JP2004109562A - 波面収差補正ミラーの製造方法および光ピックアップ - Google Patents

波面収差補正ミラーの製造方法および光ピックアップ Download PDF

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Hiroyoshi Shoji
庄子 浩義
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Abstract

【課題】接着層厚みを一定にすると共に、接着層を薄く形成することの可能な波面収差補正ミラーの製造方法を提供する。
【解決手段】圧電素子によってミラー基板のミラー面を変位させることにより収差補正する波面収差補正ミラーの製造方法であって、ミラー基板と圧電素子とを接着するときに、接着剤(10)をスキージ法により一定の厚さに伸ばし、スタンパ(15)によってミラー基板(6)あるいは圧電素子に転写する。
【選択図】   図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波面収差補正ミラーの製造方法および光ピックアップに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、光ディスクを用いた情報記憶装置として、CDやDVDなどがある。DVDなどは、CDに比べ記録密度が高いため、情報を読み書きするときの条件が厳しくなっている。
【0003】
例えば、ディスクのうねり等で光ピックアップの光軸とディスク面とが垂直でなくなると、コマ収差が発生し、正しく読み書きが出来なくなるという不具合が生じる。
【0004】
チルトの影響を少なくする手段としては、圧電素子を使用したユニモルフまたはバイモルフ形状の図1に示すような波面収差補正ミラーによって波面収差を補正する方法が、低電圧で小型化にも有利であると考えられる。
【0005】
ここで、図1の波面収差補正ミラーは、ミラー基板(6)の裏側に配線電極(4b)が形成され、圧電素子(2)が接着されており、ミラー基板(6)は、符号3の部分でベース基板(8)に固定されている。なお、図1において、(1)は反射膜、(3)は接続部、(4a),(5a)は圧電素子電極である。
【0006】
このような構成の波面収差補正ミラーでは、圧電素子(2)に電位を加えることで、変位を発生させ、ミラー基板(6)の表面を変位させることができる。このとき、圧電素子電極(5a)は中心から左右に分割しているため、極性や電圧を変えることで、別々の変位を発生させることができる。
【0007】
ところで、この波面収差補正ミラーでは、ミラー基板(6)と圧電素子(2)は接着剤すなわち接着層(10)によって接着されているが、ミラー基板(6)自体が薄いため(50〜200μm)、接着条件が悪いとミラー基板(6)のミラー面に歪みやたわみ等が発生する。また、環境温度が変化すると、ミラー基板(6)と接着剤(10),圧電素子(2)の熱膨張係数の違いからミラー基板(6)のミラー面の歪みが発生するので、接着層(10)の厚さを一定にそろえることが必要になる。また、低電圧駆動を実現させるためには圧電素子(2)で発生した変位をミラー基板(6)に確実に伝達することが必要となるため、接着層(10)を出来るだけ薄く形成することが必要になる。
【0008】
接着剤を一定に塗布する方法としては、主にディスペンサーやスクリーン印刷が用いられるが、いまの場合、波面収差補正ミラー自体が小さく、圧電素子を接着するには突出量が多く不向きである。また、ディスペンサーは突出始めが安定しなく、スクリーン印刷で塗布量を少なくするとかすれが生じるので、波面収差補正ミラーには不向きとなっている。
【0009】
圧電素子を接着する方法として、従来、特許文献1,特許文献2が知られている。特許文献1,特許文献2では、スタンパ状のもので接着剤を転写するようにしているが、トレイに盛った接着剤にスタンパ先端を押付けて転写しているので、スタンパ先端にはかなりの量の接着剤が付着し、転写後の接着層の厚みはかなり厚くなることが予想される。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−238474号公報
【0011】
【特許文献2】
特開2001−94121号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、接着層厚みを一定にすると共に、接着層を薄く形成することの可能な波面収差補正ミラーの製造方法および光ピックアップを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、圧電素子によってミラー基板のミラー面を変位させることにより収差補正する波面収差補正ミラーの製造方法であって、ミラー基板と圧電素子とを接着するときに、接着剤をスキージ法により一定の厚さに伸ばし、スタンパによってミラー基板あるいは圧電素子に転写することを特徴としている。
【0014】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の波面収差補正ミラーの製造方法において、スタンパは、ガラス基板、または、セラミックス基板、または、Si基板、または、金属基板からなることを特徴としている。
【0015】
また、請求項3記載の発明は、請求項1乃至請求項2のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーの製造方法において、スタンパの表面には、多数の凹凸が存在していることを特徴としている。
【0016】
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーの製造方法において、スタンパ表面には、多数の凹凸が存在し、スタンパ表面の凹凸は格子状となっており、凸部の一辺は30μm〜300μmであり、凹部の幅は100〜300μmであることを特徴としている。
【0017】
また、請求項5記載の発明は、請求項1記載の波面収差補正ミラーの製造方法において、ミラー基板に転写された接着剤は、多数の分割された島状となることを特徴としている。
【0018】
また、請求項6記載の発明は、請求項1記載の波面収差補正ミラーの製造方法において、スキージの溝をテープで作成し、接着剤の厚みを80μm〜150μmに制御することを特徴としている。
【0019】
また、請求項7記載の発明は、請求項1記載の波面収差補正ミラーの製造方法において、ガラス基板、または、Si基板、または、SOI基板をエッチングすることによってスキージ溝を製造し、接着層の厚みを10μm〜150μmに制御することを特徴としている。
【0020】
また、請求項8記載の発明は、請求項1記載の波面収差補正ミラーの製造方法において、スタンパで転写される接着剤領域を圧電素子の大きさよりも小さく形成することを特徴としている。
【0021】
また、請求項9記載の発明は、請求項1記載の波面収差補正ミラーの製造方法において、スタンパを2段階に分けてそれぞれ特性の違う接着剤を転写することを特徴としている。
【0022】
また、請求項10記載の発明は、レーザー光の光軸上にレーザー光の収差を補正する収差補正手段として、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーの製造方法によって作製された波面収差補正ミラーを用いることを特徴とする光ピックアップである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
(第1の実施形態)
図2(a),(b),図3(a),(b)は本発明の第1の実施形態の波面収差補正ミラーの製造方法を説明するための図である。この第1の実施形態では、まず、ガラス板等(11)の平滑なものに、図2(a)に示すように、テープ等(12)を貼付け、溝(13)を形成する。次いで、溝(13)に接着剤(10)を滴下する。そして、図2(b)に示すように、スキージ(14)で溝(13)と平行方向に接着剤(10)を伸ばすと接着剤(10)が均一な厚さに塗布される。
【0025】
この時、厚さの違うテープ等(12)を使うことにより、接着剤(10)の厚さを変えることが出来る。ここで、テープ等(12)としては、メンディングテープ(商品名)等の厚みが薄いものや、テフロンテープのように厚みの厚いもの等、種類が多く、目的に合ったものを選ぶと良い。波面収差補正ミラーで用いるにはテープ等(12)の厚みが80μm〜150μmのものが良く、薄いものは接着剤(10)の粘度が低いものに適しており、厚いものは接着剤(10)の粘度が高いものに適している。接着剤(10)の粘度が高いものを浅い溝(13)でスキージするとガラス棒との切れが悪く、均一に広がらないで膜厚にばらつきが発生する。逆に、接着剤(10)の粘度が低いものを深い溝(13)でスキージすると、転写する接着剤(10)が多すぎて、はみ出し等の不具合が発生する。
【0026】
スキージ(14)は、なるべく硬いものがよく、例えば丸いガラス棒等が使いやすい。角状のスキージは、表面平坦性の良いものを選択する必要があると共に、エッジ部でテープに傷を付ける恐れがあるので、注意が必要である。
【0027】
図2(a),(b)のようにして接着剤(10)を均一な厚さに塗布した後、図3(a)に示すように、均一に塗布された接着剤(10)にスタンパ(15)表面を押付けて、スタンパ(15)表面に接着剤(10)を転写する。次に、図3(b)に示すように、ミラー基板(6)の裏面(或いは圧電素子(2))にスタンパ(10)を押付けて、接着剤(10)を転写し、圧電素子(2)(或いはミラー基板(6))を接着することで、波面収差補正ミラーは完成する。
【0028】
ここで、スタンパ(15)は、接着剤(10)がスタンパ(15)上で硬化した場合に洗浄できる材質が良く、ガラス基板やセラミックス基板やSi基板や金属基板等からなり、ダイシングソーによる切削或いは型による成形で作製されるようになっている。また、スタンパ(15)表面には、格子状の凹凸が形成され、凸部の一辺が30μm〜300μm、凹部のピッチが100μm〜300μmのものが使いやすい。
【0029】
例えば、粘度の低い接着剤でスキージの溝(13)が深いものを選択した場合は、スタンパ(15)の凸部が小さいもの(例えば30μm)を選択し、凹部のピッチが広いもの(例えば300μm)を選択することで、接着剤のはみ出しが発生することを防げる。このスタンパ(15)で転写された接着剤(10)は、図3(b)に示したように、島状に点在している状態となり、接着剤の収縮や環境温度の変化による熱膨張があっても、ミラー基板(6)に影響を及ぼすことはない。
【0030】
(第2の実施形態)
この第2の実施形態では、ガラス基板、または、Si基板、または、SOI基板をエッチングすることによってスキージ溝を製造し、接着層(接着剤)の厚みを10μm〜150μmに制御したものである。
【0031】
ここで、ガラス基板,Si基板,SOI基板は、半導体プロセスで溝を作製することができ、耐酸性であるため、接着剤が硬化しても洗浄が容易に行える。
【0032】
第2の実施形態では、これらの基板表面にフォトリソ法によってエッチングマスクを形成し、基板表面をエッチングすることで、スキージ溝を精度良く作製することが可能となる。
【0033】
ガラス基板とSi基板をドライエッチングすることによって溝を形成するプロセスについて説明する。
【0034】
ガラス基板をドライエッチングすることによって溝を形成する場合には、ガラス基板表面に耐熱性の高いレジストを約50μmの厚みとなるスピンナー条件によって塗布する。次いで、溝形状のマスクにより露光現像し、レジストをパターニングする。溝のパターンは、幅20mm,長さ50mmの長方形とした。
【0035】
その後、高密度プラズマエッチング装置によりガラス基板をエッチングする。高密度プラズマエッチング装置では、ガス種をCとし、アンテナパワー及びバイアスを調整して、エッチングレートが0.4μm/minとなる条件で行った。つまり、10μmの溝を形成するには約25minでエッチングでき、ばらつきは10%以下で製造できる。
【0036】
また、Si基板をドライエッチングすることによって溝を形成する場合には、エッチングガスをSFとし、アンテナパワー及びバイアスを調整して、エッチングレートが4μm/minとなる条件で行った。Si基板は、ガラス基板よりもエッチングレートが早いので、より深い溝を形成することが出来る。
【0037】
上述の例では、レジスト厚みを50μmとしたが、選択比は、ガラス基板で約1.5、Si基板で約1となっているため、深い溝を形成する場合にはレジスト厚みを厚くする必要がある。
【0038】
エッチング後はレジストをアッシングによって除去することで完成する。
【0039】
ガラス基板でスキージ溝を形成する場合は、比較的浅い溝(10μm〜30μm)に適しており、これで使用する接着剤も低粘度のものが適している。
【0040】
また、Si基板では、深い溝(〜150μm)を形成するのに適しており、これで使用する接着剤は粘度の高いものが適している。
【0041】
次に、SOI基板をウエットエッチングによって溝を形成するプロセスについて説明する。
【0042】
SOI基板は、Si/SiO/Si−Subからなり、容易に入手可能である。表面のSi層の厚みも数μm〜百数十μmまで各種そろっているので、溝の深さと同じ厚みのものを入手すれば良い。
【0043】
SOI基板表面にレジストを約5μmの厚みとなるスピンナー条件によって塗布する。次いで、溝形状のマスクにより露光現像し、レジストをパターニングする。溝のパターンは、幅20mm,長さ50mmの長方形とした。レジストは耐酸性の高いネガレジストが適している。
【0044】
その後、フッ酸+硝酸+酢酸からなるエッチング液でSOI基板をエッチングする。エッチング液は混合比によってエッチングレートが変化するので、目的にあった混合比にする必要がある。HFの比率を高くすることで、エッチングレートを速めることができる。エッチング液は、SiとSiOでエッチングレートが違うため、表面のSi層だけを選択的にエッチングすることが可能となり、精度の高いエッチングが実現できる。
【0045】
エッチング後はレジストをアッシングによって除去することで完成する。
【0046】
このように、SOI基板をウエットエッチングによって溝を形成すると、幅の広い範囲で溝の深さを形成できると共に、精度の高い溝を形成することが可能となる。
【0047】
(第3の実施形態)
この第3の実施形態では、スタンパ(15)で転写される接着剤の領域を圧電素子(2)の外形寸法よりも小さく形成するものである。
【0048】
スタンパ(15)で転写される接着剤の領域を圧電素子の外形寸法よりも小さくすることで、接着剤(10)に導電性接着剤を用いることが可能となる。今まで導電性接着剤を使用できなかった理由は、図4(a)に示すように圧電素子(2)を導電性接着剤(10)でミラー基板(6)に接着する場合、接着剤(10)のはみ出しが発生すると、圧電素子(2)の上下の電極(4a,5a)間が電気的に接続し、ショート状態となるためである。
【0049】
この例では、圧電素子(2)の外形寸法は例えば5mm×6mmであり、このとき、スタンパで転写される接着剤の領域を4.7mm×5.7mmのように、縦横0.3mmづつ圧電素子(2)の外形寸法よりも小さくしている。この場合には、図4(b)に示すように、接着の際に接着剤(10)が流動しても、圧電素子(2)の外形寸法(図中L:片側0.15mm)以内に収まるので、接着剤のはみ出しがなくなる。
【0050】
この第3の実施形態のように、スタンパ(15)で転写される接着剤の領域を圧電素子(2)の外形寸法よりも小さくすることで、導電性接着剤(10)の回り込みを回避できる。また、導電性接着剤を用いることにより、配線電極(4b)との接続では電気抵抗が少なくなるので効率が高くなる。
【0051】
(第4の実施形態)
この第4の実施形態は、スタンパを2段階に分けてそれぞれ特性の違う接着剤を転写するものである。
【0052】
ミラー基板と圧電素子とを接着するときに考えられる接着剤としては、導電性接着剤と絶縁性接着剤の2種類がある。導電性接着剤は、電気抵抗が低いので圧電素子を駆動するには良いが、接着強度の長期信頼性に乏しい。逆に、絶縁性接着剤は、圧電素子を駆動するのには向かないが、接着強度の長期信頼性が高い。
【0053】
図5(a),(b)はスタンパを2段階に分けてそれぞれ特性の違う接着剤を転写するこの第4の実施形態の一例を示す図である。この第4の実施形態では、図5(a)に示すように、1度目のスタンパによって絶縁性接着剤(10a)を形成する。この例では、絶縁性接着剤(10a)にエポキシ接着剤を用い、スタンパサイズを凸の大きさが0.2mm×0.2mmのものとし、ピッチサイズを0.2mmとした。2度目のスタンパ部分は凸を削り取っている。
【0054】
次に、図5(b)に示すように、2度目のスタンパによって導電性接着剤(10b)を形成する。この時、図5(b)に示すように、絶縁性接着剤(10a)と導電性接着剤(10b)とが互いに交わらないようスタンパを形成する。この例では、2度目のスタンパサイズとピッチを1度目のスタンパと同じに形成し、導電性接着剤(10b)部分のみを残して他の凸を削り取った。
【0055】
このような構造では、接着強度は絶縁性接着剤(10a)で賄い、電気的な導通を導電性接着剤(10b)で賄っているので、長期信頼性が高く高効率な波面収差補正ミラーを実現できる。
【0056】
(第5の実施形態)
この第5の実施形態は、上述した本発明の波面収差補正ミラーを用いる光ピックアップ(例えばCD装置やDVD装置)である。
【0057】
本発明の波面収差補正ミラーは、スキージとスタンパを用いて接着剤を塗布しているので、接着層を一定にすることができて、量産時の特性ばらつきを小さくすることができる。また、接着剤を島状に点在させているため、接着剤自身の収縮や膨張の影響がなくなり、環境温度の変化に対して強いミラーとなる。また、接着剤に導電性接着剤を用いることが出来るので、高効率で低電圧駆動が実現できる。
【0058】
このような本発明の波面収差補正ミラーを光ピックアップ(例えばCD装置やDVD装置)に用いることで、装置の省電力化及び小型化が実現できると共に、安価な装置を提供することが可能となる。
【0059】
上述したように、本発明は、圧電素子によってミラー基板の面を変位させることにより収差補正する波面収差補正ミラーの製造方法であって、ミラー基板と圧電素子とを接着するときに、接着剤をスキージ法により一定の厚さに伸ばし、スタンパによってミラー基板あるいは圧電素子に転写することを特徴としている。
【0060】
また、上述の波面収差補正ミラーの製造方法において、スタンパは、ガラス基板、または、セラミックス基板、または、Si基板、または、金属基板からなることを特徴としている。
【0061】
また、上述の波面収差補正ミラーの製造方法において、スタンパの表面には、多数の凹凸が存在していることを特徴としている。
【0062】
また、上述の波面収差補正ミラーの製造方法において、スタンパ表面には、多数の凹凸が存在し、スタンパ表面の凹凸は格子状となっており、凸部の一辺は30μm〜300μmであり、凹部の幅は100〜300μmであることを特徴としている。
【0063】
また、上述の波面収差補正ミラーの製造方法において、ミラー基板に転写された接着剤は、多数の分割された島状となることを特徴としている。
【0064】
また、上述の波面収差補正ミラーの製造方法において、スキージの溝をテープで作成し、接着剤の厚みを80μm〜150μmに制御することを特徴としている。
【0065】
また、上述の波面収差補正ミラーの製造方法において、ガラス基板、または、Si基板、または、SOI基板をエッチングすることによってスキージ溝を製造し、接着層の厚みを10μm〜150μmに制御することを特徴としている。
【0066】
また、上述の波面収差補正ミラーの製造方法において、スタンパで転写される接着剤領域を圧電素子の大きさよりも小さく形成することを特徴としている。
【0067】
また、上述の波面収差補正ミラーの製造方法において、スタンパを2段階に分けてそれぞれ特性の違う接着剤を転写することを特徴としている。
【0068】
本発明の波面収差補正ミラーの製造方法によれば、圧電素子とミラー基板とを接着するときに、微量な接着剤を一定量塗布することで接着層厚みを一定にすると共に、接着層を薄く形成することができ、低電圧駆動においても効率の高い波面収差補正ミラーを実現することができる。また、平面度を確保し温度特性にも優れる波面収差補正ミラーを実現することができる。
【0069】
すなわち、本発明では、予めスキージで一定厚みに塗布された接着剤を格子状に形成されたスタンパに転写し、さらにミラー基板(或いは圧電素子)に転写することで微量の接着剤を転写することが可能となる。接着剤の量はスキージする溝の深さとスタンパに形成された突起の大きさやピッチを変えることで調整できるので、種類の違う波面収差補正ミラーを作製する場合でもそのまま利用できる。また、スタンパとスキージ溝は半導体プロセスで作製できるため、正確な寸法と形状が得られる。
【0070】
また、本発明の光ピックアップは、レーザー光の光軸上にレーザー光の収差を補正する収差補正手段として、上述の波面収差補正ミラーの製造方法によって作製された波面収差補正ミラーを用いることを特徴としている。
【0071】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1記載の発明によれば、圧電素子によってミラー基板の面を変位させることにより収差補正する波面収差補正ミラーであり、ミラー基板と圧電素子とを接着するときに、接着剤をスキージ法により一定の厚さに伸ばし、スタンパによってミラー基板あるいは圧電素子に転写するので、接着層の厚みを一定にでき、高い製造歩留まりを実現できる。
【0072】
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の波面収差補正ミラーの製造方法において、スタンパは、ガラス基板、または、セラミックス基板、または、Si基板、または、金属基板からなるので、接着剤が付着,硬化しても洗浄することができる。
【0073】
また、請求項3記載の発明によれば、請求項1乃至請求項2のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーの製造方法において、スタンパの表面には、多数の凹凸が存在しているので、微量の接着剤を一定量転写することができる。
【0074】
また、請求項4記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーの製造方法において、スタンパ表面には、多数の凹凸が存在し、スタンパ表面の凹凸は格子状となっており、凸部の一辺は30μm〜300μmであり、凹部の幅は100〜300μmであるので、低粘性接着剤から高粘性接着剤までを転写することができる。
【0075】
また、請求項5記載の発明によれば、請求項1記載の波面収差補正ミラーの製造方法において、ミラー基板に転写された接着剤は、多数の分割された島状となるので、接着剤の収縮や膨張の影響がミラー基板に及ぶのを防止できる。
【0076】
また、請求項6記載の発明によれば、請求項1記載の波面収差補正ミラーの製造方法において、スキージの溝をテープで作成し、接着剤の厚みを80μm〜150μmに制御するので、製造コストが安価になる。
【0077】
また、請求項7記載の発明によれば、請求項1記載の波面収差補正ミラーの製造方法において、ガラス基板、または、Si基板、または、SOI基板をエッチングすることによってスキージ溝を製造し、接着層の厚みを10μm〜150μmに制御するので、より薄い接着層を高精度で実現できる。
【0078】
また、請求項8記載の発明によれば、請求項1記載の波面収差補正ミラーの製造方法において、スタンパで転写される接着剤領域を圧電素子の大きさよりも小さく形成するので、導電性接着剤を使用することが可能となり、圧電素子を駆動する効率を高くすることができる。
【0079】
また、請求項9記載の発明によれば、請求項1記載の波面収差補正ミラーの製造方法において、スタンパを2段階に分けてそれぞれ特性の違う接着剤を転写するので、信頼性と動作効率を両立できる。
【0080】
また、請求項10記載の発明によれば、レーザー光の光軸上にレーザー光の収差を補正する収差補正手段として、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーの製造方法によって作製された波面収差補正ミラーを用いることを特徴とする光ピックアップであるので、光ピックアップの省電力及び小型化を実現できると共に、光ピックアップを安価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】波面収差補正ミラーの一例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の波面収差補正ミラーの製造方法を説明するための図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の波面収差補正ミラーの製造方法を説明するための図である。
【図4】本発明の第3の実施形態の波面収差補正ミラーの製造方法を説明するための図である。
【図5】本発明の第4の実施形態の波面収差補正ミラーの製造方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1     反射膜
2     圧電素子
3     接続部
4a,5a     圧電素子電極
4b     配線電極
6     ミラー基板
8     ベース基板
10    接着剤(接着層)
11    ガラス板等
12    テープ等
13    溝
15    スタンパ

Claims (10)

  1. 圧電素子によってミラー基板のミラー面を変位させることにより収差補正する波面収差補正ミラーの製造方法であって、ミラー基板と圧電素子とを接着するときに、接着剤をスキージ法により一定の厚さに伸ばし、スタンパによってミラー基板あるいは圧電素子に転写することを特徴とする波面収差補正ミラーの製造方法。
  2. 請求項1記載の波面収差補正ミラーの製造方法において、スタンパは、ガラス基板、または、セラミックス基板、または、Si基板、または、金属基板からなることを特徴とする波面収差補正ミラーの製造方法。
  3. 請求項1乃至請求項2のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーの製造方法において、スタンパの表面には、多数の凹凸が存在していることを特徴とする波面収差補正ミラーの製造方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーの製造方法において、スタンパ表面には、多数の凹凸が存在し、スタンパ表面の凹凸は格子状となっており、凸部の一辺は30μm〜300μmであり、凹部の幅は100〜300μmであることを特徴とする波面収差補正ミラーの製造方法。
  5. 請求項1記載の波面収差補正ミラーの製造方法において、ミラー基板に転写された接着剤は、多数の分割された島状となることを特徴とする波面収差補正ミラーの製造方法。
  6. 請求項1記載の波面収差補正ミラーの製造方法において、スキージの溝をテープで作成し、接着剤の厚みを80μm〜150μmに制御することを特徴とする波面収差補正ミラーの製造方法。
  7. 請求項1記載の波面収差補正ミラーの製造方法において、ガラス基板、または、Si基板、または、SOI基板をエッチングすることによってスキージ溝を製造し、接着層の厚みを10μm〜150μmに制御することを特徴とする波面収差補正ミラーの製造方法。
  8. 請求項1記載の波面収差補正ミラーの製造方法において、スタンパで転写される接着剤領域を圧電素子の大きさよりも小さく形成することを特徴とする波面収差補正ミラーの製造方法。
  9. 請求項1記載の波面収差補正ミラーの製造方法において、スタンパを2段階に分けてそれぞれ特性の違う接着剤を転写することを特徴とする波面収差補正ミラーの製造方法。
  10. レーザー光の光軸上にレーザー光の収差を補正する収差補正手段として、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の波面収差補正ミラーの製造方法によって作製された波面収差補正ミラーを用いることを特徴とする光ピックアップ。
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