JP2006351156A - 形状可変ミラー及びそれを備えた光ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
部材間の接合強度を増大し、装置強度の面で信頼性が高く、部品点数を増やさないように
構成した形状可変ミラーを提供する。
【解決手段】 鏡面を変形させる形状可変ミラー1において、ミラー部3と圧電素子4
が接合される各接合面、及び、圧電素子4と支持基板2とが接合される各接合面には、A
uの薄層が蒸着されており、各接合は400℃以上500℃以下の高温で圧着することに
より行われる。これにより、ミラー部3と圧電素子4及び圧電素子4と支持基板2の接合
強度が増大する。
【選択図】 図1
Description
可変ミラーを構成する圧電素子と他の部材との接合強度に関する。また、本発明は、接合
強度の改善が行われた形状可変ミラーを備える光ピックアップ装置に関する。
ディスク)等の光ディスクの情報を読み書きする際、光ピックアップ装置の光軸とディス
ク面の関係は、垂直であることが理想である。しかし、実際にディスクが回転している際
、この関係は常に垂直というわけではない。このため、CDやDVD等の光ディスクでは
、ディスク面が光軸に対して傾いた時に、レーザ光の光路が曲げられてコマ収差が発生す
る。
位置が正しい位置からずれるため、コマ収差が許容値を超えると、情報の正しい読み書き
ができないという問題が発生する。このような、波面収差を補正する手段として、従来、
形状可変ミラーを用いた収差補正手段が、いくつか提案されている。
で変形させて位相制御する方法が提案されている。ただし、光ピックアップ装置等の小さ
い部品に用いるには配線など考慮がされておらず、また、アクチュエータとして用いられ
る積層型圧電素子を小型化するのは、技術的にもコスト的にも困難である。
面収差補正ミラーによって波面収差の補正を行うのが、低電圧で小型化にも有利であるこ
とが紹介されている。そして、このような形状で構成される形状可変ミラーについて、ミ
ラーと圧電素子が接着剤で接合されていることが紹介されている。
ような圧電素子の縦方向の変位を利用してミラー面を変形させる形状可変ミラー101を
備える場合には以下のような問題が発生する。なお、図4は、形状可変ミラー101を構
成する各部材を分解して斜視図で示したものである。
電素子104を、シリコンで形成されるミラー部103とガラスで形成される支持基板1
02の両方に接合しようとする場合、熱接合すると、物性の違いから各接合部の接合強度
は不十分となる。この場合、圧電素子104が駆動して、図5に示すようにミラー部10
3の鏡面を変形させるときには、圧電素子104とミラー部103の接合部105a及び
圧電素子104と支持基板102の接合部105bには負荷がかかる。なお、図5は、図
4のb−b’の位置で切った断面図であり、左右の圧電素子104が伸びた状態を示して
いる。
部103の接合、又は圧電素子104と支持基板102の接合が外れてしまう可能性が大
きくなり、装置強度の面で形状可変ミラーの信頼性が低下する。また、圧電素子4の伸縮
量を大きくすると、接合部105a、105bにかかる負荷が大きくなるので、圧電素子
104の伸縮量を大きくできず、収差の補正ができる範囲が狭くなるという問題がある。
合強度を増大させるために、両者の間に接着剤を用いることが考えられる。しかし、導通
性を有するシリコンでミラー部103を形成する場合、別途電極を設ける必要が無いにも
関わらず、ミラー部103と圧電素子104の間に接着剤を用いると、ミラー部103と
圧電素子104との間の導通が取れなくなるために、別途電極部を設ける必要が発生する
。すなわち、接着剤を用いることにより、形状可変ミラーの構成が複雑なものとなり、部
品点数の増加を招くという問題が発生する。
子とミラー部と、又は、圧電素子と圧電素子が配置される支持基板との接合強度を増大し
、装置強度面で信頼性が高く、部品点数を増やさないように構成した形状可変ミラーを提
供することである。また、本発明の他の目的は、鏡面を変形させる形状可変ミラーにおい
て、前述の装置信頼性の高い形状可変ミラーの組み立てが容易になるように構成した形状
可変ミラーを提供することである。更に、本発明の他の目的は、そのような信頼性が高く
、装置の組み立てが容易な形状可変ミラーを備える光ピックアップ装置を提供することで
ある。
反対側に鏡面を有するミラー部と、前記支持基板と前記ミラー部に挟まれ、前記鏡面を変
形させる圧電素子と、を有する形状可変ミラーを備える光ピックアップ装置において、前
記支持基板上に設けられた凸部と前記圧電素子との接合部及び前記圧電素子と前記ミラー
部に設けられた凸部との接合部を形成する各部材の接合面は、Auの薄層を有し、前記接
合部は400℃以上500℃以下の温度で圧着されることを特徴としている。
基板と反対側に鏡面を有するミラー部と、前記支持基板と前記ミラー部に挟まれ、前記鏡
面を変形させる圧電素子と、を備える形状可変ミラーにおいて、前記支持基板と前記圧電
素子との接合部及び/又は前記圧電素子と前記ミラー部との接合部を形成する各部材の接
合面の少なくとも一方が、金属の薄層を有し、前記接合部は加熱状態で圧着されることを
特徴としている。
ラー部は、前記接合部が凸状に設けられていることを特徴としている。
であり、前記接合部は400℃以上500℃以下の温度で圧着されることを特徴としてい
る。
特徴としている。
プ装置において、圧電素子とミラー部及び支持基板との接合が金属層の介入により接合強
度を増すために、形状可変ミラーの装置強度面での信頼性が向上すると共に、光ピックア
ップ装置の信頼性も向上する。また、ミラー部と支持基板の接合部を凸上に設けているた
めに、各部材に金属の薄層を設ける際に、各部材をマスクする工程を省略でき、プロセス
加工しやすくなる。更に、接合強度の増大に用いられる金属の薄層は導電性を有している
ために、ミラー部及び支持基板上に別途電極を取り付ける必要がなく、配線を簡略化でき
、部品点数を減らすことが可能となる。
素子とミラー部及び支持基板との接合部の強度が、金属層を介入させることで増大するた
めに、接合部に接着剤を用いることなく、装置強度面で信頼性の高い形状可変ミラーを提
供できる。また、接合強度の増大に用いられる金属の薄層は導電性を有しているために、
ミラー部及び支持基板上に別途電極を取り付ける必要がなく、配線を簡略化でき、部品点
数を減らすことが可能となる。
ー部と支持基板の接合部を凸上に設けておくと、各部材に金属の薄層を設ける際に、各部
材をマスクする工程を省略でき、プロセス加工しやすくできる。
て、圧電素子とミラー部及び支持基板との接合の接合強度を大きく向上でき、また、比較
的安価に強度の向上が実現できる。
ミラーを備える光ピックアップ装置において、形状可変ミラーが装置強度の面で高い信頼
性を得ることができるため、収差の補正を行うことが可能な光ピックアップ装置の装置信
頼性も向上する。また、光ピックアップ装置の部品点数を減らし、プロセス加工をしやす
くできる。
であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。また、図面中の各部材
の大きさや厚み、変形時の変位量等は理解を容易にする目的のためのものであり、実際の
寸法と異なる。
施形態の形状可変ミラー1を構成する各部材を分解して斜視図で示している。図1(b)
は、図1(a)に示すa−a'の位置で切った断面図である。
3の鏡面を変形させる収差補正ミラーである。2は圧電素子4及び固定部5を取り付ける
支持基板である。支持基板2の材質としては、例えば、ガラスやセラミックス等の絶縁体
が挙げられる。支持基板2には、圧電素子4に電圧を供給するための電極穴6が設けられ
ている。
性を有する物質で、また、圧電素子4に電圧を供給できるように、電気伝導が得られる物
質から形成されることが好ましい。このようなものとして、例えば、シリコンやアルミニ
ウム、鉄等の金属が挙げられる。なお、電気伝導性は無いが、ガラス等の絶縁体で形成し
ても構わない。ただし、ガラス等の絶縁体で形成した場合には、ミラー部3は、圧電素子
4の導通を得るために、ミラー部3の裏面に電極パターンを形成する等の必要が生じる。
ベースにシリコンを用いて、その上に、鏡面となるアルミニウム等のコーティング層を重
ねるような構成としてもよく、また、ベースの上に複数の層を形成するようにしても構わ
ない。
基板2上に、十字方向に対称に4つ配置されている。圧電素子4は、加えられる電圧の向
きによって、伸びたり縮んだりする。圧電素子4へ電圧を供給する電極は、例えば、導体
であるミラー部3が共通電極となり、支持基板2上にパターニングされた電極が個別電極
となる。圧電素子4の素材としては、例えば、PZTのような圧電セラミックスが挙げら
れるが、これに限定されるものではない。
ない範囲で変形可能であり、例えば、円柱状等でも構わないし、ミラー部3や支持基板2
と接触する部分を凸状に設けたような形状等でも構わない。また、圧電素子4の数及び配
置方法は、本実施形態に示したものに限定されるものではない。ただし、ミラー部3の鏡
面の変形を各位置で均等に行うために、圧電素子4の配置の仕方としては、対称に複数配
置するのが好ましく、ミラー部3のサイズ等を考慮すると十字方向に対称に4つ配置する
のがより好ましい。また、圧電素子4を複数設ける場合には、ミラー部3の鏡面に歪みが
発生するのを防止するように、各圧電素子の高さを調整するのが好ましい。
まれ、十字方向に対称に配置された圧電素子4の外側に配置され、固定部5の上面で、ミ
ラー部3と接合される。なお、本実施形態においては、固定部5は、支持基板2と分離し
た状態であるが、支持基板2と固定部5は一体型でもよく、その他、本発明の目的を逸脱
しない範囲で、形状等の変更が可能である。また、固定部5の高さは、ミラー部3の鏡面
に歪みが発生するのを防止するため、同一高さに揃えるのが好ましく、固定部5と圧電素
子4の高さの関係も歪みが発生しないように調整するのが好ましい。
体形状のものを示したが、特にこの形状に制限されるものでなく、本発明の目的を逸脱し
ない範囲で変更が可能である。例えば、支持基板2やミラー部3等が円形に構成されてい
てもよく、ミラー部3と比較して支持基板2の方が大きい構成等にしても構わない。
合について、各部材の間の接合強度を向上させる構成について、図2を用いて説明する。
なお、図2は、図1(b)の断面図において、圧電素子4とミラー部3及び圧電素子4と
支持基板2が接合される前の状態を示している。
uの薄層7が設けられている。また、シリコンからなるミラー部3の下面3aとガラスか
らなる支持基板2の上面2aにも、Auの薄層7が設けられている。すなわち、接合部の
接合前の材料構成としては、ミラー部3と圧電素子4の接合部では、シリコン−Au−P
ZTとなり、圧電素子4と支持基板2の接合部では、PZT−Au−シリコンとなる。
蒸着やスパッタなどによって設けられる。
、加熱しながら圧着することで接合される。圧着時の温度としては、400℃以上、50
0℃以下が好ましい。例えば、以下に示すように、加熱温度が450℃の場合に比べ、加
熱温度が上昇すると共に接合強度が低下する。また、温度が370℃より低い温度では、
接合が不十分となる。なお、接合強度の測定は、引張試験機(INSTRON社製 Mi
cro Tester Model 5848)を用いて行った。
各部材の接合面に蒸着等される金属をAuで構成しているが、各部材等の材質はこれらに
限られる趣旨ではない。本発明の目的である接合部の強度増大を図ることができれば、他
の材料に変更可能である。すなわち、支持基板2、ミラー部3及び圧電素子4に、蒸着等
される金属はAuに限らず、例えばPt、Pd等でも構わないし、また、例えば、Auと
Pd等の合金でも構わない。更に、ミラー部3もシリコンに限らず、Al等で構成しても
構わず、圧電素子4もPZT以外の圧電セラミックス等でも構わない。
電素子4の上面4aといった両方の接合面に、金属の薄層7を設ける構成としたが、必ず
しも両方の接合面に金属の薄層7を設ける必要はなく、いずれか一方にのみ金属の薄層7
を設ける構成としても構わない。更に、本実施形態では、固定部5とミラー部3の接合面
について、金属の薄層7を蒸着等する構成としていないが、接合強度向上を目的として、
この部分に金属の薄層7を蒸着等して、接合する構成としても構わない。
度の向上を狙って、各部材の接合面にAuの薄層7を設けると、Auは電気伝導率が高い
ために、圧電素子4に電圧を供給するために、別途電極を設ける必要がなくなる。すなわ
ち、圧電素子4の上部側ではAuを介してシリコン面が共通電極となり、圧電素子4の下
部側では、ガラス面にAuが蒸着されているために、これが電極パターンとなって、個別
に電極をとることが可能となる。
する部分2a及び3aを凸状に設けているが、必ずしも、このように凸部を設ける形態に
限定する趣旨ではない。ただし、以下の理由により支持基板2及びミラー部3の接合部分
が凸状に設けられているのが好ましい。すなわち、例えば、支持基板2やミラー部3の接
合面にAuを蒸着するような場合、通常は、圧電素子4が配置されない部分にはAuが蒸
着されないようにマスクを施す必要があるが、本実施形態のように接合部分を凸状に設け
ておくと、マスクを施さずにAuの蒸着が可能となり、形状可変ミラー1の組み立て工程
が容易になる。
ついて説明する。本発明の形状可変ミラー1を含む光ピックアップ装置11の光学系とし
ては、例えば図3のように構成される。なお、光ピックアップ装置11の光学系としては
、本発明の目的を逸脱しない範囲で他の構成とすることも可能である。
、ビームスプリッタ14と、本発明の形状可変ミラー1と、1/4波長板15と、対物レ
ンズ16と、集光レンズ18と、光検出器19とを備えている。
れ、この平行光は、ビームスプリッタ14を通過して、形状可変ミラー1で反射され、1
/4波長板15でレーザ光の偏光状態を変化された後に、対物レンズ16で集光されて光
ディスク17に焦点を合わせる。また、光ディスク17から反射されたレーザ光は、対物
レンズ16、1/4波長板15を通過後、形状可変ミラー1で反射されて、ビームスプリ
ッタ14を介して、集光レンズ18によって集光されて、光検出器19に導かれる。
たしている。一方で、この光学系では、例えば、光ディスク17がレーザ光の光軸と垂直
の状態から傾くと、前述のようにコマ収差が発生するため、このコマ収差を補正するため
に、形状可変ミラー1の鏡面を変形させて、収差の補正を行う役割も果たしている。すな
わち、光検出器19で得られた信号に基づいて、コマ収差等の波面収差の補正が必要な場
合には、光ピックアップ装置11に備えられる制御部(図示せず)から形状可変ミラー1
に信号が送られて、収差を補正するようにミラー部3の鏡面が変形される。
ているために、装置強度の面で信頼性が高く、また、圧電素子4の伸縮量をある程度稼ぐ
ことが可能となる。このため、そのような形状可変ミラー1を備える光ピックアップ装置
11は、装置信頼性が高いと共に、収差の補正が的確に行うことが可能となる。
素子と支持基板の接合部の強度を増大するために、各部材の間に金属層を設けている。こ
れにより、装置強度の面で信頼性の高い形状可変ミラーを提供できる。
を増大する構成とすることに伴って、圧電素子に電圧を供給するための電極をミラー部及
び支持基板上に別途設ける必要がないばかりか、配線の簡略化、部品点数の減少を実現で
きる。
着等する際の工程を簡略化でき、プロセス加工しやすくできる。
装置信頼性が高く、鏡面の変形量もある程度大きくできる構成であるため、収差の補正を
的確に行うことが可能となる。
2 支持基板
2a 支持基板の接合面
3 ミラー部
4 圧電素子
5 固定部
7 Auの薄層
11 光ピックアップ装置
Claims (5)
- 支持基板と、該支持基板と対面し、該支持基板と反対側に鏡面を有するミラー部と、前
記支持基板と前記ミラー部に挟まれ、前記鏡面を変形させる圧電素子と、を有する形状可
変ミラーを備える光ピックアップ装置において、
前記支持基板上に設けられた凸部と前記圧電素子との接合部及び前記圧電素子と前記ミラ
ー部に設けられた凸部との接合部を形成する各部材の接合面は、Auの薄層を有し、前記
接合部は400℃以上500℃以下の温度で圧着されることを特徴とする光ピックアップ
装置。 - 支持基板と、該支持基板と対面し、該支持基板と反対側に鏡面を有するミラー部と、前
記支持基板と前記ミラー部に挟まれ、前記鏡面を変形させる圧電素子と、を備える形状可
変ミラーにおいて、
前記支持基板と前記圧電素子との接合部及び/又は前記圧電素子と前記ミラー部との接合
部を形成する各部材の接合面の少なくとも一方が、金属の薄層を有し、前記接合部は加熱
状態で圧着されることを特徴とする形状可変ミラー。 - 前記支持基板及び/又は前記ミラー部は、前記接合部が凸状に設けられていることを特
徴とする請求項2に記載の形状可変ミラー。 - 前記金属の薄層は、Auの薄層であり、前記接合部は400℃以上500℃以下の温度
で圧着されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の形状可変ミラー。 - 請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の形状可変ミラーを備える光ピックアップ装
置。
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