本願の第1の発明は、受信スロットと複数の送信スロットとで構成されるTDMA通信方式で、主制御局から制御情報が送信される送信スロットの中の所定スロットである同期スロットで制御情報を受信するとともに主制御局に同期し、同期スロットと重ならないスロットを同報スロットとして必要に応じて制御情報を送信する少なくとも1台の副制御局と、主制御局に同期した受信スロットと送信スロットにより主制御局および少なくとも1台の副制御局と通信可能な従属局とを備え、従属局は、主制御局からの制御情報を受信すると、該制御情報を受信した同期スロットの時間位置に基づいた受信スロットで副制御局からの制御情報を待ち受けるものである。
主制御局が、送信スロットの中の所定スロットを同期スロットとして制御情報を送信する。それぞれの副制御局は、同期スロットで制御情報を受信するとともに主制御局に同期し、同期スロット以外であって同期スロットと重ならないスロットを同報スロットとし、同報スロットで必要に応じて制御情報を送信する。そして、従属局は、主制御局に同期した受信スロットと送信スロットにより主制御局および1台以上の副制御局と通信可能であり、主制御局からの制御情報を受信すると、制御情報を受信した同期スロットの時間位置に基づいて判別した時間幅で副制御局からの制御情報を待ち受ける。
従って、従属局は同期スロットで主制御局の制御情報を受信し、副制御局から同報スロットで必要に応じて送信される制御情報を受信することで、複数の制御局と通信することができ、副制御局には必要に応じた場合しか制御情報が送信されないので、他の無線通信装置への妨害も低減することが可能である。
また、1台以上の副制御局と1台以上の従属局とは、同期スロットで送信される主制御局からの制御情報に基づいて同期を確立するので、全て主制御局に同期することになる。従って主制御局、副制御局および従属局とで、タイミングのずれが発生しない。よって、制御局が複数あっても、その中の1台を主制御局とし、他を副制御局として、1台以上の副制御局と1台以上の従属局とが、全て主制御局に同期して通信を行うので、タイミングのずれを防止して、確実に通信可能とすることができる。
本願の第2の発明は、さらに副制御局は、通信開始の最初の同報スロットで制御情報を送信する以外は、送信すべき制御情報があるときのみ同報スロットで制御情報を送信するものである。
副制御局が、通信開始の最初の同報スロットで制御情報を送信することで、そのスロットは副制御局が使用するスロットであることが従属局側で判断することができる。従って、副制御局は、それ以降は送信すべき制御情報あるときのみ同報スロットで制御情報を送信する必要がない。
本願の第3の発明は、副制御局は、受信レベルに応じた出力を行う受信レベル検知手段を備え、制御信号を送信しようとするスロットの受信を行い、受信レベルに応じて制御信号の送信を行うか否かを決定することを特徴としたものである。
副制御局が、同報スロットでの制御情報を送信する前に該当スロットの受信を行い、受信レベルに応じて制御情報を送信するので、他の無線通信装置が副制御局が制御信号を送信しようとするスロットを使用していた場合、即ち受信レベルが高かった場合、制御信号の送信を行わないようにすることができるので、他の無線通信装置への妨害を低減することが可能である。また、送信スロット全ての受信を行い、受信レベルの低いスロットを選択して制御信号の送信を行うようにすれば、更に、他の無線通信装置への妨害を低減することが可能である。
本願の第4の発明は、副制御局は、定期的に、または、不定期に、同報スロットで制御情報を送信することを特徴としたものである。
従属局で副制御局の制御信号受信後の待ち受け状態において、同期スロットと同報スロットの以外のスロットの受信を停止する機能を備えれば、副制御局は制御信号を定期的に、または、不定期に送信するので、従属局が起動直後に副制御局の制御信号の受信に失敗してもいずれ副制御局が送信する制御信号を確実に受信できるので、確実に、同期スロットと同報スロットの以外のスロットの受信を停止することが可能となり、従属局の消費電力を削減できる。また、副制御局が送信する制御信号の送信間隔を長くすれば、他の無線通信装置への妨害を低減することも可能である。
本願の第5の発明は、従属局は、主制御局または副制御局との通信を行っていても、同期スロットおよび同報スロットで制御情報を受信することを特徴としたものである。
従属局が、主制御局または副制御局との通信を行っていても、同期スロットおよび同報スロットで制御情報を受信することで、主制御局と通信しつつ、副制御局からの要求や通知を受信することができる。また副制御局と通信しつつ、主制御局からの要求や通知を受信することができる。また従属局は、主制御局との通信を行っている間に同報スロットで副制御局からの制御情報を受信しても良く、さらに従属局は副制御局との通信を行っている間に同期スロットで主制御局からの制御情報を受信しても良い。
本願の第6の発明は、副制御局は同期スロットを受信するスロットを除くフレーム内の送受信スロットの構成を主制御局の構成と同じにしたことを特徴としたものである。
主制御局と副制御局は、同期スロットを除きフレーム内の送受信スロットの構成が同じになるため、従属局は、主制御局の送受信スロットの構成に従い送受信スロットを構成すれば、主制御局が従属局との通信に使用する送受信スロットの構成と従属局の送受信スロットの構成、及び、副制御局が従属局との通信に使用する送受信スロットの構成と従属局の送受信スロットの構成が一致するため、主制御局と従属局、及び、副制御局と従属局の通信において使用できないスロットの制限がなく、通信時のスロット選択の自由度が増し、使用可能なスロットがなく通信ができなくなる危険を低減することが可能となる。
又、副制御局が主制御局の送信スロットの1つを同報スロットとして制御信号を送信するので、従属局は、システム内で決められた制御局側の送信スロットを受信すれば、必ず、主制御局と副制御局両方の制御信号を受信でき、従属局は、フレーム内のスロット構成をシステム内で予め決められた送受信スロットの構成に固定でき、送受信回路の切換えが容易になる。又、従属局は、副制御局の制御信号を受信するために、最大でもシステム内で予め決められた制御局側の送信スロットのみを受信すればよく、消費電力を削減できる。
本願の第7の発明は、主制御局と従属局が通信を行う際の通信スロットを従属局が決定することを特徴としたものである。
主制御局と従属局が通信を行う際の通信スロットを従属局が決定するようにしたので、主制御局と従属局が通信を行う際、従属局は副制御局の制御信号を受信している同報スロットを避けて主制御局と通信を行うことが可能となり、主制御局と従属局が通信を行っている際中も、従属局は副制御局の制御信号を受信可能になるため、主制御局との通信中で有っても副制御局からの呼出を受信し報知することができ、利便性が向上する。
本願の第8の発明は、副制御局と従属局が通信を行う際の通信スロットを従属局が決定することを特徴としたものである。
副制御局と従属局が通信を行う際の通信スロットを従属局が決定するようにしたので、副制御局と従属局が通信を行う際、従属局は主制御局の制御信号を受信している同期スロットを避けて副制御局と通信を行うことが可能となり、副制御局と従属局が通信を行っている際中も、従属局は主制御局の制御信号を受信可能になるため、副制御局との通信中で有っても主制御局からの呼出を受信し報知することができ、利便性が向上する。
本願の第9の発明は、主制御局から送信スロットで送信されるデータを中継する無線中継装置を備え、無線中継装置は、同期スロットで制御情報を受信するとともに主制御局に同期し、同報スロット以外の送信スロットで同期スロットで受信した制御情報を送信する機能を備えたことを特徴としたものである。
この場合、同期スロットで制御情報を受信するとともに主制御局に同期し、同報スロット以外の送信スロットで送信する。従って、副制御局または従属局が主制御局と離れた位置にあり、直接通信することができなくとも、無線中継装置が、主制御局と同期して、同期スロットの制御情報を中継するので、主制御局と通信できない副制御局または従属局は、無線中継装置と同期を確立しつつ通信することができる。又、主制御局から送信スロットで送信されるデータを中継する無線中継装置は、副制御局の制御信号を送信する同報スロット以外のスロットを使用して、主制御局のから受信した制御信号を送信するので、従属局は、無線中継装置が送信する制御信号と副制御局が送信する制御信号を別のスロットで受信可能となり、主制御局と副制御局の待ち受けが可能となる。
本願の第10の発明は、副制御局から送信スロットで送信されるデータを中継する無線中継装置を備え、無線中継装置は、同報スロットで制御情報を受信するとともに副制御局に同期し、同期スロット以外の送信スロットで同報スロットで受信した制御情報を送信する機能を備えたことを特徴としたものである。
この場合、同報スロットで制御情報を受信するとともに副制御局に同期し、同期スロット以外の送信スロットで送信する。従って、従属局が副制御局と離れた位置にあり、直接通信することができなくとも、無線中継装置が、副制御局と同期して、同報スロットの制御情報を中継するので、副制御局と通信できない従属局は、無線中継装置と同期を確立しつつ通信することができる。又、副制御局から送信スロットで送信されるデータを中継する無線中継装置は、主制御局の制御信号を送信する同期スロット以外のスロットを使用して、副制御局のから受信した制御信号を送信するので、従属局は、無線中継装置が送信する制御信号と主制御局が送信する制御信号を別のスロットで受信可能となり、主制御局と副制御局の待ち受けが可能となる。
本願の第11の発明は、受信スロットと複数の送信スロットとで構成されるTDMA通信フレームで、主制御局と、1台以上の副制御局と、1台以上の従属局とが通信を行う無線通信システムの通信方法であって、主制御局は、送信スロットの中の所定スロットを同期スロットとして制御情報を送信し、副制御局は、同期スロットで制御情報を受信するとともに主制御局に同期し、同期スロットと重ならないスロットを同報スロットとして必要に応じて制御情報を送信し、従属局は、主制御局に同期した受信スロットと送信スロットにより主制御局および1台以上の副制御局と通信し、主制御局からの制御情報を受信すると、該制御情報を受信した同期スロットの時間位置に基づいて判別した時間幅で副制御局からの制御情報を待ち受けることを特徴としたものである。
主制御局が、送信スロットの中の所定スロットを同期スロットとして制御情報を送信する。それぞれの副制御局は、同期スロットで制御情報を受信するとともに主制御局に同期し、同期スロット以外であって同期スロットと重ならないスロットを同報スロットとし、同報スロットで必要に応じて制御情報を送信する。そして、従属局は、主制御局に同期した受信スロットと送信スロットにより主制御局および1台以上の副制御局と通信可能であり、主制御局からの制御情報を受信すると、制御情報を受信した同期スロットの時間位置に基づいて判別した時間幅で副制御局からの制御情報を待ち受ける。
従って、従属局は同期スロットで主制御局の制御情報を受信し、副制御局から同報スロットで必要に応じて送信される制御情報を受信することで、複数の制御局と通信することができ、副制御局には必要に応じた場合しか制御情報が送信されないので、他の無線通信装置への妨害も低減することが可能である。
また、1台以上の副制御局と1台以上の従属局とは、同期スロットで送信される主制御局からの制御情報に基づいて同期を確立するので、全て主制御局に同期することになる。従って主制御局、副制御局および従属局とで、タイミングのずれが発生しない。よって、制御局が複数あっても、その中の1台を主制御局とし、他を副制御局として、1台以上の副制御局と1台以上の従属局とが、全て主制御局に同期して通信を行うので、タイミングのずれを防止して、確実に通信可能とすることができる。
本願の第12の発明は、副制御局は、通信開始の最初の同報スロットで制御情報を送信する以外は、送信すべき制御情報があるときのみ同報スロットで制御情報を送信することを特徴としたものである。
副制御局が、通信開始の最初の同報スロットで制御情報を送信することで、そのスロットは副制御局が使用するスロットであることが従属局側で判断することができる。従って、副制御局は、それ以降は送信すべき制御情報あるときのみ同報スロットで制御情報を送信する必要がない。
本願の第13の発明は、副制御局は、制御信号を送信しようとするスロットの受信を行い、受信レベルに応じて制御信号の送信を行うか否かを決定することを特徴としたものである。
副制御局が、同報スロットでの制御情報を送信する前に該当スロットの受信を行い、受信レベルに応じて制御情報を送信するので、他の無線通信装置が副制御局が制御信号を送信しようとするスロットを使用していた場合、即ち受信レベルが高かった場合、制御信号の送信を行わないようにすることができ、他の無線通信装置への妨害を低減することが可能である。また、送信スロット全ての受信を行い、受信レベルの低いスロットを選択して制御信号の送信を行うようにすれば、更に、他の無線通信装置への妨害を低減することが可能である。
本願の第14の発明は、副制御局は、定期的に、または、不定期に、同報スロットで制御情報を送信することを特徴としたものである。
従属局で副制御局の制御信号受信後の待ち受け状態において、同期スロットと同報スロットの以外のスロットの受信を停止する機能を備えれば、副制御局は制御信号を定期的に、または、不定期に送信するので、従属局が起動直後に副制御局の制御信号の受信に失敗してもいずれ副制御局が送信する制御信号を確実に受信できるので、確実に、同期スロットと同報スロットの以外のスロットの受信を停止することが可能となり、従属局の消費電力を削減できる。また、副制御局が送信する制御信号の送信間隔を長くすれば、他の無線通信装置への妨害を低減することも可能である。
本願の第15の発明は、従属局は、主制御局または副制御局との通信を行っていても、同期スロットおよび同報スロットで制御情報を受信することを特徴としたものである。
従属局が、主制御局または副制御局との通信を行っていても、同期スロットおよび同報スロットで制御情報を受信することで、主制御局と通信しつつ、副制御局からの要求や通知を受信することができる。また副制御局と通信しつつ、主制御局からの要求や通知を受信することができる。また従属局は、主制御局との通信を行っている間に同報スロットで副制御局からの制御情報を受信しても良く、さらに従属局は副制御局との通信を行っている間に同期スロットで主制御局からの制御情報を受信しても良い。
本願の第16の発明は、副制御局は同期スロットを受信するスロットを除くフレーム内の送受信スロットの構成を主制御局の構成と同じにしたことを特徴としたものである。
主制御局と副制御局は、同期スロットを除きフレーム内の送受信スロットの構成が同じになるため、従属局は、主制御局の送受信スロットの構成に従い送受信スロットを構成すれば、主制御局が従属局との通信に使用する送受信スロットの構成と従属局の送受信スロットの構成、及び、副制御局が従属局との通信に使用する送受信スロットの構成と従属局の送受信スロットの構成が一致するため、主制御局と従属局、及び、副制御局と従属局の通信において使用できないスロットの制限がなく、通信時のスロット選択の自由度が増し、使用可能なスロットがなく通信ができなくなる危険を低減することが可能となる。
又、副制御局が主制御局の送信スロットの1つを同報スロットとして制御信号を送信するので、従属局は、システム内で決められた制御局側の送信スロットを受信すれば、必ず、主制御局と副制御局両方の制御信号を受信でき、従属局は、フレーム内のスロット構成をシステム内で予め決められた送受信スロットの構成に固定でき、送受信回路の切換えが容易になる。又、従属局は、副制御局の制御信号を受信するために、最大でもシステム内で予め決められた制御局側の送信スロットのみを受信すればよく、消費電力を削減できる。
本願の第17の発明は、主制御局と従属局が通信を行う際の通信スロットを従属局が決定することを特徴としたものである。
主制御局と従属局が通信を行う際の通信スロットを従属局が決定するようにしたので、主制御局と従属局が通信を行う際、従属局は副制御局の制御信号を受信している同報スロットを避けて主制御局と通信を行うことが可能となり、主制御局と従属局が通信を行っている際中も、従属局は副制御局の制御信号を受信可能になるため、主制御局との通信中で有っても副制御局からの呼出を受信し報知することができ、利便性が向上する。
本願の第18の発明は、副制御局と従属局が通信を行う際の通信スロットを従属局が決定することを特徴としたものである。
副制御局と従属局が通信を行う際の通信スロットを従属局が決定するようにしたので、副制御局と従属局が通信を行う際、従属局は主制御局の制御信号を受信している同期スロットを避けて副制御局と通信を行うことが可能となり、副制御局と従属局が通信を行っている際中も、従属局は主制御局の制御信号を受信可能になるため、副制御局との通信中で有っても主制御局からの呼出を受信し報知することができ、利便性が向上する。
本願の第19の発明は、主制御局から送信スロットで送信されるデータを中継する無線中継装置を備え、無線中継装置は、同期スロットで制御情報を受信するとともに主制御局に同期し、同期スロットおよび同報スロット以外の送信スロットで同期スロットで受信した制御情報を送信することを特徴としたものである。
この場合、同期スロットで制御情報を受信するとともに主制御局に同期し、同報スロット以外の送信スロットで送信する。従って、副制御局または従属局が主制御局と離れた位置にあり、直接通信することができなくとも、無線中継装置が、主制御局と同期して、同期スロットの制御情報を中継するので、主制御局と通信できない副制御局または従属局は、無線中継装置と同期を確立しつつ通信することができる。又、主制御局から送信スロットで送信されるデータを中継する無線中継装置は、副制御局の制御信号を送信する同報スロット以外のスロットを使用して、主制御局のから受信した制御信号を送信するので、従属局は、無線中継装置が送信する制御信号と副制御局が送信する制御信号を別のスロットで受信可能となり、主制御局と副制御局の待ち受けが可能となる。
本願の第20の発明は、副制御局から送信スロットで送信されるデータを中継する無線中継装置を備え、無線中継装置は、同報スロットで制御情報を受信するとともに副制御局に同期し、同期スロットおよび同報スロット以外の送信スロットで同報スロットで受信した制御情報を送信する機能を備えたことを特徴としたものである。
この場合、同報スロットで制御情報を受信するとともに副制御局に同期し、同期スロット以外の送信スロットで送信する。従って、従属局が副制御局と離れた位置にあり、直接通信することができなくとも、無線中継装置が、副制御局と同期して、同報スロットの制御情報を中継するので、副制御局と通信できない従属局は、無線中継装置と同期を確立しつつ通信することができる。又、副制御局から送信スロットで送信されるデータを中継する無線中継装置は、主制御局の制御信号を送信する同期スロット以外のスロットを使用して、副制御局のから受信した制御信号を送信するので、従属局は、無線中継装置が送信する制御信号と主制御局が送信する制御信号を別のスロットで受信可能となり、主制御局と副制御局の待ち受けが可能となる。
(実施の形態)
本発明の実施の形態に係る無線通信システムの構成を図1から図4に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。図2は、本発明の実施の形態に係るドアホン装置の構成を説明する図である。図3は、本発明の実施の形態に係るコードレス電話装置のコードレス電話親機の構成を説明する図である。図4は、本発明の実施の形態に係るコードレス電話装置のコードレス電話子機の構成を説明する図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る無線通信システム1は、ドアホン装置2と、コードレス電話装置3とを備えている。ドアホン装置2は、玄関子機2aと、ドアホン親機2bとから構成される。コードレス電話装置3は、コードレス電話親機3aとコードレス電話子機3bとを備えている。図1では、コードレス電話子機3bとして1台しか図示していないが複数でもよい。本実施の形態の無線通信システム1では、コードレス電話親機3aが主制御局、ドアホン親機2bが副制御局、コードレス電話子機3bが従属局となり、TDMA方式で無線通信を行っている。
図2に示すように、ドアホン装置2は、玄関子機2aとドアホン親機2bとは有線で接続されている。玄関子機2aは、来訪者を撮像するカメラ部101と、来訪者と通話するための通話部102と、来訪者による呼び出しを検知して呼び出し通知としてドアホン親機2bへ送信する呼び出し検知部103と、撮像した来訪者の映像データと音声データと呼び出し通知を多重したり、分離したりしてドアホン親機2bとの通信を行う多重分離回路104とを備えている。
ドアホン親機2bは、モニタ回路201と、モニタ202と、画像情報記憶部203と、呼び出し検知部204と、報知部205と、音声回路206と、通話部207と、同期処理部208と、フレーム処理部209と、無線部210と、操作部211と、アンテナ213と、制御部214と、電話親機ID記憶部215と、ドアホンID記憶部216と、多重分離回路220とを備えている。
モニタ回路201は、多重分離回路220に接続され、玄関子機2aからの映像データをモニタ202へ表示させる。
画像情報記憶部203は、玄関子機2aからの映像データをモニタ回路201を介して記憶し、制御部214へ出力する。
呼び出し検知部204は、多重分離回路220に接続され、玄関子機2aの呼び出し検知部103からの呼び出し通知を検知して報知部205のチャイムなどを鳴動させて使用者へ来訪者があることを報知するとともに制御部214へ通知する。
音声回路206は、多重分離回路220に接続され、通話部207のマイクから入力された音声信号を音声データへ変換して玄関子機2aへ送信したり、玄関子機2aから受信した音声データを音声信号に変換して通話部207のスピーカにより鳴らしたり、コードレス電話子機3bと通信する際に音声データを玄関子機2aへ中継したりする機能を備えている。
同期処理部208は、フレーム処理部209および制御部214と接続され、パケットの先頭のプリアンブルとシンクワードで同期処理を行う。
フレーム処理部209は、音声回路206、無線部210および制御部214に接続され、復調データから同期信号元に制御データフィールド及び情報データフィールドを抽出して制御部214又は音声回路206に出力する機能を備えている。
無線部210は、TDMA方式で通信行うための変調および復調を行いアンテナ213を介して送受信する。
操作部211は、来訪者と通話する際に押下されるキーを備えている。
制御部214は、玄関子機2aおよびドアホン親機2bを総括制御するものである。
電話親機ID記憶部215は、主制御局であるコードレス電話親機3aの識別情報であるIDが登録されている。ドアホンID記憶部216は、副制御局である自装置のIDが登録されており、制御部214から読み出し可能に接続されている。
次にコードレス電話装置3について図3および図4に基づいて詳細に説明する。まず図3に基づいてコードレス電話親機3aを説明する。
図3に示すように、コードレス電話親機3aは、回線インタフェース部301と、音声回路302と、着信検知部303と、子機ID記憶部304と、電話親機ID記憶部305と、フレーム処理部306と、無線部307と、アンテナ308と、制御部311とを備えている。
回線インタフェース部301は、電話回線4と接続され着信検知部303へ出力するとともに、音声回路302へ出力する。また音声回路302からのアナログの音声信号を電話回線4へ送信する。
音声回路302は、音声信号をデジタルの音声データへ変換したり、音声データを音声信号へ変換したりする機能を備えている。
着信検知部303は、回線インタフェース部301と制御部311に接続されており、電話回線4からの音声信号により着信を検知して制御部311へ通知する。
子機ID記憶部304は、通信相手となる従属局であるコードレス電話子機3bのIDが登録されている。電話機親機ID記憶部305は、主制御局である自装置のIDが登録されており、制御部311から読み出し可能に接続されている。
フレーム処理部306は、音声回路302、無線部307および制御部311に接続され、復調データから同期信号元に制御データフィールド及び情報データフィールドを抽出して制御部311又は音声回路302に出力する機能を備えている。
無線部307は、TDMA方式で通信行うための変調および復調を行いアンテナ308を介して送受信する。
制御部311は、コードレス電話親機3aを総括制御するものである。
次に、コードレス電話子機3bについて図4に基づいて詳細に説明する。図4に示すように、コードレス電話子機3bは、報知部401と、音声回路402と、通話部403と、モニタ回路404と、同期処理部405と、フレーム処理部406と、無線部407と、アンテナ408と、操作部409と、制御部410と、子機ID記憶部411と、電話親機ID記憶部412と、ドアホンID記憶部413と、モニタ414とを備えている。
報知部401は、制御部410に接続されており、制御部410からの通知により、電話回線4からの着信や、ドアホン装置2からの来訪者の通知を報知する。
音声回路402は、制御部410に接続され、通話部403のマイクから入力された音声信号を音声データへ変換して制御部410や、フレーム処理部406へ出力したり、制御部410またはフレーム処理部406から入力した音声データを音声信号に変換して通話部403のスピーカにより鳴らしたりする。
モニタ回路404は、制御部410に接続され、ドアホン装置2からの映像データをモニタ414へ表示させる。
同期処理部405は、フレーム処理部406および制御部410と接続され、パケットの先頭のプリアンブルとシンクワードで同期処理を行う。
フレーム処理部406は、音声回路402、無線部407および制御部410に接続され、復調データから同期信号元に制御データフィールド及び情報データフィールドを抽出して制御部311又は音声回路402に出力する機能を備えている。
無線部407は、TDMA方式で通信行うための変調および復調を行いアンテナ408を介して送受信する。
操作部409は、発信先電話番号を入力する際に使用される番号キーと、オンフック/オフフックするためキーや、リダイアルするためのキーなどの機能キーを備えている。
制御部410は、コードレス電話子機3bを総括制御するものである。
子機ID記憶部411は、従属局である自装置のIDが登録されている。電話機親機ID記憶部412は、主制御局であるコードレス電話親機3aのIDが登録されている。ドアホンID記憶部413は、副制御局であるドアホン親機2bのIDが登録されている。この子機ID記憶部411と、電話機親機ID記憶部412と、ドアホンID記憶部413とは、制御部410から読み出し可能に接続されている。
以上のように構成される本発明の実施の形態に係る無線通信システム1のドアホン親機2b、コードレス電話親機3aおよびコードレス電話子機3bがTDMA方式で通信を行うときのパケットデータのフォーマットを図5に基づいて説明する。図5(A)および同図(B)は、パケットデータのフォーマットを説明する図である。
図5(A)に示すように、データパケットは、制御情報を送信するときに使用されるパケットと、音声データや映像データを送信するときに使用されるパケットとがある。いずれのパケットデータも、同期信号と制御データフィールドと、制御データフィールドのチェックコードが格納されるCRC(Cyclic Redundancy Check)1のフィールドとを有している。
同期信号は、プリアンブルおよびシンクワードで構成され、通信元と同期を図るためのものである。制御データフィールドは、メッセージが格納されている。
また、音声データや画像データは、情報データフィールドに格納され、この情報データフィールドのチェックコードがCRC2に格納される。
図5(B)に示すように、制御データフィールドは、ヘッダ部とテール部とで構成され、ヘッダ部にはメッセージが格納される。テール部は、ヘッダ部に格納されるメッセージの内容に応じて格納される内容が異なる。例えば、NTメッセージであれば、送信元のIDが格納されている。つまりこのNTメッセージは、コードレス電話親機3a及びドアホン親機2bが使用する。主制御局が送信したNTメッセージを受信した副制御局および従属局は、そのスロットを主制御局が使用することを認識することができる。又、副制御局が送信したNTメッセージを受信した従属局は、そのスロットを副制御局が使用することを認識することができる。
また、PTメッセージは、呼び出しを行うコードレス電話子機3bのIDが格納される。これは、電話回線4からの着信があった場合に、コードレス電話親機3aがその着信を通知するコードレス電話子機3bのIDが格納されたり、来訪者があった場合に、ドアホン親機2bからの呼び出しを通知するコードレス電話子機3bのIDが格納されたりする。また、複数の子機すべてを同時に呼び出す場合は、全体を呼び出すことを示す特別のID(例えば、ALL0のID)が格納される。
QTメッセージは、通信先相手に送信スロットを通知する際に使用される。主制御局が送信したQTメッセージを受信した副制御局および従属局は、その制御信号がフレーム内のどのスロットで送信されたかを認識することができ、主制御局とのフレーム、スロットの同期を取ることができる。
MTメッセージは、コードレス電話親機3a及びドアホン親機2bが使用する場合と、コードレス電話子機3bが使用する場合がある。電話回線4からの着信があり、コードレス電話親機3aからコードレス電話子機3bへPTメッセージが送信されると、オフフックしたコードレス電話子機3bからMTメッセージによる通話要求が送信され、その確認応答としてコードレス電話親機3aからMTメッセージによる通話応答が送信される。同様に、玄関子機2aからの着信があり、ドアホン親機2bからコードレス電話子機3bへPTメッセージが送信されると、オフフックしたコードレス電話子機3bからMTメッセージによる通話要求が送信され、その確認応答としてドアホン親機2bからMTメッセージによる通話応答が送信される。
次に、上述したようなパケットデータを用いてドアホン親機2b、コードレス電話親機3aおよびコードレス電話子機3bが通信を行うときの動作を、図1から図4に基づいて説明する。
まずドアホン親機2bの動作について説明する。図2に示すように、最初に制御部214は、無線部210を連続受信状態にし、受信信号のプリアンブルでビット同期を行い、シンクワードの検出によってスロットの時間位置を決定する同期補足動作を開始する。そして無線部210で受信して復調されたパケットデータがフレーム処理部209に渡される。
フレーム処理部209では、復調されたパケットデータから同期信号元の制御データフィールドを抽出し、制御データフィールドの受信データに基づいて送信元のID及び受信スロット番号を制御部214に出力する。
制御部214では、受信したIDが電話親機ID記憶部215に登録されたIDに一致すると、電話親機ID記憶部215に登録されたIDを受信した送信スロットを同期スロットとして、以降はそのタイミングでコードレス電話親機3aの受信を行う。そして、制御信号を送信しているスロットを通知する制御情報を受信すると、コードレス電話親機3a(主制御局)とのフレーム、スロットの同期を確立する。例えば、コードレス電話親機3aより制御信号を送信しているスロットが“1”であることを通知されると、制御情報を受信したスロット(同期スロット)がスロット1となるようフレームタイミングを決定する。即ち、ドアホン親機2bは、コードレス電話親機3aとのフレーム、スロットの同期が確立した以降、本無線通信システム内で予め決められた制御局側の送信スロットのうちコードレス電話親機3aが制御信号を送信している同期スロットを受信スロットとして動作する。そして、本無線通信システム内で予め決められた制御局側の送信スロットから受信動作をしている同期スロットを除いたスロットからの1つのスロットを選択して同報スロットとして、副制御局としての制御情報を送信する。本実施の形態では、コードレス電話親機3aが送信する同期スロットの次のスロットを、ドアホン親機2bの同報スロットとしている。
そして、制御部214は、本無線通信システム内で予め決められた従属局(コードレス電話子機3b)側の送信スロットのうち、同期スロットと同報スロットに対応するスロットを除いたスロットでコードレス電話子機3bからの通話要求の受信を待ち受ける定常状態に移行する制御を行う。
定常状態に移行すると、フレーム処理部209は、コードレス電話親機3aからの制御情報データを同期処理部208に通知する。同期処理部208は、受信した制御情報のIDが電話親機ID記憶部215に記憶されたIDに一致すると、フレーム処理部209に同期トリガ信号を出力する。フレーム処理部209は、同期トリガ信号を元に、TDMA方式のフレーム/スロットのタイミングを補正し、コードレス電話親機3aからのパケットの受信タイミングと、パケットの送信タイミングと、コードレス電話子機3bからの通話要求の受信を待ち受けるスロットの受信タイミングの位置関係が一定になるようTDMA方式のフレーム/スロットのタイミングを調整する。
次に、コードレス電話親機3aの動作を説明する。図3に示すように制御部311は、電源が投入されると、自己のタイミングでTDMA方式のフレーム/スロットのタイミングを決定し、本無線通信システム内で予め決められた制御局側の送信スロットの中の任意の1つのスロットから同期スロットを選択し、制御情報の送信を開始する。制御部311は、制御情報の送信タイミングに合わせて、送信スロット番号および電話親機ID記憶部305に登録された自装置のIDをフレーム処理部306に出力する。フレーム処理部306では、送信スロット番号およびIDに同期信号等を付加して無線部307に出力することで、アンテナ308を介して制御情報が送信される。
そして、制御部311は、本無線通信システム内で予め決められた従属局(コードレス電話子機3b)側の送信スロットのうち、同期スロットに対応するスロットを除いたスロットでコードレス電話子機3bからの通話要求の受信を待ち受ける定常状態に移行する制御を行う。
最後に、コードレス電話子機3bの動作について説明する。図4に示すように、まず制御部410は、ドアホン親機2bと同様に、連続受信で電話親機ID記憶部412に記憶されたコードレス電話親機3aの制御情報を探し、電話親機ID記憶部412に記憶されたコードレス電話親機3aが送信する制御スロットの送信スロットを通知する制御情報を受信し、コードレス電話親機3aとTDMA方式のフレーム/スロットの同期を確立する。コードレス電話親機3aとの同期確立後、コードレス電話親機3aの制御情報を受信するスロット以外の受信スロット(コードレス電話親機3a側では送信スロット)、即ち、本無線通信システム内で予め決められた制御局側の送信スロットのうちコードレス電話親機3aが制御情報を送信するスロット以外のスロットでドアホン親機2bの制御情報の受信を行う。制御部410は、ドアホンID記憶部413に記憶されたIDに一致するドアホン親機2bの制御情報を受信すると、コードレス電話親機3aの制御情報を受信する同期スロットとドアホン親機2bの制御情報を受信する同報スロット以外のスロットの受信を停止し、待ち受け状態に移行する。
次に、ドアホン親機2b、コードレス電話親機3aおよびコードレス電話子機3bが通信を行う際の送信スロットおよび受信スロットの状態を図6から図8に基づいて説明する。図6から図8は、本発明の実施の形態に係る無線通信システム1において通信を行う際の送信スロットおよび受信スロットの状態を説明する図である。
図6に示すように、本例では、本無線通信システム内で予め決められた制御局側の送信スロットがスロット1からスロット4までの4つのスロット、同じく、従属局側の送信スロットがスロット5からスロット8までの4つのスロットで1つのフレームが構成された時分割多重のスロット配置を示し、無線通信システム1のタイムスロットは、送信スロットが4スロットと、その送信スロットに対応する受信スロットが4スロットとで構成される。
まずコードレス電話親機3aは、電源投入されると自己のタイミングでTDMA方式のフレーム/スロットのタイミングを決定して本無線通信システム内で予め決められた制御局側の送信スロットの中から任意のスロットを選択して制御情報の送信を開始する(S1)。図6ではコードレス電話親機3aは、スロット1を選択して制御情報の送信を開始する例を示しており、制御情報を送信するスロットが、送信スロットのスロット1となり、同期スロットとなる。
この同期スロットで送信された制御情報に基づいて、ドアホン親機2bが同期を確立する(S2)。そして、ドアホン親機2bは、本無線通信システム内で予め決められた制御局側の送信スロットの中の同期スロット以外の送信スロットを選択し、同報スロットとして制御情報を送信する。本実施の形態では、同期スロットの次のスロットであるスロット2を同報スロットとして制御情報を送信している(S3)。
同様に、上記同期スロットで送信された制御情報に基づいてコードレス電話子機3bが同期を確立する(S4)。そして、コードレス電話子機3bは、同期スロットで同期確立をすると、その同期スロットの時間位置に基づいた受信スロットでドアホン親機2bからの制御情報を待ち受ける(S5)。つまり、スロット2〜スロット4でドアホン親機2bからの制御情報を待ち受けている。そして、ドアホン親機2bからの制御情報を受信するとコードレス電話子機3bからの制御情報を受信しているスロット(同期スロット)とドアホン親機2bからの制御情報を受信したスロット(同報スロット)以外のスロットの受信を停止する(S6)。図6では、同期スロットの次のスロットであるスロット2が同報スロットなので、スロット2でドアホン親機2bからの制御情報を待ち受けている。
同期スロットでのコードレス電話親機3aによる制御情報の送信は、ドアホン親機2bおよびコードレス電話子機3bと同期を確立するためのスロットであるため各フレームのスロット1毎に行われる。しかし、同報スロットでのドアホン親機2bによる制御情報の送信は、最初のフレームのスロット2で行われる以外は、送信すべき制御情報あるときのみとしている。それは、コードレス電話子機3bおよびドアホン親機2bは、同期スロットでそれぞれコードレス電話親機3aと同期確立するので、コードレス電話子機3bとドアホン親機2bとも同期していることになるからである。従って、ドアホン親機2bは、最初のフレームのスロット2を同報スロットとして制御情報を送信した後は、例えば来訪者があり、呼び出し検知部103が呼び出しを検知して呼び出し通知を送信するときに送信する。
なお、本実施の形態では、ドアホン親機2bが、同報スロットである最初のフレームのスロット2で制御情報を送信した後は、制御情報があるときのみ送信しているが、1回も送信しないことも可能である。その場合には、コードレス電話子機3bで受信スロットで同期スロットを除くスロット(スロット2からスロット4まで)の間を受信状態とし、ドアホン親機2bからの制御情報が、どのスロットで送信されるか待ち受けることとなる。
また予め同期スロットと同報スロットの位置間系を決めておけば、コードレス電話子機3bは同期スロットの受信スロットをもとに同報スロットの受信スロットを知ることができスロット2のみを待ち受ければよいので、バッテリの消費を抑制することも可能である。例えば、本実施に形態の例では、同期スロットの次のスロットを同報スロットとすることを決めておけば、コードレス電話子機3bはスロット2のみを待ち受ければよい。
又、ドアホン親機2bは、制御信号を複数回送信してもよい。これにより、コードレス電話子機3bはドアホン親機2bの制御信号を確実に受信できるようになり、コードレス電話子機3bは、ドアホン親機2bからの制御信号を受信したあとは、特定の同期スロット(図6の例ではスロット2)のみを受信すれば良く、バッテリの消費を抑制することも可能である。又、この時、ドアホン親機2bは、数フレーム毎に制御信号を送信することにより、制御信号の送信回数を減らし、他の無線通信装置への妨害も低減することも可能である。
又、同様に、ドアホン親機2bは、制御信号の送信に先立ち、制御信号を送信しようとするスロットの受信を行い、他の無線通信装置が該当スロットを使用していないことを確認して制御信号の送信を行う、即ち、他の無線通信装置との混信の有無の確認と、制御信号の送信を交互に行い、他の無線通信装置への妨害を低減しつつ制御信号を定期的に或いは不定期に送信することも可能である。この場合のドアホン親機2bの構成は、例えば、図2に示したドアホン親機2bに、受信信号の受信レベルを検知する受信レベル検知手段を設けることに実現される。受信レベル検知手段は、無線部210に接続され、無線部210の受信回路で受信した受信信号の一部を取り出し、検波整流し、受信信号のレベルに応じた直流出力を出力する回路と、受信信号のレベルに応じた直流出力をデジタル変換するアナログデジタル変換回路とで構成される。制御部214は、制御信号を送信する場合、制御信号を送信するスロット(同報スロット)で制御信号を送信しようとする周波数で受信を行うよう、無線部210を制御し、同報スロットの受信中、例えば、同報スロットの最初、中間、最後のタイミングでアナログデジタル変換回路より受信信号の出力レベルに応じたデジタル出力を読み込む。そして、読み込んだ受信レベルが予め決められた値以下である時、次フレームの同報スロットで制御信号の送信を行うように制御を行う。又、読み込んだ受信レベルが予め決められた値を超えていた場合、同報スロットにおける受信を継続し、受信レベルが予め決められた値以下になるのを待ち、同報スロットで制御信号の送信を行うように制御を行う。尚、従属局が待ち受け状態において、制御局が送信するすべての送信スロットを受信する無線通信システムの場合は、副制御局は、制御信号を送信しようとするスロットで読み込んだ受信レベルが予め決められた値を超えていた場合、他のスロットの受信を行い、受信レベルが予め決められた値以下のスロットを選択して制御信号を送信するように動作しても良く、同期スロット以外の制御局が送信する全てのスロットの受信を行い、最も受信レベルが低いスロットを選択して制御信号を送信してもよい。
次に、玄関子機2aの呼び出し検知部103が来訪者の呼び出しを検知したときのドアホン親機2bとコードレス電話子機3bとの通信の状態を図7に基づいて説明する。
図7に示すように、ドアホン親機2bは、同報スロットであるスロット2で何も送信していない状態から、玄関子機2aの呼び出し検知部103が呼び出しを検知することで、ドアホン呼び出し通知を映像データとともに制御情報としてスロット2の同報スロットでコードレス電話子機3bへの送信を開始する(S7)。
コードレス電話子機3bは、この映像データをモニタ414に表示しながら報知部401が使用者に報知する(S8)。
次に、ドアホン親機2bからのドアホン着信通知をコードレス電話子機3bが応答するときの通信の状態を図8に基づいて説明する。
図8に示すように、ドアホン親機2bからコードレス電話子機3bへ呼び出し通知されることで、使用者がコードレス電話子機3bを応答操作すると、通話要求をドアホン親機2bへ送信し、通話要求を送信したスロットに対応した受信スロットの受信を開始する。この時、通話要求を送信するスロットは、予め決められた従属局側の送信スロット(スロット5からスロット8)から、同期スロットおよび同報スロットと対応するスロット(スロット5、スロット6)を除いた送信スロットが選択され、本実施の形態では、コードレス電話子機3bは、この通話要求をスロット7で送信し、スロット3でドアホン親機2bからの通話応答を受信する例を示している(S9)。
ドアホン親機2bは、通話要求を受信すると、通話要求を受信したスロットに対応する送信スロット、即ちスロット3を使用して通話応答を送信する(S10)。
そしてコードレス電話子機3bは、この通話応答を受信すると、次のスロット7から通話を開始する(S11)。以後、スロット3とスロット7でドアホン親機2bとコードレス電話子機3bで音声データの送受信が行われ、玄関子機2aとコードレス電話子機3bの音声がつながり、使用者は来訪者との通話が可能となる。
コードレス電話子機3bは、ドアホン親機2bと通話を開始しても、コードレス電話親機3aからの同期スロットで通知される制御情報は受信し続けている。これは、コードレス電話子機3bとドアホン親機2bとが通話をしているときに、電話回線4から着信があった場合に、コードレス電話子機3bへ通知可能な状態とするためにである。そうすることによりコードレス電話親機3aからコードレス電話子機3bへ着信通知があると、ドアホン親機2bと通話中のスピーカに重畳音で報知することができるので利便性が高い。
又、コードレス電話子機3bは、ドアホン親機2bと通話を開始しても、ドアホン親機2bからの同報スロットで送信される映像データを受信し続けている。これは、使用者が来訪者と通話をしながら、来訪者の表情等の様子を見ることができるので利便性が高い。
又、外線着信の場合も、上記と同様であり、コードレス電話親機3aは同期スロットで外線着信を報知し、それを受信したコードレス電話子機3bは、リンガーを鳴らすなどして、使用者に着信を報知し、使用者が応答操作をすると、同期スロットと同報スロットに対応する送信スロット以外の送信スロットを選択してコードレス電話親機3aに通話要求を行い、外線との通話を開始する。尚、コードレス電話子機3bは、外線との通話中も、同報スロットの受信を継続し、ドアホン親機2bからの呼出を待ち受けることができる。
又、コードレス電話子機3bは、一方からの呼出を受信し呼出を報知している場合も、他方の制御信号を送信するスロットの受信を継続しているので、ドアホン親機2bとコードレス電話親機3aの両方からの呼出があった場合でも、同時に報知が可能である。
次に、コードレス電話子機3bがコードレス電話親機3aと通信不可能な範囲に配置されるために、無線中継装置であるリピータ装置を備えた場合を図9および図10に基づいて説明する。図9は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムに無線中継装置を備えた場合の図である。図10は、本発明の実施の形態に係る無線中継装置を備えた無線通信システムにおいて通信を行う際の送信スロットおよび受信スロットの状態を説明する図である。なお、図9においては図1と同じ構成のものは同符号を付して説明は省略する。
図9に示す無線通信システム10は、コードレス電話親機3aとコードレス電話子機3bとのパケットが到達できない程度の距離にあるためリピータ装置11を備えている。
図10に示すように本実施の形態に係るリピータ装置11は、コードレス電話親機3aの制御情報のパケットを奇数スロットとし、ドアホン装置2の制御信号の送信を偶数スロットにして再送する。
詳細には、コードレス電話親機3aが同期スロットであるスロット1で制御情報を送信している場合には、リピータ装置11は、スロット1でコードレス電話親機3aの制御情報を受信し、奇数スロットであるスロット3でスロット1で受信した制御情報(コードレス電話親機IDや呼出制御信号等)を送信する。
コードレス電話子機3bは、スロット2の同報スロットでドアホン親機2bの制御情報を、そしてスロット3を同期スロットとしてリピータ装置11の制御情報を受信する。このとき、コードレス電話親機3aまたはリピータ装置11は奇数スロットで制御情報を送信し、ドアホン親機2bは偶数スロットで制御情報を送信するので、コードレス電話子機3bは、ドアホン親機2bとリピータ装置11の制御情報を別のスロットで受信することができる。
また、リピータ装置11をドアホン親機2bの中継装置とする場合には、リピータ装置11は、2スロットでドアホン親機2bの制御情報を受信し、偶数スロットであるスロット4で制御情報を送信するようにすることで、混信することなくドアホン親機2bとの通信を中継することができる。
尚、上記例では、コードレス電話子機3bが同期スロットの制御情報と同報スロットの制御情報の両方を受信できるよう、リピータ装置11は、コードレス電話親機3aの制御情報のパケットを奇数スロットとし、ドアホン装置2の制御信号の送信を偶数スロットにして再送することにより、コードレス電話子機3bが、コードレス電話親機3a又はコードレス電話親機3aの信号を再送するリピータ装置11のいずれか一方が送信する同期スロットの制御信号と、ドアホン装置2又はドアホン装置2の信号を再送するリピータ装置11のいずれか一方が送信する同報スロットの制御信号とを受信できるようにした例を示したが、コードレス電話親機3a及びコードレス電話親機3aの信号を再送するリピータ装置11が使用するスロットと、ドアホン装置2及びドアホン装置2の信号を再送するリピータ装置11が使用するスロットが別々であればコードレス電話子機3bが同期スロットの制御情報と同報スロットの制御情報の両方を受信でき、例えば、フレーム内のスロットの前半と後半でそれぞれが使用するスロットを振り分けるなどしてコードレス電話子機3bが同期スロットの制御情報と同報スロットの制御情報の両方を受信できるようにしても良い。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。
本実施の形態では副制御局としてドアホン装置のドアホン親機を1台だけ備えたものであったが、例えば、二世代住宅のように2台以上のドアホン装置を備えていもよい。その場合には副制御局が2台以上となるので、制御情報を送信する同報スロットがそれぞれが重ならないように、同期スロットを除いた送信スロットの中でそれぞれの副制御局に対して同報スロットを割り当てることで通信が可能となる。
又、本実施の形態ではコードレス電話親機を主制御局、ドアホン親機を副制御局とした例を示したが、実施の形態と逆の構成、即ち、コードレス電話親機を副制御局、ドアホン親機を主制御局としてもよい。
又、本発明は2つの制御局が存在する無線通信システムに広く応用が可能で有り、例えば、2台のコードレス電話親機の一方が主制御局、他方が副制御局となるような同一の無線設備が複数ある構成やコードレス電話、ドアホン以外の無線LAN等の無線通信装置への適用も可能である。
副制御局であるドアホン親機2bを実現するハードウェア構成を図11に示す。
多重分離回路820は、玄関子機2aから受信した来訪者の映像信号、玄関子機2aを通じた来訪者との会話音声信号、玄関子機2aから受信した来訪者の通知信号を分離重畳をする電気的インターフェースとしてトランジスタ等で構成されている。
多重分離回路820と対応するハードウェア構成は、ドアホンインターフェース1001と、ドアホンインターフェース1001から出力される玄関子機2aとドアホン親機2b間の映像信号をこの後段で使用するアナログ映像信号に変換する映像復調IC1002と、映像復調ICのアナログ信号をデジタル映像信号に変換するビデオキャプチャIC1003と、デジタル映像信号を記憶するSDRAM1006と、デジタルビデオ信号を録画再生などの管理を行うCPUであるV850CPU1005と、V850CPU1005のプログラムが記憶されているFRASH ROM1007と、V850CPU1005プログラムが動作する際に使用するメモリSRAM1008である。
また、玄関子機2aの来訪者とドアホン親機2bの使用者との間で会話をするために、玄関子機2a側とのインターフェース信号として電話のような2線信号で通信されているアナログ信号と、ドアホン親機2bの音声回路806を構成するボイススイッチIC1009と無線通信用のベースバンドIC1011とで使用する4線信号のアナログ信号との変換を、2−4変換回路1009で行っている。
通話部807はマイク1015とスピーカ1016から構成される。マイク1015からボイススイッチ1009へ親機側で発声した音声が出力される。玄関子機2aで発声した音声は、ボイススイッチ1009からスピーカアンプ回路1010で電力増幅し、スピーカ1016で再生される。音声回路806の一部を構成するボイススイッチ1009が、マイクからの音量とスピーカへの音量を比較し、送話と受話を切り替えるために実装されている。
玄関子機2aから信号が入力されたことを制御部814と呼び出し検知部804を兼用したメインCPU1017で検知する。メインCPU1017は、呼び出しを検知した場合、報知部805でLED1017を点滅させ、来訪を知らせる。これに応答して親機側で応答ボタン808と対応するキーマトリクススイッチ1018を押すと、メインCPU1017がそれを検知し、音声の通話ができるように全体を制御する。
玄関子機2aからビデオキャプチャIC1003にアナログ画像信号が入力されると、ビデオキャプチャIC1003はSRAM1006を用いてアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換する。
さらに、V850CPU1005は、デジタル画像信号を録画する、時計タイマー1004の時刻情報を用いてデジタル画像信号に時刻情報を付加する、などの機能を実現している。FLASH ROM1007に蓄積されたプログラムをV850CPU1005がSRAM1008を用いて実行することによって実現される。
V850CPU1005で生成された信号がコードレス電話子機3bへ出力するためにベースバンドIC1011へ出力される。
また、玄関子機2aからの来訪者の画像をモニタ回路801としてのLCDドライバIC1019を用いてLCDパネル1020に表示する。
ベースバンドIC1011は、制御部814の一部とフレーム処理部809と音声回路806の一部を実装している。ベースバンドIC1011は音声情報、画像情報、制御信号等に、TDMA−TDD方式の通信に必要な同期信号とエラー検知用のエラー検出符号を付加し、TDMA方式のフレーム、タイムスロットに合わせて送信データ列を生成し、又、受信した受信データ列から、TDMA方式のフレーム、タイムスロットに合わせてエラー検知の処理を行い、エラーのなかったタイムスロットで受信された、音声情報、制御信号を出力する。
ベースバンドIC1011が実行するプログラムの記憶とホッピングパターン記憶部812をFLASH ROM1012が実現している。
また、ベースバンドIC1011がプログラムを実行する際に使用するメモリとそのメモリ中で実現されている画像情報記憶部803を、SRAM1013で実現している。また、親機と増設親機間の無線通信において、増設親機が親機の同定をするためのID情報をEEPROM1014に記憶している。
送受信部810、入力されたデータ列を変調、増幅し、又、受信した無線信号を増幅復調し受信データを出力する周波数ホッピングを用いたTDMA方式の無線の送受信を行う無線IC1015と複数のアンテナを切り替えるスイッチ1016で実現されている。
コードレス電話子機3bを実現するハードウェア構成を図12に示す。
制御部911は、ベースバンドIC1101とFlash ROM1102とSRAM1103とEEPROM1104とLCD電源制御回路1105とで構成される。
ベースバンドIC1101はベースバンドIC1101が実行するプログラムを記憶したFlash ROM1102と、ベースバンドIC1101がプログラムを実行する際に用いるメモリであるSRAM1003とを用いてコードレス電話子機の制御を行う。dドアホン親機2bとコードレス電話子機3aの無線通信においてドアホン親機2bがコードレス電話子機3aの同定をするためのID情報をEEPROM1014が記憶している。
ベースバンドIC1101は無線の送受信において用いるフレーム処理部906と、音声回路902の一部を実装している。この音声回路902により玄関子機2aあるいはドアホン親機2bと通話することが可能になる。
Flash ROM1102は、ベースバンドIC1101が実行するプログラムと、無線通信において用いられるホッピングパターンを記憶しており、ホッピングパターン記憶部909も実装している。
また、LCD電源制御回路1105は、ベースバンドIC1101の制御に基づき、LDCドライバIC1106の電源の制御を行う。
モニタ回路904は、LCDドライバIC1106で実装される。また、モニタはLCDパネル1107で実装される。
報知部901は、ドアホン親機2bからの着信を表示するLED1108で実装される。また、ドアホン親機2bからの着信に対し、使用者が応答操作をする応答ボタン910は、キーマトリクス1109で実装される。
使用者がドアホン親機2bを通じて玄関子機2aと通話する際に使用する通話部903は、マイク1110とスピーカ1111で実装される。また、スピーカ1111を鳴らすための電力増幅をするために音声回路902の一部としてスピーカアンプ回路1112が実装される。
ベースバンドIC1101から/への画像や音声の通信データのやり取りを無線の送受信を行うための送受信部907は、無線IC1113で実装している。ここで、複数のアンテナを用いて送受信するためにアンテナ切替えスイッチ1114を用いている。
増設子機は、携帯できるようにするため電池を含む充電制御回路1116とLCDパネル1107を動作させる電源としてLCD電源昇圧回路1117とベースバンドIC1101の電源とリセットを制御する電源・リセット回路1118を実装している。また、増設子機の電池を充電するために充電端子1115を実装している。
玄関子機2aの外観図を図13に示す。
玄関子機の前面には、来訪者を画像信号とするカメラ1201と来訪者と通話を行うマイク1202とスピーカ1203と来訪者がドアホン親機2bおよびコードレス電話子機3bに来訪を伝える呼び出しボタン1204がある。
ドアホン親機2bの外観図を図14に示す。
ドアホン親機2bの前面には、玄関子機2aの来訪者の画像を映すLCDパネル1020とキーマトリクススイッチ1018と来訪を光で表示するLED1017がある。また、玄関子機2aの来訪者と通話するためのマイク1015とスピーカ1016を有している。
コードレス電話子機の外観図を図15に示す。
コードレス電話子機3bは携帯でるようになっている。コードレス電話子機3bの前面には、玄関子機2aの来訪者の画像を映すLCDパネル1107とキーマトリクススイッチ1109と来訪を光で表示するLED1108がある。また、玄関子機2aの来訪者と通話するためのマイク1110とコードレス電話子機3bの背面にスピーカ1111を有している。
この構成により、来訪者は、玄関子機2aを用いて、室内の使用者と会話ができる。ここで、玄関子機の画像は、ドアホンインターフェース1001を有するドアホン親機2bを経由し、コードレス電話親機3aとも接続されているコードレス電話子機3bで室内の使用者に出力することができる。また、玄関子機2aとコードレス電話子機3bで会話ができる。そのため、室内での使用者は、コードレス電話子機3bを持ち移動しながら、あるいは待ち受け時に都合の良い場所に置きながら使用することができるという効果を奏する。