JP2005216704A - 金属酸化物構造体、並びにそれを用いた電子放出素子及び発光装置 - Google Patents

金属酸化物構造体、並びにそれを用いた電子放出素子及び発光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 少ない工程で製造でき、エネルギー効率の高い電子放出素子への応用が可能な金属酸化物構造体を提供する。
【解決手段】 断面の円換算径0.01〜10,000μm、かつ長さ0.1μm以上である突起物12を有する導電性の金属酸化物部材1と、該突起物12の少なくとも先端部を被覆する絶縁性金属酸化物層2とを有する金属酸化物構造体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属酸化物構造体、該金属酸化物構造体を用いた電子放出素子、および該電子放出素子を用いた発光装置に関する。
電子放出素子としては、従来より、例えばブラウン管のような熱陰極素子が用いられてきた。しかし、熱陰極素子は、熱エネルギーによって電子を放出させるために、エネルギー効率が低いという問題点がある。そのため、近年は電子放出に熱エネルギーを必要としない冷陰極素子の需要が大きくなりつつある。
冷陰極素子の一例として、図8に示す構造のアレイ状電界放射冷陰極が挙げられる。この冷陰極素子は、シリコン基板8上に、多数のコーン状の電子放出素子31が隙間を開けて並列に配置されている。各電子放出素子31は絶縁層60で分離された空洞内に配置され、この絶縁層60の上に、各電子放出素子31の先端部を露出させる穴41を有するゲート電極4が設けてある。この冷陰極素子では、ゲート電極4と電子放出素子31の間に高電圧を印加することにより、電子放出素子31の先端に強い電界が生じて、電子放出素子31の先端から電子が放出する。
この冷陰極素子はスピント型と称され、例えば以下のようにして製造される。まず、高導電率シリコン基板8の上に、絶縁層60となるシリコン酸化膜を形成し、その上にゲート電極4となるモリブデン膜を成膜する。次に、このモリブデン膜の上にホールパターンを形成し、このパターンを用いてモリブデン膜とシリコン酸化膜をエッチングする。これにより、モリブデン膜とシリコン酸化膜に、各電子放出素子の位置に対応させた穴が形成される。次に、モリブデン膜の穴の部分に、アルミニウムの犠牲層を斜め蒸着した後、モリブデンをシリコン酸化膜の穴にコーン状に蒸着する。次に、アルミニウムの犠牲層をエッチングにより除去する。
しかしながら、上記のアレイ状電界放射冷陰極は、ここでも記述したように数多くの工程を必要とするために、生産のためには大掛かりな設備や多くのエネルギーを必要とするという課題がある。
かかる現状に鑑み、本発明者らは特許文献1に記載した方法、すなわち、有機金属熱分解法(以下、「MOCVD法」と記述する)を用いて製造した、突起物を有する金属酸化物構造体を提案し、この金属酸化物構造体を用いて、特許文献2,3に示すような電子放出素子を提案した。
しかしながら、特許文献2,3に記載の電子放出素子は、突起物に、突起物を構成する金属酸化物とは異種物質である金属や窒化炭素等を積層するため、用途によっては突起物と金属や窒化炭素等との接着性が不十分である、金属酸化物構造体の形成工程とは別の工程を必要とする、という課題があった。
再表99/57345号公報 特開2000−276999号公報 特開2002−274819号公報
本発明は、上記課題を解決し、少ない工程で製造でき、エネルギー効率の高い電子放出素子への応用が可能な金属酸化物構造体を提供することを目的とする。
本発明者等は、電子放出素子として好ましく用いられる構造体について鋭意検討を行った結果、特定の構造、形状を有する突起物が特定の密度で存在し、かつ導電性を有する金属酸化物部材と、該突起物の少なくとも先端を、絶縁性金属酸化物により被覆されている金属酸化物構造体を見出し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、本発明第一の金属酸化物構造体は、断面の円換算径0.01〜10,000μm、かつ長さ0.1μm以上である突起物を有する導電性の金属酸化物部材と、該突起物の少なくとも先端部を被覆する絶縁性金属酸化物層とを有することを特徴とする。
また、本発明第二の金属酸化物構造体は、断面の円換算径0.01〜10,000μm、かつ長さ0.1μm以上である突起物を有する金属酸化物部材と、少なくとも該突起物の表面を被覆する導電層と、該導電層で被覆された突起物の少なくとも先端部を被覆する絶縁性金属酸化物層とを有することを特徴とする。
また、本発明の電子放出素子は、上記金属酸化物構造体を有することを特徴とする。
更に、本発明の発光装置は、真空または気体が封入された容器内に、前記電子放出素子と発光体とを有し、該電子放出素子から放出された電子線によって該発光体が発光することを特徴とする。
本発明の金属酸化物構造体は、製造が容易で、これを用いた電子放出素子はエネルギー効率が高く、発光装置用の素子として好適に使用できる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明第一の金属酸化物構造体を用いた電子放出素子の一例を示す概略構成図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
この電子放出素子は、多数の突起状の電子放出源31を有する部材として、本発明第一の金属酸化物構造体3を備えている。さらに、電子放出源31の先端部を露出させる穴41を有するゲート電極4と、電子放出源31を複数ごとに区分する空洞61を形成する区画部材6とを備えており、ゲート電極4と電子放出素子31との間に高電圧を印加して、電子放出源31の先端に強い電界を生じさせることにより、電子放出源31の先端から電子の放出が生じる。尚、用途によってはゲート電極4は省略することが可能である。
図1において、金属酸化物構造体3は、基板11と、突起物12を有する導電性の金属酸化物部材1と、金属酸化物部材1の突起物12側表面全体を被覆する絶縁性金属酸化物層2とからなる。ここで、絶縁性金属酸化物層2は、突起物12の少なくとも先端部を被覆していればよく、その表面から複数の突起物が形成されていてもよい。また、金属酸化物部材1のみで充分な強度が得られる場合には、基板11を設けなくでもよい。
尚、本発明第二の金属酸化物構造体は、少なくとも突起物12の表面、好ましくは金属酸化物部材1の表面全体が導電層で被覆され、その上に絶縁性金属酸化物層2を有する点以外は、本発明第一の金属酸化物構造体と同様であり、特に金属酸化物部材1が絶縁性の場合に有効である。
<金属酸化物部材1>
金属酸化物部材において、突起物の断面(長さ方向中心点での断面)の円換算径は、0.01〜10,000μmであり、好ましくは0.01〜100μm、より好ましくは0.1〜10μmである。円換算径は小さいほど好ましいが、0.01μm未満とすることは困難である。また、10,000μmを超えると、電子放出素子としての作用が十分に得られ難い。なお、円換算径とは、例えば画像解析を利用した従来公知の方法で測定された突起物の1/2の長さにおける断面積を、円周率πで除した値の平方根を2倍した値である。
突起物の長さは0.1μm以上であり、好ましくは0.1〜10,000μm、より好ましくは0.5〜1,000μm、さらに好ましくは1〜500μmである。突起物の長さが0.1μm未満であると電子放出素子としての作用が十分に得られ難い。また、10,000μmを超えると突起物の機械的強度が低下する可能性がある。
突起物の断面の円換算径に対する長さの比(アスペクト比)は、好ましくは0.01以上10未満、より好ましくは0.05以上5未満である。アスペクト比が0.01未満だと、電子放出素子としての作用が十分に得られ難い可能性があるし、10以上では、使用時に変形を生じる可能性が高くなる。
ここで、突起物の円換算径、長さは以下の方法による走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって求める。まず、金属酸化物部材を、その上側表面の中心部を通り、かつ突起物の長手方向と平行に延びる平面に沿って切断して断面を得る。得られた1つの断面について、上記の中心部を起点にして、突起物の長手方向に直角な方向に左右それぞれ100μmずつの範囲をSEMで観察し、その範囲内で、他の突起物によって視界がさえぎられずに、断面側から側面全体が観察可能な突起物について円換算径と長さを求める。
なお、突起物が複数存在する場合、各々の円換算径や長さは均一であっても不均一であってもよい。この場合、突起物の円換算径、長さは和平均値で算出し、アスペクト比は、和平均円換算径に対する和平均長さの比として算出する。
突起物の100μm2(10μm×10μm)あたりの配置密度は、好ましくは0.01〜10,000個、より好ましくは0.01〜1,000個、さらに好ましくは1〜500個である。配置密度は大きいほど好ましいが、10,000個/100μm2を超えることは困難である。また、0.01個/100μm2未満であると、電子放出素子としての作用が十分に得られ難い可能性がある。
突起物の中心軸は相互に平行であることが好ましい。突起物の中心軸が相互に平行であることは、SEM、X線ロッキング曲線法、φ−スキャン法等通常公知の方法によって確認することができる。
また、突起物が金属酸化物結晶よりなる場合は、突起物は相互に平行に、かつ突起物が成長している結晶軸と同一方向に成長していることが好ましい。さらに、金属酸化物結晶の結晶軸が同一方向にある、すなわち結晶軸方位が揃っていることが好ましく、例えば、X線ロッキング曲線法において測定される結晶軸方位のゆらぎが10度以内であることが好ましく、5度以内であることがさらに好ましい。
突起物長さ方向と垂直な面での断面形状は、円形、略円形、多角形、略多角形等、いずれであってもよい。また、この断面形状は、長さ方向で同じであっても、途中で変化するものであってもよいが、先端が例えば円錐の頂点のように先鋭化されているものが好ましい。また、この断面形状が途中で変化する場合には、図1に示す様に、隣り合う突起物12同士が、絶縁性金属酸化物層2により被覆された状態で接触しないものが好ましい。
金属酸化物部材を構成する金属酸化物は、金属種が、周期律表において水素を除く1族、硼素を除く13族、炭素を除く14族、窒素と燐と砒素を除く15族、Po、および2〜12族に属する各元素からなる酸化物であり、複数種の金属を有する金属酸化物であってもよい。
本発明第一の金属酸化物部材は導電性金属酸化物からなる。ここで、導電性金属酸化物は、固有抵抗率が100kΩ/cm以下、好ましくは10kΩ/cmである金属酸化物である。導電性金属酸化物のとしては、例えばチタン酸バリウム、SrTiO3、LiNiO3、ITO(In23/SnO2)、KTaO3、NbLiO3、ZnO中にAlがドーピングされているもの等が挙げられ、ZnO中にAlがドーピングされているものが好ましく用いられる。
本発明第二の金属酸化物部材は導電性金属酸化物、絶縁性金属酸化物のいずれからなるものでもよいが、絶縁性金属酸化物からなる場合に導電層が有効に活用される。ここで、絶縁性金属酸化物は、固有抵抗率が100kΩ/cmを超えている金属酸化物である。導電性金属酸化物としては上記と同様のものが挙げられる。また、一般に金属酸化物は本発明でいう絶縁性金属酸化物の範疇に入るものが多いが、絶縁性金属酸化物としては、Al23、BeO、CeO2、HfO2、MgO、ThO2等が好ましく用いられる。
金属酸化物は、結晶質、非晶質を問わないが、結晶質であることが好ましい。結晶質は1種以上の単結晶であっても、多結晶であっても、結晶部と非晶部を同時に有する1種以上の半結晶性物質であっても、またこれらの混合物であってもよい。特に好ましくは単結晶である。
<導電層>
導電層を構成する導電性物質は、固有抵抗率が100kΩ/cm以下、好ましくは10kΩ/cm以下である物質である。導電性物質としては、例えば金属、導電性ポリマー、導電性金属酸化物等が挙げられるが、好ましくは導電性金属酸化物であり、より好ましくは金属酸化物部材1を構成する金属酸化物とは異なる導電性金属酸化物である。
導電性金属酸化物としては、例えばチタン酸バリウム、SrTiO3、LiNiO3、ITO(In23/SnO2)、KTaO3、NbLiO3、ZnO中にAlがドーピングされているもの等が挙げられ、ZnO中にAlがドーピングされているものが好ましく用いられる。
<絶縁性金属酸化物層2>
絶縁性金属酸化物は、固有抵抗率が100kΩ/cmを超えている金属酸化物であり、金属酸化物部材1を構成する金属酸化物とは異なるものであることが好ましい。また、金属酸化物からなる導電層を有する場合には、その金属酸化物とは異なるものであることが好ましい。
具体的には、金属酸化物を構成する金属の少なくとも1種類が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Be、Mgの中から選ばれたものであることが好ましく、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Baの中から選ばれたものであることがより好ましく、Mgであることが更に好ましい。
絶縁性金属酸化物の二次電子利得の極大値は、好ましくは5以上、より好ましくは10以上である。二次電子利得の極大値は大きければ大きいほど好ましく、5未満の場合、電子放出性能に劣る可能性がある。二次電子利得の極大値が5以上である金属酸化物の具体例として、MgO、Cs2O等が挙げられ、MgOが電子に対する保護膜としての効果に優れ、特に好ましく用いられる。
また、絶縁性金属酸化物は、仕事関数が小さいことが好ましい。具体的には、平板状の金属酸化物を用いて電場電子放出法により得られた仕事関数値で5eV以下が好ましく、4eV以下がより好ましい。仕事関数値が5eVを超えた場合は、電子放出性能に劣る可能性がある。
絶縁性金属酸化物層の好ましい厚さは100nm以下である。絶縁性金属酸化物層の厚さは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)等の通常公知の方法によって測定できる。具体的には、TEM観察において、金属酸化物構造体の突起物の部分を断面観察することで測定する。尚、絶縁性金属酸化物のみで突起物上に積層されている場合は、その部分の円換算径をもって絶縁性金属酸化物層の厚さとする。
金属酸化物層で被覆された突起物の先端部は、先鋭化されている方が電子放出素子として好適に利用でき、好ましい。具体的には曲率半径40nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましい。ここで、曲率半径は、突起物の凸状先端部の頂点部分を所定範囲で2次曲線に近似することにより算出される曲率半径である。以下、図2を用いて、基部が円柱状で先端部が円錐状である場合を例にとって、曲率半径について説明する。
図2(a)は突起物の斜視図であり、突起物12は、先端部12bをなす円錐の頂点Cと、基部12aをなす円錐の中心軸Oとが一致している。図2(b)は、中心軸Oに沿った平面で突起物12を切断した面を示す図である。図2(b)には、突起物12の外形線を示す線Eが示されるが、この線Eのうち先端部12bの頂点C(基部12aの底面円の中心点と同じ)から突起物12の幅方向(基部12aの底面円の半径方向)両側に100nmの範囲Wにある部分E0を、図2(c)に示すように、点Cを原点とした2次曲線に近似する。そして、この2次曲線を示す2次方程式(y=ax2+bx+c)の2次の項の係数aを2倍した値の逆数(1/(2a))が曲率半径である。
<基板11>
基板をなす材料としては、例えば、酸化アルミニウムのような金属酸化物の単結晶、半導体の単結晶、セラミック、シリコンを含む金属、ガラス、プラスチックが挙げられる。ガラス板やプラスチック板を使用する際は、表面が配向処理されているものが好ましい。これらの中で好ましく用いられる基板材料は、シリコンを含む金属、金属酸化物、およびZnTe、GaP、GaAs、InP等の半導体結晶である。
金属酸化物や半導体の単結晶からなる基板を使用する場合には、基板の単結晶種として、その格子定数が、基板面上にエピタキシャル成長させる金属酸化物の結晶種の格子定数と近いものを選択することが好ましい。格子定数の測定は、広角X線回折法等の従来公知の方法で行うことができる。
基板をなす単結晶種としては、金属酸化物部材1をなす金属酸化物単結晶の基板との接触面の格子定数(A)と、基板をなす単結晶種の格子定数(B)との比(A/B)が、好ましくは0.8〜1.2、より好ましくは0.9〜1.1、さらに好ましくは0.95〜1.05となるものを選択することが好ましい。
基板をなす単結晶種として特に好ましく用いられるものは、シリコンや、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、SrTiO3等の金属酸化物である。
基板は、一種類以上の単結晶からなるものであっても、多結晶からなるものであってもよいし、非晶部と結晶部を同時に有する一種類以上の半結晶性物質からなるものであってもよいが、一種類の単結晶からなるものが最も好ましい。
この場合、基板の表面は単結晶の特定の面になっていることが好ましい。具体的には、例えば、基板面上にエピタキシャル成長させる金属酸化物が酸化亜鉛であって、基板がシリコン単結晶である場合には基板表面の結晶面を(111)面とすることが、基板が酸化アルミニウム単結晶である場合には基板表面の単結晶面を(0001)面とすることが、基板がSrTiO3単結晶である場合には基板表面の結晶面を(001)面とすることが好ましい。
<金属酸化物構造体の製造方法>
以下、本発明の金属酸化物構造体の製造方法について説明する。
まず、原材料である金属化合物を気体化および/または微粒子化する。金属化合物を微粒子化する方法としては、例えば、金属化合物を蒸気圧が十分高くなる温度に加熱して気体化した後に得られた蒸気を冷却する方法、金属化合物を液状で噴霧する方法、金属化合物を固体の状態ですりつぶす方法等が挙げられる。
この工程では、系内に、酸素や水を存在させないか、その存在量を極めて少なくしておくことが好ましい。このようにしないと、金属化合物と酸素または水との反応が生じ、配管につまりが生じたり、所望の形態の金属酸化物が基板上に形成されなかったりするおそれがある。ただし、使用する金属化合物の酸素および水との反応速度が極めて遅い場合には、系内に酸素や水を共存させてもよい。
原材料である金属化合物としては、揮発性または昇華性を有し、反応雰囲気中の酸素または水と反応して金属酸化物が形成されるものを使用する。
このような金属化合物としては、例えば(イ)アルコキシド類、(ロ)配位子として、アセチルアセトン、エチレンジアミン、ピペリジン、ピピラジン、シクロヘキサンジアミン、テトラアザシクロテトラデカン、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンビス(グアニド)、エチレンビス(サリチルアミン)、テトラエチレングリコール、アミノエタノール、グリシン、トリグリシン、ナフチリジン、フェナントロリン、ペンタンジアミン、ピリジン、サリチルアルデヒド、サリチリデンアミン、ポルフィリン、チオ尿素などから選ばれる1種以上を有する錯体、(ハ)配位子として、カルボニル基、アルキル基、アルケニル基、フェニルあるいはアルキルフェニル基、オレフィン基、アリール基、シクロブタジエン基をはじめとする共役ジエン基、シクロペンタジエニル基をはじめとするジエニル基、トリエン基、アレーン基、シクロヘプタトリエニル基をはじめとするトリエニル基などから選ばれる1種以上を有する、各種の有機金属化合物およびハロゲン化有機金属化合物が挙げられる。
この中でも、アセチルアセトンを配位子として有する錯体およびアルコキシド類がより好ましく用いられる。
次に、気化および/または微粒子化された金属化合物を、所定圧力の空気の存在する雰囲気中で、基板に向けて移動させ、金属化合物を酸素または水と反応させて、基板上に金属酸化物部材を成長させる。
金属化合物の気体および/または微粒子は、それのみをそのまま基板面に移動させてもよいし、キャリアガスを用いて積極的に移動させ、キャリアガスとの混合状態でノズルから基板面に吹き付けてもよい。この場合のキャリアガスの流量は、気化および/または微粒子化された金属化合物の温度や基板を設置する空間の雰囲気によってその最適値が異なるが、基板の設置空間が室温、常圧雰囲気である場合には、キャリアガスの流量を、空間体積値が20/分以下になるようにすることが好ましく、5/分以下となるようにすることがさらに好ましい。ここで、空間体積値とは、キャリアガスの流量R(1分あたりの体積)と、金属化合物を気化および/または微粒子化させる加熱槽(キャリアガスが導入される空間)の体積Vとの比(R/V)に相当する。
キャリアガスは、原材料の金属化合物と反応しないものであれば特に限定されない。具体例として、窒素ガスやヘリウム、ネオン、アルゴン等の不活性ガス、炭酸ガス、有機弗素ガス、あるいはヘプタン、ヘキサン等の有機物質等が挙げられる。これらのうちで、安全性の面から、窒素ガス、不活性ガスが好ましく、特に窒素ガスが経済性の面より好ましい。
キャリアガスを用いて、金属化合物をノズルから基板面に吹き付ける方法を採用する場合は、ノズルの吹き出し口と基板面との距離を所定範囲内とすることが好ましい。この範囲は、吹き出し口の開口部の長軸(断面が長方形である場合には長辺の長さ、正方形である場合には1辺の長さ)をL、吹き出し口と基板面との距離をKとしたときに、その比(K/L)が0.01〜1となるようにすることが好ましく、0.05〜0.7となるようにすることがより好ましく、0.1〜0.5となるようにすることがさらに好ましい。この比(K/L)が1を超えると、金属化合物が金属酸化物に変換される効率が低くなる。
基板の設置空間の雰囲気は、減圧下、常圧下、あるいは加圧下のいずれでもよい。しかしながら、高度な減圧下、例えば超真空下であると、金属酸化物の成長速度が遅く、生産性に劣るため好ましくない。また、加圧下で実施する場合、金属酸化物の成長速度に関しては問題ないが、加圧するための設備が必要となって好ましくない。従って、基板の設置空間の雰囲気は、1.01×102〜2.03×106Pa(0.001〜20atm)とすることが好ましく、1.01×104〜1.01×106Pa(0.1〜10atm)とすることがより好ましく、常圧とすることが最も好ましい。
基板面上に形成される金属酸化物の状態は、主に基板温度と原材料である金属化合物の過飽和度([(実際の蒸気圧−平衡蒸気圧)/平衡蒸気圧]×100)によって決定される。
基板温度は原材料の基板面での拡散距離を決定する因子であり、この拡散距離によって単位面積あたりの金属酸化物結晶の数、すなわち核生成密度が決定される。一般に、基板温度が高いと核生成密度は小さくなって、単位面積あたりの金属酸化物結晶の数が小さくなる。基板温度が低いと核生成密度は大きくなって、単位面積あたりの金属酸化物結晶の数が大きくなる。従って、基板温度は、必要とする突起物形成密度に応じて設定すればよいが、0℃〜800℃が好ましく、20℃〜800℃がより好ましく、100℃〜700℃がさらに好ましい。
金属化合物の過飽和度は結晶晶癖を決定する因子であり、この結晶晶癖で金属酸化物結晶の径および長さ、すなわちアスペクト比が決定される。一般に、過飽和度が低いと、金属酸化物結晶は、基板面に垂直な方向よりも水平な方向に成長する傾向にあるため、アスペクト比が小さくなる。過飽和度が高いと、金属酸化物結晶は、基板面に水平な方向よりも垂直な方向に成長する傾向にあるため、アスペクト比が大きくなる。金属酸化物結晶のアスペクト比を0.01以上とするためには、過飽和度を1%以上とすることが好ましく、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上である。
金属化合物を酸素または水と反応させて、金属酸化物部材を基板上にエピタキシャル成長させるための最適な反応時間は、反応条件や使用する原材料の種類に応じて異なる。例えば原材料として亜鉛アセチルアセトネートを用いた場合には、通常の室温、常圧雰囲気下では10分以上とすることが好ましく、さらに好ましくは30分以上、特に好ましくは1時間以上である。
金属酸化物が基板面上でエピタキシャル成長しているかどうかは、通常のX線回折法により確認することができる。特に、基板と金属酸化物部材を構成する金属酸化物結晶との面内方位関係を、φスキャン法で観察する方法を採用することが好ましい。
図3に、本発明の金属酸化物構造体の製造装置の一例を示す。この製造装置は、キャリアガスである窒素の供給源51と、キャリアガスの流量を調整する流量計52と、原材料である金属化合物を気化する加熱槽53と、キャリアガスを加熱槽53に導入する配管54と、加熱槽53で気化された金属化合物を基板11に向かわせる配管55と、基板11を加熱状体で保持する基板ステージ56とで構成されている。配管54には液体窒素トラップ57が設けてある。この液体トラップ57は、供給源51から供給されたキャリアガス中に含まれる水を除去するためのものである。
配管55の先端部には所定形状の吹き出し口58が接続してあり、この吹き出し口58の開口部58aは、配管55からの気体が、基板11の金属酸化物を形成する面全体に吹き出されるように形成されている。また、配管55および吹き出し口58はリボンヒーターで加熱されている。
本発明の金属酸化物構造体は、以上のようにして製造された金属酸化物部材に、必要に応じて導電層を形成し、絶縁性金属酸化物層を形成することにより製造できる。
導電層、絶縁性金属酸化物層を形成する方法としては、導電層、絶縁性金属酸化物層を構成する金属酸化物等を気相や液相を通じて物理的または化学的に金属酸化物部材上に形成する方法、例えば、スパッタリング、ディッピング、及び溶液鍍金等の鍍金、塗布、印刷等、焼き付け法等が挙げられる。
これらの中でも上記金属酸化物部材の製造方法、すなわち、空気中の酸素または水と反応して酸化物を形成する金属化合物を原材料として用い、所定圧力の空気が存在する空間に設置された基板の面に、この金属化合物の気体および/または微粒子を向かわせて、金属酸化物を成長させる方法が好ましい。この方法を用いると、原料となる金属化合物の種類及び/または気化温度、金属酸化物を成長させる温度を変化させることによって、さまざまな形の導電層、絶縁性金属酸化物層を形成することができる。
本発明の金属酸化物構造体は、突起物が倒れたり折れたりすることを防止するために、隣り合う突起物同士の隙間を、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー、およびシアノアクリレートのような瞬間接着剤等の有機物質、ガラスやセラミックス等の無機物質、金属等で埋めることが好ましい。
<発光装置>
図4に、本発明の発光装置の一例を示す。図4に示す発光装置は、例えば図1に示す電子放出素子を用いて、以下の様に作成することができる。
まず、ガラス基板G2の一方の面にスパッタリング法等によって導電性膜を成膜することにより、電極層D2を形成する。このガラス基板G2の電極層D2側の面に、図1に示す電子放出素子(冷陰極素子)10の基板11の裏面を導電性ペースト等によって接合し。
一方、ガラス基板G1の一方の面には、スパッタリング法等によって導電性膜を成膜することにより電極層D1を形成した後、この電極層D1側の面に蛍光体を塗布することにより膜状の発光体Hを形成する。
次に、電極層D1と発光体Hが形成されたガラス基板G1と、電子放出素子10が一体化されたガラス基板G2とを、発光体H側および電子放出素子10側を内側にして、発光体Hとゲート電極4との間に所定の間隔を開けて平行に配置する。その状態で側面部全体を枠部材で囲い、内部を真空にして密封する。
この発光装置の電源B1、B2から、電極層(陰極)D2と、ゲート電極(陽極)4および電極層(陽極)D1との間にそれぞれ高電圧を印加することにより、電子放出源31の先端に強い電界が生じて電子放出源31の先端から電子が放出され、その電子が加速されて発光体Hに衝突することにより発光体Hが発光する。その結果、電極層D1が透明電極であれば、ガラス基板G1から光が放射される。
この発光装置の電子放出素子10は、従来のスピント素子と比較して、突起状の電子放出源31の形成方法が簡単であるため、製造コストを低減することができる。
<実施例1>
図1に示す金属酸化物構造体3を製造した。図1に示す様に、金属酸化物構造体3は、基板11と多数の突起物12を有する導電性の金属酸化物部材1とからなり、基板11の一方の面から多数の突起物12が垂直に延びている。また、隣り合う突起物12が接触していないため、隣り合う突起物12同士に隙間がある。基板11はAl23単結晶板からなり、突起物12はAlでドープした酸化亜鉛からなる。
金属酸化物部材1は、図3に示すような製造装置を用い、基板11の一方の面に金属酸化物からなる突起物12を、所定条件でエピタキシャル成長させることによって得られる。尚、図3に示す装置の基板ステージ56は、吹き出し口58と基板11の面との距離Kが、吹き出し口の開口部58aの長軸Lに対する比(K/L)で0.6になるように配置されている。
吹き出し口58および基板ステージ56を常温の実験室内に配置し、吹き出し口58と基板ステージ56との間の空間を大気圧とした。基板11は、一方の面が結晶面(0001)に沿うように形成されたものであり、この面を上に向けて基板ステージ56に設置した。この基板11を基板ステージ56で550℃に加熱するとともに、加熱槽53内に亜鉛アセチルアセトネートとアルミニウムアセチルアセトネートを8/2の重量比で入れて115℃に加熱した。
この状態で、供給源51から配管54に窒素を1.2dm3/分で供給することにより、金属化合物の気体と窒素ガスとの混合気体を、配管55を介して吹き出し口58から基板11の間に10分間吹き付けた。
これにより、原材料である金属化合物は、基板11面上およびその近傍で、空気中の酸素または水と反応して金属酸化物となり、この金属酸化物が基板11面上にエピタキシャル成長する。その結果、基板11の一方の面上に多数の突起物12が垂直に延びている導電性の金属酸化物部材1が得られる。
このようにして得られた金属酸化物部材1は、四探針法で測定した金属酸化物部材1の固有抵抗率が0.013Ω/m、突起物12の長さが1μm、突起物12の断面の円換算径が2μm、断面の円換算径に対する長さの比が0.5、基板11面に対する突起物12の数が200万本/mm2(100μm2あたり200本)となった。また、得られた金属酸化物部材の電子顕微鏡写真を図5に示すが、突起物12の先端は略円錐状になっていることがわかる。
次に、加熱槽53内にマグネシウムアセチルアセトネートを入れて230℃に加熱し、金属酸化物部材1を形成した基板11を基板ステージ56で600℃に加熱した状態で、供給源51から配管54に窒素を1.2dm3/分で供給することにより、金属化合物の気体と窒素ガスとの混合気体を、配管55を介して吹き出し口58から基板11の間に10分間吹き付け、金属酸化物部材1の表面に絶縁性金属酸化物層2を形成した。
この様にしてられた金属酸化物構造体3のSEM写真より、絶縁性金属酸化物層2形成後の突起物12の凸状先端部の先鋭度を示す曲率半径を算出したところ、35nmであった。
得られた金属酸化物構造体3の電子放出特性を、図6に示す装置で測定した。
まず、金属酸化物構造体3をシリコン基板71に取り付けた。シリコン基板71の裏面に、シリコン基板71より外形寸法の大きな銅製の電極板72を取り付けて、この電極板72をアースに接続した。次に、この電極板72のシリコン基板71より外側となる部分に、シリコン基板71の外形寸法より一回り大きな寸法の貫通穴73aを有するシリコン製のスペーサー73を取り付けた。次に、この貫通穴73aとシリコン基板71との隙間を導電性ペースト74でふさぐことにより、金属酸化物構造体3と電極板72を電気的に接続した。
このスペーサー73およびシリコン基板71の上に、金属酸化物構造体3の周囲を囲むようにシリコン製のスペーサー75を取り付けた。このスペーサー75の高さは、取り付けたときに、金属酸化物構造体3の電子放出源31の上方に所定寸法Dの空間76が形成される高さとした。
次に、絶縁フイルム77の中心部に正方形の切り抜き部77aを設けた後、この絶縁フイルム77を、銅製の電極板78の一方の面に貼り付けた。この電極板78を、絶縁フイルム77側の面を下側にしてスペーサー75の上に載せることにより、電極板78の絶縁フイルム77で覆われていない部分(切り抜き部)77aと電子放出源31を対向させ、電極板78を陽極に接続した。
5V/μmの電界を与えた場合の電流値は4×10-5A/cm2、10V/μmの電界を与えた場合の電流値は6×10-4A/cm2であった。
<実施例2>
絶縁性金属酸化物層2を形成する時間を20分とした以外は実施例1と同様にして図6に示す装置を作成し、電界と電流値の測定を行った。
5V/μmの電界を与えた場合の電流値は9×10-6A/cm2、10V/μmの電界を与えた場合の電流値は8×10-5A/cm2であった。
尚、絶縁性金属酸化物層2形成後の突起物12の先端部曲率半径は38nmであった。
<実施例3>
原材料を亜鉛アセチルアセトネートのみとした以外は実施例1と同様にして金属酸化物部材1を製造した。
得られた金属酸化物部材1を、スパッタリング装置(商品名「SPF−332」、日電アネルバ(株)製)内に設置し、Ar雰囲気、圧力13.3Pa(0.1Torr)、スパッタリング時間4時間の条件で、金属酸化物部材1上に導電層としてニッケル薄膜を形成した。
更に、実施例1と同様にして、導電層上に絶縁性金属酸化物層2を形成した。
得られた金属酸化物構造体について、実施例1と同様にして電界と電流値の測定を行った。
5V/μmの電界を与えた場合の電流値は2×10-6A/cm2、10V/μmの電界を与えた場合の電流値は3×10-5A/cm2であった。
尚、得られた金属酸化物部材1は、突起物12の長さが1.2μm、突起物12の断面の円換算径が0.3μm、断面の円換算径に対する長さの比が4、基板11面に対する突起物12の数が190本/100μm2であった。また、得られた金属酸化物部材の電子顕微鏡写真を図7に示すが、突起物12の先端は略円錐状になっていることがわかる。また、絶縁性金属酸化物層2形成後の突起物12の先端部曲率半径は40nmであった。
本発明の電子放出素子の一例を示す概略構成図である。 突起物先端部の曲率半径を説明するための図である。 金属酸化物部材の製造装置を示す概略構成図である。 本発明の発光装置の一例を示す概略構成図である。 実施例1で得られた金属酸化物部材の電子顕微鏡写真である。 電子放出特性を測定するための装置の概略構成図である。 実施例3で得られた金属酸化物部材の電子顕微鏡写真である。 従来のアレイ状電界放射冷陰極の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 金属酸化物部材
2 絶縁性金属酸化物層
3 金属酸化物構造体
4 ゲート電極
6 区画部材
10 電子放出素子
11 基板
12 突起物
12a 基部
12b 先端部
31 電子放出源
51 窒素供給源
52 流量計
53 加熱槽
54 配管
55 配管
56 基板ステージ
57 液体窒素トラップ
58 吹き出し口
58a 開口部
61 空洞

Claims (19)

  1. 断面の円換算径0.01〜10,000μm、かつ長さ0.1μm以上である突起物を有する導電性の金属酸化物部材と、該突起物の少なくとも先端部を被覆する絶縁性金属酸化物層とを有することを特徴とする金属酸化物構造体。
  2. 前記金属酸化物部材が、Zn、Alの少なくとも一方を含有する金属酸化物からなることを特徴とする請求項1に記載の金属酸化物構造体。
  3. 断面の円換算径0.01〜10,000μm、かつ長さ0.1μm以上である突起物を有する金属酸化物部材と、少なくとも該突起物の表面を被覆する導電層と、該導電層で被覆された突起物の少なくとも先端部を被覆する絶縁性金属酸化物層とを有することを特徴とする金属酸化物構造体。
  4. 前記金属酸化物部材が、Zn、Alの少なくとも一方を含有する金属酸化物からなることを特徴とする請求項3に記載の金属酸化物構造体。
  5. 前記突起物の断面の円換算径に対する長さの比が0.01以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属酸化物構造体。
  6. 前記突起物の存在密度が、0.01〜10,000個/100μm2であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の金属酸化物構造体。
  7. 前記突起物の中心軸が相互に平行であることを特徴とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の金属酸化物構造体。
  8. 前記突起物を構成する金属酸化物が金属酸化物単結晶であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の金属酸化物構造体。
  9. 前記突起物を構成する金属酸化物結晶が相互に平行に、かつ該突起物が成長している結晶軸と同一方向に成長していることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の金属酸化物構造体。
  10. 前記絶縁性金属酸化物層を有する突起物の先端部の曲率半径が40nm以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の金属酸化物構造体。
  11. 前記絶縁性金属酸化物層の厚さが100nm以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の金属酸化物構造体。
  12. 前記絶縁性金属酸化物層を構成する金属の少なくとも1種類が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Be、Mgの中から選ばれたものであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の金属酸化物構造体。
  13. 前記金属がMgであることを特徴とする請求項12に記載の金属酸化物構造体。
  14. 前記絶縁性金属酸化物の二次電子利得の極大値が5以上であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の金属酸化物構造体。
  15. 前記絶縁性金属酸化物の仕事関数が5eV以下であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の金属酸化物構造体。
  16. 隣り合う前記突起物同士の隙間を、有機物質、無機物質、金属の少なくとも一種類で埋めたことを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の金属酸化物構造体。
  17. 前記金属酸化物部材、及び/または前記絶縁性金属酸化物層は、空気中の酸素または水と反応して酸化物を形成する金属化合物を原材料として用い、所定圧力の空気が存在する空間に設置された基板の面に、この金属化合物の気体および/または微粒子を向かわせて、金属酸化物を成長させることによって得られたものであることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の金属酸化物構造体。
  18. 請求項1〜17のいずれかに記載の金属酸化物構造体を有することを特徴とする電子放出素子。
  19. 真空または気体が封入された容器内に、請求項18に記載の電子放出素子と、発光体とを有し、該電子放出素子から放出された電子線によって該発光体が発光することを特徴とする発光装置。
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