JP2006512161A - 一体構造グタペルカ芯材閉塞方法 - Google Patents
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Abstract
一体構造グタペルカ芯材技術であって、ガラス異性体セメントなどの封泥剤の薄層をプレパラートに精密に合致する加工グタペルカ芯材とともに用い、これにより漏出を低減し、気密シールを達成する。グタペルカ材料の選択的超低温処理によりその分子量が変化してより強固になり、根管内にグタペルカ芯材を装備するのに別個のキャリア芯材を必要としないで、一体構造芯材を形成できる。加えて芯材の傾斜本体は若干三次元的な模様状に網覆されて面積を増加し、保定を増加する。選択的な線区画表示が芯材に配置される。加えて、芯材の頭部は施与ビヒクルクラスプにより握持できる。
Description
この発明は歯内療法に関するものであり、より詳しくは歯内根管空間閉塞(または根管の詰状傾斜歯根尖端部内へのシール材料使用による根管シールの形成)に関するものである。
歴史的に見ると、多くの根管空間充填または閉塞方法があった。歯を完全に空間にして罹病神経組織を創面切除した後、空間を充填して根管の頂部(冠状)および底部(歯根尖)からの汚染物の侵入を防止する必要がある。
この目的は根管システムの密閉シールにある。根管の不調の最も大きな原因は汚染物の微細漏出または処置中の汚染によるバクテリア汚染である。シールがよく行われるほど、歯の予後期間も長くなる。
根管を充填するには最初は銀ポイントが使われたが、その形状や材料に伴う漏出の問題の故に、この手法は使われなくなった。代りにグタペルカポイントの矯正填実による冷式側方充填が使われるようになった。
グタペルカはゴムのトランス異性体であってポイントに改質できるものである。グタペルカは一般に傾斜円錐形状(0.02傾斜など)にされて、歯の根管の歯根尖の傾斜円錐形状を帯びる。可鍛性の故にグタペルカは現在閉塞材として挿入される。
閉塞材は先端のある装置であって傾斜した末端芯材と他端に筒状のハンドルを有している。可鍛性のグタペルカは閉塞装置の傾斜末端芯材の周りを包絡し、ハンドルを手動で握持する。しかし閉塞材を握持すると閉塞子を根管部位に施与する処置の際の視野の妨害となる。
包絡しているグタペルカを導入するのに別個の傾斜キャリア芯材を使用すると、閉塞装置からのグタペルカの引剥がしまたは剥離がしばしば不均一となる。
したがって、それ自身キャリアとして機能しかつ根管の内壁を覆っているセメント薄層に強力に接合できる一体構造のグタペルカ芯材が必要となる。かかるこの発明のグタペルカ芯材は室温状態で使用されるので(加熱せず)、剥離や収縮に曝されることはない。
市販のブランドにもよるが、グタペルカコーンは18〜23%のグタペルカを含有している。商品名「グタペルカ」で知られている充填材料(コーン)の残りはワックス、樹脂、充填剤、酸化亜鉛、硫化バリウムなどである。
冷式側方填実充填手法はセメントの海中に配置された一連の順次撚り合わされたグタペルカコーンを用いる。セメントは初め酸化亜鉛オイゲノールセメントである。一般的ではあったが、側方填実充填と根管壁への適合が不正確であるが故に、この手法は無効となった。側方填実充填では根管システムの三次元シールを達成することは難しい。
填実充填プロセスの次の変化は熱可塑性手法の導入であって、根管の歯根尖端部へのグタペルカの挿入の前に手動装置でグタペルカを加熱した。熱可塑性グタペルカの裏にある原理は、加熱されたグタペルカが流れて、根管システム内の不規則態様により容易に適合することにある。残念ながら、加熱されたグタペルカは数ミリだけ流れて冷えると収縮するのであって、このため充填とシールとを意図された根管空間を充填しないのである。
この結果全ての熱可塑性手法においては封泥剤の使用が勧められる。これは魅力あるように思えるが、加熱されたグタペルカはそれ自身制約がある。その制約とは冷却に伴う収縮と手法の敏感さにある。
閉塞プロセスのさらなる発展はキャリア(プラスチックまたは金属)上の根管内にアルファ相のグタペルカを導入することである。キャリア上のグタペルカの組合せは閉塞子と呼ばれる。この手法の成功はプレパラートの成功により決定されるという制約がある。
プレパラートの傾斜が充分でないと、歯の構造がグタペルカをキャリアから剥ぎ取り、この結果手法の成功が制約される。グタペルカが剥ぎ取られた部分のあるキャリアはバクテリア汚染の危険を増大し予後を低減する。
最近歯内療法学により多数の加熱グタペルカ手法について全てが収縮の問題があることが証明された。加えてこれら手法のあるものは技術的に敏感であって、一般的な実務者にとって熱可塑性手法を冒険的なものにしている。
グタペルカを利用するのではなく、セメントまたはペーストで根管全体を充填するコンセプトもある。該方法には、材料制御の欠如、漏出とバクテリア汚染を起因する重大な収縮など多くの問題がある。根管処置を再試行するには改良してみるのも一案であった。
加えてより最近には、単一のグタペルカのコーンを多量のセメントと一緒に使うという考えがUltradent社によりENDO−EZE(登録商標)手法およびENDO−REZ(登録商標)樹脂シーラーを使った関連解剖学的歯内療法(AET)(商標)手法とともに提唱されている。
しかし、根管プレパラートとコーンおよびセメントとの共時性の欠如に問題があり、プレパラートまたはグタペルカそれ自身の壁への適合と接合がうまくゆかない。ウルトラデントENDO−EZE(登録商標)プレパラートとENDO−REZ(登録商標)樹脂シーラーを用いたAET(商標)手法の使用では、根管プレパラートと根管空間を充填するのに使われたグタペルカとの間に不一致がある。
したがって、プレパラートとグタペルカそれ自身との間の精密な合致の欠如はセメント過剰(収縮するであろう)となるかまたはグタペルカコーンが根管の冠状部分に引っ掛かるかして、グタペルカによるシールを意図された根管プレパラートの端部に届かない。これにより漏出およびバクテリア汚染が起きて、予後を短くする。
しかし1993年にKoch他はガラス異性体セメントがその初めの構造において根管中でグタペルカシールを正しい位置に保定する単一のコーンセメントとなることを示した。他の研究者達はグタペルカへのガラス異性体セメントの接合について関心を示している。
換言すると、ガラス異性体の象牙質への接合は他のシーラーへのそれよりも秀れており、グタペルカへの接合は適切であるに過ぎない。その他にも関心のあることは、単一コーン手法中のセメントの厚層としての多量のセメントは薄層におけるよりもより収縮するという可能性である。この潜在的な問題は根管プレパラートとグタペルカコーンとの間の同時性の欠如の結果である。例えば、0.02傾斜グタペルカコーンを0.04傾斜プレパラート中に成功裡に配置することはできない。コーンは可能な限り精密に根管の傾斜および/または湾曲形状プレパラートに合致しなければならない。
さらに、歯内療法的に処置された歯の修復は根管プレパラートと予製造された合釘との間の同時性の欠如を招く。この差異の結果は合釘の理想的な保定および大きな寸法または異なる形状の合釘が利用された場合の根の弱化より少なく、これにより修復と歯の長期成功との妥協を行なっている。
歯内療法的処置された歯の修復について更に懸念あることは、適切な冠状シールの欠如である。三次元シール(根管中のグタペルカの頂部上)の欠如はバクテリア成分の侵入を結果することがある。バクテリア汚染は根管の不全を結果し、歯内療法に重大な懸念を残す。
したがってこの発明の目的は、グタペルカ芯材と根管の加工プレパラートとの間に同時性の概念を導入することにあり、そこではグタペルカ芯材が加工根管プレパラートに精密に合致するのである。したがって次代ガラス異性体セメントと組み合わせたグタペルカ芯材の合致とは漏出を低減して根管の気密シールを達成するのである。
この発明の方法を従来の方法から区別するセメントとグタペルカには特有の性質と仕様とがある。加えて、TRANSPORTER(商標)施与ビヒクルの使用により、グタペルカ芯材は施与されて歯内治療における使用を容易にしているのである。
この発明の他の目的は、歯内治療プレパラートに精密に合致する合釘システムを得ることにあり、これにより合釘の成功と修復を確実にしているのである。
この発明のさらに他の目的は、根管の頂部にプラグを確立するシステム(キット)を得ることにあり、これにより根管のシールを確実にしているのである。
これらの目的を達成すべくこの発明においては、基本的なグタペルカコーンを得て、これをグタペルカ芯材に改変している。該芯材は傾斜充填コーンおよびそれ自身のキャリアコーンとして機能する。グタペルカなどの物質の分子量を選択的に変えることにより、この材料の性質を変えることができる。グタペルカの分子量はそれ自身の構造的な芯材として機能するより強いコーンを製造するべく改変されてきた。プラスチックまたは金属などの別個の内部キャリアーの必要なしに、それ自身と歯の象牙質壁との間の封泥剤の極めて薄い層は別として、グタペルカ芯材は準備された根管の全空間を占拠する。
加えて、芯材の歯根尖16mmは例えば格子構造(若干三次元)のような組織を網覆状にするのが好ましく、これにより表面面積を増加して保定を増加している。格子構造の他にも、凹面削取りや剥がしや不規則または平行マーキングなどの表面遮断構造をとることができる。さらに網覆としてはサンドブラストの使用、酸化アルミなどの粒状物質の使用などがある。
選択的な線区画長さ、mmで、が芯材上に配置される。これらの線区画は細太を交互にしたりまたは数値的に変化させるのが望ましい。一例として、太い線は奇数を、細い線は偶数を示すようにしたり、またはこの逆にしたりする。
加えて、芯材の頂部はTRANSPORTER(商標)施与ビヒクルの握部を収容するような形状とされてきた(アメリカ特許第6,371,764号)。該文献は閉塞子により支持されたグタペルカを根管内に配置する歯科用具についてのものである。この特許では、閉塞子の手動ハンドルの端部に設けたクラスプがグタペルカを支持している閉塞子芯材の上部筒状ハンドルを握持する。この発明においては、クラスプはグタペルカの一体構造芯材の基端を握って根管中に挿入する。
アメリカ特許第6,371,764号
これにより根管内への芯材の配置が容易となる。
グタペルカは選択的に極低温凍結処理されるのが望ましかった。これにより芯材の面積を若干増加しガラス異性体セメント上への保定が増加する。グタペルカの分子構造もまた極低温処理で改変され、これによりガラス異性体セメントとグタペルカ芯材との間の接触が密なものとなる。極低温処理はまたグタペルカ芯材にさらなる剛性を付与して湾曲管中への配置をより容易とする。
この発明の技術思想に加えるに、グタペルカ芯材は個別にシール中に包装して、無菌性を確実にしてかつバクテリア汚染の可能性を低減するのが望ましい。
この単一芯材システムの他の技術思想としては、封泥剤として機能する異なるセメントの選択がある。ポリメチル・ビニル・シロキサンなどのシロキサン、メタクリレートおよび他の樹脂基セメントなどは全てこの手法に作用する。前記のセメント、エポキシ樹脂およびガラス異性体もまたこの手法の要求に応えるものである。
例えば、合成または化学的に改質された天然樹脂シーラーを使うこともできる。この発明の好ましき一態様においては、第2世代ガラス異性体セメントを使用するが、これは象牙質への完全な結合とグタペルカ芯材との相性を確実にする性質を有している。加えてこの特殊なセメントはこの封泥剤の抗バクテリア効果に付加する(シーラーとして機能する)亜鉛成分を含んでいる。
要約すると、この発明は歯内療法的一体構造グタペルカ芯材を有しており、これが適切な封泥剤と組み合わされて三次元的な態様で根管プレパラート空間を適性にシールする。横管はより効果的にシーラーで充填され、冷却すると収縮を発生する熱可塑性閉塞技術よりも、全んど収縮を起こさない。加えてメチルアクリレートなどの歯内療法に有効なシーラーがあり、収縮するよりはむしろ膨脹して、熱可塑性グタペルカよりもより成功裡に根管の横管を充填する。
グタペルカ芯材は手または施与ビヒクルクラスプによる握持に適したハンドル部を有している。長さ決定部分はハンドル部に結合しており、芯材が完全に根管中に挿入されたときに表示する深さマークと一緒になっている。芯材の本体は長さ決定部分に隣接した円錐部分を有している。
傾斜円錐部分は網覆して表面を増加するのが望ましく、ガラス異性体などのセメントと一緒に根管中に挿入されて、円錐部分の表面を被覆する。網覆はいかなる組織化手法によってもよく、例えば相互に交差する長手方向に延在した突起と凹部とを有した交差ハッチング、または複数の個々に突出した突出、凹部、または酸化アルミニウムなどの物質を使ったサンドブラストなどであってもよい。
選択的にグタペルカ芯材は超低温凍結されて、傾斜コーン表面への結合を強化する。グタペルカ芯材はシールに包装されるのが望ましい。芯材は一定の先端寸法と異なる傾斜または異なる先端寸法と一定の傾斜の一組の芯材で提供されてもよい。
芯材に合致する合釘システムは特定寸法を有した完全傾斜0.06傾斜プレパラートに適合するように設計される。該合釘は内小根部分と「頭部」成分とを有しており、該頭部成分が根管開口部に対して冠状である。この合釘はステンレス、チタン、チタン合金、繊維成分またはセラミックなど普通の合釘材料から形成できる。
三次元状の冠状シールの形成はこの発明のさらなる目的である。これの形成は自己制御方式のドリル(種々の寸法)とガラス異性体または樹脂充填物などの組合せによる。
この発明の芯材10は3個の同じ材料からなる構成要素を有している。芯材10の頂部(基端)はハンドル12を有しており、該ハンドル12は図5Bに示すように芯材TRANSPORTER(商標)施与ビヒクルクラスプ4に精密に適合するように加工されている。この精密な適合によりハンドル12ひいては芯材10が、準備された歯1の根管2に挿入されたときに、回転や移動するのを防止している。
芯材10は根管2内に挿入されて、その上側開口部2aをシールし、該開口部は歯色の樹脂と冠状合釘(図示せず)により充填された歯1の上側室2bを含むものである。
ハンドル12により施与ビヒクルクラスプ4がその機能を果たすことができ、これにより芯材10の歯1の根管2内への配置が危険や誤挿入なく容易となる。
長さ決定部分14(深さマーク14aとともに)は芯材10の他の構成要素であって、この深さマーク14aは好ましくは測定印を有しており、例えば奇数長さを示す太線および偶数長さを示す細線などである(逆も可)。
長さは最初の太線14での16mmから芯材10のハンドル12に当たる最後の太線14aでの27mmまでに亙っている。深さマーク14aを基端から芯材10のコーン部分18の基端における円筒状ハンドル12の斜角肩部分16まで延在することによりさらに2mmを得ることができる。
グタペルカ芯材の第3の構成要素は網覆フレーム20であって、最末端部分(芯材10の末端歯根尖先端22)から16mm線区画部分24まで延在している。選択的に変わる態様20aの網覆フレーム20は一般に根管2それ自身の部分であり、その表面は網覆されて面積を増加し、これにより好ましくはガラス異性体セメントなどの封泥剤シーラー8の芯材10への保定を増加している。
これにより図8にも示すように、芯材10の傾斜部分外側と歯管空間を画定する象牙質材料との間の微細薄層中に封泥剤8が施与される。例えば封泥剤8は一般に施与されて空間を充填する。該空間は、天然の凹凸は別として、一般には約0.01〜1.0mmであり、該凹凸もまた封泥剤8により充填される。さらに芯材10の超低温処理から粘着性も得られる。
施与ビヒクル4は根管2への芯材10の精密な挿入を容易とする保持装置である。この作業に精密性を増加させることに加えて、施与ビヒクル4は、方向間違いとその結果であるセメントなどの封泥剤シーラー8の芯材10からの剥離の危険なしに、芯材10を全ての歯の根管2に挿入する作業を助けるものである。
その他にもこのシステムの特有な態様としては、芯材10を形成するのに使われるグタペルカの超低温処理がある。深凍結プロセスにより、超低温処理はグタペルカに強靭さを付与し、芯材10の面積を増加して封泥剤シーラー8(ガラス異性体セメントなど)と芯材10との間の緻密な接触を齎す。これは保定の増加に繋がるものである。
超低温は化合物の分子構造をオーステナイト状態よりはマルテンサイト状態に変化させる。したがって、封泥剤シーラー8などの被覆層はオーステナイト状態よりはマルテンサイト状態に対して大きな親和性を有するのである。これにより芯材10は封泥剤シーラー8に対してより大きな結合を持つようになる。
この手法の診療的な応用においては、加工完全傾斜0.03〜0.08プレパラート(好ましくは0.04または0.06プレパラート)を根管空間2中に形成する。加工プレパラートは回転ファイル(file)手順の使用により達成される。この手順では適宜なやり方で完全傾斜プレパラート(0.03〜0.08mm)を生じる管を準備する。
完全傾斜プレパラートを生じるファイルの例としては、PROFILE by Dentsply Tulsa DentalおよびK−3 by SybronEndoなどがある。計器計測とデブリードマンに続いて、適切寸法の芯材10が選択される。一例を挙げると、最後のプレパラートが加工される場合ならば、“20”(ISO)の歯根尖先端寸法で、完全傾斜0.06プレパラート、ついで“20/0.06”グタペルカ芯材が選択される。
芯材の選択に続いて、セメントなどの適切な封泥剤シーラー8が混合(ガラス異性体)され、根管2に挿入されて封泥剤シーラー8の薄層を形成する。選択された芯材10はついで部分的にそのシールされたパッケージ6内に露出され、施与ビヒクル4により捕捉される。ついでそれは施与ビヒクル4により無菌状態を保ったまま消毒パッケージから除かれる。
選択された封泥剤(根管シーラー8)はついで芯材10上、特に芯材10(歯根尖16mm)の網覆フレーム20上方、に配置される。芯材10を柔らかく拭うことによりシーラー8(セメント)で被覆することが勧められる。
さて芯材10は歯のところに持ってゆかれて適切な深さマークまで根管2内に挿入される。数分後、芯材10の下側傾斜部分は根管2の開口部2aにおいて加熱器具により円筒状ハンドル12および長さ決定部分14から切断され、これに続いて軽い垂直填実圧力が芯材10に印加される。
図6D、6Eにおいて、ENDO−KAP(商標)またはENDO−SEAL(商標)などの結合修復材料のカバー32の配置により冠状シールが確実にされる。該修復材料はガラス異性体または結合樹脂などの歯科修復材料であって、準備された凹部30内に配置される。該凹部は切断芯材10により占められている充填根管空間の頂部上の冠状態からグタペルカ芯材材料を除去することにより形成される。
これにより根管充填物の冠状態の漏出とバクテリア汚染が防止され、二次バクテリア侵入による再処置の必要が防止される。
さらに図6Fに示す歯3の満足な修復のために合釘が必要とされる場合には、この発明は図6Hに示すように合釘40のような合釘システムを有しており、これが歯3の根管4の傾斜歯内療法プレパラートに完全に合致して、根管4のプレパラートと合釘40との間の同時性が保たれる(例えば0.06傾斜合釘は0.06傾斜歯内療法プレパラートに合致する)。
根管4内においては合釘40の下側にグタペルカの可変部分42があり、合釘40に対して歯根尖に配置されて、歯根尖シールを確実にしかつ歯3の歯根尖部分からの汚染を防止する。
合釘40はガラス異性体や樹脂基シーラーなどの封泥剤により固められ、図6Hの合釘40の冠状部分は冠状構築材料44により被覆される。得られた合釘40と構築材料44の修復は、図6Jに示すように、歯冠の適切な保定を確実とし、かつ微細漏出に対する冠状シールとして機能する。
図6Fにおける根管内の湾曲のように表面凹凸が顕著である場合には平坦化器具を用いて図6Gに示すように傾斜した非可撓性合釘40などを受容するようなやり方で例えば0.06プレパラートなどにプレパラートを精製する。これにより根管4のプレパラートと固められた合釘40との間の同時性を有効にする。
図9に示すように、封泥剤8と組み合わされた芯材10は三次元的に歯5の根管6のプレパラート空間およびそこから延在している横管7を適正にシールする。これらの横管7はシーラー8により、より効果的に充填され、冷却すると収縮を呈する熱可塑性閉塞技術より収縮を示さないか全んど示さない。メチルアクリレートなどのこれらシーラー8は収縮するよりは膨張して、熱可塑性グタペルカよりもより成功裡に根管6の横管7を充填する。
以下にこの発明の作用と効果について説明する。グタペルカ芯材技術は歯内療法における進歩であって、根管空間の閉塞を容易にする。根管2の加工完全傾斜0.03〜0.08(好ましくは0.04〜0.06)プレパラート間に形成された同時性と、芯材10の精密な合致とは工業の分野におけるような歯内療法における精密な適合を可能とする。
この技術の結果、根管2をより迅速に充填できる(これにより患者の時間を低減する)のみならず、真の三次元的感覚で充填をより良くできるのである。適合が精密であるので、芯材10と歯1(根管2の内壁)との間の封泥剤シーラー8のセメント層は非常に薄くなる。封泥剤シーラー8の薄いセメント層は加熱グタペルカに比べて遥かに収縮し難い。加熱グタペルカは冷却により顕著に収縮するのである。
加えて、根管の内部がETDAなどのキレート化剤で適正に条件付けされていると、象牙質管と横管とが充分に開かれてシーラー(封泥剤)が空間に充填される。この結果、グタペルカと象牙質壁との間の結合(保定)が良くなり、横管がより効果的に閉塞される。この結果、他の従来の方法によるよりも、グタペルカ芯材技術により真の気密シールが達成されるのである。超低温処理に芯材10を掛けることと組み合わされた芯材10の独特な特徴により、多くの効果が得られるのである。
芯材10のハンドルのデザインは芯材10の歯1の根管2中への配置を容易にする。またハンドル12は同じグタペルカ材料(芯材10の他の部分と同じ)から形成され、したがって多分に不安定な粘着性グタペルカで包んだ別個の固体芯材が不必要となる。シールの粘度からしてこれは重要である。
網覆フレーム20(例えば格子フレームまたは凹凸模様など)は面積を増加してセメントなどの封泥剤シーラー8の芯材10への保定を大きくする。この特徴により封泥剤シーラー8(セメントなど)と芯材10との間の結合を高めるとともに機械的なロックを形成する。
芯材材料(グタペルカ)の選択的な超低温処理は従来のグタペルカに見られない効果を齎す。グタペルカをより強固にすることにより、芯材10の超低温凍結療法はこの技術に用いられるシーラー(セメント)の粘度とより良く協働する。強固なグタペルカは別個の強固なキャリア芯材を必要としないで芯材10に予湾曲できる。これにより「閉塞」を容易とする。また強固なグタペルカは取り扱い易く、根管空間への挿入も容易となり、芯材10の一体性が保持される。
芯材10上の長さ決定部分14は根管2内への芯材10の配置を容易とし、処置の成功を約束する。芯材10の固有のパッケージ6への包装は根管空間2の閉塞作業中のバクテリア汚染を低減する。この結果閉塞作業は予後が良くなる。この発明はその他にも種々の実施例が可能である。
1 : 歯
2 : 根管
4 : 施与ビヒクルクラスプ
8 : シーラー
10: 芯材
12: ハンドル
40: 合釘
2 : 根管
4 : 施与ビヒクルクラスプ
8 : シーラー
10: 芯材
12: ハンドル
40: 合釘
Claims (35)
- 網覆されて表面面積を増加しかつ根管を充填するのに適した円錐部分を有していることを特徴とする根管プレパラート領域をシールするためのグタペルカ製歯内療法用一体構造芯材。
- 芯材の基部にありかつ施与ビヒクルクラスプによる握持に適したハンドルを有したことを特徴とする請求項1に記載の芯材。
- ハンドルに結合されかつ深さマークを有した長さ決定部分を有しており、芯材が完全に根管内に挿入されたときにそれを表示することを特徴とする請求項2に記載の芯材。
- 前記の深さマークが奇数長さを示す太線と偶数長さを示す細線とから構成されていることを特徴とする請求項3に記載の芯材。
- 前記の深さマークが偶数長さを示す太線と奇数長さを示す細線とから構成されていることを特徴とする請求項3に記載の芯材。
- さらに円錐部分の表面領域を被覆しかつその収縮を低減する封泥剤の薄層を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかひとつに記載の芯材。
- 前記の封泥剤の薄層がセメントであることを特徴とする請求項6に記載の芯材。
- 前記の封泥剤の薄層がガラス異性体であることを特徴とする請求項6に記載の芯材。
- ガラス異性体がポリアルキレン酸ガラス異性体セメントであることを特徴とする請求項8に記載の芯材。
- セメントが改質樹脂であることを特徴とする請求項7に記載の芯材。
- セメントがポリ・メチル・メタクリレートであることを特徴とする請求項7に記載の芯材。
- メチル・メタクリレートがウレタン・ジメタクリレート(UDMA)であることを特徴とする請求項11に記載の芯材。
- メチル・メタクリレートがビスグリシジル・メタクリレート(BIS−GMA)であることを特徴とする請求項11に記載の芯材。
- 封泥剤被覆物の薄層が樹脂であることを特徴とする請求項6に記載の芯材。
- 封泥剤被覆物の薄層がシーラーであることを特徴とする請求項6に記載の芯材。
- 封泥剤被覆物の薄層がシロキサンであることを特徴とする請求項6に記載の芯材。
- 超低温凍結されていることを特徴とする請求項1〜16のいずれかひとつに記載の芯材。
- 特殊加工根管空間に適合する寸法であることを特徴とする請求項1〜17のいずれかひとつに記載の芯材。
- 円錐部分が芯材の末端先端から1mm上に測って長手方向1mm当り0.03〜0.08mmに傾斜を有していることを特徴とする請求項1〜18に記載の芯材。
- 円錐部分が芯材の末端先端から1mm上に測って長手方向1mm当り0.04〜0.06mmに傾斜を有していることを特徴とする請求項19に記載の芯材。
- 個々にシールに包装されていることを特徴とする請求項1〜20のいずれかひとつに記載の芯材。
- 一定の先端寸法で可変傾斜の1セットで与えられていることを特徴とする請求項1〜21のいずれかひとつに記載の芯材。
- 可変先端寸法と一定の傾斜の1セットで与えられていることを特徴とする請求項1〜22に記載の芯材。
- 芯材を用いており、該芯材はその基端にグタペルカ製であってかつハンドルを有していてかつビヒクルクラスプで握持するのに適しており、該ハンドルに結合した長さ決定部分が芯材が根管内に完全に挿入されたことを表示する深さマークを有しており、長さ決定部分に結合した円錐部分が芯材の末端で終わっており、円錐部分が網覆いされて面積を増大しかつ根管を充填するのに適しているごとき根管の同時充填・シール方法であって(a)基準点から根管の歯根先端まで根管の深さを測定し、(b)根管に対して適切な寸法とされたグタペルカ製歯内療法用一体構造芯材を選択し、(c)封泥剤の薄層で芯材の円錐部分を被覆し、(d)根管の内側を封泥剤で被覆し、(e)適切な深さマークまで芯材を根管内に挿入し、(f)セメント被覆がボーン(bone)するのに充分な長さの時間の後で、根管の開口部において芯材を切断するステップを含んでなることを特徴とする根管の同時充填・シール方法。
- 封泥剤被覆物が請求項7〜16のいずれかひとつに記載されたものであることを特徴とする請求項24に記載の方法。
- 芯材を根管中に入れるべく芯材のハンドルがビヒクルクラスプにより握持されることを特徴とする請求項24または25に記載の方法。
- セメントでの被覆前に芯材が超低温凍結されることを特徴とする請求項24〜26のいずれかひとつに記載の方法。
- 根管充填の冠状態の漏出とバクテリア汚染を予防しかつ処置の必要を予防する歯内療法冠状シールであって、充填された根管空間上の冠状態の形成セグメント中に配置された修復材料の固体ブロックカバーを有していることを特徴とする歯内療法冠状シール。
- 表面処理されたグタペルカを有し、該グタペルカが結合剤で被覆されていることを特徴とする歯内療法一体構造グタペルカ芯材。
- 結合剤が有機シランであることを特徴とする請求項29に記載の芯材。
- 結合剤が3−メトキシ−プロピル−トリメトキシ−シランであることを特徴とする請求項30に記載の芯材。
- さらに化学シーラーを有していることを特徴とする請求項29〜31のいずれかひとつに記載の芯材。
- さらにセメントシーラーを有していることを特徴とする請求項29〜31のいずかひとつに記載の芯材。
- さらにガラス異性体セメントを含有するシーラーを有していることを特徴とする請求項29〜31のいずれかひとつに記載の芯材。
- ガラス異性体セメントが請求項9〜13のいずれかひとつに記載されたものであることを特徴とする請求項34に記載の芯材。
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