JP2006352156A - パターン形成基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基台(100)のパターン形成面にシランカップリング剤を塗布しシランカップリング膜(101)を形成する工程、パターンに合わせたマスク(102)をシランカップリング膜(101)上にかける工程、およびシランカップリング膜(101)にマスク(102)の上からエネルギーを与えて活性化させ極性基を生じさせる活性化工程、を備える。シランカップリング膜(101)のうちマスク(102)がかけられなかった領域には、水酸基、カルボキシル基、アミノ基またはアミノカルボニル基等の極性基が生じ、親水性を示すようになる。マスク(102)がかけられていた領域は疎水性を備える。この基板はインクジェット方式によってパターンを形成するのに適するユニバーサル基板としての機能を備える。
【選択図】図2
Description
(実施形態1)
本発明の実施形態1は、シランカップリング剤を用いた基板およびその製造方法に関する。
図1に、本実施形態1の基板の外形図を示す。図1(a)は基板1をパターン形成面から見た平面図であり、図1(b)は図1(a)の基板を断面AAから見た側面図である。本実施形態1の基板1aは、図1(a)および(b)に示すように、所定の流動体に対し疎水性を示す疎水性領域10と、流動体に対し親水性を示す親水性領域11と、を備えている。疎水性領域10および親水性領域11ともに、図2に示す基台100のパターン形成面に形成されたシランカップリング膜101上に形成されている。ただし紫外線照射やコロナ放電により表面に極性基が形成されていない領域が疎水性領域10となり、極性基が生じている領域が親水性領域11となっている。親水性領域11は、パターン化されて形成された領域になっている。親水性領域11は方形にパターン化されている。互いの親水性領域11は方形の頂点で互いに接しており全体でモザイク状になっている。
図3および図4に、本実施形態1の基板に対しインクジェット式記録ヘッド2より液滴を吐出した場合の液滴付着の様子を示す。
インクジェット式記録ヘッド2はオンデマンド型のピエゾジェット機構により流動体を吐出可能に構成されたヘッドである。具体的にインクジェット式記録ヘッド2は、図示しないが圧力室が形成された圧力室基板の一面に可撓性のある振動板が備えられ、その振動板に電気機械変換作用を示す圧電体素子を備えて構成されている。圧力室基板の一面には圧力室ごとにノズルが設けられたノズルプレートが貼り合わせられている。上記構成において圧電体素子に電圧が印加されると振動板が撓み、圧力室の圧力が瞬間的に高まり、ノズルから圧力室に充填された流動体が吐出されるようになっている。
次に図2を参照して本実施形態1の基板の製造方法を説明する。
シランカップリング膜形成工程(図2(a)): シランカップリング膜形成工程は、基台100にシランカップリング剤を塗布しシランカップリング膜101を形成する工程である。シランカップリング剤とは、一般に相互になじみの悪いガラスやシリカ、金属、粘土などの無機材料と高分子などの有機材料とを化学結合できる官能基を持った有機ケイ素化合物をいう。Xをアルコキシ基やハロゲンなど加水分解しやすい置換基とし、Yを有機質と反応しやすいビニル基、エポキシ基、アミノ基などとすると、シランカップリング剤の一般式は、Y〜CH2SiX3で表される。このシランカップリング剤は表面改質処理をしない場合には疎水性を示すが、紫外線照射やコロナ放電などの表面改質処理により水酸基、カルボキシル基、アミノ基またはアミノカルボニル基等の極性基を容易に生じ親水性に変わる。
本発明の実施形態2は、無機酸化物を用いた基板およびその製造方法を提供するものである。
本実施形態の基板の外形や親水性領域のパターンについては上記実施形態1と同様に考えられるので説明を省略する。ただし本実施形態2では、基台の露出領域と無機酸化物膜が形成された領域とで構成されている。親水性であるか疎水性であるかは表面改質処理で変動する。
マスク形成工程(図5(a)): マスク形成工程は基台200の上にマスク201を施す工程である。基台100としては熱処理によって影響を受けず、無機酸化物膜との関係で親水性の度合いに差がでる材料、例えば金属、耐熱樹脂等を使用する。マスク201は、基台200上で親水性と疎水性のパターンに適合するようにパターン形成される。なお無機酸化物膜202をフッ素化しない場合には無機酸化物膜202が疎水性領域10を形成し、基台200の露出領域が親水性領域11を形成する。フッ素化する場合には無機酸化物膜202が親水性領域11を形成し、基台200の露出領域が疎水性領域10を形成する。マスク材料としては、加熱により蒸発し揮発する有機物により構成されていることが好ましい。例えば、樟脳、ナフタリン等の材料で構成される。マスクの形成方法としては、印刷法、真空蒸着、スパッタリング、CVD法等が適用可能である。なおマスクパターンは、実施形態1で示したように各種のパターンを適用することが可能である。
本発明の実施形態3は、共重合化合物を用いて上記実施形態1で説明した基板を製造するための方法に関する。
本実施形態では基台表面に共重合化合物膜を形成する。共重合(copolymer)化合物とは、二種またはそれ以上の単量体(モノマー)を用いて、それらを成分として含む重合体化合物をいう。本実施形態では少なくとも単量体の一方を親水性を示す材料に選択し、単量体の他方を疎水性を示す材料に選択する。この共重合化合物は、この複数の単量体が一又は二以上の分子のブロックを単位としたラメラ(lamella)構造を備える。ラメラ構造とは、板状のブロック単位が一定の規則にしたがって集合してとる構造である。ブロック単位を構成する分子が親水性であったり疎水性であったりするので、この共重合化合物を基台の一面に配置し固定すれば、基板は親水性領域と疎水性領域が微細に配置された本発明の基板構造をとることになる。特に本実施形態では、疎水性を示す材料としてエチレン、親水性を示す材料としてビニルアルコールを用いた、エチレン−ビニルアルコールからなる共重合化合物を用いる。
共重合体化合物混合工程(図6(a)): まず疎水性を示すモノマー(単量体)であるエチレンをイオン重合により重合させ、適当な分子量の疎水性高分子302を得る。そしてこの高分子302を親水性のモノマーであるビニルアルコール303に加えて重合させ、親水性部分と疎水性部分よりなる共重合化合物301を得る。触媒としてはブチルリチウム、ナフタリンナトリウムが用いられる。溶媒としてはTHFを用いる。
また本発明によれば、無機酸化物を使用したので、インクジェット方式などによるパターン形成時に、流動体の表面張力によって適度な広がりと連続性を持ったパターンを形成可能な基板を製造することができる。
また本発明によれば、エチレンとビニルアルコールの共重合体を使用したので、インクジェット方式などによるパターン形成時に、流動体の表面張力によって適度な広がりと連続性を持ったパターンを形成可能な基板を製造することができる。
Claims (14)
- 基台と、
前記基台と官能基で結合し、かつ、前記官能基と反対側に極性基を有する第1の有機ケイ素化合物を含む第1の膜と、
前記基台と官能基で結合し、かつ、前記官能基と反対側に疎水性基を有する第2の有機ケイ素化合物を含む第2の膜と、
前記第1の膜の少なくとも一部と前記第2の膜の少なくとも一部とに重なる、有機物または無機物を含むパターンと、を含むことを特徴とするパターン形成基板。 - 請求項1に記載のパターン形成基板において、
複数の前記第1の膜が前記第2の膜に対しパターン化されていることを特徴とするパターン形成基板。 - 請求項1または2に記載のパターン形成基板において、
複数の前記第1の膜は、互いが点接触していることを特徴とするパターン形成基板。 - 基台上に無機酸化物膜が形成され、
前記無機酸化物膜上に有機物または無機物を含むパターンが形成され、
前記パターンが、前記無機酸化物膜の少なくとも一部と、前記基台の前記無機酸化物膜の形成されていない少なくとも一部と、に重なることを特徴とするパターン形成基板。 - 請求項4に記載のパターン形成基板において、
前記基台の前記無機酸化物膜の形成されていない少なくとも一部がフッ素化されていることを特徴とするパターン形成基板。 - 請求項4または5に記載のパターン形成基板において、
複数の前記無機酸化物膜が前記基台に対しパターン化されていることを特徴とするパターン形成基板。 - 請求項6に記載のパターン形成基板において、
複数の前記無機酸化物膜は、互いが点接触していることを特徴とするパターン形成基板。 - 基台上に形成された、少なくとも第1の分子を含む第1のブロックと第2の分子を含む第2のブロックとを有する共重合化合物を含む共重合化合物膜と、
前記第1のブロックの少なくとも一部と前記第2のブロックの少なくとも一部とに重なる、有機物または無機物を含むパターンと、を含むことを特徴とするパターン形成基板。 - 請求項8に記載のパターン形成基板において、
前記第1の分子はエチレンであり、前記第2の分子はビニルアルコールであることを特徴とするパターン形成基板。 - 請求項8または9に記載のパターン形成基板において、
複数の前記第1のブロックが前記第2のブロックに対しパターン化されていることを特徴とするパターン形成基板。 - 請求項10に記載のパターン形成基板において、
複数の前記第1のブロックは、互いが点接触していることを特徴とするパターン形成基板。 - 有機物または無機物を含む流動体を塗布してパターンを形成するためのパターン形成基板であって、前記流動体に対して相対的に接触角が小さい、基台上の親和性領域と、
前記流動体に対して前記親和性領域より相対的に接触角が大きい、前記基台上の非親和性領域と、前記親和性領域の少なくとも一部と前記非親和性領域の少なくとも一部とに重なる、有機物または無機物を含むパターンと、を含むことを特徴とするパターン形成基板。 - 基台上に、流動体に対して相対的に接触角が小さい親和性領域と、前記流動体に対して前記親和性領域より相対的に接触角が大きい非親和性領域と、を形成する領域形成工程と、前記親和性領域と前記非親和性領域のそれぞれ少なくとも一部に前記流動体を重ねてパターンを形成する工程と、を含む製造方法により製造されることを特徴とするパターン形成基板。
- 請求項1乃至13のいずれか一項に記載のパターン形成基板において、
前記基台はベークライト、ポリエステル、ポリエチレン、テフロン(登録商標)、PMMA、ポリプロピレンまたは塩化ビニルのうちいずれかを含むことを特徴とするパターン形成基板。
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