JP2006351231A - 金属酸化物構造体の製造方法 - Google Patents

金属酸化物構造体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006351231A
JP2006351231A JP2005172430A JP2005172430A JP2006351231A JP 2006351231 A JP2006351231 A JP 2006351231A JP 2005172430 A JP2005172430 A JP 2005172430A JP 2005172430 A JP2005172430 A JP 2005172430A JP 2006351231 A JP2006351231 A JP 2006351231A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal oxide
oxide structure
protrusion
protrusions
structure according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005172430A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5093791B2 (ja
Inventor
Yoshitomo Ueda
致知 植田
Hidetoshi Saito
秀俊 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Nagaoka University of Technology NUC
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Nagaoka University of Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp, Nagaoka University of Technology NUC filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2005172430A priority Critical patent/JP5093791B2/ja
Publication of JP2006351231A publication Critical patent/JP2006351231A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5093791B2 publication Critical patent/JP5093791B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Discharge Lamps And Accessories Thereof (AREA)
  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Abstract

【課題】 本発明は、簡単に特定の位置に突起物を存在させることができる金属酸化物構造体の製造方法を提供する。また、この方法で製造された金属酸化物構造体、及びこの金属酸化物構造体を用いた電子放出素子を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明に係る代表的な金属酸化物構造体の製造方法は、断面の円換算径0.01〜10000μm、長さ0.1μm以上であり、かつ断面の円換算径に対する長さの比が0.01以上である突起物を複数有する金属酸化物を有する金属酸化物構造体の製造方法であって、前記金属酸化物構造体の所定の面に前記突起物を有する前記金属酸化物を形成した後に、少なくとも一部の前記突起物を除去することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属酸化物構造体の製造方法、その製造方法で製造した金属酸化物構造体、その金属酸化物構造体を用いた電子放出素子、その電子放出素子を用いた発光装置に関するものである。
電子放出素子としては、従来より、例えばブラウン管のような熱陰極素子が用いられてきた。しかし、熱陰極素子は、熱エネルギーによって電子を放出させるために、エネルギー効率が低いという問題点がある。そのため、近年は電子放出に熱エネルギーを必要としない冷陰極素子の需要が大きくなりつつある。
冷陰極素子としては、例えばスピント型冷陰極素子のように多数の突起物を有する素子を用い、突起物先端部に電界を集中させることで突起物の先端部から電子の放出を行わせる方法が行われている。
かかる現状に鑑み、本発明者等は特許文献1に記載した方法、すなわち、有機金属熱分解法(以下、MOCVD法と記述する)を用いて製造した、突起物を有する金属酸化物構造体を提案し、この金属酸化物構造体を用いて、特許文献2、3に示すような電子放出素子を提案した。
しかしながら、特許文献2、3に記載の電子放出素子は、基板面に突起物を一様に存在させるものなので、用途によっては基板面上に突起物の存在位置を正確に決める必要があった。この課題を解決するために、特許文献4に記載した方法、すなわち、基板表面に凹凸をつけることで突起物を存在させる位置を決める方法を提案した。
再表99/57345号公報 特開2000−276999号公報 特開2002−274819号公報 特開2001−19410号公報
しかしながら、特許文献4に記載の方法では、基板の種類によっては微細な加工が困難な場合がある、金属酸化物構造体の形成工程とは別の工程を必要とするという課題があった。
そこで本発明は、簡単に特定の位置に突起物を存在させることができる金属酸化物構造体の製造方法を提供する。また、この方法で製造された金属酸化物構造体、及びこの金属酸化物構造体を用いた電子放出素子を提供することを目的とする。
本発明者等は、電子放出素子として好ましく用いられる構造体について鋭意検討を行った結果、特定の位置に突起物が特定の密度で存在する構造体の製造方法を見出し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、本発明は、以下に示すものである。
(1)上記課題を解決するために本発明に係る第1の金属酸化物構造体の製造方法は、断面の円換算径0.01〜10000μm、長さ0.1μm以上であり、かつ断面の円換算径に対する長さの比が0.01以上である突起物を複数有する金属酸化物を有する金属酸化物構造体の製造方法であって、前記金属酸化物構造体の所定の面に前記突起物を有する前記金属酸化物を形成した後に、少なくとも一部の前記突起物を除去することを特徴とする。
(2)本発明に係る第2の金属酸化物構造体の製造方法は、前記第1の金属酸化物構造体の製造方法において、前記突起物を有する前記金属酸化物に、押圧部材を圧着することで、少なくとも一部の前記突起物を除去することを特徴とする。
(3)本発明に係る第3の金属酸化物構造体の製造方法は、前記第2の金属酸化物構造体の製造方法において、前記押圧部材は、少なくとも一つの開口部、および/または少なくとも一つの凹凸部を有する平板であることを特徴とする。
(4)本発明に係る第4の金属酸化物構造体の製造方法は、前記第1又は第2の金属酸化物構造体の製造方法において、空気中の酸素または水と反応して酸化物を形成する金属化合物を原材料として用い、所定圧力の空気が存在する空間に設置された基板の面に、この金属化合物の気体および/または微粒子を向かわせて、金属酸化物を基板面上に形成することを特徴とする。
(5)本発明に係る第5の金属酸化物構造体の製造方法は、前記第4の金属酸化物構造体の製造方法において、金属酸化物を基板面上にエピタキシャル成長させることを特徴とする。ここで、「エピタキシャル成長」とは、基板面上にその基板と特定の方位関係にある金属酸化物を堆積成長させることをいう。
(6)本発明に係る第1の金属酸化物構造体は、上記第1〜第5のいずれかの金属酸化物構造体の製造方法によって得られることを特徴とする。
(7)本発明に係る第2の金属酸化物構造体は、前記第2の金属酸化物構造体において、前記突起物の除去前に、前記突起物が金属酸化物面上の10μm×10μmの面積あたり0.01〜10000個の密度で存在することを特徴とする。
(8)本発明に係る第3の金属酸化物構造体は、前記第1又は第2の金属酸化物構造体において、除去前の突起物の中心軸が相互に平行であることを特徴とする。
(9)本発明に係る第4の金属酸化物構造体は、前記第1〜第3のいずれかの金属酸化物構造体において、前記突起物を構成する前記金属酸化物が金属酸化物単結晶であることを特徴とする。
(10)本発明に係る第5の金属酸化物構造体は、前記第1〜第4のいずれかの金属酸化物構造体において、除去前の前記突起物を構成する金属酸化物結晶が相互に平行に、かつ結晶軸が同一方向に成長していることを特徴とする。
(11)本発明に係る第6の金属酸化物構造体は、前記第1〜第5のいずれかの金属酸化物構造体において、除去前の前記突起物の先端部が凸状になっており、その頂点部分を所定範囲で2次曲線に近似することにより算出される先鋭度を示す曲率半径が10μm以下であることを特徴とする。
(12)本発明に係る第7の金属酸化物構造体は、前記第1〜第6のいずれかの金属酸化物構造体において、前記突起物を構成する前記金属酸化物が導電性を有することを特徴とする。
(13)本発明に係る第8の金属酸化物構造体は、前記第7の金属酸化物構造体において、前記金属酸化物は、ZnおよびAlを含有することを特徴とする。
(14)本発明に係る第9の金属酸化物構造体は、前記第1〜第7のいずれかの金属酸化物構造体において、有機物質、無機物質、金属の少なくとも1つで前記突起物を固定していることを特徴とする。
(15)本発明に係る電子放出素子は、請求項6〜請求項13のいずれか1項に記載の金属酸化物構造体を有することを特徴とする。
(16)本発明に係る発光装置は、前記電子放出素子と発光体が真空の容器内または気体が封入された容器内に配置されていて、前記電子放出素子から放出された電子線によって前記発光体が発光することを特徴とする。
(1)以上説明したように、第1の金属酸化物構造体の製造方法では、簡単に特定の位置に突起物を存在させることができる。
(2)第2の金属酸化物構造体の製造方法では、簡便な方法で繰り返し同じ特定の位置に突起物を存在させることができる。
(3)第3の金属酸化物構造体の製造方法では、突起物を存在させる位置を特定させることができる。
(4)第4の金属酸化物構造体の製造方法では、高濃度の原料を供給することで、特定の構造を持った金属酸化物を高い速度で製造することができる。
(5)第5の金属酸化物構造体の製造方法では、金属酸化物単結晶を比較的容易に得ることができる。
(6)第1の金属酸化物構造体では、特定の突起物の先端にさらに電界が集中しやすくなるので、電界放出特性をさらに向上させることができる。
(7)第2の金属酸化物構造体では、多数のサイトから電子が放出されるので、広い面積に均一に電子が放出されやすくなる。
(8)第3の金属酸化物構造体では、この金属酸化物構造体を電子放出素子として利用した際に、放出された電子が必要以上に散乱することを抑制し、蛍光体面の所望の位置を発光させることができる。
(9)第4の金属酸化物構造体では、金属酸化物自体の抵抗値を低くし、電流のロスを抑えることができる。
(10)第5の金属酸化物構造体では、金属酸化物自体の抵抗値を低くし、電流のロスを押さえることができ、かつこの金属酸化物構造体を電子放出素子として利用した際に、放出された電子が必要以上に散乱することを抑制し、蛍光体面の所望の位置を発光させることができる。
(11)第6の金属酸化物構造体では、突起物の先端に電界が集中し、電界放出特性を向上させることができる。
(12)第7の金属酸化物構造体では、電気素子として使用した際に、特定の後処理を必要とせずに導電性を与えることができる。
(13)第8の金属酸化物構造体では、比較的容易な製造方法で低い抵抗値を得ることができる。
(14)第9の金属酸化物構造体では、突起物部分は破損しにくい構造体を得ることができる。
(15)電子放出素子、(16)発光装置では、上記金属酸化物構造体を用いることで、エネルギー効率の高い電子放出素子、発光装置とすることができる。
本発明に係る金属酸化物構造体の製造方法、その製造方法で製造した金属酸化物構造体、その金属酸化物構造体を用いた電子放出素子、その電子放出素子を用いた発光装置の実施形態について、図を用いて説明する。図1(a)は突起物の斜視図である。図1(b)は突起物縦断面図である。図1(c)は外形線E0を、点Cを原点とした2次曲線に近似した図である。図4は発光装置の構成図である。
図4に示すように、発光装置61は、電子放出素子10を有している。電子放出素子10は、基板11上に形成された金属酸化物構造体2を用いたものである。金属酸化物構造体2は、基板11の上に金属酸化物を有している。金属酸化物はその所定の面に複数の突起物12(図1参照)を有している。
突起物12の断面(針状体の長さ方向中心点での断面)の円換算径(以下、単に円換算径という場合がある)が10000μm以下である。円換算径とは、例えば画像解析を利用した従来公知の方法で測定された突起物の断面積を、円周率πで除した値の平方根を2倍した値である。突起物12の断面の円換算径が10000μm以下であると、電子放出素子としての作用が十分に得られる。突起物12の断面の円換算径は小さいほど好ましいが、製造の容易さから、好ましい下限は0.01μmである。突起物12の断面の円換算径の好ましい範囲は0.01μm以上100μm以下であり、より好ましい範囲は0.01μm以上10μm以下である。
突起物12の長さは、電子放出素子10としての作用が十分に得られるという観点から、0.1μm以上である。突起物の機械的強度の観点から、好ましくは10000μm以下である。突起物の長さのより好ましい範囲は、0.5μm以上1000μm以下であり、より好ましい範囲は1μm以上500μm以下である。
突起物12の断面の円換算径に対する長さの比(アスペクト比)は、0.01以上である。使用時の変性の観点から、好ましくは500以下である。アスペクト比がこの範囲であれば、電子放出体としての作用が十分に得られる。
突起物12が複数存在する場合、突起物12の円換算径、長さ、突起物12の断面の円換算径に対する長さの比(アスペクト比)は和平均値で算出される。なお、突起物12の断面の円換算径に対する長さの比(アスペクト比)の和平均値は、和平均円換算径に対する和平均長さの比として定義される。
突起物12の円換算径、長さは以下の方法による走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって求める。まず、金属酸化物の試料を、その上側表面の中心部を通りかつ突起物12の長手方向と平行に延びる平面に沿って切断して断面を得る。得られた1つの断面について、上記の中心部を起点にして、突起物12の長手方向に直角な方向に左右それぞれ10μmずつの範囲をSEMで観察する。その範囲内で断面側から観察可能な突起物12のうち、断面側から突起物12のそれぞれの側面全体が他の突起物によって視界がさえぎられずに観察が可能な突起物12について、和平均円換算径と和平均長さを求める。
後述する突起物12の除去前に、突起物12の配置密度は、電子放出素子10としての作用が十分に得られるという観点から、基板面10μm×10μmの配置密度が0.01個以上であることが好ましい。突起物12の配置密度は、大きいほど電子を放出するサイトの数が増えることになり好ましいが、製造の容易さから、好ましい上限は10000個である。電子放出素子10としての作用と製造の容易さの両面から、基板面10μm×10μmあたりの突起物12の配置密度のより好ましい範囲は0.01個以上1000個以下であり、さらに好ましい範囲は1個以上500個以下である。これにより、多数のサイトから電子が放出されることとなり、広い面積に均一に電子が放出されやすくなる。
除去前の突起物12の中心軸O(図1(a)参照)は、突起物12の除去後に中心軸Oが相互に平行でない突起物12を残さないために、相互に平行であることが好ましい。
突起物12の除去後に中心軸Oが相互に平行でない突起物12を残さないようにすると、突起物12を電子放出素子10として利用した際に、放出された電子が必要以上に散乱することを抑制し、蛍光体面の所望の位置を発光させることができる。突起物12の中心軸Oが相互に平行であることは、SEMによって確認することができる。
突起物12を構成する金属酸化物は、金属酸化物自体の抵抗値、電流のロスの観点から、単結晶であることが好ましい。単結晶とは、結晶で全ての軸方位が揃っているものをいう。例えば、図5に示すように、x軸、y軸、z軸の3方位全ての軸が揃っているものをいう。尚、図5では3方向について説明したが、4方向の軸方位の場合でも同様に、4方位全ての軸が揃っているものを単結晶という。突起物12を構成する金属酸化物が単結晶であることは、X線ロッキング曲線法、φ−スキャン法等、通常公知の方法によって確認することができる。
突起物12が金属酸化物結晶である場合は、突起物は相互に平行であり、かつ結晶軸が同一方向に存在していることが好ましい。
突起物12の断面形状は円形、略円形、多角形、略多角形等、いずれであってもよい。また、突起物12の断面形状は、長さ方向で同じであっても、途中で変化するものであってもよいが、先端が例えば円錐の頂点のように先鋭化されているものが好ましい。また、突起物12の断面形状が途中で変化する場合には、隣り合う突起物12どうしが接触しないようにする。
除去前の突起物12の先端が先鋭化されている場合、先鋭度はいずれであっても差し支えない。突起物12の先端の先鋭度は、凸状先端部の頂点部分を所定範囲で2次曲線に近似することにより算出される曲率半径で表している。この先鋭度を示す曲率半径について、図1を用いて説明する。
図1(a)に示すように、突起物12は、円柱状の基部12a、円錐状の先端部12bを有している。基部12aをなす円柱の中心軸Oは、先端部12bをなす円錐の頂点Cを通る。図1(b)は突起物12の中心軸Oを含む平面で突起物12を切断した断面図である。
図1(b)に示すように、突起物12の外形線E0は、突起物12の外形線Eのうち、先端部が凸状になった突起物12の頂点部分の所定範囲Wにある外形線である。所定範囲Wは、突起物12の中心軸Oから半径50nmの範囲(先端部12bの頂点Cを中心として突起物12の幅方向(基部12aの底面円の半径方向)両側に100nmの範囲)である。
図1(c)に示すように、外形線E0を点Cを原点とした2次曲線に近似する。そして、この2次曲線を示す2次方程式(y=ax+bx+c)の2次の項の係数aを2倍した値の逆数(1/(2a))を上述の曲率半径とする。この先鋭度を示す曲率半径が10μm以下であることが好ましい。電子放出素子10としての作用を考えた場合、曲率半径が小さいほど突起物12の先端に電界が集中し、電界放出特性が向上することになり好ましい。
金属酸化物としては、金属種が、周期律表において水素を除く1族、2族、硼素をのぞく13族、窒素と燐と砒素を除く15族、Poおよび3、4、5、6、7、8、9、10、11、12族に属する各元素からなる酸化物を用いることができる。
金属酸化物は、導電性を有するものもまた好ましい。ここで導電性とは、固有抵抗率が10Ω/m以下であることをいう。固有抵抗率の好ましい範囲は1Ω/m以下である。これにより、金属酸化物構造体2を電気素子(後述する電子放出素子10)として使用した際に、特定の後処理を必要とせずに導電性を与えることができる。
また、金属酸化物中の金属数は1以上であればいずれであってもよい。導電性を有する金属酸化物の具体例としては、チタン酸バリウム、SrTiO、LiNiO、ITO(In/SnO)、KTaO、NbLiO、ZnO中にAlがドーピングされているもの等が挙げられる。特に好ましくは、ZnおよびAlを含有する金属酸化物である。これにより、比較的容易な製造方法で低い抵抗値を得ることができる。
(突起物12を除去する方法)
金属酸化物構造体2は、一旦所定の面に突起物12を有する金属酸化物を形成した後に、少なくとも一部の突起物12を除去して形成される。
少なくとも一部の金属酸化物の突起物12を除去する方法には、物理的方法と、化学的方法がある。物理的方法の例としては、レーザー等で処理することで突起物12を除去する方法がある。また、突起物12を有する金属酸化物に、押圧部材を圧着することで少なくとも一部の突起物12を押し潰して除去する方法がある。押圧部材としては、少なくとも一つの開口部、および/または少なくとも一つの凹凸部を有する平板や、1本の棒状物等がある。
少なくとも一つの開口部、および/または少なくとも一つの凹凸部を有する平板は、少なくとも一部が平面となっており、その平面の部分で突起物12を除去し、平面となっていない部分に対応する突起物12を残すことができる。また、1本の棒状物で突起物12を押し潰して除去し、棒状物に当接しない部分の突起物12を残すことができる。
例えば、図3(a)に示すように、所定の間隔で突起物12より高い凸部を有するパンチングメタル41で突起物12を除去することができる。図3(b)に示すように、パンチングメタル41を突起物12を有する金属酸化物に圧着し、パンチングメタル41の凸部先端の平面で基板11上の突起物12を押し潰す。そして、図3(c)に示すように、パンチングメタル41を金属酸化物から離すことで、突起物12を除去することができる。このとき、パンチングメタル41の凸部に潰されなかった部分の突起物12が残る。これにより、簡便な方法で繰り返し同じ特定の位置に突起物を存在させることができる。
このとき、潰された突起物12が金属酸化物構造体2上に残ると、金属酸化物構造体2及び金属酸化物構造体2を含む構造体を移動させた際に、平面部分で押しつぶされた突起物12が押しつぶされなかった突起物12を破損するばあいがある。これを避けるために、物理的あるいは化学的に突起物を外部へ除去する方法を用いることができる。物理的方法の例としては、少なくとも一部が平面である板状物(押圧部材)の平面部分に、接着剤または粘着剤を塗布したものを突起物12上に押し当てて、平面部分で押し潰された突起物12を接着剤または粘着剤の接着力等により押圧部材にくっつけて金属酸化物構造体2の外部へ除去する方法がある。
また、線状物や板状物で突起物12をかきとる方法もある。また、金属酸化物構造体2の残したい突起物12を有する部分に適切なマスクや保護剤を施した後、マスク等されていない残りの部分(除去したい突起物12を有する部分)にイオン等をぶつけ、その衝撃により突起物12を除去する逆スパッタリング等の方法により除去する方法等もある。
化学的方法の例としては、金属酸化物構造体2の残したい突起物12を有する部分に適切なマスクや保護剤を施した後、マスク等されていない残りの部分(除去したい突起物12を有する部分)を酸やアルカリで処理して突起物12を除去する方法等がある。
このとき、除去される突起物12において除去される部分は、突起物12全体でも、一部分であっても差し支えない。金属酸化物の突起物12の一部分が除去される場合、除去される部分の高さは、突起物高さの1/4以上、また2μm以上の小さい高さ以上が除去されることが、除去処理の影響を受けずに残存している突起物の先端に電界が集中しやすくなり好ましい。
また、突起物12と基板11の間に金属酸化物からなる薄膜が形成される場合がある。この場合、突起物12を除去する際、突起物12と基板11の間に存在する薄膜は除去されても除去されなくてもいずれであっても差し支えない。
(突起物12を有する金属酸化物の製造方法)
突起物12を有する金属酸化物の好ましい製造方法は、空気中の酸素または水と反応して酸化物を形成する金属化合物を原材料として用い、所定圧力の空気が存在する空間に設置された基板11の面に、この金属化合物の気体および/または微粒子を向かわせて、金属酸化物を基板面上に成長させることによって得る方法である。以下、この製造方法について詳細に説明する。
この製造方法は、(1)原材料である金属化合物を気体化および/または微粒子化する工程と、(2)気体化および/または微粒子化された金属化合物を、所定圧力の空気が存在する空間に設置された基板11の面に向かわせる工程と、(3)この金属化合物を空気中の酸素または水と反応させて、突起物12を有する金属酸化物を基板上に成長させる工程とで構成される。このように、高濃度の原料を供給することで、特定の構造を持った金属酸化物を高い速度で製造することができる。
原材料である金属化合物としては、空気中の酸素または水と反応して形成されるものを使用する。このような金属化合物としては、例えば(1)アルコキシド類、(2)配位子として、アセチルアセトン、エチレンジアミン、ピペリジン、ピピラジン、シクロヘキサンジアミン、テトラアザシクロテトラデカン、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンビス(グアニド)、エチレンビス(サリチルアミン)、テトラエチレングリコール、アミノエタノール、グリシン、トリグリシン、ナフチリジン、フェナントロリン、ペンタンジアミン、ピリジン、サリチルアルデヒド、サリチリデンアミン、ポルフィリン、チオ尿素などから選ばれる1種以上を有する錯体、(3)配位子として、カルボニル基、アルキル基、アルケニル基、フェニルあるいはアルキルフェニル基、オレフィン基、アリール基、シクロブタジエン基をはじめとする共役ジエン基、シクロペンタジエニル基をはじめとするジエニル基、トリエン基、アレーン基、シクロヘプタトリエニル基をはじめとするトリエニル基などから選ばれる1種以上を有する、各種の有機金属化合物およびハロゲン化有機金属化合物が挙げられる。
この中でも、アセチルアセトンを配位子として有する錯体およびアルコキシド類がより好ましく用いられる。
(1)の工程が金属化合物を微粒子化する工程である場合には、金属化合物を蒸気圧が十分高くなる温度に加熱して気体化した後、得られた金属化合物の蒸気を冷却するか、金属化合物を液状で噴霧するか、金属化合物を固体の状体ですりつぶすことで、金属化合物を微粒子化する。
(1)の工程では、金属化合物と酸素または水との反応等の観点から、系内に、酸素や水を存在させないか、その存在量を極めて少なくしておくことが好ましい。ただし、使用する金属化合物の酸素および水との反応速度が極めて遅い場合には、(1)の工程で系内に酸素や水を共存させてもよい。
(2)の工程では、金属化合物の気体および/または微粒子のみをそのまま基板面に向かわせてもよいし、キャリアガスを用いて金属化合物の気体および/または微粒子を積極的に移動させ、キャリアガスとの混合状体でノズルから基板面に吹き付けてもよい。この場合のキャリアガスの流量は、(1)の工程の温度や基板11を設置する空間の状態によってその最適値が異なる。
基板11の設置空間が室温、常圧である場合には、キャリアガスの流量を、空間体積値が20/分以下になるようにすることが好ましく、5/分以下となるようにすることがさらに好ましい。ここで、空間体積値とは、キャリアガスの流量R(1分あたりの体積)と、(1)の工程で金属化合物を気体化および/または微粒子化させる加熱槽53(キャリアガスが導入される空間、図2参照)の体積Vとの比(R/V)に相当する。
キャリアガスは、原材料の金属化合物と反応しないものであれば特に限定されない。具体例として、窒素ガスやヘリウム、ネオン、アルゴン等の不活性ガス、炭酸ガス、有機弗素ガス、あるいはヘプタン、ヘキサン等の有機物質等が挙げられる。これらのうちで、安全性、経済性の上から不活性ガスが好ましい。特に窒素ガスが経済性の面より好ましい。
キャリアガスを用いて、金属化合物をノズルから基板面に吹き付ける方法を採用する場合は、ノズルの吹き出し口と基板面との距離を所定範囲内とすることが好ましい。この範囲は、吹き出し口の開口部の長軸(断面が長方形である場合には長辺の長さ、正方形である場合には1辺の長さ)をL、吹き出し口と基板面との距離をKとしたときに、その比(K/L)が0.01以上にすることが好ましく、金属化合物が金属酸化物に変換される効率の観点から、1以下となるようにすることが好ましい。さらに0.05以上0.7以下となるようにすることがより好ましく、0.1以上0.5以下となるようにすることが最も好ましい。
基板11の設置空間の圧力は、減圧下、常圧下、あるいは加圧下のいずれでもよい。酸化物単結晶の成長速度、生産性、設備の簡便さの観点から、基板11の設置空間の圧力は、0.001〜20atmとすることが好ましく、0.1〜10atmとすることがより好ましく、常圧とすることが最も好ましい。
基板11をなす材料としては、例えば、酸化アルミニウムのような金属酸化物の単結晶、半導体の単結晶、セラミック、シリコンを含む金属、ガラス、プラスチックが挙げられる。ガラス板やプラスチック板を使用する際は、表面が配向処理されているものが好ましい。これらの中で好ましく用いられる基板材料は、シリコンを含む金属、金属酸化物、およびZnTe、GaP、GaAs、InP等の半導体結晶である。
基板11は実質的に平面であることが好ましい。基板11が突起物12の成長方向に垂直な方向の実質的な平面であることがさらに好ましい。また、凹凸がある基板11の場合、一番高い部分は実質的に平面であることが好ましい。一番高い凸部が複数存在する基板11の場合、実質的に同一平面を構成することが好ましい。さらに好ましくは、複数の凸部の一番高い部分が実質的に構成する同一平面が、突起物の成長方向に垂直な方向の平面を構成していることである。
基板11をなす単結晶種として特に好ましく用いられるものは、シリコンや、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、SrTiO等の金属酸化物である。
(3)の工程で基板面上に形成される金属酸化物の状態は、主に、基板温度と原材料である金属化合物の過飽和度によって決定される。
基板温度は、原材料の基板面での拡散距離を決定する因子であり、この拡散距離によって単位面積あたりの金属酸化物結晶の数、すなわち核生成密度が決定される。一般に、基板温度が高いと核生成密度は小さくなって、単位面積あたりの金属酸化物結晶の数が小さくなる。基板温度が低いと核生成密度は大きくなって、単位面積あたりの金属酸化物結晶の数が大きくなる。従って、基板温度は、必要とする突起物の形成密度に応じて設定すればよい。この基板温度としては、0℃以上800℃以下が好ましく、20℃以上800℃以下がより好ましく、100℃以上700℃以下がさらに好ましい。
金属化合物の過飽和度は、結晶晶癖を決定する因子であり、この結晶晶癖で金属酸化物結晶の径および長さ、すなわちアスペクト比が決定される。一般に、過飽和度が低いと、金属酸化物結晶は、基板面に垂直な方向よりも水平な方向に成長する傾向にあるため、アスペクト比が小さくなる。過飽和度が高いと、金属酸化物結晶は、基板面に水平な方向よりも垂直な方向に成長する傾向にあるため、アスペクト比が大きくなる。
金属酸化物結晶のアスペクト比を1以上とするためには、過飽和度を1%以上とすることが好ましい。また、この過飽和度は10%以上とすることがより好ましく、20%以上とすることがさらに好ましい。この場合の過飽和度の定義は、[(実際の蒸気圧−平衡蒸気圧)/平衡蒸気圧]×100である。
(3)の工程で、金属化合物を空気中の酸素または水と反応させて、突起物12を有する金属酸化物を基板11上に成長させるための最適な反応時間は、反応条件や使用する原材料の種類に応じて異なる。例えば原材料として亜鉛アセチルアセトネートを用いた場合には、通常の室温、常圧雰囲気下では10分以上とすることが好ましい。より好ましくは30分以上、最も好ましくは1時間以上である。
上記製造方法においては、金属酸化物は基板面上にエピタキシャル成長させることが好ましい。これにより、金属酸化物単結晶を比較的容易に得ることができる。
金属酸化物を基板面上でエピタキシャル成長させるためには、単結晶基板の上に金属酸化物を成長させる方法が好ましく用いられる。この場合、金属酸化物が結晶となる場合の格子定数と基板として用いられる単結晶種の格子定数が近いことが好ましい。この値は、(形成される金属酸化物結晶種が基板に接する面の格子定数)/(基板として用いられる単結晶種が、形成される金属酸化物結晶種と接する面の格子定数)で表される比が0.8以上1.2以下であることが好ましい。より好ましくは0.9以上1.1以下であり、もっとも好ましくは0.95以上1.05以下である。
金属酸化物が基板面上でエピタキシャル成長しているかどうかは、通常のX線回折法により確認することができる。特に、基板11と金属酸化物結晶との面内方位関係を、φスキャン法で観察する方法を採用することが好ましい。金属酸化物結晶の結晶軸が同一方向にある、すなわち結晶軸方位が揃っていることが好ましい。例えば、X線ロッキング曲線法において測定される結晶軸方位のゆらぎが10度以内であることが好ましく、5度以内であることがさらに好ましい。
金属酸化物構造体2においては、隣り合う突起物12どうしの隙間の基板側の部分を合成樹脂やエラストマー等で埋めて、突起物12を固定することが好ましい。この隙間を埋める材料として使用可能な材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー、およびシアノアクリレートのような瞬間接着剤等の有機物質、またはガラスやセラミックス等の無機物質、金属が挙げられる。これにより、突起物12が倒れたり折れたりすることを防止することができ、突起物部分が破損しにくい構造体を得ることができる。
(電子放出素子、発光装置)
図4に示すように、発光装置61の回路60は、上述の特定の位置に突起物12が存在する金属酸化物構造体2を用いた回路である。
回路60は、ガラス基板(容器)G1、G2に固定した透明導電性物質D1、D2を有し、透明導電性物質D2は直流電源Bを介して透明導電性物質D1と接続されている。透明導電性物質D2上には、電子放出素子10が載置されており、透明導電性物質D1の下面には発光体Hが設けられている。電子放出素子10は、基板11と金属酸化物構造体2を有している。発光体Hと基板11の間に空間ができるように、ポリイミド等の絶縁材料からなる隔壁3を設けてある。
回路60を真空チャンバー4に投入した。真空チャンバー4の内部と外部は、端子6aと端子6bによって電気的に接合することができる。また、端子6a、6bは、碍子5によってお互いが絶縁されている。導電性物質D1を端子6aに、導電性物質D2を端子6bに電気的に接続した。さらに、真空チャンバー外に設置した直流電源Bの陽極を端子6aに、陰極を端子6bに電気的に接続した。
真空チャンバー内部を3.4×10−6Paに減圧した。真空チャンバー外部に設置した直流電源を用い、陽極と陰極の間に3kVの電位を与えたところ、金属酸化物構造体2の突起物12先端部に強電界が発生し、電界放出によって突起物12の先端の法線方向に電子が放出される。そして、発光体Hの蛍光体面が発光する。
特定の突起物12の先端にさらに電界が集中しやすくなるので、電界放出特性をさらに向上させることができる。そして、上記のような特定の位置に突起物12が存在する金属酸化物構造体2を用いることで、エネルギー効率の高い電子放出素子10、発光装置61とすることができる。
本発明を実施例に基づいて説明する。まず、図2に示すように、金属酸化物構造体2の製造装置50を用い、突起物12を有する金属酸化物を基板11の一方の面に所定条件にて形成する。
製造装置50は、供給源51、流量計52、加熱槽53、配管54、55、基板ステージ56、液体窒素トラップ57、吹き出し口58を有している。供給源51は、キャリアガスである窒素を供給する。供給源51から供給されるキャリアガスの流量を流量計52で調整する。一方、加熱槽53で原材料である金属化合物を気化する。
そして、流量計52で流量を調整したキャリアガスを配管54を通して加熱槽53に導入する。すると、キャリアガスは、加熱槽53で気化された金属化合物を配管55を通して基板11に向かわせる。基板11は、基板ステージ56で加熱状体で保持されている。配管54には液体窒素トラップ57が設けてあり、液体窒素トラップ57は、供給源51から供給されたキャリアガス中に含まれる水を除去する。
配管55の先端部には所定形状の吹き出し口58が接続してあり、この吹き出し口58の開口部58aは、配管55からの気体が、基板11の突起物を有する金属酸化物を形成する面全体に吹き出されるように形成されている。また、配管55および吹き出し口58はリボンヒーターで加熱されている。基板ステージ56は、吹き出し口58と基板11の面との距離Kが、吹き出し口の開口部58aの長軸Lに対する比(K/L)で0.6になるように配置されている。
吹き出し口58および基板ステージ56を常温の実験室内に配置し、吹き出し口58と基板ステージ56との間の空間を大気圧とした。基板11は、一方の面が単結晶Siの結晶面(100)に沿うように形成されたものであり、この面を上に向けて基板ステージ56に設置した。この基板11を基板ステージ56で550℃に加熱するとともに、加熱槽53内に亜鉛アセチルアセトネートとアルミニウムアセチルアセトネートを8/2の重量比で入れて115℃に加熱した。
この状態で、供給源51から配管54に窒素を1.2dm/分で供給することにより、金属化合物の気体と窒素ガスとの混合気体を、配管55を介して吹き出し口58から基板11の間に吹き付けた。これにより、原材料である金属化合物は、基板11面上およびその近傍で、空気中の酸素または水と反応して金属酸化物となり、この金属酸化物が基板11面上に成長する。
その結果、基板11の一方の面上に突起物12が垂直に延びている突起物12を有する金属酸化物が得られる。このようにして得られた突起物12を有する金属酸化物は、混合ガスの吹き付け時間を90分とした場合、突起物12の長さが20μm、突起物12の断面の円換算径が1.7μm、断面の円換算径に対する長さの比が12となった。
こうして得られた突起物12を有する金属酸化物を基板11ごと取り出し、金属酸化物が存在する面に、直径0.5mmの丸穴が1mmピッチで格子状に並んだ金属板(押圧部材)を圧着して丸穴以外の部分に存在する突起物12を押しつぶした。金属板を離した後、基板11上の金属酸化物と金属板が接触している部分は突起物12が押しつぶされて白化する。これをレーザー顕微鏡で観察したところ、白化した部分は押し倒された突起物12が散乱しており、それ以外の部分は突起物12が直立したままであった。この方法により、特定の位置に突起物12を存在させることができる。
本発明の製造方法により、特定の位置に突起物が存在する金属酸化物構造体が得られ、さらにこの方法で製造された金属酸化物構造体を用いて、エネルギー効率の高い電子放出素子を提供することができる。
本実施形態にかかる金属酸化物構造体の突起物の説明図である。 突起物を有する金属酸化物を製造する製造装置の構成図である。 突起物の除去方法の説明図である。 発光装置の構成図である。 突起物の結晶軸方位の説明図である。
符号の説明
B …直流電源
C …頂点
D1、D2 …透明導電性物質
E、E0 …外形線
G1、G2 …ガラス基板
H …発光体
O …中心軸
W …所定範囲
2 …金属酸化物構造体
3 …隔壁
4 …真空チャンバー
5 …碍子
6a …端子
6b …端子
10 …電子放出素子
11 …基板
12 …突起物
12a …基部
12b …先端部
41 …パンチングメタル
50 …製造装置
51 …供給源
52 …流量計
53 …加熱槽
54、55 …配管
56 …基板ステージ
57 …液体窒素トラップ
58 …吹き出し口
58a …開口部
60 …回路
61 …発光装置

Claims (16)

  1. 断面の円換算径0.01〜10000μm、長さ0.1μm以上であり、かつ断面の円換算径に対する長さの比が0.01以上である突起物を有する金属酸化物を有する金属酸化物構造体の製造方法であって、
    前記金属酸化物構造体の所定の面に前記突起物を有する前記金属酸化物を形成した後に、少なくとも一部の前記突起物を除去することを特徴とする金属酸化物構造体の製造方法。
  2. 前記突起物を有する前記金属酸化物に、押圧部材を圧着することで、少なくとも一部の前記突起物を除去することを特徴とする請求項1に記載の金属酸化物構造体の製造方法。
  3. 前記押圧部材は、少なくとも一つの開口部、および/または少なくとも一つの凹凸部を有する平板であることを特徴とする請求項2に記載の金属酸化物構造体の製造方法。
  4. 空気中の酸素または水と反応して酸化物を形成する金属化合物を原材料として用い、所定圧力の空気が存在する空間に設置された基板の面に、この金属化合物の気体および/または微粒子を向かわせて、金属酸化物を基板面上に形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属酸化物構造体の製造方法。
  5. 金属酸化物を基板面上にエピタキシャル成長させることを特徴とする請求項4に記載の金属酸化物構造体の製造方法。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の金属酸化物構造体の製造方法によって得られることを特徴とする金属酸化物構造体。
  7. 前記突起物の除去前に、前記突起物が金属酸化物面上の10μm×10μmの面積あたり0.01〜10000個の密度で存在することを特徴とする請求項6に記載の金属酸化物構造体。
  8. 除去前の前記突起物の中心軸が相互に平行であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の金属酸化物構造体。
  9. 前記突起物を構成する前記金属酸化物が金属酸化物単結晶であることを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の金属酸化物構造体。
  10. 除去前の前記突起物を構成する金属酸化物結晶が相互に平行に、かつ結晶軸が同一方向に成長していることを特徴とする請求項6〜請求項9のいずれか1項に記載の金属酸化物構造体。
  11. 除去前の前記突起物の先端部が凸状になっており、その頂点部分を所定範囲で2次曲線に近似することにより算出される先鋭度を示す曲率半径が10μm以下であることを特徴とする請求項6〜請求項10のいずれか1項に記載の金属酸化物構造体。
  12. 前記突起物を構成する前記金属酸化物が導電性を有することを特徴とする請求項6〜請求項11のいずれか1項に記載の金属酸化物構造体。
  13. 前記金属酸化物は、ZnおよびAlを含有することを特徴とする請求項12に記載の金属酸化物構造体。
  14. 有機物質、無機物質、金属の少なくとも1つで前記突起物を固定していることを特徴とする請求項6〜請求項13のいずれか1項に記載の金属酸化物構造体。
  15. 請求項6〜請求項14のいずれか1項に記載の金属酸化物構造体を有し、前記突起物の先端から電子を放出することを特徴とする電子放出素子。
  16. 請求項15に記載の電子放出素子と発光体を真空の容器内または気体が封入された容器内に配置し、前記電子放出素子から放出された電子によって前記発光体が発光することを特徴とする発光装置。
JP2005172430A 2005-06-13 2005-06-13 金属酸化物構造体の製造方法 Expired - Fee Related JP5093791B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005172430A JP5093791B2 (ja) 2005-06-13 2005-06-13 金属酸化物構造体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005172430A JP5093791B2 (ja) 2005-06-13 2005-06-13 金属酸化物構造体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006351231A true JP2006351231A (ja) 2006-12-28
JP5093791B2 JP5093791B2 (ja) 2012-12-12

Family

ID=37646880

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005172430A Expired - Fee Related JP5093791B2 (ja) 2005-06-13 2005-06-13 金属酸化物構造体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5093791B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009016281A (ja) * 2007-07-09 2009-01-22 Asahi Kasei Corp 電界放出型電子放出素子

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001035424A (ja) * 1999-07-19 2001-02-09 Asahi Chem Ind Co Ltd 発光装置
JP2002367529A (ja) * 2001-06-12 2002-12-20 Kyocera Corp 電界放出表示装置用基板とその製造方法及びこれを用いた電界放出表示装置
JP2003016911A (ja) * 2001-07-02 2003-01-17 Noritake Itron Corp 電子放出源およびその製造方法
JP2004327208A (ja) * 2003-04-24 2004-11-18 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 電子放出源およびその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001035424A (ja) * 1999-07-19 2001-02-09 Asahi Chem Ind Co Ltd 発光装置
JP2002367529A (ja) * 2001-06-12 2002-12-20 Kyocera Corp 電界放出表示装置用基板とその製造方法及びこれを用いた電界放出表示装置
JP2003016911A (ja) * 2001-07-02 2003-01-17 Noritake Itron Corp 電子放出源およびその製造方法
JP2004327208A (ja) * 2003-04-24 2004-11-18 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 電子放出源およびその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009016281A (ja) * 2007-07-09 2009-01-22 Asahi Kasei Corp 電界放出型電子放出素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP5093791B2 (ja) 2012-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100568436C (zh) 碳纳米管发射器及利用其的场发射器件及它们的制造方法
US7811149B2 (en) Method for fabricating carbon nanotube-based field emission device
KR100504971B1 (ko) 전자방출막및방법
JP2697474B2 (ja) 微細構造の製造方法
US9058954B2 (en) Carbon nanotube field emission devices and methods of making same
EP2330076A1 (en) Nano-carbon material composite substrate and method for manufacturing same
JP3903577B2 (ja) 電子放出素子用ダイヤモンド部材、その製造方法及び電子デバイス
Kazanowska et al. Fabrication and field emission properties of vertical, tapered GaN nanowires etched via phosphoric acid
CN101065820B (zh) 场致发射电极、其制造方法和电子装置
JP5093791B2 (ja) 金属酸化物構造体の製造方法
CN105990107B (zh) 掺杂磷的n型锗纳米线的低温低压生长及拉曼光谱表征方法
JP2004327085A (ja) カーボンナノチューブを用いた電子放出素子の製造方法
EP2341527A1 (en) Field emission lamp
US20060131692A1 (en) Light-emitting device
JP2010006670A (ja) ナノワイヤ構造体およびその製造方法
JP2005216704A (ja) 金属酸化物構造体、並びにそれを用いた電子放出素子及び発光装置
JP2009016281A (ja) 電界放出型電子放出素子
US20060281385A1 (en) Method of fabricating carbon nanotubes using focused ion beam
Li et al. Zinc oxide nanowire lateral field emission devices and its application as display pixel structures
JP2000276999A (ja) 電子放出素子
JP2001035424A (ja) 発光装置
US20060073090A1 (en) Carbon nanotube and method for producing same
JPWO2005031781A1 (ja) ダイヤモンド電子放出素子の製造方法ならびに電子放出素子
JP2003045316A (ja) 電子放出素子
JP2003297222A (ja) 電子放出素子及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080609

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20080708

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120221

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120605

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120730

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120904

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120912

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150928

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees