JP2000355103A - 静電型アクチュエータ・インクジェットヘッド及びそれらの製造方法 - Google Patents

静電型アクチュエータ・インクジェットヘッド及びそれらの製造方法

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JP2000355103A
JP2000355103A JP34973899A JP34973899A JP2000355103A JP 2000355103 A JP2000355103 A JP 2000355103A JP 34973899 A JP34973899 A JP 34973899A JP 34973899 A JP34973899 A JP 34973899A JP 2000355103 A JP2000355103 A JP 2000355103A
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Yasuhiro Sato
康弘 佐藤
Koichi Otaka
剛一 大高
Yukiya Takimoto
幸也 滝本
Hidekazu Ota
英一 太田
Mitsugi Irinoda
貢 入野田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動板電極と基板電極との間のギャップを中
央部から周辺部に向かって小さくし、振動板を変位させ
る電圧を低くする。 【解決手段】 シリコンで形成される振動板11と該振
動板11とギャップ13を介して接合される電極基板1
2上に前記振動板11に対向して設けられた基板電極1
4を有し、前記振動板11と前記基板電極14との間に
駆動電圧を印加し、前記振動板を静電力により変形させ
る。前記振動板11と基板電極14の両方又はいずれか
は、その対向している面に絶縁膜を有し、前記振動板電
極と基板電極との間における前記振動板短手方向の断面
におけるギャップ13は中央部から周辺部に向かって小
さくなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電型アクチュエ
ータ・インクジェットヘッド及びそれらの製造方法に係
り、より詳細には、オンデマンド式インクジェットプリ
ンタ用ヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インク液滴をノズルから直接記録媒体上
に噴射して記録する静電型アクチュエータを用いたイン
クジェットプリンタ用ヘッドの駆動方法については種々
提案されている。その駆動方法には、大きく分けて、振
動板と個別電極が直接接触しないように駆動する非接触
駆動方法と、個別電極が振動板と直接接触する当接駆動
方法の2種類の方法があり、これらについては、特開平
7−214770号公報に開示されている。
【0003】しかしながら、いずれの駆動方法にも長
所,短所があり、特に、当接駆動方法においては、個々
のヘッド間のバラツキの小さい安定した一定のインク吐
出量が得られる(デジタル的)反面、インク吐出重量等
の吐出特性をより多様に制御し、多階調に対応させるこ
とは困難であった。その技術課題を解決するために、特
開平9−39235号公報には、静電型インクジェット
ヘッドの振動板と個別電極の長手方向のギャップを多段
に形成したインクジェットが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】静電型アクチュエータ
の応用製品にオンデマンド型インクジェットヘッドがあ
る。この静電型インクジェットヘッドの駆動方法には、
前述のように、大きく分けて、振動板と個別電極が直接
接触しないように駆動する非接触駆動方法と、個別電極
が振動板と直接接触する当接駆動方法の2種類の方法が
提案されている。非接触駆動方法の場合、個別電極や振
動板に対する電気的,機械的ストレスが小さいため、比
較的ヘッドの寿命が長いというメリットがあるものの、
振動板の厚み等の形状の違いによる各振動板のバネ定数
の不均一等の要因により、各ノズルから吐出されるイン
ク量を一定にすることが困難であった。
【0005】これに対し、個別電極が振動板と直接接触
する当接駆動方法は、非接触駆動方法と異なり、常に、
振動板が個別電極に接触する電圧以上で駆動するため、
各ヘッドから吐出されるインクの吐出量がギャップ長で
一義的に決定されるため、インク吐出量が安定する(特
開平7−214770号公報)。しかし、この様な、当
接駆動を行った場合、ヘッド間のバラツキの小さい安定
した一定のインク吐出量が得られる(デジタル的)反
面、インク吐出重量等の吐出特性をより多様に制御し、
多階調に対応させることは困難であった。
【0006】前記技術課題を解決するために、特開平9
−39235号公報において、静電型インクジェットヘ
ッドの振動板と個別電極の長手方向のギャップを多段に
形成したインクジェットが開示された。しかしながら、
この特開平9−39235号公報に記載の静電型インク
ジェットヘッドは、振動板と電極間の間隔(ギャップ)
は相対的に大きな部分と小さな部分があり、それらが段
階的に変化している構造とすることにより、駆動電圧の
低電圧化を可能にするとともに、インク滴吐出量を段階
的に制御することを可能とするものである。高密度化の
トレンドの中で、以下の理由により駆動電圧が上昇し、
駆動回路のコスト上昇を引き起こすという問題があっ
た。
【0007】インクジェットヘッドでは、高速,高画質
の印字を行うためには、ノズルの高密度化が必要不可欠
であるが、静電引力により振動板を駆動するインクジェ
ットヘッドにおいて、ノズルピッチを狭くして高密度化
するためには、個々の振動板におけるノズルピッチ方向
の短辺長を短くする必要がある。ここで、式(1)よ
り、静電引力による振動板の変位量は振動板短辺長の4
乗に比例することから、高密度化を目的として振動板の
短辺長を短くすると、変位量が著しく小さくなる。
【0008】従って、変位を大きくして必要とするイン
ク液滴の吐出量を確保するためには、式(1),式
(2)より、振動板の厚さを薄くするか、振動板と個別
電極のギャップ長を狭くするか、あるいは駆動電圧を大
きくすることが必要となってくる。
【0009】
【数1】
【0010】ここで、振動板の厚さ(h)を薄くするこ
とは、振動板の剛性を低下し、インク吐出力の低下を引
き起こすため、好ましくない。一方、振動板と個別電極
のギャップに相当する電極間距離(t)を短くすること
は、振動板の変位量の減少に伴ってインクの吐出量を減
少し、インクかすれ等の原因になるので、好ましくな
い。そのため、駆動電圧を大きくすることで、高密度化
に対応しようとしたが、電源,駆動回路のコストが高く
なる問題があった。
【0011】本発明の目的は、上述のごとき、問題点を
解決し、高密度化に対応したインクジェットヘッドに対
応できる静電型アクチュエータ・インクジェットヘッド
及びそれらの製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の静電型アクチ
ュエータの製造方法は、振動板と該振動板とギャップを
介して接合される電極基板上に前記振動板に対向して設
けられた基板電極を有し、前記振動板(又は該振動板に
取り付けられた振動板電極)と前記基板電極との間に駆
動電圧を印加し、前記振動板を静電力により変形させる
静電型アクチュエータにおいて、前記振動板と基板電極
の両方又はいずれかはその対向している面に絶縁膜を有
し、前記振動板(又は振動板電極)と基板電極との間に
おける振動板短手方向の断面におけるギャップは中央部
から周辺部に向かって小さくなっていることを特徴とし
たものである。
【0013】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記ギャップは前記電極基板側に形成されており、
該電極基板の短手方向の断面形状は前記振動板に向かっ
て滑らかな凹形状であり、前記基板電極は概ねこの凹形
状を覆っていることを特徴とするものである。
【0014】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記ギャップは前記電極基板側に形成されており、
該電極基板の短手方向の断面形状は前記振動板に向かっ
て周辺部が滑らかな凸形状であり、前記基板電極は概ね
この凸形状を覆っていることを特徴とするものである。
【0015】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、前記ギャップは前記電極基板側に形成されており、
該電極基板の短手方向の断面における形状は前記電極基
板に向かって中央部が滑らかな凹形状と該凹形状に連続
して周辺部が滑らかな凸形状であり、前記基板電極は概
ねこの連続した形状を覆っていることを特徴とするもの
である。
【0016】請求項5の発明は、請求項1乃至4のいず
れかの発明において、前記振動板および電極基板はシリ
コンを材料として形成されていることを特徴とするもの
である。
【0017】請求項6の発明は、請求項1乃至4のいず
れかの発明において、前記振動板はシリコンで形成さ
れ、電極基板はシリコン振動板と陽極接合可能な絶縁性
材料から形成されていることを特徴とするものである。
【0018】請求項7の発明は、請求項1乃至6のいず
れかに記載の静電型アクチュエータの製造方法におい
て、前記電極基板上にフォトレジストの層を形成し、該
フォトレジストの層にフォトリソグラフィによりギャッ
プ形状を形成し、このフォトレジスト層をマスクとして
前記電極基板材料を等方性及び/又は異方性エッチング
を行うことにより該電極基板材料に所望のギャップ形状
を形成することを特徴としたものである。
【0019】請求項8の発明は、請求項1乃至6のいず
れかに記載の静電型アクチュエータの駆動方法におい
て、駆動のために前記振動板を変位させたときに、該振
動板の少なくとも一部が絶縁膜を介して前記基板電極と
接した状態であることを特徴とするものである。
【0020】請求項9のインクジェットヘッドは、請求
項1乃至6のいずれかに記載の静電型アクチュエータを
用いるインクジェットヘッドであって、インクを吐出す
るための液室が前記振動板の一部を用いて形成されてい
ることを特徴とするものである。
【0021】請求項10の静電型インクジェットヘッド
の製造方法は、記録液を吐出するノズルに連通する液室
の一部を構成する振動板と、振動板に対して非平行なギ
ャップを介して個別電極が対向配置された電極基板を有
し、前記振動板に取り付けられた共通電極と前記個別電
極間に駆動電圧を印加し、前記振動板を静電力により変
形させ記録液を前記ノズル吐出口から吐出させ記録媒体
に記録を行うインクジェット記録ヘッドの製造方法にお
いて、振動板基板もしくは電極基板の少なくとも一方の
基板において、ギャップの位置に対応して、前記基板上
もしくは前記基板上に形成された絶縁層上に所定の形状
のレジストを形成する工程と、前記レジストおよび前記
基板もしくは基板上に形成された絶縁層を同時にエッチ
ングすることにより前記レジスト形状を所定の比率で前
記基板もしくは前記絶縁層に転写する工程を有すること
を特徴とするものである。
【0022】請求項11の発明は、請求項10に記載の
発明において、基板上もしくは基板上に形成された絶縁
層上にレジストを塗布後、少なくとも非平行ギャップ形
成領域に対応する部分においてギャップ形状に対応して
段階的もしくは連続的な透過率分布を持つフォトマスク
を利用して前記レジストに露光/現像処理を行うことに
より、所定の形状を持ったレジストを形成することを特
徴とするものである。
【0023】請求項12の発明は、請求項10に記載の
発明において、基板上にもしくは基板上に形成された絶
縁層上にレジストを塗布後、使用するレジスト/装置/
露光条件/現像条件において個々の開口が解像しないよ
うな複数の開口をもつとともに、前記開口がギャップ形
状に対応した開口率分布で配置されているフォトマスク
を利用し、前記開口が解像しないような条件で露光/現
像処理を行うことにより所定の形状を持ったレジストを
形成することを特徴とするものである。
【0024】請求項13の発明は、請求項10又は12
に記載の発明において、露光/現像処理後にレジストの
軟化温度以上の温度の熱処理を加えることを特徴とする
ものである。
【0025】請求項14の発明は、請求項10に記載の
発明において、所定の形状に加工されたレジストと基板
もしくは基板上に形成された絶縁膜を同時にエッチング
する工程終了後に、振動板が形成される基板と対向電極
が形成される基板の接合面の少なくとも一部には200
0Å以上の厚みのレジストが残っていることを特徴とす
るものである。
【0026】請求項15の発明は、請求項10に記載の
発明において、レジストの非平行ギャップに対応する部
分の両側に、非平行ギャップ部分のレジスト勾配よりも
大きな勾配で形成される段差をレジストに設けることを
特徴とするものである。
【0027】請求項16の発明は、請求項11又は12
に記載の発明において、縮小光学系からなる露光装置に
より露光処理を行なうことを特徴とするものである。
【0028】請求項17の発明は、請求項11又は12
に記載の発明において、基板上にもしくは基板上に形成
された絶縁層上にレジストを塗布後、処理するレジスト
/露光装置/露光条件において解像限界以下となるよう
な複数の開口を有しているとともに前記開口の開口率は
ギャップ形状に対応して徐々に変化するようなパターン
を有するフォトマスクを利用して前記レジストに露光/
現像処理を行う工程において、露光位置をずらして複数
回の露光処理を行うことを特徴とするものである。
【0029】請求項18の発明は、請求項11又は12
に記載の発明において、レジストおよび基板もしくは基
板上に形成された絶縁層を同時にエッチングすることに
より前記レジスト形状を所定の比率で前記基板もしくは
前記絶縁層に転写にあたり、前記レジストのエッチレー
トが基板もしくは基板上に形成された絶縁層のエッチレ
ートよりも大きいことを特徴とするものである。
【0030】請求項19の発明は、請求項10に記載の
発明において、レジストおよび基板もしくは基板上に形
成された絶縁層を同時にエッチングする工程が枚様式の
処理装置で複数枚の基板を処理する場合に所定の量に満
たないエッチングを一旦行なったのちに最初の処理と処
理順を逆にして所定量のエッチング処理を行なうことを
特徴とするものである。
【0031】請求項20の発明は、請求項10に記載の
発明において、振動板基板もしくは電極基板の少なくと
も一方の基板において、ギャップの位置に対応して、前
記基板上もしくは前記基板上に形成された絶縁層上に所
定の形状をもったレジストを形成する工程と、前記レジ
ストおよび前記基板もしくは基板上に形成された絶縁層
を同時にエッチングすることにより前記レジスト形状を
所定の比率で前記基板もしくは前記絶縁層に転写する第
一のエッチング工程と少なくとも電極形成部分が完全に
開口されたエッチングマスクによって前記基板もしくは
基板上に形成された絶縁層をエッチングする第二のエッ
チング工程を有し、前記第二のエッチング工程により形
成された凹部内に個別電極を形成することを特徴とする
ものである。
【0032】請求項21の発明は、請求項20に記載の
発明において、第一のエッチング工程よりも第二のエッ
チング工程を後に行うことを特徴とするものである。
【0033】請求項22の発明は、請求項20に記載の
発明において、第二のエッチング工程のエッチングマス
クが、第一のエッチング工程終了後に基板上に残ったレ
ジストであることを特徴とするものである。
【0034】請求項23の発明は、請求項20に記載の
発明において、第二のエッチング工程でエッチングされ
る材料がシリコン基板上に形成された熱酸化膜であり、
エッチャントがバッファード沸酸であることを特徴とす
るものである。
【0035】請求項24の発明は、請求項10乃至23
の発明において、振動板形成基板および対向電極形成基
板の材料が単結晶シリコンであって、いずれかの方法で
製造されたことを特徴とするものである。
【0036】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による静電型アク
チュエータの概略構成を示す図で、図中、11は振動
板、12は電極基板、13は静電力を発生するためのギ
ャップ、14は基板電極で、該基板電極14は電極基板
12の上に形成され、前記ギャップ13を介して前記振
動板11に対向して配設され、該基板電極14と前記振
動板11との間に電圧が印加された時に該振動板を変位
させる。振動板11の材料としては、単結晶シリコン等
の材料を用いることが耐久性等の観点で望ましいが、長
期の耐久性を必要としないような目的であれば多結晶シ
リコンで形成してもよい。
【0037】振動板11の厚さは、アクチュエータの使
用目的,変位範囲,駆動する電圧等により最適に選択さ
れるが、通常は、1.0μmから20μmの範囲で設定
されることが多い。振動板11の形成方法としては、シ
リコンウエハーを材料として形成されることが多い。具
体的には、シリコンウエハーを電極基板12と接合し、
その後に、所望の振動板厚さまでシリコンウエハーを研
磨する方法、又は、振動板を形成するシリコンウエハー
に予め不純物を拡散しておき、接合後に不純物領域での
エッチング速度の差を利用してエッチング停止し、所望
の振動板厚さを得る方法、又は、同様に、不純物を拡散
して電気化学的に所望の厚さでエッチングを停止させる
方法等がある。あるいは、いわゆるSOIウエハーと呼
ばれる予め所定の厚さのシリコン薄膜が形成されている
ウエハーを用いて、振動板を形成させることもできる。
【0038】多結晶シリコンで振動板を形成する場合に
は、予めギャップ13,基板電極14を形成した電極基
板12のギャップ部をAl(アルミニウム)等のいわゆ
る犠牲材料で平坦化し、その上にシリコン薄膜11を成
膜し、その後に、前記犠牲材料を除去することで形成す
ることができる。この振動板11に振動板電極(図示せ
ず)を別途形成してもよいが、通常の場合、不純物の拡
散によりシリコン振動板11を低抵抗として、振動板と
振動板電極を兼ねることが多い。このシリコン振動板は
基板電極を向いている側に絶縁膜が形成されていてもよ
い。その場合、絶縁膜としてはSiO等酸化膜系の絶
縁膜、Si等窒化膜系の絶縁膜を使用することが
できる。絶縁膜の形成方法としては成膜手法によること
が多いが、振動板の表面を熱酸化し、表面に酸化膜の絶
縁膜を形成してもよい。
【0039】電極基板12としては単結晶シリコン,ガ
ラス,セラミック等種々の材料を選択することができ
る。単結晶シリコンで電極基板を形成する場合には通常
のシリコンウエハーを用いることができる。その厚さは
シリコンウエハーの直径で異なるが、直径4インチのシ
リコンウエハーであれば厚さが500μm程度、直径6
インチのシリコンウエハーであれば厚さは600μm程
度であることが多い。シリコンウエハー以外の材料を選
択する場合には、振動板シリコンと熱膨張係数の差が小
さい方が振動板と接合する場合に、信頼性の点で有利で
ある。例えば、ガラス材料であればコーニング社製♯7
740,岩城硝子社製であればSW3,ホーヤ社製であ
ればSD2等を用いることができる。
【0040】電極基板12と振動板11との接合は、接
着剤による接合でもよいが、より信頼性の高い物理的な
接合、例えば、振動板11が単結晶シリコンで形成さ
れ、電極基板12がシリコンで形成される場合、酸化膜
を介した直接接合法を用いることができ、又、電極基板
12がガラスの場合、陽極接合が使用できる。電極基板
12がシリコンで形成されていて、陽極接合を用いる場
合には、電極基板12と振動板11との間にパイレック
スガラスを成膜して、この膜を介して陽極接合を行って
もよい。
【0041】ギャップ13は、電極基板12の上に形成
された基板電極14と振動板11との振動板短手方向に
おける間隔が、周辺部が中央部より小さくなるように形
成されている。その短辺方向,長辺方向の長さ,ギャッ
プ深さ等の寸法はアクチュエータの使用目的,変位範
囲,駆動する電圧等により選択されるが、一般的には、
短辺長さは50〜500μm,長辺長さは200〜40
00μm,ギャップ深さとしては0.1〜5.0μmの範
囲で設定されることが多い。ギャップ13の具体的な形
成方法については後述する。
【0042】基板電極14としては、通常、半導体素子
の形成プロセス等で一般的に用いられているAl,C
r,Ni等の金属材料が多く用いられる。また、不純物
により低抵抗化した多結晶シリコン薄膜を用いてもよ
い。電極基板12がSiウエハーなど導電性を有する材
料で形成される場合には、電極基板12と基板電極14
との間には絶縁層を形成する必要がある。この場合、絶
縁層としてはSiOが用いられるのが一般的である。
電極基板12にガラス等の絶縁性材料を用いる場合に
は、基板電極14との間に絶縁層を形成する必要はな
い。また、電極基板12がシリコンの場合には、基板電
極として、不純物拡散領域を用いることができる。この
場合、拡散に用いる不純物は基板シリコンの導電型と反
対の導電型を示す不純物を用い、拡散領域周辺にpn接
合を形成し、基板電極14と電極基板12とを電気的に
絶縁する。種々の方法で形成した基板電極は、振動板と
の短絡を避けるために絶縁膜で覆う場合がある。その絶
縁膜としてはSiO等酸化膜系の絶縁膜、Si
等窒化膜系の絶縁膜を使用することができる。絶縁膜の
形成方法としては成膜手法によることが多い。
【0043】本発明による静電型アクチュエータは、従
来の静電型アクチュエータより低電圧で駆動可能であ
る。静電型アクチュエータは振動板電極(振動板が兼ね
ることが多い)とこれに対向して配置される基板電極と
の間に発生する静電力と振動板の剛性力の釣り合いによ
り動作する。この静電力は2つの電極間の距離の二乗に
反比例するために、電極間距離が小さいほどより小さい
電圧で所望の静電力を得ることができる。
【0044】本発明による静電型アクチュエータでは、
振動板電極と基板電極との間隔は周辺部が中央より小さ
くなっているために、駆動電圧の印加に従い、振動板の
変位は距離が小さい周辺部から開始する。このときの変
位開始電圧は振動板中央部の変位開始電圧より低い。振
動板周辺部の変位開始に従い、振動板電極と基板電極と
の間隔は順次小さくなり、少しの電圧増加で大きな変位
が得られる。よって、本発明による静電型アクチュエー
タは、従来の静電型アクチュエータに比べて低い電圧で
駆動可能である。
【0045】又、本発明による静電型アクチュエータ
は、振動板と基板電極との間に絶縁膜が形成されている
ため、振動板が基板電極と触れても短絡することがな
い。よって、本発明による静電型アクチュエータでは振
動板の一部が対向する基板電極と触れるような動作も可
能である。図1においては、説明を簡明にするために、
アクチュエータを1つだけ示したが、同一基板上に、図
示の静電型アクチュエータを複数個等しい間隔で配置
し、静電アクチュエータアレーとして形成することも可
能である。
【0046】図2は、本発明による静電型アクチュエー
タのギャップ形状の実施例を示す断面図で、振動板21
は単結晶シリコンで形成され、その厚さは8μmであ
る。電極基板22は単結晶シリコンの(100)ウエハ
ー,厚さ525μmのものを用いた。ギャップ23の形
状は振動板21に向かって滑らかな凹形状に形成されて
いる。その短辺長さは130μm,長辺長さは3000
μm,ギャップ23の深さとしては0.3μmである。
基板電極24は、厚さ3000オングストロームのTi
N薄膜であり、RFスパッタ法により形成した。基板電
極24の下地にはシリコンの熱酸化膜(図示せず)が1
μmの厚さで形成されている。又、基板電極24はプラ
ズマCVD法で成膜したシリコンの窒化膜(厚さ500
0オングストローム)で保護される。振動板21と電極
基板22との接合はシリコンの熱酸化膜を介した直接接
合で行われた。
【0047】図5は、図2に示した静電型アクチュエー
タのギャップ形成のプロセスを具体的に示したもので、
図5(A)〜図5(E)に示すプロセスから成る。 図5(A):シリコンウエハーからなる電極基板材料5
2にフォトレジスト(OFPR−800)55を厚さ1
μmに形成する。
【0048】図5(B):次いで、フォトマスク56を
用いてフォトレジスト55を露光する。このフォトマス
ク56は光が透過する領域は透過した光が散乱するよう
に形成されており、そのため、フォトレジスト55の露
光領域はマスク56の中央部で深く、マスク56の周辺
部で浅く露光される。
【0049】図5(C):露光の光強度,露光時間を調
整し、レジスト55の露光領域が電極基板材料52に到
達しないようにすると、現像後のレジスト形状は拡散マ
スクでの露光領域を反映して、図5(C)に示すよう
に、滑らかな凹形状になる。
【0050】図5(D):このレジスト層55と電極基
板材料52を深さ方向に異方性ドライエッチするとエッ
チングの進行に従い、レジスト層55の滑らかな凹形状
が電極基板材料52に転写される。エッチングガスとし
てはSF,Oの混合ガスを用いた。エッチングの条
件はレジスト層55のエッチングレートと電極基板材料
52のエッチングレートが等しくなるように調整した。
こうすることにより、レジスト層55に形成したギャッ
プ53の深さと電極基板材料52に形成される深さが等
しく得られる。又、2つの材料のエッチングレート比を
意識的に変えて、電極基板材料52に形成されるギャッ
プ深さを調整することも可能である。
【0051】図5(E):エッチング終了後、電極基板
材料52上に残ったレジスト層55を除去して、本発明
による静電型アクチュエータを構成するギャップ形状5
3が完成した。図5(D)では、振動板との接合面の保
護のためにギャップの周辺にレジスト層を残してある
が、接合に問題がない場合にはレジスト層を残す必要は
ない。
【0052】図3は、本発明によるギャップ形状の他の
実施例を説明するための断面図で、この実施例において
は、振動板31は単結晶シリコンで形成され、その厚さ
は5μmである。電極基板32はコーニング社製パイレ
ックスガラス♯7740の、厚さ1μmのものを用い
た。ギャップ33はその形状が振動板31に向かって周
辺部が滑らかな凸形状に形成されている。その短辺長さ
は130μm,長辺長さは3000μm,ギャップ33
の深さとしては0.5μmである。
【0053】基板電極34は厚さ3000オングストロ
ームのAl薄膜であり、RFスパッタ法により形成し
た。又、基板電極34はプラズマCVD法で成膜したシ
リコンの窒化膜(厚さ5000オングストローム)で保
護されている。振動板31と電極基板32との接合は陽
極接合で行われた。
【0054】図6は、図3に示した静電型アクチュエー
タのギャップ形成プロセスを具体的に示したもので、図
6(A)〜図6(E)に示すプロセスより成る。 図6(A):パイレックスガラス♯7740からなる電
極基板材料62にフォトレジスト(OFPR−800)
65を厚さ1μmに形成する。 図6(B):次いで、フォトマスクを用いてギャップと
なる領域のフォトレジスト65を露光除去する。 図6(C):フォトレジスト65を開口した後に改めて
フォトレジスト66を塗布する。レジスト66は段差の
ある形状に塗布されるので、レジスト66の開口部の周
辺で形状が振動板側に向かって滑らかな凸形状に変化す
る。
【0055】図6(D):このレジスト層(65,6
6)と電極基板材料62を深さ方向に異方性ドライエッ
チングすると、エッチングの進行に従い、レジスト層
(65,66)の滑らかな凸形状が電極基板材料62に
転写される。エッチングガスとしてはCF,Oの混
合ガスを用いた。エッチングの条件はレジスト層(6
5,66)のエッチングレートと電極基板材料62のエ
ッチングレートが等しくなるように調整した。こうする
ことに、よりレジスト層(65,66)に形成したギャ
ップ形状63の深さと電極基板材料62に形成される深
さが等しく得られる。又、2つの材料のエッチングレー
ト比を意識的に変えて、電極基板材料62に形成される
ギャップ深さを調整することも可能である。
【0056】図6(E):エッチング終了後、電極基板
材料62上に残ったレジスト層を除去して、本発明によ
る静電型アクチュエータを構成するギャップ形状が完成
した。図6(D)では振動板との接合面の保護のために
ギャップの周辺にレジスト層65を残してあるが、接合
に問題がない場合にはレジスト層を残す必要はない。
【0057】図4は、本発明によるギャップ形状の更に
他の実施例を説明するための断面図で、振動板41は、
単結晶シリコンで形成され、その厚さは8μmである。
電極基板42は単結晶シリコンの(100)ウエハー,
厚さ525μmのものを用いた。ギャップ43の形状は
振動板41に向かってギャップの短辺の開口部の周辺で
形状が滑らかな凸形状に、又、開口部の中央部で滑らか
な凸形状に形成されている。その短辺長さは130μ
m,長辺長さは3000μm,ギャップ深さとしては
0.3μmである。基板電極44は厚さ3000オング
ストロームのTiN薄膜であり、RFスパッタ法により
形成した。基板電極44の下地にはシリコンの熱酸化膜
(図示せず)が1μmの厚さで形成されている。又、基
板電極34はプラズマCVD法で成膜したシリコン窒化
膜(厚さ5000オングストローム)で保護されてい
る。振動板41と電極基板42との接合はシリコンの熱
酸化膜を介した直接接合で行われた。
【0058】図7は、図4に示した静電型アクチュエー
タのギャップ形成プロセスを具体的に示したもので、図
7(A)〜図7(F)に示すプロセスより成る。 図7(A):シリコンウエハーからなる電極基板材料7
2にフォトレジスト(OFPR−800)76を厚さ1
μmに形成する。 図7(B):次いで、フォトマスクを用いてギャップと
なる領域のフォトレジストを露光除去する。 図7(C):フォトレジストを開口した後に改めてフォ
トレジスト76を塗布する。塗布後にこのレジスト層
(75,76)を熱処理することによりレジスト76は
熱による流動性を得て、その表面張力とのバランスによ
りレジスト75の開口部の周辺で形状が滑らかな凸形状
又は開口部の中央部で滑らかな凸形状に変化する。
【0059】図7(D):このレジスト層(75,7
6)と電極基板材料72を深さ方向に異方性ドライエッ
チングすると、エッチングの進行に従い、レジスト層
(75,76)の滑らかな凹凸形状が電極基板材料72
に転写される。エッチングガスとしてはSF,O
混合ガスを用いた。エッチングの条件はレジスト層(7
5,76)のエッチングレートと電極基板材料72のエ
ッチングレートが等しくなるように調整した。こうする
ことによりレジスト層(75,76)に形成したギャッ
プ形状の深さと電極基板材料72に形成される深さが等
しく得られる。又、2つの材料のエッチングレート比を
意識的に変えて、電極基板材料72に形成されるギャッ
プ73の深さを調整することも可能である。
【0060】図7(E):エッチング終了後、電極基板
材料72上に残ったレジスト層75を除去して、本発明
による静電型アクチュエータを構成するギャップ形状が
完成した。なお、図7(E)では振動板との接合面の保
護のためにギャップの周辺にレジスト層75を残してあ
るが、接合に問題がない場合にはレジスト層を残す必要
はない。
【0061】図8は、本発明による静電型アクチュエー
タを用いたインクジェットヘッドの一例を示す断面図
で、図8(A)は正面図、図8(B)は側面図である。
図8において、81は本アクチュエータの振動板を兼ね
た液吐出用の液室形成部材であり、シリコンの(11
0)ウエハーを基板として異方性エッチングの手法によ
り形成した。82は電極基板部材であり、シリコンの
(100)ウエハーを用いて形成されている。83は滑
らかな凹形状のギャップで、その深さは0.8μmであ
る。84はギャップ内に形成された基板電極で、厚さ
0.3μmのTiN薄膜で形成されている。この基板電
極84はプラズマCVDの手法で形成した厚さ0.15
μmのSiN膜で保護されている(図示せず)。85は
振動板と電極基板接合のための酸化膜で、厚さ0.2μ
mである。振動板と電極基板との接合は酸化膜を介した
シリコンの直接合法で行った。86はインク吐出のため
の加圧液室で短辺長は130μm,長辺長は3500μ
mである。87は流体抵抗用流路でその断面積は120
0μm,長さは200μmである。88は共通流路に
開口されたインク供給用開口部で直径0.5mmであ
る。89は加圧液室に連通する共通液室で長さ1500
μmである。この共通液室89は複数の加圧液室に連通
することもできる。90は単結晶シリコンの振動板で厚
さは3μmである。この振動板90は液室86を形成す
る液室形成部材の一部であり、加圧液室,共通液室を形
成する過程で形成される。その方法は振動板となる部分
にボロン元素(B)を高濃度に拡散させ、液室を形成す
る異方性エッチングを振動板領域で停止させることで形
成した。91はインク吐出のためのノズルでその直径は
25μmである。92はノズル部を含むノズルプレート
で、Niの電鋳法により形成され、インク吐出の表面が
疎水性に処理されている。
【0062】本インクジェットヘッドでは静電力により
シリコン振動板90を振動させて加圧液室86内部の圧
力を上昇させ、その上昇力によりインク滴をノズル部9
1より吐出させる。吐出後、新たなインクは外部に連通
する共通液室89から液体抵抗流路87を介して加圧液
室86に補充される。吐出されるインク量は振動板90
の変位により制御できる。本インクジェットヘッドにお
いて、振動板90の変位はギャップ周辺の振動板/基板
電極間の間隔の小さいところから始まるので、低電圧で
駆動できる。又、振動板90と基板電極84との間には
絶縁膜があるので振動板を基板電極に接するまで振動板
を変位させることもできる。
【0063】なお、図8においては、説明を簡略化する
ために、インクジェットヘッドを1つだけ示したが、同
一基板上に本インクジェットヘッドを複数等しい間隔で
配置し、インクジェットヘッドアレーとして形成するこ
とも可能である。
【0064】図9は、本発明によって製造されたインク
ジェットヘッドのアクチュエータ部の要部断面で、該ア
クチュエータの主要部は、従来のものと同様に、支持基
板120,絶縁膜121,対向電極122,絶縁膜12
3,接着層124,隔膜110,振動板111から構成
される。振動板111と対向電極122間(正確には絶
縁膜123との間)には微少なギャップが形成されてい
て、振動板111と対向電極122間に電圧を加える
と、静電力により振動板111が対向電極122側に変
位し、その後、電圧を0に戻したときに変位している振
動板111がその弾性力によって元の位置に戻ろうとす
る力によりインクを噴射させるものである。振動板11
1と対向電極122間のギャップは絶縁膜121中に堀
込まれたくぼみとスペーサとしても用いられている接着
層124とによって作られた間隔から対向電極122の
厚みの差をとった大きさとなる。
【0065】図9に示したアクチュエータでは、駆動電
圧の低電圧化と噴射インク滴量の複数段階制御を目的と
して、片側においてはギャップ端から中心部に行くに従
い振動板と対向電極間隔が徐々に広がるように、残り部
分においては振動板と対向電極が平行となるようなギャ
ップ形状となっている。対向電極122上の絶縁膜12
3は振動板111と対向電極122の短絡を防ぐもので
あり、同機能の絶縁膜を振動板側に形成してもよい。ま
た、振動板と対向電極が接触しないような駆動方式で動
作させる場合には省略する事も可能である。また、図9
に示した例においては、絶縁層121に窪みを掘った
が、支持基板に窪みを掘りその上に均一な厚みで絶縁層
を形成しても同様なギャップを形成することが可能であ
る。さらに、支持基板としてガラス等の絶縁性の基板を
用いた場合には、絶縁膜121は省略可能である。ま
た、対向電極形成基板側に形成されたような窪みを振動
板側に形成してギャップ作成することも可能である。更
に、ギャップ形状はあくまで1例であり、目的に応じて
他のギャップ形状にすることも可能である。
【0066】図9に示した例においては、支持基板とし
て<100>シリコンウェハを用い、絶縁膜121とし
ては前記シリコンウェハ上に熱酸化により概ね2μm成
長させた熱酸化膜を用いた。また、対向電極としてはA
l、その上の絶縁膜としてはプラズマCVD法により成
長させたSiO2膜を用いた。ギャップスペーサを兼ね
る接着層124には感光性ポリイミドをもちいて熱圧着
による接着をおこなった。隔壁110および振動板11
1には<110>シリコンウェハが用いられていて、さ
らに振動板111にはエッチングストップのために高濃
度(6E19/cm3以上)のボロンドープがされてい
る。ただし、これらはあくまで1実施例であり、同様な
機能を持つ他材料を用いてもかまわない。
【0067】本発明は、振動板とそれにギャップを挟ん
で対向する電極間のギャップ形成法に関するものである
ことから他部品の図示は省略したが、従来技術と同様に
図9の構成のアクチュエータにインク供給路,流体抵
抗,ノズルプレート等の部品と組み付けることにより、
インクジェットヘッドが作成される。
【0068】図10(A),(B)、図11(C),
(D),(E),(F)、図12(G),(H),
(I),図13は本発明によるインクジェットヘッド製
造プロセスのフローを説明するための概略図である。
【0069】図10(A):支持基板120となる<1
00>シリコンウェハ上に絶縁膜121となる熱酸化膜
を2.0μm成長させ、フォトレジスト130をスピン
コート/プリベークを行ったのち、個々の開口は解像し
ない多数の開口がギャップ形状に対応した開口率分布で
配置されているフォトマスク140を利用して露光処理
を行う(以下、このようなフォトマスクをグラデーショ
ンマスクと呼ぶ)。
【0070】本実施例においては、レジスト130とし
ては、TSMR CRB−2(粘度50cp品)を用い
概ね2000rpmでスピンコートすることにより2.
8μm程度の厚を得た。塗布後は90℃ 60secの
プリベークをおこない、露光はg線ステッパー(型式:
NSR1755G7A、NA:0.54、λ:436n
m)にて装置的な露光量(透過率100%,パターンボ
ケの問題がないような広いパターンでの露光量)700
mJ/cm2、フォーカスオフセット量は10μmの条
件でおこなった。
【0071】図14は、ギャップ部分のマスクパターン
のイメージを示す図で、所定のピッチで多数の開口Aが
開いていてギャップ形状に対応して開口率を変化させて
いる。図14はあくまで概念図であり、実際のマスクで
の開口の数は通常もっと多い。本実施例においては、開
口のピッチはウェハ上で1.6μm相当のピッチとした
(ウェハ上では実際には開口しない条件で処理する)。
この開口ピッチであれば、前記レジスト/露光装置/露
光条件において個々の開口は解像しない。また、1/5
の縮小露光系を用いているので、ウェハ状で1.6μm
ピッチとなるような開口はフォトマスク上では8μmピ
ッチの開口となっている。このように、縮小露光系を用
いているので、フォトマスク上での開口ピッチはウェハ
上より大きくなるので、フォトマスクの寸法バラツキ
(=開口率のバラツキ)は等倍露光系を用いたときより
も小さくなる。また、上記開口ピッチはあくまで1例で
あり、露光装置・露光条件・所望のパターン形状によっ
て望ましい開口ピッチは変わってくる。また、本実施例
においては、グラデーションマスクを用いたが、ギャッ
プ形状に対応した透過率分布を持つようなフォトマスク
を用いても良い。そのようなフォトマスクは、たとえ
ば、露光する波長の光に対し半透明の材料を用いその膜
厚分布により透過率分布を制御することでも得られる。
特に特殊な材料でなくとも、膜厚が薄ければ半透明にな
るので、例えばポリシリコン等でもかまわない。
【0072】図10(B):つづいて現像処理をおこな
うと、前述した開口ピッチ及び露光条件では個々の開口
パターンは解像せずに、概ね平滑化された露光量分布に
対応したレジスト残膜厚分布が得られる。微視的に見る
と、レジスト表面には概ね平滑化されているものの多少
残っている光強度分布に対応して、開口ピッチと同ピッ
チのさざ波状の凹凸が残るが、本実施例の条件ではその
凹凸の高さは概ね200Å以下であり、特性上はなんら
問題無いレベルである(図17に、模式図を拡大して示
す)。また、レジストの種類、露光装置/露光条件、マ
スク設計等によっては、この凹凸が問題になる場合もあ
るが、その場合は現像後にレジストの軟化点以上の温度
(例えば200℃)でベーク熱処理をおこなうことによ
り、その凹凸を小さくすることも可能である。また、一
度で露光する場合の半分の露光量(本実施例においては
350mJ/cm2)で露光をおこなったのち、開口ピ
ッチの半分(本実施例においては0.8μm)露光位置
をずらしてもう一度残り半分の露光(本実施例において
は350mJ/cm2)を行うことにより、それぞれの
露光で光強度の強いところと弱いところが互いに打ち消
し合い、凹凸をなだらかにすることも可能である。
【0073】本実施例においては、図15に示すような
感度曲線のレジストを用いて図16に示すような開口率
分布を持つフォトマスクを用いることにより、図10
(B)に示したように斜面と平行な底面の逆台形形状の
窪みを持つようなレジスト形状を形成した。また、本発
明の方法によると、開口率の分布を変えることにより、
本実施例のレジスト形状だけでなく、比較的自由なレジ
スト形状を得ることができる。
【0074】図11(C):レジスト130および絶縁
膜を同時にエッチングする事によりレジストの形状が絶
縁膜に転写されていく。本実施例においては、CF4/
O2ガス系を用いたRIEにより、レジストのエッチレ
ート約9000Å/min,酸化膜のエッチレート約3
000Å/minの条件でのエッチングを行った。
【0075】図11(D):本実施例においてはレジス
トを完全にエッチングすることにより、レジスト形状を
深さ方向に1/3に縮小したような窪みが絶縁膜121
に形成される。プラズマ発光の強度変化からエッチング
のエンドポイントを検出し、さらに、レジスト厚さの分
布に応じて所定量のオーバーエッチング(実施例におい
ては10%とした)を行う。前記エッチレートでエッチ
ングを行うことにより、オーバーエッチング時に絶縁膜
の段差上部分も若干エッチングされるが、一方でオーバ
ーエッチング時には絶縁膜は形状を変えずに全体的に膜
減りするのみなので、(もとのレジスト形状と)ギャッ
プ深さ・幅はレジストと酸化膜のエッチレート比のみで
決定される。レジスト上に形成される開口ピッチに対応
したさざ波状の凹凸の高さもレジスト上での高さの1/
3程度の70Å以下となり、特性にほとんど影響を与え
ない大きさとすることができた。このように、レジスト
のエッチレートがレジスト形状を転写される絶縁膜もし
くは基板のエッチレートよりも大きくなる条件でエッチ
ングを行うことにより、レジスト形成段階で生じる凹凸
の高さより絶縁膜もしくは基板上での凹凸を小さくする
ことができる。
【0076】図11(E):洗浄後に対向電極122と
なる材料をスパッタ法により成膜する。本実施例におい
てはAlを2000Å成膜した。成膜方法、材料、厚み
はこれに限ったものではない。
【0077】図11(F):フォトリソ/エッチング工
程により対向電極122のパターン形成を行う。
【0078】図11(G):レジスト除去/洗浄後、絶
縁膜123をPE−CVD法により成膜する。本実施例
ではTEOS+O2ガスを用いてシリコン酸化膜を15
00Å成膜した。成膜方法、材料、厚みはこれに限った
ものではない。
【0079】図11(H):接着層250を塗布・パタ
ーン形成を行う。本実施例においては、接着層として感
光性ポリイミドを用いているので、フォトリソ工程に準
じたプロセスでパターン形成が可能である。
【0080】図12(I):振動板形成領域120に少
なくとも6E19/cm3以上のボロンドープを行った
振動板/隔壁形成基板110となる<110>シリコン
ウェハと対向電極が形成された基板とを熱圧着により接
着する。
【0081】図13:隔壁となる部分をマスクして<1
10>KOHによりシリコンを異方性エッチングする。
高濃度にボロンが拡散された領域でKOHでのエッチン
グがストップし、隔壁110が形成されると同時に振動
板111が形成される。
【0082】図18は本発明の他の実施例によって製造
されたインクジェットヘッドアクチュエータ部の要部断
面で、本実施例も、前述の実施例と同様に、支持基板1
20,絶縁膜121,対向電極122,絶縁膜123,
隔膜110,振動板111から構成されているが、接着
層を用いずに絶縁膜121を介して支持基板120と振
動板111が直接接合により接合されている。本実施例
のアクチュエータでは、噴射インク滴量の複数段階制御
のさらなる多値化を目的として、一方の端から他方の端
に行くに従い振動板と対向電極間隔が徐々に広がるよう
なギャップ形状となっている。また、絶縁膜123に掘
られた窪みの形状は非平行ギャップを形成するために底
面が斜面になっているとともに、振動板と対向電極12
2上の絶縁膜123がぶつからないようなスペースを確
保できる程度の深さが最低でも必要であり、窪みの両端
部においてはそれに必要な比較的急峻な傾きの段差が形
成されている。
【0083】本実施例においては、支持基板として<1
00>シリコンウェハを用い、絶縁膜121としては前
記シリコンウェハ上に熱酸化により概ね2μm成長させ
た熱酸化膜を用いた。また、対向電極としてはTiN、
その上の絶縁膜としてはプラズマCVD法により成長さ
せたSiO2膜を用いた。隔壁110および振動板11
1には<110>シリコンウェハが用いられていて、さ
らに振動板111にはエッチングストップのために高濃
度(6E19/cm3以上)のボロンドープがされてい
る。振動板111と支持基板120は熱酸化膜を介した
直接接合により接合した。ただし、これらはあくまで1
実施例であり、同様な機能を持つ他材料を用いてもかま
わない。また、本実施例のギャップ形状はあくまで1例
であり、目的に応じて他のギャップ形状にすることも可
能である。
【0084】本発明は、振動板とそれにギャップを挟ん
で対向する電極間のギャップ形成法に関するものである
ことから他部品の図示は省略したが、従来技術と同様
に、図18の構成のアクチュエータにインク供給路,流
体抵抗,ノズルプレート等の部品と組み付けることによ
り、インクジェットヘッドが作成される。
【0085】図19(A),(B)、図20(C),
(D),(E),(F)、図21(G),(H)は、本
実施例のプロセスのフローを説明するための概略図であ
る。
【0086】図19(A):支持基板120となる<1
00>シリコンウェハ上に絶縁膜121となる熱酸化膜
を2.0μm成長させ、フォトレジスト130をスピン
コート/プリベークを行ったのち、グラデーションマス
クを利用して露光処理を行う。本実施例においては、レ
ジスト130はTSMR CRB−2(粘度50cp
品)を用い概ね2000rpmでスピンコートすること
により2.8μm程度の厚を得た。塗布後は90℃ 6
0secのプリベークをおこない、露光はg線ステッパ
ー(型式:NSR1755G7A、NA:0.54、
λ:436nm)にて装置的な露光量(透過率100
%,パターンボケの問題がないような広いパターンでの
露光量)700mJ/cm2、フォーカスオフセット量
は10μmの条件でおこなった。
【0087】グラデーションマスクの設計は前記実施例
と同様に1.6μmピッチで多数の開口を配置したが、
ギャップ形状が異なることに対応し開口率分布は前記実
施例と異なり図22に示すような分布とした。つづいて
現像処理をおこなうことにより、図示されるような底部
がなだらかな斜面になっていて、その両端に底部の傾斜
と比較し急峻な(本実施例では垂直に近い)傾きの段差
を持つようなレジスト形状が得られる。本実施例におい
ては前記段差は小さい方で約1.2μmとなっている。
【0088】図19(B):レジスト130および絶縁
膜を同時にエッチングする事によりレジストの形状が絶
縁膜に転写されていく。本実施例においては、CF4/
O2ガス系を用いたRIEにより、レジストのエッチレ
ート約8000Å/min,酸化膜のエッチレート約3
200Å/minの条件でのエッチングを行った。ま
た、本実施例においては枚葉式のRIE装置を用いてい
たが、枚葉式の装置において複数枚(通常25枚)ウェ
ハの連続処理をおこなうと、処理順に応じて徐々にエッ
チレートが変化していくことがある。そこで、本実施例
においては、まず、所定の深さが得られるエッチング時
間の概ね半分の時間エッチングの連続処理を行った後、
最初のエッチングとは処理するウェハの順番を逆にして
残り半分程度のエッチングの連続処理を行った。
【0089】図20(C):本実施例においては段差上
部のレジストが4000Å程度残る程度までエッチング
を行うことによりエッチングされた部分のレジスト形状
を深さ方向に1/2.5に縮小したような窪みが絶縁膜
121に形成される。本実施例においては段差上部のレ
ジストを2000Å以上残すことによりその部分の酸化
膜表面がエッチングダメージを受けて荒れることが無い
ので、その面を接合面として振動板のシリコン面との直
接接合が可能である。なお、レジストの残厚が2000
Å未満になると、レジストが残っていても表面荒れが生
じてしまうことが実験により確認されている。また、前
工程で底部のなだらかな斜面の両側にほぼ垂直な段差を
持つレジスト形状を形成していたので、エッチングレー
トのバラツキによりレジストのエッチング量がばらつい
ても、振動板の振動領域幅を規定する窪み上部の幅のバ
ラツキはわずかである。ちなみに、振動の変位は振動板
の振動領域幅の概ね4乗に比例するので、その寸法バラ
ツキを小さくおさえることは重要である。
【0090】図20(D):レジスト除去および洗浄後
に対向電極230となる材料をスパッタ法により成膜す
る。本実施例においてはTiNを2000Å成膜した。
成膜方法、材料、厚みはこれに限ったものではない。
【0091】図20(E):フォトリソ/エッチング工
程によって対向電極122のパターン形成を行う。本実
施例においては、対向電極122となる部分以外に直接
接合の接合面となる段差上部の部分にも対向電極材料1
22aであるTiNを残すようにパターン形成を行っ
た。
【0092】図20(F):レジスト除去/洗浄後、絶
縁膜123をPE−CVD法により成膜した後、対向電
極122及びその側面を覆うようなレジストパターンを
フォトリソ工程により形成する。本実施例では絶縁膜に
は、TEOS+O2ガスを用いてシリコン酸化膜を15
00Å成膜した。成膜方法、材料、厚みはこれに限った
ものではない。
【0093】図21(G):前工程でパターン形成した
レジストをマスクに段差上部分に残っていた絶縁膜をエ
ッチングする。エッチングはバッファーフッ酸を用いて
ウェットで行っても良いし、例えばCHF3+CF4ガ
スを用いてドライエッチングで行っても良い。いずれに
してもこの段階では下のTiN層でエッチングがストッ
プするので、直接接合面となる酸化膜表面はエッチング
ダメージを受けない。つづいて、レジスト除去を行った
後、前工程でパターニングされた絶縁膜123をマスク
として、アンモニア水+過酸化水素水+純水のエッチャ
ントによりTiNをエッチングする。このエッチャント
では酸化膜はほとんどエッチングおよびダメージを受け
ないため、段差上部の酸化膜表面は直接接合可能な表面
性が保たれる。
【0094】図21(H):振動板形成領域120に少
なくとも6E19/cm3以上のボロンドープを行った
振動板/隔壁形成基板110となる<110>シリコン
ウェハと対向電極が形成された基板を直接接合により接
合する。次に隔壁となる部分をマスクして<110>K
OHによりシリコンを異方性エッチングする。高濃度に
ボロンが拡散された領域でKOHでのエッチングがスト
ップし、隔壁110が形成されると同時に振動板111
が形成され本実施例のアクチュエータ主要部が完成す
る。
【0095】図23(A),(B),(C)は更に他の
実施例の製造プロセスを説明するための概略図である
が、その出来上がりの形状は前記実施例の図21(H)
と概ね等しい形状となる。
【0096】図23(A):支持基板120となる<1
00>シリコンウェハ上に絶縁膜121となる熱酸化膜
を2.0μm成長させ、フォトレジスト130をスピン
コート/プリベークを行ったのち、グラデーションマス
クを利用して露光処理を行う。 本実施例においては、
レジストはTSMR CRB−2(粘度50cp品)を
用い概ね2000rpmでスピンコートすることにより
2.8μm程度の厚を得た。塗布後は90℃ 60se
cのプリベークをおこない、露光はg線ステッパー(型
式:NSR1755G7A、NA:0.54、λ:43
6nm)にて装置的な露光量(透過率100%,パター
ンボケの問題がないような広いパターンでの露光量)7
00mJ/cm2、フォーカスオフセット量は10μm
の条件でおこなった。
【0097】グラデーションマスクの設計は先の実施例
と同様に1.6μmピッチで多数の開口を配置したが、
ギャップ形状が異なることに対応し開口率分布は先の実
施例と異なり図22に示すような分布とした。つづいて
現像処理をおこなうことにより、図示されるような底部
がなだらかな斜面になっていて、その両端に底部の傾斜
と比較し急峻な(本実施例では垂直に近い)傾きの段差
を持つようなレジスト形状が得られる。本実施例におい
ては前記段差は小さい方で約1.2μmとなっている。
【0098】図23(B):レジスト130および絶縁
膜を同時にエッチングする事によりレジストの形状が絶
縁膜に転写されていく。本実施例においては、CF4/
O2ガス系を用いたRIEにより、レジストのエッチレ
ート約8000Å/min,酸化膜のエッチレート約3
200Å/minの条件でのエッチングをおこなう。エ
ッチング量としては概ね底面のなだらかな斜面のレジス
トがちょうどすべてエッチングされる程度のエッチング
量とした。
【0099】図23(C):バッファードフッ酸によ
り、絶縁膜121(熱酸化膜)を約4000Åエッチン
グを行う。BHFによる熱酸化膜のエッチングは非常に
均一であり、エッチング量のバラツキはウェハ内±1%
以下、ロット内で±1.5%以下程度に抑えることが可
能であるので段差深さのバラツキを小さすることができ
る。また、BHFによるエッチングでは多少サイドエッ
チが入るがこの条件では概ね1μm以下であり特性上は
ほとんど問題にならない。また、工程短縮のためにドラ
イエッチのみで段差形成する場合でも、レジストと絶縁
膜の選択比を所定の値に制御する必要のある非平行段差
を形成するステップと選択比を厳密に制御する必要のな
い全体的に均一に段差を深くするステップでエッチング
条件を変えることにより、段差深のバラツキを少なくす
ることが可能である。
【0100】本実施例においてはBHFによるウェット
エッチのマスクには非平行ギャップ形成のためにグラデ
ーションマスクにより形成されたレジストのレジストと
絶縁膜を同時にエッチングする工程後に残った部分を利
用したが、別途形成してもかまわない。また、先にウェ
ットエッチにより均一な段差を形成した後、グラデーシ
ョンマスクを利用して非平行ギャップを形成することも
可能であるが、図24に示すように、先に形成した段差
によりレジスト膜厚に分布ができるため、その点に注意
してマスク設計をする必要がある。以下、前記実施例と
同様にしてインクジェットヘッドが形成される。
【0101】
【発明の効果】請求項1の静電型アクチュエータは、振
動板(又は振動板電極)と基板電極との間のギャップが
中央部から周辺部に向かって小さくなっているので、振
動板を変位させる電圧を低くすることが可能である。
【0102】請求項2の静電型アクチュエータにおいて
は、ギャップは、その短手方向の断面における形状が振
動板に向かって滑らかな凹形状であり、基板電極は概ね
この凹形状を覆っているので、振動板が変位する電圧を
低くすることが可能である。
【0103】請求項3の静電型アクチュエータにおいて
は、振動板(又は振動板電極)と基板電極との間のギャ
ップは、その短手方向の断面における形状が振動板に向
かって周辺部が滑らかな凸形状であり、基板電極は概ね
この凸形状を覆っているので、振動板が変位する電圧を
一層低くすることが可能である。
【0104】請求項4の静電型アクチュエータにおいて
は、振動板(又は振動板電極)と基板電極との間のギャ
ップは、その短手方向の断面における形状が電極基板に
向かって中央部が滑らかな凹形状とそれに連続して周辺
部が滑らかな凸形状であり、基板電極は概ねこの連続し
た形状を覆っているので、振動板が変位量を多く得るこ
とが可能である。
【0105】請求項5の静電型アクチュエータは、その
振動板と電極基板がシリコンを材料として形成している
ので、安価な静電アクチュエータを得ることができる。
【0106】請求項6の静電型アクチュエータは、その
振動板がシリコンで形成され、且つ電極基板がシリコン
と陽極接合可能な材料で形成されているので、低温なプ
ロセス温度で形成した静電アクチュエータを得ることが
できる。
【0107】請求項7の静電型アクチュエータの形成法
によれば、本発明の静電アクチュエータを精度よく形成
することができる。
【0108】請求項8の静電型アクチュエータの駆動方
法によれば、振動板と基板電極とを接して駆動するので
振動板変位を正確に制御できる。
【0109】請求項9のインクジェットヘッドでは、低
電圧で駆動する静電アクチュエータを用いているので駆
動回路のコストを安くできる。
【0110】請求項10のインクジェットヘッド製造方
法によれば、振動板基板もしくは電極基板の少なくとも
一方の基板において、ギャップの位置に対応して、前記
基板上もしくは前記基板上に形成された絶縁層上に所定
の形状のレジストを形成する工程と、前記レジストおよ
び前記基板もしくは基板上に形成された絶縁層を同時に
エッチングすることにより前記レジスト形状を所定の比
率で前記基板もしくは前記絶縁層に転写する工程によ
り、階段形状の段差や非平行形ギャップ形状をフォトリ
ソ/エッチングといった通常の半導体製造で使用されて
いる技術によって作成することにより大量生産が可能と
なる。
【0111】請求項11のインクジェットヘッド製造方
法によれば、基板上もしくは基板上に形成された絶縁層
上にレジストを塗布後、ギャップ形状に対応して透過率
が段階的もしくは連続的に変化するフォトマスクを利用
してレジストに露光/現像処理を行うことにより透過率
分布に対応したレジスト膜厚分布を得ることができるの
で、目的に応じてギャップ形状を比較的自由に設計する
ことができ、より高機能・高性能のインクジェットヘッ
ドを製造する事が可能となる。
【0112】請求項12のインクジェットヘッド製造方
法によれば、基板上にもしくは基板上に形成された絶縁
層上にレジストを塗布後、少なくとも非平行ギャップ形
成領域に対応する部分においては、処理するレジスト/
露光装置/露光条件において解像限界以下となるような
複数の開口を有しているとともに前記開口の開口率はギ
ャップ形状に対応して徐々に変化するようなパターンを
有するフォトマスクを利用して前記レジストに露光/現
像処理を行うことにより開口率分布に対応したレジスト
膜厚分布を得ることができることから、目的に応じてギ
ャップ形状を比較的自由に設計することができるので、
より高機能・高性能のインクジェットヘッドを製造する
事が可能となる。
【0113】請求項13のインクジェットヘッド製造方
法によれば、露光/現像処理後にレジストの軟化温度以
上の温度の熱処理を加えることにより透過率の段階的な
変化や開口ピッチに対応したレジストの微細な凹凸を小
さくすることができるので、より高性能・高信頼性のイ
ンクジェットヘッドを製造する事が可能となる。
【0114】請求項14のインクジェットヘッド製造方
法によれば、所定の形状に加工されたレジストと基板も
しくは基板上に形成された絶縁膜を同時にエッチングす
る工程終了後に、振動板が形成される基板と対向電極が
形成される基板の少なくとも一部に2000Å以上の厚
みのレジストを残すことによりその部分に表面荒れが発
生しないので、後の工程で平坦化等特別な処理をするこ
となく振動板形成基板と対向電極形成基板を直接接合す
る事が可能となり、特性のバラツキの少ないインクジェ
ットヘッドの製造が可能となる。
【0115】請求項15のインクジェットヘッド製造方
法によれば、レジストの非平行ギャップに対応する部分
の両側に、非平行ギャップ部分のレジスト勾配よりも大
きな勾配で形成される段差をレジストに設けることによ
り、エッチング量がばらつきに起因するギャップ幅のバ
ラツキを小さくすることが可能となり特性バラツキの少
ないインクジェットヘッドの製造が可能となる。
【0116】請求項16のインクジェットヘッド製造方
法によれば、基板上にもしくは基板上に形成された絶縁
層上にレジストを塗布後、ギャップ形状に対応して開口
率が徐々に変化する複数の開口部が形成されたフォトマ
スクを利用し縮小光学系をもった露光装置によりレジス
トに露光/現像処理を行うことから、フォトマスク上で
は開口の大きさや開口のピッチがウェハ上よりも大きく
作成する事になることから、フォトマスク作成時の相対
的なバラツキを小さくすることができるので、特性バラ
ツキの小さなインクジェットヘッドを製造する事が可能
となる。
【0117】請求項17のインクジェットヘッド製造方
法によれば、基板上もしくは基板上に形成された絶縁層
上にレジストを塗布後、ギャップ形状に対応して開口率
が徐々に変化する複数の開口部が形成されたフォトマス
クを利用して露光処理を行なうにあたって、露光位置を
ずらして複数回の露光処理を行うことにより、マスクの
開口ピッチに対応したレジストの微細な凹凸を小さくす
ることができるので、より高性能・高信頼性のインクジ
ェットヘッドを製造する事が可能となる。
【0118】請求項18のインクジェットヘッド製造方
法によれば、レジストおよび基板もしくは基板上に形成
された絶縁層を同時にエッチングすることにより前記レ
ジスト形状を所定の比率で前記基板もしくは前記絶縁層
に転写にあたり、前記レジストのエッチレートを基板も
しくは基板上に形成された絶縁層のエッチレートよりも
大きくすることにより、レジスト上に比べ基板もしくは
基板上でのマスクの開口ピッチに対応したレジストの微
細な凹凸は小さくすることができるので、より高性能・
高信頼性のインクジェットヘッドを製造する事が可能と
なる。
【0119】請求項19のインクジェットヘッドの製造
方法によれば、レジストおよび基板もしくは基板上に形
成された絶縁層を同時にエッチングする工程が枚様式の
処理装置で複数枚の基板を処理する場合に所定の量に満
たないエッチングを一旦行なったのちに最初の処理と処
理順を逆にして所定量のエッチング処理を行なうことに
より処理順によるエッチングスピードの変動の影響を小
さくすることができるので、特性バラツキの小さなイン
クジェットヘッドを製造する事が可能となる。
【0120】請求項20のインクジェットヘッドの製造
方法によれば、非平行形状を形成する為のレジストおよ
び前記基板もしくは基板上に形成された絶縁層を同時に
エッチングする第一のエッチング工程と全体を均一にエ
ッチングする第二のエッチング工程のそれぞれに対して
最適なエッチング条件を選択することによりより高精度
のギャップ形成が可能となるので、特性バラツキの小さ
なインクジェットヘッドを製造する事が可能となる。
【0121】請求項21のインクジェットヘッドの製造
方法によれば、レジストおよび前記基板もしくは基板上
に形成された絶縁層を同時にエッチングする第一のエッ
チング工程よりも第二のエッチング工程を後に行うこと
により、第一のエッチング工程前のレジスト膜厚がより
均一に塗布可能となりギャップ形状をより精密に制御す
ることが可能となるので、特性バラツキの小さなインク
ジェットヘッドを製造する事が可能となる。
【0122】請求項22のインクジェットヘッドの製造
方法によれば、第二のエッチング工程のエッチングマス
クとして第一のエッチング工程終了後に基板上に残った
レジストを用いることにより工程を短縮することができ
るので、製造コストの低減が可能となる。
【0123】請求項23のインクジェットヘッドの製造
方法によれば、第二のエッチング工程で形成される段差
がシリコン基板上に形成された熱酸化膜のバッファー沸
酸によるエッチングにより形成されることからきわめて
均一性が高く高精度のエッチングが可能となるので、特
性バラツキの小さなインクジェットヘッドを製造する事
が可能となる。
【0124】請求項24のインクジェットヘッドは振動
板形成基板および対向電極形成基板の材料が単結晶シリ
コンであることから、既存の半導体製造装置を使用して
製造することが可能となるので、低価格で高性能のイン
クジェットヘッドを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1の静電型アクチュエータの概略構成
を示した図である。
【図2】 請求項2のギャップ形状の実施例を示すため
の図である。
【図3】 請求項3のギャップ形状の実施例を示すため
の図である。
【図4】 請求項4のギャップ形状の実施例を示すため
の図である。
【図5】 図2に示した静電型アクチュエータのギャッ
プ形成のプロセスを具体的に示した図である。
【図6】 図3に示した静電型アクチュエータのギャッ
プ形成のプロセスを具体的に示した図である。
【図7】 図4に示した静電型アクチュエータのギャッ
プ形状のプロセスを具体的に示した図である。
【図8】 静電型アクチュエータを用いたインクジェッ
トヘッドの一例を示す断面図である。
【図9】 本発明によって製造されたインクジェットヘ
ッドのアクチュエータ部の要部断面である。
【図10】 本発明によるインクジェットヘッド製造プ
ロセスのフローを説明するための概略図である。
【図11】 本発明によるインクジェットヘッド製造プ
ロセスの一部のフローを説明するための概略図である。
【図12】 図11に示したインクジェットヘッド製造
プロセスの続きのフローを説明するための概略図であ
る。
【図13】 図12に示したインクジェットヘッド製造
プロセスの続きのフローを説明するための概略図であ
る。
【図14】 ギャップ部分のマスクパターンのイメージ
を示す図である。
【図15】 レジストの感度曲線を示す図である。
【図16】 フォトマスクの開口率分布の例を示す図で
ある。
【図17】 露光部の凹凸を模式図を拡大して示す図で
ある。
【図18】 本発明の他の実施例によって製造されたイ
ンクジェットヘッドアクチュエータ部の要部断面であ
る。
【図19】 図18に示したインクジェットヘッドアク
チュエータの製造プロセスのフローを説明するための概
略図である。
【図20】 図19の続きのプロセスのフローを説明す
るための概略図である。
【図21】 図20の続きのプロセスのフローを説明す
るための概略図である。
【図22】 フォトマスクの開口率分布の他の例を示す
図である。
【図23】 本発明の更に他の実施例の製造プロセスを
説明するための概略図である。
【図24】 レジスト膜厚の分布に段差がある場合の例
を示す図である。
【符号の説明】
11,21,31,41…振動板、12,22,32,
42…電極基板、13,23,33,43…ギャップ、
14,24,34,44…基板電極、110…隔膜、1
11…振動板、120…支持基板、121…絶縁膜、1
22…対向電極、123…絶縁膜、124…接着層、1
30…フォトレジスト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 康弘 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 大高 剛一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 滝本 幸也 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 太田 英一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 入野田 貢 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2C057 AF55 AF93 AG54 AG90 AG92 AG93 AP02 AP14 AP24 AP31 AP53 AQ02 BA03 BA15

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動板と該振動板とギャップを介して接
    合される電極基板上に前記振動板に対向して設けられた
    基板電極を有し、前記振動板と前記基板電極との間に駆
    動電圧を印加し、前記振動板を静電力により変形させる
    静電型アクチュエータにおいて、前記振動板と基板電極
    の両方又はいずれかは、その対向している面に絶縁膜を
    有し、前記振動板と基板電極との間における前記振動板
    短手方向の断面におけるギャップは中央部から周辺部に
    向かって小さくなっていることを特徴とした静電型アク
    チュエータ。
  2. 【請求項2】 前記ギャップは前記電極基板側に形成さ
    れており、該電極基板の短手方向の断面における形状は
    前記振動板に向かって滑らかな凹形状であり、前記基板
    電極は概ね該凹形状を覆っていることを特徴とする請求
    項1に記載の静電型アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 前記ギャップは前記電極基板側に形成さ
    れており、該電極基板の短手方向の断面形状は前記振動
    板に向かって周辺部が滑らかな凸形状であり、前記基板
    電極は概ねこの凸形状を覆っていることを特徴とする請
    求項1に記載の静電型アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 前記ギャップは前記電極基板側に形成さ
    れており、該電極基板の短手方向の断面形状は前記電極
    基板に向かって中央部が滑らかな凹形状と該凹形状に連
    続して周辺部が滑らかな凸形状であり、前記基板電極は
    概ねこの連続した形状を覆っていることを特徴とする請
    求項1に記載の静電型アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 前記振動板および電極基板はシリコンを
    材料として形成されていることを特徴とする請求項1乃
    至4のいずれかに記載の静電型アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 前記振動板はシリコンで形成され、電極
    基板はシリコン振動板と陽極接合可能な絶縁性材料から
    形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいず
    れかに記載の静電アクチュエータ。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の静電
    型アクチュエータの製造方法において、前記電極基板上
    にフォトレジストの層を形成し、該フォトレジストの層
    にフォトリソグラフィによりギャップ形状を形成し、こ
    のフォトレジスト層をマスクとして前記電極基板材料を
    等方性及び/又は異方性エッチングを行うことにより該
    電極基板材料に所望のギャップ形状を形成することを特
    徴とした静電型アクチュエータの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至6のいずれかに記載の静電
    型アクチュエータの駆動方法において、駆動のために前
    記振動板を変位させたときに、該振動板の少なくとも一
    部が絶縁膜を介して前記基板電極と接した状態であるこ
    とを特徴とする静電型アクチュエータの駆動方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至6のいずれかに記載の静電
    型アクチュエータを用いるインクジェットヘッドであっ
    て、インクを吐出するための液室が前記振動板の一部を
    用いて形成されていることを特徴とするインクジェット
    ヘッド。
  10. 【請求項10】 記録液を吐出するノズルに連通する液
    室の一部を構成する振動板と、振動板に対して非平行な
    ギャップを介して個別電極が対向配置された電極基板を
    有し、前記振動板に取り付けられた共通電極と前記個別
    電極間に駆動電圧を印加し、前記振動板を静電力により
    変形させ記録液を前記ノズル吐出口から吐出させ記録媒
    体に記録を行うインクジェット記録ヘッドの製造方法に
    おいて、振動板基板もしくは電極基板の少なくとも一方
    の基板において、ギャップの位置に対応して、前記基板
    上もしくは前記基板上に形成された絶縁層上に所定の形
    状のレジストを形成する工程と、前記レジストおよび前
    記基板もしくは基板上に形成された絶縁層を同時にエッ
    チングすることにより前記レジスト形状を所定の比率で
    前記基板もしくは前記絶縁層に転写する工程を有するこ
    とを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 基板上もしくは基板上に形成された絶
    縁層上にレジストを塗布後、少なくとも非平行ギャップ
    形成領域に対応する部分においてギャップ形状に対応し
    て段階的もしくは連続的な透過率分布を持つフォトマス
    クを利用して前記レジストに露光/現像処理を行うこと
    により、所定の形状を持ったレジストを形成することを
    特徴とする請求項10に記載のインクジェットヘッドの
    製造方法。
  12. 【請求項12】 基板上にもしくは基板上に形成された
    絶縁層上にレジストを塗布後、使用するレジスト/装置
    /露光条件/現像条件において個々の開口が解像しない
    ような複数の開口をもつとともに、前記開口がギャップ
    形状に対応した開口率分布で配置されているフォトマス
    クを利用し、前記開口が解像しないような条件で露光/
    現像処理を行うことにより所定の形状を持ったレジスト
    を形成することを特徴とする請求項10に記載のインク
    ジェットヘッドの製造方法。
  13. 【請求項13】 露光/現像処理後にレジストの軟化温
    度以上の温度の熱処理を加えることを特徴とする請求項
    10又は12に記載のインクジェットヘッドの製造方
    法。
  14. 【請求項14】 所定の形状に加工されたレジストと基
    板もしくは基板上に形成された絶縁膜を同時にエッチン
    グする工程終了後に、振動板が形成される基板と対向電
    極が形成される基板の接合面の少なくとも一部には20
    00Å以上の厚みのレジストが残っていることを特徴と
    する請求項10に記載のインクジェットの製造方法。
  15. 【請求項15】 レジストの非平行ギャップに対応する
    部分の両側に、非平行ギャップ部分のレジスト勾配より
    も大きな勾配で形成される段差をレジストに設けること
    を特徴とする請求項10に記載のインクジェットヘッド
    の製造方法。
  16. 【請求項16】 縮小光学系からなる露光装置により露
    光処理を行なうことを特徴とする請求項11又は12に
    記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  17. 【請求項17】 基板上にもしくは基板上に形成された
    絶縁層上にレジストを塗布後、処理するレジスト/露光
    装置/露光条件において解像限界以下となるような複数
    の開口を有しているとともに前記開口の開口率はギャッ
    プ形状に対応して徐々に変化するようなパターンを有す
    るフォトマスクを利用して前記レジストに露光/現像処
    理を行う工程において、露光位置をずらして複数回の露
    光処理を行うことを特徴とした請求項11又は12に記
    載のインクジェットヘッドの製造方法。
  18. 【請求項18】 レジストおよび基板もしくは基板上に
    形成された絶縁層を同時にエッチングすることにより前
    記レジスト形状を所定の比率で前記基板もしくは前記絶
    縁層に転写にあたり、前記レジストのエッチレートが基
    板もしくは基板上に形成された絶縁層のエッチレートよ
    りも大きいことを特徴とする請求項11又は12に記載
    のインクジェットヘッドの製造方法。
  19. 【請求項19】 レジストおよび基板もしくは基板上に
    形成された絶縁層を同時にエッチングする工程が枚様式
    の処理装置で複数枚の基板を処理する場合に所定の量に
    満たないエッチングを一旦行なったのちに最初の処理と
    処理順を逆にして所定量のエッチング処理を行なうこと
    を特徴とする請求項10に記載のインクジェットヘッド
    の製造方法。
  20. 【請求項20】 振動板基板もしくは電極基板の少なく
    とも一方の基板において、ギャップの位置に対応して、
    前記基板上もしくは前記基板上に形成された絶縁層上に
    所定の形状をもったレジストを形成する工程と、前記レ
    ジストおよび前記基板もしくは基板上に形成された絶縁
    層を同時にエッチングすることにより前記レジスト形状
    を所定の比率で前記基板もしくは前記絶縁層に転写する
    第一のエッチング工程と少なくとも電極形成部分が完全
    に開口されたエッチングマスクによって前記基板もしく
    は基板上に形成された絶縁層をエッチングする第二のエ
    ッチング工程を有し、前記第二のエッチング工程により
    形成された凹部内に個別電極を形成することを特徴とす
    る請求項10に記載のインクジェットヘッドの製造方
    法。
  21. 【請求項21】 第一のエッチング工程よりも第二のエ
    ッチング工程を後に行うことを特徴とする請求項20記
    載のインクジェットヘッドの製造方法。
  22. 【請求項22】 第二のエッチング工程のエッチングマ
    スクが、第一のエッチング工程終了後に基板上に残った
    レジストであることを特徴とする請求項20に記載のイ
    ンクジェットヘッドの製造方法。
  23. 【請求項23】 第二のエッチング工程でエッチングさ
    れる材料がシリコン基板上に形成された熱酸化膜であ
    り、エッチャントがバッファード沸酸であることを特徴
    とする請求項20に記載のインクジェットヘッドの製造
    方法。
  24. 【請求項24】 振動板形成基板および対向電極形成基
    板の材料が単結晶シリコンであって、請求項10乃至2
    3のいずれかの方法で製造されたことを特徴とするイン
    クジェットヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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