JP2006507510A - 組織低酸素症の体液マーカー - Google Patents
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Abstract
Description
慢性心不全(CHF)は、高齢化が進んだ産業社会においてますます重大なヘルスケア問題となっている代表的な臨床症候である。心不全の場合の入院率は、過去20年間にわたり顕著に増加しており、CHFは予後不良であり、クオリティーオブライフが低い。CHFの直接費は、ヘルスケア支出のおよそ1〜2%にのぼり、その大半が入院関連である。
虚血性心疾患は、先進国における重大な健康負担であり、その主要な原因はアテローム性動脈硬化症である。マクロファージ及び他の細胞とともに、脂質、特に酸化又は変性したLDLが蓄積することによって、プラークが成長し不安定となる。
酸素調節タンパク質ORP150は、元来、低酸素状態にした星状細胞からクローニングされたシャペロン小胞体関連タンパク質である(Kuwabara,ら、J Biol Chem 1996;271:5052−32)。ラット星状細胞、ヒト大動脈心筋細胞及び単核白血球においてこのタンパク質を誘導したところ、低酸素症に対して特異性を示したが、グルコース欠乏、過酸化水素、ツニカマイシン又は熱ショック等の他のストレス性刺激に対しては特異性を示さなかった(Kuwabara,ら、J Biol Chem 1996;271:5052−32;Tsukamoto,ら、J.Clin Invest 1996;98:1930−41)。さらに、ヒトアテローム性動脈硬化病巣から調製した組織抽出物において調べたところ、ORP150のmRNA及びタンパク質発現が増加しており、ほとんどのmRNAがマクロファージで観察された(Tsukamoto,ら、J.Clin Invest 1996;98:1930−41)。ORP150は、アテローム性動脈硬化症の血管壁の細胞において分子シャペロンとして機能し、低酸素症が起こっている細胞の小胞体(ER)に主に存在すると思われる(Tsukamoto,ら、J.Clin Invest 1996;98:1930−41)。血管疾患の危険因子として知られている酸化又はアセチル化低密度リポタンパク質(LDL)が存在する場合、その発現がさらに促進され得る(Tsukamoto,ら、J.Clin Invest 1996;98:1930−41)。アンチセンスオリゴヌクレオチドでその発現を低下させると、低酸素による損傷に対する単核食細胞の感受性が高まることから、その機能には、低酸素症により誘導される損傷に対する保護効果が含まれている(Tsukamoto,ら、J.Clin Invest 1996;98:1930−41)。
前記試料中の酸素調節タンパク質(ORP150)又はその断片のレベルを測定するための1つ又は複数の試薬と、
を含む、前記哺乳類対象における組織低酸素症若しくは組織低酸素症の徴候となる臨床症候をスクリーニングし、診断し、若しくは予後診断し、前記哺乳類対象における組織低酸素症もしくは組織低酸素症の徴候となる臨床症候の段階もしくは重篤度を決定し、前記哺乳類対象が組織低酸素症もしくは組織低酸素症の徴候となる臨床症候を発症するリスクを同定し、又は組織低酸素症もしくは組織低酸素症の徴候となる臨床症候を有する哺乳類対象に与えた治療の効果をモニタリングするためのキットも提供される。
ここで、次の非限定例において、本発明をより詳しく説明する。以下、添付の図について説明する。
心エコー検査により左心室の収縮機能障害(左室(LV)駆出分画<45%)が認められた120名の心不全患者を調べた。さらに373名の心筋梗塞の患者も集めた。3種類の標準的基準、即ち適切な症候群、梗塞の急性のECG変化(ST上昇、新しいLBBB)及びクレアチンキナーゼ(CK)が、正常値の上限値の少なくとも2倍である、つまり>400IU/Lである、という基準のうち少なくとも2つを伴って現れるものとして、急性心筋梗塞を定義した。心筋梗塞患者177名も、心エコー検査により調べ、収縮機能を正常、軽度、中度又は重度として分類した。年齢及び性別構成について適合させた、LV駆出分画が>50%である正常対照を、広告により地域集団から集めた。全対象者からこの研究への参加に対するインフォームドコンセントを得て、地域のEthics Committee(倫理委員会)から承認を受けた。
指標となる入院からの退院後の原因を問わない死亡率及び心臓血管の罹患率(心不全による再入院)としてエンドポイントを定義した。フォローアップ中に死亡した患者の検閲後に死亡以外の全エンドポイントに対する多変量解析を行った。
健常者及び心不全患者の場合は、15分間ベッドで休息を取らせた後に、末梢血管血液20mlを、500IU/mlのアプロチニンが入った、予め冷やしておいたNa−EDTA(1.5mg/ml 血液)試験管に採取した。心筋梗塞患者の場合は、症候群発症後、72〜96時間の間に1回血液試料を採取した。4℃にて3000rpmで15分間遠心を行った後、血漿を分離し、アッセイを行うまで−70℃に保存した。アッセイ前に、C18 Sep−Pak(Waters)カラムで血漿を抽出し、遠心エバポレーターで乾燥させた。心不全患者から尿検体もいくつか回収した。これらも上述のようにC18 Sep−Pak(Waters)カラムで抽出した。
MRC Toxicology Unit,University of Leicesterにおいて、ヒトORP150配列のN末端ドメインに相当するペプチド(アミノ酸33−45)(LAVMSVDLGSESM)(Ikeda,ら、Biochem Biophys Res Commun 1997;230:94−9)を合成した。アミノ酸1−32は、本タンパク質に対するシグナル配列を表し、成熟ORP150タンパク質には存在し得ない。本配列のC末端に付加させたシステインへのマレイミドカップリングによりキーホールリンペットヘモシアニンと共役させたこのペプチドをウサギに対して、毎月注射した。血清由来のIgGを、プロテインAセファロースのカラムで精製した。上記ペプチドも、ビオチン−マレイミドを用いて、NaH2PO4を100、EDTAを5(単位はmmol/l)含有する、pH7.0のバッファー中で、2時間、ビオチン化した。過剰なシステインで反応停止させた後、アセトニトリル勾配を用いてHPLCにより、得られたトレーサーを精製した。あるいは、C又はN末端にビオチン化アミノ酸を取り込んで上記ペプチドを合成し、トレーサーとして使用することが可能であろう。血漿抽出物及び標準は、NaH2PO4 1.5、Na2HPO4 8、NaCl 140、EDTA 1(単位はmmol/l)及びウシ血清アルブミン 1、アジド 0.1(単位はg/l)から成るILMA(免疫発光アッセイ)バッファーを用いて再調製した。ELISAプレートを、0.1mol/lの重炭酸ナトリウムバッファー、pH9.6 100μl中の抗−ウサギIgG(Sigma Chemical Co.,Poole,UK)100ngで被覆した。次に、重炭酸バッファー中の0.5%ウシ血清アルブミンでウェルをブロッキングした。このウェル中の標準物質又は試料とともにIgG 200ngをプレインキュベーションすることにより、競合的免疫反応アッセイを開始した。一晩インキュベーションを行った後、希釈したビオチン化ORPペプチドトレーサー 50μl(保存溶液中2μl/ml又は総量100−500fmol)を、このウェルに添加した。4℃にてさらに24時間インキュベーションを行った後、ウェルを洗浄バッファー(NaH2PO4 1.5mmol/l、Na2HPO4 8mmol/l、NaCl 340mmol/l、Tween 0.5g/l、アジ化ナトリウム 0.1g/l)で3回洗浄した。メチル−アクリジニウムエステル(MAE)で標識したストレプトアビジンを、記載されているように合成した(Ngら、Clinical Science 2002;102:411−416)。ストレプトアビジン−MAE(500万相対発光ユニット/ウェル)を含有するILMA 100μlとともにウェルを2時間インキュベーションした。さらに洗浄を行った後、1M 硝酸(H2O2とともに)100μl及び、次に、NaOH 100μl(臭化セチルアンモニウムと共に)を連続して注入して、Dynatech MLX Luminometerにおいて化学発光を検出した。検出の下限値(ペプチド濃度0における標準偏差の3倍として定義)は、試験管あたり9.8fmol又は抽出した血漿中98fmol/mlであった。アッセイ内の変動係数は、2、30、500fmol/試験管に対してそれぞれ、3.1、4.3及び5.9%であった。ANP、BNP、N末端プロBNP又はCNP等の心不全において上昇することが既に明らかとなっているペプチドとの交差反応性はなかった。
N末端プロBNPに対するアッセイは、Karl,ら、Scand J Clin Lab Invest Suppl 1999;230:177−181により記載されている非競合N末端プロBNPアッセイに基づくものであった。ウサギポリクローナル抗体は、ヒトN末端プロBNPのN末端(アミノ酸 1−12)及びC末端(アミノ酸 65−76)に対して作製された。血清由来のIgGをプロテインAセファロースカラムで精製した。C末端に向けられた抗体(各ELISAプレートウェルに対して、100μL中0.5μg)を、捕捉抗体として用いた。N末端抗体をアフィニティ精製し、ビオチン化した。分注した試料(20μl)又はN−BNP標準物質を、C末端抗体で被覆したウェル中で、4℃にて24時間、ビオチン化した抗体とともにインキュベーションした。洗浄後、メチル−アクリジニウムエステル(ストレプトアビジン−MAE、5x106相対発光ユニット/ml)で標識したストレプトアビジン(Ngら、Clinical Science 2002;102:411−416)を、各ウェルに添加した。既に述べたようにしてDynatech MLX Luminometerでプレートを読み取った(Ngら、Clinical Science 2002;102:411−416)。検出の下限値は、非抽出血漿で5.7fmol/mlであった。アッセイ内、及びアッセイ間において、変動係数は、それぞれ2.3%及び4.8%で、許容範囲内であった。ANP、BNP又はCNPとの交差反応はなかった。
300x7.8mm Bio−Sep SEC S2000カラム(Phenomenex,Macclesfield,Cheshire,UK)において、移動相として、50mmol/l NaH2PO4(pH6.8)を用いて、流速1ml/分で、血漿抽出物を定組成サイズ排除クロマトグラフィーにより分画した。分子量を決定するために使用した標準物質には、IgG(150kD)、BSA(68kD)、オボアルブミン(44kD)、ダイズトリプシン阻害剤(20kD)、アプロチニン(6.5kD)及びトリプトファン(204D)(Sigma Chemical Co,Poole,UKより)が含まれていた。上記のように、ORP150に対するアッセイを行う前に、20秒ごとに回収した分画を遠心エバポレーターで乾燥させた。
SPSS Version 11.0(SPSS Inc,Chicago,MI)を用いて統計解析を行った。平均値±SEM又は非ガウス分布のデータに対する中央値(範囲)としてデータを表し、それを解析前に対数変換した。連続型変数に対して、一元配置分散分析(ANOVA)を用いた。複数の独立変数の相関は、一変量の一般線形モデル法(General Linear Model法)を用いて、報告された最小有意差P値により求めた。ピアソン(Pearson)相関分析を行い、中央値、四分位間範囲を表すボックス及び2.5thから97.5th百分率を表すひげ(whisker)から成るボックスプロットを構築した。Kaplan Meierの生存時間解析を用いて、MI後の重症度分類におけるペプチドレベルの有用性について調べた。
ORP150アッセイの性能
ORP150ペプチドに対する典型的な標準曲線を図1で示すが、ここでは、本ペプチドの濃度が増加するに従い化学発光が低下することが示されている。約300fmol/試験管において、トレーサー結合変換の半分が起こった。心不全患者の血漿及び尿抽出物の希釈物は、標準曲線との並行性を示した。検出の下限値は9.8fmol/試験管であった。
ORPに対する特異的なイムノアッセイにより、血漿及び尿中においてこのペプチドの存在が検出された。ORP150が小胞体関連タンパク質であるため、この発見は予想外のものである。さらに、血漿における免疫反応性が、いくつかの分子量体由来であることから、ORP150の断片がエピトープ特異的抗体を用いて検出され得ることが示唆される。
健常者、心不全(HF)患者及び心筋梗塞(MI)患者の特徴を表1に示す。これらの群は性別についてよく適合していた。健常者及びHF群は、年齢について適合していたが、MI群は他の群よりも年齢層が高かった(P<0.001)。解析前に、対数変換によりペプチドレベルを正規化した。図3は、健常者、HF患者群及びMI患者群におけるN−BNP及びORP−150レベルを示す。ANOVAにより、LogN−BNP(P<0.0005)及びLogORP−150(P<0.0005)における差が、上記3群の間で明らかとなった。N−BNPの場合、HF患者及びMI患者両方のレベルが健常者よりも高かった(P<0.0005、多重比較のためにTukey検定を使用。)が、HF及びMI群におけるレベルは同程度であった(Pは有意ではない)。ORP150の場合、HF患者及びMI患者両方のレベルが健常者よりも高かった(P<0.0005、多重比較のためにTukey検定を使用。)。HF群におけるレベルはまた、MI群におけるレベルよりも有意に高かった(P<0.0005)。
正常群中では、N−BNPが年齢に依存して変化していた(相関係数 r=0.438、P<0.0005)。しかし、ORP150は、年齢に対して有意に相関しなかった。正常群とHF群を合わせた場合も、N−BNPは、年齢に相関していた(r=0.306、P<0.0005)が、ORP150の年齢との相関性は小さかった(r=0.138、P<0.02)。
従って、pが0.102より大きい場合、HFは、95%の敏感度及び68.3%の特異度で検出される。このアルゴリズムにより、本ペプチドのうちいずれか単独の場合よりも高い特異度で心不全が検出できることに留意すること(敏感度95%で、N−BNP及びORP150に対する特異度は、それぞれ40.6%及び39.4%のみ。)。
これらの知見から、N−BNP及びORP150の両方がHFにおいて上昇しているが(そしてHFの重症度も上昇している。)、N−BNPが対象者の年齢及び性別からより大きな影響を受けていることが示唆される(年齢が高くなり、及び女性である場合、高値を示す。)。一方、ORP150は、年齢に依存する要素がなく、性別によりわずかに影響を受けた。両ペプチドとも、HFの同定に有用であったが、これら2種類のペプチドを組み合わせると、HFの診断においてさらに可能性が広がる。
心筋梗塞(MI)群の患者の特徴を表1に示すが、性別は適合していたが年齢層が正常群よりもわずかに高くなった(p<0.0005)。N−BNP及びORP150両方とも、心筋梗塞から2−3日後に得た血漿中のレベルが上昇していた(両方に対してP<0.0005、図3)。N−BNPのレベルは、ピークのクレアチンキナーゼレベルと相関していた(r=0.24、P<0.0005)ことから、梗塞の大きさとの関係が示唆される。しかし、ORP150レベルは、ピークのクレアチンキナーゼレベルと有意な相関関係がなかった(r=0.05、Pは有意でない。)
原因を問わない死亡率及びMI後の心不全を伴う再入院率について検討して、これらの転帰の予測におけるORP150の有用性を調べた。退院後の平均のフォローアップ期間は、426日であり、5−764日の範囲であった。367例のうち、フォローアップ期間中に死亡例が39例あった。また、心不全による再入院も22例あった。
心筋梗塞で見られるように、血漿ORP150レベルは、虚血性心疾患において上昇する。一方、N−BNPもこれらの患者において上昇しているが、年齢、LV機能不全、症候及び徴候(Killipクラスにより判定)並びに腎臓機能に対するORP150レベルの依存度は、N−BNPよりも低い。両ペプチドとも、心筋梗塞による指標となる入院後の死亡又は心不全による再入院等の優れた転帰予測因子である。特に、両ペプチドを組み合わせると、心筋梗塞後の重症度分類にとりわけ有用であり得る(死亡の予測)。
上記のデータから、ORP150がヒト血漿に分泌され、尿中でも検出できることが示される。体液中にORP150の断片があり得る。ORP150のレベルは、心不全及び虚血性心疾患の両方において上昇し、その測定値が年齢及び性別により左右されることはより少ないようである。アテローム性動脈硬化症は血管疾患の主原因であるので、例えば、発作、末梢血管性疾患、動脈瘤又は急性冠症候群等、組織低酸素症が存在する他の状態の診断又は予後診断にORP150を使用することができる。心不全において、それ自身において診断補助となることに加えて、N−BNPの測定を補うことができた。心筋梗塞において、それを予後診断の指標として用い、心不全による死亡及び再入院両方を予測できる。単独で、又はN−BNPと組み合わせて、心筋梗塞後のORP150測定は、患者が非常に低い又は高いリスク群であることを予測することができる重症度分類に対して役立つ。これは、患者に対する治療選択を計画するのに有用であると考えられる。
不安定狭心症/非ST上昇MIによって示されるように、血漿ORP150及びN−BNPレベルは、虚血性心疾患において上昇する。両ペプチドとも、死亡等の転帰の優れた予測因子である。特に、両ペプチドを組み合わせると、不安定狭心症/非ST上昇MI後の重症度分類に特に有用であり得る(死亡の予測)。このような予後診断指標を用いることで、死亡リスクの最も高い患者に対して血行再建又は薬剤による治療を行うことが可能となろう。
上記で特定したカットオフ値は、CLAVMSVDLGSESM(ここで、LAVMSVDLGSESMは、ORP150のN末端配列由来である。)から成るペプチド標準物質を用いた、血漿由来のORP150抽出物に基づいている。N末端にシステインが存在するため(まず第一に、免疫付与のために共役物を産生させるために)、このペプチドは二量体を形成する傾向がある。標準物質の二量体及び単量体の割合が様々であることから、免疫反応性が異なる可能性があり、従って、実際のカットオフ値と異なるということになる。
Claims (27)
- 哺乳類対象由来の体液試料中の第一のマーカーのレベルを測定することを含み、前記第一のマーカーが酸素調節タンパク質(ORP150)又はその断片である、前記哺乳類対象における組織低酸素症若しくは組織低酸素症の徴候となる臨床症候をスクリーニングし、診断し、若しくは予後診断し、前記哺乳類対象における組織低酸素症もしくは組織低酸素症の徴候となる臨床症候の段階もしくは重篤度を決定し、前記哺乳類対象が組織低酸素症もしくは組織低酸素症の徴候となる臨床症候を発症するリスクを同定し、又は組織低酸素症もしくは組織低酸素症の徴候となる臨床症候を有する哺乳類対象に与えた治療の効果をモニタリングする、方法。
- 前記体液が血漿である、請求項1に記載の方法。
- 前記第一のマーカーのレベルが、組織低酸素症又は組織低酸素症の徴候となる臨床症候が存在しないことの指標である第一のマーカーのレベルと比較される、請求項1又は2に記載の方法。
- 組織低酸素症又は組織低酸素症の徴候となる臨床症候が存在しないことの指標である前記第一のマーカーの前記レベルが、組織低酸素症もしくは組織低酸素症の徴候となる臨床症候が存在しない1例又は複数例の哺乳類対象から得た前記第一のマーカーのレベルであり、又は組織低酸素症もしくは組織低酸素症の徴候となる臨床症候が存在しない哺乳類対象の前記第一のマーカーについて予め決定された基準範囲である、請求項3に記載の方法。
- 前記第一のマーカーに特異的に結合する抗体と前記試料を接触させ、前記抗体と少なくとも1つの種との間で前記試料において生じた何らかの結合を測定することによって、前記第一のマーカーのレベルが測定される、請求項1から4の何れか一項に記載の方法。
- 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項5に記載の方法。
- 組織低酸素症の徴候となる前記臨床症候が心不全又は虚血性心疾患である、請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
- 心不全又は虚血性心疾患の指標となる第二のマーカーのレベルを測定することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
- 前記第二のマーカーがナトリウム利尿ペプチドである、請求項8に記載の方法。
- 前記ナトリウム利尿ペプチドが、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)又はN末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(N−BNP)である、請求項9に記載の方法。
- 前記第二のマーカーのレベルが、組織低酸素症又は組織低酸素症の徴候となる臨床症候が存在しないことの指標である第二のマーカーのレベルと比較される、請求項8、9又は10に記載の方法。
- 前記第二のマーカーのレベルが、組織低酸素症又は組織低酸素症の徴候となる臨床症候が存在しないことの指標である前記第二のマーカーのレベルと比較され、該レベルが組織低酸素症もしくは組織低酸素症の徴候となる臨床症候が存在しない1例又は複数例の哺乳類対象から得た前記第二のマーカーのレベルであるか、又は組織低酸素症もしくは組織低酸素症の徴候となる臨床症候が存在しない哺乳類対象における前記第二のマーカーに対して予め決定された基準範囲である、請求項11に記載の方法。
- 前記第二のマーカーに特異的に結合する抗体と前記試料を接触させ、前記抗体と少なくとも1つの種との間で前記試料において生じた何らかの結合を測定することによって、前記第二のマーカーのレベルが測定される、請求項8から請求項12の何れか一項に記載の方法。
- 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項13に記載の方法。
- 組織低酸素症の徴候となる前記臨床症候が、アテローム性動脈硬化症、虚血性発作、大動脈瘤、末梢血管性疾患、肺疾患又は腫瘍増殖である、請求項1から請求項6の何れか一項に記載の方法。
- 請求項1から15の何れかに記載の方法を実施するためのキット。
- 哺乳類対象からの体液試料の採取に関する説明書と、および
前記試料中の酸素調節タンパク質(ORP150)又はその断片のレベルを測定するための1つ又は複数の試薬と、
を備え、
前記哺乳類対象における組織低酸素症若しくは組織低酸素症の徴候となる臨床症候をスクリーニングし、診断し、若しくは予後診断し、前記哺乳類対象における組織低酸素症もしくは組織低酸素症の徴候となる臨床症候の段階もしくは重篤度を決定し、前記哺乳類対象が組織低酸素症もしくは組織低酸素症の徴候となる臨床症候を発症するリスクを同定し、又は組織低酸素症もしくは組織低酸素症の徴候となる臨床症候を有する哺乳類対象に与えた治療の効果をモニタリングするためのキット。 - 前記体液が血漿である、請求項17に記載のキット。
- 前記1つ又は複数の試薬が、前記第一のマーカーに特異的に結合する抗体を含む、請求項17又は請求項18に記載のキット。
- 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項19に記載のキット。
- 組織低酸素症の徴候となる前記臨床症候が心不全又は虚血性心疾患である、請求項17から請求項20の何れか一項に記載のキット。
- 心不全又は虚血性心疾患の指標となる第二のマーカーのレベルを測定するための1つ又は複数の試薬をさらに含む、請求項21に記載のキット。
- 前記第二のマーカーがナトリウム利尿ペプチドである、請求項22に記載のキット。
- 前記ナトリウム利尿ペプチドが脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)又はN末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(N−BNP)である、請求項23に記載のキット。
- 前記第二のマーカー測定用の前記1つ又は複数の試薬が、前記第二のマーカーに特異的に結合する抗体を含む、請求項22、23又は24に記載のキット。
- 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項25に記載のキット。
- 組織低酸素症の徴候となる前記臨床症候が、アテローム性動脈硬化症、虚血性発作、大動脈瘤、末梢血管性疾患、肺疾患又は腫瘍増殖である、請求項17から20の何れか一項に記載のキット。
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