JP2006505624A - 新規結晶型 - Google Patents

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JP2006505624A
JP2006505624A JP2005501605A JP2005501605A JP2006505624A JP 2006505624 A JP2006505624 A JP 2006505624A JP 2005501605 A JP2005501605 A JP 2005501605A JP 2005501605 A JP2005501605 A JP 2005501605A JP 2006505624 A JP2006505624 A JP 2006505624A
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JP2005501605A
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パールマン,ブルース・アレン
アントス,フレデリック・ジェイ
Original Assignee
ファルマシア・アンド・アップジョン・カンパニー・エルエルシー
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07JSTEROIDS
    • C07J1/00Normal steroids containing carbon, hydrogen, halogen or oxygen, not substituted in position 17 beta by a carbon atom, e.g. estrane, androstane
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07JSTEROIDS
    • C07J21/00Normal steroids containing carbon, hydrogen, halogen or oxygen having an oxygen-containing hetero ring spiro-condensed with the cyclopenta(a)hydrophenanthrene skeleton

Abstract

本発明は、重要な医薬品、エプレレノンの製造に有用な中間体である17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)の新規結晶型に関する。

Description

発明の詳細な説明
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトンの新規結晶型のことである。
本発明には、3−エノールエーテルΔ3,5−ステロイドの対応するΔ4,6−3−ケタールステロイド(I−P)への変換の方法が含まれる。
本発明には、Δ4,6−3−ケトステロイド又はそのケタール(I)の対応するΔ−3−ケトステロイド−7α−カルボン酸(VI)への変換の方法が含まれる。
本発明にはまた、製剤的に有用な化合物、エプレレノンを生成するための新規方法及び新規中間体が含まれる。
さらに、本発明には、N−フルオロアルキルアミン試薬(CVI)を使用する、11α−ヒドロキシ−17−ラクトン(CI)又は11α−ヒドロキシステロイド(CIV)の対応するΔ9(11)−17−ラクトン(CII)又はΔ9(11)−ステロイド(CV)への変換の方法が含まれる。
2.関連技術の記載
医薬品の結晶型の存在を予測する信頼し得る方法はない。さらに、ある材料が結晶性である場合、その物理特性を予測する信頼し得る方法はない。故に、新規結晶型への特許がよく知られている。例えば、米国特許第3,565,924号は、非結晶性固体である25−ヒドロキシコカルシフェロール(25−HCC)を開示して、特許請求する。その後、新規結晶型、25−HCCヘミ水和物が特許化された。米国特許第3,833,622号を参照のこと。米国特許第4,521,431号は、塩酸ラニチジンの結晶型1及び2を開示する。米国特許第4,504,657号は、「結晶性7−[D−α−(p−ヒドロキシフェニル)アセトアミド]−3−メチル−3−セフェム−4−カルボン酸一水和物」を特許請求する。米国特許第6,452,007 B1号は、1−[5−メタンスルホンアミドインドリル−2−カルボニル]−4−[3−(1−メチルエチルアミノ)−2−ピリジニル]ピペラジンの「S」及び「T」結晶型を特許請求する。米国特許第6,444,813 B2号は、既知の抗菌剤、リネゾリドの新規結晶型を特許請求する。
国際特許公開公報WO01/41535及びWO01/42272は、医薬品、エプレレノンの結晶型を開示する。
発明の要約
開示されるのは、式(I−P):
Figure 2006505624
[式中:R31及びR32は、
(1)同じであるか又は異なり、C〜Cアルキルであり、そして
(2)付いた−O−C−O−と一緒になって、式:
−(CH)−(CR3334n1−(CH)−
{ここでn1は、0又は1であり;ここでR33及びR34は、同じであるか又は異なり、
−H、C〜Cアルキルである}の5若しくは6原子の環式ケタールを形成する]のΔ4,6−ケタールの製造の方法であり、前記方法は、
(1)式(アルキルエノールエーテル):
Figure 2006505624
[式中:Rは、
〜Cアルキル、
CH−CO−、
Φ−CO−又は
Si−1Si−2Si−3Si−であり(ここでRSi−1、RSi−2、及びRSi−3は、同じであるか又は異なり、C〜Cアルキルである)]のΔ3,5−3−エノールエーテルを、水素除去剤(a hydride abstractor)と式:
(a)R31−OH(ここでR31は、上記に定義される通りである)、
(b)R32−OH(ここでR32は、上記に定義される通りである)、
(c)HO−(CH)−(CR3334n1−(CH)−OH(ここでn1、R33及びR34は、上記に定義される通りである)、
(d)HO−CH−CH−OHのアルコールからなる群より選択されるアルコールと接触させることを含む。
また開示されるのは、式(II):
Figure 2006505624
[式中:
(I)Rは=Oであり;RはR4−1:R4−2であって、ここでR4−1及びR4−2の一方は−Hであり、R4−1及びR4−2の他方はRと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、Rは−H:−Hである;
(II)RはR3−3:R3−4であり、RはR4−3:R4−4であって、ここでR3−3及びR3−4の一方は−O−R31であり(ここでR31は、C〜Cアルキルである)、R3−3及びR3−4の他方はR4−3及びR4−4の一方と一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、そしてR4−3及びR4−4の他方は−Hであり;RはR6−3:R6−4であり、ここでR6−3及びR6−4の一方は、Rと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、R6−3及びR6−4の他方は−Hである;
(III)Rはα−R3−5:β−R3−6であり、ここでR3−5は−O−R31であり、R3−6は−O−R32である{ここで、R31及びR32は、同じであるか又は異なり、C〜Cアルキルからなる群より選択され、そしてR31及びR32は、付いた−O−C−O−と一緒になって、式:
−(CH)−(CR3334n1−(CH)−
(ここでn1は、0又は1であり;
ここでR33及びR34は、同じであるか又は異なり、−H及びC〜Cアルキルである)の5若しくは6原子の環式ケタールを形成する};Rは−H:−Hであり;RはR6−5:R6−6であり、ここでR6−5及びR6−6の一方は、Rと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、R6−5及びR6−6の他方は−Hである;
(IV)Rはα−R3−7:β−R3−8であり、ここでR3−7は−O−R31であり、R3−8は−O−R32であり(ここでR31及びR32は、上記に定義される通りである);RはR4−7:R4−8であり、ここでR4−7及びR4−8の一方は、Rと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、R4−7及びR4−8の他方は−Hであり;Rは−H:−Hである;
式中:R7−1は、式(−A1):
Figure 2006505624
又は式(−A2):
Figure 2006505624
{式中:Xは:
−S−、
−O−又は
−NX1−1であり、ここでX1−1は:
−H、
〜Cアルキル、
−CO−OX1−2(ここでX1−2は、C〜Cアルキル又は−CH−φである)、
−CO−X1−2(ここでX1−2は、上記に定義される通りである)、
−CO−φ(ここでφは、o位において−CO−O−(C〜Cアルキル)で置換される)、
−SO−(C〜Cアルキル)、
−SO−φ(ここでφは、1又は2のC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシで随意に置換される)であり;
式中:Rは、
−H、
〜Cアルキル、又は
1〜2のC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシで随意に置換されるフェニルからなる群より選択され;
式中:Rは、
−H、
〜Cアルキル、
〜Cアルコキシ、
−O−Si(R)(ここでRは、同じであるか又は異なり、−H、C〜Cアルキル、−φ、C〜Cアルコキシ及び−OHである)、
−F、−Cl、−Br、−I、
−CO−OCH、及び
−CO−Rc−1(ここでRc−1は、C〜Cアルキル又は−φである)からなる群より選択され;
式中:Rは、
−H、
−C≡N、
〜C10アルキル、
〜Cアルコキシ、
−CH−ORd−1(ここでRd−1は、−H又はC〜Cアルキルである)、
−CH−N(Rd−6(ここで2つのRd−6は、同じであるか又は異なり、C〜Cアルキル、−φ、−CO−Rd−6aであり、ここでRd−6aは、C〜Cアルキル又は−φである)、
−CH−O−CO−Rd−1(ここでRd−1は、上記に定義される通りである)、
−CH(ORd−1(ここでRd−1は、上記に定義される通りであり、ここで2つのRd−1は、一緒になって:−CH−CH−、−CH−CH−CH−、−CH−C(CH−)−CH−である)
−CH(−O−CO−Rd−1(ここでRd−1は、上記に定義される通りである)、
−Si(R)(ここでRは、上記に定義される通りである)、
−O−Si(R)(ここでRは、上記に定義される通りである)、
−Sn(Rb−1(ここでRb−1は、上記に定義される通りである)、
−S−Rd−5(ここでRd−5は、C〜Cアルキル又は−φである)、
−N(Rd−6(ここでRd−6は、上記に定義される通りである)からなる群より選択され;
ここでRとRは、それらに付く原子と一緒になって、
Figure 2006505624
を形成する(式中、Eは、同じであるか又は異なり:
−H、
〜Cアルキル、
−F、−Cl、−Br、−I、
−OE1−1(ここでE1−1は、−H、C〜Cアルキル、−φ又は−SiE1−21−31−4であって、ここでE1−2、E1−3、及びE1−4は、同じであるか又は異なり、C〜Cアルキル又はC〜Cアルコキシである)、
−S−E1−5(ここでE1−5は、C〜Cアルキル又は−φである)、
−S−(O)1−2−E1−5(ここでE1−5は、上記に定義される通りである)、
−N(Rd−6(ここで2つのRd−6は、同じであるか又は異なり、上記に定義される通りである)、
−P(O)(O−E1−1(ここでE1−1は、上記に定義される通りである)、
−Si(R)(ここでRは、上記に定義される通りである)である)}の分子断片;
−CE=M (−B)
{式中:Eは、上記に定義される通りであり、そして
式中、Mは:
(1)=O、
(2)=N−E(ここでEは、
−H、
〜Cアルキル、
1又は2の二重結合を含有するC〜Cアルケニル、
1つの三重結合を含有するC〜Cアルキニル、
−CO−OE2−1(ここでE2−1は、−H又はC〜Cアルキルである)、
−C(E2−1−OE2−2(ここでE2−1は、同じであるか又は異なり、上記に定義される通りであり、ここでE2−2は、C〜Cアルキル、−φ又は−Si(R)である(ここで3つのRは、同じであるか又は異なり、上記に定義される通りである))
−OE2−2(ここでE2−2は、上記に定義される通りである)、
−S−E2−3(ここでE2−3は、C〜Cアルキル又は−φである)、
−S−(O)1−2−E2−3(ここでE2−3は、上記に定義される通りである)、
−N(Rd−6(ここで2つのRd−6は、同じであるか又は異なり、上記に定義される通りである)、
−Si(R)(ここで3つのRは、上記に定義される通りである)からなる群より選択される);
(3)=C(E(ここでEは、同じであるか又は異なり、上記に定義される通りであり、ここで、EとEは、それらに付く原子と一緒になって、3〜5の
−O−、
−S−、
−N=、
−NX1−1−(ここでX1−1は、上記に定義される通りである)、
−CE=(ここでEは、上記に定義される通りである)、
−C(R−(ここでRは、上記に定義される通りである)を随意に含有し、そして1〜2の追加の二重結合を随意に含有する、5〜7員の環を形成する)である};
−C≡C−E (−C)
{式中、Eは、上記に定義される通りである};
−CH−CH=CH (−D1)
−CH=C=CH (−D2)
−CH−C≡C−H (−D3)
であり;
式中、Rは:
(1)−H、
(2)−OH、
(3)−O−(ヒドロキシ保護基){ここでヒドロキシ保護基は、
−Si(−CH
−Si(−CH−CH
−CO−CH
−CO−H、及び
−SiH(CHからなる群より選択される}、
(4)−Fであり;
式中、R11は:
(1)=O、
(2)−H:H、
(3)α−R11−1:β−R11−2{ここで、R11−1は:
(a)−H、
(b)−O−R11−3であり(ここでR11−3は、(i)−H、(ii)ヒドロキシ保護基であり、ここでヒドロキシ保護基は上記に定義される通りである)、そしてここでR11−2は:
(a)−H、
(b)−O−R11−4である(ここでR11−4は、(i)−H、(ii)ヒドロキシ保護基であり、ここでヒドロキシ保護基は上記に定義される通りであるが、R11−1及びR11−2の一方が−Hでなければならないのが条件である)}
(4)R11−5:R11−6(ここで、R11−5又はR11−6の一方とRは、Rと一緒になって、C−9とC−11の間に第二の結合を形成し、R11−5又はR11−6の他方は−Hである)、
(5)α−R11−7:β−R11−7(ここで、R11−7とRは、−O−と一緒になって、C−9とC−11の間にエポキシドを形成し、R11−8は−Hである)であり;
式中、R17は:
(1)=O;
(2)α−R17−1:β−R17−2{ここで、R17−1は:
(a)−H、
(b)−C≡C−H、
(c)−C≡N、
(d)−C≡C−CH−O−R17−1−1(ここでR17−1−1は、
(i)−H、
(ii)−Si(R17−1−2(ここでR17−1−2は、同じであるか又は異なり、C〜Cアルキルである)、
(iii)1−エトキシエチル、
(iv)2−テトラヒドロピラニルからなる群より選択される)、
(e)−C≡C−CH−O−(ヒドロキシ保護基)(ここでヒドロキシ保護基は、上記に定義される通りである)、
(f)−CH−CH−CH−OH、
(g)−CH−CH−CH−O−(ヒドロキシ保護基)(ここでヒドロキシ保護基は、上記に定義される通りである)、
(h)−CH−CH−CO−O−であり、そしてここで、R17−2は、−OHである}
(3)α−R17−3:β−R17−4(ここでR17−3は、−OHであり、ここでR17−4は:
(a)−CO−CH
(b)−CO−CH−OH、
(c)−CO−CH−O−CO−(CH0−3−CHである);
(4)α−R17−5:β−R17−6(ここでR17−5とR17−6は、付く炭素原子と一緒になって、−O−CH−を含有する3員のエポキシドを形成し、ここで−Oの付加は、R17−6でβ配向であり、CH−の付加は、R17−5でα配向である);
(5)α−R17−7:β−R17−8(ここでR17−7とR17−8は、付く炭素原子と一緒になって、−O−CO−CH−CH−を含有する5員のラクトンを形成し、ここでCH−の付加は、R17−7でα配向であり、−Oの付加は、R17−8でβ配向である);
(6)−O−CH(OR17−9)−CH−CH……(ここで酸素(−O)からの結合は、β配置のC−17での4つの結合の1つであり、メチレン基(CH……)からの結合は、α配置のC−17での4つの結合のもう1つであり、1つの酸素原子を含有する5員の複素環を形成し、ここでR17−9は、−H又はC〜Cアルキルである);
(7)α−R17−11:β−R17−12(ここでR17−11は−(CH1−2−CH=CHであり、R17−12は−OHである)である]の7α置換ステロイドである。
さらに開示されるのは、式(III−cis)
Figure 2006505624
のcis−エンジオンと、式(III−trans)
Figure 2006505624
のtrans−エンジオンである[式中:
(I)Rは=Oであり;RはR4−1:R4−2であって、ここでR4−1及びR4−2の一方は−Hであり、R4−1及びR4−2の他方はRと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、Rは−H:−Hである;
(III)Rはα−R3−5:β−R3−6であり、ここでR3−5は−O−R31であり、R3−6は−O−R32である{ここで、R31及びR32は、同じであるか又は異なり、C〜Cアルキルからなる群より選択され、そしてR31及びR32は、付いた−O−C−O−と一緒になって、式:
−(CH)−(CR3334n1−(CH)−
(ここでn1は、0又は1であり;
ここでR33及びR34は、同じであるか又は異なり、−H及びC〜Cアルキルである)の5若しくは6原子の環式ケタールを形成する};Rは−H:−Hであり;RはR6−5:R6−6であり、ここでR6−5及びR6−6の一方は、Rと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、R6−5及びR6−6の他方は、−Hである;
(IV)Rはα−R3−7:β−R3−8であり、ここでR3−7は−O−R31であり、R3−8は−O−R32であり(ここでR31及びR32は、上記に定義される通りである);RはR4−7:R4−8であり、ここでR4−7及びR4−8の一方は、Rと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、R4−7及びR4−8の他方は−Hであり;Rは−H:−Hである;
式中、R、R11、R17は、上記に定義される通りであり;
式中、Rは、
−H、
〜Cアルキル、又は
1〜2のC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシで随意に置換されるフェニルからなる群より選択され;
式中:Rは、
−H、
〜Cアルキル、
〜Cアルコキシ、
−O−Si(R)(ここでRは、同じであるか又は異なり、−H、C〜Cアルキル、−φ、C〜Cアルコキシ及び−OHである)、
−F、−Cl、−Br、−I、
−CO−OCH、及び
−CO−Rc−1(ここでRc−1は、C〜Cアルキル又は−φである)からなる群より選択され;
式中:Rは、
−H、
−C≡N、
〜C10アルキル、
〜Cアルコキシ、
−CH−ORd−1(ここでRd−1は、−H又はC〜Cアルキルである)、
−CH−N(Rd−6(ここで2つのRd−6は、同じであるか又は異なり、C〜Cアルキル、−φ、−CO−Rd−6aであり、ここでRd−6aは、C〜Cアルキル又は−φである)、
−CH−O−CO−Rd−1(ここでRd−1は、上記に定義される通りである)、
−CH(ORd−1(ここでRd−1は、上記に定義される通りであり、ここで2つのRd−1は、一緒になって:−CH−CH−、−CH−CH−CH−、−CH−C(CH−)−CH−である)
−CH(−O−CO−Rd−1(ここでRd−1は、上記に定義される通りである)、
−Si(R)(ここでRは、上記に定義される通りである)、
−O−Si(R)(ここでRは、上記に定義される通りである)、
−Sn(Rb−1(ここでRb−1は、上記に定義される通りである)、
−S−Rd−5(ここでRd−5は、C〜Cアルキル又は−φである)、
−N(Rd−6(ここでRd−6は、上記に定義される通りである)からなる群より選択され;
ここでRとRは、それらに付く原子と一緒になって、
Figure 2006505624
を形成する{式中、Eは、同じであるか又は異なり:
−H、
〜Cアルキル、
−F、−Cl、−Br、−I、
−OE1−1(ここでE1−1は、−H、C〜Cアルキル、−φ又は−SiE1−21−31−4であって、ここでE1−2、E1−3、及びE1−4は、同じであるか又は異なり、C〜Cアルキル又はC〜Cアルコキシである)、
−S−E1−5(ここでE1−5は、C〜Cアルキル又は−φである)、
−S−(O)1−2−E1−5(ここでE1−5は、上記に定義される通りである)、
−N(Rd−6(ここで2つのRd−6は、同じであるか又は異なり、上記に定義される通りである)、
−P(O)(O−E1−1(ここでE1−1は、上記に定義される通りである)、
−Si(R)(ここでRは、上記に定義される通りである)である}]。
開示されるのは、17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトンである、式:
Figure 2006505624
の化合物であり、結晶型において2θ角度(°)が:
Figure 2006505624
の範囲にある粉末X線回折スペクトルを適度な科学的確実性で有する(ここで、2θ角度は、度数で測定する)。
また開示されるのは、17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトンであり、結晶型において2θ角度(°)と相対強度(%)が:
Figure 2006505624
の範囲にある粉末X線回折スペクトルを適度な科学的確実性で有する(ここで、2θ角度は度数で測定し、相対強度は、最大ピークに対する各ピークの強度比率である)。
さらに開示されるのは、17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトンであり、結晶型において2θ角度(°)、格子面間隔(Å)及び相対強度(%)が:
Figure 2006505624
の範囲にある粉末X線回折スペクトルを適度な科学的確実性で有する(ここで、2θ角度は度数で測定し、格子面間隔はオングストロームで測定し、相対強度は、最大ピークに対する各ピークの強度比率である)。
発明の詳細な説明
エプレレノンは、9α,11α−エポキシ−17β−ヒドロキシプレグン−4−エン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン、メチルエステルであり、そのものとして7α−カルボメトキシ置換基を含有する。これは、高血圧及び鬱血性心不全の治療用医薬品として有用である。エプレレノンの生成における主要な難題は、この7α−カルボメトキシ置換基の導入である。本発明の方法及び中間体は、エプレレノンの製造の改善法である。
チャートAは、7α位での付加物、−R7−1が(−A1)であるときの本発明の一般法を開示する。本発明の方法は、保護化又は非保護化Δ4,6−3−ケトステロイド(I)より始まる。ステロイドA環は保護しても保護しなくてもよいが、チャートBは、Δ4,6−3−ケトステロイド(I)出発材料のC−3保護化Δ4,6−3−ケタールステロイド(I−P)としての保護化の改善法を開示する。チャートCは、7α置換ステロイド(II)のエプレレノン(IX)への変換の代替経路(オゾン分解)を開示する。チャートDは、ステロイドA環が保護されず、−R7−1が可変置換基(−A1)であるときの一般法を開示する。チャートEは、Δ4,6−3−ケトステロイド又はそのケタール(I)のエプレレノン(IX)への変換に好ましい方法を開示する。チャートFは、5,7−ラクトン(VII)とカルボン酸(VI)の変換の可逆性を開示する。チャートGは、−R7−1が(−A2)であるときの本発明の一般法を開示する。チャートHは、−R7−1が(−B)、(−C)、(−D1)、(−D2)又は(−D3)であるときの本発明の一般法を開示する。
チャートAの方法における第一工程は、式:
Figure 2006505624
[式中:
(I)Rは=Oであり;RはR4−1:R4−2であって、ここでR4−1及びR4−2の一方は−Hであり、R4−1及びR4−2の他方はRと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、Rは−H:−Hである;
(II)RはR3−3:R3−4であり、RはR4−3:R4−4であって、ここでR3−3及びR3−4の一方は−O−R31であり(ここでR31は、C〜Cアルキルである)、R3−3及びR3−4の他方はR4−3及びR4−4の一方と一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、そしてR4−3及びR4−4の他方は−Hであり;RはR6−3:R6−4であり、ここでR6−3及びR6−4の一方は、Rと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、R6−3及びR6−4の他方は、−Hである;
(III)Rはα−R3−5:β−R3−6であり、ここでR3−5は−O−R31であり、R3−6は−O−R32である{ここで、R31及びR32は、同じであるか又は異なり、C〜Cアルキルからなる群より選択され、そしてR31及びR32は、付いた−O−C−O−と一緒になって、式:
−(CH)−(CR3334n1−(CH)−
(ここでn1は、0又は1であり;
ここでR33及びR34は、同じであるか又は異なり、−H及びC〜Cアルキルである)の5若しくは6原子の環式ケタールを形成する};Rは−H:−Hであり;RはR6−5:R6−6であり、ここでR6−5及びR6−6の一方は、Rと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、R6−5及びR6−6の他方は−Hである;
(IV)Rはα−R3−7:β−R3−8であり、ここでR3−7は−O−R31であり、R3−8は−O−R32であり(ここでR31及びR32は、上記に定義される通りである);RはR4−7:R4−8であり、ここでR4−7及びR4−8の一方は、Rと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、R4−7及びR4−8の他方は−Hであり;Rは−H:−Hである;
式中:R7−1は、式(−A1):
Figure 2006505624
又は式(−A2):
Figure 2006505624
{式中:Xは:
−S−、
−O−又は
−NX1−1であり、ここでX1−1は:
−H、
〜Cアルキル、
−CO−OX1−2(ここでX1−2は、C〜Cアルキル又は−CH−φである)、
−CO−X1−2(ここでX1−2は、上記に定義される通りである)、
−CO−φ(ここでφは、o位において−CO−O−(C〜Cアルキル)で置換される)、
−SO−(C〜Cアルキル)、
−SO−φ(ここでφは、1又は2のC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシで随意に置換される)であり;
式中:Rは、
−H、
〜Cアルキル、又は
1〜2のC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシで随意に置換されるフェニルからなる群より選択され;
式中:Rは、
−H、
〜Cアルキル、
〜Cアルコキシ、
−O−Si(R)(ここでRは、同じであるか又は異なり、−H、C〜Cアルキル、−φ、C〜Cアルコキシ及び−OHである)、
−F、−Cl、−Br、−I、
−CO−OCH、及び
−CO−Rc−1(ここでRc−1は、C〜Cアルキル又は−φである)からなる群より選択され;
式中:Rは、
−H、
−C≡N、
〜C10アルキル、
〜Cアルコキシ、
−CH−ORd−1(ここでRd−1は、−H又はC〜Cアルキルである)、
−CH−N(Rd−6(ここで2つのRd−6は、同じであるか又は異なり、C〜Cアルキル、−φ、−CO−Rd−6aであり、ここでRd−6aは、C〜Cアルキル又は−φである)、
−CH−O−CO−Rd−1(ここでRd−1は、上記に定義される通りである)、
−CH(ORd−1(ここでRd−1は、上記に定義される通りであり、ここで2つのRd−1は、一緒になって:−CH−CH−、−CH−CH−CH−、−CH−C(CH−)−CH−である)
−CH(−O−CO−Rd−1(ここでRd−1は、上記に定義される通りである)、
−Si(R)(ここでRは、上記に定義される通りである)、
−O−Si(R)(ここでRは、上記に定義される通りである)、
−Sn(Rb−1(ここでRb−1は、上記に定義される通りである)、
−S−Rd−5(ここでRd−5は、C〜Cアルキル又は−φである)、
−N(Rd−6(ここでRd−6は、上記に定義される通りである)からなる群より選択され;
ここでRとRは、それらに付く原子と一緒になって、
Figure 2006505624
を形成する(式中、Eは、同じであるか又は異なり:
−H、
〜Cアルキル、
−F、−Cl、−Br、−I、
−OE1−1(ここでE1−1は、−H、C〜Cアルキル、−φ又は−SiE1−21−31−4であって、ここでE1−2、E1−3、及びE1−4は、同じであるか又は異なり、C〜Cアルキル又はC〜Cアルコキシである)、
−S−E1−5(ここでE1−5は、C〜Cアルキル又は−φである)、
−S−(O)1−2−E1−5(ここでE1−5は、上記に定義される通りである)、
−N(Rd−6(ここで2つのRd−6は、同じであるか又は異なり、上記に定義される通りである)、
−P(O)(O−E1−1(ここでE1−1は、上記に定義される通りである)、
−Si(R)(ここでRは、上記に定義される通りである)である)}の分子断片;
−CE=M (−B)
{式中:Eは、上記に定義される通りであり、そして
式中、Mは:
(1)=O、
(2)=N−E(ここでEは、
−H、
〜Cアルキル、
1又は2の二重結合を含有するC〜Cアルケニル、
1つの三重結合を含有するC〜Cアルキニル、
−CO−OE2−1(ここでE2−1は、−H又はC〜Cアルキルである)、
−C(E2−1−OE2−2(ここでE2−1は、同じであるか又は異なり、上記に定義される通りであり、ここでE2−2は、C〜Cアルキル、−φ又は−Si(R)である(ここで3つのRは、同じであるか又は異なり、上記に定義される通りである))
−OE2−2(ここでE2−2は、上記に定義される通りである)、
−S−E2−3(ここでE2−3は、C〜Cアルキル又は−φである)、
−S−(O)1−2−E2−3(ここでE2−3は、上記に定義される通りである)、
−N(Rd−6(ここで2つのRd−6は、同じであるか又は異なり、上記に定義される通りである)、
−Si(R)(ここで3つのRは、上記に定義される通りである)からなる群より選択される);
(3)=C(E(ここでEは、同じであるか又は異なり、上記に定義される通りであり、ここで、EとEは、それらに付く原子と一緒になって、3〜5の
−O−、
−S−、
−N=、
−NX1−1−(ここでX1−1は、上記に定義される通りである)、
−CE=(ここでEは、上記に定義される通りである)、
−C(R−(ここでRは、上記に定義される通りである)を随意に含有し、そして1〜2の追加の二重結合を随意に含有する、5〜7員の環を形成する)である};
−C≡C−E (−C)
{式中、Eは、上記に定義される通りである};
−CH−CH=CH (−D1)
−CH=C=CH (−D2)
−CH−C≡C−H (−D3)
であり;
式中、Rは:
(1)−H、
(2)−OH、
(3)−O−(ヒドロキシ保護基){ここでヒドロキシ保護基は、
−Si(−CH
−Si(−CH−CH
−CO−CH
−CO−H、及び
−SiH(CHからなる群より選択される}、
(4)−Fであり;
式中、R11は:
(1)=O、
(2)−H:H、
(3)α−R11−1:β−R11−2{ここで、R11−1は:
(a)−H、
(b)−O−R11−3であり(ここでR11−3は、(i)−H、(ii)ヒドロキシ保護基であり、ここでヒドロキシ保護基は上記に定義される通りである)、そしてここでR11−2は:
(a)−H、
(b)−O−R11−4である(ここでR11−4は、(i)−H、(ii)ヒドロキシ保護基であり、ここでヒドロキシ保護基は上記に定義される通りであるが、R11−1及びR11−2の一方が−Hでなければならないのが条件である)}
(4)R11−5:R11−6(ここで、R11−5又はR11−6の一方とRは、Rと一緒になって、C−9とC−11の間に第二の結合を形成し、R11−5又はR11−6の他方は−Hである)、
(5)α−R11−7:β−R11−7(ここで、R11−7とRは、−O−と一緒になって、C−9とC−11の間にエポキシドを形成し、R11−8は−Hである)であり;
式中、R17は:
(1)=O;
(2)α−R17−1:β−R17−2{ここで、R17−1は:
(a)−H、
(b)−C≡C−H、
(c)−C≡N、
(d)−C≡C−CH−O−R17−1−1(ここでR17−1−1は、
(i)−H、
(ii)−Si(R17−1−2(ここでR17−1−2は、同じであるか又は異なり、C〜Cアルキルである)、
(iii)1−エトキシエチル、
(iv)2−テトラヒドロピラニルからなる群より選択される)、
(e)−C≡C−CH−O−(ヒドロキシ保護基)(ここでヒドロキシ保護基は、上記に定義される通りである)、
(f)−CH−CH−CH−OH、
(g)−CH−CH−CH−O−(ヒドロキシ保護基)(ここでヒドロキシ保護基は、上記に定義される通りである)、
(h)−CH−CH−CO−O−であり、そしてここで、R17−2は、−OHである}
(3)α−R17−3:β−R17−4(ここでR17−3は、−OHであり、ここでR17−4は:
(a)−CO−CH
(b)−CO−CH−OH、
(c)−CO−CH−O−CO−(CH0−3−CHである);
(4)α−R17−5:β−R17−6(ここでR17−5とR17−6は、付く炭素原子と一緒になって、−O−CH−を含有する3員のエポキシドを形成し、ここで−Oの付加は、R17−6でβ配向であり、CH−の付加は、R17−5でα配向である);
(5)α−R17−7:β−R17−8(ここでR17−7とR17−8は、付く炭素原子と一緒になって、−O−CO−CH−CH−を含有する5員のラクトンを形成し、ここでCH−の付加は、R17−7でα配向であり、−Oの付加は、R17−8でβ配向である);
(6)−O−CH(OR17−9)−CH−CH……(ここで酸素(−O)からの結合は、β配置のC−17での4つの結合の1つであり、メチレン基(CH……)からの結合は、α配置のC−17での4つの結合のもう1つであり、1つの酸素原子を含有する5員の複素環を形成し、ここでR17−9は、−H又はC〜Cアルキルである);
(7)α−R17−11:β−R17−12(ここでR17−11は−(CH1−2−CH=CHであり、R17−12は−OHである)である]の7α置換ステロイド(II)を製造することであり、該方法は、
(1)式:
Figure 2006505624
[式中:
(I)Rは=Oであり;RはR4−1:R4−2であって、ここでR4−1及びR4−2の一方は−Hであり、R4−1及びR4−2の他方はRと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し;
(I−ケタール)RはR3−9:R3−10であり、ここでR3−9は−O−R31であって、R3−10は−O−R32であり、ここでR31とR32は、同じであるか又は異なり、C〜Cアルキルからなる群より選択され、そしてR31とR32は、付いた−O−C−O−と一緒になって、式:
−(CH)−(CR3334n1−(CH)−
{ここでn1は、0又は1であり;ここでR33及びR34は、同じであるか又は異なり、
−H及びC〜Cアルキルである}の5若しくは6原子の環式ケタールを形成し;RはR4−9:R4−10であり、ここでR4−9及びR4−10の一方は、Rと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、R4−9及びR4−10の他方は−Hであり;
式中、R、R11及びR17は、上記に定義される通りである]のΔ4,6−3−ケトステロイド又はそのケタール(I)を、(a)〜(f):
(a)式(A):
Figure 2006505624
又は
Figure 2006505624
[式中、X、R、R及びRは、上記に定義される通りであり;
式中、Rは、−H、−ZnL、−BL、−SiL、−SnL、−Cu、−CuL、−AlL、−HgL、−Ag、−MgL、−Li及び−COOHからなる群より選択され、ここでLは、−OH、C〜Cアルキル、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−O(C〜Cアルキル)、2−チエニル、(CHC(O−)−C(O−)C(CH及び
Figure 2006505624
である];
(b)式(A’):
−CO−CHR−CHR−CO−R (A’)
[式中、R、R及びRは、上記に定義される通りである];
(c)式(A”):
Figure 2006505624
[式中、Rは:
〜Cアルキル、
−CO−(C〜Cアルキル又は−φ)、
−Si(R)(ここでRは、上記に定義される通りである)であり、式中、X、R、R及びRは、上記に定義される通りである];
(d)式(B):
−CE=M (B)
[式中、R、E及びMは、上記に定義される通りである];
(e)式(C):
−C≡C−E (C)
[式中、R及びEは、上記に定義される通りである];
(f)式(D1、D2及びD3):
−CH−CH=CH (D1)
−CH=CH=CH (D2)
−CH−C≡C−H (D3)
[式中、Rは、上記に定義される通りである];
の化合物より選択される付加物と、
(1)ルイス酸、
(2)pKが約5未満のプロトン酸、又は
(3)式:
Figure 2006505624
[式中:
S−2は、−H、C〜Cアルキル、−φ、及び−CH−φであり;
S−3は、−H、C〜Cアルキルであり;
S−4は、−H、C〜Cアルキル、−φであり;
S−5は、−H、C〜Cアルキル、−φである]、及び:
Figure 2006505624
[式中:
S−2は、−H、C〜Cアルキル、−φ、及び−CH−φであり;
S−4は、−H、C〜Cアルキル、−φであり;
S−5は、−H、C〜Cアルキル、−φである]の二級アミンの、pKが約2未満の酸との塩の存在下に接触させることを含む。
Δ−3−ケト又はそのケタール(I)の出発材料では、R、R及びRが、(I)Rは=Oであり;RはR4−1:R4−2であって、ここでR4−1及びR4−2の一方は−Hであり、R4−1及びR4−2の他方はRと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し;Rは−H:−Hであることが好ましい。
7α置換ステロイド(II)には、上記に同定されるステロイドA/B環の4セットが存在するだろう。(I)、(III)及び(IV)基が本発明の方法において機能可能である。しかしながら、(II)基[ここで、RはR3−3:R3−4であり、RはR4−3:R4−4であって、ここでR3−3及びR3−4の一方は−O−R31であり(ここでR31は、C〜Cアルキルである)、R3−3及びR3−4の他方はR4−3及びR4−4の一方と一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、そしてR4−3及びR4−4の他方は−Hであり;RはR6−3:R6−4であり、ここでR6−3及びR6−4の一方は、Rと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、R6−3及びR6−4の他方は−Hである]は、Δ3,5−3,3−ジアルコキシ環系であり、そのものとしては、本発明の他の中間体へ変換することができない。それが有益であるのは、本発明の方法に有用である対応するΔ−3−ケトステロイドA/B環系へそれを変換し得るからである。
7α置換ステロイド(II)と本発明の他のステロイド化合物では、5,7−ビスラクトン(VII)を除き、ステロイドのA/B環に関して、R、R、R及びRが:
(I)Rは=Oであり;RはR4−1:R4−2であって、ここでR4−1及びR4−2の一方は−Hであり、R4−1及びR4−2の他方はRと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、Rは−H:−Hである;
(III)Rはα−R3−5:β−R3−6であり、ここでR3−5は−O−R31であり、R3−6は−O−R32であり{ここで、R31及びR32は、付いた−O−C−O−と一緒になって、式:−(CH)−(CR3334n1−(CH)−(ここでn1は0である)の5原子の環式ケタールを形成する};Rは−H:−Hであり;RはR6−5:R6−6であり、ここでR6−5及びR6−6の一方は、Rと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、R6−5及びR6−6の他方は、−Hである;
(III)Rはα−R3−5:β−R3−6であり、ここでR3−5は−O−R31であり、R3−6は−O−R32であり{ここで、R31及びR32は、付いた−O−C−O−と一緒になって、式:−(CH)−(CR3334n1−(CH)−(ここでn1は1であり、R33とR34は、いずれもCアルキルである)の6原子の環式ケタールを形成する};Rは−H:−Hであり;RはR6−5:R6−6であり、ここでR6−5及びR6−6の一方は、Rと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、R6−5及びR6−6の他方は、−Hである;
からなる群より選択されることが好ましい。
7α置換ステロイド(II)と本発明の他のステロイド化合物では、5,7−ビスラクトン(VII)を除き、ステロイドのA/B環に関して、R、R、R及びRが:
(I)Rは=Oであり;RはR4−1:R4−2であって、ここでR4−1及びR4−2の一方は−Hであり、R4−1及びR4−2の他方はRと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、Rは−H:−Hである;
ことがより好ましい。
ステロイドのC環に関しては、RとR11が:
(a)R11は、R11−5:R11−6であり、ここでR11−5又はR11−6の一方とRは、Rと一緒になって、C−9とC−11の間に第二の結合を形成し、R11−5又はR11−6の他方は−Hである、
(b)α−R11−7:β−R11−7(ここでR11−7とRは、−O−と一緒になって、C−9とC−11の間にエポキシドを形成し、R11−8は−Hである)、
(c)Rは−Hであり、R11はα−R11−1:β−R11−2である(ここで、R11−1は−O−R11−3であって、ここでR11−3は−Hであり、ここでR11−2は−Hである)ことが好ましい。RとR11は:
(a)R11は、R11−5:R11−6であり、ここでR11−5又はR11−6の一方とRは、Rと一緒になって、C−9とC−11の間に第二の結合を形成し、R11−5又はR11−6の他方は−Hであることがより好ましい。
ステロイドのD環に関しては、R17が:
(a)α−R17−7:β−R17−8(ここでR17−7とR17−8は、付く炭素原子と一緒になって、−O−CO−CH−CH−を含有する5員のラクトンを形成し、ここでCH−の付加は、R17−7でα配向であり、−Oの付加は、R17−8でβ配向である)、
(b)=O;
(c)α−R17−1:β−R17−2(ここでR17−11は−C≡C−Hであり、ここでR17−2は−OHである)、
(d)−C≡C−CH−O−R17−1−1
からなる群より選択されることが好ましい。
7α置換ステロイド(II)に関しては、R7−1が式(−A1)の置換基であることが好ましい。また、Xは−O−であることが好ましい。RとRは−Hであることが好ましく、RはCアルキルであることが好ましい。Rは−Hであることが好ましい。Rについて、Lは:
−ZnLが−Cl、−Br、−Iである;
−BLがカテコラート:
2つの−OH、
HO−CH−CH−OH、
HO−CH−CH−CH−OH、
HO−CH−C(CH−CH−OHである;
−SiLがCアルキルである;
−SnLがC又はn−Cアルキルである;
−CuLが2−チエニル又は−CNである、そして
−AlLがC〜Cアルキルであることが好ましい。RがCuであるとき、1つのCuに2つのR基があり得るが、この場合、Cuはアニオン性である。
可変置換基、R、R、R、R、R7−1、R、R11、R17、R、R、R、R及びXの選好性は、Δ4,6−3−ケトステロイド又はそのケタール(I)及び/又は7α置換ステロイド(II)だけのものでなく、本発明の化合物(I)〜(XV)のすべてについてである。同様に、以下に論じるR7−2のような他の可変置換基、及び/又は酸素供与剤、ハロゲン化剤、異性化触媒、ヒドロペルオキシ脱酸素剤、酸形成剤、アシル化触媒、酸化的切断剤、脱酸素剤のような本特許に使用する化学試薬の選好性も、本特許を通して、最初に論じるものと同じに定義される。これらの可変置換基と化学試薬の多くは何度も言及されるので、それが使用される度に何が含まれ、何が好ましくてより好ましいかを反復して述べることは、冗長であろう。
酸反応体は、ルイス酸であることが好ましい。ルイス酸は、Δ4,6−3−ケトステロイド又はそのケタール(I)と複合するほどに求電子性でなければならないが、当業者に知られているような求核試薬(A1)、(A2)、(B)、(C)、(D1)、(D2)又は(D3)と複合するほどに求電子性であってはならない。さらに、ルイス酸は、C〜Cアルコール、エチレングリコール、1,2又は1,3−プロピレングリコール、2,2−ジメチル又は2,2−ジエチル−1,3−プロピレングリコール及びフェノールからなる群より選択されるアルコールの存在下に使用されることが好ましい。このアルコールは、C〜Cアルコール又はその混合物であることがより好ましい。有用なルイス酸には、
BX、AlX、SnX、SnX、SiX、MgX、ZnX、TiX
Rh(acac)(CHCH(2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル)、
Rh(CH−C≡N)(シクロオクタジエン)(BF)、
Rh(acac)(CHCH(dppb)、
LiClO
K10モンモリロナイト粘土、
Yb(OTf)
LiCo(B11
PdX
CrX
FeX
CoX
NiX
SbX
InX
Sc(OTf)
φ
(Ri)SiX(ここでRはC〜Cアルキル及び−φであり;ここでXは、F、Cl、Br、I、−O−SOCF 、PF 、BF 、及びClO からなる群より選択される);
Pd(CH−CO−O
BF−ジエチルエーテラート錯体;
BF−酢酸錯体;
BF−メチル−t−ブチルエーテル錯体;
BF−ジn−ブチルエーテラート錯体;
BF−ジメチルエーテラート錯体;
BF−ジメチルスルフィド錯体;
BF−フェノール錯体;
BF−リン酸錯体、及び
BF−テトラヒドロフラン錯体からなる群より選択されるものが含まれる。ルイス酸は、BF、BF−ジエチルエーテラート錯体、BF−酢酸錯体、BF−メチル−t−ブチルエーテル錯体、BF−ジn−ブチルエーテラート錯体、BF−ジメチルエーテラート錯体、BF−ジメチルスルフィド錯体、BF−フェノール錯体、BF−リン酸錯体、及びBF−テトラヒドロフラン錯体からなる群より選択されることが好ましい。ルイス酸は、BF−ジエチルエーテラートであることがより好ましい。BF−ジエチルエーテラートをC〜Cアルコールの存在下に使用することがさらにより好ましく、なおより好ましいのは、BF−ジエチルエーテラートのCアルコールの存在下での使用である。pKが約5未満の有用な酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、フッ化水素酸、フルオロホウ酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、過塩素酸、トリフルオロ酢酸及びトリクロロ酢酸からなる群より選択される。pKが約5未満の酸は、酢酸であることが好ましい。Δ4,6−3−ケトステロイド又はそのケタール(I)の対応する7α置換ステロイド(II)への変換を実施するときは、式(A)、(B)又は(C)の試薬の少なくとも1当量を使用すべきであり、1〜2当量を使用することが好ましい。追加の試薬の使用は問題ではないが、むしろ化合物の浪費である。本反応は:
〜Cアルコール、
〜Cアルコールと、アセトニトリル、ニトロメタン、トルエン、塩化メチレン及び酢酸からなる群より選択される溶媒の溶媒混合物
からなる群より選択される溶媒/溶媒混合物におけるような、様々な溶媒において行なうことができる。
ルイス酸と溶媒を選択するときに考慮すべき1つの要因は、7α置換ステロイド(II)の酸感受性である。本反応は、ルイス酸を用いて、生成物が当業者に知られるように安定している溶媒において実施すべきである。溶媒は、プロトン溶媒であり、約19未満のpKを有するものであることが好ましい。本反応は、約−78°〜約60°の温度範囲において、好ましくは約−40°〜約−15°の温度範囲において実施することができる。本反応を約−20°で実施することがより好ましい。本反応は、通常、使用する当量数と反応温度に依存して数時間〜1日を要する。
有用な7α置換ステロイド(II)には:
17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン、
11α,17β−ジヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグン−4−エン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン、
9α,11α−エポキシ−17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグン−4−エン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン、
17β−ヒドロキシ−7α−(5’−t−ブチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン、
11α,17β−ジヒドロキシ−7α−(5’−t−ブチル−2’−フリル)−プレグン−4−エン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン、
11α,17β−ジヒドロキシ−7α−(4’−ブロモ−2’−フリル)−プレグン−4−エン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン、
11α,17β−ジヒドロキシ−7α−(4’−メチル−2’−フリル)−プレグン−4−エン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン、及び
7α−アリル−17β−ヒドロキシプレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトンからなる群より選択されるものが含まれる。
7α置換ステロイド(II)をその場で次の工程へ持ち込むのではなく、次の工程を実施する前に、7α置換ステロイド(II)を単離して精製することが好ましい。7α置換ステロイド(II)の好ましい精製の方法は、結晶化による。式(II)の7α置換ステロイドを精製する方法は、5%より高い7β異性体を含有する7α置換ステロイド(II)を、酢酸エチル、酢酸n−プロピル及び酢酸ブチルからなる群より選択される溶媒から結晶させることを含む。7α置換ステロイド(II)を99.8%より高い異性体純度で入手することが好ましく、結晶化溶媒は酢酸n−プロピルであることが好ましい。結晶化の共溶媒(co-solvents)を使用してよい。
7α置換ステロイド(II)の上記の精製は、結晶性7α置換ステロイド(II)をもたらす。しかしながら、結晶性7α置換ステロイド(II)はまた、塩化メチレン、メタノール、アセトニトリル、アセトン、シクロヘキサン及びイソオクタン、並びにこれら溶媒の溶媒混合物又は水とアセトニトリルの混合物が含まれる他の溶媒より容易に入手することができる。結晶性7α置換ステロイド(II)は、結晶化の技術分野の当業者によく知られた方法によって容易に入手することができる。例えば、結晶型において入手することが望まれる7α置換ステロイド(II)を好適な溶媒の最少量に溶かし、7α置換ステロイド(II)がすべて溶液状態になるまでこの混合物を加熱してから、この混合物を冷やすと、結晶が生じる。あるいは、7α置換ステロイド(II)が酢酸エチルのような好適な溶媒中で溶液状態であるならば、蒸留によるか又は窒素のような乾燥した不活性気体の流れを混合物に通すことによって溶媒の容量を減らして、7α置換ステロイド(II)を濃縮してよい。さらに、当業者に知られるように、シクロヘキサン又はイソオクタンのような逆溶剤を温かい混合物へ加えて、7α置換ステロイド(II)の溶媒における溶解性を減らすことに役立て、その結晶化を促進してよい。結晶化に好ましい溶媒は、精製に使用するものである。
17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)の結晶を本発明のどの方法を使用しても作製し得ること、そしてどの溶媒よりそれを結晶させても、唯1つの結晶型が生成することが粉末X線回折(PXRD)により決定された。実施例39〜53は、様々な方法により入手して、様々な溶媒系より結晶させた結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)の様々な試料のPXRD解析である。この結果は、実質的に同一である。違いは、当業者に知られるように、残留溶媒とともに存在し得る特別な不純物の同一性(identity)及び量による。当業者には、同一の試料であっても1回より多くPXRDに処すならば、結果は同一でないことが知られている。これは、当業者には実験誤差として知られて、理解されている。2つの結晶型が同じであるか異なるかどうかを決定するのは、全体的な解析である。
結晶のPXRDを決定する場合、使用する特別な機器と機器の能力が結果に影響を及ぼすものである。2つの試料が同じか又は異なる結晶型を有するかどうかを決定する場合、科学者は、ピーク又はバンドの位置を比較し、一方の試料中に他方に存在していない新しいバンドがあるかどうかを見て調べる。さらに、ピークの相対強度も非常に重要である。
チャートAの方法における次の工程は、酸化法による、7α置換ステロイド(II)の対応するcis−エンジオン(III−cis)への変換であり、該方法は、(1)式(II)の7α置換ステロイドを:
(a)水及び塩基(この共役酸は、約8より大きいpKを有する)の存在下のハロゲン化剤、
(b)酸素供与剤、
(c)電気化学的酸化、
(d)水の存在下のキノン又は
(e)非キノン酸化剤からなる群より選択される作用剤と接触させることを含む。この作用剤は、ハロゲン化剤であることが好ましい。有用なハロゲン化剤には、ジブロモジメチルヒダントイン、ジクロロジメチルヒダントイン、ジヨードジメチルヒダントイン、N−クロロスクシンアミド、N−ブロモスクシンアミド、N−ヨードスクシンアミド、トリクロロイソシアヌル酸、t−ブチル次亜塩素酸塩及び3−ブロモ−1−クロロ−5,5−ジメチルヒダントインからなる群より選択されるものが含まれ、ハロゲン化剤は、ジブロモジメチルヒダントインであることが好ましい。ハロゲン化剤を使用するとき、使用する量は、ハロゲン化剤の少なくとも1当量であるべきで、好ましくは、約1.0〜約1.05当量のハロゲン化剤を使用する。ハロゲン化剤の量は、約1.01当量であることがより好ましい。この理由は、反応を完了させるには1当量が必要とされるが、過量は失活させる必要があるからである。好適な失活剤には、酸性亜硫酸塩、イソブチルビニルエーテル、2−メチルフラン、及び次亜リン酸が含まれる。有用な酸素供与剤には:
過酸、
亜リン酸塩又はチオ尿素のいずれかを伴う一重項酸素、
三重項酸素、
−CO−Q(ここでQとQは、同じであるかまたは異なり、1〜9の−Cl又は−Fで随意に置換されるC〜Cアルキルであり、そしてここでQとQは、付く炭素原子と一緒になって、5〜7員の環式ケトンと式:
Figure 2006505624
及び
Figure 2006505624
のケトンを形成する)からなる群より選択されるケトンを伴う過酸化水素、
メチルトリオキソレニウムと組み合わせた過酸化水素、
トリクロロアセトニトリル/過酸化水素、
トリクロロアセトアミド/過酸化水素、
DDQ/水、
p−クロラニル/水、
金属含有アクチベータと組み合わせたφ−C(CH−O−OH又はアルキルヒドロペルオキシド(ここでアルキルはC〜C10アルキルに由来し、金属含有アクチベータは、Ti(イソプロポキシド)、ペルオキソタングストリン酸塩、VO(アセチルアセトン酸)及びMOヘキサカルボニルからなる群より選択される)
からなる群より選択されるものが含まれる。酸素供与剤は、過酸であることが好ましい。有用な過酸には:
(a)1又は2の−Cl又は−NOで随意に置換された過安息香酸、
(b)式:Cn2(Q)2n2+1−COH(ここでn2は1〜4であり、Qは−H、−Cl又は−Fである)のペルカルボン酸、
(c)ペルフタル酸、及び
(d)ペルオキシフタル酸マグネシウムからなる群より選択されるものが含まれる。存在する過量の酸素供与剤も、ハロゲン化剤と同様に失活させなければならない。7α置換ステロイド(II)のcis−エンジオン(III−cis)への変換の間に生成する酸を中和するには塩基が必要とされる。使用塩基には、酢酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、二塩基性リン酸塩、及びホウ酸塩からなる群より選択されるものが含まれ、この塩基は酢酸塩であることがより好ましい。例えば、ハロゲン化剤がジブロモメチルヒダントインであるときは、臭化水素酸が生成する。従って、生成する酸の当量につき1当量の塩基が必要とされる。実際には、やや過量、約1.5当量を使用する。この反応に適した溶媒は水混和性であり、7α置換ステロイド(II)とハロゲン化剤又は酸素供与剤の両方を溶かすものである。アセトンとTHFが好ましい溶媒である。この反応は、室温、約20〜約25°で実施する。反応は、酸素供与剤又はハロゲン化剤の反応性に依存して、数時間を要する。cis−エンジオン(III−cis)は、形成したときに、単離して精製するに及ばず、むしろ「そのまま」又はその場で次の変換に使用してよい。cis−エンジオン(III−cis)は、17β−ヒドロキシ−7α−(cis−1’,4’−ジオキソペント−2’−エン−1’イル)プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトンであることが好ましい。7α置換ステロイド(II)のcis−エンジオン(III−cis)への変換に有用な他の酸化剤には、キノン(他所に収載)が含まれる。7α置換ステロイド(II)を水混和性の有機溶媒中に化学量論量のキノンと少なくとも化学量論量の水と接触させる。この接触は、好ましくは、室温付近で行なう。さらに、この酸化は、電気化学によって達成することができる。電気化学的酸化は、US4,270,994に記載されるような標準の電気化学技術を使用して、7α置換ステロイド(II)を電気化学セル中に準化学量論量のキノン(好ましくは、DDQ)と少なくとも化学量論量の水と接触させることによって達成する。最後に、この酸化は、非キノン剤で達成してよく、これには、酢酸マグネシウム、過マンガン酸カリウム、硝酸セリウムアンモニウム、ヨードソベンゼン(iodosobenzene)、ヨードベンゼンジアセテート、ヨードベンゼンビストリフルオロアセテート、クロム酸(「ジョーンズ試薬」)、及び四酢酸鉛が含まれる。上記の反応は、典型的には、溶媒としての水性アセトンにおいて室温付近(20〜25°)で実施するが、アセトンの代わりに、多くの水混和性有機共溶媒を使用してよい。この変換に影響を及ぼす他の酸化剤には、メチルトリオキソレニウム、酢酸パラジウム、三塩化ルテニウム、又は四酸化ルテニウムのような金属触媒と組み合わせた、過酸化水素又は有機ヒドロペルオキシド(他所に収載)が含まれる。上記の反応は、塩化メチレン、アセトン、等のような、7α置換ステロイド(II)が溶けるどの溶媒において実施してもよい。ルテニウム触媒を伴う反応は、好ましくは、水性アセトニトリルにおいて実施する。
チャートAの方法において、cis−エンジオン(III−cis)は、対応するtrans−エンジオン(III−trans)へ変換しても、またそれは、ペルオキシ化合物(IV−OOH)、ヒドロキシ化合物(IV−OH)、ビスカルボニル化合物(V)又はカルボン酸(VI)、又はこれらの混合物へ変換してもよい。用語「カルボン酸(VI)」を使用するとき、それはその製剤的に許容される塩を意味して包含する。これらには、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、テトラブチルアンモニウムとの塩と、DBU、テトラメチルキニジン、トリエチルアミン、他とカルボン酸の塩が含まれる。特別なカチオンの同一性は、最後に酸が形成されるときにそれが失われる(この酸は、最終的には、メチルエステル(VIII)と7α位にメチルエステルを必要とするエプレレノン(IX)へ変換される)ので、重要ではない。cis−エンジオン(III−cis)をペルオキシ(IV−OOH)、ヒドロキシ(IV−OH)及びビスカルボニル(V)化合物の混合物へ変換するよりは、cis−エンジオン(III−cis)を対応するtrans−エンジオン(III−trans)へ変換することが好ましい。
cis−エンジオン(III−cis)を対応するtrans−エンジオン(III−trans)へ変換するとき、cis−エンジオン(III−cis)は:
(a)約2未満のpKの強酸;
(b)その共役酸が約8より大きいpKを有する三級アミンと
(c)その共役酸が約8より大きいpKを有する三級アミンの塩、
(d)I
(e)(C〜CP、
(f)φPが含まれる化学薬剤、又は
(g)約80°までの加熱のような物理作用のいずれかであり得る異性化触媒と接触させる。
異性化触媒は、約2未満のpKの強酸であることが好ましい。異性化触媒が約2未満のpKの強酸であるとき、約2未満のpKの有用な強酸には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、トリクロロ酢酸及びトリフルオロ酢酸からなる群より選択されるものが含まれ、約2未満のpKの強酸は、塩酸であることが好ましい。異性化触媒が約2未満のpKの強酸であるとき、それは無水型で使用されるか、又は水性混合物として使用されるならば、この反応は、水相が分離している2相系として実施することが好ましい。異性化触媒が、その共役酸が約8より大きいpKを有する三級アミンであるとき、その共役酸が約8より大きいpKを有する有用な三級アミンには、(QN(ここでQは、C〜Cアルキルである)、DBU、DBN、DABCO、ピリジン、p−ジメチルアミノピリジン、及びピロリジニルピリジンからなる群より選択されるものが含まれる。異性化触媒が、その共役酸が約8より大きいpKを有する三級アミンの塩であるとき、その共役酸が約8より大きいpKを有する三級アミンの塩は、塩酸ピリジンであることが好ましい。どの化学薬剤を使用するかにかかわらず、触媒量だけが必要とされる。例えば、cis−エンジオン(III−cis)の形成の後では、通常の塩酸の不純物を含有する市販のクロロホルムを加えることだけで、対応するtrans−エンジオン(III−trans)への変換をもたらすのに十分である。実施例4、パート2を参照のこと。cis−エンジオン(III−cis)の対応するtrans−エンジオン(III−trans)への異性化は、20〜25°(室温)で実施することができる。室温では、この反応は、通常数時間を要する。LC又はTLCのような標準法によりこの反応の経過をモニターして、あまり長くならないことを確実にすることが必要である。反応があまりに長くなると、この反応から、Δ−二重結合のある7α置換ステロイド(II)が再形成される。反応を終了させることが望ましいところまで反応が完了へ進行したならば、この反応は、以下のように終了させることができる。異性化触媒が酸であるか、又はその共役酸が約8より大きいpKを有する三級アミンの塩であるとき、水で洗浄することによってこの反応を終了させることができる。異性化触媒として水性の酸を使用するならば、相が分離してから、非水相を水で洗浄することが最もよい。異性化触媒が、その共役酸が約8より大きいpKを有する三級アミンであるならば、反応混合物を水性の酸に続き水で洗浄する。trans−エンジオン(III−trans)は単離して精製することができるが、それを単離して精製せずに、むしろその場で続行することが好ましい。
チャートAの方法において、次の工程は、cis−エンジオン(III−cis)又はtrans−エンジオン(III−trans)のいずれか又はその混合物の対応するヒドロペルオキシ(IV−OOH)化合物、ヒドロキシ(IV−OH)化合物、ビスカルボニル(V)化合物及び/又はカルボン酸(VI)又はこれらの混合物への変換である。cis−エンジオン(III−cis)又はtrans−エンジオン(III−trans)、又はその混合物は、このcis−エンジオン(III−cis)又はtrans−エンジオン(III−trans)又はその混合物を式:R7−2−OH(ここでR7−2は、−Hであるか、又は1若しくは2の−OHで随意に置換されるC〜Cアルキルである)のアルコールの存在下にオゾンと接触させることによって、対応するヒドロキシ化合物、ペルオキシ化合物(IV−OOH)、又はビスカルボニル化合物(V)又はカルボン酸(VI)へ変換される。これには、水、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、グリセロール、等が含まれる。R7−2は、−H、C又はイソCであることが好ましく、R7−2は、−H、C及びイソCの混合物であることがより好ましい。このことは、水、メタノール及びイソプロパノールの混合物が好ましいR7−2−OHであることを意味する。ステロイドの出発材料は、この反応を実施することが好ましい低温でそれらを溶かす溶媒を使用して、溶液状態でなければならない。塩化メチレンが好ましい溶媒である。反応温度は、約−100°〜約40°までの低さであってよい。反応温度は、約−78°〜約−20°であることが好ましく、この温度は、約−50°であることがより好ましい。この温度が低いほど、選択性が高くなり、温度が高いほど、選択性が低くなる。従って、使用する実際の温度は、使用する特別な反応体と望まれる選択性の度合いに依存するものである。この反応は、出発材料が少量へ低下するまで実行することが許容される。オゾンは出発材料が消費されたときに止めなければならない。さもないと、存在すれば、Δ及び/又はΔ9(11)−二重結合と反応することによって、生成物を破壊してしまう。アルコール、R7−2−OHは、生成する酸化カルボニル中間体を効率的に捕捉するほどに過量で使用する。さらに、反応温度、反応を実行することが許容される反応時間、そして特別なアルコール、R7−2−OHの性質により、生成物の同一性が決定されるか、又は1より多い生成物が生成するならば、生成物の比が決定される。アルコール、R7−2−OHが妨害されたR7−2基を有するならば、他のことがすべて等しいとすれば、生成物はビスカルボニル化合物(V)になりやすい。同様に、アルコール、R7−2−OHがメチルのように妨害されたR7−2基を有さなければ、他のことがすべて等しいとすれば、生成物はヒドロキシ化合物(IV−OH)になりやすい。この酸化法によって生成する好ましい生成物は、カルボン酸(VI)である。
ヒドロペルオキシ化合物(IV−OOH)は、ヒドロペルオキシ化合物(IV−OOH)をヒドロペルオキシ−脱酸素化剤と接触させることによって、対応するヒドロキシ化合物(IV−OH)へ変換することができる。両方を脱酸素して、第二の酸素をステロイド分子へ付加しない、穏和なヒドロペルオキシ−脱酸素化剤を使用することが好ましい。有用なヒドロペルオキシ−脱酸素剤には:
S(ここでQとQは、同じであるか又は異なり、C〜Cアルキル又はフェニルである)、
酸性亜硫酸塩、
亜硫酸塩、
チオ硫酸塩、
テトラヒドロチオフェン、
ヒドロ亜硫酸塩、
チオ尿素、
ブチルビニルエーテル、
(C〜Cアルキル)ホスフィン、
トリフェニルホスフィン、及び
テトラメチルエチレンからなる群より選択されるものが含まれる。ヒドロペルオキシ−脱酸素剤は、ジメチルスルフィドであることが好ましい。ヒドロペルオキシ−脱酸素剤が酸性亜硫酸塩及び亜硫酸塩であるとき、ナトリウム及びカリウムが好ましいカチオンである。1当量のヒドロペルオキシ−脱酸素剤が必要とされるが、通常は、約2当量のように、1より多い当量を使用して、ヒドロペルオキシ化合物(IV−OOH)がすべて還元されることを確実にする。この反応は、20〜25°で実施して、通常は約1時間で完了する。望まれるならばヒドロキシ化合物(IV−OH)を単離して精製してよいが、それを単離又は精製することなくその場で持ち越すことが好ましい。ヒドロキシ化合物(IV)は、17β−ヒドロキシ−7α−(1’−オキソ−2’−イソプロポキシ−2’−ヒドロキシ−エチル)プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトンであることが好ましい。
ヒドロペルオキシ化合物(IV−OOH)は、ヒドロペルオキシ化合物(IV−OOH)を:
(a)加熱、
(b)その共役酸が約5以上のpKを有する塩基、
(c)約3未満のpKを有する酸、
(d)アシル化剤からなる群より選択されるカルボン酸形成剤と接触させることによって、対応するカルボン酸(VI)へ変換することができる。カルボン酸形成剤が(a)加熱であるとき、反応混合物は、約30°〜約120°、好ましくは約80°〜約90°の範囲まで加熱すべきである。カルボン酸形成剤が(b)その共役酸が約5以上のpKを有する塩基であるとき、有用な塩基には、水酸化物、重炭酸塩、および炭酸塩からなる群より選択される無機塩基と、(QN(ここでQは、C〜Cアルキルである)、DBU、DBN、DABCO、ピリジン及びp−ジメチルアミノピリジンからなる群より選択される有機塩基が含まれる。この塩基は、重炭酸塩であることが好ましい。生成するステロイド酸と追加の酸副生成物を中和するには十分な塩基が必要である。カルボン酸形成剤が(c)約3未満のpKを有する酸であるとき、有用な酸には、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸と式:R(酸−1)−COOH(ここでR(酸−1)は−Hと1〜3の−Cl及び−Fで随意に置換されるC〜Cアルキルである)の有機酸からなる群より選択されるものが含まれ、好ましいのは、ギ酸とトリフルオロ酢酸である。触媒量の酸で十分であるが、数当量が好ましい。カルボン酸形成剤が(d)アシル化剤であるとき、有用なアシル化剤は、R(酸−2)−CO−O−CO−R(酸−2)からなる群より選択され、ここでR(酸−2)は:
−H、
1〜3の−Cl及び−Fで随意に置換されるC〜Cアルキル、及び
−φである。アシル化剤は、無水酢酸又は無水トリフルオロ酢酸であることが好ましい。1当量のアシル化剤が必要とされる。アシル化剤を使用するとき、それをアシル化触媒とともに使用することが好ましい。好ましいアシル化触媒は、ピリジンとp−ジメチルアミノピリジン(DMAP)である。溶媒に関しては、ヒドロペルオキシ化合物(IV−OOH)の分解を回避する均質な反応条件下にこの方法を実施することが重要である。このことは、1相条件を使用することを意味する。故に、選択すべき溶媒は、使用するカルボン酸形成剤に依存する。カルボン酸形成剤が重炭酸塩であるときのように、カルボン酸形成剤がこの試薬を溶かすために水を必要とするならば、アセトン、メタノール、DMF又はイソプロパノールのような水混和性の有機溶媒が必要とされる。カルボン酸形成剤がピリジンであるならば、有機溶媒は、アセトニトリル、塩化メチレン又は酢酸エチルのような水混和不能性の有機溶媒であってよい。従って、溶媒の選択は、当業者に知られるように、使用するカルボン酸形成剤の性質に依存する。カルボン酸形成剤の(a)加熱を例外として、他の酸形成剤(b)、(c)及び(d)は、いずれも20〜25°で反応させてよい。この反応はきわめて速く、通常は1時間未満である。
ヒドロキシ化合物(IV−OH)とビスカルボニル化合物(V)は、いずれも同じやり方で対応するカルボン酸へ変換される。この方法は、ヒドロキシ化合物(IV−OH)又はビスカルボニル化合物(V)、又はその混合物を酸化的切断剤と接触させることを伴う。有用な酸化的切断剤は:
(1)(a)加熱、
(b)その共役酸が約5以上のpKを有する塩基、
(c)約3未満のpKを有する酸、
(d)アシル化剤とアシル化触媒からなる群より選択されるカルボン酸形成剤と一緒の過酸化水素、
(2)KHSO
(3)Q−CO−Q(ここでQとQは、同じであるかまたは異なり、1〜9の−Cl又は−Fで随意に置換されるC〜Cアルキルであり、ここでQとQは、付く炭素原子と一緒になって、5〜7員の環式ケトンと式:
Figure 2006505624
及び
Figure 2006505624
のケトンを形成する)からなる群より選択されるケトンと一緒の過酸化水素、
(4)メチルトリオキソレニウムと組み合わせた過酸化水素、
(5)金属含有アクチベータと組み合わせたφ−C(CH−O−OH又はアルキルヒドロペルオキシド(ここでアルキルはC〜C10に由来し、金属含有アクチベータは、Ti(イソプロポキシド)、ペルオキソタングストリン酸塩、VO(アセチルアセトン酸)及びMoヘキサカルボニルからなる群より選択される)、
(6)(a)1又は2の−Cl又は−NOで随意に置換される過安息香酸、
(b)式:Cn2(Q)2n2+1−COH(ここでn2は1〜4であり、Qは−H、−Cl又は−Fである)のペルカルボン酸、
(c)ペルフタル酸、及び
(d)ペルオキシフタル酸マグネシウムからなる群より選択される過酸
からなる群より選択される。酸化的切断剤は、カルボン酸形成剤と一緒の過酸化水素であることが好ましい。カルボン酸形成剤が(a)加熱、(b)その共役酸が約5以上のpKを有する塩基、(c)約3未満のpKを有する酸、又は(d)アシル化剤とアシル化触媒であるとき、それらは、ヒドロペルオキシ化合物(IV−OOH)の対応するカルボン酸(VI)への変換について上記に論じたのと同じやり方で使用すべきである。上記に述べたように、1当量の酸化的切断剤が必要とされる。通常、2当量を使用して、反応をモニターして、反応が完了に近づいたときにこれを止めるか、又は失活させ、酸化的切断剤がΔ及び/又はΔ9(11)−ステロイド二重結合を攻撃しないうちに後処理するようにする。過酸化水素と重炭酸塩が酸化的切断剤として好ましい。溶媒に関しては、均質な反応条件下にこの方法を実施することが重要であり、1相条件を意味する。故に、選択すべき溶媒は、使用する酸化的切断剤に依存する。カルボン酸形成剤が重炭酸塩であるときのように、カルボン酸形成剤がこの試薬を溶かすために水を必要とするならば、アセトン、DMF、メタノール又はイソプロパノールのような水混和性の有機溶媒が必要とされる。カルボン酸形成剤がピリジンであるならば、有機溶媒は、アセトニトリル、塩化メチレン又は酢酸エチルのような水混和不能性の有機溶媒であってよい。従って、溶媒の選択は、当業者に知られるように、使用するカルボン酸形成剤の性質に依存する。カルボン酸形成剤の(a)加熱を例外として、他の酸形成剤(b)、(c)及び(d)は、いずれも20〜25°で反応させてよい。この反応はきわめて速く、通常は1時間未満である。反応混合物がいくらかのヒドロペルオキシ化合物(IV−OOH)を含有するならば、この反応混合物をヒドロペルオキシ−脱酸素剤ではじめに処理することが有用である。ヒドロペルオキシ−脱酸素剤は、ジメチルスルフィドであることが好ましい。
カルボン酸(VI)を対応する5,7−ラクトン(VII)へ変換するいくつかの方法があり、ここで出発のカルボン酸(VI)と生成物の5,7−ラクトンのC及びD環は、同じである。この方法は、出発のカルボン酸(VI)のステロイドA/B環の性質により異なる。それらは、異なる反応体を使用して、異なるステロイドA/B環のある5,7−ラクトン(VII)を生成する。これらの方法の1つは、式(VII):
Figure 2006505624
[式中:
(Va)Rは−H:−Hであり;Rは=Oであり;Rは−H:−Hである;
(Vb)Rは−H:−Hであり;RはR3a:R3bであり(ここでR3aとR3bはともに−OHである);Rは−H:−Hである;
式中、R、R11及びR17は、上記に定義される通りである]の5,7−ラクトンを生成し、該方法は:
(1)式(VI):
Figure 2006505624
[式中、
(I)Rは=Oであり;RはR4−1:R4−2であって、ここでR4−1及びR4−2の一方は−Hであり、R4−1及びR4−2の他方はRと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、Rは−H:−Hである;
(III)Rはα−R3−5:β−R3−6であり、ここでR3−5は−O−R31であり、R3−6は−O−R32であり{ここでR31とR32は同じであるか又は異なり、C〜Cアルキルからなる群より選択され、
そしてR31及びR32は、付いた−O−C−O−と一緒になって、式:−(CH)−(CR3334n1−(CH)−(ここでn1は0又は1であり;ここでR33とR34は同じであるか又は異なり、−H及びC〜Cアルキルである)の5若しくは6原子の環式ケタールを形成する};Rは−H:−Hであり;RはR6−5:R6−6であり、ここでR6−5及びR6−6の一方は、Rと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、R6−5及びR6−6の他方は−Hである;
(IV)Rはα−R3−7:β−R3−8であり、ここでR3−7は−O−R31であり、R3−8は−O−R32であり(ここでR31及びR32は、上記に定義される通りである);RはR4−7:R4−8であり、ここでR4−7及びR4−8の一方は、Rと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、R4−7及びR4−8の他方は−Hであり;Rは−H:−Hである;
式中、R、R11及びR17は、上記に定義される通りである]のカルボン酸を約5未満のpHを有する反応媒体と接触させることを含む。カルボン酸(VI)の対応する5,7−ラクトン(VII)への反応は、平衡反応である。反応媒体に使用するpHが低いほど、平衡は5,7−ラクトン(VII)の方へより多くシフトするので、pHを5未満、好ましくは1〜5の範囲に保つことが望ましい。この反応は、無水条件下で実施することが好ましく、無水条件下では、酸が約2未満のpKの強酸であることが好ましい。有用な強酸には、フルオロスルホン酸、クロロスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、塩酸、硫酸、リン酸及び硝酸からなる群より選択されるものが含まれ、この酸は、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸又はメタンスルホン酸であることが好ましい。あるいは、この反応は、水性の酸を触媒として使用して実施してよい。上記の条件下では、この方法を2相系において実施することが好ましい。使用する酸の量はさほど重要ではなく、触媒量から過量において存在してよい。塩基も、触媒量で使用する限りにおいて、カルボン酸(VI)の対応する5,7−ラクトン(VII)への反応を触媒するために機能可能である。有用な塩基には、水酸化物、重炭酸塩、炭酸塩、DBU、DBN、DABCO、ピリジン、p−ジメチルアミノピリジン、Q−COO(ここでQは、−H、C〜Cアルキル又は−φである)、(QN(ここでQは、C〜Cアルキルである)からなる群より選択されるものが含まれ、好ましいのは、水酸化物、重炭酸塩、炭酸塩、トリエチルアミン又はピリジンである。カルボン酸(VI)の対応する5,7−ラクトン(VII)への変換の溶媒は、反応の平衡化をもたらすのに役立つ。出発のカルボン酸(VI)が溶けて、5,7−ラクトン(VII)が溶けない溶媒を使用することが好ましい。そのやり方では、5,7−ラクトン(VII)が生成したときに析出して、望ましい5,7−ラクトン(VII)の方へ平衡を進める。好ましい溶媒は、アセトンである。この反応は、約0°〜約25°で実施し、数時間で完了する。使用する反応媒体及び溶媒のpHに依存して、95/5より小さい比率のカルボン酸(VI)/5,7−ラクトン(VII)が得られる。この方法工程が平衡反応であるので、当業者に知られるように、反応媒体のpHは、平衡の最終位置を制御することに役立つ。
式(VII):
Figure 2006505624
[式中、
(Va)Rは−H:−Hであり、Rは=Oであり、Rは−H:−Hである;
式中、R、R11及びR17は、上記に定義される通りである]の5,7−ラクトンを生成する第二の方法は:
(1)式(VI):
Figure 2006505624
[式中、
(I)Rは=Oであり;RはR4−1:R4−2であって、ここでR4−1及びR4−2の一方は−Hであり、R4−1及びR4−2の他方はRと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、Rは−H:−Hである;
式中、R、R11及びR17は、上記に定義される通りである]のカルボン酸を、無水条件下で、約5未満のpHの無水反応媒体と接触させることを含む。反応媒体が約4未満のpKを有する酸を含有することが好ましい。約4未満のpKを有する有用な酸には、フルオロスルホン酸、クロロスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、塩酸、硫酸、リン酸及び硝酸からなる群より選択されるものが含まれる。この酸は、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸又はメタンスルホン酸であることが好ましい。カルボン酸(VI)を2相系において酸と反応させることも好ましい。この方法には、カルボン酸(VI)を触媒量の塩基と反応させることも含まれる。有用な塩基には、水酸化物、重炭酸塩、炭酸塩、DBU、DBN、DABCO、ピリジン、p−ジメチルアミノピリジン、Q−COO(ここでQは、−H、C〜Cアルキル又は−φである)、(QN(ここでQは、C〜Cアルキルである)からなる群より選択されるものが含まれる。
式(VII):
Figure 2006505624
[式中、
(Vc)Rは−H:−Hであり、Rは−O−R3a:−O−R3bであり、ここでR3aとR3bは同じであり、C〜Cアルキルであるか、又はここでR3aとR3bは、付いた−O−C−O−と一緒になって、式:−(CH)−(CR3334n1−(CH)−{ここでn1は、0又は1であり;ここでR33及びR34は、同じであるか又は異なり、−H、C〜Cアルキルである}の5若しくは6原子の環式ケタールを形成し、Rは−H:−Hである;
(VI)Rは−H:−Hであり;RはR3c:R3dであり、RはR4c:R4dであり、ここでR3c及びR3dの一方は、R4c又はR4dの一方と一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、R3c及びR3dの他方はCH−O−又はC−O−であり、R4c及びR4dの他方は−Hである;又は
(VII)RはR2e:R2fであり;RはR3e:R3fであり、ここでR2e及びR2fの一方は、R3e又はR3fの一方と一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、R2e及びR2fの他方は−Hであり、R3c及びR3dの他方はCH−O−又はC−O−;又はこれらの混合物である;
式中、R、R11及びR17は、上記に定義される通りである]の5,7−ラクトンを生成する第三の方法は:
(1)式(VI):
Figure 2006505624
[式中、
(III)Rはα−R3−5:β−R3−6であり、ここでR3−5は−O−R31であり、R3−6は−O−R32であり{ここでR31とR32は同じであるか又は異なり、C〜Cアルキルからなる群より選択され、
そしてR31及びR32は、付いた−O−C−O−と一緒になって、式:−(CH)−(CR3334n1−(CH)−(ここでn1は0又は1であり;ここでR33とR34は同じであるか又は異なり、−H及びC〜Cアルキルである)の5若しくは6原子の環式ケタールを形成する};Rは−H:−Hであり;RはR6−5:R6−6であり、ここでR6−5及びR6−6の一方は、Rと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、R6−5及びR6−6の他方は、−Hである;
(IV)Rはα−R3−7:β−R3−8であり、ここでR3−7は−O−R31であり、R3−8は−O−R32であり(ここでR31及びR32は、上記に定義される通りである);RはR4−7:R4−8であり、ここでR4−7及びR4−8の一方は、Rと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、R4−7及びR4−8の他方は−Hであり;Rは−H:−Hである;
式中、R、R11及びR17は、上記に定義される通りである]のカルボン酸を少なくとも触媒量の酸と接触させることを含む。この酸は約4未満のpKを有し、上記に論じた通りであることが好ましい。
本発明には、式(VIII):
Figure 2006505624
[式中、
(I)Rは=Oであり;RはR4−1:R4−2であって、ここでR4−1及びR4−2の一方は−Hであり、R4−1及びR4−2の他方はRと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、Rは−H:−Hである;
式中、R、R11及びR17は、上記に定義される通りである]のメチルエステルの製造の方法が含まれ、該方法は:
(1)式VII:
Figure 2006505624
[式中、Rは−H:−Hであり、式中、R、R、R11及びR17は、上記に定義される通りである]の5,7−ラクトンを塩基と接触させること、そして
(2)工程(1)の反応混合物をメチル化剤と接触させることを含む。この塩基は、5,7−ラクトン(VII)を開けるほど強い必要があるが、メチル化剤とは反応しない、弱い求核体のタイプである。有用な塩基には、重炭酸塩、炭酸塩、水酸化物及びR塩基(ここでR塩基は、C〜Cアルキルである)からなる群より選択されるものが含まれる。塩基は、重炭酸塩であることが好ましい。必要とされる塩基の量は、約1〜約1.5当量である。有用なメチル化剤には、硫酸ジメチル、ヨウ化メチル、臭化メチル、リン酸トリメチル、炭酸ジメチル及びクロロギ酸メチルからなる群より選択されるものが含まれ、好ましいのは硫酸ジメチルである。使用するメチル化剤の量は、使用する塩基の当量数と同じであるか、又はそれよりごくわずかに過量であるべきである。この方法の好ましい方法は、2工程反応において連続したやり方でそれをはじめに塩基、次いでメチル化剤と反応させることである。反応をすべて1工程で実施するとすれば、塩基がメチル化試薬と反応するので、より多くの塩基とより多くのメチル化剤の必要が求められる。より効率的なやり方は、はじめに5,7−ラクトン(VII)を少なくとも1当量、好ましくは約1〜約1.5当量の塩基と反応させてから、生じるカルボン酸(VI)の塩をメチル化剤と反応させることである。使用する溶媒は、使用する塩基の性質に依存する。それが重炭酸塩又は水酸化物のように水溶性であれば、水及び水混和性有機溶媒の混合物が好ましい。これらの水混和性有機溶媒には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、THF及びDMFが含まれる。塩基が水溶性であり、溶媒が水及び水混和性溶媒の混合物であれば、重硫酸テトラブチルアンモニウム又は塩化トリブチルメチルアンモニウムのような相転移触媒を使用する。塩基が水混和不能性の有機溶媒に溶けて、5,7−ラクトン(VII)も溶かすものであれば、水混和不能性の有機溶媒が適している。反応温度は、メチル化剤の反応性に依存する。炭酸ジメチルのような薬剤を使用すれば、反応はゆっくり進行し、約150°までの加熱が必要になるかもしれない。一方、硫酸ジメチルのようなより反応性の薬剤を使用すれば、この反応は、40°で約1時間のうちに進行する。理論上は1当量の塩基と1当量のメチル化剤で十分であるはずだが、実際には、最適の反応条件には1当量より多くが必要とされる。
5,7−ラクトン(VII)は、式(VII)の5,7−ラクトンを7より大きいpHを有する反応媒体と接触させることによって、対応するカルボン酸(VI)(の塩)へ変換することができる。この反応は、メチル化剤を使用しないことを除けば、5,7−ラクトン(VII)のメチルエステル(VIII)への変換に似ている。塩基だけを使用するので、生成する生成物は、カルボン酸(VI)の塩である。さらに、メチル化剤が存在しないので、使用する塩基の量は、重要ではない。カルボン酸(VI)の酸型が望まれるならば、当業者に知られるように、塩型を酸性化して、対応するカルボン酸(VI)の酸型を生成することができる。
以下に説明するように、そして当業者に知られるように、チャートAに説明するような本発明を使用する、数多くの代替経路が存在する。例えば、(I)の(II)への変換の間に、ステロイドA環は、化合物(I−P)(チャートBと以下の説明を参照のこと)として保護しても、非保護型(I)で使用してもよい。さらに、C及びD環は、この方法の様々な工程の間に多様な官能基を有することができる。C環の官能基には、例えば、9α−ヒドロキシ、9α−O−(ヒドロキシ保護基)、9α−F、11−ケト、11−飽和、11α−ヒドロキシ、11α−O−(ヒドロキシ保護基)、11β−ヒドロキシ、11β−O−(ヒドロキシ保護基)、Δ9(11)−及び9α,11α−エポキシが含まれる。D環の官能基には、例えば、17−ケト、17β−ヒドロキシ、17α−エチニル−17β−ヒドロキシ、17α−シアノ−17β−ヒドロキシ、17α−C≡C−CH−O−(−H又は置換シリル)−17β−OH、17α−C≡C−CH−O−(ヒドロキシ保護基)−17β−OH、17α−CH−CH−CH−OH、17β−OH、17α−CH−CH−CH−O−(ヒドロキシ保護基)−17β−OH、17α−ヒドロキシ−17β−CO−CH、17β−CO−CH−OH、17β−CO−CH−O−CO−(CH0−3−CH;3員エポキシドを生じる17β−O−CH−17α、γ−ラクトン及び−O−CH(OR17−9)−CH−CH……が含まれ、ここで酸素(−O)由来の結合はβ配置のC−17での4つの結合の1つであり、メチレン基(CH……)由来の結合は、α配置のC−17での4つの結合のもう1つであり、1つの酸素原子を含有する5員の複素環を生じ、ここでR17−9は−H又はC〜Cアルキルである。しかしながら、請求項539、548及び556の方法の化合物についてのD環官能基には、ヒドロキシであるR17−2は含まれない。ヒドロキシ保護基は、当業者によく知られている。C−9、C−11及びC−17で同一のヒドロキシ保護基が機能可能であり、−Si(−CH、−Si(−CH−CH、−CO−CH、−CO−H、及び−SiH(CHからなる群より選択される。
ある時点で、A環は、それがまだ必要とされるΔ−3−ケト官能基でなければ、Δ−3−ケト官能基へ変換しなければならない。同様に、C環は、それがまだ必要とされる9α,11α−エポキシド官能基でなければ、9α,11α−エポキシドへ変換しなければならない。同様に、D環は、まだ必要とされるγ−ラクトンでなければ、γ−ラクトンへ変換しなければならない。しかしながら、これらの変換は、チャートAの様々な他の方法及び/又は工程の前、間、又は後のいずれで起こってもよい。Δ−3−ケト官能基のあるA環、Δ9(11)−官能基のあるC環、及びγ−ラクトンとしてのD環からはじめることが好ましい。C環に関しては、−CO−O−CH基が7α位で完全に合成されるまで、本発明の方法全体でΔ9(11)−官能基を維持してから、Δ9(11)−官能基を対応する9α,11α−エポキシドへ変換することが好ましい。C環に関しては、11−ケト官能基で始めて、本方法のある時点でそれを11α−ヒドロキシ官能基へ還元してから、後のある時点で、PClを使用する実施例18〜20の方法、又は石川試薬として知られているN−(1,1,2,3,3,3)ヘキサフルオロプロピルジエチルアミンを使用する実施例31の方法のいずれかによって11α−ヒドロキシ官能基を脱水して対応するΔ9(11)−オレフィン官能基とすることができる。石川試薬を使用して11α−ヒドロキシステロイドの脱水を実施して、対応するΔ9(11)−オレフィンを生成する方法に関しては、以下に詳細な考察がある。11α−ヒドロキシの対応するΔ9(11)−オレフィンへの脱水が式(II)の化合物のC−7αでの5’−メチル−2’−フリル置換基で起こるならば、PClが好ましいようであるが、脱水がメチルエステル(VII)で起こるならば、石川試薬が好ましい。次いで、当業者によく知られた手段により、Δ9(11)−オレフィンを望ましい9α,11α−エポキシド官能基へ変換する。同様に、D環に関しては、Δ4,6−3−ケトステロイド又はそのケタール(I)出発材料においてγ−ラクトンより始める必要はない。17ケト又は17β−ヒドロキシ、等から始めてよく、次いで望ましい時点で出発のD環の17−官能基を望ましいγ−ラクトンへ変換する。どの官能基から始めることが望ましいのか、そしてどこで変換を行うのかが含まれる好ましい方法をチャートEに示す。要するに、A環及びD環について最終生成物において望まれるのと同じ官能基から始めることが望ましい。Δ9(11)−オレフィン官能基を有するC環から始めることが好ましく、これは7α置換基を−CO−O−CHとして最終決定した後で、望ましい9α,11α−エポキシド官能基へ変換される。しかしながら、上記に説明して、当業者に知られるように、A、C及びD環中の様々な官能基から始めるチャートAの方法によりエプレレノンを製造する数多くの代替法が存在する。
チャートBは、対応するΔ−3−ケトステロイドより当業者に知られた方法によって容易に利用可能である対応するΔ3,5−3−アルキルエノールエーテルより、保護化Δ4,6−3−ケタールステロイド(I−P)を生成する方法を開示する。チャートAの方法においては出発材料として非保護化Δ4,6−3−ケトステロイド(I)を使用することが好ましい。しかしながら、ステロイドのΔ4,6−3−ケタール(I−P)は、チャートAの方法の出発材料として使用してもよい。チャートBの方法において、Δ4,6−3−ケタールステロイド(I−P):
Figure 2006505624
[式中、R31及びR32は、
(1)同じであるか又は異なり、C〜Cアルキルであり、そして
(2)付いた−O−C−O−と一緒になって、式:
−(CH)−(CR3334n1−(CH)−
(ここでn1は、0又は1であり;ここでR33及びR34は、同じであるか又は異なり、
−H、
〜Cアルキルである)の5若しくは6原子の環式ケタールを形成する]は、対応するΔ3,5−3−アルキルエノールエーテル:
Figure 2006505624
[式中:Rは、
〜Cアルキル、
CH−CO−、
Φ−CO−又は
Si−1Si−2Si−3Si−である(ここでRSi−1、RSi−2、及びRSi−3は、同じであるか又は異なり、C〜Cアルキルである)]より、このΔ3,5−3−アルキルエノールエーテル(アルキルエノールエーテル)を、水素除去剤と式:
(a)R31−OH(ここでR31は、上記に定義される通りである)、
(b)R32−OH(ここでR32は、上記に定義される通りである)、
(c)HO−(CH)−(CR3334n1−(CH)−OH(ここでn1、R33及びR34は、上記に定義される通りである)、
(d)HO−CH−CH−OHのアルコールからなる群より選択されるアルコールと接触させることによって、(1)Δ3,5−3−エノールエーテル(3−アルキルエノールエーテル)を接触させることによって生成する。
有用な水素除去剤には:
DDQ、
p−クロラニル、
o−クロラニル、
Mn+3、Mn+7、Pb+4、Pd+2、Ru+8、Cr+6
o−ヨードキシ安息香酸
DMSOとのo−ヨードキシ安息香酸複合体
4−メトキシピリジン−N−オキシド、N−メチルモルホリン−N−オキシド、トリメチルアミン−N−オキシドとのo−ヨードキシ安息香酸複合体、
イオジン酸(HIO)、
五酸化ヨウ素(I)、
硝酸セリウムアンモニウム、
ヨードソベンゼン、
ヨードベンゼンビストリフルオロアセテート、
ヨードベンゼンジアセテート、
トリチルフルオロホウ酸と、触媒量の水素除去剤を伴う電気化学的酸化
からなる群より選択されるものが含まれる。水素除去剤は、p−クロラニル又はDDQであることが好ましく、より好ましくはDDQである。1当量の水素除去剤が必要とされ、それより多くは有害ではないが、無駄でしかない。アルコールは、ジメチルプロピレングリコール又は2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールとしても知られているネオペンチルグリコールであることが好ましい。この溶媒は、3−アルキルエノールエーテル(3−アルキルエノールエーテル)出発材料を溶かすことが必要である。好適な溶媒には、塩化メチレン、アセトニトリル、THF、等が含まれる。この反応は、約−78°〜約40°の温度範囲において機能可能であり、好ましくは、約−15°である。この反応はきわめて迅速であり、−15°で数分のうちに完了する。方法全体は、好ましくは、本質的に無水の条件下で実施する。本明細書に使用する用語「水素除去剤」は、3−ジエノールエーテルのC−7での水素原子の1つの正味除去をもたらす試薬を意味し、この除去が起こる機序を示唆するものではない。Δ4,6−3−ケタール(I−P)は:
17β−ヒドロキシプレグナ−4,6,9(11)−トリエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン、環式3−(2’,2’−ジメチル−1’,3’−プロパンジイルケタール)、
17β−ヒドロキシプレグナ−4,6,9(11)−トリエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン、環式3−エタンジイルケタールからなる群より選択されることが好ましい。
チャートCは、(1)7α置換ステロイド(II)をC〜Cアルコールの存在下にオゾンと接触させることによって、そして(2)工程(1)の混合物をヒドロペルオキシ−脱酸素剤と接触させることによって、7α置換ステロイド(II)を対応するcis−オキシエンジオン(X−cis)へ変換することもできることを開示する。R7−1、X、R、R、Rと他の可変置換基の選好性は、すでに上記に述べた通りである。7α置換ステロイド(II)を好適なC〜Cアルコール又はその混合物に溶かす。C〜Cアルコールは、C及びCアルコールであることが好ましく、このアルコールは、Cアルコールであることがより好ましい。塩化メチレンのような共溶媒も必要ならば使用してよい。溶媒/共溶媒の性質は、本方法を実施する低温でそれが反応体を溶かす限りにおいて、重要ではない。アルコールの性質は、それが最終的にはステロイド分子より失われるので、重要ではない。反応温度は、約−100°〜約40°までの低さであり得る。この温度は、約−78°〜約−20°であることが好ましく、温度は約−50°であることがより好ましい。オゾンは、工程(1)の方法が完了するまで、当業者に知られるように、反応混合物へ通す。反応の経過は、当業者に知られるようにモニターする。工程(1)の反応が完了したとき、工程(1)の反応混合物をヒドロペルオキシ−脱酸素剤と接触させる。ヒドロペルオキシ−脱酸素剤は、亜リン酸トリメチルであることが好ましい。本発明の他の方法では、好ましいヒドロペルオキシ−脱酸素剤がジメチルスルフィドであったと理解されているが、ここでは好ましい薬剤は、亜リン酸トリメチルである。次いで、反応混合物を20〜25°までゆっくりと温める。この反応は、特別な7α置換ステロイド(II)に適正な温度に達したとき、迅速に進行する。cis−オキシエンジオン(X−cis)生成物は、望まれるならば、単離及び精製なしに持ち越してよい。
チャートCは、cis−オキシエンジオン(X−cis)が対応するtrans−オキシエンジオン(X−trans)へ変換され得ることをさらに開示する。この方法は、チャートAのcis−エンジオン(III−cis)を対応するtrans−エンジオン(III−trans)へ変換したのと同じ手段と同じ方法で実施する。
cis−オキシエンジオン(X−cis)又はtrans−オキシエンジオン(X−trans)、又はその混合物は、cis−エンジオン(III−cis)又はtrans−エンジオン(III−trans)、又はその混合物を対応するヒドロペルオキシ化合物(IV−OOH)、及び/又はヒドロキシ化合物(IV−OH)、及び/又はビスカルボニル化合物(V)及び/又はカルボン酸(IV−OH)又はその混合物へ変換したのと同じ手段と同じ方法で、対応するヒドロペルオキシ化合物(IV−OOH)、及び/又はヒドロキシ化合物(IV−OH)、及び/又はビスカルボニル化合物(V)及び/又はカルボン酸(IV−OH)又はその混合物へ変換することができる。次いで、このヒドロペルオキシ化合物(IV−OOH)、及び/又はヒドロキシ化合物(IV−OH)、及び/又はビスカルボニル化合物(V)及び/又はカルボン酸(IV−OH)又はその混合物を、チャートAの方法についてすでに論じたのと同じ手段と同じ方法でエプレレノン(IX)へ変換する。
cis−オキシエンジオン(X−cis)又はtrans−オキシエンジオン(X−trans)、又はその混合物は、ヒドロキシ化合物(IV−OH)、及び/又はビスカルボニル化合物(V)を対応するカルボン酸(VI)へ変換するのと同じ手段と同じ方法で、酸化的切断剤との反応により対応するカルボン酸(VI)へ変換することができる。
チャートDは、ステロイドA環が保護されていない、ステロイドA/B環に関する本発明の好ましい方法(R7−1が−A1であるとき)を示す。しかしながら、ステロイドC及びD環の様々な可変置換基と可変置換基の可能な組合せがあるならば、場合によっては、当業者に明らかであるようにステロイドA環を保護することが好ましいかもしれない。しかしながら、一般的には、ステロイドA環を保護しないことが好ましく、好ましい方法は、チャートDのそれである。
チャートEは、Δ4,6−3−ケトステロイド(I)のエプレレノン(IX)への変換の各中間体に好ましい可変置換基を用いた本発明の好ましい方法を示す。
チャートFは、5,7−ラクトン(VII)とカルボン酸(VI)の変換の可逆性を開示する。
チャートGは、付加物−R7−1が環式付加物(−A2)であるときの本発明の一般法を開示する。7α置換ステロイド(II)は、付加物が(−A1)であるときのチャートAについて上記に論じたのと同じやり方で形成する。次いで、R7−1が(−A2)である7α置換ステロイド(II)を、(−A1)についてチャートAに使用したのと同じ試薬と同じやり方で反応させて、付加物(−A1)のチャートAの中間体と同じタイプの中間体を得る。チャートA及びGの方法は類似していて、反応体は同じであり、同じ順序で使用する。生成する中間体は、互いの異性体又は相同体のいずれかである。
チャートHは、付加物のR7−1が(−B)、(−C)、(−D1)、(−D2)及び(−D3)であるときの本発明の一般法を開示する。チャートHの方法は、2工程法である。この方法の第一工程は、Δ4,6−3−ケトステロイド又はそのケタール(I)出発材料を対応する7α置換ステロイドへ変換することであり、ここでR7−1は:
−CRb2=M (−B)
−C≡C−Rc2 (−C)
−CH−CH=CH (−D1)
−CH=C=CH (−D2)
−CH−C≡C−H (−D3)
からなる群より選択される置換基である。第二工程は7α置換基の酸化的切断であり、カルボン酸(VI)のカルボン酸官能基、−CO−OHを与える。オレフィン置換基(−B)において、「M」は、炭素と二重結合を形成して、炭素、窒素及び酸素に制限される基である。置換基、Rb2は、酸化又は加水分解のいずれかによりヒドロキシル基へ変換され得る基である。アセチレン置換基(−C)では、Rc2基は、三重結合が切断されてカルボン酸(VI)になるとき、最終的には失われるので、ほとんどどの基でもよい。同様に、3炭素の不飽和置換基(−D1)、(−D2)及び(−D3)では、3つの炭素原子のうち2つが酸化的に切断され、カルボン酸基を残す。Δ4,6−3−ケトステロイド又はそのケタール(I)出発材料を対応する7α置換ステロイド(II)へ変換する場合、Δ4,6−3−ケトステロイド又はそのケタール(I)出発材料を:
(d)式(B):
−CE=M (B)
(e)式(C):
−C≡C−E (C)
(f)式(D1、D2及びD3):
−CH−CH=CH (D1)
−CH=CH=CH (D2)
−CH−C≡C−H (D3)
[ここで、R、E、E、Mは、上記に定義される通りである]
からなる群より選択される求核体と、
(1)ルイス酸、
(2)pKが約5未満のプロトン酸、又は
(3)pKが約2未満の酸との式:
Figure 2006505624
及び
Figure 2006505624
の二級アミンの塩の存在下に反応させる。ルイス酸は、共役付加を促進させるとともに、7α−立体化学の形成に有利である。
付加物(−B)及び(−C)は、1以上の酸化剤での処理によりカルボン酸(VI)の−CO−OHへ変換される。酸化剤は、C=M二重結合を炭素−酸素二重結合へ切断すること、C−Rb2単結合を炭素−酸素単結合へ切断すること、及び炭素−炭素三重結合をカルボン酸へ切断することが可能でなければならない。酸化剤の選択は、置換基−CRb2=M又は−C≡C−Rc2の酸化の固有の困難さに依存する。酸化の困難さが大きいほど、より強力な酸化剤が必要とされる。好適な酸化剤には、オゾン、一重項酸素、三重項酸素、過酸化水素、ヒドロペルオキシド、ペルカルボン酸、次亜ハロゲン酸塩、等が含まれる。2−メチルフラン付加物(II)の場合、カルボン酸(VI)への変換は、好ましくは、次亜臭素酸カリウムに続いてオゾン、続いてジメチルスルフィド、続いて過酸化水素での処理によって達成する。
アリル付加物(−D1)は、二重結合の−CH=CH−CHへの異性化に続く、酸化的後処理(亜塩素酸ナトリウムのような)でのオゾン化によって、カルボン酸(VI)の−CO−OHへ変換する。二重結合の異性化は、以下の試薬のいずれにより達成してもよい:還流でのエタノール中三塩化ロジウム、約90°でのHRuCl[P(−φ)、20〜25°でのLiNH(CHNH(リチウム1,3−ジアミノプロパン)、約80°でのトルエン中PdCl(φ−CN)、20〜25°でのHRh(CO)[P(−φ)、還流でのトルエン中ClRh[P(−φ)、100°でのClRu[P(−φ)、及び約−18°での塩化コバルト/ホウ水素化ナトリウム/P(−φ)
プロパルジル付加物(−D2)は、Rc2がCアルキルであるときの付加物(−C)への塩基又は遷移金属触媒異性化によってカルボン酸(VI)の−CO−OH官能基へ変換され、これは上記に論じた方法によって切断される。(−D2)の(−C)への異性化に適した塩基には、アンモニア又はTHF中ナトリウムアミド、THF中カリウム3−アミノプロピルアミド(「KAPA」として知られる)、約150°でのエチレングリコール中水酸化カリウム、DMSO又はt−ブタノール中カリウムt−ブトキシド、又はDMF若しくはTHF中水素化ナトリウム若しくはカリウムが含まれる。好適な遷移金属触媒には、Yb[φC=N−φ](HMPA)とHCo(N)[P(−φ)が含まれる。
アレニル付加物(−D3)は、酸化的後処理(亜塩素酸ナトリウムのような)でのオゾン化によって、カルボン酸(VI)の−CO−OH官能基へ変換する。
本発明には、7α置換ステロイド(II)の対応するカルボン酸(VI)生成物への変換の4工程法が含まれる。この4工程法は、(1)開環、(2)オゾン分解、(3)ヒドロペルオキシ脱酸素剤との反応、及び(4)酸化的切断剤との反応である。本発明の4工程法は、先行技術の方法工程に基づいて予測されるものに優る収率のカルボン酸(VI)を生成する。カルボン酸(VI)は:
(1)式(II)の7α置換ステロイドを:
(a)水及び塩基(この共役酸は、約8より大きいpKを有する)の存在下のハロゲン化剤、
(b)酸素供与剤、
(c)電気化学的酸化、
(d)水の存在下のキノン、又は
(e)非キノン酸化剤からなる群より選択される作用剤と接触させること;及び
(2)工程(1)の反応混合物を、式:R7−2−OHのアルコールの存在下にオゾンと接触させること;
(3)工程(2)の反応混合物をヒドロペルオキシ脱酸素剤と接触させること、及び
(4)工程(3)の反応混合物を酸化的切断剤と接触させることによって得られる。これらの工程のそれぞれは、この方法の工程を個別に論じたときに、上記に詳しく論じた。この方法はこの同じ工程を組み合わせたものであり、これらは上記に論じたのと同じ手段と同じ方法において実施する。
本発明には、7α置換ステロイド(II)の対応するカルボン酸(VI)生成物への変換の3工程法が含まれる。実施例34、工程(1)を参照のこと。この3工程法は、(1)オゾン分解、(2)ヒドロペルオキシ脱酸素剤との反応、及び(3)酸化的切断剤との反応である。本発明の3工程法は、カルボン酸(VI)を製造する方法であり、該方法は:
(1)7α置換ステロイド(II)を、式:R7−2−OHのアルコールの存在下にオゾンと接触させること;
(2)工程(1)の反応混合物をヒドロペルオキシ脱酸素剤と接触させること、及び
(3)工程(2)の反応混合物を酸化的切断剤と接触させることを含む。これらの工程のそれぞれは、この方法の工程を個別に論じたときに、上記に詳しく論じた。この方法はこの同じ工程を組み合わせたものであり、これらは上記に論じたのと同じ手段と同じ方法において実施する。カルボン酸(VI)は、酸と接触させることによって、その互変異性体様のビスラクトン(VII)へ容易に変換する場合がある。実施例34、工程(2)を参照のこと。本発明の方法において、メチルエステル(VIII)へ、そして最終的にはエプレレノン(IX)へ変換されるのは、カルボン酸(VI)である。このカルボン酸(VI)を結晶化により単離及び精製することが可能である。しかしながら、より熱力学的に安定であるビスラクトン(VII)へ異性化するというリスクを冒すことになる。故に、実際問題としては、実施例34、工程(1)の最後で止めずに、この反応混合物を持ち越して、ビスラクトン(VII)を単離して結晶させることが好ましい。従って、実施例34に例示される方法を工程(2)まで続けて、得られるビスラクトン(VII)を精製してから、メチルエステル(VIII)への変換のためにビスラクトン(VII)をカルボン酸(VI)へ戻し変換することがより容易で好ましい。
エプレレノン(IX)は、高アルドステロン症、浮腫、高血圧症及び鬱血性心不全の治療に有用な医薬品である。米国特許第4,559,332号を参照のこと。
本発明にはまた、11α−ヒドロキシステロイドを対応するΔ9(11)−ステロイドへ変換する新規な方法が含まれる。Δ9(11)−官能基は、エプレレノン(IX)の対応する9α,11α−エポキシド官能基へ容易に変換されるので、エプレレノン(IX)を生成するのにきわめて有用である。
11α−ヒドロキシステロイド(CIV)出発材料は、当業者に知られている。より特別には、11α−ヒドロキシ−17−ラクトン(CI)、11α,17β−ジヒドロキシプレグン−4−エン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン、メチルエステルが知られている。Drugs of the Future, 24(5), 488-501 (1999)、化合物(VI)を参照のこと。
11α−ヒドロキシステロイド(CIV)では、ステロイドA環が(1)〜(8)であることが好ましい:
Figure 2006505624
(1)Wは−H:−Hであり、Wは−H:−Hである、又はWはW1−1:W1−2であり、WはW2−1:W2−2であり(ここで、W1−1又はW1−2の一方は、W2−1又はW2−2の一方と一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、W1−1又はW1−2とW2−1又はW2−2の他方は−Hである);Wは=Oであり、WはW4−1:W4−2である(ここでW4−1及びW4−2の一方は、Wと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、W4−1及びW4−2の他方は−Hである);
(2)Wは=Oであり、Wは−H:−Hであり、Wはα配向であり、……O−CO−であり(C7で付いて、5,7−ラクトンを形成する)、ここでWとWは、上記に定義される通りである;
(3)Wは−O−W3−3:−O−W3−4であり;WはW4−3:W4−4であり(ここで、W4−3及びW4−4の一方は、Wと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、W4−3及びW4−4の他方は−Hであり;W3−3とW3−4は:
(a)同じであるか又は異なり、C〜Cアルキルである、
(b)一緒になって:
(i)−CH−CH−、
(ii)−CH−CH−CH−、
(iii)−CH−C(CH−)−CH−からなる群より選択される環式部分を形成する);そしてここでWとWは、上記に定義される通りである;
(4)Wは−O−W3−3:−O−W3−4であり;Wは−H:−Hであり;Wは、CとCの間に第二の結合を形成し;W3−3とW3−4は、上記に定義される通りである;
(5)WはW3−5:W3−6であり;ここで
(a)W3−5及びW3−6の一方は−Hであり、W3−5及びW3−6の他方は:
(i)−O−W3−5A(ここでW3−5Aは、C〜Cアルキルである)、
(ii)−O−CO−W3−5A(ここでW3−5Aは、上記に定義される通りである)、
(iii)−N(W3−5A(ここでW3−5Aは、上記に定義される通りである)、
(iv)ピペラジニル、
(v)モルホリニル、
(vi)ピペリジニルである;
(b)W3−5とW3−6は、それらに付く炭素原子と一緒になって:
(i)−O−CH−CH−O−、
(ii)−O−CH−CH−CH−O−、
(iii)−O−CH−C(CH−)−CH−O−が含まれる環式部分を形成し、そしてここでWは−H:−Hであり;Wは、CとCの間に第二の結合を形成する;
(6)WはW3−7:W3−8であり、ここでWはW4−7:W4−8であり、ここで
(a)W3−7及びW3−8の一方は:
(i)−O−W3−7A(ここでW3−7Aは、C〜Cアルキルである)、
(ii)−O−CO−W3−7A(ここでW3−7Aは、上記に定義される通りである)、
(iii)−N(W3−7A(ここでW3−7Aは、上記に定義される通りである)、
(iv)ピペラジニル、
(v)モルホリニル、
(vi)ピペリジニルであり;そしてここでW3−7及びW3−8の他方は、W4−7及びW4−8の一方と一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、W4−7及びW4−8の他方は−Hであり;Wは、CとCの間に第二の結合を形成する;
(7)Wはα−W3−9:β−W3−10であり;ここでW3−9は−Hであり、W3−10は:
(a)−O−CO−W3−10A(ここでW3−10Aは、C〜Cアルキルである)、
(b)−O−CO−O−W3−10B{ここでW3−10Bは:
(i)C〜Cアルキル、
(ii)1〜3のC〜Cアルキル、−F、−Cl、−Br、−I、C〜Cアルコキシで随意に置換される−φ、
(iii)−CH−φ(ここでφは、1〜3のC〜Cアルキル、−F、−Cl、−Br、−I、C〜Cアルコキシで随意に置換される)である}であり;ここでWRは−H:−Hであり;そしてWは、CとCの間に第二の結合を形成し;そしてここでWとWは、上記に定義される通りである;
(8)Wはα−W3−9:β−W3−10であり;ここでWはW4−9:W4−10であり、ここでW3−9とW3−10は、上記に定義される通りであり;ここで、W4−9及びW4−10の一方は、Wと一緒になって、それらに付く原子の間に第二の結合を形成し、W4−9及びW4−10の他方は−Hであり;そしてここでWとWは、上記に定義される通りである。
ステロイドA環の官能基は、(1)と(7)であることがより好ましい:
(1)Wは−H:−Hであり、Wは−H:−Hである、又はWはW1−1:W1−2であり、WはW2−1:W2−2であり(ここで、W1−1又はW1−2の一方は、W2−1又はW2−2の一方と一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、W1−1又はW1−2とW2−1又はW2−2の他方は−Hである);Wは=Oであり、WはW4−1:W4−2である(ここでW4−1及びW4−2の一方は、Wと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、W4−1及びW4−2の他方は−Hである);
(7)Wはα−W3−9:β−W3−10であり;ここでW3−9は−Hであり、W3−10は:
(b)−CO−W3−10A(ここでW3−10Aは、C〜Cアルキルである)、
(c)−CO−O−W3−10B{ここでW3−10Bは:
(i)C〜Cアルキル、
(ii)1〜3のC〜Cアルキル、−F、−Cl、−Br、−I、C〜Cアルコキシで随意に置換される−φ、
(iii)−CH−φ(ここでφは、1〜3のC〜Cアルキル、−F、−Cl、−Br、−I、C〜Cアルコキシで随意に置換される)である}であり;ここでWRは−H:−Hであり;そしてWは、CとCの間に第二の結合を形成し;そしてここでWとWは、上記に定義される通りである。
ステロイドA環の官能基は:
(1)Wは−H:−Hであり、Wは−H:−Hである、又はWはW1−1:W1−2であり、WはW2−1:W2−2であり(ここで、W1−1又はW1−2の一方は、W2−1又はW2−2の一方と一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、W1−1又はW1−2とW2−1又はW2−2の他方は−Hである);Wは=Oであり、WはW4−1:W4−2である(ここでW4−1及びW4−2の一方は、Wと一緒になって、それらに付く炭素原子の間に第二の結合を形成し、W4−1及びW4−2の他方は−Hである)ことがさらにより好ましい。
11α−ヒドロキシステロイド(CIV)では、ステロイドD環が:
Figure 2006505624
であることが好ましい[式中、W17は:
(1)=O、
(2)α−W17−1:β−W17−2(ここで:
(a)W17−1とW17−2は、付く炭素原子と一緒になって、式:……CH−O−のエポキシドを形成する、
(b)W17−1とW17−2は、付く炭素原子と一緒になって、式:……CH−CH−CO−O−のラクトンを形成する);
(3)α−W17−3:β−W17−4{ここで:
(a)W17−3は:
(i)−H、
(ii)−O−CO−W17−3A(ここでW17−3Aは、−H又は−CO−W17−3Bであり、ここでW17−3Bは、C〜Cアルキル又は−φである)であり、
(b)W17−4は、−CO−CHである};
(4)α−W17−5:β−W17−6{ここで:
(a)W17−5は:
(i)−O−CO−W17−5A(ここでW17−5Aは、C〜Cアルキル又は−φである)であり、
(b)W17−6は:
(i)−CO−CH−O−W17−6A(ここでW17−6Aは、C〜Cアルキル又は−φである)である}]。
エプレレノン型化合物では、W17は:
(1)=O、
(2)α−W17−1:β−W17−2(ここで:
(a)W17−1とW17−2は、付く炭素原子と一緒になって、式:……CH−O−のエポキシドを形成する、
(b)W17−1とW17−2は、付く炭素原子と一緒になって、式:……CH−CH−CO−O−のラクトンを形成する)であることが好ましい。
エプレレノン型化合物では、W17は:
(1)=O、
(2)α−W17−1:β−W17−2(ここで:
(b)W17−1とW17−2は、付く炭素原子と一緒になって、式:……CH−CH−CO−O−のラクトンを形成する)であることがより好ましい。
プロゲステロンとヒドロキシプロテステロンでは、W17は:
(3)α−W17−3:β−W17−4であることが好ましい{ここで:
(a)W17−3は:
(i)−H、
(ii)−O−CO−W17−3A(ここでW17−3Aは、−H又は−CO−W17−3Bであり、ここでW17−3Bは、C〜Cアルキル又は−φである)であり、
(b)W17−4は、−CO−CHである}であることが好ましい。
コルチコイドでは、W17は:
(4)α−W17−5:β−W17−6{ここで:
(a)W17−5は:
(i)−O−CO−W17−5A(ここでW17−5Aは、C〜Cアルキル又は−φである)であり、
(b)W17−6は:
(i)−CO−CH−W17−6A(ここでW17−6Aは、C〜Cアルキル又は−φである)である}ことが好ましい。
特に、エプレレノン型化合物についてのステロイドのA、B及びD環の好ましい組合せには、チャートCに示す環系が含まれる。チャートCの11α−ヒドロキシステロイド(IV)は、当業者に知られているか、又は既知の化合物より既知の方法によって容易に製造することができる。
本発明の方法において、11α−ヒドロキシ−17−ラクトン(CI)又は11α−ヒドロキシステロイド(CIV)の出発材料を式(CVI):
Figure 2006505624
[式中:
は、C〜Cアルキルであり;
は、C〜Cアルキルであり、ここでZとZは、付く窒素原子と一緒に、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル及びモルホリニルからなる群より選択される5又は6員の複素環を形成し;
は、−F又は−CFである]のN−フルオロアルキルアミン試薬と接触させる。N−フルオロアルキルアミン(CVI)は、N−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル)ジエチルアミン(これは、石川試薬として知られている)、又は1,1,2,2−テトラフルオロエチル−N,N−ジメチルアミンであることが好ましい。
本発明の方法は、好ましくは、約1当量の11α−ヒドロキシ−17−ラクトン(CI)又は11α−ヒドロキシステロイド(CIV)と約1〜約1.5当量の石川試薬、より好ましくは約1.2当量の石川試薬の使用により実施する。本発明の方法を約20〜約82°、より好ましくは約40〜約70°の温度範囲で実施することが好ましい。この反応は、通常、反応条件、特に温度と濃度に依存して、完了するのに約1時間〜約24時間がかかる。例えば、約60°と0.8モル濃度では、反応に約3時間がかかる。
11α−ヒドロキシ−17−ラクトン(CI)又は11α−ヒドロキシステロイド(CIV)をN−フルオロアルキルアミン試薬(CVI)へ加えても、N−フルオロアルキルアミン試薬(CVI)を11α−ヒドロキシ−17−ラクトン(CI)又は11α−ヒドロキシステロイド(CIV)へ加えてもよいが、N−フルオロアルキルアミン試薬(CVI)を11α−ヒドロキシ−17−ラクトン(CI)又は11α−ヒドロキシステロイド(CIV)へ加えることがより実践的である。
本発明の方法は、アセトニトリルのような乾燥している(KFが0.5%未満である)溶媒において実施することが好ましい。
式(CII)のΔ9(11)−17−ラクトン、17β−ヒドロキシプレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン、メチルエステルは知られていて、米国特許第4,559,332号、実施例1(d)と国際特許公開公報WO98/25948、284頁を参照のこと。これは、エプレレノン(CIII)として知られている医薬品、9α,11α−エポキシ−17β−ヒドロキシプレグン−4−エン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン、メチルエステルの製造に有用である。
化合物(CII)及び(CV)のステロイドC環の官能基、Δ9(11)−は、ステロイドの当該技術分野の化学者にとってきわめて有用な官能基である。これは、当業者によく知られるように、対応する9α,11α−エポキシ官能基と9α−フルオロ−11β−ヒドロキシ官能基、並びに11−ケトや他の官能基へ容易に変換することができる。これらの化合物は、有用な医薬品である。従って、11α−ヒドロキシステロイド(CIV)の対応するΔ9(11)−ステロイド(CV)への変換に関する本発明の方法は、きわめて有用な方法であり、当業者に明らかであるように、多種多様な11α−ヒドロキシステロイド(CIV)で機能可能である。これには、プロゲステロン、17α−ヒドロキシプロゲステロン、コルチコイド、並びに、エステル等のようなその通常の一般的な誘導体及び類似体が含まれる。故に、本方法は、製剤的に有用なステロイドの製造における有用な中間体であるΔ9(11)−ステロイド(CV)を生成する。当業者には、所定のΔ9(11)−ステロイド(CV)があれば、それを製剤的に有用な生成物へ変換する方法がわかるだろう。
本発明にはまた、上記の1以上の方法によって、11α−ヒドロキシ化合物を対応するΔ9(11)−化合物へ変換するためのいくつかの方法が含まれる。例えば、記載されるのは、(1)11α−ヒドロキシ−7α置換ステロイド(II)の対応するΔ9(11)−7α置換ステロイド(II)への変換の方法、(2)11α−ヒドロキシcis−エンジオン(III−cis)又は11α−ヒドロキシtrans−エンジオン(III−trans)を対応するΔ9(11)−transエンジオン(III−trans)へ変換するための方法、及び(3)11α−ヒドロキシ−ヒドロキシ化合物(IV−OH)又は11α−ヒドロキシ−ヒドロペルオキシ化合物(IV−OOH)又は11α−ヒドロキシビスカルボニル化合物(V)又はこれらの混合物を対応するΔ9(11)−カルボン酸(VI)へ変換する方法である。
定義と慣例
以下の定義及び説明は、明細書と特許請求項がともに含まれる、本文書全体で使用する用語のためのものである。
I.式の慣例と可変基の定義
明細書及び特許請求項において様々な化合物又は分子断片を表す化学式は、明確に定義される構造特徴だけでなく、可変の置換基を含有する場合がある。これらの可変置換基は、文字又は下付き数字の続く文字、例えば「Z」又は「R」(ここで「i」は整数である)により同定される。これらの可変置換基は、1価又は2価のいずれかであり、即ち、それらは、1又は2の化学結合により式へ付く基を表す。例えば、Z基は、式:CH−C(=Z)Hへ付けば、2価の可変基を表す。R及びR基は、式:CH−CH−C(R)(R)CHへ付けば、1価の可変置換基を表す。上記のように、化学式を直線形式において引用するとき、括弧に含まれる可変置換基は、括弧に囲まれた可変置換基のすぐ左の原子へ結合する。2以上の連続した可変置換基が括弧に囲まれるとき、この連続した可変置換基のそれぞれは、括弧に囲まれていないすぐ左の先行原子へ結合する。従って、上記の式において、RとRは、ともに先行する炭素原子へ結合する。また、ステロイドのように、炭素原子の記数系が確立した分子では、これらの炭素原子をCと表記し、ここで「i」は、炭素原子の番号に対応する整数である。例えば、Cは、ステロイド化学の当業者により伝統的に表記されるステロイド母核の6位又は炭素原子の番号を表す。同様に、用語「R」は、C位での可変置換基(1価又は2価のいずれか)を表す。
直線形式で引用する化学式又はその部分は、直鎖の原子を表す。記号「−」は、一般に、鎖中の2原子間の結合を表す。従って、CH−O−CH−CH(R)−CHは、2位置換1−メトキシプロパン化合物を表す。同様の形式において、記号「=」は二重結合を表し(例、CH=C(R)−O−CH)、記号「≡」は三重結合を表す(例、HC≡C−CH(R)−CH−CH)。カルボニル基は、2つのやり方:−CO−又は−C(=O)−のいずれか一方で表されるが、前者の方が簡単なので好ましい。
環式(環)化合物又は分子断片の化学式も直線形式で表すことができる。従って、化合物、4−クロロ−2−メチルピリジンは、直線形式で、N=C(CH)−CH=CCl−CH=CHによって表すことができて、慣例として、アステリスク()でマークした原子が互いに結合して、環の形成をもたらす。同様に、環式の分子断片、4−(エチル)−1−ピペラジニルは、−N−(CH−N(C)−CH−Cにより表すことができる。
本明細書の化合物の厳密な環式(環)構造は、厳密な環式化合物の各炭素原子へ付く置換基について、環の面に関する配向を規定する。環系の一部である炭素原子へ2つの置換基が付いた(−C(X)(X)−)飽和化合物では、2つの置換基は、環に対してアキシャル又はエクアトリアル位置のいずれかであっても、又はアキシャル/エクアトリアルの間で変化してもよい。しかしながら、環と互いに対するこの2つの置換基の位置は一定のままである。片方の置換基が面の上又は下に(アキシャル)ではなくて、環の面内(エクアトリアル)に時々存在する間、一方の置換基は、いつでも他方の上に存在する。こうした化合物を図示する化学構造式において、別の置換基(X)の「下に」ある置換基(X)は、アルファ(α)配置にあるものとして同定され、炭素原子に対して破線、断線又は点線により、即ち「−−」又は「…」により付くものと同定される。対応する置換基が(X)の「上に」付くとき、他方(X)は、ベータ(β)配置にあるものとして同定され、炭素原子に対して間断のない線の付加により示される。
可変置換基が2価であるとき、この原子価は、一緒になっても、別々でもよく、あるいはともに可変基の定義にある。例えば、−C(=R)として炭素原子へ付く可変基のRは、2価であり得てオキソ又はケトとして(従って、カルボニル基:−CO−を形成する)定義されても、又は2つの別々に付く1価の可変置換基:α−Ri−j及びβ−Ri−kとして定義されてもよい。2価の可変基、Rが2つの1価の可変置換基からなると定義されるとき、この2価の可変基を定義するために使用する慣例は、「α−Ri−j:β−Ri−k」の型か又はその変型である。このような場合、α−Ri−jとβ−Ri−kは、いずれも炭素原子へ付いて、−C(α−Ri−j)(β−Ri−k)−となる。例えば、2価の可変基、R、−C(=R)−が2つの1価可変置換基からなると定義されるとき、2つの1価可変置換基は、α−R6−1:β−R6−2、…α−R6−9:β−R6−10、等であり、−C(α−R6−1)(β−R6−2)−、…−C(α−R6−9)(β−R6−10)−、等を生じる。同様に、2価の置換基、R11、−C(=R11)−では、2つの1価可変置換基は、α−R11−1:β−R11−2である。別々のα及びβ配向が存在しない(例えば、炭素−炭素二重結合の環中の存在のために)環置換基と、環の一部ではない炭素原子へ結合した置換基についても上記の慣例がやはり使用されるが、α及びβの表記は省略される。
2価の可変基が2つの別々の1価可変置換基として定義されるのと同じように、2つの別々の1価可変置換基は、一緒になって2価可変基を形成すると定義される場合がある。例えば、式:−C(R)H−C(R)H−(CとCは、それぞれ第一炭素及び第二炭素と任意に定義する)において、RとRは、一緒になって(1)CとCの間に第二の結合又は(2)オキサ(−O−)のような2価の基を形成すると定義される場合があり、この式は、それによりエポキシドと記載される。RとRが一緒になって、−X−Y−基のようなより複雑な実体を形成するとき、この実体の配向は、上記式中でCがXへ結合し、CがYへ結合するといったものである。このように、慣例によれば、表記「RとRが一緒になって−CH−CH−O−CO−…を形成する」は、カルボニルがCへ結合しているラクトンを意味する。しかしながら、「…RとRが一緒になって−CO−O−CH−CH−を形成する」と表記されるとき、この慣例は、カルボニルがCへ結合しているラクトンを意味する。
可変置換基の炭素原子含量は、2つのやり方の1つで示す。第一の方法は、「C〜C」(ここで、「1」と「4」はともに整数であり、可変基中の炭素原子の最小数及び最大数を表す)のように可変基の全体名に対して接頭辞を使用する。接頭辞は、可変基よりスペースにより分ける。例えば、「C〜Cアルキル」は、1〜4の炭素原子のアルキルを表す(反対のことが表記されなければ、この異性体型も含まれる)。この単一の接頭辞が与えられるときはいつでも、この接頭辞は、定義される可変基の全体の炭素原子含量を示す。従って、C〜Cアルアルコキシ−カルボニルは、CH−(CH−O−CO−基(ここでnは、0、1又は2である)を表す。第二の方法では、定義される各部分だけの炭素原子含量が、「C〜C」表記を括弧に囲み、定義される定義部分の直前に(介在スペースなしに)それを置くことによって、別々に示される。この随意の慣例により、(C〜C)アルコキシカルボニルは、「C〜C」がアルコキシ基の炭素原子含量だけを意味するので、C〜Cアルコキシカルボニルと同じ意味を有する。同様に、C〜Cアルコキシアルキルと(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルはいずれも2〜6の炭素原子を含有するアルコキシアルキル基を定義するが、前者の定義ではアルコキシ又はアルキル部分の片方だけが4又は5の炭素原子を含有することを許容するのに対し、後者の定義ではこれらの基がいずれも3つの炭素原子へ制限されるので、2つの定義は異なる。
特許請求項がかなり複雑な(環式)置換基を含有するときには、特別な置換基を呼称/表記する句の末尾に、この特別な置換基の化学構造式も示すチャートの1つに同じ名称/表記に対応する表示が(括弧)にある。
II.定義
温度は、いずれも摂氏(℃)である。
TLCは、薄層クロマトグラフィーを意味する。
LCは、液体クロマトグラフィーを意味する。
ESTDLCは、外部標準液体クロマトグラフィーを意味する。
THFは、テトラヒドロフランを意味する。
DMAPは、p−ジメチルアミノピリジンを意味する。
DDQは、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンを意味する。
DBUは、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンを意味する。
DBNは、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エンを意味する。
DABCOは、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンを意味する。
クロマトグラフィー(カラム及びフラッシュクロマトグラフィー)は、化合物の精製/分離を意味し、(支持体、溶出液)として表される。適切な分画をプールして濃縮して、望ましい化合物(群)を得ることと理解されている。
カルボン酸(VI)は、その製剤的に許容される塩を意味し、それが含まれる。
CMRは、C−13磁気共鳴分光法を意味し、化学シフトをTMSからのppm(δ)下方磁場で報告する。
NMRは、核プロトン磁気共鳴分光法を意味し、化学シフトをTMSからのppm(δ)下方磁場で報告する。
本発明において、用語「変換(conversion)/変換(transformation)」又は「変換する(convert)/変換する(transform)」は、相互交換可能的に使用して、同じこと、つまりある化合物が記載の方法により別の化合物になる反応を意味する。
TMSは、トリメチルシリルを意味する。
オキソンは、KHSOを意味する。
−φは、フェニル(C)を意味する。
MSは、質量分析法を意味し、m/e、m/z又は質量/電荷単位として表す。[M+H]は、親化合物+水素原子の陽イオンを意味する。EIは、電子衝撃を意味する。CIは、化学イオン化を意味する。FABは、高速原子衝突を意味する。
「製剤的に許容される」は、組成、製剤、安定性、患者アクセプタンス及びバイオアベイラビリティに関して、薬理学/毒性学の視点より患者へ受容されて、物理/化学の視点より製造する医薬化学者に受容される性質及び/又は物質を意味する。
溶媒の対を使用するとき、使用する溶媒の比は、容量/容量(v/v)である。
固体の溶媒中での溶解性を使用するとき、固体の溶媒に対する比は、重量/容量(wt/v)である。
Δ−カンレノンは、17β−ヒドロキシプレグナ−4,6,9−トリエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトンを意味する。
エプレレノンは、9α,11α−エポキシ−17β−ヒドロキシプレグン−4−エン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン、メチルエステルを意味する。
ネオペンチルグリコールは、HO−CH−C(CH−CH−OHを意味する。
ヨードソベンゼンは、φI=Oを意味する。
ヨードベンゼンビストリフルオロアセテートは、φI(O−CO−CFを意味する。
ヨードベンゼンジアセテートは、φI(O−CO−CHを意味する。
トリチルフルオロホウ酸は、フルオロホウ酸トリフェニルカルベニウムとしても知られ、φBF を意味する。
acacは、アセチルアセトン酸を意味する。
dppbは、ジフェニルホスフィノブタンを意味する。
Tfは、トリフルオロメタンスルホン酸を意味する。
ジメチルスルフィドは、CHSCHを意味する。
石川試薬は、N−(1,1,2,3,3,3)ヘキサフルオロプロピルジエチルアミンを意味する。
「酸化的切断剤」は、ビスカルボニル化合物(V)又はヒドロキシ化合物(IV−OH)をカルボン酸(VI)へ酸化する試薬である。
「ヒドロペルオキシ−脱酸素剤」は、ヒドロペルオキシド化合物(IV−OOH)より酸素原子を除去して、対応するヒドロキシ化合物(IV−OH)を与える試薬である。
「脱酸素剤」は、分子より酸素原子を除去する試薬である。従って、「ヒドロペルオキシ−脱酸素剤」は、特別なタイプの脱酸素剤である。
「カルボン酸形成剤」は、ヒドロペルオキシド化合物(IV−OOH)をカルボン酸(VI)へ転位させる試薬である。
「酸素供与剤」は、7α置換ステロイド(II)へ酸素原子を提供してそれをcis−エンジオン(III−cis)へ変換する試薬である。
PXRDは、粉末X線回折を意味する。
実施例
当業者は、さらなる詳述なしに、先の記載を使用して本発明を完全な程度まで実施することができると考えられる。以下の詳細な実施例は、いかに本発明の様々な化合物を製造する、及び/又は様々な方法を実施するかを記載するものであり、単なる例示として解釈すべきであって、先行の開示内容をいささかも制限するものではない。当業者には、反応体と反応の条件及び技術のいずれに関しても本方法からの適切な変更がすぐにわかるだろう。
実施例1 17β−ヒドロキシプレグナ−4,6,9(11)−トリエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン、環式3−(2’,2’−ジメチル−1’,3’−プロパンジイルケタール)(I−P)
Figure 2006505624
17β−ヒドロキシプレグナ−4,6,9(11)−トリエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン3−メチルエノールエーテル(I,3.00g,8.4629ミリモル)と過塩素酸リチウム(199.6mg,1.8761ミリモル、0.22当量)をアセトニトリル(20ml)及び塩化メチレン(10ml)においてスラリー化して、−15°へ冷やし、2,2−ジメチル−1,3−プロピレングリコール(2.19g,21.027ミリモル、2.48当量)で処理してから、DDQ(2.29g,10.088ミリモル、1.19当量)の酢酸エチル溶液の73分にわたる滴下で処理する。40分間撹拌した後で、この反応混合物を水酸化アンモニウム(28%,5ml)で失活させ、酢酸エチルで希釈し、濃縮し、塩化メチレンで希釈して、濾過する。濾液を酢酸エチルで希釈し、重炭酸ナトリウム/塩化ナトリウム水溶液に続いて水で洗浄してから、マグネゾール(magnesol)に通して濾過し、塩化メチレンで溶出させる。溶出液を濃縮して固形物を得て、これをトルエンで摩砕し、窒素流により乾燥させて、表題化合物を得る。
Figure 2006505624
実施例2 17β−ヒドロキシプレグナ−4,6,9(11)−トリエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン、環式3−エタンジイルケタール(I−P)
Figure 2006505624
塩化メチレン(5ml)中の17β−ヒドロキシプレグナ−4,6,9(11)−トリエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン3−メチルエノールエーテル(I,300mg,0.8463ミリモル)を−15°へ冷やしてから、エチレングリコール(220mg,3.544ミリモル、4.19当量)で処理する。この混合物へ30分にわたりDDQ(230mg,1.0132ミリモル、1.20当量)の溶液を滴下する。この添加が完了した後で、反応物を−15°で5分間撹拌すると、この時点でTLC分析(酢酸エチル/シクロヘキサン、66/34)は、出発のメチルエノールエーテル(R=0.69)の対応するエチレンケタール(R=0.54)への変換がほとんど完了したことを示す。次いで、この反応物を濃水酸化アンモニウム(0.5ml)で失活させて、濾過する。次いで、濾液を1.0gの(カートリッジグレード)マグネゾールに通して濾過して、標準試料との比較により、表題化合物を得る。
Figure 2006505624
実施例3 17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
Figure 2006505624
Δ−カンレノン(I,90.0g,0.2659モル)をニトロメタン(730〜735ml)と混合する。次いで、2−メチルフラン(49.5ml,45.04g,0.5487モル、2.06当量)を加える。生じる混合物を−20°へ冷やしてから、無水エタノール(15.8ml,12.55g,0.2723モル、1.02当量)に続き、三フッ化エーテル酸ホウ素(d=1.120;37.2ml,41.66g,0.2936モル、1.10当量)で処理する。この混合物を−18.4°へ再び冷やし、17時間撹拌すると、この時点で反応がLCによれば完了した。この反応混合物をアンモニア(15%水溶液、225ml)で失活させる。この混合物を0°より高く温め、水(200ml)を加え、有機相を分離して、水相を塩化メチレン(2x200ml)で抽出する。この有機抽出物を硫酸マグネシウム(100g)で乾燥させてから、マグネゾール(100gカートリッジグレード)に通して濾過し、ケークを塩化メチレン(5x200ml)で洗浄する。次いで、溶出液を減圧で濃縮してフォームとし、酢酸エチル(200ml)でスラリー化し、再濃縮してから、50°〜60°で酢酸エチル(950ml)に溶かす。この混合物を約500ml容量まで濃縮してから、シクロヘキサン(250ml)で希釈する。生成物がゆっくり結晶しはじめる。このスラリーを約500ml容量まで再濃縮し、20〜25°へ冷やし、さらに約400ml容量まで濃縮してから、0°へ冷やす。0°で一晩の後で、このスラリーを濾過し、ケークをシクロヘキサンに続いてヘプタンで洗浄し、50°の真空オーブンで乾燥させて、表題化合物を得る。TLC=0.37(酢酸エチル/シクロヘキサン、66/34)。
Figure 2006505624
濾液を濃縮してフォームとし、これを酢酸エチル(40ml)に溶かし、約20mlまで濃縮し、種入れし、シクロヘキサン(20ml)で希釈し、約30mlまで濃縮し、週末にわたり0°へ冷やしてから、濾過し、酢酸エチル/シクロヘキサン(1/2)で洗浄し、乾燥させて、追加の表題化合物を得る。
実施例4 17β−ヒドロキシ−7α−(trans−1’,4’−ジオキソペント−2’−エン−1’イル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(III−trans)
Figure 2006505624
工程A:17β−ヒドロキシ−7α−(cis−1’,4’−ジオキソペント−2’−エン−1’イル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(III−cis)
THF(40ml)及び水(12.5ml)中の17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II,実施例3,5.04g,11.9843ミリモル)と酢酸カリウム(1.7g,17.32ミリモル、1.45当量)の混合物を23.8°においてジブロマンチン(2.0g,6.995ミリモル、0.58当量)に続きイソブチルビニルエーテル(500μl,384mg,3.834ミリモル、0.32当量)で処理する。この反応混合物を20〜25°で1時間撹拌すると、この時点で出発材料(II,R=0.50)のcis及びtrans−エンジオン(R=0.11)への変換がTLC(酢酸エチル/シクロヘキサン、66/34)によれば完了する。この反応混合物を水(200ml)で希釈し、塩化メチレン(2x100ml)で抽出する。抽出物を合わせ、水(50ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、cis−エンジオン(III−cis)を得る。
工程B:17β−ヒドロキシ−7α−(trans−1’,4’−ジオキソペント−2’−エン−1’イル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(III−trans)
濃縮物(工程A)をクロロホルム(100ml)に取り、この混合物を20〜25°で20時間撹拌すると、この時点でcis−エンジオンのtrans−エンジオンへの変換が、TLC及びLCにより測定されるように、完了したと判定される(cis/trans=1.1/98.9)。次いで、この混合物を濃縮し、濃縮物を20〜25°で酢酸エチル(20ml)に取り、シクロヘキサン(80ml)で希釈すると、結晶化を引き起こす。このスラリーを冷やし、濾過して、ケークをシクロヘキサンで洗浄し、50°の減圧で乾燥させて、表題化合物を得る。
Figure 2006505624
実施例5 17β−ヒドロキシプレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン(VI)
Figure 2006505624
工程A:17β−ヒドロキシ−7α−(1’−オキソ−2’−イソプロポキシ−2’−ヒドロキシ−エチル)プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(IV−OH);17β−ヒドロキシ−7α−(1’−オキソ−2’−イソプロポキシ−2’−ヒドロペルオキシエチル)プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(IV−OOH)及び17β−ヒドロキシ−7α−(2’−オキソ−アセチル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(V)
イソプロパノール(11ml)及び塩化メチレン(5ml)中の17β−ヒドロキシ−7α−(trans−1’,4’−ジオキソ−ペント−2’−エン−1’イル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(III−trans,実施例4,551.8mg,1.2640ミリモル)の混合物を−55°へ冷やす。0.4面積%(LCによる)のtrans−エンジオン(III)が残るまで、この混合物に酸素中のオゾンを泡立てて通す。この混合物に窒素を7分間噴霧することによってオゾンを追い出して、表題化合物の混合物を得る。
工程B:17β−ヒドロキシ−7α−(1’−オキソ−2’−イソプロポキシ−2’−ヒドロキシ−エチル)プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(IV−OH);17β−ヒドロキシ−7α−(1’,2’−ジオキソ−エチル)プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(V)及び17β−ヒドロキシ−7α−(2’−オキソ−アセチル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(V)
次いで、工程Aの混合物をジメチルスルフィド(340μl,288mg,4.630ミリモル、3.66当量)で失活させ、20〜25°へ温め、20〜25°で50分間撹拌して、表題化合物の混合物を得る。
工程C:17β−ヒドロキシプレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン(VI)
次いで、工程Bの混合物を過酸化水素(70%水溶液、430μl,560mg,392mg(11.52ミリモル、9.12当量)の過酸化水素を含有する)と重炭酸カリウム(637.7mg,6.369ミリモル、5.04当量)の水(8ml)溶液で処理する。生じる2相の混合物を十分なメタノールで希釈すると1相の混合物(5ml)を生じ、次いでこれを20〜25°で16時間撹拌してから、LC分析のためにメタノールで500mlの容量へ希釈する。LC分析は、既知化合物との比較により、表題化合物が得られたことを示す。
上記500ml溶液の20.0ml部分を吸引し、メタノールで50mlの容量へさらに希釈した。この溶液(LCによれば、17.3mg[0.0450ミリモル]のカルボン酸を含有する)を低容量まで濃縮し、水で希釈し、塩酸(1N)で酸性化し、塩化メチレン(2x)で抽出する。2つの抽出物をそれぞれ水で連続して洗浄してから、合わせて、濃縮する。この濃縮物をメタノール/トルエン(1/1;2ml)に取り、ヘキサン中トリメチルシリルジアゾメタン、(CHSiCHNの混合物(2.0M,0.25ml,0.50ミリモル、11.1当量)で処理する。TLC分析(酢酸エチル/シクロヘキサン;66/34)は、表題化合物(R=0.23)が得られることを示し;LC分析(210nmで検出)は、既知の標準品と同じ保持時間と、表題化合物が得らることを示す。
実施例6 17β−ヒドロキシプレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン、メチルエステル(VIII)
Figure 2006505624
実施例5の工程Cの500ml混合物の残り(479ml,414.4mg[1.0777ミリモル]の17β−ヒドロキシプレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン(VI,実施例5C)を含有する)を一部濃縮し、水(20ml)で希釈し、約20mlの容量まで濃縮し、塩酸(18ml)で処理し、塩化メチレン(25ml,次いで2x15ml)で抽出する。抽出物を水(30ml)で洗浄し、合わせて、50.0mlの容量まで濃縮する。この混合物の半分を低容量まで濃縮し、酢酸エチルで希釈して、重炭酸カリウム(25%水溶液、20ml,次いで10ml)で抽出する。この抽出物を合わせ、塩酸(1N)でpH3へ酸性化し、塩化メチレン(40ml,次いで2x15ml)で抽出する。次いで、抽出物を合わせ、水で洗浄し、1ml未満の容量まで濃縮し、炭酸ナトリウム(349.9mg,3.298ミリモル、カルボン酸に基づいて6.12当量)の水(1.0ml)溶液に続き、重硫酸テトラ−n−ブチルアンモニウム、(n−ブチル)NHSO(20.4mg,0.0601ミリモル、0.11当量)に続き、硫酸ジメチル(108μl,144.0mg,1.14ミリモル、2.11当量)で処理する。この混合物を塩化メチレン(0.1ml)で希釈し、20〜25°で11.5時間撹拌し、塩酸(1N,10ml)で処理し、塩化メチレン(10ml,次いで2x5ml)で抽出する。抽出物を合わせ、水で洗浄し、濃縮して、既知の標準品に一致する表題化合物を得る。
実施例7 17β−ヒドロキシ−7α−(cis−3’−アセトキシアクリロイル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(X−cis)
Figure 2006505624
塩化メチレン(40ml)及びメタノール(10ml)中の17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II,実施例3,3.0138g,7.1663ミリモル)の冷(−78°)混合物に、出発材料が完全に消費されるまで(LC,25分)O/O(オゾン/酸素)流を通してから、この混合物をOに続き窒素で追い出し、亜リン酸トリメチル(3.0ml,3.16g,25.435ミリモル、3.55当量)で失活させて、20〜25°へ温める。1時間撹拌した後で、LC分析は、表題化合物が得られることを示す。
Figure 2006505624
実施例8 17β−ヒドロキシ−7α−(trans−3’−アセトキシアクリロイル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(X−trans)
Figure 2006505624
実施例7,17β−ヒドロキシ−7α−(cis−3’−アセトキシアクリロイル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(X−cis,実施例7)の反応混合物を1時間撹拌した後で、反応混合物を塩酸(5%水溶液、25ml)で失活させ、20〜25°で20分間撹拌すると、この時点でtransへの異性化が完了している。次いで、有機相を分離し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフ処理して(シリカゲル、150g;勾配溶出液、40%→70% 酢酸エチル/シクロヘキサン)、表題化合物を得る。次いで、この材料を酢酸エチル/ヘプタン(70/30)より結晶させて、表題化合物を純粋型で得る。
Figure 2006505624
実施例9 17β−ヒドロキシ−7α−(2’−ヒドロペルオキシ−2’−メトキシアセチル)プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(IV−OOH)
Figure 2006505624
塩化メチレン/メタノール(2/1,6ml)中の17β−ヒドロキシ−7α−(trans−3’−アセトキシアクリロイル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(X−trans,実施例8,311.0mg,0.6872ミリモル)の冷却(−78°)混合物に、青色が存続するまで(3分)オゾン/酸素流を通す。酸素に続き窒素で過剰オゾンを追い出してから、この反応混合物を20〜25°へ温めて、塩化メチレンで10mlへ希釈する。この混合物の一部(3.5ml,0.2405ミリモルのtrans−エノールアセテートより)を濃縮乾固させて、表題化合物を得る。
実施例10 5α,17β−ジヒドロキシプレグン−9(11)−エン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、ビス−γ−ラクトン(VII)
Figure 2006505624
17β−ヒドロキシ−7α−(2’−ヒドロペルオキシ−2’−メトキシアセチル)プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(IV−OOH,実施例9,3.5ml,0.2405ミリモルのtrans−エノールアセテートより)を濃縮乾固させて、残渣をトリフルオロ酢酸(1.0ml)に溶かし、20〜25°で20分間撹拌してから、酢酸エチル(1.0ml)で希釈し、重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、塩化メチレン(2.0ml)で希釈し、希塩酸で洗浄して、濃縮する。この濃縮物を塩化メチレン(1.0ml)に取り、水性塩酸(6N)とともに30分間撹拌してから、濃縮して、表題化合物を得る。
Figure 2006505624
実施例11 17β−ヒドロキシ−7α−(2’−オキソ−アセチル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(V)
Figure 2006505624
塩化メチレン/メタノール(1/1,4.0ml)中の17β−ヒドロキシ−7α−(trans−1’,4’−ジオキソペント−2’−エン−1’イル)プレグナ−4,9−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(III−trans,実施例4B,503.4mg,1.1531ミリモル)の冷却(−79°)混合物に、出発材料(R=0.70)のより極性の生成物(R=0.45)への変換が完了していることがTLC分析(アセトン/塩化メチレン、3/7)により示されるまで(10分)、オゾン/酸素流を通す。次いで、この反応混合物をジメチルスルフィド(0.20ml,169mg,2.72ミリモル、2.34当量)で失活させ、20〜25°で1時間撹拌してから、濃縮する。この濃縮物をフラッシュクロマトグラフ処理して(シリカゲル、60g;勾配溶出液、アセトン/塩化メチレン 5%→25%)、表題化合物を得る。
Figure 2006505624
実施例12 11α,17β−ジヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグン−4−エン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
Figure 2006505624
ニトロメタン(240ml)及び塩化メチレン(60ml)中の11α−ヒドロキシカンレノン(I,30.00g,84.1586ミリモル)の混合物を−20°へ冷やしてから、2−メチルフラン(15.6ml,14.20g,0.1729モル、2.05当量)に続き、エタノール(5.0ml,4.03g,87.454ミリモル、1.04当量)に続き、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(BF−OEt,12.0ml,13.44g,94.695ミリモル、1.13当量)で処理する。この反応混合物を−17°で20時間撹拌してから、アンモニア(15%水溶液、60ml)で失活させ、塩化メチレン(120ml)で抽出し、硫酸ナトリウム(40g)で乾燥させて、濃縮する。この濃縮物を塩化メチレン/酢酸エチル(1/1,300ml)に溶かし、75mlの容量まで濃縮し、150mlのシクロヘキサンで希釈し、200mlの容量まで濃縮し、濾過して、表題化合物を得る。
Figure 2006505624
濾液を濃縮する。濃縮物を酢酸エチル(30ml)に取り、10°へ冷やし、濾過して、表題化合物の結晶の第二収穫物を得る。
実施例13 17β−ジヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
Figure 2006505624
THF(7.3ml)中の11α,17β−ジヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグン−4−エン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II,実施例12,438.3mg,0.9994ミリモル)の混合物を−50°へ冷やしてから、固形の五塩化リン(PCl,287.5mg,1.381ミリモル、1.38当量)ですべて一度に処理する。42分間撹拌した後で、LCによる分析は、表題化合物への変換が完全であることを示す。さらに21分の後で、この混合物を水(22ml)で失活させ、20〜25°へ温める。20分後、この混合物を塩化メチレン(2x15ml)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して表題化合物を得て、実施例3からの試料とのLC保持時間比較により同定する。
実施例14 9α,11α−エポキシ−17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグン−4−エン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
Figure 2006505624
ニトロメタン(80ml)及び塩化メチレン(20ml)中の9α,11α−エポキシカンレノン(I,J. Med. Chem., 6, 732 (1963) 及び Helv. Chim. Acta 80, 566 (1997), 10.0135g,28.2508ミリモル)の混合物を−20°へ冷やしてから、2−メチルフラン(5.10ml,4.64g,56.529ミリモル、2.00当量)に続き、エタノール(1.7ml,1.343g,29.151ミリモル、1.03当量)に続き、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(BF−OEt,3.6ml,4.03g,28.408ミリモル、1.01当量)で処理する。この反応混合物を−20°で24時間撹拌すると、この時点で生成物への変換がLCにより決定されるように完了しているので、反応物をアンモニア水(15%,10ml)で失活させ、塩化メチレン(2x100ml)で抽出して、濃縮して残渣とし、これをフラッシュクロマトグラフ処理する(シリカゲル、560g;勾配溶出液、50%→90% 酢酸エチル/シクロヘキサン)。クロマトグラフィーにより得た材料を還流で2時間、シクロヘキサン(100ml)で摩砕してから、0°へ冷やし、濾過して、表題化合物を得る。
Figure 2006505624
帰属した構造をX線結晶解析により確定する。
実施例15 17β−ヒドロキシ−7α−(cis−4’−オキソペント−2’−エノイル)−3−オキソ−プレグナ−4,9(11)−ジエン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(III−cis)の直接オゾン化を介した17β−ヒドロキシプレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン(VI)
Figure 2006505624
水(50mg,2.77ミリモル、23.1当量)を含有する塩化メチレン/イソプロピルアルコール(1/1,3.0ml)中の17β−ヒドロキシ−7α−(cis−4’−オキソ−ペント−2’−エノイル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(III−cis,実施例4,工程A,52.4mg,0.1200ミリモル)の冷却(−55°)混合物に、出発材料の消失がLCによれば完了するまで(126秒)、オゾン/酸素流を通す。次いで、この反応混合物をジメチルスルフィド(0.033ml,27.9mg,0.449ミリモル、3.74当量)で失活させ、20〜25°で45分間撹拌してから、メタノール(5ml)で希釈し、過酸化水素水(70%,50μl,45.6mg[1.34ミリモル、11.2当量]の過酸化水素を含有する)で処理し、水(2ml)中の重炭酸カリウム(62.4mg,0.623ミリモル、5.19当量)の混合物で処理し、生じる反応混合物を20〜25°で撹拌する。15時間後、LCによる分析は、表題化合物の形成を示す。
実施例16 17β−ヒドロキシ−7α−(trans−4’−オキソペント−2’−エノイル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(III−trans)の直接オゾン化を介した17β−ヒドロキシプレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン(VI)
Figure 2006505624
水(50mg,2.77ミリモル、11.7当量)を含有する塩化メチレン/イソプロピルアルコール(1/1,3.0ml)中の17β−ヒドロキシ−7α−(trans−4’−オキソ−ペント−2’−エノイル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(III−trans,実施例4,工程B,103.5mg,0.2371ミリモル)の冷却(−55°)混合物に、出発材料の消失がLCによれば完了するまで(100秒)、オゾン/酸素流を通す。次いで、この反応混合物をジメチルスルフィド(CHSCH,65μl,55.0mg,0.885ミリモル、3.73当量)で失活させ、20〜25°で45分間撹拌してから、メタノールで10mlの容量へ希釈する。この混合物の5.0ml分量を過酸化水素水(70%,50μl,45.6mg[1.34ミリモル、11.3当量]の過酸化水素を含有する)で処理し、水(2.1ml)中の重炭酸カリウム(59mg,0.589ミリモル、4.97当量)の混合物で処理し、生じる反応混合物を20〜25°で撹拌する。15時間後、LC(ESTD)による分析は、表題化合物の形成を示す。
Figure 2006505624
実施例17 5α,17β−ジヒドロキシプレグン−9(11)エン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、ビス−γ−ラクトン、3−ジメチルケタール(VII−ケタール)
国際公開公報WO98/25948の手順により、触媒量のp−トルエンスルホン酸の存在下に5α,17β−ジヒドロキシプレグン−9(11)−エン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、ビス−γ−ラクトン(VII,実施例10)を少なくとも1当量のオルトギ酸トリメチルで処理して、表題化合物を得る。
実施例18 17β−ヒドロキシプレグナ−4,9(11)ジエン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン、メチルエステル(VIII)
Figure 2006505624
11α,17β−ジヒドロキシプレグン−4−エン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン、メチルエステル(VIII,Drugs of the Future, 24(5), 488-501 (1999), 化合物(VI),5.00g,12.0ミリモル)をアセトニトリル(15ml)と混合する。このステロイド混合物へN−(1,1,2,3,3,3)ヘキサフルオロプロピル)−ジエチルアミン(V,2.55ml,14.4ミリモル)を加え、60°まで2.5時間加熱する。生じる混合物を20〜25°へ冷やし、反応物をメタノール(100μL)で失活させる。重炭酸カリウムの飽和水溶液(15ml)を加える。次いで、アセトニトリルを減圧で除去する。生じる混合物を塩化メチレン(3x10ml)で抽出する。合わせた有機相を塩化ナトリウムの水溶液(10%,20ml)で洗浄する。溶媒を硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒を塩化メチレンからメチルt−ブチルエーテル(MTBE)へ交換する。この混合物を25mlの最終容量まで濃縮する。生じるスラリーを一晩撹拌して、最終生成物、表題化合物を濾過により採取する。
実施例19 17β−ヒドロキシプレグナ−4,9(11)ジエン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン、メチルエステル(VIII)
11α,17β−ジヒドロキシプレグン−4−エン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン、メチルエステル(VIII,5.00g,12.0ミリモル)をアセトニトリル(15ml)とともにフラスコに入れる。この混合物へN−(1,1,2,3,3,3)ヘキサフルオロプロピル)−ジエチルアミン(2.55ml,14.4ミリモル)を加え、60°まで2時間加熱する。この混合物を20〜25°へ冷やし、反応物を重炭酸カリウム水溶液(20%溶液、18ml)で失活させる。アセトニトリルを減圧で除去し、水層を塩化メチレン(3x5ml)で抽出する。合わせた有機相を塩化ナトリウム溶液(10%,10ml)で洗浄する。溶媒を塩化メチレンからメチルイソブチルケトン/ヘプタンへ交換して、表題化合物を結晶させる。融点=198.6〜199.5°;MS(m/z):C2430の計算値=398.5(M+)、実測値=398.9(M+);
Figure 2006505624
実施例20 17β−ヒドロキシプレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン、メチルエステル(VIII)
11α,17β−ジヒドロキシプレグン−4−エン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン、メチルエステル(VIII,80.00g,192.1ミリモル)をアセトニトリル(80ml)とともにフラスコに入れる。この混合物へN−(1,1,2,3,3,3)ヘキサフルオロプロピル)−ジエチルアミン(40.8ml,224.8ミリモル)を加え、45〜50°までゆっくり加熱してから、1〜2時間維持する。この混合物を20〜25°へ冷やし、反応物を重炭酸カリウム水溶液(288ml中72g)で失活させる。塩化メチレン(240ml)を加え、混合後、層が分離する。水相を塩化メチレン(100ml)で抽出する。合わせた有機相を水(240ml)で洗浄する。溶媒を塩化メチレンからメチルtert−ブチルエーテルへ交換して、分岐鎖オクタンを滴下して、表題化合物である生成物を結晶させる。
実施例21 17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
実施例3の一般手順に従って、同じ反応体を使用し、重要でない変更を行って、表題化合物を得る。
Figure 2006505624
実施例22 17β−ヒドロキシ−7α−(cis−1’,4’−ジオキソペント−2’−エン−1’イル)プレグナ−4,9−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(III−cis)
実施例4,工程Aの一般手順に従って、同じ反応体を使用し、重要でない変更を行って、表題化合物を得る。
Figure 2006505624
実施例23 17β−ヒドロキシ−7α−(2’−ヒドロペルオキシ−2’−メトキシアセチル)プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(IV−OOH)
実施例9の一般手順に従って、同じ反応体を使用し、重要でない変更を行って、表題化合物を得る。
Figure 2006505624
実施例24 17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−ジカルボン酸、γ−ラクトン(II)
Figure 2006505624
アセトニトリル(450ml)中のΔ−カンレノン(I,105g,0.31024モル)の混合物をエタノール(21.0g,0.4558モル、1.47当量)、イソプロパノール(1.5ml,1.177g,19.592ミリモル、0.063当量)、及び2−メチルフラン(48.5g,0.5907モル、1.90当量)で処理してから、−18°へ冷やし、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(63.0g,0.4439モル、1.43当量)で4時間にわたり処理する。−18°で24時間撹拌した後で、この混合物をトリエチルアミン(38.0g,0.3755モル、1.21当量)で失活させ、濃縮して濃厚なスラリーとして、これを水(350ml)で希釈し、塩化メチレン(400ml)で抽出し、水(350ml)で洗浄してから、濃縮し、酢酸n−プロピルを加え、さらに濃縮してスラリーを得て、これを0°へ冷やし、濾過して、ケークを酢酸n−プロピル/メチル−t−ブチルエーテル(1/1)に続いてメチル−t−ブチルエーテルで洗浄して表題化合物を得て、実施例3からの試料とのLC保持時間比較により同定する。
実施例25 5α,17β−ジヒドロキシプレグン−9(11)−エン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、ビス−γ−ラクトン(VII)
Figure 2006505624
アセトン(500ml)及び水(150ml)中の17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II,実施例24,100g,0.23778ミリモル)及び酢酸カリウム(50.0g,0.5094ミリモル、2.14当量)の混合物を−10°へ冷やし、水(100ml)中のジブロマンチン(34.0g,0.1189モル、0.50モル当量)で処理すると、酸化還元電位の上昇が起きた。この時点で、LC分析は、エンジオン(III−cis)への完全な変換を示した。次いで、エンジオン(III−cis)を含有する反応混合物をイソブチルビニルエーテル(1.0ml,0.768g,7.668ミリモル、0.032当量)で失活させ、濃縮して濃厚なスラリーとし、塩化メチレン(200ml)で希釈し、20%濃塩酸(50.0ml,0.50モル、2.10当量)で処理する。この混合物を20〜25°で2時間撹拌すると、この時点でLC分析は、エンジオン(III−trans)への完全な変換を示した。エンジオン(III−trans)を含有する有機相を分離し、塩化メチレン(80ml)とメタノール(300ml)で希釈し、−48°へ冷やす。LC分析がエンジオン(III−trans)の完全な消失を示すまで、この混合物にO/O流を泡立てて通してから、この混合物をジメチルスルフィド(30.0ml,25.38g,0.4085モル、1.72当量)で失活させ、−20°で16時間撹拌し、約300mlの容量まで濃縮し、メタノール(350ml)で希釈し、約300mlの容量まで濃縮し、イソプロパノール(40ml)とメタノール(80ml)で希釈してから、重炭酸カリウム(120g,1.1986モル、5.04当量)の温かい(55〜60°)水(240ml)溶液で処理する。このスラリーを5〜10°へ冷やしてから、過酸化水素(50%,66.0g,33.0g(0.9703モル、4.08当量)の過酸化水素を含有する)を3時間にわたり加える。この混合物を4時間撹拌し、ジメチルスルフィド(40ml,33.84g,0.5447モル、2.29当量)で失活させる。20〜25°で23時間撹拌した後で、この混合物を塩化メチレン(100ml)と水(80ml)で希釈して、濃塩酸でpH=3へ酸性化する。この2相混合物を36°まで加熱すると、相が分離し、水相を塩化メチレン(100ml)で抽出する。有機相を合わせ、水(75ml)で洗浄して、水相を塩化メチレン(25ml)で戻し抽出する。有機相を合わせ、150mlの容量まで濃縮してから、ベンゼンスルホン酸(90%純粋な材料の1.0g,0.90g(5.690ミリモル、0.0239当量)のベンゼンスルホン酸を含有する)とアセトン(50ml)で処理する。次いで、この混合物を大気圧において160mlの容量まで濃縮してから、アセトン(250ml)で希釈し、200mlの容量まで濃縮し、12°へ冷やして、濾過する。濾過ケークを冷アセトン(2x25ml)で洗浄し、窒素流により乾燥させて、表題化合物を得る。
Figure 2006505624
実施例26 17β−ヒドロキシ−7α−カルボメトキシプレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−ジカルボン酸、γ−ラクトン(VIII)
Figure 2006505624
アセトン(200ml)及び水(100ml)中の5α,17β−ジヒドロキシプレグン−9(11)−エン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、ビス−γ−ラクトン(VII,実施例25,50.0g,0.13005モル)及び重炭酸カリウム(16.92g,0.1690モル、1.30当量)の混合物を45°で2時間撹拌すると、この時点で5,7−ラクトン(VII)のカルボン酸(VI)への変換がLCによれば完了している。次いで、生じる混合物を硫酸ジメチル(22.92g,0.1817モル、1.40当量)で処理し、45°で3時間撹拌してから、重炭酸カリウム(1.3g,0.0130モル、0.100当量)の水(10ml)溶液に続き、純正トリエチルアミン(1.81ml,1.314g,0.0130モル、0.100当量)で処理する。この混合物を45°で1時間撹拌し、濃塩酸(1.92ml,2.304g,0.852g(0.0234モル、0.180当量)の塩酸を含有する)で失活させ、0°へ冷やし、減圧で150mlの容量(ポット温度:13°)まで濃縮してから、濾過して、濾過ケークを水(2x25ml)で洗浄し、乾燥させて、標準試料とのLCによる比較によって、表題化合物を得る。
実施例27 17β−ヒドロキシ−7α−(5’−t−ブチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
Figure 2006505624
ニトロメタン(12.0ml)中のΔ−カンレノン(I,3.0002g,8.8645ミリモル)及び2−t−ブチルフラン(2.53ml,2.204g,17.745ミリモル、2.00当量)の混合物をエタノール(0.52ml,413mg,8.96ミリモル、1.01当量)で処理し、−20°へ冷やして、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(1.24ml,1.389g,9.785ミリモル、1.10当量)で処理する。生じる混合物を−20°で24時間、次いで−5°で12時間、次いで0°で4時間撹拌すると、この時点で、TLCによれば、反応が約90%完了したようであった。この反応物を水酸化アンモニウム(7%,30ml)で失活させ、塩化メチレン(3x50ml)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、濃縮する。この濃縮物をフラッシュクロマトグラフ処理する(シリカゲル、150g;勾配溶出液、10%→50% 酢酸エチル/シクロヘキサン)。純粋な生成物を含有する分画を合わせ、濃縮して、表題化合物を得る。
Figure 2006505624
実施例28 11α,17β−ジヒドロキシ−7α−(5’−t−ブチル−2’−フリル)−プレグン−4−エン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
Figure 2006505624
ニトロメタン(16ml)中の11α−ヒドロキシカンレノン(I,2.03g,5.6947ミリモル)及び2−t−ブチルフラン(1.70ml,1.481g,11.924ミリモル、2.09当量)の混合物を−20°へ冷やし、エタノール(0.35ml,0.276g,5.99ミリモル、1.05当量)と三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(0.83ml,0.930g,6.550ミリモル、1.15当量)で処理し、−20°で21時間撹拌すると、この時点でLC分析は、反応が完了していることを示す。次いで、この反応物を水酸化アンモニウム(15%,5.5ml)で失活させ、水で希釈し、塩化メチレン(2x25ml)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、5.0gのマグネゾールに通して濾過し、濃縮してフォームとし、これをフラッシュクロマトグラフ処理する(シリカゲル、200g;勾配溶出液、20%→70% 酢酸エチル/シクロヘキサン)。生成物を含有する分画を合わせ、濃縮して、表題化合物を得る。UVλmax=238mμ。
実施例29 11α,17β−ジヒドロキシ−7α−(4’−ブロモ−2’−フリル)−プレグン−4−エン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
Figure 2006505624
ニトロメタン(32ml)中の11α−ヒドロキシカンレノン(I,2.0g,5.6425ミリモル)、エチレングリコール(0.84ml,0.935g,15.06ミリモル、2.67当量)、及び3−ブロモフラン(3.0ml,4.905g,33.372ミリモル、5.91当量)の混合物を20〜25°において三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(1.4ml,1.568g,11.048ミリモル、1.96当量)で処理し、20〜25°で20時間撹拌すると、この時点でLCによれば反応が80%より多く完了している。次いで、この反応物を水で失活させ、酢酸エチルで抽出し、濃縮してフォームとし、これを塩化メチレン(10ml)に溶かして、フラッシュクロマトグラフィー処理する(シリカゲル、150g;勾配溶出液、0→6% イソプロパノール/塩化メチレン)。次いで、生成物含有分画を合わせ、再びクロマトグラフ処理する(シリカゲル、100g;勾配溶出液、0→5% イソプロパノール/塩化メチレン)。生成物含有分画を合わせ、酢酸エチル/シクロヘキサン(1/2)より結晶させて、表題化合物を得る。
Figure 2006505624
実施例30 11α,17β−ジヒドロキシ−7α−(4’−メチル−2’−フリル)−プレグン−4−エン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
Figure 2006505624
ニトロメタン(4.0ml)中の11α−ヒドロキシカンレノン(I,816mg,2.2891ミリモル)及び3−メチルフラン(ニトロメタン中1.218M溶液の4.0ml,4.87ミリモル、2.13当量)の混合物を−20°へ冷やし、エチレングリコール(0.168ml,187mg,3.01ミリモル、1.32当量)に続き、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(0.284ml,318mg,2.241ミリモル、0.98当量)で処理する。生じる混合物を−20°で20時間撹拌すると、この時点でLCによれば反応が86%完了している。この反応物を水酸化アンモニウム水溶液(15%,4ml)で失活させ、水(10ml)で希釈し、塩化メチレン(2x20ml)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、濃縮する。濃縮物をフラッシュクロマトグラフ処理する(シリカゲル、60g;勾配溶出液、50→100% 酢酸エチル/シクロヘキサン)。生成物含有分画を合わせて、濃縮する。この濃縮物をシクロヘキサン/酢酸エチル(4/1)より結晶させて、表題化合物を得る。
Figure 2006505624
実施例31 17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
アセトニトリル(25mL)中の11α,17β−ジヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグン−4−エン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II,実施例12,5g,11.4ミリモル)の混合物へ石川試薬(2.4mK,13.7ミリモル)を加える。この混合物を60°まで加熱して、1時間で完了することをHPLCにより決定する。生じる混合物を22°へ冷やし、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(15mL)で失活させる。有機溶媒を減圧で除去し、塩化メチレン(50mL)に置き換える。有機相を分離し、水(30mL)で洗浄し、20mLの容量まで濃縮する。水(30mL)を加え、この混合物を20mLの容量まで濃縮する。この水分蒸留を2回繰り返して、N,N−ジエチル−2,3,3,3−テトラフルオロプロピオンアミドの副生成物を除去する。次いで、生じるスラリーへ塩化メチレン(30mL)を加えて、すべての固形物を溶かす。有機層を分離し、溶媒を酢酸n−プロピルへ交換して、17〜18mLの最終容量とする。生じるスラリーを−20°まで12時間冷やす。生成物を濾過により採取し、周囲窒素で乾燥させて、表題化合物を得る。融点=198〜203°;
Figure 2006505624
MS:C2733の計算値=421.238(M+H),実測値=421.2 m/z。
実施例32 9α,11α−エポキシ−17β−ヒドロキシプレグン−4−エン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン(VI)
Figure 2006505624
塩化メチレン(0.5ml)中の17β−ヒドロキシ−7α−(2’−オキソアセチル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(V,実施例11,6.7mg,0.0169ミリモル)の混合物を過酢酸(35%,4μl;1.58mg,0.0208ミリモル、1.23当量の過酢酸を含有する)で処理し、20〜25°で25時間撹拌してから、さらに過酢酸(35%,2μl;0.79mg,0.0104ミリモル、0.62当量の過酢酸を含有する)で処理してから、20〜25°で49時間撹拌すると、この時点でLC分析は、表題化合物への変換を示した。LC−UV(λmax=244nm);LC−MS(m/e 400)。
実施例33 7α−アリル−17β−ヒドロキシプレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
Figure 2006505624
塩化メチレン(62ml)中の17β−ヒドロキシプレグナ−4,6,9(11)−トリエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(I,1.0171g,3.0052ミリモル)の混合物を−30°へ冷やし、塩化メチレン中の四塩化チタン(1.0M,15.0ml,15.0ミリモル、4.99当量)で処理する。生じる混合物をアリルトリメチルシラン(3.0ml,2.16g,18.876ミリモル、6.28当量)で処理し、−30°で4時間撹拌すると、この時点でTLC(酢酸エチル/シクロヘキサン、35/65)によれば出発材料の生成物(R=0.27)への変換がほとんど完了している。この反応混合物を水(25ml)で失活させ、塩化メチレン(3x25ml)で抽出して、濃縮する。濃縮物(重量=1.6262g)をフラッシュクロマトグラフ処理する(シリカゲル、150g;酢酸エチル/シクロヘキサン、15%→55%の勾配溶出)。より極性の生成物(R=0.27)を含有する分画を合わせ、濃縮して、表題化合物を得る。UV λmax=241nm;
Figure 2006505624
この生成物を再びクロマトグラフ処理して(シリカゲル、60g;酢酸エチル/シクロヘキサン、15%→45%の勾配溶出)、より極性の不純物(R=0.06)を除去する。生成物含有分画を合わせて、濃縮する。残渣の一部(96.8mg)を塩化メチレン(1ml)に取り、酢酸エチル(2ml)で希釈し、1ml未満の容量まで濃縮して、0°へ冷やす。上清をデカントして、結晶を酢酸エチルより0°で再結晶させる。X線結晶学の試験により、この帰属を7α−アリル−17β−ヒドロキシプレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトンとして確定した。
実施例34 5α,17β−ジヒドロキシプレグン−9(11)−エン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、ビス−γ−ラクトン(VII)
工程(1) 17β−ヒドロキシプレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン(VI)
メタノール(60ml)及び塩化メチレン(60ml)中の17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II,実施例3,20g,47.5568ミリモル)の混合物を−55°へ冷やす。0.8面積%(LCによる)の出発材料(II)が残るまで、この混合物に酸素中のオゾンを泡立てて通す。この混合物に窒素を噴霧することによってオゾンを追い出してから、ジメチルスルフィド(16ml,13.5g,217.9ミリモル、4.58当量)で失活させ、20〜25°まで温め、20〜25°で50分間撹拌する。生じる混合物を80mlまで濃縮し、メタノール(25ml)を加えて、再び80mlまで濃縮する。次いで、この混合物を5°において重炭酸カリウム(21.6g,215.7ミリモル、4.54当量)の水(44ml)溶液に続き、過酸化水素(50%水溶液、23.5g,11.75g(345.5ミリモル、7.27当量)の過酸化水素を含有する)で処理する。20〜30°まで1時間温めた後で、この混合物をジメチルスルフィド(8ml,6.75g,108.95ミリモル、2.29当量)で失活させる。塩化メチレン(20ml)を加えて、塩酸(31.5%水溶液、26.0g,8.19g(224.4ミリモル、4.72当量)の塩化水素を含有する)でpHを3へ調整する。この混合物を温めて溶かすと、相が分離する。上部の水相を塩化メチレン(10ml)で抽出し、合わせた有機相を水(10ml)で抽出する。この塩化メチレン混合物に対して(水系処理の後に)以下の条件でLCを実施した:
カラム:Supelco Discovery RP Amide C16;5μ;250x4mm
流速:1ml/分
検出:UV;240nm
移動相:A:950g 水;39g アセトニトリル;1.0g トリフルオロ酢酸
B:754g アセトニトリル;39g 水;1.0g トリフルオロ酢酸
勾配: T:80% A/20% B
15:20% A/80% B
15.1:80% A/20% B
20:80% A/20% B
運転時間:20分
流速:1ml/分
注入量:5λ
試料調製:5λの反応混合物を1mlの1/1 アセトニトリル:リン酸緩衝液(1lの水中1mlのリン酸;水酸化ナトリウムでpHを2.4へ)。
反応物のLC主要ピーク(72面積%)は、10.52分にあった;カルボン酸(VI)の既知標準品の保持時間は、10.52分である。
工程(2) 5α,17β−ジヒドロキシプレグン−9(11)−エン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、ビス−γ−ラクトン(VII)
17β−ヒドロキシプレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン(VI)を含有する、生じた有機相を40mlまで濃縮して、アセトン(15ml)に溶かしたパラ−トルエンスルホン酸一水和物(10mg;0.042ミリモル;0.001当量)を加える。還流で30分後に結晶化を観察する。生じたスラリーを50mlまで濃縮し、新鮮なアセトンの添加により一定量を維持しながら、濃縮を続ける。80mlのアセトンを加えた後で、このスラリーを0°へ冷やし、固形物を濾過により採取して、表題化合物を得る。
Figure 2006505624
実施例35 17β−ヒドロキシプレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン、メチルエステル(CII)
Figure 2006505624
11α,17β−ジヒドロキシプレグン−4−エン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン、メチルエステル(CI,Drugs of the Future, 24(5), 488-501 (1999), 化合物(VI)、及び国際特許公開公報WO98/25948,76及び280頁;5.00g,12.0ミリモル)をアセトニトリル(15ml)と混合する。このステロイド混合物へN−(1,1,2,3,3,3)ヘキサフルオロプロピル−ジエチルアミン(CVI,2.55ml,14.4ミリモル)を加え、60°まで2.5時間加熱する。生じる混合物を20〜25°へ冷やして、反応物をメタノール(100μL)で失活させる。重炭酸カリウムの飽和水溶液(15ml)を加える。次いで、アセトニトリルを減圧で除去する。生じる混合物を塩化メチレン(3x10ml)で抽出する。合わせた有機相を塩化ナトリウムの水溶液(10%,20ml)で洗浄する。溶媒を硫酸マグネシウムで乾燥させる。この溶媒を塩化メチレンからメチルt−ブチルエーテル(MTBE)へ交換する。この混合物を25mlの最終容量まで濃縮する。生じるスラリーを一晩撹拌して、最終生成物、表題化合物を濾過により採取する。
実施例36 17β−ヒドロキシプレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン、メチルエステル(CII)
11α,17β−ジヒドロキシプレグン−4−エン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン、メチルエステル(CI,5.00g,12.0ミリモル)をアセトニトリル(15ml)とともにフラスコに入れる。この混合物へ石川試薬(2.55ml,14.4ミリモル)を加え、60°まで2時間加熱する。この混合物を20〜25°へ冷やして、反応物を重炭酸カリウム水溶液(20%溶液、18ml)で失活させる。アセトニトリルを減圧で除去し、水層を塩化メチレン(3x5ml)で抽出する。合わせた有機相を塩化ナトリウム溶液(10%,10ml)で洗浄する。この溶媒を塩化メチレンからメチルイソブチルケトン/ヘプタンへ交換して、表題化合物を結晶させる。融点=198.6〜199.5°;MS(m/z):C2430の計算値=398.5(M+),実測値=398.9(M+);
Figure 2006505624
実施例37 17β−ヒドロキシプレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン、メチルエステル(CII)
11α,17β−ジヒドロキシプレグン−4−エン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン、メチルエステル(CI,80.00g,192.1ミリモル)をアセトニトリル(80ml)とともにフラスコに入れる。この混合物へ石川試薬(40.8ml,224.8ミリモル)を加え、45〜50°までゆっくり加熱してから、1〜2時間維持する。この混合物を20〜25°へ冷やして、反応物を重炭酸カリウム水溶液(288ml中72g)で失活させる。塩化メチレン(240ml)を加えると、混合後に層が分離する。水相を塩化メチレン(100ml)で抽出する。合わせた有機相を水(240ml)で洗浄する。この溶媒を塩化メチレンからメチルtert−ブチルエーテルへ交換し、分岐鎖オクタンを滴下して、表題化合物である生成物を結晶させる。
実施例38 17β−ヒドロキシプレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン、メチルエステル(CII)
11α,17β−ジヒドロキシプレグン−4−エン−3−オン−7α,21−ジカルボン酸、γ−ラクトン、メチルエステル(CI,80.00g,192.1ミリモル)をアセトニトリル(80ml)とともにフラスコに入れる。この混合物へ石川試薬(40.8ml,224.8ミリモル)を加え、45〜50°までゆっくり加熱してから、1〜2時間維持する。この混合物を20〜25°へ冷やして、反応物を重炭酸カリウム水溶液(288ml中37.3g)で失活させる。塩化メチレン(240ml)を加えると、混合後に層が分離する。水相を塩化メチレン(100ml)で抽出する。合わせた有機相を水(80ml)で洗浄する。この溶媒を塩化メチレンからメチルイソブチルケトンへ交換し、分岐鎖オクタンを滴下して、表題化合物である生成物を結晶させる。
実施例39 結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
実施例3、13、21、24、31又は34の1つの方法、又はこれら実施例の一般手順に従って、重要でない変更を行うことによって生成する17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)の試料を結晶型において入手して、以下のように粉末X線結晶回折(PXRD)により検証する。乳鉢及び乳棒を使用して、17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)を30秒間粉砕する。この粉砕試料を、VaselineTMの薄層を含有するゼロバックグラウンド試料ホルダー上に置く。Rigaku Miniflex X線回折計を使用するPXRDによりこの試料を試験する。試料スピニングにより回折パターンを採取する。
粉末X線回折(XRD)の実験条件:
粉末XRDパターンの獲得のためにRigaku Miniflex+X線回折計を使用した。この機器は、ニッケルフィルター付きCu Kα放射を1.50451(Å)で使用して操作する。主要な機器変数を以下のように設定又は固定する:
X線:Cu/30kV(固定)/15mA(固定)
発散スリット:可変
散乱スリット:4.2°(固定)
受光スリット:0.3mm(固定)
スキャンモード:FT
プリセット時間:2.0秒
スキャン幅:0.050°
スキャン軸:2θ/θ
スキャン範囲:3.000°〜40.000°
PXRDの結果は、以下の通りである:
Figure 2006505624
(ここで、2θ角度は度数で測定し;格子面間隔はオングストロームで測定し;そして、相対強度は、14.248°での最大ピークに対する各ピークの強度比率である。
実施例40 結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
実施例39の一般手順に従って、重要でない変更を行って、結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)の別の試料をスピン付きPXRDに処して、以下の結果を得る:
Figure 2006505624
実施例41 結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
実施例39の一般手順に従って、重要でない変更を行って、結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)の別の試料をスピン付きPXRDに処して、以下の結果を得る:
Figure 2006505624
実施例42 結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
実施例39の一般手順に従って、重要でない変更を行って、結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)の別の試料をスピン付きPXRDに処して、以下の結果を得る:
Figure 2006505624
実施例43 結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
実施例39の一般手順に従って、重要でない変更を行って、結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)の別の試料をスピン付きPXRDに処して、以下の結果を得る:
Figure 2006505624
実施例44 結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
実施例39の一般手順に従って、重要でない変更を行って、結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)の別の試料をスピン付きPXRDに処して、以下の結果を得る:
Figure 2006505624
実施例45 結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
実施例39の一般手順に従って、重要でない変更を行って、結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)の別の試料をスピン付きPXRDに処して、以下の結果を得る:
Figure 2006505624
実施例46 結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
実施例39の一般手順に従って、重要でない変更を行って、結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)の別の試料をスピン付きPXRDに処して、以下の結果を得る:
Figure 2006505624
実施例47 結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
実施例39の一般手順に従って、重要でない変更を行って、結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)の別の試料をスピン付きPXRDに処して、以下の結果を得る:
Figure 2006505624
実施例48 結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
実施例39の一般手順に従って、重要でない変更を行って、結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)の別の試料をスピン付きPXRDに処して、以下の結果を得る:
Figure 2006505624
実施例49 結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
実施例39の一般手順に従って、重要でない変更を行って、結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)の別の試料をスピン付きPXRDに処して、以下の結果を得る:
Figure 2006505624
実施例50 結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
実施例39の一般手順に従って、重要でない変更を行って、結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)の別の試料をスピン付きPXRDに処して、以下の結果を得る:
Figure 2006505624
実施例51 結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
実施例39の一般手順に従って、重要でない変更を行って、結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)の別の試料をスピン付きPXRDに処して、以下の結果を得る:
Figure 2006505624
実施例52 結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
実施例39の一般手順に従って、重要でない変更を行って、結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)の別の試料をスピン付きPXRDに処して、以下の結果を得る:
Figure 2006505624
実施例53 結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)
実施例39の一般手順に従って、重要でない変更を行って、結晶性17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)の別の試料をスピン付きPXRDに処して、以下の結果を得る:
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Claims (12)

  1. 17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトンである、式:
    Figure 2006505624
    の化合物であって、結晶型において2θ角度(°)が:
    Figure 2006505624
    の範囲にある粉末X線回折スペクトルを適度な科学的確実性で有する(ここで、2θ角度は、度数で測定する)、前記化合物。
  2. Figure 2006505624
    の平均粉末X線回折スペクトルを適度な科学的確実性で有する、請求項1に記載の17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)。
  3. 14.2±0.2の2θ角度にピークがあるX線粉末回折パターンを有する、請求項1に記載の17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)。
  4. 10.6±0.2、14.2±0.2、及び17.8±0.2の2θ角度にピークがあるX線粉末回折パターンを有する、請求項1に記載の17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)。
  5. 17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトンである、式:
    Figure 2006505624
    の化合物であって、結晶型において2θ角度(°)と相対強度(%)が:
    Figure 2006505624
    の範囲にある粉末X線回折スペクトルを適度な科学的確実性で有する(ここで、2θ角度は度数で測定し、相対強度は、最大ピークに対する各ピークの強度比率である)、前記化合物。
  6. Figure 2006505624
    の平均粉末X線回折スペクトルと平均相対強度を適度な科学的確実性で有する、請求項5に記載の17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)。
  7. 14.2±0.2の2θ角度にピークがあるX線粉末回折パターンを有する、請求項5に記載の17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)。
  8. 10.6±0.2、14.2±0.2、及び17.8±0.2の2θ角度にピークがあるX線粉末回折パターンを有する、請求項5に記載の17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)。
  9. 17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトンである、式:
    Figure 2006505624
    の化合物であって、結晶型において2θ角度(°)、格子面間隔(Å)及び相対強度(%)が:
    Figure 2006505624
    の範囲にある粉末X線回折スペクトルを適度な科学的確実性で有する(ここで、2θ角度は度数で測定し、格子面間隔はオングストロームで測定し、相対強度は、最大ピークに対する各ピークの強度比率である)、前記化合物。
  10. Figure 2006505624
    の平均粉末X線回折スペクトル、及び平均格子面間隔、及び平均相対強度を適度な科学的確実性で有する、請求項9に記載の17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)。
  11. 14.2±0.2の2θ角度にピークがあるX線粉末回折パターンを有する、請求項9に記載の17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)。
  12. 10.6±0.2、14.2±0.2、及び17.8±0.2の2θ角度にピークがあるX線粉末回折パターンを有する、請求項9に記載の17β−ヒドロキシ−7α−(5’−メチル−2’−フリル)−プレグナ−4,9(11)−ジエン−3−オン−21−カルボン酸、γ−ラクトン(II)。
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