JP4181481B2 - 基板 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット式記録ヘッドの工業的応用に係り、特に、インクジェット方式によって任意のパターンを形成するための基板の改良に関する。
半導体プロセス等で用いる基板は、シリコン等で構成されている。従来、当該シリコン基板から集積回路等を製造するために、リソグラフィー法等が使用されていた。
このリソグラフィー法は、シリコンウェハ上にレジストと呼ばれる感光材を薄く塗布し、ガラス乾板に写真製版で作成した集積回路パターンを光で焼き付けて転写する。転写されたレジストパターンにイオン等を打ち込んで、配線パターンや素子を形成していくものであった。
上記リソグラフィー法を用いるには、写真製版、レジスト塗布、露光、現像等の工程を必要としていたため、設備の整った半導体工場等でなければ、微細パターンの作成ができなかった。このため、微細パターンの形成は、複雑な工程管理とコストを要するのが常識であった。
ところが、超LSIほどの微細パターンまではいかなくても、μmのオーダーのパターンを、簡単に、安価に、かつ工場等の設備を用いることなく、製造することができるものとすれば、工業的に無限の需要が考えられる。
ところで、用紙の任意の位置にインクを吐出する技術としてインクジェット方式がある。インクジェット方式の応用は、主として印字を目的としてプリンタに用いられてきた。インクジェット方式でインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドは、任意の流動体をノズル穴から吐出可能に構成されており、いままでは、流動体としてインクを用い、インクジェット式記録ヘッドからインクを吐出させ、対象面である用紙上に印字を行うものであった。このインクジェット式記録ヘッドの解像度は、例えば400bpiと微細であるため、個々のノズル穴から工業的用途に使える流動体を吐出できれば、μmオーダーの幅で任意のパターンが形成できると考えられる。
インクジェット方式によれば、工場のような設備を要せず、インクを他の工業的流動体に変えればパターン形成ができるので、インクジェット方式を工業的用途に応用することは大変好ましい。
さて、インクジェット方式を利用してパターン形成を行う場合に障害が生じる。対象面に到達すると、インクジェット式記録ヘッドから吐出される液滴は一定の面積に広がる(以下一の液滴が対象面に到達することを「着弾する」と称する)。着弾した液滴の広がりは、液滴の速度および対象面と当該流動体の接触角に応じて決まる。
しかしながら、インクジェット方式を工業的に応用する場合、吐出される流動体の液滴が着弾して大きく広がるため、半導体プロセス等に用いるような微細なパターンを形成できないという不都合が生じる。
また、着弾時に互いに接触して適度に広がっていた液滴のパターンが、乾燥とともに分離され、パターンを維持できないという不都合も生じうる。
本発明に係る基板は、基台と、前記基台上に形成され、シランカップリング剤を含む複
数の親和性膜と、を備え、前記複数の親和性膜の各々は、OH基又はCOOH基を含み、親水性
を有する流動体に対する前記複数の親和性膜の親和性は、前記流動体に対する前記基台の
親和性に比べて大であり、前記流動体は、前記複数の親和性膜にまたがって連続して付着
可能であることを特徴とする。
本発明に係る他の基板は、基台と、前記基台上に形成され、シランカップリング剤を含
む複数の親和性膜と、を備え、前記複数の親和性膜の各々は、NH2基を含み、親水性を有
する流動体に対する前記複数の親和性膜の親和性は、前記流動体に対する前記基台の親和
性に比べて大であり、前記流動体は、前記複数の親和性膜にまたがって連続して付着可能
であることを特徴とする。
本発明に係る他の基板は、基台と、前記基台上に形成され、シランカップリング剤を含
む親和性膜と、を備え、前記親和性膜は、OH基又はCOOH基を含み、親水性を有する流動体
に対する前記親和性膜の親和性は、前記流動体に対する前記基台の親和性に比べて大であ
ること、を特徴とする。
上記の基板において、前記基台は疎水性を有していることが好ましい。
上記の基板において、前記流動体により、前記複数の親和性膜にまたがって連続したパ
ターンが形成されることが好ましい。
上記の基板において、前記基台は、ベークライト、ポリエステル、ポリエチレン、テフ
ロン(登録商標)、PMMA、ポリプロピレンおよび塩化ビニルのうち、1つからなるよ
うにしてもよい。
本発明に係る他の基板は、基台と、前記基台上に形成され、シランカップリング剤を含
む親和性膜と、を備え、前記親和性膜はNH2基を含み、親水性を有する流動体に対する前
記親和性膜の親和性は、前記流動体に対する前記基台の親和性に比べて大であること、を
特徴とする
上記の基板において、前記基台は、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸及びナイロ
ンのうち1つからなることが好ましい。
上記の基板において、前記親和性膜上に、導電性を有するパターンが形成されていても
よい。
この不都合を解決するために、本願発明者は、吐出される液滴が流動体であるというイ
ンクジェットの特性に鑑み、表面張力を利用して、パターンの適度な広がりを維持する方
法を考えた。

すなわち、本発明の第1の課題は、流動体に対し親和性のある領域と親和性のない領域とを用いることにより、流動体の表面張力により、微細なパターン形成を可能とする基板を提供することである。
本発明の第2の課題は、流動体に対し親和性のある領域と親和性のない領域とを配置した基板を形成可能とすることにより、流動体の表面張力により、微細なパターン形成を可能とする基板の製造方法を提供することである。
本発明の第3の課題は、本発明の基板にパターンを形成するために適当なパターン形成方法を提供することである。
ここで、流動体とは、インクのみならず、工業的用途に用いることができ、ノズルから吐出可能な粘度を備えた媒体である。水性であると油性であるとを問わない。また、混合物がコロイド状に混入していてもよい。
また、親和性があるとは、流動体に対する接触角が相対的に小さいことをいい、親和性がないとは、流動体に対する相対的に接触角が大きいことをいう。この両表現は、流動体に対する膜の挙動を明らかにするために、便宜上対比して用いられるものである。
本発明の基板は、基台と、前記基台上に形成され、パターニングされたシランカップリング剤からなる膜と、を含み、前記シランカップリング剤からなる膜は、OH基またはCOOH基を含み、前記シランカップリング剤からなる膜の所定の流動体に対する親和性は、前記基台に比べて、大きい。
本発明の基板は、前記基板において、前記基台は、ベークライト、ポリエステル、ポリエチレン、テフロン(登録商標)、PMMA、ポリプロピレンおよび塩化ビニルのうち、1つからなる。
本発明の基板は、基台と、前記基台上に形成され、パターニングされたシランカップリング剤からなる膜と、を含み、前記シランカップリング剤からなる膜は、NH2基を含み、前記シランカップリング剤からなる膜の所定の流動体に対する親和性は、前記基台に比べて、大きい。
本発明の基板は、前記基板において、前記基台は、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ナイロンおよびガラスのうち1つからなる。
本発明の基板は、前記基板において、前記シランカップリング剤からなる膜上に、少なくとも導電性を有するパターンが形成されている。
本発明の基板は、前記基板において、前記パターンは、前記所定の流動体から形成される。
本発明の集積回路は、前記基板を用いた。
本発明によれば、流動体に対し親和性のある領域と親和性のない領域とを用いたので、インクジェット方式等によって吐出された流動体の表面張力により、微細なパターンが形成可能な基板を提供できる。
したがって、従来、工場等において高価な設備により、多数の工程をかけて形成せざるを得なかった微細パターンが、容易にかつ安価に製造可能となる。
本発明によれば、流動体に対し親和性のある領域と親和性のない領域とを配置する工程を備えたので、インクジェット方式等によって吐出された流動体の表面張力により、微細なパターン形成が可能な基板の製造方法を提供できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
(実施形態1)
本発明の実施形態1は、インクジェット式記録ヘッド等から流動体を吐出させて任意のパターンを形成するために適する基板の構造に関する。
図1に、本実施形態1の基板の平面図を示す。同図(a)は平面図であり、同図(b)は同図(a)を断面AAから見た図であり、同図(c)は同図(b)の変形例である。
同図(a)に示すように、本実施形態1の基板1aは、所定の流動体に対し親和性のある親和性領域10と、流動体に対し親和性のない非親和性領域11と、を備えている。
同図(b)に示すように、基板1aは、流動体に対し親和性のない組成を有する基台100a上で、親和性を持たせたい領域10に親和性膜101aを形成して構成される。または、同図(c)に示すように、基板1aは、流動体に対し親和性のある組成を有する基台100b上で、親和性を排除したい領域11に非親和性膜101bを形成して構成される。
ここで親和性であるか非親和性であるかは、パターン形成対象である流動体がどのような性質を備えているかで決まる。例えば親水性のある流動体であれば、親水性のある組成が親和性を示し、疎水性のある組成が非親和性を示す。逆に親油性のある流動体であれば、親水性のある組成が非親和性を示し、疎水性のある組成が親和性を示す。流動体を何にするかは、インクジェット方式の工業的応用対象によって種々に変更して適用することになる。
流動体の性質に対応する基台100および親和性領域を構成する膜の組成例を表1に示す。
Figure 0004181481
本実施形態1では、親和性領域10の形状を点状パターン、特に円状になるよう形成する。そのために円状の親和性膜101aを親和性のない基台100a上に形成するか、円状の穴が設けられた非親和性膜101bを親和性のある基台100b上に形成して構成される。
各親和性領域10のパターン形状は、正円状でなく、楕円状でもよい。また、図1(a)の基板1aのように、各パターンが互いに接することなく配置されるものでも、図2の基板1bのように、各パターンが互いに接して配置されるものでもよい。
各パターンの形状、大きさおよび疎密については、流動体の有する表面張力の大きさ、例えば接触角の大きさや、液滴の大きさに応じて適宜変更可能である。例えば、図3の基板1cのように、方形状のパターンを散点的に設けてもよい。さらに図4の基板1dのように、方形状のパターンが互いに一部で接触するように市松模様状に設けてもよい。また、図5の基板1eのように、三角形状のパターンを散点的に設けてもよい。さらに図6の基板1fのように、三角形状のパターンが互いに一部で接触するように設けてもよい。さらに、図7の基板1gのように、線状のパターンを設けてもよい。
このように点状パターンや線状パターンはその形状によらず、種々に変形して適用することが可能である。点状パターンや線状パターンの大きさや配置については以下に述べる。
(作用)
図9および図10に、従来の基板に対しインクジェット式記録ヘッドより液滴を吐出した場合の液滴付着の様子を示す。
図9(a)は、基台100に液滴12を複数滴吐出した場合の断面図であり、図10(a)はその平面図である。本発明の表面処理をしていない基板に液滴12を連続して吐出すると、図9(a)から判るように、着弾した液滴の表面張力により、それぞれの液滴12は連続する。ただし液滴12の広がりを阻止する境界が何もないので、図10(a)に示すように、各液滴はつながってはいるが、その輪郭が着弾したときの位置の乱れ以上に広がってしまう。溶媒成分が少ない場合、この輪郭が広がったまま固化するので微細なパターンを形成することは困難である。
溶媒成分が多い場合、液滴を乾燥させると液滴中の溶媒成分が除去され、各液滴は着弾した位置で収縮していく。付着位置に制限がないので、図9(b)および図10(b)に示すように、最初つながっていた液滴12も分離された島12bとなる。着弾した液滴の繋がりは、そのままパターンとして導電性を持たせる必要があるにもかかわらず、上記のように島12bとなって分離してしまうのでは、パターンとして役に立たたない。
図8を参照して本発明の表面処理を施した本実施形態1における基板の作用を説明する。同図(a)は、図2の基板1bに、液滴を吐出したときの基板上における液滴の形を示す。同図(b)は、図7の基板に液滴を吐出したときの基板上における液滴の形を示す。図8(a)(b)におけるいずれのパターンの場合にも、インクジェット式記録ヘッドからの液滴は、ラインL3に沿って着弾するものとする。
図8(a)に示すように、基板上に着弾した液滴12は親和性領域10では十分に広がる。しかし非親和性領域11からは排除され、表面張力にしたがって隣接する親和性領域10に引き込まれる。したがって表面張力が働いて引き込まれた後は同図に示すように、親和性領域10のみに液滴12が付着する。ヘッドからの液滴の吐出方向が多少ずれても、ラインL2からL4までの一定の幅に着弾すれば、付着する液滴12は常にラインL2からL4の間の親和性領域10に乗る。親和性領域10は互いに分離しているか、一点で接しているだけなので、直接着弾しない限り、一つの親和性領域10に乗った液滴12が隣接する親和性領域10に侵入することがない。液滴12が乗っている親和性領域10の隣には、必ず液滴12が乗っている親和性領域10が、接しているかわずかに離れているかしているので、液滴12同士が表面張力で互いに連結される。したがって液滴12が着弾した軌跡に沿ってつながるので、パターンが連続する。液滴12が乗った親和性領域10では液滴が満ちた状態となっているので、この液滴が乾燥しても連結していた隣接する液滴と分離されることはない。
以上から判るように、点状パターンの場合、点状パターンの大きさは、一つの親和性領域10では着弾した液滴の量を載せきれず周囲に漏れる程度であることが好ましい。点状パターンが液滴に比べて小さすぎると、個々の親和性領域の境界で発生する表面張力が弱すぎて液滴の広がりを阻止できず、通常の基板に吐出したときと変わらなくなっていまう。また、点状パターンが液滴に比べ小さすぎると、個々の親和性領域の境界まで液滴が達せず、その輪郭が歪んだり、パターンが分断されるおそれが生ずる。
したがって、点状パターンの大きさと液滴の量との関係は、流動体の接触角にもよるが、液滴が着弾して通常広がる面積よりも点状パターンの面積を若干小さめにしておくのが好ましい。
また、親和性領域の点状パターンの配置は、個々のパターンが互いに点接触する程度が好ましい。個々のパターンが接触し完全に繋がると、親和性領域境界における表面張力の阻止ができず、隣接する親和性領域に無制限に液滴が侵入するおそれがあるからである。逆に点状パターンが離れ過ぎると、液滴の連続性が阻害され、液滴パターンの分離を起こすからである。
一方、図8(b)の線状パターンでは、液滴12がラインL3に沿って着弾しており、隣接する液滴12と連結されている。この線状パターンでは、液滴12がラインL2からL4の間に着弾する限り、ラインL3を中心する液滴の繋がりに吸収され、ラインL2からL4の幅より液滴が広がらない。またラインL3は連続しているので、重なり合うように液滴12が着弾する限り、液滴パターンが分断されることはない。
線状パターンでは、線状の親和性領域10の幅が着弾する液滴12の径より狭い方が好ましい。このような親和性領域10の幅であれば、その境界において液滴の表面張力が働き、液滴パターンの輪郭も線状になるからである。
(パターン形成方法)
次に本実施形態の基板を使用してパターンを形成する方法を説明する。上記した基板によれば、液滴を塗布した場合にその液滴の付着場所を超えてパターンが広がったり乾燥時に収縮してパターンが分断されることがないので、任意の方法でパターンを描くことができる。しかし微細パターンを高速に任意の形状に描く場合には、インクジェット方式によって描くことが好ましい。以下インクジェット方式を適用して、本実施形態1の基板に対するパターン形成を説明する。
まずインクジェット式記録ヘッドの構造を説明する。図19は、インクジェット式記録ヘッド2の分解斜視図である。同図に示すように、インクジェット式記録ヘッド2は、ノズル211の設けられたノズルプレート21、および振動板23の設けられた圧力室基板22を、筐体25に嵌め込んで構成される。圧力室基板22は、例えばシリコンをエッチングして形成され、キャビティ(圧力室)221、側壁222およびリザーバ223等が形成されている。
図20に、ノズルプレート21、圧力室基板22および振動板23を積層して構成されるインクジェット式記録ヘッド2の主要部構造の斜視図一部断面図を示す。同図に示すように、インクジェット式記録ヘッド2の主要部は、圧力室基板22をノズルプレート21と振動板23で挟み込んだ構造を備える。ノズルプレート21は、圧力室基板22と貼り合わせられたときにキャビティ221に対応する位置に配置されるように、ノズル穴211が形成されている。圧力室基板22には、シリコン単結晶基板等をエッチングすることにより、各々が圧力室として機能可能にキャビティ221が複数設けられる。キャビティ221間は側壁222で分離されている。各キャビティ221は、供給口224を介して共通の流路であるリザーバ223に繋がっている。振動板23は、例えば熱酸化膜等により構成される。振動板23上のキャビティ221に相当する位置には、圧電体素子24が形成されている。また、振動板23にはインクタンク口231が設けられ、図示しないインクタンクから任意の流動体を供給可能に構成されている。圧電体素子24は、例えばPZT素子等を上部電極および下部電極(図示せず)とで挟んだ構造を備える。
図21を参照してインクジェット式記録ヘッド2の吐出原理を示す。同図は図20のA−Aの線における断面図である。流動体12は、図示しないインクタンクから、振動板23に設けられたインクタンク口231を介してリザーバ223内に供給される。流動体12は、このリザーバ223から供給口224を通して、各キャビティ221に流入する。圧電体素子24は、その上部電極と下部電極との間に電圧を加えると、その体積が変化する。この体積変化が振動板23を変形させ、キャビティ21の体積を変化させる。
電圧を加えない状態では振動板23の変形がない。ところが、電圧を加えると、同図の破線で示す位置まで、振動板23bや変形後24bの圧電素子が変形する。キャビティ21内の体積が変化すると、キャビティ21に満たされた流動体12の圧力が高まる。ノズル穴211には流動体12が供給され、液滴12が吐出される。
次に図18を参照してパターン形成方法を示す。同図(a)に示すように、インクジェット式記録ヘッド2を、任意のパターンに沿って移動させながら、圧電体素子24を連続的に駆動して、流動体12の液滴を本発明の基板1に吐出する。基板1には、親和性領域10が設けられているので、その境界に沿って液滴12が乗る。液滴12が親和性領域10に沿って保持される作用は前記した通りである。総てのパターンについて液滴12を吐出させると、同図(b)に示すように、パターンに沿った領域の親和性領域10には連続的に液滴12が乗っている状態になる。間隙のある親和性領域10’があると、その間隙を超えて液滴12が繋がる。インクジェット式記録ヘッド2から吐出される液滴12の量と移動速度を適当に制御すれば、パターンが切れることなく基板1上に形成される。パターン形成後には、熱処理等、流動体を定着させるための任意の工程を経て、パターン形成を完了させる。
上記したように、本実施形態1によれば、点状パターンまたは線状パターンに親和性領域を配置したので、基板に着弾した液滴が広がり過ぎず、かつ液滴の連続による液滴パターンが分断されることがない。したがってインクジェット方式等により任意のパターンを基板上に作成するためのユニバーサル基板として適する基板を提供することができる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2は、上記実施形態1で説明した基板を製造するための方法に関する。特に本形態では硫黄化合物の自己集合化単分子膜を利用する。
(原理説明)
図12に基づいて、硫黄化合物がチオール化合物である場合の自己集合化の原理を説明する。本実施形態では、基台に金属層を設けそれを硫黄化合物を含む溶解液に浸漬して自己集合化単分子膜を形成する。チオール化合物は、同図(a)に示すように、尾の部分がメルカプト基で構成される。これを、1〜10mMのエタノール溶液に溶解する。この溶液に、同図(b)のように金の膜を浸漬し、室温で1時間程度放置すると、チオール化合物が金の表面に自発的に集合してくる(同図(c))。そして、金の原子と硫黄原子とが共有結合的に結合し、金の表面に二次元的にチオール分子の単分子膜が形成される(同図(d))。この膜の厚さは、硫黄化合物の分子量にもよるが、10〜50オングストローム程度である。硫黄化合物の組成を調整することにより、自己集合化単分子膜を流動体に対し親和性にしたり非親和性にしたり自由に設定できる。
硫黄化合物としてはチオール化合物が好ましい。ここで、チオール化合物とは、メルカプト基(−SH; mercapt group)を持つ有機化合物(R−SH;Rはアルキル基(alkyl group)等の炭化水素基)の総称をいう。
表2に、流動体が親水性である場合と親油性である場合に分けて、チオール化合物の代表的な組成を示す。n、mは自然数とする。
Figure 0004181481
表2から判るように、硫黄化合物単分子膜を親水性にしたり親油性にしたり組成を変えることで自由に設定できる。硫黄化合物を親水性にした場合には、基板を親油性にし、硫黄化合物を親油性にした場合には、基板を親水性に選ぶ。
(製造方法)
図11に、本実施形態2における製造方法の製造工程断面図を示す。この図は、例えば前記図1(b)または(c)に対応する切断面から見た断面図である。
金属層形成工程(図11(a)): 金属層形成工程では、基台100上に金属層101を形成する。基台100は、流動体に応じて流動体に対し親和性にするか非親和性にするかが選択される。基台100上に金属層101を設ける。金属層としては、化学的・物理的な安定性から金(Au)が好ましい。その他、硫黄化合物を化学的に吸着する銀(Ag)、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム−砒素(Ga−As)等の金属であってもよい。金属層の形成は、湿式メッキ、真空蒸着法、真空スパッタ法等の公知の技術が使用できる。金属の薄膜を一定の厚さで均一に形成できる成膜法であれば、その種類に特に限定されるものではない。金属層の役割は、硫黄化合物層を固定することであるため、金属層自体は極めて薄くてもよい。そのため、一般に500〜2000オングストローム程度の厚みでよい。
なお、基板100によっては金属層101と基台100との密着性が悪くなる。このようなときは金属層101と基台100との密着性を向上させるために、基台と金属との間に中間層を形成する。中間層は、基台100と金属層101との間の結合力を強める素材、例えば、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)ノズルれか、あるいはそれらの合金(Ni−Cr等)であることが好ましい。中間層を設ければ、基台100と金属層101との結合力が増し、機械的な摩擦に対し、硫黄化合物層が剥離し難くなる。金属層101の下に中間層を形成する場合には、例えばCrを100〜300オングストロームの厚さで真空スパッタ法、またはイオンプレーティング法により形成する。
パターン形成工程(図11(b)): パターン形成工程では、基台100上に形成した金属層101のうち親和性領域または非親和性領域のいずれかにエネルギーを与えて金属を蒸発させる。エネルギーとしては光が好ましく、特に短波長の高エネルギーを供給可能なレーザ光が好ましい。レーザ光を射出するピックアップ30を、親和性領域または非親和性領域のパターンに合わせてレーザ光を射出させながら移動させる。レーザ光が照射された領域は、金属層101を形成する金属が蒸発するため、基台100が露出する。なお、パターンは、実施形態1で示したように各種のパターンを適用することが可能である。
硫黄化合物浸漬工程(図11(c)): 硫黄化合物浸漬工程では、金属層のパターンが形成された基板を、硫黄化合物の溶解液に浸漬し、自己集合化単分子膜102を形成する。まず自己集合化単分子膜102に用いたい組成のチオール化合物をエタノールまたはイソプロピルアルコールのような有機溶剤に溶かした溶液を用意する。この膜を非親水性に組成したい場合にはアルキル基を有する硫黄化合物を用い、親水性にしたい場合にはOH基またはCO2H基を有する硫黄化合物を用いる。その溶液中に金属層101を形成した基台100を浸漬する。浸漬条件は、溶液の硫黄化合物濃度が0.01mMで、溶液温度が常温から50℃程度、浸漬時間が5分から30分程度とする。浸漬処理の間、硫黄化合物層の形成を均一に行うべく、溶液の撹拌あるいは循環を行う。
金属表面の清浄さえ保てれば、硫黄分子が自ら自己集合化し単分子膜を形成するため、厳格な条件管理が不要な工程である。浸漬が終了するころには、金の表面にだけ強固な付着性を有する硫黄分子の単分子膜が形成される。
最後に基台表面に付着した溶解液を洗浄して除去する。金層以外の部分に付着したチオール分子は共有結合をしていないので、エチルアルコールによるリンス等、簡単な洗浄により除去される。
以上の工程により、自己集合化単分子膜102が親水性または非親水性、基台100の露出部分が非親水性または親水性である基板1が製造される。この基板に吐出する流動体が親水性である場合には、図11(c)に示すように自己集合化単分子膜102部分が親和性領域10、基台102の露出部分が非親和性領域11となる。
上記したように、本実施形態2によれば、硫黄化合物の自己集合化単分子膜を用いることにより、インクジェット方式の工業的応用に適した基板を製造できる。特に、硫黄化合物の自己集合化単分子膜は摩耗に強く、物理的、化学的耐性が高いので、工業用品である基板に適する。また硫黄化合物を選択すれば、基台の性質に応じて自由に自己集合化単分子膜を基板親水性にも非親水性にもできる。さらにレーザ光を用いれば、微細なパターンを形成できるので、流動体の液滴を表面張力で保持するために適するパターンを形成できる。
(実施形態3)
本発明の実施形態3は、共重合化合物を用いて上記実施形態1で説明した基板を製造するための方法に関する。
(原理説明)
共重合(copolymer)化合物とは、二種またはそれ以上の単量体(モノマー)を用いて、それらを成分として含む重合体化合物をいう。本実施形態では少なくとも単量体の一方を流動体に対し親和性を示す材料に選択し、単量体の他方を流動体に対し非親和性を示す材料に選択する。この共重合化合物は、この複数の単量体が一又は二以上の分子のブロックを単位としたラメラ(lamella)構造を備える。ラメラ構造とは、板状のブロック単位が一定の規則にしたがって集合してとる構造である。ブロック単位を構成する分子が親和性であったり非親和性であったりするので、この共重合化合物を基台の一面に配置し固定すれば、基板は親和性領域と非親和性領域が微細に配置された本発明の基板構造をとることになる。
表3に、本実施形態で用いることのできる共重合化合物の組成例を示す。
Figure 0004181481
(製造方法)
図13を参照して本実施形態の製造方法を説明する。
共重合体化合物混合工程(図13(a)): まず疎水性を示すモノマー(単量体)をイオン重合により重合させ、適当な分子量の疎水性高分子104を得る。そしてこの高分子104に親水性のモノマー103を入れて重合させ、親水性部分と疎水性部分よりなるブロック共重合体105を得る。触媒としてはブチルリチウム、ナフタリンナトリウムが用いられる。溶媒としてはTHFを用いる。
塗布工程(図13(b)): 前記工程で得たブロック共重合体の溶液105(例えばトリクロロエチレン)を基台100上にキャスティング法により注ぐ。次いでこれを静置することによって溶媒を除去し乾燥させる。
なお、本実施形態では基台100が直接インクジェット方式によって吐出される流動体に触れることがないので、基台の組成が親和性であるか非親和性であるかを問わず、一定の機械的強度があれば任意の材料を適用可能である。
なお、高分子薄膜成長法、すなわちプラズマ重合法(plasma polymerization)を用いて共重合化合物層を形成してもよい。プラズマ重合法は、親和性を備える単量体ガスと非親和性を備える単量体ガスとの混合ガスを用いる。この混合ガスをグロー放電によって活性化し、その重合膜を基台100上に生成させるおのである。共重合化合物層の生成にはプラズマ重合装置を用いる。プラズマ重合条件として、ガス流量、ガス圧力、放電周波数および放電電力を、この混合ガスに合わせて設定する。
上記実施形態3によれば、共重合化合物を用いたので、微細な分子レベルのラメラ構造により、本発明の基板を製造することができる。この基板は共重合化合物の生成と塗布のみで親和性領域と非親和性領域とをランダムに配置することができるので、製造工程が簡略化され、コストを下げることができる。
(実施形態4)
本発明の実施形態4は、パラフィン等の有機物質を用いて上記実施形態1で説明した基板を製造するための方法に関する。
(製造方法)
図14を参照して本実施形態の製造方法を説明する。
パラフィン層形成工程(図14(a)): パラフィン層形成工程では、基台100にパラフィンを塗布しパラフィン層106を形成する工程である。パラフィンが非親水性であるため、基台100の組成は親水性のものを使用する。例えば、4−ビニルピロリドン、エチレンオキシド、ビニルアルコール、セルロース、酢酸ビニル等を使用する。パラフィンの塗布は、ロールコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ダイコート法、バーコート法等の塗布法、各種印刷法、転写法等の方法を適用可能である。
マスク形成工程(図14(b)): マスク形成工程は、パラフィン層106上にマスク107を形成する工程である。マスク107は非親水性領域がマスクで覆われるようなパターンで形成する。マスク材料としては、露光マスク、エマルションマスク、ハードマスク等種々のマスクが形成できる。露光マスクを使用する場合には、クロム、酸化クロム、シリコン、酸化シリコン、酸化膜などを、真空蒸着、スパッタリング、CVD法等で形成する。なお、マスクパターンは、実施形態1で示したように各種のパターンを適用することが可能である。
エネルギー付与工程(図14(c)): エネルギー付与工程は、マスク107を形成したパラフィン層106にエネルギーを与え、マスクで覆われていない領域のパラフィンを除去する工程である。エネルギーとしては光、熱、光及び熱の三者が考えられるが、特定の微細領域のパラフィンを除去するために光を用いるのが好ましい。例えば、短波長のレーザ光をマスク107上から照射し、露出しているパラフィンを蒸発させる。
マスク除去工程(図14(d)): マスク除去工程は、マスク107を除去する工程である。マスク107の除去は公知の有機溶剤を用いる。
以上の製造工程により、パラフィン層106が非親水性(非親和性)領域10となり、基台100の露出領域が親水性(親和性)領域11となる。なお、インクジェット式記録ヘッドより吐出する流動体が親油性である場合には、パラフィン層106が親和性領域となり、基台100が非親和性領域となる。
上記したように実施形態4によれば、パラフィンを用いて本発明の基板を製造することができる。
(実施形態5)
本発明の実施形態5は、プラズマ処理により実施形態1の基板を製造するものである。
(原理説明)
プラズマ処理は所定の気圧下で高電圧のグロー放電を行って基板の表面改質を行う方法である。ガラスやプラスチックのような絶縁性基板にプラズマ処理を行うと、基板表面に多量の未反応基と架橋層が存在して、待機または酸素雰囲気にさらすと未反応基が酸化され、カルボニル基、水酸基を形成する。これらの基は極性を備えているため親水性がある。一方ガラスやプラスチックの多くは非親水性を備える。したがって部分的なプラズマ処理によって親水性の領域および非親水性の領域を生成可能である。
(製造方法)
図15を参照して本実施形態の製造方法を説明する。
マスク形成工程(図15(a)): マスク形成工程は基台100の上にマスク109を施す工程である。基台100としてはプラズマ照射によって未反応基が出現しうる素材、所定のプラスチック、表面をテフロン(登録商標)加工されたガラス基板等を用いる。マスク109は、基台100上で非親水性にしたい領域のみマスクがかかるようにパターン形成される。マスク材料としては、露光マスク、エマルションマスク、ハードマスク等種々のマスクが形成できる。露光マスクを使用する場合には、クロム、酸化クロム、シリコン、酸化シリコン、酸化膜などを、真空蒸着、スパッタリング、CVD法等で形成する。なお、マスクパターンは、実施形態1で示したように各種のパターンを適用することが可能である。
プラズマ照射工程(図15(b)): プラズマ照射工程はマスク109を施した基台100上にプラズマ照射33する工程である。例えば10-1〜100Paのアルゴンガス中でネオントランスを用いて、数百ボルトから数千ボルトの電圧を印加しグロー放電させる。この他、ラジオ周波数帯の放電電源を用いて容量結合または誘電結合により放電プラズマを形成する方法、マイクロ波電力を導波管によって放電容器に供給して放電プラズマを形成させる方法等を適用する。
この処理により、プラズマ中に活性粒子としてイオン、電子、励起原子または分子およびラジカル等が発生し、基台100表面の高分子の分子構造が変化する。つまりプラズマ33が照射された部分に多量の未反応基や架橋層が出現する。
表面改質工程(図15(c)): 表面改質工程は、プラズマ処理された基台100表面を酸化し表面を改質する工程である。上記プラズマ処理によって未反応基や架橋層が出現した基台100を、大気または酸素雰囲気下にさらす。基台100表面の未反応基は酸化されて、水酸基やカルボニル基を生ずる。これら極性基は水に対して濡れやすい親水性を示す。一方マスクされプラズマ処理されなかった領域はプラスチックのままであり非親水性を示す。
したがってプラズマ処理された領域が親和性領域10となり、プラズマ処理されなかった領域が非親和性領域11となる。
上記のように本実施形態5によれば、プラズマ処理により基台を構成する一部領域の分子構造を変更することで、非親水性の膜を親水性の膜に変更できるので、新たな層を形成することなく実施形態1の基板を提供することができる。分子レベルの組成が変更されるのでこの基板は安定である。
なおプラズマ照射の代わりに紫外線を照射することによっても非親水性の膜を親水性の膜に変更することができる。
(実施形態6)
本発明の実施形態6は、基板を電荷を与えることで実施形態1の基板を製造するものである。
(製造方法)
図16を参照して本実施形態の製造方法を説明する。
電荷印加工程(図16(a)):電荷印加工程は、基台100を表面改質して電荷を生じさせるものである。基台100としてはポリエチレンテレフタレートを用いる。基台100表面に電荷112を印加するためにはコロナ放電を用いる。
脱チャージ工程(図16(b)): 脱チャージ工程は、基台100に印加された電荷を除去する工程である。脱チャージを行うためには、基台100の表面にエネルギーを供給して行う。例えば、レーザ光34を実施形態1に示したような親和性領域あるいは非親和性領域のパターンに合わせて照射する。照射された基台100上の領域からは電荷が除去される。
膜形成工程(図16(c)): 膜形成工程は、基台100表面に膜114を形成する工程である。基台100表面に微粒子を含有する樹脂粉末等を帯電させた後、基台100の表面にばらまき、膜を形成する。基台100を流動媒体に対し親和性にし膜113を非親和性にするか、基台100を非親和性にし膜113を親和性にするかは任意である。
なお、ペットフィルムにコロナ放電を適用することでも親和性パターンと非親和性パターンが混在した基板を製造することができる。まずコロナ放電を起こさせる一方の電極として櫛歯状の電極を用い他方の電極として平坦な電極を用いる。この両電極間にペットフィルムを通過させると、このペットフィルムがストライプ状または点状に帯電する。このペットフィルム上に帯電したインクを着弾させるとパターンが形成される。インクを親水性にしておけばペットフィルムが撥水性を示すので、インク着弾後のペットフィルムを本発明の基板として使用することが可能である。
上記したように本実施形態6では、基板を脱チャージすることにより親和性領域および非親和性領域を備えて実施形態1の基板を製造できる。
(実施形態7)
本発明の実施形態7は基台に直接膜を形成していく方法である。
(製造方法)
図17を参照して本実施形態の製造方法を説明する。
印刷工程(図17(a)): 印刷工程は、所定の印刷方法により流動体に対し親和性を有する膜あるいは親和性のない膜を形成する工程である。基台100に塗布する膜材料114bとして、インクジェット式記録ヘッドから吐出される流動体に対し非親和性の材料を用いた場合には、基台100の材料を親和性の材料で構成する。膜材料114bとして、流動体に親和性の材料を用いた場合には、基台100の材料を非親和性の材料で工程する。印刷方法としては、親和性領域または非親和性領域に対応するパターンを設けた版115を用いて、これにローラ35等を用いて膜材料114bを塗布し、圧力を加えて版115上の膜材料を基台100上に映す方法をいう。版115は、その形状により凸版、平板、凹版、孔版、静電気や磁気を用いる方法等を適用することが可能である。すなわち、公知の印刷方法であって膜材料をインクの代わりに適用可能な印刷方法を適宜
適用できる。
また、刷毛のようなもので基板100の上を擦って膜材料を不均一に付着させるラビング法を用いてもよい。ラビング法によれば版115を必要としない。
定着方法(図17(b)): 膜材料114bが基台100に転写されたら、熱処理等公知の技術を適用して膜材料114を安定化させ、膜114を形成する。
上記したように本実施形態7によれば、直接基台に材料を付着させる方法によっても実施形態1に示すような基板を製造することができる。
(その他の変形例)
本発明は上記実施形態によらず種々に変形して適用することが可能である。
基板に設けるパターンは、実施形態1で示したものは単なる例示であり、これに拘らず種々に変更が可能である。点状パターン、線状パターンともその大きさ、形状および配置を種々に変更可能である。これらの要素は、流動体の性質に対応して定まるものだからである。
また、基板を製造する方法は、上記実施形態2から実施形態7のものに限定されず、最終的に親和性領域と非親和性領域とに分かれるものであれば、種々に変形することが可能である。
なお、非親水性の基板を一部親水性にする表面処理として、シランカップリング剤を用いる方法、酸化アルミニウムやシリカ等の多孔質膜を形成する方法、PVA等の吸水性有機膜を係止枝する方法、アルゴン等で逆スパッタをかける方法、コロナ放電、紫外線の照射、オゾン処理、脱脂処理等、公知の種々の方法を適用することができる。
実施形態1の基板(点状の円形パターン)であり、(a)は平面図、(b)はその断面図、(c)はその変形例である。 実施形態1の基板の変形例である。 実施形態1の基板の変形例(方形パターン疎)における平面図である。 実施形態1の基板の変形例(方形パターン密)における平面図である。 実施形態1の基板の変形例(三角パターン疎)における平面図である。 実施形態1の基板の変形例(三角パターン密)における平面図である。 実施形態1の基板の変形例(線状パターン)における平面図である。 実施形態1における基板の作用を説明する図である。(a)は点状パターンの場合、(b)は線状パターンの場合である。 通常の基板に液滴を吐出した場合の断面図であり、(a)は吐出直後、(b)は乾燥後である。 通常の基板に液滴を吐出した場合の平面図であり、(a)は吐出直後、(b)は乾燥後である。 実施形態2の基板の製造方法である。 硫黄化合物の自己集合化の説明図である。 実施形態3の基板の製造方法である。 実施形態4の基板の製造方法である。 実施形態5の基板の製造方法である。 実施形態6の基板の製造方法である。 実施形態7の基板の製造方法である。 本発明のパターン形成方法の工程図である。 インクジェット式記録ヘッドの分解斜視図である。 インクジェット式記録ヘッドの主要部の斜視図一部断面図である。 インクジェット式記録ヘッドのインク吐出原理説明図である。
符号の説明
1、1a、1b,1c,1d,1e、1f、1g…基板、
10…親和性領域、
11…非親和性領域、
100…基台

Claims (5)

  1. 疎水性を有する基台と、
    前記基台上に形成され、シランカップリング剤を含む複数の親和性膜と、を備え、
    前記複数の親和性膜の各々は、OH基又はCOOH基を含み、
    親水性を有する流動体に対する前記複数の親和性膜の親和性は、前記流動体に対する前
    記基台の親和性に比べて大であり、
    前記流動体は、前記複数の親和性膜にまたがって連続して付着可能であり、
    前記流動体により、前記複数の親和性膜にまたがって連続したパターンが形成されるこ
    と、
    を特徴とする基板。
  2. 請求項1に記載の基板において、
    前記基台は、ベークライト、ポリエステル、ポリエチレン、テフロン(登録商標)、P
    MMA、ポリプロピレンおよび塩化ビニルのうち、1つからなること、
    を特徴とする基板。
  3. 疎水性を有する基台と、
    前記基台上に形成され、シランカップリング剤を含む複数の親和性膜と、を備え、
    前記複数の親和性膜の各々は、NH2基を含み、
    親水性を有する流動体に対する前記複数の親和性膜の親和性は、前記流動体に対する前
    記基台の親和性に比べて大であり、
    前記流動体は、前記複数の親和性膜にまたがって連続して付着可能であり、
    前記流動体により、前記複数の親和性膜にまたがって連続したパターンが形成されるこ
    と、
    を特徴とする基板。
  4. 請求項3に記載の基板において、
    前記基台は、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸及びナイロンのうち1つからなる
    こと、
    を特徴とする基板。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の基板において、
    前記複数の親和性膜にまたがって、導電性を有するパターンが形成されていること、
    を特徴とする基板。
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