JP2006511240A - ウイルス生産の改善 - Google Patents

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Abstract

ウイルスが感染したニワトリ胚の尿膜腔液からウイルスを回収する、改善された方法。尿膜腔液内で粒状および線維状の細片と結び付いたウイルスを細片から解離させ、および回収することができる。これによって、ウイルスの収率が上昇する。ウイルス−細片複合体を高い塩濃度、たとえば0.5Mまたはそれ以上の条件にさらすことによって、解離が達成できる。

Description

本出願は、2003年6月20日に提出された米国仮出願第60/429,723号、2004年1月30日に提出された米国仮出願第60/540,782号、および2004年5月20日に提出された米国仮出願第60/572,718号についての優先権を主張する。これらのすべては参照により全体がここに組込まれる。
本発明は、ウイルスが感染したニワトリ胚の尿膜腔液から、エンベロープを有するウイルスを回収することに関する。回収量が増えると、ウイルスワクチン、とりわけインフルエンザのワクチンの生産が容易になり、およびウイルスのベクターによって発現された異種タンパク質を含めたウイルスタンパク質の収率を高めることもできる。
病原体による感染時に、宿主の免疫系は病原体上または病原体内の抗原を認識し、および抗原を含む病原体に対する免疫応答を導く。この応答の間に、その病原体の抗原に特異的な免疫細胞の数が増加し、およびこれらの細胞のうちのいくつかは感染が治まった後でも残存する。後になって宿主がその病原体にさらされた場合、残存する細胞の存在によって、病原体の感染の確立を予防する。このことは、防御免疫と呼ばれる。
ワクチンによって、病気に罹ること無く病原体の抗原が免疫系に提示されることにより、病原体に対する防御免疫が与えられる。病原体の感染による病気を引き起こすこと無く、抗原の提示を可能とするいくつかの方法が開発されている。これらのものには、生きているが弱毒化された病原体を用いること、不活性化された病原体を用いること、または病原体の断片(サブユニット)を用いることが含まれる。
多くのウイルス感染についての治療法はつかみどころがないままであるので、感染が生じた後で感染を治療するよりも、ワクチン接種を通して感染を予防または抑制することが好ましい。特に厄介な感染性ウイルスの具体例としては、オルトミクソウイルス科(orthomyxoviridae)のウイルス、特にインフルエンザウイルス、パラミクソウイルス科(paramyxoviridae)、フラビウイルス科(flaviviridae)、トガウイルス科(togaviridae)、ラブドウイルス科(rhabdoviridae)、およびコロナウイルス科(coronaviridae)のファミリーのウイルスがある。毎年何百万人もの人々が、これらのウイルスファミリーの一員の一種以上に対するワクチン接種を受けている。
いくつかのウイルスは細胞培養で十分に増殖するが、その他のものは発育鶏卵での増殖と、それぞれに伴う尿膜腔液からのウイルスの回収が必要である。インフルエンザのワクチンは長年に亘り、発育鶏卵の尿膜腔液から回収された複数の株を組み合わせた製品として大衆に提供されてきた。大規模な株のパネルから毎年選択された三種の株を増殖させ、精製し、および所定のワクチンを作製するためにプールする。選択されたそれぞれのインフルエンザ株の増殖は著しく変化する可能性があり、しばしばこのような三価のワクチンについての毎年の市場の要求を効果的に満足させることを難しくしている。
供給源からウイルスまたはウイルス産物を回収するための、改善されたおよび/または単純化した様々な方法が提案されている。米国特許第3,627,873号には、ジエチルエーテルと酢酸メチルを用いて、濃縮された尿膜腔液の供給源からウイルスを抽出する方法が記載されている。米国特許第4,000,257号にしたがって、酢酸ブチルと酢酸エチルの両方を用いて複合的に抽出することを利用して、収率のさらなる改善が達成されたと言われている。
米国特許第3,316,153号には、細胞の細片からウイルス粒子を分離するための複数の抽出工程の方法が記載されており、この記載によれば、ウイルスが感染したヒヨコの尿膜腔液または細胞もしくは組織培養の液体に由来するフィードストックに適用される。この方法では、沈殿したリン酸カルシウムに吸着したウイルスを、pH7.8から8.3のEDTA中に分散させて解離を生じさせ、および可溶性のカルシウムをEDTAに基いて捕捉し、それによって回収のためのウイルスを遊離させる。溶液を含んだ得られたウイルスを、水または好ましくはグリシン−塩化ナトリウム水溶液に対して透析し、EDTAとリン酸塩の含有量を減少させる。
米国特許第4,724,210号には、イオン交換クロマトグラフィーを利用した、インフルエンザを精製するための方法が記載されている。インフルエンザを含む溶液、たとえば尿膜腔液を硫酸セルロースのカラムに通す。ここで、ウイルスはカラムの充填剤に吸着する。次いでこのカラムを洗浄し、1.0Mから1.5Mの塩化ナトリウムを含む溶液でウイルスを溶出する。この次に、4.99Mの塩化ナトリウムで洗浄する。
WO02/067983号において、中程度の速度の遠心分離にて尿膜腔液を清澄化し、清澄な液体をCaHPOゲル上に吸着させ、次いでEDTA−Na溶液で再び可溶化させることを含むような、インフルエンザのウイルス成分ワクチンの調製が記載されている。同じ方法が記載されたWO02/08749号も参照すること。
米国特許第4,327,182号において、インフルエンザのサブユニット、血球凝集素(HA)およびノイラミニダーゼ(NA)を回収するために、インフルエンザウイルスの増殖に由来する尿膜腔液フィードストックについて、複数段階の抽出方法が行われている。この技術は、ウイルスフィードストックが界面活性剤と食塩水と共に存在する濃度のステップと、その次の、非ウイルス粒子を除去するための連続的な濾過に依存する。
米国特許第3,962,421号には、インフルエンザウイルスを破壊するための方法が記載されている。尿膜腔液について、高速の遠心分離を行う。得られたペレットを生理的食塩水に再懸濁させ、ボールミルで12から15時間処理してウイルス懸濁液を得る。次いでこのウイルス懸濁液をリン酸エステルで処理してウイルス粒子を、無傷のウイルスの表面抗原を保持する脂質を含まない粒子(サブユニット)にまで破壊する。
米国特許第3,874,999号において、インフルエンザウイルスを含む尿膜腔液を低速で遠心分離にかけて粗大な粒子を除去する。次いで高速の遠心分離によって、このウイルスを上清から除去し、リン酸緩衝液で再懸濁させる。非ウイルス性のタンパク質と脂質を、アルカリ性のpHにて4℃で16から18時間かけて、0.1から0.4Mの硫酸マグネシウムで懸濁液を処理することによって除去する。結果として生じた懸濁液を低速の遠心分離によって清澄化し、および得られる上清からウイルスを精製する。
発明の背景に関して特に興味深いことは、非尿膜腔液性のウイルスフィードストックを、一種またはそれ以上に塩濃度が高められた溶液と接触させることを含むウイルスの回収操作であり、および様々な塩濃度が精製されたウイルスに及ぼす影響についての研究である。
伝えられているところによれば、感染した細胞を塩濃度が高められた溶液と接触またはインキュベートし、次いでその溶液からウイルスを精製する場合、いくつかの方法によって、収率の上昇またはウイルスの純度の向上が提供されている。
WO99/07834号において、ヘルペスウイルスが感染したベロ細胞の培養物を、高張の塩水溶液(たとえば0.8から0.9MのNaCl)で数時間かけてインキュベートする。次いでこの溶液を除去し、溶液からヘルペスウイルスを収穫する。この方法は、細胞を超音波で破壊する方法よりも優れていると主張していた。
その他のものは、ウイルスが感染した培養細胞を塩濃度が高められたものと接触させることに関心が向けられてきた。
米国特許第5,506,129号では、感染したBS−C−1細胞を0.3MのNaClを含む生育培地で増殖させた後、A型肝炎ウイルスの収率が上昇したことが報告されている。
Karakuyumchanら(Acta virol. : 155−158, 1981)は、緩衝液を含む0.3MのNaClで、感染した脳組織を振盪した後に得られる狂犬病ウイルスは、残りの脳組織によって生じる神経アレルギー活性を喪失していることを報告している。
PauliおよびLudwig(Virus Research, 2: 29−33, 1985)は、0.3MのNaClを含む培地で増殖した、ウイルスが感染したセルラインに由来するボルナ病ウイルスの収率が高いことを報告している。
様々なグループが、精製ウイルスと塩濃度が高められたものとの接触がウイルスの特性に及ぼす影響を研究してきた。
Breschkinら(Virology, 80: 441−444, 1977)では、等張の生理的食塩水中での血球凝集活性を欠く、特定の変異を受けた麻疹ウイルスが、0.8Mの(NHSO中では野生型のレベルの血球凝集活性を有するのに対し、高濃度の塩は野生型のウイルスの血球凝集活性には影響を及ぼさない。
WallisおよびMelnick(Virology, 16: 504−506, 1962)は、高濃度の塩(1MのMgCl、1MのCaCl、または2MのNaCl)がポリオウイルス、コクサッキーウイルス、およびECHOウイルスの熱による不活性化を抑制するのに対して、1MのMgClがアデノウイルス、パポバウイルス、ヘルペスウイルス、ミクソウイルス、アルボウイルス、およびポックスウイルスの不活性化を促進することを報告している。
Willkommenら(Acta virol., 27: 407−411, 1983)において、精製され凍結乾燥されたインフルエンザウイルスを、濃度が(1.15Mまで)高められたNaClを含む緩衝化生理的食塩水で再構成する。次いで、再構成されたウイルスを界面活性剤で分割し、および一元放射免疫拡散(SRD)試験を実施する。インフルエンザウイルスのいくつかの株に関しては、再構成緩衝液中の塩濃度が上昇すると、血球凝集素(HA)に対するSRD試験の結果に影響を及ぼさないことが示されている。しかしながら、その他の株は、1.15MのNaClを含む緩衝化生理的食塩水で再構成した場合、SRD試験でのHA濃度が、0.15MのNaClを含む緩衝化生理的食塩水で再構成した同一の株の二倍になる。著者らは、ウイルスの凝集を、おそらくは界面活性剤の浸透が妨害され、およびSRDの応答が弱められたものと認定している。
Molodkinaら(Colloids and Surfaces A: Physicochemical and Engineering Aspects, 98: 1−9, 1995)は、0.3MのNaClまでの塩濃度の上昇により、精製インフルエンザウイルスの凝集物の分散をもたらすことを報告している。
Sudnikら(Vyestsi Akademii Navuk BSSR Syeryya Biyalahichhykh Navuk, 6: 71−77,1985)は、高いイオン性が、pH2.2におけるインフルエンザウイルスエンベロープの破壊を部分的に相殺することを報告している。
さらに、発明の背景に関して興味深いことは、Makhovら(Voprosy Virusologii, 34 (2): 274−279, 1989)による尿膜腔液中のインフルエンザの線維状のビリオンの比率に関する研究結果である。ウイルスの回収とは無縁の状況において、Makhovらは、尿膜腔液に線維状のインフルエンザのビリオンが存在することは、株に特異的であり、イオン強度に依存することを報告している。電子顕微鏡を用いて尿膜腔液を検査し、線維状のビリオンが存在することを確定した。インフルエンザの一つの特定の株について、尿膜腔液に線維状のビリオンが存在した率は7.1%であった。NaClの濃度が0.25Mまたは1.0Mに上昇すると、存在率はそれぞれ0.37%および0.16%に減少した。
したがって、当分野において、ウイルスが感染したニワトリ胚の尿膜腔液からのウイルスの純度および収率を改善する必要性が残されている。
本発明は、ウイルスが感染したニワトリ胚の尿膜腔液からウイルスを回収するための改善された方法を提供する。本明細書にて開示するように、現在のところ、尿膜腔液内のウイルスのかなりの部分が粒状または線維状の細片に結び付いて見出されており、それゆえに、尿膜腔液を清澄化して細片を除去する場合、そのかなりの部分が失われる。最終的な分離プロセスの前に、細片からウイルスを解離させることによって、ウイルスの収率が改善する。
多くの場合、尿膜腔液からウイルスを回収するための方法には、尿膜腔液を、たとえば遠心分離または濾過によって清澄化し、清澄な液体の画分と細片を含む画分とを形成させる工程が含まれる。遠心分離によって尿膜腔液を清澄化する場合、細片を含む画分は通常、ペレットの形態である。濾過によって清澄化する場合、通常は残渣の形態である。細片を含むこの画分からウイルスを抽出する工程を含むことによって、本発明は、感染したニワトリ胚の尿膜腔液からウイルスを回収する公知の方法を超える改善を提供する。
細片を含む尿膜腔液の画分のウイルスを抽出するための好ましい方法は、ウイルスを、非等張な濃度の一種またはそれ以上の塩を含む懸濁液中で解離させることである。とりわけ、尿膜腔液中の総塩濃度が約0.5Mまたはそれ以上かまたは尿膜腔液の1mLあたり同じ塩のモル比を有する一種またはそれ以上の塩を含む溶液を用いれば、ウイルスは細片から容易に解離する。とりわけ有用な溶液は、pHの範囲が3から10であって、総塩濃度(たとえば総NaCl濃度)が約1.0Mから約3.5Mのものを含むリン酸緩衝溶液である。解離したウイルスを懸濁液から回収することができる。回収には、第二の清澄な液体と第二の細片を含む画分を形成させる第二の清澄化が含まれ得る。ウイルスを回収する好ましい方法には、庶糖密度勾配上でウイルスを集中させることも含まれる。
いくつかの側面において、本発明は、一種またはそれ以上の塩を尿膜腔液に添加して、尿膜腔液中の総塩濃度を約0.5Mまたはそれ以上とし、次いで得られた液体からウイルスを回収することによって、ウイルスが感染したニワトリ胚の尿膜腔液からウイルスを回収する方法を提供する。塩を水溶液の形態で、例えば濃縮したリン酸緩衝食塩水(PBS)で添加することができる。一つの実施態様において、卵から尿膜腔液を除去する前に、塩を尿膜腔液に添加する。一種またはそれ以上の塩を添加した後、ウイルスを回収することには、細片を含む画分を形成させる清澄化工程が含まれ得る。細片を含む画分中に残存するあらゆるウイルスを抽出して、ウイルスの収率を最適化することができる。あるいは、塩で処理した尿膜腔液を、たとえば庶糖密度勾配分画によって直接処理してもよく、このとき、分画に付される液体の体積を少なくするために水を除去してもしなくてもよい。
特に好ましい実施態様において、一種またはそれ以上の塩溶液を尿膜腔液に添加して、尿膜腔液中の総塩濃度を約1.5Mまたはそれ以上とする。尿膜腔液のpHを調整したりまたは維持することもできる。pHの好ましい範囲としては、pH3.0からpH6.8またはpH6.8からpH9.8が挙げられる。尿膜腔液に塩を添加した後、遠心分離または濾過によって清澄化する。次いで、清澄な尿膜腔液について庶糖密度勾配分離を行って、ウイルスを集中させる。続いて、集中されたウイルスを勾配から単離する。
本発明の方法を用いて、ウイルスが感染したニワトリ胚で複製でき、尿膜腔液に存在する本質的にあらゆるウイルスを回収することができる。特に好ましいウイルスは、オルトミクソウイルス科、パラミクソウイルス科、フラビウイルス科、トガウイルス科、ラブドウイルス科、およびコロナウイルス科のファミリーの一員を含めたエンベロープを有するRNAウイルスである。実施例において示すように、本発明の方法によって、インフルエンザAウイルスおよびインフルエンザBウイルスの両方の回収率が相当程度改善される。
本発明のその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかになる。しかしながら、詳細な説明および特定の実施例は本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例証のみを目的として与えられたことを理解すべきである。というのは、本発明の精神および範囲の中での様々な変異および修飾は、この詳細な説明から、当業者にとっては自明となるだろうからである。
ひとつの側面において、本発明は、ウイルスが感染したニワトリ胚の尿膜腔液からウイルスを回収するための改善された方法を提供する。本方法は、尿膜腔液からのウイルスの収率を顕著に改善し、およびワクチン調製に有用な、高度に精製されたウイルス組成物、または派生したウイルスのサブユニット調製品を提供する。
本明細書および請求の範囲において用いられるように、「ウイルス」とはエンベロープを有するもの、好ましくは無傷であって感染性を有するウイルス粒子を意味し、たとえば周知の分割技術によって得られるようなウイルス断片、ウイルス成分および/または個々のウイルス抗原とは対立する意味である。本発明によるところのウイルスを回収した後、ウイルス粒子を容易に断片化することも、または分割することも許される。
本発明の方法は、天然のウイルスおよび遺伝子操作されたウイルスの両者に適用され、たとえば、WO99/66045号およびそれに対応する公報の米国公開公報第2003/0087417号に記載されている。
好ましい実施態様において、ワクチン作製のために最近制定されたガイドラインにしたがって、ウイルスが感染した尿膜腔液をニワトリ胚から調製する。一般に、この方法は9から12日齢の発育鶏卵を用いる必要があり、この卵は、腐敗した卵または無精卵を排除するために予め明りに透かして調べたものである。次いで、残りの卵の羊膜腔および/または尿膜腔に、ワクチンを望む、生きているウイルスの特定の株を接種する。この卵を通常、32から37℃で二日間または三日間インキュベートし、腐敗した卵を排除するために明りに透かして調べ、卵の液体を無菌で収穫する前に、次いで卵を約4から6℃の温度にて約24時間冷蔵する。そのようにして収穫された尿膜腔液は、高濃度の生きているウイルスを含む。この方法は、インフルエンザAおよびインフルエンザBのほとんどまたはすべての株を含めた様々なタイプのインフルエンザウイルスを作製することにとって特に有用である。
下記の実施例1で実証されるように、ウイルスが感染した尿膜腔液は高濃度の生きているウイルスを含んでいるが、そのウイルスの多くは線維状または粒状の細片と結び付いて(凝集して)おり、清澄化によって尿膜腔液から細片を通常のやり方で分離すると失われてしまう。本発明の方法は、細片からウイルスを解離するために塩濃度を上昇させて、解離したウイルスを回収することによって、尿膜腔液からのウイルスの収率の向上を提供する。どのような清澄化の前であっても、尿膜腔液内(感染した卵の中か、または卵から取り除かれた後の尿膜腔液の中のいずれか)の細片からウイルスを解離させることができる。実際のところ、いくつかの実例において、たとえば庶糖密度勾配での分離の前に、予備的な回収工程としての清澄化を不要にすることができる。あるいは、尿膜腔液を清澄化して細片を含む画分を形成させることができ、次いで細片を含むこの画分における細片からウイルスを解離することができる。細片から解離させた後、下記のような従来のウイルス精製技術を利用してウイルスを回収することができる。
凝集した細片からウイルスを解離させる好ましい方法は、細片と結び付いたウイルスを非等張な塩濃度の環境に置くことである。尿膜腔液の塩濃度とは明らかに異なる場合、この環境は、「非等張な」塩濃度と言われており、ここで、尿膜腔液の総塩濃度は約150mMである。非等張な塩濃度の具体例としては、たとえば、10mM以下、20mM以下、30mM以下、40mM以下、50mM以下、60mM以下、70mM以下、80mM以下、90mM以下、100mM以下、110mM以下、120mM以下、130mM以下、140mM以下、が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。この濃度は、尿膜腔液を水で希釈することによりもたらされる。リン酸緩衝食塩水などの等張塩溶液で希釈することは、尿膜腔液を非等張にすることにはならず、下記のように、細片からウイルスを解離させるという点で有用な効果がある。
非等張な塩濃度としては、たとえば、160mMまたはそれ以上、170mMまたはそれ以上、180mMまたはそれ以上、190mMまたはそれ以上、0.2Mまたはそれ以上、0.3Mまたはそれ以上、0.4Mまたはそれ以上、0.5Mまたはそれ以上、0.6Mまたはそれ以上、0.7Mまたはそれ以上、0.8Mまたはそれ以上、0.9Mまたはそれ以上、1.0Mまたはそれ以上、1.1Mまたはそれ以上、1.2Mまたはそれ以上、1.3Mまたはそれ以上、1.4Mまたはそれ以上、1.5Mまたはそれ以上、1.6Mまたはそれ以上、1.7Mまたはそれ以上、1.8Mまたはそれ以上、1.9Mまたはそれ以上、2.0Mまたはそれ以上、2.5Mまたはそれ以上、3.0Mまたはそれ以上、及び3.5Mまたはそれ以上、などの高張の塩濃度が挙げられ、遊離型の塩を直接添加することによって、または好ましくは濃縮した塩溶液を添加することによって達成してもよい。
すべての実施態様において、一種またはそれ以上の塩を尿膜腔液に添加して、凝集した細片からのウイルスの解離を成し遂げる。ウイルスの解離が一旦生じれば、ウイルスを含む溶液を希釈することができる。たとえば、ウイルスを回収する前に、より等張に再度近づける(すなわち高張性をより小さくする)ことができる。あるいは、塩の添加前または添加と同時に尿膜腔液を希釈することができる。したがって、希釈された溶液を濃縮して塩濃度を上昇させてもよく、それによってウイルスを回収する前に、凝集した細片からウイルスを解離させる。このような実施態様において、尿膜腔液の最初の量に対する塩の好ましいモル比が作り出される。
たとえば、下記の実施例10において、尿膜腔液の100mLのアリコートを、50mLの1×PBSを添加することによって希釈し、サンプルの体積を150mLとした。次いで、同量(150mL)の20×PBSをそのサンプルに添加し、最終的な体積の300mLを作製した。尿膜腔液および1×PBSのNaClの濃度は約0.15M(150mM)である。したがって、当初の尿膜腔液においては0.015モルのNaCl(0.1L×150mMのNaCl)が存在した。次いで、1×PBSで希釈することによって、0.0075モルのNaCl(0.05L×150mMのNaCl)を添加した。20×PBSの添加によって、0.45モルのNaCl(0.15L×3.0MのNaCl)が添加された。最終的な体積の300mLには、0.4725モルのNaCl(0.015+0.0075+0.45)が含まれていた。したがって、尿膜腔液に対する塩のモル比は、100mLの尿膜腔液あたり0.4725モル、すなわち1mLの出発原料の尿膜腔液あたり4.725ミリモルであった。尿膜腔液を0.5MのNaClに調整したので、調整された(全ての)体積に関わらず、モル比は1mLの出発原料の尿膜腔液あたり1.5ミリモルのNaClとなる。
好ましい塩は、人体用の医薬品に用いられる、一般的に安全とみなされているもの(GRAS)である。好ましい塩は塩化ナトリウムである。塩としては、一価の陽イオン、二価の陽イオンまたは多価の陽イオンの混合物から形成されるものもあり得、また塩としては硫酸アンモニウムを含めることも、またはこれだけを排除することもできる。したがって、KCl、LiCl、CaCl、MgClおよびその他の塩が塩の組み合わせとして考えることができる。その他の塩としては、種々の無機塩および有機塩(たとえば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなど)が挙げられる。濃度が高められた塩を用いて、凝集した細片からウイルスを解離させる実施態様において、本発明の方法で用いるために選択された塩は、所望の環境を付与するのに必要な高い濃度においても可溶性を保持する塩であるべきである。可溶性を保持したままで溶液のイオン性(浸透性)を実質的に上昇させることができるあらゆる塩が適している。このような塩としては、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムなどが挙げられる。
好ましい実施態様において、確立されたやり方で調製されたウイルスが感染した尿膜腔液を、得られた混合物が少なくとも0.5Mのモル濃度の塩を含むように、および最も飽和した状態ではより望ましくは1.0Mから3.5Mの範囲のモル濃度の塩を含むように、高濃度の塩を含む水溶液と混合する。たとえば、同量の尿膜腔液と塩溶液を混合することによって、または所望の塩濃度を与えるその他の任意の混合手段を用いることによって、通常、このことを成し遂げることができる。特定の実施態様において、塩溶液を添加する前に、卵から尿膜腔液を除去することができる。その他の実施態様において、塩溶液を、卵の内部の尿膜腔液に添加するか、またはバルクの尿膜腔液を集めた後で尿膜腔を洗浄するのに用いる。
好ましくは、たとえばリン酸塩緩衝システム(たとえば20から250mM)を常法で用いて尿膜腔液と塩との混合物も緩衝化して所望のpHを用意する。好ましいpHの範囲は、3.0から10.0である。pHを調整して、ウイルスに基づくウイルスの回収率を最大化することができる。濃縮された塩/供給源の混合物のpHを、与えられたウイルスのタイプまたはサブタイプにとって好ましい範囲内に調整することによって、収率をさらに高めることができる。好ましいpHの範囲は、3.0から10.0である。たとえば、非等張な環境のpHが6.8から7.1の範囲という比較的中性/わずかに酸性である場合、インフルエンザAのモスクワ株によってより高い収率が提供される。しかしながら、非等張な環境のpHレベルがより高く約8.4の場合、同じ塩の条件下において、インフルエンザBの特定の山梨株の収率はより高くなる。
細片からウイルスが解離する環境は、さらにEDTAなどの二価の陽イオンのキレート剤を含むことができる。キレート剤は、ウイルス粒子の沈殿または凝集に影響する二価の陽イオンを捕捉するという目的に適合する。したがって、二価の陽イオンは、力価の測定に対して見えなくなるか、またはワクチン作製段階のプロセスの間において用いられる不活性化の条件に関与することができなくなる。適切なキレート剤の濃度は、凝集したウイルス粒子の分離を促進する濃度である。EDTAのケースにおいて、適切な濃度は1.0mMから1.0Mの範囲内であり、最初の二価の陽イオンの濃度に左右される。単独のまたは組み合わさったその他の添加物としては、DTTなどの還元剤、ならびに非イオン性界面活性剤のTriton X−100およびPluronic F68などの湿潤剤が挙げられる。
上記のように、特定の実施態様において、ウイルスが感染したニワトリ胚からの尿膜腔液に一種またはそれ以上の塩を添加してその中の塩濃度を上昇させる。特定の実施態様において、これには、尿膜腔液と、(場合によりpHを調整し、および場合によりキレート剤を含んでもよい)濃縮した塩溶液との、便宜上室温(18から25℃)の混合物を必要とする。この混合物を撹拌してもよい。次いでこの混合物を冷蔵して、塩が沈殿すること無くウイルスの感染性を持続させ、および撹拌を行わない静置期間の間に、または望ましくは遠心分離もしくは濾過によって、ウイルスを含む懸濁液を形成させる。
次いで、要望の通りウイルスをさらに多くするために、ウイルスを含む上清またはろ液を処理する。通常、未加工の尿膜腔液について確立されたやり方で、次に勾配上または勾配内にウイルスを集中させる庶糖勾配遠心分離処理を上清について行う。集中したウイルスを勾配から回収することができ、ウイルスを含む画分を得る。一以上のプールされたウイルスを含む画分を、庶糖に基づく分離方法にしたがって得ることができ、濃縮されたウイルスの抽出物が形成される。このように濃縮されたウイルス抽出物について、高濃度の塩処理を行うことも可能であり、勾配精製によって一般的に誘導されるウイルスの凝集物を防止したり除去する。
本発明の方法が、特定のあらゆる分画方法または分離方法に限定されないことが理解されるべきであり、その代わりに尿膜腔液から精製ウイルスを得るのに有用な(サイズ排除クロマトグラフィー、遠心分離、濾過、溶媒抽出、イオン交換クロマトグラフィーなどを利用したものを含めた)その他のあらゆる分画方法または分離方法と共に、本発明の方法を適用することができる。さらに、一以上の得られるあらゆる画分を非等張とすることができ、ウイルスは溶液中で実質的に単分散の状態にあるという点で、それによってウイルスの回収方法が改善される。
特定の実施態様において、回収されたウイルスは不活性化されている。不活性化のプロセスは、ワクチン作製において既に確立された任意のものであってよく、ホルマリン固定、放射線照射、界面活性剤または溶媒による分割などが含まれる。
本発明を広範囲のウイルスの回収および精製に適用することができる。好ましい実施態様において、RNAゲノムを含むエンベロープを有するウイルスの回収に、この方法を適用する。このようなウイルスとしては、オルトミクソウイルス科(たとえばインフルエンザウイルス)、パラミクソウイルス科(たとえば、流行性耳下腺炎ウイルス、センダイウイルス、およびニューカッスル病ウイルス)、フラビウイルス科(たとえば日本脳炎ウイルスおよび黄熱病ウイルス)、トガウイルス科(たとえば風疹)、ラブドウイルス科(たとえば水疱性口内炎ウイルスおよび狂犬病ウイルス)、およびコロナウイルス科(たとえばニワトリ伝染性気管支炎ウイルスウイルス)のファミリーのものが挙げられる。特定の実施態様において、インフルエンザA、インフルエンザB、インフルエンザC、ニワトリインフルエンザウイルス、ウマインフルエンザウイルス、およびブタインフルエンザウイルスの株を含めたインフルエンザウイルスの回収に方法を適用する。
上記のように、本発明の特定の実施において、ウイルスを回収する前に尿膜腔液を希釈する。別の側面において、最初に清澄化した、得られた細片を含む画分を再懸濁し、高濃度の塩で処理して細片からウイルスを遊離させ、再度清澄化し、および得られた清澄な溶液を最初に清澄化した溶液に戻す。したがって、ウイルスを含む溶液の体積は、処理の間に増加し得る。
とりわけ庶糖密度勾配からウイルスを回収する場合、ウイルスを含む多量の溶液を扱う作業は面倒であり得る。ウイルスの有意な喪失を伴うこと無くウイルスを含む溶液の体積を減らす方法は、当分野において知られている。たとえば、ウイルスを含む溶液について、十字流濾過(TFF)またはダイアフィルトレーションを行ってもよい。TFFにおいて、溶液中のウイルスについて中空糸フィルターチューブを通過させるか、またはフィルター材のプレートを横切らせる。供給の流れおよび圧力が同じ方向である通常のフロー濾過とは対照的に、TFFは供給の流れと直交する圧力を基にしている。したがって、TFFにおいて、ろ液はチューブの膜を含む壁を通過し、一方残渣はチューブの通路から流れ落ちる。この方法の間に、溶液の体積を望みのままに少なくすることができる。
特定の実施態様において、ウイルスを含む溶液についてダイアフィルトレーションを行うことが望ましいであろう。ダイアフィルトレーションの間に、界面活性剤、タンパク質、または膜を自由に透過できるその他の溶質が溶液から除去される。一般に、ダイアフィルトレーションには二種類の通常モード:バッチと定体積がある。バッチでのダイアフィルトレーションの間に、多量の緩衝液または溶液が添加され、次いで残渣が濃縮される。定体積でのダイアフィルトレーションの間に、緩衝液または溶液が添加され、同じ速度でろ液が除かれる。
ウイルスを含む溶液のTFFまたはダイアフィルトレーションにおいて用いるための膜は市販されている(たとえばMILLIPORE社、ビルリカ、マサチューセッツ州)。好ましい実施態様において、膜のカットオフの範囲は100kDから0.05μmである。
特定の実施態様において、ウイルスによりコードされた一種以上のタンパク質の精製に、およびある場合には、感染された胎児性細胞によって尿膜腔液に分泌されたタンパク質の精製に、本発明を適用することができる。このタンパク質はウイルスタンパク質でもよく、または組み換えウイルスベクター内に含まれる異種遺伝子によってコードされたタンパク質でもよい。好ましい実施態様において、タンパク質を含む尿膜腔液に一種またはそれ以上の塩を添加して、細片からタンパク質を解離させる。あるいは、線維状の細片が結び付いたタンパク質を、たとえば遠心分離または濾過によって尿膜腔液から分離する。次いで細片を含む画分を非等張な塩濃度の状態にして、細片からタンパク質を解離させる。次いで、解離したタンパク質を標準的な技術を用いて精製する。
ヒヨコの尿膜腔液からインフルエンザウイルスを回収することに適用する場合、本発明は、所定のインフルエンザのワクチン作製の操作に必要とされる卵の数を大きく減少させる。このことは、次には毎年恒例のインフルエンザの季節の開始時において、ワクチンが不足する可能性を小さくする。様々な利点に、すべての仕事量をより少なくすることや、廃棄物の管理の問題を簡単にすることも含まれる。これらの利点のすべては、インフルエンザのワクチンの製造コストを有意に低下させる。
本発明の具体的な実施態様において、尿膜腔液からインフルエンザを抽出することに適用する時に、本発明の方法を以下の詳細な手順にて適用することができる。
高力価のインフルエンザウイルスのワクチン株を含む感染した尿膜腔液を、標準的な工業的手段の下で収穫する。直ちに処理するか、または更なる処理の前に、凍結状態(たとえば−70℃)で保存する。
処理を行う場合、液体の尿膜腔液を同量のリン酸塩緩衝化16から20%(w/v)のNaClで、精製するインフルエンザウイルスの株に応じて、通常は6.5から8.5の範囲のpHで処理する。ここで、EDTAなどのキレート剤またはその他の添加物を用いてもよく、用いなくてもよい。約5分間以上の適切なインキュベートの後、尿膜成分の中の線維状の細片からウイルスが解離し、庶糖勾配遠心分離によって溶液からウイルスを精製することができる。あるいは、一以上の清澄化工程を採用してもよい。特定の実施態様において、14,000×gまで、たとえば2,000から5,000×gの遠心分離によって、ウイルス調製品を清澄化する。この上清は、高濃度の塩処理が行われなかった上清よりも、生きているウイルスが明らかに濃縮されている。ペレット化した細片を場合により高濃度の塩を含む溶液で処理してもよく、それにより、混入した細片からは遊離しないかもしれないあらゆるウイルスが抽出される。
あるいは、尿膜腔液を清澄化して、清澄な液体の画分と細片を含む画分とを形成させてもよい。清澄化の好ましい方法としては、遠心分離および濾過が挙げられる。得られるペレットまたは濾過残渣を高濃度の塩溶液で懸濁または洗浄し、ウイルスを遊離させる。場合によりこれを貯蔵し、遠心分離またはその他の手段による清澄化を行ったまたは行っていないバルクの尿膜腔液に戻してもよい。
処理した上清の清澄さによって、庶糖勾配遠心分離によるさらなる精製が一般的に促進され得る。段階的なまたは連続した30から50%(w/v)の庶糖勾配が通常採用される。インフルエンザワクチンの製造業者は通常、連続フロー式の遠心分離の計画を採用している。
最後に、庶糖勾配から回収された生きているインフルエンザウイルスには通常、凝集した状態のウイルスが有意な割合で含まれる。単離された勾配の画分または画分のプールをリン酸緩衝化高濃度塩溶液またはその他の高イオン強度の溶液で、通常はpHが6.5から8.5の範囲でさらに処理して、凝集した状態の生きているインフルエンザウイルスを遊離させ、およびウイルスの収率を最大化する。このことは、HAの力価、感染性の評価、イムノアッセイおよび電子顕微鏡によって、モニターすることができる。
ウイルス調製品の精製後の処理によって、バラバラに解離したウイルス粒子の溶液、または理想的にはウイルス粒子が単分散した溶液が得られ、典型的に遭遇するものよりもはるかにロスを小さい状態で、これをさらに操作することができる。たとえば、勾配により精製されるウイルスのホルマリンによる不活性化は、ウイルス凝集物が存在するために、完全に効果的に行われない場合が多く、これにより生産物の大きなロスが導かれ、ホルマリン後の処理が必要となる。インフルエンザワクチンのケースにおいて、ホルマリン処理後に生きているウイルスが存在すると、エーテル抽出またはその他の操作を適用することが必要になる。高濃度の塩処理後に、ウイルス調製品をホルマリン処理することは、失敗の可能性がさらに小さく、および凝集による生産物のロスも大きく減少する。
本発明の方法の更なる利点は、尿膜腔液中の細片からウイルスを解離させることによって、純度が高い、すなわちその中に含まれる卵の成分による混入物が有意に少ないウイルスの在庫の回収につながることである。オボアルブミンなどの卵の成分は特定の個体においてアレルギー反応を引き起こす可能性があるので、本発明の方法によって、より純度が高いワクチンを供給できると考えられる。したがって、このワクチンを接種された個体において、アレルギー反応を引き起こす可能性は小さい。たとえば、尿膜腔液の細片から高濃度の塩処理によって解離されたインフルエンザウイルスを一回以上庶糖勾配分画することで、検出可能な量のオボアルブミンを含まない生産物を普通に満足して提供できる。
次の実施例を参照しつつ、本発明の実施態様を説明したい。これらの実施例は例証を目的とするためだけに示されるものであり、本発明の範囲を限定する意図はない。
インフルエンザが感染した尿膜腔液では、ほとんどのウイルスは高度に不溶性のウイルス/細片凝集物内に存在する。
遠心分離(Eppendorf微量遠心機、5,000RPMにて5分間)による清澄化を行っておよび行うこと無く、HA(終点決定)によって未処理の尿膜プールを分析した。
Figure 2006511240
表1は、遠心分離による清澄化によってHAの力価は通常のように四分の一に減少したが、減少の程度がはるかに大きいもの(Flu A/テキサス)が記録されたことを示す。全体としては、このデータから、尿膜プールに存在するインフルエンザの大部分は溶解性が低い形態であり、物理的な操作によって簡単に除去されることが示される。
尿膜腔液の処理により、可溶性インフルエンザウイルスの力価が上昇する。
インフルエンザウイルスA/モスクワが感染した未処理の尿膜腔液の80μLのアリコートを、80μLの3MのNaCl溶液と混合した。塩で処理したウイルスのサンプルおよびコントロールを時々撹拌させながら、氷上で15分間インキュベートし、次いで遠心分離(Eppendorf微量遠心管、最高速度にて30秒間)によって清澄化した。
HAアッセイ:50μLのリン酸緩衝食塩水(PBS)を含むウェルに50μLを移すことによって、それぞれの標本の上清からの100μLのサンプルを連続的に(2倍)希釈した。0.5%(v/v)のヒヨコのRBC浮遊液を同量(50μL)添加、混合して、室温で静置した(1から2時間)。それぞれの試験サンプルについて、希釈列において完全な血球凝集反応が観察された最後のウェルとして、終点のHAの力価を決定した。
例によって、表2に示されるように、コントロールに対して、塩で処理したFlu A/モスクワが感染した尿膜腔液のサンプルではHAの力価が四倍上昇したことが見られた。
Figure 2006511240
尿膜の細片の処理により、可溶性インフルエンザウイルスが遊離する。
1.5MのNaClをFlu AプールとBプールに添加した。コントロールのサンプルを0.15MのNaClで処理し、およびそれぞれの調製品を、時間に変化を付けて遠心分離に付し、ペレットに対して、上清に分配されたウイルスの量を評価した。
それぞれのウイルスサンプルを等分(2×300μL)し、および1倍量の3MのNaClまたは0.15MのNaCl(コントロール)と混合した。サンプルを混合し、および6×100μLに等分した。30分間のインキュベートの後、サンプルを10,000RPMにて0、2、4、または6分間(Eppendorf微量遠心機)の遠心分離に付し、および100μLの上清を回収してHAアッセイプレートに移した。ペレットを100μLの1.6MのNaCl内に再懸濁させ、2分間の遠心分離を行って、ペレットの洗浄液をHAアッセイプレートに移した。
表3および表4に、結果を要約する。数値は、HA単位/mLで表示したHAの終点である。
Figure 2006511240
Figure 2006511240
庶糖勾配により精製されるインフルエンザAウイルスにおけるウイルスの収率が、処理により大きく上昇する。
高濃度の塩処理のために尿膜腔液サンプルを遠心分離によって清澄化し、および10体積%の1.6Mの塩での洗浄を二回(一晩、次いで1時間)行って、細片ペレットからウイルスを回収した。洗浄液を再び清澄化し、次いで貯蔵して尿膜の上清と一緒に戻した。
目の粗いグラスファイバーの「デプス」フィルターを用いてコントロールのサンプルを清澄化し、ワクチン製造に通常用いられる方法を模倣した。濾過後のコントロールはわずかに濁っていた。1μmまたは0.45nmのフィルターを通過させる二回目の濾過は行わなかった。その結果、技術的に最悪のシナリオの場合の収率が得られる。
尿膜調製品のそれぞれを6mLの庶糖のステップ勾配にて分画し、17:1の付加比を達成した。尿膜のサンプルをいくつかのステップの勾配上に添加して、総合的な付加比を達成した。
Figure 2006511240
Figure 2006511240
すべてのケースにおいて、高濃度の塩で処理した供給源を用いた場合のウイルスのピークは非常に鋭く、この処理を行わなかった場合のピークは明らかにより小さく、はるかにブロードなものであった。処理を行ったものおよび行わなかったものの典型的な庶糖勾配特性の具体例を、図1に示す。
庶糖勾配により精製されるインフルエンザBウイルスにおけるウイルスの収率が、高濃度の塩処理により大きく上昇する。
インフルエンザBウイルスの尿膜腔液のサンプルを、インフルエンザAについての上記の例と同様に処理した。目の粗いグラスファイバーのフィルターを用いて、コントロールのサンプルを再度清澄化した。尿膜調製品のそれぞれを6mLの庶糖のステップ勾配にて分画し、17:1の付加比を達成した。
Figure 2006511240
高濃度の塩処理によってウイルスの感染価は低下しない。
勾配により精製される、高濃度の塩処理を行った/行わなかったインフルエンザ調製品をTCID50によって評価して、ウイルスの感染性に及ぼす処理の影響を評価した。ウイルス調製品を等分し、およびそれぞれのアリコートの一つを3MのNaCl溶液と1:1で混合した。サンプルを氷上で1時間インキュベートし、次いで6,000RPMにて5分間(Eppendorf微量遠心機)の遠心分離によって清澄化した。感染用の培地で上清を連続的に希釈し、および96ウェルのアッセイプレート内のMDCK細胞に添加した。それぞれのウェルのCPEおよび/またはHAの状態を利用して感染の存在を記録した。ReedおよびMuenchの方法(Amer. Jour. Hygiene, 27: 493−497, 1938)を利用して感染価を計算した。
Figure 2006511240
表8は、高濃度の塩処理が、生きているウイルス株の力価に悪影響を及ぼさなかったことを示す。したがって、高濃度の塩処理を、ウイルス粒子の破壊を伴うことなく、尿膜またはその他のウイルスのフィードストックに適用することができる。
HAアッセイ、感染価およびイムノアッセイからのインフルエンザの回収データのすべては相互に関連を有する。
庶糖勾配精製後に回収され、およびHAアッセイによって力価を求めたインフルエンザA/Bのプールの画分について、光学的イムノアッセイ(OIA、Thermo BioStar社)を行った。
Figure 2006511240
それぞれの勾配画分のサンプルをPBSで1:10、1:100および1:400に希釈し、次いで100μLのアリコートを、破壊用の薬剤を含むBioStarのサンプル管に添加した。Biostarキットの取扱説明書にしたがって評価を行い、キットに添付された階級に応じて色度の強さをランク付け(1から7)した。
Figure 2006511240
血球凝集反応の評価は、ウイルス/株に感受性であり、その評価のすべてが赤血球に対するウイルス粒子の比率に関連している。したがって、HAは調製品内のウイルス粒子数を反映する。Thermo BioStar社のFlu OIA試験は、インフルエンザの核タンパク質の存在を知らせる迅速なイムノアッセイであり、それゆえに、ウイルス粒子の存在が推測される。OIAの色度の強さの結果は、測定されたHAの力価と関連があった。
庶糖勾配精製後に回収され、およびHAアッセイによって力価を求めたインフルエンザA/Bのプールの画分について、TCID50による評価も行った。
Figure 2006511240
HAの最も高い力価には最も高い感染価が対応し、HAの最も低い力価には同様に最も低い感染価が該当するという、評価間の相関性が存在した。比較を容易にするために、測定された内で最も低い記録に関連した、HAの力価の比およびTCID50力価の比を計算した。
処理されたインフルエンザウイルスは無傷のままである。
塩で処理したピーク勾配での画分対インフルエンザのコントロールの調製品の比較を行う、予備的な透過型電子顕微鏡(TEM)での研究を実施した。ホルムバーで被覆した銅製のTEM標本グリッドを、インフルエンザA/ニューカレドニアの勾配での画分の液滴(50μL)上に浮かべ、および室温で15分間かけてサンプルを吸着させた。グリッドをPBSで二回洗浄し、0.1%のグルタルアルデヒドを含むPBSで固定(5分間)し、次いで0.2μmのもので濾過したWFI水で二回洗浄し、および2%のリンタングステン酸で1分間かけてネガティブ染色を行った。標本を風乾させ、次いでHitachi社のH−7000透過型電子顕微鏡上で75kVの加速電圧を採用して検査した。画像を12ビットのグレイスケールに圧縮された形で電子的に獲得した。Hamamatsu社のORCA HR CCDカメラ(AMT XR−60画像化システム)を用いたTIFフォーマットであった。
勾配分画の前に高濃度の塩で処理した調製品内のウイルス粒子を観察し、および形態上は無傷のままであり、非処理コントロールと同様に見えた。ビリオンは無傷のエンベロープ(これはネガティブ染色が浸透できない)と突き出た表面スパイクを有していた。処理された調製品およびコントロールの調製品の両方において、球形のビリオンの形態および多形性のビリオンの形態が観察された。
多くの場合、コントロールの調製品におけるビリオンは細片と結び付いており、および/またはメッシュ状の線維状の混入物と結合していた。繊維状の混入物は、ネガティブ染色によって、ビリオンの周囲に濃縮されているかまたはビリオンを封入しているように見えた。対照的に、塩で処理した調製品におけるビリオンの大部分は単分散の状態であった。さらに、塩で処理した調製品において、混入した線維状のマトリックスの性質は変化しているように見え、および線維状のマトリックスとビリオンとの間には明白な関連性は無かった。
屈折計による勾配のピーク分析から、ウイルスの密度は処理によって変化しないことが示される。
HAの分析によって特徴付けられる勾配での画分を、光学屈折計によって分析し、これに付随してHA活性のピークに対応した密度を測定した。Misco社のPalm AbbeモデルPA200を用いて、それぞれの勾配での画分についての屈折率を測定し、庶糖溶液についての標準的な参照表を用いて次々に密度の値に変換した。
Figure 2006511240
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インフルエンザA/テキサスの庶糖勾配およびインフルエンザB/香港の庶糖勾配についての屈折率のデータを、表12および表13に要約している。それぞれの実験操作についておよび両方の試験ウイルスについて、塩で処理したHAのピーク画分の密度対コントロールの尿膜標本のそれとは密接な相関性が存在した。
ウイルスを含む尿膜腔液を処理前に希釈することによってウイルスの収率が上昇する。
尿膜のウイルス調製品(インフルエンザB/山梨およびインフルエンザA/モスクワ)のそれぞれは、勾配精製のための四つの試験サンプル(それぞれ100mL)を含んでいた。コントロールを濾過(シリーズA)するか、またはグラスファイバー製のデプスフィルター(シリーズB)を通して清澄化した。処理したサンプルに0.5体積のPBSを添加して予め希釈してサンプルの体積を150mLとし、次いで同量(150mL)の20×PBSを添加して1時間から一晩4℃にてインキュベートした。カットオフが500kdaの中空糸フィルターを用いて、処理したこれらのサンプルを100mLまで再濃縮して清澄化しなかったもの(シリーズC)または低速度の遠心分離によって清澄化したもの(シリーズD)のいずれかとした。すべてについて庶糖勾配精製を行い、分画してHAアッセイによって評価した。
結果を表14および表15に要約する。
Figure 2006511240
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コントロールのサンプルからは、濾過によって清澄化されたか否かに拘わらず、試験された各ウイルスについてほぼ同じは単位の量が得られた。勾配での分離前に濾過を行わなかったコントロールには、大きなペレットがあった。
対照的に、希釈に次いで塩で処理した調製品からは、非処理コントロールよりもはるかに高いHAの力価が得られた。清澄化は、ウイルスのバンド形成には必須ではなく、清澄化によって最も高い収率が得られた。塩処理後に清澄化することによって除去されたウイルスは、最適な程度にまで回収されなかった。したがって、収率は清澄化しなかったサンプルよりも低い。しかしながら、コントロールと比較すれば、予め希釈して塩で処理することによって、勾配で分離する前の清澄化に関係なく、収率はさらに顕著に改善した。表14は、インフルエンザB/山梨について、濾過したコントロール(シリーズA)と比較しての収率は、それぞれ清澄化しなかった試験サンプル(シリーズC)において213倍上昇して清澄化した試験サンプル(シリーズD)において5倍上昇したことを示す。表15は、インフルエンザA/モスクワについて、濾過したコントロールと比較しての収率は、それぞれ清澄化しなかった試験サンプルにおいて1,234倍上昇して清澄化した試験サンプル45倍上昇したことを示す。
塩濃度を上昇させることを利用して尿膜腔液からウイルスを回収するという本発明の手法についての上記具体例を、塩濃度が、尿膜腔液のタンパク質(およびそれに関連するウイルス)が沈殿しない程度に高くなく、尿膜腔液細片からウイルスが解離する役割を最適化できない程度に低くならないように、体積/塩の含有量を調整することによって容易に最適化できることは明白である。塩処理が行われる、プールされた尿膜腔液の予備的な分析を行い、プールされた溶液の体積をこれらの最初の試験に基づいて調整することにより、このような最適化の手段が容易に実施される。このように、バッチ間の尿膜腔液のタンパク質の変化が、およびおそらく株間の尿膜腔液のタンパク質の変化さえも考慮に入れられる。
本明細書に開示され、および権利が主張された組成物および/または方法のすべてを、本開示に照らして過度の実験を伴うこと無く、作製しおよび実施することができる。本発明の組成物および方法を好ましい実施態様の点から記述してきたが、本発明の概念、精神および範囲から逸脱すること無く、本明細書に記述された方法の工程または工程の配列において、変形物を組成物および/または方法に適用してもよいことは、当業者であれば自明である。さらに具体的には、化学的および生理学的の両方に関連する特定の薬剤を、本明細書に記述され、それと同時に同一のまたは同様の結果が達成できるであろう薬剤に置換してもよいことは自明である。当業者にとって自明のこのような同様の置換および修飾は、添付された請求の範囲に規定されたように、本発明の精神、範囲および概念の範囲内であると看倣される。同様に、上の例示的な実施例はすべてインフルエンザAおよびBウイルスの種々の株が増殖した尿膜腔液からの収率の改善に関するものであるが、本発明の方法は、ウイルスが感染したニワトリ胚の尿膜腔液中に通常のように増殖した他のエンベロープウイルスについて、容易に適用することができる。実際、卵中に増殖したウイルスの使用における、本発明の実施に伴う収率の強化は、選択の一つの方法として、哺乳動物細胞での増殖に対する標準的な適合がなされれば、哺乳動物の細胞培養により増殖したウイルスについても可能にしよう。
本明細書の全体を通して引用された参考文献は、それらが提供するところの典型的な処置または本明細書に示されたそれらを補充するその他の詳細事項の範囲まで、そのすべてが参照により本明細書に具体的に組み込まれる。
清澄化した尿膜腔液からのペレットを1.6MのNaClを含む溶液で処理することにより、収率が上昇し、庶糖勾配における位置がより集中される。

Claims (40)

  1. (a)一種またはそれ以上の塩を尿膜腔液に添加して、尿膜腔液中の総塩濃度を約0.5Mまたはそれ以上とする工程;および
    (b)得られた液体からウイルスを回収する工程、
    を含む、ウイルスが感染したニワトリ胚の尿膜腔液からウイルスを回収する方法。
  2. 塩が、卵から尿膜腔液を除去する前に尿膜腔液に添加される、請求項1に記載の方法。
  3. 回収工程(b)が、工程(a)の尿膜腔液を遠心分離によって清澄化し、細片を含むペレットとウイルスを含む上清とを形成させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 総塩濃度が0.5Mまたはそれ以上の溶液内にペレットを懸濁させることによってペレットからウイルスを解離させる工程、および得られた懸濁液からウイルスを回収する工程をさらに含む、請求項3に記載の方法。
  5. 回収工程(b)が、工程(a)の尿膜腔液を濾過によって清澄化し、ウイルスを含むろ液と細片を含む濾過残渣とを形成させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 工程(b)が、工程a)の尿膜腔液の庶糖密度遠心分離にて、密度勾配の範囲内にウイルスを集中させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
  7. ウイルスがエンベロープを有するウイルスである、請求項1に記載の方法。
  8. エンベロープを有するウイルスがRNAゲノムを含む、請求項7に記載の方法。
  9. エンベロープを有するウイルスが、オルトミクソウイルス科(orthomyxoviridae)、パラミクソウイルス科(paramyxoviridae)、フラビウイルス科(flaviviridae)、トガウイルス科(togaviridae)、ラブドウイルス科(rhabdoviridae)、およびコロナウイルス科(coronaviridae)からなる群より選択されるウイルスファミリーの一員である、請求項8に記載の方法。
  10. ウイルスがインフルエンザウイルスである、請求項9に記載の方法。
  11. ウイルスがインフルエンザAウイルスである、請求項10に記載の方法。
  12. ウイルスがインフルエンザBウイルスである、請求項10に記載の方法。
  13. 前記一種またはそれ以上の塩を添加する前に、尿膜腔液を希釈する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  14. ウイルスがインフルエンザAのモスクワ株である、請求項11に記載の方法。
  15. 工程(a)における総塩濃度を約1.0Mから約3.5Mとする、請求項1に記載の方法。
  16. 前記一種またはそれ以上の塩が塩化ナトリウムを含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記一種またはそれ以上の塩がリン酸緩衝溶液中に含まれている、請求項1に記載の方法。
  18. 尿膜腔液のpHをpH3から10の範囲に調整するかまたは維持する、請求項1に記載の方法。
  19. ウイルスが感染したニワトリ胚の尿膜腔液からウイルスを回収する方法において、尿膜腔液を清澄化して清澄な液体の画分と細片を含む画分とを形成させ、細片を含む画分からウイルスを抽出する工程を含む改善方法。
  20. 前記抽出工程が:
    (a)細片を含む画分と結び付いたウイルスを、その中の総塩濃度が非等張である一種またはそれ以上の塩の溶液によって懸濁液中で解離させる工程;および
    (b)解離したウイルスを懸濁液から回収する工程、
    を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記抽出工程が:
    (a)細片を含む画分と結び付いたウイルスを、細片を含む画分中の総塩濃度が約0.5Mまたはそれ以上である一種またはそれ以上の塩の溶液によって懸濁液中で解離させる工程;および
    (b)解離したウイルスを懸濁液から回収する工程、
    を含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記清澄化が遠心分離を含み、および前記細片を含む画分が遠心分離ペレットを含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記清澄化が濾過を含み、および前記細片を含む画分が濾過残渣を含む、請求項21に記載の方法。
  24. 懸濁液を清澄化して、第二の清澄な液体と第二の細片を含む画分とを形成させることによって、ウイルスを懸濁液から回収する工程をさらに含む、請求項21に記載の方法。
  25. 庶糖密度勾配上に集中させることによって、ウイルスを第二の清澄な液体から回収する工程をさらに含む、請求項24に記載の方法。
  26. ウイルスがエンベロープを有するウイルスである、請求項21に記載の方法。
  27. エンベロープを有するウイルスがRNAゲノムを含む、請求項26に記載の方法。
  28. エンベロープを有するウイルスがオルトミクソウイルス科(orthomyxoviridae)、パラミクソウイルス科(paramyxoviridae)、フラビウイルス科(flaviviridae)、トガウイルス科(togaviridae)、ラブドウイルス科(rhabdoviridae)、およびコロナウイルス科(coronaviridae)からなる群より選択されるウイルスファミリーの一員である、請求項27に記載の方法。
  29. ウイルスがインフルエンザウイルスである、請求項28に記載の方法。
  30. ウイルスがインフルエンザAウイルスである、請求項29に記載の方法。
  31. ウイルスがインフルエンザBウイルスである、請求項29に記載の方法。
  32. 前記一種またはそれ以上の塩を添加する前に、尿膜腔液を希釈する工程を含む、請求項21に記載の方法。
  33. ウイルスがインフルエンザAのモスクワ株である、請求項30に記載の方法。
  34. 前記懸濁液における前記総塩濃度を約1.0Mから約3.5Mとする、請求項21に記載の方法。
  35. 前記一種またはそれ以上の塩が塩化ナトリウムを含む、請求項34に記載の方法。
  36. 尿膜腔液のpHをpH3から10の範囲に調整するかまたは維持する、請求項21に記載の方法。
  37. a)一種またはそれ以上の塩を尿膜腔液に添加して、尿膜腔液中の総塩濃度を約1.5Mまたはそれ以上とする工程;
    b)遠心分離または濾過によって尿膜腔液を清澄化する工程;
    c)清澄な尿膜腔液について庶糖密度勾配分離を行って、密度勾配の範囲内にウイルスを集中させる工程;および
    d)集中させたウイルスを勾配から単離する工程、
    を含む、ウイルスが感染したニワトリ胚の尿膜腔液からインフルエンザウイルスを回収する方法。
  38. 工程a)の尿膜腔液のpHをpH3.0からpH6.8の範囲に調整するかまたは維持する、請求項37に記載の方法。
  39. 工程a)の尿膜腔液のpHをpH6.8からpH9.8の範囲に調整するかまたは維持する、請求項37に記載の方法。
  40. 遠心分離から得られたペレットまたは濾過から得られた残渣を塩溶液中に懸濁させて、約1.5Mまたはそれ以上の総塩濃度とする工程をさらに含む、請求項37に記載の方法。
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