JP2006352156A - パターン形成基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】パターン形成時に、乾燥前の流動体が広がりすぎず乾燥後にパターンが分断されない、インクジェット方式によるパターン形成に適する基板の提供。
【解決手段】基台(100)のパターン形成面にシランカップリング剤を塗布しシランカップリング膜(101)を形成する工程、パターンに合わせたマスク(102)をシランカップリング膜(101)上にかける工程、およびシランカップリング膜(101)にマスク(102)の上からエネルギーを与えて活性化させ極性基を生じさせる活性化工程、を備える。シランカップリング膜(101)のうちマスク(102)がかけられなかった領域には、水酸基、カルボキシル基、アミノ基またはアミノカルボニル基等の極性基が生じ、親水性を示すようになる。マスク(102)がかけられていた領域は疎水性を備える。この基板はインクジェット方式によってパターンを形成するのに適するユニバーサル基板としての機能を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、インクジェット式記録ヘッドの工業的応用に係り、特に、インクジェット方式によって任意のパターンを形成することができる基板およびその製造方法に関する。
半導体プロセス等で用いる基板は、シリコン等で構成されている。従来、当該シリコン基板から集積回路等を製造するために、フォトリソグラフィー法等が使用されていた。このフォトリソグラフィー法は、例えば「薄膜ハンドブック」日本学術振興会編pp283-305に記載されているように、シリコンウェハ上にレジストと呼ばれる感光材を薄く塗布し、ガラス乾板に写真製版で作成した集積回路パターンを光で焼き付けて転写する。転写されたパターンにイオン等を打ち込んで、配線パターンや素子を形成していくものであった。
しかしながら、フォトリソグラフィー法を用いるには、写真製版、レジスト塗布、露光、現像等の工程を必要としていたため、大型の装置、配電設備、排気設備などの設備の整った半導体工場等でなければ、微細パターンの作成ができなかった。このため微細パターンの形成は複雑な工程管理とコストを要するのが常識であった。
もしも、μmのオーダーのパターンを、簡単に安価にかつ工場等の設備を用いることなく製造することができるものとすれば、工業的に無限の需要が考えられる。この点、出願人に技術の蓄積があるインクジェット方式を用いれば、上記課題を克服できると考えられる。すなわち、インクジェット方式でインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドは、任意の流動体をノズル穴から吐出可能に構成されている。このインクジェット式記録ヘッドの解像度は、例えば400bpiと微細であるため、個々のノズル穴から工業的用途に使える流動体を吐出できれば、μmオーダーの幅で任意のパターンが形成できると考えられる。
ところで、インクジェット式記録ヘッドから吐出される液滴は、基板のパターン形成面に達すると一定の面積に広がる(以下一の液滴が対象面に到達することを「着弾する」と称する)。着弾した液滴の広がりは、液滴の液量や速度、流動体のパターン形成面と当該流動体の接触角などに応じて決まる。着弾した流動体のパターンには広がりすぎたりパターンが連続せずに途切れたりしないことが要求される。
この要求に応えるために、本願発明者は、表面張力を利用してパターンの適度な広がりを維持することができるインクジェット方式などによるパターン形成に適した基板およびその基板の製造方法を考えた。
すなわち、本発明の第1の課題は、インクジェット方式などによるパターン形成時に、流動体の表面張力によって適度な広がりと連続性を持ったパターンを形成可能な基板を提供することである。
本発明の第2の課題は、インクジェット方式などによるパターン形成時に、流動体の表面張力によって適度な広がりと連続性を持ったパターンを形成可能な基板の製造方法を提供することである。
ここで、本発明にかかるパターン形成基板は、基台と、前記基台と官能基で結合し、かつ、前記官能基と反対側に極性基を有する第1の有機ケイ素化合物を含む第1の膜と、前記基台と官能基で結合し、かつ、前記官能基と反対側に疎水性基を有する第2の有機ケイ素化合物を含む第2の膜と、前記第1の膜の少なくとも一部と前記第2の膜の少なくとも一部とに重なる、有機物または無機物を含むパターンと、を含むことを特徴とする。
上記パターン形成基板において、複数の前記第1の膜が前記第2の膜に対しパターン化されていることが好ましい。さらに、複数の前記第1の膜は、互いが点接触していることを特徴とすることが好ましい。
また、本発明にかかるパターン形成基板は、基台上に無機酸化物膜が形成され、前記無機酸化物膜上に有機物または無機物を含むパターンが形成され、前記パターンが、前記無機酸化物膜の少なくとも一部と、前記基台の前記無機酸化物膜の形成されていない少なくとも一部と、に重なることを特徴とするものであってもよい。
上記パターン形成基板において、前記基台の前記無機酸化物膜の形成されていない少なくとも一部がフッ素化されているものであってもよい。
また、本発明にかかるパターン形成基板は、基台上に形成された、少なくとも第1の分子を含む第1のブロックと第2の分子を含む第2のブロックとを有する共重合化合物を含む共重合化合物膜と、前記第1のブロックの少なくとも一部と前記第2のブロックの少なくとも一部とに重なる、有機物または無機物を含むパターンと、を含むものであってもよい。このパターン形成基板は、前記第1の分子はエチレンであり、前記第2の分子はビニルアルコールであることが好ましい。
また、本発明にかかるパターン形成基板は、有機物または無機物を含む流動体を塗布してパターンを形成するためのパターン形成基板であって、前記流動体に対して相対的に接触角が小さい、基台上の親和性領域と、前記流動体に対して前記親和性領域より相対的に接触角が大きい、前記基台上の非親和性領域と、前記親和性領域の少なくとも一部と前記非親和性領域の少なくとも一部とに重なる、有機物または無機物を含むパターンと、を含むことを特徴とするものであってもよい。
また、本発明にかかるパターン形成基板は、基台上に、流動体に対して相対的に接触角が小さい親和性領域と、前記流動体に対して前記親和性領域より相対的に接触角が大きい非親和性領域と、を形成する領域形成工程と、前記親和性領域と前記非親和性領域のそれぞれ少なくとも一部に前記流動体を重ねてパターンを形成する工程と、を含む製造方法により製造されるものであってもよい。ここで「親水性」を示すとは、水などの極性基を備えた流動体に対して密着性が高いこと(親和性)、つまり流動体に対する接触角が相対的に小さいことをいう。「疎水性」を示すとは、水などの極性基を備えた流動体に対して密着性が低いこと(非親和性)、つまり流動体に対する相対的に接触角が大きいことをいう。この両表現は流動体に対する親和性の度合いを明らかにするために、便宜上対比して用いられるものである。「流動体」とはインクのみならず、工業的用途に用いることができ、ノズルから吐出可能な粘度(数cp)を備えた媒体をいう。構成分子が極性基を備えるか否かを問わない。また有機物であるか無機物であるかを問わない。さらに流動体に混合物がコロイド状に混入していてもよい。
また、上記パターン形成基板において、前記基台はベークライト、ポリエステル、ポリエチレン、テフロン(登録商標)、PMMA、ポリプロピレンまたは塩化ビニルのうちいずれかを含むことが好ましい。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。
(実施形態1)
本発明の実施形態1は、シランカップリング剤を用いた基板およびその製造方法に関する。
図1に、本実施形態1の基板の外形図を示す。図1(a)は基板1をパターン形成面から見た平面図であり、図1(b)は図1(a)の基板を断面AAから見た側面図である。本実施形態1の基板1aは、図1(a)および(b)に示すように、所定の流動体に対し疎水性を示す疎水性領域10と、流動体に対し親水性を示す親水性領域11と、を備えている。疎水性領域10および親水性領域11ともに、図2に示す基台100のパターン形成面に形成されたシランカップリング膜101上に形成されている。ただし紫外線照射やコロナ放電により表面に極性基が形成されていない領域が疎水性領域10となり、極性基が生じている領域が親水性領域11となっている。親水性領域11は、パターン化されて形成された領域になっている。親水性領域11は方形にパターン化されている。互いの親水性領域11は方形の頂点で互いに接しており全体でモザイク状になっている。
各パターンの形状、大きさおよび疎密については、流動体の有する表面張力の大きさ、例えば接触角の大きさや、液滴の大きさに応じて適宜変更可能である。例えば、このパターン形状は方形に限らず、円形、楕円形その他曲線で囲まれた形状、三角形その他の多角形、または平行線状に形成してもよい。互いのパターンが接していても離れていてもよい。このパターン形状は、一つの流動体が付着する親水性領域11において、その流域に隣接する親水性領域11に流動体が付着している場合には互いに付着した流動体が接触するように、また隣接する親水性領域11に流動体が付着していない場合には、表面張力により当該親水性領域11を越えて流動体が付着していない親水性領域に流動体が広がらないようにパターン化されている。
親水性領域のパターン一つの大きさは、インクジェット方式により吐出される流動体の液滴が周囲に漏れる程度であることが好ましい。パターンの大きさ(広さ)が液滴に比べて小さすぎると、個々の親水性領域の境界で発生する表面張力が弱すぎて液滴の広がりを阻止できず、通常の基板に吐出したときと変わらなくなってしまう。またパターンの大きさが液滴に比べ小さすぎると、個々の親水性領域の境界まで液滴が達せず、その輪郭が歪んだりパターンが分断されたりするおそれが生ずる。
親水性領域のパターンの配置は個々のパターンが互いに点接触する程度が好ましい。個々のパターンが接触し完全に繋がると、親水性領域境界における表面張力の阻止ができず、隣接する親水性領域に無制限に液滴が侵入するおそれがあるからである。逆に個々のパターンが離れ過ぎると、液滴の連続性が阻害され、液滴パターンの分離を起こすからである。
(作用)
図3および図4に、本実施形態1の基板に対しインクジェット式記録ヘッド2より液滴を吐出した場合の液滴付着の様子を示す。
インクジェット式記録ヘッド2はオンデマンド型のピエゾジェット機構により流動体を吐出可能に構成されたヘッドである。具体的にインクジェット式記録ヘッド2は、図示しないが圧力室が形成された圧力室基板の一面に可撓性のある振動板が備えられ、その振動板に電気機械変換作用を示す圧電体素子を備えて構成されている。圧力室基板の一面には圧力室ごとにノズルが設けられたノズルプレートが貼り合わせられている。上記構成において圧電体素子に電圧が印加されると振動板が撓み、圧力室の圧力が瞬間的に高まり、ノズルから圧力室に充填された流動体が吐出されるようになっている。
本実施例の基板1を使用すると、インクジェット式記録ヘッド2から吐出される流動体の液滴12が水のように極性分子を備えている場合、疎水性領域10ではこの流動体がはじかれ親水性領域11では流動体が密着する。基板1上に吐出された流動体の液滴12は、図4に示すように親水性領域11では十分に広がる。一方疎水性領域10では排除され(はじかれ)、表面張力にしたがって隣接する親水性領域11に引き込まれる。表面張力が働いて引き込まれた後は図4に示すように、親水性領域11のみに液滴12が付着するようになる。ヘッドからの液滴の吐出方向が多少ずれても、ラインL2からL4までの一定の幅に着弾すれば、付着する流動体の液滴12は常にラインL2からL4の間の親水性領域11に乗る。流動体の液滴12が乗っている親水性領域11の隣にある親水性領域10に流動体の液滴12が乗っていない場合には、表面張力により一つの親和性領域10に乗った流動体の液滴12が隣接する親和性領域10に侵入することがない。流動体の液滴12が乗っている親水性領域11の隣にある親水性領域10にも流動体の液滴12が乗っている場合、互いの流域は接しているか、離れていてもわずかであるため、液滴12同士が表面張力で互いに連結される。したがって液滴12が吐出された領域では液滴がつながって連続したパターンが形成される。液滴12が乗った親水性領域11では液滴が満ちた状態となっているので、この液滴が乾燥しても連結していた隣接する液滴と分離されることはない。
上記した基板によれば、インクジェット方式によって液滴を吐出した場合にその液滴の付着場所を超えてパターンが広がったり乾燥時に収縮してパターンが分断されたりすることがないので、インクジェット方式によりパターンを形成するための基板に適している。
(製造方法)
次に図2を参照して本実施形態1の基板の製造方法を説明する。
シランカップリング膜形成工程(図2(a)): シランカップリング膜形成工程は、基台100にシランカップリング剤を塗布しシランカップリング膜101を形成する工程である。シランカップリング剤とは、一般に相互になじみの悪いガラスやシリカ、金属、粘土などの無機材料と高分子などの有機材料とを化学結合できる官能基を持った有機ケイ素化合物をいう。Xをアルコキシ基やハロゲンなど加水分解しやすい置換基とし、Yを有機質と反応しやすいビニル基、エポキシ基、アミノ基などとすると、シランカップリング剤の一般式は、Y〜CH2SiX3で表される。このシランカップリング剤は表面改質処理をしない場合には疎水性を示すが、紫外線照射やコロナ放電などの表面改質処理により水酸基、カルボキシル基、アミノ基またはアミノカルボニル基等の極性基を容易に生じ親水性に変わる。
基台100は一定の機械的強度を備えれば十分であるが、シランカップリング剤と密着性の高い材料で構成されていることが好ましい。例えばガラス、金属、ポリイミド樹脂、ポリエステルフィルム等を適用する。シランカップリング剤の塗布はスピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、スプレーコート法等の各種塗布法を適用可能である。一定の厚みでシランカップリング剤を塗布可能な方法ならば他の方法でもよい。シランカップリング膜101の厚みは2nm〜1μm程度に形成する。膜の形成後には、加熱処理等で膜を乾燥させる。
マスク形成工程(図2(b)): マスク形成工程は、シランカップリング膜101上にマスク102を形成する工程である。マスク102は疎水性領域10がマスクで覆われるようなパターンで形成する。マスク材料としては、露光マスク、エマルションマスク、ハードマスク等種々のマスクが形成できる。露光マスクを使用する場合には、クロム、酸化クロム、シリコン、酸化シリコン、酸化膜などを、真空蒸着、スパッタリング、CVD法等で形成する。
表面改質工程(図2(c)): 表面改質工程は、マスク102を形成したシランカップリング膜101にエネルギーを与えて表面分子を活性化させ、加水分解を生じさせて水酸基等の置換基を生じさせる工程である。表面改質処理としては、紫外線照射またはコロナ放電などを適用可能である。具体的には、紫外線照射は紫外線ランプを用いてマスクを通し全面照射する。コロナ放電は、一列に並んだドット状の電極を有するコロナ放電処理装置を用いて基台を起動させながらパルス状に電圧を印加してマトリクス状に処理が行われるように行う。この表面改質処理によりシランカップリング膜101の表面のうちマスクされていない領域に未反応基が生ずる。この処理を大気雰囲気下または酸素雰囲気下で行うと、未反応基が水酸基などの極性基で置換される。
マスク除去工程(図2(d)): マスク除去工程は、マスク102を除去する工程である。マスク102の除去は公知の有機溶剤を用いる。
以上の製造工程により、シランカップリング膜101のうちマスクされていた領域が疎水性領域10となりマスクされず極性基で置換された領域が親水性領域11となる。なおインクジェット式記録ヘッドより吐出する流動体が極性分子で構成されていない場合には、疎水性領域10と密着性が高く親水性領域11と密着性が低くなる。
上記したように、本実施形態1によれば、シランカップリング剤を塗布しパターン化して表面改質処理をすることにより、液滴パターンが広がり過ぎずかつ分断されることなく形成可能な基板を提供できる。したがってインクジェット方式等により任意のパターンを基板上に作成するためのユニバーサル基板として適する基板を提供することができる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2は、無機酸化物を用いた基板およびその製造方法を提供するものである。
本実施形態の基板の外形や親水性領域のパターンについては上記実施形態1と同様に考えられるので説明を省略する。ただし本実施形態2では、基台の露出領域と無機酸化物膜が形成された領域とで構成されている。親水性であるか疎水性であるかは表面改質処理で変動する。
次に、図5を参照して本実施形態2の基板の製造方法を説明する。
マスク形成工程(図5(a)): マスク形成工程は基台200の上にマスク201を施す工程である。基台100としては熱処理によって影響を受けず、無機酸化物膜との関係で親水性の度合いに差がでる材料、例えば金属、耐熱樹脂等を使用する。マスク201は、基台200上で親水性と疎水性のパターンに適合するようにパターン形成される。なお無機酸化物膜202をフッ素化しない場合には無機酸化物膜202が疎水性領域10を形成し、基台200の露出領域が親水性領域11を形成する。フッ素化する場合には無機酸化物膜202が親水性領域11を形成し、基台200の露出領域が疎水性領域10を形成する。マスク材料としては、加熱により蒸発し揮発する有機物により構成されていることが好ましい。例えば、樟脳、ナフタリン等の材料で構成される。マスクの形成方法としては、印刷法、真空蒸着、スパッタリング、CVD法等が適用可能である。なおマスクパターンは、実施形態1で示したように各種のパターンを適用することが可能である。
無機酸化物膜形成工程(図5(b)): 無機酸化物膜形成工程は、マスク201を施した基台200のパターン形成面に無機酸化物膜202を形成する工程である。無機酸化物としては、シリカ(酸化ケイ素)やアルミナ(酸化アルミニウム)、ゼトライト、硫酸カルシウム、酸化チタンなどの無機酸化物を用いる。無機酸化物膜の形成方法は、スピンコート、ロールコート、ダイコート、スプレーコート等の各種塗布法を適用可能である。一定の厚みで無機酸化物膜を形成可能であれば他の方法で形成してもよい。なお無機物膜を先に形成してから熱処理等で表面を酸化させてもよい。
除去工程(図5(c)(d)): 除去工程は形成されたマスクを除去する工程である。形成されたマスク201を除去するためには、マスク材の昇華性を理容師、基台を加熱することにより、マスク材を昇華させ除去する。マスク201が取り除かれることにより、マスクされていた領域の基台200が露出する。表面をフッ素化しない場合には、基台200の露出部分が親水性領域11となり、マスクされずに無機酸化物膜202が残された部分が疎水性領域10となる。
なお、この基板をフッ素ガス雰囲気下にさらすことにより、無機酸化物膜202をフッ素化することが可能となる。この処理により基台200の露出部分が疎水性領域10となり、マスクされずに無機酸化物膜202が残された部分が親水性領域11となる。フッ素化するために、フッ素ガスとしてCF4等を流通させた雰囲気下で、プラズマ処理し、フッ素化する。
上記したように、本実施形態2によれば、無機酸化物を塗布しパターン化することにより、液滴パターンが広がり過ぎずかつ分断されることなく形成可能な基板を提供できる。したがってインクジェット方式等により任意のパターンを基板上に作成するためのユニバーサル基板として適する基板を提供することができる。特に本実施形態では、表面処理の有無により親水性領域と疎水性領域とを反転させることが可能である。
(実施形態3)
本発明の実施形態3は、共重合化合物を用いて上記実施形態1で説明した基板を製造するための方法に関する。
本実施形態では基台表面に共重合化合物膜を形成する。共重合(copolymer)化合物とは、二種またはそれ以上の単量体(モノマー)を用いて、それらを成分として含む重合体化合物をいう。本実施形態では少なくとも単量体の一方を親水性を示す材料に選択し、単量体の他方を疎水性を示す材料に選択する。この共重合化合物は、この複数の単量体が一又は二以上の分子のブロックを単位としたラメラ(lamella)構造を備える。ラメラ構造とは、板状のブロック単位が一定の規則にしたがって集合してとる構造である。ブロック単位を構成する分子が親水性であったり疎水性であったりするので、この共重合化合物を基台の一面に配置し固定すれば、基板は親水性領域と疎水性領域が微細に配置された本発明の基板構造をとることになる。特に本実施形態では、疎水性を示す材料としてエチレン、親水性を示す材料としてビニルアルコールを用いた、エチレン−ビニルアルコールからなる共重合化合物を用いる。
次に、図6を参照して本実施形態3の基板の製造方法を説明する。
共重合体化合物混合工程(図6(a)): まず疎水性を示すモノマー(単量体)であるエチレンをイオン重合により重合させ、適当な分子量の疎水性高分子302を得る。そしてこの高分子302を親水性のモノマーであるビニルアルコール303に加えて重合させ、親水性部分と疎水性部分よりなる共重合化合物301を得る。触媒としてはブチルリチウム、ナフタリンナトリウムが用いられる。溶媒としてはTHFを用いる。
塗布工程(図6(b)): 塗布工程は、前記工程で得た共重合化合物の溶液301を基台300上に塗布し、共重合化合物膜301を形成する工程である。共重合化合物の溶液301の塗布方法には、ローラ304によるロールコーティング法やキャスティング法を適用可能である。塗布した共重合化合物301は静置されることによって溶媒が除去され乾燥していく。基台300としては、直接インクジェット方式によって吐出される流動体に触れることがないので、基台の組成が親和性であるか非親和性であるかを問わず、一定の機械的強度があれば任意の材料を適用可能である。
なお、共重合化合物の製造には、高分子薄膜成長法、すなわちプラズマ重合法(plasma polymerization)を用いてもよい。プラズマ重合法は、親水性を備える単量体ガスと疎水性を備える単量体ガスとの混合ガスを用いる。この混合ガスをグロー放電によって活性化し、その重合膜を基台100上に生成させる。共重合化合物膜の生成にはプラズマ重合装置を用いる。プラズマ重合条件として、ガス流量、ガス圧力、放電周波数および放電電力をこの混合ガスに合わせて設定する。
上記の工程で形成された共重合化合物膜301は図6(c)に示すような重合構造をなしている。ビニルアルコールの水酸基部分が親水性を示し親水性領域11となる。一方エチレン分子の領域が疎水性を示し疎水性領域10となる。
上記実施形態3によれば、共重合化合物を用いたので、微細な分子レベルのラメラ構造により、本発明の基板を製造することができる。この基板は共重合化合物の生成と塗布のみで親和性領域と非親和性領域とをランダムに配置することができるので、製造工程が簡略化され、コストを下げることができる。
本発明によれば、シランカップリング剤を使用したので、インクジェット方式などによるパターン形成時に、流動体の表面張力によって適度な広がりと連続性を持ったパターンを形成可能な基板を製造することができる。
また本発明によれば、無機酸化物を使用したので、インクジェット方式などによるパターン形成時に、流動体の表面張力によって適度な広がりと連続性を持ったパターンを形成可能な基板を製造することができる。
また本発明によれば、エチレンとビニルアルコールの共重合体を使用したので、インクジェット方式などによるパターン形成時に、流動体の表面張力によって適度な広がりと連続性を持ったパターンを形成可能な基板を製造することができる。
実施形態1における基板の外形図であり、(a)は平面図、(b)はその断面図である。 実施形態1における基板の製造方法である。 インクジェット方式によるパターン形成時の基板断面図である。 本発明の基板における流動体付着時の広がり具合の説明図である。 実施形態2における基板の製造方法である。 実施形態3における基板の製造方法である。
符号の説明
1…基板、10…疎水性領域、11…親水性領域、100,200,300…基台、101…シランカップリング膜、102,201…マスク、202…無機酸化物膜、301…共重合化合物膜。

Claims (14)

  1. 基台と、
    前記基台と官能基で結合し、かつ、前記官能基と反対側に極性基を有する第1の有機ケイ素化合物を含む第1の膜と、
    前記基台と官能基で結合し、かつ、前記官能基と反対側に疎水性基を有する第2の有機ケイ素化合物を含む第2の膜と、
    前記第1の膜の少なくとも一部と前記第2の膜の少なくとも一部とに重なる、有機物または無機物を含むパターンと、を含むことを特徴とするパターン形成基板。
  2. 請求項1に記載のパターン形成基板において、
    複数の前記第1の膜が前記第2の膜に対しパターン化されていることを特徴とするパターン形成基板。
  3. 請求項1または2に記載のパターン形成基板において、
    複数の前記第1の膜は、互いが点接触していることを特徴とするパターン形成基板。
  4. 基台上に無機酸化物膜が形成され、
    前記無機酸化物膜上に有機物または無機物を含むパターンが形成され、
    前記パターンが、前記無機酸化物膜の少なくとも一部と、前記基台の前記無機酸化物膜の形成されていない少なくとも一部と、に重なることを特徴とするパターン形成基板。
  5. 請求項4に記載のパターン形成基板において、
    前記基台の前記無機酸化物膜の形成されていない少なくとも一部がフッ素化されていることを特徴とするパターン形成基板。
  6. 請求項4または5に記載のパターン形成基板において、
    複数の前記無機酸化物膜が前記基台に対しパターン化されていることを特徴とするパターン形成基板。
  7. 請求項6に記載のパターン形成基板において、
    複数の前記無機酸化物膜は、互いが点接触していることを特徴とするパターン形成基板。
  8. 基台上に形成された、少なくとも第1の分子を含む第1のブロックと第2の分子を含む第2のブロックとを有する共重合化合物を含む共重合化合物膜と、
    前記第1のブロックの少なくとも一部と前記第2のブロックの少なくとも一部とに重なる、有機物または無機物を含むパターンと、を含むことを特徴とするパターン形成基板。
  9. 請求項8に記載のパターン形成基板において、
    前記第1の分子はエチレンであり、前記第2の分子はビニルアルコールであることを特徴とするパターン形成基板。
  10. 請求項8または9に記載のパターン形成基板において、
    複数の前記第1のブロックが前記第2のブロックに対しパターン化されていることを特徴とするパターン形成基板。
  11. 請求項10に記載のパターン形成基板において、
    複数の前記第1のブロックは、互いが点接触していることを特徴とするパターン形成基板。
  12. 有機物または無機物を含む流動体を塗布してパターンを形成するためのパターン形成基板であって、前記流動体に対して相対的に接触角が小さい、基台上の親和性領域と、
    前記流動体に対して前記親和性領域より相対的に接触角が大きい、前記基台上の非親和性領域と、前記親和性領域の少なくとも一部と前記非親和性領域の少なくとも一部とに重なる、有機物または無機物を含むパターンと、を含むことを特徴とするパターン形成基板。
  13. 基台上に、流動体に対して相対的に接触角が小さい親和性領域と、前記流動体に対して前記親和性領域より相対的に接触角が大きい非親和性領域と、を形成する領域形成工程と、前記親和性領域と前記非親和性領域のそれぞれ少なくとも一部に前記流動体を重ねてパターンを形成する工程と、を含む製造方法により製造されることを特徴とするパターン形成基板。
  14. 請求項1乃至13のいずれか一項に記載のパターン形成基板において、
    前記基台はベークライト、ポリエステル、ポリエチレン、テフロン(登録商標)、PMMA、ポリプロピレンまたは塩化ビニルのうちいずれかを含むことを特徴とするパターン形成基板。
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