JP2006350986A - 顔写真付きメールを送受信できる携帯電話機 - Google Patents

Abstract

【課題】送り手の電子メールを送る意図をすばやくかつ気持ちを感情豊かに伝えるためには、メールの内容に合った喜怒哀楽表情の顔写真を貼り付けることが効果的である。携帯電話機では、安い通信費でかつ簡単な操作により顔写真付きメールのやり取りができることが重要である。
【解決手段】メールでコミュニケーションする仲間の携帯電話機間で顔写真データを共有し、送り手はこの顔写真データから、顔写真を特定し、簡単な操作により喜怒哀楽表情を創出し、特定された顔写真認識番号と喜怒哀楽指令値と電子メールへの貼り付け位置情報を送信し、受け手の携帯電話機で顔写真を再生しメールの指定位置に添付するようにした．
【選択図】図３

Description

本発明は、電子メールの送り手が、メールを送る意図を瞬時に相手に理解させるため、あるいは自分の気持ちを感情豊かに伝えるため、喜怒哀楽表情の顔写真を貼り付けた電子メールを送受信できるようにした携帯電話機に関する。

近年の電子メールの普及は目覚しく、家族、友知人とのコミュニケーションやビジネスのための必須の道具となっている。特に携帯電話では絵文字や顔文字表現が発達し、少ない文章でも効果的に意図が伝わるようになってきた。

しかし、顔文字表現では表情の機微や微妙な感情は表現できず、使われ方も限定的である。携帯電話の電子メールに顔写真を積極的に活用することにより、意思伝達がよりスピーディにスムーズになると考えられる。

携帯電話の電子メールで顔写真を使おうとすると、送り手がメッセージの内容に合う顔写真を選べるように多種類の喜怒哀楽表情の写真データを各携帯端末に保存しておくことが必要になってメモリー量が大幅増大し、また多種類の中から一つの画像を選択するのに画像データの読み込み、表示とメッセージの内容に合っているかのチェックを繰り返すことになりこのために操作が煩雑になり携帯電話機を用いたメールのやり取りの良さが活かせない。これらの課題の一部を解決する手段が既に提案されている（特許文献１）。しかし、この提案では、顔写真の創生を専用ソフトウエアで行っているが、送り手のメッセージに創生した顔写真を貼り付けているため、送信時のデータ量が増し携帯メール一件あたり通信料が増し携帯使用者の費用負担が増してしまう。また、携帯電話機でこのような顔写真創生を行う場合には操作が煩雑になるが、前記特許文献１にはこの点の改善方法は提示されていない。

特開平１０−１４９４３３

携帯電話機により、電子メールをすばやくかつ送り手の気持ちを感情豊かに伝えるためには、メールの内容に合った喜怒哀楽表情の顔写真を簡単な操作で貼り付けられるようにすることが効果的である。このためには送り手側が顔画像を創生してこの情報をメッセージに添付して送ることを簡単な操作でスムーズにできるようにし、受け手側の携帯電話機が自分の携帯端末に保存されている顔写真データから指定された顔写真を取り込み指示された喜怒哀楽表情に変形して、メッセージの指定された場所に貼り付けて表示することを自動的に行えるようにする必要がある。

上記目的を達成するため、本発明の携帯電話機は、送り手側として、ベース顔写真の取り込み手段と、この顔写真の特徴点を抽出するプログラムと、喜怒哀楽表情を指示する操作器と、この操作器の指示値に従い抽出点を移動させるプログラムと、移動した抽出点から新しい顔写真を生成させるプログラムと、この顔写真データを別途作成した電子メールに貼り付ける場所を指定する手段を有している。受けて側としては、送り手が指示する顔写真データを創生して電子メールの指定された場所に貼り付けて表示する手段を有する。

まず、送り手側として必要な手段を説明する。顔写真取り込み手段は、携帯電話機に内蔵したディジタルカメラあるいはネットワーク上のサーバから特定の顔写真をダウンロードして、メモリに保存する。

顔写真の特徴点を抽出するプログラムは、特定した顔写真をＲＧＢ表色系からＹＩＱ表色系へ変換するプログラムと、変換した顔写真についてＷａｖｅｌｅｔ変換により輝度の差の大きい領域を選ぶプログラムと、眉目口鼻などの代表的な部位についてＱとＹで各々設定された閾値を超えた領域を選ぶプログラムと、これら二つの領域の重なった部分から特徴点を決めるソフトウエアよりなる。

喜怒哀楽表情創出プログラムは、喜怒哀楽表情創出の操作器から送られた指令値を受けあらかじめ決められた演算操作により抽出点の移動ベクトル量を計算するアルゴリズムと、このベクトル量をもとにＣＳＲＢＦを用いてベースの顔写真を変形させるプログラムからなる。得られた新しい顔写真はメモリに保存される。

ＣＳＲＢＦ（Ｃｏｍｐａｃｔｌｙ−Ｓｕｐｐｏｒｔｅｄ Ｒａｄｉａｌ Ｂａｓｉｓ Ｆｕｎｃｔｉｏｎｓ）とは、表面を再構成する技術のうちの一つであり離散点（ｘ，ｙ，ｚ）から関数ｆ（ｘ，ｙ，ｚ）を生成する技術である。関数決定の式は以下に示される。

また、ＣＳＲＢＦでは基底関数を以下のように決定している。コンパクトな台を持つ基底関数を用いることにより、関数化にかかる計算コストを削減している。

喜怒哀楽表情創出の操作器は、電話機の各テンキーの数字を特定の喜怒哀楽表情に対応させており、対応した各テンキーには喜怒哀楽表情を示す顔絵が描かれており、操作をしやすくしている。

メールに貼り付けるプログラムは、メモリに保存された新しい顔写真を、従来の絵文字アイコンと同様の扱いで作成した電子メールに貼り付ける．

次に、受けて手側として必要な手段を説明する。送り手が指示する顔写真をメモリから取り込み、送り手の場合と同じプログラムにより送り手が指示する喜怒哀楽表情の指令値を用いて顔の表情を創生し電子メールの指定された場所に貼り付けて表示する手段を有する。

電子メールの送り手は、メール作成時の自分の気持ちを表す顔写真を簡単な操作で創生し電子メールにその情報を添付することができる。この電子メールの受け手側の携帯電話機は、指示された顔写真情報から自動的に顔写真を創生してメールに張り付け、送り手の気持ちを一瞬で、あるいは文字情報では伝わりにくい送り手の思いを受け手に伝えることができる（図８に受信再生した電子メールのサンプル例を示す）。しかも送信するデータは、メールの本文と顔写真の認識番号と喜怒哀楽の指令値と写真の貼り付け位置を示す情報だけであるから、データ量が少なく通信コストを増すことがない。
このように、安価で携帯電話による感情の交換を容易にしコミュニケーションのレベルを対面対話に近づけることができる。

発明を実施するための形態

以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する．

図１は、本発明の顔写真つき電子メールの受信再生を実施する携帯電話機による電子メールシステムの全体図を示す。
携帯電話機１、２は無線基地局３，４と図示しない移動通信網やゲートウエイサーバを介してネットワーク５とサーバ６に接続されている。

図２は携帯電話機１，２のブロック図である。携帯電話機１，２は、ＣＰＵ１１、ＲＡＭ１２、記憶装置１３、音声入出力ユニット１４、キー入出力装置１５、無線通信ユニット１６、ＬＣＤ１７を含む。

記憶装置１３は、携帯電話機のＯＳの他に、電子メールソフトウエア（メーラー）、Ｗｅｂブラウザ、顔写真創生ソフトウエアのプログラムと顔写真データを格納するメモリーを有する。

メーラーは、キー入力装置１５による入力に応じて、電子メールの作成と送受信を行う機能のほかに、電子メールに添付されたデータファイルを分離してＲＡＭ１２または記憶装置１３に一時格納する機能を持つ。

Ｗｅｂブラウザは、ネットワーク５上のサーバ６にアクセスできるものであれば、特に限定はしない。本発明で使用する顔写真は、サーバ６に置いてあるものから取り込んでも良いが、サーバから携帯電話機への通信費が必要になるため特段のメリットはない。

無線通信ユニット１６は、携帯電話機携帯電話機１，２と無線基地局３，４との間の各種信号やデータの伝送を制御する。

図３は、送り手の意図する顔写真を創生する動作のフローチャートを示す。まず、ＬＣＤに携帯電話機が保存しているベース顔写真を一つ選んで表示する。この顔写真は、自分の顔でも第三者の顔でもよく、要は作成した電子メールの意図に合ったものを選ぶ。次に、図９に示した喜怒哀楽表示器から作成した電子メールに相応しい表情の番号のテンキーを押す。これにより図４〜６に示したソフトウエアが作動して、たとえばテンキー１を押したとするとベース顔写真がうれしそうな顔に変形されてＬＣＤに表示される。送り手はこれを見て、意図通りの顔になっているか画面で確認し良ければ保存、ダメなら別のテンキー番号を選んで前記手順を繰り返し、メールに貼り付けるための創生写真を確定する。

図４はベース顔写真を所望の喜怒哀楽表情に変換するソフトウエアの動作の概要を示す。送り手がベース顔写真を選んで喜怒哀楽番号に対応したテンキーを一つ押すと、図のＡ，Ｂの画像処理が行われる。処理Ａは、選択した顔写真の特徴点を抽出するプロセスを示し、図５に具体的なブロック図を示す。まず顔写真をＲＧＢ表色系からＹＩＱ表色系へ変換する。Ｗａｖｅｌｅｔで輝度の差の大きい領域を選び、次に眉、目、口など特定領域について、ＱとＹで各々設定された閾値を超えた領域を選ぶ。これら二つの領域の重なった部分から特徴点を決める。
処理Ｂは、喜怒哀楽指令値をもとに、前記特徴点を移動させて新しい顔写真を創生するプロセスを示し、図６に具体的なブロック図を示す。喜怒哀楽指令値を受けると、この指令値毎にあらかじめ定められている移動ベクトル量を計算し、ＣＳＲＢＦによりベース顔写真を変形させて新しい顔写真を創生する。

図７は、顔写真付き電子メールを作成、送信する全体動作のフローチャートを示す。
送り手は、まず電子メールの文面を作成する。次に、図３に示す手順に従いこの文面に相応しいあるいは送り手に伝えたい気持を表す顔写真を創生する。もう一度図７の手順に戻って創生した顔写真情報（顔写真認識番号と喜怒哀楽表情番号と貼り付ける文面の位置情報をメールに添付して送信する。

図８は、顔写真付き電子メールを受信した時の携帯電話機に表示された電子メール本文と顔写真の例を示す図である．顔写真が貼り付けられることで、送り手の感情をストレートに感ずることができる。

図９は、電子メールの送り手が喜怒哀楽指令値を出す操作を容易にするため、携帯電話機のテンキーに喜怒哀楽表情の顔絵を刻印した例を示す図である。顔絵に添えた文字は説明のためのもので、刻印表示は顔絵だけでよい。あるいは文字だけでも良い。送り手は、メールの内容に相応しい感情を選んでそのテンキーを押す事で、喜怒哀楽指令値をＣＰＵに送ることができる。
以下、送り手が携帯電話機１から顔写真付き電子メールを送信し、受け手が携帯電話機２により受信し再生する実施例について説明する。

第一の実施例

送り手の携帯電話機１は電子メールの文面と、顔写真認識番号と喜怒哀楽表情の指令値とそれを添付する文面の場所を示す情報のみを送信する。
受け手が、携帯電話機２のキー入力装置の操作によりメーラーを起動し、ネットワーク５を通して顔写真付き電子メールを受信すると、ＣＰＵ１１は受信した電子メールを処理し、電子メールの文面を表示するとともに、自身が保存している顔写真から送り手が指定した顔写真を選びこれをベース顔写真として図６に示す手順で顔写真を創生して文面中の指定された場所に貼り付けて、ＬＣＤに表示させる。

本発明の全体構成例である． 本発明の携帯電話機のブロック図である． 送り手の意図する顔写真を創生する動作を示すフローチャートである． ベース顔写真を所望の喜怒哀楽表情に変換するソフトウエアの概要図である。 ベース顔写真から特徴点を抽出するソフトウエアのブロック図である。 指示された喜怒哀楽表情に変換するソフトウエアのブロック図である。 顔写真付き電子メールを作成、送信する動作を示すフローチャートである． 顔写真付き電子メールを受信した時の携帯電話機に表示された電子メール本文と顔写真の例を示す図である． 喜怒哀楽表情のテンキーへの割り付けの実施例を示す図である。

符号の説明

１ 携帯電話機
２ 携帯電話機
３ 無線基地局
４ 無線基地局
５ ネットワーク
６ サーバ
１１ ＣＰＵ
１２ ＲＡＭ
１３ 記憶装置
１４ 音声入出力ユニット
１５ キー入力装置
１６ 無線通信ユニット
１７ ＬＣＤ

Claims (6)

1. 送り手側が作成した電子メールに顔写真を貼り付けるために、貼り付ける顔写真の認識番号と、その顔写真を指定した喜怒哀楽表情に変形させるための喜怒哀楽表情指令値と、顔写真をメールに貼り付ける位置の情報を追加して送る機能と、受け手側が受け取った喜怒哀楽表情指令値と顔写真の認識番号から前もって保存されている顔写真データからベースとなる写真を特定し、これに受け取った喜怒哀楽表情指令値を用いて新しい顔写真を創生して受け取った電子メールの指示された位置に貼り付けて表示する携帯電話機。
2. 請求項１において、新しい顔写真を創生するために、指定された認識番号の顔写真を取り込み、取り込んだベース写真の輝度、色の差異から、眉、目、鼻、口の特徴点を抽出するプログラムと、喜怒哀楽指令値に応じて前記特徴点の移動量ベクトルを決定するプログラムと、前記移動量ベクトルを用いてベース顔写真を変形し新しい顔写真を生成するプログラムから構成した喜怒哀楽表情を創生するソフトウエアを有することを特徴とする携帯電話機。
3. 請求項１において、内蔵したディジタルカメラにより顔写真を取り込み、事前にメールをやり取りする仲間に認識番号を付けて配信し、受け手の携帯電話機に認識番号と顔写真データをセットで保存する機能を有することを特徴とする携帯電話機。
4. 請求項１において、テンキーに喜怒哀楽表現を割り付けたことを特徴とする携帯電話機。
5. 請求項４において、喜怒哀楽表現を割り付けられたテンキーには対応する喜怒哀楽表現の顔絵が表示されていることを特徴とする携帯電話機。
6. 請求項１において、複数の文章群からなる電子メールの場合は、各文章群に合った顔写真を各々創生して各文章群に添付できるようにしたことを特徴とする携帯電話機。

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