高い機械的要求を有する用途に一般的に使用される熱間加工素材は、熱間工具鋼である。通常はクロム、モリブデンまたはタングステンの合金である。多くの場合、これらの材料には、バナジウム、シリコン、マンガン、ニオブ、アルミニウムなどの他の合金元素も含まれる。これらの材料は、加工温度におけるクリープ張力と靭性との非常に良好な組み合わせを示す。
この種の材料を用いてこの工具、またはこのタイプの材料を含む工具を製造するプロセスは、軟化機械的処理、熱処理および仕上げおよび調整の機械加工ステップを含む。クエンチングに非常に敏感な材料特性もある。これらの理由から、熱処理におけるホモロゲーションプロセスに特に注意が向けられる。この種の材料では、特に靱性に関連する特性を特に重視すると、クエンチング工程中に800から500に移動するのに費やされる時間が非常に重要であると一般に認められている。マルテンサイトとは異なる構造がクエンチング工程中の熱処理に形成されるか否かもまた重要である。
問題は十分に速いクエンチングを確実にするための冷却媒体が限られていることであり、ほとんどの場合、これらの工具または金型は複雑な形状を有するため、急速冷却により割れまたは極端な歪みが生じる。したがって、最大冷却速度の制限のために、冷却の臨界速度はクエンチングされる材料の断面が十分に小さい場合にのみ得られる。これにより、機械的要求の高い用途(ほとんどの場合の軽合金の注入、鋳造、シートの超弾性変形、押し出し加工、銅/ブロンズ/真ちゅうの注入など)のための熱間加工素材の熱処理は、金型および大きな厚い工具では不可能である。
本稿では、片がデカルト座標系の3辺の直交尺度によって定義されている場合、その厚みは3辺の最小尺度である。
本稿では、すべてのパーセンテージは重量パーセンテージを示す。
本稿では、元素の質量が以下に表された際、0%は明確に含まれるか、もしくは同様にそれは存在しないことを意味する。0から始まる範囲での元素の質量が示されている場合、これに意図的ではない混入が含まれる。また、これには完全に組成中に存在しない場合も含まれる。
この文書では、破壊靭性をASTM E399の標準に従って測定する。
本発明の第1の特徴は、高い層厚であるが高い靭性を有する鋼鉄に関する。
前記の通り、熱間加工素材における高い焼入硬化性を達成することは可能であるが、高い層厚のあるものがクエンチングされたときに高い靱性値を達成することとは別の話である。本発明者らは、正しい合金法および熱処理がなされた場合、これが可能であることを見出した。これは、以下の組成範囲で可能である。
%Gd + %Nd +%Sm+%Y+%Pr+%Sc+%Pm+%Eu+%Tb+%Dy +%Ho+ %Er+%Tm+%Yb+
%Lu= 0−0.5% であることこで
残りは鉄および微量元素からなり、
上記の条件下で: %Ceq = %C + 0.86*%N + 1.2*%B; かつ
%Moeq= %Mo + 1/2 %W
以下の条件において
%B < 20ppm または% Ni < 0.25% ならば%Mn > 0.8%;
また、本発明は、大きな断面についても高レベルの靱性を有する上記の組成を有する鋼鉄に関する。ある実施例では上記組成の鋼鉄は熱間加工鋼である。ある実施例では上記組成の鋼鉄は熱間工具鋼である。 ある実施例では、上記組成の鋼鉄は少なくとも部分的にマルテンサイト系である。また、別の実施例では上記組成の鋼は、少なくとも部分的にベイナイト系である。
本稿の意味において、特に指示のない限り、微量元素は2%未満の量の任意の元素を指す。用途によっては、微量元素は1.4%未満であることが適当であり、また、0.9%未満であることがより適当で、0.78%未満であることが理想的である。単体または化合物であるH, Li, Na, K, Rb, Fr, Be, Mg, Ca, Sr, Ba, Ra, Ac, Tc, Re, Ru, Os, Rh, Ir, Pd, Pt, Ag, Au, Zn, Cd, Hg, B, Ga, In, Tl, Ge, Sn, Pb, P, As, Sb, Bi, O, S, Se, Te, Po, F, Cl, Br, I, At, He, Ne, Ar, Kr, Xe, Rn, Th, Pa, U, Np, Pu, Am, Cm, Bk, Cf, Es, Fm, Md, No, Lrが微量元素である元素と考えることができる。ある用途では、ある微量元素または微量元素一般は特定の関連する特性(例えば、熱伝導率や靭性)にとって大きな問題になり得る。このような用途では、微量元素を0.4%未満であることが適当である。もしくは0.2%未満、または0.14%未満であることが望まれ、さらには0.06%未満に保つことが理想的である。言うまでもなく、一定量以下であることは要素がないことも含まれる。多くの場合、微量元素のほとんどが存在しない、またはすべてが存在しないことが明らかまたは望ましい。前述したように、すべての微量元素は単一の物質とみなされる。したがって、非常に多くの場合、異なる微量元素は異なる最大重量割合許容値を有する。微量元素は、コスト削減を含む特定の機能を検索するため、意図的に添加されることがある。または、その存在(存在する場合)は意図的でなく、主に合金元素の不純物および合金製造の際の廃棄物に関連する可能性がある。異なる微量元素が存在する理由は、同一の合金製造過程に対して異なることがある。
本発明者らによってある用途で微量元素の合計含有量が2.0%以下、他の用途では1.4%以下、別の用途では0.8%以下、また別の用途では0.2%以下、その他の用途では0.1%以下か0.06%以下であることが望ましいことを発見した。
また、本発明者らによって個々の微量元素の含有量が、ある用途では2.0%未満の含有量、他の用途では1.4%未満、また別の用途では0.8%未満、別の用途では0.2%未満、その他の用途では0.1%未満または0.06%未満であることが望ましいことが発見された。
本発明者はある用途において、Ca、 Pや Sなどの微量元素が組成物として存在しないことが求められることを見出した。特定の用途では、Caは微量元素として鋼鉄の組成物中に存在しないことが求められる。特定の用途では、Pもまた、微量元素として鋼鉄の組成物中に存在しないことが求められる。その他の特定の用途でも、Sが微量元素として鋼鉄の組成物中に存在しないことが求められる。
Ti、Ta、Zr、Hf、Nb、La、Ce、Csは鋼鉄の組成中の任意の元素であり、いくつかの実施例ではそれらのいずれか、またはそれらのすべてが組成物に存在しなくてもよいことを本開発者は見出した。
また本開発者は、あるいくつかの用途において%Ti+%Ta+%Zr+%Hf+%Nb+%La+%Ce+%Cs=0−4.2%であることが望ましいことを見出した。
また本開発者は、あるいくつかの用途において%Ti+%Ta+%Zr+%Hf+%Nb+%La+%Ce+%Cs=0−3.7%であることが望ましいことを見出した。
また本開発者は、あるいくつかの用途において%Ta+%Zr+%Hf+%Nb+%La+%Ce+%Cs=0−2.2%であることが望ましいことを見出した。
また本開発者は、あるいくつかの用途において%Ta+%Zr+%Hf+%Nb+%La+%Ce+%Cs=0.001−2.2%であることが望ましいことを見出した。
炭素相当材は関連する特性の大部分を決定する際に非常に重要である。高温状態で高い機械的抵抗性が求められる際、%Ceqは低すぎてはいけない。本開発のある応用では、%Ceq が0.36%超であることが望ましいことを本開発者は発見した。本開発のある応用では、%Ceq が0.38%超であることが望ましいことを本開発者は発見した。本開発のある応用では、%Ceq が0.41%超であることが望ましいことを本開発者は発見した。高靭性か高伸張性、またはそのいずれも求められる場合、%Ceqは高すぎないことが求められる。本開発のある応用では、%Ceq は0.58%未満であることが望ましいことを本発明者は見出した。本開発のある応用では、%Ceq は0.48%未満であることが望ましいことを本発明者は見出した。本開発のある応用では、%Ceq は0.44%未満であることが望ましいことを本発明者は見出した。
本発明者は、ある用途において%Ceq は0.32%から0.54%、普通0.34%から0.51%、もしくは0.35%から0.48%であるこが望ましいことを発見した。
炭素相当材について、%Cは非常に重要である。高温状態で高い機械的抵抗性が求められる際、%Cは低すぎてはいけない。本開発のある応用では、%C は0.36%超であることが望ましいことが明らかにされた。本開発のある応用では、%C は0.38%超であることが望ましいことが明らかにされた。本開発のある応用では、%C は0.41%超であることが望ましいことが明らかにされた。また、高靭性か高伸張性、はたはそのいずれも求められる場合、%Cは高すぎてはいけない。本発明のある応用では、%C は0.58%未満であることが望ましいことが明らかにされた。本発明のある応用では、%C は0.48%未満であることが望ましいことが明らかにされた。本発明のある応用では、%C は0.44%未満であることが望ましいことが明らかにされた。
いくつかのある用途において、%Cは 0.32%から0.54%であることが望まれ、普通0.34% から0.51%、もしくは0.35% から0.48%であることが望まれることが明らかになった。
炭素相当材について、%Nの含有量が高すぎないことが望まれる場合がある。ある本発明の応用において、%N が0.09%未満、また別の場合。ある本発明の応用において、%N が0.004%未満、また別の場合では、%Nが存在しないことが望まれることを本発明者は見出した。また、ある本発明の応用において%Nが焼入硬化性を向上させることがわかった。ある応用では、%N が0.06%超、また別の応用では%N が0.11%超であることが望ましいことが明らかにされた。
また炭素相当材について、%Bの含有量が高すぎないことが望まれる。ある本発明の応用において、%B が0.03%未満。ある本発明の応用において、%B が0.019%未満。ある本発明の応用において、%B が0.009%未満。また別の応用においては%B が存在しないことが望まれることがわかった。特にフェライト変態の阻害によって、%Bが焼入硬化性を向上させることがわかった。この際、%B は0.002%超であることが望まれる。この際、%B は0.0042%超であることが望まれる。この際、%B は0.006%超であることが望まれる。
二次炭化物中のクロムの存在がほとんど常に大きな影響を及ぼしているため、クロムの含有量関連する特性の大部分を決定する上で非常に重要である。靭性を下げすぎずに高温状態で機械的抵抗性が求められる場合、%Cr は3.6%超であることが望ましいことが発見された。本開発のある応用では、%Cr は4.2%超であることが望ましいことが明らかにされた。本開発のある応用では、%Cr は4.6%超であることが望ましいことが明らかにされた。また、高靭性か高伸張性、またはそのいずれも求められる場合、%Crが高すぎないことが望まれる場合がある。これは%V、%Mo、%Wのような炭化物形成剤の含有量が高い場合、特に注意が必要である。ある本発明の応用では、%Cr が5.8%未満であることが望まれることがわかっている。ある本発明の応用では、%Cr が5.4%未満であることが望まれることがわかっている。ある本発明の応用では、%Cr が4.9%未満であることが望まれることがわかっている。
あるいくつかの用途において、%Cr は2.9% から5.9%、多くの場合では3.6%から 5.9%、もしくは4.1%から5.9%であることが望まれることがわかっている。
いくつかの用途では、%Cr−%Mn(%Crと%Mnとの差を示す:%Cr−%Mn)が1.2%超であること、またある特定の用途では普通1.6%超であること、また別の用途では1.9%超であることが望まれることがわかっている。
また、ある用途では%Cr+%Mn が2.8%超、またある特定の用途では普通3.4%超であることが望まれ、また別の場合では4.1%超、また別の特定の用途では4.9%超であることが望まれることがわかっている。
%C が0.4%超のある特定の用途では、%Cr が3.6%超、また別の用途では、3.9%超、別の場合では4.1%超であることが望まれることがわかっている。
マンガン含有量本発明において非常に重要である。ある特定の%Mnの含有量から、高い層厚を有する素材の加工においても、本発明における物質は高い靭性を有することがわかっている。これは段階的効果ではないが、%Mnが低すぎる場合はこの特性は見られない。%Mnのある特定の含有率からこの特性が見られるようになる。この臨界含有量は、合金中の他の元素の特定量に依存する。本発明の特定の応用について、%Mn が0.8%超であることが望まれることがわかっている。本発明の特定の応用について、%Mn が1.1%超であることが望まれることがわかっている。本発明の特定の応用について、%Mn が1.6%超であることが望まれることがわかっている。本発明の特定の応用について、%Mn が2.1%超であることが望まれることがわかっている。本発明の特定の応用について、%Mn が2.6%超であることが望まれることがわかっている。本発明の特定の応用について、%Mn が3.1%超であることが望まれることがわかっている。他の元素の合金中の含有量によっては、%Mnの高すぎる含有量は鋼鉄の加工の容易性に悪影響を与えることがわかっている。ある特定の本発明の応用では、%Mn は4.8%未満であることが望ましいことがわかっている。ある特定の本発明の応用では、%Mn は4.4%未満であることが望ましいことがわかっている。ある特定の本発明の応用では、%Mn は3.9%未満であることが望ましいことがわかっている。また別の応用では、%Mnが合金の組成中、存在しないことが望まれることが発見された。
あるいくつかの本発明の応用について、%Mn は0.1%から5.8%、普通2.1%から4.9%、また別の応用では2.2% から4.9%であることが望まれる。また別の応用では、%Mn は2.3%から4.9% 、もしくは3.1% から4.6%であることが望まれる。
%C が0.38%である時、本発明者は今発明のいうつかのある応用において%Mn が1.1%超、その他の応用では、%Mn が1.6%超、もしくは2.1%超であることが望まれることを発見した。
また、%C が0.55%未満である場合、ある今発明のいくつかのある応用について%Mn が1.6%超、ほかの応用については普通、2.1%超、もしくはある特定の応用については2.2%超であることが望ましいとわかった。
また、%C が0.45%から0.55%かつ%Cr が4.4%から4.6%ある場合、ある今発明のいくつかのある応用について%Mn が0.3%超、ほかの応用については普通、1.1%超、もしくはある特定の応用については2.1%超であることが望ましいとわかった。
また、%C が0.45%超かつ%Cr が3.9%未満である場合、ある今発明のいくつかのある応用について%Mn が0.5%超、ほかの応用については普通、1.3%超、もしくはある特定の応用については2.1%超であることが望ましいとわかった。
また、%C が0.45%未満である場合、ある今発明のいくつかのある応用について%Mn が0.6%超、ほかの応用については普通、0.8%超、もしくはある特定の応用については2.1%超であることが望ましいとわかった。
また、%C が0.45%未満かつ%Cr が3.6%未満である場合、ある今発明のいくつかのある応用について%Mn が0.7%超、ほかの応用については普通、1.3%超、もしくはある特定の応用については2.1%超であることが望ましいとわかった。
また、%C が0.65%未満である場合、ある今発明のいくつかのある応用について%Mn が1.1%超、ほかの応用については普通、1.3%超、もしくはある特定の応用については2.1%超であることが望ましいとわかった。
また、%C が0.45%超かつ%Cr が2.8%超である場合、ある今発明のいくつかのある応用について%Mn が0.8%超、ほかの応用については普通、1.3%超、もしくはある特定の応用については2.1%超であることが望ましいとわかった。
%Mnのある特定の効果において、%Bまたは%Ni、またはその両方が部分的に代替できることがわかった。ある本発明のある応用では、本稿に記載された量の%Mnと%Niが同時に存在することが望ましいことを本発明者は発見した。また別の応用では、%Mn、%Bおよび%Niが本稿の記載の量で同時に存在することが望ましいことがわかっている。事実、%B、%Niのいずれとも十分な含有量(値は本稿に記載)がない場合、%Mnの存在が必要不可欠であることがわかっている。
ニッケルの含有量は、特に焼入硬化性に及ぼす影響において、非常に重要な役割を果たす。また、ニッケルは%Mnの本稿で報告する特異的な効果を見せる代用物としても重要な役割を果たす。本発明のある応用では、%Ni は0.25%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のある応用では、%Ni は0.32%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のある応用では、%Ni は0. 52%超であることが望ましいことがわかっている。とくに高温下での靭性が求められる際、%Ni が高すぎないことが求められることがある。ある本発明の応用では、%Ni が1.8%未満であることが望ましいことがわかっている。ある本発明の応用では、%Ni が0.78%未満であることが望ましいことがわかっている。ある本発明の応用では、%Ni が0.49%未満であることが望ましいことがわかっている。
本発明のある応用では、%Niが組成中に存在しないことが望ましいことが明らかにされている。また、%Ni と%Bが組成中に存在しない場合、%Mn>0.1%であることが望ましいことが本発明者によって見出された。また、別の%Ni と%Bが組成中に存在しない応用では、%Mn>1.6%、また同じ条件下の他の応用では、%Mn>2.6%であることが望ましいことがわかっている。
あるいくつかの用途では、%Niが0%から2.8%、また多くの場合は0%から2.4%、もしくは0.1%から2.6%であるこが望まれることがわかった。
%C が0.36%未満かつ%Cr が3.6%未満である場合のあるいくつかの用途では、%Ni は2.4%未満、また多くの場合では2.3%未満、あるいはある特定の用途では2.2%未満であることが望ましいことがわかっている。
ある組成において、%Siは本発明の有用性のある効果を中和し、層厚が高い素材を扱う場合においての靭性の値に悪影響を与えることがある。ある本発明の応用では、%Si が0.4%未満である。ある本発明の応用では、%Si が0.18%未満である。ある本発明の応用では、%Si が0.08%未満である。ある本発明の応用では、%Si が0.04%未満である。、また別の場合、%Siが存在しないことが望まれることが本発明者によって明らかにされた。
あるいくつかの用途において、%Si は0% から1.2%、多くの場合では0%から 1.2%、もしくは0%から0.4%であることが望まれることがわかっている。
%C が0.55%未満である場合におけるあるいくつかの用途では、%Si は0.95%未満であることが望ましく、他の同様の条件下の用途では、通常、0.8%未満、もしくは0.6%未満であることが望ましいことがわかっている。
%C が0.55%未満かつ%Crが4.6%未満である場合におけるあるいくつかの用途では、%Si は1.4%未満であることが望ましく、他の同様の条件下の用途では、通常、0.95%未満、もしくは0.7%未満であることが望ましいことがわかっている。
%C が0.36 %未満かつ%Crが3.1%未満である場合におけるあるいくつかの用途では、%Si は0.6%超であることが望ましく、他の同様の条件下の用途では、通常、0.7%超、もしくは0.8%超であることが望ましいことがわかっている。
%C が0.4%未満かつ%Crが4.9%から5.4%である場合におけるあるいくつかの用途では、%Si は0.25%超であることが望ましく、他の同様の条件下の用途では、通常、0.3%超、もしくは0.35%超であることが望ましいことがわかっている。
%C が0.4%未満かつ%Crが4.9%から5.5%である場合におけるあるいくつかの用途では、%Si は1%未満であることが望ましく、他の同様の条件下の用途では、通常、0.9%未満、もしくは0.75%未満であることが望ましいことがわかっている。
%C が0.48%未満かつ%Crが4%から5.7%である場合におけるあるいくつかの用途では、%Si は0.75%未満であることが望ましく、他の同様の条件下の用途では、通常、0.65%未満、もしくは0.55%未満であることが望ましいことがわかっている。
また、あるいくつかの用途では%Si+%Mn+%Vが0.1%超であることが望ましい。%Si+%Mn+%Vが0.26%超であることが望ましい場合もあり、または0.4%超であることが望ましい場合もあることが、本発明者によって明らかにされた。
ある組成では、%Se+%Te+%As+%Pb+%Sb+%Snの値によっては、機械加工にあたって好都合である場合があることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、合金の組成において、%Se+ %Te+ %As+ %Pb+ %Sb+ %Snを0.052%超含有することがさらに望ましいことがわかっている。しかしながら、%Se+%Te+%As+%Pb+%Sb+%Snの値によっては、本発明の鋼鉄に悪影響を与えることがある。特に、%Mnの含有が高い場合において、高い%Mnの含有によって期待される効果に支障をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Te+%As+%Pb+%Sb+%Sn が0.19%未満。また別の場合では、0.09%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Te+%As+%Pb+%Sb+%Sn が0.04%未満。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Te+%As+%Pb+%Sb+%Sn が0.008%未満、また、その他の応用では、%Se+%Te+%As+%Pb +%Sb+%Snが0%であることが求められることがわかっている。
ある組成では、%As+%Sb+%Snの値によっては、機械加工にあたって好都合である場合があることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、合金の組成において、%As+%Sb+%Snが0.052%超含有することがさらに望ましいことがわかっている。しかしながら、%As+%Sb+%Snの値によっては、本発明の鋼鉄に悪影響を与えることがある。特に、%Mnの含有が高い場合において、高い%Mnの含有によって期待される効果に支障をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%As+%Sb+%Snが0.19%未満、また別の場合では、0.09%未満であることが望まれることがわかっている、また別の場合では、0.04%未満であることが望まれることがわかっている、また別の場合では、0.008%未満であることが望まれることがわかっている。また、これらが存在しないことが求められる用途もある。
ある組成では、%Se+%Teの値によっては、機械加工にあたって好都合である場合があることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、合金の組成において、%Se+%Teが0.052%超であることが望ましいことがわかっている。しかしながら、%Se+ %Teの値によっては、本発明の鋼鉄に悪影響を与えることがある。特に、%Mnの含有が高い場合において、高い%Mnの含有によって期待される効果に支障をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Teが0.19%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Teが0.09%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Teが0.04%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Teが0.008%未満であることが望まれることがわかっている。また、これらが存在しないことが求められる用途もある。
本発明のいくつかの応用のでは、%P+%Sが合金組成中により含まれることがわかっている。ある組成におて%P + %Sの値によっては、本発明の鋼鉄に悪影響を与えることがある。特に、%Mnの含有が高い場合において、高い%Mnの含有によって期待される効果に支障をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%P+%Sが0.028%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%P+%Sが0.018%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%P+%Sが0.008%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%P+%Sが0.0004%未満であることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、組成の含有量において、%P+%Sが0%であることが求められることがわかっている。
本発明のいくつかの応用のでは、Pが合金組成中により含まれることがわかっている。ある組成において、%Pの値によっては、本発明の鋼鉄に悪影響を与えることがある。特に、%Mnの含有が高い場合において、高い%Mnの含有によって期待される効果に支障をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%Pが0.028%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Pが0.018%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Pが0.008%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Pが0.0008%未満であることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、組成の含有量において、%Pが0%であることが求められることがわかっている。
本発明のいくつかの応用のでは、Sが合金組成中により含まれることがわかっている。ある組成において、%Sの値によっては、本発明の鋼鉄に悪影響を与えることがある。特に、%Mnの含有が高い場合において、高い%Mnの含有によって期待される効果に支障をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%Sが0.018%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Sが0.008%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Sが0.0008%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Sが0.0004%未満であることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、組成の含有量において、%Sが0%であることが求められることがわかっている。
本発明のいくつかの応用のでは、Oが合金組成中により含まれることがわかっている。ある組成において、%Oの値によっては、本発明の鋼鉄に悪影響を与えることがある。特に、%Mnの含有が高い場合において、高い%Mnの含有によって期待される効果に支障をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%Oが14 ppm未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Oが9 ppm未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Oが6 ppm未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Oが4 ppm未満であることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、組成の含有量において、%Oが存在しないことが望まれることがわかっている。
本発明のいくつかの応用のでは、H2が合金組成中により含まれることがわかっている。ある組成において、%H2は靭性に悪影響を与えることがある。本発明のいくつかの応用のでは、%H2が1.8 ppm未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%H2が0.9 ppm未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%H2が0.4 ppm未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%H2が0.08 ppm未満であることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、組成の含有量において、%H2が存在しないことが望まれることがわかっている。
モリブデン含有は、二次炭化物中においてほとんど常に大きな影響を及ぼしているため、関連する特性の大部分の決定に非常に重要である。焼戻しに対する抵抗性が求められる際、モリブデンは低すぎてはいけない。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo が0.6%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo が1.1%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo が1.6%超であることが望ましいことがわかっている。また、高靭性か高伸張性、はたはそのいずれも求められる場合、%Moは高すぎてはいけない。これは、%V、%Cr、または%Wのような炭化物形成剤の含有量が高い際でも同様である。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo は2.8%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo は1.9%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo は1.4%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo は0.8%未満であることが望まれ。、また別の応用では、%Moが存在しないことが望まれることがわかっている。
あるいくつかの用途において、%Mo は0.01% から4.1%、多くの場合では0.5%から3.9%、もしくは0.8%から2.8%であることが望まれることがわかっている。
また、%C が0.45%未満かつ%Cr が4.9%から5.5%である場合、ある今発明のいくつかのある応用について%Mo が1.6%超、ほかの応用については普通、1.7%超、もしくはある特定の応用については1.8%超であることが望ましいとわかった。
また、%C が0.45%から0.55%かつ%Cr が4.4%から4.6%である場合、ある今発明のいくつかのある応用について%Mo が2.9%未満、ほかの応用については普通、2.8%未満、もしくはある特定の応用については2.6%未満であることが望ましいことがわかった。
また、%C が0.44%未満かつ%Cr が3.3%未満である場合、ある今発明のいくつかのある応用について%Mo が0.6%超、ほかの応用については普通、0.7%超、もしくはある特定の応用については0.8%超であることが望ましいことがわかった。
また、%C が0.55%未満かつ%Cr が3.3%未満である場合、ある今発明のいくつかのある応用について%Mo が0.6%超、ほかの応用については普通、1.6%超、もしくはある特定の応用については1.8%超であることが望ましいことがわかった。
本発明の応用について、%Wの重量の2倍の量で%Moを部分的に置き換えることができることがあることがわかった。また、ある用途では、前記の%Mo関して、%Wで置換することが可能であるがその際は元の%Moの数値の2倍でなくてはならない。この意味で%Moeqは部分的な代用物として考慮に値する。その代替としての使用の際の求められる添加量は、%Moeq=%Mo+1/2 %Wで表せられる。%Moeqの求められる値は上記の%Moに関する記載に対応する。
あるいくつかの用途において、%W は0.01% から6.1%、多くの場合では0.5%から4.1%、もしくは0.8%から3.6%であることが望まれることがわかっている。
あるいくつかの用途において、%Moeqは0.1% から3.9%、多くの場合では0.18%から3.9%、もしくは0.8%から2.8%であることが望まれることがわかっている。
バナジウム含有は、二次炭化物中においてほとんど常に大きな影響を及ぼしているため、関連する特性の大部分の決定に非常に重要である。焼戻しに対する抵抗性が求められる際、%Vは低すぎてはいけない。本発明のいくつかの応用のでは、%Vが0.22%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Vが0.32%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Vが0.55%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Vが0.85%超であることが望ましいことがわかっている。また、高靭性か高伸張性、はたはそのいずれも求められる場合、%Vは高すぎてはいけない。これは、%Mo、%Cr、または %Wのような炭化物形成剤の含有量が高い際でも同様である。本発明のいくつかの応用のでは、%V は1.8%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%V は1.2%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%V は0.8%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%V は0.4%未満であることが望まれ、また別の応用では、%Vが存在しないことが望まれることがわかっている。
あるいくつかの用途において、%Vは0% から2.4%、多くの場合では0%から1.3%、もしくは0.3%から0.9%であることが望まれることがわかっている。
%C が0.4%超のある特定の用途では、%V が0.35%超であることが望まれることがわかっている。
%C が0.38%超のある特定の用途では、%Vが0.45%未満、通常、0.4%未満、別の場合では0.35%未満であることが望まれることがわかっている。
%C が0.4%未満かつ%Crが4.9%から5.4%である特定の用途では、%Vが0.9%未満、通常、0.8%未満、別の場合では0.7%未満であることが望まれることがわかっている。
%C が0.4%未満のある特定の用途では、%Vが0.8%未満、通常、0.7%未満、別の場合では0.65%未満であることが望まれることがわかっている。
また、%C が0.55%未満かつ%Cr が4.6%未満である場合、ある今発明のいくつかのある応用について%V が0.45%未満、ほかの応用については普通、0.4%未満であることが望ましいことがわかった。
また、%C が0.65%未満かつ%Cr が5.6%超である場合、ある今発明のいくつかのある応用について%V が0.55%未満、ほかの応用については普通、0.5%未満、別の場合では0.45%未満であることが望まれることがわかっている
%C が0.4%超のある特定の用途では、%V+%Moが1.6%超、通常、1.7%超、別の場合では1.8%超であることが望まれることがわかっている。
%C が0.38%超のある特定の用途では、%V+%Nbが0.45%未満、別の場合では0.4%未満であることが望まれることがわかっている
また、%C が0.48%未満かつ%Cr が4%から5.7%である場合、ある今発明のいくつかのある応用について%V が0.75%未満、ほかの応用については普通、0.65%未満であることが望ましいことがわかった。
あるいくつかの用途において、%V+%Mo+%W>0.01%、多くの場合では%V+%Mo+%W>0.1%、もしくは%V+%Mo+%W>1.6%であることが望まれることがわかっている。
%Ti含有量が過剰でないことが求められる場合がある。本発明の応用では、%Ti が1.8%未満であることが望まれることがある。本発明の応用では、%Ti が1.3%未満であることが望まれることがある。また、別の場合のある応用では、%Tiが存在しないことが求められる場合もある。また、別の場合では%Tが鋼鉄の特性の改善を促す場合もある。そのような場合は、 %Tiは 0.001%超であることが望まれるとわかっている。そのような場合は、 %Tiは 0.1%超であることが望まれるとわかっている。
あるいくつかの用途では、%Tiが0 %から1.6%、通常、0 %から 0.9%、別の場合では0.3% から0.1%であることが望まれることがわかっている。
%Co含有量が過剰でないことが求められる場合がある。本発明の応用では、%Co が2.3%未満であることが望まれることがある。本発明の応用では、%Co が1.2%未満であることが望まれることがある。また、別の場合のある応用では、%Coが存在しないことが求められる場合もある。また、別の場合では%Coが鋼鉄の特性の改善を促す場合もある。そのような場合は、 %Coは 0.001%超であることが望まれるとわかっている。そのような場合は、 %Coは 0. 1%超であることが望まれるとわかっている。
あるいくつかの用途では、%Coが0 %から2.1%、通常、0 %から 1.7%、別の場合では0.01% から1.3%であることが望まれることがわかっている。
%Cu含有量が過剰でないことが求められる場合がある。本発明の応用では、%Cuが1.1%未満であることが望まれることがある。本発明の応用では、%Cuが0.4%未満であることが望まれることがある。また、別の場合のある応用では、%Cuが存在しないことが求められる場合もある。また、別の場合では%Cuが鋼鉄の特性の改善を促す場合もある。そのような場合は、 %Cuは 0.001%超であることが望まれるとわかっている。そのような場合は、 %Cuは 0.1%超であることが望まれるとわかっている。
あるいくつかの用途では、%Cuが0 %から0.9%、通常、0 %から 0.7%、別の場合では0.01% から0.6%であることが望まれることがわかっている。
%C が0.46%未満かつ%Crが4.65%から5.6%であるいくつかの用途では、%Cuが0.28%未満、通常、0.2%未満、別の場合では0.1%未満であることが望まれることがわかっている。
%Al含有量が過剰でないことが求められる場合がある。本発明の応用では、%Al が0.35%未満であることが望まれることがある。本発明の応用では、%Al が0.2%未満であることが望まれることがある。また、別の場合のある応用では、%Alが存在しないことが求められる場合もある。また、別の場合では%Alが鋼鉄の特性の改善を促す場合もある。そのような場合は、%Alが 0.001%超であることが望まれるとわかっている。そのような場合は、%Alが 0. 1%超であることが望まれるとわかっている。
あるいくつかの用途では、%Alが0 %から0.35%、通常、0 %から 0.25%、別の場合では0.01% から0.25%であることが望まれることがわかっている。
あるいくつかの用途では、%Cu+%Co+%Al+%Ti>0.01%、通常、%Cu+%Co+%Al+%Ti>0.1%、別の場合では%Cu+%Co+%Al+%Ti>0.2%であることが望まれることがわかっている。
あるいくつかの用途では、%Cu+%Co+%Al+%Tiが0.01%から4%、通常、0.1%から 3%、別の場合では0.2% から3%であることが望まれることがわかっている。
あるいくつかの用途では、%V+%Al+%Ti>0.001%、通常、%V+%Al+%Ti>0.01、別の場合では%V+%Al+%Ti>0.1であることが望まれることがわかっている。
あるいくつかの用途では、%V+%Al+%Tiが0.001%から4%、通常、0.01%から 3%、別の場合では0.1% から3%であることが望まれることがわかっている。
いくつかの組成物について%Gd +%Nd +%Sm +%Y +%Pr +%Sc +%Pm +%Eu +%Tb +%Dy +%Ho +%Er +%Tm +%Yb +%Luの合計が特定の介在物の構造に有益であり得ることを、本発明者は発見した。本発明のある応用において、%Gd+ %Nd+ %Sm+ %Y+ %Pr+ %Sc+ %Pm+ %Eu+ %Tb+ %Dy+ %Ho+ %Er+ %Tm+ %Yb+ %Lu が0.2%超であることが求められることがわかっている。しかしながら、%Gd+ %Nd+ %Sm+ %Y+ %Pr+ %Sc+ %Pm+ %Eu+ %Tb+ %Dy+ %Ho+ %Er+ %Tm+ %Yb+ %Luの合計のあたいによっては、靭性に悪影響をもたらす。ある本発明の応用では、%Gd+ %Nd+ %Sm+ %Y+ %Pr+ %Sc+ %Pm+ %Eu+ %Tb+ %Dy+ %Ho+ %Er+ %Tm+ %Yb+ %Luが 0.04%未満であることが望まれることがわかっている。ある本発明の応用では、%Gd+ %Nd+ %Sm+ %Y+ %Pr+ %Sc+ %Pm+ %Eu+ %Tb+ %Dy+ %Ho+ %Er+ %Tm+ %Yb+ %Luが 0.008%未満であることが望まれることがわかっている。また別の本発明の応用では、%Gd+ %Nd+ %Sm+ %Y+ %Pr+ %Sc+ %Pm+ %Eu+ %Tb+ %Dy+ %Ho+ %Er+ %Tm+ %Yb+ %Luの合計が0%であることが望ましいことがわかっている。
本発明のある応用では、%Al、%Ti、 %Ta、%Zr、%Hf、%Nb、%Cu、%Co、%La、%Ce、および、%Csが靭性に悪影響をもたらすことがわかっている。その場合、%Al、 %Ti、 %Ta、 %Zr、 %Hf、 %Nb、 %Cu、 %Co、 %La、 %Ce、および、%Cs が0.38%未満。別の応用では、0.18%未満であることが望まれる。その場合、%Al、 %Ti、 %Ta、 %Zr、 %Hf、 %Nb、 %Cu、 %Co、 %La、 %Ce、および、%Cs が0.08%未満。また、本発明の他の応用ではすべての%Al、 %Ti、 %Ta、 %Zr、 %Hf、 %Nb、 %Cu、 %Co、 %La、 %Ce、 および、%Csが存在しないことが望まれる。
あるいくつかの応用では%Zr+%Hf+%Ta+%Nb>0.001%、または多くの場合、%Zr+%Hf+%Ta+%Nb >0.01%、もしくは%Zr+%Hf+%Ta+%Nb >0.1%に抑え加工することを発見した。
あるいくつかの応用では%Zr+%Hf+%Ta+%Nbが0.001%から 4%、または多くの場合、0.01%から 3%、もしくは0.1%から 3%に抑え加工することを発見した。
350mmの厚さを有する上述の組成を有する鋼鉄を、以下の工程を含む方法を用いて熱処理する。1020℃を上回る温度でオーステナイト化し、その後その鋼鉄に最低3回の焼戻しの工程を行う。この焼戻しにおいて、少なくとも1回の焼戻しは520℃を超える温度で行われなくてはならない。この熱処理によって、51 MPa√mを超える室温においての破壊靭性と42−44 HRcの硬度を得られる。
本発明のこの局面で、大きな断面を含むある応用の種類の内で有用性のある組成を選ぶことが単純な膨張計測実験によって可能であることが、本発明者によって明らかにされた。0.005%より優れた再現性と精度、5nm以上の増加の長さの分析性能、温度偏差が5℃を超えない一定の冷却の実現性をもった膨張計が望ましい。この実験では、1030℃での少なくとも20分間の候補となる素材のオーステナイト化と3K/minの一定の冷却速度で100℃までの冷却が行われる。プロットは、d(dL/L)/dt(長さを時間増加量で割って、正規化した増加の長さの増加量)対冷却中の温度である。また、600℃より下の曲線を見ると、非常に水平であり、温度TDにおいて突発的な下降が見られる(図−1−2: 1− 曲線プロット及び 2−TD値のサンプル参照)。ある実施例では、TDは0.5*10−4 min−1の下降が起こる温度であり、また別の実施例では1*10−4 min−1の下降が起こる温度である。また別の実施例では、TDは1.5*10−4 min−1の下降が起こる温度、また別の実施例では2*10−4 min−1の下降が起こる温度である。ある実施例では、TDが360℃以下であれば、鋼鉄の組成と熱機械的処理が有効である。ある実施例では、TDが340℃以下であれば、鋼鉄の組成と熱機械的処理が有効である。ある実施例では、TDが318℃以下であれば、鋼鉄の組成と熱機械的処理が有効である。ある実施例では、TDが290℃以下であれば、鋼鉄の組成と熱機械的処理が有効である。ある実施例では、TDが2740℃以下であれば、鋼鉄の組成と熱機械的処理が有効である。ある実施例では、TDが260℃以下であれば、鋼鉄の組成と熱機械的処理が有効である。ある実施例では、TDが230℃以下であれば、鋼鉄の組成と熱機械的処理が有効である。
各特性が両立しうる限り、上記の用途のいずれも鋼鉄の組成の異なる実施に対応し、本稿に記載の任意の他の実施と任意の組み合わせで組み合わせることができる。
また、本発明は、高い層厚における高靭性と高熱伝導性という別の側面も持ち合わせる。
前記の通り、熱間加工素材における高い焼入硬化性を達成することは可能であるが、高い層厚のあるものが焼入れされる際に高い靱性値を達成することとは別の話である。高熱伝導性とは別の特性を求めることは不可能なことのように思われる。本発明者らは、正しい合金法および熱機械的処理がなされた場合、これが可能であることを見出した。これは、以下の組成範囲で可能である。
残りは鉄および微量元素からなり、
上記の条件下で: %Ceq = %C + 0.86*%N + 1.2*%B; かつ
%Moeq= %Mo + 1/2 %W
であることこで
%Se + %Te + %S + %P + %As + %Pb + %Sb + %Sn = 0 − 0.1%; かつ
%Gd + %Nd + %Sm + %Y + %Pr + %Sc + %Pm + %Eu + %Tb + %Dy + %Ho+ %Er +%Tm + %Yb + %Lu = 0 − 0.5%
また、本発明は、大きな断面についても高レベルの靱性を有する上記の組成を有する鋼鉄に関する。ある実施例では上記組成の鋼鉄は熱間加工鋼である。 ある実施例では上記組成の鋼鉄は熱間工具鋼である。ある実施例では、上記組成の鋼鉄は少なくとも部分的にマルテンサイト系である。また、別の実施例では上記組成の鋼は、少なくとも部分的にベイナイト系である。
本稿の意味において、特に指示のない限り、微量元素は2%未満の量の任意の元素を指す。用途によっては、微量元素は1.4%未満であることが適当であり、また、0.9%未満であることがより適当で、0.78%未満であることが理想的である。単体または化合物であるH, Li, Na, K, Rb, Fr, Be, Mg, Ca, Sr, Ba, Ra, Ac, Tc, Re, Ru, Os, Rh, Ir, Pd, Pt, Ag, Au, Zn, Cd, Hg, B, Ga, In, Tl, Ge, Sn, Pb, P, As, Sb, Bi, O, S, Se, Te, Po, F, Cl, Br, I, At, He, Ne, Ar, Kr, Xe, Rn, Th, Pa, U, Np, Pu, Am, Cm, Bk, Cf, Es, Fm, Md, No, Lrが微量元素である元素と考えることができる。ある用途では、ある微量元素または微量元素一般は特定の関連する特性(例えば、熱伝導率や靭性)にとって大きな問題になり得る。このような用途では、微量元素を0.4%未満であることが適当である。もしくは0.2%未満、または0.14%未満であることが望まれ、さらには0.06%未満に保つことが理想的である。言うまでもなく、一定量以下であることは要素がないことも含まれる。多くの場合、微量元素のほとんどが存在しない、またはすべてが存在しないことが明らかまたは望ましい。前述したように、すべての微量元素は単一の物質とみなされる。したがって、非常に多くの場合、異なる微量元素は異なる最大重量割合許容値を有する。微量元素は、コスト削減を含む特定の機能を検索するため、意図的に添加されることがある。または、その存在(存在する場合)は意図的でなく、主に合金元素の不純物および合金製造の際の廃棄物に関連する可能性がある。異なる微量元素が存在する理由は、同一の合金製造過程に対して異なることがある。
本発明者らによってある用途で微量元素の合計含有量が2.0%以下、他の用途では1.4%以下、別の用途では0.8%以下、また別の用途では0.2%以下、その他の用途では0.1%以下か0.06%以下であることが望ましいことを発見した。
また、本発明者らによって個々の微量元素の含有量が、ある用途では2.0%未満の含有量、他の用途では1.4%未満、別の用途では0.2%未満、また別の用途では0.8%未満、その他の用途では0.1%未満または0.06%未満であることが望ましいことが発見された。
本発明者はある用途において、Ca、 Pや Sなどの微量元素が組成物として存在しないことが求められることを見出した。特定の用途では、Caは微量元素として鋼鉄の組成物中に存在しないことが求められる。特定の用途では、Pもまた、微量元素として鋼鉄の組成物中に存在しないことが求められる。その他の特定の用途でも、Sが微量元素として鋼鉄の組成物中に存在しないことが求められる。
Ti、Ta、Zr、Hf、Nb、La、Ce、Csは鋼鉄の組成中の任意の元素であり、いくつかの実施例ではそれらのいずれか、またはそれらのすべてが組成物に存在しなくてもよいことを本開発者は見出した。
また本開発者は、あるいくつかの用途において%Ti+%Ta+%Zr+%Hf+%Nb+%La+%Ce+%Cs=0−4.2%であることが望ましいことを見出した。
また本開発者は、あるいくつかの用途において%Ti+%Ta+%Zr+%Hf+%Nb+%La+%Ce+%Cs=0−3.7%であることが望ましいことを見出した。
また本開発者は、あるいくつかの用途において%Ta+%Zr+%Hf+%Nb+% La+%Ce+%Cs=0−2.2%であることが望ましいことを見出した。
あるいくつかの用途では、%Ti+%Ta+%Zr+%Hf+%Nb+%La+%Ce+%Csが0.001%超、多くの場合では0.01%超、また、別の用途では0.1%超であることが望ましいことがわかっている。
また、あるいくつかの用途では、%Ta+%Zr+%Hf+%Nb+%La+%Ce+%Cs=0.001−2.2%であることが望ましいことがわかっている。
炭素相当材は関連する特性の大部分を決定する際に非常に重要である。高温状態で高い機械的抵抗性が求められる際、%Ceqは低すぎてはいけない。本開発のある応用では、%Ceq が0.26%超であることが望ましいことを本開発者は発見した。本開発のある応用では、%Ceq が0.31%超であることが望ましいことを本開発者は発見した。本開発のある応用では、%Ceq が0.41%超であることが望ましいことを本開発者は発見した。高靭性か高伸張性、またはそのいずれも求められる場合、%Ceqは高すぎないことが求められる。本開発のある応用では、%Ceq は1.4%未満であることが望ましいことを本発明者は見出した。本開発のある応用では、%Ceq は0.8%未満であることが望ましいことを本発明者は見出した。本開発のある応用では、%Ceq は0.44%未満であることが望ましいことを本発明者は見出した。本開発のある応用では、%Ceq は0.39%未満であることが望ましいことを本発明者は見出した。本開発のある応用では、%Ceq は0.34%未満であることが望ましいことを本発明者は見出した。
あるいくつかの用途では、%Ceqが0.31%から0.59%、多くの場合では0.28%から 0.59%、また、別の用途では0.31%から0.39%.であることが望ましいことがわかっている。
炭素相当材について、%Cは非常に重要である。高温状態で高い機械的抵抗性が求められる際、%Cは低すぎてはいけない。本開発のある応用では、%C は0.26%超であることが望ましいことが明らかにされた。本開発のある応用では、%C は0.31%超であることが望ましいことが明らかにされた。本開発のある応用では、%C は0.41%超であることが望ましいことが明らかにされた。また、高靭性か高伸張性、はたはそのいずれも求められる場合、%Cは高すぎてはいけない。本発明のある応用では、%C は1.4%未満であることが望ましいことが明らかにされた。また、いくつかの本発明の別の応用において、%Cは 0.8%未満であることが望まれることがわかっている。また、ある本発明のある応用では、%Ceq は0.44%未満であることが望まれることがわかっている。また、ある本発明のある応用では、%Ceq は0.39%未満であることが望まれることがわかっている。また、ある本発明のある応用では、%Ceq は0.34%未満であることが望まれることがわかっている。
あるいくつかの用途では、%Cが0.31%から0.59%、多くの場合では0.28%から 0.59%、また、別の用途では0.31%から0.39%.であることが望ましいことがわかっている。
炭素相当材について、%Nの含有量が高すぎないことが望まれる場合がある。ある本発明の応用において、%N が0.09%未満。ある本発明の応用において、%N が0.004%未満、また別の場合、%Nが存在しないことが望まれることを本発明者は見出した。また、ある本発明の応用において%Nが焼入硬化性を向上させることがわかった。ある応用では、%N が0.06%超であることが望ましいことが明らかにされた。ある応用では、%N が0.11%超であることが望ましいことが明らかにされた。
また炭素相当材について、%Bの含有量が高すぎないことが望まれる。ある本発明の応用において、%B が0.03%未満。ある本発明の応用において、%B が0.019%未満。ある本発明の応用において、%B が0.009%未満、また別の応用においては%B が存在しないことが望まれることがわかった。特にフェライト変態の阻害によって、%Bが焼入硬化性を向上させることがわかった。この際、%B は0.002%超であることが望まれる。この際、%B は0.0042%超であることが望まれる。この際、%B は0.006%超であることが望まれる。
クロムの含有量は関連する特性の大部分を決定する上で非常に重要である。耐食性が求められる場合、%Cr は低すぎてはいけない。ある本発明の応用では、%Cr が0.6%超であることが望まれることがわかっている。ある本発明の応用では、%Cr が1.2%超であることが望まれることがわかっている。ある本発明の応用では、%Cr が2.1%超であることが望まれることがわかっている。また、高靭性、高伸張性、焼戻しに対する抵抗性、や高熱伝導性、またはそのいずれも求められる場合、%Crが高すぎないことが望まれる場合がある。これは%V、%Mo、%Wのような炭化物形成剤の含有量が高い場合、特に注意が必要である。ある本発明の応用では、%Cr が1.9%未満であることが望まれることがわかっている。ある本発明の応用では、%Cr が0.9%未満であることが望まれることがわかっている。ある本発明の応用では、%Cr が0.78%未満であることが望まれることがわかっている。ある本発明の応用では、%Cr が0.4%未満であることが望まれることがわかっている。ある本発明の応用では、%Cr が0.09%未満であることが望まれることがわかっている。また、別の応用では、%Crが組成中に存在しないことが望ましいことがわかっている。
あるいくつかの用途では、%Crが0%から1.9%、多くの場合では0%から 0.9%、また、別の用途では0.01%から0.4%であることが望ましいことがわかっている。
本発明の本項において、マンガン含有量は必要不可欠な存在である。ある特定の%Mnの含有量から、高い層厚を有する素材の加工においても、本発明における物質は高い靭性を有することがわかっている。これは段階的効果ではないが、%Mnが低すぎる場合はこの特性は見られない。%Mnのある特定の含有率からこの特性が見られるようになる。この臨界含有量は、合金中の他の元素の特定量に依存する。本発明の特定の応用について%Mn が1.4%超。本発明の特定の応用について%Mn が1.8%超。本発明の特定の応用について%Mn が2.1%超。本発明の特定の応用について%Mn が2.6%超。本発明の特定の応用について%Mn が3.1%超、また別の応用では3.6%超であることが望まれることがわかっている。他の元素の合金中の含有量によっては、%Mnの高すぎる含有量は鋼鉄の加工の容易性に悪影響を与えることがわかっている。ある特定の本発明の応用では、%Mn は4.8%未満であることが望ましいことがわかっている。ある特定の本発明の応用では、%Mn は4.4%未満であることが望ましいことがわかっている。ある特定の本発明の応用では、%Mn は3.9%未満であることが望ましいことがわかっている。
ある用途では%Mn が少なくとも1.7%であることが望まれ、また別の用途では%Mn は2.2%から4.9%であることが望ましいことがわかっている。また、多くの用途では%Mnは2.9%から4.1%、もしくは3.1%から3.9%であることが望まれることがわかっている。
%Mnのある特定の効果において、%Bまたは%Ni、またはその両方が部分的に代替できることがわかった。ある本発明のある応用では、本稿に記載された量の%Mnと%Niが同時に存在することが望ましいことを本発明者は発見した。また別の応用では、%Mn、%Bおよび%Niが本稿の記載の量で同時に存在することが望ましいことがわかっている。事実、%B、%Niのいずれとも十分な含有量(値は本稿に記載)がない場合、%Mnの存在が必要不可欠であることがわかっている。
ニッケルの含有量は、特に焼入硬化性に及ぼす影響において、非常に重要な役割を果たす。また、ニッケルは%Mnの本稿で報告する特異的な効果を見せる代用物としても重要な役割を果たす。本発明のある応用では、%Ni は0.25%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のある応用では、%Ni は0.32%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のある応用では、%Ni は0.52%超であることが望ましいことがわかっている。とくに高温下での靭性が求められる際、%Ni が高すぎないことが求められることがある。ある本発明の応用では、%Ni が1.8%未満であることが望ましいことがわかっている。ある本発明の応用では、%Ni が0.78%未満であることが望ましいことがわかっている。ある本発明の応用では、%Ni が0.49%未満であることが望ましいことがわかっている。また別の場合では、組成中に%Niが存在しないことが求められることが本発明者によって明らかにされている。
本発明の応用において、%Niは組成中に存在しないことが望まれることがある場合があることがわかっている。%Ni と%Bが組成中に存在しない本発明のある応用については、%Mn>0.1であることが望まれることがわかっている。 また、別の%Ni と%Bに関して同様の条件下である本発明の応用につては、%Mn>1.6または%Mn>2.6であることが望まれることが、本発明者によって明らかにされた。
あるいくつかの用途では、%Ni は0%から 2.8%、また別の用途では多くの場合、%Ni は0%から2.6%、もしくは0.1%から2.6%であることが望まれることがわかっている。
% Cr+ %B+ %Niが低すぎる場合において、%Moが存在しなくてもよい場合がある。本発明のある応用について、% Cr+ %B+ %Ni< 0.7である場合、%Mn>2.2であることが望ましいことがわかっている。 また別の本発明の応用について、%Cr+%B+%Ni< 0.6である場合、%Mn>2.3であることが望まれる。また、その他の応用について、%Cr+%B+%Ni< 0.7である場合、%Mn>2.1であることが望ましいことが本発明者によって明らかにされた。
ある組成において、%Siは本発明の有用性のある効果を中和し、層厚が高い素材を扱う場合においての靭性の値に悪影響を与えることがある。ある本発明の応用では、%Si が0.4%未満である。ある本発明の応用では、%Si が0.18%未満である。ある本発明の応用では、%Si が0.08%未満である。ある本発明の応用では、%Si が0.04%未満である、また別の場合、%Siが存在しないことが望まれることが本発明者によって明らかにされた。
あるいくつかの用途において、%Si の含有量が低く抑えられていることが求められる。このような場合の用途において、%Si は0% から0.39%、多くの場合では0.001%から 0.23%、もしくは0.001%から0.1%であることが望まれることがわかっている。
ある組成では、%Se+%Te+%As+%Pb+%Sb+%Snの値によっては、機械加工にあたって好都合である場合があることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、合金の組成において、%Se+ %Te+ %As+ %Pb+ %Sb+ %Snを0.052%超含有することがさらに望ましいことがわかっている。しかしながら、%Se+%Te+%As+%Pb+%Sb+%Snの値によっては、本発明の鋼鉄に悪影響を与えることがある。特に、%Mnの含有が高い場合において、高い%Mnの含有によって期待される効果に支障をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Te+%As+%Pb+%Sb+%Sn が0.19%未満あることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Te+%As+%Pb+%Sb+%Sn が0.09%未満あることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Te+%As+%Pb+%Sb+%Sn が0.04%未満あることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Te+%As+%Pb+%Sb+%Sn が0.008%未満あることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、%Se+%Te+%As+%Pb+%Sb+%Snが0%であることが求められることがわかっている。
ある組成では、%As+%Sb+%Snの値によっては、機械加工にあたって好都合である場合があることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、合金の組成において、%As+%Sb+%Snを0.052%超含有することがさらに望ましいことがわかっている。しかしながら、%As+%Sb+%Snの値によっては、本発明の鋼鉄に悪影響を与えることがある。特に、%Mnの含有が高い場合において、高い%Mnの含有によって期待される効果に支障をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%As+%Sb+%Sn が0.19%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%As+%Sb+%Sn が0.09%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%As+%Sb+%Sn が0.04%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%As+%Sb+%Sn が0.008%未満であることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、%As+%Sb+%Snが0%であることが求められることがわかっている。
ある組成では、%Se+%Teの値によっては、機械加工にあたって好都合である場合があることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、合金の組成において、%Se+%Teを0.052%超含有することがさらに望ましいことがわかっている。しかしながら、%Se+ %Teの値によっては、本発明の鋼鉄に悪影響を与えることがある。特に、%Mnの含有が高い場合において、高い%Mnの含有によって期待される効果に支障をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Teが0.19%未満であることが望まれることがわかっている。また。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Teが0.09%未満であることが望まれることがわかっている。また。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Teが0.04%未満であることが望まれることがわかっている。また。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Teが0.008%未満であることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、%Se+%Teが0%であることが求められることがわかっている。
本発明のいくつかの応用のでは、%P+%Sが合金組成中により含まれることがわかっている。ある組成での%P+%Sの値によっては、本発明の鋼鉄に悪影響を与えることがある。特に、%Mnの含有が高い場合において、高い%Mnの含有によって期待される効果に支障をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%P+%Sが0.028%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%P+%Sが0.018%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%P+%Sが0.008%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%P+%Sが0.0004%未満であることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、%P+%Sが0%であることが求められることがわかっている。
本発明のいくつかの応用のでは、Pが合金組成中により含まれることがわかっている。%Pの値によっては、本発明の鋼鉄に悪影響を与えることがある。特に、%Mnの含有が高い場合において、高い%Mnの含有によって期待される効果に支障をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%Pが0.028%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Pが0.018%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Pが0.008%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Pが0.0008%未満であることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、%Pが0%であることが求められることがわかっている。
本発明のいくつかの応用のでは、Sが合金組成中により含まれることがわかっている。%Sの値によっては、本発明の鋼鉄に悪影響を与えることがある。特に、%Mnの含有が高い場合において、高い%Mnの含有によって期待される効果に支障をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%Sが0.018%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Sが0.008%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Sが0.0008%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Sが0.0004%未満であることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、%Sが0%であることが求められることがわかっている。
本発明のいくつかの応用のでは、Oが合金組成中により含まれることがわかっている。ある組成の%Oの値によっては、本発明の靭性に悪影響を与えることがある。本発明のいくつかの応用のでは、%Oが14 ppm未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Oが9 ppm未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Oが6 ppm未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Oが4 ppm未満であることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、%Oが0%であることが求められることがわかっている。
本発明のいくつかの応用のでは、H2が合金組成中により含まれることがわかっている。ある組成の%H2の値によっては、本発明の靭性に悪影響を与えることがある。本発明のいくつかの応用のでは、%H2が1.8 ppm未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%H2が0.9 ppm未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%H2が0.4 ppm未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%H2が0.08 ppm未満であることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、%Oが0%であることが求められることがわかっている。
モリブデン含有は、二次炭化物中においてほとんど常に大きな影響を及ぼしているため、関連する特性の大部分の決定に非常に重要である。焼戻しに対する抵抗性が求められる際、モリブデンは低すぎてはいけない。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo が1.6%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo が2.1%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo が3.1%超であることが望ましいことがわかっている。耐摩耗性が求められる際には、%Moがさらに高いことが望ましい。本発明のある応用では、%Moが3.6%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のある応用では、%Moが4.1%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のある応用では、%Moが4.6%超であることが望ましいことがわかっている。また、高靭性か高伸張性、はたはそのいずれも求められる場合、%Moは高すぎてはいけない。これは、%V、%Cr、または%Wのような炭化物形成剤の含有量が高い際でも同様である。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo は5.4%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo は4.8%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo は4.4%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo は3.9%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo は2.9%未満であることが望まれることがわかっている。
ある用途では%Mo が少なくとも1.4%であることが望まれ、また別の用途では%Moは1.6%から5.3%であることが望ましいことがわかっている。また、多くの用途では%Mnは2.2%から4.8%であることが望まれ、もしくは%Mo が3.1%から3.9%であることが望まれることがわかっている。
本発明の応用について、%Wの重量の2倍の量で%Moを部分的に置き換えることができることがあることがわかった。また、ある用途では、前記の%Mo関して、%Wで置換することが可能であるがその際は元の%Moの数値の2倍でなくてはならない。この意味で%Moeqは部分的な代用物として考慮に値する。その代替としての使用の際の求められる添加量は、%Moeq=%Mo+1/2 %Wで表せられる。%Moeqの求められる値は上記の%Moに関する記載に対応する。しかしながら、%Wによる%Moの代替が望まれない場合もある。本発明のある応用につては、%W は0.8%未満であることが望まれる。また、%Wが存在しないことが望まれる応用もある。
あるいくつかの用途では、%Wは0%から 4.1%、また別の用途では多くの場合、%W は0%から2.9%、もしくは0.001%から2.9%であることが望まれることがわかっている。
あるいくつかの用途では、%Moeqは0.1%から 3.9%、また別の用途では多くの場合、%Moeqは0.18%から3.9%、もしくは0.8%から2.8%であることが望まれることがわかっている。
バナジウム含有は、二次炭化物中においてほとんど常に大きな影響を及ぼしているため、関連する特性の大部分の決定に非常に重要である。高温硬度が求められる際、%Vは低すぎてはいけない。本発明のいくつかの応用のでは、%Vが0.22%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Vが0.32%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Vが0.55%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Vが0.85%超であることが望ましいことがわかっている。また、高靭性か高伸張性、はたはそのいずれも求められる場合、%Vは高すぎてはいけない。これは、%Mo、%Cr、または %Wのような炭化物形成剤の含有量が高い際でも同様である。本発明のいくつかの応用のでは、%V は1.8%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%V は1.2%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%V は0.8%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%V は0.4%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%V は0.09%未満であることが望まれ、また別の応用では、%Vが存在しないことが望まれることがわかっている。
あるいくつかの用途では、%Vは0%から 1.2%、また別の用途では多くの場合、% V は0%から0.49%、もしくは0%から0.1%であることが望まれることがわかっている。また、ある用途では、%Vが少なくとも0.01%含有されていることが望まれることがわかっている。
%Ti含有量が過剰でないことが求められる場合がある。本発明の応用では、%Ti が1.8%未満であることが望まれることがある。本発明の応用では、%Ti が1.3%未満であることが望まれることがある。また、別の場合のある応用では、%Tiが存在しないことが求められる場合もある。また、別の場合では%Tが鋼鉄の特性の改善を促す場合もある。そのような場合は、 %Tiは 0.001%超であることが望まれるとわかっている。そのような場合は、 %Tiは 0.1%超であることが望まれるとわかっている。
あるいくつかの用途では、%Tiが0 %から1.6%、通常、0 %から 0.9%、別の場合では0.3% から0.1%であることが望まれることがわかっている。
%Co含有量が過剰でないことが求められる場合がある。本発明の応用では、%Co が2.3%未満であることが望まれることがある。本発明の応用では、%Co が1.2%未満であることが望まれることがある。また、別の場合のある応用では、%Coが存在しないことが求められる場合もある。また、別の場合では%Coが鋼鉄の特性の改善を促す場合もある。そのような場合は、 %Coは 0.001%超であることが望まれるとわかっている。そのような場合は、 %Coは 0. 1%超であることが望まれるとわかっている。
あるいくつかの用途では、%Coが0 %から2.1%、通常、0 %から 1.7%、別の場合では0.01% から1.3%であることが望まれることがわかっている。
%Cu含有量が過剰でないことが求められる場合がある。本発明の応用では、%Cuが1.1%未満であることが望まれることがある。本発明の応用では、%Cuが0.4%未満であることが望まれることがある。また、別の場合のある応用では、%Cuが存在しないことが求められる場合もある。また、別の場合では%Cuが鋼鉄の特性の改善を促す場合もある。そのような場合は、 %Cuは 0.001%超であることが望まれるとわかっている。そのような場合は、 %Cuは 0.1%超であることが望まれるとわかっている。
あるいくつかの用途では、%Cuが0 %から0.9%、通常、0 %から 0.7%、別の場合では0.01% から0.6%であることが望まれることがわかっている。
%Al含有量が過剰でないことが求められる場合がある。本発明の応用では、%Al が0.35%未満であることが望まれることがある。本発明の応用では、%Al が0.2%未満であることが望まれることがある。また、別の場合のある応用では、%Alが存在しないことが求められる場合もある。また、別の場合では%Alが鋼鉄の特性の改善を促す場合もある。そのような場合は、%Alは 0.001%超であることが望まれるとわかっている。そのような場合は、 %Alは 0.1%超であることが望まれるとわかっている。
あるいくつかの用途では、%Alが0 %から0.35%、通常、0 %から 0.25%、別の場合では0.01% から0.25%であることが望まれることがわかっている。
あるいくつかの用途では、%Cu+%Co+%Al+%Ti>0.01%、通常、%Cu+%Co+%Al+%Ti>0.1%、別の場合では%Cu+%Co+%Al+%Ti>0.2%であることが望まれることがわかっている。
あるいくつかの用途では、%V+%Al+%Ti>0.001%、通常、%V+%Al+%Ti>0.01%、別の場合では%V+%Al+%Ti>0.1%であることが望まれることがわかっている。
いくつかの組成物について%Gd +%Nd +%Sm +%Y +%Pr +%Sc +%Pm +%Eu +%Tb +%Dy +%Ho +%Er +%Tm +%Yb +%Luの合計が特定の介在物の構造に有益であり得ることを、本発明者は発見した。本発明のある応用において、%Gd+ %Nd+ %Sm+ %Y+ %Pr+ %Sc+ %Pm+ %Eu+ %Tb+ %Dy+ %Ho+ %Er+ %Tm+ %Yb+ %Lu が0.2%超であることが求められることがわかっている。しかしながら、%Gd+ %Nd+ %Sm+ %Y+ %Pr+ %Sc+ %Pm+ %Eu+ %Tb+ %Dy+ %Ho+ %Er+ %Tm+ %Yb+ %Luの合計の値によっては、靭性に悪影響をもたらす。ある本発明の応用では、%Gd+ %Nd+ %Sm+ %Y+ %Pr+ %Sc+ %Pm+ %Eu+ %Tb+ %Dy+ %Ho+ %Er+ %Tm+ %Yb+ %Luが 0.04%未満であることが望まれることがわかっている。また別の本発明の応用では。ある本発明の応用では、%Gd+ %Nd+ %Sm+ %Y+ %Pr+ %Sc+ %Pm+ %Eu+ %Tb + %Dy+ %Ho+ %Er+ %Tm+ %Yb+ %Luが 0.008%未満であることが望まれることがわかっている。また別の本発明の応用では、%Gd+ %Nd+ %Sm+ %Y+ %Pr+ %Sc+ %Pm + %Eu+ %Tb+ %Dy+ %Ho+ %Er+ %Tm+ %Yb+ %Luの合計が0%であることが望ましいことがわかっている。
いくつかの組成物について%Al、 %Ti、 %Ta、 %Zr、 %Hf、 %Nb、 %Cu、 %Co、 %La、 %Ce、および、%Csが靭性に悪影響をもたらすことがわかっている。その場合、%Al、 %Ti、 %Ta、 %Zr、 %Hf、 %Nb、 %Cu、 %Co、 %La、 %Ce、および、%Cs が0.38%未満、別の応用では、0.18%未満であることが望まれる、別の応用では、0.08%未満であることが望まれる。また、本発明の他の応用ではすべての%Al、 %Ti、 %Ta、 %Zr、 %Hf、 %Nb、 %Cu、 %Co、 %La、 %Ce、 および、%Csが存在しないことが望まれる。
本発明のこの局面で、大きな断面を含むある応用の種類の内で有用性のある組成を選ぶことが単純な膨張計測実験によって可能であることが、本発明者によって明らかにされた。0.005%より優れた再現性と精度、5nm以上の増加の長さの分析性能、温度偏差が5℃を超えない一定の冷却の実現性をもった膨張計が望ましい。この実験では、1030℃での少なくとも20分間の候補となる素材のオーステナイト化と3K/minの一定の冷却速度で100℃までの冷却が行われる。プロットは、d(dL/L)/dt(長さを時間増加量で割って、正規化した増加の長さの増加量)対冷却中の温度である。また、600 ℃より下の曲線を見ると、非常に水平であり、温度TDにおいて突発的な下降が見られる(図−1−2: 1− 曲線プロット及び 2−TD値のサンプル参照)。ある実施例では、TDは0.5*10−4 min−1の下降が起こる温度であり、また別の実施例では1*10−4 min−1の下降が起こる温度である。また別の実施例では、TDは1.5*10−4 min−1の下降が起こる温度、また別の実施例では2*10−4 min−1の下降が起こる温度である。ある実施例では、TDが460℃以下であれば、鋼鉄の組成と熱機械的処理が有効である。ある実施例では、TDが419℃以下であれば、鋼鉄の組成と熱機械的処理が有効である。ある実施例では、TDが360℃以下であれば、鋼鉄の組成と熱機械的処理が有効である。ある実施例では、TDが340℃以下であれば、鋼鉄の組成と熱機械的処理が有効である。ある実施例では、TDが318℃以下であれば、鋼鉄の組成と熱機械的処理が有効である。ある実施例では、TDが290℃以下であれば、鋼鉄の組成と熱機械的処理が有効である。ある実施例では、TDが2740℃以下であれば、鋼鉄の組成と熱機械的処理が有効である。ある実施例では、TDが260℃以下であれば、鋼鉄の組成と熱機械的処理が有効である。ある実施例では、TDが230℃以下であれば、鋼鉄の組成と熱機械的処理が有効である。
本発明の鋼鉄において、もはや、微細構造がマルテンサイト(焼戻マルテンサイト)である必要がない場合があるため、当初考えられていよりもはるかに効果的であることがわかった。事実、高い靭性をもつマルテンサイト組織でなくても高層厚に達することが可能である。特に、クエンチング後の硬度が対象の焼戻し後の硬度より少なくとも8HRc低い場合のベイナイト組織はとても興味深い。それゆえ、本発明のいくつかの実施例において、ベイナイト微細構造は非常に興味深い(既存のフェライトかパーライトを形成する温度以下、もしくは既存のマルテンサイト形成温度以上における微細構造がベルナイトによって理解される。例として、本稿ではWhitmanstattenフェライトはベイナイトとみなされる)。
本発明の工具鋼は、表層熱処理(表面的な焼戻、浸炭、硝化、硼化など)やAISI H13鋼に適用可能な被覆((PVD、CVD、TD、溶射、コールドスプレー、イオン注入、液体バッチ、電気化学など))に役立てることができる。
350mmの厚さを有する上述の組成を有する鋼鉄を、以下の工程を含む方法を用いて熱処理する。1020℃を上回る温度でオーステナイト化し、その後その鋼鉄に最低3回の焼戻しの工程を行う。この焼戻しにおいて、少なくとも1回の焼戻しは520℃を超える温度で行われなくてはならない。この熱処理によって、51 MPa √mを超える室温においての破壊靭性と42−44 HRcの硬度を得られる。
本発明の鋼鉄は付加製造において特に有益である。つまり、本発明の鋼鉄の粉末形態の製造が考慮に値する。
高い熱機械的要求がある用途の金型や大きな工具の製造のために、本発明の鋼鉄は特に考慮に値する。アルミニウムダイカスト(固相(チキソ)の存在下、また、低圧、高圧においてのシェルに対する重力)、クーパー、真ちゅうまたはブロンズのような重合金注入が既存の方法として考えられる。また、合金の場合のあらゆる押し出し法、開放型または密閉型での鍛造、ポリマー形成(熱可塑性か熱安定性のいずれか)、ホットスタンピング、シートホットスタンピング、シートまたはほかの低層厚構成物の超塑性変形など、多数考えられる。
熱間工具の製造方法という別の側面も本発明は有する。ある実施では、303 mmを上回る層厚を持つ熱間工具の製造方法を本発明は言及する。
その方法は以下の通りである。
上記に開示されたいずれかの組成物を有する熱間工具鋼を選択する。
必要に応じて、1つまたは複数の機械加工ステップおよび熱処理またはそれらのいずれかを素材のオーステナイト温度以下で適用する(低温処理も含む)。
980℃より高い温度で、少なくとも部分的なオーステイゼーションを含む焼戻しを適用する。
必要に応じて、素材のオーステナイト温度以下で素材の熱処理および1つまたは複数の機械加工ステップまたはそれらのいずれかを適応する(低温処理も含む)。
520℃超の温度で素材の焼戻しを少なくとも1回行う。
必要に応じて、素材のオーステナイト温度未満で素材の熱処理および1つまたは複数の機械加工ステップまたはそれらのいずれかを適応する(低温処理も含む)。また、任意ではあるが、表面処理またはコーティングを施す。
40HRcを超える硬度および室温で51MPa√mを超える破壊靱性を得る。
本発明は、以下の工程を含む熱間工具鋼の製造法に関する側面も持つ。
a) 請求項1から6のいずれか一項に記載されている工具鋼を準備する工程。
b)980℃を超える温度で少なくとも部分的なオーステナイト化を含む焼戻し処理を工具鋼に適用する。
c)520℃以上の温度で素材の焼戻しを少なくとも1回行う。
これにより、40HRcを超える硬度および室温で51MPa・√mを超える破壊靱性の獲得。
必要に応じて、a)とb)の間で、素材のオーステナイト温度以下で素材の熱処理および1つまたは複数の機械加工ステップまたはそれらのいずれかを適応する(低温処理も含む)。
また、必要に応じてc)の後に、素材のオーステナイト温度以下で素材の熱処理および1つまたは複数の機械加工ステップまたはそれらのいずれかを適応する(低温処理も含む)。
構造物、機械部品工具およびその他の劣化および故障は、莫大な費用を要する。素材は、機械工具などのための多くの構造物および部品の長期間の耐久性において、決定的な役割を果たしてきた。いくつかの用途のために、改良された材料に関する多くの調査および発明がなされてきた。
ほんとんどの用途では、数少ない特定の特性が高いことのみ求められる。機械的な要求が高い多くの用途では、環境的、摩擦学的、熱力学的要件は容易に満たされる。機械的要件で高い機械的強度が要求される場合であっても、低いレベルの破壊靱性が許容される。過去数十年間の技術の進歩に伴い、機械的、摩擦学的、環境的または熱的な高い負荷を同時に耐えることができる材料を必要とする要件が増え続けている。価格についても運用性を決める大きなの要素一つであるため、これを材料に対するさらなる基本的な需要として含める必要があることがある。
鉄基合金または鋼鉄は、いわゆる高速鋼および超浸炭鋼のように非常に高い耐摩耗性を有している。しかし、熱伝導率も制限されており、焼戻し対する耐性が非常に低く、ほとんどの酸化環境および腐食環境に対して高い耐性を持っていないため、これらの素材は高い熱負荷および環境負荷に耐える能力を欠いていることがある。硬質金属または他の金属マトリックス炭化物複合材の高い熱伝導率および達成可能な焼戻し抵抗より得られる熱的荷重能力は、これらの属する素材系統内のほかの素材よりも高い。しかしながら、酸化環境および腐食環境に対する環境抵抗性は依然として貧弱であり、コスト面からも多くの場合、これらは適用できない。
いわゆるマルエージ鋼のような非常に高い機械的強度を有する鉄基合金が存在するが、それらは耐摩耗性が不十分であり、耐環境性、熱伝導率が限られている。
モネル合金およびステンレス鋼などといった、特定の環境に対して高い環境抵抗性を有するいくつかの材料が開発されている。これらの場合では、高い摩擦負荷が存在し高い熱伝導率が要求される際では困難が生じる。多くの場合、それらに必要な価格も問題である。
場合によっては、熱負荷は金属素材中の可能な限り低い熱伝導率を求める。このような場合、Ti基合金が使用されることがある。しかし、それらは耐摩耗性及び高温下での耐酸化性に欠け、またそれに関係するコストの面からも度外視される。
過去数十年に亘って、このような同時求められる高い要求の複雑な組合せに耐えることができるシステムを満たすために、過去数十年にわたって、多材料の分野において膨大な開発努力が行われてきた。しかしながら、多くの場合、バルク材がそのような特性を持つことが要求される。
鋼鉄の環境抵抗性を求める際、クロムの高含有(一般的に重量の10%超)を意味する酸化クロムの再生可能な保護フィルムに頼る強い傾向が見られる。しかしながら、鋼鉄中の高いクロムの含有量は機械的硬度と靭性の間の達成可能な妥協点の低下を意味する。さらに、高いクロム含有量は電導、熱伝導の低下に関係することがある。また、合金中のクロム含有量が大きい場合、求められる磁気的、電気的、機械的および摩擦学的挙動が得られない。
多くの場合の問題は、高い要求の一つの抵抗性が(過剰であることは余計であることがあるが)及第点を大きく上回ったとしても、その用途において求められる他の特性に明らかな欠点があることである。
このような理由から、特に環境的要求を考慮しなければならない際、バルク材は以下の二つ以上の種類の負荷を同時に攻略しなくてはならない。この負荷の種類は機械的(機械的強度、降伏強度、破壊靭性など)、摩擦学的(接着性、研磨性、腐食性、磨耗性など)、越力学的(高い熱伝導率、低い熱伝導率、高温での軟化抵抗など)や環境的なものがあげられる。
効果の組み合わせによって、クロムの含有量を低く抑えながら、もしくは意図的にはクロムを含有させずに、ある種の破壊環境に対して耐性を示す合金を得ることが出来ることを本発明者は発見した。その方法の一つ目は、酸化鉄の安定剤、理想的にはリンを十分に高い分量で加えることである。二つ目の方法は、強い不溶性を示す酸化物を生成する少なくとも1つの元素を加えることである。硬質酸化物を提供するのに適した元素はTiおよびAlであるが、部分的または完全にCr、Zr、TaまたはHfで代替できる。異なる酸化物は異なる媒体において異なる挙動を示すため、不溶性酸化物の選択は通常、抵抗されるべき媒体に基づいて行われる。Cu、Ni、またはMnといった金属のような第三の重要な要素が、微細構造を制御するために加えられることもある。本発明はほぼあらゆるタイプの鋼鉄および鋼鉄の微細構造に、ある種の破壊環境に対しての耐性を付加することが出来る。そのため、特定の特性(例えば機械的、摩擦学的、電気的、磁気的、熱的、核的などのような特性)を付けるため、主要な元素の他に重要な元素として組成に加えられる。%C(%Nと%Bにも同様)が合金中に添加された時には、Tiに対するこの元素の親和性は非常に強く、いったん結合すると、Tiは保護酸化チタンを形成することができない。そのため、挙動を考慮すると%Tiのレベルを増加するか、%Cを結合させるためにより強い炭化物形成剤を添加しなければならない。Tiよりも強い炭化物形成剤はZr、HfおよびTaである。
本発明は、特定の媒体ガスおよび媒体に対する環境抵抗性を維持しつつ、%Crを低く抑える、またはCrが存在しないことを求めることを可能にする側面も持ち合わせる。これはコストへの劇的な影響だけでなく、環境抵抗性と他の特性の両立に強い影響を与える。耐食性が同時に要求される場合、ほとんどの技術水準における特性の組み合わせでは最高レベルには到達できない。ここ数年の間に、ベイナイト構造およびこの微細構造で可能である優れた特性の組み合わせに関して多くの開発が行われてきた。%Crの量が多いと、TTTダイアグラムのベイナイトドメインが排除されるか、工業的に実用的ではなくなってしまう。
Cr 添加によって耐食性を得つつ機械的特性を維持するために最も広く使用されている解決策は、約18%のCr、8%のNi、低%C含有量及び他の格子間原子を有するオーステナイト系ステンレス鋼である。このような合金のコストは他の鉄のコストと比べると桁が一つ大きい。高強度のシートで同じまたはより優れた特性をえることができ、これのコストは他の鉄のコストほど高くない。本発明で、環境抵抗性の要求を満たすための最小限のコストは他の鉄と同じ桁数を維持することができる。
特定の環境に対する抵抗性の評価は電気化学によって決められる。本発明では、5% NaClの溶液セルおよびAg/AgClの参照電極を使用し、0.16mV / sの走査速度で評価されている。表4における例では、AISI 316 という従来のステンレス鋼 (ex 3.3)との対照による様々な組成の評価がなされている。本発明の全ての組成物は従来のステンレス鋼と同様の耐食性挙動を示し、それらのいくつかは(実施例3.1および3.5)がさらに良好である。耐食性は、陽極と陰極プロットの組み合わせが腐食速度の直接評価を可能にしているTaffelプロットによって評価されている。
より硬くより安定な酸化物と酸化鉄の安定剤の組み合わせを利用することにより、異なる環境に対する環境抵抗性を得ることを本発明者は観測した。本発明の重要な点は求められる保護酸化物が求められる通りに表面に形成されることを確実にすることであり、この目的において、重要な要素が所望の形態で存在することが重要である。反例を挙げてこれを説明する。%Tiおよび%Alが主要な保護酸化物形成剤として存在する、合金が%Cおよび%Niを含有する、かつ、合金がほぼすべての%Tiと%Cが結合してチタン炭化物を形成し、ほぼ全ての%Aが%Niと結合し格子間原(NiAlまたはNi3Al)を形成している破壊的媒体中に置かれる、つまり、合金が保護酸化膜に容易に取り込まれないという条件下に置かれた時、この合金は本発明の目的である対環境保護特性を示さないであろう。特別な注意を払わない限り、この合金が偶然にもこの特性を得たとしてもそれはあくまで偶然による産物でしかない。
一旦酸化鉄が安定化されるとより硬く安定した別の酸化物を有する保護酸化物層が構築されやすくなることを本発明者は観測した。Cr、AlおよびTiといった最も経済的な候補から始め、発見者は以下の観察を試みた。
%Cが特定の性質を得るために求められる時、Tiの酸化が影響しないよう特別な注意が必要であることを本発明者は明らかにした。
シート、管、棒、あらゆる形状の一部、輪郭、ブロック、管、粉末、ワイヤー、ロッドなど。
求められる特性を得るために%Cが必要とされる場合、Tiの酸化のために使用されるものが影響を受けないよう、注意が必要であることを本開発者は発見した。本発明者らは、脱イオン水およびスペインのRubiからの水道水で浸漬試験を行った。高温での酸化に対する耐性、異なる酸、および塩基性水溶液に対する耐性も調べられている。
ある文献によると、鋼鉄に%Tiと%Pを合成することは延性と靭性の点ではあまり良い考えとはされていない。特にその他の元素が%Cおよび%Tiが報告されているものの内で代表的なものであるものの組成中に存在している場合、%Pは強い固溶体強度の促進剤であるが、同時に伸張性低下に対して効果的に働いてしまう。この事実から、本発明では伸張性と靭性の両立が課題であり、本発明の合金は伸張性の要求が低い場合においてのみ運用されうる。しかし、特定の法則が観測された場合、これは必ずしも当てはまるとは限らず、非常に高い伸張性および靭性の値にさえ達することが可能である。
%Tiと%P、共に強いフェライト安定化元素であり、オーステナイト微細構造またはオーステナイトの分解から生じる微細構造が望まれる場合には、他のオーステナイト安定剤を使用する必要がある。%Cはこの目的で強力な媒体である場合が多く、しかしながらその組成中の存在の有無や濃度が他の基準によって固定されるため(これは%Nおよび %Bについても同様)、多くの場合において他のガンマ安定化元素で調整を行う必要がある。
破壊環境の性質によって、それぞれ異なる酸化物形成剤が保護層の形成ために求められる。求められる酸化物の種類は、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化モリブデンまたは酸化タングステンであることがわかっている。また、混合酸化物は各単純酸化物の特定の欠点を補うために非常に効果的である場合がある。
また、陽極酸化処理または(自然風化または人工的に得られる風化による)単純な不動態化による各酸化物で得られるな色は、酸化物形成元素を選択する基準であり得る。
ステンレス鋼の外観および輝きが複製される用途では、保護酸化物形成のためのクロムの添加が望ましい。本発明において、実質的なクロム添加の限度は観測されていないが、より少量のクロム添加での実施が望ましいことは言うまでもない。
酸化物形成剤の十分な量は明らかに保護酸化物層の形成が可能な量である。また、総重量に対する割合について言えば、酸化鉄の安定化はもはや必要ではない。求められる量によっては、酸化鉄の安定化は必要ない。しかし、これは酸化物形成剤の性質にもよる。酸化鉄の安定化を必要としないということは、必要とされるリンの量がはるかに少ないことを意味する。ここで、リンの量が少ないということはリンが含有されていない場合およびリンが不純物として存在している場合という意味も含まれる。クロムが主な酸化物形成剤である場合もある。
ほとんどの加工の用途において、Al 合金またはMn合金の主な欠点である高硬度および耐摩耗性が求められる。これはいくつかの組成法則と熱処理を適用することで解決でききることを本発明者は発見した。適用可能な熱処理を簡潔に記述することができないがある。しかしながら、幸いにも、微細構造の特徴は顕微鏡で可視化ができるスケールにあるため、この解決法を構成上の規則と微細構造の特性によって定義する方がより適している。一般的に、求める硬度と硬質粒子の体積分率を得るためには、高い%Ceqが必要とされる。
用途によっては%Alおよび%Siの添加なしでこの合金の環境抵抗性を得ることができるが、他の用途では優れた耐酸化性が要求される場合がある。
注入されたポリマーが磁性粒子を含むプラスチック射出成形の場合のように、非磁性挙動を必要とする応用もある。これらの応用では、使用可能状態である微細構造、なるべくなら82%を超えるオーステナイトを有することが望まれる。また、オーステナイトが93%、もしくは99%を超える場合が理想であり、最低でも55%有することが望まれる(100%の場合は言うまでもない)。
高温での用途によっては、環境がらの要因による劣化を避けることだけでなく熱損失を最小限にすることが重要である。これを実現させる応用の一つに、いわゆるホットスタンピングでのホットゾーンが挙げられる。この応用を適応し、本発明に記載の素材で工具を製造する場合、製造物から過剰な熱抽出を避けるため、この素材は低い熱伝導率を有することが非常に重要である。この低い熱伝導率を得るためには低い熱拡散率、低い密度、および低い比熱を有することが求められる。この点に関して、Alが考慮に値する合金元素である。Alは密度に対して非常に強い影響を持つためである。この目的において、Alが有効な効果を示すためには、%Al が6.2%超、または7.3%超、なるべくなら8.3%超であることが望ましい。また、9.3%超、または10.4%超であるならばさらに良い。熱拡散率を低下させるためには、炭化物中の光子と電子の両方高密度化を避けることが望ましく、全てのフェーズにおける散乱効果を最大にすることがさらに重要である。参考文献に記載されているように、原子レベルでの欠陥を有する構造を得ることによって散乱を著しく増加させることができる。しかし、このこのような(すべての段階におけるキャリアの状態密度および移動度の最適化の原子配列に関する)微細構造の特徴はサブナノメートル規模である。そして、本申請書を書くにあたってガイドラインC−11、4.11(現在のガイドライン2012、パートF、第V章、第4.11項、「パラメータ」)を参照した際、サブナノメートル規模でこの構造的特徴を説明している参照可能なパラメータはすべて異常なパラメータであり、明瞭性に欠けるため適当でないことがわかった。サブナノメートル規模の前述の構造的特徴を唯一例外的に明白に記載しているのは、熱伝導率についてである。したがって、構造的特徴を合理的に説明するためこのパラメータを使用する。本発明、またこれはまでに記述した本発明の応用では、本発明者は、10W/mK以下、または7.34W/mK以下、または6.81W/Mk以下、より望ましくは5.4W/Mk以下の熱伝導率を有する構造を用いることが必要であることを発見した。これらの種類の合金における低い熱伝導率の鍵は熱拡散率が低く、第二に低密度であることである。熱容量は同じ影響を及ぼし、可能な限り小さくすることが推奨されるが本発明においては十分低く抑えられていると考えられている。本発明では、熱拡散率が3.5mm2/s以下、もしくは2.6mm2/s、なるべくなら1.74mm2 /sまたは1.46mm2/s未満であることが望まれ、またある応用では、0.98mm2/s未満であることが求められる。密度に関しては6.47g/cm3以下、または5.21g/cm3以下、または4.41g/cm3以下、より望ましくは3.74g/cm3以下の値であることが求められる。このような多量の%Alおよび%Cにおいて、十分な靭性を得ることが大きな課題である。こう靭性が求められない用途もあり、その場合は特に注意を払う必要性はない。より高い靭性が求められる場合ももちろんあり、その場合は以下の二つの方法を単一に、または同時に適応することにより解決可能であることがわかっている。その一つが組成においての方法であり、この方法では特定の元素を制限する。つまり、%Cが0.74%超、または0.85%超、または0.93%超、または0.96%超、望ましくは1.15%超であることを満たす場合、%Alが10.11%に保たれる、もしくは9.01%未満、もしくは8.34%未満、もしくは7.64%未満、さらに望ましくは6.54%未満に保たれることが、このような用途において求められる。
もう一つの方法が微細構造における方法で、この方法は脆弱な微細構造の形成を最小にするか、できれば回避することからなる。脆弱な微細構造が38%未満、または24%未満、13%未満、さらに望ましくは8%未満に保たれることが求められる。特に要求の高い用途においては、微細構造は5%未満に保たれる、もしくは可能ならば排除する。
合金を設計する際、いくつかの検討事項と合金化法則を考慮する必要がある。技術的問題を解決するために最も関連性のある事柄は、隣接の段落で説明されている。しかし、通常これらは他の素材の性能に関した特性と両立する必要がある。最終的な要求が問題なければ、いくつかの法則を考慮すれば他の特性のとの妥協点を得ることが可能だということを本発明者は発見した。
上記の合金について、主に破壊環境抵抗性、硬度、耐摩耗性、および低い熱伝導率の考慮に値する妥協点を得ることを可能にする一般化された熱処理を見つけることが可能である。特に、ある特定の特性がその他の特性より重要視される際において、このタイプの適用可能な適応可能な熱処理の方法は複数存在する。つまり、硬度や耐摩耗性よりも低熱伝導率がはるかに重要である際には、全く異なる熱処理がなされ、それぞれの場合においてその場合の化学組成の配合率によってその方法が選択される。最終的な用途に応じて、これらの熱処理において少なくとも500℃、もしくは550℃超、もしくは600℃超、さらに望まれるは675℃超での析出が求められる。しかし同時に、この温度を850℃未満、または750℃未満、または725℃未満、より望まれるは700℃未満に保つことが推奨される。硬度をさらに高めるためには、300℃超、または350℃超、または400℃超、さらに望まれるは450℃超の温度での2度目の析出を行うことが考慮に値する。しかし同時に、700℃未満、または650℃未満、または600℃未満、場合によっては575℃未満に保つことが推奨される。素材によって選択された工程によっては、磨砕や鍛造などといった熱機械加工工程のどれかの後に焼鈍処理を行うことが推奨される。用途によっては、850℃超、または900℃超、または960℃超、さらに望ましくは980℃超における高温保持工程を行うことが望まれる。しかし同時に、この温度は1200℃未満、または1175℃未満、1120℃未満、より望ましくは1080℃未満に保たれていなくてはならない。
上述のいずれの用途も異なる鋼鉄の異なる組成に対応し、また、それぞれの特性が両立しうる限り、任意の組み合わせで本稿に記載された他の組成の実施と組み合わせることができる。
したがって本発明の適当な実施では、鋼鉄はすべての割合が重量パーセントで表された以下の組成を持つ。
残りは鉄および微量元素からなり、
上記の条件下で: %Ceq = %C + 0.86*%N + 1.2*%B;
%C>0.9% ならば%Al<10%かつ%Al+%Si+%Cr+%V>2%である場合、
本発明は、大きな断面についても高レベルの靭性を得られる上記の組成においての鋼鉄に関するという側面も持つ。ある実施では、上記の組成における鉄鋼は熱間加工鋼であり、またその他の実施においては、マルテンサイト系である。またある実施での上記の組成における鉄鋼は、ベイナイト系である。
特筆すべきは、冶金学的には、鋼鉄の組成は、普通、炭素それ自体もしくは名目上の炭素、もしくは通常BまたはNといった鋼鉄の立方構造に炭素と似た影響を与えるすべての元素で定義されるCeqの観点から与えられる点である。
本稿の意味において、他の元素とは、本発明によって得られる特定の破壊環境抵抗性を見積もりつつ、任意の関連する任意の機能性を得るために本発明の基礎的組成に添加することができる任意の元素を指す。通常、この種の元素は、合金の重量パーセントを単一または複数で49%を超えない。望ましくは38%未満、もしくは24%未満、もしくは10%未満に抑えたい。この種の元素には微量元素も含まれる。
本稿の意味において、特に指示のない限り、微量元素は2%未満の量の任意の元素を指す。用途によっては、微量元素は1.4%未満であることが適当であり、また、0.9%未満であることがより適当で、0.78%未満であることが理想的である。単体または化合物であるH, Li, Na, K, Rb, Cs Fr, Be, Mg, Ca, Sr, Ba, Ra, Ac, Tc, Re, Ru, Os, Rh, Ir, Pd, Pt, Ag, Au, Zn, Cd, Hg, Ga, In, Tl, Ge, Sn, Pb, As, Sb, Bi, O, Se, Te, Po, F, Cl, Br, I, At, He, Ne, Ar, Kr, Xe, Rn, Th, Pa, U, Np, Pu, Am, Cm, Bk, Cf, Es, Fm, Md, No, Lrが微量元素である元素と考えることができる。ある用途では、ある微量元素または微量元素一般は特定の関連する特性(例えば、熱伝導率や靭性)にとって大きな問題になり得る。このような用途では、微量元素を0.4%未満であることが適当である。もしくは0.2%未満、または0.14%未満であることが望まれ、さらには0.06%未満に保つことが理想的である。言うまでもなく、一定量以下であることは要素がないことも含まれる。 多くの場合、微量元素のほとんどが存在しない、またはすべてが存在しないことが明らかまたは望ましい。前述したように、すべての微量元素は単一の物質とみなされる。したがって、非常に多くの場合、異なる微量元素は異なる最大重量割合許容値を有する。微量元素は、コスト削減を含む特定の機能を検索するため、意図的に添加されることがある。または、その存在(存在する場合)は意図的でなく、主に合金元素の不純物および合金製造の際の廃棄物に関連する可能性がある。異なる微量元素が存在する理由は、同一の合金製造過程に対して異なることがある。
本発明者らによってある用途で微量元素の合計含有量が2.0%以下、他の用途では1.4%以下、別の用途では0.8%以下、また別の用途では0.2%以下、その他の用途では0.1%以下か0.06%以下であることが望ましいことを発見した。
また、本発明者らによって個々の微量元素の含有量が、ある用途では2.0%未満の含有量、他の用途では1.4%未満、また別の用途では0.8%未満、別の用途では0.2%未満、その他の用途では0.1%未満または0.06%未満であることが望ましいことが発見された。
用途によって、Nb、 Co、 Lu、 La 、 Ce、 Nd、 Gd、 Sm、 Y、 Pr、 Sc、 Pm、 Eu、 Tb、 Dy、 Ho、 Er、 TmまたはYbといった元素の組成中の有無は任意である。特定の特性を向上させるためにこれらの任意の元素のうちの1つ以上を、異なる重量パーセンテージで鋼鉄に添加することができるが、それと同時に鋼鉄の組成中にそれらの全てを有することは絶対ではなく、また、それらをそれらの最大表示含有量で組み合わせることは必須ではない。いずれの場合も、鋼鉄の組成中の全元素の合計は100%とする。
基本的に本発明の鋼鉄では、%Cは0.41%超、または0.51%超、または0.59%%超、より望まれるは0.72%超であることが望まれる。最終的な用途によっては、%Cは0.82%超、または0.95%超、または1.12%超、より望まれるは1.20%超であることが望まれる。例えば耐摩耗性が他の特性より重要視される場合といった、高い%Cが求められる場合、%Cは1.26%超、または1.41%超、または1.62%超、より望まれるは1.72%超であることが望まれる。他方で、%Cの含有量が高すぎると他の欠点が現れるため、最終的な要求によってバランスをとらなくてはならない。例えば、%Cが高すぎると、適用される熱処理に関係なく、所望の特性を得られることや炭化物(窒化物、ホウ化物、酸化物またはそれらの組み合わせ)の完全な形成が不可能になる。よって、%Cが4.1%未満、または3.74%未満、または3.12%未満、より望まれるは2.41%未満に維持されることが求められる場合がある。また別の場合では、%Cが2.28%未満、または2.02%未満、または1.93%未満、より望まれるは1.87%未満に維持されることが求められる。高靭性が要求されるといった高い要求か課される用途においては、%Cの含有量に対して非常に注意を払わなくてはならない。このような場合において、%Cが1.81%未満、または1.79%未満、または1.63%未満、より望まれるは0.52%未満に維持されることが求められる。
多くの用途では、許容される%C置換量はかなり小さい。そのため、%Cが0.62%超、好ましくは0.76%超、より好ましくは1.02%超、さらにより好ましくは1.23%超であることが望まれる。上記の一般的な%C および%Ceqの限界量はここで直接的に適応可能である。
%Ceqが0.42%から3.6%、多くの場合では0.42%から 2.9%、また、別の用途では0.52%から2.48%であることが望ましいことがわかっている。
%Cが0.42%から3.6%、多くの場合では0.42%から2.9%、また、別の用途では0.52%から2.48%であることが望ましいことがわかっている。
このような場合においての本発明の合金について、%Nが0.008%超、もしくは0.08%超、または0.1%超、または0.3%超であることが、最終的な用途によっては求められる。他方、用途によっては高すぎる%Nは望まれない。よって、本発明において、%Nは0.45%未満、もしくは0.3%未満、または0.1%未満、より望まれるは0.01%未満に抑えられていなくてはならない。また、本発明の実施によっては、%Nが組成中に存在しないことが求められる場合もある。
このような場合においての本発明の合金の応用では、%Bが0.08%超、もしくは0.3%超、または1.2%超、または2.1%超であることが最終的な用途によっては求められる。他方、用途によっては高すぎる%Bは望まれない。よって、本発明において、%Bは2.8%未満、もしくは1.7%未満、または0.8%超、より望まれるは0.1%未満に抑えられていなくてはならない。また、本発明の実施によっては、%Bが組成中に存在しないことが求められる場合もある。
これに加えて、%Mnも本発明の応用を制御するにあたり重要な元素である。本発明の合金において、%Mnが10.1%超、もしくは12.22%超、または13.68%超、または14.35%超であることが求められる。最終的な用途によっては、%Mnが15.2%超、もしくは17.01%超、または18.35%超、または19.71%超であることが求められる。オーステナイトドメインが広範囲の温度で安定であることが必要とされるといった用途では、%Mnが20.31%超、もしくは20.9%超、または22.3%超、または24.9%超であることが求められる。他方、%Mnは鋼鉄の加工においての影響力が強いために、特別な計量が必要とされる。これにより、本発明において、%Mnが40.5%未満、もしくは398%未満、または37.6%未満、または36.1%未満に抑えられていることが求められることがわかっている。最終的な用途によっては、%Mnが35.3%未満、もしくは32.8%未満、または30.2%未満、または29.3%未満に抑えられていることが求められることがわかっている。また、さらに含有量が低いことが求められる場合では、%Mnが28.01%未満、もしくは27.7%未満、または26.9%未満、または26.0%未満に抑えられていることが求められることがわかっている。%Mnが組成中に存在しないことが求められる場合もある。
あるいくつかの用途では、%Mnが10.1%から36.4%、%Mnの含有量の下限が高いことが要求される場合、10.6%から 36.4%、別の場合では10.6% から34.6%であることが望まれることがわかっている。
CrとNiが組成中に存在せず、かつ%Cが 1.1%未満である場合の用途において、%Mn が34%未満であることが望まれる。同様の条件下で、かつ%Cが0.8%未満でかつ用途では、%Mnが16.5%未満であることが望まれる。
本発明の合金において、%Niが0.18%超、もしくは0.59%超、または1.01%超、または1.53%超であることが求められる。最終的な用途において焼入硬化性といったものが求められる場合は、%Niが3.2%超、もしくは3.55%超、または4.87%超、または5.46%超であることが求められる。また、別の用途においては、%Niが5.88%超、もしくは6.23%超、または6.79%超、または7.49%超であることが求められる。他方、用途によっては高すぎる%Niは望まれない。よって、本発明において、%Niが9.5%未満、もしくは8.8%未満、または7.6%未満、または7.1%未満に抑えられていることが求められることがわかっている。最終的な用途によっては、%Niが6.3%未満、もしくは5.8%未満、または4.3%未満、または2.3%未満に抑えられていることが求められることがわかっている。熱伝導性が求められる場合などといった用途では、%Niが2.1%未満、もしくは1.41%未満、または0.47%未満、または0.12%未満に抑えられていることが求められることがわかっている。%Niが組成中に存在しないことが求められる場合もある。
あるいくつかの用途では、%Niが0%から9.3%、%Niの含有量の下限が最低でも0.1%であることが要求される場合、%Niは通常、0.1%から9.3%、別の場合では0.1% から8%であることが望まれることがわかっている。
ある用途では、%Ni が0.01%超であることが望まれることがあり、特定の用途においては、%C が1.65%未満で%Al が0.4%から6.1%かつ、%Ni>0.1であることが求められる。%C が1%超であり、かつ%Si が0.45%未満である場合は、%Ni は0.1%超であることが望まれる。
%C が1.55%未満であり、かつ%Al が2%超である場合は、%Ni は0.1%超であることが望まれる。%C が0.65%未満かつ %V が1.1%超である場合は, %Ni は2.1%超であることが望まれる。また、%C が1.65%未満かつ%Al が6.1%未満である特定の用途では、%Ni が4.1%超であることが望ましい。
別の炭化物形成剤として使用される元素に%Crがある。最終的な目的によってこれが使用される場合、ある実施では、%Crが0.85%超、もしくは2.4%超、または3.6%超であることが求められる。この場合よりもさらに要求が高い場合の用途では、%Crは少なくとも5.57%であることが求められ、もしくは6.79%超、または6.87%超、より望まれるは7.34%超であることがわかっている。そのほかにも、%Crが8.47%超、もしくは9.4%超、または9.76%超であることが求められる場合もある。他方、本発明におけるある実施では、%Crが9.4%未満、もしくは8.6%未満、または8.76%未満、より望まれる6.7%未満であることが求められることがある。また、%Crが組成中に存在しないことが求められる場合もある。
いくつかの用途においては、%Cr が0.1%以上、組成中に存在している必要がある。また、ある特定の用途では、%Cr が0.1%から9.7%であることが望まれる。また、別の用途では、%Cr含有量の所望される範囲における下限か高い場合がある。このような場合では通常、%Cr は2.3%から9.3%、また別の用途においては、4.1%から9.1%であることが望まれる。特に%Mn>23%か%C<1.3またはそれが両立している場合、少なくとも0.01%Cr、別の用途では%Cr>0.1、または%Cr>1.2であることがつ用途される用途もある。また、%Mn>23%か%C<1.3またはそれらが両立しているようなマンガン含有量が多い場合においては、少なくとも0.01%Ni、またある特定の用途では%Ni>0.1、また別の場合では%Ni>1.2%であることが求められる。
とくに%Cr >4.95%かつ%C<0.5%といった用途の場合、%Vの含有量は低く抑えられていることが望まれる。このような場合においては、%V<1.16%、または%V<0.9 、または% V<0.7% で十分量である。
%Cr+%Ni が0.1%超、また別の場合では%Cr+%Ni>1.3%、また別の場合では%Ni+%Cr>3.8%、またある特定の用途では%Ni+%Cr>7.3%であることが望まれるといことがわかっている。
鋼鉄組成中における%Cの含有量によって、望まれる%Ni と%Crの値が変わってくることがわかった。ある用途における%C が1%未満である場合、%Cr+%Ni が7.4%超、または7.8%超であることが望まれる。また%C が1%から2.2%である場合、%Ni+%Cr は0.1%超、ある特定の用途では0.3%超、ま別の用途では1.3%超であることが望まれる。
磨耗の対抗策として他の元素とともに%Wが使われる際、%Wが少なくとも0.55%、または0.89%超、または1.23%超、より望まれるは1.88%超であることが求められる。また別の実施の場合、%Wが少なくとも2.22%、または3.01%超、または3.73%超、より望まれるは4.1%超であることが求められる。また、求められる最終的な特性によっては、%Wは5.2%未満、または4.6%未満、または4.1%未満、より望まれるは3.5%未満に抑えられていることが望まれる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
あるいくつかの用途では、%Wが0%から5.9%であることが望まれる。また、別の用途では、%W含有量の所望される範囲における下限か高い場合がある。このような場合、%Wは通常、0.01%から4.6%、または0.1%から3.9%であることが望ましいことがわかっている。
%Moもまた炭化物形成剤として利用可能である。これより、%Moが少なくとも0.35%、または0.48%超、または0.99%超、より望まれるは1.3%超であることが求められる。との他の用途では、%Moが少なくとも1.8%、または2.4%超、または2.87%超、より望まれるは3.6%超であることが求められる。また用途によっては、%Moは6.2%未満、または5.7%未満、または4.3%未満、より望まれるは3.3%未満に抑えられていることが望まれる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
あるいくつかの用途では、%Moが0%から8.4%であることが望まれる。また、別の用途では、%Mo含有量の所望される範囲における下限か高い場合がある。このような場合、%Moは通常、0.01%から7.6%、または0.1%から6.3%であることが望ましいことがわかっている。
本発明のある合金において、%Coが求められる場合がある。例えば高温状態での焼戻しに対する抵抗性が求められるような場合、%Coが少なくとも0.14%、または0.29%超、または0.54%超、より望まれるは0.68%超であることが求められる。求められる最終的な特性によっては、%Coが少なくとも0.87%超、または0.97%超、または1.26%超、より望まれるは1.57%超であることが求められる。また別の用途では、%Coが1.9%超、または2.7%超、または3.2%超、より望まれるは4.4%超であることが求められる。他方、%Coは鋼鉄の臨界冷却速度を増加させ、パーライト変態を加速し、これにより鋼鉄の焼入硬化性を低下させる。これによりは%Coが高すぎることは用途によっては適さない。この場合の本発明の応用では、%Coは7%未満、または5.9%未満、または4.7%未満、より望まれるは3.4%未満に抑えられることが求められる。求められる最終的な特性によっては、%Coは2.8%未満、または1.9%未満、または1.4%未満、より望まれるは1.1%未満に抑えられることが求められる。さらに含有の程度が低いことが求められる場合、%Coは0.89%未満、または0.6%未満、または0.44%未満、より望まれるは0.12%未満に抑えられることが求められる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
あるいくつかの用途では、%Coが0%から6.4%であることが望まれる。また、別の用途では、%Co含有量の所望される範囲における下限か高い場合がある。このような場合、%Coは通常、0.01%から5.3%、または0.1%から4.6%であることが望ましいことがわかっている。
ある用途では、%Cr+%Cu+%Co が0.01%超、もしくは、普通%Cr+%Cu+%Co>0.1%であることがもとめられるが、別の場合では%Cr+%Cu+%Co>1.2%、またその他の場合では%Cr+%Cu+%Co>3.1%であることが求められることがわかっている。
本発明の鋼鉄では、最終的に求められるよっては、%Tiの含有が望まれる場合がある。このような場合では、%Tiが少なくとも0.49%、または0.68%超、または0.82%超、より望まれるは0.99%超であることが求められる。また別の用途においては、%Tiが少なくとも1.32%、または1.67%超、または2.11%超、より望まれるは2.86%超であることが求められる。またさらに精巧な用途では、%Tiが3.5%超、または3.75%超、または4.33%超、より望まれるは4.8%超であることが求められる。%Tiが求められない場合、%Ti は6.4%未満、または5.47%未満、または4.66%未満、より望まれるは3.4%未満に抑えられることが求められる。またの同様の条件下における要求の高い場合には、%Ti は2.4%未満、または1.87%未満、または0.87%未満、より望まれるは0.24%未満に抑えられることが求められる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
あるいくつかの用途では、%Tiが0%から5.9%であることが望まれる。また、別の用途では、%Ti含有量の所望される範囲における下限か高い場合がある。このような場合、%Tiは通常、0.01%から5.1%、または0.1%から3.6%であることが望ましいことがわかっている。
%Alはまた別の用途で使用されることがある。本発明の鋼鉄では、最終的に求められるよっては、%Alの含有が望まれる場合がある。例えば%Alは硬度といった他の特性よりも重要視する特徴の促進元素として利用されるといった場合など、あまり高くない含有率で%Alが求められる場合もある。このような場合、%Alが少なくとも0.26%、または0.33%超、または0.43%超、より望まれるは0.53%超であることが求められる。また%Alが高温での酸化および脱炭に対する保護膜として使用される場合のような、低い程度から中程度の含有が求められる際には、%Alが0.78%あたりの保持、または1.22%超、または1.54%超、より望まれるは2.03%超であることが求められる。また%Alが中程度求められる際には、%Alが少なくとも2.94%、または3.47%超、または4.37%超、より望まれるは5.39%超であることが求められる。電導率を低く抑えることが求められる場合といった際には、高い%Alの含有率が求められる。このような場合には、密度を低く保つことが有効である。このような場合、%Alが6.2%超、または7.3%超、または8.3%超、または9.3%超、より望まれるは10.4%超であることが求められる。組成中にCrが存在する場合などでは、%Alが5.4%の保持、または6.7%超、または7.88%超、より望まれるは9.01%超であることが求められる。高温状態での耐酸化性が他の環境抵抗性よりも重要視される場合などの%Al含有率が中程度求められる用途では、比較的高い%Al含有率が求められ、かつSiなどの他の元素の存在や遷移金属が求められる。このような場合において、%Alが7.64%超、または8.27%超、または8.87%超、より望まれるは9.8%超であることが求められる。また、さらに%Al含有率が求められる場合では、%Alが9.51%超、または12.44%超、または14.7%超、より望まれるは16%超であることが求められる。他方、%Alがある効果の阻害になる場合がある。このような場合でかつ他の側面を考慮せねばならな場合では、%Alが17.5%未満、または14.36%未満、または10.47%未満、より望まれるは9.31%未満に抑えられている必要がある。また、靭性が他の特性よりも重要視される場合など、%Alの含有が中程度に抑えられている必要がある場合では、%Alが7%未満、または5.4%未満、または4.12%未満、より望まれるは2.8%未満に抑えられている必要がある。またさらに高度な要求がなされる場合では、%Alが1.5%未満、または0.89%未満、または0.43%未満、より望まれるは0.1%未満に抑えられている必要がある。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
%C>0.9%ならば%Al<10%である
という条件は、用途によっては
%C>0.7% ならば%Al<10%である
という条件に置換できる。
%Cが0.5% から1.1%かつ%Al が7%超である場合の用途では、%Mn は24.8%未満であることが望まれることがわかっている。また%Cが0.5% から1.1%かつ、%Al が7%超かつ、%Mn が23%超ある場合では、%B は0.001%超であることが望まれることがわかっている。
%Al が最低でも0.1%求められる場合では、%Al は0. 1%から16.7%、もしくは0.1%から16.3%、または0.1%から15.9%であることが求められる。特に%C <1.52%かつ%Mn>14.9%である用途では、少なくとも%Al>3.1、また別の場合では%Al>3.4であることが求められる。
%Mnが%Alの値より高いことが求められることがある。このような場合で%C が1.65%未満である場合、%Mn−%Al <10.05%、または%Mn−%Al <9.7%、またある特定の場合では%Mn−%Al <9.3%であることが望ましい。
ある特定の用途では、%Cr+%Ni+%Alが0.1%超、また特定の場合では6%超、また特定の場合では11%超、または13%超であることが求められる。
ある特定の用途では、%Cr+%Ni−%Alが0.01%超、また特定の場合では0.1%超であることが求められる。
ある特定の用途では、%Ni+%Cr+%Al−%Mnが0.01%超、また特定の場合では0.1%超であることが求められる。
最終的な用途において、ある特殊な特性をえるために%Siの含有が本発明の鋼鉄に必要な場合、%Siが少なくとも0.34%、または0.87%超、または1.06%超、または1.57%超であることが求められる。高い%Siの含有が求められる際には、%Siが少なくとも1.99%、または2.47%超、または3.43%超、または3.87%超であることが求められる。%Siが用途において有害である場合、%Siが4%未満、または3.4%未満、または2.4%未満、または1.8%未満であることが求められる。より高度な要求がなされる場合、例えば鋼鉄の清浄度の最適化や靭性の向上などが求められる際には、%Siが1.05%未満、または0.73%未満、または0.54%未満、または0.22%未満であることが求められる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
ある用途では、%Si が0%から3.4%、また求められる%Siの下限が高いこともあり、そのような場合では、%Siが0.01%から2.8%、もしくは0.1%から1.8%であることが望まれることがわかっている。
%Cが1%超かつ%Siが0.45%超である場合の用途では、%Mn−%Al <10であることが求められる。
%Cuが求められる本発明の鋼鉄もあり、このよう場合では、%Cuが少なくとも0.14%、または0.29%超、または0.54%超、さらに望まれるは0.68%超であることが求められる。最終的な用途によっては、%Cuが少なくとも0.87%超、または0.97%超、または1.26%超、さらに望まれるは1.57%超であることが求められる。その他の用途では、%Cuが1.9%超、または2.7%超、または3.2%超、さらに望まれるは4.4%超であることが求められる。他方、用途によっては高い%Cuは望まれない。この場合、%Cuが5.9%未満、または4.7%未満、または3.4%未満であることが求められる。また、最終的な用途によっては、%Cuが2.8%未満、または1.9%未満、または1.4%未満、もしくは1.1%未満であることが求められる。さらに%Cuが低く抑えられていることが必要な場合では、%Cuが0.89%未満、または0.6%未満、または0.44%未満、もしくは0.12%未満であることが求められる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
用途によっては%Cuが0%から4.8%であることが求められる。また、%Cuの含有率が低く抑えられていることが必要とされる場合は、通常、%Cuが0%から3.1%、もしっくは0% から2%であることが望まれることがわかっている。
ある用途では、%Cr+%Cu+%Si が0.01%超、もしくは%Cr+%Cu+%Si>0.1%であることが望まれ、また別の場合では、%Cr+%Cu+%Si>1.2%、ある特定の用途では%Cr+%Cu+%Si>3.1%であることが望まれることがわかっている。
%Vについては、ある用途では%Vが少なくとも0.14%、または0.57%超、または0.61%超、さらに望まれるは0.69%超であることが求められる。%Vの含有率が中程度の実施では、%Vが少なくとも0.72%、または0.83%超、または1.34%超、さらに望まれるは2.46%超であることが求められる。高い%Vの含有率が求められる際には、%Vの含有率が比較的高い実施では、%Vが少なくとも4.11%、または4.8%超、または5.68%超、さらに望まれるは7.61%超であることが求められる。またこれには上限があり、ある用途においては、%Vが12%未満、または10.98%未満、または8.74%未満、もしくは7.36%未満であることが求められる。他の望まれる含有率の範囲では、%Vが5.74%未満、または3.68%未満、または2.28%未満、もしくは1.32%未満であることが求められる。低い%Vの含有率が求められる際には、%Vが0.87%未満、または0.63%未満、または0.47%未満、もしくは0.24%未満であることが求められる。特殊な場合では、%Vが0.14%未満、または0.05%未満であることが求められる。%Cの含有が高い場合(0.45%超、もしくは0.46%超、さらより望まれるは0.57%超)の実施では、%Vの比較的高い値が求められる。このような場合では、%Vが少なくとも0.62%超、または0.69%超、または0.72%超、さらに望まれるは0.83%超であることが求められる。他方、%Vが12.3%未満、または11.4%未満、または9.47%未満、もしくは7.68%未満であることが求められる。%Crが2.71%、または3.15%超、または3.87%超、または4.99%超、または5.21%超であるといった比較的高い%Crが含有されている場合、%Vは低くあることが求められる。この際、%Vが0.58%未満、または0.47%未満、または0.34%未満、もしくは0.21%未満であることが求められる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
本発明の鋼鉄では、%Al+%Si+%Cr+%Vが少なくとも2%、または2.31%超、または2.54%超、さらに望まれるは2.87%超であることが求められる。%Alの存在下では、%Al+%Si+%Cr+%Vが少なくとも3.1%超、または1.4%超、または3.67%超、さらに望まれるは4%超であることが求められる。
Ta, Zr, Hf, Nb, La, Ceが組成中における任意の元素である場合の実施があり、この中のひとつ以上の元素が含有されていなくても良い場合がある。
%Ta+%Zr+%Hf+%Nb+%La+%Ce =0−4.2%であることが望ましい場合がある。
用途によっては、%Ta+%Zr+%Hf+%Nb+%La+%Ce =0−4.2=0−3.7%.であることが望ましい場合がある。
用途によっては、%Ta+%Zr +%Hf +%Nb+%La+%Ce =0−4.2=0−2.2%.であることが望ましい場合がある。
用途によっては、%Ta +%Zr +%Hf +%Nb+% La+ %Ceが0.001%超、通常、別の用途では0.01%超、また別の特定の用途では0.1%超であることが求められる。
用途によっては、%Ta+%Zr+%Hf+%Nb+%La+%Ce =0.001−2.2%.であることが望ましい場合もある
この場合、%Pが0.001%超、または0.01%超、または0.1%超、最終的な用途によっては0.3%超であることが求められる。他方、%Pが高すぎることが望まれない場合もあり、本発明でのこのような場合では、%Pが1.6%未満、または1.3%未満、または0.8%未満、さらに望まれるは0.1%未満であることが求められる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
この場合、%Sが0.001%超、または0.01%超、または0.1%超、最終的な用途によっては0.2%超であることが求められる。他方、%Sが高すぎることが望まれない場合もあり、本発明でのこのような場合では、%Sが1.6%未満、または1.3%未満、または0.8%未満、さらに望まれるは0.1%未満であることが求められる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
用途によっては以下の範囲の値をとることが求められることがわかっている。
%Nb+ %Co+ %Lu+ %La +%Ce+%Nd+ %Gd+%Sm+ %Y+ %Pr+ %Sc+ %Pm+ %Eu+ %Tb+ %Dy + %Ho+ %Er+ %Tm+ %Yb= 0 − 10%
%Nb+%Co+ %Lu+ %La+%Ce+%Nd+ %Gd+%Sm+ %Y+ %Pr+ %Sc+ %Pm+ %Eu+ %Tb+ %Dy + %Ho+ %Er+ %Tm+ %Yb= 0 − 8%
%Nb+ %Co+ %Lu+ %La +%Ce+%Nd+ %Gd+ %Sm+%Y+ %Pr+ %Sc+ %Pm+ %Eu+ %Tb+ %Dy + %Ho+ %Er+ %Tm+ %Yb= 0 − 6%
用途によっては以下の範囲の値をとることが求められることがわかっている
%V+%Nb+%Sn+%Si+%Ti+%Co+%W+%Mo = 0−9.8%
用途によっては以下の元素の最小限の含有が求められることがわかっている。そのような場合、%V +%Nb+%Sn+% Si+%Ti+%Co+%W+%Mo = 0.1−9.8%であることが求められる。
二つの異なる鋼鉄が異なる科学的技術を再現し、それによりまったく別の応用に向かうことはよくある。これにより、片方の鋼鉄がもう一方の用途において利用が不可能である場合が、ある組成上の範囲に符合する場合がある。ほとんどの場合、これらの組成上の範囲がお互いに干渉しあうことがあったとしても、実際の組成が符合することはありえない。このような符合が起こり得たとしても、熱機械的処理により違いが出てくる。
上記の鋼鉄は、熱損失の最小化やホットゾーン回避または破壊的環境に対する抵抗性を得るとともに、低い熱伝導性が求められる用途に特に適している。
高い熱伝導性が求められることもあり得る。高い熱伝導性の追求は一般的な鋼鉄においては敷居が高い要求であるため、本発明はこのような用途に特に適している。本発明では%Cr含有率が10%よりさらに低いため、高い熱伝導性を得るためには異なる方法が適応される。強い酸化物形成剤である%Alが熱伝導率を著しく下げるため、これを最大限得るためには出来うる限りAlの含有を避けなければならない。これを実現する可能な方法の一つは、主な酸化物形成剤として使われているものをZr、もしくはZr とNb、またはZrとNbとTiのみに制限することである。他の酸化物形成剤は利用可能であるが、その使用は最小限にとどめる必要がある。環境抵抗性と高い熱伝導性を両立させる必要がある本発明の合金においては、気をつけなければならない熱拡散率であり、密度と熱容量はほとんど無視できる。
他方、低い熱伝導性を求める場合もある。15 W/mK未満程度であれば、既存のステンレス鋼で達成可能であるが、10 W/mK未満となると難しい要求になる。
高温状態での耐酸化性とともに低い熱伝導性が求められる場合があり、このような場合では、高い%Alの含有率が適する。また、低い熱伝導性については%Siのさらなる添加が推奨される。
本発明によって容易に克服できる既存の鋼鉄の欠点は、耐摩耗性と高い硬度またはそれらのいずれか及び環境抵抗性の両立が不可能な点である。基本的に、既存の鋼鉄では、高い耐摩耗性と60HRcを超える硬度を得ることが難しい。本発明では、この特性とこれ以上の硬度の両立が可能である。本発明で達成可能な硬度は47HRc超、または52HRc超、または58HRc超、さらには62HRc超である。
既存の鋼鉄における%Cr含有率の高さはベイナイト微細構造を得ることをほとんど不可能にしている。ここ数年で、本発明に対する利点となりうるこのタイプの微細構造の研究が進んでいる。
本発明のある実施では、ある特定の環境に対する抵抗性を、高い硬度といった他の機械的特性と組み合わせることが可能である。この硬度は、48HRC超、または52HRc超、または54HRc超、58HRc超といった高い値を持たせることが可能である。また、これらは、最新技術と比べても低い炭素含有における、高い靭性や耐摩耗性と組み合わせることがもできる。一次炭化物、置換形固溶体、および金属間化合物の析出、またはそれらのいずれかを利用することにより、所望の特性を得るための過程を組み合わせることができる。これを考慮すると、耐摩耗性を得るためには一次炭化物が必要である。しかしながら、ここで求めるものは、析出によって強固にされた素地から得られるの靭性による利益、できうる限り%Cを低く抑えること、一次炭化物からの炭素含有の利用、およびこれら全てを考慮した上での硬度と靭性の最も優れた妥協点である。これにおいて、より強い炭化物形成金属を有する炭化物をより靭性の高い素地を残すよう選択される。また、ここではTiによる炭化物やTi混合炭化物(主にV、 W 、またはMoなどとの混合物)といったより硬い炭化物がより適する。または、Zr混合炭化物かHf混合炭化物でも代用できる。素地において最小限の二次炭化物の利用も有益である。これを考慮すると、析出物によって硬度と靭性のよりよい妥協点を得られ、かつこれによっての%Ceqの増加はない。よって、より強力な炭化物形成剤が望まれる。
金属間化合物の析出について、Ni3Ti、 Ni3Mo、 Ni3Al、 NiTi、 NiMo または NiAlがよく知られたものであり、この中のいくつかが使用されることがある。Ti またはMoがこの用途で利用される場合、これらの炭化物との結合を防ぐために、これらより強い炭化物形成剤を使用しなくてはならない。強い順にCr、 W、 Mo、 V、 Ti、 Nb、 Ta、 Zr、 Hfが強力な炭化物形成剤である。これによって、炭素を固定しながらTi または MoをNiと化合させる際、どれがより有用なのかがわかりやすい。
つまり、本発明の合金は、Cr、 V、 Moまたは Wといった炭化物形成剤群のどれかを常に含む。
上述のいずれの用途も鋼鉄の異なる組成に対応し、また、それぞれの特性が両立しうる限り、任意の組み合わせで本稿に記載された他の組成の実施と組み合わせることができる。
したがって本発明の適当な実施では、すべての割合が重量パーセントで表された以下の組成で、鋼鉄が得られる。
残りは鉄および微量元素からなり、上記の条件下で
%Ceq = %C + 0.86*%N + 1.2*%B;
以下の条件において
%Ceq=0.25 − 0.44%ならば%V<0.85% かつ %Ti+%Hf+%Zr+%Ta <0.1%
%Ceq=0.45 − 2.5%ならば %V<0.6%
本発明は、大きな断面についても高レベルの靭性を得られる上記の組成においての鋼鉄に関するという側面も持つ。ある実施では、上記の組成における鉄鋼は熱間加工鋼であり、またその他の実施においては、マルテンサイト系である。またある実施での上記の組成における鉄鋼は、ベイナイト系である。
本稿の意味において、特に指示のない限り、微量元素は2%未満の量の任意の元素を指す。用途によっては、微量元素は1.4%未満であることが適当であり、また、0.9%未満であることがより適当で、0.78%未満であることが理想的である。単体または化合物であるH, Li, Na, K, Rb, Fr, Be, Mg, Sr, Ba, Ra, Sc, Y, La,Ac, Tc, Re, Ru, Os, Rh, Ir, Pd, Pt, Ag, Au, Zn, Cd, Hg, Ga, In, Tl, Ge, O, Po, F, Cl, Br, I, At, He, Ne, Ar, Kr, Xe, Rn, Th, Pa, U, Np, Pu, Am, Cm, Bk, Cf, Es, Fm, Md, No, Lrが微量元素である元素と考えることができる。ある用途では、ある微量元素または微量元素一般は特定の関連する特性(例えば、熱伝導率や靭性)にとって大きな問題になり得る。このような用途では、微量元素を0.4%未満であることが適当である。もしくは0.2%未満、または0.14%未満であることが望まれ、さらには0.06%未満に保つことが理想的である。言うまでもなく、一定量以下であることは要素がないことも含まれる。 多くの場合、微量元素のほとんどが存在しない、またはすべてが存在しないことが明らかまたは望ましい。前述したように、すべての微量元素は単一の物質とみなされる。したがって、非常に多くの場合、異なる微量元素は異なる最大重量割合許容値を有する。微量元素は、コスト削減を含む特定の機能を検索するため、意図的に添加されることがある。または、その存在(存在する場合)は意図的でなく、主に合金元素の不純物および合金製造の際の廃棄物に関連する可能性がある。異なる微量元素が存在する理由は、同一の合金製造過程に対して異なることがある。
本発明者らによってある用途で微量元素の合計含有量が2.0%以下、他の用途では1.4%以下、別の用途では0.8%以下、また別の用途では0.2%以下、その他の用途では0.1%以下か0.06%以下であることが望ましいことを発見した。
また、本発明者らによって個々の微量元素の含有量が、ある用途では2.0%未満の含有量、他の用途では1.4%未満、また別の用途では0.8%未満、別の用途では0.2%未満、その他の用途では0.1%未満または0.06%未満であることが望ましいことが発見された。
用途によって、Ta、 Zr、 Hf、 S、 Se、 Te、 Bi、 As、 Sb、 Ca、 P、 Pb、 Cs、 Sn またはCuといった元素の組成中の有無は任意である。特定の特性を向上させるためにこれらの任意の元素のうちの1つ以上を、異なる重量パーセンテージで鋼鉄に添加することができるが、それと同時に鋼鉄の組成中にそれらの全てを有することは絶対ではなく、また、それらをそれらの最大表示含有量で組み合わせることは必須ではない。いずれの場合も、鋼鉄の組成中の全元素の合計は100%とする。
ここにさらに、それぞれの元素の求められる含有量の範囲を記述する。%Cについて、炭素含有が低い場合の実施では、%Cは0.245%あたり、または0.272%超、または0.301%超、より望まれるは0.359%超であることが望まれる。同時に、これには上限があり、%Cは0.449%未満、または0.43%未満、または0.397%未満、より望まれるは0.356%未満に抑えられることが求められる。また、炭素含有が高い実施の場合、%Cが少なくとも0.451%であることが必要であるとされ、もしくは0.47%超、または0.54%超、または0.64%超であることがより推奨される。その他の用途では、%Cが0.72%超、または0.89%超、または1.21%超、さらに望まれるは1.55%超であることが求められる。同時に、これには下限があり、%Cは2.52%未満、または2.40%未満、または2.273%未満、より望まれるは2.04%%未満に抑えられることが求められる。特殊な場合では、%Cは1.87%未満、または1.67%未満、より望まれるは1.52%未満に抑えられることが求められる。
あるいくつかの用途では、%Cが0.26%から2.5%、通常、0.31%から 2.5%、別の場合では0.35% から2.5%であることが望まれることがわかっている。
%Ceqについて、あるいくつかの用途では、%Ceqは0.245%あたりに保持されること、または0.272%超、または0.301%超、より望まれるは0.359%超であることが望まれる。同時に、これには上限があり、%Ceqは0.449%未満、または0.43%未満、または0.397%未満、より望まれるは0.356%未満に抑えられることが求められる。また、%Ceqが高い実施の場合、%Ceqが少なくとも0.451%であることが必要であるとされ、もしくは0.47%超、または0.54%超、または0.64%超であることがより推奨される。その他の用途では、%Ceqが0.72%超、または0.89%超、または1.21%超、さらに望まれるは1.55%超であることが求められる。同時に、これには上限があり、%Cは2.52%未満、または2.40%未満、または2.273%未満、より望まれるは2.04%%未満に抑えられることが求められる。特殊な場合では、%Ceqは1.87%未満、または1.67%未満、より望まれるは1.52%未満に抑えられることが求められる。
あるいくつかの用途では、%Ceqが0.26%から2.5%、通常、0.31%から 2.5%、別の場合では0.35% から2.5%であることが望まれることがわかっている。
上記における用途の本発明の他の鋼鉄は以下の特徴を有する。
%Ceq=0.45 − 2.5である時、%V<0.6;
上記における用途の本発明の他の鋼鉄は以下の特徴を有する。
%Ceq=0.45 − 2.5である時、%V=0.01−0.57;
この%Cがかなり高い場合において、より良い機能性のため、%Vはある値よりも低く保たれていなくてはならない。この値は通常、0.84%未満、または0.83%未満、または0.81%未満、さらに望まれるは0.8%未満である。
本発明の非常に低炭素の実施では、以下の実施を追加することが理想的であると本発明によって明らかにされた。これは最終的な改善された特徴によって要求される炭化物の形成によって違ってくる。
%Ceq=0.25 − 0.44%である時、%Cr= 2.1 − 10%; または
%Ceq=0.25 − 0.44%である時、%Cr= 5 − 10%; または
%Ceq=0.25 − 0.44%かつ、%Cr= 0.5 − 5%である時 %Ni>4%; または
%Ceq=0.25 − 0.45%である時、%Ti+%Hf+%Zr+%Ta+%Al=0.1−4%.
この組成法則、つまりここでは%Ceqが0.25%から0.44%である時のある用途において、%Vは少なくとも0.18%超でなくてはならず、もしくは0.26%超、もしくは0.43%超、もしくは0.53%超であることが求められる。また、同様の条件下における別の用途においては、%Ti + %Hf + %Zr + %Ta + %Alの合計が0.1%未満、多くの場合では0.08%未満であることが望ましい。また%Ceqが0.25%から0.44%である別の実施では、%Crが5.1%超、または5.49%超、または6.43%超、より望まれるは6.77%であることが求められる。%Crが2.5%から 5%といったように比較的低く抑えられている実施では、%Niが3.54%超、または3.87%超、4.03%超、より望ましくは4.67%超というように保たれる場合がある。他の同条件の実施では、%Ti + %Hf + %Zr + %Ta + %Alの合計が調節される必要があり、0.1%、または0.34%、または0.69%、もしくは0.95%を若干上回る値が望まれる。
炭化物形成剤として%Wが使われる際、%Wが少なくとも0.15%、または0.24%超、または0.52%超、より望まれるは0.78%超であることが求められる。また別の実施の場合、%Wが少なくとも0.99%、または1.47%超、または1.96%超、より望まれるは2.73%超であることが求められる。高い%W含有率が求められる際には、%Wが少なくとも3.47%、または4.53%超、または6.03%超、より望まれるは7.44%超であることが求められる。また、この際の上限として、%Wは14.99%未満、または13.74%未満、または12.44%未満、より望まれるは11.5%未満に抑えられていることが望まれる。また、%Wの程度が中間である際、%Wは9.7%未満、または8.64%未満、または7.34%未満、より望まれるは6.28%未満に抑えられていることが望まれる。%Wの程度が低い際の%Wは4.3%未満、もしくは2.7%未満、または1.22%未満、さらに望まれるは0.43%未満であることが求められる。また、%W が0.2%未満、もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
あるいくつかの用途では、%Wが0%から6.8%、通常、0.01%から6.8%、別の場合では0.01% から5.8%であることが望まれることがわかっている。
%Moもまた炭化物形成剤として利用可能である。これより、%Moが少なくとも0.14%、または0.23%超、または0.43%超、より望まれるは0.71%超であることが求められる。との他の用途では、%Moが少なくとも1.13%、または1.26%超、または1.87%超、より望まれるは2.46%超であることが求められる。高い%Mo含有率が求められる際には、%Moが少なくとも3.22%、または4.34%超、または5.23%超、より望まれるは6.77%超であることが求められる。高い%Mo含有率が求められる際の上限として、%Moは10%未満、または7.8%未満、または6.2%未満、または4.9%未満、より望まれるは3.31%未満に抑えられていることが望まれる。低い%Mo含有率が求められる際の上限として、%Moは2.8%未満、または1.43%未満、または0.66%未満、より望まれるは0.43%未満に抑えられていることが望まれる。また別の場合では、%Moは0.24%未満であることが求められる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
あるいくつかの用途では、%Mo が少なくとも0.1%含有されていることが求められる。また、別の用途では、%Moが0.1%から10%、通常、0.3%から6.4%、別の場合では0.8% から2.9%であることが望まれることがわかっている。
別の炭化物形成剤として使用される元素に%Crがある。最終的な目的によってこれが使用される場合、ある実施では、%Crが最低でも2.85%超、もしくは3.4%超、または5.1%超であることが求められる。この場合よりもさらに高い場合では、%Crは少なくとも5.57%であることが求められ、もしくは6.79%超、または6.87%超、より望まれるは7.34%超であることがわかっている。そのほかにも、%Crが8.47%超、もしくは9.24%超、または9.76%超であることが求められる場合もある。他方、本発明におけるある実施では、%Crが13.2%未満、もしくは9.76%未満、または8.76%未満、より望まれるは7.44%未満であることが求められることがある。中程度の含有が望まれる際には、%Crが6.41%未満、もしくは5.24%未満、または4.63%未満、より望まれるは3.47%未満であることが求められることがある。
いくつかの用途においては、%Cr が2.5%組成中に存在している必要がある。また、ある特定の用途では、%Cr が2.5%から9.7%であることが望まれる。また、別の用途では、%Cr含有量の所望される範囲における下限か高い場合がある。このような場合では通常、%Cr は3.6%から9.3%、また別の用途においては、%Cr は5.1%から9.1%、または6.2%から 8.8%であることが望まれる。
%Coにつて、%Coが最低でも0.13%超、もしくは0.37%超、または0.59%超、または0.87%超であることが求められることがわかっている。最終的な用途によっては、%Coが最低でも1.33%超、もしくは1.57%超、または1.72%超、または1.92%超であることが求められることがわかっている。また別の場合では、%Coが2.39%超、もしくは3.41%超、または4.22%超、または5.43%超であることが求められることがわかっている。他方、本発明におけるある実施では、%Coが7.89%未満、もしくは6.4%未満、または4.92%未満、より望まれるは3.82%未満であることが求められることがある。最終的な用途によっては、%Coが2.43%未満、もしくは1.94%未満、または1.53%未満、より望まれるは1.07%未満であることが求められることがある。さらに低い値が求められる時は、%Coが0.54%未満、もしくは0.43%未満、または0.24%未満、より望まれるは0.11%未満であることが求められることがある。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。炭素の最低限度の際には、%Coが以下の法則において存在することが求められる。
%Ceq=0.25 − 0.44ならば %Co=0.1 − 4
炭素の最低限度がある用途では、%Coの下限が比較的高いことが必要とされいる。このような用途では、以下のような組成法則が適応される。%C=0.25 − 0.44ならば %Co>1.1
%Cが0.36%から0.44%である用途の際に、%Vが0.6%超であった場合、%Co は1.9%未満であることが求められることがわかっている。
%Cが0.25%から2.5%である用途の際に、%Co は1.3%超、または1.40%超、さらに望まれるは1.45%超あることが求められることがわかっている。
%Cが0.75%から1.6%である用途の際に、%Crが4.8%超であった場合、%Co は0.1%超であることが求められることがわかっている。
本発明の鋼鉄では、最終的に求められるよっては、%Tiの含有が望まれる場合がある。このような場合では、%Tiが少なくとも0.08%、または0.68%超、または0.82%超、より望まれるは0.9%超であることが求められる。また別の用途においては、%Tiが少なくとも1.3%、または1.6%超、または2.1%超、より望まれるは2.8%超であることが求められる。またさらに精巧な用途では、%Tiが3.5%超、または3.7%超、または4.3%超、より望まれるは4.8%超であることが求められる。%Tiが求められない場合、%Ti は6.4%未満、または5.4%未満、または4.6%未満、より望まれるは3.4%未満に抑えられることが求められる。またの同様の条件下における要求の高い場合には、%Ti は2.4%未満、または1.87%未満、または0.8%未満、より望まれるは0.24%未満に抑えられることが求められる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
あるいくつかの用途では、%Tiが0%から2.6%であることが望まれる。また、別の用途では、%Ti含有量の所望される範囲における下限か高い場合がある。このような場合、%Tiは通常、0%から1.9%、または0.1%から1.6%であることが望ましいことがわかっている。
%Alにつて、%Alが最低でも0.16%超、もしくは0.24%超、または0.42%超、または0.9%超であることが求められることがわかっている。より高い含有が求められる際には、%Alは約0.93%、%Alが最低でも1.2%超、もしくは1.6%超、または1.8%超であることが求められることがわかっている。これよりさらに高い含有が求められる用途では、%Alが2.1%超、もしくは2.9%超、または3.53%超、または4.1%超であることが求められることがわかっている。他方、本発明におけるある実施では、%Alが5%未満、もしくは4.3%未満、または3.1%未満、より望まれるは2.63%未満であることが求められることがある。用途によっては、%Alが1.3%未満、もしくは0.9%未満、または0.8%未満、より望まれるは0.6%未満であることが求められることがある。
あるいくつかの用途では、%Alが0.5%から4.8%、通常、0.6%から4.8%、別の場合では0.7% から3.8%であることが望まれることがわかっている。
ある用途では、%Cr−%Al が3.8%超、またはCr−%Alが4.1%超であることが求められることがわかっている。
また、ある用途では、%Co−%Al が0.001%超、また通常、別の場合では%Co−%Al が0.01%超であることが求められることがわかっている。
ある特定のの用途において、以下の適応が望まれる場合がある。
%Ceq=0.45 − 2.5である時、%Ti+%Hf+%Zr+%Ta+%Al = 0.1 − 4.
上記の例のように、%Ceq が0.25%から0.45%である時%Ti + %Hf + %Zr + %Taが0.1%から4%に保たれている場合がある。
他方、炭素の最低限度のがある例では以下の適応が望まれる場合がある。
%Ceq=0.25 − 0.44である時、%Ti+%Hf+%Zr+%Ta <0.1%
上記のように%Ceq が0.25%から0.45%である場合でバナジウムの含有が0.84%未満、もしくは0.8%未満、または0.77%未満、または0.74%未満である場合において、%Ti + %Hf + %Zr + %Taが0.1%未満、もしくは0.08%未満に抑えられていることが用途によってはある。
本発明の上記の合金の用途のくつかの場合では、%Ni が最低でも0.21%超、もしくは0.48%超、または0.87%超、または1.28%超であることが求められることがわかっている。用途の最終的な目的によっては、%Ni が2.57%超、もしくは3.85%超、または4.43%超、または5.13%超であることが求められることがわかっている。さらにある別の用途では、%Ni が5.97%超、もしくは6.43%超、または6.93%超、または7.28%超であることが求められることがわかっている。他方、本発明におけるある実施では、%Ni が6.3%未満、より望まれるは4.7%未満であることが求められることがある。
ある用途では、%Niが3.2%から12%、または3.7%から10.3%、また別の場合では% Niが4.2%から9.5%であることが求められることがわかっている。
本発明の鋼鉄では、%Siが最低でも0.01%超、もしくは0.13%超、または0.22%超、または0.38%超であることが求められることがわかっている。より高い含有が求められる際には、%Siが最低でも0.67%超、もしくは0.87%超、または12%超、または1.51%超であることが求められることがわかっている。場合によっては、1.63%超であることが求められる場合もある。本発明におけるある実施において%Siが求められるものの阻害剤になる場合、%Siが2%未満、もしくは1.67%未満、または1.34%未満、より望まれるは0.99%未満であることが求められることがある。より精巧な要求がなされる場合では%Siはできうる限り低く抑えられていなくてはならない。そのような場合では、%Siが0.53%未満、もしくは0.33%未満、または0.24%未満、より望まれるは0.12%未満であることが求められることがある。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
ある用途では、%Siが0%から1.8%、または0%から1.6%、また別の場合では% Siが0%から1.4%であることが求められることがわかっている。
また、%Siの含有が求められる場合の用途では、%Siが0.001%から2%、または0.001%から1.9%、また別の場合では% Siが0.01%から1.7%であることが求められることがわかっている。
%Mnにつて本発明の合金の用途によっては、%Mnが最低でも0.12%超、もしくは0.27%超、または0.46%超、または0.71%超であることが求められることがわかっている。より高い含有が求められる際には、%Mnが最低でも0.92%超、もしくは1.41%超、または1.63%、より望ましくは2.57%超であることが求められることがわかっている。また本発明の別の場合では、%Mnが3.01%未満、もしくは2.43%未満、または1.97%未満、より望まれるは1.11%未満であることが求められることがある。用途の最終的な目的によっては、%Mnが0.94%未満、もしくは0.73%未満、または0.62%未満、より望まれるは0.48%未満であることが求められることがある。ある特性の阻害が懸念される場合のようにさらに低い含有量が求められ際は、%Mnが0.37%未満、もしくは0.29%未満、または0.17%未満、より望まれるは0.14%未満であることが求められることがある。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
ある用途では、%Mnが0.001%から3%、または0.0015%から2.7%、また別の場合では%Mnが0.01%から2.4%であることが求められることがわかっている。また、%C<0.3である際の用途によっては、%Mn+%Siが0.2%超、もしくは0.25%超、または0.3%超であることが求められることがわかっている。
%Vについてこれの含有率が低い用途において、%Vが最低でも0.14%超、もしくは0.57%超、または0.61%超、場合によっては0.69%超であることが求められることがわかっている。中程度の含有が求められる場合、%Vが最低でも0.72%であることが求められる。
%C が0.3%未満である場合は、%Tiが0.09%未満であることがより適する場合がある。
%C が0.75%から1.6%である用途において、%Cr が4.8%超である場合、%Niが5.1%超であることがより適する場合がある。
用途によっては、%Cr+%V+%Mo+%Wが2.6%超、もしくは3%超、もしくは4.1%超であることが望ましい。
用途によっては、%Al+%Mo+%Tiが0.7%,超、もしくは0.9%超、また別の場合では1.1%超、または1.5%超であることが望ましい。
すなわち、本発明の上記の用途における最適な実施では以下の合金の組成が求められる。
%Cr+%V+%Mo+%W>3% かつ %Al+%Mo+%Ti>0.7%
他の上記の用途における最適な実施では、
%Cr+%V+%Mo+%W>3%かつ %Al+%Mo+%Ti>0.9%
他の上記の用途における最適な実施では、
%Cr+%V+%Mo+%W>3% かつ %Al+%Mo+%Ti>1.1%
他の上記の用途における最適な実施では、
%Cr+%V+%Mo+%W>3% かつ %Al+%Mo+%Ti>1.5%
SおよびTeまたはそのいずれかが含有されて場合の用途においては、Te/Sが0.04%未満、また別の場合では0.02%未満であることが望ましいことがわかっている。
ある用途では、%Si+%Ti+%P+%S+%Mn+%W+%Hf+%Ti+%Cu+%Sn+%Nb+%Pb+%Cs+%Ta=0−9.8%であることが本発明にとって最適であることがわかっている。
ある用途では %Ceq=0.25 − 0.44かつ %Ti+%Hf+%Zr+%Ta <0.1 なら %V<0.85
といいう条件によって置換可能である
という条件が %Ceq=0.25 − 0.44かつ %Ti+%Hf+%Zr+%Ta <0.08ならば %V<0.80%。
という条件が %Ceq=0.25 − 0.44かつ %Ti+%Hf+%Zr+%Ta <0.08ならば %V<0.78%。
という条件が %Ceq=0.25 − 0.44かつ %Ti+%Hf+%Zr+%Ta <0.08ならば %V=0.01−0.80%。
という条件が %Ceq=0.25 − 0.44かつ %Ti+%Hf+%Zr+%Ta <0.08ならば %V=0.01−0.78%。
ある用途において、%Cuが0.01%超含有されていることから利益がある。このような場合では%Cuが0.01%超、もしくは0.1%超、もしくは0.2%超、もしくは0.4%超、または0.6%超であることが求められる。また別の同様の場合では、%Cuは0.8%超であることが求められ、もしくは0.9%超、より望まれるは1.1%超であることがわかっている。さらに要求の高い用途では、さらに高い%Cuの含有が求められる。このような場合では、%Cuが最低でも1.6%超、もしくは2.4%超、または2.9%超、または3.1%超であることが求められる。他方、本発明におけるある用途では、%Cuが3.7%未満、もしくは3.1%未満、または2.6%未満、より望まれる1.9%未満であることが求められることがある。また、他の用途では、%Cuが1.4%未満、もしくは0.8%未満、または0.6%未満、より望まれる0.2%未満であることが求められることがある。%Cuが組成中に存在しないことが求められる場合もある。
ある用途では、%Cuが0%から3.4%、または0%から1.8%、また別の場合では% Cuが0.01%から1.6%であることが求められることがわかっている。
ある用途では、%Cu+%Co+%Al+%Ti>0.6、または%Cu+%Co+%Al+%Ti>0.8、また別の用途では%Cu+%Co+%Al+%Ti>1.1であることが有益であることがわかっている。
上述のいずれの用途も鋼鉄の異なる組成に対応し、また、それぞれの特性が両立しうる限り、任意の組み合わせで本稿に記載された他の組成の実施と組み合わせることができる。
別の本発明の適した実施は以下の組成を有した鋼鉄に対応する。すべての割合は重量パーセントである。
残りは鉄および微量元素からなり、
上記の条件下で: %Ceq = %C + 0.86*%N + 1.2*%B;
本発明は、大きな断面についても高レベルの靭性を得られる上記の組成においての鋼鉄に関するという側面も持つ。ある実施では、上記の組成における鉄鋼は熱間加工鋼であり、またその他の実施においては、マルテンサイト系である。またある実施での上記の組成における鉄鋼は、ベイナイト系である。
本稿の意味において、特に指示のない限り、微量元素は2%未満の量の任意の元素を指す。用途によっては、微量元素は1.4%未満であることが適当であり、また、0.9%未満であることがより適当で、0.78%未満であることが理想的である。単体または化合物であるH, Li, Na, K, Rb, Cs,Fr, Be, Mg, Ca, Sr, Ba, Ra, Sc, Y, La, Ac, Tc, Re, Ru, Os, Rh, Ir, Pd, Pt, Ag, Au, Zn, Cd, Hg, Ga, In, Tl, Ge, Sn, Pb, As, Sb, Bi, O, S, Se, Te, Po, F, Cl, Br, I, At, He, Ne, Ar, Kr, Xe, Rn, Ce, Pr, Nd, Pm, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu,Th, Pa, U, Np, Pu, Am, Cm, Bk, Cf, Es, Fm, Md, No, Lrが微量元素である元素と考えることができる。ある用途では、ある微量元素または微量元素一般は特定の関連する特性(例えば、熱伝導率や靭性)にとって大きな問題になり得る。このような用途では、微量元素を0.4%未満であることが適当である。もしくは0.2%未満、または0.14%未満であることが望まれ、さらには0.06%未満に保つことが理想的である。言うまでもなく、一定量以下であることは要素がないことも含まれる。 多くの場合、微量元素のほとんどが存在しない、またはすべてが存在しないことが明らかまたは望ましい。前述したように、すべての微量元素は単一の物質とみなされる。したがって、非常に多くの場合、異なる微量元素は異なる最大重量割合許容値を有する。微量元素は、コスト削減を含む特定の機能を検索するため、意図的に添加されることがある。または、その存在(存在する場合)は意図的でなく、主に合金元素の不純物および合金製造の際の廃棄物に関連する可能性がある。異なる微量元素が存在する理由は、同一の合金製造過程に対して異なることがある。
本発明者らによってある用途で微量元素の合計含有量が2.0%以下、他の用途では1.4%以下、別の用途では0.8%以下、また別の用途では0.2%以下、その他の用途では0.1%以下か0.06%以下であることが望ましいことを発見した。
また、本発明者らによって個々の微量元素の含有量が、ある用途では2.0%未満の含有量、他の用途では1.4%未満、別の用途では0.2%未満、また別の用途では0.8%未満、その他の用途では0.1%未満または0.06%未満であることが望ましいことが発見された。
基本的に上記の本発明の鋼鉄の用途では、%Cは0.21%超、または0.51%超、または0.6%超、より望まれるは0.72%超であることが望まれる。最終的な用途によっては、%Cは0.82%超、または0.9%超、または1.12%超、より望まれるは1.20%超であることが望まれる。例えば耐摩耗性が他の特性より重要視される場合といった、高い%Cが求められる場合、%Cは1.6%超、または2.1%超、または2.8%超、より望まれるは3.2%超であることが望まれる。他方で、%Cの含有量が高すぎると他の欠点が現れるため、最終的な要求によってバランスをとらなくてはならない。例えば、%Cが高すぎると、適用される熱処理に関係なく、所望の特性を得られることや炭化物(窒化物、ホウ化物、酸化物またはそれらの組み合わせ)の完全な形成が不可能になる。よって、%Cが3.4%未満、または2.9%未満、または2.3%未満、より望まれるは1.9%未満に維持されることが求められる場合がある。高靭性が要求されるといった高い要求か課される用途においては、%Cの含有量に対して非常に注意を払わなくてはならない。このような場合において、%Cが1.8%未満、または1.6%未満、または1.2%未満、より望まれるは0.9%未満に維持されることが求められる。
基本的に上記の本発明の鋼鉄の用途では、%Ceqは0.21%超、または0.51%超、または0.59%超、より望まれるは0.7%超であることが望まれる。最終的な用途によっては、%Ceqは0.8%超、または0.9%超、または1.1%超、より望まれるは1.2%超であることが望まれる。例えば耐摩耗性が他の特性より重要視される場合といった、高い%Ceqが求められる場合、%Ceqは1.6%超、または2.1%超、または2.8%超、より望まれるは3.2%超であることが望まれる。他方で、%Ceqの含有量が高すぎると他の欠点が現れるため、最終的な要求によってバランスをとらなくてはならない。よって、%Ceqが3.4%未満、または2.9%未満、または2.3%未満、より望まれるは1.9%未満に維持されることが求められる場合がある。高靭性が要求されるといった高い要求か課される用途においては、%Ceqの含有量に対して非常に注意を払わなくてはならない。このような場合において、%Ceqが1.8%未満、または1.6%未満、または1.2%未満、より望まれるは0.9%未満に維持されることが求められる。
このような場合において、上記の本発明の合金の組成については、%Nが0.008%超、もしくは0.08%超、または0.1%超、または0.3%超であることが、最終的な用途によっては求められる。他方、用途によっては高すぎる%Nは望まれない。よって、本発明において、%Nは0.6%未満、もしくは0.35%未満、または0.1%未満、より望まれるは0.01%未満に抑えられていなくてはならない。また、本発明の実施によっては、%Nが組成中に存在しないことが求められる場合もある。
このような場合においての上記の本発明の合金の応用では、%Bが0.08%超、もしくは0.3%超、または1.2%超、または2.1%超であることが最終的な用途によっては求められる。他方、用途によっては高すぎる%Nは望まれない。よって、本発明において、%Nは2.8%未満、もしくは1.7%未満、または0.8%超、より望まれるは0.1%未満に抑えられていなくてはならない。また、本発明の実施によっては、%Bが組成中に存在しないことが求められる場合もある。
別の炭化物形成剤として使用される元素に%Crがある。最終的な目的によってこれが使用される場合、ある上記の組成における実施では、%Crが最低でも1.3%超、もしくは2.6%超、または3.4%超であることが求められる。この場合よりもさらに高い場合では、%Crは少なくとも4.1%であることが求められ、もしくは4.6%超、または5.1%超、より望まれるは5.6%超であることがわかっている。そのほかにも、%Crが6.1%超、もしくは6.7%超、または7.2%超であることが求められる場合もある。他方、本発明におけるある実施では、%Crが9.4%未満、もしくは8.6%未満、または7.9%未満、より望まれるは6.4%未満であることが求められることがある。より低いの含有が望まれる実施際には、%Crが4.4%未満、もしくは2.7%未満、または1.9%未満であることが求められることがある。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
特定の用途では、%Crが0%から9.7%、別の場合では0%から8.6%、また別の場合では% Crが0%から7.9%であることが求められることがわかっている。
このような場合においての上記の本発明の合金の応用では、%Niが0.01%超、もしくは0.7%超、または1.1%超、または1.6%超であることが求められる。最終的な用途において焼入硬化性といったものが求められる場合は、%Niが2.6%超、もしくは3.1%超、または4.6%超、または5.3%超であることが求められる。また、別の用途においては、%Niが6.1%超、もしくは6.7%超、または7.1%超、または7.6%超であることが求められる。他方、用途によっては高すぎる%Niは望まれない。よって、上記の本発明の合金の応用では、%Niが9.8%未満、もしくは8.4%未満、または7.3%未満、または6.9%未満に抑えられていることが求められることがわかっている。最終的な用途によっては、%Niが6.3%未満、もしくは5.8%未満、または4.3%未満、または2.3%未満に抑えられていることが求められることがわかっている。また、熱伝導性などが重要視される場合では、%Niが2.1%未満、もしくは1.4%未満、または0.4%未満、または0.1%未満に抑えられていることが求められることがわかっている。%Niが組成中に存在しないことが求められる場合もある。
ある用途では、%Niが0%から9.6%、または0%から8.6%、また別の場合では% Niが0.01%から7.9%であることが求められることがわかっている。
最終的な用途において、ある特殊な特性をえるために%Siの含有が本発明の鋼鉄に必要な場合、%Siが少なくとも0.01%、または0.1%超、または0.3%超、または0.6%超であることが求められる。高い%Siの含有が求められる際には、%Siが少なくとも0.9%、または1.1%超、または1.6%超、または1.8%超であることが求められる。%Siが用途において有害である場合、%Siが2.1%未満、または1.6%未満、または1.2%未満、または0.9%未満であることが求められる。より高度な要求がなされる場合、例えば鋼鉄の清浄度の最適化や靭性の向上などが求められる際には、%Siが0.8%未満、または0.6%未満、または0.2%未満、または0.1%未満であることが求められる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
ある用途では、%Si が0%から1.9%、また別の場合では通常、0%から1.4%であることが求められる。また求められる%Siの下限が高いこともあり、そのような場合では、%Siが0.01%から1.4%、もしくは0.1%から1.2%であることが望まれることがわかっている。
これに加えて、%Mnも上記の本発明の応用を制御するにあたり重要な元素である。本発明のある実施において、%Mnが0.001%超、もしくは0.1%超、または0.3%超、または0.6%超であることが求められる。最終的な用途によっては、%Mnが1.2%超、もしくは1.6%超、または2.2%超、または3.1%超であることが求められる。また、本発明において、%Mnが5.6%未満、もしくは4.9%未満、または4.3%未満、または2.6%未満に抑えられていることが求められることがわかっている。最終的な用途によっては、%Mnが1.9%未満、もしくは1.4%未満、または0.8%未満、または0.3%未満に抑えられていることが求められることがわかっている。%Mnが組成中に存在しないことが求められる場合もある。
ある用途では、%Mnが0%から4.6%、または0%から3.8%、また別の場合では% Mnの下限が比較的高いことが求められる。このような場合では、%Mnが0.01%から3.9%、もしくは0.1%から3.4%であることが求められることがわかっている。
%Alはまた別の用途で使用されることがある。本発明の上記の鋼鉄では、最終的に求められるよっては、%Alの含有が望まれる場合がある。例えば%Alは硬度といった他の特性よりも重要視する特徴の促進元素として利用されるといった場合など、あまり高くない程度での含有が適する場合もある。このような場合、%Alが少なくとも0.1%、または0.3%超、または0.4%超、より望まれるは0.6%超であることが求められる。また%Alが高温での酸化および脱炭に対する保護膜として使用される場合のような、低い程度から中程度の含有が求められる際には、%Alが0.7%あたりの保持、または1.1%超、または1.6%超、より望まれるは1.9%超であることが求められる。他方、%Alがある効果の阻害になる場合がある。このような場合でかつ他の側面を考慮せねばならな場合では、%Alが2.3%未満、または1.9%未満、または1.4%未満、より望まれるは0.9%未満に抑えられている必要がある。またさらに高度な要求がなされる場合では、%Alが0.7%未満、または0.4%未満、または0.3%未満、より望まれるは0.1%未満に抑えられている必要がある。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
あるいくつかの用途では、%Alが0%から1.9%、通常、0%から1.6%、別の場合では0% から1.4%であることが望まれることがわかっている。%Alが少なくとも0.01%含有されていることが適している用途もあることがわかっている。このような場合では、%Alが0.01%から2.4%、または0.1%から2.1%、もしくは0.1%から1.8%であることが求められる。
%Moが炭化物形成剤として使用される場合がある。このような場合の上記の本発明の鋼鉄の組成において、%Moが少なくとも0.1%、または0.3%超、または0.9%超、より望まれるは1.3%超であることが求められる。他の用途では、%Moが少なくとも1.8%、または2.4%超、または2.8%超、より望まれるは3.2%超であることが求められる。最終的な用途によっては、%Moは8.4%未満、または7.6%未満、または6.4%未満、より望まれるは4.8%未満に抑えられていることが望まれる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
あるいくつかの用途では、%Moが0%から7.6%、通常、0%から6.4%、別の場合では0% から5.6%であることが望まれることがわかっている。%Moの下限が比較的高いことが求められる場合では、%Moが0.01%から4.6%、もしくは0.1%から3.7%であることが求められる。
磨耗性の対策として%Wが炭化物形成剤として使われる際、%Wが少なくとも0.01%、または0.3%超、または0.8%超、より望まれるは1.1%超であることが求められる。また別の実施の場合、%Wが少なくとも1.3%、または1.6%超、または1.9%超、より望まれるは2.3%超であることが求められる。また、最終的な用途によっては、%Wは4.3%未満、または3.6%未満、または2.9%未満、より望まれるは2.1%未満に抑えられていることが望まれる。また、%Wの低い含有が望まれる際、%Wは1.8%未満、または1.3%未満、より望まれるは0.8%未満に抑えられていることが望まれる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
あるいくつかの用途では、%Wが0%から4.6%、または%Wが0%から3.7%、また別の場合では0%から2.8%であることが望まれる。また、別の用途では、%W含有量の所望される範囲における下限か高い場合がある。このような場合、%Wは通常、0.01%から4.6%、または0.1%から3.7%であることが望ましいことがわかっている。
上記の本発明の鋼鉄の用途では、最終的に求められるよっては、%Tiの含有が望まれる場合がある。このような場合では、%Tiが少なくとも0.01%、または0.1%超、または0.3%超、より望まれるは0.6%超であることが求められる。また別の用途においては、%Tiが少なくとも0.8%、または1.1%超、または1.3%超、より望まれるは1.6%超であることが求められる。高い%Tiの含有がが求められない場合、%Ti は1.8%未満、または1.4%未満、または1.1%未満、より望まれるは0.8%未満に抑えられることが求められる。またの同様の条件下における要求の高い場合には、%Ti は0.6%未満、または0.4%未満、または0.2%未満、より望まれるは0.01%未満に抑えられることが求められる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
あるいくつかの用途では、%Tiが0%から1.6%、また別の場合では0%から 1.3%であることが望まれる。また、別の用途では、%Ti含有量の所望される範囲における下限か高い場合がある。このような場合、%Tiは通常、0.1%から1.3%、または0.01%から0.9%であることが望ましいことがわかっている。
またある用途では、%Ti+%Nb+%Hf+%Zr+%Ta+%Alが0.001%超、または0.01%超、さらに望まれるは0.1%超であることが求められることがわかっている。
また、ある用途では%Ti+%Nb+%Hf+%Zr+%Ta+%Al = 0−4、または%Ti +%Nb+ %Hf + %Zr + %Ta + %Al = 0.01−4、%Ti+%Nb+%Hf+%Zr+%Ta+%Al = 0.1−3%であることが求められる。
本発明の実施の中には、%Nb、%Hf、%Zr、もしくは%Taが組成中に存在しないことが望まれる場合もある。
またある用途では、%Nb+%Hf+%Zr+%Taが0.001%超、または0.01%超、さらに望まれるは0.1%超であることが求められることがわかっている。
また、ある用途では %Nb+%Hf+%Zr+%Ta = 0−4、または%Nb+%Hf + %Zr + %Ta = 0.01−4、 %Nb+%Hf+%Zr+%Ta = 0.1−3%であることが求められる。
%Vについては、ある用途では%Vが少なくとも0.01%、または0.1%超、または0.3%超、さらに望まれるは0.9%超であることが求められる。%Vの含有率が中程度の実施では、%Vが少なくとも1.3%、または1.9%超、または2.4%超、さらに望まれるは3.1%超であることが求められる。高い%Vの含有率が求められる際には、%Vが少なくとも3.8%、または4.3%超、または5.1%超、さらに望まれるは7.3%超であることが求められる。ある用途においては、%Vが9.1%未満、または8.4%未満、または7.6%未満、もしくは6.3%未満であることが求められる。他の望まれる含有率の範囲では、%Vが4.9%未満、または3.7%未満、または2.8%未満、もしくは1.6%未満であることが求められる。低い%Vの含有率が求められる際には、%Vが1.2%未満、または0.8%未満、または0.4%未満、もしくは0.2%未満であることが求められる。また別の場合では、%Vが0.1%未満、もしくは0.01%未満であることが求められる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
あるいくつかの用途では、%Vは0%から7.9%、また別の用途では多くの場合、% V は0%から6.7%であることが望まれることがわかっている。また、%Vの下限が比較的高いことが求められる場合では、%Vが0.1%から8.3%、もしくは0.01%から7.2%であることが求められる。
最終的な用途によっては、%Cuが求められる上記の鋼鉄の組成もあり、このよう場合では、%Cuが少なくとも0.001%、または0.01%超、または0.1%超、さらに望まれるは0.4%超であることが求められる。また別の用途の例では、%Cuが少なくとも0.6%超、または0.9%超、または1.1%超、さらに望まれるは1.3%超であることが求められる。他方、用途によっては高い%Cuは望まれない。この場合、%Cuが1.7%未満、または1.3%未満、もしくは0.9%未満、または0.8%未満であることが求められる。また、さらに要求が高い場合においては、%Cuが0.6%未満、または0.3%未満、または0.1%未満、もしくは0.09%未満であることが求められる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
あるいくつかの用途では、%Cuは0%から1.7%、また別の用途では多くの場合、% Cu は0%から1.2%であることが望まれることがわかっている。また、%Cuの下限が比較的高いことが求められる場合では、%Cuが0.01%から1.4%、もし%Tiくは0.01%から1.2%であることが求められる。
本発明のある合金において、%Coが求められる場合がある。例えば高温状態での焼戻しに対する抵抗性が求められるような場合、%Coが少なくとも0.14%、または0.29%超、または0.54%超、より望まれるは0.6%超であることが求められる。求められる最終的な特性によっては、%Coが少なくとも0.8%超、または0.9%超、または1.2%超、より望まれるは1.6%超であることが求められる。また別の用途では、%Coが1.9%超、または2.7%超、または3.2%超、より望まれるは4.4%超であることが求められる。他方、%Coは鋼鉄の臨界冷却速度を増加させ、パーライト変態を加速し、これにより鋼鉄の焼入硬化性を低下させる。これによりは%Coが高すぎることは用途によっては適さない。この場合の本発明の応用では、%Coは6.8%未満、または5.9%未満、または4.7%未満、より望まれるは3.4%未満に抑えられることが求められる。求められる最終的な特性によっては、%Coは2.8%未満、または1.9%未満、または1.4%未満、より望まれるは1.1%未満に抑えられることが求められる。さらに含有の程度が低いことが求められる場合、%Coは0.8%未満、または0.6%未満、または0.44%未満、より望まれるは0.12%未満に抑えられることが求められる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
あるいくつかの用途では、%Coが0%から6.4%であることが望まれる。また、別の用途では、%Co含有量の所望される範囲における下限か高い場合がある。このような場合、%Coは通常、0.01%から5.3%、または0.1%から4.6%であることが望ましいことがわかっている。
上記の鋼鉄の組成の実施において、%Pが少なくとも1.6%超、または1.8%超、または2.1%超、さらに望まれるは2.3%超であることが求められる。また比較的%Pの含有が高いことが求められる別の用途の例では、%Pが少なくとも2.6%超、または3.2%超、または4.3%超、さらに望まれるは5.1%超であることが求められる。また、別の用途では、%Pが少なくとも5.8%超、または6.3%超、または6.9%超、さらに望まれるは7.4%超であることが求められる。他方、用途によっては高い%Pは望まれない。この場合の上記の組成の用途については、%Pが9.2%未満、または8.6%未満、もしくは7.4%未満、または6.8%未満であることが求められる。また、最終的な用途によっては、%Pが6.2%未満、または5.7%未満、または4.4%未満、もしくは3.6%未満であることが求められる。また別の場合では、%Pが2.9%未満、または2.3%未満、または2.1%未満、もしくは1.9%未満であることが求められる。
あるいくつかの用途では、%Pが1.7%から9.4%であることが望まれる。また、別の用途では、%Pは通常、1.7%から8.6%、または1.9%から7.9%であることが望ましいことがわかっている。
また、ある用途では、%Co+%Cu+%V+%Ti+%P>1.6%、また別の場合では%Co+%Cu+%V+%Ti+%P>1.8%、または%Co+%Cu+%V+%Ti+%P>2.1%であることが有益であるとわかっている。
ある用途では、%Cu+%Co+%Al+%Ti>0.01%、別の場合%Cu+%Co+%Al+%Ti>0.1%、もしくは%Cu+%Co+%Al+%Ti>0.2%であることが求められることがわかっている。
また、ある用途では%V+%Al+%Ti>0.001%、または%V+%Al+%Ti>0.01%、別の用途ではs %V+%Al+%Ti>0.1%であることが有益であるとわかっている。
いくつかの上記の鋼鉄は従来のステンレス鋼以上の耐食性を持つことがわかっている。
上述のいずれの用途も鋼鉄の異なる組成に対応し、また、それぞれの特性が両立しうる限り、任意の組み合わせで本稿に記載された他の組成の実施と組み合わせることができる。
したがって本発明の別の適当な実施では、鋼鉄はすべての割合が重量パーセントで表された以下の組成を持つ。
残りは鉄および微量元素からなり、
上記の条件下で: %Ceq = %C + 0.86*%N + 1.2*%B;
上記の条件下で: %Al+%Si+%Cr+%Ti+%Zr>0.41%;
本発明は、大きな断面についても高レベルの靭性を得られる上記の組成においての鋼鉄に関するという側面も持つ。ある実施では、上記の組成における鉄鋼は熱間加工鋼であり、またその他の実施においては、マルテンサイト系である。またある実施での上記の組成における鉄鋼は、ベイナイト系である。
本稿の意味において、特に指示のない限り、微量元素は2%未満の量の任意の元素を指す。用途によっては、微量元素は1.4%未満であることが適当であり、また、0.9%未満であることがより適当で、0.78%未満であることが理想的である。単体または化合物であるH, Li, Na, K, Rb, Cs,Fr, Be, Mg, Ca, Sr, Ba, Ra, Ac, Tc, Re, Ru, Os, Rh, Ir, Pd, Pt, Ag, Au, Zn, Cd, Hg, Ga, In, Tl, Ge, Sn, Pb, P, As, Sb, Bi, O, S, Se, Te, Po, F, Cl, Br, I, At, He, Ne, Ar, Kr, Xe, Rn, Th, Pa, U, Np, Pu, Am, Cm, Bk, Cf, Es, Fm, Md, No, Lrが微量元素である元素と考えることができる。ある用途では、ある微量元素または微量元素一般は特定の関連する特性(例えば、熱伝導率や靭性)にとって大きな問題になり得る。このような用途では、微量元素を0.4%未満であることが適当である。もしくは0.2%未満、または0.14%未満であることが望まれ、さらには0.06%未満に保つことが理想的である。言うまでもなく、一定量以下であることは要素がないことも含まれる。 多くの場合、微量元素のほとんどが存在しない、またはすべてが存在しないことが明らかまたは望ましい。前述したように、すべての微量元素は単一の物質とみなされる。したがって、非常に多くの場合、異なる微量元素は異なる最大重量割合許容値を有する。微量元素は、コスト削減を含む特定の機能を検索するため、意図的に添加されることがある。または、その存在(存在する場合)は意図的でなく、主に合金元素の不純物および合金製造の際の廃棄物に関連する可能性がある。異なる微量元素が存在する理由は、同一の合金製造過程に対して異なることがある。
本発明者らによってある用途で微量元素の合計含有量が2.0%以下、他の用途では1.4%以下、別の用途では0.8%以下、また別の用途では0.2%以下、その他の用途では0.1%以下か0.06%以下であることが望ましいことを発見した。
また、本発明者らによって個々の微量元素の含有量が、ある用途では2.0%未満の含有量、他の用途では1.4%未満、また別の用途では0.8%未満、別の用途では0.2%未満、その他の用途では0.1%未満または0.06%未満であることが望ましいことが発見された。
用途によって、Nb、 Co、 Lu、 La 、 Ce、 Nd、 Gd、 Sm、 Y、 Pr、 Sc、 Pm、 Eu、 Tb、 Dy、 Ho、 Er、 TmまたはYbといった元素の組成中の有無は任意である。特定の特性を向上させるためにこれらの任意の元素のうちの1つ以上を、異なる重量パーセンテージで鋼鉄に添加することができるが、それと同時に鋼鉄の組成中にそれらの全てを有することは絶対ではなく、また、それらをそれらの最大表示含有量で組み合わせることは必須ではない。いずれの場合も、鋼鉄の組成中の全元素の合計は100%とする。
基本的に上記の本発明の鋼鉄の用途では、%Cは0.21%超、または0.51%超、または0.6%超、より望まれるは0.72%超であることが望まれる。最終的な用途によっては、%Cは0.82%超、または0.95%超、または1.12%超、もしくは1.20%超であることが望まれる。例えば耐摩耗性が他の特性より重要視される場合といった、高い%Cが求められる場合、%Cは1.26%超、より望まれるは1.41%超、または1.62%超、より望まれるは1.72%超であることが望まれる。他方で、%Cの含有量が高すぎると他の欠点が現れるため、最終的な要求によってバランスをとらなくてはならない。例えば、%Cが高すぎると、適用される熱処理に関係なく、所望の特性を得られることや炭化物(窒化物、ホウ化物、酸化物またはそれらの組み合わせ)の完全な形成が不可能になる。よって、%Cが2.6%未満、または2.02%未満、または1.93%未満、より望まれるは1.87%未満に維持されることが求められる場合がある。高靭性が要求されるといった高い要求か課される用途においては、%Cの含有量に対して非常に注意を払わなくてはならない。このような場合において、%Cが1.81%未満、または1.79%未満、または1.21%未満、より望まれるは0.9%未満に維持されることが求められる。
基本的に本発明の鋼鉄の用途では、%Ceqは0.21%超、または0.51%超、または0.59%超、より望まれるは0.72%超であることが望まれる。最終的な用途によっては、%Ceqは0.82%超、または0.95%超、または1.12%超、より望まれるは1.20%超であることが望まれる。高い%Ceqが求められる場合、%Ceqは1.26%超、または1.41%超、または1.62%超、より望まれるは1.72%超であることが望まれる。他方で、%Ceqの含有量が高すぎると他の欠点が現れるため、最終的な要求によってバランスをとらなくてはならない。よって、%Ceqが2.6%未満、または2.02%未満、または1.93%未満、より望まれるは1.87%未満に維持されることが求められる場合がある。高靭性が要求されるといった高い要求か課される用途においては、%Ceqの含有量に対して非常に注意を払わなくてはならない。このような場合において、%Ceqが1.81%未満、または1.79%未満、または1.21%未満、より望まれるは0.9%未満に維持されることが求められる。
多くの用途では、許容される%C置換量はかなり小さい。そのため、%Cが0.42%超、好ましくは0.76%超、より好ましくは1.02%超、さらにより好ましくは1.23%超であることが望まれる。上記の一般的な%C および%Ceqの限界量はここで直接的に適応可能である。
%Ceqが0.42%から2.7%、多くの場合では0.46%から 2.7%、また、別の用途では0.53%から2.4%。であることが望ましいことがわかっている。
%Cが0.42%から2.7%、多くの場合では0.46%から2.7%、また、別の用途では0.53%から2.4%。であることが望ましいことがわかっている。
このような場合において、本発明の合金の組成については、%Nが0.008%超、もしくは0.08%超、または0.1%超、または0.3%超であることが、最終的な用途によっては求められる。他方、用途によっては高すぎる%Nは望まれない。よって、本発明において、%Nは0.45%未満、もしくは0.3%未満、または0.1%未満、より望まれるは0.01%未満に抑えられていなくてはならない。また、本発明の実施によっては、%Nが組成中に存在しないことが求められる場合もある。
このような場合においての本発明の合金の応用では、%Bが0.08%超、もしくは0.3%超、または1.2%超、または2.1%超であることが最終的な用途によっては求められる。他方、用途によっては高すぎる%Nは望まれない。よって、本発明において、%Bは2.8%未満、もしくは1.7%未満、または0.8%超、より望まれるは0.1%未満に抑えられていなくてはならない。また、本発明の実施によっては、%Bが組成中に存在しないことが求められる場合もある。
これに加えて、%Mnも本発明の応用を制御するにあたり重要な元素である。本発明の合金において、%Mnが0.1%超、もしくは1.2%超、または2.8%超、または3.6%超であることが求められる。最終的な用途によっては、%Mnが4.8%超、もしくは6.4%超、または8.4%超、または9.3%超であることが求められる。また、本発明において、%Mnが11.2%未満、もしくは9.7%未満、または8.6%未満、または6.4%未満に抑えられていることが求められることがわかっている。最終的な用途によっては、%Mnが5.2%未満、もしくは4.8%未満、または3.6%未満、または2.8%未満に抑えられていることが求められることがわかっている。
ある用途では、%Mnが0%から9.6%、また別の場合では% Mnの下限が比較的高いことが求められる。このような場合では、%Mnが0.01%から8.4%、もしくは0.1%から8.4%であることが求められることがわかっている。
本発明の合金において、%Niが0.18%超、もしくは0.59%超、または1.1%超、または1.53%超であることが求められる。最終的な用途において焼入硬化性といったものが求められる場合は、%Niが3.2%超、もしくは3.6%超、または4.8%超、または5.46%超であることが求められる。また、別の用途においては、%Niが5.8%超、もしくは6.23%超、または6.79%超、または7%超であることが求められる。他方、用途によっては高すぎる%Niは望まれない。よって、本発明において、%Niが9.6%未満、もしくは8.8%未満、または7.6%未満、または7.1%未満に抑えられていることが求められることがわかっている。最終的な用途によっては、%Niが6.3%未満、もしくは5.8%未満、または4.3%未満、または2.3%未満に抑えられていることが求められることがわかっている。熱伝導性が求められるなどの用途では、%Niが2.1%未満、もしくは1.41%未満、または0.47%未満、または0.12%未満に抑えられていることが求められることがわかっている。%Niが組成中に存在しないことが求められる場合もある。
あるいくつかの用途では、%Niが0%から9.3%、%Niの含有量の下限が最低でも0.1%であることが要求される場合、%Niは通常、0.1%から9.3%、別の場合では0.1% から8%であることが望まれることがわかっている。
別の炭化物形成剤として使用される元素に%Crがある。最終的な目的によってこれが使用される場合、ある上記の組成における実施では、%Crが最低でも2.3%超、もしくは2.8%超、または3.6%超であることが求められる。この場合よりもさらに高い場合では、%Crは少なくとも5.6%であることが求められ、もしくは6.7%超、または6.8%超、より望まれるは7.34%超であることがわかっている。そのほかにも、%Crが8.4%超、もしくは9.24%超、または9.76%超であることが求められる場合もある。他方、本発明におけるある実施では、%Crが9.4%未満、もしくは8.6%未満、または8.76%未満、より望まれるは6.7%未満であることが求められることがある。
特定の用途では、%Crが2.4%から9.7%であることが求められる。%Crの含有量の下限が高いことが適する場合、%Cr は2.8%から9.3%、また別の場合では% Crが4.1%から9.1%であることが求められることがわかっている。
磨耗の対抗策として他の元素とともに%Wが使われる際、%Wが少なくとも0.55%、または0.89%超、または1.23%超、より望まれるは1.8%超であることが求められる。また別の実施の場合、%Wが少なくとも2.22%、または3.1%超、または3.73%超、より望まれるは4.1%超であることが求められる。また、求められる最終的な特性によっては、%Wは5.2%未満、または4.6%未満、または4.1%未満、より望まれるは3.5%未満に抑えられていることが望まれる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
あるいくつかの用途では、%Wが0%から5.9%であることが望まれる。また、別の用途では、%W含有量の所望される範囲における下限か高い場合がある。このような場合、%Wは通常、0.01%から4.6%、または0.1%から3.9%であることが望ましいことがわかっている。
%Moもまた炭化物形成剤として利用可能である。これより、%Moが少なくとも0.35%、または0.48%超、または0.96%超、より望まれるは1.3%超であることが求められる。との他の用途では、%Moが少なくとも1.8%、または2.4%超、または2.87%超、より望まれるは3.6%超であることが求められる。最終的な用途によっては、%Moは5.2%未満、または4.7%未満、または3.6%未満、より望まれるは2.8%未満に抑えられていることが望まれる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
あるいくつかの用途では、%Moが0%から5.4%であることが望まれることがわかっている。%Moの下限が比較的高いことが求められる場合では、%Moが0.01%から4.6%、もしくは0.1%から3.7%であることが求められる。
本発明のある合金において、%Coが求められる場合がある。例えば高温状態での焼戻しに対する抵抗性が求められるような場合、%Coが少なくとも0.14%、または0.29%超、または0.54%超、より望まれるは0.68%超であることが求められる。求められる最終的な特性によっては、%Coが少なくとも0.8%超、または0.97%超、または1.26%超、より望まれるは1.57%超であることが求められる。また別の用途では、%Coが1.9%超、または2.7%超、または3.2%超、より望まれるは4.4%超であることが求められる。他方、%Coは鋼鉄の臨界冷却速度を増加させ、パーライト変態を加速し、これにより鋼鉄の焼入硬化性を低下させる。これによりは%Coが高すぎることは用途によっては適さない。この場合の本発明の応用では、%Coは7%未満、または5.9%未満、または4.7%未満、より望まれるは3.4%未満に抑えられることが求められる。求められる最終的な特性によっては、%Coは2.8%未満、または1.9%未満、または1.4%未満、より望まれるは1.1%未満に抑えられることが求められる。さらに含有の程度が低いことが求められる場合、%Coは0.89%未満、または0.6%未満、または0.44%未満、より望まれるは0.12%未満に抑えられることが求められる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
あるいくつかの用途では、%Coが0%から6.4%であることが望まれる。また、別の用途では、%Co含有量の所望される範囲における下限か高い場合がある。このような場合、%Coは通常、0.01%から5.3%、または0.1%から4.6%であることが望ましいことがわかっている。
本発明の鋼鉄では、最終的に求められるよっては、%Tiの含有が望まれる場合がある。このような場合では、%Tiが少なくとも0.49%、または0.68%超、または0.82%超、より望まれるは0.99%超であることが求められる。また別の用途においては、%Tiが少なくとも1.32%、または1.67%超、または2.11%超、より望まれるは2.86%超であることが求められる。またさらに精巧な用途では、%Tiが3.5%超、または3.75%超、または4.8%超、より望まれるは4.8%超であることが求められる。%Tiが求められない場合、%Ti は6.4%未満、または5.47%未満、または4.66%未満、より望まれるは3.4%未満に抑えられることが求められる。またの同様の条件下における要求の高い場合には、%Ti は2.4%未満、または1.87%未満、または0.87%未満、より望まれるは0.24%未満に抑えられることが求められる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
あるいくつかの用途では、%Tiが0%から4.6%であることが望まれる。また、別の用途では、%Ti含有量の所望される範囲における下限か高い場合がある。このような場合、%Tiは通常、0.01%から4.2%、または0.1%から3.6%であることが望ましいことがわかっている。
%Alはまた別の用途で使用されることがある。本発明の鋼鉄では、最終的に求められるよっては、%Alの含有が望まれる場合がある。例えば%Alは硬度といった他の特性よりも重要視する特徴の促進元素として利用されるといった場合など、あまり高くない含有率で%Alが求められる場合もある。このような場合、%Alが少なくとも0.26%、または0.33%超、または0.43%超、より望まれるは0.53%超であることが求められる。また%Alが高温での酸化および脱炭に対する保護膜として使用される場合のような、低い程度から中程度の含有が求められる際には、%Alが0.78%あたりの保持、または1.22%超、または1.54%超、より望まれるは2.03%超であることが求められる。また%Alが中程度求められる際には、%Alが少なくとも2.94%、または3.47%超、または4.37%超、より望まれるは5.39%超であることが求められる。電導率を低く抑えることが求められる場合といった際には、高い%Alの含有率が求められる。このような場合には、密度を低く保つことが有効である。このような場合、%Alが6.2%超、または7.3%超であることが求められる。他方、%Alがある効果の阻害になる場合がある。このような場合でかつ他の側面を考慮せねばならな場合では、%Alが7%未満、または5.4%未満、または4.12%未満、より望まれるは2.8%未満に抑えられている必要がある。またさらに高度な要求がなされる場合では、%Alが1.5%未満、または0.89%未満、または0.43%未満、より望まれるは0.1%未満に抑えられている必要がある。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
%Al が最低でも0.1%求められる場合では、%Al は0. 1%から16.7%、もしくは0.1%から16.3%、または0.1%から15.9%であることが求められることがわかっている。
%Mnが%Alの値より高いことが求められることがある。このような場合で%C が1.65%未満である場合、%Mn−%Al <10.05%、または%Mn−%Al <9.7%、またある特定の場合では%Mn−%Al <9.3%であることが望ましい。
最終的な用途において、ある特殊な特性をえるために%Siの含有が本発明の鋼鉄に必要な場合、%Siが少なくとも0.34%、または0.87%超、または1.06%超、または1.57%超であることが求められる。高い%Siの含有が求められる際には、%Siが少なくとも1.99%、または2.47%超、または3.43%超、または3.87%超であることが求められる。%Siが用途において有害である場合、%Siが4%未満、または3.4%未満、または2.4%未満、または1.8%未満であることが求められる。より高度な要求がなされる場合、例えば鋼鉄の清浄度の最適化や靭性の向上などが求められる際には、%Siが1.05%未満、または0.73%未満、または0.54%未満、または0.22%未満であることが求められる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
ある用途では、%Si が0%から3.4%、また求められる%Siの下限が高いこともあり、そのような場合では、%Siが0.01%から2.8%、もしくは0.1%から1.8%であることが望まれることがわかっている。
%Cuが求められる本発明の鋼鉄もあり、このよう場合では、%Cuが少なくとも0.14%、または0.29%超、または0.54%超、さらに望まれるは0.68%超であることが求められる。最終的な用途によっては、%Cuが少なくとも0.87%超、または0.97%超、または1.26%超、さらに望まれるは1.57%超であることが求められる。その他の用途では、%Cuが1.9%超、または2.7%超、または3.2%超、さらに望まれるは4.4%超であることが求められる。他方、用途によっては高い%Cuは望まれない。この場合、%Cuが5.4%未満、または4.7%未満、または3.4%未満であることが求められる。また、最終的な用途によっては、%Cuが2.8%未満、または1.9%未満、または1.4%未満、もしくは1.1%未満であることが求められる。さらに%Cuが低く抑えられていることが必要な場合では、%Cuが0.89%未満、または0.6%未満、または0.44%未満、もしくは0.12%未満であることが求められる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
用途によっては%Cuが0%から4.8%であることが求められる。また、%Cuの含有率が低く抑えられていることが必要とされる場合は、通常、%Cuが0%から3.1%、もしっくは0% から2%であることが望まれることがわかっている。
%Vについては、ある用途では%Vが少なくとも0.14%、または0.57%超、または0.61%超、さらに望まれるは0.69%超であることが求められる。%Vの含有率が中程度の実施では、%Vが少なくとも0.72%、または0.83%超、または1.34%超、さらに望まれるは2.46%超であることが求められる。高い%Vの含有率が求められる際には、%Vの含有率が比較的高い実施では、%Vが少なくとも4.11%、または4.8%超、または5.68%超、さらに望まれるは7.61%超であることが求められる。またこれには上限があり、ある用途においては、%Vが12%未満、または10.98%未満、または8.74%未満、もしくは7.36%未満であることが求められる。他の望まれる含有率の範囲では、%Vが5.74%未満、または3.68%未満、または2.28%未満、もしくは1.32%未満であることが求められる。低い%Vの含有率が求められる際には、%Vが0.87%未満、または0.63%未満、または0.47%未満、もしくは0.24%未満であることが求められる。特殊な場合では、%Vが0.14%未満、または0.05%未満であることが求められる。%Cの含有が高い場合(0.45%超、もしくは0.46%超、さらより望まれるは0.57%超)の実施では、%Vの比較的高い値が求められる。このような場合では、%Vが少なくとも0.62%超、または0.69%超、または0.72%超、さらに望まれるは0.83%超であることが求められる。他方、%Vが12.3%未満、または11.4%未満、または9.47%未満、もしくは7.68%未満であることが求められる。%Crが2.71%、または3.15%超、または3.87%超、または4.99%超、または5.21%超であるといった比較的高い%Crが含有されている場合、%Vは低くあることが求められる。この際、%Vが0.58%未満、または0.47%未満、または0.34%未満、もしくは0.21%未満であることが求められる。もしくは組成中に存在しないことが求められる場合もある。
本発明の鋼鉄では、%Al+%Si+%Cr+%Vが少なくとも2%、または2.31%超、または2.54%超、さらに望まれるは2.87%超であることが求められる。%Alの存在下では、%Al+%Si+%Cr+%Vが少なくとも3.1%超、または3.4%超、または3.67%超、さらに望まれるは4%超であることが求められる。
ある用途では、%Al+%Si+%Cr+%Ti+%Zrが最低でも4.1%超、または5.2%超、もしくは6.1%超、より望まれるは8.2%超であることが求められいることがわかっている。
Ta、 Zr、 Hf 、 Nb、 La、 Ceが組成中における任意の元素である場合の実施があり、この中のひとつ以上の元素が含有されていなくても良い場合がある。
用途によっては、%Ta+%Zr+%Hf+%Nb+%La+%Ce =0−4.2%.であることが望ましい場合もある。
用途によっては、%Ta+%Zr+%Hf+%Nb+%La+%Ce =0−4.2=0−3.7%.であることが望ましい場合もある。
用途によっては、%Ta+%Zr+%Hf+%Nb+%La+%Ce =0−4.2=0−2.2%.であることが望ましい場合もある。
ある用途では、%Ta+%Zr+%Hf+%Nb+%La+%Ceが最低でも0.001%であることが望まれ、また別の用途では最低でも0.01%であることが求められる場合が多い。また他の用途ではTa+%Zr+%Hf+%Nb+%La+%Ceが少なくとも0.1%であることが求められる。
用途によっては、%Ta+%Zr+%Hf+%Nb+%La+%Ce =0.001−2.2%.であることが望ましい場合もある。
ある用途では、%Cr+%Cu+%Co が0.01%超、もしくは、普通%Cr+%Cu+%Co>0.1%であることがもとめられるが、別の場合では%Cr+%Cu+%Co>1.2%、またその他の場合では%Cr+%Cu+%Co>3.1%であることが求められることがわかっている。
用途によっては以下の範囲の値をとることが求められることがわかっている。
%Nb+ %Co+ %Lu+ %La +%Ce+%Nd+ %Gd+ %Sm+ %Y+ %Pr+ %Sc+ %Pm+%Eu+%Tb+ %Dy+ %Ho+ %Er+ %Tm+ %Yb= 0 − 10%
%Nb+ %Co+ %Lu+ %La +%Ce+%Nd+ %Gd+ %Sm+ %Y+ %Pr+ %Sc+ %Pm+%Eu+%Tb+ %Dy+ %Ho+ %Er+ %Tm+ %Yb= 0 − 8%
%Nb+ %Co+ %Lu+ %La +%Ce+%Nd+ %Gd+ %Sm+ %Y+ %Pr+ %Sc+ %Pm+%Eu+%Tb+ %Dy+ %Ho+ %Er+ %Tm+ %Yb= 0 − 6%
用途によっては以下の範囲の値をとることが求められることがわかっている。
%V+%Nb+%Sn+%Si+%Ti+%Co+%W+%Mo = 0−9.8%.
ある用途では、%V+%Nb+%Sn+%Si+%Ti+%Co+%W+%Mo = 0−9.8%かつ少なくとも0.001%、また%V+%Nb+%Sn+%Si+%Ti+%Co+%W+%Mo = 0−9.8% かつ少なくとも0.01%、また別のある特定の用途では%V+%Nb+%Sn+%Si+%Ti+%Co+%W+%Mo = 0−9.8%かつ少なくとも0.1%であることが求められることがわかっている。
以下の元素の値が最低限以下の値をとることが求められる場合があることもわかっている。
%V+%Nb+%Sn+%Si+%Ti+%Co+%W+%Mo = 0.1−9.8%.
上述のいずれの用途も鋼鉄の異なる組成に対応し、また、それぞれの特性が両立しうる限り、任意の組み合わせで本稿に記載された他の組成の実施と組み合わせることができる。
クエンチングをともなわない温度処理により著しい硬度の向上が可能である素材が用途によっては有用であることを見出した。また、基本的に機械的処理または成形(部分的な成形で硬質状態における成形処理も含む)後の素材を硬質化させるために必要なすべての温度はオーテスナイト化の際の温度未満にとどめることが可能である。このような状態を得る方法は、以下の範囲内と適切な熱処理における組成を適応することによる。
その他は鉄およ微量元素の以下の割合における構成による。
%Ceq = %C + 0.86*%N + 1.2*%B; かつ
%Zreq=%Zr+1/2 %Hf; かつ
%Moeq=%Mo+1/2%W; かつ
%Mn+%Zr+%Ta+%Hf+%Ti>4%.
本稿では、微量元素とは、特に記載されていない、もしくは含有量が0.9%以下である、あらゆる元素を指す。ある特定の用途では、微量元素が0.4%以下、もしくは0.18%以下、また別の用途では0.06%以下であることが必要である。前記の通り、これらは組成中に完全に含まない場合も含める。微量元素として考えられ得るものはH、Li、 Na, K, Rb, Fr, Be, Mg, Ca, Sr, Ba, Ra, Ac, Tc, Re, Ru, Os, Rh, Ir, Pd, Pt, Ag, Au, Zn, Cd, Hg, B, Ga, In, Tl, Ge, Sn, Pb, P, As, Sb, Bi, O, S, Se, Te, Po, F, Cl, Br, I, At, He, Ne, Ar, Kr, Xe, Rn, Th, Pa, U, Np, Pu, Am, Cm, Bk, Cf, Es, Fm, Md, No,Lrもしくはこれらの化合物である。多くの用途では、ほとんど、もしくは完全な微量元素の不在が、明らかであるかもしくは望まれる。前記の通り、それぞれの微量元素は単一の実体とみなされ、これにより本発明の多くの用途では、それぞれの微量元素はそれぞれ別の許容量を有する。技術的現状の項に記載されている機能性、もしくはコスト削減のため、微量元素を添加することもある。あるいは、微量元素(含有されている場合)の存在は偶発的なものであり、素材を製造するために使用される合金化やスクラップ要素の純度の欠如に関わる可能性がある。微量元素の含有の理由は同じ合金だとしても違いが出てくる。
本発明者らによってある用途で微量元素の合計含有量が2.0%以下、他の用途では1.4%以下、別の用途では0.8%以下、また別の用途では0.2%以下、その他の用途では0.1%以下か0.06%以下であることが望ましいことを発見した。
また、本発明者らによって個々の微量元素の含有量が、ある用途では2.0%未満の含有量、他の用途では1.4%未満、別の用途では0.2%未満、また別の用途では0.8%未満、その他の用途では0.1%未満または0.06%未満であることが望ましいことが発見された。
炭素相当材は関連する特性の大部分を決定する際に非常に重要である。高い耐摩耗性が求められる際、%Ceqは低すぎてはいけない。本開発のある実施では、%Ceq が0.31%超、また別の場合では0.46%超、また別の実施では0.61%超、また別の場合では0.81%超、もしくは0.92%超であることが望まれる場合もあることを本開発者は発見した。高靭性か高伸張性、またはそのいずれも求められる場合、%Ceqは高すぎないことが求められる。本開発のある実施では、%Ceq は1.98%未満、もしくは1.48%未満であることが望ましいことを本発明者は見出した。さらに、別の場合では%Ceqが0.98%未満、もしくは0.59%未満であることが求められる。
また用途によっては、%Ceqが0.22%から1.49%、別の場合では0.22%から 0.88%、また、別の用途では0.25%から0.38%であることが望ましいことがわかっている。
耐摩耗性が求められる場合、%Cの含有量が低すぎてはいけない。本発明の実施では、%C が0.31%超であることが求められることがわかっている。本発明の実施では、%C が0.46%超であることが求められることがわかっている。本発明の実施では、%C が0.61%超であることが求められることがわかっている。本発明の実施では、%C が0.81%超であることが求められることがわかっている。本発明の実施では、%C が0.92%超であることが求められることがわかっている。また、高靭性か高伸張性、またはそのいずれも求められる場合、%Cが高すぎないことが求められる。本発明のあつ実施では%Cが1.98%未満であることが求められる。本発明のあつ実施では%Cが1.48%未満であることが求められる。本発明のあつ実施では%Cが0.98%未満であることが求められる。本発明のあつ実施では%Cが0.59%未満であることが求められる。
%Cが0.22%から1.49%、別の場合では0.22%から 0.88%、また、別の用途では0.25%から0.38%であることが望ましいことがわかっている。
炭素相当材について、%Nの含有量が高すぎないことが望まれる場合がある。ある本発明の応用において、%N が0.09%未満。ある本発明の応用において、%N が0.004%未満、また別の場合、%Nが存在しないことが望まれることを本発明者は見出した。また、ある本発明の応用において%Nが焼入硬化性を向上させることがわかった。ある応用では、%N が0.06%超であることが望ましいことが明らかにされた。ある応用では、%N が0.11%超であることが望ましいことが明らかにされた。
また炭素相当材について、%Bの含有量が高すぎないことが望まれる。ある本発明の応用において、%B が0.03%未満。ある本発明の応用において、%B が0.019%未満。ある本発明の応用において、%B が0.009%未満、また別の応用においては%B が存在しないことが望まれることがわかった。特にフェライト変態の阻害によって、%Bが焼入硬化性を向上させることがわかった。この際、%B は0.002%超であることが望まれる。この際、%B は0.0042%超であることが望まれる。この際、%B は0.006%超であることが望まれる。
二次炭化物中のクロムの存在がほとんど常に大きな影響を及ぼしているため、クロムの含有量関連する特性の大部分を決定する上で非常に重要である。靭性を下げすぎずに高温状態で機械的抵抗性が求められる場合、%Cr は3.6%超であることが望ましいことが発見された。また別の場合では、%Cr が5.2%超であること、また別の実施におては6.5%超であることが求められる。高靭性か高伸張性、またはそのいずれも求められる場合、%Crが高すぎないことが望まれる場合がある。これは%V、%Mo、%Wのような炭化物形成剤の含有量が高い場合、特に注意が必要である。ある本発明の応用では、%Cr が9.5%未満であることが望まれることがわかっている。ある本発明の応用では、%Crが8.5%未満であることが望まれることがわかっている。ある本発明の応用では、%Cr が4.9%未満であることが望まれることがわかっている。
マンガン含有量本発明において非常に重要である。特に%Zr、 %Ti、 %Si、 %V、 または%Cr との組み合わせによって%Mnのある特定の含有率から、低温度における熱処理においても高い硬度の向上を得ることが可能であることが、本発明者によって明らかにされた。この臨界含有量は、合金中の他の元素の特定量に依存する。本発明の特定の応用について、%Mn が1.8%超であることが望まれることがわかっている。本発明の特定の応用について、%Mn が3.6%超であることが望まれることがわかっている。本発明の特定の応用について、%Mn が4.6%超であることが望まれることがわかっている。本発明の特定の応用について、%Mn が5.6%超であることが望まれることがわかっている。本発明の特定の応用について、%Mn が6.6%超であることが望まれることがわかっている。本発明の特定の応用について、%Mn が7.6%超であることが望まれることがわかっている。また、他の元素の合金中の含有量によっては、%Mnの高すぎる含有量は鋼鉄の加工の容易性に悪影響を与えることがわかっている。ある特定の本発明の応用では、%Mn は9.8%未満であることが望ましいことがわかっている。ある特定の本発明の応用では、%Mn は7.8%未満であることが望ましいことがわかっている。ある特定の本発明の応用では、%Mn は5.8%未満であることが望ましいことがわかっている。
ニッケルの含有量は、特に硬度の上昇や析出の制御に影響において、非常に重要な役割を果たす。本発明のある応用では、%Ni は0.25%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のある応用では、%Ni は1.52%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のある応用では、%Ni は2.52%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のある応用では、%Ni は3.02%超であることが望ましいことがわかっている。とくに靭性が他の特性よりも重要視される場合でにおいて、%Ni が高すぎないことが求められることがある。ある本発明の応用では、%Ni が4.8%未満であることが望ましいことがわかっている。ある本発明の応用では、%Ni が2.78%未満であることが望ましいことがわかっている。ある本発明の応用では、%Ni が0.49%未満であることが望ましいことがわかっている。
また別の場合では、組成中に%Niが存在しないことが求められることが本発明者によって明らかにされている。
ケイ素の含有量は、特に硬度の上昇や析出の制御に影響において、非常に重要な役割を果たす。本発明のある応用では、%Si は0.25%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のある応用では、%Si は1.52%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のある応用では、%Si は1.82%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のある応用では、%Si は2.52%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のある応用では、%Si は3.02%超であることが望ましいことがわかっている。また、本発明の組成の場合の中では%Siの高すぎる含有量は高い層厚を持つ鋼鉄の靭性に悪影響を与えることがわかっている。ある本発明の応用では、%Si が0.4%未満であることが望ましいことがわかっている。ある本発明の応用では、%Si が0.18%未満であることが望ましいことがわかっている。ある本発明の応用では、%Si が0.08%未満であることが望ましいことがわかっている。ある本発明の応用では、%Si が0.04%未満であることが望ましいことがわかっている。組成中に%Siが存在しないことが求められることが本発明者によって明らかにされている。
ある組成では、%Se+%Te+%S+%P+%As+%Pb+%Sb+%Snの値によっては、機械加工にあたって好都合である場合があることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、合金の組成において、%Se+%Te+%S+%P+%As+%Pb %Sb+%Snを0.052%超含有することがさらに望ましいことがわかっている。%Se+%Te+%S+%P+%As+%Pb+%Sb+%Snの値が高い場合において、靭性に対する阻害をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Te+%S+%P+%As+%Pb+%Sb+%Snが0.04%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Te+%S+%P+%As+%Pb+%Sb %Snが0.008%未満であることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、%Se+%Te+%S+%P+%As+%Pb+%Sb+%Snが0%であることが求められることがわかっている。
ある組成では、%Ta+%Nbの値によっては、耐摩耗性を得るのに好都合である場合があることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、合金の組成において、%Ta+%Nbを0.22%超含有することがさらに望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、合金の組成において、%Ta+%Nbを0.54%超含有することがさらに望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、合金の組成において、%Ta+%Nbを1.6%超含有することがさらに望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、合金の組成において、%Ta+%Nbを2.04%超含有することがさらに望ましいことがわかっている。高い%Ta+%Nbの値によって靭性に対する阻害をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%Ta+%Nbが0.4%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Ta+%Nbが0.08%未満であることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、%Ta+%Nbが0%であることが求められることがわかっている。
ある組成では、%Se+%Teの値によっては、機械加工にあたって好都合である場合があることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、合金の組成において、%Se+%Teを0.052%超含有することがさらに望ましいことがわかっている。しかしながら、%Se+%Teの値によっては、本発明の鋼鉄に悪影響を与えることがある。特に、%Mnの含有が高い場合において、高い%Mnの含有によって期待される効果に支障をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Teが0.19%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Teが0.09%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Teが0.04%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Teが0.008%未満であることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、%Se+%Teが0%であることが求められることがわかっている。
本発明のいくつかの応用のでは、%P+%Sが合金組成中により含まれることがわかっている。ある組成での%P + %Sの値によっては、本発明の鋼鉄に悪影響を与えることがある。特に、%Mnの含有が高い場合において、高い%Mnの含有によって期待される効果に支障をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%P+%Sが0.028%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%P+%Sが0.018%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%P+%Sが0.008%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%P+%Sが0.0004%未満であることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、%P+%Sが0%であることが求められることがわかっている。
本発明のいくつかの応用のでは、Pが合金組成中により含まれることがわかっている。%Pの値によっては、本発明の鋼鉄に悪影響を与えることがある。特に、%Mnの含有が高い場合において、高い%Mnの含有によって期待される効果に支障をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%Pが0.028%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Pが0.018%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Pが0.008%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Pが0.0008%未満であることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、%Pが0%であることが求められることがわかっている。
本発明のいくつかの応用のでは、Sが合金組成中により含まれることがわかっている。%Sの値によっては、本発明の鋼鉄に悪影響を与えることがある。特に、%Mnの含有が高い場合において、高い%Mnの含有によって期待される効果に支障をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%Sが0.018%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Sが0.008%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Sが0.0008%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Sが0.0004%未満であることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、%Sが0%であることが求められることがわかっている。
モリブデン含有は、二次炭化物中においてほとんど常に大きな影響を及ぼしているため、関連する特性の大部分の決定に非常に重要である。焼戻しに対する抵抗性が求められる際、モリブデンは低すぎてはいけない。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo が0.16%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo が0.21%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo が1.1%超であることが望ましいことがわかっている。また、高靭性か高伸張性、はたはそのいずれも求められる場合、%Moは高すぎてはいけない。これは、%V、%Cr、または%Wのような炭化物形成剤の含有量が高い際でも同様である。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo は0.8%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo は0.19%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo は0.04%未満であることが望まれ、また別の応用では、%Moが存在しないことが望まれることがわかっている。
本発明の応用について、%Wの重量の2倍の量で%Moを部分的に置き換えることができることがあることがわかった。また、ある用途では、前記の%Mo関して、%Wで置換することが可能であるがその際は元の%Moの数値の2倍でなくてはならない。この意味で%Moeqは部分的な代用物として考慮に値する。その代替としての使用の際の求められる添加量は、%Moeq=%Mo+1/2 %Wで表せられる。%Moeqの求められる値は上記の%Moに関する記載に対応する。
ジルコニウム含有は、二次炭化物中においてほとんど常に大きな影響を及ぼしているため、関連する特性の大部分の決定に非常に重要である。硬度の最大化が求められる際、ジルコニウムは低すぎてはいけない。本発明のいくつかの応用のでは、%Zr が0.22%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Zr が1.2%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Zr が2.55%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Zr が3.25%超であることが望ましいことがわかっている。また、高靭性か高伸張性、はたはそのいずれも求められる場合、%Zrは高すぎてはいけない。これは、%V、%Cr、または%Wのような炭化物形成剤の含有量が高い際でも同様である。本発明のいくつかの応用のでは、%Zr は6.8%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%Zr は4.8%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%Zr は2.8%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%Zr は0.4%未満であることが望まれ。、また別の応用では、%Zrが存在しないことが望まれることがわかっている。
いくつかの用途では、%Zrから0%から5.4%、または1.2%から4.4%, かつ もしくは2.1%から4.4%であることが求められることがわかっている。
本発明の応用について、%Hfの重量の2倍の量で%Zrを部分的に置き換えることができることがあることがわかった。また、ある用途では、前記の%Zr関して、%Hfで置換することが可能であるがその際は元の%Zrの数値の2倍でなくてはならない。この意味で%Zreqは部分的な代用物として考慮に値する。その代替としての使用の際の求められる添加量は、%Zreq =%Zr +1/2 %Hfで表せられる。%Zreqの求められる値は上記の%Zrに関する記載に対応する。
バナジウム含有は、二次炭化物中においてほとんど常に大きな影響を及ぼしているため、関連する特性の大部分の決定に非常に重要である。高温硬度が求められる際、%Vは低すぎてはいけない。本発明のいくつかの応用のでは、%Vが0.22%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Vが0.32%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Vが0.55%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Vが1.1%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Vが2.05%超であることが望ましいことがわかっている。また、高靭性か高伸張性、はたはそのいずれも求められる場合、%Vは高すぎてはいけない。これは、%Mo、%Cr、または %Wのような炭化物形成剤の含有量が高い際でも同様である。本発明のいくつかの応用のでは、%V は3.8%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%V は2.8%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%V は1.8%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%V は0.4%未満であることが望まれ、また別の応用では、%Vが存在しないことが望まれることがわかっている。
チタン含有は、二次炭化物中においてほとんど常に大きな影響を及ぼしているため、関連する特性の大部分の決定に非常に重要である。高温硬度が求められる際、%Tiは低すぎてはいけない。本発明のいくつかの応用のでは、%Tiが0.22%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Tiが0.55%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Tiが1.6%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Tiが2.6%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Tiが3.6%超であることが望ましいことがわかっている。また、高靭性か高伸張性、はたはそのいずれも求められる場合、%Tiは高すぎてはいけない。本発明のいくつかの応用のでは、%Ti は4.8%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%Ti は2.8%未満であることが望まれ、また別の応用では、%Tiが存在しないことが望まれることがわかっている。
%Co含有量が過剰でないことが求められる場合がある。本発明の応用では、%Co が2.3%未満であることが望まれることがある。本発明の応用では、%Co が1.2%未満であることが望まれることがある。また、別の場合のある応用では、%Coが存在しないことが求められる場合もある。また、別の場合では%Coが鋼鉄の特性の改善を促す場合もある。そのような場合は、 %Coは 0.001%超であることが望まれるとわかっている。そのような場合は、 %Coは 0.1%超であることが望まれるとわかっている。
%Cu含有量が過剰でないことが求められる場合がある。本発明の応用では、%Cuが1.1%未満であることが望まれることがある。本発明の応用では、%Cuが0.4%未満であることが望まれることがある。また、別の場合のある応用では、%Cuが存在しないことが求められる場合もある。また、別の場合では%Cuが鋼鉄の特性の改善を促す場合もある。そのような場合は、 %Cuは 0.001%超であることが望まれるとわかっている。そのような場合は、 %Cuは 0.1%超であることが望まれるとわかっている。
%Al含有量が過剰でないことが求められる場合がある。本発明の応用では、%Al が0.8%未満であることが望まれることがある。本発明の応用では、%Al が0.2%未満であることが望まれることがある。また、別の場合のある応用では、%Alが存在しないことが求められる場合もある。また、別の場合では%Alが鋼鉄の特性の改善を促す場合もある。そのような場合は、%Alは 0.6%超であることが望まれるとわかっている。そのような場合は、%Alは 1.1%超であることが望まれるとわかっている。
適切に調整し低温で熱処理される時、この本発明の側面においてある実施における鋼鉄は8HRcを超える硬度を得ることができる。適切に調整し低温で熱処理される時、この本発明の側面においてある実施における鋼鉄は16HRcを超える硬度を得ることができる。適切に調整し低温で熱処理される時、この本発明の側面においてある実施における鋼鉄は22HRcを超える硬度を得ることができる。適切に調整し低温で熱処理される時、この本発明の側面においてある実施における鋼鉄は32HRcを超える硬度を得ることができる。適切に調整し低温で熱処理される時、この本発明の側面においてある実施における鋼鉄は42HRcを超える硬度を得ることができる。適切に調製された場合、この本発明の側面においてある実施における鋼鉄は348HBを超える硬度を得ることができる。適切に調製された場合、この本発明の側面においてある実施における鋼鉄は298HBを超える硬度を得ることができる。適切に調製された場合、この本発明の側面においてある実施における鋼鉄は248HBを超える硬度を得ることができる。適切に調製された場合、この本発明の側面においてある実施における鋼鉄は228HBを超える硬度を得ることができる。適切に調製された場合、この本発明の側面においてある実施における鋼鉄は348HBを超える硬度を得ることができる。ある実施における適切な調整とは、芯の温度が1020℃の達成がなされオイルクエンチングが適応された後のその温度における30分間のオーステナイト化を指す。また、ある実施では適切な調整とは、芯の温度が1020℃の達成がなされ空冷が適応された後のその温度における30分間のオーステナイト化を指す。また別の実施においては、芯の温度が1050℃の達成がなされオイルクエンチングが適応された後のその温度における30分間のオーステナイト化を指す。また、ある実施では適切な調整とは、芯の温度が1050℃の達成がなされ空冷が適応された後のその温度における30分間のオーステナイト化を指す。別の実施では、芯の温度が1080℃の達成がなされオイルクエンチングが適応された後のその温度における30分間のオーステナイト化を指す。ある実施では、芯の温度が1100℃の達成がなされ空冷が適応された後のその温度における30分間のオーステナイト化を指す。また別の実施の場合では、適切な調整とは、芯の温度が1150℃の達成がなされオイルクエンチングが適応された後のその温度における30分間のオーステナイト化を指す。ある実施では、芯の温度が1200℃の達成がなされ空冷が適応された後のその温度における30分間のオーステナイト化を指す。また別の場合では、芯の温度が1250℃の達成がなされオイルクエンチングが適応された後のその温度における30分間のオーステナイト化を指す。本発明におけるある実施では、焼戻しかもしくは480℃で4時間での同様の処理という意味での低温での熱処理は硬度の向上を促す。加熱と冷却は重要であるわけではないが、それらを特別に早くやる必要はない。本発明におけるある実施では、焼戻しかもしくは520℃で2時間での同様の処理という意味での低温での熱処理は硬度の向上を促す。本発明におけるある実施では、焼戻しかもしくは540℃で2時間での同様の処理という意味での低温での熱処理は硬度の向上を促す。加熱と冷却は重要であるわけではないが、それらを特別に早くやる必要はない。本発明におけるある実施では、焼戻しかもしくは600℃で4時間での同様の処理という意味での低温での熱処理は硬度の向上を促す。加熱と冷却は重要であるわけではないが、それらを特別に早くやる必要はない。本発明におけるある実施では、焼戻しかもしくは620℃で4時間での同様の処理という意味での低温での熱処理は硬度の向上を促す。加熱と冷却は重要であるわけではないが、それらを特別に早くやる必要はない。本発明におけるある実施では、焼戻しかもしくは520 ℃で8時間での同様の処理という意味での低温での熱処理は硬度の向上を促す。加熱と冷却は50K/hである。
本発明のある側面において、本発明の材料は以下の工程を含む製造方法で成形することが可能である:
−鋳型のモデルの製造、中間型の製造、または部分的鋳型の製造においての付加製造方法の利用。
−少なくとも一つの金属相を含む粒子状物質で、少なくても鋳型のある一部を充填。
−冷間等方圧加工法(CIP)の利用。
−鋳型の取り除き。
−焼結、熱間静水圧加圧(HIP)、または他の十分に高温下での高密度化。
この成形方法は、発明者による最良で新しい方法であり本発明それ自体でもある。上記の通り、本発明の素材へ適応性は事例ごとに判別されなければならない。本稿に記載の素材の他にも、本発明は工具鋼や高速度鋼に有効であることがわかっている。マルエージング鋼もここでは工具材質と見なす。本発明のある側面における実施では、%Cr < 2.9%かつ%Moeq > 0.8%で特徴づけられる鋼鉄が特に有効であることがわかっている。また別の場合では、%Cr < 1.9%かつ%Moeq > 1.6%で特徴づけられる鋼鉄が特に有効であることがわかっている。また別の実施では、%Cr < 1.9%かつ%Moeq > 2.6%.で特徴づけられる鋼鉄が特に有効であることがわかっている。また別の場合では、%Cr < 0.9%かつ%Moeq > 2.1%で特徴づけられる鋼鉄が特に有効であることがわかっている。さらに、また別の実施では、%Cr < 0.3%かつ%Moeq > 3.1%で特徴づけられる鋼鉄が特に有効であることがわかっている。また、多量の耐摩耗性粒子(NiまたはCoにおける炭化タングステンまたは、それぞれの合金)やほとんどの金属マトリッックス複合材(炭化物、窒化物、ホウ化物、酸化物またはそれらの混合物)で本発明のこの側面が有効であることが明らかになった。ここ述べられたことは、すべてのこれより以下の本発明の側面や実施で適応可能である。
本稿では、CIPの過程がドライバッグ法、ウェットバッグ法、ウォームアイソスタティックプレス法、または他の類似の方法であるかは、主に使用される粒子状物質の性質や幾何形状および入手可能性などの実際の応用により決定される。ある実施では、ドライバッグ法がより適当であり、また別の場合では62℃以上の温度でのウェットバッグ法がより適当である。また、82℃以上の温度でのウォームアイソスタティックプレス法がより適当である場合もあり、また別の場合では160℃以上でのそれが適当であることもある。また、別の場合では、220℃以上、またある時は450℃以上におけるウォームアイソスタティックプレス法が適当である場合もある。
付加製造方法がモデルもしくは鋳型の製造の一部をなすことがある。ある実施では付加製造技術によってモデルが作製され、このモデルは軟質性のたかい素材(ゴム、プラスチゾル、ネオプレン、または他のエラストマー)における製造で使われる。この場合、始めの過程である付加製造方法は少なくともモデルの一部を製造するために応用される。ここでは始めの過程と二番目の過程の間に過程が一つ付け加えられる。
−少なくとも部分的なモデルの製造においての付加製造方法の利用。
−(必要に応じて)製造された部分を他の部分との結合。
−前段階で製造されたモデルまたはその一部と軟質性の高い素材を用いた少なくとも鋳型の一部の製造。
−少なくとも一つの金属相を含む粒子状物質で、少なくても鋳型のある一部を充填。
−冷間等方圧加工法(CIP)の利用。
−鋳型の取り除き。
−焼結、熱間静水圧加圧(HIP)、または他の十分に高温下での高密度化。
本発明の現側面のある実施において、鋳型は浸漬、注ぎ込み、塗布の適応または高い軟質性を持つ素材がガラス転移温度を上回る手段によって製造される。このような場合では、高温耐性ポリマーをモデルの製造のための付加製造法において使用することは考慮に値することがわかった。また、ある実施では、ガラス転移温度は以下の温度であることが重要である。ある実施では、85 ℃超、また別の場合では122℃超、また別の場合では162℃超、また別の場合では202℃超、また別の場合では252℃超、また別の場合では292℃超、また別の場合では362℃超、いくつかの実施形態では、本発明者は、0.45 MPa熱変形温度が考慮すべきものであることを見出した、ある実施では、125℃超、また別の場合では152℃超、また別の場合では282℃超、また別の場合では232℃超、また別の場合では262℃超、また別の場合では282℃超、また別の場合では342℃超。本稿のこれまでの記載と同様、特に言及されていない限り、ある用途において異なる実施について示された異なる特性を組み合わせることができる。今回の例では、十分に高い転移温度及び0.45MPaにおける十分に高い荷重たわみ温度を有するポリマーを必要とする場合がある。ポリ(ヒドロキシブチル)メタクリル酸およびポリ(ヒドロキシエチル)メタクリル酸、ポリイミド、ポリベンズイミダゾール芳香族誘導体などが、モデル製造においてしよう可能な素材として挙げられる。
本発明の今回の側面のある実施において、鋳型は浸漬、注ぎ込み、塗布の適応または二つ以上の素材の合成の後に硬化工程がなされた高い軟質性をもつ素材の組み合わせによって製造される。このような実施では、ほぼあらゆる種類の素材を用いてモデルを製造することができる。任意の二つ以上の非常に弾性のある素材をその成分として金型の製造に使用することができる(例としては二成分混合ネオプレンが挙げられる)。他の実施では、先の実施と同じ方法がとられるが、低温の溶液または乳剤で一成分流体を使用することが必要である。この溶液または乳剤の温度はは140℃未満、もしくは109℃未満、または98℃未満、または74℃未満、より望まれるは40℃未満である。
ある実施では、鋳型は資材としての高い軟質性を持つ素材の使用による付加製造法によって直接的に製造できる。以下がその手段である。
−鋳型、もしくはその一部の製造のため少なくとも一部において資材としての軟質性の高い素材を用いた付加製造方法の利用。
−(必要に応じて)製造された部分を他の部分との結合。
−軟質性の高い素材と前段階で得られたモデルによる前型の製造。
−少なくとも一つの金属相を含む粒子状物質で、少なくても鋳型のある一部を充填。
−冷間等方圧加工法(CIP)の利用。
−鋳型の取り除き。
−焼結、熱間静水圧加圧(HIP)、または他の十分に高温下での高密度化。
本発明の今回の側面では、破損時における高い伸張性を有する素材を「高い軟質性を持つ素材」と定義する。ある実施では55%超、または76%超、もしくは92%超、または110%超である。また別の実施では160%超、または210%超、もしくは360%超、または576%超である。また、正確な寸法が求められる際、また複雑な内部冷却またはそれに類するネットワークが望まれる際では硬度の下限が求められる。ある実施では72 shore A超、または81 shore A超、もしくは91 shore A超、または102 shore A超である。また別の実施では122 shore A超、または181 shore A超である。同様に、ある用途では伸張性の上限が求められることがある。ある実施では390%以下、または290%以下、もしくは190%以下、または140%以下である。また別の実施では98%以下である。上記の要求が同時になされる実施もある(例としては破損時における伸張性が76%超かつ140%未満で硬度が81 shore A超であることが求められる場合など。これらの組み合わせは用途により適性が変わる)。
今回の側面の重要な一連の実施はチャネルまたはその他の空間(これは最終的に他の素材により埋められる場合がある)(冷却チャネルネットワーク、構造を軽くするための空間、熱処理、電導、または信号伝達などのための銅ネットワーク)といった複雑な内部構造を有する構成要素の製造に関する。よく知られているように、この空間の充填や閉塞はCIPまたはHIPでの制御が難しく、普通、単純な構造の金属芯またはマンドレルが必要である。本発発明において、ポリマー素材を利用し非常に有用性のありそうな内部空隙形状を作ることが可能であることを本発明者は明らかにした。
複雑な冷却チャネルと他の素材で充填されるチャネルはこの方式で精密につくりことが可能である。この冷却チャネルでは、コンフォーマルな冷却の方法をとることが可能である。
本発明の今回の側面では、中間型またはその一部を製造するために、付加製造法を利用する。この鋳型を、少なくとも一つの金属相からなる粒子状物質によって充填した後、上記のこの効果が見込まれた先の実施によって製造された高い軟質性(ガラス転移温度を上回る高い軟質性を持つ素材、低い温度で処理された高い軟質性を持つ素材の複合材、低い温度で浸漬処理された構成要素が単一である高い軟質性を持つ素材など)を持つ素材よって製造された鋳型によって覆う。これは、少なくともCIPもしくはそれに類する工程、及び少なくとも一度の十分な高温下における圧密工程の後に行われる。付加製造法によって製造された中間金型は、冷却チャネルまたは構成要素の他の内部特徴の大部分を組み込んだものである。粒子状物質によってこの中間型は充填されているため、これは粒子状物質の固化後に得られる幾何形状の原板に類似する幾何形状を有する。中間型の収縮、高い軟質性を持つ素材によって製造された鋳型、もしくは粒状物質の圧密などは、検討され設計工程によっては修正される。本発明の今回の側面のある実施では、内部的特徴は最小限に止められるか、もしくは圧密の後の機械的処理は行われない。
本発明の今回の側面では、中間型が用いられる際、内外の特徴を違うものにすることが有用であることがある。ここでは、内部の特徴は内部を充填する粒子状物質よって囲まれるため、流体から直接的に、または高い軟質性を持つ素材の前型を介して直接的にCIP工程間での圧力を受けることはない。つまり、この圧力は常に周囲の粒子状物質を通す。逆に、外部の特徴は粒状物質を片側にしか持たないため逆側の壁はドライバッグ、CIP工程における流体やそれに類似するものに直接的に触れている。また、これは高い軟質性を持つ素材によって製造された前型を介する場合もある。
この実施は図4に図式化されている。この方法は以下の通りである。
−中間型、もしくはその一部の製造のため付加製造方法の利用。
−(必要に応じて)製造された部分を他の部分との結合。
−少なくとも一つの金属相を含む粒子状物質で、少なくても中間型のある一部を充填。
−高い軟質性を持つ素材を用いた前段階で製造された中間型による前型の製造。
−冷間等方圧加工法(CIP)の利用。
−鋳型の取り除き。
−焼結、熱間静水圧加圧(HIP)、または他の十分に高温下での高密度化。
充填工程と高い軟質性を持つ素材を用いた前型製造工程は逆にするこが可能である。
ある実施では、付加製造法による中間型の外部の層厚の平均は1.8 mm以下、また別の場合では1.3 mm以下、もしくは0.8 mm以下、また別の場合では0.4 mm以下である。また別の実施では付加製造法による中間型の外部の層厚の平均は1.8bmm以下、また別の場合で0.2 mm以下である。
ある実施では、高密度化における十分な高温とは0.52 Tm超を意味し、ここではTmとは粒状物質の最低融点を指す。ある実施では、高密度化における十分な高温とは0.62 Tm超を意味し、ここではTmとは粒状物質の最低融点を指す。ある実施では、高密度化における十分な高温とは0.72 Tm超を意味し、ここではTmとは粒状物質の最低融点を指す。ある実施では、高密度化における十分な高温とは0.82 Tm超を意味し、ここではTmとは粒状物質の最低融点を指す。また別の場合で、これは0.52 Tm超であり、ここではTmとは粒状物質の体積分率が最大である場合の融点を指す。また別の場合で、これは0.62 Tm超であり、ここではTmとは粒状物質の体積分率が最大である場合の融点を指す。また別の場合で、これは0.72 Tm超であり、ここではTmとは粒状物質の体積分率が最大である場合の融点を指す。また別の場合で、これは0.82 Tm超であり、ここではTmとは粒状物質の体積分率が最大である場合の融点を指す。また別の場合で、これは0.52 Tm超であり、ここではTmとは粒状物質の重量分率が最大である場合の融点を指す。また別の場合で、これは0.62 Tm超であり、ここではTmとは粒状物質の重量分率が最大である場合の融点を指す。また別の場合で、これは0.72 Tm超であり、ここではTmとは粒状物質の重量分率が最大である場合の融点を指す。また別の場合で、これは0.82 Tm超であり、ここではTmとは粒状物質の重量分率が最大である場合の融点を指す。また別の場合では、高密度化における十分な高温とは980 ℃超を意味する。また別の場合では、高密度化における十分な高温とは1055℃超を意味する。また別の場合では、高密度化における十分な高温とは1120℃超を意味する。また別の場合では、高密度化における十分な高温とは1160℃超を意味する。また別の場合では、高密度化における十分な高温とは1210℃超を意味する。
ある実施では、CIPサイクルにおける最大圧力は110 MPa以上である。ある実施では、CIPサイクルにおける最大圧力は210 MPa以上である。ある実施では、CIPサイクルにおける最大圧力は310 MPa以上である。ある実施では、CIPサイクルにおける最大圧力は410 MPa以上である。ある実施では、CIPサイクルにおける最大圧力は510 MPa以上である。ある実施では、CIPサイクルにおける最大圧力は710 MPa以上である。ある実施では、CIPサイクルにおける最大圧力は810 MPa以上である。ある実施では、CIPサイクルにおける最大圧力は1010 MPa以上である。
またある実施では、付加製造法における素材は硬化補填材を21%以上有する。またある実施では、付加製造法における素材は硬化補填材を41%以上有する。またある実施では、付加製造法における素材は硬化補填材を51%以上有する。またある実施では、付加製造法における素材は硬化補填材を61%以上有する。
またある実施では、付加製造法における素材は1.1 GPa以上の体積弾性率によって特徴付けられる。またある実施では、付加製造法における素材は2.1 GPa以上の体積弾性率によって特徴付けられる。またある実施では、付加製造法における素材は3.1 GPa以上の体積弾性率によって特徴付けられる。またある実施では、付加製造法における素材は3.6 GPa以上の体積弾性率によって特徴付けられる。またある実施では、付加製造法における素材は4.1 GPa以上の体積弾性率によって特徴付けられる。
別の実施では、付加製造法における素材は45 MPa以上の弾性強度によって特徴付けられる。別の実施では、付加製造法における素材は55 MPa以上の弾性強度によって特徴付けられる。別の実施では、付加製造法における素材は65 MPa以上の弾性強度によって特徴付けられる。別の実施では、付加製造法における素材は75 MPa以上の弾性強度によって特徴付けられる。別の実施では、付加製造法における素材は85 MPa以上の弾性強度によって特徴付けられる。
ある実施では、この方法はダイカスト鋳型製造のために運用される。また、ある実施ではこの方法は内部冷却とともにダイカスト鋳型製造のために運用される。また、ある実施ではこの方法は表面のコンフォーマル冷却(前段落に記載)に非常に類似した方法とともにダイカスト鋳型製造のために運用される。またある実施では、この方法は、熱勾配を下げるために、表面のコンフォーマル冷却、及び内部加熱とともにダイカスト鋳型製造のために運用される。
ある実施では、この方法は型押し版製造に用いられる。ある実施では、この方法は内部冷却とともに、型押し版製造に用いられる。またある実施ではこの方法は表面のコンフォーマル冷却(後に記載)に非常に類似した方法とともに型押し版製造に用いられる。ある実施では、すべての過程において表面温度が140℃未満に抑えられた状態で、この方法はコンフォーマル冷却に非常に類似した方法とともに型押し版製造に用いられる。また別の実施では、すべての過程において表面温度が79℃未満に抑えられた状態で、この方法はコンフォーマル冷却に非常に類似した方法とともに型押し版製造に用いられる。また別の実施では、すべての過程において表面温度が49℃未満に抑えられた状態で、この方法はコンフォーマル冷却に非常に類似した方法とともに型押し版製造に用いられる。また別の実施では、すべての過程において表面温度が29℃未満に抑えられた状態で、この方法はコンフォーマル冷却に非常に類似した方法とともに型押し版製造に用いられる。また別の実施では、すべての過程において表面温度が19℃未満に抑えられた状態で、この方法はコンフォーマル冷却に非常に類似した方法とともに型押し版製造に用いられる。また別の実施では、すべての過程において表面温度が14℃未満に抑えられた状態で、この方法はコンフォーマル冷却に非常に類似した方法とともに型押し版製造に用いられる。また別の実施では、すべての過程において表面温度が−10℃超に保たれた状態で、この方法はコンフォーマル冷却に非常に類似した方法とともに型押し版製造に用いられる。また別の実施では、すべての過程において表面温度が−9 ℃超に保たれた状態で、すべての過程において表面温度が−4℃超に保たれた状態で、この方法はコンフォーマル冷却に非常に類似した方法とともに型押し版製造に用いられる。また別の実施では、すべての過程において表面温度が0.5℃超に保たれた状態で、この方法はコンフォーマル冷却に非常に類似した方法とともに型押し版製造に用いられる。また別の実施では、すべての過程において表面温度が6℃超に保たれた状態で、この方法はコンフォーマル冷却に非常に類似した方法とともに型押し版製造に用いられる。また別の実施では、すべての過程において表面温度が11℃超に保たれた状態で、この方法はコンフォーマル冷却に非常に類似した方法とともに型押し版製造に用いられる。また別の実施では、各サイクルにおいてのホットシートの配置に先んじて鋳型の表面を均一な水膜で覆った状態で、この方法はコンフォーマル冷却に非常に類似した方法とともに型押し版製造に用いられる。また別の実施では、各サイクルにおいてのホットシートの配置に先んじて鋳型の表面を一律に水または水溶液をスプレーした状態で、この方法はコンフォーマル冷却に非常に類似した方法とともに型押し版製造に用いられる。また別の実施では、各サイクルにおいてのホットシートの配置に先んじて鋳型の表面を一律に水と空気または水溶液をスプレーした状態で、この方法はコンフォーマル冷却に非常に類似した方法とともに型押し版製造に用いられる。また別の実施では、各サイクルにおいてのホットシートの配置に先んじて鋳型の表面を一律に流体または水溶液をスプレーした状態で、この方法はコンフォーマル冷却に非常に類似した方法とともに型押し版製造に用いられる。また別の実施では、ノズルのシステムを用いて一律にスプレーした状態で、この方法はコンフォーマル冷却に非常に類似した方法とともに型押し版製造に用いられる。また別の実施では、何らかの機械的なシステムを用いて一律にスプレーした状態で、この方法はコンフォーマル冷却に非常に類似した方法とともに型押し版製造に用いられる。また別の実施では、特定のノズルのシステムまたは何らかの機械的なシステムを用いて一律にスプレーした状態で、この方法はコンフォーマル冷却に非常に類似した方法とともに型押し版製造に用いられる。また別の実施では、ノズルのシステムまたは何らかの機械的なシステムの各サイクルの使用を変更しながら、一律にスプレーした状態で、この方法はコンフォーマル冷却に非常に類似した方法とともに型押し版製造に用いられる。
ある実施では、鍛造型の製造にこの方法が運用される。また、ある実施ではこの方法は内部冷却とともに鍛造型の製造のために運用される。また、ある実施ではこの方法は表面のコンフォーマル冷却(前段落に記載)に非常に類似した方法とともに鍛造型の製造のために運用される。またある実施では、この方法は、熱勾配を下げるために、表面のコンフォーマル冷却、及び内部加熱とともに鍛造型の製造のために運用される。
ある実施では、プラスチック射出金型の製造にこの方法が運用される。また、ある実施ではこの方法は内部冷却とともにプラスチック射出金型の製造のために運用される。また、ある実施ではこの方法は表面のコンフォーマル冷却(前段落に記載)に非常に類似した方法とともにプラスチック射出金型の製造のために運用される。またある実施では、この方法は、熱勾配を下げるために、表面のコンフォーマル冷却、及び内部加熱とともにプラスチック射出金型の製造のために運用される。
ある実施では、この方法は内部加熱によるホットスタンピングのためのソフトゾーン金型製造に用いられる。ある実施では、この方法はカートリッジとともに内部加熱によるホットスタンピングのためのソフトゾーン金型製造に用いられる。また別の実施では、組み込まれたジュール効果回路を通してこの方法はカートリッジとともに内部加熱によるホットスタンピングのためのソフトゾーン金型製造に用いられる。また、ある実施では、組み込まれた渦電流システムを通してこの方法はカートリッジとともに内部加熱によるホットスタンピングのためのソフトゾーン金型製造に用いられる。
ある実施では、粒子状物質は粉末を示す。また、ある実施では粒子状物質は球状粉末を示す。また別の実施では、ある実施では粒子状物質は微粒を示す。
ある実施では、この鋼鉄と粒子状物質は粉末混合物において粉末状態での使用が適する。特に記載がない限り、金属粉末の粒子サイズはD50である。ある用途では、微粉は、d50の78 microns 以下の大きさとして用いられる。また、これは48 microns以下、もしくは18 microns以下、より望まれるは8 microns以下の大きさであることが望ましい。別の用途ではより粗い粉末の使用も可能である。これはd50の780 microns以下、もしくは380 microns以下、または180 microns以下、より望まれるは120 microns以下の大きさであることが求められる。微粉の使用が適さない実施もある。この場合、使用される粉末はd50の12 microns以上、もしくは22 microns以上、または42 microns以上、より望まれるは72 microns以上の大きさであることが必要である。
粉末はかなり球形で粒子径分布はかなり狭ければならない実施もある。粉末の真球度は、粒子と同じ体積を有する球の表面積とその粒子の表面積との間の比として定義される無次元数である。また、これはある実施では、0.53超、または0.76超、もしくは0.86超、より望まれるは0.92超であることが求められる。本発明において高い金属粒子の圧縮が求められ、この場合は金属粉末の高い真球度が求められる。これは0.92超、もしくは0.94超、または0.98超、さらには1であることが望まれる。真球度について、実施によっては、真球度は、粉末の大部分のみの最も真球度の高いの粒子の平均真球度によって評価することができる。この場合、全体質量に対する60%以上、もしくは78%以上、または83%以上、より望まれるは96%以上の粉末を、真球度平均を算出するにあたって考慮することが求められる。また、実施によっては0.94未満、または0.88未満、もしくは0.68未満、または0.48未満であることがより好都合である場合もある。
ある実施では、上記の組成によって製造された鋼鉄は粉末状態で製造可能である。別の実施では、この粉末は球形である。ある実施ではこの鋼鉄の球状粉体は粒度(d50)において200 マイクロメーター以下、また別の実施では190 マイクロメーター以下、あるべ別の実施では180マイクロメーター以下、また別の実施では90マイクロメーター以下、さらに別の実施では45 マイクロメーター以下であるものを指す。
本発明では侵食性の高い冷却方法が使われる。この冷却方法は、上で触れた通り、対応腐食割れや機械的故障に対する抵抗性を有する表面に非常に近く配置されている冷却チャネルにより行われる。これはこのチャネルが粗面において機械的加工された場合も同様である。従来の掘削や、ろう接、シェル構造などの製造方法の他にも、本発明は付加製造ほかの最新の製造技術を主に考慮している。これらは、さらに侵食性の高い冷却方法が用いられることがある。この冷却方法は、人間の体温における恒常性、つまり一次チャネルが体の表面に非常に近い位置での熱伝達を実行する最終毛細管チャネルを持つ二次チャネルに流入する血液循環システム、そして冷却流体を意図された熱交換をなされたあとに取り除くシステムによく似ている。他にも、多数の非常に効果的で、規則的で、個々に調整された熱調節が運用される。
温度調節システムにおいて、特に流体の補助を介し実行される場合で、温度調節流体の均質な分布を得ることができ、温度調節される表面に非常に近いことが有為性の高い事柄である。チャネル利用では、これが可能となる。ある用途では、温度調節のためのより効果的な微細チャネルの平均距離が18 mm未満であることが望ましい。また、さらに望ましくは8 mm未満、さらに4.8 mm未満、より望まれるは1.8 mm未満である。別の用途では、この数値が低すぎると逆効果を招く。このような場合、平均距離が0.6 mm超、または1.2 mm超、または6 mm超、さらに望まれるは16 mm超であることが求められる。また別の用途では、適する微細チャネルの平均距離が18 mm以下、または9 mm以下、もしくは4.5 mm以下、さらに望ましくは1.8 mm未満であることが求められる。また、特に機械的要求が高い場合、もしくは腐食のリスクがある場合では、部品製造に使用される素材が高い破壊靭性を有することが求められる用途もある。このような場合では、微細チャネルの平均直径が38 mm未満、もしくは18 mm未満、または8 mm未満、さらには2.8 mm未満であることが必要である。別の用途では、微細チャネルの平均等価直径が1.2 mm超、もしくは6 mm超、または12 mm超、さらには22 mm超であることが必要である。また、ある用途では、微細チャネルの最低平均等価直径が18 mm未満、または8 mm未満、さらには2.8 mm未満であることが必要である。また、別の用途では微細チャネルの平均等価直径が1.2 mm超、もしくは6 mm超、または12 mm超、さらには22 mm超であることが大切である。最低平均等価直径が18 mm未満、もしくは12 mm未満、または9 mm未満、さらには4 mm未満、もしくは1.8 mm未満であることが必要である。主チャネルの平均等価直径が12 mm超、あるいは22 mm超、もしくは56 mm超、または108 mm超であることが必要である。
構成要素による主要な機械力を備えた温度調節システムでは、近接部と温度調節流体が循環する溝形断面との間に常にジレンマが存在する。溝形断面が小さい場合、圧力降下が増大しヘッド交換容量が減少する。温度調節される表面までの距離が長い場合、温度調節の効果がなくなる。他方、溝形断面が大きく、温度調節される表面に近接している場合、機械的故障の可能性が大きく増加する。本発明では、このジレンマを解消するには、(体温調節の役割も果たす)人体の血液輸送を再現する複合システムが提案される。人体には、酸素化された血液を二次動脈に運び、細い毛細血管に到達させるための大動脈がある。酸素が少ない血液は毛細血管を介して二次静脈に運ばれ、その後、大静脈に運ばれる。これと同様に、図1に見られるように、今回提案するシステムでは温度調節における流体が、微細でなく大きすぎない非常に表明に近いところまで、温度調節を行うために、二次チャネル(チャネルの順序は異なることがあり、場合によっては三次チャネル、四次チャネルであることを意味する場合もある)に主要チャネルから流入する。このシステムの運用が有用である場合もあれば、ある用途では従来の冷却システムが有用である場合もある。断面図が小さくなるので、圧力降下が制御しやすくなる。有限要素による模擬実験によって、断面、長さ、位置、流量、圧力、流体の種類など流体力学の観点から、また温度調節効果の観点から、所与の用途のための二次チャネルおよび主要チャネルのより有利な構成を研究することができる。従来のシステムに比べて、今回提案されるシステムの特徴は、同じ構成要素内の温度調節流体の流入および流出は異なるチャネルによって行われる点である。このチャネルはそれぞれつながっており、主に求められる温度調節のために、これらの個々の断面は非常に狭い。ある用途では、流入チャネルの断面(場合によっては2つ以上のチャネルが存在することがあり、この場合はそれらの断面が合計されることがある)が、温度調節が必要な部分の領域に広がる比較的微細なチャネルの断面の3倍超、もしくは6倍超、または11倍超、さらに望まれるは110倍超であることが求められることが明らかにされた。
図1Aの概略図に見られるように、温度調節流体は主要チャネル(または、複数のチャネル。概略図では一つであるが、これと同様の幾つかの流入または入り口となる主要チャネルがある場合もある)から流入し、望まれた熱交換が行われる微細チャネルに到達するまでにいくつかの二次チャネルにわかれる。ある幾つかの実施では、この主要流入チャネルがいくつかの支流を持つことが求められ、これが3以上、または6以上、もしくは22以上、さらに望まれるは110以上であることが求められることがわかった。上記で示された通り、二次チャネルは副次チャネル(三次チャネル、四次チャネル、...)を有することがあり、流入チャネルの次数が高いことが求められる場合があることがわかっている。この数は3以上、または6以上、もしくは12以上であることが望まれる。多すぎる支流の数は妨げになる実施がある。この場合では、流入チャネルの次数が18以下、または8以下、もしくは4以下、または3以下であることが望まれる。また別の実施では、二次チャネルが複数の支流を持つことが求められ、この数が3以上、または6以上、もしくは22以上、さらに望まれるは110以上であることが求められることがわかった。前段落で言及されたように熱交換チャネルに関して、これらは温度調節が求められる表面に近いこと、また均一な調節がなされるためにそれらの距離が近いことが求められることがある。また、高い機械的要求がなされる場合での用途では流体圧力降下を増加させるために小さなチャネル断面を有することが望まれ、かつ長すぎないことが求められる。図1Bは熱交換領域もしくは作用面における副次的な微細チャネルの表面における分布を鳥瞰図で概略的に表している。ある用途では、作用面下の個々の微細チャネルの長さの平均が過度でないことが特に望まれる(効果的な長さについて説明する。この長さは、効果的な温度調節が求められる際の作用面下の断面の長さである。二次的チャネルから、もしくは最終的には主要チャネルからの流体の作用面での熱交換が効率的である断面への流入は考慮せず、超微細チャネルによる平均値が異なる長さであり、算術平均値は、特に記載がいない限り、本稿の残りの部分と同様に使用される)。このような場合では、平均値が1.8m未満、または450 mm未満、もしくは180 mm未満、さらに望ましくは98 mm未満であることが求められる。また別の用途では、微細断面の利用、もしくは他の何らかの方法での圧力降下を最小限に抑えることが求められる。このような場合では、平均実効長が240 mm未満、または74 mm未満、もしくは48 mm未満、さらに望ましくは18 mm未満であることが求められる。またある実施では、微細チャネルが不連続として振る舞うことが求めらる。これにより、また別の理由により、最小平均実効長が12 mm以上、または32 mm超、もしくは52 mm超、さらに望まれるは110 mm超であることが求められる。温度調節が必要な用途があり、この場合ではこの温度調節が求められる作用面下の高い副次的表面の微細チャネルが求められる。ここで、チャネルの存在下で比較的高い断面とチャネルの密度において評価される温度調節がなされる領域での点で、副次的表面の微細チャネルが切断される場合、これは全領域のどのくらいの割合がチャネル領域として働くのかを意味する(これはつまり、表面における微細チャネルの密度を示す)。ある用途では、微細チャネルが12%超、または27%超、もしくは42%超、さらに望まれるは52%超であることが求められる。より均一な、もしくは集中的な熱交換が求められる用途もある。この場合、微細チャネルの密度が62%以上、または72%超、もしくは77%超、さらに望まれるは86%超であることが求められる。用途によっては、微細チャネルの表面における過度な密度は、構成要素の機械的故障や他の問題をもたらす場合もある。このような場合では、微細チャネルの表面密度は57%以下、または47%以下、もしくは23%以下、さらに望まれるは14%以下であることが求められる。割合Hが微細チャネルの効果部分の長さの合計を微細チャネルの効果部分の長さの平均で割った値であり、この値が重要視される場合では、このHが12以上、または110以上、もしくは1100以上、さらに望まれるは11000以上であることが求められることがわかっている。また、Hの値が過剰であることは妨げになる用途もある。このような場合、Hは900未満、または230未満、もしくは90未満、さらに望ましくは45未満であることが求められる。また、ある用途では1平方メートル当りの微細チャネルの数が特定の数であることが求められる。このような場合では、1平方メートル当りの微細チャネルの数が110以上、または1100以上、もしくは11000以上、さらに望まれるは52000以上であることが求められる。また、ある用途では、主要チャネルが複数の流出チャネルの支流を有することが求められることがわかっている。このような場合、主要流出チャネルは、3本以上、または6本以上、もしくは22本以上、またより望ましくは110本以上の流出のための支流を持つことが求められる。先に定義されたように、二次チャネルは副次チャネル(三次チャネル、四次チャネル、...)を有することがあり、この副次流出チャネルの次数が高いことが求められる場合があることがわかっている。この数は3以上、または6以上、もしくは12以上であることが望まれる。多すぎる支流の数は妨げになる実施がある。この場合では、流出チャネルの次数が18以下、または8以下、もしくは4以下、または3以下であることが望まれる。また別の実施では、二次流出チャネルが複数の支流を持つことが求められ、この数が3以上、または6以上、もしくは22以上、さらに望まれるは110以上であることが求められることがわかった。
チャネルを過度に分岐させることを断念することの方が望ましい場合があり、その場合ではそのチャネルは二次チャネルを有さない。つまり、一次チャネルから直接、熱調節を行う微細チャネルに流体が流入する。
流体が熱調節に用いられる場合は、水性流体を用いることが適している用途もある。この場合、この流体は全体積中の42%以上、または52%以上、もしくは86%以上、さらに望まれるは96%以上が水であることが求められる。別の用途では、有機系流体の主に鉱物油での構成も考慮に値する。この場合では、全体積中の少なくとも32%、もしくは52%以上、または78%以上、より望まれるは92%以上が鉱物油であることが求められる。別の用途では、有機系流体の主に芳香族有機成分での構成も考慮に値する。この場合では、全体積中の少なくとも32%、もしくは52%以上、または78%以上、より望まれるは92%以上が芳香族有機成分であることが求められる。またある用途では、有機系流体の主に植物油での構成も考慮に値する。この場合では、全体積中の少なくとも32%、もしくは52%以上、または78%以上、より望まれるは92%以上が植物油であることが求められる。また別の場合では有機系流体の主に非芳香族有機成分での構成も考慮に値する。この場合では、全体積中の少なくとも32%、もしくは52%以上、または78%以上、より望まれるは92%以上が非芳香族有機成分であることが求められる。また別の場合では、熱調節流体が気体であることが適している場合もある。熱調節流体がミストであることが適する場合もある。ある気圧において、ミストまたは気体が構成要素に入り込むことが適することがある。この場合、通常、絶対吸入気圧が2.2 bar以上、もしくは11 bar以上、または110 bar以上、より望まれるは1100 bar以上であることが求められる。熱調節流体が液体である場合は、絶対吸入気圧が2.2 bar以上、または5.5 bar、もしくは11 bar以上、より望ましくはは22 bar以上であることが求められる。
構成要素が適合している部品を冷却する部品またはツールである際など、その構成要素の冷却速度が迅速であることが適する用途もある。これは、共形冷却を使用し、表面に近いチャネルおよび先の段落で言及されたシステムを伴った本発明によって行われる。ある用途では、本発明は、急速冷却のための流体からの気化潜熱の利用を可能にする。これは人体の発汗系を模することによって実行可能である。本稿では比喩的に、それを発汗要素と呼ぶ(金型、鋳型、工具一般の用途ついての記載の際は、特に発汗金型と呼ぶ)。これは、小さな流体を活性蒸発面に運ぶ小さな孔を有するものである。用途によっては、滴下の手順を管理下に置くことが求められる。また、用途によっては、噴流かそれ以上の水の供給が必要である。用途によっては、活性蒸発面における不完全な液滴形成が求められる。のれはつまり、蒸気にならない限り蒸発面から脱落しない液滴の形成を意味する。この行われる手順を決定するためには、流体圧力、表面張力、および流体を運ぶ内部チャネルと活性蒸発面における出口孔の形状などの制御がされなければならない。異なる孔部における圧力均衡を図るために圧力降下制御を備えたシステムを実装することが適することが多い。
蒸発面において気化する流体は水であることが多いが、水溶液または水性懸濁液、もしくはいくつかの他の流体を使用することができるため、この「水」は、他の気化潜熱によって蒸発する可能性のある他の流体に置換するができる。
用途によっては、活性面に流体を送るための管の直径が小さいことが適する場合もあることがわかっている。このような場合では、この直径が1.4 mm未満、もしくは0.9 mm未満、または0.45 mm未満、さらに望ましくは0.18 mm未満であることが求められる。用途によっては、活性蒸発面に流体を送るための管の直径が小さすぎることは好ましくない。このような場合、この直径が0.08 mm超、もしくは0.6 mm超、または1.2 mm超、さらに望ましくは2.2 mm超であることが求められる。また、ある用途では流体を活性表面に輸送するために管内の流体に加えられる圧力は小さすぎてはならないことがわかっている。このような場合では、圧力差異があること(蒸発面の気体の圧力との差)が望ましく、これは0.8 bar以下、もしくは0.4 bar以下、または0.08 bar、さらに望まれるは0.008 bar以下であることが求められる。ある用途では、流体が活性蒸発面に輸送される管の孔部から現れる滴の数の平均を調節するが有用であることがわかっている。また、別の用途ではこの滴の数の平均が高すぎないことが適するとわかっており、この場合の一分あたりに現れる滴の数が80未満、もしくは18未満、または4未満、さらに望ましくは0.8未満であることが求められる。先に明らかにされたように、孔部の終点から液滴が脱落しないことが望まれる。ある用途では、流体が活性蒸発面に輸送される管の孔部から現れる滴の数の平均が小さすぎないことが求められることがわかっている。このような場合、この場合の一分あたりに現れる滴の数が80超、もしくは18超、または4超、さらに望ましくは0.8超であることが求められる。活性蒸発面の1ユニットあたりにおける活性蒸発面に流体を送る管の数の管理は非常に重要であることが用途によってはある。このような場合では、cm2あたりに0.5本超、もしくは1.2本超、または6本超、さらに望ましくは27本超、管があることが求められる。用途によっては、孔部である活性蒸発面の割合が重要である。このような場合では、この接触表面部が孔部である割合が、少なくとも1.2%超、もしくは28%超、さらに望ましくは62%超であることが求められる。用途によっては、また、活性蒸発面における孔の中心間の平均距離は、孔の直径の12倍未満、もしくは8倍未満、または4倍未満、さらに望ましくは1.4倍未満であることが求められる。また、用途によっては気化している流体の表面張力は重要であり、この場合、22mM/m超、もしくは52mM/m超、または70mM/m超、さらに望ましくは82mM/m超であることが求められる。別の用途では、気化している流体の表面張力が過剰でないことが求められ、この場合では、75mm/m未満、もしくは69mM/m未満、または38mM/m未満、さらに望ましくは18mM/m未満であることが求められる。
気化流体をどのように活性蒸発面に送るための管に流入させるかということが重要である用途もある。この流入は構成要素の内部のチャネルネットワークを介して行われることが多い。これらのチャネルは異なる幾何形状を持ち、集積帯を有する。さらに、先に示した通り、圧力降下帯を他の地帯と釣り合わせることが有用である場合もある。このチャネル構成の目的について、各管に所望の流れを作ることに加え、流出における管もしくはその一部における圧力を均一にすることが考慮される。この技術は他のもの共に点滴灌漑システムのために開発されたものであり、今回の目的において模倣することができる(縮小によって適応可能なものがあるものの、ここでは主にその考え方を模倣する)。活性蒸発面につながる流出のための管に到達するため、気化流体において圧力差異があることが求められうることがわかっている。ある代表的な群では、これは、8bbar未満、もしくは4 bar未満、または1.8 bar未満、さらに望まれるは0.8 bar未満であることが求められる。高圧力である必要のない管については、あまり細くない管が用いられることが多く、この場合では、圧力差異が400 mbar未満、もしくは90 mbar未満、または8 mbar未満、さらに望まれるは0.8 mbar未満であることが求められる。ある代表的な管の群では、表面における気化は同じである。上記ような領域における管の35%以上、もしくは55%以上、または85%以上、さらに望まれるは95%以上でこの均一な圧力の強さであることが求められる。また、別の場合では、異なる領域での圧力差異が求められる場合では特に、活性蒸発面への輸送のための管に気化流体が到達した時、その気化流体における圧力差異が求められる。この際、高圧力である孔と低圧力である孔の差異が0.012 bar超、もしくは0.12 bar超、または1.2 bar超、さらに望まれるは6 bar超であることが求められる。
発汗要素の実施例の一つを図2に示す。これらは実施例の理解の容易性を促すための一例の図であり、それの代表的な実施方法というわけではない。つまり、多くの他の実施方法があるがそれらすべてを説明する代わりに一つの例として挙げているにすぎない。この実施例は必ずしも効果的というわけではなく、あっくまで概要説明、発明の拡散、個々の用途のために最適化された実施方法の開発のために選ばれたにすぎない。図2Aでは、最終的に孔部における滴化が見られる活性蒸発面まで送られる気化流体が分布する副次的な微細チャネルの表面のシステムでの、仮定のもしくは可能な断面を表したものである。この図では、二次元的な図の枠外に、副次的な表面部を作る活性蒸発面に流体を輸送する管があることを理解しなくてはならない。図2Bでは、鳥瞰図的にある活性蒸発面からの流出のための管の分布が図式化されている。図2Cでは、活性蒸発面に達する管とそれに対応する孔部の成形を担う、付加製造法によって製造された鋳型の一部の実装例を概略的に示す。
冷却チャネル、流出のための孔部や活性蒸発面への流体輸送のための管は円形であるが、用途によってはその断面図は他の幾何的形状もしくは可変的な幾何形状をとれる。これは、特に記載がない限り本発明のすべての用途で言える。
本稿で説明されている温度調節システムやそれと発汗金型に関する有用な応用の組み合わせのような、有用な用途はホットスタンピングである。本稿を通して説明されているあらゆる温度調節システムと発汗金型の組み合わせはホットスタンピング以外の多くの用途で有用性がある。ホットスタンピングについては他の用途、特に水か蒸気に直接接触しても構わないような冷却方法で冷却される用途においても応用できる。
水との接触が認められない用途にいては、活性表面に向かう管は、Ag, Cu, Alのような金属または高い熱伝導性を示す合金を浸透させることができる。そして、この表面へ向かう管やチャネルは活性表面の熱の輸送は構成要素による全熱除去能力により貢献する。実際、これにより、温度調節性能は冷却と加熱の両方において改善され、これが加熱および冷却の用途に使われることが可能な場合もある。ある用途では、少なくとも一部の領域の活性表面において露出する金属、または高い熱伝導性を示す合金は適さない。このような場合においては、管は孔部を欠くことができ、活性表面の下部で完全に浸透する前に仕上げることにより、金属または高い熱伝導性を示す合金が表面に到達することはないようにする。
ある実施では、冷却チャネルの設計、サイズ、その種類、長さ、効果面までの距離、冷却材の流量などの決定は入手可能なシミュレーションソフトウェアで行われる。
本発明において、工具、金型、鋳型もしくはその一部の効果面とチャネルの距離は囲んでいるチャネルの任意の点とそれらの効果面の最短距離を示す。
今回の発明のある実施では、チャネルの形状は一定の断面を持たない。ある実施では、チャネルは最小形状および最大形状を有する。
本発明において、平均距離とは工具、金型、鋳型もしくはその一部の効果面と断面を囲む異なるチャネルの距離の平均の値(全てを合計し、この距離の数で割る)を示す。これにより、最小平均距離は周囲のチャネルと工具、金型、鋳型もしくはその一部の効果面との間の最小平均距離を示す。
ある実施では、チャネルは工具、金型、鋳型もしくはその一部の効果面との距離が近く、この距離は75 mm未満であることがある。
別の実施では、周囲のチャネルと工具、金型、鋳型もしくはその一部の効果面の距離が51 mm未満、別の実施では46 mm未満、別の実施では39 mm未満、別の実施では27 mm未満、別の実施では19 mm未満、別の実施では12 mm未満、別の実施では10 mm未満、別の実施では8 mm未満、別の実施では7.8 mm未満、別の実施では7.4 mm未満、別の実施では6.9 mm未満、別の実施では6.4 mm未満、別の実施では5.8 mm未満、別の実施では5.4 mm未満、別の実施では4.9 mm未満、別の実施では4.4 mm未満、別の実施では3.9 mm未満、また別の実施では3.4mm未満である。
本発明のある実施では、と工具、金型、鋳型もしくはその一部における冷却チャネルの形状は円形、正方形、長方形、楕円形または半円形から選択できる。
ある実施では、工具、金型、鋳型もしくはその一部における冷却チャネルは一次チャネル、二次チャネル、または微細チャネルを含み、別の実施ではこの冷却チャネルは一次チャネルのみ、また別の実施ではこの冷却チャネルは一次チャネルと二次チャネルのみ、また別の実施ではこのチャネルは一次チャネル、二次チャネル、微細チャネル全てを含む。また別の実施では、工具、金型、鋳型もしくはその一部における冷却チャネルは一次チャネルと微細チャネルのみ、また別の実施では、二次チャネルと微細チャネルのみ、また別の実施ではこの冷却チャネルは二次チャネルのみ、また別の実施では微細チャネルのみを含む。
ある実施では、一次チャネルにおける一定の断面において、工具、金型、鋳型もしくはその一部における一次チャネルは2041.8 mm2未満の形状を持つ領域を有する。また別の実施では、1661.1 mm2未満。また別の実施では、1194 mm2未満。また別の実施では、572.3 mm2未満。また別の実施では、283.4 mm2未満。また別の実施では、213.0 mm2未満。また別の実施では、149 mm2未満。また別の実施では、108 mm2未満。また別の実施では、42 mm2未満。また別の実施では、37 mm2未満。また別の実施では、31 mm2未満。また別の実施では、28 mm2未満。また別の実施では、21 mm2未満。また別の実施では、14 mm2未満、他の実施では56 mm2 から21 mm2の間、またさらに別の実施では56 mm2から14 mm2の間の広さの形状を持つ領域を有する。
ある実施では、断面が一定ではない際、上記の工具、金型、鋳型もしくはその一部における一次チャネルの形状はそのチャネルの最小形状を指す。
また、ある実施では、二次チャネルの一定の断面において、工具、金型、鋳型もしくはその一部における二次チャネルは122.3 mm2未満の形状を持つ領域を有する。また別の実施では、82.1 mm2未満、また別の実施では、68.4 mm2未満、また別の実施では、43.1 mm2未満、また別の実施では、26.4 mm2未満、また別の実施では、23.2 mm2未満、また別の実施では、18.3 mm2未満、また別の実施では、14.1 mm2未満、また別の実施では、11.2 mm2未満、また別の実施では、9.3 mm2未満、また別の実施では、7.2 mm2未満、また別の実施では、6.4 mm2未満、また別の実施では、5.8 mm2未満、また別の実施では、5.2 mm2未満、また別の実施では、4.8 mm2未満、また別の実施では、4.2 mm2未満、また別の実施では、3.8 mm2未満、他の実施では7.8 mm2 から3.8mm2の間、またさらに別の実施では5.2mm2から3.8 mm2の間の広さの形状を持つ領域を有する。
ある実施では、ある実施では、断面が一定ではない際、上記の工具、金型、鋳型もしくはその一部における二次チャネルの形状はそのチャネルの最小形状を指す。
また、ある実施では、微細チャネルの一定の断面において、工具、金型、鋳型もしくはその一部における微細チャネルは1.6 mm2未満の形状を持つ領域を有する。また別の実施では、1.2 mm2未満、また別の実施では0.8 mm2未満、他の実施では0.45 mm2未満、さらに他の実施では0.18 mm2未満の広さの形状を持つ領域を有する。また、他の実施では工具、金型、鋳型もしくはその一部における微細チャネルは1.6mm2 から0.18mm2の間、またさらに別の実施では1.6 mm2から0.45 mm2の間、また別の実施では1.2 mm2から0.45mm2の間の広さの形状を持つ領域を有する。
ある実施では、ある実施では、断面が一定ではない際、上記の工具、金型、鋳型もしくはその一部における微細チャネルの形状はそのチャネルの最小形状を指す。
本発明において、相当直径は正方形、長方形、楕円形および半円形のなどのより複雑な形状含む他の形状に相当する球形の直径を指す。
ある実施では、二次チャネルの円形の他、正方形、長方形、楕円形および半円形のなどを含む形状について、その工具、金型、鋳型もしくはその一部における二次チャネルは相当直径の1.4倍未満の形状領域を有する。また別の実施では、相当直径の0.9倍未満、他の実施では0.7倍未満、さらに他の実施では0.5倍未満、さらに別の場合では0.18倍未満の形状領域を有する。
また、ある実施では、二次チャネルと微細チャネルの形状は一律の形状を持たない。本発明のある実施では、二次チャネルは最大形状と最小形状を有する。また、別の本発明の実施では、微細チャネルは最大形状と最小形状を有する。
ある実施では、二次チャネルにつながる全ての微細チャネルの最小形状の合計はそのつながる二次チャネルの形状と一致していなければならない。ある別の実施では、二次チャネルにつながる全ての微細チャネルの最小形状の合計はそのつながる二次チャネルの形状の少なくとも1.2倍でなくてはならない。
ある実施では、二次チャネルにつながる全ての微細チャネルの最大形状の合計はそのつながる二次チャネルの形状より大きくなくてはならない。また、別の実施では二次チャネルにつながる全ての微細チャネルの最大形状の合計はそのつながる二次チャネルの形状の少なくとも1.2倍でなくてはならない。
本発明のある側面では、本発明者によると、ある実施において高い耐摩耗性を持ちつつコストが安い素材を用いることが有用である。これを達成するためには、正しい熱機械的処理の下、以下の範囲での正しい組成が求められることを本発明者は明らかにした。
残りは鉄および微量元素からなり、
上記の条件下で: %Ceq = %C + 0.86*%N + 1.2*%B; かつ
%Moeq=%Mo+1/2 %W; かつ
%Mn+%Zr+%Ta+%Hf+%Ti > 2.1%
本稿では、微量元素とは、特に記載されていない、もしくは含有量が0.9%以下である、あらゆる元素を指す。ある特定の用途では、微量元素が0.4%以下、もしくは0.18%以下、また別の用途では0.06%以下であることが必要である。前記の通り、これらは組成中に完全に含まない場合も含める。微量元素として考えられ得るものはH、Li、, Na, K, Rb, Fr, Be, Mg, Ca, Sr, Ba, Ra, Ac, Tc, Re, Ru, Os, Rh, Ir, Pd, Pt, Ag, Au, Zn, Cd, Hg, B, Ga, In, Tl, Ge, Sn, Pb, P, As, Sb, Bi, O, S, Se, Te, Po, F, Cl, Br, I, At, He, Ne, Ar, Kr, Xe, Rn, Th, Pa, U, Np, Pu, Am, Cm, Bk, Cf, Es, Fm, Md, No,Lrもしくはこれらの化合物である。多くの用途では、ほとんど、もしくは完全な微量元素の不在が、明らかであるかもしくは望まれる。前記の通り、それぞれの微量元素は単一の実体とみなされ、これにより本発明の多くの用途では、それぞれの微量元素はそれぞれ別の許容量を有する。技術的現状の項に記載されている機能性、もしくはコスト削減のため、微量元素を添加することもある。あるいは、微量元素(含有されている場合)の存在は偶発的なものであり、素材を製造するために使用される合金化やスクラップ要素の純度の欠如に関わる可能性がある。微量元素の含有の理由は同じ合金だとしても違いが出てくる。
素相当材は関連する特性の大部分を決定する際に非常に重要である。高い耐摩耗性が求められる際、%Ceqは低すぎてはいけない。本開発のある実施では、%Ceq が0.81%超であることが望まれる場合もあることを本開発者は発見した。本開発のある実施では、%Ceq が1.06%超であることが望まれる場合もあることを本開発者は発見した。本開発のある実施では、%Ceq が1.22%超であることが望まれる場合もあることを本開発者は発見した。本開発のある実施では、%Ceq が1.65%超であることが望まれる場合もあることを本開発者は発見した。本開発のある実施では、%Ceq が2.02%超であることが望まれる場合もあることを本開発者は発見した。高靭性か高伸張性、またはそのいずれも求められる場合、%Ceqは高すぎないことが求められる。本開発のある実施では、%Ceq は2.98%未満であることが求められる。本開発のある実施では、%Ceq は1.98%未満であることが求められる。本開発のある実施では、%Ceq は1.48%未満であることが求められる。本開発のある実施では、%Ceq は0.9%未満であることが求められる。
耐摩耗性が求められる場合、%Cの含有量が低すぎてはいけない。本発明の実施では、%C が0.81%超であることが求められることがわかっている。本発明の実施では、%C が1.06%超であることが求められることがわかっている。本発明の実施では、%C が1.22%超であることが求められることがわかっている。本発明の実施では、%C が1.65%超であることが求められることがわかっている。本発明の実施では、%C が2.02%超であることが求められることがわかっている。また、高靭性か高伸張性、またはそのいずれも求められる場合、%Cが高すぎないことが求められる。本発明のあつ実施では%Cが2.98%未満であることが求められる。本発明のあつ実施では%Cが1.98%未満であることが求められる。本発明のあつ実施では%Cが1.48%未満であることが求められる。本発明のあつ実施では%Cが0.9%未満であることが求められる。
炭素相当材について、%Nの含有量が高すぎないことが望まれる場合がある。ある本発明の応用において、%N が0.09%未満、また別の場合では0.004%未満であることが望まれることを本発明者は見出した。また別の場合、%Nが存在しないことが望まれる。また、ある本発明の応用において%Nが焼入硬化性を向上させることがわかった。ある応用では、%N が0.06%超であることが望ましいことが明らかにされた。ある応用では、%N が0.11%超であることが望ましいことが明らかにされた。
また炭素相当材について、%Bの含有量が高すぎないことが望まれる。ある本発明の応用において、%B が0.03%未満。ある本発明の応用において、%B が0.019%未満。ある本発明の応用において、%B が0.009%未満、また別の応用においては%B が存在しないことが望まれることがわかった。特にフェライト変態の阻害によって、%Bが焼入硬化性を向上させることがわかった。この際、%B は0.002%超であることが望まれる。この際、%B は1.4%超であることが望まれる。この際、%B は3.1%超であることが望まれる。
二次炭化物中のクロムの存在がほとんど常に大きな影響を及ぼしているため、クロムの含有量関連する特性の大部分を決定する上で非常に重要である。靭性を下げすぎずに高温状態で機械的抵抗性が求められる場合、%Cr は3.6%超であることが望ましいことが発見された。ある本発明の応用では %Cr は5.2%超であることが望ましいことが発見された。ある本発明の応用では %Cr は6.5%超であることが望ましいことが発見された。 高靭性か高伸張性、またはそのいずれも求められる場合、%Crが高すぎないことが望まれる場合がある。これは%V、%Mo、%Wのような炭化物形成剤の含有量が高い場合、特に注意が必要である。ある本発明の応用では、%Cr が9.5%未満であることが望まれることがわかっている。ある本発明の応用では、%Cr が8.5%未満であることが望まれることがわかっている。ある本発明の応用では、%Cr が4.9%未満であることが望まれることがわかっている。
マンガン含有量本発明において非常に重要である。特に%Zr、 %Ti、 %Si、 %V、 または%Cr との組み合わせによって%Mnのある特定の含有率から、低温度における熱処理においても高い硬度の向上を得ることが可能であることが、本発明者によって明らかにされた。この臨界含有量は、合金中の他の元素の特定量に依存する。本発明の特定の応用について、%Mn が1.8%超であることが望まれることがわかっている。本発明の特定の応用について、%Mn が3.6%超であることが望まれることがわかっている。本発明の特定の応用について、%Mn が4.6%超であることが望まれることがわかっている。本発明の特定の応用について、%Mn が5.6%超であることが望まれることがわかっている。本発明の特定の応用について、%Mn が6.6%超であることが望まれることがわかっている。本発明の特定の応用について、%Mn が7.6%超であることが望まれることがわかっている。また、他の元素の合金中の含有量によっては、%Mnの高すぎる含有量は鋼鉄の加工の容易性に悪影響を与えることがわかっている。ある特定の本発明の応用では、%Mn は9.8%未満であることが望ましいことがわかっている。ある特定の本発明の応用では、%Mn は7.8%未満であることが望ましいことがわかっている。ある特定の本発明の応用では、%Mn は5.8%未満であることが望ましいことがわかっている。
ニッケルの含有量は、特に硬度の上昇や析出の制御に影響において、非常に重要な役割を果たす。本発明のある応用では、%Ni は0.25%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のある応用では、%Ni は1.52%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のある応用では、%Ni は2.52%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のある応用では、%Ni は3.02%超であることが望ましいことがわかっている。とくに靭性が他の特性よりも重要視される場合でにおいて、%Ni が高すぎないことが求められることがある。ある本発明の応用では、%Ni が4.8%未満であることが望ましいことがわかっている。ある本発明の応用では、%Ni が2.78%未満であることが望ましいことがわかっている。ある本発明の応用では、%Ni が0.49%未満であることが望ましいことがわかっている。
また別の場合では、組成中に%Niが存在しないことが求められることが本発明者によって明らかにされている。
ケイ素の含有量は、特に硬度の上昇や析出の制御に影響において、非常に重要な役割を果たす。本発明のある応用では、%Si は0.25%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のある応用では、%Si は1.52%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のある応用では、%Si は1.82%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のある応用では、%Si は2.52%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のある応用では、%Si は3.02%超であることが望ましいことがわかっている。また、本発明の組成の場合の中では%Siの高すぎる含有量は高い層厚を持つ鋼鉄の靭性に悪影響を与えることがわかっている。ある本発明の応用では、%Si が0.4%未満であることが望ましいことがわかっている。ある本発明の応用では、%Si が0.18%未満であることが望ましいことがわかっている。ある本発明の応用では、%Si が0.08%未満であることが望ましいことがわかっている。ある本発明の応用では、%Si が0.04%未満であることが望ましいことがわかっている。組成中に%Siが存在しないことが求められることが本発明者によって明らかにされている。また別の場合では、組成中に%Siが存在しないことが求められることが本発明者によって明らかにされている。
ある組成では、%Se+%Te+%S+%P+%As+%Pb+%Sb+%Snの値によっては、機械加工にあたって好都合である場合があることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、合金の組成において、%Se+%Te+%S+%P+%As+%Pb+%Sb+%Snを0.052%超含有することがさらに望ましいことがわかっている。%Se+%Te+%S+%P+%As+%Pb+%Sb+%Snの値が高い場合において、靭性に対する阻害をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Te+%S+%P+%As+%Pb+%Sb+%Snが0.04%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Te+%S+%P+%As %Pb+%Sb+%Snが0.008%未満であることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、%Se+%Te+%S+%P+%As+%Pb+%Sb+%Snが0%であることが求められることがわかっている。
ある組成では、%Ta+%Nbの値によっては、耐摩耗性を得るのに好都合である場合があることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、合金の組成において、%Ta+%Nbを0.22%超含有することがさらに望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、合金の組成において、%Ta+%Nbを0.54%超含有することがさらに望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、合金の組成において、%Ta+%Nbを1.6%超含有することがさらに望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、合金の組成において、%Ta+%Nbを2.04%超含有することがさらに望ましいことがわかっている。高い%Ta+%Nbの値によって靭性に対する阻害をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%Ta+%Nbが0.4%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Ta+%Nbが0.08%未満であることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、%Ta+%Nbが0%であることが求められることがわかっている。
ある組成では、%Se+%Teの値によっては、機械加工にあたって好都合である場合があることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、合金の組成において、%Se+%Teを0.052%超含有することがさらに望ましいことがわかっている。しかしながら、%Se+%Teの値によっては、本発明の鋼鉄に悪影響を与えることがある。特に、%Mnの含有が高い場合において、高い%Mnの含有によって期待される効果に支障をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Teが0.19%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Teが0.09%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Teが0.04%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Se+%Teが0.008%未満であることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、%Se+%Teが0%であることが求められることがわかっている。
本発明のいくつかの応用のでは、%P + %Sが合金組成中により含まれることがわかっている。ある組成での%P+%Sの値によっては、本発明の鋼鉄に悪影響を与えることがある。特に、%Mnの含有が高い場合において、高い%Mnの含有によって期待される効果に支障をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%P+%Sが0.028%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%P+%Sが0.018%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%P+%Sが0.008%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%P+%Sが0.0004%未満であることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、%P+%Sが0%であることが求められることがわかっている。
本発明のいくつかの応用のでは、Pが合金組成中により含まれることがわかっている。%Pの値によっては、本発明の鋼鉄に悪影響を与えることがある。特に、%Mnの含有が高い場合において、高い%Mnの含有によって期待される効果に支障をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%Pが0.028%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Pが0.018%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Pが0.008%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Pが0.0008%未満であることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、%Pが0%であることが求められることがわかっている。
本発明のいくつかの応用のでは、Sが合金組成中により含まれることがわかっている。%Sの値によっては、本発明の鋼鉄に悪影響を与えることがある。特に、%Mnの含有が高い場合において、高い%Mnの含有によって期待される効果に支障をもたらすことがある。本発明のいくつかの応用のでは、%Sが0.018%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Sが0.008%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Sが0.0008%未満であることが望まれることがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Sが0.0004%未満であることが望まれることがわかっている。また、その他の応用では、%Sが0%であることが求められることがわかっている。
モリブデン含有は、二次炭化物中においてほとんど常に大きな影響を及ぼしているため、関連する特性の大部分の決定に非常に重要である。焼戻しに対する抵抗性が求められる際、モリブデンは低すぎてはいけない。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo が0.16%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo が0.21%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo が1.1%超であることが望ましいことがわかっている。また、高靭性か高伸張性、はたはそのいずれも求められる場合、%Moは高すぎてはいけない。これは、%V、%Cr、または%Wのような炭化物形成剤の含有量が高い際でも同様である。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo は0.8%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo は0.19%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%Mo は0.04%未満であることが望まれ、また別の応用では、%Moが存在しないことが望まれることがわかっている。
本発明の応用について、%Wの重量の2倍の量で%Moを部分的に置き換えることができることがあることがわかった。また、ある用途では、前記の%Mo関して、%Wで置換することが可能であるがその際は元の%Moの数値の2倍でなくてはならない。この意味で%Moeqは部分的な代用物として考慮に値する。その代替としての使用の際の求められる添加量は、%Moeq=%Mo+1/2 %Wで表せられる。%Moeqの求められる値は上記の%Moに関する記載に対応する。
バナジウム含有は、二次炭化物中においてほとんど常に大きな影響を及ぼしているため、関連する特性の大部分の決定に非常に重要である。高温硬度が求められる際、%Vは低すぎてはいけない。本発明のいくつかの応用のでは、%Vが0.22%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Vが0.32%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Vが0.55%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Vが1.1%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Vが2.05%超であることが望ましいことがわかっている。また、高靭性か高伸張性、はたはそのいずれも求められる場合、%Vは高すぎてはいけない。これは、%Mo、%Cr、または %Wのような炭化物形成剤の含有量が高い際でも同様である。本発明のいくつかの応用のでは、%V は3.8%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%V は2.8%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%V は1.8%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%V は0.4%未満であることが望まれ、また別の応用では、%Vが存在しないことが望まれることがわかっている。
チタン含有は、二次炭化物中においてほとんど常に大きな影響を及ぼしているため、関連する特性の大部分の決定に非常に重要である。高温硬度が求められる際、%Tiは低すぎてはいけない。本発明のいくつかの応用のでは、%Tiが0.22%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Tiが0.55%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Tiが1.6%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Tiが2.6%超であることが望ましいことがわかっている。本発明のいくつかの応用のでは、%Tiが3.6%超であることが望ましいことがわかっている。また、高靭性か高伸張性、はたはそのいずれも求められる場合、%Tiは高すぎてはいけない。本発明のいくつかの応用のでは、%Ti は8.8%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%Ti は4.8%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%Ti は2.8%未満であることが望まれ。本発明のいくつかの応用のでは、%Ti は1.8%未満であることが望まれ、また別の応用では、%Tiが存在しないことが望まれることがわかっている。
%Co含有量が過剰でないことが求められる場合がある。本発明の応用では、%Co が2.3%未満であることが望まれることがある。本発明の応用では、%Co が1.2%未満であることが望まれることがある。また、別の場合のある応用では、%Coが存在しないことが求められる場合もある。また、別の場合では%Coが鋼鉄の特性の改善を促す場合もある。そのような場合は、 %Coは 0.001%超であることが望まれるとわかっている。そのような場合は、 %Coは 0.1%超であることが望まれるとわかっている。
%Cu含有量が過剰でないことが求められる場合がある。本発明の応用では、%Cuが1.1%未満であることが望まれることがある。本発明の応用では、%Cuが0.4%未満であることが望まれることがある。また、別の場合のある応用では、%Cuが存在しないことが求められる場合もある。また、別の場合では%Cuが鋼鉄の特性の改善を促す場合もある。そのような場合は、 %Cuは 0.001%超であることが望まれるとわかっている。そのような場合は、 %Cuは 0.1%超であることが望まれるとわかっている。
%Al含有量が過剰でないことが求められる場合がある。本発明の応用では、%Al が0.8%未満であることが望まれることがある。本発明の応用では、%Al が0.2%未満であることが望まれることがある。また、別の場合のある応用では、%Alが存在しないことが求められる場合もある。また、別の場合では%Alが鋼鉄の特性の改善を促す場合もある。そのような場合は、%Alは 0.6%超であることが望まれるとわかっている。そのような場合は、%Alは 1.1%超であることが望まれるとわかっている。
ある実施では、今回の本発明における工具鋼の側面では、適切に準備された時、これの耐摩耗性は61 HRc において1.2379超と特徴付けることができる。適切な準備下では、別の実施ではこれの2倍超、また別の実施ではこれの4倍超、また別の実施ではこれの8倍超と特徴付けることができる。この適切な準備とは、三回の焼戻しサイクルとオイルクエンチングの後に芯が一度1020℃に達した際、この温度での30分間のオーステナイト化を指す。また、ある実施では適切な調整とは、芯の温度が1020℃の達成がなされ空冷が適応された後のその温度における30分間のオーステナイト化を指す。この適切な準備とは、三回の焼戻しサイクルとオイルクエンチングの後に芯が一度1050℃に達した際、この温度での30分間のオーステナイト化を指す。この適切な準備とは、三回の焼戻しサイクルとオイルクエンチングの後に芯が一度1050℃に達した際、この温度での30分間のオーステナイト化を指す。この適切な準備とは、三回の焼戻しサイクルとオイルクエンチングの後に芯が一度1080℃に達した際、この温度での30分間のオーステナイト化を指す。この適切な準備とは、三回の焼戻しサイクルとオイルクエンチングの後に芯が一度1100℃に達した際、この温度での30分間のオーステナイト化を指。この適切な準備とは、三回の焼戻しサイクルとオイルクエンチングの後に芯が一度1150℃に達した際、この温度での30分間のオーステナイト化を指す。この適切な準備とは、三回の焼戻しサイクルとオイルクエンチングの後に芯が一度1200℃に達した際、この温度での30分間のオーステナイト化を指す。この適切な準備とは、三回の焼戻しサイクルとオイルクエンチングの後に芯が一度1250℃に達した際、この温度での30分間のオーステナイト化を指す。ある実施では、焼戻しサイクルは480℃から580℃の間の温度で行われる。ある実施では、焼戻しサイクルは480℃から650℃の間の温度で行われる。また、別の実施では焼戻しサイクルは500℃から550℃の温度で行われる。
例
上述のいずれの実施は鋼鉄の異なる組成に対応し、また、それぞれの特性が両立しうる限り、任意の組み合わせで本稿に記載された他の組成の実施と組み合わせることができる。
本発明は発汗要素を実装することを考慮する。これらは温度調節を行うための蒸発熱を利用する工具(例えば金型)もしくは他のそれに類する構成要素である。
相互接続された多孔性の発汗金型(または他の任意または特定の発汗孔、もしくはそれに類するもの)。また、これらは焼流し精密鋳造を経る。
SnGa、特にTi基礎とした合金、及びAlを基礎とした合金。SnGaまたはAlGaの合金化、その後液相焼結。
ほとんど全ての付加製造工程、もしくは付加製造工程でなものも用途によっては組み合わせることができることを本発明者は明らかにした。これは特に、要求が高い領域に対する付加価値が比較的高い工程とコストが低い工程の組み合わせでも言えることである。このような場合の一つとして、鋳造(砂、埋没材、ナノカストなど)、HIP、低コストの素材での高速製造工程、粒子荷電樹脂の光造形法を基礎とした比較的コストが低い付加製造法、有機的素材を用いた付加製造法、もしくは従来の高速ニアネットシェイプ法などの従来型の方法の適応が挙げられる。また、付加価値のついた素材を用いるためには、溶接を基本とした工程TIG、MIG、プラズマなど)、またはクラッディング、溶射、コールドスプレー、またはそれに類するような従来の方法も適用することができる。また、付加製造法は局地化された方法により素材製造のために使用されることがあり、この付加製造法は指向性エネルギー堆積方式といったものが適する場合がある。。場合によっては、製造されたもの(主に工具)のある特定の領域における特殊な機能性を得るための特定の微細構造を得るため、もしくはさらに素材に価値を付加するために付加価値を得るためのさらなる工程を経る。これは、人工誘発、レーザーなどによる局地的な熱処理、もしくは表面処理(窒化、浸炭、ホウ化、硫化、これらの混合物など)またはすでに記載された薄い塗装などで達成できることもある。用途によっては、付加価値を得るための工程を組み込むことによって特定の重要領域の製造精度を向上させることもできる。これによって、より厳しい許容誤差を達成することができる。このような場合では、総計を修正する、閉回路による評価のための三次元的な視点やスキャンニングシステムを導入することが検討されうる。あまた、ある用途では加法的であると同時に減法的なシステムを実装することが検討に値し、これにより素材を加えることも除去加工も十分な精度で行うことができる。
内部に熱伝導のためのチャネルがあり、外部では熱媒体によって熱伝導が行われる、焼結された粉末状素材からの金型や鋳型の製造方法。鋳型の製造では、焼結粉末は、鉄、鉄 − 炭素、銅、銅合金、炭化タングステンおよび炭化チタンから選択され、焼結された粉末状素材による第一層は枠に配置される。これが望まれるサイズと鋳型の空洞の形状を持つ、母型である。この方法は、所望の表面形状を有する細長い形状のパターンを形成する工程を含む。これにより、表面形状は熱を伝導する熱媒体として使用される前記の内部チャネルの形状に対応する。つまり、この原型は所望の金型の空洞の表面を補完する。この原型は前記の焼結粉末の孔内に浸透可能な金属でできている。つまり、この浸透可能な金属は、前記の焼結粉末の融点よりも低い融点を有する。前記の焼結粉末は、前記の母型を前記の焼結粉末の層を少なくとも部分的に埋める。この方法には、前記の焼結粉末の第二層を付け加え、前記の母型を完全に埋める工程が含まれる。この第二層は、離型剤によって第一層から分離される。これにより前記の層は、焼結粉の前記層の1つに相補的に離間した関係で前記の原型を完全に埋める。つまり、前記の原型の両端は前記の枠の内壁と接触する。さらに、この方法は、前記焼結粉末を加熱する工程を含む。母型および原型を焼結温度に加熱して前記の粉末を焼結させ、前記の原型の前記の浸透可能な金属を前記の粉末に浸透させる。続けて、前記の焼結粉末を冷却して硬化させる。この後、前記の第一層および第二層の境界に沿って二つの部分に分離可能になる。焼結された鋳型は、その形状が前記の原型および鋳型空洞の形状を補う内部チャネルを有する。
また、本発明者は発汗要素のように流体の気化熱を利用する他の方法を発見した。この方法では、適切に配置された孔部を通して表面に流体が送られる(この流体は水または水性流体であることが多いが、用途に応じて別の流体でもあり得る)。今回の問題は、金型もしくは工具の表面上に広がる液滴の形成にある。この効果を達成するある一つの方法は、製造された構成要素の冷却を行う前に、金型または工具を露点温度以下に保ち、効果面の霧化流体(例えば、水溶液)で粉砕することにある。構成要素からの熱流入は非常に強く、金型または工具を露点以下に保つことは容易ではない(これは、フロンまたは液体窒素のような過冷却流体が循環する本稿に記載されている微細システムのような冷却方法の表面冷却チャネルに非常に近い位置での使用により達成可能である。また別の用途では、水の蒸発熱の段階でも霧化された水の噴霧のような強烈な外部冷却によっても達成できる。)少なくとも効果面の一部における均一な流体の液滴の層の適応は複数の方法で行うことができ、その一つはは流体噴霧ノズルの使用である。特に垂直面や異なる向きの面を持つ複雑な幾何形状を有する金型や工具の場合、望まれた場所に残留分極が配置されていることを確認するために流体液滴のサイズの選択の際、注意する必要があることがある。
ホットスタンピング工程の際、発汗要素の場合と同じく、極端に短い時間での構成要素の冷却が達成可能で、これは多段トランスファライズドプレスやプレス順送金型プレスシステムで可能になる従来の一段階のプレス加工のほかにもあらゆる製造法の運用を可能にする。
ある用途では、製造される構成要素の熱膨張係数に関連する可能性のある望ましくないひずみを抑制する調整において冷却が行われることが重要である。これにより、構成要素は冷却されている間、何らかの種類の金型、工具または形状保持器に保持される。一部の用途では、寸法精度の制約が低い。よって、冷却工程中に形状保持を行う必要はない。つまり、これは噴霧された液体の気化熱を利用して製造された構成要素の冷却を促進するために(適当なノズルまたは他の流体噴霧システムを用いて)構成要素を直接粉砕することによって行うことができる。
構造物、工具、金型、鋳型、部品または機械工具の部品の劣化および故障は、莫大な費用を要する。素材の特性はこれらの構成要素の耐久性において決定的な役割を果たす。ある実施では、上記の技術的効果はコスト削減や構成要素の長期耐久性などを含む。この長期耐久性は破壊靭性、環境抵抗性、耐腐食性、応力腐食亀裂耐性、機械的強度や耐摩耗性といった工具、金型、鋳型やその一部を製造するために使われる鋼鉄の特性に依る。いくつかの実施では、本発明は冷却時間の短縮も可能にし、これにより大きなコスト削減や生産速度の向上が可能になる。
本発明のあらゆる鋼鉄は冶金学的方法で製造することができ、その中で最も一般的なものは砂型鋳造、ロストワックス鋳造、連続鋳造、電気炉での溶融、真空誘導溶解である。粉末冶金処理はHIP、CIP、冷間またはホットプレス、焼結(液相の有無にかかわらず)、溶射または熱コーティングなど任意の霧化およびその後の成形である。合金は所望の形状で直接得ることができ、また、他の冶金プロセスによって改善することができる。ESR、AOD、VARを例とした、任意の精製冶金工程が適用できる。鍛造または圧延は靭性を高めるために頻繁に使用され、これはブロックの三次元鋳造においてもである。本発明の工具鋼は、棒状、ワイヤー状またははんだ合金として使用するための粉末の形態で得ることができる。さらに、低コストの合金鋼マトリックスが製造でき、本発明の鋼鉄から製造された溶接棒、ワイヤーによってマトリックスの重要部に運用することができる。また、レーザー、プラズマ、または電子ビーム溶接は、本発明の鋼鉄の粉末またはワイヤーを用いて行うことができる。本発明の鋼鉄は溶射技術と共に使用して、別の材料の表面の一部に塗布することもできる。言うまでもなく、本発明の鋼鉄は、例えば別個の相として埋め込まれた場合、または多相材料の相の一つとして得られる場合、複合素材の一部として使用することができる。また、混合物の製造方法が何であれ、他の相または粒子が埋め込まれたマトリックスとしても使用される。
本発明の鋼鉄はは特にホットスタンピング工具の用途に適している。また、これはプラスチック射出工具を用いる際に特によく機能する。また、ダイカストの用途においても非常に適する。本発明の鋼鉄の他の用途の分野としては、シートまたは他の研磨部品の絞りや切断が挙げられる。医療用途として、消化管や製薬工具としての使用が検討に価する。
上述のいずれの実施は鋼鉄の異なる組成に対応し、また、それぞれの特性が両立しうる限り、任意の組み合わせで本稿に記載された他の組成の実施と組み合わせることができる。
さらなる実施は実施例、もしくは請求項に含まれる。
実施例
本発明の複数の鋼鉄が開発され、以下の実施例の表に示されている。実施例が示されている表は各組成物の重量百分率で示し、残りは、以下の場合の鉄および微量元素から成る。
例1:以下の標準的な組成における熱間工具鋼
表1
350×350×350の断片は焼戻され、報告された破壊靭性は二つの横断方向においての計測された破壊靭性の平均値である。試験片は断片の中心部から取られている(重力中心の最大20%)。鋼鉄を鍛造、焼きなまし、焼戻し(焼戻しを含む)を「最適な」方法(本稿記載)によって施す。これは、油での10mmの層厚を持つ試験片が油での焼戻しを施された際にAISI H10鋼鉄における80 MPa*√m以上の室温での靭性を得るための工程である。
表における二つの第一の鋼鉄は最新技術の鋼鉄に対応し、ここでは比較対象として記されている。
例2:以下の標準的な組成における鋼鉄が開発された。
表4. 従来のステンレス鋼AISI 316(ex. 3.3)との本発明の鋼鉄の比較対象例。図3は表3における組成のタフェルプロット。
表5: 表の組成を表記した図1の腐食速度のタフェルプロット。
例3:以下の標準的な組成における鋼鉄が開発された。
例4:以下の標準的な組成における鋼鉄が開発された。
例5:以下の標準的な組成における鋼鉄が複数開発された。
表8: 本発明の鋼鉄とH13、 H11、 H20、 H19、 H10といった従来の鋼鉄と鋼鉄1.2367との比較対象例。
例6:以下の標準的な組成における鋼鉄が複数開発され、これは表9に示す。
例7:以下の標準的な組成における鋼鉄が複数開発された。
表11には、表10に示される同じ例について測定された異なるパラメータが示されている。浸漬試験は、3種類の水、脱イオン水、スペインのRubiからの水道水、およびスペインのBarcelonetaからの海水で72時間行った。浸漬試験は、脱イオン水、スペインのRubiの水道水、およびスペインのバルセロナの海水の三種類の水で72時間行った。
腐食試験の数値は
1. 水や布で浄化できない均一な腐食
2. 水や布で浄化することができる均一な腐食に対応しながら表中に示される。
3. 不均一な腐食
4. 腐食があるいくつかの小さな領域
5. 腐食なし
例8:このプロットは、図2、または例5、表8に示したのと同様、鋼鉄3356LAB−3の冷却中の温度に対するd(dL/L)/dt(長さを標準化した長さの増加分を時間の増分で割ったもの)である。
対照の目的の下、図1、または例5、表8に示したのと同様、従来の鋼H11の冷却中のd(dL/L)/dt(長さを時間の増分で割って正規化した長さの増加分)対温度をプロットした。
TDの値は、本発明における鋼鉄と従来の鋼鉄においてでは、違いがある。図2は従来の鋼鉄H11におけるTDの値を示し、本発明の鋼鉄3356LAB−3のTDの値が280℃未満であるのに対し、従来の鋼鉄H11におけるそれが360℃超である。
例9:以下の標準的な組成における鋼鉄が開発された。
例11:図4に示されている型押し版が描写されている。付加製造法がその中間型の製造のために適応される。(図4における1および2)。UV光造形法は重合性樹脂、UV光イニシエーター、およびポリ(ヒドロキシブチル)メタクリル酸を基礎としたアクリルモノマーと共に使用される。
300℃をわずかに超すTg、および0.45 MPaにおける290℃付近の荷重たわみ温度。体積弾性率は3GPa付近、耐久強度は70 MPa付近である。中間型を例6−3217 LAB 3−の組成の粉末(図4における4)で充填する。その後、充填した中間モデルを溶融ゴムに浸して外側モデルを作成する(図4におけるpart3)。この鋳型は、10分間の450MPaにおけるCIPサイクルを受ける。650℃程度まで制御された炉内で中間型と外部のゴム鋳型の熱破壊に続いて化学洗浄が行われる。続いて、1200℃のAr環境で一時間半の焼結が行われる。最後に、最終的な圧密工程として、100MPaにおいて、1150℃のHIPを四時間行う。
そして、この金型はホットスタンピングのテストラインに設置される。この際の温度は、水を用いた焼戻しシステムの一つである、高速ヒート&クール成形技術を通して制御され、金型の表面における温度は表面から1mmの位置に設置された余剰熱電対と共に組み込み式のセンサーによって制御される。この温度は、16℃、もしくは10℃以下に設定する。またこれの変動は工程を通して記録する。水と空気の混合物の噴霧のためのノズル一式で、金型の効果面にこれを吹き付ける。この噴霧は完成した部品の除去と次の熱いシートの配置との間に行う。開放型サイクル(部品の除去、表面の噴霧、新しいホットシートの配置、プレスの移動)は六秒間で行われる。密閉型サイクル(クエンチング工程)は0.5秒間で行われる。シート材質は1.85mm 22MnB 5であり、耐性強度は1100MPaを超え、7.5%を超える伸張性とともに1550MPaを超える極限強度が一貫して得られる。
例12:図4に描写されているものに類するホットゾーン金型が作られる。内部の複雑な冷却構造の代わりに、直径20mmの発熱体のカートリッジを設置するための円筒状の穴を有する。チャネルは表面から40mmの位置に配置する。DLP光造形法が可視光線イニシエーターとアクリルモノマーを持つ低コストの重合性樹脂と共に使用される。この樹脂には特別な耐熱性はない。
中間型を例2−1.1−の組成の粉末(図4における4)で充填する。続いて、この充填された鋳型の二成分のネオプレン(液体EPDMゴム)の混合物への浸漬により外部モデルを作成し、これを空気中で硬化させる。この鋳型に650MPにおけるCIPサイクルを十分間施す。450℃程度まで制御された炉内で中間型と外部のゴム鋳型の熱破壊に続いて化学洗浄が行われる。続いて、1250℃のAr環境で一時間半の焼結が行われる。最後に、最終的な圧密工程として、100MPaにおいて、1200℃のHIPを四時間行う。