JP2006504868A - 鋼及びこの鋼でつくられたプラスチック物質用の成型工具 - Google Patents

鋼及びこの鋼でつくられたプラスチック物質用の成型工具 Download PDF

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Abstract

本発明は、重量%で次の化学組成を有する鋼、特にプラスチック成型のための成型工具用鋼に関する:
0.43〜0.60C、トレース量〜1.5Si、トレース量〜1.5(Si+Al)、0.1〜2.0Mn、3.0〜7.0Cr、1,5〜4.0(Mo+)、但し最大1.0W、0.30〜0.70V、Nb,Ti,Zrの各々最大0.1、最大2.0Co、最大2.0Ni、バランス:本質的に鉄と不可避不純物のみ。焼入れと520℃〜560℃での高温焼戻し後、この鋼は56〜58HRCの鋼度を有する。

Description

本発明は、第一にプラスチック物質のプラスチック又は成型状態で、ある種の成型方法によってプラスチック製品を製造する成型工具の製造用に使用する目的の鋼、すなわち、合金に関する。本発明はまた本鋼から製造される工具及び工具細部、さらにプラスチック物質用の成型工具及びそれら工具用の細部の製造用鋼合金ブランクにも関する。
プラスチック物質用成型工具は、マルテンサイト、中程度合金鋼を含む多数の各種鋼合金でつくられる。そのグループには公称で0.6%C、4.5%Cr、0.5%Mo、及び0.2%Vを含み、冷間加工工具及びプラスチック物質用成型工具に使用される市場入手可能な鋼がある。同じグループ内にはまた、時にとりわけプラスチック物質成型用の成型工具に使用される標準化鋼AISIS7、及び公称で0.55%C、2,6%Cr,2.25%Mo及び0.9%Vを含む別の市場入手可能工具鋼も認められる。最初に掲げた2つの鋼は低温焼戻し後にしか所望の硬度を達せず、これは熱処理後鋼中に応力を保留するリッスクを生じさせる。最後に述べた鋼が高温焼戻し後、すなわち約550℃で焼戻し後、十分な硬度を達成できるということは事実であるが、一方、その鋼の焼入れ性は特に良好である訳ではない。
この発明の目的は、プラスチック物質成型工具製造用の鋼の使用に関して、現在市場入手可能工具鋼よりも良好な特徴の組み合わせを有するプラスチック物質成型用の成型鋼を提供することである。特に、この鋼は以下の特徴を持たねばならない:
* 良好な延性/靭性、
* 少なくとも350mmまでの厚みを有する製品の真空炉中での慣用の焼入れに関して無芯焼入れを可能にする良好な焼入れ性、
* 焼入れ及び高温焼戻し後、塑性変形に対して高耐性を示す十分な硬度、少なくとも54HRC、好ましくは少なくとも56HRC、及び、少なくともある用途に関する限りは、例えばPVD-又はCVD-法による炭化チタン及び/又は窒化チタン又は類似物での窒化又は表面コーティングなしで十分な耐摩耗性、
* 特に工具の良好な耐摩耗性を必要とする用途用に、材料の硬度を低下させることなく例えば前記方法のいづれかによって炭化チタン及び/又は窒化チタンなどによる窒化又は表面コーティングを可能にするための良好な耐焼戻し性。
* 良好な熱処理特性、
* 良好な研削性、切削操作による機械加工性、スパーク機械加工性、及び艶出し性。
他の重要な製品特徴は次のものである:
* 熱処理中の良好な寸法安定性、
* 疲労寿命の長いこと、
特に、本発明は、プラスチック物質の成型工具用として使用できるマトリクス鋼、すなわち本質的に1次炭化物の存在しない、使用状態で焼戻しマルテンサイトからなるマトリクスを有する鋼を提供することを目的とする。
上述の目的と特徴は、添付の本特許請求の範囲記載事項を特徴とする鋼によって達成できる。
鋼合金の各個別元素及びそれらの相互作用に関する限り、以下を適用する。本明細書に記述の%は、特に断らない限り常に重量%を示す。
本発明の鋼は、上述したように、1次炭化物を全く含まないが、それでも大抵の用途に十分な耐摩耗性を有する。これは、同時に鋼が非常に良好な靭性を持つ必要があるので鋼の焼入れ及び高温焼戻し状態で54〜59HRC、好適には56〜58HRC範囲内の十分な硬度によって達成される。これを達成するため、鋼は炭素とバナジウムをよくバランスした量で含んでいる。したがって鋼は0.43%以上、好ましくは0.44%以上、好適には0.46%以上のCを含む必要がある。さらに、鋼は、鋼の焼入れ及び焼戻した状態のマルテンサイトマトリクスが前記硬度をマトリクスに付与するため固溶体中に十分な量の炭素を含むこと、及びまた十分な量の2次的に析出した極く小さな、硬度を増加させる炭化バナジウムを鋼をマトリクス中に生成させるため、0.30%以上、好ましくは0.40%以上、好適には少なくとも0.45%のVを含む必要がある。さらに、非常に小さな1次析出炭化バナジウムが鋼中に存在し、これが熱処理中の結晶粒成長の防止に役立つ。炭化バナジウム以外の他の炭化物は存在してはならない。前記条件を達成するため、鋼は0.60%超、好ましくは最大0.55%、好適には最大0.53%を超える炭素及び最大0.70%、好ましくは最大0.65%、好適には最大0.60%を超えるバナジウムを含んではならない。。公称(称呼)では、鋼は0.49%炭素及び0.52%バナジウムを含む。鋼の焼入れ及び高温焼戻し状態における固溶体中の炭素量は公称で約0.45%の量になる。
シリコンは、鋼製造からの残留元素として少なくとも測定可能量で存在し、トレース量から最大1.5%までの量で存在する。しかしながら、シリコンは鋼の靭性を害するので1.0%超、好ましくは最大0.5%を超える量で存在してはならない。通常、シリコンは0.05%以上の最少量で存在する。シリコンの効果は、鋼中の炭素の活性をを増進させ、したがって鋼に所望の硬度を与えることに役立つことである。それゆえ鋼が0.1%以上の量でシリコンを含むことが有利であろう。公称では鋼は0.2%のシリコンを含む。
アルミニウムは少なくとも現在型の鋼ではある程度シリコンと同じか又は同様な効果を有している。両者とも鋼の製造に関連して酸化剤として使用できる。両者ともフェライト形成材であり、鋼のマトリクス中で溶解焼入れ効果を提供する。それゆえシリコンは最大1.0%のアルミニウムによって一部置換できる。しかしながら、鋼中のアルミニウムは、鋼の延性/靭性を著しく減少させかねない酸化アルミニウム及び窒化アルミニムを形成させる可能性があるので、鋼が極く十分に脱酸され、窒素の含量が極めて低いことが必要となる。それゆえ、鋼は通常、最高大1.0%、好ましくは最大0.3%を超えるアルミニウムを含んではならない。好ましい実施態様では、鋼は最大0.1%、最も好都合には最大0.03%のアルミニウムを含む。
マンガン、クロム及びモリブデンは、鋼に十分な焼入れ性を付与するため鋼中に十分な量で存在させる。マンガンはまた、鋼中に存在する極めて低濃度の硫黄を結合させて硫化マンガンを生成させる役目を有している。それゆえマンガンは、0.1〜2.0%、好ましくは0.2〜1.5%の量で存在させる。好適には、鋼は0.25%以上、最大1.0%のマンガンを含む。公称マンガン量は0.50%である。
クロムは、鋼がその鋼に特有な量でマンガンとクロムを含むとき、鋼に所望の焼入れ性を与えるため、最少量の3.0%、好ましくは4.0%以上、好適には4.5%以上存在させる。最大では、鋼は7.0%、好ましくは最大6.0%、好適には最大5.5%のクロムを含んでいてよい。
モリブデンもまた、第1にクロムと一緒に、鋼に所望の焼入れ性と所望の2次焼入れを与えるために鋼中に十分な量で存在させる。しかしながら、モリブデン含量が高すぎると、好ましくは鋼中に存在すべきではないM6C炭化物の析出を生じさせる。それゆえ鋼は、この背景によって、1.5%以上、最大4.0%のモリブデンを含むべきである。好ましくは、鋼が所望量のMC炭化物を犠牲にして、及び/又は炭化物に加えて、鋼が望ましくないM6C炭化物を含むことにならぬように1.8%以上で最大3.2%、好適には2.1%以上で最大2.6%のモリブデンを含む。モリブデンは、所望の焼入れ性達成のため、原則として完全に又は部分的にタングステンによって置換することができるが、これにはモリブデンの2倍量のタングステンを必要とし、これが欠点となる。また、鋼がかなりの含量のタングステンを含む場合は、鋼の製造に関連して生産されるスクラップの再循環がより困難となる。それゆえ、タングステンは最大1.0%、好ましくは最大0.3%、好適には最大0.1%を超える量で存在してはならない。最も好都合には、鋼は意図的に加えた量のタングステンを含んではならず、この鋼の最も好ましい実施態様では、鋼の製造に使用した原料から発出する残留元素の形の不純物量を超えて許容してはならない。
前記元素の他には、鋼は通常、さらに意図的に加えた合金元素を含む必要はない。例えばコバルトは、鋼の望ましい特徴の達成に通常必要のない元素である。しかしながら、コバルトは耐焼戻し性をさらに向上させるため、オプションで最大2.0%、好ましくは最大0.7%の量で存在してもよい。しかし、通常、鋼は不純物レベルを超えるコバルトは含まない。鋼中に通常存在しなくてもよいが、鋼の延性を向上させるためオプションで存在できる他の元素はニッケルである。しかしながら、ニッケルの含量があまりにも高すぎると、残留オーステナイト形成の危険がある。それゆえニッケル含量は、最大2.0%、好ましくは最大1.0%、好適には最高0.7%を超えてはならない。もしも効果的なニッケル含量が望ましいと考えられる場合は、この含量は例えば0.30〜0.70%、好適には約0.5%となるであろう。望ましい実施態様において、鋼がニッケルなしでも十分な延性/靭性を有すると考えられる場合は、コストの理由から、鋼が使用した原材料からの不純物の形で不可避的に含むニッケル含量を超える量でニッケルを含んではならない(すなわち0.30%未満)。さらに、鋼は方法自体で、鋼の特徴を各種の面、例えばその焼入れ性の点で向上させるため、又は鋼の製造を容易にするため、極く僅少量の異なる元素で随意に合金化することができる。例えば、鋼はその熱間延性を向上させるためオプションで約30ppmまでの量のホウ素と合金化できる。
一方、他の元素は明らかに望ましくない。したがって、鋼はバナジウム以外には他の強力な炭化物形成材を含まない。例えば、ニオブ、チタン、及びジルコニウムは明らかに望ましくない。これらの炭化物は炭化バナジウムよりも安定しており、焼入れ操作で溶解するためには炭化バナジウムより高温を要する。炭化バナジウムは1000℃で溶解し始め、事実上1100℃で完全に溶解するが、炭化ニオブは約1050℃まで溶解し始めない。炭化チタン及び炭化ジルコニウムはさらに安定であり、温度が1200℃以上に達するまで溶解し始めず、鋼が熔融状態になるまで完全には溶解しない。バナジウム以外の強力な炭化物及び窒化物形成材、特にチタン、ジルコニウム及びニオブは、それゆえ0.1%、好ましくは最大0.03%、好適には最大0.010%を超える量で存在してはならない。最も好都合には、鋼は各前記元素の最大0.005%を超えて含まない。また燐、硫黄、窒素及び酸素の含量は、鋼の延性及び靭性を最大にするため、鋼中で極く低レベルに維持する。したがって、燐は不可避不純物として最大量の0.035%、好ましくは最大0.015%、好適には最大0.010%で存在できる。酸素は最大0.0020%(20ppm)、好ましくは最大0.0015%(15ppm)、好適には最大0.0010%(10ppm)の量で存在できる。窒素は最大0.030%、好ましくは最大0.015%、好適には最大0.010%の量で存在できる。
鋼の機械加工性を向上させるため鋼が硫化されない場合は、鋼は最大0.03%硫黄、好ましくは最大0.010%、好適には最大0.003%(30ppm)の硫黄を含む。しかしながら、硫黄を0.03%超、好ましくは0.10%超、最大0.30%までの量で意図的に加えることによって鋼の機械加工性を向上させると考えてよい。鋼が硫化される場合、それ自体公知の方法で、さらに5〜75ppmのカルシウム及び50〜100ppmの酸素、好ましくは5〜50ppmのCa、及び60〜90ppmの酸素も含むことができる。
鋼の製造中に、質量100kg超、好ましくは10トンまで、及び厚さ約200mm超、好ましくは少なくとも350mmまで、を有するインゴット又はブランクがつくられる。好ましくは、インゴット鋳造、好適にはボトム鋳造を経由して慣用の熔融冶金製造法が用いられる。また続いてESR再熔融法などによって上述の望ましい寸法に再鋳造するという条件で連続鋳造法も使用できる。粉末冶金製造法又はスプレー形成法は不必要に経費のかかる方法であり、コストを動機づけるなんらの利点もない。製造されたインゴットは希望の寸法に熱間加工され、その時型の組み立ても分解される。
熱間加工した材料の構造は、材料の均一性を最適化するため、例えば高温、好適には1200〜1300℃での均質化処理などの熱処理による色々な手段で標準化できる。鋼は通常、鋼の製造者によってソフト焼きなまし状態、硬度は約160〜220HB、通常190HB、で客先に出荷される。工具は通常、鋼のソフト焼きなまし状態での機械加工操作によって製造されるが、鋼の焼入れ及び焼戻しした状態で慣用の機械加工又はスパーク機械加工によって製造することも考えられる。
製造した工具の熱処理は通常、客先によって行われ、存在する炭化物の完全な溶解のため、好ましくは真空炉中で950〜1075℃の温度から好適には1000〜1050℃の温度で、15分〜2時間、好ましくは15〜60分間焼入れし、続いて20〜70℃に冷却し、次いで500〜570℃、好適には520〜560℃で高温焼戻しされる。鋼のソフト焼なましした状態では、鋼は、一様に分布した各種の小さな炭化物を含むフエライトマトリクスを有する。焼入れして焼戻ししない状態では、鋼は焼戻ししていないマルテンサイトからなるマトリクスを有する。既知の理論計算による計算から、平衡にある鋼は約0.6容積%のMC炭化物を含む。高温焼戻しではMC炭化物のさらなる結晶が得られ、これにより鋼に目的とした硬度を与える。これらの炭化物は超顕微鏡的なサイズを有する。それゆえ炭化物の量は慣用の顕微鏡試験によってはっきり決めることは不可能である。温度を過度に上昇させると、MC炭化物の粒子がより粗くなり不安定となって、その代わりに急速に成長する炭化クロムを安定させ、これは望ましくない。これらの理由のため、本発明の鋼合金組成に関する限り、焼戻しを上述の温度と保持時間で実施することが重要である。
本発明のさらなる特徴と特性は、特許請求の範囲及び以下の実施した実験とそれに続く討論から明らかとなるであろう。
実施した実験の説明
材料:
50kgの質量を有する実験室インゴットの形で8つの鋼合金を製造した。実験室規模で製造したこれらのインゴットの化学組成を表1、鋼1A〜8A、に示す。鋼1A〜6Aは実験鋼であり、鋼7A及び8Aは参考鋼である。表1には、実験鋼の目標組成、1R〜6R、及び参考材料の公称組成、鋼7N及び8N、及び序文に述べた市販鋼の1つの公称組成、鋼9N、も示されている。製造技術の限界のため、大部分の実験室加熱物で、50kgインゴットの硫黄含量を所望の低レベルに維持できなかった。すべての実験鋼において、チタンの含量は30ppmのオーダーであり、ニオブの含量は10ppmのオーダーであった。ジルコニウムの含量は10ppm未満であった。次の操作を適用した:
1270℃/空気で10時間均質化処理、φ60×60mmに鍛造、1050℃/2時間/空気で再生処理、及び850℃/2時間でソフト焼きなまし、10℃/時で600℃に冷却、次いで大気中にフリー冷却にする。
Figure 2006504868
上の材料を、ソフト焼きなまし後の硬度、異なる熱処理後のミクロ構造、異なるオーステナイト化温度から焼入れ後の硬度、異なる焼戻し温度で焼戻し後の硬度、焼入れ性、衝撃靭性、及び耐摩耗性について試験した。これらの試験結果を以下に報告する。さらに、目標組成を有する実験鋼、1R〜6R、及び公称組成を有する参考鋼、7N〜9N、それぞれに対して、掲示のオーステナイト化温度における溶解炭素及び炭化物部分の含量に関して熱計算法によって理論的平衡計算を行った(表2)。
Figure 2006504868
ソフト焼きなまし硬度:
合金1A〜8Aのソフト焼きなまし硬度、ブリネル硬度(HB)を表3に示す。表1及び3は、シリコン含量が低いとソフト焼きなまし硬度を低下させることを示す。
Figure 2006504868
ミクロ構造:
合金1R〜8Rのミクロ構造を、55〜58HRCの硬度に熱処理後ソフト焼きなましした状態で試験した。ミクロ構造は、鋼の焼入れ及び焼戻しした状態で焼戻したマルテンサイトからなっていた。1次炭化物は存在しなかった。どの合金にも炭化チタン、窒化チタン、及び/又はチタン炭素窒化物が全く検出されなかった。
焼入れ及び焼戻し:
鋼1A〜6Aを1000〜1050℃間の異なる温度で30分間加熱することによってオーステナイト化し、一方、参考鋼7A及び8Aはそれぞれ960℃及び1050℃で30分間加熱してオーステナイト化した。これらの温度はこれら既知鋼の最適オーステナイト化温度である。鋼1A〜6Aの硬度に対するオーステナイト化温度の影響を図1に示す。図にはまた、前記オーステナイト化処理後の参考材料7A及び8Aの硬度も示されている。
鋼1A〜6Aを1025℃、鋼7Aを960℃、鋼8Aを1050℃で30分オーステナイト化後、鋼1A〜8Aの硬度に対する焼戻し温度の影響を検討した。鋼7Aを除くすべての鋼で450〜600℃の温度で典型的な2次焼入れが観察された。図2は、硬度対関心の500〜600℃範囲内の焼戻し温度の関係を示す。鋼はすべて掲示温度で2×
2時間焼戻した。鋼6Aが、試験材料中550℃の焼戻し温度までの最良の耐焼戻し性を示した。鋼2Aは、参考材料8Aのそれと同じぐらい良好な、525℃までの耐焼き戻し性を有し、鋼1A及び3A〜5Aは、鋼8Aの耐焼戻し性より低レベルの耐摩耗性を有していたが、鋼7Aの耐焼戻し性よりも著しく高かった。したがって実験合金1A〜6Aの耐焼戻し性は良好であると考えてもよく、これはある工具用途に必要な耐摩耗性を得るため約500℃までの温度で表面コーチングを必要とするマトリクス鋼にとって重要なことである。換言すれば、450〜600℃の間の温度、より正確には500〜560℃の間の温度で、MC炭化物の析出によって明確な2次焼入れが得られる。耐摩耗性は高シリコン含量によって有利となるが、またもしシリコン含量が鋼5Aでのように低くても、約540℃までの高温焼戻し後、56HRC超の硬度が維持できる。これは、工具の硬度が過度に低くならないようにして広い温度範囲内で表面処理を実施可能にするので有利である。
焼入れ性:
試験合金1A〜8Aに対しCCT線図からプロットしたデータを使用して、ビッカー硬度(HV10)対800℃から500℃への冷却に要する時間、による焼入れ性の比較を図3に示す。チャートから明らかなように、すべての実験鋼1A〜6Aが参考鋼7A及び8Aよりも良好な焼入れ性を有する。特に鋼5Aが極めて良好な焼入れ性を有し、一方参考鋼8Aは、t85=1000秒での焼入れ状態で52HRCにしか達しない。参考鋼7Aは55HRCに達するのに対し、すべての実験鋼1A〜6Aは前記冷却速度で硬度が>56HRCに達する。
延性:
真空炉中で冷却された合金1A〜8Aのロッドに対し、20℃における非切り欠き試験ロッドの吸収した衝撃エネルギーで表わした800℃から500℃への冷却時間に対する延性を図4に示す。掲示の冷却時間は、プラスチック成型用のフルサイズ成型工具に対する現実の冷却時間である。すべての鋼を目標とした値の55HRCに焼戻しする。最良の延性が、約0.1%〜約0.2%Si、および約0.5%Vを含む実験合金3A,4Aおよび5Aによって得られた。これはまた、真空炉で焼入れし、t85=1190秒に相当する速度で冷却して55±0.8HRCの硬度に焼戻した20℃での非切り欠き試験ロッドの吸収した衝撃エネルギーによる延性を示す図4に示されている。より低含量のバナジウムを有する相当する変形の延性はより低い。破断表面(破面)の比較検討により、低含量のバナジウムを有する変形の方がより大きなサイズのオーステナイト結晶粒を有することがわかる(図5)。これは、これらの合金が、バナジウムの含量がやや高い変形のものよりも、マトリクス中のオーステナイト結晶粒成長を防止する炭化バナジウムの含量が少ないと云う事実によって説明できる。図5及び6は、それぞれ合金1A及び3Aでつくった試験ロッドの破面を示す。図6のミクロ写真は、良好な延性の前提である微細なオーステナイト結晶粒サイズを有し、本発明にしたがう十分な合金組成を有する鋼でつくった試験ロッドの延性破壊を示す。
Figure 2006504868
耐摩耗性:
試験合金1A〜8Aについて研磨摩耗剤としてSiO2によるピン-対-ピンテストを行った。鋼7Aの耐摩耗性が最も低かった。同等の硬度では他の鋼も同等に良好な耐摩耗性を有していた。しかし、高シリコン含量を有する合金は幾らか良好な耐摩耗性を有していた。
検討
本発明の開発に関連して行った研究の目的は、表5の左欄に示したような所望の特徴の組み合わせを有する鋼を実現することである。表中、1〜3のマークが使用され、1は最低、3は最良を示している。理想に最も近い実験合金は鋼5Aである。この鋼が参考材料8Aと比較されている。この比較で、プラスチック成型用の成型工具への使用の点で鋼5Aには重大な欠点がないのみならず、多くの利益を達成する可能性がある。参考材料7Aと比較して、本鋼が高温焼戻しできることが重要な利点であり、一方鋼7Aは、スパーク機械加工に関連して熱処理後の残留高張力を、および表面処理の選択に関する限りは制限(条件)を与えるという公知の欠点を有する低温焼戻しを必要とする。疲労寿命に対するマークは鋼の清潔さに関して計算される。圧力強度は、焼戻し温度と焼戻し後の材料の硬度を基準にして計算する。研削性、機械加工性及び艶出し性は、延性、ソフト焼きなまし硬度、及び材料の炭化物含量を基準にして計算されている。熔接性は炭素含量及び合金元素含量に関係する。生産の経済性は慣用の方法で問題なく本鋼を製造することの可能性に関して、考慮された。
Figure 2006504868
理想的な特徴の組合わせと比較して、鋼5Aは焼入れ及び高温焼戻し後の硬度がやや低い。実験によって得られた経験をベースとして、最適鋼組成のシリコン含量は約0.2%、及びこの鋼中の1020℃における溶解炭素の含量は約0.45%でなければならないと算定される。しかしながら、シリコン含量は、合金に最適延性/靭性を付与するため最適組成中で0.25%を超えてはならない。その場合、鋼の炭素含量の目標値は、焼入れ及び高温焼戻し後、57〜58HRCの目標硬度を付与するため0.49%でなければならない。最適組成の好適なバナジウム含量は、熱処理と関連して結晶粒成長に対してより広い余裕を与えるため0.52%と算定される。燐、硫黄、窒素及び酸素の含量は、延性と靭性を最大にするため極めて低レベルに維持する。鋼は、バナジウム以外の意図的に加えた他のいかなる炭化物形成材も含んではならない。チタン、ジルコニウム、及びニオブなどの他の炭化物形成材は、最適合金中それぞれ最大0.005%に限定する。アルミニウムは鋼の製造からの残留物として存在することができ、最大0.030、好ましくは最大0、015%に限定する。
したがってプラスチック成型用成型鋼の最適合金は、表6に示す組成を持つ必要がある。
Figure 2006504868
Figure 2006504868
生産規模実験
本発明による鋼10Pを電弧炉中で製造した。目的とした組成は表6による組成であった。加熱物は65トンの重量であった。分析した組成は目的とした組成とほとんど違わなかった。所与標準の範囲外にあった元素は硫黄と窒素のみであり、その含量は最大0.010%の代わりに、それぞれ0.011%と0.013%であった。鋼10Pの完全な組成を表7に示す。表中にはまた最も重要な不純物も記載されている。同表に出願人の製造物から採取した3個の試験参考材料、7P、8P、及び9Pの組成も記載されている。これらの鋼は、表1に記載の公称組成を有する鋼、7N、8N、及び9Nに相当する。参考材料も65トン加熱物として電弧炉中で製造した。加熱物はすべてインゴットの形にボトムキャストした。鋼9PでつくったインゴットはさらにESR再熔融によって精製した。インゴット(ESRインゴットを含む)を種々の寸法を有するバーの形に鍛造した。バーは、試験サンプルを採る前に種々の熱処理にかけた。試験したバーの寸法と熱処理を表8に示す。
次いで本発明にしたがう化学組成を有するさらに3個の、それぞれ65トンの、生産加熱物を電弧炉で製造した。これらの鋼からESR(電気スラグ精練)にかけた電極を製造した。このESRインゴットを種々の寸法を有するバーの形に鍛造した。これらのバーも試験サンプルを採る前に種々の熱処理にかけた。これらのバー(鋼11P、12P、及び13P)の化学組成も表7に示し、それらの寸法と熱処理を表8に示す。
Figure 2006504868
表8にしたがってバーから採つたサンプルを硬度及び衝撃靭性に関して試験した。その結果を表9に記載する。この表には、試験ロッド(試験ロッドはすべて非切り欠き状)の種類及び試験ロッドの位置も記載されている。
CL2は、バーの縦方向の中央で採られ、バーの直角方向に衝撃方向を有する円いバーからの試験ロッドを意味し、CR2はCL2と同じであるがバーの縦方向に衝撃方向を有する試験ロッドを意味する(最も条件がよくない)。
TL2はフラットなバーからの試験ロッドを意味し、それ以外の点ではCR2に同じ。 LT2はフラットなバーからの試験ロッドを意味し、それ以外の点ではCL2に同じ。 ST2はバーの中央、最短直角方向で採った、縦方向に衝撃方向を有する、フラットバーからの試験ロッドを意味する(最も条件がよくない)。
Figure 2006504868
表9に示すように、試験鋼の硬度は同等に良好であったが、鋼7P及び8Pに関する限り、その公知の欠点を有する低温焼戻しが必要であった。しかし、鋼8Pの比較的良好な衝撃靭性は、第一にその鋼でつくつた試験フラットバーの薄い寸法に因るに違いない。鋼9Pについては、鋼をESR精製錬したけれども中程度に良好な衝撃靭性しか達せられなかった。鋼10P、58Jの円いバーの衝撃靭性の測定値は、条件のよくない衝撃方向にもかかわらず、鋼9P、60Jの円いバーの衝撃靭性の測定値よりもほんの少しだけ低かった。さらに、鋼9P及び10Pのフラットバーの衝撃靭性同等テストの場合に、明らかに最良の衝撃靭性、196J、が本発明の鋼10Pに認められることが観察できる(鋼9Pに対する159Jと比較して)。この比較において、鋼9Pが、通常靭性を向上させるESR精錬されていたことを特に考慮する必要がある。最後に、本発明鋼11P,12P、及び13Pの衝撃靭性が、非ESR再熔融材料(鋼10P)と比較して、ESR再熔融によって強力に向上していることに注目してよい。
試験鋼の焼入れ後の硬度対オーステナイト化温度を説明するチャートである。 硬度対限定温度範囲内の焼き戻し温度を示すチャートである。 試験鋼の焼入れ性を説明するチャートである。 真空炉で焼入れ後続いて約55HRCに焼戻ししたサンプルの冷却時間と延性の関係を衝撃エネルギーで示す線図である。 試験鋼の破面を大きな倍率で示す電子顕微鏡写真である。 異なる試験鋼の破面を大きな倍率で示す電子顕微鏡写真である。

Claims (32)

  1. 鋼が、重量%で次ぎの化学組成を有することを特徴とする鋼:
    0.43〜0.60C、
    トレース量〜1.5Si、
    トレース量〜1.5(Si+Al)、
    0.1〜2.0Mn、
    3.0〜7.0Cr、
    1.5~4.0(Mo+W/2)、 但し最大1.0W、
    0.30〜0.70V
    Nb,Ti及びZrのそれぞれ最大0.1、
    最大2.0Co、
    最大2.0Ni、
    バランス:本質的に鉄と不可避不純物のみ。
  2. 鋼が、少なくとも0.44、好適には少なくとも0.46Cを含む、請求項1記載の鋼。
  3. 鋼が、最大0.55、好適には最大0.53Cを含む、請求項2記載の鋼。
  4. 鋼が、少なくとも0.40、好適には少なくとも0.45Vを含む、請求項1ないし3のいづれか1項に記載の鋼。
  5. 鋼が、最大0.65、好適には最大0.60Vを含む、請求項4に記載の鋼。
  6. 鋼が、約0.49C及び約0.52Vを含む、請求項1ないし5のいづれか1項に記載の鋼。
  7. 鋼が、少なくとも0.05、で最大1.0Siを含む、請求項1ないし6のいづれか1項に記載の鋼。
  8. 鋼が、少なくとも0.1、好ましくは少なくとも0.2で最大0.5Siを含む、請求項7記載の鋼。
  9. 鋼が、最大1.0、好ましくは最大0.3、好適には最大0.1、最も好都合には最大0.03Alを含む、請求項1ないし8のいづれか1項に記載の鋼。
  10. 鋼が、少なくとも1.8で最大3.2Moを含む、請求項1ないし9のいづれか1項に記載の鋼。
  11. 鋼が、少なくとも2.1で最大2.6Moを含む、請求項10記載の鋼。
  12. 鋼が、最大0.3、好適には最大0.1Wを含む、請求項10又は11に記載の鋼。
  13. 鋼が、不純物量を超えるタングステンを含まない、請求項12記載の鋼。
  14. 鋼が、最大0.7Coを含む、請求項1ないし13のいづれか1項に記載の鋼。
  15. 鋼が、不純物量を超えるコバルトを含まない、請求項14記載の鋼。
  16. 鋼が、最大1.0Niを含む、請求項1ないし15のいづれか1項に記載の鋼。
  17. 鋼が、最大0.7Niを含む、請求項16記載の鋼。
  18. 鋼が、0.3〜0.7Niを含む、請求項17記載の鋼。
  19. 鋼が、不純物レベルを超えるニッケルを含まない、請求項17記載の鋼。
  20. チタン、ジルコニウム及びニオブの各元素含量が0.1%を超えない、請求項1ないし19のいづれか1項に記載の鋼。
  21. チタン、ジルコニウム及びニオブの各元素含量が0.03%を超えない、請求項20に記載の鋼。
  22. チタン、ジルコニウム及びニオブの各元素の含量が0.01%、好ましくは0.005%を超えない、請求項21記載の鋼。
  23. 鋼が、最大0.035%、好ましくは最大0.015%、好適には最大0.010%を超えるPを含まない、請求項1ないし22のいづれか1項に記載の鋼。
  24. 鋼が、最大20ppm、好ましくは最大10ppmのOを含む、請求項1ないし23のいづれか1項に記載の鋼。
  25. 鋼が、最大30ppm、好ましくは最大15ppm、好適には最大10ppmのNを含む、請求項1ないし24のいづれか1項に記載の鋼。
  26. 鋼が、最大0.03%、好ましくは最大0.01%、好適には最大30ppmのSを含む、請求項1ないし25のいづれか1項に記載の鋼。
  27. 鋼が、0.10〜0.30%のSを含む、請求項1ないし25のいづれか1項に記載の鋼。
  28. 鋼が、5〜75ppmのCa及び50〜100ppmのO、好ましくは5〜50ppmのCa及び好ましくは60〜90ppmのOを含む、請求項27に記載の鋼。
  29. 鋼が、焼入れ及び500〜570℃、好ましくは520〜560℃における高温焼戻し後、54〜59HRC、好ましくは56〜58HRCの硬度を有する、請求項1ないし28のいづれか1項に記載の鋼。
  30. 鋼が、ESR再熔融されている、請求項1ないし29のいづれか1項に記載の鋼。
  31. 請求項1ないし30のいづれか1項に記載の鋼で製造される、プラスチック成型用の成型工具。
  32. 成型工具が、焼入れ及び500〜570℃、好ましくは520〜560℃における高温焼戻し後、54〜59HRC、好ましくは56〜58HRCの硬度を有する、請求項31記載のプラスチック成型用成型工具。
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