JP2006502249A - ポリ(カリウムおよびスチレンスルホン酸ナトリウム)、その製造およびその使用 - Google Patents

ポリ(カリウムおよびスチレンスルホン酸ナトリウム)、その製造およびその使用 Download PDF

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Abstract

Clostridium difficileにより引き起こされるような抗生物質起因性下痢症は、被験体にブロードスペクトラムな抗生物質を被験体に投与することから生じうる重篤な医学的合併症を表す。本発明は、抗生物質起因性下痢症を処置し、生理的なカリウム中性である重合体治療剤を開示する。このポリマーは、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムおよびポリスチレンスルホン酸カリウム繰り返し単位を含む。

Description

発明の詳細な説明
関連出願
本出願は、2002年7月22日に出願された米国仮出願第60/397,868号の利益を主張する。上記出願の全体の教示は参考として本明細書中に援用される。
発明の背景
多くの病原体は、宿主生物に対して有害、ある場合には、致命的である毒素を産生する。病原体により産生される毒素は、2つの一般的なカテゴリーであるエキソトキシンおよびエンドトキシンに分類されうる。エキソトキシンは、一般に病原体により分泌されるタンパク質またはポリペプチドである。エンドトキシンは、グラム陰性細菌の細胞壁の外層で見出されるリポ多糖類またはリポタンパク質である。
各タイプの毒素は多数の症状に関連する。エンドトキシンは、発熱、下痢、嘔吐ならびにリンパ球、白血球、および血小板計数の減少を引き起こす。エキソトキシンは、溶血、敗血性ショック、白血球の破壊、嘔吐、麻痺、および下痢を引き起こす。エキソトキシンの1クラスであるエンテロトキシンは、小腸に作用し、腸管腔への液体の大量の分泌を引き起こし、下痢を導く。エンテロトキシンは、Clostridium difficile、Clostridium perfringens、Clostridium sordelli、Staphylococcus aureus、Bacillus cereus、Vibrio cholerae、Escherichia coli、およびSalmonella enteritidis等の細菌により産生される。
Clostridium difficileは、病院および長期ケア機関において最も一般的な院内感染生物の1つになった。この生物は、典型的には、正常な腸内細菌嚢がブロードスペクトラム(broad spectrum)な抗生物質の投与により乱された患者に感染する。感染に関連する下痢および大腸炎は、重篤な医学的および外科的合併症を示し、疾病率および死亡率の増大を引き起こし、平均2週間近く病院滞在を長期化する。これは、高齢および感染症を発生する可能性が高い重篤な基礎疾患を有する患者について特に真実である。
現在、C.difficile起因性下痢症等の抗生物質起因性下痢症に対する多くの治療は不適切である。かかる治療は、AADを引き起こした抗生物質を中止し、正常な大腸内細菌嚢を示し、可能な限り迅速に回復させることを含む。しかし、殆どの症例では、それは十分ではなく、メトロニダゾールまたはバンコマイシン等のさらに別の抗生物質が細菌を死滅させるために使用される。これらの抗生物質は両方とも、AADの高い再発率および多剤耐性enterococciおよびstaphylococciの潜在的な選択等の有意な欠点を有する。
より有望な治療は、C.difficileトキシンAおよびB等のエンテロトキシンにより生じる腸内損傷および炎症に作用する。C.difficileにより産生される毒素は、粘膜に損傷を与え、炎症性大腸炎を担う病原因子である。治療は、米国特許第6,270,75号、第6,290,946号、第6,419,914号、第6,517,826号および第6,517,827号(これらの全ての内容が参考として本明細書中に援用される)に記載されるように、細菌により産生されるエンテロトキシンを阻害するために負に荷電したポリマーの使用を含む。
下痢を経験した患者は、電解質の有意な損失を受けやすく、さらなる疾病を導く。さらにカリウム含量を消耗する可能性がないアニオンポリマー等の治療剤は、この患者集団において好ましい。従って、被験体に投与された場合、生理的なカリウムおよびナトリウム中性である負に荷電したポリマーを開発すること、および/または所望のおよび/または有利な効果を生じるように予め選択されたカリウム含量を有する負に荷電したポリマーを開発することは有利である。かかる治療用ポリマーは、ポリマーの投与によるカリウムおよびナトリウムのさらなる損失を防ぐか、または他の所望の効果を有する。
発明の要旨
スチレンスルホン酸ナトリウム繰り返し単位およびスチレンスルホン酸カリウム繰り返し単位からなるポリスチレンスルホン酸塩ランダムコポリマーは、患者に投与された場合、生理的なカリウムおよびナトリウム中性であることが見出された。ポリスチレンスルホン酸塩ランダムコポリマーが、エンテロトキシン等の細菌毒を阻害し、それにより抗生物質起因性下痢症(以下では「AAD」)を治療することがさらに見出された。
ある態様では、本発明は、ポリスチレンスルホン酸塩コポリマー、好ましくはランダムコポリマー、またはポリスチレンスルホン酸塩コポリマーからなる医薬組成物であり、ここでコポリマーは構造式(I):
Figure 2006502249
により表される繰り返し単位および構造式(II):
Figure 2006502249
により表される繰り返し単位により表される繰り返し単位からなる。
別の態様では、本発明は、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムおよびポリスチレンスルホン酸カリウムの混合物またはポリスチレンスルホン酸ナトリウムおよびポリスチレンスルホン酸カリウムの混合物からなる医薬組成物である。上記混合物は、ポリスチレンスルホン酸カリウムおよびポリスチレンスルホン酸ナトリウムの粉体、スラリー、懸濁物、または溶液でありうる。
別の態様では、本発明は、AADの治療方法であり、ここでAADを治療するのに十分な構造式(I)および構造式(II)により表される繰り返し単位からなるコポリマーの有効量または混合物の有効量が哺乳動物に投与される。本発明では、AADを「治療する」ことは、罹りやすい哺乳動物においてAADの発症を阻害すること、AADに罹りやすい哺乳動物を予防的に処置すること、発症中のAADを治療すること、およびAADの再発を阻害することをいう。罹りやすい哺乳動物は、胃腸管の正常な細菌嚢を破壊し、それによりAADを導くブロードスペクトラムな抗生物質の使用を含む何らかの理由により、AADを発症する危険性があるか、またはAADの再発を有する哺乳動物である。
別の態様では、本発明は、ポリスチレンスルホン酸塩コポリマーの調製方法である。ポリスチレンスルホン酸塩コポリマーは、以下の工程のいずれか1つにより調製されうる:スチレンスルホン酸塩のナトリウム塩およびスチレンスルホン酸塩のカリウム塩を共重合する工程(好ましくは上記塩をランダムに共重合する工程、あるいは上記塩をブロック共重合する工程、または上記塩を共重合する工程)、ポリスチレンナトリウムスルホン酸塩のナトリウム塩のナトリウムイオンの一定割合(proportion)をカリウムイオンと交換する工程、ポリスチレンカリウムスルホン酸塩のカリウムの一定割合をナトリウムイオンと交換する工程、ポリスチレンをスルホン化する工程および得られたポリスチレンスルホン酸塩と塩基性ナトリウムおよびカリウム塩の混合物とを反応させる工程。
別の態様では、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムおよびポリスチレンスルホン酸カリウムの混合物は、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムおよびポリスチレンスルホン酸カリウムを物理的に混合することにより調製されうる。混合するのに許容されうるポリスチレンスルホン酸ナトリウムおよびポリスチレンスルホン酸カリウムの形態としては、乾燥形態(例えば、粉体)、スラリー、および溶液が挙げられる。
本発明は多くの利点を有する。ポリスチレンスルホン酸塩コポリマーおよび混合物は、典型的には、コポリマーまたはポリマーを哺乳動物に投与することにより哺乳動物におけるカリウムおよび/またはナトリウムレベルに有意な変化を生じないように、生理的なカリウムおよびナトリウム中性である。また、本発明の方法に使用される組成物は、ポリマー合成の標準的な技術を使用することにより容易に調製される。開示されるコポリマーおよび混合物は、一般に体の他の感染を治療するために使用されるブロードスペクトラムな抗生物質と干渉せず、従ってブロードスペクトラムな抗生物質と組み合わせて使用されうる。さらに、本発明の組成物および方法は、疾患の発症を阻害または予防するため、発症後の疾患を治療するため、または再発を阻害もしくは防止するための単独治療として使用されうる。本発明による単独治療は、患者が抗生物質療法を許容できない場合、または更なる抗生物質治療が望ましくない(すなわち、患者が抗生物質治療に応答しない)場合特に有利である。抗生物質療法を許容できない患者は、抗生物質起因性下痢症の抗生物質処置が禁忌である患者である。
発明の詳細な説明
本発明のポリスチレンスルホン酸塩コポリマーは、構造式(I)および構造式(II)により表される繰り返し単位を含有するか、またはそれらからなる。好ましくは、約20%〜約70%の繰り返し単位は構造式(II)により表され、約30%〜約80%の繰り返し単位は構造式(I)により表される。あるいは、約30%〜約45%の繰り返し単位が構造式(II)により表され、約55%〜約70%の繰り返し単位が構造式(I)により表され、約35%〜約40%の繰り返し単位が構造式(II)により表され、約60%〜約65%の繰り返し単位が構造式(I)により表され、または約37%の繰り返し単位が構造式(II)により表され、約63%の繰り返し単位が構造式(I)により表される。あるいは、約53%〜約73%の繰り返し単位が構造式(I)により表され、約27%〜約47%の繰り返し単位が構造式(II)により表され、約58%〜約68%の繰り返し単位が構造式(I)により表され、約32%〜約42%の繰り返し単位が構造式(II)により表され、約60.5%〜約65.5%の繰り返し単位が構造式(I)により表され、約29.5%〜約44.5%の繰り返し単位が構造式(II)により表され、または約62%〜約64%の繰り返し単位が構造式(I)により表され、および約36%〜約38%の繰り返し単位が構造式(II)により表される。
同様に、本発明のポリスチレンスルホン酸塩混合物は、約20〜約70%、約27%〜約47%、約30%〜約45%、約32%〜約42%、約35%〜約40%、約36%〜約38%、または約37%のポリスチレンスルホン酸カリウムおよび約30%〜約80%、約53%〜約73%、約55%〜約70%、約58%〜約68%、約60%〜約65%、約62%〜約64、約63%のポリスチレンスルホン酸ナトリウムを含有する。
混合物中のコポリマーまたはポリマーの重量は、コポリマーが胃腸管で吸収されないように十分に大きく、典型的には100,000ダルトンよりも大きく、好ましくは400,000ダルトンよりも大きい。オリゴマーの量は、約0.3%未満、好ましくは約0.1%未満、またはより好ましくは約0.05%(w/w)未満のオリゴマーが存在するように有利に最小化される。質量の上限は一般に重要ではない。典型的には、本発明のコポリマーおよびポリマーは、約100,000ダルトン〜約5,000,000ダルトン、または約200,000ダルトン〜約2,000,000ダルトン、約300,000ダルトン〜約1,500,000ダルトンまたは約400,000ダルトン〜約1,000,000ダルトンの質量である。ポリスチレンスルホン酸塩コポリマーまたはポリマーは、架橋されても、または架橋されなくてもよいが、好ましくは架橋されておらず、水溶性である。
本発明の別の態様は、少なくとも10%、20%、30%、35%、50%または75%の対カチオンがカリウムカチオンであるポリスチレンスルホン酸塩ポリマーである。好ましくは、ポリスチレンは、少なくとも2つの異なる対カチオン、より好ましくは異なる対カチオン2つのみ、より好ましくはこれらの2つの対カチオンはカリウムおよびナトリウムである。典型的には、約20%〜約70%の対イオンがカリウムであり、約30%〜約80%の対イオンがナトリウムである。あるいは、約30%〜約45%の対イオンがカリウムであり、約55%〜約70%がナトリウムであり;約35%〜約40%の対イオンがカリウムであり、約60%〜約65%の対イオンがナトリウムであり;約37%の対イオンがカリウムであり、約63%の対イオンがナトリウムであり;約50%〜約60%の対イオンがカリウムであり、約40%〜約50%がナトリウムであり;約60%〜約70%の対イオンがカリウムであり、約30%〜約40%がナトリウムであり;約70%〜約80%の対イオンがカリウムであり、約20%〜約30%がナトリウムであり:約80%〜約90%の対イオンがカリウムであり、約10%〜約20%がナトリウムである。
また、薬学的に許容されうる担体または希釈剤および上記段落に記載されるスルホン酸塩ポリマーを含有する医薬組成物が本発明に含まれる。また、AADまたはC.difficleに関連する下痢を有する哺乳動物の治療方法が含まれる。本方法は、上記パラグラフに記載されるポリスチレンスルホン酸塩ポリマーの有効量を哺乳動物に投与する工程を含む。
本発明の方法により処置されうる抗生物質起因性下痢症としては、Streptococcus pneumoniae、Streptococcus pyogenesおよびStreptococcus Sanguisを含むStreptococcus spp.;Salmonella enteritidisを含むSalmonellaspp.;Campylobacter jejuniを含むCampylobacter spp.;E. coliを含むEscherichia spp.;Clostridium difficileおよびClostridium botulinumを含むClostridia spp.;Staphylococcus aureusを含むStaphylococcus spp.;Shigelladysenteriaeを含むShigella spp.;Pseudomonas spp., Pseudomonas aeruginosaを含むPseudomonas spp.;ordatella pertussisを含むBordatella spp.;Listeria monocytogenesを含むListeria spp.,;Vibrio cholerae;Yersinia enterocoliticaを含むYersinia spp.;Legionella pneumophiliaを含むLegionella spp.;Bacillus anthracisを含むBacillus spp.;H. pyroliを含むHelicobacterspp.;Corynebacteria spp.;Actinobacillus spp.;Aeromonas spp.;Bacteroides fragilisを含むBacteroidesspp.;N. meningitidisを含むNeisseriaspp.;Moraxella catarrhalisを含むMoraxella spp.およびPasteurella spp.により産生されたエキソトキシンおよび/またはエンドトキシン等の毒素により引き起こされるAADが挙げられるがこれらに限定されない。一般に、AADはCampylobacter spp.、E. coli.、S. aureus、P. aeruginosa、V. cholerae、B. fragilis、Neisseria spp.、C. novi、C. perfringes、またはC. sordelliにより引き起こされる。典型的には、AADはClostridium difficile起因性下痢症である。
本発明の医薬組成物および治療方法は、任意に、ポリスチレンスルホン酸塩コポリマーまたは混合物に加えて、AADに有効な抗生物質を含み得る。抗生物質は、例えば、個別の投薬形態または単回投薬形態にて同時に投与されてもよく、あるいは適切な時間間隔を空けて個別に投与してもよい。AADに有効な抗生物質は、典型的には、GoodmanおよびGilmanの「The Pharmaceutical Basis of Therapeutics, 第9版(参照により本明細書に援用される)」に記載されているものなどの抗菌性のものである。しかしながら、抗菌性抗生物質は一般にAADを治療するが、AADに対する多くの抗生物質の有効性は限定的であり、それにより、AADに罹った患者に対する可能な処置法の数が減少する。好ましくは、抗生物質はメトロニダゾールまたはバンコマイシンである。
コポリマーまたはポリマーは、経口で、または栄養管によるものなどの直腸経由で投与し得る。好ましくは、コポリマーもしくはポリマーまたはコポリマー、ポリマーを含有する医薬組成物を経口投与する。コポリマーまたはポリマーを投与する形態は、例えば、粉末、錠剤、カプセル、溶液、スラリー、懸濁液、分散剤またはエマルジョンであり、投与される経路に依存する。好適な医薬用担体は、該化合物と相互作用しない不活性な成分を含み得る。担体は、生体適合性、すなわち無毒性、非炎症性、非免疫原性であるべきであり、投与部位で望ましくない反応がないべきである。薬学的に許容され得る担体の例としては、例えば、生理食塩水、市販の不活性ゲル、またはアルブミンが添加された液体、メチルセルロースもしくはコラーゲンマトリックスが挙げられる。Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, PAに記載されているものなどの標準的な医薬製剤技術を使用することができる。(硬質ゲルアクチンまたはシクロデキストランの皮膜内での)組成物のカプセル化方法は、当該技術分野において公知である(Bakerら,「Controlled Release of Biological Active Agents」, John Wiley およびSons, 1986)。
経口投与のためには、コポリマーおよびポリマーを、コポリマーまたはポリマーを、当該技術分野で周知の薬学的に許容され得る担体と合わせることにより容易に製剤化することができる。かかる担体により、本発明のコポリマーおよびポリマーを、治療対象の患者が経口摂取するための錠剤、丸剤、糖衣、カプセル、液剤、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などとして製剤化することが可能になる。経口使用のための医薬調製物は、コポリマーまたはポリマーを固体賦形剤と合わせ、任意に、得られた混合物を粉砕し、所望により適当な助剤を添加した後、顆粒の混合物を加工して、錠剤または糖衣錠コアを得ることにより得られ得る。好適な賦形剤は、特に、ラクトース、スクロース、マンニトールまたはソルビトールを含む糖などの増量剤;例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、イモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースなどのセルロース調製物および/またはポリビニルピロリドン(PVP)である。所望により、架橋ポリビニルピロリドン、寒天またはアルギン酸もしくはその塩(アルギン酸ナトリウムなど)などの崩壊剤を添加することができる。
糖衣錠コアには、適当なコーティングが施される。この目的のために、濃縮した糖溶液を使用することができ、これは、任意に、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポルゲル、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー溶液ならびに適当な有機溶媒または溶媒混合物を含み得る。識別のため、または活性化合物またはポリマーの投薬量の異なる組み合わせを特徴付けるため、錠剤または糖衣コーティングに染料または色素を添加することができる。
経口使用し得る医薬調製物としては、ゼラチンなどの適当な材料で作製されたプッシュフィットカプセル、ならびに例えばゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤で作製された軟質シールカプセルが挙げられる。プッシュフィットカプセルは、コポリマーまたはポリマーを、ラクトースなどの増量剤、デンプンなどの結合剤および/またはタルクまたはステアリン酸ナトリウムなどの滑剤ならびに、任意に、安定剤と混合した状態で含むことができる。軟質カプセルでは、コポリマーまたはポリマーを、水溶液(生理食塩水)、アルコール、脂肪油、液体パラフィンまたは液体ポリエチレングリコールなどの適当な液体に溶解または懸濁することができる。また、安定剤を添加することができる。経口投与用の製剤は、かかる投与に適当な投与量であるべきである。
本発明のコポリマーまたは混合物の「有効量」は、例えば、AADの症状を改善することにより、発症を遅延させることにより、または持続時間を短縮させることにより、または再発を抑制することにより、AADを一部または完全に治療(例えば、阻害)するのに充分な量である。有効量は、一回の投薬、または数時間などの適切な時間間隔に分けた一連の投薬で投与され得る。
投与されるある特定のポリマーまたはコポリマーの量は、個人を基準に決定され、少なくとも一部は、個々の罹患し易い哺乳動物の体格、一般健康状態、年齢、性別、体重、医薬品に対する耐性、既知または疑われる病原体の実体、処置対象の症状の重篤度および求められる結果を考慮することにより決定される。ポリマーまたはコポリマーは、単独で、またはポリマーまたはコポリマーおよび1種以上の薬学的に許容され得る担体、希釈剤または賦形剤を含有する医薬組成物にて投与され得る。医薬組成物はまた、任意に、抗生物質、抗炎症剤または鎮痛剤などの1種以上のさらなる薬剤を含み得る。
経口投与のために、コポリマーまたは混合物(すなわち、混合物中のポリマーの量に関する)は、約0.1〜約10g/日、より好ましくは約1.0〜約7.0g/日、さらにより好ましくは約2.0〜約6.6g/日の用量で投与され得る。最も好ましくは、コポリマーまたは混合物は、約3.0〜約6.0g/日の用量で投与される。
ポリスチレンスルホン酸塩コポリマーまたはポリマー混合物、特に医薬組成物では、有利には、ガスクロマトグラフィーで測定したとき、いずれも約0.1% (w/w)未満で、不純物の総量が0.5% (w/w)未満の不純物を有する。特に、1,2-ジクロロメタンの量は、約0.0005% (w/w)未満であるべきである。また、HPLCで測定したときの残留スチレンは、約0.001% (w/w)未満であるべきである。残留塩化物および臭素物の量は、イオンクロマトグラフィーで測定したとき、それぞれ、約1.0%未満であるべきである。重金属は、好ましくは、ポリスチレンコポリマーまたはポリマー混合物の0.002% (w/w)未満を構成する。微生物のレベルは、有利には、好気生生物1グラムあたりカビおよび酵母が約500 コロニー形成単位(cfu)を超えない、250 cfu/gを超えず、検出可能な病原体がないような最小限である。
本発明のポリスチレンスルホン酸塩ポリマーおよびコポリマーは、前述の方法により調製され得る。例えば、米国特許第6,270,755号、第6,290,946号、第6,419,914号、第6,517,826号および第6,517,827号には、スチレンスルホン酸塩を重合することによるポリスチレンスルホン酸塩ポリマーの合成方法が記載されている(例えば、米国特許第号6,290,946号の実施例8および12)。スチレンスルホン酸カリウムおよびスチレンスルホン酸ナトリウムを重合する場合、適量(例えば、約1〜約5当量、好ましくは約1.8〜約2.0当量)のスチレンスルホン酸ナトリウムを、適量(例えば、約1〜約4当量、好ましくは約0.9〜約1.1当量)のスチレンスルホン酸カリウムと重合させて、繰り返し単位の約30%〜約80%、約55%〜約70%、約60%〜約65%または約63%がスチレンスルホン酸ナトリウムで構成され、繰り返し単位の約20%〜約70%、約30%〜約45%、約35%〜約40%または約37%がスチレンスルホン酸カリウムで構成されるコポリマー、好ましくはランダムコポリマーを形成する。
スチレンスルホン酸ナトリウムおよびスチレンスルホン酸カリウムの重合方法の1つは、適量のモノマーを水(例えば、精製水)中で混合すること、および混合物を約50℃〜約100℃、好ましくは約60℃〜約90℃または、より好ましくは約80〜約85℃まで加熱することを含む。触媒量の重合開始材(例えば、過硫酸ナトリウム、AIBN)を添加し、混合物を少なくとも4時間(好ましくは少なくとも8時間) 50℃〜約120℃、好ましくは約60℃〜約100℃または、より好ましくは約80〜約90℃で攪拌する。次いで、混合物を約20℃〜約40℃まで冷却する。これらの工程の1つまたはすべてを窒素下または窒素パージ下で行い得る。
ポリスチレンスルホン酸カリウムのカリウムイオンのある一定割合をナトリウムイオンと交換する場合、典型的には約30%〜約80%、約55%〜約70%、約60%〜約65%または約63%のカリウムイオンをナトリウムイオンと交換し、あるいはまた、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムのナトリウムイオンのある一定割合をカリウムイオンと交換する場合、典型的には約20%〜約70%、約30%〜約45%、約35%〜約40%または約37%のナトリウムイオンカリウムイオンと交換する。
一例では、ポリスチレンスルホン酸カリウムのカリウムイオンのある一定割合を、ポリスチレンスルホン酸カリウムを、ナトリウム塩またはカリウムおよびナトリウム塩を含有する溶液に溶解することにより、ナトリウムイオンと交換し得る。ナトリウム塩の例としては、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムが挙げられる。別の例としては、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムのナトリウムイオンのある一定割合を、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを、カリウムイオンまたはカリウムおよびナトリウムイオンを含有する溶液に溶解することにより、カリウムイオンと交換し得る。カリウム塩の例としては、塩化カリウム、臭化カリウム、硫酸カリウムおよびクエン酸カリウムが挙げられる。溶液は、充分な量のナトリウム(またはカリウム)塩を、ポリスチレンスルホン酸塩に対する所望のナトリウム/カリウム比を達成するような適当な比率で含む。上記の方法はまた、ナトリウム塩のスチレンスルホン酸塩をカリウム塩のスチレンスルホン酸塩に変換するため、およびカリウム塩のスチレンスルホン酸塩をナトリウム塩のスチレンスルホン酸塩に変換するためにも好適である。
また、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムのナトリウムイオンのある一定割合を、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを、カリウムイオンを負荷したカチオン交換樹脂に接触させることによりカリウムイオンに交換することができる。同様に、ポリスチレンスルホン酸カリウムのカリウムイオンのある一定割合を、ポリスチレンスルホン酸カリウムを、ナトリウムイオンを負荷したカチオン交換樹脂と接触させることによりナトリウムイオンに交換することができる。カチオン交換樹脂は、充分量のナトリウム(またはカリウム)塩を、ポリスチレンスルホン酸塩に対する所望のナトリウム/カリウム比を達成するような適当な比率で含む。上記の方法はまた、ナトリウム塩のスチレンスルホン酸塩をカリウム塩のスチレンスルホン酸塩に変換するため、およびカリウム塩のスチレンスルホン酸塩をナトリウム塩のスチレンスルホン酸塩に変換するためにも有用である。
カチオン交換樹脂を伴うイオン交換プロセスは、模擬移動床(simulated moving bed)(SMB)装置にて、使い捨て様式、再生様式または連続向流様式で行ない得る。使い捨て様式では、新しいカチオン交換樹脂を各合成で使用する。再生様式では、イオン交換を行なった後、カチオン交換樹脂を、ナトリウムおよび/またはカリウムイオンを含有する溶液と、樹脂のイオン含有量が、イオン交換前のイオン含有量に部分的または完全に回復するように接触させる。かかるカチオン交換樹脂は、1つを超える合成プロセスにおいて使用し得る。連続向流様式では、イオン交換を、模擬移動床装置にて、再生剤化学物質の消費および廃液流が最小減となるように、および処理が継続するにつれてカチオン交換樹脂が再生するように行なわれる。上記方法はまた、ナトリウム塩のスチレンスルホン酸塩をカリウム塩のスチレンスルホン酸塩に変換するため、およびカリウム塩のスチレンスルホン酸塩をナトリウム塩のスチレンスルホン酸塩に変換するためにも有用である。
ポリスチレンスルホン酸ナトリウムのナトリウムイオンのある一定割合を、電気透析により、カリウムイオンと交換することができる。同様に、ポリスチレンスルホン酸カリウムのカリウムイオンのある一定割合を、電気透析により、ナトリウムイオンと交換することができる。電気透析では、例えば、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム溶液、およびカリウム塩(例えば、硫酸カリウム、塩化カリウム)を含有する溶液を、カチオンおよび/またはアニオン交換膜の層の別のチャネルを通過させる。所望のナトリウムおよびカリウムイオン含有量をコポリマーを作製するため、電圧、電流密度、溶液の流速および並流様式または向流様式での操作などの条件を制御する。電気透析は、例えば、徳山曹達およびアサヒから入手し得る市販の電気透析膜を用いて行ない得る。上記方法は、ナトリウム塩のスチレンスルホン酸塩をカリウム塩のスチレンスルホン酸塩に変換するため、およびカリウム塩のスチレンスルホン酸塩をナトリウム塩のスチレンスルホン酸塩に変換するためにも有用である。
ポリスチレンは、例えば、ポリスチレンを、濃硫酸、 発煙硫酸, 三酸化硫黄または三酸化硫黄/ピリジニウム複合体と反応させ、混合物 (例えば、硫酸では40〜50℃まで、発煙硫酸では20〜25℃まで)を加温することによりスルホン化し得る。得られたポリスチレンスルホン酸を、例えば、水でpHが4〜5に上がるまで充分に洗浄し得る。ポリスチレンスルホン酸を、好ましくは、適切な塩基性ナトリウム塩、塩基性カリウム塩またはその混合物で(一部または、より好ましくは完全に)中和する。ポリスチレンスルホン酸を、塩基性のナトリウム塩およびカリウム塩の混合物と反応させる場合、典型的には、混合物の約30%〜約80%、約55%〜約70%、約60%〜約65%または約63%が1種以上の塩基性ナトリウム塩であり、混合物の約20%〜約70%、約30%〜約45%、約35%〜約40%または約37%が1種以上の塩基性カリウム塩である。塩基性ナトリウム塩としては、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムが挙げられる。塩基性カリウム塩としては、例えば、水酸化カリウム、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウムが挙げられる。
前記のいずれかの方法により合成されるコポリマーは、コポリマーを限外濾過することにより精製し得る。典型的には、限外濾過は、イオン交換と同時またはその後に行なう。電気透析を伴うプロセスでは、限外濾過は、典型的には電気透析の前に行なう。コポリマーの限外濾過は、典型的には、コポリマーの希釈および濃縮のサイクルを1回以上を含み、それにより、濃縮中にコポリマーに結合していないイオン、オリゴマーおよび他の不純物を強制的に膜 (例えば、10,000 kDa未満〜300,000 kDaの分子量を有する分子およびイオンの通過を許容する膜)を通過させ、除去する。限外濾過は、例えば、Millipore, SartoriusおよびPallから市販されている装置を用いて行なうことができる。上記の方法はまた、適切な大きさの膜を使用すれば、ナトリウム塩のスチレンスルホン酸塩をカリウム塩のスチレンスルホン酸塩に変換するため、およびカリウム塩のスチレンスルホン酸塩をナトリウム塩のスチレンスルホン酸塩に変換するためにも有用である。
ある限外濾過法では、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム/カリウムコポリマーの溶液を、任意に、水(例えば、精製水)で希釈し、重量基準で約1%〜約3%(例えば、約1.5%〜約2.5%または約2%)のコポリマーを含有する溶液を得る。希釈溶液を約40o〜約50℃に加熱する。限外濾過中、非濾過物を再利用して多サイクルにわたってコポリマーを精製する。ほぼ一定の容量を維持するために、水を添加する。また、約10(またはそれより大きい)pHが維持されるようにpHをモニターする。pHが10未満に低下した場合は、塩基(例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム)を添加し得る。いったん、所望の純度が得られたら(溶液の伝導度を測定することにより、好ましくは、伝導度は約250 microS/cm未満である)、溶液を濃縮し、重量基準で約3%〜約6%(例えば、約4%)のコポリマーを含有する溶液を得る。濃縮中、pHは、必要であればなおモニターおよび調整すべきである。溶液は、重量基準で約8%〜約15%(例えば、約10%)のコポリマーを含有する溶液を得るために、任意で、真空蒸留によりさらに濃縮し得る。一例では、真空蒸留中の温度は約50℃を超えない。別の例では、真空蒸留中の温度は約80℃を超えない。
濃縮または蒸留したコポリマーの溶液は、当業者に公知の慣用技術を用いて乾燥し、固形コポリマーを得ることができる。典型的には、乾燥は、乾燥時の重量損失が約10%未満になるまで継続する。次いで、乾燥コポリマーを、医薬組成物に製剤化し得る。あるいはまた、コポリマー溶液を医薬組成物に製剤化し得る。
実施例1
C. difficile毒AおよびBにより引き起こされる細胞傷害からのベロ細胞の保護
ベロ細胞(ATCC#CCL-81)のコンフルエント単層を96穴マイクロタイタートレイにて調製した。精製C. difficile毒素AまたはBは、TechLab (TechLab, Blacksburg VA)から入手した。この単層を、ポリマーの段階希釈物の存在下でC. difficile毒素A(10 ng/ml)または毒素B(1 ng/ml)とともにインキュベートした。これらの毒素濃度は、以前に、18-24時間で100%細胞球状化を引き起こすことが見出された。細胞を24時間目に観察し、細胞球状化(rounding)について、スコアリングした。細胞球状化からの100%保護をもたらしたポリマーの濃度を表1に報告する。結果は、二連のウェルの平均を示す。
表1.ベロ細胞単層の毒素Aおよび毒素B媒介性細胞球状化からの100%保護をもたらしたポリマー濃度
Figure 2006502249
ベロ細胞(ATCC#CCL-81)コンフルエント単層を96穴マイクロタイタートレイにて調製した。精製C. difficile毒素AまたはB は、TechLab (TechLab, Blacksburg VA)から入手した。この単層を、10 mg/mlのポリマーの存在下で、C. difficile毒素AまたはBの段階希釈物とともにインキュベートした。細胞を細胞球状化について24時間目に観察した。ポリマー(単層の球状化なし)により完全に中和された最高濃度の毒素AおよびBを表2に示す。結果は、二連のウェルの平均を示す。
表2. ポリマーによる最大毒素中和濃度
Figure 2006502249
実施例2
塩化カリウム添加および限外濾過によるポリスチレンスルホン酸ナトリウム/カリウムの調製
乾燥固体ポリスチレンスルホン酸ナトリウム粉末を、脱イオン水に溶解し、
500 gの1% w/wポリスチレンスルホン酸塩溶液を作製した。塩化カリウム(1.032 g)を溶液に添加し、次いで、これを、限外濾過(UF)に供した。UFは、300 kDa排除膜を用いて溶液の濃度をポリスチレンスルホン酸塩1% w/wから2% w/wに5回濃縮すること、および各濃縮間で溶液を脱イオン水により1% w/wポリスチレンスルホン酸塩に希釈することを含んだ。UFプロセスは、40℃〜60℃の間の温度で行なった。
この合成の生成物をICP発光分析法(ICP-OES)により解析した。試料を、純粋試料の1:50希釈時および超遠心分離(30分間、14000x g、10kDa Nanosepフィルターによる)後に、NaCl/KCl検量線に対してdirect infusion ICP-OES解析を用いて解析した。ICP-OES解析により、交換可能イオンの37%がカリウムイオンであることが示された。
実施例3
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム/カリウムコポリマーの調製
反応器に200 Lの精製水を充填した後、26.2 kgのスチレンスルホン酸ナトリウムおよび15.1 kgのスチレンスルホン酸カリウムを加えた。反応器の内容物を約80〜85℃まで加熱し、溶液とした。57 gの過硫酸ナトリウムを1 L 精製水に加えた得た溶液を反応器に添加し、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム/カリウムコポリマーを形成した。反応器の内容物を約21時間、約80〜90℃の温度で攪拌した。次いで、反応器の内容物を約32℃まで冷却した。
反応器の内容物をドラムに移し、溶液の約8分の1(30 kg)を反応器内に戻し、200 Lの精製水で希釈した。この混合物を約30分間攪拌し、次いで、ドラム内に移した。この希釈工程を他の7等分の約30 kg溶液について反復した。
希釈溶液の約半分(932 kg)を反応器に添加し、これを約5 L/分の窒素流でパージした。攪拌下、希釈溶液を、40〜50℃に加熱した。ポリスチレンスルホン酸塩コポリマーを限外濾過により精製した。限外濾過、希釈溶液の容量を、1554 Lの精製水の添加によりほぼ一定に維持した。約pH 10を維持するため、全限外濾過手順を通して溶液のpH をモニターした。精製が完了した後、精製ポリスチレンスルホン酸塩(PSS)コポリマー溶液を、限外濾過膜を用いて濃縮し、PSSコポリマーの約4% w/w溶液を得、pHのモニターを継続した(40 mLの32% w/w NaOH溶液を濃縮の最後に添加した)。精製PSSコポリマー溶液の最終容量は約400 Lであり、これを40℃未満に冷却した。同じ精製工程を、残りの半分の希釈溶液について行なったが、NaOHは添加しなかった。
2つの濃縮PSS コポリマー溶液を反応器内で合わせた。溶液を、約80℃での減圧蒸留によりさらに濃縮し、容量を約425 L減少させた (約428 Lのさらに濃縮された溶液を得た)。このさらに濃縮された溶液は、約10% w/wのPSSコポリマーを含有した。pHを確認すると、約pH 10.3であると測定された。このさらに濃縮された溶液を40℃未満に冷却した。
実施例4
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム/カリウムの製造および精製
約950 Lの精製水を、約100 kgの約20% (w/w) ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(Na PSS)水溶液とともに容器に添加する。混合物を、Na PSS溶液が溶解するまで室温で攪拌する。サンプルを取り出し、Na PSS含量を解析する。
塩化カリウム(約4.4 kg)を混合物に添加し、これを約10分間激しく攪拌し、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム/カリウム(Na/K PSS)の約2% (w/w)溶液を調製する。Na/K PSS溶液のpHを測定し、1 Lの精製水、200 gの85% KOHおよび330 gのNaOHペレットの塩基性溶液で、pH 10〜11(好ましくは10.75)に調整する。再度サンプルを取り出し、Na/K PSS含量および溶液中のナトリウムのカリウムに対する比を測定する。溶液を、0.5ミクロメーターフィルターに通す。
これらの工程を2回繰り返し、約2000 Lの2% Na/K PSS溶液を得た。
2% Na/K PSS溶液を、40〜50℃に加熱し、限外濾過を開始する。(限外濾過ユニットをアルカリで処理し、精製を開始する前に洗浄する。) 限外濾過プロセスの最初と最後に、溶液のpHを測定する。pHを、先で調製した塩基性溶液によりpH10〜11(目標10.75)に調整する。透過液の量が約1050 Lに達したとき、Na/K PSS溶液からサンプルを取り出し、Na/K PSS含量を解析する。1サイクルの限外濾過プロセスは、Na/K PSS含量が4.0±0.2%になったとき、終了する。第四サイクル目の限外濾過プロセス後、溶液中のナトリウム/カリウム比および塩含量を測定する。限外濾過プロセスは、透過液中の塩含量が所望のレベルに低下するまで反復する。塩含量が高すぎるままなら、次の限外濾過サイクル前に約1050 Lの精製水を非透過液に添加する。
所望の塩含量が得られたら、最終限外濾過サイクルで得られた約4% (w/w) Na/K PSS溶液を9±1% (w/w)溶液に濃縮する。濃縮後、再度pH を測定し、先で調製した塩基性溶液によりpH10〜11(目標10.75)に調整する。溶液を約80℃に加熱し、温度を1時間にわたって維持する。この溶液を冷却する。
実施例5
電気透析によるポリスチレンスルホン酸ナトリウム/カリウムの調製
電気透析プロセスを、供給溶液として2 Lのポリスチレンスルホン酸ナトリウム(NaPSS)の2%(重量基準で)溶液を用いて行なった。濃縮溶液は、2 Lの5 g/L NaCl水溶液から構成された。0.1 eq/L KCl水溶液を希釈液として使用した。
電気透析膜積層膜は5つのセルから構成され、各々、交互にカチオン、アニオンおよびカチオン膜を含んだ。総有効セル面積は0.1 m2であった。
電気透析を、10 mA/cm2の一定電流密度でバッチ様式にて行なった。NaPSS溶液の温度を55℃に維持した。3つの溶液(供給液/生成物、希釈液および濃縮液)を、適切なセルチャネル内を約120 L/時で循環させた。電気透析中、3つの流れの伝導度をモニターした。
電流を電気透析膜層に14分間流した後、プロセスは完了したと思われた。生成した溶液のサンプルの解析により、35 mol%カリウムイオンが示された。2回の同様の反復実験により、 カリウム含量は36%および38%であることが示された。
実施例6
カチオン交換樹脂を用いたポリスチレンスルホン酸ナトリウム/カリウムの調製
イオン交換樹脂床を、200 mlのナトリウム型の強酸カチオン樹脂を3 cm径のガラス製カラムに入れることにより調製した。これに1 Lの1.6 N KCl溶液をゆっくりと通過させることにより、樹脂をカリウム型に変換した。樹脂を、示される溶出液中の塩化物が無視できる量になるまで充分に脱イオン水で洗浄した。
イオン変換プロセスは、樹脂床中に4.25 Lのポリスチレンスルホン酸ナトリウム(NaPSS)の4% (重量基準で)溶液をゆっくりと(およその流速: 5 ml/分)通過させることにより行なった。さらに1 Lの脱イオン水を用いて床を洗浄した。回収された合計溶出液により、イオン交換後、PSSは40 mol%カリウム(および60 mol%ナトリウム)を含有することが示された。ポリスチレンスルホン酸ナトリウム/カリウムコポリマー生成物の回収率は、95%より高かった。
樹脂を、1 Lの脱イオン水でさらに洗浄し、720 mlの1.6 N KCl溶液で再生した。樹脂を、示される溶出液中の塩化物が無視できる量になるまで充分に脱イオン水で洗浄した。
別のアリコート4.25 Lの4% (重量基準で)NaPSS溶液を、再生樹脂床にゆっくりと通過させた。さらに1 Lの脱イオン水を用いて床を洗浄した。回収された合計溶出液により、PSSは41 mol%カリウムを含有することが示された。PSS-Na/K生成物の回収率は、95%より高かった。
これらの結果は、イオン交換樹脂が、NaPSSを部分的にポリスチレンスルホン酸ナトリウム/カリウムコポリマーに変換すること、および樹脂を再生することからなるサイクルプロセスにおいて使用し得ることを示す。
本発明は、その好ましい態様を参照して、詳細に示され、そして記載されているが、形態および詳細における種々の変化が、添付の特許請求の範囲によって包含される本発明の範囲から逸脱せずに、その中でなされ得ることは、当業者によって理解される。

Claims (77)

  1. 構造式(I):
    Figure 2006502249
    により表される繰り返し単位
    および構造式(II):
    Figure 2006502249
    により表される繰り返し単位からなるポリスチレンスルホン酸塩コポリマー。
  2. 構造式(I)および構造式(II)により表される繰り返し単位からなる請求項1記載のコポリマー。
  3. 30%〜80%の繰り返し単位が構造式(I)により表され、20%〜70%の繰り返し単位が構造式(II)により表される請求項1記載のコポリマー。
  4. 100,000〜5,000,000ダルトンの範囲の分子量を有する請求項3記載のコポリマー。
  5. 300,000〜1,500,000ダルトンの分子量を有する請求項4記載のコポリマー。
  6. 繰り返し単位が架橋されていない請求項3記載のコポリマー。
  7. 薬学的に許容されうる担体およびポリスチレンスルホン酸塩コポリマーを含有してなり、コポリマーが構造式(I):
    Figure 2006502249
    により表される繰り返し単位および構造式(II):
    Figure 2006502249
    により表される繰り返し単位からなる、医薬組成物。
  8. 30%〜80%の繰り返し単位が構造式(I)により表され、20%〜70%の繰り返し単位が構造式(II)により表される請求項7記載の医薬組成物。
  9. 抗生物質起因性下痢症に対して有効な抗生物質をさらに含有してなる請求項8記載の医薬組成物。
  10. 抗生物質がメトロニダゾールまたはバンコマイシンである請求項9記載の医薬組成物。
  11. ポリスチレンスルホン酸塩コポリマーの有効量を哺乳動物に投与することを含み、コポリマーが構造式(I):
    Figure 2006502249
    により表される繰り返し単位および構造式(II):
    Figure 2006502249
    により表される繰り返し単位からなる、哺乳動物における抗生物質起因性下痢症の処置方法。
  12. ポリスチレンスルホン酸塩コポリマーの有効量を哺乳動物に投与することを含み、コポリマーが構造式(I):
    Figure 2006502249
    により表される繰り返し単位および構造式(II):
    Figure 2006502249
    により表される繰り返し単位からなる、哺乳動物におけるC.difficile起因性下痢症の処置方法。
  13. 同時にまたは連続して、C.difficileに対して有効な抗生物質を哺乳動物に投与することをさらに含む請求項67記載の方法。
  14. 30%〜80%の繰り返し単位が構造式(I)により表され、20%〜70%の繰り返し単位が構造式(II)により表される請求項7記載の方法。
  15. 抗生物質がメトロニダゾールまたはバンコマイシンである請求項9記載の医薬組成物。
  16. ポリスチレンスルホン酸塩コポリマーの有効量を哺乳動物に投与することを含み、コポリマーが構造式(I):
    Figure 2006502249
    により表される繰り返し単位および構造式(II):
    Figure 2006502249
    により表される繰り返し単位からなる、哺乳動物における抗生物質起因性下痢症の発症の阻害方法。
  17. 抗生物質起因性下痢症がC.difficile起因性下痢症である請求項16記載の方法。
  18. ポリスチレンスルホン酸塩コポリマーの有効量を哺乳動物に投与することを含み、コポリマーが構造式(I):
    Figure 2006502249
    により表される繰り返し単位および構造式(II):
    Figure 2006502249
    により表される繰り返し単位からなる、罹りやすい哺乳動物において抗生物質起因性下痢症が再発を防止する方法。
  19. 30%〜80%の繰り返し単位が構造式(I)により表され、20%〜70%の繰り返し単位が構造式(II)により表される請求項18記載の方法。
  20. 抗生物質起因性下痢症がC.difficile起因性下痢症である請求項19記載の方法。
  21. 1回の治療処置として、同時にまたは連続してブロードスペクトラムな抗生物質および治療有効量のポリスチレンスルホン酸塩コポリマーの組み合わせを投与することを含み、コポリマーが構造式(I):
    Figure 2006502249
    により表される繰り返し単位および構造式(II):
    Figure 2006502249
    により表される繰り返し単位からなる、罹りやすい哺乳動物における抗生物質起因性下痢症の再発を阻害するための処置療法。
  22. 30%〜80%の繰り返し単位が構造式(I)により表され、20%〜70%の繰り返し単位が構造式(II)により表される請求項21記載の処置療法。
  23. 前記ブロードスペクトラムな抗生物質がメトロニダゾールまたはバンコマイシンである請求項22記載の処置療法。
  24. 前記抗生物質起因性下痢症がC.difficile起因性下痢症である請求項23記載の処置療法。
  25. スチレンスルホン酸塩のナトリウム塩およびスチレンスルホン酸塩のカリウム塩を重合し、ポリスチレンスルホン酸塩コポリマーを形成する工程を含む、スチレンスルホン酸カリウムおよびスチレンスルホン酸ナトリウム繰り返し単位を含有するポリスチレンスルホン酸塩コポリマーの調製方法。
  26. 1〜5当量のスチレンスルホン酸塩のナトリウム塩が1〜4当量のスチレンスルホン酸塩のカリウムと重合し、それによりポリスチレンスルホン酸塩コポリマーを形成する工程を含む請求項25記載の方法。
  27. スチレンスルホン酸塩のカリウム塩が、カリウム塩の添加および限外濾過によりスチレンスルホン酸塩のナトリウム塩から調製される請求項26記載の方法。
  28. スチレンスルホン酸塩のカリウム塩が、ナトリウム塩とカチオン交換樹脂とを接触させることによりスチレンスルホン酸塩のナトリウム塩から調製される請求項26記載の方法。
  29. スチレンスルホン酸塩のカリウム塩が電気透析によりスチレンスルホン酸塩のナトリウム塩から調製される請求項26記載の方法。
  30. ポリスチレンスルホン酸塩のナトリウム塩がナトリウム塩の添加および限外濾過によりポリスチレンスルホン酸塩のカリウム塩から調製される請求項26記載の方法。
  31. スチレンスルホン酸塩のナトリウム塩が、カリウム塩とカチオン交換樹脂とを接触させることによりスチレンスルホン酸塩のカリウム塩から調製される請求項26記載の方法。
  32. スチレンスルホン酸塩のナトリウム塩が電気透析によりスチレンスルホン酸塩のカリウム塩から調製される請求項26記載の方法。
  33. ポリスチレンスルホン酸ナトリウムのナトリウムイオンの一部をカリウムイオンと交換し、ポリスチレンスルホン酸塩コポリマーを形成する工程;およびポリスチレンスルホン酸塩コポリマーを精製する工程を含む、スチレンスルホン酸カリウム繰り返し単位およびスチレンスルホン酸ナトリウム繰り返し単位を含有するポリスチレンスルホン酸塩コポリマーの調製方法。
  34. 20%〜70%のナトリウムイオンがカリウムイオンと交換される請求項33記載の方法。
  35. カリウム塩、またはカリウム塩およびナトリウム塩の混合物を含有する溶液中にポリスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解することにより、ナトリウムイオンがカリウムイオンと交換される請求項34記載の方法。
  36. ナトリウムイオンをカリウムイオンと交換するのと同時にまたは続いて限外濾過によりポリスチレンスルホン酸塩コポリマーを精製する工程をさらに含む請求項33記載の方法。
  37. ポリスチレンスルホン酸ナトリウムのナトリウムイオンが、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムとカリウムイオンを充填したカチオン交換樹脂とを接触することにより交換され、限外濾過がカリウムイオンでのナトリウムイオンの交換後に行われる請求項36記載の方法。
  38. イオン交換が使い捨て様式で行われる請求項37記載の方法。
  39. イオン交換が再生様式で行われる請求項37記載の方法。
  40. イオン交換が擬似移動床装置において連続向流様式で行われる請求項37記載の方法。
  41. ポリスチレンスルホン酸ナトリウムの20%〜70%のナトリウムイオンがカリウムイオンと交換される請求項38記載の方法。
  42. ポリスチレンスルホン酸カリウムのカリウムイオンの一部をナトリウムイオンと交換し、ポリスチレンスルホン酸塩コポリマーを形成する工程を含む、スチレンスルホン酸カリウム繰り返し単位およびスチレンスルホン酸ナトリウム繰り返し単位を含有するポリスチレンスルホン酸塩コポリマーの調製方法。
  43. 30%〜80%のカリウムイオンがナトリウムイオンと交換される請求項44記載の方法。
  44. ナトリウム塩、またはカリウム塩およびナトリウム塩を含有する溶液中にポリスチレンスルホン酸カリウムを溶解することによりカリウムイオンがナトリウムイオンと交換される請求項45記載の方法。
  45. カリウムイオンをナトリウムイオンと交換するのと同時に、または続いてポリスチレンスルホン酸塩コポリマーを限外濾過する工程をさらに含む請求項44記載の方法。
  46. ポリスチレンスルホン酸カリウムとナトリウムイオンを充填したカチオン交換樹脂とを接触させることにより、ポリスチレンスルホン酸カリウムのカリウムイオンがナトリウムイオンと交換され、限外濾過が、カリウムイオンをナトリウムイオンと交換するのと同時に、または続いて行われる請求項47記載の方法。
  47. イオン交換が使い捨て様式で行われる請求項48記載の方法。
  48. イオン交換が再生様式で行われる請求項48記載の方法。
  49. イオン交換が擬似移動床装置において連続向流様式で行われる請求項48記載の方法。
  50. ポリスチレンスルホン酸カリウムのカリウムイオンの30%〜80%がナトリウムイオンと交換される請求項47記載の方法。
  51. ポリスチレンをスルホン化する工程および生じたポリスチレンスルホン酸と塩基性のナトリウム塩およびカリウム塩を含有する混合物とを接触させる工程;およびポリスチレンスルホン酸塩コポリマーを精製する工程を含む、スチレンスルホン酸カリウム繰り返し単位およびスチレンスルホン酸ナトリウム繰り返し単位を含有する精製ポリスチレンスルホン酸塩コポリマーの調製方法。
  52. 塩基性のナトリウム塩およびカリウム塩の混合物が30%〜80%の1つ以上の塩基性ナトリウム塩および20%〜70%の1つ以上の塩基性カリウム塩を含有する請求項53記載の方法。
  53. ポリスチレンスルホン酸塩コポリマーを限外濾過する工程をさらに含む請求項54記載の方法。
  54. 電気透析によりポリスチレンスルホン酸ナトリウムのナトリウムイオンの一定割合をカリウムイオンと交換する工程;およびポリスチレンスルホン酸塩コポリマーを精製する工程を含む、スチレンスルホン酸カリウムおよびスチレンスルホン酸ナトリウム繰り返し単位を含有する精製ポリスチレンスルホン酸塩コポリマーの精製方法。
  55. ポリスチレンスルホン酸ナトリウムのナトリウムイオンの20%〜70%がカリウムイオンと交換される請求項54記載の方法。
  56. 電気透析の前にポリスチレンスルホン酸ナトリウムを限外濾過する工程をさらに含む請求項55記載の方法。
  57. 電気透析により、ポリスチレンスルホン酸カリウムのカリウムイオンの一定割合をナトリウムイオンと交換する工程、およびポリスチレンスルホン酸塩コポリマーを精製する工程を含む、スチレンスルホン酸カリウムおよびスチレンスルホン酸ナトリウム繰り返し単位を含有する精製されたポリスチレンスルホン酸塩コポリマーの精製方法。
  58. ポリスチレンスルホン酸カリウムの30%〜80%のカリウムイオンがナトリウムイオンと交換される請求項57記載の方法。
  59. 電気透析の前にポリスチレンスルホン酸カリウムを限外濾過する工程をさらに含む請求項58記載の方法。
  60. ポリスチレンスルホン酸カリウムおよびポリスチレンスルホン酸ナトリウムからなる混合物。
  61. 混合物が20%〜70%のポリスチレンスルホン酸カリウムおよび30%〜80%のポリスチレンスルホン酸ナトリウムからなる請求項60記載の混合物。
  62. ポリスチレンスルホン酸カリウムおよびポリスチレンスルホン酸ナトリウムの各々が300,000〜1,500,000ダルトンの範囲の分子量を有する請求項60記載の混合物。
  63. 薬学的に許容されうる担体ならびにポリスチレンスルホン酸カリウムおよびポリスチレンスルホン酸ナトリウムの混合物を含有してなる医薬組成物。
  64. 20%〜70%のポリスチレンスルホン酸カリウムおよび30%〜80%のポリスチレンスルホン酸ナトリウムからなる請求項63記載の医薬組成物。
  65. ポリスチレンスルホン酸ナトリウムおよびポリスチレンスルホン酸カリウムの混合物の有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における抗生物質起因性下痢症の治療方法。
  66. ポリスチレンスルホン酸ナトリウムおよびポリスチレンスルホン酸カリウムの混合物の有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物におけるC.difficile起因性下痢症の治療方法。
  67. 同時にまたは連続して、C.difficileに対して有効な抗生物質を哺乳動物に投与することをさらに含む請求項66記載の方法。
  68. 混合物が20%〜70%のポリスチレンスルホン酸カリウムおよび30%〜80%のポリスチレンスルホン酸ナトリウムからなる請求項67記載の方法。
  69. 抗生物質がメトロニダゾールまたはバンコマイシンである請求項66記載の方法。
  70. されたポリスチレンスルホン酸塩ポリマーであって、その対カチオンの少なくとも10%がカリウムカチオンである、ポリマー。
  71. ポリマーが2つの異なる対イオンを有する請求項70記載のポリマー。
  72. 2つの対カチオンがカリウムおよびナトリウムである請求項71記載のポリマー。
  73. 対カチオンの約20%〜約70%がカリウムであり、約30%〜約80%がナトリウムである請求項72記載のポリマー。
  74. 2つの異なる対カチオンを有し、その対カチオンの少なくとも10%がカリウムカチオンである精製ポリスチレンスルホン酸塩ポリマーの有効量を哺乳動物に投与することを含む抗生物質起因性下痢症またはC.difficle起因性下痢症の哺乳動物の治療方法。
  75. ポリマーが2つの異なる対イオンを有する請求項74記載の方法。
  76. 2つの対イオンがカリウムおよびナトリウムである請求項75記載の方法。
  77. 対カチオンの約20%〜約70%がカリウムであり、約30%〜約80%がナトリウムである請求項76記載の方法。
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