しかし、特許文献1や特許文献2に記載されたデータ収集システムでは、第1の問題点として、データ収集のためのルール定義を作成したり変更したりするための権限を、一部の限られたシステム管理者にしか付与できない。
また、特許文献1や特許文献2に記載されたデータ収集システムでは、データ収集抽出のためのルール定義の作成や変更のための権限が、一部の限られたシステム管理者にしか付与されていないので、新しい有益なルール定義を、システム管理者に限らず多数のユーザが作成し検証することができない。そのため、特許文献1や特許文献2に記載されたデータ収集システムでは、第2の問題点として、データ収集のためのルール定義が業務の実情に合わず陳腐化してしまう可能性がある。また、権限をもたないユーザが権限をもつ一部のシステム管理者に変更の必要性を提示した場合であっても、システム管理者が変更要求されたルール定義の有益性を検証し、実際にルール定義を置き換えるまでに長い時間を要してしまう。
また、特許文献1や特許文献2に記載されたデータ収集システムでは、多数のデータを収集するためのルール定義を用いてそれぞれ生成する結果データを、相互に比較する目的で保持する手段は開示されていない。更に、特許文献1や特許文献2に記載されたデータ収集システムでは、生成した各々の結果データを比較したり閲覧したりする手段は開示されていない。そのため、特許文献1や特許文献2に記載されたデータ収集システムでは、第3の問題点として、多数のデータ収集のためのルール定義の有益性の検証に手間がかかる。
そこで、本発明は、データ収集のためのルール定義の作成や変更を行うための権限を多くの業務遂行者に開放することができ、多数のユーザがルール定義の作成、変更及び有益性の検証を行うことができるデータ収集システム、データ抽出サーバ、データ収集方法及びデータ収集プログラムを提供することを目的とする。
本発明によるデータ収集システムは、ユーザ端末と、データを蓄積する複数のデータ蓄積手段(例えば、データ保持手段112によって実現される)と、各データ蓄積手段からデータを抽出するデータ抽出サーバ(例えば、データ抽出システム10を実現する情報処理装置によって実現される)とを備え、データ抽出サーバは、データを抽出し変換するための手順を示した情報であるルール定義を記憶するルール記憶手段(例えば、ルール保持手段102によって実現される)と、ルール記憶手段が記憶するルール定義に従って、各データ蓄積手段からデータを抽出し、抽出したデータを変換するデータ抽出変換手段(例えば、データ変換/抽出手段101によって実現される)と、ルール記憶手段が記憶するルール定義を作成又は編集するためのルール作成編集処理を実行するルール作成編集手段(例えば、ルール編集手段103によって実現される)とを含み、ルール作成編集手段は、ルール定義を作成又は編集できる権限をユーザが有しているか否かを判定する作成編集権限判定手段(例えば、ルール編集手段103によって実現される)と、作成編集権限判定手段がルール定義を作成又は編集できる権限をユーザが有していると判定したことを条件に、ルール作成編集処理を実行する処理実行手段(例えば、ルール編集手段103によって実現される)とを有することを特徴とする。なお、「ルール作成編集処理」は、具体的には、ユーザ端末からの要求に応じて編集対象のルール定義を抽出し送信したり、編集後のルール定義をユーザ端末から受信しルール記憶手段に記憶させる処理のことである。
また、データ収集システムにおいて、データ抽出サーバは、データ抽出変換手段からの要求に応じて、データ蓄積手段が蓄積するデータを参照できる権限をユーザが有しているか否かを判定する参照権限判定手段(例えば、ルール保持手段102によって実現される)と、参照権限判定手段がデータを参照できる権限をユーザが有していると判定したことを条件に、データ抽出に用いるルール定義をルール記憶手段から抽出するルール抽出手段(例えば、ルール保持手段102によって実現される)とを含むものであってもよい。
また、データ収集システムにおいて、データ抽出サーバは、ユーザに対して与えられる権限、又はユーザの役割に対して与えられる権限を示す情報である権限情報を予め記憶する権限情報記憶手段(例えば、権限情報保持手段104によって実現される)と、権限情報記憶手段が記憶する権限情報を管理する権限管理手段(例えば、権限管理手段105によって実現される)とを備え、作成編集権限判定手段は、権限管理手段が管理する権限情報に基づいて、ルール定義を作成又は編集できる権限をユーザが有しているか否かを判定し、参照権限判定手段は、権限管理手段が管理する権限情報に基づいて、データ蓄積手段が蓄積するデータを参照できる権限をユーザが有しているか否かを判定するものであってもよい。なお、「権限情報を管理する」とは、例えば、ルール作成編集手段又は参照権限判定手段からの要求に従って、権限情報記憶手段から権限情報を抽出したり、抽出した権限情報をルール作成編集手段又は参照権限判定手段に出力したりすることである。
また、データ収集システムにおいて、データ抽出サーバは、ルール抽出変換手段が生成したデータを、ログ情報として保存するデータログ保存手段(例えば、データログ保持手段202によって実現される)と、ユーザ端末からの要求に応じて、データログ保存手段が保存するログ情報を、通信ネットワークを介してユーザ端末に送信するログ送信手段(例えば、データログ保持手段202によって実現される)とを含み、ユーザ端末は、データ抽出サーバから受信したログ情報を、ルール別に比較又は閲覧するための表示画面を表示するデータログ比較閲覧表示手段(例えば、データログ比較/閲覧手段203によって実現される)を含むものであってもよい。
本発明によるデータ抽出サーバは、データを抽出し変換するための手順を示した情報であるルール定義を記憶するルール記憶手段と、ルール記憶手段が記憶するルール定義に従って、データを蓄積するデータ蓄積手段からデータを抽出し、抽出したデータを変換するデータ抽出変換手段と、ルール記憶手段が記憶するルール定義を作成又は編集するためのルール作成編集処理を実行するルール作成編集手段とを備え、ルール作成編集手段は、ルール定義を作成又は編集できる権限をユーザが有しているか否かを判定する作成編集権限判定手段と、作成編集権限判定手段がルール定義を作成又は編集できる権限をユーザが有していると判定したことを条件に、ルール作成編集処理を実行する処理実行手段とを含むことを特徴とする。
また、データ抽出サーバは、データ抽出変換手段からの要求に応じて、データ蓄積手段が蓄積するデータを参照できる権限をユーザが有しているか否かを判定する参照権限判定手段と、参照権限判定手段がデータを参照できる権限をユーザが有していると判定したことを条件に、データ抽出に用いるルール定義をルール記憶手段から抽出するルール抽出手段とを備えたものであってもよい。
また、データ抽出サーバにおいて、データ抽出変換手段は、データの抽出要求を、通信ネットワークを介してユーザ端末から受信する要求受信手段(例えば、データ変換/抽出手段101によって実現される)と、要求受信手段がデータの抽出要求を受信すると、データ蓄積手段が蓄積するデータを参照できる権限をユーザが有しているか否かの判定を参照権限判定手段に要求する判定要求手段(例えば、データ変換/抽出手段101によって実現される)と、ルール抽出手段が抽出したルール定義に従って、抽出対象のデータの送信要求を、通信ネットワークを介してデータ蓄積手段に送信する抽出要求送信手段(例えば、データ変換/抽出手段101によって実現される)と、抽出対象のデータを、通信ネットワークを介してデータ蓄積手段から受信する抽出データ受信手段(例えば、データ変換/抽出手段101によって実現される)とを含むものであってもよい。
また、データ抽出サーバは、ユーザに対して与えられる権限、又はユーザの役割に対して与えられる権限を示す情報である権限情報を予め記憶する権限情報記憶手段と、権限情報記憶手段が記憶する権限情報を管理する権限管理手段とを備え、作成編集権限判定手段は、権限管理手段が管理する権限情報に基づいて、ルール定義を作成又は編集できる権限をユーザが有しているか否かを判定し、参照権限判定手段は、権限管理手段が管理する権限情報に基づいて、データ蓄積手段が蓄積するデータを参照できる権限をユーザが有しているか否かを判定するものであってもよい。
また、データ抽出サーバにおいて、権限情報記憶手段は、権限情報に加えて、ユーザを識別するための情報であるユーザ情報と、ユーザに与えられた役割を示す情報である役割情報とを予め記憶し、作成編集権限判定手段は、権限情報に加えて役割情報に基づいて、ルール定義を作成又は編集できる権限をユーザが有しているか否かを判定するものであってもよい。
また、データ抽出サーバにおいて、権限情報記憶手段は、権限情報に加えて、ユーザを識別するための情報であるユーザ情報と、ユーザに与えられた役割を示す情報である役割情報とを予め記憶し、参照権限判定手段は、権限情報に加えて役割情報に基づいて、データ蓄積手段が蓄積するデータを参照できる権限をユーザが有しているか否かを判定するするものであってもよい。
また、データ抽出サーバにおいて、ルール記憶手段は、ルール定義として、システムの評価に正式に使用されるルール定義である正式ルールと、システムの評価に暫定的に使用されるルール定義である仮ルールとを記憶し、作成編集権限判定手段は、ルール記憶手段が記憶するルール定義のうち、正式ルールと仮ルールとの両方を作成又は編集できる権限をユーザが有しているか、又は仮ルールだけを作成又は編集できる権限をユーザが有しているかを判定し、参照権限判定手段は、ルール記憶手段が記憶するルール定義のうち、正式ルールと仮ルールとの両方を用いてデータを参照できる権限をユーザが有しているか、又は仮ルールだけを用いてデータを参照できる権限をユーザが有しているかを判定するものであってもよい。
また、データ抽出サーバにおいて、ルール抽出手段は、データ収集の実行時に、ルール記憶手段から正式ルール又は仮ルールを抽出し、データ抽出変換手段は、ルール抽出手段が抽出した正式ルール又は仮ルールを用いて、データ蓄積手段からデータを抽出し、抽出したデータを変換するものであってもよい。
また、データ抽出サーバは、ユーザを識別するための情報であるユーザ情報と、ユーザに与えられた役割を示す情報である役割情報と、ユーザに対して与えられる権限、又はユーザの役割に対して与えられる権限を示す情報である権限情報とを予め記憶する権限情報記憶手段を備え、作成編集権限判定手段は、ユーザ情報、役割情報及び権限情報に基づいて、正式ルール又は仮ルールを作成又は編集できる権限をユーザが有しているか否かを判定し、ルール作成編集手段は、作成編集権限判定手段が正式ルール又は仮ルールを作成又は編集できる権限をユーザが有していないと判定すると、ユーザ端末からの正式ルール又は仮ルールの作成要求又は編集要求を破棄するものであってもよい。なお、「作成要求又は編集要求を破棄する」とは、例えば、正式ルール又は仮ルールの作成又は編集を許可しないと決定し、作成又は編集を拒否する旨の通知情報をユーザ端末に送信することである。
また、データ抽出サーバは、ユーザを識別するための情報であるユーザ情報と、ユーザに与えられた役割を示す情報である役割情報と、ユーザに対して与えられる権限、又はユーザの役割に対して与えられる権限を示す情報である権限情報とを予め記憶する権限情報記憶手段を備え、参照権限判定手段は、ユーザ情報、役割情報及び権限情報に基づいて、正式ルール又は仮ルールの編集又は作成に用いるために、データ蓄積手段が蓄積するデータを参照できる権限をユーザが有しているか否かを判定し、ルール作成編集手段は、参照権限判定手段がデータ蓄積手段が蓄積するデータを参照できる権限をユーザが有していないと判定すると、正式ルール又は仮ルールの編集又は作成のために、データを使用することを禁止するものであってもよい。なお、「データを使用することを禁止する」とは、例えば、データを使用することを許可しないと判定し、データの使用を拒否する旨の通知情報をユーザ端末に送信することである。
また、データ抽出サーバは、ルール抽出変換手段が生成したデータを、ログ情報として保存するデータログ保存手段と、ユーザ端末からの要求に応じて、データログ保存手段が保存するログ情報を、通信ネットワークを介してユーザ端末に送信するログ送信手段とを備えたものであってもよい。
本発明によるデータ収集方法は、ユーザ端末が、データを蓄積する複数のデータ蓄積手段からデータを抽出するデータ抽出サーバに、データを抽出し変換するための手順を示した情報であるルール定義の作成要求又は編集要求を、通信ネットワークを介して送信するステップと、データ抽出サーバが、ルール定義を作成又は編集できる権限をユーザが有しているか否かを判定するステップと、データ抽出サーバが、ルール定義を作成又は編集できる権限をユーザが有していると判定したことを条件に、ルール定義を作成又は編集するためのルール作成編集処理を実行するステップと、データ抽出サーバが、作成又は編集したルール定義を記憶するステップと、データ抽出サーバが、記憶したルール定義に従って、各データ蓄積手段からデータを抽出し、抽出したデータを変換するステップとを含むことを特徴とする。
本発明によるデータ収集プログラムは、データを蓄積する複数のデータ蓄積手段からデータを収集するためのデータ収集プログラムであって、データを抽出し変換するための手順を示した情報であるルール定義を記憶するルール記憶手段を備えたコンピュータに、ルール定義を作成又は編集できる権限をユーザが有しているか否かを判定する処理と、ルール定義を作成又は編集できる権限をユーザが有していると判定したことを条件に、ルール定義を作成又は編集するためのルール作成編集処理を実行する処理と、作成又は編集したルール定義をルール記憶手段に記憶させる処理と、ルール記憶手段が記憶するルール定義に従って、各データ蓄積手段からデータを抽出し、抽出したデータを変換する処理とを実行させることを特徴とする。
また、データ収集プログラムは、コンピュータに、要求に応じて、データ蓄積手段が蓄積するデータを参照できる権限をユーザが有しているか否かを判定する処理と、データを参照できる権限をユーザが有していると判定したことを条件に、データ抽出に用いるルール定義をルール記憶手段から抽出する処理とを実行させるものであってもよい。
また、データ収集プログラムは、ユーザに対して与えられる権限、又はユーザの役割に対して与えられる権限を示す情報である権限情報を予め記憶する権限情報記憶手段を備えたコンピュータに、権限情報記憶手段が記憶する権限情報を管理する処理と、管理する権限情報に基づいて、ルール定義を作成又は編集できる権限をユーザが有しているか否かを判定する処理と、管理する権限情報に基づいて、データ蓄積手段が蓄積するデータを参照できる権限をユーザが有しているか否かを判定する処理とを実行させるものであってもよい。
本発明によるデータ収集システムは、第1の問題点及び第2の問題点を解決するために、データ変換/抽出手段と、ルール保持手段と、ルール編集手段と、権限管理手段と、権限情報保持手段とを備える。権限情報保持手段は、ユーザ情報、役割情報及び権限情報を保持する。ルール保持手段は、正式なルールと仮ルールとを区別して保持する。
ルール編集手段は、ユーザ情報に対応する役割情報、及びユーザ情報又は役割情報に対応する権限情報を権限管理手段から取得する。そして、ルール編集手段は、そのユーザが作成又は編集できるルールの種類(正式ルール又は仮ルール)を制限するとともに、ルール作成又は変更に用いることができる元データを、そのユーザが権限を与えられているデータのみに制限する。データ変換/抽出手段は、ユーザからのデータ取得要求を受け、指定された正式ルール又は仮ルールのいずれかを用いて、1又は複数のデータ保持手段からデータを取得する。そして、データ変換/抽出手段は、ルール定義に従ってデータの変換を行い、データの抽出結果をユーザ端末に提示する。
データ収集システムにおいて、システム管理の権限をもつユーザ(例えば、システム管理者)は、正式ルールを編集する権限をもち、多数の仮ルールの中で有益な結果を残すものがあれば、その仮ルールを正式ルールとして書き換えることができる。
更に、本発明によるデータ収集システムは、第3の問題点を解決するために、データログ保持手段と、データログ比較/閲覧手段と、データ表示/閲覧手段とを備える。データログ保持手段は、ログ情報を保持する。この場合、データログ保持手段は、ルール毎に生成された結果データをログ情報として保持する。データログ比較/閲覧手段は、ルール毎に生成された結果データを、ログ情報の有益性を容易に比較検証できる形でユーザに提示する。
上記のような構成を採用し、多人数による仮ルール作成及び検証を安全に行う環境を提供することにより、本発明の目的を達成することができる。
本発明によれば、ルール定義を作成又は編集できる権限をユーザが有しているか否かを判定し、判定結果に従ってルール定義の作成又は編集の許否を決定することができる。そして、ユーザが有する権限に応じて、ユーザがルール定義を作成又は編集することができる。従って、データ抽出のためのルール定義の作成や変更を行うための権限を多くの業務遂行者に開放することができ、多数のユーザがルール定義の作成、変更及び有益性の検証を行うことができる。
また、本発明において、正式ルールと仮ルールとの作成又は変更の権限を区別し、システム管理者以外の一般ユーザに仮ルールのみを作成又は変更できる権限を与えるようにすれば、システムの正式ルールに基づくデータ収集を全てのユーザが行えるようにするとともに、仮ルールに基づくデータ収集を並行して行い検証することができる。また、システム管理者以外の一般ユーザが仮ルール作成に用いることができる元データを制限するようにすれば、システム管理者以外のユーザに閲覧を制限すべきデータを用いて、ユーザがルール定義を作成してしまうことを防ぐことができる。そのため、システム管理者以外の一般ユーザが作成したルール定義によって、意図しないデータ漏洩が発生することを防ぐことができる。従って、データ抽出のためのルール定義の作成又は変更のための権限を、一部のシステム管理者だけではなく多くの一般ユーザに与えることができ、システムが意図しない結果を出力してしまうことを防ぐことができる。
また、本発明において、多くのユーザが仮ルールを作成又は変更して動作を検証するようにすれば、新しい有益なルール定義を発見する可能性が高まる。また、新しい有益なルール定義が仮ルールとして既に作成され動作検証済みであれば、正式ルールとしての採用を簡単なルールの置き換え作業を行うだけで完了することができる。従って、データ抽出のためのルール定義が業務の実情に合わず陳腐化することを防ぐことができる。
また、本発明において、ルール記憶手段がルール定義として正式ルールと仮ルールとを区別して記憶するように構成すれば、ユーザが正式ルール及び仮ルールの両方についての権限を有するか、仮ルールについての権限だけを有するかを判断できる。そのため、仮ルールについての権限だけを有するユーザが正式ルールの作成や編集を行うことを防止することができ、正式ルールによる運用を妨げずに仮ルールの作成及び検証を行うことができる。
また、本発明において、多数のデータ収集のためのルール定義を用いてそれぞれ生成された結果データを、比較する目的でログ情報として保持し、ログ情報を比較及び閲覧できるように構成すれば、ルール定義の有益性の検証をユーザが容易に行うことができる。従って、ルール定義の有益性を容易に比較し検証することができる。
実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明によるデータ収集システムの構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、データ収集システムは、データ抽出システム10と、複数のデータ保持手段112a,112b,112c・・・と、ユーザ端末111とを含む。また、図1に示すように、データ抽出システム10は、データ変換/抽出手段101と、ルール保持手段102と、ルール編集手段103と、権限管理手段105と、権限情報保持手段104とを含む。
また、データ収集システムにおいて、データ抽出システム10、各データ保持手段112a,112b,112c・・・及びユーザ端末111は、例えば、LAN等の通信ネットワークを介して接続される。以下、データ保持手段112a,112b,112c・・・を包括的に表現する場合、又は、いずれかのデータ保持手段を指す場合に、単にデータ保持手段112という。
データ収集システムにおいて、データ抽出システム10は、ユーザ端末111からの要求に応じて、所定のルール定義に従って各データ保持手段112からデータを抽出する。なお、「ルール定義」とは、複数のデータを収集し加工(変換)するための手順を示した情報である。本実施の形態では、データ抽出システム10のルール保持手段102は、ルール定義として、複数の正式ルール106と複数の仮ルール107とを保持する。また、データ抽出システム10の権限情報保持手段104は、ユーザ情報108、役割情報109及び権限情報110を保持する。
本実施の形態において、データ収集システムは、例えば、企業において、業務システムのデータベースからデータを収集して業務指標を生成し、業務活動に反映するための分析を行う企業情報分析システムの用途に適用される。また、データ収集システムは、例えば、業務システムのデータベースからデータを収集して経営戦略のための指標を生成し、経営戦略に反映する処理を行うコーポレートパフォーマンス管理システムの用途に適用される。また、データ収集システムは、例えば、工場や生産拠点等の活動状況の集計や、コンピュータの可動状況の集計、企業内のビジネスプロセスの可動状況の集計等を行い、業務システムのデータベースからデータを収集して、データを集計して報告する処理を行う集計報告システムの用途に適用される。なお、本実施の形態において、データ収集システムは、通信ネットワーク上に散在する複数のデータを仮想的に統合し、利用目的に応じてデータへの直接的なアクセスを可能とする仮想DWHと呼ばれる方法を用いて、各システムからデータを収集する。
データ抽出システム10は、具体的には、ワークステーションやパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて実現される。なお、データ抽出システム10は、1つの情報処理装置によって実現されてもよく、複数の情報処理装置を用いて実現されてもよい。
データ変換/抽出手段101は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPU及びネットワークインタフェース部によって実現される。データ変換/抽出手段101は、ユーザ端末111からデータ取得要求を受ける(入力する)機能を備える。この場合、データ変換/抽出手段101は、例えば、データ抽出要求として、データ取得に用いるルール定義を指定する指定情報を、通信ネットワークを介してユーザ端末111から受信する。
また、データ変換/抽出手段101は、ユーザ端末111から受信したデータ抽出要求に基づいて、ユーザ端末111によって指定されたルール定義をルール保持手段102から抽出する機能を備える。本実施の形態では、データ変換/抽出手段101は、ユーザ端末111から受信した指定情報に示される正式ルール106又は仮ルール107のいずれかのルール定義を、ルール保持手段102から抽出する。具体的には、データ変換/抽出手段101は、ユーザ端末111によって指定されたルール定義の抽出要求を、ルール保持手段102に出力する。そして、データ変換/抽出手段101は、ルール保持手段102から、ルール保持手段102が抽出したルール定義を入力する。
また、データ変換/抽出手段101は、抽出したルール定義に従って、データ保持手段112からデータを抽出する機能を備える。また、データ変換/抽出手段101は、抽出したデータを、ルール定義に従って変換する機能を備える。この場合、例えば、データ変換/抽出手段101は、ルール定義に示されるフォーマットに従って、抽出したデータのフォーマット変換を行う。また、データ変換/抽出手段101は、データ変換を行った結果をユーザ端末111に返す機能を備える。この場合、データ変換/抽出手段101は、例えば、変換後のデータを、通信ネットワークを介してユーザ端末111に送信する。
ルール保持手段102は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPU、及び磁気ディスク装置等の記憶装置によって実現される。ルール保持手段102は、ルール編集手段103が作成した正式ルール106及び仮ルール107を記憶装置に保持する。なお、本実施の形態では、ルール保持手段102は、ルール定義として、複数の正式ルール106及び複数の仮ルール107を記憶装置に記憶する。
「正式ルール106」とは、システムの評価に正式に使用されるルール定義である。本実施の形態では、正式ルール106は、企業が用いる業務システム等の評価に実際に使用されるデータを抽出するためのルールを示す。また、本実施の形態では、データ収集システムを管理するシステム管理者だけが、正式ルール106の作成操作や編集操作を行うことを許可される。
また、「仮ルール107」とは、システムの評価に暫定的に使用されるルール定義である。本実施の形態では、仮ルール107は、例えば、正式ルール106で定義されるデータ抽出/変換方法よりも有益な方法を発案した場合に暫定的に作成される。また、本実施の形態では、システム管理者に限らず、システム管理者以外の多くのユーザが、仮ルール107の作成操作や編集操作を行うことができる。そして、作成又は編集された仮ルール107を用いて、データ抽出や変換の実験や測定を行うことによって、その仮ルール107の有効性が評価される。その実験や測定の結果、作成又は編集された仮ルール107の有効性が証明されれば、システム管理者の操作に従って、仮ルール107は、正式ルールに昇格される。
図2は、ルール保持手段102が記憶するルール定義の例を示す説明図である。図2に示すように、ルール定義は、例えば、抽出対象のデータの項目(売上高や契約数等)を示す情報を含む。また、ルール定義は、例えば、抽出対象のデータがデータ保持手段112のどの場所(ディレクトリやファイル)に格納されているかを示す格納場所の情報を含む。なお、本実施の形態において、ルール定義のデータ形式は、正式ルール106である場合と仮ルール107である場合とで同じである。
また、ルール保持手段102は、データ変換/抽出手段101からの要求に従って、記憶装置からルール定義を抽出し、データ変換/抽出手段101に出力する機能を備える。この場合、ルール保持手段102は、データ取得要求を受けたユーザ端末111のユーザに対応する権限情報110を、権限管理手段105から入力する。そして、ルール保持手段102は、権限情報110に基づいて、データ取得要求を受けたユーザ端末111のユーザに許可された権限の範囲でルール情報を抽出し、データ変換/抽出手段101に提示(出力)する。
本実施の形態では、ルール保持手段102は、権限情報110に加えてユーザ情報108及び役割情報109に基づいて、データ保持手段112が蓄積するデータを参照できる権限をユーザが有しているか否かを判定する。また、本実施の形態では、ルール保持手段102は、記憶装置に記憶するルール定義のうち、正式ルール106と仮ルール107との両方を用いてデータを参照できる権限をユーザが有しているか、又は仮ルール107だけを用いてデータを参照できる権限をユーザが有しているかを判定する。そして、ルール保持手段102は、データを参照できる権限をユーザが有していると判定すると、記憶装置からデータを抽出し、データ変換/抽出手段101に出力する。
ルール編集手段103は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPU及びネットワークインタフェース部によって実現される。ルール編集手段103は、ユーザ端末111からの要求に従って、ルール保持手段102が保持する正式ルール106又は仮ルール107のルール定義を編集する処理を実行する機能を備える。また、ルール編集手段103は、ユーザ端末111からの要求に従って、新たにルール定義を生成する処理を実行する機能を備える。本実施の形態では、ルール編集手段103は、ユーザ端末111からの要求に従って、ルール定義を作成又は編集するための処理であるルール作成編集処理を実行する。
具体的には、ルール編集手段103は、ルール作成編集処理において、ユーザ端末111からの要求に応じて、編集対象のルール定義を記憶装置から抽出する。そして、ルール編集手段103は、抽出したルール定義を、通信ネットワークを介してユーザ端末111に送信する。ユーザ端末111は、例えば、エディタ等の編集用ソフトウェアを用いて、ユーザの操作に従って、受信したルール定義を編集する。なお、新たにルール定義を作成する場合には、ユーザ端末111は、エディタ等の編集用ソフトウェアを用いて、ユーザの操作に従って、新たにルール定義を生成する。そして、ユーザ端末111は、編集又は生成したルール定義を、通信ネットワークを介して、データ抽出システム10のルール編集手段103に送信する。すると、ルール編集手段103は、受信したルール定義をルール保持手段102に記憶させる。
また、ルール定義の編集を行う場合、ルール編集手段103は、ユーザ端末111のユーザに対応する権限情報110を、権限管理手段105から入力する。そして、ルール編集手段103は、入力した権限情報110に基づいて、ユーザ端末111のユーザが編集対象のルール定義を作成又は編集できる権限をユーザが有しているか否かを判断する。なお、本実施の形態では、ルール編集手段103は、権限情報110に加えてユーザ情報108及び役割情報109に基づいて、ルール定義を作成又は編集できる権限をユーザが有しているか否かを判断する。また、本実施の形態では、ルール編集手段103は、ルール保持手段102が記憶するルール定義のうち、正式ルール106と仮ルール107の両方を作成又は編集できる権限を有しているか、又は仮ルール107だけを作成又は編集できる権限をユーザが有しているかを判定する。
ルール定義を作成又は編集できる権限をユーザが有していると判断すると、ルール編集手段103は、ルール作成編集処理の実行を開始し、編集対象のルール定義を抽出しユーザ端末111に送信する。また、ルール定義を作成又は編集できる権限をユーザが有していないと判断すると、ルール編集手段103は、ユーザ端末111からのルール定義の作成要求や編集要求を拒否(破棄)する。また、ルール編集手段103は、ルール定義を作成又は編集できる権限をユーザが有していないと判断すると、ルール定義の編集又は作成のために、データ保持手段112が蓄積するデータを使用することを許否(禁止)する。そのようにすることによって、ユーザ端末111のユーザに許可された権限の範囲で、ルール定義を編集することができる。また、新規の正式ルール106又は仮ルール107を、ユーザ端末111のユーザに許可された権限の範囲で作成することができる。
権限情報保持手段104は、具体的には、磁気ディスク装置等の記憶装置によって実現される。図1に示すように、権限情報保持手段104は、ユーザ情報108、役割情報109及び権限情報110を予め記憶する。ユーザ情報108は、ユーザ端末111のユーザを識別するための識別子(例えば、ユーザID)等を含む情報である。役割情報109は、ユーザ端末111のユーザに与えられた役割(例えば、所属する部署やグループ、役職等)を示す情報である。権限情報110は、ユーザ端末111のユーザに対して与えられる権限、又はユーザの役割に対して与えられる権限を示す情報である。本実施の形態では、権限情報保持手段104は、上記の3種類の情報を保持し、権限管理手段105の要求に従って参照される。
本実施の形態では、データ抽出システム10は、例えば、企業が運営する認証システムが用いる従業員のアカウントや役職情報を読み込み、ユーザ情報108や役割情報109として、予め権限情報保持手段104に蓄積している。また、権限情報110は、例えば、予めシステム管理者によって作成され、権限情報保持手段104に蓄積される。なお、ユーザ情報108や役割情報109も、予めシステム管理者によって作成され、権限情報保持手段104に蓄積されてもよい。
権限管理手段105は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される。権限管理手段105は、権限情報保持手段104が記憶する権限情報110を管理する機能を備える。具体的には、権限管理手段105は、ルール編集手段103又はルール保持手段102からの権限情報取得要求に従って、権限情報保持手段104から権限情報110を抽出する。また、権限管理手段105は、抽出した権限情報110をルール編集手段103又はルール保持手段102に出力する。この場合、権限管理手段105は、指定されたユーザ端末111のユーザのルール編集の可否を示す権限情報110、又は指定されたユーザ端末111のユーザのルール参照の可否を示す権限情報110を提供する。
データ保持手段112は、各種データを蓄積し処理を行う業務システムやデータベースサーバである。データ保持手段112は、具体的には、ワークステーションやパーソナルコンピュータ等の情報処理装置によって実現される。また、データ保持手段112は、磁気ディスク装置や光ディスク装置等のデータベース装置を備える。
各データ保持手段112は、抽出対象となりうる各種データを蓄積する。例えば、各データ保持手段112は、売上高や契約数、契約単価平均等のデータを蓄積する。また、各データ保持手段112は、データ変換/抽出手段101からの要求に応じて、データベースからデータを抽出し、通信ネットワークを介してデータ変換/抽出手段101に送信する機能を備える。
ユーザ端末111は、ユーザが使用する端末であり、具体的には、パーソナルコンピュータ等の情報処理端末によって実現される。なお、図1では、1つのユーザ端末111を示しているが、データ収集システムは、複数のユーザ端末111を含んでもよい。
ユーザ端末111は、ユーザの操作に従って、データの抽出要求を、通信ネットワークを介してデータ変換/抽出手段101に送信する機能を備える。本実施の形態では、ユーザ端末111は、抽出対象のデータを抽出するためのルール定義を指定する指定情報を、データ変換/抽出手段101に送信する。
また、ユーザ端末111は、ユーザの操作に従って、ルール保持手段102が記憶するルール定義の編集要求を、通信ネットワークを介してルール編集手段103に送信する機能を備える。また、ユーザ端末111は、編集対象のルール定義を、通信ネットワークを介してルール編集手段103から受信する機能を備える。また、ユーザ端末111は、エディタ等の編集用ソフトウェアを搭載し、ユーザの操作に従って、ルール定義を編集したり新たに生成する機能を備える。また、ユーザ端末111は、編集又は生成したルール定義を、通信ネットワークを介してルール編集手段103に送信する機能を備える。
なお、本実施の形態において、データ抽出システム10を実現する情報処理装置の記憶装置(図示せず)は、複数のデータ保持手段112からデータを収集するための各種プログラムを記憶している。例えば、データ抽出システム10を実現する情報処理装置の記憶装置は、コンピュータに、ルール定義を作成又は編集できる権限をユーザが有しているか否かを判定する処理と、ルール定義を作成又は編集できる権限をユーザが有していると判定したことを条件に、ルール定義を作成又は編集するためのルール作成編集処理を実行する処理と、作成又は編集したルール定義をルール記憶手段に記憶させる処理と、ルール記憶手段が記憶するルール定義に従って、各データ蓄積手段からデータを抽出し、抽出したデータを変換する処理とを実行させるデータ収集プログラムを記憶している。
次に、動作について説明する。まず、ルール定義の編集を行う場合に、ルール編集手段103が行う動作について説明する。図3は、ルール定義のうち正式ルール106を編集する場合に、ルール編集手段103が実行する権限判定処理の一例を示す流れ図である。
正式ルール106の編集を行う場合、ユーザは、ユーザ端末111を操作して、ルール定義の編集操作を行う。ユーザ端末111は、ユーザの指示操作に従って、ルール定義の編集要求を、通信ネットワークを介してルール編集手段103に送信する。この場合、ユーザ端末111は、例えば、編集対象のルール定義を指定する指定情報を、ルール編集手段103に送信する。また、ユーザ端末111は、ルール定義の指定情報とともに、そのユーザ端末111のユーザを示すユーザ情報(例えば、ユーザID)を、通信ネットワークを介してルール編集手段103に送信する。
ルール編集手段103は、ユーザ端末111からルール定義の編集要求を受信すると、正式ルール106又は仮ルール107の編集処理を行う。この場合、ルール編集手段103は、図3に示すように、ユーザ端末111からの正式ルール106の編集要求に対して、編集の可否を判定する処理(権限判定処理)を行う。
図3に示す権限判定処理において、まず、ルール編集手段103は、正式ルールの編集要求(ルール定義の指定情報)を、通信ネットワークを介してユーザ端末111から受信する(ステップS301)。この場合、ルール編集手段103は、編集要求とともに、ユーザ情報をユーザ端末111から受信する。
また、ルール編集手段103は、現在操作中のユーザ端末111のユーザに対応するユーザ情報108に基づいて、対応する役割情報109と権限情報110とを権限管理手段105から取得する(ステップS302)。この場合、具体的には、ルール編集手段103は、ユーザ端末111から受信したユーザ情報を、権限管理手段105に出力することによって、役割情報109及び権限情報110の抽出を権限管理手段105に指示する。すると、権限管理手段105は、ルール編集手段103から入力したユーザ情報に対応する役割情報109及び権限情報110を、権限情報保持手段104から抽出する。そして、権限管理手段105は、抽出した役割情報109及び権限情報110をルール編集手段103に出力する。
また、ルール編集手段103は、権限管理手段105から取得した役割情報109及び権限情報110に基づいて、ユーザ端末111のユーザが正式ルール106の編集を行える権限を有しているか否かを判定する(ステップS303)。
ユーザが正式ルール106の編集を行える権限を有していると判断すると、ルール編集手段103は、ユーザに対して正式ルール106の編集を許可すると判定し、編集作業の継続を許可する(ステップS304)。この場合、ルール編集手段103は、編集対象の正式ルール106をルール保持手段102から抽出する。そして、ルール編集手段103は、抽出した正式ルール106を、通信ネットワークを介してユーザ端末111に送信する。
ユーザが正式ルール106の編集を行える権限を有していないと判断すると、ルール編集手段103は、ユーザに対して正式ルール106の編集を禁止する(許可しない)と判定し、ユーザ端末111からの編集要求を破棄する(ステップS305)。この場合、ルール編集手段103は、例えば、正式ルール106の編集を拒否する旨の通知情報を生成し、通信ネットワークを介してユーザ端末111に送信する。
次に、仮ルール107の編集や新規作成を行う場合に、ルール編集手段103が行う動作について説明する。図4は、ルール定義のうち仮ルール107を編集又は新規作成する場合に、ルール編集手段103が実行する権限判定処理の一例を示す流れ図である。
仮ルール107の編集又は新規作成を行う場合、ユーザは、ユーザ端末111を操作して、ルール定義の編集操作又は作成操作を行う。ユーザ端末111は、ユーザの指示操作に従って、ルール定義の編集要求又は作成要求を、通信ネットワークを介してルール編集手段103に送信する。この場合、ユーザ端末111は、例えば、仮ルール107を編集又は作成するために参照したいデータを抽出するためのルール定義を指定する指定情報を、ルール編集手段103に送信する。また、ユーザ端末111は、ルール定義の指定情報とともに、そのユーザ端末111のユーザを示すユーザ情報(例えば、ユーザID)を、通信ネットワークを介してルール編集手段103に送信する。
ルール編集手段103は、図4に示すように、ユーザ端末111からの仮ルール107の編集要求又は作成要求に対して、編集対象又は作成対象の仮ルール107の編集又は作成に用いる素材データの参照可否を判定する処理(権限判定処理)を行う。
図4に示す権限判定処理において、まず、ルール編集手段103は、仮ルール107の編集操作中のユーザ端末111から、仮ルール107の編集要求又は作成要求を、通信ネットワークを介して受信する。本実施の形態では、ユーザ端末111は、ルール作成の素材として、いずれかのデータ保持手段112内のあるデータを用いて、仮ルール107を編集又は作成する。従って、ルール編集手段103は、編集要求又は作成要求として、例えば、データ保持手段112中のデータの使用要求を、通信ネットワークを介してユーザ端末111から受信する(ステップS401)。この場合、ルール編集手段103は、編集要求又は作成要求とともに、ユーザ情報をユーザ端末111から受信する。
また、ルール編集手段103は、現在操作中のユーザ端末111のユーザに対応するユーザ情報108に基づいて、役割情報109と権限情報110とを権限管理手段105から取得する(ステップS402)。この場合、具体的には、ルール編集手段103は、ユーザ端末111から受信したユーザ情報を、権限管理手段105に出力することによって、役割情報109及び権限情報110の抽出を権限管理手段105に指示する。すると、権限管理手段105は、ルール編集手段103から入力したユーザ情報に対応する役割情報109を、権限情報保持手段104から抽出する。また、権限管理手段105は、ユーザ情報又は抽出した役割情報109に対応する権限情報110を、権限情報保持手段104から抽出する。そして、権限管理手段105は、抽出した役割情報109及び権限情報110をルール編集手段103に出力する。
また、ルール編集手段103は、権限管理手段105から取得した役割情報109及び権限情報110に基づいて、ユーザ端末111のユーザが、データ保持手段112中の参照対象のデータを閲覧できる権限を有しているか否かを判定する(ステップS403)。
ユーザがデータを閲覧できる権限を有していると判断すると、ルール編集手段103は、ユーザに対して、仮ルール107の編集中又は作成中に参照対象のデータを使用することを許可すると判定し、編集操作又は作成操作の継続を許可する(ステップS404)。
ステップS404において、ルール編集手段103は、仮ルール107の編集又は作成に参照するデータを抽出するためのルール定義の抽出を、ルール保持手段102に指示する。すると、ルール保持手段102は、指示されたルール定義を記憶装置から抽出し、ルール編集手段103に出力する。また、ルール編集手段103は、ルール保持手段102からのルール定義をデータ変換/抽出手段101に出力し、参照対象のデータの抽出をデータ変換/抽出手段101に指示する。すると、データ変換/抽出手段101は、ルール編集手段103からのルール定義に従って、データの抽出要求を、通信ネットワークを介してデータ保持手段112に送信する。
データ保持手段112は、データ変換/抽出手段101からのデータ抽出要求に従って、データベースからデータを抽出する。そして、データ保持手段112は、抽出したデータを、通信ネットワークを介してデータ変換/抽出手段101に送信する。データ変換/抽出手段101は、データ保持手段112から抽出データを受信すると、受信したデータについて所定の変換を行う。そして、データ変換/抽出手段101は、変換後のデータを、通信ネットワークを介してユーザ端末111に送信する。
ユーザ端末111は、データ変換/抽出手段101からデータを受信すると、受信したデータを出力する。例えば、ユーザ端末111は、受信したデータを、ディスプレイ装置等の表示装置に表示する。そして、ユーザは、参照データを参照しながら、ユーザ端末111を操作して、仮ルール107の編集操作又は作成操作を行う。
ステップS403において、ユーザがデータを閲覧できる権限を有していると判断すると、ルール編集手段103は、ユーザに対して、仮ルール107の編集中又は作成中に参照対象のデータを使用することを禁止(許可しない)と判定し、ユーザ端末111からの参照対象のデータの使用操作を破棄する(ステップS405)。この場合、ルール編集手段103は、例えば、参照対象のデータの使用を拒否する旨の通知情報を生成し、通信ネットワークを介してユーザ端末111に送信する。
次に、ユーザ端末111からの要求に応じてデータ保持手段112からのデータ抽出を行う場合、ルール保持手段102が行う動作について説明する。図5は、ユーザ端末111からの要求に応じてデータ保持手段112からのデータ抽出を行う場合に、ルール保持手段102が実行する権限判定処理の一例を示す流れ図である。
データ抽出を要求する場合、ユーザは、ユーザ端末111を操作して、データの要求操作を行う。ユーザ端末111は、ユーザの指示操作に従って、データの抽出要求を、通信ネットワークを介してデータ変換/抽出手段101に送信する。この場合、ユーザ端末111は、例えば、抽出対象のデータを抽出するためのルールを含むルール定義を指定する指定情報を、データ変換/抽出手段101に送信する。また、ユーザ端末111は、ルール定義の指定情報とともに、そのユーザ端末111のユーザを示すユーザ情報(例えば、ユーザID)を、通信ネットワークを介してデータ変換/抽出手段101に送信する。
データ変換/抽出手段101は、データの抽出要求を受信すると、例えば、ルール定義の指定情報をルール保持手段102に出力し、データ抽出に用いるルール定義を要求する。また、データ変換/抽出手段101は、例えば、受信したユーザ情報をルール保持手段102に出力し、データ抽出に用いるルール定義の参照権限をユーザが有しているか否かの判定をルール保持手段102に要求する。
本実施の形態では、データ変換/抽出手段101は、ユーザ端末111から、データ収集要求(データ抽出要求)を受ける。そして、ルール保持手段102は、データ変換/抽出手段101からの要求を受けると、要求に従って正式ルール106又は仮ルール107をデータ変換/抽出手段101に提示する。この場合、ルール保持手段102は、図5に示すように、データ変換/抽出手段101からのルール参照要求に対して、ルール定義の提示の可否を判定する処理(権限判定処理)を行う。
図5に示す権限判定処理において、まず、データ変換/抽出手段101がユーザ端末111からルール定義に基づくデータ取得要求を受けたあと、ルール保持手段102は、データ変換/抽出手段101から、データ抽出に用いるルール定義の参照要求を入力する(ステップS501)。この場合、ルール保持手段102は、ルール定義の参照要求とともに、ユーザ情報をデータ変換/抽出手段101から入力する。
また、ルール保持手段102は、現在操作中のユーザ端末111のユーザに対応するユーザ情報108に基づいて、役割情報109と権限情報110とを権限管理手段105から取得する(ステップS502)。この場合、具体的には、ルール保持手段102は、データ変換/抽出手段101から入力したユーザ情報を、権限管理手段105に出力することによって、役割情報109及び権限情報110の抽出を権限管理手段105に指示する。すると、権限管理手段105は、ルール保持手段102から入力したユーザ情報に対応する役割情報109を、権限情報保持手段104から抽出する。また、権限管理手段105は、ユーザ情報又は抽出した役割情報109に対応する権限情報110を、権限情報保持手段104から抽出する。そして、権限管理手段105は、抽出した役割情報109及び権限情報110をルール保持手段102に出力する。
また、ルール保持手段102は、権限管理手段105から取得した役割情報109及び権限情報110に基づいて、ユーザ端末111のユーザが、データ抽出に用いるルール定義の参照権限を有しているか否かを判定する(ステップS503)。
ユーザがルール定義の参照権限を有していると判断すると、ルール保持手段102は、データ変換/抽出手段101にルール内容を提示する(ステップS504)。この場合、ルール保持手段102は、データ変換/抽出手段101から要求されたルール定義を記憶装置から抽出し、抽出したルール定義をデータ変換/抽出手段101に出力する。すると、データ変換/抽出手段101は、ルール編集手段103からのルール定義に従って、データの抽出要求を、通信ネットワークを介してデータ保持手段112に送信する。
データ保持手段112は、データ変換/抽出手段101からのデータ抽出要求に従って、データベースからデータを抽出する。そして、データ保持手段112は、抽出したデータを、通信ネットワークを介してデータ変換/抽出手段101に送信する。データ変換/抽出手段101は、データ保持手段112から抽出データを受信すると、受信したデータについて所定の変換を行う。そして、データ変換/抽出手段101は、変換後のデータを、通信ネットワークを介してユーザ端末111に送信する。
ユーザ端末111は、データ変換/抽出手段101からデータを受信すると、データ変換/抽出手段101から受信したデータに基づいて、データの抽出結果を出力する。例えば、ユーザ端末111は、データ変換/抽出手段101から受信したデータに基づいて、データの抽出結果をディスプレイ装置等の表示装置に表示する。
図6は、ユーザ端末111が表示するデータ抽出結果の例を示す説明図である。本実施の形態では、例えば、データ変換/抽出手段101は、図2に示すルール定義を用いて、各データ保持手段112から、売上高、契約数及び契約単価平均の情報を取得(受信)する。また、データ変換/抽出手段101は、各データ保持手段112から取得した売上高、契約数及び契約単価平均の情報を、所定のデータフォーマットに変換し、ユーザ端末111に送信する。そして、ユーザ端末111は、データ変換/抽出手段101から受信したデータに基づいて、データの抽出結果として、図6に示すように、売上高、契約数及び契約単価平均を含む情報を表示する。
ステップS503において、ユーザがルール定義の参照権限を有していないと判断すると、ルール保持手段102は、データ変換/抽出手段101からのルール定義の参照要求を破棄する(ステップS505)。この場合、データ変換/抽出手段101は、例えば、データの抽出要求を拒否する旨の通知情報を生成し、通信ネットワークを介してユーザ端末111に送信する。
以上のように、本実施の形態によれば、ルール定義を作成又は編集できる権限をユーザが有しているか否かを判定し、判定結果に従って正式ルール106又は仮ルール107の作成又は編集の許否を決定することができる。そして、ユーザが有する権限に応じて、ユーザが正式ルール106又は仮ルール107を作成又は編集することができる。従って、データ抽出のためのルール定義の作成や変更を行うための権限を多くの業務遂行者に開放することができ、多数のユーザがルール定義の作成、変更及び有益性の検証を行うことができる。
実施の形態2.
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。図7は、データ収集システムの他の構成例を示すブロック図である。本実施の形態では、データ収集システムは、第1の実施の形態で示したシステムの機能を効果的に補助するために、いくつかの手段を加えた構成を備える。本実施の形態では、図7に示すように、データ収集システムは、第1の実施の形態と同様に、データ抽出システム10と、データ保持手段112とを含む。また、データ抽出システム10は、第1の実施の形態と同様に、データ変換/抽出手段101と、ルール保持手段102と、ルール編集手段103と、権限管理手段105と、権限情報保持手段104とを含む。
本実施の形態では、図7に示すように、ユーザ端末111Aが、データ表示/閲覧手段201と、データログ比較/閲覧手段203とを含む点で、第1の実施の形態と異なる。また、本実施の形態では、データ収集システムが、第1の実施の形態で示した構成要素に加えて、データログ保持手段202を含む。また、データログ保持手段202は、ログ情報204を保持する。
なお、データ収集システムにおいて、データ抽出システム10、データ保持手段112、ユーザ端末111A及びデータログ保持手段202は、例えば、LAN等の通信ネットワークを介して接続される。また、本実施の形態において、データ抽出システム10のデータ変換/抽出手段101、ルール保持手段102、ルール編集手段103、権限情報保持手段104及び権限管理手段105の機能は、第1の実施の形態で示したそれらの機能と同様である。
データログ保持手段202は、具体的には、ワークステーションやパーソナルコンピュータ等の情報処理装置によって実現される。また、データログ保持手段202は、磁気ディスク装置や光ディスク装置等のデータベース装置を備える。本実施の形態では、データ抽出システム10とデータログ保持手段202とが、1台の情報処理装置を用いて実現される場合を説明する。なお、データ抽出システム10とデータログ保持手段202とは、それぞれ別々の情報処理装置を用いて実現されてもよい。
データログ保持手段202は、データ変換/抽出手段101が生成した結果データ(例えば、抽出データや、抽出データを変換した後の変換データ)を、ログ情報204としてデータベースに保持(蓄積)する機能を備える。また、データログ保持手段202は、データ変換/抽出手段101がデータ収集に用いたルール情報(ルール定義)を、ログ情報204としてデータベースに保持(蓄積)する機能を備える。
また、データログ保持手段202は、ユーザ端末111Aのデータログ比較/閲覧手段203からログ情報の抽出要求を、通信ネットワークを介して受信する機能を備える。また、データログ保持手段202は、ログ情報の抽出要求を受信すると、データログ比較/閲覧手段203からの要求に応じて、データベースからログ情報204を抽出する機能を備える。また、データログ保持手段202は、抽出したログ情報204を、通信ネットワークを介してデータログ比較/閲覧手段203に送信し、ログ情報204をユーザに提供する機能を備える。
データ表示/閲覧手段201は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理端末のCPU、ネットワークインタフェース部及びディスプレイ装置等の表示装置によって実現される。データ表示/閲覧手段201は、データ変換/抽出手段101が取得したデータ抽出結果を、通信ネットワークを介してデータ変換/抽出手段101から受信する機能を備える。また、データ表示/閲覧手段201は、受信したデータ抽出結果を、必要に応じてユーザ端末111のユーザが閲覧しやすい表示形態(例えば、表やグラフ等)に変換する機能を備える。また、データ表示/閲覧手段201は、変換したデータ抽出結果を表示装置に表示する機能を備える。
なお、データ抽出結果の表示形態を変換する処理を、データ表示/閲覧手段201が実行するのでなく、データ変換/抽出手段101が予め実行するようにしてもよい。この場合、データ変換/抽出手段101は、変換後の表示形態でデータ抽出結果が表示される画面情報を、通信ネットワークを介してデータ表示/閲覧手段201に送信する。そして、データ表示/閲覧手段201は、受信した画面情報に基づいて、ユーザが閲覧しやすい表示形態でデータ抽出結果を表示する。
図8は、データ表示/閲覧手段201が表示するデータ抽出結果の表示画面の例を示す説明図である。図8に示すように、データ表示/閲覧手段201は、例えば、売上高のデータ抽出結果を表81を用いた表示形態に変換し、表示装置に表示する。また、データ表示/閲覧手段201は、例えば、売上高のデータ抽出結果をグラフ82,83を用いた表示形態に変換し、表示装置に表示する。
データログ比較/閲覧手段203は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理端末のCPU、ネットワークインタフェース部及びディスプレイ装置等の表示装置によって実現される。データログ比較/閲覧手段203は、ユーザの操作に従って、ログ情報の送信要求を、通信ネットワークを介してデータログ保持手段202に送信する機能を備える。また、データログ比較/閲覧手段203は、データログ保持手段202から、通信ネットワークを介してログ情報204を受信する機能を備える。
また、データログ比較/閲覧手段203は、受信したログ情報204を、ルール別に比較又は閲覧するための表示画面を表示する機能を備える。本実施の形態では、データログ比較/閲覧手段203は、受信したログ情報204に基づいて、データ抽出に用いたルール定義毎に得られた結果のデータを表示装置に表示する。この場合、データログ比較/閲覧手段203は、表示するデータを、必要に応じてユーザ端末111のユーザが閲覧しやすい表示形態(例えば、表やグラフ等)に変換する。そして、データログ比較/閲覧手段203は、変換したデータを表示装置に表示する。
以上のように、実施の形態によれば、ルール定義を作成又は編集できる権限をユーザが有しているか否かを判定し、判定結果に従って正式ルール106又は仮ルール107の作成又は編集の許否を決定することができる。そして、ユーザが有する権限に応じて、ユーザが正式ルール106又は仮ルール107を作成又は編集することができる。従って、データ抽出のためのルール定義の作成や変更を行うための権限を多くの業務遂行者に開放することができ、多数のユーザがルール定義の作成、変更及び有益性の検証を行うことができる。
また、本実施の形態によれば、データ収集システムは、ログ情報204を蓄積するデータログ保持手段202を備え、要求に応じてユーザ端末111Aに提供する。そのため、ルール定義の検証のためのログの比較や検証を、ユーザが容易に行うことができる。従って、より効果的な形で、データ抽出のためのルール定義の作成や変更を行うための権限を多くの業務遂行者に開放することができ、多数のユーザがルール定義の作成、変更及び有益性の検証を行うことができる。
次に、本発明の具体的な実施例を用いて、データ収集システムの動作を説明する。図9は、データ収集システムの具体的な構成例を示すブロック図である。図9に示すように、本実施例において、データ収集システムは、データ抽出システム10と、複数のデータ保持手段112と、ユーザ端末111Bと、データログ保持手段202とを含む。また、データ抽出システム10は、データ変換/抽出手段101と、ルール保持手段102と、ルール編集手段103と、権限情報保持手段104と、権限管理手段105とを含む。また、本実施例において、データ抽出システム10、各データ保持手段112、ユーザ端末111B及びデータログ保持手段202は、LAN等の通信ネットワークを介して接続される。
本実施例では、企業で稼動している業務システムにおいて、業務の遂行状況に関する指標を算出するためのルール定義を、複数のユーザで作成したり検証したりする場合を説明する。なお、図9に示すデータ収集システムは、第2の実施の形態で示したデータ収集システムを具体化したものに相当する。
各データ保持手段112は、業務システムやデータベースサーバであり、それぞれ業務データベースを含む。本実施例では、データ保持手段112aは、企業のA部門の業務で用いられる各種データを蓄積するA部門業務データベースを含む。また、データ保持手段112bは、企業のB部門の業務で用いられる各種データを蓄積するB部門業務データベースを含む。また、データ保持手段112cは、企業のC部門の業務で用いられる各種データを蓄積するC部門業務データベースを含む。
また、本実施例において、ユーザ端末111Bは、ユーザW、ユーザX、ユーザY、ユーザZ及びユーザSの5人のユーザによって使用される。なお、図9では、1つのユーザ端末111Bを示しているが、データ収集システムは、複数のユーザ端末111Bを含んでもよい。例えば、データ収集システムは、ユーザ毎に、ユーザ端末111Bを含んでもよい。
また、本実施例において、権限情報保持手段104は、5人のユーザの役職情報を含む役割情報109を予め記憶する。また、権限情報保持手段104は、5人のユーザに与えられた権限を含む権限情報110を予め記憶する。
図10は、権限情報保持手段104が記憶する役割情報109の例を示す説明図である。図10に示すように、権限情報保持手段104は、ユーザを識別するための識別子(例えば、ユーザID)と、ユーザの役割定義(例えば、役職)とを対応付けた役割情報109を記憶する。また、図11は、権限情報保持手段104が記憶する権限情報110の例を示す説明図である。図11に示すように、権限情報保持手段104は、役割定義(例えば、役職)と、データ参照権限(例えば、参照できるデータの範囲を示す情報)と、ルール編集権限(例えば、編集できるルール定義の範囲を示す情報)とを対応付けた権限情報110を記憶する。なお、権限情報保持手段104は、ユーザを識別する識別子に、データ参照権限やルール編集権限の情報を対応付けた権限情報110を記憶してもよい。
以下、図10に示す役割情報109と、図11に示す権限情報110とを用いた場合のデータ収集システムの動作を説明する。まず、ユーザWがルール定義の編集操作を行う場合、データ収集システムは、図10に示す役割情報109に従って、ユーザWがA部門の一般社員であると判断する。また、データ収集システムは、図11に示す権限情報110に従って、A部門の一般に社員に対して、データ保持手段112aが蓄積するA部門内のデータを用いた仮ルール107の編集又は作成のみが許可されると判断する。
ユーザXがルール定義の編集操作を行う場合も同様に、データ収集システムは、役割情報109に従って、ユーザXがA部門の一般社員であると判断する。また、データ収集システムは、権限情報110に従って、A部門の一般に社員に対して、データ保持手段112aが蓄積するA部門内のデータを用いた仮ルール107の編集又は作成のみが許可されると判断する。
また、ユーザYがルール定義の編集操作を行う場合、データ収集システムは、役割情報109に従って、ユーザYがB部門の一般社員であると判断する。また、データ収集システムは、権限情報110に従って、B部門の一般に社員に対して、データ保持手段112bが蓄積するB部門内のデータを用いた仮ルール107の編集又は作成のみが許可されると判断する。
ユーザZがルール定義の編集操作を行う場合、データ収集システムは、役割情報109に従って、ユーザZがC部門の部門部長であると判断する。また、データ収集システムは、権限情報110に従って、部門部長に対して、各データ保持手段112が蓄積するA部門、B部門及びC部門の全ての部門内のデータを用いた仮ルール107の編集又は作成が許可されると判断する。
ユーザSがルール定義の編集操作を行う場合、データ収集システムは、役割情報109に従って、ユーザSがシステム管理者であると判断する。また、データ収集システムは、権限情報110に従って、システム管理者に対して、各データ保持手段112が蓄積するA部門、B部門及びC部門の全ての部門内のデータを用いた仮ルール107の編集又は作成が許可されると判断する。更に、データ収集システムは、権限情報110に従って、システム管理者に対して、各データ保持手段112が蓄積するA部門、B部門及びC部門の全ての部門内のデータを用いた正式ルール106の編集又は作成が許可されると判断する。
ユーザW、ユーザX又はユーザYがデータ参照操作を行う場合、データ収集システムは、役割情報109及び権限情報110に従って、一般社員であるユーザW、ユーザX及びユーザYに対して、他部門のデータを参照する権限が与えられていないと判断する。従って、データ保持手段112aが蓄積するA部門のデータを用いてユーザW又はユーザXが作成した仮ルール107を、B部門のユーザYが参照することはできない。また、同様に、データ保持手段112bが蓄積するB部門のデータを用いてユーザYが作成した仮ルール107を、A部門のユーザW又はユーザXが参照することはできない。
また、部門部長であるユーザZが作成した仮ルール107に、データ保持手段112cが蓄積するC部門のデータが含まれている場合を説明する。上記に示したように、データ収集システムは、一般社員であるユーザW、ユーザX及びユーザYに対して、他部門のデータを参照する権限が与えられていないと判断する。従って、A部門のユーザW及びユーザXとB部門のユーザYとは、いずれもユーザZが作成したC部門のデータを含む仮ルール107を参照することはできない。
ただし、他部門のデータを含む場合であっても、ルール定義に従ったデータ変換によってC部門のデータが原形を留めない程度に変換される場合もありうる。この場合、ルール作成者であるユーザZが、変換後の結果データについて他部門のユーザが参照しても問題ないと判断した場合、ルール定義に従って生成した結果データをユーザW、ユーザX及びユーザYが参照できるようにしてもよい。
ユーザZがデータ参照操作を行う場合、データ収集システムは、役割情報109及び権限情報110に従って、部門部長であるユーザZに対して、各データ保持手段112が蓄積するA部門、B部門及びC部門の全ての部門内のデータを参照可能であると判断する。従って、ユーザZは、ユーザW、ユーザX及びユーザYが作成した全ての仮ルール107を参照することができる。
ユーザSがデータ参照操作を行う場合、データ収集システムは、役割情報109及び権限情報110に従って、システム管理者であるユーザSに対して、各データ保持手段112が蓄積するA部門、B部門及びC部門の全ての部門内のデータを参照可能であると判断する。従って、ユーザSは、ユーザW、ユーザX及びユーザYが作成した全ての仮ルール107を参照することができる。
なお、本実施例において、データ収集システムが行う他の動作は、第2の実施の形態で示したそれらの動作と同様である。
以上のように、本実施例によれば、企業内の各部門の業務データベースからデータを収集することができ、業務の遂行状況に関する指標を算出するためのルール定義を、複数のユーザが作成し検証することができる。そのため、業務の遂行状況に関する指標の陳腐化を防ぐことができ、新しい有益なルールの作成や検証を促進し、ルール定義の置き換えを促進することができる。