JP2006349482A - フォトルミネッセンスマッピング測定装置 - Google Patents

フォトルミネッセンスマッピング測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006349482A
JP2006349482A JP2005175514A JP2005175514A JP2006349482A JP 2006349482 A JP2006349482 A JP 2006349482A JP 2005175514 A JP2005175514 A JP 2005175514A JP 2005175514 A JP2005175514 A JP 2005175514A JP 2006349482 A JP2006349482 A JP 2006349482A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
reflecting mirror
semiconductor crystal
stage
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005175514A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4633549B2 (ja
Inventor
Isao Kamata
功穂 鎌田
Shuichi Tsuchida
秀一 土田
Kudryashov Igor
イゴール クドゥリャショフ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Research Institute of Electric Power Industry
Original Assignee
Central Research Institute of Electric Power Industry
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Research Institute of Electric Power Industry filed Critical Central Research Institute of Electric Power Industry
Priority to JP2005175514A priority Critical patent/JP4633549B2/ja
Publication of JP2006349482A publication Critical patent/JP2006349482A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4633549B2 publication Critical patent/JP4633549B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】 低温での精密なマッピング測定を容易に行うことができるフォトルミネッセンスマッピング測定装置を提供する。
【解決手段】 励起光源側からの励起光軸と、分光器側へ向かう採取光軸とを固定した状態で、試料面の各測定点へ励起光および採取光の焦点を移動させる移動光学系を設けて、半導体結晶試料を一定位置に固定し、移動光学系によって試料面を走査するようにした。移動光学系の一つの態様では、X方向ステージに固定された前段反射鏡11と、Y方向ステージに固定された後段反射鏡21および対物レンズ25を備え、これらによって励起光および採取光を反射、集光する。X方向ステージをY方向ステージと共に移動させ、Y方向ステージをX方向ステージとは独立に移動させることによって、試料面上の焦点のX−Y走査を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体結晶試料の試料面からのフォトルミネッセンス光を試料面を走査しながら測定することにより、半導体結晶試料に含まれる各種の欠陥や不純物のマッピング像を測定するためのフォトルミネッセンスマッピング測定装置に関する。
半導体素子作製における品質管理等において、半導体素子用結晶の電気的および光学的特性を非破壊で評価する技術の重要度が高まってきている。エピタキシャル成長させた半導体結晶の評価を非破壊で行う手法の一つにフォトルミネッセンス(Photoluminescence
:PL)法がある。PL法では、半導体結晶のバンドギャップの測定、不純物の同定、定量等が可能である。
半導体結晶を光で刺激した際に、結晶から放出される光がフォトルミネッセンスであり、結晶の様々な性質が反映されている。光励起によって半導体結晶内には非平衡の電子-
正孔対が生成される。これらの電子-正孔対はいくつかの準安定状態を経由し、さらに再
結合することによって元の熱平衡状態に戻る。この過程で発光性再結合により放出された光がPLである。
半導体材料の評価に用いられるフォトルミネッセンス測定装置では、半導体材料に対してバンドギャップ以上のエネルギーをもつ励起光を照射し、励起された半導体材料からの発光を取り込んで波長毎の強度等を測定する。
通常のフォトルミネッセンス測定では、試料上の1点についての測定を行うが、試料の不均一性、例えば半導体単結晶試料の欠陥分布、不純物の濃度分布等に関する評価を行う場合にはその変化を調べる必要がある。そのための手法として、PLマッピング測定がある。
PLマッピング測定では、PLスペクトルの特徴を反映する量としてピーク強度、ピーク波長、半値幅などを選び出し、それを位置情報と対応づけて表示する。PLマッピングによれば、非破壊、非接触で試料の不均一性を調べることができることから、従来、ウエハの不均一性の評価に室温でのPLマッピング測定が用いられている(特許文献1,2)。
特開2003−337104号公報 特開平5−90368号公報
従来から行われている室温でのPLマッピング測定では、励起光および採取光の光学系を一定の位置に固定し、X−Y移動ステージに固定した試料を二次元的に走査しながら測定を行っていた。
しかし、測定対象によって最適な試料温度は異なるものの、一般には低温で測定した方がPL信号強度が増大し、スペクトル線が先鋭化する。すなわち、強い強度の発光を取り込み、PL発光のピークの分離を行うことによって高分解能のPLマッピング像を得るためには低温での測定が有利である。
ところが、低温での測定には液体ヘリウム等を冷却源に使用した試料冷却用の冷却装置
が必要になる。このような冷却装置は重量が重く、冷却装置の容器ごと試料をX−Y移動ステージに載せて移動させると測定に困難を伴う。
また、PL信号強度は試料温度に大きく依存するため、最適な温度に試料温度を調節できることが望ましい。さらに、試料面が横向き等となる場合、試料を横向きに固定するためのネジやばねが必要になり、これらの固定部材により試料に応力が発生し易くなるので試料面が上向きとなるように固定することが望ましい。また、ランニングコストを考慮すると冷却のためのヘリウムの消費はできるだけ抑えることが望ましい。
しかしながら、液体ヘリウムを冷却源とする従来のクライオスタットでは、こうした要求を充分に満足することが難しい。例えば、容器に液体ヘリウムを満たすことで試料を冷却するいわゆるジャブ浸け式のものでは、試料温度を可変とすることができない。また、通常は試料を横向きに固定する必要がある。さらに、容器には冷媒が入っていることから、移動が困難であり、X−Y移動するためには大掛かりな装置が必要となる。
一方、いわゆる交換ガス型のものは構造が複雑であり、ヘリウムの消費量が多い。
本発明は、低温での精密なマッピング測定を容易に行うことができるフォトルミネッセンスマッピング測定装置を提供することを目的としている。
本発明のフォトルミネッセンスマッピング測定装置は、半導体結晶試料の試料面を走査し、該試料面からのフォトルミネッセンス光をマッピング測定するフォトルミネッセンスマッピング測定装置であって、
半導体結晶試料を励起するための励起光源と、
半導体結晶試料が固定される試料固定部と、
半導体結晶試料からのフォトルミネッセンス光を含む採取光を分光する分光器と、
分光器からの光を光電変換する光検出器と、
励起光源および分光器と、半導体結晶試料との間に配置された移動光学系と、を備え、
前記移動光学系は、
励起光および/または採取光を反射する複数の移動可能な反射鏡と、
試料面の測定点へ励起光を集光し、および/または試料面の測定点からの採取光を平行光とする少なくとも1つの移動可能な対物レンズと、
を備えるとともに、励起光源側から移動光学系へ向かう励起光の光軸と、移動光学系から分光器側へ向かう採取光の光軸とを固定した状態で、試料面の各測定点へ励起光および採取光の焦点を移動させることを特徴とする。
上記の発明では、試料を一定位置に固定し、移動光学系によって試料面の走査を行うようにしたので、低温での測定に使用される試料の冷却装置を所定の位置に固定した状態でマッピングをすることができる。したがって、低温での精密なマッピング測定を容易に行うことができる。
前記移動光学系の一つの態様では、該移動光学系は、前段反射鏡と、後段反射鏡と、対物レンズと、を備え、
前記前段反射鏡は、励起光源側から前段反射鏡へ向かう励起光および前段反射鏡から分光器側へ向かう採取光の光軸方向であるX軸方向へ移動可能なX方向移動手段に固定され、励起光源側からの励起光を後段反射鏡へ反射させるとともに後段反射鏡からの採取光を分光器側へ反射させ、
前記後段反射鏡は、前段反射鏡から後段反射鏡へ向かう励起光および後段反射鏡から前段反射鏡へ向かう採取光の光軸方向であるY軸方向へ移動可能なY方向移動手段に固定され、前段反射鏡からの励起光を対物レンズへ反射させるとともに対物レンズからの採取光
を前段反射鏡へ反射させ、
前記対物レンズは、前記Y方向移動手段に固定されるとともに、後段反射鏡と半導体結晶試料との間に配置され、
X方向移動手段は、Y方向移動手段と共にX軸方向へ移動し、
Y方向移動手段は、X方向移動手段とは独立にY軸方向へ移動し、
X方向移動手段を移動させることによって、半導体結晶試料の試料面におけるX軸方向の各測定点での測定を行い、
Y方向移動手段を移動させることによって、半導体結晶試料の試料面におけるY軸方向の各測定点での測定を行う。
上記の移動光学系によれば、簡易な構成で試料面の走査を精密に行うことができる。
前記移動光学系の他の態様では、該移動光学系は、第1および第2の前段反射鏡と、第1および第2の後段反射鏡と、第1および第2の対物レンズと、を備え、
前記第1の前段反射鏡は、励起光源側から第1の前段反射鏡へ向かう励起光および第2の前段反射鏡から分光器側へ向かう採取光の光軸方向であるX軸方向へ移動可能なX方向移動手段に固定されるとともに、励起光源側からの励起光を第1の後段反射鏡へ反射させ、
前記第1の後段反射鏡は、第1の前段反射鏡から第1の後段反射鏡へ向かう励起光および第2の後段反射鏡から第2の前段反射鏡へ向かう採取光の光軸方向であるY軸方向へ移動可能なY方向移動手段に固定されるとともに、第1の前段反射鏡からの励起光を第1の対物レンズへ反射させ、
前記第1の対物レンズは、前記Y方向移動手段に固定されるとともに、第1の後段反射鏡と半導体結晶試料との間に配置され、
前記第2の前段反射鏡は、前記X方向移動手段に固定されるとともに、第2の後段反射鏡からの採取光を分光器側へ反射させ、
前記第2の後段反射鏡は、前記Y方向移動手段に固定されるとともに、第2の対物レンズからの採取光を第2の前段反射鏡へ反射させ、
前記第2の対物レンズは、前記Y方向移動手段に固定されるとともに、第2の後段反射鏡と半導体結晶試料との間に配置され、
X方向移動手段は、Y方向移動手段と共にX軸方向へ移動し、
Y方向移動手段は、X方向移動手段とは独立にY軸方向へ移動し、
X方向移動手段を移動させることによって、半導体結晶試料の試料面におけるX方向の各測定点での測定を行い、
Y方向移動手段を移動させることによって、半導体結晶試料の試料面におけるY方向の各測定点での測定を行う。
このように、励起光の光軸と採取光の光軸とを分離した構成とすることで、励起光の光学系を構成する部材と、採取光の光学系を構成する部材とに互いに異なる種類のものを用いても、X方向移動手段およびY方向移動手段による平行移動によって、光源側から移動光学系への励起光軸および分光器側から移動光学系への採取光軸の配置を変化させることなくマッピング測定を行うことができる。
前記X方向移動手段および前記Y方向移動手段の具体例としては、X方向移動ステージおよびY方向移動ステージを挙げることができる。
上記の発明では、試料固定部に固定された半導体結晶試料を液体ヘリウム、ヘリウムガスまたは液体窒素によって直接または間接的に冷却する冷却装置を備えることが好ましい。このような冷却装置としては、従来から知られている各種のクライオスタットを挙げることができるが、特に好ましくは、以下の冷却装置が用いられる。
この冷却装置は、
蓄熱材を備えたG−M型冷凍機、スターリング型冷凍機、またはパルス管型冷凍機と、
蓄熱材が内部に設置され、上面部に励起光および採取光を透過する透明板が配置され、内部が真空とされる容器と、
該容器内に配置され、蓄熱材と熱的に接触する前記試料固定部と、を備え、
前記半導体結晶試料は、試料面が上向きとなり透明板と対向するように試料固定部に配置される。
上記の冷却装置における一つの態様では、該冷却装置は、ヘリウムガスを圧縮する圧縮機ユニットと、ヘリウムの循環によって半導体結晶試料を冷却するための冷凍機ユニットと、からなるG−M型冷凍機を備え、
前記冷凍機ユニットは、前記圧縮機ユニットに連通するヘリウム循環経路に設けられた膨張器と前記蓄熱材とからなる冷却部を備え、
前記試料固定部が、前記容器内における冷却部の上部側に配置されている。
上記の冷却装置では、半導体結晶試料が試料面を上向きとして設置されるので、試料を固定する際に掛かる試料への応力が少ない。また、大きいサイズの試料を設置することができる。さらに、ヘリウムを循環させているので、ランニングコストを抑えた極低温測定が可能である。
また、上記の冷却装置は、前記試料固定部と前記蓄熱材との間に、試料固定部に固定された半導体結晶試料の温度を調節するヒータ部を備えていることが好ましい。
このようにすることで、例えば液体ヘリウム温度近傍から常温以上までの広い温度範囲において、目的に応じた所望の温度、例えば発光強度、ピークの分離などが適切である最適温度に試料温度を調節できる。
本発明の装置は、バンドギャップを有する半導体結晶試料に含まれる欠陥または不純物のマッピング像の測定に好適である。
また、上記の発明における一つの態様では、励起用レーザ光源であるパルスレーザと、
パルスレーザのパルスに対応するトリガ信号を基準として、該トリガ信号から所定時間だけ遅れた半導体結晶試料の発光を検出する検出系と、を備えた構成とされ、前記移動光学系によって半導体結晶試料の試料面を走査することで、該試料面の各測定点における発光の減衰が測定される。
この場合、試料を一定位置に固定し、移動光学系によって試料面の走査を行うようにしたので、低温での測定に使用される試料の冷却装置を所定の位置に固定した状態で、試料面における発光ライフタイムの分布を得ることができる。したがって、低温での発光ライフタイムのマッピング測定を精密かつ容易に行うことができる。
本発明によれば、低温での精密なPLマッピング測定を容易に行うことができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
図1は、本発明のフォトルミネッセンスマッピング装置の実施例を示した上面図、図2は、図1のフォトルミネッセンスマッピング装置の斜視図、図3は、半導体単結晶試料を冷却する冷却装置を示した図である。
このフォトルミネッセンスマッピング装置1では、図1の励起用レーザ光源2からの励起光4が反射/透過鏡6で反射されて移動光学系へ入射される。図1および図2に示した
ように、移動光学系は、前段反射鏡12と、後段反射鏡22と、対物レンズ25と、を備えている。
前段反射鏡12は、反射/透過鏡6から前段反射鏡12へ向かう励起光4の光軸方向であるX軸方向へ移動可能なX方向移動ステージ11に固定されている。
後段反射鏡22は、前段反射鏡12から後段反射鏡22へ向かう励起光4の光軸方向であるY軸方向へ移動可能なY方向移動ステージ21に固定されている。
対物レンズ25は、Y方向移動ステージ21に固定されており、後段反射鏡22と半導体結晶試料7との間に配置されている。
前段反射鏡12でY軸方向へ反射され、次いで後段反射鏡22で下方へ反射された励起光4は、対物レンズ25で集光されて半導体結晶試料7の試料面の測定点に照射される。
X方向移動ステージ11は、Y方向移動ステージ21と共にX軸方向へ移動する。一方、Y方向移動ステージ21は、X方向移動ステージ11とは独立にY軸方向へ移動する。これによって、反射/透過鏡6からの励起光4の光軸を固定した状態で試料面のXY方向へ励起光4の焦点を移動できるようになっている。
励起光が照射された試料面の測定点からの採取光5には、主に半導体結晶試料7からの発光と励起光の散乱光とが含まれている。採取光5は、対物レンズ25で平行光とされた後、その上方の後段反射鏡22でY軸方向へ反射され、次いで前段反射鏡12でX軸方向へ反射される。
前段反射鏡12からの採取光5は、反射/透過鏡6を透過した後、集光レンズ32で集光され分光器31に入射される。分光器31で分光された検出対象である特定波長のフォトルミネッセンス光は、光検出器33で検出され、光電変換される。光検出器33からの電気信号は、増幅されA/D変換された後、コンピュータ(図示せず)に取り込まれる。X方向移動ステージ11およびY方向ステージ21を移動させることにより試料面を走査し、各測定点での測定を行うことによって得られた試料面のマッピング像は、ディスプレイ等の表示装置に表示される。
励起用レーザ光源2としては、測定対象である半導体結晶試料の種類や測定目的に応じて各種のレーザが使用でき、その具体例としては、色素レーザ、チタンサファイアレーザ等の波長可変レーザ、半導体レーザ、He−Cdレーザ、アルゴンレーザなどを挙げることができる。また、レーザ光源の他にランプ光源を用いてもよく、その具体例としては、キセノンランプ、タングステンランプなどの白色光源を分光したもの、高圧水銀灯の輝線などを挙げることができる。
分光器31には、通常は回折格子型シングルモノクロメータが使用される。採取光から特定波長のフォトルミネッセンス光を分離するために、必要に応じてフィルタを設置してもよい。光検出器33には、光電子増倍管、CCD検出器などが使用される。
X方向移動ステージ11およびY方向ステージ21は、基台の上に軸方向へ移動可能に配置されており、ステッピングモータコントローラからの駆動パルスによってステッピングモータにより駆動される。
マッピング測定をスタートするポイント、測定点の間隔、データ取り込み時間等は、キーボード等の入力手段からコンピュータに入力することによって予め設定される。与えられた測定条件に応じて、CPU制御系からステッピングモータコントローラに信号が送られることにより、X方向移動ステージ11およびY方向ステージ21の移動が制御される
コンピュータに取り込まれた検出信号は、測定点毎の測定値としてメモリに格納される。メモリに格納されたデータは、画像処理によって、発光強度に応じたコントラストをもつ画像信号に変換されてディスプレイ等の表示手段にマッピング画像として表示される。
なお、励起用光源2の手前にチョッパーを設置して励起光の照射周期を設定し、光検出器33の出力側に前置増幅器とロックイン増幅器を設置して励起光のチョッピング周期で同期検波を行うことによってS/N比を向上させる構成としてもよい。
半導体結晶試料7は、図3(a)に示した温度可変の冷却装置41によって冷却され、所望の冷却温度にて測定が行われるようになっている。
この冷却装置41は、圧縮機ユニット42aと冷凍機ユニット42bとから構成され、ヘリウムガスを循環して試料の冷却を行っており、その冷却機構および冷却のための装置構成は、いわゆるG−M型(ギフォード・マクマホン型)冷凍機と同様である。
圧縮機ユニット42aは、ヘリウムガスを圧縮する圧縮機と、ヘリウムガスを冷却する放熱機とを備えている。
冷凍機ユニット42bは、シリンダの内部を軸方向に移動可能なピストンと、ピストンを駆動するモータを備えた駆動モータ部43と、膨張器と蓄熱材とを備えた冷却部48と、を備えている。冷却部48は、容器44の内部に設置されている。
容器44の内部は、真空ポンプ(図示せず)により真空とされている。容器44の上面部には、対物レンズ25からの励起光および半導体結晶試料7からの採取光を透過する透明なガラス板45が配置されている。
容器44の内部に配置された冷却部48は、膨張器と蓄冷材とを備えており、駆動モータ部43から伝えられるピストン運動によって膨張器が作動し、冷却される構造となっている。すなわち、圧縮機の高圧側および低圧側に設けられた高圧側バルブと低圧側バルブの開閉を切り換えることによって、圧縮機により圧縮された高圧のヘリウムガスと、この高圧のヘリウムガスが膨張器で断熱膨張して温度が下がった低圧のヘリウムガスとが、蓄冷材が充填された領域を交互に逆方向に流れ、これにより、高温高圧のヘリウムガスと低温低圧のヘリウムガスが蓄熱材を介して熱交換する。この繰返しによって、冷却部48の温度が下がり、その寒冷が試料固定部46に伝達される。
例えば、蓄熱材が充填されたピストンと、シリンダとをそれぞれ2段とした2段式のG−M型冷凍機の構成とすることができる。
半導体結晶試料7は、試料固定部46に試料面を水平上向きとして固定される。図3(b)は、試料固定部およびその周辺の構成を示した図である。図示したように、試料固定部46は、冷却部48の上部側に配置され、半導体結晶試料7は、試料面が上向きとなりガラス板45と対向するように配置される。
試料固定部46にはインジウムシート49が敷かれている。インジウムシート49の上に半導体結晶試料7を設置すると、柔軟なインジウムシート49に半導体結晶試料7がめり込むので、熱接触が良好になる。インジウムシート49の上に設置された半導体結晶試料7は、試料押さえバネ50で上方から押さえることによって固定される。
この冷却装置41では、試料面を上向きとしているので、試料を固定するためのネジやばねを必要最低限に抑えることができる。したがって、試料の固定が容易であり、さらに試料に応力が発生しにくくなる。
本実施例では、試料固定部46を、直径2インチ程度のウエハを固定できる大面積に対応可能な構造としている。冷却装置のスケールを上げれば、さらに大面積のウエハを固定することも可能である。
冷却部48と試料固定部46との間には、加温可能なヒータ部47が配置されている。ヒータ部47に与えられるジュール熱は、ヒータ部47が備える発熱部材への電流通電を、例えば温度センサと制御回路によって制御することで調節可能であり、ヒータ部47による供給熱と、冷却部材48による冷却とのバランスで半導体結晶試料7の温度を可変としている。本実施例では、極低温から室温を上回る温度までの範囲に試料温度を設定することができ、具体的には、8〜400K程度の範囲で試料温度を任意に制御できる。
本実施例のフォトルミネッセンスマッピング装置1は、このように低温での測定が可能な構成とされているので、二次元分解能および波長分解能が高く、例えば測定点の間隔が10μm、波長分解能が約1Åでの測定が可能である。
なお、上記したG−M型冷凍機などのいわゆるクライオスタットは、従来よりクライオポンプ等の用途に使用されているが、通常は、冷却対象である物質または被冷却物を冷却する伝熱体(プレートなど)が横向きに設置される。しかし本実施例では、試料面を水平上向きとして固定される試料固定部46を設けているので、ウエハのマッピング測定に適した構成となっている。さらに、上記したように、試料を固定するためのネジやばねを必要最低限に抑えることができるため、試料の固定が容易であり、さらに試料に応力が発生しにくくなる。
本実施例の冷却装置ではG−M型冷凍機を用いたが、その変形例として、蓄熱材を備えたスターリング型冷凍機、またはパルス管型冷凍機を挙げることができる。スターリング型冷凍機では、ヘリウムガスの入った本体の内部でピストンを上下させ、これによりヘリウムガスが圧縮と膨張とを繰返して熱交換することで、上部側に設けられた筒状等の蓄冷器(蓄冷材)が冷却される構造になっているが、この蓄冷器と熱的に接触するように、試料面を水平上向きとして半導体結晶試料を固定する試料固定部を取付けることで、上記の実施例と同様にウエハのマッピング測定に適した構成とすることができる。
一方、パルス管型冷凍機は、圧縮機、蓄冷器(蓄冷材)、パルス管、および位相制御部を備えており、圧縮機にてピストンを往復動させることで系内のヘリウムガスを圧縮、膨張させる。そして、圧縮機から蓄冷器、パルス管を通り位相制御部に達する一連の系の中でヘリウムガスを往復動させることによりヘリウムガスの圧力変化と流量変化との間で位相差を生じさせて、これにより寒冷を発生させる。このパルス管型冷凍機の蓄冷器と熱的に接触するように、試料面を水平上向きとして半導体結晶試料を固定する試料固定部を取付けることで、上記の実施例と同様にウエハのマッピング測定に適した構成とすることができる。
スターリング型冷凍機またはパルス管型冷凍機を用いた場合にも、冷却装置の他の構成(容器44、ガラス板45など)は図3(a)、(b)と同様である。
[実施例2]
図4は、本発明のフォトルミネッセンスマッピング装置の実施例を示した上面図、図5は、図4のフォトルミネッセンスマッピング装置の斜視図、図6(a)は、後段反射鏡および対物レンズの配置を示した上面図、図6(b)は、その正面図である。なお、上述した実施例と対応する構成要素は同一の符号で示しその詳細な説明を省略する。
このフォトルミネッセンスマッピング装置1では、移動光学系が、第1の前段反射鏡1
3および第2の前段反射鏡14と、第1の後段反射鏡23および第2の後段反射鏡24と、第1の対物レンズ26および第2の対物レンズ27と、を備えている。
第1の前段反射鏡13および第2の前段反射鏡14は、励起用レーザ光源2から第1の前段反射鏡13へ向かう励起光4と、第2の前段反射鏡14から分光器31へ向かう採取光5の光軸方向であるX軸方向へ移動可能なX方向移動ステージ11に固定されている。
第1の後段反射鏡23および第2の後段反射鏡24は、第1の前段反射鏡13から第1の後段反射鏡23へ向かう励起光4と、第2の後段反射鏡24から第2の前段反射鏡14へ向かう採取光5の光軸方向であるY軸方向へ移動可能なY方向移動ステージ21に固定されている。
第1の対物レンズ26は、Y方向移動ステージ21に固定されており、第1の後段反射鏡23と半導体結晶試料7との間に配置されている。第2の対物レンズ27も、Y方向移動ステージ21に固定されており、第2の後段反射鏡24と半導体結晶試料7との間に配置されている。
X方向移動ステージ11は、Y方向移動ステージ21と共にX軸方向へ移動する。一方、Y方向移動ステージ21は、X方向移動ステージ11とは独立にY軸方向へ移動する。これによって、励起用レーザ光源2から移動光学系へ入射する光軸と、移動光学系から分光器31へ出射する光軸とを固定した状態で試料面のXY方向へ励起光4の焦点を移動できるようになっている。
励起用レーザ光源2からの励起光4は、第1の前段反射鏡13でY軸方向へ反射され、次いで第1の後段反射鏡23で下方へ反射された後、第1の対物レンズ26で集光されて半導体結晶試料7の試料面の測定点に照射される。
励起光が照射された試料面の測定点からの採取光5は、第2の対物レンズ27で平行光とされた後、その上方の第2の後段反射鏡24でY軸方向へ反射され、次いで第2の前段反射鏡14でX軸方向へ反射される。第2の前段反射鏡14からの採取光5は、集光レンズ32で集光され分光器31に入射される。
分光器31で分光された検出対象である特定波長のフォトルミネッセンス光は、光検出器33で検出され、光電変換される。光検出器33からの電気信号は、増幅されA/D変換された後、コンピュータ(図示せず)に取り込まれる。X方向移動ステージ11およびY方向ステージ21を移動させることにより試料面を走査し、各測定点での測定を行うことによって得られた試料面のマッピング像は、ディスプレイ等の表示装置に表示される。
このように本実施例では、励起光の光軸3aと採取光の光軸3bとを分離した構成としたので、励起光の光学系を構成する部材と、採取光の光学系を構成する部材とに互いに異なる種類のものを用いても、X方向移動ステージ11およびY方向ステージ21による平行移動によって、光源側から移動光学系への励起光軸および移動光学系から分光器側への採取光軸を変化させることなく試料面の走査を行うことができる。
また、励起光の光学経路と採取光の光学経路とが全く同じとなる光学系配置とすると、励起光の焦点を意図的にずらして照射スポット面積を拡大することによりビーム密度を調整する際に、採取光の焦点もずれてしまい、励起光のみをデフォーカスさせることができない。
しかし本実施例では、図6(a),(b)にも示したように、励起光4を試料面へ集光
させる光学系と、試料面からの採取光5を取り出す光学系とが分離されているので、採取光の焦点をずらすことなく励起光のみデフォーカスさせることができる。すなわち、第1の後段反射鏡23および第1の対物レンズ26の配置を調節することで励起光のビーム密度を調整することができる。
以上に説明した各実施例のフォトルミネッセンスマッピング装置によれば、測定波長および試料温度を選択することにより、半導体単結晶膜中の各種の欠陥を非破壊で測定することができる。例えば、炭化珪素(SiC)単結晶試料においては、KOHエッチングでは困難であるC面SiC単結晶試料に対しても結晶欠陥の評価ができる。
SiC単結晶膜中の欠陥には、マイクロパイプ(Micropipe)、らせん転位(Screw Dislocation)、刃状転位(Threading Edge Dislocation)、基底面内転位(Basal Plane Dislocation)、積層欠陥(Stacking Fault)などがある。基底面内転位の発光波長は約420nm
、単層積層欠陥(ショックレータイプ積層欠陥:Shockley Stacking Fault)の発光波長
は約420nm、成長時導入積層欠陥(In-grown Stacking Fault)の発光波長は約47
0nm、複層積層欠陥(In-grown Stacking Fault)の発光波長は約510nmである。
ショックレータイプ積層欠陥、基底面内転位などは、測定温度が100K程度である場合に強度が最大となるが、上述した各実施例では図3に示した温度可変な冷却装置を備えているので、極低温と室温との中間温度である100Kでのマッピング測定が可能である。
図7〜図9に、上述した実施例の装置により測定したSiC単結晶膜に存在する各種欠陥のPLマッピング像を示した。
図7は、発光波長約420nm、温度100KにおいてSiCエピタキシャル膜中の結晶粒界を測定したものであり、結晶粒界が暗い線として現れている。
図8は、発光波長約420nm、温度100KにおいてSiCエピタキシャル膜中の基底面内転位を測定したものであり、基底面内転位が白い線として現れている。
図9は、発光波長約470nm、温度100KにおいてSiCエピタキシャル膜中の成長時導入積層欠陥を測定したものであり、積層欠陥が白い三角形状として現れている。
[実施例3]
上述した各実施例では、PLマッピング像を測定する場合について説明したが、これらの実施例と同様な移動光学系および試料の冷却装置を用いて、半導体結晶試料の試料面におけるライフタイムの分布を測定することができる。本実施例では、図1(実施例1)または図4(実施例2)に示した装置構成において、励起用レーザ光源2としてパルスレーザを使用する。パルスレーザの具体例としては、窒素レーザ、QスイッチYAGレーザ、半導体レーザ等を挙げることができる。
検出系には、光電子増倍管と、ボックスカー積分器またはマルチチャンネルアナライザとの組み合わせ、あるいはストリークカメラ等が使用される。分光器31を採取光の可変フィルタとして用いることができるが、必要に応じて、分光器31の代わりに干渉フィルタ等のバンドパスフィルタを用いてもよい。
なお、マッピング像を測定する実施例1および実施例2からの簡単な装置変更とソフトウェアの変更とによって、本実施例のライフタイムを測定する構成とすることができる。
例えば、パルスレーザのパルス発生器が発生するトリガ信号を基準として、パルスレーザの発光後、所定時間tだけ遅れた試料の発光を、検出系のゲートを短時間開いて取り込み、tを変化させながら複数回の計測を行なうことにより、発光の減衰(ライフタイム)を測定する。
本実施例では、試料面上の1点に対してではなく、マッピングすることによって、試料面におけるライフタイムの分布を測定することができる。ライフタイムの分布に基づいて、結晶欠陥に対する各種の評価を行うことができる。
例えば、バンド端発光のライフタイムについては、試料母体結晶の少数キャリアのライフタイムと表面再結合速度が反映されていることを利用し、それらの解析に利用できる。一方、特定の発光帯におけるライフタイムの測定では、その発光中心の遷移確率、競合する非発光過程等に関する情報が得られる。
少数キャリアのライフタイムτは、次式で表される。
τ-1=Nr・S・vth
(ここで、Nrは再結合中心の密度、Sは捕獲断面積、vthは少数キャリアの熱速度である。)
励起された少数キャリアが距離R進んだときの存在確率は、キャリアの拡散距離をMとするとEXP(-R/M)と表される。キャリアの拡散距離Mとライフタイムτとの間には、次式の関係がある。
M=√(Dnτ)
(ここで、DnekBT/e :kBはボルツマン定数、Tは温度、eは電荷、μeは電子の移動度
である。)
したがって、測定によって得られた発光減衰曲線における発光強度が1/eになる位置に
よって、少数キャリアに関する特性が評価できる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において各種の変形、変更が可能である。
図1は、本発明のフォトルミネッセンスマッピング装置の実施例を示した上面図である。 図2は、図1のフォトルミネッセンスマッピング装置の斜視図である。 図3(a)は、半導体単結晶試料を冷却する冷却装置を示した図、図3(b)は、この冷却装置における試料固定部およびその周辺の構成を示した図である。 図4は、本発明のフォトルミネッセンスマッピング装置の実施例を示した上面図である。 図5は、図4のフォトルミネッセンスマッピング装置の斜視図である。 図6(a)は、図4のフォトルミネッセンスマッピング装置における後段反射鏡と対物レンズの配置を示した上面図、図6(b)は、その正面図である。 図7は、本発明の実施例のフォトルミネッセンスマッピング装置により測定したSiC単結晶膜に存在する結晶粒界のPLマッピング像である。 図8は、本発明の実施例のフォトルミネッセンスマッピング装置により測定したSiC単結晶膜に存在する基底面内転位のPLマッピング像である。 図9は、本発明の実施例のフォトルミネッセンスマッピング装置により測定したSiC単結晶膜に存在する成長時導入積層欠陥のPLマッピング像である。
符号の説明
1 フォトルミネッセンスマッピング測定装置
2 励起用レーザ光源
3,3a,3b 光軸
4 励起光
5 採取光
6 反射/透過鏡
7 半導体結晶試料
11 X方向移動ステージ
12 前段反射鏡
13 第1の前段反射鏡
14 第2の前段反射鏡
21 Y方向移動ステージ
22 後段反射鏡
23 第1の後段反射鏡
24 第2の後段反射鏡
25 対物レンズ
26 第1の対物レンズ
27 第2の対物レンズ
31 分光器
32 集光レンズ
33 光検出器
41 冷却装置42a 圧縮機ユニット
42b 冷凍機ユニット
43 駆動モータ部
44 容器
45 ガラス板
46 試料固定部
47 ヒータ部
48 冷却部
49 インジウムシート
50 試料押さえバネ

Claims (10)

  1. 半導体結晶試料の試料面を走査し、該試料面からのフォトルミネッセンス光をマッピング測定するフォトルミネッセンスマッピング測定装置であって、
    半導体結晶試料を励起するための励起光源と、
    半導体結晶試料が固定される試料固定部と、
    半導体結晶試料からのフォトルミネッセンス光を含む採取光を分光する分光器と、
    分光器からの光を光電変換する光検出器と、
    励起光源および分光器と、半導体結晶試料との間に配置された移動光学系と、を備え、
    前記移動光学系は、
    励起光および/または採取光を反射する複数の移動可能な反射鏡と、
    試料面の測定点へ励起光を集光し、および/または試料面の測定点からの採取光を平行光とする少なくとも1つの移動可能な対物レンズと、
    を備えるとともに、励起光源側から移動光学系へ向かう励起光の光軸と、移動光学系から分光器側へ向かう採取光の光軸とを固定した状態で、試料面の各測定点へ励起光および採取光の焦点を移動させることを特徴とするフォトルミネッセンスマッピング測定装置。
  2. 前記移動光学系は、前段反射鏡と、後段反射鏡と、対物レンズと、を備え、
    前記前段反射鏡は、励起光源側から前段反射鏡へ向かう励起光および前段反射鏡から分光器側へ向かう採取光の光軸方向であるX軸方向へ移動可能なX方向移動手段に固定され、励起光源側からの励起光を後段反射鏡へ反射させるとともに後段反射鏡からの採取光を分光器側へ反射させ、
    前記後段反射鏡は、前段反射鏡から後段反射鏡へ向かう励起光および後段反射鏡から前段反射鏡へ向かう採取光の光軸方向であるY軸方向へ移動可能なY方向移動手段に固定され、前段反射鏡からの励起光を対物レンズへ反射させるとともに対物レンズからの採取光を前段反射鏡へ反射させ、
    前記対物レンズは、前記Y方向移動手段に固定されるとともに、後段反射鏡と半導体結晶試料との間に配置され、
    X方向移動手段は、Y方向移動手段と共にX軸方向へ移動し、
    Y方向移動手段は、X方向移動手段とは独立にY軸方向へ移動し、
    X方向移動手段を移動させることによって、半導体結晶試料の試料面におけるX軸方向の各測定点での測定を行い、
    Y方向移動手段を移動させることによって、半導体結晶試料の試料面におけるY軸方向の各測定点での測定を行うことを特徴とする請求項1に記載のフォトルミネッセンスマッピング測定装置。
  3. 前記移動光学系は、第1および第2の前段反射鏡と、第1および第2の後段反射鏡と、第1および第2の対物レンズと、を備え、
    前記第1の前段反射鏡は、励起光源側から第1の前段反射鏡へ向かう励起光および第2の前段反射鏡から分光器側へ向かう採取光の光軸方向であるX軸方向へ移動可能なX方向移動手段に固定されるとともに、励起光源側からの励起光を第1の後段反射鏡へ反射させ、
    前記第1の後段反射鏡は、第1の前段反射鏡から第1の後段反射鏡へ向かう励起光および第2の後段反射鏡から第2の前段反射鏡へ向かう採取光の光軸方向であるY軸方向へ移動可能なY方向移動手段に固定されるとともに、第1の前段反射鏡からの励起光を第1の対物レンズへ反射させ、
    前記第1の対物レンズは、前記Y方向移動手段に固定されるとともに、第1の後段反射鏡と半導体結晶試料との間に配置され、
    前記第2の前段反射鏡は、前記X方向移動手段に固定されるとともに、第2の後段反射鏡からの採取光を分光器側へ反射させ、
    前記第2の後段反射鏡は、前記Y方向移動手段に固定されるとともに、第2の対物レンズからの採取光を第2の前段反射鏡へ反射させ、
    前記第2の対物レンズは、前記Y方向移動手段に固定されるとともに、第2の後段反射鏡と半導体結晶試料との間に配置され、
    X方向移動手段は、Y方向移動手段と共にX軸方向へ移動し、
    Y方向移動手段は、X方向移動手段とは独立にY軸方向へ移動し、
    X方向移動手段を移動させることによって、半導体結晶試料の試料面におけるX方向の各測定点での測定を行い、
    Y方向移動手段を移動させることによって、半導体結晶試料の試料面におけるY方向の各測定点での測定を行うことを特徴とする請求項1に記載のフォトルミネッセンスマッピング測定装置。
  4. 前記X方向移動手段が、X方向移動ステージであり、前記Y方向移動手段が、Y方向移動ステージであることを特徴とする請求項2または3に記載のフォトルミネッセンスマッピング測定装置。
  5. 試料固定部に固定された半導体結晶試料を液体ヘリウム、ヘリウムガスまたは液体窒素によって直接または間接的に冷却する冷却装置を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフォトルミネッセンスマッピング測定装置。
  6. 前記冷却装置は、蓄熱材を備えたG−M型冷凍機、スターリング型冷凍機、またはパルス管型冷凍機と、
    蓄熱材が内部に設置され、上面部に励起光および採取光を透過する透明板が配置され、内部が真空とされる容器と、
    該容器内に配置され、蓄熱材と熱的に接触する前記試料固定部と、を備え、
    前記半導体結晶試料は、試料面が上向きとなり透明板と対向するように前記試料固定部に配置されることを特徴とする請求項5に記載のフォトルミネッセンスマッピング測定装置。
  7. 前記冷却装置は、ヘリウムガスを圧縮する圧縮機ユニットと、ヘリウムの循環によって半導体結晶試料を冷却するための冷凍機ユニットと、からなるG−M型冷凍機を備え、
    前記冷凍機ユニットは、前記圧縮機ユニットに連通するヘリウム循環経路に設けられた膨張器と前記蓄熱材とからなる冷却部を備え、
    前記試料固定部が、前記容器内における冷却部の上部側に配置されていることを特徴とする請求項6に記載のフォトルミネッセンスマッピング測定装置。
  8. 前記試料固定部と前記蓄熱材との間に、試料固定部に固定された半導体結晶試料の温度を調節するヒータ部を備えることを特徴とする請求項6または7に記載のフォトルミネッセンスマッピング測定装置。
  9. 測定されるマッピング像が、半導体結晶試料に含まれる欠陥または不純物の像であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のフォトルミネッセンスマッピング測定装置。
  10. 励起用レーザ光源であるパルスレーザと、
    パルスレーザのパルスに対応するトリガ信号を基準として、該トリガ信号から所定時間だけ遅れた半導体結晶試料の発光を検出する検出系と、を備え、
    前記移動光学系によって半導体結晶試料の試料面を走査し、該試料面の各測定点における発光の減衰を測定することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のフォトルミネッセンスマッピング測定装置。
JP2005175514A 2005-06-15 2005-06-15 フォトルミネッセンスマッピング測定装置 Active JP4633549B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005175514A JP4633549B2 (ja) 2005-06-15 2005-06-15 フォトルミネッセンスマッピング測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005175514A JP4633549B2 (ja) 2005-06-15 2005-06-15 フォトルミネッセンスマッピング測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006349482A true JP2006349482A (ja) 2006-12-28
JP4633549B2 JP4633549B2 (ja) 2011-02-16

Family

ID=37645501

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005175514A Active JP4633549B2 (ja) 2005-06-15 2005-06-15 フォトルミネッセンスマッピング測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4633549B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011521269A (ja) * 2008-05-26 2011-07-21 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 光学照光装置及び方法
WO2012027094A2 (en) 2010-08-24 2012-03-01 Kla-Tencor Corporation Defect inspection and photoluminescence measurement system
JP2014169944A (ja) * 2013-03-04 2014-09-18 Central Research Institute Of Electric Power Industry 炭化珪素基板又は炭化珪素半導体素子の検査方法及び炭化珪素基板又は炭化珪素半導体素子の製造方法
JP2016121059A (ja) * 2010-12-27 2016-07-07 住友電気工業株式会社 半導体装置用炭化珪素基板および半導体装置
JP2017052690A (ja) * 2014-08-11 2017-03-16 住友電気工業株式会社 ダイヤモンド複合体、基板、ダイヤモンド、ダイヤモンドを備える工具およびダイヤモンドの製造方法
JP2018105871A (ja) * 2013-06-26 2018-07-05 ケーエルエー−テンカー コーポレイション 試料の欠陥検出及び光ルミネセンス測定のための系及び方法
CN111487260A (zh) * 2019-01-25 2020-08-04 株式会社迪思科 检查装置
CN111504958A (zh) * 2020-03-09 2020-08-07 哈尔滨工业大学 一种软脆光学晶体加工表层荧光性缺陷检测方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62133339A (ja) * 1985-12-06 1987-06-16 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> ルミネツセンス測定装置
JPH01182738A (ja) * 1988-01-13 1989-07-20 Sumitomo Electric Ind Ltd 化合物半導体結晶の不純物測定方法
JPH10221254A (ja) * 1997-01-31 1998-08-21 Fuji Photo Film Co Ltd 画像読み取り装置
JPH11325628A (ja) * 1998-05-11 1999-11-26 Toshiba Corp 蓄冷材および蓄冷式冷凍機
JP2001074656A (ja) * 1999-09-03 2001-03-23 Fuji Photo Film Co Ltd 画像情報読取装置
JP2002174770A (ja) * 2000-12-08 2002-06-21 Hitachi Software Eng Co Ltd 共焦点スキャナ装置
JP2004189906A (ja) * 2002-12-12 2004-07-08 Toshiba Corp 蓄冷材、その製造方法および蓄冷式冷凍機
JP2004212203A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 Olympus Corp 蛍光顕微鏡及び蛍光寿命の測定方法、並びに蛍光寿命の測定用プログラム

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62133339A (ja) * 1985-12-06 1987-06-16 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> ルミネツセンス測定装置
JPH01182738A (ja) * 1988-01-13 1989-07-20 Sumitomo Electric Ind Ltd 化合物半導体結晶の不純物測定方法
JPH10221254A (ja) * 1997-01-31 1998-08-21 Fuji Photo Film Co Ltd 画像読み取り装置
JPH11325628A (ja) * 1998-05-11 1999-11-26 Toshiba Corp 蓄冷材および蓄冷式冷凍機
JP2001074656A (ja) * 1999-09-03 2001-03-23 Fuji Photo Film Co Ltd 画像情報読取装置
JP2002174770A (ja) * 2000-12-08 2002-06-21 Hitachi Software Eng Co Ltd 共焦点スキャナ装置
JP2004189906A (ja) * 2002-12-12 2004-07-08 Toshiba Corp 蓄冷材、その製造方法および蓄冷式冷凍機
JP2004212203A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 Olympus Corp 蛍光顕微鏡及び蛍光寿命の測定方法、並びに蛍光寿命の測定用プログラム

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011521269A (ja) * 2008-05-26 2011-07-21 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 光学照光装置及び方法
EP2609418A4 (en) * 2010-08-24 2018-01-24 KLA-Tencor Corporation Defect inspection and photoluminescence measurement system
WO2012027094A2 (en) 2010-08-24 2012-03-01 Kla-Tencor Corporation Defect inspection and photoluminescence measurement system
JP2013536436A (ja) * 2010-08-24 2013-09-19 ケーエルエー−テンカー コーポレイション 欠陥検査およびフォトルミネセンス測定システム
JP2016121059A (ja) * 2010-12-27 2016-07-07 住友電気工業株式会社 半導体装置用炭化珪素基板および半導体装置
JP2014169944A (ja) * 2013-03-04 2014-09-18 Central Research Institute Of Electric Power Industry 炭化珪素基板又は炭化珪素半導体素子の検査方法及び炭化珪素基板又は炭化珪素半導体素子の製造方法
JP2018105871A (ja) * 2013-06-26 2018-07-05 ケーエルエー−テンカー コーポレイション 試料の欠陥検出及び光ルミネセンス測定のための系及び方法
JP2020073935A (ja) * 2013-06-26 2020-05-14 ケーエルエー コーポレイション 試料の欠陥検出及び光ルミネセンス測定のための系及び方法
JP2021114619A (ja) * 2013-06-26 2021-08-05 ケーエルエー コーポレイション 試料の欠陥検出及び光ルミネセンス測定のためのシステム及び方法
JP7160496B2 (ja) 2013-06-26 2022-10-25 ケーエルエー コーポレイション 試料の欠陥検出及び光ルミネセンス測定のためのシステム及び方法
JP2017052690A (ja) * 2014-08-11 2017-03-16 住友電気工業株式会社 ダイヤモンド複合体、基板、ダイヤモンド、ダイヤモンドを備える工具およびダイヤモンドの製造方法
CN111487260A (zh) * 2019-01-25 2020-08-04 株式会社迪思科 检查装置
JP2020118597A (ja) * 2019-01-25 2020-08-06 株式会社ディスコ 検査装置
JP7253396B2 (ja) 2019-01-25 2023-04-06 株式会社ディスコ 検査装置
CN111504958A (zh) * 2020-03-09 2020-08-07 哈尔滨工业大学 一种软脆光学晶体加工表层荧光性缺陷检测方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4633549B2 (ja) 2011-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4633549B2 (ja) フォトルミネッセンスマッピング測定装置
CN101365937B (zh) 用于检查带隙半导体结构的方法和系统
US5705821A (en) Scanning fluorescent microthermal imaging apparatus and method
EP3074755B1 (en) Optical metrology system for spectral imaging of a semiconductor workpiece sample
CN111443073B (zh) 一种micro LED芯片的显微拉曼结合光致发光检测装置及其方法
US8604447B2 (en) Solar metrology methods and apparatus
US7916291B2 (en) Apparatus and method for spectroscopy
CN110411348A (zh) 一种激光光斑焦点的自动化检测与定位装置及方法
JP6998469B2 (ja) 電子線装置
JP4696197B2 (ja) カソードルミネッセンス検出装置
KR101890772B1 (ko) 에지-온 광발광을 사용하여 반도체 재료의 벌크 불순물을 측정하는 방법
JP4090436B2 (ja) 応力測定方法および応力測定装置
KR100966931B1 (ko) 실온 광학을 갖는 방출 현미경에서 고 감도 열 방사 감지
CN110470639B (zh) 一种基于激光诱导光热效应的多模式扫描显微镜成像系统
KR20240012346A (ko) μLED들의 고용적 제조에서의 비용 효과적인 프로빙
JP5117966B2 (ja) 試料分析装置
JP2007316044A (ja) フォトキャパシタンス法を用いたテラヘルツ光センシングシステム
JPH0254149A (ja) 光ルミネセンスによる半導体試料の特性表示デバイス
CN114689525B (zh) 深紫外光调制反射光谱仪及其应用
Byrnes et al. Fluorescence Imaging of Individual Ions and Molecules in Pressurized Noble Gases for Barium Tagging in $^{136} $ Xe
TW200408806A (en) Detection method and apparatus
TW200411167A (en) Detection method and apparatus
CN216926581U (zh) 一种显微光致发光成像装置
WO2023286632A1 (ja) 識別装置
CN116840256A (zh) 一种明暗场融合谐波显微成像装置及方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080526

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100824

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101022

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101109

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101117

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4633549

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131126

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250