JP2003234561A - 導電性パターン材料 - Google Patents

導電性パターン材料

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JP2003234561A
JP2003234561A JP2002032046A JP2002032046A JP2003234561A JP 2003234561 A JP2003234561 A JP 2003234561A JP 2002032046 A JP2002032046 A JP 2002032046A JP 2002032046 A JP2002032046 A JP 2002032046A JP 2003234561 A JP2003234561 A JP 2003234561A
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hydrophilic
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conductive material
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JP2002032046A
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Koichi Kawamura
浩一 川村
Takao Nakayama
隆雄 中山
Yoshinori Takahashi
美紀 高橋
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な工程や高価な装置を必要とせず、複数
の異なる材料を用いた配線などの形成に適用した場合に
も、高解像度の微細なパターンが得られ、且つ、デジタ
ルデータに基づき基材上に直接パターン形成が可能な、
優れた導電性と耐久性とを有する応用範囲の広い導電性
パターン材料を提供する。 【解決手段】 支持体の少なくとも一方の面の全面に亘
って親水性グラフトポリマー鎖が存在する表面親水性部
材に、導電性素材を局所的に適用して吸着させてなる導
電性素材層を有することを特徴とする導電性パターン材
料である。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は導電性パターン材料
に関し、特に、導電性パターンを容易に形成することが
でき、配線基板等の形成に有用な導電性パターン材料に
関する。 【0002】 【従来の技術】従来、種々の導電性パターン材料が配線
基板の形成などに使用されている。これらの代表的なも
のは、絶縁体上に真空蒸着などの公知の方法により形成
された薄膜の導電性材料を設け、それをレジスト処理
し、パターン露光により予め作成したレジストの一部を
除去し、その後、エッチング処理を行なって所望のパタ
ーンを形成するものであり、少なくとも4つの工程を必
要とし、ウエットエッチング処理を行う場合には、その
廃液の処理工程も必要となるため、複雑な工程を採るら
ざるをえなかった。また、他のパターン形成方法として
は、フォトレジストを用いた導電性パターン形成材料な
ども知られている。この方法は、フォトレジストポリマ
ーを塗布したり、ドライフィルム上のフォトレジストを
貼付した基材を、任意のフォトマスクを介してUV露光
し、格子状などのパターンを形成する方法であり、高い
導電性を必要とする電磁波シールドの形成に有用であ
る。 【0003】一方、近年、導電性パターン材料として、
ディジタル化されたデーターからマスクなどを介さずに
直接、パターン形成する方法が注目され、種々提案され
てきている。このようなデジタル化されたパターン形成
方法を利用すれば、任意のパターンが容易に形成される
ことが期待される。このような方法のひとつとして、自
己組織化単分子膜を用いる方法が挙げられる。これは、
界面活性分子を含む有機溶剤に基板を浸漬したときに自
発的に形成される分子集合体を利用するもので、例え
ば、有機シラン化合物とSiO2、Al23、基板との
組合せや、アルコールやアミンと白金基板との組合せが
挙げられ、光リソグラフィー法などによるパターン形成
が可能である。このような単分子膜は微細パターンの形
成を可能とするが、限られた基板と材料との組み合わせ
を用いる必要があるために、実際の応用への展開が困難
であり、実用に適する配線等の導電性パターン形成技術
は未だ確立されていないのが現状である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術の欠点
を考慮してなされた本発明の目的は、複雑な工程や高価
な装置を必要とせず、複数の異なる材料を用いた配線な
どの形成に適用した場合にも、高解像度のパターンが得
られ、且つ、デジタルデータに基づき基材上に直接パタ
ーン形成が可能な、優れた導電性と耐久性とを有する応
用範囲の広い導電性パターン材料を提供することにあ
る。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、親水性グ
ラフトポリマー鎖の強いイオン吸着性に着眼し鋭意検討
した結果、該親水性グラフトポリマー鎖を有する表面親
水性部材を用い、該表面親水性部材に導電性素材を局所
的に適用して吸着させることで上記目的が達成されるこ
とを見い出し、本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明の導電性パターン材料は、支持体の少なくとも一
方の面の全面に亘って親水性グラフトポリマー鎖が存在
する表面親水性部材に、導電性素材を局所的に適用して
吸着させてなる導電性素材層を有することを特徴とす
る。 【0006】本発明において、前記表面親水性部材に前
記導電性素材を局所的に適用する態様としては、インク
ジェット記録装置を用いて流動体状の導電性素材をパタ
ーン状に吐出する態様、気相堆積膜法(気相法)等の公
知の製膜方法によりマスクパターン等を用いてパターン
状に製膜する態様、スクリーン印刷等の公知のパターン
印刷法を用いる態様、及び、導電性熱転写層を塗布した
シートを感熱画像形成素子を用いてパターン状に印刷す
る態様、が好ましい。 【0007】本発明の作用は明確ではないが、以下の如
く推測される。即ち、本発明においては、支持体と直接
化学結合した親水性グラフトポリマー鎖が存在する表面
親水性部材を用いており、この親水性グラフトポリマー
鎖に存在する親水性基の機能により、その表面上に配線
を形成するための導電性素材を付着させると、極性相互
作用により親水性グラフトポリマー鎖とイオン的に吸着
し、吸着した分子は単分子膜に近い状態で強固に固定さ
れ高密度で均一な層を形成する。その結果、薄層であっ
ても高強度で高い耐磨耗性を示し、且つ、断線のない配
線パターンを形成しうるものと考えられる。 【0008】また、本発明における親水性グラフトポリ
マー鎖は運動性が高いため、一般的な架橋高分子膜に導
電性微粒子を吸着させる場合に比較して、吸着速度が極
めて早く、単位面積当たりに吸着しうる導電性微粒子の
量が多くなるという特徴を有する。このため、導電性素
材として導電性微粒子を用いる場合においても、微粒子
間に存在する空隙により導電性が妨げられることがな
く、より優れた導電性を実現できるものと考えられる。 【0009】さらに、局所的に導電性素材を供給する装
置(例えば、インクジェット装置等)を用いて表面親水
性部材に導電性素材を適用して吸着させる場合には、浸
漬法などによる場合と比較して、簡便で少量の導電性素
材で目的を達成することができる。また、局所的に導電
性素材を供給することで、複数の異なる材料を吸着させ
る際にも、それぞれの導電性パターンが独立して形成さ
れ、互いに物理的、化学的な影響を及ぼすことがないた
め、異なる導電性パターンを順次形成する目的にも好適
に使用することができる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明の導電性パターン材料は、支持体の少なく
とも一方の面の全面に亘って親水性グラフトポリマー鎖
が存在する表面親水性部材に、導電性素材を局所的に適
用して吸着させてなる導電性素材層を有することを特徴
とする。まず、前記表面親水性部材について説明する。 【0011】[表面親水性部材]本発明における表面親
水性部材とは、支持体の少なくとも一方の面の全面に亘
って親水性グラフトポリマー鎖が存在する部材である。
即ち、本発明においては、支持体上における親水性が要
求される側の表面全面に亘って親水性グラフトポリマー
鎖が存在することにより、該表面が一様に親水性を示す
ことを要する。かかる要件を充足するものであれば、該
親水性グラフトポリマー鎖が直接支持体表面に結合して
いるものでもよく、また、支持体表面にグラフトポリマ
ーが結合しやすい中間層を設けてその層の上に親水性ポ
リマーがグラフトされているものでもよい。さらに、本
発明における表面親水性部材としては、親水性グラフト
ポリマー鎖が幹高分子化合物に結合したポリマー、若し
くは、親水性グラフトポリマー鎖が幹高分子化合物に結
合し、かつ、架橋しうる官能基が導入されたポリマーを
用いて、塗布或いは塗布架橋により支持体表面上に配置
された部材や、ポリマー末端に架橋性基を有する親水性
ポリマーと架橋剤とを含む組成物を用いて、塗布或いは
塗布架橋により支持体表面上に配置された部材も包含さ
れる。なお、以下においては、親水性グラフトポリマー
鎖が存在する表面を、適宜「親水性表面」と称する場合
がある。 【0012】本発明における親水性グラフトポリマーの
特徴は、ポリマーの末端が支持体表面若しくは支持体表
面層に結合し、親水性を示すグラフト部分が実質的に架
橋されていない構造を有することにある。この構造によ
り、親水性を発現するポリマー部分の運動性が制限され
たり、強固な架橋構造内に埋没されることがなく、高い
運動性を保持できるという特徴を有する。このため、通
常の架橋構造を有する親水性ポリマーに比較して、優れ
た親水性が発現されるものと考えられる。このような親
水性グラフトポリマー鎖の分子量としては、Mw500
〜500万の範囲であり、好ましくはMw1000〜1
00万の範囲であり、さらに好ましくはMw2000〜
50万の範囲である。 【0013】本発明においては、(a)親水性グラフト
ポリマー鎖が直接支持体表面若しくは支持体表面上に設
けた中間層の上に結合しているものを「表面グラフト」
と称し、(b)親水性グラフトポリマー鎖がポリマー架
橋膜構造の中に導入されているものを用いる場合は「親
水性グラフト鎖導入架橋親水層」と称する。また、本発
明では支持体若しくは支持体上に中間層を設けた材料を
「基材」と称する。 【0014】(a)表面グラフトの作製方法 基材上に親水性グラフトポリマー鎖が存在する表面を作
製する方法としては、基材表面の官能基とグラフトポリ
マーとを化学結合にて付着させる方法と、基材を基点と
して重合可能な2重結合を有する化合物を重合させグラ
フトポリマーとする2つの方法がある。 【0015】まず、基材表面の官能基とグラフトポリマ
ーとを化学結合にて付着させる方法について説明する。
この方法においては、ポリマーの末端若しくは側鎖に基
材と反応する官能基を有するポリマーを使用し、この官
能基と、基材表面の官能基とを化学反応させることでグ
ラフトさせることができる。基材と反応する官能基とし
ては、基材表面の官能基と反応し得るものであれば特に
限定はないが、例えば、アルコキシシランのようなシラ
ンカップリング基、イソシアネート基、アミノ基、水酸
基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、エポキ
シ基、アリル基、メタクリロイル基、アクリロイル基等
を挙げることができる。ポリマーの末端若しくは側鎖に
反応性官能基を有するポリマーとして特に有用な化合物
は、トリアルコキシシリル基をポリマー末端に有する親
水性ポリマー、アミノ基をポリマー末端に有する親水性
ポリマー、カルボキシル基をポリマー末端に有する親水
性ポリマー、エポキシ基をポリマー末端に有する親水性
ポリマー、イソシアネート基をポリマー末端に有する親
水性ポリマーである。また、この時に使用される親水性
ポリマーとしては、親水性であれば特に限定はないが、
具体的には、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ
スチレンスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸及びそれらの塩、ポリアクリ
ルアミド、ポリビニルアセトアミドなどを挙げることが
できる。その他、以下の表面グラフト重合で使用される
親水性モノマーの重合体、若しくは親水性モノマーを含
む共重合体を有利に使用することができる。 【0016】次に、基材を基点として重合可能な2重結
合を有する化合物を重合させグラフトポリマーとする方
法について説明する。基材を基点として重合可能な2重
結合を有する化合物を重合させ、グラフトポリマーを形
成させる方法は、一般的には表面グラフト重合と呼ばれ
る。表面グラフト重合法とは、プラズマ照射、光照射、
加熱などの方法で基材表面上に活性種を与え、基材と接
するように配置された重合可能な2重結合を有する化合
物を重合によって基材と結合させる方法を指す。 【0017】本発明を実施するための表面グラフト重合
法としては、文献記載の公知の方法をいずれも使用する
ことができる。例えば、新高分子実験学10、高分子学
会編、1994年、共立出版(株)発行、p135に
は、表面グラフト重合法として光グラフト重合法、プラ
ズマ照射グラフト重合法が記載されている。また、吸着
技術便覧、NTS(株)、竹内監修、1999.2発
行、p203、p695には、γ線、電子線等の放射線
照射グラフト重合法が記載されている。光グラフト重合
法の具体的方法としては、特開昭63−92658号公
報、特開平10−296895号公報及び特開平11−
119413号公報に記載の方法を使用することができ
る。プラズマ照射グラフト重合法、放射線照射グラフト
重合法においては、上記記載の文献、及びY.Ikad
a et al., Macromolecules
vol.19、 page 1804(1986)など
に記載の方法を適用することができる。具体的には、P
ETなどの高分子表面を、プラズマ、若しくは、電子線
にて処理して表面にラジカルを発生させ、その後、その
活性表面と親水性官能基を有するモノマーとを反応させ
ることによりグラフトポリマー表面層、即ち、親水性グ
ラフトポリマー鎖が存在する表面を得ることができる。
光グラフト重合は、上記記載の文献のほかに、特開昭5
3−17407号公報(関西ペイント)や、特開200
0−212313号公報(大日本インキ)に記載される
ように、基材の表面に光重合性組成物を塗布し、その
後、水性ラジカル重合化合物とを接触させて光を照射す
ることによっても実施することができる。 【0018】−表面グラフト重合するのに有用な重合可
能な2重結合を有する化合物−親水性グラフトポリマー
鎖を形成するのに有用な化合物は、重合可能な2重結合
を有しており、かつ、親水性の性質を兼ね備えているこ
とが必要である。これらの化合物としては、分子内に2
重結合を有していれば、親水性ポリマーでも、親水性オ
リゴマーでも、親水性モノマーでも、これらいずれの化
合物をも用いることができる。特に有用な化合物は親水
性モノマーである。本発明で有用な親水性モノマーと
は、アンモニウム、ホスホニウムなどの正の荷電を有す
るモノマー、若しくは、スルホン酸基、カルボキシル
基、リン酸基、ホスホン酸基などの負の荷電を有するか
負の荷電に解離し得る酸性基を有するモノマーが挙げら
れるが、その他にも、例えば、水酸基、アミド基、スル
ホンアミド基、アルコキシ基、シアノ基、などの非イオ
ン性の基を有する親水性モノマーを用いることもでき
る。 【0019】本発明において、特に有用な親水性モノマ
ーの具体例としては、次のモノマーを挙げることができ
る。例えば、(メタ)アクリル酸若しくはそのアルカリ
金属塩及びアミン塩、イタコン酸若しくはそのアルカリ
金属塩及びアミン酸塩、アリルアミン若しくはそのハロ
ゲン化水素酸塩、3−ビニルプロピオン酸若しくはその
アルカリ金属塩及びアミン塩、ビニルスルホン酸若しく
はそのアルカリ金属塩及びアミン塩、スチレンスルホン
酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、2−スル
ホエチレン(メタ)アクリレート、3−スルホプロピレ
ン(メタ)アクリレート若しくはそのアルカリ金属塩及
びアミン塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、
アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート若しくはそれらの塩、2−ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート若しくはそのハ
ロゲン化水素酸塩、3−トリメチルアンモニウムプロピ
ル(メタ)アクリレート、3−トリメチルアンモニウム
プロピル(メタ)アクリルアミド、N,N,N−トリメ
チル−N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキ
シプロピル)アンモニウムクロライド、などを使用する
ことができる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロ
ール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メ
タ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニ
ルアセトアミド、ポリオキシエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレートなども有用である。 【0020】(b)親水性グラフトポリマー鎖導入架橋
親水層の作製方法 本発明の親水性グラフトポリマー鎖が導入された架橋親
水層は、一般的にグラフト重合体の合成法として公知の
方法を用いてグラフトポリマーを作製し、それを架橋す
ることで作製することができる。具体的には、グラフト
重合体の合成は“グラフト重合とその応用”井手文雄
著、昭和52年発行、高分子刊行会、及び“新高分子実
験学2、高分子の合成・反応”高分子学会編、共立出版
(株)(1995)に記載されている。 【0021】グラフト重合体の合成は、基本的に、1.
幹高分子から枝モノマーを重合させる、2.幹高分子に
枝高分子を結合させる、3.幹高分子に枝高分子を共重
合させる(マクロマー法)、の3つの方法に分けられ
る。これらの3つの方法のうち、いずれを使用しても本
発明における親水性表面を作製することができるが、特
に、製造適性、膜構造の制御という観点からは「3.マ
クロマー法」が優れている。マクロマーを使用したグラ
フトポリマーの合成は前記の“新高分子実験学2、高分
子の合成・反応”高分子学会編、共立出版(株)199
5に記載されている。また、山下雄他著“マクロモノマ
ーの化学と工業”アイピーシー、1989にも詳しく記
載されている。具体的には、アクリル酸、アクリルアミ
ド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、N−ビニルアセトアミドなど、上記の有機架橋親水
層として具体的に記載した親水性モノマー使用して文献
記載の方法に従い親水性マクロマーを合成することがで
きる。 【0022】本発明で使用される親水性マクロマーのう
ち特に有用なものは、アクリル酸、メタクリル酸等のカ
ルボキシル基含有のモノマーから誘導されるマクロマ
ー、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、スチレンスルホン酸、及びその塩のモノマーから誘
導されるスルホン酸系マクロマー、アクリルアミド、メ
タクリルアミド等のアミド系マクロマー、N−ビニルア
セトアミド、N−ビニルホルムアミド等のN−ビニルカ
ルボン酸アミドモノマーから誘導されるアミド系マクロ
マー、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエ
チルアクリレート、グリセロールモノメタクリレート等
の水酸基含有モノマーから誘導されるマクロマー、メト
キシエチルアクリレート、メトキシポリエチレングリコ
ールアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレー
ト等のアルコキシ基若しくはエチレンオキシド基含有モ
ノマーから誘導されるマクロマーである。また、ポリエ
チレングリコール鎖若しくはポリプロピレングリコール
鎖を有するモノマーも本発明のマクロマーとして有用に
使用することができる。これらのマクロマーのうち有用
な分子量は、400〜10万の範囲、好ましい範囲は1
000〜5万、特に好ましい範囲は1500〜2万の範
囲である。分子量が400以下では効果を発揮できず、
また10万以上では主鎖を形成する共重合モノマーとの
重合性が悪くなる。 【0023】これらの親水性マクロマーを合成後、親水
性グラフトポリマー鎖が導入された架橋親水層を作製す
る一つの方法としては、上記の親水性マクロマーと反応
性官能基を有する他のモノマーと共重合させ、グラフト
共重合ポリマーを合成しその後、合成したグラフト共重
合ポリマーとポリマーの反応性官能基と反応する架橋剤
とを支持体上に塗布し、熱により反応させて架橋させ作
製する方法が挙げられる。また、他の方法としては、親
水性マクロマーと光架橋性基、若しくは重合性基を有す
るグラフトポリマーを合成し、それを支持体上に塗布し
て光照射により反応させて架橋させ作製する方法が挙げ
られる。 【0024】このようにして、基材上に親水性グラフト
ポリマー鎖が存在する表面親水性部材を作製することが
できる。親水性表面を形成する層の膜厚は目的により選
択できるが、一般的には0.001μm〜10μmの範
囲が好ましく、0.01μm〜5μmの範囲がさらに好
ましく、0.1μm〜2μmの範囲が最も好ましい。膜
厚が薄すぎると耐キズ性が低下する傾向があり、厚すぎ
る場合には密着性向上効果が低くなる傾向にある。 【0025】(支持体)本発明の導電性パターン形成材
料に使用される支持体(基板)は、寸度的に安定な板状
物であることが好ましく、例えば、紙、プラスチック
(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミ
ニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例え
ば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン
酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、
硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネ
ート、ポリビニルアセタール等)、上記の如き金属がラ
ミネート若しくは蒸着された紙若しくはプラスチックフ
ィルム等が含まれる。本発明に使用される支持体として
は、ポリエステルフィルム、酢酸セルロース、又はアル
ミニウム板が好ましく、その中でも、ポリエステルフィ
ルムが特に好ましい。 【0026】基板として使用するアルミニウム板には、
必要に応じて、粗面化処理、陽極酸化処理などの公知の
表面処理を行なってもよい。また、ポリエステルフィル
ム等のプラスチックフィルムを用いる場合にも、親水性
表面の形成性、密着性の観点から、粗面化処理を施され
たものを用いることが好ましい。 【0027】粗面化した支持体を用いる場合には、その
表面性状は以下の条件を満たすものであることが好まし
い。粗面化された支持体の好ましい状態としては、2次
元粗さパラメータの中心線平均粗さ(Ra)が0.1〜
1μm、最大高さ(Ry)が1〜10μm、十点平均粗
さ(Rz)が1〜10μm、凹凸の平均間隔(Sm)が
5〜80μm、局部山頂の平均間隔(S)が5〜80μ
m、最大高さ(Rt)が1〜10μm、中心線山高さ
(Rp)が1〜10μm、中心線谷深さ(Rv)が1〜
10μmの範囲が挙げられ、これらのひとつ以上の条件
を満たすものが好ましく、全てを満たすことがより好ま
しい。 【0028】[導電性素材層] (導電性素材層の形成)本発明の導電性パターンにおけ
る導電性素材層は、前記表面親水性部材に後述する導電
性素材を局所的に適用して吸着させることにより形成さ
れる。前記表面親水性部材に導電性素材層の形成する態
様としては、前記導電性素材を親水性表面に局所的に適
用して吸着させ得る方法であれば特に制限はないが、例
えば、以下の〜に挙げられる態様が好適である。 インクジェット記録装置を用いて流動体状の導電性
素材をインクジェット記録用ヘッドからパターン状に吐
出する態様。 公知の製膜方法によりマスクパターン等を用いて導
電性素材をパターン状に製膜する態様。 公知の印刷法によりパターン状に導電性素材を印刷
する態様。 導電性熱転写層を塗布したシートを感熱画像形成素
子を用いてパターン状に印刷する態様。 これらの中でも、インクジェット記録装置を用いる態
様が、所定の領域に対する導電性素材の供給精度、供給
量の制御性の観点から特に好ましい。 【0029】(導電性素材)本発明において、前記表面
親水性部材に吸着させ得る導電性素材としては、導電性
を有するものであれば特に制限はなく、公知の導電性素
材、例えば、以下の金属材料、金属酸化物半導体材料、
沃化胴などの半導体素材、導電性高分子、有機導電体、
高分子電解質、炭素粒子、炭素繊維などが挙げられ。こ
れらの導電性素材の種類及び形態については、導電性素
材層の形成手段に応じて適宜選択することができる。 【0030】<インクジェット記録装置を用いて流動
体状の導電性素材をインクジェット記録用ヘッドからパ
ターン状に吐出する態様>以下、本発明における導電性
素材層の形成手段として最も好適な、前記の態様につ
いて説明する。 【0031】本態様における前記導電性素材としては、
流動体状のものが用いられる。この流動体としては、パ
ターン形成の目的に応じて種々の材料を用いることがで
きる。ここで、本発明における流動体とは、常温(25
℃)において、後述するインクジェット装置のインク吐
出ノズルより吐出可能な流動性を有するものであれば特
に制限はなく、油性であっても、水性であってもよく、
また、溶液のほか、微粒子などの固体物質、ラテックス
などの分散液であってもよい。例えば、TFTのよう
に、電極を形成する場合には、ポリエチレンジオキシチ
オフェン(PEDOT)の如き公知の導電性高分子を溶
剤に溶解して流動体としたものや、後述する導電性微粒
子を適切な分散媒中に均一に分散して得られる分散液、
導電性微粒子に結着剤を同時に溶解させたり、さらには
ラテックスを混合させたりしてなる分散液などを用いれ
ばよい。 【0032】−導電性微粒子− 本発明に用いられる導電性微粒子としては、導電性を有
するものであれば特に制限はなく、公知の導電性材料か
らなる微粒子を任意に選択して用いることができる。例
えば、Au、Ag、Pt、Cu、Rh、Pd、Al、C
rなどの金属微粒子、In23、SnO2、ZnO、C
do、TiO2、CdIn24、Cd2SnO2、Zn2
nO4、In23−ZnOなどの酸化物半導体微粒子、
及びこれらに適合する不純物をドーパントさせた材料を
用いた微粒子、MgInO、CaGaOなどのスピネル
形化合物微粒子、TiN、ZrN、HfNなどの導電性
窒化物微粒子、LaBなどの導電性ホウ化物微粒子、ま
た、有機材料としては導電性高分子微粒子などが好適な
ものとして挙げられる。 【0033】−親水性表面の極性と導電性微粒子との関
係− 本発明において得られる親水性表面がカルボキシル基、
スルホン酸基、もしくはホスホン酸基などの如きアニオ
ン性を有する場合は、該表面は負の電荷を有するように
なり、ここに正の電荷を有する(カチオン性の)導電性
微粒子を吸着させることで導電性の領域(配線)が形成
される。このようなカチオン性の導電性微粒子として
は、正電荷を有する金属(酸化物)微粒子などが挙げら
れる。表面に高密度で正荷電を有する微粒子は、例え
ば、米澤徹らの方法、すなわち、T.Yonezaw
a,Chemistry Letters.,1999
page1061,T.Yonezawa,Lang
umuir 2000,vol16,5218および米
澤徹,Polymerpreprints,Japan
vol.49.2911(2000)に記載された方
法にて作成することができる。米澤らは金属−硫黄結合
を利用し、正荷電を有する官能基で高密度に化学修飾さ
れた金属粒子表面が形成できることを示している。 【0034】一方、得られる親水性表面が特開平10−
296895号公報に記載のアンモニウム基などの如き
カチオン性基を有する場合は、該表面は正の電荷を有す
るようになり、ここに負の電荷を有する導電性微粒子を
吸着させることで導電性の領域(配線)が形成される。
負に帯電した金属粒子としては、クエン酸還元で得られ
た金若しくは銀粒子を挙げることができる。 【0035】本発明における導電性素材層の形成に用い
る導電性微粒子の粒径は、0.1nmから1000nm
の範囲であることが好ましく、1nmから100nmの
範囲であることがさらに好ましい。粒径が0.1nmよ
りも小さくなると、微粒子同士の表面が連続的に接触し
てもたらされる導電性が低下する傾向がある。また、1
000nmよりも大きくなると、親水性表面と粒子との
密着性が低下し、導電性領域の強度が劣化する傾向があ
る。 【0036】前記導電性微粒子は、親水性表面の親水性
基に吸着し得る最大量結合されることが耐久性の点で好
ましい。また、導電性確保の観点からは、導電性微粒子
を含む分散液における分散濃度は、0.001〜20重
量%程度が好ましい。 【0037】前記導電性微粒子は1種のみならず、必要
に応じて複数種を併用することができる。また、所望の
導電性を得るため、予め複数の材料を混合して用いるこ
ともできる。前記導電性微粒子の使用量は、適宜選択す
ることができるが、イオン性の吸着により親水性表面
に、殆ど単分子膜に近い状態で導入されるため、一般的
な導電性パターン材料に用いる導電性材料の使用量に比
較して、少量で、充分な導電性を有し、しかも、微細な
回路にも適用し得る高鮮鋭度の導電性領域を形成するこ
とができる。 【0038】−インクジェット記録装置− 以下、本発明における導電性素材層の形成に好適に用い
られるインクジェット記録装置について説明する。この
ようなインクジェット記録装置では、まず、基板上に形
成すべき画像のパターン情報を、コンピュータのような
情報供給源から、バスのような伝達手段を通し、インク
ジェット記録装置上に供給する。このようなインクジェ
ット記録装置としては、流動体の液滴を吐出可能に設け
られたインクジェット記録用へッド及びそれを任意のパ
ターンに従って駆動させる制御系を備えたものを用いれ
ばよい。この装置により、パターン情報に従って移動す
るインクジェット記録用へッドのノズル穴(吐出口)か
ら流動体の液滴を表面親水性部材上の所定位置に吐出す
ることで、パターン情報に従って流動体が付着する。イ
ンクジェット記録装置に備えられているインクジェット
記録用へッドには、流動体を充填可能に構成されたキャ
ビティが備えられ、該キャビティに体積変化を生じさせ
ることが可能に構成された圧電素子に任意のパターンに
応じた電圧を印加させ、キャビティ内の体積を変化させ
ることで、中に貯えられた流動体を吐出口から微小な液
滴状にして表面親水性部材上に所定の画像様に供給して
吸着させ、その後、流動体中の溶媒や分散媒が除去され
て、導電性パターンが形成されるのである。 【0039】<公知の製膜方法によりマスクパターン
等を用いて導電性素材をパターン状に製膜する態様>以
下、本発明における導電性素材層の形成手段として好適
な他の態様である、前記の態様について説明する。 【0040】本発明における導電性素材層の形成手段と
して、前記の態様が用いられる場合、該導電性素材層
を形成する方法としては、導電性素材の製膜に使用され
る公知の方法を適用すればよく、なかでも、気相堆積膜
形成法(気相法)が、得られる膜の均一性の点から好ま
しい。気相法には、化学蒸着などを含む化学的気相成長
法(CVD)、真空蒸着法、スパッタリング法などを含
む物理的気相成長法(PVD)があり、いずれの方法も
好適に使用し得る。本態様は、特に、導電性素材層を薄
膜とする必要性が大きい場合、導電性パターン材料に透
明性が要求される場合、等に好適である。 【0041】本態様において形成される導電性素材層の
膜厚には特に制限はないが、導電性素材層に透明性が要
求されない場合は、1nm〜10μm程度の範囲である
ことが好ましく10nm〜1μm程度の範囲であること
がより好ましい。また、導電性素材層に透明性が要求さ
れる場合は、1nm〜2μm程度の範囲であることが好
ましく、10nm〜1μm程度の範囲であることがより
好ましい。1nm以下であると導電性が不充分となる懸
念があり、2μmを超えると透明性が低下する傾向にあ
り、いずれも好ましくない。 【0042】本態様において導電性素材層を形成するた
めに用いられる導電性素材としては、前記した導電性素
材のうち前記各製膜方法に適用可能なものであれば特に
制限なく用いることができる。その中でも、真空蒸着
法、スパッタリング法など気相法による製膜に適したも
のとしては、例えば、Au、Ag、Pt、Cu、Rh、
Pd、Al、Crなどの金属材料、In23、Sn
2、ZnO、CdO、TiO2、CdIn24、Cd 2
SnO2、Zn2SnO4、In23−ZnOなどの金属
酸化物半導体材料、及びこれらに適合する不純物をドー
パントさせた材料、MgInO、CaGaOなどのスピ
ネル形化合物、TiN、ZrN、HfNなどの導電性窒
化物、LaBなどの導電性ホウ化物などが挙げられる。 【0043】また、導電性パターン材料に透明性が要求
される場合は、Pd、Au、Ag、Pt、Cu、Rh、
Al、Crなどの金属材料、In23、SnO2、Zn
O、CdO、TiO2、CdIn24、Cd2SnO2
Zn2SnO4、In23−ZnOなどの金属酸化物半導
体材料、さらには、SnO2などをドーパントとして含
む酸化インジウム(ITO)や、Sb又はFをドーパン
トとして含む酸化錫(SnO2)が、低抵抗率であり、
コスト及び安定供給の観点から好ましい。酸化インジウ
ムは、結晶性のものは透明性、導電性に優れることか
ら、透明性が要求される導電性パターン材料に好適に使
用し得る。また、アモルファス状のものは、結晶性のも
のに比較して抵抗率はやや高いものの、得られた膜の柔
軟性に優れ、透明樹脂基材が屈曲した場合にもクラック
などが発生し難いことから、目的に応じてアモルファス
状のITO膜を使用することもできる。 【0044】<公知の印刷法によりパターン状に導電
性素材を印刷する態様>本発明における導電性素材層の
形成手段としては、前記の態様も好適に用いられる。
本態様において、該導電性素材層を形成する方法として
は、公知の印刷法を適用すればよく、例えば、スクリー
ン印刷法等が好適に用いられる。本態様における導電性
素材としては、上記印刷法に適用可能なものであれば特
に制限はなく、例えば、前記の態様における流動体と
同様のものを印刷液として使用することができる。な
お、導電性素材層の形成に印刷法を用いる本態様は、安
価に、かつ、容易に導電性パターン材料を得ることが可
能であり、導電性パターンに著しく高い解像度が要求さ
れないような場合、特に好適である。 【0045】<導電性熱転写層を塗布したシートを感
熱画像形成素子を用いてパターン状に印刷する態様>本
発明における導電性素材層の形成手段としては、前記
の態様(即ち、熱転写により導電性素材層を形成する態
様)も好適に用いられる。本態様は、導電性素材をフィ
ルム状シートに塗布して導電性熱転写層を形成し、これ
を導電性素材の熱転写用材料として感熱画像形成素子を
備えた装置を用いて印刷することにより、導電性素材層
を形成するものである。転写に用いるシートの製造、具
体的には、導電性素材層をシート上に製膜するにあたっ
ては、導電性素材を少量のバインダー樹脂でシート上に
保持させる態様が好ましく、この態様によれば、僅かな
熱エネルギーの付与により容易に導電性素材を転写させ
ることができる。また、バインダーとして親水性樹脂を
用いることも親水性表面との親和性の観点から好まし
い。本態様において、該導電性素材層を形成する方法と
しては公知の方法を使用することができ、また、感熱画
像形成素子を備える装置についても公知の装置を適宜選
択すればよい。また、本態様における導電性素材につい
ても、特に制限はなく、例えば、前記において挙げら
れた導電性素材の中から、上記方法及び装置に適用可能
なものを選択することができる。 【0046】本発明の導電性パターン材料は、種々の回
路形成に使用でき、パターン形成手段を選択することで
任意の導電性領域を形成することができるため、LSI
などの回路形成を含む広い用途が期待される。さらに、
支持体にPETなどの透明フィルムを使用した場合に
は、パターン形成された透明導電性フィルムとして使用
することができる。このような透明導電性フィルムの用
途としては、ディスプレイ用透明電極、調光デバイス、
太陽電池、タッチパネル、その他の透明導電膜が挙げら
れるが、CRTやプラズマディスプレイにつける電磁波
シールドフィルターとして特に有用である。このような
電磁波シールドフィルターは高い導電性と透明性とを必
要とするため、導電性素材層を格子状に設けることが好
ましい。このような格子線幅は、20〜100μm、開
口部は50〜600μm程度が好ましい。この格子は必
ずしも規則正しく、直線で構成されていなくてもよく、
曲線状で構成されていてもよい。本発明においては、こ
のような任意のパターン形状の導電性素材層を容易に形
成しうるため、目的に応じた種々の設定が可能である。 【0047】 【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0048】(実施例1、2) 〔表面親水性部材の作製〕膜厚188μの2軸延伸ポリ
エチレンテレフタレートフィルム(A4100、東洋紡
(株)社製)を用い、グロー処理として平版マグネトロ
ンスパッタリング装置(CFS−10−EP70、芝浦
エレテック製)を使用し、下記の条件で酸素グロー処理
を行った。 【0049】−酸素グロー処理条件− 初期真空 :1.2×10-3Pa 酸素圧力 :0.9Pa RFグロー:1.5kW,処理時間:60sec 【0050】次に、グロー処理したフィルムを窒素バブ
ルしたスチレンスルホン酸ナトリウム水溶液(10wt
%)に70℃にて7時間浸漬した。浸漬した膜を水にて
8時間洗浄することにより、スチレンスルホン酸ナトリ
ウムが表面にグラフトポリマー化された表面親水性部材
Aを得た。また同様に、スチレンスルホン酸ナトリウム
をアクリル酸に変えた以外は上記と同じ方法にて、アク
リル酸が表面にグラフトポリマー化された表面親水性部
材Bを得た。 【0051】〔導電性パターン材料の作製〕上記のよう
にして得られた表面親水性部材A及びBに対し、以下の
処方からなる水に非親和性の導電性インクジェット用イ
ンクを、30μmの粒径で、インクジェット装置によ
り、30μmおきに吐出して流動体を付与することによ
り導電性素材層を形成し、本発明の導電性パターン材料
を作製した。 【0052】 −導電性インクジェット用インク− ・アクリルポリマー(40wt%:トルエン溶液) 10g ・アルミニウム粉末 4g ・導電性カーボンブラック粉末 0.5g ・キシレン 80g 【0053】(実施例3、4)実施例1及び2で得られ
たものと同様の表面親水性部材C及びD作製した。これ
らの表面親水性部材C及びDに対して、実施例1及び2
で使用した導電性インクジェット用インクと同様のイン
ク液をシルクスクリーン用インクとして用い、シルクス
クリーン印刷により導電性素材層を形成し、本発明の導
電性パターン材料を作製した。なお、スクリーンは、ナ
イロンモノフィラメントX−XO,420Sを用い、感
光剤としてジアゾ樹脂とポリビニルアルコールからなる
ものを使用した。乾燥後の導電性素材層の厚さは4μm
であった。 【0054】<評価>上記で得られた導電性パターン材
料に対して、導電性及び耐摩耗性についての評価を以下
の如く行った。 【0055】1.導電性 得られた導電性パターン材料の表面抵抗値を、LORE
STA−FP(三菱化学(株)製)を用いて四探針法に
より測定した。表面抵抗値は、実施例1及び2の導電性
パターン材料については0.1Ω/□、実施例3及び4
の導電性パターン材料については0.02Ω/□であ
り、導電性に優れていることがわかった。 【0056】2.耐磨耗性 導電微粒子を吸着させた導電性パターン材料の表面を水
で湿らせた布(BEMCOT、旭化成工業社製)を用い
て手で往復30回こすった。こすった後に、前記と同様
にして透過型電子顕微鏡(JEOL JEM−200C
X)にて、その表面を10万倍で観察したところ、実施
例1〜4の何れの導電性パターン材料についても、こす
り処理を行なう前と同様、導電微粒子が吸着し導線性素
材層が形成された領域のみに、微粒子に起因する緻密な
凹凸形状が観察され、表面の緻密な凹凸形状がこすりに
より損なわれなかったことが確認された。 【0057】 【発明の効果】本発明によれば、複雑な工程や高価な装
置を必要とせず、複数の異なる材料を用いた配線などの
形成に適用した場合場合にも、高解像度の微細なパター
ンが得られ、且つ、デジタルデータに基づき基材上に直
接パターン形成が可能な、優れた導電性と耐久性とを有
する応用範囲の広い導電性パターン材料を提供すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 美紀 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 4K044 AA06 AB02 BA12 BA21 BB03 BB04 BC14 CA04 CA07 CA13 CA14 CA31 CA59 5E343 AA02 AA12 AA22 BB05 BB72 CC22 DD12 EE22 FF05 GG08 GG11

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 支持体の少なくとも一方の面の全面に亘
    って親水性グラフトポリマー鎖が存在する表面親水性部
    材に、導電性素材を局所的に適用して吸着させてなる導
    電性素材層を有することを特徴とする導電性パターン材
    料。
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