナノフィルム構造の一変形例は、流体媒体(液体または気体のいずれか)に面し得るナノフィルムの領域を含み、原子、イオン、低分子、生体分子、または他の種が通過し得る孔または開口部を提供する。ナノフィルム構造によって規定されるこれらの孔の寸法は、以下の実施例にさらに記載されるように、量子機械的計算および評価、ならびに物理的試験によって例示され得る。
ナノフィルム構造によって規定される孔の寸法は、ナノフィルムの実際の原子構造特徴および化学的構造特徴により記載される。ナノフィルムの構造において形成される孔の適切な直径が、約1〜150Å以上である。いくつかの実施形態において、その孔の寸法は、約1〜10Å、約3〜15Å、約10〜15Å、約15〜20Å、約20〜30Å、約30〜40Å、約40〜50Å、約50〜75Å、約75〜100Å、約100〜125Å、約125〜150Å、約150〜300Å、約600〜1000Åである。ナノフィルムの構造において形成される孔のその適切な寸法は、ナノフィルムの多孔性を理解するために有用である。他方、従来の膜の多孔性は、通常、複雑な拡散性および他の輸送特徴を反映する経験的結果(例えば、分子量カットオフ)によって定量される。
一変形例において、ナノフィルム構造は、実質的に均一なサイズの孔のアレイを提供するカップリングされたモジュールのアレイを含み得る。均一なサイズの孔は、個々のモジュール自体によって規定され得る。各モジュールは、そのモジュールの形態および状態に依存して、特定のサイズの孔を規定する。例えば、そのナノフィルムのカップリングされたモジュールの形態は、溶媒中の発生期の、純粋な大環状モジュールとは異なり得、両方が、カップリング前に、表面に配向された両親媒性モジュールの形態とは異なり得る。カップリングされたモジュールのアレイを含むナノフィルム構造は、そのカップリングされたモジュールの構造および形態に基づいて、実質的に均一な寸法の孔のマトリクスまたは格子を提供し得る。
種々の組成および構造のモジュールが調製され、これは、異なるサイズの孔を規定する。カップリングされたモジュールから調製されるナノフィルムは、種々のモジュールのうちのいずれか1つから作製され得る。従って、種々の寸法の孔を有するナノフィルムは、そのナノフィルムを調製するために使用される特定のモジュールに依存して、提供される。
他の場合において、ナノフィルム構造は、カップリングさrたモジュールまたは他の成分のマトリクスにおいて孔を規定する。ナノフィルム構造によって規定される孔は、広い範囲の寸法、例えば、低分子または高分子の経路を選択的にブロックし得る寸法を有し得る。例えば、ナノフィルム構造は、2つ以上のモジュールのカップリングから形成され得る。ここで間隙(interstitial pore)は、連結されたモジュールの組み合わされた構造によって規定される。ナノフィルムは、種々の寸法および特徴の孔の拡大されたマトリクスを有し得る。間隙は、例えば、約5Å未満、約10Å未満、約3〜15Å、約10〜15Å、約15〜20Å、約20〜30Å、約30〜40Å、約40〜50Å、約50〜75Å、約75〜100Å、約100〜125Å、約125〜150Å、約150〜300Å、約300〜600Å、約600〜1000Åであり得る。いくつかの変形例において、他の成分は、「充填剤」として作用して、そのナノフィルムの多孔性を制限し得る。他の変形例において、その他の成分は、成分の間の架橋の型および程度に依存して、ナノフィルムに対する多孔性を提供する。
そのカップリングプロセスは、そのナノフィルムの領域が、性格に単分子層でないナノフィルムを生じ得る。局所的構造の種々の型が可能であり得、これは、種々の適用においてそのナノフィルムの使用を妨げない。局所的構造特徴は、重合性種を含む両親媒性成分または両親媒性種を含み得る。これは、それらの隣接物に対して位置が変わり、次いで、異なる配向になり、隣接する種とは異なって配向されたそれらの疎水性および親水性ファセットを有する。局所的な構造特徴はまた、ナノフィルムが2つ以上の分子層厚みである分子の重層または積層、利用可能なカップリング基のうちのいくつかが他の種にカップリングされないように、そのモジュールまたは他の成分の連結が完全でない局所的領域、あるいは特定の分子または成分が存在しない局所的領域を含み得る。他の局所的構造特徴は、粒子(grain)障壁および配向の失敗を含み得る。一変形例において、そのナノフィルムは、ナノフィルム構造の層化に起因して30nmまでの厚みを有する。
本明細書中に開示されるナノフィルムは、それらの両親媒性成分の配向に関して実質的に均一であり得るが、いくつかの実施形態において、本明細書中上記で示されるような局所的構造特徴の領域を含み得る。局所的構造特徴は、そのノフィルムの表面積の例えば、約30%を超えて含み得るか、約30%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約3%未満、約1%未満を含み得る。
(ナノフィルムの層およびドメイン挙動)
1つ以上のポリマー成分を有するナノフィルムのいくつかの変形例において、そのナノフィルムは、ポリマー成分が大環状モジュールまたは他の種において混合され、互いに安定化されるドメインを有し得る。これらの変形例において、その大環状モジュールまたは他の種は、ポリマー成分と混和性出あり得る。
1つ以上のポリマー成分を有するナノフィルムの他の変形例において、そのポリマー分子、大環状モジュール、または他の成分は、限定されたサイズの集合物において位置し得る。。特定の溶媒、ポリマー分子、大環状モジュール、または他の成分におけるいくつかの重大な濃度を超えると、限定されたサイズの集合物に集められ得る。これらの限定されたサイズの集合物は、ナノフィルムの形成において空気−水界面において残り得る。。その集合物の構造は、因子の中でも、その分子の外形および形状またはその分子が他の種での特定の配向においてカップリングする能力によって影響を受け得る。その凝集物の構造は、種々の速度で分子の運動および交換を伴って高度に動的であり得る。これらの変形例において、1つの種のその自己組み立てされた集合物は、別の種の連続する相に散在され得る。ここで他の種は、集合されない。異なる分子または成分は、別個の集合物を形成し得るか、または凝集物構造において組み合わせられ得る。大環状モジュールまたは他の成分とポリマー分子の間のカップリングは、自己組み立てされた集合物の表面、縁部、または点において起こり得る。
1つ以上のポリマー成分を有するナノフィルムのさらなる変形例において、そのポリマー分子は、実質的にポリマーであるドメインにおいて存在し得、実質的に他の種から構成されるドメインとともに散在され得る。これらの変形例において、ポリマー成分は、非混和性であり得るか、または大環状モジュールもしくは他の成分から相分離され得る。相分離は、ポリマー分子の集合物が、小さな限定されたサイズに限定されない場合に起こり得るが、ポリマー分子の領域が他の分子の領域から分離されるまで継続し得る。これらの変形例におけるポリマー成分の液体は、層、ビーズ、ディスクまたはこれらの混合物の形態にある、固体、ゲル、または液体様ポリマー溶融物、または無定型組成物であり得、構造または組成において均一または不均一であり得る。このようなナノフィルムのポリマー成分は、熱可塑性エラストマーに代表的な堅いもしくは軟らかいドメインを形成し得るか、またはポリマー成分は、大環状モジュールの堅いドメインに対して軟らかいドメインを形成し得る。ポリマー成分は、無定型、硝子様、半晶質、または結晶質である領域を形成し得、それらの特徴を有する下位領域を有し得る。ポリマー成分の領域は、ゴム様の弾性または粘弾性状態を示し得る。異なるポリマー成分は、別個の相を形成し得るか、または互いに混和性であり得ると同時に、大環状モジュールもしくは他の成分と非混和性のままであり得る。大環状モジュールまたは他の成分とポリマー分子との間のカップリングは、その相の間の界面においてまたはその界面付近で生じ得、その相の接着に寄与し得る。
ナノフィルムはまた、異なる大環状モジュールの混合物、または大環状モジュール、ポリマー成分、および他の種の混合物を用いて調製され得る。ナノフィルムは、そのモジュールおよび他の種の位置的秩序付けがランダムであるか、1つの型の種が優勢である領域とともに、非ランダムであるカップリングされたモジュールおよび他の種のアレイを有し得る。これらの変形例において、そのポリマー成分は、上記のように、その大環状モジュールおよび他の種と混合され得るか、集合され得るか、または相分離され得る。異なるモジュールの混合物から、または大環状モジュールと他の両親媒性分子との混合物で作製されるナノフィルムはまた、種々のサイズの孔の散在したアレイを有し得る。
(ナノフィルムを調製する方法)
ラングミュアフィルム方法において、配向された両親媒性種(例えば、両親媒性モジュール、両親媒性ポリマー、および/または両親媒性物質)の単層は、液体下位相の表面上に形成される。一例において、その両親媒性成分は、溶媒中で溶解され得、ラングミュアトラフ中で気体−下位相界面上に被覆されて、単層を形成し得る。代表的には、移動可能なプレートまたは障壁は、その単層を圧縮し、その表面積を減少させて、より密な単層を形成するために使用される。種々の程度の組成において、表面圧を対応させると、その単層は、種々の密になった状態に達し得る。両親媒性物質を配向させるために使用される表面は、気体−液体界面、空気−水界面、非混和性液体−液体界面、液体−固体界面、または気体−固体界面のような界面を含む。その配向された層の厚みは、実質的に単分子層の厚みであり得る。
フィルム領域等温線に対する表面圧は、そのフィルムの状態をモニターするWilhelmy平衡法によって得られる。その等温線のゼロ表面圧への外挿により、その成分がカップリングされる前に、1成分あたりの平均表面積または平均分子領域が明らかにされる。その等温線は、その薄いフィルムの状態の経験的な指標を与える。ナノフィルム層における表面配向大環状モジュールおよび/または他の成分は、発泡状態、液体状態、または液体−発泡状態にあり得るか、または密になった状態、崩壊状態、または固体相もしくは密に充填された状態であり得る。
ナノフィルムは、種々の代わりの方法によて調製され得る。例えば、リンカー分子は、そのモジュールおよび/または他の成分を含む溶液に添加され得、その溶液は実質的に、ラングミュア下位相の表面に被覆される。あるいは、そのリンカー分子は、ラングミュアトラフの水下位相に添加され得、その後、カップリングのために、大環状モジュールおよび/または他の成分を含む層の相に移され得る。
本発明の一変形例において、水溶性ポリマー成分は、ラングミュアトラフの下位相に添加され得る。他の変形例において、ポリマー成分は、水または溶媒中に溶解され得、界面上に分散し得る。1つ以上のポリマー成分は、大環状モジュールとともに界面上に同時に分散され得、必要に応じて、リンカー分子とともに同時に分散され得る。他の変形例において、1つ以上のポリマー成分は、大環状モジュールおよび/またはリンカー分子、ならびに/あるいは他の両親媒性分子とともに界面に同時に分散され得る。
いくつかの場合において、大環状モジュールおよび/または他の成分は、ラングミュアトラフの下位相に添加され得、その後、その界面に移し得る。
他の変形例は、当業者に明らかである。
一般に、ナノフィルムの成分のカップリングは、化学的方法、熱的方法、光化学的方法、電気化学的方法、および放射線的方法によって開始され得る。本発明のいくつかの変形例において、ナノフィルムの成分のカップリングの型は、開始の型および関与する化学的プロセスに依存し得る。例えば、多成分混合物からのナノフィルムの形成にあたって、重合性の混合物中の種は、非選択的鎖または付加重合によってポリマー成分を生じ得る。大環状モジュールを重合性種またはポリマー成分にカップリングする型は、そのモジュールの官能基に依存する。例えば、不飽和ポリマー成分、両親媒性物質またはモノマーのフリーラジカル重合は、大環状モジュールのベンゼンシントンに、または他の反応性部位もしくは不飽和部位にポリマー成分をカップリングし得る。
両親媒性特徴を付与するためにそのモジュールもしくは他の成分に付加される官能基は、いくつかの実施形態において、そのナノフィルムの形成の間またはその後に除去され得る。一実施形態において、ポリマー成分に両親媒性特徴を付与する基は、そのナノフィルムの形成の後に除去され得る。別の実施形態において、大環状モジュールに両親媒性特徴を付与する基は、そのナノフィルムの形成後に除去され得る。除去方法は、その官能基に依存する。両親媒性特徴をその成分に付与する、モジュールに結合される基は、ナノフィルムの形成のプロセスの間または後に、いくつかの点でその基を除去するために使用され得る官能基を含み得る。酸加水分解または塩基加水分解は、カルボキシレート連結またはアミド連結を介してその成分に結合される基を除去するために使用され得る。両親媒性特徴をそのモジュールに付与する官能基に位置する不飽和基が、加水分解によって酸化および切断され得る。両親媒性特徴をそのモジュールに付与する官能基の光分解性切断もまた、行われ得る。切断可能な官能基の例としては、以下:
ここでnは0〜4であり、この官能基は光活性化によって切断され、そして
ここでnは0〜4であり、mは7〜27であり、これは、酸触媒加水分解もしくは塩基触媒加水分解によって切断される。
両親媒性特徴をそのモジュールに付与するためにその成分に付加される官能基の例としては、アルキル基、アルコキシ基、−NHR、−OC(O)R、−C(O)OR、−NHC(O)R、−C(O)NHR、−CH=CHR、および−C=−CRが挙げられ、ここでアルキル基の炭素原子は、1以上の−S−、二重結合、三重結合もしくは−SiRR’−基によって中断され得るか、または1以上のフッ素原子、もしくは任意の組み合わせで置換され得る。ここでRおよびR’は、独立して、水素またはアルキルである。
代替的変形例において、大環状モジュールおよび/または他の成分の多成分混合物は、添加剤、分散剤、界面活性剤、賦形剤、適合化剤(compatiblizer)、乳化剤、懸濁剤、可塑剤、またはその成分の特性を改変する他の種を含み得る。例えば、適合化剤は、ドメインサイズを減少し、ナノフィルムの成分のより連続した相分散を形成するために使用され得る。
いくつかの場合において、そのナノフィルムは、生体分子の結合または吸着によってそのナノフィルムの付着を減少する生体適合性を提供するために誘導体化され得る。
ナノフィルムは、種々の方法(例えば、ラングミュア−シェーファー法、ラングミュア−Blodgett法、またはラングミュア系で使用される他の方法によって、基材に被覆され得る。一変形例において、ナノフィルムは、空気−水界面の下の下位相に基材を位置づけ、そのナノフィルムが、その起坐右の上に穏やかに着き、従って被覆されるまで、その下位相のレベルを低下させることによって、ラングミュアタンク中で基材上に被覆される。ラングミュアフィルムおよび基材の説明は、米国特許第6,036,778号、同第4,722,856号、同第4,554,076号、および同第5,102,798号、ならびにR.A.Hendelら,Vol.119,J.Am.Chem.Soc.6909−18(1997)に与えられる。基材上のフィルムの説明は、Munir Cheryan,Ultrafiltration and Microfiltration Handbook(1998)に与えられる。表面上のポリマーの説明は、Jacob N.Israelachvili,Intermolecular and Surface Forces(1991)において与えられる。
ポリマー成分を有するナノフィルムを調製する他の方法としては、フィルムを調製する溶媒の強制された除去(例えば、スピンコーティング法および噴霧コーティング法)、ならびにコーティング法および被覆法(界面法、浸漬コーティング法、ナイフエッジコーティング、グラフト化、キャスティング、相反転、または電気めっきまたは他のめっき法が挙げられる)が挙げられる。
基材上に被覆されるナノフィルムは、基材上の被覆の間またはその後に、化学的方法、熱的方法、光化学的方法、電気化学的方法、放射線的方法もしくは乾燥方法によって硬化もしくは焼き鈍しされ得る。例えば、電気化学的方法は、気相試薬(例えば、エチレンジアミン)または溶液相試薬との反応を含む。基材にナノフィルムを結合またはカップリングする任意の方法によって処理されるナノフィルムは、硬化されるといわれ得る。
その被覆は、その基材に物理的相互作用を介してそのナノフィルムの非共有結合または弱い結合、および弱い化学的力(例えば、ファンデルワールス力および弱い水素結合)を生じ得る。そのナノフィルムは、いくつかの実施形態において、イオン性共有結合もしくは共有結合相互作用、または他の型の相互作用を通じて基材に結合され得る。
その基材は、任意の材料の表面であり得る。基材は、多孔性であっても非多孔性であってもよく、ポリマー基材および無機基材から作製され得る。多孔性基材の例は、プラスチックまたはポリマー、トラック−エッチングポリカーボネート(track−etch polycarbonate)、トラックエッチングポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ゲル、ヒドロゲル、セルロースアセテート、ポリアミド、PVDF、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレート、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンクロリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンまたはポリプロピレン、セラミック、アノードアルミナ(anodic alumina)、レーザー切除されたポリイミドおよび他の多孔性ポリイミド、ならびにUVエッチングされたポリアクリレートである。非多孔性基材の例は、ケイ素、ゲルマニウム、ガラス、金属(例えば、白金、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、クロム、ニオブ、タンタル、チタン、鋼、または金)、ガラス、シリケート、アルミノシリケート、非多孔性ポリマー、およびマイカである。基材のさらなる例としては、ダイアモンドおよび酸化インジウムスズが挙げられる。好ましい基材としては、シリコン、金、SiO、ポリエーテルスルホンおよびトラックエッチングポリカーボネートが挙げられる。いくつかの実施形態において、その基材はSiOである。他の実施形態において、その基材はポリカーボネートトラックエッチング膜である。
基材は、フィルム、シート、プレート、またはシリンダを含む任意の物理的形状または形態を有し得、任意の形状またはサイズの粒子であり得る。
基材に被覆されるナノフィルムは、膜として働き得る。任意の数のナノフィルムの層は、その基材上に被覆されて、膜を形成し得る。いくつかの変形例において、ナノフィルムは、基材の両側面に被覆され得る。
種々の間隔配置(spacing material)材料の層は、ナノフィルムの層の間で被覆され得るかまたは結合され得、間隔配置層はまた、その基材とナノフィルムの第1の被覆される層との間に使用され得る。間隔配置層組成物の例としては、ポリマー組成物、ヒドロゲル(アクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、シリコン)、熱可塑性ポリマー(ポリオレフィン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、セルロースエステル)、ポリマー発泡体、熱硬化性ポリマー、過剰分枝状ポリマー、生分解性ポリマー(例えば、ポリラクチド、液晶ポリマー、原子移入ラジカル重合(ATRP)により作製されるポリマー)、開環複分解重合(ROMP)によって作製されるポリマー、ポリイソブチレンおよびポリイソブチレン星型(star)ポリマー、ならびに両親媒性ポリマーが挙げられる。間隔配置層組成物の他の例としては、無機物質(例えば、無機粒子(例えば、無機マイクロスフェア)、コロイド性無機物質、無機鉱物、シリカスフェアまたは粒子、シリカゾルもしくはゲル、クレイもしくは粒子など)が挙げられる。両親媒性分子の例としては、重合性基(例えば、ジイン、エン、またはアミノ−エステル)を含む両親媒性物質が挙げられる。その間隔配置層は、そのナノフィルムの障壁特性を改変するために働き得るか、またはその膜もしくはナノフィルムの輸送特徴、フラックス特徴、または流動特徴を改変するように働き得る。間隔配置層は、その膜もしくはナノフィルムの機能的特徴(例えば、強度、係数、または他の特性)を改変するように働き得る。いくつかの変形例において、ナノフィルムのそのポリマー成分は、そのナノフィルムと基材との間の間隔配置層を提供し得る。
いくつかの変形例において、ポリマー成分を有するナノフィルムは、表面上に被覆され得、表面へのカップリングなしで、多くの適用(例えば、濾過および膜分離)のために十分な程度に表面に接着し得る。ポリマー成分を有するナノフィルムは、有利には、基材に対して粘着性であり得、これは、いくつかのカップリング相互作用を含み得る。
他の変形例において、ナノフィルムは、基材表面にカップリングされ得る。表面結合基は、ナノフィルムのポリマー成分に提供され得、これは、その基材にそのナノフィルムをカップリングするために使用され得る。いくつかであるが、表面結合基の全てではないカップリングは、そのナノフィルムをその基材に結合するために行われ得る。必要に応じて、表面結合基は、ナノフィルムのその大環状モジュールおよび/または他の成分上に提供され得る。
ナノフィルムを基材にカップリングするための表面結合基として使用され得る官能基の例としては、アミン基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、アルコール基、グリコール基、ビニル基、スチレン基、エポキシド基、チオール基、マグネシウムハロもしくはグリニャール基、アクリレート基、アクリルアミド基、ジエン基、アルデヒド基、およびこれらの混合物が挙げられる。
基材は、ナノフィルムの官能基にカップリングし得る官能基を有し得る。その基材の官能基は、その基材に結合される表面基または連結基であり得る。これは、その基材にその表面基もしくは連結基を結合する反応によって形成され得る。表面基はまた、コールドプラズマ処理、表面エッチング法、固体研磨法または化学処理のような種々の処理によってその基材上に作製され得る。プラズマ処理のいくつかの方法は、Inagaki,Plasma Surface Modification and Plasma Polymerization,Technomic,Lancaster,Pennsylvania,1996に提供される。いくつかの実施形態において、その基材は、APTESで誘導体化される。他の実施形態において、その基材は、メチルアクリルオキシメチルトリメトキシシラン(MAOMTMOS)で誘導体化される。他の実施形態において、その基材は、アクリルオキシプロピルトリメトキシ−シラン(AOPTMOS)で誘導体化される。
そのナノフィルムおよび表面の表面結合基は、必要とされるまで保護基でブロックされ得る。そのナノフィルムを基材にカップリングするための適切な官能基および得られる連結の非限定的例としては、表2および4に見いだされ得る。そのナノフィルム上の官能基は、そのナノフィルムの任意の成分(例えば、その大環状モジュール、そのポリマー成分、またはその両親媒性成分)に由来し得る。
表面結合基は、スペーサー基によってナノフィルムに接続され得る。同様に、基材官能基は、すぺーサー基によってその基材に接続され得る。表面結合基のためのスペーサー基は、ポリマーであり得る。ポリマースペーサーの例としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリサッカリド、ポリリジン、ポリペプチド、ポリ(アミノ酸)、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンフルオリド、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポルスルホンアミド、およびポルスルホキシドが挙げられる。ポリマースペーサー構造の例は、直鎖状、分枝状、コーム状、および樹枝状のポリマー、ランダムコポリマーおよびブロックコポリマー、ホモポリマーおよびヘテロポリマー、可撓性および剛性の鎖を含む。表面結合基についてのスペーサー基はまた、生体分子および他の化学種をカップリングするために使用される二官能性リンカー基またはヘテロ二官能性リンカー基を含み得る。
一変形例において、光反応性基(例えば、ベンゾフェノン)は、基材に結合される。その光反応性基は、光(例えば、紫外線)で活性化されて、ナノフィルムにカップリングする反応性種を提供し得る。その光反応性種は、そのナノフィルムの任意の原子または原子基にカップリングし得る。
モジュールの表面結合はまた、リガンド−レセプター媒介性相互作用(例えば、ビオチン−ストレプトアビジン)を介して達成され得る。例えば、その基材は、ストレプトアビジンでコーティングされ得、ビオチンは、例えば、リンカー基(例えば、PEGまたはアルキル基)を通じて、そのモジュールに結合され得る。
(膜および濾過機能)
本明細書中に記載されるナノフィルムは、例えば、膜として有用であり得る。その膜は、流体または溶液と接触状態にされ得、例えば、濾過目的で、その流体または溶液から種もしくは成分を分離し得る。通常、膜は、いくつかの種の経路をブロックするための障壁として作用する基材であるが、他の種の、制限されたかまたは調節された経路を可能にする。一般に、透過物は、それらがカットオフサイズより小さいか、またはいわゆるカットオフ分子量より小さい分子量を有する場合に、膜を横切り得る。その膜は、そのカットオフ分子量より大きい種に対しては不透過性といわれ得る。そのカットオフサイズまたはカットオフ分子量は、その膜の特徴的な特性である。選択的透過性は、その膜が、いくつかの種の通過をカットオフするか、制限するかまたは調節すると同時に、より小さな種の通過を可能にする能力である。従って、膜の選択的透過性は、所定の条件下で膜を通過し得るより大きな種に関して機能的に記載され得る。種々の種のサイズまたは分子量はまた、その種の形態を決定し得る、分離されるべき流体中の条件に依存し得る。例えば、種は、流体中の水和または溶媒和化の範囲を有し得、膜適用に関連する種のサイズは、水和の水またはその溶媒分子を含んでいても含まなくてもよい。従って、膜は、その種が、流体中に通常見いだされる形態において膜を横断し得る場合、流体の種に対して透過性である。透過および透過性は、流体の種とその膜自体との間の相互作用によって影響を受け得る。種々の理論が、これらの相互作用を記載し得るが、ナノフィルム、膜、またはモジュールに関連する通過/非通過情報の経験的測定は、透過特性を記載するための有用なツールである。膜は、種が膜を通過できない場合に、その種に対して不透過性である。
孔は、本明細書中に記載されるナノフィルムにおいて提供され得、例えば、孔は、そのナノフィルムの構造に供給され得る。孔は、その大環状モジュールの構造に供給され得る。孔は、いくつかの場合において、その大環状モジュールおよびそのポリマー成分のパッキングから供給され得る。成分間の架橋の型および程度は、孔サイズに影響を与え得る。1つ以上のポリマー成分を含む本明細書中に記載されるナノフィルムは、有利には、濾過および選択的透過性における使用に影響を及ぼす、マイクロメーターサイズまたは巨視的開口部の減少した数を有し得る。
そのナノフィルムは、例えば約15kDaより大きい、約10kDaより大きい、約5kDaより大きい、約1kDaより大きい、約800Daより大きい、約600Daより大きい、約400Daより大きい、約200Daより大きい、約100Daより大きい、約50Daより大きい、約20Daより大きい、約15kDa未満、約10kDa未満、約5kDa未満、約1kDa未満、約800Da未満、約600Da未満、約400Da未満、約200Da未満、約100Da未満、約50Da未満、約20Da未満、約13kDa、約190Da、約100Da、約45Da、約20Daの分子量種カットオフを有し得る。
「高透過性」は、例えば、その溶質の約70%より大きい、約80%より大きい、約90%より大きいクリアランスを示す。「中程度の透過性」とは、例えば、その溶質の約50%未満、約60%未満、約70%未満のクリアランスを示す。「低透過性」とは、その溶質の例えば、約10%未満、約20%未満、約30%未満のクリアランスを示す。膜は、膜がその種について非常に低いクリアランスを有する(例えば、約5%未満、約3%未満)場合、または膜がその種に対して高い排除を有する(例えば、約95%より大きい、約98%より大きい)場合に、その種に対して不透過性である。溶質の通過または排除は、そのクリアランスによって測定され、これは、実際にその膜を通過する溶質の部分を反映する。例えば、表16〜17における通過なしの記号は、その溶質がそのモジュールによって部分的に排除され、ときおり、90%未満の排除であり、しばしば少なくとも90%排除、ときおり、少なくとも98%排除であることを示す。その通過の記号は、その溶質が、そのモジュールによって部分的に排除され、ときおり、90%未満のクリアランスであり、しばしば、少なくとも90%クリアランスであり、ときおり、少なくとも98%クリアランスであることを示す。
ナノフィルムが有用であり得るプロセスの例としては、連続流体相、濾過、清澄化、分画、浸透気化、逆浸透、透析、血液透析、アフィニティー分離、酸素化、および他のプロセスとして流体または気体に関連するプロセスが挙げられる。濾過適用は、イオン分離、脱塩(desalinization)、気体分離、低分子分離、エナンチオマーの分離、限外濾過、精密濾過、過剰濾過、水精製、下水処理、毒素の除去、生物学的種(例えば、細菌、ウイルスまたは真菌)の除去が挙げられ得る。
(シントンおよび大環状モジュール)
(シントン)
本明細書中で使用されるように、用語「シントン」とは、大環状モジュールを作製するために使用される分子をいう。シントンは、実質的に1つのアイソマー配置、例えば、単一のエナンチオマーであり得る。シントンは、シントンを別のシントンにカップリングするために使用され、そのシントンの一部である官能基で置換され得る。シントンは、親水性特徴、親油性特徴、または両親媒性特徴を、そのシントンもしくはそのシントンから作製される種に付与するために使用される原子または原子基で置換され得る。親水性特徴、親油性特徴、または両親媒性特徴を付与するために使用される官能基で置換される前のシントンは、コアシントンといわれ得る。本明細書中で使用される場合、用語「シントン」とは、コアシントンをいい、官能基、または親水性特徴、親油性特徴、または両親媒性特徴を付与するために使用される基で置換されるシントンもいう。
本明細書中で使用される場合、用語「環式シントン」とは、1つ以上の環構造を有するシントンをいう。環構造の例としては、二環式環構造および多環式環構造を含む、アリール、ヘテロアリール、および環式炭化水素構造を含む。コア環式シントンの例としては、以下が挙げられるが、これらの限定されない:ベンゼン、シクロヘキサジエン、シクロペンタジエン、ナフタレン、アントラセン、フェニレン、フェナントラセン、ピレン、トリフェニレン、フェナントレン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ビフェニル、ビピリジル、シクロヘキサン、シクロヘキセン、デカリン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、ピペラジン、ピラゾリジン、キヌクリジン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロフラン、ピロール、シクロペンタン、シクロペンテン、トリプチセン、アダマンタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプテン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクテン、ビシクロ[3.3.0]オクタン、ビシクロ[3.3.0]オクテン、ビシクロ[3.3.1]ノナン、ビシクロ[3.3.1]ノネン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、ビシクロ[3.2.2]ノネン、ビシクロ[4.2.2]デカン、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,3−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、およびスピロ[4.4]ノナン。コアシントンは、全てのアイソマーまたはそのコアシントンを他のシントンにカップリングする配置を含む。例えば、そのコアシントンベンゼンは、1,2−置換ベンゼンおよび1,3−置換ベンゼンのようなシントンを含み、ここでシントン間の連結は、それぞれ、ベンゼン環の1,2−位および1,3−位において形成される。例えば、そのコアシントンベンゼンは、以下
のような1,3−置換シントンを含み、ここでLは、シントンの間の連結であり、そのベンゼン環の2,4,5,6位はまた、置換基を有し得る。シントン間の縮合連結は、1つの環式シントンの環原子を別の環式シントンの環原子に直接カップリングすることを包含し、例えば、ここでシントンM−XおよびM−Xはカップリングして、M−Mを形成し、ここでMは環式シントンであり、Xはハロゲンである;例えば、Mがフェニルである場合、縮合連結:
を生じる。
(大環状モジュール)
大環状モジュールは、カップリングされたシントンの閉じた環である。大環状モジュールを作製するために、シントンは、シントンをカップリングして、大環状モジュールを形成する官能基で置換され得る。シントンはまた、その大環状モジュールの構造において残る官能基で置換され得る。その大環状モジュールにおいて残る官能基は、その大環状モジュールを他の大環状モジュールまたは他の成分にカップリングするために使用され得る。
大環状モジュールは、3〜約24個の環式シントンを含み得る。大環状モジュールの閉じた環において、4つの環式シントンがその大環状モジュールに存在する場合、第1の環式シントンは、第2の環式シントンにカップリングされ得、その第2の環式シントンは、第3の環式シントンにカップリングされ得、その第3の環式シントンは、第4の環式シントンにカップリングされ得、その第4の環式シントンは第5の環式シントンになど、その前のものにカップリングされ得るまで、n番目の環式シントンは、そのn番目の環式シントンが第1の環式シントンにカップリングされて、環式シントンの閉じた環を形成し得る。一変形例において、その大環状モジュールの閉じた環は、リンカー分子で形成され得る。
大環状モジュールは、親水性官能基および親油性官能基がその構造中に存在する場合に、両親媒性大環状モジュールであり得る。大環状モジュールの両親媒性特徴は、シントン間の連結において、またはそのシントンもしくは連結にカップリングされる官能基において、そのシントンにおける原子から生じ得る。
いくつかの変形例において、大環状モジュールの1以上のシントンは、1以上の親油性部分で置換され得るが、その1以上のシントンは、1以上の親水性部分で置換され得、それによって、両親媒性大環状モジュールを形成する。親油性部分および親水性部分は、両親媒性大環状モジュールにおける同じシントンまたは連結に連結され得る。親油性部分および親水性部分は、その大環状モジュールの閉じた環の形成の前または後に、その大環状モジュールにカップリングされ得る。例えば、親油性部分または親水性部分は、シントンもしくは連結の置換によって閉じた環の形成後に、その大環状モジュールに付加され得る。
大環状モジュールの両親媒性は、安定なラングミュアフィルムを形成するその能力によって一部特徴づけられ得る。ラングミュアフィルムは、ミリニュートン/メートル(mN/m)で測定される特定の表面圧でラングミュアトラフ上で形成され得、特定の障壁速度は、ミリメートル/分(mm/分)で測定され、一定の表面圧でのその等圧線クリープまたはフィルム領域における変化は、フィルムの安定性を特徴づけるために測定され得る。例えば、水下位相上の大環状モジュールの安定なラングミュアフィルムは、5〜15mN/mにて等圧クリープを有し得、その結果、そのフィルム領域の大部分は、約1時間という期間にわたって保持される。水下位相の大環状モジュールの安定なラングミュアフィルムの例は、5〜15mN/mにおいて等圧クリープを有し得、その結果、そのフィルム領域の約70%は、約30分間という期間にわたって保持され、ときおり、そのフィルム領域の約70%は、約40分間という期間にわたって保持され、ときおり、そのフィルム領域の約70%は、約60分間という期間にわたって保持され、ときおり、そのフィルム領域の約70%は、約120分間という期間にわたって保持される。水下位相の大環状モジュールの安定なラングミュアフィルムの他の例は、5〜15mN/mにおいて等圧クリープを有し得、その結果、そのフィルム領域の約80%は、約30分間という期間にわたって保持され、ときおり、そのフィルム領域の約85%は、約30分間という期間にわたって保持され、ときおり、そのフィルム領域の約90%は、約30分間という期間にわたって保持され、ときおり、そのフィルム領域の約95%は、約30分間という期間にわたって保持され、ときおり、そのフィルム領域の約98%は、約30分間という期間にわたって保持される。
一局面において、個々の大環状モジュールは、その構造において孔を含み得る。各大環状モジュールは、そのモジュールの形態および状態に依存して、特定のサイズの孔を規定し得る。異なるサイズの孔を規定する種々の大環状モジュールが調製され得る。
大環状モジュールは、その構造において可撓性を有し得る。可撓性は、大環状モジュールが他の大環状モジュールおよび/または他の成分とのカップリング反応による連結を容易に形成することを可能にし得る。大環状モジュールの可撓性はまた、その大環状モジュールの孔を通る種の通過を調節することにおいて役割を果たし得る。例えば、可撓性は、個々の大環状モジュールの孔の寸法に影響を及ぼし得る、なぜなら、種々の配座は、その構造に利用可能であり得るからである。例えば、その大環状モジュールは、置換基がその孔に位置しない場合に、1つの配座において特定の孔の寸法を有し得、同じ大環状モジュールは、その大環状物質のうちの1以上の置換基が孔に位置する場合、別の配座において異なる孔の寸法を有し得る。同様に、大環状モジュールは、置換基の内の1つが、その孔に位置する場合に、1つの配座において特定の孔の寸法を有し得、置換基の異なる基が孔に位置する場合に、異なる配座において異なる孔寸法を有し得る。例えば、その孔に位置する置換基の「1つの基」は、1つのレジオアイソマー(regioisomer)において配置される3つのアルコキシ基であり得るが、置換基の「異なる基」は、別のレジオアイソマーにおいて配置される2つのアルコキシ基であり得る。孔に位置する置換基の「1つの基」および孔に位置する置換基の「異なる基」の効果は、他の調節因子とともに、輸送および濾過を調節し得る大環状モジュール組成物を提供することである。
シントンから大環状モジュールを作製するにあたって、そのシントンは、実質的に純粋な単一アイソマーとして(例えば、純粋な単独エナンチオマーとして)使用され得る。
シントンから大環状モジュールを作製するにあたって、1つ以上のカップリング連結は、隣接するシントン間で形成される。シントン間で形成される連結は、1つのシントン上の1つの官能基を第2のシントン上の補完的官能基にカップリングすることの生成物であり得る。例えば、第1のシントンのヒドロキシル基は、第2のシントンの酸基または酸ハライド基とカップリングして、2つのシントン間でエステル連結を形成し得る。別の例は、イミン連結(−CH=N−)であり、これは、1つのシントン上のアルデヒド(−CH=O)と別のシントン上のアミン(−NH)との反応から生じる。適切な補完的官能基およびシントン間の連結の例は、表2に示され、ここで「シントン」は、「モジュール」の代わりに使用する。
シントンもしくは他の大環状モジュールの間の連結を形成するために使用されるシントンの官能基は、スペーサーによってシントンから分離され得る。スペーサーは、その官能基をそのシントンにカップリングする任意の原子または原子基であり得、連結形成反応を妨害しない。スペーサーは、官能基の一部であり、シントン間の連結の一部である。スペーサーの例は、メチレン基(−CH−)である。そのスペーサーは、シントン間の連結を伸長するといわれ得る。例えば、1つのメチレン基は、イミン連結(−CH=N−)において挿入されれば、得られたイミン連結は、−CHCH=N−であり得る。
シントン間の連結はまた、シントンの2つの官能基以外の外部部分によって提供される1以上の原子を含み得る。外部部分は、1つのシントンの官能基とカップリングして、別のシントン上の官能基とカップリングする中間体を形成し得、シントン間に連結を形成し得る(例えば、一連の連結されたシントンからシントンの閉じた環を形成し得る)リンカー分子であり得る。リンカー分子の例は、ホルムアルデヒドである。例えば、2つのシントン上のアミノ基は、リンカー分子としてのホルムアルデヒドの存在下でMannich反応を受けて、連結−NHCHNH−を生成し得る。適切な官能基およびリンカー分子の例は、表4に示され、ここで「シントン」は、「モジュール」の代わりに使用し得る。
大環状モジュールは、大環状モジュールを固体表面、基材、または支持体へカップリングするための官能基を含み得る。基材または表面にカップリングするために使用され得る大環状モジュールの官能基の例としては、アミン、カルボン酸、カルボン酸エステル、ベンゾフェノン、および他の光活性化架橋剤、アルコール、グリコール、ビニル、スチリル、オレフィンスチリル、エポキシド、チオール、マグネシウムハロまたはグリニャール、アクリレート、アクリルアミド、ジエン、アルデヒド、およびこれらの混合物が挙げられる。これらの官能基は、その大環状モジュールの閉じた環に連結され得、必要に応じて、スペーサー基によって結合され得る。固体表面の例としては、金属表面、セラミック表面、ポリマー表面、反動体表面、シリコンウェハ表面、アルミナ表面などが挙げられる。基材または表面にカップリングするために使用され得る大環状モジュールの官能基の例としては、表2〜4の左列に記載されるものをさらに含む。その基材に対するそのモジュールのカップリングを開始する方法は、化学的方法、熱的方法、光化学的方法、電気化学的方法および放射線的方法が挙げられる。
スペーサー基の例としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリサッカリド、ポリリジン、ポリペプチド、ポリ(アミノ酸)、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンフルオリド、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホンアミド、およびポリスルホキシドが挙げられる。
一実施形態において、その大環状モジュール組成物は、以下を含む:閉じた環を形成するようにカップリングされた3〜約24個の環式シントン;その閉じた環を少なくとも2つの他の閉じた環上の補完的な官能基カップリングするための少なくとも2つの官能基;ここで各々の官能基および各々の補完的官能基は、C、H、N、O、Si、P、S、B、Al、ハロゲン、ならびにアルカリ金属族およびアルカリ土類金属族に由来する金属からなる群より選択される原子を含む官能基を含む。その組成物は、上記の官能基を通じてカップリングされる少なくとも2つの閉じた環を含み得る。その組成物は、上記の官能基を通じてカップリングされる少なくとも3つの閉じた環を含み得る。
別の実施形態において、その大環状モジュール組成物は、以下を含む:孔を規定する閉じた環を形成するようにカップリングされる3〜約24個の環式シントン;置換基の第1の基がその孔に位置する場合に第1の配座において第1の孔の寸法および置換基の第2の基がその孔に位置する場合に第2の配座において第2の孔の寸法を有する閉じた環;ここで各基の各置換基は、C、H、N、O、Si、P、S、B、Al、ハロゲン、ならびにアルカリ金属族およびアルカリ土類金属族に由来する金属からなる群より選択される原子を含む官能基を含む。
別の実施形態において、その大環状モジュール組成物は、以下を含む:(a)孔を規定する閉じた環を形成するようにカップリングされた3〜約24個の環式シントン;(b)その孔における閉じた環にカップリングされ、その孔を通じて選択された種を輸送するように選択された少なくとも1つの官能基(ここでその少なくとも1つの官能基は、C、H、N、O、Si、P、S、B、Al、ハロゲン、ならびにアルカリ金属族およびアルカリ土類金属族に由来する金属からなる群より選択される原子を含む官能基を含む);(c)その孔を通じて輸送されるべき選択された種。その選択された種は、一例において、オボアルブミン、グルコース、クレアチニン、HPO 、HPO −2、HCO ,尿素、Na、Li、およびKの群から選択され得る。
いくつかの実施形態において、その環式シントンは、各々独立して、以下からなる群より選択される:ベンゼン、シクロヘキサジエン、シクロヘキセン、シクロヘキサン、シクロペンタジエン、シクロペンテン、シクロペンタン、シクロヘプタン、シクロヘプテン、シクロヘプタジエン、シクロヘプタトリエン、シクロオクタン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、シクロオクタトリエン、シクロオクタテトラエン、ナフタレン、アントラセン、フェニレン、フェナントラセン、ピレン、トリフェニレン、フェナントレン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ビフェニル、ビピリジル、モルホリン、ピペラジン、ピラゾリジン、キヌクリジン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロフラン、ピロール、トリプチセン、アダマンタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプテン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクテン、ビシクロ[3.3.0]オクタン、ビシクロ[3.3.0]オクテン、ビシクロ[3.3.1]ノナン、ビシクロ[3.3.1]ノネン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、ビシクロ[3.2.2]ノネン、ビシクロ[4.2.2]デカン、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,3−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、およびスピロ[4.4]ノナン。
いくつかの実施形態において、各カップリングされた環式シントンは、独立して、(a)縮合された連結、および(b)以下:
からなる群より選択される連結、からなる群より選択される連結によって2つの隣接するシントンにカップリングされ;ここでpは1〜6であり;ここでRおよびR’は各々独立して、水素およびアルキルの群から選択され;ここでその連結は、2つの配置が異なる構造である場合に、独立して、ともにカップリングするシントンに関して、2つのあり得る配置(順方向(forward)および逆方向(reverse))のいずれかにおいて配置される;ここでQは、連結により接続されるシントンのうちの1つである。
一変形例において、大環状モジュールは、以下の式:
の閉じた環の組成物であり得る。ここでその閉じた環は、合計3〜24個のシントンQを含み;Jは2〜23であり;Qは、各々独立して、(a)アリールシントン、(b)ヘテロアリールシントン、(c)飽和環式炭化水素シントン、(d)不飽和環式炭化水素シントン、(e)飽和二環式炭化水素シントン、(f)不飽和二環式炭化水素シントン、(g)飽和多環式炭化水素シントン、および(h)不飽和多環式炭化水素シントンからなる群より選択されるシントンであり;ここで連結Lによってカップリングされていない各Qの環位置は、独立して、水素またはC、H、N、O、Si、P、S、B、Al、ハロゲン、ならびにアルカリ金属族およびアルカリ土類金属族に由来する金属からなる群より選択される原子を含む官能基で置換され;Qは、各々独立して、(a)アリールシントン、(b)ヘテロアリールシントン、(c)飽和環式炭化水素シントン、(d)不飽和環式炭化水素シントン、(e)飽和二環式炭化水素シントン、(f)不飽和二環式炭化水素シントン、(g)飽和多環式炭化水素シントン、および(h)不飽和多環式炭化水素シントンからなる群より選択されるシントンであり;ここでLにカップリングされていないQの環位置は、独立して、水素またはC、H、N、O、Si、P、S、B、Al、ハロゲン、ならびにアルカリ金属族およびアルカリ土類金属族に由来する金属からなる群より選択される原子を含む官能基で置換され;Lは、シントン−シントン、
からなる群より各々独立して選択されるシントン間の連結であり;ここでpは1〜6であり;ここでRおよびR’は各々独立して、水素およびアルキルの群から選択され;ここで連結Lは、2つの配置がアイソマーとして異なる構造である場合に、各々独立して、そのQおよびQシントンに関して配置され、各Lは、ともにカップリングするシントンに関して、2つのあり得る配置のいずれか(カップリングする、すぐ隣接するシントンに関して、その連結の順方向(forward)配置および逆方向(reverse)配置)(例えば、Q −NHC(O)−Q およびQ −C(O)NH−Q )を有する。シントンQは、独立して選択される場合、記載されるような任意の環式シントンであり得、その結果、そのJシントンQは、任意の順番で、例えば、シクロヘキシル−−1,2−フェニル−−ピペリジニル−−1,2−フェニル−−1,2−フェニル−−シクロヘキシルなど、閉じた環において見いだされ得る。そのJ連結Lはまた、独立して選択され得、閉じた環において配置され得る。その式によって表され、その式により包含される大環状モジュールは、含まれるシントンの全てにステレオアイソマーを包含し、その結果、その大環状モジュールの広範に種々のステレオアイソマーは、シントンの各閉じた環の組成物について含まれる。
他の実施形態において、その大環状モジュールは、以下の式の閉じた環の組成物を含み得る:
ここでJは2〜23であり;Qは、(a)1,2−フェニル位置において連結Lにカップリングされたフェニルシントン、(b)1,3−フェニル位置において連結Lにカップリングされたフェニルシントン、(c)フェニルシントン以外のアリールシントン、(d)ピリジニウムシントン以外のヘテロアリールシントン、(e)飽和環式炭化水素シントン、(f)不飽和環式炭化水素シントン、(g)飽和二環式炭化水素シントン、(h)不飽和二環式炭化水素シントン、(i)飽和多環式炭化水素シントン、および(j)不飽和多環式炭化水素シントンからなる群より各々独立して選択されるシントンであり;ここで連結Lにカップリングされない各Qの環位置は、水素またはC、H、N、O、Si、P、S、B、Al、ハロゲン、ならびにアルカリ金属族およびアルカリ土類金属族に由来する金属からなる群より選択される原子を含む官能基で独立して置換され;Qは、(a)フェニルシントンおよび2,7−ナフチル位置で連結Lに連結されたナフタレンシントン以外のアリールシントン、(b)2,6−ピリジノ位置で連結Lに連結されたピリジンシントン以外のヘテロアリールシントン、(c)1,2−シクロヘキシル位置において連結Lにカップリングされたシクロヘキサンシントン以外の飽和環式炭化水素シントン、(d)2,5−ピロール位置において連結Lにカップリングされたピロールシントン以外の不飽和環式炭化水素シントン、(e)飽和二環式炭化水素シントン、(f)不飽和二環式炭化水素シントン、(g)飽和多環式炭化水素シントン、および(h)不飽和多環式炭化水素シントンからなる群より独立して選択されるシントンであり;ここでLにカップリングされていないQの環位置は、独立して、水素またはC、H、N、O、Si、P、S、B、Al、ハロゲン、ならびにアルカリ金属族およびアルカリ土類金属族に由来する金属からなる群より選択される原子を含む官能基で独立して置換され;Lは、(a)縮合された連結、ならびに(b)以下:
からなる群より各々独立して選択されるシントン間の連結であり;ここでpは1〜6であり;ここでRおよびR’は、各々独立して、水素およびアルキルの群から選択され;ここで連結Lは、各々独立して、 2つの配置が異なる構造である場合に、ともにカップリングするシントンに関して、2つのあり得る配置(順方向(forward)および逆方向(reverse))のいずれかにおいて配置され;ここでyは1または2であり、Qは、各々独立して、連結により接続されるQおよびQシントンのうちの1つである。
別の実施形態において、その大環状モジュールは、以下の式の閉じた環の組成物を含み得:
ここでJは2〜23であり;Qは、(a)1,2−フェニル位置で連結Lにカップリングされるフェニルシントン、(b)1,3−フェニル位置で連結Lにカップリングされるフェニルシントン、および(c)1,2−シクロヘキシル位置で連結Lにカップリングされるシクロヘキサンシントンからなる群より各々独立して選択されるシントンであり;ここで連結Lにカップリングされていない各Qの環位置は、独立して、水素またはC、H、N、O、Si、P、S、B、Al、ハロゲン、ならびにアルカリ金属族およびアルカリ土類金属族に由来する金属からなる群より選択される原子を含む官能基で独立して置換され;Qは、1,2−シクロヘキシル位置で連結Lにカップリングされるシクロヘキサンシントンであり;ここでLにカップリングされていないQの環位置は、独立して、水素またはC、H、N、O、Si、P、S、B、Al、ハロゲン、ならびにアルカリ金属族およびアルカリ土類金属族に由来する金属からなる群より選択される原子を含む官能基で独立して置換され;Lは、(a)縮合された連結、および(b)以下:
からなる群より選択される連結、からなる群より各々独立して選択されるシントン間の連結であり、ここでpは1〜6であり;ここでRおよびR’は各々独立して、水素およびアルキルの群から選択され;ここで連結Lは、各々独立して、2つの配置が異なる構造である場合に、ともにカップリングするシントンに関して、2つのあり得る配置(順方向(forward)および逆方向(reverse))のいずれかにおいて配置され;ここでyは1または2であり、Qは、各々独立して、連結により接続されるQまたはQシントンのうちの1つである。
別の実施形態において、その大環状モジュールは、以下の式の閉じた環の組成物を含み得:
ここでJは2〜23であり;Qは、(a)1,4−フェニル位置で連結Lにカップリングされるフェニルシントン、(b)フェニルシントン以外のアリールシントン、(c)ヘテロアリールシントン、(d)飽和環式炭化水素シントン、(e)不飽和環式炭化水素シントン、(f)飽和二環式炭化水素シントン、(g)不飽和二環式炭化水素シントン、(h)飽和多環式炭化水素シントン、および(i)不飽和多環式炭化水素シントンからなる群より各々独立して選択されるシントンであり;ここでQのうちの少なくとも1つは、1,4−フェニル位置で連結Lにカップリングされるフェニルシントンであり、ここで連結Lにカップリングされていない各Qの環位置は、独立して、水素またはC、H、N、O、Si、P、S、B、Al、ハロゲン、ならびにアルカリ金属族およびアルカリ土類金属族に由来する金属からなる群より選択される原子を含む官能基で独立して置換され;Qは、(a)2,7−ナフチル位置で連結Lにカップリングされたフェニルシントンおよびナフタレンシントン以外のアリールシントン、(b)ヘテロアリールシントン、(c)1,2−シクロヘキシル位置で連結Lにカップリングされたシクロヘキサンシントン以外の飽和環式炭化水素シントン、(d)不飽和環式炭化水素シントン、(e)飽和二環式炭化水素シントン、(f)不飽和二環式炭化水素シントン、(g)飽和多環式炭化水素シントン、および(h)不飽和多環式炭化水素シントンからなる群より独立して選択されるシントンであり;ここでLにカップリングされていないQの環位置は、独立して、水素またはC、H、N、O、Si、P、S、B、Al、ハロゲン、ならびにアルカリ金属族およびアルカリ土類金属族に由来する金属からなる群より選択される原子を含む官能基で独立して置換され;ここでLは、(a)縮合された連結、および(b)以下:
からなる群より選択される連結、からなる群より各々独立して選択されるシントン間の連結であり、ここでpは1〜6であり;ここでRおよびR’は各々独立して、水素およびアルキルの群から選択され;ここで連結Lは、各々独立して、2つの配置が異なる構造である場合に、ともにカップリングするシントンに関して、2つのあり得る配置(順方向(forward)および逆方向(reverse))のいずれかにおいて配置され;ここでyは1または2であり、Qは、各々独立して、連結により接続されるQまたはQシントンのうちの1つである。
いくつかの実施形態において、その官能基は、各々独立して、水素、活性化酸、
からなる群より選択され;ここでRは、各々独立して、水素および1〜6Cアルキルからなる群より選択され;Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選択され;rは1〜50であり;sは1〜4である。
他の実施形態において、その大環状モジュールは、以下の式の閉じた環の組成物を含み得:
ここでQは、以下:
であり、Jは1〜22であり、nは1〜24であり;XおよびRは、各々独立して、水素またはC、H、N、O、Si、P、S、B、Al、ハロゲン、ならびにアルカリ金属族およびアルカリ土類金属族に由来する金属からなる群より選択される原子を含む官能基からなる群より独立して選択され;Zは、各々独立して、水素または親油性基であり;Lは、(a)縮合された連結、および(b)以下:
からなる群より選択される連結、からなる群より各々独立して選択されるシントン間の連結であり、ここでpは1〜6であり;ここでRおよびR’は各々独立して、水素およびアルキルの群から選択され;ここで連結Lは、各々独立して、2つの配置が異なる構造である場合に、ともにカップリングするシントンに関して、2つのあり得る配置(順方向(forward)および逆方向(reverse))のいずれかにおいて配置される。
別の実施形態において、その大環状モジュールは、以下の式の閉じた環の組成物を含み得:
ここでQは、以下:
であり、Jは1〜22であり、nは1〜48であり;XおよびRは、各々独立して、水素またはC、H、N、O、Si、P、S、B、Al、ハロゲン、ならびにアルカリ金属族およびアルカリ土類金属族に由来する金属からなる群より選択される原子を含む官能基からなる群より独立して選択され;Zは各々独立して、水素または親油性基であり;Lは、(a)縮合された連結、および(b)以下:
からなる群より選択される連結、からなる群より各々独立して選択されるシントン間の連結であり、ここでpは1〜6であり;ここでRおよびR’は各々独立して、水素およびアルキルの群から選択され;ここで連結Lは、各々独立して、2つの配置が異なる構造である場合に、ともにカップリングするシントンに関して、2つのあり得る配置(順方向(forward)および逆方向(reverse))のいずれかにおいて配置される。
いくつかの実施形態において、XおよびRは、各々独立して、水素、活性化酸、
からなる群より選択され;ここでRは、各々独立して、水素および1〜6Cアルキルからなる群より選択され;Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選択され;rは1〜50であり;sは1〜4である。
別の実施形態において、その大環状モジュールは、以下の式を含み得:
ここでQは、以下:
であり、Jは1〜11であり、nは1〜12であり;XおよびRは、各々独立して、水素、活性化酸、
からなる群より選択され;ここでRは、各々独立して、水素および1〜6Cアルキルからなる群より選択され;Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選択され;rは1〜50であり;sは1〜4であり;Zは各々独立して、水素または親油性基であり;Lは、(a)縮合された連結、および(b)以下:
からなる群より選択される連結、からなる群より各々独立して選択されるシントン間の連結であり、ここでpは1〜6であり;ここでRおよびR’は各々独立して、水素およびアルキルの群から選択され;ここで連結Lは、各々独立して、2つの配置が異なる構造である場合に、ともにカップリングするシントンに関して、2つのあり得る配置(順方向(forward)および逆方向(reverse))のいずれかにおいて配置される。
別の実施形態において、その大環状モジュールは、以下の式を有し:
ここでQは、以下:
であり、Jは1〜11であり、nは1〜12であり;XおよびRは、各々独立して、水素、活性化酸、
からなる群より選択され;ここでRは、各々独立して、水素および1〜6Cアルキルからなる群より選択され;Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選択され;rは1〜50であり;sは1〜4であり;Zは各々独立して、水素または親油性基であり;Lは、(a)縮合された連結、および(b)以下:
からなる群より選択される連結、からなる群より各々独立して選択されるシントン間の連結であり、ここでpは1〜6であり;ここでRおよびR’は各々独立して、水素およびアルキルの群から選択され;ここで連結Lは、各々独立して、2つの配置が異なる構造である場合に、ともにカップリングするシントンに関して、2つのあり得る配置(順方向(forward)および逆方向(reverse))のいずれかにおいて配置される。
別の実施形態において、その大環状モジュールは、以下の式を含み:
ここでQは、以下:
であり、Jは1〜11であり、nは1〜12であり;Xは−NX−または−CX−であり、ここでXは、アミノ酸残基、−CHC(O)CHCH(NH)CO−アルキルおよび−C(O)CH=CHであり;XおよびXは、両方とも水素であり、Rは、各々独立して、水素、活性化酸、
からなる群より選択され;ここでRは、各々独立して、水素および1〜6Cアルキルからなる群より選択され;Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選択され;rは1〜50であり;sは1〜4であり;Zは各々独立して、水素または親油性基であり;Lは、(a)縮合された連結、および(b)以下:
からなる群より選択される連結、からなる群より各々独立して選択されるシントン間の連結であり、ここでpは1〜6であり;ここでRおよびR’は各々独立して、水素およびアルキルの群から選択され;ここで連結Lは、各々独立して、2つの配置が異なる構造である場合に、ともにカップリングするシントンに関して、2つのあり得る配置(順方向(forward)および逆方向(reverse))のいずれかにおいて配置される。
別の実施形態において、その大環状モジュールは、以下の式を有し:
ここでQは、以下:
であり、Jは1〜11であり、nは1〜12であり;XおよびRは、各々独立して、水素、活性化酸、
からなる群より選択され;ここでRは、各々独立して、水素および1〜6Cアルキルからなる群より選択され;Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選択され;rは1〜50であり;sは1〜4であり;Zは各々独立して、水素または親油性基であり;Lは、(a)縮合された連結、および(b)以下:
からなる群より選択される連結、からなる群より各々独立して選択されるシントン間の連結であり、ここでpは1〜6であり;ここでRおよびR’は各々独立して、水素およびアルキルの群から選択され;ここで連結Lは、各々独立して、2つの配置が異なる構造である場合に、ともにカップリングするシントンに関して、2つのあり得る配置(順方向(forward)および逆方向(reverse))のいずれかにおいて配置される。
別の実施形態において、その大環状モジュールは、以下の式を有し:
ここでQは、以下:
であり、Jは1〜11であり、nは1〜12であり;XおよびRは、各々独立して、水素、活性化酸、
からなる群より選択され;ここでRは、各々独立して、水素および1〜6Cアルキルからなる群より選択され;Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選択され;rは1〜50であり;sは1〜4であり;ZおよびYは各々独立して、水素または親油性基であり;Lは、(a)縮合された連結、および(b)以下:
からなる群より選択される連結、からなる群より各々独立して選択されるシントン間の連結であり、ここでpは1〜6であり;ここでRおよびR’は各々独立して、水素およびアルキルの群から選択され;ここで連結Lは、各々独立して、2つの配置が異なる構造である場合に、ともにカップリングするシントンに関して、2つのあり得る配置(順方向(forward)および逆方向(reverse))のいずれかにおいて配置される。
いくつかの実施形態において、そのナノフィルムは、Wang樹脂、ヒドロゲル、アルミナ、金属、セラミクス、ポリマー、シリカゲル、セファロース、セファデックス、アガロース、無機固体、半導体、およびシリコンウェハの群から選択される固体支持体にカップリングされ得る。
一実施形態において、そのナノフィルムは、5〜15mN/mにおいて、ラングミュアトラフ上に30分後に、フィルム領域の少なくとも85%残っている。他の実施形態において、そのナノフィルムは、5〜15mN/mにおいて、ラングミュアトラフ上に30分後に、フィルム領域の少なくとも95%残っている。別の実施形態において、そのナノフィルムは、5〜15mN/mにおいて、ラングミュアトラフ上に30分後に、フィルム領域の少なくとも98%残っている。
一実施形態において、大環状モジュール組成物を作製するための方法は、以下の工程を包含する:(a)複数の第1の環式シントンを提供する工程;(b)複数の第2の環式シントンとその第1の環式シントンとを接触させる工程;(c)その大環状モジュール組成物を単離する工程。その方法は、リンカー分子と、(a)または(b)において、混合物とを接触させる工程をさらに包含し得る。
別の実施形態において、大環状モジュール組成物を作製するための方法は、以下の工程を包含する:(a)複数の第1の環式シントンを提供する工程;(b)複数の第2の環式シントンとその第1の環式シントンとを接触させる工程;(c)複数のその第1の環式シントンと(b)の混合物とを接触させる工程。
別の実施形態において、大環状モジュール組成物を作製するための方法は、以下の工程を包含する:(a)複数の第1の環式シントンを提供する工程;(b)複数の第2の環式シントンとその第1の環式シントンとを接触させる工程;(c)複数の第3の環式シントンと(b)の混合物とを接触させる工程。
この方法は、リンカー分子と、(a)または(b)または(c)における混合物とを接触させる工程をさらに包含し得る。この方法は、環式シントンまたはカップリングされたを固体相上に支持する工程をさらに包含し得る。
別の実施形態において、大環状モジュール組成物を作製するための方法は、以下の工程を包含する:(a)複数の環式シントンと、金属錯体テンプレートとを接触させる工程;および(b)その大環状モジュール組成物を単離する工程。
別の実施形態において、組成物をと怖じて選択された種を輸送するためのその組成物を調製する方法は以下の工程を包含する:第1の環式シントンを選択する工程であって、その第1の環式シントンは、C、H、N、O、Si、P、S、B、Al、ハロゲン、ならびにアルカリ金属族およびアルカリ土類金属族に由来する金属からなる群より選択される原子を含む官能基を含む少なくとも1つの官能基で置換され;2〜約23個のさらなる環式シントンから選択する工程;その第1の環式シントンおよびそのさらなる環式シントンを大環状モジュール組成物に組み込む工程であって、その組成物は、孔を規定する閉じた環を形成するようにカップリングされた3〜約24個の環式シントンを含む、工程;ここでその第1の環式シントンの少なくとも1つの官能基は、その大環状モジュール組成物の孔に位置し、その選択された種をその孔を通して輸送するように選択される。
(大環状モジュール孔)
個々の大環状モジュールは、その構造において孔を備え得る。その孔のサイズは、その大環状モジュールを通過し得る分子または他の種のサイズを決定し得る。大環状モジュールにおける孔のサイズは、その大環状モジュールを作製するために使用されるそのシントンの構造、シントン間の連結、モジュール中のシントンの数、その大環状モジュールを作製するために使用される任意のリンカー分子の構造、およびその大環状モジュールの調製において固有であるか、または後の工程もしくは改変において付加されるかのいずれかにせよ、その大環状モジュールの他の構造特徴に依存し得る。大環状モジュールの立体異性性はまた、大環状モジュールの閉じた環を調製するために使用される各シントンの立体異性体の変化によって、大環状モジュールの孔のサイズを調節するために使用され得る。
大環状モジュールにおける孔の寸法は、その大環状モジュールを形成するために使用されるシントンの組み合わせを変化させることによって、またはその閉じた環におけるシントンの数を変動させることによって、変化され得る。孔の寸法はまた、そのシントンまたは連結上の置換基によって変化され得る。その孔は、従って、その孔を通る種の輸送に対する効果をもたらすために十分大き腐れ得るかまたは十分に小さくされ得る。大環状モジュールの孔を通って輸送され得る種としては、原子、分子、生体分子、イオン、荷電粒子、および光子が挙げられる。
種のサイズは、大環状モジュールの孔を通り得るか否かの単独の決定要因でなくてもよい。大環状モジュールの孔構造におけるかまたはその孔構造付近に位置する基または部分は、種々の機構によって孔を通る種の輸送を調節し得るか、またはその輸送に影響を及ぼし得る。例えば、その孔を通る種の輸送は、その種と、イオン性相互作用もしくは他の相互作用(例えば、キレート化基)またはその種を錯化することによって、相互作用する大環状モジュールの基によって影響を受け得る。例えば、カルボキシレートアニオンまたはアンモニウム基のような荷電基は、反対に荷電した種をカップリングし得、その輸送に影響を及ぼし得る。大環状モジュールにおけるシントンの置換基は、その大環状モジュールの孔を通る種の通過に影響を及ぼし得る。大環状モジュールの孔をより多かれ少なかれ親水性もしくは親油性にする原子基は、その孔を通る種の輸送に影響を及ぼし得る。原子または原子基は、孔内にまたはその孔に隣接して位置して、その孔を通過する種の通過を立体的に遅し得るかまたはブロックし得る。例えば、ヒドロキシルまたはアルコキシ基は、環式シントンにカップリングされ得、その大環状モジュールの構造の孔に位置し得るか、またはシントン間の連結にカップリングされ得かつその孔に位置し得る。C、H、N、O、Si、P、S、B、Al、ハロゲン、ならびにアルカリ金属族およびアルカリ土類金属族に由来する金属からなる群より選択される原子を含む官能基を含む、広範な官能基が、その孔を通る種の通過を立体的に遅くするかまたはブロックするために使用され得る。その孔を通る種の通過をブロックし、遅くすることは、立体的ブロックによって孔の寸法を縮小すること、ならびに直線的でない、その孔を通る経路を作製することによって種の通過を遅くすること、およびその官能基と輸送を遅らせるべき種との間に相互作用を提供することを包含し得る。孔およびその内部を規定するその大環状モジュールの一部の立体化学的構造もまた、輸送に影響を及ぼし得る。大環状モジュールの孔を通る種の輸送に影響を及ぼす任意の基または部分は、大環状モジュールを調製するために使用されるシントンの一部として導入され得るか、または種々の手段によって後に付加され得る。例えば、S7−1は、ClC(O)(CHC(O)OCHCHと反応して、フェノール基をスクシニルエステル基に変換し得る。さらに、そのシントンの分子運動および部分的に可撓性の大環状モジュールの連結は、そのモジュールのその孔を通る種の輸送に影響を及ぼし得る。輸送挙動は、その大環状モジュール自体の構造によってのみ記載されなくてもよい。なぜなら、その孔を通って輸送されるべき種の存在は、大環状モジュールの可撓性、配座、および動的運動に影響を及ぼし得る。一般に、溶媒はまた、孔を通る溶質の輸送に影響を及ぼし得る。
以下の実施例は、本発明の範囲内の変形例をさらに記載し、実証する。本明細書中に記載される全ての実施例は、上記の説明および下記の実施例ともに、例示目的でのみ与えられ、本発明を限定するとして解釈されるべきではない。本発明の例示的変形例が記載されてきたが、当業者は、それらが本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、変化または改変され得、添付の特許請求の範囲に記載されるような本発明の真の範囲内に入るこのような変化、改変および等価な手順の全てを網羅することを意図することを認識する。
本明細書中に囲繞される全ての参考文献は、特許、特許文献、刊行物、学術論文、書籍、および協定を含め、それらの全体が本明細書中に参考として援用される。
試薬を、Aldrich Chemical CompanyおよびVWR Scientific Productsから入手した。使用したラングミュア溝(Langmuir trough)は、KSV小溝(minitrough)(KSV Instruments,Trumbull,CT)であった。界面電流測定(interfacial rheometry)を、CIR−100 Interfacial Rheometer(Rheometric Scientific,Piscataway NJ)を使用し、85mmの幅を有するKSVラングミュア二障壁電流測定微小溝(microtrough)(KSV Instruments,Trumbull,CT)で実施した。表面圧縮の速度を、障壁運動の線形比率(linear rate)で報告する。原子間力顕微鏡(AFM)画像を、PicoSPM(Molecular Imaging,Pheonix AZ)によって得た。接近モードの画像を、代表的に、窒素流れ下で、Si点プローブチップを用いて記録した。
(実施例1)
(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES)でのSiO基質の誘導体化:まず、SiO基質を、ピラニア(piranha)溶液(HSO:30% Hの3:1比)中で15分間超音波処理した。この後、Milli−Q水(>18MΩ−cm)中で15分の超音波処理を行った。誘導体化工程を、グローブバッグ(glove bag)中で、N雰囲気下で行った。0.05mL APTESおよび0.05mLピリジンを、9mLのトルエンに加えた。その後直ちに混合し、新たに清浄化したSiO基質を、APTES溶液中に10分間浸漬した。基質を、大量のトルエンで洗浄し、次いで、Nで乾燥させた。堆積したAPTESフィルムは、0.8〜1.3nmの範囲の厚み値を示した。
(実施例2)
APTES改変SiO基質上の、ヘキサマー1dh/PMAODナノフィルムの堆積:ヘキサマー1dhの50%:50%面積画分溶液:ポリ(無水マレイン酸−アルト−1−オクタデカン)(PMAOD)(Aldrich,30,000〜50,000MW)を、pH9水の下部相上に広げた。10分後、フィルムを、3mm/分の速度で12mN/mに圧縮した。圧縮において、ナノフィルムの層を、垂直浸漬を用いた上昇運動で、APTES改変SiO2基質上に堆積させた。堆積速度は、代表的に、0.25mm/分または0.5mm/分であった。堆積後、ナノフィルムを、N下で70℃まで6時間加熱した。
図1Aに図示した画像化楕円偏光法は、基質上のAPTESコーティングが0.94nmの厚みを有することを明らかにした。図1B左に図示したコーティングの厚みおよび堆積したナノフィルムは、1.94nmであり、一方、図1B右に図示した基質のAPTESコーティングは、0.82nmであった。従って、未硬化ナノフィルム自体の厚みは、1.1nmであった。滑らかな、物理的に均一な、連続しかつ壊れていないナノフィルムを、堆積した。加熱後、コーティングおよび硬化ナノフィルムの厚みは、1.57nmであり(図1Cの左に図示する)、一方、基質のAPTESコーティング(図1Cの右に図示する)は、0.53nmであった。従って、ナノフィルム自体の厚みは、1.0nmで実質的に変化しなかった。CHCl(図2A)、アセトン(図2B)、および水(図2C)における超音波処理(各5分間)後、ナノフィルム自体の厚みは、それぞれ0.9nm、1.0nm、および1.0nmで、実質的に変化しなかった。従って、楕円偏光法測定は、超音波処理における基質からのナノフィルム物質の喪失が、最小限であることを決定した。
(実施例3)
APTES改変SiO基質上の、ヘキサマー1dh/PMAOD/DEMナノフィルムの堆積:ヘキサマー1dh:PMAODの0.1:0.9モル画分溶液を、pH9ジエチルマロンイミデート(DEM)下部相(水溶液中0.5mg/mL)上に広げた。10分後、フィルムを、2mm/分の速度で12mN/mに圧縮した。圧縮において、ナノフィルムの層を、垂直浸漬を用いた上昇運動で、APTES改変基質上に堆積させた。堆積速度は、代表的に、0.5mm/分または1.0mm/分であった。堆積後、ナノフィルムを、N下で、80℃で14〜19時間加熱し、ナノフィルムを表面に付着させた。1.1nmのナノフィルム厚を、ナノフィルムを硬化させる前に楕円偏光法によって測定し、硬化後0.9〜1.0nmであった。滑らかな、物理的に均一な、連続しかつ壊れていないナノフィルムを、堆積した。CHClにおける室温での超音波処理後、ナノフィルム厚(0.7〜0.9nm)を楕円偏光法によって測定した。
(実施例4)
APTES改変SiO基質上の、ヘキサマー1dh/PMAOD/DEMナノフィルムの堆積:ヘキサマー1dhおよびPMAODのナノフィルムを、25mN/mの堆積表面圧を除き、実施例3のように調製した。滑らかな、物理的に均一な、連続しかつ壊れていないナノフィルムを、表面密度0.5mg/mLおよび2.0mg/mLのDEM下部相に堆積した。CHClにおける室温での超音波処理後、楕円偏光法によって、SiOを保有する基質ナノフィルムについて1.2nmの厚みを測定し、APTES改変SiO基質を保有するナノフィルムについて、楕円偏光法によって、1.4〜1.6nmの厚みを測定した。
(実施例5)
ポリマー成分PMAODを有するヘキサマー1dhおよびDEMのナノフィルムのサンプルの表面レオロジーを、表10に示す。表10を参照すると、ポリマー成分PMAODの増加に対応してヘキサマー1dhの面積画分が減少すると、ナノフィルムの表面係数は、実質的に減少する。G’は、蓄積係数(storage modulus)を示し、G”は、喪失係数(loss modulus)を示す。
(表10:ポリマー成分PMAODを有するヘキサマー1dhおよびDEMのナノフィルムのレオロジー)
表10に示されるように、粘性の高いナノフィルムにおいて、G”は、代表的にG’を超える。表10におけるデータは、ヘキサマー1dhおよびDEMのナノフィルムについて、約5%のポリマー成分PMAODの面積画分のナノフィルムへの導入が、ナノフィルムの係数を、50%より多く減少することを示す。ポリマー成分は、ナノフィルムをより可撓性にし、かつ脆性をより低下させる。言い換えると、表10のデータは、約5%のポリマー成分PMAODの面積画分を有するナノフィルムについて、5〜30mN/mの表面圧でのナノフィルムの表面喪失係数は、ポリマー成分を用いずに作製した同じナノフィルム組成物の表面喪失係数の約50%未満である。
表10において使用したナノフィルムを調製するため、ヘキサマー1dhおよびPMAODのクロロホルム溶液を、表10に対応する割合で混合し、そして室温で約1時間、平衡化した。その後、10μlのクロロホルム混合物を、0.5mg/ml DEM含有50mM NaHCO緩衝液(pH9)の液体−空気界面で広げた。拡散した溶媒を15分間蒸発させた後、ナノフィルムを、10mN/mの表面圧まで圧縮した。次いで、ナノフィルムの粘弾性性質を、CIR−100界面レオメーター(Camtel Ltd,Herts,UK)を用いて測定した。振幅0.02μNmおよび周波数1Hzの正弦トルクをナノフィルムに適用し、得られたひずみの同相分および異相分を測定し、それぞれ弾性成分および粘性成分を得た。表10のデータについて、反応は、平均して約40分を超えた。
ポリマー成分PMAODを有するヘキサマー1dhおよびDEMのナノフィルムのサンプルの表面レオロジーを、図3Aに示す。図3Aにおいて使用されるナノフィルムを、2.0mg/ml DEM下部相を用いて調製した。図3Aにおける破線の曲線は、33℃まで加熱した下部相で得られ、一方、実線の曲線は、22℃室温での下部相で得られた。図3Aにおけるデータは、ヘキサマー1dhおよびDEMのナノフィルムについて、約20%のPMAODの面積画分のナノフィルムへの導入が、10mN/m表面圧で、ナノフィルムの喪失係数(G”)を約1/2に減少することを示す。図3Aにおけるデータはまた、下部相温度が高いほど、一般にナノフィルムの係数が高いことを示す。
ポリマー成分PMAODを有するヘキサマー1dhおよびDEMのナノフィルムのサンプルの表面レオロジーを、図3B〜Dに示す。図3B〜Dにおいて使用されるナノフィルムを、2.0mg/mlDEM下部相を用いて、室温で調製した。図3B〜Dにおけるデータは、ヘキサマー1dhおよびDEMのナノフィルムについて、約5%のポリマー成分PMAODの面積画分ナノフィルムへの導入は、ナノフィルムの蓄積係数および喪失係数を、20mN/m表面圧以上で1/2より多く減少する。
(実施例6)
ポリカーボネートトラックエッチング膜(polycarbonate track etch membrane)(PCTE)上のヘキサマー1dh、PMAODおよびDEM:ヘキサマー1dh、PMAOD、およびDEMのナノフィルムは、PCTEの穴を0.01μm に及ばせ得る。0.1モル画分ヘキサマーを有するヘキサマー1dhおよびPMAODの溶液:0.9モル画分PMAODを、0.5mg DEMの下部相上に広げた。得られたナノフィルムの1つの層を、垂直浸漬によって、12mN/mの表面圧および1mm/分の堆積速度で、直径10nmの穴を有するPCTE上に、2mm/分で堆積させた。サンプルを加熱しなかった。PCTE基質をプラズマ処理せず、PCTEのナノフィルムへの付着は共有結合によってなされる必要はなく、より弱い種類の結合またはカップリングによってもよい。
このナノフィルムの走査電子顕微鏡写真を、図4に示す。図4Aは、ナノフィルムの中央の面積を示し、ここで、ナノフィルム中に穴は見られない。図4Bは、ナノフィルムの縁から離れた面積を示し、ここで、ナノフィルム中に穴は見られない。図4Cは、図4Dの隣の、ナノフィルムの縁に近い面積を示し、ここでは、ナノフィルム中に、種々の大きさの幾つかの穴が見られる。図4Dにおいて、ナノフィルムの縁に近い面積を示し、ここでは、ナノフィルム中に、種々の大きさの幾つかの穴が見られる。図4A〜4Dのナノフィルムにおいて観察された穴は、30nm直径より大きくてもよい。
比較として、直径10nmの穴を有するPCTE基質の走査電子顕微鏡写真を、図5Aに示し、これは、基質における穴のパターンを示す。同じPCTE基質の、プラズマ処理後の走査電子顕微鏡写真を、図5Bに示し、これは、図5Aにおいて使用されるPCTE基質と比較して、穴が広がり得ることを図示する。
(実施例7)
水性下部相からSiO基質上に堆積したPMAODラングミュア薄フィルムからのCHCl残渣のFTIR−ATRスペクトルを、図6に示す。1737cm−1での吸光度(酸カルボニル)は、二価酸の形態の無水基の加水分解から生じる。
(実施例8)
ヘキサマー1dhのFTIR−ATRスペクトルを、図7に示す。1450cm−1における主吸光度(dominant absorbance)は、ヘキサマーのアルキル鎖の−CH−伸長(stretching)に由来する。
(実施例9)
pH9の水性下部相からSiO基質上に堆積したヘキサマー1dhおよびPMAODのナノフィルムからのCHCl残渣のFTIR−ATRスペクトルを、図8に示す。1737cm−1でのピークは、二価酸形態が存在することを明らかにした。このピークの広幅化および1713cm−1における肩の形成は、エステルおよびアミド結合の形成が起こっていることを示した。エステル形成(1713cm−lにおける肩)は、アミドカルボニル吸光度(1630〜1680cm−1)よりも有利に働くようである。PMAODスペクトル(図6)において、1450cm−1で現れるピーク対1737cm−1におけるピークの面積の比は、約3:1であった。図8で観察される同じピークの比は、1未満であり、カルボニル面積における吸光度の増加ゆえに、エステルまたはアミド形成を示す。これは、フェノールおよび二次アミン基を介した、モジュールのPMAODポリマーへのカップリングを示す。
(実施例10)
pH9のDEM下部相からSiO基質上に堆積したヘキサマー1dhラングミュアフィルムからのCHCl残渣のFTIR−ATRスペクトルを、図9に示す。1737cm−1および1713cm−1での吸光度が、観察された。カルボニル吸光度は、アミド結合が形成されていてもよいことを示し、これは、モジュールと架橋剤との間のカップリングを示した。
(実施例11)
pH9 DEM下部相からSiO基質上に堆積したヘキサマーldhおよびPMAODから作製されたナノフィルムからのCHCl残渣のFTIR−ATRスペクトルを、図10に示す。カルボニル面積は、図8におけるカルボニル面積と共通点を有し、DEMがヘキサマーのアミン官能基と反応し、アミド架橋を形成し得ることが予測される。加えて、エステル形成は、PMAODとヘキサマーとの間で可能である。これは、モジュールとポリマーとの間のカップリング、およびモジュールと架橋財との間のカップリングを示す。
(実施例12)
プラズマ処理したPCTEの接近モードのATM画像を、図11に示す。この基質の表面を、AFMチップを用いて部分的に平滑化した(図11の下部パネルに示す)。
(実施例13)
溶液中に事前混合した0.8:0.2モル画分ヘキサマー1dh:PMAODのナノフィルムを調製し、そして垂直浸漬によって、SiO基質コーティングされたAPTES上に堆積した。ナノフィルムを、70℃で、N下で15時間硬化させた。N流れ下で得られたナノフィルムの接近モードAFM画像を、図12Aに示す。図12Aを参照して、上部パネルは、連続するナノフィルムの画像を示し、一方、下部パネルは、同じナノフィルムの、約250nmの面積のナノフィルム片がAFMチップで掻き取られた後の画像を示す。チップによって作られた穴の縁で観察されたフィルムの厚みは、2〜3nmであった。同じ組成物の第2のナノフィルムを、70℃で、N下で39時間硬化させた。N流れ下で得られた第2のナノフィルムの接近モードAFM画像を、図12Bに示す。図12Bを参照して、上部パネルは、連続したナノフィルムの画像を示し、一方、下部パネルは、同じナノフィルムの、ナノフィルム片をAFMチップで掻き取ろうと努めた後の画像を示す。このナノフィルムは掻き取ることができず、より長く硬化したナノフィルムは、アニーリングによってより強く基質に付着することを示した。
(実施例14)
0.10モル画分のヘキサマー1dh:0.90モル画分PMAODを有するヘキサマー1dhおよびPMAODおよびDEMから作製されたナノフィルムの接近モードAFM画像を、図13に示す。このナノフィルムを、直径0.01μmの穴のランダムアレイを有するPCTE上への垂直浸漬によって堆積させた。AFMチップによって作られたナノフィルム中の陥没が、はっきりと見られた。
(実施例15)
両親媒性物質であるオクタデシルアミン(ODA)および両親媒性ポリマーであるポリメチルメタクリレート(PMMA)(Polysciences,Warrington PA、MW 100,000、多分散性1.1)から作製されたナノフィルムから、2つの成分のクロロホルム溶液を55℃で18時間加熱し、次いで室温で、100mM NaHPO緩衝液(pH7.3)の液体−空気界面で広げて、ナノフィルムを作製した。このナノフィルムおよびその成分の等温線を、ODA:PMMAの1:1混合物で作製し、図14に図示した(ODAおよびPMMAの各等温線は、このナノフィルムの実質的に同じ形状を保持した)。概して、図14の等温線は、ODAおよびPMMAが、ナノフィルム中で混合しないことを示した。
(実施例16)
両親媒性物質ODAおよび両親媒性ポリマーPMAODから、1:1モル比のODA:PMAODをクロロホルム中に液体−空気界面で広げることにより、ナノフィルムを作製した。図15に図示したこのナノフィルムの等温線は、成分のみのそれぞれとは異なった形状を示し、それぞれの成分のみよりもずっと高い平均分子面積を示した。概して、図15の等温線は、ODAおよびPMAODがナノフィルム中で混和性であることを示した。
(実施例17)
ヘキサマー1dhおよびPMMAの溶液を、液体−空気界面で、水下部相にわたって広げ、0.6面積画分ヘキサマー1dhを有するナノフィルムを形成した。得られたナノフィルムのうちの1層を、垂直浸漬によって、20mN/mの表面圧で、APTESコートされたシリコン基質上に堆積させた。堆積したナノフィルムの接近モードAFM画像を図16に示し、相分離したナノフィルム組成物を図示した。これにより、ヘキサマー1dh/PMMA混合物が、混合しないことを確認した。連続した相の高さは、不連続な相の約1nm以上であった。各連続した相および不連続な相において、AFMプローブチップを用いて変形を作り、2つの相がナノフィルムで構成されており、基質の一部ではないことを確認した。比較として、PMMAのみのラングミュア−ブロジェット堆積の楕円偏光法画像は、約0.6〜1.0厚の、均一な、連続しかつ壊れていないフィルムを示した。
(実施例18)
ヘキサマー1dhおよびPMAODの溶液を、2mg/ml DEM含有水の下部相にわたる液体−空気界面で広げ、ナノフィルムを形成した。このナノフィルムの表面レオロジーを、図17に示す。図17を参照して、ナノフィルムの蓄積係数および喪失係数を、下部相の温度が上がった時間にわたって図示した。Tは、周囲に循環する浴の温度を示し、T℃は、下部相の温度を示す。
(実施例19)
ヘキサマー1dhおよびポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリル酸塩)(PHEMA)の溶液は、2mg/mlのDEMを含有する水のサブフェイス上の液体−気体の境界面に広げられ、ナノフィルムを形成した。
このナノフィルムの表面レオロジーは、表11に示される。表11を参照すると、このナノフィルムの蓄積および損失表面係数(surface moduli)は、変化したモル比率の構成要素として例示される。
表11のデータは、ヘキサマー1dh、PHEMAおよびDEMのナノフィルムについて示し、約25%のポリマー構成要素のPHEMAのモル比率を30mN/mの表面圧で50%以上ナノフィルムの損失絶対値(G’’)を減少させたナノフィルムへと導入する。表11において、ナノフィルムの損失および蓄積表面係数の増加(PHEMAのモル比率が、0.25から0.5まで増加する場合)は、架橋リンアカーに対するPHEMAの結合を示す。
(実施例20)
1%(体積)エチレンジアミンを含有するサブフェイス上のポリグリシジルメタアクリレート(PGM)の単層の流体力学的な特徴付けは、以下のプロトコールに従って実施された。10μlのPGMのクロロホルム溶液(1mg/ml)は、1%エチレンジアミンサブフェイスの液体−気体境界面に広げられた。15分間の広がった溶媒和物のエバポレーションの後、このフィルムは、10mN/mの表面圧まで圧縮された。このフィルムの粘弾性の特性が次いで、CIR−100境界面レオメーター(Camtel LTD,Herts,UK)を使用して30℃において測定された。簡単にいうと、振幅0.02uN/mおよび周波数1Hzの正弦のトルクが、このフィルムに適用され、そして生じた系統の内面および外面が、所定の弾性および粘性の構成要素それぞれが測定された。この反応は、およそ70分間測定され、そしてこのデータは次いで、平均化された。続いて、対象実験が、PGMを用いて基準となるサブフェイス(pH=10.5および12)上で実施され、pHが、エチレンジアミンサブフェイス上で実施された実験について観察された高い粘性においていくらかの役割を果たしているのか決定した。図18における流動学的データは、エチレンジアミンサブフェイス上で作製されたPGMフィルムが、基本となるサブフェイス上のPGMと比較して、表面係数においてほぼ2桁の大きさの増加を有すことを示す。従って、エチレンジアミンは、ナノフィルムへのPGMの架橋結合の存在を表す。純水のサブフェイス上に広げられた場合、PGMは、およそ10mN/mの収縮圧を備える
Langmuirフィルムを産生する(データは示さない)。
(実施例21)
いずれか一つの特定の理論に制限されることを意図しないが、大環状のモジュールの孔径に近接する一つの方法は、量子力学の(QM)および分子力学の(MM)計算である。この実験において、二つの型の合成素子「A」および[B]を有する大環状モジュールが、使用され、そして合成素子間の全ての結合は、同一であると想定された。QMおよびMM算出の目的で、孔領域におけるルートが意味するスクウェア偏移(square deviation)は、力学的なランの間に算出された。
QMについて、各モジュールは、初めにMM+力場アプローチ(Allinger(JACS,1977,99:8127)およびBurkertら、(Molecular Mechanics,ACS Monograph177,1982)を使用して最適化された。これらは次いで、AM1 Hamiltonian(Dewarら、JACS、1985、107:3903;Dewarら、JACS, 1986,108:8075;Stewart,J.Comp.Aided Mol.Design,1990,4:1)を使用して再最適化される。最適化された構造の近接部におけるポテンシャルエネルギー面の性質を検証するために、関連するHessianマトリックスは、数的な二重偏差を使用して算定された。
MMについては、OPLS−AA力場アプローチ(Jorgensenら、JACS,1996,118:11225)が、使用された。イミン結合については、二面角は、180°±10°に制限された。この構造は、0.5フェムトセカンドの時間工程を使用して1ピコセカンドの間に最小化され、および平衡化された。次いで、5ナノセカンドの力学的なランが、1.5フェムセカンドの時間工程を用いて実施された。構造は、ピコセカンド毎に記録された。この結果は、表12および表13に示される。
大環状モジュールの孔領域は、種々の結合についてのQMおよびMM算出から誘導された。そして大環状モジュールの孔の大きさは、表12に示される。表12において、この大環状モジュールは、互換性の合成素子「A」および「B」を有した。合成素子「A」は、1,3−フェニル位置で結合Lと結合化したベンゼン合成素子であり、合成素子「B」は、この表の左側のカラムに示される。
さらに種々の結合についてQMおよびMM算定に由来する大環状モジュールの孔領域ならびに大環状モジュールの孔の大きさは、表13に示される。表13において、この環状モジュールは、互換性のある合成素子「A」および「B」を有した。表13において、合成素子「A」は、2,7−ナフチルの位置で結合Lと結合体化したナフタレン合成素子であり、そして合成素子「B」は、この表の左側のカラムに示される。
置換基の群を有するいくつかのヘキサマー大環状モジュールのエネルギー最小化コンフォメーションの例は、図19Aおよび19Bに示される。図19Aを参照すると、ヘキサマー1−h−(OH)は、−OH置換基の群を有することが示される。図19Bを参照すると、ヘキサマー1−h−(OEt)は、−OEt置換基の群を有することが示される。これら二つの例との間の孔構造および領域における違い(これはまたコンフォメーションおよび可撓性の違いを反映する)は、明らかである。この大環状モジュールは、孔を調節するために使用され得る組成物を生じる。このヘキサマー組成物についてのヒドロキシ合成素子置換基上のエトキシ合成素子置換基の選択は、選択された種を輸送するために使用され得る方法である。
(実施例22)
大環状モジュールの孔の大きさは、電圧固定の二分子層手順を使用して実験的に決定された。多数の大環状モジュールは、ホスファチジルコリンおよびホスファチジルエタノールアミンにより形成された脂質二重層へ挿入された。この二重層の一つの側は、試験されるために陽イオン種を含有する溶液であった。もう一つの側は、大環状モジュールの孔を通過することが可能であることが知られる基準陽イオン種を含有する溶液である。電荷の平衡に必要とされる陰イオンは、大環状モジュールの孔を通過できないものが選択された。陽性電位のポテンシャルが、試験種を含有する脂質二重層の側の溶液に適用される場合、この試験種が、大環状モジュールにおける孔を通過する場合、電流が検出された。電圧が次いで、この孔を通過する基準種の輸送に起因する電流を検出するために反転され、これにより、この二重層が、輸送の障壁であり、そしてこの大環状モジュールの孔は、種の輸送を提供することを確認する。
上記技術を使用して、1R,2R−(−)−トランスジアミノシクロヘキサンおよび2,6−ジホルマル−4−(1−ドデカ−1−イニル)フェノール合成素子よりなる六量体の大環状モジュール(結合としてイミン基を有する)(表1における第一モジュール)は、種々のイオン種の輸送のために試験された。この結果は、表14に示される。
表14に示される結果は、選択されたモジュールにおける細孔を通る通過についてのカットオフが、2.0Åと2.6Åとの間のファンデルワールス半径であることを示す。表12において、QMおよびMMで計算された細孔サイズは、面積で与えられる。円の面積についての式(A=πr)を使用して、表12の最初のモジュールにおける細孔の計算された面積である14.3Åは、rについて2.13Åの値を与える。2.13Å未満のファンデルワールス半径を有するイオンは、細孔を横切り、そしてより大きい半径を有するイオンは、細孔を横切らないと予測され、そしてこのことが観察される。2.0Åの半径を有するCHNH は、細孔を通過したが、2.6Åの半径を有するCHCHNH は、細孔を通過しなかった。特定の理論に束縛されず、そしていくつかの要因が細孔油性に影響を与えることを理解して、水和されたイオンが細孔を通過する、観察される能力は、その細孔に入る種の部分的な水和、別々にかまたは輸送の間の相互作用が減少した、細孔を通る水分子およびイオンの輸送、ならびに輸送後の水分子およびイオンの再配位に起因し得る。細孔の構造、組成、および化学の詳細、ならびに大環状分子の可撓性、ならびに他の相互作用は、輸送プロセスに影響を与え得る。
(実施例23)
1,2−イミン結合したヘキサマー大環状モジュールおよび1,2−アミン結合したヘキサマー大環状モジュールの細孔特性が、表15に示される。表15を参照すると、二重層クランプデータは、これらのモジュールの細孔を通る特定の種の通過および排除が、これらの細孔の計算サイズに相関することを示す。さらに、これらの驚くべきデータは、原子の配置および/または構造的特徴の非常に小さい変化が、輸送特性の不連続な変化をもたらし得、そして他の要因のうちでもとりわけ、シントンおよび結合のバリエーションによって、この細孔を通る輸送の調節の調節を可能にすることを示す。
(実施例24)
膜の濾過機能は、その溶質排出プロフィールの観点で記載され得る。いくつかのナノフィルム膜の濾過機能を、表16〜17に例示する。
溶質の通過または排除は、その除去によって測定され、この除去は、この膜を実際に通過する溶質の割合を反映する。表16〜17における通過なしの記号は、その溶質がナノフィルムによって部分的に排除されること(例えば、90%未満の排出、しばしば、少なくとも90%の排出、時々、少なくとも90%の排出)を示す。通過の記号は、溶質がナノフィルムによって部分的に除去されること(時々、90%未満の除去、しばしば、少なくとも90%の除去、時々、少なくとも98%の除去)を示す。
(実施例25)
溶質の選択的な濾過および相対的な除去を、表18に例示する。表18において、見出し「高い透過性」とは、溶質の約70〜90%より大きい除去を示す。見出し「中程度の透過性」とは、溶質の約50〜70%未満の除去を示す。見出し「低い透過性」とは、溶質の約10〜30%未満の除去を示す。
(実施例26)
濾過プロセスにおいて考慮されるべき種々の種のおよその直径を、表19に示す。
(シントンおよび大環状モジュールの合成方法)
本明細書中(上記節名と以下の実施例との両方、ならびに図面)に図示および記載される全ての化学構造は、図示、説明、および図面がいずれの特定の異性体にも明白に限定されない場合、予測可能な構造の全てのバリエーションおよび異性体(全ての立体異性体および構造異性体または立体配置異性体を含む)を包含し、そして含むことが意図される。
(環状シントンを調製するための方法)
単一の立体配置異性体またはエナンチオマー異性体を、非特異的反応から生じる複雑な混合物から分離する必要性を回避するために、立体特異的または少なくとも立体選択的なカップリング反応が、本発明のシントンの調製において使用され得る。以下は、本発明の大環状モジュールの調製において有用な、いくつかのクラスのシントンの合成スキームの例である。一般に、コアシントンが示され、そして親油性部分は、構造上に示されない。しかし、以下の合成スキームの全ては、両親媒性モジュールおよび他の修飾された大環状モジュールを調製するために使用される、さらなる親油性部分または親水性部分を含み得ることが、理解される。種は、これらが現れるスキームに関連して番号がつけられている。例えば、「S1−1」とは、スキーム1における構造1をいう。
1,3−ジアミノシクロヘキサ−5−エンのシントンを調製するためのアプローチが、スキーム1に示される。
対称的なジエステルであるS1−1の、酵素的に補助される部分的な加水分解が、エナンチオマー的に純粋なS1−2を得るために使用される。S1−2を、Curtius反応に供し、次いで、ベンジルアルコールでクエンチして、保護されたアミノ酸S1−3を得る。カルボン酸S1−4のヨードアセトン化、引き続く脱ヒドロハロゲン化は、不飽和ラクトンS1−6を与える。ナトリウムメトキシドでのラクトン環の開環は、アルコールS1−7を与え、これを、メシル化、アジドでのSN転位、還元、およびジ−tert−ブチルジカーボネートでの生じるアミンの保護を包含するワンポット反応において、立体配置の反転を伴って、S1−8に変換する。S1−8の、より安定なジエクアトリアル立体配置へのエピマー化、引き続く鹸化は、カルボン酸S1−10を与える。S1−10を、Curtius反応に供する。混合されたアルデヒドを、クロロギ酸エチルを使用して調製し、引き続いて、水性NaNと反応させて、アシルアジドを与え、これを、還流ベンゼン中でイソシアネートに熱転位させる。このイソシアネートを、2−トリメチルシリルエタノールでクエンチして、異なって保護されたトリカルバメートS1−11を得る。トリフルオロ酢酸(TFA)との反応は、1,3−ジアミノ基を選択的に脱保護して、所望のシントンS1−12を提供する。
別のバリエーションにおいて、1,3−ジアミノシクロヘキサンのシントンを調製するためのアプローチが、スキーム1aに示される。
これらの調製のいくつかの局面は、Suamiら、J.Org.Chem.1975,40,456およびKavadiasら、Can.J.Chem.1978,56,404に与えられる。
別のバリエーションにおいて、1,3−置換シクロヘキサンのシントンを調製するためのアプローチが、スキーム1bに示される。
このシントンは、大環状モジュールが環化されるまで、「Z保護」されたままである。アミン官能基を有する大環状モジュールを得るための引き続く脱保護は、水素化プロトコルによってなされる。
ノルボルナン(ビシクロヘプタン)が、本発明のシントンを調製するために使用され得、そしてノルボルナンの立体化学的に制御された多官能基化が達成され得る。例えば、ディールスアルダー環化付加を使用して、特定の予測可能な立体化学を有する、種々の官能基を組み込むノルボルナンを形成し得る。エナンチオマー的に濃縮された生成物もまた、適切な試薬の使用を介して得られ得、従って、キラル分離に対する必要性を制限し得る。
1,2−ジアミノノルボルナンのシントンを調製するためのアプローチが、スキーム2に示される。
5−(ベンジルオキシ−メチル)1,3−シクロペンタジエン(S2−13)を、ジ−(l)−メチルフマレートの塩化ジエチルアルミニウムルイス酸錯体(S2−14)と低温で反応させて、ジアステレオマー的に純粋なノルボルネンS2−15を得る。水性エタノール中の水酸化カリウムでの鹸化は、二酸S2−16を与え、この二酸を、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)とのタンデムCurtius反応に供し、その反応生成物を2−トリメチルシリルエタノールでクエンチして、ビスカルバメートS2−17を得る。TFAでの脱保護は、ジアミンS2−18を与える。
このシントンクラスの別のアプローチが、スキーム3に概説される。キニジンの存在下での、アルデヒドS3−19のメタノールでの開環は、エナンチオマー的に純粋なエステル酸S3−20を与える。ナトリウムメトキシド(NaOMe)でのエステル基のエピマー化は、S3−21を与える。DPPAとのCurtius反応、引き続くトリエチルシリルエタノールでのクエンチは、カルバメートS3−22を与える。NaOHでの鹸化は、酸S3−23を与え、この酸は、Curtius反応を受ける。
次いで、ベンジルアルコールでクエンチして、異なって保護されたビスカルバメートS3−24を得る。化合物S3−24を完全に脱保護して、ジアミンを提供し得るか、またはいずれかのカルバメートが選択的に脱保護され得る。
エンド,エンド−1,3−ジアミノノルボルナンのシントンを調製するためのアプローチが、スキーム4に示される。5−トリメチルシリル−1,3−シクロペンタジエン(S4−25)を、ジ−(l)−メチルフマレートの塩化ジエチルアルミニウムルイス酸錯体と低温で反応させて、ほぼジアステレオマー的に純粋なノルボルネンs4−26を得る。S4−26の、アルコールからの結晶化は、99%より多くの単一のジアステレオマーの回収を生じる。ブロモラクトン化、引き続く銀に媒介される転位は、7位にアルコール部分を有する混合ジエステルS4−28を与える。臭化ベンジルでのアルコールの保護、およびメチルエステルの選択的脱保護は、遊離カルボン酸S4−30を与える。Curtius反応は、トリメチルシリルエチルカルバメートノルボルネンS4−31を生じる。メタノール中でのこのオレフィンのビスカルボニル化、引き続く単一工程での脱保護および脱水は、一無水物S4−33を与える。メタノールを用いる、この無水物のキニジンにより媒介される開環は、S4−34を与える。S4−34のCurtius変換は、ビスカルバメートS4−35を与え、このビスカルバメートを、TFAまたはテトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)で脱保護して、ジアミンS4−36を与える。
このクラスのシントンへの別のアプローチが、スキーム5に概説される。キニジンの存在下でのS3−19のベンジルアルコール開環は、高いエナンチオマー過剰でS5−37を与える。ヨードラクトン化、引き続くNaBH還元は、ラクトンS5−39を与える。NaOMeでの処理は、メチルエステルおよび遊離アルコールを遊離させて、S5−40を生成する。反転したt−ブチルカルバメートで保護されたアミンS5−41への、アルコールS5−40の変換は、メシレートS5−40のアジド交換、引き続くアミンへの還元によって、ワンポット反応で達成され、このアミンを、ジ−tert−ブチルジカーボネートで保護する。ベンジルエステルの水素化分解およびメチルエステルのエキソ立体配置へのエピマー化に引き続いて、臭化ベンジルで遊離酸を保護し、S5−44を得る。メチルエステルの鹸化、引き続くトリメチルシリルエタノールでクエンチされるCurtius反応は、ビスカルバメートS5−46を与え、このビスカルバメートを、TFAで切断して、所望のジアミンS5−47を得る。
エキソ,エンド−1,3−ジアミノノルボルナンのシントンを調製するためのアプローチが、スキーム6に示される。キニジンの存在下での、ノルボルネン無水物S3−19のp−メトキシベンジルアルコール開環は、高いエナンチオマー過剰でモノエステルS6−48を与える。この遊離酸のCurtius反応は、保護された全てエンド修飾されたモノアミンS6−49を与える。ビスカルボニル化および無水物形成は、エキソ−モノアルデヒドS6−51を与える。キニンの存在下での選択的メタノール分解は、S6−52を与える。トリメチルシリルエタノールでクエンチされるCurtius反応は、ビスカルバメートS6−53を与える。これらの2つのエステルのエピマー化は、立体的により安定なS6−54を生じる。カルバメート基の切断は、シントンS6−55を提供する。
(大環状モジュールを調製するための方法)
シントンは、互いにカップリングされて、大環状モジュールを形成し得る。1つのバリエーションにおいて、シントンのカップリングは、協奏スキームで達成され得る。協奏経路による大環状モジュールの調製は、例えば、少なくとも2つの型のシントン(各型が、他方のシントンとカップリングするための、少なくとも1つの官能基を有する)を使用して実施され得る。これらの官能基は、1つの型のシントンの官能基が、他方の方のシントンの官能基のみとカップリングし得るように選択され得る。2つの型のシントンが使用される場合、異なる型の交互のシントンを有する大環状モジュールが形成され得る。スキーム7は、協奏モジュール合成を図示する。
スキーム7を参照すると、1,2−ジアミノシクロヘキサンS7−1は、他方のシントンとカップリングするための2つのアミノ官能基を有するシントンであり、そして2,6−ジホルミル−4−ドデク−1−イニルフェノールS7−2は、他方のシントンとカップリングするための2つのホルミル基を有するシントンである。アミノ基は、ホルミル基とカップリングして、イミン結合を形成し得る。スキーム7において、協奏的生成物であるヘキサマー大環状モジュールが示されている。
1つのバリエーションにおいて、テトラマー、ヘキサマー、およびオクタマーの大環状モジュールの混合物が、協奏スキームにおいて形成され得る。これらの大環状モジュールの収率は、反応混合物中の種々のシントンの濃度を変化させることにより、そして他の要因のうちでもとりわけ、溶媒、温度、および反応時間を変化させることによって、変化され得る。
S7−3のイミン基は、例えば、水素化ホウ素ナトリウムを用いて還元されて、アミン結合を生じ得る。2,6−ジホルミル−4−ドデク−1−イニルフェノールの代わりに2,6−ジ(クロロカルボニル)−4−ドデク−1−イニルフェノールを用いて反応を実施した場合、得られるモジュールは、アミド結合を含む。同様に、1,2−ジヒドロキシシクロヘキサンを2,6−ジ(クロロカルボニル)−4−ドデク−1−イニルフェノールと反応させる場合、得られるモジュールは、エステル結合を含む。
いくつかの変形例において、シントンのカップリングは、段階的な様式で達成され得る。大環状モジュールの段階的調製の例では、第1の型のシントンは、1つの保護された官能基および1つの保護されていない官能基で置換される。第2の型のシントンは、保護されていない官能基で置換され、この保護されていない官能基は、第1のシントン上の保護されていない官能基とカップリングする。第1の型のシントンと第2の型のシントンとを接触させることの生成物は、ダイマーであり得、これは、2つのカップリングしたシントンから作製される。第2のシントンはまた、保護されているかまたはダイマーが形成された場合に第1シントンとカップリングしないかのいずれかの別の官能基で置換され得る。このダイマーは、単離および精製されてもよく、または調製物は、ワンポット法として進行してもよい。このダイマーは、2つの官能基を有する第2シントンと接触され得、これらの官能基のうちの1つは、第1シントンまたは第2シントンのいずれかの残りの官能基とカップリングしてトリマーを形成し得、このトリマーは、3つのカップリングしたシントンから作製される。シントンのこのような段階的カップリングが繰り返されて、種々の環サイズの大環状モジュールが形成され得る。大環状モジュールの環を環化または閉鎖するために、次いで、生成物とカップリングされたn番目のシントンは、第2官能基で置換され得、この第2官能基は、予めカップリングされたシントンのうちの、カップリングしていない第2官能基(これは、その工程のために脱保護され得る)とカップリングし得る。この段階的方法は、固相支持体上のシントンを用いて実施され得る。スキーム8は、モジュールSC8−1の段階的調製を例示する。
化合物S8−2は、メタンスルホニルクロリド(Endo,K.;Takahashi,H.Heterocycles,1999,51,337)の存在下でS8−3(ここで、フェノールは、ベンジルエーテルとして保護されており、そして窒素は、基「P」で保護されていると示され、「P」は、当該分野で周知の多数の保護基のうちの任意のものであり得る)と反応して、S8−4が得られる。N保護基の除去により遊離アミンS8−5が得られ、遊離アミンS8−5は、任意の標準的ペプチドカップリング反応(例えば、BOP/HOBt)を用いてシントンS8−6とカップリングされて、S8−7が得られ得る。8残基を有する線形構築物が得られるまで、シントンS8−3とシントンS8−6とを交互にして、脱保護/カップリングが繰り返される。8マー上の残りの酸およびアミン保護基が除去され、そしてこのオリゴマーが環化される(例えば、Caba,J.M.ら,J.Org.Chem.,2001,66:7568(PyAOP環化)およびTarver,J.E.ら,J Org.Chem.,2001,66:7575(活性エステル環化)を参照のこと)。このR基は、官能基を介してベンゼン環へと連結されたH基またはアルキル基であり、そしてXは、N、OまたはSである。固体支持体の例としては、Wang樹脂、ヒドロゲル、シリカゲル、セファロース、セファデックス、アガロース、および無機固体が挙げられる。固体支持体を用いることは、途中での中間体の精製を明白にすることによって、手順を単純化し得る。最終的な環化は、固体形態で実施され得る。「安全キャッチリンカー(safety−catch linker)」アプローチ(Bourne,G.T.ら,J Org.Chem.,2001,66:7706)を用いて、1回の操作で環化および樹脂切断を獲得し得る。
別の変形例では、協調した方法は、スキーム9に示す通りの、2以上の異なるシントンおよびリンカー分子を接触させる工程を包含し、ここでRは、アルキル基または他の親油性基であり得る。
別の変形例では、段階的線形方法は、スキーム10に示す通りの、種々のシントンおよび固相支持体を包含する。
別の変形例では、段階的集束方法は、スキーム11に示す通りの、シントントリマーおよび固相支持体を包含する。この方法はまた、溶液中のトリマーを用いて固相支持体なしで実施され得る。
別の変形例では、テンプレート法は、スキーム12に示す通りの、テンプレートによって一緒にされるシントンを包含する。このアプローチ(およびMg2+テンプレート)のいくつかの局面を、Duttaら,Inorg.Chem.1998,37,5029に示す。
別の変形例では、リンカー分子法は、スキーム13に示す通りの、溶液中でのシントンの環化を包含する。
以下の実施例の試薬を、Aldrich Chemical CompanyおよびVWR Scientific Productsから入手した。全ての反応を、そうでないことを注記しない限り、窒素雰囲気下またはアルゴン雰囲気下で実施した。水溶液の溶媒抽出物を、無水NaSOで乾燥した。溶液を、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下で濃縮した。薄層クロマトグラフィー(TLC)を、Analtech SilicaゲルGF(0.25mm)プレートまたはMachery−NaゲルAlugram Sil G/UV(0.20mm)プレートにおいて実施した。クロマトグラムを、UV光、リンモリブデン酸またはKMnOのいずれかで可視化した。報告した全ての化合物は、そうでないことを注記しない限り、TLCによって均質であった。HPLC分析を、逆相C−18シリカカラムを用いて、Hewlett Packard1100システムにおいて実施した。鏡像異性体過剰量を、Regis Technologiesからの逆相(l)−ロイシンシリカカラムを用いてHPLCによって決定した。全ての[H]NMRスペクトルおよび13[C]NMRスペクトルを、Varian Mercuryシステムにおいて400MHzにて収集した。エレクトロスプレー質量スペクトルを、Synpep Corp.またはThermo Finnigan LC−MSシステムによって得た。
(実施例27)
(2,6−ジホルミル−4−ブロモフェノール)
ヘキサメチレンテトラアミン(73.84g、526mmol)を、攪拌しながら、TFA(240mL)に添加した。4−ブロモフェノール(22.74g、131mmol)をいっぺんに添加し、そして溶液を、油浴中で120℃まで加熱し、そしてアルゴン下で48時間攪拌した。次いで、この反応混合物を室温まで冷却した。水(160mL)および50%HSO水溶液(80mL)を添加し、そして溶液をさらに2時間攪拌した。この反応混合物を水(1600mL)中に注ぎ、そして得られた沈澱物をブーフナー漏斗で収集した。沈澱物を酢酸エチル(EtOAc)中に溶解し、そして溶液をMgSOで乾燥した。溶液を濾過し、そして溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。ヘキサン中15%〜40%の酢酸エチルの勾配を用いたシリカゲル(400g)でのカラムクロマトグラフィーによる精製は、黄色固体(18.0g、60%)としての生成物の単離を生じた。
(実施例28)
(2,6−ジホルミル−4−(ドデシン−1−イル)フェノール)
2,6−ジホルミル−4−ブロモフェノール(2.50g、10.9mmol)、1−ドデシン(2.00g、12.0mmol)、CuI(65mg、0.33mmol)、およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム)II)クロリドを、脱気したアセトニトリル(MeCN)(5mL)および脱気したベンゼン(1mL)中に懸濁した。黄色懸濁物にアルゴンを30分間散布し、そして脱気したEtN(1mL)を添加した。得られた褐色懸濁物を加圧バイアル中にシールし、80℃まで温め、そしてそのまま12時間保持した。次いで、混合物をEtOAcとKHSO溶液との間で分配した。有機層を分離し、ブラインで分離し、(MgSO)で乾燥し、そして減圧下で濃縮した。暗黄色オイルを、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中25%のEtO)によって精製して、1.56g(46%)の表題化合物を得た。
(実施例29)
(2,6−ジホルミル−4−(ドデセン−1−イル)フェノール)
2,6−ジホルミル−4−ブロモフェノール(1.00g、4.37mmol)、1−ドデセン(4.8mL、21.7mmol)、1.40gの臭化テトラブチルアンモニウム(4.34mmol)、0.50gのNaHCO(5.95mmol)、1.00gのLiCl(23.6mmol)および0.100gの二酢酸パラジウム(Pd(OAc))(0.45mmol)を、30mLの脱気した無水ジメチルホルムアミド(DMF)中で合わせた。この混合物にアルゴンを10分間散布し、次いで加圧バイアル中にシールし、そしてこの加圧バイアルを82℃まで温め、そして40時間保持した。粗製反応混合物を、CHClと0.1M HCl溶液との間で分配した。有機層を0.1M HCl(2×)、ブライン(2×)および飽和NaHCO水溶液(2×)で洗浄し、MgSOで乾燥し、そして減圧下で濃縮した。暗黄色油をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(EtO中25%ヘキサン)によって精製して、0.700g(51%)の表題化合物を主にZ異性体として得た。
(実施例30)
((1R,6S)−6−メトキシカルボニル−3−シクロヘキセン−1−カルボン酸(S1−2))
S1−1(15.0g、75.7mmol)を、pH7のリン酸緩衝液(950mL)中に懸濁した。ブタ肝臓エステラーゼ(2909単位)を添加し、そして2M NaOHの添加によってpHを7に維持しながら、混合物を室温で72時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(200mL)で洗浄し、2M HClでpH2まで酸性化し、そして酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。抽出物を合わせ、乾燥し、そしてエバポレートして、13.8g(99%)のS1−2を得た。
(実施例31)
((1S,6R)−6−ベンゾイルオキシカルボニルアミノシクロヘクス−3エンカルボン酸メチル(S1−3))
S1−2(10.0g、54.3mmol)を、N下でベンゼン(100mL)中に溶解した。トリエチルアミン(13.2g、18.2mL、130.3mmol)を添加し、続いてDPPA(14.9g、11.7mL、54.3mmol)を添加した。溶液を20時間還流した。ベンジルアルコール(5.9g、5.6mL、54.3mmol)を添加し、そして還流を20時間続けた。溶液をEtOAc(200mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(2×50mL)、水(20mL)、および飽和NaCl水溶液(20mL)で洗浄し、乾燥し、そしてエバポレートして、13.7g(87%)のS1−3を得た。
(実施例32)
((1S,6R)−6−ベンゾイルオキシカルボニルアミノシクロヘクス−3−エンカルボン酸(S1−4))
S1−3(23.5g、81.3mmol)をMeOH(150mL)中に溶解し、そして溶液を0℃に冷却した。2M NaOH(204mL、0.41mol)を添加し、混合物を室温にし、次いでこれを48時間攪拌した。この反応混合物を水(300mL)で希釈し、2M HClで酸性化し、そしてジクロロメタン(250mL)で抽出し、乾燥し、そしてエバポレートした。残渣をジエチルエーテルから再結晶して、21.7(97%)のS1−4を得た。
(実施例33)
((1S,2R,4R,5R)−2−ベンゾイルオキシカルボニルアミノ−4−ヨード−7−オキソ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン(S1−5))
S1−4(13.9g、50.5mmol)をN下でジクロロメタン(100mL)中に溶解し、0.5M NaHCO(300mL)、KI(50.3g、303.3mmol)、およびヨウ素(25.6g、101mmol)を添加し、そして混合物を室温で72時間攪拌した。混合物をジクロロメタン(50mL)で希釈し、そして有機相を分離した。有機相を飽和Na水溶液(2×50mL)、水(30mL)、および飽和NaCl水溶液(20mL)で洗浄し、乾燥し、そしてエバポレートして、16.3g(80%)のS1−5を得た。
(実施例34)
(1S,2R,5R)−2−ベンゾイルオキシカルボニルアミノ−7−オキソ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−3−エン(S1−6))
S1−5(4.0g、10mmol)を、N下でベンゼン(50mL)中に溶解した。1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)(1.8g、12mmol)を添加し、そして溶液を16時間還流した。沈澱物を濾過し、そして濾液をEtOAc(200mL)で希釈した。濾液を1M HCl(20mL)、飽和Na水溶液(20mL)、水(20mL)および飽和NaCl水溶液(20mL)で洗浄し、乾燥し、そしてエバポレートして、2.2g(81%)のS1−6を得た。
(実施例35)
((1S,2R,5R)−2−ベンゾイルオキシカルボニルアミノ−5−ヒドロキシシクロヘクス−3エンカルボン酸メチル(S1−7))
S1−6(9.0g、33mmol)をMeOH(90mL)中に懸濁し、そして0℃に冷却した。NaOMe(2.8g、52.7mmol)を添加し、そして混合物を3時間攪拌し、この間に、溶液が徐々に形成された。この溶液を2M HClで中和し、飽和NaCl水溶液(200mL)で希釈し、そしてジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。抽出物を合わせ、水(20mL)および飽和NaCl水溶液(20ml)で洗浄し、乾燥し、そしてエバポレートした。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル(250g)、50:50のヘキサン/EtOAc)にかけて、8.5g(85%)のS1−7を得た。
(実施例36)
((1S,2R,5S)−2−ベンゾイルオキシカルボニルアミノ−5−t−ブトキシカルボニルアミノシクロヘクス−3エンカルボン酸メチル(S1−8))
S1−7(7.9g、25.9mmol)をジクロロメタン(150mL)中に溶解し、そしてN下で0℃まで冷却した。トリエチルアミン(6.3g、8.7mL、62.1mmol)およびメタンスルホニルクロリド(7.1g、62.1mmol)を添加し、そして混合物を0℃で2時間攪拌した。ジクロロメタン(50mL)中の(n−Bu)NN(14.7g、51.7mmol)を添加し、そして攪拌を0℃にて3時間続け、続いて室温にて15時間続けた。混合物を0℃まで冷却し、そしてP(n−Bu)(15.7g、19.3mL、77.7mmol)および水(1mL)を添加し、そして混合物を室温で24時間攪拌した。ジカルボン酸ジ−tert−ブチル(17.0g、77.7mmol)を添加し、そして攪拌を24時間続けた。溶媒を除去し、残渣を2:1のヘキサン/EtOAc (100mL)中に溶解し、溶液を濾過し、そしてエバポレートした。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル(240g)、67:33のヘキサン/EtOAc)にかけて、5.9g(56%)のS1−8を得た。
(実施例37)
((1R,2R,5S)−2−ベンゾイルオキシカルボニルアミノ−5−t−ブトキシカルボニルアミノシクロヘクス−3−カルボン酸メチル(S1−9))
S1−8(1.1g、2.7mmol)を、MeOH(50mL)中に懸濁した。NaOMe(0.73g、13.6mmol)を添加し、そして混合物を18時間還流し、その後、0.5M NHCl(50mL)を添加し、そして得られた沈澱物を収集した。濾液をエバポレートし、そして残渣を水(25mL)で粉砕した。不溶性部分を収集し、そしてもともとの沈澱物と合わせて、0.85g(77%)のS1−9を得た。
(実施例38)
((1R,2R,5S)−2−ベンゾイルオキシカルボニルアミノ−5−t−ブトキシカルボニルアミノシクロヘクス−3−エンカルボン酸(S1−10))
S1−9(0.85g、2.1mmol)を50:50のMeOH/ジクロロメタン(5mL)中に懸濁し、そしてN下で0℃まで12時間冷却し、その後、2M NaOH(2.0mL)を添加し、そして混合物を室温にて16時間攪拌した。混合物を2M HClで酸性化し、その際に白色沈澱物が形成された。この沈澱物を収集し、水およびヘキサンで洗浄し、そして乾燥して、0.74g(90%)のS1−10を得た。
(実施例39)
((1R,2R,5S)−2−ベンゾイルオキシカルボニルアミノ−5−t−ブトキシカルボニルアミノ−1−(2−トリメチルシリル)エトキシカルボニルアミノシクロヘクス−3−エン(S1−11))
S1−10(3.1g、7.9mmol)をN下でTHF(30mL)中に溶解し、そして0℃まで冷却した。トリエチルアミン(1.6g、2.2mL、15.9mmol)を添加し、続いてクロロギ酸エチル(1.3g、1.5 mL,11.8mmol)を添加した。混合物を0℃にて1時間攪拌した。水(10mL)中のNaN(1.3g、19.7mmol)の溶液を添加し、そして0℃での攪拌を2時間続けた。反応混合物をEtOAc(50mL)と水(50mL)との間で分配した。有機相を分離し、乾燥し、そしてエバポレートした。残渣をベンゼン(50mL)中に溶解し、そして2時間還流した。2−トリメチルシリルエタノール(1.0g、1.2mL、8.7mmol)を添加し、そして還流を3時間続けた。反応混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(50mL)、水(20mL)、および飽和NaCl水溶液(20mL)で洗浄し、乾燥し、そしてエバポレートした。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル(100g)、67:33のヘキサン/EtOAc)にかけて、3.1g(77%)のS1−11を得た。
(実施例40)
(1R,2R,5S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1,5−ジアミノシクロヘクス−3−エン(S1−12))
S1−11(2.5g、4.9mmol)をTFA(10mL)に添加し、そして溶液を室温で16時間攪拌し、その後、溶液をエバポレートした。残渣を水(20mL)中に溶解し、KOHでpH14に塩基性化し、そしてジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。抽出物を合わせ、水(20mL)で洗浄し、乾燥し、そしてエバポレートして、1.1g(85%)のS1−12を得た。
(実施例41)
S1b−2の単離を、以下の手順を用いて達成した:Schlenk技術を用いて、5.57g(10.0mmol)のメチルエステル化合物S1b−1を、250mLのTHF中に溶解した。別のフラスコにおいて、LiOH(1.21g、50.5mmol)を50mLの水中に溶解し、そして針を用いて溶液を通してNを20分間発泡させることによって脱気した。この反応を、塩基溶液を、迅速に攪拌しながら1分間で、S1b−1を含むフラスコ中に移すことによって開始した。混合物を室温で攪拌し、そして出発物質S1b−1が完全に消費されたときに後処理を開始した(66% EtOAc/33%ヘキサンの溶媒系を用い、そしてリンモリブデン酸試薬(Aldrich #31,927−9)を用いて発色させ、出発物質S1b−1は0.88のRfを有し、そして生成物のすじは約0.34〜0.64のRfを有する)。この反応には通常、2日かかる。後処理:この反応物に添加された水とほぼ同じ体積(個の場合、50mL)が残るまで、THFを減圧移動によって除去した。この間、反応溶液は、白色塊を形成し、この白色塊は、透明な黄色溶液によって囲まれた攪拌バーに付着する。THFが除去されるにつれて、反応溶液に注ぐ漏斗を含めて、分液漏斗を設定し、そして三角フラスコをこの分液漏斗の下に配置する。三角フラスコに、いくらかの無水NaSOを添加する。この装置は、酸性化が開始される前に設定されるべきである(反応溶液の酸性化前に分液漏斗および三角フラスコなどを設定して、一旦溶液が1に近いpHを得たら迅速に相分離および酸からの生成物抽出を可能にすることが重要である。分離が迅速に実施されない場合、Boc 官能基が有意に加水分解されて、収率が低下する)。一旦揮発性物質が充分に除去されたら、CHCl(125mL)および水(65mL)を添加し、そして反応フラスコを氷浴中で冷却する。溶液を迅速に攪拌し、そして1N HClの5mLのアリコートをシリンジによって添加し、そしてpH紙を用いて反応溶液を試験する。pH紙上のスポットが、縁部の周囲で赤色(オレンジ色ではない)を示すまで酸を添加し、このことは、1〜2であるpHが達成されたことを示す(試験する溶液はCHClおよび水の混合物であり、それゆえ、pH紙は、中心部ではなく、スポットの縁部において正確な測定値を示す)そして分液漏斗中に溶液を迅速に注ぐことにより、相が分離される。相が分離するにつれて、止め栓をまわしてCHCl相(底部)を三角フラスコ中に放出し、このフラスコを旋回させて、乾燥剤に溶液中の水を吸収させる(このスケールのこの手順では、80mLの1N HClを用いた)。相分離のすぐ後に、水相をCHCl(2×100mL)で抽出し、無水NaSOで乾燥し、そして揮発性物質を除去して、99.1%の収率を反映する、5.37g/9.91mmoleの美しい白色微結晶を得る。この生成物は、クロマトグラフィーによっては精製できない。なぜなら、このプロセスはまた、カラム中のBoc官能基をも加水分解するからである。
(実施例42)
(ジ−(l)−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−7−anti−(トリメチルシリル)−2−endo−3−exo−ジカルボキシレート(S4−26))
トルエン(100mL)中S4−25(6.09g,0.0155mol)の溶液に、塩化ジエチルアルミニウム(トルエン中、8.6mLの1.8 M溶液)を、窒素下で−78℃にて添加し、混合物を1時間攪拌した。得られたオレンジ溶液に、S2−14(7.00g,0.0466mol)を、トルエン(10mL)中−78℃の溶液として滴下した。この溶液を−78℃で2時間維持し、続いて一晩、室温までゆっくりと温めた。アルミニウム試薬を塩化アンモニウムの飽和溶液(50mL)でクエンチした。水層を分配し、そして塩化エチレン(100mL)で抽出し、次いでこれを硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒のエバポレーションにより黄色固体を残し、これをカラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、白色固体としてS4−26(7.19g,0.0136mol,87%収率)を得た。
H NMR:(CDCl)δ−0.09(s,9 H,SiMe),0.74−1.95(多重度,36 H,メタノール),2.72(d,1 H,α−メチルカルボニルCH),3.19(bs,1 H,ブリッジヘッドCH),3.30(bs,1 H,ブリッジヘッドCH),3.40(t,1 H,α−メチルカルボニルCH),4.48(tのd,1 H,α−メチルエステルCH),4.71(tのd,1 H,α−メチルエステルCH),5.92(dのd,1 H,CH=CH),6.19(dのd,1 H,CH=CH)。
(実施例43)
(5−exo−ブロモ−3−exo−(l)−メチルカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−anti−(トリメチルシリル)−2,6−カルボラクトン(S4−27))
塩化メチレン(20mL)中、ブロミンの溶液(3.61g,0.0226mol)に、塩化メチレン(80mL)中S4−26(4.00g,0.00754mol)の攪拌溶液を添加した。攪拌を、室温で一晩続けた。この溶液を、5%チオスルフェートナトリウム(150mL)で処理し、そして有機層を分配し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。この溶媒を、減圧下でエバポレートし、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製し、白色固体としてS4−27(3.53g,0.00754mol,99%収率)を得た。
H NMR:(CDCl)δ−0.19(s,9 H,SiMe),0.74−1.91(多重度,18 H,メタノール),2.82(d,1 H,α−ラクトンカルボニルCH),3.14(bs,1 H,ラクトンブリッジヘッドCH),3.19(dのd,1 H,ブリッジヘッドCH),3.29(t,1 H,α−メチルカルボニルCH),3.80(d,1 H,α−ラクトンエステル),4.74(tのd,1 H,α−メチルエステルCH),4.94(d,1 H,ブロモCH)。
(実施例44)
(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−7−syn−(ヒドロキシ)−2−exo−メチル−3−endo−(l)−メチルジカルボキシレート(S4−28))
S4−27(3.00g,0.00638mol)を、無水メタノール(150mL)に溶解し、硝酸銀(5.40g,0.0318mol)を添加し、そしてこの懸濁物を3日間にわたって還流した。この混合液を冷却し、セライトによって濾過し、そしてこの溶媒をエバポレートして油状残渣を得た。カラムクロマトグラフィーによる精製により、明黄色の油状物としてS4−28(1.72g,0.00491mol,77%収率)を得た。
H NMR:(CDCl)δ 0.75−2.02(多重度,18 H,メタノール),2.83(d,1 H,α−メチルカルボニルCH),3.03(bs,1 H,ブリッジヘッドCH),3.14(bs,1 H,ブリッジヘッドCH),3.53(t,1 H,α−メチルカルボニルCH),3.76(s,3 H,CH),4.62(tのd,1 H,α−メチルエステルCH),5.87(dのd,1 H,CH=CH),6.23(dのb,1 H,CH=CH)。
(実施例45)
(2−exo−メチル−3−endo(l)−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−7−syn−(ベンジルオキシ)ジカルボキシレート(S4−29))
ベンジルブロミド(1.20g,0.0070mol)および酸化銀(1.62g,0.0070mol)を、DMF(25mL)中のS4−28(0.490g,0.00140mol)の攪拌溶液に添加した。この懸濁物を一晩攪拌し、次いで酢酸エチル(100mL)で希釈した。この溶液を水、続いて1N塩化リチウムで繰り返し洗浄した。有機層を分配し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。この溶媒を減圧下でエバポレートし、粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製し、油状物としてS4−29(0.220g,0.000500mol,36% 収率)を得た。
H NMR:(CDCl)δ 0.74−2.08(多重度,18 H,メタノール),2.83(d,1 H,α−メチルカルボニルCH),3.18(bs,1 H,ブリッジヘッドCH),3.44(bs,1 H,ブリッジヘッドCH),3.52(t,1 H,架橋CH),3.57(s,3 H,CH3),3.68(t,1 H,α−メチルカルボニルCH),4.42(dのd,2 H,ベンジル−CH−),4.61(tのd,1 H,α−メチルエステルCH),5.89(dのd,1 H,CH=CH),6.22(dのd,1 H,CH=CH),7.25−7.38(m,5 H,C)。
(実施例46)
(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−7−syn−(ベンジルオキシ)−2−exo−カルボキシ−3−endo−(l)−メチルカルボキシレート(S4−30))
S4−29(0.220g,0.00050mol)を、テトラヒドロフラン(1.5mL)、水(0.5mL)、およびメタノール(0.5mL)の混合物に添加した。水酸化カリウム(0.036g,0.00065mol)を添加し、そしてこの溶液を室温で一晩攪拌した。溶媒を、減圧下でエバポレートし、残渣をカラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、S4−30(0.050g,0.00012mol,23%収率)を得た。
H NMR:(CDCl)δ0.73−2.01(多重度,18 H,メタノール),2.85(d,1 H,α−メチルカルボニルCH),3.18(bs,1 H,ブリッジヘッドCH),3.98(bs,1 H,ブリッジヘッドCH),3.53(bs,1 H,架橋CH),3.66(t,1 H,α−メチルカルボニルCH),4.44(dのd,2 H,ベンジル−CH−),4.63(tのd,1 H,α−メチルエステルCH),5.90(dのd,1 H,CH=CH),6.23(dのd,1 H,CH=CH),7.25−7.38(m,5 H,C)。
質量スペクトル:C2634について計算値426.24;実測値425.4(M−1)および851.3(2M−1)。
(実施例47)
(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−7−syn−(ベンジルオキシ)−2−exo−(トリメチルシリルエトキシカルボニル)−アミノ−3−endo−(l)−メチルカルボキシレート(S4−31))
ベンゼン中S4−30の溶液に、トリエチルアミンおよびジフェニルホスホリルアジドを添加する。次いでこの溶液を24時間還流し、室温まで冷却する。トリメチルシリルエタノールを添加し、そしてこの溶液をさらに48時間還流する。ベンゼン溶液を、酢酸エチルと1M重炭酸ナトリウムとの間に分配する。これらの有機層を合わせ、1M重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。この溶液を減圧下でエバポレートし、粗Curtius反応生成物を得る。
(実施例48)
(ビシクロ[2.2.1]ペプタン−7−syn−(ベンジルオキシオキシ)−2−exo−(トリメチルシリルエトキシカルボニル)−アミノ−3−endo−(l)−メンチル−5−exo−メチル−6−exo−メチルトリカルボキシレート(S4−32))
S4−31、乾燥塩化銅(II)、10% Pd/C、および乾燥メタノールを、激しく攪拌しながらフラスコに添加する。脱気後、このフラスコを一酸化炭素で充填し、圧力が1atmを超えるように調節し、これを72時間維持する。固体をろ過し、そして残渣を通常の方法でワークアップして、ビスカルボニル化生成物を得る。
(実施例49)
(ビシクロ[2.2.1]ペプタン−7−syn−(ベンジルオキシ)−2−exo−(トリメチルシリルエトシキカルボニル)−アミノ−3−endo−(l)−メチルカルボキシ(menthylcarbox)−5−exo−6−exo−ジカルボキシ無水物(S4−33))
S2−32、蟻酸、および触媒量のp−トルエンスルホン酸の混合物を、90℃で一晩攪拌する。酢酸無水物を添加し、そしてこの反応混合物を6時間還流する。溶媒を除去し、エーテルで洗浄して、所望の無水物を得る。
(実施例50)
(ビシクロ[2.2.l]ペプタン−7−syn−7−(ベンジルオキシ)−2−exo−(トリメチルシリルエトシキカルボニル)−アミノ−3−endo−(l)−メチル−6−exo−カルボキシ−5−exo−メチルジカルボキシレート(S4−33))
等量のトルエンおよび四塩化炭素中のS4−32溶液に、キノリンを添加する。この懸濁物を−65℃まで冷却し、そして1時間攪拌する。3等量のメタノールを、30分間にわたってゆっくりと添加する。この懸濁物を−65℃で4日間攪拌し、減圧下で溶媒を除去する。得られた白色固体を、酢酸エチルと2M HClとの間で分配する。キノリンを酸層から回収し、そして有機層からS4−33を得る。
(実施例51)
(ビシクロ[2.2.l]ペプタン−7−syn−(ベンジルオキシ)−2−exo−(トリメチルシリルエトシキカルボニル)−アミノ−3−endo−(l)−メチル−6−exo−(トリメチルシリルエトシキカルボニル)アミノ−5−exo−メチルジカルボキシレート(S4−35))
ベンゼン中S4−34の溶液に、トリエチルアミンおよびジフェニルホスホリルアジドを添加する。この溶液を24時間還流する。室温まで冷却した後、2−トリメチルシリルエタノールを添加し、そしてこの溶液を48時間還流する。このベンゼン溶液を、酢酸エチルと1M重炭酸ナトリウムとの間で分配する。これらの有機層を合わせ、1M重炭酸ナトリウムで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥させる。この溶媒を、減圧下でエバポレートし、粗Curtius反応生成物を得る。
(実施例52)
(endo−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−ene−2−ベンジルカルボキシレート−3−カルボン酸(S5−37))
化合物S3−19(4.00g,0.0244mol)およびキニジン(8.63g,0.0266mol)を、等量のトルエン(50mL)および四塩化炭素(50mL)に懸濁した。ベンジルアルコール(7.90g,0.0732mol)を15分間にわたって添加した後に、この懸濁物を−55℃まで冷却した。この反応混合物は、3時間後に均質になった。この混合物を、さらに−55℃で96時間にわたって攪拌した。溶媒の除去後、この残渣を、酢酸エチル(300mL)と2M塩酸(100mL)との間で分配した。有機層を水(2×50mL)で洗浄し、そして塩化ナトリウム(1×50mL)水溶液で飽和させた。硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒をエバポレートしてS5−37(4.17g,0.0153mol,63%収率)を得た。
H NMR:(CDCl)δ 1.33(d,1 H,架橋CH),1.48(tのd,1 H,架橋CH),3.18(bs,1 H,ブリッジヘッドCH),3.21(bs,1 H,ブリッジヘッドCH),3.33(t,2 H,α−酸CH),4.98(dのd,2 H,CHPh),6.22(dのd,1 H,CH=CH),6.29(dのd,1 H,CH=CH),7.30(m,5 H,C)。
(実施例53)
(2−endo−ベンジルカルボキシ−6−exo−ヨードビシクロ[2.2.l]ペプタン−3,5−カルボラクトン(S5−38))
S5−37(4.10g,0.0151mol)を、0.5M重炭酸ナトリウム溶液(120mL)に溶解し、そして0℃まで冷却した。ヨウ化カリウム(15.0g,0.090mol)およびヨウ素(7.66g,0.030mol)、続いて塩化メチレン(40mL)を添加した。この溶液を、室温で1時間攪拌した。塩化メチレン(100mL)で希釈した後、過剰なヨウ素をクエンチするためにチオ硫酸ナトリウムを添加した。有機層を分配し、そして水(100mL)および塩化ナトリウム溶液(100mL)で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥させ、この溶媒のエバポレーションにより、S5−38(5.44g,0.0137mol,91%収率)を得た。
H NMR:(CDCl)δ 1.86(qのd,1 H,架橋−CH−),2.47(tのd,1 H,架橋−CH−),2.83(dのd,1 H,α−ラクトンカルボニルCH),2.93(bs,1 H,ラクトンブリッジヘッドCH),3.12(dのd,1 H,α−ベンジルエステルCH),3.29(m,1 H,ブリッジヘッドCH),4.63(d,1 H,α−ラクトンエステルCH),5.14(dのd,2 H,CHPh),5.19(d,1 H,ヨウ化CH),7.38(m,5 H,C)。
(実施例54)
(2−endo−ベンジルカルボキシ−ビシクロ[2.2.l]ペプタン−3,5−カルボラクトン(S5−39))
S5−38(0.30g,0.75mmol)を、N下でDMSO中に配置し、NaBH(85mg,2.25mmol)を添加し、そしてこの溶液を85℃で2時間攪拌した。この混合物を冷却し、水(50mL)で希釈し、ジクロロメタン(3×20mL)で抽出した。この抽出物を合わせて、水(4×15mL)で洗浄し、そして水性NaCl(10mL)で飽和し、乾燥させ、そしてエバポレートして0.14g(68%)のS5−39を得た。
(実施例55)
(5−endo−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ペプタン−2−endo−ベンジル−3−endo−メチルジカルボキシレート(S5−40))
化合物S5−39をメタノールに溶解し、ナトリウムメトキシドを攪拌しながら添加する。溶媒を除去してS5−40を得る。
(実施例56)
(ビシクロ[2.2.l]ペプタン−2−endo−ベンジル−3−endo−メチル−5−exo−(t−ブトキシカルボニル)−アミノジカルボキシレート(S5−41))
ワンポット反応において、S5−40を、メタンスルホニルクロリドを用いて対応するメシレートに転換し、メシレートを置換するためにアジ化ナトリウムを添加してexo−アジドを得る。このexo−アジドを、トリブチルホスフィンとの反応に供し、遊離アミンを得る。この遊離アミンを、t−Boc誘導体として保護し、S5−41を得る。
(実施例57)
(ビシクロ[2.2.l]ペプタン−2−endo−カルボキシ−3−exo−メチル−5−exo−(t−ブトキシカルボニル)−アミノカルボキシレート(S5−42))
ベンジルエーテル保護基を、室温で6時間にわたる、メタノール中、10% Pd/Cを用いるS5−41の触媒性水素化分解によって除去する。触媒の濾過および溶媒の除去により、粗S5−42を得る。
(実施例58)
(ビシクロ[2.2.1]ペプタン−2−endo−カルボキシ−3−exo−メチル−5−exo−(t−ブトキシカルボニル)−アミノカルボキシレート(S5−43))
ナトリウムをメタノール中で溶解し、ナトリウムメトキシドを得る。S5−42を添加し、この混合物を62℃で16時間攪拌した。この混合物を冷却し、そして冷却しながら酢酸を加え、過剰なナトリウムメトキシドを中和する。混合物を水で希釈し、そして酢酸エチルを用いて希釈する。抽出物を乾燥させ、エバポレートによりS5−43を得る。
(実施例59)
(ビシクロ[2.2.l]ペプタン−2−endo−ベンジル−3−exo−メチル−5−exo−(t−ブトキシカルボニル)アミノジカルボキシレート(S5−44))
化合物S5−43を、テトラヒドロフラン中、臭化ベンジルおよび塩化セシウムと室温で反応させ、ベンジルエステルS5−44を得る。これを、粗反応混合物の酸のワークアップ(acid work−up)により単離する。
(実施例60)
(ビシクロ[2.2.l]ペプタン−2−endo−ベンジル−3−exo−カルボキシ−5−exo−(t−ブトキシカルボニル)−アミノカルボキシレート(S5−45))
化合物S5−44を、メタノール中に溶解し、そしてN下で0℃まで冷却する。2M NaOH(2等量)を滴下し、混合物を周囲温度にして、5時間攪拌する。この溶液を水で希釈し、2M HClで酸性化し、そして酢酸エチルで抽出する。この抽出物を、水で洗浄し、水性NaClで飽和し、乾燥させ、そしてエバポレートによりS5−45を得る。
(実施例61)
(ビシクロ[2.2.1]ペプタン−2−endo−ベンジル−3−exo−(トリメチルシリルエトシキカルボニル)アミノ−5−exo−(t−ブトキシカルボニル)アミノカルボキシレート(S5−46))
ベンゼン中S5−45の溶液に、トリエチルアミンおよびジフェニルホスホリルアジドを添加する。この溶液を24時間還流し、次いで室温まで冷却する。トリメチルシリルエタノールを添加し、溶液を48時間還流する。この溶液を、酢酸エチルと1M重炭酸ナトリウムとの間で分配する。有機層を1M重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を、減圧下でエバポレートして粗Curtius生成物S5−46を得る。
(実施例62)
(endo−ビシクロ[2.2.l]ヘプト−5−ene−2−(4−メトキシ)ベンジルカルボキシレート−3−カルボン酸(S6−48))
化合物S3−19およびキニジンを、等量のトルエンおよび四塩化炭素中に懸濁し、−55℃まで冷却する。p−メトキシベンジルアルコールを15分間にわたって添加し、溶液を−55℃で96時間攪拌する。溶媒の除去後、残渣を、酢酸エチルと2 M塩酸との間で分配する。有機層を水で洗浄し、塩化ナトリウム水溶液で飽和させる。硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を除去してS6−48を得る。
(実施例63)
(endo−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−ene−2−(4−メトキシ)ベンジル−3−(トリメチルシリルメトキシ−カルボニル)アミノカルボキシレート(S6−49))
ベンゼン中S6−48の溶液に、トリエチルアミンおよびジフェニルホスホリルアジドを添加する。溶液を24時間にわたって還流し、室温まで冷却し、トリメチルシリルエタノールを添加し、そして溶液をさらに48時間還流する。ベンゼン溶液を、酢酸エチルと1 M 重炭酸ナトリウムとの間で分配する。これらの有機層をあわせ、1 M重炭酸ナトリウムで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を、減圧下でエバポレートし、粗Curtius生成物S6−49を得る。
(実施例64)
(ビシクロ[2.2.l]ペプタン−2−endo−(4−メトキシ)ベンジル−3−endo−(トリメチルシリルエトシキカルボニル)アミノ−5−exo−メチル−6−exo−メチルトリカルボキシレート(S6−50))
S6−49、塩化銅(II)、10% Pd/C、および乾燥メタノールを、激しく攪拌しながらフラスコに添加する。懸濁物の脱気後、フラスコを一酸化炭素で充填し、圧力が1atmを超えるように調節する。一酸化炭素の圧力を72時間維持する。固体をろ過し、粗反応混合物を従来の方法でワークアップし、S6−50を得る。
(実施例65)
(ビシクロ[2.2.l]ペプタン−2−endo−(4−メトキシ)ベンジル−3−endo−(トリメチルシリルエトシキカルボニル)アミノ−5−exo−6−exo−ジカルボン酸無水物(S6−51))
S6−50、蟻酸、および触媒量のp−トルエンスルホン酸を90℃で一晩加熱する。無水酢酸をこの反応混合物に添加し、さらに6時間還流する。溶媒の除去、およびエーテルでの洗浄により、S6−51を得る。
(実施例66)
(ビシクロ[2.2.1]ペプタン−2−endo−(4−メトキシ)ベンジル−3−endo−(トリメチルシリルエトシキカルボニル)アミノ−5−exo−カルボキシ−6−exo−メチルジカルボキシレート(S6−52))
等量のトルエンおよび四塩化炭素中のS6−51溶液にキニンを加える。懸濁物を、−65℃まで冷却し、1時間攪拌する。3等量のメタノールを、30分間にわたってゆっくりと添加する。懸濁物を、−65℃で4日間攪拌し、続いて溶媒を除去する。得られた白色固体を、酢酸エチルと2M HClとの間で分配し、有機層からS6−52をワークアップする。
(実施例67)
(ビシクロ[2.2.1]ペプタン−2−endo−(4−メトキシ)ベンジル−3−endo−(トリメチルシリルエトシキカルボニル)アミノ−5−exo−(トリメチルシリルエトシキカルボニル)アミノ−6−exo−メチルジカルボキシレート(S6−53))
ベンゼン中S6−52の溶液に、トリエチルアミンおよびジフェニルホスホリルアジドを添加する。溶液を24時間還流し、次いで室温まで冷却する。2−トリメチルシリルエタノールを添加し、この溶液をさらに48時間還流する。ベンゼン溶液を、酢酸エチルと1 M重炭酸ナトリウムとの間で分配する。これらの有機層を合わせ、1 M重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。この溶媒を、減圧下でエバポレートしてS6−53を得る。
(実施例68)
(ビシクロ[2.2.1]ペプタン−2−exo−(4−メトキシ)ベンジル−3−endo−(トリメチルシリルエトシキカルボニル)アミノ−5−exo−(トリメチルシリルエトシキカルボニル)アミノ−6−endo−メチルジカルボキシレート(S6−54))
テトラヒドロフラン中のS6−53の溶液に、カリウム−tert−ブトキシドを注意深く添加する。塩基性溶液を24時間還流し、次いで酢酸を添加する。標準的な抽出法により、二重エピマー化した生成物S6−54を得る。
(実施例69)
(ヘキサマーの調製)
5mL CHCl中の0.300g(1R,2R)−(−)−trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン(2.63mmol)に、0℃で、5mL CHCl中、0.600gの2,6−ジホルミル−4−ブロモフェノール(2.62mmol)を添加した。黄色溶液を室温まで温め、48時間攪拌した。この反応溶液をデカントし、そして150mLのメタノールに添加した。30分間の静置後、黄色沈殿物を回収し、メタノールで洗浄し、そして空気乾燥させた(0.580g;72%収率)。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ 14.31(s,3 H,OH),8.58(s,3 H,CH=N),8.19(s,3 H,CH=N),7.88(d,3 H,J=2.0Hz,ArH),7.27(d,3 H,J=2.0Hz,ArH),3.30−3.42(m,6 H,CH−CH−N),1.41−1.90(m,24 H,脂肪族)。
MS(FAB):C4246Brについての計算値923.115;実測値923.3[M+H]
(実施例70)
(ヘキサマーの調製)
6mL CHCl中、0.300gの(1R,2R)−(−)−trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン(2.63mmol)に、0℃で、6mL CHCl中、0.826gの2,6−ジホルミル−4−(1−dodec−1−yne)フェノール(2.63mmol)を添加した。オレンジの溶液を0℃で1時間攪拌し、次いで16時間攪拌を続けた後に室温まで温めた。反応溶液をデカントし、150mLのメタノールを添加した。粘性の黄色固体を、メタノール溶液をデカントした後に得た。残渣のクロマトグラフィークリーンアップにより、黄色粉末を得た。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ14.32(s,3 H,OH),8.62(s,3 H,CH=N),8.18(s,3 H,CH=N),7.84(d,3 H,J=2.0Hz,ArH),7.20(d,3 H,J=2.0Hz,ArH),3.30−3.42(m,6 H,CH−CH−N),2.25(t,6 H,J=7.2Hz,プロパギル酸),1.20−1.83(m,72 H,脂肪酸),0.85(t,9H,J=7.0Hz,CH)。
13C NMR(400 MHz,CDCl)δ 163.4,161.8,155.7,136.9,132.7,123.9,119.0,113.9,88.7,79.7,75.5,73.2,33.6,33.3,32.2,29.8,29.7,29.6,29.4,29.2,29.1,24.6,24.5,22.9,19.6,14.4。
MS(FAB):C78109についての計算値 1177.856;実測値:1177.8[M+H]
(実施例71)
(ヘキサマーの調製)
10mLのベンゼン中、0.240gの2,6−ジホルミル−4−(1−ドデセン)フェノール(0.76mmol)に、(1R,2R)−(−)−trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン(0.087g,0.76mmol)の10mLベンゼン溶液を添加した。この溶液を遮蔽して48時間、室温で攪拌した。オレンジ色の溶液を乾固させ、クロマトグラフィー(シリカ、50/50アセトン/EtO)により、黄色粘性固体を得た(33%収率)。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ 14.12(s,3 H,OH),8.62(s,3 H,CH=N),8.40(s,3 H,CH=N),7.82(d,3 H,J=2.0Hz,ArH),7.28(d,3 H,J=2.0Hz,ArH),6.22(d,3 H,ビニル),6.05(d,3 H,ビニル),3.30−3.42(m,6 H,CH−CH−N),1.04−1.98(m,87 H,脂肪族)。
MS(FAB):C78115についての計算値1183.90;実測値:1184.6[M+H]
(実施例72)
(テトラマーの調製)
(ヘキサマーの調製)
トリエチルアミン(0.50mL,3.59mmol)および(1R,2R)−(−)−trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン(0.190g,1.66mmol)を150mL EtOAc中で合わせ、そして5分間Nでパージした。この溶液に、100mL EtOAc中に溶解した0.331g塩化イソフタロイル(1.66mmol)を、6時間にわたって滴下した。この溶液をろ過し、ろ過物を乾固させた。TLC(5%メタノール/CHCl)は、この生成混合物が2つの大環状組成物から主に構成されることを示す。クロマトグラフィー分離(シリカ、5%メタノール/CHCl)により、上記のテトラマー(0.020g,5%収率)およびヘキサマー(約10%)を得た。
(テトラマー)
H NMR(400 MHz,CDCl)δ 7.82(s,1 H),7.60(br s,2 H),7.45(br s,2 H),7.18(br s,1 H),3.90(br s,2 H),2.22(d,2H),1.85(m,4 H),1.41(m,4 H)。
MS(ESI):C2833についての計算値489.25;実測値489.4[M+H]
(ヘキサマー)
MS(ESI):C4249についての計算値733.37;実測値733.5[M+H]
(実施例73)
(ベンゼンからの大環状モジュールおよびシクロヘキサン環状合成素子(synthon)の調製)
4−ドデシル−2,6−ジホルミルアニソール(24mg;0.072mmol)の5mLジクロロメタン溶液に、(1R,2R)−(−)−trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン(8.5mg;0.074mmol)の5mLジクロロメタン溶液を添加した。この溶液を室温で16時間、攪拌し、次いで短いシリカカラムの上部に添加した。ジエチルエーテルでの溶出、次いで溶媒の除去により、オフホワイトの固体(22mg)を単離した。陽イオンエレクトロスプレー質量分析(positive ion electrospray mass spectrometry)により、このオフホワイト固体中のテトラマー(m/z 822,MH)、ヘキサマー(m/z 1232,MH)、およびオクタマー(m/z 1643,MH)の存在が実証された。計算した分子量は以下のとおりであった:テトラマー+H(C5485,821.67);ヘキサマー+H(C81127,1232.00);オクタマー+H(C108169,1643.33)。
(実施例74)
(テンプレートイミンオクタマー)
コンデンサーおよび添加漏斗を取り付けた、攪拌子の入った3つ首の100mL丸底フラスコに、アルゴン下にて、無水ジアルデヒドフェノール1(500mg,1.16mmol)を添加した。次いで、Mg(NO.6HO(148mg,0.58mmol)2およびMg(OAc).4HO(124mg,0.58mmol)を、連続して添加した。このフラスコを真空下に置き、アルゴン3×を充填した。無水メタノールを、アルゴン下でシリンジを介して移し、得られた懸濁物を攪拌した。次いでこの混合物を10分間還流し、均質な溶液を得た。反応物を正アルゴン圧力下で室温まで冷却した。(1R,2R)−(−)−trans−1,2ジアミノシクロヘキサン4を、添加漏斗に添加し、次いでカニューレによりアルゴン下で無水MeOH(11.6mL)を移した。ジアミン/MeOH溶液を、攪拌した均一の金属テンプレート/ジアルデヒド溶液に1時間にわたって滴下し、オレンジ油を得た。添加漏斗をガラスストッパーに換え、この混合物を3日間還流した。溶媒を真空下で除去し、黄色結晶質固体を得、これをさらなる精製なしで使用した。
(アミンオクトマー)
攪拌子の入った50mLシュレンク(schlenk)フラスコに、アルゴン下でイミンオクトマー(314mg、0.14mmol)を添加した。次いで、無水物THF(15mL)およびMeOH(6.4mL)を、シリンジを介してアルゴン下で添加し、懸濁物を室温で攪拌した。均質な溶液に、NaBH(136mg,3.6mmol)を部分的に添加し、この混合物を12時間にわたって室温で攪拌した。溶液をろ過し、次いで19.9mLのHOを添加した。pHを、4M HClの添加により約2に調節し、次いで6.8mLのエチレンジアミン四酢酸ジナトリウム塩二水和物(HO中0.13M)を添加し、そしてこの混合物を5分間攪拌した。この溶液に、2.0%水酸化アンモニウムを添加し、そしてさらに5分間攪拌を続けた。溶液を酢酸エチル(3×100mL)で抽出し、有機層を分配し、NaSOで乾燥させ、そして溶媒を回転エバポレーションにより除去して淡黄色固体を得た。クロロホルムおよびヘキサンからの再結晶化により、アミンオクタマーを得た。分子量をESIMS M+H=実験値=2058.7 m/z,計算値=2058.7 m/zにより確認した。
(実施例75)
(ヘキサマー1j)
2つの基質((−)−R,R−1,2−trans−ジアミノシクロヘキサン(0.462mmol,0.053g)および2,6−ジホルミル−4−ヘキサドデシルベンジルフェノールカルボキシレート(0.462mmol,0.200g))を、磁性攪拌子を含む10mLバイアルに添加し、次いで2mLのCHClを添加した。黄色溶液を室温で攪拌した。24時間後、反応溶液を、ジエチルエーテルを用いるシリカゲルによってプラグし、そして溶媒を回転エバポレーションにより除去した(232mg;98%収率)。H NMR(400 MHz,CDCl):δ14.11(s,3 H,OH),8.67(s,3 H,CH=N),8.23(s,3 H,CH=N),7.70(s,3 H,ArH),7.11(s,3 H,ArH),4.05−3.90(t,6 H,3J=6.6Hz,CHC(O)OCH(CH14CH),3.44(s,6 H,CHC(O)OCH(CH14CH),3.30−3.42(m,6 H,CH−CH−N),1.21−1.90(m,108 H,脂肪族)0.92−0.86(t,9 H,3J=6.6Hz.ESIMS(+)C96151についての計算値:1533;実測値:1534[M+H]
(ヘキサマー1jh)
アルゴン下で磁性攪拌子の入った100mL洋ナシ形フラスコに、ヘキサマー1j(0.387mmol,0.594g)を添加し、そしてTHF:MeOH(各々、7:3,28:12mL)に溶解した。次に、NaBH(2.32mmol,0.088g)を室温で6.5時間にわたって部分的にゆっくりと添加した。溶媒を回転エバポレーションにより除去し、残渣を125mL 酢酸エチルに溶解し、そしてHO(3×50mL)で洗浄した。有機層を分配し、NaSOで乾燥させて、溶媒を回転エバポレーションにより除去した。得られた残渣を、CHClおよびMeOHにより再結晶化し、白色固体(0.440g;74%収率)を得た。H NMR(400 MHz,CDCl):δ 6.86(s,6 H,ArH),4.10−4.00(t,6 H,3J=6.6Hz,CHC(O)OCH(CH14CH),3.87−3.69(dd,6 H,3J=13.7Hz,3J(CNH)=42.4Hz CH−CH−N),3.43(s,6 H,CHC(O)OCH(CH14CH),2.40−2.28(m,6 H,脂肪族),2.15−1.95(m,6 H,脂肪族),1.75−1.60(m,6 H,脂肪族),1.60−1.55(m,6 H,脂肪族)1.37−1.05(m,84 H,脂肪族)0.92−0.86(t,9 H,3J=6.8Hz.ESIMS(+)C96163についての計算値:1544;実測値:1545[M+H]
(実施例76)
(ヘキサマー1A−Me)
ジクロロメタン(0.6mL)中2−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−ベンゼンジカルボキシアルデヒド(benzenedicarboxaldehye)(53mg,0.32mmol)の溶液を、ジクロロメタン(0.5mL)中(lR,2R)−(−)−1,2−ジアミノシクロヘキサン(37mg,0.32mmol)の溶液に添加した。混合物を周囲温度で16時間攪拌し、メタノール(75mL)に滴下し、そして4時間冷蔵(4℃)した。この沈殿物を回収して、71mg(92%)のヘキサマー1A−Meを得た。H NMR(CDCl):δ 13.88(s,3H,OH),8.66(s,3H,ArCH=N),8.19(s,3H,ArCH=N),7.52(d,3H,J=2Hz,Ar H),6.86(d,3H,J=2Hz,Ar H),3.35(m,6H,シクロヘキサン 1,2−H’s),2.03(3,9H,Me),1.6−1.9(m,18H,シクロヘキサン3,6−Hおよび4等量,5等量−H’s),1.45(m,6H,シクロヘキサン4ax,5ax−H’s);13C NMR δ 63.67,159.55,156.38,134.42,129.75,127.13,119.00,75.68,73.62,33.68,33.41,24.65,24.57,20.22;ESI(+)MS m/e(%)727 M+H(100);IR 1634cm−1。
(実施例77)
32.7mgヘキサマー1jh(再結晶化時間(recrystallized times))を、30mLの乾燥THFに添加した。次いで、100μLトリエチルアミンおよび100μL塩化アクリロイル(新たに希釈した)を、Schlenk技術を用いてTHF混合物に添加した。溶液を、アセトン/乾燥氷槽中で18時間攪拌した。溶媒の除去後、白色沈殿物が残った。この沈殿物をCHClに再溶解し、アフリート漏斗によってろ過した。CHCl溶液を分配漏斗に添加し、水で1回洗浄し、続いて2回ブライン(NaCl)洗浄液で洗浄した。CHCl溶液を、MgSOで乾燥させ、次いでろ過してMgSOを除去した。溶媒の除去後、黄色沈殿物が残った。H NMR(CDCl):δ−0.867−0.990(3 H),1.259(21.8 H),1.39(1.86 H),1.64(12.7 H),2.8(1.25 H),3.46−3.62(2.47 H),3.71(0.89 H),3.99(2.46 H),5.06(0.71 H),5.31(3.80 H),5.71(1.43 H),5.90(0.78 H),6.2−6.4(2.49 H),6.59(0.80 H),6.78(0.47 H),6.98(0.28 H).FTIR−ATR:3340,2926(−CH−),2854(−CH−),1738(エステルカルボニル),1649および1613(アクリレート),983(=CH),959 sh(=CH2).ESI−MS:1978.5(Hex1JhAC+8−AC),1948.8(Hexl1hAC+7−AC+Na+),1923.3(Hex1hAC+7−AC),1867.6(Hex1hAC+6−AC),1842.6,1759.7(Hex1hAC+4−AC)。
(実施例78)
ヘキサマー1 a−MeについてのLangmuirアイソサームおよび等圧クリープを、図20Aおよび20Bにそれぞれ示す。
ヘキサマー1a−MeのLangmuirフィルムの相対的な安定性を、図20Bに示す等圧クリープデータによって示す。フィルムの領域は、5mN/m表面圧力で約30分後、約30%減少した。ヘキサマー1a−C15についてのLangmuirアイソサームおよび等圧クリープを、図21Aおよび21Bにそれぞれ示す。ヘキサマー1a−C15のLangmuirフィルムの相対的な安定性を、図21Bに示す等圧クリープデータによって示す。フィルムの領域は、10mN/m表面圧力で約30分後、約1〜2%減少し、約60分後に約2%減少した。崩壊圧力は、ヘキサマー1a−C15について約18 mN/mであった。
図1(A〜C)は、ヘキサマー1dhおよびポリ(マレイン酸無水物−alt−1−オクタデセン)(PMAOD)のナノフィルムの楕円偏光画像の例を示す。 図2(A〜C)は、種々の溶媒中で超音波処理した後の、ヘキサマー1dhおよびPMAODのナノフィルムの楕円偏光画像の例を示す。 図3(A〜D)は、ヘキサマー1dhおよびPMAODのナノフィルムについての表面流量保存(surface rheometric storage)および損失率の例を示す。 図3(A〜D)は、ヘキサマー1dhおよびPMAODのナノフィルムについての表面流量保存(surface rheometric storage)および損失率の例を示す。 図3(A〜D)は、ヘキサマー1dhおよびPMAODのナノフィルムについての表面流量保存(surface rheometric storage)および損失率の例を示す。 図3(A〜D)は、ヘキサマー1dhおよびPMAODのナノフィルムについての表面流量保存(surface rheometric storage)および損失率の例を示す。 図4(A〜D)は、ポリカーボネート基材上のヘキサマー1dhおよびPMAODのナノフィルムの走査型電子顕微鏡写真の例を示す。 図5(A〜B)は、ポリカーボネート基材の走査型電子顕微鏡写真の例を示す。 図6は、PMAODのナノフィルムのCHCl3すすぎの減衰全反射フーリエ変換赤外(FTIR−ATR)スペクトルの例を示す。 図7は、ヘキサマー1dhのFTIR−ATRスペクトルの例を示す。 図8は、ヘキサマー1dhおよびPMAODのナノフィルムのCHCl3すすぎのFTIR−ATRスペクトルの例を示す。 図9は、ジエチルマロンイミデート(DEM)を含む水下位相上で調製されたヘキサマー1dhのナノフィルムのCHCl3すすぎのFTIR−ATRスペクトルの例を示す。 図10は、DEMを含む水下位相上で調製されたヘキサマー1dhおよびPMAODのナノフィルムのCHCl3すすぎのFTIR−ATRスペクトルの例を示す。 図11は、ポリカーボネート基材の原子間力顕微鏡(AFM)画像の例を示す。 図12(A〜B)は、(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES)改変SiO基材上のヘキサマー1dhおよびPMAODのナノフィルムのAFM画像の例を示す。 図13は、ポリカーボネート基材上に被覆された、DEMを含有する水下位相上で調製されたヘキサマー1dhおよびPMAODのナノフィルムのAFM画像の例を示す。 図14は、オクタデシルアミン(ODA)およびポリメチルメタクリレート(PMMA)のナノフィルムの表面圧−面積等温線の例を示す。 図15は、ODAおよびPMAODのナノフィルムの表面圧−面積等温線の例を示す。 図16は、シリコン基材上のヘキサマー1dhおよびPMMAのナノフィルムのAFM画像の例を示す。 図17は、2mg/ml DEMを含有する下位相上に作製されたヘキサマー1dhおよびPMAODのナノフィルムの表面流量保存および損失率の例を示す。 図18は、塩基性下位相上で作製されたPGMのナノフィルムと比較して、1% エチレンジアミンを含有する下位相上で作製されたポリグリシジルメタクリレート(PGM)のナノフィルムの表面流量保存および損失率の例を示す。 図19Aおよび19Bは、ヘキサマー大環状モジュールの実施形態の構造の代表例を示す。 図20Aは、ヘキサマー大環状モジュールの一実施形態のラングミュア等温線の例を示す。図20Bは、ヘキサマー大環状モジュールの一実施形態の等圧クリープの例を示す。 図21Aは、ヘキサマー大環状モジュールの一実施形態のラングミュア等温線の例を示す。図21Bは、ヘキサマー大環状モジュールの一実施形態の等圧クリープの例を示す。

Claims (83)

  1. 大環状モジュールと少なくとも1つのポリマー成分との反応生成物を含む、ナノフィルム組成物。
  2. 請求項1に記載のナノフィルム組成物であって、前記大環状モジュールは、互いにカップリングされている、ナノフィルム組成物。
  3. 請求項2に記載のナノフィルム組成物であって、前記大環状モジュールは、リンカー分子を介して互いにカップリングされている、ナノフィルム組成物。
  4. 請求項3に記載のナノフィルム組成物であって、前記リンカー分子は、以下:
    およびこれらの混合物からなる群より選択され;
    ここでmは1〜10であり、nは1〜6であり、Rは−Hまたは−CHであり、R’は、−(CH)”−またはフェニルであり、R”は−(CH−、ポリエチレングリコール(PEG)、またはポリプロピレングリコール(PPG)であり、XはBr、Cl、I、または他の脱離基である、ナノフィルム組成物。
  5. 請求項1に記載のナノフィルム組成物であって、前記大環状モジュールは、前記少なくとも1つのポリマー成分と連結される、ナノフィルム組成物。
  6. 請求項5に記載のナノフィルム組成物であって、前記大環状モジュールは、リンカー分子を介して、前記少なくとも1つのポリマー成分とカップリングされている、ナノフィルム組成物。
  7. 請求項6に記載のナノフィルム組成物であって、前記リンカー分子は、以下:
    およびこれらの混合物から選択され;
    ここでmは1〜10であり、nは1〜6であり、Rは−Hまたは−CHであり、R’は−(CH−またはフェニルであり、R”は−(CH−、ポリエチレングリコール(PEG)、またはポリプロピレングリコール(PPG)であり、XはBr、Cl、I、または他の脱離基である、ナノフィルム組成物。
  8. 請求項1に記載のナノフィルム組成物であって、前記大環状モジュールは、ヘキサマー1a、ヘキサマー1dh、ヘキサマー3j−アミン、ヘキサマー1jh、ヘキサマー1jh−AC、ヘキサマー2j−アミン/エステル、ヘキサマー1dh−アクリル、オクタマー5jh−アスパラギン酸、オクタマー4jh−アクリル、およびこれらの混合物からなる群より選択される、ナノフィルム組成物。
  9. 請求項8に記載のナノフィルム組成物であって、前記大環状モジュールは、ヘキサマー1dhである、ナノフィルム組成物。
  10. 請求項1に記載のナノフィルム組成物であって、前記ポリマー成分は、ポリ(マレイン酸無水物)、ポリ(エチレン−コ−マレイン酸無水物)、ポリ(マレイン酸無水物−コ−αオレフィン)、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、少なくとも1つのオキサシクロプロパン基を含むポリマー、ポリエチレンイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ(ビニルアセテート)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリイソプレン、ポリネオプロペン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスルホンアミド、ポリスルホキシド、ポリグリコール酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリエステルイオノマー、ポリカーボネート、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンクロリド、ポリビニリデンフルオリド、ポリビニルピロリドン、ポリ乳酸、ポリペプチド、ポリソルベート、ポリリジン、ヒドロゲル、炭水化物、ポリサッカリド、アガロース、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、デキストラン、セルロース、セルロースアセテート、キチン、キトサン、ペプチドグリカン、グリコサミノグリカン、ポリヌクレオチド、ポリ(T)、ポリ(A)、核酸、プロテオグリカン、糖タンパク質、糖脂質、およびこれらの混合物からなる群より選択される。ナノフィルム組成物。
  11. 請求項1に記載のナノフィルム組成物であって、前記ポリマー成分は、ポリ(マレイン酸無水物−コ−αオレフィン)である、ナノフィルム組成物。
  12. 請求項1に記載のナノフィルム組成物であって、前記ポリマー成分は重合性モノマーを含む、ナノフィルム組成物。
  13. 請求項12に記載のナノフィルム組成物であって、前記重合性モノマーは、CH=CHC(O)OCHCHOHを含む、ナノフィルム組成物。
  14. 請求項1に記載のナノフィルム組成物であって、前記ポリマー成分は、重合性両親媒性物質を含む、ナノフィルム組成物。
  15. 請求項13に記載のナノフィルム組成物であって、前記重合可能両親媒性物質は、両親媒性アクリレート、両親媒性アクリルアミド、両親媒性ビニルエステル、両親媒性アニリン、両親媒性ジイン、両親媒性ジエン、両親媒性アクリル酸、両親媒性エン、両親媒性桂皮酸、両親媒性アミノ−エステル、両親媒性オキシラン、両親媒性アミン、両親媒性ジエステル、両親媒性二酸、両親媒性ジオール、両親媒性ポリオール、および両親媒性ジエポキシドからなる群より選択される、ナノフィルム組成物。
  16. 請求項1に記載のナノフィルムであって、非重合可能両親媒性物質をさらに含む、ナノフィルム。
  17. 請求項16に記載のナノフィルムであって、前記非重合可能両親媒性物質は、デシルアミンおよびステアリン酸からなる群より選択される、ナノフィルム。
  18. スピンコーティング、噴霧コーティング、浸漬被覆、グラフティング、キャスティング、相反転、電気めっき、またはナイフエッジコーティングによって調製されている、請求項1に記載のナノフィルム組成物。
  19. 請求項1に記載のナノフィルム組成物であって、前記ポリマー成分の領域割合は、0.5〜98%である、ナノフィルム組成物。
  20. 請求項1に記載のナノフィルム組成物であって、前記ポリマー成分の領域割合は、約20%未満である、ナノフィルム組成物。
  21. 請求項1に記載のナノフィルム組成物であって、前記ポリマー成分の領域割合は、約5%未満である、ナノフィルム組成物。
  22. 請求項1に記載のナノフィルム組成物であって、前記ナノフィルム組成物の厚みは、約30nm未満である、ナノフィルム組成物。
  23. 請求項1に記載のナノフィルム組成物であって、前記ナノフィルム組成物の厚みは、約6nm未満である、ナノフィルム組成物。
  24. 請求項1に記載のナノフィルム組成物であって、前記ナノフィルム組成物の厚みは、約2nm未満である、ナノフィルム組成物。
  25. 請求項1に記載のナノフィルム組成物であって、5〜30mN/mの表面圧における該ナノフィルム組成物の表面損失率は、前記ポリマー成分なしで作製された同じナノフィルム組成物の表面損失率の約50%未満である、ナノフィルム組成物。
  26. 請求項1に記載のナノフィルム組成物であって、5〜30mN/mの表面圧における該ナノフィルム組成物の表面損失率は、前記ポリマー成分なしで作製された同じナノフィルム組成物の表面損失率の約30%未満である、ナノフィルム組成物。
  27. 請求項1に記載のナノフィルム組成物であって、5〜30mN/mの表面圧における該ナノフィルム組成物の表面損失率は、前記ポリマー成分なしで作製された同じナノフィルム組成物の表面損失率の約20%未満である、ナノフィルム組成物。
  28. 請求項1に記載のナノフィルム組成物であって、以下の濾過機能:
    を有する、ナノフィルム組成物。
  29. 請求項1に記載のナノフィルム組成物であって、以下の濾過機能:
    を有する、ナノフィルム組成物。
  30. 請求項1に記載のナノフィルム組成物であって、該ナノフィルムは、ウイルス種およびより大きな種に対して非透過性である、ナノフィルム組成物。
  31. 請求項1に記載のナノフィルム組成物であって、該ナノフィルムは、免疫グロブリンGおよびより大きな種に対して非透過性である、ナノフィルム組成物。
  32. 請求項1に記載のナノフィルム組成物であって、該ナノフィルムは、アルブミンおよびより大きな種に対して非透過性である、ナノフィルム組成物。
  33. 請求項1に記載のナノフィルム組成物であって、該ナノフィルムは、β−ミクログロブリンおよびより大きな種に対して非透過性である、ナノフィルム組成物。
  34. 請求項1に記載のナノフィルム組成物であって、該ナノフィルムは、水およびより小さな種に対してのみ透過性である、ナノフィルム組成物。
  35. 13kDaの分子量カットオフを有する、請求項1に記載のナノフィルム組成物。
  36. 190Daの分子量カットオフを有する、請求項1に記載のナノフィルム組成物。
  37. 100Daの分子量カットオフを有する、請求項1に記載のナノフィルム組成物。
  38. 45Daの分子量カットオフを有する、請求項1に記載のナノフィルム組成物。
  39. 20Daの分子量カットオフを有する、請求項1に記載のナノフィルム組成物。
  40. 水分子ならびに水中のNa、K、およびCsについて高透過性を有する、請求項1に記載のナノフィルム組成物。
  41. グルコースおよび尿素について低透過性を有する、請求項36に記載のナノフィルム組成物。
  42. 水分子および水中のClについて高透過性を有する、請求項1に記載のナノフィルム組成物。
  43. 水分子および水中のKについて高透過性、ならびに水中のNaについて低透過性を有する、請求項1に記載のナノフィルム組成物。
  44. 水分子および水中のNaについて高透過性、ならびに水中のKについて低透過性を有する、請求項1に記載のナノフィルム組成物。
  45. 水中の尿素、クレアチニン、Li、Ca2+、およびMg2+について低透過性を有する、請求項1に記載のナノフィルム組成物。
  46. 水中のNa、K、リン酸水素、およびリン酸二水素について高透過性を有する、請求項41に記載のナノフィルム組成物。
  47. 水中のNa、K、およびグルコースについて高透過性を有する、請求項41に記載のナノフィルム組成物。
  48. 水中のミオグロビン、オボアルブミン、およびアルブミンについて低透過性を有する、請求項1に記載のナノフィルム組成物。
  49. 有機化合物について高透過性および水について低透過性を有する、請求項1に記載のナノフィルム組成物。
  50. 有機化合物について低透過性および水について高透過性を有する、請求項1に記載のナノフィルム組成物。
  51. 水分子について低透過性ならびにヘリウムガスおよび水素ガスについて高透過性を有する、請求項1に記載のナノフィルム組成物。
  52. 請求項1に記載のナノフィルムの少なくとも2層を含む、ナノフィルム組成物。
  53. 前記ナノフィルム層のいずれか2層の間に少なくとも1つの間隔配置層をさらに含む、請求項52に記載のナノフィルム組成物。
  54. 請求項53に記載のナノフィルム組成物であって、前記間隔層は、ポリマー、ゲル、または無機粒子の層を含む、ナノフィルム組成物。
  55. 基材に被覆される、請求項1に記載のナノフィルム組成物。
  56. 請求項55に記載のナノフィルム組成物であって、前記ナノフィルムは、前記ポリマー成分を介して前記基材にカップリングされている、ナノフィルム組成物。
  57. 請求項55に記載のナノフィルム組成物であって、前記基材は多孔性である、ナノフィルム組成物。
  58. 請求項55に記載のナノフィルム組成物であって、前記基材は非多孔性である、ナノフィルム組成物。
  59. 請求項55に記載のナノフィルム組成物であって、前記ナノフィルムは、ビオチン−ストレプトアビジン媒介性相互作用を介して前記基材にカップリングされる、ナノフィルム組成物。
  60. ポリマー成分と両親媒性物質との反応生成物を含む、ナノフィルム組成物。
  61. 請求項60に記載のナノフィルムであって、前記両親媒性物質は、重合性両親媒性物質である、ナノフィルム。
  62. 請求項61に記載のナノフィルム組成物であって、前記重合性両親媒性物質は、両親媒性アクリレート、両親媒性アクリルアミド、両親媒性ビニルエステル、両親媒性アニリン、両親媒性ジイン、両親媒性ジエン、両親媒性アクリル酸、両親媒性エン、両親媒性桂皮酸、両親媒性アミノ−エステル、両親媒性オキシラン、両親媒性アミン、両親媒性ジエステル、両親媒性二酸、両親媒性ジオール、両親媒性ポリオール、および両親媒性ジエポキシドからなる群より選択される、ナノフィルム組成物。
  63. 請求項60に記載のナノフィルムであって、前記両親媒性物質は、非重合可能である、ナノフィルム。
  64. 請求項63に記載のナノフィルムであって、前記非重合可能両親媒性物質は、デシルアミンおよびステアリン酸からなる群より選択される、ナノフィルム。
  65. 請求項60に記載のナノフィルム組成物であって、前記ポリマー成分は、ポリ(マレイン酸無水物)、ポリ(エチレン−コ−マレイン酸無水物)、ポリ(マレイン酸無水物−コ−αオレフィン)、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、少なくとも1つのオキサシクロプロパン基を含むポリマー、ポリエチレンイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ(ビニルアセテート)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリイソプレン、ポリネオプロペン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスルホンアミド、ポリスルホキシド、ポリグリコール酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリエステルイオノマー、ポリカーボネート、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンクロリド、ポリビニリデンフルオリド、ポリビニルピロリドン、ポリ乳酸、ポリペプチド、ポリソルベート、ポリリジン、ヒドロゲル、炭水化物、ポリサッカリド、アガロース、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、デキストラン、セルロース、セルロースアセテート、キチン、キトサン、ペプチドグリカン、グリコサミノグリカン、ポリヌクレオチド、ポリ(T)、ポリ(A)、核酸、プロテオグリカン、糖タンパク質、糖脂質、およびこれらの混合物からなる群より選択される、ナノフィルム組成物。
  66. 請求項60に記載のナノフィルムであって、前記ポリマー成分は両親媒性である、ナノフィルム。
  67. 請求項60に記載のナノフィルムであって、前記ポリマー成分は、重合性モノマーを含む、ナノフィルム。
  68. 請求項60に記載のナノフィルムであって、前記ポリマー成分は、重合性両親媒性物質を含む、ナノフィルム。
  69. 請求項61に記載のナノフィルム組成物であって、前記ナノフィルムは、空気−水界面において前記重合性両親媒性物質を重合する工程を包含するプロセスによって調製される、ナノフィルム組成物。
  70. 請求項60に記載のナノフィルム組成物であって、前記ナノフィルムは、空気−水界面において前記ポリマー成分を重合する工程を包含するプロセスによって調製される、ナノフィルム組成物。
  71. 請求項63に記載のナノフィルムであって、前記ポリマー成分はポリマーであり、前記非重合性両親媒性物質は、該ポリマーにカップリングされる、ナノフィルム。
  72. ポリマー成分の反応生成物を含むナノフィルム組成物であって、該ポリマー成分は、リンカー分子によって連結される、ナノフィルム組成物。
  73. 請求項72に記載のナノフィルム組成物であって、前記ポリマー成分は、ポリ(マレイン酸無水物)、ポリ(エチレン−コ−マレイン酸無水物)、ポリ(マレイン酸無水物−コ−αオレフィン)、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、少なくとも1つのオキサシクロプロパン基を含むポリマー、ポリエチレンイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ(ビニルアセテート)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリイソプレン、ポリネオプロペン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスルホンアミド、ポリスルホキシド、ポリグリコール酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリエステルイオノマー、ポリカーボネート、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンクロリド、ポリビニリデンフルオリド、ポリビニルピロリドン、ポリ乳酸、ポリペプチド、ポリソルベート、ポリリジン、ヒドロゲル、炭水化物、ポリサッカリド、アガロース、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、デキストラン、セルロース、セルロースアセテート、キチン、キトサン、ペプチドグリカン、グリコサミノグリカン、ポリヌクレオチド、ポリ(T)、ポリ(A)、核酸、プロテオグリカン、糖タンパク質、糖脂質、およびこれらの混合物からなる群より選択される、ナノフィルム組成物。
  74. 少なくとも2つのポリマー成分の反応生成物を含むナノフィルム組成物であって、第1のポリマー成分は重合性両親媒性物質であり、第2のポリマー成分は重合性モノマーである、ナノフィルム組成物。
  75. 有機溶媒中の大環状モジュールおよび少なくとも1つのポリマー成分の混合物を含む、組成物。
  76. 大環状モジュールと少なくとも1つのポリマー成分との反応生成物の薄いフィルムを含む組成物であって、該組成物は、空気−液体界面または液体−液体界面において、該大環状モジュールと該少なくとも1つのポリマー成分とを接触させる工程を包含するプロセスによって調製される、組成物。
  77. ナノフィルム組成物を作製するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    (a)大環状モジュールと少なくとも1つのポリマー成分との混合物を提供する工程;および
    (b)該混合物を、空気−液体界面または液体−液体界面において、薄いフィルムに形成する工程、
    を包含する、方法。
  78. 請求項77に記載の方法であって、前記ポリマー成分は、重合可能であり、該ポリマー成分を、前記空気−液体界面または液体−液体界面において、重合する工程をさらに包含する、方法。
  79. 大環状モジュールと少なくとも1つのポリマー成分との反応生成物を含むナノフィルム組成物を作製するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    (a)該少なくとも1つのポリマー成分を含む下位相を提供する工程;および
    (b)大環状モジュールと、該下位相の表面とを接触させる工程、
    を包含する、方法。
  80. 請求項79に記載の方法であって、さらに以下の工程:
    (c)リンカー分子を、該下位相の表面と接触させる工程、
    を包含する、方法。
  81. 大環状モジュールと少なくとも1つのポリマー成分との反応生成物を含むナノフィルム組成物を作製するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    (a)該大環状モジュールを含む第1の液体相を提供する工程;
    (b)該少なくとも1つのポリマー成分を含む第2の液体相を提供する工程;および
    (c)該第1の液体相および該第2の液体相から液体−液体界面を形成する工程、
    を包含する、方法。
  82. 請求項1に記載のナノフィルム組成物を使用して、流体から成分を分離する工程を包含する、濾過のための方法。
  83. 請求項1に記載のナノフィルム組成物を使用して、少なくとも2つのガスの混合物から成分を分離する工程を包含する、濾過のための方法。
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