JP2006351639A - 積層型電子部品及び積層セラミックコンデンサ - Google Patents

積層型電子部品及び積層セラミックコンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】 焼成ムラが抑制された積層型電子部品及び積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
【解決手段】
積層セラミックコンデンサC1は、内層部10と、当該内層部10を挟むように配置される一対の外層部20とを備えている。内層部10では、複数の第1のセラミック層12と、複数の内部回路要素導体14とが交互に積層されている。内部回路要素導体14及び第2のセラミック層22は、Niを含んでいる。このNiが焼結助剤として機能することにより、第1のセラミック層12及び第2のセラミック層22の双方で、焼結温度が低くなる。その結果、内層部10と外層部20との間で焼結温度の差が小さくなるため、焼成ムラを抑制することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、積層型電子部品及び積層セラミックコンデンサに関する。
この種の積層型電子部品として、複数の内部回路要素導体及びセラミック層が積層された積層体を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された積層型電子部品(積層セラミックコンデンサ)は、内部回路要素導体(内部電極)とセラミック層とが交互に積層された内層部と、セラミック層が積層された外層部とを備える。
特開平9−129486号公報
本発明は、焼成ムラが抑制された積層型電子部品及び積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
本発明者等は、焼成ムラを抑制し得る積層型電子部品について鋭意検討を行った結果、以下のような事実を新たに見出した。
特許文献1には、内層部と外層部とを備える積層型電子部品が記載されている。本発明者等は、このような積層型電子部品を焼成すると、内層部が外層部よりも低温で焼結し、その結果積層型電子部品に焼成ムラが生じてしまうことを見出した。
上述した焼成ムラは、内層部に合わせた温度で焼成を行っても、あるいは外層部に合わせた温度で焼成を行っても起こる。すなわち、内層部に合わせた温度で焼成を行うと、外層部が十分に焼結されない。一方、外層部に合わせた温度で焼成を行うと、内層部が過度に焼成されてしまう。内層部が過度に焼成されてしまうと、内層部のセラミック層には半導体化の問題が生じ、内部回路要素導体には球状化による被覆率の低下の問題が生じる。
本発明者等は、内層部が外層部よりも低温で焼結することについて検討したところ、内部回路要素導体に含まれる金属が、内部回路要素導体と交互に積層されるセラミック層に対して、焼成時に焼結助剤として機能してしまうのではないかとの考察を得た。近年、電子機器の小型化に伴い、電子機器内に実装される積層型電子部品の薄層化が求められている。したがって、この考察によると、薄層化により内層部での各セラミック層に与える内部回路要素導体の影響が大きくなり、焼成ムラの問題がより顕著になると考えられる。
このような検討結果を踏まえ、本発明に係る積層型電子部品は、複数の第1のセラミック層と複数の内部回路要素導体とが交互に積層された内層部と、内層部を挟むように複数の第2のセラミック層がそれぞれ積層された一対の外層部と、を備え、内部回路要素導体及び第2のセラミック層が、Niを含むことを特徴とする。
内部回路要素導体に含まれるNiは、内層部において第1のセラミック層に対する焼結助剤として機能し、第1のセラミック層の焼結温度を実質的に低下させる。第2のセラミック層に含まれるNiもまた、第2のセラミック層において焼結助剤として機能し、第2のセラミック層の焼結温度を低下させる。これにより、内層部及び外層部の双方において焼結温度が低下することとなるため、内層部と外層部との間における焼結温度の差が小さくなる。したがって、内層部の焼結温度に合わせて焼成を行った場合に、内層部及び外層部を共に焼結させることができる。その結果、焼成ムラを抑制することが可能となる。また、内層部と外層部との焼結温度の差が小さくなることによって、内層部と外層部との間の縮率差が小さくなる。その結果、クラックの発生も抑制される。
また、Niを含む第2のセラミック層は、Ni粉末を含むセラミックグリーンシートを焼成することにより形成されており、当該Ni粉末は、セラミック材料によって被覆されていることが好ましい。セラミックグリーンシートは、セラミック材料を含むペーストをシート状にして乾燥させることにより作製される。セラミック材料を含むペーストは、セラミック材料、樹脂バインダ、及び有機溶剤等を混合してスラリー化したものである。ここで、セラミック材料にNiを単体のまま混合すると、セラミック材料とNiとの比重が異なるため、Niがペースト中に均一に分散されないことがある。本発明のようにセラミック材料で被覆されたNi粉末であれば、混合した際になじみがよくなるため、Ni粉末の分散性が良好なペーストを得ることができる。このようなペーストを用いることによって、Ni粉末が均一に分散されたセラミックグリーンシートを得ることができる。このセラミックグリーンシートを第2のセラミック層に用いるので、外層部内での焼成ムラが生じにくくなる。
また、Ni粉末を被覆するセラミック材料は、第1のセラミック層に含まれるセラミック材料と同一であることが好ましい。この場合、第2のセラミック層を形成するセラミックグリーンシートは、焼結助剤として機能するNi粉末の影響で、このNi粉末を覆うセラミック材料の部分から徐々に焼成されていく。したがって、第2のセラミック層と第1のセラミック層とは、ほぼ同じ温度で焼成し始めることとなる。その結果、第2のセラミック層と第1のセラミック層との間における焼結温度の差は小さくなり、焼成ムラを確実に抑制することが可能となる。
また、第1のセラミック層はガラス成分を含んでおり、Niを含む第2のセラミック層は、Ni粉末を含むセラミックグリーンシートを焼成することにより形成されており、当該Ni粉末は、第1のセラミック層に含まれるガラス成分と比べて同等以下の融点を有するガラス成分によって被覆されていることが好ましい。セラミック層にガラス成分を含ませることにより、セラミック層の焼結温度を低くすることが可能となる。第2のセラミック層となるセラミックグリーンシートでは、焼結助剤として機能するNi粉末の影響で、ガラス成分の融点が実質的に低くなる。ガラス成分の融点の低下に伴って、このセラミックグリーンシートの焼結温度、すなわち第2のセラミック層の焼結温度も低下することとなる。一方、内部回路要素導体と交互に積層されている第1のセラミック層では、内部回路要素導体に含まれるNiとガラス成分との影響を受けて、焼結温度が低下する。これにより、内層部及び外層部の双方において焼結温度が低下することとなる。その結果、内層部と外層部との間で焼結温度の差が小さくなる。したがって、内層部の焼結温度に合わせて焼成を行っても、外層部を十分に焼結させることができるので、焼成ムラを確実に抑制することができる。
また、第1のセラミック層は、ガラス成分としてBa-Ca-Si-O系ガラスを含んでおり、Ni粉末は、ガラス成分としてBa-Ca-Si-O系ガラスにより被覆されることが好ましい。この場合、第1のセラミック層では、内部回路要素導体に含まれるNiとBa-Ca-Si-O系ガラスとの影響で、焼結温度が低くなる。第2のセラミック層となるセラミックグリーンシートでは、Ni粉末の影響で、このNi粉末を覆うBa-Ca-Si-O系ガラスの融点が実質的に低くなる。Ba-Ca-Si-O系ガラスの融点が低下するため、セラミックグリーンシートの焼結温度、すなわち第2のセラミック層の焼結温度が十分に低下する。よって、第2のセラミック層と第1のセラミック層との焼結温度の差が小さくなり、外層部と内層部との間、及び内層部内における焼成ムラを確実に抑制することが可能となる。
また、第1のセラミック層は、ガラス成分としてBa-Ca-Si-O系ガラスを含んでおり、Ni粉末は、ガラス成分としてBa-Ca-B-Si-O系ガラスにより被覆されることが好ましい。この場合、第1のセラミック層では、内部回路要素導体に含まれるNiとBa-Ca-Si-O系ガラスとの影響で、焼結温度が低くなる。第2のセラミック層となるセラミックグリーンシートでは、Ni粉末の影響で、このNi粉末を覆うBa-Ca-B-Si-O系ガラスの融点が実質的に低くなる。そのため、セラミックグリーンシートの焼結温度、すなわち第2のセラミック層の焼結温度が十分に低下する。Ba-Ca-Si-O系ガラスよりも融点が低いBa-Ca-B-Si-O系ガラスでNi粉末を覆うことにより、Ni粉末が少量であっても、第2のセラミック層の焼結温度を十分に下げることができる。これにより、第2のセラミック層と第1のセラミック層との焼結温度の差を小さくすることができ、焼成ムラをより確実に抑制することが可能となる。
また、内部回路要素導体の厚みが1.5μm以下であるとともに、第1のセラミック層の厚みが、内部回路要素導体の厚みの1.5倍以下であることが好ましい。この場合、小型化、薄層化の要求を満たすとともに、外層部の過度な焼成を抑制することができる。
また、本発明に係る積層セラミックコンデンサは、複数の第1のセラミック層と複数の内部電極とが交互に積層された内層部と、内層部を挟むように複数の第2のセラミック層がそれぞれ積層された一対の外層部と、を備え、内部電極及び第2のセラミック層が、Ni粉末を含むことを特徴とする。
この積層セラミックコンデンサでは、外層部と内層部との間で焼結温度の差を小さくでき、焼成ムラを抑制することが可能となる。
本発明によれば、焼成ムラが抑制された積層型電子部品及び積層セラミックコンデンサを提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
まず、図1及び図2に基づいて、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサC1の構成を説明する。図1は本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。図2は、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの分解斜視図である。
積層セラミックコンデンサC1は、図1に示されるように、内層部10と、この内層部10を挟んで位置する一対の外層部20とを備えている。本実施形態に係る積層セラミックコンデンサC1は、長手方向の長さが1.0mmに設定され、幅が0.5mmに設定され、高さが0.5mmに設定された、いわゆる1005タイプの積層セラミックコンデンサである。積層セラミックコンデンサC1の外表面には、端子電極30が形成されている。
内層部10は、複数(本実施形態では13層)の第1のセラミック層12と、複数(本実施形態では12層)の内部回路要素導体14とを有している。第1のセラミック層12と内部回路要素導体14とは、交互に積層されている。内部回路要素導体14は、主成分としてNiを含んでおり、内部電極として機能する。内部回路要素導体14の厚さは、1.5μm以下である。これに対して、第1のセラミック層12は、セラミック材料としてBaTiO3を含んでいる。第1のセラミック層12の厚みは、内部回路要素導体14の厚さの1.5倍以下となっている。
外層部20は、第2のセラミック層22が複数(本実施形態では5層)積層されることにより構成されている。第2のセラミック層22は、セラミック材料としてBaTiO3を含んでいる。また、第2のセラミック層22はNiも含んでいる。
続いて、このような積層セラミックコンデンサC1の製造方法について説明する。
まず、第1のセラミック層12となる第1のセラミックグリーンシートを準備する。より具体的には、BaTiO3粉末、有機バインダ、及び有機溶剤を混合してスラリー化し、第1の誘電体ペーストを得る。この第1の誘電体ペーストを、ドクターブレード等の公知の方法によりシート状にし、第1のセラミックグリーンシートを得る。
得られた第1のセラミックグリーンシート上に、内部回路要素導体14となる電極ペーストを塗布して乾燥させる。この電極ペーストは、Ni粉末を有機バインダ及び有機溶剤に分散させてペースト状にしたものである。
次に、第2のセラミック層22となる第2のセラミックグリーンシートを準備する。より具体的には、BaTiO3粉末、有機バインダ、有機溶剤、及びNi粉末を混合してスラリー化し、第2の誘電体ペーストを得る。混合されるNi粉末は、BaTiO3で被覆されたNi粉末である。BaTiO3で被覆することにより、Ni粉末はBaTiO3粉末とのなじみがよくなり、誘電体ペースト中において十分に分散される。このようにして得られた第2の誘電体ペーストを、ドクターブレード等の公知の方法によりシート状にし、第2のセラミックグリーンシートを得る。
続いて、得られた第2のセラミックグリーンシートを5枚積層する。積層した第2のセラミックグリーンシート上に、電極ペーストが塗布された第1のセラミックグリーンシートを12枚積層し、この第1のセラミックグリーンシート上に何も塗布されていない第1のセラミックグリーンシートを1枚積層する。更に、その上に第2のセラミックグリーンシートを5枚積層して、積層方向から押圧し、第1のセラミックグリーンシート、第2のセラミックグリーンシート、及び電極ペーストを互いに圧着させる。このようにして、第1のセラミックグリーンシート、第2のセラミックグリーンシート、及び電極ペーストが積層されたシート積層体が作製される。
次に、作製されたシート積層体を切断してチップ化する。その後、チップ化した積層体26を焼成して、積層体を得る。焼成により、第1のセラミックグリーンシート及び電極ペーストはそれぞれ、第1のセラミック層12及び内部回路要素導体14となる。第2のセラミックグリーンシートは、Ni粉末を覆うBaTiO3の部分から徐々に焼成されていき、Niを含む第2のセラミック層22となる。得られた積層体の外表面に、公知の方法で端子電極30を形成する。このようにして、第1のセラミック層12と内部回路要素導体14とが交互に積層された内層部10と、この内層部10を挟むように第2のセラミック層22がそれぞれ積層された一対の外層部20と、を備える積層セラミックコンデンサC1が作製される。
以上のように、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサC1では、内層部10を備えており、内層部10において第1のセラミック層12と内部回路要素導体14とが交互に積層されている。内部回路要素導体14に含まれるNiは焼結助剤として機能し、第1のセラミック層12の焼結温度を実質的に低下させる。また、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサC1は外層部20を備えており、この外層部20が有する第2のセラミック層22はNiを含んでいる。第2のセラミック層22に含まれるNiもまた焼結助剤として機能し、第2のセラミック層22の焼結温度を低下させる。これにより、第1のセラミック層12及び第2のセラミック層22の双方で、焼結温度が低下することとなる。その結果、第1のセラミック層12を有する内層部10と、第2のセラミック層22を有する外層部20とにおける焼結温度の差は小さくなる。内層部10と外層部20とにおける焼結温度の差が小さくなるため、外層部20に合わせた温度で積層セラミックコンデンサC1を焼成した場合であっても、内層部10が過度に焼成されるといったことがなくなる。その結果、積層セラミックコンデンサC1に焼成ムラが生じにくくなり、外層部20と内層部10とが十分に焼結された、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを得ることができる。また、内層部10の過度な焼成により生じていた、第1のセラミック層12の半導体化や、内部回路要素導体14の球状化が抑制される。更に、内層部10の焼結温度と外層部20の焼結温度との差が小さくなることにより、内層部10の縮率と外層部20の縮率との差も小さくなるので、クラックの発生が抑制される。
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサC1では、第2のセラミックグリーンシートが、BaTiO3で被覆されたNi粉末を含んでいる。BaTiO3で被覆されたNi粉末は、第2のセラミックグリーンシートの主成分であるBaTiO3粉末とのなじみがよいため、誘電体ペースト中において十分に分散される。その結果、Ni粉末の分散性が良好な誘電体ペーストを得ることができる。このような誘電体ペーストを用いることによって、Ni粉末が均一に分散された第2のセラミックグリーンシートを得ることができる。Ni粉末が均一に分散された第2のセラミックグリーンシートを有する第2のセラミック層では、焼成ムラが生じにくくなる。したがって、外層部内での焼成ムラが抑制される。
また、第2のセラミックグリーンシートは、Ni粉末が焼結助剤として機能することにより、このNi粉末を覆うBaTiO3の部分から徐々に焼成される。第1のセラミックグリーンシートもまたBaTiO3を含んでおり、内部回路要素導体14のNiの影響を受けながら焼成される。すなわち、第2のセラミックグリーンシートと第1のセラミックグリーンシートとは、ほぼ同じ温度で焼成し始めることとなる。したがって、第2のセラミック層22と第1のセラミック層12との間における焼結温度の差が小さくなるため、焼成ムラを抑制することが可能となる。
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサC1では、内部回路要素導体14の厚さは1.5μm以下である。そのため、積層セラミックコンデンサC1の薄層化が可能であり、小型化、さらには多層化も可能となる。また、第1のセラミック層12の厚さは内部回路要素導体14の厚さの1.5倍以下である。ここで、例えば、第1のセラミック層12の厚さを内部回路要素導体14の厚さの1.5倍よりも大きくした場合を考える。この場合、第1のセラミック層12と内部回路要素導体14との間の距離が大きくなるため、第1のセラミック層12に対する内部回路要素導体14の影響は小さくなる。その結果、第1のセラミック層12の焼結温度の実質的な低下が起こらず、第2のセラミック層22の焼結温度のみ低下することとなる。第2のセラミック層22の焼結温度のみが低下すると、積層セラミックコンデンサC1を焼成した際、外層部20のみが焼けすぎてしまうおそれがある。本実施形態に係る積層セラミックコンデンサC1では、第1のセラミック層12の厚さを内部回路要素導体14の厚さの1.5倍以下とすることによって、外層部20の焼けすぎを抑制している。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、本発明を積層セラミックコンデンサに適用した例を示しているが、これに限らず、例えばインダクタ、バリスタ、サーミスタ等の積層型電子部品にも適用可能である。
また、上述した積層セラミックコンデンサC1では、第2のセラミック層22となる第2のセラミックグリーンシートは、BaTiO3で被覆されたNi粉末を含むとしたが、Ni粉末はBaTiO3で被覆されていなくてもよい。ただし、BaTiO3で被覆されていないNi粉末を用いた場合には、積層セラミックコンデンサを作成する際に、セラミック材料とNi粉末との比重が異なるため、誘電体ペースト中にNi粉末が均一に分散されない可能性がある。したがって、上述したように、BaTiO3で被覆されたNi粉末を用いることが望ましい。
また、上述した積層セラミックコンデンサC1では、第2のセラミック層22となる第2のセラミックグリーンシートは、BaTiO3で被覆されたNi粉末を含むとした。これを、第2のセラミックグリーンシートは、ガラス成分で被覆されたNi粉末を含むとしてもよい。このとき、第1のセラミック層12となる第1のセラミックグリーンシートもガラス成分を含むとする。また、第2のセラミックグリーンシートにてNi粉を被覆するガラス成分は、第1のセラミックグリーンシートに含まれるガラス成分と比べて、同等以下の融点を有することとする。
セラミックグリーンシートにガラス成分を含ませることにより、このセラミックグリーンシートを有するセラミック層の焼結温度を低くすることができる。第2のセラミックグリーンシートでは、焼結助剤として機能するNi粉末の影響で、Ni粉末を覆っているガラス成分の融点が実質的に低くなる。ガラス成分の融点の低下に伴って、第2のセラミックグリーンシートの焼結温度、すなわち第2のセラミック層22の焼結温度は、セラミックグリーンシートにガラス成分のみを含ませた場合と比べて、いっそう低下することとなる。一方、第1のセラミック層12では、内部回路要素導体14に含まれるNiの影響で低下した焼結温度が、ガラス成分を含ませることによって更に低下する。このように、第1のセラミック層12及び第2のセラミック層22の双方において、焼結温度が低下することとなる。その結果、内層部と外層部との間で焼結温度の差が小さくなるため、焼成ムラを抑制することが可能となる。
より具体的には、第2のセラミックグリーンシートのNi粉末はBa-Ca-Si-O系ガラスで被覆されており、第1のセラミックグリーンシートはBa-Ca-Si-O系ガラスを含んでいることが好ましい。第1のセラミックグリーンシートでは、Ba-Ca-Si-O系ガラス及び内部回路要素導体14に含まれるNiの影響で、焼結温度が低くなる。第2のセラミックグリーンシートでは、Ni粉末の影響で、このNi粉末を覆うBa-Ca-Si-O系ガラスの融点が実質的に低くなる。そのため、セラミックグリーンシートにBa-Ca-Si-O系ガラスで被覆したNi粉末を含ませた場合には、セラミックグリーンシートにBa-Ca-Si-O系ガラスのみを含ませた場合と比べて、第2のセラミックグリーンシートの焼結温度、すなわち第2のセラミック層の焼結温度が低下する。よって、第2のセラミック層と第1のセラミック層との焼結温度の差を確実に小さくすることができる。
また、第2のセラミックグリーンシートのNi粉末はBa-Ca-Si-O系ガラスで被覆されており、第1のセラミックグリーンシートはBa-Ca-B-Si-O系ガラスを含んでいる、としてもよい。第1のセラミックグリーンシートでは、Ba-Ca-Si-O系ガラス及び内部回路要素導体14に含まれるNiの影響で、焼結温度が低くなる。第2のセラミックグリーンシートでは、Ni粉末の影響で、このNi粉末を覆うBa-Ca-B-Si-O系ガラスの融点が実質的に低くなる。そのため、セラミックグリーンシートの焼結温度、すなわち第2のセラミック層の焼結温度が低下する。Ni粉末を、Ba-Ca-Si-O系ガラスよりも融点が低いBa-Ca-B-Si-O系ガラスで覆うことにより、Ni粉末が少量であっても、第2のセラミック層の焼結温度を十分に下げることができる。これにより、第2のセラミック層と第1のセラミック層との焼結温度の差を確実に小さくすることができる。
また、上述した積層セラミックコンデンサC1では、内部回路要素導体14の厚みを1.5μm以下としたが、1.5μmを超えていてもよい。第1のセラミック層12の厚さを内部回路要素導体14の厚さの1.5倍以下としたが、1.5倍を超えていてもよい。
実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。 実施形態に係る積層セラミックコンデンサの分解斜視図である。
符号の説明
C1…積層セラミックコンデンサ、10…内層部、12…第1のセラミック層、14…内部回路要素導体、20…外層部、22…第2のセラミック層、30…端子電極。

Claims (8)

  1. 複数の第1のセラミック層と複数の内部回路要素導体とが交互に積層された内層部と、
    前記内層部を挟むように複数の第2のセラミック層がそれぞれ積層された一対の外層部と、を備え、
    前記内部回路要素導体及び前記第2のセラミック層が、Niを含むことを特徴とする積層型電子部品。
  2. Niを含む前記第2のセラミック層は、Ni粉末を含むセラミックグリーンシートを焼成することにより形成されており、当該Ni粉末は、セラミック材料によって被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の積層型電子部品。
  3. 前記Ni粉末を被覆する前記セラミック材料は、前記第1のセラミック層に含まれるセラミック材料と同一であることを特徴とする請求項2に記載の積層型電子部品。
  4. 前記第1のセラミック層はガラス成分を含んでおり、
    Niを含む前記第2のセラミック層は、Ni粉末を含むセラミックグリーンシートを焼成することにより形成されており、当該Ni粉末は、前記第1のセラミック層に含まれるガラス成分と比べて同等以下の融点を有するガラス成分によって被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の積層型電子部品。
  5. 前記第1のセラミック層は、前記ガラス成分としてBa-Ca-Si-O系ガラスを含んでおり、
    前記Ni粉末は、前記ガラス成分としてBa-Ca-Si-O系ガラスにより被覆されることを特徴とする請求項4に記載の積層型電子部品。
  6. 前記第1のセラミック層は、前記ガラス成分としてBa-Ca-Si-O系ガラスを含んでおり、
    前記Ni粉末は、前記ガラス成分としてBa-Ca-B-Si-O系ガラスにより被覆されることを特徴とする請求項4に記載の積層型電子部品。
  7. 前記内部回路要素導体の厚みが1.5μm以下であるとともに、
    前記第1のセラミック層の厚みが、前記内部回路要素導体の厚みの1.5倍以下であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の積層型電子部品。
  8. 複数の第1のセラミック層と複数の内部電極とが交互に積層された内層部と、
    前記内層部を挟むように複数の第2のセラミック層がそれぞれ積層された一対の外層部と、を備え、
    前記内部電極及び前記第2のセラミック層が、Niを含むことを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
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