JP2006352305A - 無線システム - Google Patents

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弘道 西山
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Abstract

【課題】無線アドホックネットワークを形成している複数の無線端末から、イベントが発生した目的の端末を容易に特定する。
【解決手段】複数の無線端末が接続される無線アドホックネットワーク環境において、無線端末でイベントを検出するイベント検出手段と、無線端末が他の無線端末にイベントの発生を通知するイベント通知手段と、他の無線端末はイベント通知を転送するイベント転送手段と、イベント通知を受信した無線端末は他の無線端末に連動して所定の動作を行う動作手段とを具備し、複数の無線端末の動作を追跡することで、イベントを検出した無線端末を特定できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、複数の無線端末を接続して構成するアドホックネットワークにおいて、無線端末に障害が発生したり、無線端末の内部もしくは外部のイベントを検出したりする場合に、該当する無線端末を特定するための無線システムに関するものである。
イベントや障害が起こった場合に該当する無線端末を特定する従来の無線システムとしては、無線端末の障害情報に対応して、無線端末内に備え付けられたディスプレイの表示内容を変更しているものがあった(例えば、特許文献1参照)。
図8は、前記特許文献1に記載された従来の無線システムにおける障害表示を示す図である。
図8において、無線端末である各映像表示装置901(901−A〜I)は、相互に接続されている無線アドホックネットワークを形成している。また、無線システムへ配信された映像を複数の映像表示装置901で連係して表示することを可能とする。
このような無線システムにおいて、例えば、映像表示装置901−Hに障害が発生した場合、その障害信号がイベントとして両端の映像表示装置901−Iと映像表示装置901−Gへ伝送される。障害イベントを受信した両端の映像表示装置(901−I、G)は、障害イベントの内容に応じて画面表示を変更する、例えば、映像を消すなどの動作を行う。
このように、障害などの無線端末からのイベントを無線システムが検知した場合に、障害が発生した無線端末と関連する無線端末の表示を変更することで、無線システムの利用者に対して視覚的に障害イベントを通知していた。
特開2004−229149号公報(第7−8頁、図11)
しかしながら、前記従来の構成では、無線システムの利用者が無線端末の全体の構成を一望することが不可能な場合に問題が発生していた。例えば、遮蔽物が存在する場合、利用者にとって一度に把握することのできる無線端末は数台のみである。このような環境において、障害やイベントが発生した無線端末が利用者の視覚外に存在する場合や、全体構成が把握できない場合には、該当する無線端末を特定することが困難となっていた。
また、前記従来の構成では、各映像表示装置が障害に対応したパターンをディスプレイに表示するが、個々の映像表示装置が想定する障害以外の表示パターンを示すことが難しく、利用者にとって障害が発生していることを判定できない場合があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、複数の無線端末の中から障害やイベントを検知した無線端末を特定するために、利用者が無線端末動作を追跡することを可能とする無線端末システムを提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の無線システムは、無線端末でイベントを検出するイベント検出手段と、無線端末が他の無線端末にイベントの発生を通知するイベント通知手段と、他の無線端末はイベント通知を転送するイベント転送手段と、イベント通知を受信した無線端末は他の無線端末に連動して所定の動作を行う動作手段とを具備し、複数の無線端末の動作を追跡することで、イベントを検出した無線端末を利用者が特定できることを特徴とする。
本構成によって、利用者がイベントや障害を検出した無線端末を探索する場合に、所定の動作を行っている無線端末を発見し、そこから連動する無線端末を追跡していくことで目的の無線端末を発見することが可能となる。
また、請求項2に記載の発明では、無線端末はイベントを検出した無線端末からのイベント通知転送回数を保持しておき、転送回数によって動作手段の開始時間を設定することを特徴とする。
本構成によって、イベントや障害を検出した無線端末から地理的に遠い無線端末から所定動作を開始し、地理的に近くなる無線端末へと連動していくことで、利用者が無線端末を特定するために無線端末の動作を追跡することが可能になる。
また、請求項3に記載の発明では、無線端末はイベントを検出した無線端末からのイベント通知転送回数を保持しておき、転送回数によって動作手段の動作頻度を設定することを特徴とする。
本構成によって、イベントや障害を検出した無線端末から地理的に遠い無線端末では、所定動作を行う頻度を低くし、近い無線端末では所定動作の頻度を高くすることで、利用者にとって目的とする無線端末にどのくらい近づいているのかを感覚的に示すことが可能となる。
また、請求項4に記載の発明では、無線端末は、無線端末間の距離情報を保持しておき、距離情報に応じて動作手段の開始時間を設定することを特徴とする。
本構成によって、無線端末間の距離が長い場合には動作開始時間を長く設定し、距離が短い場合には動作開始時間を短く設定することで、無線端末間での連動をより効果的に示すことができ、利用者にとって無線端末動作の追跡を効率化することが可能となる。
また、請求項5に記載の発明では、無線端末は、イベント発生手段を具備し、利用者が任意にイベントを発生させることで無線端末までの経路を追跡できることを特徴とする。
本構成によって、利用者が特定の無線端末への経路を知りたい場合に、特定の無線端末でイベントを発生させることで、無線端末の連動動作によって経路を確認することが可能となる。
また、請求項6に記載の発明では、無線端末の動作手段は、表示装置を点滅させる表示手段であり、利用者が視覚的にイベントを検出した無線端末を特定できることを特徴とする。
本構成によって、利用者が複数の無線端末に接続されている表示装置の点滅を追跡していくことで、複数の無線端末の中からイベントや障害を検出している目的となる無線端末を特定することが可能となる。
本発明の無線システムによれば、利用者が複数の無線端末で連携する動作を追跡することで、イベントや障害を検知した無線端末を特定することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における無線システムを示す図である。
図1では、無線端末A(10A)から無線端末F(10F)の5つの無線端末が存在しており、それぞれの無線端末A(10A)〜無線端末F(10F)は表示装置11Aから表示装置11Fに接続されている。表示装置11A〜11Fは、例えば、非常口に設置されている非常灯のようなLEDで構成されるものや、蛍光灯のような照明器具であり、無線端末からの制御信号によって点灯したり消灯したりするなどの点滅動作が可能である。
また、各無線端末A(10A)〜F(10F)は無線アドホックネットワークを形成しており、隣接する無線端末と無線によって接続されている。各無線端末間の接続関係は、図1において点線で示される。例えば、無線端末A(10A)と無線端末B(10B)は点線で結ばれており、無線で接続されているため相互に通信することが可能な環境となっている。また、無線端末Aと無線端末Eとは点線で結ばれておらず、直接に通信することはできない。
ここで、無線端末E(10E)の付近でイベント102(例えば火災など)が発生し、そのことをユーザ101に知らせると共に、イベント102が発生した無線端末E(10E)の場所までユーザ101を誘導するアプリケーションを想定する。このとき、ユーザは全ての無線端末を一望することはできない環境にあり、イベント101の発生時点で確認が可能な無線端末は無線端末A(10A)のみである。なお、イベント102は、火災やガス漏れなどの災害検知の他に、無線端末の障害発生や、利用者が任意に起こしたイベントなどでも良い。
本発明の無線システムにおいて、このようなアプリケーションを実現するために、複数の無線端末A(10A)〜無線端末F(10F)に接続されている表示装置11A〜11Eを点滅させて、イベント102が発生した無線端末E(10E)へ向けて表示装置の動作が連動して集まっていくような動作をさせることで、ユーザ101の誘導を行う。
図2は、本発明の実施の形態2における無線端末の構成を示す図である。図2において、図1と同じ構成要素については同じ記号を用いる。
図2に示すように、無線端末2aは、無線端末A(10A)から無線端末F(10F)の共通の構成であり、表示制御部201と、電源部202と、距離測定部203と、制御部204と、無線部205と、センサI/F(インターフェース)206と、センサ207と、無線I/F208と、アンテナ209などとを備える。なお、制御部204はCPUやRAM、ROMなどによって構成され、無線端末動作を制御するものである。また、距離測定部は無線端末間の距離を測定する機能であり、距離を使用するアプリケーションについては後述の実施の形態2に示す。
無線部205と無線I/F208は、他の無線端末との制御情報やデータの通信を行うために使用されるものであり、微弱無線、特定小電力無線、ZigBee(802.15.4)、Bluetooth、UWB、802.11系(a、b、g、nなど)を含む無線方式をサポートする。また、無線通信を行う場合には、アンテナ209が利用される。
センサ207は、物理現象または化学現象を測定・検知するものである。この計測対象としては、温度、湿度、光、映像、音響、超音波、赤外線、磁気、圧力、振動、加速度、ガスなど、様々な物理現象や化学現象が挙げられ、もしくはこれらの組み合わせであってもよい。センサ207で測定・検知された情報はセンサI/F206を通じて無線端末2aへと送られる。なお、図2において、センサ207は無線端末の外付けの装置として示しているが、無線端末に内蔵された一つのモジュールとして機能してもよい。
電源部202は、無線端末に対して駆動電力を供給する部分であり、電池やバッテリーなどの交換タイプからAC電源などの固定タイプの電源まで様々な形態がある。なお、備え付けの照明器具に無線端末を設置する場合には、照明器具の電源を分配して供給する場合もある。
表示制御部201は、表示装置2bを制御するものである。表示装置2bは、表示装置11Aから表示装置11Eの共通の構成であり、制御回路210と、タイマ211と、LEDランプ213と、ランプユニット213などを備える。
表示装置2b中の制御回路210は、無線端末2aの表示制御部201の制御に従って動作するものであり、タイマ211用いて時間制御を行ったり、ランプユニット213を制御することでLEDランプ212の点灯・消灯を制御したりすることが可能である。なお、表示装置2bは無線端末2aの外部の装置として記載しているが、無線端末2aに内蔵された一つのモジュールとして機能してもよい。
これら、図2で示す無線端末2aと表示装置2bを用いてユーザを誘導する方法を図3に示す。
図3は、イベント発生からの各無線端末動作のシーケンスを示す図である。図3において、図1と同じ構成については同じ記号を用いる。
図3において、イベントが発生すると、センサを用いて無線端末E(10E)がイベント検知301を行う。さらに、無線端末E(10E)はイベントの発生を周辺の無線端末に知らせるために、イベント通知を周辺の接続可能な無線端末に送信する。ここでは、無線端末E(10E)から無線端末B(10B)への通知はイベント通知302が、無線端末F(10F)への通知はイベント通知303が無線端末E(10E)より送信されている。
イベント通知を受信した無線端末は、さらに別の無線端末へイベント通知を転送する。ここで、無線端末B(10B)に接続されている無線端末は、無線端末A(10A)と無線端末C(10C)であり、それぞれの無線端末に対してイベント転送304とイベント転送305が送信される。なお、無線端末B(10B)において、イベント転送304を送信してからイベント転送305を送信するまでは、待ち時間を設けることなく、短い時間で処理されるものとする。また、無線端末F(10F)においても、無線端末E(10E)以外で接続している無線端末が存在するのであれば、その無線端末に対してイベント転送を送信する。
イベント転送304を受信した無線端末A(10A)は、さらに接続可能な無線端末D(10D)が存在するため、イベント転送306を無線端末D(10D)へ送信する。このようにして、全ての無線端末に情報が行き渡るまでイベント通知が繰り返される。
なお、無線端末の数が非常に多い環境においては、全ての無線端末にイベント通知の情報を送ると、ネットワーク内のトラヒック負荷が膨大なものとなってしまう。よって、このような場合には予めイベント転送回数を規定したり、イベント転送の存在時間に制限を設けたりすることで、情報の伝達を効率化することが考えられる。
次に、各無線端末は、イベント通知もしくはイベント転送を受信すると、規定時間だけ待機動作(待機307から待機311)を行う。待機307から待機311のそれぞれの時間は、無線端末E(10E)からの転送ホップ回数によって設定される(図4)。
図4は、転送ホップ回数と待機時間の関係を示す図である。
図4では、表4aに示すように、イベントが発生した無線端末Eからのホップ回数によって、イベント通知もしくはイベント転送を受信してから次の動作に移行するまでの待機時間を設定している。待機時間は、無線端末Eからのホップ回数が大きくなる、つまり無線端末Eから遠くなる無線端末ほど短くなるように設定される。図4では、最もホップ回数が大きい“3”である無線端末Dの待機時間がT(Tは定数)、次にホップ回数が“2”である無線端末Aと無線端末Cの待機時間が2T、ホップ回数が“1”である無線端末Bと無線端末Fの待機時間が3T、そして無線端末Eは、待機時間を4Tと設定する。
このように、ホップ回数が大きい無線端末の待機時間を小さくし、ホップ回数が小さい無線端末の待機時間を大きくすることで、イベントから遠くの無線端末から動作を開始して、イベントに近づく順番で各無線端末は動作を開始していく。なお、上記では、イベントを検出した無線端末Eは、自身からのホップ回数が0になるため、他の無線端末と比較して最も待機時間が多くなるように設定する。
ここで、再び図3に注目する。図3において、無線端末D(10D)は、待機307後に表示装置点滅312を開始する。表示装置点滅312では、無線端末D(10D)に接続されている表示装置D(11D)のLEDランプを点滅させる動作である。同様に、他の無線端末A(10A)から無線端末F(10F)も、それぞれ待機308から待機311後に表示装置点滅313から表示装置点滅316を開始する。なお、無線端末F(10F)については、利用者とって目的となる無線端末であるという観点から、待機時間の設定に関係なく、表示装置を動作させることも考えられる。
このような動作を利用者の立場で見ると、無線端末A(10A)が点滅し始めて、次に無線端末B(10B)が点滅し、次に無線端末E(10E)が点滅を始めているように認識することができる。つまり、無線端末が点滅する順番に追いかけていくことで、無線端末E(10E)を特定し、イベント102を発見することができる。
なお、最初に表示装置が点滅を行ってから次の点滅を行うまでの時間を規定することも可能である。図3において、待機318から待機320は同じ時間幅であり、各無線端末が表示装置点滅312から表示装置点滅316を行ってから、次の動作である表示装置点滅321から表示装置点滅325を行うまでの時間である。このような時間を設定可能とすることで、点滅動作をさらに間欠動作させることによって、複数の無線端末間の連動動作を強調することが可能となり、ユーザにとってよりイベントまでの追跡を効率化することができる。
また、表示装置が点滅する間隔は、イベントを検知した無線端末からのホップ回数によって変更することも可能である。例えば、ホップ回数が大きくなればなるほど点滅する間隔を大きくし、イベントに近づいてホップ回数が小さくなるほど点滅する間隔を小さく設定する。これは、利用者にとって点滅する無線端末を追跡することでイベントを発見することに加えて、どのくらいイベントに近づいているのかを視覚的に認識することを可能とする。
さらに、これまでの無線端末の動作として、表示装置のLEDライトの点滅を挙げたが、ユーザにとって追跡可能な動作として、他に無線端末を振動させたり、無線端末が音を発生したりするなど、無線端末を特定できる動作であれば代用可能である。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における無線システムを示す図である。
図5では、無線端末501から無線端末521が配置されており、それぞれ点線で示される無線接続531から無線接続552によってアドホックネットワークを形成しているものとする。また、各無線端末は部屋A(561)から部屋F(566)の全ての部屋に置かれており、どの無線端末からどの無線端末へも、マルチホップ通信を用いることで通信が可能であるとする。
ここで、部屋A(561)にいるユーザ5Aが、どこに存在するかを把握していない対象物5Bを発見するアプリケーションを考える。なお、対象物は無線装置からの探索によって発見可能である仕組みを用いており、例えば、対象物に固有のIDを持つICタグを貼付して無線装置からの探索に対して応答する、を備えているものとする。この場合、図1の無線端末の構成において、センサ207はICタグを読み取ることが可能なRFIDリーダの役割を果たす。
対象物5Bを探索する場合、ユーザ5Aは近くの無線端末503に対して探索パケットを送信するように設定を行う。無線端末503からの探索パケットは接続されているすべての無線端末、ここでは無線端末501と無線端末505へ探索パケットを送信する。探索パケットを受信した無線端末は、同様にして探索パケットを周辺の無線端末へと送信する。このようにして、全ての無線端末に探索パケットが行き渡るように探索パケットの転送が為される(探索パケットのフラッディング)。
また、探索パケットを受信した無線端末は、対象物が周辺に存在するかどうかを調べる。図6では、部屋C(563)に存在する無線端末511のそばに対象物5Bが存在するため、無線端末511が対象物Bを検出する。なお、今回のケースでは、ユーザからの探索パケットに対して各無線端末はリアルタイムに検出を行っているが、あらかじめ各無線端末の周辺にどのような物が存在するかを調べて設定しておくことも可能である。
図6に、対象物の発見から誘導動作までのシーケンスを示す図を示す。図6において、図5と同じ構成については同じ記号で示す。
図6では、ユーザ5Aから対象物5Bの最短ルート間に存在する、無線端末503、無線端末505、無線端末507、無線端末510、無線端末511のそれぞれの動作を記述している。
まず、無線端末503より探索開始6Aによって探索パケット601が送信される。それを受信した無線端末505は、自身の端末アドレスを含めて探索パケット602として送信する。同様にして、探索パケット603から探索パケット605は、それが通った経路情報を追加しながら無線端末511に到達する。
無線端末511に探索パケット605が到達すると、対象物5Aが発見される(対象物発見動作5B)。無線端末511からはユーザに対象物5Aが発見されたことをイベントとして通知するため、応答パケット606を無線端末510に送信する。このときの応答パケット601から応答パケット610の経路は、探索パケットに含まれていた経路情報から作成することができる。この経路の考え方はアドホックネットワーク構築で既存の方法であるため、詳細な説明は割愛する。
応答パケット610が無線端末503に返送されると、無線端末503は表示装置の点滅を開始する(点滅開始6C)。また、無線端末503からは、対象物5Bへの経路を示す方法として、次の無線端末505に対して制御パケット611を送信する。この制御パケットの受信によって、無線端末505は、表示装置の点滅を開始する(点滅開始6D)。同様にして、制御パケット612から制御パケット615の送信によって点滅開始6Eから点滅開始6Hまでの動作が為される。
なお、各無線端末の点滅開始動作のタイミングついては、各無線端末間の距離によって変更することも可能である(図7)。
図7は、無線端末間距離による点滅開始タイミングを示す図である。図7において、図5と同じ構成については同じ記号を使用する。
図7において、無線端末503から無線端末511までの各無線端末間の距離が示されている。距離の測定には、無線端末の機能である距離測定部203を使用したり、外部機器の測定方法を実施したりするなどが考えられる。なお、距離の測定方法は様々なものが存在するが、ここでの説明は割愛する。
図7では、各無線端末間の距離が点線上で示されている。例えば、無線端末503と無線端末505の直線距離は2d(dは定数)である。このとき、表7aに示すように、制御パケットを受信してから点灯動作を開始するまでの待機時間を設定する。待機時間の設定は、各無線端末間の距離に比例するものとし、例えば、無線端末505の待機時間は2T(Tは定数)である。
このように、無線端末間の距離によって待機時間を変化させることで、距離が近い無線端末間では、無線端末の点滅動作がすぐに次の無線端末に連動し、距離が遠い無線端末間では、点滅動作の連動に少し時間差が発生するように設定する。このことは、ユーザが各無線端末の動作を視覚的に追っていったときに、より各無線端末が連動しているように認識させることを可能とし、イベントを検出した無線端末までの誘導を効率的に行うことができる。
なお、各端末のイベント例として、火災や障害発生、物の場所検出などを挙げてきたが、ネットワークのメンテナンス用途として、各無線端末に任意にイベントを発生させることで、該当する無線端末までの経路を利用者が確認することも可能である。
本発明にかかる無線システムは、複数の無線端末が接続される無線アドホックネットワーク環境において、無線端末でイベントを検出する検出手段と、無線端末が他の無線端末にイベントの発生を通知する通知手段と、イベント通知を転送する転送手段と、イベント通知を受信した無線端末は他の無線端末動作に連動して所定の動作を行う動作手段とを有し、ユーザが動作を追跡することで障害やイベントを検出した無線端末を特定することが可能である。また、トレースルートなどのネットワークのメンテナンス用途にも応用できる。
本発明によれば、複数の無線端末から特定の無線端末を検知することのできる無線システムが実現可能であり、無線アドホックシステムでの障害検出や災害などのイベント検出、人や物の探索のほか、ネットワークのメンテナンス用途などに応用することができる。
本発明の実施の形態1における無線システムを示す図 本発明の実施の形態1における無線端末の構成を示す図 本発明の実施の形態1におけるイベント発生からの各無線端末動作のシーケンスを示す図 本発明の実施の形態1における転送ホップ回数と待機時間の関係を示す図 本発明の実施の形態2における無線システムを示す図 本発明の実施の形態2における対象物の発見から誘導動作までのシーケンスを示す図 本発明の実施の形態2における無線端末間距離による点滅開始タイミングを示す図 従来の無線システムにおける障害表示を示す図
符号の説明
10A〜10F,501〜521 無線端末
11A〜11F 表示装置
101 ユーザ
102 イベント(火災)
207 センサ
901−A〜I 映像表示装置

Claims (7)

  1. 複数の無線端末が接続される無線アドホックネットワーク環境において、
    無線端末でイベントを検出するイベント検出手段と、
    前記無線端末が他の無線端末にイベントの発生を通知するイベント通知手段と、
    前記他の無線端末は前記イベント通知を転送するイベント転送手段と、
    前記イベント通知を受信した無線端末は他の無線端末に連動して所定の動作を行う動作手段とを具備し、
    複数の無線端末の動作を追跡することでイベントを検出した無線端末を特定できることを特徴とする無線システム。
  2. 前記無線端末は、イベントを検出した無線端末からのイベント通知転送回数を保持しておき、
    前記転送回数によって前記動作手段の開始時間を設定することを特徴とする、請求項1に記載の無線システム。
  3. 前記無線端末は、イベントを検出した無線端末からのイベント通知転送回数を保持しておき、
    前記転送回数によって前記動作手段の動作頻度を設定することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の無線システム。
  4. 前記無線端末は、無線端末間の距離情報を保持しておき、
    距離情報に応じて前記動作手段の開始時間を設定することを特徴とする、請求項1から請求項3に記載の無線システム。
  5. 前記無線端末は、イベント発生手段を具備し、利用者が任意にイベントを発生させることで前記無線端末までの経路を追跡できることを特徴とする、請求項1から請求項4に記載の無線システム。
  6. 前記動作手段は、表示装置を点滅させる表示手段であり、
    利用者が視覚的にイベントを検出した無線端末を特定できることを特徴とする、請求項1から請求項5に記載の無線システム。
  7. 複数の無線端末が接続される無線アドホックネットワーク環境において、
    無線端末でイベントを検出するイベント検出段階と、
    前記無線端末が他の無線端末にイベントの発生を通知するイベント通知段階と、
    前記他の無線端末は前記イベント通知を転送するイベント転送段階と、
    前記イベント通知を受信した無線端末は他の無線端末に連動して所定の動作を行う動作段階とを具備し、
    複数の無線端末の動作を追跡することでイベントを検出した無線端末を特定できることを特徴とする無線通信方法。
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